JP2019082803A - 系列生成装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】状態のステップを考慮して、状態系列を精度良く計算することができる。【解決手段】行為系列生成部が、複数の行為のペアの各々についての前記ペアの一方の行為から他方の行為への遷移確率と、前記複数の行為の各々についての、前記行為の生存関数に従った前記行為の継続確率とに基づいて、時間帯tの行為を決定する際に、時間帯t−1の行為の継続確率に従って、前記行為を継続するか否かを判定し、前記行為を継続すると判定された場合に、時間帯tの行為として、時間帯t−1の行為と同じ行為を決定し、前記行為を継続しないと判定された場合に、前記遷移確率に従って、時間帯tの行為として、時間帯t−1の行為と異なる行為を決定することにより、各時間帯の行為からなる行為系列を生成する。【選択図】図3

Description

本発明は、系列生成装置及びプログラムに係り、特に、状態系列を生成する系列生成装置及びプログラムに関する。
人物の行為系列及び目的地系列を計算する技術がある(特許文献1参照)。また、電力機器等の使用といった行為について、継続時間を含むモデルを用いる技術がある(特許文献2及び特許文献3参照)。また、行為の持続時間は指数関数と仮定される(特許文献4参照)。このような行為の持続時間を求める確率過程には、マルコフ過程が用いられる。
マルコフ過程とは、未来が現在の状態(行為)のみによって決まる確率過程である。この性質は「無記憶性」と呼ばれる。特に、時間が離散的で、かつ状態数が有限個のマルコフ過程はマルコフ連鎖と呼ばれる。マルコフ連鎖は、状態間の遷移確率を行列で表示することができるため各種モデル化が容易であり、行動パターン認識及び合成や、音声認識及び合成、遺伝子配列の解析、様々な分野で用いられている。具体的には、状態遷移をマルコフ連鎖でモデル化する事例には、多様な事例が存在する(就寝、在宅、外出、勤務、買物などの行動やその目的地の系列、実店舗や通信販売における店舗内や店舗間での購買行動の系列等)。
状態を直接観察できない場合には、間接的に得られるデータから背後にある状態遷移をマルコフ連鎖によりモデル化する手法があり、隠れマルコフモデルと呼ばれる。上記の例においても、隠れマルコフモデルが用いられる場合も多い。また、カルマンフィルタ等の状態空間モデルにおいても、同様に内部状態をマルコフ連鎖によりモデル化している。
これらの事例では、状態遷移の系列についてマルコフ連鎖をモデル化することにより、行動系列の予測、異常検知、個人認証、音声認識や音声合成、に応用することができ、さらにこれらに基づいて情報の推薦、広告の提示、システムの制御等にフィードバックすることもできる。また高次元乱数の生成にマルコフ連鎖を用いるMCMCという手法もある。
また、隠れセミマルコフモデルやVT(Variable Transition)隠れマルコフモデルでは、直前までの継続時間に応じて状態の遷移確率を変更するものとしている。また、隠れマルコフモデルの拡張においては、非特許文献1の例のように、状態間にスキップを入れるなどの遷移規則を設計することにより、ガンマ分布等の継続時間分布に従わせる案が示されている。
特開2015−187760号公報 再公表特許第15/087470号 特開2016−134017号公報 特開2015−215848号公報
Michael T. Johnson, "Capacity and Complexity of HMM Duration Modeling Techniques",IEEE SIGNAL PROCESSING LETTERS, Vol.12, No.5, p.407, May 2005
マルコフ連鎖によるモデルは扱いやすく広い範囲で用いられているが、ひとつの課題として状態の継続時間のモデル化が現実に合わないケースがある点が挙げられる。通常のマルコフ連鎖では上記の無記憶性のために、状態の継続時間は幾何分布(指数分布)に従い急速に減速する。なお、DNAの配列や言語配列などの状態の配列をモデル化する場合には、継続時間は継続ステップ数の意味である。
しかし現実の事象においては、状態の継続時間が指数分布以外の特定の分布、例えばワイブル分布、ガンマ分布、対数正規分布等に従うことが少なからずあり、通常のマルコフ連鎖ではモデル化が困難である。
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであり、状態のステップを考慮して、状態系列を精度良く計算することができる系列生成装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る系列生成装置は、予め学習された、複数の状態のペアの各々についての前記ペアの一方の状態から他方の状態への遷移確率と、前記複数の状態の各々についての、前記状態の生存関数に従った前記状態の継続確率とに基づいて、時間帯tの状態を決定する際に、ステップt−1の状態の継続確率に従って、前記状態を継続するか否かを判定し、前記状態を継続すると判定された場合に、ステップtの状態として、ステップt−1の状態と同じ状態を決定し、前記状態を継続しないと判定された場合に、前記遷移確率に従って、ステップtの状態として、ステップt−1の状態と異なる状態を決定することにより、各ステップの状態からなる状態系列を生成する系列生成部、を含んで構成されている。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、予め学習された、複数の状態のペアの各々についての前記ペアの一方の状態から他方の状態への遷移確率と、前記複数の状態の各々についての、前記状態の生存関数に従った前記状態の継続確率とに基づいて、ステップtの状態を決定する際に、ステップt−1の状態の継続確率に従って、前記状態を継続するか否かを判定し、前記状態を継続すると判定された場合に、ステップtの状態として、ステップt−1の状態と同じ状態を決定し、前記状態を継続しないと判定された場合に、前記遷移確率に従って、ステップtの状態として、ステップt−1の状態と異なる状態を決定することにより、各ステップの状態からなる状態系列を生成する系列生成部として機能させるためのプログラムである。
本発明の系列生成装置、方法、及びプログラムによれば、予め学習された、複数の状態のペアの各々についての前記ペアの一方の状態から他方の状態への遷移確率と、前記複数の状態の各々についての、前記状態の生存関数に従った前記状態の継続確率とに基づいて、時間帯tの状態を決定する際に、ステップt−1の状態の継続確率に従って、前記状態を継続するか否かを判定し、前記状態を継続すると判定された場合に、ステップtの状態として、ステップt−1の状態と同じ状態を決定し、前記状態を継続しないと判定された場合に、前記遷移確率に従って、ステップtの状態として、ステップt−1の状態と異なる状態を決定することにより、各ステップの状態からなる状態系列を生成することにより、状態のステップを考慮して、状態系列を精度良く計算することができる。
3つの状態についいてのマルコフ連鎖の一例を示す図である。 睡眠の継続時間の分布の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る系列生成装置の構成を示すブロック図である。 都市内移動データの一例を示す図である。 状態に内部状態を持たせたマルコフ連鎖の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る系列生成装置における系列生成処理ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る系列生成装置における行為系列生成処理ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の手法により生成される行為系列の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の手法により生成される行為系列の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<本発明の実施の形態に係る概要>
まず、本発明の実施の形態における概要を説明する。
本発明の実施の形態では、各状態(行為)に内部状態を設け、各内部状態が状態の継続時間を表現するものとし、その内部状態間の遷移を規定することで遷移時間分布を再現する手法を提案する。
まず、本実施の形態の手法の前提となるマルコフ連鎖について説明する。ある状態の継続時間Tは非負の確率変数であるとしてモデル化できる。その累積分布関数(CDF)F(t)、および生存関数(累積生存関数、信頼度関数)S(t)は、以下(2)式のように定義される。

・・・(1)

・・・(2)
定義より、S(0)=1,S(1)=0である。
Tの期待値E[T]は以下(3)式のようにS(t)の積分で表現できることが知られている。

・・・(3)
状態がI個ある場合、I次元のベクトルπで各状態の存在確率を表し、図1のように状態がiからjへ遷移する確率をPi,jとする。Pi,jを要素に持つI×Iの正方行列Pは遷移確率行列と呼ばれる。
ある状態iが継続するという事象は、図1において確率Pi,iで表されている自己ループ遷移が起こりうるということである。よって、状態iがnステップ継続する確率、つまり状態iの生存関数は以下(4)式のようにPi,iのn−1乗で表される。

・・・(4)
i,iが定数である場合、生存関数は指数的に減衰する。
しかし、現実の応用ではある状態が一定時間継続した後に速やかに終了する性質を持つ場合がある。
例えば、睡眠という状態は通常5〜10時間程度継続し、平均6〜8時間程度という統計がある。この睡眠の継続時間の分布を図示したものが図2である。この場合は、ワイブル分布のように一定時間継続し、その後速やかに終了するような生存関数に従うことが分かる。同じ平均時間を持つ指数分布では、このような性質を表現できない。
このように、通常のマルコフ連鎖では状態の継続時間が常に指数分布に従うことが課題である。
<本発明の実施の形態に係る系列生成装置の構成>
次に、本発明の実施の形態に係る系列生成装置200の構成について説明する。図3に示すように、本発明の実施の形態に係る系列生成装置200は、CPUと、RAMと、後述する人物動態計算処理ルーチンを実行するためのプログラムや各種データを記憶したROMと、を含むコンピュータで構成することが出来る。この系列生成装置200は、機能的には図3に示すように入力部210と、演算部220と、出力部290とを備えている。
入力部210は、エリア毎の属性別人口を表す統計データであるエリア別人口データと、上記特許文献1に記載の手法により学習された属性別の時間帯別行為遷移確率行列及び行為別目的地選択確率行列と、属性別及び時間帯別の行為者の確率からなる時間帯別行為者率データと、属性別の行為の各々についての生存関数、及び時刻tの時間刻み幅とを受け付ける。
演算部220は、エリア別人口データ記憶部222と、時間帯別行為遷移確率行列記憶部224と、時間帯別行為者率データ記憶部226と、生存関数記憶部227と、行為別目的地選択確率行列記憶部228と、エージェント生成部230と、都市内移動データ記憶部260とを含んで構成されている。
エリア別人口データ記憶部222は、入力部210において受け付けたエリア別人口データを記憶している。なお、エリア別人口データとしては、国勢調査データ等を用いればよい。
時間帯別行為遷移確率行列記憶部224は、入力部210において受け付けた属性別の時間帯行為遷移確率行列を記憶している。
時間帯別行為者率データ記憶部226は、入力部210において受け付けた時間帯別行為者率データを記憶している。
生存関数記憶部227は、入力部210において受け付けた生存関数、及び時刻tの時間刻み幅を記憶している。
行為別目的地選択確率行列記憶部228は、入力部210において受け付けた行為別目的地選択確率行列を記憶している。
エージェント生成部230は、エリア別人口データ記憶部222に記憶されているエリア別人口データと、時間帯別行為遷移確率行列記憶部224に記憶されている属性別の時間帯行為遷移確率行列と、時間帯別行為者率データ記憶部226に記憶されている時間帯別行為者率データと、行為別目的地選択確率行列記憶部228に記憶されている行為別目的地選択確率行列と、生存関数記憶部227に記憶されている生存関数、及び時刻tの時間刻み幅に従った行為の継続確率とに基づいて、エージェントの各々についての行為系列及び目的地系列を生成し、都市内移動データ記憶部260に記憶すると共に、出力部290に出力する。また、エージェント生成部230は、属性生成部232と、行為系列生成部234と、目的地系列生成部236とを含んで構成されている。なお、行為系列生成部234が系列生成部の一例である。
属性生成部232は、エリア別人口データ記憶部222に記憶されているエリア別人口データに基づいて、属性別及びエリア別に、当該エリアに、当該属性を持つ人物を表すエージェントを、当該エリア及び当該属性の人口に応じた数だけ生成する。具体的に、例えば、エリア別人口データに含まれる年齢、及び性別の組み合わせを図3のC列に示すような属性として定義し、当該属性をもつ人の居住地を図3のB列に示すような居住メッシュとして、当該属性及び居住メッシュを組み合わせて一つのエージェントとして作成する。なお、作成された順に図3のA列に示すようなIDが付与されるものとする。また、居住メッシュについては、予めどの居住地がどの居住メッシュに属するか定義されているものとする。また、属性生成部がエージェント生成手段の一例である。
行為系列生成部234は、属性生成部232において作成されたエージェントの各々と、時間帯別行為遷移確率行列記憶部224に記憶されている属性別の時間帯別行為遷移確率行列と、時間帯別行為者率データ記憶部226に記憶されている時間帯別行為者率データと、生存関数記憶部227に記憶されている生存関数、及び時刻tの時間刻み幅に従った行為の継続確率とに基づいて、エージェントの各々について図3のD1列〜DT列に示すような行為系列を生成し、エージェントごとに、ID、居住メッシュ、属性、及び行為系列を結合したデータを作成し、目的地系列生成部236に出力すると共に、系列生成装置200の外部に出力する。
具体的には、まず、エージェントの各々について、時間帯別行為者率データ記憶部226に記憶されている時間帯別行為者率データの、当該エージェントの属性と同一の属性についての最初の時間帯での行為者率y(0)に基づいて、時刻t=0における行為k(0)を決定する。
そして、エージェントの各々について、時刻t(t>0)における行為k(t)について、属性別の時間帯別行為遷移確率行列と、時刻t−1における行為k(t−1)と、行為k(t−1)の内部状態により計算される行為の継続確率とに基づいて、行為を継続するか否かを判定し、行為を継続すると判定された場合に、時間帯tの行為として、時間帯t−1の行為と同じ行為を決定し、行為を継続しないと判定された場合に、時間帯別行為遷移確率行列に従って、時間帯tの行為として、時間帯t−1の行為と異なる行為を決定する。例えば、決定された時刻t=0における行為k(0)と、属性別の時間帯別行為遷移確率行列の当該エージェントの属性のk(0)番目の行ベクトルである
に従った確率と、行為k(0)における内部状態により計算される行為k(0)の継続確率とに基づいて、行為k(1)を決定し、当該決定処理を時刻t=T−1まで繰り返すことによって、当該エージェントの行為系列k(0)…k(T−1)を生成する。行為を継続すると判定された場合には、時刻t−1と同じ行為を、時刻tにおける行為k(t)として生成し、行為k(t)の継続確率を更新する。そして、継続確率に基づいて行為を継続するか否かの判定を繰り返す。行為を継続しないと判定された場合には、時間帯別行為遷移確率行列、すなわち、時間帯別行為遷移確率行列のk(t−1)番目の行ベクトル、
に従った確率で、時刻tにおける行為k(t)を生成する。
ここで、行為を継続するか否かを判定するため、エージェントの各々について、行為kの内部状態を定義する。以下に内部状態の原理について説明する。
ある行為を状態iとすると、状態iがt時間継続する確率、つまり状態iが継続する継続確率が与えられたときの生存関数~S(i)(t)を近似できる特長を持つマルコフ連鎖を定式化する。
まず図5のように、各々の状態iに継続時間を表す内部状態
を定義する。
時間ステップを時刻tの時間刻み幅Δとした場合、n番目の内部状態での経過時間はt=nΔであるため、その時点で状態iの内部にいる確率が~S(i)(nΔ)となるようにしたい。なお、計算が有限となるようにある閾値εよりも値が小さくなるNつまり、~S(i)(nΔ)<εを満たす最小のnの値をN=nとし、ここで内部状態を打ち切る。
内部状態は図5に示す遷移規則に従い、内部状態iは次のステップで内部状態in+1に確率Q(i) n,n+1で進むか、または確率1−Q(i) n,n+1で状態iを終了し他の状態へ遷移するものとする。また、内部状態
は必ず次のステップで状態iを終了するものとする。
これは、純出生過程と呼ばれるモデルに近いが、純出生過程では同じ状態に留まる自己ループ確率があるのに対して、本発明では内部状態の自己ループは排除し、必ず次の内部状態に進むか、状態を抜けるように、内部状態間の遷移規則を定義することが特徴である。
また、非特許文献1に記載の方法とは異なり、継続時間分布の種類により遷移規則を変更する必要はない。
なお、図5におけるiin及びioutは状態間の遷移を分かりやすく表すための仮想的な状態であり、その状態に留まることは無いものとする。
状態iにおいて、内部状態の継続がn以上になる確率、つまり状態iの生存関数S(i) は以下(5)式のように定義する。

・・・(5)
ここで本発明の実施の形態においては、与えられた生存関数~S(i)(t)を用いて、内部状態の遷移確率を以下(6)式のように定義する。

・・・(6)
すると、生存関数S(i) は以下のようになる。

・・・(7)

・・・(8)

・・・(9)
これにより、内部状態がnステップ続く確率が与えられた生存関数~S(i)(nΔ)=~S(i)(t)に比例することが分かる。この性質は時間の刻み幅Δ に依存しない。~ S(i)(Δ)は1に近い値であるため無視しても良い。
通常のマルコフ連鎖では、生存関数が(4)式のように同じ確率のべき乗になるのに対して、本発明の実施の形態では生存関数が(10)式のように異なる確率の積となり、状態が継続しやすい継続時間の範囲ではQ(i) n,n+1が1に非常に近い値を取り、状態が終了しやすい継続時間の範囲ではQ(i) n,n+1が1よりもかなり小さくなるため、生存関数を柔軟にモデル化することが可能となる。なお、継続時間が指数分布に従う状態では、Q(i) n,n+1がnによらず定数となるため、内部状態を設けずに、状態の自己ループでモデル化してもよい。
また、時間の刻み幅Δを変更してもその影響を受けないことが特長である。例えば、刻み幅Δを半分にした場合は、以下(10)式のnが2倍になり、t=nΔで見た場合には影響がない。(10)式のようにnステップ続く確率がaを定数として~S(i)((n+1+a)Δ)に比例するようにしてもよい。

・・・(10)
aは―1≦a≦1の範囲が望ましい。
以上のように、各状態に内部状態を設けること、及び内部状態の間の遷移規則と遷移確率を上述のように定めることが、本発明の実施の形態に係る手法の要点である。
例えば、{1,2,3}の3つの状態と、各々の状態iの中に3つの内部状態{i,i,i}を持つマルコフ連鎖を考える。
次に、状態ベクトルを以下のように定義する。

・・・(11)
状態{1,2,3}の間の遷移確率行列Pi,jと、前述した規則で計算された内部状態{i,i,i}の間の遷移確率Q(i) n,n+1が与えられたとする。
すると、内部状態の間の遷移行列は以下(12)式のようになる。

・・・(12)
この行列に与えられている遷移確率は定数であり、状況に応じて変化させるなどの操作をしなくても、各状態iの継続確率が与えられた生存関数に従うことが特長である。
状態間の遷移確率Pi,jは、特許文献1等に記載の手法で推定しても良いし、他の手法で推定しても良い。
もちろん行動パターンのように24時間周期や7日周期などをもつ場合には、外的環境に従い適宜遷移確率を変化させても良い。
上記の遷移規則を持つ内部状態と、内部状態の遷移確率の計算手法を応用する事例として、行動系列の生成などが挙げられる。
目的地系列生成部236は、行為系列生成部234により入力される、各エージェントの行為系列と、行為別目的地選択確率行列記憶部228に記憶されている行為別目的地選択確率行列とに基づいて、エージェントの各々について、図3に示すE1列〜ET列の目的地系列を生成し、エージェントごとに、上記図3に示すA列〜ET列のように結合した都市内移動データとして作成し、都市内移動データ記憶部260に記憶すると共に、出力部290に出力する。具体的な手法は上記特許文献1に記載の手法を用いればよい。
都市内移動データ記憶部260は、目的地系列生成部236から入力される上記図4に示すA列〜ET列のような都市内移動データを記憶している。
出力部290は、上記図4に示す都市内移動データを可視化する。
<本発明の実施の形態に係る系列生成装置の作用>
次に、本発明の実施の形態に係る系列生成装置200の作用について説明する。まず、入力部210においてエリア別人口データと、予め学習された属性別の時間帯別行為遷移確率行列、及び行為別目的地選択確率行列と、時間帯別の行為者の確率からなる時間帯別行為者率データと、属性別の生存関数、及び時刻tの時間刻み幅とを受け付ける。そして、系列生成装置200によって、図6に示す系列生成処理ルーチンが実行される。
まず、ステップS100では、各種データを読み込む。具体的には、エリア別人口データ記憶部222に記憶されているエリア別人口データを読み込む。また、時間帯別行為遷移確率行列記憶部224に記憶されている属性別の時間帯別行為遷移確率行列を読み込む。また、時間帯別行為者率データ記憶部226に記憶されている属性別の時間帯別行為者率データを読み込む。また、生存関数記憶部227に記憶されている属性別の生存関数、及び時刻tの時間刻み幅を読み込む。また、行為別目的地選択確率行列記憶部228に記憶されている行為別目的地選択確率行列を読み込む。
次に、ステップS102では、ステップS100において取得したエリア別人口データに基づいて、属性別及びエリア別に、当該エリアを居住メッシュとし当該属性を持つ人物を現すエージェントを、当該エリア及び当該属性の人口に応じた数だけ生成する。
次に、ステップS104では、ステップS100において取得した属性別の時間帯別行為遷移確率行列と、属性別の時間帯別行為者率データと、属性別の生存関数、及び時刻tの時間刻み幅とに基づいて、ステップS102において取得したエージェントの各々について、行為系列を生成する。
次に、ステップS106では、ステップS100において取得した行為別目的地選択確率行列と、ステップS104において取得したエージェントの各々の行為系列とに基づいて、ステップS102において取得したエージェントの各々について、目的地系列を生成し、都市内移動データとする。目的地系列の生成は具体的には上記特許文献1に記載の手法を用いる。
次に、ステップS108では、ステップS106において取得した都市内移動データを結果として出力部290において可視化して系列生成処理ルーチンを終了する。
上記ステップS104における行為系列の生成について、図7に示す、行為系列生成処理ルーチンにおいて詳細に説明する。
図7のステップS200では、処理対象となるエージェントについて、当該エージェントの属性と、ステップS100において取得した属性別の時間帯別行為者率データとに基づいて、時刻t=0における行為k(0)を決定すると共に、行為kの内部状態の継続確率を定義する。
次に、ステップS202では、変数tの値に1を設定する。
次に、ステップS204では、処理対象となるエージェントについて、当該エージェントの行為k(t)について、属性別の時間帯別行為遷移確率行列と、時刻t−1における行為k(t−1)と、行為k(0)又は行為k(t−1)の内部状態により計算される継続確率とに基づいて、行為を継続するか否かを判定する。行為を継続すると判定された場合には、ステップS206へ移行し、行為を継続しないと判定された場合には、ステップS208へ移行する。
次に、ステップS206では、処理対象となるエージェントについて、時刻tの行為として、時刻t−1の行為と同じ行為を行為k(t)として決定し、行為k(t−1)の内部状態に基づいて行為k(t)の継続確率を更新する。
ステップS208では、処理対象となるエージェントについて、ステップS100において取得した属性別の時間帯別行為遷移確率行列と、ステップS200において取得した当該エージェントの行為k(0)、前回のステップS206、又はステップS208において取得した当該エージェントの行為k(t−1)とに基づいて、当該エージェントの行為k(t−1)とは異なる当該エージェントの行為k(t)を決定すると共に、行為kの内部状態の継続確率を定義する。
次に、ステップS210では、変数tの値にt+1を設定する。
次に、ステップS212では、t=Tであるか否かを判定する。t=Tである場合には、ステップS214へ移行し、t=Tでない場合には、ステップS204へ移行する。
次に、ステップS214では、ステップS102において生成した全てのエージェントについて処理を終了したか否かを判定する。全てのエージェントについて処理を終了している場合には、行為系列生成処理ルーチンを終了し、全てのエージェントについて処理を終了していない場合には、処理対象となるエージェントを変更し、ステップS200へ移行し、ステップS200〜ステップS214までの処理を繰り返す。
本実施の形態の手法により生成される行為系列の一例を図8及び図9に示す。図8は、3つの状態([1]:睡眠/[2]:起床在宅、帰宅/[3]:仕事)の遷移確率を20日分について1時間刻みで求めた場合の例である。図9は、同様の条件で遷移確率を15分刻みで求めた場合の例である。いずれの場合も不必要な状態遷移(睡眠が1時間で終わる等)が起こりにくい系列となっていることがわかる。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る系列生成装置によれば、行為の継続時間を考慮して、人物の行為系列及び目的地系列を精度良く計算することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上述した実施の形態では、状態系列が行為系列である場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、行為以外の状態(例えば、DNA配列、言語配列、交通状態や自然観測における状態等)であってもよい。
200 系列生成装置
210 入力部
220 演算部
222 エリア別人口データ記憶部
224 時間帯別行為遷移確率行列記憶部
226 時間帯別行為者率データ記憶部
227 生存関数記憶部
228 行為別目的地選択確率行列記憶部
230 エージェント生成部
232 属性生成部
234 行為系列生成部
236 目的地系列生成部
260 都市内移動データ記憶部
290 出力部

Claims (6)

  1. 予め学習された、複数の状態のペアの各々についての前記ペアの一方の状態から他方の状態への遷移確率と、前記複数の状態の各々についての、前記状態の生存関数に従った前記状態の継続確率とに基づいて、時間帯tの状態を決定する際に、ステップt−1の状態の継続確率に従って、前記状態を継続するか否かを判定し、前記状態を継続すると判定された場合に、ステップtの状態として、ステップt−1の状態と同じ状態を決定し、前記状態を継続しないと判定された場合に、前記遷移確率に従って、ステップtの状態として、ステップt−1の状態と異なる状態を決定することにより、各ステップの状態からなる状態系列を生成する系列生成部
    を含む系列生成装置。
  2. 前記継続確率を以下(1)式により計算する請求項1に記載の系列生成装置。

    ・・・(1)
    ただし、~S(i)(t)は生存関数、Δは時刻tの時間刻み幅であり、aは−1≦a≦1である。
  3. 前記系列生成部は、前記状態系列として、ユーザの行為系列を生成する請求項1又は請求項2に記載の系列生成装置。
  4. 各エリアの人口データを表す統計データに基づいて、前記エリアに居住する人物を表すエージェントを、前記エリアの人口データに応じた数だけ生成するエージェント生成部を更に含み、
    前記系列生成部は、前記エージェント生成部によって生成されたエージェントの各々について、各時間帯の行為からなる前記行為系列を生成する請求項3に記載の系列生成装置。
  5. 前記エージェント生成部によって生成されたエージェントの各々について、前記複数の行為の各々について予め学習した、エリアのペアの各々についての前記ペアの一方のエリアから他方のエリアを目的地として選択する目的地選択確率と、前記系列生成部によって前記エージェントについて生成された前記行為系列とに基づいて、各時間帯の目的地となるエリアからなる目的地系列を生成する目的地系列生成部と、
    前記エージェント生成部によって生成されたエージェントの各々について、前記系列生成部によって前記エージェントについて生成された前記行為系列及び前記目的地系列生成部によって前記エージェントについて生成された前記目的地系列を出力する出力部と、を更に含む請求項4に系列生成装置。
  6. コンピュータを、
    予め学習された、複数の状態のペアの各々についての前記ペアの一方の状態から他方の状態への遷移確率と、前記複数の状態の各々についての、前記状態の生存関数に従った前記状態の継続確率とに基づいて、ステップtの状態を決定する際に、ステップt−1の状態の継続確率に従って、前記状態を継続するか否かを判定し、前記状態を継続すると判定された場合に、ステップtの状態として、ステップt−1の状態と同じ状態を決定し、前記状態を継続しないと判定された場合に、前記遷移確率に従って、ステップtの状態として、ステップt−1の状態と異なる状態を決定することにより、各ステップの状態からなる状態系列を生成する系列生成部、
    として機能させるためのプログラム。
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