以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠(「内枠」や「本体枠」などともいう)13、及び、下部前板(「幕板」などともいう)14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ちが行われるのが一般的である。そして、外枠12の、少なくとも、島設備への固定のための部位の材質として、木材が用いられている。なお、木材に代えて、例えば釘打ちが可能なプラスチック材を採用することが可能である。また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ち以外の工法を採用することも可能である。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。さらに、前枠13は、開放状態から後方へ揺動し、外枠12内に入り込んで係止することにより、再び閉鎖状態となる。そして、前枠13は、閉鎖時に、外枠12の上短部から、上述の下部前板14までの間の部位を塞ぐようになっている。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側の下方の部位には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、いずれも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。そして、開放状態にあるガラス扉15を、前枠13に重なるように押し戻し、ガラス扉15が前枠13と平行になるように押し込むことで、錠装置が作動して、ガラス扉15が再び前枠13に係止する。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。さらに、開放状態にある皿ユニット16を、前枠13に重なるように押し戻し、皿ユニット16が前枠13と平行になるように押し込むことで、係止機構が作動して、皿ユニット16が再び前枠13に係止する。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。また、ガラス扉15を開放することで、遊技盤保持機構(図示略)により前枠13に保持された遊技盤50の前面が露出するようになっている。さらに、図示は省略するが、前枠13は、遊技媒体である遊技球を誘導や回収するための遊技球通路等を有している。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。なお、玉箱が、島設備に一体的に備えられている場合もある。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により操作が可能な操作ボタン22が設けられている。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。さらに、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータ等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出するようにしてもよい。本実施例における操作ボタン22は、詳細は図示しないが昇降モータの駆動により操作ボタン22の先端が上方へ突出する態様に変位し、傾倒による入力を実施可能な操作レバー入力部を形成することが可能であり、操作レバーの駆動系に振動を発生するための半月状の偏心カムを有している。
また、図21に示すように、操作ボタン22のほかに十字キー96が備えられており、この十字キー96を用いて遊技者による各種の環境設定が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、後述する演出モードの変更などを例示できる。また、遊技機枠11の、例えば前枠13等に、遊技に係る演出や、上述の環境設定に係る表示を行うことが可能な表示器を設けることが可能である。
さらに、十字キー以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。また、図21中に符号97で示すのは玉貸ボタンであり、符号98で示すのは返却ボタンである。さらに、図21中に符号98で示すのは上球皿18用の球抜ボタンである。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備え、賞球路形成機構となるセット基盤(「裏セット盤」などともいう)31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御(「賞球制御」などともいう)基板103が、それぞれ専用の透明ケースに収められた状態で取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、それぞれ専用の透明ケースに収められ、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。さらに、セット基盤31には、発射装置43や、発射装置43を制御する発射制御基板105も備えている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。そして、これらの賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、遊技盤50の上方から右側部に沿って配置されている。
上述の賞球通路34は、賞球タンク33に貯留された遊技球を下流側へ整流案内するものである。また、上述の払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32を作動させるための電源スイッチ40は、図中右下の部位に隠れ線(破線)で示すように、他の機器の背後に配置されている。この電源スイッチ40は、落下した遊技球が直撃してもオフにならないように、電源スイッチ40の中央より下が押されて下側に傾倒したときにオンとなるよう設置されている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、前述の発射制御基板105は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球(打球)を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能を備えている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や設定変更機能、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
サブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右下部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板(「枠中継端子板」などともいう)46が設けられている。
前述のメイン基板102における設定変更の機能は、理論上の当り易さ(遊技者の有利度合い)を規定する設定値を変更できる機能である。本実施例では、設定値として、整数値である「1」〜「6」の6種類が設けられており、これらの設定値毎に、理論上の大当りや小当りに係る確率値、及び、出玉率が異なるようになっている。このような設定値の変更や、設定値毎の大当り確率等については後述する。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)や木材(ベニヤ板)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図1中に示すように、遊技領域52には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63、大入賞口装置90(アタッカーユニット)、作動口68、複数の一般入賞口72、及び、遊技領域52の最下部に配置され図1中では操作ボタン22の背後に隠れているアウト口(58)等が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。なお、風車を設けないようにすることも可能である。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口であり、第1始動入賞口62の右側に配置されている。第2始動入賞口63は、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)に係る始動口となっており、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、片側(図1中の右側)に開放動作する羽根(開閉羽根)を備えている。そして、第2始動入賞口63が、普通電動役物の作動に基づき、開閉羽根を所定時間に亘り開放動作させて拡開することにより、遊技球の第2始動入賞口63への入球が可能となる。なお、本実施例の態様に限らず、第2遊技に係る始動口に普通電動役物を設けない構成としたり、第1遊技に係る始動口について普通電動役物を配置する構成としてもよい。
さらに、第2始動入賞口63は、図3中に示すように、第2始動入賞検出装置75(センサ)と、上述の開閉羽根を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。第2始動入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、第2始動入賞口63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。
前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
そして、一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎に、または賞球個数毎にグループ化(一般入賞検出装置73の共用)することも可能である。
前述の大入賞口装置90は、透明な合成樹脂製の部品を組み合わせてケース状に形成されており、図示は省略するが、その内側に、遊技者から視認可能な大入賞口を備えている。大入賞口は、横長の長方形状に形成された開口を有しており、この開口を開閉するための開閉扉91(図1に破線にて示す)を内部に備えている。そして、大入賞口は所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。ここで、本実施例では、大入賞口は上向きに開口しており、開閉扉91は前後方向へのスライドが可能となっている。
また、大入賞口装置90は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置78や、上述の開閉扉91を開閉駆動する大入賞口(開放)ソレノイド80を備えている。これらのうち、大入賞検出装置78は、大入賞口装置90への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
なお、大入賞口装置90としては種々のものを採用可能である。例えば、大入賞口装置90として、大入賞口を前向きに開口したものや、上向きに開口したものなどを採用することが可能である。また、大入賞口装置90として、大入賞口を開閉する上述の開閉扉91に係る動作パターン(開閉パターン)を複数種類備え、特別遊技が実行される大当り遊技中に、複数種類の異なる動作パターンで開閉扉91を動作させるものなどを採用することが可能である。さらに、大入賞口装置90として、大入賞口を複数備え、遊技の状況に応じて、遊技球を各大入賞口へ振り分けるものなども採用が可能である。
前述の作動口68は、図3中に示すように、通過検出装置69を備えており、この通過検出装置69は、作動口68における遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、通過検出装置69、におけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、通過検出装置69は、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
前述のアウト口58は、図3中に示すように、アウト球検出装置(アウト口センサ)82を備えている。このアウト口センサ82は、遊技領域52で入賞球(セーフ球)とならずアウト口58に入った遊技球(アウト球)の検出を行うようになっている。そして、アウト口センサ82の検出結果は、アウト球の計数や、後述する性能表示部(後述する図5の入球状態表示器808)での表示(ベース表示)に利用されるようになっている。
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDを駆動することで、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾(光演出)を行うようになっている。さらに、センター飾り64における光装飾は、遊技中のみでなく、遊技開始を待つ待機中や、遊技者が光量調整(光量設定)などを行うための遊技準備中などにも行われる。これらに係る詳細については後述する。
また、センター飾り64の背面(内側)には、複数の可動演出部材が設けられており、これらの可動演出部材が、演出用のギミックを構成している。これらの可動演出部材は、通常は図1に示すようにセンター飾り64の内側に隠れている。しかし、所定の演出が行われる場合には、図示は省略するが、これらの可動演出部材が演出表示装置60の前に出現する。
また、本実施例においては、可動演出部材においても光装飾(光演出)が行われるようになっている。さらに、可動演出部材における光装飾は、遊技中のみでなく、遊技開始を待つ待機中や、遊技者が光量調整などを行うための遊技準備中などにも行われる。
さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
また、センター飾り64には、導光板88が備えられている。この導光板88としては、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板を備えたものを採用することが可能である。さらに、導光板88は、センター飾り64に装着されており、演出表示装置60の前方において、センター飾り64の外側と内側との間を遮蔽している。そして、導光板88は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板88は、例えば、以下のように構成することが可能である。すなわち、センター飾り64の内部において、透明板の、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60の画面に他の像を重ねることなく、演出表示装置60の表示内容を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
しかし、導光板88を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成されている。そして、所定の演出の実行時に、例えば、いずれか一方の透明板の端面に面した上述の光源が駆動され、当該透明板の端面から、光源の光が、透明板の内部に向けて照射される。さらに、光を照射された透明板の凹凸により光が拡散し、拡散光により、所定のイラストなどが、遊技者に認識可能なように発色して浮かび上がる。
また、導光板88の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。そして、所定の演出時に、端面に面した光源を駆動することにより、上述のものとは異なるイラストなどが、遊技者に認識可能なように浮かび上がる。
ここで、透明板の左右のうちの一方の端面だけではなく、上下のうちの一方の端面にも光源を向い合せ、この光源の光により、他のイラスト等を映し出すことも可能である。このようにすることで、1枚の透明板につき2種類の画像を表示することが可能となる。また、透明板の数は、1枚であっても、3枚以上であってもよい。また、導光板88に代えて、或いは併せて、透過液晶表示体を用いることも可能である。
前述の主制御表示装置53は、図7に示すように、LED表示灯を多数配置した図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256を備えるものである。図柄表示基板256には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が遊技機正面から遊技者に視認可能に形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。
なお、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、「特1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」、「特2」、などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
また、上述の主制御表示装置53は、遊技盤50に備えられたものを意味しているが、後述するようにメイン基板102に設けられた設定表示部(後述する図5(a)の設定表示器807)や性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)などを含めて、主制御表示装置とすることも可能である。そして、その場合は、メイン基板102に設けられた設定表示部や性能表示部を、例えば「メイン基板側主制御表示装置」などと称することも可能である。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口(58)に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の作動口68は、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では作動口68を含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
遊技球が、作動口68に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口68への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
特別遊技が実行される大当り遊技においては、大入賞口装置90が作動し大入賞口(図示略)が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。最大回数としては、15回(15R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、5回(5R)などを例示できる。なお、大入賞口の開放が実行される単位遊技を1度だけ行う場合の特別遊技を「小当り」と称する。
各単位遊技においては、対応する大入賞口において、所定数(例えば10個)の遊技球が検出された場合、又は、合計の開放時間が所定時間(例えば約30秒)に達した場合に、終了条件が成立して、大入賞口が閉鎖される。単位遊技の終了条件として、合計の開放時間とするのは、1回の単位遊技中で複数回の大入賞口の開放を分割して行う場合であっても上限値を定めていることを示している。大入賞口の開放を単位遊技内で複数行うことにより、技術介入性を高めたり、1回の開放で行うことにより容易に出玉を獲得できるなど大当り中の遊技性に幅を持たせるため、大入賞口の開放態様は予め設定されているパターンの中から選択可能としている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1始動入賞口62が使用される第1遊技と、第2始動入賞口63が使用される第2遊技とに分けることができる。そして、第2遊技が第1遊技よりも優先されており、同時に遊技の開始条件を満たした状況においては、第2遊技を優先して実行させ、第1遊技を保留しておくことにより、第1遊技と第2遊技とが同時に実行されないようになっている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。特定遊技として、確変、時短、入球容易化遊技の何れか1のみ実行するものもあれば、複数の特定遊技を同時に行うものもあり、それらの組み合わせによって異なる遊技性を創出するものである。
特定遊技が実行される場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって推奨される遊技球の発射位置、発射タイミングに関する報知(例えば、右打ちを促す演出)が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、作動口68(図1参照)を通過して通過検出装置69(図3参照)により検出される。そして、前述のように、作動口68を遊技球が通過すると、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図7参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が当り態様に応じて所定時間拡開する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞口63や大入賞口装置90の周辺に導くことが可能となっている。さらに、本実施例では、特定遊技である時短には入球容易化遊技が付加されるようになっており、時短中は、入球容易化遊技により普通電動役物の開放延長、普通電動役物の確率変動、普通電動役物の時短の組み合わせが行われ、前述の普通電動役物のロング開放が実行され易くなる。そして、時短中において、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、1個、または複数個の遊技球が第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。
なお、大当りが発生して特別遊技が実行される際には、大入賞口装置90の大入賞口(図示略)が開放するが、この特別遊技中に、遊技者に対して右打ちを行わせることが可能である。そして、この場合には、特別遊技の開始前に、演出表示装置60の画像や音声などによって、遊技者に右打ちを促す演出を実行することが考えられる。
<大当りの種類の例:ST>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、大当りとして、前述の単位遊技を15回繰り返す大当り(以下、適宜「15R大当り」とも称する)や、単位遊技を7回繰り返す大当り(以下、適宜「7R大当り」とも称する)が設けられている。なお、これらの大当りの抽選態様については後述する。
上述の単位遊技は、特別遊技において、大入賞口装置90における大入賞口の開放に伴って開始され、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、大入賞口に所定個数(例えば10個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、大入賞口を閉鎖する。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球(出玉と記載する場合もある)あり当りに伴う遊技を基本としている。さらに、各種の大当りのうち、15R大当りや7R大当りなどは、遊技者に相対的に多くの遊技球を獲得させようとするものである。
しかし、これに限定されず、大当りの1部の種類として、例えば15R大当りや15R大当りの一部に、確変にならないもの(15R通常や7R通常)を設けることが可能である。また、例えば、15R大当りであっても、大入賞口の開放期間が短く、実質的に5R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(15R確変(実5R))を設けたり、5R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできない(例えば各Rにおいて最小限度程度(例えば1球)しか大入賞口装置90に入球しない)といったものを設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、予め定められた特定の大当りについて発生するようになっている。このような特定遊技状態の発生態様として、例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。さらに、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行するといったことも考えられる。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変が全ての大当りについて発生するようにしてもよい。この場合、本実施例における15R大当りは、全てが、確変を伴う15R大当り(15R確変)となり、7R大当りは、全てが、確変を伴う7R大当り(7R確変)となる。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、大入賞口装置90の開放を、例えば1回行うようになっている。なお、小当りの抽選態様については後述する。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53(遊技盤側主制御表示装置)について、図7に基づき説明する。遊技盤側の主制御表示装置53は、図7に示すように、図柄表示基板256上に多数(ここでは36個)のLED表示灯を2行(上段及び下段)に分けて配置することにより構成されている。本実施例において、上段及び下段におけるLED表示灯の個数は18個となっており、各段のLED表示灯は水平方向に等間隔で配置されている。また、上下の位置関係にあるLED表示灯の間隔も、18個すべてについて一定となっている。
主制御表示装置53において、正面から見て上段における右端の10個のLED表示灯は、特図1に係る情報表示に用いられ、下段における右端の10個のLED表示灯は、特図2に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上段及び下段において、右端の2個のLED表示灯は保留記憶数を示す第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84を構成している。第1特別図柄記憶表示部83の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第1特別図柄表示部70を構成しており、第2特別図柄記憶表示部84の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第2特別図柄表示部71を構成している。
第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯の点灯と消灯との組み合せによって、すべて消灯する場合を除く最大で255(=2^8−1)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第2特別図柄の停止表示の際には、最大で255(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
さらに、上段において、第1特別図柄表示部70の左に並んだ4個のLED表示灯は普通図柄(普図)に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上述の第1特別図柄表示部70の左に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄の保留記憶数を表示するための普通図柄記憶表示部85を構成しており、その左側に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄表示部59を構成している。
普通図柄表示部59は、2つのLED表示灯の動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。そして、普通図柄表示部59は、停止表示の際には、最大で3(=2^2−1)種類の識別情報を表示可能である。
また、上段において普通図柄表示部59の左側に並んだ2個と、その下に位置する下段左端の2個の4個のLED表示灯により、ラウンド数表示部86が構成されている。さらに下段における、ラウンド数表示部86と第2特別図柄表示部71との間の4個のLED表示灯は、左から順に第1状態表示部(状態表示灯1)87a、第2状態表示部(状態表示灯2)87b、第3状態表示部(状態表示灯3)87c、第4状態表示部(状態表示灯4)87dとなっている。
上述の第1状態表示部87aは、特図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっており、第2状態表示部87bは、普図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっている。また、第2状態表示部87bは、所謂電サポ(電チューサポート)状態時である開放延長時にも点灯するようになっている。さらに、第3状態表示部87cは、打ち分け(右打ち)状態指示灯として用いられている。また、第4状態表示部87dは、エラー表示灯として用いられている。
ここで、上述の第3状態表示部87c(打ち分け状態指示灯)は、電サポ状態中のほか、大当り中などにも点灯するようになっている。なお、大当り中は、連荘中であったとしても、電サポ状態とするためのフラグ(電サポフラグ)等はオフとなっている。また、第3状態表示部87cは、これら以外の状態(通常時)の普通電動役物に係るロング開放時などにも点灯するようになっている。
このような構成の主制御表示装置53(遊技盤側主制御表示装置)は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<<主制御表示装置の機能>>
前述の作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、第2始動入賞口63が所定時間の開放動作を行う。
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図柄抽選の回数を示している。すなわち、普通図柄記憶表示部85において先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
普通図柄記憶表示部85による、4種類の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
前述の第1特別図柄記憶表示部83による第1特別図柄の保留数の表示については、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。前述の第2特別図柄記憶表示部84による第2特別図柄の保留数の表示についても、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(図7参照)の第3状態表示部86cを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、第3状態表示部86cは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう設定されている。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図8(a)、(b)に示すように、演出図柄(「装飾図柄」などともいう)190の変動表示を伴う変動演出が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。なお、以下では、左中右の演出図柄190a〜190cについて、状況に応じ、「演出図柄190」や「演出図柄190a〜190c」と記載する場合がある。
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。また、ここでは、説明が煩雑にならないよう、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄を用いて説明を行うが、要素図柄としては、例えば所定の単語などのように、数字以外の意味を持った図柄を採用することも可能である。さらに、要素図柄として、数字の意味を持ったものと、他の意味を持ったものとを併用することも可能である。また、特殊な演出(後述する疑似連続予告や特殊ゾーン演出)を実行させるために、ある変動時においてのみ出現(通常図柄に対して追加される、または差し替わることにより表示)する演出示唆を行うための特殊図柄も広義では演出図柄190の中に含まれるものである。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図8(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。なお、演出図柄190a〜190cのスクロール方向としては、縦方向のほか、横方向や回転、或いは、旋回などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。
<設定変更機能に係る構成>
次に、前述した設定変更に係る構成や、設定変更の方法について説明する。図5(a)は、メイン基板102が透明な基板ケース801に収容された状態を一部拡大して示しており、図5(b)は、図5(a)中のA−A断面を拡大して概略的に示している。図5(a)において、基板ケース801は、無色透明なプラスチック材料により分割構造(例えば2分割の構造)の箱状に形成されている。
基板ケース801の分割構造としては、例えば、メイン基板102を保持する基板保持体にカバー体を組み合わせ、分離の際に痕跡を残すかしめ構造を介して基板保持体とカバー体とを結合するものを採用することができる。基板ケース801においては、サブメイン基板301等のような他の機器との接続に用いられるコネクタ802(一部のみ符号を付して示す)、可能な限り隙間を生じない程度の大きさで形成された開口から露出している。
メイン基板102は、透明な基板ケース801を通して視認可能となっているが、図5(a)では、CPU(メインCPU)501、試験端子搭載領域806、前述の設定表示器807、同じく前述の入球状態表示器808を破線で示し、その他の機器については図示を省略している。これらのうち試験端子搭載領域806は、製品試験段階で出玉試験等を実施する際にのみ試験端子が実装される領域であり、量産段階のメイン基板102においては、試験端子の実装は行われていない。
上述の設定表示器807は、設定変更時や設定確認時に限り、選択された設定値を表示するものである。そして、設定表示器807は、役物連続作動装置の作動確率(特別電動役物を連続的に作動させる装置の作動確率であり、いわゆる大当り確率)を異ならせるための設定値に関して、現在の設定値を表示可能である。さらに、設定表示器807には1桁分の7セグ表示器が用いられている。ここで、本実施例では、図示は省略するが、設定表示器807における7セグ表示器の右下隅部にドット表示部が設けられている。
設定表示器807の近傍には、設定キーシリンダ(「設定キースイッチ」などともいう)809や設定変更ボタン(「設定変更スイッチ」などともいう)810が配置されており、設定キーシリンダ809や設定変更ボタン810等により設定変更用操作部811が構成されている。この設定変更用操作部811は、図5(b)に示すように、基板ケース801の設定変更用開閉蓋(以下「開閉蓋」と称する)812を開放することで、図5(a)に示すように露出するようになっている。
開閉蓋812は、例えば、基板ケース801に樹脂ヒンジを介して一体に成形され、突出したツマミ部813を手指により引っ張って、弾性力に抗しながら、矢印Bで示すように開放させるようなものを例示できる。また、開閉蓋812を閉じる場合には、図5(b)の状態から倒伏させ(図示略)、自由端側を基板ケース801に係止させる。
前述の入球状態表示器808は、ぱちんこ遊技機10の性能表示部として用いられており、遊技状態別のベース(発射数あたりの賞球数の値)を表示可能となっている。本実施例では、図5(a)の右下の部位に拡大して実線で示すように、入球状態表示器808には4桁分の7セグ表示器が用いられている。また、入球状態表示器808の各桁の7セグ表示器の右下隅にドット表示部(符号省略)が設けられている。
本実施例においては上述のようにCPU501、試験端子搭載領域806、入球状態表示器808、設定変更用操作部811、並びに、設定表示器807が、平面視(遊技機の背面視)においてラップしないよう(重ならないよう)に配置されている。また、表示の誤認を抑止できるように、入球状態表示器808と設定表示器807とが所定距離以上(例えば30mm以上)の間隔を介して配置されている。
なお、本実施例においては図5(b)における左側が遊技機枠11を開放する際の自由端となっており、設定変更用操作部811並びに設定表示器807を自由端側近傍に配置することにより、設定値の変更作業等を容易にできるように配慮する一方で、入球状態表示器808については、遊技機枠11を開放する際の回転軸(固定端)側に配置することで、遊技機枠を開放した際に、表示情報を意図せず遊技者に視認されることを抑止するように配慮している。無論、設定値の変更等に際して不正防止を優先する場合には、設定変更用操作部811並びに設定表示器807を、メイン基板102の正面視右側(遊技機枠11の回転軸側)に形成すればよい。
ここで、本実施例においては、上述した点を考慮し、安易に設定変更用操作部811にアクセスできないように、設定変更用操作部811に対応する部分に開閉蓋812を設け、設定値の変更作業や設定情報の確認作業等の場合を除き、設定変更用操作部811が露出しないように構成されている。以下では、設定変更用操作部811並びに設定表示器807に関して図5(b)も参照しつつ説明する。
まず、設定変更用操作部811に対応する位置関係にある基板ケース801の上面部分は、設定キーシリンダ809の設定キー差込口(符号省略)に設定キー(鍵)が挿入可能となるように、また、設定変更ボタン810の操作が可能となるように所定の大きさの開口部816が形成されている。但し、当該開口部816からメイン基板102の上面に向かって側壁等の区画壁か形成されることにより、開口部816を介してメイン基板102の他の電子部品(例えばCPU501)にアクセスできないようになっている。また、この開口部816に対応して設定キー差込口(符号省略)が形成された設定キーシリンダ809と、プッシュ式の設定変更ボタン810とが、ぱちんこ遊技機10の背面から見て上下に配設され、更に、開口部816の大きさに対応した開閉蓋812が開口部816を常に閉鎖する方向に付勢された状態で、開閉可能に基板ケース801に設けられている。
次に、設定変更等の操作方法と設定変更・設定表示の作用の概要について簡単に説明する。設定値の確認を行う際には、まず、電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオフにし、その後、開閉蓋812を付勢力に抗して所定角度開放し、設定キーシリンダ809の設定キー差込口に設定キー(鍵)を挿入してキーを右方向に回転させる。そして、初期化スイッチ544を押すことなく再度電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオンにする。この操作により、7セグメントLEDで形成された設定表示器807に、現在の設定値(例えば設定値の範囲が「1」〜「6」であれば該当する数値)が表示され、設定表示モードであることを示すために一部のセグメント(ここではドット部分)が点灯駆動される。なお、本実施例においては、遊技機が起動している際(例えば、始動入賞口の入賞検出等、遊技の進行に係る入力に基づく制御が実行可能な状態)には、設定値の変更処理はできないように構成されている。
一方、設定値の変更を行う際には、まず、電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオフにし、その後、開閉蓋812を付勢力に抗して所定角度開放し、設定キーシリンダ809の設定キー差込口に設定キー(鍵)を挿入してキーを右方向に回転させる。そして、初期化スイッチ544を押しながら再度電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオンにする。この操作により、7セグメントLEDで形成された設定表示器807に、現在の設定値が点滅表示され、設定変更モードであることを示すために一部のセグメント(ここではドット部分)が消灯(消灯表示)される。
この状態で、設定変更ボタン810を押圧操作するごとに、現在の設定値に+1ずつされた新たな設定値が一時記憶され、記憶された設定値が設定表示器807に表示される。遊技場における管理者は、任意の(目的の)設定値となるように設定変更ボタン810を操作する。なお、本実施例では、電源投入時の設定値が「1」であれば、設定変更ボタン810を1回押圧操作する毎に「1」「2」・・・「5」「6」「1」のように変更される。
そして、設定変更ボタンの操作により、任意の設定値に変更(設定表示器807に任意の設定値が表示)した状態で設定キーシリンダ809に挿入されているキーを左方向に回転させると、設定変更処理が完了し、所定時間(例えば1000ms)に亘り、設定表示器807に、現在の設定値が点灯表示されるとともに一部のセグメント(ここではドット部分)が点灯表示された後、設定値及びドットの双方が消灯される。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図8(a)、(b)に示すように、演出図柄(装飾図柄とも称する)190の変動表示が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。
さらに、本実施例において左演出図柄190aは、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。そして、他の演出図柄である中演出図柄190b及び右演出図柄190cも、左演出図柄190aと同じく、数字の「1」から「9」を意味する9種類の要素図柄を有している。なお、上述の要素図柄の詳細については後述する。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図8(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103、遊技球等貸出装置接続端子板106、発射制御基板107等が接続されている。また、払出制御基板103には、枠中継端子板108を介してメイン基板102が接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53を構成するメイン図柄表示基板(「図柄表示基板」ともいう)256や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。この電源基板251には、枠演出接続基板300や、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)が接続され、これらのうちの遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。
前述の発射制御基板105には、発射ハンドル20(図1、図20参照)に備えられたタッチスイッチ310が接続されている。このタッチスイッチ310には、図示は省略するが、発射タッチレバーや、アース用の錠金具が接続されている。タッチスイッチ(「タッチセンサ」ともいう)310は、遊技者や遊技場店員等が発射ハンドル20に手指を触れた場合に(図20(b))、この接触を検出して出力信号の態様を変化させる。
さらに、発射制御基板105には、発射強度ボリューム311、発射停止スイッチ312、前述の発射装置43が接続されている。これらのうちの発射強度ボリューム1311は、発射ハンドル20の回転操作量に応じ遊技球の発射強度を変化させるために用いられる。発射停止スイッチ312は、発射ハンドル20を把持した手指の一部(親指など)での操作を検出して発射を停止させるために用いられる。
メイン基板102には、電源基板251からの電力が、払出制御基板103や枠中継端子板を経由して供給されるようになっている。さらに、メイン基板102には、図示を省略した遊技盤接続基板や遊技盤中継端子板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、各通過検出装置69a、69b、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、大入賞検出装置78、大入賞口(開放)ソレノイド80、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。ここで、本実施例では、第1始動入賞検出装置74、及び、第2始動入賞検出装置75のメイン基板102への接続に関しては、遊技盤接続基板や遊技盤中継端子板を介さずに直接行われている。
サブメイン基板301には、電源基板251からの電力が、枠演出接続基板300、枠接続基板303を経由して供給されるようになっている。さらに、サブメイン基板301には、上述の枠接続基板303、枠演出接続基板300のほか、ガラス枠演出接続中継基板305、ガラス枠演出接続基板306を介して、遊技機枠11における演出用の各機器が接続されている。
ぱちんこ遊技機10における演出用の各機器としては、枠電飾L2基板317、枠電飾R2基板318、(左)スピーカ21(L)、(右)スピーカ21(R)などがある。また、本実施例では、十字キー(十字ボタン)基板、演出ボタン基板、昇降モータ、演出ボタン(操作ボタン)モータ、ボタン位置センサ、なども備えられているが、図4ではこれらの図示も省略している。
また、サブメイン基板301には、遊技盤用の機器、画像表示用の機器、音声制御用の機器なども接続されている。これらのうち遊技盤用の機器としては、盤面電飾接続基板331がある。この盤面電飾接続基板331は、前述の枠接続基板303、演出インターフェース基板304を介してサブメイン基板301に接続されている。そして、盤面電飾接続基板331には、センター飾り64の電飾用に用いられるセンター電飾基板332が接続されている。また、盤面電飾接続基板331には、図示は省略するが、演出センサ基板、その他の電飾基板、演出用モータなども接続されている。ここで、演出インターフェース基板304には、図示は省略するが、各種の電飾基板や演出モータが接続されている。
サブメイン基板301に接続された前述の画像表示用の機器としては、サブサブ基板(画像制御基板)302があり、サブサブ基板302には、画像表示接続A基板336を介して液晶ユニット(液晶モジュールともいう)42が接続されている。ここで、本実施例では、図示は省略するが、画像表示接続B基板を介して演出インターフェース基板304に接続された他の液晶ユニットも備えられている。また、サブメイン基板301に接続された前述の音声制御用の機器としては、音声制御基板(音声基板)339や、音声ロム(ROM)基板340がある。
続いて、メイン基板102や払出制御基板103等の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。そして、メイン基板102とサブメイン基板301との間で、通信の一方向性が確保されているため、サブメイン基板301からメイン基板102へは、データの送信を行うことができない。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。なお、このような一方向での通信を可能とするために、例えば、メイン基板102に通信規制手段(バッファ回路など)を搭載し、サブメイン基板301へのデータ出力を、この通信規制手段を介して行うことが可能である。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各々に必要な動作電圧を供給する。より具体的には、電源部541は、外部より供給される所定の電圧を取り込み、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に、例えば遊技店舗の管理者によって初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。メイン基板102及び払出制御基板103においては、後述するように、電源基板への電源供給が断たれている状況においても、記憶したデータを保持(バックアップ)することが可能となっている。そして、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、メイン基板102及び払出制御基板103に上述の初期化信号が入力されると、メイン基板102や払出制御基板103でバックアップされていたデータ(バックアップデータ)がクリアされる。ここで、本実施形態においては、前述したとおり、電源投入時の初期化スイッチ544の入力状況と設定キーの入力状況に応じて設定変更状態に遷移するようになっているため、メイン基板は、初期化スイッチ回路部543からの信号と設定キーに係る入力信号とに応じて初期化の有無、初期化の範囲等を決定可能に構成されている。
なお、初期化スイッチ544を、メイン基板102用のものと、払出制御基板103用のものとに分け、バックアップされていたデータのクリアを、メイン基板102と払出制御基板103とで別々に行うようにしてもよい。また、例えば、電源立ち上げの際に、初期化スイッチ544を操作すると、メイン基板102用のバックアップデータと、払出制御基板103の一部のバックアップデータとがクリアされ、払出制御基板103に付加された払出用の初期化スイッチ(図示略)を更に操作すると、払出制御基板103の残りのバックアップデータがクリアされる、といった構成も採用することが可能である。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア503aへの書き込みは、電源断処理(後述する)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の電源投入時処理(後述する)において実行される。バックアップエリア503aとしては、CPU501に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、払出制御基板103のRWM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア513aが設けられている。このバックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、払出制御基板103の状態が、バックアップエリア513aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア513aへの書き込みは、払出制御基板103における電源断処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の、払出制御基板103における電源投入時処理(制御開始処理)において実行される。バックアップエリア513aとしては、メイン基板102の場合と同様に、CPU511に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。この停電監視回路部506は、停電等の発生による電源遮断時に、メイン基板102のCPU501や、払出制御基板103のCPU511に、停電信号(電断信号)を出力する。より具体的には、停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
なお、メイン基板102等における電気的特性は、直流安定電圧が、電断信号の出力が行われる所定電圧未満になった後においても、電源断処理などの所定の処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力が正常値に維持されるよう構成されている。
また、本実施例においては図4中に示すように、電源基板の出力が、払出制御基板103を介して、メイン基板102に供給されるようになっている。しかし、これに限らず、例えば、電源基板の出力が、メイン基板102を介して払出制御基板103に供給されるようにしたり、メイン基板102と払出制御基板103とに別系統で個別に供給されるようにしてもよい。
また、前述の停電監視回路部506は、メイン基板102以外の部位に配置することも可能である。例えば、電源基板251上に停電監視回路部506を形成して、電源基板251上において停電監視回路部506から各基板へ電断信号を入力してもよい。また、メイン基板102から払出制御基板103への電断信号の入力を省略することも可能である。さらに、電源基板251の機能を、メイン基板102が発揮できるようにしてもよい。この場合、電源部541をメイン基板102上に形成することなどが考えられる。
さらに、停電監視回路部506を払出制御基板103に設け、払出制御基板103とメイン基板102の各々で、電断信号の出力と、電断信号に基づく電源断処理を行うようにしてもよい。また、メイン基板102と払出制御基板103のうち、払出制御基板103のみに停電監視回路部506を設け、電断信号を、払出制御基板103からメイン基板102へ送信するようにしてもよい。
ここで、前述のメインCPU501や払出CPU511などには、NMI(ノンマスカブル割込み)端子が備えられている。また、前述の電源断処理の実行の契機としては、メインCPUのNMI端子に電圧低下を示す電源断信号が入力されたことに基づきノンマスカブル割込み(NMI)を発生させるハードウェア的なものと、タイマ設定に基づく周期的な割込処理で、電圧低下が検知された際に立てた電源断フラグを確認して行うソフトウェア的なものなどがある。
本実施例においては、NMIによるハードウェア的な契機に基づき電源断処理が行われるようになっている。そして、NMI端子への信号入力は、例えば、停電監視回路部506からの電断信号をNMI端子に入力することにより行うことが可能である。ここで、NMI端子への信号入力は、停電監視回路部506から電断信号が出力された場合のほか、NMI端子に繋がる信号線へのノイズの混入などによっても生じ得るものである。なお、電源断処理への移行は、他の実施例として後述するように、ソフトウェア的な手法に基づき行うことも可能である。また、NMI端子に入力される電源断信号に基づき、電源断フラグを設定し、電源断処理の実行契機とすることも可能である。なお、ここではメイン基板102と払出制御基板103でデータバックアップを行っているが、これに限らず、例えばサブメイン基板301で記憶エリアのデータバックアップが行われるようにし、サブメイン基板301において、メイン基板102又は払出制御基板103と同様にデータバックアップを行うようにすることも可能である。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図6中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(作動口、各種始動入賞口、大入賞口、一般入賞口、アウト口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図7参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(例えば図9(a))が用いられる。ここで、図9(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示している。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図10参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図10(c)参照)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば1秒以下から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図7参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、変動時間が短く設定されている。しかし、非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
また、本実施例においては、確変時等の所定の状況で選択される変動パターンは、極短い変動時間(例えば0.6秒程度)のものが大半を占めるようになっている。そして、このような状況においては、極短い時間の変動パターンに基づき、特別図柄の変動表示や、これに伴う演出が実行されるようになっている。
<<特別図柄に係る当否乱数と設定値との関係>>
続いて、特別図柄に係る当否乱数と設定値との関係について説明する。図9(a)は、本実施例における設定値「1」〜「6」のうち、設定値「1」についての当否乱数について示している。図9(a)に示す設定値「1」の当否乱数テーブルに関しては、第1抽選及び第2抽選のいずれについても、乱数値範囲「0〜65535」のうち、通常(確率)時の大当り値は「0〜205」となっている。さらに、通常時には、第1抽選及び第2抽選のいずれについても、乱数値範囲「206〜64875」は、はずれ値となっている。
これに対し、高確率時(確変時)には、第1抽選及び第2抽選のいずれについても、「206〜615」が大当り値となる。また、第1抽選及び第2抽選のいずれについても、乱数値範囲「616〜64875」は、通常時及び確変時の両方ではずれ値となっている。さらに、第1抽選及び第2抽選のいずれについても、乱数値範囲「64876〜65535」は、通常時及び確変時の両方で小当り値となっている。
図12は、設定値ごとの当り値を一覧表にまとめて示すものである。これらのうち設定値「1」については、図9(a)にも示したように、「0〜205」が通常時の大当り値となっている。このため、乱数値の個数は206となり、通常時の大当り確率は1/318(≒206/65536)となっている。これに対し、設定値「2」については、通常時の大当り値は「0〜206」としている。このため、乱数値の個数は207となり、通常時の大当り確率は1/317(≒207/65536)となっている。
さらに、設定値「3」については、通常時の大当り値は「0〜207」となっている。そして、乱数値の個数は208となり、通常時の大当り確率は1/315(≒208/65536)となっている。設定値「4」については、通常時の大当り値は「0〜208」となっている。そして、乱数値の個数は209となり、通常時の大当り確率は1/314(≒209/65536)となっている。
また、設定値「5」については、通常時の大当り値は「0〜209」、となっている。そして、乱数値の個数は210となり、通常時の大当り確率は1/312(≒208/65536)となっている。設定値「6」については、通常時の大当り値は「0〜210」となっている。そして、乱数値の個数は211となり、通常時の大当り確率は1/311(≒211/65536)としている。このように、設定値の数値が大きくなるほど大当り確率が高くなるよう、大当り値の範囲が決められている。
高確率時に関しては、設定値「1」に大当り値は「0〜615」であり、大当り確率は1/106である。設定値「2」〜「6」については、大当り値は順に、「0〜618」、「0〜621」、「0〜624」、「0〜627」、「0〜630」となっており、概ねの大当り確率は順に、「1/106」、「1/105」、「1/105」、「1/104」、「1/104」となっている。
ここで、概ねの大当り確率が「1/105」や「1/104」のように同じ値を含んでいるように説明したのは、小数点の数字をまるめて大当り確率を表記したためである。本実施形態では、設定値の数値が大きくなるほど大当り確率が高くなるよう、大当り値の範囲が決められている。また、低確率時と高確率時との確率の倍率は、全ての設定値で「3倍」となっており共通である。
小当りについては、通常時及び高確率時のいずれも、設定値に関わらず、乱数値範囲が「64876〜65535」となっている。このため、小当りの発生確率は、確率状態や設定値に関わらず、いずれも1/99となっている。さらに、図12の例では、出玉率の設計値は、設定値「1」〜「6」についてそれぞれ、97%、98%、99%、100%、101%、102%となっている。
なお、図9(a)や図12の例では、数値範囲の最小値である「0」を大当り値としているが、これに限らず、「0」を大当り値から除外してもよい。このようにすることで、例えば電源のリセットなどによって更新される当否乱数値を意図的に最小値にするような不正が行われた場合に備えた不正防止を図ることができる。さらに、「0」を小当りに割り当てないことや、最大値(ここでは「65535」)を大当りや小当りに割り当てないようにすることが可能である。
なお、本実施例では、図9(a)や図12に示す当否乱数を用いて行われる当否抽選結果について事前判定(所謂先読み)が行われるが、当否抽選結果の事前判定については、図13(a)、(b)に基づき後述する。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、作動口68における遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
また、作動口68への入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68(図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図7参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、所定の一部のLED表示灯を100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図7参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図7参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図7に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84、及び、普通図柄記憶表示部85にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様(予め定められた単位遊技の回数や単位遊技中の大入賞口の開放パターン)で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。確変状態は、全ての種類の大当りではなく、一部の種類の大当りに付帯している。さらに、一部の大当りについては確変状態が次回の大当りまで継続し、確変を伴う他の大当りについては、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
さらに、前述のように、特定遊技として時短が実行されるときに合わせて入球容易化遊技が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第2始動入賞口の入り口に配置された開閉羽根が開放しやすくなる。開閉羽根の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2始動入賞口63の普通電動役物(開閉羽根)や、大入賞口装置90の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、大入賞口(開放)ソレノイド80に開放指示を送るための制御を行い、大入賞口装置90を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図6中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。以下「期待度」については、同種の予告演出のパターンのうち出現したときの変動で大当りとなる期待感を高める演出段階(通常パターン、チャンスアップパターン、確定パターン)について述べるものや、1の演出を発生させる当り変動パターン(当り変動における変動パターン)情報およびはずれ変動パターン情報(はずれ変動における変動パターン)について確認したときに、1の演出に対応する変動パターン中に当り変動パターンが含まれる確率について述べるものの記載それぞれについて使用する場合があり、総じて「期待度が高い演出」とは、当該演出が発生した場合に大当りすることが多い演出のことをいう。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図6中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様例>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。なお、本実施例では、前述した所謂ST機ではなく、一部の大当りでは次回大当りまで確変期間が継続する仕様が採用されているが、その具体的態様については後述する。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。STを採用するぱちんこ遊技機において確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、STにおいて確変期間は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能はSTや回数切り確変などと称することが可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、上述した例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。例えば、確変期間を104回とし、時短期間を100回とすることなどが可能である。また、確変期間や時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。また、時短期間を、発生した大当りの種類に応じて、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
さらに、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当せんした大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第2始動入賞口63の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。この「入球容易化遊技」や前述の「ベース」、「電サポ」等に関係して、以下では「高ベース」、「高ベース状態」、「低ベース」、「低ベース状態」、「非電サポ」等の用語が用いられている。以下において、「低ベース状態」は「非電サポ状態」に対応しており、「高ベース状態」は「電サポ状態」に対応している。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2始動入賞口63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図8(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図8(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図8(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された各演出図柄190a〜190cを、特殊効果が付加された状態で表示すること(図柄エフェクト)やセンター飾り64に設けられたLED(ランプ)を点灯させる等を例示できる。
ここで、図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a〜190cを瞬間的(例えば0.5秒程度)に限り光らせる、各演出図柄190a〜190cの周りに輝点を1回或いは複数回周回させる、演出図柄190a〜190cを拡大又は縮小する、演出図柄190a〜190cを数ミリ程度移動させて元の位置に戻す、などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、横方向(右から左など)への横スクロール態様や、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う回転態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線(旋回)軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、スクロールの態様は、前述したような各種の態様のいずれか1つを採用することに限らず、例えば、所定の演出が実行される場合に、所定のスクロール態様から他のスクロール態様に切り替えることなども可能である。また、複数の演出モードについて、演出モード毎に、スクロール態様を異ならせることなども可能である。
また、図8(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を2ラインや5ラインとすることなども可能である。
さらに、図8(b)においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、所定の字体の数字のみにより簡略化して示しているが、演出図柄190は、図33(b)に例示するように、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。図33(b)の例では、所定の記号以外を表す絵柄としてハートの絵柄が採用されている。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図11(a)〜(c)参照)における、「リーチなし(3秒〜10秒程度)」、「ノーマルリーチ(10秒〜20秒程度)」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)(30秒〜2分程度)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図8(a)、(b)中に示すように、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技に係る保留が発生すると、上述の第1保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図8(a)に示すように、第1保留数表示部196において、4つの保留表示が行われる。
また、第1保留数表示部196における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、第1保留数表示部196には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第1保留数表示部196の、遊技者から見て右端の部位が、第1表示位置となっている。そして、左端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技に係る演出図柄190が行われている最中で、且つ、第1保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、右端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の左隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、第1保留数表示部196の右側へ移動する。第1保留数表示部196の右側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図8(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」〜「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の表示は行われず(或いは一瞬表示され)、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
続いて、前述の第2保留数表示部197について説明するが、第1保留数表示部196と同様な点については、説明を省略する。本実施例では、第2保留数表示部197は、図中に示すように、上述の当該変動情報表示部195を挟んで、第1保留数表示部196の反対側(遊技者から見て右側)に、第1保留の画像と異なる色彩にて、「保1」〜「保4」の関係が対称となるよう配置されている。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
さらに、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195の位置関係は、上述のものに限定されず、本実施例のように第2遊技を第1遊技に優先して実行するのではなく、第1遊技及び第2遊技に係る始動入賞の発生順に特別図柄や演出図柄190の変動表示を行うタイプのぱちんこ遊技機には、当該変動情報表示部195の左側に8つの保留表示を並べることができるようにしてもよい。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の第1保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、保留変化がされていない基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。なお、保留変化を行う際に、保留変化が行われることを示唆する演出(「保留変化示唆演出」と称する場合もある)を実行することも可能であり、この点については別途後述する。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと疑似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、疑似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。その他、「保3」に対する保留の期待度に応じて、次変動から即座に連続予告を行うものではなく、1変動待って「保1」の変動及び先読み態様となるトリガ保留の消化時の2変動に跨る連続予告とするケースも考えられる。
また、前述した疑似の連続予告(以下では「疑似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出玉無大当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。さらに、限定頻度パターン演出が実行される状況においては、その時の状況に応じて予め設けられている限定頻度テーブルを用い、この限定頻度テーブルに定められた限定頻度パターンから、実行すべき演出パターンが選択されるようになっている。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図8(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材(601〜603等)が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材(601〜603等)が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)にタッチセンサを付加したものなども採用が可能である。また、操作ボタンと、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
さらに、前述のように操作ボタン22の近傍に十字キー96(図21)が設けられており、操作ボタン22は、環境設定などを行う状況で決定キー等として用いられる場合がある。そして、本実施例では、演出表示装置60で演出図柄190等の変動表示が行われている状況や、変動表示が行われていない状況で、操作ボタン22と十字キー96を用いた演出操作が行われる場合がある。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始時の演出(大当り開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、最終ラウンド終了時の演出(当り終了デモ)、特別遊技の終了時の演出(大当り終了デモ)などがある。ここで、上述の大当り開始デモの演出は、大当り遊技(特別遊技)の実行開始から初回のラウンド(単位遊技)の実行開始までのアタッカー(大入賞口)の閉鎖が維持されている期間の演出であり、上述の大当り終了デモの演出は、最終回のラウンド(単位遊技)の実行終了から大当り遊技(特別遊技)の実行終了までのアタッカー(大入賞口)の閉鎖が維持されている期間の演出であるということができる。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。この大当りが開始される旨の表示としては、図38(a)に示す大当り開始デモ画面の表示を例示することができる。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。また、右打ちを行うよう案内する内容の表示としては、図38(a)の右打ち案内表示領域383に、「ハンドルを右に回してね」のメッセージ表示等を行うことが可能である。
ここで、初当り(低ベースでの大当り)と連荘(高ベースでの大当り)とで、大当り開始時の演出内容が異なっていても良い。具体的には、初当りの際には「大当りスタート!」などの表示を行い、連荘の当りの際には「大当り連続!」などの表示を行うようにとしても良い。また、右打ちの案内については、初当りでは「ハンドルを右に回してね」のメッセージ表示を行うが、連荘ではそのようなメッセージ表示を行わないかそれとは異なる表示(単に「右打ち」の大きな文字が短時間表示されるなど)を行うなどのようにしても良い。このように、初当り時の大当り開始デモ演出よりも連荘時の大当り開始デモ演出の方が短くなるようにして良く、その場合は当然ながら、大当り開始デモ時間については、初当り時よりも連荘時のほうが短くなる。同様に、大当り終了デモ演出(大当り開始デモ時間)の時間値も、初当り時よりも連荘時のほうが短くなるようにしても良い。また、後述する大当り開始デモ中に行われ得るタッチ演出についても、初当りの場合と連荘当りの場合、或いは連荘回数に基づいて演出の内容や、演出の実行が許容されるか否かを対応付けることも可能である。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。ここで、(図38(b))には特別遊技中の動画として、二人の女性が共に敵と戦う動画の一場面が例示されている。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、画面中の例えば下部における「1R」、「2R」、・・・、「15R」や、「1ラウンド」、「2ラウンド」、・・・といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
図38(b)の表示例においては、画面下部では、特図1及び特図2の保留数を区別して示す保留数表示領域367が表示されている。また、同じく図38(b)の表示例においては、縮小演出図柄表示領域361、ラウンド数表示領域368やカウント数表示領域369が表示されている。また、同じく図38(b)の表示例においては、画面の右上部分に、「確変1回目」や「獲得数:195個」のような表示により、複数回の大当り遊技に係る連荘回数や、連荘中の獲得賞球数の表示が行われている。
ここで、ラウンド中の遊技による(大入賞口(90)への入球による)賞球のみを獲得賞球数の表示対象とするのではなく、大入賞口(90)と同一の発射位置(発射方向)に配置されている一般入賞口(符号省略)への入球に基づく賞球も、獲得賞球数の表示対象としても良い。また、超過分の入賞である所謂オーバー入賞(大入賞口に対する1のラウンドにおける規定カウント数を超過した入球)が発生した場合は、該発生を示唆又は報知する演出(例としては、「やったね!」といった音出力や、演出表示における「ナイス!」などの表示)を行っても良い。
また、特別遊技中の演出として、例えば図38(c)、図39(a)〜(c)に示すような特定の演出(当り中の特定の演出)を行うことが可能である。図38(c)、図39(a)〜(c)には、当り中特定演出画面A〜Dが例示されている。これらの当り中特定演出画面A〜Dは、ストーリー展開に変化を与える契機として表示したり、大当り遊技中にラウンド数の報知や確変への昇格演出が行われる場合に、演出の分岐点として挿入したり、といった用途で用いることが可能なものである。なお、図38(c)、図39(a)〜(c)の表示例の意味や内容については後述する。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
図37(c)には、大当り終了デモ時の画面表示例が示されている。この大当り終了デモ時では、大当り遊技の終了を示す「おしまい」の文字等の表示が行われている。さらに、画面下部には下部メッセージ表示領域364が表示され、「ハンドルタッチで変動待機画面、演出ボタンONでカスタマイズ画面に移行し(ます。)」のメッセージが流れ表示されている。この大当り終了デモ画面中で、そのとのき大当り遊技中や連荘中における獲得賞球数の表示などを行うことも可能である。図37(c)の例では、画面の左下の部位において、「大当り+1回」、「獲得数:1500個」の表示が行われている。
また、大当りの種類に、確変を伴わない大当りを含む場合には、特別遊技終了後に確変となるか否かの報知を、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
例えば、合計で10ラウンドの特別遊技が行われる場合に、8ラウンド目の終了の際までは確変に当せんしているか否かを遊技者に知らせる演出を行わず、8ラウンド目の終了後に、確変に当せんしている場合にはその旨の演出(当り中特定演出)を1又は複数のラウンドに亘って行う、といった演出や制御態様を採用することが可能である。
同様に、確変を伴わない大当りを含むぱちんこ遊技機において、特別遊技開始前、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際などの所定のタイミングで、遊技球が所定の領域で検出された場合には確変となる、といった演出や制御態様を採用することも可能である。
この場合は、例えば、遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図1参照)における大入賞口の下方の部位などに追加して設ける。さらに、特別遊技終了の際など所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、所定期間に亘り確変状態となるように制御する。そして、V入球装置に遊技球が進入しなかった場合や、V入球装置内で遊技球が所定の領域に進入しなかった場合には、その後の確率状態が確変状態とならないように制御する、といったことが考えられる。
また、このような入球による確変の付与は、演出としてのみ行うことも可能である。すなわち、大当り抽選で確変ありの大当りに当せんしている場合に、所定のタイミングでV入球装置を、遊技球の受入れが可能な状態とする。そして、V入球装置内に振分け機構を設けておき、事前に確変ありの大当りに当せんしている場合には、V入球装置に進入した遊技球を確変の領域に導き、遊技者が確変を獲得した旨の演出を実行する。また、事前に確変なしの大当りに当せんしている場合には、遊技球を非確変(通常)の領域に導き、遊技者が確変を獲得した旨の演出を実行する、といったことが考えられる。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
さらに、小当りが発生した場合に、小当りの発生を報知する演出を行わないことや、小当り発生後の遊技中に、通常時と同様であり、確変中であるのか否かを区別できない内容の演出を行うことが考えられる。
<各種の具体的演出例>
<<複数の演出部材の重畳による演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において実施することが可能な各種の具体的な演出について例を挙げて説明する。先ず、演出表示装置60の表示と、前述した導光板88の表示、及び、可動演出部材の重畳による演出を行うことが可能である。この種の演出は、演出表示装置60の前方に可動演出部材を位置させ、演出表示装置60の表示内容と、可動演出部材の光装飾や動きなどとを組み合わせることによる複合的な演出となる。
一例を挙げれば、いずれかの可動演出部材が演出表示装置60の表示領域194の前に飛び出した状態において、可動演出部材の外側には演出表示装置60の表示領域194の少なくとも一部が見えており、例えば、演出表示装置60に炎が燃え盛る様子の映像を表示した場合には、炎の前方で可動演出部材が光装飾や動作を行う組合せの演出が実行されるようにする。さらに、導光板88において、例えば、炎の模様が点滅するような演出や、或いは、波紋状の模様を点滅させるような演出を行うことにより、導光板88と演出表示装置60の遠近の差による視覚効果を発揮することができる。
さらに、この状態において、導光板88と演出表示装置60との間で可動演出部材による演出を実行することにより、可動演出部材の様子や、演出表示装置60の映像を、導光板88の表示を部分的に障害としながら遊技者に視認させることができる。さらに、可動演出部材の前後の模様状の表示の変化の合成により、複雑な状況表示を可動演出部材に重畳でき、可動演出部材の置かれた環境を複雑な態様で表現することが可能となる。
そして、これらのことにより、導光板88、可動演出部材、演出表示装置60といった限られた構成によって、より複雑な演出を行うことができ、演出を多様化することが可能となる。なお、導光板88を、例えば透過液晶表示体などに変更した場合であっても、透過液晶表示体の一部を、背後の可動演出部材や、演出表示装置60の表示内容の一部を視認できる程度の透過状態とすることで、導光板88の場合と同様に重畳による演出を行うことが可能である。
また、導光板88や透過液晶表示体など(ここでは導光板88等と称する)の利用の態様として、導光板88等を強調する態様と、演出表示装置60との組合せによる態様とを採用することが可能である。上述の「導光板88等を強調する態様」は、導光板88等の表示面の大部分を利用して所定の像を浮かび上がらせる発色表示を行い、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が可能な限り向かないようにする表示態様である。
これに対し、上述の「演出表示装置60との組合せによる態様」は、導光板88等における発色表示が行われる部分の面積の割合を所定の程度に抑え、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が向かうようにし、導光板88等の表示と、演出表示装置60の表示とを組み合わせた演出を遊技者に対して示す表示態様である。そして、所定の場合には、「導光板88等を強調する態様」での演出を実行し、他の所定の場合には、「演出表示装置60との組合せによる態様」での演出を実行する、といったことが可能である。
<<保留表示を利用した演出>>
続いて、前述の保留表示を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、保留変化が行われることを示唆する保留変化示唆演出が例示され、図8(a)、(b)中に示す当該変動情報表示部195の当該変動情報表示198を一旦消去し、当該変動情報表示部195に、例えば、「色変化?」のように保留色が変化して期待度が高まることを示唆するような文字の情報(文字の状態遷移示唆情報)を表示する。そして、このような状態遷移示唆情報の表示の後、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198が、例えば赤色や虹色などといった高期待度を意味するものに変化する場合があるようにする。
また、上述の「色変化?」のような表示を、ルーレットの目の1つや、回転ドラム(リール)の1つの図柄として表示することも可能である。例えば、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」のような情報表示をルーレットの目や、回転ドラムの図柄として採用し、当該変動情報表示部195において、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行う。そして、当該変動情報表示部195において、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」の表示が順次変化し、停止した情報に対応した態様で、その後の当該変動情報表示198が行われるようにすることが考えられる。なお、当該変動情報表示198を消去せずに、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行うことも可能である。
また、保留表示を用いた演出の他の態様として、図8(a)、(b)中の第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において保留変化が行われる場合に、保留変化したことや、保留変化が直後に発生することを、例えば、「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」などといった保留変化情報を表示することで、積極的に報知することが考えられる。ここで、このような保留変化情報の表示を、演出表示装置60における表示領域194の中央で行ってもよく、或いは、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において、保留変化する保留表示の近傍で行ってもよい。
なお、上述のように、保留変化が行われることを示唆する保留変化示唆演出を1又は複数種類設けておき、保留変化示唆演出の実行有無、種類により保留変化がなされる割合や保留変化がなされたときの変化度合い(例えば保留色が青から赤に変化する割合が種類Aと種類Bとで異なる等)が異なるようにすることも好適である。また、複数の保留表示があり、複数の保留表示に対して保留変化が行われ得る場合には、保留変化示唆演出の開始時点では、いずれの保留の変化が行われるかがわからない状態とすることもでき、このように構成すれば、先に変化した保留が更に変化するのか、変化していない保留が変化するのかという視点での興趣向上を図ることができる。
また、保留変化示唆演出を実行する場合、保留変化のタイミングは、図柄変動中の様々なタイミングとすることができる。例えば、保留変化示唆演出を、保留変化示唆専用の領域や画像オブジェクトを用いたものとした場合には、装飾図柄(演出図柄)の確定停止の期間と重ならない任意のタイミングで複数の開始・終了タイミングを設定することができる。
一方、保留変化示唆演出を保留変化示唆専用のものとせず、装飾図柄の変動演出と連動して行う場合には、例えば、装飾図柄の表示領域を用いて保留変化を示唆する擬似的な装飾図柄(例えば「保留変化図柄」)を表示する保留変化示唆演出を実行することができる。そして、この場合には、1又は複数列の図柄が仮停止時するタイミングや停止図柄を予告するタイミングを設定することができる。
なお、ここで説明した各種の保留変化タイミングに加え、保留表示の開始時やシフト時に保留色を変化させることもできる。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定の演出図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図14〜図19等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、大入賞口装置90の大入賞口を作動(開放)させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図14に示す電源投入時処理(メイン基板における「制御開始処理」などともいう)、図15に示す初期設定処理、図16に示す設定変更処理、図17に示す遊技進行割込み処理、図18に示す(当否)抽選判定処理、及び、図19に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<電源投入時処理>
図14に概略的に示す電源投入時処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理である。この電源投入時処理においては、図中に示すように初期設定処理(S101)が実行される。初期設定処理(S101)では、設定値に関する処理などが実行されるが、初期設定処理(S101)の内容については後述する。
初期設定処理(S101)の後、RWMクリアボタン(RWMクリアスイッチ(544))が操作されたか否かの判定(S102)が実行される。このS102において、RWMクリアボタンの操作が行われていた場合には(S102:YES)、RWMクリアの処理(S103)が実行され、RWMクリア情報がサブ側(サブメイン基板301の側)へ送信される(S4)。さらに、電源投入が正常に行われたことを表す情報(電源投入正常の情報)をRWMに保存し(S105)、タイマ割込みの許可を行う(S106)。このタイマ割込みの許可(S106)により、所定周期(ここでは4ms)での遊技進行割込み処理(タイマ割込み処理)が可能となる。さらに、各種の乱数が、ループ処理(循環処理)が繰り返される毎に更新される(S107)。
ここで、乱数更新の処理(S107)で更新される乱数としては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数なの各種の初期値乱数を挙げることができる。また、各種の乱数の更新にあたっては、共通の制御モジュールとして、2バイトソフト乱数更新処理を用いることが可能である。また、乱数更新の処理(S107)で更新される乱数は、前述したソフトウェア乱数であり、乱数の種類によっては、乱数更新の処理(S107)で更新されるソフトウェア乱数と、前述のハードウェア乱数との演算により乱数値を生成することも可能である。
上記S102で、RWMクリアボタンが操作されていなかった場合には(S102:NO)、電源断正常の情報がRWMに保存されているか否かの判定が行われる(S111)。そして、電源断正常の情報がRWMに保存されていた場合には(S111:YES)、RWMチェックが行われ(S112)、RWM内のデータ(所定範囲のデータ)が正常か否かの判定が行われる(S113)。このS113で、RWM内のデータが正常でなかった場合には(S113:YES)、RWMクリアの処理(S103)へ移行する。
上記S111で、電源断正常の情報がRWMに保存されていた場合(S111:NO)、及び、上記S113でRWM内のデータが正常であった場合には(S113:NO)、RWMから電源断時の各種の情報コマンドのデータを取得する(S116)。さらに、取得した各種情報コマンドのデータをサブメイン基板301の側へ送信し(S117)、ソレノイドの復帰設定を行って(S118)、前述のS105(電源投入正常の情報をRWMに保存する処理)へ移行する。
<初期設定処理>
次に、前述の初期設定処理(図14のS101)について、図15に基づき説明する。この初期設定処理では、各ポート・レジスタの設定処理が実行され(S121)、設定キーの挿入操作があったか否かの判定が行われる(S122)。設定キーの挿入があった場合には(S22:YES)、設定値変更処理(S126)が行われるが、この設定値変更処理(S126)については後述する。
上記S122で、設定キーの挿入がなかった場合には(S122:NO)、設定値情報の読み込み(リード)が行われ(S123)、設定値が異常か否かの判定が行われる(S124)。設定値が異常でなかった場合には(S124:NO)、初期設定処理を終えるが、設定値が異常であった場合には(S124:YES)、設定値異常の報知を行う(S128)。そして、設定値異常情報をサブメイン基板301の側へ送信し(S129)、その後はループ状態となる。
<設定値変更処理>
次に、前述の設定値変更処理(図15のS126)について、図16に基づき説明する。この設定値変更処理では、設定値保存領域のRWMをチェックし(S131)、設定値情報が異常であるか否かの判定を行う(S132)。設定値情報に異常がなければ(S132:NO)、RWMクリアスイッチの入力があったか否かの判定を行い(S133)、RWMクリアスイッチの入力があった場合には(S133:YES)、設定値情報に応じた設定値を表示する(S134)。
上記S132で設定値情報に異常があれば(S132:YES)、設定値の強制設定を行い、設定値情報にデフォルト値(ここでは「1」)をセットする(S141)。そして、設定値強制設定情報をサブメイン基板301に送信してから(S142)、設定値の表示を行う(S133)。
上記S134の後、設定値の変更操作があったか否かの判定を行い(S135)、変更操作があれば(S135:YES)、そのときの設定値情報を+1する(S136)。さらに、設定値情報が設定上限値(ここでは「6」)に達したか否かを判定し(S137)、上限値に達していれば(S137:YES)、そのときの設定値情報を「1」にセットする(S138)。そして、設定変更が完了したか否か(設定キーが抜き取られたか否か)を判定し(S139)、完了していれば(S139:YES)、設定値の表示を止め(S140で表示を消去し)、設定値変更処理を終了する。
上記S135で、変更設定がなかった場合には(S135:NO)、設定値情報の加算の処理(S136)から設定下限値(ここでは「1」)のセットの処理(S138)を行わずに、設定変更が完了したか否かのを判定処理(S139)に移行する。また、上記S137で、設定値情報が上限値に達していない場合は(S137:NO)、上記S137の設定下限値のセット処理(S138)を行わずに、設定変更が完了したか否かのを判定処理(S139)に移行する。さらに、上記S139で設定変更が完了していなければ(S139:NO)、上記S134の設定値表示の処理に戻る。
上記S133において、RWMクリアスイッチの入力がなかった場合には(S133:NO)、上記S134と同様に、設定値情報に応じた設定値を表示する(S146)。さらに、上記S139と同様に、設定変更が完了したか否か(設定キーが抜き取られたか否か)を判定し(S147)、完了していれば(S147:YES)、上記S139へ移行し、設定値の表示を止め(S140で表示を消去し)、設定値変更処理を終了する。上記S147で設定変更が完了していなければ(S147:NO)、上記S136の設定値表示の処理に戻る。
つまり、上記S133において、RWMクリアスイッチの入力があった場合には(S133:YES)、設定値の表示が行われ(S134)、設定値の変更のための処理(上記S135〜S138等)が可能となる。しかし、上記S133において、RWMクリアスイッチの入力がなかった場合には(S133:NO)、設定値の表示(S146)が行われるものの、上記S135〜S138のような設定値の変更のための処理は可能とならない状態で、設定値表示が行われる(この状態を設定表示モードと称する場合もある)。
<遊技進行割込み処理>
次に、所定周期のタイマ割込み毎に繰り返される遊技進行割込み処理(図17)について説明する。この遊技進行割込み処理(「タイマ割込み処理」などともいう)は、前述の説明では省略したが、電源投入時処理(図14)において設定された周期情報に基づき所定周期(ここでは4ms周期)で繰返される。図17に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。第2再帰情報は、後述するように、先にセットされた第1再帰情報とともに、割込み処理時間監視手段の監視用計時を再帰させてリスタートさせるための条件となるものである。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、大入賞口の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、及び、大入賞口(開放)ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、電源投入時処理(図14)の前述の循環処理(S7の乱数更新処理を含めて繰り返される循環処理)が実行される。
<<ハンドル状態信号検査処理>>
前述のハンドル状態信号検査処理(S64)においては、発射ハンドル20のタッチ状態の監視を行うため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及び、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行う。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を行う。なお、ハンドル状態監視タイマの減算において、ハンドルタイマ減算中と判断した場合、ハンドル状態に関する以降の処理は行わない。
<抽選判定処理>
次に、前述の抽選判定の処理(「抽選判定処理」ともいう)について説明する。この抽選判定処理は、確率データを用いて当選か否かを判定(大当り抽選判定を行う処理)する処理である。また、抽選判定処理は、前述の遊技進行割込み処理(図17)における、例えば特別図柄変動開始監視制御処理(S60)で行うようにすることが可能である。
図18は、当否に係る抽選判定処理の一例を示すフローチャートである。この抽選判定処理においては、まず、ステップS1022に進むと、メインCPU501は、当選番号データとして所定のレジスタ(例えばCレジスタ)に1をセットして、次のステップS1024に進む。ステップS1024に進むと、メインCPU501は、繰返し回数データとして2をセットして、次のステップS1025に進む。当選番号データは、「1」が大当りを示し、「2」が小当りを示すものとなっている。
ステップS1025に進むと、メインCPU501は、抽選テーブルから確率データを取得する。具体的には、メインCPU501は、遊技状態(確率変動状態か、通常確率状態か)、及び設定値に応じた確率データのアドレスを指定し、指定したアドレスに対応する確率データを抽選テーブルから取得して、レジスタに記憶する。そして、次のステップS1026に進む。
ステップS1026に進むと、メインCPU501は、当否判定を行う。ここで、メインCPU501は、まず、始動口に入賞した際に取得した当否判定用のために乱数値を、抽選時用の比較レジスタ(例えばDEレジスタ)に記憶し、次に、ステップS1025で取得した確率データに記憶された値を比較レジスタの値から減算し、新たな比較レジスタの値とする。このようにして、比較レジスタの値を更新する。
次のステップS1027では、メインCPU501は、当選したか否かを判断する。ここで、比較レジスタ(例えばDEレジスタ)の値から確率データを減算することにより、DEレジスタの値が「0」より小さくなると(桁下がりが発生すると)、フラグレジスタのキャリーフラグに「1」がセットされる。すなわち、キャリーフラグが立つ。また、「キャリーが発生する」とは、キャリーフラグに「1」がセットされることを意味する。そして、ステップS1027では、メインCPU501は、キャリーフラグに「1」がセットされているか否かを判断することにより、当選したか否かを判断する。
ここで、キャリーフラグに「1」がセットされていないときは、メインCPU501は、当選しなかった(No)と判断し、次のステップS1028に進む。これに対し、キャリーフラグに「1」がセットされているときは、メインCPU501は、当選した(Yes)と判断し、ステップS1028〜S1033をスキップして、本フローチャートによる処理を終了する。ここで、ステップS1027で「Yes」のときにセットされている当選番号データが抽選判定で決定された当選番号(例えば、当選番号1であれば大当り、当選番号2であれば小当り)を示すこととなる。
次のステップS1028では、メインCPU501は、当選番号データを更新する。具体的には、メインCPU501は、当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値に「1」を加算して、新たな当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値とする。すなわち、当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値を更新する。そして、次のステップS1029に進む。
ステップS1029に進むと、メインCPU501は、繰返し回数データを更新する。具体的には、メインCPU501は、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値から「1」を減算して、新たな繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値とする。すなわち、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値を更新する。そして、次のステップS1030に進む。
ステップS1030に進むと、メインCPU501は、繰返し回数が終了したか否かを判断する。具体的には、メインCPU501は、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値が「0」か否かを判断する。ここで、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値が「0」であるときは、繰返し回数が終了したことを示し、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)が「0」でない(「0」より大きい)ときは、繰返し回数が終了していないことを示す。そして、ステップS1030では、メインCPU501は、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値が「0」かを判断することにより、繰返し回数が終了したか否かを判断する。
ここで、Bレジスタの値が「0」であるときは、メインCPU501は、繰返し回数が終了した(Yes)と判断し、次のステップS1033に進む。これに対し、Bレジスタの値が「0」でないときは、メインCPU501は、繰返し回数が終了していない(No)と判断し、ステップS1025に戻る。
また、ステップS1030で「No」のときは、前回と同一の確率データを用いて、再度、ステップS1026の当否判定が行われることとなる。次のステップS1033では、メインCPU501は、当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値に非当選データである「00(H)」をセットして、本フローチャートによる処理を終了する。
以上のように構成することにより、ステップS1028で記載したように、当選番号データを更新する処理が抽選判定処理内にあるため、当選番号データを抽選テーブルに記憶しておく必要がない。また、繰返し回数及び同一の確率データを用いて当選番号を決定することにより、同一の確率データを抽選テーブルに繰り返し定めなくても済むので、抽選テーブルによるROMの使用量を削減することができる。
なお、本例においては、小当りと大当りに対応する当選番号を1ずつ設け、当り時には別途取得する図柄乱数によって大当りや小当りの種別を決定したが、本処理によってこれらの種別を決定することも可能である。その場合には、ステップS1024の繰返し回数データの値を種別の数に応じて変更し、当選番号毎の確率データ(当選番号毎に対応する範囲値)を設定すれば同一の判定ルーチンで対応することも可能である。
<電源断処理>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図19に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
また、この電源断処理においては、前述した第1再帰情報及び第2再帰情報の双方の設定が済んでいなかったとしても、CPU501が強制再帰手段として機能し、第1再帰情報及び第2再帰情報の設定が行われ、割込み処理時間監視手段の監視用計時が強制的に初期化され、計時が再帰させられる。さらに、この強制的な第1再帰情報及び第2再帰情報の設定は、本実施例では、電断処理開始直後であって、全使用レジスタの退避の処理(S81)よりも前のタイミングで行われている。そして、電力供給が再開された場合には、監視用計時が再帰した状態で、制御処理が開始される。つまり、電源断発生時に監視用計時を強制的に再帰させておくことにより、電力供給を再開した直後の制御処理において、監視用計時が再帰しないまま、制御処理が進行することを防止できるようになっている。
<その他の個々の制御処理態様>
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンド(MODE、EVENTの1対のデータ)ずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<保留記憶の更新に係る制御態様>>
本実施例では、前述のように、第2遊技が優先される構成が採用されており、第1及び第2の複数の遊技の実行順序に規則性が設けられているため、保留記憶の更新は、第2遊技、或いは、第1遊技毎に順に行われる。したがって、第2遊技、或いは、第1遊技毎に、保留記憶された情報の更新のみを行えば、保留記憶された情報の更新が完了する。しかし、これに限定されず、例えば、第1遊技を優先する構成や、いずれかの遊技を優先させるのではなく、始動入賞が発生し保留記憶された順に、保留記憶を消化(入賞順消化)する構成なども採用が可能である。このうち、始動入賞が発生した順に保留記憶を消化する構成を採用した場合には、消化に応じた保留記憶情報の更新、複数の遊技の合計保留数の更新、及び、入賞順序の記憶を行うことにより、全体として、保留記憶された情報の更新を行うことができる。
また、本実施例では、保留記憶が更新されたことをサブメイン基板301に伝えるため、前述のように図柄記憶数コマンド(図柄1記憶数コマンドや図柄2記憶数コマンド)の要求が行われるが、1つのコマンドに図柄1記憶数コマンド、及び、図柄2記憶数コマンドの双方を含めることにより、必要なプログラムやメモリの容量を削減できる。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、いずれかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンテーブルが選択される。そして、変動パターンテーブルの決定に伴い、変動パターン乱数を使用して変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、変動パターンテーブルを異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、保留球数などの特別図柄のステイタス情報、特別図柄(群)、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンテーブルが選択される。一方、はずれの場合には、遊技状態、特別図柄、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンテーブルが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された変動パターン番号に応じた変動付加情報を決定し、変動付加情報により、後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、サブメイン基板301にて、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間に、後発的に付加時間を加算する演出が行うことができる。そして、この様な態様で、総合的な演出図柄の変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の擬似連続予告(所謂「擬似連」)を行う場合について考えれば、擬似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別にメイン基板102にて決定する変動パターンに対してサブメイン基板301での演出図柄等の演出パターンを用意した場合には、メイン基板102における変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留0〜3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0〜4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、変動パターンテーブルは、保留球数0〜3に対応して設けるようにしてもよい。この場合、制御処理上、保留球数3の状態から変動パターンの決定までの間の始動入賞が加算されない構成とすることが可能である。なお、いずれの態様についても、4個以外の最大保留数(例えば8)が設定されたタイプのぱちんこ遊技機にも適用が可能である。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」に設定されているので、これらの数値の2値符号コードを利用することができる。そして、このようにすることにより、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数、大入賞口の開放時間や開放パターン等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。このコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<<特別図柄と演出図柄の変動時間の関係>>
前述のように、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)と、これに対応した演出図柄190とは、互いに同期して変動開始及び変動停止するよう制御されるものであるが、状況によっては、演出図柄190の変動時間が、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間に対してある程度短くなり得るものである。
すなわち、特別図柄の変動や変動パターンの決定がされ、特別図柄の変動が開始される際に、メイン基板102からサブメイン基板301に対し演出図柄の変動開始コマンド(変動開始時のコマンド)が送信されるが、所定のコマンド(例えば変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファ(本実施例ではリングバッファタイプが用いられている)にセットされ待機しているコマンド(先入れのコマンド)が全て送出されるまでの時間などの影響を受け、その分、演出図柄の変動開始が特別図柄の変動開始よりも遅延することが考えられる。さらに、特別図柄の変動停止時には、変動停止コマンド(特別図柄の図柄確定時のコマンド)がサブメイン基板301に送信されるが、所定のコマンド(例えば図柄確定時変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファの混み具合(送信待機中のコマンドの数の程度)により、演出図柄の変動停止が遅延することも考えられる。
このように、演出図柄の変動時間は、変動開始時に送信されたコマンドに基づき特別図柄の変動時間に対してある程度設定するようにし、揺れ変動を行うことによって、特別図柄が次の変動を開始した後に最後の図柄が停止表示されるといった事態を避けるようにしている。コマンドの数による処理の遅延によって揺れ変動中の表示は次変動に跨る恐れがあるが、変動終了時は変動開始時に比べてサブメイン基板301に対して送信されるコマンドが少ないことから、遅延量が抑えられ、特別図柄の表示固定時間中に演出図柄をほぼ確実に固定できるようになっている。
<<当否抽選結果の事前判定>>
先ず、本実施例においては、前述したように(図9(a)、図12)、第1抽選及び第2抽選における当否乱数値範囲は「0〜65535」であり、この当否乱数値範囲「0〜65535」が、図13(a)に示すように、複数の乱数値範囲(ここではA〜N)に区分けされている。
そして、図13(a)に示すように、当否乱数値範囲は「0〜65535」のうち、「0〜205」は先読みコードAの分類に属しており、「206」は先読みコードBの分類に属している。さらに、当否乱数値「207」〜「210」は、それぞれ先読みコードC〜Fの分類に属している。また、当否乱数値「211〜615」は、先読みコードGの分類に属しており、当否乱数値「616〜618」は、先読みコードHの分類に属している。
続いて、当否乱数値「619〜621」、「622〜624」、「625〜627」、「628〜630」は、それぞれ先読みコードH〜Lの分類に属している。また、当否乱数値「64874〜65534」は、先読みコードMの分類に属している。さらに、本実施例では、当否乱数値「631〜64873」と「65534」は、先読みコードMの分類に属している。
図13(b)は、各先読みコードの内容を示している。図中に示すように、先読みコードAは設定値に関わらず、全設定で当り(大当り)となることを意味している。続いて、先読みコードBは、設定値が「2」以上である場合に、通常時であっても確変時であっても当りとなることを意味している。つまり、先読みコードBは、設定値「2」以上であれば通常確率時でも高確率時でも当りを示すこととなるが、設定値が「1」の場合ははずれを示すものとなる。さらに、先読みコードC〜Fは、設定値が「3」以上〜「6」であれば、確率状態に関わらず、通常時及び高確率時の両方で当りとなることを意味している。
続いて、先読みコードGは、確変中であれば、どの設定値の場合であっても当りとなることを意味している。つまり、先読みコードGは、高確率時であれば当りを示すが、通常確率時にははずれを示すものとなる。さらに、先読みコードHは、確変中であれば、設定値「2」以上で当りとたることを意味している。また、先読みコードI〜Lは、確変中であれば、設定値「3」以上〜「6」で当りとなることを意味している。また、先読みコードMは、小当りとなることを意味しており、先読みコードNは、設定値や確率状態に関わらず、外れ(はずれ)となることを意味している。
このように分類グループ化された先読みコードを用いて、例えばメイン基板102で、取得した乱数値が属する先読みコードを判定し、判定した先読みコードに対応する情報(コマンド)を前述の事前通知情報としてサブメイン基板301へ送信することが可能である。そして、サブメイン基板301の側では、保留の消化を待つことなく、先読み演出として当り予告演出を、当否判定結果に関連して行うことが可能となっている。
また、本実施例においては、特別図柄の種類の事前判定や、特別図柄に係る変動パターンの種類の事前判定にも、上述した当否抽選の結果の場合と同様に、乱数値範囲に基づく判定が行われるようになっている。そして、特別図柄の種類や、特別図柄に係る変動パターンの種類は、当否抽選の結果の種類に比べて多数設けられており、先読みコード数(グループ数)も、当否抽選の場合に比べて多くなっている。しかし、乱数値範囲に基づく事前判定の手法としては、乱数値範囲や、グループ化される抽選結果の種類は異なるものの、前述したような当否判定に係る事前判定と同様に行うことが可能である。したがって、ここでは、図柄予告演出やパターン予告演出についての、乱数値範囲に基づく事前判定についての詳細な説明は省略する。
このような乱数値範囲に基づく事前判定を行うことにより、情報のまるめが可能となり、少ない情報量で、事前判定に係るコマンドを作成することが可能となっている。つまり、乱数値の個数が256個を超える場合には、乱数値を表記するために必要なバイト数が1バイトを超えてしまう。このため、事前判定のために、乱数値の情報をそのまま(生情報として)サブメイン基板301に送信したとすると、どの乱数を送信したかを識別するための情報をMODEで送信し、乱数をEVENTに格納して送信するために2バイト構成のコマンド(MODE、EVENT)を、乱数値を通知するために2回に分けて送信しなければならない場合が生じる。
しかし、本実施例のように、取得した乱数値が属する範囲を示す情報に変換してサブメイン基板301に送信することにより、送信する情報量を乱数値の個数よりも減らすことができ、乱数値の個数が256個(1バイト)を超える場合であっても、1バイトの情報量で、取得した乱数値の属性をコマンド化することが可能となる。なお、メイン基板102の側において、後述するように先読み情報を送信したくない状況が生じる場合に備え、その旨(例えば不定であることや、未判定であること)を示すコードを設けておき、当該コードを示すコマンドをサブメイン基板301の側へ送信することも可能である。
ここで、上述の「先読み情報を送信したくない状況」としては、例えば優先消化タイプの1+1種遊技機における通常遊技中の優先消化側(例:特図2側)の保留が発生した場合等を例示できる。そして、上記説明中の「優先消化タイプ」は、例えば、前述したように第2遊技及び第1遊技のうちの一方(ここでは第2遊技)を他方(ここでは第1遊技)よりも優先したようなものを意味している。さらに、上記説明中の「1+1種遊技機」は、前述したように従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性を有する遊技機を意味している。
また、その他の「先読み情報を送信したくない状況」としては、同じく優先消化タイプの1+1種遊技機における特定遊技中(高ベース中)の非優先消化側(例えば特図1側)の保留が発生した場合を挙げることができる。また、前述したような、優先消化タイプの1+1種遊技機における通常遊技中に優先消化側(例えば特図2側)の保留が発生した場合に、特図1側の保留に係る先読み演出が実行中であった場合は、その先読み演出を中止する(例:特図1の保留画像が赤色に変化していたものを、青色に戻す)などのようにしても良く、逆に、同遊技機における特定遊技中(高ベース中)に非優先消化側(例:特図1側)の保留が発生した場合は、特図2側の保留に係る先読み演出が実行中であっても、その先読み演出を中止しない(例:特図2の保留画像が赤色に変化していたものをそのまま維持する)ようにしても良い。なお、後述するタッチ演出についても、先読み演出に係る演出の変更が予定されている場合であっても、先読み演出が中止された際には当該タッチ演出についても実行されないように設定されることとなる。
<タッチ検出の各種活用策>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10に適用が可能な、発射ハンドル20への操作に係るタッチ検出の活用策について説明する。ここで、「タッチ検出」は、大きくは、前述したタッチスイッチ310(図4)により人手の接触を検出することを意味するものとしている。そして、この「タッチ検出」は、発射ハンドル(20)の操作検出に係る一態様となっている。
本発明においては、タッチ検出と演出出力との関係について、後述するように種々の制御要素(制御内容決定要素)を検討し、検討したものの中から適宜の制御要素を採用してぱちんこ遊技機10に適用することを想定している。そして、このような各種の制御要素をぱちんこ遊技機10に適宜適用し、遊技機の状態やハンドル操作の検出に基づき演出を実行して、発射ハンドルの操作検出を有効に活用できるようにすることを想定している。
より具体的には、本発明においては、ぱちんこ遊技機の状態を、電源投入の前後から、待機状態を経て遊技が行われ、当否抽選の結果に応じた特別図柄の変動表示と停止表示(特別図柄に係る図柄ゲーム)や、演出図柄(縮小表示されたものなどを含む)の変動表示と停止表示(演出図柄に係る図柄ゲーム)を経て大当りとなり、大当り遊技が終了するまでを、遊技機に係る一連の状態として捉えている。さらに、各種の状態において、発射ハンドル20に係るタッチ検出の有無を想定し、それぞれの状態や状況を更に細分化して、演出出力の有無やその内容を検討している。
そして、複数種類の遊技状態のうちいずれの遊技状態であるかに応じて、タッチ検出を契機として演出が出力されるか否か、および/又は、前記タッチ検出を契機として出力される演出が異なり得るよう構成している。そして、後述するように、タッチ検出を契機として演出が出力されるか否か、および/又は、タッチ検出を契機として出力される演出が異なり得るように演出実行条件を定め、この演出実行条件には、複数種類の遊技状態のうちいずれの遊技状態であるか、いずれのタイミングでタッチ検出がなされたか、タッチ検出のタイミングよりも前に演出操作部(遊技者が操作できる操作ボタン22、操作レバー、十字キー96などの遊技者操作入力手段)が操作されたか否か、などといった条件が含まれるものとしている。
そして、各種の検討事項をぱちんこ遊技機10に適用したものを、各々の実施形態として捉えている。また、以下の検討では、タッチ検出に基づき(タッチ検出を契機として)行われる演出を「タッチ演出」と称しているが、「タッチ演出」の用語は、制御上、タッチ検出に関係して行われるものを意味しており、演出を見た者にとってタッチ演出であることが判り易いものと、判り難いものとを含む概念となっている。また、「タッチ演出」は、タッチ検出に加えて、発射強度ボリュームの変化を検知した状況で実行される演出(発射検知演出)として行われるものであってもよい。
さらに、ここで検討している制御要素や想定事項は、ぱちんこ遊技機10において制御上、併存できるものを併存させ、併存できないものを適宜取捨選択して採用することが可能である。このように、遊技機の各種の状態とタッチ検出の有無との組合せを起点として演出出力や、これに関係する制御処理を検討し、適宜選択してぱちんこ遊技機に採用することで、タッチ検出を含むハンドル操作を、最大限多様に利用して演出出力を行うことができるようになり、ハンドル操作をより有効に活用することが可能となる。
このようにタッチ検出の活用策を検討するにあたり、図22に示すように、タッチ検出と演出出力の関係を設計段階で決定しておくため要素を考えることができる。図22及び図23における図表の左端(表側)には、タッチ検出と演出出力の関係に係る制御要素の分類(検討項目分類)として、「構造」、「遊技機の遊技状態」、「タッチ検出に基づいて実行される演出」、「タッチ検出に基づいて実行される他の処理」、「演出許可・規制条件」、「その他1」が挙げられている。ここで、「遊技機の遊技状態」は、例えば、「遊技機に生じ得る遊技状態」、「遊技機に生じ得る状態」などと称することもできるものである。
<構造>
これらのうち図22の最上部に示す「構造」の分類項目は、タッチ検出のための備品構成や、制御上タッチ検出に関連付け得る備品構成に基づく分類である。そして、「構造」の分類としては、考え得る応用策に必要なものを適宜選択して細分化することが可能であるが、ここでは図中に示すように、「タッチ検出」と「演出ボタン」の項目を挙げることとする。なお、図22及び図23中では各項目にアルファベットや、アルファベットと数字の組わせによる記号を付している。そして、図22の例では、表頭の「構造」には「A」の記号を付し、その下に示す「タッチ検出」と「演出ボタン」には、それぞれ「A1」と「A2」の記号を付している。
これらのうち記号「A1」の「タッチ検出」は、遊技者等の人手の接触を検出するために要する構成を意味している。そして、この「A1:タッチ検出」の項目には、前述したタッチスイッチ310等の構成が含まれるものとすることができる。また、「A2:演出ボタン」の項目には、前述した操作ボタン22や十字キー96等の構成が含まれるものとすることができる。
<遊技機の遊技状態>
続いて、前述した次段の「遊技機の遊技状態」の項目としては、大きくは「B:通常状態」と「C:特殊状態」を挙げることができる。そして、これらの「B:通常状態」及び「C:特殊状態」は、ここではいずれも、タッチ検出がされる前の状態を意味する「タッチ変化前の状態」における、遊技機の「B:通常状態」及び「C:特殊状態」を意味している。
<<B:通常状態(タッチ変化前の状態)>>
さらに、「B:通常状態」は、「B1:遊技待機状態」と「B2:遊技中状態」に分けることができる。これらのうち、「B1:遊技待機状態」は、本実施形態におけるパチンコ機の主たる遊技である特別図柄の変動、並びにその結果に応じて行われる特別遊技等の遊技が行われていな状態を意味している。換言すると、前述した普通図柄の変動や普通図柄の当選に基づく電チューの開放動作が行われている場合であっても便宜上、「遊技待機状態」として定義している。また、「B1:遊技待機状態」には、タッチ検出がされないまま所定時間が経過して客待ちデモ表示が行われている状態が含まれるが、「客待ちデモ」は、前述のように「待機デモ」などと称することが可能である。また、「客待ちデモ」としては、基本となる「通常デモ」と、この「通常デモ」に比べて特殊な「非通常デモ」とを設けることが考えられる。
また、「B1:遊技待機状態」は、図中に示すように、「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」、「B12:遊技待機B(図柄停止中)」、「B13:遊技待機C(演出・音声等の設定画面)」、「B14:遊技待機(節電中)」の項目に分けることができる。これらのうち「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」は、遊技待機状態中のうち基本となる待機状態を意味しており、上述の「通常デモ」表示が行われる状態としている。
なお、前述した普通図柄の変動が実行されている遊技待機状態を他の遊技待機状態と別に取り扱うことも可能であり、その場合には、本実施例における「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」〜「B14:遊技待機(節電中)」を更に細分化した待機状態(例えば、B111:遊技待機A状態で普通図柄も電チューも非作動、B112:遊技待機A状態で普通図柄が変動中、B113:遊技待機A状態で電チュー作動中・・・)を定義すればよい。
図33(a)は、これのうちの「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」の状態において、演出表示装置(60)に表示される演出出力の一例を示している。図33(a)においては、画面中の大部分の領域における遊技機の製造販売業者(SAMMY)の社名表示や、画面下部に出現した下部メッセージ表示領域364でのメッセージの流れ表示(スクロール表示)が行われている。メッセージ表示としては、「ハンドルタッチで変動待機画面、演出ボタンONでカスタマイズ画面に移行し(ます。)」といった内容のものを例示できる。以下では、「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」の状態における待機画面表示を「待機画面A」と称する場合がある。この「待機画面A」は、電源復帰時(図14の電源投入時)に、S113で、RWM内のデータが正常でなく(S113:YES)、RWMクリアの処理(S103)へ移行した場合にも表示されるものである。なお、このときの遊技待機画面として、図35(a)の「通電しました」の文字表示に変え、「初期化しました」等の文字表示が併記されるようにしてもよいし、当該状況に対応じた専用の待機画面を設けてもよい。
そして、図33(a)の例のような状況においてタッチ検出があった場合には、例えば図34(a)に示すようなタッチ演出を行い、タッチ検出に基づく演出の変化(タッチ変化)を生じさせることが考えられる。図34(a)の例においては、演出表示装置60における画像表示には変化が現れていないが、図中の右側にスピーカマーク376やランプマーク377を付記して示すように、音声出力や光出力が行われている。
ここで、図中に示したスピーカマーク376やランプマーク377は、これらのマーク376、377が演出表示装置60に表示されることを示すものではなく、演出表示装置60で行われる画像表示とは別に、スピーカ(21)からの音声出力や、所定のLEDによる光出力(ランプ出力)が行われることを模式的に示すためのものである。そして、図中の上段に示すスピーカマーク376は、スピーカから音符が出てくる様子のデザイン画により音声出力があることを表しており、図中の中段に示すランプマーク377は、電球が点灯している様子のデザイン画により光出力が行われることを表している。
また、図中の下段に括弧付きで示すランプマーク377は、ランプ出力が行われていない場合の表示態様を示している。この下段のランプマーク377(括弧付)は、タッチ演出としての光出力(ランプ演出)が行われない場合に、中段のランプマーク377(括弧無し)に代えて利用することが可能である。なお、スピーカマーク366についても、出力しない場合のマークを用いてもよい。この音出力無しの場合のスピーカマークとしては、例えば、音符が付加されていないスピーカのデザイン画を用いることなどが可能である。
さらに、図40(a)、(b)に示すように、リーチ演出が実行されていることをランプマーク378によって図中に表すことも可能である。この場合は、図中に「リーチ演出」や「タッチ報知LED」の文字を示し、一方のランプマーク378がリーチ演出の有無を表しており、他方のランプマーク377がタッチ演出の有無を表していることを区別できるように示すことができる。
また、ここで説明したスピーカマーク376やランプマーク377、378は、以降に説明する各種の遊技状態においても、音声出力や光出力の有無に応じて、演出組合せの説明に使用することが可能なものである。そして、以下の説明では、全ての画面表示例の図にスピーカマーク376やランプマーク377、378を付記して音出力や光出力の有無を併記することまでは行わないが、必要に応じて、スピーカマーク376やランプマーク377、378を付記し、演出の組合(演出組合せ)を示すこととする。
続いて、前述の「B12:遊技待機B(図柄停止中)」は、特別図柄(特図1又は特図2)や演出に係る表示が停止状態(ここでは確定停止状態)となり、次の変動が行われない(特図1にも特図2にも保留が存在しない)状態における待機状態、或いは、所定の条件を満たしたとき(詳細は後述するが、例えば、待機画面Aの表示から所定時間経過した後等)の待機状態を意味している。そして、この「B12:遊技待機B(図柄停止中)」が所定期間経過すると、上述の「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」に移行する、といった態様の制御を行うことが可能である。
図33(b)は、この「B12:遊技待機B(図柄停止中)」の状態において、演出表示装置(60)に表示される演出出力の一例を示している。図33(b)の例においては、前述の記号要素演出図柄として「3」、「3」、「1」の数字図柄が表示され、前述の非記号要素演出図柄としてハートの図柄が各数字図柄に組み合わされて、演出図柄190a〜190cが構成されている。以下では、「B12:遊技待機B(図柄停止中)」の状態における待機画面表示を「待機画面B」と称する場合がある。
なお、この「待機画面B」では、装飾図柄(演出図柄)について、絵柄(ここではハート)は表示されるが、数字(ここでは1や3)は非表示とされるものあってもよい。また、変動開始条件充足(=待機画面Bから始動口入賞)で、数字も表示されるようにしてもよい。
また、表示領域194の右下には、演出図柄190a〜190cの表示に対応した表示を目立たないよう縮小し、且つ、簡素化して、演出図柄190a〜190cの表示と併せて行うことが可能な縮小演出図柄表示領域361が出現している。さらに、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197では、星のデザインの保留表示が行われるようになっている。そして、図33(b)の例のような状況においてタッチ検出があった場合には、例えば図34(b)に示す「ようこそ」の文字表示が行われたタッチ演出領域362を出現させることが可能である。そして、タッチ検出を契機として、演出出力に変化を与えることが可能である。
上述の演出図柄190a〜190c(装飾図柄)、縮小演出図柄表示領域361、保留数表示部(196、197)には、表示の優先順位が設けられている。ここでは、表示の優先順位は、高い順から、縮小演出図柄表示領域361、保留数表示部(196、197)、演出図柄190a〜190cとなっている。但し、この表示の優先順位は、遊技機の遊技状態に応じて異ならせても良い。例えば、変動中(遊技中)である場合は、縮小演出図柄表示領域361、保留数表示部(196、197)、演出図柄190a〜190cの順で表示の優先順位が高いが、変動待機中である場合は、縮小演出図柄表示領域361、演出図柄190a〜190c、保留数表示部(196、197)の順で表示の優先順位が高いように構成しても良い。なお、図柄変動中にタッチ演出領域362を出現させるようなタッチ演出を実行する場合には、演出図柄190a〜190cと縮小演出図柄表示領域361の少なくても一方の表示優先順位が当該タッチ演出よりも高くなるように設定されている。
また、待機画面Bでは、第1保留数表示部196と第2保留数表示部197のうち、第2保留数表示部197を表示せず、第1保留数表示部196のみを表示することも可能である。この場合、第1保留数表示部196を、例えば画面下部における左右中央部に移動させることなども可能である。ただし、このようにする場合は、待機画面Bが、通常確率(低確率)状態においてのみ移行可能なものであり、確変中や電サポ中等の特定遊技状態においては、始動入賞が所定時間検出されなくても移行しないものであることが望ましい。
なお、「変動待機画面」である待機画面Bとしては、図33(b)に示すようなものに限られず、種々の態様のものを採用することが可能である。また、タッチ演出としても種々のものを採用することが可能である。例えば、図33(a)の待機画面Aで例示した下部メッセージ表示領域364のようなものを表示することが可能である。
また、待機画面Bのタッチ演出に係るその他の例としては、例えば、RTC(リアルタイムクロック)を用いて実時間に基づき行われるような演出(RTC関連の演出)なども例示できる。そして、このRTC関連の演出としては、例えば、期日や季節を決めて行われる演出、1日のうちの時間帯を決めて行われる演出、複数のぱちんこ遊技機で同時に行われる演出、などを例示することができる。さらに、そのときの時間帯が特定の演出モード中であることを文字メッセージのスクロール表示により示す演出なども例示することができる。また、待機用のRTC関連の演出として、所定のBGMを出力することなども可能である。
また、待機画面Bのタッチ演出に係るその他の例として、前述の可動演出部材を用いたものを挙げることができる。具体的には、可動演出部材を、待機画面Bが表示された遊技待機中において、初期位置から変位し、駆動後位置に到達するものとする。さらに、可動演出部材は、初期位置では演出表示装置(60)の表示領域(194)との重畳部分が相対的に小さく、駆動後位置では表示領域(194)との重畳部分が相対的に大きくなるものとする。そして、この可動演出部材が駆動後位置にある状況となり、そこでタッチ検知の変化を検出することで、その役物が初期位置に復帰するような構成としても良い。また、その際における初期位置への復帰中に図柄変動が開始した場合であっても、その役物の復帰動作は中断されない構成とすることも可能である。
前述の「B13:遊技待機C(演出・音声等の設定画面)」は、例えば遊技の開始前に遊技者が、演出モード、音量、光量等の設定(環境設定)を行っている待機状態を意味している。この際には、環境設定メニュー(カスタマイズメニュー)が表示され、選択された種類の環境設定画面(環境設定表示)に移行することが可能である。
図33(c)は、この「B13:遊技待機C(演出・音声等の設定画面)」の状態において、演出表示装置(60)に表示される演出出力の一例を示している。図33(c)の例においては、環境設定が可能な状態に移行しカスタマイズモードとなった旨の表示(ここでは左上隅部の領域での表示)が行われている。さらに、上から、節電モードのオン/オフ、RTC(リアルタイムクロック)演出のオン/オフ、音量調整、光量調整、演出頻度調整、カスタマイズモード終了のメニューが順に並べられている。
さらに、図33(c)の例において、音量調整は、「小」と「大」の文字の間に、複数(ここでは9個)並べられた矩形マークにより構成された音量用調整メータを、遊技者が見ながら行えるようになっている。そして、音量は、音量用調整メータにおける矩形マークのうち、反転表示されたものの個数により表されるようになっている。
また、図33(c)の例において、光量調整(輝度調整であってもよい)は、「低」と「高」の文字の間に、複数(ここでは5個)並べられた矩形マークにより構成された光量用調整メータを、遊技者が見ながら行えるようになっている。さらに、演出頻度調整も、「低」と「高」の文字の間に、複数(ここでは9個)並べられた矩形マークにより構成された演出頻度用調整メータを、遊技者が見ながら行えるようになっている。そして、光量及び演出頻度は、各調整メータにおける矩形マークのうち、反転表示されたものの個数により表されるようになっている。
さらに、前述の十字キー(96)によるカーソル移動や、操作ボタン(22)による決定操作が可能であることを示す操作案内表示領域363が出現している。また、下部メッセージ表示領域364には、「終了するには「カスタマイズモードの終了」にカーソルを合わせ(てください。)」のメッセージの流れ表示が行われている。
ここで、このような環境設定可能な状態への移行は、例えば図33(a)に示す待機画面Aの状態で演出ボタン(操作ボタン22等)が操作された場合に移行するものとすることができる。以下では、「B13:遊技待機C(演出・音声等の設定画面)」の状態における画面表示を「表示画面C」、「演出設定画面C」、「環境設定画面」、「カスタマイズ画面」などと称する場合がある。本実施形態では、「表示画面C」が表示される状態は、複数ある遊技待機状態のうちの一態様となっている。
この「表示画面C」の状態におけるタッチ演出としては、例えば、画面表示については変化が現れず、「がんばってね」等の音声出力を行うことが考えられる。このように画面表示に変化を与えず、他の演出要素である音声出力によりタッチ演出を行うことで、タッチ演出が環境設定に与える影響を最小限に抑えることができ、タッチ演出が環境設定に対して妨げになるようなことを防止できる。この結果、タッチ演出の多様化を図りながらも、遊技者が環境設定を迅速かつ的確に行うことが可能となる。また、所定の光出力によるタッチ演出を組み合せて行うことも考えられる。
なお、画面表示によるタッチ演出を行うことも可能であるが、環境設定との組合せによって遊技者に予期しない印象を与えてしまうようなことを防止できるよう、抑制された表示態様(小さい、薄い、目立たない、等といった表示態様)で、画像表示によるタッチ演出を行うことが望ましいと考えられる。
前述の「B14:遊技待機(節電中)」は、節電のための処理が実行されている間の待機状態を意味している。節電のための処理としては、図33(c)における「表示画面C」の例において、節電モードをオンした場合に移行可能となる状態とすることができる。この「B14:遊技待機(節電中)」においては、例えば、黒色の背景に「節電中」の文字を流れ表示するなどの態様の演出出力を例示できる。
この「B14:遊技待機(節電中)」の状態におけるタッチ演出としては、例えば、節電中の状態制御を解除し、「B14:遊技待機(節電中)」の演出から他の状態(「待機画面B」の状態など)に係る演出へ移行する、といったことが考えられる。さらに、移行した先の状態(ここでは「待機画面B」の状態)において、更にタッチ演出を実行する、といったことが考えられる。
前述の「B2:遊技中状態」は、「B21:図柄変動状態」と「B22:当り中状態」の項目を含むものとすることが考えられる。これらのうち「B21:図柄変動状態」は、特別図柄(特図1又は特図2)や演出に係る表示が変動中である状態とすることができる。この「B21:図柄変動状態」に係る演出出力例としては、図8(a)に示すように全演出図柄190a〜190bが変動中であるものや、図37(a)、(b)に示すように一部の演出図柄(190a、190c)が停止(仮停止)の状態となり、他の演出図柄190bが変動状態にあるようなものを挙げることができる。
ここで、図37(a)は、ノーマルリーチが発生した状態を示すものとなっており、図37(b)はSP(スーパー又はスペシャル)リーチが発生した状態を示すものとなっている。また、図37(b)に示すSPリーチの画面中では、左右の演出図柄190a、190cが画面の左上部や右上部に移動して縮小され、所定の登場人物が出現し、縮小演出図柄表示領域361の上部に、画面の右端の下部に太陽マーク381による予告画像が出現している。図37(b)の例における太陽マーク381は、図37(a)における当該変動情報表示198の画像オブジェクトが移動し形態を変化させたものとして表示されている。
図37(a)に示すノーマルリーチ中におけるタッチ演出としては、例えば、図40(a)、(b)により順を追って示すようなものを例示することができる。すなわち、タッチ検出前には、図40(a)に音符を発するスピーカマーク376や、点灯したランプマーク378で示すように、画像表示よるリーチ演出と、リーチ音の出力が行われる。
そして、タッチ検出があると、図40(b)のスピーカマーク376に示すように、音声出力として、リーチ音に加え、タッチオンとなったことを意味する音声出力(タッチ音の出力)が行われる。タッチ音としては、実行中のリーチ変動の当り信頼度を示唆する「期待できそうにないなあ」のような内容の音声出力を例示することができる。さらに、タッチ報知LEDに係るランプマーク377を点灯した態様で示すように、タッチ演出のための光出力が行われる。
続いて、図37(b)に示すSPリーチ中におけるタッチ演出としては、例えば、遊技者が発射ハンドル(20)から手を放し、タッチ検出が有る状態から無い状態への状態変化(タッチ検出「有」から「無」への状態変化)が検出された場合に、登場人物が所定のセリフ(台詞)を発するようなものを例示することができる。図37(b)の例では、吹き出し領域382が現れて、「熱ッ!」の文字表示が行われている。さらに、このタッチ演出は、大当りやリーチの発展に係る期待度が相対的に高いことを示唆する高信頼度の演出として実行されており、大当りの場合には登場し易くなっている。
また、SPリーチ中に、遊技者が発射ハンドル20から一旦手を放した後に、再び発射ハンドル20を把持した場合に、図37(b)に示す「熱ッ!」の文字表示のようなタッチ演出を実行する、といったことも可能である。この場合には、タッチ検出「無」から「有」への状態変化を検出した場合にタッチ演出を実行するものであるということができる。
また、「B22:当り中状態」は、大当り等の当りが発生し、当該当りに係る遊技が実行されている間の状態とすることができる。より具体的には、「B22:当り中状態」は、例えば、大当り遊技が開始されることを報知するための大当り開始デモの表示が行われてから、大入賞口開放を伴う遊技を経て、大当り終了デモの演出が終了するまで、などとすることが可能である。
この「B22:当り中状態」に係る演出出力例としては、図37(c)〜図39に示すようなものを例示できる。例えば、図38(a)には、大当り開始デモ時の画面表示例が示されている。この大当り開始デモ時には、大当りの発生を示す「BONUS」の文字や所定の登場人物が画面中央部に表示され、縮小演出図柄表示領域361には発生した大当りに係る図柄組合せ(こここでは「333」)が表示されている。さらに、図38(a)の例では、特図1及び特図2の保留数を区別して示す保留数表示領域367が示されている。さらに、図38(a)の例では、前述のように、遊技者に右打ちを促す演出として右打ち案内表示領域383が表示され、この右打ち案内表示領域383に「ハンドルを右に回してね」のメッセージ表示が行われている。
ここで、上述の縮小演出図柄表示領域361に関して、装飾図柄(演出図柄190a〜190c)の変動中には、縮小演出図柄表示領域361内でも縮小装飾図柄(符号省略)による変動表示が行われる。しかし、装飾図柄(演出図柄190a〜190c)がリーチ状態となっても、縮小演出図柄表示領域361内の縮小装飾図柄(ミニ図柄)がリーチ状態とならないようにすることが可能である。さらに、この場合には、縮小演出図柄表示領域361内の3つの縮小装飾図柄について、全て変動しているか、全て停止しているか、のいずれかの表示態様にしかなからないようにすることが可能である。
さらに、この縮小演出図柄表示領域361内の縮小装飾図柄は、大当り中(ここでは大当り開始デモから大当り終了デモまでを全て含む期間)や通常デモ表示中(待機画面A中)にも表示することが可能である。そして、大当り中に縮小装飾図柄を表示する場合は、当該大当りの契機となった装飾図柄に対応した(例えば同じ組み合わせの)縮小装飾図柄が表示されるようにすることが可能である。また、通常デモ表示中に縮小装飾図柄を表示する場合は、通常デモ表示に移行する際に停止していた装飾図柄(演出図柄190a〜190c)に対応した縮小装飾図柄が表示されるようにすることが可能である。
図38(b)には、大当り遊技中に表示されるラウンド中画面の一例が示されている。この図38(b)の例では、前述のように、所定の登場人物が登場するストーリー展開が画面中央部に表示され、画面下部では、縮小演出図柄表示領域361、保留数表示領域367のほかに、ラウンド数表示領域368やカウント数表示領域369が表示されている。
図38(c)、図39(a)〜(c)には、前述のように、当り中の特定の演出出力である当り中特定演出画面A〜Dが例示されている。これらのうち、図38(c)に示す当り中特定演出画面Aは、大当り遊技の7ラウンド目に実行するための演出となっており、7ラウンド目から8ラウンド目にかけて発生した大当りの全体像(大当り後に確率変動遊技が付与されるか否か等)を示唆或いは報知する演出を実行している。
この当り中特定演出画面Aには、二人の登場人物である「神無月葵」と「水無月遥」の試験における答案用紙の画像が表示されている。さらに、一方の登場人物である「神無月葵」については、試験の点数として「65」の文字が表示されているが、他方の登場人物である「水無月遥」については、試験の点数が未だ表示されていない状態となっている。このように「水無月遥」の得点が未だ表示されていない状態は、発生した大当りの全体像(例えば、大当り後に確率変動遊技が付与されるか否か等)が未だ遊技者には伝えられておらず、遊技者にとって、相対的に有利な状態で遊技が行えるのか否かが不明な状態となっている。
そして、このときのラウンド(ここでは7ラウンド)中にタッチ検出あると、図39(a)の例では、タッチ検出を契機として「水無月遥」の試験の点数として「100」が表示されている(当り中特定演出画面B)。図39(a)に示すように、「水無月遥」の試験の点数として「100」が表示された状態は、遊技者が相対的に有利な状態で遊技を行うことへの期待を煽る状態となっている。つまり、図39(a)の例では、タッチ検出に伴うタッチ演出(「100」の点数表記が出現する演出)が行われることで、遊技者に有利な遊技状態への期待を煽る演出が実行されている。
この演出に対し、「水無月遥」の試験の点数として「神無月葵」の点数(ここでは「65」)を超える値の数値が表示されなかった場合には、その後に復活の演出などが行われない限りは、相対的に有利な状態での遊技が行えないことが遊技者に報知されるようになっている。また、タッチ検出に変化がなかった場合には、当該ラウンドにて「水無月遥」の試験の点数が表示されない。なお、「水無月遥」の点数の表出を、遊技者が一旦発射ハンドル(20)から手を離し、タッチ検出「有」から「無」の状態としたときに行うといったことも可能である。また、タッチ検出「有」から「無」の状態とした後に、更に発射ハンドル(20)を把持して、タッチ検出「有」の状態に戻した状況で、「水無月遥」の点数を表出させるようにすることも可能である。
続いて、7ラウンド目の大当り遊技が終了すると、図39(b)に示す当り中特定演出画面Cの表示が行われ、8ラウンド目に移行することを示す演出が実行される。この図39(b)の例においては、ストーリー展開を示す演出中で「ラウンド8」の表示により、次の大当り遊技のラウンド数が通知されている。これらの演出は、前述したように「遊技者が相対的に有利な状態で遊技を行うことへの期待を煽る演出」であるが、この相対的に有利な状態と不利な状態としては、大当り遊技終了後に移行する遊技状態として、「有利な状態:確変状態/不利な状態:非確変状態」と「有利な状態:電サポ状態/不利な状態:非電サポ状態」などが挙げられる。
また、このように有利な状態を示唆する役割とする以外にも、今の大当り遊技にて獲得できる予定賞球数についても示唆する役割としても良い。つまり、「100」の点数表記であれば、大当りラウンドは10ラウンドであり、「65」以下の点数表記であれば、大当りラウンドは8ラウンドであることを示唆するような構成としても良い。
更に、保留内連荘が行われるかどうか(=大当り中に保留されている保留の中に大当り保留が存在しているかどうか)を示唆する役割としても良い。つまり、「100」の点数表記であれば、保留内連荘が行われることを示唆し、「65」以下の点数表記であれば、保留内連荘が行われないことを示唆するような構成としても良い。
図39(c)は、8ラウンド目における演出表示例を示している。図39(c)に示す例では、「神無月葵」の点数が「65」点であり、「水無月遥」の点数が「100」点となっている。この表示態様は、遊技者が相対的に有利な状態で遊技できることを示すものとなっている。なお、8ラウンド目においては、7ラウンド目の演出と異なり、タッチ検出の変化の有無に関わらず、大当りの全体像(例えば、大当り後に確率変動遊技が付与されるか否か等)を示唆する表示態様が示されることになる。このように、7ラウンド目にタッチ検出を変化させることにより、タッチ検出を変化させない場合よりも大当りの全体像(例えば、大当り後に確率変動遊技が付与されるか否か等)を事前に示唆するようになっており、遊技者のハンドル操作(タッチ検出の有無)により遊技情報をいち早く知ることができるという、大当り中の新たな遊技性を提供することができる。
そして、大当りの種類に応じたラウンド数の大当り遊技が終了すると、前述した図37(c)のような大当り終了デモ画面が表示される。そして、大当り遊技の状態からその後の遊技の状態に移行する際には、大当り終了デモ画面の表示が終わり、その後の遊技状態に応じた態様での演出表示に移行する。
<<C:特殊状態(タッチ変化前の状態)>>
前述の「C:特殊状態」としては、「C1:電断状態」、「C2:電断復帰状態」、「C3:設定変更(確率変更)中状態」、「C4:設定表示(1〜6)中状態」に分けることができる。これらのうち「C1:電断状態」は、ぱちんこ遊技機10(ここでは特にメイン基板102)に供給される電圧が低下して電源断が発生した状態を意味している。
さらに、この「C1:電断状態」には、「C1B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」や「C1B12:遊技中状態」の項目を設けることができる。これらのうち「C1B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」は、前述した「B1:遊技待機状態」と同様のものとして考えることができる。
具体的には、「C1B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」についても、「B1:遊技待機状態」の「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」、「B12:遊技待機B(図柄停止中)」、「B13:遊技待機C(演出・音声等の設定画面)」、「B14:遊技待機(節電中)」のような項目分けを行うことが可能である。ここでは、図表が煩雑になるのを防ぐため、「C1B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」について細分化された項目の図示は省略している。
前述の「C1B12:遊技中状態」については、前述した「B2:遊技中状態」と同様のものとして考えることができる。具体的には、「C1B12:遊技中状態」についても、「B2:遊技中状態」の「B21:図柄変動状態」や「B22:当り中状態」のような項目分けを行うことが可能である。ここでは、図表が煩雑になるのを防ぐため、「C1B12:遊技中状態」について細分化された項目の図示は省略している。そして、ここで説明した「C:特殊状態」に係る各種の状態においては、タッチ検出があるまで、或いは、タッチ検出があってから所定の条件(時間経過など)が成立するまでは、各種のタッチ演出が実行されないこととなっている。
前述の「C2:電断復帰状態」は、ぱちんこ遊技機10(ここでは特にメイン基板102)に供給される電圧が回復して電源断が解消した状態を意味している。この「C2:電断復帰状態」にも、前述の「C1:電断状態」と同様な「C2B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」や「C2B2:遊技中状態」の項目を設けることができる。
図35(a)は、「C2B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」の状態に係る演出出力例を示している。図35(a)においては、前述した「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」における表示内容(待機画面A)の右上隅部に、電断復帰報知領域365が出現し、「通電しました」の文字表示が行われている。
図35(b)は、「C2B2:遊技中状態」の状態に係る表示例を示している。この図35(b)の例においては、演出図柄(190a〜190c)の表示領域が表れている画像中央部に中央メッセージ表示領域371が出現し、「通電しました。只今図柄変動中です。このまま遊技が可能です。」のメッセージ表示が3段で行われている。つまり、この図35(b)の例は、図柄変動中に電源断が生じ、その後RWMクリアの操作が行われずに電源が復帰し(電断復帰があり)、演出図柄(190a〜190c)の表示領域が表示された状態で画面表示が、通電に係るメッセージ表示を付加して再開した状態を示している。
この後の演出出力態様としては、前述したような電断復帰時のコマンドにより伝えられる情報内容に応じて、演出図柄(190a〜190c)の変動表示から再開させること、予め決められた停止図柄で演出図柄(190a〜190c)の停止表示から再開すること等のように、種々の態様を採用することが可能である。
ここで、このような電断復帰に係る状態でのタッチ演出は、タッチ検出があっても、電源立上げ時に行われる初期化報知が終わるまでは行われないようになっている。このようにすることで、タッチ演出が初期化報知に対して、例えば遊技場店員や遊技者に誤解を生じるようなものとして機能してしまうことを防止できる。なお、電源立上げ時の初期化報知としては、「電源立ち上げ中です。しばらくお待ち下さい。」の文字表示を行うことなどを例示できる。
前述の「C3:設定変更(確率変更)中状態」は、前述した設定変更に関して、設定変更中の状態であることを意味している。また、前述の「C4:設定表示(1〜6)中状態」は、設定変更の操作によって変更された設定値の数値を表示中である状態を意味している。前述したように、本実施形態のぱちんこ遊技機10では、設定値が1〜6の範囲で変化し、設定表示器701には設定値に対応した数値表示が行われる。
この「C3:設定変更(確率変更)中状態」に係る演出出力例としては、図36(b)、(c)に示すように、「設定変更中です」や「設定表示中です」の文字表示のようなものを例示できる。図36(b)の演出出力例においては、下部メッセージ表示領域364で「設定変更中です。設定変更終了後、枠扉の閉鎖で通常遊技に移行します。」のメッセージが流れ表示されている。図36(c)の演出出力例においては、画面中央の下部に、中央下部メッセージ表示領域370が出現し、中央で「設定変更中です。設定変更終了後、枠扉の閉鎖で通常遊技に移行します。」のメッセージが流れ表示されている。
ここでいう「設定変更中」は、現在の設定値が表示され、且つ、設定変更が可能な状態であることを意味しており、「設定表示中」は、現在の設定値が表示されているものの、設定変更はできない状態にあることを意味している。より具体的には、「設定表示中」は、設定キーが設定キーシリンダ(809)に差し込まれてそのときの設定値が設定表示器(807)に表示されているが、設定値の変更のための処理は行えない状態となっている。このことは、図16に示す設定変更処理において、RWMクリアスイッチの入力がなかったこと(S133:NO)の判定が行われた場合の処理に対応している。
なお、「設定変更中」及び「設定表示中」のいずれの状態においても、画像によるタッチ演出は実行されない。また、本実施例においては当該状態中に状態を示す画像を表示しているが、画像を一切表示しないようにしてもよい。
<タッチ検出に基づいて実行される演出>
続いて、前述の「タッチ検出に基づいて実行される演出」の項目としては、大きくは「D:タッチ演出の内容」と「E:タッチ演出の選択基準」を挙げることができる。これらのうち「D:タッチ演出の内容」には、タッチ操作に係る演出(タッチ演出)をどのような機器を介してどのように行うかといった事項を示す項目が設けられている。また、「E:タッチ演出の選択基準」には、複数ある各種のタッチ演出をどのような事項に基づいて選択するかといった事項を示す項目が設けられている。
<<D:タッチ演出の内容>>
上述の「D:タッチ演出の内容」については、例えば、「D1:演出の出力先」、「D2:演出データ」、「D3:状態変更のみを行う」に分けて考えることができる。さらに、これらのうちの「D1:演出の出力先」としては、「D11:スピーカ」、「D12:ランプ」、「D13:画像表示装置」を挙げることができる。そして、「D11:スピーカ」は、前述のスピーカ21を利用したものとすることができ、「D12:ランプ」は、演出用の各種のLEDを用いたものとすることができる。なお、ここではタッチ演出の出力先を列挙するが、遊技機の各状態においてどの出力先がどのような組合せで使用されるかといった点については後述する。
また、「D13:画像表示装置」は、演出表示装置60(複数の表示体を用いた場合を含む)を用いたものとすることができる。さらに、「D13:画像表示装置」については、「D131:装飾図柄表示装置と同じ」や、「D132:装飾図柄表示装置と別」の項目を設けることができる。
これらのうち「D131:装飾図柄表示装置と同じ」は、前述の演出図柄190(図8(a)、(b))を表示する演出表示装置60と同じ表示装置を用いて画像によるタッチ演出を行うことを意味している。図34(b)等のようにタッチ検出に伴う演出出力は、この「D131:装飾図柄表示装置と同じ」の分類に属するものであるということができる。また、「D132:装飾図柄表示装置と別」は、演出表示装置60とは別に設けられた表示装置(例えば、枠に設けられるもの等のような第2の液晶表示装置やLED表示装置(図示略)など)を用いてタッチ演出を行うことを意味している。
前述の「D2:演出データ」については、「D21:他のものと共用」や「D22:専用」の項目を設けることができる。これらのうち「D21:他のものと共用」は、タッチ演出のための演出データを、タッチ演出以外の演出のための演出データと共用することを意味している。また、「D22:専用」は、タッチ演出のための演出データを専用のものとし、タッチ演出以外の演出のための演出データと共用しないことを意味している。
ここで、「演出データと共用する」は、一部の演出データを共用し、他の演出データを共用しない態様を含むものとすることができる。さらに、タッチ演出のための演出データの一部を他の演出のための演出データと共用し、タッチ演出のためのその他の演出データを専用のものとする、といった演出データ構成や演出態様も採用が可能である。
例えば、図34(b)に例示したタッチ演出領域362における「ようこそ」の文字表示は、タッチ演出専用の演出データを使用したものであると考えることができる。また、例えば図柄変動中も使用される画像データを、タッチ演出としても使用するような場合には、その演出データは共用されるものであると考えることができる。
前述の「D3:状態変更のみを行う」は、例えば、タッチ検出があった場合に、演出モードの変更のみを行い、タッチ演出として専用の演出を行わない演出態様や、タッチ演出として出現頻度の少ない所謂レアなキャラクタや場面を登場させたりすることがない演出態様を例示することができる。そして、このような「D3:状態変更のみを行う」は、「D2:演出データ」を「D21:他のものと共用」とした演出態様の一例であるということもできる。
<<E:タッチ演出の選択基準>>
続いて、前述の「E:タッチ演出の選択基準」について説明する。この「E:タッチ演出の選択基準」は、換言するとどのようなタッチ演出を実行するかを選択する基準であり、広義にはタッチ演出を実行するか否かを含むものである。そして、このような「E:タッチ演出の選択基準」については、例えば、「E1:遊技状態(タッチタイミングにおける)」、「E2:操作回数」、「E3:カスタマイズ設定」に分けて考えることができる。これらのうち「E1:遊技状態(タッチタイミングにおける)」は、タッチ検出があった際の遊技状態に応じて、選択対象となる、或いは選択されるタッチ演出が異なる、といった演出態様を意味している。
また、この「E1:遊技状態(タッチタイミングにおける)」としては、「E11:出玉と関連する遊技状態」と、「E12:出玉と関連しない遊技状態」を挙げることができる。さらに、「E12:出玉と関連しない遊技状態」としては、「E121:RTC」、「E122:デモの種類(B1の種類)」、「E123:異常・エラーの状態」、「E124:演出ボタンの操作」などを例示できる。
ここで、上述の「E11:出玉と関連する遊技状態」については、前述した「B2:遊技中状態」(図22)を細分化した状態の1つであるともいえる。具体的には、「B2:遊技中状態」は、前述のように「B21:図柄変動状態」や「B22:当り中状態」の項目を含むものであるが、これらの状態には、大当り状態、高確率状態、電サポ状態等といったように、通常時よりも出玉が多くなる遊技状態が含まれている。
上述の「E12:出玉と関連しない遊技状態」に係る「E121:RTC」は、実時間の計測を行うRTC(リアルタイムクロック)に基づきタッチ演出の実行有無やタッチ演出の実行内容を選択することを意味しており、例えば、RTCの計時結果が所定時間帯であるタイミングでタッチ検出が変化したことが判定されると、計時結果に対応したタッチ演出が決定されるような演出態様を意味している。また、「E122:デモの種類(B1の種類)」は、前述した「B1:遊技待機状態」における各種のデモの種類(B11〜B14)のうち、いずれ種類のデモが行われる状況であるかを参照して、タッチ演出が決定されるような演出態様を意味している。
さらに、前述の「E123:異常・エラーの状態」は、通常では考慮し難い状態が発生した場合や、タッチ検出があった場合に異常やエラーの検出が行われていた場合に、どのような異常やエラーが発生しているかに応じてタッチ演出の選択を行う、といった演出態様を意味している。さらに、この「E123:異常・エラーの状態」として、通常では考慮し難い「E1231:電源投入時からタッチ状態の場合」や、「E1232:非タッチ状態で入球した場合」、例えば、入賞が想定できない状態などを選択基準のパラメータとして定めることができる。そして、「入賞が想定できない状態」としては、電源立ち上げ時後の所定時期や待機画面表示時の所定時期を起点として、その起点からその起点以降の入球タイミングまでの間にタッチ検出がなされていない状況などを例示することができる。
さらに、遊技機のメンテナンス等を考慮すると、遊技場店員がガラス扉(15)を開放し、発射ハンドル(20)の操作をすることなく始動入賞口(62又は63)に手動で直接入賞させる場合がある。このような場合であっても、メイン基板(102)からサブメイン基板(301)へのコマンド送信が行われ、通常の遊技が行われているのと同様に演出が実行される。そして、図柄の変動表示中にタッチ検出があった場合には、当該状態に対応した演出の出力が行われる。このような状態も上述の「入賞が想定できない状態」に含まれるものであるということができる。
上述の「E1231:電源投入時からタッチ状態の場合」は、タッチセンサ(タッチスイッチ310)に触れた状態でぱちんこ遊技機10の電源投入が行われたような状況を意味している。そして、このような状況では、電源投入前のから発射ハンドル(20)への接触があったとしても、電源投入前の電源断によりタッチ検出が継続していないことになるので、特段の演出出力は行わないようにすることが可能である。或いは、このような状況は、正常でない電源立ち上げの状況であると考えることができるため、正常でない電源立上げである旨を報知するための演出出力を行うことも可能である。
また、「E1232:非タッチ状態で入球した場合」は、タッチセンサ(タッチスイッチ310)への接触が検出されていない状況でいずれかの入球口(入賞口)への入球が検出されたような状況を意味している。例えば、このような状況としては、電源投入を伴う不正があった場合を考えることができる。そして、このような状況においては、正常でない電源立上げである旨を報知するための演出出力を行うことが考えられる。
前述の「E124:演出ボタンの操作」は、操作ボタン22の操作がされ、更にタッチ検出が行われたような状況を意味している。例えば、タッチ演出の実行前(実行される前の所定期間内)に演出ボタン(操作ボタン22等)の操作がなされているか否かによってタッチ演出(タッチ検出に基づいて実行される演出)の種類や実行の有無が定まるようなもの制御態様を例示できる。
より具体的には、タッチ検出前の所定期間内(数秒前)に演出ボタン(操作ボタン22等)が操作されていない場合には、画像や音声によるタッチ演出を実行し、演出ボタン(操作ボタン22等)が操作されている場合には、音声のみでタッチ演出を実行したり、タッチ演出を実行しないものを例示できる。
前述の「E2:操作回数」は、タッチ操作が所定期間内に複数回繰り返された場合の操作に基づきタッチ演出を選択するような演出態様を意味している。さらに、「E3:カスタマイズ設定」は、前述した環境設定により行われたカスタマイズの内容に基づきタッチ演出を選択するような演出態様を意味している。
以上説明したような「タッチ検出に基づいて実行される演出」に関しては、タッチ検出に基づいて様々な処理を実行する際に、賞球の払出や図柄ゲーム(特別図柄や装飾図柄の停止結果に基づいて利益を付与するゲーム)の進行自体に影響を与えることがないようにすることが好適であるとも考えられる。
<タッチ検出に基づいて実行される他の処理>
続いて、前述の「タッチ検出に基づいて実行される他の処理」の項目としては、大きくは「F:演出状態の変更」、「G:演出の変更」、「H:タッチ演出のトリガパラメータに関するもの」を挙げることができる。
<<E:タッチ演出の選択基準>>
これらのうち「F:演出状態の変更」は、タッチ検出に基づき「F1:演出状態の変更を伴う」ものや、「F2:演出状態の変更を伴わない」ものを定めることができる。そして、「F1:演出状態の変更を伴う」演出態様としては、「F11:完全移行」する態様や、「F12:一定期間後に復帰※操作演出後も一定期間留まる」態様を例示できる。
上述の「F11:完全移行」は、演出状態の変更を行った後に、演出状態の変更抽選に当せんしたりしない限りは元の演出状態に戻らないような演出態様を意味している。また、上述の「F12:一定期間後に復帰※操作演出後も一定期間留まる」は、演出状態の変更を行った後に、所定時間の間は変更後の演出状態に留まり、当該所定時間が経過すると元の演出状態に戻るような演出態様を意味している。
前述の「F2:演出状態の変更を伴わない」としては、一切演出状態の変更を伴わないもののほか、「F21:特定の状況下では演出状態の変更を伴わない」ような演出態様を例示できる。この「F21:特定の状況下では演出状態の変更を伴わない」演出態様としては、予め定められた(或いは抽選により選択された)特定の状況下では、タッチ検出があっても演出状態の変更を行わない伴わない、といったような演出態様を挙げることができる。
<<G:演出の変更>>
前述の「G:演出の変更」は、タッチ検出に基づいてどのような演出の変更が行われるかを示したものであり、「G1:出玉に影響のない演出の変更」や「G2:出玉に影響がある演出の変更」に分けて考えることができる。ここでいう「出玉に影響のある」は、例えば打ち分け報知等の遊技者に有利となる報知演出の実行制御状態の変更等、直接的に出玉に大きな影響を与える演出の変更の他、変動時間が異なることによって一定時間内に占める変動時間が異なり、変動効率が変化するような場合のように間接的なものも含んでいる。
つまり、変動時間が平均的に短ければ、一定時間(例えば1時間)内における変動回数を相対的に多くすることができ、一般入賞時や大当り時なども含めた出玉量が、理論上は多くなると考えられる。これとは逆に、変動時間が平均的に長ければ、一定時間内における変動回数が相対的に少なくなり、理論上は出玉量が少なくなると考えられる。上述の「G1:出玉に影響のない演出の変更」や「G2:出玉に影響がある演出の変更」は、このような考え方に基づき定められているものである。
そして、「G1:出玉に影響のない演出の変更」は、サブメイン基板301の側で変動時間を変えない変更ということもできるが、この「G1:出玉に影響のない演出の変更」としては、演出態様の変更並びに頻度の変更を含む「G11:予告系の変更」、「G12:背景・キャラクタ等の変更」、「G13:装飾図柄(図柄に付随するものを含む)の変更」、「G14:保留表示の変更」等の変更を考えることができる。
上述の「G11:予告系の変更」としては、「G111:先読み予告」に係る変更、「G112:当該変動予告」に係る変更、「G113:選択割合の変更」、「G114:選択内容の変更※頻度だけではないもの」等を考えることができる。そして、「G111:先読み予告」に係る変更は、そのときの変動(当該変動)よりも後の変動における予告の演出を、タッチ検出に基づいて選択するようなことを意味している。また、「G112:当該変動予告」に係る変更は、そのときの変動(当該変動)における予告の演出を、タッチ検出に基づいて選択するようなことを意味している。
図41(a)、(b)は、「G11:予告系の変更」のうち「G112:当該変動予告」に係る演出例を示している。図41(a)は、タッチ演出に係る予告(タッチ予告)が実行される前の演出表示例を示しており、図41(b)は、タッチ予告が行われた場合の演出表示例を示している。これらのうち、図41(a)においては、実行中の変動で大当りとなる可能性を示唆する期待度示唆演出として、画面中央部で、ノーマルリーチ中に魚を咥えた猫のキャラクタ384を登場させ、登場した猫のキャラクタ384が咥えている魚の色や種類により期待度が異なるようになっており、リーチ後の画面切り替えタイミングや時間の経過毎等、図柄の進行に応じて魚の色や種類(予告の期待度)が段階的に変化するように構成されている。
この状態で、タッチ検出に変化がない場合には、猫のキャラクタ384のまま、予告内容の決定時に決定された内容に沿って、画面左方向に移動させつつ、前述した図柄の進行に応じて魚の色を変化させる(或いは変化させない)ように期待度示唆演出を実行する。一方、猫のキャラクタ384が出現した後 タッチ検出に変化があると、猫のキャラクタ384が、図41(b)に示すように怪獣のキャラクタ385に変化(タッチ変化)し、変化した怪獣のキャラクタ385を画面左方向に移動させる演出に変更する。このとき、猫のキャラクタ384が咥えている魚の色に対応する期待度(例えば魚の色が青だった場合には、体色が青獣)の怪獣のキャラクタ385に変更するようになっている。
なお、以降の図柄の進行に応じて予告の期待度を変化させる(魚の色を青から赤、色毎の信頼度は後述)ことが予定されている場合には、タッチ検出の変化による特典として、キャラクタの変化の際に、予定されている変化後の期待度の範囲内の色(例えば、黄又は赤)の怪獣のキャラクタ385とすることが可能である。また、予告の期待度として、猫のキャラクタ384や怪獣のキャラクタ385として、それぞれ複数種類の異なる態様のものを設け、大当りやリーチ発展の期待度が異なるようにすることが可能である。
例えば、猫のキャラクタ384が咥えた魚として、赤、黄、青、白等の彩色のものを設け、白から赤へ順に上述の期待度が高くなるように、また、怪獣のキャラクタ385についても、怪獣として赤、黄、青、白等の彩色のものを設け、白から赤へ順に上述の期待度が高くなるようにしているが、これに加え、猫や怪獣の大きさ・種類・魚等の付随するアイテム等と色との組合せで期待度を表すことが考えられる。
さらに、タッチ検出に伴い、猫のキャラクタ384が加えた魚の色が高期待度のものに変化したり、タッチ検出により登場した怪獣のキャラクタ385の色が、2回目以降のタッチ検出により色の変化を生じたりするよう演出制御を行うことが可能である。また、2回目以降のタッチ検出が繰り返されることにより、怪獣のキャラクタ385の色が順次変化する、といった演出制御態様を採用することも可能である。さらに、予告演出として、猫のキャラクタ384を登場させず、最初から怪獣のキャラクタ385を登場させて、上述のような演出制御を行うことも可能である。
なお、タッチ検出の変化があった場合にキャラクタが変化したり、信頼度報知が変化したりする可能性がある旨を教示するような文字や音声を出力することも好適であり、これによりハンドル操作による新たな遊技演出を体感させることを促進させることができる。また、「G11:予告系の変更」として、タッチ検出の変化により、実行中の予告が変更された後は、タッチ検出の変化後は所定の条件(例えば、次変動以降のリーチ中に再度タッチ検出の変化があった場合、大当り等が行われた場合、所定の遊技待機デモに移行した場合など)が達成するまで、猫のキャラクタ384を用いた演出が、怪獣のキャラクタ385を用いた演出に変更される。なお、タッチ検出の変化に基づいて、実行中の予告から内容を変更しているものを例示したが、タッチ検出の変化時に、「次変動から予告キャラクタが変更されます」のような報知或いは示唆を実行しておき、次の変動から該当する予告のキャラクタ等を変更するように構成することも可能である。
さらに、上述の「G113:選択割合の変更」は、各種演出の選択頻度を変化させるような演出抽せんを行うようなことを意味している。また、「G114:選択内容の変更※頻度だけではないもの」は、各種演出の選択頻度(選択割合)に加えて、サブメイン基板301の側において、演出に使用される背景やキャラクタ等の演出内容(演出構成要素)をタッチ検出に基づいて、変動時間が変わらない範囲で変化させるようなことを意味している。このことは、言い方を変えれば、同一の変動パターンを実行する際にサブ制御側で定まる「演出の詳細に起因した予告の変更(特有の予告)」への、変動時間を維持した変更であるということもできる。
図42(a)〜(d)は、タッチ変化前後の予告演出に係る選択テーブルの一例を概略的に示している。これらのうち、図42(a)、(b)は、そのときの変動結果(当否抽選結果)についての予告演出(当該変動予告演出)に係る選択テーブルを示しており、図42(c)、(d)は、次回以降の変動結果(当否抽選結果)についての予告演出(先読み予告演出)に係る選択テーブルを示している。また、図42(a)、(b)は、所定の予告群(ここでは予告群α)についての選択テーブルを示すものとなっており、図42(c)、(d)は、他の所定の予告群(ここでは予告群β)についての選択テーブルを示すものとなっている。
さらに、図42(a)は、タッチ検出前の各変動における予告演出のための選択テーブル例を示しており、図42(b)は、タッチ検出後の各変動における予告演出のための選択テーブル例を示している。同様に、図42(c)は、タッチ検出前の先読み予告演出に係る選択テーブル例を示しており、図42(d)は、タッチ検出後の先読み予告演出に係る選択テーブル例を示している。
なお、ここでは説明が煩雑にならないよう、図42(a)〜(d)のそれぞれの予告は、予告A〜Dのうちのいずれかであり、更にこれらの予告が行われない場合もあり得るものとしている。さらに、予告A〜Dの「A」〜「D」の記号は、予告の内容の異同を表わすものではなく、図42(a)〜(d)の各選択テーブルにおける予告の種類を区別するためのものである。
例えば、図42(a)に示す予告Aの使用画像や演出態様などは、図42(b)〜(d)に示す予告Aの使用画像や演出態様などと、原則として同じではないように定められている。このことは予告C〜予告Dについても同様である。ただし、これに限定されるものではなく、例えば各選択テーブルにおいて記号(A〜D)が同じである予告間で、同じ使用画像や演出態様などが採用されていてもよい。
さらに、図42(a)の図表を例とすると、変動パターン番号として、0〜5、10〜30、31以上の欄(行)が設けられている。そして、予告Aについては、変動パターン番号0〜5の変動パターンが40%、変動パターン番号10〜30の変動パターンが40%、変動パターン番号31以上の変動パターンが20%の割合で選択されるようになっている。
また、予告Bについては、変動パターン番号0〜5の変動パターンが14%、変動パターン番号10〜30の変動パターンが35%、変動パターン番号31以上の変動パターンが35%の割合で選択されるようになっている。さらに、予告Cについては、変動パターン番号0〜5の変動パターンが1%、変動パターン番号10〜30の変動パターンが10%、変動パターン番号31以上の変動パターンが44%の割合で選択されるようになっている。
また、予告Dについては、変動パターン番号0〜5の変動パターン、変動パターン番号10〜30の変動パターン、変動パターン番号31以上の変動パターンのいずについても、選択割合が0%であり、選択がされないようになっている。さらに、予告が行われない割合は、変動パターン番号0〜5の変動パターンが45%、変動パターン番号10〜30の変動パターンが15%、変動パターン番号31以上の変動パターンが1%となっている。
上述のような変動パターン、予告、選択割合の関係は以下のように定められている。すなわち、ここでは、変動パターン番号が0〜99である100個の変動パターンが設けられている。上述した変動パターン番号0〜5、10〜30、31以上は、これらの0番〜99番の変動パターンに含まれているものである。
ここで、変動パターン番号0〜5の変動パターンは、リーチとならない変動である非リーチ変動(例えば、図11(a)における変動パターン乱数が5000〜49999のうちの15000〜49999)のものであり、変動パターン番号6〜9の変動パターンは、同じく非リーチ変動でありながらも前述の予告群αが適さない特殊な非リーチ変動に係るもの(例えば、図11(a)における変動パターン乱数が5000〜49999のうちの12500〜14999)である。さらに、変動パターン番号10〜30の変動パターンは、はずれであって相対的に大当り信頼度の低いリーチ変動(ここでは「弱SPリーチ」とする)に係るもの(例えば、図11(a)における変動パターン乱数が5000〜49999のうちの5000〜12499)であり、変動パターン番号31〜49の変動パターンは、はずれであって相対的に大当り信頼度の高いリーチ変動(ここでは「強SPリーチ」とする)に係るもの(例えば、図11(a)における変動パターン乱数が0〜4999)のものである。
また、変動パターン番号50〜99の変動パターンは、当りとなる当り変動のものである。そして、この変動パターン番号50〜99には、変動パターン番号10〜49と途中段階までは区別がつかないようなリーチ変動のためのものと、変動パターン番号10〜49とは異なる当り確定の特殊変動とが含まれている。なお、ここでは説明が煩雑にならないよう、予告Aは大当り期待度が相対的に低い「弱予告」であり、予告Bは大当り期待度が中程度な「中予告」であり、予告Cは大当り期待度が相対的に高い「弱予告」であることを前提とする。
これらのことに基づき、図42(a)に示す選択テーブルによる予告群αの選択割合を説明する。図42(a)に示す例によれば、タッチ検出による予告群選択割合の変更処理前において、そのときの変動(当該変動)が変動パターン5(変動パターン番号が5の変動パターン)に基づく図柄変動(非リーチの図柄変動)である場合、予告群αの選択割合は、予告Aを実行する確率が40%、予告Bを実行する確率が14%、予告Cを実行する確率が1%、予告群αの予告を実行しない確率が45%となる。
同様に、当該変動が変動パターン30(変動パターン番号が30の変動パターン)に基づく弱SPリーチの図柄変動である場合、予告群αの選択割合は、予告Aを実行する確率が40%、予告Bを実行する確率が35%、予告Cを実行する確率が10%、予告群αの予告を実行しない確率が15%となる。
同様に、当該変動が変動パターン31(強SPリーチ)や変動パターン50に基づく図柄変動(当り変動)である場合、予告群αの選択割合は、予告Aを実行する確率が20%、予告Bを実行する確率が35%、予告Cを実行する確率が44%、予告群αの予告を実行しない確率が1%となる。
図42(a)の例では、変動パターンの選択割合がこのように決められているため、予告群αの予告Aは、最も選択率が高い非リーチはずれの変動パターンが選択された場合であっても実行される可能性が高い(非リーチはずれ時の40%)ものであるといえる。このため、予告群αの予告Aは、予告なしの場合よりは当りの期待度が高いものの、その期待度が極めて低い予告であるといえる。
一方で、例えば予告群αの予告Cは、最も選択率が高い非リーチ外れの変動パターンで実行される可能性が極めて低く(非リーチ外れ時の1%)、強SPリーチや当りの際に実行されやすい予告のため、当りの期待度が高い予告であるといえる。
なお、変動パターン番号が0〜49の変動パターンは、はずれ時の選択率が異なっている。たとえば、変動パターン0番〜5番のうちのいずれかが選択される割合は、はずれ時の80%であり、変動パターン6番〜9番のいずれかが選択される割合は、はずれ時の10%である。さらに、変動パターン10番〜30番のいずれかが選択される割合は、はずれ時の9%であり、変動パターン31番〜49番のいずれかが選択される割合は、はずれ時の1%である。また、変動パターン50番〜99番のいずれかが選択されるのは、当り時のみである。
このため、ここでの説明の便宜上、当り確率が1/100と仮定した場合、はずれ時に予告Aが出現する可能性は、変動パターン0番〜5番については、選択される割合の80%と、図42(a)のテーブルに基づく40%との積により32%(=80%×40%)となる。また、変動パターン10番〜30番については、選択される割合の9%と、図42(a)のテーブルに基づく40%との積により3.6%(9%×40%)となる。さらに、変動パターン31番〜49番については、選択される割合の1%と、図42(a)のテーブルに基づく20%との積により0.2%(=1%×20%)となる。
一方、当り時に予告Aが出現する可能性は、変動パターン50番〜99番について選択される割合の1%と、図42(a)のテーブルに基づく20%との積により0.2%(1%×20%)となる。これらのことから、1変動に対して予告Aが実行される割合は36%(=32%+3.6%+0.2%+0.2%)となる。
このように、当り時に予告Aが選択される割合はわずか0.2%であるので、予告Aが出現した時点(当りとなるかはずれとなるか判明していない時点)での信頼度は0.4%(=0.2%+0.2%)程度である。
これに対しタッチ検出後においては、図42(b)に示す選択テーブルが用いられる。この選択テーブルにおいて、予告Aについては、変動パターン番号0〜5の変動パターンが40%、変動パターン番号10〜30の変動パターンが0%、変動パターン番号31以上の変動パターンが20%の割合で選択されるようになっている。
また、予告Bについては、変動パターン番号0〜5の変動パターンが0%、変動パターン番号10〜30の変動パターンが70%、変動パターン番号31以上の変動パターンが9%の割合で選択されるようになっている。さらに、予告Cについては、変動パターン番号0〜5の変動パターン、変動パターン番号10〜30の変動パターン、変動パターン番号31以上の変動パターンのいずれも選択割合が0%であり、選択がされないようになっている。
また、予告Dについては、変動パターン番号0〜5の変動パターンが0%、変動パターン番号10〜30の変動パターンが29%、変動パターン番号31以上の変動パターンが70%の割合で選択されるようになっている。さらに、予告が行われない割合は、変動パターン番号0〜5の変動パターンが59%、変動パターン番号10〜30の変動パターンが1%、変動パターン番号31以上の変動パターンが1%となっている。
そして、変動パターン10番以上で例えば予告Bが出現した場合には、遊技者にとってリーチ以上の恩恵が確定し、且つ、予告Bよりも信頼度の高い(強SPリーチや当り時に選択される割合が高い)演出として予告Dが新たに選択可能となっている。このため、タッチ検出後には、タッチ検出前に比べて、予告群αで選択される各種の予告の内容や信頼度を変化させることが可能となっている。
なお、先読み予告群βについても、図42(a)、(b)に示す予告群αと同様に、タッチ検出の前後において、選択割合を異ならせることが可能である(図42(c)、(d)参照)。また、図42(c)、(d)で示す後述の先読み予告の場合には、メイン基板(102)からの事前通知情報となる先読みコマンド(先読みコードの情報を有する)に基づき、サブメイン基板301のCPU521で、変動パターン番号が特定される。
なお、ここで説明した選択割合は、各種の予告の信頼度をどの程度にするかといった考え方に基づきに設計者が最適なバランスで設計を行うものであり、例示した数値やバランスに限定されるものではない。例えば、ここで説明した数値は変更するものの、数値の大小関係はここで説明したものと同じにする、といったことも可能である。
前述の「G12:背景・キャラクタ等の変更」は、予告系の演出以外の演出に関して、背景やキャラクタ等を、タッチ検出に基づいて変更するようなことを意味している。また、前述の「G13:装飾図柄(図柄に付随するものを含む)の変更」は、タッチ検出に基づいて演出図柄190をそれまでとは異なるデザインや分類のものと異ならせるようなことを意味する。さらに、「図柄に付随するもの」には、前述した記号要素演出図柄である要素図柄以外の部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)等を含むものとすることができる。
前述の「G14:保留表示の変更」は、図8(a)、(b)や図33(b)等に示す第1保留数表示部196や第2保留数表示部197での保留表示を、タッチ検出に基づいて変更するようなことを意味している。保留表示の変更としては、デザインや配置などの各種の表示態様を変化させることが考えられる(例えば図8(a)の丸いデザインから図33の星のデザイン等)。また、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197の配置を変更することなども考えられる。
前述の「G2:出玉に影響がある演出の変更」としては、「G21:変動パターン(変動時間)の変更」や、「G22:報知の実行(AT系の機能)」を挙げることができる。これらのうち「G21:変動パターン(変動時間)の変更」としては、「G211:選択割合の変更」や「G212:選択内容の変更※頻度だけではないもの」を考えることができる。
上述の「G211:選択割合の変更」は、変動時間を規定する各種の変動パターンに関して、それぞれの選択頻度を変化させるような変動パターン抽せんを行うようなことを意味している。また、「G212:選択内容の変更※頻度だけではないもの」は、各種変動パターンの選択頻度だけでなく選択する変動時間そのものを変更するものや、前述したように、各種演出の選択頻度(選択割合)に加えて、サブメイン基板301の側において、演出に使用される背景やキャラクタ等の演出内容(演出構成要素)をタッチ検出に基づいて、変動時間を変えるものに変化させるようなことを意味している。このことは、言い方を変えれば、同一の変動パターンを実行する際にサブ制御側で定まる「演出の詳細に起因した予告の変更(特有の予告)」への、変動時間を変化させた変更であるということもできる。
前述の「G22:報知の実行(AT系の機能)」は、タッチ検出に基づいて所定の報知を実行するようなものを意味しており、例えば回胴式遊技機で多く採用されているAT(アシストタイム)に類似したゲーム性との組合せでタッチ検出を利用することが考えられる。
より具体的には、例えば、演出表示装置60においてタッチセンサ(タッチスイッチ310)の操作タイミングを提示し、当該タイミングでタッチ検出がされることにより演出が発展するようなものを例示できる。さらに、遊技者に有利な打ち出し方向(右打ち又は左打ちなど)の報知や、遊技者に有利な発射タイミング(「打て!」や「停止!」など)の報知、或いは、これらの組み合わせや、これらと時間的要素の組合せを報知するもの(○○秒後に「右打ち開始!」など)を例示することができる。
<<H:タッチ演出のトリガパラメータに関するもの>>
タッチ検出に基づいて実行される処理のうち、前述の「H:タッチ演出のトリガパラメータに関するもの」としては、「H1:計時タイマの処理(加算・減算・クリア等)」、「H2:タッチ検出回数の処理(加算・減算・クリア)」、「H3:その他」といったものを考えることができる。ここでいう「トリガパラメータ」は、タッチ検出を契機として演算が行われ、或いは設定され、タッチ演出の実行に関連するパラメータ(所定の変数の要素)を意味している。
より具体的には、上述の「H1:計時タイマの処理(加算・減算・クリア等)」は、タッチ演出の実行や演出契機として有効とするか否か等に利用される計時タイマ(タッチ演出に係る時間を計時する計時手段)の処理を意味しており、具体的には、タッチ検出を契機に次のタッチ検出を演出の有効な実行契機と見做すか否かを決定するタイマ値の加算、減算、或いはクリア等を行うようなものを意味している。例えば、後述する「演出実行の是非」(図24(a)、(b))中に示す「特定条件下」に該当する例として、演出ボタン(操作ボタン22等)の操作が制御状態の1つとされるような場合には、演出ボタン(操作ボタン22等)の操作後の時間に係る処理などが、ここでの「H1:計時タイマの処理(加算・減算・クリア等)」に該当するものとなる。
上述の「H2:タッチ検出回数の処理(加算・減算・クリア)」は、所定期間におけるタッチ検出の回数に関する処理を行い、回数の計時に係るカウンタ値の加算、減算、或いはクリア等を行うようなものを意味している。また、上述の「H3:その他」は、ここでは「H1:計時タイマの処理(加算・減算・クリア等)」や「H2:タッチ検出回数の処理(加算・減算・クリア)」以外にトリガパラメータとなり得るものを意味している。
例えば、前述した「F:演出状態の変更」や「G:演出の変更」において、演出状態や、演出・変動パターンの変更を行う場合には、サブメイン基板301のCPU521において、そのときの演出選択状態を認識して把握したり、演出に係る情報を更新したりする処理が実行されるが、これらの把握や更新に必要な処理は、「H3:その他」に該当するものとして例示することができる。
より具体的には、例えば、前述の「F21:特定の状況下では演出状態の変更を伴わない」に含まれる制御態様として、大当り終了後の4変動ではタッチ演出を実行しないものを想定する。そして、このようなものにおいて、大当り終了後の変動回数を確認するような処理を、「H3:その他」に該当するものとして例示できる。
このほかにも、図柄変動中や特定の演出期間中にはタッチ演出を実行しない制御態様の遊技機において、タッチ検出があった場合に、タッチ演出を実行可能な状況(実行を制限する状況)であるかを確認する処理を例示することもできる。
また、後述する「演出実行の是非」(図24(a)、(b))中に示す「特定条件下」に関して、タッチ検出が「有」から「無」となった場合に演出を実行するとともに、「特定条件下」が「当りである状況下」である場合には、そのときに現在実行中の図柄変動が当りであるか否かを判定する処理が、ここでいう「H3:その他」に該当するものとなる。
<演出許可・規制条件>
<<J:許可タイミングの設定>>
続いて、前述の「演出許可・規制条件」について説明する。先ず、「演出許可・規制条件」は、各遊技状況下においてタッチ検出の変化がなされた場合であっても、即座に当該タッチ検出に基づく演出を実行するだけではなく、当該タッチ検出に基づく演出の実行を許容するか否かを決定するために用いられる条件を意味している。つまり、遊技状態としてタッチ演出が実行されることが規定されており、且つ、本演出許可・規制条件を満足した状態でタッチ検出の変化があった場合に、演出が実行されるようにするためのものとなっている。そして、「演出許可・規制条件」の項目としては、「J:許可タイミングの設定」を挙げることができ、この「J:許可タイミングの設定」は、タッチ検出を契機に所定の演出や遊技状態の許可条件や規制条件が解除される、といったようなものを意味している。さらに、この「J:許可タイミングの設定」は、「J1:内部タイマ」、「J2:他の要素との複合」に分類することができる。
これらのうち「J1:内部タイマ」としては、「J11:時間に特徴(可変/1変動との比較)」のあるものを例示することができる。例えば、タッチ演出の実行可否(許可)を管理するための管理タイマを設け、この管理タイマを「内部タイマ」と称することが可能である。この管理タイマ(内部タイマ)は、前述した「H1:計時タイマの処理(加算・減算・クリア等)」における計時タイマに含まれるものと考えることができる。そして、この管理タイマ(内部タイマ)を利用して、タッチ演出の実行の是非(「可否」や「有無」などともいう)や、タッチ演出の規制(「制約」などともいう)を管理することが可能である。
また、この内部タイマ(管理タイマ)に関し、一定の時間の管理を行うもののほか、「可変」なものを考えることができる。この「可変」なものとして、例えば、タッチ演出を実行するために定められた時間を、何等かの条件により変更するものを考えることができる。そして、「何等かの条件」としては、タッチ演出の実行を許容する時間が、1回目の検出の際と、2回目の検出の際とで相違するものなどを例示できる。
また、「1変動との比較」があるものとして、タッチ演出を許容するためのタイマ(時間)として、遊技機において選択され得る、或いは、そのときに選択され得る最も変動時間が長い変動パターンよりも、長い時間が設定される、といったものを例示できる。そして、これらのようなタッチ検出に基づいた演出出力態様の決定は、タッチ検出を、演出の出力に係る許可や規制の制御要素とするものであるということができる。
このようにした場合には、タッチ演出の実行の機会を適正化することが可能である。つまり、最近の図柄ゲームにおいては、一般的に最長の変動時間として、例えば180秒を超えるような図柄変動(図11の「スーパー1」のように期待度が高い図柄変動)が行われる。一方、このような時間よりも長くタッチ演出の実行が許可される時間が設けられていないと、せっかく設けたタッチ演出が実行される機会が喪失される恐れがある。そこで、1変動の時間との関係に基づき、上述のような長い時間(180秒など)よりも短い時間の経過後にタッチ演出の実行を許可することで、タッチ演出を実行する機会を適切に設定でき、タッチ演出を有効に活用することが可能となる。
前述の「J2:他の要素との複合」は、「J21:演出ボタンの操作の有無」、「J22:ハンドルの捻り操作の有無」、「J23:主基板からのコマンド」、「J24:遊技機の状態(状況)」の項目に分けることができ、これらの1又は複数の要素と複合してタッチ演出が許可されたり規制されたりすことを意味している。これらのうち「J21:演出ボタンの操作の有無」は、操作ボタン(演出ボタン)22の操作と、タッチ操作との複合を、所定の演出を許可したり、規制したりする際の条件を決定するための要素とするようなことを意味している。
上述の「J22:ハンドルの捻り操作の有無」は、発射ハンドル20の捻り操作と、タッチ操作との複合を、演出の許可や規制の条件とし、「J23:主基板からのコマンド」は、メイン基板102からサブメイン基板301への所定のコマンドの受信と、タッチ操作との複合を条件とするようなことを意味している。
上述の「J24:遊技機の状態(状況)」として、「J241:異常等の特殊状態」、「J242:遊技待機状態」、「J243:特定の演出状態(細分化されたもの)」を挙げることができる。これらのうち「J241:異常等の特殊状態」は、エラーが検出された状態や、通常の遊技では生じ難い事態が発生した特殊な状況でタッチ検出があったことを、演出の許可や規制の条件とするようなことを意味している。
上述の「J242:遊技待機状態」は、例えば前述の「B1:遊技待機状態」における各状態でタッチ検出があったことを、演出の許可や規制の条件とするようなことを意味している。また、上述の「J243:特定の演出状態(細分化されたもの)」は、種々の演出状態中にタッチ検出があったことを、演出の許可や規制の条件とするようなことを意味している。
例えば、「B1:待機状態(通常デモ表示)」の場合であれば、「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」〜「B14:遊技待機(節電中)」の演出状態に応じて、演出の許可や規制を行うものを例示できる。また、「B2:遊技中状態」の場合であれば、「B21:図柄変動状態」に関する演出状態(どの演出モードに滞在しているかといった点)に応じて、演出の許可や規制を行うものを例示できる。さらに、「B22:当り中」の場合であれば、当り中の演出状態(演出パターン)に応じて演出の許可や規制を行うものや、確変当りや通常当りの区別や連荘回数に応じて演出の許可や規制を行うものなどを例示できる。
なお、ここで説明した「許可」や「規制」は、演出上のすべての要素について許可(全部許可)したり規制(全部規制)したりすることに限るものではない。例えば、ぱちんこ遊技機10のそのときの状態に応じて、タッチ演出として実行される場合がある複数種類の演出のうち、いずれかが許可(一部許可)又は規制(一部規制)されるようにすることも可能である。
また、この「J2:他の要素との複合」を、例えば前述した「J1:内部タイマ」と複合させることも可能である。この場合には、遊技待機状態(「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」など)において所定の経過時間が所定の時間(20秒程度など)に達する前に操作ボタン(22)等の演出操作部が操作された場合でも経過時間が所定の時間(20秒など)に達した場合に、その後のタッチ検出を契機とした演出(待機画面Bなど)の出力が許容されることなどを例示できる。ここで、上述の「所定の時間」は、例えば、対応するタッチ演出の実行に要する時間が6秒間であったとすると、この6秒間のタッチ演出を所定回(例えば3回などの複数回)実行可能な期間(ここでは20秒程度)とすることが考えられる。
さらに、電源断から復帰したときに通常の復帰動作による復帰(S111やS113でNOの場合の復帰)か特定の復帰動作による復帰(S113でYESの場合の復帰動作)かに関わらず、内部タイマの計時時間を所定の値(上述の「所定の時間」である20秒など)に設定することも可能である。
<その他1>
<<K:タッチ状態の変化>>
続いて、前述の「その他1」の項目としては、「K:タッチ状態の変化」、「L:タッチ検出の方法」、「M:サブへの送信方法」を挙げることができる。これらのうち「K:タッチ状態の変化」は、タッチセンサ(タッチスイッチ310)への接触の有無を遊技制御に活用するようなことを意味している。そして、「K:タッチ状態の変化」ついては、「K1:非タッチ⇒タッチ」、「K2:タッチ⇒非タッチ」を考えることができる。
これらのうち「K1:非タッチ⇒タッチ」は、タッチセンサ(310)に触れていない非タッチの状態から、タッチセンサ(310)に触れているタッチの状態に変化することを意味している。また、「K2:タッチ⇒非タッチ」は、タッチセンサ(310)に触れているタッチの状態から、タッチセンサ(310)に触れていない非タッチの状態に変化することを意味している。
<<L:タッチ検出の方法>>
上述の「L:タッチ検出の方法」は、どのような態様でタッチ検出がされたかの違いを遊技制御に活用するようなことを意味している。そして、「L:タッチ検出の方法」については、「L1:タッチのみ」、「L2:ハンドル操作を含む」を考えることができる。これらのうち「L1:タッチのみ」は、タッチセンサ(310)への操作のみを条件として遊技制御を行うようなことを意味している。また、「L2:ハンドル操作を含む」は、タッチセンサ(310)への操作と、発射ハンドル20の回動操作の両方を条件として遊技制御を行うようなことを意味している。これらのうち「L1:タッチのみ」をぱちんこ遊技機10に採用した場合にはタッチ検出処理を簡便に行うことができるようになる。また、「L2:ハンドル操作を含む」を採用した場合には、例えば遊技者が誤って発射ハンドル(20)に触れてしまった場合にタッチ演出を行ってしまうようなことを防止でき、より正確に、遊技者の遊技開始の意志を汲み取ってその後の処理に活用することが可能となる。
<<M:サブへの送信方法>>
前述の上述の「M:サブへの送信方法」は、メイン基板102で検出したタッチ信号を、どのような場合にサブメイン基板301へ送信するかといった事項を意味している。そして、「M:サブへの送信方法」については、「M1:原則常時送信(主⇒サブ)」、「M2:状況を把握して送信(主⇒サブ)」を考えることができる。
これらのうち「M1:原則常時送信(主⇒サブ)」は、通信異常などの特段の事情がない限りは、タッチ信号(タッチ信号の内容を表す信号を含む)を、メイン基板102からサブメイン基板301へ常時送信するようなことを意味している。また、「M2:状況を把握して送信(主⇒サブ)」は、メイン基板102がそのときの状況を判定し、状況を把握したうえで、予め決められた所定の場合に、タッチ信号(タッチ信号の内容を表す信号を含む)を、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信するようなことを意味している。
<タッチ状態の変化に係る活用形態>
<<演出実行の是非>>
次に、タッチ状態の変化を演出制御に活用するための具体的な形態について検討した結果を説明する。図24(a)、(b)は、各種の遊技状態においてタッチ状態の変化を検出した場合における演出実行の是非を一覧表としてまとめたものである。ここで「演出の是非」は、例えば「演出の可否」や「演出の有無」等と言い換えることができるものである。
例えば図24(a)、(b)は、いずれも図表の左から「変化状態」、「変化回数等」、「対象」、「遊技機の状態」を示している。これらのうち「変化状態」における上段は、タッチ検出が「無」の状態から「有」の状態に変化した場合を表しており、下段は、タッチ検出が「有」の状態から「無」の状態に変化した場合を表している。
上述の「変化回数等」は、タッチ信号の状態変化の回数についての項目を表している。そして、「初回」は、タッチ信号の最初の変化を表しており、「所定回目以降」は、2回目以降の状態変化を表している。さらに、「特定条件下」は、変化回数以外の特定の条件を表しており、例として操作ボタン22等の操作があったことが示されている。
ここで、「状態変化」や「変化」としては、例えば、タッチ信号のオン状態(或いはオフ状態)からオフ状態(或いはオン状態)への変化を例示することができる。また、タッチ信号の強度(例えば電圧の高さ)が段階的に変化するようにし、段階変化を含めて「状態変化」や「変化」と称することも可能である。また、この「変化回数等」における「初回」等の各項目は、タッチ検出が「無」の状態から「有」の状態に変化した場合、及び、タッチ検出が「有」の状態から「無」の状態に変化した場合のいずれについても共通である。
前述の「対象」としては、「画像」、「音声」、「ランプ」を考えることができる。これらの項目が意味する内容は、図22に示す「D1:演出の出力先」の「D13:画像表示装置」、「D11:スピーカ」、「D12:ランプ」と同様のものとすることができる。さらに、これらの「画像」、「音声」、「ランプ」の項目は、「変化回数等」における「初回」等の各項目について共通に定められている。
前述したとおり、タッチ検出の変化には、遊技者が発射ハンドル20を把持した状態から放した状態に変化する場合の変化と、遊技者が発射ハンドル20を把持していない状態から把持した状態に変化する場合の2通りが存在し、また、例えば、同一遊技状態中等のような一定期間中に当該操作が複数回行われる場合がある。更に、演出ボタン(操作ボタン22等)の操作があった状況のように、完全には予測できないタイミングで特定条件が満たされ、この特定条件が満たされた状況の発生に前後して、タッチ検出が変化する場合がある。このため、以下では、遊技機の各状態と、タッチ検出の変化態様、特定条件下か否か等に応じて、タッチ演出に実行有無や実行内容について定め、定めた内容について、図24を参照しつつ説明する。
図24は、遊技機の各状態(「遊技機の状態」として示す)において、通常条件下(非特定条件下)でタッチ検出が夫々所定の態様で変化した場合、並びに特定条件下でタッチ検出が変化した場合に、実行するタッチ演出の概念を図表化したものである。上述の「遊技機の状態」としては、図24(a)に示す「設定変更関係」、「遊技待機中」、「図柄変動中」や、図24(b)に示す「当り中」、「確変(電サポ)中」を挙げることができる。これらのうち「設定変更関係」には、前述した設定変更に係る「設定変更中」と「設定表示中」とが定められている。上述の「設定変更中」は、設定変更を開始して設定変更を行っている状況を表しており、「設定表示中」は、設定値の表示を行っている状況を表している。
ここで、図24(a)、(b)に示す例では、「○」、「△」、「×」の記号が用いられている。これらのうち、「○」の記号は、「対象」に挙げられている機器による演出を「実行する」ことを表している。さらに、「△」の記号は、「対象」の機器による演出を「実行してもよい(一定条件下で実行したり、機器の一部のみで実行する等の概念を含むものである)」ことを表しており、「×」の記号は「実行しない」ことを表している。ここで、「△」の記号に係る「一定条件」は、例えば、所定の確率による抽選に係る当選の場合に限ることなどを表している。そして、所定の確率による抽選としては、設定値に関わらず共通の確率で当選する抽選の他、前述の設定値(図12)毎に当選割合が異なる抽選などを例示できる。
<<<設定変更関係>>>
そして、図24(a)に示すように遊技機の状態が「設定変更関係」の状態(「設定変更中」、及び「設定表示中」のいずれかの状態)においては、タッチ検出が初めて「無」から「有」又は、「有」から「無」となった場合(「初回」の場合)に、遊技機枠や遊技盤に設けられたLED(「ランプ」)の一部を用いたタッチ演出を実行し(「△」で示している)、液晶表示装置(「画像」)、及びスピーカ(「音声」)によるタッチ演出は実行しないように制御する。一方、初めてタッチ状態の変化が検出された後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(「所定回目以降」として示す場合)には、「画像」、及び「音声」によるタッチ演出のみならず、「ランプ」の一部を用いたタッチ演出についても実行されないように構成されている(「×」で示している)。更に、設定変更中や設定表示中に演出ボタン(操作ボタン22等)の操作がなされた後等の「特定条件下」においては、初めてタッチ状態の変化が検出された場合においてもタッチ演出が実行されないように制御する(「×」で示している)。つまり、設定変更状態においては、タッチ検出手段の検出状態の変化態様および/または回転操作検出手段の検出態様に関わらず、タッチ検出手段による検出に基づく演出の出力が行われないものとすることが可能である。
このように、図24(a)の例では、「設定変更中」や「設定表示中」等の設定変更に関する状態である場合には、タッチ検出が行われても、タッチ演出が実行されないか、実行されたとしても、タッチ検出を報知する程度の演出のみが実行されるように構成されている。このようにすることで、タッチ演出が、設定確認や設定変更作業の妨げにならずまた、設定変更作業中等でもタッチ検出が正常になされているかを確認できる。
<<<遊技待機中>>>
前述の「遊技機の状態」のうちの「遊技待機中」としては、「デモ画面」、「調整画面」、「変動待機画面」、「初期化報知(中)」、「異常報知(中)」を挙げることができる。これらのうち「デモ画面」は、前述の「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」の表示状態、「調整画面」は音量等の環境設定(カスタマイズ)に係る「B13:遊技待機C(演出・音声等の設定画面)」の表示状態、「変動待機画面」は「B12:遊技待機B(図柄停止中)」の表示状態にそれぞれ対応する。
また、上述の遊技待機中における「初期化報知」は、初期化報知の期間中であることを意味しており、前述の「C2B1:電断復帰状態で且つ遊技待機状態」及びその後の初期化報知を実行期間中の状態に対応する。
また、上述の遊技待機中における「異常報知」は、エラー解除があれば電源再投入を行わずに遊技機の制御状態を正常状態に復帰させることができるエラー(「復帰可能エラー」などと称することが可能である)についての報知中を意味しており、前述の「B1:遊技待機状態」で且つ復帰可能エラーの報知の実行期間中の状態に対応する。
図24(a)に示すように、「デモ画面」を表示している遊技待機中においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合に、「画像」、「音声」、「ランプ」を用いたタッチ演出を実行するように制御する(「○」で示している)。また、タッチ検出が「無」から「有」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)には、一定条件下(例えば、設定値毎に設けられた当選割合による抽選結果等)で「音声」によるタッチ演出を実行するように制御する(「△」で示している)。更に、「デモ画面」を表示している遊技待機中に演出ボタンの操作がなされた後等の「特定条件下」においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合であっても通常行われる「画像」、「ランプ」を用いたタッチ演出を実行せず、音声によるタッチ演出のみを実行するように制御する(「△」で示している)。
これに対して、タッチ検出が「有」から「無」となった場合については、当該変化が「初回」であってもタッチ演出を実行しないように制御する(「×」で示している)。また、タッチ検出が「有」から「無」に所定回数以上(例えば、2回以上)変化した場合や遊技待機中に演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下についても、同条件下でタッチ検出が「無」から「有」となった場合のときと同様に、「画像」、「音声」、「ランプ」の演出は実行しないように制御する(「×」で示している)。
このように、図24(a)の例においては、デモ画面表示中の際には、遊技を終了する際に生じるタッチ検出が「有」から「無」に変化した場合にはタッチ演出を実行しない一方、タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合にはタッチ演出を実行するように構成されており、強制的にタッチ検出を有効にする不正装置等(例えば、ハンドルと遊技島の金属とを導通させるようにアース線をそれぞれに接続する装置)を取り外した際に、タッチ演出が実行されるようなことを好適に抑止することができる。更に、所定条件下でタッチ検出が「無」から「有」に変化した場合に限り、通常と異なるタッチ演出を実行することで遊技興趣を一段と向上することができるように構成されている。また、特に、遊技開始時の演出としてタッチ演出を利用する場合には、遊技者が演出ボタンを操作する等により遊技の意志を示した際にタッチ演出を省略することで、遊技者のニーズに沿わない演出の実行を抑止することができる。
なお、詳細は後述するが、図24(a)の例においては、デモ画面表示は、図柄停止後に所定時間経過した場合、換言すると遊技が停止してから所定時間以上経過した際に実行される表示画面(図33(a)の「待機画面A」など)であるため、タッチ検出が「有」から「無」へ変化する状況は極めて限定的である。このため、当該状況でタッチ演出を実行しないことによって、遊技を始める状態になっていることを示すといった本来のタッチ演出の意義が削がれることが一切ないのである。
さらに、「遊技待機中」の状態の「調整画面」においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、「画像」を用いたタッチ演出は実行しないものの、「音声」を用いたタッチ演出及び「ランプ」の一部を用いたタッチ演出を実行するように制御する。また、タッチ検出が「無」から「有」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)には、「画像」を用いたタッチ演出のみならず、「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出も実行しないように制御する。また、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「調整画面」の表示中においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合であっても通常行われる「音声」、「ランプ」を用いたタッチ演出を含む全てのタッチ演出を実行しないように制御する。一方、「遊技待機中」の状態の「調整画面」においては、タッチ検出が「有」から「無」となった場合には、当該変化が初回か否かや、当該変化が特定条件下であるか否かに関わらず、タッチ演出を行しないように制御する。
このように、本実施例においては、調整画面表示中の際には、デモ表示中と同様に遊技を終了する際に生じるタッチ検出が「有」から「無」に変化した場合にはタッチ演出を実行しない一方、タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合には調整作業を阻害する可能性が高い「画像」のタッチ演出を行わず、調整作業への影響を比較的与えにくい「音声」「ランプ」によるタッチ演出は実行するように構成されており、調整作業とタッチ演出の双方を適切に実行することができるように構成されている。また、「デモ表示中」と異なり、複数回のタッチ検出がなされたとしても調整画面中に複数回のタッチ演出が実行されないため、調整作業中に多数回(長時間)のタッチ演出に係る音声出力やランプ出力が実行されず、調整画面表示中に最も重要な調整作業を阻害しないように構成されている。更に、演出ボタンの操作が調整作業に利用される場合には、調整作業が開始された場合には、その後はタッチ演出を実行しなくなるため、調整画面表示中に最も重要な調整作業を阻害することがない。
続いて、「遊技待機中」の状態の「変動待機画面」においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、「音声」を用いたタッチ演出及び「ランプ」の一部を用いたタッチ演出を実行し、所定条件下(詳細後述するが、デモ画面から移行した際における変動待機画面の場合)では「画像」を用いたタッチ演出を実行するように制御する。また、タッチ検出が「無」から「有」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)及び、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「変動待機画面」の表示中においては、「画像」「ランプ」を用いたタッチ演出を実行せず、「音声」の演出については、一定条件下(例えば、所定の確率による抽選の当選)で実行するように制御する。
これに対して、初めてタッチ検出が「有」から「無」となった場合には、「画像」を用いたタッチ演出は実行しないものの、一定条件下(例えば、所定の確率抽選の当選)で「音声」や「ランプ」(の一部)を用いたタッチ演出を実行するように制御する。また、タッチ検出が「無」から「有」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)にも、一定条件下(例えば、初めてタッチ検出が行われた場合より低い確率による抽選の当選)で「音声」や「ランプ」(の一部)を用いたタッチ演出を実行するように制御する。一方、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「変動待機画面」の表示中においては、「画像」「ランプ」を用いたタッチ演出を実行せず、「音声」の演出については、タッチ演出を実行しないように制御する。
このように、「変動待機画面」表示中は、「デモ画面」の表示中と異なりタッチ検出が「無」から「有」に変化した場合でも所定条件下では「画像」の演出等の一部の演出の実行を行わないように構成されており、例えば遊技者が煙草に火をつけたり飲料を摂る等、遊技停止後の僅かな時間だけ遊技を中断している際に滞在しやすい当該画面中には通常のデモ画面よりもタッチ演出の効果を低減させて、当該遊技者の遊技再開時に不快感を与えにくくしている。一方で、変動待機画面には、遊技終了直後に移行することが多いため、遊技者がハンドル操作を中断した場合にはあまり「のめり込み」を助長せずに「遊技を継続して欲しい旨」の演出を実行することが好適である。このため、本実施例においては、当該状況においては、「画像」によるタッチ演出は行わずに「音声」「ランプ」による演出を実行することにより、「のめり込みを助長しない」ことと「遊技を継続させたい」ことの双方のバランスを考慮した演出を実行している。なお、「画像」について実施することもでき、その場合には「のめり込み」を抑止するような内容を含む演出表示を実行することが好適である。
さらに、「遊技待機中」の状態の「初期化報知」においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、及び、タッチ検出が「有」から「無」となった場合のいずれについても、「変化回数等」の状況に関わらず(「初回」か、2回目以降かに関わらず)、「画像」、「音声」、「ランプ」のいずれの演出も実行しないように制御する。また、演出ボタン等に係る特定条件下の状態であるか否かに関わらず、「画像」、「音声」、「ランプ」のいずれの演出も実行しないように制御する。
このように、「遊技待機中」の状態の「初期化報知」中は、タッチ検出が「無」から「有」、或いは「有」から「無」に変化した場合にタッチ演出の実行を行わないように構成されており、電源投入後の初期化報知(広義には、電源投入報知)期間という、通常は遊技者がハンドル操作を行わない状況下において意味のない或いは、極めて無意味な演出の実行を行わないようにすることで、初期化時における消費電力の低減、遊技店の騒音の抑止、作業者への不快感の低下を図ることができる。なお、当該状態においても、例えば、「ランプ」の一部等、タッチ検出状態の変化を確認できる程度の微小な演出処理、換言すれば上述の効果を得られる範囲における最低限の演出を実行してもよい。
また、「遊技待機中」の状態の「異常報知」においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、タッチ演出を行わないように制御する一方、所定回数(例えば、10回程度)以上、タッチ検出が「無」から「有」となったことが判定された場合には、その後、所定回数毎(例えば、その後2回毎)に、「画像」「音声」「ランプ」を用いて、タッチ検出が正常になされていることが理解でき、且つ、当該仕様による正常な報知である旨のタッチ演出を実行するように制御する。一方、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「異常報知」中においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合には、「変化回数等」の状況に関わらず(初回か、2回目以降かに関わらず)タッチ演出を行わないように制御する。
これに対してタッチ検出が「有」から「無」となった場合については、「変化回数等」の状況に関わらず、また、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下であるか否かに関わらず、タッチ演出を実行しないように制御する。
このように、「遊技待機中」の状態の「異常報知」中は、タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合でも当該操作が複数回実行されないとタッチ演出の実行を行わないように構成されている。そして、異常が発生している状態という、通常は遊技者がハンドル操作を行わない、又は、やむを得ず継続遊技を行っている状況下において、意味のない或いは、実行することで不快感を増長する恐れがある演出の実行を行わないようにしている。このようにすることで、異常時における遊技者への不快感の低下を図ることができる。なお、当該状態においても、異常状態の確認の際にハンドルタッチがなされたことを報知する程度の微小な(抑制した)演出や、当該異常状態の確認用の演出・複雑な報知契機が設定されている場合には当該情報を報知する等の演出、換言すれば上述の効果を得られる範囲における最低限(最小限)の演出を実行してもよい。また、異常報知後の復帰画面後におけるタッチ演出実行契機の際に、異常発生を謝罪するような特別なタッチ演出を実行することも好適である。
なお、前述の復帰可能エラーに対して、電源再投入等を行わないと復帰しないエラー異常(「復帰不可能エラー」などと称することが可能である)の場合、本実施形態においては、遊技が行えないような異常であることを理解しやすくするために、タッチ演出を含めて全体的に演出処理自体を中止(禁止)するように制御しているが、処理の簡素化を優先する場合には、復帰可能エラーの場合にもタッチ演出を禁止せずに、復帰不可能エラーの場合と同じような処理を実行することも可能である。
<<<図柄変動中>>>
前述の「遊技機の状態」のうちの「図柄変動中」としては、「図柄停止時」、「リーチ時」、「特定演出中」、「異常表示画面」を挙げることができる。これらのうち「図柄停止時」は、例えば、演出図柄(190)が変動開始直前の停止状態のとき、変動停止直前の揺れ変動(仮停止)状態から確定停止するまでの間を示す。なお、図柄変動中の状態として区分されていない低速状態となった状況や、複数の演出図柄の一部が仮停止中で、残りの一部のみが変動中(低速変動中など)であるような状況を「図柄停止時」に含めることも可能である。
上述の「リーチ時」はリーチ演出時を意味している。この「リーチ時」としては、例えば、図37(a)に例示するようなノーマルリーチの演出が行われている状態や、図37(b)に例示するようなSPリーチの演出が行われている状態を挙げることができ、リーチ演出時の終期は、リーチ演出が終了し確定図柄(停止予定の特別図柄態様)に対応する装飾図柄が仮停止したタイミングとすることができる。
上述の「特定演出中」は、予め決められた特定の演出が実行されている状況を意味している。この「特定演出中」としては、図示は省略するが、リーチ演出が行われていない図柄変動中の状態で、リーチへの発展の期待度が高いことや、当りの期待度が相対的に高いことなどを示す予告を含むような演出の実行中、普通図柄の当りを予告するような演出の実行中などの他、前述したリーチ中において行われ、演出ボタンの操作を促進させる演出やボタン操作により実行される演出、カットイン演出、ブラックアウト演出(画面を黒一色にする演出)等、リーチ演出と並行して行われる特別な演出(同一のリーチ演出でも実行態様が異なったり、実行されないことがある演出)の実行中等を例示できる。
上述の「異常表示画面」は、所定の異常が発生した場合における所定画像の表示を行っている状態であることを意味している。この「異常表示画面」としては、図示は省略するが、図柄変動を継続しながら、例えば、賞球切れ、下皿満タン、扉開放、可動役物動作異常等のエラーの発生を報知するメッセージや記号等の表示を行うようなものを例示できる。
これらのうち「図柄停止時」においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、「図柄停止時」に行われる他の演出に影響がないことを条件に「画像」と「音声」の演出を行うように制御する一方、「ランプ」の演出は実行しないように制御する。また、タッチ検出が「無」から「有」となりタッチ演出を実行した後は、その後に再度タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合でもタッチ演出を実行しないように制御する。更に、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「図柄停止時」においては、「画像」、「音声」、「ランプ」のいずれの演出も実行しないように制御する。
これに対して、タッチ検出が「有」から「無」となった場合には、当該変化が初回であってもタッチ演出を実行しないように制御する。また、タッチ検出が「有」から「無」に所定回数以上(例えば、2回以上)変化した場合や遊技待機中に演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下についても、同条件下でタッチ検出が「無」から「有」となった場合のときと同様に、「画像」、「音声」、「ランプ」の演出は実行しないように制御する。
このように、図柄変動中の「図柄停止時」には、遊技が再開された場合に生じるタッチ検出が「無」から「有」に変化した場合に限り、図柄停止時に行われる演出を阻害しない程度のタッチ演出が実行されるように構成されており、例えば、リーチが外れであった際の図柄停止時等の際に、「次は頑張ってね!」のような音声表示や遊技再開を好意的に受け止めているような演出画像を図柄停止の表示状態の視認性を阻害しない程度の大きさや領域、或いはそのようなタイミングの場合に実行することで、遊技を再開した際の遊技者心理を良好にする効果が期待できる。また、図柄停止時に再変動を期待すべく、演出ボタンが有効か否かに関わらず、当該操作部を連打する遊技者も存在する。このため、図柄停止中に演出ボタンの操作が行われた場合や遊技を停止させない程度の振動検出があった場合等の特定条件下においては、タッチ演出を実行しないように構成されており、これにより、図柄停止時に不必要な振動を遊技機に与えることを抑止することが期待でき、また、このような遊技者に不要な演出を実行して負の心理を与えることを抑止できる。なお、図柄停止時には、当該図柄停止を示すランプ表示を行うことが多いため、この表示と重複するタッチ演出を行わないようにすることで、遊技者がランプの発光態様により図柄停止であることの認識を阻害しないようになっている。
前述の「リーチ時」においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、「画像」「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出をいずれも実行しない。また、タッチ検出が「無」から「有」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)及び、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「リーチ時」においても、「画像」「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出をいずれも実行しない。
これに対して、初めてタッチ検出が「有」から「無」となった場合には、リーチ中に行われる他の演出に影響がないことを条件に「画像」「音声」「ランプ」の演出をいずれも行うように制御する。さらに、タッチ検出が「有」から「無」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)には、「画像」「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出をいずれも実行せず、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「リーチ時」においては、リーチ中に行われる他の演出に影響がないことを条件に「画像」、「音声」、「ランプ」のいずれの演出も実行するように制御する。
このように、「リーチ時」には、タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合には、タッチ演出を実行しないようにする構成することで、図柄変動中の「リーチ時」は、一般的に遊技者が発射を行っている状況(タッチ検出が「有」の状況)に対応した適正なタッチ演出を行うことが可能となっている。一方、リーチ発生時には、当該リーチの結果が遊技者の最大の関心になるため、遊技者がハンドルから手を放すようなことも考えられる。このため、当該操作がおこなわれた場合には、操作に対応して、信頼度に関する演出を実行したり、或いは、遊技者が発射を続けた方が不利にならないことを示す演出等を行うように構成することで、リーチ時におけるハンドル操作(タッチ)に、新たな遊技的エッセンスを付加することが期待できる。無論、単に、発射を継続するように促す演出を実行するだけでも遊技機の稼働を向上させるという効果が期待できるし、また、リーチの結果を反映させて演出の実行可否を決定するように構成することで、より遊技性を高めることができる。
前述の「特定演出中」においては、上述の「リーチ時」と同様に、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合、タッチ検出が「無」から「有」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)、及び、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「特定演出中」の場合のいずれについても、「画像」「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出をどれも実行しないようになっている。
これに対して、初めてタッチ検出が「有」から「無」となった場合には、上述の「リーチ時」と同様に、「特定演出中」に行われる他の演出に影響がないことを条件に「画像」「音声」「ランプ」の演出をいずれも行うように制御する。さらに、タッチ検出が「有」から「無」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)には、「画像」「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出をいずれも実行せず、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「特定演出中」においては、「特定演出中」に行われる他の演出に影響がないことを条件に「画像」、「音声」、「ランプ」のいずれの演出も実行するように制御する。
このように、「特定演出中」にも「リーチ時」と同様に、タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合には、タッチ演出を実行しないようにする構成することで、図柄変動中の「特定演出時」は、一般的に遊技者が発射を行っている状況(タッチ検出が「有」の状況)に対応した適正なタッチ演出を行うことが可能となっている。一方、「特定演出中」には、当該図柄変動の結果が遊技者の最大の関心になるため、遊技者がハンドルから手を放すようなことも考えられる。このため、当該操作がおこなわれた場合には、操作に対応(タッチ検出の変化に対応)して、例えば、信頼度に関する演出を実行したり、或いは、遊技者が発射をつづけた方が不利にならないことを示す演出等を行うように構成することで、特定演出時におけるハンドル操作(タッチ)に、新たな遊技的エッセンスを付加することが期待できる。無論、単に、発射を継続するように促す演出を実行するだけでも遊技機の稼働を向上させるという効果が期待できるし、また、当該変動の結果を反映させて演出の実行可否を決定するように構成することで、より遊技性を高めることができる。
さらに、前述の「異常表示画面」においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合、及び、タッチ検出が「無」から「有」となり、その後に再度タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合には、「異常表示画面」時に行われる他の演出に影響がないことを条件に「音声」の演出を行うように制御する一方、「画像」と「ランプ」の演出は実行しないように制御する。また、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「図柄停止時」においては、「画像」、「音声」、「ランプ」のいずれの演出も実行しないように制御する。
これに対して、初めてタッチ検出が「有」から「無」となった場合には、「異常表示画面」時に行われる他の演出に影響がないことを条件に「音声」の演出を行うように制御する一方、「画像」「ランプ」のタッチ演出は実行しないよう制御する。さらに、タッチ検出が「有」から「無」となり、その後に再度タッチ検出が「有」から「無」に所定回数以上(例えば、2回以上)変化した場合、及び、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「異常表示画面」の場合には、「画像」「音声」「ランプ」のタッチ演出はいずれも実行しないように制御する。
このように、「異常表示画面」中は、タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合には、当該異常中に発射を停止させた場合に遊技者に不利が生じるような状況でないときに、異常であるが故にハンドル操作を行わないよう旨を報知するタッチ演出を実行するように構成することで、異常状態において、不用意に遊技を継続させることを抑止することができる。また、本実施例では、異常報知とタッチ演出との優先度を考慮し、タッチ演出を音声出力に限って実行するようにしている。なお、当該異常中に発射を停止させた場合に遊技者に不利が生じるような状況の場合には、タッチ検出が「有」から「無」に変化した場合に、発射を維持する旨を報知する「音声」によるタッチ演出を実行するように構成することで、発射の停止が遊技者に不利となる遊技状態である場合には、当該演出により、不用意に遊技を停止せることを抑止することができる。
<<<当り中>>>
前述の「遊技機の状態」のうちの「当り中」としては、「開始デモ時」、「ラウンド中」、「ラウンド間」、「特定演出中」、「終了デモ時」を挙げることができる。これらのうち「開始デモ時」は、大当り遊技の開始デモが実行されている状況を意味しており、「ラウンド中」は、大当り遊技において大入賞口装置90の大入賞口を開放する単位遊技が行われる状況であることを意味している。
また、「ラウンド間」は、「ラウンド中」と次の「ラウンド中」の間の状況であることを意味しており、「特定演出中」は、「当り中」に予め決められた特定の演出が実行されている状況を意味している。さらに、「終了デモ時」は、大当り遊技の終了デモが実行されている状況を意味している。
これらのうち「開始デモ時」においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、「開始デモ時」に行われる他の演出に影響がないことを条件に「音声」の演出を行うように制御する一方、「画像」と「ランプ」の演出は実行しないように制御する。また、タッチ検出が「無」から「有」となり、その後に再度タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合、及び、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「開始デモ時」の場合においては、「画像」、「音声」、「ランプ」のいずれの演出も実行しないように制御する。
これに対して、初めてタッチ検出が「有」から「無」となった場合、及び、タッチ検出が「有」から「無」となり、その後に再度タッチ検出が「有」から「無」に所定回数以上(例えば、2回以上)変化した場合には、「画像」「音声」「ランプ」のタッチ演出をいずれも実行しないように制御する。さらに、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「開始デモ時」の場合には、「画像」のタッチ演出は実行せず、所定条件下で「音声」「ランプ」のタッチ演出を行うように制御する。
このように、「開始デモ時」中は、タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合には、例えば、当該大当りとなった変動内容や、大当りまでの図柄変動回数等に応じて、「おめでとう!」等の「音声」による大当りを祝福する演出を実行可能に構成されることにより、遊技過程と発射再開とを関連付けた演出を実行することができる。また、「開始デモ」中の終盤等、ラウンド遊技のように実体を伴う大当り遊技の開始タイミングが近づいている場合にタッチ検出が「有」から「無」に変化した場合には、「発射をしないと不利となる遊技状態」に間もなく切り替わる旨を示唆したり、「右打ちしてください!」のような発射位置を示唆する「音声」や「ランプ」によるタッチ演出が実行されるように構成することにより、不適切なタイミングで発射ハンドルから手を離した際に、必要に応じてタッチ演出として発射操作を実行する旨を報知することができる。
前述の「ラウンド中」においては、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、「画像」「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出をいずれも実行しない。また、タッチ検出が「無」から「有」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)及び、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「ラウンド中」においても、「画像」「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出をいずれも実行しない。
これに対して、初めてタッチ検出が「有」から「無」となった場合、及び、タッチ検出が「有」から「無」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)には、「画像」「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出をいずれも実行しない。さらに、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「ラウンド中」には、「ラウンド中」に行われる他の演出に影響がないことを条件に「画像」「音声」「ランプ」の演出をいずれも行うように制御する。
このように、「ラウンド中」は、特定条件下でタッチ検出が「有」から「無」に変化した場合に限り、例えば、当該ラウンド開始直後等に限り、「発射をしないと不利となる遊技状態」である旨を示唆したり、「右打ちしてください!」のような発射位置を示唆する「音声」や「ランプ」によるタッチ演出が実行されるように構成することにより、不適切なタイミングで発射ハンドルから手を離した際に、必要に応じてタッチ演出として発射操作を実行する旨を報知することができる。
前述の「ラウンド間」においては、前述の「開始デモ時」と同様に、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、「ラウンド間」に行われる他の演出に影響がないことを条件に「音声」の演出を行うように制御する一方、「画像」と「ランプ」の演出は実行しないように制御する。また、タッチ検出が「無」から「有」となり、その後に再度タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合、及び、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「ラウンド間」の場合においては、「画像」、「音声」、「ランプ」のいずれの演出も実行しないように制御する。
これに対して、初めてタッチ検出が「有」から「無」となった場合、及び、タッチ検出が「有」から「無」となり、その後に再度タッチ検出が「有」から「無」に所定回数以上(例えば、2回以上)変化した場合には、前述の「開始デモ時」と同様に、「画像」「音声」「ランプ」のタッチ演出をいずれも実行しないように制御する。さらに、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「ラウンド間」の場合には、「画像」のタッチ演出は実行せず、「音声」「ランプ」のタッチ演出を行うように制御する。
このように、「ラウンド間」に、所定のタイミング(例えば、次のラウンドの開始直前のタイミング)でタッチ検出が「無」から「有」に変化した場合に「音声」によるタッチ演出を実行されるように構成されており、例えば、当該タイミングでタッチ検出が「無」から「有」に変化したときには「音声」により「ナイス!」のような祝福の演出が実行される。一方、特定の「ラウンド間」(例えば、次のラウンドの開始までの時間が通常よりも長いラウンド間)における特定のタイミングでタッチ検出が「有」から「無」に変化した場合に「音声」「ランプ」によるタッチ演出を実行されるように構成されており、例えば、ラウンド間が長い際の早いタイミングでタッチ検出が「有」から「無」に変化したときには「音声」により「ナイス!」のような祝福の演出が実行される。このように、ラウンド間の期間等の状況や、タッチ検出の変化状態に応じて遊技に関連する(技量に応じた)演出を実行することで、遊技者の技量を向上させるきっかけを提供することができる。
前述の「特定演出中」においては、上述の「ラウンド間」と同様に、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、「特定演出中」に行われる他の演出に影響がないことを条件に「音声」の演出を行うように制御する一方、「画像」と「ランプ」の演出は実行しないように制御する。また、タッチ検出が「無」から「有」となり、その後に再度タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合、及び、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「特定演出中」の場合においては、「画像」、「音声」、「ランプ」のいずれの演出も実行しないように制御する。
これに対して、初めてタッチ検出が「有」から「無」となった場合、及び、タッチ検出が「有」から「無」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)には、前述の「ラウンド中」と同様に、「画像」「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出をいずれも実行しない。さらに、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「特定演出中」には、「特定演出中」に行われる他の演出に影響がないこと(例えば、特定演出期間中のタッチ検出受付期間内であること)、又は演出実行抽選の当選を条件に「画像」「音声」「ランプ」の演出をいずれも行うように制御する。
このように、「特定演出中」の所定のタイミング(例えば、昇格演出や連荘報知演出における結果報知後のタイミング)でタッチ検出が「無」から「有」に変化した場合に「音声」によるタッチ演出を実行されるように構成されており、例えば、当該タイミングでタッチ検出が「無」から「有」に変化したときには「音声」により報知結果に応じて「ラッキー!」や「残念!」のような演出が実行される。一方、「特定演出中」の所定のタイミング(例えば、昇格演出や連荘報知演出における入力待ちのタイミング)においてタッチ検出が「有」から「無」に変化した場合には、「演出ボタン」を操作したものと見做して、「演出」「音声」「ランプ」による特定演出の結果を報知するように構成されており、例えば、昇格演出中の「ボタンを押せ!」という指示表示中にタッチ検出が「有」から「無」に変化したときには当該特定演出の結果に対応した演出が実行される。このように、特定演出の結果に応じたタッチ演出を実行したり、特定演出中に他の入力の代替として演出の実行トリガとすることで、当り遊技における特定演出中のタッチ操作の変化を好適に活かすことができる。
前述の「終了デモ時」においては、上述の「特定演出中」と同様に、初めてタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、「終了デモ時」に行われる他の演出に影響がないことを条件に「音声」の演出を行うように制御する一方、「画像」と「ランプ」の演出は実行しないように制御する。また、タッチ検出が「無」から「有」となり、その後に再度タッチ検出が「無」から「有」に変化した場合、及び、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「終了デモ時」の場合においては、「画像」、「音声」、「ランプ」のいずれの演出も実行しないように制御する。
これに対して、初めてタッチ検出が「有」から「無」となった場合、及び、タッチ検出が「有」から「無」に初めて変化した後に、再度、タッチ状態の変化が検出された場合(所定回数目以降の場合)には、前述の「ラウンド中」と同様に、「画像」「音声」「ランプ」を用いたタッチ演出をいずれも実行しない。さらに、演出ボタンの操作がなされた後等の特定条件下の「終了デモ時」には、「終了デモ時」に行われる他の演出に影響がないことを条件に「画像」「音声」「ランプ」の演出をいずれも行うように制御する。
このように、「終了デモ中」の所定のタイミング(例えば、終了デモの終了直前のタイミング)でタッチ検出が「無」から「有」に変化した場合に「音声」によるタッチ演出を実行されるように構成されており、例えば、当該タイミングでタッチ検出が「無」から「有」に変化したときには「音声」により報知結果に応じて「次も頑張ってね!」のような演出が実行される。一方、「終了デモ中」の所定のタイミング(例えば、終了デモの開始直後のタイミング)においてタッチ検出が「有」から「無」に変化した場合には、「演出」「音声」「ランプ」によるタッチ演出を実行されるように構成されており、例えば、当該タイミングでタッチ検出が「有」から「無」に変化したときには「今回もたくさん出玉をゲットできたね!」のように今回の大当りに関する演出を「画像」「音声」「ランプ」により実行する。このように、終了デモ中のタイミングに応じてタッチ演出を実行することで、当り遊技と、終了デモ中のタッチ操作の変化とを好適に連携させることができる。
<<<確変(電サポ)中>>>
前述の「遊技機の状態」のうちの「確変(電サポ)中」としては、「図柄停止時」、「リーチ時」、「特定演出中」、「異常表示画面」を挙げることができる。これらの状況は、前述した「図柄変動中」の状態において想定した各状況と同様の意味のものとすることができる。そして、図24(b)の例では、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、及び、「有」から「無」となった場合について、「変化回数等」が「初回」、「所定回目以降」、「特定条件下」のいずれの状況についても、「画像」、「音声」、「ランプ」の演出は、図24(a)に示す「図柄変動中」の状態における各演出と同様に(同じ内容で)定められている。
なお、ここでは説明が煩雑にならないよう、「確変(電サポ)中」についても、通常時(非電サポ中)に係る前述の「図柄変動中」と同じように遊技機の状態を定めたが、「確変(電サポ)中」に係る図柄変動中(図24では記載を省略している)と通常時に係る「図柄変動中」の相違事項として、「図柄停止」の状態から「遊技待機中」の状態へは移行しないことを挙げることができる。また、これに限定されず、例えば実施する演出の内容や制御態様の相違等の要因に応じて、通常時に係る「図柄変動中」とは異なる遊技状態を定めることも可能である。
<<演出種別>>
以上のように、遊技機の状態と、タッチ検出の変化方法、変化回数等に応じて「画像」「音声」「ランプ」による演出の実行状態について説明したが、前述の通り、これらの条件に基づき「演出を実行する」という概念では共通するものの、「どのような演出を実行するか」という点では、これまでに説明したものや説明していないものなど、様々な態様を採用することが可能である。そこで、以下では、上述した状況において実行される演出として好適な演出種別について、幾つかの例を挙げて更に詳細に説明する。
図25、図26は、各種の遊技状態においてタッチ状態の変化を検出した場合におけるより具体的な演出の種別を一覧表としてまとめたものである。
図25は、図表の左から「検出状態変化時に実行する演出の種類」、「設定変更関係」、「遊技待機中」、「図柄変動中」を示している。また、図26は、図表の左から「検出状態変化時に実行する演出の種類」、「当り中」、「確変(電サポ)中」を示している。図25及び図26の、「設定変更関係」、「遊技待機中」、「図柄変動中」、「当り中」、「確変(電サポ)中」は遊技機の状態を示しており、前述した図24(a)、(b)に「遊技機の状態」として示した分類と同じものを意味している。
図25及び図26に示す各項目のうち「検出状態変化時に実行する演出の種類」は、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、及び、「有」から「無」となった場合に行われ得る演出の種別を列挙したものである。そして、図25に示すように、「検出状態変化時に実行する演出の種類」に属する演出の種別としては、「他のモード(演出)に移行」、「キャラクタに関連する演出」、「遊技を促進する演出」、「遊技終了を引き留める演出」、「RTC関連の演出」、「のめりこみ防止関係の演出」、「カード取り忘れ防止関係の演出」、「遊技説明等の演出」、「遊技結果に関する報知演出」、「タッチ報知」を挙げることができる。
これらの演出の種別は、各種の演出を機能や属性に基づき包括的に分類し例示したものである。そして、演出の種別としては、ここに列挙した様な分類に限らず、他の分類を採用することもできる。また、ここで列挙した種別以外の種別を設けることもできる。さらに、各種別は、明確に分離して考えられるものとは限らず、例えば或る演出が複数の種別に重複して分類できるといったようなことも考えられる。
前述した各種別のうち、「他のモード(演出)に移行」は、例えば「他のモードの演出」のようにも称することができるものである。そして、「他のモード(演出)に移行」は、タッチ検出の状態が「無」から「有」(或いは「有」から「無」)へ変化すると、演出モードが異なる演出モードへ変化するようなものを意味している。また、「演出モード」については、例えば、予告演出やリーチ演出などの演出表示内容を決定する際に依存する(演出)形式/形態であり、制御上は、これらの演出形式(演出形態)がデータ符号の相違によって特定されるものであるということができる。そして、演出モードの種類の例として、通常時のステージA〜Zや、確変(電サポ)時のステージa〜gなどを挙げることができる。
前述の「キャラクタに関連する演出」は、タッチ検出の状態が「無」から「有」(或いは「有」から「無」)へ変化すると、キャラクタを用いた演出が開始されたり、キャラクタを用いた演出の内容を変化させたりするようなものを意味している。また、前述の「遊技を促進する演出」は、タッチ検出の状態変化に応じて、演出上のストーリーを先に進めたり、演出内容を発展させたり、ボタン演出を実行したりするようなものを意味している。ここで、前述したように、キャラクタを用いた演出を、「キャラクタに関連する演出」と「遊技を促進する演出」の両方に分類することも可能である。
また、「キャラクタに関連する演出」の具体例としては、タッチ検出に基づき、演出のモチーフに係る演出の要素が登場したり変化したりするものなどを挙げることができる。より具体的には、例えば、遊技機が宇宙をモチーフにしている場合の「火星人」や「隕石」、「宇宙船」等や、ロボットをモチーフにしている場合の「電池」や「博士」、或いは、バトル演出における「武器」や「防具」等が、タッチ検出に基づきストーリー中に現れたり、既存の演出要素がこれらの要素に変化したりするものなどを考えることができる。
前述の「遊技終了を引き留める演出」は、タッチ検出の状態変化に基づき、遊技者が遊技を終了して遊技機を離れようとするのを思い留まらせるような働きを期待できるようなものを意味している。例えば、前述の限定頻度パターンテーブルを使用して実行される演出(限定頻度パターン演出)は、この「遊技終了を引き留める演出」に含まれるものとして考えることができる。さらに、一連のストーリーの途中までを展開する演出なども、この「遊技終了を引き留める演出」に含めて考えることができる。
この「遊技終了を引き留める演出」としては、「もう少しお付き合いください!」、「やめないで〜!」、「おかま掘られても知らないよ〜」等のような引き留めを目的としたメッセージの表示等の演出を例示することができる。また、上述のように限定頻度パターンテーブルを使用する場合には、タッチ検出を契機として所定の限定頻度パターンテーブルを選択し、その後の数回の遊技において、特有の珍しい演出を高頻度で出現させたり、通常であれば出現頻度が少ない演出が出現し易くなるようにすることなども考えられる。
前述の「RTC関連の演出」は、RTC(リアルタイムクロック)を用いて実時間に基づき行われるようなものを意味している。例えば、前述の「E121:RTC」として行われるような演出は、この「RTC関連の演出」に該当するものとして考えることができる。また、RTCを用いて行われる、例えば、期日や季節を決めて行われる演出、1日のうちの時間帯を決めて行われる演出、複数のぱちんこ遊技機で同時に行われる演出、なども、この「RTC関連の演出」として例示することができる。
前述の「のめりこみ防止関係の演出」は、遊技者が過度に遊技に集中するのを防止ような内容のものを意味している。例えば、「パチンコは適度に楽しむ遊びです」や「のめり込みに注意しましょう」といったメッセージを伴う「画像」や「音声」の演出を行うものを考えることができる。
前述の「カード取り忘れ防止関係の演出」は、遊技者が前述のカードユニットから各種のカードの取り出しを忘れないようにするためのものを意味している。例えば、「カードの取り忘れに注意しましょう」や「カードを忘れずにお取りください」といったメッセージを伴う「画像」や「音声」の演出を行うものを考えることができる。
前述の「遊技説明等の演出」は、ぱちんこ遊技機10のゲーム性の説明や、音量等の環境設定の説明などを行うためのものを意味している。例えば、大当りの種類と期待度(大当り確率)、演出モードの種類、登場するキャラクタなどの紹介や、環境設定メニューの表示などを「画像」の演出として表示するものを考えることができる。
前述の「遊技結果に関する報知演出」は、当否判定や大当りの種類などの遊技結果の報知演出を意味している。例えば、そのときの変動(当該変動)に係る結果の報知演出を例示することができる。そして、この場合には後述するように、図25の「遊技待機中」には「遊技結果に関する報知演出」を行わないようにすることが考えられる。なお、「遊技結果に関する報知演出」として、そのぱちんこ遊技機10のその日における出玉の推移や大当り回数などや、確変中や電サポ中における大当り回数や獲得球数などを「画像」の演出として表示することも可能である。
前述の「タッチ報知」は、タッチ操作があったことの報知を行うようなことを意味している。ここで、「タッチ報知」としては、広義には、タッチ検出があると所定の演出が開始される、演出に変化がある、といったようにこれまでに説明した種別の演出を含めて考えることができるが、図25に示す「タッチ報知」は、タッチ操作(タッチ検出)があったことの報知を行うようなことを意味しており、「タッチ報知」としては、例えば、ハンドルの画像とともに「タッチ操作がありました」のような文字表示や音声表示を行ったり、所定のランプ(LED)が点灯したりする、といったものを例示することができる。
そして、「タッチ報知」以外の演出としては、タッチ検出の有無に依らずに実行される演出を挙げることができる。そして、「タッチ報知」以外の演出として、例えば、図柄変動中の予告、大当り中の演出、デモ中に使用される演出等を挙げることができる。
図25の例では、これまでに説明した「キャラクタに関連する演出」から「タッチ報知」の各種別について、更に「専用」と「共用」の種別が設けられている。これらのうち「専用」は、「キャラクタに関連する演出」から「タッチ報知」の各々について専用のものとして設けられ、タッチ検出に基づく「キャラクタに関連する演出」から「タッチ報知」以外の演出としては使用されない演出を意味している。また、「共用」は、タッチ検出に基づく「キャラクタに関連する演出」から「タッチ報知」以外の演出としても用いられる演出を意味している。
<<<設定変更関係>>>
図25に示す各種の遊技機の状態のうち、前述の「設定変更関係」には、図24(a)の例と同様に「設定変更中」と「設定表示中」の状態が定められている。ここでは、「設定変更中」、「設定表示中」が表す状況は、図24(a)の例と同様とされている。また、図25、図26に示す例でも、「○」、「△」、「×」の記号が用いられており、これらの記号の意味も図24(a)の例と同様に、「○」が「実行が好ましい」、「△」が「一定条件下で実行することが好適或いは可能である」、「×」が「実行が好ましくない或いは困難である」ことをそれぞれ表している。
これらのうち「△」は、条件付きで有効性が示されるものであるが、いずれの演出についても実行するような制御態様を採用することが可能である。さらに、「×」は、実行が好ましくない或いは困難なものであるが、敢えて実行するような制御態様とすることも可能である。また、図25、図26に示す例では、「−」の記号が用いられており、この「−」の記号は、ここでは演出是非の割り当ての対象にしていないことを表している。
そして、図25に示す「設定変更関係」の状態においては、「設定変更中」や「設定表示中」となることから、図中左端に示すタッチ検出が「無」から「有」となった場合について、「他のモード(演出)に移行」は実行しないもの(×)とされている。さらに、「キャラクタに関連する演出」から「遊技結果に関する報知演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても上述の「−」となっている。
前述の「タッチ報知」に係る「専用」の演出は、「設定変更中」、「設定表示中」のいずれの場合も一定条件下で実行が好適又は可能なもの(△)とされており、「共用」の演出は、「設定変更中」、「設定表示中」のいずれの場合も実行が好ましくない又は困難なもの(×)とされている。
この「設定変更関係」の状態に関し、タッチ検出が「有」から「無」となった場合についても、「キャラクタに関連する演出」から「タッチ報知」に関して、前述のタッチ検出が「無」から「有」となった場合と同様に演出の種別に係る取り決めが行われている。
また、図24(a)の「遊技機の状態」における「設定変更関係」に「△」で示したように、「設定変更関係」の状態においては「ランプ」による演出のみが実行される可能性がある。そして、図25においては、「設定変更関係」の状態において実行される「タッチ報知」の演出は、ランプを用いてタッチ検出を報知する専用の演出であることを、「△」によって示している。一方、ランプを用いた演出であるため、「キャラクタに関連する演出」や「遊技を促進する演出」、或いは「遊技終了を引き留める演出」等のような各種演出は実行できないため、図25では、ここでの規定の対象外である「−」が示されている。
そして、これらの取り決めに従い、「△」の項目(ここでは「専用」の「タッチ報知」の演出)に関しては、「設定変更中」や「設定表示中」の状態における表示等の邪魔にならないよう抑制された態様で演出を実行することが可能である。また、「×」の項目(ここでは「共用」の「タッチ報知」)に関しては、実行しないようにする。ここで、「専用」の「タッチ報知」の演出としては、「設定変更中」や「設定表示中」の文字表示を画面の下部で行うことなどを例示できる。
<<<遊技待機中>>>
続いて、前述の「遊技待機中」の状態としては、「デモ画面」、「調整画面」、「変動待機画面」、「初期化報知」、「異常報知」を挙げることができる。これらの状態は、図24(a)の例で説明したものと同様である。この「遊技待機中」における「デモ画面」(の表示中)においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は、実行が好ましいもの(○)とされている。さらに、「キャラクタに関連する演出」、及び、「遊技を促進する演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても実行が好ましいもの(○)とされている。
また、タッチ検出が「無」から「有」となった場合に関して、「遊技終了を引き留める演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても実行が好ましくない又は困難であるもの(×)とされている。さらに、「RTC関連の演出」、及び、「のめりこみ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても実行が好ましいもの(○)とされており、「カード取り忘れ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても一定条件下で実行が好適又は可能なもの(△)とされている。
これらのうちの「カード取り忘れ防止関係の演出」について「△」としているのは、以下のような考えに基づいている。すなわち、「カード取り忘れ防止関係の演出」は、遊技終了時等、離席の可能性が高いときに行われることが望ましいため、タッチ検出が「無」から「有」となった場合には演出の効果が小さいと考えられる。一方で、例えば、タッチ検出が「有」から「無」となってからタッチ演出の実行が許容されるものの一定時間以上経過していない(短時間の離席の場合)等の特定条件下に限っては、遊技開始を契機に「カードを取り忘れていませんか?」等の関連演出を実行することは、一定の効果があると考えられるため、念を押すような該当演出を実行してもよい。したがって、「カード取り忘れ防止関係の演出」に関しては、一定条件下で実行することが好適或いは可能であるもの(△)としている。
また、「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされており、「遊技結果に関する報知演出」は、該当する報知が行われないため「専用」、「共用」のいずれについても取り決めを特に行っていない「−」とされている。さらに、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされている。
また、「デモ画面」中に、タッチ検出が「有」から「無」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。また、タッチ検出が「有」から「無」となった場合は、前述のとおり(必要であれば図24参照)該当する報知が行われないため「専用」、「共用」のいずれについても取り決めの対象としない「−」としている。
続いて、「遊技待機中」における「調整画面」(の表示中)においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」から「遊技を促進する演出」は「△」とされている。さらに、「遊技終了を引き留める演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「RTC関連の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
ここで、「RTC関連の演出」について条件付きを意味する「△」とし、「タッチ報知」について実行が好ましいことを意味する「○」としているのは、以下ような理由による。すなわち、図24(a)に示すように、「遊技待機中」の「調整画面」については、「画像」の演出を実行せず、「音声」の演出(条件付きで「ランプ」の演出を併用)を実行するものとしている。このように、「遊技待機中」の「調整画面」については、演出が「画像」以外の「ランプ」や「音声」に限定されているため、「タッチ報知」を優先し、「RTC関連の演出」の優先順位を「タッチ報知」よりも低くしている。
また、「のめりこみ防止関係の演出」から「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「遊技結果に関する報知演出」は、該当する報知が行われないため「専用」、「共用」のいずれについても「−」とされている。さらに、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされている。
また、「調整画面」としては、タッチ検出が「有」から「無」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。さらに、その他の「キャラクタに関連する演出」から「タッチ報知」は、前述のとおり(必要であれば図24参照)該当する報知が行われないため「専用」、「共用」のいずれについても「−」とされている。このように、「遊技待機中」における「調整画面」においてはタッチ検出が「無」から「有」となった場合に限り、調整作業に影響がない程度にタッチ報知を示す演出や、遊技促進に係る演出を限定的に実行することとしている。
続いて、「遊技待機中」における「変動待機画面」(の表示中)においてはタッチ検出が「無」から「有」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。さらに、「キャラクタに関連する演出」、「遊技を促進する演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされており、「遊技終了を引き留める演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされている。
また、「RTC関連の演出」、「のめりこみ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「〇」とされており、「カード取り忘れ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。さらに、「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされており、「遊技結果に関する報知演出」は、遊技結果が導出されることがないため「専用」、「共用」のいずれについても「−」とされている。また、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされている。
これらのうちの「カード取り忘れ防止関係の演出」について、一定条件下で実行が好適又は可能なもの(△)としているのは、前述した「デモ画面」に係る「カード取り忘れ防止関係の演出」の場合と同様であり、演出を行う効果が大きいと考えられる状況が、短時間の離席等の限られた場合となるためである。
続いて、「変動待機中」の「変動待機画面」としては、タッチ検出が「有」から「無」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「△」とされている。さらに、「キャラクタに関連する演出」から「遊技終了を引き留める演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされている。
ここで、タッチ検出が「有」から「無」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」を「△」としているのは、例えば、変動待機中となって遊技者が発射ハンドル(20)から手を離し、離席しようとした場合に、他の演出モードへの移行を行っても遊技の趣向性を高めることは期待できないが、遊技者に再び当該ぱちんこ遊技機10の席に戻る意思を持たせ得る場合もあると考えられるためである。また、離席に伴いデフォルトの演出モード(例えば電源立ち上げ時の初期設定モードや、環境設定に係る遊技者選択がなされていない場合の演出モードなど)に戻すといった制御を行う、といったことも可能である。
また、「RTC関連の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされており、「のめりこみ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされている。さらに、「カード取り忘れ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされており、「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされている。
ここで、「RTC関連の演出」を「専用」及び「共用」で「△」としているのは、RTC延出としてどのような態様の演出を採用しているかに応じてタッチ演出の是非が異なる場合もあると考えられるためである。
また、「遊技結果に関する報知演出」は、「変動待機画面」においては前述のとおり(必要であれば図24参照)該当する報知が行われないため、「専用」、「共用」のいずれについても「−」とされており、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされている。
続いて、「遊技待機中」における「初期化報知」(中)においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、タッチ検出が「有」から「無」となった場合のいずれにおいても「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。また、前述のとおり(必要であれば図24参照)タッチ演出が行われることもない。これは、電源投入直後である初期化報知中は遊技者が存在しない可能性が高く、タッチ検出の変化による演出の実行に意味がないことに起因している。
続いて、「遊技待機中」における「異常報知」(の表示中)においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。さらに、「キャラクタに関連する演出」から「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされている。一方、「遊技結果に関する報知演出」及び「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても特定条件下で実行する「△」とされている。
さらに、「異常報知」(の表示中)においては、タッチ検出が「有」から「無」となった場合、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。また、前述のとおり(必要であれば図24参照)タッチ演出が行われることもない。このように、「遊技待機中」における「異常報知」(の表示中)においてはタッチ検出が「無」から「有」となった場合に限り、調整作業に影響がない程度にタッチ報知を示す演出や、遊技結果に関する報知演出を限定的に実行することとしている。
<<<図柄変動中>>>
続いて、前述の「図柄変動中」の状態としては、「図柄停止時」、「リーチ時」、「特定演出中」、「異常表示画面」を挙げることができる。これらの状態は、図24(a)の例で説明したものと同様である。この「図柄変動中」における「図柄停止時」においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。さらに、「キャラクタに関連する演出」は、「専用」については「△」とされ、「共用」については「×」とされている。
このように「キャラクタに関連する演出」に関し、「共用」の演出を「×」としているのは、図柄停止時に共用の演出を実行するとタッチ検出による演出なのか、図柄変動に関する演出なのかが区別できなくなり、タッチ演出の演出効果が薄れるためである。このような事情は、以下に説明する「リーチ時」、「特定演出中」、「異常表示画面」においても同様にある。このため、「図柄変動中」における「キャラクタに関連する演出」は、多くの場合(例えば、当りの図柄変動中等)に、特殊な条件下でのみ実行するような制御態様を採用することが望ましいと考えられる。
また、「遊技を促進する演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされており、「遊技終了を引き留める演出」から「カード取り忘れ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされている。さらに、「遊技説明等の演出」は、「専用」については「△」とされ、「共用」については「×」とされている。また、「遊技結果に関する報知演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
より具体的に説明すれば、タッチ検出が「無」から「有」となる場合には、遊技者には原則として遊技を開始(再開)する意志があると考えられることから、遊技の継続を促すような演出は好適な一方で、遊技を終了する際に係る「遊技終了を引き留める演出」、「カード取り忘れ防止関係の演出」などは、「図柄停止時」の状態における演出として好適ではないといえる。このため、上述のように「遊技を促進する演出」を「専用」、「共用」のいずれについても「△」とし、「遊技終了を引き留める演出」から「カード取り忘れ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」としている。
そして、ここでの「遊技を促進する演出」としては、演出上のストーリーが先に進むことの期待を煽るためのキャラクタやアイテムを表示したり、「発展?」の文字表示を行ったりすることを例示できる。
続いて、「図柄変動中」における「図柄停止時」においては、タッチ検出が「有」から「無」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。さらに、「キャラクタに関連する演出」は、「専用」については「△」とされ、「共用」については「×」とされている。
また、「遊技を促進する演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「遊技終了を引き留める演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされている。さらに、「RTC関連の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「のめりこみ防止関係の演出」から「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
また、「遊技結果に関する報知演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
このように、「図柄変動中」における「図柄停止時」においてはタッチ検出が「無」から「有」となった場合には、一定の条件のもとでタッチ報知を示す演出や遊技を促進する演出を実行する一方、タッチ検出が「有」から「無」となった場合には、主に遊技終了を引き留める演出を実行することとしている。これにより図柄停止を遊技終了の基準とする遊技者に対する影響力が期待できるといえる。
また、「図柄変動中」における「リーチ時」及び、「特定演出中」においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。また、「遊技結果に関する報知演出」のうち、「共用」については「△」とされ、他の演出については、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされている。
さらに、タッチ検出が「有」から「無」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。また、「キャラクタに関連する演出」は、「専用」については「△」とされ、「共用」については「×」とされている。また、「遊技を促進する演出」から「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされている。
さらに、「遊技結果に関する報知演出」は、「専用」については「△」とされており、「共用」については「×」とされている。また、「タッチ報知」は、「専用」については「×」とされており、「共用」については「△」とされている。
このように、「図柄変動中」における「リーチ時」や「特定演出中」においては、タッチ検出が「無」から「有」或いは「有」から「無」となった場合に、一定の条件のもとで、タッチ演出専用の遊技結果に関する報知演出が実行可能とされ、タッチ検出の変化により、図柄変動中の演出に加え、図柄変動時の演出と混同し難い遊技結果に関する報知演出を付加することができる。
さらに、「図柄変動中」における「異常表示画面」(の表示中)においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、タッチ検出が「有」から「無」となった場合のいずれに関しても「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。また、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、一定条件下でタッチ報知の「専用」、「共用」の演出が実行される場合があるものの、前述のとおり(必要であれば図24参照)他の演出については、該当する報知が行われないため「専用」、「共用」のいずれについても「−」とされている。
このように、「図柄変動中」における「異常表示画面」(の表示中)においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合に、一定の条件のもとで、タッチ報知のみが実行され得るものの、他の演出は実行されないようになっている。これにより、異常が発生している際に、不用意に遊技促進等の演出等を行うことがなく、興趣を削がれることを抑止することができるといえる。
<<<当り中>>>
続いて、前述の「当り中」の状態としては、「開始デモ時」、「ラウンド中」、「ラウンド間」、「特定演出中」、「終了デモ時」を挙げることができる。これらの状態は、図24(b)の例で説明したものと同様である。この「当り中」における「開始デモ時」(開始デモの表示中)においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、タッチ検出が「有」から「無」となった場合のいずれに関しても、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。さらに、「キャラクタに関連する演出」、「遊技を促進する演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされている。
また、「遊技終了を引き留める演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「RTC関連の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。さらに、「のめりこみ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「カード取り忘れ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
さらに、「遊技説明等の演出」、「遊技結果に関する報知演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
このように、「当り中」における「開始デモ時」(開始デモの表示中)においては、図柄変動時の演出と混同することがないため、共用・専用を問わず、遊技を促進したり、キャラクタに関連する演出を実行することで、大当りという遊技者にとって至福の時間をより盛り上げる効果が期待できる。また、このような状況において、遊技者が選択する可能性がない遊技の終了に関連し、遊技終了を引き留めるような演出を実行することにより遊技者の興趣に水を差すようなことを抑止することが可能といえる。
さらに、「当り中」における「ラウンド中」においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、タッチ検出が「有」から「無」となった場合のいずれに関しても、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。また、「キャラクタに関連する演出」から「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされている。一方、「遊技結果に関する報知演出」、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
このように、「当り中」における「ラウンド中」においては、継続して発射を行う(タッチ検出が「有」の状態が維持される)ため、必要最低限のタッチ検出報知や、ラウンド中における報知演出画面において、ハンドルを把持していない手が使えない場合等の代替としての機能等に限定した演出を実行可能とされており、遊技の本質である当り中に行われる発射を阻害しない範囲での演出に留め適切なタッチ時の演出設定を実現しているといえる。
さらに、「当り中」における「ラウンド間」においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、及び、タッチ検出が「有」から「無」となった場合に関して、各演出種別の実行態様は、いずれも上述の「ラウンド中」と同様に(同じ内容で)定められている。
また、「当り中」における「特定演出中」としては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、タッチ検出が「有」から「無」となった場合のいずれに関しても、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。また、「キャラクタに関連する演出」から「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされている。さらに、「遊技結果に関する報知演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされており、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
このように、「当り中」における「特定演出中」においては、「ラウンド中」等と同様に、継続して発射を行う(タッチ検出が「有」の状態が維持される)ため、主に、報知演出画面において、ハンドルを把持していない手が使えない場合等の代替としての機能等に限定した演出を実行可能とされており、遊技の本質である当り中に行われる発射を阻害しない範囲での演出に留め適切なタッチ時の演出設定を実現できるといえる。
さらに、「当り中」における「終了デモ時」(終了デモの表示中)においては、タッチ検出が「無」から「有」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。また、「キャラクタに関連する演出」から「RTC関連の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「のめりこみ防止関係の演出」、「カード取り忘れ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
さらに、「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「遊技結果に関する報知演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされている。また、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
さらに、タッチ検出が「有」から「無」となった場合に関して、「他のモード(演出)に移行」は「×」とされている。また、「キャラクタに関連する演出」から「RTC関連の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「×」とされており、「のめりこみ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
さらに、「カード取り忘れ防止関係の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされており、「遊技説明等の演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。また、「遊技結果に関する報知演出」は、「専用」、「共用」のいずれについても「○」とされており、「タッチ報知」は、「専用」、「共用」のいずれについても「△」とされている。
このように、「当り中」における「終了デモ時」(終了デモの表示中)においては、大当りの終了を契機に離席したり、遊技をやめてしまう可能性を考慮し、タッチ検出が「無」になった場合に、遊技結果(例えば、大当り終了後の遊技状態に関する情報)やカードの取り忘れを防止する演出等を実行することが好適といえる。また、大当り終了後の遊技内容が複雑な場合には、タッチ検出が「無」になった場合に、その後の遊技内容に関する説明を表示する等により、遊技内容を把握する機会を提供することも好適といえる。
<<<確変(電サポ)中>>>
続いて、前述の「確変(電サポ)中」の状態としては、「図柄停止時」、「リーチ時」、「特定演出中」、「異常表示画面」を挙げることができる。これらの状態は、図24(b)の例で説明したものと同様である。そして、タッチ検出が「無」から「有」となった場合、及び、タッチ検出が「有」から「無」となった場合に関して、各演出種別の実行態様は、いずれも前述の「図柄変動中」(図25)と同様(同じ内容で)に定められている。
ここで、確変中や電サポ中等の特定遊技状態については、以下のようなことがいえる。例えば、確変中や電サポ中はデモ状態(ここでは待機画面Aが表示される通常デモ状態)に移行しないようにすることが望ましいと考えられる。このようにすると、遊技待機状態(通常デモ状態)への移行は、低確率且つ低ベースの状態(非確変且つ非電サポの状態)であることを前提とすることができ、タッチ演出を、「遊技開始」という観点での演出に特化させやすい。つまり、タッチ演出を、低確率且つ低ベースの状態からの「遊技開始」を示す内容を強調したものとして製作しておくことが可能である。
また、確変中や電サポ中の無変動状態(特定遊技状態での待機状態といえる)では発射検知演出(タッチ演出)を実行しないようにすることが好適であるといえる。但し、音量調整や光量調整は可能である。これまでに説明した例では、デモ画面中(ここでは待機画面Aが表示される通常デモ状態中)に演出ボタン(操作ボタン22等)を操作することで調整画面(図33(c))に移行し、その状態で音量調整や輝度(光量)調整等を行うようにしている。そして、デモ画面中以外の状態にある状況のように、通常では調整画面に移行しない状況であっても、所定の状態であれば、演出ボタンの操作により調整画面へ移行できるようにしてもよい。ここでいう「所定の状態」としては、例えば、調整に使用する演出ボタンの使用が予定されていない遊技状態を挙げることができる。より具体的には、例えば、待機画面Bの表示中、図柄変動中、或いは、大当り遊技中などを例示することができる。また、「所定の状態」について、変動中においては、確変状態であるかどうか、電サポ状態であるかどうかといったことは問わない状態であってもよい。
また、このような条件の下で表示される調整画面(図33(c))にも前述の調整メータを表示するようにする。また、当該状況における調整画面の表示プライオリティ(表示の優先順位)は、装飾図柄(演出図柄190a〜190c)や保留表示の領域(第1保留数表示部196や第2保留数表示部197)よりも高くしてもよいし、低くしてもよい。また、上述の「所定の状態」の条件を満たして表示される調整画面では、上述のような調整メータの表示は、例えば図33(c)の例よりも簡易化されたデザインの画像オブジェクト(簡易画像)を用いたものとすることが考えられる。このようにするのは、他の表示のほうの必要度が高い場合に好適であるためである。なお、上述の簡易画像の表示は、例えば、音量用調整メータや光量用調整メータのみを画面上相対的に小さく表示したり、半透明で表示したりするなどのように、通常の調整画面の場合よりも視認性が低下したものとすることが望ましい。
なお、このような条件の下で表示される調整画面においても、十字キー(96)を使用することで、音量や光量等の調整が可能である。調整画面(簡易画像を含む)を表示するために、例えば、変動中に操作ボタン(22)を押して調整画面(簡易画像)を表示するといった制御態様以外にも、変動中に操作ボタン(22)を押さずに、直接十字キー(96)を操作するといった制御態様を採用することが可能である。その具体例として、調整画面(簡易画像)が非表示である場合の変動中において十字キー(96)が操作された場合、調整画面(簡易画像)が表示されてその表示中に更に十字キー(96)が追加操作されることで、音量や光量の調整がなされる、といったものを挙げることができる。それ以外にも、調整画面(簡易画像)が非表示である場合の変動中において十字キー(96)が操作された場合、調整画面(簡易画像)が表示されて且つ音量や光量の両方の調整がなされる(1回の十字キー操作で、調整画面の表示と音量又は光量の調整が一緒に行われる)ようにしてもよい。また、タッチ検出とこれらの操作が同時に行われた場合でも、夫々の処理を同時に実行してもよく、その際には、遊技者による調整結果の認識に影響を与えないようなタッチ演出に変更して出力してもよい。
<2回目以降の規制>
図27(a)、(b)は、前述の図24(a)、(b)に示した「演出の是非」に関係している。そして、図27(a)、(b)は、タッチ検出に係る「変化回数等」の「所定回数目以降」に関係しており、初回に実行され得る演出について、「変化状態」が2回目以降となった場合においてその演出が規制されるか否かについて示している。
具体的には、図27(a)、(b)には、「検出状態変化時に実行する演出の種類」として、「設定変更関係」、「遊技待機中」、「図柄変動中」、「当り中」、「確変(電サポ)中」の各状態の演出についての規定が示されている。さらに、これらの状態に対して、「演出ボタン操作に基づき演出変更機能」、「タッチ検出による演出等」に係る実行の有無が規定されている。つまり、演出ボタン(操作ボタン22等)に係る2回目以降の検出状態変化と、発射ハンドル20へのタッチ検出に係る2回目以降の検出状態変化とについて、遊技機の各状態における演出規制の有無が規定されている。
また、図27(a)、(b)において、「規制あり」は「○」の記号により示されており、「規制なし」は「×」の記号により示されている。さらに、「△」の記号は、更に状況によって細分化されること(「ケースによる」こと)を示している。
例えば、遊技機の状態が、「設定変更関係」の「設定変更中」の場合、及び、「設定表示中」のいずれの場合も、「演出ボタン操作に基づき演出変更機能」及び「タッチ検出による演出等」についてのこの場合の演出規制はいずれも「×」となっている。
また、遊技機の状態が「遊技待機中」である場合に関しては、前述したものと同様に「デモ画面」、「調整画面」、「変動待機画面」、「初期化報知」、「異常報知」が設けられている。そして、「演出ボタン操作に基づき演出変更機能」についてのこの場合の演出規制はいずれも「×」となっている。また、及び「タッチ検出による演出等」については、「デモ画面」が「○」、「調整画面」が「△」、「変動待機画面」が「○」、「初期化報知」が「△」、「異常報知」が「×」となっている。
続いて、遊技機の状態が「図柄変動中」である場合に関しては、前述したものと同様に「図柄停止時」、「リーチ時」、「特定演出中」、「異常表示画面」が設けられている。そして、「演出ボタン操作に基づき演出変更機能」についてのこの場合の演出規制はいずれも「×」となっている。また、及び「タッチ検出による演出等」については、「図柄停止時」が「△」、「リーチ時」が「○」、「特定演出中」が「○」、「異常表示画面」が「×」となっている。
さらに、図27(b)に示すように、遊技機の状態が「当り中」である場合に関しては、前述したものと同様に「開始デモ時」、「ラウンド中」、「ラウンド間」、「特定演出中」、「終了デモ時」が設けられている。そして、「演出ボタン操作に基づき演出変更機能」についてのこの場合の演出規制はいずれも「×」となっている。また、及び「タッチ検出による演出等」についてのこの場合の演出規制はいずれも「○」となっている。
さらに、遊技機の状態が「確変(電サポ)中」である場合に関しては、前述したものと同様に「図柄停止時」、「リーチ時」、「特定演出中」、「異常表示画面」が設けられている。そして、「演出ボタン操作に基づき演出変更機能」についてのこの場合の演出規制はいずれも「×」となっている。また、及び「タッチ検出による演出等」についてのこの場合の演出規制はいずれも「○」となっている。
<遊技機の各状態における演出出力タイミングの具体例>
<<設定変更からその後の状態における演出出力タイミング例>>
次に、前述の「演出の是非」(図24(a)、(b))に関係して、遊技機の各状態における演出出力の具体例について説明する。先ず、図28のタイミングチャートは、設定変更の際の演出出力の一例を示している。より具体的には、図28には、電源投入を伴って設定変更が開始されてから設定変更が終了し、待機状態となるまでの間の期間における演出出力の一例が示されている。さらに、図22、図23に示す遊技状態との関係においては、「C:特殊状態」の「C3:設定変更(確率変更)中状態」を経て、「B1:遊技待機状態」における「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」から「B12;遊技待機状態B(図柄停止中)」に移行する状況に対応する。
図28の最上段に示す「制御状態」は遊技機の状態を示しており、この「制御状態」は、電源投入により前述の初期設定処理(図15)が行われる「初期設定中」となり、設定キー操作によって前述の設定変更処理(図16)が行われる「設定変更モード」へ移行している。さらに、設定変更が完了して「通常モード」へ移行し、前述のような待機状態(遊技待機状態)へと移行していく。このような前提において、演出ボタンやタッチ検出があった場合に、状態対応出力に与える影響や、その際に行われるタッチ演出について次段以降に示されている。
電源が投入され、初期設定が完了した後に、設定キーが挿入されていることに基づいて設定変更モードに移行すると、「状態対応出力」に示すように、設定変更中に対応する「画像表示」、「音声出力」、「ランプ出力」が行われる。この状態で、操作ボタン22等が操作された場合は、状態対応出力が変化せず、設定変更中に対応する「画像」、「音声」、「ランプ」の出力が継続することとなる。一方、設定変更中にタッチ検出が「無」から「有」に変化した場合は、演出ボタンが操作された場合と同様に、状態対応出力に変化はないものの、タッチ検出に変化があったことを示すランプ演出が一定時間だけ実行されるようになっている。また、その後、タッチ検出は「有」から「無」に変化した場合、タッチ演出が実行されることも、状態対応出力が変化することもない。
ここで、設定変更中における「画像表示」に係る出力としては、例えば図36(b)のようなものを例示できる。具体的には、「設定変更中です」の文字表示と、画面下部における「設定変更中です。設定変更終了後、枠扉の閉鎖で通常遊技に移行します。」のメッセージが流れ表示されている。また、図示は省略するが、「音声出力」に係る「設定変更中」の出力としては、「設定変更中です」の音声出力を行うものを例示でき、「ランプ表示」に係る「設定変更中」の出力としては、予め「設定変更中」の出力として決められたパターンで所定の複数のLEDを駆動するものを例示できる。
次に、前述した設定変更が完了し、設定変更処理が終了すると、制御状態は通常モードに移行することとなる。このとき、状態対応出力は、「画像表示」として、例えば図33(a)に示すような「待機画面A」の出力が行われる。また、「音声出力」として「設定変更が完了しました」等の「変更完了」を示す音声出力が行われる。さらに、「ランプ表示」については、待機デモ時の駆動パターンで「デモ表示」を行う。また、設定変更完了を契機として、図23の「J:許可タイミングの設定」に係るタッチ演出の禁止タイマをクリアして以降の待機画面中におけるタッチ演出の規制が解除される。
この状態で、タッチ検出が「無」から「有」に変化すると、待機画面Aの状態に対応するタッチ報知等が実行されることとなる。具体的には、前述したキャラクタに関する演出や遊技を促進する演出として遊技機に登場するキャラクタの声で「いらっしゃいませ。今日も張り切ってぱちんこを楽しんでね!」のような音声を出力し、当該音声に連動するようなランプ表示を実行したり、キャラクタ画像を表示領域に表示したりする(必要があれば、図25、図34(a)参照)。なお、待機画面がAからBに変化する契機としてタッチ検出が「無」から「有」に変化することを設定しているため、報知に関する画像表示については、図34(b)に示すように、待機画面Bが表示された状態でキャラクタ画像や、「ようこそ♪」のような文字表示が実行されることとなる。なお、演出禁止タイマがクリアされた後は、タッチ検出が「無」から「有」に変化したタイミングで演出禁止タイマがセットされ、タッチ検出が「有」あら「無」に変化したタイミングで演出禁止タイマの計時が開始されるようになっているのであるが、このようなタッチ検出に伴う演出出力についてのより具体的な処理態様については後述する。
次に、待機画面Aの表示時にタッチ検出が「無」から「有」に変化し、これに基づいたタッチ報知演出及び、待機画面Bへの状態変化が行われた後、再度、タッチ検出が行われた場合には、当該タッチ検出が行われたタイミングによりタッチ検出に基づく演出等の処理が変化することとなる。図28では、待機画面Aが表示されている時にタッチ検出が「無」から「有」に変化し、その後、演出タイマの計数時間が「0」になっていない場合を例示しており、この場合には、タッチ演出は実行されない。また、前述した「J:許可タイミングの設定」に係るタッチ演出の禁止タイマを初期値(例えば60秒)にセットする。そして、その後、タッチ検出が「有」から「無」に変化したときに、演出禁止タイマの計時を開始するようになっている。
以上のように、電源投入から設定変更モードを経て通常モード(待機画面)に移行するまでの流れを説明したとおり、タッチ検出に基づく演出は、前述した図22に示す遊技機の遊技状態と、図23に示す演出許可規制条件によりその実行有無と、実行内容が設定されるように構成されている。ここで、演出許可規制条件に係る演出禁止タイマについて詳述する。
演出禁止タイマは、「タッチ検出」が変化した場合に、当該変化に基づいた演出の実行を許容するか否かを判定するための計時タイマである。さらに、演出禁止タイマは、図23に示した「H1:計時タイマの処理(加算・減算・クリア等)」における計時タイマや、「J:許可タイミングの設定」における内部タイマとして機能しているものである。例えば図28の例においては、設定変更が完了すると、演出禁止タイマをクリアするようになっている。そして、演出禁止タイマがどのような時間であったか否かに関わらず、タッチ演出の実行を許容する処理が行われる。
次に、「状態対応出力」の「画像表示」に示すように「待機画面A」の表示中にタッチ検出があると、その後の所定期間(例えば60秒)の間はタッチ演出が許容されないように、演出禁止タイマに「60秒」をセットする処理が行われる。そして、発射ハンドル(20)から手指が離れてタッチ検出が変化したこと(ここではオンからオフとなったこと)がCPU521に知らされると、演出禁止タイマの減算を開始する処理が行われる。
上述の減算の開始後(演出禁止タイマの減算が行われている最中)、演出禁止タイマが「0」になる前に再度タッチ検出があった場合には、演出禁止タイマに再度時間(例えば60秒)のセットを行い、当該タッチ検出と異なる状態に変化した場合に、演出禁止タイマの計時を開始している。つまり、最後にタッチの変化を認識してから所定時間(ここでは60秒間)はタッチ演出が実行されないように制御するための処理が行われている。
なお、演出禁止タイマは、タッチ検出が「無⇒有」へ変化する場合と、「有⇒無」へ変化する場合とのと両方で、タッチ検出に係る演出を実行する場合には、両方の場合についてそれぞれ備えることが可能である。
<<調整画面の状態における演出出力例>>
続いて、前述の環境設定(カスタマイズ)に係る「調整画面」の状態における演出出力例について説明する。図29に示すように、「調整画面」の状態においては、「制御状態」が、電源投入により「初期設定中」となり、電断復帰(電源断復帰)によって「通常モード」へ移行し、前述のような待機状態(遊技待機状態)へと移行している。そして、「調整画面」の状態となって環境設定が行われ、環境設定が終了して待機状態へと移行する。さらに、図22、図23に示す遊技状態との関係においては、「B1:遊技待機状態」の「B13:遊技待機C(演出・音声等の設定画面)」、「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」に対応している。
図29の例においては、電断復帰があると、「状態対応出力」の「画像表示」が、「待機画面A」となっている。さらに、「音声出力」は行われず、「ランプ表示」は「デモ表示」となっている。
図中の最下段に示すように、「演出ボタン」の操作があると、操作検出の終了のタイミングで、「画像表示」が「調整画面」となる。さらに、「音声出力」が「調整時音声(不定期)」となるが、これは音量調整操作により調整された音量(調整後音量)を出力(サンプル出力)したり、調整画面(例えば図33(c))中のカーソル移動の操作音等を出力したりするものとすることができる。そして、この場合は、調整操作の入力を必要とするため、「不定期」なものとして取り扱われている。
さらに、「ランプ表示」は、「調整時発光」となっている。これは、そのときに設定されている発光輝度(光量)に応じた光出力を行うものとなっている。なお、図29の例では、「演出ボタン」のボタン操作が検出され、当該操作の検出が終了したタイミングに基づき「状態対応出力」を行うものとしているが、これに限定されず、例えば、ボタン操作の検出開始のタイミングに基づき、「状態対応出力」を行うようにしてもよい。
この状態で、「タッチ検出」があると、「タッチ演出」における「画像表示」は行われないが、「音声演出」と「ランプ演出」は、タッチ報知の態様で行われる。このように「画像表示」が行われないようにすることで、画面表示を見ながら行われる環境設定(カスタマイズ)の作業を妨げないようにすることができる。また、図中の最上段の中央部に示すように調整操作が完了すると、「状態対応出力」の「画像表示」が「待機画面A」となる。さらに、「音声出力」は行われないが、「ランプ表示」は「デモ表示」の態様とすることができる。
図29の例では、調整操作完了後に「タッチ検出」があると、「画像表示」、「音声演出」、「ランプ表示」によるタッチ報知が行われる。そして、このときのタッチ報知があると、「状態対応出力」の「画像表示」が、「待機画面A」から「待機画面B」へ切り替わるようになっている。なお、「待機画面A」から「待機画面B」への変化のような演出に限定されるものではなく、例えば、「待機画面A」にタッチ報知(「ようこそ」の文字表示など)を重畳させて、その後に「待機画面B」へ移行するようにしてもよい。
さらに、図29の例では、演出禁止タイマは、電断復帰があるとクリアされ、タッチ検出があるとセットされている。さらに、タッチ検出の終了のタイミングに基づいて計時が開始され、その後に演出禁止タイマの値が「0」になっている。さらに、その後のタッチ検出で演出禁止タイマがセットされ、タッチ検出の終了のタイミングに基づいて計時が開始されている。
この図29の例では、設定変更ではない(通常の)電源復帰であるため、電断復帰後に演出禁止タイマをクリアして、電断前の演出禁止タイマがどのような時間であったか否かに関わらず、タッチ演出の実行を許容するようになっている。
<<リーチ画面の状態における演出出力例>>
続いて、リーチ演出が行われている状態(リーチ画面の状態)における演出出力例について説明する。図30に示すように、「リーチ画面」の状態においては、特別図柄(及び演出図柄)の変動開始条件が成立すると、「制御状態」が、「図柄変動中」の線図の立ち上がりで示すように、図柄変動が開始される。この際、通常は遊技中の状態であるので、「タッチ検出」については、検出している状態が継続している。
図30の例では、図柄変動が開始されるまでは、「状態対応出力」の「画像表示」が「待機画面B」となっている。さらに、「音声出力」は、「待機画面B」に対応した「BGM」の出力となっており、「ランプ表示」は「デモ表示」となっている。この状態で図柄変動が開始されると、「画像表示」は「加速演出」となる。この「加速演出」としては、演出図柄(190)を変動開始させ、高速変動まで加速するものを例示できる。
さらに、図30の例では、「画像表示」において「予告演出・聴牌(テンパイ)煽り演出等」の状態となった後、「図柄聴牌」となり、リーチが発生する。ここで、「予告演出・聴牌(テンパイ)煽り演出等」は、各種の予告演出を経てリーチ発生の期待を煽るような内容の演出などを意味している。また、「図柄聴牌」としては、例えば2つ目に仮停止する演出図柄が、1つ目に仮停止した演出図柄とリーチの組合せを構成する期待を、遊技者に抱かせるための演出を例示できる。そして、「画像表示」においては、「リーチ演出」が実行され、その後、当否抽選の結果に応じた態様で「図柄停止」の演出が実行される。
さらに「音声出力」では、図柄変動の開始に伴い、演出図柄190の変動中の演出に対応付けられた「図柄変動中音声」の出力が行われている。また、「ランプ表示」では、図柄変動の開始に伴い、演出図柄190の変動中の演出に対応付けられた「図柄変動中ランプ演出」が行われている。
このようなリーチ演出の際、「タッチ演出」として、遊技者が発射ハンドル(20)から手を離さないようにするためのものを実行することが考えられる。例えば、図30の例では、それまで継続していた「タッチ検出」有りの状態が、「リーチ演出」中に一旦途切れている。そして、その後に、図30に示す期間における2回目の「タッチ検出」があり、ある程度の検出期間の後に、「タッチ検出」無しの状態に変化している。そして、2回目のタッチ検出が停止したタイミングに基づいて、「タッチ演出」の「画像表示」で「所定表示」が行われ、「音声演出」で「所定音声」の出力が行われ、「ランプ演出」で「所定発光」が行われている。
これらの「所定表示」、「所定音声」、「所定発光」としては、遊技結果に関する報知演出や、遊技停止を抑止するような演出を実行することが可能である。例えば、リーチや大当りの発生に係る期待度を直接的、或いは、間接的に示す演出や、「手を離さないで〜」の内容の「所定表示」や「所定音声」を出力することが考えられる。また、前述した図37(b)における「熱ッ!」の文字表示(382)も、ここでの「所定表示」に該当するものである。また、「音声」の演出や「ランプ」の演出が伴う場合は、これらが「所定音声」や「所定発光」に該当するものとなる。
ここで、図30の例では、「リーチ演出」の開始タイミングに基づいて、「タッチ検出」無しの計数が開始されるようになっている。そして、「リーチ演出」開始後の、最初の「タッチ検出」無しの状態の検出が1回目の「タッチ検出」無しとなり、図30の例におけるその後の「タッチ検出」無しの状態の検出が2回目の「タッチ検出」無しとなっている。
<<大当り終了デモ画面の状態における演出出力例>>
続いて、大当り終了デモ演出が行われている状態における演出出力例について説明する。図31に示す例では、「制御状態」が、通常制御の状態から大当り開始により大当り制御の状態となり、大入賞口開閉制御(大当り遊技に係るラウンド制御)が終了すると、大当り終了デモの状態となる。さらに、大当りデモの状態が終了すると、通常制御の状態に戻るようになっている。ここで、図31の例では、大当り開始の前に大当り開始デモの演出が行われているが、「制御状態」に関して、大当り開始デモの図示は省略している。
大当りが開始されると、「状態対応出力」の「画像表示」は、それまでの「図柄停止」の演出から「大当り中演出」に移行する。ここでの「大当り中演出」は、ラウンド中やラウンド間の演出を含むものとなっている。さらに、「音声出力」は、それまでの「図柄変動」のものから「大当り中演出」のものに移行する。ここでの「音声出力」に係る「大当り中演出」は、ラウンドの進行を示す音声(ラウンド進行音声)や、ラウンド中の入賞音の出力(入賞音出力)を含むものとなっている。
また、「ランプ表示」は、それまでの「デモ表示」から「大当り中演出」のものに移行する。ここでの「ランプ表示」に係る「大当り中演出」は、ラウンド中やラウンド間のための演出を含むものとなっている。そして、これらの「画像表示」、「音声出力」、「ランプ表示」に係る各「大当り中演出」は、大入賞口開閉制御の終了まで行われている。また、図31の例では、この際の「タッチ検出」は、「タッチ検出」有りの状態が継続するものとなっている。
大入賞口開閉制御が終了すると、「状態対応出力」の「画像表示」と「ランプ表示」は、それぞれの「大当り終了デモ表示」に移行する。さらに、「音声出力」は、「大当り終了デモ用BGM等」に移行する。また、大当りデモが終了すると、「画像表示」は「図柄停止」に移行する。さらに、「音声出力」と「ランプ表示」は、「図柄停止」の間は停止している。そして、「画像表示」の「図柄停止」が終了すると、「音声出力」は「BGM」となり、「ランプ表示」は、その後の遊技機の状態に応じたものとなる。
ここで、図31において、「図柄停止」が終了した後の「ランプ表示」に係る線図中に文字が記載されていない理由は(空白となっている理由は)、遊技機の状態に応じて変化し、図中で特定するのが困難なためである。なお、図31の例では、「図柄停止」の間に「音声出力」と「ランプ表示」を停止させているが、これに限定されず、例えば、図柄停止中のBGM(そのときの遊技モード用のBGMなど)やランプ表示パターンを設けて、これらの出力を行うようにしてもよい。
図31の例では、大入賞口開閉制御が終了した後に、一旦「タッチ検出」無し状態となり、その後の大当り終了デモ中に「タッチ検出」有りの状態に変化している。さらに、同じく大当り終了デモ中に、「タッチ検出」無しの状態への変化と、「タッチ検出」有りの状態への変化が行われている。
そして、「タッチ演出」については、大当り終了デモ中に、最初に「タッチ検出」無しとなったタイミングに基づき、「画像演出」に係る「所定表示」、「音声演出」に係る「所定音声」、「ランプ演出」に係る「所定発光」が併せて実行されている。このときの「所定表示」、「所定音声」、「所定発光」としては、例えば、遊技媒体量を記憶した遊技カードや遊技コインの取忘れ防止のための演出や、大当り制御中の遊技結果に関する報知のための演出などを挙げることができる。
図31の例において、その後のタッチ検出は、1回目の「タッチ検出」有りの検出とされている。さらに、大当り終了デモ中におけるその後のタッチ検出は、2回目の「タッチ検出」有りの検出とされている。そして、2回目の「タッチ検出」有りとなったタイミングに基づき、再度、「画像演出」に係る「所定表示」、「音声演出」に係る「所定音声」、「ランプ演出」に係る「所定発光」が併せて実行されている。
このように同じ種類の期間中(ここでは大当り終了デモ中)に複数回(ここでは2回)の「所定表示」、「所定音声」、「所定発光」が行われる場合は、「所定表示」、「所定音声」、「所定発光」の内容や種別等の要素を異ならせることが望ましい。例えば、先の「タッチ演出」として遊技カードや遊技コインの取忘れ防止のための演出を実行した場合には、後の「タッチ演出」として、大当り制御中の遊技結果に関する報知のための演出や、次の遊技への意欲を促進させるような内容の演出を行うことなどを例示できる。
以上、図28〜図31に基づき、遊技機の幾つかの状態における演出出力例について説明を行ったが、これに限られるものではなく、他の状態における演出出力例を検討することも可能である。
<電断復帰後の演出出力例>
<<電源断時に遊技待機状態(表示画面A〜Cのいずれか)であった場合>>
次に、電断復帰後の演出出力例について説明する。図32(a)は、電源断時の遊技機の状態が遊技待機状態であったとき、その後に電源が再投入された(電断復帰した)際の画面表示制御について概念的に示している。ここで、遊技待機状態としては、前述の「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」、「B12:遊技待機B(図柄停止中)」、「B13:遊技待機C(演出・音声等の設定画面)」に関するもの(待機画面A、待機画面B、演出設定画面Cなど)を例示できる。
上述した各種の遊技機待機状態で電源断が発生した後に、図32(a)の左端部に示すように電源が復旧すると、まずサブ制御手段(ここではサブメイン基板301のCPU521)は自身の初期化処理をした後、主制御手段(ここではメイン基板102のCPU501)からの電源復帰を示すコマンド(電源復帰コマンド)の受信を待つ。
なお、この時点においては、画像表示装置(ここでは演出表示装置60)には画像を表示しない(図中の「画面非表示」に対応)。その後、サブメインCPU521は、メインCPU501からの電源復帰コマンドを受信し、そのコマンド内容等から、復帰時にRWMクリアや設定変更を伴わないことや、遊技状態が遊技待機中であったことが判断されると、当該条件に基づいた電源復帰処理を行い、初期化処理を終了する。
初期化処理が終了すると(図中の「準備完了」に対応)、サブメインCPU521は、通常処理(演出乱数の更新やランプ表示制御、音声制御等のための処理)を行うとともに、演出表示装置(60)に電源断前の表示画面が待機画面A〜Cのいずれであったかに関わらず待機画面Aを表示するためのサブメインコマンドの出力を行う。さらに、サブメインCPU521は、画面変更用の計時タイマの値をクリア(所定値に設定)した後、RWMクリアを伴わない電源復帰であることを報知するための電源投入報知処理を実行する。
電源投入報知処理による演出表示例としては、例えば、演出表示装置(60)上に「電源復帰しました」や図35(a)に示す「通電しました」の文字表示を行い、遊技機枠(11)のLEDを所定の点灯パターンで点灯させるものなどを例示できる。さらに、電源投入報知処理による演出表示は、所定期間(例えば30秒程度)継続的に実行することが考えられる。なお、本実施例においては、初期化処理が終了した後は電源投入報知が実行されている状態であっても、上述の通常処理により、操作手段(演出ボタンである操作ボタン(22))の入力を判定し、入力に応じて待機画面を変化可能となっている。このような電源投入報知処理や通常処理は、図中では、「電源投入報知」や「通常処理(個別処理、コマンド/操作手段入力待ち)」として示されている。また、「個別処理」は、個別の表示制御処理、乱数更新処理、計時処理などを意味している。
前述のように初期化処理が終了したことにより計時タイマが初期化された後、計時タイマに基づき所定の時間が経過したことが判定されると(計時タイマの値が減算により「0」になった場合、或いは計時タイマが加算により所定値(ここでは30秒)となった場合等)、待機画面の表示変更時間(「時間A」に対応)が到来したと判定して、画面表示を待機画面Aから待機画面Bに変更する。そして、計時タイマに待機画面Bから再度待機画面Aに変化する時間に対応するような値をセットする。例えば、計時タイマが加算するものである場合には到達時間である「20秒」をセットし、計時タイマが減算するものである場合には「0」となる迄に必要な値(例えば、2ms割込み毎の減算により20秒で0となる10000等)をセットする。
そして、待機画面Aの時と同様に、待機画面Bが表示されてから、所定の時間が経過すると(例えば、計時タイマが減算して「0」になった場合、或いは計時タイマを加算して「20秒」となった場合等)、待機画面の表示変更時間(「時間B」に対応)が到来したと判定して、画面表示を待機画面Bから待機画面Aに変更する。なお、待機画面Aや待機画面Bの表示中に遊技が行われ、始動入賞口(62、63)に入賞した場合には、図柄変動画面に遷移し、また、発射ハンドル20にタッチした場合には、タッチ検出に呼応した内容(「ようこそ」の文字の重畳表示を行ったものなど)への画面遷移がなされる。なお、図32(a)の例では、操作ボタン(22)の操作や、タッチ検出がいずれもないことを想定している。
<<電源断時に図柄変動中であった場合>>
次に、図32(b)に基づき、電源断時に図柄変動中であった場合の演出出力例について説明する。図32(b)は、図柄変動中であり、且つ、保留が発生していなかったときに電源断が生じ、その後に電源が再投入された(電断復帰した)際の画面表示制御について概念的に示している。
上述したように保留0個での図柄変動中の状態で電源断が発生した後に電源が復旧すると、まずサブメインCPU521は自身の初期化処理をした後、メインCPU501からの電源復帰コマンドの受信を待つ。なお、この時点においては、演出表示装置(60)には画像を表示しない(図中の「画面非表示」に対応)。その後、メインCPU501からの電源復帰コマンドを受信し、そのコマンド内容等から、復帰時にRWMクリアや設定変更を伴わないことや、遊技状態が図柄変動中であったことが判断されると、当該条件に基づいた電源復帰処理を行い、初期化処理を終了する。
初期化処理が終了すると(図中の「準備完了」に対応)、サブメインCPU521は、演出表示装置(60)に電源投入報知画面(例えば、「電源が投入されました」や図35(b)に示す「通電しました」の文字表示と図柄変動中であることを示す表示等)を表示し、メイン基板102からの図柄停止コマンドを受信するまでその状態を維持する。なお、本実施例においては、待機画面中に行われる電源投入報知と画面表示が異なるように構成されている。このときの電源投入報知の演出出例(電源投入報知画面)として、図35(b)に示すようなものを採用できる。また、初期化処理が終了した後は電源投入報知が実行されている状態であっても、通常処理により、操作手段(演出ボタン)の入力を判定し、入力が有効な状態であれば、入力に応じた処理を実行可能となっている。このような電源投入報知の出力や通常処理は、図中では、「電源投入報知画面」や「通常処理(個別処理、コマンド/操作手段入力待ち)」として示されている。また、「個別処理」は、個別の表示制御処理、乱数更新処理、計時処理などを意味している。
サブメイン基板301のCPU521では、メイン基板102から図柄停止コマンドを受信すると(図中の「停止コマンド」に対応)、図柄停止コマンドの情報、或いは、電源復帰コマンドに基づく情報に応じた図柄(予め決められているデフォルトの図柄組み合わせや情報により停止すべき図柄が把握できる場合には当該図柄)を停止表示した画面、即ち、図34(c)に示すような待機画面Bと同様の図柄変待機画面を表示する。ここで、本実施例においては、電源断(電源復帰)時に図柄変動中である場合には、初期化処理が終了したことにより計時タイマを初期化せず、停止コマンドを受信したタイミングで計時タイマの設定処理が行われるようになっており、必ず、停止コマンド受信後に待機画面Bが表示されるように設定される。
その後、遊技待機中の際の説明と同様に、待機画面Bが表示されてから、所定の時間が経過すると(計時タイマが減算して「0」になった場合、或いは計時タイマを加算して「20秒」となった場合等)待機画面の表示変更時間(図中の「時間B」に対応)が到来したと判定して、画面表示を待機画面Bから待機画面Aに変更する。なお、電源投入報知画面の表示中に遊技が行われ、始動入賞口(62、63)に入賞した場合には、停止コマンド受信に応じて待機画面Bを表示した後、図柄変動画面に遷移し、また、発射ハンドル(20)にタッチした場合には、タッチ検出に呼応した内容(「ようこそ」の文字の重畳表示を行ったものなど)への画面遷移がなされる。
なお、図示は省略しているが、図32(a)、(b)のいずれの場合においても、可動役物である可動演出部材について通常行われている初期動作確認処理については、初期化処理後にこれらの表示処理等と並行的に実行可能となっており、画面の表示遷移と関連することなく、可動役物の初期動作の確認が終了するまで当該処理が実行される(画面表示は図32(a)、(b)のとおり行われる一方、可動役物の確認用の動作が行われる)。また、可動役物の初期動作の確認が終了するまでは、図柄変動に伴う可動役物の演出等の実行が規制されるように制御されている。なお、図32(b)の例では、操作ボタン(22)の操作や、タッチ検出がいずれもないことを想定している。また、遊技者の操作ボタン(22)の操作によって可動役物が動作する演出パターンが選択されており、可動演出部材の初期動作中にその演出パターンが発生し(実行され)実際に遊技者が操作ボタン(22)を操作した場合は、可動演出部材の演出の実行(実際の駆動)が規制される。
<タッチ検出やタッチ演出その他の特性>
これまでに説明したタッチ検出やタッチ演出については、以下のように考えることができる。先ず、待機中(待機画面A中や待機画面B中)に実行されるタッチ演出(発射検知演出)について、発射操作の検知(タッチ検出及び発射強度ボリューム変化の検知)をすることで実際に遊技球が発射されて始動入賞口(例えば第1始動入賞口62)に入球するまでの実測値(例えば複数回の実測に係る平均値)よりも、タッチ演出の実行時間のほうが短くなるようにすることができる。この場合のタッチ演出は、3秒程度で完結するものとすることが考えられる。
これとは逆に、待機中(待機画面A中や待機画面B中)に実行されるタッチ演出(発射検知演出)について、発射操作の検知(タッチ検出及び発射強度ボリューム変化の検知)をすることで実際に遊技球が発射されて始動入賞口(例えば第1始動入賞口62)に入球するまでの実測値(例えば複数回の実測に係る平均値)よりも、タッチ演出の実行時間のほうが長くなるようにしてもよく、その場合のタッチ演出は20秒ほどのものとして良い。その場合、この20秒のタッチ演出実行中に第1始動入賞口(62)への入球に応じて予告演出が発生するのであれば、この予告演出が所定の第1グループ(例えば登場人物が台詞を発する内容の台詞予告などの簡易的予告)であればそのタッチ演出は実行したままとし、この予告演出が他の所定の第2グループ(例えば表示装置の全画面を使用するムービー予告などの非簡易予告)であればそのタッチ演出は中断されるようにする、といったことが考えられる。
また、通常は起こりえないが、発射ハンドル(20)の回転操作後(ハンドル回転中)にタッチ検出を行ったとしても、タッチ演出(発射検知演出)は実行されるものとすることができる。
さらに、タッチ演出(発射検知演出)の実行中に始動口入賞があった場合、当該タッチ演出を中断しないようにすることが可能である。但し、音声等のタッチ演出の場合には、始動口入賞時の演出の優先度に応じて音量を「ゼロ」として継続させてもよい。また、これに限らず、タッチ演出(発射検知演出)の実行中に始動口入賞があると、当該タッチ演出を中断するようにしてもよい。
さらに、タッチ演出の実行中にエラー検知してエラー報知を実行する場合、タッチ演出よりも、エラー報知を優先することが可能である。また、これに限らず、タッチ演出とエラー報知を重複出力してもよい。例えば、第1エラー(不正入賞エラー、磁器検知エラーなど)が検出された場合はタッチ演出を中断するが、第2エラー(発射方向不適エラー、扉開放エラーなど)ではタッチ演出を中断しない、といった制御態様を採用することが可能である。
また、カスタマイズ(環境設定)時の音量調整中にタッチ演出を実行する場合、音量調整の途中であっても、タッチ演出の開始時点で調整されている音量に応じてタッチ演出に係る音声出力を行うことが考えられる。
さらに、カスタマイズ(環境設定)時の音量調整中に、タッチ演出を禁止し、他の状況であればタッチ演出が行われるような場合であっても、タッチ演出実行しないようにすることも可能である。
また、タッチ演出(発射検知演出)は、実行中に例えば始動入賞口(62、63)で遊技球が検出された場合には中断させるが、作動口(68)や一般入賞口(72)で遊技球が検出された場合には中断させない、といった制御態様を採用することも可能である。
<操作検出信号について>
次に、タッチ検出に係る操作検出信号(タッチ検出信号)について、考え得る各種の例を説明する。これまでに説明したように、タッチ演出に係る演出出力についての種々の態様を考えるのに際して、タッチ検出操作に係る操作検出信号について具体的に検討しておくことも、演出制御の信頼性確保等の面から重要である。先ず、操作検出信号については、「1.操作検出信号の用途」、「2.操作検出信号の送信方法」、「3a.操作検出信号を受信したときの処理」などの検討を行うことが考えられる。
これらのうち「1.操作検出信号の用途」としては、各種の処理に使用することや、各種の処理の契機とすることなどができる。例えば、操作検出信号は、「(1)遊技者による操作の担保」とすることができる。さらに、操作検出信号は、「(2)デモ状態と通常状態との移行契機」、「(3)特殊演出状態への遷移契機」、「(4)省電力モードからの復帰契機」、「(5)外部出力契機」、「(6)打ち出し等の示唆(方法変更)契機」、「(7)演出(の契機)に使う」、「(8)固定ハンドル検出及び報知に使う」、「(9)演出頻度等の変更に使う」といったことを考えることができる。
なお、上述の「(2)デモ状態と通常状態との移行契機」として操作検出信号を利用する際の信号生成方法として、タッチ検出部の検出信号をサブメイン基板(301)向けの専用検出部から出力する方法(第1方法)を採用することが可能である。サブメイン基板301向けの専用検出部としては、サブメイン基板(301)のみに出力信号が入力されるタッチ検出部(タッチセンサ)を挙げることがきる。
また、他の信号生成方法として、上述の専用検出部の信号(検出信号)に対して何らかの加工(信号処理)を施して利用する方法(第2方法)を採用することも可能である。この場合、メイン基板(102)にも、サブメイン基板(301)にも出力信号が入力される共用の検出部(共用検出部)を用いることを前提とし、共用検出部からの信号に対して何らかの加工(信号処理)を施して利用することが可能である。
さらに、専用検出部や共用検出部の出力信号と、他の信号との合成する方法(第3方法)を考えることができる。この場合、専用検出部や共用検出部の出力信号に、「他の信号」に現れる出力状況の情報を合成し、操作状態の変化に係る検出用の基準信号として、メイン基板(102)やサブメイン基板(301)への出力を行うことが考えられる。
前述の第1方法及び第2方法の特徴としては、他の信号との合成を行わずに済むため、第3方法に比べて、信号生成のための処理や機器が不要であり、処理や機器構成を簡略化できることがある。
また、前述の第2方法の他の特徴としては、異なる複数の入力対象(ここではメイン基板(102)及びサブメイン基板(301))への入力信号の生成を共通化できるため、個々の入力対象に対して個別に入力信号の生成を行う場合に比べて、処理や機器構成を簡略化できることがある。なお、タッチスイッチ(310)におけるチャタリングの影響等を考慮して、一定時間(例えば50ms)以上のタッチを要件とし、検出精度を高めることが考えられる。無論、適した静電容量のコンデンサを用いることで、所定時間の連続検出時に出力が得られるように構成することも可能である。
さらに、第3方法の特徴としては、専用検出部や共用検出部の出力信号の形態以外の形態の信号を用いて、メイン基板(102)やサブメイン基板(301)での処理を行うことができる。このため、専用検出部や共用検出部の出力信号の形態のみに制約されずに、メイン基板(102)やサブメイン基板(301)での処理を行うことが可能となる。
前述の「2.操作検出信号の送信方法」については、操作検出信号の送信経路に即して各制御基板における処理形態を考えることができる。例えば、タッチセンサ(310)から発射制御基板(105)までの区間に関しては、タッチセンサ(310)からの送信に使用する信号線について、「(1)発射制御用と共通」のものとすることや、「(2)発射制御用と別」のものとすることが考えられる。
ここで、信号線を共通のものとする態様としては、タッチセンサ(310)が3線式のセンサであれば、タッチセンサ(310)から導出されている3本の信号線(電源線、出力信号線、GNDなど)を共通のものとして使用し、タッチセンサ(310)が2線式のセンサであれば、タッチセンサ(310)から導出されている2本の信号線(出力信号線とGND、又は、出力信号線と電源線など)を共通のものとして使用するものを例示できる。
また、発射制御基板(105)から賞球制御基板(払出制御基板103)までの区間に関しては、送信に使用する信号線について、「(1)独立した信号線(演出用のみ出力)」とすることや、「(2)他の制御信号と共通」とすることが考えられる。これらのうち、「(2)他の制御信号と共通」とする場合には、送信タイミングを異ならせるなどの手法により合成する形態(合成形式)とすることが考えられる。
さらに、賞球制御基板(払出制御基板103)から主制御基板(メイン基板102)までの区間に関しても、「(1)独立した信号線」とすることや、「(2)他の制御信号と共通」とすることが考えられる。これらのうち、「(2)他の制御信号と共通」とする場合には、コマンドの形態(コマンド形式)で送受信することや、送信タイミングを異ならせるなどの手法により合成する形態(合成形式)で送受信することが考えられる。また、送信タイミングに関しては、特定の場合に送信しない、といった信号送信態様を考えることができる。
さらに、主制御基板(メイン基板102)から演出制御基板(サブメイン基板301)までの区間に関しても、「(1)独立した信号線」とすることや、「(2)他の制御信号と共通」とすることが考えられる。これらのうち、「(1)独立した信号線」とする場合には、例えば一定な時間毎に(定期的に)信号の送受信を行うことが考えられる。また、「(2)他の制御信号と共通」とする場合には、賞球制御基板(払出制御基板103)から主制御基板(メイン基板102)までの区間と同様に、コマンド形式で送受信することや、合成形式とすることが考えられる。さらに、信号の送信タイミングについて、前の送信情報の内容や種類等との関係に基づき決定されるものとすることが考えられる。
続いて、前述の「3a.操作検出信号を受信したときの処理」については、各種の遊技状態に分けて考えることができる。そして、遊技状態としては、「(1)通常遊技中」、「(2)特別遊技(当り遊技)中」、「(3)異常中」、「(4)準備中(電断復帰/電断処理)」、「(5)デモ中(未操作)」、「(6)デモ中(マイパチ操作/演出設定操作)」を挙げることができる。
これらの遊技状態のうち、「(1)通常遊技中」には、高ベース状態と低ベース状態とがある。また、発射制御基板(105)においてタッチ検出に係る操作検出信号を受信したときには、「(1)発射処理と共通時には発射制御処理のみ」を行うことが考えられる。これは、発射制御に係る処理を行っているのと同時期にタッチ検出信号を受信した場合には、発射制御に係る処理のみを行い、タッチ検出信号に基づく処理は行わないことを意味している。
また、「(2)発射制御用と別の場合には無視」するといったことも考えることができる。これは、発射制御に係る処理を行っていない場合にタッチ検出信号を受信した場合に、タッチ検出に基づく処理を行わないこと、を意味している。
続いて、賞球制御基板(払出制御基板103)や主制御基板(メイン基板102)においては、送信すべきコマンドを送信するまで、タッチ検出に係る情報の記憶を行うことが考えられる。さらに、主制御基板(メイン基板102)においては、タッチ検出の情報に基づき、例えば変動パターン(変動P)抽選のような、当否に係る演出抽選への影響を与えるようにすることや、与えないようにすることが考えられる。
続いて、演出制御基板(サブメイン基板301)においては、タッチ検出の情報に基づき、当否に係る演出とは別な演出(変動演出や先読演出など)を決定において、選択対象を分岐させる(異なると演出を選択する)といったことが考えられる。また、タッチ検出に基づく情報を受信しても、当該情報に基づく処理を行わないことや、当該情報を受信したことの判定処理を経るが特段の処理は行わない、といったことも考えられる。
なお、ここで説明した「(1)通常遊技中」に係る処理は、その他の「(2)特別遊技(当り遊技)中」、「(3)異常中」、「(4)準備中(電断復帰/電断処理)」、「(5)デモ中(未操作)」、「(6)デモ中(マイパチ操作/演出設定操作)」といった状態においても、適宜採用することが可能である。ここで、「マイパチ操作」は、例えば、遊技者に対して情報提供用の2次元コードの表示を行ったり、インターネットサーバとの通信を介して遊技者の携帯情報端末(スマートフォンなど)と情報通信を行ったりするサービスの提供のための操作を意味している。また、「演出設定操作」は、前述の環境設定(カスタマイズ)のための操作を意味している。
<本実施例に係る発明の作用効果>
以上説明したようにタッチ検出と演出出力との関係について種々の制御要素を検討し、検討したものの中から適宜の制御要素を採用してぱちんこ遊技機10に適用することにより、各種の制御要素を踏まえた演出を実行することが可能となる。そして、タッチ検出を含む発射ハンドルの操作検出を、これまでよりも一層有効に活用することが可能となる。
例えば、前述したように「D:タッチ演出の内容」を種々に想定し、例えば「D1:演出の出力先」、「D2:演出データ」、「D3:状態変更のみを行う」のように細分化して演出出力に関わる制御処理を定めてぱちんこ遊技機10に採用することで、ハンドル操作に基づく多様な演出が可能になる。そして、このハンドル操作に基づく演出は、「D1:演出の出力先」、「D2:演出データ」、「D3:状態変更のみを行う」等の制御要素に基づいて更に細分化された内容のものとすることが可能である。
また、前述したように「E:タッチ演出の選択基準」を種々に想定し、例えば、「E1:遊技状態(タッチタイミングにおける)」、「E2:操作回数」、「E3:カスタマイズ設定」のように細分化して演出出力に関わる制御処理を定めてぱちんこ遊技機10に採用することで、ハンドル操作に基づく多様な演出が可能になる。そして、このハンドル操作に基づく演出は、「E1:遊技状態(タッチタイミングにおける)」、「E2:操作回数」、「E3:カスタマイズ設定」等の制御要素に基づいて更に細分化された内容のものとすることが可能である。
そして、前述した「F:演出状態の変更」、「G:演出の変更」、「H:タッチ演出のトリガパラメータに関するもの」等についても同様に、細分化した各種の制御要素を定めてぱちんこ遊技機10に採用することにより、ハンドル操作に基づく多様な演出が可能になる。さらに、演出の許可条件や規制条件を「J:許可タイミングの設定」として定めたり、その他の制御要素として「K:タッチ状態の変化」、「L:タッチ検出の方法」、「M:サブへの送信方法」等を定めたりして、これらを適宜選択してぱちんこ遊技機10に適用することにより、ハンドル操作に基づく演出を一層多様なものとすることができる。
そして、これらのようにタッチ演出について細部に亘る検討を行い、遊技機の状態に応じたタッチ演出を実行することで、タッチ検出以前から継続されている演出とのバランスを踏まえた態様でタッチ演出を実行することができる。そして、他の演出の妨げになることなくタッチ演出を他の演出に組み合わせることができ、この組み合わせによってもタッチ演出の多様化が可能となる。
また、複数回のタッチ検出に対してそれぞれタッチ演出を実行することにより、断続的なタッチ演出の継続により演出全体の多様化を図る、といったことが可能となる。
<実施例に係るまとめ>
以上、タッチ検出に基づく演出について様々な態様を例示したが、これらについては以下のようにまとめることができる。
<まとめ1>
本実施形態に係る発明は、遊技領域に遊技球を発射し、前記遊技領域に形成された始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口など)に遊技球が入球したことを契機に図柄ゲームとして図柄(特別図柄など)を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示した図柄が所定の表示態様である場合に遊技者に利益を付与可能な特別遊技を行うぱちんこ遊技機であって、前記図柄ゲームを含む遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、前記主制御手段と通信可能に接続され、前記主制御手段から送信される送信情報(メインコマンドなど)に応じた制御処理を行う副制御手段(サブメイン基板など)と、前記副制御手段の制御の下で演出の出力を行う演出出力手段(演出表示装置、スピーカ、各種LEDなど)と、遊技者の接触を検出するタッチ検出手段(タッチスイッチなど)と、遊技者の回転操作を検出する回転操作検出手段(発射強度ボリュームなど)と、を備え、 前記演出には、前記タッチ検出手段による遊技者の接触の検出であるタッチ検出を契機として出力されるもの(タッチ演出など)があり、
前記ぱちんこ遊技機の状態として、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれも実行されていない状態である遊技待機状態(「B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」など)と、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれかが実行されている状態である遊技実行中状態(「B2:遊技中状態」など)とを有し、前記遊技待機状態には、前記副制御手段による演出の出力内容が異なる複数種類の遊技待機状態(「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」〜「B14:遊技待機(節電中)」など)を含み、前記複数種類の遊技待機状態のうちいずれの遊技待機状態であるかに応じて、前記タッチ検出を契機として演出が出力されるか否か、および/又は、前記タッチ検出を契機として出力される演出が異なり得るよう構成されている。
これにより、発射ハンドルの操作検出を一層有効に活用することで多様な演出を実行することができる。
<まとめ2>
本実施形態に係る他の発明は、遊技領域に遊技球を発射し、前記遊技領域に形成された始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口など)に遊技球が入球したことを契機に図柄ゲームとして図柄(特別図柄など)を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示した図柄が所定の表示態様である場合に遊技者に利益を付与可能な特別遊技を行うぱちんこ遊技機であって、前記図柄ゲームを含む遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、 前記主制御手段と通信可能に接続され、前記主制御手段から送信される送信情報(メインコマンドなど)に応じた制御処理を行う副制御手段(サブメイン基板など)と、前記副制御手段の制御の下で演出としての音声の出力を行う演出出力手段(スピーカなど)と、遊技者の接触を検出するタッチ検出手段(タッチスイッチなど)と、遊技者の回転操作を検出する回転操作検出手段(発射強度ボリュームなど)と、を備え、前記演出出力手段は、前記タッチ検出手段による遊技者の接触の検出であるタッチ検出を契機として音声の出力(音出力など)を実行可能であり、前記ぱちんこ遊技機の状態として、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれも実行されていない状態である遊技待機状態(「B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」など)と、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれかが実行されている状態である遊技実行中状態(「B2:遊技中状態」など)とを有し、前記遊技待機状態には、複数種類の遊技待機状態(「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」〜「B14:遊技待機(節電中)」など)を含み、前記複数種類の遊技待機状態のうちいずれの遊技待機状態であるかに応じて、前記タッチ検出を契機として音声が出力されるか否か、および/又は、前記タッチ検出を契機として出力される音声が異なり得るよう構成されている。
これにより、発射ハンドルの操作検出を一層有効に活用することで多様な音声演出を実行することができる。
<まとめ3>
本実施形態に係る他の発明は、遊技領域に遊技球を発射し、前記遊技領域に形成された始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口など)に遊技球が入球したことを契機に図柄ゲームとして図柄(特別図柄など)を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示した図柄が所定の表示態様である場合に遊技者に利益を付与可能な特別遊技を行うぱちんこ遊技機であって、
前記図柄ゲームを含む遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段と通信可能に接続され、前記主制御手段から送信される送信情報(メインコマンドなど)に応じた制御処理を行う副制御手段(サブメイン基板など)と、
前記副制御手段の制御の下で演出の出力を行う演出出力手段(演出表示装置、スピーカ、各種LEDなど)と、
遊技者の接触を検出するタッチ検出手段(タッチスイッチなど)と、
遊技者の回転操作を検出する回転操作検出手段(発射強度ボリュームなど)と、
演出中に遊技者に操作される演出操作部(操作ボタン、十字キーなど)と、を備え、
前記演出には、前記タッチ検出手段による遊技者の接触の検出であるタッチ検出を契機として出力されるもの(タッチ演出など)があり、
前記ぱちんこ遊技機の状態として、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれも実行されていない状態である遊技待機状態(「B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」など)を有し、
前記遊技待機状態には、前記副制御手段による演出の出力内容が異なる複数種類の遊技待機状態(「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」〜「B14:遊技待機(節電中)」など)を含み、
前記タッチ検出を契機として演出が出力されるか否か、および/又は、前記タッチ検出を契機として出力される演出が異なり得るように演出実行条件が定められており、
前記演出実行条件として定められている条件には、前記複数種類の遊技待機状態のうちいずれの遊技待機状態であるか、いずれのタイミングで前記タッチ検出がなされたか、前記タッチ検出のタイミングよりも前に前記演出操作部が操作されたか否か、が含まれている。
これにより、発射ハンドルの操作検出を一層有効に活用しつつ、演出操作部の操作状況と関連させたタッチ演出を実行することができる。
<まとめ4>
本実施形態に係る他の発明は、遊技領域に遊技球を発射し、前記遊技領域に形成された始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口など)に遊技球が入球したことを契機に図柄ゲームとして図柄(特別図柄など)を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示した図柄が所定の表示態様である場合に遊技者に利益を付与可能な特別遊技を行うぱちんこ遊技機であって、
前記図柄ゲームを含む遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段と通信可能に接続され、前記主制御手段から送信される送信情報(メインコマンドなど)に応じた制御処理を行う副制御手段(サブメイン基板など)と、
前記副制御手段の制御の下で演出の出力を行う演出出力手段(演出表示装置、スピーカ、各種LEDなど)と、
遊技者の接触を検出するタッチ検出手段(タッチスイッチなど)と、
遊技者の回転操作を検出する回転操作検出手段(発射強度ボリュームなど)と、を備え、
前記演出には、前記タッチ検出手段による遊技者の接触の検出であるタッチ検出を契機として出力されるもの(タッチ演出など)があり、
前記ぱちんこ遊技機の状態として、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれも実行されていない状態である遊技待機状態(「B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」など)と、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれかが実行されている状態である遊技実行中状態(「B2:遊技中状態」など)とを有し、
前記ぱちんこ遊技機には、供給電圧の低下による電源断が発生したときに、電源断が発生したときの前記ぱちんこ機の遊技状態を記憶可能なバックアップ手段(メイン基板のバックアップエリアなど)を備え、
前記タッチ検出を契機として演出が出力されるか否か、および/又は、前記タッチ検出を契機として出力される演出が異なり得るように演出実行条件が定められており、
前記演出実行条件として定められている条件には、前記タッチ検出のタイミングと、前記電源断から復帰したときに前記バックアップ手段に記憶されていた前記ぱちんこ機の遊技状態と、とが含まれている 前記遊技待機状態には、前記副制御手段による演出の出力内容が異なる複数種類の遊技待機状態(「B11:遊技待機A(通常デモ表示)」〜「B14:遊技待機(節電中)」など)を含み、
前記複数種類の遊技待機状態のうちいずれの遊技待機状態であるかに応じて、前記タッチ検出を契機として演出が出力されるか否か、および/又は、前記タッチ検出を契機として出力される演出が異なり得るよう構成されている。
これにより、発射ハンドルの操作検出を一層有効に活用しつつ、電源投入直後に適正なタッチ演出を実行することができる。
<まとめ5>
本実施形態に係る他の発明は、遊技領域に遊技球を発射し、前記遊技領域に形成された始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口など)に遊技球が入球したことを契機に図柄ゲームとして所定時間、図柄(特別図柄など)を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示した図柄が所定の表示態様である場合に遊技者に利益を付与可能な特別遊技を行うぱちんこ遊技機であって、
前記図柄ゲームとして図柄を変動表示させる時間は、複数の変動時間から1の変動時間が設定され、
前記図柄ゲームを含む遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段と通信可能に接続され、前記主制御手段から送信される送信情報(メインコマンドなど)に応じた制御処理を行う副制御手段(サブメイン基板など)と、
前記副制御手段の制御の下で演出の出力を行う演出出力手段(演出表示装置、スピーカ、各種LEDなど)と、
遊技者の接触を検出するタッチ検出手段(タッチスイッチなど)と、
遊技者の回転操作を検出する回転操作検出手段(発射強度ボリュームなど)と、
時間を計時する計時手段(計時タイマなど)と、を備え、
前記演出には、前記タッチ検出手段による遊技者の接触の検出であるタッチ検出を契機として出力されるもの(タッチ演出など)があり、
前記ぱちんこ遊技機の状態として、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれも実行されていない状態である遊技待機状態(「B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」など)と、
前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれかが実行されている状態である遊技実行中状態(「B2:遊技中状態」など)とを有し、
前記遊技待機状態における経過時間を前記計時手段に基づいて計時し、
前記タッチ検出に基づいて前記計時手段の計時時間を初期値に設定する初期化手段を有し、
前記計時手段により前記遊技待機状態における経過時間が所定の時間に達した場合に、その後のタッチ検出を契機とした演出の出力が許容されており(「J11:時間に特徴(可変/1変動との比較)」など)、
前記所定の時間は、前記複数の変動時間のうちの最も長い変動時間(180秒など)よりも短い時間に設定されている。
これにより、発射ハンドルの操作検出を一層有効に活用しつつ、適切にタッチ演出の許容タイミングを設定することができる。
<まとめ6>
本実施形態に係る他の発明は、遊技領域に遊技球を発射し、前記遊技領域に形成された始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口など)に遊技球が入球したことを契機に図柄ゲームとして所定時間、図柄(特別図柄など)を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示した図柄が所定の表示態様である場合に遊技者に利益を付与可能な特別遊技を行うぱちんこ遊技機であって、
前記図柄ゲームとして図柄を変動表示させる時間は、複数の変動時間から1の変動時間が設定され、
前記図柄ゲームを含む遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段と通信可能に接続され、前記主制御手段から送信される送信情報(メインコマンドなど)に応じた制御処理を行う副制御手段(サブメイン基板など)と、
前記副制御手段の制御の下で演出の出力を行う演出出力手段(演出表示装置、スピーカ、各種LEDなど)と、
遊技者の接触を検出するタッチ検出手段(タッチスイッチなど)と、
遊技者の回転操作を検出する回転操作検出手段(発射強度ボリュームなど)と、
演出中に遊技者に操作される演出操作部と、
時間を計時する計時手段(計時タイマなど)と、を備え、
前記演出には、前記タッチ検出手段による遊技者の接触の検出であるタッチ検出を契機として出力されるもの(タッチ演出など)があり、
前記ぱちんこ遊技機の状態として、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれも実行されていない状態である遊技待機状態(「B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」など)と、
前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれかが実行されている状態である遊技実行中状態(「B2:遊技中状態」など)とを有し、
所定の遊技待機状態における経過時間を前記計時手段に基づいて計時し、
前記タッチ検出に基づいて前記計時手段の計時時間を初期値に設定する初期化手段を有し、
前記計時手段により前記遊技待機状態における経過時間が所定の時間に達した場合に、その後のタッチ検出を契機とした演出の出力が許容されており(「J2:他の要素との複合」など)、
前記遊技待機状態において前記経過時間が前記所定の時間(20秒など)に達する前に前記演出操作部が操作された場合でも前記経過時間が前記所定の時間に達した場合に、その後のタッチ検出を契機とした演出の出力が許容される。
これにより、発射ハンドルの操作検出を一層有効に活用しつつ、演出操作部の操作に関わらずタッチ演出を実行することができる。
<まとめ7>
本実施形態に係る他の発明は、遊技領域に遊技球を発射し、前記遊技領域に形成された始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口など)に遊技球が入球したことを契機に図柄ゲームとして図柄(特別図柄など)を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示した図柄が所定の表示態様である場合に遊技者に利益を付与可能な特別遊技を行うぱちんこ遊技機であって、
前記図柄ゲームを含む遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段と通信可能に接続され、前記主制御手段から送信される送信情報(メインコマンドなど)に応じた制御処理を行う副制御手段(サブメイン基板など)と、
前記副制御手段の制御の下で演出の出力を行う演出出力手段(演出表示装置、スピーカ、各種LEDなど)と、
遊技者の接触を検出するタッチ検出手段(タッチスイッチなど)と、
遊技者の回転操作を検出する回転操作検出手段(発射強度ボリュームなど)と、
時間を計時する計時手段(計時タイマなど)と、を備え、
前記演出には、前記タッチ検出手段による遊技者の接触の検出であるタッチ検出を契機として出力されるもの(タッチ演出など)があり、
前記ぱちんこ遊技機の状態として、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれも実行されていない状態である遊技待機状態(「B1:遊技待機状態(通常デモ表示)」など)と、前記図柄ゲームと前記特別遊技とのいずれかが実行されている状態である遊技実行中状態(「B2:遊技中状態」など)とを有し、
前記ぱちんこ遊技機には、供給電圧の低下による電源断が発生したときに、電源断が発生したときの前記ぱちんこ機の遊技状態を記憶可能なバックアップ手段(メイン基板のバックアップエリアなど)を備え、
前記電源断から復帰したときに、電源復帰後の前記ぱちんこ機の遊技状態を、前記バックアップ手段に記憶された内容に基づいて前記電源断前の前記ぱちんこ機の遊技状態に復帰させる通常の復帰動作(S111やS113でNOの場合の復帰動作)と、前記バックアップ手段に記憶された電源断前の前記ぱちんこ機の遊技状態に関わらず電源復帰後の前記ぱちんこ機の遊技状態を前記遊技待機状態にする特定の復帰動作(S113でYESの場合の復帰動作)とが可能であり、
前記タッチ検出を契機として演出が出力されるか否か、および/又は、前記タッチ検出を契機として出力される演出が異なり得るように演出実行条件が定められており、
前記演出実行条件として定められている条件には、前記電源断から復帰後の前記ぱちんこ機の遊技状態と、前記計時手段により前記遊技待機状態における経過時間が所定の時間に達したか否か、とが含まれており、
前記電源断から復帰したときに前記通常の復帰動作による復帰か前記特定の復帰動作による復帰かに関わらず、前記計時手段の計時時間を所定の値(20秒など)に設定するよう構成されている。
これにより、発射ハンドルの操作検出を一層有効に活用しつつ、電源復帰後でも適正なタッチ演出の実行制御を行うことができる。
<まとめ8>
本実施形態に係る他の発明は、遊技領域に遊技球を発射し、前記遊技領域に形成された始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口など)に遊技球が入球したことを契機に図柄ゲームとして図柄(特別図柄など)を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示した図柄が所定の表示態様である場合に遊技者に利益を付与可能な特別遊技を行うぱちんこ遊技機であって、
前記図柄ゲームを含む遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段と通信可能に接続され、前記主制御手段から送信される送信情報(メインコマンドなど)に応じた制御処理を行う副制御手段(サブメイン基板など)と、
前記副制御手段の制御の下で演出の出力を行う演出出力手段(演出表示装置、スピーカ、各種LEDなど)と、
遊技者の接触を検出するタッチ検出手段(タッチスイッチなど)と、
遊技者の回転操作を検出する回転操作検出手段(発射強度ボリュームなど)と、を備え、
前記主制御手段は、
前記遊技の結果に応じて遊技者に利益を付与可能であり、遊技者への利益付与に関する設定(遊技者の有利度合いの設定など)が可能であり、
前記ぱちんこ遊技機の状態として、前記設定を行うことが可能な設定変更状態と、前記設定変更状態と異なる通常状態とを含み、
前記設定変更状態においては、前記タッチ検出手段の検出状態の変化態様および/または前記回転操作検出手段の検出態様に関わらず、前記タッチ検出手段による検出に基づく前記演出の出力が行われないよう構成されている。
これにより、発射ハンドルの操作検出を一層有効に活用しつつ、設定操作にタッチ演出を制限することができる。
<まとめ9>
本実施形態に係る他の発明は、遊技領域に遊技球を発射し、前記遊技領域に形成された始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口など)に遊技球が入球したことを契機に図柄ゲームとして図柄(特別図柄など)を変動表示させた後に停止表示させ、停止表示した図柄が所定の表示態様である場合に遊技者に利益を付与可能な特別遊技を行うぱちんこ遊技機であって、
前記図柄ゲームを含む遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段と通信可能に接続され、前記主制御手段から送信される送信情報(メインコマンドなど)に応じた制御処理を行う副制御手段(サブメイン基板など)と、
前記副制御手段の制御の下で演出の出力を行う演出出力手段(演出表示装置、スピーカ、各種LEDなど)と、
遊技者の接触を検出するタッチ検出手段(タッチスイッチなど)と、
遊技者の回転操作を検出する回転操作検出手段(発射強度ボリュームなど)と、を備え、
前記主制御手段は、前記タッチ検出手段による遊技者の接触の検出であるタッチ検出を条件に前記回転操作検出手段が検出した回転量に応じた強度で遊技球を発射可能であり、
前記演出には、前記タッチ検出を契機として出力されるもの(タッチ演出など)があり、
前記主制御手段は、
前記ぱちんこ遊技機に電源が投入された後、前記タッチ検出手段が遊技者の接触を検出するよりも前に前記始動入賞口に遊技球が入球した場合であっても前記図柄の変動表示を行うとともに、前記図柄の変動表示に対応する送信情報を前記副制御手段に送信するよう構成されている。
これにより、発射ハンドルの操作検出を一層有効に活用しつつ、タッチ検出の有無が図柄ゲームの進行を制限しないようにすることができる。<その他の実施形態>
なお、本発明は上述した各種の実施態様に限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。例えば、本発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、前述のように、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしているぱちんこ遊技機に限られず、例えば、遊技機内部で遊技球を循環させて使用する封入循環式のぱちんこ遊技機(管理遊技機)にも適用が可能である。さらに、封入循環式のぱちんこ遊技機としては、遊技媒体の出入りを電磁的に記録することが可能なものを例示できる。
また、本発明は、所定数の図柄が配列された複数のリールを備え、遊技者の操作に基づきリールの回転開始と回転停止の制御を行い、当せんした入賞役に応じて遊技メダル等の遊技媒体の払出し(貯留装置への貯留を含む)を行うスロットマシン(回胴式遊技機)にも適用が可能なものである。スロットマシンに本発明を適用する場合には、ハンドル操作検出に代えて、賭け設定の際に遊技者に操作され得るベットボタンの操作の検出や、同じく賭け設定の際に遊技者によって行われ得る遊技メダルの投入の検出に基づき、遊技機の状態に応じた演出出力を適用することが可能である。さらに、本発明は、例えばカジノ施設に設置されるカジノマシンなどにも適用が可能である。