JP2019072556A - 遊技機 - Google Patents

遊技機 Download PDF

Info

Publication number
JP2019072556A
JP2019072556A JP2019019262A JP2019019262A JP2019072556A JP 2019072556 A JP2019072556 A JP 2019072556A JP 2019019262 A JP2019019262 A JP 2019019262A JP 2019019262 A JP2019019262 A JP 2019019262A JP 2019072556 A JP2019072556 A JP 2019072556A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
game
gaming
ball
state
special symbol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2019019262A
Other languages
English (en)
Inventor
川口 宏二
Koji Kawaguchi
宏二 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Bussan Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Bussan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Bussan Co Ltd filed Critical Sanyo Bussan Co Ltd
Priority to JP2019019262A priority Critical patent/JP2019072556A/ja
Publication of JP2019072556A publication Critical patent/JP2019072556A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pinball Game Machines (AREA)

Abstract

【課題】 可変入賞口に進入する遊技球の個数の変動を抑制可能な遊技機を提供する。【解決手段】 所定の条件の成立に基づいて遊技媒体の進入が許容されて所定の個数の遊技媒体の進入に基づいて進入が禁止される可変入賞口と、所定の第1の強度範囲で発射された遊技媒体が流下する第1流下領域と、前記発射手段から前記第1の強度範囲の強度よりも強く最大強度を含む所定の第2の強度範囲で発射された遊技媒体が可変入賞口に流下可能である第2流下領域とを含む遊技機において、第1の強度範囲と第2の強度範囲との間の第3の強度範囲で発射された遊技媒体によって、当該遊技媒体の発射後に前記第2の強度範囲で発射された遊技媒体が前記第2流下領域を流下することを阻害する阻害手段を含む構成とする。【選択図】 図22

Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の遊技機において、所定の条件を満たした場合に遊技球の進入を許容する進入許容状態をとり、進入許容状態において規定数の遊技球が進入した場合に遊技球の進入を禁止する進入禁止状態をとる可変入賞装置を備えており、通常時とは異なる強度で遊技球を打ち出せば、円滑に可変入賞装置へ遊技球を進入させることができる構成が知られている。
特開2014−004177号公報
上記の従来の遊技機においては、可変入賞装置の進入口(可変入賞口)に規定数を超える遊技球が進入する場合があるものの、その発生回数が遊技者の操作に応じて過度に変動することは好ましくなく、この点において改良の余地があった。
そこで、本発明に係る遊技機では、可変入賞口に進入する遊技球の個数の変動を抑制可能な遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
可変強度で遊技媒体を発射する発射手段と、所定の条件の成立に基づいて遊技媒体の進入が許容され、所定の個数の遊技媒体の進入に基づいて進入が禁止される可変入賞口と、前記発射手段から所定の第1の強度範囲で発射された遊技媒体が流下する第1流下領域と、前記発射手段から前記第1の強度範囲の強度よりも強く、最大強度を含む所定の第2の強度範囲で発射された遊技媒体が前記可変入賞口に流下可能である第2流下領域とを含む遊技機であって、
前記発射手段から前記第1の強度範囲と前記第2の強度範囲との間の第3の強度範囲で発射された遊技媒体によって、当該遊技媒体の発射後に前記第2の強度範囲で発射された遊技媒体が前記第2流下領域を流下することを阻害する阻害手段を含むことを特徴とする。
本発明に係る遊技機であれば、可変入賞口に進入する遊技球の個数の変動を抑制できる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 遊技盤の上部を部分的に拡大した部分拡大正面図 遊技盤の上部における遊技球の挙動の一例を表す説明図 遊技盤の上部における遊技球の挙動の他の一例を表す説明図 遊技盤の上部における遊技球の挙動の更に他の一例を表す説明図 第1の変形例に係る遊技盤の部分拡大正面図 第2の変形例に係る遊技盤の部分拡大正面図 第3の変形例に係る遊技盤の部分拡大正面図 第4の変形例に係る遊技盤の部分拡大正面図 第5の変形例に係る遊技盤の部分拡大正面図 第6の変形例に係る遊技盤の部分拡大正面図 第7の変化例に係る遊技盤の部分拡大正面図
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成しても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側又は、中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に遊技盤400に発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触することとなる入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出されることとなる。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
なお、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。なお、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と実質的に同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、5ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8球)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の回数(例えば、1回)だけ所定の最大進入許容時間(例えば、0.2秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合よりも多い所定の回数(例えば、2回)だけ非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、4.8秒)に亘って間欠的に進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10球)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、約0.1秒×1回)が時短状態における滞在時間(例えば、約4.8秒×3回)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技することとなる。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技することとなる。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行うこととなる。なお、下大入賞装置433及び上大入賞装置434についても中央構造体420に対して右側に配置され、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行うこととなる。
本実施形態においては、戻り球防止機構404を超えるが分岐位置P1は超えないように飛翔する強度で遊技球を打ち出すことによって、左流下領域407を通して遊技球を流下させることができて、この打ち出しによって、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431B等へ遊技球が進入することを期待できる。また、分岐位置P2を超えるように飛翔する強度で遊技球を打ち出すことによって、右流下領域408を通して遊技球を流下させることができ、下大入賞装置433や上大入賞装置434等へ遊技球が進入することが期待できる。通常遊技状態においては、戻り球防止機構404を超えるが分岐位置P1は超えないように飛翔する強度の範囲内で、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bに遊技球が進入し易くなるような打ち出し強度となるように、発射ハンドル252(図1及び図5参照)の回転操作量が調整される。また、特別遊技状態では、遊技球の打ち出し強度が最大となるように、発射ハンドル252の回転操作量は最大の回転操作量に固定される。なお、分岐位置P1は越えるが分岐位置P2は越えないように飛翔する強度で打ち出された遊技球は、中流下領域409を通して流下し、排出口425を介して機外に排出されることとなる。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れ検出スイッチ539が取着されている。球切れ検出スイッチ539は、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、主制御基板920からの設定表示信号や初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報が初期化されることとなる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させることとなる。逆に、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力することとなり、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させることとなる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識することとなる。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと異なり、停電状態において内部データを維持できる構成とはなっていない。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの実質的に全領域の情報を消去する否かが判定される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの実質的に全領域の情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰することとなる。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行されることとなる。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止されることとなる。その後に、パチンコ機100の実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は実質的になんらの処理も行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行されることとなる。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタ毎に固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタごとの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、実質的な処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させることとなる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。なお、合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力されることとなる。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<入賞個数の変動抑制>
次に、図13〜図16を参照して、下大入賞装置433や上大入賞装置434に進入する遊技球の個数が遊技者の打ち出し強度の調整によって過度に変動することを抑制できる構成について説明する。図13は、遊技盤400の上部を部分的に拡大した正面図である。また、図14〜図16は、遊技盤400の上部における遊技球の挙動を表す説明図である。
遊技盤400において、図7に示すように、概ね外レール402及び内レール403によって区画される遊技領域が形成されており、遊技領域には、中央構造体420等の各種の構造物や、下大入賞装置433及び上大入賞装置434等の各種の装置が設けられている。遊技領域内における遊技球の飛翔は、発射装置330(図3及び図6参照)から打ち出される際の打ち出し強度と外レール402の形状とよって決まる。ここで、「遊技球の飛翔」とは、戻り球防止機構404を超えた遊技球が外レール402以外の部材と接触するまでの移動を意味することとする。発射装置330から打ち出される遊技球の打ち出し強度は、発射操作装置250の発射ハンドル252(図1及び図5参照)の回転操作量に比例し、発射ハンドル252の最大の回転操作量は略120度である。発射ハンドル252が遊技者によって回転操作されている場合に、遊技球は、発射装置330から略0.6秒間隔で打ち出される。なお、発射ハンドル252が遊技者によって回転操作されている場合であっても、発射停止スイッチ255(図5参照)が押下されると、遊技球の打ち出しは停止される。
外レール402において遊技領域の上側の境界を決める円弧状の部分の傾斜(パチンコ機100の左右方向に対する外レール402の接線の傾斜)は、図7に示すように、戻り球防止機構404の配置された近傍において略50度の右上がりの傾斜であり、反跳防止部材405の配置された近傍において略45度の右下がりの傾斜である。発射装置330から最大強度で打ち出された遊技球は、外レール402の円弧状の部分に沿うように飛翔する。なお、以下において、最大強度で打ち出された遊技球の飛翔軌道を「最大飛翔軌道」と称する。
中央構造体420の上部には、図13に示すように、中央構造体420の最大高さ位置であって、外レール402の傾斜が右上がりの略5度である部位に対向する分岐位置P1から、左下がりの左壁部421が形成されている。なお、分岐位置P1は、遊技領域の左端T1(図7参照)と右端T2(図7参照)との間の最大幅W(図7参照)を基準とすると、遊技領域の左端T1から最大幅Wの略45%の幅だけ中央側の位置である。
戻り球防止機構404を超えるが分岐位置P1は超えないような強度(最大強度の略20%以上45%未満)で打ち出された遊技球は、外レール402において分岐位置P1に対向する部位よりも手前で最大飛翔軌道から離脱して釘411や左壁部421に衝突し、中央構造体420の左外縁側に形成された左流下領域407を流下する。
また、中央構造体420の上部には、外レール402の傾斜が右下がりの40度である部位に対向する分岐位置P2から略40度の右下がりの右壁部422が形成されている。なお、分岐位置P2は、遊技領域の最大幅Wを基準とすると、遊技領域の左端T1から最大幅Wの略80%の幅だけ右側の位置である。分岐位置P2を超える強度(最大強度の75%以上)で打ち出された遊技球は、右流下領域408を流下する。
具体的には、最大強度で打ち出された遊技球は、最大飛翔軌道に沿って飛翔して反跳防止部材405に衝突し、右流下領域408の流下を開始する。なお、反跳防止部材405への衝突によって遊技球の勢いが略完全に止められるために、概ね初速度のない状態で流下を開始することとなる。
また、最大強度よりも弱い所定の強度範囲(最大強度の80%以上で最大強度未満の範囲)で打ち出された遊技球は、最大強度で打ち出された場合よりも遅い速度で、最大飛翔軌道に沿って反跳防止部材405まで飛翔し、右流下領域408における流下を開始する。反跳防止部材405に衝突した後は、最大強度で打ち出された遊技球と略同一の挙動で右流下領域408を流下する。なお、発射装置330によって打ち出されてから反跳防止部材405に到達するまでの時間は、最大強度で打ち出された場合よりも遊技球の飛翔速度が遅いために長くなるが、その時間差は、発射装置330からの遊技球の最短の発射間隔(略0.6秒)と比べて極めて短い時間(例えば、最大強度の80%で打ち出された場合で略0.05秒)である。更に、反跳防止部材405に衝突した後の挙動は、最大強度で打ち出された場合と略同一であるために、最大強度の80%以上で最大強度未満である範囲で打ち出された遊技球の挙動は、最大強度で打ち出された遊技球と略同一となる。
また、更に弱い所定の強度範囲(最大強度の75%以上で最大強度の80%未満の範囲)で打ち出された遊技球は、図14に示すように、途中で最大飛翔軌道から外れて右壁部422に衝突し、右流下領域408における流下を開始する。但し、右壁部422に衝突した遊技球は、反跳防止部材405に向けて反跳して反跳防止部材405に衝突し、その後は、最大飛翔軌跡に沿って飛翔して直接に反跳防止部材405に衝突した場合と略同一の挙動で右流下領域408を流下する。なお、最大強度で打ち出された場合よりも遊技球の飛翔速度が遅いために、また、右壁部422に一旦衝突してから反跳防止部材405に衝突するために飛翔軌跡が最大強度で打ち出された場合よりも長くなるために、発射装置330によって打ち出されてから反跳防止部材405に到達するまでの時間は、最大強度で打ち出された場合よりも長くなる。しかし、その時間差は、発射装置330からの遊技球の発射間隔と比べて極めて短い時間(例えば、最大強度の75%で打ち出された場合で約0.07秒)である。更に、反跳防止部材405に衝突した後の挙動は、最大強度で打ち出された場合と略同一であるために、最大強度の75%以上であり最大強度の80%未満である範囲で打ち出された遊技球の挙動は、最大強度で打ち出された遊技球と大きくは変化しない。
更に、中央構造体420の上部には、左壁部421と右壁部422との間において、左壁部421の右端(分岐位置P1)から右下がりに湾曲し、右壁部422の左端(分岐位置P2)の下方まで至る中壁部423が形成され、また、中壁部423の右端と右壁部422の左端との間に段差壁部424が形成されている。更に、中壁部423の右端であって段差壁部424の左方に排出口425が形成されている。なお、中壁部423と段差壁部424と排出口425とによって中流下領域409が構成されている。
所定の強度範囲(最大強度の45%以上で最大強度の75%未満の範囲)で打ち出された遊技球は、途中で最大飛翔軌道から外れて中壁部423又は段差壁部424に衝突し、中流下領域409における流下を開始する。中壁部423に衝突した遊技球は、概ね中壁部423に沿って排出口425に案内される。段差壁部424の傾斜角度は、中壁部423の右端の近傍部分における接線に対して略直角となっており、中壁部423に沿って流下してきた遊技球が段差壁部424と衝突しても、中壁部423に沿って逆戻りすることはあっても、分岐位置P2を超えることはない。なお、図15に示すように、中壁部423への衝突によって反跳が発生したとしても、中壁部423は、分岐位置P1から右側に離れるにつれて傾斜が急峻となる形状であるために、遊技球が中壁部423のいずれの位置で衝突したとしても、中壁部423と薄い角度でしか反跳せず、排出口425に向かうように反跳することとなる。これによって、中壁部423への衝突によって反跳が発生したとしても、分岐位置P2を超えるような反跳は略発生しない。
一方、段差壁部424に衝突した遊技球は、中壁部423側へ反跳し、中壁部423や外レール402と更に衝突したり、中壁部423に沿って分岐位置P1側へ移動したりする。このとき、図16に示すように、中壁部423に沿って分岐位置P1側へ移動した結果、遊技球の最大飛翔軌道(破線L1と外レール402との間の領域)に入り込んだり、分岐位置P1を超えたりすることはあるものの、分岐位置P2を超えるような移動は発生しない。なお、湾曲部11に沿って転動する遊技球が最大飛翔軌道に完全には入り込まないように、外レール402と中壁部423との間隔はいずれの位置においても遊技球の直径より長くなっている。これによって、後続の遊技球と先行の遊技球との衝突が発生したとしても、後続の遊技球の飛翔方向に並ぶような状態で衝突することはなく、それらの遊技球の各々は、その後、最大飛翔軌道に沿って進行することはなくなる。
ここで、上大入賞装置434及び下大入賞装置433の動作及びそれらに進入した遊技球の検出について説明する。
第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選によって大当りに当選した場合には、特別遊技状態の態様が決定され、決定された態様の特別遊技状態へと移行する。具体的には、継続ラウンド数の少ない短期(本形態では6ラウンド)の特別遊技状態、又は、継続ラウンド数の多い長期(本形態では16ラウンド)の特別遊技状態となる。特別遊技状態の各ラウンドにおいて、最大進入許容時間(本形態では29.5秒)が経過した場合、又は、規定数(本形態では8球)の遊技球が上大入賞スイッチ444(図10参照)や下大入賞スイッチ443(図10及び図14参照)によって検出された場合に、上大入賞装置434及び下大入賞装置433が進入許容状態から進入禁止状態へと変化する。なお、通常は、規定数の遊技球が上大入賞スイッチ444や下大入賞スイッチ443によって検出されることによって、進入許容状態から進入禁止状態へと変化する。
上大入賞装置434の進入許容状態において、上進入規制機構454は上端部が前方側に突出するように傾斜しており、遊技球の直径よりも幅の広い進入口を通して遊技球が進入可能となっている。上大入賞装置434に到達した遊技球は、上進入規制機構454(図7参照)によって奥方に誘導されて、進入口から進入する。上大入賞装置434の内部には、右端から僅かに中央側に遊技球を奥方に案内する奥方案内通路部が形成されている。また、奥方案内通路部の左方において右下がりに傾斜する左側傾斜通路部と、奥方案内通路部の右方において左下がりに傾斜する右側傾斜通路部とが形成されている。上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444は、奥方案内通路部に設けられており、上大入賞装置434に進入した遊技球は、左側傾斜通路部や左側傾斜通路部によって奥方案内通路部に向けて左右方向に案内され、更に、奥方案内通路部によって奥方に案内された後に、上大入賞スイッチ444によって検出される。つまり、遊技球が上大入賞装置434に進入してから、上大入賞スイッチ444によって検出されるまでには、所定の時間(例えば、約0.2秒)のずれが生じる。これによって、規定数の最後に相当する遊技球が上大入賞スイッチ444によって検出される前に、他の遊技球が上大入賞装置434に進入する場合が発生し得ることとなる。なお、下大入賞装置433についても同様に、規定数の最後に相当する遊技球が下大入賞スイッチ443によって検出される前に、他の遊技球が下大入賞装置433に進入する場合が発生し得ることとなる。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、通常遊技状態時の左壁部421を越えないような打ち出し強度の範囲より大きい強度の範囲(最大強度の45%以上)で遊技球が打ち出されたとしても、その強度の範囲の一部(最大強度の45%以上75%未満)の強度で打ち出された遊技球は、下大入賞装置433や上大入賞装置434に進入する可能性のある右流下領域408には進行しない。つまり、下大入賞装置433や上大入賞装置434が作動する特別遊技状態における遊技を円滑に進行させるための打ち出し強度の範囲が、通常遊技状態における打ち出し強度の範囲以外の全ての範囲ではなく、分岐位置P2を越えるような一部の範囲に制限されている。また、その制限された強度の範囲(最大強度の75%以上)で打ち出し強度を変化させたとしても、上述のように、遊技球の流下の挙動が最大の強度で打ち出し続けた場合と大きく変化しないように構成されている。これによって、2つの遊技球を順次に弱い強度及び強い強度で打ち出したとしても、先行の遊技球に後続の遊技球が追い付いていくような右流下領域408を通しての流下の発生を抑制でき、その結果、それらの遊技球が略同時に下大入賞装置433や上大入賞装置434に進入することを抑制できる。したがって、下大入賞装置433や上大入賞装置434に進入する遊技球の個数の変動を抑制でき、遊技者間の公平性を担保することができる。
なお、上述のように、遊技球が下大入賞装置433や上大入賞装置434に進入してから、下大入賞スイッチ443や上大入賞スイッチ444で検出されて下大入賞装置433や上大入賞装置434が進入禁止状態へと変化するまでに、所定の時間差が生じるために、規定数よりも1つだけ少ない数の遊技球が既に進入している場合に、複数の遊技球が下大入賞装置433や上大入賞装置434に略同時に到達した場合には、それらの遊技球の双方が下大入賞装置433や上大入賞装置434に進入する状況が発生し得るものの、遊技者が遊技球の発射強度を調節したとしても、そのような状況の発生を意図的に促進することはできない。
また、パチンコ機100においては、先行の遊技球が、一旦最大飛翔軌跡から離脱した後に最大飛翔軌跡に入り込むように位置する場合(段差壁部424に飛来した場合)があり、後続の遊技球が先行の遊技球に衝突すれば、先行の遊技球ばかりでなく後続の遊技球も排出口425に案内されることとなる。これによって、遊技球の打ち出し強度の調節によって、先行の遊技球に後続の遊技球が追い付くような流下をさせて、遊技球が略同時に下大入賞装置433や上大入賞装置434に進入させようと試みる遊技者に対して、ペナルティを課すこともできる。このような打ち出しを試みた場合には、先行の遊技球と後続の遊技球とを無駄にするばかりでなく、下大入賞装置433や上大入賞装置434に遊技球を進入させることができる時間を無駄にすることとなるからである。
なお、先行の遊技球と後続の遊技球とが衝突するような状況が一旦発生すると、それらの遊技球が中流下領域409に滞在することともなり、後続の遊技球に引き続き打ち出される遊技球は当該遊技球より先に打ち出された遊技球と更に衝突し易くなる。これによって、後続の遊技球より後に打ち出される遊技球が連鎖的に実質的に分岐位置P2を越えられない状況が継続し易くなる。このような状況が発生すると、一旦、遊技球の打ち出しを止めて、中流下領域409に滞在している全ての遊技球が排出口425から排出されるまで待つ必要があり、下大入賞装置433や上大入賞装置434の今回の進入許容状態において遊技球を規定数まで進入させることができなくなる場合が生じ易くなると共に、次回の進入許容状態への移行時においても遊技球を規定数まで進入させることができなくなるような場合も生じ易くなる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
以下において、図17〜図23も適宜に参照して、各種の変形例について説明する。図13〜図23の各々は、各種の変化例に係る遊技盤400の上部を拡大して示す部分拡大正面図である。
(1)上記実施形態においては、中壁部423が、分岐位置P1から離れるにつれてその傾斜角度が大きくなるように、滑らかに湾曲する構成としたが、排出口425に遊技球を好適に案内する観点からは、必ずしも中壁部423のような構成とする必要はない。例えば、分岐位置P1から離れるにつれてその傾斜角度が小さくなるように滑らかに湾曲する湾曲部を形成する構成や、分岐位置P1から一定角度で傾斜する構成としても良い。
(2)上記実施形態においては、中壁部423がその右端側に形成された排出口425に遊技球を案内する構成としたが、必ずしも、排出口425を中壁部423の右端に形成すると共に中壁部423が遊技球を右端側に案内する構成とする必要はない。例えば、分岐位置P1の下方側に排出口を形成し、分岐位置P2側から左側に遊技球を案内する中壁部を形成する構成であって、中壁部を転動する遊技球が分岐位置P2側を超えないように規制する段差壁部を形成する構成としても良い。また、分岐位置P1と分岐位置P2との間の下方側に排出口を形成し、分岐位置P1側からは右側に遊技球を案内すると共に、分岐位置P2側からは左側に遊技球を案内する中壁部を形成する構成であって、中壁部を転動する遊技球が分岐位置P2側を超えないように規制する段差壁部を形成する構成としても良い。
(3)上記実施形態においては、遊技球が段差壁部424に衝突した場合に反跳して最大飛翔軌跡に戻る場合がある構成であったが、必ずしも一旦最大飛翔軌跡から外れた遊技球が最大飛翔軌跡に戻る場合がある必要はない。例えば、図17に示されたように、段差壁部424の表面に反跳防止部材405と同様の反跳防止部材406を更に設けて、一旦最大飛翔軌跡から外れた遊技球が最大飛翔軌跡に戻らない構成としても良い。また、例えば、図18に示されたように、中壁部423と同様の中壁部426Aを形成すると共に、中壁部426Aの左端と分岐位置P1とを繋ぐ略垂直な壁部426Bを形成し、中壁部426Aのいずれの位置において遊技球が当接していても、遊技球が最大飛翔軌道に入り込まない構成としても良い。このように、一旦最大飛翔軌跡から外れた遊技球が最大飛翔軌跡に入り込まない構成であれば、当該遊技球が中流下領域409を流下していたとしても、当該遊技球よりも後に打ち出される遊技球の飛翔に影響を及ぼすことを防止できる。これにより、例えば遊技球の汚れの付着や遊技球発射装置330の不安定な動作等により遊技者の意図に反して遊技球が中流下領域409を流下してしまった場合、その遊技球だけを排出口425へ誘導することができ、適切な操作で遊技を行う遊技者に過度に不利益を生じさせてしまう可能性を低減することができる。なお、中流下領域409に進入した遊技球が排出される排出口425の下流側に、一定数の遊技球を貯留可能な球貯留部を設置しても良い。球貯留部に貯留された遊技球数を遊技場の管理者が把握可能とすることができ、遊技球に汚れが付着したり、遊技球発射装置330が不安定な動作をしたりして中流下領域409に遊技球が進入する状況に対処し易くすることができる。
(4)上記実施形態においては、分岐位置P1から右側に遠ざかるにつれて外レール402と中壁部423との間隔を大きくして中壁部423に沿って転動する遊技球を最大飛翔軌道から離脱させる構成としたが、必ずしも中壁部に沿って転動する遊技球が最大飛翔軌道から離脱する構成とする必要はない。例えば、図19及び図20に示されたように、外レール402と同一の湾曲形状であって外レール402と中壁部423との間隔が略均一である中壁部427や中壁部428を形成して、遊技球が中壁部427や中壁部428のいずれの位置で当接していたとしても最大飛翔軌道に入り込む構成としても良い。この構成であれば、長期間に亘って、最大強度の45%以上であり最大強度の75%未満で打ち出された先行の遊技球を、その後に最大強度の75%以上であり最大強度以下で打ち出された後続の遊技球の進行を阻害するように滞在させることができる。これによって、高確率で先行の遊技球と後続の遊技球とを衝突させることができ、その結果、高頻度で双方の遊技球を排出口425に案内することができることとなる。なお、図19に示す中壁部427の場合には、排出口425に進入する前に最大飛翔軌道から離脱することとなるが、図20に示す中壁部428の場合には、遊技球が排出口425に進入している過程においても最大飛翔軌道に入り込むこととなり、前者に比べて後者の方が後続の遊技球の進行を阻害できる。
(5)上記実施形態においては、中央構造体420の上部の凹凸構造(中壁部423及び段差壁部424)によって、右流下領域408及び中流下領域409のいずれに流下させるかを分岐させる構成としたが、必ずしも中央構造体420によって遊技球の流下先を分岐させる必要はない。例えば、図21に示されたように、中央構造体420の上方に所定の配列で釘を配置して遊技球の進行先を分岐させる右壁部422’を形成する構成としても良く、また、図示しないが、中央構造体420の上方に中央構造体420とは別体の部材を配置して遊技球の流下先を分岐させる構成としても良い。
(6)上記実施形態においては、所定の強度範囲(分岐位置P1は越えるが分岐位置P2越えない強度)で打ち出された遊技球が排出口425に案内される構成としたが、必ずしも排出口425を形成する必要はない。例えば、図22に示されたように、一定間隔で配置された磁石(図示せず)を有する帯状体481と、帯状体481を駆動する駆動体482,483と、帯状体の周回経路を調整する回転体484,485とを設けて、所定の強度範囲で打ち出された遊技球を帯状体481の磁石で吸着して分岐位置P1を越えて中央構造体420の左側を流下するように案内する構成としても良い。また、例えば、図23に示されたように、一定間隔で配置された磁石492を有する回転体491と、回転体491を駆動する駆動体493とを設けて、所定の強度範囲で打ち出された遊技球を磁石492で吸着して分岐位置P1を越えて中央構造体420の左側を流下するように案内する構成としても良い。これらの構成であれば、必ず所定の期間に亘り、後続の遊技球の進行を阻害するように、先行の遊技球を最大飛翔軌跡に入り込む状態で滞在させることができる。したがって、高頻度で先行の遊技球と後続の遊技球とを衝突させることができ、上述のペナルティを積極的に課すことができる。なお、帯状体481の磁石及び回転体491の磁石492によって遊技球を中央構造体420の左側を流下するように案内する場合について説明したが、帯状体や回転体に外方向に突出して遊技球を保持できる保持片を形成して、遊技球を中央構造体420の左側を流下するように案内する構成としても良い。
(7)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
従来の遊技機において、所定の条件を満たした場合に遊技球の進入を許容する進入許容状態をとり、進入許容状態において規定数の遊技球が進入した場合に遊技球の進入を禁止する進入禁止状態をとる可変入賞装置を備えており、通常時とは異なる強度で遊技球を打ち出せば、円滑に可変入賞装置へ遊技球を進入させることができる構成が知られている。
上記の従来の遊技機においては、可変入賞装置の進入口(可変入賞口)に規定数を超える遊技球が進入する場合があるものの、その発生回数が遊技者の操作に応じて過度に変動することは好ましくなく、この点において改良の余地があった。
そこで、本発明に係る遊技機では、例えば、可変入賞口に進入する遊技球の個数の変動を抑制可能な遊技機を提供することを目的としている。
<特徴11>
可変強度で遊技媒体(例えば、遊技球)を発射する発射手段(遊技球発射装置330)と、所定の条件の成立(例えば、特別遊技状態への移行)に基づいて遊技媒体の進入が許容され、所定の個数の遊技媒体の進入に基づいて進入が禁止される可変入賞口(例えば、下大入賞装置433や上大入賞装置434の進入口)と、前記発射手段から所定の第1の強度範囲で発射された遊技媒体が流下する第1流下領域(例えば、左流下領域407)と、前記発射手段から前記第1の強度範囲の強度よりも強く、最大強度を含む所定の第2の強度範囲で発射された遊技媒体が前記可変入賞口に流下可能である第2流下領域(例えば、右流下領域408)とを含む遊技機であって、
前記発射手段から前記第1の強度範囲と前記第2の強度範囲との間の第3の強度範囲で発射された遊技媒体に作用し、前記第1流下領域及び前記第2流下領域に発射された場合より不利益(例えば、排出口425への案内)を生じさせる不利益生成手段(例えば、中壁部423及び段差壁部424)を有することを特徴とする遊技機。
特徴11記載の遊技機によれば、第1の強度範囲を超える強度であっても第2の強度範囲未満の第3の強度範囲で遊技媒体が発射された場合に、不利益生成手段は、当該遊技媒体が第2流下領域を流下しないようにしたり、当該遊技球に引き続き発射される後続の遊技球が第3の強度範囲で発射されたとしても第2流下領域を流下しないようにしたりするような不利益を発生させるために、連続して発射された複数の遊技媒体が可変入賞口に略同時に進入するような流下の発生頻度を遊技媒体の発射強度の調節によっては変化できないようにできる。これによって、可変入賞口に進入する遊技球の個数の変動を抑制でき、その結果、遊技者間での遊技の公平性を担保できる。
<特徴12>
前記不利益生成手段は、前記第3の強度範囲で発射された遊技媒体が前記可変入賞口へ進入できない第3流下領域(例えば、中流下領域409)を形成する特徴11に記載の遊技機。
特徴12に係る遊技機によれば、第1の強度範囲を超える強度であっても第2の強度範囲未満の第3の強度範囲で遊技媒体が発射された場合に、不利益生成手段が当該遊技媒体を可変入賞口へ進入できないように第3流下領域を通して流下させるために、連続して発射された複数の遊技媒体が可変入賞口に略同時に進入するような状況の発生を極めて良好に抑制できる。また、第1の強度範囲を超える強度であっても第2の強度範囲未満の第3の強度範囲で発射された遊技媒体は、無駄になってしまうために、発射強度の調節によって複数の遊技媒体を可変入賞口に略同時に進入させようと試みることを抑制できる。
<特徴13>
前記可変入賞口と異なる少なくとも1つの入賞口を備え、
前記第3流下領域を流下する遊技球は、前記可変入賞口及び前記少なくとも1つの入賞口のいずれに進入することなく排出口に案内される特徴12に記載の遊技機。
特徴13に係る遊技機によれば、第1の強度範囲を超える強度であっても第2の強度範囲未満の第3の強度範囲で遊技媒体が発射された場合に、不利益生成手段は、当該遊技媒体を可変入賞口へ進入しないようにするばかりでなく、他の何らの利益をも生まないように流下させるために、発射強度を調節して複数の遊技媒体を可変入賞口に略同時に進入させようと試みることを更に良好に抑制できる。なお、その試みを行った場合には、ペナルティが与えられることとなる。
<特徴14>
前記第1の強度範囲で発射された遊技媒体が到達可能な第1の壁部(例えば、左壁部421)と前記第2の強度範囲で発射された遊技媒体が到達可能な第2の壁部(右壁部422)とを有し、前記第1流下領域と前記第2流下領域とを分割する構造体(中央構造体420)を含み、
前記不利益生成手段は、前記構造体の上方であって前記第1の壁部と前記第2の壁部との間において前記1の壁部及び前記第2の壁部のいずれの上端よりも低い位置に形成され、前記遊技機の外部に遊技媒体を排出する排出口(例えば、排出口425)と、前記構造体の上部に形成され、前記排出口に遊技媒体を案内する第3の壁部(例えば、中壁部423)と、前記構造体の上部に形成され、前記第3の壁部に沿って転動する遊技媒体が前記第2の壁部に進行することを防止する第4の壁部(例えば、段差壁部424)とを有する特徴11〜13に記載の遊技機。
特徴14に係る遊技機によれば、第3の強度範囲で発射された遊技媒体が第2流下領域を流下することを、第4の壁部によって極めて良好に防止できる。また、第3の強度範囲で発射された遊技媒体を、遊技者に何らの利益を発生させることなく排出することができる。これにより、ペナルティを与えることができる。
<特徴15>
前記第3の壁部の少なくとも一部は、前記第3の壁部と遊技領域の外縁を形成する部材における前記構造体の上方側部分との間隔が遊技媒体の直径の2倍未満である領域を有する特徴14に記載の遊技機。
特徴15記載の遊技機によれば、後続の遊技媒体が先行の遊技媒体と衝突する場合が発生し、そのような場合には、後続の遊技媒体は第2流下領域に進入できないこととなり、先行の遊技媒体と共に後続の遊技媒体をも無駄になる。これによって、発射強度の調節によって複数の遊技媒体を可変入賞口に略同時に進入させようと試みる気を削ぐことができる。
<特徴16>
前記第2の壁部は、前記第1の壁部から離れるにつれて高さが減少する形状であり、
前記第3の壁部は、前記第1の壁部側の端から前記第2の壁部側の端に向かうにつれて高さが減少し、前記第2の壁部側の端において前記第2の壁部の前記第1の壁側の端の高さより低くなる形状であり、
前記排出口は、前記第3の壁部の前記第2壁部側の端に対応する位置に形成されている特徴15に記載の遊技機。
特徴16記載の遊技機によれば、第3の壁部や排出口を、第3の壁部が第1の壁部側の端から第2の壁部側の端に向かうにつれて高さが増加する構成である場合よりも高い位置に形成することが可能となり、不利益発生手段を形成するために必要な領域を減少させることができる。なお、通常、構造体においては各種の装置が設けられて多様な演出が行われるが、このような演出を行う領域を減少させることなく、不利益を生じさせる手段を形成できる。
<特徴21>
可変強度で遊技媒体(例えば、遊技球)を発射する発射手段(発射装置330)と、所定の条件の成立に基づいて遊技媒体の進入が許容され、所定の個数の遊技媒体の進入に基づいて進入が禁止される可変入賞口(例えば、下大入賞装置433や上大入賞装置434の進入口)と、前記発射手段から所定の第1の強度範囲で発射された遊技媒体が流下する第1流下領域(例えば、左流下領域407)と、前記発射手段から前記第1の強度範囲の強度よりも強く、最大強度を含む所定の第2の強度範囲で発射された遊技媒体が前記可変入賞口に流下可能である第2流下領域(例えば、右流下領域408)とを含む遊技機であって、
前記発射手段から前記第1の強度範囲と前記第2の強度範囲との間の第3の強度範囲で発射された遊技媒体が前記第2流下領域を流下することを阻害すると共に、当該遊技媒体によって、当該遊技媒体の発射後に前記第2の強度範囲で発射された遊技媒体が前記第2流下領域を流下することを阻害する阻害手段(例えば、中壁部423及び段差壁部424や、中壁部423及び段差壁部424と帯状体481、駆動体482,483及び回転体484,485、又は、回転体491、磁石492及び駆動体493との組み合わせ)を有することを特徴とする遊技機。
特徴21に係る遊技機によれば、第1の強度範囲を超える強度であっても第2の強度範囲未満の第3の強度範囲で遊技媒体が発射された場合に、阻害手段は、当該遊技媒体によって当該遊技球よりも後に発射される後続の遊技球が第2流下領域を流下しないようにするために、
連続して発射された複数の遊技媒体が可変入賞口に略同時に進入するような流下の発生頻度を遊技媒体の発射強度の調節によっては変化できないようにできる。これによって、可変入賞口に進入する遊技球の個数の変動を抑制でき、その結果、遊技者間での遊技の公平性を担保できる。
更に、特徴21に係る遊技機によれば、可変入賞口に到達するまでの時間を調整するように2つの遊技球が異なる強度で打ち出された場合に、阻害手段によって第2の強度範囲で打ち出された遊技球を可変入賞口に進入させられない可能性が高くなり、その遊技球を無駄にするばかりでなく、可変入賞口に遊技球を進入させることができる時間を無駄にすることともなる。これによって、発射強度を調節して複数の遊技媒体を可変入賞口に略同時に進入させようと試みることを更に良好に抑制できる。なお、その試みを行った場合には、ペナルティが与えられることとなる。
<特徴22>
前記阻害手段は、前記第3の強度範囲で発射された遊技媒体を、前記第2の強度範囲で発射される遊技媒体と接触可能となるように、前記第2の強度範囲で発射される遊技媒体の進行経路に移動させ、
前記第3の強度範囲で発射された遊技媒体に前記第2の強度範囲で発射された遊技媒体が接触した場合に、当該第3の強度範囲で発射された遊技媒体と当該第2の強度範囲で発射された遊技媒体との双方は、前記第2流下領域を流下しない特徴21に記載の遊技機。
特徴21に係る遊技機によれば、可変入賞口に到達するまでの時間を調整するように2つの遊技球が異なる強度で打ち出された場合に、阻害手段によって第2の強度範囲で打ち出された遊技球と共にその後に第3の強度範囲で打ち出された遊技球を可変入賞口に進入させられない可能性が高くなり、発射強度を調節して複数の遊技媒体を可変入賞口に略同時に進入させようと試みることを更に良好に抑制できる。また、その試みを行った場合のペナルティが増強することができる。
<特徴23>
前記第1の強度範囲と前記第2の強度範囲との間の強度範囲で発射された遊技媒体を捕捉して前記第1流下領域に案内する案内手段(例えば、帯状体481、駆動体482,483及び回転体484,485や、回転体491、磁石492及び駆動体493)を備え、
特徴23に係る遊技機によれば、第2の強度範囲で打ち出された遊技球と、その後に第3の強度範囲で打ち出された遊技球とが接触する可能性を増大させることができる。
<特徴24>
前記案内手段は、捕捉した遊技媒体の一部が、前記第1遊技領域に案内される過程の少なくとも一部の期間において、前記第2の強度範囲で発射される遊技媒体の通過領域に位置するように、捕捉した遊技媒体を移動させる特徴21〜23に記載の遊技機。
特徴24に係る遊技機によれば、上述のような変則的な打ち出し方法を行った場合に、中間強度範囲で発射された先行の遊技媒体を、必ず、所定の期間に亘って後続の遊技媒体と衝突可能な位置に滞在させることができるために、高頻度で後続の遊技媒体が第2遊技領域に進行することを阻害でき、変則的な打ち出しを行う遊技者へのペナルティを強化することができる。
なお、特徴11〜24に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100…遊技機、400…遊技盤、420…中央構造体、402…外レール、403…内レール、404…戻り球防止機構、405…反跳防止部材、407…左流下領域、408…右流下領域、409…中流下領域、420…中央構造体、421…左壁部、422,422’…右壁部、423,426A,427,428,429…中壁部、424…段差壁部、425…排出口、481…帯状体、482,483…駆動体、484,485…回転体、491…回転体、492…磁石、493…駆動体

Claims (1)

  1. 可変強度で遊技媒体を発射する発射手段と、所定の条件の成立に基づいて遊技媒体の進入が許容され、所定の個数の遊技媒体の進入に基づいて進入が禁止される可変入賞口と、前記発射手段から所定の第1の強度範囲で発射された遊技媒体が流下する第1流下領域と、前記発射手段から前記第1の強度範囲の強度よりも強く、最大強度を含む所定の第2の強度範囲で発射された遊技媒体が前記可変入賞口に流下可能である第2流下領域とを含む遊技機であって、
    前記発射手段から前記第1の強度範囲と前記第2の強度範囲との間の第3の強度範囲で発射された遊技媒体によって、当該遊技媒体の発射後に前記第2の強度範囲で発射された遊技媒体が前記第2流下領域を流下することを阻害する阻害手段を含むことを特徴とする遊技機。
JP2019019262A 2019-02-06 2019-02-06 遊技機 Withdrawn JP2019072556A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019019262A JP2019072556A (ja) 2019-02-06 2019-02-06 遊技機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019019262A JP2019072556A (ja) 2019-02-06 2019-02-06 遊技機

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015085679A Division JP6477192B2 (ja) 2015-04-20 2015-04-20 遊技機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019072556A true JP2019072556A (ja) 2019-05-16

Family

ID=66544789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019019262A Withdrawn JP2019072556A (ja) 2019-02-06 2019-02-06 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019072556A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020032139A (ja) 遊技機
JP6714837B2 (ja) 遊技機
JP6477192B2 (ja) 遊技機
JP6520345B2 (ja) 遊技機
JP6558053B2 (ja) 遊技機
JP2019072556A (ja) 遊技機
JP6714836B2 (ja) 遊技機
JP6881482B2 (ja) 遊技機
JP6724493B2 (ja) 遊技機
JP6759548B2 (ja) 遊技機
JP2018033725A (ja) 遊技機
JP2019107486A (ja) 遊技機
JP6729083B2 (ja) 遊技機
JP2020022882A (ja) 遊技機
JP2020018498A (ja) 遊技機
JP2020018497A (ja) 遊技機
JP2021007561A (ja) 遊技機
JP2020018523A (ja) 遊技機
JP2020018496A (ja) 遊技機
JP2021007562A (ja) 遊技機
JP2021007560A (ja) 遊技機
JP2021007559A (ja) 遊技機
JP2021120114A (ja) 遊技機
JP2020108799A (ja) 遊技機
JP2019118594A (ja) 遊技機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20200421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201104

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20210204