JP2019072048A - 着用型生体情報計測装置および生体情報計測方法 - Google Patents

着用型生体情報計測装置および生体情報計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】身体の変位、すなわち四肢の運動、体形、姿勢、呼吸、咀嚼、嚥下、脈動、胎動、身体の電位、すなわち心電、筋電などを実質的に非侵襲にて、同時、逐次的に検出することが可能なセンシングウェアを提供する。
【解決手段】少なくとも第1の伸縮性導体層2、伸縮性誘電体層3、第2の伸縮性導体層4の順序で積層された構造を有するコンデンサ型素子と、少なくとも皮膚接触面が伸縮性導体層である皮膚接触型電極を有し、生体変位と生体電位の計測部を一体型とすることで、限られた面積も違和感なく生体変位と生体電位を同時に計測可能とする生体情報計測装置を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、自らの変形を静電容量変化として検出可能な伸縮性コンデンサと、生体皮膚に接触する皮膚接触型電極を一体的に備えた着用型生体情報計測装置であり、伸縮により静電容量が変化するコンデンサ素子の静電容量変化を用いて着用者の身体形状変化を、前記皮膚接触型電極を用いて着用者の生体電位を同時、または逐次に測定することを特徴とする生体情報計測方法に関する。
近年ウェアラブルデバイスの進歩により、衣服やベルトやストラップとして着用することにより心電図などの生体情報を簡便に計測しうるウエアラブル生体情報計測装置が注目されている。例えば心電図の計測を行うウエアラブル計測装置では、衣服として着用した状態で日常生活を過ごすことで、日常の様々な状況における心拍の変動等の生体情報を簡便に把握することが期待される。
また、身体の形状変化、運動状態を検出するために、衣服に様々なセンサを組み込んで、生体変位計測する試みが行われている。
特許文献1には呼吸運動を検出する手段として、伸縮性のベルトに取り付けたストレンゲージを胸部に巻き付けて測定する呼吸センサが開示されており、睡眠姿勢を検知するためのスイッチと合わせて、呼吸状態をモニタリングする方法が提案されている。
特許文献2には心電図計測を実現する手段として、織編物で作製された衣服の内側に、電極や配線を設け、電極部が皮膚と接触するような形状としたセンサが開示されている。
また曲げ変形によって静電容量が変化する静電容量型センサが開示されており、静電容量型センサは、エラストマー製の誘電膜を介して配置されている一対の電極を備えて、その電極間の静電容量変化に基づいて変形を検出するというものである(特許文献3)。
これらはそれぞれ単独に1種類の生体情報ものみを計測するのであって、複数の生体情報を同時、あるいは逐次に取得するには、それに応じたセンサを複数装着する必要がある。その結果、着用時の被験者の違和感を増幅させる原因になり、また複数のセンサを搭載するための面積も必要になってくる。
特開平7−75631号公報 特開2014−151018号公報 特開2009−20006号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、限られた面積でも搭載可能で、着用者の違和感を軽減しながら、複数の生体情報を同時、あるいは逐次に計測する装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、静電容量変化として検出可能な伸縮性コンデンサと、生体皮膚に接触する皮膚接触型を一体的に備えることで、センサ搭載に必要な面積を減らし、着用者の違和感を軽減しながら、複数の生体情報を同時、または逐次に測定することを可能とする生体情報計測装置の発明に至った。
すなわち本発明は、以下の構成である。
[1] 伸縮により静電容量が変化するコンデンサ素子と、皮膚接触型電極とを少なくとも有する着用型生体情報計測装置。
[2] 前記伸縮により静電容量が変化するコンデンサ素子が、少なくとも第1の伸縮性導体層、伸縮性誘電体層、第2の伸縮性導体層の順序で積層された構造を少なくとも有するコンデンサ型素子であることを特徴とする[1]に記載の着用型生体情報計測装置。
[3] 前記皮膚接触型電極の少なくとも皮膚接触面が伸縮性導体層であることを特徴とする[1]または[2]に記載の着用型生体情報計測装置。
[4] 前記皮膚接触型電極が、前記第1の伸縮性導体層、前記第2の伸縮性導体層のそれぞれ一部分を露出した形態であることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の着用型生体情報計測装置。
[5]
前記請求項1から4に記載のいずれかの着用型生体情報計測装置を用いて、前記伸縮により静電容量が変化するコンデンサ素子の静電容量変化を用いて着用者の身体形状変化を、前記皮膚接触型電極を用いて着用者の生体電位を同時、または逐次に測定することを特徴とする生体情報計測方法。
本発明に用いられる生体情報計測装置は、平面方向に高い伸長率を有するため、平面方向への変形歪み量の測定に好適に使用することができ、皮膚接触型電極と皮膚表面との間にゲル、ペースト、粘着テープ等を使用する必要がなく、かつ歩行動作時や運動動作時においても生体変位と生体電位を測定可能とするものである。
図1は、本発明における生体情報計測装置のセンサを構成する部品の一例を示す概略図である。 図2は、本発明における生体情報計測装置のセンサ部の作製工程の一例を示す工程図である。 図3は、本発明における生体情報計測装置のセンサ部の一例の断面図である。 図4は、本発明における生体情報計測装置のセンサ部の部品の一例を示す概略図である。 図5は、本発明における生体情報計測装置をセンサ部の作製工程の一例を示す工程図である。 図6は、本発明における生体情報計測装置のセンサ部の一例の断面図である。 図7は、本発明におけるセンサ部をブラのアンダー部材に搭載した生体情報計測装置の一例を示す図である。 図8は、本発明におけるセンサ部をコンプレッションウェアに搭載して得られた生体情報計測装置を用いて、安静、運動時で呼吸、心拍情報を同時取得した一例である。 図9は、引張試験にて得られる典型的なS−Sカーブを示す概略図である。 図10は、伸長回復率の評価法について図示したものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1.に示すように本発明に用いられる生体情報計測装置のセンサ部は、基本構成として第1の導体層、第1の絶縁層、第2の導電層の3層を有し、第1、第2の電極層を表面に露出できるように第1、第2の絶縁層に開口部を設け、露出した電極層が皮膚に接触可能である構造を有する。本発明の目的から自明であるように、接着層、被覆層についても十分な伸縮特性が要求される。
本発明に用いられる生体情報計測装置のセンサ部における伸縮性導体層の非伸張時の比抵抗は3×10-3Ωcm以下で有ることが好ましく、1×10-3Ωcm以下であることが好ましく、3×10-4Ωcm以下であることが好ましく、1×10-4Ωcm以下であることが、なお好ましい。比抵抗がこの範囲を上回ると、導電層内の抵抗分布が顕著になり、素子の時定数が大きくなり応答性に問題が生じ、高周波特性や、パルス応答性が低下する場合がある。比抵抗の下限は原理的に用いられる導電材料に依存する。
本発明に用いられる生体情報計測装置のセンサ部における伸縮性導体層は100%伸張時の比抵抗が非伸張時の100倍以内であることが好ましく、さらに50倍以内である事が好ましく、さらに30倍以内である事が好ましく、15倍以内である事がさらに好ましい。100%伸張時の比抵抗がこの範囲を上回ると、導電層内の抵抗分布が顕著になり、素子の時定数が大きくなり応答性に問題が生じ、高周波特性や、パルス応答性が低下する場合がある。比抵抗の下限は原理的に用いられる導電材料に依存する。
本発明に用いられる生体情報計測装置のセンサ部における伸縮性導体層は、少なくとも導電性粒子、引張弾性率が1MPa以上1000MPa以下の柔軟性樹脂、から構成される。また柔軟性樹脂の配合量は、導電粒子と柔軟性樹脂の合計に対して7〜35質量%である。
本発明に用いられる伸縮性コンデンサの伸縮性導体層は、導電性粒子と柔軟性樹脂を混練混合し、フィルム状ないしシート状に成型することにより得ることができる。本発明の伸縮性導体層は、好ましくは導電性粒子と柔軟性樹脂に溶剤などを加えて伸縮性導体形成用ペースト化、ないしスラリー化した状態を経て、塗布、乾燥によりシート状ないしフィルム状に加工することが出来る。また、ペースト化した後、印刷することにより所定の形状を与えることもできる。
本発明の導電性粒子は、比抵抗が1×10-1Ωcm以下の物質からなる、粒子径が100μm以下の粒子である。比抵抗が1×10-1Ωcm以下の物質としては、金属、合金、カーボン、ドーピングされた半導体、導電性高分子などを例示することができる。本発明で好ましく用いられる導電性粒子は銀、金、白金、パラジウム、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、鉛、錫などの金属、黄銅、青銅、白銅、半田などの合金粒子、銀被覆銅のようなハイブリッド粒、さらには金属メッキした高分子粒子、金属メッキしたガラス粒子、金属被覆したセラミック粒子などを用いることができる。
本発明ではフレーク状銀粒子ないし不定形凝集銀粉を主体に用いることが好ましい。なお、ここに主体に用いるとは導電性粒子の90質量%以上用いることである。不定形凝集粉とは球状もしくは不定形状の1次粒子が3次元的に凝集したものである。不定形凝集粉およびフレーク状粉は球状粉などよりも比表面積が大きいことから低充填量でも導電性ネートワークを形成できるので好ましい。不定形凝集粉は単分散の形態ではないので、粒子同士が物理的に接触していることから導電性ネートワークを形成しやすいので、さらに好ましい。
フレーク状粉の粒子径は特に限定されないが、動的光散乱法により測定した平均粒子径(50%D)が0.5〜20μmであるものが好ましい。より好ましくは3〜12μmである。平均粒子径が15μmを超えると微細配線の形成が困難になり、スクリーン印刷などの場合は目詰まりが生じる。平均粒子径が0.5μm未満の場合、低充填では粒子間で接触できなくなり、導電性が悪化する場合がある
不定形凝集粉の粒子径は特に限定されないが、光散乱法により測定した平均粒子径(50%D)が1〜20μmであるものが好ましい。より好ましくは3〜12μmである。平均粒子径が20μmを超えると分散性が低下してペースト化が困難になる。平均粒子径が1μm未満の場合、凝集粉としての効果が失われ、低充填では良導電性を維持できなくなる場合がある。
本発明における非導電性粒子とは、有機ないし無機の絶縁性物質からなる粒子である。本発明の無機粒子は印刷特性の改善、伸縮特性の改善、塗膜表面性の改善を目的に添加され、シリカ、酸化チタン、タルク、アルミナ、硫酸バリウム等の無機粒子、樹脂材料からなるマイクロゲル等を利用できる。
本発明における柔軟性樹脂とは、弾性率が、1〜1000MPaの、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムなどが挙げられる。膜の伸縮性を発現させるためには、ウレタン樹脂ないしゴムが好ましい。ゴムとしては、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴムや水素化ニトリルゴムなどのニトリル基含有ゴム、イソプレンゴム、硫化ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ化ビニリデンコポリマーなどが挙げられる。この中でも、ニトリル基含有ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムが好ましく、ニトリル基含有ゴムが特に好ましい。本発明で好ましい弾性率の範囲は2〜480MPaであり、さらに好ましく3〜240MPa、なお好ましくは4〜120MPaの範囲である。
ニトリル基を含有するゴムは、ニトリル基を含有するゴムやエラストマーであれば特に限定されないが、ニトリルゴムと水素化ニトリルゴムが好ましい。ニトリルゴムはブタジエンとアクリロニトリルの共重合体であり、結合アクリロニトリル量が多いと金属との親和性が増加するが、伸縮性に寄与するゴム弾性は逆に減少する。従って、アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム中の結合アクリロニトリル量は18〜50質量%が好ましく、40〜50質量%が特に好ましい。
本発明における柔軟性樹脂の配合量は、導電粒子と、好ましくは加えられる非導電性粒子と柔軟性樹脂の合計に対して7〜35質量%であり、好ましくは9〜28質量%、さらに好ましくは12〜20質量%である。
また、本発明に用いられる生体情報計測装置の作製に使用される伸縮性導体形成用ペーストにはエポキシ樹脂を配合できる。本発明で好ましいエポキシ樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂ないしはフェノールノボラック型エポキシ樹脂である。エポキシ樹脂を配合する場合、エポキシ樹脂の硬化剤を配合できる。硬化剤としては公知のアミン化合物、ポリアミン化合物などを用いればよい。硬化剤はエポキシ樹脂に対して5〜50質量%配合することが好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。またエポキシ樹脂と硬化剤の配合量は、柔軟性樹脂を含めた全樹脂成分に対して3〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは8〜24質量%である。
本発明に用いられる伸縮性コンデンサの作製に使用される伸縮性導体形成用ペーストは、溶剤を含有する。本発明における溶剤は、水または有機溶剤である。溶剤の含有量は、ペーストに求められる粘性によって適宜調査されるべきであるため、特に限定はされないが、概ね導電性粒子と柔軟性樹脂の合計質量を100した場合に30〜80質量比が好ましい
本発明に使用される有機溶剤は、沸点が100℃以上、300℃未満であることが好ましく、より好ましくは沸点が130℃以上、280℃未満である。有機溶剤の沸点が低すぎると、ペースト製造工程やペースト使用に際に溶剤が揮発し、導電性ペーストを構成する成分比が変化しやすい懸念がある。一方で、有機溶剤の沸点が高すぎると、乾燥硬化塗膜中の残溶剤量が多くなり、塗膜の信頼性低下を引き起こす懸念がある。
本発明における有機溶剤としては、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、イソホロン、γ−ブチロラクトン、ベンジルアルコール、エクソン化学製のソルベッソ100,150,200、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ターピオネール、ブチルグリコールアセテート、ジアミルベンゼン、トリアミルベンゼン、n−ドデカノール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどが挙げられる。また、石油系炭化水素類としては、新日本石油社製のAFソルベント4号(沸点:240〜265℃)、5号(沸点:275〜306℃)、6号(沸点:296〜317℃)、7号(沸点:259〜282℃)、および0号ソルベントH(沸点:245〜265℃)なども挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が含まれてもよい。このような有機溶剤は、伸縮性導体形成用ペーストが印刷などに適した粘度となるように適宜含有される。
本発明に用いられる生体情報計測装置のセンサ部の作製に使用される伸縮性導体形成用ペーストは、材料である導電性粒子、硫酸バリウム粒子、伸縮性樹脂、溶剤をディゾルバー、三本ロールミル、自公転型混合機、アトライター、ボールミル、サンドミルなどの分散機により混合分散することにより得ることができる。
本発明に用いられる生体情報計測装置のセンサ部の作製に使用される伸縮性導体形成用ペーストには、発明の内容を損なわない範囲で、印刷適性の付与、色調の調整、レベリング、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの公知の有機、無機の添加剤を配合することができる。
本発明に用いられる伸縮性コンデンサの 伸縮性誘電体層は、伸縮性を有する樹脂材料すなわち高分子材料からなる。
本発明に用いられる伸縮性誘電体層は引張降伏伸度が70%以上の伸縮性絶縁高分子により構成されていることが好ましい。引張降伏伸度は85%以上であることが好ましく、120%以上である事がなお好ましく、150%以上である事がなお好ましい。
本発明における引張降伏伸度とは、一般的な引張試験にて得られる、縦軸に加重(ないし強度)、横軸に歪み(ないし伸度あるいは伸び)をとったときの曲線(S−Sカーブ)において、加重の増加なしに伸びの増加が認められる最初の点、すなわち降伏点における伸度である。一般的に降伏点は弾性変形から塑性変形に推移をする境界を概略的に示す地点と捉えられている。
図9は、引張試験にて得られる典型的なS−Sカーブを示す概略図で有り、図中において
SR:引張破断強度
SB:引張強度
SS:引張降伏強度
ER:引張破断伸度
EB:引張伸度整理番号
ES:引張降伏伸度
である。
本発明における伸縮性絶縁高分子層の引張降伏伸度は80%以上が好ましく95%以上が更に好ましく、120%以上がなおさらに好ましい。
引張降伏伸度の上限は450%、好ましくは360%である。引張降伏強度が必要以上に高いと、誘電体層としての機械的強度が損なわれる場合がある。
伸縮性絶縁層に用いられる柔軟性を有する高分子材料としては、弾性率が、1〜1000MPaの、エラストマー、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムなどが挙げられる。膜の伸縮性を発現させるためには、ウレタン樹脂ないしゴムが好ましい。ゴムとしては、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴムや水素化ニトリルゴムなどのニトリル基含有ゴム、イソプレンゴム、硫化ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ化ビニリデンコポリマーなどが挙げられる。この中でも、ニトリル基含有ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムが好ましく、ニトリル基含有ゴムが特に好ましい。本発明で好ましい弾性率の範囲は1.2〜420MPaであり、さらに好ましく1.4〜210MPa、なお好ましくは1.5〜150MPaの範囲である。
本発明において好ましく用いられる柔軟性を有する高分子材料として、ポリエーテルポリオール、またはポリエステルポリオールをポリオール成分とし、HDI系ポリイソシアネートをイソシアネート成分とするウレタンゴムを例示することができる。
本発明のウレタンゴムは、高い伸長率を有し、かつ、引張永久ひずみ及び残留ひずみが小さいため繰り返し変形させた際の信頼性に優れる伸縮性誘電体層となる。
本発明におけるポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレントリオール、これらを合成するための環状エーテル等のモノマー材料を共重合させて得た共重合体等のポリアルキレングリコール、これらに側鎖を導入したり分岐構造を導入したりした誘導体、変性体、さらにはこれらの混合物等が挙げられる。これらのなかでは、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。その理由は、機械的特性が優れるためである。
上記ポリエーテルポリオールとしては、市販品を使用することもできる。市販品の具体例としては、例えば、PTG−2000SN(保土谷化学工業社製)、ポリプロピレングリコール、プレミノールS3003(旭硝子社製)、パンデックスGCB−41(DIC社製)等が挙げられる。
本発明におけるポリエステルポリオールとしては芳香族計ポリエステルポリオール、芳香族/脂肪族共重合ポリエステルポリオール、脂肪族ポリエステルポリオール、脂環族ポリエステルポリオールを用いることができる。本発明におけるポリエステルポリオールとしては、飽和型、不飽和型、いずれを用いてもかまわない。
本発明におけるHDI系ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)又はその変性体であり、分子内に複数のイソシアネート基を有する化合物である。
本発明におけるウレタンゴムは、上記ポリオール成分及び上記イソシアネート成分以外に、更に必要に応じて、鎖延長剤、架橋剤、触媒、加硫促進剤等を含有する混合物を反応させて得られたものでも良い。本発明では硫黄不含型の架橋剤の使用が好ましい。また、本発明の柔軟性を有する高分子材料には可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、着色剤等の添加剤、誘電フィラー等を含有してもよい。
本発明の誘電体層の平均厚さは、静電容量Cを大きくして検出感度の向上を図る観点、及び、測定対象物への追従性の向上を図る観点から、0.3〜1000μmであることが好ましく、感度の点からは0.3〜20μmの範囲が好ましく、さらに0.3〜8μmが好ましく、さらに0.5〜6μmの範囲が好ましい。
本発明に用いられる生体情報計測装置のセンサ部の伸縮性誘電体層の、無負荷時の比誘電率は2.2以上であり、2.8以上が好ましく、3.4以上がさらに好ましく、3.8以上がなお好ましい。比誘電率の上限は500程度で有り、好ましくは150以下、さらに好ましくは80以下である。本発明の目的からして、伸縮性誘電体層の比誘電率は高い方が好ましいが、一般に伸縮性を有する高分子材料は、柔軟鎖成分にアルキル基を有する事が多く、比較的低い比誘電率を有している。本発明では分子鎖に極性基を導入することにより比誘電率を高めることが好ましい、ニトリル基、ケトン基、エステル基、ハロゲン置換基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン基などは、高分子の比誘電率を高めるために有効な官能基である。
高い比誘電率を有するフィラー、好ましくはチタン酸塩などの無機フィラーを添加することにより誘電体層の比誘電率を高めることが可能である。しかしながら、本発明では、当該伸縮性誘電体層における、比誘電率が5以上の無機フィラーの含有量は10%質量以下であることが必須である。無機フィラーの含有率は3%以下が好ましく1%以下がなお好ましく0.3%以下がなお好ましい。無機フィラーの含有量が多いと、伸縮性誘電体層が伸張、ないし圧縮された際に、伸縮性高分子部分への応力集中度合いが高くなり、フィラーと樹脂界面に剥離が生じてボイドが形成される等、耐久性に問題が生じる場合がある。
また、伸縮性誘電体層に含まれる無機フィラーが多いと、伸縮性誘電体層のポアソン比が低くなり、伸張時の静電容量変化が小さくなり、センサとして応用した場合の感度が低下する。
本発明では以上のように説明してきた伸縮性導体層と伸縮性誘電体層を積層して、生体情報計測装置を得る。
本発明では伸縮性導体層、伸縮性誘電体層を積層する際にホットメルト接着材を用いても良い。本発明に於けるホットメルト系接着材とは、軟化温度が30℃〜150℃程度の高分子材料を使用する事ができ、好ましくは、誘電体層と同程度の伸縮性を有する柔軟性を備える高分子材料を使用することができる。このようなホットメルト接着剤としては、エチレン系共重合体、スチレン系ブロック共重合体およびオレフィン系(共)重合体など、さらにそれらをベースポリマーとして粘着性を付与するために結晶性極性基含有化合物等を含有する高分子材料、アモルファスポリα−オレフィン、粘着付与樹脂、ポリプロピレン系ワックス等の配合物、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合ゴムあるいはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、さらにこれらに粘着付与樹脂成分、およびまたはプロセスオイルなどの液状可塑剤を添加した高分子材料、変性ポリオレフィンおよびその配合物、スチレン系ブロック共重合体およびその配合物、酸変性ポリプロピレン、酸変性スチレン系ブロック共重合体、それらの配合物、スチレン系ブロック共重合体、エチレン系重合体等の配合物、ポリエステルウレタン共重合体およびその配合物などを用いることができる。
本発明では軟化温度が40℃〜120℃のポリエステルウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂などをシート状に加工したホットメルトシートを好ましく用いることができる。
本発明において、かかる生体情報計測装置を実現する手段として、シートを重ね貼りする方法を例示できる。すなわち、まず図2に示すように、ベース層、第1の導体層が積層された積層シートを調整する。導体層と絶縁体層は、それぞれを溶融押出成型して積層するか、ないしはペースト化した材料をコーティングして重ねることができる。さらに、第1の導電層を露出するための開口部を有する第1の絶縁層を積層し、その上から第2の電極層を積層したあと、第2の電極層を露出するための開口部を設けた第2の絶縁層を積層していく。この場合、絶縁層には、接着機能を有するホットメルト型の高分子材料を用いることが好ましい。
図3には、生体情報計測装置の断面図を示す。断面方向に対して、第1、第2の電極層が重なっている部分は、伸縮による静電容量変化を捉えるための伸縮性コンデンサ部分であり、第1、第2電極が露出している部分は皮膚接触型電極である。伸縮性コンデンサによって生体変位、皮膚接触型電極によって生体電位を取得することが可能である。
図4.は本発明の生体情報計測装置の部品図であり、図5にそれを図2と異なるの方法で積層して生体情報計測装置を作製する工程図を示す。皮膚接触部分に該当する電極表面層を2カ所に配置し、片側の電極表面層に該当する部分に開口部を設けた第2の絶縁層を積層する。その後、第2の電極層を積層したのち、もう一方の電極表面層に該当する部分に開口部を設けた第1の絶縁層を積層し、その上に第1の電極層を設ける。最初に配置した2つの電極表面層は、第1、第2の開口部を通じて、それぞれ第1、第2の電極層を導通している。さらにベース層を積層することで、生体情報計測装置を得ることができる。生体情報計測装置のコネクタ部は、各電極のスルーホールを介して、基材の裏面の端子に接続されている。スルーホールは一般的なプリント配線板にて用いられるメッキスルーホール、ないしは導電ペースト等により接続されたスルーホールを用いることができる。また金属リベットなどにより表裏を電気的に接続してをカシメ等により固定する古典的な手法を適用することができる。本発明の生体情報計測装置を衣服に適用する場合には、金属リベットと同様に金属製のスナップホックなどをスルーホール代わりに用いても良い。
図6は、図5によって作製した生体情報計測装置のセンサ部の断面図を示す。断面方向に対して、第1、第2の電極層が重なっている部分は、伸縮による静電容量変化を捉えるための伸縮性コンデンサ部分であり、第1、第2電極にそれぞれ独立に電気的に接続されている電極表面層は皮膚接触型電極である。伸縮性コンデンサによって生体変位、皮膚接触型電極によって生体電位を取得することが可能である。
本発明における伸張回復率とは、図10に示す如く伸縮性部材を懸垂し、荷重を加えて伸張させ、荷重を除去して収縮させる作用を加えた際に、初期長さをL0、20%ないし所定%伸張させた際の長さをL1、伸張荷重を除去した際の長さをL2とした場合に、
[数1] 伸張回復率=((L1-L2)/(L1-L0))×100 [%]
[数2] 残留歪み率=((L2-L0)/L0)×100 [%]
L0 初期長さ
L3 伸び=L1−L0
L4 回復長さ=L1−L2
L5 残留歪み=L2−L0
と、定義する。類似の測定法がJIS L 1096 織物および編物の生地試験法に定めてられているが、一定荷重負荷による伸張後の回復率では無くでは、一定長さまで伸張させた場合の回復率である点が異なる。実使用において伸縮性導体層に加わる負荷は、荷重とは無関係に、所定の長さまで繰り返し伸張される場合が多いため、一定荷重負荷法による伸張回復率では実用性能を表現することができない。本発明の生体情報計測装置のコンデンサ部分の伸張回復率は、コンデンサ素子として機能する部分の評価であって、電極部分は省かれる。断らない限
り伸張回復率は25℃±3℃の環境下にて評価される。
本発明において、コンデンサ部分の面方向への伸縮変形に応じて変化するコンデンサの静電容量変化は、主として第1の絶縁層の面方向への伸縮に伴う、第1の絶縁層の厚さ方向への変化による静電容量の変化である。かかる特性を発現させるためには第1の絶縁層に用いる材料のポアソン比が高い方が好ましい。本発明の第1の絶縁層のポアソン比は0.28以上である事が好ましく、0.38以上である事がなお好ましく、0.48以上である事がさらに好ましい。ポアソン比を高めるには第1の絶縁層に配合される無機成分が少ない方が良い。
本発明では、以上、説明した生体情報計測装置を伸縮可能な素材からなるベルト状物、あるいはウェアに積層し、その伸縮に応じて生体情報計測装置も伸縮するように配置する事により、生体変位を静電容量変化から読み取り、その際皮膚接触型電極が皮膚と接していることで、生体電位を測定できるものである。
なお、本発明における伸縮可能な素材からなるベルト状物、ウェアとは、特に素材、構造は限定されず、ゴム、エラストマー、ニット構造を有する部材、織布構造を有する部材、組紐構造を有する部材、切り紙構造を有する部材、螺旋構造を有する部材、金属バネを併用したベルト部材、などを示す。
本発明の生体情報計測機器を取り付けたベルト状部材、あるいはウェアを20%伸張した際の応力は20N以下である事が好ましい。さらに20%伸張した際の応力が12N以下である事が好ましく、さらに8N以下が好ましく、5N以下がなお好ましく、3N以下が、なおさらに好ましい。応力がこれ以上であると、身体に着用した際に違和感が大きくなる。
また、本発明における、センシングウェアを伸張した際の応力の下限は0.5N、好ましくは0.8Nである。応力がこれより小さいと、センシングウェアの身体へのフィッティングが甘くなり、姿勢によっては測定が不安定になったり、センサ位置がズレるなどの問題が生じやすくなる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<ニトリル量>
得られた樹脂材料をNMR分析して得られた組成比から、モノマーの質量比による質量%に換算した。
<ムーニー粘度>
島津製作所製 SMV−300RT「ムーニービスコメータ」を用いて測定した。
<弾性率>
被測定試料を厚さ20μmから200μmの範囲の任意の厚さにてシート状に成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。ISO 527−1に規定された方法で引っ張り試験を行って、樹脂材料の応力−歪み線図を求め、常法により弾性率を算出した。
<引張降伏伸度>
被測定試料を厚さ20μmから200μmの範囲の任意の厚さにてシート状に成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。ついで、引っ張り試験器を用いてS−Sカーブを求め、図9のように降伏点を求め、その際の伸度を引張降伏伸度とした。
<ポアソン比>
ISO527−1:2012準拠の方法にて、伸縮性誘電体のポアソン比を求めた。
<ガラス転移温度>
ガラス転移温度は常法に従い示差走査熱量分析(DSC)により求めた。
<分子量>
バインダ樹脂材料の試料をTHF(テトラヒドロフラン)中に、溶液中の樹脂の濃度が0.4質量%となるよう添加して室温で1時間撹拌後、24時間放置した。次いで得られた樹脂溶液をTHFで4倍に希釈した後、0.45μmのフィルターを通過させ、そのろ液につき、GPCを用いて数平均分子量、重量平均分子量、分散比(Mw/Mn)を求めた。
<伸張回復率>
被測定試料を厚さ20μmから200μmの範囲の任意の厚さにてシート状に成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。 ついで、ダンベル型試験片中の幅10mm、長さ80mmの部分の中央からそれぞれ33mmの個所(有効長66mm)に印を付け、印間の初期距離L0を正確に測長した。次いで印を付けた個所の外側をクランプで挟み、66mmである印間を伸張長さ79.2mm(+13.2mm、伸張度20%に相当)まで伸ばした後にクランプから離し、所定の温度(特に断りの無い場合は25℃)にて水平方向に保持したフッ素樹脂シートの上に置き、印間の伸張後距離L2を測定し、以下の式に従って伸張回復率を求めた。
初期長さ L0=66.0mm
伸張長さ L1=79.2mm
伸張後の長さ L2=実測
伸び L3=L1−L0=13.2mm
回復長さ L4=L1−L
伸張回復率=((L1-L2)/(L1-L0))×100 [%]
<布帛の伸張回復率>
布帛材料をISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。なお、布帛の伸長方向をダンベルの長さ方向とした。
次いで、樹脂の伸張回復率の測定と同様にダンベル型試験片中の幅10mm、長さ80mmの部分の中央からそれぞれ33mmの個所(有効長66mm)に印を付け、伸張長さを99mm(+33mm、伸張度50%に相当)まで伸ばした以外は、樹脂の伸張回復率と同様に操作して伸張回復率を求めた。
<布帛の耐熱性>
JIS L1013:2010 化学繊維フィラメント糸試験方法 8.19.2 にて求められる熱収縮温度をもって、布帛の耐熱性とした。
<平均粒子径>
フィラーの平均粒子径は、堀場製作所製の光散乱式粒径分布測定装置LB-500を用いて測定した。
<比抵抗率>
導体シートの大きさが十分にある場合には、ISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、ダンベル型試験片の中央部にある幅10mm、長さ80mmの部分を試験片として用いた。導体シートの成型が可能な場合には厚さ200±20μmのシート状に加熱圧縮成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、同様に試験片とした。導体シートの大きさが小さく、規定されたダンベル形状を得られない場合には、採取可能な幅および長さの矩形を切り取り、試験片とし、測定を行った幅、厚さ、長さを用いて換算した。
試験片:幅10mm、長さ80mmの部分の抵抗値[Ω]を、アジレントテクノロージ社製ミリオームメーターを用いて測定し、試験片の縦横比(1/8)を乗じてシート抵抗値「Ω□」を求めた。
また、抵抗値[Ω]に断面積(幅1[cm]mm×厚さ[cm])を乗じ、長さ(8cm)にて除して、比抵抗[Ωcm]を求めた。
<洗濯耐久性>
JIS L 0217繊維製品の取扱いに関する表示記号及び表示方法に規定されている105法により30サイクルの洗濯試験を行った。
洗液:中性洗剤0.5%溶液
水流:弱
浴比:1:60
洗濯ネット 有り
洗濯サイクル
洗い 30℃5分
すすぎ 30℃2分 を2回
本サイクルを1サイクルとして、30回くりかえし。
試験後のセンサにて再度動作確認を行った。
[実施例1]
ニトリル量40質量%、ムーニー粘度46のニトリルブタジエンゴム12質量部、イソホロン30質量部、平均粒子径6μmの微細フレーク状銀粉[福田金属箔粉工業社製 商品名Ag−XF301]58.0質量部、を均一に混合し、三本ロールミルにて分散することにより伸縮性導電層形成用ペーストAG1を得た。
得られた伸縮性導電層形成用ペーストAG1を離型PETフィルム状にスクリーン印刷法を用いて、塗布乾燥し、厚さ22μmの伸縮性導体シートを得た。
得られた伸縮性導体シートを10mm幅、200mm長にカットし、長さ方向の抵抗値と厚さから比抵抗を求めた。結果、比抵抗は1.0×10-4Ωcmであった。
ついで、伸縮性導体シートの長さ方向の両端を引っ張り試験器のクリップに挟み、有効長を160mmとして320mmまで引っ張り、両端の抵抗値と、試験片の最狭部の幅、および、厚さを用いて100%伸張時の比抵抗を算出した。結果、100%伸張時の比抵抗は48×10-4Ωcmであった。その他の特性を含め、評価結果を表1.に示す
ニトリル量40質量%、ムーニー粘度46のNBR(ニトリルブタジエンゴム)30質量部を、イソホロン40質量部、に溶解させ、伸縮性誘電体層形成用ペーストCC1を得た。得られた伸縮性誘電体層形成用ペーストを、離型PETフィルム状にスクリーン印刷法を用いて、塗布乾燥し、厚さ35μmの伸縮性導体シートを得た。得られた伸縮性誘電体層の評価結果を表1.に示す
コンプレッションウェアの生地を基材として用い、図5に示す工程順に、先に得られた伸縮性導体形成用ペースト、伸縮性誘電体形成用ペースト等を所定の順に、スクリーン印刷法を用いて図4に示す部品パターンを印刷、乾燥硬化を繰り返し、本発明の積層構造を有する生体情報計測装置のセンサー部を構成した。得られたセンサー部を有する生体情報計測装置のセンサー部の伸縮回復率と20%伸張応力を評価した。結果を表1に示す。
さらに生体情報計測装置の両極に導電性接着材にて銀被覆糸を接続し、配線を引き出して日置電機社製LCRハイテスターと結線し、各伸縮性コンデンサの伸張度と1MHzにおける静電容量との関係を測定した。結果両者は良い対応を示した。伸張度0%〜50%の間で、1サイクル/秒の繰り返し周期にて伸張度と静電容量の関係を測定した。結果、ヒステリシスは観察されず、良い対応を示した。
得られたセンシングウェアを30才の健康な男性に着用させ着座安静、トレッドミルによる走行(時速16km)、再安静したときの胸部周長変化による呼吸と心拍を同時に計測した。結果、被験者は特に違和感を感じることなく運動を行い、呼吸波形と心拍数を同時に計測することができた。
[実施例2]
伸縮性誘電体層としてウレタン樹脂を用いた以外は実施例1と同様に操作し、幅10mm、長さ600mmの生体情報計測装置を製作した。評価結果を表1に示す。
得られた生体情報計測装置を、ストレッチ素材を用いたTシャツの胸部周囲にホットメルト接着シートにて貼り付け、同様にセンシングウェアを得た。
得られたセンシングウェアを30才の健康な男性に着用させ就寝時の呼吸、心拍を測定した。結果、被験者は特に違和感を感じることなく熟睡し、睡眠中御呼吸状態と心拍数をモニタリングすることが可能であった。本センシングウェアは睡眠時無呼吸症候群の検知などに有用であろう事が示唆された。また洗濯試験後も動作に問題は無かった。
[実施例3]
伸縮性誘電体層として天然ゴムを用い、離型PETフィルムではなく、ホットメルト層
付きウレタンシートを基材に用いて、基材上に印刷法により生体情報計測装置を形成した。得られた生体情報計測装置を、ストレッチ素材を用いたTシャツの肘外側部にホットメルト接着シートにて貼り付け、同様にセンシングウェアを得た。
得られたセンシングウェアを30才の健康な男性に着用させ腕を曲げ伸ばしした時の関節角度と筋電をそくていした。結果、被験者は特に違和感を感じることなく、肘を曲げた時の角度とその際に発生した筋電を計測することができた。
[実施例4]
バインダ樹脂にSBR(スチレン−ブタジエンゴム)を用いて、実施例1と同様に操作して伸縮性導体形成用ペーストを得た。次いで得られたペーストを離型PETフィルムにコーティングして乾燥後に剥離し、厚さ56μmの伸縮性導電シートを得た。
実施例1と同じ伸縮性誘電体層形成用ペーストを離型PETフィルムにコーティングして乾燥後に剥離し、厚さ78μmの伸縮性誘電体シートを得た。各々のシートの評価結果を表1.に示す。
得られた電極シート、絶縁シートを、図1に示す形状に外形加工し、図2に示す工程に従って順次積層し、図3の断面構造を有する本発明の生体情報計測装置のセンサー部を得た。
得られた生体情報計測装置を離型PETフィルムから剥離し、タイツの腰横部分、臀部、膝部に配置してホットメルト接着シートで貼り付け、下半身の動作確認用のセンシングウェアを得た。以下実施例3と同様に評価した。結果、得られたセンシングウェアにて膝の屈伸、腰の曲げ伸ばしをヒステリシス無く、良好にモニタリングすることが可能であり、そのときの各部の筋電を捉えることが可能であった。被験者は違和感を訴えず、また洗濯試験後も動作に問題は無かった。
[比較例]
実施例4において得た導体シートと絶縁シートを用いて、生体変位を計測する部分と生体電位を計測する部分を別々に設けた。生体変位を計測する部分は、ベース層上に第1の電極層、第1の絶縁層、第2の電極層、第2の絶縁層の順に積層して得た。、生体電位を測定する部分は、生体変位を計測する部分とベース層を共有し、その上に2つの導電シートをそれぞれ絶縁された状態で積層し、その上から皮膚接触部に該当する幅2cm、長さ3cmの開口部を設けた絶縁層を積層した。ベース層をストレッチ素材を用いたTシャツの胸部分にホットメルトにて装着し、生体変位と生体電位を別々で箇所で計測するウェアを得た。
得られたセンシングウェアを30才の健康な男性に着用させ就寝時の呼吸、心拍を測定した。結果、センサ部分の面積が大きくなり、被験者は違和感を感じるということで、安眠を妨げられた。またセンサの面積から、ブラジャーのアンダー部分など限られたスペースへの搭載は難しいことが示唆された。
以上、示してきたように、本発明の生体情報計測装置を用いたセンシングウェアは、自然な着用感であり、身体の変位と電位を同時、あるいは逐次的に計測可能である。
本発明のセンシングウェアは四肢の運動、体形、姿勢、呼吸、咀嚼、嚥下、脈動、胎動などの生体変位、心電、筋電などの生体電位を検出することが可能であり、就寝中のモニター、あるいは自動車や機械装置の運転中、各種作業中の身体モニターが可能である。さらに本発明は人体のみならず、動物、機械装置にも適用が可能である。
1: ベース層
2:第1の導体層
3:第1の絶縁層=誘電層
4:第2の導体層
5:第2の絶縁層(カバーコート層)
6:電極表面層
10:基材
20:開口部
30:コネクタ

Claims (5)

  1. 伸縮により静電容量が変化するコンデンサ素子と、皮膚接触型電極とを少なくとも有する着用型生体情報計測装置。
  2. 前記伸縮により静電容量が変化するコンデンサ素子が、少なくとも第1の伸縮性導体層、伸縮性誘電体層、第2の伸縮性導体層の順序で積層された構造を少なくとも有するコンデンサ型素子であることを特徴とする請求項1に記載の着用型生体情報計測装置。
  3. 前記皮膚接触型電極の少なくとも皮膚接触面が伸縮性導体層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着用型生体情報計測装置。
  4. 前記皮膚接触型電極が、前記第1の伸縮性導体層、前記第2の伸縮性導体層のそれぞれ一部分を露出した形態であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の着用型生体情報計測装置。
  5. 前記請求項1から4に記載のいずれかの着用型生体情報計測装置を用いて、前記伸縮により静電容量が変化するコンデンサ素子の静電容量変化を用いて着用者の身体形状変化を、前記皮膚接触型電極を用いて着用者の生体電位を同時、または逐次に測定することを特徴とする生体情報計測方法。
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