JP2019071651A - 移動体通信システム、csg基地局および移動端末 - Google Patents

移動体通信システム、csg基地局および移動端末 Download PDF

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Abstract

【課題】移動端末が、多数のCSG(Closed Subscriber Group)セルからの電波が届く位置にいる場合に、多くのアクセス不可能なCSGセルを延々とサーチやセル選択を繰り返す問題を解消する。【解決手段】閉じた加入者グループのCSGに属するCSGセル1301に設けられた基地局であるCSG基地局から他のセル1302に設けられた基地局、または他のセルに設けられた基地局からCSG基地局に移動端末1303がハンドオーバするとき、ハンドオーバする移動端末が、CSGに属するCSG端末である場合と、CSGに属さない非CSG端末である場合とで、ハンドオーバの手順を異ならせる。【選択図】図13

Description

本発明は無線通信技術に関する。
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式が2001年から日本で商用サービスが開始されている。また、下りリンク(個別データチャネル、個別制御チャネル)にパケット伝送用のチャネル(HS-DSCH: High Speed-Downlink Shared Channel)を追加することにより、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するHSDPA(High Speed Down Link Packet Access)のサービスが開始されている。さらに、上り方向のデータ送信をさらに高速化するためHSUPA(High Speed Up Link Packet Access)方式についてもサービスが開始されている。W−CDMAは、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)により定められた通信方式であり、リリース8版の規格書がとりまとめられている。
また、3GPPにおいて、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間については「ロングタームエボリューション」(Long Term Evolution LTE)、コアネットワーク(単にネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については「システムアーキテクチャエボリューション」(System Architecture Evolution SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは全く異なるものになる。たとえば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing )、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.4/3/5/10/15/20MHzの中で基地局ごとに選択可能となっている。また、LTEでは、W−CDMAのように回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
LTEはW−CDMAのコアネットワーク(GPRS)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるため、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W−CDMAの通信システムと区別するため、LTEの通信システムでは、移動端末(UE: User Equipment)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB)、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)はEPC(Evolved Packet Core)(aGW:Access Gatewayと称されることもある)と称される。このLTEの通信システムでは、ユニキャスト(Unicast)サービスとE-MBMSサービス(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)が提供される。E−MBMSサービスとは、放送型マルチメディアサービスであり、単にMBMSと称される場合もある。複数の移動端末に対してニュースや天気予報や、モバイル放送など大容量放送コンテンツが送信される。これを1対多(Point to Multipoint)サービスともいう。
3GPPでの、LTEシステムにおける全体的なアーキテクチャ(Architecture)に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。全体的なアーキテクチャ(非特許文献1 4章)について図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。図1において、移動端末101に対する制御プロトコル(例えばRRC(Radio Resource Management))とユーザプレイン(例えばPDCP: Packet Data Convergence Protocol、RLC: Radio Link Control、MAC: Medium Access Control、PHY: Physical layer)が基地局102で終端するなら、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は1つあるいは複数の基地局102によって構成される。基地局102は、MME103(Mobility Management Entity)から通知されるページング信号(Paging Signaling、ページングメッセージ(paging messages)とも称される)のスケジューリング(Scheduling)及び送信を行う。基地局102はX2インタフェースにより、お互いに接続される。また基地局102は、S1インタフェースによりEPC(Evolved Packet Core)に接続される、より明確にはS1_MMEインタフェースによりMME103(Mobility Management Entity)に接続され、S1_UインタフェースによりS−GW104(Serving Gateway)に接続される。MME103は、複数あるいは単数の基地局102へのページング信号の分配を行う。また、MME103は待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME103は移動端末が待ち受け状態及び、アクティブ状態(Active State)の際に、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。S−GW104はひとつまたは複数の基地局102とユーザデータの送受信を行う。S−GW104は基地局間のハンドオーバの際、ローカルな移動性のアンカーポイント(Mobility Anchor Point)となる。更にP−GW(PDN Gateway)が存在し、ユーザ毎のパケットフィルタリングやUE−IDアドレスの割当などを行う。
3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。図2を用いて説明する。図2はLTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図2において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Sub-frame)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal: SS)が含まれる。同期信号には第一同期信号(Primary Synchronization Signal: P-SS)と第二同期信号(Secondary Synchronization Signal: S-SS)がある。サブフレーム単位にてMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用とMBSFN以外のチャネルの多重が行われる。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN sub-frame)と称する。非特許文献2に、MBSFNサブフレームの割り当て時のシグナリング例が記載されている。図3は、MBSFNフレームの構成を示す説明図である。図3において、MBSFNフレーム(MBSFN frame)毎にMBSFNサブフレームが割り当てられる。MBSFNフレームの集合(MBSFN frame Cluster)がスケジュールされる。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期(Repetition Period)が割り当てられる。
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group cell)セルにおいてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。物理チャネル(Physical channel)について(非特許文献1 5章)図4を用いて説明する。図4は、LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。図4において、物理報知チャネル401(Physical Broadcast channel: PBCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル402(Physical Control format indicator channel: PCFICH)は基地局102から移動端末101へ送信される。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDMシンボルの数について基地局102から移動端末101へ通知する。PCFICHはサブフレーム毎に送信される。物理下り制御チャネル403(Physical downlink control channel: PDCCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDCCHは、リソース割り当て(allocation)、DL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル)に関するHARQ情報、PCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル)を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるACK/Nackを運ぶ。PDCCHはL1/L2制御信号とも呼ばれる。物理下り共有チャネル404(Physical downlink shared channel: PDSCH)は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDSCHはトランスポートチャネルであるDL-SCH(下り共有チャネル)やトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。物理マルチキャストチャネル405(Physical multicast channel: PMCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PMCHはトランスポートチャネルであるMCH(マルチキャストチャネル)がマッピングされている。
物理上り制御チャネル406(Physical Uplink control channel: PUCCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUCCHは下り送信に対する応答信号(response)であるACK/Nackを運ぶ。PUCCHはCQI(Channel Quality indicator)レポートを運ぶ。CQIとは受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request: SR)を運ぶ。物理上り共有チャネル407(Physical Uplink shared channel: PUSCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUSCHはUL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル)がマッピングされている。物理HARQインジケータチャネル408(Physical Hybrid ARQ indicator channel: PHICH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PHICHは上り送信に対する応答であるACK/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル409(Physical random access channel: PRACH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PRACHはランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
下りリファレンスシグナル(Reference signal)は、移動体通信システムとして既知のシンボルが、毎スロットの最初、3番目、最後のOFDMシンボルに挿入される。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシンボルの受信電力(Reference symbol received power:RSRP)がある。
トランスポートチャネル(Transport channel)について(非特許文献1 5章)図5を用いて説明する。図5は、LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。図5Aには下りトランスポートチャネルと下り物理チャネル間のマッピングを示す。図5Bには上りトランスポートチャネルと上り物理チャネル間のマッピングを示す。下りトランスポートチャネルについて報知チャネル(Broadcast channel: BCH)はその基地局(セル)全体に報知される。BCHは物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。下り共有チャネル(Downlink Shared channel: DL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。基地局(セル)全体への報知が可能である。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては,パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)とも言われる。移動端末の低消費電力化のために移動端末のDRX(Discontinuous reception)をサポートする。DL−SCHは物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。ページングチャネル(Paging channel: PCH)は移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。基地局(セル)全体への報知が要求される。動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソース、あるいは他の制御チャネルの物理下り制御チャネル(PDCCH)のような物理リソースへマッピングされる。マルチキャストチャネル(Multicast channel: MCH)は基地局(セル)全体への報知に使用される。マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHはPMCHへマッピングされる。
上り共有チャネル(Uplink Shared channel: UL-SCH)にはHARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。図5Bに示されるランダムアクセスチャネル(Random access channel: RACH)は制御情報に限られている。衝突のリスクがある。RACHは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。HARQについて説明する。
HARQとは自動再送(Automatic Repeat reQuest)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組み合わせにより伝送路の通信品質を向上させる技術である。通信品質が変化する伝送路に対しても再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果の合成をすることで更なる品質向上を得ることも可能である。再送の方法の一例を説明する。受信側にて受信データが正しくデコード出来なかった場合(CRC Cyclic Redundancy Check エラーが発生した場合(CRC=NG))、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側はデータを再送する。受信側にて受信データが正しくデコードできた場合(CRCエラーが発生しない場合(CRC=OK))、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。HARQ方式の一例として「チェースコンバイニング」(Chase Combining)がある。チェースコンバイニングとは初送と再送に同じデータ系列を送信するもので、再送において初送のデータ系列と再送のデータ系列の合成を行うことで利得を向上させる方式である。これは初送データに誤りがあったとしても部分的に正確なものも含まれており、正確な部分の初送データと再送データとを合成することでより高精度にデータを送信できるという考え方に基づいている。また、HARQ方式の別の例としてIR(Incremental Redundancy)がある。IRとは冗長度を増加させるものであり、再送においてパリティビットを送信することで初送と組み合わせて冗長度を増加させ、誤り訂正機能により品質を向上させるものである。
論理チャネル(Logical channel)について(非特許文献1 6章)図6を用いて説明する。図6は、LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図6Aには下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。図6Bには上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。報知制御チャネル(Broadcast control channel: BCCH)は報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHはトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。ページング制御チャネル(Paging control channel: PCCH)はページング信号を送信するための下りチャネルである。PCCHは移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHはトランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。共有制御チャネル(Common control channel: CCCH)は移動端末と基地局間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を持っていない場合に用いられる。下り方法では、CCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHはトランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(Multicast control channel: MCCH)は1対多の送信のための下りチャネルである。ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられるチャネルである。MCCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。個別制御チャネル(Dedicated control channel: DCCH)は移動端末とネットワーク間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。個別トラフィックチャネル(Dedicate Traffic channel: DTCH)はユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは上り・下りともに存在する。DTCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel: MTCH)はネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
GCIとは、グローバルセル識別子(Global Cell Identity)のことである。LTE及びUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においてCSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入される。CSGについて以下説明する(非特許文献7 3.1章)。CSG(Closed Subscriber Group)とは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセルである(特定加入者用セル)。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)のひとつ以上のE-UTRANセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のE−UTRANセルを“CSG cell(s)”とよぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。CSGセルとは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity: CSG ID,CSG-ID)を報知するPLMNの一部である。あらかじめ利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。CSG−IDはCSGセルかセルによって報知される。移動体通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために端末(UE)によって使用される。CSGセルあるいはセルによって報知される情報をCSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code TAC)にすることが3GPP会合において議論されている。移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、通信をしていない状態(待受け状態)であっても移動端末の位置を追跡し、呼び出す(移動端末が着呼する)ことを可能にするためである。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアとよぶ。CSGホワイトリスト(CSG White List)とは、加入者が属するCSGセルのすべてのCSG IDが記録されている、USIMに格納されたリストである。移動端末内のホワイトリストは上位レイヤによって与えられる。これによりCSGセルの基地局は移動端末に無線リソースの割り当てを行う。
「適切なセル」(Suitable cell)について以下説明する(非特許文献7 4.3章)。「適切なセル」(Suitable cell)とは、UEが通常(normal)サービスを受けるためにキャンプオン(Camp ON)するセルである。そのようなセルは、(1)セルは選択されたPLMNか登録されたPLMN、または「Equivalent PLMNリスト」のPLMNの一部であること、(2)NAS(non-access stratum)によって提供された最新情報にてさらに以下の条件を満たすこと、(一)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(二)そのセルが“ローミングのための禁止されたLAs”リストの一部ではなく、少なくとも1つのトラッキングエリア(Tracking Area:TA)の一部であること。その場合、そのセルは上記(1)を満たす必要がある、(三)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること、(四)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information: SI)によって特定されたセルに関しては、CSG−IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること(UEのCSG WhiteList中に含まれること)。
「アクセプタブルセル」(Acceptable cell)について以下説明する(非特許文献7 4.3章)これは、UEが限られたサービス(緊急通報)を受けるためにキャンプオンするセルである。そのようなセルは以下のすべての要件を充足するものとする。つまり、E−UTRANネットワークで緊急通報を開始するための最小のセットの要件を以下に示す。(1)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(2)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
セルにキャンプオン(camp on)するとは、UEがセル選択/再選択(cell selection/reselection)処理を完了し、UEがシステム情報とページング情報をモニタするセルを選択した状態である。
3GPP TS36.300 V8.6.0 3GPP R1−072963 3GPP TR R3.020 V0.6.0 3GPP R2−082899 3GPP R2−083494 3GPP TS36.331 V8.3.0 3GPP TS36.304 V8.3.0 3GPP R2―084346 3GPP S1−083461 3GPP R2−093950 3GPP R2−093864 3GPP R2−093138 3GPP TS36.213 3GPP TS36.101
CSG(Closed Subscriber Group cell)セルは、マンションや学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。たとえば、マンションでは部屋ごと、学校では教室ごと、会社ではセクションごとにCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。さらには、CSGセルは可搬なサイズ、重量を想定しており、これらCSGセルの設置や撤去は頻繁にかつ柔軟に行われることも要求される。このような要求を考慮すると、ある地点においては同時に多数のCSGセルからの電波が送信されることになる。つまり、マンションや学校、会社などでは、移動端末が多数のCSGセルからの電波が届く位置にいる状況が発生する。
また、CSGセルは、non−CSGセルからの電波がとどかない場所へ設置され、該CSGセルを介して移動端末との通信を可能とすることが要求される。例えば、現在、マンションの部屋がnon−CSGセルからの電波がとどかないような状況が多くある。このような場合に、マンションの部屋ごとにCSGセルが設置され、部屋ごとのCSGセルでそれぞれCSGが構成されてCSG−IDが与えられる。例えば各部屋の住人が所有する移動端末はそれぞれの部屋のCSGセルにユーザアクセス登録する場合が考えられる。このような状況においては、移動端末はnon−CSGセルからの電波は届かず、数多くのCSGセルからの電波が届くような場所に存在するようになる。また、このような場合に、電波伝搬環境によっては、ユーザアクセス登録したCSGセルからの電波が移動端末に届かなかったり、届いたとしても他のCSGセルよりも受信電力が弱かったりする場合が多発する。
このように、多数のCSGセルからの電波が届く位置にいる移動端末の場合、多くのアクセス不可能なCSGセル(つまりユーザアクセス登録していないCSGセル)を延々とサーチやセル選択を繰り返す状況が生じる。このような場合、システムに制御遅延や無線リソースの使用効率及びシグナリング効率の低下を引き起こす。また、セルサーチを繰り返す移動端末の消費電力が大きくなるという問題が生じる。これらの問題は前述したような将来のCSGセルの配置状況を想定すると重要な問題となる。本発明はこれらの問題を解消するためになされたものである。
本発明にかかる移動体通信システムは、閉じた加入者グループのCSGに属するCSGセルに設けられた基地局であるCSG基地局から他のセルに設けられた基地局、または他のセルに設けられた基地局からCSG基地局に移動端末がハンドオーバする移動体通信システムであって、ハンドオーバする移動端末が、CSGに属するCSG端末である場合と、CSGに属さない非CSG端末である場合とで、ハンドオーバの手順を異ならせることを特徴とする。
本発明にかかるCSG基地局は、閉じた加入者グループのCSGに属するCSGセルに設けられた基地局であり、他のセルに設けられた基地局に移動端末がハンドオーバする、または他のセルに設けられた基地局から移動端末がハンドオーバするCSG基地局であって、ハンドオーバする移動端末が、CSGに属するCSG端末である場合と、CSGに属さない非CSG端末である場合とで、ハンドオーバの手順を異ならせることを特徴とする。
本発明にかかる移動端末は、閉じた加入者グループのCSGに属するCSGセルに設けられた基地局であるCSG基地局から他のセルに設けられた基地局、または他のセルに設けられた基地局からCSG基地局にハンドオーバする移動端末であって、ハンドオーバする移動端末が、CSGに属するCSG端末である場合と、CSGに属さない非CSG端末である場合とで、ハンドオーバの手順を異ならせることを特徴とする。
本発明によれば、移動端末は、アクセスが許可された特定加入者用セルのリストを入手することが可能となる。
LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。 LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。 MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)フレームの構成を示す説明図である。 LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。 LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。 LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。 現在3GPPで議論されている移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。 本発明に係る移動端末311の構成を示すブロック図である。 本発明に係る基地局312の構成を示すブロック図である。 本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。 本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。 LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチの概略を示すフローチャートである。 多くのCSGセルが存在する場合のセル概念図である。 多数のHome−eNBからの電波が届く位置にいる移動端末のセルサーチのフローチャートである。 実施の形態1におけるPCIスプリット情報を報知するシーケンス図である。 実施の形態1における移動端末のセルサーチのフローチャートである。 実施の形態1の変形例1におけるPCIスプリット情報を報知するシーケンス図を示す。 他周波数レイヤのPCIスプリット情報を報知するシーケンス図である。 eNBのエリア内にHome−eNBが存在する場合を示す図である。 3GPPで議論されている、non−CSGセルを介してホワイトリストを通知する方法のシーケンス図である。 移動端末が登録したHome−eNB(CSGセル)がnon−CSGセルのエリア外となる場合を示す図である。 実施の形態3におけるホワイトリストを有しない移動端末が手動検索を起動した場合のシーケンス図である。 移動端末がnon−CSGセルの傘下ではなく、多数のCSGセルの傘下に居る場合を示す図である。 実施の形態4における手動検索を行った際のシーケンス図である。 TAUリジェクトを送信する前にホワイトリストメッセージを送信する方法のシーケンス図である。 実施の形態5の本変形例1で開示した方法におけるシーケンス図である。 同一セルから1回TAUリジェクトメッセージを受信した場合に、移動端末が該セルへのRRCコネクションの設立を禁止する方法のシーケンス図である。 タイマを設けた場合の移動端末での処理を示す図である。 実施の形態7におけるn回目のTAUリジェクトメッセージを送信する前にホワイトリストの登録メッセージの送信を行う方法のシーケンス図である。 同一セルから1回RRCコネクションリジェクトメッセージを受信した場合に、移動端末が該セルへのRRCコネクション要求を禁止する方法のシーケンス図である。 移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルがRRCコネクションリジェクトメッセージを送信する前にホワイトリストの登録メッセージを送信する方法のシーケンス図である。 実施の形態11における、ホワイトリスト(更新)メッセージの受信成功/失敗のAck/Nackを返す方法のシーケンス図である。 RRC接続再設立にかかる移動端末の処理を示すフローチャートである。 CSGセルを導入した際のRRC接続再設立にかかる移動端末の処理を示すフローチャートである。 E−UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマをホワイトリスト有用とホワイトリスト無用を別個に設けた際のRRC接続再設立にかかる移動端末の処理を示すフローチャートである。 ホワイトリスト有用のタイマをCSGセルから通知した際のRRC接続再設定にかかる移動端末の処理を示すフローチャートである。 ホワイトリスト有用のタイマをCSGセルから通知した際のRRC接続再設定にかかる移動端末の処理を示すフローチャートである。 従来技術の優先順位に関わる移動端末の処理を示すフローチャートである。 優先順位をホワイトリスト有用とホワイトリスト無用を別個に設けた際の移動端末の処理を示すフローチャートである。 優先順位の有効時間をホワイトリスト有用とホワイトリスト無用を別個に設けた際の移動端末の処理を示すフローチャートである。 従来技術のセル再選択手順における移動端末の処理を示すフローチャートである。 ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末が、サービングセルの状態が良い場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期を用いるセル再選択手順における移動端末の処理を示すフローチャートである。 ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末が、サービングセルの状態が良い場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期とオフセット値を用いるセル再選択手順における移動端末の処理を示すフローチャートである。 ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末が、サービングセルの状態が良い場合であってもセル再選択のための測定を行う周期とセル再選択が行えなかった場合に測定を行う周期を解除するセル再選択手順における移動端末の処理を示すフローチャートである。 ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末が、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末用のセル再選択を開始するための測定基準を用いるセル再選択手順における移動端末の処理を示すフローチャートである。 ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUE用とそうでないUE用とで別個にオフセットを設けてハイブリッドセルへの再選択手順を異ならせた場合の移動端末の処理を示すフローチャートである。 実施の形態15とオフセットを別個に設ける方法を組合せた場合の移動端末のセル再選択手順処理を示すフローチャートである。 ハイブリッドセルからのセル再選択をし難くするためオフセットを別個に設けた場合の移動端末のセル再選択手順処理を示すフローチャートである。 ハイブリッドセルにおいてCSGメンバーのUEをnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせた場合の概念図である。 ハイブリッドセルにおけるPRACH初期送信までの手順例である。 セル再選択閾値の差分を用いる場合のハイブリッドセルにおけるPRACH初期送信までの手順概要である。
実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(e-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB,HeNB),UTRANのHome-NB(HNB))とnon-CSGセル(e-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、e−UTRANについては、図7の(a)や(b)のような構成が提案されている(非特許文献1、非特許文献3)。図7(a)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。Home−eNB72−2はMME73とインタフェースS1により接続され、Home−eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのMMEに対して複数のHome−eNBが接続される。
次に、図7(b)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。図7(a)と同じように、eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。一方、Home−eNB72−2はHeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME73と接続される。Home−eNBとHeGWはインタフェースS1により接続され、HeNBGW74とMME73はインタフェースS1_flexを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1を通して情報が通信される。HeNBGW74はひとつまたは複数のMME73と接続され、S1_flexを通して情報が通信される。
図7(b)の構成を用いて、ひとつのHeNBGW74を、同じCSG−IDに属するHome−eNBと接続することによって、例えばレジストレーション情報など、同じ情報をMME73から同じCSG−IDに属する複数のHome−eNB72−2に送信する場合、一旦HeNBGW74へ送信し、そこから複数のHome−eNB72−2へ送信することで、複数のHome−eNB72−2に対してそれぞれ直接に送信するよりもシグナリング効率を高められる。一方、各Home−eNB72−2がそれぞれ個別の情報をMME73と通信する場合は、HeNBGW74を介すがそこで情報を加工することなく通過(透過)させるだけにしておくことで、Home−eNB72−2とMME73があたかも直接接続されているように通信することも可能となる。
図8は、本発明に係る移動端末(図7の端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、アプリケーション部802からのユーザデータが送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータはエンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局312に送信信号が送信される。また、移動端末311の受信処理は以下のとおり実行される。基地局312からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部810によって制御される。よって制御部810は、図面では省略しているが、各部(801〜809)と接続している。
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME73,HeNBGW74など)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901、他基地局通信部902はそれぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、またEPC通信部901と他基地局通信部902からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部904へ保存される。送信データバッファ部904に保存されたデータはエンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。また、基地局72の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末311からの無線信号がアンテナ908により受信される。受信信号は周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は制御部911によって制御される。よって制御部911は図面では省略しているが各部(901〜910)と接続している。
図10は、本発明に係るMME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001はMME73とPDN GW間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002はMME73と基地局72間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1001からユーザプレイン処理部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1002からユーザプレイン処理部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73とHeNBGW74間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データはHeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area: TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MMEに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理を、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行っても良い。CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルの関係であっても良い。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されても良い。これらのCSGに関する管理はMME73の中の他の部分で行われても良いが、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行うことで、現在3GPP会合で議論されている、CSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code)を用いる方法が効率よく行える。MME313の一連の処理は制御部1006によって制御される。よって制御部1006は図面では省略しているが各部(1001〜1005)と接続している。
図11は、本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。EPC通信部1101はHeNBGW74とMME73間をS1_flexインタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102はHeNBGW74とHome−eNB72−2間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73からのデータのうちレジストレーション情報など、複数のHome−eNBに送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は制御部1104によって制御される。よって制御部1104は図面では省略しているが各部(1101〜1103)と接続している。
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末にてセルサーチが開始されると、ステップST1201で周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSあわせて、同期信号(SS)にはセル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSにはPCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ST1201で特定したPCIから該セルのRS用のコードを導出すことによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。次にST1203で、ST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル ベストセル)を選択する。次にST1204でベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次に1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1にはTAC(Tracking Area Code)が含まれる。また、SIB1にはCSG−IDが含まれていても良い。次にST1206で、移動端末は、ST1205で受信したTACと、移動端末が既に保有しているTACと比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network, EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークはTAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後移動端末は該セルで待ち受け動作に入る。
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末がひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGにはCSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには複数のCSGセルがあっても良い。移動端末はどれかひとつのCSGセルに登録すればそのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBがCSGセルとして使われることがある。ひとつのCSG−IDに含まれるひとつまたは複数のCSGセルは同じTAに属する。このため、ひとつのCSG−IDに含まれるひとつまたは複数のCSGセルは同じTACを報知情報にのせて傘下の移動端末に報知する。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的にはホワイトリストはSIM/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報がのる。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACが対応づけられていれば、どちらか一方で良い。また、CSG−IDやTACとGCI(Global Cell Identity)が対応付けられていればGCIでもよい。以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
移動端末が、多くのCSGセルが存在する場所でセルサーチをした場合問題が生じる。図13に多くのCSGセルが存在する場合のセル概念図を示す。図中、1301はeNBによるnon−CSGセル、1302はHome−eNBによるCSGセルを示す。1303は移動端末である。CSGセルは、マンションや学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。マンションでは各部屋ごと、学校では各教室ごと、会社では各セクション毎にCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。さらには、CSGセルは可搬なサイズ、重量を想定しており、これらCSGセルの設置や撤去は頻繁にかつ柔軟に行われることも要求される。このような要求を考慮すると、ある地点においては同時に多数のCSGセルからの電波が送信されることになる。つまり、マンションや学校、会社などでは、図13に示すような、移動端末1303が多数のCSGセルからの電波が届く位置にいる状況が発生する。そしてこのような状況では、ホワイトリストを有する移動端末と、ホワイトリストを有しない移動端末が存在することになる。この状況において、移動端末がセルサーチを行った場合を考える。
図14に、多数のCSGセルからの電波が届く位置にいる移動端末のセルサーチのフローチャートの一例を示す。移動端末がセルサーチを開始すると、図12において一般的な場合として説明した動作を行う。ST1401で第一同期信号P−SS、第二同期信号S−SSで同期、PCI(Physical Cell Identity)の検出(特定)を行う。ST1402でRS検出しRSの受信電力を測定する。ST1403でベストセルの選択を行い、ST1404で選択したセルのPBCH受信、MIB情報を得る。ST1405でDL−SCHを受信して、SIB1の情報を得る。そして、SIB1のTAC情報が移動端末保有のTACと同じであれば待ち受け動作に移行する。しかし、同じでない場合は、一般的な場合で示した動作と異なってくる。前述したように、このような状況では、ホワイトリストを有する移動端末と、ホワイトリストを有しない移動端末が存在することになる。ST1407で、移動端末がホワイトリストを有するかどうか判定する。移動端末がホワイトリストを有する場合、ST1408で、SIB1のTACがホワイトリスト内のCSG−ID(TAC)と同じかどうか判定する。これは、もしCSG−ID(TAC)が同じでない場合、未登録のためそのセルへのアクセスは禁止されるからである。同じであれば登録済みなので、そのセルへのアクセスが許可され、待ち受け動作に移行する。異なる場合は未登録のためそのセルへのアクセスはできず、ST1409へ移行する。ST1409で、移動端末は、そのセルがCSGセルかどうか判定する。LTEにおいては、各セルの報知情報のSIB1に自セルがCSGセルか否かを示すCSGインジケータが含まれる。従って、ST1409の判定はST1405で得たSIB1の情報に含まれるCSGインジケータを用いて行うことが可能である。CSGインジケータがCSGセルであることを示している場合、ST1410に移行する。ST1410で移動端末は該セルのPCIを記憶して、以降のセルサーチ、ベストセルの選択時に該セルのPCIを除くように設定する。これは、該セルがCSGセルであっても移動端末のホワイトリストにはのっていないCSG−ID(TAC)のセルだからである。移動端末が一度セルサーチやベストセル選択をしたアクセス不可能CSGセルのPCIを記憶するのに、アクセス不可PCIリスト等を設けて該リストに書き込むようにしても良い。アクセス不可能CSGセルのPCIは、タイマを設けてそのタイマ期間が終了したとき、かつ/または新たなCSG−IDに登録したときに、リセットもしくは消去するようにすると良い。ST1409の判定で該セルがCSGセルでない場合、non−CSGセルなのでTAU後待ち受け動作に移行する。
一方、ST1407で移動端末がホワイトリストを有しない場合、ST1409へ移行する。ST1409の判定で、該セルがCSGセルでない場合はTAU後待ち受け動作へ移行することになるが、CSGセルである場合は、同様にST1410の処理を行い、再度セルサーチ、ベストセルの選択動作を行う。再度セルサーチ、ベストセルの選択動作を行い、CSGセルが見つかった場合は、再びST1407、ST1409、ST1410を行うことになり、さらに再びセルサーチ、ベストセルの選択動作を行うことになってしまう。このように、特にホワイトリストを持たない移動端末は、CSGセルには絶対アクセスできないとわかっていても、全てのセルを対象にセルサーチ、ベストセルの選択を行うため、図13で示したような、多くのHome−eNBからの電波が届く位置にいる移動端末の場合、多くのCSGセルをサーチ、ベストセル選択してしまう可能性が高く、ST1401、ST1402、ST1403、ST1404、ST1405、ST1406、ST1407、ST1409、ST1410の動作を何度も繰り返すことになり、待ち受け動作に入るまでに、多大な時間がかかってしまい、システムとして大きな制御遅延が発生するという問題が生じてしまう。また、セルサーチを繰り返せざるを得ない移動端末においては消費電力が膨大になってしまうという問題が生じる。この問題は、例えST1410で移動端末がアクセスできないCSGセルのPCIを記憶して、以降のセルサーチ、ベストセルの選択時に該セルのPCIを除くように設定する処理を行ったとしても生じてしまう。この問題は、前述したような将来のCSGセルの配置状況を想定するとシリアスな問題となる。
このような問題を解決するため、3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献4)。全PCIをCSGセル用とnon−CSGセル用とに分割することで、セルサーチ時にホワイトリストを有しない移動端末は、non−CSGセル用のPCIを用いてP−SCH、S−SCH同期を行い、PCIを特定すればよくなるので、CSGセルをサーチすることはなくなる。しかし、移動端末はセルサーチを行う前にはいつもPCIスプリット情報を認識していなければならない。このため、3GPPではPCIスプリット範囲を固定にする、つまりCSGセルに割り当てるPCIの範囲とnon−CSGセルに割り当てるPCIの範囲をあらかじめ決めておくことが提案されている。例えば、PCI#0〜#49まではCSGセルに割り当て、PCI#50〜#503まではnon−CSGセルに割り当てるようにあらかじめ決めておき、規格書に記載しておく。こうすることによって、移動端末はセルサーチを行う前にいつもこの値を認識することが可能となり、セルサーチ時に、ホワイトリストを有しない移動端末が、無駄にCSGセルをサーチすることをなくすことが可能となる。
しかし、上記のように、CSGセルに割り当てるPCIの範囲とnon−CSGセルに割り当てるPCIの範囲をあらかじめ決めておく方法は、前述したHome−eNBへの要求に対して満足できないものである。すなわち、Home−eNBは可搬なサイズ、重量を想定しており、これらHome−eNBの設置や撤去は頻繁にかつ柔軟に行われることが要求される。この要求を考慮したとき、CSGセルの数は、オペレータ、周波数レイヤ、設置場所、時刻などさまざまな状況によって異なることになる。従って、PCIスプリット情報をあらかじめ決めておくことは、Home−eNBの柔軟かつ頻繁な設置や撤去によって変わるCSGセル数に対応できないという問題が生じる。
この問題を解決するため、PCIスプリット情報をセルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報にのせて傘下の移動端末に報知する方法を開示する。図15に、LTE方式の通信システムにおける、PCIスプリット情報を報知するシーケンス図を示す。例えばLTE方式の通信システムにおいては、セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報として、SIB1がある。全基地局(Home-eNB(CSGセル)とeNB(non-CSGセル))は、PCIスプリット情報をSIB1に入れ、SIB1を含むBCCHをDL−SCHにマッピングする。そして全基地局は各々、傘下の移動端末(UE)に対して、DL−SCHを送信し、SIB1に入れたPCIスプリット情報を報知する。ここでは、全基地局が送信するPCIスプリット情報として、自セルが属する周波数レイアのPCIスプリット情報とする。次に、図16に本方法における移動端末のセルサーチのフローチャートを示す。移動端末がセルサーチを開始する。まず、ST1601で移動端末はPCIスプリット情報をもっているかどうか判定する。例えば電源オン時、まだPCIスプリット情報を持っていないときは、ST1602へ移行する。ST1602へ移行した移動端末は、図14で示したフローチャートについて記載した方法を行い、ST1602〜ST1611の処理を行う。ここで、図14に示したフローチャートと異なる点は、ST1606でDL−SCHで送られてくるSIB1に入っているPCIスプリット情報を受信する処理を行うことであり。PCIスプリット情報を受信した移動端末は、該PCIスプリット情報を記憶する。PCIスプリット情報リストを設け、そのリストにPLMNや周波数レイヤとともに記憶しておいても良い。該リストに記憶されたPCIスプリット情報は、報知情報が修正されたとき書換えを行うようにする。
また、該リストに記憶されたPCIスプリット情報は電源オフ/オン時、周波数レイヤ間のリセレクションを行ったとき、他システム間のリセレクションを行ったときにリセットもしくは消去を行うようにすると良い。ST1606でPCIスプリット情報を得た移動端末は、ST1611に進んだ場合、その次のセルサーチ、ベストセル選択時にST1601で該PCIスプリット情報を利用することが可能となる。移動端末はST1601でPCIスプリット情報をもつと判定し、ST1612に移行する。ST1612に移行した移動端末はホワイトリストを有するかどうか判定する。ホワイトリストを有する場合は、ST1602に移行して、再度ST1602〜ST1611の動作を行う。しかし、ホワイトリストを有しない移動端末は、ST1613へ移行し、1回目のセルサーチのST1606で得たPCIスプリット情報により、non−CSGセルのPCIを用いてP−SS、S−SS同期を行いPCIを検出(特定)する。PCIを特定した移動端末は、ST1614へ移行し、ST1614〜ST1618の処理を行う。この処理は一般的なセルサーチにおける処理と同じとなる。ここで重要なのは、non−CSGセルのPCIを用いてP−SS、S−SS同期を行いPCIを検出(特定)しているため、CSGセルはサーチされなくなる、ということである。このため、図14で示したフローチャートについて記載した方法で生じてしまうホワイトリストを有しない移動端末がCSGセルには絶対アクセスできないとわかっていてもST1602〜ST1611(ST1609を除く)の動作を何度も繰り返してしまうという問題は解消する。
さらに、例えば電源オン後1回目のセルサーチ時にPCIスプリット情報を得たホワイトリストを有しない移動端末がその後再度セルサーチを行う場合、該移動端末はPCIスプリット情報をもっているので、ST1601の判定において「イエス」となり、ST1612へ移行する。ST1612へ移行した該移動端末はST1613〜ST1618の処理を行うことになる。従って、この場合も、図14で示したフローチャートについて記載した方法で生じてしまうホワイトリストを有しない移動端末がCSGセルには絶対アクセスできないとわかっていてもST1602〜ST1611(ST1609を除く)の動作を何度も繰り返してしまうという問題は解消する。
なお、報知情報ブロックは多種存在する。PCIスプリット情報をSIB1の他のSIBに入れた場合、一般的なセルサーチから待ちうけの動作では受信しない。MIB、SIB1の他の報知情報ブロック(SIBk; k≧2の整数)を受信するためには、SIB1にのる他のSIBのスケジューリング情報(割当て情報)を受信する必要があるため、さらに時間がかかり遅延が生じ、移動端末の消費電力もさらに増大してしまう。セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報にPCIスプリット情報を入れることによって、移動端末は他の報知情報ブロックを得る必要がなく短時間に低消費電力でPCIスプリット情報を得ることが可能となる。システムとしても制御遅延の少ない良好なシステムを構築することが可能となる。例えばLTE方式の通信システムにおいては、セルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報として、MIBまたはSIB1である。
本実施の形態で開示した、PCIスプリット情報を報知情報のSIB1にのせて傘下の移動端末に報知する方法を用いることによって、ホワイトリストを有しない移動端末は2回目以降のセルサーチを行う際に無駄にCSGセルをサーチすることをなくすことが可能となる。このため、セルサーチから待ち受け動作に入るまでに、多大な時間がかかってしまい、システムとして大きな制御遅延が発生するという問題や、移動端末において消費電力が膨大になってしまうという問題を解消できる。したがって、将来の多大な数のHome−eNBの設置の要求や、Home−eNBの設置や撤去が頻繁にかつ柔軟に行われることによって生じるCSGセル数の柔軟な変更への対応の要求にこたえられる移動体通信システムを構築することが可能となる。
本実施の形態で開示した、全てのセル(non-CSGセルとCSGセル)がPCIスプリット情報をセルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報にのせて傘下の移動端末に報知する方法を用いることによって、ホワイトリストを有する移動端末においても、CSGセルもしくはnon−CSGセルを選択的にサーチすることが可能となる。例えば、ホワイトリストを有する移動端末が、non−CSGセルではなくCSGセルへのアクセスを優先的に行うようにする場合、SIB1を受信して得たPCIスプリット情報を用いて、優先的にCSGセルをセルサーチすることが可能となる。この場合、図16に示すST1612以降の動作を以下のようにすればよい。移動端末がST1612でホワイトリストを持っていると判定した場合、CSGセルのPCIを用いて第一同期信号P−SS、第二同期信号S−SSの同期を行い、PCIを検出(特定)する。特定したPCIを用いて基準信号(RS)を検出し、その受信電力の測定を行う。そして、測定した受信電力を比較することによってベストセルを選択する。選択したセルのPBCHを受信してMIBを受信し、さらにDL−SCHを受信してSIB1を受信する。該SIB1上にのるトラッキングエリアコード(Tracking Area Code TAC)が移動端末保有のものと同じであれば待ち受け動作へ移行し、異なればSIB1のトラッキングエリアコードTACが移動端末が保有するホワイトリスト内のCSG−ID(TAC)と同じかどうか比較する。同じであれば待ち受け動作へ移行する。異なる場合は、再度セルサーチを行う。そして、CSGセルのPCIを用いてセルサーチを行い、選択するセルが存在しなくなった場合に、non−CSGセルのPCIを用いてセルサーチを行う動作を開始するようにする。このようにすれば、優先的にCSGセルのサーチを行うことが可能となり、選択可能なCSGセルがなくなったときにnon−CSGセルへのセルサーチ、セル選択を行うようにすることが可能となる。
上記では、ホワイトリストを有する移動端末が、non−CSGセルではなくCSGセルへのアクセスを優先的に行うようにする場合について説明したが、逆に、CSGセルではなくnon−CSGセルへのアクセスを優先的に行うようにすることも可能である。移動端末がST1612でホワイトリストを持っていると判定した場合、non−CSGセルのPCIを用いてP−SS、S−SS同期を行いPCIを検出(特定)する。特定したPCIを用いてRS検出しRS受信電力の測定を行う。測定したRS受信電力を比較することによって、ベストセルを選択する。選択したセルのPBCHを受信してMIBを受信し、さらにDL−SCHを受信してSIB1を受信する。該SIB1上にのるTACが移動端末保有のTACと同じであれば待ち受け動作へ移行し、異なれば、TAU後待ち受け動作に移行する。そして、non−CSGセルのPCIを用いてセルサーチを行い、選択するセルが存在しなくなった場合に、CSGセルのPCIを用いてセルサーチを行う動作を開始するようにする。このようにすれば、優先的にnon−CSGセルのサーチを行うことが可能となり、選択可能なnon−CSGセルがなくなったときにCSGセルへのセルサーチ、セル選択を行うようにすることが可能となる。
従って、ホワイトリストを有する移動端末においても、2回目以降のセルサーチを行う際に無駄なセルをサーチすることをなくすことが可能となり、セルサーチから待ち受け動作に入るまでに、多大な時間がかかってしまい、システムとして大きな制御遅延が発生するという問題や、移動端末において消費電力が膨大になってしまうという問題を解消できるだけでなく、CSGセルもしくはnon−CSGセルを選択的にサーチすることが可能となる。これにより、将来の多大な数のHome−eNBの設置の要求や、Home−eNBの設置や撤去が頻繁にかつ柔軟に行われることによって生じるCSGセル数の柔軟な変更への対応の要求や、例えばnon−CSGセルよりも登録したCSGセルへ優先的にアクセスしたい移動端末や、アクセスさせたいシステムの要求などにもこたえられる移動体通信システムを構築することが可能となる。
なお、上述した方法では、PCIスプリット情報を報知情報のSIB1にのせて傘下の移動端末に報知する方法を開示したが、PCIスプリット情報を報知情報のMIBにのせて傘下の移動端末に報知する方法としても良い。この方法の場合のシーケンス図は図15が適用できる。全基地局(eNBとHome-eNB)は、PCIスプリット情報をMIBに入れ、MIBを含むBCCHをPBCHにマッピングする。そして全基地局は傘下の移動端末(UE)に対して、PBCHを送信し、MIBに入れたPCIスプリット情報を報知する。ここで、全基地局が送信するPCIスプリット情報としては、自セルが属する周波数レイアのPCIスプリット情報とする。本方法における移動端末のセルサーチのフローチャートは図16のST1605とST1606を次のように変更すればよい。基地局からPCIスプリット情報はMIBに入れて報知されるため、移動端末はST1605でPCIスプリット情報の受信処理を行う。一方、ST1606ではPCIスプリット情報の受信を行わない。このように変更することによって実現可能となる。PCIスプリット情報を報知情報のMIBにのせて傘下の移動端末に報知する方法を用いることによって、前述した効果を同じように得ることが可能となる。
実施の形態1の変形例について説明する。実施の形態1では、全てのセル(CSGセルとnon−CSGセルからPCIスプリット情報をセルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報にのせて傘下の移動端末に報知する方法を開示した。本変形例1では、CSGセルからのみPCIスプリット情報をセルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報にのせて傘下の移動端末に報知する方法を開示する。図17に、LTE通信方式におけるPCIスプリット情報を報知するシーケンス図を示す。Home−eNBは、PCIスプリット情報をSIB1に入れ、SIB1を含むBCCHをDL−SCHにマッピングする。そしてHome−eNB全基地局は傘下の移動端末(UE)に対して、DL−SCHを送信し、SIB1に入れたPCIスプリット情報を報知する。ここでHome−eNBが送信するPCIスプリット情報としては、自セルが属する周波数レイアのPCIスプリット情報とする。一方、eNBは、PCIスプリット情報を傘下の移動端末(UE)に対して報知しない。本変形例の場合、セルサーチ、ベストセル選択したセルが、CSGセルの場合のみ、移動端末はPCIスプリット情報を得ることが可能となる。しかし、この場合でも、ホワイトリストを有しない移動端末は、1度CSGセルがベストセルとして選択されることにより、以降からアクセスできないCSGセルへのセルサーチ、ベストセル選択といった、図16におけるST1602〜ST1611(ST1609を除く)の動作を何度も繰り返してしまう、という問題を解消することが可能となる。
本変形例1で開示したHome−eNBからのみPCIスプリット情報を報知情報のSIB1もしくはMIBにのせて傘下の移動端末に報知する方法を用いることによって、実施の形態1で記載した効果を得られるだけでなく、さらに、non−CSGセルからの報知情報にCSG用としての新たな情報(PCIスプリット情報)を送信しなくて済む。これは、既存のCSGを含まないLTEシステム(eUTRA/eUTRAN)での変更が不要となり、互換性が向上する。
実施の形態2.
実施の形態1では、全てのセル(non-CSGセルとCSGセル)がPCI(Physical Cell Identity)スプリット情報をセルサーチから待受けの動作に必要最小限受信する報知情報にのせて傘下の移動端末に報知する方法を開示した。該PCIスプリット情報は自セルが属する周波数レイヤのPCIスプリット情報とした。本実施の形態2では、全ての基地局(eNBとHome-eNB)が他周波数レイアのPCIスプリット情報を報知情報として傘下の移動端末に報知する方法を開示する。図18に、LTE方式の通信システムにおける、他周波数レイヤのPCIスプリット情報を報知するシーケンス図を示す。全基地局(Home-eNBとeNB)は、自セルが属する周波数レイヤとは異なる他の周波数レイヤのPCIスプリット情報を報知情報(BCCH)に含める。そして全基地局は傘下の移動端末(UE)に対して、該報知情報を通知する。従って傘下の移動端末は、サービングセルからの報知情報で他周波数レイヤのPCIスプリット情報を得ることが可能となる。このため、移動端末は、セルサーチ、セル選択、セル再選択、ハンドオーバなどの処理のように、他周波数レイヤに関する処理を必要としたときに、該他周波数レイヤのPCIスプリット情報を使用することが可能となる。他周波数レイヤのPCIスプリット情報を使用できるため、例えば周波数レイヤ間のセルサーチ、セル選択を行うときに、その動作の1回目のセルサーチ、セル選択から所望の周波数レイヤのPCIスプリット情報を使用することが可能となる。ホワイトリストを有しない移動端末が、セルサーチを行う際にアクセスが不可能であるCSGセルをサーチすることをなくすことが可能となる。このため、他周波数レイヤへのセルサーチから待ち受け動作に入るまでに、多大な時間がかかってしまい、システムとして大きな制御遅延が発生するという問題や、移動端末において消費電力が膨大になってしまうという問題を解消できる。従って、将来の多大な数のHome−eNBの設置の要求や、Home−eNBの設置や撤去が頻繁にかつ柔軟に行われることによって生じるCSGセル数の柔軟な変更への対応の要求にこたえられる移動体通信システムを構築することが可能となる。他周波数レイヤは一つであっても良いし、一つ以上であっても良い。その場合、移動端末はPCIスプリット情報、該周波数の優先順位等を対にして記憶(例えばリストとして記憶しても良い)しておくと良い。
本実施の形態2では、自セルが属する周波数レイヤとは異なる他の周波数レイヤのPCIスプリット情報を報知情報(BCCH)に含めるとした。具体的には、現在3GPPで議論中の、自セルと異なる周波数レイヤの報知情報がのる報知情報ブロックであるSIB5に追加しても良い。基地局は自セルと異なる周波数レイヤの報知情報がのるSIB5を含むBCCHをDL−SCHにマッピングし、傘下の移動端末(UE)に対して、DL−SCHを送信する。移動端末は該SIB5を受信することによって、他周波数レイヤへのセルサーチ、セル選択などの場合に該SIB5の中の他周波数レイヤのPCIスプリット情報を使用することで、短時間に低消費電力で他周波数レイヤへのセルサーチ、セル選択などを行うことが可能となる。
また、自セルが属する周波数レイヤとは異なる他の周波数レイヤのPCIスプリット情報を、個別情報で送信しても良い。例えば、セルは、自セルが属する周波数レイヤとは異なる他の周波数レイヤのPCIスプリット情報を、個別制御情報(DCCH)に含めて傘下の移動端末個別に送信しても良い。また、あるセルの傘下の移動端末は、該セルに対して該PCIスプリット情報を個別情報で送信するよう個別に要求する要求メッセージを送信しても良い。また、例えば、セルは自セルが属する周波数レイヤとは異なる他の周波数レイヤのPCIスプリット情報を、ページング情報(PCCH)に含めて傘下の移動端末個別に送信しても良い。こうすることによって、各セルは必要に応じて自セルが属する周波数レイヤとは異なる他の周波数レイヤのPCIスプリット情報を送信することが可能となるので、無線リソースの使用効率の向上を図ることができる。
なお、実施の形態1、2では、PCIスプリット情報をnon−CSGセルやCSGセルから移動端末に対して送信する。該PCIスプリット情報はコアネットワークにて生成され、non−CSGセルやCSGセルを介して移動端末に送信されても良い。この場合でも上述したのと同等の効果が得られる。
実施の形態1、2では、CSG(Closed Subscriber Group Cell)が用いられるHome−eNBやHome−NBを用いるLTE(Long Term Evolution)方式の通信システムやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)について説明したが、本発明は、CSGが用いられないHome−NBを用いるUMTSにも適用可能である。PCIをHome−NBとその他のNBとで分割し、PCIスプリット情報として、全ての基地局(NBとHome-NB)からPCIスプリット情報を報知情報に含めて傘下の移動端末に報知すればよい。報知情報の中でも、セルサーチ、セル選択に必要な報知情報ブロックにPCIスプリット情報を含めて、傘下の移動端末に報知すればよい。これにより、Home−NBに登録していない移動端末が無駄なセルサーチ、セル選択を行うことがなくなり、セルサーチから待ち受け動作に入るまでに、多大な時間がかかってしまい、システムとして大きな制御遅延が発生するという問題や、移動端末において消費電力が膨大になってしまうという問題を解消できる。従って、将来Home−NBの設置が多数になった場合や、Home−NBの設置や撤去が頻繁にかつ柔軟になった場合の対応に対する要求にこたえられる移動体通信システムを構築することが可能となる。
実施の形態3.
将来の多大な数のCSG(Closed Subscriber Group)セルの設置の要求や、CSGセルの設置や撤去が頻繁にかつ柔軟に行われることによって生じるCSGセル数の柔軟な変更への対応の要求にこたえられる移動体通信システムを構築するため、実施の形態1および2では、PCIスプリット情報の送受信の方法について開示した。本実施の形態では、多大な数のCSGセルの設置や、CSGセルの設置や撤去が頻繁にかつ柔軟に行われることによって生じる、ホワイトリストの運用における問題点を示し、その問題点を解消する方法について開示する。
現在、3GPPにおいて、LTEシステムにおける、移動端末がCSGセルへ登録した場合のホワイトリストの入手方法について議論されている(非特許文献5)。3GPPにおいては、移動端末がnon−CSGセルを介してホワイトリストを通知される方法が同意されている。図19に、eNB(non-CSGセル)のエリア内にHome−eNB(CSGセル)が存在する場合を示す。移動端末(UE)はCSGセルのエリア内にいる。図ではnon−CSGセル内にCSGセルは一つだが、複数のCSGセルが存在しても良い。このような状況におけるホワイトリストの入手方法について説明する。まず、Home−eNBのオーナがネットワークオペレータに、ユーザが所有する移動端末(UE)をユーザアクセス登録したことを通知する。その後、ネットワークオペレータは上位レイヤから移動端末(UE)にホワイトリストを通知する。ホワイトリストの通知は、eNB(non−CSGセル)を介して行われる。
図20に、3GPPで議論されている、non−CSGセルを介してホワイトリストを通知する方法のシーケンス図を示す。図はLTE方式の通信システムの場合で、図中、"Owner"はHome−eNBのオーナ、"CN"はコアネットワーク(MME、基地局制御装置)である。コアネットワークにはMMEなどが含まれている。ユーザが移動端末をHome−eNBにユーザアクセス登録すると、ST2001で、該Home−eNBのオーナはネットワークオペレータにユーザの所有する移動端末(UE)が該Home−eNBにユーザアクセス登録されたことを通知するためコアネットワークへ、例えば、移動端末の識別番号(UE−ID、IMSIなど移動端末の識別情報)を送信する。オーナから送信された移動端末の識別番号(UE−ID、IMSIなど)を受信したネットワークオペレータは、ST2002で、該Home−eNBに対して該移動端末がアクセス可能とするよう、コアネットワークから該Home−eNBへアクセス許可設定要求を送信する。アクセス許可設定要求を受信した該Home−eNBは、ST2003で、該移動端末からのアクセスを許可する設定を行う。次に、ST2004でネットワークオペレータは、コアネットワークから該Home−eNBが存在しているnon−CSGセルのeNBにホワイトリストを送信する。ST2005でホワイトリストを受信したeNBは、該移動端末に対してホワイトリストを通知する。ST2006でホワイトリストを通知された該移動端末は自移動端末内に該ホワイトリストを記憶する。具体的にはSIM/USIM(メモリ、CPUなどの記憶装置であっても良い)に記憶されることが提案されている。
ホワイトリストを有しない移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
以上に3GPPで議論されている、移動端末がCSGセルへ登録した場合のホワイトリストの入手方法について説明した。しかし、この方法においては、移動端末は、ホワイトリストをeNB(non−CSGセル)を介して受け取ることになる。これは、移動端末がnon−CSGセルの傘下にいることが必要条件となってしまう。つまり、移動端末がnon−CSGセルの傘下にいないときはホワイトリストを入手することは不可能となってしまう問題が生じる。
図21に、移動端末が登録したHome−eNB(CSGセル)がnon−CSGセルのエリア外となる場合を示す。移動端末はnon−CSGセルの傘下ではないため、該non−CSGセルとの通信ができない。このため、移動端末は、CSGセルに登録しても、ホワイトリストを入手できなくなってしまう。ホワイトリストを有しない移動端末はCSGセルへアクセスすることは許可されないため、登録したCSGセルへもアクセスできないことになる。従って、ホワイトリストを有しない移動端末はユーザアクセス登録したCSGセルの傘下にいるにもかかわらず、該CSGセルへセルサーチ、セル選択すらできない状況になる。この問題を解決するために、3GPPでは、CSGセルにユーザアクセス登録を行ったnon−CSGセルのエリア外にいる移動端末が手動検索を起動することが提案されている(非特許文献5)。非特許文献5には、CSGセルにユーザアクセス登録を行ったnon−CSGセルのエリア外にいる移動端末が、まだホワイトリストを有しておらず、ユーザアクセス登録したCSGセルのエリア内にいる場合、手動検索を起動することで、ホワイトリストを入手するためにユーザアクセス登録を行った該CSGセルを介してコアネットワークにTAUを送信することが記載されている。
しかし、3GPPでの提案においては、この手動検索の具体的な方法が示されていない。どのように該CSGセルを介してコアネットワークにTAUを送信できるようにするのかが全く記載されていない。ここでは、その具体的方法を開示することによって、ホワイトリストを有しない移動端末がCSGセルにユーザアクセス登録を行った場合に、該CSGセルよりホワイトリストを入手できるようにする。図22に、例えばLTE方式の通信システムにおける、ホワイトリストを有しない移動端末が手動検索を起動した場合の具体的なシーケンス図を開示する。ユーザが移動端末をCSGセル(ここではHome-eNB)にユーザアクセス登録すると、ST2201で、該CSGセルのオーナはネットワークオペレータにユーザの所有する移動端末(UE)が該CSGセルにユーザアクセス登録されたことを通知するためコアネットワークへ、例えば、移動端末の識別番号(UE-ID,IMSIなど)を送信する。オーナから送信された移動端末の識別番号(UE-ID,IMSIなど)を受信したネットワークオペレータは、ST2202で、該CSGセルに対して該移動端末がアクセス可能とするよう、コアネットワークから該CSGセルへアクセス許可設定要求を送信する。アクセス許可設定要求を受信した該CSGセルは、ST2203で、該移動端末からのアクセスを許可する設定を行う。
次に、ST2204で、CSGセルにユーザアクセス登録した移動端末はCSGセルの手動検索を起動する。このCSGセルの手動検索において、ホワイトリストを有しない移動端末が、ユーザアクセス登録したCSGセルにアクセスすることを許可しておく。このようにしておくことで、ユーザアクセス登録したCSGセルの傘下にいる移動端末は、該CSGセルをセルサーチし、セル選択を行うことが可能となる。該CSGセルをセル選択した移動端末は、該CSGセルから送信されるTAC(Tracking Area Code)を受信し、自移動端末内に保有しているTACと比較する。移動端末はホワイトリストを有していないため、自移動端末内に保有するTACが該CSGセルから送信されたTACとは異なることとなる。従来は、このようにTACが異なる場合は、移動端末は該CSGセルへのRRCコネクションの設立は許されない。そうすると、該CSGセルへのアクセスは不可能となり、該CSGセルを介してコアネットワークにTAUを送信することも不可能となる。従って、ホワイトリストを入手することができなくなってしまう。しかし、本実施の形態で開示する方法では、このホワイトリストを得るための手動検索起動時に、TACが異なる場合にも、移動端末がユーザアクセス登録した該CSGセルへのRRCコネクションの要求、さらには、TAU(Tracking Area Update)の要求を行えるようにしておく。ST2204で手動検索を起動し、該CSGセルをセル選択した移動端末は、該CSGセルへRRCコネクションの要求を送信する。該移動端末からのRRCコネクション要求を受信した該CSGセルは、該移動端末がST2203でアクセス許可設定されているためRRCコネクションの設立を許可する。RRCコネクションの設立を許可された該移動端末は、ST2205で、該CSGセルに対して、TAU要求を送信する。該TAU要求メッセージに、移動端末を識別する番号(UE-ID,IMSI等)を一緒に送付しても良い。TAU要求を受信した該CSGセルは、やはり、該移動端末がアクセス許可設定されているため、ST2206で、コアネットワークに対してTAU要求を、移動端末を識別する番号とともに送信する。ST2207でコアネットワークは、TAUを送信してきた該移動端末が、該CSGセルに登録した移動端末かどうかのチェックを行う。具体的には、コアネットワークは、各TACもしくはCSG−ID毎にユーザアクセス許可されている移動端末識別番号のリストを有しておき、該リストに、ST2201でユーザアクセス登録された移動端末識別番号を書き換えておく(もしくは消去、追加でも良い)ようにする。ST2207の処理は、例えばMME73で行われる。例えば、図10に示したMME73のアイドルステートモビリティ管理部1005−3で行われる。
ST2207でコアネットワークは、該リストを使用することで、TAU(Tracking Area Update)を送信してきた該移動端末が、該CSGセルに登録した移動端末かどうかを判定することが可能となる。ST2207でTAUを送信してきた該移動端末が該CSGセルに登録した移動端末であると判定したコアネットワークは、ST2208で、該CSGセルに対してTAUアクセプトメッセージを送信する。TAUアクセプトメッセージを受信した該CSGセルはST2209で移動端末に対してTAUアクセプトメッセージを送信する。さらに、ST2210にてコアネットワークは該CSGセルに対してホワイトリストを送信し、それを受信した該CSGセルは、ST2211で、該移動端末に対してホワイトリストを送信する。ST2212でホワイトリストと通知された該移動端末は自移動端末内に該ホワイトリストを記憶する。具体的にはSIM/USIMに記憶されることが提案されている。なお、ここでは、ホワイトリストを送信するように記載したが、ホワイトリストそのものでなくてもよく、ホワイトリストに記載される、移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルのCSG情報であっても良い。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI、TACなどが考えられる。CSG−IDとTAIあるいはTACが対応づけられていれば、いずれか一つで良い。
また、CSG−IDやTAIあるいはTACとGCI(Global Cell Identity)が対応付けられていれば、GCIでもよい。また、ホワイトリストそのものでなく、移動端末がセルサーチ、セル選択の一連の処理で受信したBCCH上にあるTACもしくはCSG−ID情報をホワイトリストに書き込むことを要求するメッセージでもよい。ST2211でホワイトリストを通知された該移動端末は、ST2212で、自移動端末内に該ホワイトリストを記憶する(登録する)。ST2211でホワイトリストではなくCSG−IDが通知された場合は、ホワイトリストに該CSG−IDを記憶する。また、BCCH上にあるTACもしくはCSG−ID情報をホワイトリストに書き込むことを要求された場合はTACもしくはCSG−ID情報をホワイトリストに記憶する。該ST2212でホワイトリストの登録を行った移動端末は、手動検索を起動した場合に限らず、該CSGセルへのアクセスが可能となる。なお、ここで説明した該CSGセルは、同一のCSG−IDに属するCSGセルであればどのCSGセルであっても良い。また、本実施の形態で開示した方法は、すでにホワイトリストを有する移動端末が、該ホワイトリストを変更(消去、追加)する場合にも適用することができる。
ホワイトリストを有しない移動端末がCSGセルにユーザアクセス登録を行った場合における手動検索の方法を、図22に示したシーケンスのようにすることで、たとえ該移動端末がnon−CSGセルの傘下に存在しない場合でも、該CSGセルよりホワイトリストを入手できるようになる。3GPPで提案されているHome−eNB手動検索は、図21で示したように、ホワイトリストを有しない移動端末が、ユーザアクセス登録したCSGセルの傘下にいて、手動検索時に該CSGセルを選択できることを前提にしている。このため、該移動端末が、ユーザアクセス登録した該CSGセルのCSG−IDに属するCSGセルに対してのみ、従来できなかったRRCコネクションの設立さらにはTAU(Tracking Area Update)の要求を行えるようにしておけば、手動検索により該移動端末が該CSGセルにアクセスでき、ホワイトリストを入手することが可能となる。
実施の形態4.
将来の、多大な数のCSGセルの設置や、CSGセルの設置や撤去が頻繁にかつ柔軟に行われる場合、実施の形態3に開示した方法だけではホワイトリストを入手することができなくなる場合が生じてしまう。図23に移動端末がnon−CSGセルの傘下ではなく、多数のCSGセルの傘下に居る場合を示す。図に示すような状況は、将来、マンションや学校、会社などへCSGセルが数多く設置された場合に生じる場合がある。CSGセルの運用方法として、このようなnon−CSGセルからの電波がとどかない場所への設置を推進し、CSGセルを介して通信可能とすることが検討されている。
例えば、現在、マンションの部屋がnon−CSGセルからの電波がとどかないような状況が多くある。このような場合に、各部屋にCSGセルが設置され、部屋ごとにCSGが構成され、CSG−IDが与えられる。例えば各部屋の住人が所有する移動端末はそれぞれの部屋のCSGにユーザアクセス登録する場合が考えられる。このような状況においては、図23に示すように移動端末はnon−CSGセルからの電波は届かず、数多くのCSGセルからの電波が届くような場所に存在するようになる。また、このような場合に、電波伝搬環境によっては、ユーザアクセス登録したCSGセルからの電波が移動端末に届かなかったり、届いたとしても他のCSGセルよりも受信電力が弱かったりする場合が多発する。このような状況下では、移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルをセル選択できなくなってしまう。
前述した3GPPにおける提案(非特許文献5)では、CSGセルにユーザアクセス登録を行った移動端末が、まだホワイトリストを有しておらず、ユーザアクセス登録したCSGセルのエリア内にいる場合に、手動検索を起動することでユーザアクセス登録を行った該CSGセルを介してコアネットワークにTAUを送信することを記載しているが、移動端末が、ユーザアクセス登録したCSGセル(同一のCSG−IDのCSGセルを含む)を選択できない場合についての記載は何もなく、また、TAUがリジェクトされた場合についての記載も何らされていない。従って、移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルをセル選択できなくなってしまうような状況においては、3GPPで提案(非特許文献5)されている方法ではホワイトリストを入手することが不可能となってしまう、という問題が生じる。
さらに、ホワイトリストを有しない移動端末がホワイトリストを登録する場合だけでなく、すでにホワイトリストを有する移動端末が、該ホワイトリストを変更(消去,追加)する場合にも以下のような問題が生じる。前述した3GPPにおける提案では、ホワイトリストを有する移動端末に関しては何らの記載もない。ホワイトリストを有する移動端末であっても、図23に示すような状況においては、該移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルとはCSG−IDが異なるCSGセル(suitable cellでないセル)を、セル選択してしまう場合がある。この様な場合も、移動端末が、ユーザアクセス登録したCSGセル(同一のCSG−IDのCSGセルを含む)を選択できない場合についての記載が何もなく、また、TAUがリジェクトされた場合についての記載も何らされていない3GPPで提案(非特許文献5)されている方法では、ホワイトリストを入手することが不可能となってしまう、という問題が生じる。3GPPでの議論では、これらの問題点に関しては何ら示唆されておらず、これらの問題に対する解決策も何ら示されていない。
これらの問題を解決するため、本実施の形態では、CSGセルにユーザアクセス登録(以下、変更(消去、追加)を含む)を行った移動端末が手動検索を行った場合、ホワイトリストの有無にかかわらず、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルのCSG−IDに属するCSGセルに限らず他のCSGセルにもRRCコネクションの設立およびCSGセルを介したコアネットワークへのTAU送信を可能とし、移動端末がどのCSGセルを選択したとしても選択したCSGセルを介してコアネットワークにTAUを送信可能とする方法について開示する。
図24に、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルのCSG−IDに属するCSGセルに限らず他のCSGセルにもRRCコネクションを設立可能とし、CSGセルを介してネットワークにTAUを送信可能とした場合について、手動検索を行った際のシーケンス図を示す。図は例えばHome−eNBを用いるLTE方式の通信システムについて示している。図について説明する。ここで、移動端末はHome−eNB(C)にユーザアクセス登録を行うこととするが、ST2401〜ST2403までは前述と同様の動作なので説明を省く。図23のような状況にいる移動端末は、ホワイトリストの登録、変更時に、ST2404でHome−eNBの手動検索を起動する。手動検索を起動した移動端末はST2405でセルサーチ、セル選択を行う。図23に示すような状況の場合、移動端末はCSGセルをセル選択することになる。セル選択したCSGセルが、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルであろうとなかろうと、移動端末が該CSGセルへのRRCコネクションの設立を可能とし、CSGセルを介してネットワークにTAUを送信可能とする。従って、ST2406で移動端末はユーザアクセス登録したCSGセル(ここではHome−eNB(C))ではないCSGセル(ここではHome−eNB(A))に対してRRCコネクションの要求を送信し、このRRCコネクションの設立要求を受信したHome−eNB(A)はこの設立要求に対する設立許可を移動端末に送信することで、移動端末とHome−eNB(A)間でRRCコネクションを設立するようにしておく。次にST2407、ST2408で移動端末はTAU要求メッセージを、ユーザアクセス登録したCSGセルではないCSGセル(Home−eNB(A))を介してコアネットワークへ送信できるようにしておく。ここで移動端末は移動端末識別番号も送信する。該移動端末識別番号はTAU要求メッセージに含めても良いし、TAU要求メッセージと一緒にしても良いし、別のメッセージとして送信しても良い。また、ユーザアクセス登録したCSGセルではないCSGセルが、手動検索の起動時と他の場合とを区別することが可能となるように、移動端末からのRRCコネクション要求メッセージ、TAU要求メッセージに、手動検索起動時である旨の情報を含めるようにしても良い。これによって、ユーザアクセス登録したCSGセルではないCSGセルが、手動検索起動時に限定して、該移動端末との間のRRCコネクションの設立、該移動端末からのTAU要求メッセージの受信、コアネットワークへの送信などの一連のメッセージの送受信を可能とすることができる。
TAU要求メッセージを受信したコアネットワークは、やはり受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(A)のCSG−IDに属しているかどうかをチェックする。このチェックの方法は図22で開示したST2207で説明した方法が適用できる。Home−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないため、Home−eNB(A)にはアクセス不可能と判定したコアネットワークは、ST2410、ST2411において、Home−eNB(A)を介して該TAU要求に対するTAUリジェクトメッセージを該移動端末に送信する。TAUリジェクトメッセージを受信した移動端末は、ST2412でHome−eNB(A)との間でRRCコネクションを開放する。そしてST2413で、移動端末は、再度セル選択を行う。ここで、再度セルサーチを行った後にセル選択をしてもかまわない。TAUリジェクトメッセージを受信した後の再度セル選択時に、該TAUリジェクトメッセージを送信したHome−eNB(A)を除いてベストセルを選択しなおしても良いし、該TAUリジェクトメッセージを送信したHome−eNB(A)を含めてベストセルを選択しなおしても良い。該TAUリジェクトメッセージを送信したHome−eNB(A)を含めてベストセルを選択しなおす場合でも、再度セルサーチを行った後にセル選択をおこなうことで、電波伝搬環境が変化した場合など、他のセルがベストセルになり、他のセルを選択する場合も生じる。
再度のセル選択でHome−eNB(B)を選択した移動端末は、ユーザアクセス登録をしていないCSGセルへのRRCコネクション設立要求、該CSGセルを介してネットワークへTAUの送信を許可されているので、ST2414にてRRCコネクションの設立処理を、ST2415、ST2416にてコアネットワークへTAU要求メッセージを送信する。しかし、ST2409と同様に、ST2417において、Home−eNB(B)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないため、Home−eNB(B)にはアクセス不可能と判定したコアネットワークは、ST2418、ST2419において、Home−eNB(B)を介して該TAU要求に対するTAUリジェクトメッセージを該移動端末に送信する。TAUリジェクトメッセージを受信した移動端末は、ST2420でHome−eNB(B)との間でRRCコネクションを開放する。そしてST24121で、移動端末は、ST2413と同様に再度セル選択を行う。再度のセル選択でHome−eNB(C)を選択した移動端末は、ユーザアクセス登録をしている、していないにかかわらずCSGセルへのRRCコネクション設立要求、該CSGセルを介してネットワークへTAUの送信を許可されているので、ST2422にてRRCコネクションの設立処理を、ST2423、ST2424にてコアネットワークへTAU要求メッセージを送信する。ST2425において、Home−eNB(C)が属するCSG−IDに該移動端末識別番号が登録されているため、コアネットワークはHome−eNB(C)にはアクセス可能と判定し、ST2426、ST2427において、Home−eNB(C)を介して該TAU要求に対するTAUアクセプトメッセージを該移動端末に送信する。また、ST2428において、コアネットワークは、Home−eNB(C)に対してホワイトリストを送信する。ホワイトリストを受信したHome−eNB(C)は、ST2429にて、該移動端末に対してホワイトリストを送信する。ST4730でホワイトリストを送信された該移動端末は自移動端末内に該ホワイトリストを記憶する。
このような方法をとることで、移動端末の手動検索において、最初のセル選択でユーザアクセス登録をしたCSGセルが選択されなかったとしても、ホワイトリストを入手できなくなってしまうということはなく、何回目かのセル選択において、ユーザアクセス登録をしたCSGセルが選択されることになり、移動端末は、ユーザアクセス登録をしたCSGセルを介してコアネットワークよりホワイトリストを入手することができるようになる。
本実施の形態で開示したように、移動端末において手動検索を行った場合、ホワイトリストの有無にかかわらず、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルのCSG−IDに属するCSGセルに限らず他のCSGセルにもRRCコネクションの設立およびCSGセルを介したコアネットワークへのTAU送信を可能とし、移動端末がどのCSGセルを選択したとしても選択したCSGセルを介してコアネットワークにTAUを送信可能とする方法とすることで、前述した、移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルをセル選択できなくなってしまう状況下でホワイトリストを入手することが不可能となってしまうという問題を解消することが可能となる。また、すでにホワイトリストを有する移動端末が、該ホワイトリストを変更(消去、追加)する場合にも、該移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルとはCSG−IDが異なるCSGセルを、セル選択してしまう状況下において、ホワイトリストを入手することが不可能となってしまうという問題を解消することが可能となる。これによって、将来の、多大な数のCSGセルの設置や、CSGセルの設置や撤去が頻繁にかつ柔軟に行われるようなシステム要求にも対応が可能となる。
実施の形態5.
実施の形態4で開示した方法を行うことによって、移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルをセル選択できなくなってしまう状況下でホワイトリストを入手することが不可能となってしまうという問題を解消することは可能となる。本実施の形態ではさらに多数のユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが存在するような場合にも効果的な通信を可能とする方法を開示する。
図23に示すような状況において、さらに多数の、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが存在するような場合、移動端末において手動検索を行った場合に、セルサーチやセル選択、さらには再度のセルサーチやセル選択において、移動端末がユーザアクセス登録していないCSGセルが延々と選択され続けるような状況が生じる。この様な状況では、移動端末は多数のCSGセルに対してRRCコネクションの設立や、CSGセルを介してコアネットワークへTAUの要求を繰り返してしまうことになる。また、将来のシステム運用においては、上記のような移動端末が多数存在するような状況が想定される。例えば、学校の各教室にCSGセルが設置され、各教室の生徒がそれぞれホワイトリストの登録や変更を行うような場合などである。このような場合は、さらに多くの移動端末から、移動端末は多数のCSGセルに対してRRCコネクションの設立や、CSGセルを介してコアネットワークへTAUの要求を繰り返してしまうことになり、それらの数は膨大となることが予測される。このような状況に陥った場合、システムとして、無線リソースの使用効率やシグナリング効率の極端な低下が引き起こされてしまうという問題が生じる。さらに、セルサーチから待ち受け動作に入るまでに、多大な時間がかかってしまい、システムとして大きな制御遅延が発生するという問題や、移動端末において消費電力が膨大になってしまうという問題も生じる。
また、移動端末が有するホワイトリストが何らかの原因で書き換わってしまったり、ホワイトリストの登録や変更の際に、コアネットワークから送信されるホワイトリストの内容を移動端末が誤って受信してしまった場合などにも以下のような問題が生じる。例えば、ホワイトリストの登録や変更の際に、コアネットワークから送信されるホワイトリストの内容を移動端末が誤って受信してしまった場合について説明する。図23に示すように多数のCSGセルが存在する状況においては、誤って受信したホワイトリストのCSG−IDに属するCSGセルをセル選択してしまう場合が生じる。このような場合もやはり移動端末は、誤ったホワイトリストのCSG−IDに属する該CSGセルへ何度もRRCコネクションの設立や、CSGセルを介してコアネットワークへTAUの要求を繰り返してしまうことになる。
これらの問題を解消するため、本実施の形態においては、実施の形態4の方法に加えて、移動端末が手動検索を行った場合に、該移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルのCSG−IDに属するCSGセルと異なるCSGセルにRRCコネクションを設立し、さらに該CSGセルを介してTAU要求をコアネットワークに送信した場合にも、コアネットワークは該移動端末に該CSGセルを介してTAUリジェクトメッセージを送信する前に、該CSGセルを介してホワイトリストを送信する方法を開示する。図25に、TAUリジェクトを送信する前にホワイトリストを送信する方法のシーケンス図を示す。図について説明する。図は例えばHome−eNBを用いるLTEシステムについて示している。ここで、移動端末はHome−eNB(C)にユーザアクセス登録を行うこととするが、ST2501〜ST2503までは前述と同様の動作なので説明を省く。ST2504でCSGセル(ここではHome−eNB)の手動検索を起動した移動端末は、ST2505でセルサーチ、セル選択を行う。
図23に示すような状況において、さらに多数の、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが存在するような場合、移動端末はCSGセルをセル選択することになる。実施の形態4で開示したように、セル選択したCSGセルが、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルであろうとなかろうと、移動端末が該CSGセルへのRRCコネクションの設立を可能とし、CSGセルを介してネットワークにTAUを送信可能とする。これにより、ST2506で移動端末はユーザアクセス登録したCSGセル(ここではHome−eNB(C))ではないCSGセル(ここではHome−eNB(A))に対してRRCコネクションの要求を送信し、このRRCコネクションの設立要求を受信したHome−eNB(A)はこの設立要求に対する設立許可を移動端末に送信することで、移動端末とHome−eNB(A)間でRRCコネクションを設立するようにしておく。次にST2507、ST2508で移動端末はTAU要求メッセージを、ユーザアクセス登録したCSGセルではないCSGセル(Home−eNB(A))を介してコアネットワークへ送信できるようにしておく。ここで移動端末は移動端末識別番号も送信する。該移動端末識別番号はTAU要求メッセージに含めても良いし、TAU要求メッセージと一緒にしても良いし、別のメッセージとして送信しても良い。また、ユーザアクセス登録したCSGセルではないCSGセルが、手動検索の起動時と他の場合とを区別することが可能となるように、移動端末からのRRCコネクション要求メッセージ、TAU要求メッセージに、手動検索起動時である旨の情報を含めるようにしても良い。これによって、ユーザアクセス登録したCSGセルではないCSGセルが、手動検索起動時に限定して、該移動端末との間のRRCコネクションの設立、該移動端末からのTAU要求メッセージの受信、コアネットワークへの送信などの一連のメッセージの送受信を可能とすることができる。TAU要求メッセージを受信したコアネットワークは、やはり受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(A)のCSG−IDに属しているかどうかをチェックする。このチェックの方法は図22で開示したST2207で説明した方法が適用できる。Home−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないため、コアネットワークは、該移動端末はHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定する。
本実施の形態5で開示する方法では、コアネットワークは、該移動端末はHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定した場合も、TAUリジェクトを送信する前に、ST2510でHome−eNB(A)に対して該移動端末のホワイトリストを送信する。該移動端末のホワイトリストを受信したHome−eNB(A)は、ST2511で、該移動端末に対してホワイトリストを送信する。ST5212でホワイトリストを送信された該移動端末は自移動端末内に該ホワイトリストを記憶する。ST2510でHome−eNB(A)に対して該移動端末のホワイトリストを送信したコアネットワークは、ST2513、ST2514で、Home−eNB(A)を介して該TAU要求に対するTAUリジェクトメッセージを該移動端末に送信する。TAUリジェクトメッセージを受信した移動端末は、ST2515でHome−eNB(A)との間でRRCコネクションを開放する。
このような方法をとることで、移動端末の手動検索において、セル選択で延々とユーザアクセス登録をしたCSGセルが選択されなくなってしまうことはなくなり、初回のセル選択において、移動端末は、ユーザアクセス登録をしていないCSGセルを介してコアネットワークよりホワイトリストを入手することができるようになる。また、たとえセル選択においてベストセルの選択のみが許されるような場合であっても、本方法を用いることで、選択したベストセルからホワイトリストを確実に入手することができるようになる。
手動検索の方法として、セルサーチ、セル選択の前の起動だけでなく、セルサーチにおいてセルサーチ選択基準に適するひとつまたは複数のセルのセル識別番号、またはTAC、またはCSG−IDなどを移動端末に表示させ、該ひとつまたは複数のセルの中から所望のセルを該移動端末のユーザが手動で選択してRRCコネクションの設立、TAU要求を該所望のセルに送信するようにしても良い。所望のセルとして、移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルを手動で選択すれば、移動端末がユーザアクセス登録していないCSGセルにRRCコネクションの設立のため送受信や、TAU要求メッセージの送信を行う必要がなくなる。
しかし、セルのセル識別番号、またはTAC、またはCSG−IDなどを受信するには図12のST1205までに示すように該セルからのSIB1などの報知情報を受信する必要があるため時間がかかってしまう。多大な数のCSGセルが設置されるような状況では、セルサーチにおいて、セルサーチ選択基準に適するセルが膨大になることが考えられ、それら全てのセルの報知情報を受信し、セル識別番号、またはTAC、またはCSG−IDなどを移動端末に表示させるのは、やはり膨大な時間がかかってしまう。また、移動端末がセルサーチ選択基準に適するCSGセルをセルサーチする場合、該CSGを分別するための分解能や、該CSGセルの報知情報を該移動端末内に記憶すること等が求められる。多大なCSGセルが設置されるような状況では、セルサーチにおいて、セルサーチ選択基準に適するセルが膨大になることが考えられ、それら全てのセルを受信するための分解能や、それら全てのセルから受信した報知情報を記憶することは、移動端末の受信部を複雑にし、膨大な記憶容量の記憶処理部を移動端末内に設けなくてはならなくなる。したがって、移動端末の大形化や製造コストの増大となる。このような問題を避けるため、セルサーチ処理においては、サーチ時間に制限を設けたり、サーチするセル数に制限を設けたりするなどの方法が用いられる。ある制限時間内で、または、ある制限された数のセルから、ベストセルを選択する方法などである。
このような方法が用いられる場合、セルサーチにおいてセルサーチ選択基準に適するひとつまたは複数のセルのセル識別番号、またはTAC、またはCSG−IDなどを移動端末に表示させ、該ひとつまたは複数のセルの中から、移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルを手動で選択するような方法では、サーチ制限時間内に該CSGセルをサーチできなかったり、また、サーチするセルに制限がかけられ、その中に該CSGセルが入ってこなかったりしてしまう、という問題が生じる。このような場合は、いくら手動検索をしても、移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルをセル選択できなくなってしまい、ホワイトリストを入手することが不可能となってしまう、という問題が生じる。
こういった場合にも本実施の形態を適用することで上記の問題を解決することが可能となる。CSGセルにユーザアクセス登録(以下、変更(消去、追加)を含む)を行った移動端末が手動検索を行った場合、ホワイトリストの有無にかかわらず、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルのCSG−IDに属するCSGセルに限らず他のCSGセルにもRRCコネクションの設立およびCSGセルを介したコアネットワークへのTAU送信を可能とし、移動端末がどのCSGセルを選択したとしても選択したCSGセルを介してコアネットワークにTAUを送信可能とすることで、セルサーチにおいてサーチ制限時間内に該CSGセルをサーチできなかったり、また、サーチするセルに制限がかけられ、その中に該CSGセルが入ってこなかったりしてしまった場合でも、他のCSGセルを選択することによって、該他のCSGセルに対してRRCコネクションの設立およびCSGセルを介したコアネットワークへのTAU送信が可能となり、コアネットワークは該移動端末に該CSGセルを介してTAUリジェクトメッセージを送信する前に、該CSGセルを介してホワイトリストを送信することが可能となり、該移動端末はホワイトリストを入手することが可能となる。
本実施の形態で開示した方法とすることで、膨大な数の、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが存在するような場合や、そのような状況にいる移動端末が多数存在するような場合や、移動端末が有するホワイトリストが何らかの原因で書き換わってしまったり、ホワイトリストの登録や変更の際にコアネットワークから送信されるホワイトリストの内容を移動端末が誤って受信してしまった場合に、移動端末において手動検索を行った際に、CSGセルが延々と選択され続けるような状況が生じ、移動端末が多数のCSGセルに対してRRCコネクションの設立や、CSGセルを介してコアネットワークへTAUの要求を無駄に繰り返してしまうという問題を解消することが可能となる。これらの問題を解消することで、将来のシステム運用において、無線リソースの使用効率やシグナリング効率の極端な低下をなくすことが可能となる。さらには、セルサーチから待ち受け動作に入るまでの時間を短縮でき、システムとして大きな制御遅延が発生する問題を解消することが可能となる。さらには、移動端末において手動検索を行った際に、CSGセルが延々と選択され続けるような状況を解消することができるため、移動端末の消費電力の低減も可能となる。
以下、上記説明の実施の形態5の変形例について説明する。実施の形態5では、実施の形態4の方法に加えて、移動端末が手動検索を行った場合に、該移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルのCSG−IDに属するCSGセルと異なるCSGセルにRRCコネクションを設立し、さらに該CSGセルを介してTAU要求をコアネットワークに送信した場合にも、コアネットワークは該移動端末に該CSGセルを介してTAUリジェクトメッセージを送信する前に、該CSGセルを介してホワイトリストを送信する方法を開示した。本変形例では、コアネットワークが、該移動端末に該CSGセルを介してTAUリジェクトメッセージを送信する際に、ホワイトリストを該TAUリジェクトメッセージにのせて送信する方法を開示する。
図26に本変形例1で開示した方法におけるシーケンス図を示す。本方法は実施の形態5の図25において説明した方法とほとんど同じであるので、ここでは異なる部分についてのみ説明する。ST2609で、受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(A)のCSG−IDに属しているかどうかをチェックしたコアネットワークは、該移動端末はHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定する。ST2610でコアネットワークは、Home−eNB(A)に対してホワイトリスト通知の要求を含むTAUリジェクトメッセージを送信する。このメッセージを受信したHome−eNB(A)はST2611で該移動端末に対してホワイトリストの通知を含むTAUリジェクトメッセージを送信する。ST2611でホワイトリストの通知を含むTAUリジェクトメッセージを受信した該移動端末は、ST2612で自移動端末内に該ホワイトリストを記憶する。また、ST2613で該移動端末とHome−eNB(A)間のRRCコネクションを開放する。このような方法とすることで、実施の形態5の効果に加えさらに、コアネットワークがCSGセルを介して移動端末にTAUリジェクトメッセージを送信する前に行うホワイトリスト送信のためのシグナリングを減らすことが可能となる。さらには、TAU要求メッセージに対してTAUリジェクトメッセージの送受信を行うことになるため、従来のTAU要求およびリジェクト方法との互換性が向上するという効果が得られる。
実施の形態6.
実施の形態5であげた問題点を解消するため、本実施の形態においては、移動端末が同一のセルからn回(n≧1の整数)連続でTAUリジェクトメッセージを受信した場合、該移動端末は該セルへのRRCコネクションの設立、TAU要求メッセージの送信を禁止する方法を開示する。
図27に、同一セルから1回TAUリジェクトメッセージを受信した場合に、移動端末が該セルへのRRCコネクションの設立を禁止する方法のシーケンス図を示す。図について説明する。図は、例えばHome−eNBを用いるLTEシステムの場合を示す。ここで、移動端末はHome−eNB(B)にユーザアクセス登録を行うこととするが、ST2701〜ST2703までは前述と同様の動作なので説明を省く。ST2704でCSGセル(ここではHome−eNB)の手動検索を起動した移動端末は、ST2705でセルサーチ、セル選択を行う。図23に示すような状況において、該移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが膨大な数存在するような場合、該移動端末はユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルをセル選択してしまうことが多くなる。実施の形態4で開示したように、セル選択したCSGセルが、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルであろうとなかろうと、移動端末が該CSGセルへのRRCコネクションの設立を可能とし、CSGセルを介してネットワークにTAUを送信可能とする。これにより、ST2706で、移動端末はユーザアクセス登録したCSGセル(ここではHome−eNB(C))ではないCSGセル(ここではHome−eNB(A))に対してRRCコネクションの要求を送信し、このRRCコネクションの設立要求を受信したHome−eNB(A)はこの設立要求に対する設立許可を移動端末に送信することで、移動端末とHome−eNB(A)間でRRCコネクションを設立する。
次にST2707、ST2708で移動端末はTAU要求メッセージをHome−eNB(A)を介してコアネットワークへ送信する。ここで移動端末は移動端末識別番号も送信する。該移動端末識別番号はTAU要求メッセージに含めても良いし、TAU要求メッセージと一緒にしても良いし、別のメッセージとして送信しても良い。ST2709で、TAU要求メッセージを受信したコアネットワークは、やはり受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(A)のCSG−IDに属しているかどうかをチェックする。このチェックの方法は図22で開示したST2207で説明した方法が適用できる。Home−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないため、コアネットワークは、該移動端末はHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定する。ST2710、ST2711でコアネットワークは該移動端末に対してHome−eNB(A)を介してTAUリジェクトメッセージを送信する。ST2712で、TAUリジェクトメッセージを受信した該移動端末はHome−eNB(A)との間のRRCコネクションを解放する。1回TAUリジェクトメッセージを受信したST2713で該移動端末はHome−eNB(A)へのRRCコネクションの設立を禁止する処理を行う。具体的には例えば、該移動端末内部にRRCコネクションの設立禁止セルリストを設け、該移動端末は該リストにHome−eNB(A)のセル識別番号(PCI、Cell−ID、GCIなど)を記憶する。そして、次のRRCコネクションの設立を行う前に該リストをチェックし、リスト内に記憶されたセルかどうかを判定する。該リスト内に記憶されたセルの場合はRRCコネクションの設立を禁止する。ここで、該リストにCSG−IDやTACであっても良く、さらに該CSG−IDやTACが該セル識別番号と関連付けられて記憶されても良い。このようにすることで、次に、セルサーチ、セル選択により今後再度Home−eNB(A)が選択された場合に、該移動端末はHome−eNB(A)にRRCコネクション設立を行わないようにできる。ST2713まででホワイトリストを入手できなかった該移動端末は、ST2714で新たにセルサーチ、セル選択を行う。
ここで、再びHome−eNB(A)が選択された場合は、RRCコネクションの設立が禁止されているためHome−eNB(A)を除いたセルからセル選択を行うことになる。セル選択によりHome−eNB(B)を選択した該移動端末は、ST2715で、Home−eNB(B)との間でRRCコネクション設立の処理を行う。RRCコネクションの設立処理が行われた後、ST2716、ST2717で、該移動端末はHome−eNB(B)を介してコアネットワークに対してTAU要求メッセージを送信する。ST2718で、TAU要求メッセージを受信したコアネットワークは、一緒に受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(B)のCSG−ID(TAC)に属しているかどうかをチェックする。このチェックの方法も図22で開示したST2207で説明した方法が適用できる。Home−eNB(B)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されているため、コアネットワークは、該移動端末はHome−eNB(B)にアクセス可能と判定する。ST2719、ST2720でコアネットワークは該移動端末に対してHome−eNB(B)を介してTAUアクセプトメッセージを送信する。また、ST2721、ST2722でコアネットワークは該移動端末に対してHome−eNB(B)を介してホワイトリストを送信する。ST2723でホワイトリストを通知された該移動端末は自移動端末内に該ホワイトリストを記憶する。
本実施の形態の例では移動端末がTAUリジェクトメッセージを受信したセルへのRRCコネクションの設立を禁止する処理について説明したが、移動端末がTAUリジェクトメッセージを受信したセルのCSG−IDに属する全てのセルへRRCコネクションの設立を禁止するようにしても良い。また、RRCコネクションの設立を禁止する処理について説明したが、TAU要求メッセージの送信を禁止する処理、もしくは両方を禁止する処理としても良い。また、移動端末が1回TAUリジェクトメッセージを受信したセルへのRRCコネクションの設立を禁止する処理について説明したが、同一セルから複数回連続してTAUリジェクトメッセージを受信した場合にRRCコネクションの設立を禁止するようにしても良い。同一セルからTAUリジェクトメッセージを連続して受信する回数については、該セルから報知情報で送信してもよいし、または、あらかじめ決めておいても良い。
本実施の形態で開示した方法とすることで、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが膨大な数存在するような場合や、そのような状況にいる移動端末が多数存在するような場合や、移動端末が有するホワイトリストが何らかの原因で書き換わってしまったり、ホワイトリストの登録や変更の際にコアネットワークから送信されるホワイトリストの内容を移動端末が誤って受信してしまった場合に、移動端末において手動検索を行った際に、CSGセルが延々と選択され続けるような状況が生じ、移動端末が多数のCSGセルに対してRRCコネクションの設立や、CSGセルを介してコアネットワークへTAUの要求を無駄に繰り返してしまうという問題を解消することが可能となる。これらの問題を解消することで、将来のシステム運用において、無線リソースの使用効率やシグナリング効率の極端な低下をなくすことが可能となる。さらには、セルサーチから待ち受け動作に入るまでの時間を短縮でき、システムとして大きな制御遅延が発生する問題を解消することが可能となる。さらには、移動端末において手動検索を行った際に、CSGセルが延々と選択され続けるような状況を解消することができるため、移動端末の消費電力の低減も可能となる。
次に、上記説明の実施の形態6の第一の変形例について説明する。第一の変形例では、コアネットワークがTAUリジェクトメッセージにRRCコネクション設立禁止、TAU要求メッセージ送信禁止の情報をのせて移動端末に送信する方法を開示する。
図27を用いて説明する。図27の一部を以下のように変更すればよい。実施の形態6と同じ動作については説明を省略する。ST2709で、TAU要求メッセージを受信したコアネットワークは、やはり受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(A)のCSG−IDに属しているかどうかをチェックする。Home−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないため、コアネットワークは、該移動端末はHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定する。ST2710、ST2711でコアネットワークは該移動端末に対してHome−eNB(A)を介してTAUリジェクトメッセージを送信する。この際にコアネットワークはTAUリジェクトメッセージに、該Home−eNB(A)へのRRCコネクション設立禁止、TAU要求メッセージ送信禁止の情報をのせておく。具体的には、1ビットのインジケータを設けて、禁止の場合は“1”、許可の場合は“0”を設定する(もちろん逆でも良い)ようにしておいても良い。これを受信した該移動端末は、ST2712で、Home−eNB(A)との間のRRCコネクションを解放し、ST2713で、Home−eNB(A)へのRRCコネクションの設立を禁止する処理を行う。
このようにすることで、実施の形態6と同じ効果を得ることが可能となる。さらには、コアネットワークが、RRCコネクション設立禁止、TAU要求メッセージ送信禁止するかどうかを決定することが可能となる。これにより、コアネットワークはシグナリング負荷量やCSGセルの配置状況など、その時の状況に応じて適宜移動端末に禁止処理を行わせることが可能となるため、システムとしての運用が柔軟になるという効果が得られる。
次に上記説明の実施の形態6の第二の変形例について説明する。実施の形態6及び第一の変形例1の説明において、移動端末がTAUリジェクトメッセージを受信した場合、該移動端末は該セルへのRRCコネクションの設立禁止、TAU要求メッセージの送信を禁止する方法を開示した。しかし、上記のような禁止状態において、移動端末が新たにCSGセルへのユーザアクセス登録(更新)を行った場合、問題が生じる可能性がある。
移動端末が、新たなユーザアクセス登録前に該CSGセルのCSG−IDに対してRRCコネクションの設立禁止、TAU要求メッセージの送信を禁止されていた場合、該移動端末が該CSGセルへ新たにユーザアクセス登録したとしても引き続き該CSGセルに対してRRCコネクションの設立、TAU要求メッセージの送信が禁止されてしまいアクセス不可能となってしまうことが考えられる。このような問題を解消するため、本変形例2として、RRCコネクション設立禁止、TAU要求メッセージ送信禁止を解除するタイマを設けることを開示する。タイマの値は、全セル共通の値としてあらかじめ決められていても良いしCSGセルの報知情報で報知されていても良い。
CSGセルの報知情報で報知される場合は、セルごとに値が異なっていても良い。これによりセル毎に柔軟な運用が可能となる。また、図27のST2710、ST2711で示したTAUリジェクトメッセージに含めて送信されても良い。該TAUリジェクトメッセージ1回目でもよいし、RRCコネクションの設立禁止、TAU要求メッセージの送信禁止となる直前のTAUリジェクトメッセージでも良い。この場合、コアネットワークがタイマの値を設定することが可能となるし、さらには移動端末個別に設定することが可能となるので、シグナリング負荷などのシステムの状況や、移動端末の電池残容量などの移動端末固有の状況に応じて適宜タイマの値を設定することが可能となる。タイマの開始は、例えば、あるCSGセルへのTAU要求メッセージ送信としても良い。タイマの終了は、タイマの時間が終了した場合、もしくは該CSGセルからTAUアクセプトメッセージを受信した場合、もしくは新たなCSGセルにユーザアクセス登録(更新)した場合としても良い。なお、図28にタイマを設けた場合の移動端末での処理の一例を開示する。
Home−eNB(CSGセル)手動検索を開始した移動端末は、ST2801でセルサーチ、セル選択を行う。ST2802で移動端末は、セル選択したHome−eNBのCSG−ID(TAC)がTAU禁止のためタイマが走っているかどうか判定する。例えば、具体的には、図27のST2713の処理で示した禁止リストにCSG−ID(TAC)と該CSG−ID(TAC)にセットされたタイマを載せておいても良い。該リストのタイマを見て判定すれば良い。タイマが走っている場合は、セル選択したCSGセルはTAU禁止となるため、ST2803でTAUが禁止されたCSG−ID(TAC)ではないセルをセルサーチ、セル選択して、ST2804に移行する。一方、ST2802でタイマが走っていないCSGセルをセル選択した場合は、該CSGセルはTAU禁止ではないため、ST2804へ移行し、セル選択をしたHome−eNBへTAU要求を送信する。ST2805で、TAU要求の送信をトリガとして、該TAU要求したHome−eNBのCSG−ID(TAC)に対してタイマを設定する。ST2806でHome−eNBよりTAU要求メッセージに対するNASメッセージを受信する。
移動端末は、ST2807で、ST2806で受信したNASメッセージがTAUリジェクトか、TAUアクセプトかを判定する。TAUアクセプトの場合はST2808へ移行し、タイマ終了しタイマをリセットする。そして、ST2809でホワイトリスト登録処理し、通常処理へ移行する。一方、ST2807でTAUリジェクトと判定された場合、ST2810に移行し、タイマ期間が終了しているかどうか再度判定しておく。ST2810でタイマ期間が終了していたら、ST2812へ移行して該TAU要求したHome−eNBのCSG−ID(TAC)に対してTAUを許可し、ST2813でタイマをリセットしてから再度セルサーチ、セル選択へ移行する。ST2810でタイマ期間が終了していない場合は、該TAU要求したHome−eNBのCSG−ID(TAC)に対してのTAUを禁止したまま再度セルサーチ、セル選択へ移行する。なお、タイマ期間の終了かどうかは、図28で示したときだけでなく、例えば、ST2802での処理に含まれても良い。タイマ期間終了している場合は、ST2812、ST2813の処理を行ったあと、ST2804へ移行すれば良い。タイマ期間が終了していない場合は、ST2811の処理を行ったあと、ST2803へ移行すれば良い。
上記説明のとおり、RRCコネクション設立禁止、TAU要求メッセージ送信禁止を解除するタイマを設けることで、上記説明の実施の形態6、及び第一の変形例で説明したものと同じ効果を得ることができる。また、移動端末が新たにCSGセルへのユーザアクセス登録(更新)を行った場合などにアクセス不可能となってしまうといった問題を解消することができる。これにより、さらに安定したシステムを構築することが可能となる。
上記説明の実施の形態6において、CSGが用いられるHome−eNBやHome−NBを用いるLTEやUMTSについて説明した。しかし、本発明は、CSGが用いられないHome−NBを用いるUMTSにも適用可能である。CSGが用いられないHome−NBを用いるUMTSの場合は、移動端末がユーザアクセス登録をしたHome−eNBにアクセスし、アクセス成功した場合、Home−NBから該Home−NBのセル識別番号(Cell Identity, PCI, GCIなど)を入手して、移動端末内のホワイトリスト(UMTSの場合、セル識別番号ホワイトリストと称される)に登録する。この場合も、セルサーチ、セル選択によって移動端末がユーザアクセス登録をしたHome−NBとは異なるHome−NBが選択され続けるような場合、移動端末がユーザアクセス登録をしたセル識別番号を受信できなかったり、受信に時間がかかってしまうことがある。
このような問題を解消するため、実施の形態6の方法をCSGが用いられないHome−NBを用いるUMTSにも適用することが可能である。移動端末がTAUリジェクトメッセージを受信して、該移動端末は該セルへのRRCコネクションの設立禁止、TAU要求メッセージの送信を禁止する方法により、その後のセルサーチ、セル選択によって移動端末がTAUリジェクトメッセージを受信したHome−NBとは異なるHome−NBが選択されるようになるため、移動端末がユーザアクセス登録をしたHome−NBとは異なるHome−NBが選択され続けるようなことはなくなる。
なお、UMTS方式の通信システムの場合は、基地局(Home−NB、NB)とコアネットワークの間にRNCを設け、RRCコネクション要求などのRRCメッセージは移動端末とRNC間で送受信を行うようにすれば良く、TAU要求などのNASメッセージは移動端末から基地局(Home-NB, NB)およびRNCを介してコアネットワークへ送受信されるようにすれば良い。こうすることによって、CSGセルとしてHome−NBが用いられるUMTS方式の通信システムの場合でも適用可能となる。したがって、移動端末が無駄なセルサーチ、セル選択を行うことがなくなり、セルサーチから待ち受け動作に入るまでに、多大な時間がかかってしまい、システムとして大きな制御遅延が発生するという問題や、移動端末において消費電力が膨大になってしまうという問題を解消できる。将来Home−NBの設置が多数になった場合や、Home−NBの設置や撤去が頻繁にかつ柔軟になった場合の対応に対する要求にこたえられる移動体通信システムを構築することが可能となる。
実施の形態7.
実施の形態5であげた問題点を解消するため、本実施の形態においては、コアネットワークが、同一の移動端末に対してn回(n≧1の整数)TAUリジェクトメッセージを連続して送信する場合、コアネットワークはn回目のTAUリジェクトメッセージを送信する前にホワイトリストの送信を行う方法を開示する。
図29に、同一の移動端末に対して2回TAUリジェクトメッセージを連続して送信する場合に、コアネットワークはn回目のTAUリジェクトメッセージを送信する前にホワイトリストの送信を行う方法のシーケンス図を示す。図について説明する。図は、例えばHome−eNBを用いるLTEシステムについて示す。ここで、移動端末はHome−eNB(B)にユーザアクセス登録を行うこととするが、ST2901〜ST2903までは前述と同様の動作なので説明を省く。ST2904でCSGセル(ここではHome−eNB)の手動検索を起動した移動端末は、ST2905でセルサーチ、セル選択を行う。図23に示すような状況において、該移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが膨大な数存在するような場合、該移動端末はユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルをセル選択してしまうことが多くなる。実施の形態4で開示したように、セル選択したCSGセルが、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルであろうとなかろうと、移動端末が該CSGセルへのRRCコネクションの設立を可能とし、CSGセルを介してネットワークにTAUを送信可能とする。これにより、ST2906で、移動端末はユーザアクセス登録したCSGセル(ここではHome−eNB(C))ではないCSGセル(ここではHome−eNB(A))に対してRRCコネクションの要求メッセージを送信し、このRRCコネクションの要求メッセージを受信したHome−eNB(A)はこの要求に対する許可を移動端末に送信することで、移動端末とHome−eNB(A)間でRRCコネクションを設立する。
次にST2907、ST2908で移動端末はTAU要求メッセージをHome−eNB(A)を介してコアネットワークへ送信する。ここで移動端末は移動端末識別番号も送信する。該移動端末識別番号はTAU要求メッセージに含めても良いし、TAU要求メッセージと一緒に送信しても良いし、別のメッセージとして送信しても良い。ST2909で、TAU要求メッセージを受信したコアネットワークは、やはり受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(A)のCSG−IDに属しているかどうかをチェックする。このチェックの方法は図22で開示したST2207で説明した方法が適用できる。Home−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないため、コアネットワークは、該移動端末はHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定する。該移動端末がHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定したコアネットワークは、さらに、該移動端末へのリジェクト回数をカウントする(n=1)。ST2910、ST2911でコアネットワークは該移動端末に対してHome−eNB(A)を介してTAUリジェクトメッセージを送信する。ST2912で、TAUリジェクトメッセージを受信した該移動端末はHome−eNB(A)との間のRRCコネクションを解放する。ST2912まででホワイトリストを入手できなかった該移動端末は、ST2913で新たにセルサーチ、セル選択を行う。ここでは、再びHome−eNB(A)が選択された場合、ST2914で、再度Home−eNB(A)との間でRRCコネクションを設立する。次にST2915、ST2916で移動端末はTAU要求メッセージをHome−eNB(A)を介してコアネットワークへ送信する。ここで同様に移動端末は移動端末識別番号も送信する。
ST2917で、TAU要求メッセージを受信したコアネットワークは、やはり受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(A)のCSG−IDに属しているかどうかをチェックする。ST2909と同様に、Home−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないため、コアネットワークは、該移動端末はHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定する。該移動端末がHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定したコアネットワークは、該移動端末へのリジェクト回数を1だけインクリメントする(n=2)。同一移動端末へのリジェクト回数が2回となるため、コアネットワークは2回目のTAUリジェクトメッセージを送信する前に、ホワイトリストの登録メッセージの送信を行う。ST2918、ST2919でコアネットワークは該移動端末に対してHome−eNB(B)を介してホワイトリストを送信する。ST2920でホワイトリストを通知された該移動端末は自移動端末内に該ホワイトリストを記憶する。ST2918でHome−eNB(A)に対して該移動端末のホワイトリストを送信したコアネットワークは、ST2921、ST2922で、Home−eNB(A)を介してTAU要求に対する2回目のTAUリジェクトメッセージを該移動端末に送信する。TAUリジェクトメッセージを受信した移動端末は、ST2923でHome−eNB(A)との間でRRCコネクションを開放する。同一移動端末に対してTAUリジェクトメッセージを連続して送信する回数については、あらかじめ決められても良いが、コアネットワークが柔軟に決めることも可能である。コアネットワークが柔軟に決めることで、シグナリング負荷量や移動端末の受信品質の状況など、その時の状況に応じて適宜移動端末にホワイトリストを送信することが可能となるので、システムとしての運用が柔軟になるという効果が得られる。
本実施の形態で開示した方法とすることで、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが膨大な数存在するような場合や、そのような状況にいる移動端末が多数存在するような場合や、移動端末が有するホワイトリストが何らかの原因で書き換わってしまったり、ホワイトリストの登録や変更の際にコアネットワークから送信されるホワイトリストの内容を移動端末が誤って受信してしまった場合に、移動端末において手動検索を行った際に、CSGセルが延々と選択され続けるような状況が生じ、移動端末が多数のCSGセルに対してRRCコネクションの設立や、CSGセルを介してコアネットワークへTAUの要求を無駄に繰り返してしまうという問題を解消することが可能となる。これらの問題を解消することで、将来のシステム運用において、無線リソースの使用効率やシグナリング効率の極端な低下をなくすことが可能となる。さらには、セルサーチから待ち受け動作に入るまでの時間を短縮でき、システムとして大きな制御遅延が発生する問題を解消することが可能となる。さらには、移動端末において手動検索を行った際に、CSGセルが延々と選択され続けるような状況を解消することができるため、移動端末の消費電力の低減も可能となる。
実施の形態8.
上記説明の実施の形態4〜7では、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルとの間でRRCコネクションの設立を行い、コアネットワークが移動端末へ送信するTAUリジェクトメッセージを利用した方法を開示した。しかし、これらの場合いずれも、移動端末と、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルとの間でRRCコネクションの設立を行う必要があり、さらには、移動端末とコアネットワークとの間でTAU要求などのNASメッセージの送受信を行う必要があった。
そこで、コアネットワークが移動端末へ送信するTAUリジェクトメッセージを利用するのではなく、移動端末が送信するRRCコネクション要求メッセージに対するRRCコネクションリジェクトメッセージを利用して、ホワイトリストの登録を行う方法を開示する。これによって、RRCコネクションの設立やTAU要求などのNASメッセージの送受信を行わなくてすむことになる。例えば、実施の形態6に開示した方法において、コアネットワークが移動端末へ送信するTAUリジェクトメッセージを利用するのではなく、移動端末が送信するRRCコネクション要求メッセージに対するRRCコネクションリジェクトメッセージを利用して、ホワイトリストの登録を行う方法を開示する。移動端末が同一のセルからn回(n≧1の整数)連続でRRCコネクションリジェクトメッセージを受信した場合、該移動端末は該セルへのRRCコネクション要求を禁止する。
図30に、同一セルから1回RRCコネクションリジェクトメッセージを受信した場合に、移動端末が該セルへのRRCコネクション要求を禁止する方法のシーケンス図を示す。図について説明する。図は、例えばHome−eNBを用いるLTEシステムについて示す。ここで、移動端末はHome−eNB(B)にユーザアクセス登録を行うこととするが、ST3001〜ST3003までは前述と同様の動作なので説明を省く。ST3004、ST3005でコアネットワークは、全CSGセル(ここではHome−eNB)に対し、各Home−eNBのCGS−ID(TAC)と該CSG−IDに属する移動端末の識別番号の情報を送信しておく。例えば、コアネットワークは、Home−eNB(B)に対して、Home−eNB(B)のCSG−IDに属する移動端末識別番号の情報を送信し、また、Home−eNB(A)に対して、Home−eNB(A)のCSG−IDに属する移動端末識別番号の情報を送信する。これらの情報の具体例として、CSG−IDに属する移動端末識別番号が記載されているリストであっても良い。各Home−eNBのCSG−IDに対応する該リストが、コアネットワークから各Home−eNBに対して送付される。
ST3006でHome−eNBの手動検索を起動した移動端末は、ST3007でセルサーチ、セル選択を行う。図23に示すような状況において、該移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが膨大な数存在するような場合、該移動端末はユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルをセル選択してしまうことが多くなる。本実施の形態においては、セル選択したCSGセルが、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルであろうとなかろうと、移動端末が該CSGセルへのRRCコネクションの要求メッセージを送信することを可能としておく。また、移動端末は移動端末識別番号も送信する。該移動端末識別番号はRRCコネクション要求メッセージに含めても良いし、RRCコネクション要求メッセージと一緒にしても良い。これにより、ST3008で、移動端末はユーザアクセス登録したCSGセル(ここではHome−eNB(B))ではないCSGセル(ここではHome−eNB(A))に対してRRCコネクションの要求を送信する。ST3009で、このRRCコネクション要求を受信したHome−eNB(A)は、やはり受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(A)のCSG−IDに属しているかどうかをチェックする。このチェックは、ST3008でコアネットワークより送信された、Home−eNB(A)のCSG−IDに属する移動端末識別番号リストに該移動端末識別番号が含まれているか否かを判定する。
Home−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないため、Home−eNB(A)は、該移動端末はHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定する。ST3010でHome−eNB(A)は該移動端末に対してRRCコネクションリジェクトメッセージを送信する。1回RRCコネクションリジェクトメッセージを受信した該移動端末は、ST3011でHome−eNB(A)へのRRCコネクション要求メッセージの送信を禁止する処理を行う。具体的には例えば、該移動端末内部にRRCコネクション要求送信禁止セルリストを設け、該移動端末は該リストにHome−eNB(A)のセル識別番号(PCI、Cell−ID、GCIなど)を記憶する。そして、次のRRCコネクション要求送信を行う前に該リストをチェックし、リスト内に記憶されたセルかどうかを判定する。該リスト内に記憶されたセルの場合はRRCコネクション要求の送信を禁止する。ここで、該リストに記憶されるのは、該CSGセルのCSG−IDやTACであっても良く、さらに該CSG−IDやTACが該CSGセル識別番号と関連付けられて記憶されても良い。このようにすることで、次に、セルサーチ、セル選択により今後再度Home−eNB(A)が選択された場合に、該移動端末はHome−eNB(A)にRRCコネクション要求の送信を行わないようにできる。
ST3011まででホワイトリストを入手できなかった該移動端末は、ST3012で新たにセルサーチ、セル選択を行う。ここで、再びHome−eNB(A)が選択された場合は、RRCコネクション要求の送信が禁止されているためHome−eNB(A)を除いたセルからセル選択を行うことになる。セル選択によりHome−eNB(B)を選択した該移動端末は、ST3013で、Home−eNB(B)にたいしてRRCコネクション要求メッセージの送信を行う。ST3014で、TAU要求メッセージを受信したHome−eNB(B)は、一緒に受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(B)のCSG−ID(TAC)に属しているかどうかをチェックする。このチェックの方法も上述した方法が適用できる。Home−eNB(B)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されているため、Home−eNB(B)は、該移動端末が自セルにアクセス可能と判定する。該移動端末が自セルにアクセス可能と判定したHome−eNB(B)は、RRCコネクションアクセプトメッセージを送信する前に、ST3015で該移動端末に対してホワイトリストを通知するようにしても良い。ST3016でホワイトリストを受信した該移動端末は、自移動端末内に該ホワイトリストを記憶する。該移動端末に対してホワイトリストを送信したHome−eNB(B)は、ST3017でRRCコネクションアクセプトメッセージを送信する。これにより該移動端末とHome−eNB(B)間でRRCコネクションが設立される(ST3018)。その後、ST3019、ST3020で、該移動端末は、Home−eNB(B)を介してコアネットワークに対してTAU要求メッセージを送信する。ここで該移動端末は移動端末識別番号も送信する。
TAU要求メッセージを受信したコアネットワークは、やはり受信した移動端末識別番号をもとに、ST3021でCSG−ID(TAC)のチェックを行う。ST3021で、該移動端末がHome−eNB(B)のCSG−ID(TAC)に属していることを確認したコアネットワークは、ST3022、ST3023で該移動端末にTAUアクセプトをHome−eNB(B)を介して送信する。なお、ST3004、ST3005でコアネットワークは、全CSGセル(ここではHome−eNB)に対し、各Home−eNBのCGS−ID(TAC)と該CSG−IDに属する移動端末の識別番号の情報を送信しておくようにしたが、該CSG−IDに属するCSGセルに接続されるHeNBGWに、それぞれのCSG−IDに属する移動端末識別番号の情報を送信しても良い。該HeNBGWは、受信したそれぞれのCSG−IDに属する移動端末識別番号の情報を、自HeNBに接続される同一のCSG−IDのCSGセルに対して送信するようにしても良い。また、該HeNBGWは、受信したそれぞれのCSG−IDに属する移動端末識別番号の情報を、自HeNBに接続される同一のCSG−IDのCSGセルに対して送信する処理は、ST3008で移動端末からのRRCコネクション要求を受信したCSGセルがHeNBGWに対して自CSGセルのCSG−IDに属する移動端末識別番号の情報を要求するメッセージを送出するようにしておき、HeNBGWが該メッセージを受信した場合に行われても良い。
本実施の形態では移動端末がRRCコネクションリジェクトメッセージを受信したCSGセルに対してRRCコネクション要求を禁止する処理について説明したが、移動端末がRRCコネクションリジェクトメッセージを受信したセルのCSG−IDに属する全てのセルへRRCコネクションの要求を禁止するようにしても良い。また、移動端末が1回RRCコネクションリジェクトメッセージを受信したCSGセルへのRRCコネクションの要求を禁止する処理について説明したが、同一セルから複数回連続してRRCコネクションリジェクトメッセージを受信した場合にRRCコネクションの要求を禁止するようにしても良い。同一セルからRRCコネクションリジェクトメッセージを連続して受信する回数については、該セルから報知情報で送信してもよいし、または、あらかじめ決めておいても良い。また、ホワイトリストの通知は、Home−eNBが、RRCコネクションアクセプトを送信する前に行うようにしたが、ST3023のTAUアクセプトを受信したあとで、NASメッセージにより、コアネットワークからCSGセルを介して移動端末に送信するようにしても良い。
次に、例えば、実施の形態5や実施の形態7に開示した方法において、コアネットワークが移動端末へ送信するTAUリジェクトメッセージを利用するのではなく、移動端末が送信するRRCコネクション要求メッセージに対するRRCコネクションリジェクトメッセージを利用して、ホワイトリストの送信を行う方法を開示する。実施の形態5や7では、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルからも、該移動端末のホワイトリストを送信する必要が生じる。このため、コアネットワークは全てのCSGセルに対し、全CSG−ID(TAC)と該CSG−IDに属する移動端末の識別番号の情報を送信しておく。
図31に、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルがRRCコネクションリジェクトメッセージを送信する前にホワイトリストを送信する方法のシーケンス図を示す。図31は、例えばHome−eNBを用いるLTEシステムの場合を示す。ここで、移動端末はHome−eNB(C)にユーザアクセス登録を行うこととするが、ST3101〜ST3103までは前述と同様の動作なので説明を省く。ST3104でコアネットワークは、全CSGセル(ここでは全Home−eNB)に対し、全CGS−ID(TAC)と該CSG−IDに属する移動端末の識別番号の情報を送信しておく。これらの情報の具体例として、CSG−IDに属する移動端末識別番号が記載されているリストであっても良い。全CSG−IDに対応する該リストが、コアネットワークから全Home−eNBに対して送付される。ST3105でHome−eNBの手動検索を起動した移動端末は、ST3106でセルサーチ、セル選択を行う。図23に示すような状況において、該移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが膨大な数存在するような場合、該移動端末はユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルをセル選択してしまうことが多くなる。本実施の形態においては、セル選択したCSGセルが、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルであろうとなかろうと、移動端末が該CSGセルへのRRCコネクションの要求メッセージを送信することを可能としておく。また、移動端末は移動端末識別番号も送信する。該移動端末識別番号はRRCコネクション要求メッセージに含めても良いし、RRCコネクション要求メッセージと一緒にしても良い。
これにより、ST3107で、移動端末はユーザアクセス登録したCSGセル(ここではHome−eNB(C))ではないCSGセル(ここではHome−eNB(A))に対してRRCコネクションの要求を送信する。ST3108で、このRRCコネクション要求を受信したHome−eNB(A)は、やはり受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、どのCSG−IDに属しているかどうかをチェックする。このチェックは、ST3104でコアネットワークより送信された、全CSG−IDに属する移動端末識別番号リストを利用して行われる。Home−eNB(A)は、該移動端末識別番号が含まれているCSG−IDを検索して特定する。ST3109でHome−eNB(A)は該移動端末に対して、特定したCSG−IDを用いてホワイトリストを通知する。ST3110で、ホワイトリストを受信した該移動端末は、自移動端末内に該ホワイトリストを記憶する。ST3109で該移動端末にホワイトリストを通知したHome−eNB(A)は、ST3111で該移動端末に対してRRCコネクションリジェクトメッセージを送信する。
なお、ST3104でコアネットワークは、全CSGセル(ここでは全Home−eNB)に対し、全CGS−ID(TAC)と該CSG−IDに属する移動端末の識別番号の情報を送信しておくようにしたが、全HeNBGWに、それぞれのCSG−IDに属する移動端末識別番号の情報を送信しても良い。該HeNBGWは、全CSG−IDに属する移動端末識別番号の情報を、自HeNBに接続される全CSGセルに対して送信するようにしても良い。また、全HeNBGWは、受信した全CSG−IDに属する移動端末識別番号の情報を、自HeNBに接続される全CSGセルに対して送信する処理は、ST3107で移動端末からのRRCコネクション要求を受信したCSGセルがHeNBGWに対して全CSG−IDに属する移動端末識別番号の情報を要求するメッセージを送出するようにしておき、HeNBGWが該メッセージを受信した場合に行われても良い。このような方法とすることで、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルからも、該移動端末のホワイトリストを送信することが可能となる。
上記説明で開示した方法を採用することで、実施の形態4〜7で述べた効果に加えて、さらに、RRCコネクションの設立やTAU要求などのNASメッセージの送受信を行わなくてすむことになるため、さらに、無線リソースの使用効率の向上、シグナリング負荷の削減、システムとしての制御遅延の低減、移動端末の低消費電力化をはかることが可能となる。
実施の形態9.
上記説明の実施の形態3から実施の形態7において、CSGセルにユーザアクセス登録した移動端末は、ホワイトリストをコアネットワークから入手するため、コアネットワークに対してTAU要求を送信することになる。移動端末からTAU要求を送信されたコアネットワークは、該移動端末の識別番号を使用してCSG−ID(TAC)のチェックを行い、該移動端末に対してホワイトリストの送信を行うことを説明した。
コアネットワークは、移動端末からTAU要求メッセージが送信されたら必ず、上記方法に従いホワイトリストの送信を行うようにしておいても良い。しかし、TAU要求メッセージにはホワイトリストをコアネットワークから入手するためだけでなく、他の理由で発生する場合がある。例えば、移動端末がホワイトリストに既に二つのCSG−IDを持っていて、一つのCSG−IDに属するCSGセルから、他の一つのCSG−IDに属するCSGセルに移動した場合など、新たにホワイトリストを登録(更新)する必要がないが、二つのCSGセルのTACが異なるため、該移動端末はTAU要求をコアネットワークに送信する。このような場合には、コアネットワークがホワイトリストを該移動端末に送信することは必要ないにもかかわらず、該移動端末にホワイトリストを送信することになってしまい、無駄にシグナリング負荷を増大させてしまう問題が生じる。
さらに、実施の形態6の変形例1や実施の形態7に開示した方法では、コアネットワークが該移動端末に対してRRCコネクションの設立やTAU要求の送信を禁止することを判断することが可能であるが、このような場合も、コアネットワークは該移動端末が送信されるTAU要求メッセージがホワイトリストの要求のためであるかどうかを知っておいたほうが良く、知らないと、他の理由で送信されたTAU要求メッセージも考慮してしまうので、効率の悪い動作になってしまう。このような問題を解消するため、本実施の形態では、TAU要求メッセージ上にホワイトリスト(登録)更新要求あるいはホワイトリスト送信(通知)要求のためであることを示す情報をのせることを開示する。
例えば、実施の形態5で説明した図25に示した例の場合、ST2507、ST2508で移動端末はHome−eNB(A)を介してコアネットワークに対してTAU要求を送信する。該TAU要求メッセージ上に、ホワイトリスト(登録)更新要求のためであることを示す情報をのせて、TAU要求とともに、その理由がホワイトリスト(登録)更新要求のためであることをコアネットワークに通知する。このように構成することで、コアネットワークは、該移動端末がホワイトリスト(登録)更新を要求していることを知ることが可能となる。逆に、TAU要求メッセージ上に、ホワイトリスト(登録)更新要求のためであることを示す情報がのっていない場合は、該TAU要求メッセージがホワイトリスト(登録)更新を要求しているものでないことがわかり、該移動端末に対してホワイトリストを送信しないですむ。TAU要求メッセージ上にホワイトリスト(登録)更新要求のためであることを示す情報をのせる具体的な方法としては、TAUのType情報に、ホワイトリスト(登録)更新要求を追加すれば良い。該Type情報は数値で示されていても良い。また、TAU要求メッセージ上にホワイトリスト(登録)更新要求のためか否かを示す1ビットのインジケータを設けても良い。
上記説明の方法を採用することで、コアネットワークがホワイトリストを該移動端末に送信することは必要ないにもかかわらず、該移動端末にホワイトリストを送信することによる、本来不要なシグナリング負荷の増大を抑制することができる。また、コアネットワークが該移動端末に対してRRCコネクションの設立やTAU要求の送信を禁止することを判断するような場合に、他の理由で送信されたTAU要求メッセージを考慮することによる効率の悪い動作を引き起こすという問題を解消することが可能となる。
次に、本実施の形態に関する第一の変形例を説明する。TAU要求メッセージ上にホワイトリスト(登録)更新要求に用いられる情報をのせる方法は、実施の形態3から実施の形態7に適用可能である。ここでは、実施の形態8で開示した方法に適用すべく、RRCコネクション要求メッセージ上にホワイトリスト(登録)更新要求あるいはホワイトリスト送信(通知)要求のためであることを示す情報をのせることを開示する。
実施の形態8では、移動端末が送信するRRCコネクション要求メッセージに対するRRCコネクションリジェクトメッセージを利用して、ホワイトリストの送信を行う。移動端末からRRCコネクション要求を送信されたCSGセルは、該移動端末の識別番号を使用してCSG−ID(TAC)のチェックを行い、該移動端末に対してホワイトリストを送信することを説明した。CSGセルは、移動端末からRRCコネクション要求メッセージが送信されたら必ず、上記の方法に従ってホワイトリストの送信を行うようにしておいても良いが、このようにすると、上述したのと同様に、無駄に無線リソースの使用効率を低下させてしまう問題が生じ、さらには効率の悪い動作を引き起こしてしまう。このような問題を解消するため、本変形例1では、RRCコネクション要求メッセージ上にホワイトリスト(登録)更新要求のためであることを示す情報をのせることを開示する。
例えば、実施の形態8で説明した図31に示した例の場合、ST3107で移動端末はHome−eNB(A)に対してRRCコネクション要求を送信する。該RRCコネクション要求メッセージ上に、ホワイトリスト(登録)更新要求のためであることを示す情報をのせて、RRCコネクション要求とともに、その理由がホワイトリスト(登録)更新要求のためであることをHome−eNB(A)に通知する。このようにすることで、Home−eNB(A)は、該移動端末がホワイトリスト(登録)更新を要求していることを知ることが可能となる。逆に、RRCコネクション要求メッセージ上に、ホワイトリスト(登録)更新要求のためであることを示す情報がのっていない場合は、該RRCコネクション要求メッセージがホワイトリスト(登録)更新を要求しているものでないことがわかり、該移動端末に対してホワイトリストを送信しないですむ。
RRCコネクション要求メッセージ上にホワイトリスト(登録)更新要求のためであることを示す情報をのせる具体的な方法としては、RRCコネクション要求メッセージの理由(cause)情報として、ホワイトリスト(登録)更新要求を追加すれば良い。該理由情報は数値で示されていても良い。また、RRCコネクション要求メッセージ上にホワイトリスト(登録)更新要求のためか否かを示す1ビットのインジケータを設けても良い。本変形例は実施の形態8で開示した方法に適用した場合について記載したが、実施の形態3から実施の形態7に適用することも可能である。ホワイトリスト(登録)更新要求時に行われるRRCコネクションの要求時に適用することが可能である。
本実施の形態で開示した方法とすることで、実施の形態8で述べた効果に加えて、さらに、前述したような、CSGセルがホワイトリストを該移動端末に送信することは必要ないにもかかわらず、該移動端末にホワイトリストを登録(更新)通知メッセージを送信することになってしまい、無駄に無線リソースが低下する問題や、さらに、CSGセルが該移動端末に対してRRCコネクション要求の送信を禁止することを判断するような場合に、他の理由で送信されたRRCコネクション要求メッセージも考慮してしまうことによる効率の悪い動作を引き起こすという問題を解消することが可能となる。また、TAU要求メッセージ上やRRCコネクション要求メッセージ上にホワイトリスト(登録)更新要求のためであることを示す情報をのせることで、移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルではないCSGセルへのRRCコネクションの設立や該CSGセルを介したコアネットワークへのTAU要求メッセージの送信が手動検索起動時に限られる、ということが無くなる。本実施の形態および変形例で示した方法を適用することによって、移動端末がホワイトリストの(登録)更新要求のためであれば、該移動端末がユーザアクセス登録したCSGセルではないCSGセルへのRRCコネクションの設立や該CSGセルを介したコアネットワークへのTAU要求メッセージの送信が許可されるようにしておけばよく、こうすることによって、例えば、ユーザアクセス登録後、手動検索を起動せず自動的にホワイトリスト入手のための通信を行うようにすることも可能となるし、手動検索を起動せずホワイトリストを入手するまで定期的に(例えば、あらかじめ決められた、ある周期で周期的に)ホワイトリスト入手のための通信を行うようにすることも可能である。こうすることで、移動端末が登録(更新)されたホワイトリストを入手するまでの手続きを柔軟にすることができ、将来の多数のCSGセルが設置され、いろいろな場所でユーザアクセス登録が行われるような状況に対しても対応することが可能となる。なお、本実施の形態および変形例で示した方法を適用することによって、実施の形態4、5で開示したような、移動端末が手動検索を起動したことを示す旨の情報をRRCコネクション要求やTAU要求に含める必要が無くなり、シグナリング量の削減もはかれる。
実施の形態10.
実施の形態4から実施の形態7において、CSGセルにユーザアクセス登録した移動端末は、ホワイトリストをコアネットワーク(CN)から入手するため、CSGセルを介してコアネットワークに対してTAU要求を送信することになる。移動端末からTAU要求を送信されたコアネットワークは、該移動端末の識別番号を使用してCSG−ID(TAC)のチェックを行い、該CSGセルへのアクセスが不可能と判定した場合は、該移動端末に対して該CSGセルを介して、TAUリジェクトメッセージを送信することを説明した。一方、該移動端末がコアネットワークより該CSGセルを介して受信したTAUリジェクトメッセージに応じて次につづく動作を決定する方法についても説明した。このような場合において、移動端末は、CSGセルを介して受信したTAUリジェクトメッセージがホワイトリストの登録(更新)要求のためのTAU要求に対してであったかどうかを知っておいたほうが良く、知らないと、他の理由で送信されたTAUリジェクトメッセージも考慮してしまうので、効率の悪い動作を引き起こしてしまう。
一方、3GPPにおいて、TAUリジェクトメッセージまたはRRCコネクションリジェクトメッセージに、「不適切なセル」(no suitable cells)という理由情報をのせることが検討されている。しかし、前述したように、「適切なセル」(suitable cell)の定義には何種類もあるため、どの定義にあてはまっていないのか特定できない。このような問題を解消するため、本実施の形態では、TAUリジェクトメッセージ上に、リジェクトの理由がCSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを示す情報をのせることを開示する。
例えば、実施の形態6で説明した図27に示した例の場合、ST2710、ST2711でコアネットワークはHome−eNB(A)を介して移動端末に対してTAU要求リジェクトメッセージを送信する。該TAUリジェクトメッセージ上に、リジェクトの理由がHome−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを示す情報をのせることで、その理由がHome−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを通知する。このようにすることで、該移動端末は、受信したTAU要求リジェクトメッセージの理由がCSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを知ることが可能となる。逆に、TAUリジェクトメッセージ上に、リジェクトの理由がCSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを示す情報がのっていない場合は、該TAUリジェクトメッセージが別のなんらかの理由によるものであることがわかる。
TAUリジェクトメッセージ上にリジェクトの理由が、CSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを示す情報をのせる具体的な方法としては、TAUリジェクトメッセージの理由(cause)情報に、CSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていない旨を示す情報を追加すれば良い。該理由情報は数値で示されていても良い。また、TAU要求リジェクトメッセージ上にCSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためか否かを示す1ビットのインジケータを設けても良い。
本実施の形態で開示した方法とすることで、実施の形態4〜7で述べた効果に加えて、さらに、前述したような、移動端末がコアネットワークより送信されたTAUリジェクトメッセージに対してRRCコネクションの設立やTAU要求の送信を禁止することを判断するような場合に、他の理由で送信されたTAUリジェクトメッセージも考慮してしまうことによる効率の悪い動作を引き起こすという問題を解消することが可能となる。
次に、上記説明の実施の形態10の第一の変形例について説明する。ここでは、実施の形態8で開示した方法に適用すべく、RRCコネクションリジェクトメッセージ上にリジェクトの理由がCSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていない旨を示す情報をのせることを開示する。実施の形態8では、移動端末が送信するRRCコネクション要求メッセージに対するRRCコネクションリジェクトメッセージを利用して、該移動端末がRRCコネクション要求メッセージの送信を禁止する処理を行っていることを説明した。移動端末が、CSGセルからRRCコネクションリジェクトメッセージが送信されたら必ず、該CSGセルに対してRRCコネクション要求メッセージの送信を禁止するようにしておいても良いが、このようにすると、上述したのと同様に効率の悪い動作を引き起こしてしまう。
このような問題を解消するため、本変形例1では、RRCコネクションリジェクトメッセージ上にリジェクトの理由がCSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを示す情報をのせることを開示する。例えば、実施の形態8で説明した図31に示した例の場合、ST3110で移動端末はHome−eNB(A)からRRCコネクションリジェクトを受信する。Home−eNB(A)は、該RRCコネクションリジェクトメッセージ上に、リジェクトの理由がHome−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを示す情報をのせて、その理由がリジェクトの理由がHome−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを該移動端末に通知する。このようにすることで、該移動端末は、受信したRRCコネクションリジェクトメッセージが、CSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを知ることが可能となる。逆に、該RRCコネクションリジェクトメッセージ上に、リジェクトの理由がCSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを示す情報がのっていない場合は、リジェクトの理由がCSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためではないことを知ることが可能となる。
RRCコネクションリジェクトメッセージ上にリジェクトの理由が、CSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためであることを示す情報をのせる具体的な方法としては、RRCコネクションリジェクトメッセージの理由(cause)情報に、CSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていない旨を示す情報を追加すれば良い。該理由情報は数値で示されていても良い。また、RRCコネクションリジェクトメッセージ上にCSGセルが属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないためか否かを示す1ビットのインジケータを設けても良い。
本実施の形態で開示した方法とすることで、実施の形態8で述べた効果に加えて、さらに、前述したような、移動端末がCSGセルよりRRCコネクションリジェクトメッセージを受信した場合にRRCコネクション要求の禁止することを判断するような方法の場合に、他の理由で送信されたRRCコネクションリジェクトメッセージも考慮してしまうことによる効率の悪い動作を引き起こすという問題を解消することが可能となる。
実施の形態11.
ホワイトリストの登録や変更の際に、コアネットワークから送信されるホワイトリスト内容を移動端末が誤って受信してしまう場合があることを記載した。このような場合、多数のCSGセルが存在する状況において、誤って受信したホワイトリストのCSG−IDに属するCSGセルをセル選択してしまう場合が生じ、移動端末は、誤ったホワイトリストのCSG−IDに属する該CSGセルへ何度もRRCコネクションの設立や、CSGセルを介してコアネットワークへTAUの要求を繰り返してしまうことになる。従って、システムとして、無線リソースの使用効率やシグナリング効率の極端な低下が引き起こされてしまうという問題が生じる。さらに、セルサーチから待ち受け動作に入るまでに、多大な時間がかかってしまい、システムとして大きな制御遅延が発生するという問題や、移動端末において消費電力が膨大になってしまうという問題も生じてしまう。
これらの問題を解消するため、本実施の形態では、移動端末は、ホワイトリスト受信の成功/失敗(Ack/Nack)をコアネットワークへ明示的に送信する方法を開示する。図32に、ホワイトリスト登録時、移動端末におけるホワイトリスト受信の成功/失敗(Ack/Nack、完了/未完了、complete/incomplete)をコアネットワークへ明示的に送信する方法のシーケンス図を示す。図は、例えばHome−eNBを用いるLTE方式の通信システムの場合について示す。図について説明する。ここで、移動端末はHome−eNB(C)にユーザアクセス登録を行うこととするが、ST3201〜ST3203までは前述と同様の動作なので説明を省く。ST3204でCSGセル(ここではHome−eNB)の手動検索を起動した移動端末は、ST3205でセルサーチ、セル選択を行う。図23に示すような状況において、さらに多数の、移動端末がユーザアクセス登録していないCSG−IDに属するCSGセルが存在するような場合、移動端末はCSGセルをセル選択することになる。実施の形態4で開示したように、セル選択したCSGセルが、ユーザアクセス登録を行ったCSGセルであろうとなかろうと、移動端末が該CSGセルへのRRCコネクションの設立を可能とし、CSGセルを介してネットワークにTAUを送信可能とする。これにより、ST3206で移動端末はユーザアクセス登録したCSGセル(ここではHome−eNB(C))ではないCSGセル(ここではHome−eNB(A))に対してRRCコネクションの要求を送信し、このRRCコネクションの設立要求を受信したHome−eNB(A)はこの設立要求に対する設立許可を移動端末に送信することで、移動端末とHome−eNB(A)間でRRCコネクションを設立する。
次にST3207、ST3208で移動端末はTAU要求メッセージをHome−eNB(A)を介してコアネットワークへ送信する。ここで移動端末は移動端末識別番号も送信する。該移動端末識別番号はTAU要求メッセージに含めても良いし、TAU要求メッセージと一緒にしても良いし、別のメッセージとして送信しても良い。TAU要求メッセージを受信したコアネットワークは、やはり受信した該移動端末識別番号をもとに、該移動端末が、Home−eNB(A)のCSG−IDに属しているかどうかをチェックする。このチェックの方法は図22で開示したST2207で説明した方法が適用できる。Home−eNB(A)が属するCSG−IDには該移動端末識別番号が登録されていないため、コアネットワークは、該移動端末はHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定する。本実施の形態では、例えば、実施の形態5で開示した方法を用いることとする。コアネットワークは、該移動端末はHome−eNB(A)にはアクセス不可能と判定した場合も、TAUリジェクトを送信する前に、ST3210でHome−eNB(A)に対して該移動端末のホワイトリストを送信する。該移動端末のホワイトリストを受信したHome−eNB(A)は、ST3211で、該移動端末に対してホワイトリストを送信する。
ここで、ホワイトリストを受信した移動端末は、ST3212でHome−eNB(A)に対して、ホワイトリスト受信成功のAckを送信する。このAckはNASメッセージとしても良い。該移動端末からホワイトリスト受信成功のAckを受信したHome−eNB(A)は、ST3213で、コアネットワークに対してホワイトリスト受信成功のAckを送信する。ホワイトリスト受信成功のAckを受信したコアネットワークは、ST3215で該移動端末がユーザアクセス登録したHome−eNB(C)に対して、該移動端末がユーザアクセス登録を完了したことを通知するための情報を送信する。一方、移動端末は、ST3214にて、自移動端末に、受信したホワイトリストを記憶する。ST3213でホワイトリスト受信成功のAckを受信したコアネットワークは、ST3216、ST3217で、Home−eNB(A)を介してTAU要求に対するTAUリジェクトメッセージを該移動端末に送信する。TAUリジェクトメッセージを受信した移動端末は、ST3218でHome−eNB(A)との間でRRCコネクションを開放する。
ST3211でホワイトリストの受信を失敗した移動端末は、ST3212でHome−eNB(A)に対して、ホワイトリスト受信失敗のNackを送信する。このNackはNASメッセージとしても良い。該移動端末からホワイトリスト受信失敗のNackを受信したHome−eNB(A)は、ST3213で、コアネットワークに対してホワイトリスト受信失敗のNackを送信する。ホワイトリスト受信失敗のNackを受信したコアネットワークは、再度ST3210、ST3211でHome−eNB(A)を介して該移動端末に対してホワイトリストを送信する。このような処理を該移動端末がホワイトリストを受信成功するまで繰り返す。該移動端末が受信成功したら、ST3212以降の処理を行う。このような方法とすることで、コアネットワークから送信されるホワイトリスト内容を移動端末が誤って受信してしまう確率を大きく低減させることが可能となる。従って、前述したような、多数のCSGセルが存在する状況において、移動端末が、誤って受信したホワイトリストのCSG−IDに属するCSGセルをセル選択してしまい、該CSGセルへ何度もRRCコネクションの設立や、CSGセルを介してコアネットワークへTAUの要求を繰り返してしまうという問題を解消できる。これらの問題を解消することで、将来のシステム運用において、無線リソースの使用効率やシグナリング効率の極端な低下をなくすことが可能となる。
なお、本発明における実施の形態4〜11ではホワイトリストの登録について説明したが、ホワイトリストの登録だけでなく、ホワイトリストの更新(削除、追加を含む)の場合にも適用可能である。本発明における実施の形態1〜11の例ではCSGセルとしてHome−eNBの用いられるLTE方式を用いた通信システムについて示したが、CSGセルとしてHome−NBが用いられるUMTS方式の通信システムの場合でも適用可能である。CSGセルとしてHome−NBが用いられるUMTS方式の通信システムの場合は、基地局(Home−NB、NB)とコアネットワークの間にRNCを設け、RRCコネクション要求などのRRCメッセージは移動端末とRNC間で送受信を行うようにすれば良く、TAU要求などのNASメッセージは移動端末から基地局(Home−NB、NB)およびRNCを介してコアネットワークへ送受信されるようにすれば良い。こうすることによって、CSGセルとしてHome−NBが用いられるUMTS方式の通信システムの場合でも適用可能となる。
実施の形態12.
非特許文献6にRRC接続再設立(RRC(Radio Resource Control) connection re-establishment)のLTE移動体通信システムとしての手順が開示されている。図33に開示されているRRC接続再設立にかかる移動端末としての処理の流れを示す。ステップST3301にて移動端末は、無線リンク失敗(Radio link failure)を検出したか否かを判断する。結果、無線リンク失敗を検出した場合はステップST3305へ移行し、検出しなかった場合はステップST3302へ移行する。ステップST3302にて移動端末は、ハンドオーバ失敗(Handover failure)したか否かを判断する。結果、ハンドオーバ失敗した場合はステップST3305へ移行し、失敗しなかった場合はステップST3303へ移行する。ステップST3303にて移動端末は、インテグリティ失敗(Integrity failure)がより低いレイヤより指示が存在するか否か判断する。結果、インテグリティ失敗の指示があればステップST3305へ移行し、指示がなければステップST3304へ移行する。ステップST3304にて移動端末は、RRC接続再設定失敗(RRC connection reconfiguration failure)したか否かを判断する。結果、RRC接続再設定失敗した場合はステップST3305へ移行し、失敗しなかった場合はステップST3301へ移行する。ステップST3301へ戻った移動端末は、ステップST3301、ステップST3302、ステップST3303、ステップST3304の処理を繰り返す。また、ステップST3301、ステップST3302、ステップST3303、ステップST3304の処理の順序は任意であり、さらには同時であっても構わない。
ステップST3301にて移動端末が検出の有無を判断する無線リンク失敗について以下説明する。物理層問題(Physical layer problem)を検出してから、無線リンク復旧(Radio link recovery)を許す時間を、例えばT310とする。T310の代わりに、物理層問題を検出してから無線リンク復旧を許すまでの物理層失敗(Physical layer failure)のカウンタ値を規定することも可能である。また、MACからのランダムアクセス問題インジケータを受信してから、無線リンク復旧を許す時間を、例えばT312とする。
移動端末は、上記タイマ(T310、T312)が終了する場合、無線リンク失敗を検出する。なお上記タイマ(T310、T312)は、基地局(ネットワーク側)が移動端末に移動端末のタイマと定数の情報要素(UE-Timer And Constansts information element)の一部として、システム情報ブロックタイプ2(System Information BlockType2: SIB2)にマッピングされ、BCCHを用いてPDSCH(DL-SCH)にて通知する。
ステップST3302にて移動端末が判断するハンドオーバ失敗について以下説明する。移動端末は、ハンドオーバのきっかけ(トリガ)となるRRCメッセージの受信によって、ハンドオーバを実行する。移動端末は、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration message)に移動性制御情報(Mobility Control information)が含まれている場合、移動性制御情報中に含まれるタイマ(例えばT304とする)をセットする。移動端末は、MACがランダムアクセス手順を完了した場合、上記タイマ(T304)をストップさせる。移動端末は、上記タイマ(T304)が終了する場合、ハンドオーバ失敗と判断する。つまり上記タイマ(T304)は、ハンドオーバの実行を開始してから、MACがランダムアクセス手順を完了までに要する許容時間を規定している。なお上記タイマ(T304)は、基地局(ネットワーク側)が移動端末に移動性制御情報の情報要素(Mobility Control information element)の一部として、RRC接続再設定メッセージ(RRC Connection Reconfiguration message)にマッピングされ、NAS個別情報(NAS(Non Access Stratum) Dedicated information)として通知する。
ステップST3304にて移動端末が判断するRRC接続再設定失敗について以下説明する。UEが不可能な構成がRRC接続再設定メッセージに含まれていた場合、RRC接続再設定失敗と判断する。なおRRC接続再設定メッセージは、基地局(ネットワーク側)が移動端末にNAS個別情報として通知する。ステップST3305にて移動端末は、物理層問題を検出してから、無線リンク復旧を許す時間(T310)のタイマをストップし、ステップST3306へ移行する。ステップST3306にて移動端末は、MACからのランダムアクセス問題インジケータを受信してから、無線リンク復旧を許す時間(T312)のタイマをストップし、ステップST3307へ移行する。ステップST3307にて移動端末は、無線リンク失敗の検出、あるいはハンドオーバ失敗との判断、あるいはインテグリティ失敗との判断、あるいはRRC接続再設定失敗との判断からE-UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマ(例えばT311)をスタートさせ、ステップST3308へ移行する。なお上記タイマ(T311)は、基地局(ネットワーク側)が移動端末に移動端末のタイマと定数の情報要素(UE-Timer And Constansts information element)の一部として、システム情報ブロックタイプ2(System Information BlockType2:SIB2)にマッピングされ、BCCHを用いてPDSCHにて通知する。ステップST3308にて移動端末は、MAC(Media Access Control)をリセットし、ステップST3309へ移行する。ステップST3309にて移動端末は、設定されている全ての無線ベアラ(Radio Bearer:RB)のRLC(Radio Link Control)を再設定し、ステップST3310へ移行する。
ステップST3310にて移動端末は、T311タイマが終了していないか判断する。結果、タイマが終了(タイムアウト、タイマが完了、タイマが有効期限切れ)していればステップST3311へ移行し、終了していなければステップST3314へ移行する。ステップST3311にて移動端末は、MACと設定されている全ての無線ベアラのRLCの再設定をリセットし、ステップST3312へ移行する。ステップST3312にて移動端末は、全ての無線リソース(Radio resources)を開放し、ステップST3313へ移行する。ステップST3313にて移動端末は、RRC_IDLE状態へ遷移する。ステップST3314にて移動端末は、セル選択手順(cell selection process)、あるいは、セル再選択手順(cell reselection process)ともいう、によりE−UTRAセルを選択したか否かを判断する。結果、E−UTRAセルを選択した場合ステップST3315へ移行し、E−UTRAセルを選択しない場合ステップST3317へ移行する。ステップST3315にて移動端末は、タイマT311をストップさせ、ステップST3316へ移行する。ステップST3316にて移動端末は、ネットワーク側へRRC接続再設立要求メッセージ(RRC connection Reestablishment request message)を送信する。ステップST3317にて移動端末は、セル選択手順により異無線アクセス技術セル(inter-RAT(Radio Access Technology Cell)を選択したか否かを判断する。結果、inter−RATセルを選択した場合ステップST3311へ移行し、inter−RATセルを選択しない場合は、ステップST3310へ移行する。ステップST3310へ戻った移動端末は、ステップST3310、ステップST3314、ステップST3317の処理を繰り返す。
本実施の形態12における課題について以下説明する。前述の通り、LTE及びUMTSにおいてCSGセルが導入される。しかし、非特許文献6のRRC接続再設立の移動体通信システムとしての手順には、CSGセルをどのように導入するかの開示はない。また、本実施の形態12にて指摘する課題についても示唆はない。CSGセルにて標準(normal)のサービスを受けるためには、移動端末は当該CSGセルへの登録が必要である。登録を完了して移動端末は、移動端末内(USIM、SIM、メモリ、CPUなど)に存在するホワイトリストに登録をしたCSGセルのCSG−IDを保存する。CSGセルは、CSG−IDあるいは、CSG−IDと対応付けられているトラッキングエリアコード(Tracking Area Code: TAC)をシステム情報(System information)として傘下の移動端末へ報知する。CSG−IDあるいは、TACはシステム情報ブロックタイプ1(System Information BlockType1 :SIB1)にマッピングされ、BCCHを用いてPDSCHにてCSGセルから報知される。なおSIB1が報知される周期は20msに1回とされている。UEがCSGセルを適したセル(suitable cell)として選択し、標準(normal)のサービスを得るために位置登録あるいは待受けするには、non−CSGセルを適したセルとして選択する場合と比較して、当該CSGセルに自移動端末が登録しているか否か判断する処理を追加で行う必要がある。当該CSGセルに自移動端末が登録しているか否か判断するためには、当該CSGセルが報知するCSG−ID(あるいはTAC)と自移動端末内のホワイトリスト中のCSG−IDが同一か否を判断する必要がある。
CSGセルを導入したときのRRC接続再設立手順を示す。その手順は、図33とほぼ同様で有るが、特徴あるステップST3314について詳細を図34に示す。ステップST3401にて移動端末は、ホワイトリストにCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは移動端末は、CSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合、ステップST3402へ移行する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ステップST3410へ移行する。ステップST3402にて移動端末は、周辺セル(Neighboring Cell)の受信品質の測定結果よりCSGセル中でサービングセルになり得るセルが存在するか否か判断する。存在した場合、ステップST3403へ移行する。存在しない場合ステップST3410へ移行する。ステップST3403にて移動端末は、周辺セルの受信品質の測定結果よりCSGセル中でサービングセルになり得るセルのうち、受信品質に基づいて最良のセル(ベストセル:best cellとも呼ばれる)を選択し、ステップST3404へ移行する。
ステップST3404にて移動端末は、ステップST3403にて選択したセルの物理下り制御チャネル(Physical downlink control channel: PDCCH,L1/L2シグナリングチャネルとも呼ばれる。)を受信する。PDCCHの受信に移動端末は、ブラインド検出(Blind Detection)処理を行う必要がある。ブラインド検出の結果、PDSCH上のBCCHの割当を受信し、ステップST3405へ移行する。ステップST3405にて移動端末は、ステップST3404にて受信したBCCH用の割当に従ってPDSCHの受信を行い、ステップST3406へ移行する。PDSCHでは20msに1回、SIB1がマッピングされたBCCHが送信される。移動端末はステップST3405にてSIB1を入手する。ステップST3406にて移動端末は、ステップST3405で受信したSIB1にマッピングされるCSG−IDあるいはTACを入手し、ステップST3407へ移行する。CSG−IDがSIB1とは別のシステム情報にマッピングされる可能性もあるが、その場合であっても本実施の形態を適用することは可能である。
ステップST3407にて移動端末は、ステップST3406にて入手した当該CSGセルのCSG−IDと自移動端末のホワイトリスト中に保存されている登録済みのCSGセルのCSG−IDが同一か否か判断する。これにより移動端末は、当該CSGセルが「適したセル(suitable cell)」になり得るか否かを判断することとなる。つまり当該CSGセルのCSG−IDがホワイトリスト中に存在した場合は、当該セルは登録済みのCSGセルとして「適したセル(suitable cell)」になり得る。反対に当該CSGセルのCSG−IDがホワイトリスト中に存在しない場合は、登録していないCSGセルとして当該セルは「適したセル(suitable cell)」になり得ない。当該CSGセルが登録済みのCSGセルであった場合、図33のステップST3315へ移行する。当該CSGセルが登録していないCSGセルであった場合、ステップST3408へ移行する。
ステップST3408にて移動端末は、当該CSGセルをE-UTRAセル選択の処理から省き、ステップST3409へ移行する。ステップST3409にて移動端末は、T311タイマが終了していないか判断する。結果、タイマが終了(タイムアウト、タイマが完了、タイマが有効期限切れ)していれば図33のステップST3311へ移行し、終了していなければステップST3402へ戻る。ステップST3410にて移動端末は、周辺セル(Neighboring Cell)の受信品質の測定結果よりnon−CSGセル中でサービングセルになり得るセルが存在するか否か判断する。存在した場合、ステップST3411へ移行する。存在しない場合図33のステップST3317へ移行する。ステップST3411にて移動端末は、周辺セルの受信品質の測定結果よりnon−CSGセル中でサービングセルになり得るセルのうち、受信品質に基づいて最良のセルを選択し、図33のステップST3315へ移行する。
上記及び図34から明らかなように、ホワイトリストにCSG−IDを含む移動端末、つまりいずれか1つのCSGセルに登録した移動端末がE−UTRAセル選択に要する時間は、ホワイトリストにCSG−IDを含まない移動端末、つまりいずれのCSGセルにも未登録な移動端末がE−UTRAセル選択に要する時間と比較して長くなる可能性があることが分かる。この現象は、自移動端末がCSGセル(CSG−ID=10と仮定)に登録しているが、周辺には当該CSGセル(CSG−ID=10)が存在しない場合より顕著に現れる。この場合、移動端末は図34のステップST3407にて「登録していないCSGセル」と判断することになる。更に、自移動端末が登録していないCSGセルが多く存在する場所に移動端末が存在し、登録していない多くのCSGセルの受信品質が良く、サービングセルになり得るセルであった場合、上記課題は更に顕著に現れる。この場合図34のステップST3402からステップST3409の処理をCSGセルの中でサービングセルになり得るセルが存在しなくなるまで繰り返すことになるからである。
ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末との間のセル選択に要する時間の差から以下のような課題が発生する。上記で示したように、無線リンク失敗の検出、あるいはハンドオーバ失敗との判断、あるいはインテグリティ失敗との判断、あるいはRRC接続再設定失敗との判断からE-UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマ(例えばT311)が存在する。上記タイマが現状の通り1種類であった場合、タイマ値をホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末に適するようにした場合を考える。その場合、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さないために、セル選択に要する時間が比較的短いにも関わらず、上記タイマがタイムアウトしないこととなる。つまり、図33のステップST3310にて「タイマが終了」との判断が無用に遅れてされることになる。このことは、図33のステップST3312で行われる全ての無線リソース(ラジオリソース)開放が無用に遅れることを意味する。よって無用な無線リソースの確保という課題が発生する。反対にタイマ値をホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末に適するようにした場合を考える。その場合、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するために、セル選択に要する時間が長いためにセル選択の途中、例えばCSGセル中でサービングセルになり得るセルがまだ存在するにも関わらず、上記タイマがタイムアウトする場合が考えられる。
つまり、図33のステップST3310にて「タイマが終了」、あるいは図34のステップST3409にて「タイマ終了」との判断が早過ぎる場合が考えられる。このことはホワイトリストにCSG−IDを持つ移動端末のMACはリセットされているが、無線ベアラつまり無線リソースは確保された状態でのRRC接続再設立の可能性を低くするという課題が発生する。このことはホワイトリストにCSG−IDを持つ移動端末が周辺に受信品質の良いセルが存在するにも関わらず、RRC_IDLE状態に遷移し制御遅延が発生するという課題が発生する。なお、非特許文献6には本課題の示唆はない。また図34では、CSGセルの選択をnon−CSGセルの選択より優先順位を高くして処理を行う場合について記載している。但し、本優先順位がなくとも上記課題は発生する。更に本課題は、LTE(E−UTRAN)システムへのCSGセル導入においてもW-CDMA(UTRAN、UMTS)システムへのCSGセル導入においても発生する。
実施の形態12の課題解決策を以下に示す。本解決策は、LTEシステムにもW-CDMAシステムにも適用可能である。実施の形態12では、上記課題を解決するためにホワイトリスト中にCSG−IDを有するか否かで異なるタイマを別個に設け、移動端末に反映させることを開示する。更に具体的には、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するか否かで無線リンク失敗の検出、あるいはハンドオーバ失敗との判断、あるいはインテグリティ失敗との判断、あるいはRRC接続再設定失敗との判断からE-UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマ(例えばT311)を別個(例えばT311_ホワイトリスト有とT311_ホワイトリスト無)に設け、移動端末に反映させることを開示する。
具体的な動作例について図35を用いて説明する。図35中にて図33と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。なお、図34については図35においても用いることが出来る。ステップST3501にて移動端末は、ホワイトリストにCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは移動端末は、CSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合、ステップST3502へ移行する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ステップST3503へ移行する。ステップST3502にて移動端末は、無線リンク失敗の検出、あるいはハンドオーバ失敗との判断、あるいはインテグリティ失敗との判断、あるいはRRC接続再設定失敗との判断からE-UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマ(例えばT311)にホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合用の無線リンク失敗の検出、あるいはハンドオーバ失敗との判断、あるいはインテグリティ失敗との判断、あるいはRRC接続再設定失敗との判断からE-UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマ(例えばT311_ホワイトリスト有)をセットし、ステップST3307へ移行する。
ステップST3503にて移動端末は、無線リンク失敗の検出、あるいはハンドオーバ失敗との判断、あるいはインテグリティ失敗との判断、あるいはRRC接続再設定失敗との判断からE-UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマ(例えばT311)にホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合用の無線リンク失敗の検出、あるいはハンドオーバ失敗との判断、あるいはインテグリティ失敗との判断、あるいはRRC接続再設定失敗との判断からE-UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマ(例えばT311_ホワイトリスト無)をセットし、ステップST3307へ移行する。
次にホワイトリスト中にCSG−IDを有するか否かで異なるタイマを別個に設けたタイマの通知方法について開示する。第1の方法としては、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に用いるタイマ(例えばT311_ホワイトリスト有)、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合に用いるタイマ(例えばT311_ホワイトリスト無)ともにサービングセル(ネットワーク側)が移動端末に通知する。更に具体的には個別制御チャネル(DCCH)、あるいは報知制御チャネル(BCCH)を用いて通知する。個別制御チャネルを用いる場合は、当該移動端末の通信状態に応じた制御が可能という点において優れた方法である。またBCCHを用いる場合は、傘下の全移動端末に対して通知可能であり、無線リソースの有効活用という点において優れた方法である。BCCHを用いて通知する場合の具体例としては、MIBあるいはSIBにマッピングすることが考えられる。MIBを用いる場合は、MIBはPBCHにマッピングされることから、移動端末が制御遅延を少なく受信可能という点で優れた方法である。SIBを用いる場合は、SIB1を用いて通知する。MIBあるいはSIB1はセルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報である点において、移動端末の制御遅延を少なくする点において優れた方法である。また、移動端末のタイマと定数の情報要素(UE-Timer And Constansts information element)の一部として、システム情報ブロックタイプ2(System Information BlockType2: SIB2)にマッピングされ、BCCHを用いてPDSCHにて通知する。更にはサービングセルがCSGセルかnon−CSGセルかに関わらず、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に用いるタイマ(例えばT311_ホワイトリスト有)、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合に用いるタイマ(例えばT311_ホワイトリスト無)ともにサービングセル(ネットワーク側)が移動端末に移動端末のタイマと定数の情報要素(UE-Timer and Constansts information element)の一部として、システム情報ブロックタイプ2(System Information BlockType2: SIB2)にマッピングされ、BCCHを用いてPDSCHにて通知する。SIB2を用いる場合は、タイマという観点にて同様(同じ種類)のパラメータと同時に通知することができ、受信した移動端末の処理が容易である点において優れた方法である。更にはSIB1、SIB2以外のシステム情報で通知する方法であっても報知情報であるので、傘下の全移動端末に対して通知可能であり、無線リソースの有効活用という点において優れた方法である。第1の方法にて移動端末は、サービングセルのBCCH、あるいはDCCHを受信するのみで異なるタイマを入手できるため、制御遅延防止という効果を得ることができる。
第2の方法としては、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合に用いるタイマ(例えばT311_ホワイトリスト無)は、サービングセル(ネットワーク側)が移動端末に移動端末のタイマと定数の情報要素(UE-Timer and Constansts information element)の一部として、システム情報ブロックタイプ2にマッピングされ、BCCHを用いてPDSCHにて通知する。更にはサービングセルがCSGセルかnon−CSGセルかに関わらず、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合に用いるタイマ(例えばT311_ホワイトリスト無)をサービングセル(ネットワーク側)が移動端末に移動端末のタイマと定数の情報要素の一部として、システム情報ブロックタイプ2にマッピングされ、BCCHを用いてPDSCHにて通知する。ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に用いるタイマ(例えばT311_ホワイトリスト有)は、CSGセルが移動端末にシステム情報にマッピングして、BCCHを用いてPDSCHにて通知する。
具体的な動作例について図36及び図37を用いて説明する。図36中にて図33、図35と同じステップ番号、図37中にて図34と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。図36のステップST3601にて移動端末は、サービングセルがCSGセルか否かを判断する。サービングセルがCSGセルであった場合、ステップST3502へ移行する。サービングセルがCSGセルでなかった場合、ステップST3503へ移行する。図36のステップST3502にて移動端末は、T311にT311_ホワイトリスト有(CSGセル(サービングセル)から受信したT311)をセットする。図36のステップST3503にて移動端末は、T311にT311_ホワイトリスト無(non−CSGセル(サービングセル)から受信したT311)をセットする。図37のステップST3701にて移動端末は、T311にホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に用いるタイマ(例えばT311_ホワイトリスト有)がセットされているか否か判断する。T311_ホワイトリスト有がセットされている場合、ステップST3407へ移行する。T311_ホワイトリスト有がセットされていない場合、ステップST3702へ移行する。
図37のステップST3702にて移動端末は、ステップST3405にて受信したPDSCH上のBCCHにマッピングされているシステム情報からT311_ホワイトリスト有を入手し、ステップST3703へ移行する。図37のステップST3703にて移動端末は、無線リンク失敗の検出、あるいはハンドオーバ失敗との判断、あるいはインテグリティ失敗との判断、あるいはRRC接続再設定失敗との判断からE-UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマ(例えばT311)にホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合用の無線リンク失敗の検出、あるいはハンドオーバ失敗との判断、あるいはインテグリティ失敗との判断、あるいはRRC接続再設定失敗との判断からE-UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマ(例えばT311_ホワイトリスト有)をセットし、ステップST3407へ移行する。第2の方法により、non−CSGセルのシステム情報にCSG導入が原因となる変更を加えなくて良いという効果を得ることが出来る。これは,既存のCSGを含まないLTEシステム(eUTRA/eUTRAN)での変更が不要となり、互換性が向上する。上記第2の方法ではPDSCH上のBCCHにマッピングされているシステム情報にてホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に用いるタイマ(例えばT311_ホワイトリスト有)を通知する方法について具体的に説明した。第2の通知方法の場合も具体例は第1の通知方法と同じく個別制御チャネル、報知制御チャネル(MIB、SIB)を用いることが出来る。
実施の形態12の効果を以下に示す。基地局の傘下には、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末が混在して存在する可能性がある。ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末に対して別個に無線リンク失敗の検出、あるいはハンドオーバ失敗との判断、あるいはインテグリティ失敗との判断、あるいはRRC接続再設定失敗との判断からE-UTRA内のセルを選択するまでの許容時間のタイマ(例えばT311)を設定可能とした。これにより、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末に対してもホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末に対しても上記タイマ値を適切に設定することが可能となった。よって、上記タイマが長く設定されることによる無用な無線リソースの確保を回避することができ、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また、上記タイマが短く設定されることによる、移動体通信システムとしての制御遅延の増加を回避するという効果を得ることが出来る。制御遅延の防止は移動端末の消費電力削減という効果も合わせて得ることが出来る。
ネットワーク側(基地局など)が該当の移動端末がホワイトリスト中にCSG−IDを有しているか否かを把握せずとも上記効果を有する点において、実施の形態12の解決策は優れている。これにより、移動端末から基地局へホワイトリスト中のCSG−IDの有無を通知しなくて良く、無線リソースの有効活用が図れる。また、基地局が傘下の移動端末のホワイトリスト中のCSG−IDの有無を管理する必要がない点において、基地局の処理負荷の軽減という効果を得ることが出来る。
実施の形態13.
非特許文献7にLTE移動体通信システムにて異なるE−UTARAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位が、システム情報(System information)とRRCメッセージでネットワーク側からUEへ提供されることが開示されている。ネットワーク側から移動端末に対して、個別シグナリング(Dedicated signalling)経由で優先順位が割り当てられている場合、移動端末は、システム情報が提供する全ての優先順位を無視する。非特許文献6に以下のことが記載されている。RRC接続開放メッセージ(RRC Connection Release message)にアイドルモード移動性制御情報(idlemode Mobility Control Info)が含まれており、アイドルモード移動性制御情報にセル再選択優先順位満了タイマ(cell Reselection Priority Expiry Timer)(例えばT320)が含まれていた場合、移動体通信システムとして以下の動作を行う。図38に開示されている移動端末としての処理の流れを示す。ステップST3801にて移動端末は、基地局から送信されるシステム情報にて異なるE-UTRAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位を受信し、ステップST3802へ移行する。ステップST3802にて移動端末は、基地局から送信される個別信号にて異なるE-UTRAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位を受信したか否か判断する。受信した場合、ステップST3803へ移行する。受信しない場合、ステップST3804へ移行する。ステップST3803にて移動端末は、システム情報にて受信した優先順位に従ってセルの再選択を行う。
ステップST3804にて移動端末は、個別信号にて受信した優先順位に従ってセルの再選択を行い、ステップST3805へ移行する。ステップST3805にて移動端末は、個別信号にて優先順位を設定したPLMNを離れたか否かを判断する。離れた場合、ステップST3808へ移行する。離れていない場合、ステップST3806へ移行する。ステップST3806にて移動端末は、RRC接続状態へ遷移したか否かを判断する。遷移した場合、ステップST3808へ移行する。遷移していない場合、ステップST3807へ移行する。ステップST3807にて移動端末は、タイマT320が終了しているか否か判断する。終了している場合、ステップ3808へ遷移する。終了していない場合、ステップST3804へ戻り、ステップST3804からステップST3807の処理を繰り返す。また、ステップST3804からステップST3807の処理の順序は任意であり、さらには同時であっても構わない。
本実施の形態13における課題について以下説明する。前述の通り、LTE及びUMTSにおいてCSGセルが導入される。いずれのCSGセルへも未登録の移動端末、つまりホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末は、non−CSGセルのみをセル再選択の対象とする。いずれかのCSGセルへ登録済みの移動端末、つまりホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末は、non−CSGセルだけなくCSGセルをも再選択の対象とする。更には、CSGセルのみが存在するCSG専用の周波数(周波数レイヤ)の検討も進んでいる。よって、CSGセルへ未登録の移動端末(ホワイトリスト中にCSG-IDを有さない移動端末)といずれかのCSGセルへ登録済みの移動端末(ホワイトリスト中にCSG-IDを有する移動端末)に同じ優先順位(異なるE-UTRAN周波数、あるいはInter-RAT周波数の優先順位)を設定した場合、移動体通信システムとして制御遅延の増大などの課題が発生する。更に本課題は、LTE(E-UTRAN)システムへのCSGセル導入においてもW-CDMA(UTRAN,UMTS)システムへのCSGセル導入においても発生する。
実施の形態13の課題解決策を以下に示す。本解決策は、LTEシステムにもW-CDMAシステムにも適用可能である。実施の形態13では、上記課題を解決するためにホワイトリスト中にCSG−IDを有するか否かで異なる優先順位(異なるE−UTARAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位など)を別個に設け、移動端末に反映させることを開示する。具体的な動作例について図39を用いて説明する。図39中にて図38と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST3901にて移動端末は、基地局からシステム情報にて送信されるホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末用(CSGセルへの登録済み移動端末用)の優先順位(異なるE-UTRAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位)とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末用(CSGセルへの未登録移動端末用)の優先順位を受信し、ステップST3802へ移行する。ステップST3902にて移動端末は、ホワイトリストにCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは移動端末は、CSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合、ステップST3903へ移行する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ステップST3904へ移行する。ステップST3903にて移動端末は、システム情報にて受信したホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末用(CSGセルへの登録済み移動端末用)の優先順位に従ってセルの再選択を行う。ステップST3904にて移動端末は、システム情報にて受信したホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末用(CSGセルへの未登録移動端末用)の優先順位に従ってセルの再選択を行う。
ステップST3905にて移動端末は、ホワイトリストにCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは移動端末は、CSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合、ステップST3906へ移行する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ステップST3907へ移行する。ステップST3906にて移動端末は、個別信号にて受信したホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末用(CSGセルへの登録済み移動端末用)の優先順位に従ってセルの再選択を行い、ステップST3805へ移行する。ステップST3907にて移動端末は、個別信号にて受信したホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末用(CSGセルへの未登録移動端末用)の優先順位に従ってセルの再選択を行い、ステップST3805へ移行する。ここでホワイトリスト中にCSG−IDを有するか否かで異なる優先順位は、システム情報にて通知される優先順位あるいは個別信号にて通知される優先順位のどちらか一方であっても構わない。
次にシステム情報として(ステップST3901)ホワイトリスト中にCSG−IDを有するか否かで異なる優先順位の通知方法について開示する。第1の方法としては、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に用いる優先順位、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合に用いる優先順位ともにサービングセル(ネットワーク側)が移動端末にシステム情報としてBCCHを用いてPDSCHにて通知する。更には、サービングセルがCSGセルかnon−CSGセルかに関わらず、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合に用いる優先順位をサービングセル(ネットワーク側)が移動端末にシステム情報としてBCCHを用いてPDSCHにて通知する。第1の方法にて移動端末は、サービングセルのBCCHを受信するのみで異なる優先順位を入手できるため、制御遅延防止という効果を得ることができる。第2の方法としては、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合に用いる優先順位は、サービングセル(ネットワーク側)が移動端末にシステム情報としてBCCHを用いてPDSCHにて通知する。更には、サービングセルがCSGセルかnon−CSGセルかに関わらず、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に用いる優先順位、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合に用いる優先順位ともにサービングセル(ネットワーク側)が移動端末にシステム情報としてBCCHを用いてPDSCHにて通知する。ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に用いる優先順位は、CSGセルが移動端末にシステム情報にマッピングして、BCCHを用いてPDSCHにて通知する。non−CSGセルのシステム情報にCSG導入が原因となる変更を加えなくて良いという効果を得ることが出来る。これは,既存のCSGを含まないLTEシステム(eUTRA/eUTRAN)での変更が不要となり、互換性が向上する。
次に個別信号にて基地局(ネットワーク側)から移動端末へ通知されるホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合用の優先順位、及びホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合用の優先順位の通知方法は、RRCメッセージが考えられる。
実施の形態13の効果を以下に示す。基地局の傘下には、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末が混在して存在する可能性がある。ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末に対して別個に優先順位(異なるE−UTARAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位など)を設定可能とした。これにより、移動体通信システムとして制御遅延の増大を防ぐという効果を得る。ネットワーク側(基地局など)が該当の移動端末がホワイトリスト中にCSG−IDを有しているか否かを把握せずとも上記効果を有する点において、実施の形態13の解決策は優れている。これにより、移動端末から基地局へホワイトリスト中のCSG−IDの有無を通知しなくて良く、無線リソースの有効活用が図れる。また、基地局が傘下の移動端末のホワイトリスト中のCSG−IDの有無を管理する必要がない点において、基地局の処理負荷の軽減という効果を得ることが出来る。
実施の形態14.
本実施の形態14における課題について以下説明する。実施の形態13にて記載した通り従来技術では、個別信号にてネットワーク側(基地局)から移動端末へ通知された優先順位(異なるE-UTRAN周波数、あるいはInter-RAT周波数の優先順位)の有効時間は1種類であった。前述の通り、LTE及びUMTSにおいてCSGセルが導入される。いずれのCSGセルへも未登録の移動端末、つまりホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末は、non−CSGセルのみをセル再選択の対象とする。従って優先順位の変更は少ないと考えられる。いずれかのCSGセルへ登録済みの移動端末、つまりホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末は、non−CSGセルだけなくCSGセルをも再選択の対象とする。従って優先順位の変更は頻繁であると考えられる。このように優先順位の変更の頻度が異なる状況下において、優先順位の有効時間が1種類であれば、それぞれの状況変化に適合する有効時間を設定することが不可能であり、制御遅延が増大するという課題が発生する。更に本課題は、LTE(E-UTRAN)システムへのCSGセル導入においてもW-CDMA(UTRAN,UMTS)システムへのCSGセル導入においても発生する。
実施の形態14の課題解決策を以下に示す。本解決策は、LTEシステムにもW-CDMAシステムにも適用可能である。実施の形態14では、上記課題を解決するためにホワイトリスト中にCSG−IDを有するか否かで異なる優先順位(異なるE-UTRAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位)の有効時間(例えばT320)を別個に設け、移動端末に反映させることを開示する。具体的な動作例について図40を用いて説明する。図40中にて図38と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST4001にて移動端末は、ホワイトリストにCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは移動端末は、CSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合、ステップST4002へ移行する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ステップST4003へ移行する。ステップST4002にて移動端末は、優先順位(異なるE-UTRAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位)の有効時間(例えばT320)にホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合用の優先順位(異なるE-UTRAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位)の有効時間(例えばT320_ホワイトリスト有)をセットし、ステップST3807へ移行する。
ステップST4003にて移動端末は、優先順位(異なるE-UTRAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位)の有効時間(例えばT320)にホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合用の優先順位(異なるE-UTRAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位)の有効時間(例えばT320_ホワイトリスト無)をセットし、ステップST3807へ移行する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合用の優先順位の有効時間、及びホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合用の優先順位の有効時間の通知方法は、RRCメッセージ及び報知制御チャネルが考えられる。個別制御チャネルを用いる場合は、当該移動端末の通信状態に応じた制御が可能という点において優れた方法である。報知制御チャネルで通知する場合、傘下の全移動端末に対して通知可能であり、無線リソースの有効活用という点において優れた方法である。実施の形態14は、実施の形態13と共に用いることが出来る。その場合のホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合用の優先順位の有効時間、及びホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合用の優先順位の有効時間の通知方法は、RRCメッセージ及び報知制御チャネルが考えられる。RRCメッセージで通知する場合には更に、個別信号にて通知される優先順位とともに通知することが考えられる。RRCメッセージで通知する場合、優先順位と当該優先順位の有効時間を同じ通知方法で通知できる点において、移動体通信システムの複雑性を回避する点において優れている。更に優先順位と当該優先順位の有効時間をともに通知すことにより移動体通信システムの制御遅延を削減できる点において優れている。報知制御チャネルで通知する場合、傘下の全移動端末に対して通知可能であり、無線リソースの有効活用という点において優れた方法である。
実施の形態14の効果を以下に示す。基地局の傘下には、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末が混在して存在する可能性がある。ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末に対して別個に優先順位(異なるE−UTARAN周波数、あるいはInter−RAT周波数の優先順位など)の有効時間を設定可能とした。これにより、優先順位の変更の頻度に応じて、優先順位の有効時間を設定可能とした。これにより、移動体通信システムとして制御遅延の増大を防ぐという効果を得る。ネットワーク側(基地局など)が該当の移動端末がホワイトリスト中にCSG−IDを有しているか否かを把握せずとも上記効果を有する点において、実施の形態14の解決策は優れている。これにより、移動端末から基地局へホワイトリスト中のCSG−IDの有無を通知しなくて良く、無線リソースの有効活用が図れる。また、基地局が傘下の移動端末のホワイトリスト中のCSG−IDの有無を管理する必要がない点において、基地局の処理負荷の軽減という効果を得ることが出来る。実施の形態14と実施の形態13を共に用いることにより、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末に適した柔軟性に富んだ、優先順位設定が可能になる。これにより、移動体通信システムとして制御遅延の増大を防ぐという効果を得る。
実施の形態15.
非特許文献6(10.1.1.2章)、非特許文献7(5.2.4.2章)にセル再選択(Cell Reselection)のLTE移動体通信システムとしての手順が開示されている。以下開示されている事項について記す。RRC_IDLE状態の移動端末はセル再選択を行う。移動端末は、再選択を実施するためにサービングセルと周辺セル(Neighbor cell)の測定を行う。サービングセルシステム情報中の周辺セルを示す必要はない(移動端末がセルをサーチ、測定する目的で)。サービングセルの特性がサーチあるいは測定基準を満たす場合は、測定が省略される。セル再選択とは、移動端末がキャンプオンすべきセルを認証する。サービングセルの測定に関するセル再選択基準(cell reselection criteria)に基づいている。同周波数間の再選択は、セルのランキングに基づく。異周波数間の再選択は、移動端末が利用可能な最も優先順位(Priority)の高い周波数にキャンプオンしようと試みる絶対的な優先順位に基づく。再選択用の絶対的な優先順位は前回位置登録(registered)したPLMNであるRPLMNによってのみ提供され、RPLMN内でのみ有効である。優先順位は、システム情報が提供しセル内の全移動端末(セルの傘下の移動端末)に有効である。移動端末毎の特別な優先順位はRRC接続開放メッセージ(RRC Connection Release message)内で通知されることが可能である。有効時間は、移動端末個別の優先順位を連動させることが可能である。異周波数間隣接セル用にレイヤ個別のセル再選択パラメータ(Layer-specific cell reselection parameters)(例えばレイヤ個別のオフセットなど)を示すことが可能である。これらのパラメータは周波数上の全隣接セルに共通である。隣接セルリスト(Neighbor Cell List:NCL)は、サービングセルが同周波数間そして異周波数間の特別な場合を取り扱うために提供可能である。この隣接セルリストは特定の(specific)隣接セル用のセル特定のセル再選択パラメータ(例えば、セル特定のオフセット)を含む。移動端末が特定の同周波数間と異周波数間の隣接セルを再選択しないよう、ブラックリストを提供することが出来る。セル再選択はスピード依存である(速度に依存させることが可能)。スピード検出は、UTRANの解決法に基づく。一つのセル内の全移動端末にセル再選択パラメータは適用可能だが、移動端末グループ毎、移動端末毎に特定の再選択パラメータを設定することも可能。
図41に開示されている移動端末としての処理の流れを示す。ステップST4101にて移動端末は、セルの選択あるいはセルの再選択を行い、ステップST4102へ移行する。ステップST4102にて移動端末は、セル再選択を開始するための測定基準を満たすか否かを判断する。具体的には、サービングセルの受信品質が閾値以下であるか否かを判断する。さらに具体的には、S_ServingCellがS_intrasearch以下(あるいはS_ServingCellがS_non intrasearch以下)であるか否かを判断する。測定基準を満たしている場合、ステップST4103へ移行する。満たしていない場合、ステップST4102の処理を繰り返す。ステップST4103にて移動端末は、セル再選択のための測定を行い、ステップST4104へ移行する。ステップST4104にて移動端末は、ステップST4103で行った測定の結果によりセル再選択を行うか否かを判断する。セル再選択を行う場合、ステップST4101へ戻る。セル再選択を行わない場合、ステップST4102へ戻る。
LTE及びUMTSにおいてCSGセルが導入される。CSGセルにおいてはnon−CSGセルと比較して、安価な課金体制が設定されることも検討されている。よってユーザにとっては、CSGセルが選択可能な場所においてはCSGセルにキャンプオンを希望することが予想される。また、移動体通信システムとしてもnon−CSGセルのカバレッジ内にCSGセルが存在するような状況においては、CSGセルがスケジューリングなどを担当する移動端末が増えると、その分non−CSGセルの処理負荷が軽減される。よって移動体通信システムにとっても、CSGセルが選択可能な場所にある移動端末がCSGセルにキャンプオンすることを望むことが予想される。
上記、非特許文献6及び非特許文献7記載のセル再選択手順では以下課題が発生する。non−CSGセル内にCSGセルが設置された場合を考える。また、サービングセルがnon−CSGセルとなっている移動端末がCSGセルのカバレッジ内に存在する場合を考える。この状況下で当該移動端末の測定基準を満たさない場合、サービングセル(non-CSGセル)の受信品質が閾値より大きい場合、S_ServingCell>S_intrasearchの場合、移動端末がセル再選択のための測定を行わないことになる。図41のステップST4102において測定基準を満たさないと判断し、ステップST4103の処理を行わずにステップST4102を繰り返す。このことは、当該移動端末がCSGセルのカバレッジ内にありながら、当該CSGセルを再選択する機会を与えられないことを意味する。これにより、ユーザがCSGセルの課金プランの恩恵を受けることが出来ないという課題が発生する。また、移動体通信システムにおいても、non−CSGセルの負荷軽減が図れないという課題が発生する。
上記課題は、非特許文献8にも開示されている。非特許文献8はUTRA向けの文書である。非特許文献8において上記課題の解決策として以下方法が開示されている。移動端末はサービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch,Sx>S_intersearch)場合でも、HNBを検索可能であるべきである。その場合のHNB検索周期は、通常使われる検索周期に比べて長くなることが予想される。HNBが配置されていない場所では検索を行わないことで、移動端末の低消費電力をサポートする。その方法は、non−CSGセルの周辺セルリストにて周辺にHNBの存在が示された場合にのみ、上記通常使われる検索周期に比べて長い検索周期を用いる。
本実施の形態15における課題について以下説明する。非特許文献8はUTRA向けの文書であるため、EUTRAN(LTEシステム)における課題解決策については、非特許文献8には開示されていない。更には、非特許文献8では、移動端末の低消費電力をサポートするために周辺セルリストを用いている。しかしLTEシステムでは、前述の通り、移動端末がセルをサーチ・測定する目的でサービングセルシステム情報中の周辺セルを示す必要はないとされている。よって非特許文献8で示されている周辺セルリストを用いた移動端末の低消費電力をサポートする方法をLTEシステムに、そのまま適用することは不可能である。さらに非特許文献8に開示されている技術に対する新たな課題として、サービングセル(non-CSGセル)の周辺セルにCSGセルが存在した場合であっても、当該移動端末のホワイトリスト中にCSGセルが登録されていない場合は、当該移動端末は、当該CSGセルを適したセルとして選択する可能性はない。よってCSGセルに登録していない移動端末が、非特許文献8の技術を用いて、サービングセル(non-CSGセル)の周辺セルにCSGセルが存在するからといってサービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch,Sx>S_intersearch)場合でも、検索を開始した場合を考える。その場合、移動端末(CSGセルに未登録)にとってはCSGセルを選択することは不可能であるので、無駄な測定が発生することになり、移動端末の消費電力増加という課題が発生する。
実施の形態15の課題解決策を以下に示す。実施の形態15では、上記課題を解決するためにホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期(タイマでも良い)を設け、移動端末に反映させることを開示する。あるいは、移動端末がCSGセルに登録している場合に適用する、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)場合でもセル再選択のための測定を行う周期(タイマでも良い)を設け、移動端末に反映させることを開示する。具体的な動作例について図42を用いて説明する。図42中にて図41と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST4201にて移動端末は、ホワイトリストにCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは移動端末は、CSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合、ステップST4202へ移行する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ステップST4207へ移行する。ステップST4202にて移動端末は、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用するセル再選択のための測定周期、あるいはタイマ(例えばT_reselectCSG)をスタートし、ステップST4203へ移行する。あるいは、移動端末がCSGセルに登録している場合に適用するセル再選択のための測定周期、あるいはタイマ(例えばT_reselectCSG)をスタートし、ステップST4203へ移行する。
ステップST4203にて移動端末は、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用するセル再選択のための測定周期(例えばT_reselectCSG)か否か判断する。あるいは移動端末は、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用するセル再選択のためのタイマ(例えばT_reselectCSG)がタイムアウトした(あるいはタイムアウトする)か否かを判断する。測定周期である場合、あるいはタイマがタイムアウトした場合、ステップST4205へ移行する。測定周期でない場合、あるいはタイマがタイムアウトしていない場合、ステップST4204へ移行する。ステップST4204にて移動端末は、セル再選択を開始するための測定基準を満たすか否かを判断する。具体的には、サービングセルの受信品質が閾値以下であるか否かを判断する。さらに具体的には、S_ServingCellがS_intrasearch以下(あるいはS_ServingCellがS_non intrasearch以下)であるか否かを判断する。測定基準を満たしている場合(サービングセルの受信品質が閾値以下である場合、S_ServingCell≦S_intrasearchである場合)、ステップST4205へ移行する。満たしていない場合、ステップST4203へ戻る。ステップST4205にて移動端末は、セル再選択のための測定を行い、ステップST4206へ移行する。ステップST4206にて移動端末は、ステップST4205で行った測定の結果によりセル再選択を行うか否かを判断する。セル再選択を行う場合、ステップST4101へ戻る。
セル再選択を行わない場合、ステップST4202へ戻る。ステップST4207にて移動端末は、セル再選択を開始するための測定基準を満たすか否かを判断する。具体的には、サービングセルの受信品質更が閾値以下であるか否かを判断する。さらに具体的には、S_ServingCellがS_intrasearch以下(あるいはS_ServingCellがS_non intrasearch以下)であるか否かを判断する。測定基準を満たしている場合、ステップST4208へ移行する。満たしていない場合、ステップST4207の処理を繰り返す。ステップST4208にて移動端末は、セル再選択のための測定を行い、ステップST4209へ移行する。ステップST4209にて移動端末は、ステップST4208で行った測定の結果によりセル再選択を行うか否かを判断する。セル再選択を行う場合、ステップST4101へ戻る。セル再選択を行わない場合、ステップST4207へ戻る。
次にホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期(タイマでもより)(例えばT_reselectCSG)の通知方法について開示する。第1の方法としては、サービングセル(ネットワーク側)が移動端末に報知情報としてBCCHを用いてPBCHあるいはPDSCHにて通知する。
更には、サービングセルがマスター情報(MIB)を用いてPBCHにて、あるいはシステム情報(SIB)を用いてPDSCHにて通知する。MIBを用いる場合は、MIBはPBCHにマッピングされることから、移動端末が制御遅延を少なく受信可能という点で優れた方法である。SIBを用いる場合は、SIB1を用いて通知する。MIBあるいはSIB1はセルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報である点において、移動端末の制御遅延を少なくする点において優れた方法である。更にはSIB1以外のシステム情報で通知する方法であっても報知情報であるので、傘下の全移動端末に対して通知可能であり、無線リソースの有効活用という点において優れた方法である。第1の方法にて移動端末は、サービングセルのBCCHを受信するのみでホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期(タイマ)を入手できるため、制御遅延防止という効果を得ることができる。第2の方法としては、CSGセルが移動端末に報知情報としてBCCHを用いてPBCHあるいはPDSCHにて通知する。更には、CSGセルがマスター情報(MIB)を用いてPBCH、あるいはシステム情報(SIB)を用いてPDSCHにて通知する。MIBを用いる場合は、MIBはPBCHにマッピングされることから、移動端末が制御遅延を少なく受信可能という点で優れた方法である。SIBを用いる場合は、SIB1を用いて通知する。MIBあるいはSIB1はセルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報である点において、移動端末の制御遅延を少なくする点において優れた方法である。更にはSIB1以外のシステム情報で通知する方法であっても報知情報であるので、傘下の全移動端末に対して通知可能であり、無線リソースの有効活用という点において優れた方法である。non−CSGセルのシステム情報にCSG導入が原因となる変更を加えなくて良いという効果を得ることが出来る。これは,既存のCSGを含まないLTEシステム(eUTRA/eUTRAN)での変更が不要となり,互換性が向上する。第3の方法としては、non−CSGセルが移動端末に報知情報としてBCCHを用いてPBCHあるいはPDSCHにて通知する。更には、CSGセルがマスター情報(MIB)を用いてPBCH、あるいはシステム情報(SIB)を用いてPDSCHにて通知する。MIBを用いる場合は、MIBはPBCHにマッピングされることから、移動端末が制御遅延を少なく受信可能という点で優れた方法である。SIBを用いる場合は、SIB1を用いて通知する。MIBあるいはSIB1はセルサーチから待ちうけの動作に必要最小限受信する報知情報である点において、移動端末の制御遅延を少なくする点において優れた方法である。更にはSIB1以外のシステム情報で通知する方法であっても良い。SIB1以外のシステム情報も報知情報であるので、傘下の全移動端末に対して通知可能であり、無線リソースの有効活用という点において優れた方法である。non−CSGセルがサービングセルである場合にCSGセルを選択可能とするためには、non−CSGセルから当該パラメータを通知すれば足りる。よって無線リソースの有効活用という点で第3の方法は優れている。第4の方法としては、移動体通信システムとして静的な値(移動体通信システムとして移動端末・基地局などにとって既知の値、規格書などに記載する値)とする。これにより基地局(ネットワーク側)と移動端末との間で無線信号が発生しない。よって無線リソースの有効活用という点で効果を得ることが出来る。さらに、静的に決定された値なので、無線信号の受信エラーの発生を防ぐという効果を得ることが出来る。
上記において、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期(タイマ)設け、移動端末に反映させることを開示したが、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するか否かで異なる周期(タイマ)を別個に設け、移動端末に反映させても課題を解決することが出来る。また、上記において、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期(タイマ)設け、移動端末に反映させることを開示したが、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末であってもサービングセルがnon−CSGセルである場合にのみ、当該周期を適用しても良い。これにより、上記解決策で発生する既にサービングセルがCSGセルである場合の無駄なセル選択のための測定(サービングセルをnon−CSGセルからCSGセルへ変更することを希望することもないため、サービングセルの受信品質が良い場合にもCSGセルを選択するための測定は無駄な測定となる)を削減することが可能となる。このことは、移動端末の低消費電力化という効果を得ることが出来る。上記において、CSGが用いられるHeNBを用いるLTEについて説明したが、本発明は、CSGが用いられるHNBを用いるUMTS、及びCSGが用いられないHeNB、HNB、半径が小さい基地局(ピコセル、マクロセルとも呼ばれる)にも適用可能である。
実施の形態15の効果を以下に示す。基地局の傘下には、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末が混在して存在する可能性がある。ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期(タイマでも良い)を設けることにより、サービングセル(non−CSGセル)の受信品質が良好である場合に、CSGセルを再選択するための測定を行なわないために発生する、ユーザがCSGセルの課金プランの恩恵を受けることが出来ないという課題、また移動体通信システムにおいても、non−CSGセルの負荷軽減が図れないという課題を解決することが出来る。ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合にサービングセルの状態が良い場合(測定基準を満たさない場合、Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)であってもセル再選択のための測定を行い、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さないCSGセルへ未登録の移動端末は、従来通りサービングセルの状態が良い場合(測定基準を満たさない場合、Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)はセル再選択のための測定は行わない。これにより、CSGセルへ未登録のためにCSGセルをセル再選択できない移動端末にとって無駄となるサービングセルの状態が良い場合であってもCSGセルを選択するための、測定を省くことが可能となる。このことは、CSGセルへ未登録の移動端末の消費電力削減という効果を得ることができる。本効果は非特許文献8にて開示されている技術によっては得られない、本発明による効果である。周辺セルリストを用いずに、課題を解決可能な点においても実施の形態15の解決策は優れている。何故なら、前記の通り、CSGセル、HeNB、HNBは可搬なサイズ、重量を想定しており、これらCSGセルなどの設置や撤去は頻繁にかつ柔軟に行われることが想定されている。よって周辺セルリストを用いた解決策においてはCSGセル、HeNB、HNBなどの設置や撤去の度に周辺セルリストを更新する必要があり、周辺セルリストの更新が頻繁に発生することが予想される。よって周辺セルリストを用いた解決策では、複雑・煩雑な移動体通信システムとなるからである。更にネットワーク側(基地局など)が該当の移動端末がホワイトリスト中にCSG−IDを有しているか否かを把握せずとも上記効果を有する点において、実施の形態15の解決策は優れている。これにより、移動端末から基地局へホワイトリスト中のCSG−IDの有無を通知しなくて良く、無線リソースの有効活用が図れる。また、基地局が傘下の移動端末のホワイトリスト中のCSG−IDの有無を管理する必要がない点において、基地局の処理負荷の軽減という効果を得ることが出来る。
次に実施の形態15の第一変形例について説明する。実施の形態15においては、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期(タイマでも良い)を設け、移動端末に反映させることにより課題を解決した。しかし、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するからといって、現在のサービングセル周辺に存在するCSGセルが適切なセル(Suitableセル)となり得るかどうかは不明である。現在のサービングセル周辺に存在するCSGセルへ未登録であった場合は、サービングセルの状態が良い場合であってもセルの再選択のための測定を行うことは、当該移動端末の消費電力を増加させるという課題が発生する。会社に設置されているCSGセルに登録済みのユーザが、帰宅した際などに発生する問題である。
実施の形態15の第一変形例における課題解決策を以下に示す。実施の形態15の第一変形例では、上記課題を解決するためにホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch,Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期(タイマでも良い)にてセル選択のための測定を行ったにも関わらず、セルを選択できなかった場合にサービングセルの状態が良い場合であってもセル再選択のための測定を行う周期にオフセットを加え、移動端末に反映させることを開示する。具体的な動作例について図43を用いて説明する。図43中にて図42と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップ4301にて移動端末は、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期(タイマ)(例えばT_reselectCSG)へオフセット値を加え、ステップST4202へ移行する。例えば、本オフセット値がプラスの値であれば、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch、Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなったがセルの再選択を行わなかった場合、つまり当該移動端末にとって適切なセル(Suitableセル)となるCSGセルが見つからなかった場合、サービングセルの状態が良い場合であってもセル再選択のための測定を行う周期が伸びることになる。よってオフセット値を用いることにより、現在のサービングセル周辺に存在するCSGセルへ未登録であった場合の当該移動端末の消費電力を削減することが出来る。本オフセット値の通知方法は、実施の形態15におけるサービングセルの状態が良い場合であってもセル再選択のための測定を行う周期(タイマ)の通知方法を用いることが出来る。このとき、オフセット値とサービングセルの状態が良い場合であってもセル再選択のための測定を行う周期(タイマ)の通知は同時であっても別個であってもかまわない。
上記において、CSGが用いられるHeNBを用いるLTEについて説明したが、本発明は、CSGが用いられるHNBを用いるUMTS、及びCSGが用いられないHeNB、HNB、半径が小さい基地局(ピコセル、マクロセルとも呼ばれる)にも適用可能である。
実施の形態15の第一変形例では、実施の形態15の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。現在のサービングセル周辺に存在するCSGセルへ未登録であった場合の当該移動端末の消費電力を削減することが出来る。更にネットワーク側(基地局など)が該当の移動端末が、どのCSGセルに登録しているか(ホワイトリスト内にどのCSG−IDを有しているか)を把握せずとも上記効果を有する点において、実施の形態15の変形例1の解決策は優れている。これにより、移動端末から基地局へホワイトリスト中のCSG−IDを通知しなくて良く、無線リソースの有効活用が図れる。また、基地局が傘下の移動端末のホワイトリスト中のCSG−IDを管理する必要がない点において、基地局の処理負荷の軽減という効果を得ることが出来る。
次に実施の形態15の第二変形例を説明する。実施の形態15の第一変形例で示した課題について実施の形態15の第一変形例とは別の解決策について開示する。実施の形態15の第二変形例では、上記課題を解決するためにホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、サービングセルの状態が良い(Sx>S_intrasearch,Sx>S_intersearch)場合であってもセル再選択のための測定をおこなう周期(タイマでも良い)にてセル選択のための測定を行ったにも関わらず、セルを選択できなかった場合に、サービングセルの状態が良い場合であってもセル再選択のための測定を行う周期の適用を解除することを開示する。具体的な動作例について図44を用いて説明する。図44にて図42と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST4206にて移動端末は、ステップST4205で行った測定の結果によりセル再選択を行ったか否かを判断する。セル再選択を行った場合、ステップST4101へ戻る。セル再選択を行わなかった場合、ステップST4207へ移行する。
上記において、CSGが用いられるHeNBを用いるLTEについて説明したが、本発明は、CSGが用いられるHNBを用いるUMTS、及びCSGが用いられないHeNB、HNB、半径が小さい基地局(ピコセル、マクロセルとも呼ばれる)にも適用可能である。
実施の形態15の変形例2では、実施の形態15の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。現在のサービングセル周辺に存在するCSGセルへ未登録であった場合の当該移動端末の消費電力を削減することが出来る。更にネットワーク側(基地局など)が該当の移動端末が、どのCSGセルに登録しているか(ホワイトリスト内にどのCSG−IDを有しているか)を把握せずとも上記効果を有する点において、実施の形態15の変形例2の解決策は優れている。これにより、移動端末から基地局へホワイトリスト中のCSG−IDを通知しなくて良く、無線リソースの有効活用が図れる。また、基地局が傘下の移動端末のホワイトリスト中のCSG−IDを管理する必要がない点において、基地局の処理負荷の軽減という効果を得ることが出来る。
実施の形態16.
実施の形態16では、実施の形態15で示した課題について実施の形態15とは別の解決策について開示する。また、現在のセル再選択手順において、non−CSGセルであるサービングセルの受信品質が良好な場合であっても、周辺セルのCSGセルを選択可能とするためには、以下動作が考えられる。例えばS_intrasearchを低く設定する。これにより、サービングセルの受信品質が良好な場合であっても、測定基準が満たされ易くなり、セル再選択のための測定が行われ易くなる。しかし、上記のようにS_intrasearchを低くした場合、当該サービングセル傘下の全移動端末(ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末も含めて)がサービングセルの受信状況が良好な場合であっても、測定基準が満たされ易くなり、セル再選択のための測定が行われ易くなる。その場合、移動端末(CSGセルに未登録)にとってはCSGセルを選択することは不可能であるので、無駄な測定が発生することになり、移動端末の消費電力増加という課題が発生する。
実施の形態16では、上記課題を解決するためにセル再選択を開始するための測定基準をホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合に分けて設け、移動端末に反映させることを開示する。さらに具体的には、セル再選択を開始するための測定基準である、サービングセルの受信品質と比較する閾値をホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合に分けて設け、移動端末に反映させることを開示する。具体的な動作例について図45を用いて説明する。図45中にて図41、図42と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST4201にて移動端末は、ホワイトリストにCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは移動端末は、CSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいる場合、あるいはCSGセルに登録している場合、ステップST4501へ移行する。ホワイトリストにCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ステップST4502へ移行する。ステップST4501にて移動端末は、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用するセル再選択のための測定基準を満たすか否かを判断する。具体例としては、サービングセルの受信品質(例えば、Sx)がホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する閾値(例えば、S_intrasearchCSG)以下であるか否かを判断する。
測定基準を満たしていた場合、具体例としてはSx≦S_intrasearchCSGであった場合、ステップST4205へ移行する。測定基準を満たしていない場合、具体例としてはSx>S_intrasearchCSGであった場合、ステップST4501へ戻る。この場合、同周波数間の測定基準を満たすか否かの閾値のみではなく異周波数間の測定基準を満たすか否かの閾値(例えばS_intersearchCSG)と比較しても良い。ステップST4502にて移動端末は、通常(ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合としても良い)適用するセル再選択のための測定基準を満たすか否かを判断する。具体例としては、サービングセルの受信品質(例えば、Sx)が閾値(S_intrasearch)以下であるか否かを判断する。測定基準を満たしていた場合、具体例としてはSx≦S_intrasearchであった場合、ステップST4208へ移行する。測定基準を満たしていない場合、具体例としてはSx>S_intrasearchであった場合、ステップST4502へ戻る。この場合、同周波数間の測定基準を満たすか否かの閾値のみではなく異周波数間の測定基準を満たすか否かの閾値(例えばS_intersearch)と比較しても良い。また、上記において開示したホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する閾値(例えばS_intersearchCSG)をホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末であってもサービングセルがnon−CSGセルである場合にのみ適用しても良い。これにより、上記解決策で発生する既にサービングセルがCSGセルである場合、無駄なセル選択のための測定(サービングセルをnon−CSGセルからCSGセルへ変更することを希望することも無いため、サービングセルの受信品質が良い場合にもCSGセルを選択するための測定は無駄な測定となる)を削減することが可能となる。このことは、移動端末の低消費電力化という効果を得ることが出来る。
ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合のセル再選択を開始するための測定基準の通知方法は、実施の形態15におけるサービングセルの状態が良い場合であってもセル再選択のための測定を行う周期(タイマ)の通知方法を用いることが出来る。このときホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合のセル再選択を開始するための測定基準の通知は、通常適用するセル再選択のための測定基準と同時であっても別個であってもかまわない。
上記において、CSGが用いられるHeNBを用いるLTEについて説明したが、本発明は、CSGが用いられるHNBを用いるUMTS、及びCSGが用いられないHeNB、HNB、半径が小さい基地局(ピコセル、マクロセルとも呼ばれる)にも適用可能である。
実施の形態16の効果を以下に示す。基地局の傘下には、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する移動端末とホワイトリスト中にCSG−IDを有さない移動端末が混在して存在する可能性がある。ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、セル再選択を開始するための測定基準を設けることにより、サービングセル(non−CSGセル)の受信品質が良好である場合に、CSGセルを再選択するための測定を行なわないために発生する、ユーザがCSGセルの課金プランの恩恵を受けることが出来ないという課題、また移動体通信システムにおいても、non−CSGセルの負荷軽減が図れないという課題を解決することが出来る。ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合にサービングセルの状態が良い場合であってもセル再選択のための測定を行い、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さないCSGセルへ未登録の移動端末は、従来通りサービングセルの状態が良い場合はセル再選択のための測定は行わない。これにより、CSGセルへ未登録のためにCSGセルをセル再選択できない移動端末にとって無駄となるサービングセルの状態が良い場合であってもCSGセルを選択するための、測定を省くことが可能となる。このことは、CSGセルへ未登録の移動端末の消費電力削減という効果を得ることができる。本効果は非特許文献8にて開示されている技術によっては得られない、本発明による効果である。
周辺セルリストを用いずに、課題を解決可能な点においても実施の形態16の解決策は優れている。何故なら、前記の通り、CSGセル、HeNB、HNBは可搬なサイズ、重量を想定しており、これらCSGセルなどの設置や撤去は頻繁にかつ柔軟に行われることが想定されている。よって周辺セルリストを用いた解決策においてはCSGセル、HeNB、HNBなどの設置や撤去の度に周辺セルリストを更新する必要があり、周辺セルリストの更新が頻繁に発生することが予想される。よって周辺セルリストを用いた解決策では、複雑・煩雑な移動体通信システムとなるからである。更にネットワーク側(基地局など)が該当の移動端末がホワイトリスト中にCSG−IDを有しているか否かを把握せずとも上記効果を有する点において、実施の形態16の解決策は優れている。これにより、移動端末から基地局へホワイトリスト中のCSG−IDの有無を通知しなくて良く、無線リソースの有効活用が図れる。また、基地局が傘下の移動端末のホワイトリスト中のCSG−IDの有無を管理する必要がない点において、基地局の処理負荷の軽減という効果を得ることが出来る。
次に、上記説明の実施の形態16の第一変形例について説明する。具体的には、実施の形態15の変形例1で示した課題についての解決策について開示する。実施の形態16の変形例1では、上記課題を解決するためにホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合に適用する、セル再選択を開始するための測定基準(例えば、S_intrasearchCSG)にてセル選択のための測定を行ったにも関わらず、セルを選択できなかった場合に、セル再選択を開始するための測定基準(例えば、S_intrasearchCSG)の適用を解除することを開示する。具体的な動作例について図45を用いて説明する。ステップST4206にて移動端末は、ステップST4205で行った測定の結果によりセル再選択を行ったか否かを判断する。セル再選択を行った場合、ステップST4101へ戻る。セル再選択を行わなかった場合、ステップST4502へ移行する。
実施の形態17.
3GPPにおいて、Home−NodeB(Home-NB、HNB)、Home−eNodeB(Home-eNB、HeNB)と称される基地局が検討されている。HNB/HeNBはUTRAN/E−UTRANにおける、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献9にHeNB及びHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。オープンアクセスモード(Open access mode)とクローズドアクセスモード(Closed access mode)とハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)である。各々のモードは以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBやHNBは通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBやHNBがCSGセルとして操作される。CSGセルはCSGメンバーのみアクセス可能なセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、non−CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードのセルは、言い換えれば、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードの両方をサポートするセルである。ハイブリッドアクセスモードのセルはハイブリッドセルとも呼ばれる。
3GPPにおいて、サービングセルの受信品質が良好な場合でも、所望のCSGセルへセル再選択可能とする方法が検討されている。このことは、ハイブリッドセルにおいても検討が必要であると考えられる。例えば、非特許文献10には、ハイブリッドセルにおいて、CSGメンバーのUEはnon−CSGメンバーのUEより長く留まらすべきで、そのため、CSGメンバーのUEとnon−CSGメンバーのUEとでキャンピングのメカニズムを異ならせる必要有り、との提案がなされている。しかし、非特許文献10には、その具体的な方法についてはなんら記載されていない。
ハイブリッドセルはCSGセルであるため、ハイブリッドセルにおいてCSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEより長く留まらすための具体的な方法として、実施の形態15、実施の形態15第一の変形例、実施の形態15第二の変形例、実施の形態16、実施の形態16第一の変形例で開示した方法を適用できる。これらの方法により、サービングセルの状態が良い場合であっても、ホワイトリスト(CSG−IDリスト、allowed CSG list)中にCGS−IDを有するUEあるいはCSGセルに登録しているUEが、そうでないUEよりも早くセル再選択の手順を実行することが可能となる。このため、ハイブリッドセルも含めたCSGセルの検出を早く行うことが可能となる。従って、ハイブリッドセルの属するCSGのCSG−IDを有するUEあるいは該CSGに登録しているUEが、該ハイブリッドセルに早くセル再選択を行うことが可能となる。具体的な動作についても上記の実施の形態で開示した方法を適用できる。
実施の形態16において、セル再選択の測定基準をホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合と有さない場合とに分けて設けることを開示した。例として、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合のセル再選択の閾値をS_intrasearch、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合のセル再選択の閾値をS_intrasearchCSGとした。
ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合よりもホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合の方がより早くセル再選択の手順を行わせるようにするため、S_intrasearchよりS_intrasearchCSGを低く(S_intrasearch > S_intrasearchCSG)設定すると良い。セル再選択の閾値が低いほどセル再選択の手順を開始しやすくなるため、結果としてCSGメンバーのUEがCSGセルへ早くセル再選択し易くするようにできる。従って、本実施の形態17においても同様に、ハイブリッドセルへも早くセル再選択し易くするようにできる。
実施の形態18.
サービングセルの受信品質が良好な場合でも、所望のCSGセルへセル再選択可能とする具体的な方法として、例えば非特許文献11にはCSGセル毎にQoffsetを与える方法が記載されている。
Qoffsetは、非特許文献7に示されるように、セル再選択時にセルランキングを行う際に、検出したセルの受信品質測定値に対して与えるオフセットである。Qoffsetは、該Qoffsetが与えられるセルの情報と共に、サービングセルから報知される。
また、例えば非特許文献12には、ハイブリッドセルに対して一つのQoffsetを与える方法、言い換えるとハイブリッドアクセスモードの全てのセルに対して一つのQoffsetを与える方法、が記載されている。さらには、マクロセルのRSRPレンジに対応した二つのQoffsetを設け、マクロセルのRSRPのある閾値に対してその上下で各々のQoffsetを適用する方法が示されている。
これらの方法のように、CSGセル毎、あるいはハイブリッドセルに対して一つ、あるいはマクロセルのRSRPレンジに対応してQoffsetを与えるだけでは、セル毎、あるいはセルの種類毎、あるいはマクロセルとの位置関係毎でのみオフセット値を異ならせることしかできない。
しかし、ハイブリッドセルはCSGセルではあるが、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードの両方を同時にサポートする。このため、ハイブリットセルに対しては、セル再選択のクライテリアをnon−CSGメンバーのUEとCSGメンバーのUEとで異ならせることはできない。よってこれらの方法では、ハイブリッドセルにおいてCSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせることはできない、という問題が生じる。
この問題を解消するため、本実施の形態では、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するオフセット値(Qoffset_csg)と、そうでないUEに適用するオフセット値(Qoffset_noncsg)を設ける。
このように、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUE用とそうでないUE用とで別個にオフセットを設けることで、セル再選択のクライテリアをnon−CSGメンバーのUEとCSGメンバーのUEとで異ならせることが可能となる。これにより、ハイブリッドセルにおいても、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせることが可能となる。
具体的な動作例について、図46を用いて説明する。図46中にて図41と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ST4103でUEはセル再選択のための測定を行い、セルランキングを行う。ステップST4601にてUEはホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは、UEはCSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいる場合あるいはCSGセルに登録している場合、ST4602に移行する。ST4602にてUEは、測定した値からQoffset_csgを減算する。ホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ST4603に移行する。ST4603にてUEは、測定した値からQoffset_noncsgを減算する。これらの減算した結果をもとにセルランキングを行うことによって、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEと、そうでないUEとでセルの再選択を行う判断基準を異ならせることが可能となる。セルランキングをステップST4602あるいはステップST4603のみとし、ステップST4103でのセルランキングを省略することも可能である。
Qoffset_noncsgの値とQoffset_csgの値に関しては、サービングセルと周辺セルの電波環境に応じて、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEの方がそうでないUEよりも早くセル再選択の受信品質基準を満たすように設定すれば良い。
例えば、Qoffset_noncsgの値よりもQoffset_csgの値を低く(Qoffset_noncsg > Qoffset_csg)設定するようにしておく。こうすることで、ある一つのセルに対してこれらのオフセットを考慮して算出した結果は、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEの方がそうでないUEよりも高くなる。従って、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEの方がそうでないUEよりも早くセル再選択の受信品質基準を満たすことになる。より早くセル再選択の受信品質基準を満たすようにすることで、より早くsuitableセルへの再選択を行わせることが可能となる。従って、ハイブリッドセルに対して、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEよりも早くセル再選択させることが可能となり、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせることが可能となる。
セルランキングのクライテリアとして、次式としても良い。
ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEについては、
Rn=Qmeas,n−Qoffset_csg
とし、そうでないUEについては、
Rn=Qmeas,n−Qoffset_noncs
とする。
Qmeas,nはn番目のセルの受信品質測定値、Rnはオフセットを考慮した受信品質の計算結果である。
または、セルランキングのクライテリアとして、次式としても良い。
ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEについては、
Rn=Qmeas,n−Qoffset−Qoffset_csg
とし、そうでないUEは、
Rn=Qmeas,n−Qoffset−Qoffset_noncsg
とする。
従来のQoffsetを考慮したうえで、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEとそうでないUEとで差をつけるためだけにQoffset_noncsgとQoffset_csgを用いることができる。
Qoffset_csgとQoffset_noncsgの通知方法は、実施の形態15でセル再選択のための測定を行う周期の通知方法として開示した第1の方法から第4の方法が適用できる。これらを適用した場合、同様の効果を得ることができる。
また、第1の方法において、SIBを用いる場合にSIB4を用いて通知しても良い。SIB4では従来のオフセット値が、対応するセルの情報と共に送信される。それらの情報とともにオフセット値が送信されることで、対応するセル毎に、従来のオフセット値とあわせてセルランキングクライテリアを実行できるようになる。対応するセルの情報として、ハイブリットセル用に与えることができるPCIレンジを用いても良い。こうすることによって、複数のハイブリッドセルに対して同じ値を設定可能となり、SIB4の情報量を減らすことができる。
また、第2の方法においては、ハイブリッドセルのみが報知情報としてオフセット値を通知するようにしても良い。
上記に開示した方法では、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するオフセット値(Qoffset_csg)と、そうでないUEに適用するオフセット値(Qoffset_noncsg)を設け、それらを用いてセルランキングを行い、セル再選択を行うようにした。
別の方法として、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するオフセット値とそうでないUEに適用するオフセット値との差分の値(Qoffset_delta)を設けても良い。すなわち、Qoffset_noncsgとQoffset_deltaを設けて、セルランキングのクライテリアに用いるようにしても良い。
例えば、セルランキングのクライテリアとして、次式としても良い。
ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEについては、
=Qmeas,n−(Qoffset_noncsg−Qoffset_delta)
とし、そうでないUEについては、
=Qmeas,n−Qoffset_noncsg
とする。
これにより、上記に開示したQoffset_noncsgとQoffset_csgを通知する方法と同等の効果を得ることができる。
また別の方法として、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さないUE、あるいはCSGに登録していないUEに適用するオフセット値を従来のQoffsetとして設定し、差分値Qoffset_deltaとあわせて用いるようにしても良い。
例えば、セルランキングのクライテリアとして、次式としても良い。
ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEについては、
Rn=Qmeas,n−(Qoffset−Qoffset_delta)
とし、そうでないUEは、
Rn=Qmeas,n−Qoffset
とする。
これにより、上記に開示した方法と同等の効果を得られるだけでなく、設定するパラメータを一つ減らすことができる。つまり、Qoffset_csgとQoffset_noncsgの両方を設定する必要がなく、Qoffset_deltaを設定するだけで良い。従って、パラメータ設定のための情報量を削減することが可能となる。通知方法としては前述の方法が適用できる。別の方法として、QoffsetとQoffset_deltaを別々のセルからそれぞれ通知するようにしても良い。例えば、Qoffsetをサービングセルから通知し、Qoffset_deltaはハイブリッドセルから通知する。Qoffset_deltaはハイブリッドセルに対してのみ用いられる値であるから、ハイブリッドセルからのみ通知するようにして、セルランキングのクライテリアにおいて、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEは、該オフセット値(Qoffset_delta)を用いて再計算するようにしておけば良い。そうでないUEは再計算する必要がなく、ハイブリッドセルの該オフセット値を受信する必要は無いため、受信品質を測定するだけで良くなる。従って、セル再選択時のメジャメントを簡単化することが可能となり、UEの消費電力削減の効果が得られる。
本実施の形態で開示した方法は、非特許文献11に示されるCSGセル毎にQoffsetを与える方法や、非特許文献12に示されるハイブリッドセルに対して一つのQoffsetを与える方法、あるいは、マクロセルのRSRPレンジに対応した二つのQoffsetを設け、マクロセルのRSRPのある閾値に対してその上下で各々のQoffsetを適用する方法にも、適用することが可能である。例えば、本実施の形態で開示したセルランキングのクライテリアにおけるQoffsetとして、あるいはQoffsetに加えて、これらのQoffsetを用いれば良い。これにより、例えばCSGセル毎の、あるいは、ハイブリッド特有の、あるいはマクロセルのRSRPレンジに対応した、各々のQoffsetを考慮させることも可能となる。
また、別の方法として、これら非特許文献で示されている値を、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するオフセット値として、そうでないUEには適用しないようにする。例えば、セルランキングのクライテリアとして、Qoffset_deltaにこれら非特許文献で示されている値を用いるようにしても良い。こうすることで、ハイブリッドセルに対して、セル再選択のクライテリアをnon−CSGメンバーのUEとCSGメンバーのUEとで異ならせることが可能となる。
本実施の形態で開示した方法は、実施の形態15、実施の形態15第一の変形例、実施の形態15第二の変形例、実施の形態16、実施の形態16第一の変形例、実施の形態17で開示した方法と組合せて用いることが可能である。
例えば、実施の形態15と組合せた場合の具体的な動作例について、図47に示す。図47中にて図42と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST4201にてUEはホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは、UEはCSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいる場合あるいはCSGセルに登録している場合は、ST4701にて、測定した値からQoffset_csgを減算する。ホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ST4702にて、測定した値からQoffset_noncsgを減算する。これらの減算した結果をもとにセルランキングを行うことによって、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEと、そうでないUEとでセルの再選択を行う判断基準を異ならせることが可能となる。セルランキングをステップST4701あるいはステップST4702のみとし、ステップST4205あるいはステップST4208でのセルランキングを省略することも可能である。
他の実施の形態および変形例についても同様な動作とすることで組合せて用いることは可能となる。本実施の形態で開示した方法とこれらの実施の形態および変形例を組合せることで、ハイブリッドセルを含めたHeNBあるいはHNBの柔軟な配置にともなう各々の電波環境の相違にも柔軟に対応できる効果が得られる。
本実施の形態で開示した方法とすることで、ハイブリッドセルに対して、セル再選択のクライテリアをnon−CSGメンバーのUEとCSGメンバーのUEとで異ならせることが可能となる。これにより、ハイブリッドセルにおいても、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせることが可能となる。
これにより、CSGメンバーは、ハイブリッドセルでCSGメンバーに対する高速通信や優遇課金プランなどのサービスをより早く、より長く受けることが可能となる。
実施の形態19.
実施の形態18では、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEよりもハイブリッドセルに対して早くセル再選択を行う方法、言い換えるとハイブリッドセルへの(インバウンド、inbound)再選択をし易くする方法について開示した。
本実施の形態では、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEよりもハイブリッドセルから遅くセル再選択を行う、言い換えるとハイブリッドセルからの(アウトバウンド、outbound)セル再選択をし難くするため、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するオフセット値(Qoffset_csg)と、そうでないUEに適用するオフセット値(Qoffset_noncsg)を設け、それらを用いてセルランキング、セル再選択を行うようにして、セル再選択のクライテリアをnon−CSGメンバーのUEとCSGメンバーのUEとで異ならせる方法を適用する場合について開示する。
具体的な動作例として、セルランキングのクライテリアを次式とすれば良い。
ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEについては、
Rs=Qmeas,s+Qhyst−Qoffset_csg
とし、そうでないUEについては、
Rs=Qmeas,s+Qhyst−Qoffset_noncsg
とする。
Qmeas,sはサービングセルの受信品質測定値、Qhystはヒステリシスを持たせるためのオフセット値、Rsはオフセットを考慮したサービングセルの受信品質の計算結果である。
ハイブリッドセルからの再選択では、ハイブリッドセルがサービングセルとなる。従って、ハイブリッドセルからのセル再選択をし難くするため、セル再選択時のセルランキングの際に、サービングセルの測定値に、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEとそうでないUEとで差をつける。具体例としてRs導出時にQoffset_noncsgとQoffset_csgを用いて計算させる。これにより、両者のUEで、ハイブリッドセルからのセル再選択を行う判断基準を異ならせることが可能となる。
Qoffset_noncsgの値とQoffset_csgの値に関しては、サービングセルと周辺セルの電波環境に応じて、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEの方がそうでないUEよりも遅くセル再選択の受信品質基準を満たすように設定すれば良い。
例えば、Qoffset_noncsgの値よりもQoffset_csgの値を高く(Qoffset_noncsg < Qoffset_csg)設定するようにしておく。こうすることで、ハイブリッドセルであるサービングセルに対してこれらのオフセットを考慮して算出した結果は、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEの方がそうでないUEよりも低くなる。従って、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEの方がそうでないUEよりも遅くセル再選択の受信品質基準を満たすことになる。
より遅くセル再選択の受信品質基準を満たすようにすることで、より遅くまでハイブリッドセルからの再選択を行わせないことが可能となる。従って、ハイブリッドセルにおいて、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEよりも遅くセル再選択させることが可能となり、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせることが可能となる。
図48に、ハイブリッドセルにおけるセル再選択の具体的な動作例を示す。図48中にて図41と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ST4101でセル選択あるいはセル再選択手順に入ったUEは、セル再選択のためサービングセルの測定を行い、サービングセルに対するセルランキングクライテリアを行う。ステップST4801にてUEはホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは、UEはCSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいる場合あるいはCSGセルに登録している場合、ST4802に移行する。ST4802にてUEは、測定した値からQoffset_csgを減算する。ホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ST4803に移行する。ST4803にてUEは、測定した値からQoffset_noncsgを減算する。これらの減算した結果をもとに、ST4102でセル再選択のための測定基準を満たすかどうか判断する。こうすることで、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEと、そうでないUEとでセルの再選択を行う判断基準を異ならせることが可能となる。
ST4103でサービングセルの受信品質測定値も含めてセルランキングを行う場合のサービングセルの測定値の導出の際に、該オフセット値(Qoffset_csg、Qoffset_noncsg)を用いないようにしても良い。用いないようにした場合、CSGメンバーのUEがサービングセルを選択する可能性を高くすることができる。
また別途、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するオフセット値(Qoffset_csg_r)と、そうでないUEに適用するオフセット値(Qoffset_noncsg_r)を設けて、ST4103でサービングセルの受信品質測定値も含めてセルランキングを行う場合のサービングセルの測定値の導出の際に、それらをサービングセルの測定値に適用してセルランキングを行い、セル再選択を行うようにしても良い。この場合、Qoffset_csg_rよりもQoffset_noncsg_rを高く設定すると良い。こうすることで、ハイブリッドセルであるサービングセルに対してこれらのオフセットを考慮して算出した結果は、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEの方がそうでないUEよりも高くなる。従って、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEの方がそうでないUEよりもサービングセルを選択する可能性を高くすることができる。
セルランキングのクライテリアを前述したもののようにすることで、ハイブリッドセルにおいて、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEよりも遅くセル再選択させることが可能となり、CSGメンバーのUEをnon−CSGメンバーのUEよりも長くハイブリッドセルに留まらせることが可能となる。
これらのパラメータの通知方法は、実施の形態15でセル再選択のための測定を行う周期の通知方法として開示した第1の方法から第4の方法が適用でき、同様の効果を得ることができる。
本実施の形態と実施の形態18を組合せることにより、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEよりもハイブリッドセルへの再選択をしやすくさせ、かつ、ハイブリッドセルからの再選択をし難くさせることが可能となる。従って、CSGメンバーのUEをnon−CSGメンバーのUEよりも長くハイブリッドセルに留まらせることが可能となる。
本実施の形態と実施の形態18を組合せた場合、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEよりもハイブリッドセルへの再選択をし易くするために設けたオフセット値と、ハイブリッドセルからのセル再選択をし難くするために設けたオフセット値は、各々異なる値に設定されても良いし、同じ値にしても良い。
例えば、ハイブリッドセルへの再選択をし易くするために設けたオフセット値を、Qoffset_csg_in、Qoffset_noncsg_inとし、ハイブリッドセルからのセル再選択をし難くするために設けたオフセット値をQoffset_csg_out、Qoffset_noncsg_outとして、各々値を設定できるようにする。こうすることにより、より柔軟なHeNB、HNBの設置、運用に対応することが可能となる。
同じ値に設定する例として、Qoffset1とQoffset2の二つのオフセットを設けておくと良い。ハイブリッドセルへの再選択をし易くするために、Qoffset_csg=Qoffset1、Qoffset_noncsg=Qoffset2と設定して、周辺セルのセルランキングRnの導出において用いるようにする。一方、ハイブリッドセルからのセル再選択をし難くするために、Qoffset_csg=Qoffset2、Qoffset_noncsg=Qoffset1と設定して、サービングセルのセルランキングRsの導出において用いるようにする。Qoffset1はQoffset2よりも低く設定すると良い。こうすることで、パラメータの数を削減でき、UEへ送信する情報量を減らすことが可能となる。
これらのパラメータの通知方法として、実施の形態15、実施の形態18で開示した通知方法が可能であり、いろいろな通知方法の組合せも可能である。
例えば、Qoffset_csg_in、Qoffset_noncsg_inは、周辺セルのセルランキングRnの導出に用いるため、サービングセルからSIB4で通知し、Qoffset_csg_out、Qoffset_noncsg_outは、ハイブリッドセルにおいてサービングセルのセルランキングRsに導出に用いるため、ハイブリッドセルのみからSIB1で通知するようにしても良い。
こうすることで、ハイブリッドセルではないセルからの通知する情報量を削減することができる。
Qoffset1とQoffset2の二つのオフセットを設けておくような場合は、全てのセルのSIB1で通知するようにしても良い。こうすることで、ハイブリッドセルにおいても通知する情報量を削減することが可能となる。
本実施の形態で開示した方法は、実施の形態15、実施の形態15第一の変形例、実施の形態15第二の変形例、実施の形態16、実施の形態16第一の変形例、実施の形態17、実施の形態18で開示した方法と組合せて用いることが可能である。
本実施の形態で開示した方法とこれらの実施の形態および変形例を組合せることで、ハイブリッドセルを含めたHeNBあるいはHNBの柔軟な配置にともなう様々の電波環境のなかにあっても、CSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEよりもハイブリッドセルへの再選択をしやすくさせ、かつ、ハイブリッドセルからの再選択をし難くさせることができる。従って、ハイブリッドセルにおいてCSGメンバーのUEをnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせることが可能となる。
実施の形態20.
上記の実施の形態では、ハイブリッドセルにおいてCSGメンバーのUEをnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせるためのハイブリッドセルへ/からのセル再選択方法について開示した。本実施の形態では、ハイブリッドセルにおいてCSGメンバーのUEをnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせるためのハイブリッドセルへ/からのハンドオーバー(inbound HO/outbound HO)の方法について開示する。
ハイブリッドセルへ/からのハンドオーバーにおいて、該ハンドオーバーの手順、ルール、クライテリアをnon−CSGメンバーのUEとCSGメンバーのUEとで異ならせる。具体的な方法として、ハイブリッドセルへ/からのHO用いるパラメータについて、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するパラメータと、そうでないUEに適用するパラメータを設ける。該パラメータをnon−CSGメンバーのUEとCSGメンバーのUEとで異なる値にすることで、ハイブリッドセルへ/からのハンドオーバーのクライテリアをnon−CSGメンバーのUEとCSGメンバーのUEとで異ならせることが可能となる。
ハイブリッドセルへ/からのハンドオーバーに用いるパラメータ例として、メジャメントレポートでイベントを発生するか否かの判断指標となるパラメータがある。イベント発生の閾値(Thresh、Thresh1、Thresh2)、受信品質の測定結果に対して適用するサービングセルのオフセット値(Ocs)、受信品質の測定結果に対して適用するサービングセルの周波数のオフセット値(Ofs)、受信品質の測定結果に対して適用する隣接セルのオフセット値(Ocn)、受信品質の測定結果に対して適用する隣接セルの周波数のオフセット値(Ofn)、イベント毎のオフセット値(Off)、イベント毎のヒステリシス(Hys)などがある。
例えば、サービングセルがハイブリッドセルの場合に、イベント発生の閾値について、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するThresh_noncsgと、そうでないUEに適用するThresh_csgを設ける。Thresh_noncsgよりもThresh_csgを高く設定することで、CSGメンバーのUEはnon−CSGメンバーのUEよりもハンドオーバーのためのイベント発生が遅くなり、ハイブリッドセルに長く留まらせることが可能となる。
例えば、隣接セルのオフセット値について、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するOcn_csgと、そうでないUEに適用するOcn_noncsgを設ける。受信品質の測定結果に対して該オフセット値を減算する場合、Ocn_csgよりもOcn_noncsgを高く設定する。隣接セルがハイブリッドセルである場合に、CSGメンバーのUEはOcn_csgを用いて隣接セルの受信品質を計算し、non−CSGメンバーのUEはOcn_noncsgを用いて隣接セルの受信品質を計算する。Ocn_csgよりもOcn_noncsgを高く設定しているため、CSGメンバーのUEはnon−CSGメンバーのUEよりもハンドオーバーのためのイベント発生が早くなり、ハイブリッドセルへ早くハンドオーバーすることが可能となる。
該パラメータの通知方法は、サービングセルからメジャメントさせるUEに対して個別に通知するようにすれば良い。例えば、メジャメントコントロールメッセージに含めて通知するようにすれば良い。これにより、各UE個別の設定が可能となり、各UE個別の電波状況に応じて設定できるようになるため、各UEの通信品質を良好にすることが可能となる。
また、UEでのメジャメントに前もって、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するパラメータと、そうでないUEに適用するパラメータの差分を、サービングセルから報知情報として報知するようにしても良い。各UE個別に通知するのはどちらか一方のパラメータだけにしておき、該差分値を用いて導出するようにすれば良い。これにより、各UE個別に通知する情報が少なくなるため、シグナリングのためのリソース負荷の低減が図れる。
また、該差分値をあらかじめ静的に決めておき、基地局とUEともに該情報をあらかじめ認識できるようにしておいても良い。報知情報として報知する必要が無くなるため、シグナリングのためのリソース不可の低減がさらに図れる。
本実施の形態で開示した方法とすることで、ハイブリッドセルへのハンドオーバーにおいてCSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEよりも早くHOさせることが可能となり、また、ハイブリッドセルへのハンドオーバーからのハンドオーバーにおいてCSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEよりも遅くハンドオーバーさせることが可能となる。このため、CSGメンバーのUEをnon−CSGメンバーのUEよりも長くハイブリッドセルに留まらせることが可能となる。
UEがオープンモードとしてアクセスしているか、クローズドモードとしてアクセスしているかをサービングセルが認識していない場合にも本実施の形態で開示した方法を適用することは可能であり、そのような場合にも、同様の効果を得ることが可能となる。
本実施の形態で開示した方法は、実施の形態15、実施の形態15第一の変形例、実施の形態15第二の変形例、実施の形態16、実施の形態16第一の変形例、実施の形態17、実施の形態18、実施の形態19で開示した方法と組合せて用いることが可能である。
本実施の形態で開示した方法とこれらの実施の形態および変形例を組合せることで、UEの状態がなんであっても、すなはち、UEの状態がRRC_IdleだけでなくRRC_Conected状態においても、CSGメンバーのUEをnon−CSGメンバーのUEよりも長くハイブリッドセルに留まらせることが可能となる。
実施の形態21.
本実施の形態の課題を以下に示す。例えば、同じCSG−IDのセルは同じオーナが所有する、あるいは同じCSG−IDのセルからは同じ課金優遇が受けられる、あるいは同じCSG−IDのセルからは通信速度で同じ優遇が受けられるなどのサービスが考えられる。これによりユーザが、同じCSG−IDを有するセルをセル再選択することを望むことが考えられる。
この問題を解消するため本実施の形態では、サービングセルと同じCSG−IDを有する周辺セルに適応するオフセット値(Qoffset_samecsg)と、サービングセルと異なるCSG−IDを有する周辺セルに適応するオフセット値(Qoffset_diffcsg)を設ける。
このように、サービングセルと同じCSG−IDを有する周辺セル用と、サービングセルと異なるCSG−IDを有する周辺セル用とで別個にオフセットを設けることで、セル再選択のクライテリアを同じCSG−IDを有する周辺セルと異なるCSG−IDを有する周辺セルとで異ならせることが可能となる。これにより、サービングセルと異なるCSG−IDを有するセルより、同じCSG−IDを有するセルをセル再選択しやすくすることが可能となる。
具体的な動作例について、図46を用いて説明する。図46中にて図41と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ST4103でUEはセル再選択のための測定を行い、セルランキングを行う。ステップST4601にてUEは、測定した周辺セルの有するCSG−IDがサービングセルと同じか否か判断する。同じCSG−IDと判断した場合、ST4602に移行する。ST4602にてUEは、測定した値からQoffset_samecsgを減算する。異なるCSG−IDと判断した場合、ST4603に移行する。ST4603にてUEは、測定した値からQoffset_diffcsgを減算する。これらの減算した結果をもとにセルランキングを行うことによって、同じCSG−IDを有する周辺セルと異なるCSG−IDを有する周辺セルとでセルの再選択を行う判断基準を異ならせることが可能となる。セルランキングをステップST4602あるいはステップST4603のみとし、ステップST4103でのセルランキングを省略することも可能である。
Qoffset_samecsgの値とQoffset_diffcsgの値に関しては、サービングセルと周辺セルの電波環境に応じて、サービングセルと異なるCSG−IDを有するセルより、同じCSG−IDを有するセルの方が再選択の受信品質基準を満たしやすくなる。
例えば、Qoffset_diffcsgの値よりもQoffset_samecsgの値を低く(Qoffset_diffcsg > Qoffset_samecsg)設定するようにしておく。こうすることで、サービングセルと異なるCSG−IDを有するセルより、同じCSG−IDを有するセルの方が再選択の受信品質基準を満たしやすくなる。再選択の受信品質基準を満たしやすくなることで、同じCSG−IDを有するセルをセル再選択しやすくすることが可能となる。
セルランキングのクライテリアとして、次式としても良い。
サービングセルと同じCSG−IDを有する周辺セルについては、
Rn=Qmeas,n−Qoffset_samecsg
としサービングセルと異なるCSG−IDを有する周辺セルについては、
Rn=Qmeas,n−Qoffset_diffcsg
とする。
Qmeas,nはn番目のセルの受信品質測定値、Rnはオフセットを考慮した受信品質の計算結果である。
また、該Qoffset_samecsg、Qoffset_diffcsgは、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUE、あるいはCSGに登録しているUEのみが適応するとしても良い。CSGに未登録のUEは、同じCSG−IDを有するセルをセル再選択することを望まない。よって、これによりCSGに未登録のUEの無駄な処理負荷を軽減することができ、UEの低消費電力化という効果を得ることが出来る。
または、セルランキングのクライテリアとして、次式としても良い。
サービングセルと同じCSG−IDを有する周辺セルについては、
Rn=Qmeas,n−Qoffset−Qoffset_samecsg
とし、サービングセルと異なるCSG−IDを有する周辺セルについては、
Rn=Qmeas,n−Qoffset−Qoffset_diffcsg
とする。
従来のQoffsetを考慮したうえで、サービングセルと同じCSG−IDを有するか、サービングセルと異なるCSG−IDを有するかで差をつけるためだけにQoffset_samecsgとQoffset_diffcsgを用いることができる。
Qoffset_samecsgとQoffset_diffcsgの通知方法は、実施の形態15でセル再選択のための測定を行う周期の通知方法として開示した第1の方法から第4の方法が適用できる。これらを適用した場合、同様の効果を得ることができる。
また、第1の方法において、SIBを用いる場合にSIB4を用いて通知しても良い。SIB4では従来のオフセット値が、対応するセルの情報と共に送信される。それらの情報とともにオフセット値が送信されることで、対応するセル毎に、従来のオフセット値とあわせてセルランキングクライテリアを実行できるようになる。
上記に開示した方法では、サービングセルと同じCSG−IDを有する周辺セルに適用するオフセット値(Qoffset_samecsg)と、サービングセルと異なるCSG−IDを有する周辺セルに適用するオフセット値(Qoffset_diffcsg)を設け、それらを用いてセルランキングを行い、セル再選択を行うようにした。
別の方法として、サービングセルと同じCSG−IDを有する周辺セルに適用するオフセット値と、サービングセルと異なるCSG−IDを有する周辺セルに適用するオフセット値との差分の値(Qoffset_delta2)を設けても良い。すなわち、Qoffset_diffcsgとQoffset_delta2を設けて、セルランキングのクライテリアに用いるようにしても良い。
例えば、セルランキングのクライテリアとして、次式としても良い。
サービングセルと同じCSG−IDを有する周辺セルについては、
Rn=Qmeas,n−(Qoffset_diffcsg−Qoffset_delta2)
とし、サービングセルと異なるCSG−IDを有する周辺セルについては、
Rn=Qmeas,n−Qoffset_diffcsg
とする。
これにより、上記に開示したQoffset_samecsgとQoffset_diffcsgを通知する方法と同等の効果を得ることができる。
また別の方法として、サービングセルと異なるCSG−IDを有する周辺セルに適用するオフセット値を従来のQoffsetとして設定し、差分値Qoffset_delta2とあわせて用いるようにしても良い。
例えば、セルランキングのクライテリアとして、次式としても良い。
サービングセルと同じCSG−IDを有する周辺セルについては、
Rn=Qmeas,n−(Qoffset−Qoffset_delta2)
とし、サービングセルと異なるCSG−IDを有する周辺セルについては、
Rn=Qmeas,n−Qoffset
とする。
これにより、上記に開示した方法と同等の効果を得られるだけでなく、設定するパラメータを一つ減らすことができる。つまり、Qoffset_samecsgとQoffset_diffcsgの両方を設定する必要がなく、Qoffset_delta2を設定するだけで良い。従って、パラメータ設定のための情報量を削減することが可能となる。通知方法としては前述の方法が適用できる。別の方法として、QoffsetとQoffset_delta2を別々のセルからそれぞれ通知するようにしても良い。例えば、Qoffsetをサービングセルから通知し、Qoffset_delta2はCSGセルから通知する。Qoffset_delta2はCSGセルに対してのみ用いられる値であるから、CSGセルからのみ通知するようにして、セルランキングのクライテリアにおいて、サービングセルと同じCSG−IDを有する周辺セルについては、該オフセット値(Qoffset_delta2)を用いて再計算するようにしておけば良い。non−CSGセルに関しては、再計算する必要がなく、受信品質を測定するだけで良くなる。従って、セル再選択時のメジャメントを簡単化することが可能となり、UEの消費電力削減の効果が得られる。
本実施の形態で開示した方法は、非特許文献11に示されるCSGセル毎にQoffsetを与える方法や、非特許文献12に示されるハイブリッドセルに対して一つのQoffsetを与える方法、あるいは、マクロセルのRSRPレンジに対応した二つのQoffsetを設け、マクロセルのRSRPのある閾値に対してその上下で各々のQoffsetを適用する方法にも、適用することが可能である。例えば、本実施の形態で開示したセルランキングのクライテリアにおけるQoffsetとして、あるいはQoffsetに加えて、これらのQoffsetを用いれば良い。これにより、例えばCSGセル毎の、あるいは、ハイブリッド特有の、あるいはマクロセルのRSRPレンジに対応した、各々のQoffsetを考慮させることも可能となる。
本実施の形態で開示した方法は、実施の形態15、実施の形態15第一の変形例、実施の形態15第二の変形例、実施の形態16、実施の形態16第一の変形例、実施の形態17、実施の形態18、実施の形態19、実施の形態20で開示した方法と組合せて用いることが可能である。
例えば、実施の形態15と組合せた場合の具体的な動作例について、図47を用いて説明する。図47中にて図42と同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST4201にてUEはホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいるか否かを判断する。あるいは、UEはCSGセルに登録しているか否かを判断する。ホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいる場合あるいはCSGセルに登録している場合は、ST4701を実行する。ステップST4701にてUEは、測定した周辺セルの有するCSG−IDがサービングセルと同じ場合、測定した値からQoffset_samecsgを減算する。一方ステップST4701にてUEは、サービングセルと異なるCSG−IDと判断した場合、測定した値からQoffset_diffcsgを減算する。これらの減算した結果をもとにセルランキングを行う。ホワイトリスト中にCSG−IDを含んでいない場合、あるいはCSGセルに登録していない場合、ステップST4702にて特に何も実行しない。これにより、同じCSG−IDを有する周辺セルと異なるCSG−IDを有する周辺セルとでセルの再選択を行う判断基準を異ならせることが可能となる。
他の実施の形態および変形例についても同様な動作とすることで組合せて用いることは可能となる。本実施の形態で開示した方法とこれらの実施の形態および変形例を組合せることで、HeNBあるいはHNBの柔軟な配置にともなう各々の電波環境の相違にも柔軟に対応できる効果が得られる。
本実施の形態で開示した方法とすることで、同じCSG−IDを有する周辺セルと異なるCSG−IDを有する周辺セルとでセルの再選択を行う判断基準を異ならせることが可能となる。これにより、サービングセルと異なるCSG−IDを有するセルより、同じCSG−IDを有するセルをセル再選択しやすくすることが可能となる。
これによりユーザは、同じCSG−IDのセルを継続して選択することが可能となり、同じCSG−IDの同じサービスを受けることが可能となる。よってユーザにとって使いやすい移動体通信システムの構築という効果を得ることが出来る。
実施の形態22.
CSGメンバーは、ハイブリッドセルでCSGメンバーに対する高速通信や優遇課金プランなどのサービスをより早く、より長く受けることを可能とするため、ハイブリッドセルにおいてCSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせることが要求される。
図49に、ハイブリッドセルにおいてCSGメンバーのUEをnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせた場合の概念図を示す。図中、4901はnon−CSGセルで、ここではマクロセル(eNB)とする。4902はnon−CSGセル4901によるカバレッジを示す。4903はハイブリッドアクセスモードのHeNB、すわなちハイブリッドセルである。4904はハイブリッドセル4903においてオープンアクセスモードとクローズドアクセスモード両方でアクセス可能なカバレッジである。4905はハイブリッドセル4903においてクローズドアクセスモードのみアクセス可能なカバレッジを示す。4906はハイブリッドセル4903が属するCSGと同じCSGメンバーのUEである。4907はnon−CSGメンバーのUEである。CSGメンバーのUE4906はカバレッジ4905のエリア外ではnon−CSGセル4901と通信を行っており、カバレッジ4905のエリアへ移動したUE4906はセル再選択によりハイブリッドセル4903と通信を行なう。non−CSGメンバーのUE4907は、カバレッジ4905のエリアにおいてもまだnon−CSGセル4901と通信を行なっており、カバレッジ4904へ移動して始めてセル再選択によりハイブリッドセル4903と通信を行なえる。
このように、ハイブリッドセルへ、あるいはハイブリッドセルからセルリセレクションする際にnon−CSGメンバーのUEよりCSGメンバーのUEに長く留まらせるようにすると、クローズドアクセスモードのみのカバレッジがオープンアクセスモードのカバレッジより広くなってしまう場合がある。このような場合、ハイブリッドセルにおける上り通信を始める際のUEの初期送信電力が、CSGメンバーのUEとnon−CSGメンバーのUEとで同じだとすると、CSGメンバーのUEがアクセス可能となるカバレッジの方が広くなるため、該カバレッジ端で、CSGメンバーのUEの上り送信が失敗となる可能性が高くなってしまう。
上り通信を始める際の手順としてRA(random access)プロシージャがある。RAプロシージャでは、物理チャネルとしてPRACHが用いられる。PRACHの初期送信にはRACHプリアンブルが用いられる。PRACHの初期送信電力Pprachは以下のように決定される(非特許文献13、非特許文献14)。
Pprach = min{Pcmax, PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER + PL}_[dBm]
Pcmax = min{Pemax,Pumax}
ここで、PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERは基地局の目標受信電力、PLはパスロス、Pemaxはセル毎に設定される最大許容電力、PumaxはUEの最大送信電力である。Pemaxは各セルからの報知情報などとして傘下のUEに通知され、傘下の全てのUEに共通な最大許容電力である。Pumaxは、各UEのパワークラスに応じてあらかじめ決められる。
PRACHの初期送信電力Pprachの導出式からわかるように、例えばPLが大きい場合は、初期送信電力はPcmaxで制限されてしまう。PcmaxもまたPemaxで制限されるため、PRACHの初期送信電力はPemaxで制限されてしまうことになる。Pemaxはセル傘下の全てのUEに対して共通なので、ハイブリッドセルにおいては、CSGメンバーのUEに対してもnon−CSGメンバーのUEに対しても同じ値となる。従って、PRACH初期送信電力がPemaxで制限されてしまうような場合、例えばPLが大きい場合など、CSGメンバーのUEもnon−CSGメンバーのUEも共通のPemaxまでしか送信できなくなる。このため、ハイブリッドセルにおいて、non−CSGメンバーのUEよりもCSGメンバーのUEのアクセス可能なカバレッジの方が広くなるような場合に、CSGメンバーのUEの上り送信が失敗となる可能性が高くなってしまう。
この問題は、RRC_Idleの状態、およびRRC_Connectedの状態のいずれの状態においても生じる。例えば、RRC_Idleの状態ではCSGメンバーのUEがハイブリッドセルへセル再選択した場合など、RRC_Connectedの状態ではCSGメンバーのUEがハイブリッドセルへHOした場合などである。この問題点については、なんら先行文献も無く、3GPPにおいて議論もなされていない。
本実施の形態では、この問題を解消するため、上り通信を始める際のUEの初期送信電力をCSGメンバーのUEとnon−CSGメンバーのUEとで異ならせることを可能とする方法を開示する。具体例として、PRACHの初期送信電力をCSGメンバーのUEとnon−CSGメンバーのUEとで異ならせるようにするため、ハイブリッドセルにおいてPRACH初期送信電力の導出の際に用いられる最大許容電力を、CSGメンバーのUE用とnon−CSGメンバーのUE用とで別々に設ける。CSGメンバー用の最大許容電力をPemax_csg、non−CSGメンバー用の最大許容電力をPemax_noncsgとする。
ハイブリッドセルにおける初期送信電力Pprachの導出式を以下のようにする。
Pprach = min{Pcmax, PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER + PL}_[dBm]
CSGメンバーに対しては、Pcmax = min{Pemax_csg,Pumax}とし、
non−CSGメンバーに対しては、Pcmax = min{Pemax_noncsg,Pumax}とする。
こうすることで、ハイブリッドセルにおける初期送信電力Pprachは、例えPLが大きい場合であっても、CSGメンバーのUEとnon−CSGメンバーのUEとで異なる最大許容電力を有することが可能となる。ハイブリッドセルにおいて、non−CSGメンバーのUEよりもCSGメンバーのUEのカバレッジの方が広くなるような場合には、Pemax_csgをPemax_noncsgより大きくしておくことで、CSGメンバーのUEの上り送信失敗を低減することが可能となる。
また、セル毎の最大許容電力についてCSGメンバーのUE用とnon−CSGメンバーのUE用を設けることで、セル毎に両UEで異なる初期送信電力とすることが可能となるため、システムとして、柔軟なハイブリッドセルの配置を可能とし、将来のHeNBの運用台数の増加にも対応可能となる。
ここで開示したハイブリッドセルにおける上り初期送信電力の導出方法は、RRC_Idleの状態ではCSGメンバーのUEがハイブリッドセルへセル再選択した場合などに該ハイブリッドセルにて上り通信を始める際に適用できる。また、RRC_Connectedの状態ではCSGメンバーのUEがハイブリッドセルへHOを実行する場合などにターゲットセルとなる該ハイブリッドセルでの上り通信を開始する際に適用できる。
ハイブリッドセルにおいて用いられる最大許容電力をUEへ通知する方法を以下に開示する。
第1の方法として、これらの最大許容電力を設定するセルから傘下のUEへ報知情報としてBCCHを用いてPBCHあるいはPDSCHにて通知する。マスター情報(MIB)を用いてPBCHにて、あるいはシステム情報(SIB)を用いてPDSCHにて通知する。MIBはPBCHにマッピングされることから、MIBを用いる方法は、移動端末が制御遅延を少なく受信可能という点で優れている。SIBを用いる場合は、SIB1を用いて通知する。MIBあるいはSIB1はセルサーチ開始から待ち受け状態(RRC−Idle状態)に移行するまでの間に受信する必要最小限の量の報知情報である点において、移動端末の制御遅延を少なくする点において優れた方法である。更にはSIB1以外のシステム情報で通知する方法であっても、報知情報を伝送するためのチャネルを用いて通知するので、傘下の全移動端末に対して通知可能であり、無線リソースの有効活用という点において優れた方法である。
第2の方法としては、これらの最大許容電力を設定するセルをターゲットセルとしてHOする際に、サービングセルからHOを行うUEに対して個別に通知する。UEに対してHOを行うために必要なターゲットセルの情報に含めて通知しても良いし、別のメッセージを用いて通知するようにしても良い。ターゲットセルの情報に含めて通知することで、必要なメッセージの数を減らすことが可能となるため、HOが完遂するまでの時間を低減できる。一方、別のメッセージを用いて通知する場合は、これら最大許容電力の設定が必要なセルの場合のみ該メッセージを通知するようにできるため、これら最大許容電力の設定が必要無いセルへのHOの場合は、通知に必要な情報量の削減、メッセージ数の削減が可能となる。
CSGメンバー用の最大許容電力(Pemax_csg)値、non−CSGメンバー用の最大許容電力(Pemax_noncsg)値の決定はハイブリッドセルが行っても良いし、ネットワーク側(MME、HeNBGWなど)が行っても良い。ネットワーク側で行う場合は、該最大許容電力をネットワーク側からハイブリッドセルへあらかじめ通知しておく。この通知はハイブリッドセルとネットワーク側のインタフェースS1を用いて行うことができる。ネットワーク側で決定することで、周辺セルの電波環境や負荷状況(例えば端末接続台数など)をもとに値を設定することが可能となる。システムとして、通信不可能な状況、通信誤りによる接続遅延、シグナリング量の増大、負荷の集中、などを低減することが可能となる。
上述した方法では、CSGメンバー用の最大許容電力をPemax_csg、non−CSGメンバー用の最大許容電力をPemax_noncsgとした。別の方法として、CSGメンバーとnon−CSGメンバーに共通な最大許容電力(Pemax_common)を設け、CSGメンバーとnon−CSGメンバーとの最大許容電力の差分(Pemax_delta)を設けるようにしても良い。この場合のハイブリッドセルにおける初期送信電力Pprachの導出式の一例を以下に示す。
Pprach = min{Pcmax, PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER + PL}_[dBm]
CSGメンバーに対しては、Pcmax = min{Pemax_common+Pemax_delta,Pumax}とし、non−CSGメンバーに対しては、Pcmax = min{Pemax_common,Pumax}とする。このようにすることで、CSGメンバーのUEとnon−CSGメンバーのUEとで異なる最大許容電力を有することが可能となるため、上述の方法と同等の効果が得られる。
なお、従来の最大許容電力として設定されるPemaxを、共通のパラメータPemax_commonとしても良い。これによりnon−CSGメンバーの初期送信電力の導出方法は、現在の方法から変更を加える必要がなくなる。よって移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることができる。
また、別の方法として、PumaxをCSGメンバー用とnon−CSGメンバー用とで別に設けるようにしても良い。PumaxはUEの最大送信電力であり、各UEのパワークラスに応じてあらかじめ決められる。各UEのパワークラスに応じてCSGメンバー用(Pumax_csg)とnon−CSGメンバー用(Pumax_noncsg)とをあらかじめ決めておくようにすれば良い。この場合のハイブリッドセルにおける初期送信電力Pprachの導出式の一例を以下に示す。
Pprach = min{Pcmax, PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER + PL}_[dBm]
CSGメンバーに対しては、Pcmax = min{Pemax,Pumax_csg}とし、
non−CSGメンバーに対しては、Pcmax = min{Pemax,Pumax_noncsg}とする。こうすることで、Pemaxに関してはセル傘下のUE全てに共通の設定とすることができるため、従来の設定と変わりない設定で済む。
移動体通信システムとして静的な値とすることもできる。静的な値とは、移動体通信システムとして移動端末・基地局などにとって既知の値、規格書などに記載する既知の値を指す。静的な値を用いることによって、基地局(ネットワーク側)と移動端末との間で無線信号が発生しない。よって、無線リソースの有効活用という点で効果を得ることが出来る。さらに、静的に決定された値なので、無線信号の受信エラーの発生を防ぐという効果を得ることが出来る。
ハイブリッドセルにおいて、CSGメンバー用の最大許容電力をPemax_csg、non−CSGメンバー用の最大許容電力をPemax_noncsgとして設定する場合の具体的動作例を示す。
図50に、ハイブリッドセルにおけるPRACH初期送信までの手順例を示す。
まず、CSGメンバーのUEについて説明する。CSGメンバーのUEが、ST5001で、例えばセル再選択後にハイブリッドセルにキャンプオン(camp on)する。ハイブリッドセルはST5004で報知情報を送信しており、CSGメンバーのUEは報知情報を受信する。該報知情報には最大許容電力が含まれている。ST5005にてCSGメンバーのUEに上り送信が発生した場合、ST5007に移行し、受信した最大許容電力のうち、CSGメンバーUE用の最大許容電力(Pemax_csg)を用いて上り初期送信電力を導出する。ST5009にてCSGメンバーのUEは、該上り初期送信電力を送信電力に設定して、ST5011にて上り送信を開始する。
次にnon−CSGメンバーのUEについて説明する。non−CSGメンバーのUEが、ST50021で、例えばセル再選択後にハイブリッドセルにキャンプオン(camp on)する。ハイブリッドセルはST5004で報知情報を送信しており、non−CSGメンバーのUEは報知情報を受信する。該報知情報には最大許容電力が含まれている。ST5006にてnon−CSGメンバーのUEに上り送信が発生した場合、ST5008に移行し、受信した最大許容電力のうち、non−CSGメンバーUE用の最大許容電力(Pemax_noncsg)を用いて上り初期送信電力を導出する。ST5010にてnon−CSGメンバーのUEは、該上り初期送信電力を送信電力に設定して、ST5012にて上り送信を開始する。
なお、上り送信発生のタイミングはUE毎に異なるため上り初期送信のタイミングもUE毎に異なる。このため、例えば、図の通りST5011に続いてST5012を実行しても良いし、逆にST5012に続いてST5011を実行しても構わない。
このように、ハイブリッドセルにキャンプオンしているUEがCSGメンバーかnon−CSGメンバーかに応じて上り初期送信電力導出に用いる最大許容電力を異ならせることで、たとえ、CSGメンバーのUEがアクセス可能なエリアにキャンプオンしているような場合でも、CSGメンバーのUEのみ上り送信の送信電力を大きくすることができるため、ハイブリッドセルにおいて通信に十分な上り受信電力を確保することが可能となる。
本実施の形態で開示した方法とすることで、ハイブリッドセルにおいて、non−CSGメンバーのUEよりもCSGメンバーのUEのカバレッジの方が広くなるような場合に、CSGメンバーのUEの上り送信が失敗となってしまうような問題を解消することができる。
また、ハイブリッドセルにおいてCSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせることが可能となり、CSGメンバーは、ハイブリッドセルでCSGメンバーに対する高速通信や優遇課金プランなどのサービスをより早く、より長く受けることを可能とする。
また、non−CSGメンバーのUEに対して、CSGメンバーのUEより低い最大許容電力を設けることが可能となるため、PLが大きい場合にnon−CSGメンバーのUEが必要以上に大きな送信電力となることを防ぐことができ、上り干渉電力を低減することが可能となる。
実施の形態23.
本実施の形態では、上り通信を始める際のUEの初期送信電力をCSGメンバーのUEとnon−CSGメンバーのUEとで異ならせることを可能とするため、セル再選択においてホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEと、そうでないUEに適用する基準の差分を用いる。
具体例として、実施の形態17で開示した、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合のセル再選択の閾値(S_intrasearch)と、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するあるいはCSGに登録している場合のセル再選択の閾値(S_intrasearchCSG)との差分を用いる。
また、別の具体例として、実施の形態18で開示した、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するオフセット値(Qoffset_csg_in)と、そうでないUEに適用するオフセット値(Qoffset_noncsg_in)の差分を用いる。この差分に関しては、差分値(Qoffset_delta)であっても良い。
また、別の具体例として、実施の形態19で開示した、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するオフセット値(Qoffset_csg_out)と、そうでないUEに適用するオフセット値(Qoffset_noncsg_out)の差分を用いる。この差分に関しては、差分値であっても良い。
これらの差分値を、ハイブリッドセルにおいてPRACH初期送信電力の導出の際に用いられる最大許容電力のCSGメンバーのUE用とnon−CSGメンバーのUE用との差分値として用いれば良い。
実施の形態17で開示した、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合のセル再選択の閾値(S_intrasearch)と、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合のセル再選択の閾値(S_intrasearchCSG)の場合、この差分を用いる。差分値をS_intrasearch_deltaとする。
S_intrasearch_delta=S_intrasearch−S_intrasearchCSG
この値を、PRACH初期送信電力の導出の際に用いられる最大許容電力のCSGメンバーのUE用とnon−CSGメンバーのUE用との差分値であるPemax_delta(=Pemax_csg−Pemax_noncsg)とする。
Pemax_delta=S_intrasearch_delta
あるいは、
Pemax_delta=|S_intrasearch_delta|
としても良い。
実施の形態18で開示した、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するオフセット値(Qoffset_csg_in)と、そうでないUEに適用するオフセット値(Qoffset_noncsg_in)の場合は、差分値をQoffset_delta(=Qoffset_noncsg_in−Qoffset_csg_in)として、
Pemax_delta=Qoffset_delta
あるいは、
Pemax_delta=|Qoffset_delta|
とすれば良い。
実施の形態19で開示した、ホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEに適用するオフセット値(Qoffset_csg_out)と、そうでないUEに適用するオフセット値(Qoffset_noncsg_out)の場合は、差分値をQoffset_delta(=Qoffset_csg_out−Qoffset_noncsg_out)として、
Pemax_delta=Qoffset_delta
あるいは、
Pemax_delta=|Qoffset_delta|
とすれば良い。
ハイブリッドセルにおける最大許容電力の導出に、セル再選択においてホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEと、そうでないUEに適用する基準の差分を用いる方法の具体的動作例を示す。
図51に、セル再選択閾値の差分を用いる場合のハイブリッドセルにおけるPRACH初期送信までの手順概要を示す。
まず、CSGメンバーのUEについて説明する。CSGメンバーのUEが、ST5101で、例えばセル再選択後にセルAにキャンプオン(camp on)する。セルAはST5104で報知情報を送信しており、CSGメンバーのUEは報知情報を受信する。該報知情報にはセル再選択閾値が含まれている。ST5105にてCSGメンバーのUEは受信したセル再選択閾値のうちホワイトリスト中にCSG−IDを有するあるいはCSGに登録している場合のセル再選択閾値(S_intrasearchCSG)を用いてセル再選択手順を行う。ST5107でセル再選択基準に合致するかどうか判断し、合致する場合にはST5109に移行し、合致しない場合にはST5105に戻る。CSGメンバーのUEが、ST5107でセル再選択基準に合致してハイブリッドセルに再選択した場合、ST5109でハイブリッドセルにキャンプオンする。
ハイブリッドセルはST5112で報知情報を送信しており、CSGメンバーのUEは報知情報を受信する。該報知情報には最大許容電力が含まれている。ただし、ここで報知される最大許容送信電力は、実施の形態22で開示したようなCSGメンバー用とnon−CSGメンバー用と異なって設定される最大許容送信電力を含まず、従来のセルで共通な最大許容電力だけとする。ST5113にてCSGメンバーのUEに上り送信が発生した場合、ST5115に移行し、ST5104で受信した、ホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合のセル再選択の閾値(S_intrasearch)と、ホワイトリスト中にCSG−IDを有する場合のセル再選択の閾値(S_intrasearchCSG)の差分値(S_intrasearch_delta)を導出する。CSGメンバーのUEは、ST5116で、該差分値(S_intrasearch_delta)をCSGメンバー用UEとnon−CSGメンバー用UEとの送信電力の差分(Pemax_delta)として、該差分値(Pemax_delta)を用いてST5117で上り初期送信電力(Pprach)を導出する。ST5119にてCSGメンバーのUEは、該上り初期送信電力を送信電力に設定して、ST5121にて上り送信を開始する。
次に、non−CSGメンバーのUEについて説明する。ここでは、non−CSGメンバーのUEが、ST5102で、例えばセル再選択後にセルAにキャンプオン(camp on)する。セルAはST5104で報知情報を送信しており、non−CSGメンバーのUEは報知情報を受信する。該報知情報にはセル再選択閾値が含まれている。ST5106にてnon−CSGメンバーのUEは受信したセル再選択閾値のうちホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合のセル再選択の閾値(S_intrasearch)を用いてセル再選択手順を行う。ST5108でセル再選択基準に合致するかどうか判断し、合致する場合にはST5110に移行し、合致しない場合にはST5106に戻る。non−CSGメンバーのUEが、ST5108でセル再選択基準に合致してハイブリッドセルに再選択した場合、ST5110でハイブリッドセルにキャンプオンする。
ホワイトリスト中にCSG−IDを有するがハイブリッドセルのnon−CSGメンバーであるUEの場合も、オープンアクセスモードでハイブリッドセルの再選択を行わなくてはならないため、最終的にはホワイトリスト中にCSG−IDを有さない場合のセル再選択の閾値(S_intrasearch)を用いてセル再選択手順を行い、セル再選択の基準に合致するかどうか判断する。ホワイトリスト中にCSG−IDを有するがハイブリッドセルのnon−CSGメンバーであるUEの場合、例えば、最初S_intrasearchCSGを用いてセル再選択手順を行ったとしても、該UEは該セルのCSG−IDを受信してCSG−IDをチェックし、CSG−IDが合致しない場合は、non−CSGメンバー用のセル再選択手順ST5106を用いてセル再選択するようにしておけば良い。
ハイブリッドセルはST5112で報知情報を送信しており、non−CSGメンバーのUEは報知情報を受信する。該報知情報には最大許容電力が含まれている。ただし、ここで報知される最大許容送信電力は、実施の形態22で開示したようなCSGメンバー用とnon−CSGメンバー用と異なって設定される最大許容送信電力を含まず、従来のセルで共通な最大許容電力だけとする。ST5114にてCSGメンバーのUEに上り送信が発生した場合、ST5118に移行し、ST5112にてハイブリッドセルから報知された従来のセルで共通な最大許容電力(Pemax_common)を用いてST5118で上り初期送信電力(Pprach)を導出する。ST5120にてnon−CSGメンバーのUEは、該上り初期送信電力を送信電力に設定して、ST5122にて上り送信を開始する。
なお、上り送信発生のタイミングはUE毎に異なるため上り初期送信のタイミングもUE毎に異なる。このため、例えば、図の通りST5121に続いてST5122を実行しても良いし、逆にST5122に続いてST5121を実行しても構わない。
このように、セル再選択においてホワイトリスト中にCSG−IDを有するUEあるいはCSGに登録しているUEと、そうでないUEに適用する基準の差分を用いて、ハイブリッドセルにキャンプオンしているUEがCSGメンバーかnon−CSGメンバーかに応じて上り初期送信電力導出に用いる最大許容電力を異ならせる方法を採用することができる。このとき、たとえ、CSGメンバーのUEがアクセス可能なエリアにキャンプオンしているような場合でも、CSGメンバーのUEのみ上り送信の送信電力を大きくすることができるため、ハイブリッドセルにおいて通信に十分な上り受信電力を確保することが可能となる。
上記の具体例に限らず、実施の形態17、実施の形態18、実施の形態19、実施の形態20で開示した方法を用いることができる。
この例に限らず、セル再選択における基準のうち、ハイブリッドセルのカバレッジの広さに影響する設定パラメータに関して、その差分に基づいて、CSGメンバーのUE用とnon−CSGメンバーのUE用のPRACH初期送信電力を各々導出するようにすれば良い。
また、セル再選択における基準が複数(例えばセル再選択の閾値とオフセットなど)設定された場合は、どの基準を用いるかあらかじめ決めておくと良い。例えば複数の基準のうちどの基準を用いるか優先順位をつけておいても良い。こうしておけば、例えいずれかの基準が設定されていなくても優先順位の順に他の基準を用いることが可能となる。他の例として、複数の基準のうち、それらの差分値に応じてどの基準を用いるかを決定しても良い。例えば差分値が最も大きい基準を用いるなどである。さらに他の例として、複数の基準の差分値の平均値を用いても良い。
また、他の方法として、複数の基準のうちどの基準を用いるかを、サービングセルが決定してUEに通知するようにしても良い。通知方法としては、報知情報として通知するようにしても良い。サービングセルが決定するのではなく、ネットワーク側(MME、HeNBGWなど)が決定して、サービングセルを介してUEに通知するようにしても良い。ネットワーク側からサービングセルへの通知にはインタフェースS1を用いることができる。こうすることで、ハイブリッドセルを含めたセルの配置に柔軟に対応できるようになる。ネットワーク側が決定する場合は、周辺セルの電波環境や負荷状況(例えば端末接続台数など)をもとに値を設定することが可能となる。システムとして、通信不可能な状況、通信誤りによる接続遅延、シグナリング量の増大、負荷の集中、などを低減することが可能となる。
上述した方法はセル再選択の際の基準を用いる。従って、該基準を用いてハイブリッドセルを再選択した場合に用いられることが可能となる。その他の場合、例えばHOによりハイブリッドセルへ移動するような場合は、実施の形態22で開示した方法を適用し、その設定値はサービングセルからHOを行うUEに対して個別に通知するようにしておけば良い。
本実施の形態で開示した方法を用いることにより、上り通信を始める際のUEの初期送信電力をCSGメンバーのUEとnon−CSGメンバーのUEとで異ならせることを可能とするため、ハイブリッドセルにおいてCSGメンバーのUEがnon−CSGメンバーのUEより長く留まらせることが可能である。
また、上り通信を始める際のUEの初期送信電力をCSGメンバーのUEとnon−CSGメンバーのUEとで異ならせることを可能とするため、ハイブリッドセルにおいてPRACH初期送信電力の導出の際に用いられる最大許容電力を、CSGメンバーのUE用とnon−CSGメンバーのUE用とで別々に設け、それらをハイブリッドセルから傘下のUEに報知するようにしたが、ハイブリッドセルにおいてPRACH初期送信電力の導出の際に用いられる最大許容電力を、CSGメンバーのUE用とnon−CSGメンバーのUE用とで別々に設ける必要は無くなり、よって、それらを傘下のUEに報知する必要も無くなる。従って、ハイブリッドセルで報知が必要なパラメータ数の削減、さらには、シグナリングする情報量の削減を行うことが可能となる。
実施の形態17から実施の形態23で開示した方法は、同一周波数キャリア(同一周波数レイヤ)にオープンモードセル(non−CSGセル)とCSGセルが混在している場合(ミクスドキャリア)だけでなく、同一周波数キャリア(同一周波数レイヤ)にCSGセルのみがある場合(デディケイテッドキャリア)の場合にも適用可能である。また、同一周波数レイヤにハイブリッドセルがあれば適用可能となる。
また、同一周波数レイヤ内(intra-frequency)のセル再選択、HOだけでなく、周波数レイヤ間(inter-frequency)あるいはシステム(RAT)間(inter-RAT)にも適用可能となる。
上記において、CSGが用いられるHeNBを用いるLTEについて説明したが、本発明は、CSGが用いられるHNBを用いるUMTS、及びCSGが用いられないHeNB、HNB、半径が小さい基地局(ピコセル、マクロセルとも呼ばれる)にも適用可能である。実施の形態16の変形例1では、実施の形態16の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。現在のサービングセル周辺に存在するCSGセルへ未登録であった場合の当該移動端末の消費電力を削減することが出来る。更にネットワーク側(基地局など)が該当の移動端末が、どのCSGセルに登録しているか(ホワイトリスト内にどのCSG−IDを有しているか)を把握せずとも上記効果を有する点において、実施の形態16の変形例1の解決策は優れている。これにより、移動端末から基地局へホワイトリスト中のCSG−IDを通知しなくて良く、無線リソースの有効活用が図れる。また、基地局が傘下の移動端末のホワイトリスト中のCSG−IDを管理する必要がない点において、基地局の処理負荷の軽減という効果を得ることが出来る。
上記において、CSGセルあるいはセルによって報知される情報であるCSG−IDと、CSGセルあるいはセルによって報知されるトラッキングエリアコード(TAC)が関連付けられている場合について、主に説明したが、本発明はCSG−IDとTACが関連付けられていない場合であっても、もちろん適用可能である。
関連付けられていない場合は、例えば以下のようCSGに登録済みであるか否かと、TA更新が必要であるか否かを別個に判断すれば良い。
セル再選択の際、自移動端末が選択したセルに登録済みか否かを判断する場合は、該セルの報知情報により受信したCSG−IDが自移動端末のホワイトリスト内に存在するか否かで判断する。該セルの報知情報により受信したCSG−IDがホワイトリスト内に存在した場合、自移動端末が選択したセルに登録済みと判断する。つまり、該セルが該移動端末にとって「適切なセル」となり得ると判断する。一方、該セルの報知情報により受信したCSG−IDが自移動端末のホワイトリスト内に存在しない場合、自移動端末が選択したセルに未登録と判断する。つまり、該セルが該移動端末にとって「適切なセル」と成り得ないと判断する。
またセル再選択の際、TA更新が必要であるか否かを判断する場合は、該セルの報知情報により受信したTACが自移動端末内に保管の1つあるいは複数のTAC(以降TAリスト)に含まれているか否かで判断する。該セルの報知情報により受信したTACが自移動端末内のTAリストに含まれていた場合、TAの更新は不要として、TAU不要と判断する。一方、該セルの報知情報により受信したTACが自移動端末内のTAリストに含まれていない場合、TA更新が必要として、TAUを行う必要があると判断する。
具体例としては、図14のステップST1406〜ステップST1409、図16のステップST1607〜ステップST1610などに該当する。
本発明についてはLTEシステム(E−UTRAN)を中心に記載したが、W−CDMAシステム(UTRAN、UMTS)及びLTE−Advancedについて適用可能である。更には、CSG(Closed Subscriber Group)が導入される移動体通信システムおよび、CSGと同じようにオペレータが加入者を特定し、特定された加入者がアクセスを許可されるような通信システムにおいて適用可能である。
101 移動端末、102 基地局、103 MME(Mobility Management Entity)、104 S−GW(Serving Gateway)。

Claims (4)

  1. 閉じた加入者グループのCSGに属するCSGセルに設けられた基地局であるCSG基地局から他のセルに設けられた基地局、または他のセルに設けられた基地局からCSG基地局に移動端末がハンドオーバする移動体通信システムであって、
    ハンドオーバする移動端末が、CSGに属するCSG端末である場合と、CSGに属さない非CSG端末である場合とで、ハンドオーバの手順を異ならせることを特徴とする移動体通信システム。
  2. 前記CSG基地局は、CSG端末によるアクセスが可能であり、かつ非CSG端末によるアクセスも可能であるハイブリッド基地局であることを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
  3. 閉じた加入者グループのCSGに属するCSGセルに設けられた基地局であり、他のセルに設けられた基地局に移動端末がハンドオーバする、または他のセルに設けられた基地局から移動端末がハンドオーバするCSG基地局であって、
    ハンドオーバする移動端末が、CSGに属するCSG端末である場合と、CSGに属さない非CSG端末である場合とで、ハンドオーバの手順を異ならせることを特徴とするCSG基地局。
  4. 閉じた加入者グループのCSGに属するCSGセルに設けられた基地局であるCSG基地局から他のセルに設けられた基地局、または他のセルに設けられた基地局からCSG基地局にハンドオーバする移動端末であって、
    ハンドオーバする移動端末が、CSGに属するCSG端末である場合と、CSGに属さない非CSG端末である場合とで、ハンドオーバの手順を異ならせることを特徴とする移動端末。
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