JP2019070361A - ポンプ設備健全度評価方法 - Google Patents

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恭輔 菊田
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竜太 浅野
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Masahito Yoshimoto
将人 吉本
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弘策 菅原
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Abstract

【課題】概略診断時の健全度の精度(確からしさ)を高めることが可能なポンプ健全度評価方法を提供する。【解決手段】ポンプ健全度評価方法は、ポンプ設備51〜53に対して現地にて計測作業を行って計測結果を初期値として記憶するステップと、ポンプ設備51〜53に対して現地にて前記計測作業を繰り返して計測結果と初期値との差分を算出し、当該差分を判定基準と比較してポンプ設備51〜53の健全度を判定するステップと、を備える。【選択図】 図5

Description

本発明は、ポンプ設備健全度評価方法に関する。
ポンプ設備等の施設機械設備は、土木施設と異なり多数の機器・部材等から構成された集合体であることから、設備の機能の維持、ひいては設備の長寿命化を図るためには、日常管理における機器、部材等の適切な点検・整備が必要不可欠である。
従来、ポンプ設備の性能管理では、施設造成者が行う機能診断の結果を基に、機器・部品等の「健全度」を評価することにより、機能保全計画が策定されている。例えば、農業用ポンプ設備にて立軸斜流ポンプを採用している場合には、(工場整備前の)現地での機能診断時に、外観目視、定量計測を中心とした概略診断が行われ、各部位の健全度が概定されている(非特許文献1参照)。
農林水産省農村振興局整備部設計課、『農業水利施設の機能保全の手引き「ポンプ場(ポンプ設備)」』、平成25年4月
ところで、上述した概略診断では部位ごとに健全度が判定され、健全度がS−2(至急劣化対策要)またはS−3(劣化対策要)と判定された場合には、工場持ち込み整備が必要となり、適切な時期に工場持ち込み整備が実施されることになる。
しかしながら、現地での概略診断では、点検費用や診断工期の関係で、ポンプの引き上げや分解を伴う機能診断は行われていないため、概略診断時の健全度がS−2(至急劣化対策要)またはS−3(劣化対策要)であって工場持ち込み整備が行われる場合であっても、ポンプの部位によっては分解整備時に実はまだ再使用可能な部品があると判明したり、また参考耐用年数や経験則も踏まえて工場持ち込み整備が行われるものの、場合によっては結果的に過剰な整備が行われることもある。
ポンプ設備全体の効率的、効果的な維持管理を考慮した場合、公共工事の予算が縮小されている状況下においては、ポンプ設備の状態監視保全の一環から、故障の未然防止あるいは早期発見により、工場持ち込み整備時期や有効な点検時期を的確に把握可能な、健全度の数値的判断根拠(科学的判断根拠)の確立が必要不可欠な状況である。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)を高めることが可能なポンプ健全度評価方法を提供することにある。
第1の態様に係るポンプ設備健全度評価方法は、
ポンプ設備に対して現地にて計測作業を行って計測結果を初期値として記憶するステップと、
前記ポンプ設備に対して現地にて前記計測作業を繰り返して計測結果と前記初期値との差分を算出し、前記差分を判定基準と比較して前記ポンプ設備の健全度を判定するステップと、
を備える。
第2の態様に係るポンプ設備健全度評価方法は、第1の形態に係るポンプ設備健全度評価方法であって、
前記計測作業は、
シャフトの第1カップリングを一方側と他方側とに分離し、インペラをケーシングライナに当接させた状態で前記一方側と前記他方側との間の間隔を計測する作業を含む。
ポンプ設備では、インペラおよびケーシングライナの摩耗が進行するにつれて、第1カップリングの分解時における一方側と他方側との間の間隔が徐々に広がっていくが、当該間隔は従来の概略診断時の計測項目に含まれていなかった。これに対し、第2の態様によれば、第1カップリングを分解したときの一方側と他方側との間の間隔が計測され、ポンプ設備の健全度を判定する際に新たなデータとして追加的に利用されるため、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)を高めることができる。
第3の態様に係るポンプ設備健全度評価方法は、第1または2の形態に係るポンプ設備健全度評価方法であって、
前記計測作業は、
動力源からシャフトへの回転動力の伝達を切断し、切断時点から前記シャフトの惰性回転が停止する時点までの停止時間を計測する作業を含む。
ポンプ設備では、軸受に異常が生じていたり、インペラとケーシングライナとの間に異物を挟んでいたりすると、シャフトに作用する摩擦が増加するため、シャフトの惰性回転が停止する時点までの停止時間(空転時間)が短くなるが、当該停止時間は、従来の概略診断時の計測項目に含まれていなかった。これに対し、第3の態様によれば、シャフトの惰性回転が停止する時点までの停止時間(空転時間)が計測され、ポンプ設備の健全度を判定する際に新たなデータとして追加的に利用されるため、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)を高めることができる。
第4の態様に係るポンプ設備健全度評価方法は、第1〜3のいずれかの形態に係るポンプ設備健全度評価方法であって、
前記計測作業は、
外軸受の潤滑油を採取し、前記潤滑油中に含まれる金属摩耗粉を計測する作業を含む。
ポンプ設備では、外軸受が摩耗すると、外軸受から生じる金属摩耗粉が潤滑油に混ざり出すが、当該金属摩耗粉の存否は、従来の概略診断時の計測項目に含まれていなかった。これに対し、第4の態様によれば、潤滑油中に含まれる金属摩耗粉が計測され、ポンプ設備の健全度を判定する際に新たなデータとして追加的に利用されるため、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)を高めることができる。
第5の態様に係るポンプ設備健全度評価方法は、第1〜4のいずれかの形態に係るポンプ設備健全度評価方法であって、
前記計測作業は、
外軸受にて発生するショックパルスを計測する作業を含む。
ポンプ設備では、外軸受に異常があると、シャフトの回転中にショックパルス(衝撃波)が発生するが、当該ショックパルスは、従来の概略診断時の計測項目に含まれていなかった。これに対し、第5の態様によれば、外軸受にて発生するショックパルスが計測され、ポンプ設備の健全度を判定する際に新たなデータとして追加的に利用されるため、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)を高めることができる。
第6の態様に係るポンプ設備健全度評価方法は、第1〜5のいずれかの形態に係るポンプ設備健全度評価方法であって、
前記計測作業は、
ベースの水平度を計測する作業を含む。
ポンプ設備では、基礎が劣化したり、不等沈下が生じたりすると、ベースの水平度が増加するが、当該水平度は、従来の概略診断時の計測項目に含まれていなかった。これに対し、第6の態様によれば、ベースの水平度が計測され、ポンプ設備の健全度を判定する際に新たなデータとして追加的に利用されるため、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)を高めることができる。
第7の態様に係るポンプ設備健全度評価方法は、第1〜6のいずれかの形態に係るポンプ設備健全度評価方法であって、
判定した健全度のデータを、複数の端末にネットワークを介して接続されたクラウドシステムにて管理するステップ
を更に備える。
このような態様によれば、ポンプ設備(現地)から離れた遠方管理所または管理者の端末装置からポンプ設備の健全度をタイムリーに把握することが可能である。
本発明によれば、ポンプ設備において、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)を高めることができる。
図1は、一実施の形態によるポンプ健全度評価装置を含む情報処理システムの概略構成を示す図である。 図2は、一実施の形態に係るポンプの構造を示す概略図である。 図3Aは、図2に示すポンプの第1カップリングを拡大して示す図である。 図3Bは、図2において符号Aを付された一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図である。 図4Aは、図3Aに対応する図面であって、第1カップリングの分解時の第1カップリングを拡大して示す図である。 図4Bは、図3Bに対応する図面であって、第1カップリングの分解時の符号Aを付された一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図である。 図5は、現地での概略診断時における調査項目の一例を示す表である。 図6は、図1に示すポンプ健全度評価装置の動作の一例を示すフローチャートである。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示の理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(ポンプ健全度評価装置)
図1に示すように、情報処理システム1は、ポンプ健全度評価装置2と、クラウドシステム3と、入力端末41〜43と、表示端末61、62とを備えている。これらは、ネットワーク7(たとえば、IP−VPN)を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク7は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
なお、ポンプ健全度評価装置2、クラウドシステム3、入力端末41〜43および表示端末61、62の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
入力端末41〜43は、ユーザ(たとえば調査者)からの情報の入力を受け付ける端末装置であり、表示端末61、62は、ユーザ(たとえば施設管理者)に情報を表示する端末装置である。入力端末41〜43および表示端末61、62としては、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、またはデスクトップパソコンなどが用いられる。図示された例では、第1〜第3入力端末41〜43が、それぞれ、第1〜第3ポンプ設備51〜53に配置されている。
第1〜第3ポンプ設備51〜53の構成は、互いに同様であり、以下、第1のポンプ設備51の構成で代表して説明する。
図1に示すように、第1のポンプ設備51は、ポンプ10と、減速機81と、原動機82とを備えている。図示された例では、ポンプ10は、立軸斜流ポンプである。減速機81と原動機82とは互いに隣接して地上に設置されており、ポンプ10は減速機81の下方において地下に埋設されている。
原動機82としては、例えばディーゼルエンジンが用いられる。原動機82は、ポンプ10のシャフト16に減速機81を介して接続されている。減速機81は、原動機82が出力する回転動力をポンプ10のシャフト16に伝達するようになっている。
図2には、ポンプ10の構造の一例を示す概略図である。
図2に示すように、ポンプ10は、シャフト11とシャフト11に固定されたインペラ12とを含む回転体13と、回転体13の周囲を覆うケーシング14と、を備えている。
このうちケーシング14は、縦方向に延びる筒形状を有しており、コンクリート製のベース19に据え付けられている。シャフト11は、ケーシング14の内部に回転可能に挿設されており、インペラ12は、シャフト11の下端部に同軸状に固定されている。
シャフト11の上端部は、外軸受18を介してケーシング14の壁面を液密に貫通するように延ばされており、第1カップリング16を介して減速機81に連結されている。第1カップリング16と外軸受18との間には第2カップリング17が設けられている。
原動機82から出力される回転動力が減速機81によってシャフト11へと伝達されることにより、ケーシング14の内部にてインペラ12とシャフト11とが一体に回転される。インペラ12の回転によりケーシング14内の流体が流動されることで、ケーシング14の上端部の吐出口14aから流体が吐き出されるとともに、ケーシング14の下端部の吸込口14bから新たな液体が吸い込まれるようになっている。
図3Aは、図2に示すポンプ10の第1カップリング16を拡大して示す図である。図3Bは、図2において符号Aを付された一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図である。
図3Aに示すように、第1カップリング16は、一対のカップリング要素16A、16Bと、一対のカップリング要素16A、16Bの間に介在されたスペーサ16Cと、を有している。第1カップリング16は、一対のカップリング要素16A、16Bが、それらの間にスペーサ16Cを挟み込んだ状態で不図示のボルトにより締結されることにより、組み立てられる。
第1カップリング16の組立時、図3Bに示すように、インペラ13は吊り上げられた状態にあり、ケーシング14の内面に設けられたケーシングライナ15とインペラ13との間には、インペラ13の回転中にケーシングライナ15に接触しないように、僅かな隙間G1が開けられている。隙間G1の大きさは、例えば1〜2mmである。
図4Aは、図3Aに対応する図面であって、第1カップリング16の分解時の第1カップリング16を拡大して示す図である。図4Bは、図3Bに対応する図面であって、第1カップリング16の分解時の符号Aを付された一点鎖線で囲まれた領域を拡大して示す図である。
図4Aに示すように、一対のカップリング要素16A、16Bを締結するボルトが外されて、第1カップリング16が分解されると、下側のカップリング要素16Bおよびスペーサ16Cが重力により降下して、図4Bに示すように、インペラ13がケーシングライナ15に当接される。このとき、上側のカップリング要素16Aとスペーサ16Cとの間の間隔G2は、第1カップリング16の分解時のケーシングライナ15とインペラ13との間の隙間G1を縦方向に測った長さ(吊上代ともいう)に等しくなる(図3B参照)。ポンプ設備51〜53の新設時(または修復時)における吊上代G2の大きさ(設計値)は、例えば5〜6mmである。
図1に示すように、ポンプ健全度評価装置2は、たとえばサーバであり、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを有している。
このうち通信部21は、ポンプ健全度評価装置2とネットワーク7との間の通信インターフェースである。たとえば、通信部21は、ネットワーク7を介してポンプ健全度評価装置2とクラウドシステム3との間で情報を送受信するとともに、ネットワーク7を介してポンプ健全度評価装置2と入力端末41〜43との間で情報を送受信する。
制御部22は、判定部221と、クラウド展開部222とを有している。これらの各部221、222は、ポンプ健全度評価装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよい。これらの各部221、222については、後述する。
記憶部23は、たとえばハードディスク等の固定型データストレージである。記憶部23には、制御部22が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、記憶部23には、ポンプの調査部位ごとに定められた判定基準231が記憶される。また、記憶部23には、ポンプ設備51〜53の新設時(または修復時)に現地で行われる概略診断の計測結果が、初期値として記憶される。
判定基準231とは、ポンプ設備51〜53の概略診断の計測結果から各部位の健全度を判定する際の判定基準を示す情報である。具体的には、たとえば、判定基準231の1つは「吐出圧力」であり(図5参照)、より詳しくは、ポンプ締切圧力について、現地試運転データとの比較を行うために計測される「吐出圧力」について第1〜第4の値A1〜A4を有している。
判定部221は、ポンプ設備51〜103の概略診断の計測結果を、通信部21を介して入力端末41〜43から取得し、記憶部23に記憶された初期値との差分を算出する。そして、判定部221は、算出した差分を記憶部23に記憶された判定基準231と比較することで、ポンプ設備51〜53の各部位の健全度を判定する。
具体的には、たとえば、判定部221は、第1ポンプ設備51に関して、第1入力装置41から取得した判定基準231の1つである「吐出圧力」と、記憶部23に記憶された初期値(すなわちポンプ設備51の新設時(または修復時)の吐出圧力)との差分を算出する。そして、判定部221は、算出した差分が第1の値A1より小さければ、健全度を「S−5(対策不要)」と判定し、第1の値A1〜第2の値A2の範囲にあれば、「S−4(継続監視)」と判定し、第2の値A2〜第3の値A3の範囲にあれば、「S−3(劣化対策要)」と判定し、第3の値A3〜第4の値A4の範囲にあれば、「S−2(至急劣化対策要)」と判定し、第4の値A4より大きければ、「S−1(更新要)」と判定する。
クラウド展開部222は、判定部221により判定された各部位の健全度の情報を、ネットワーク7を介してクラウドシステム3に展開して管理する。クラウドシステム3は、複数の表示端末61、62とネットワーク7を介して通信可能に接続されている。したがって、ポンプ設備51〜53から離れた遠方管理所または管理者であっても、表示端末61、62からポンプ設備51〜53の健全度をタイムリーに正確に把握することが可能である。
(ポンプ健全度評価方法)
次に、このような構成からなるポンプ健全度評価装置2の動作の一例について、図6を参照して説明する。図6は、ポンプ健全度評価装置2の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、各ポンプ設備51〜53の新設時(または修復時)に現地にて、たとえば調査者によって概略診断の計測作業が実施され、その計測結果が入力端末41〜43に入力される。なお、本実施の形態は、調査者によって概略診断の計測作業および入力端末41〜43への計測結果の入力が為される態様に限られず、たとえば、ポンプ設備51〜53に取り付けられた各種センサによって概略診断の計測作業が実施され、その計測結果データが入力端末41〜43に自動的に収集されるようになっていてもよい。
図5は、現地での概略診断時における調査項目の一例を示す表である。
図5に示すように、現地での概略診断時には、たとえば、ポンプ運転時測定項目として、「吐出圧力」が計測される。具体的には、たとえば、ポンプ締切圧力について、ポンプ付属の連成計又は圧力計を用いて計測される。計測結果は調査者により入力端末41〜43に入力される。
また、図5に示す例では、ポンプ運転時測定項目として、「ショックパルス」が計測される。具体的には、たとえば、外軸受18にて発生するショックパルス(衝撃波)が、ベアリングチェッカを用いて計測される。計測結果は調査者により入力端末41〜43に入力される。
また、図5に示す例では、ポンプ運転時測定項目として、「潤滑油」が計測される。具体的には、たとえば、蛇口付軸受である外軸受18の蛇口から潤滑油が採取され、潤滑油中に含まれる金属摩耗粉の存否が計測される。計測結果は調査者により入力端末41〜43に入力される。
また、図5に示す例では、ポンプ運転時測定項目として、「停止時間(空転時間)」が計測される。具体的には、たとえば、動力源82からシャフト11への回転動力の伝達が切断され、切断時点からシャフト11の惰性回転が停止する時点までの停止時間(空転時間)が回転計やストップウォッチを用いて計測される。計測結果は調査者により入力端末41〜43に入力される。
さらに、ポンプ停止時測定項目として、「目視調査」が行われる。具体的には、たとえば、内視鏡を用いてインペラ12の画像が撮像され、撮像結果からインペラ12の腐食・壊食具合が調査者の目視で計測される。計測結果は調査者により入力端末41〜43に入力される。
また、図5に示す例では、ポンプ停止時測定項目として、「水平度」が計測される。具体的には、たとえば、ベース19の水平度を水準器やトランシットを用いて計測される。計測結果は調査者により入力端末41〜43に入力される。なお、本明細書において「水平度」とは、水平面に対する傾斜(勾配)を言う。
また、図5に示す例では、ポンプ停止時測定項目として、「吊上代」が計測される。具体的には、たとえば、シャフト11の第1カップリング16が上側のカップリング要素16Aとスペーサ16Cおよび下側のカップリング要素16Bとに分離され、インペラ13がケーシングライナ15に当接された状態で上側カップリング16Aとスペーサ16cとの間の間隔G2がノギスやスキマゲージを用いて計測される(図4A参照)。計測結果は調査者により入力端末41〜43に入力される。
判定部221は、各ポンプ設備51〜53の概略診断の計測結果を、通信部21を介してたとえば入力端末41〜43から取得する(ステップS11)。
なお、ポンプ設備51〜53に取り付けられた各種センサによって概略診断の計測が行われる場合には、判定部221は、入力端末41〜43を介さずに直接、当該各種センサから計測結果データを取得してもよい。
制御部22は、入力端末41〜43から取得した計測結果を、初期値として記憶部23に記憶する(ステップS12)。
次に、予め定められた概略診断周期(たとえば1カ年ごと)で、各ポンプ設備51〜53に対して現地にて、たとえば調査者によって、上述したような概略診断の計測作業が繰り返され、計測結果が入力端末41〜43に入力される。
判定部221は、各ポンプ設備51〜53の概略診断の計測結果を、通信部21を介してたとえば入力端末41〜43から取得する(ステップS13)。
次に、判定部221は、ポンプ設備51〜53ごとに、入力端末41〜43から取得した計測結果と、記憶部23に記憶された初期値との差分を算出する(ステップS14)。そして、判定部221は、算出した差分を記憶部23に記憶された判定基準231と比較して、各部位の健全度を判定する(ステップS15)。
具体的には、たとえば、「吊上代」については、算出した差分が初期値の2倍以下(すなわち計測された間隔G2が初期値(設計値)の3倍以下)の場合には、インペラ13およびケーシングライナ15の健全度を「S−4(継続監視)」と判定し、2倍を超えている(すなわち計測された間隔G2が初期値(設計値)の3倍より大きい)の場合には、「S−3(劣化対策要)」と判定する。
また、たとえば、「潤滑油」については、算出した差分がゼロ(すなわち潤滑油中に金属摩耗粉が計測されない)場合には、外軸受18の健全度を「S−4(継続監視)」と判定し、ゼロでない(すなわち潤滑油中に金属摩耗粉が計測された)場合には、「S−3(劣化対策要)」と判定する。
クラウド展開部222は、各ポンプ設備51〜53について、判定部221により判定された各部位の健全度の情報を、ネットワーク7を介してクラウドシステム3に展開して管理する(ステップS16)。これにより、ポンプ設備51〜53から離れた遠方管理所または管理者であっても、表示端末61、62からポンプ設備51〜53の健全度をタイムリーに正確に把握することが可能となる。
ところで、ポンプ設備51〜53では、インペラ12およびケーシングライナ15の摩耗が進行するにつれて、第1カップリング16の分解時における上側のカップリング要素16Aとスペーサ16Cとの間の間隔G2が徐々に広がっていくが、当該間隔G2は従来の概略診断時の計測項目に入っていなかった。これに対し、本実施の形態によれば、第1カップリング16を分解させたときの上側のカップリング要素16Aとスペーサ16Cとの間の間隔G2が計測され、ポンプ設備51〜53の健全度を判定する際に新たなデータとして追加的に利用されるため、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)を高めることができる。これにより、当該機場または類似機場のポンプについて工場へ持ち込まねばならない時期を正確に推定できるようになり、整備周期の延命化による整備コストの縮減に繋がる。
また、ポンプ設備51〜53では、軸受18に異常が生じていたり、インペラ12とケーシングライナ15との間に異物を挟んでいたりすると、シャフト11に作用する摩擦が増加するため、シャフト11の惰性回転が停止する時点までの停止時間(空転時間)が短くなるが、当該停止時間(空転時間)は、従来の概略診断時の計測項目に入っていなかった。これに対し、本実施の形態によれば、シャフト11の惰性回転が停止する時点までの停止時間(空転時間)が測定され、ポンプ設備51〜53の健全度を判定する際に新たなデータとして追加的に利用されるため、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)をさらに高めることができる。
また、ポンプ設備51〜53では、外軸受18が摩耗すると、外軸受18から生じる金属摩耗粉が潤滑油に混ざり出すが、当該金属摩耗粉の存否は、従来の概略診断時の計測項目に入っていなかった。これに対し、本実施の形態によれば、潤滑油中に含まれる金属摩耗粉が測定され、ポンプ設備51〜53の健全度を判定する際に新たなデータとして追加的に利用されるため、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)をさらに高めることができる。
また、ポンプ設備51〜53では、外軸受18に異常があると、シャフト11の回転中にショックパルス(衝撃波)が発生するが、当該ショックパルスは、従来の概略診断時の計測項目に入っていなかった。これに対し、本実施の形態によれば、外軸受18にて発生するショックパルスが測定され、ポンプ設備51〜53の健全度を判定する際に新たなデータとして追加的に利用されるため、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)をさらに高めることができる。
また、ポンプ設備51〜53では、基礎が劣化したり、不等沈下が生じたりすると、ベース19の水平度が増加するが、当該水平度は、従来の概略診断時の計測項目に入っていなかった。これに対し、本実施の形態によれば、ベース19の水平度が測定され、ポンプ設備51〜53の健全度を判定する際に新たなデータとして追加的に利用されるため、概略診断時の健全度の精度(確からしさ)をさらに高めることができる。
また、本実施の形態によれば、判定された各部位の健全度の情報が、複数の端末装置(表示端末)61、62と通信可能に接続されたクラウドシステムに展開されて管理されるため、ポンプ設備51〜53(現地)から離れた遠方管理所または管理者であっても、端末装置(表示端末)61、62からポンプ設備51〜53の健全度をタイムリーに把握することが可能である。
なお、本実施の形態によるポンプ健全度評価装置2はコンピュータシステムによって構成され得るが、コンピュータシステムにポンプ健全度評価装置2を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録した記録媒体も、本件の保護対象である。
1 情報処理システム
2 ポンプ健全度評価装置
21 通信部
22 制御部
221 判定部
222 クラウド展開部
23 記憶部
231 判定基準
3 クラウドシステム
41〜43 入力端末
51〜53 ポンプ設備
61〜62 表示端末
7 ネットワーク
10 ポンプ
11 シャフト
12 インペラ
13 回転体
14 ケーシング
14a 吐出口
14b 吸込口
15 ケーシングライナ
16 第1カップリング
16C スペーサ
17 第2カップリング
18 外軸受
19 ベース
81 減速機
82 原動機

Claims (7)

  1. ポンプ設備に対して現地にて計測作業を行って計測結果を初期値として記憶するステップと、
    前記ポンプ設備に対して現地にて前記計測作業を繰り返して計測結果と前記初期値との差分を算出し、前記差分を判定基準と比較して前記ポンプ設備の健全度を判定するステップと、
    を備えたことを特徴とするポンプ設備健全度評価方法。
  2. 前記計測作業は、
    シャフトの第1カップリングを一方側と他方側とに分離し、インペラをケーシングライナに当接させた状態で前記一方側と前記他方側との間の間隔を計測する作業を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のポンプ設備健全度評価方法。
  3. 前記計測作業は、
    動力源からシャフトへの回転動力の伝達を切断し、切断時点から前記シャフトの惰性回転が停止する時点までの停止時間を計測する作業を含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ設備健全度評価方法。
  4. 前記計測作業は、
    外軸受の潤滑油を採取し、前記潤滑油中に含まれる金属摩耗粉を計測する作業を含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポンプ設備健全度評価方法。
  5. 前記計測作業は、
    外軸受にて発生するショックパルスを計測する作業を含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポンプ設備健全度評価方法。
  6. 前記計測作業は、
    ベースの水平度を計測する作業を含む
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポンプ設備健全度評価方法。
  7. 判定した健全度のデータを、複数の端末にネットワークを介して接続されたクラウドシステムにて管理するステップ
    を更に備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポンプ設備健全度評価方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114165430A (zh) * 2021-11-19 2022-03-11 重庆川仪自动化股份有限公司 基于边缘计算的机泵健康监测方法、系统、设备及介质
JP7461262B2 (ja) 2020-09-28 2024-04-03 株式会社クボタ ポンプの診断方法、ポンプゲートの診断方法、およびポンプ診断装置

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