以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の第1の側面の記録装置は、人間の身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面であって、皮膚感覚の感覚点の密度がより高い部位をより広く表した面に配置されている点に、皮膚感覚の刺激の大きさを示す値である皮膚刺激値が対応付けられているデータを生成するデータ生成手段(例えば、図3の記録データ生成部62)と、生成されたデータを記録媒体に記録する記録手段(例えば、図3の記録制御部63に制御される図2の記録部38)とを含む。
本発明の第2の側面の皮膚刺激装置は、人間の身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面であって、皮膚感覚の感覚点の密度がより高い部位をより広く表した面に配置されている点に、皮膚感覚の刺激の大きさを示す値である皮膚刺激値が対応付けられているデータであって、記録媒体に記録されているデータを記録媒体から読み出す読み出し手段(例えば、図3の読み出し制御部65に制御される図2の記録部38)と、ユーザの身体の各部位にそれぞれ装着されている皮膚に刺激を加えるデバイスのうち、データにおける皮膚刺激値の配置から、所定の皮膚刺激値で皮膚に刺激を加えるデバイスを決定するデバイス決定手段(例えば、図3の出力刺激器決定部66)と、皮膚刺激値に応じて、決定されたデバイスの駆動を制御する駆動制御手段(例えば、図3の駆動制御部67)とを含む。
以下、本発明の一実施の形態の皮膚刺激システムを図1乃至図7を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態の皮膚刺激システムの構成の一例を示す。
皮膚刺激システムは、人間の身体の皮膚への刺激を示すデータを取得して、所定の方式で記録する。皮膚刺激システムは、所定の方式で記録されている、人間の身体の皮膚への刺激を示すデータを読み出して、読み出したデータに応じた位置と刺激の大きさとで、人間の身体の皮膚に刺激を加える。皮膚刺激システムにおける、人間の身体の皮膚への刺激を示すデータは、画像データや音声データのように、皮膚への刺激のコンテンツについての汎用的なフォーマットとされている。
皮膚刺激システムは、コンピュータ11、測定対象者21に装着される、皮膚への刺激を測定する測定器22−1乃至22−12および呈示対象者25に装着される、皮膚に刺激を与える刺激器26−1乃至26−12を含み構成される。
コンピュータ11は、パーソナルコンピュータ、サーバまたは専用に構成されたコンピュータなどからなる。コンピュータ11は、測定器22−1乃至22−12で測定された測定対象者21の皮膚への刺激を示すデータを測定器22−1乃至22−12から取得して、所定の方式で記録する。また、コンピュータ11は、所定の方式で記録されている、人間の身体の皮膚への刺激を示すデータを読み出して、刺激器26−1乃至26−12を駆動して、刺激器26−1乃至26−12に呈示対象者25の皮膚に刺激を与えさせる。
測定器22−1乃至22−12は、身体の各部位の皮膚に装着され、皮膚に加えられた刺激を計測する。測定器22−1乃至22−12は、無線または有線により、測定して得られた刺激を示すデータをコンピュータ11に供給する。ここで、皮膚に加えられる刺激は、狭義の触覚に限らず、人間の皮膚感覚である触覚、圧覚、温覚、冷覚または痛覚で感知される刺激を含む。皮膚に加えられる刺激は、皮膚感覚であれば足りる。ここでは、皮膚表面、皮下または皮下深部などの生体組織における触覚、圧覚、温覚、冷覚または痛覚等の感覚や、表面筋電位、皮膚電位、皮膚コンダクタンスまたは血管機能などを含む、体の表面から記録できる生体情報を皮膚感覚と定義する。すなわち、以下、皮膚に加えられた刺激とは、体の表面から記録できる生体情報である皮膚感覚を意味する。
例えば、測定器22−1乃至22−12は、圧力センサ、加速度センサ、温度センサ、光センサ若しくは電極などまたはこれらの組み合わせからなる。例えば、測定器22−1乃至22−12は、1点で力や温度を検知するものとすることができる。また、例えば、測定器22−1乃至22−12は、面で力や温度を検知し、面の位置毎に力や温度を示すデータを出力するものとすることができる。
例えば、測定器22−1乃至22−12は、それぞれ、測定対象者21の顔の右側、首の右前側、胸の右側、右腕の上腕の前側、右腕の前腕の前側、左腕の上腕の前側、左腕の前腕の前側、腹部の右側、右脚の大腿の前側、右脚の下腿の前側、左脚の大腿の前側および左脚の下腿の前側のそれぞれに装着される。
なお、測定器22−1乃至22−12は、図1に示される部位および位置に限らず、所望の部位に装着される。以下、測定器22−1乃至22−12を個々に区別する必要がない場合、単に測定器22と称する。
また、例えば、右腕の前腕など所定の部位に複数の測定器22を装着するようにしてもよい。なお、身体に1つの測定器22を装着するようにしてもよい。
刺激器26−1乃至26−12は、身体の各部位の皮膚に装着され、刺激を皮膚に与える。刺激器26−1乃至26−12が呈示する刺激は、振動、圧力、神経や筋への電気刺激などを含む、物理的、電気的または化学的な刺激である。刺激器26−1乃至26−12は、コンピュータ11から無線または有線により供給される信号により動作する。例えば、刺激器26−1乃至26−12は、アクチュエータ、ヒーターやペルチェ素子などの熱電素子若しくは加振器などまたはこれらの組み合わせからなる。例えば、刺激器26−1乃至26−12は、1点で力や熱などを加えるものとすることができる。また、例えば、刺激器26−1乃至26−12は、面の位置毎に力や熱などを加えるものとすることができる。
例えば、刺激器26−1乃至26−12は、それぞれ、呈示対象者25の顔の右側、首の右前側、胸の右側、右腕の上腕の前側、右腕の前腕の前側、左腕の上腕の前側、左腕の前腕の前側、腹部の右側、右脚の大腿の前側、右脚の下腿の前側、左脚の大腿の前側および左脚の下腿の前側のそれぞれに装着される。
なお、刺激器26−1乃至26−12は、図1に示される部位および位置に限らず、所望の部位に装着される。以下、刺激器26−1乃至26−12を個々に区別する必要がない場合、単に刺激器26と称する。
また、例えば、右腕の前腕など所定の部位に複数の刺激器26を装着するようにしてもよい。なお、身体に1つの刺激器26を装着するようにしてもよい。
図2は、コンピュータ11のハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
コンピュータ11において、CPU(Central Processing Unit)31,ROM(Read Only Memory)32,RAM(Random Access Memory)33は、バス34により相互に接続されている。
バス34には、さらに、入出力インタフェース35が接続されている。入出力インタフェース35には、キーボード、マウス、タッチパッド、マイクロホンなどよりなる入力部36、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部37、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記録部38、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部39、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア41を駆動するドライブ40が接続されている。
また、入力部36は、無線または有線により、測定器22−1乃至22−12に接続され、測定器22−1乃至22−12からの各種のデータを入力して、取得する。また、出力部37は、無線または有線により、刺激器26−1乃至26−12に接続され、刺激器26−1乃至26−12に出力信号などを出力することにより、刺激器26−1乃至26−12を動作させる。
なお、通信部39と、測定器22−1乃至22−12および刺激器26−1乃至26−12とを接続して、身体の各部位の位置を示すデータや動作のための出力信号などを相互に通信するようにしてもよい。
以上のように構成されるコンピュータ11(コンピュータ)では、CPU31が、例えば、記録部38に記録されているプログラムを、入出力インタフェース35及びバス34を介して、RAM33にロードして実行することにより、後述する一連の処理が行われる。
コンピュータ11(CPU31)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア41に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット12、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
そして、プログラムは、リムーバブルメディア41をドライブ40に装着することにより、入出力インタフェース35を介して、記録部38に記録することで、コンピュータにインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部39で受信し、記録部38に記録することで、コンピュータにインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM32や記録部38にあらかじめ記録しておくことで、コンピュータにあらかじめインストールしておくことができる。
プログラムを実行するコンピュータ11で実現される機能は、大きく分類すると、書き出し機能と読み込み機能とである。読み込み機能では、読み込んだ標準形式刺激データから、現状のハードウェアの呈示素子(例えば、刺激器26−1乃至26−12および刺激器26−1乃至26−12に配置されている刺激素子)の調整可能な範囲(解像度)に合わせて、どの位置の素子にどの刺激が対応するかを判別し、標準形式刺激データの値と基準値などから、その素子に出力する値を計算して出力する。書き出し機能では、データを記録する際のセンサ(例えば、測定器22−1乃至22−12および測定器22−1乃至22−12に配置されているセンサ)の位置を標準形式刺激データの座標で指定することで、記録が可能になる。
図3は、プログラムを実行するコンピュータ11において実現される機能の構成の例を示すブロック図である。すなわち、コンピュータ11がプログラムを実行すると、データ構造決定部61、記録データ生成部62、記録制御部63、出力対応値決定部64、読み出し制御部65、出力刺激器決定部66および駆動制御部67が実現される。データ構造決定部61、記録データ生成部62および記録制御部63は、書き出し機能に対応する。出力対応値決定部64、読み出し制御部65、出力刺激器決定部66および駆動制御部67は、読み込み機能に対応する。
データ構造決定部61は、測定器22−1乃至22−12から取得する刺激のデータ(以下、個別刺激データと称する。)が示す刺激の種類毎に、解像度、サンプリングレート、データの種類、データの基準値、データの平均値およびデータのレンジに合わせて、個別刺激データに応じた値を含む標準のデータ形式である標準形式刺激データのデータ構造を決める。記録データ生成部62は、決められたデータ構造で、個別刺激データに応じた値(以下、皮膚刺激値と称する。)を配置して標準形式刺激データを生成する。記録制御部63は、記録部38を制御して、生成された標準形式刺激データを記録部38に記録させる。
出力対応値決定部64は、標準形式刺激データ上の皮膚刺激値の位置とそれぞれの皮膚刺激値で駆動される刺激器26−1乃至26−12および刺激器26−1乃至26−12に配置されている刺激素子の位置との対応を求める。また、出力対応値決定部64は、皮膚刺激値と刺激器26−1乃至26−12および刺激器26−1乃至26−12に配置されている刺激素子への出力の値との対応を求める。
読み出し制御部65は、記録部38を制御して、記録部38に記録されている標準形式刺激データを読み出させる。出力刺激器決定部66は、標準形式刺激データ上の個々の皮膚刺激値の位置から、皮膚刺激値に応じて刺激を加える刺激器26−1乃至26−12および刺激器26−1乃至26−12に配置されている刺激素子を決める。駆動制御部67は、刺激器26−1乃至26−12の駆動を制御し、読み出された個々の標準形式刺激データの皮膚刺激値に応じて、刺激器26−1乃至26−12および刺激器26−1乃至26−12に配置されている刺激素子を駆動させる。
次に、図4および図5を参照して、標準形式刺激データのデータ構造を説明する。身体の表面への刺激、すなわち触覚等が呈示されるのは、全身の皮膚表面(より正確には、表面から皮下くらいまで)なので、標準形式刺激データにおいて、全身の皮膚がマップ状に表されて、刺激の場所が表現される。標準形式刺激データは、いわば、身体の表面の地図である。標準形式刺激データにおいて、身体の部位に応じた領域の比率は、感覚野の体部位局在や感覚分解能、感覚神経の密度から決められる。標準形式刺激データにおいて、身体の部位に応じた領域の配置は、おおよそ人の身体の部位の位置関係をなぞるように決められる。例えば、標準形式刺激データは、身体の表面を1つの四角形に敷き詰めたデータ構造とすることができる。
刺激の場所と強度などを、標準形式刺激データの形式に合わせることで、どのような実験も全て、この形式に変換しておけば、再利用が容易になる。また、標準形式刺激データの形式で、画像(静止画像)を時間サンプリングに合わせて多数用意するのと同様に取り扱えば、時間変化する刺激呈示も表現できる。
標準形式刺激データにおいては、解像度は固定されておらず、使用するデバイスや計測器である測定器22−1乃至22−12または刺激器26−1乃至26−12の計測精度や加えられる刺激の分解能などで決められる。ただし、解像度を参照することなく、標準形式刺激データ内の相対位置によって身体の表面への刺激を示すことができる。
使用するデバイスが詳細に位置を決められる場合、標準形式刺激データの解像度をアップコンバートして、センサの位置に対応する点の値(皮膚刺激値)を出力値とすることができる。
このように、標準形式刺激データは、身体の表面への刺激を標準化された形式で示す。より具体的には、標準形式刺激データは、身体の表面への刺激の場所と、その場所への刺激の大きさとを標準化された形式で示す。標準形式刺激データは、仮想的な面を表す構造とされている。例えば、標準形式刺激データは、長方形の仮想的な面を表す構造とされている。
例えば、図4に示されるように、標準形式刺激データには、左上の端部から右上の端部に、左から順に、左後ろ頭の領域、左顔の領域、右顔の領域および右後ろ頭の領域が配置される。図5に示されるように、左後ろ頭の領域、左顔の領域、右顔の領域および右後ろ頭の領域のそれぞれには、頭の後の左側、顔の左側、顔の右側および頭の後の右側のそれぞれへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。
図4に示されるように、標準形式刺激データには、左後ろ頭の領域、左顔の領域、右顔の領域および右後ろ頭の領域の下に、左から順に、左後首/左後肩の領域、左前肩/左前首の領域、右前首/右前肩の領域および右後肩/右後首の領域が配置される。図5に示されるように、左後首/左後肩の領域、左前肩/左前首の領域、右前首/右前肩の領域および右後肩/右後首の領域のそれぞれには、首の後側の左側から左肩の後側まで、左肩の前側から首の前側の左側まで、首の前側の右側から右肩の前側までおよび右肩の後側から首の後側の右側までのそれぞれへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。
図4に示されるように、標準形式刺激データには、左後首/左後肩の領域、左前肩/左前首の領域、右前首/右前肩の領域および右後肩/右後首の領域の下に、左から順に、左後背中の領域、左後上腕の領域、左前上腕の領域、左前胸の領域、右前胸の領域、右前上腕の領域、右後上腕の領域および右後背中の領域が配置される。図5に示されるように、左後背中の領域、左後上腕の領域、左前上腕の領域、左前胸の領域、右前胸の領域、右前上腕の領域、右後上腕の領域および右後背中の領域のそれぞれには、背中の左側、左腕の上腕の後側、左腕の上腕の前側、胸の左側、胸の右側、右腕の上腕の前側、右腕の上腕の後側および背中の右側のそれぞれへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。
図4に示されるように、標準形式刺激データには、左後背中の領域、左後上腕の領域、左前上腕の領域、左前胸の領域、右前胸の領域、右前上腕の領域、右後上腕の領域および右後背中の領域の下に、左から順に、左後腰の領域、左後前腕の領域、左前前腕の領域、左前腹部の領域、右前腹部の領域、右前前腕の領域、右後前腕の領域および右後腰の領域が配置される。図5に示されるように、左後腰の領域、左後前腕の領域、左前前腕の領域、左前腹部の領域、右前腹部の領域、右前前腕の領域、右後前腕の領域および右後腰の領域のそれぞれには、腰の左側、左腕の前腕の後側、左腕の前腕の前側、腹部の左側、腹部の右側、右腕の前腕の前側、右腕の前腕の後側および腰の右側のそれぞれへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。
標準形式刺激データには、左後腰の領域の下に、左臀部の領域が配置される。左臀部の領域には、臀部の左側への刺激を示す皮膚刺激値が配置される。標準形式刺激データには、左後前腕の領域の下に左手の甲の領域が配置される。左手の甲の領域には、左手の甲への刺激を示す皮膚刺激値が配置される。標準形式刺激データには、左前前腕の領域の下に左手のひらの領域が配置される。左手のひらの領域には、左手の手のひらへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。標準形式刺激データには、左前腹部の領域の下に、左生殖器,鼠径部の領域が配置される。左生殖器,鼠径部の領域には、生殖器の左側または左側の鼠径部への刺激を示す皮膚刺激値が配置される。
さらに、図4に示されるように、標準形式刺激データには、左手の甲の領域および左手のひらの領域の下であって、左臀部の領域と左生殖器,鼠径部の領域とに左右に挟まれるように、左から順に、左小指の領域、左薬指の領域、左中指の領域、左人差指の領域および左親指の領域が配置される。図5に示されるように、左小指の領域、左薬指の領域、左中指の領域、左人差指の領域および左親指の領域のそれぞれには、左手の小指、左手の薬指、左手の中指、左手の人差指、左手の親指のそれぞれへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。左小指の領域、左薬指の領域、左中指の領域、左人差指の領域および左親指の領域のそれぞれは、左手の小指、左手の薬指、左手の中指、左手の人差指、左手の親指のそれぞれの1周を示す。
標準形式刺激データには、右前腹部の領域の下に、右生殖器,鼠径部の領域が配置される。右生殖器,鼠径部の領域には、生殖器の右側または右側の鼠径部への刺激を示す皮膚刺激値が配置される。標準形式刺激データには、右前前腕の領域の下に右手のひらの領域が配置される。右手のひらの領域には、右手の手のひらへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。標準形式刺激データには、右後前腕の領域の下に右手の甲の領域が配置される。右手の甲の領域には、右手の甲への刺激を示す皮膚刺激値が配置される。標準形式刺激データには、右後腰の領域の下に、右臀部の領域が配置される。右臀部の領域には、臀部の右側への刺激を示す皮膚刺激値が配置される。
さらに、図4に示されるように、標準形式刺激データには、右手のひらの領域および右手の甲の領域の下であって、右生殖器,鼠径部の領域と右臀部の領域とに左右に挟まれるように、左から順に、右親指の領域、右人差指の領域、右中指の領域、右薬指の領域および右小指の領域が配置される。図5に示されるように、右親指の領域、右人差指の領域、右中指の領域、右薬指の領域および右小指の領域のそれぞれには、右手の親指、右手の人差指、右手の中指、右手の薬指、右手の小指のそれぞれへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。右人差指の領域、右中指の領域、右薬指の領域および右小指の領域のそれぞれは、右手の親指、右手の人差指、右手の中指、右手の薬指、右手の小指のそれぞれの1周を示す。
図4に示されるように、標準形式刺激データには、左臀部の領域、左小指の領域、左薬指の領域、左中指の領域、左人差指の領域、左親指の領域、左生殖器,鼠径部の領域、右生殖器,鼠径部の領域、右親指の領域、右人差指の領域、右中指の領域、右薬指の領域、右小指の領域および右臀部の領域の下に、左後大腿の領域、左前大腿の領域、右前大腿の領域および右後大腿の領域が配置される。図5に示されるように、左後大腿の領域、左前大腿の領域、右前大腿の領域および右後大腿の領域のそれぞれには、左脚の大腿の後側、左脚の大腿の前側、右脚の大腿の前側、右脚の大腿の後側のそれぞれへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。
図4に示されるように、標準形式刺激データには、左後大腿の領域、左前大腿の領域、右前大腿の領域および右後大腿の領域の下に、左後下腿の領域、左前下腿の領域、右前下腿の領域および右後下腿の領域が配置される。図5に示されるように、左後下腿の領域、左前下腿の領域、右前下腿の領域および右後下腿の領域のそれぞれには、左脚の下腿の後側、左脚の下腿の前側、右脚の下腿の前側、右脚の下腿の後側のそれぞれへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。
図4に示されるように、標準形式刺激データには、左後下腿の領域、左前下腿の領域、右前下腿の領域および右後下腿の領域の下に、左足裏の領域、左足表の領域、右足表の領域および右足裏の領域が配置される。図5に示されるように、左足裏の領域、左足表の領域、右足表の領域および右足裏の領域のそれぞれには、左足の裏側、左足の表側(甲)、右足の表側(甲)および右足の裏側のそれぞれへの刺激を示す皮膚刺激値が配置される。
図4に示されるように、左後ろ頭の領域、左顔の領域、右顔の領域、右後ろ頭の領域、左後首/左後肩の領域、左前肩/左前首の領域、右前首/右前肩の領域、右後肩/右後首の領域、左後大腿の領域、左前大腿の領域、右前大腿の領域、右後大腿の領域、左後下腿の領域、左前下腿の領域、右前下腿の領域、右後下腿の領域、左足裏の領域、左足表の領域、右足表の領域および右足裏の領域のそれぞれの横方向の長さである幅は、標準形式刺激データ全体の幅の4分の1とされている。
図4に示されるように、左後背中の領域、左後上腕の領域、左前上腕の領域、左前胸の領域、右前胸の領域、右前上腕の領域、右後上腕の領域、右後背中の領域、左後腰の領域、左後前腕の領域、左前前腕の領域、左前腹部の領域、右前腹部の領域、右前前腕の領域、右後前腕の領域、右後腰の領域、左臀部の領域、左手の甲の領域、左手のひらの領域、左生殖器,鼠径部の領域、右生殖器,鼠径部の領域、右手のひらの領域、右手の甲の領域および右臀部の領域のそれぞれの幅は、標準形式刺激データ全体の幅の8分の1とされている。
また、図4に示されるように、左小指の領域、左薬指の領域、左中指の領域、左人差指の領域、左親指の領域、右親指の領域、右人差指の領域、右中指の領域、右薬指の領域および右小指の領域のそれぞれの幅は、標準形式刺激データ全体の幅の20分の1とされている。
図4に示されるように、左後ろ頭の領域、左顔の領域、右顔の領域および右後ろ頭の領域のそれぞれの縦方向の長さである高さは、左後首/左後肩の領域、左前肩/左前首の領域、右前首/右前肩の領域および右後肩/右後首の領域の高さの5倍程度とされている。
図4に示されるように、左後背中の領域、左後上腕の領域、左前上腕の領域、左前胸の領域、右前胸の領域、右前上腕の領域、右後上腕の領域、右後背中の領域、左後腰の領域、左後前腕の領域、左前前腕の領域、左前腹部の領域、右前腹部の領域、右前前腕の領域、右後前腕の領域、右後腰の領域、左手の甲の領域、左手のひらの領域、右手のひらの領域、右手の甲の領域、左後大腿の領域、左前大腿の領域、右前大腿の領域、右後大腿の領域、左後下腿の領域、左前下腿の領域、右前下腿の領域および右後下腿の領域のそれぞれの高さは、左後ろ頭の領域、左顔の領域、右顔の領域および右後ろ頭の領域の高さより低く、左後首/左後肩の領域、左前肩/左前首の領域、右前首/右前肩の領域および右後肩/右後首の領域の高さより高くされている。
図4に示されるように、左足裏の領域、左足表の領域、右足表の領域および右足裏の領域の高さは、左後大腿の領域、左前大腿の領域、右前大腿の領域、右後大腿の領域、左後下腿の領域、左前下腿の領域、右前下腿の領域および右後下腿の領域の高さより高く、左後ろ頭の領域、左顔の領域、右顔の領域および右後ろ頭の領域の高さより低くされている。
図4に示されるように、左小指の領域、左薬指の領域、左中指の領域、左人差指の領域、左親指の領域、右親指の領域、右人差指の領域、右中指の領域、右薬指の領域および右小指の領域のそれぞれの高さは、左足裏の領域、左足表の領域、右足表の領域および右足裏の領域の高さと同じ程度とされている。
図4に示されるように、左臀部の領域、左生殖器,鼠径部の領域、右生殖器,鼠径部の領域および右臀部の領域のそれぞれの高さは、左小指の領域、左薬指の領域、左中指の領域、左人差指の領域、左親指の領域、右親指の領域、右人差指の領域、右中指の領域、右薬指の領域および右小指の領域のそれぞれの高さと左手の甲の領域、左手のひらの領域、右手のひらの領域および右手の甲の領域のそれぞれの高さとを合わせた高さとされている。
このように、標準形式刺激データは、身体の表面の地図状とされ、皮膚上の点を表現する。標準形式刺激データにおいて、身体上の部位の大まかな配置に応じて部位を表す領域が配置されている。標準形式刺激データにおいて、身体上の部位であって、隣接している部位またはつながっている部位を表す領域は、極力隣接するように配置されている。
また、標準形式刺激データにおいて、身体の部位を表す領域の大きさは、身体の部位の知覚の分解能や感覚神経の密度に応じて決められる。すなわち、皮膚感覚の感覚点の密度がより高い部位に対応する領域がより広くされる。
以上のように、標準形式刺激データでは、人間の身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面であって、皮膚感覚の感覚点の密度がより高い部位をより広く表した面に配置されている点に、皮膚感覚の刺激の大きさを示す値である皮膚刺激値が対応付けられている。例えば、標準形式刺激データでは、人間の身体の後面と正中面とが交わる線から身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面であって、皮膚感覚の感覚点の密度がより高い部位をより広く表した面に配置されている点に、皮膚感覚の刺激の大きさを示す値である皮膚刺激値が対応付けられている。
また、標準形式刺激データの属性を示す値として、解像度、サンプリングレート、データの種類、データの基準値、データの平均値、データのレンジ、センサの数およびセンサのポート番号を採用することができる。
解像度は、標準形式刺激データの縦方向(y方向)および横方向(x方向)のそれぞれについてのドット数で表現され、標準形式刺激データの全体の解像度を示す。また、図4に示される方式の標準形式刺激データが所定の単位時間の刺激を表現している場合、図4に示される方式の標準形式刺激データが時間方向に複数用いられることにより、刺激の時間的な変化を表現することができる。この場合、サンプリングレートは、例えば、ミリ秒を単位として、単位時間を示す。また、この場合、時間方向に標準形式刺激データを複数用いたものも、標準形式刺激データと称する。
データの種類として、電圧、周波数、または電圧と周波数との組み合わせのいずれかを採用することができる。この場合、データの種類の値が0であるとき、皮膚刺激値は電圧を示し、データの種類の値が1であるとき、皮膚刺激値は周波数を示し、データの種類の値が2であるとき、皮膚刺激値は電圧と周波数との組み合わせを示す。なお、データの種類として、電流を採用することもできる。
また、データの基準値は、皮膚刺激値の基準値を示す。データのレンジは、電圧または周波数である皮膚刺激値の最大値若しくは最小値またはこれらの絶対値を示す。センサの数は、標準形式刺激データに格納した皮膚刺激値を生成するときに用いたセンサの数(測定器22−1乃至22−12の数)を示す。センサのポート番号は、標準形式刺激データに格納した皮膚刺激値を生成するときに用いたセンサの接続先のソフトウェアまたはハードウェアのポートの番号を示す。
なお、皮膚感覚である触覚、圧覚、温覚、冷覚または痛覚毎に、標準形式刺激データを生成して、1つのデータにすることもできる。この場合、触覚、圧覚、温覚、冷覚または痛覚毎の標準形式刺激データが1つのデータとされたものも、標準形式刺激データと称する。
また、刺激の時間的な変化を表現する場合、単位時間をフレーム番号で表し、それぞれのセンサからの出力値(基準値からの相対値)を標準形式刺激データに配置するようにしてもよい。
また、標準形式刺激データは、2次元の配列で表すこともできる。すなわち、標準形式刺激データとして、面の点に対応する要素に皮膚刺激値を格納する2次元の配列であって、行または列の一方に並ぶ要素が、身体の皮膚と水平面とが交わる位置の皮膚上の点に対応し、行または列の他方に並ぶ要素が、身体の皮膚と正中線を含む面とが交わる位置の皮膚上の点に対応し、行または列の他方の中央が、人間の身体の前面と正中面とが交わる位置に対応する2次元の配列を採用することもできる。
なお、図4および図5に示す標準形式刺激データにおいて、それぞれの四角形は身体の部位毎の領域を示すが、この領域の分け方は、これに限るものではなく、他の方法であってもよい。この場合、出力対応値決定部64、読み出し制御部65、出力刺激器決定部66および駆動制御部67に標準形式刺激データの配置が入力されていればよい。
このように、標準形式刺激データにおいて、人間の身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面であって、皮膚感覚の感覚点の密度がより高い部位をより広く表した面に配置されている点に、皮膚感覚の刺激の大きさを示す値である皮膚刺激値が対応付けられている。
人間の身体の後面と正中面とが交わる線から身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面に配置されている点に、皮膚刺激値を対応付けることができる。
標準形式刺激データとして、面の点に対応する要素に皮膚刺激値を格納する2次元の配列であって、行または列の一方に並ぶ要素が、身体の皮膚と水平面とが交わる位置の皮膚上の点に対応し、行または列の他方に並ぶ要素が、身体の皮膚と正中線を含む面とが交わる位置の皮膚上の点に対応し、行または列の他方の中央が、人間の身体の前面と正中面とが交わる位置に対応する2次元の配列を採用することができる。
また、標準形式刺激データの所定の部位を表す領域において、領域の幅または高さと点間の距離との比が身体の所定の部位の長さと所定の部位の皮膚上の距離との比に対応している。
このように、標準形式刺激データを用いることで、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。
次に、図6のフローチャートを参照して、標準形式刺激データの記録の処理を説明する。ステップS11において、データ構造決定部61は、入力部36からの入力または記録部38に予め記録されているファイルなどから、測定器22−1乃至22−12のそれぞれから取得される刺激のデータである個別刺激データの種類毎に、解像度、サンプリングレート、個別刺激データの種類、個別刺激データの基準値および個別刺激データのレンジを取得する。また、データ構造決定部61は、入力部36からの入力されたデータまたは記録部38に予め記録されているファイルなどから、測定対象者21への測定器22−1乃至22−12の装着されている部位や詳細な位置を取得する。
ステップS12において、データ構造決定部61は、個別刺激データの種類毎に、解像度、サンプリングレート、個別刺激データの種類、個別刺激データの基準値および個別刺激データのレンジに合わせて、標準形式刺激データのデータ構造を決める。
ステップS13において、記録データ生成部62は、測定器22−1乃至22−12のそれぞれから、個別刺激データの取得を開始する。
ステップS14において、記録データ生成部62は、個別刺激データの種類毎に、サンプリングレートで表される所定の長さの単位時間における個別刺激データの値を抽出する。ステップS15において、記録データ生成部62は、単位時間における決められたデータ構造の標準形式刺激データとして記録部38に記録領域を確保する。
ステップS16において、記録データ生成部62は、個別刺激データの種類であって、個別刺激データ毎に、測定対象者21への測定器22−1乃至22−12の装着されている部位や詳細な位置から、個別刺激データに対応する皮膚刺激値であって、決められたデータ構造の標準形式刺激データ上の皮膚刺激値の位置を求める。ステップS17において、記録データ生成部62は、標準形式刺激データ上の皮膚刺激値の位置であって、記録領域上の位置に、個別刺激データに対応する皮膚刺激値を格納する。
ステップS18において、記録データ生成部62は、次の単位時間において個別刺激データの取得が継続されているか否かを判定する。ステップS18において、個別刺激データの取得が継続されていると判定された場合、手続きはステップS14に戻り、上述した処理が繰り返される。
ステップS18において、個別刺激データの取得が継続されていないと判定された場合、手続きはステップS19に進み、記録制御部63は、記録領域上に生成された標準形式刺激データを所定のファイルとして記録部38に記録して、標準形式刺激データの記録の処理は終了する。
このように、より簡単に、より正確に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を記録することができる。
なお、標準形式刺激データは、ビットマップ方式の画像データの画素に皮膚刺激値を格納を構造とすることもできる。また、標準形式刺激データは、長方形の仮想的な面を表す構造とされていると説明したが、これに限らず、正方形、円形、楕円形、人間の全身を模した人型(人形状)など所望の形状の面を表す構造とすることもできる。
次に、図7のフローチャートを参照して、刺激の呈示の処理を説明する。ステップS31において、出力対応値決定部64は、入力部36からの入力されたデータまたは記録部38に予め記録されているファイルなどから、呈示対象者25に装着される刺激器26−1乃至26−12により加えられる刺激の種類であって、触覚、圧覚、温覚、冷覚または痛覚で感知される刺激のいずれかである刺激の種類並びに刺激器26−1乃至26−12が装着される位置および刺激器26−1乃至26−12に配置されている刺激素子の位置を示すデータを取得する。
ステップS32において、出力対応値決定部64は、記録部38に記録されている標準形式刺激データから、個別刺激データの種類毎(刺激の種類毎)に、解像度、サンプリングレート、データの種類、データの基準値、データのレンジ、センサの数およびセンサのポート番号を読み出す。ステップS33において、出力対応値決定部64は、個別刺激データの種類毎(刺激の種類毎)に、標準形式刺激データ上の位置と、呈示対象者25の所定の部位に装着される刺激器26−1乃至26−12および刺激器26−1乃至26−12に配置されている刺激素子の位置との対応関係を求める。
ステップS34において、出力対応値決定部64は、個別刺激データの種類毎(刺激の種類毎)に、データの基準値およびデータのレンジから、標準形式刺激データの皮膚刺激値の値と刺激器26−1乃至26−12への出力の値との対応関係を求める。
ステップS35において、読み出し制御部65は、個別刺激データの種類毎(刺激の種類毎)に、標準形式刺激データから、所定の単位時間における皮膚刺激値を読み出す。ステップS36において、出力刺激器決定部66は、ステップS33で求められた対応関係を参照して、皮膚刺激値の標準形式刺激データ上の位置から、呈示対象者25に刺激を加える刺激器26−1乃至26−12および刺激器26−1乃至26−12に配置されている刺激素子のうちの所定の位置の刺激素子を決める。
ステップS37において、出力刺激器決定部66は、データの基準値および皮膚刺激値の値から、呈示対象者25に刺激を加える刺激器26−1乃至26−12および刺激器26−1乃至26−12に配置されている刺激素子への出力の値を決める。
ステップS38において、駆動制御部67は、ステップS37で決められた出力の値で刺激器26−1乃至26−12および刺激器26−1乃至26−12に配置されている刺激素子を駆動させて、呈示対象者25に刺激を呈示する。
ステップS39において、読み出し制御部65は、標準形式刺激データに刺激を加える値の皮膚刺激値がまだあるか否かを判定する。ステップS39において、準形式刺激データに刺激を加える値の皮膚刺激値がまだあると判定された場合、手続きはステップS35に進み、上述した処理が繰り返される。ステップS39において、準形式刺激データに刺激を加える値の皮膚刺激値がないと判定された場合、刺激の呈示の処理は終了する。
このように、より簡単に、より正確に、より汎用的に身体の皮膚に刺激を加えることができる。
また、図8に示されるよう、標準形式刺激データは、時系列で多数あり、時間tを固定して空間座標で表示させることができるだけでなく、空間位置を固定して時系列変化のタイムラインとしても表示させることができる。なお、図8において、標準形式刺激データを触覚マップと称している。
なお、標準形式刺激データは記録部38に記録されると説明したが、ドライブ40によりリムーバブルメディア41に記録することもできる。通信部39を介して他のコンピュータの記録部またはリムーバブルメディアに標準形式刺激データを記録させることもできる。また、標準形式刺激データは記録部38から読み出されると説明したが、ドライブ40によりリムーバブルメディア41から読み出すこともできる。また、通信部39を介して他のコンピュータの記録部またはリムーバブルメディアに記録されている標準形式刺激データを読み出させることもできる。
また、記録するとは、半導体メモリなどへの記憶を含む意味である。
以上のように、記録データ生成部62は、人間の身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面であって、皮膚感覚の感覚点の密度がより高い部位をより広く表した面に配置されている点に、皮膚感覚の刺激の大きさを示す値である皮膚刺激値が対応付けられている標準形式刺激データを生成する。記録制御部63は、生成された標準形式刺激データを記録部38に記録させる。
標準形式刺激データにおいて、人間の身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面に位置されている点に皮膚刺激値が対応付けられているので、標準形式刺激データの皮膚刺激値の位置と人間の身体の皮膚の位置との対応関係が直観的に把握しやすく、また、対応関係を計算などで求めやすいので、より簡単に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。また、標準形式刺激データにおいて、皮膚感覚の感覚点の密度がより高い部位がより広い面で表されているので、敏感な部位ではより詳細に、鈍感な部位ではより大まかに表現することができ、より正確に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。このように、より簡単に、より正確に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。
記録データ生成部62に、人間の身体の後面と正中面とが交わる線から身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面に配置されている点に、皮膚刺激値が対応付けられている標準形式刺激データを生成させることができる。このようにすることで、標準形式刺激データの中央を人間の身体の正面の中央とすることができ、さらに直観的に把握しやすく、より簡単に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。
記録データ生成部62に、標準形式刺激データとして、面の点に対応する要素に皮膚刺激値を格納する2次元の配列であって、行または列の一方に並ぶ要素が、身体の皮膚と水平面とが交わる位置の皮膚上の点に対応し、行または列の他方に並ぶ要素が、身体の皮膚と正中線を含む面とが交わる位置の皮膚上の点に対応し、行または列の他方の中央が、人間の身体の前面と正中面とが交わる位置に対応する2次元の配列を生成させることができる。このようにすることで、標準形式刺激データにおいて皮膚刺激値をより正確に意図した位置に配置することができ、また、コンピュータ11での取り扱いがより容易になり、これにより、より簡単に、より正確に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。
記録データ生成部62に、面における所定の部位を表す領域において領域の幅または高さと点間の距離との比が身体の所定の部位の長さと所定の部位の皮膚上の距離との比に対応している標準形式刺激データを生成させることができる。このようにすることで、人間の身体の各部位について、皮膚刺激値をより正確に意図した位置に配置することができ、また、より正確に意図した皮膚の位置に刺激を加えることができ、より簡単に、より正確に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。
記録データ生成部62に、単位時間毎にデータを順次生成させ、記録制御部63の制御により、単位時間毎に順次配置されている標準形式刺激データを記録部38に記録させることができる。このようにすることで、時間的に変化する刺激を取り扱うことができるようになり、より簡単に、より正確に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。
記録データ生成部62に、皮膚感覚である触覚、圧覚、温覚、冷覚または痛覚毎に標準形式刺激データを生成させ、記録制御部63の制御により、触覚、圧覚、温覚、冷覚または痛覚毎の標準形式刺激データを記録部38に記録させることができる。このようにすることで、皮膚感覚である触覚、圧覚、温覚、冷覚または痛覚毎に取り扱うことができるようになり、より簡単に、より正確に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。
読み出し制御部65は、人間の身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面であって、皮膚感覚の感覚点の密度がより高い部位をより広く表した面に配置されている点に、皮膚感覚の刺激の大きさを示す値である皮膚刺激値が対応付けられている標準形式刺激データであって、記録部38に記録されている標準形式刺激データを記録部38から読み出す。出力刺激器決定部66は、ユーザである呈示対象者25の身体の各部位にそれぞれ装着されている皮膚に刺激を加える刺激器26−1乃至26−12のうち、標準形式刺激データにおける皮膚刺激値の配置から、所定の皮膚刺激値で皮膚に刺激を加える刺激器26−1乃至26−12を決定する。駆動制御部67は、皮膚刺激値に応じて、決定された刺激器26−1乃至26−12の駆動を制御する。
標準形式刺激データにおいて、人間の身体の皮膚が平面状に開かれた形状に配置された身体の各部位の皮膚を表す仮想的な面に位置されている点に皮膚刺激値が対応付けられているので、標準形式刺激データの皮膚刺激値の位置と人間の身体の皮膚の位置との対応関係が直観的に把握しやすく、また、対応関係を計算などで求めやすいので、より簡単に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。また、標準形式刺激データにおいて、皮膚感覚の感覚点の密度がより高い部位がより広い面で表されているので、敏感な部位ではより詳細に、鈍感な部位ではより大まかに表現することができ、より正確に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。このように、より簡単に、より正確に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。
身体の各部位にそれぞれ装着されている皮膚に刺激を加える刺激器26−1乃至26−12のうち、標準形式刺激データにおける皮膚刺激値の配置から、所定の皮膚刺激値で皮膚に刺激を加える刺激器26−1乃至26−12を決定するようにしたので、皮膚刺激値が指し示す位置により正確に刺激を加えることができ、より正確に、より汎用的に身体の皮膚への刺激を取り扱うことができる。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。