JP2019065980A - 管継手構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸心方向にコンパクトであり、部品点数も少なく、製作も容易な管継手構造を提供する。【解決手段】第1・第2パイプ(P1)(P2)には先端拡径管部(5)が形成され、袋ナット(15)と袋ボルト(20)の各々は、上記先端拡径管部(5)の境界段付部に当接し、さらに、袋ナット(15)と袋ボルト(20)とは直接的に雌雄螺合手段(Z)にて連結される。【選択図】図1

Description

本発明は、管継手構造に関する。
従来、パイプとパイプを相互に接続するための管継手構造としては、継手本体の一端に対して、一方のパイプを接続し、他方のパイプを継手本体の他端に接続する構造であった(特許文献1及び2参照)。
特開2015−137674号公報 特許第3568906号公報
図8は、特許文献1記載の管継手構造を示し、継手本体40の軸心方向両端の各雄ネジ41,42に袋ナット43,44を螺進して、リテーナ46に保持された係止コーン45を、袋ナット43,44のテーパ状押圧内面でラジアル内方向へ押圧して、第1パイプP1 ・第2パイプP2 を外周面から塑性変形させることにより引抜阻止を行う構造である。
即ち、第1パイプP1 は、継手本体40の左側の雄ネジ41に袋ナット43を螺進することで継手本体40に連結(接続)され、他方の第2パイプP2 は、継手本体40の右側の雄ネジ42に袋ナット44を螺進することで継手本体40に連結(接続)される構造である。要するに、継手本体40を必須として、この継手本体40を介在させて、袋ナット43,44をもって、第1・第2パイプP1 ,P2 を相互接続していた。
また、図9は、特許文献2記載の管継手構造を示し、継手本体40は、テーパ状雌ネジ47付の筒部48,48と、中間部49とから成り、この継手本体40に対して、左右の螺進締付筒体50,50を螺合させている。螺進締付筒体50には周方向に長孔が複数個貫設され、この長孔に3本の独立小凸条51,51,51を有する連珠状体52が嵌め込まれており、筒部48を矢印T方向に回転させることによって締付筒体50が継手本体40の内方へ螺進して、連珠状体52が自転及び公転しながら、パイプP1 ,P2 の外周面に螺旋状溝54を(塑性変形にて)形成して、連珠状体52がパイプP1 ,P2 の外周面に食い込み状態となり、パイプP1 ,P2 が継手本体40から引抜けないように連結される構造である。
要するに、この図9の場合も、継手本体40を必須として、この継手本体40を介在させて、螺進締付筒体50と連珠状体52をもって、第1・第2パイプP1 ,P2 が、引抜阻止状態で、接続されている。
このように、図8(特許文献1),図9(特許文献2)に記載された管継手構造では、次のような問題点があった。つまり、 (i) 部品点数が多く、構造が複雑で製作が面倒となり、製作費も安くできない点。 (ii) 全体の軸心方向寸法が大きく、管継手構造体として容積が大である点。
そこで、本発明は、このような問題点 (i)(ii) を解決して、部品点数が少なく安価であって、製作も容易で、コンパクトな管継手構造を提供することを目的とする。
本発明は、第1パイプと第2パイプを相互に接続する管継手構造に於て;上記第1・第2パイプは、各々、先端面から所定軸心方向寸法に渡って先端拡径管部が形成され;上記先端拡径管部と基本径管部との境界には、テーパ状段付部が形成され;上記テーパ状段付部に当接する勾配部を有すると共に、上記先端拡径管部の外周面に密接するシール材を内装したシール凹溝を有する袋ナット・袋ボルトを、具備し;上記袋ナットと袋ボルトとを、雌雄螺合手段にて相互連結するよう構成したものである。
また、上記袋ナットと袋ボルトとを、上記相互連結することにより、継手本体が省略されている。
また、接続完了状態において、袋ナット・袋ボルトに対して、第1パイプ・第2パイプは、上記勾配部とテーパ状段付部との相対的周方向摺動によってパイプ軸心廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部とテーパ状段付部との相互圧接によって引抜阻止されるように、構成されている。
本発明の管継手構造によれば、部品点数が極めて少なく、かつ、コンパクト化を図り得る。製作も容易でコストダウンも図ることが可能となる。かつ、接続作業も能率良く行い得る。
本発明の実施の一形態を示す接続完了状態の断面図である。 袋ボルトを示す断面図である。 袋ナットを示す断面図である。 未接続状態を示す断面図である。 変形例を示した接続完了状態の断面図である。 先端拡径管部の形成作業工具の要部と拡径方法を説明する断面図である。 古くから現在まで実施されているロウ付け作業の説明と、ロウ付けされたパイプ接続部を説明するための断面図である。 従来例を示す断面図である。 他の従来例を示す断面図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1と図4に示すように、第1パイプP1 と第2パイプP2 は、各々、先端面3から所定軸心方向寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成される。
この先端拡径管部5と、パイプ本来の基本径D0 を有する基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成されている。
15は袋ナットであり、20は袋ボルトである。
袋ナット15は、第2パイプP2 のテーパ状段付部10に当接する勾配部11を有すると共に、先端拡径管部5の外周面に密接して密封作用をなすOリング等のシール材7を内装したシール凹溝8を有する。
さらに、袋ナット15は、雌ネジ部12を有する。シール凹溝8と雌ネジ部12とは内鍔状の区画壁部13にて区画されている。袋ナット15の外周形状は、一般的な横断面六角形としたり、ローレット加工を施したり、軸心方向に多数の凹溝を形成して、作業者の手、及び、作業工具にて掴持しやすく、かつ、大きなトルクを付与できる形状とする。
袋ナット15は、このように、継手外方側(図1の右方向側)の内鍔部16の内周端面が、前記パイプ本来の基本径D0 より、僅かに大き目の内径として、最もラジアル内方向に突設され、図1のように第2パイプP2 の拡径管部5をラジアル外方から包囲しており、「袋型」である。
次に、袋ボルト20は、第1パイプP1 のテーパ状段付部10に当接する勾配部11を有すると共に、先端拡径管部5の外周面に密接して密封作用をなすOリング等のシール材7を内装したシール凹溝8を有する。
さらに、袋ボルト20は、雄ネジ部14を有する。シール凹溝8の溝底壁部を構成する部位17が、袋ボルト20のラジアル方向に最も突出した部位であり、このラジアル最外部位17の外周形状は、一般的な横断面六角形としたり、ローレット加工を施したり、軸心方向に多数の凹溝を形成して、作業者の手、及び、作業工具にて掴持しやすく、かつ、大きなトルクを付与できる形状とする。
勾配部11は、上記部位17からラジアル内方向へ延伸した内鍔壁部18の内周端面に形成され、また、上記部位17からシール凹溝8の他側壁を形成するようにラジアル内方向へ延伸した内鍔壁部19のラジアル内方端縁から、円筒部21が連設されて、この円筒部21の外周面に上記雄ネジ部14が形成されている。また、円筒部21の内周面21Aは、先端拡径管部5が近接乃至当接状として、対応する。
袋ボルト20は、このように、継手外方側(図1の左方向側)の内鍔壁部18の内周端面が、前記パイプ本体の基本径D0 より、僅かに大き目の内径として、最もラジアル内方向に突設され、図1のように、第1パイプP1 の拡径管部5をラジアル外方から包囲しており、「袋型」である。
袋ボルト20と袋ナット15は、前述したように、いずれも「袋型」であり、特に、「袋ボルト」との用語は一般的には広く使用されてはいないのであるが、本発明にあっては、「袋ナット」にならって「袋ボルト」という用語を使用する。
そして、(図4から図5に示したように、)袋ナット15と袋ボルト20とを、雌ネジ部12と雄ネジ部14とから成る雌雄螺合手段Zによって、相互に(螺着して)連結する。
このように、袋ナット15と袋ボルト20とを、相互連結する構成として、継手本体を(全く)省略している。
即ち、従来例を示す図8,図10の継手本体40に相当する部材が省略されている。
しかも、図1に示すように、第1パイプP1 と第2パイプP2 の先端面3,3の間には、微小ギャップGを形成するように、あるいは、軽く接触するように、軸心方向寸法L5 ,L5 と、連結(接続)状態下の両勾配部11,11間距離を、設定する。
このように設定したので、接続完了状態において、袋ナット15・袋ボルト20に対して、第1パイプP1 ・第2パイプP2 は、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相互圧接によって引抜阻止される。図1に於て、矢印Yは、パイプP1 ,P2 に作用する引抜力を示すが、この引抜力Yに対して、強大な引抜阻止力を発揮できる。
図5は変形例を示し、同図に於て、25は短円管状スペーサであり、第1・第2パイプP1 ,P2 の勾配部11,11の内面に対してスペーサ25の両端を接近乃至当接状に配設(内装)する。望ましくは、第1・第2パイプP1 ,P2 と同一材質・同一径のパイプ材を輪切り状に切断する。このようなスペーサ25を付加することによって、上記引抜阻止力が増大可能である。
即ち、第1・第2パイプP1 ,P2 が、材質あるいは肉厚の面から変形しやすい場合に、内周側から補強する機能を、スペーサ25が備えるからである。
図5に於て、矢印Y方向の引抜力が作用して、第1・第2パイプP1 ,P2 が、仮に、引抜けるとすれば、先端拡径管部5が勾配部11によって絞られて、縮径変形しなければならない。
この縮径変形を防止する補強機能を、スペーサ25が発揮する。しかも、スペーサ25と第1・第2パイプP1 ,P2 の内径寸法を同一とすることによって、流体通過圧力損失を低減できる利点もある。
図5に示す変形例に於て、図1と同一の符号は、同様の構成であるので説明を省略する。
次に、図1と図5に於て、密封(シール)機能について説明する。先端拡径管部5の外周面に圧接して密封するOリング等のシール材7,7については、既に説明したが、その他の密封部位は、金属相互の圧接によるメタルシール構造としている。
具体的には、袋ナット15と袋ボルト20を雌雄螺合手段Zにて結合した状態下で、第1・第2メタルシール部S1 ,S2 にて密封する。
第1メタルシール部S1 は、区画壁部13と、雄ネジ部14を有する円筒部21の先端部21B(の圧接)から成る。また、第2メタルシール部S2 は、袋ナット15の雌ネジ部12を有する筒部の外端と、袋ボルト20の内鍔壁部19の外面(の圧接)から成る。
次に、図6と図7に於て、前記先端拡径管部5の製作(加工)方法等について説明する。
図6に示すように、被加工パイプP0 の先端を分割金型26の孔部26Aに挿入し、4個(又はそれ以上)に分割された横断面扇型の拡径片27をパイプP0 に対して所定深さに挿入する。矢印E方向にテーパ状雄金型28を、分割された拡径片27によって形成されたテーパ状孔部29に、押込めば、図6(A)から(B)のように拡径片27がラジアル外方向Rへ移動し、先端拡径管部5が形成(加工)される。
なお、テーパ状段付部10を形成するために、拡径片27にはテーパ部27Aが設けられ、金型26の孔部26Aには、テーパ部26Bが設けられている。
その後、金型26を拡径方向に分割作動し、加工されたパイプP0 を引抜けば、図4に示すような先端拡径管部5付のパイプP1 ,P2 が製作される。
古くから、図6に示した拡径用手動作業具は、広く知られている。その理由は、図7に示すようなロウ付け管接続33が、古くから、冷媒配管や家庭用給湯(水)配管に使用されているためである。つまり、古くから実施されてきたロウ付け管接続33のために、一方のパイプ31には、図1,図4,図5に示した先端拡径管部5を予め加工する必要があったためである。(なお、他方のパイプ32は加工せずにそのまま拡径管部5に挿入され、相互嵌合面部Xがロウ付けされる。)
このように、ロウ付けによるパイプ接続作業に広く用いられていた拡径作業工具、及び、それによって簡単に加工可能な先端拡径管部に、本発明者は着眼し、図1〜図5に示したような独自の形状と構造を結合させて、ロウ付け等の熱を用いずに安全に作業ができ、しかも、アキシャル(軸心)方向にも、ラジアル方向にもコンパクトであると共に、パイプ接続作業性についても優れた管継手構造を、ここに提案する。
なお、本発明はその要旨を変更しない限り、上述の実施例に限定されず、設計変更自由であって、例えば、2箇所のメタルシール部S1 ,S2 を、Oリング等のシール材を用いる構造とするも自由である(図示省略)。
本発明の管継手構造が適用できる流体は、冷媒,ガス,空気,水,湯等自由であるが、第1・第2パイプP1 ,P2 は拡径加工が容易な銅,アルミニウム,ステンレス鋼等の金属が好適である。流体が冷媒,ガス,塩素ガスを含む水や湯等の場合には、シール材7の材質は耐腐食性ゴムが望ましい。最近の耐腐食性ゴム材料の進歩はめざましいため、本発明のようにシール材7,7を備えた管継手構造の適用可能流体は、冷媒,腐食性ガス,塩素ガスを含んだ水・湯等にも拡大される可能性が高いと言える。
本発明は、以上詳述したように、第1パイプP1 と第2パイプP2 を相互に接続する管継手構造に於て;上記第1・第2パイプP1 ,P2 は、各々、先端面3から所定軸心方向寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成され;上記先端拡径管部5と基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成され;上記テーパ状段付部10に当接する勾配部11を有すると共に、上記先端拡径管部5の外周面に密接するシール材7を内装したシール凹溝8を有する袋ナット15・袋ボルト20を、具備し;上記袋ナット15と袋ボルト20とを、雌雄螺合手段Zにて相互連結するよう構成したので、部品点数が少なくなり製作が容易で、コストダウンも図り得て、特に、全体の軸心方向(アキシャル方向)の寸法が小さくなり、コンパクト化を達成できた。また、先端拡径管部5の形成作業は、古くから全く別の接続方法に用いられてきた作業工具を適用して、配管作業人も、楽に、かつ、迅速に作業ができるため、配管接続作業全体が能率良く、迅速に行い得る。
また、本発明は、上記袋ナット15と袋ボルト20とを、上記相互連結することにより、継手本体が省略されているので、軸心方向(アキシャル方向)にコンパクト化を図り得ると共に、部品点数が少なく、構造も簡素化できる。(従来例を示した図8と図9と比較すれば、この点は、明らかとなる。)
また、接続完了状態において、袋ナット15・袋ボルト20に対して、第1パイプP1 ・第2パイプP2 は、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相互圧接によって引抜阻止されるように、構成されているので、雌雄螺合手段Zを螺進させる作業時に、パイプP1 ,P2 を介してパイプ他端に回転が伝達しない。これによって、パイプ他端に於て、他の管継手が不意に緩んでしまう事故を防止できる。逆に、パイプP1 ,P2 の他端又は途中から回転トルクが伝達されてきた場合には、雌雄螺合手段Zにまでその回転トルクは伝わらず、従って、袋ナット15と袋ボルト20が相対的に回転して、緩むような事故も防止できる。
3 先端面
5 先端拡径管部
6 基本径管部
7 シール材
8 シール凹溝
10 テーパ状段付部
11 勾配部
15 袋ナット
20 袋ボルト
1 第1パイプ
2 第2パイプ
5 軸心方向寸法
Lp パイプ軸心
Z 雌雄螺合手段
本発明は、管継手構造に関する。
従来、パイプとパイプを相互に接続するための管継手構造としては、継手本体の一端に対して、一方のパイプを接続し、他方のパイプを継手本体の他端に接続する構造であった(特許文献1及び2参照)。
特開2015−137674号公報 特許第3568906号公報
図8は、特許文献1記載の管継手構造を示し、継手本体40の軸心方向両端の各雄ネジ41,42に袋ナット43,44を螺進して、リテーナ46に保持された係止コーン45を、袋ナット43,44のテーパ状押圧内面でラジアル内方向へ押圧して、第1パイプP1 ・第2パイプP2 を外周面から塑性変形させることにより引抜阻止を行う構造である。
即ち、第1パイプP1 は、継手本体40の左側の雄ネジ41に袋ナット43を螺進することで継手本体40に連結(接続)され、他方の第2パイプP2 は、継手本体40の右側の雄ネジ42に袋ナット44を螺進することで継手本体40に連結(接続)される構造である。要するに、継手本体40を必須として、この継手本体40を介在させて、袋ナット43,44をもって、第1・第2パイプP1 ,P2 を相互接続していた。
また、図9は、特許文献2記載の管継手構造を示し、継手本体40は、テーパ状雌ネジ47付の筒部48,48と、中間部49とから成り、この継手本体40に対して、左右の螺進締付筒体50,50を螺合させている。螺進締付筒体50には周方向に長孔が複数個貫設され、この長孔に3本の独立小凸条51,51,51を有する連珠状体52が嵌め込まれており、筒部48を矢印T方向に回転させることによって締付筒体50が継手本体40の内方へ螺進して、連珠状体52が自転及び公転しながら、パイプP1 ,P2 の外周面に螺旋状溝54を(塑性変形にて)形成して、連珠状体52がパイプP1 ,P2 の外周面に食い込み状態となり、パイプP1 ,P2 が継手本体40から引抜けないように連結される構造である。
要するに、この図9の場合も、継手本体40を必須として、この継手本体40を介在させて、螺進締付筒体50と連珠状体52をもって、第1・第2パイプP1 ,P2 が、引抜阻止状態で、接続されている。
このように、図8(特許文献1),図9(特許文献2)に記載された管継手構造では、次のような問題点があった。つまり、 (i) 部品点数が多く、構造が複雑で製作が面倒となり、製作費も安くできない点。 (ii) 全体の軸心方向寸法が大きく、管継手構造体として容積が大である点。
そこで、本発明は、このような問題点 (i)(ii) を解決して、部品点数が少なく安価であって、製作も容易で、コンパクトな管継手構造を提供することを目的とする。
本発明は、第1パイプと第2パイプを相互に接続する管継手構造に於て;上記第1・第2パイプは、各々、先端面から所定軸心方向寸法に渡って単数の同一外径寸法の先端拡径管部が形成され;上記先端拡径管部と基本径管部との境界には、テーパ状段付部が形成され;上記テーパ状段付部に当接する勾配部を有すると共に、上記先端拡径管部の外周面に密接するシール材を内装したシール凹溝を有する袋ナット・袋ボルトを、具備し;上記袋ナットと袋ボルトとを、雌雄螺合手段にて相互連結するよう構成し;接続完了状態において、袋ナット・袋ボルトに対して、第1パイプ・第2パイプは、上記勾配部とテーパ状段付部との相対的周方向摺動によってパイプ軸心廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部とテーパ状段付部との相互圧接によって引抜阻止されるように、構成されている
また、接続完了状態において、袋ナット・袋ボルトに対して、第1パイプ・第2パイプは、上記勾配部とテーパ状段付部との相対的周方向摺動によってパイプ軸心廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部とテーパ状段付部との相互圧接によって引抜阻止されるように、構成されている。
また、接続完了状態において、第1パイプと第2パイプの先端面の間には、微小ギャップを形成するように、あるいは、軽く上記先端面が接触するように、上記先端拡径管部の軸心方向寸法と、両勾配部間距離を、設定して、上記第1パイプ・第2パイプがパイプ軸心廻りに回転可能に構成されている。
また、上記袋ナットと袋ボルトとを上記雌雄螺合手段にて相互連結した状態下で、上記袋ナットと袋ボルトとは、金属相互の圧接による第1・第2メタルシール部を具備している
本発明の管継手構造によれば、部品点数が極めて少なく、かつ、コンパクト化を図り得る。製作も容易でコストダウンも図ることが可能となる。かつ、接続作業も能率良く行い得る。
本発明の実施の一形態を示す接続完了状態の断面図である。 袋ボルトを示す断面図である。 袋ナットを示す断面図である。 未接続状態を示す断面図である。 変形例を示した接続完了状態の断面図である。 先端拡径管部の形成作業工具の要部と拡径方法を説明する断面図である。 古くから現在まで実施されているロウ付け作業の説明と、ロウ付けされたパイプ接続部を説明するための断面図である。 従来例を示す断面図である。 他の従来例を示す断面図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1と図4に示すように、第1パイプP1 と第2パイプP2 は、各々、先端面3から所定軸心方向寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成される。
この先端拡径管部5と、パイプ本来の基本径D0 を有する基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成されている。
15は袋ナットであり、20は袋ボルトである。
袋ナット15は、第2パイプP2 のテーパ状段付部10に当接する勾配部11を有すると共に、先端拡径管部5の外周面に密接して密封作用をなすOリング等のシール材7を内装したシール凹溝8を有する。
さらに、袋ナット15は、雌ネジ部12を有する。シール凹溝8と雌ネジ部12とは内鍔状の区画壁部13にて区画されている。袋ナット15の外周形状は、一般的な横断面六角形としたり、ローレット加工を施したり、軸心方向に多数の凹溝を形成して、作業者の手、及び、作業工具にて掴持しやすく、かつ、大きなトルクを付与できる形状とする。
袋ナット15は、このように、継手外方側(図1の右方向側)の内鍔部16の内周端面が、前記パイプ本来の基本径D0 より、僅かに大き目の内径として、最もラジアル内方向に突設され、図1のように第2パイプP2 の拡径管部5をラジアル外方から包囲しており、「袋型」である。
次に、袋ボルト20は、第1パイプP1 のテーパ状段付部10に当接する勾配部11を有すると共に、先端拡径管部5の外周面に密接して密封作用をなすOリング等のシール材7を内装したシール凹溝8を有する。
さらに、袋ボルト20は、雄ネジ部14を有する。シール凹溝8の溝底壁部を構成する部位17が、袋ボルト20のラジアル方向に最も突出した部位であり、このラジアル最外部位17の外周形状は、一般的な横断面六角形としたり、ローレット加工を施したり、軸心方向に多数の凹溝を形成して、作業者の手、及び、作業工具にて掴持しやすく、かつ、大きなトルクを付与できる形状とする。
勾配部11は、上記部位17からラジアル内方向へ延伸した内鍔壁部18の内周端面に形成され、また、上記部位17からシール凹溝8の他側壁を形成するようにラジアル内方向へ延伸した内鍔壁部19のラジアル内方端縁から、円筒部21が連設されて、この円筒部21の外周面に上記雄ネジ部14が形成されている。また、円筒部21の内周面21Aは、先端拡径管部5が近接乃至当接状として、対応する。
袋ボルト20は、このように、継手外方側(図1の左方向側)の内鍔壁部18の内周端面が、前記パイプ本体の基本径D0 より、僅かに大き目の内径として、最もラジアル内方向に突設され、図1のように、第1パイプP1 の拡径管部5をラジアル外方から包囲しており、「袋型」である。
袋ボルト20と袋ナット15は、前述したように、いずれも「袋型」であり、特に、「袋ボルト」との用語は一般的には広く使用されてはいないのであるが、本発明にあっては、「袋ナット」にならって「袋ボルト」という用語を使用する。
そして、(図4から図5に示したように、)袋ナット15と袋ボルト20とを、雌ネジ部12と雄ネジ部14とから成る雌雄螺合手段Zによって、相互に(螺着して)連結する。
このように、袋ナット15と袋ボルト20とを、相互連結する構成として、継手本体を(全く)省略している。
即ち、従来例を示す図8,図10の継手本体40に相当する部材が省略されている。
しかも、図1に示すように、第1パイプP1 と第2パイプP2 の先端面3,3の間には、微小ギャップGを形成するように、あるいは、軽く接触するように、軸心方向寸法L5 ,L5 と、連結(接続)状態下の両勾配部11,11間距離を、設定する。
このように設定したので、接続完了状態において、袋ナット15・袋ボルト20に対して、第1パイプP1 ・第2パイプP2 は、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相互圧接によって引抜阻止される。図1に於て、矢印Yは、パイプP1 ,P2 に作用する引抜力を示すが、この引抜力Yに対して、強大な引抜阻止力を発揮できる。
図5は変形例を示し、同図に於て、25は短円管状スペーサであり、第1・第2パイプP1 ,P2 の勾配部11,11の内面に対してスペーサ25の両端を接近乃至当接状に配設(内装)する。望ましくは、第1・第2パイプP1 ,P2 と同一材質・同一径のパイプ材を輪切り状に切断する。このようなスペーサ25を付加することによって、上記引抜阻止力が増大可能である。
即ち、第1・第2パイプP1 ,P2 が、材質あるいは肉厚の面から変形しやすい場合に、内周側から補強する機能を、スペーサ25が備えるからである。
図5に於て、矢印Y方向の引抜力が作用して、第1・第2パイプP1 ,P2 が、仮に、引抜けるとすれば、先端拡径管部5が勾配部11によって絞られて、縮径変形しなければならない。
この縮径変形を防止する補強機能を、スペーサ25が発揮する。しかも、スペーサ25と第1・第2パイプP1 ,P2 の内径寸法を同一とすることによって、流体通過圧力損失を低減できる利点もある。
図5に示す変形例に於て、図1と同一の符号は、同様の構成であるので説明を省略する。
次に、図1と図5に於て、密封(シール)機能について説明する。先端拡径管部5の外周面に圧接して密封するOリング等のシール材7,7については、既に説明したが、その他の密封部位は、金属相互の圧接によるメタルシール構造としている。
具体的には、袋ナット15と袋ボルト20を雌雄螺合手段Zにて結合した状態下で、第1・第2メタルシール部S1 ,S2 にて密封する。
第1メタルシール部S1 は、区画壁部13と、雄ネジ部14を有する円筒部21の先端部21B(の圧接)から成る。また、第2メタルシール部S2 は、袋ナット15の雌ネジ部12を有する筒部の外端と、袋ボルト20の内鍔壁部19の外面(の圧接)から成る。
次に、図6と図7に於て、前記先端拡径管部5の製作(加工)方法等について説明する。
図6に示すように、被加工パイプP0 の先端を分割金型26の孔部26Aに挿入し、4個(又はそれ以上)に分割された横断面扇型の拡径片27をパイプP0 に対して所定深さに挿入する。矢印E方向にテーパ状雄金型28を、分割された拡径片27によって形成されたテーパ状孔部29に、押込めば、図6(A)から(B)のように拡径片27がラジアル外方向Rへ移動し、先端拡径管部5が形成(加工)される。
なお、テーパ状段付部10を形成するために、拡径片27にはテーパ部27Aが設けられ、金型26の孔部26Aには、テーパ部26Bが設けられている。
その後、金型26を拡径方向に分割作動し、加工されたパイプP0 を引抜けば、図4に示すような先端拡径管部5付のパイプP1 ,P2 が製作される。
古くから、図6に示した拡径用手動作業具は、広く知られている。その理由は、図7に示すようなロウ付け管接続33が、古くから、冷媒配管や家庭用給湯(水)配管に使用されているためである。つまり、古くから実施されてきたロウ付け管接続33のために、一方のパイプ31には、図1,図4,図5に示した先端拡径管部5を予め加工する必要があったためである。(なお、他方のパイプ32は加工せずにそのまま拡径管部5に挿入され、相互嵌合面部Xがロウ付けされる。)
このように、ロウ付けによるパイプ接続作業に広く用いられていた拡径作業工具、及び、それによって簡単に加工可能な先端拡径管部に、本発明者は着眼し、図1〜図5に示したような独自の形状と構造を結合させて、ロウ付け等の熱を用いずに安全に作業ができ、しかも、アキシャル(軸心)方向にも、ラジアル方向にもコンパクトであると共に、パイプ接続作業性についても優れた管継手構造を、ここに提案する。
なお、本発明はその要旨を変更しない限り、上述の実施例に限定されず、設計変更自由であって、例えば、2箇所のメタルシール部S1 ,S2 を、Oリング等のシール材を用いる構造とするも自由である(図示省略)。
本発明の管継手構造が適用できる流体は、冷媒,ガス,空気,水,湯等自由であるが、第1・第2パイプP1 ,P2 は拡径加工が容易な銅,アルミニウム,ステンレス鋼等の金属が好適である。流体が冷媒,ガス,塩素ガスを含む水や湯等の場合には、シール材7の材質は耐腐食性ゴムが望ましい。最近の耐腐食性ゴム材料の進歩はめざましいため、本発明のようにシール材7,7を備えた管継手構造の適用可能流体は、冷媒,腐食性ガス,塩素ガスを含んだ水・湯等にも拡大される可能性が高いと言える。
本発明は、以上詳述したように、第1パイプP1 と第2パイプP2 を相互に接続する管継手構造に於て;上記第1・第2パイプP1 ,P2 は、各々、先端面3から所定軸心方向寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成され;上記先端拡径管部5と基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成され;上記テーパ状段付部10に当接する勾配部11を有すると共に、上記先端拡径管部5の外周面に密接するシール材7を内装したシール凹溝8を有する袋ナット15・袋ボルト20を、具備し;上記袋ナット15と袋ボルト20とを、雌雄螺合手段Zにて相互連結するよう構成したので、部品点数が少なくなり製作が容易で、コストダウンも図り得て、特に、全体の軸心方向(アキシャル方向)の寸法が小さくなり、コンパクト化を達成できた。また、先端拡径管部5の形成作業は、古くから全く別の接続方法に用いられてきた作業工具を適用して、配管作業人も、楽に、かつ、迅速に作業ができるため、配管接続作業全体が能率良く、迅速に行い得る。
また、本発明は、上記袋ナット15と袋ボルト20とを、上記相互連結することにより、継手本体が省略されているので、軸心方向(アキシャル方向)にコンパクト化を図り得ると共に、部品点数が少なく、構造も簡素化できる。(従来例を示した図8と図9と比較すれば、この点は、明らかとなる。)
また、接続完了状態において、袋ナット15・袋ボルト20に対して、第1パイプP1 ・第2パイプP2 は、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相互圧接によって引抜阻止されるように、構成されているので、雌雄螺合手段Zを螺進させる作業時に、パイプP1 ,P2 を介してパイプ他端に回転が伝達しない。これによって、パイプ他端に於て、他の管継手が不意に緩んでしまう事故を防止できる。逆に、パイプP1 ,P2 の他端又は途中から回転トルクが伝達されてきた場合には、雌雄螺合手段Zにまでその回転トルクは伝わらず、従って、袋ナット15と袋ボルト20が相対的に回転して、緩むような事故も防止できる。
3 先端面
5 先端拡径管部
6 基本径管部
7 シール材
8 シール凹溝
10 テーパ状段付部
11 勾配部
15 袋ナット
20 袋ボルト
1 第1パイプ
2 第2パイプ
5 軸心方向寸法
Lp パイプ軸心
Z 雌雄螺合手段
1 第1メタルシール部
2 第2メタルシール部
本発明は、管継手構造に関する。
従来、パイプとパイプを相互に接続するための管継手構造としては、継手本体の一端に対して、一方のパイプを接続し、他方のパイプを継手本体の他端に接続する構造であった(特許文献1及び2参照)。
特開2015−137674号公報 特許第3568906号公報
図8は、特許文献1記載の管継手構造を示し、継手本体40の軸心方向両端の各雄ネジ41,42に袋ナット43,44を螺進して、リテーナ46に保持された係止コーン45を、袋ナット43,44のテーパ状押圧内面でラジアル内方向へ押圧して、第1パイプP1 ・第2パイプP2 を外周面から塑性変形させることにより引抜阻止を行う構造である。
即ち、第1パイプP1 は、継手本体40の左側の雄ネジ41に袋ナット43を螺進することで継手本体40に連結(接続)され、他方の第2パイプP2 は、継手本体40の右側の雄ネジ42に袋ナット44を螺進することで継手本体40に連結(接続)される構造である。要するに、継手本体40を必須として、この継手本体40を介在させて、袋ナット43,44をもって、第1・第2パイプP1 ,P2 を相互接続していた。
また、図9は、特許文献2記載の管継手構造を示し、継手本体40は、テーパ状雌ネジ47付の筒部48,48と、中間部49とから成り、この継手本体40に対して、左右の螺進締付筒体50,50を螺合させている。螺進締付筒体50には周方向に長孔が複数個貫設され、この長孔に3本の独立小凸条51,51,51を有する連珠状体52が嵌め込まれており、筒部48を矢印T方向に回転させることによって締付筒体50が継手本体40の内方へ螺進して、連珠状体52が自転及び公転しながら、パイプP1 ,P2 の外周面に螺旋状溝54を(塑性変形にて)形成して、連珠状体52がパイプP1 ,P2 の外周面に食い込み状態となり、パイプP1 ,P2 が継手本体40から引抜けないように連結される構造である。
要するに、この図9の場合も、継手本体40を必須として、この継手本体40を介在させて、螺進締付筒体50と連珠状体52をもって、第1・第2パイプP1 ,P2 が、引抜阻止状態で、接続されている。
このように、図8(特許文献1),図9(特許文献2)に記載された管継手構造では、次のような問題点があった。つまり、 (i) 部品点数が多く、構造が複雑で製作が面倒となり、製作費も安くできない点。 (ii) 全体の軸心方向寸法が大きく、管継手構造体として容積が大である点。
そこで、本発明は、このような問題点 (i)(ii) を解決して、部品点数が少なく安価であって、製作も容易で、コンパクトな管継手構造を提供することを目的とする。
本発明は、第1パイプと第2パイプを相互に接続する管継手構造に於て;上記第1・第2パイプは、各々、先端面から所定軸心方向寸法に渡って拡径塑性加工による単数の同一外径寸法の先端拡径管部が形成され;上記先端拡径管部と基本径管部との境界には、テーパ状段付部が形成され;上記テーパ状段付部に当接する勾配部を有すると共に、上記先端拡径管部の外周面に密接するシール材を内装したシール凹溝を有する袋ナット・袋ボルトを、具備し;上記袋ナットと袋ボルトとを、雌雄螺合手段にて相互連結するよう構成し;接続完了状態において、袋ナット・袋ボルトに対して、第1パイプ・第2パイプの各々は、上記勾配部とテーパ状段付部との相対的周方向摺動によってパイプ軸心廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部とテーパ状段付部との相互圧接によって引抜阻止されるように、構成され;しかも、上記接続完了状態において、上記第1パイプと第2パイプは、相対的にパイプ軸心廻りに回転可能である
また、接続完了状態において、第1パイプと第2パイプの先端面の間には、微小ギャップを形成するように、あるいは、軽く上記先端面が接触するように、上記先端拡径管部の軸心方向寸法と、両勾配部間距離を、設定して、かつ、上記微小ギャップには固形物が介在せず、上記第1パイプ・第2パイプが相対的にパイプ軸心廻りに回転可能に構成されている。
また、上記袋ナットと袋ボルトとを上記雌雄螺合手段にて相互連結した状態下で、上記袋ナットと袋ボルトとは、金属相互の圧接による第1・第2メタルシール部を具備している。
本発明の管継手構造によれば、部品点数が極めて少なく、かつ、コンパクト化を図り得る。製作も容易でコストダウンも図ることが可能となる。かつ、接続作業も能率良く行い得る。
本発明の実施の一形態を示す接続完了状態の断面図である。 袋ボルトを示す断面図である。 袋ナットを示す断面図である。 未接続状態を示す断面図である。 変形例を示した接続完了状態の断面図である。 先端拡径管部の形成作業工具の要部と拡径方法を説明する断面図である。 古くから現在まで実施されているロウ付け作業の説明と、ロウ付けされたパイプ接続部を説明するための断面図である。 従来例を示す断面図である。 他の従来例を示す断面図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1と図4に示すように、第1パイプP1 と第2パイプP2 は、各々、先端面3から所定軸心方向寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成される。
この先端拡径管部5と、パイプ本来の基本径D0 を有する基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成されている。
15は袋ナットであり、20は袋ボルトである。
袋ナット15は、第2パイプP2 のテーパ状段付部10に当接する勾配部11を有すると共に、先端拡径管部5の外周面に密接して密封作用をなすOリング等のシール材7を内装したシール凹溝8を有する。
さらに、袋ナット15は、雌ネジ部12を有する。シール凹溝8と雌ネジ部12とは内鍔状の区画壁部13にて区画されている。袋ナット15の外周形状は、一般的な横断面六角形としたり、ローレット加工を施したり、軸心方向に多数の凹溝を形成して、作業者の手、及び、作業工具にて掴持しやすく、かつ、大きなトルクを付与できる形状とする。
袋ナット15は、このように、継手外方側(図1の右方向側)の内鍔部16の内周端面が、前記パイプ本来の基本径D0 より、僅かに大き目の内径として、最もラジアル内方向に突設され、図1のように第2パイプP2 の拡径管部5をラジアル外方から包囲しており、「袋型」である。
次に、袋ボルト20は、第1パイプP1 のテーパ状段付部10に当接する勾配部11を有すると共に、先端拡径管部5の外周面に密接して密封作用をなすOリング等のシール材7を内装したシール凹溝8を有する。
さらに、袋ボルト20は、雄ネジ部14を有する。シール凹溝8の溝底壁部を構成する部位17が、袋ボルト20のラジアル方向に最も突出した部位であり、このラジアル最外部位17の外周形状は、一般的な横断面六角形としたり、ローレット加工を施したり、軸心方向に多数の凹溝を形成して、作業者の手、及び、作業工具にて掴持しやすく、かつ、大きなトルクを付与できる形状とする。
勾配部11は、上記部位17からラジアル内方向へ延伸した内鍔壁部18の内周端面に形成され、また、上記部位17からシール凹溝8の他側壁を形成するようにラジアル内方向へ延伸した内鍔壁部19のラジアル内方端縁から、円筒部21が連設されて、この円筒部21の外周面に上記雄ネジ部14が形成されている。また、円筒部21の内周面21Aは、先端拡径管部5が近接乃至当接状として、対応する。
袋ボルト20は、このように、継手外方側(図1の左方向側)の内鍔壁部18の内周端面が、前記パイプ本体の基本径D0 より、僅かに大き目の内径として、最もラジアル内方向に突設され、図1のように、第1パイプP1 の拡径管部5をラジアル外方から包囲しており、「袋型」である。
袋ボルト20と袋ナット15は、前述したように、いずれも「袋型」であり、特に、「袋ボルト」との用語は一般的には広く使用されてはいないのであるが、本発明にあっては、「袋ナット」にならって「袋ボルト」という用語を使用する。
そして、(図4から図5に示したように、)袋ナット15と袋ボルト20とを、雌ネジ部12と雄ネジ部14とから成る雌雄螺合手段Zによって、相互に(螺着して)連結する。
このように、袋ナット15と袋ボルト20とを、相互連結する構成として、継手本体を(全く)省略している。
即ち、従来例を示す図8,図10の継手本体40に相当する部材が省略されている。
しかも、図1に示すように、第1パイプP1 と第2パイプP2 の先端面3,3の間には、微小ギャップGを形成するように、あるいは、軽く接触するように、軸心方向寸法L5 ,L5 と、連結(接続)状態下の両勾配部11,11間距離を、設定する。
このように設定したので、接続完了状態において、袋ナット15・袋ボルト20に対して、第1パイプP1 ・第2パイプP2 は、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相互圧接によって引抜阻止される。図1に於て、矢印Yは、パイプP1 ,P2 に作用する引抜力を示すが、この引抜力Yに対して、強大な引抜阻止力を発揮できる。
図5は変形例を示し、同図に於て、25は短円管状スペーサであり、第1・第2パイプP1 ,P2 の勾配部11,11の内面に対してスペーサ25の両端を接近乃至当接状に配設(内装)する。望ましくは、第1・第2パイプP1 ,P2 と同一材質・同一径のパイプ材を輪切り状に切断する。このようなスペーサ25を付加することによって、上記引抜阻止力が増大可能である。
即ち、第1・第2パイプP1 ,P2 が、材質あるいは肉厚の面から変形しやすい場合に、内周側から補強する機能を、スペーサ25が備えるからである。
図5に於て、矢印Y方向の引抜力が作用して、第1・第2パイプP1 ,P2 が、仮に、引抜けるとすれば、先端拡径管部5が勾配部11によって絞られて、縮径変形しなければならない。
この縮径変形を防止する補強機能を、スペーサ25が発揮する。しかも、スペーサ25と第1・第2パイプP1 ,P2 の内径寸法を同一とすることによって、流体通過圧力損失を低減できる利点もある。
図5に示す変形例に於て、図1と同一の符号は、同様の構成であるので説明を省略する。
次に、図1と図5に於て、密封(シール)機能について説明する。先端拡径管部5の外周面に圧接して密封するOリング等のシール材7,7については、既に説明したが、その他の密封部位は、金属相互の圧接によるメタルシール構造としている。
具体的には、袋ナット15と袋ボルト20を雌雄螺合手段Zにて結合した状態下で、第1・第2メタルシール部S1 ,S2 にて密封する。
第1メタルシール部S1 は、区画壁部13と、雄ネジ部14を有する円筒部21の先端部21B(の圧接)から成る。また、第2メタルシール部S2 は、袋ナット15の雌ネジ部12を有する筒部の外端と、袋ボルト20の内鍔壁部19の外面(の圧接)から成る。
次に、図6と図7に於て、前記先端拡径管部5の製作(加工)方法等について説明する。
図6に示すように、被加工パイプP0 の先端を分割金型26の孔部26Aに挿入し、4個(又はそれ以上)に分割された横断面扇型の拡径片27をパイプP0 に対して所定深さに挿入する。矢印E方向にテーパ状雄金型28を、分割された拡径片27によって形成されたテーパ状孔部29に、押込めば、図6(A)から(B)のように拡径片27がラジアル外方向Rへ移動し、拡径塑性加工によって、先端拡径管部5が形成される。
なお、テーパ状段付部10を形成するために、拡径片27にはテーパ部27Aが設けられ、金型26の孔部26Aには、テーパ部26Bが設けられている。
その後、金型26を拡径方向に分割作動し、加工されたパイプP0 を引抜けば、図4に示すような先端拡径管部5付のパイプP1 ,P2 が製作される。
古くから、図6に示した拡径用手動作業具は、広く知られている。その理由は、図7に示すようなロウ付け管接続33が、古くから、冷媒配管や家庭用給湯(水)配管に使用されているためである。つまり、古くから実施されてきたロウ付け管接続33のために、一方のパイプ31には、図1,図4,図5に示した先端拡径管部5を予め加工する必要があったためである。(なお、他方のパイプ32は加工せずにそのまま拡径管部5に挿入され、相互嵌合面部Xがロウ付けされる。)
このように、ロウ付けによるパイプ接続作業に広く用いられていた拡径作業工具、及び、それによって簡単に加工可能な先端拡径管部に、本発明者は着眼し、図1〜図5に示したような独自の形状と構造を結合させて、ロウ付け等の熱を用いずに安全に作業ができ、しかも、アキシャル(軸心)方向にも、ラジアル方向にもコンパクトであると共に、パイプ接続作業性についても優れた管継手構造を、ここに提案する。
なお、本発明はその要旨を変更しない限り、上述の実施例に限定されず、設計変更自由であって、例えば、2箇所のメタルシール部S1 ,S2 を、Oリング等のシール材を用いる構造とするも自由である(図示省略)。
本発明の管継手構造が適用できる流体は、冷媒,ガス,空気,水,湯等自由であるが、第1・第2パイプP1 ,P2 は拡径加工が容易な銅,アルミニウム,ステンレス鋼等の金属が好適である。流体が冷媒,ガス,塩素ガスを含む水や湯等の場合には、シール材7の材質は耐腐食性ゴムが望ましい。最近の耐腐食性ゴム材料の進歩はめざましいため、本発明のようにシール材7,7を備えた管継手構造の適用可能流体は、冷媒,腐食性ガス,塩素ガスを含んだ水・湯等にも拡大される可能性が高いと言える。
本発明は、以上詳述したように、第1パイプP1 と第2パイプP2 を相互に接続する管継手構造に於て;上記第1・第2パイプP1 ,P2 は、各々、先端面3から所定軸心方向寸法L5 に渡って先端拡径管部5が形成され;上記先端拡径管部5と基本径管部6との境界には、テーパ状段付部10が形成され;上記テーパ状段付部10に当接する勾配部11を有すると共に、上記先端拡径管部5の外周面に密接するシール材7を内装したシール凹溝8を有する袋ナット15・袋ボルト20を、具備し;上記袋ナット15と袋ボルト20とを、雌雄螺合手段Zにて相互連結するよう構成したので、部品点数が少なくなり製作が容易で、コストダウンも図り得て、特に、全体の軸心方向(アキシャル方向)の寸法が小さくなり、コンパクト化を達成できた。また、先端拡径管部5の形成作業は、古くから全く別の接続方法に用いられてきた作業工具を適用して、配管作業人も、楽に、かつ、迅速に作業ができるため、配管接続作業全体が能率良く、迅速に行い得る。
また、本発明は、上記袋ナット15と袋ボルト20とを、上記相互連結することにより、継手本体が省略されているので、軸心方向(アキシャル方向)にコンパクト化を図り得ると共に、部品点数が少なく、構造も簡素化できる。(従来例を示した図8と図9と比較すれば、この点は、明らかとなる。)
また、接続完了状態において、袋ナット15・袋ボルト20に対して、第1パイプP1 ・第2パイプP2 の各々は、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相対的周方向摺動によってパイプ軸心Lp 廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部11とテーパ状段付部10との相互圧接によって引抜阻止されるように、構成されているので、雌雄螺合手段Zを螺進させる作業時に、パイプP1 ,P2 を介してパイプ他端に回転が伝達しない。これによって、パイプ他端に於て、他の管継手が不意に緩んでしまう事故を防止できる。逆に、パイプP1 ,P2 の他端又は途中から回転トルクが伝達されてきた場合には、雌雄螺合手段Zにまでその回転トルクは伝わらず、従って、袋ナット15と袋ボルト20が相対的に回転して、緩むような事故も防止できる。
3 先端面
5 先端拡径管部
6 基本径管部
7 シール材
8 シール凹溝
10 テーパ状段付部
11 勾配部
15 袋ナット
20 袋ボルト
1 第1パイプ
2 第2パイプ
5 軸心方向寸法
Lp パイプ軸心
G 微小ギャップ
Z 雌雄螺合手段
1 第1メタルシール部
2 第2メタルシール部

Claims (3)

  1. 第1パイプ(P1 )と第2パイプ(P2 )を相互に接続する管継手構造に於て、
    上記第1・第2パイプ(P1 )(P2 )は、各々、先端面(3)から所定軸心方向寸法(L5 )に渡って先端拡径管部(5)が形成され、
    上記先端拡径管部(5)と基本径管部(6)との境界には、テーパ状段付部(10)が形成され、
    上記テーパ状段付部(10)に当接する勾配部(11)を有すると共に、上記先端拡径管部(5)の外周面に密接するシール材(7)を内装したシール凹溝(8)を有する袋ナット(15)・袋ボルト(20)を、具備し、
    上記袋ナット(15)と袋ボルト(20)とを、雌雄螺合手段(Z)にて相互連結するよう構成したことを特徴とする管継手構造。
  2. 上記袋ナット(15)と袋ボルト(20)とを、上記相互連結することにより、継手本体が省略されている請求項1記載の管継手構造。
  3. 接続完了状態において、袋ナット(15)・袋ボルト(20)に対して、第1パイプ(P1 )・第2パイプ(P2 )は、上記勾配部(11)とテーパ状段付部(10)との相対的周方向摺動によってパイプ軸心(Lp )廻りに回転可能に、かつ、上記勾配部(11)とテーパ状段付部(10)との相互圧接によって引抜阻止されるように、構成されている請求項1又は2記載の管継手構造。
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