JP2019063274A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供する。【解決手段】 設定記憶手段には、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、入力手段により入力された操作情報に応じて変更された確率に対応する確率情報が記憶されている。複数の入球口のうち予め決められた入球口への遊技球の進入を含む所定の条件が成立した場合、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報を設定出力手段が出力する。よって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、設定出力手段による出力に基づき遊技者に報せることができる。【選択図】 図19

Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−202870号公報
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域と、
該遊技領域内に設けられて、遊技球が進入可能な複数の入球口と、
該複数の入球口のうち予め決められた入球口に遊技球が進入した場合に、当該遊技球が進入した前記入球口に応じた所定の特典を付与する特典付与手段と、
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段と
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段と、
前記複数の入球口のうち前記予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段と、を備えていることを特徴としている。
請求項2に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域と、
該遊技領域内に設けられて、遊技球が進入可能な複数の入球口と、
該複数の入球口のうち予め決められた入球口に遊技球が進入した場合に、当該遊技球が進入した前記入球口に応じた所定の特典を付与する特典付与手段と、
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段と、
前記複数の入球口のうち前記予め決められた入球口への遊技球の進入を含む所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段と、を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 釘状態関連処理の一例を示すフローチャート 第2実施形態のパチンコ機における遊技盤の正面図 第2実施形態のパチンコ機の背面図 第2実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図 第2実施形態のパチンコ機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 第2実施形態のパチンコ機における主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 設定示唆情報関連処理の一例を示すフローチャート
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。
回収排出通路には、発射球検知スイッチ451(図10参照)が設けられている。発射球検知スイッチ451は、例えば、遊技球が通過する検知孔を有する通過型のセンサにより構成される。発射球検知スイッチ451によって検知された遊技球数は、遊技領域内に発射された遊技球数に対応し、この遊技球数に対応した信号が、パチンコ機100の背面側に設けられる外部端子板580(図8及び図9参照)を介して出力される。回収排出通路において発射球検知スイッチ451により通過が検知された遊技球は、パチンコ機100の背面側下部に設けられる排出口を経由して、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。
なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400には、7セグメント表示器により構成される釘状態レベル表示装置474(図10参照)が、前ブロック102が中間ブロック103に対して開放された状態において視認可能となる位置(例えば、遊技盤400の左上隅部分)に設けられている。この釘状態レベル表示装置474は、遊技者からは視認し得なく、又は視認困難に構成され、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態では遊技者から視認し得ない位置(例えば、前ブロック102の裏側に重なる位置であって中央パネル220の光透過性を有する視認部から外れた位置)に配置されている。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
遊技者は、発射ハンドル252の回転操作量を変えることで、左打ち遊技手法と右打ち遊技手法とを選択的に行うことができる。つまり、遊技者は、発射ハンドル252を、遊技球が中央構造体420の右側を主として流下しないような回転操作量で操作することで、左打ち遊技手法を行うことができる。一方、遊技者は、発射ハンドル252を、遊技球が中央構造体420の右側を主に流下するような回転操作量、すなわち、左打ち遊技手法で遊技を行う場合より強めの回転操作量で操作することで、右打ち遊技手法を行うことができる。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950と、パチンコ機100の状態に応じた信号を管理装置(図示せず)に出力する基板である外部端子板580とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
外部端子板580は、図8及び図9に示すように、後方から見た後ブロック104の右上側端部に設けられている。外部端子板580には、特別遊技状態中に信号出力するための出力端子、発射球検知スイッチ451によって検知された遊技球数に対応した信号を出力するための出力端子などが設けられている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜釘状態関連処理S1222が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜釘状態関連処理S1222は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1223が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、一般入賞スイッチ449A,449B、及び、発射球検知スイッチ451の各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<釘状態関連処理S1222>
次に、図13を参照して、主制御割込み処理において実行される釘状態関連処理S1222について説明する。図13は、釘状態関連処理S1222を示したフローチャートである。
釘状態関連処理S1222は、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を検出し、当該検出に基づく結果を表示出力する処理である。具体的に、釘状態関連処理S1222は、釘411の状態の検出に係る前半の各処理S1401〜S1405と、当該検出に基づく結果の表示に係る後半の各処理S1501〜S1504とから構成される。
釘状態関連処理S1222では、図13に示すように、まず、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球数(以下「一般入賞数」と称す)、および、遊技領域内に発射された遊技球数(以下、「発射球数」と称す)を計数する期間(以下、「計数期間」と称す)中であるか否かを判定する(S1401)。このように、当該計数期間中に限って一般入賞数および発射球数の計数することで、発射球数に対する一般入賞数の割合(すなわち、発射球数に対する、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入割合)を算出した場合に、その算出結果に不正や数値の平均化などによる悪影響が及び難くされている。
なお、S1401の判定基準となる「計数期間」は、例えば、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数有効期間としてもよく、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数無効期間を除いた期間としてもよい。
「計数有効期間」は、例えば、遊技球が発射装置330から発射される期間としてもよい。遊技球が発射装置330から発射されているか否かは、例えば、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253、または、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254の検出状態に基づいた所定の発射操作の有無によって判定してもよい。例えば、可変抵抗器253により発射ハンドル252に対して回転操作が加えられていることが検出された場合に、遊技球が発射装置330から発射されていると判定してもよいし、接触センサ254により発射ハンドル252に対する接触が検出された場合に、遊技球が発射装置330から発射されていると判定してもよい。
また、「計数有効期間」は、所定の発射操作が実行されているか、又は、実行終了後の流下経過時間以内に、発射球検知スイッチ451によって遊技球が検知された場合としてもよい。この所定の発射操作実行終了後の流下経過時間としては、遊技球が発射されてから発射球検知スイッチ451に検知される時間のうち、最も時間のかかる経路を経由した最大時間(例えば、15秒)を含む時間に設定することが好ましく、流下経過時間は、実際に計測した最大時間に、設計上のバラツキを考慮した十分な時間に設定することが好ましい。また、所定の発射操作が開始された後の一定時間は、計数有効期間としないように、例えば、遊技球が発射されてから発射球検知スイッチ451に検知される時間のうち最も時間の短い経路を経由した最短時間(例えば、5秒)を除いた時間に計数有効期間を設定してもよい。
「計数無効期間」は、例えば、特別遊技状態中としてもよい。特別遊技状態中であるか否かは、例えば、外部端子板580からの信号の出力状態に基づいて判定できる。具体的に、例えば、特別遊技状態中であることを示す信号が外部端子板580から出力開始されてから、当該信号の出力が終了するまでの期間を、特別遊技状態中と判定できる。
また、「計数無効期間」は、例えば、前ブロック102が開放状態(すなわち、前ブロック102が中間ブロック103に対して開放された状態)である期間としてもよい。前ブロック102が開放状態であるか否かは、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づき判定できる。
前ブロック102が開放状態であるときに一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球は、遊技領域を流下して適切に進入した遊技球でなく、工場の出荷検査員、遊技をしながら不正行為を行う者(以下、不正行為者という)、又は、遊技場側の関係者(例えば、遊技場の従業員)が一般入賞装置439A,439Bに投入した遊技球である可能性がある。前ブロック102が開放状態である期間を計数期間から除外することで、一般入賞装置439A,439Bに投入された遊技球を計数対象から外すことができる。
あるいは、例えば、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された場合に、以降の所定期間を計数無効期間としてもよい。これにより、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された後に、さらに行われる連続投入によって一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を計数対象から外すことが可能となる。
なお、一般入賞装置439A,439Bに遊技球が連続投入されたか否かは、例えば、所定時間内に各一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球の数や、各一般入賞装置439A,439Bに進入する遊技球の進入間隔などから検出してもよい。
例えば、各一般入賞装置439A,439Bに対し、遊技球が所定時間(例えば、3秒)内に所定個(例えば、10個)で進入した場合に、一般入賞装置439A,439Bに遊技球が連続投入されたと検出してもよい。また、各一般入賞装置439A,439Bに対し、所定間隔(例えば、0.5秒間隔)で所定個(例えば、5個)以上の遊技球が進入した場合に、一般入賞装置439A,439Bに遊技球が連続投入されたと検出してもよい。
一方、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された後に計数無効期間とする「所定期間」は、例えば、予め定められた期間(例えば、10分間)としてもよいし、その後に連続して一般入賞装置439A,439Bに遊技球が投入される期間としてもよい。「その後に連続して一般入賞装置439A,439Bに遊技球が投入される期間」は、例えば、連続投入が検出された後、その連続投入に引き続いて当該検出と同じ条件で連続投入が検出される期間としてもよい。あるいは、連続投入が間欠的に行われることを考慮して、数十秒から数分程度(例えば、30秒程度や1分程度など)の間に上記連続投入の検出と同じ条件で連続投入が検出される期間を「その後に連続して一般入賞装置439A,439Bに遊技球が投入される期間」としてもよい。
また、各一般入賞装置439A,439Bに対して遊技球が検出された後の無効期間(例えば、3秒)は、遊技球の進入に対する計数を無効にする計数無効期間とし、遊技球が短時間に連続して投入されても、最初の所定無効数(例えば、1球または2球)のみを計数対象とし、後続の一定数の遊技球の進入を無効にしてもよいし、また、最初の所定無効数を含めて連続投入された全ての遊技球の進入を計数対象から除外して無効にしてもよい。この無効期間は、一般入賞装置439A,439Bに対して遊技球が進入する確率を考慮して設定してもよく、例えば、遊技球の進入確率が最高の発射操作(例えば、左打ち遊技手法または右打ち遊技手法のいずれか)において遊技球が連続進入する確率に対応させて、当該確率が高いほど、無効期間を短く設定し、確率が低い場合に無効期間を長く設定してもよい。また、一般入賞装置439A,439Bに遊技球が進入した場合に払い出される個数(払出数)に対応した時間に設定してもよく、例えば、払出数が少ない個数(例えば、3球)の入賞装置に対しては、短い無効期間(例えば、略1.2秒)を設定し、払出数が多い個数(例えば、15球)の入賞装置に対しては、長い無効期間(例えば、略2.4秒)を設定してもよい。また、計数無効期間としては、遊技球の発射時間間隔(例えば、0.6秒)に対応した時間を設定してもよく、例えば、遊技球の発射時間間隔の2倍以上の無効期間(略1.2秒以上)を設定してもよく、4倍以上の無効期間(略2.4秒以上)を設定してもよい。また、所定無効数についても、遊技球の進入確率が高いほど多く設定し、進入確率が低い場合に少なく設定することが好ましい。そして、複数の入賞装置(例えば、一般入賞装置439Aと、一般入賞装置439B)に対して、それぞれ一般入賞数カウンタと、発射球数カウンタとを設け、別々に釘状態レベルを出力可能にしてもよく、この場合に、計数が行われる各入賞装置において、遊技球の進入確率の高低又は払出数の多少の少なくとも一方が異なる設定とし、当該設定に対応して、無効期間の長短または所定無効数の多少の少なくとも一方が異なる設定とすることが好ましい。
なお、前ブロック102が開放状態であり、かつ、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された場合に、以降の所定期間を計数無効期間とするなど、複数の条件の組合せが成立した場合に無効期間を発生させるようにしてもよい。これにより、遊技場側の関係者が一般入賞装置439A,439Bに連続投入した遊技球を計数対象から好適に除外することができる。
あるいは、S1401の判定基準となる「計数期間」は、例えば、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間としてもよい。「予め定められた計数開始条件」は、例えば、予め定められた計数開始時刻(例えば、午前11時や午後3時など)としてもよいし、予め定められた期間毎(例えば、2時間毎)の計数開始時期としてもよい。また、「予め定められた計数開始条件」は、例えば、予め定められたタイミング(例えば、第1または第2特別図柄に係る当選乱数カウンタが計数開始条件として予め定められた所定値となったタイミングや、計数開始条件として予め定められた操作が行われたタイミングなど)としてもよい。なお、上記の計数開始時刻や、計数開始時期の間隔や、所定のタイミングは、必ずしも、毎日や毎回において同じである必要はなく、予め設定した異なる複数種類の設定のうちいずれかの設定を選択するようにしてもよく、その選択順序は、予め定めた順序(例えば、曜日毎に異なる設定となるように)選択してもよいし、いずれを選択するかを抽選により決定するようにして都度ランダムに変更するようにしてもよい。また、計数開始条件は1日に複数回が成立するようにしてもよい。
また、予め定められた計数開始条件が成立した後に計数期間とする「所定期間」は、例えば、予め定められた計数終了条件が成立するまでの期間としてもよい。「予め定められた計数終了条件」は、例えば、予め定められた計数終了時刻(例えば、午後1時や午後6時など)としてもよく、予め定められたタイミングとしてもよい。計数終了条件として予め定められたタイミングとしては、例えば、計数期間として予め定められた期間(例えば、30分間)が経過したタイミングとしてもよいし、第1特別図柄に係る当選乱数カウンタが計数終了条件として予め定められたとなったタイミングとしてもよいし、計数終了条件として予め定められた操作が行われたタイミングとしてもよい。
なお、計数開始条件と計数終了条件とは、上記例示した条件を適宜組み合わせてもよい。例えば、予め定められた計数開始時刻を計数開始条件とし、予め定められた計数終了時刻を計数終了条件としてもよく、第1特別図柄に係る当選乱数カウンタが計数開始条件として予め定められたとなったタイミングを計数開始条件とし、計数期間として予め定められた期間が経過したタイミング(例えば、30分間)が経過したタイミングを計数終了条件としてもよい。
あるいは、電源部901からパチンコ機100への電力の供給が開始された後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(第1特別図柄に係る当選乱数カウンタ、または第2特別図柄に係る当選乱数カウンタ)の値を、予め定められたN回目(Nは1以上の整数)に取得するタイミングを計数開始条件としてもよい。また、その場合、当該N回目に取得した特別図柄に係る当選乱数カウンタの値に基づいて、計数終了条件としての期間が決定される構成としてもよい。つまり、予め定められたN回目に取得した当選乱数カウンタの値に基づいて、計数期間が異なる構成としてもよい。このとき、予め定められたN回目に取得した当選乱数カウンタの値が取得される毎に計数開始条件が成立する構成としてもよい。
なお、S1401の判定基準となる「計数期間」としては、上述した、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数有効期間または予め定められた計数無効期間を除いた期間、または、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間のいずれかである必要はなく、これらの期間がいずれも採用される構成としてもよい。
また、S1401の判定基準となる「計数期間」として、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間が採用される場合には、単独の種類の計数開始条件が成立した後の所定期間が前記「所定期間」である必要はなく、異なる種類の計数開始条件(例えば、予め定められた計数開始時刻と、予め定められた計数開始タイミングなど)がそれぞれ成立した後の各所定期間が前記「計数期間」である構成としてもよいし、異なる種類の計数開始条件を組み合わせた計数開始条件が成立した後の所定期間が前記「計数期間」である構成としてもよい。
S1222において、計数期間中でないと判定した場合(S1401:N)、後述するS1401〜S1405,S1501〜S1504の各処理は実行せずに、主制御割込み処理に復帰(リターン)する。なお、計数期間中でないと判定した場合(S1401:N)に、S1501の処理から制御を開始し、S1501〜S1504の各処理を実行してから主制御割込み処理に復帰するようにしてもよい。
一方、S1222において、計数期間中であると判定した場合(S1401:Y)、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入を検知した否かを判定する(S1402)。具体的に、一般入賞スイッチ449A,449B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、各スイッチ449A,449Bにそれぞれ対応する一般入賞スイッチ検出フラグ(主制御基板920のRAMにおける所定の領域)が設定されている場合に、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入を検知したと判定する。
一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入を検知したと判定した場合(S1402:Y)、一般入賞数カウンタ(主制御基板920のRAMにおける所定領域)を更新し(S1403)、判定処理S1404を実行する。一方、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入を検知していないと判定した場合(S1402:N)、S1403の処理は実行せずに、判定処理S1404を実行する。
具体的に、S1403では、一般入賞スイッチ449Aに対応する一般入賞スイッチ検出フラグ、または、一般入賞スイッチ449Bに対応する一般入賞スイッチ検出フラグのいずれか一方が設定されている場合には、一般入賞数カウンタに「1」を加算する。一方、一般入賞スイッチ449Aに対応する一般入賞スイッチ検出フラグ、および、一般入賞スイッチ449Bに対応する一般入賞スイッチ検出フラグの両方が設定されている場合には、一般入賞数カウンタに「2」を加算する。
なお、一般入賞数カウンタが設けられるRAMは、電源部901からバックアップ電圧が供給されているので、電源部901からの駆動用電圧および制御用電圧の電力の供給が停止された場合においても、一般入賞数カウンタの記憶内容は保持される。つまり、所定のスイッチ(図示せず)を操作することでRAMの保存情報を消去しない限り、パチンコ機100が停電状態である場合においても、一般入賞数カウンタの記憶内容は保持される。
S1404では、発射球を検知したか否かを判定する。具体的に、発射球検知スイッチ451(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、発射球検知スイッチ451に対応する発射球検知スイッチ検出フラグ(主制御基板920のRAMにおける所定の領域)が設定されている場合に、発射球を検知したと判定する。
発射球を検知したと判定した場合(S1404:Y)、発射球数カウンタ(主制御基板920のRAMにおける所定領域)を更新し(S1405)、判定処理S1501を実行する。一方、発射球を検知していないと判定した場合(S1404:N)、S1405の処理は実行せずに、判定処理S1501を実行する。
具体的に、S1405では、発射球検知スイッチ検出フラグが設定されている場合には、発射球数カウンタに「1」を加算する。なお、発射球数カウンタは、電源部901からバックアップ電圧が供給されるRAMに設けられているので、上述した一般入賞数カウンタと同様、所定のスイッチ(図示せず)を操作することでRAMの保存情報を消去しない限り、パチンコ機100が停電状態である場合においても、発射球数カウンタの記憶内容は保持される。
S1501では、前ブロック102が開放状態であるか否かを判定する。具体的に、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態が、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されていないことを示す場合に、前ブロック102が開放状態であると判定する。
前ブロック102が開放状態であると判定した場合(S1501:Y)、一般入賞数カウンタの値を発射球数カウンタの値で除した値(すなわち、一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)を算出する(S1502)。S1502において算出された値は、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を反映する。
つまり、S1502において算出された値が、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の入賞が設計値通りになる場合の値として予め定められている基準値に近い値である程、釘411(より詳細には、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411)が、パチンコ機100の製造時における設定に従う適切な状態である可能性が高いことを示す。なお、本実施形態における以下の説明において「基準値」は、上述した「一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の入賞が設計値通りになる場合の値として予め定められている基準値」であるとする。
一方、S1502において算出された値が基準値から離れた値である程、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411が、パチンコ機100の製造時における設定から逸脱した状態である可能性が高い。つまり、当該差分が大きい程、釘411が適切な状態から大きく外れている可能性が高い。
S1502において算出された値に基づき、釘状態レベルを算出する(S1503)。「釘状態レベル」は、釘411(より詳細には、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411)の状態が、パチンコ機100の製造時における設定に対して適切であるか不適切であるかを、段階的なレベルで表した情報である。例えば、S1502において算出された値が、基準値を含む第1範囲(例えば、基準値×±5%を両端とする範囲)内の値である場合、釘状態レベルは、釘411の状態が適切であることを示す「1」とされる。
一方、S1502において算出された値が、第1範囲の外側(すなわち、基準値より離れる側)である場合、釘状態レベルは、「1」より大きな値とされ、それにより、釘411が適切な状態から外れている可能性があることを示す。例えば、S1502において算出された値が、第1範囲の外側に設定される第2範囲(例えば、基準値より離れる側の端が基準値×±10%である範囲)内の値である場合、釘状態レベルは「2」とされ、第2範囲の外側(すなわち、基準値より離れる側)である場合、釘状態レベルは「3」とされる。つまり、釘411が適切な状態から大きく外れている程、釘状態レベルは大きい値とされる。
次に、S1503において算出された釘状態レベルを出力する処理を実行し(S1504)、主制御割込み処理に復帰する。本実施形態では、S1505において、釘状態レベルを示す数値を、7セグメント表示器により構成される釘状態レベル表示装置474(図10参照)に表示する。例えば、釘状態レベルが「1」である場合、釘状態レベル表示装置474には「1」が表示される。なお、S1501において前ブロック102が開放状態であると判定した場合(S1501:N)、S1502〜S1504の各処理は実行せずに、主制御割込み処理に復帰する。
次に、以上説明したパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、釘状態関連処理S1222にて、一般入賞数カウンタの更新(すなわち、一般入賞数の計数)が、所定の計数期間中に限って行われるので、一般入賞数カウンタによって計数される一般入賞数、および、そのように計数された一般入賞数に基づき算出された釘状態レベルに対し、一般入賞装置439A,439Bへの不当な連続投入、不正な連続投入や数値の平均化などによる悪影響を及び難くすることができる。これにより、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を、釘状態レベルに好適に反映させることができる。
例えば、パチンコ機100に対して工場で出荷前の検査を行う場合に、前ブロック102を開放し、一般入賞装置439A,439Bへ遊技球を複数個ずつ連続投入し、その投入に対して主制御装置370等が適切に動作するかを検査すると、一般入賞装置439A,439Bには、遊技者が遊技を行う場合に遊技球が進入する確率より極めて高確率で遊技球が連続投入されることとなる。かかる連続した一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入を、パチンコ機100の性能が設計値通りであるか否かを判断するための値として使用してしまうと、適切にパチンコ機100の性能を判定することができない可能性がある。
また、例えば、パチンコ機100が設置された遊技場(ホール)に来店して遊技する不正行為者が、前ブロック102を不正に開放し、一般入賞装置439A,439Bへ遊技球を連続投入してしまう可能性がある。この場合には、パチンコ機100の性能としては設計値通りであるにもかかわらず、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の入賞が設計値より高くなって設計値通りでないと判定される可能性がある。ここで、大当りに当選するなどの特定の遊技状態にならなければ開放されない大入賞装置433,434等には、不正なタイミングでの遊技球の進入をパチンコ機100の制御により検出し、異常状態に対応した制御をすることも行われ易いが、遊技状態に関わらずに常時遊技球が進入可能な入賞口や、遊技球が進入した場合に当否抽選を受けることなく一定数の遊技球の払い出しなどの一定の遊技価値が付与される入賞口(一般入賞口)に対しては、かかる異常状態が発生しているのか通常の遊技によるものであるかの判定が困難な場合があり、当該入賞口を狙った不正が行われる可能性がある。
これに対し、パチンコ機100においては、上記したように、一般入賞装置439A,439Bへの連続投入による悪影響を及び難くすることができるので、工場出荷前の検査や、不正行為者による不正行為が行われた場合であっても、釘411の実際の状態を釘状態レベルに好適に反映させることができる。よって、釘状態レベルに基づき、パチンコ機100の性能を適切に評価することができる。
また、釘状態レベルには、遊技場側の不正も釘状態レベルに好適に反映されるので、外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)は釘状態レベルに基づき遊技場側の不正を好適に検出することができる。
例えば、遊技場側の関係者が、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍の状態を不正に変化させる改造を行った場合(一般入賞装置439A,439Bの入賞口に遊技球が全く進入し得ない程度に釘411に対する改造を施してパチンコ機100の性能を不適切にしてしまう場合等が例示される)、当該遊技場としては、そのような不正が外部者によって検出されることがないよう、遊技場が閉店した後に、遊技場側の関係者などが一般入賞装置439A,439Bに遊技球を不正投入することで、一般入賞装置439A,439Bに係る性能を、設計値に従う性能となるよう数値上の帳尻を合わせる可能性がある。このように数値上の帳尻が合わされた場合、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態が不適切であるにもかかわらず、釘411の状態が適切である釘状態レベルが算出される可能性が高い。
これに対し、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、前ブロック102が開放状態である期間や、遊技球が一般入賞装置439A,439Bに連続投入された可能性のある期間(すなわち、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の不正な連続投入が検出された後の所定期間)を、S1401における判定基準の「計数期間」から除外することで、工場の作業者や、遊技場側の関係者などが帳尻合わせのために一般入賞装置439A,439Bに遊技球を連続投入したとしても、かかる連続投入された遊技球を一般入賞数カウンタによる計数対象から除外することができる。よって、工場出荷前の検査において投入された遊技球や、帳尻合わせのために不正に投入された遊技球が、釘状態レベルに反映されることを抑制できるので、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の実際の状態を釘状態レベルに好適に反映させることができる。
すなわち、遊技場側の関係者が遊技球を一般入賞装置439A,439Bに不正に投入する場合、その不正な作業を効率的に行うために、遊技球の連続投入を行う可能性があるが、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の不正な連続投入が検出された後の所定期間を、S1401における判定基準の「計数期間」から除外することで、かかる不正な連続投入によって一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を、一般入賞数カウンタによる計数から好適に除外することができる。
また、別の例として、遊技場側の関係者は、その日における一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の進入割合(遊技球の進入のし易さ)を調整するために、開店前などに、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を不正に変化させることがある。この場合、ある日には当該進入割合が設計値より高く調整され、別のある日には当該進入割合が設計値より低く調整されるため、一般入賞数カウンタにより計数される一般入賞数は、数日間の累積によって平均化され、それにより、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態が不適切であるにもかかわらず、釘411の状態が適切である釘状態レベルが算出される可能性がある。
これに対し、電源部901から電力が供給されている全期間中のうち、予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間に限ることで、累積による数値の平均化がされ難くなり、それにより、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の実際の状態を釘状態レベルに好適に反映させることができる。
また、釘状態レベルは、一般入賞数を発射入賞数で除した値(すなわち、一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)から算出されるので、外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)は、釘状態レベルから一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を好適に把握することができる。
特に、釘状態レベルの算出に用いる発射球数の計数(すなわち、S1405における発射球数カウンタの更新)が、当該釘状態レベルの算出に用いる一般入賞数の計数(S1403における一般入賞数カウンタの更新)と同様、所定の計数期間中に限って行われるので、S1502において算出される(一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)を、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の実際の状態(より詳細には、一般入賞数が計数される所定期間における釘411の状態)を好適に反映させた値として得ることができる。
また、算出された釘状態レベルは、前ブロック102が開放状態であることを条件として釘状態レベル表示装置474に表示されるので、遊技者が遊技をしていない状況において釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に表示させることができる。よって、遊技者は、釘状態レベルのような、遊技とは無関係の情報が表示されたことを認識することがなく、遊技とは無関係の情報が表示されたことで遊技者が遊技に対する不信感を抱くことを好適に抑制できる。
また、釘状態レベル表示装置474に表示される釘状態レベルは、S1502において算出された値(すなわち、一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)を3段階に区分したものであるので、外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)は、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態が適切であるか否かを、釘状態レベル表示装置474の表示内容から判断し易い。
<第2実施形態>
次に、図14から図19を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態のパチンコ機100においては、遊技球の出球率(機械割、ペイアウト率)を設定するための設定変更機能を備えている。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図14は、第2実施形態のパチンコ機100における遊技盤400Xの正面図である。遊技盤400Xは、釘411や風車412等の流下変化部材や、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420などが遊技盤400と同様に設けられているとともに、中央構造体420に対して下側に配置された、第1特別図柄に係る始動装置である中始動入賞装置2431と、中央構造体420に対して右側に配置された、第2特別図柄に係る始動入賞装置である右始動入賞装置2432と、中始動入賞装置2431に対して下側に配置された下大入賞装置2434と、右始動入賞装置2432に対して下側に配置された上大入賞装置2433と、下大入賞装置2434の左右両側に配置された一般入賞装置2439A,2439Bとが設けられている。
遊技盤400Xには、上記した中始動入賞装置2431等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図16参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、中始動入賞装置2431に進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ2441、右始動入賞装置2432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ2442、上大入賞装置2433に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ2443、下大入賞装置2434に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ2444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、上大入賞装置2433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ2447、上大入賞装置2433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ2448、一般入賞装置2439A,2439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400Xに設置されている。
各入賞装置、具体的には、中始動入賞装置2431、右始動入賞装置2432、上大入賞装置2433、下大入賞装置2434及び一般入賞装置2439A,2439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。
回収排出通路には、発射球検知スイッチ451(図16参照)が設けられている。発射球検知スイッチ451は、例えば、遊技球が通過する検知孔を有する通過型のセンサにより構成される。発射球検知スイッチ451によって検知された遊技球数は、遊技領域内に発射された遊技球数に対応し、この遊技球数に対応した信号が、パチンコ機100の背面側に設けられる外部端子板580(図8及び図9参照)を介して出力される。回収排出通路において発射球検知スイッチ451により通過が検知された遊技球は、パチンコ機100の背面側下部に設けられる排出口を経由して、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置2432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構2452と、右進入規制機構2452を駆動する右進入規制ソレノイド2462(図16参照)とを備えている。右進入規制機構2452は、右進入規制ソレノイド2462によって駆動される可動片を備えており、右進入規制機構2452が進入禁止姿勢である場合には、可動片が進入口(入賞口)を閉鎖する配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置2432に進入できないが、右進入規制機構2452が進入許容姿勢である場合には、可動片が進入口内に遊技球を誘導する配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置2432に進入できるようになる。右進入規制機構2452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド2462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
上大入賞装置2433には、図14に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構2453と、上進入規制機構2453の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド2463(図16参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、上大入賞装置2433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド2465(図16参照)とが設けられている。上大入賞装置2433の上進入規制機構2453が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構2453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置2433に進入できないが、上進入規制機構2453が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構2453が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置2433に進入できるようになる。また、上大入賞装置2433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態(例えば、確変遊技状態)が付与される。
下大入賞装置2434には、図14に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構2454と、下進入規制機構2454の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド2464(図16参照)とが設けられている。下進入規制機構2454が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構2454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置2434に進入できないが、下進入規制機構2454が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構2454が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置2434に進入できるようになる。
上大入賞装置2433及び下大入賞装置2434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る中始動入賞装置2431へ進入した遊技球が中始動入賞スイッチ2441で検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置2432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ2442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、上進入規制ソレノイド2463又は下進入規制ソレノイド2464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ上進入規制機構2453又は下進入規制機構2454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、上進入規制機構2453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド2465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド2465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
また、遊技盤400Xには、7セグメント表示器により構成される釘状態レベル表示装置474(図16参照)が、前ブロック102が中間ブロック103に対して開放された状態において視認可能となる位置(例えば、遊技盤400の左上隅部分)に設けられている。この釘状態レベル表示装置474は、遊技者からは視認し得なく、又は視認困難に構成され、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態では遊技者から視認し得ない位置(例えば、前ブロック102の裏側に重なる位置であって中央パネル220の光透過性を有する視認部から外れた位置)に配置されている。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(上大入賞装置2433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、時短遊技状態(すなわち、時短状態であって、かつ、低確率状態である遊技状態)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、確変遊技状態(すなわち、時短状態であって、かつ、高確率状態である遊技状態)へ移行する。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400Xの主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。各種の遊技状態において第1特別図柄に係る中始動入賞装置2431に進入した遊技球が中始動入賞スイッチ2441(図16参照)によって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、遊技盤400において第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技と同様に開始される。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合、遊技盤400において第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合と同様、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。
第1特別図柄抽選の後に、遊技盤400のときと同様に、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が、遊技盤400のときと同様に開始され、継続され、そして、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄および装飾図柄にそれぞれ係る停止図柄が確定表示される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、上大入賞装置2433の上進入規制機構2453及び下大入賞装置2434の下進入規制機構2454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。上進入規制機構2453及び下進入規制機構2454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ2443,2444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、上進入規制機構2453又は下進入規制機構2454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、上進入規制機構2453又は下進入規制機構2454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
上進入規制機構2453又は下進入規制機構2454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置2432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ2442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
普通図柄に係る単位遊技は、遊技盤400のときと同様に行われ、普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置2432の右進入規制機構2452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置2432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置2432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ2442によって検出された場合には、右進入規制機構2452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置2432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置2432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置2432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置2432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。よって、遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、上大入賞装置2433及び下大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
図15は、第2実施形態のパチンコ機100の背面図である。図15に示すように、本実施形態のパチンコ機100の背面側には、背面設定スイッチ905が設けられている。背面設定スイッチ905は、本パチンコ機100の出球率を予め定めた複数段階(例えば、6段階や9段階など)のいずれか1段階に設定するための設定操作を有効化するための設定有効化装置である。
背面設定スイッチ905に所定のキー(図示せず)を挿入して所定位置(本実施形態では、初期位置から時計回りに略90°回転させた位置)まで回転させることで出球率の設定変更を有効化(許容)することができる。出球率の設定変更がこのように有効化された状態で所定の設定操作(本実施形態においては、初期化スイッチ907の押下)を行うことで出球率の設定変更が有効に行われる。
出球率の設定変更が有効に行われた場合、設定された各段階に応じて所定の遊技態様が変更される。つまり、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作による出球率の設定変更は、遊技態様の設定変更であるともいえる。
本実施形態のパチンコ機100においては、出球率の設定変更(すなわち、遊技態様の設定変更)により設定された各段階に応じて、初当り確率(本実施形態においては、第1特別図柄抽選の当選確率)と、確変継続率(本実施形態においては、確変遊技状態において第2特別図柄抽選を経由して特別遊技状態へ移行した場合に当該特別遊技状態後に確変遊技状態に移行する確率)との組み合わせが異なる9種類の遊技態様のいずれかを選択することができる。よって、出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)が有効に行われた場合には、設定された段階に応じた初当り確率および継続確率となるよう第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選の各当選確率を変化させる(すなわち、各当選確率に応じた確率抽選データを使用する)ことで出球率の調整が行われる。
具体的に、本実施形態のパチンコ機100においては、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いトップタイプと、初当り確率が中程度であり確変継続率も中程度であるミドルタイプと、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いボトムタイプとを選択できる。さらに、これらの各タイプにおいて、各タイプの初当り確率が、各タイプ間の初当り確率の幅よりも小幅に細分化された3段階の確率状態(以下、確率設定状態ともいう)、すなわち、3段階の中で初当り確率が最も低い第1段確率と、2番目に低い初当り確率である第2段確率と、初当り確率が最も高い第3段確率とを選択できる。
トップタイプにおいて、中始動入賞装置2431および右始動入賞装置2432への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも少ないが、上大入賞装置2433及び下大入賞装置2434への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも多くなっている。一方、ボトムタイプにおいて、中始動入賞装置2431および右始動入賞装置2432への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも多いが、上大入賞装置2433及び下大入賞装置2434への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも少なくなっている。
ここで、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれも賞球数は同一の数に設定してもよい。これにより、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれの設定であるのか遊技者が賞球数から判定することを不能とし、いずれのタイプであるかの設定を推測する遊技性を長時間にわたって付加することができる。
また、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれも確率設定状態の段階に応じて遊技者にとっての利益率は変化するが、いずれのタイプであっても確率設定状態の段階が同一であれば遊技者にとっての利益率は実質的に同一に設定されている。このため、タイプの変更によって確率の設定を変更しても、遊技場側が獲得する一定期間(例えば、1日)当たりの利益は予測しやすく、遊技場の管理をし易くすることができる。
なお、出球率の設定変更によって変更する遊技態様としては、上述したような、初当り確率と確変突入率との組合せであることに必ずしも限定される必要はなく、例えば、初当り確率または確変突入率のいずれかであってもよい。また、初当り確率および確変突入率以外の抽選確率、例えば、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の当選確率、普通図柄抽選の当選確率や、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選において小当たりが選択される確率や、確変突入率(本実施形態においては、第2特別図柄抽選での当選を経由する確変遊技状態への突入率)や、特別遊技状態後に移行した確変遊技状態が終了する確率(例えば、確変遊技状態中に図柄の変動表示が実行される毎に行われる転落抽選において確変遊技状態の終了が選択される確率)などであってもよく、これらの各遊技態様の2つ以上の組合せであってもよい。
背面設定スイッチ905より上方には、設定表示装置906が設けられている。背面設定スイッチ905の操作によって出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)が有効に行われた場合、現在設定されている遊技態様に対応する設定表示情報が設定表示装置906に表示される。設定表示情報は、タイプを表す英字と確率設定状態を表す数字との組み合わせから構成される。本実施形態のパチンコ機100においては、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプを、それぞれ、「T」、「M」および「B」の英字で表す。また、各タイプの確率設定状態は、第1段確率を「1」で表し、第2段確率を「2」で表し、第3段確率を「3」で表す。
よって、例えば、トップタイプの第1段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「T1」であり、ミドルタイプの第3段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「M3」であり、ボトムタイプの第2段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「B2」である。
図16は、第2実施形態のパチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。図16に示すように、背面設定スイッチ905および設定表示装置906は、信号中継部903に接続されている。
信号中継部903は、背面設定スイッチ905が所定のキー(図示せず)により時計回りに略90°回転された場合に主制御基板920へ出力されるオン状態の設定信号を中継する。主制御基板920においては、背面設定スイッチ905からオン状態の設定信号を受信したことに応じて遊技態様の変更を許容する。また、信号中継部903は主制御基板920から設定表示装置906へ出力された設定表示信号を中継する。設定表示装置906は、受信した設定表示信号に対応する設定表示情報を表示する。
次に、本実施形態のパチンコ機100において主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。図17は、第2実施形態のパチンコ機100における主制御基板920のメイン処理(図17においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
本実施形態のパチンコ機100における主制御基板920のメイン処理は、第1実施形態のパチンコ機100における主制御基板920のメイン処理と同様、停電状態からの復帰に伴い起動される処理である。
以下、第1実施形態のパチンコ機100における主制御基板920のメイン処理と相違する部分について説明する。本実施形態のパチンコ機100における主制御基板920のメイン処理では、図17に示すように、立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の背面設定スイッチ905からの設定信号の出力状態の判定処理S2001が行われる。
具体的に、背面設定スイッチ905からの設定信号が、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作されていることを示すオン状態である場合(S1005:Y)、RAMの実質的に全領域の情報を消去するRAMクリア処理S2002が実行される。具体的には、RAMクリア処理S2002においては、RAMに格納されている設定対応情報を除く実質的にすべての領域の情報が消去される。
なお、設定対応情報は、予め定めた複数段階(本実施形態においては、9種類)の遊技態様の各々に対応する情報であり、設定中の遊技態様に対応する設定態様情報がRAMに格納されている。よって、RAMクリア処理S2002により、主制御基板920のRAMにおける設定対応情報の記憶領域を除く実質的にすべての領域の情報が消去され、設定変更を許可する状態となる。
設定変更を許可する状態となると、RAMに格納されている設定対応情報に対応する遊技態様を識別する設定表示信号が設定表示装置906に出力される。設定表示装置906は、主制御基板920から受信した設定表示信号に対応する設定表示情報を表示する。つまり、設定表示装置906には、RAMに格納されている設定対応情報に対応する設定表示情報が表示される。
次いで、背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態となるまで遊技態様の設定を変更する設定変更処理S2003が実行される。なお、背面設定スイッチ905からの設定信号は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作されていない状態においてオフ状態となる。
遊技態様の設定変更は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作された状態において初期化スイッチ907を押下することによって行われる。具体的に、当該状態において、主制御基板920が初期化スイッチ907の押下に基づく初期化信号を受信する毎に、設定対応情報が順次変更される。具体的には、予め定められた9種類の遊技態様を循環的に選択する順序(例えば、・・・→T1→T2→T3→M1→M2→M3→B1→B2→B3→T1→T2→・・・)が予め決められており、選択される遊技態様は、初期化スイッチ907が押下される毎に当該順序に従って順次変更される。
当該変更が行われる毎に選択中の遊技態様に対応する値が設定対応情報としてRAMに格納される。RAMに格納される設定対応情報が変更される毎に、当該設定対応情報に対応する設定表示信号が設定表示装置906に出力され、変更後の設定対応情報に対応する設定表示情報が設定表示装置906に表示される。
よって、遊技場の管理者等の設定変更者は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作された状態において、本パチンコ機100に対して設定したい遊技態様を選択されるまで初期化スイッチ907の押下を繰り返した後、中始動入賞装置2431に遊技球を入賞させることで、遊技態様の選択を完了させることができる。よって、設定変更処理S2003は、初期化スイッチ907の押下による遊技態様の選択後に、中始動入賞装置2431に遊技球が入賞されたことで終了する。
背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態となった場合(S2004:Y)、遊技態様の設定に係る情報(すなわち、設定対応情報)を除く各種の情報を新たにRAMに初期設定するRAM変更設定処理S2005が実行される。これにより、実質的に主制御基板920の立ち上げが終了し、RAMに格納された設定対応情報に対応する遊技態様で遊技が進行することが確定する。
RAM変更設定処理S2005の後、RAMの設定完了を示す設定済コマンドを払出制御基板930に出力する設定済コマンド出力処理S2006が実行される。払出制御基板930は、主制御基板920が出力した設定済コマンドを受信したことにより、主制御基板920が通常の遊技処理に移行することを認識できると共に、いずれの遊技態様で動作するかを認識できる。
設定済コマンド出力処理S2006の後は、特別遊技状態復帰準備処理S1015以降の処理が実行される。また、立上待機処理S1003の後、背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態である場合には(S1005:N)、判定処理S1004以降の処理が実行される。
図18は、第2実施形態のパチンコ機100の主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。本実施形態のパチンコ機100の主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理は、第1実施形態のパチンコ機100の主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理と同様、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行される処理である。
以下、第1実施形態のパチンコ機100の主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理と相違する部分について説明する。本実施形態のパチンコ機100の主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理では、図18に示すように、遊技進行が停止されていない場合(S1207:N)に実行される処理の1つとして、図19を参照して後述する設定示唆情報関連処理S2021が釘状態関連処理S1222の後に実行される。
図19は、設定示唆情報関連処理S2021を示したフローチャートである。設定示唆情報関連処理S2021は、設定示唆情報の出力条件として設定されている条件が成立した場合に、設定示唆情報を出力する処理である。
ここで、「設定示唆情報」は、現在設定されている遊技態様(すなわち、その時点において主制御基板920のRAMに格納されている設定対応情報)が、設定可能に予め定められた複数段階(本実施形態においては、9種類)の遊技態様のいずれであるかを示唆する情報であり、設定対応情報が9種類のいずれであるかを完全に識別可能な情報であってもよいし、設定対応情報の一部のみ(例えば、タイプのみ)が識別可能な情報であってもよく、また、設定対応情報が9種類のいずれであるかに対応して選択率が異なるように設定されることで遊技者が設定を推測可能な情報であってもよく、例えば、設定対応情報のタイプに対応して異なる情報が設定され、例えば、1〜9の数字のうち、トップタイプであれば大きい値が高確率で選択され、ミドルタイプであれば中間の「5」の値が最も選択され、中間である「5」より大きくなったり、小さくなったりする数字ほど選択されにくく、ボトムタイプであれば小さい値ほど高確率で選択される設定とし、いずれのタイプであるか明確には判らないものの、設定示唆情報としての数字が設定対応情報に対応するようにしてもよい。
設定示唆情報関連処理S2021では、釘状態関連処理S1222(図13参照)のS1503の処理にて算出された釘状態レベルについて設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する判定処理S1601を行う。具体的に、判定処理S1601においては、釘状態レベルが「2」以上である場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。なお、本実施形態のパチンコ機100においては、一般入賞数カウンタは、一般入賞装置2439A,2439Bに進入した遊技球の数を計数する。
釘状態レベルについて設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合(S1601:Y)、設定示唆情報の出力が実行され(S1606)、主制御割込み処理に復帰する。S1606の処理においては、具体的に、現在設定されている遊技態様に対応する設定示唆情報を所定の表示部に表示させるための制御データが設定される。なお、当該所定の表示部は、装飾図柄表示装置479などの図柄表示装置であってもよいし、設定示唆情報を表示するための専用の表示部であってもよい。
例えば、設定示唆情報が装飾図柄表示装置479に表示される構成である場合、S1606の処理において、設定示唆情報を装飾図柄表示装置479に表示させるための制御データ(コマンド)が設定される。ここで設定されたコマンドは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において副制御基板940に出力される。副制御基板940は、当該コマンドの受信に応じて、装飾図柄表示装置479の所定位置(例えば、右隅部)に、受信したコマンドに応じた設定示唆情報を表示させる。
S1606の処理により表示出力される設定示唆情報としては、設定表示装置906に表示される設定表示情報と同様の、タイプを表す英字と確率設定状態を表す数字との組み合わせであってもよいし、各遊技態様を示すキャラクタであってもよいし、各遊技態様を示す数値や記号や図形や色やテキストなどであってもよいし、「高確率の設定かも!」などの感覚的な表現を示すテキストであってもよいし、棒グラフ状などで各遊技態様を識別可能にした図形などであってもよい。
また、装飾図柄表示装置479に表示される設定示唆情報は、設定対応情報が9種類のいずれであるかを完全に識別可能な情報に限らず、設定対応情報が9種類のいずれであるかを遊技者が推測可能な情報、例えば、設定対応情報が9種類のいずれであるかに対応して少なくとも一部の選択率が異なるように設定されることで遊技者が設定を推測可能な情報であってもよい。例えば、濃淡が10段階で設定された色が、トップタイプであれば濃い色ほど高確率で選択され、ミドルタイプであれば中間の色が最も選択され、中間色より濃くなったり、淡くなったりする色ほど選択されにくく、ボトムタイプであれば淡い色ほど高確率で選択される設定とし、いずれのタイプであるか明確には判らないものの、設定示唆情報としての色を確認して推測可能にするなど、タイプおよび確率設定状態の少なくともいずれかを示唆する情報としてもよく、この場合に、色に限らず、タイプ毎又はキャラクタ毎に選択率の異なる複数種類のキャラクタであってもよく、所定のキャラクタの種類がタイプに対応し、確率設定状態に対応してキャラクタの大きさが変化するようにしてもよい。
また、装飾図柄表示装置479に表示される設定示唆情報は、特別図柄抽選によって実行される変動表示の一部によって構成してもよく、変動表示における図柄の種類によって設定示唆情報を表示してもよく、例えば、確率設定状態として遊技者にとって有利な確率設定ほど、特定の図柄(例えば、「7」の数字を含む図柄)が選択されやすくしたり、「1」から「9」の数字を含む図柄のうち大きな数字を含む図柄が選択され易いようにしてもよい。ここで、設定示唆情報が出力される回数は、1回に限らず、1回の設定示唆情報の出力条件の成立によってS1606の処理を複数回繰り返し、複数の設定示唆情報が出力されるようにしてもよく、例えば、1回の設定示唆情報の出力条件の成立によって毎回決められた複数回(例えば、2回)の情報出力としてもよいし、抽選によって出力される回数が異なるようにしてもよく、或いは、設定示唆情報の出力条件が成立した段階における遊技の状況に応じて回数が異なるようにしてもよい。この場合において、遊技者が発射停止をせずに発射を継続した場合ほど、設定示唆情報が表示される回数が多くなるように構成することは好ましく、例えば、変動表示の実行が保留されている回数が多いほど、設定示唆情報が出力される回数を多くしてもよく、又は、変動表示の実行が上限まで保留されている状況で更に始動入賞が発生した回数を計数し、その回数に対応して当該回数が多いほど設定示唆情報の表示回数が多くなるようにしてもよい。
なお、S1606の処理により実行される設定示唆情報の出力は、所定の表示部への表示出力である必要は必ずしもなく、音響装置281,282からの特定の音声出力(例えば、他の状況では出力されない「キュイン」という高い音)や、盤面発光装置490や枠発光装置271〜275による特定の光の発光(例えば、他の状況では発光しない虹色の発光)または、少なくとも一部分が他の状況では常時発光される発光部分の一定時間以上の消灯などであってもよい。かかる場合、盤面発光装置490による光の発光または消灯を利用して、発射装置330により遊技球が発射されるタイミングで遊技盤400Xの盤面を数秒程度(例えば、1秒程度)消灯した後に再度発光させることで、所謂「遅れ演出」を行うようにしてもよい。
なお、S1606の処理により実行される設定示唆情報の出力は、所定の表示部への表示出力である必要は必ずしもなく、音響装置281,282からの音声出力や、盤面発光装置490や枠発光装置271〜275による光の発光などであってもよい。また、S1606の処理において、設定示唆情報を出力するか否かを抽選によって決定するなど他の条件の成立を設定示唆情報を出力する条件としてもよく、S1606の処理が実行された場合の所定確率(例えば、略10分の1の確率)で設定示唆情報が出力されるようにしてもよい。
設定示唆情報関連処理S2021では、一般入賞装置2439A,2439Bへの遊技球の進入について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する判定処理S1602を行う。具体的に、判定処理S1602においては、一般入賞装置2439Aまたは一般入賞装置2439Bのうち、予め定められた1の一般入賞装置(例えば、一般入賞装置2439B)に遊技球が進入した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。一般入賞装置2439A,2439Bへの遊技球の進入について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合(S1602:Y)、設定示唆情報の出力が実行される(S1606)。
また、設定示唆情報関連処理S2021では、始動入賞(始動条件)の発生間隔について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する判定処理S1603を行う。具体的に、判定処理S1603においては、所定の遊技期間中(例えば、通常遊技状態において発射装置330から遊技球が発射されている発射操作の期間中)に、第1特別図柄または第2特別図柄の始動入賞(すなわち、中始動入賞装置2431または右始動入賞装置2432への遊技球の入賞)が発生してから、予め決められた所定の期間(例えば、60秒)が経過しても新たな特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動条件が成立しない状況が発生した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。始動入賞の発生間隔について設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合(S1603:Y)、設定示唆情報の出力が実行される(S1606)。
始動入賞の発生間隔(すなわち、最後に発生した始動入賞からの経過時間)は、副制御基板940に設けられた所定のタイマまたはカウンタを用いて計測される。具体的に、副制御基板940は、当該副制御基板940に設けられた所定のタイマまたはカウンタを用い、各特別図柄の始動入賞が発生したことに基づき主制御基板920から送信された所定のコマンド(例えば、保留コマンド)の受信タイミングの間隔を、始動入賞の発生間隔として計測する。あるいは、主制御基板920に設けた所定のタイマまたはカウンタを用いて、最後に発生した始動入賞からの経過時間を計測し、その計測結果を副制御基板940に送信する構成であってもよい。
なお、判定処理S1603においては、所定の遊技期間中に、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動条件が成立してから、所定の期間が経過しても新たな特別図柄の始動条件が成立しない状況が、所定の監視期間内(例えば、最初に当該状況が発生してから1時間以内)に所定の回数(例えば、5回)発生した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定してもよい。あるいは、所定の遊技期間中に、特別図柄の始動条件が成立してから、所定の期間が経過しても新たな特別図柄の始動条件が成立しない状況が、所定の監視期間内に少なくとも1回発生し、かつ、特別図柄の始動条件が成立してから新たな特別図柄の始動条件が成立しない期間の累計が当該監視期間内において所定値(例えば、10分)に達した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定してもよい。また、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動条件が成立してから、所定の期間(例えば、2秒)が経過するまでに新たな特別図柄の始動条件が成立した回数が所定の回数(例えば、4回)発生した場合に、設定示唆情報の出力条件の成立と判定するなど、特別図柄の始動条件が短期間で多数回成立した場合に設定示唆情報の出力条件が成立すると判定してもよい。
上述したように、設定示唆情報関連処理S2021の判定処理S1601〜S1603においては、設定示唆情報の出力条件として、遊技盤400Xに設けられた所定の入賞装置(例えば、一般入賞装置2439A,2439B、中始動入賞装置2431、右始動入賞装置2432)への遊技球の進入に関する種々の所定の条件について、当該条件が成立したか否かの判定を行う。そして、当該所定の条件が成立した場合に、S1606の処理により設定示唆情報の出力が実行される。
また、図19に示すように、設定示唆情報関連処理S2021では、特別遊技状態である場合に(S1604:Y)、特別遊技状態における設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する判定処理S1605を行う。具体的に、判定処理S1605においては、特別遊技状態中に、球溢れスイッチ249から貯留部241に過剰に遊技球が貯留されていることを示す球溢れ信号を受信した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する。特別遊技状態における設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合(S1602:Y)、設定示唆情報の出力が実行される(S1606)。
ここで、特別遊技状態中において、球溢れスイッチ249から貯留部241に過剰に遊技球が貯留されるには、球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)がされず放出口241Bが閉鎖された状況が一定時間以上継続しなければならず、この球抜き操作は遊技者の意思によって実行するかしないかを選択することができる。このため、常に放出口241Bを開放させているような状況では、設定示唆情報の出力条件が成立せず、球溢れ信号の出力が設定示唆情報の出力条件となっていることを知っている遊技者に限定して、容易に、設定示唆情報の出力条件を成立し易くすることができる。これにより、一部の遊技者に対して直接的には価値を得ることのできない間接的な特典を付与するなどの新たな遊技性を付加することができ、また、発射操作とは別の操作部を利用して遊技者が設定示唆情報を獲得する新たな遊技性を付加することができる。
なお、判定処理S1605においては、特別遊技状態中に、上大入賞装置2433または下大入賞装置2434に遊技球が進入する速度が所定値以上(例えば、少なくとも1の所定のラウンドにおいて8秒で8個の遊技球が大入賞装置2433,2434)に進入した場合や、特別遊技状態中に確変遊技状態の継続回数が所定回数(例えば、10回)に達した場合などに、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成であってもよい。また、遊技者の意思によって実行するかしないかを選択することが可能な操作として、所定のラウンドにおいて大入賞装置2433,2434に遊技球を全く進入しないように発射操作を停止する、特別遊技状態において左打ち遊技手法を行って中始動入賞装置2431の始動入賞を発生させるなど、一部の賞球の獲得機会を失う発射操作をすることで、遊技者が設定示唆情報を獲得する新たな遊技性を付加してもよい。
したがって、上述した設定示唆情報関連処理S2021においては、予め決められている各種の設定示唆情報の出力条件が成立した場合に、S1606の処理により設定示唆情報の出力が実行される。
釘状態レベルは、釘411の状態が、パチンコ機100の製造時における設定に対して適切であるか不適切であるかを、段階的なレベルで表した情報であるので、その値が「2」以上である場合、釘411が適切な状態から外れ、それにより、遊技者に不利益が生じる可能性がある。
同様に、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の始動入賞が発生してから、予め決められた所定の期間(例えば、60秒)が経過しても新たな特別図柄の始動条件が成立しない状況が発生する場合、釘411の状態など、特別図柄の始動入賞(すなわち、中始動入賞装置2431または右始動入賞装置2432への遊技球の入賞)の発生に係る異常があり、それにより、遊技者に不利益が生じる可能性がある。
これらに対し、判定処理S1601または判定処理S1603において釘状態レベルまたは始動入賞の発生間隔について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定し、成立すると判定されたことを条件として設定示唆情報を出力させることで、遊技者に本パチンコ機100における遊技球の出球率(機械割、ペイアウト率)が低い状況であることを示唆することができ、それにより、本パチンコ機100による遊技の継続の有無を判断する材料を増やして遊技者に好適に判断させることができる。
また、一般入賞装置2439Bには、特別遊技状態や時短遊技状態や確変遊技状態において右打ち遊技手法により遊技を行った場合に、右始動入賞装置2432や上大入賞装置2433に進入しなかった遊技球が進入する。よって、一般入賞装置2439Bに遊技球が進入した場合に判定処理S1602において設定示唆情報の出力条件が成立すると判定し、当該成立を条件として設定示唆情報を出力させることで、右打ち遊技手法により遊技を行う場合に、目的とする右始動入賞装置2432や上大入賞装置2433に遊技球が進入せずとも、遊技球が一般入賞装置2439Bに進入する楽しみを遊技者に与えることができる。
また、特別遊技状態中に球溢れ信号を受信することは、特別遊技状態中に一定以上の多くの遊技球を獲得できたことを示す。よって、特別遊技状態中に球溢れ信号を受信した場合に判定処理S1605において設定示唆情報の出力条件が成立すると判定し、当該成立を条件として設定示唆情報を出力させることで、特別遊技状態中に所定の条件が成立した場合の特典として設定示唆情報を遊技者に与えることができる。
また、本実施形態のパチンコ機100では、特別図柄関連処理S1217にて特別図柄(第1特別図柄、第2特別)に係る単位遊技において行われる特別図柄および装飾図図柄の変動表示時間(変動時間)が、現在設定されている遊技態様に対応して選択可能に構成される。
具体的に、選択可能な複数種類の変動表示時間に対し、設定可能に予め定められた遊技態様を予め割り当て、遊技態様に対応して変動表示時間を変化させるか否かを抽選する抽選に当選した場合に、現在設定されている遊技態様に対し割り当てられている変動表示時間の変動パターンを選択する。設定可能に予め定められた遊技態様に対し選択可能な種々の変動表示時間の変動パターンは、主制御基板920のROMにテーブルとして予め格納されている。
なお、設定可能に予め定められた遊技態様に対する変動表示時間の割り当ては、遊技態様のタイプ毎など、2以上の遊技態様に対して同じ変動表示時間が割り当てられる構成であってもよいし、設定可能に予め定められた各段階の遊技態様のそれぞれに対し各々異なる変動表示時間が割り当てられる構成であってもよい。
また、現在設定されている遊技態様に基づく変動パターンの選択は、対応する各特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)の抽選結果が当選である場合に限って行われる構成であってもよいし、対応する各特別図柄抽選の抽選結果が当選でない場合に限って行われる構成であってもよい。
特別図柄関連処理S1217において、現在設定されている遊技態様に対し割り当てられている変動表示時間の変動パターンが選択されることで、現在設定されている遊技態様に応じた変動表示時間の変動表示が実行される。これにより、遊技者は、装飾図柄の変動表示の長さに応じて、設定されている遊技態様の種類を推測する(認識する)ことができる。
なお、設定可能に予め定められた遊技態様に対する変動表示時間の割り当ては、設定可能に予め定められた各段階の遊技態様のうち、最も有利である遊技態様(例えば、各タイプの第3段確率の遊技態様)が、設定可能に予め定められた遊技態様に対し選択可能な種々の変動表示時間のうち、長い変動表示時間が選択され易くしてもよい。有利である遊技態様に対する変動表示時間を長くすることで、遊技者は、装飾図柄の変動表示の時間の長さにも注意して遊技を行い、最も有利である遊技態様が設定されていることを期待することができる。
また、設定可能に予め定められた遊技態様の有利度が高いほど、長い変動表示時間が割り当てられる構成であってもよい。これにより、遊技者は、装飾図柄の変動表示の長さに応じて、設定されている遊技態様の有利度を推測することができる。
次に、以上説明した本実施形態のパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、所定の条件が成立した場合に、現在設定されている遊技態様に対応する設定示唆情報が表示出力されるので、遊技者は、それを視認することで本パチンコ機100における現在の遊技態様の種類、すなわち、遊技球の出球率(機械割、ペイアウト率)を好適に認識することが可能となる。
また、現在設定されている遊技態様に応じた変動表示時間の変動パターンが選択されるので、遊技者は、装飾図柄の変動表示の長さに応じて、設定されている遊技態様の種類を好適に認識し得る。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)計数期間
上記実施形態においては、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された後に計数無効期間を設けることで、当該計数無効期間に一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を一般入賞数として計数しない構成とした。この場合、連続投入の検出に利用した遊技球は、一般入賞数カウンタにより一般入賞数として計数されているが、連続投入が検出された場合に、一般入賞数カウンタから、かかる検出に利用した遊技球の数だけ値を差し引く構成としてもよい。
上記実施形態においては、S1401の判定基準となる「計数期間」となり得る期間についていくつか例示したが、本実施形態のパチンコ機100のように、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が、中央構造体420に対して右下側に配置されている場合、上記例示に代えて、または、上記例示に加えて、通常遊技状態が開始されたことを計数開始条件とし、通常遊技状態が終了するまでの期間を前記「計数期間」としてもよい。
一般入賞装置439A,439Bのうち、中始動入賞装置431A,431Bに対して左側に配置された一般入賞装置439Aには、左打ち遊技手法によってのみ遊技球が進入(入賞)可能であるのに対し、中始動入賞装置431A,431Bに対して右側に配置された一般入賞装置439Bには、左打ち遊技手法または右打ち遊技手法のいずれによっても遊技球が進入(入賞)可能である。ここで、本実施形態のパチンコ機100は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右下側に配置されているので、特別遊技状態において、遊技者は右打ち遊技手法によって遊技を行う。そのため、特別遊技状態中に遊技球が一般入賞装置439Bに進入したことで、一般入賞数カウンタによって計数される一般入賞数、および、そのように計数された一般入賞数に基づき算出された釘状態レベルが、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を適切に反映しない値となる可能性がある。
これに対し、通常遊技状態が開始されたことを計数開始条件とし、通常遊技状態が終了するまでの期間を前記「計数期間」とすることで、特別遊技状態中に一般入賞装置439Bに進入した遊技球を計数対象から好適に除外することが可能となる。よって、一般入賞数カウンタによって計数される一般入賞数、および、そのように計数された一般入賞数に基づき算出された釘状態レベルを、一般入賞装置439A,439Bの入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411の状態を適切に反映した値として精度良く取得することが可能となる。
なお、通常遊技状態の開始は、例えば、外部端子板580からの信号の出力状態に基づいて判定できる。具体的に、例えば、特別遊技状態中であることを示す信号が外部端子板580から出力されなくなった場合に、通常遊技状態が開始されたと判定できる。
あるいは、本実施形態のパチンコ機100のように、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が、中央構造体420に対して右下側に配置されている場合には、特別遊技状態中に左打ち遊技手法が行われている可能性は低い。よって、発射ハンドル252の回転操作量に基づいて、左打ち遊技手法が行われているか否かを判定し、左打ち遊技手法が行われている場合を通常遊技状態であるとしてもよい。
上記実施形態においては、前ブロック102が開放状態である期間を「計数無効期間」の一例として例示したが、前ブロック102が閉鎖状態である期間を「計数無効期間」としてもよい。また、前ブロック102が閉鎖状態であり、かつ、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された場合における、以降の所定期間を「計数無効期間」としてもよい。前ブロック102が閉鎖状態であり、かつ、一般入賞装置439A,439Bへの遊技球の連続投入が検出された場合における、以降の所定期間を「計数無効期間」とすることで、例えば、遊技領域の一部に遊技球が滞留した球詰まり状態が発生し、その球詰まり状態によって遊技領域の一部における遊技球の流下が不能となることで一般入賞装置439A,439Bに連続して遊技球が進入してしまう状況が発生した場合に、これら遊技球の少なくとも一部の進入について一般入賞数カウンタが更新されないようにすることができる。これにより、球詰まり状態で遊技者が遊技球を発射し続け、一般入賞装置439A,439Bへ不正に遊技球を連続して進入させた場合に対して、一般入賞数カウンタの更新としては、それらの遊技球の一部を除いた遊技球の進入数に対応させることができる。よって、パチンコ機100の性能が設計値通りであるか否かをより適切に計数することができる。また、不正に磁石を利用して一般入賞装置439A,439Bに連続して遊技球を進入させる不正行為が行われた場合にも、それら遊技球の少なくとも一部の進入について一般入賞数カウンタが更新されないようにすることができ、パチンコ機100の性能をより適切に評価することができる。
(2)S1502において算出する値
上記実施形態においては、S1502において、一般入賞数カウンタの値を発射球数カウンタの値で除した値(すなわち、一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)を算出する構成としたが、除数(割る方)とする値は、発射装置330から遊技領域内に発射された遊技球の数が増加に応じて増加する値であれば、必ずしも、発射球数(すなわち、発射球数カウンタにより計数される値)である必要はない。
例えば、計数期間中や電源部901から電力が供給されている全期間中など、所定の期間中における、第1特別図柄および/または第2特別図柄の変動表示回数や、普通図柄の表示回数や、特別遊技状態の発生回数などを、一般入賞数カウンタの値(被除数)に対する除数として採用してもよい。あるいは、発射装置330から発射された遊技球数を計数し、当該計数された遊技球数、または、当該遊技球数から、発射装置330から発射されたが遊技領域に到達できない遊技球数として予め定められている値を差し引いた値を、一般入賞数カウンタの値(被除数)に対する除数として採用してもよい。
(3)S1503において算出する釘状態レベル
上記実施形態においては、釘状態レベルを3段階に区分する場合を例示したが、必ずしも、釘状態レベルの区分が3段階である必要はない。例えば、釘状態レベルは、少なくとも、釘411の状態が適切であることを示す区分と、釘411が適切な状態から外れている可能性があることを示す区分との2段階に区分する構成としてもよい。また、釘状態レベルを4段階以上に区分する構成としてもよい。
上記実施形態においては、釘411が適切な状態から外れている可能性があることを示す区分を2区分に細分化する一方で、釘411の状態が適切であることを示す区分は細分化されることなく1区分とする場合を例示したが、釘411の状態が適切であることを示す区分を2区分以上に細分化する構成としてもよい。
上記実施形態においては、釘411の状態が適切であることを示す釘状態レベルを最小値である「1」とし、釘411が適切な状態から外れている可能性が高い程、釘状態レベルが大きくなる構成としたが、釘411の状態が適切であることを示す釘状態レベルを最大値とし、釘411が適切な状態から外れている可能性が高い程、釘状態レベルが小さくなる構成としてもよい。
上記実施形態においては、S1502において算出された値(すなわち、一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)から、釘状態レベルを算出する構成としたが、一般入賞数カウンタの値から釘状態レベルを算出する構成としてもよい。つまり、発射球数カウンタの値を用いることなく、釘状態レベルを算出する構成としてもよい。
(4)上記実施形態においては、前ブロック102が開放状態であることを条件として、S1502およびS1503の処理を行う構成としたが、S1502の処理、または、S1502およびS1503の処理を、前ブロック102の状態に関わらずに行う構成としてよい。
(5)S1504における釘状態レベルの出力先
上記実施形態においては、釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に表示出力する構成としたが、必ずしも、釘状態レベルの出力先が釘状態レベル表示装置474のような表示装置である必要なない。例えば、釘状態レベルの出力先を管理装置(例えば、所謂「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理装置)や携帯可能な端末装置などとし、S1504において、釘状態レベルを示すデータを管理装置や端末装置に送信する構成としてもよい。あるいは、釘状態レベルの出力先をプリンタなどの印刷装置とし、S1504において、釘状態レベルを示す印刷データを印刷装置に出力し、当該印刷装置に釘状態レベルを印刷させる構成としてもよい。あるいは、釘状態レベルの出力先をスピーカなどの音声出力装置とし、S1504において、釘状態レベルを示す音声データを音声出力装置に出力し、当該音声出力装置から釘状態レベルを示す音声を出力させる構成としてもよい。
上記実施形態においては、釘状態レベルの出力先として、7セグメント表示器により構成される釘状態レベル表示装置474を例示したが、釘状態レベル表示装置474が必ずしも7セグメント表示器により構成される必要はない。例えば、釘状態レベル表示装置474が、LCDのような、種々の画像を表示可能な表示装置から構成されてもよい。
上記実施形態においては、釘状態レベルの表示を専用で行う表示装置(すなわち、釘状態レベル表示装置474)を釘状態レベルの出力先として設ける構成としたが、釘状態レベルの出力先は、必ずしも専用の表示装置である必要はなく、他の用途に用いられる表示装置が釘状態レベルの表示装置としても機能するよう構成してもよい。例えば、装飾図柄表示装置479に釘状態レベルを表示する構成としてもよい。
ここで、釘状態レベルを装飾図柄表示装置479に表示する場合、釘状態レベルの表示箇所は、装飾図柄表示装置479の角部側であることが好ましい。釘状態レベルを装飾図柄表示装置479の角部側に表示することで、表示された釘状態レベルを目立ち難くすることができる。よって、装飾図柄表示装置479に表示された釘状態レベルを遊技者に認識させ難くすることができるので、遊技とは無関係の情報(すなわち、釘状態レベル)が表示されたことで、遊技に対する不信感を遊技者に抱かせることを好適に抑制できる。
また、釘状態レベルを装飾図柄表示装置479に表示する場合、第1特別図柄の変動表示の実行中に釘状態レベルを表示する構成としてもよい。これにより、釘状態レベルを確認する者(例えば、遊技機の検査機関の構成員などの外部者)は、遊技者による遊技中において(すなわち、前ブロック102を開放することなく)、釘状態レベルを確認することができる。釘状態レベルを、前ブロック102が開放状態である場合に釘状態レベル表示装置474に表示することに代えて、第1特別図柄の変動表示の実行中などの所定の時期に装飾図柄表示装置479に表示する構成としてもよい。
上記実施形態においては、釘状態レベル表示装置474を、前ブロック102が中間ブロック103に対して開放された状態において視認可能となる位置に設ける構成としたが、釘状態レベル表示装置474の設置位置は、必ずしも上記例示した場所である必要はない。例えば、遊技中の遊技者に視認できない位置(例えば、パチンコ機100の裏側)に釘状態レベル表示装置474を設ける構成としてもよい。すなわち、釘状態レベル表示装置474は、中間ブロック103の裏面側から視認可能な位置であって、主制御基板920、払出制御基板930又は副制御基板940のいずれかに設けてもよい。
(6)S1504において表示される釘状態レベルの表示内容
上記実施形態においては、S1503において算出された釘状態レベルの数値を釘状態レベル表示装置474に表示する構成としたが、釘状態レベルを示す情報であれば、必ずしも、釘状態レベルを示す表示内容(出力内容)が数値である必要はない。例えば、釘状態レベル表示装置474が、例えば、LCDから構成される場合、S1503により算出された釘状態レベルを、数字として表示しても、各数値に対応する記号や文字や図形などで表示しても、各数値に応じた、丸や四角などの図形の個数や、各数値を示すバーコード(例えば、二次元バーコード)などの形態で表示してもよい。
上記実施形態においては、S1503において算出された釘状態レベルの数値を釘状態レベル表示装置474に表示する構成としたが、S1502において算出された値を7セグメント表示器やLCDなどの表示装置に表示する構成としてもよい。つまり、S1503の処理を省略する構成としてもよい。
上記実施形態においては、S1503において算出された釘状態レベルの数値を釘状態レベル表示装置474に表示する構成としたが、S1503において算出された数値、または、S1502において算出された値を、所定の演算に基づき暗号化した情報を7セグメント表示器やLCDなどの表示装置に表示する構成としてもよい。暗号化された情報を表示することにより、遊技とは無関係の情報(すなわち、釘状態レベルなど)が表示されていると遊技者に認識させ難くすることができる。これにより、遊技者に遊技に対する不信感を抱かせることを好適に抑制できる。
上記所定の演算は、固定的な演算式によって行われる構成としてもよいし、定期的(例えば、1時間毎)、または、所定のタイミング(例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタが所定値となったタイミング)で所定のパターンに基づいて変更される演算式によって行われる構成としてもよい。なお、当該演算式は、固定的なものであるか、可変的なものであるかにかかわらず、暗号化された情報を確認する者(例えば、遊技機の検査機関の構成員などの外部者)がデコード可能に知らされていることが好ましい。
(7)釘状態レベルの出力時期
上記実施形態においては、前ブロック102が開放状態である場合に釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に表示出力する構成としたが、釘状態レベルの表示時期としては、必ずしも、前ブロック102が開放状態である場合である必要はない。例えば、釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に常時表示させる構成としてもよい。また、前ブロック102が開放され、かつ、所定の操作が入力された場合に、釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に表示させる構成としてもよい。あるいは、端末装置や管理装置などから送信された出力要求をパチンコ機100が受信した場合に、釘状態レベルを釘状態レベル表示装置474に表示させる、または、出力要求の送信元の端末装置や管理装置などに釘状態レベルを示すデータを出力する構成としてもよい。
(8)上記実施形態においては、計数の対象とする入賞装置を、進入したことで賞球が付与されるが、大当り抽選とは無関係であるとともに、進入確率を変化可能な可動片も設けられていない一般入賞装置439A,439Bに限る構成としたが、始動入賞装置431A,431B,432のように進入したことで大当りの抽選が行われる入賞装置や、進入確率を変化可能な可動片が入口部分に設けられた右始動入賞装置432などを計数の対象とし、各入賞装置について釘状態レベルを算出する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、複数の一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する複数の一般入賞スイッチ449A,449Bを別々に設ける構成について説明したが、複数の一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球の通路を下流側にて合流する構成とし、共通の入賞スイッチによって一般入賞数を計数してもよい。また、一般入賞数の計数に用いる入賞スイッチは、賞球の払い出しに用いられるスイッチであってもよいし、賞球の払い出しに用いられるスイッチとは別に設けてもよい。
また、上記実施形態においては、複数の一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する複数の一般入賞スイッチ449A,449Bに対して、一般入賞数をまとめて計数する構成としたが、一般入賞数カウンタを、複数の一般入賞スイッチ449A,449Bに対応して別々に設け、一般入賞数や、釘状態レベルとして、複数の一般入賞装置439A,439Bに対して別々に表示してもよい。この場合に、入賞数カウンタによって入賞数を計数するための入賞スイッチは、特定の遊技手法(例えば、左打ち遊技手法)が行われた場合に、当該遊技手法によってのみ遊技球が進入可能となる入賞装置(又は入賞口、例えば、一般入賞装置439A)と、別の遊技手法(例えば、右打ち遊技手法)によって遊技球が進入可能となる入賞装置(又は入賞口、例えば、一般入賞装置439B)とに対して別々に設けることが好ましく、これにより、各入賞装置の入賞口の入口やその近傍に設けられた釘411等の遊技球の流下に影響する部材の配置状態を適切に反映した値として一般入賞数及び釘状態レベルを精度良く取得することが可能となる。
また、上記実施形態においては、1の計数期間に対して一般入賞数を計数して釘状態レベルを表示する構成について説明したが、複数の計数期間に対して別々に一般入賞数を計数する構成としてもよい。例えば、一般入賞数カウンタを、複数の遊技状態(例えば、通常遊技状態と、特別遊技状態)に対応して別々に設け、一般入賞数や、釘状態レベルとして、各遊技状態に対応して別々に表示してもよい。
(9)上記実施形態においては、一般入賞数および発射球数の計数をパチンコ機100(より詳細には、主制御基板920)にて行う構成としたが、計数期間中に一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球数、および、計数期間中における発射球数を管理装置が取得可能な構成とし、当該管理装置において釘状態レベルを算出する構成としてもよい。
(10)上記実施形態においては、発射球数カウンタ及び一般入賞数カウンタ等の釘状態レベルに関する情報は、電源部901からバックアップ電圧が供給され、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な保存情報を記憶する主制御基板920のRAMに記憶され、所定のスイッチ(図示せず)を操作することでRAMの保存情報を消去した場合に、発射球数カウンタ及び一般入賞数カウンタの記憶内容が消去される場合について説明したが、保存情報とは、記憶内容が消去される方法が異なるものとしてもよい。例えば、所定のスイッチ(図示せず)を操作することでRAMの保存情報を消去しても、発射球数カウンタ及び一般入賞数カウンタの値は消去されず、保存情報を消去する場合とは別の特定の操作が行われた場合に限って消去される構成としてもよい。例えば、所定のスイッチを一定時間以上長く押した場合、所定の通信機器によって消去操作を実行した場合、所定の鍵による消去操作を実行した場合(例えば、主制御基板920に鍵操作により回動可能なスイッチを設けた場合)、所定の消去可能操作を実行した場合(例えば、前ブロック102の発射ハンドル252の回転操作量を最大にした状態で、所定のスイッチ(図示せず)による保存情報の消去操作を実行した場合)等が例示される。また、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な保存情報とは別の記憶媒体(例えば、フラッシュメモリやICチップ)に記憶される構成としてもよく、当該保存情報より長時間にわたって情報を記憶可能な記憶媒体をパチンコ機100(例えば、主制御基板920)に設けて、当該記憶媒体に発射球数カウンタ及び一般入賞数カウンタ等の釘状態レベルに関する情報を記憶することが好ましい。
(11)第2実施形態に係るパチンコ機100の変形例
上記第2実施形態においては、遊技場の管理者等の設定変更者がパチンコ機100に設けられたスイッチ(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)を操作することで出球率の設定変更(すなわち、遊技態様の設定変更)を行う構成とした。これに代えて、パチンコ機100と通信可能な外部装置(例えば、所謂「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理装置)や携帯端末装置(携帯可能な端末装置)が、遊技態様を次の遊技態様に変更する指示に対応する信号、または、設定する遊技態様を示す情報を通信によってパチンコ機100に入力する構成としてもよい。
上記第2実施形態においては、判定処理S1601において、S1503の処理にて算出された釘状態レベルについて設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成としたが、これに代えて、判定処理S1601において、S1502の処理にて算出した値、すなわち、(一般入賞数カウンタの値/発射球数カウンタの値)について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成としてもよい。また、判定処理S1601において、所定の期間(例えば、1時間)において計数された一般入賞数カウンタの値について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成としてもよい。
あるいは、第1特別図柄および/または第2特別図柄の変動表示回数や、普通図柄の表示回数や、特別遊技状態の発生回数などを、一般入賞数カウンタの値(被除数)に対する除数として採用した場合に、一般入賞数カウンタの値を当該除数で序した値について、判定処理S1601において設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。
また、発射装置330から発射された遊技球数を計数し、当該計数された遊技球数、または、当該遊技球数から、発射装置330から発射されたが遊技領域に到達できない遊技球数として予め定められている値を差し引いた値を、一般入賞数カウンタの値(被除数)に対する除数として採用した場合に、一般入賞数カウンタの値を当該除数で序した値について、判定処理S1601において設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。
上記第2実施形態においては、判定処理S1601において、釘状態レベルが「2」以上である場合に設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成としたが、釘状態レベルが「1」である場合など、釘411が適切な状態である可能性が高いことを示す値である場合に設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成としてもよい。
上記第2実施形態においては、判定処理S1602において、一般入賞装置2439A,2439Bへの遊技球の進入について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成としたが、一般入賞装置2439A,2439Bだけでなく、中始動入賞装置2431などの始動入賞装置を含む入賞装置への遊技球の進入について設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。
上記第2実施形態においては、一般入賞装置2439Aまたは一般入賞装置2439Bのうち、予め定められた1の一般入賞装置(例えば、一般入賞装置2439B)に遊技球が進入した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成を例示したが、予め定められた1の一般入賞装置に予め決められた所定の個数(例えば、5個)の遊技球が進入した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成としてもよい。
上記第2実施形態においては、一般入賞装置2439Aまたは一般入賞装置2439Bのうち、予め定められた1の一般入賞装置(例えば、一般入賞装置2439B)に遊技球が進入した場合に、設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成を例示したが、一般入賞装置2439Aまたは一般入賞装置2439Bのいずれに遊技球が進入した場合においても設定示唆情報の出力条件が成立すると判定する構成であってもよい。つまり、予め決められた複数の(2以上の)入賞装置のいずれかに遊技球が進入した場合に、判定処理S1601において設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。また、予め決められた複数の(2以上の)入賞装置の両方に遊技球が進入した場合に、判定処理S1601において設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。
また、予め決められた複数の入賞装置に予め決められた所定の順序で(例えば、一般入賞装置2439B、一般入賞装置2439Aの順で)遊技球が進入した場合に、判定処理S1601において設定示唆情報の出力条件が成立するか否かを判定する構成であってもよい。つまり、予め決められた入賞装置が複数設けられている場合に、これら複数の入賞装置への遊技球の進入だけでなく、当該進入の順序を設定示唆情報の出力条件の要件として含める構成としてもよい。これにより、遊技者は、予め決められた複数の入賞装置に予め決められた所定の順序で遊技球を進入させた特典として設定示唆情報を得ることができる。よって、遊技者は、予め決められた複数の入賞装置に予め決められた所定の順序で遊技球を進入させる遊技を楽しむことができる。
上記第2実施形態においては、特別遊技状態中において、遊技者の意思によって実行するかしないかを選択することが可能な操作によって設定示唆情報の出力条件を成立させることが可能な場合について説明したが、これに限らず、他の操作によって設定示唆情報の出力条件を成立させる構成としてもよい。例えば、左打ち遊技手法によって遊技を行うことで遊技者にとって有利となる通常遊技状態において、左打ち遊技手法とは別の右打ち遊技手法を行った場合に設定示唆情報の出力条件が成立し易くしてもよく、この場合には、例えば、役連作動装置435などの右打ち遊技手法で発射された遊技球が高確率(略50%以上が好ましく、略70%以上が好適)で通過可能な領域とすることは遊技者が設定示唆情報の出力条件を容易に成立させることができて好ましく、また、他の機能が付加された領域であって通常遊技状態において使用されない領域を遊技球が通過することを設定示唆情報の出力条件とすることは部品点数を抑えつつ当該領域を高確率で遊技球が通過可能に設定し易くすることができて好ましい。また、通常遊技状態において球溢れスイッチ249から貯留部241に過剰に遊技球が貯留されていることを示す球溢れ信号を受信した場合に設定示唆情報の出力条件の成立とし、遊技球の貸し出し操作を行った遊技者が球抜き操作部材232(図1参照)を操作して球溢れスイッチ249から貯留部241に過剰に遊技球が貯留されるように積極的な操作をすることによって設定示唆情報を獲得する遊技性を付加してもよい。
上記第2実施形態においては、設定示唆情報関連処理S2021において、判定処理S1601,S1602,S1603,S1605のうち、いずれか1の判定処理において設定示唆情報の出力条件が成立すると判定されると、設定示唆情報の出力が実行される構成としたが、複数の判定処理において設定示唆情報の出力条件の一部が個別に設定され、全ての条件が成立した場合に設定示唆情報の出力条件が成立したとして設定示唆情報の出力が実行される構成としてもよい。例えば、判定処理S1601,S1602,S1603,S1605の全てにおいて各々の設定示唆情報の出力条件が成立すると判定された場合に、設定示唆情報の出力が実行される構成であってもよい。
上記第2実施形態においては、特別図柄(第1特別図柄、第2特別)に係る単位遊技において行われる特別図柄および装飾図図柄の変動表示時間(変動時間)が、現在設定されている遊技態様に対応して選択可能である構成としたが、装飾図柄表示装置479にて装飾図柄が変動表示される期間内に設定された所定の操作可能期間中に押圧操作装置261が操作された場合に現出する所定の示唆演出の演出時間が、現在設定されている遊技態様に対応して選択可能である構成としてもよい。なお、「示唆演出」とは、装飾図柄表示装置479において装飾図柄が確定表示された後の特別遊技状態への遷移しやすさの程度(または期待度)を示唆する演出である。
上記第2実施形態においては、遊技態様に対応して変動表示時間を変化させるか否かを抽選する抽選に当選した場合に、現在設定されている遊技態様(すなわち、その時点において主制御基板920のRAMに格納されている設定対応情報)に対し割り当てられている変動表示時間の変動パターンを選択する構成としたが、遊技態様に対応して変動表示時間を変化させるか否かを抽選する抽選に当選した場合に、主制御基板920のRAMに格納されている設定対応情報を副制御基板940に出力し、副制御基板940において現在設定されている遊技態様に対し割り当てられている変動表示時間の変動パターンを選択する構成であってもよい。また、遊技態様に対応して変動表示時間を変化させるか否かを抽選する抽選を副制御基板940において行う構成であってもよい。
(12)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴10>
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)と、
該遊技領域を視認可能とする視認部を有して遊技領域の前面側を開閉可能に設けられる前面側部材(前ブロック102)と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(発射装置330)と、
前記遊技領域内に設けられ、遊技球が進入可能な入球口(一般入賞装置439A,439Bの入賞口)と、
該入球口に遊技球が進入した場合に遊技価値を付与する遊技価値付与手段(払出制御基板930)と、
を備えた遊技機(パチンコ機100)であって、
前記入球口に進入した遊技球のうち少なくとも前記前面側部材を開放して連続投入した遊技球の一部を除いた遊技球の進入に対応して更新される進入数情報(一般入賞数)を記憶する進入数記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
前記進入数記憶手段に記憶されている前記進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報(釘状態レベル)を少なくとも出力可能な出力手段(釘状態レベル表示装置474)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技球が流下する遊技領域には、遊技球が入賞した場合に遊技球が払い出される入賞口と、その入賞口へ遊技球を導く通路と入賞口に入賞しないでアウト口へ導く通路とを形成する多数の遊技釘が設けられている。多数の遊技釘は、遊技盤の外形を形成する遊技板に打ち込まれて固定される(例えば、特開2008−161638号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては未だ改良の余地があった。例えば、入賞口に入賞した遊技球の計数値などに基づいて、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを適切に判定することが困難な状況が生じる可能性がある。
すなわち、例えば、遊技機に対して工場で出荷前の検査を行う場合に、遊技領域の前面側を開閉可能に設けられる前面側部材を開放し、各入賞口へ遊技球を複数個ずつ連続投入し、その投入に対して制御装置が適切に動作するかを検査すると、各入賞口には、遊技者が遊技を行う場合に遊技球が進入する確率より極めて高確率で遊技球が連続投入されることとなる。かかる連続した入賞口への遊技球の進入を、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを判断するための値として使用してしまうと、適切に遊技機の性能を判定することができない可能性がある。
また、例えば、遊技機が設置された遊技場(ホール)に来店した不正行為者が、遊技領域の前面側を開閉可能に設けられる前面側部材を不正に開放し、特定の入賞口へ遊技球を連続投入してしまう可能性がある。この場合には、遊技機の性能としては設計値通りであるにもかかわらず、当該入賞口への遊技球の入賞が設計値より高くなって設計値通りでないと判定される可能性がある。ここで、大当りに当選するなどの特定の遊技状態にならなければ開放されない入賞口には、不正なタイミングでの遊技球の進入を遊技機の制御により検出し、異常状態に対応した制御をすることも行われ易いが、遊技状態に関わらずに常時遊技球が進入可能な入賞口や、遊技球が進入した場合に当否抽選を受けることなく一定数の遊技球の払い出しなどの一定の遊技価値が付与される入賞口(一般入賞口)に対しては、かかる異常状態が発生しているのか通常の遊技によるものであるかの判定が困難な場合があり、当該入賞口を狙った不正が行われる可能性がある。
また、例えば、遊技機の性能が設計値から逸脱したものに変えられてしまう可能性として、遊技機が設置された遊技場(ホール)に来店して遊技する不正行為者のみならず、遊技場側の関係者が自ら行う可能性もある。例えば、遊技場側が一般入賞口と呼ばれる特定の入賞口の入口に遊技球が全く進入し得ないように改造をすることで、当該入賞口への遊技球の入賞を設計値より低く抑える可能性もある。
そのような不正を行う遊技場では、不正が外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)に検出されることがないよう、種々の対策を図ることが考えられる。例えば、閉店後などの外部者がいない状況で、前面扉を開放し、該当する入賞口に遊技球を遊技場の従業員などの手によって不正に連続投入することで、設計値に対する数値上の帳尻を合わせる可能性がある。この場合、帳尻を合わせた後の値を確認する限りにおいては、外部者が遊技場側の不正を検出できないことになる。
これに対し、特徴10に記載の遊技機であれば、入球口に進入した遊技球のうち少なくとも前面側部材を開放して連続投入した遊技球の進入した遊技球の一部を除いた遊技球に対応して更新される進入数情報が、進入数記憶手段に記憶され、該進入数記憶手段に記憶されている進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報が出力手段から出力される。よって、前面側部材を開放して連続投入した遊技球の少なくとも一部を進入数情報の更新から除外することができるので、進入数情報又は対応情報を利用して、当該入球口への遊技球の進入に関して遊技機の性能が設計値通りであるか否かをより適切に計数することができる。例えば、遊技場の従業員などが、閉店後などに、前面側部材(前面扉)を開放して、入球口(入賞口)に遊技球を不正に連続投入することがあったとしても、そのような不正な連続投入の少なくとも一部は、入球口に進入した遊技球として計数されないので、遊技場側が設計値に対する不正な帳尻合わせを行うことを困難とすることができる。これにより、遊技場側による不正隠しを抑制することができ、外部者が遊技場側の不正を好適に検出することができる。
なお、特徴10に記載の遊技機において、「進入数記憶手段によって記憶される進入数情報」は、必ずしも「前面側部材を開放して」連続投入した遊技球の一部を除いた遊技球の進入に対応して更新されるものとする必要はなく、「前面側部材を開放して」連続投入した遊技球の一部、及び、「前面側部材が閉鎖された状態において」連続して進入した遊技球の一部を除いた遊技球の進入に対応して更新されるとしてもよい。すなわち、特徴10に記載の遊技機における「進入数記憶手段」の記載として、「前記入球口に進入した遊技球のうち少なくとも連続して進入した遊技球の一部を除いた遊技球の進入に対応して更新される進入数情報(一般入賞数)を記憶する進入数記憶手段(主制御基板920のRAM)と、」してもよく、この場合には、前面側部材を開放して入球口に連続投入される遊技球の少なくとも一部の進入について進入数情報が更新されないようにするだけでなく、前面側部材が閉鎖された状態において不正に連続して入球口へ進入した遊技球の少なくとも一部の進入について進入数情報が更新されないようにすることができる。
例えば、遊技領域の一部に遊技球が滞留した球詰まり状態が発生し、その球詰まり状態によって遊技領域の一部における遊技球の流下が不能となることで入球口に連続して遊技球が進入してしまう状況が発生した場合に、これら遊技球の少なくとも一部の進入について進入数情報が更新されないようにすることができる。これにより、球詰まり状態で遊技者が遊技球を発射し続け、入球口へ不正に遊技球を連続して進入させた場合に対して、進入数情報の更新としては、それらの遊技球の一部を除いた遊技球の進入数に対応させることができる。よって、遊技機の性能が設計値通りであるか否かをより適切に計数することができる。また、不正に磁石を利用して入球口に連続して遊技球を進入させる不正行為が行われた場合にも、それら遊技球の少なくとも一部の進入について進入数情報が更新されないようにすることができ、遊技機の性能をより適切に評価することができる。
なお、「連続投入」及び「連続して進入」における「連続」とは、予め定めた時間中に、所定数以上の遊技球が連続して入球口へ進入する場合を含み、遊技球が全く間隔を空けずに連続する場合の他、遊技球が間隔を空けて入球口へ進入する場合を含む。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機であって、
前記遊技領域内に発射された遊技球の数が増加した場合に増加する発射対応数に対応した発射対応数情報(発射球数)を記憶する発射対応数情報記憶手段(主制御基板920のRAM)を備え、
前記出力手段は、前記進入数記憶手段に記憶されている前記発射対応数情報と前記進入数記憶手段に記憶されている前記進入数情報との比率に対応した前記対応情報を出力することを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機であれば、遊技領域内に発射された遊技球の数が増加した場合に増加する発射対応数に対応した発射対応数情報が、発射対応数情報記憶手段に記憶される。進入数記憶手段に記憶されている発射対応数情報と、進入数記憶手段に記憶されている進入数情報との比率に対応した対応情報が、出力手段から出力される。つまり、入球口に進入した遊技球と遊技領域内に発射された遊技球の数とを関連付けた値が、対応情報として、出力手段から出力される。よって、外部者は、遊技機の性能の状態を対応情報から把握しやすく、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを適切に判定することができる。
<特徴12>
特徴10または11に記載の遊技機であって、
図柄または所定の情報を表示可能な表示手段(釘状態レベル表示装置474)を備え、
前記出力手段は、前記前面側部材が開放された場合に、前記進入数情報または前記対応情報を前記表示手段に表示出力することを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機であれば、進入数情報または対応情報は、前面側部材が開放された場合に表示手段に表示出力される。よって、遊技者の遊技中に遊技とは無関係の情報(すなわち、進入数情報または対応情報)が表示手段に表示されることがなく、遊技者に不信感を与えることを抑制できる。
<特徴13>
特徴10から12のいずれかに記載の遊技機であって、
図柄を変動表示可能な略矩形状の表示手段(装飾図柄表示装置479)を備え、
前記出力手段は、前記表示手段に図柄が変動表示されている場合に、該表示手段の角部側に、暗号化された前記進入数情報または暗号化された前記対応情報を表示出力することを特徴とする遊技機。
特徴13に記載の遊技機であれば、進入数情報または対応情報は、出力手段による表示出力は図柄の変動表示中に表示されるので、遊技中に表示されたとしても目立ち難く、遊技者は、遊技とは無関係の情報(すなわち、進入数情報または対応情報)が表示手段に表示されていることを認識し難い。その一方で、遊技機の検査機関の構成員などの外部者は、遊技者による遊技中(より詳細には、図柄の変動表示中)に、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を確認することができる。
特に、進入数情報または対応情報は表示手段における角部側に表示出力されるため、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を、遊技者が遊技とは無関係の情報として認識することを好適に抑制できる。また、表示出力される進入数情報または対応情報は暗号化されているので、それが意味する内容を遊技者が理解することを抑制でき、その点においても、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を、遊技者が遊技とは無関係の情報として認識することを好適に抑制できる。
<特徴20>
遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)と、
該遊技領域を視認可能とする視認部を有して遊技領域の前面側を開閉可能に設けられる前面側部材(前ブロック102)と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(発射装置330)と、
前記遊技領域内に設けられ、遊技球が進入可能な入球口(一般入賞装置439A,439Bの入賞口)と、
該入球口に遊技球が進入した場合に遊技価値を付与する遊技価値付与手段(払出制御基板930)と、
を備えた遊技機(パチンコ機100)であって、
前記入球口に進入した遊技球のうち予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間中に進入した遊技球の進入に対応して更新される進入数情報(一般入賞数)を記憶する進入数記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
前記進入数記憶手段に記憶されている前記進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報(釘状態レベル)を少なくとも出力可能な出力手段(釘状態レベル表示装置474)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技球が流下する遊技領域には、遊技球が入賞した場合に遊技球が払い出される入賞口と、その入賞口へ遊技球を導く通路と入賞口に入賞しないでアウト口へ導く通路とを形成する多数の遊技釘が設けられている。多数の遊技釘は、遊技盤の外形を形成する遊技板に打ち込まれて固定される(例えば、特開2008−161638号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては未だ改良の余地があった。例えば、入賞口に入賞した遊技球の計数値などに基づいて、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを適切に判定することが困難な状況が生じる可能性がある。
すなわち、例えば、遊技機に対して工場で出荷前の検査を行う場合に、遊技領域の前面側を開閉可能に設けられる前面側部材を開放し、各入賞口へ遊技球を複数個ずつ連続投入し、その投入に対して制御装置が適切に動作するかを検査すると、各入賞口には、遊技者が遊技を行う場合に遊技球が進入する確率より極めて高確率で遊技球が連続投入されることとなる。かかる連続した入賞口への遊技球の進入を、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを判断するための値として使用してしまうと、適切に遊技機の性能を判定することができない可能性がある。
また、例えば、遊技機の性能が設計値から逸脱したものに変えられてしまう可能性として、遊技機が設置された遊技場(ホール)に来店して遊技する不正行為者のみならず、遊技場側の関係者が自ら行う可能性もある。例えば、遊技場側が一般入賞口と呼ばれる特定の入賞口の入口に遊技球が全く進入し得ないように改造をすることで、当該入賞口への遊技球の入賞を設計値より低く抑える可能性もある。あるいは、遊技場側が開店前などに入賞口の入口に遊技球が全く進入し得ないようにするか、又は、進入可能とするかを頻繁に改造することで、それぞれの日における入賞口への遊技球の入賞割合(すなわち、入賞のし易さ)を調整する可能性もある。
かかる不正に対する対抗策として、外部者(例えば、遊技機の検査機関の構成員)が、入賞口に入賞した遊技球の計数値などに基づいて、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを判定することが考えられる。計数値に基づく判定の精度を高めるためには、1日分の計数値でなく、数日分を累積した計数値を用いることが好ましい。しかし、入賞口への遊技球の入賞割合が調整される場合、あるときには入賞割合が設計値より高くされ、あるときには入賞割合が設計値より低くされるため、数日分の計数値を累積することで計数値が平均化され、それにより、不正か否かの判定を計数値に基づいて行う限りにおいては、外部者が遊技場側の不正を検出できない可能性がある。
これに対し、特徴20に記載の遊技機であれば、入球口に進入した遊技球のうち予め定められた計数開始条件が成立した後の所定期間中に進入した遊技球の進入に対応して更新される進入数情報が、進入数記憶手段に記憶され、該進入数記憶手段に記憶されている進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報が出力手段から出力される。よって、進入数情報又は対応情報を利用して、当該入球口への遊技球の進入に関して遊技機の性能が設計値通りであるか否かをより適切に計数することができる。例えば、遊技機が製造された後に当該入球口へ進入した一定数の遊技球を、進入数情報の更新から除外することができる。また、数日分の進入数情報を累積する場合においても、当該進入数情報または対応数情報は、平均化され難く、それにより、遊技場側の不正を好適に反映する。これにより、外部者が遊技場側の不正を好適に検出することができる。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機であって、
前記発射手段は、操作部(発射ハンドル252)の操作量に応じた強度で遊技球を発射可能であり、
始動条件の成立に基づき抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
該抽選手段により所定の結果が得られたことに基づいて通常の遊技状態に比べて有利な遊技状態である特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段(主制御基板920)と、
前記遊技領域のうち前記操作部の操作量が所定の操作量である場合に遊技球が進入可能な遊技領域に設けられ、前記特別遊技状態の発生中において遊技球が進入可能になる特定入球口(下大入賞装置433および上大入賞装置434の各入賞口)と、
前記通常の遊技状態であるかを判断する遊技状態判断手段(主制御基板920)と、
前記遊技状態判断手段により前記通常の遊技状態であると判断された場合、該判断を前記計数開始条件として、該計数開始条件が成立した後の所定期間中に進入した遊技球の進入に対応して、前記進入数記憶手段に記憶されている前記進入数情報を更新する更新手段(主制御基板920)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機であれば、遊技状態判断手段により通常の遊技状態であると判断された場合、該判断を前記計数開始条件として、該計数開始条件が成立した後の所定期間中に進入した遊技球の進入に対応して、進入数記憶手段に記憶されている進入数情報が更新される。これにより、入球口のうち、通常の遊技状態の場合に限って遊技球が進入可能な入球口に進入した遊技球の進入に対応して更新される進入数情報を精度良く取得することが可能となる。
<特徴22>
特徴20または21に記載の遊技機であって、
前記遊技領域内に発射された遊技球の数が増加した場合に増加する発射対応数に対応した発射対応数情報(発射球数)を記憶する発射対応数情報記憶手段(主制御基板920のRAM)を備え、
前記出力手段は、前記進入数記憶手段に記憶されている前記発射対応数情報と前記進入数記憶手段に記憶されている前記進入数情報との比率に対応した前記対応情報を出力することを特徴とする遊技機。
特徴22に記載の遊技機であれば、遊技領域内に発射された遊技球の数が増加した場合に増加する発射対応数に対応した発射対応数情報が、発射対応数情報記憶手段に記憶される。進入数記憶手段に記憶されている発射対応数情報と、進入数記憶手段に記憶されている進入数情報との比率に対応した対応情報が、出力手段から出力される。つまり、入球口に進入した遊技球と遊技領域内に発射された遊技球の数とを関連付けた値が、対応情報として、出力手段から出力される。よって、外部者は、遊技機の性能の状態を対応情報から把握しやすく、遊技機の性能が設計値通りであるか否かを適切に判定することができる。
<特徴23>
特徴20から22のいずれかに記載の遊技機であって、
図柄または所定の情報を表示可能な表示手段(釘状態レベル表示装置474)を備え、
前記出力手段は、前記前面側部材が開放された場合に、前記進入数情報または前記対応情報を前記表示手段に表示出力することを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機であれば、進入数情報または対応情報は、前面側部材が開放された場合に表示手段に表示出力される。よって、遊技者の遊技中に遊技とは無関係の情報(すなわち、進入数情報または対応情報)が表示手段に表示されることがなく、遊技者に不信感を与えることを抑制できる。
<特徴24>
特徴20から23のいずれかに記載の遊技機であって、
図柄を変動表示可能な略矩形状の表示手段(装飾図柄表示装置479)を備え、
前記出力手段は、前記表示手段に図柄が変動表示されている場合に、該表示手段の角部側に、暗号化された前記進入数情報または暗号化された前記対応情報を表示出力することを特徴とする遊技機。
特徴24に記載の遊技機であれば、進入数情報または対応情報は、出力手段による表示出力は図柄の変動表示中に表示されるので、遊技機の検査機関の構成員などの外部者は、遊技者による遊技中(より詳細には、図柄の変動表示中)に、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を確認することができる。
特に、進入数情報または対応情報は表示手段における角部側に表示出力されるので目立ち難く、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を、遊技者が遊技とは無関係の情報として認識することを好適に抑制できる。また、表示出力される進入数情報または対応情報は暗号化されているので、それが意味する内容を遊技者が理解することを抑制でき、その点においても、表示手段に表示された進入数情報または対応情報を、遊技者が遊技とは無関係の情報として認識することを好適に抑制できる。
<特徴30>
所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)と、
該遊技領域内に設けられて、遊技球が進入可能な複数の入球口(一般入賞装置2439A,2439Bなど)と、
該複数の入球口のうち予め決められた入球口に遊技球が進入した場合に、当該遊技球が進入した前記入球口に応じた所定の特典を付与する特典付与手段(主制御基板920)と、
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記複数の入球口のうち前記予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
なお、特徴30に記載の遊技機において、「予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件」には、例えば、複数の入球口のうち予め決められた1または2以上の入球口に遊技球が進入すること、複数の入球口のうち予め決められた2以上の入球口に予め決められた順序で遊技球が進入すること、複数の入球口のうち予め決められた1または2以上の入球口に予め決められた所定の個数の遊技球が進入すること、複数の入球口のうち予め決められた入球口への進入に応じて更新される進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報について予め決められた条件が成立すること、所定の遊技期間中に、複数の入球口のうち予め決められた1または2以上の入球口への遊技球の進入に基づく始動条件が成立してから予め決められた所定の期間が経過しても、新たな始動条件が成立しない状況が予め決められた所定の回数発生すること、等が含まれる。
<特徴40>
所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)と、
該遊技領域内に設けられて、遊技球が進入可能な複数の入球口(一般入賞装置2439A,2439Bなど)と、
該複数の入球口のうち予め決められた入球口に遊技球が進入した場合に、当該遊技球が進入した前記入球口に応じた所定の特典を付与する特典付与手段(主制御基板920)と、
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記複数の入球口のうち前記予め決められた入球口への遊技球の進入を含む所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴30および特徴40に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、設定記憶手段には、遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域内には、遊技球が進入可能な複数の入球口が設けられており、これらの複数の入球口のうち予め決められた入球口に遊技球が進入した場合には、当該遊技球が進入した入球口に応じた所定の特典が特典付与手段により付与される。複数の入球口のうち予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件が成立した場合、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。よって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、設定出力手段による出力に基づき遊技者に示唆することができる。従って、遊技者は、予め決められた入球口に遊技球が進入することを含む所定の条件の成立を通じて、遊技中の遊技機についての確率情報を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
また、遊技者が確率情報を推測するための所定の条件を成立させるために、遊技領域内の予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件を成立させる必要性を生じさせることができる。このため、遊技状態の移行抽選などの抽選結果に注目しがちな遊技機において、予め決められた入球口への遊技球の進入についても注目する機会を増やすことができ、予め決められた入球口の配置や数の設定等によって遊技を多様化するなど、遊技球の流下を利用した遊技機における遊技性を向上することができる。
特に、特徴40に記載の遊技機においては、複数の入球口のうち予め決められた入球口への遊技球の進入を含む所定の条件が成立した場合に、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力されるので、遊技者は、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、予め決められた入球口に遊技球を進入させた特典として得ることができる。よって、遊技者は、予め決められた入球口に遊技球が進入することを楽しみながら遊技を行うことができる。
<特徴41>
特徴40に記載の遊技機であって、
前記設定出力手段は、前記所定の条件の少なくとも一部として、前記複数の入球口のうち予め決められた2以上の前記入球口に予め決められた所定の順序で遊技球が進入することを条件として、前記設定出力情報を出力することを特徴とする遊技機。
特徴41に記載の遊技機であれば、複数の入球口のうち予め決められた2以上の入球口に予め決められた所定の順序で遊技球が進入した場合を、所定の条件(すなわち、複数の入球口のうち予め決められた入球口への遊技球の進入を含む所定の条件)の少なくとも一部が成立したとして設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。これにより、遊技者は、予め決められた2以上の入球口に予め決められた所定の順序で遊技球を進入させた特典として、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を得る遊技性を享受することができる。よって、遊技者は、予め決められた2以上の入球口に予め決められた所定の順序で遊技球を進入させる遊技を楽しむことができる。
<特徴50>
遊技球を発射する発射手段(発射装置330)と、
該発射手段により発射されて所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域(遊技領域)と、
該遊技領域内に設けられて、遊技球が進入可能な入球口(一般入賞装置2439A,2439B)と、
該入球口に遊技球が進入した場合に所定の特典を付与する特典付与手段(主制御基板920)と、
遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれるとして設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記入球口への遊技球の進入に応じて更新される進入数情報(一般入賞数)を記憶する進入数記憶手段(主制御基板920のRAM)と、
該進入数記憶手段に記憶される前記進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報(釘状態レベル)に対応して成立する条件を少なくとも含む所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴50に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、設定記憶手段には、遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に対応する情報に変更できる。
発射手段により発射されて所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域内には、遊技球が進入可能な入球口が設けられており、当該入球口に遊技球が進入した場合には、当該入球口に応じた所定の特典が特典付与手段により付与される。予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件が成立した場合、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。よって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、設定出力手段による出力に基づき遊技者に示唆することができる。従って、遊技者は、予め決められた入球口に遊技球が進入することを含む所定の条件の成立を通じて、遊技中の遊技機についての確率情報を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
また、遊技者が確率情報を推測するための所定の条件を成立させるために、遊技領域内の予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件を成立させる必要性を生じさせることができる。このため、遊技状態の移行抽選などの抽選結果に注目しがちな遊技機において、予め決められた入球口への遊技球の進入についても注目する機会を増やすことができ、予め決められた入球口の配置や数の設定等によって遊技を多様化するなど、遊技球の流下を利用した遊技機における遊技性を向上することができる。
また、進入数記憶手段には、入球口への遊技球の進入に応じて更新される進入数情報が記憶されている。進入数記憶手段に記憶される進入数情報、または、該進入数情報に対応して計数される対応情報について所定の条件が成立した場合に、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。進入数情報および対応情報は、入球口への遊技球の進入状況が反映される情報であるので、入球口への遊技球の進入状況に応じて、所定の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を出力させることができる。
これにより、例えば、所定の条件が、進入数情報および対応情報が入球口への遊技球の進入に関して遊技機の性能が設計値通りでない可能性を示唆する値である場合、遊技者に対して、不利益を被る可能性がある状況であることを示唆することができ、設定出力手段により出力された情報も活用して遊技中の遊技機による遊技の継続の有無を遊技者に判断させることが可能となる。
<特徴60>
識別情報を表示可能な表示部(装飾図柄表示装置479)と、
所定の始動条件の成立として予め決められた入球口へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記識別情報を変動表示した後、前記抽選手段による前記所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報(停止図柄)を停止表示する変動実行手段(副制御基板940)と、
前記所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段によって前記第1結果に対応する識別情報(第1結果を示す停止図柄)を停止表示し、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記第2の抽選にて前記所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
所定の遊技期間中に、前記始動条件が成立してから所定の第1期間が経過しても、新たな前記始動条件が成立しない状況が所定の回数発生することを含む所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴60に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、変動実行手段により、識別情報が表示部にて変動表示された後、抽選手段による所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報が停止表示される。このとき、当該所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果であれば、第1結果に対応する識別情報で停止表示された後に、遊技制御手段によって通常遊技状態より有利な特別遊技状態が発生する。
設定記憶手段には、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または当該所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において第1の結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件が成立した場合、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。よって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率に対応する情報を、設定出力手段による出力に基づき遊技者に示唆することができる。従って、遊技者は、予め決められた入球口に遊技球が進入することを含む所定の条件の成立を通じて、遊技中の遊技機についての確率情報を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
また、遊技者が確率情報を推測するための所定の条件を成立させるために、遊技領域内の予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件を成立させる必要性を生じさせることができる。このため、遊技状態の移行抽選などの抽選結果に注目しがちな遊技機において、予め決められた入球口への遊技球の進入についても注目する機会を増やすことができ、予め決められた入球口の配置や数の設定等によって遊技を多様化するなど、遊技球の流下を利用した遊技機における遊技性を向上することができる。
また、所定の遊技期間中に、始動条件が成立してから所定の第1期間が経過しても、新たな始動条件が成立しない状況が所定の回数発生した場合に、設定記憶手段に記憶される確率情報に対応する設定出力情報が設定出力手段によって出力される。始動条件が成立してから所定の第1期間が経過しても新たな始動条件が成立しない状況は、遊技者にとって望ましくない状況であり、他の遊技機において遊技をする場合に比べて遊技者が不利益を被る可能性がある。これに対し、当該状況下で、設定出力手段により出力された情報も活用して遊技中の遊技機による遊技の継続の有無を遊技者に判断させることが可能となる。
なお、特徴60に記載の遊技機における設定出力手段の記載に代えて、所定の始動条件の成立として予め決められた入球口へ遊技球が進入することを含む所定の条件が成立した場合に、設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段を備えているとしてもよい。
<特徴70>
識別情報を表示可能な表示部(装飾図柄表示装置479)と、
所定の始動条件の成立として予め決められた入球口へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記識別情報を変動表示した後、前記抽選手段による前記所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報(停止図柄)を停止表示する変動実行手段(副制御基板940)と、
前記所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段によって前記第1結果に対応する識別情報(第1結果を示す停止図柄)を停止表示し、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記第2の抽選にて前記所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記所定の抽選にて前記第1結果が得られた前記始動条件が成立してから、前記変動実行手段により当該第1結果に対応する識別情報の停止表示が行われるまでの期間における少なくとも一部から構成される演出として、演出時間が異なる複数種類の演出の中から、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に応じた演出時間の演出を選択する演出選択手段(主制御基板920,副制御基板940)と、
前記演出選択手段により選択された演出を前記表示部に表示する演出表示制御手段(副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった
これに対し、特徴70に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、変動実行手段により、識別情報が表示部にて変動表示された後、抽選手段による所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報が停止表示される。このとき、当該所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果であれば、第1結果に対応する識別情報で停止表示された後に、遊技制御手段によって通常遊技状態より有利な特別遊技状態が発生する。
設定記憶手段には、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または当該所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において第1の結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
演出時間が異なる複数種類の演出の中から、設定記憶手段に記憶される確率情報に応じた演出時間の演出が、演出選択手段により、所定の抽選にて第1結果が得られた始動条件が成立してから、変動実行手段により当該第1結果に対応する識別情報の停止表示が行われるまでの期間における少なくとも一部から構成される演出として選択され、演出表示制御手段により表示部に表示される。
したがって、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率が、所定の抽選にて第1結果が得られた始動条件が成立してから、変動実行手段により当該第1結果に対応する識別情報の停止表示が行われるまでの期間における少なくとも一部から構成される演出の演出時間に反映される。よって、遊技者は当該演出の演出時間から、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
また、遊技者が確率情報を推測するために、演出時間の長さを注目する機会を増やすことができる。このため、遊技状態の移行抽選などの抽選結果に注目しがちな遊技機において、注目する対象を増やすことができるので、遊技球の流下を利用した遊技機における遊技性を向上することができる。
<特徴71>
特徴70に記載の遊技機であって、
前記演出選択手段は、前記複数の確率のうち遊技者にとって最も有利である確率に対し、前記複数種類の演出のうち最も演出時間が長い演出が実行されやすい確率で演出を選択することを特徴とする遊技機。
特徴71に記載の遊技機であれば、設定可能な複数の確率のうち遊技者にとって最も有利である確率に対し、複数種類の演出のうち最も演出時間が長い演出が実行されやすい確率で選択されるので、遊技者は、演出が長く行われる場合において、最も有利な確率が設定されていることを期待することができる。
<特徴72>
特徴70または特徴71に記載の遊技機であって、
遊技者が操作可能な操作部(押圧操作装置261)を備え、
前記演出選択手段により選択される前記演出は、前記所定の抽選にて前記第1結果が得られた前記始動条件が成立してから、前記変動実行手段により当該第1結果に対応する識別情報の停止表示が行われるまでの期間における少なくとも一部から構成される演出の実行可能期間内に設定された所定の操作時期に前記操作部に対する所定の操作が行われた場合に実行される特別演出であることを特徴とする遊技機。
特徴72記載の遊技機であれば、
所定の抽選にて第1結果が得られた始動条件が成立してから、変動実行手段により当該第1結果を示す停止図柄の停止表示が行われるまでの期間における少なくとも一部から構成される演出の実行可能期間内には操作時期が設定されている。演出選択手段により選択される演出は、前記操作時期に操作部に対する所定の操作が行われた場合に実行される特別演出である。よって、遊技者は前記操作時期に操作部に対して所定の操作を行うことで、当該操作に基づき実行される特別演出の演出時間から、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率を推測することができる。
<特徴80>
識別情報を変動表示可能な表示部(装飾図柄表示装置479)と、
所定の始動条件の成立として予め決められた入球口へ遊技球が進入した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
前記始動条件が成立した場合に、前記表示部にて、前記識別情報を変動表示した後、前記抽選手段による抽選結果に対応する識別情報(停止図柄)を停止表示する変動実行手段(副制御基板940)と、
前記所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果である場合、前記変動実行手段によって前記第1結果に対応する識別情報(第1結果を示す停止図柄)を停止表示し、通常遊技状態より有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、前記所定の抽選にて前記第1結果が選ばれる抽選確率または前記第2の抽選にて前記所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段(主制御基板920のRAM)と
該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段(背面設定スイッチ905、初期化スイッチ907)と、
前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段(主制御基板920)と、
前記特別遊技状態中に成立可能な条件を含む所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に応じた制御を実行する制御実行手段(主制御基板920、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、通常遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態への移行抽選における当選確率を複数段階で設定できる機能を有する遊技機が知られている。かかる機能を有する従来の典型的な遊技機においては、遊技場の管理者等が専用の鍵を用いて所定のキースイッチを操作することで前記当選確率の設定を変更することができる(例えば、特開2007−202870号公報参照)。
しかしながら、遊技状態の移行抽選における当選確率など、所定の抽選において所定の抽選結果が選ばれる抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴80に記載の遊技機であれば、遊技性を好適に向上することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の始動条件が成立した場合には、変動実行手段により、識別情報が表示部にて変動表示された後、抽選手段による所定の抽選の抽選結果に対応する識別情報が停止表示される。このとき、当該所定の抽選の抽選結果が所定の第1結果であれば、第1結果に対応する識別情報で停止表示された後に、遊技制御手段によって通常遊技状態より有利な特別遊技状態が発生する。
設定記憶手段には、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または当該所定の抽選とは異なる第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、所定の抽選にて第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定される確率に対応する確率情報が記憶される。入力手段には、設定記憶手段に記憶する確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する確率情報に変更する操作に対応する操作情報が入力される。設定記憶手段に記憶される確率情報は、設定変更手段により、入力手段により入力された操作情報に対応する確率情報に変更される。これにより、所定の抽選において第1の結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率を、入力手段により入力された操作情報に応じた確率に変更できる。
特別遊技状態中に成立可能な条件を含む所定の条件が成立した場合、設定記憶手段に記憶される確率情報に応じた制御が制御実行手段により実行される。よって、遊技者は、制御実行手段による制御により現出した内容に基づいて、設定記憶手段に記憶される確率情報、すなわち、所定の抽選において第1結果が選ばれる抽選確率または第2の抽選において所定の結果が選ばれる抽選確率として現在設定されている確率を推測する遊技性を付加することができる。例えば、自身の嗜好に適した遊技機であるか、異なる遊技機であるかを考え、遊技を継続するのか、それとも他の遊技機に移動するのかといった選択要素の1つとして、推測した確率情報を利用することができるので、抽選確率を複数段階で設定可能な遊技機の遊技性を向上することができる。
なお、特徴80に記載の遊技機において、特別遊技状態中に成立可能な条件として、特別遊技状態中における予め決められた入球口への遊技球の進入を含むようにすることは好ましい。遊技者が確率情報を推測するための所定の条件を成立させるために、遊技領域内の予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件を成立させる必要性を生じさせることができる。このため、遊技状態の移行抽選などの抽選結果に注目しがちな遊技機において、予め決められた入球口への遊技球の進入についても注目する機会を増やすことができ、予め決められた入球口の配置や数の設定等によって遊技を多様化するなど、遊技球の流下を利用した遊技機における遊技性を向上することができる。
また、特徴80に記載の遊技機において、特別遊技状態中に成立可能な条件として、特別遊技状態中に遊技者が遊技領域に遊技球を発射する発射操作を行う操作部とは別の操作部に対しての操作によって成立させることが可能な条件とすることは好ましい。これにより、特別遊技状態中において、発射操作とは別の操作にも注意を向ける遊技性を付加することができ、単に発射操作を継続するだけでなく、別の操作も加えて遊技者が確率情報を獲得することが可能となる新たな遊技性を付加することができる。
なお、特徴10〜80に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100…遊技機、102…前ブロック、252…発射ハンドル、330…発射装置、433…下大入賞装置、434…上大入賞装置、474…釘状態レベル表示装置、479…装飾図柄表示装置、439A,439B…一般入賞装置、920…主制御基板、930…払出制御基板、940…副制御基板、2439A,2439B…一般入賞装置、905…背面設定スイッチ、907…初期化スイッチ、261…押圧操作装置


Claims (2)

  1. 所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域と、
    該遊技領域内に設けられて、遊技球が進入可能な複数の入球口と、
    該複数の入球口のうち予め決められた入球口に遊技球が進入した場合に、当該遊技球が進入した前記入球口に応じた所定の特典を付与する特典付与手段と、
    遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段と
    該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段と、
    前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段と、
    前記複数の入球口のうち前記予め決められた入球口への遊技球の進入に関する所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段と、を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 所定の入口から進入した遊技球が流下する遊技領域と、
    該遊技領域内に設けられて、遊技球が進入可能な複数の入球口と、
    該複数の入球口のうち予め決められた入球口に遊技球が進入した場合に、当該遊技球が進入した前記入球口に応じた所定の特典を付与する特典付与手段と、
    遊技における所定の抽選にて所定の抽選結果が選ばれる抽選確率として設定可能な複数の確率のうち、当該抽選確率として設定される確率に対応する確率情報を記憶する設定記憶手段と、
    該設定記憶手段に記憶する前記確率情報を前記複数の確率のうちいずれかの確率に対応する前記確率情報に変更する操作に対応する操作情報を入力可能な入力手段と、
    前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報を前記入力手段により入力された前記操作情報に対応する前記確率情報に変更する設定変更手段と、
    前記複数の入球口のうち前記予め決められた入球口への遊技球の進入を含む所定の条件が成立した場合に、前記設定記憶手段に記憶される前記確率情報に対応する設定出力情報を出力する設定出力手段と、を備えていることを特徴とする遊技機。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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