JP2019063091A - 維持システム、維持方法、及び維持プログラム - Google Patents

維持システム、維持方法、及び維持プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】対象者の機能が低下している部位を適切に判定して、対象者の健康状態の維持に貢献するシステムを提供する。【解決手段】健康状態の維持システム100は、加速度情報に基づいて速度情報を生成する速度生成部111を有する動作取得部101と、筋量を取得する筋量取得部102と、速度情報から歩行要素を導出する要素導出部113と、速度情報又は歩行要素から歩行能力を推定する能力推定部114と、歩行能力と筋量から身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する部位判定部115と、低下部位と低下部位の機能を向上させる身体機能向上プラン及び脳機能強化プランの少なくとも一方とが対応付けられて予め記憶されたプラン記憶部122と、低下部位に応じた身体機能向上プラン及び脳機能強化プランの少なくとも一方をプラン記憶部122から抽出するプラン抽出部116とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、対象者の健康状態を維持するための維持システム、維持方法、及び維持プログラムに関する。
近年、健康寿命、即ち日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間という概念が浸透し始めた。健康は人々が幸福感を得て生きることの重要な基盤の一つであり、健康を維持すること、病気を患ったら早期に治療すること等について、数多くの研究がなされてきた。そして、人の健康を維持するための健康維持プランも提唱されている。しかし、人は一人として同じではなく、身体の状態や、精神の状態、嗜好、人生観がそれぞれ異なることから、画一的な健康維持プランを提供することは困難である。
特に、人は健康であるときには、健康に関して意識せず、病気になってから初めて対策を講じようとする場合が多々あるのが現状である。したがって、社会一般に健康を維持するための様々なプランが用意されているにも関わらず、それが個人レベルでは活用され難いのが現状である。
人は誰でも老いるものであり、老化が進むと筋骨格系が衰えて運動能力が低下することにより、自身の移動が制限される。そして、要介護状態になれば、自分自身の幸福感は減少し、周囲、特に介護に対する負担が増加し、国全体としても、医療費、介護費の増加の負担を抱えることになる。老いる前に筋骨格系を鍛えて運動能力を保っておくことが、健康寿命の伸長、ひいては幸福感の維持に重要である。したがって、いかにしてこのようなトレーニングを中高年齢層が継続的に行うかが鍵となる。
そして、年齢を重ねても健康であることは、個人にとっては、人生の楽しみを長く続けられるというメリットがある。また社会にとっては、医療費の低減という経済面のメリットだけでなく、活躍する高齢者が多いほど活力が湧くという心理的なメリットもある。しかし、健康も他のことと同様「失って価値が初めてわかる」というのでは手遅れであるので、各個人が将来の元気な姿を日常的に思い描き、「今、ここで」何をするのかを各個人が強く意識するような仕組みが重要である。
従来、下肢を撮影して、下肢の姿勢データから、対象者が歩行する際の下肢の形状の変化を測定する発明が開示されている(特許文献1等)。これによれば、筋力と筋肉量は概ね比例し、下肢の形状により筋肉量が測定できるので、過去のデータと対比することにより、筋肉量の減少を早期に察知できる。そして、下肢の筋力を歩行可能な程度に維持する指導、治療などが可能となる。また、モーションキャプチャデータから筋骨格モデルを構築する技術も開示されている(特許文献2等)
特開2015−9032号公報 特開2015−11714号公報
ところで、運動能力の低下は、身体の機能の低下の他に、脳の機能の低下を原因として生じる場合がある。従来の測定技術においては、下肢の筋力に代表される身体機能を推定するに留まり、脳機能をも推定するものではなかった。また、脳機能を維持するための脳機能向上プランを提示することはできなかった。したがって、例えば、運動能力の低下が脳機能の低下に起因して生じている場合には、従来の方法によって、身体機能の低下部位を判断して身体機能を向上させるプランを提示したとしても、歩行能力の改善が期待できなかった。
また、ジムにおける筋力トレーニング等の従来の方法は、筋力の増強や減量には効果的ではあるが、そもそも筋肉を増強する必要があるアスリート等、意思が強いものが対象であった。そこで、健康意識がそれほど高くない一般人に対して、気軽に試すことができ、また、楽しく続けられて長期的に見て筋肉の増強又は維持に効果のあるプランの提示が求められている。また、各対象者の状況に応じてプランを適切に提示することが求められている。なお、一般人を対象とするには、(1)個人的な目標に沿っていること、(2)個人の体力に応じて無理がないこと、(3)成果が実感できること、(4)楽しく飽きないこと等の要素が必要と考えられる。
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的の一つは、対象者の機能が低下している部位を適切に判定して、対象者の健康状態の維持に貢献するシステムを提供することである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的である。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、対象者の歩行を測定して、歩行の状況から対象者の歩行能力を推定するとともに、歩行能力と筋量から機能が低下している部位を判定することで、対象者の健康状態を維持するための適切なプランを提示できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下に示す種々の具体的態様を提供する。
〔1〕対象者の加速度変化を示す加速度情報、及び前記対象者の角加速度の変化を示す角加速度情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記対象者が歩行により移動した際の速度ベクトルを示す速度情報を生成する速度生成部を有する動作取得部と、前記対象者の筋肉の量を示す筋量を取得する筋量取得部と、前記速度情報から、前記対象者の歩行に関する状態量を示す歩行要素を導出する要素導出部と、前記速度情報又は前記歩行要素から、前記対象者の歩行能力を推定する能力推定部と、前記歩行能力と前記筋量から、前記対象者の身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する部位判定部と、前記低下部位と、前記低下部位の機能を向上させる身体機能向上プラン及び脳機能強化プランの少なくとも一方とが対応付けられて予め記憶されたプラン記憶部と、前記低下部位に応じた前記身体機能向上プラン及び前記脳機能強化プランの少なくとも一方を前記プラン記憶部から抽出するプラン抽出部とを備えることを特徴とする健康状態の維持システム。
〔2〕前記能力推定部によって推定された前記対象者の前記歩行能力と、前記プラン抽出部によって抽出された前記身体機能向上プラン及び前記脳機能強化プランとを表示する表示部をさらに備える〔1〕に記載の維持システム。
〔3〕前記要素導出部は、前記歩行要素として、平均加速度、空間的左右差、時間的左右差、同調性崩れ、及び運動軌道から選ばれる少なくとも1つを導出する〔1〕又は〔2〕に記載の維持システム。
〔4〕前記能力推定部は、平均加速度に基づいて歩行速度を推定し、空間的左右差及び時間的左右差に基づいて左右対称性を推定し、同調性崩れに基づいてリズム性を推定し、運動軌道に基づいて歩行安定性を推定し、前記速度情報に基づいて躍度及び姿勢を推定する〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の維持システム。
〔5〕前記動作取得部は、前記加速度情報を前記速度生成部へ送信する通信部をさらに有する〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の維持システム。
〔6〕前記能力推定部は、前記歩行能力として、歩行速度、躍度、歩行安定性、左右対称性、リズム性、及び姿勢から選ばれる少なくとも1つを推定し、前記部位判定部は、歩行速度、歩行安定性、及び姿勢に基づいて筋力機能の低下を判定し、左右対称性に基づいて関節機能の低下を判定し、躍度及びリズム性に基づいて脳機能の低下を判定する〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の維持システム。
〔7〕前記筋量が、超音波検査装置による測定結果に基づいて生成される〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の維持システム。
〔8〕対象者の加速度変化を示す加速度情報、及び前記対象者の角加速度の変化を示す角加速度情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記対象者が歩行により移動した際の速度ベクトルを示す速度情報を生成する速度生成ステップと、前記対象者の筋肉の量を示す筋量を取得する筋量取得ステップと、前記速度情報から、前記対象者の歩行に関する状態量を示す歩行要素を導出する要素導出ステップと、前記速度情報又は前記歩行要素から、前記対象者の歩行能力を推定する能力推定ステップと、前記歩行能力と前記筋量から、前記対象者の身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する部位判定ステップと、前記低下部位と、前記低下部位の機能を向上させる身体機能向上プラン及び脳機能強化プランの少なくとも一方とが対応付けられて予め記憶されたプラン記憶部から、前記低下部位に応じた前記身体機能向上プラン及び前記脳機能強化プランの少なくとも一方を抽出するプラン抽出ステップとを備えることを特徴とする健康状態の維持方法。
〔9〕コンピュータを、対象者の加速度変化を示す加速度情報、及び前記対象者の角加速度の変化を示す角加速度情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記対象者が歩行により移動した際の速度ベクトルを示す速度情報を生成する速度生成部と、前記対象者の筋肉の量を示す筋量を取得する筋量取得部と、前記速度情報から、前記対象者の歩行に関する状態量を示す歩行要素を導出する要素導出部と、前記速度情報又は前記歩行要素から、前記対象者の歩行能力を推定する能力推定部と、前記歩行能力と前記筋量から、前記対象者の身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する部位判定部と、前記低下部位と、前記低下部位の機能を向上させる身体機能向上プラン及び脳機能強化プランの少なくとも一方とが対応付けられて予め記憶されたプラン記憶部から、前記低下部位に応じた前記身体機能向上プラン及び前記脳機能強化プランの少なくとも一方を前記プラン記憶部から抽出するプラン抽出部としてさらに機能させることを特徴とする健康状態の維持プログラム。
本発明によれば、対象者の身体機能及び脳機能のうちの機能が低下している部位を適切に判定して、低下部位に応じた機能向上プランを抽出することで、対象者の健康状態の維持に貢献することができる健康状態の維持システム、維持方法、及び維持プログラムを提供することができる。
実施形態に係る維持システムのハードウェア構成の例を示すブロック図である。 実施形態に係る維持システムの機能構成の例を示すブロック図である。 歩行能力と低下部位との格納状態の例を示す図である。 低下部位と機能向上プランとの格納状態の例を示す図である。 速度情報と歩行要素と歩行能力との関係を説明するための図である。 実施形態に係る維持システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。 実施例における直線路を説明するための斜視図である。 変形例の一例に係る維持システムの機能構成の例を示すブロック図である。 変形例の他の一例に係る維持システムの機能構成の例を示すブロック図である。
本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の数値又は物性値を含むものとして用いることとする。例えば「1〜100」との数値範囲の表記は、その下限値「1」及び上限値「100」の双方を包含するものであり、「1以上100以下」を表す。他の数値範囲の表記も同様である。
実施形態に係る健康状態の維持システム(以降、「維持システム」ともいう。)について、図1〜図7を参照して説明する。
本実施形態の維持システムは、対象者の歩行の状態と筋肉の状態とを解析することにより、対象者の健康状態、とりわけ身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する。さらには、維持システム100は、機能の低下部位に応じた身体機能向上プラン及び脳機能強化プランのうち少なくとも一方を抽出する。そして抽出されたプランを対象者に提示することにより、対象者の身体機能及び脳機能を増強し、又は低下を抑制することで、対象者の健康状態を維持するものである。なお、対象者の歩行の状態は、対象者の加速度の変化、又は角加速度の変化に基づいて生成することができる。本実施形態では、対象者の歩行の状態が、加速度測定装置により測定される加速度の変化に基づいて生成される速度情報によって評価される場合を例に挙げて説明する。また、本実施形態では、筋肉の状態が、超音波検査装置による測定結果に基づいて生成される筋量によって評価される場合を例に挙げて説明する。
なお、本実施形態の維持システムは、身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定することによって対象者の健康状態を推定するという観点からは、健康状態の推定及び維持システムとも位置づけることができる。
維持システムの対象者の年齢は特に限定されず、全年齢の対象者に適用することができるが、筋力が低下する30歳以上、特に40〜70歳の対象者に適用することが好ましい。また、対象者の性別は特に限定されず、男性であっても女性であっても適用できるが、健康意識への関心度の高さから、女性に好ましく適用できる。但し、健康意識のある者であれば30歳未満の層や男性であっても適用できる。
[1.構成]
[1−1.ハードウェア構成]
図1に示すように、維持システム100は、少なくとも、健康状態の維持装置(以降、「維持装置」と称する。)200、加速度測定装置300、及び超音波検査装置400を備えている。維持装置200は、例えば、加速度測定装置300及び超音波検査装置400で得られた測定データを処理するためのコンピュータとして構成されている。維持装置200は、中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)10、メモリ20、表示装置30、及び通信モジュール41を備え、これらはバスを介して相互に通信可能に接続されている。加速度測定装置300は、加速度センサ50、及び通信モジュール42を備えている。超音波検出装置400は、超音波プローブ60、CPU70、メモリ80、及び通信モジュール43を備えている。そして、維持装置200、加速度測定装置300、及び超音波検査装置400は、通信モジュール41〜43を介して相互に通信可能に接続されている。
なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーティングシステムとを含む概念であり、オペレーティングシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、オペレーティングシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とを備えている。
以下、各部の構成を説明する。
<CPU>
CPU10は、種々の制御や演算を行なう処理装置であり、メモリ20に格納された後述する本件のプログラムを読み出して実行することにより、種々の機能を実現する。そして、CPU10が、このプログラムを実行することにより、図2で示すように、処理部110の各機能手段としてそれぞれ機能する。なお、処理部110における処理機能の実現手段はプログラムに限定されず、維持装置200に搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。例えば、処理部110を、ROM,RAM,CPU等を内蔵したワンチップマイコンとして構成してもよいし、あるいは、デジタル回路やアナログ回路といった電子回路として形成してもよい。
CPU70は、CPU10と同様に構成されており、メモリ80に格納された後述するプログラムを読み出して実行することにより、種々の機能を実現する。そして、CPU70が、このプログラムを実行することにより、図2で示すように、処理部170の機能手段として機能する。
<メモリ>
メモリ20,80は、種々のデータやプログラムを格納するデータ記憶装置である。本実施形態では、メモリ20,80がデータ記憶装置として機能するが、データ記憶装置は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリや、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、またはHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Device)等によって構成される。
<表示装置>
表示装置30としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Light-Emitting Diode Display)等のディスプレイが用いられる。
<加速度測定装置>
加速度測定装置300は、対象者の加速度を測定する加速度センサ50を有し、対象者に装着可能な測定ユニットである。加速度測定装置300が対象者に装着されることで、加速度センサ50は対象者の歩行中の動作を捉えて、歩行中の加速度を測定して、対象者の加速度変化を示す加速度情報を得ることができる。加速度測定装置300は、通信モジュール42を介して、速度生成部111に加速度情報を送信する。
加速度センサ50は加速度測定装置300の内部に設けられており、対象者の動きに伴う加速度測定装置300のX軸、Y軸、Z軸の3軸の加速度変化を検出する。加速度センサ50は、加速度を検出する検出素子として、例えば、電極間の静電容量の変化を検出するもの、ピエゾ抵抗素子のひずみ抵抗の変化を検出するもの、熱気流の対流の変化を検出するもの等を利用することができる。
加速度センサ50を利用して対象者の加速度の客観的な数値化を行うことにより、対象者以外の多数の対象をモデルとした標準的な歩行状態と比較することができる。このため、歩行能力を適性に判断して、筋肉を鍛えるためのトレーニングや脳機能を向上させるためのトレーニングを適切に選択することができる。
加速度測定装置300の装着部位は、測定しようとする内容によって適宜選択することができ特に限定されないが、通常、身体の中心線に沿った部位が左右のバランスを測定するうえで好ましい。装着部位としては例えば、頭頂部、後頭部、腹面中心部、背面中心部、体幹中心部、胸面中心部等が挙げられる。または、体の中心線に沿わない部位に装着してもよく、この場合には、身体の左右対称な位置に2か所装着することが好ましい。2か所装着する場合の測着部位としては、例えば、膝、手首、肘、肩、足首等が挙げられる。
加速度測定装置300を対象者の身体に装着することで、加速度センサ50を用いて、対象者の歩行に伴う動きに基づいて生成される速度の3次元ベクトル(速度ベクトル)を動作情報として得ることができる。なお、対象者の速度ベクトルを得る手法としては、この他にも例えばモーションキャプチャ装置を用いることが挙げられる。しかしながら、モーションキャプチャ装置を用いる場合には、対象者がカメラで撮影する一定範囲内に収まっていなければならず、また対象者自身の身体によってカメラの死角が生じて、カメラによって対象者の身体の動作を撮影できない部分が生じることがある。一方、本実施形態では、加速度センサ50を用いることで、対象者の測定場所に制限を受けることなく動作情報を得ることができる。また、対象者の動作に制限を受けることなく、動作情報を得るための所望の動きを指定することができ、その動きの中で測定が可能となる。このように、加速度測定装置300を身体に取り付けて歩行するだけで、対象者の動作情報を歩行動作から簡易に取得するとともに、歩行能力を推定する程度に十分な情報を得ることができる。
加速度センサ50を用いた歩行チェックは、10m程度の直線距離を歩行できる場所があれば用いることができ、例えば、学校の教室や廊下、自治体の役場や公民館、企業の食堂や事務室などに設置し、参加者が設置場所に出向いて測定することができる。
<超音波検査装置>
超音波検査装置400は、対象に超音波を照射するとともに反射した超音波を検出して、得られた受信信号を画像処理することで対象の内部を可視化する画像計測装置である。超音波検査装置400によれば、対象者の内部の筋肉、脂肪、骨等の組織分布を示す画像情報を得ることができる。超音波検査装置400は、通信モジュール43を介して、筋量生成部112に画像情報を送信することができる。
超音波プローブ60は、圧電効果を示す圧電体を含むトランスデューサを有し、超音波を送受信する。超音波プローブ60は、トランスデューサによって、超音波を発生させるとともに対象から反射された超音波による圧力変位を受けて電圧を生じて、受信信号を生成する。この受信信号をもとにして、後述する画像生成部171によって、組織分布を示す画像が生成される。
超音波検査装置400による検査部位は、測定しようとする内容によって適宜選択することができ特に限定されないが、例えば、上腕背部、腹部、腰部、大腿前部、大腿後部、脹脛等が挙げられる。
[1−2.機能構成]
図2に示すように、維持装置200を機能的に表すと、処理部110、記憶部120、表示部130、及び通信部141を備えて構成される。また、加速度測定装置300を機能的に表すと、加速度測定部150、及び通信部142を備えて構成される。また、超音波検査装置400を機能的に表すと、超音波測定部160、処理部170、記憶部180、及び通信部143を備えて構成される。さらに、維持システム100は、動作取得部101、及び筋量取得部102を備えている。
以下、各部の構成を説明する。
<記憶部>
記憶部120は、メモリ20を用いて、ファイルシステム又はデータベースシステムによりデータを格納している。本実施形態における記憶部120は、部位記憶部121、及びプラン記憶部122を備えて構成される。記憶部120は、例えば、加速度情報、速度情報、画像情報、筋量、歩行要素、歩行能力、低下部位、及び機能向上プラン等のデータを格納することができる。また、記憶部120は、CPU10に実行させることで、後述する速度生成部111、筋量生成部112、要素導出部113、能力推定部114、部位判定部115、及びプラン抽出部116としてそれぞれ機能させるプログラムを予め保存する。これらのプログラムをあわせて、本件のプログラム(健康状態の維持プログラム、単に「維持プログラム」ともいう。)と称する。記憶部120の各部の説明は後述する。
記憶部180は、メモリ80を用いて、ファイルシステム又はデータベースシステムによりデータを格納している。記憶部180は、CPU70に実行させることで、後述する画像生成部171として機能させるプログラムを予め保存する。
<処理部>
処理部110は、CPU10で演算処理される機能部位であり、各機能は個別のプログラムとして構成されている。図2で示すように、処理部110は、速度生成部111、筋量生成部112、要素導出部113、能力推定部114、部位判定部115、及びプラン抽出部116としてそれぞれ機能する。処理部110の各部の説明は後述する。
処理部170は、CPU70で演算処理される機能部位であり、各機能は個別のプログラムとして構成されている。図2で示すように、処理部170は、画像生成部171として機能する。処理部170の各部の説明は後述する。
本件のプログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD(CD−ROM,CD−R,CD−RW等)、DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD+R,DVD−RW,DVD+RW,HD DVD等)、ブルーレイディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、USBメモリ、SDメモリカード等の、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。そして、維持装置200はその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置(例えば、メモリ20)又は外部記憶装置に転送し格納して用いる。又は、それらのプログラムを、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の図示しない記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置からネットワークを通じて、通信部141を介して維持装置200に提供するようにしてもよい。
<表示部>
表示部130は、表示装置30である。表示部130は、維持装置200で処理された情報、及び記憶部120に格納される情報等を表示することができる。例えば、表示部130は、能力推定部114で求められる歩行能力を表示することができる。また、表示部130は、部位判定部115で求められる低下部位を表示することができる。また、表示部130は、プラン抽出部116で求められる機能向上プランを表示することができる。
<通信部>
通信部141〜143は、有線又は無線の通信モジュール41〜43であり、例えば、携帯電話通信網又はWi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)等の通信規格に基づいて、データを含む信号を送受信する。これにより、維持装置200は、加速度測定措置300及び超音波検査装置400と、データを含む信号を送受信することができる。なお、維持装置200は、加速度測定措置300及び超音波検査装置400と、ネットワークを介して、データを含む信号を送受信してもよい。
動作取得部101が通信部142を有することにより、加速度情報を加速度測定装置300から速度生成部111へ送信することが出来る。これにより、加速度測定装置300を対象者が身につけて加速度情報を取得するとともに、加速度測定装置300から離れた維持装置200に加速度情報を送信して、解析を行うことが可能となる。すなわち、加速度情報の取得と解析との機能を分離して、加速度測定装置300の小型化と省電力化を図ることができる。
<動作取得部>
動作取得部101は、対象者の身体の動作状態を示す動作情報を取得する機能部位である。本実施形態において、動作情報は、対象者が移動した際の速度の3次元ベクトル(速度ベクトル)を示す対象者速度情報(以降、「速度情報」ともいう)である。すなわち、動作取得部101は、対象者の歩行状態を物理量として測定するものである。動作取得部101は、加速度測定部150、通信部142、速度生成部111を有している。本実施形態の動作取得部101は、加速度測定装置300によって得られる加速度情報に基づいて、速度情報を算出することで取得する。なお、動作取得部101は、記憶部120に予め記憶されている速度情報を読み出すことで、速度情報を取得するようにしてもよい。または、動作取得部101は、ネットワークを介して速度情報を含むデータを受信することで、速度情報を取得するようにしてもよい。
加速度測定部150は、加速度センサ50によって対象者の加速度情報を得る。通信部142は、加速度測定部150によって得られた加速度情報を、通信部141に送信する。さらに、速度生成部111は、通信部141が受信した加速度情報に基づいて、速度情報を生成する。
<筋量取得部>
筋量取得部102は、対象者の筋肉の量を示す筋量を取得する機能部位である。筋量取得部102は、超音波測定部160、処理部170、記憶部180、及び通信部143を有している。処理部170は、画像生成部171を有している。本実施形態の筋量取得部102は、超音波検査装置400によって得られる画像情報に基づいて、筋量を算出することで取得する。なお、筋量取得部102は、記憶部120に予め記憶されている筋量を読み出すことで、筋量を取得するようにしてもよい。または、筋量取得部102は、ネットワークを介して筋量を含むデータを受信することで、筋量を取得するようにしてもよい。
超音波測定部160は、超音波プローブ60によって対象者から反射された超音波を検出することで受信信号を生成する。画像生成部171は、受信信号から、対象者の測定部位における組織分布を示す画像情報を生成する。通信部143は、画像生成部171によって生成された画像情報を、通信部141に送信する。筋量生成部112は、通信部141が受信した画像情報の画像に基づいて、筋肉に相当する部分の厚さから、筋量を生成する。超音波プローブ60による検査部位を変更することで、各検査部位における筋量を得ることができる。
[1−3.記憶部]
<部位記憶部>
部位記憶部121は、対象者の低下している歩行能力と、対象者の機能が低下している部位(低下部位)とを対応付けて予め記憶する。
対象者の歩行能力とは、対象者の歩行に関する能力を分類して示したものである。
低下部位とは、対象者の身体の中で、身体機能及び脳機能が低下している部分を示す箇所である。
図3は、部位記憶部121に格納される歩行能力及び低下部位の格納状態を示す図である。部位記憶部121では、例えば図3に示すように、歩行能力及び低下部位が対応付けられて、低下部位テーブルとして格納される。
ここでは、歩行能力の「歩行速度」と、低下部位として身体機能の「下肢の筋力(大腿四頭筋,下肢三頭筋)」と「股関節の可動域」と「心肺機能」という情報が、対応付けられて格納されている。これは、低下している歩行能力が「歩行速度」の場合に、低下部位が身体機能の「下肢の筋力(大腿四頭筋,下肢三頭筋)」、「股関節可動域」、又は「心肺機能」であることを示している。後述するように、部位判定部115は、歩行能力と低下部位テーブルに基づいて身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する。すなわち、「歩行速度」が低下している場合には、身体機能の「下肢の筋力(大腿四頭筋,下肢三頭筋)」、「股関節可動域」、又は「心肺機能」が低下部位であると判定される。図3に示すように、低下部位テーブルには、この他の歩行能力及び低下部位についても、同様に対応付けられて格納される。もちろん、図3に例示した歩行能力及び低下部位以外についても本発明が適用できることはいうまでもない。
図3に示すように、「躍度」が低下している場合には、脳機能の「平行能力」が低下部位であると判定される。
また、「歩行安定性」が低下している場合には、身体機能の「下肢の筋力(大腿四頭筋,下肢三頭筋)」又は脳機能の「平行能力」が低下部位であると判定される。
また、「左右対称性」が低下している場合には、身体機能の「関節」が低下部位であると判定される。
また、「リズム性」が低下している場合には、脳機能の「リズム形成能力」が低下部位であると判定される。
また、「姿勢」が低下している場合には、身体機能の「体幹の筋力(抗重力筋)」が低下部位であると判定される。
なお、「左右対称性」が低下している場合、脳機能の重度な低下による「麻痺」が原因である可能性がある。低下部位が「麻痺」の場合には、そもそも歩行が困難であり、また、後述する脳機能を向上させるトレーニングプランでは回復が困難である。このため、仮に「左右対称性」の低下から脳機能の「麻痺」が低下部位であると判定したとしても、低下部位に基づいて麻痺を回復するプランを提案することは困難である。そこで、本実施形態では、「左右対称性」が低下している場合に、身体機能の「関節」が低下部位であると判定している。但し、対象者に対して「麻痺」が低下部位であることを認識させて、改善を促がすか、または生活を見直す機会を与える観点からは、「左右対称性」が低下している場合に、身体機能の「関節」に加えて、脳機能の「麻痺」が低下部位であると判定してもよい。これにより、普段自身の歩行状態を意識していない対象者が、歩行能力の評価によって麻痺に気付く可能性もあり得る。なお、脳機能を改善して麻痺を、解消、軽減、又は進行を遅らせるプランが提供できる場合には、身体機能の「関節」に加えて、脳機能の「麻痺」が低下部位であると判定してもよい。そして、さらに、脳機能を改善して麻痺を、解消、軽減、又は進行を遅らせるプランを提案するようにしてもよい。
図3に示すように、低下部位としての身体機能のうち筋力と密接に関係する歩行能力は、「歩行速度」、「歩行安定性」、「姿勢」である。また、低下部位としての身体機能のうち関節と密接に関係する歩行能力は、「左右のバランス」である。一方、低下部位としての脳機能と密接に関係する歩行能力は、「躍度」、「歩行安定性」、「リズム性」である。
<プラン記憶部>
プラン記憶部122は、対象者の機能が低下している低下部位と、この低下部位の機能を向上させる機能向上プランとを対応付けて予め記憶する。
機能向上プランは、低下部位に応じて対象者に提示され、低下部位の機能を向上させるための対処方法である。機能向上プランには、身体機能向上プラン及び脳機能強化プランが含まれる。
身体機能向上プランは、対象者の身体機能、例えば筋力を向上させるためのトレーニングプランである。
脳機能強化プランは、対象者の脳機能、とりわけ身体の動作の制御機能を向上させるためのトレーニングプランである。
図4は、プラン記憶部122に格納される低下部位及び機能向上プランの格納状態を示す図である。プラン記憶部122では、例えば図4に示すように、低下部位及び機能向上プランが対応付けられて、プランテーブルとして格納される。
ここでは、低下部位の「下肢筋力」と、機能向上プランの「段差踏み出し運動(踏み台昇降運動)」、「爪先立ち」という情報が、対応付けられて格納されている。これは、低下部位が「下肢筋力」の場合に、提案される機能向上プランが「段差踏み出し運動(踏み台昇降運動)」と「爪先立ち」であることを示している。後述するように、プラン抽出部116は、低下部位とプランテーブルに基づいて、低下部位を鍛える機能向上プランを抽出する。すなわち、低下部位が「下肢筋力」の場合には、下肢筋力を強化するプランとして、「段差踏み出し運動(踏み台昇降運動)」、「爪先立ち」等が提案される。図4に示すように、プランテーブルには、この他の低下部位及び機能向上プランについても、同様に対応付けられて格納される。もちろん、図4に例示した低下部位及び機能向上プランについても本発明が適用できることはいうまでもない。
例えば、低下部位が下肢筋力のうち大腿四頭筋の場合には、大腿四頭筋を強化するプランとして、バーベルスクワット、フロントスクワット、ハックスクワット、レッグプレス、レッグエクステンション、シシースクワット等のトレーニングが提案される。
中でも、低下部位が大腿後面にある大体二頭筋、半膜様筋、及び半腱様筋(これらを合わせてハムストリングと呼ばれることがある。)の場合には、大体二頭筋、半膜様筋、及び半腱様筋を強化するプランとして、ワイドスクワット、ウォーキング・ランジ、レッグカール、レッグプレス、レッグエクステンション等のトレーニングが提案される。
また、低下部位が体幹筋力の場合には、体幹筋力を強化するプランとして、腹筋運動や、うつ伏せ片足上げ等のトレーニングが提案される。
中でも、低下部位が腹部体幹筋の場合には、腹部体幹筋を強化するプランとして、フロントクランチ、ロールダウン、ヒップアップクランチ、フロントブリッジ等のトレーニングが提案される。
また、低下部位が背部体幹筋の場合には、背部体幹筋を強化するプランとして、バックレッグレイズ、ヒップリフトウエストスクイーズ、バックプランク等のトレーニングが提案される。また、低下部位が側部体幹の場合には、側部体幹を強化するプランとして、ウエストスクイーズ、レッグツイスト、ツイストブリッジ、サイドエルボーブリッジ、サイドアップ、ツイストクランチ等のトレーニングが提案される。
これらの他、例えば、低下部位が内転筋の場合には、ワイドスクワット等のトレーニングが提案される。
また、低下部位が大臀筋の場合には、スプリットスクワット等のトレーニングが提案される。
また、低下部位が脊椎起立筋の場合には、グッドモーニング等のトレーニングが提案される。
また、低下部位が中臀筋の場合には、アダクション・アブダクション等のトレーニングが提案される。
また、低下部位が大胸筋の場合には、チェストプレス等のトレーニングが提案される。
また、低下部位が関節の場合には、可動域を広げるストレッチ等の関節を鍛えるトレーニングが提案される。
上記例示した機能向上プランの他、対象者のニーズ、性別、年齢、筋肉量等、に応じて、各個人に合ったトレーニングプログラムを提案することができる。
さらに、低下部位が脳機能の場合には、脳機能を向上させるトレーニングが提案される。脳機能を向上させるトレーニングとしては、具体的には例えば、見当識、注意力、記憶力、計画力、空間認識力等の各種脳機能を向上させるプログラムが適用することができる。また、片足立ちや爪先立ちなどのバランスを保つトレーニングも効果的である。さらに、社会性を保つトレーニングも考案されている。なお、このような脳機能の測定・トレーニングを、コンピュータプログラムを用いて、歩行測定と合わせて行うこともできる。
脳機能の低下の中でも、平衡能力の場合には、片足立ち、バランスボール等のバランストレーニングが提案される。
また、脳機能の低下の中でも、リズム形成能力の場合には、太鼓を演奏する、同時に2つの動作を行う、音楽に合わせて歩く等のリズム感を養うトレーニングが提案される。
また、社会性を保つトレーニングとしては、コミュニティーへ参加し他人と行動を共にすることが提案される。コミュニティーとしては具体的には例えば、フィットネス、ダンス、ヨガ、将棋、囲碁等が挙げられる。これらのコミュニティーは、他人と一緒に何らかの行動を行うものであれば特に制限はないが、地方自治体の健康センターなど、居住地から近く、参加しやすく、また、対象者と同年代の人が集まる場所が好ましい。
なお、低下部位に脳機能を含む場合には、脳機能の測定や診断を提案するようにしてもよい。
[1−4.処理部]
<速度生成部>
速度生成部111は、加速度センサ50によって得られた加速度情報に基づいて、速度情報を生成する処理を行う。速度情報は、対象者の移動した速度を、(X,Y,Z)の3次元ベクトルで示すものである。
<筋量生成部>
筋量生成部112は、超音波測定部160及び画像生成部171によって得られた測定部位における組織分布を示す画像情報に基づいて、筋量を生成する処理を行う。筋量は、組織分布を示す画像情報の画像を解析して、筋肉が占める部位の厚み方向の長さを算出することで得ることができる。筋量は、厚み単位(mm)を用いて表示することができる。一方、対象者にとっては、筋量を相対的に評価することで、自分が集団の中でどのようなポジションにいるかという観点で捉えた方が解りやすいため、0点以上の10点満点や100点満点等のスコアで表示することが好ましい。スコアのつけ方は、筋量や、評価目的に応じて適宜選択することができる。このスコアをつけて相対的に評価する手法は、後述する能力推定部114の説明において、歩行能力のスコアをつける手法と同様に行うことできる。
<要素導出部>
要素導出部113は、動作取得部101によって取得された動作情報から、対象者の歩行に関する状態量を示す歩行要素を導出する。本実施形態では、要素導出部113は、動作情報として、速度の3次元ベクトルを解析することで、歩行要素を導出する。歩行要素とは、対象者の歩行を構成する成分を抽出して状態量として示した物理的な指標である。
要素導出部113は、歩行要素として、平均加速度、空間的左右差、時間的左右差、同調性崩れ、及び運動軌道から選ばれる少なくとも1つを導出する。要素導出部113は、これら歩行要素の全てを導出することが好ましい。
平均加速度は、対象者の身体の動きに伴って発生する加速度を一定時間計測した平均値である。加速度測定装置を装着する位置によって異なる意味合いの平均加速度が得られる。
空間的左右差は、例えば右脚と左脚の振り幅の差を指す。
時間的左右差は、例えば歩行中の右脚と左脚を振る動作における遊脚期間の差を指す。
同調性崩れは、両脚や両腕をリズムよく振っているかどうかの指標である。
運動軌道は、身体が左右、上下、前後方向へどのような軌跡を描いて動いているかを表すものである。各方向における振幅の大小が、対象者の反復動作の特質を示す指標になる。
<能力推定部>
能力推定部114は、動作情報又は歩行要素から、対象者の歩行能力を推定する。
能力推定部114は、歩行能力として、歩行速度、左右対称性(左右のバランス)、リズム性(リズム感)、歩行安定性(まっすぐ歩く力)、躍度(バランス能力)、及び姿勢から選ばれる少なくとも1つを推定する。能力推定部114は、これら歩行能力の全てを導出することが好ましい。
歩行速度は、対象者が早く移動できるかの指標となるものである。歩行速度は、歩幅と、単位時間当たりの歩数を表す歩行率との積により表すことができる。このうち、歩幅は足の長さによる影響を受けるが、股関節の柔らかさや下肢の筋力による影響を受けていることが同じ体格の人同士での比較から明らかとなっている。このことから、歩行速度が低下している場合には、下肢の筋力が低下している、股関節の可動域が狭まっている、又は心肺機能が低下している等の身体機能の低下が生じていると推測される。この場合に筋力が低下している下肢の筋肉としては、具体例としては、例えば、大腰筋、大腿四頭筋、下肢三頭筋等が挙げられる。歩行速度の低下は、つま先立ちや段差踏み出し運動を行った際にも表れる。
躍度は、歩行環境の変化に速やかに対応する敏捷性はあるかの指標となるものである。言い換えれば、身体のバランスが崩れた際に取り直す、リバランス能力の表れである。例えば、1秒間に10回バランス状態の微調整をするのか、又は2回しか微調整できないのか、といった尺度から評価することができる。躍度が低下している場合には、平衡能力等の脳機能が低下していると推測される。躍度の低下は、開眼片足立を行った際にも表れる。
歩行安定性は、左右方向へのフラツキを抑え、前に足を運ぶ力があるかの指標となるものである。一般的に、高齢者になると、歩行中の両足の幅である歩隔が拡がり、歩行中に体が左右に揺れる程度を示す体幹動揺が大きくなる傾向にある。この傾向は、足を横に開いて重心を下げて歩く方が安全であるためと考えられている。一方、この歩き方は筋力を必要としないため、この歩き方に慣れると益々筋力が落ちていく。歩行安定性が低下している場合には、下肢の筋力が低下しているとの身体機能の低下、又は平衡能力等の脳機能の低下が生じていると推測される。この場合に筋力が低下している下肢の筋肉としては、具体例としては、例えば、大腰筋、大腿四頭筋、下肢三頭筋等が挙げられる。歩行安定性の低下は、階段昇降や片足膝曲げを行った際にも表れる。
左右対称性は、動作に左右差はないかの指標となるものである。例えばどちらか一方の足に不具合があると、左右の歩幅が違うといった現象が起こる。この歩き方は身体の他の部分に悪影響を与えるため、不具合を取り除いた上で左右同じように身体を動かす癖を再習得する必要性が高い。左右対称性が低下している場合には、関節の不具合等の身体機能の低下が生じていると推測される。歩行速度の低下は、カニ歩きや横歩きを行った際にも表れる。
リズム性は、リズミカルにダイナミックに歩行動作を継続できるかの指標となるものである。認知機能が低下すると、歩行リズムが乱れることが知られている。歩行習慣により認知機能が維持されうるという知見もあるが、この効果の一部は認知機能の改善によるものと考えられている。リズム性が低下している場合には、リズム形成能力の脳機能が低下していると推測される。リズム性は、ながらステップやリズミックステップを行った際にも表れる。
姿勢は、効率の良い歩き方を実現する基礎的な筋力があるかの指標となるものである。体幹の筋力が弱ると歩行姿勢が悪くなる。歩行姿勢の悪化は筋肉を無理なく使うことに支障をもたらし、歩行動作の不安定化に繋がる。また視界が不安定になることも歩行に悪影響を及ぼす。姿勢が低下している場合には、体幹の筋力(抗重力筋)等の身体機能が低下していると推測される。この場合に筋力が低下している筋肉としては、具体例としては、例えば、腹直筋、内外腹斜筋等の体幹筋力が挙げられる。姿勢の低下は、腹筋やうつ伏せ片足上げを行った際にも表れる。
ここで、速度情報と歩行要素と歩行能力との関係について、図5を参照して説明する。
図5では、速度情報を左側に、速度情報から得られる歩行要素を真中の列に、速度情報又は歩行要素から得られる歩行能力を右側の列に記載している。要素導出部113は、速度の3次元ベクトルから、歩行要素である、平均加速度、空間的左右差、時間的左右差、同調性崩れ、及び運動軌道を算出する。さらに、能力推定部114は、速度の3次元ベクトル又は歩行要素から、歩行能力を算出する。具体的には、能力推定部114は、平均加速度に基づいて歩行速度を推定し、空間的左右差及び時間的左右差に基づいて左右対称性を推定し、同調性崩れに基づいてリズム性を推定し、運動軌道に基づいて歩行安定性を推定し、速度の3次元ベクトルに基づいて躍度及び姿勢を推定する。なお、歩行速度は、速度の3次元ベクトルから算出される、歩行距離と所要時間とから求めることもできる。
歩行能力は、それぞれの単位を用いて表示することができる。例えば、歩行速度であれば、単位時間当たりの移動距離(m/s等)を用いて表示することもできる。一方、対象者にとっては、歩行能力を相対的に評価することで、自分が集団の中でどのようなポジションにいるかという観点で捉えた方が解りやすいため、0点から10点満点や、0点から100点満点等のスコアで表示することが好ましい。スコアのつけ方は、歩行能力や、評価目的に応じて適宜選択することができる。
歩行能力のスコアの付け方の一例としては、まず、あらかじめ各年齢の対象者数十名から数百名の歩行を測定して歩行能力を求め、それぞれの歩行能力の平均値を求めて、これら歩行能力の平均値を50点と設定する。さらに、歩行能力の値の分布の最小値から3%に位置するまでを10点、97%の位置から最大値までを100点に設定し、3%に位置する値から97%位置する値までを分布に対応させて10点〜100点と設定する。なおこの場合0点〜9点の値はとらない。そして、このように設定した歩行能力と点数との関係からなる分布において、対象者の歩行能力の値を当てはめることで、対象者の歩行能力のスコアをつけることができる。
別の一例としては、あらかじめ各年齢の対象者数十名から数百名の歩行を測定して歩行能力を求め、それぞれの歩行能力の最小値から最大値の間を8等分する。そして、この8等分された歩行能力に、対象者の歩行能力の値を当てはめて、最小値以下を1点、最大値以上を10点とし、その間の8等分された方向能力との関係に応じて、2点〜9点をつけることができる。
別の一例としては、年齢別に分けず、あらかじめ対象者数百名の歩行を測定して歩行能力を求め、対象者全員の平均値を50点とし、平均値からの差に応じて、0点〜100点の点数を設定する。そして、このように設定した歩行能力と点数との関係において、対象者の歩行能力の値を当てはめることで、対象者の歩行能力のスコアをつけることができる。この場合は、対象者の年齢に関係なく、歩行の状況を全体に対する相対値として提示することができる。
上述したスコアの付け方においては、予め歩行を測定する対象者を無作為に抽出した対象者の全員又は一部の平均を基準とすることもできる。他の基準としては、例えば、パワフルな歩行をするアスリートの歩行能力を基準として、この基準としたアスリートの歩行能力に対して、対象者の歩行能力の比較を行ってもよい。このとき、基準と同じか又はそれ以上の場合を100点とし、100点満点でスコアをつけることができる。
<部位判定部>
部位判定部115は、歩行能力と筋量から、対象者の身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する。
具体的にはまず、部位判定部115は、部位判定部115で判定された歩行能力から、低下している歩行能力を判定する。また、部位判定部115は、筋量生成部112で生成された各検査部位の筋量から、筋量の低下を判定する。
低下している歩行能力の判定を行う手法の一例としては、歩行能力をそれぞれの単位を用いて表示する場合において、あらかじめ各年齢の対象者数十名から数百名の歩行を測定して歩行能力を求め、それぞれの歩行能力の平均値を求めておく。そして、判定を行う対象者の年齢と対応する年齢の対象者の歩行能力の平均値と、判定を行う対象者の歩行能力の値とを比較して、平均値よりも低い場合にその歩行能力が低下していると判定することができる。また、低下している歩行能力の判定を行う他の例としては、歩行能力のスコアをつけて相対的に評価する場合において、判定を行う対象者のスコアが、平均となる点数よりも低い場合にその歩行能力が低下していると判定することができる。
筋量の低下の判定も、低下している歩行能力の判定と同様に行うことができる。例えば、筋量を厚み単位で評価する場合において、あらかじめ各年齢の対象者数十名から数百名の筋量を求め、筋量の平均値を求めておく。そして、判定を行う対象者の年齢と対応する年齢の対象者の筋量の平均値と、判定を行う対象者の筋量の値とを比較して、平均値よりも低い場合にその検査部位の筋量が低下していると判定することができる。または、筋量のスコアをつけて相対的に評価する場合において、判定を行う対象者のスコアが、平均となる点数よりも低い場合にその検査部位の筋量が低下していると判定することができる。
次に、部位判定部115は、部位記憶部121に格納される低下部位テーブルを読み出す。そして、部位判定部115は、読み出された低下部位テーブルのうち歩行能力を参照して、低下部位テーブルに格納される低下部位から、能力数底部115で推定された低下している歩行能力に対応付けられている、特定の低下部位を抽出する。このようにして抽出された低下部位が、身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位と判定されることになる。
このとき、抽出された低下部位が、身体機能及び脳機能のうちいずれか1方のみの場合には、その抽出された身体機能又は脳機能に対応する部位の機能が低下していると判定することができる。一方、抽出された低下部位が身体機能と脳機能との両方を含み、且つ身体機能の低下部位が筋力である場合には、さらに筋量を用いた判定を行うことができる。具体的には、筋量が低下していると判定された場合には、少なくとも身体機能に対応する部位の機能が低下していると判定することができる。また、この場合、脳の機能も低下している可能性があると判定することができる。これに対して、筋量が低下していないと判定された場合には、脳機能が低下していると判定することができる。
<プラン抽出部>
プラン抽出部116は、低下部位に応じた身体機能向上プラン及び脳機能強化プランのうち少なくとも一方をプラン記憶部122から抽出する。
具体的には、まず、プラン抽出部116は、プラン記憶部122に格納されるプランテーブルを読み出す。そして、プラン抽出部116は、プラン記憶部122から読み出されたプランテーブルのうち低下部位を参照して、プランテーブルに格納される機能向上プランから、部位判定部115で判定された低下部位に対応付けられている、特定の機能向上プランを抽出する。このようにして、低下部位に応じた身体機能向上プラン及び/又は脳機能強化プランが抽出される。
[2.動作]
以下、図6を参照しながら、維持システム100の処理、及び維持システム100を用いて行う健康状態の維持方法について説明する。
ステップS101では、加速度測定装置300によって対象者の加速度情報を取得する(加速度情報取得ステップ)。加速度情報の取得は、加速度測定部150が加速度センサ50により対象者の歩行中の加速度を測定することで行われる。加速度測定部150は、取得した加速度情報の信号を、通信部142及び通信部141を介して、速度生成部111に出力する。
加速度を測定する際の歩行距離は、通常10歩以上、好ましくは20歩以上である。上限には特に限定されないが、測定精度が飽和する程度の時間を歩行する観点から、通常は50歩以下、好ましくは30歩以下である。但し、対象者の年齢や健常度によって、より長い距離で測定することも可能である。なお、起床時から就寝時までの歩行を計測することで、歩行状態を継続的にモニタリングすることができる。
加速度を測定する際の歩行の経路には、特に限定されないが、通常、直線、八の字、円、楕円、蛇行等が挙げられる。左右のバランスを測定する関係上、左右対称な経路とするのが好ましい。経路の一例として、10mの歩行路と、この歩行路の両側に助走路と減速路とを2mずつ設けた14mの直線路(図7参照)において、助走路側のスタート地点から歩行を開始して歩行路を通過し、減速路側のゴール地点まで歩行して停止する経路が挙げられる。この場合、歩行路を歩いている間に得られた加速度を加速度情報として利用することができる。経路の他の例として、20mの直線距離が確保できる場所を使用し、20m歩行し終点に到達したら、右回りに180度回転し、元の直線を20m歩行し、さらに左回りに180度回転し、また20mを歩行し、合計60mを歩行する経路が挙げられる。また、経路の他の例として、半径5mの円を2つ接続した8の字の経路を使用して、円の接点から歩行を開始し、2つの円形の経路を8の字に歩行して接点に戻り、約62.8mの歩行を行う経路が挙げられる。
ステップS102では、速度生成部111は、ステップS101で取得された加速度情報に基づいて、対象者が移動した際の速度ベクトルを示す速度情報を生成する(速度生成ステップ)。速度生成部111は、生成した速度情報の信号を、要素導出部113及び能力推定部114に出力する。
ステップS103では、要素導出部113は、ステップS102で生成された速度情報を解析して、平均加速度、空間的左右差、時間的左右差、同調性崩れ、及び運動軌道から選ばれる少なくとも1つの歩行要素を導出する(要素導出ステップ)。要素導出部113は、導出した歩行要素の信号を、能力推定部114に出力する。
ステップS104では、能力推定部114は、ステップS102で生成された速度情報、及びステップS103で導出された歩行要素に基づいて、歩行能力を推定する(能力推定ステップ)。具体的には、平均加速度に基づいて歩行速度を推定し、空間的左右差及び時間的左右差に基づいて左右対称性を推定し、同調性崩れに基づいてリズム性を推定し、運動軌道に基づいて歩行安定性を推定し、速度情報に基づいて躍度及び姿勢を推定する。能力推定部114は、推定した歩行能力の信号を、部位判定部115及び表示部130に出力する。
ステップS105では、超音波検査装置400によって超音波測定を行い、対象者の画像情報(超音波画像情報)を取得する(画像情報取得ステップ)。画像情報の取得は、まず、超音波測定部160が超音波プローブ60によって対象者に超音波を送信するとともに、対象者から反射された超音波を受信することで、受信信号を生成する。超音波測定部160は受信信号を画像生成部171に出力する。そして、画像生成部171が、受信信号を解析処理して画像情報を生成することで行われる。画像生成部171は、取得した画像情報の信号を、通信部143及び通信部141を介して、筋量生成部112に出力する。
ステップS106では、筋量を取得する(筋量取得ステップ)。筋量の取得は、筋量生成部112が、ステップS105で取得された画像情報に基づいて、対象者の筋量を算出することで行われる。筋量生成部112は、生成した筋量の信号を、部位判定部115に出力する。
ステップS107では、部位判定部115は、歩行能力及び筋量から、対象者の身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する(部位判定ステップ)。具体的には、まず、部位判定部115は、ステップS104で推定された歩行能力から、低下している歩行能力を判定する。また、部位判定部115は、ステップS106で生成された筋量から、筋量の低下を判定する。次に、部位判定部115は、部位記憶部121に格納される低下部位テーブルを読み出す。さらに、部位判定部115は、読み出された低下部位テーブルに含まれる歩行能力を参照して、低下している歩行能力に対応する特定の身体機能又は脳機能の低下部位を読み出す。このとき、筋量が低下していないと判定された場合には脳機能の低下部位を読み出し、筋量が低下していると判定された場合には身体機能及び脳機能の低下部位を読み出すことで、低下部位を判定する。部位判定部115は、判定された低下部位の信号を、プラン抽出部116及び表示部130に出力する。
ステップS108では、プラン抽出部116は、ステップS105で判定された低下部位に応じた身体機能向上プラン及び脳機能強化プランの少なくとも一方をプラン記憶部122から抽出する(プラン抽出ステップ)。具体的には、プラン抽出部116は、プラン記憶部122に格納されるプランテーブルを読み出す。さらに、プラン抽出部116は、読み出されたプランテーブルに含まれる低下部位を参照して、ステップS107で判定された低下部位に対応する特定のプランを読み出すことで機能向上プランを抽出する。プラン抽出部116は、抽出された機能向上プランの信号を、表示部130に出力する。
ステップS109では、表示部130は、ステップS104で推定された歩行能力の信号、ステップS107で判定された低下部位の信号、及びステップS108で抽出された機能向上プランの信号を受信する。そして、維持システム100は、これらの歩行能力、低下部位、及び機能向上プランを、表示部130に表示する(表示ステップ)。
上記説明では、加速度情報の取得から歩行能力の推定(ステップS101〜S104)を行った後に、画像情報の取得と筋量の生成(ステップS105,106)を行う場合を例に挙げて説明した。低下部位の推定(ステップS107)の前に、歩行能力の推定と筋量の生成とを行えばよく、処理の順序を入れ替えても、処理を同時に行ってもよい。例えば、筋量の生成を行った後に、歩行能力の推定を行ってもよい。または、加速度情報の取得と画像情報の取得とを行った後に、加速度情報の取得と、速度情報の生成と、歩行要素の導出と、歩行能力の推定と、筋量の生成とを行ってもよい。
上記説明では、ステップS107において、維持システム100が、歩行能力、低下部位、及び機能向上プランを表示部130に表示する場合を例に挙げて説明したが、維持システム100は、少なくともステップS108で抽出された機能向上プランを表示すればよい。また、維持システム100は、機能向上プランに加えて、ステップS104で推定された歩行能力を表示してもよい。また、維持システム100は、機能向上プランに加えて、ステップS107で判定された低下部位を表示してもよい。
また、上記説明では、ステップS107において、維持システム100が、歩行能力、低下部位、及び機能向上プランを表示部130に表示する場合を例に挙げて説明したが、さらに、ステップS103で導出された歩行要素、及びステップS106で生成された筋量を表示してもよい。この場合、ステップS103では、要素導出部113が、導出した歩行要素を、表示部130に出力する。また、ステップS106では、筋量推定部115は、生成された筋量を、表示部130に出力する。
また、上記説明では、維持システム100は、処理部110の各機能部位から表示部130に出力された情報の表示を行う場合について説明した。速度生成部111、筋量生成部112、要素導出部113、能力推定部114、部位判定部115、及びプラン抽出部116での処理によって得られた情報は、記憶部120に出力されることで、記憶部120に蓄積されてもよい。さらに、対象者の操作に応じて、維持システム100は、対象者に関する情報を記憶部120から読み出して、表示部130に表示して、対象者が閲覧することができるようにしてもよい。
[3.作用及び効果]
本実施形態に係る維持システム100は、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
維持システム100は、加速度測定装置300により得られる対象者の加速度情報から対象者の速度情報を取得し、対象者の歩行状態を歩行能力として解析することができる。さらに、超音波検査装置400により得られる画像情報から対象者の筋量を取得することができる。そして、部位判定部115が、歩行能力と筋量とから、対象者の身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する。このとき、歩行能力の低下が認められながら筋量が低下していない場合には、歩行能力の低下が脳機能に起因する可能性が高いと推測される。したがって、部位判定部115は、歩行能力と筋量とを解析することで、歩行能力の低下が認められる場合に、歩行能力の低下が筋量の低下(筋の減量)によるものか、又は脳神経系やその他筋力以外の機能低下によるものかを判定することができる。すなわち、歩行能力と筋量に基づいて、体機能と脳機能とのいずれかの機能が低下しているかを適切に判定することができる。
ところで、脳機能を評価する方法としては、例えば、機能的磁気共鳴画像法(fMRI;functional magnetic resonance imaging)、ポジトロン断層法(PET;positron emission tomography)、近赤外線分光法(NIRS;near-infrared spectroscopy)、脳波(EEG;electroencephalogram)、脳磁図(MEG;magnetoencephalography)等が知られている。しかしながら、これらの脳機能を評価する方法には通常、大掛かりな装置が必要である。また、一般的に、脳機能を自ら疑いその評価をするために、心療内科、精神科、神経内科等の診察を受けることには心理的に抵抗を感じることが少なくない。一方、維持システム100によれば、対象者の歩行能力と筋量とを組み合わせることで、比較的に平易に且つ短時間に、また比較的に気軽に、脳機能が低下しているかどうかを推測することができる。
また、維持システム100によれば、歩行能力、筋量、及び低下部位を求めることで、これらを対象者に認識させることができる。このようにして、対象者が自らの歩行能力、筋量、及び低下部位を認識することで、自分の歩行を客観的に捉えることができる。したがって、対象者の健康意識が向上するとともに、低下部位の機能を向上させるためのトレーニングを行うモチベーションを高めることができる。特には、中高年齢層であっても、無理なく自分自身の健康意識を向上させて、健康状態の維持に貢献することができる。
さらに、維持システム100は、低下部位に応じた身体機能向上プラン及び脳機能強化プランの少なくとも一方を抽出する。これにより、例えば、姿勢が低下していると推定された場合には、体幹筋力が低下している可能性があることから、体幹筋力を鍛える機能向上プランが提案されることになる。このように、対象者の歩行状態に応じて具体的に行うべきトレーニングを適切に示すことができ、各人は明確な目標を持って機能向上に取り組むことができる。したがって、維持システム100によれば、身体機能向上プラン及び脳機能強化プランによって、対象者の身体機能及び脳機能を増大して、または衰えを抑制して、健康状態の維持に貢献することができる。このとき、上述した健康意識の向上とあいまって、対象者の健康の増進がいっそう導かれることになる。
[4.その他]
<加速度センサ及び角加速度センサについて>
上述の実施形態では、動作取得部101が加速度センサ50を有し、加速度センサ50によって得られる加速度情報を利用して速度情報を取得する場合について説明した。動作取得部101は、さらに角加速度センサを有してもよい。そして、動作取得部101は、加速度情報に加えて、角加速度センサによって得られる角加速度情報に基づいて速度情報を算出することで、動作情報を取得してもよい。または、動作取得部101は、加速度センサにかえて角加速度センサを有してもよい。そして、動作取得部101は、角加速度センサによって得られる角加速度情報に基づいて速度情報を算出することで、動作情報を取得してもよい。
また、上述の実施形態では、加速度センサ50により検出されるX軸、Y軸、Z軸の3軸の加速度変化を利用して、速度情報を生成する場合について説明したが、これに限定されない。目的とする歩行要素、歩行能力、及び低下部位に合わせて、X軸、Y軸、Z軸のうち、1軸の加速度を利用してもよく、2軸の加速度を利用してもよい。
<筋量の取得について>
上述の実施形態では、超音波検査装置400による超音波測定によって、超音波画像を取得し、この超音波画像から筋量を取得する場合を例に挙げて説明した。筋量の取得はこれに限定されず、超音波検査装置400以外の装置及び手法によって行ってもよい。例えば、コンピュータ断層撮影(CT;computed tomography)、核磁気共鳴画像法(MRI;magnetic resonance imaging)、生体電気インピーダンス法(BIA;bioelectrical impedance analysis)等が挙げられる。
<加速度情報及び画像情報の処理について>
上述の実施形態では、加速度測定部150によって得られた加速度情報を、通信部142及び通信部141を介して、加速度測定装置300から処理部110が有する速度生成部111に送信する場合について説明した。加速度情報の処理に関する構成はこれに限定されず、適宜変更してもよい。例えば、図8に示す維持システム100aのように、加速度測定装置300が速度生成部111を有しており、加速度測定部150によって得られた加速度情報に基づいて、この速度生成部111が速度情報を生成し、生成された速度情報を、通信部142及び通信部141を介して、加速度測定装置300から要素導出部113に送信するようにしてもよい。この場合、例えば、速度生成部111は、加速度測定装置300が有するデジタルシグナルプロセッサ(DSP)として構成される。なお、この場合には、加速度測定装置300が有する、加速度測定部150、速度生成部111、及び通信部142によって、動作取得部101が構成される。
また、上述の実施形態では、画像生成部171によって得られた画像情報を、通信部143及び通信部141を介して、超音波検査装置400から処理部110が有する筋量生成部112に送信する場合について説明した。画像情報の処理に関する構成はこれに限定されず、適宜変更してもよい。例えば、図8に示す維持システム100aのように、超音波検査装置400が筋量生成部112を有しており、画像生成部171によって得られた画像情報に基づいて、この筋量生成部112が筋量を生成し、生成された筋量を、通信部143及び通信部141を介して、超音波検査装置400から部位判定部115に送信するようにしてもよい。この場合、例えば、記憶部180に筋量生成部112として機能させるプログラムが予め保存されており、CPU10がこのプログラムを読み出して実行することにより、筋量生成部112として機能するように構成される。なお、この場合には、超音波検査装置400が有する、超音波測定部160、画像生成部171、筋量生成部112、記憶部180、及び通信部143によって、筋量取得部102が構成される。
<加速度情報及び画像情報の処理について>
上述の実施形態では、処理部110において、速度生成部111によって得られた速度情報を用いて、維持装置200において、要素導出部113が歩行要素を導出するとともに、能力推定部114が歩行能力を推定する場合を例に挙げて説明した。速度情報の処理に関する構成はこれに限定されず、適宜変更してもよい。例えば、図9に示す維持システム100bのように、加速度測定装置300が速度生成部111、要素導出部113、及び能力推定部114を有しており、加速度測定装置300において、速度生成部111によって得られた速度情報を用いて、要素導出部113が歩行要素を導出するとともに、能力推定部114が歩行能力を推定してもよい。そして、能力推定部114によって推定された歩行能力を、通信部142及び通信部141を介して、加速度測定装置300から部位判定部115に送信するようにしてもよい。この場合、例えば、速度生成部111、要素導出部113、及び能力推定部114は、加速度測定装置300が有するデジタルシグナルプロセッサ(DSP)として構成される。なお、この場合には、加速度測定装置300が有する、加速度測定部150、及び速度生成部111によって、動作取得部101が構成される。
<データの蓄積について>
上述の実施形態では、処理部110の各機能部位での処理によって得られた情報は、記憶部120に蓄積される場合を例に挙げて説明した。処理部110の各機能部位での処理によって得られた情報の電子データを、例えば、イントラネット上のサーバやインターネット上のクラウドサーバに蓄積させてもよい。これにより、イントラネット上のサーバやインターネット上のクラウドサーバに接続することで、蓄積されたデータにアクセスすることが可能となる。また、複数回の測定により得られた情報の電子データを蓄積しておくことで何回か対象者の歩行を解析することにより、経時的な変化を読み取ることができる。何回やっても基準歩行に近づかない場合は、身体の器質的な障害や、認知の障害がある可能性があるとも推定できる。
<維持システムについて>
上述の実施形態では、維持システム100が、コンピュータ装置である維持装置200と、加速度測定装置300と、超音波検査装置400とを備える場合を例に挙げて説明した。維持システム100は、CPU10、メモリ20、及び通信モジュール41を少なくとも備えるサーバと、このサーバとネットワークを介して、データを含む信号を送受信する加速度測定装置300及び超音波検査装置400を備えるシステムとして構成されていてもよい。このとき、加速度測定装置300及び超音波検査装置400は、携帯電話通信網又はWi−Fi(登録商標)等の通信規格に基づいて、ネットワークを介して、通信モジュール41と信号を送受信する。ネットワークは、複数のコンピュータ又はサーバを接続して電子データの伝送を行う通信回線網であり、例えば、無線又は有線によるLAN(Local Area Network)、イントラネット、イーサネット(登録商標)、インターネット、電話通信回線ネットワーク、光ファイバー通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワーク、移動体通信網ネットワーク、又は衛星通信ネットワークである。又は、ネットワークは、これらが複合された通信回線網である。さらに、このとき、維持装置200以外の通信端末が表示部130として機能する表示装置30を有しており、この表示部130に、歩行能力と機能向上プランとを表示するようにしてもよい。通信端末は、例えばスマートフォン、タブレット型端末、モバイル形パーソナルコンピュータ、デスクトップ形パーソナルコンピュータ等である。この通信端末を利用して、対象者は、表示内容を閲覧することが可能となる。
さらにまた、処理部110の各機能は、複数の装置に分散して備えられていてもよい。例えば、維持システム100は、速度生成部111及び筋量生成部112を有する通信端末と、要素導出部113、能力推定部114、部位判定部115、及びプラン抽出部116を有するサーバとを備えて構成されていてもよい。この場合、速度生成部111で生成された速度情報と、筋量生成部112で生成された筋量とが、ネットワークを介して、サーバに送信される。または、維持システム100は、速度生成部111、要素導出部113、及び筋量生成部112を有する通信端末と、能力推定部114、部位判定部115、及びプラン抽出部116を有するサーバとを備えて構成されていてもよい。この場合、要素導出部113によって推定された歩行要素と、筋量生成部112で生成された筋量とが、ネットワークを介して、サーバに送信される。または、維持システム100は、速度生成部111、要素導出部113、能力推定部114、及び筋量生成部112を有する通信端末と、部位判定部115、及びプラン抽出部116を有するサーバとを備えて構成されていてもよい。この場合、能力推定部114によって推定された歩行能力と、筋量生成部112で生成された筋量とが、ネットワークを介して、サーバに送信される。
<解析の組み合わせについて>
本実施形態の維持システム100は、歩行の状態を解析することを基本としているが、他の健康に関するデータも取得し、合わせて解析することにより、より幅広く健康状態をモニタリングし、健康を維持できる。
取得することができるデータとしては、例えば、身長、体重、体脂肪率、筋力、筋量、骨密度、肺活量、握力、心拍数、等のバイタルデータ;睡眠時間、喫煙習慣、飲酒習慣、食事の量などの生活習慣データが挙げられる。これらは、歩行の計測と同時にあるいは前後して各種測定器、ウェアラブル機器を用いて計測することもでき、またアンケート形式により対象者から提示を受けることができる。
したがって、本実施形態の歩行による維持システム100を用いるにあたっては、歩行の際の動作情報のデータ及び筋量のデータに加えて、定期的な健康診断のデータを参照しながら、各個人に合った筋力を向上させるプランを設定することが好ましい。
さらに、筋電位、呼吸、脈拍等を計測可能なウェアラブルツールにより、バイタルデータを測定し、また健康診断などで得られた血液検査、その他のデータを合わせて解析することにより、上記の動作情報のデータ及び筋量のデータと併用すれば、更に詳細に健康状態を推定することができる。
<機能向上プランの抽出について>
上述の実施形態では、歩低下部位を推定した後、低下部位を用いてプランテーブルを参照して機能向上プランを抽出する場合を例に挙げて説明した。機能向上プランの抽出はこれに限定さない。例えば、低下している歩行能力と、この歩行能力を改善させる機能向上プランとが対応付けられて、歩行能力−プランテーブルとして記憶部120に格納されていてもよい。そして、プラン抽出部116は、記憶部120に格納される歩行能力−プランテーブルを読み出して、歩行能力−プランテーブルのうち歩行能力を参照して、歩行能力に対応付けられている特定の機能向上プランを抽出するようにしてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
<歩行能力の評価>
被験者(対象者)に3軸加速度センサを装着して歩行を評価した。本実施例において、3名の健常者を被験者として行った(第一〜第三被験者)。3軸加速度センサは、SDモーションレコーダー MVP−SDA3−05AC(マイクロストーン社製)を用いた。サンプリング周期は1/100秒とした。3軸加速度センサの装着位置は被験者の腰椎の真後ろの第3腰椎の高さに統一した。
被験者に、10mの歩行路と、この歩行路の両側に助走路と減速路とを2mずつ設けた14mの直線路(図7参照)を歩いてもらい、歩行状態を評価した。歩き方については、早足、普段の歩行と同程度の速さ(通常歩行)、ゆっくり歩行の3種類の速さを指定して測定した。
測定によって得られた加速度から、3種類の速さの場合のそれぞれについて、各被験者の歩行の際の速度情報として、速度の3次元ベクトルを算出した。さらに、速度の3次元ベクトルから、歩行要素(平均加速度、空間的左右差、時間的左右差、同調性崩れ、及び運動軌道)を算出するとともに、歩行能力(歩行速度、左右対称性、リズム性、歩行安定性、躍度、及び姿勢)を算出した。
予め245名の健常者に3軸加速度センサを装着して、上述した3種類の速さを測定した。この測定により得られた3種類の速さそれぞれについて、速度情報、歩行要素、歩行能力を算出した。そして、このように算出された歩行能力に対応した参照範囲を比較対象として予め設定した。そして、この参照範囲を基準として、被験者の歩行能力を100点満点のスコアで数値化した。これにより、例えば健常者における一般的な歩行能力と比較して、被験者の歩行能力をスコアにより評価することが可能になる。
評価に際しては直線路の中央部分である10mの歩行路(定常歩行状態)における各歩行能力の良し悪しを数値化した。
<筋量の評価>
超音波検査装置を用いて、被験者の超音波計測を行い、得られた超音波画像から筋量として筋肉の厚みを算出した。超音波検査装置としては、BFI Measure 超音波画像計測装置 型番:SM506(誠鋼社製)を用いて測定を行った。また、装置に付属の管理ソフトBody Fat Index software 型番:BFI506を用いて測定データの処理を行った。
超音波計測及び筋肉の厚みの算出は、被験者の上腕背部、腹部、腰部、大腿前部、大腿後部、脹脛の部位において行った。
<低下部位の判定と機能向上プランの提案>
維持装置200を用いて、歩行能力と筋量から低下部位を判定して、低下部位に応じて抽出された機能向上プランを対象者に提案した。
第一被験者は、早足の際にリズム性のスコアが低下していた。また、第一被験者の筋量は、特に減少は見られなかった。脳機能の低下によるリズム性の低下が推定されるため、第一被験者には、脳機能の測定を行うとともに、リズム感を養うトレーニング(太鼓を演奏する、同時に2つの動作を行う)を行うことが提案された。
第二被験者は、どの歩行能力もスコアが低下していたが、特に早足の際に歩行安定性やリズム性のスコア低下が目立った。また、第二被験者の筋量は、脹脛で測定した結果、半年前に比べて約20%の筋の厚さの減少が見られた。このため、第二被験者には、まず、下肢の筋力トレーニング(段差踏み出し運動、爪先立ち)が提案され、加えて体幹の筋力トレーニング(腹筋運動、うつ伏せ片足上げ)、リズム感を養うトレーニング(音楽に合わせて歩く)を行うことが提案された。
第三被験者は、ゆっくり歩行の際に左右対称性が低スコアであり、躍度も低下していた。このため、第三被験者には、関節を鍛えるトレーニング(ストレッチ)とともに左右同じように身体を使うことを心がけることが提案された。さらに、第三被験者には、通常歩行及びゆっくり歩行の際に躍度が低下していた。また、第三被験者の筋量は、いずれも低下が見られなかった。このため、脳機能の低下の可能性があり、脳機能の測定、及びバランストレーニング(片足立ち、バランスボール)を行うことが提案された。
100 維持システム
200 維持装置
300 加速度測定装置
400 超音波検査装置
10 CPU
20 メモリ
30 表示装置
41,42,43 通信モジュール
50 加速度センサ
60 超音波プローブ
70 CPU
80 メモリ
101 動作取得部
102 筋量取得部
110 処理部
111 速度生成部
112 筋量生成部
113 要素導出部
114 能力推定部
115 部位判定部
116 プラン抽出部
120 記憶部
121 部位記憶部
122 プラン記憶部
130 表示部
141,142,143 通信部
150 加速度測定部
160 超音波測定部
170 処理部
171 画像生成部
180 記憶部

Claims (9)

  1. 対象者の加速度変化を示す加速度情報、及び前記対象者の角加速度の変化を示す角加速度情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記対象者が歩行により移動した際の速度ベクトルを示す速度情報を生成する速度生成部を有する動作取得部と、
    前記対象者の筋肉の量を示す筋量を取得する筋量取得部と、
    前記速度情報から、前記対象者の歩行に関する状態量を示す歩行要素を導出する要素導出部と、
    前記速度情報又は前記歩行要素から、前記対象者の歩行能力を推定する能力推定部と、
    前記歩行能力と前記筋量から、前記対象者の身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する部位判定部と、
    前記低下部位と、前記低下部位の機能を向上させる身体機能向上プラン及び脳機能強化プランの少なくとも一方とが対応付けられて予め記憶されたプラン記憶部と、
    前記低下部位に応じた前記身体機能向上プラン及び前記脳機能強化プランの少なくとも一方を前記プラン記憶部から抽出するプラン抽出部とを備える
    ことを特徴とする健康状態の維持システム。
  2. 前記能力推定部によって推定された前記対象者の前記歩行能力と、前記プラン抽出部によって抽出された前記身体機能向上プラン及び前記脳機能強化プランとを表示する表示部をさらに備える
    請求項1に記載の維持システム。
  3. 前記要素導出部は、前記歩行要素として、平均加速度、空間的左右差、時間的左右差、同調性崩れ、及び運動軌道から選ばれる少なくとも1つを導出する。
    請求項1又は2に記載の維持システム。
  4. 前記能力推定部は、平均加速度に基づいて歩行速度を推定し、空間的左右差及び時間的左右差に基づいて左右対称性を推定し、同調性崩れに基づいてリズム性を推定し、運動軌道に基づいて歩行安定性を推定し、前記速度情報に基づいて躍度及び姿勢を推定する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の維持システム。
  5. 前記動作取得部は、前記加速度情報を前記速度生成部へ送信する通信部をさらに有する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の維持システム。
  6. 前記能力推定部は、前記歩行能力として、歩行速度、躍度、歩行安定性、左右対称性、リズム性、及び姿勢から選ばれる少なくとも1つを推定し、
    前記部位判定部は、歩行速度、歩行安定性、及び姿勢に基づいて筋力機能の低下を判定し、左右対称性に基づいて関節機能の低下を判定し、躍度及びリズム性に基づいて脳機能の低下を判定する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の維持システム。
  7. 前記筋量が、超音波検査装置による測定結果に基づいて生成される
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の維持システム。
  8. 対象者の加速度変化を示す加速度情報、及び前記対象者の角加速度の変化を示す角加速度情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記対象者が歩行により移動した際の速度ベクトルを示す速度情報を生成する速度生成ステップと、
    前記対象者の筋肉の量を示す筋量を取得する筋量取得ステップと、
    前記速度情報から、前記対象者の歩行に関する状態量を示す歩行要素を導出する要素導出ステップと、
    前記速度情報又は前記歩行要素から、前記対象者の歩行能力を推定する能力推定ステップと、
    前記歩行能力と前記筋量から、前記対象者の身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する部位判定ステップと、
    前記低下部位と、前記低下部位の機能を向上させる身体機能向上プラン及び脳機能強化プランの少なくとも一方とが対応付けられて予め記憶されたプラン記憶部から、前記低下部位に応じた前記身体機能向上プラン及び前記脳機能強化プランの少なくとも一方を抽出するプラン抽出ステップとを備える
    ことを特徴とする健康状態の維持方法。
  9. コンピュータを、
    対象者の加速度変化を示す加速度情報、及び前記対象者の角加速度の変化を示す角加速度情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記対象者が歩行により移動した際の速度ベクトルを示す速度情報を生成する速度生成部と、
    前記対象者の筋肉の量を示す筋量を取得する筋量取得部と、
    前記速度情報から、前記対象者の歩行に関する状態量を示す歩行要素を導出する要素導出部と、
    前記速度情報又は前記歩行要素から、前記対象者の歩行能力を推定する能力推定部と、
    前記歩行能力と前記筋量から、前記対象者の身体機能及び脳機能のうち機能が低下している部位を判定する部位判定部と、
    前記低下部位と、前記低下部位の機能を向上させる身体機能向上プラン及び脳機能強化プランの少なくとも一方とが対応付けられて予め記憶されたプラン記憶部から、前記低下部位に応じた前記身体機能向上プラン及び前記脳機能強化プランの少なくとも一方を前記プラン記憶部から抽出するプラン抽出部としてさらに機能させる
    ことを特徴とする健康状態の維持プログラム。
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