JP2019058653A - 脈波伝播速度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための、脈波伝播速度測定装置であって、被験者の年齢に関係なく、脈波伝播速度を測定可能な脈波伝播速度測定装置を提供することを目的とする。【解決手段】生体内を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための脈波伝播速度測定装置であって、プロセッサが、進行波の開始点と算出する第1工程と、振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点、振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点、振動波形の1番目の極大点のY値、並びに振動波形の1番目の極小点及び3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点におけるY値から、反射波の開始点を求める第2工程と、を有する演算を実行し、プロセッサにより計算された脈波伝播速度を、表示手段に表示する、脈波伝播速度測定装置。【選択図】図1

Description

本発明は、生体内を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための脈波伝播速度測定装置に関する。
血管は、脳や各種の内臓を含む、全身の組織に血流を供給するための組織であり、大きく分けて、動脈と静脈に区分される。このうち、動脈は、元来、弾力性や柔軟性に富む組織であるが、加齢とともに、コレステロールや中性脂肪等が蓄積することにより、動脈硬化を引き起こして弾力性や柔軟性が失われることが知られている。この動脈硬化は、一般に、脳梗塞、脳出血等の脳血管障害や、狭心症、心筋梗塞等の心疾患の原因となることが知られており、加齢に伴う動脈硬化の進行を如何に防止するかが、これらの重篤な疾患の予防に重要であると言われている。
動脈硬化の進行の防止にあたっては、食生活や運動習慣の改善が非常に重要であるため、脳血管障害や心疾患のリスクを抱えた、いわゆる成人病患者に対しては、これらの生活習慣の改善を促す指導が必要となる。ここで、医師が、このような生活習慣の改善を促す指導を行うにあたって、動脈硬化の進行(動脈硬化度)を把握するため、脈波伝播速度を測定することが行われていた。
そのような目的のため、従来、生体の上肢と下肢とに巻回されるカフを用いて、上肢血圧値と下肢血圧値とを測定するとともに、上肢及び下肢の脈波検出装置を用いて、上肢及び下肢の脈波を検出し、脈波伝播速度を測定する血圧脈波測定装置を使用できることが知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、一般に、血圧脈波測定装置については、2点以上の地点の脈波を測定しなければ、脈波伝播速度を測定することができず、脈波伝播速度の測定に大掛かりな測定装置が必要となる他、末梢動脈に伝播された脈波をもとに脈波伝播速度が測定されるため、大動脈における脈波伝播速度のみを分離して算出することができなかった。
1地点の単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための、脈波伝播速度測定装置としては、例えば、特許文献2には、生体の所定部位に装着されて、当該所定部位における脈波を検出する脈波センサと、脈波センサにより検出される脈波に含まれる進行波成分のピークを決定する進行波ピーク決定手段と、脈波センサにより検出される脈波に含まれる反射波成分のピークを決定する反射波ピーク決定手段と、進行波ピーク決定手段により決定された進行波成分のピークと、反射波ピーク決定手段により決定された反射波成分のピークとの時間差に基づいて、脈波伝播速度情報を算出する脈波伝播速度情報算出手段と、を含むことを特徴とする脈波伝播速度測定装置が開示されている。
ところで、一般に、単一の脈波は進行波とやや遅れて到着する反射波が重ね合わされたものであり、そこから反射波の波形、すなわち進行波に対する反射波の到達タイミングや振幅を分離するためには脈波測定と同一箇所の動脈血流量情報が別途必要であることが知られている(Wave Separation Analysis)。動脈硬化の進展に伴う脈波形状変化の主原因は、脈波伝播速度の増加による反射波の早期帰還、及び振幅の増大と考えられており、単一の脈波形状で明らかなのは振幅変化であり、反射波到達タイミングは不明確であるために、従来は振幅変化のみに着目した増強指数(Augmentation Index)で加齢状態を把握する方法がよく用いられていた(例えば、特許文献3参照)。従来の脈波伝播速度測定では、反射波は用いず、異なる2点間に別々に設置した脈波センサの伝達時間差から求めることが行われている(例えばcfPWB:頚動脈−鼠径部、baPWV:上腕−足首)。
特開2002−272688号公報 特開2003−010139号公報 特開2003−305012号公報
ここで、一般に、単一の脈波における進行波のピークの位置に対する、反射波のピークの位置は、加齢に伴い変化することが知られており、特に、中年世代以降においては、進行波に反射波が近接干渉し重畳した波形となるため、進行波のピーク位置と反射波のピーク位置はそれぞれの真のピーク位置ではないと言われていた。これら進行波と反射波を分離するには、先に述べたように脈波と血流という2つの情報を使った波形分離計算(Wave Sepatation Analysis)を行わなければならず簡便ではなかった。このため、単一の脈波から、脈波伝播速度を測定する場合に、従来の進行波と反射波のピークを用いた方法では被験者の年齢により、脈波伝播速度を正しく算出できない場合が含まれており、被験者の年齢に関係なく、脈波伝播速度を測定できる脈波伝播速度測定装置を開発することが求められていた。したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための、脈波伝播速度測定装置であって、被験者の年齢に関係なく、脈波伝播速度を測定可能な脈波伝播速度測定装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、所定の振動波形センサから得られる単一の脈波の振動波形及びその高次微分波形から、進行波の開始点、及び反射波の開始点を求め、それぞれの差分を求める操作を実行することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)生体内を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための脈波伝播速度測定装置であって、プロセッサ、振動波形センサ、及び表示手段を備え、振動波形センサが、回路基板と、前記回路基板に設けられ、前記回路基板の振動を連続して測定し、振動波形を得る圧電素子と、対象物に接触して、その振動を前記回路基板に伝達する振動導入体と、を有し、時間軸に対する振動波形センサの出力Yの変化を振動波形とするとき、プロセッサが、単一の脈波の振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点を求めて、進行波の開始点とする第1工程と、単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点における単一の脈波の振動波形のY値から、反射波の開始点を求める第2工程と、進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分を求める第3工程と、入力された大動脈長の2倍の値を、進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分で除して、脈波伝播速度を求める第4工程と、を実行し、プロセッサにより計算された脈波伝播速度を、表示手段に表示する、脈波伝播速度測定装置。
(2)第2工程において、下記式で計算される時点を、反射波の開始点とする、(1)に記載の脈波伝播速度測定装置。
反射波の開始点=(単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点)−{(単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点)−(単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点)}×C
(ここで、Cは、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点におけるY値から定められる値である。)
(3)単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも早く到達する場合、Cの値が、以下の式により求められる、(2)に記載の脈波伝播速度測定装置。
C={(単一の脈波の振動波形の1番目の極小点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)−C2}×C1
(ここで、C1は、1以上3以下の補正係数であり、C2は、−0.3以上0.3以下の補正係数である。)
(4)単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも早く到達する場合、Cの値が、以下の式により求められる、(2)に記載の脈波伝播速度測定装置。
C={(単一の脈波の振動波形の1番目の極小点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)+PW50/C3+C4}×C1
(ここで、C1は、1以上3以下の補正係数であり、PW50は、前記対象物の心臓の収縮能力に相関するパラメータであり、C3及びC4は、係数である。)
(5)単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも遅く到達する場合、Cの値が、以下の式により求められる、(2)に記載の脈波伝播速度測定装置。
C={(単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)−C2}×C1
(ここで、C1は、1以上3以下の補正係数であり、C2は、−0.3以上0.3以下の補正係数である。)
(6)単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも遅く到達する場合、Cの値が、以下の式により求められる、、(2)に記載の脈波伝播速度測定装置。
C={(単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)+PW50/C3+C4}×C1
(ここで、C1は、1以上3以下の補正係数であり、PW50は、前記対象物の心臓の収縮能力に相関するパラメータであり、C3及びC4は、係数である。)
(7)前記PW50は、単一の脈波の振動波形における振幅がピーク値の50%を超える時間幅に対応する、(4)又は(6)に記載の脈波伝播速度測定装置。
(8) 振動波形を得る前、又は振動波形を得た後において、表示手段に、鎖骨中心−臍間の距離及び/又は身長を、大動脈中の実効反射サイトの位置を推定する基準値として入力することを促す表示を表示する、(1)から(7)の何れかに記載の脈波伝播速度測定装置。
(9)橈骨手根骨関節近傍の1地点、上腕の1地点、又は頚動脈の1地点において測定される単一の脈波から、脈波伝播速度を測定する、(1)から(8)の何れかに記載の脈波伝播速度測定装置。
(10)生体内を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための脈波伝播速度測定方法であって、
振動波形センサから、時間軸に対する出力Yの変化である振動波形を取得し、
単一の脈波の振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点に基づいて、進行波の開始点を求め、
単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点における単一の脈波の振動波形のY値に基づいて、反射波の開始点を求め、
進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分を求め、
入力された大動脈長の2倍の値を、進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分で除して、脈波伝播速度を求め、
求めた脈波伝播速度を、表示手段に表示することを含む、
コンピュータにより実行される脈波伝播速度測定方法。
(11)生体内を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための脈波伝播速度測定用プログラムであって、
振動波形センサから、時間軸に対する出力Yの変化である振動波形を取得し、
単一の脈波の振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点に基づいて、進行波の開始点を求め、
単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点における単一の脈波の振動波形のY値に基づいて、反射波の開始点を求め、
進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分を求め、
入力された大動脈長の2倍の値を、進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分で除して、脈波伝播速度を求め、
求めた脈波伝播速度を、表示手段に表示させる
処理を、コンピュータに実行させるプログラム。
(12)生体内を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための処理装置であって、
振動波形センサから、時間軸に対する出力Yの変化である振動波形を取得し、
単一の脈波の振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点に基づいて、進行波の開始点を求め、
単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点における単一の脈波の振動波形のY値に基づいて、反射波の開始点を求め、
進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分を求め、
入力された大動脈長の2倍の値を、進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分で除して、脈波伝播速度を求める
ように構成される、処理装置。
本発明の脈波伝播速度測定装置は、所定の振動波形センサから得られる単一の脈波の振動波形及びその高次微分波形から、進行波の開始点、及び反射波の開始点を求め、それぞれの差分を求める操作を実行し、大動脈長の2倍の値を、この差分で除算する。この方法によれば、進行波の開始点、及び反射波の開始点を正確に算出することができるので、被験者の年齢に関係なく、脈波伝播速度を正確に測定することができる。さらに、本発明の脈波伝播速度測定装置は、単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するので、脈波伝播速度測定装置が大掛かりなものとなることがなく、周辺動脈で測定するにも関わらず末梢血管の影響を含まない、大動脈のみについての脈波伝播速度を容易に測定することができる。
本発明の脈波伝播速度測定装置の基本構成を示す図面である。 本発明で使用する振動波形センサの(A)断面図、(B)分解斜視図、(C)平面図を示す図面である。 本発明の振動波形センサの作動状態を示す図面である。 実施例2のシミュレーションにおいて使用した中年被験者と老年被験者の脈波を示す図面である。 PW50の説明図である。 PW50と年齢との相関性を示す図である。 他の実施形態に係る概略フローチャートである。 老年被験者の脈波に基づくシミュレーションの結果を示す図面である。 中年被験者の脈波に基づくシミュレーションの結果を示す図面である。 実施例3のシミュレーションによる、振動波形及び反射波を示す図面である。 実施例3のシミュレーションにより得られた振動波形を、本発明で使用する演算処理を用いて演算した結果を示す図面である。 実施例3のシミュレーションにより得られた振動波形を、本発明で使用する演算処理を用いて演算した結果を示す図面である。 実施例3のシミュレーションにより得られた振動波形を、本発明で使用する演算処理を用いて演算した結果を示す図面である。 本発明装置(実施例4)を使って実際に男性被験者及び女性被験者に群分けして測定した、脈波伝播速度と年齢の相関を示す図面である。 実施例5の結果を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
<脈波伝播速度測定装置>
図1は、本発明の脈波伝播速度測定装置1の基本構成を示す図面である。本発明の脈波伝播速度測定装置1は、生体内の動脈血管壁を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための装置である。より具体的には、脈波伝播速度測定装置1は、プロセッサ2、振動波形センサ3、及び表示手段4を備え、必要に応じて、記憶手段5、入力手段6を備える。また、本発明においては、プロセッサ2及び振動波形センサ3に通信手段を設け、プロセッサ2と振動波形センサ3を無線通信により接続してもよい。
ここで、プロセッサ2は、振動波形センサ3及び表示手段4と接続しており、更に、記憶手段5、入力手段6とも接続している。振動波形センサ3において測定された振動波形は、プロセッサ2において、後述する各種の演算処理に供され、演算処理の結果が表示手段4に表示される。各種演算処理に先立って、又は各種演算処理の途中で、入力手段6よりデータが入力されると、プロセッサ2は、入力されたデータの内容も踏まえ、演算処理の結果を表示手段4に表示する。
[振動波形センサ]
本発明において、振動波形センサ3は、回路基板31と、回路基板31に設けられ、回路基板31の振動を連続して測定し、振動波形を得る圧電素子33と、対象物に接触して、その振動を回路基板31に伝達する振動導入体32と、を有する。このような振動波形センサの具体例としては、国際公開第2016/167202号パンフレットに開示されたものを挙げることができる。以下、振動波形センサの非限定的な具体例について説明する。
(回路基板及び圧電素子)
ここで、回路基板31は、圧電素子33を固定支持するとともに、その電極の引出や信号増幅を行うためのもので、ガラスエポキシやセラミック等により形成される。回路基板31の主面には、中央付近に一対の電極ランド34が設けられており、その周囲にはグランド導体36が形成されている。電極ランド34は、回路基板31の裏面側にスルーホール35により引き出されている。電極ランド34には、圧電素子33の端子(図示せず)が導電性接着剤等で接合されている。このように、電極ランド34及びスルーホール35によって、回路基板31の裏面側に設けたアンプ(後述)等と圧電素子33が接続されている。圧電素子33としては、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が使用される。また、電極ランド34を覆うように絶縁性の樹脂が設けられていてもよい。このとき、圧電素子33も樹脂で覆われていてもよい。
(振動導入体)
次に、圧電素子33には、それを囲むように、リング状の振動導入体32が設けられており、振動導入体32はグランド導体36と電気的に接続されている。また、グランド導体36は、スルーホール35によって回路基板31の裏面側に引き出されている。振動導入体32は、例えば、ステンレスによって形成されて導電性を有しており、接触する人体の皮膚との間でグランド電位を共通するとともに、皮膚の振動を導入して、更に回路基板31に伝達する。皮膚の振動は、振動導入体32に伝達されるとともに、振動導入体32から回路基板31に伝達される。回路基板31は、振動体としても機能し、振動導入体32から伝達された振動は、圧電素子33に伝達されるようになっている。このリング状の振動導入体32により、キャビティ37が形成されている。
(振動波形センサの動作)
図2は、本発明で使用する振動波形センサ3の(A)断面図、(B)分解斜視図、(C)平面図を示す図面であり、図3は、本発明の振動波形センサ3の作動状態を示す図面である。この振動波形センサ3は、人体の心臓の拍動に伴って身体組織のある部分への血液の流入によって生じる血管の容積変化を体表面から波形としてとらえたものである脈波から、振動波形を得るものである。脈波は、皮膚を介して振動導入体32に伝わり、振動導入体32の振動は、更に、回路基板31を振動させ、これが圧電素子33に伝達される。すると、圧電素子33が変位し、脈波の振動が電気信号に変換される。これが、回路基板31のアンプにより増幅されて出力される。なお、出力される波形信号は、主に圧電素子33の長辺方向の変位に基づくものである。
ここで、圧電素子33は、その性質上、脈波の速度を検出する。本発明において使用される振動波形センサ3が、脈波の速度を検出することにより、機構的に、脈波を数学上1回微分した波形が、高精度で得られることとなる。本発明の脈波伝播速度測定装置1においては、振動波形やその高次微分波形を利用して進行波の開始点や、反射波の開始点を求めるが、振動波形センサ3において、実質的に、数学上1回微分した波形が得られていることにより、データ処理にあたり、SN比の低下をもたらす数学的処理である微分の回数を低減することができ、結果的に、脈波伝播速度を高い精度で求めることができる。ここで、微分操作を1回行った場合、周波数の上昇にともない+6dB/octで出力が上昇することが知られているが、脈波信号には信号成分以外に電気回路等で付加されるノイズが含まれているため、それらのノイズも高域強調される結果、信号SNRが低下する。また、微分により信号オフセットが除去されるため、信号のデジタル捕捉に対する分解能要件を低下させる。すなわち、微分により振幅オフセットがないので信号は常に信号ベースラインにクランプされ、アナログ−デジタル変換器(A/D)の設定量子化ビット数を信号振幅に最大限有効に使用することができるという利点もある。
[演算処理]
本発明においては、時間軸に対する振動波形センサ3の出力Yの変化を振動波形とするとき、脈波伝播速度測定装置1に備えられるプロセッサ2が、単一の脈波の振動波形について、以下に示す演算処理を行うことにより、脈波伝播速度を算出する。ここで、脈波伝播速度については、進行波の開始点と、反射波の開始点の時間差を求め、この時間差で、大動脈長の2倍の値を除算することにより求められる。よって、以下に示す第1工程から第4工程の演算処理は、進行波の開始点の時点を求めるステップ(第1工程)と、反射波の開始点の時点を求めるステップ(第2工程)と、進行波の開始点と、反射波の開始点の時間差を求めるステップ(第3工程)と、入力手段6により入力された、大動脈長の2倍の値を、第3工程で求めた時間差で除算するステップ(第4工程)と、から構成される。
(第1工程)
第1工程においては、単一の脈波の振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点を求めて、進行波の開始点とする。なお、信号SNRによっては誤差を減らすため単一脈波の振動波形の最初の負から正に至るゼロ点、あるいは両者の平均値の時点を進行波の開始点としてもよい。
(第2工程)
第2工程においては、単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点(図8中の丸1)、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点(図8中の丸2)、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、単一の脈波の振動波形の1番目の極小点の時点におけるY値、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点の時点におけるY値から、反射波の開始点を求める。特に、上記のY値については、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値に加えて、単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点におけるY値を利用する。ここで、従来の技術においては脈波に対する圧力センサを使用するため、反射波のピークや開始点の時点等を求めるために、3回微分から4回微分といった演算処理が行われている。しかしながら、上述のとおり、微分の回数が多くなればなるほど、SN比が低下してしまい、高い精度で脈波伝播速度を得ることができないという問題がある。本発明においては、振動波形及び1回微分波形、最も微分回数が多い場合でも、2回微分波形までの情報しか使用しないので、結果として、高精度で、反射波の開始点の時点を特定でき、高精度で脈波伝播速度を算出することができる。なお、単一の脈波の振動波形の極大点の時点とは、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の正から負に至るゼロ点の時点と同義であり、単一の脈波の振動波形の極小点の時点とは、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の負から正に至るゼロ点の時点と同義であり、単一の脈波の振動波形の変曲点の時点とは、単一の脈波の振動波形の2回微分波形のゼロ点の時点と同義である。
ここで、進行波の開始点と比較した、反射波の開始点の位置は、加齢とともに変化するため、単一の脈波の振動波形の形状が変化し、反射波を一律に求めることは困難である。このため、本発明においては、進行波の開始点と比較した、反射波の開始点の位置に応じて、異なる演算処理で反射波の開始点の時点を算出する。
より具体的には、反射波の開始点は、以下の式に従って算出する。
反射波の開始点=(単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点)−{(単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点)−(単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点)}×C
(ここで、Cは、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点におけるY値から定められる値である。)
この係数Cについては、(1)単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも早く到達する場合と、(2)単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも遅く到達する場合とで、それぞれ異なる方式により計算される。
(1)単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも早く到達する場合
C={(単一の脈波の振動波形の1番目の極小点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)−C2}×C1 (式1)
(2)単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも遅く到達する場合
C={(単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)−C2}×C1 (式2)
なお、C1は、1以上3以下の補正係数であり、C2は、−0.3以上0.3以下の補正係数である。
上記式において、補正係数C1はサンプリング周波数や量子化ビット数に依存する重み付け係数であり、補正係数C2は、脈波の振動波形、及び振動波形の微分波形に含まれるノイズを低減するために用いられるSavitzky−Golay平滑化処理等の一般的な数学的操作に伴いその適用次数やデータポイント数に応じて考慮される係数である。
なお、一般に、大動脈の柔軟性や弾力性は、加齢とともに低下する傾向があるため、反射波の開始点は、進行波の開始点に、徐々に近接していく傾向にある。反射波と進行波とが十分に分離している場合には、単一の脈波の振動波形の1番目の極小点は、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも早く到達する傾向にあるが、反射波と進行波が近接する場合、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点は、単一の脈波の振動波形の1番目の極小点よりも早く到達することとなる。なお、単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも遅く到達する場合、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点の時点とは、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2回目の極大点であり、単一の脈波の振動波形の2回微分波形の正から負に至るゼロ交差点である。
このように、本発明の脈波伝播速度測定装置1を使用することにより、被験者の年齢に関係なく、高精度で、反射波の開始点の時点を算出することができる。
(第3工程)
第3工程においては、第1工程で求めた進行波の開始点の時点と、第2工程で求めた反射波の開始点の時点の差分を算出する。
(第4工程)
第4工程においては、入力手段6により入力された大動脈長を2倍し、第3工程で得られた差分で除して、脈波伝播速度を算出する。なお、反射波は反射点で折り返し大動脈を往復して伝播し、その伝播時間が進行波の開始点と反射波の開始点の差分として測定されると考えられるから、大動脈長を2倍とする操作が必要となる。
そして、プロセッサ2により計算された脈波伝播速度は、表示手段4に表示される。
ここで、第4工程における計算の基礎となる大動脈長については、鎖骨中心−臍間の距離及び/又は身長を基準値として、大動脈中の実効反射サイト(反射波が大動脈中で生成するサイト)の位置を推定することが好ましく、近似的には、入力手段6を用いて、鎖骨中心−臍間の距離を入力することが好ましい。よって、本発明の脈波伝播速度測定装置1は、例えば、振動波形を得る前、又は振動波形を得た後において、表示手段4に、鎖骨中心−臍間の距離及び/又は身長を、これらの基準値として入力することを促してもよい。
[測定箇所]
本発明の脈波伝播速度測定装置1は、基本的には、人体の上半身の任意の場所で得られる脈波から、振動波形を得ることにより、脈波伝播速度を測定することができるものではあるが、好ましくは、橈骨手根骨関節近傍、上腕の1地点、又は頚動脈の1地点において測定される単一の脈波から、脈波伝播速度を測定することが好ましい。
[他の実施形態]
以下で説明する他の実施形態は、上述した実施形態における(式1)及び(式2)が、以下の(式3)及び(式4)でそれぞれ置換された点が異なる。
C={(単一の脈波の振動波形の1番目の極小点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)−C2−(1−PW50/C3)}×C1 (式3)
C={(単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)−C2−(1−PW50/C3)}×C1 (式4)
式3及び式4において、PW50は、心臓収縮特性を表す指標であり、単一脈波の振動波形の50%振幅位置での時間幅に対応する。なお、単一脈波の振動波形の50%振幅位置での時間幅とは、単一の脈波の振動波形における0とピーク間を振幅としたとき、振動波形における振幅がピーク値の50%を超える時間幅である。C3は補正係数(単位:msec)であり、例えば50〜70である。PW50は、被験者ごとにリアルタイムに取得可能な測定値を用いることができる。
なお、式3及び式4を、より一般化すると、以下の通りである。
C={(単一の脈波の振動波形の1番目の極小点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)+PW50/C3+C4}×C1 (式3’)
C={(単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)+PW50/C3+C4}×C1 (式4’)
ここで、C4は、補正係数であり、C4=−C2−1である。なお、C3及びC4は、多様な年齢に係る複数の被験者の測定結果に適合するように同定されてもよい。例えば、これまでに報告されているPWV測定における年齢対脈波伝搬速度の定性的な関連性が保持されるように同定される。
ここで、図5及び図6を参照して、PW50等について更に説明する。図5は、PW50の説明図である。図5には、横軸に時間を取り、縦軸に相対信号振幅(%)を取り、単一脈波の振動波形501と、その積分波形502が示されている。図6は、PW50と年齢との相関性を示す図である。図6では、横軸に年齢を取り、縦軸にPW50(単位:msec)を取り、PW50と年齢との相関性を示す直線600が示される。図6には、健康な20歳〜73歳の男性(18名)、及び女性(17名)の計35名の測定結果がプロットされている。
ところで、圧脈波(積分波形)の立ち上がりから最大振幅に至るまでの領域では、反射波が到達する前の段階であることから、この立ち上がり特性は血管の柔軟性のみならず心臓の収縮能力も反映されていると考えるべきである。
この点、従来の脈波解析手法では心臓の収縮能力の観点が見落とされてきた。
心臓の収縮期は心電図波形(ECG波形)上の QRS Complex (Duration )と対応することが知られている。
加齢ともにQRS幅が広がっていくとの報告があり(Vincent Probst et al.,“Haploinsufficiency in Combination With Aging Causes SCN5A−Linked Hereditary Lene`gre Disease” JACC 2003;41:643−652、図5の(C)QRS duration)、QRS幅が広がる傾向は心臓収縮時間の延長につながり、その結果脈波の急峻性は減少する方向と考えられる。また運動経験の有無やその程度などにより心臓収縮能力の個人的差異も少なくないと考えられる。
そこで、本実施形態では従来の脈波解析では考慮されたことのない上述の心臓収縮特性を表す指標であるPW50が使用される。
図6に示すように、PW50値は年齢に対して上昇する傾向が確認でき、また個人的なばらつきも無視できないことが分かった。また、PW50値と年齢との間に、正の相関が認められた(p<0.001)。この結果から、脈波伝搬時間計算における補正式(=上記の式3及び式4)を用いることで、年齢(及びそれに伴う心臓の収縮能力)に応じた最適な係数Cを用いて、反射波の開始点を算出できる。
図7は、他の実施形態に係る概略フローチャートである。図7は、あくまで一例であり、例えば、図7の処理フロー図(フローチャート)においては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
ステップS600では、プロセッサ2は、初期設定処理を実行する。初期設定処理は、被験者情報の取得等を含む。被験者情報は、例えば、年齢、性別、大動脈長等に関する情報を含む。
ステップS602では、プロセッサ2は、ステップS600で得た被験者情報に基づいて、上述した補正係数C1、C2、及びC3の各値を設定する。補正係数C1、C2、及びC3は、年齢ごと及び性別ごとに用意されてよい。この場合、補正係数C1、C2、及びC3と年齢及び性別との関係を表す情報(マップデータ)が記憶手段5に記憶される。
ステップS604では、プロセッサ2は、振動波形センサ3からセンサ信号に基づいて、今回の処理対象の単一の脈波の振動波形を取得する。なお、ある時間にわたって取得されるセンサ信号の各値は、例えば図5の振動波形501のような振動波形(単一の脈波の振動波形)を形成する。
ステップS606では、プロセッサ2は、今回の処理対象の単一の脈波の振動波形に基づいて、PW50を算出する。
ステップS608では、プロセッサ2は、今回の処理対象の単一の脈波の振動波形に対して、当該振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点を求めて、進行波の開始点とする(第1工程)。
ステップS610では、プロセッサ2は、今回の処理対象の単一の脈波の振動波形に対して、当該振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点(図8中の丸1参照)、当該振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点(図8中の丸2参照)、当該振動波形の1番目の極大点のY値、当該振動波形の1番目の極小点のY値、及び、当該振動波形の3番目の変曲点の時点におけるY値を算出する。
ステップS612では、プロセッサ2は、今回の処理対象の単一の脈波の振動波形に関して、当該振動波形の1番目の極小点が、当該振動波形の3番目の変曲点よりも早く到達しているか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS614に進み、それ以外の場合は、ステップS616に進む。
ステップS614では、プロセッサ2は、ステップS602で設定した補正係数C1、C2、及びC3と、ステップS610で得た1番目の極小点のY値及び1番目の極大点のY値と、ステップS606で得たPW50とを、上記の式3に代入して、係数Cを算出する。
ステップS616では、プロセッサ2は、ステップS602で設定した補正係数C1、C2、及びC3と、ステップS610で得た3番目の変曲点のY値及び1番目の極大点のY値を、上記の式4に代入して、係数Cを算出する。
ステップS618では、プロセッサ2は、ステップS610で得た1回微分波形の2番目の極大点の時点及び2回微分波形の2番目の極大点の時点と、ステップS614又はステップS616で得た係数Cとに基づいて、反射波の開始点を算出する(第2工程)。なお、反射波の開始点の算出方法は、上述したように、反射波の開始点=(単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点)−{(単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点)−(単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点)}×Cである。
ステップS620では、プロセッサ2は、ステップS608で得た進行波の開始点と、ステップS618で得た反射波の開始点との差分を算出する(第3工程)。
ステップS622では、プロセッサ2は、ステップS600で得た被験者情報(大動脈長)と、ステップS620で得た差分と基づいて、脈波伝播速度を算出する。具体的には、大動脈長をLとし、差分をΔtとすると、上述したように、脈波伝播速度=2×L/Δtとして求められてよい。
ステップS624では、プロセッサ2は、ステップS622で得た脈波伝播速度を表示手段4上に出力する。
以下、実施例を挙げて本発明について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1:実験装置の構成>
国際公開第2016/167202号パンフレットに記載された内容に従って、振動波形センサを作製した。この振動波形センサと、タブレット端末とを、無線通信で接続するとともに、タブレット端末に、以下の演算処理を実行させるようプログラムした。
[演算処理の内容]
第1工程
単一の脈波の振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点を求めて、進行波の開始点とする。
第2工程
以下の式に基づいて、反射波の開始点とした。
反射波の開始点=(単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点)−{(単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点)−(単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点)}×C
ここで、係数Cについては、以下のように決定した。
(1)単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも早く到達する場合
C={(単一の脈波の振動波形の1番目の極小点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)−C2}×C1
(2)単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも遅く到達する場合
C={(単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)−C2}×C1
例えば、C1は、2.0又は2.2であり、C2は、0である。
第3工程
進行波の開始点、及び前記反射波の開始点の差分を求める。
第4工程
入力された大動脈長の2倍の値を、進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分で除して、脈波伝播速度を求める。
<実施例2:シミュレーションによる検討1>
Alyssa A.Torjesen,et.al.,“Forward and Backward Wave Morphology and Central Pressure Augmentation in Men and Women in the Framingham Heart Study”,Hypertension(64),2014,259−265の図1に開示された中年被験者の脈波(Low AI)と、老年被験者の脈波(High AI)を図4に示す。なお、図4において、上側が圧脈波、下側が、抽出された反射波を示す。この2つの脈波から、それぞれ、振動波形、1回微分波形、2回微分波形を算出した(図8及び図9)。なお、図8は、Low AIに関し、図9は、High AIに関する。
図8及び図9中、丸1は、単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点を示し、丸2は、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点を示す。中年被験者の脈波であるLow AI、及び老年被験者の脈波であるHigh AIを、実施例1の実験装置で解析したところ、図8及び図9の太線で示す時点が、それぞれ、反射波の開始点であると算出された。なお、係数Cの算出にあたっては、Low AIは単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも早く到達する場合、High AIは単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも遅く到達する場合に対応するため、それぞれ下記式で計算した。
Low AI:C={(単一の脈波の振動波形の1番目の極小点のY2値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY1値)−C2}×C1、
High AI:C={(単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のY2値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY1値)−C2}×C1
ここで、C1は2.0であり、C2は0である。
以上により求められた反射波の開始点は、上記論文の図1に示された反射波の開始点と概ね一致した。
なお、上記論文における解析方法は、進行波の立ち上がりと、反射波の立ち上がりを、時間軸と外挿した一次近似直線との交点として近似的に求める方法であるが、反射波の実際の波形は、その手前から立ち上がっており、厳密性に欠けると考えられる。しかしながら、本発明の脈波伝播速度測定装置によって求められた反射波の立ち上がりは、より厳密に観察すれば、上記論文により求められた反射波の開始点よりも、それぞれ若干前方にずれており、反射波の開始点として、より正確な時点が求められているものと推測される。
<実施例3:シミュレーションによる検討2>
図10に示すように、実施例1の脈波伝播速度測定装置を使用して、63歳男性被験者の脈波を実測した。得られた脈波の1回積分波形を、波形Measured waveで示す。この63歳男性被験者の脈波から、反射波を推定分離した。得られた反射波を、波形Reflected waveで示す。なお、この63歳男性被験者の脈波について、測定された進行波(Forward wave)の開始点と反射波の開始点の差は、120msecであった。この63歳男性被験者よりもより若年の者の脈波のサンプルとして、反射波を+40msec移動させ振幅を0.7倍した脈波を合成した。また、この63歳男性被験者よりもより高齢な者の脈波のサンプルとして、反射波を−40msec移動させ振幅を1.1倍した脈波を合成した。若年者の反射波をReflected+40、高齢者の反射波をReflected−40として、これを進行波Fと合成し、若年者の脈波の1回積分波形Estimated+40と、高齢者の脈波の1回積分波形Estimated−40を合成した(図10)。
ここで、上記のMeasured wave、Estimate+40、Estimate−40の脈波を、本発明の算出方法で解析した結果を、それぞれ、図11、図12、及び図13に示す。ここで、C1は2.2、C2は0であった。各図において、丸1が単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点であり、丸2が単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点であり、太線が反射波の開始点であり、Trは進行波の開始点と反射波の開始点との差分であり、Y1は、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値であり、Y2は、単一の脈波の振動波形の1番目の極小点のY値である。これらの脈波から推計される反射波の開始点は、加算前のReflected wave、Reflected+40及びReflected−40の開始点とそれぞれほぼ一致した。
<実施例4:男性及び女性の脈波伝播速度測定>
血圧降下剤などの服用のない健康な男性12名、及び女性3名について、実施例1の脈波伝播速度測定装置を用いて、脈波伝播速度を測定した。測定部位は左橈骨とし、サンプリング周波数400Hz、量子化ビット数12bit、遮断周波数33HzのDigital low pass filter ONの条件で約40秒間に得られた30から40の脈波を計算に用いた。
大動脈長は、あらかじめ実験的に求めておいた0.2853×(身長)−10.243 (cm)の推定式を用いた。振動波形、1回微分波形、2回微分波形それぞれに対して3次25ポイント数のSavitzky−Golay平滑化処理を行い、補正係数C1は2.2、C2は−0.1を用い、得られた各被験者の脈波伝播速度を縦軸に、被験者の年齢を横軸にして、グラフ上にプロットした。
以上の結果を図14に示す。一般に、脈波伝播速度と、年齢との間には、正の相関関係があることが知られており、実施例1の脈波伝播速度測定装置を用いた測定においても、脈波伝播速度と年齢との間に、正の相関が認められた(相関係数=0.90、p<0.0001)。脈波伝播速度値も、従来より報告されているオーダと概ね一致しており妥当性があるものと考えられる。
<実施例5:男性及び女性の脈波伝播速度測定>
実施例5として、上述した式3及び式4を用いてAoPWV(大動脈脈波伝播速度)値を推定した。
具体的には、血圧降下剤などの服用のない健康な20歳〜73歳の男性18名、及び女性17名の計35名について、実施例1の脈波伝播速度測定装置を用いて、脈波伝播速度を測定した。測定部位は左橈骨とし、サンプリング周波数400Hz、量子化ビット数12bit、遮断周波数33HzのDigital low pass filter ONの条件で約50秒間に得られた45から75の脈波を計算に用いた。
大動脈長は、あらかじめ実験的に求めておいた0.2853×(身長)−10.243 (cm)の推定式を用いた。振動波形、1回微分波形、2回微分波形それぞれに対して3次25ポイント数のSavitzky−Golay平滑化処理を行い、得られた各被験者の脈波伝播速度を縦軸に、被験者の年齢を横軸にして、グラフ上にプロットした。図15は、その結果を示す。ここで、男性の補正値はC1=1.5、C2=0、C3=55、女性の補正値はC1=2.0、C2=0、C3=55をそれぞれ用いた。尚、シミュレーションでの上述の実施例2、3では、心臓収縮機能は同一と仮定し、上述した式3及び式4におけるPW50/C3=1である場合に対応する。
図15に示すように、PW50を考慮しない場合(図14参照)と同様に、脈波伝播速度と年齢との間に、正の相関が認められた(p<0.0001)。PW50を考慮して推定された。具体的には、AoPWV(大動脈脈波伝播速度)値は、加齢とともに男女ほぼ同じ傾きで単調増加する傾向が、0.82という高い相関係数で得られるようになった。なお、PW50補正無し時の相関係数は0.60であった。これは、PW50を考慮する場合、PW50を考慮しない場合よりも相関係数が高くなり、脈波伝播速度と年齢との間の相関性を強く表すことができることを意味する。
なお、実施例4よりも相関係数がやや低下したのは測定被験者数が増加したためであり、特に60歳以上の中高年女性の増加によるものと考えられる。一般的に、加齢とともに動脈硬化の進展度合いは個人による差が広がる傾向にあるためである。
なお、加齢とともにPWVが単調に増加する傾向は、従来報告されているcfPWV(carotid−femoral PWV)と同様であるが、PW50を考慮して推定されたAoPWVは、同様に健常者で測定されたcfPWVの2/3程度の速度であり、これはむしろ大動脈部位のみのPWVを非侵襲的に測定することができるCMR(CMR: Cardiac Magnetic Resonance )−PWVに近い値である。
ここで、cfPWVはその測定原理により大動脈の途中から大腿動脈までのパルス伝播時間を求めている。大動脈は弾性動脈であり大腿動脈は筋性動脈でありcfPWVはその両方を含んだ経路の平均脈波伝播速度を示している。
これに対して、AoPWVは、大動脈アーチ以降の鎖骨中心−臍間距離を仮定しており、純粋に大動脈だけの脈波伝播速度を推定する手法である。大動脈から大腿動脈までのPWV(弾性率)が周辺部位に行くに従って大きくなることが報告されてるので得られた結果には妥当性があり、単一のセンサを使って大動脈部位のみの脈波伝播速度を推定できたものと考えられる。
このように単一の脈波から加齢に伴う動脈硬化の進行度合いを簡便な方法で脈波伝播速度として定量化できる本発明は、疾病を防ぎ健康長寿社会を実現する一つの測定ツールとしてその社会的価値は計り知れない。
1 脈波伝播速度測定装置
2 プロセッサ
3 振動波形センサ
31 回路基板
32 振動導入体
33 圧電素子
34 電極ランド
35 スルーホール
36 グランド導体
37 キャビティ
4 表示手段
5 記憶手段
6 入力手段

Claims (12)

  1. 生体内を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための脈波伝播速度測定装置であって、
    プロセッサ、振動波形センサ、及び表示手段を備え、
    振動波形センサが、
    回路基板と、
    前記回路基板に設けられ、前記回路基板の振動を連続して測定し、振動波形を得る圧電素子と、
    対象物に接触して、その振動を前記回路基板に伝達する振動導入体と、を有し、
    時間軸に対する振動波形センサの出力Yの変化を振動波形とするとき、
    プロセッサが、
    単一の脈波の振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点を求めて、進行波の開始点とする第1工程と、
    単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点における単一の脈波の振動波形のY値から、反射波の開始点を求める第2工程と、
    進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分を求める第3工程と、
    入力された大動脈長の2倍の値を、進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分で除して、脈波伝播速度を求める第4工程と、を実行し、
    プロセッサにより計算された脈波伝播速度を、表示手段に表示する、脈波伝播速度測定装置。
  2. 第2工程において、下記式で計算される時点を、反射波の開始点とする、請求項1に記載の脈波伝播速度測定装置。
    反射波の開始点=(単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点)−{(単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点)−(単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点)}×C
    (ここで、Cは、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点におけるY値から定められる値である。)
  3. 単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも早く到達する場合、Cの値が、以下の式により求められる、請求項2に記載の脈波伝播速度測定装置。
    C={(単一の脈波の振動波形の1番目の極小点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)−C2}×C1
    (ここで、C1は、1以上3以下の補正係数であり、C2は、−0.3以上0.3以下の補正係数である。)
  4. 単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも早く到達する場合、Cの値が、以下の式により求められる、請求項2に記載の脈波伝播速度測定装置。
    C={(単一の脈波の振動波形の1番目の極小点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)+PW50/C3+C4}×C1
    (ここで、C1は、1以上3以下の補正係数であり、PW50は、前記対象物の心臓の収縮能力に相関するパラメータであり、C3及びC4は、係数である。)
  5. 単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも遅く到達する場合、Cの値が、以下の式により求められる、請求項2に記載の脈波伝播速度測定装置。
    C={(単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)−C2}×C1
    (ここで、C1は、1以上3以下の補正係数であり、C2は、−0.3以上0.3以下の補正係数である。)
  6. 単一の脈波の振動波形の1番目の極小点が、単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点よりも遅く到達する場合、Cの値が、以下の式により求められる、請求項2に記載の脈波伝播速度測定装置。
    C={(単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のY値)/(単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値)+PW50/C3+C4}×C1
    (ここで、C1は、1以上3以下の補正係数であり、PW50は、前記対象物の心臓の収縮能力に相関するパラメータであり、C3及びC4は、係数である。)
  7. 前記PW50は、単一の脈波の振動波形における振幅がピーク値の50%を超える時間幅に対応する、請求項4又は6に記載の脈波伝播速度測定装置。
  8. 振動波形を得る前、又は振動波形を得た後において、表示手段に、鎖骨中心−臍間の距離及び/又は身長を、大動脈中の実効反射サイトの位置を推定する基準値として入力することを促す表示を表示する、請求項1から7の何れかに記載の脈波伝播速度測定装置。
  9. 橈骨手根骨関節近傍の1地点、上腕の1地点、又は頚動脈の1地点において測定される単一の脈波から、脈波伝播速度を測定する、請求項1から8の何れかに記載の脈波伝播速度測定装置。
  10. 生体内を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための脈波伝播速度測定方法であって、
    振動波形センサから、時間軸に対する出力Yの変化である振動波形を取得し、
    単一の脈波の振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点に基づいて、進行波の開始点を求め、
    単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点における単一の脈波の振動波形のY値に基づいて、反射波の開始点を求め、
    進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分を求め、
    入力された大動脈長の2倍の値を、進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分で除して、脈波伝播速度を求め、
    求めた脈波伝播速度を、表示手段に表示することを含む、
    コンピュータにより実行される脈波伝播速度測定方法。
  11. 生体内を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための脈波伝播速度測定用プログラムであって、
    振動波形センサから、時間軸に対する出力Yの変化である振動波形を取得し、
    単一の脈波の振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点に基づいて、進行波の開始点を求め、
    単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点における単一の脈波の振動波形のY値に基づいて、反射波の開始点を求め、
    進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分を求め、
    入力された大動脈長の2倍の値を、進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分で除して、脈波伝播速度を求め、
    求めた脈波伝播速度を、表示手段に表示させる
    処理を、コンピュータに実行させるプログラム。
  12. 生体内を伝播する単一の脈波から、脈波伝播速度を測定するための処理装置であって、
    振動波形センサから、時間軸に対する出力Yの変化である振動波形を取得し、
    単一の脈波の振動波形の2回微分波形の最初の極大点の時点に基づいて、進行波の開始点を求め、
    単一の脈波の振動波形の2回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1回微分波形の2番目の極大点の時点、単一の脈波の振動波形の1番目の極大点のY値、並びに単一の脈波の振動波形の1番目の極小点及び単一の脈波の振動波形の3番目の変曲点のうちいずれか早く到達する時点における単一の脈波の振動波形のY値に基づいて、反射波の開始点を求め、
    進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分を求め、
    入力された大動脈長の2倍の値を、進行波の開始点、及び反射波の開始点の差分で除して、脈波伝播速度を求める
    ように構成される、処理装置。
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