1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の上下方向及び左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者から見た上下方向及び左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
実施形態のパチンコ遊技機PY1は、図1に示すように、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1とを備えている。遊技機枠2には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、および打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また遊技機枠2には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40kおよびセレクトボタン42kが設けられている。また遊技機枠2には、装飾用の枠ランプ53およびスピーカ52が設けられている。
遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、外レール62ないし内レール63で囲まれて形成されている。また、遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。
また、遊技領域6の中央付近には、液晶パネルを含む画像表示装置50が設けられている。さらに、遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター装飾体61が配されている。センター装飾体61の下部には、上面を転動する遊技球を、第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。また、センター装飾体61の左側には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。さらにセンター装飾体61の上部には、文字や図形等を表した上部装飾体31が配されている。
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1始動入賞口や固定入球口ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となる。
また第1始動口11の下方には、第2始動口12を備える第2始動入賞装置(いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を第2始動入賞口や可変入球口ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となる。なお以下の説明では、第1始動口11および第2始動口12を総称して始動口ということがある。
電チュー12Dは、前後に進退可能な電チュー開閉部材(可動部材)12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。第2始動口12は、電チュー開閉部材12kが開いている位置にあるとき(つまり電チュー開閉部材12kが開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、電チュー開閉部材12kが閉じている位置にあるとき(つまり電チュー開閉部材12kが閉状態のとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが可変であればよく、電チュー開閉部材12kが閉じている位置にあるときには開いている位置にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、電チュー開閉部材12kが閉じている位置にあるときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、第1大入賞口14を備えた第1大入賞装置(通常アタッカー、通常AT)14Dが設けられている。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに変化する通常AT開閉部材14kを備え、通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14を開閉するものである。第1大入賞口14は、通常AT開閉部材14kが開いている位置にあるとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域6における第1大入賞口14の上方(センター装飾体61の右下部)には、第2大入賞口15を備えた第2大入賞装置(特別アタッカー、特別AT)15Dが設けられている。第2大入賞装置15Dは、開状態と閉状態とに変化するVAT開閉部材15kを備え、VAT開閉部材15kの作動により第2大入賞口15を開閉するものである。第2大入賞口15は、VAT開閉部材15kが開いている位置にあるとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。なお以下の説明では、第1大入賞口14および第2大入賞口15を総称して大入賞口ということがある。
第2大入賞装置15Dの内部には、図2に示すように、第2大入賞口15を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)16および非特定領域(非V領域)17が形成されている。なお、第2大入賞装置15Dにおいて、特定領域16と非特定領域17との分岐点よりも上流には、第2大入賞口15への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ15aが配されている。また、特定領域16には、特定領域16への遊技球の通過を検知する特定領域センサ16aが配されている。また、非特定領域17には、非特定領域17への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ17aが配されている。また、第2大入賞装置15Dは、第2大入賞口15を通過した遊技球を特定領域16または非特定領域17のいずれかに振り分ける振分部材16kを備えている。なお、振分部材16kは、遊技球を特定領域16に振り分ける第1の状態(通過許容状態)と、遊技球を非特定領域17に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)と、に変化する。
図2に二点鎖線で示すように、振分部材16kが通過許容状態にある場合、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aの検知位置を通過した後、特定領域16を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。また、図2に破線で示すように、振分部材16kが通過阻止状態にある場合、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aの検知位置を通過した後、振分部材16k上を転動して非特定領域17を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお、パチンコ遊技機PY1では、特定領域16への遊技球の通過は、大当たり遊技の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域16への遊技球の通過の有無によっても大当たりの当否を判定している。始動口(第1始動口11または第2始動口12)への遊技球の入球に基づく特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域16への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
また図1に示すように、遊技領域6におけるセンター装飾体61の左方には、遊技球が通過可能な第1ゲート13Lが設けられており、遊技領域6におけるセンター装飾体61の右方には、遊技球が通過可能な第2ゲート13Rが設けられている。第1ゲート13Lへの遊技球の通過、及び、第2ゲート13Rへの遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の契機となる。なお以下の説明では、第1ゲート13Lおよび第2ゲート13Rを総称してゲート13ということがある。
さらに遊技領域6の左下部、及び第2始動口12の右方には、一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)6Lと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)6Rとがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下し得る流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下し得る流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1ゲート13Lと、第1始動口11と、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1ゲート13Lへの通過や、第1始動口11および第2始動口12への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、第2ゲート13Rと、第2大入賞装置15Dと、第1大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、第2ゲート13Rへの通過、電チュー12Dに係る第2始動口12への入賞、第2大入賞口15への入賞(特定領域16への通過)、又は、第1大入賞口14への入賞を狙う。なお、本形態のパチンコ遊技機PY1では、第2流路R2を流下した遊技球が第1始動口11へ入賞することがほぼないように、遊技くぎが配置されている。
また、遊技盤1の右下部には、表示器類8が配置されている。表示器類8には、第1特別図柄(特図1)を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄(特図2)を可変表示する第2特図表示器81b、および、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留、特図1保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留、特図2保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および、普図表示器82の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。
特図表示器81では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、始動口への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合、パチンコ遊技機PY1は、停止表示された大当たり図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技を行う。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合、パチンコ遊技機PY1は、停止表示された小当たり図柄の種類に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる小当たり遊技を行う。なお、大当たり遊技または小当たり遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bは、それぞれ例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば大当たり(複数種類の大当たり図柄のうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(複数種類の小当たり図柄のうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様で表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
パチンコ遊技機PY1は、始動口への遊技球の入賞があると、その入賞に対して大当たり乱数等の各種乱数を取得し、それら各種乱数の値(判定用情報)を一旦記憶する。この各種乱数を記憶する記憶領域を、特図保留記憶部105とする。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留(特図1の保留)として第1特図保留記憶部105aに記憶し、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留(特図2の保留)として第2特図保留記憶部105bに記憶する。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限数(上限ともいう)は、第1特図保留記憶部105aが「4」、第2特図保留記憶部105bも「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち他の大当たり乱数に基づく特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には第1特図保留表示器83aは4個のLEDで構成されており、第2特図保留表示器83bも4個のLEDで構成されている。各特図保留表示器83は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、停止表示された普通当たり図柄の種類および現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放(電チュー12Dを作動)させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
普図表示器82は、例えば3個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、普通当たり図柄を表示する。本形態の普通当たり図柄には、複数種類ある。例えば当たり(複数種類の当たり図柄のうちの一つ)に当選した場合には、「○○●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1および2番目にあるLEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●●●」というように両LEDが消灯する普通ハズレ図柄を表示する。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様で表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
パチンコ遊技機PY1は、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して普通図柄乱数等を取得し、それら各種乱数の値(判定用情報)を、普図保留として一旦記憶する。この各種乱数を記憶する記憶領域を、普図保留記憶部106とする。普通図柄乱数は、第1ゲート13Lの通過であっても第2ゲート13Rの通過であっても区別なく、普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限数(上限ともいう)は、「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通当たり乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち他の普通当たり乱数に基づく普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中にゲート13への遊技球の通過があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。普図保留表示器84は4個のLEDで構成されている。普図保留表示器84は、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
また、パチンコ遊技機PY1は、図1に示すように、画像表示装置50の表示部50aに、特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した装飾図柄(演出図柄)EZ1、EZ2、EZ3の変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、第1特別図柄ないし第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。なお以下の説明では、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3を総称して演出図柄EZということがある。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄EZの変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄EZの組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出(変動演出ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示部50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また、画像表示装置50の表示部50aには、第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA1を表示する第1保留アイコン表示エリアと、第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHA2を表示する第2保留アイコン表示エリアとがある。第1保留アイコンHA1や第2保留アイコンHA2の表示により、第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。なお以下の説明では、第1保留アイコンHA1および第2保留アイコンHA2を総称して保留アイコンHAということがある。
2.パチンコ遊技機PY1の電気的構成
続いて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を、図4および図5を参照しつつ説明する。パチンコ遊技機PY1は、遊技制御基板100と、演出制御基板120と、払出制御基板170と、を備えている。遊技制御基板100は、大当たり等の各種抽選や遊技状態の移行等、主として遊技利益に関する制御を行う。演出制御基板120は、画像表示装置50の表示、各種のランプの点灯、音声出力等、主として遊技の進行に伴って実行される演出に関する制御を行う。払出制御基板170は、遊技球の払い出しに関する制御を行う。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、画像制御基板140、および払出制御基板170に対する電力の供給制御を行い、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して外部から電力が供給されていない場合、すなわち主電源がオフであったり停電が生じた場合に、遊技制御基板100の遊技用RAM104等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104等に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1に外部から電力が供給されていない場合も、バックアップ電源回路192から電力を供給できる間、一時的に保持される。なお、各制御基板に対する専用のバックアップ電源回路をそれぞれ設けてもよい。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。この電源スイッチ191の操作により、主電源のオンオフが切り換えられる。
遊技制御基板100には、図4に示すように、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコンが実装されている。以下、遊技制御用ワンチップマイコンを、遊技制御用マイコン101とする。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、が含まれる。遊技制御用マイコン101は、遊技用I/O(Input/Output)ポート118を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。遊技用I/Oポート118は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。また、遊技用ROM103は、外付けであってもよい。
遊技用RAM104には、特図保留に関する各種乱数を記憶する特図保留記憶部105と、普図保留に関する各種乱数を記憶する普図保留記憶部106と、が設けられている。また、特図保留記憶部105には、特図1の特図保留に関する各種乱数を記憶する第1特図保留記憶部105aと、特図2の特図保留に関する各種乱数を記憶する第2特図保留記憶部105bとが設けられている。
遊技制御基板100には、中継基板172を介して各種センサやソレノイドが電気的に接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサからの信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、第1ゲートセンサ13La、第2ゲートセンサ13Ra、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、非特定領域センサ17a、および一般入賞口センサ10a、がある。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられ、遊技球の通過を検知するための信号を出力する、すなわち遊技球が第1始動口11を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12の直下に設けられ、遊技球の通過を検知するための信号を出力する、すなわち遊技球が第2始動口12を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。第1ゲートセンサ13Laは、第1ゲート13Lの直下の通過領域内に設けられ、遊技球の通過を検知するための信号を出力する。第2ゲートセンサ13Raは、第2ゲート13Rの直下の通過領域内に設けられ、遊技球の通過を検知するための信号を出力する。
第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14の直下に設けられ、遊技球の通過を検知するための信号を出力する、すなわち遊技球が第1大入賞口14を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15の直下に設けられ、遊技球の通過を検知するための信号を出力する、すなわち遊技球が第2大入賞口15を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。
特定領域センサ16aは、特定領域16内に位置し、遊技球の通過を検知するための信号を出力する、すなわち遊技球が特定領域16を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17内に位置し、遊技球の通過を検知するための信号を出力する、すなわち遊技球が非特定領域17を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10の直下に設けられ、遊技球の通過を検知するための信号を出力する、すなわち遊技球が各一般入賞口10を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。
また、ソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、通常ATソレノイド14s、VATソレノイド15s、および振分ソレノイド16s、がある。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。通常ATソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。VATソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、第2大入賞装置15Dの振分部材16kを駆動する。
また、遊技制御基板100には、第1特図表示器81a、第2特図表示器81b、普図表示器82、第1特図保留表示器83a、第2特図保留表示器83b、および普図保留表示器84、が電気的に接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によって行われる。
また、遊技制御基板100には、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から各種信号を受信する。具体的に払出制御基板170には、払出装置73およびカードユニットCUが電気的に接続されている。カードユニットCUは、パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。また、払出制御基板170には、発射制御基板175を介して、発射装置72が電気的に接続されている。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に電気的に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動し、払出装置73に賞球の払い出しを行わせたり、払出装置73に貸球の払い出しを行わせる。払い出される賞球ないし貸球は、その計数のための払出センサ73aからの信号によって制御される。
パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11への入賞による払い出しの賞球数は3球であり、第2始動口12への入賞による払い出しの賞球数は2球である。また、第1大入賞口14または第2大入賞口15への入賞による払い出しの賞球数は13球であり、一般入賞口10への入賞による払い出しの賞球数は3球である。これらの賞球数は、一例であり、適宜選択すればよい。
発射装置72は、ハンドル72kの他、発射ソレノイド72sと、タッチスイッチ72aと、発射ボリューム72bと、を備える。遊技者による発射装置72のハンドル72kの操作があった場合、タッチスイッチ72aからハンドル72kへの接触があった旨の信号が発射制御基板175に出力され、さらに発射ボリューム72bからハンドル72kの回転量に応じた信号が発射制御基板175に出力される。発射制御基板175は、発射ソレノイド72sを駆動し、発射装置72から入力された各種の信号に基づいて、適切な強さで遊技球が発射されるよう、あるいは遊技球が発射されないよう、発射装置72を制御する。
また、遊技制御基板100には、RAMクリアスイッチ119が接続されている。RAMクリアスイッチ119は、遊技制御基板100に付設され、パチンコ遊技機PY1の後面に配置される。すなわち、RAMクリアスイッチ119は、通常、パチンコ遊技機PY1の前面側にいる遊技者から視認できず、遊技者が操作できない位置にある。そのため、RAMクリアスイッチ119は、通常、ホールのスタッフによって操作される。パチンコ遊技機PY1は、RAMクリアスイッチ119が押下された状態で起動されると、遊技用RAM104を初期化する。これにより、遊技用RAM104に記憶されている情報が失われる。
また、遊技制御基板100は、演出制御基板120に対して、各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との通信は、遊技制御基板100から演出制御基板120へのコマンドの送信のみが可能な単方向通信となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段として、例えばダイオードを用いた単方向制御回路が介在している。
また、遊技制御基板100には、外部出力端子板173が接続されている。外部出力端子板173は、遊技制御用マイコン101から受信した信号に基づく各種の信号を、データ表示器DHやホールコンピュータHCといったパチンコ遊技機PY1の外部に配された外部装置に対して出力する。具体的に外部出力端子板173には、外部出力用の複数のチャネル(CN)が設けられている。そして、各チャネル(CN)に対応するコネクタと、データ表示器DH側のコネクタとはケーブルによって接続される。各コネクタからは、それぞれ一つの信号が外部に出力される。外部出力端子板173では、例えば、大当たりが当選したことを示す大当たりカウント信号、パチンコ遊技機PY1の遊技状態を示す信号、遊技機枠2が開放されていることを示す枠開放信号、所定数(例えば10球)の賞球がなされたことを示す信号、想定外の入賞があったことを示すセキュリティ信号、がそれぞれ別のチャネルから出力される。
演出制御基板120には、図5に示すように、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコンが実装されている。以下、演出制御用ワンチップマイコンを、演出制御用マイコン121とする。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、が含まれる。演出制御用マイコン121は、演出用I/Oポート138を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。演出用I/Oポート138は、演出制御用マイコン121に内蔵されていてもよい。また、演出用ROM123は、外付けであってもよい。
演出用RAM124には、保留抽選情報を含む始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125が設けられる。保留抽選情報には、遊技制御基板100の特図保留記憶部105に記憶される各乱数に基づく情報が含まれる。始動入賞コマンド保留記憶部125はさらに、第1特図保留に基づく第1始動入賞コマンドを記憶する第1始動入賞コマンド保留記憶部125aと、第2特図保留に基づく第2始動入賞コマンドを記憶する第2始動入賞コマンド保留記憶部125bと、が設けられる。
詳細には、第1始動入賞コマンド保留記憶部125aおよび第2始動入賞コマンド保留記憶部125bは、それぞれ特図保留の上限数に対応する記憶領域が設けられている。パチンコ遊技機PY1では、特図保留の上限数に合わせて、第1始動入賞コマンド保留記憶部125aには4つの記憶領域が設けられ、第2始動入賞コマンド保留記憶部125bにも4つの記憶領域が設けられる。さらに各記憶領域には、複数の小領域が設けられている。具体的にパチンコ遊技機PY1では、始動口の入賞に基づいて特定される始動入賞コマンドと、保留アイコンHAの表示態様を示すデータと、始動入賞コマンドを受信する度にカウントアップされる受信カウンタ値と、を各小領域に記憶する。
また、演出制御基板120には、画像制御基板140、役物ランプ制御基板162、および音声制御回路161が電気的に接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU142に画像表示装置50の表示制御を行わせる。画像制御基板140の画像用RAM144は、画像データが展開されるメモリである。画像制御基板140の画像用ROM143には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、より具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字、記号、背景画像、演出図柄EZ、保留アイコンHAなどの画像データが記憶されている。画像制御基板140の画像用CPU142は、演出制御用マイコン121からのコマンドに基づいて、画像用ROM143から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データを画像表示装置50に表示させる。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御回路161を介して、スピーカ52に音声、楽曲、効果音等を出力させる音声制御を行う。具体的に、スピーカ52から出力される音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に記憶される。なお、音声制御回路161に音響データを記憶させてもよい。また、画像制御基板140とスピーカ52ないし音声制御回路161とを電気的に接続し、画像制御基板140に音声制御を行わせてもよい。この場合、画像制御基板140が音響データを記憶してもよい。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、役物ランプ制御基板162を介して、枠ランプ53や盤ランプ54等の各ランプの点灯制御を行う。具体的に、演出制御用マイコン121は、演出用ROM123に記憶されているデータを用いて、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、当該発光パターンデータを役物ランプ制御基板162に送信する。発光パターンデータを受信した役物ランプ制御基板162は、当該発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、役物ランプ制御基板162に、可動体中継基板163を介して電気的に接続された装飾可動体55kを動作させる。具体的に、演出制御用マイコン121は、演出用ROM123に記憶されているデータを用いて、装飾可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、当該動作パターンデータを役物ランプ制御基板162に送信する。動作パターンデータを受信した役物ランプ制御基板162は、当該動作パターンデータに従って、装飾可動体55kの動作制御を行う。
なお、役物ランプ制御基板162にCPUを実装してもよい。その場合、そのCPUに枠ランプ53や盤ランプ54等の各ランプの点灯制御や装飾可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにその場合、役物ランプ制御基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンデータの作成に用いるデータや、動作パターンデータの作成に用いるデータを記憶させてもよい。
また、演出制御基板120には、演出ボタン検出センサ40a、演出ボタン振動モータ40m、演出ボタン隆起ソレノイド40s、セレクトボタン検出センサ42aが電気的に接続されている。演出ボタン検出センサ40aは、演出ボタン40kに対応する検出センサである。そのため、演出ボタン40kが押下されると、演出ボタン検出センサ40aから演出制御基板120に対して、演出ボタン40kに関する信号が出力される。演出ボタン検出センサ40aから出力される信号に基づいて、演出制御基板120は、演出ボタン40kが押下されたか否かを判断できる。演出ボタン振動モータ40mは、演出ボタン40kを振動させるために演出ボタン40kに内蔵されているモータである。演出ボタン隆起ソレノイド40sは、演出ボタン40kを上下方向に変位させるためのソレノイドである。また、セレクトボタン検出センサ42aは、セレクトボタン42kに対応する検出センサである。セレクトボタン検出センサ42aから出力される信号に基づいて、演出ボタン40kと同様に、演出制御基板120は、セレクトボタン42kが押下されたか否かを判断できる。
3.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。遊技状態には、通常遊技状態(非時短状態)と、時短状態とがある。時短状態では、普図表示器82の変動時間短縮機能が作動する。普図表示器82の変動時間短縮機能とは、普通図柄の平均変動時間が非時短状態のときよりも短くなる機能である。
普通図柄の変動時間は、普通図柄抽選の判定結果によって異なる。パチンコ遊技機PY1は、ゲート13への遊技球の通過に応じて、普通図柄乱数(当たり乱数)と普図当たり種別乱数との2つの乱数を取得する。普通図柄乱数は、電チュー12Dを作動させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。そして、図6(A)に示すように、1〜65236であれば普通当たりと判定され、それ以外であればハズレと判定される。つまり、普通図柄抽選では、99.5%という非常に高い確率で普通当たりと判定される。
また、普図当たり種別乱数は、普通当たり図柄の種別を決めるための乱数である。普図当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。具体的に図6(B)に示すように、普通当たりに当選した際の普通当たり図柄の種別が複数種類有り、遊技状態が非時短状態であれば、0〜19であれば非時短普通図柄Aと判定され、20〜39であれば非時短普通図柄Bと判定され、40〜59であれば非時短普通図柄Cと判定され、60〜79であれば非時短普通図柄Dと判定され、80〜99であれば非時短普通図柄Eと判定される。一方、遊技状態が時短状態であれば、0〜19であれば時短普通図柄Aと判定され、20〜39であれば時短普通図柄Bと判定され、40〜59であれば時短普通図柄Cと判定され、60〜79であれば時短普通図柄Dと判定され、80〜99であれば時短普通図柄Eと判定される。
普通図柄の変動時間は、普通当たり図柄の種別によって異なる。すなわち、遊技状態が非時短状態であれば、図6(B)に示したように、非時短普通図柄Aに当選した場合には変動時間が4900msに設定され、非時短普通図柄Bに当選した場合には変動時間が6100msに設定され、非時短普通図柄Cに当選した場合には変動時間が7100msに設定され、非時短普通図柄Dに当選した場合には変動時間が7800msに設定され、非時短普通図柄Eに当選した場合には変動時間が8500msに設定される。また、ハズレである場合には変動時間が1000msに設定される。
一方、遊技状態が時短状態であれば、時短普通図柄Aに当選した場合には変動時間が1100msに設定され、時短普通図柄Bに当選した場合には変動時間が1120msに設定され、時短普通図柄Cに当選した場合には変動時間が1140msに設定され、時短普通図柄Dに当選した場合には変動時間が1160msに設定され、時短普通図柄Eに当選した場合には変動時間が1180msに設定される。また、ハズレである場合には変動時間が600msに設定される。すなわち、時短状態において普通当たりに当選した際、どの普通当たり図柄の種別であっても、非時短状態において普通当たりに当選した場合と比較して、普通図柄の変動時間が短い。ハズレの場合も同様に、時短状態においてハズレの場合、非時短状態においてハズレであった場合と比較して、普通図柄の変動時間が短い。なお、普通図柄の停止時間は、非時短状態と同様に、普通図柄抽選の判定結果にかかわらず、500msである。
また、時短状態では、電チュー12Dの開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動する。電チュー12Dの開放時間延長機能とは、補助遊技における電チュー12Dの平均開放時間が非時短状態のときよりも長くなる機能である。また、電チュー12Dの開放回数増加機能とは、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態のときよりも多くなる機能である。具体的には図7に示すように、非時短状態においては、開放時間が32msの開放が1回と、総開放時間が極めて短い時間に設定される。これに対して、時短状態においては、開放時間が2752msの開放が2回、つまり総開放時間が5504msに設定される。すなわち、時短状態において普通当たりに当選した際、非時短状態において普通当たりに当選した場合と比較して、電チュー12Dの総開放時間が長く、開放回数も多い。
普図表示器82の変動時間短縮機能、及び、電チュー12Dの開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口12が頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態(つまり時短状態)を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態(つまり非時短状態)を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。
なお、時短状態において、普図表示器82の確率変動機能が作動するようにしてもよい。すなわち、非時短状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に低く設定し、時短状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に高く設定してもよい。
また、時短状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、普図表示器82の確率変動機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口12に遊技球が入賞し易くなっていればよい。
パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後の遊技状態が時短状態に制御される。時短状態は、当選した特別図柄の種別に応じて設定される上限実行回数(時短回数)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たり遊技が実行されることにより終了する。
時短状態では、右打ちにより右遊技領域6Rへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により非時短状態と比べて第2始動口12が開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となる第2ゲート13Rへ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なおパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、非時短状態では、左打ちにより左遊技領域6Lへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、時短状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態(非時短状態)である。
4.大当たりおよび小当たりの説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特図表示器81に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、パチンコ遊技機PY1は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」を実行する。小当たりに当選すると、パチンコ遊技機PY1は、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口15を開放させる「小当たり遊技」を実行する。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口15内の特定領域16に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を「1種大当たり遊技」と称する。また、特定領域16への通過に基づいて実行される大当たり遊技を「2種大当たり遊技」と称する。また、大当たり遊技と小当たり遊技とを総称して特別遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また、小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口15を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
パチンコ遊技機PY1では、始動口への入賞に応じて、大当たり乱数と大当たり種別乱数とリーチ乱数と変動パターン乱数との4つの乱数を取得する。大当たり抽選の判定は大当たり乱数に基づいて行われ、当選した当たりの種別の判定は大当たり種別乱数に基づいて行われる。大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。そして、図8(A)に示すように、10001〜10256であれば大当たりと判定される。つまり、大当たり抽選では、1/256の確率で大当たりと判定される。大当たりの確率は、第1特別図柄であっても第2特別図柄であっても同じである。一方、第2特別図柄での大当たり抽選では、大当たりの他、小当たりにも当選する。具体的には30001〜41244であれば小当たりと判定される。つまり、第2特別図柄での大当たり抽選では、1/5.82の確率で小当たりと判定される。これら以外の場合は、ハズレと判定される。
また、大当たり種別乱数は、大当たり抽選の結果が大当たりあるいは小当たりである場合に特別図柄の種別を決めるための乱数である。大当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。具体的に図8(B)に示すように、第1特別図柄での大当たり抽選において大当たりに当選した場合、0〜4であれば9R時短4回大当たり図柄と判定され、5〜99であれば4R時短1回大当たり図柄と判定される。また、第2特別図柄での大当たり抽選において大当たりに当選した場合、0〜19であれば16R時短4回大当たり図柄と判定され、20〜59であれば9R時短4回大当たり図柄と判定され、60〜99であれば5R時短4回大当たり図柄と判定される。また、第2特別図柄での大当たり抽選において小当たりに当選した場合、0〜19であれば15R時短4回小当たり図柄と判定され、20〜59であれば8R時短4回小当たり図柄と判定され、60〜99であれば4R時短4回小当たり図柄と判定される。
各大当たり図柄は、特別図柄の種別ごとにラウンド数が異なる。具体的に図9に示すように、9R時短4回大当たり図柄であれば9R、4R時短1回大当たり図柄であれば4R、16R時短4回大当たり図柄であれば16R、5R時短4回大当たり図柄であれば5Rとなる。1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は25.0秒である。各大当たり図柄に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、時短状態である。
一方、当選した大当たり図柄の種別に応じて、設定される時短回数が異なる。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数である。時短回数には、特図1(第1特別図柄)の変動回数だけを対象とする時短回数(第1時短回数)と、特図2(第2特別図柄)の変動回数だけを対象とする時短回数(第2時短回数)と、がある。時短状態に制御される場合には、これらの2種類の時短回数が設定される。具体的に第1特別図柄での大当たり抽選において大当たりに当選した場合、第1時短回数は5であり、第2時短回数は9R時短4回大当たり図柄であれば4であり、4R時短1回大当たり図柄であれば1である。また、第2特別図柄での大当たり抽選において大当たりに当選した場合、いずれの大当たり図柄であっても第1時短回数は8であり、第2時短回数は4である。そして、時短状態における特別図柄の変動回数が、2種類の時短回数のうちのいずれかを満たすこととなった場合には、遊技状態を時短状態から非時短状態に移行する。
なお、時短状態は、右打ちで遊技が行われることを想定した遊技状態であり、さらに第2始動口12への入賞に基づく第2特別図柄(特図2)の変動が第1特別図柄(特図1)よりも優先的に実行される。従って、上記の2種類の時短回数のうち、時短状態の終了契機となり易いのは、第2時短回数である。第1時短回数は、イレギュラーなケースとして時短状態において特図1の変動が実行されてしまった場合でも、規定回数分の特図2の変動を保障するために設定されるものである。このため、第1時短回数は、基本的には第2時短回数よりも大きい値に設定される。
時短状態では、電チュー12Dが作動し易く、特別図柄の変動中に第2特図保留を貯めることが容易である。そのため、例えば時短回数が「1」に設定される場合は、時短状態での1回分の変動表示と、最大4つの特図保留分の4回の変動表示と、の5回の変動表示が行われる。すなわち、特図2の大当たり抽選を、最小で1回、最大で5回、行うことができる。また、第2時短回数が「4」に設定される場合は、時短状態での4回分の変動表示と、最大4つの特図保留分の4回の変動表示と、の最大8回の変動表示が行われる。すなわち、特図2の大当たり抽選を、最小で4回、最大で8回、行うことができる。
また、大当たり抽選の結果、小当たりに当選すると、パチンコ遊技機PY1は、図9に示したように、第2大入賞口15を1回開放させる小当たり遊技を実行する。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口15へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置15D内の特定領域16を通過した場合には、大当たりの当選となり、続けて第1大入賞口14を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)を実行する。すなわち、小当たりの当選は、遊技球の特定領域16の通過を条件とする2種大当たりの契機であり、小当たりは、大当たりの当選の可能性があるものに含まれる。この2種大当たりに基づく大当たり遊技が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口15の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域16への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。また、大当たり遊技の1ラウンド中または小当たり遊技中に、複数回大入賞口を開放させることがあってもよい。
パチンコ遊技機PY1で当選する小当たりは全て、特定領域16への遊技球の通過(V通過ともいう)の可能性が極めて高い小当たりである。すなわち、小当たり遊技での第2大入賞口15が開放中は、振分部材16kを通過許容状態に配置し、遊技球を第2大入賞口15に入賞させることで、特定領域16も通過できるようになっている。そのため、小当たりに当選した場合、遊技者が通常の遊技を行っているかぎり、2種大当たり遊技が実行される。なお、当選する小当たりに、V通過の確率が低い小当たりを設けてもよい。小当たり遊技の実行中にV通過が可能か否かは、振分部材16kの作動パターンおよびVAT開閉部材15kの開放パターンによって決まる。
2種大当たり遊技では、小当たり図柄の種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口14が開放される。具体的には、小当たり図柄の種別ごとにラウンド数が異なり、15R時短4回小当たり図柄であれば15R、8R時短4回小当たり図柄であれば8R、4R時短4回小当たり図柄であれば4Rとなる。1Rあたりの第1大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は25.0秒である。各小当たり図柄に当選した場合の2種大当たり遊技後の遊技状態も、時短状態である。そして、設定される時短回数は、いずれの小当たり図柄であっても「4」になる。
なお、始動口への入賞に応じて取得される乱数のうち、リーチ乱数は、当否判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において表示されている演出図柄EZは、表示部50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。そして、図8(C)に示すように、遊技状態が非時短状態であれば、0〜13でリーチ有りを判定され、それ以外であればリーチ無しと判定される。一方、遊技状態が時短状態であれば、0〜5でリーチ有りを判定され、それ以外であればリーチ無しと判定される。
また、始動口への入賞に応じて取得される乱数のうち、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から停止まで、すなわち表示結果の導出表示時までの時間)を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。図10は、変動パターン乱数と変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルである。本形態では、変動パターンによって、特別図柄の変動時間の長さや、リーチ演出を行う場合の態様が決められる。また、変動パターンに含まれるリーチ演出の態様としては、「通常リーチ」と、通常リーチよりも演出時間が長い「スーパーリーチ(SPリーチ)」と、がある。リーチ演出についても、「SPリーチ」の方が「通常リーチ」よりも、大当たりに当選している期待度が高まるように、変動パターン乱数が割り振られている。本形態では、SPリーチは通常リーチを経て発展的に実行される。パチンコ遊技機PY1では、変動パターン乱数の他、特別図柄の種別、時短状態か非時短状態か、大当たりやリーチの抽選結果、に基づいて、変動パターンを決定する。
5.遊技フロー
本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技フローについて、図11を参照しつつ説明する。パチンコ遊技機PY1では、遊技の段階として、通常時と、大当たり遊技時と、チャンス時と、の3つの段階がある。また、パチンコ遊技機PY1は、各段階において演出のパートが決められている。パチンコ遊技機PY1の起動時の遊技の段階は、通常時である。
遊技の段階における通常時は、大当たりに当選していない状態、あるいはチャンス時が終了した後の状態の段階である。この通常時では、遊技者は、第1始動口11への入賞を狙い、特図1の抽選による大当たりの当選を狙うことになる。また、通常時は、遊技状態が非時短状態であり、普通当たりに当選した場合であっても電チュー12Dの開放時間が極めて短く(図7参照)、第2始動口12への入賞は期待できない。そのため、パチンコ遊技機PY1は、左打ちを指示する。
また、通常時の演出パートは、通常演出パートになる。通常演出パートでは、演出図柄変動演出、通常リーチ演出、SPリーチ演出、大当たりの期待度を示唆する予告演出等、特別図柄の変動表示中に様々な演出が行われる。
通常時において大当たりに当選すると、遊技の段階が大当たり遊技時に移行することになる。大当たり遊技時では、パチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技を行い、第1大入賞口14を適宜開放する(図9参照)。第1大入賞口14の開放に伴うラウンド数は、当選した大当たりの種別によって異なる。本形態では、特図1の大当たりの種別として、9R時短4回大当たりと、4R時短1回大当たりと、の2種類があり、その振り分けは、9R時短4回大当たりが5%であり、4R時短1回大当たりが95%である(図8(B)参照)。すなわち、パチンコ遊技機PY1では、初回の大当たりである特図1の大当たりでは、殆どが4R時短1回大当たりになる。
パチンコ遊技機PY1では、第1大入賞口14が右遊技領域6Rに設けられている。そのため、大当たり遊技時、右打ちを指示する。なお、大当たり遊技時においても遊技状態が非時短状態であり、普通当たりに当選した場合であっても電チュー12Dの開放時間が極めて短く、第2始動口12への入賞は期待できない。
また、大当たり遊技時の演出パートは、大当たり演出パートになる。大当たり演出パートでは、大当たり遊技の想定時間(ラウンド数の大小)に従って、登場キャラクタの説明、大当たり遊技後の遊技説明等、大当たり遊技が終了するまでの間に様々な演出が行われる。なお、9R時短4回大当たりに当選した場合の大当たり演出パートでは、大当たり遊技の開始当初、当選した大当たりの種別を確定しない演出を行い、4ラウンド目が終了するまでに9R時短4回大当たりに当選したことを報知する昇格演出を行ってもよい。
大当たり遊技が終了すると、遊技の段階がチャンス時に移行することになる。すなわち、本形態では、どの大当たりに当選した場合であっても最低1回の時短回数が付与されるため、大当たり遊技後は必ず遊技状態が時短状態に移行する。具体的には、9R時短4回大当たりでは4回、4R時短1回大当たりでは1回、の時短回数が付与される(図9参照)。なお、大当たり遊技後の時短回数が0回となる大当たりの種別を設けた場合には、その大当たりに当選すると、大当たり遊技後も遊技状態が変化せずに非時短状態のままになる。この場合、大当たり遊技後、遊技の段階は、通常時に戻ることになる。
また、時短状態では、普通当たりに当選した場合の電チュー12Dの開放時間が非時短状態と比較して長い(図7参照)。さらに、右遊技領域6Rは、遊技くぎやステージ等の配置によって、左遊技領域6Lと比較して電チュー12Dを狙い易い構成になっている。そのため、パチンコ遊技機PY1は、チャンス時も、右打ちを指示する。
特図2での大当たりの当選確率は、特図1と同様に、およそ1/256になる(図8(A)参照)。一方、特図2では小当たりにも当選する可能性があり、特図2での小当たりの当選確率は、およそ1/5.82である。つまり、小当たりの当選確率が大当たりの当選確率と比較して極めて高い。また、パチンコ遊技機PY1は、小当たりに当選した場合、その1ラウンド目において第2大入賞口15を最大25秒にわたって開放し、さらに小当たり遊技における第2大入賞口15の開放中の期間では特定領域16への遊技球の通過が可能になるように振分部材16kを通過許容状態の位置に移動させる。このことから、遊技者が右打ち指示に従って遊技を行っている(すなわち右打ちを続けている)かぎり、特定領域16に遊技球を通過させることができる。パチンコ遊技機PY1は、遊技球の特定領域16の通過を契機に2種大当たりを実行する。
パチンコ遊技機PY1は、特図2の抽選において大当たりに当選する、あるいは小当たりに当選した後に遊技球が特定領域16を通過した場合には、再び大当たり遊技を実行する。すなわち、遊技の段階が再び大当たり遊技時に移行することになる。このときの大当たり遊技のラウンド数は、当選した大当たりの種別ないし小当たりの種別によって異なる(図8(B)および図9参照)。また、大当たり遊技の終了後には、遊技の段階が再びチャンス時に戻るが、そのときの時短回数も、当選した大当たりの種別ないし小当たりの種別によって異なる。
一方、所定の時短回数分の抽選が行われてもなお、大当たりにも小当たりにも当選しなかった場合には、遊技状態が時短状態から非時短状態に移行する。ただし、遊技状態が非時短状態に移行したとしても、特図2の保留が残っていた場合には、チャンス時が継続され、その残りの特図2の保留を消化する。パチンコ遊技機PY1では、この残りの特図2の保留を消化する際の専用演出として、非時短残り保留専用演出を行う。そして、非時短状態に移行した後、残りの特図2の保留が全て消化されてもなお、大当たりにも小当たりにも当選しなかった場合、遊技の段階が通常時に戻ることになる。なお、小当たりに当選したとしても遊技球が特定領域16を通過しなかった場合も、遊技の段階が通常時に戻ることになる。一方、残りの特図2の保留において大当たりに当選する、あるいは小当たりに当選した後に遊技球が特定領域16を通過した場合には、再び大当たり遊技を実行する。すなわち、遊技の段階が大当たり遊技時に戻ることになる。
また、パチンコ遊技機PY1は、時短状態でのチャンス時、演出のパートが2つある。具体的には、時短状態での特図2の抽選回数が残り2回以上あるときの演出パートである第1時短演出パートと、その残りが1回になったときの演出パートである第2時短演出パートと、の2つの演出パートがある。時短状態でのチャンス時の各演出パートでは、それぞれ特徴的な専用演出が含まれる。すなわち、第1時短演出パートでは、専用演出として、大当たりないし小当たりに当選している場合、すなわち大当たりの当選の可能性がある場合に、その旨を告知する先告知演出を行う。また、第2時短演出パートでは、専用演出として、第2特図保留に対する保留アイコンHAについて、全て大当たりの期待度を示す態様に一斉に変化させる保留アイコン一斉変化演出を行う。なお、変化後の保留アイコンHAは、その後の各保留に対する変動演出の態様と対応しており、非時短状態に移行した後の残りの特図2の保留に対する変動演出では、非時短残り保留専用演出を行う。チャンス時の演出の詳細は後述する。
パチンコ遊技機PY1では、上述したように、遊技の段階が通常時から始まり、特図1の抽選での大当たりの当選によって、大当たり遊技時に移行し、その後、チャンス時に移行する。そして、チャンス時において大当たりに当選する、あるいは小当たりに当選した後に遊技球を特定領域16に通過させた場合、再び大当たり遊技時に移行し、再びチャンス時に戻る。すなわち、大当たり遊技時とチャンス時とが繰り返される。一方、チャンス時にて取得した特図2の保留において大当たりにも小当たりにも当選しなかった場合には、通常時に戻ることになる。
さらに、時短状態でのチャンス時では、時短状態での特図2の抽選回数が残り1回になるまでは、第1時短演出パートでの演出を行い、その残り1回では、第2時短演出パートでの演出を行う。なお、特図1の抽選において、4R時短1回大当たりに当選した場合には、時短回数が1回であり、第1時短演出パートでの演出は行われず、時短状態に移行後、始めから第2時短演出パートでの演出が行われる。一方、特図2の抽選では、どの大当たりに当選した場合であっても、時短回数が4回であり、第1時短演出パートでの演出が行われる。
例えば、初回の大当たりの種別が4R時短1回大当たりであった場合の、初回の大当たりの当選から大当たりが連続するまでの演出の流れは、概ね、次のような流れになる。先ず、非時短状態において、特図1の大当たりとして4R時短1回大当たりに当選すると、4ラウンド分の大当たり遊技が行われる。演出の流れとしては、通常演出パートから大当たり演出パートに移行することになる。そして、大当たり遊技が終了した後、第2時短演出パートに移行することになる。
第2時短演出パートでは、時短状態での1回分の特図2の変動表示に対応する変動演出が行われる。特図2の変動表示中、時短状態での普通図柄の抽選において普通当たりに頻繁に当選することから、遊技者が右打ちを継続することで電チュー12Dが作動し、特図2の上限保留数分の4つの第2特図保留を貯められる可能性が高い。そして、その貯められた分の特図2の保留の先読みを行い、保留アイコン一斉変化演出によって、特図2の保留アイコンHAを、全て大当たりの期待度を示す態様に変化させる。さらに変化後の保留アイコンHAは、その後の変動演出の態様と対応させる。この変化後の保留アイコンHAによって、遊技者に保留アイコンHAごとの大当たりの期待感を付与できる。
時短回数の1回分の変動表示、あるいはそのときに貯めた特図2の保留によって大当たりないし小当たりに当選すると、パチンコ遊技機PY1は、再び、大当たり遊技を行い、その後、時短状態に移行する。演出の流れとしては、この大当たり遊技後の時短状態では、時短回数が4回になることから、第1時短演出パートの演出を行うことになる。第1時短演出パートでは、大当たりの可能性があることを示す先告知演出が行われる。この先告知演出によって、第2時短演出パートとは異なる演出で、遊技者に大当たりの期待感を付与できる。この第1時短演出パートは、時短状態での変動表示回数が残り1回になるまで継続する。このように、パチンコ遊技機PY1は、始めの専用演出(第2時短演出パート)によって各保留の期待度を示唆し、大当たり遊技を挟んでその後の専用演出(第1時短演出パート)によって、先に期待度を示した各保留に対する変動表示時に大当たりの先告知を行う。このように、大当たりが連続する場合であっても、大当たり遊技が終了する度に、遊技者に様々な期待感を付与できる。
6.第1時短演出パートの詳細
続いて、第1時短演出パートでの演出の流れについて説明する。第1時短演出パートでは、演出図柄EZの変動表示と仮停止表示とを繰り返す連続疑似変動演出を行う。さらに、変動表示中の特図2の当否結果を先読みし、大当たりあるいは小当たりに当選している場合、すなわち大当たりの当選の可能性がある場合、特図2が停止表示される前に、その当選を告知する先告知演出を行う。
図12および図13は、第1時短演出パートの演出の流れを示している。図12は、変動表示中の特図2がハズレであった場合の演出の流れを示しており、図13は、変動表示中の特図2が大当たりあるいは小当たりであった場合の演出の流れを示している。具体的に、特図2の変動表示が開始されると、パチンコ遊技機PY1は、図12(A)(図13(A)も同様)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3をそれぞれ画像表示装置50の表示部50aに表示し、さらにこれら演出図柄EZの変動表示を開始する。また、本来の第2特図表示器81bの状態を示す演出図柄として、小図柄KZを表示部50aの左上隅に表示する。小図柄KZの表示位置は左上隅に限るものではなく、遊技者から見える位置であればよい。図中の↓は演出図柄EZや小図柄KZが変動表示中であることを示す。
また、パチンコ遊技機PY1は、所定の点灯パターンに従って、枠ランプ53を点灯させる。また、パチンコ遊技機PY1は、所定の楽曲および効果音を、スピーカ52から出力する。点灯パターンや楽曲は、大当たり遊技時から継続して用いられるものでもよいし、チャンス時の演出用に用いられるものであってもよい。また、パチンコ遊技機PY1は、特図2の変動表示の開始時に、その変動表示中の特図2の当否結果を先読みし、先読み結果に基づいて演出パターンを選択する。
演出図柄EZの変動表示が開始されると、パチンコ遊技機PY1は、特図2の変動表示が行われている期間中、図12(B)および(C)(図13(B)および(C)も同様)に示すように、演出図柄EZの仮停止表示(図中の“ ”は演出図柄が仮停止表示中であることを示す)と、演出図柄EZの変動表示とを繰り返す。これにより、1回分の特図2の変動表示中に複数回の抽選が短期間で行われているように見せかける。この場合、実際には、特図2は変動表示を継続しているため、演出図柄EZが仮停止表示中も小図柄KZは変動表示を継続する。
その後、特図2の変動時間が経過することで、パチンコ遊技機PY1は、特図2を停止表示する。これに伴って、演出図柄EZおよび小図柄KZも合わせて停止表示する。具体的に、ハズレの場合には、図12(D1)に示すように、演出図柄EZおよび小図柄KZともにハズレの組み合わせを表示し、確定時間が経過するまで停止状態を維持する。そして、次の特図2の抽選に基づく特図2の変動表示の開始に伴って、演出図柄EZおよび小図柄KZも合わせて変動表示を開始する。
一方、大当たりあるいは小当たりに当選した場合には、図13(D2)に示すように、特図2の変動表示中に、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3、の少なくとも1つに、特別演出図柄TEZを表示する。特別演出図柄TEZは、通常の演出図柄EZと区別される図柄である。本形態では、通常の演出図柄EZは、数字をモチーフとした図柄であり、特別演出図柄TEZは花をモチーフとした図柄である。特別演出図柄TEZは、大当たりあるいは小当たりに当選した場合に表示され得る演出図柄EZであり、特別演出図柄TEZが表示されることが大当たりあるいは小当たりに当選したことを意味する。すなわち、特別演出図柄TEZを登場させる演出は、大当たりないし小当たりの当選を特別図柄が停止表示される前に告知する先告知演出となる。
さらに左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3、のいずれか1つに特別演出図柄TEZが表示されると、パチンコ遊技機PY1は、暗転演出として、図13(E)に示すように、画像表示装置50の表示部50aを暗転させ、枠ランプ53を消灯し、スピーカ52からの出力を停止する。すなわち、これまで実行されている演出を一時的に停止する。暗転(表示部50aの単色表示あるいは出力停止)や消灯(枠ランプ53の出力停止)や消音(スピーカ52からの出力停止)も、大当たりあるいは小当たりに当選した場合に実行され得る演出であり、これらの演出が生じることが大当たりあるいは小当たりに当選したことを意味する。すなわち、暗転や消灯や消音も、特別演出の一部であり、大当たりないし小当たりの当選の先告知演出となる。これらの演出が突然生じることで、遊技者に違和感が生じ、さらには遊技者に大当たりへの期待感を付与できる。特に大当たり遊技時から、楽曲の出力や枠ランプ53の点灯パターンを継続している場合には、それらの継続が断ち切られるような演出となり、遊技者に大きな違和感を与えることが期待できる。なお、枠ランプ53の出力停止は完全に消灯する必要は無く、光量を下げる演出であればよい。また、スピーカ52からの出力停止も完全に消音する必要は無く、音量を下げる演出であればよい。表示部50aの表示も暗転に限るものではなく、例えばカラーバーの表示等、遊技者が違和感を覚える画像を表示すればよい。
なお、先告知演出が生じる順番は、これに限るものではなく、暗転や消灯や消音が特別演出図柄TEZの表示よりも先に実行されてもよい。また、暗転や消灯や消音が同時に生じなくてもよい。すなわち、発生するタイミングをずらしてもよい。また、先告知演出は、特別演出図柄TEZの表示、暗転、消灯、消音、を全て行う必要は無く、これらのうち少なくとも1つを実行すればよい。また、先告知演出は、特別演出図柄TEZの表示、暗転、消灯、消音、に限るものではなく、例えば、装飾可動体55kを稼働してもよい。
その後、パチンコ遊技機PY1は、図13(F)に示すように、表示部50aに演出図柄EZを表示し、枠ランプ53を点灯し、スピーカ52からの出力を再開する。そして、画像表示装置50の表示部50aに、演出図柄EZおよび小図柄KZともに、大当たりないし小当たりの当選を示す組み合わせを表示し、確定時間が経過するまで停止状態を維持する。
その後、例えば小当たりに当選していた場合には、小当たり遊技の開始によって第2大入賞口15が開放状態になることから、図13(G)に示すように、第2大入賞口15を狙うように右打ちを指示する画面を表示する。そして、遊技球が第2大入賞装置15D内の特定領域16を通過したことを条件として、図13(H)に示すように、大当たりに当選したことを示す画像を表示部50aに表示する。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が特定領域16を通過した後、当選した大当たりの種別に応じた大当たり遊技を開始する。
なお、パチンコ遊技機PY1では、演出図柄EZを、左演出図柄EZ1、右演出図柄EZ3、中演出図柄EZ2、の順に停止させる。図13(D2)に示した特別演出図柄TEZを表示する演出では、3番目に停止する中演出図柄EZ2に特別演出図柄TEZを適用しているが、特別演出図柄TEZが表示される場所および順番は、これに限るものではない。例えば、図14に示すように、1番目に停止する左演出図柄EZ1に特別演出図柄TEZを適用してもよいし、図15に示すように、2番目に停止する右演出図柄EZ3に特別演出図柄TEZを適用してもよい。
また、特別演出図柄TEZは、1箇所のみに限るものではなく、複数個所に表示されてもよい。例えば、図16に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3、の3箇所全てに特別演出図柄TEZを適用してもよい。また、例えば3箇所全てに特別演出図柄TEZを表示する場合は、1箇所のみに特別演出図柄TEZを表示する場合と異なる演出を行ってもよい。例えば、図16(E1)に示すように、暗転演出の代わりに、大当たりないし小当たりの当選を示す演出図柄EZの組み合わせを繰り返し表示する、いわゆる全回転演出等のプレミア演出を行い、3箇所全てに特別演出図柄TEZを表示した際の特別感を生じさせてもよい。
また、パチンコ遊技機PY1では、図17に示すように、特別演出図柄TEZをどのタイミングで登場させるかのシナリオの選択割合が、当選した大当たりないし小当たりの種別によって異なる。具体的に、大当たり遊技中の遊技者の利益が大きい16R時短4回大当たり図柄あるいは15R時短4回小当たり図柄に当選した場合には、3箇所全てで特別演出図柄TEZが登場する第4シナリオの選択割合が多く、次いで最も先に仮停止する左演出図柄EZ1に特別演出図柄TEZが登場する第1シナリオの選択割合が多い。すなわち、早期に先告知演出が発生する割合が多い。一方、大当たり遊技中の遊技者の利益が先程の大当たりないし小当たりよりも小さい9R時短4回大当たり図柄あるいは8R時短4回小当たり図柄に当選した場合には、先程よりも第4シナリオの選択割合が少なく、第2シナリオや第3シナリオの選択割合がそれぞれ多くなる。すなわち、特別演出図柄TEZの登場タイミングが遅いシナリオの選択割合が多い。さらに大当たり遊技中の遊技者の利益がさらに小さい5R時短4回大当たり図柄あるいは4R時短4回小当たり図柄に当選した場合には、さらに第4シナリオの選択割合が少なく、さらに第2シナリオや第3シナリオの選択割合がそれぞれ多くなる。すなわち、特別演出図柄TEZの登場タイミングが遅いシナリオほど選択割合が多くなっている。つまり、特別演出図柄TEZの登場タイミングが大当たりないし小当たりの種類を示唆している。
なお、特別演出図柄TEZの登場タイミングは、演出図柄EZの各停止タイミングに限らず、例えば変動開始直後といったような、演出図柄EZとは無関係のタイミングで登場してもよい。すなわち、先告知演出が生じるタイミングが複数あることで、遊技者が先告知演出の発生を想定し難くなり、先告知演出が生じた際に遊技者に期待感をより付与し易くなる。
このように第1時短演出パートでは、時短状態での残りの特図2の変動回数が1回になるまでの間、先告知演出等を含む特別演出を行う。本形態では、時短回数が4回の大当たりないし小当たりに当選した場合に第1時短演出パートが生じることから、大当たり遊技後、3回の変動表示分の変動演出について、特別演出を行う。この3回という数値は、大当たり遊技の終了後、第2特図保留記憶部105bに記憶される保留抽選情報の上限数以下の数値の一例である。すなわち、本形態では、大当たり遊技後、特図2の保留の上限−1回分の変動演出について、特別演出を行う。これにより、大当たり遊技の終了時点で記憶されている保留抽選情報を含む抽選に特別感を持たせることができる。
なお、本形態では、大当たり遊技後、3回の変動表示分の変動演出について、特別演出を行っているが、特別演出を行う変動演出の回数はこれに限るものではない。例えば、大当たり遊技後、1回の変動演出分のみとしてもよいし、特図2の保留可能上限の変動演出分(本形態では4回分)としてもよい。ただし、特別演出の回数が多いほど遊技者が特別演出を楽しむことができるが、多すぎると特別演出の特別感が薄れてしまう。そのため、特別演出の実行機会は、大当たり遊技の終了後、特図2の保留可能上限の変動演出分(本形態では4回分)までとする。
また、特別演出を行う変動演出の回数は固定値に限らず、可変値であってもよい。例えば大当たり遊技の終了時に記憶されている特図2の保留についての変動演出のみ、特別演出を行うとしてもよい。例えば特図2の保留を2個残した状態で大当たりないし小当たりに当選し、大当たり遊技を実行した場合、その後、その2個の残り保留の変動演出について(大当たり遊技中に特図2の保留が貯まった場合にはその保留の変動演出も含めて)、特別演出を行ってもよい。つまり、大当たり遊技の終了時に記憶されている特図2の保留の数がM個であった場合には、その大当たり遊技後のM回分の変動演出について特別演出を行ってもよい。特別演出の対象を、大当たり遊技の終了時点に記憶されている特図2の保留に限定することで、前回のチャンス時に残された保留に対してより強い特別感を持たせることができる。
また、本形態では、特別演出に特別演出図柄TEZの表示、暗転、消灯、消音を含めているが、特別演出にはこれらの演出の他、例えば大当たりないし小当たりに当選した際にプレミア画像が表示されるプレミア画像演出を行ってもよい。すなわち、第1時短演出パートでのみ行う演出であればよく、他の段階と区別できる演出であればよい。
7.第2時短演出パートの詳細
続いて、第2時短演出パートでの演出の流れについて説明する。第2時短演出パートでは、特図2の変動表示中の所定のタイミングに、その段階で記憶されている特図2の保留に対する保留アイコンHAについて、全て大当たりの期待度を示す態様に一斉に変化させる保留アイコン一斉変化演出を行う。変化後の保留アイコンは、大当たりの期待度を示す他、その保留アイコンに対応する変動演出の内容も示唆する。
第2時短演出パートは、前述したように時短状態での特図2の変動表示回数が残り1回になった場合、すなわち時短状態における特図2の最終変動表示(例えば、時短回数が4回であれば4回目の変動表示、時短回数が1回であれば1回目の変動表示)に関する演出パートである。図18(A)は、その最終変動表示が開始されたときの画像表示装置50の表示部50aに表示される内容を示している。
具体的に、時短状態における特図2の最終変動表示が開始されると、パチンコ遊技機PY1は、第1時短演出パートと同様に、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3をそれぞれ画像表示装置50の表示部50aに表示し、さらにこれら演出図柄EZの変動表示を開始する。ただし、第2時短演出パートでは、大当たりないし小当たりに当選していたとしても、特別演出図柄TEZは表示されない。また、第1時短演出パートと同様に、本来の第2特図表示器81bの状態を示す演出図柄として、小図柄KZを表示部50aの左上隅に表示する。小図柄KZの表示位置は左上隅に限るものではなく、遊技者から見える位置であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、現時点で特図2が変動表示中であることを示す当該変動アイコンTAと、現時点での特図2の保留数を示す保留アイコンHAと、を表示部50aの下領域に表示する。保留アイコンHAは、特図2の個々の保留、すなわち第2特図保留記憶部105bに記憶されている個々の保留抽選情報に対応しており、先に記憶されている保留抽選情報に対応する保留アイコンHAから順に、当該変動アイコンTAに近い場所に表示される。図18(A)は、特図2の保留が2個あることを示し、先に記憶されている保留に対応する保留アイコンHAから順に、第1保留アイコンHA1、第2保留アイコンHA2、となる。そして、変動表示中の特図2が停止表示される、すなわち特図2の保留が消化されると、第1保留アイコンHA1が左側に移動して、当該変動アイコンTAとなり、第2保留アイコンHA2が左側に移動して、第1保留アイコンHA1となる。
パチンコ遊技機PY1は、あらかじめ定められた時短回数分の特図2の変動表示の他、最終変動表示が終了するまでに貯められた特図2の保留数の分、特図2の変動表示を行うことができる。本形態では、特図2の保留の上限が4であるため、時短回数が1回であれば、時短回数分の1回+特図2の保留の上限分の4回の、最大5回の特図2の変動表示を行うことができる。また、時短回数が4回であれば、時短回数分の4回+特図2の保留の上限分の4回の、最大8回の特図2の変動表示を行うことができる。
パチンコ遊技機PY1は、特図2の変動表示、すなわち特図2の抽選において、およそ1/6で大当たりないし小当たりに当選する確率である(図8(A)参照)。そのため、遊技者にとって特図2の1回分の抽選に対して極めて関心が高く、さらに特図2の抽選の回数の大小が遊技者の利益を大きく左右することになる。そこで、第2時短演出パートの前半では、時短状態における特図2の最終変動表示中に、特図2の保留が上限まで貯まるように、図18(B)に示すように、電チュー12Dを狙う指示を行う画面を表示する。なお、既に特図2の保留が上限まで貯まっている場合、その画面の表示を行わなくてもよい。
特図2の保留が上限まで貯まった場合、パチンコ遊技機PY1は、その旨を示唆する画像を表示部50aに表示する。例えば、図18(C)に示すように、第1保留アイコンHA1に「準」、第2保留アイコンHA2に「備」、第3保留アイコンHA3に「O」、第4保留アイコンHA4に「K」、とそれぞれ表示し、4つの文字を組み合わせて「準備OK」と表示されることで、特図2の保留が上限まで貯まったことを示唆する。なお、第2特図保留が上限まで貯まったことを示唆する態様はこれに限るものではなく、「保留MAX」等の文字を画面中央に表示してもよいし、画面に表示されるメッセージの他、特定の効果音や音声を出力してもよい。
第2時短演出パートの前半が終了した後は、後半に移行することになる。第2時短演出パートの後半に移行するタイミングは、時短状態における特図2の最終変動表示中であって、その変動表示の開始(変動演出の開始)から所定の時間が経過したタイミングであってもよいし、特図2の保留が上限まで貯まったことを検知したタイミングであってもよい。また、電チュー12Dの作動契機となる普通図柄の変動表示や抽選結果に基づいてもよい。
第2時短演出パートの後半、すなわち特図2の最終変動表示の変動演出の後半では、パチンコ遊技機PY1は、前述した保留アイコン一斉変化演出を行う。そこで、パチンコ遊技機PY1は、図18(D)に示すように、保留アイコンHAの変化を煽る演出を行う。この煽り演出中に、パチンコ遊技機PY1は、現時点で保有している特図2の保留の全てについて先読みを行う。その後、特図2の保留アイコンHAの全てについて、大当たりの期待度を示す態様に一斉に変化させる保留アイコン一斉変化演出を行う。
図18(D)は、変化前の保留アイコンHAを示しており、全ての保留アイコンHAが通常の態様になっている状態を示している。図18(E1)は、変化後の保留アイコンHAを示しており、各保留アイコンHAがそれぞれ大当たりの期待度を示す態様になっている状態を示している。各保留アイコンHAは、個々に大当たりの期待度を示しているため、図18(E1)に示したように全て異なる態様になる場合もあるが、同じ態様の保留アイコンHAが複数表示される場合もある。
図19は、保留アイコン一斉変化演出における、保留アイコンHAの選択テーブルを示している。本形態では、変化後の保留アイコンHAの態様として、5種類の態様を用意している。このうち、第1タイプ、第2タイプ、第3タイプ、第4タイプ、の各保留アイコンHAでは、形状が同じで、それぞれ色ないし模様が異なる。また、特別タイプでは、他の保留アイコンHAと比較して、形状が異なる。
さらに、第1タイプの保留アイコンHAは、ハズレ時に選択される割合が多く、大当たりないし小当たり時に選択される割合が低い。すなわち、大当たりの期待度が低いことを示している。一方、第2タイプは第1タイプよりもハズレ時に選択される可能性が低く、第3タイプはさらに第2タイプよりもハズレ時に選択される可能性が低く、第4タイプはさらに第3タイプよりもハズレ時に選択される可能性が低くなっている。また、特別タイプは、ハズレ時には選択されない割合になっており、大当たりないし小当たりの確定を示唆している。すなわち、第1タイプ、第2タイプ、第3タイプ、第4タイプ、特別タイプ、の順に大当たりないし小当たりに当選する期待度が高いことを意味する。
また、保留アイコンHAの態様は、大当たりないし小当たりに当選している場合、その種別によっても選択割合が異なる。すなわち、大当たりないし小当たりの種別が、大当たり遊技でのラウンド数が多い(遊技者が得られる利益が大きい)種別である場合(本形態では16R時短4回大当たりや15R時短4回小当たり)、第1タイプよりも第2タイプ、第3タイプ、第4タイプの方が選択され易くなっている。一方、大当たりないし小当たりの種別が、大当たり遊技でのラウンド数が少ない(遊技者が得られる利益が小さい)種別である場合(本形態では5R時短4回大当たりや4R時短4回小当たり)、第1タイプや第2タイプの方が第3タイプ、第4タイプよりも選択され易くなっている。すなわち、保留アイコンHAの態様は、大当たりないし小当たりの種別も示唆している。なお、特別タイプの割合は、他のタイプよりも選択割合が小さく、選択された際の特別感を付与している。
なお、保留アイコンHAの態様の違いは、色の違いや形状の違いの他、例えばサイズによる違いがあってもよい。この場合、例えば、サイズが大きいほど期待度を高くするとよい。また、形状の違いの一例としては、特別タイプのようなVの字をモチーフとした画像の他、特別なキャラクタやアイテムの画像を用いてもよい。
このように第2時短演出パートでは、保留アイコン一斉変化演出として、特図2の保留に対応する保留アイコンHAの全てに対して一斉に態様を変化させる。そして、全ての保留アイコンHAにおいて大当たりの当選の期待度を表示することで、個々の保留抽選情報に対して、ある程度の期待感を遊技者に持たせることができる。
なお、第2時短演出パートでは、第2特図保留を上限まで貯めさせる時間と、保留アイコン一斉変化演出の時間と、が必要である。そのため、第2時短演出パートが行われる変動表示について、他の変動表示よりも変動時間を長くしてもよい。
また、図18に示した保留アイコン一斉変化演出では、保留アイコンHAについて、その態様を一斉に変化させているが、図20に示すように、当該変動アイコンTAを含めてその態様を一斉に変化させてもよい。当該変動アイコンTAを含めて変化させることで、現在変動表示中の抽選結果についても遊技者に期待感を付与できる。この場合、当該変動アイコンTAについては、大当たりの期待度を示すのみで、変動演出との対応付けを行わなくてもよい。
一方で、保留アイコン一斉変化演出では、保留アイコンHAの全てについて変化させているが、ハズレの保留アイコンHAの一部を変化させない場合があってもよい。すなわち、必ずしも保留アイコンHAの全てを変化させる必要はない。ただし、本形態のように保留アイコンHAの全てを一斉に変化させることで、保留アイコン一斉変化演出が遊技者に与えるインパクトが強く、保留アイコン一斉変化演出についての興趣性が高まる。
また、パチンコ遊技機PY1は、第2時短演出パートにおいて必ず保留アイコン一斉変化演出を実行するものではなく、保留アイコン一斉変化演出の実行を選択する。すなわち、図18(D)に示した保留アイコンHAの変化の煽り演出中に保留アイコン一斉変化演出の実行有無を選択する。そして、保留アイコン一斉変化演出の実行が選択された場合には、図18(E1)に示したように保留アイコンHAを一斉に変化させ、保留アイコン一斉変化演出の実行が選択されなかった場合には、図21(E0)に示すように保留アイコンHAの変化に失敗したことを示す画像を表示し、保留アイコンHAを変化させない。
図22は、保留アイコン一斉変化演出の実行選択テーブルを示している。本形態では、保留アイコン一斉変化演出の実行割合が、大当たりないし小当たりに当選している特図2の保留が有るか否か、さらには変動表示中の特図2の変動表示において大当たりないし小当たりに当選しているか否か、によって異なる。大当たりないし小当たりの当選可否は、図18(D)(図21(D)も同様)に示した保留アイコンHAの変化の煽り演出中に行われる先読みによって判断できる。
具体的に本形態では、大当たりないし小当たりに当選している特図2の保留が有る場合の方が、大当たりないし小当たりに当選している特図2の保留が無い場合と比較して、保留アイコン一斉変化演出が実行され易い。これにより、保留アイコン一斉変化演出が実行された際の、大当たりへの期待感を高められる。また、変動表示中の特図2の抽選において大当たりないし小当たりに当選している場合、変動表示中の特図2の抽選において大当たりないし小当たりに当選していない場合と比較して、保留アイコン一斉変化演出が実行され難い。変動表示中の特図2の抽選において大当たりないし小当たりに当選している場合は、保留アイコン一斉変化演出を実行せず、保留アイコンHAの変化に失敗した演出を行った後に当該変動用の大当たりないし小当たりの演出を行うことで、当該変動の特別感を生じさせることができ、興趣性が高まる。
また、パチンコ遊技機PY1は、大当たりないし小当たりに当選している特図2の保留が連続して有る場合、それらに対応する保留アイコンHAについて、図19の保留アイコンHAの態様の選択テーブルでの選択結果に代えて、特別タイプに決定する。すなわち、図23(E3)に示すように、他のタイプとは形状が異なる特別な態様であって、大当たりないし小当たりの確定を示す特別タイプの保留アイコンHAを連続して表示する。なお、図23(E3)では、第3保留アイコンHA3と第4保留アイコンHA4とで連続して大当たりないし小当たりに当選する場合を示している。これにより、大当たりないし小当たりに連続して当選するといった稀なケースの場合に、その稀なケースが生じたことを遊技者に示唆することができ、遊技者の期待感をより高められる。
また、パチンコ遊技機PY1は、特図2の保留が全て大当たりないし小当たりに当選している場合、図24(E4)に示すように、それらの保留アイコンHAを全て特別タイプに決定することに加え、特別なエフェクト画像EGを表示し、特別な効果音をスピーカ52から出力し、特別な点灯パターンで枠ランプ53を点灯させる。これにより、大当たりないし小当たりに全て当選するといった極めて稀なケースの場合に、その稀なケースが生じたことを遊技者に示唆することができ、遊技者の期待感をより一層に高められる。
なお、本形態では、大当たりないし小当たりに当選している特図2の保留が連続して有る場合に保留アイコンHAを特別な態様に決定しているが、連続していなくても複数ある場合には、それらの保留アイコンHAを特別な態様(本形態では特別タイプ)に決定してもよい。また、本形態では、特別な態様として特別タイプを決定しているが、大当たりないし小当たりに当選している特図2の保留が連続して有る場合に専用の専用態様を設けてもよい。
また、本形態では、時短状態における特図2の最終変動表示中に保留アイコン一斉変化演出を行っているが、これに限らず別のタイミングにおいても保留アイコン一斉変化演出を行ってもよい。ただし、非時短状態に移行した直後の残りの特図2の変動表示は時短状態に戻る最終チャンスでもあり、時短状態における特図2の最終変動表示中に行うことで、非時短状態に移行した後の残りの特図2の変動表示に特別な期待感を与えることができる。
また、実施の形態では、保留アイコン一斉変化演出において、最終変動表示中に貯まっている特図2の保留アイコンHAの全てに対してその態様を変化させているが、必ずしも全ての保留アイコンHAを変化させる必要は無く、変化しない保留アイコンHAが含まれてもよい。保留アイコンHAの態様を変化させるか否かは乱数等によって決めればよく、例えば大当たりないし小当たりに当選している場合、ハズレの場合と比較して、保留アイコンHAを変化させない割合を少なくすればよい。この場合、保留アイコンHAが変化するだけであっても、遊技者に特別な期待感を与えることができる。
8.非時短残り保留専用演出の詳細
続いて、非時短残り保留専用演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図2の最終変動表示の終了後、残りの特図2の保留(すなわち保留アイコン一斉変化演出で対象となった特図2の保留)を消化する際にも、それらの保留に対する変動演出の専用演出である非時短残り保留専用演出を行う。
非時短残り保留専用演出では、保留アイコン一斉変化演出による変化後の各保留アイコンHAが、それらの保留アイコンHAに対応する特図2の保留に基づく変動表示が行われている際の変動演出の内容と、一対一で対応している。言い換えると、保留アイコン一斉変化演出では、全ての保留アイコンHAを、非時短残り保留専用演出の演出内容と一対一で対応するように変化させる。例えば、本形態の非時短残り保留専用演出では、殆どの場合でリーチ演出を行う。このリーチ演出の内容が、保留アイコンHAの態様と対応している。
具体的に本形態では、非時短残り保留専用演出が開始されると、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3をそれぞれ画像表示装置50の表示部50aに表示し、さらに図25(F)に示すように演出図柄EZの変動表示を開始する。その後、リーチ演出に発展させる。
リーチ演出の内容は、保留アイコンHAの態様に対応している。本形態では、第1タイプであれば、ノーマルリーチを実行する。すなわち、図25(G1)に示すように、演出図柄EZをリーチ状態で表示する。本形態では、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とを同じ演出図柄で仮停止表示する。その後、中演出図柄EZ2に当否結果を示す演出図柄を自動的に表示する。つまり、大当たりないし小当たりに当選している場合は、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を同じ演出図柄を表示し、ハズレの場合は、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を異なる演出図柄を表示する。ノーマルリーチの場合、リーチ状態になってから当否結果を表示するまでの間、演出ボタン40の操作を受け付けない。
一方、第2タイプであれば、ボタン操作を要求する演出を実行する。すなわち、第1のタイプと同様に図25(G2)に示すように、演出図柄EZをリーチ状態で表示した後、図25(H2)に示すように、演出ボタン40kの画像を表示するとともに演出ボタン40kの操作を受け付ける所定期間を設ける。そして、その所定期間中に演出ボタン40kの操作を検知したことを契機に、中演出図柄EZ2に当否結果を示す演出図柄を表示する。なお、所定期間内に演出ボタン40kの操作を検知しなかった場合には、その所定期間の経過後、中演出図柄EZ2に当否結果を示す演出図柄を自動的に表示する。
一方、第3タイプであっても、ボタン操作を要求する演出を実行する。ただし、第3タイプの場合には、演出ボタン40kの操作の受け付け開始時に、演出ボタン40kを振動させる。すなわち、これまでと同様に図25(G3)に示すように、演出図柄EZをリーチ状態で表示した後、図25(H3)に示すように、演出ボタン40kが振動している画像を表示するとともに演出ボタン40kの操作を受け付ける所定期間を設ける。そして、演出ボタン40kの操作を検知したことを契機に、中演出図柄EZ2に当否結果を示す演出図柄を表示する。なお、所定期間内に演出ボタン40kの操作を検知しなかった場合には、その所定期間の経過後、中演出図柄EZ2に当否結果を示す演出図柄を自動的に表示する。
一方、第4タイプであっても、ボタン操作を要求する演出を実行する。ただし、第4タイプの場合には、演出ボタン40kの操作の受け付け開始時に、演出ボタン40kを上方に隆起させる。すなわち、これまでと同様に図25(G4)に示すように、演出図柄EZをリーチ状態で表示した後、図25(H4)に示すように、演出ボタン40kが隆起している画像を表示するとともに演出ボタン40kの操作を受け付ける所定期間を設ける。そして、演出ボタン40kの操作を検知したことを契機に、中演出図柄EZ2に当否結果を示す演出図柄を表示する。なお、所定期間内に演出ボタン40kの操作を検知しなかった場合には、その所定期間の経過後、中演出図柄EZ2に当否結果を示す演出図柄を自動的に表示し、演出ボタン40kの態様を元に戻す。
上述したように、保留アイコンHAが、第1タイプ、第2タイプ、第3タイプ、第4タイプ、のいずれかであった場合には、演出図柄EZをリーチ状態で表示し、さらにリーチ状態での演出ボタン40kの操作の有無、さらには演出ボタン40kの態様が、タイプごとに異なる。言い換えると、保留アイコンHAのタイプがリーチ演出の内容と対応していることになる。
なお、リーチ演出の内容の違いは、演出ボタン40kの操作や態様によるものに限らない。例えば、パチンコ遊技機PY1が複数種類の入力装置を設けた場合には、受け付ける入力装置の違いによって、リーチ演出の内容を異ならせてもよい。また、入力装置の入力を受け付ける入力操作の態様(例えば、一撃、連打、長押し)によって、リーチ演出の内容を異ならせてもよい。また、入力装置の入力を受け付ける入力操作の回数によって、リーチ演出の内容を異ならせてもよい。勿論、これらを組み合わせてリーチ演出の内容を異ならせてもよい。また、演出の内容の違いは、リーチ演出の内容に限るものではなく、例えば疑似連演出の回数であってもよいし、登場するキャラクタの違いであってもよい。
また、特別タイプであった場合には、図25(G5)に示すように、リーチ演出を実行せず、変動演出の開始から所定時間の経過後に、大当たりないし小当たりに当選していることを示す演出図柄EZの組み合わせをいきなり表示する。このように特別タイプの変動演出の内容を他のタイプと大きく異なる内容にすることで、特別タイプの特別感を与えることができる。
このように非時短残り保留専用演出では、変動演出の態様を保留アイコンHAと対応させる。これにより、遊技者は、保留アイコンHAの態様から演出内容を想定でき、演出内容に応じた大当たりの期待度を生じさせることができる。なお、本形態では、保留アイコンHAを、変動演出の内容と一対一で対応させているが、必ずしも一対一である必要はなく、一対多で対応させてもよい。すなわち、1つの保留アイコンHAの態様に対して、選択され得る変動演出の態様が複数あってもよい。一対他であっても、保留アイコンHAに対応する演出の内容を遊技者がある程度想定でき、大当たりの期待度を生じさせることができる。ただし、一対一で対応している方がより明確に演出の内容を遊技者が想定でき、大当たりの期待度をより生じさせることができる。
また、本形態では、非時短状態に移行した後の残りの特図2の保留において非時短残り保留専用演出を行っているが、これに限らず別のタイミングにおいても同様の演出を行ってもよい。例えば、時短状態であっても保留アイコンHAと変動演出の態様とを対応させてもよい。その場合、保留アイコンHAは全てを同時に変化させる必要は無く、それぞれの保留アイコンHAが所定の条件を満たす度に、その態様を変化させてもよい。ただし、非時短状態に移行した直後の残りの特図2の変動表示は時短状態に戻る最終チャンスでもあり、少なくとも時短状態での特図2の最終変動表示中に保留アイコンHAを変化させることで、非時短状態に移行した後の残りの特図2の変動表示に特別な期待感を与えることができる。
また、本形態では、非時短状態に移行した直後の特図2の残り保留において、大当たりないし小当たりに連続して当選している場合に、それらの保留アイコンHAを特別タイプ等の特別なアイコンに変化させ、その保留アイコンHAによって遊技者に特別感を与えている(図23(E3)参照)が、その保留アイコンHAに対応する変動演出においても通常とは異なる演出を行ってもよい。
例えば、非時短状態に移行した直後の特図2の残り保留において、大当たりないし小当たりに複数当選している場合(連続して当選していなくてもよい)に、1つのみ当選している場合と比較して異なる演出を行う。具体的には、特図2の残り保留において大当たりないし小当たりに複数当選している場合に、図26(E1)に示すように、少なくとも先に大当たりないし小当たりに当選する特図2の保留に対応する保留アイコンHAを特別タイプとし(後に当選する特図2の保留に対応する保留アイコンHAは、他のタイプであってもよい)、図26(G6)に示すように、その特別タイプに対応する変動演出ではプレミア画像PGを表示する。これにより、遊技者に対して有利な事象が生じることの期待を生じさせることができる。
上述の変動演出を行うことで、保留アイコンHAのうち特別タイプでは、プレミア画像PGを表示する演出と、プレミア画像PGを表示しない演出と、の2つの演出態様が対応付けられることになる。すなわち、特別タイプでは、後に消化される特図2の保留の中に大当たりないし小当たりに当選している保留が有ることを条件として、その条件を満たしていれば、図26(G6)に示すように、プレミア画像PGを表示する演出が実行され、その条件を満たしていなければ、図26(G5)に示すように、プレミア画像PGを表示しない演出が実行される。つまり、図26(E1)において第1保留アイコンHA1に対応する保留(保留Xとする)が大当たりないし小当たりに当選している場合、第2保留アイコンHA2と第3保留アイコンHA3と第4保留アイコンHA4とのうち少なくとも1つで大当たりないし小当たりに当選していれば、保留Xの当該変動演出において図26(G6)に示すようなプレミア画像PGを表示する演出を行い、いずれも当選していなければ、変動演出において図26(G5)に示すようなプレミア画像PGを表示しない演出を行う。このように保留アイコンHAの1つのタイプであっても所定の条件を満たした場合にのみ行われる演出を設けることで、特別タイプについての特別感をより持たせることができ、興趣性が向上する。
また、例えば、非時短状態に移行した直後の特図2の残り保留において大当たりないし小当たりに連続して当選している場合に、複数の保留に跨る特別シナリオの演出を行ってもよい。図27は、特図2の保留において大当たりないし小当たりに2回連続して当選している場合の、特別シナリオの演出の流れを示している。また、図27では、図27(1)に示す4つの保留アイコンHAのうち、第1保留アイコンHA1および第2保留アイコンHA2に対応する保留(それぞれ保留A、保留Bとする)において、大当たりないし小当たりに当選している、すなわち2回連続して大当たりないし小当たりに当選しているものとする。
特別シナリオは第1〜4の4つのパートに分かれる連続演出のシナリオである。時短状態での最終変動表示が終了し、図27(1)中の第1保留アイコンHA1に対応する保留Aの変動表示が開始されると、図27(2)に示すように、特別シナリオの第1パートを開始する。その後、保留Aの変動表示が終了し、大当たりの当選に伴って大当たり遊技が開始されると、図27(3)に示すように、特別シナリオの第2パートを開始する。すなわち、保留Aの変動表示中の演出とその後の大当たり遊技の実行中の演出とについて連続させる。
さらに、大当たり遊技が終了し、図27(1)中の第2保留アイコンHA2に対応する保留Bの変動表示が開始されると、図27(4)に示すように、特別シナリオの第3パートを開始する。すなわち、事前の大当たり遊技の実行中の演出と保留Bの変動表示中の演出とについても連続させる。そして、保留Bの変動表示が終了し、大当たりの当選に伴って大当たり遊技が開始されると、図27(5)に示すように、特別シナリオの第4パートを開始する。すなわち、保留Bの変動表示中の演出とその後の大当たり遊技の実行中の演出とについても連続させる。その後、図27(6)に示すように、その大当たり遊技の実行中に、特別シナリオを終了させる。これにより、保留Aの変動中から大当たり遊技を挟んで保留Bの変動中、さらにはその後の大当たり遊技に至るまでの連続演出が行われる。このような特別シナリオの演出が行われることで、遊技者に対して大当たりが連続することの特別感をより生じさせることができ、さらには演出の興趣性もより向上する。
特別シナリオでは、第1〜4のパートにおいて演出が連続していることを遊技者に理解させるために、例えば同じ楽曲を出力し続ける。また、大当たり遊技中に表示されるラウンド数の表示として、2回分の大当たり遊技の合計のラウンド数を表示する。また、特別シナリオでは、演出の特別感を持たせるため、プレミア画像を表示してもよい。
なお、上述の特別シナリオの演出を行う場合であっても、保留アイコンHAのうち特別タイプでは、特別シナリオを行う演出と、特別シナリオを行わない演出と、の2つの演出態様が対応付けられることになる。すなわち、特別タイプでは、大当たりないし小当たりに連続して当選していることを条件として、その条件を満たしていれば、図27に示した特別シナリオの演出が実行され、その条件を満たしていなければ、特別シナリオの演出が実行されない。そのため、特別タイプの保留アイコンHAについての更なる特別感を持たせることができ、興趣性が向上する。
特図2の残り保留において大当たりないし小当たりに連続して当選している場合に、特別シナリオの演出を行うか否かは、抽選によって決めるとよい。特別シナリオの演出を行わない場合には、例えば図26に示したような、先に消化される保留の変動表示中にプレミア画像PGを表示する演出を行う。また、特別シナリオは、連続して当選している保留抽選情報の数ごとに用意すればよい。
9.普通図柄の変動時間の詳細
続いて、パチンコ遊技機PY1の普図表示器82による普通図柄の変動時間について説明する。パチンコ遊技機PY1は、前述したように、大当たり遊技の後、少なくとも1回の時短回数が付与されるため、特図2の抽選によって遊技を進行させるチャンス時に移行することになる。ただし、特図2の抽選は、大当たり遊技の後に自動的に開始されるものではなく、遊技球を第2始動口12へ入賞させることによって開始される。遊技球を第2始動口12へ入賞させるには、電チュー12Dを作動させ、第2始動口12を開放する必要が有る。
第2始動口12を開放するには、前述したように、遊技球のゲート13の通過、普通図柄の抽選(普図変動および普通当たり図柄の停止表示)、補助遊技の開始(電チュー12Dの作動)、の手順を踏むことになる。本形態では、普通当たりに当選する確率がおよそ99.5%であり、100%に近い極めて高確率である(図6(A)参照)。電チュー12Dは、普通当たりに当選することによって一定の作動パターンで作動する(図7参照)。そのため、第2始動口12を開放させるための要素としては、遊技球のゲート13の通過が重要となる。しかし、遊技球がゲート13を通過するタイミングは、ランダム要素が強い(つまり1発単位でみると、早く通過することもあればかなり遅く通過することもある)。従って、大当たり遊技後、遊技球のゲート13の通過を待っていると、大当たり遊技後の初回の電チュー12Dの長期開放までの時間、すなわち第2始動口12が実質的に入賞可能になるまでの時間が不安定になる。大当たり遊技後に電チュー12Dがしばらく作動しないと、例えば、遊技者が遊技に冷めてしまうこともあり得る。また、大当たり遊技の終了時に特図2の保留が残っていた場合には、特図2の変動表示が直ぐに開始されるが、このとき電チュー12Dの開放のために遊技球のゲート13の通過を待つことになると、第2時短演出パートの前半における電チュー12Dを狙う指示を行う画面(図18(B)参照)とのタイミングが合い難い。
そこで、パチンコ遊技機PY1では、普図保留の上限を4個とし、大当たり遊技中に普図保留を上限まで貯めさせる。普図保留を貯めておくことで、大当たり遊技の終了後、遊技球のゲート13の通過を待つことなく、普通図柄の変動表示を開始することができる。普通図柄の抽選では高確率で普通当たりに当選することから、速やかに補助遊技を開始できる。すなわち、大当たり遊技の終了時に普図保留が有ることで、ゲート13の通過というランダム要素を排除できることから、大当たり遊技後の電チュー12Dの長期開放までの時間を安定させることができる。
さらにパチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技中に普図保留を確実に上限まで貯めさせるように、大当たり遊技時の普通図柄の変動時間、すなわち非時短状態での普通図柄の変動時間を設定している。具体的に本形態では、大当たり遊技中の普通図柄の変動時間、すなわち非時短状態での普通図柄の変動時間を、4.9秒〜8.5秒としている(図6(B)参照)。この変動時間は、時短状態時の特図2の変動時間(最短で32秒。図10参照)よりも短い。
非時短状態での普通図柄の変動時間が長すぎると、例えば大当たり遊技が終了する直前普通図柄の変動表示を開始した場合、大当たり遊技が終了してからその普通図柄の当否結果が確定するまでに時間がかかる。すなわち、チャンス時に移行してから実際に時短状態での普通図柄の抽選が開始されるまでに時間がかかり、遊技が間延びしてしまう。また、大当たり遊技の終了時に特図2の保留が有った場合、その特図2の保留に基づく変動表示が開始されてしまうため、非時短状態での普通図柄の変動時間が時短状態での特図2の変動時間よりも長いと、その特図2の変動表示中に普通図柄の変動時間が終了せず、特図2の変動表示中に電チュー12Dを作動させる機会を失ってしまう可能性がある。そのため、本形態では、非時短状態での普通図柄の変動時間を、時短状態時の特図2の変動時間よりも短くする。
一方、非時短状態での普通図柄の変動時間が短すぎると、大当たり遊技中に普図保留が貯まっても直ぐに消化されてしまい、普図保留が上限まで貯まり難い。そこで、非時短状態での普通図柄の変動時間を、遊技球が連続して打ち出された場合にゲート13の通過が検知される平均通過間隔よりも長くする。
具体的に、パチンコ遊技機PY1は、普通当たりに当選する確率がおよそ99.5%であり、100%に近い極めて高確率である(図6(A)参照)。また、遊技状態が非時短状態の場合、普通図柄の最短変動時間は、非時短普通図柄Aに当選した場合の、4.9秒である(図6(B)参照)。普通図柄の当該変動分を含め、4つの保留分が全て非時短普通図柄Aであったとしても、全てを消化するまでに4.9秒×5=24.5秒かかる。また、普図保留の契機となるゲート13の遊技球の通過率は、遊技球を打ち続けたとして35回/分となるように設計している。つまり、発射装置72から1分間で100発の遊技球が発射されるとして、平均して35発がゲートを通過するように設計することで、およそ3発に1回の割合で遊技球がゲート13を通過することになる。1発当たりの発射時間が0.66秒となることから、3発の遊技球を発射するには0.66秒×3=1.98秒となり、これがゲート13への遊技球の通過が検知される平均通過間隔となる。
本形態では、非時短状態での普通図柄の最短変動時間が平均通過時間よりも長いことから、普通図柄の変動表示中に少なくとも1回のゲート13への遊技球の通過が期待できる。すなわち、遊技球を連続して打ち続けていれば、普図保留の消化中に少なくとも1つの普図保留を貯めることが期待できる。そのため、大当たり遊技のような遊技球を打ち続けているような場合には、普図保留が無くなる可能性は低く、普図保留が貯まっている状態、特に上限まで貯まっている状態になる可能性が高くなる。
すなわち、パチンコ遊技機PY1では、非時短状態での普通図柄の変動時間を、時短状態時の特図2の変動時間よりも短く、ゲート13への遊技球の通過が検知される平均通過間隔よりも長くすることで、大当たり遊技の終了した段階で普図保留が貯まっている状態になり易い。大当たり遊技の終了時に普図保留が貯まっていることで、大当たり遊技の終了前に開始された普通図柄の変動表示の終了後、直ぐに時短状態での普通図柄の変動表示を開始できる。すなわち、大当たり遊技の終了後、普通図柄の変動表示を開始するタイミングのばらつきが少ない。
また、パチンコ遊技機PY1では、普通図柄の抽選において、ほぼ100%の確率で普通当たりに当選することから、普通図柄の変動表示の終了後、電チュー12Dが概ね作動し、第2始動口12が開放される。これにより、時短状態への移行後に速やかに第2始動口12への入賞を狙うことができ、特図2の保留が貯まり易い。なお、本形態では、普通図柄抽選における高確率の当選確率の例として、99.5%としているが、ほぼ100%、すなわち100%に近い確率であればよく、例えば90%以上の確率が該当する。なお、普通図柄の抽選において普通当たりの当選確率が100%に近くない場合には、普通当たりの当選確率を考慮して、非時短状態での普通図柄の変動時間を設定すればよい。例えば、普通当たりの当選確率が50%に近い場合には、非時短状態での普通図柄の変動時間を、ゲート13の通過が検知される平均通過間隔の2倍の長さよりも長くすればよい。
また、パチンコ遊技機PY1では、普図保留の上限を4としている。このように普図保留を複数貯めることを可能にすることで、仮に大当たり遊技のエンディング中に遊技球の打ち出しを止めてしまう遊技者が遊技を行っていたとしても、すなわち時短状態の開始までに幾つかの普図保留が消化されてしまった場合であっても、時短状態の開始時に普図保留が貯まっている可能性が高まる。
10.遊技制御用マイコン101の動作
続いて、パチンコ遊技機PY1の遊技制御基板100における遊技制御用マイコン101の動作について説明する。遊技制御用マイコン101が実行する具体的な処理としては、遊技側起動処理がある。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ、などは、遊技用RAM104に設けられる。
[遊技側起動処理]
遊技制御用マイコン101が実行する遊技側起動処理について、図28のフローチャートを参照しつつ説明する。遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の主電源がオフからオンになったことを契機に、すなわち電源スイッチ191がオンになり、電源基板190を介して外部からの電力供給が開始されたことを契機に、遊技用ROM103から遊技側起動処理のプログラムを読み出して実行する。
遊技側起動処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、遊技用CPU102の初期設定や遊技用RAM104の初期化等を行う初期動作を行う(S001)。具体的にS001では、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104へのアクセスを許可する。また、RAMクリアスイッチ119が押下されている場合や正常に主電源がオフされていなかった場合に、遊技用RAM104の初期化を行う。これにより、遊技用RAM104に記憶されていた各種の情報が失われる。また、演出制御基板120側の演出用RAM124等を初期化するためのRAM初期化コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。この他、S001では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定を行う。
S001の後、遊技制御用マイコン101は、割り込みを禁止する(S002)。次いで、遊技制御用マイコン101は、各種の乱数の値を更新する(S003)。具体的にS003では、遊技制御用マイコン101は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、普通当たり乱数、普通図柄乱数、普図当たり種別乱数の各種の乱数の値を更新する。乱数の更新方法としては、例えば、1回の更新に際して値を所定数加算する。所定数は、全ての乱数で共通であってもよいし、乱数ごとに異なってもよい。乱数の値は、上限値に達すると0に戻る。また、乱数の初期値は、0であっても0以外の値であってもよい、また、乱数の初期値は、全ての乱数で共通であってもよいし、乱数ごとに異なってもよい。また、各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数発生回路を利用して生成されるハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また、乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
S003の後、遊技制御用マイコン101は、割り込みを許可する(S004)。以降、S002〜S004を繰り返す。割り込みが許可されている間は、遊技側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能になる。遊技側タイマ割り込み処理は、例えば、4ms周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、遊技側タイマ割り込み処理が実行された場合には、遊技側タイマ割り込み処理が終了してから、次の遊技側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、S002〜S004の処理が繰り返される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合には、遊技側タイマ割り込み処理の実行を直ぐには開始せず、割り込み許可状態となるのを待って開始する。
[遊技側タイマ割り込み処理]
次に、S005の遊技側タイマ割り込み処理について、図29のフローチャートを参照しつつ説明する。遊技側タイマ割り込み処理は、4ms周期の割り込みパルスが入力される度に、遊技制御用マイコン101によって実行される。
遊技側タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンドを、演出制御基板120や払出制御基板170等、パチンコ遊技機PY1内の遊技制御基板100以外のデバイスに出力する(S101)。遊技用RAM104の出力バッファには、後述する各種の処理によって適宜コマンドがセットされる。
S101の後、遊技制御用マイコン101は、払い出しに関する情報を更新する(S102)。具体的にS102では、遊技制御用マイコン101は、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、一般入賞口センサ10a、特定領域センサ16a等の、各種のセンサから出力された信号に基づいて入賞の有無を判断し、入賞口の種類に応じた賞球の払い出しを指示する払い出しコマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
S102の後、遊技制御用マイコン101は、各種のセンサから出力された信号に基づいて、始動口等への入球を検出するセンサ検出処理を実行する(S111)。S111の詳細は後述する。
S111の後、遊技制御用マイコン101は、普通図柄および補助遊技に関する動作である普通動作処理を実行する(S121)。S121の詳細は後述する。S121の後、遊技制御用マイコン101は、特別図柄および特別遊技に関する動作である特別動作処理を実行する(S131)。S131の詳細は後述する。
S131の後、遊技制御用マイコン101は、振分部材16kに関する動作である振分動作処理を実行する(S141)。S141の詳細は後述する。S141の後、遊技制御用マイコン101は、普図保留数、第1特図保留数、第2特図保留数、の各保留数に基づいて、特図保留表示器83および普図保留表示器84の表示を更新する(S161)。
S161の後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の外部出力バッファにセットされたコマンドに基づいて、外部出力端子板173を介して各種の信号を出力する(S171)。例えば、大当たりの抽選にて大当たりに当選した場合、遊技制御用マイコン101は、大当たり信号を外部装置に出力する。
S171の後、遊技制御用マイコン101は、主電源を正常にオフさせるための電源断監視処理を実行する(S181)。具体的にS181では、遊技制御用マイコン101は、例えば、電源スイッチ191がオフになったことを検知した場合に、正常に主電源がオフされたことを示す情報を遊技用RAM104に記憶する。そして、遊技用RAM104へのアクセスを制限する。S181の後、遊技側タイマ割り込み処理を終了する。
その後、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技側起動処理のS002〜S004の処理を繰り返し、割り込みパルスが入力されると、再び、遊技側タイマ割り込み処理を実行する。再び実行された遊技側タイマ割り込み処理のS101では、前回の遊技側タイマ割り込み処理にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンドが出力される。
[センサ検出処理]
次に、図29のS111のセンサ検出処理について、図30のフローチャートを参照しつつ説明する。
センサ検出処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、第1ゲートセンサ13Laおよび第2ゲートセンサ13Raから出力された信号に基づいて、遊技球がゲート13を通過したか否かを判断する(S201)。遊技球がゲート13を通過していた場合(S201:YES)、遊技制御用マイコン101は、普図保留の数が4個未満か否かを判断する(S202)。
普図保留の数が4個未満であれば(S202:YES)、遊技制御用マイコン101は、普図保留の数を1つ加算し(S203)、さらに普通図柄乱数および普図当たり種別乱数を取得する(S204)。遊技制御用マイコン101は、取得した各種乱数を、入賞カウンタ値とともに、普図保留記憶部106に記憶する。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1ゲート13Lを通過した場合であっても、第2ゲート13Rを通過した場合であっても、区別なく順番に普図保留記憶部106に普図保留を記憶し、普図保留の数を1つ加算する。
S204の後、あるいは普図保留の数が4個以上の場合(S202:NO)、あるいは遊技球がゲート13を通過していない場合(S201:NO)、遊技制御用マイコン101は、第1始動口センサ11aから出力された信号に基づいて、遊技球が第1始動口11に入球したか否かを判断する(S211)。遊技球が第1始動口11に入球した場合(S211:YES)、遊技制御用マイコン101は、第1特図保留の数が4個未満か否かを判断する(S212)。
第1特図保留の数が4個未満であれば(S212:YES)、遊技制御用マイコン101は、第1特図保留数および入賞カウンタ値にそれぞれ1を加算し(S213)、さらに大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、の大当たりに関する各乱数の値を取得する(S214)。遊技制御用マイコン101は、取得した各乱数を、入賞カウンタ値とともに、第1特図保留記憶部105aに記憶する。
S214の後、遊技制御用マイコン101は、図31に示す始動入賞コマンド判定テーブルを参照し、S214にて取得した各乱数の値に基づいて第1始動入賞コマンドを特定し、その第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S215)。例えば、非時短状態であって、大当たり乱数が「1」、大当たり種別乱数が「1」、リーチ乱数が「1」、変動パターン乱数が「1」、であった場合、第1始動入賞コマンドとして「C03」が特定される。始動入賞コマンド判定テーブルの各乱数の振り分けは、図8および図10に示した各テーブルの振り分けと対応している。そのため、第1始動入賞コマンドには、大当たりの当否、大当たりの種別、リーチの有無、変動時間、さらにはSPリーチを行うか否か、の各情報が含まれる。
なお、出力バッファにセットされた第1始動入賞コマンドは、遊技側タイマ割り込み処理のS101にて演出制御基板120に送信される。つまり、S214にて取得した乱数に対応する特別図柄の変動表示が開始される前に、その特別図柄に関係する情報を含むコマンドが演出制御基板120に出力される。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S215の後、あるいは第1特図保留の数が4個以上の場合(S212:NO)、あるいは遊技球が第1始動口11に入球していない場合(S211:NO)、遊技制御用マイコン101は、第2始動口センサ12aから出力された信号に基づいて、遊技球が第2始動口12に入球したか否かを判断する(S221)。遊技球が第2始動口12に入球した場合(S221:YES)、遊技制御用マイコン101は、第2特図保留の数が4個未満か否かを判断する(S222)。
第2特図保留の数が4個未満であれば(S222:YES)、遊技制御用マイコン101は、第2特図保留数および入賞カウンタ値にそれぞれ1を加算し(S223)、さらにS214と同様に、大当たりに関する各乱数の値を取得する(S224)。遊技制御用マイコン101は、取得した各乱数を、入賞カウンタ値とともに、第2特図保留記憶部105bに記憶する。
S224の後、遊技制御用マイコン101は、遊技球の第2始動口12の通過時と同様に、図31に示した始動入賞コマンド判定テーブルを参照し、S224にて取得した各乱数の値に基づいて第2始動入賞コマンドを特定し、その第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S225)。これにより、S215と同様に、S224にて取得した乱数に対応する特別図柄の変動表示が開始される前に、その特別図柄に関係する情報を含むコマンドが演出制御基板120に出力される。
S225の後、あるいは第2特図保留の数が4個以上の場合(S222:NO)、あるいは遊技球が第2始動口12を通過していない場合(S221:NO)、遊技制御用マイコン101は、特定領域センサ16aから出力された信号に基づいて、遊技球が特定領域16を通過したか否かを判断する(S251)。遊技球が特定領域16を通過していた場合(S251:YES)、遊技制御用マイコン101は、V有効期間の範囲内か否かを判断する(S252)。V有効期間は、想定外のタイミングで特定領域16への遊技球の通過を検知させないための期間であり、振分部材16kの一定動作に対して設定される期間である。
V有効期間の範囲内であれば(S252:YES)、遊技制御用マイコン101は、Vフラグをオンとし(S253)、さらにV通過コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S254)。Vフラグは、特定領域16への遊技球の通過の判断に用いられる。なお、出力バッファにセットされたV通過コマンドは、遊技側タイマ割り込み処理のS101にて演出制御基板120に送信される。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、当該コマンドが入力されたことに応じて、当該コマンドに対応する処理を実行する。
S254の後、あるいはV有効期間の範囲外の場合(S252:NO)、あるいは遊技球が特定領域16を通過していない場合(S251:NO)、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理を終了する。
[普通動作処理]
次に、図29のS121の普通動作処理について、図32のフローチャートを参照しつつ説明する。遊技制御用マイコン101は、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。普通動作ステータスの初期値は1であり、普通図柄の変動表示も補助遊技も行われていないことを意味する。普通動作ステータスが2とは、普通図柄の変動表示中であることを意味する。普通動作ステータスが3とは、普通図柄を停止表示中であって確定時間が経過していないことを意味する。普通動作ステータスが4とは、補助遊技中であることを意味する。
普通動作処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、普図表示器82および電チュー12Dの状態を判断するため、普通動作ステータスが1か否か(S301)、2か否か(S311)、3か否か(S321)、をそれぞれ判断し、現時点でどのステータスに該当するかを判断する。
そして、遊技制御用マイコン101は、普通動作ステータスが1であれば(S301:YES)、普通図柄待機処理を実行する(S302)。普通動作ステータスが2であれば(S311:YES)、普通図柄変動中処理を実行する(S312)。普通動作ステータスが3であれば(S321:YES)、普通図柄確定処理を実行する(S322)。一方、第1特別動作ステータスが4であれば(S321:NO)、補助遊技処理を実行する(S332)。
[普通図柄待機処理]
次に、図32のS302の普通図柄待機処理について、図33のフローチャートを参照しつつ説明する。普通図柄待機処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、普図保留の数が0か否か、すなわち普図保留の抽選情報(普通図柄乱数および普通当たり種別乱数)の記憶があるか否かを判断する(S401)。普図保留の数が0の場合(S401:YES)、遊技制御用マイコン101は、普通図柄待機処理を終了する。
一方、普図保留の数が0でなければ(S401:NO)、遊技制御用マイコン101は、最も先に記憶された普図保留について、普通図柄の当たりに当選したか否かを判定する普通図柄判定処理を実行する(S411)。
図34に、S411の普通図柄判定処理の手順を示す。普通図柄判定処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、判定値として、普図保留記憶部106から最も先に記憶された普図保留を読み出す(S501)。具体的にS501では、普図保留記憶部106に記憶されている普図保留に対応する各乱数の値を読み出す。
S501の後、遊技制御用マイコン101は、図6(A)に示した普通図柄判定テーブルを用いて、読み出した普通図柄乱数に基づいて、普通図柄の判定を行う(S502)。S502の後、遊技制御用マイコン101は、S502での判定結果に基づいて、普通当たりに当選したか否かを判断する(S511)。
普通当たりに当選した場合(S511:YES)、遊技制御用マイコン101は、普図当たりフラグをオンにする(S512)。普図当たりフラグは、普通当たりに当選している状態か否かの判断に用いられる。S512の後、遊技制御用マイコン101は、図6(B)に示した普通図柄種別テーブルを用いて、読み出した普通当たり種別乱数に基づいて、普通当たり図柄の種別の判定を行う(S513)。S513の後、遊技制御用マイコン101は、S513の判定結果に応じた停止図柄を決定し(S514)、普通図柄判定処理を終了する。
普通図柄の当たりに当選していない場合(S511:NO)、すなわちハズレの場合(S511:NO)、遊技制御用マイコン101は、ハズレに応じた停止図柄を決定し(S521)、普通図柄判定処理を終了する。
図33の説明に戻り、S411の後、遊技制御用マイコン101は、普通図柄の変動パターンを決定する(S412)。図6(B)に示したように、普通図柄の変動パターンは、遊技状態が非時短状態か時短状態かによって異なる。また、普通図柄の変動パターンは、当たりかハズレかによっても異なり、さらに当たりの場合は普通図柄の種別によっても異なる。
S412の後、遊技制御用マイコン101は、普図保留の数を1つ減算する(S413)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留のデータを現在の記憶領域から読み出しの優先度が高い側の記憶領域に1つシフトするとともに、最後にシフトされたシフト元の記憶領域を初期化する(S414)。これにより、普図保留が記憶された順に消化される。
S414の後、遊技制御用マイコン101は、S412にて決定した変動パターンに従って、普図表示器82に普通図柄の変動表示を開始させる(S415)。さらに遊技制御用マイコン101は、普通図柄の変動開始コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S416)。普通図柄の変動開始コマンドには、停止図柄データの情報や、変動パターンの情報が含まれる。普通図柄の変動開始コマンドは、演出制御基板120に出力され、演出制御基板120によって変動開始コマンドに応じた演出が実行される。S416の後、遊技制御用マイコン101は、普通動作ステータスを2に変更し(S417)、普通図柄待機処理を終了する。
[普通図柄変動中処理]
次に、図32のS312の普通図柄変動中処理について、図35のフローチャートを参照しつつ説明する。普通図柄変動中処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断する(S601)。普通図柄の変動時間は、前述した普通図柄待機処理のS412によって決定された変動パターンによって決められる。普通図柄の変動時間が経過していない場合(S601:NO)、普通図柄変動中処理を終了する。すなわち、普通図柄の変動表示が継続される。
一方、普通図柄の変動時間が経過した場合(S601:YES)、遊技制御用マイコン101は、普通図柄の変動停止コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S602)。変動停止コマンドは、演出制御基板120に出力され、演出制御基板120によって変動停止コマンドに応じた演出が実行される。S602の後、遊技制御用マイコン101は、普通動作ステータスを3に変更する(S603)。
S603の後、遊技制御用マイコン101は、普図表示器82に普通図柄の変動表示を停止させる(S604)。そして、遊技制御用マイコン101は、普通図柄を一定時間にわたって停止表示させるための確定時間をセットし(S605)、普通図柄変動中処理を終了する。
[普通図柄確定処理]
次に、図32のS322の普通図柄確定処理について、図36のフローチャートを参照しつつ説明する。普通図柄確定処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、前述した普通図柄変動中処理のS605でセットされた確定時間が経過したか否かを判断する(S701)。確定時間が経過していなければ(S701:NO)、普通図柄確定処理を終了する。
確定時間が経過していれば(S701:YES)、遊技制御用マイコン101は、普通当たりフラグがオンか否か、すなわち普通図柄の当たりに当選したか否かを判断する(S711)。普通当たりフラグがオンであれば(S711:YES)、遊技制御用マイコン101は、普通動作ステータスを4に変更する(S712)。
S712の後、遊技制御用マイコン101は、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S721)。出力バッファにセットされた補助遊技開始コマンドは、演出制御基板120に出力され、演出制御基板120によってコマンドに応じた処理が実行される。
S721の後、遊技制御用マイコン101は、第2始動口12についての、遊技状態に応じた開放パターン(図7参照)を決定する(S722)。さらに遊技制御用マイコン101は、補助遊技中の第2始動口12の開放回数をカウントする補助遊技のカウンタの値を、遊技状態に応じた値にセットする(S723)。パチンコ遊技機PY1では、非時短状態であれば、第2始動口12を1回開放することから、カウンタ値に1がセットされ、時短状態であれば、第2始動口12を2回開放することから、カウンタ値に2がセットされる。S723の後、遊技制御用マイコン101は、補助遊技のオープニング時間の計時を開始する(S724)。すなわち、補助遊技を開始する。S724の後、普通図柄確定処理を終了する。
一方、普通当たりフラグがオンでなければ(S711:NO)、普通図柄の判定がハズレであり、補助遊技を実行しないことから、遊技制御用マイコン101は、普通動作ステータスを1に変更する(S751)。S751の後、普通図柄確定処理を終了する。
[補助遊技処理]
次に、図32のS332の補助遊技処理について、図37のフローチャートを参照しつつ説明する。補助遊技処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、補助遊技終了フラグがオンか否かを判断する(S801)。補助遊技終了フラグは、補助遊技に伴う第2始動口12の開放が終了したことを示すフラグであり、補助遊技の開始時はオフである。
補助遊技終了フラグがオフであれば(S801:NO)、遊技制御用マイコン101は、第2始動口12が開放中か否かを判断する(S811)。補助遊技では、電チュー12Dを作動させて第2始動口12を所定回数にわたって開放させることから(図7参照)、S811では第2始動口12が開放されているか、すなわち電チュー12Dが作動中か否かを判断することになる。
第2始動口12が開放されていなければ(S811:NO)、遊技制御用マイコン101は、第2始動口12を開放させる時間になったか否かを判断する(S812)。具体的にS812では、遊技制御用マイコン101は、補助遊技のオープニングが終了して1回目の第2始動口12の開放を開始するタイミングになったか、または前回の開放終了からのインターバル時間が経過して第2始動口12の開放を開始するタイミングになったか、否かを判断する。
第2始動口12を開放させる時間になっていれば(S812:YES)、遊技制御用マイコン101は、前述した普通図柄確定処理のS722にてセットされた開放パターンに従って、第2始動口12を開放させる(S813)。S813の後、あるいは第2始動口12を開放させる時間になっていなければ(S812:NO)、遊技制御用マイコン101は、補助遊技処理を終了する。
一方、第2始動口12が開放されていれば(S811:YES)、遊技制御用マイコン101は、第2始動口12の閉塞条件を満たしているか否かを判断する(S821)。第2始動口12の閉塞条件には、第2始動口12への遊技球の入賞が既定の最大入賞個数以上あること、セットされている開放パターンに従う開放時間が経過したこと、が含まれる。遊技制御用マイコン101では、これらの条件のうち1つでも満たしている場合には、第2始動口12の閉塞条件を満たしたと判断する。なお、本形態では、最大入賞個数を4個とする。第2始動口12の閉塞条件を満たしていない場合(S821:NO)、補助遊技処理を終了する。すなわち、第2始動口12の開放を継続する。
第2始動口12の閉塞条件を満たしている場合(S821:YES)、遊技制御用マイコン101は、第2始動口12を閉塞させる(S822)。S822の後、遊技制御用マイコン101は、第2始動口12の開放カウンタを1つ減算する(S823)。そして、遊技制御用マイコン101は、第2始動口12の開放カウンタが0になったか否かを判断する(S831)。
第2始動口12の開放カウンタが0になった場合(S831:YES)、遊技制御用マイコン101は、補助遊技のエンディング時間の計時を開始する(S832)。S832の後、遊技制御用マイコン101は、補助遊技終了フラグをオンにし(S833)、補助遊技処理を終了する。また、第2始動口12の開放カウンタが0でない場合(S831:NO)、補助遊技が継続中であり、第2始動口12の次の開放のために、S832〜S833を行うことなく、補助遊技処理を終了する。
一方、補助遊技終了フラグがオンであれば(S801:YES)、補助遊技における第2始動口12の開放がすべて終了し、エンディングが開始されていることから、遊技制御用マイコン101は、エンディング時間が経過したか否かを判断する(S841)。エンディング時間が経過していれば(S841:YES)、遊技制御用マイコン101は、補助遊技終了フラグをオフにし(S842)、普通当たりフラグをオフにし(S843)、普通動作ステータスを1に変更する(S844)。S844の後、遊技制御用マイコン101は、補助遊技処理を終了する。
[特別動作処理]
次に、図29のS131の特別動作処理について、図38のフローチャートを参照しつつ説明する。遊技制御用マイコン101は、特図表示器81、第1大入賞装置14D、および第2大入賞装置15Dに関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。特別動作ステータスの初期値は1であり、特別図柄の変動表示も大当たり遊技も行われていないことを意味する。特別動作ステータスが2とは、特別図柄の変動表示中であることを意味する。特別動作ステータスが3とは、特別図柄を停止表示中であって確定時間が経過していないことを意味する。特別動作ステータスが4とは、大当たりの当選が確定し、大当たり遊技中であることを意味し、特別動作ステータスが5とは、小当たりの当選が確定し、小当たり遊技中であることを意味する。
特別動作処理では、遊技制御用マイコン101は、第1特別動作ステータスが1か否か(S901)、2か否か(S911)、3か否か(S921)、4か否か(S931)、をそれぞれ判断し、現時点でどのステータスに該当するかを判断する。
そして、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスが1であれば(S901:YES)、特別図柄待機処理を実行する(S902)。特別動作ステータスが2であれば(S911:YES)、特別図柄変動中処理を実行する(S912)。特別動作ステータスが3であれば(S921:YES)、特別図柄確定処理を実行する(S922)。特別動作ステータスが4であれば(S931:YES)、大当たり遊技処理を実行する(S932)。一方、特別動作ステータスが5であれば(S931:NO)、小当たり遊技処理を実行する(S942)。
[特別図柄待機処理]
図39は、図38のS902の特別図柄待機処理の手順を示している。特別図柄待機処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、第2特図保留の数が0であるか否か、すなわち第2特図保留に関する抽選情報(大当たり乱数等)の記憶があるか否かを判断する(S1001)。第2特図保留の数が0であれば(S1001:YES)、遊技制御用マイコン101は、第1特図保留の数が0であるか否かを判断する(S1020)。つまり、遊技制御用マイコン101は、第2特図保留に関する処理を、第1特図保留に関する処理よりも優先する。
第1特図保留の数も0であれば(S1020:YES)、遊技制御用マイコン101は、客待ち演出が開始されているか否かを判断する(S1031)。客待ち演出は、待機状態中、複数の待機画面やデモンストレーション画像を、画像表示装置50に表示させる演出である。客待ち演出が開始されていれば(S1031:YES)、特別図柄待機処理を終了する。
客待ち演出が開始されていなければ(S1031:NO)、遊技制御用マイコン101は、客待ち演出を開始させるための客待ち待機コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S1032)。出力バッファにセットされた客待ち待機コマンドは、演出制御基板120に出力され、演出制御基板120によってコマンドに応じた処理が実行される。S1032の後、特別図柄待機処理を終了する。
一方、第2特図保留の数が0でなければ(S1001:NO)、遊技制御用マイコン101は、最も先に記憶された第2特図保留について、大当たりに当選したか否かを判定する大当たり判定処理を実行する(S1011)。
図40に、S1011の大当たり判定処理の手順を示す。大当たり判定処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、判定値として、第2特図保留記憶部105bから最も先に記憶された第2特図保留を読み出す(S1101)。具体的にS1101では、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、の各乱数の値を読み出す。
S1101の後、遊技制御用マイコン101は、図8(A)に示した大当たり判定テーブルを用いて、読み出した大当たり乱数に基づいて、大当たり、小当たり、ハズレの判定を行う(S1102)。特図1と特図2とは、別々の大当たり判定テーブルが設けられており、S1102ではそれぞれに対応した大当たり判定テーブルを用いて判定が行われる。S1102の後、遊技制御用マイコン101は、S1102での判定結果に基づいて、大当たりに当選したか否かを判断する(S1111)。
大当たりに当選した場合(S1111:YES)、遊技制御用マイコン101は、大当たりフラグをオンにする(S1112)。大当たりフラグは、大当たりに当選している状態か否かの判断に用いられる。S1112の後、遊技制御用マイコン101は、図8(B)に示した大当たり種別判定テーブルを用いて、読み出した大当たり種別乱数に基づいて、大当たりの種別の判定を行う(S1113)。S1113の後、遊技制御用マイコン101は、S1113の判定結果に応じた大当たりの停止図柄を決定し(S1114)、大当たり判定処理を終了する。
大当たりに当選していない場合(S1111:NO)、遊技制御用マイコン101は、S1102での判定結果に基づいて、小当たりに当選したか否かを判断する(S1121)。小当たりに当選した場合(S1121:YES)、遊技制御用マイコン101は、小当たりフラグをオンにする(S1122)。小当たりフラグは、小当たりに当選している状態か否かの判断に用いられる。S1122の後、遊技制御用マイコン101は、図8(B)に示した大当たり種別判定テーブルを用いて、読み出した大当たり種別乱数に基づいて、小当たりの種別の判定を行う(S1123)。なお、大当たりと小当たりとで、種別判定用のテーブルを別に設けてもよい。S1123の後、遊技制御用マイコン101は、小当たり種別に応じた小当たりの停止図柄データを決定し(S1124)、大当たり判定処理を終了する。
一方、小当たりに当選していない、すなわちハズレの場合(S1121:NO)、遊技制御用マイコン101は、ハズレの停止図柄データを決定し(S1131)、大当たり判定処理を終了し、特別図柄待機処理に戻る。
図39の説明に戻り、S1011の後、遊技制御用マイコン101は、大当たり乱数および大当たり種別乱数に加え、変動パターン乱数およびリーチ乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する(S1012)。具体的にS1012では、遊技制御用マイコン101は、図10に示した変動パターン判定テーブルを用いて、遊技状態に応じた変動パターンを決定する。図10に示すように、変動パターンが決まれば特別図柄の変動表示時間も決まる。
S1012の後、遊技制御用マイコン101は、第2特図保留の数を1つ減算する(S1014)。このとき遊技制御用マイコン101は、第2特図保留記憶部105bにおける各特図保留のデータを現在の記憶領域から読み出しの優先度が高い側の記憶領域に1つシフトするとともに、最後にシフトされたシフト元の記憶領域を初期化する(S1015)。これにより、第2特図保留が保留された順に消化される。
S1015の後、遊技制御用マイコン101は、S1012にて決定した変動パターンに従って、第2特図表示器81bに特別図柄の変動表示を開始させる(S1016)。このとき遊技制御用マイコン101は、変動開始コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S1017)。変動開始コマンドには、停止図柄データの情報や変動パターンの情報(変動表示時間を含む情報)が含まれる。変動開始コマンドは、演出制御基板120に出力され、演出制御基板120によって変動開始コマンドに応じた演出が実行される。S1017の後、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスを2に変更し(S1018)、特別図柄待機処理を終了する。
一方、第2特図保留の数が0であり(S1001:YES)、第1特図保留の数が0でなければ(S1020:NO)、遊技制御用マイコン101は、第2特図保留の場合と同様に、大当たりに当選したか否かを判定する大当たり判定処理を実行する(S1021)。S1021は、S1011と同様の処理であるが、各乱数は、第1特図保留記憶部105aから読み出す。
S1021の後、遊技制御用マイコン101は、各種乱数と図10に示した変動パターン判定テーブルに基づいて、変動パターンを決定する(S1022)。S1022の後、遊技制御用マイコン101は、第1特図保留の数を1つ減算する(S1024)。このとき遊技制御用マイコン101は、第1特図保留記憶部105aにおける各特図保留のデータを現在の記憶領域から読み出しの優先度が高い側の記憶領域に1つシフトするとともに、最後にシフトされたシフト元の記憶領域を初期化する(S1025)。これにより、第1特図保留が保留された順に消化される。
S1025の後、遊技制御用マイコン101は、S1022にて決定した変動パターンに従って、第1特図表示器81aに特別図柄の変動表示を開始させる(S1026)。このとき遊技制御用マイコン101は、S1016と同様に、変動開始コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S1027)。S1027の後、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスを2に変更し(S1018)、特別図柄待機処理を終了する。
[特別図柄変動中処理]
図41は、図38のS912の特別図柄変動中処理の手順を示している。特別図柄変動中処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する(S1501)。特別図柄の変動時間は、前述した特別図柄待機処理のS1012あるいはS1022によって決定された変動パターンによって決められる。特別図柄の変動時間が経過していない場合(S1501:NO)、特別図柄変動中処理を終了する。すなわち、特別図柄の変動表示が継続される。
一方、特別図柄の変動時間が経過した場合(S1501:YES)、遊技制御用マイコン101は、特別図柄の変動停止コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S1502)。特別図柄の変動開始コマンドには、特図1か特図2かの情報が含まれる。変動停止コマンドは、演出制御基板120に出力され、演出制御基板120によって変動停止コマンドに応じた演出が実行される。S1502の後、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスを3に変更する(S1503)。
S1503の後、遊技制御用マイコン101は、特図表示器81に特別図柄の変動表示を停止させる(S1504)。そして、遊技制御用マイコン101は、特別図柄を一定時間にわたって停止表示させるための確定時間をセットし(S1505)、特別図柄変動中処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
図42は、図38のS922の特別図柄確定処理の手順を示している。特別図柄確定処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、前述した特別図柄変動中処理のS1505でセットされた確定時間が経過したか否かを判断する(S1601)。確定時間が経過していなければ(S1601:NO)、特別図柄確定処理を終了する。
確定時間が経過していれば(S1601:YES)、遊技制御用マイコン101は、遊技状態を管理する遊技状態管理処理を実行する(S1602)。図43に、遊技状態管理処理の手順を示す。
遊技状態管理処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、時短フラグがオンであるか否かを判断する(S1701)。時短フラグは、遊技状態が時短状態か否かを示すフラグであり、遊技状態が時短状態であればオンになり、非時短状態であればオフになる。時短フラグがオンであれば(S1701:YES)、遊技制御用マイコン101は、第1特別図柄の変動表示が行われたか否かを判断する(S1702)。そして、第1特別図柄の変動表示が行われた場合には(S1702:YES)、第1時短カウンタを1つ減算し(S1703)、第2特別図柄の変動表示が行われた場合には(S1702:NO)、第2時短カウンタを1つ減算する(S1704)。第1時短カウンタは、時短状態で第1特別図柄の変動表示を実行できる残りの回数を示すものであり、第2時短カウンタは、時短状態で第2特別図柄の変動表示を実行できる残りの回数を示すものである。そして、時短状態で各特別図柄の変動表示(大当たりの抽選)が行われる度に、その特別図柄に対応する時短カウンタは1ずつ減算される。
S1703またはS1704の後、遊技制御用マイコン101は、第1時短カウンタと第2時短カウンタとのいずれか一方の値が0になったか否かを判断する(S1711)。第1時短カウンタまたは第2時短カウンタの値が0であれば(S1711:YES)、遊技制御用マイコン101は、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフにする(S1712)。S1712の後、あるいは第1時短カウンタと第2時短カウンタとのいずれも0でなければ(S1711:NO)、遊技状態管理処理を終了する。
図42の説明に戻り、遊技制御用マイコン101は、大当たりフラグがオンか否か、すなわち大当たりに当選したか否かを判断する(S1611)。大当たりフラグがオンであれば(S1611:YES)、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスを4に変更する(S1612)。そして、遊技制御用マイコン101は、時短フラグをオフとし(S1614)、遊技状態を非時短状態とする。これにより、後述する大当たり遊技の実行中は、非時短状態として制御される。つまり、大当たり遊技の実行中、パチンコ遊技機PY1は、低ベース状態になる。
S1614の後、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S1621)。出力バッファにセットされたオープニングコマンドは、演出制御基板120に出力され、演出制御基板120によってコマンドに応じた処理が実行される。
S1621の後、遊技制御用マイコン101は、大入賞口についての、大当たりの種別に応じた開放パターン(図9参照)を決定する(S1622)。さらに遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技中の大入賞口の開放回数をカウントするカウンタの値を、大当たりの種別に応じた値にセットする(S1623)。パチンコ遊技機PY1では、「16R時短4回大当たり」であれば、第1大入賞口14を16回開放することから、カウンタ値に16がセットされる。「9R時短9回大当たり」であれば、第1大入賞口14を9回開放することから、カウンタ値に9がセットされる。「5R時短4回大当たり」であれば、第1大入賞口14を5回開放することから、カウンタ値に5がセットされる。「4R時短1回大当たり」であれば、第1大入賞口14を4回開放することから、カウンタ値に4がセットされる。S1623の後、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技のオープニング時間の計時を開始する(S1624)。すなわち、大当たり遊技を開始する。S1624の後、特別図柄確定処理を終了する。
一方、大当たりフラグがオンでなければ(S1611:NO)、遊技制御用マイコン101は、小当たりフラグがオンか否か、すなわち小当たりに当選したか否かを判断する(S1631)。小当たりフラグがオンであれば(S1631:YES)、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスを5に変更する(S1632)。
S1632の後、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S1641)。出力バッファにセットされたオープニングコマンドは、演出制御基板120に出力され、演出制御基板120によってコマンドに応じた処理が実行される。
S1641の後、遊技制御用マイコン101は、大入賞口についての、小当たりの種別に応じた開放パターン(図9参照)を決定する(S1642)。さらに遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技中の大入賞口の開放回数をカウントするカウンタの値を、小当たりの種別に応じた値にセットする(S1643)。パチンコ遊技機PY1では、小当たりの種類が「15R時短4回小当たり」であれば、第2大入賞口15を1回、さらに第2大入賞口15の開放時に遊技球が特定領域16を通過した場合には引き続いて第1大入賞口14を15回開放することから、大入賞口を最大16回開放することになる。つまり、小当たり遊技と2種大当たり遊技との合計の大入賞口の開放回数である16がカウンタ値にセットされる。「8R時短4回小当たり」であれば、第2大入賞口15を1回、さらに第2大入賞口15の開放時に遊技球が特定領域16を通過した場合には引き続いて第1大入賞口14を8回開放することから、小当たり遊技と2種大当たり遊技との合計の大入賞口の開放回数である9がカウンタ値にセットされる。「4R時短4回小当たり」であれば、第2大入賞口15を1回、さらに第2大入賞口15の開放時に遊技球が特定領域16を通過した場合には引き続いて第1大入賞口14を4回開放することから、小当たり遊技と2種大当たり遊技との合計の大入賞口の開放回数である5がカウンタ値にセットされる。S1643の後、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技のオープニング時間の計時を開始する(S1644)。
S1644の後、遊技制御用マイコン101は、振分作動フラグをオンにする(S1645)。振分作動フラグは、振分部材16kを作動させる期間であることを示すフラグである。つまり、パチンコ遊技機PY1は、振分部材16kの作動を小当たり遊技に連動して開始する。S1645の後、特別図柄確定処理を終了する。
一方、小当たりフラグがオンでなければ(S1631:NO)、ハズレに当選しており、大当たり遊技も小当たり遊技も実行しないことから、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスを1に変更する(S1651)。S1651の後、特別図柄確定処理を終了する。
[大当たり遊技処理]
図44は、図38のS932の大当たり遊技処理の手順を示している。大当たり遊技処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、大当たり終了フラグがオンか否かを判断する(S2001)。大当たり終了フラグは、大当たり遊技に伴う大入賞口の開放が終了したことを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時はオフである。
大当たり終了フラグがオフであれば(S2001:NO)、遊技制御用マイコン101は、大入賞口が開放中か否かを判断する(S2011)。大当たり遊技では、ラウンド数に応じて第1大入賞口14を開放させることから(図9参照)、S2011ではラウンド数に応じた大入賞口が開放されているか否かを判断することになる。ラウンド数は、総ラウンド数と大入賞口の開放カウンタの値とによって求められる。
大入賞口が開放されていなければ(S2011:NO)、遊技制御用マイコン101は、大入賞口を開放させる時間になったか否かを判断する(S2012)。具体的にS2012では、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技のオープニングが終了して第1ラウンドに対応する大入賞口の開放を開始する時間になったか、または前回の大入賞口の開放終了からのインターバル時間が経過して今回のラウンドに対応する大入賞口の開放を開始する時間になったか、否かを判断する。
大入賞口を開放させる時間になっていれば(S2012:YES)、遊技制御用マイコン101は、前述した特別図柄確定処理のS1622またはS1642にてセットされた開放パターンに従って、開放させる時間になった大入賞口を開放させる(S2015)。S2015の後、遊技制御用マイコン101は、ラウンドコマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2016)。出力バッファにセットされたラウンドコマンドは、演出制御基板120に出力され、演出制御基板120によってコマンドに応じた処理が実行される。これにより、大当たり遊技中のラウンド番号が通知されることになる。S2016の後、あるいは大入賞口を開放させる時間になっていなければ(S2012:NO)、大当たり遊技処理を終了する。
一方、大入賞口が開放されていれば(S2011:YES)、遊技制御用マイコン101は、大入賞口の閉塞条件を満たしているか否かを判断する(S2021)。大入賞口の閉塞条件には、大入賞口への遊技球の入賞が既定の最大入賞個数以上あること、セットされている開放パターンに従う開放時間が経過したこと、が含まれる。遊技制御用マイコン101では、これらの条件のうち1つでも満たしている場合には、大入賞口の閉塞条件を満たしたと判断する。なお、本形態では、最大入賞個数を8個とする。大入賞口の閉塞条件を満たしていない場合(S2021:NO)、大当たり遊技処理を終了する。すなわち、大入賞口の開放を継続する。
大入賞口の閉塞条件を満たしている場合(S2021:YES)、遊技制御用マイコン101は、閉塞条件を満たした大入賞口を閉塞させる(S2022)。S2022の後、遊技制御用マイコン101は、大入賞口の開放カウンタを1つ減算する(S2023)。そして、遊技制御用マイコン101は、大入賞口の開放カウンタが0になったか否かを判断する(S2031)。
大入賞口の開放カウンタが0になった場合(S2031:YES)、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技を終了するべく、大当たりのエンディングコマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2032)。出力バッファにセットされたエンディングコマンドは、演出制御基板120に出力され、演出制御基板120によってコマンドに応じた処理が実行される。これにより、大当たり遊技のエンディングが開始されることになる。
S2032の後、遊技制御用マイコン101は、大当たり終了フラグをオンにし(S2033)、大当たり遊技のエンディング時間の計時を開始する(S2034)。S2034の後、大当たり遊技処理を終了する。また、大入賞口の開放カウンタが0でない場合(S2031:NO)、大当たり遊技が継続中であり、大入賞口の次の開放のために、S2032〜S2034を行うことなく、大当たり遊技処理を終了する。
一方、大当たり終了フラグがオンであれば(S2001:YES)、大当たり遊技における大入賞口の開放がすべて終了し、エンディングが開始されていることから、遊技制御用マイコン101は、エンディングの時間が経過したか否かを判断する(S2041)。エンディングの時間が経過していれば(S2041:YES)、遊技制御用マイコン101は、大当たり終了フラグをオフにし(S2042)、大当たりフラグをオフにし(S2043)、特別動作ステータスを1に変更する(S2044)。
S2044の後、遊技制御用マイコン101は、時短フラグをオンにする(S2045)。なお、本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技後の全てで遊技状態が時短状態に移行するが、遊技状態が時短状態に移行しない大当たりを設けた場合には、大当たりの種別を判断し、時短状態が移行する大当たりであることを条件として、時短フラグをオンにする。
S2045の後、遊技制御用マイコン101は、大当たり種別に応じて、第1時短カウンタと第2時短カウンタとをセットする(S2046)。具体的に、本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技が第1特別図柄によるものか第2特別図柄によるものかによって第1特別図柄の時短回数が異なる。大当たり遊技が第1特別図柄によるものであった場合、第1時短カウンタに5をセットし、大当たり遊技が第2特別図柄によるものであった場合、第1時短カウンタに8をセットする。また、大当たり種別が「4R時短1回大当たり」であった場合、第2時短カウンタに1をセットし、それ以外であれば、第2時短カウンタに4をセットする。これにより、パチンコ遊技機PY1は、次に大当たりに当選するまで、あるいは大当たりに当選することなく第1時短カウンタと第2時短カウンタとのいずれか一方が0になるまで、時短状態での遊技を可能にする。S2046の後、大当たり遊技処理を終了する。
[小当たり遊技処理]
図45および図46は、図38のS942の小当たり遊技処理の手順を示している。小当たり遊技処理では、遊技制御用マイコン101は先ず、小当たり終了フラグがオンか否かを判断する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技に伴う大入賞口の開放が終了したことを示すフラグであり、小当たり遊技の開始時はオフである。
小当たり終了フラグがオフであれば(S2301:NO)、遊技制御用マイコン101は、大入賞口が開放中か否かを判断する(S2311)。小当たり遊技では、第2大入賞口15を開放させることから、S2311では第2大入賞口15が開放されているか否かを判断することになる。
大入賞口が開放されていなければ(S2311:NO)、遊技制御用マイコン101は、大入賞口を開放させる時間になったか否かを判断する(S2312)。具体的にS2312では、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技のオープニングが終了して第2大入賞口15の開放を開始する時間になったか否かを判断する。なお、本形態では、1回の小当たり遊技について1Rのみの第2大入賞口15の開放を行うため、前回の開放終了からのインターバル時間の経過は判断しなくてもよいが、複数Rの第2大入賞口15の開放を行う場合には、当該インターバル時間の経過も判断する。
大入賞口を開放させる時間になっていれば(S2312:YES)、遊技制御用マイコン101は、セットされている大入賞口の開放パターンに従って、開放させる時間になった大入賞口を開放させる(S2313)。すなわち、本形態では第2大入賞口15を開放させる。S2313の後、あるいは大入賞口を開放させる時間になっていなければ(S2312:NO)、小当たり遊技処理を終了する。
一方、大入賞口が開放されていれば(S2311:YES)、遊技制御用マイコン101は、大入賞口の閉塞条件を満たしているか否かを判断する(S2321)。大入賞口の閉塞条件には、S2021と同様に、大入賞口への遊技球の入賞が既定の最大入賞個数以上あること、セットされている大入賞口の開放パターンに従う開放時間が経過したこと、が含まれる。なお、本形態では、最大入賞個数を8個とする。遊技制御用マイコン101では、これらの条件のうち1つでも満たしている場合には、大入賞口の閉塞条件を満たしていると判断する。大入賞口の閉塞条件を満たしていない場合(S2321:NO)、小当たり遊技処理を終了する。すなわち、大入賞口の開放を継続する。
大入賞口の閉塞条件を満たしている場合(S2321:YES)、遊技制御用マイコン101は、閉塞条件を満たした大入賞口を閉塞させる(S2322)。すなわち、本形態では第2大入賞口15を閉塞させる。S2322の後、遊技制御用マイコン101は、大入賞口の開放カウンタを1つ減算する(S2323)。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり終了フラグをオンにし(S2324)、小当たり遊技処理を終了する。なお、複数Rの第2大入賞口15の開放を行う場合には、開放カウンタが所定数になったことを条件として、小当たり終了フラグをオンにする。
一方、小当たり終了フラグがオンであれば(S2301:YES)、小当たり遊技における大入賞口の開放がすべて終了していることから、遊技制御用マイコン101は、大入賞口を閉塞してから2種大当たり遊技を開始するまでのインターバル時間が経過したか否かを判断する(S2331)。インターバル時間が経過していなければ(S2331:NO)、小当たり遊技処理を終了する。インターバル時間が経過していれば(S2331:YES)、遊技制御用マイコン101は、小当たり終了フラグをオフにし(S2332)、さらに小当たりフラグをオフにする(S2333)。
S2333の後、遊技制御用マイコン101は、Vフラグがオンしているか否かを判断する(S2341)。Vフラグは、特定領域16を遊技球が通過したか否かを示すフラグであり、特定領域16を遊技球が通過したことが検知されるとオンになる。
Vフラグがオフであれば(S2341:NO)、2種大当たり遊技を実行しないため、遊技制御用マイコン101は、大入賞口の開放カウンタの値を0にする(S2361)。さらに遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスを1に変更し(S2362)、小当たり遊技処理を終了する。すなわち、2R目以降の第1大入賞口14の開放は実行されずに、1R目のみが実行されて小当たりに関する遊技を終えることになる。
Vフラグがオンであれば(S2341:YES)、2種大当たり遊技を実行する必要があるため、遊技制御用マイコン101は、大当たりフラグをオンにし(S2342)、さらに特別動作ステータスを4に変更する(S2343)。また、遊技制御用マイコン101は、Vフラグをオフにする(S2344)。
S2344の後、遊技制御用マイコン101は、時短フラグがオンか否かを判断する(S2346)。時短フラグがオンであれば(S2346:YES)、遊技制御用マイコン101は、時短フラグをオフにする(S2347)。これにより、大当たり遊技の実行中は、非時短状態として制御される。
S2347の後、あるいは時短フラグがオフであれば(S2346:NO)、遊技制御用マイコン101は、2種大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2351)。なお、S2351では、オープニングコマンドの他、右打ちコマンドも遊技用RAM104の出力バッファにセットされる。これにより、パチンコ遊技機PY1は、第2大入賞口15を開放する小当たり遊技から第1大入賞口14を開放する2種大当たり遊技に移行する。すなわち、2R目以降の第1大入賞口14の開放が実行されることになる。第1大入賞口14の開放パターンは、特別図柄確定処理のS1642にてセットされた開放パターンを用いる。S2351の後、小当たり遊技処理を終了する。
[振分動作処理]
次に、図29のS141の振分動作処理について、図47のフローチャートを参照しつつ説明する。
振分動作処理では,遊技制御用マイコン101は先ず,振分作動フラグがオンか否かを判断する(S2501)。振分作動フラグは,振分部材16kを作動させる期間であることを示すフラグであり,大当たりの抽選にて小当たりに当選した場合にオンになる。振分作動フラグがオフであれば(S2501:NO),振分動作処理を終了する。
振分動作フラグがオンであれば(S2501:YES),遊技制御用マイコン101は,所定のパターンに従って,振分部材16kの作動を開始する(S2502)。また,遊技制御用マイコン101は,V有効期間を設定する(S2503)。
具体的にS2502では,遊技制御用マイコン101は,振分部材16kの作動期間を計時するためのタイマをセットし,振分部材16kの開放タイミングになったことに応じて振分ソレノイド16sをオンし,振分部材16kの閉塞タイミングになったことに応じて振分ソレノイド16sをオフする。これにより,振分部材16kは,小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作を行うことになる。
また,V有効期間は,上記のような振分部材16kの一定動作に対して設定された期間であり,特定領域センサ16aからの信号に基づく遊技球の通過の検知があった場合に,その検知を有効なものと見做す期間である。具体的に,V有効期間は,振分部材16kを通過許容状態に制御した時点から所定時間が経過するまでの期間である。所定時間は,遊技球が振分部材16kの位置を通過してから特定領域16に至るまでのタイムラグを考慮して,振分部材16kを通過許容状態に制御する時間よりも長い。
S2503の後,遊技制御用マイコン101は,振分部材16kの動作が終了したか否かを判断する(S2504)。具体的にS2504では,S2502にてセットしたタイマに基づいて,振分部材16kの一定動作が終了するまでの作動期間が経過したか否かを判断する。振分部材16kの動作が終了していれば(S2504:YES),遊技制御用マイコン101は,振分動作フラグをオフにする(S2505)。S2505の後,あるいは振分部材16kの動作が終了していなければ(S2504:NO),振分動作処理を終了する。
11.演出制御用マイコン121の動作
続いて、パチンコ遊技機PY1の演出制御基板120における演出制御用マイコン121の動作について説明する。演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ、などは、演出用RAM124に設けられる。
[演出側起動処理]
演出制御用マイコン121が実行する演出側起動処理について、図48のフローチャートを参照しつつ説明する。演出側起動処理は、パチンコ遊技機PY1の電源オンを契機に、演出制御用マイコン121によって実行される。
演出側起動処理では、演出制御用マイコン121は先ず、演出用CPU122の初期化を行う(S4001)。具体的にS4001では、演出制御用マイコン121は、例えば、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定、を行う。また、S4001では、遊技制御用マイコン101からRAM初期化コマンドを受信していた場合、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124を初期化する。これにより、演出用RAM124に記憶されていた各種の情報が失われる。なお、S4001は、電源投入後に一度だけ実行され、その後は実行されない。
S4001の後、演出制御用マイコン121は、割り込みを禁止する(S4004)。次いで、演出制御用マイコン121は、各種の乱数の値を更新する(S4005)。具体的にS4005では、演出制御用マイコン121は、演出図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出乱数、予告演出種類乱数、の各種の乱数の値を更新する。これらの乱数は、先に説明した遊技制御用マイコン101にて用いられる乱数とは異なる乱数であり、演出制御用マイコン121でのみ用いられる。乱数の更新方法としては、遊技制御用マイコン101と同様であってもよいし、異なってもよい。
S4005の後、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の出力バッファにセットされている各種のコマンドを、画像制御基板140等に送信する(S4006)。例えば、コマンドを受信した画像制御基板140は、そのコマンドに従って画像表示装置50に各種の静止画ないし動画を表示させ、スピーカ52に各種の音声を出力させる。すなわち、演出図柄変動演出や、大当たり遊技ないし小当たり遊技に伴う遊技演出や、客待ち演出等を実行する。
なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って、演出制御用マイコン121は、役物ランプ制御基板162を介して枠ランプ53を点灯させる。なお、前述したように遊技制御基板100は演出制御基板120からの入力を受け付けないことから、S4006から送信されるコマンドは遊技制御用マイコン101には入力されない。
S4006の後、演出制御用マイコン121は、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007を繰り返す。割り込みが許可されている間は、演出側2msタイマ割り込み処理(S4009)、演出側10msタイマ割り込み処理(S4010)、の各種の処理の実行が可能になる。
なお、演出制御用マイコン121は、S4009、S4010以外の割り込み処理も実行する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から送られたコマンドが演出制御用マイコン121の演出用I/Oポート138に入力された場合に、そのコマンドを演出用RAM124に記憶させる遊技制御コマンド割り込み処理を実行する。遊技制御コマンド割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される。
[演出側2msタイマ割り込み処理]
次に、演出側2msタイマ割り込み処理について、図49のフローチャートを参照しつつ説明する。演出側2msタイマ割り込み処理は、2ms周期の割り込みパルスが入力される度に、演出制御用マイコン121によって実行される。
演出側2msタイマ割り込み処理では、演出制御用マイコン121は先ず、演出ボタン検出センサ40aやセレクトボタン検出センサ42aからの出力信号に基づいて、演出ボタン40kおよびセレクトボタン42kへの操作の有無の情報を示す入力データを作成する(S4201)。なお、パチンコ遊技機PY1にこれら以外の入力部材が設けられている場合、その入力部材の入力の有無の情報も入力データに含める。
S4201の後、演出制御用マイコン121は、後述する演出側10msタイマ割り込み処理にて作成されるランプデータに従って、枠ランプ53を点灯ないし消灯させるための制御を行う(S4202)。さらに、演出制御用マイコン121は、同じく演出側10msタイマ割り込み処理にて作成される可動体駆動データに従って、装飾可動体55kを変位させるための制御を行う(S4203)。
S4203の後、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマをリセットする等、その他の処理を実行する(S4299)。S4299の後、演出側2msタイマ割り込み処理を終了する。
[演出側10msタイマ割り込み処理]
次に、演出側10msタイマ割り込み処理について、図50のフローチャートを参照しつつ説明する。演出側10msタイマ割り込み処理は、10ms周期の割り込みパルスが入力される度に、演出制御用マイコン121によって実行される。
演出側10msタイマ割り込み処理では、演出制御用マイコン121は先ず、遊技制御基板100から受信したコマンドを解析する演出側受信コマンド解析処理を実行する(S4301)。S4301の詳細については後述する。
S4301の後、演出制御用マイコン121は、演出側2msタイマ割り込み処理のS4201にて作成された入力データを取得する(S4303)。そして、演出制御用マイコン121は、入力データに基づいて、各種の入力装置への操作に応じた入力部制御を行う(S4304)。
S4304の後、演出制御用マイコン121は、各種の演出に応じて、枠ランプ53の点灯制御を行うためのランプデータを作成する(S4305)。さらに、演出制御用マイコン121は、装飾可動体55kの稼働制御を行うための可動体駆動データを作成する(S4306)。
S4306の後、演出制御用マイコン121は、演出制御用マイコン121で用いる各種の乱数を更新する等、その他の処理を実行し(S4399)、演出側10msタイマ割り込み処理を終了する。
[演出側受信コマンド解析処理]
図51は、図50のS4301の演出側受信コマンド解析処理の手順を示している。演出側受信コマンド解析処理では、演出制御用マイコン121は先ず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドもしくは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判断する(S4401)。第1始動入賞コマンドは、遊技球の第1始動口11への入球を契機に、遊技制御基板100から出力される。第2始動入賞コマンドは、遊技球の第2始動口12への入球を契機に、遊技制御基板100から出力される。前述したように、始動入賞コマンドには、大当たりの当否、大当たりの種別、リーチの有無、変動時間、さらにはSPリーチを行うか否か、の各情報が含まれる。
遊技制御基板100から始動入賞コマンドを受信した場合(S4401:YES)、演出制御用マイコン121は、受信した始動入賞コマンドに対応する保留カウンタに1を加算する(S4402)。保留カウンタは、第1特図保留記憶部105aに対応する第1特図保留カウンタと、第2特図保留記憶部105bに対応する第2特図保留カウンタと、の2種類有り、始動入賞コマンドが受信される度に、始動入賞コマンドを記憶する特図保留記憶部105に対応する保留カウンタが1つ加算される。つまり、保留カウンタは、特図保留記憶部105ごとに、記憶される始動入賞コマンドの数をカウントするカウンタである。
S4402の後、演出制御用マイコン121は、受信した始動入賞コマンドおよび受信カウンタ値を演出用RAM124に記憶する(S4403)。具体的にS4403では、受信した始動入賞コマンドが、第1始動入賞コマンドであれば、第1特図保留記憶部105aに記憶し、第2始動入賞コマンドであれば、第2特図保留記憶部105bに記憶する。なお、始動入賞コマンドは、各特図保留記憶部において設けられている記憶領域のうち、始動入賞コマンドが記憶されていない記憶領域に記憶される。また、S4402の後、演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドに基づいて大当たりの当否や変動パターンを先読みし、保留アイコンHAを決定して画像表示装置50に表示させる(S4404)。
S4404の後、あるいは遊技制御基板100から始動入賞コマンドを受信していない場合(S4401:NO)、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(S4411)。変動開始コマンドは、例えば、特別図柄の変動表示を開始するにあたって遊技制御基板100から出力される。
遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した場合(S4411:YES)、演出制御用マイコン121は、特図保留記憶部105に記憶される各始動入賞コマンドの記憶領域をシフトする(S4412)。具体的にS4412では、演出制御用マイコン121は、特図保留記憶部105に記憶される各始動入賞コマンドのうち最も優先度が高い始動入賞コマンド、すなわち最も小さい値の受信カウンタに対応する始動入賞コマンドを記憶していた特図保留記憶部105に記憶される各始動入賞コマンドを、現在の記憶領域から読み出しの優先度が高い側の記憶領域に1つシフトするとともに、最後にシフトされたシフト元の記憶領域を初期化する。
4412の後、演出制御用マイコン121は、S4412にてシフトされた始動入賞コマンドを記憶する特図保留記憶部105に対応する保留カウンタに1を減算する(S4413)。また、S4413の後、演出制御用マイコン121は、保留アイコンHAの表示位置をシフトさせる(S4414)。S4414の後、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124に記憶する始動入賞コマンドのうち最も優先度が高い1つの始動入賞コマンドや変動開始コマンドを用いて、当該変動の演出内容を決定し、決定した演出を実行する(S4415)。具体的にS4415では、変動パターンに従って演出のシナリオを決定し、そのシナリオに従った画像を画像表示装置50に表示させ、楽曲や効果音やセリフをスピーカ52から出力する。また、枠ランプ53の点灯パターンや装飾可動体55kの可動パターンを決定する。また、各種の予告演出の実行タイミングを決定する。
なお、選択される演出のシナリオは、遊技の進行状況によって異なる。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、図11に示したように遊技の段階があり、各段階で行われる演出が決められている。そのため、通常時では、通常時用の演出シナリオの中から演出シナリオが選択され、チャンス時では、チャンス時用の演出シナリオの中から演出シナリオが選択される。また、チャンス時でも、第1時短演出パートでは、第1時短演出パート用の演出シナリオの中から演出シナリオが選択され、第2時短演出パートでは、第2時短演出パート用の演出シナリオの中から演出シナリオが選択され、非時短残り保留専用演出を行う場合には、非時短残り保留専用演出用のシナリオが選択される。
S4415の後、あるいは遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信していない場合(S4411:NO)、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否かを判断する(S4431)。オープニングコマンドは、大当たり遊技等、特別遊技を開始するにあたって遊技制御基板100から出力される。
遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信した場合(S4431:YES)、演出制御用マイコン121は、特別遊技のオープニング演出に関する各種の処理を実行する(S4432)。
S4432の後、または遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信していない場合(S4431:NO)、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否かを判断する(S4441)。エンディングコマンドは、例えば、特別遊技を終了するにあたって遊技制御基板100から出力される。
遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信した場合(S4441:YES)、演出制御用マイコン121は、特別遊技のエンディング演出に関する各種の処理を実行する(S4442)。
S4442の後、または遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信していない場合(S4441:NO)、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からV通過コマンドを受信したか否かを判断する(S4451)。V通過コマンドは、遊技球がV有効期間内に特定領域16を通過した際に遊技制御基板100から出力される。
遊技制御基板100からV通過コマンドを受信した場合(S4451:YES)、演出制御用マイコン121は、遊技球の特定領域16の通過を報知するメッセージを含む画像を、画像表示装置50に表示させるV通過演出に関する各種の処理を実行する(S4452)。
S4452の後、または遊技制御基板100からV通過コマンドを受信していない場合(S4451:NO)、演出制御用マイコン121は、前述のコマンド以外のコマンドに対応する処理を実行する(S4499)。前述のコマンド以外のコマンドとしては、例えば、各種の異常報知コマンド、余剰球受皿35の満杯報知コマンド、特別図柄の変動表示が所定時間行われていない場合に出力される客待ち待機コマンドが該当する。S4499の後は、演出側受信コマンド解析処理を終了する。
12.実施の形態の効果
パチンコ遊技機PY1では、所定のタイミングにおいて、第2特図保留記憶部105bに現在記憶している保留抽選情報(特図2の保留)に対応する保留アイコンHAに対して態様を変化させる保留アイコン一斉変化演出を行い、個々の保留アイコンHAにおいて大当たりの当選の期待度を表示する。これにより、個々の保留に対して、ある程度の期待感を遊技者に持たせることができ、興趣性の向上が期待できる。
特に本形態のパチンコ遊技機PY1のような1種2種混合機では、特図2の当否判定において小当たりの当選確率が高く、大当たりの当選の可能性が有る判定結果になり易い。そのため、時短状態における最終変動表示時に記憶している保留抽選情報でも、大当たりの当選の可能性が有る判定結果になる可能性が高く、保留抽選情報の当否判定の結果に対する遊技者の注目度も高い。そのため、本発明が効果的に作用する。
13.実施の形態の変形例
本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、本実施の形態に記載された数値(抽選回数、各種テーブルの設定値、各種の保留数の上限等)は例示であって、適宜選択すればよい。
また、実施の形態では、1種大当たりも2種大当たり(特定領域16への通過による大当たり)も搭載している遊技機としたが、1種大当たりだけを搭載している遊技機としてもよい。
また、実施の形態では、第2特図保留に関する処理を、第1特図保留に関する処理よりも優先しているが、第1特図保留に関する処理を優先してもよい。また、第2特図保留に関する処理を、第1特図保留に関する処理と並行して行ってもよい。すなわち、特図1と特図2とを同時変動させてもよい。この場合、いずれか一方にて大当たりないし小当たりを示す特別図柄が停止表示された場合、他方の特別図柄の変動表示を強制的にハズレ図柄で停止表示させ、大当たり遊技ないし小当たり遊技を実行する。
また、実施の形態では、時短状態での変動表示回数をカウントするカウンタとして、特図1の時短カウンタと特図2の時短カウンタと、の2種類を設け、いずれかの回数が0になると、時短状態を終了するように構成した。これに対して、特図1か特図2かを区別しないカウンタを1つだけを設定し、その回数が0になると時短状態が終了するようにしてもよい。
また、実施の形態では、特図2の抽選に基づいて小当たりに当選した場合には、正しく遊技していることによって必ず特定領域16への通過を生じさせることが可能な通過用開放パターンで第2大入賞口15および振分部材16kを作動させる構成とした。これに対して、右打ちを継続していても特定領域16への通過が生じないこともある開放パターン(つまり第2大入賞口15への入賞タイミングが振分部材16kが通過許容状態をとっているタイミングとうまく合えば特定領域16への通過が生じるが、合わなければ特定領域16への通過が生じない開放パターン)で開放させる構成としてもよい。なお、このような開放パターンは、特図2の抽選における全部の小当たり図柄に対して適用することとしてもよいし、一部の小当たり図柄に対して適用することとしてもよい。
また、実施の形態では、変動演出を行う表示部を、1つの表示装置の表示画面(画像表示装置50の表示部50a)によって構成したが、2つ以上の表示装置の各表示部によって構成してもよい。例えば、メイン表示装置としての画像表示装置50の他に、サブ表示装置を備えている構成では、メイン表示装置の表示画面にて演出図柄EZの変動演出を行い、サブ表示装置の表示画面にて小図柄KZの変動演出を行うように構成してもよい。また、普図演出をサブ表示装置の表示画面にて行うように構成してもよい。なお、タッチセンサと液晶表示装置からなるタッチパネルを遊技機枠2に搭載し、このタッチパネルにおける液晶表示装置をサブ表示装置としてもよい。
また、実施の形態では、大当たり遊技においては第1大入賞口14を開放し、小当たり遊技においては第2大入賞口15を開放するように構成した。これに対して、大当たり遊技の少なくとも一部のラウンドに、第2大入賞口15を開放するラウンドがある構成としてもよい。この場合には、大当たり遊技の実行中のV通過によってさらに大当たり遊技が実行されることがないように構成する。
また,実施の形態では,第1始動口11への遊技球の入賞に基づく抽選に小当たりを設けていないが,小当たりを設けてもよい。また,実施の形態の各大当たりおよび各小当たりの種類も例示であり,さらに各当たりについて,ラウンド数や大入賞口の開放パターンが異なる種類をさらに設けてもよい。
また、始動入賞コマンドの生成に関するルール(図31参照)は、適宜変更してもよい。例えば、始動入賞コマンドに特図保留の数の情報や遊技状態の情報、変動パターンの情報等を含めるようにしてもよい。
また,実施の形態では,遊技領域6を,遊技領域6内の左右方向に対して,左側の左遊技領域6Lと,右側の右遊技領域6Rと,に区別する構成であるが,例えば上下方向に対して区別する構成であってもよい。この場合,遊技球の自重による流下のみを考慮しているが,例えば,上下方向に移動させる機構を用いて遊技球を上側に移動させることを考慮してもよい。すなわち,いわゆるゲージ構成と称される構成は,実施の形態の配置に限定するものではない。
また、実施の形態では、第1始動口11あるいは第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、1つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりまたは小当たりか否か、大当たりまたは小当たりの種別、リーチの有無、および変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また、実施の形態では、第1ゲート13Lあるいは第2ゲート13Rへの通過に基づいて取得する乱数として、普通図柄乱数および普図当たり種別乱数の2つの乱数を取得することとしたが、1つの乱数を取得してその乱数に基づいて、当たりか否か、さらに普通当たり図柄の種別を決めるようにしてもよい。
また、実施の形態に開示されている処理は、主として遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101の遊技用CPU102、演出制御基板120の演出制御用マイコン121の演出用CPU122、および画像制御基板140の画像用CPU142によって実行されるが、例えば、単一の制御基板による単一あるいは複数のCPUによって実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、遊技制御用マイコン101、演出制御用マイコン121、の少なくとも1つにおいて複数のCPUによって実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、遊技制御用マイコン101、演出制御用マイコン121、に加え、他のハードウェアとの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理のうち、遊技制御用マイコン101、演出制御用マイコン121、の処理の一部を、他のマイコンが実行してもよい。つまり、遊技制御用マイコン101、演出制御用マイコン121、これらを包含した1つのマイコン、他のハードウェアと組み合わせ、これらすべて各種の処理を実行する手段の一例である。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
なお、上記遊技機の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納する、コンピュータによる読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
14.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下に示す構成の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
第1の発明の構成にかかる遊技機(パチンコ遊技機PY1)は、所定の入球口(第2始動口12)と、前記入球口への入球に基づいて数値情報を取得する数値情報取得手段(遊技制御用マイコン101、S224)と、前記数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて少なくとも大当たりの当否判定を行う当否判定手段(遊技制御用マイコン101、S1021、S1102)と、前記当否判定の結果を示す特別図柄を変動表示するとともに、その変動表示の開始から所定の変動時間が経過した後、前記特別図柄を停止表示する特別図柄表示手段(第2特図表示器81b)と、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものであった場合に、所定の条件を満たすことで、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を行う特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S932、S942)と、前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段(第2特図保留記憶部105b)と、前記当否判定の結果を示す演出を行う演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53)と、を備え、前記演出手段は、前記特別遊技の終了後、1回目の前記当否判定に対応する演出から前記上限数以下の数であるN回目までの前記当否判定に対応する演出について、専用の演出である特別演出(第1時短演出パート)を行う、ことを特徴としている。
保留連示唆演出のように、大当たり遊技等の特別遊技中に消化されずに保持されている数値情報(保留抽選情報)が有る場合に、それらを先読みし、特別遊技の実行期間において次の大当たりに対する期待感を生じさせるための演出は行われている。しかしながら、特別遊技の終了後、特別遊技の終了時に貯められていた保留抽選情報による抽選に特別感を持たせるための演出は行われていない。そこで、第1の発明の構成によれば、特別遊技の終了後、記憶手段に記憶可能な数値情報の上限数以下のN回分の演出について、通常の演出とは異なる特別演出を行う。これにより、少なくとも特別遊技の終了時点で記憶されている保留抽選情報を含む抽選に特別感を持たせることができる。
また、前記Nは、前記特別遊技の終了時に前記記憶手段に記憶されている数値情報の数であるとよい。特別演出の対象を、特別遊技の終了時点に記憶されている保留抽選情報に限定することで、その保留抽選情報に対してより特別感を持たせることができる。
また、前記演出手段は、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものであった場合に、前記当否判定の結果を示す前記特別図柄が停止表示される前に、その当選を告知する先告知演出(特別演出図柄TEZ)を含む前記特別演出を行う、とよい。大当たりの当選の可能性がある場合にその旨を告知することで、遊技者は早期に大当たりの可能性を知ることができ、大当たりに対する期待感が早期に高められる。
また、前記演出手段は、前記先告知演出を実行するタイミングを、前記特別図柄表示手段が前記当否判定の結果を示す前記特別図柄を停止表示するまでの複数のタイミングから選択する、とよい。先告知演出の実行タイミングを限定しないことで、遊技者の先告知演出に対する期待感を維持できる。
また、前記演出手段は、前記当否判定の結果が大当たりの当選であった場合に、音量を下げるもしくは無音になる消音演出を含む前記特別演出を行う、とよい。楽曲等が聞こえ難くなることで遊技者に違和感を生じさせ、大当たりへの期待感を生じさせ得る。
また、第1の発明の構成にかかる遊技機において、演出用のランプ(枠ランプ53)を備え、前記演出手段は、前記当否判定の結果が大当たりの当選であった場合に、前記ランプを消灯する消灯演出を含む前記特別演出を行う、とよい。特別遊技から点灯するランプが消灯することで遊技者に違和感を生じさせ、大当たりへの期待感を生じさせ得る。
また、第1の発明の構成にかかる遊技機において、第1入球状態と、前記第1入球状態と比較して前記入球口に入球し易い第2入球状態と、に変位する変位部材(電チュー開閉部材12k)と、第1特別入賞口(第1大入賞口14)と、第2特別入賞口(第2大入賞口15)と、を備え、遊技状態として、第1の遊技状態(非時短状態)と、前記第1の遊技状態よりも前記変位部材が前記第2入球状態になり易い第2の遊技状態(時短状態)があり、遊技状態は、前記特別遊技を行っている間は前記第1の遊技状態であり、前記特別遊技の終了後に前記第2の遊技状態に移行し、前記特別遊技実行手段は、前記当否判定の結果が小当たりの当選であった場合に、前記第1特別入賞口を所定の開放パターンにて開放する小当たり遊技を行い、さらに前記第1特別入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合に、前記第2特別入賞口を所定の開放パターンにて開放する前記特別遊技(2種大当たり遊技)を行う、とよい。1種2種混合機では、特図2の当否判定において小当たりの当選確率が高く、大当たりの当選の可能性が有る判定結果になり易い。そのため、保留抽選情報のうちに大当たりの当選の可能性が有る判定結果になる可能性が高く、保留抽選情報の当否判定の結果に対する遊技者の注目度も高い。そのため、本発明が効果的に作用する。
第2の発明の構成にかかる遊技機(パチンコ遊技機PY1)は、所定の入球口(第2始動口12)と、前記入球口への入球に基づいて数値情報を取得する数値情報取得手段(遊技制御用マイコン101、S224)と、前記数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて少なくとも大当たりの当否判定を行う当否判定手段(遊技制御用マイコン101、S1021、S1102)と、前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段(第2特図保留記憶部105b)と、前記記憶手段に記憶された個々の数値情報に対応する演出保留画像(保留アイコンHA)を表示する演出保留画像表示手段(画像表示装置50)と、を備え、前記演出保留画像表示手段は、所定のタイミングにおいて、前記演出保留画像を、前記大当たりの当選の期待度を示す態様に変化させる(第2時短演出パート)、ことを特徴としている。
保留連示唆演出のように、大当たり遊技等の特別遊技の実行期間において次の大当たりに対する期待感を生じさせるための演出は行われている。しかしながら、特別遊技の終了後については、個々の保留抽選情報について個々のタイミングで期待度を示す予告演出を行っているにすぎない。すなわち、複数の保留抽選情報が有ったとしても各保留抽選情報に対する予告演出のタイミングはそれぞれの保留抽選情報のタイミングであり、興趣性に欠ける。そこで、第2の発明の構成によれば、記憶手段に現在記憶している数値情報(保留抽選情報)に対応する演出保留画像に対して態様を変化させ、各演出保留画像において大当たりの当選の期待度を表示する。これにより、個々の保留抽選情報に対して、ある程度の期待感を遊技者に持たせることができ、興趣性の向上が期待できる。
また、前記演出保留画像表示手段は、前記所定のタイミングにおいて、前記記憶手段に記憶されている数値情報に対応する前記演出保留画像の全てを、前記大当たりの当選の期待度を示す態様に変化させる、とよい。これにより、全ての保留抽選情報に対して、ある程度の期待感を遊技者に持たせることができ、興趣性の向上がより期待できる。
また、前記演出保留画像表示手段は、前記所定のタイミングにおいて前記演出保留画像の態様を変化させるか否かを選択し、前記演出保留画像の態様を変化させることが選択された場合に、前記演出保留画像を変化させ、さらに前記記憶手段に記憶されている数値情報の中に、大当たりの当選の可能性があると判定されるものが含まれている場合、大当たりの当選の可能性があると判定されるものが含まれていない場合と比較して、前記演出保留画像の態様を変化させることが選択され易い、とよい。所定のタイミングにおいても演出保留画像の態様を変化させる場合と変化させない場合とが有り、大当たりに当選する可能性がある保留抽選情報が記憶されている場合に、演出保留画像の態様を変化させ易くすることで、演出保留画像の態様が変化した際の大当たりへの期待感を高めることができる。
また、前記演出保留画像表示手段は、前記所定のタイミングにおいて前記記憶手段に記憶されている数値情報の中に、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものが複数あった場合に、それら大当たりの当選の可能性がある数値情報に対応する演出保留画像については、特別な態様(特別タイプ)に変化させる、とよい。大当たりに複数回当選する可能性が高い場合に特別演出を行うことで、遊技者の期待感を高められる。
また、前記演出保留画像表示手段は、前記所定のタイミングにおいて前記記憶手段に記憶されている複数の数値情報の全てで、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性がある場合に、前記特別な態様に変化させる、とよい。現在記憶している数値情報の全て大当たりに当選する可能性が高いといった稀な場合に特別演出を行うことで、遊技者の期待感をより高められる。
また、前記演出保留画像表示手段は、前記所定のタイミングにおいて前記記憶手段に記憶されている複数の数値情報の中に、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性が連続してある場合に、前記特別な態様に変化させる、とよい。現在記憶している数値情報が連続して当選する可能性が高いといった稀な場合に特別演出を行うことで、遊技者の期待感をより高められる。
また、第2の発明の構成にかかる遊技機において、前記当否判定の結果を示す特別図柄を変動表示するとともに、その変動表示の開始から所定の変動時間が経過した後、前記特別図柄を停止表示する特別図柄表示手段(第2特図表示器81b)と、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものであった場合に、所定の条件を満たすことで、遊技者に有利な特別遊技を行う特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S932、S942)と、を備え、遊技状態として、第1の遊技状態(非時短状態)と、前記第1の遊技状態よりも遊技者に有利な第2の遊技状態(時短状態)があり、遊技状態は、前記第2の遊技状態に移行した後、前記特別遊技が実行されないまま前記特別図柄表示手段によって所定回数の特別図柄の変動表示が行われた場合に、前記第1の遊技状態に移行し、遊技状態が前記第2の遊技状態に移行してから前記所定回数に達する特別図柄の変動表示の開始以後、その特別図柄の変動表示が終了するまでの間に、前記所定のタイミングがある、とよい。第2の遊技状態が終了する最後の変動表示において演出保留画像の態様を変化させることで、第2の遊技状態の継続の期待度を高めることができる。
また、第2の発明の構成にかかる遊技機において、第1入球状態と、前記第1入球状態と比較して前記入球口に入球し易い第2入球状態と、に変位する変位部材(電チュー開閉部材12k)と、第1特別入賞口(第1大入賞口14)と、第2特別入賞口(第2大入賞口15)と、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものであった場合に、所定の条件を満たすことで、遊技者に有利な特別遊技を行う特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S932、S942)と、を備え、遊技状態として、第1の遊技状態(非時短状態)と、前記第1の遊技状態よりも前記変位部材が前記第2入球状態になり易い第2の遊技状態(時短状態)があり、遊技状態は、前記特別遊技を行っている間は前記第1の遊技状態であり、前記特別遊技の終了後に前記第2の遊技状態に移行し、前記特別遊技実行手段は、前記当否判定の結果が小当たりの当選であった場合に、前記第1特別入賞口を所定の開放パターンにて開放する小当たり遊技を行い、さらに前記第1特別入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合に、前記第2特別入賞口を所定の開放パターンにて開放する前記特別遊技(2種大当たり遊技)を行う、とよい。1種2種混合機では、特図2の当否判定において小当たりの当選確率が高く、大当たりの当選の可能性が有る判定結果になり易い。そのため、保留抽選情報のうちに大当たりの当選の可能性が有る判定結果になる可能性が高く、保留抽選情報の当否判定の結果に対する遊技者の注目度も高い。そのため、本発明が効果的に作用する。
第3の発明の構成にかかる遊技機(パチンコ遊技機PY1)は、所定の入球口(第2始動口12)と、前記入球口への入球に基づいて数値情報を取得する数値情報取得手段(遊技制御用マイコン101、S224)と、前記数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて少なくとも大当たりの当否判定を行う当否判定手段(遊技制御用マイコン101、S1021、S1102)と、前記当否判定の結果を示す演出を行う演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53)と、前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段(第2特図保留記憶部105b)と、前記記憶手段に記憶された個々の数値情報に対応する演出保留画像(保留アイコンHA)を表示する演出保留画像表示手段(画像表示装置50)と、を備え、前記演出保留画像表示手段は、所定のタイミングにおいて、前記記憶手段に記憶されている数値情報に対応する前記演出保留画像を、前記演出手段によって行われる前記演出の態様と対応する態様に変化させる変化演出(第2時短演出パート)を行う、ことを特徴としている。
保留連示唆演出のように、大当たり遊技等の特別遊技の実行期間において次の大当たりに対する期待感を生じさせるための演出は行われ、大当たり遊技の終了後については、例えば個々の保留抽選情報について演出保留画像を用いて期待度を示す予告演出を行っている。しかしながら、1回分の特別図柄の変動表示に対する変動演出について、例えば、期待度が低い演出保留画像であっても長時間の演出が発生する場合や、期待度が高い演出保留画像であっても短時間の演出で終了する場合があり、必ずしも遊技者が変動演出の演出態様を想定し得ない。そこで、第3の発明の構成によれば、記憶手段に現在記憶している数値情報(保留抽選情報)に対応する演出保留画像に対して、演出態様と対応する演出保留画像に変化させる。これにより、保留抽選情報に対応する演出の態様を遊技者が想定でき、演出の態様に応じた大当たりの期待度を生じさせることができる。
また、前記演出保留画像表示手段は、前記演出保留画像を、前記演出の態様と一対一で対応する態様に変化させる、とよい。一対一で対応することで、演出の態様をより想定し易い。
また、第3の発明の構成にかかる遊技機において、前記演出保留画像の1つである第1演出保留画像(特別タイプ)に対応する前記演出の態様として、第1の態様(プレミア画像PG付きリーチ)と、第2の態様(プレミア画像PG無しリーチ)と、が有り、前記演出手段は、前記演出保留画像表示手段に前記第1演出保留画像が表示された場合、所定の条件を満たせば、前記第1の態様の演出を行い、前記所定の条件を満たしていなければ、前記第2の態様の演出を行う、とよい。1つの演出保留画像であっても、所定の条件を満たした場合にのみ行われる第1の演出を設けることで、第1の演出についての特別感を持たせることができ、興趣性が向上する。
また、前記所定の条件を、前記所定のタイミングにおいて前記記憶手段に記憶されている数値情報の中に、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものが複数あること、とする、とよい。大当たりに複数回当選する可能性が高い場合に特別演出を行うことで、遊技者の期待感を高められる。
また、前記所定の条件を、前記所定のタイミングにおいて前記記憶手段に記憶されている数値情報の中で、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものが連続すること、とする、とよい。大当たりに連続して当選する可能性が高い場合に特別演出を行うことで、遊技者の期待感を高められる。
また、第3の発明の構成にかかる遊技機において、前記演出保留画像の1つとして、前記所定のタイミングにおいて前記記憶手段に記憶されている数値情報の中で、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものが連続する場合に、それら大当たりの当選の可能性がある数値情報に対応する第2演出保留画像(特別タイプ)が含まれ、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものであった場合に、所定の条件を満たすことで、遊技者に有利な特別遊技を行う特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S932、S942)を備え、前記演出手段は、前記第2演出保留画像が前記演出保留画像表示手段によって複数表示された場合に、複数の前記第2演出保留画像のうち、第1の前記第2演出保留画像に対応する演出から、前記特別遊技の実行中の演出を挟んで、第2の前記第2演出保留画像に対応する演出に至るまでの期間で連続する特別連続演出(特別シナリオ)を行う、とよい。大当たりに連続して当選する可能性が高い場合に特別演出を行うことで、遊技者の期待感を高められる。
また、前記演出保留画像表示手段は、前記演出手段によって行われる前記演出中のリーチの種類に応じて、前記演出保留画像を変化させる、とよい。また、前記演出保留画像表示手段は、前記演出手段によって行われる前記演出の態様に応じて、前記演出保留画像の色を変化させる、とよい。
また、第3の発明の構成にかかる遊技機において、遊技者の操作を受け付ける操作手段(演出ボタン40k)を備え、前記演出保留画像表示手段は、前記演出手段によって行われる前記演出中に受け付ける前記操作手段の種類もしくは態様に応じて、前記演出保留画像を変化させるとよい。
また、第3の発明の構成にかかる遊技機において、前記当否判定の結果を示す特別図柄を変動表示するとともに、その変動表示の開始から所定の変動時間が経過した後、前記特別図柄を停止表示する特別図柄表示手段(第2特図表示器81b)と、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものであった場合に、所定の条件を満たすことで、遊技者に有利な特別遊技を行う特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S932、S942)と、を備え、遊技状態として、第1の遊技状態(非時短状態)と、前記第1の遊技状態よりも遊技者に有利な第2の遊技状態(時短状態)があり、遊技状態は、前記第2の遊技状態に移行した後、前記特別遊技が実行されないまま前記特別図柄表示手段によって所定回数の特別図柄の変動表示が行われた場合に、前記第1の遊技状態に移行し、遊技状態が前記第2の遊技状態に移行してから前記所定回数に達する特別図柄の変動表示の開始以後、その特別図柄の変動表示が終了するまでの間に、前記所定のタイミングがある、とよい。第2の遊技状態(時短状態)が終了する最後の変動表示において演出保留画像の態様を変化させることで、第2の遊技状態の継続の期待度を高めることができる。
また、第3の発明の構成にかかる遊技機において、第1入球状態と、前記第1入球状態と比較して前記入球口に入球し易い第2入球状態と、に変位する変位部材(電チュー開閉部材12k)と、第1特別入賞口(第1大入賞口14)と、第2特別入賞口(第2大入賞口15)と、前記当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものであった場合に、所定の条件を満たすことで、遊技者に有利な特別遊技を行う特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S932、S942)と、を備え、遊技状態として、第1の遊技状態(非時短状態)と、前記第1の遊技状態よりも前記変位部材が前記第2入球状態になり易い第2の遊技状態(時短状態)があり、遊技状態は、前記特別遊技を行っている間は前記第1の遊技状態であり、前記特別遊技の終了後に前記第2の遊技状態に移行し、前記特別遊技実行手段は、前記当否判定の結果が小当たりの当選であった場合に、前記第1特別入賞口を所定の開放パターンにて開放する小当たり遊技を行い、さらに前記第1特別入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合に、前記第2特別入賞口を所定の開放パターンにて開放する前記特別遊技(2種大当たり遊技)を行う、とよい。1種2種混合機では、特図2の当否判定において小当たりの当選確率が高く、大当たりの当選の可能性が有る判定結果になり易い。そのため、保留抽選情報のうちに大当たりの当選の可能性が有る判定結果になる可能性が高く、保留抽選情報の当否判定の結果に対する遊技者の注目度も高い。そのため、本発明が効果的に作用する。
第4の発明の構成にかかる遊技機(パチンコ遊技機PY1)は、入球し易さが変化しない第1入球口(第1始動口11)と、入球し易さが変化する第2入球口(第2始動口12)と、前記第1入球口への入球に基づいて数値情報を取得する第1数値情報取得手段(遊技制御用マイコン101、S214)と、前記第2入球口への入球に基づいて数値情報を取得する第2数値情報取得手段(遊技制御用マイコン101、S224)と、前記第1数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて少なくとも大当たりの当否判定を含む第1当否判定を行う第1当否判定手段(遊技制御用マイコン101、S1011、S1102)と、前記第2数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて少なくとも大当たりの当否判定を含む第2当否判定を行う第2当否判定手段(遊技制御用マイコン101、S1021、S1102)と、前記第1当否判定の結果に基づいて、遊技者に有利な第1特別遊技を行う第1特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S932、S942)と、前記第2当否判定の結果に基づいて、遊技者に有利な第2特別遊技を行う第2特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S932、S942)と、前記第1数値情報取得手段により取得された数値情報を第1の上限数まで記憶可能な第1記憶手段(第1特図保留記憶部105a)と、前記第2数値情報取得手段により取得された数値情報を第2の上限数まで記憶可能な第2記憶手段(第2特図保留記憶部105b)と、前記第1記憶手段に記憶された個々の数値情報に対応する演出保留画像(保留アイコンHA)と、前記第2記憶手段に記憶された個々の数値情報に対応する演出保留画像(保留アイコンHA)と、を表示する演出保留画像表示手段(画像表示装置50)と、前記第1当否判定および前記第2当否判定の結果を示す演出を行う演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53)と、を備え、前記演出保留画像表示手段は、前記第1特別遊技の後、所定のタイミングにおいて、前記演出保留画像を前記大当たりの当選の期待度を示す態様に変化させ(第2時短演出パート)、前記演出手段は、前記第2特別遊技の後、N回数分の前記第2当否判定に対応する演出について、専用の演出である特別演出(第1時短演出パート)を行う、ことを特徴としている。
また、前記演出保留画像表示手段は、前記第1特別遊技の後、前記所定のタイミングにおいて、前記第2記憶手段に記憶されている数値情報の全てを先読みし、先読み対象となった数値情報に対応する前記演出保留画像の全てを、前記大当たりの当選の期待度を示す態様に変化させ、前記演出手段は、前記第2特別遊技の後、1回目の前記第2当否判定に対応する演出から前記第2の上限数以下の数である前記N回目までの前記第2当否判定に対応する演出について、そのN回分の専用の演出である前記特別演出を行う、とよい。
保留連示唆演出のように、大当たり遊技等の特別遊技の実行期間において次の大当たりに対する期待感を生じさせるための演出は行われているが、大当たり遊技の終了後については個々の保留抽選情報について個々のタイミングで期待度を示す予告演出を行っている。しかしながら、大当たり遊技の終了時に保留抽選情報が有る場合や、時短状態の終了時に保留抽選情報が有る場合等、遊技者に有利な状態の終了時に記憶されていた保留抽選情報に遊技者が特別な期待感を持つことがあり、その期待感に合った演出が望まれる。そこで、第4の発明の構成によれば、第1大当たり遊技後に第2記憶手段に数値情報(特図2保留)を溜め、その溜めた特図2保留に基づいて先読みを含む第1特別演出(第2時短演出パート)を行う。その後、大当たりに当選した場合には、その後の第2大当たり遊技後のN回分の演出について第2特別演出(第1時短演出パート)を行う。このように大当たり遊技の終了後の所定回数分の特別演出や先読みを行った全ての演出保留画像を変化させる特別演出を行うことで、大当たり遊技が終了する度に、遊技者に様々な期待感を付与できる。
前記演出手段では、前記第2特別遊技の終了時に前記第2記憶手段に記憶されている数値情報の数を前記Nとする、とよい。第2特別演出の対象を、第2大当たり遊技の終了時点に記憶されている保留抽選情報に限定することで、その保留抽選情報に対してより特別感を持たせることができる。
また、第4の発明の構成にかかる遊技機において、前記第1特別遊技の後、所定の条件を満たすまで前記第2入球口を入球し易い状態とする変位部材(電チュー開閉部材12k)と、前記第1当否判定の結果を示す第1の特別図柄を変動表示するとともに、その変動表示の開始から第1変動時間が経過した後、前記第1の特別図柄を停止表示する第1特別図柄表示手段(第1特図表示器81a)と、前記第2当否判定の結果を示す第2の特別図柄を変動表示するとともに、その変動表示の開始から第2変動時間が経過した後、前記第2の特別図柄を停止表示する第2特別図柄表示手段(第2特図表示器81b)と、を備え、前記所定の条件には、前記第2入球口を入球し易い状態としてから所定回数の特別図柄の変動表示を行ったことが含まれる、とよい。
また、第4の発明の構成にかかる遊技機において、前記第2入球口が入球し易い状態になってから前記所定回数に達する特別図柄の変動表示の開始以後、その特別図柄の変動表示が終了するまでの間に、前記所定のタイミングがある、とよい。時短終了時の最終変動において変化演出を行うことで、変化演出に特別な期待感を付与できる。
また、前記演出保留画像表示手段は、先読み対象となった数値情報に対応する前記演出保留画像を、演出の態様と対応する態様に変化させる、とよい。演出態様と対応する演出保留画像に変化させることで、保留抽選情報に対応する演出の態様を遊技者が想定でき、演出の態様に応じた大当たりの期待度を生じさせることができる。
また、前記第2当否判定手段は、前記第2当否判定において小当たりの判定を含み、前記第2特別遊技実行手段では、前記第2当否判定の結果が大当たりであった場合、前記第2特別遊技を行い、前記第2当否判定の結果が小当たりであった場合、特別入賞口を所定の開放パターンにて開放し、その後、前記特別入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合にも、前記第2特別遊技を行う、とよい。
第5の発明の構成にかかる遊技機(パチンコ遊技機PY1)は、所定の入球口(第2始動口12)と、第1入球状態と、前記第1入球状態と比較して前記入球口に入球し易い第2入球状態と、に変位する変位部材(電チュー開閉部材12k)と、前記入球口への入球に基づいて数値情報を取得する第1数値情報取得手段(遊技制御用マイコン101、S224)と、前記第1数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて少なくとも大当たりの当否判定を含む第1当否判定を行う第1当否判定手段(遊技制御用マイコン101、S1021、S1102)と、前記第1当否判定の結果を示す特別図柄を変動表示するとともに、その変動表示の開始から第1の変動時間が経過した後、前記特別図柄を停止表示する特別図柄表示手段(第2特図表示器81b)と、前記第1当否判定の結果が大当たりの当選の可能性があるものであった場合に、所定の条件を満たすことで、遊技者に有利な特別遊技を行う特別遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S932、S942)と、前記第1数値情報取得手段により取得された数値情報を第1の上限数まで記憶可能な第1記憶手段(第2特図保留記憶部105b)と、所定のゲート(ゲート13)と、前記ゲートへの遊技球の通過に基づいて数値情報を取得する第2数値情報取得手段(遊技制御用マイコン101、S204)と、前記第2数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて普通当たりの当否判定を含む第2当否判定を行う第2当否判定手段(遊技制御用マイコン101、S411、S502)と、前記第2当否判定の結果を示す普通図柄を変動表示するとともに、その変動表示の開始から第2の変動時間が経過した後、前記普通図柄を停止表示する普通図柄表示手段(普図表示器82)と、前記普通図柄表示手段により普通当たりの当選を示す普通当たり停止態様にて普通図柄が停止表示されたことを条件として、所定期間において前記変位部材を前記第2入球状態とする補助遊技を行う補助遊技実行手段(遊技制御用マイコン101、S332)と、前記第2数値情報取得手段により取得された数値情報を第2の上限数まで記憶可能な第2記憶手段(普図保留記憶部106)と、を備え、遊技状態として、第1の遊技状態(非時短状態)と、前記第1の遊技状態よりも前記変位部材が前記第2入球状態になり易い第2の遊技状態(時短状態)があり、遊技状態は、前記特別遊技を行っている間は前記第1の遊技状態であり、前記特別遊技の終了後に前記第2の遊技状態に移行し、前記第2の変動時間は、遊技状態が前記第1の遊技状態であれば第1時間であり、遊技状態が前記第2の遊技状態であれば前記第1時間よりも短い第2時間であり、前記第1時間は、遊技状態が前記第2の遊技状態における前記第1の変動時間よりも短く、かつ前記特別遊技の実行中に前記第2当否判定の実行待ちの数値情報が前記第2記憶手段に記憶され得る時間である第3時間よりも長い、ことを特徴としている。
パチンコ遊技機では、例えば、時短状態と呼ばれる遊技者に有利な状態があり、時短状態になると可変入賞装置(電チュー)が作動し易くなる。電チューが作動することで、遊技球が所定の始動口に入球し易い状態になり、遊技者は遊技球を大きく減らすことなく、大当たりの抽選を受けられる。一方で、時短状態への移行後に電チューの作動が開始されるタイミングにはばらつきがあり、電チューの恩恵を直ぐに受けられるとは限らない。
第1時間(普図の大当たり遊技時(通常時)の変動時間)は、短すぎると大当たり遊技中にも直ぐに消化されてしまい、第2記憶手段での数値情報(普図保留)が貯まり難い。一方で、長すぎると、大当たり遊技等の特別遊技の終了後、遊技者に有利な第2の遊技状態(時短状態)に移行しても普通図柄の変動表示(普図変動)が終了せず、変位部材(可変入賞装置、電チュー)の初回の作動開始タイミングが遅延する。そこで、第5の発明の構成によれば、第1時間を上述のように設定することで、特別遊技の終了した段階で普図保留が貯まっており、かつ特別遊技中に開始された普図変動のその特別遊技終了後のその普図変動の停止表示後に、直ぐに時短状態での普通図柄の変動表示を開始できる。第2時間(時短状態での普図変動の時間)は第1時間よりも短い時間であり、速やかに停止表示して変位部材が作動できる。これにより、変位部材の初回の作動開始タイミングのばらつきを軽減できる。
また、前記第2当否判定では、高確率で普通当たりの当選と判定され、前記第3時間は、遊技球を連続発射した場合に、前記ゲートへの遊技球の通過が検知される平均通過間隔である、とよい。普通当たりの当選確率が高確率であれば、通常時の普図変動時間(第1時間)がゲートの平均通過間隔よりも長いことで、普通図柄の変動表示中に少なくとも1回のゲートの通過が期待でき、普図保留を貯められる。
また、前記第2の上限数は、2以上の数である、とよい。2以上の普図保留が可能になることで、大当たり遊技の終了した段階で複数の普図保留が貯まっており、時短状態への移行後に直ぐに複数回にわたって電チューを作動させることができる。
また、第5の発明の構成にかかる遊技機において、第1特別入賞口(第1大入賞口14)と、第2特別入賞口(第2大入賞口15)と、を備え、前記特別遊技実行手段は、前記第1当否判定の結果が小当たりの当選であった場合に、前記第1特別入賞口を所定の開放パターンにて開放する小当たり遊技を行い、さらに前記第1特別入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合に、前記第2特別入賞口を所定の開放パターンにて開放する大当たり遊技を行う、とよい。
また、前記第2の遊技状態が終了する条件に、前記第2の遊技状態にて前記特別図柄の変動表示が1回行われたこと、が含まれる、とよい。