JP2019054526A - マルチキャスト受信者を追跡するよう構成されるネットワークデバイス - Google Patents

マルチキャスト受信者を追跡するよう構成されるネットワークデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】包括的経路の包括的トンネルと、マルチキャスト受信者の追跡に応じた選択的経路の選択的トンネルとの間でのマルチキャストトラフィックの切り換えのための効率的な技法を提供する。【解決手段】第1のネットワークデバイスは、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別する第1の経路を開始し、マルチキャストのためのリーフ情報要件を指定する。第2の経路を開始し、第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答するマルチキャスト受信者から受信したリーフ情報に基づき、マルチキャストの複数の受信者を追跡するよう構成し、マルチキャストトラフィックは、包括的トンネルと、マルチキャスト受信者の追跡に応じた選択的トンネルとの間で、切り換える。【選択図】図3

Description

本分野は一般に通信ネットワークに関し、より詳細には、かかるネットワークのネットワークデバイスを用いて実装される通信プロトコルに関する。
通信サービスプロバイダは、その顧客向けに、仮想プライベートネットワーク(VPN)を実装することが多い。たとえば、引用により本明細書に組み込まれている、Internet Engineering Task Force(IETF)Request for Comments(RFC)4364、表題「BGP/MPLS IP Virtual Private Networks(VPNs)」において開示される技法によれば、VPNは、インターネットプロトコル(IP)、境界ゲートウェイプロトコル(BGP)、およびマルチプルプロトコルラベルスイッチング(MPLS)を用いて実現され得る。IPv6ネットワークにおけるVPNについての付随規格は、RFC4659、表題「BGP−MPLS IP Virtual Private Network(VPN) Extension for IPv6 VPN」であり、同文献も引用により本明細書に組み込まれる。RFC4364およびRFC4659に基づくIP VPNサービスは、全世界のサービスプロバイダによって広く配備されている。
RFC4364およびRFC4659に従って構成されたVPNは、カスタマサイトをトンネル経由で接続し、あるカスタマサイトから別のカスタマサイトへとIPユニキャストパケットが移動することを可能にする。しかし、こうしたVPNでは、あるカスタマサイトから別のカスタマサイトへとIPマルチキャストトラフィックが移動するためのやり方は提供されない。
RFC4364およびRFC4659において定義されるユニキャストVPNサービスは、引用により本明細書に組み込まれる、RFC6513、表題「Multicast in MPLS/BGP IP VPNs」において開示される技法を用いて、IPマルチキャストトラフィックの処理機能を含むよう拡張することが可能である。RFC6513に従って構成されたVPNは、本明細書でより一般的にマルチキャストVPN(MVPN)と呼ばれるものの例とみなされる。かかるMVPNは、通常、カスタマサイト間のIPマルチキャストパケットの送信をマルチキャストトンネルを用いてサポートするよう構成される。
RFC4364、「BGP/MPLS IP Virtual Private Networks(VPNs)」 RFC4659、「BGP−MPLS IP Virtual Private Network(VPN) Extension for IPv6 VPN」 RFC6513、「Multicast in MPLS/BGP IP VPNs」 RFC6514、「BGP Encodings and Procedures for Multicast in MPLS/BGP IP VPNs」 RFC6625、「Wildcards in Multicast VPN Auto−Discovery Routes」
RFC6513によって定義されるような従来のMVPN構成は、特定の状況下では問題となり得る。たとえば、これらの構成は、マルチキャスト用のトラフィックをマルチキャスト受信者が受信できるようにするために包括的経路がマルチキャスト送信者によって開始されている(originate)場合には、非効率的なものとなり得る。こうした構成において、包括的経路の一部であるすべてのプロバイダエッジ要素は、それらのプロバイダエッジ要素のいくらかが実際にはマルチキャストに参加していない場合でも、マルチキャストジョインメッセージを発行することにより、マルチキャストトラフィックを受信することになる。これはネットワークリソースを浪費しているだけでなく、マルチキャスト受信者の追跡を試みる際、支障をきたすおそれもある。
本発明の例示的実施形態は、包括的経路の使用に関連した、上記の問題を克服するものである。かかる実施形態は、好都合なことに、MPLS/BGP IP VPN、ならびに他の通信ネットワークの文脈において、マルチキャスト受信者の明確な追跡を実現する。さらに、かかる実施形態は、包括的経路の包括的トンネルと、マルチキャスト受信者の追跡に応じた選択的経路の選択的トンネルとの間でのマルチキャストトラフィックの切り換えのための効率的な技法を提供する。
一実施形態では、1つまたは複数の他のネットワークデバイスとの通信のために構成される第1のネットワークデバイスが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別する第1の経路を開始することと、マルチキャストのためのリーフ情報要件を指定するが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルは識別しない、第2の経路を開始することと、第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答するマルチキャスト受信者から受信したリーフ情報に少なくとも部分的に基づき、マルチキャストの複数の受信者を追跡することとを行うよう構成される。
たとえば、第1の経路が、マルチキャストのための包括的トンネルを識別するトンネル属性を有する包括的経路を含んでもよく、第2の経路が、それがトンネル情報を搬送しないことを示すよう構成されるトンネル属性を有する選択的経路を含んでもよい。
選択的経路のトンネル属性は、そのトンネル属性のトンネルタイプフィールドを所定の値に設定することで、それがトンネル情報を搬送しないことを示すよう構成されてよい。
包括的および選択的経路として、具体的にはそれぞれI−PMSI A−DおよびS−PMSI A−D経路を挙げることができ、これらについては本明細書の別の箇所でより詳細に説明する。
第2の経路の指定されたリーフ情報要件は、第2の経路のトンネル属性のリーフ情報フィールドを所定の値に設定することによって確立され得る。より詳細な例としては、第2の経路のトンネル属性のリーフ情報フィールドが、指定されたリーフ情報要件を示すために論理1値に設定された、リーフ情報要求フラグを含み得る。
第1のネットワークデバイスは、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別するように第2の経路を更新することにより、第1の経路によって識別されたトンネルから、第2の経路によって識別されたトンネルへと、マルチキャスト用のトラフィックを切り換えるようさらに構成され得る。第1のネットワークデバイスは、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルをもはや識別しないように第2の経路を更新することで、第2の経路によって識別されたトンネルから第1の経路によって識別されたトンネルへと戻るよう、マルチキャスト用のトラフィックを後に切り換えることが可能である。
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイスは、IP−MPLSネットワークに関連付けられた、それぞれのルータまたは他のプロバイダ要素を備え得るが、他の実施形態では、その他多様なネットワークデバイスおよび通信ネットワークが用いられてよいことを理解されたい。
本発明の例示的一実施形態における、マルチキャスト受信者を追跡する機能を実装した通信ネットワークを示す図である。 図1のネットワークの1つの可能な実装形態における、第1および第2のネットワークデバイスをより詳細に示す図である。 マルチキャスト送信者として動作する図2のネットワークデバイスのうちの1つによって実行される、例示的処理のフロー図である。 マルチキャスト受信者として動作する図2のネットワークデバイスのうちの1つによって実行される、例示的処理のフロー図である。 図3および図4の処理に伴い利用される、例示的トンネル属性のフォーマットを示す図である。 図3および図4の処理に伴い利用される、例示的フラグフィールドのフォーマットを示す図である。
本明細書では、本発明の例示的実施形態を、例示的な通信ネットワーク、ネットワークデバイス、および関連する通信プロトコルを参照しながら説明する。ただし、本発明は、説明する特定の構成での使用に限定されるものではなく、むしろ、マルチキャスト受信者の追跡を容易にすることが望ましい、あらゆる通信ネットワーク用途に広く適用可能であることを理解されたい。
図1は、通信ネットワーク100を示しており、コア104とBGP経路リフレクタ(RR)105を有するIP−MPLSネットワーク102がこれに含まれる。IP−MPLSネットワーク102には、マルチキャストソース108と、プロバイダエッジ(PE)要素110−1、110−2、110−3、110−4、および110−5(それぞれPE1、PE2、PE3、PE4、およびPE5と示す)を含む、複数のPE要素とが含まれる。PE要素110−5は、マルチキャストソース108とコア104の間で結合されているが、水平線112が表すように、図には明示しない追加のネットワークデバイスにより、マルチキャストソースから分離されてもよい。
PE要素110の各々は、少なくとも1つのMVPNのサイトを表しており、送信者−受信者サイト、送信者サイト、および受信者サイトのうちの1つとして特徴付けることができる。具体的に述べると、本実施形態では、PE要素110−5がMVPNの送信者サイトと仮定され、PE要素110−1から110−4は、同MVPNの各受信者サイトと仮定される。
このような特定の構成となるサイト型の指定は単なる例示にすぎず、通信ネットワーク100の所与のPE要素のサイト型は、時間の経過とともに変化し得ることを理解されたい。また、他の実施形態では、追加または代替のサイト型セットが利用される可能性もある。サイト型に関するさらなる詳細は、先に触れたRFC6513において見出すことができる。
MVPNの送信者および受信者サイトは、本明細書においてそれぞれマルチキャスト送信者およびマルチキャスト受信者と、より一般的に呼ばれるものの例である。
所与のMVPNのソースに最も近いPE要素は、そのMVPNのルートPE要素と呼ばれる。本実施形態では、MVPNのルートPE要素は、PE要素110−5となる。上述したように、かかるPE要素は、ソースに直接接続されても、1つまたは複数のネットワークの1つまたは複数のネットワークデバイスを介して接続されてもよい。MVPN用のマルチキャストトラフィックを搬送する所与のトンネルは、ルートPE要素にて開始することになる。
所与のMVPNの受信者サイトを含むか、これに関連付けられたPE要素は、そのMVPNのリーフPE要素と呼ばれる。MVPN用のマルチキャストトラフィックを搬送する所与のトンネルは、リーフPE要素で終端することになる。PE要素110−1から110−4は、本実施形態におけるリーフPE要素の例とみなされる。
所与のMVPNのために確立されたマルチキャストトンネルは、個々の受信者サイトに対するトラフィックの複製を回避することで、ネットワークリンクを効率的に使用する。こうしたトンネルは、マルチキャストトラフィックに関して、一方向性のものである。RFC6513によれば、通常、各サイトは、各々のピアサイトに対し、トンネルを介した接続を確立することが求められる。たとえば、RFC6513に従ってPEのペア間に通常確立されるトンネルとして、プロバイダマルチキャストサービスインタフェース(PMSI)のPトンネルが挙げられ、同トンネルは、包括的PMSI(I−PMSI)トンネルや選択的PMSI(S−PMSI)トンネルを含み得る。かかるトンネルは、マルチキャストツリーを構築するのに使用される。マルチキャストツリーには、上述した送信者および受信者PE要素が、それぞれ、同マルチキャストツリーのルートおよびリーフPEとして含まれる。
BGP経路および関連するトンネル属性は、所与のPE要素により、他のすべてのPE要素に向けて、I−PMSIまたはS−PMSIトンネルを識別するトンネル属性を含むI−PMSIまたはS−PMSIオートディスカバリ(A−D)経路という型式で、アドバタイズまたは送信され得る。MVPNの文脈におけるBGPおよびA−D経路の従来の態様に関する詳細は、引用により本明細書に組み込まれている、RFC6514、表題「BGP Encodings and Procedures for Multicast in MPLS/BGP IP VPNs」において開示されている。
図1に示すように、PE要素110の各々は、仮想ルーティングおよび転送(VRF)テーブルを保持している。所与のかかるテーブルには、対応するPE要素と、所与のMVPNに関連付けられた他のPE要素との間の経路を特徴付ける情報が含まれる。図1の実施形態におけるVRFテーブルは、本明細書でより一般的に「ルーティングテーブル」と呼ばれるものの例と見てよい。所与のPE要素が持つVRFテーブルまたは他のルーティングテーブルは、当該PE要素のルーティング情報基盤(RIB)の一部と考えることができる。
各受信者PE要素110のVRFテーブルは、マルチキャストジョインメッセージを処理する際に利用される。本実施形態では、このマルチキャストジョインメッセージに、マルチキャストグループGのソースSへの経路を開始するよう各々が構成された、(S,G)ジョインメッセージが含まれる。これらのメッセージは、プロトコルインデペンデントマルチキャスト(PIM)メッセージやインターネットグループマネジメントプロトコル(IGMP)メッセージとして構成されたり、または図で示すように、それらの組合せであったりしてよいが、他のプロトコルが使用されてもよい。
図1に示す(S,G)ジョインメッセージは、一般に「ソースジョイン」とも呼ばれる。(*,G)ジョインメッセージなど、他のタイプのジョインメッセージが用いられてもよい。それらは一般に「シェアジョイン」とも呼ばれる。
図1のマルチキャストは、例示的に(S,G)マルチキャストとなっているが、本明細書で開示するマルチキャスト受信者の追跡および関連マルチキャストトラフィックの切り換え技法は、(*,G)マルチキャスト、(S,*)マルチキャスト、および(*,*)マルチキャストを含む、多種多様な他のタイプのマルチキャストに対しても適用可能である。なお、*は、未指定のマルチキャストソースやマルチキャストグループを表すワイルドカードである。いま挙げた3つのマルチキャストタイプについて、より具体的には、それぞれ(C−*,C−G)、(C−S,C−*)、および(C−*,C−*)タイプのワイルドカードマルチキャストが含まれ得る。なお、C−SおよびC−Gは、それぞれ、カスタマ空間におけるマルチキャストソースおよびグループのアドレスを表している。さらなる詳細については、引用により本明細書に組み込まれている、RFC6625、「Wildcards in Multicast VPN Auto−Discovery Routes」を参照されたい。
送信者PE要素110−5は、本実施形態において、受信者PE要素110−1から110−4に対する、アップストリームマルチキャストホップ(UMH)ノードとしても表される。受信者PE要素110−1から110−3は、図示するPIMまたはIGMPジョインメッセージを受信し、送信者PE要素110−5を経由したマルチキャストソース108への経路を確立するために、対応するジョインメッセージを発信する。BGP RR105は、受信者PE要素110−1から110−3からジョインメッセージを受信し、それらをUMH送信者PE要素110−5へとリフレクトする。これらの通信は、図において相対的に細い相互接続線で示された内部BGP(iBGP)メッシュ上で発生する。BGP RR105が各PE要素110に対するピアとしてサービスすることで、各PE要素が他のPE要素の各々とフルメッシュ構成でピアリングする必要はなくなる。このピアリングの文脈において、BGP RRは経路リフレクタサーバとも呼ばれ、PE要素はそれぞれ経路リフレクタクライアントと呼ばれる。
UMH送信者PE要素110−5は、ジョインメッセージに基づいて自身のVRFテーブルを更新し、マルチキャストソース108から受信したマルチキャストトラフィックを、マルチキャストツリーを介して受信者PE要素110−1から110−4へと送信する。マルチキャストトラフィックについて関連付けられたトンネルは、例示的にPMSIトンネルとして表す、図において相対的に太い相互接続線で示されている。
ただし、本明細書のMVPNは、RFC6513やRFC6514に従った構成に限定されるものではなく、その他の多種多様なMVPN構成が本発明の実施形態において使用可能であることを理解されたい。
PE要素およびマルチキャストソースは、ネットワーク100の各ノードの例であるとみなしてよい。他の実施形態では、数多くの他のタイプおよび構成を持つノードが使用され得る。よって、たとえば、必ずしもPE要素というわけではない、他のタイプのプロバイダ要素が用いられてもよい。本明細書で使用される「ノード」という用語は広義に解釈されることを意図したものであり、したがって、たとえば、ネットワークデバイス全体が含まれることも、またはあるネットワークデバイスが持つ1つまたは複数の構成要素を含むこともある。
通信ネットワーク100のノードは、固定型でも移動型でもよい。したがって、所与の通信ネットワークでは、固定型ノードと移動型ノードがさまざまな組合せで使用され得ると同時に、他のネットワークでは、すべてのノードが固定型となることも、すべてのノードが移動型となることも考えられる。所与の通信ネットワーク内の各ノードが実質的に同一の方法で構成されてもよいし、所与のネットワークのノードの異なるサブセットごとに異なる構成が用いられてもよい。
本明細書に開示する特定の実施形態では、こうしたノードの各々は、別個のネットワークデバイスに相当するものと仮定している。ネットワークデバイスには、ルータ、スイッチ、コンピュータ、またはその他の処理デバイスが、あらゆる組合せにおいても含まれ得る。所与のネットワークデバイスは、通常、プロセッサ、および同プロセッサに結合されたメモリに加え、同ネットワークデバイスが他のネットワークデバイスと通信することを可能にする、1つまたは複数の送受信機または別種のネットワークインタフェース回路を備えることになる。したがって、通信ネットワーク100のPE要素110は、本明細書でより一般的に「ネットワークデバイス」と呼ばれるものの例とみなされる。
先に述べた通り、RFC6513およびRFC6514が定義するような従来のMVPN構成は、マルチキャスト受信者の追跡に適した技法を提供しないという点で、問題を抱えたものである。
たとえば、図1の実施形態の文脈において、プロバイダ要素PE5が、I−PMSIトンネル上で(S,G)マルチキャスト用のマルチキャストトラフィックを送信していると仮定する。このマルチキャストトラフィックは、当該I−PMSIトンネルに参加しているその他すべてのPE(例示的にPE1からPE4)によって受信される。しかし、図1に示すように、PE4は(S,G)マルチキャストのためのジョインメッセージを発信していない。よって、PE4は、(S,G)マルチキャストのためのジョインメッセージを発信していないにもかかわらずマルチキャストトラフィックを受信しており、ネットワークリソースの非効率な使用およびネットワーク性能の低下につながっている。
この問題は、本発明の1つまたは複数の実施形態では、たとえば、マルチキャストトラフィックの搬送のためではなく、マルチキャスト受信者の追跡を容易にするために、別個の経路(例示的にはS−PMSI A−D経路)を開始するようネットワークデバイスを構成することによって対処される。このような構成は、対応するマルチキャストのためのジョインメッセージを発信していないネットワークデバイスに対するマルチキャストトラフィックの送信を回避するのに役立ち、それにより、ネットワークリソースが温存されるとともに、ネットワーク性能も改善する。たとえば、このような構成を用いることで、マルチキャスト送信者は正確かつ効率的にマルチキャスト受信者を決定することが可能となり、必要があれば、それらのマルチキャスト受信者のみが関連を持つ選択的トンネルへとマルチキャストトラフィックを切り換えることも可能となる。
通信ネットワーク100が持つ、マルチキャスト受信者追跡および関連マルチキャストトラフィック切り換え機能は、図2から図5を参照しながら、以下でより詳細に説明する。
初めに、図2を参照する。ネットワーク100の部分200には、第1および第2のネットワークデバイス202および204が含まれる。第1のネットワークデバイス202はPE5などのマルチキャスト送信者に相当し、第2のネットワークデバイス202はマルチキャスト受信者PE1からPE3のうちの1つに相当すると仮定するが、その他の構成とすることも可能である。たとえば、所与のネットワークデバイスが、あるマルチキャストに関してはマルチキャスト送信者として動作し、別のマルチキャストに関してはマルチキャスト受信者として動作するということも可能である。よって、本明細書で広く使用される意味での所与のネットワークデバイスは、マルチキャスト送信者とマルチキャスト受信者の双方の機能を備え得る。
図2の実施形態では、第1のネットワークデバイス202が第2のネットワークデバイス204と通信するよう構成され、その逆も同様である。第1のネットワークデバイス202は、ルーティングテーブル208に結合されたメッセージングモジュール206を含む、コントローラ205を備える。第1のネットワークデバイス202は、コントローラ205およびメモリ212に結合された、プロセッサ210をさらに備える。第2のネットワークデバイス204は、ルーティングテーブル218に結合されたメッセージングモジュール216を含む、コントローラ215を備える。第2のネットワークデバイス204は、コントローラ215およびメモリ222に結合された、プロセッサ220をさらに備える。
また、図2の実施形態では、メッセージングモジュール206と216を利用することで、コントローラ205と215の間でBGPメッセージが交換される。これらの要素は、上述したRF6513および6514に記述されるものと類似したMVPN機能を実装することを前提としているが、本明細書で開示するような、マルチキャスト受信者を追跡し、マルチキャストトラフィックの切り換えを行うための機能をサポートするよう、適切に修正される。
図では、ネットワークデバイス202と204が互いに隣接するよう示されているが、これは例示のみを目的に、簡単かつ明瞭を期してのものであって、これらのネットワークデバイスは、無論、明示しない1つまたは複数の別のネットワークデバイスを介した相互通信が可能である。たとえば、ネットワークデバイス202および204は、それぞれが例示的に図1のPE要素PE5およびPE1に相当し得うるものであり、コア104およびBGP RR105の各々と関連付けられた1つまたは複数のネットワークデバイスを含む他のネットワークデバイスを介して、相互に通信を行う。
図2に示すネットワークデバイス構成要素が持つ特定の構成は単なる例示にすぎず、他の実施形態では、多数の代替的ネットワークデバイス構成が使用され得ることも理解されよう。たとえば、ネットワークデバイスは、他の通信プロトコルによる他のさまざまなタイプのメッセージングに対するサポートを組み込むよう構成され得る。
第1および第2のネットワークデバイス202および204に関連する、マルチキャスト受信者の追跡に関連する例示的処理について、図3および図4を参照しながら、以下に説明する。具体的には、図3の処理は、PE5などのマルチキャスト送信者として動作する第1のネットワークデバイス202によって実行されることを前提としており、図4の処理は、PE1からPE3などのマルチキャスト受信者として動作する第2のネットワークデバイス204によって実行されることを前提としている。上述したように、PE4はマルチキャストへの参加を望まないものと仮定する。
図3を参照する。図示した処理にはステップ300から308が含まれており、これらのステップは、第1のネットワークデバイス202が、自身のコントローラ205と、関連付けられたメッセージングモジュール206およびルーティングテーブル208とを利用することによって実行される。
ステップ300において、第1のネットワークデバイス202は、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別する、第1の経路を開始する。
第1の経路は、そのマルチキャスト用の包括的トンネルを識別するトンネル属性を持った、包括的経路を例示的に含む。たとえば、第1の経路は、I−PMSIトンネルを識別するトンネル属性を持った、I−PMSI A−D経路を含み得る。他の実施形態では、他のタイプのトンネルが使用されてよい。
ステップ302において、第1のネットワークデバイス202は、マルチキャストのためのリーフ情報要件を指定するが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルは識別しない、第2の経路を開始する。
第2の経路は、それがトンネル情報を搬送しないことを示すよう構成されたトンネル属性を有する、選択的経路を例示的に含む。たとえば、第2の経路は、S−PMSIトンネルを識別しないトンネル属性を持った、S−PMSI A−D経路を含み得る。選択的経路のトンネル属性は、そのトンネル属性のトンネルタイプフィールドを所定の値に設定することで、それがトンネル情報を搬送しないことを示すよう構成されてよい。
第2の経路の指定されたリーフ情報要件は、第2の経路のトンネル属性のリーフ情報フィールドを所定の値に設定することにより、例示的に確立される。具体的には、第2の経路のトンネル属性のリーフ情報フィールドが、指定されたリーフ情報要件を示すために第1のネットワークデバイス202によって論理1値に設定された、リーフ情報要求フラグを含み得る。
図5Aには、PMSIトンネル属性500に関する例示的フォーマットが示されている。このトンネル属性フォーマットは、I−PMSI A−D経路とS−PMSI A−D経路のどちらに対しても使用することが可能である。この例示的フォーマットでのPMSIトンネル属性500には、フラグフィールド502、トンネルタイプフィールド504、MPLSラベルフィールド506、およびトンネル識別子フィールド508が含まれる。
図5Bは、フラグフィールド502のフォーマットをより詳細に示している。この例示的フォーマットでは、フラグフィールド502には、複数の予約フラグ510と、1つのLフラグ512とが含まれる。Lフラグ512は上述したリーフ情報要求フラグであり、かつ対応するPMSIトンネルにリーフ情報が必要か否かを示すシングルビットフラグである。
図5Aおよび図5Bに示す特定のフォーマットは単なる例示にすぎず、他の実施形態では、他のトンネル属性フォーマットが使用可能であることを理解されたい。
図3を再度参照する。ステップ304において、第1のネットワークデバイス202は、第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答する複数のマルチキャスト受信者から、リーフ情報を受信する。第2のネットワークデバイス204は、これらのマルチキャスト受信者のうちの1つであると仮定される。
第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答するマルチキャスト受信者のうちの所与の受信者から受信したリーフ情報には、指定されたリーフ情報要件に応答する所与のマルチキャスト受信者によって開始されたリーフA−D経路に関連付けられた情報が例示的に含まれる。
また、指定されたリーフ情報要件に応答して、所与のマルチキャスト受信者は、第2の経路への転送パスを確立しない。
ステップ306において、第1のネットワークデバイス202は、第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答するマルチキャスト受信者から受信したリーフ情報に少なくとも部分的に基づき、マルチキャストの複数の受信者を追跡する。
第1のネットワークデバイス202によって追跡されたマルチキャスト受信者には、図1のPE要素PE1、PE2、およびPE3など、マルチキャストジョインメッセージを発行することによってマルチキャストに参加している各PE要素が例示的に含まれる。マルチキャストジョインメッセージを発行していないPE4などの他のPE要素は、第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答したリーフ情報を送信することはなく、したがって、第1のネットワークデバイス202によってマルチキャスト受信者として追跡はされない。
このような構成を用いることで、マルチキャスト送信者は、適切なマルチキャスト受信者を識別し追跡することが可能になり、それにより、マルチキャストトラフィックがマルチキャストに参加していないPE要素に送信されるという問題を持つ状況が回避される。たとえば、マルチキャスト送信者は、マルチキャストトラフィックを選択的トンネルへと切り換えることなく、マルチキャスト受信者を識別し追跡することが可能になる。
マルチキャスト送信者は、マルチキャストトラフィックを包括的トンネルから選択的トンネルへと切り換えるべきか否かを決定するため、追跡されるマルチキャスト受信者に関する情報を利用することができる。たとえば、通信ネットワーク内に100個のPE要素が存在し、そのうちの99個が、図3の処理のステップ300から306を用いることにより、マルチキャスト受信者であると決定された場合、包括的トンネルを通じてマルチキャストトラフィックを送信し続けるほうが、マルチキャスト送信者にとってより効率的である可能性が高い。しかし、100個のPE要素のうちの比較的少数がマルチキャスト受信者と決定されたのであれば、マルチキャスト送信者は、マルチキャストトラフィックを選択的トンネルへと切り換えることも可能である。この切り換えは、第2の経路を、そのトンネル属性のもとで識別された選択的トンネルを用いて再開始することによって行われる。
ステップ308において、第1のネットワークデバイス202は、第2の経路を取り消すことにより、マルチキャスト受信者の追跡を無効化する。
上で示したように、いくつかの実施形態では、図3の処理のステップ300から306が少なくとも1度行われた後に、第2の経路を用いてトンネル情報を伝達することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、第1のネットワークデバイス202は、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別するために第2の経路を更新することにより、第1の経路によって識別されたトンネルから、第2の経路によって識別されたトンネルへと、マルチキャスト用のトラフィックを切り換える。このような構成では、第1のネットワークデバイス202は、その後引き続き、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを第2の経路がもはや識別しないように第2の経路を再度更新することで、第2の経路によって識別されたトンネルから、第1の経路によって識別されたトンネルへと戻るように、マルチキャスト用のトラフィックを切り換えることが可能である。
図4を参照する。図示した処理にはステップ400から404が含まれており、これらのステップは、第2のネットワークデバイス204が、自身のコントローラ215と、関連付けられたメッセージングモジュール216およびルーティングテーブル218とを利用することによって実行される。
ステップ400において、第2のネットワークデバイス204は、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別する、第1の経路が開始されているマルチキャストに参加する。これは、図3のステップ300で第1のネットワークデバイス202によって第1の経路が開始されたマルチキャストにあたる。
ステップ402において、第2のネットワークデバイス204は、マルチキャストのために開始されているが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルは識別しない、第2の経路によって指定されたリーフ情報要件を取得する。これは、図3のステップ302で第1のネットワークデバイス202によって開始された第2の経路にあたる。
ステップ404において、第2のネットワークデバイス204は、マルチキャスト受信者の追跡に使用するための、第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答したリーフ情報を提供する。上述したように、これには、指定されたリーフ情報要件に応答したリーフA−D経路の開始を例示的に伴う。また、リーフ情報は、第2の経路への転送パスを確立することなく提供される。
第2のネットワークデバイス204および他のマルチキャスト受信者が提供するリーフ情報には、図3のステップ304で第1のネットワークデバイス202が受信するリーフ情報が総じて含まれる。
その後、第2のネットワークデバイス204は、当該マルチキャストに関連するプルーンメッセージを受信し、そのプルーンメッセージに応じたリーフA−D経路を取り消すことができる。
また、第2のネットワークデバイス204は、第1のネットワークデバイス202によってなされた第2の経路に対する更新に基づき、マルチキャスト用のトンネルを切り換えることも可能である。たとえば、第2のネットワークデバイスは、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルの識別を目的とする第2の経路の更新に応じて、第1の経路によって識別されたトンネルから第2の経路によって識別されたトンネルへの切り換えを行うことができる。
このような構成では、第2のネットワークデバイス204は、その後、第2の経路がマルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルをもはや識別しないように第1のネットワークデバイス202が第2の経路をさらに更新したのに応じて、第2の経路によって識別されたトンネルから、第1の経路によって識別されたトンネルへと戻るように切り換えを行うことが可能である。
図3および図4の実施形態では、第2の経路を使用してリーフ情報要件を指定することにより、マルチキャスト送信者が極めて正確かつ効率的な方法でマルチキャスト受信者を決定することが可能となる。好都合なことに、これによってマルチキャスト送信者は、マルチキャストトラフィックを包括的トンネルから選択的トンネルへと切り換えるべきか否かを決定することが可能となる。たとえば、図1の実施形態において、PE1、PE2、およびPE3が実際のマルチキャスト受信者であるとの決定を受けて、PE5は、PE4がマルチキャストトラフィックを受信する包括的トンネルから、PE4がマルチキャストトラフィックを受信することのない選択的トンネルへと、マルチキャストトラフィックを切り換えることができる。これにより、ネットワークリソースが温存され、ネットワーク性能も強化される。
図3および図4のフロー図と併せて上で説明した、特定の処理ステップおよび他の操作は、単なる例示にすぎず、他の実施形態では、追加または代替の処理ステップや操作が用いられてもよい。たとえば、図で順次に示した特定のステップは、ある状況では、少なくとも部分的に互いが並行して実行されてもよい。さらに、図3の処理のステップは第1の処理デバイス202によって実行され、図4の処理のステップは第2の処理デバイス204によって実行されるものと説明しているが、これは例示のためであり、これらの処理または部分は、各々が別のネットワークデバイスによって実行されても構わない。また、各処理のうちの所与の1つについて、一部があるネットワークデバイスによって実行され、一部が別のネットワークデバイスによって実行される可能性もあり得る。
図3および図4の例示的処理について考えられる1つの適用形態を、図1のPE要素110−1から110−5を参照しながら以下に説明する。先に触れたように、本例では、PE5をマルチキャスト送信者と仮定し、PE1からPE3を各マルチキャスト受信者と仮定している。また、本例の文脈では、図1において関連するマルチキャストジョインメッセージが欠落していることが示す通り、PE4はマルチキャストに参加することを望まないものと仮定している。最後に、マルチキャスト送信者PE5は、(S,G)マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのI−PMSIトンネルを識別する、I−PMSI A−D経路を開始すると仮定している。
(S,G)マルチキャストに向けてマルチキャスト受信者を追跡するため、PE5は、トンネル属性を有するS−PMSI A−D経路の開始も行う。このトンネル属性は、論理1値に設定された自身のリーフ情報要求フラグと、トンネル情報を搬送しないことを示すよう設定された自身のトンネルタイプフィールドとを有する。したがって、このS−PMSI A−D経路は、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのS−PMSIトンネルの識別は行わない。
リーフ情報要求フラグに応じて、マルチキャスト受信者PE1、PE2、およびPE3は、各々がリーフA−D経路を開始するが、S−PMSI A−D経路への転送パスは設定しない。ただし、PE4はリーフA−D経路を開始しない。これにより、PE5がマルチキャスト受信者であるPE1、PE2、およびPE3を識別し、これらを追跡することが可能になる。上述したように、PE5は、PE4がマルチキャストトラフィックを受信する包括的トンネルから、PE4がマルチキャストトラフィックを受信しない選択的トンネルへと、マルチキャストトラフィックを切り換えることが可能であり、これにより、PE4に向けたマルチキャストトラフィックの送信が回避される。
マルチキャスト受信者であるPE1、PE2、またはPE3のいずれかが、後に(S,G)マルチキャストに関するプルーンメッセージを受信した場合、そのPE要素は、予め開始したリーフA−D経路を取り消す。これにより、PE5は、受信者がマルチキャストを抜けた場合も、現在のマルチキャスト受信者のセットを正確に追跡し続けることができる。その結果、PE5は、残っているマルチキャスト受信者に基づき、トンネルタイプを適切に調整することが可能となる。
PE5は、I−PMSIトンネルからS−PMSIトンネルへとマルチキャストトラフィックの切り換えると決めた場合、S−PMSI A−D経路を、そのトンネル属性がS−PMSIトンネルを識別するように更新し、次いで、更新されたS−PMSI A−D経路を再開始する。
マルチキャスト受信者は、更新されたS−PMSIトンネル属性を認識し、更新されたS−PMSI A−D経路内でアドバタイズされるトンネルからトラフィックを受信するため、各々が持つマルチキャスト用の転送パスを設定する。このシナリオでは、次いで、S−PMSI A−D経路を、リーフ情報要求フラグを論理0値に再設定(リセット)しつつも、他のすべての情報には変更を加えず再開始することにより、追跡を無効化することができる。ただし、このシナリオにおいて、RSVPなど、トンネルがルートからリーフに向けて構築される特定のプロトコルについては、通常、追跡は無効化されない。
その後、PE5は、I−PMSIトンネルにトラフィックが戻るよう切り換えると決めた場合、S−PMSI A−D経路を、それがトンネル情報を搬送しないことを再度示すようトンネルタイプを設定するように更新する。次いで、マルチキャスト受信者は、I−PMSIトンネルからトラフィックを受信するため、各々が持つマルチキャスト用の転送パスを設定する。
図1のPE要素110に対する図3および図4の処理の適用形態に関連付けて上述した操作は、例示のみを目的に示したものであり、他の実施形態では、これらまたは類似の処理を実装するため、他の操作が用いられてもよい。
図2を再度参照する。図3と図4の処理をそれぞれ実装するネットワークデバイス202および204は、それぞれのプロセッサ210および220と、それぞれのメモリ212および222とを備えている。かかるネットワークデバイスのプロセッサ210または220は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または別種の処理回路、および、かかる処理回路の一部または組合せを利用して実装することが可能である。プロセッサには、内部メモリとして、1つまたは複数の埋め込みメモリが含まれ得る。
プロセッサ210または220、および関連する内部または外部メモリは、対応するネットワークデバイス202または204の動作制御用となる、1つまたは複数のソフトウェアプログラムの記憶や実行に際して使用され得る。したがって、ネットワークデバイス202内のコントローラ205が持つ1つまたは複数のモジュール206および208、ネットワークデバイス204内のコントローラ215が持つ1つまたは複数のモジュール216および218、またはこれらのモジュールの一部は、こうしたソフトウェアプログラムを少なくとも部分的に用いることによって実装可能である。
ネットワークデバイス202および204が持つメモリ212および222の各々は、プログラムコードの記憶に利用可能な1つまたは複数の記憶領域を含むことを前提としている。よって、メモリ212または222は、本明細書でより一般的にコンピュータプログラム製品と呼ばれるものの一例であり、さらに押し並べていえば、実行可能なプログラムコードを組み込んだプロセッサ可読記憶媒体であると考えてよい。プロセッサ可読記憶媒体の他の例としては、ディスクや別種の磁気または光メディアを、どのような組合せであれ挙げることができる。かかるコンピュータプログラム製品またはプロセッサ可読記憶媒体を備えた製品は、本発明の実施形態であるとみなされる。
メモリ212または222の具体例としては、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、または他のタイプの揮発性もしくは不揮発性電子メモリといった、電子ランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。不揮発性電子メモリの例としては、フラッシュメモリ、磁気RAM(MRAM)、相変化RAM(PC−RAM)、または強誘電体RAM(FRAM(登録商標))などの不揮発性メモリが挙げられる。本明細書で使用される「メモリ」という用語は、広義に解釈されることを意図しており、たとえば、リードオンリメモリ(ROM)、ディスクベースメモリ、または他のタイプの記憶装置、ならびに、そのようなデバイスの一部または組合せを、追加的または代替的に包含し得る。
通信ネットワーク100の所与のネットワークデバイスのプロセッサ、メモリ、コントローラ、および他の構成要素には、上述したマルチキャスト受信者の追跡および関連するマルチキャストトラフィックの切り換え機能の少なくとも一部を実装するよう適切に修正された、よく知られている回路が含まれ得る。かかる回路の従来の態様は、当業者にはよく知られたものであるため、本明細書では詳述しない。
図2に示したネットワークデバイス構成要素に関する特定の構成は単なる例示にすぎず、他の実施形態では、多数の代替的ネットワークデバイス構成が使用され得ることを理解されたい。たとえば、ネットワークデバイスは、追加または代替の構成要素を組み込み、他の通信プロトコルをサポートするよう構成されてよい。
上述したように、本発明の実施形態は、ネットワークデバイスの処理回路や通信ネットワークの他の処理デバイスによって実行される1つまたは複数のソフトウェアプログラムを、各々が備える製品という形態で実装され得るものである。
また、本発明の実施形態は、組合せを問わない1つまたは複数のASIC、FPGA、または別種の集積回路デバイスにおいて実装可能なものである。かかる集積回路デバイスに加え、その一部や、その組合せは、本明細書でいう「回路」の一例である。
本発明の実施形態の実装に際して、ハードウェア、および関連ソフトウェアまたはファームウェアに関する多種多様な他の構成が用いられてよい。
本明細書において、いくつかの例示的実施形態をIP、BGP、およびMPLSなどの特定の通信プロトコルの文脈で説明したが、他の実施形態では別種のネットワークが用いられてよい。したがって、本明細書で使用した「ネットワーク」という用語は、広義に解釈されることを意図したものである。
上記の実施形態は、例示のみを目的としたものであり、いかなる意味でも限定と解釈すべきでないことは再度強調せねばなるまい。他の実施形態では、通信ネットワーク内でのマルチキャスト受信者の追跡および関連マルチキャストトラフィックの切り換え機能を実装することを目的とした、さまざまなタイプのネットワーク、デバイスおよびモジュール構成、ならびに代替的通信プロトコルおよび処理ステップが使用され得る。また、例示的実施形態を説明する文脈でなされた個々の仮定は、本発明の要件と解釈すべきではないことも理解されたい。本発明は、こうした個々の仮定が適用されない他の実施形態においても実装可能である。添付する特許請求の範囲に含まれる、これらおよび他多数の代替的実施形態は、当業者であれば容易に理解できよう。

Claims (10)

  1. 1つまたは複数の他のネットワークデバイスとの通信のために構成された第1のネットワークデバイスを備える装置であって、
    第1のネットワークデバイスが、
    マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別する第1の経路を開始することと、
    マルチキャストのためのリーフ情報要件を指定するが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルは識別しない、第2の経路を開始することと、
    第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答するマルチキャスト受信者から受信したリーフ情報に少なくとも部分的に基づき、マルチキャストの複数の受信者を追跡することと
    を行うよう構成される、装置。
  2. 第1の経路が、マルチキャストのための包括的トンネルを識別するトンネル属性を有する包括的経路を含み、第2の経路が、それがトンネル情報を搬送しないことを示すよう構成されるトンネル属性を有する選択的経路を含み、選択的経路のトンネル属性が、トンネル属性のトンネルタイプフィールドを所定の値に設定することにより、それがトンネル情報を搬送しないことを示すよう構成される、請求項1に記載の装置。
  3. 第2の経路の指定されたリーフ情報要件が、第2の経路のトンネル属性のリーフ情報フィールドを所定の値に設定することによって確立され、第2の経路のトンネル属性のリーフ情報フィールドが、指定されたリーフ情報要件を示すために論理1値に設定されるリーフ情報要求フラグを含む、請求項1に記載の装置。
  4. 第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答するマルチキャスト受信者のうちの所与の受信者から受信したリーフ情報が、指定されたリーフ情報要件に応答する所与のマルチキャスト受信者によって開始されたリーフオートディスカバリ経路に関連付けられた情報を含み、指定されたリーフ情報要件が、所与のマルチキャスト受信者に、それが第2の経路への転送パスを確立すべきでないという指示を提供する、請求項1に記載の装置。
  5. 第1のネットワークデバイスが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別するように第2の経路を更新することによってマルチキャスト用のトラフィックを第1の経路によって識別されたトンネルから第2の経路によって識別されたトンネルへと切り換えることと、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルをもはや識別しないように第2の経路を更新することによってマルチキャスト用のトラフィックを第2の経路によって識別されたトンネルから第1の経路によって識別されたトンネルへと切り換えし戻すこととを行うようさらに構成される、請求項1に記載の装置。
  6. 方法であって、
    マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別する第1の経路を開始することと、
    マルチキャストのためのリーフ情報要件を指定するが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルは識別しない、第2の経路を開始することと、
    第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答するマルチキャスト受信者から受信したリーフ情報に少なくとも部分的に基づき、マルチキャストの複数の受信者を追跡することと
    を含み、
    第1の経路と第2の経路とを開始すること、および追跡することが、ネットワークデバイスによって実行される、方法。
  7. 製品であって、
    ネットワークデバイスによる実行時に、
    マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別する第1の経路を開始することと、
    マルチキャストのためのリーフ情報要件を指定するが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルは識別しない、第2の経路を開始することと、
    第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答するマルチキャスト受信者から受信したリーフ情報に少なくとも部分的に基づき、マルチキャストの複数の受信者を追跡することと
    をネットワークデバイスに行わせる実行可能プログラムコードを組み込んだプロセッサ可読記憶媒体を備える、製品。
  8. 1つまたは複数の他のネットワークデバイスとの通信のために構成された第1のネットワークデバイスを備える装置であって、
    第1のネットワークデバイスが、
    マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別する第1の経路が開始されているマルチキャストに参加することと、
    マルチキャストのために開始されているが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルは識別しない、第2の経路によって指定されるリーフ情報要件を取得することと、
    マルチキャスト受信者の追跡に使用するための、第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答したリーフ情報を提供することと
    を行うよう構成される、装置。
  9. 方法であって、
    マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別する第1の経路が開始されているマルチキャストに参加することと、
    マルチキャストのために開始されているが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルは識別しない、第2の経路によって指定されるリーフ情報要件を取得することと、
    マルチキャスト受信者の追跡に使用するための、第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答したリーフ情報を提供することと
    を含み、
    参加すること、取得すること、および提供することが、ネットワークデバイスによって実行される、方法。
  10. 製品であって、
    ネットワークデバイスによる実行時に、
    マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルを識別する、第1の経路が開始されているマルチキャストに参加することと、
    マルチキャストのために開始されているが、マルチキャスト用のトラフィックを搬送するためのトンネルは識別しない、第2の経路によって指定されるリーフ情報要件を取得することと、
    マルチキャスト受信者の追跡に使用するための、第2の経路の指定されたリーフ情報要件に応答したリーフ情報を提供することと
    をネットワークデバイスに行わせる実行可能プログラムコードを組み込んだプロセッサ可読記憶媒体を備える、製品。
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