JP2019049956A - 移送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多様な業種向けにテンプレートを使用したERPパッケージの導入を効率的に行う。【解決手段】複数の顧客企業に対してERPパッケージの導入を支援するシステムにおいてテンプレートの移送を制御する移送方法であって、テンプレートは、複数の業種に対応する機能又は一部の業種に対応する機能を含む複数の機能を実行するために必要な複数のソフトウェアモジュールと該複数のソフトウェアモジュールの動作を決定するために用いられる複数のパラメータ設定とを含む。移送方法は、テンプレートの移送の指示を受け付ける受付ステップと、テンプレートの移送の指示を受けた場合に、テンプレートに含まれる複数のソフトウェアモジュールと、複数のパラメータ設定とを、テンプレートの開発に用いられる第一のサーバから、顧客企業ごとのテストを行うために使用される第二のサーバに移送する移送ステップとを含む。【選択図】図6
Description
本発明は、テンプレートの移送を制御する移送方法に関する。
企業において基幹業務をシステム化しようとする場合、ERP(Enterprise Resource Planning)システムと呼ばれるソフトウェアパッケージ製品を導入することが広く行われている。一般的にERPパッケージには、例えば、物流管理、品質管理、財務・会計管理など企業の運営に必要になると考えられる各種の業務に対応する機能が実装されている。
ERPパッケージは、あらゆる企業に導入可能とするために汎用的に設計されており、導入先企業が要求するシステム仕様に応じたパラメータ設定を行うことで様々にカスタマイズを行うことが可能である。しかしながら、ERPパッケージが持つカスタマイズ項目は膨大であり、実際のカスタマイズには高度なスキルを要する。また、ベンダから提供されるERPパッケージに顧客企業のニーズに合致した機能が実装されていない場合、顧客企業のニーズに応じたアドオン(追加プログラム)の開発も必要になる。そのため、ERPパッケージを導入する企業は、ERPパッケージの導入を支援するコンサルティング会社を利用することが一般的である。
ERPパッケージの導入を支援するコンサルティング会社は、ERPパッケージを顧客企業に導入するまでに要する期間を短縮するために、ERPパッケージを企業に導入する際に必要になると想定される機能を実現するためのパラメータ設定やアドオンの開発やテストを事前に行っておくことが多い。このように、ERPベンダから提供されるERPパッケージに対して事前に作成されたパラメータ設定及びアドオンを組み込んだERPパッケージのことを「テンプレート」と呼ぶ。
コンサルティング会社は、多様な業種の顧客企業にERPパッケージを迅速に導入する必要があることから、予め業種ごとに複数のテンプレートを用意しておき、顧客企業の業種に応じたテンプレートを選択してカスタマイズすることが一般的である。しかしながら、予めテンプレートを用意しておくことで顧客企業へのERPパッケージの導入が容易になる一方で、例えばERPメーカから提供されるERPパッケージに大きな変更がなされる場合には、テンプレートが正しく動作するか否かを確認するテスト等を再度行う必要がある。このような場合に、業種ごとに異なるテンプレートを用意してしまうと、テンプレートごとにテスト等を行う必要があり、コンサルティング会社における負担が大きくなってしまうと共に、ERPパッケージを顧客企業に導入するまでの期間が長くなってしまう可能性があるという問題がある。
すなわち、テンプレートを利用することで、顧客企業へのERPパッケージの導入が迅速に行えるというメリットが存在するものの、その分テスト等に必要な稼働が多くなる可能性があるというデメリットも存在する。
そこで、本発明は、多様な業種向けにテンプレートを提供するコンサルティング会社が、テンプレートを使用したERPパッケージの導入を効率的に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る移送方法は、複数の顧客企業に対してERPパッケージの導入を支援するシステムにおいてテンプレートの移送を制御する移送方法であって、テンプレートは、複数の業種に対応する機能又は一部の業種に対応する機能を含む複数の機能を実行するために必要な複数のソフトウェアモジュールと該複数のソフトウェアモジュールの動作を決定するために用いられる複数のパラメータ設定とを含み、移送方法は、テンプレートの移送の指示を受け付ける受付ステップと、テンプレートの移送の指示を受けた場合に、テンプレートに含まれる複数のソフトウェアモジュールと、複数のパラメータ設定とを、テンプレートの開発に用いられる第一のサーバから、顧客企業ごとのテストを行うために使用される第二のサーバに移送する移送ステップと、を含む。
本発明によれば、多様な業種向けにテンプレートを提供するコンサルティング会社が、テンプレートを使用したERPパッケージの導入を効率的に行うことが可能な技術を提供することができる。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本実施形態では、ERPパッケージの一例として、SAP(登録商標)社が提供するERPパッケージ製品(S/3、S/4HANA、SoH等)を例に説明するが、これに限定されることを意図しているのではない。本実施形態は、SAP(登録商標)社以外のERPパッケージにも適用可能である。
本実施形態では、顧客企業へのERPパッケージの導入を支援するコンサルティング会社(以下、「コンサルティング会社」と言う)が、テンプレートを組み込んだERPパッケージに顧客企業ごとの固有の設定(例えばロゴマーク設定や部署名の設定等)を加えて顧客企業に導入することを前提として説明する。
<システム概要>
(システム構成)
図1は、本実施形態に係るERP管理システム1の全体構成の一例を示す図である。ERP管理システム1は、顧客企業へのERPパッケージの導入を支援するコンサルティング会社が使用するサーバと、ERPパッケージを導入する顧客企業が使用するサーバとを含むシステムであり、コンサルティング会社におけるテンプレートの開発から、顧客企業側でのERPシステム(ERPパッケージが動作しているシステム)の運用に至るまでの様々な業務を全て行うことが可能である。
(システム構成)
図1は、本実施形態に係るERP管理システム1の全体構成の一例を示す図である。ERP管理システム1は、顧客企業へのERPパッケージの導入を支援するコンサルティング会社が使用するサーバと、ERPパッケージを導入する顧客企業が使用するサーバとを含むシステムであり、コンサルティング会社におけるテンプレートの開発から、顧客企業側でのERPシステム(ERPパッケージが動作しているシステム)の運用に至るまでの様々な業務を全て行うことが可能である。
ERP管理システム1は、移送制御装置10と、テンプレートの開発やテスト等を行うために用いられるテンプレート開発サーバ20と、顧客企業に導入されたERPパッケージを動作させるために用いられる顧客サーバ30とを含む。移送制御装置10、テンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30は通信ネットワークNで接続されており相互に通信することができる。
移送制御装置10は、ERP管理システム1に含まれるサーバ間で行われる移送を制御するサーバである。「移送」の定義については後述する。移送制御装置10は、コンサルティング会社の開発者の指示に基づき、ERP管理システム1の中で行われる移送を制御する。
テンプレート開発サーバ20は、コンサルティング会社が、テンプレート及びアドオンの開発及びテストを行うためのサーバである。図1には、テンプレート開発サーバ20が1つ図示されているが、複数のテンプレート開発サーバ20が含まれていてもよい。
顧客サーバ301〜30Mは、顧客企業ごとにカスタマイズがなされたERPパッケージのテストを行うため、ERPパッケージの使用方法等について顧客企業のユーザ等の訓練を行うため、及び、導入されたERPパッケージを稼働させるためのサーバであり、基本的に顧客企業ごとに異なるサーバが割り当てられる。以下の説明において、顧客サーバ301〜30Mを特に区別しない場合、「顧客サーバ30」と呼ぶ。また、図1には、顧客企業ごとに顧客サーバ30が1つ図示されているが、図示の便宜上であり、複数の顧客サーバ30が含まれる。
開発システム環境2は、主にコンサルティング会社が使用するサーバから構成されるシステム環境を示す。また、顧客システム環境3は、主に顧客企業が使用するサーバから構成されるシステム環境を示す。なお、開発システム環境2及び顧客システム環境3の区分けは便宜上の区分けに過ぎず、例えば、開発システム環境2に顧客サーバ30の一部(例えばテスト用の顧客サーバ30)が含まれていてもよい。
(ERPの概要)
ここで、ERPパッケージのカスタマイズは、ERPベンダが提供する初期状態のERPパッケージに対して各種のパラメータ設定を行うことで行う。すなわち、パラメータ設定を行うこととカスタマイズを行うこととは同義である。設定されたパラメータは、初期状態のERPパッケージを構成する複数のソフトウェアモジュールで読み込まれ、当該複数のソフトウェアモジュールが、読み込んだパラメータ設定に沿った動作を行うことで、顧客企業向けにカスタマイズされた各種の機能が実現される。
ここで、ERPパッケージのカスタマイズは、ERPベンダが提供する初期状態のERPパッケージに対して各種のパラメータ設定を行うことで行う。すなわち、パラメータ設定を行うこととカスタマイズを行うこととは同義である。設定されたパラメータは、初期状態のERPパッケージを構成する複数のソフトウェアモジュールで読み込まれ、当該複数のソフトウェアモジュールが、読み込んだパラメータ設定に沿った動作を行うことで、顧客企業向けにカスタマイズされた各種の機能が実現される。
また、ERPパッケージには、不足している機能を実現するためのアドオンを追加可能な仕組みが提供されており、コンサルティング会社は、ソフトウェアモジュールの一部として任意のアドオンを追加することができる。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、「ソフトウェアモジュール」には、ERPパッケージを構成するソフトウェアモジュール(すなわちERPベンダから提供されるソフトウェアモジュール)と、コンサルティング会社が追加したアドオンとが含まれるものとして説明する。
ERPパッケージにより実現される各種の機能には、機能ごとに固有の番号が割り振られている。当該固有の番号は、「トランザクションコード」と呼ばれる。コンサルティング会社の開発者等又は顧客企業のユーザ等は、稼働しているERPシステムの画面にてトランザクションコードを入力することで、使用したい機能の画面を素早く呼び出すことが可能である。トランザクションコードの例としては、例えば、取引データの追加を行う画面を呼び出すコード、宅配業者の設定を行う画面を呼び出すコード、及び、伝票を登録する画面を呼び出すコードなど、主に顧客企業のユーザが使用するトランザクションコードと、移送の設定を行う画面を呼び出すコード、起動中のプロセスを確認するコードなど、主にコンサルティング会社の開発者が使用するトランザクションコードが含まれる。
本実施形態に係るテンプレートは、特定の業種に特化したテンプレートではなく、1つのテンプレートで、自動車産業、食品産業、ハイテク産業など様々な業種において行われる基幹業務を網羅するように構成されている。すなわち、本実施形態に係るテンプレートには、これらの複数の業種の全てに必要な機能又は一部の業種に必要な機能を含む複数の機能を全て実行するために必要な複数のソフトウェアモジュールと当該複数のソフトウェアモジュールの動作を決定するために用いられる複数のパラメータ設定とを含んでいる。すなわち、本実施形態に係るテンプレートは、1つのテンプレートのみで、あらゆる顧客企業向けのERPパッケージのカスタマイズに対応可能である。
本実施形態では、顧客企業のユーザが使用するトランザクションコードについては、テンプレートにより実現される機能ごとに異なるコード値が対応づけられるようにすると共に、更に、テンプレートにより実現される各機能に対応する業種ごとにも異なるコード値を割り振るようにする。例えば、“伝票を登録する機能”であっても、“自動車産業用の伝票を登録する機能”に対応するトランザクションコードと、“食品産業用の伝票を登録する機能”に対応するトランザクションコードとでは、異なるコード値を割り振るようにする。
また、本実施形態に係るテンプレートに含まれる複数のパラメータ設定は、それぞれ、以下に示す3つのカテゴリのいずれかに分類分けされている。
「カテゴリA1」:原則としてパラメータ値の変更及び追加が禁止されるパラメータ設定。
「カテゴリA2」:テンプレートに含まれる複数の機能について業種ごとの動作を規定するパラメータ設定であって、原則としてパラメータ値の変更が禁止されるパラメータ設定。ただし、例えばテンプレートがサポートする業種を拡大する開発が行われる場合など、特定の条件を満たす場合にパラメータ値の追加は許容される。
「カテゴリB」:顧客企業ごとに設定(追加及び/又は変更)が必要なパラメータ設定。
「カテゴリA1」:原則としてパラメータ値の変更及び追加が禁止されるパラメータ設定。
「カテゴリA2」:テンプレートに含まれる複数の機能について業種ごとの動作を規定するパラメータ設定であって、原則としてパラメータ値の変更が禁止されるパラメータ設定。ただし、例えばテンプレートがサポートする業種を拡大する開発が行われる場合など、特定の条件を満たす場合にパラメータ値の追加は許容される。
「カテゴリB」:顧客企業ごとに設定(追加及び/又は変更)が必要なパラメータ設定。
カテゴリA1に該当するパラメータ設定とは、例えば、国名と国コードとの対応関係を定義するパラメータ設定等、顧客企業によらず普遍的なデータである。カテゴリA1に該当するパラメータ設定は、万が一変更及び追加されるとERPシステム全体の動作に影響を及ぼす可能性があることから、変更及び追加が禁止されている。
カテゴリA2に該当するパラメータ設定とは、例えば、自動車業界で使用される販売伝票及び購買発注伝票の伝票タイプ(フォーマット)を定義するパラメータ設定、食品業界で使用される販売伝票及び購買発注伝票の伝票タイプ(フォーマット)を定義するパラメータ設定等、テンプレートに含まれる複数の機能について業種ごとの動作を決定するパラメータ設定である。カテゴリA2に該当するパラメータ設定は、万が一変更されると、カテゴリA2に該当するパラメータ設定を使用している企業のERPシステムの動作に影響を及ぼす可能性があることから、変更が禁止されている。しかしながら、テンプレートの開発が行われる場合など、パラメータの追加が必要になるケースがあることから、特定の条件を満たす場合にのみパラメータの追加が許容されている。
カテゴリBに該当するパラメータ設定は、例えば、顧客企業の企業コード、顧客企業の工場名、顧客企業で使用する勘定項目の一覧、顧客企業の社内組織構成に関する定義、社員コードなど、企業ごとに異なるパラメータ設定である。カテゴリBに該当するパラメータ設定は顧客企業ごとに異なるパラメータ設定であるが、本実施形態では、基本的にコンサルティング会社の開発者が設定することとしている。
ERPパッケージは、1台の物理的なサーバ(又は仮想サーバのように1つの論理的なサーバ)上で複数のERPシステムを動作させることができるように設計されている。ERPパッケージでは、サーバ上で動作する1つのERPシステムのことを「クライアント」と呼ぶ。すなわち、ERPパッケージにおける「クライアント」の用語は、顧客企業のことを意味するのではなく、1つのERPシステムを意味する。これは、1台のサーバが備えるデータベースにおいて、各種のパラメータ設定を、クライアント毎に論理的に分離することで実現される。
「移送」とは、ERPパッケージを構成するソフトウェアモジュール及び各種のパラメータ設定をサーバ間でコピー(差分コピーを含む)することを意味する。すなわち、「移送」を行うことで、あるサーバで動作している1以上のERPシステムを、そのまま他のサーバにコピーすることが可能である。また、移送では、任意のクライアントのみを他のサーバにコピー(差分コピーを含む)することも可能である。
本実施形態では、テンプレート開発サーバ20で開発(新規開発及びバージョンアップを含む)されたテンプレートを、顧客企業ごとのテストを行うために用いられる全ての顧客サーバ30に移送するようにする。より具体的には、開発されたテンプレートを、コンサルティング会社がERPパッケージを提供している全ての顧客企業の顧客サーバ30に移送するようにする。
本実施形態では、あらゆる業種向けの全ての機能を1つのテンプレートに組み込むこととしていることから、仮にERPベンダから提供されるERPパケージ自体に大きなバージョンアップがなされる等、ERPパッケージに大きな変更がなされる場合であっても、1つのテンプレートに対してテストを行えばよい。
ここで、本実施形態に係るテンプレートには、あらゆる業種向けの全ての機能が含まれていることから、各々の顧客企業が、本実施形態に係るテンプレートにより提供される全ての機能を使用することはない。つまり、テンプレートに含まれている機能のうち顧客企業が使用しない機能については、その顧客企業から起動することができないようにすることが望ましい。そこで、本実施形態では、テンプレートに含まれている各機能について実行を許可するか否かを顧客企業のユーザごとに制御するためのパラメータ設定(以下、「権限設定パラメータ」と呼ぶ)を定義することで、各機能について実行を許可するか否かを顧客企業ごとに制御する。なお、権限設定パラメータは顧客企業ごとに異なる設定であることから、カテゴリBのパラメータに該当する。
<ハードウェア構成>
図2は、移送制御装置10、テンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、移送制御装置10、テンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ等の記憶装置12、通信ネットワークNと接続するために用いられる通信IF(Interface)13、キーボード等の入力装置14及びディスプレイ等の出力装置15を含む。
図2は、移送制御装置10、テンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、移送制御装置10、テンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ等の記憶装置12、通信ネットワークNと接続するために用いられる通信IF(Interface)13、キーボード等の入力装置14及びディスプレイ等の出力装置15を含む。
移送制御装置10、テンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30は、それぞれ、物理的なサーバであってもよいし、クラウドサーバ又は仮想サーバであってもよい。
<機能ブロック構成>
(移送制御装置)
図3は、移送制御装置10の機能ブロック構成の一例を示す図である。移送制御装置10は、移送受付部100と、移送制御部101とを有する。移送受付部100と、移送制御部101とは、移送制御装置10の記憶装置12に記憶されたプログラムが、CPU11に実行させる処理により実現することができる。また、当該プログラムは、記録媒体に格納することができる。
(移送制御装置)
図3は、移送制御装置10の機能ブロック構成の一例を示す図である。移送制御装置10は、移送受付部100と、移送制御部101とを有する。移送受付部100と、移送制御部101とは、移送制御装置10の記憶装置12に記憶されたプログラムが、CPU11に実行させる処理により実現することができる。また、当該プログラムは、記録媒体に格納することができる。
移送受付部100は、コンサルティング会社の開発者から、移送を制御するための画面を介して移送の指示を受け付ける機能を有する。移送の指示には、例えば、移送元のサーバの指示及び移送先のサーバの指示(移送ルートの指示)、移送するクライアントのクライアント番号の指示等が含まれる。
移送制御部101は、移送受付部100で受け付けた移送の指示に基づいて、テンプレートの移送をテンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30に指示する機能を有する。より具体的には、移送制御部101は、移送受付部100で受け付けた移送の指示に基づいて、テンプレートに含まれる全てのソフトウェアモジュールと、全てのパラメータ設定とを、テンプレート開発サーバ20から、顧客サーバ30に移送する機能を有する。
(テンプレートサーバ、顧客サーバ)
図4は、テンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30の機能ブロック構成の一例を示す図である。テンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30は、DB(データベース)200と、ERP機能実行部201と、移送処理部202と、を有する。ERP機能実行部201と、移送処理部202とは、テンプレート開発サーバ20又は顧客サーバ30の記憶装置12に記憶されたプログラムが、CPU11に実行させる処理により実現することができる。また、当該プログラムは、記録媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。DB200は、テンプレート開発サーバ20又は顧客サーバ30が備えるメモリ又は記憶装置12を用いて実現することができる。
図4は、テンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30の機能ブロック構成の一例を示す図である。テンプレート開発サーバ20及び顧客サーバ30は、DB(データベース)200と、ERP機能実行部201と、移送処理部202と、を有する。ERP機能実行部201と、移送処理部202とは、テンプレート開発サーバ20又は顧客サーバ30の記憶装置12に記憶されたプログラムが、CPU11に実行させる処理により実現することができる。また、当該プログラムは、記録媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。DB200は、テンプレート開発サーバ20又は顧客サーバ30が備えるメモリ又は記憶装置12を用いて実現することができる。
DB200には、テンプレートに含まれる全てのソフトウェアモジュールと、パラメータ設定格納テーブルとが記憶されている。パラメータ設定格納テーブルには、ERPベンダから提供される各種のソフトウェアモジュールを動作させるために必要な各種のパラメータ設定、及び、全てのアドオンを動作させるために必要な各種のパラメータ設定が格納される。
ERP機能実行部201は、テンプレートにより実現される各種の機能を実行する。テンプレートにより実現される各種の機能とは、例えば、倉庫の在庫管理や商品の出荷管理といった物流管理に関する機能、納入された商品の検査や返品する商品の管理とった品質管理に関する機能、財務状況や運転資金のリアルタイム表示といった財務・会計管理に関する機能、商品に関するデータ(商品マスタ)を一括でメンテナンスする機能、各種のレポートを様々な視点で表示する機能等が挙げられる。また、顧客企業が使用する機能に加えて、顧客企業の要求仕様に応じたパラメータ設定(すなわちカスタマイズ)を行うための機能、DB200のメンテナンス等を行う機能等、コンサルティング会社の開発者が使用する機能も含まれる。なお、テンプレートにより実現される機能には、ここに列挙した機能以外にも様々な機能が存在する。
移送処理部202は、移送制御装置10からの指示に基づき、DB200に格納されているソフトウェアモジュールとパラメータ設定格納テーブルとを、移送制御装置10から指定された他のテンプレート開発サーバ20又は他の顧客サーバ30に移送する。また、移送処理部202は、移送制御装置10からの指示に基づき、他のテンプレート開発サーバ20又は他の顧客サーバ30からソフトウェアモジュールとパラメータ設定格納テーブルとを取得してDB200に格納する。また、移送処理部202は、移送制御装置10から、同一サーバ内でクライアントをコピーすることを指示された場合、DB200に格納されているパラメータ設定格納テーブルをコピーすることで、テンプレート開発サーバ20又は顧客サーバ30内でクライアントのコピーを行う。
図5は、権限設定パラメータの一例を示す図である。権限設定パラメータは、パラメータ設定格納テーブルに格納されている各種のパラメータ設定のうちの一つである。「ユーザID」は、顧客サーバ30上でERPシステムを使用する顧客企業のユーザを一意に特定する識別子である。「アクセス可能組織コード」には、ユーザにアクセス権限が付与されている組織のデータを示す組織コードが設定される。「利用可能トランザクションコード」には、ユーザにアクセス権限が付与されている1以上のトランザクションコードが格納される。
ここで、ERPシステム内には、ERPシステムが備える各機能が使用する各種データが蓄積されている。例えば、取引先を管理する機能であれば、現時点の取引先一覧を画面表示するために、取引先一覧が格納された取引先データを読み出すといった処理を行っている。ERPシステムでは、各種データごとに、どの組織で使用するデータであるのかを示すために組織コードが設定されている。例えば、工場Aの取引先名が格納された取引先データについては工場Aの組織コードが設定され、本社Bの取引先名が格納された取引先データについては本社Bの組織コードが設定される。上述した「アクセス可能組織コード」は、これらの各種データのうち、各ユーザがどの組織のデータにアクセス可能であるかを示している。例えば、「アクセス可能組織コード」が工場Aに設定されているユーザは、取引先を管理する機能を使用して工場Aの取引先データにアクセスすることはできるが、本社Bの取引先データにアクセスすることはできない。
図5の例では、ユーザIDが“0001”のユーザは、“C001”、“C002”、“C003”のトランザクションコードに対応する機能を介して“1100”の組織で使用するデータにアクセス可能であるが、“1200”の組織で使用するデータにはアクセスすることはできないことを意味している。
本実施形態では、ユーザIDに利用可能トランザクションコードを対応づけることで、顧客企業ごとに使用可能なトランザクションコードを分けることを可能としている。例えば、自動車製造業を営む顧客企業Aと薬品卸業を営む顧客企業Bとが存在し、ERPパッケージには、自動車の品質管理に関する機能と、薬品の品質管理に関する機能とが含まれていると仮定する。この場合において、例えば、顧客企業Aに所属するユーザには、自動車の品質管理に関する機能に対応するトランザクションコードを「利用可能トランザクションコード」に設定しておき、顧客企業Bに所属するユーザには、薬品の品質管理に関する機能に対応するトランザクションコードを「利用可能トランザクションコード」に設定しておくようにする。これにより、顧客企業Bに所属するユーザは、自動車の品質管理に関する機能を利用することができなくなる。同様に、顧客企業Aに所属するユーザは、薬品の品質管理に関する機能を利用することができなくなる。前述したように、本実施形態では、顧客企業のユーザが使用するトランザクションコードについては、テンプレートにより実現される各機能に対応する業種ごとに異なるコード値が割り振られている。従って、「利用可能トランザクションコード」に顧客企業の業種に関係のある機能のトランザクションコードのみを設定することで、顧客企業のユーザからは、顧客企業の業種に関連のない業種の機能を使用させない(アクセスさせない)ようにすることが可能になる。
<移送手順>
(基本例)
図6は、テンプレートの開発から顧客企業へのERPパッケージの導入に至るまでの一連の作業(基本例)を説明するための図である。ここで、開発システム環境2は、例えば、テンプレートのコーディング等を行うために用いられるテンプレート開発サーバ20(テンプレート開発用サーバ201)と、開発されたテンプレートのテストを行うために用いられるテンプレート開発サーバ20(テンプレートテスト用サーバ202)とを含む。また、顧客システム環境は、テンプレートをカスタマイズすることで顧客企業ごとのERPパッケージを作成するために用いられる顧客サーバ30(カスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1)と、顧客企業ごとにERPパッケージの品質確認テストを行うための顧客サーバ30(テスト用顧客サーバ301-2〜30M-2)と、カスタマイズ及び品質確認テストが完了した最終的なERPパッケージを稼働させるための顧客サーバ30(本番用顧客サーバ301-3〜30M-3)とを含む。
(基本例)
図6は、テンプレートの開発から顧客企業へのERPパッケージの導入に至るまでの一連の作業(基本例)を説明するための図である。ここで、開発システム環境2は、例えば、テンプレートのコーディング等を行うために用いられるテンプレート開発サーバ20(テンプレート開発用サーバ201)と、開発されたテンプレートのテストを行うために用いられるテンプレート開発サーバ20(テンプレートテスト用サーバ202)とを含む。また、顧客システム環境は、テンプレートをカスタマイズすることで顧客企業ごとのERPパッケージを作成するために用いられる顧客サーバ30(カスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1)と、顧客企業ごとにERPパッケージの品質確認テストを行うための顧客サーバ30(テスト用顧客サーバ301-2〜30M-2)と、カスタマイズ及び品質確認テストが完了した最終的なERPパッケージを稼働させるための顧客サーバ30(本番用顧客サーバ301-3〜30M-3)とを含む。
ステップS11で、移送制御装置10の指示を受けたテンプレート開発用サーバ201の移送処理部202は、開発されたテンプレートを、テンプレートテスト用サーバ202に移送する。移送されるテンプレートには、テンプレートに含まれる全てのソフトウェアモジュールと、全てのパラメータ設定(カテゴリA1、カテゴリA2及びカテゴリBに該当する全てのパラメータ設定)が含まれている。なお、パラメータ設定のうちカテゴリBに属するパラメータ設定には、テンプレートのテストを行うために作成された一時的なデータであるテスト用データが設定されている。テンプレートテスト用サーバ202では、テンプレートの動作確認及び性能試験等の品質確認テストが行われる。
ステップS21及びステップS22で、移送制御装置10の指示を受けたテンプレート開発用サーバ201の移送処理部202は、品質確認テストが完了したテンプレートを、カスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1に移送する。本実施形態では、移送制御装置10は、品質確認テストが完了したテンプレートを、ERP管理システム1に含まれる全てのカスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1に移送するようにテンプレートテスト用サーバ202に指示する。カスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1では、それぞれ顧客企業(顧客1〜顧客M)の要求仕様に合わせてテンプレートのカスタマイズが行われ、顧客企業ごとのERPパッケージが生成される。具体的には、コンサルティング会社の開発者は、カテゴリBに属するパラメータ設定(権限設定パラメータを含む)を顧客企業の要求条件に合わせた値に変更することで、顧客企業ごとのERPパッケージを生成する。なお、既に本番環境でERPシステムが稼働しており、ステップS21及びステップS22で行われる移送により追加される機能が、その顧客企業が使用する機能とは関係のない機能である場合、カスタマイズ作業は省略される。
ステップS31及びステップS41で、移送制御装置10の指示を受けたカスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1の移送処理部202は、顧客企業ごとのERPパッケージを、テスト用顧客サーバ301-2〜30M-2に移送する。移送されるERPパッケージには、テンプレートに含まれる全てのソフトウェアモジュールと、カテゴリA1に該当するパラメータ設定と、カテゴリA2に該当するパラメータ設定と、顧客企業ごとに変更されたカテゴリBに該当するパラメータ設定とが含まれている。テスト用顧客サーバ301-2〜30M-2では、顧客企業ごとのERPパッケージの品質確認テストが行われる。なお、ステップS31及びステップS41における移送は同時に実行されるのではなく、カスタマイズ作業の進捗に応じて非同期に実行される。
ステップS32及びステップS42で、移送制御装置10の指示を受けたテスト用顧客サーバ301-2〜30M-2の移送処理部202は、品質確認テストが完了した最終的なERPパッケージを、本番用顧客サーバ301-3〜30M-3に移送する。本番用顧客サーバ301-3〜30M-3ではERPパッケージが稼働し、顧客企業における日々の業務で使用される。
以上説明した手順において、テンプレートの変更(例えばバージョンアップ)が行われる場合、各移送手順では、変更前後におけるソフトウェアモジュール及びパラメータ設定の差分が移送されることになる。なお、仮にテンプレートの変更によりカテゴリA1又はカテゴリA2のパラメータ設定が変更され、変更前後の差分の移送が行われる場合、当該差分のみがテンプレート開発サーバ202からカスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1に移送されることになる。この場合において、更に、カテゴリBのパラメータ設定を顧客企業ごとに変更する必要がある場合、当該変更作業及び変更後のカテゴリBのパラメータ設定を移送する作業については、顧客企業ごとに任意のタイミングで行うことが可能である。これにより、カテゴリA1又はカテゴリA2のパラメータ設定についてはテンプレート開発サーバ20及び各カスタマイズ用顧客サーバ30の間で同期されることになることから、テンプレート開発サーバ20と各カスタマイズ用顧客サーバ30との間におけるカテゴリA1及びカテゴリA2のパラメータ設定の差異を極小化することが可能になる。また、顧客サーバ30内におけるカテゴリBのパラメータ設定の変更については、ある程度自由なタイミングで変更することが可能になる。
(応用例1)
続いて、上述した基本例に基づき、より詳細な応用例を説明する。図7は、テンプレートの開発から顧客企業へのERPパッケージの導入に至るまでの一連の作業(応用例1)を説明するための図である。応用例1では、ERPパッケージを顧客企業ごとにカスタマイズするために用いるカスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1を、開発システム環境2側に配置する。
続いて、上述した基本例に基づき、より詳細な応用例を説明する。図7は、テンプレートの開発から顧客企業へのERPパッケージの導入に至るまでの一連の作業(応用例1)を説明するための図である。応用例1では、ERPパッケージを顧客企業ごとにカスタマイズするために用いるカスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1を、開発システム環境2側に配置する。
テンプレート開発用サーバ201では、例えば、テンプレートの開発を効率的に行うために、主にパラメータ設定の追加・変更等を行うためのクライアント(カスタマイズ用クライアント)と、アドオンのコーディング等を行うためのクライアント(アドオン開発用クライアント)とを使用してテンプレートの開発が行われる。
テンプレートテスト用サーバ202では、開発されたテンプレートを組み込んだERPパッケージのマスタデータを保存しておくためのクライアント(テスト用マスタクライアント)と、実際に品質確認テストを行うためのクライアント(テスト用クライアント)とを用いてERPパッケージの品質確認テストが行われる。
カスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1では、品質確認テストが完了したテンプレートに対して顧客企業ごとのカスタマイズを行うためのクライアント(カスタマイズ用クライアント)と、開発システム環境1側で最低限行っておくべき品質テストを行うためのクライアント(テスト用クライアント)とを使用して、テンプレートに対して顧客企業ごとのカスタマイズが行われる。
テスト用顧客サーバ301-2〜30M-2では、顧客企業ごとのERPパッケージのマスタデータを保存しておくためのクライアント(テスト用マスタクライアント)と、品質確認テストを行うためのクライアント(テスト用クライアント)とを用いて顧客企業ごとのERPパッケージの品質確認テストが行われる。
ステップS101は、図6のステップS11に対応する。ステップS102及びステップS103は、それぞれ図6のステップS21及びステップS22に対応する。ステップS104及びステップS105は、それぞれ図6のステップS31及びステップS41に対応する。ステップS106及びステップS107は、それぞれ図6のステップS32及びステップS42に対応する。具体的な説明については図6と同一であることから省略する。
(応用例2)
図8は、テンプレートの開発から顧客企業へのERPパッケージの導入に至るまでの一連の作業(応用例2)を説明するための図である。応用例2では、図6においてカスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1で行っていたカスタマイズ作業と、テスト用顧客サーバ301-2〜30M-2で行っていた品質確認テストとを、1台のサーバ(カスタマイズ用顧客サーバ(全顧客)30)に用意された顧客企業ごとのクライアントで行うようにしている。より具体的には、カスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1で行うカスタマイズ作業を、カスタマイズ用顧客サーバ(全顧客)30に含まれる「顧客別クライアント(顧客1〜M)」内のカスタマイズ用クライアントを用いて行うようにして、テスト用顧客サーバ301-2〜30M-2で行う品質確認テストを、カスタマイズ用顧客サーバ(全顧客)30に含まれる「顧客別クライアント(顧客1〜M)」内のテスト用クライアントを用いて行うようにしている。
図8は、テンプレートの開発から顧客企業へのERPパッケージの導入に至るまでの一連の作業(応用例2)を説明するための図である。応用例2では、図6においてカスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1で行っていたカスタマイズ作業と、テスト用顧客サーバ301-2〜30M-2で行っていた品質確認テストとを、1台のサーバ(カスタマイズ用顧客サーバ(全顧客)30)に用意された顧客企業ごとのクライアントで行うようにしている。より具体的には、カスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1で行うカスタマイズ作業を、カスタマイズ用顧客サーバ(全顧客)30に含まれる「顧客別クライアント(顧客1〜M)」内のカスタマイズ用クライアントを用いて行うようにして、テスト用顧客サーバ301-2〜30M-2で行う品質確認テストを、カスタマイズ用顧客サーバ(全顧客)30に含まれる「顧客別クライアント(顧客1〜M)」内のテスト用クライアントを用いて行うようにしている。
ステップS201は、図6のステップS11に対応する。具体的な説明は省略する。
ステップS202で、移送制御装置10の指示を受けたテンプレートテスト用サーバ202の移送処理部202は、品質確認テストが完了したテンプレートを、カスタマイズ用顧客サーバ30のマスタクライアントとして移送する(すなわち、クライアントコピーを行う)。続いて、移送制御装置10の指示を受けたカスタマイズ用顧客サーバ30の移送処理部202は、マスタクライアントを、コンサルティング会社がERPパッケージを提供している全ての顧客別クライアント(顧客1〜M)に含まれるカスタマイズ用クライアントにコピー(差分コピーを含む)する。マスタクライアントを各カスタマイズ用クライアントにコピーする処理は、図6のステップS21及びステップS22で説明した、品質確認テストが完了したテンプレートを、ERP管理システム1に含まれる全てのカスタマイズ用顧客サーバ301-1〜30M-1に移送する手順に相当する。
ステップS203及びステップS204で、移送制御装置10の指示を受けたカスタマイズ用顧客サーバ(全顧客)30の移送処理部202は、カスタマイズ及び品質確認テストが完了した最終的なERPパッケージのクライアントを、カスタマイズ用顧客サーバ(全顧客)30から本番用顧客サーバ301-3〜30M-3に移送する。
以上説明した実施形態によれば、あらゆる業種向けの全ての機能を1つのテンプレートに組み込むこととしていることから、仮にERPベンダから提供されるERPパケージ自体に大きなバージョンアップがなされる等、ERPパッケージに大きな変更がなされる場合であっても、1つのテンプレートに対してテストを行えばよい。すなわち、本実施形態によれば、業種ごとに複数のテンプレートを用意する方法と比較して、テストを効率的に行うことが可能になる。
また、本実施形態では、テンプレートに含まれている各機能について実行を許可するか否かを顧客企業ごとに制御するためのパラメータ設定を定義することで、各機能について実行を許可するか否かを顧客企業ごとに制御するようにしている。これにより、あらゆる業種向けの全ての機能を1つのテンプレートに組み込んだ場合に、顧客企業にとって無関係な機能を起動することができないようにすることが可能になる。
また、本実施形態では、パラメータ設定をカテゴリA1、カテゴリA2及びカテゴリBの3つのカテゴリに分類分けするようにした。特に、業種ごとの動作を規定するパラメータ設定であるカテゴリA2を定義することで、業種ごとに異なる各機能の動作をテンプレート内に予めプリセットしておくようにした。これにより、あらゆる業種向けの全ての機能を1つのテンプレートに組み込むことが可能になる。また、テンプレートを利用する顧客企業は、自社の業種に対応する機能として予めテンプレートに組み込まれた機能を利用することができ、ERPパッケージの導入期間短縮が可能になる。また、カテゴリA1及びA2に該当するパラメータ設定については基本的に変更されることがないため、テンプレートのテストを効率的に行うことが可能になる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
カテゴリA1に属するパラメータ設定は、第一のパラメータ設定の一例である。カテゴリA2に属するパラメータ設定は、第二のパラメータ設定の一例である。カテゴリCに属するパラメータ設定は、第三のパラメータ設定の一例である。テンプレート開発サーバ20又はテンプレートテスト用サーバ202は、第一のサーバの一例である。顧客サーバ30、カスタマイズ用顧客サーバ(顧客1)301-1乃至カスタマイズ用顧客サーバ(顧客M)30M-1、又は、カスタマイズ用顧客サーバ(全顧客)30は、第二のサーバの一例である。
1…ERP管理システム、2…開発システム環境、3…顧客システム環境、10…移送制御装置、11…CPU、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力装置、15…出力装置、20…テンプレート開発サーバ、30…顧客サーバ、100…移送受付部、101…移送制御部、200…DB、201…ERP機能実行部、202…移送処理部
Claims (8)
- 複数の顧客企業に対してERPパッケージの導入を支援するシステムにおいてテンプレートの移送を制御する移送方法であって、
前記テンプレートは、複数の業種に対応する機能又は一部の業種に対応する機能を含む複数の機能を実行するために必要な複数のソフトウェアモジュールと該複数のソフトウェアモジュールの動作を決定するために用いられる複数のパラメータ設定とを含み、
前記移送方法は、
前記テンプレートの移送の指示を受け付ける受付ステップと、
前記テンプレートの移送の指示を受けた場合に、前記テンプレートに含まれる前記複数のソフトウェアモジュールと、前記複数のパラメータ設定とを、テンプレートの開発に用いられる第一のサーバから、前記顧客企業ごとのテストを行うために使用される第二のサーバに移送する移送ステップと、
を含む移送方法。 - 前記複数のパラメータ設定は、データの変更及び追加が禁止される第一のパラメータ設定と、前記複数の機能について業種ごとの動作を規定するためのパラメータ設定であってデータの変更が禁止される第二のパラメータ設定と、前記顧客企業ごとに設定が必要な第三のパラメータ設定とを含む、
請求項1に記載の移送方法。 - 前記第三のパラメータ設定には、前記第一のサーバに含まれるテスト用サーバで前記テンプレートのテストを行うために用いられる、テスト用データが設定される、
請求項2に記載の移送方法。 - 前記第三のパラメータ設定には、前記テンプレートにより実現される前記複数の機能について実行を許可するか否かを前記顧客企業のユーザごとに設定するための権限設定パラメータを含む、
請求項2又は3に記載の移送方法。 - 前記権限設定パラメータには、前記テンプレートにより実現される前記機能ごとに対応づけられるトランザクションコードと、前記顧客企業のユーザを一意に特定可能な識別子とが対応づけられて格納される、
請求項4に記載の移送方法。 - 前記移送ステップは、
前記テンプレートに含まれる前記複数のソフトウェアモジュールと、前記複数のパラメータ設定とを、前記第一のサーバから、前記顧客企業ごとに用意された全ての前記第二のサーバに移送する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の移送方法。 - 前記移送ステップは、
前記テンプレートに含まれる前記複数のソフトウェアモジュールと、前記複数のパラメータ設定とを、前記第一のサーバから、前記複数の顧客企業に対して共通に用意された前記第二のサーバに移送する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の移送方法。 - 前記テンプレートは、前記複数の業種の全てに対応する機能又は前記一部の業種に対応する機能を含む前記複数の機能を全て実行するために必要な前記複数のソフトウェアモジュールと該複数のソフトウェアモジュールの動作を決定するために用いられる前記複数のパラメータ設定とを含む、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の移送方法。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
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US16/642,124 US11195127B2 (en) | 2017-09-08 | 2018-03-02 | Transport method |
PCT/JP2018/008098 WO2019049396A1 (ja) | 2017-09-08 | 2018-03-02 | 移送方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Related Parent Applications (1)
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019049956A (ja) |
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- 2017-12-19 JP JP2017243082A patent/JP2019049956A/ja active Pending
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