JP2019047623A - 太陽光発電方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽の動きに追従させるヘリオスタット装置を用い、従来より影の干渉の発生を抑制し、より効率良く太陽光エネルギーを得ることが可能な太陽光発電方法を提供する。【解決手段】太陽電池パネルを1枚以上備えたヘリオスタット装置を地上に複数配置し、パネル面の角度を太陽の動きに追従させて太陽光発電を行う太陽光発電方法であって、複数のヘリオスタット装置をジャイロ型のものとし、パネル面を太陽光に対して垂直に向けた場合に、該パネル面により、他のパネル面上に影が生じない時間帯では、各ヘリオスタット装置のパネル面の角度を太陽光に対して垂直に調整し、他のパネル面上に影が生じる時間帯では、他のパネル面上の影の面積が、各パネル面を太陽光に対して垂直に向けた場合よりも小さくなるように、仰角回転軸を回転軸として、南北方向に前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面の角度を調整し、太陽光発電を行う太陽光発電方法。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池パネルを備えたヘリオスタット装置を用いた太陽光発電方法に関する。
従来より石油など化石燃料からエネルギーを得てきたが、近年では、これらの化石燃料の枯渇や、該化石燃料の使用により排出される二酸化炭素等の温室効果ガス、さらには化石燃料の購入のためのコスト(燃料費)が問題となっている。
そこで、再生可能であり、燃料費が不要の太陽光が、新たなエネルギー源の1つとして注目されている。
この太陽光をエネルギー源として利用する装置としては、例えば、太陽電池モジュール(太陽電池パネル)を備えた太陽光発電装置が挙げられる。太陽電池パネルはその設置角度が固定されているもの(固定型)と、太陽の動きに合わせて調整可能なもの(太陽追尾型)とがある(特許文献1)。
特開2003−322418号公報
ここで、太陽光発電装置の固定型パネルは、太陽が南中した時に発電量が最大となり、日の出直後と日の入直前でほぼゼロとなる。日の出後から徐々に発電量が増大し、南中時に最大となり、太陽が西に傾くに伴い徐々に減衰し、日の入り直前にほぼゼロとなる。このように、固定型は、一日の間で釣り鐘状に発電量が変化する。
また、固定型パネルの置き方として、日本では、南向きに傾斜角度20〜30°に設置することで発電量をわずかではあるが増大できる。これは、太陽高度が夏と冬とで南中時ではおよそ50°近く変動し、日本では冬には10°近くまで低くなるので、35°傾斜が最適となることによる。
しかしながら、実際には、傾斜角度が30°近くになると、前列の固定型パネルによってできる影が、後列の固定型パネルに当たるようになる(影の干渉)。太陽電池パネルはその面の一部に影が生じると発電セルの接続系が系列ごと短絡して影の大きさ以上の面積で発電量が低下することがある。そのために、前列と後列のパネル間に隙間を空ける必要がある。
その隙間の大きさは、影によるロスと傾斜角度による増加とのバランスで最適な角度と隙間を選ぶこととなる。実際は影が午前9時以降にはできないように隙間の大きさを決めている。
そもそも、太陽エネルギーを最大に得ることは、太陽電池パネルを設置しようとする土地の全面を完全に太陽電池パネルで覆い、太陽光が地面を照らすことが一切生じないことによってなし得るものである。
しかしながら、実際には、このような敷き詰め方をすると各固定型パネルへのアクセス道路が取れないので、故障やメンテナンス、設置工事が出来なくなるために、このようにはできない。
アクセス道路を確保するために隙間を設ける必要があると同時に、「太陽電池パネルが年間を通じて平均的に太陽を向いている南中時の太陽高度」を考慮して、先述の傾斜角度10〜30°にして前列と後列に隙間を空けて設置し、この隙間を敷地面積に対して0.3から0.4をアクセス道路として利用しているのが現状である。
「太陽電池パネルが年間を通じて平均的に太陽を向いている南中時の太陽高度」とは、春分と秋分であるが、日本の東京では53.6°で、パネルの傾斜角度は90−53.6=36.4°である。しかし、朝夕に後列へできる影を考慮すると隙間を大きくするか、傾斜角をさらに低く設定する必要がある。
しかし、隙間を余り大きく取ると、その隙間の面積がアクセス道路に最低限必要な面積を超え、その超えた分が全く発電をしない無駄な地面となるために、隙間を大きくする手段は取られない。
一方、影がいつもできないようにするには傾斜角をゼロとすればよいが、アクセス道路が取れない。
これらの結果として、傾斜角10〜30°が選ばれている。また前列と後列の隙間は冬至南中時に前列の影が後列に当たらないように取られ、それがアクセス道路として利用される。
以上述べたように、太陽電池パネルをメガソーラーで大規模に固定して設置するという方式にはアクセス道路が必須であり、これにより土地面積当たりの発電効率の低下が避けることのできない課題となっている。
そもそも、固定型太陽電池パネルは先述のように、一日の間で釣り鐘状に発電量が変化するので、これに代わって午前9時から夕方近くまでは発電量が一定となるような固定式とは異なる太陽電池パネルの設置方式が望まれている。しかも、影の影響を刻々に変わる太陽に対応して抑制することができ、同時に地面に日の当たる場所が少なくなるように太陽電池パネルを稼働できるものであれば、土地当たりの発電量を増大することができ、日本のように土地代の高いところでは再生可能エネルギーの開発における意義が大きい。
また、太陽追尾型の太陽電池パネルは、太陽の方を向くことができるので、太陽に対して垂直になるように向いた場合には、南中時と同等の発電量を得ることができる。
従来の太陽追尾型は経緯台式と呼ばれるものであり、図11に示すように、太陽電池パネルと該太陽電池パネルを支持するフレームからなる発電パネルを支柱で支えている。そして、上下回転手段、左右回転手段により、発電パネルを常時太陽に向いた状態で上下、左右に動かすことができる。
しかし、太陽高度が低い日の出から9時頃までと日の入前の4時頃以降は、前列の太陽電池パネルが後列の太陽電池パネルに影をつくるので、真正面に太陽を向くと返って発電量が低下することになる。そこで、例えば各太陽電池パネルを離れて配置することで対応しているが、これは固定型パネルの場合よりも隙間を離して配置する必要があり、土地利用効率が低くなり、発電効率の低下につながってしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、太陽の動きに追従させるヘリオスタット装置を用い、従来よりも影の干渉の発生を抑制し、より効率良く太陽光エネルギーを得ることが可能な太陽光発電方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、太陽電池パネルを1枚以上備えたヘリオスタット装置を地上に複数配置して、各々のヘリオスタット装置の前記太陽電池パネルのパネル面の角度を太陽の動きに追従させて調整しつつ太陽光発電を行う太陽光発電方法であって、
前記複数のヘリオスタット装置をジャイロ型のものとし、前記太陽電池パネルを南北方向に回転させるための東西方向を軸方向とする仰角回転軸、及び前記太陽電池パネルを東西方向に回転させるための南北方向を軸方向とする方位角回転軸を有し、前記仰角回転軸と前記方位角回転軸とが直交するジャイロ機構を備えるものとし、
各々、前記太陽電池パネルのパネル面を太陽光に対して垂直に向けた場合に、該パネル面により、
他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面上に影が生じない時間帯では、
前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面の角度を太陽光に対して垂直に調整し、
他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面上に影が生じる時間帯では、
前記他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面上の影の面積が、前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面を太陽光に対して垂直に向けた場合よりも小さくなるように、前記仰角回転軸を回転軸として、南北方向に前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面の角度を調整し、
太陽光発電を行うことを特徴とする太陽光発電方法を提供する。
このように、ジャイロ型のものを用いるため、固定型はもちろんのこと、太陽追尾型の経緯台式のヘリオスタット装置を用いるよりも、太陽電池パネルのパネル面の角度(発電パネルの角度)をより自由度高く調整することができる。
このため、太陽高度が低い時間帯でも太陽に向けることができ、固定型よりも太陽光エネルギーをより多く得て、発電効率を向上させることができる。また、このジャイロ型のヘリオスタット装置を複数並べて配置しても、経緯台式のものよりも他のヘリオスタット装置への影の干渉が生じにくい。そのため、経緯台式のものより隙間を狭くして配置可能であり、土地利用効率が向上し、発電効率も向上することができる。
また上記のようにして他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面(単に、他のパネル面ともいう)上に影が生じる場合と、他のパネル面に影が生じない場合とで(すなわち、影の干渉の発生の有無とで)、その影の元となる太陽電池パネルのパネル面の角度の調整の仕方を分けることで、影の干渉をより確実に抑制することができ、極めて効率の良い太陽光エネルギーの回収を図ることができる。
また、日の出後や日の入前の数時間のような、他のパネル面上に影が生じる場合については、従来、元々パネル面を倒している固定型は言うまでもなく、太陽追尾型であっても、パネル面を倒す(すなわち、東西方向に回転させて水平に近づける)ことによって影の干渉を抑制する考え方しかなかった。しかしながら、これではコサイン効果が小さくなり、発電量が大きく下がってしまう。一方、本発明のように、まず第一に、パネル面を南北方向に回転させて影の面積を小さくすれば、コサイン効果の低下を抑制しつつ、影の干渉を抑制し、さらには防ぐことが可能である。したがって、従来の固定型や太陽追尾型よりも、効率良く太陽光エネルギーを得ることができ、発電量の低下を抑制することが可能である。
このとき、前記他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面上に影が生じる時間帯に、前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面の角度を調整するとき、
前記南北方向のパネル面の角度の調整後、前記他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面上の影の面積が、前記南北方向のパネル面の角度の調整後の面積よりも小さくなるように、さらに、前記方位角回転軸を回転軸として、東西方向に前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面の角度を調整することができる。
このように、第一に南北方向の回転で調整してから、さらに必要に応じて東西方向にパネル面の角度を調整すれば、より細やかな角度調整が可能になり、影の干渉やコサイン効果などを考慮しつつ、より効率の良い太陽光エネルギーの取得も可能になる。
また、前記ヘリオスタット装置を配置するとき、
前記太陽電池パネルをフレームにより支持し、
前記ジャイロ機構を介して前記フレームを支柱により支持し、
前記フレームと、該フレームに支持された前記太陽電池パネルとからなる発電パネルの重心を、前記ジャイロ機構の前記仰角回転軸と前記方位角回転軸とが直交する交点に一致させるようにし、
前記太陽電池パネルのパネル面の角度を調整するとき、
前記仰角回転軸を回転軸として、前記フレームと、前記太陽電池パネルとを一体的に南北方向に回転することで、前記フレームに支持された太陽電池パネルのパネル面の南北方向の角度を調整し、
前記方位角回転軸を回転軸として、前記フレームと、前記太陽電池パネルとを一体的に東西方向に回転することで、前記フレームに支持された太陽電池パネルのパネル面の東西方向の角度を調整することができる。
このようにすれば、発電パネルの重心が、ジャイロ機構の仰角回転軸と方位角回転軸とが直交する交点(ジャイロの中心)に一致しているので、発電パネルを、従来の経緯台式のものよりも小さな力で簡単に回転させることができ、少ない電力で太陽電池パネルの角度調整を行うことができる。したがって、わざわざヘリオスタット装置に配線を引いて電力を供給するのではなく、それぞれに備えた蓄電池等に電力を供給して発電パネルを操作することができ、自立型のものとすることも可能になる。
このとき、前記ジャイロ機構として、
長手方向が前記方位角回転軸に沿うように配置されている筒体と、
該筒体を長手方向に貫通しており、前記方位角回転軸上に位置する方位角回転シャフトと、
該貫通している方位角回転シャフトの両端同士を連結する連結カバーと、
該連結カバーと前記フレームを連結する連結アームと、
前記筒体から短手方向に突き出ており、前記仰角回転軸上に位置する一対の仰角回転シャフトとを備えたものを配設し、
前記支柱として、前記一対の仰角回転シャフトを軸回転可能に支持する軸受を備えたものを配設し、
前記太陽電池パネルのパネル面の角度を調整するとき、
前記方位角回転軸上の前記方位角回転シャフトを回転軸として、前記連結カバーと前記連結アームと前記フレームとを一体的に東西方向に回転し、
前記支柱の軸受上で、前記仰角回転軸上の前記一対の仰角回転シャフトを回転軸として、前記筒体と前記方位角回転シャフトと前記連結カバーと前記連結アームと前記フレームとを一体的に南北方向に回転することができる。
このような構成のものを配設することで、簡単に小さな力で発電パネルの角度調整を行うことが可能である。
また、前記太陽電池パネルのパネル面の角度を調整するとき、
前記フレームを南北方向に回転させるための仰角調整アクチュエータと、前記フレームを東西方向に回転させるための方位角調整アクチュエータとを用いて行うことができる。
このようにすれば、南北方向、東西方向の発電パネルの角度調整を簡便に行うことができる。
また、前記ヘリオスタット装置を配置するとき、
前記太陽電池パネルを複数枚用意し、該複数枚の太陽電池パネルを1つの前記フレーム上にロの字型に配置することができる。
このようにすれば、ロの字型の中央部分が空いているので、風が吹いていてもその中央部分から風を逃がすことができ、発電パネルが風を受けてもヘリオスタット装置が倒れにくいし、発電パネルが揺れるのを抑制することができる。
また、前記ヘリオスタット装置に蓄電池をさらに配設し、該蓄電池から電力を供給して前記ジャイロ機構を作動させることができる。
このようにすれば、ヘリオスタット装置に配線を引いていなくとも、ジャイロ機構を作動させて発電パネルの角度調整を行うことができ、自立型のものとすることができる。配線の設置、メンテナンス等に要するコストを低減することができる。
また、前記ヘリオスタット装置に補助太陽電池パネルをさらに配設し、該補助太陽電池パネルにより前記蓄電池を充電することができる。
このようにすれば、ヘリオスタット装置をより一層確実に自立型のものとすることができる。
以上のように、本発明によれば、より自由度高く発電パネルの角度調整を行うことができ、太陽を追尾することもできるし、ヘリオスタット装置同士の配置間隔が狭くとも従来よりも影の干渉が生じにくい。その結果、効率良く太陽光エネルギーを得ることができ、発電効率等を向上させることができる。
また、影の干渉の発生の有無で場合分けして発電パネルの角度調整を行うので、影の干渉の発生の確実な防止を図るとともに、パネル面の南北方向の回転で他のパネル面上の影を小さくすることで、コサイン効果の低下を防ぎつつ影の干渉を防ぎ、太陽光エネルギーの回収効率の向上を図ることができる。
本発明の太陽光発電方法に用いることができるジャイロ型のヘリオスタット装置の一例を示す概略図である。 ジャイロ機構の一例を示す側面図である。 ジャイロ機構の筒体の一例を示す平面図である。 方位角調整アクチュエータの一例を示す概略図である。 西側へ発電パネルを回転させた状態を示す説明図である。 ヘリオスタット装置の別の態様の一例を示す概略図である。 発電パネルを太陽光に対して角度を変えて設置したときの様子を示す説明図である。 太陽光に対してパネル面を垂直に向けた場合の影の干渉の状態を示す説明図である。 パネル面を20°南北方向に回転させた場合の影の干渉の状態を示す説明図である。 本発明と従来法(固定型パネル)による発電量を比較したグラフである。 従来の経緯台式のヘリオスタット装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1に本発明の太陽光発電方法に用いることができるジャイロ型のヘリオスタット装置の一例を示す。図1において、手前から奥の方向が東西方向であり、左右方向が南北方向である。
図1に示すように、ヘリオスタット装置1は、全体として、発電パネル2とジャイロ機構3と支柱4とを備えている。ここでは発電パネル2は西側に傾いている。
発電パネル2は太陽電池パネル5とフレーム6とからなっている。ここでは太陽電池パネル5は長方形のものが4枚備えられているが、1枚以上であればよく、数、大きさ、形状は特に限定されない。これら4枚の太陽電池パネルは1つのフレーム6により支持されている。フレーム6の形状、材質等はその都度、適宜決定することができる。太陽電池パネル5を支持し、風等を受けても変形しない程度の強度を有するものであれば良い。
また、発電パネル2自体の形状も特に限定されない。図1では、発電パネル2の全体としてロの字型になっている。すなわち、1つのフレーム6上に、中央部分を空けるようにして4枚の太陽電池パネル5をロの字型に配置している。このように配置することで、風が吹いていても発電パネル2の中央部分から風が吹き抜けていき、発電パネル2が揺れたり、強風で倒れたりするのを効果的に防ぐことができる。
支柱4は、発電パネル2およびジャイロ機構3を支持できるものであればよく、太さ、長さ等は特に限定されない。発電パネル2等の大きさにより応じて適切なものを用意すればよい。
次にジャイロ機構3について説明する。図2、3にジャイロ機構の一例を示す。図2は図1のヘリオスタット装置1を背面側(東側)から見た側面図である。なお、発電パネル2が水平の状態である。また、図3はジャイロ機構の筒体付近の平面図である。
図2、3に示すように、ジャイロ機構3はフレーム6と連結しており、フレーム6(また、発電パネル2)を南北方向に回転させるための東西方向を軸方向とする仰角回転軸7と、東西方向に回転させるための南北方向を軸方向とする方位角回転軸8とを有している。これらの仰角回転軸7と方位角回転軸8は直交している。さらには、これらの直交する交点と、ジャイロ機構3に支えられた発電パネル2の重心Gとが一致している。
従来のような経緯台式はジャイロ型でもなく、当然、ジャイロの中心と重心Gが一致しているわけでなく、発電パネルを回転させるのに相当の力が必要であった。しかしながら、上記の構成であれば、発電パネル2を従来よりも格段に小さな力で簡単に回転させることができ、少ない電力で太陽電池パネル5の角度調整を行うことができる。
以下、ジャイロ機構3の、より具体的な構成について説明する。
長手方向が方位角回転軸8に沿うように配置されている筒体9を備えている。また、該筒体9を長手方向に貫通しており、方位角回転軸8上に位置する方位角回転シャフト10を備えている。さらには、その貫通している方位角回転シャフト10の両端同士を連結する連結カバー11が設けられており、該連結カバー11の先端には、フレーム6と連結する連結アーム12が設けられている。
なお、方位角回転シャフト10と連結カバー11の連結部分については、方位角回転シャフト10を回転軸として連結カバー11が東西方向に回転できるようになっていれば良い。例えば、両者は互いに溶接等されていて完全につながっており、方位角回転シャフト10自身の軸回転に伴い、連結カバー11も回転するような態様とすることができる。
また、筒体9としては、その外形が角柱形状であっても良いし、円柱形状であっても良い。その内部を方位角回転シャフト10が貫通できるものであれば良い。
連結カバー11は、ここではコの字形状になっており、1つの天板15と該天板15を挟むように接合された2つの側板16とからなっている。筒体9を貫通した方位角シャフト10の両端に側板16がそれぞれ連結されている。なお、発電パネル2が水平の状態になっている場合、筒型9の上方に天板15が位置するようになっている。
そして、側板16の、天板15と接合している側とは反対の側には連結アーム12が連結されており、また上述したように該連結アーム12にフレーム6が連結されている。このような構成によって、筒体9、方位角回転シャフト10、連結カバー11、連結アーム12、フレーム6が一体化している。
さらには、筒体9の短手方向に突き出ており、仰角回転軸7上に位置する一対の仰角回転シャフト13を備えている。
これに対して支柱4には軸受14が設けられており、該軸受14によって、上記一対の仰角回転シャフト13が軸回転可能に支持されている。
そして上述したように、方位角回転シャフト10を回転軸として連結カバー11を東西方向に回転させることができ、該連結カバー11は連結アーム12を介してフレーム6、さらには太陽電池パネル5と連結しているので、それらを一体的に回転させることができる。すなわち、発電パネル2を東西方向に回転させることができ、その太陽電池パネル5のパネル面の東西方向の角度を調整することができる。
なお、軸受14には、方位角回転軸8を回転軸として、支柱4上で東西方向に回転可能な機構が設けられている。そして、発電パネル2の東西方向の回転に同期して、軸受14、さらには一対の仰角回転シャフト13や筒体9を一体的に東西方向に回転させることが可能になっている。すなわち、例えば水平状態の発電パネル2を東西方向に回転させて斜めに立たせた際、水平状態だった一対の仰角回転シャフト13も同様の角度で斜めに立たせることが可能である。
一方、支柱4の軸受14上で、仰角回転シャフト13を回転軸として筒体9を南北方向に回転させることができ、該筒体9は、それを貫通する方位角回転シャフト10、連結カバー11、連結アーム12を介してフレーム6、さらには太陽電池パネル5と連結しているので、それらを一体的に回転させることができる。すなわち、発電パネル2を南北方向に回転させることができ、その太陽電池パネル5のパネル面の南北方向の角度を調整することができる。
ジャイロ機構3のこのような構成によって発電パネル2を支柱4上で簡便に東西方向および南北方向に自在に回転させることができ、太陽電池パネル5のパネル面の角度を自由度高く調整することができる。このようなジャイロ型のものであれば、従来の経緯台式のものよりも太陽電池パネル5のパネル面の角度を自由に調整することができ、影の干渉の発生をより一層防ぐことができる。
例えば、図1の発電パネルを備えたジャイロ型のヘリオスタット装置と、同形状の発電パネルを備えた図11のような従来の経緯台式のものを考える。
従来装置では、発電パネルについて左右の回転調整は、実際には水平にしか回転できない。すなわち、発電パネルの下辺(および上辺)は常に地面に平行になるようにしか回転できない(下辺の両端の高さ位置が常に同じ)。
一方、上記のようなジャイロ機構を備えた図1のヘリオスタット装置では、南北方向に角度を調整後、発電パネル全体を東西方向に回転可能である。すなわち、発電パネルの下辺(および上辺)の両端の高さ位置が互いに異なるように回転調整できるし、それらの高さ位置が同じになるように回転調整することもできる。
このように、太陽追尾型といっても、ジャイロ型のほうが従来の経緯台式のものよりも自由度高く発電パネルの角度調整を行うことができる。したがって、従来では影の干渉が起きてしまっていたようなヘリオスタット装置同士の間隔でも、ジャイロ型であれば角度の調整次第で影の干渉の発生を防止することができる。すなわち、ヘリオスタット装置同士をより近接して配置することもでき、単位土地面積あたりの発電効率を向上させることができる。
また、ジャイロ機構3は、仰角調整アクチュエータ17、方位角調整アクチュエータ18をさらに備えている。上記のようなジャイロ機構3において発電パネル2を回転させる手段は特に限定されないが、アクチュエータであれば簡便にモータ駆動で回転操作を行うことができる。
仰角調整アクチュエータ17の配置位置として、図2のように示す位置が挙げられる。支柱4と筒体9の下面側とを結ぶように取り付けられている。モータ駆動によって、仰角調整アクチュエータ17のアーム19が伸びることによって、筒体9の南側を押し、発電パネル2を北側へ回転させることができる。一方、アーム19が縮むことによって、筒体9の南側が引っ張られ、発電パネル2を南側へ回転させることができる。
なお、仰角調整アクチュエータ17の支柱4や筒体9への取り付け部に、例えば、適当な機構を設けることで仰角調整アクチュエータ17を東西方向に揺動可能にすることができる。このような仕組みとすることで、方位角回転軸8を回転軸として、筒体9が東西方向に回転したとしても、アーム19の伸縮によって、筒体9および発電パネル2を南北方向に適切に回転させることができる。
図4に方位角調整アクチュエータ18の配置位置の一例を示す。図4は方位角調整アクチュエータ18を北側から見た概略図である。
連結カバー11から東側に突き出た部分と、筒体9の下面から突き出た部分とを結ぶように、方位角調整アクチュエータ18が取り付けられている。モータ駆動によって、方位角調整アクチュエータ18のアーム20が伸びることによって、連結カバー11が西側に傾き、発電パネル2を西側へ回転させることができる。図5に、図4の状態から西側へ回転させたときの状態を示す。一方、アーム20が縮むことによって、連結カバー11が東側に傾き、発電パネル2を東側へ回転させることができる。
当然、これらとは別の位置に配置することも可能であるが、図2、4、5のような配置にすることによって、トラス構造がとられているので、耐風性を持つことができる。東西方向、南北方向とも共に、必要とする最大傾斜角に応じて、その角度が得られるように適切に各アクチュエータを配設することができる。
なお、ジャイロ機構の具体的な仕組みは当然上記のものに限定されるものではない。仰角回転軸と方位角回転軸が直交し、本発明の太陽光発電方法を実施できる仕組みのものであれば良い。上記例では方位角回転シャフトと一対の仰角回転シャフトは直接つながってはいないが、例えばこれらが直接連結されているものとすることもできる。本発明の太陽光発電方法をより簡便に実施できるよう、その都度、仕組みを決定することができる。
また、図1に示すように、蓄電池21を配置しておき、これらのアクチュエータのモータを駆動させて、ジャイロ機構3を作動させるための電力を供給することもできる。
前述したようにジャイロの中心と発電パネル2の重心が一致しているため、極めて小さい力で発電パネル2の回転制御を行うことができる。したがって、発電パネル2の回転駆動に要する消費電力を抑えることができる。このため、従来装置のように、外部からの電力供給のために大規模な配線を引くことなく、各ヘリオスタット装置に備えられた蓄電池21によって十分にジャイロ機構3を作動させて、発電パネル2を回転させ、太陽電池パネル5のパネル面の角度調整を行うことが可能である。電力供給の面において、自立したものとなる。
配線の設置に要するコスト、メンテナンスを省略することができ、簡便である。
図6に、別の態様のヘリオスタット装置の一例を示す。この態様では、補助太陽電池パネル22をさらに備えている。ここでは、連結カバー11の上に配置されている。この補助太陽電池パネル22によって得られた電力を蓄電池21に蓄えることができるようになっている。このため、より一層確実に自立したものとすることができる。
なお、補助太陽電池パネル22の配置場所、大きさ等は特に限定されず、蓄電池21を充電するのに十分なものであれば良い。
太陽光発電装置において、太陽電池パネル(または発電パネル)が固定型のもの、ヘリオスタット装置を備え太陽追尾型で経緯台式のもの、図1のジャイロ型のヘリオスタット装置で、得られる太陽光エネルギーと装置の設置に要する面積について考察する。
固定型で得られる太陽光エネルギーを1とすると、経緯台式の装置、ジャイロ型の装置のような太陽追尾型のものでは、太陽の動きに対してパネル面を追従させることができるので1.6−1.7もの太陽光エネルギーを得ることができる。
また、固定型で太陽電池パネルを設置するのに必要な面積を1とすると、アクセス道路として0.3の面積が必要と考えられる。すなわち、固定型は1.3の面積が必要となる。経緯台式の装置では、上述した1.6−1.7の太陽光エネルギーを得るためには1.6の面積が必要とされる。影の干渉を防ぐために固定型よりも広い面積が必要となる。
一方でジャイロ型では、上述したように経緯台式の装置よりも各ヘリオスタット装置を近接して配置することができ、全体として、必要な面積は固定型と同程度、すなわち1.3程度とすることができる。
このように、ジャイロ型のヘリオスタット装置は、固定型と同程度の設置面積で済ますことができ、かつ、経緯台式の装置と同程度の太陽光エネルギーを得ることができる。このため、従来よりも発電効率を向上させることができる。
しかも、ジャイロの中心と発電パネルの重心とが一致しており、回転制御を極めて小さい力で簡単に行うことができる。
次に、図1のジャイロ型のヘリオスタット装置を用いた本発明の太陽光発電方法について説明する。
まず、図1のようなヘリオスタット装置を地上に複数配置する。配置する数は特に限定されず、設置可能な土地面積や、収集する予定の太陽光エネルギー量に応じて適宜決定することができる。また、配置位置も特に限定されないが、例えば、東西方向および南北方向に互いに一定の隙間を設けて配置することができる。
なお、ヘリオスタット装置を配設する際に、図1−6を参照して説明したように、太陽電池パネルの他、フレーム、筒体等を備えたジャイロ機構、支柱、アクチュエータ、蓄電池、補助太陽電池パネル等も配設することで、上述したような作用効果を得ることができる。
また、風対策として、図1のように複数枚の太陽電池パネルを1つのフレーム上に配置する際、ロの字型に配置して中央部分に空間を設けておくと良い。
そして、太陽電池パネルのパネル面の角度調整を行う際には、仰角回転軸を回転軸として、フレームと、太陽電池パネルとを一体的に南北方向に回転することで、フレームに支持された太陽電池パネルのパネル面の南北方向の角度を調整することができる。また、方位角回転軸を回転軸として、フレームと、太陽電池パネルとを一体的に東西方向に回転することで、フレームに支持された太陽電池パネルのパネル面の東西方向の角度を調整することができる。
より具体的に、図2に示すような筒体等を備えたジャイロ機構を配設している場合には、方位角回転軸上の方位角回転シャフトを回転軸として、連結カバーと連結アームとフレームとを一体的に東西方向に回転することができる。また、支柱の軸受上で、仰角回転軸上の一対の仰角回転シャフトを回転軸として、筒体と方位角回転シャフトと連結カバーと連結アームとフレームとを一体的に南北方向に回転することができる。
このようにして発電パネルを回転し、太陽電池パネルのパネル面の角度(発電パネルの角度)を小さな力で簡単に調整することができる。
次に、実際に太陽光発電を行う際の、太陽電池パネルのパネル面の角度(発電パネルの角度)を調整する方法について説明する。
本発明では、ジャイロ型のヘリオスタット装置を用いることから、固定型とは異なり、太陽高度が低い時間帯においても、太陽光に対して発電パネルを垂直に向けることも可能である。
このように垂直に向けた場合、図7に示すように太陽光エネルギーを最も回収することができる。図7は、発電パネルを太陽光に対して角度を変えて設置したときの様子を示す。Aが太陽光に対して垂直に設置したときの状態であり、BがAの状態よりも低い角度で設置したときの状態である。発電パネルに照射される太陽光の量はAのときの方が多い。
このように、太陽光発電を行う際は、可能な限り、発電パネルの角度を太陽光に対して垂直になるように制御し、出来るだけ多くの太陽光エネルギーを回収することが好ましい。
しかしながら、特に太陽高度が低い時間帯においては、太陽光に垂直に向けた発電パネルのせいで、他のパネル面に影が生じてしまう場合がある。互いのヘリオスタット装置の配置位置を離すことも考えられるが、それでは土地利用効率が低下し、結果として発電効率の低下を招いてしまう。
そこで本発明では、発電パネルを太陽光に対して垂直に向けた場合に、影の干渉の発生が生じるか生じないかで場合分けして、発電パネルの角度の調整を行いつつ、太陽光発電を行う。
より具体的には、まず、発電パネルを太陽光に対して垂直に向けた場合に、他のパネル面に影が生じない時間帯では、発電パネルの角度を太陽光に対して垂直に調整する。
また、発電パネルを太陽光に対して垂直に向けた場合に、他のパネル面に影が生じる時間帯(例えば日の出後や日の入前の数時間程度)では、その垂直に向けた場合よりも、他のパネル面上の影の面積が小さくなるように、仰角回転軸を回転軸として、各ヘリオスタット装置の発電パネルを南北方向に回転させて角度調整する。このように角度調整し、他のパネル面上の影の面積を例えば出来るだけ小さくするようにする。可能であれば、他のパネル面上から影が完全に外れるようにすることができる。例えば日の出直後であれば、東からの太陽光に発電パネルを向けた状態から(すなわち、発電パネルを斜めに立てた状態から)、まず南北方向に回転させる。影の干渉を抑制するにあたって、いきなり東西方向に回転させて発電パネルを水平に近い状態に寝かせてしまうのに比較して、このようにまず立てたまま南北方向に回転して調整することによって、コサイン効果の低下を抑えることができる。コサイン効果を大きく保ちつつ、影の干渉を防ぐことができる。それによって、効率良く太陽光エネルギーを得ることができる。
前述したように、影の干渉を防ぐにあたっては、従来ではそもそも発電パネルを倒して寝かせることしか考えられていなかった。しかし本発明者は、鋭意研究した結果、例えば日の出直後など、発電パネルを斜めに立てたままでも南北方向に回転させることで、影の干渉を抑制、さらには完全に防ぐことができる上に、コサイン効果もそれほど低減せずに大きな値とすることができることが分かった。このように、南北方向での回転による影の干渉の防止が極めて有効であることを本発明者が初めて見出した。
発電パネルの南北方向の回転により影の干渉が抑制される様子を、図8−9を用いて説明する。図8は、7月の5時30分において、太陽光に対してパネル面を垂直に向けた場合の影の干渉の状態である。複数のヘリオスタット装置の発電パネルが設置されており、日の出から間もなくであり、発電パネルの東西方向の角度(東西角)がいずれも大きく、発電パネルが斜めに立っている状態である。そして、太陽により近い側のパネル面P1の影P1Sが、太陽により遠い側の他のパネル面P2の上に生じている状態である。
この状態から、各パネル面を20°南北回転させたものが図9である。図8の場合に比べて、パネル面P2上の影P1Sの面積が小さくなっていることが分かる。
なお、他のパネル面上での影の面積をできるだけ小さくなるように南北方向のパネル面の角度調整した後、より一層その影の面積が小さくなるように(ひいては他のパネル面上から影が外れるように)、方位角回転軸を回転軸として、各ヘリオスタット装置の発電パネルを東西方向に回転させて少し寝かせるように角度調整することもできる。このように、例えばコサイン効果の値の変化を考慮しつつ、まず出来るだけ南北方向への回転で角度調整した後に、東西方向への回転で角度調整をさらに行うという南北方向と東西方向の角度調整の組み合わせを行うこともできる。これにより、より細やかな発電パネルの角度調整が可能であり、さらに効率良く太陽光エネルギーを得ることが可能になる場合がある。
各ヘリオスタット装置の配置位置、発電パネルの角度の調整頻度、求める太陽光エネルギー回収量等に応じて、種々の角度調整パターンが考えられる。コサイン効果の大小なども含めて考慮し、太陽光に対して垂直に発電パネルを向けた状態からの、コサイン効果の低減しにくい南北方向の角度調整を第一として、シミュレーション等により適切な角度調整パターンを予め調べておくことも可能である。
したがって、その計算結果に基づいて予めプログラミングしておき、その時期、その時刻に応じて、影の干渉が生じるかどうかの判定および前述したような適切な角度調整を自動で行うことができる。
本発明のようにジャイロ型のヘリオスタット装置の特性を生かしつつ発電パネルの南北方向の角度制御を行うことによって、より確実に、前述したように固定型や経緯台式の装置と比較して、少ない敷地面積で多くの太陽光エネルギーを回収することができ、発電効率を格段に向上させることができる。
上記のような、南北方向の回転調整を第一とする本発明の方法を行った場合の、7月の日の出後の数時間における発電量を表したものを図10に示す。なお、比較として、従来法(固定型パネル)の場合の発電量も併せて示した。なお、発電パネルの枚数、大きさは本発明も従来法も同じでおり、発電パネル同士の設置の隙間の大きさも同じである(すなわち、設置面積が同じである)。そして、発電量の最大値を1としている。なお、その最大値自体は本発明も従来法も同じである。
図10に示すように、まず従来法では、固定型パネルで寝かせてあるため、日の出直後ではほとんど発電量はない。そして7時頃から発電量が緩やかに上がってきて、釣り鐘状のグラフを描いている。一方で本発明では、日の出直後でも発電量が高く、また、最大値になるタイミングも従来法に比べて数時間早い。したがって、従来法に比べて大幅に発電量を増加できることが分かる。
なお、更なる実験により(シミュレーション等)、図10の場合よりもより一層発電量を増加できる見込みがあることも分かっている。図10は一例にすぎないが、本発明の方法によって、実に効果的に発電量を向上させることが可能であることが分かる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
図1のジャイロ型のヘリオスタット装置を2台用意して地上に配置し、7月15日の日の出から日の入まで、本発明の方法により、発電パネルの角度を、太陽を追尾するようにして調整しつつ太陽光発電を行うシミュレーションを実施した。
なお、各々の発電パネルを太陽光に対して垂直に向けた場合に、太陽により近い側の発電パネルによって、他方の発電パネルのパネル面上に影が生じない時間帯では、そのまま太陽光に対して垂直に調整した。一方で、他方の発電パネルのパネル面上に影が生じる時間帯では、パネル面上から影が外れて影の干渉がなくなるように、各発電パネルを太陽光に対して垂直に向けた状態から南北方向に回転させて南北角の調整を行った。
上記調整のうち、ここでは、朝6時における角度調整について説明する。発電パネルを斜めに立てて太陽光に垂直に向けたときの東西角は74.5°であり(発電パネルの西側が高く、東側が低い)、南北角は15°であった(南側が高く、北側が低い)。この状態では影の干渉が発生していたので、各発電パネルを、同様に斜めに立っている仰角回転軸を回転軸として、南北方向(北に向かって50°)に回転させたところ、影の干渉がなくなった。このときのコサイン効果は0.64であった。
(比較例)
従来の固定型パネルを2台用意して地上に配置し、7月15日の日の出から日の入まで太陽光発電を行うシミュレーションを実施した。
固定型であるためパネル面の角度は変化せず、真南を向いたままである。具体的には、東西角は0°であり、南北角は30°であった(北側が高く、南側が低い)。
そして、朝6時におけるコサイン効果は0.15であった。ただし、実際のところは、発電パネルが倒れて寝ているため、このコサイン効果は直接照射の太陽光によるものではなく、周囲からの分散光によるものであった。
実施例から分かるように、比較例のようにパネル面が寝ていなくとも、発電パネルを立てたまま南北方向に角度調整することで影の干渉をなくすことができる。しかも、コサイン効果も高く、太陽光エネルギーを効率良く得るにあたって、本発明が実に有効であることが分かる。
また、実施例では比較例と比較して、特に日の出後や日の入前の数時間において発電量を高くすることができ、十分な発電総量を得ることができた。すなわち、図10に示す別例と同様に、発熱量の変化が釣り鐘状になってしまう比較例に対し、実施例では日中を通して高い発電量を維持することができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ジャイロ型のヘリオスタット装置、 2…発電パネル、 3…ジャイロ機構、
4…支柱、 5…太陽電池パネル、 6…フレーム、 7…仰角回転軸、
8…方位角回転軸、 9…筒体、 10…方位角回転シャフト、
11…連結カバー、 12…連結アーム、 13…仰角回転シャフト、
14…軸受、 15…天板、 16…側板、 17…仰角調整アクチュエータ、
18…方位角調整アクチュエータ、 19…仰角調整アクチュエータのアーム、
20…方位角調整アクチュエータのアーム、 21…蓄電池、
22…補助太陽電池パネル、 G…発電パネルの重心、
P1、P2…発電パネルのパネル面、 P1S…パネル面の影。

Claims (8)

  1. 太陽電池パネルを1枚以上備えたヘリオスタット装置を地上に複数配置して、各々のヘリオスタット装置の前記太陽電池パネルのパネル面の角度を太陽の動きに追従させて調整しつつ太陽光発電を行う太陽光発電方法であって、
    前記複数のヘリオスタット装置をジャイロ型のものとし、前記太陽電池パネルを南北方向に回転させるための東西方向を軸方向とする仰角回転軸、及び前記太陽電池パネルを東西方向に回転させるための南北方向を軸方向とする方位角回転軸を有し、前記仰角回転軸と前記方位角回転軸とが直交するジャイロ機構を備えるものとし、
    各々、前記太陽電池パネルのパネル面を太陽光に対して垂直に向けた場合に、該パネル面により、
    他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面上に影が生じない時間帯では、
    前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面の角度を太陽光に対して垂直に調整し、
    他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面上に影が生じる時間帯では、
    前記他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面上の影の面積が、前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面を太陽光に対して垂直に向けた場合よりも小さくなるように、前記仰角回転軸を回転軸として、南北方向に前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面の角度を調整し、
    太陽光発電を行うことを特徴とする太陽光発電方法。
  2. 前記他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面上に影が生じる時間帯に、前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面の角度を調整するとき、
    前記南北方向のパネル面の角度の調整後、前記他のヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面上の影の面積が、前記南北方向のパネル面の角度の調整後の面積よりも小さくなるように、さらに、前記方位角回転軸を回転軸として、東西方向に前記各ヘリオスタット装置の太陽電池パネルのパネル面の角度を調整することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電方法。
  3. 前記ヘリオスタット装置を配置するとき、
    前記太陽電池パネルをフレームにより支持し、
    前記ジャイロ機構を介して前記フレームを支柱により支持し、
    前記フレームと、該フレームに支持された前記太陽電池パネルとからなる発電パネルの重心を、前記ジャイロ機構の前記仰角回転軸と前記方位角回転軸とが直交する交点に一致させるようにし、
    前記太陽電池パネルのパネル面の角度を調整するとき、
    前記仰角回転軸を回転軸として、前記フレームと、前記太陽電池パネルとを一体的に南北方向に回転することで、前記フレームに支持された太陽電池パネルのパネル面の南北方向の角度を調整し、
    前記方位角回転軸を回転軸として、前記フレームと、前記太陽電池パネルとを一体的に東西方向に回転することで、前記フレームに支持された太陽電池パネルのパネル面の東西方向の角度を調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽光発電方法。
  4. 前記ジャイロ機構として、
    長手方向が前記方位角回転軸に沿うように配置されている筒体と、
    該筒体を長手方向に貫通しており、前記方位角回転軸上に位置する方位角回転シャフトと、
    該貫通している方位角回転シャフトの両端同士を連結する連結カバーと、
    該連結カバーと前記フレームを連結する連結アームと、
    前記筒体から短手方向に突き出ており、前記仰角回転軸上に位置する一対の仰角回転シャフトとを備えたものを配設し、
    前記支柱として、前記一対の仰角回転シャフトを軸回転可能に支持する軸受を備えたものを配設し、
    前記太陽電池パネルのパネル面の角度を調整するとき、
    前記方位角回転軸上の前記方位角回転シャフトを回転軸として、前記連結カバーと前記連結アームと前記フレームとを一体的に東西方向に回転し、
    前記支柱の軸受上で、前記仰角回転軸上の前記一対の仰角回転シャフトを回転軸として、前記筒体と前記方位角回転シャフトと前記連結カバーと前記連結アームと前記フレームとを一体的に南北方向に回転することを特徴とする請求項3に記載の太陽光発電方法。
  5. 前記太陽電池パネルのパネル面の角度を調整するとき、
    前記フレームを南北方向に回転させるための仰角調整アクチュエータと、前記フレームを東西方向に回転させるための方位角調整アクチュエータとを用いて行うことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の太陽光発電方法。
  6. 前記ヘリオスタット装置を配置するとき、
    前記太陽電池パネルを複数枚用意し、該複数枚の太陽電池パネルを1つの前記フレーム上にロの字型に配置することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の太陽光発電方法。
  7. 前記ヘリオスタット装置に蓄電池をさらに配設し、該蓄電池から電力を供給して前記ジャイロ機構を作動させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の太陽光発電方法。
  8. 前記ヘリオスタット装置に補助太陽電池パネルをさらに配設し、該補助太陽電池パネルにより前記蓄電池を充電することを特徴とする請求項7に記載の太陽光発電方法。
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