以下、実施の形態の一例を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を行なう遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態の一例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。
なお、第1経路と第2経路とは、完全に別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
演出表示装置9の表示領域における所定縁部の近傍(ここでは、右側近傍)には、可動演出部材60が設けられている。可動演出部材60は、図3に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、演出表示装置9側に下端部を支点として図1の左側に向かって傾動し、上端部が演出表示装置9における表示領域の前面に進出する演出用模型を構成する。すなわち、可動演出部材60は、図3に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、上下方向に延在する非傾動状態と、上記した傾動状態とに、変化可能である。
遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字等および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリアともいう)が形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、傾動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像(以下、単に「背景」ともいう)の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第1始動口スイッチ13aによって検出されたときが、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したとき、あるいは第1始動入賞口13を遊技球が通過したときに相当する。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口14上部に電動により開閉動作が可能な左右一対の可動翼片(所謂電動チューリップ)が設けられ、可動翼片が閉鎖状態のときに、遊技球の進入が不可能な遊技者にとって不利な状態となり、可動翼片が開放状態のときに、遊技球の進入が可能な遊技者にとって有利な状態に制御される。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
演出表示装置9の左側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
演出表示装置9の右側方には、遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示器10での普通図柄を変動表示の実行が可能となるゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
普通図柄表示器10の変動表示の変動表示結果に基づいて、可変入賞球装置15が開放状態となると、遊技球が第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞可能な状態となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報または保留情報と呼ぶ)を示す(特定する)場合にも用いられる。このように、保留表示は、未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示するものである。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第1始動入賞口13は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路からの遊技球が入賞可能とされているが、演出表示装置9の右側にある第2経路からの遊技球の入賞が不可能とされている。したがって、遊技者が左打ちをしたときにのみ、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が可能である。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第2始動入賞口14は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路と、その右側にある第2経路との両方からの遊技球の入賞が可能である。しかし、第2始動入賞口14が開放する条件となる普通図柄の変動表示を実行させる条件として用いられるゲート32が、演出表示装置9の右側にある第2経路に設けられているため、第2始動入賞口14への入賞を狙うときには、遊技球を右打ちしてゲート32への通過を狙う必要がある。したがって、第2始動入賞口14への遊技球の進入は、主に右打ち時における第2経路からなされることとなる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示をする。第1特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第1特別図柄表示器8a、または、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させる演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略、図16の保留表示エリア18c)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別した形式で保留記憶情報が表示される。たとえば、演出表示装置9において、第1保留記憶数は左側の保留表示エリアに表示され、第2保留記憶数は右側の保留表示エリアに表示される。第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別して表示することにより、第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの中央部に形成される(図示省略、図16の変動表示のアクティブ表示エリアAHA)。アクティブ表示エリアにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像が表示される。なお、アクティブ表示エリアは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、遊技者にとって有利な開放状態(遊技球が入賞可能なことにより有利)と、遊技者にとって不利な閉鎖状態(遊技球が入賞不可能なことにより有利)とに開閉可能な装置である。第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、特別可変入賞球装置20が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態は、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
確変大当りとしては、次のような第1確変大当りと第2確変大当りとが選択可能となるようにしてもよい。第1確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が比較的多い回数(たとえば、15回)まで許容され、かつ、大入賞口の開放時間が比較的長い(たとえば、29秒間)ものである。第2確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が比較的少ない回数(たとえば、2回)まで許容され、かつ、大入賞口の開放時間が極めて短い(たとえば、0.1秒間)ものである。第1確変大当りは、遊技者が視認容易な開放態様で大入賞口が開放する大当り遊技状態を経て確変状態に移行する。これに対し、第2確変大当りは、遊技者が視認しにくい開放態様で大入賞口が開放する大当り遊技状態を経て確変状態に移行する。このような第2確変大当りは、大入賞口の開放状態を遊技者にとって視認しにくくすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せる確変大当りであり、「突然確変大当り」と呼ばれ、略称として「突確」とも呼ばれる。
時短状態への移行により特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技に制御される可能性が高まる。大当りのうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語としては、「低確低ベース状態」および「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベース状態に制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の左側にある第1経路からしか第1始動入賞口13に遊技球が進入できない構成であるため、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態において、遊技者は、左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の右側にある第2経路にゲート32が設けられているため、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態において遊技者は、右打ちをしてゲート32および第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。
したがって、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態においては、遊技者が左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第1保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第1保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。一方、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態においては、遊技者が右打ちをして第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第2保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に、第2保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。
なお、第1始動入賞口13には、第1経路と第2経路との両方から遊技球が進入可能としてもよい。また、第2始動入賞口14には、第2経路のみから遊技球が進入可能としてもよい。また、ゲート32は、演出表示装置9の左側にある第1経路に設けられてよく、演出表示装置9の左側にある第1経路と、演出表示装置9の右側にある第2経路との両方に設けられてもよい。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)で作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。さらに、演出制御基板80には、可動演出部材60(図1参照)を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路17に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒〜60秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(例えば、数字図柄など)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (60秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルとしての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(15秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、第1保留記憶数を示すための第1保留記憶数指定コマンドと、第2保留記憶数を示すための第2保留記憶数指定コマンドとを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において保留記憶数を特定可能とするが、これに限らず、変動表示が実行されるごとに、第1保留記憶数または第2保留記憶数を減算するための保留記憶数減算指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が特定可能となるようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図10のS1215参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図10は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、客待ちデモ表示の実行を指定する客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理(図示省略)をした後、この処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S57)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り判定用乱数について、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図12は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述した判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示す、通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、大当り遊技状態の終了時においてセットされ、時短状態において、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(この実施の形態では100回)実行されたときに、リセットされる(次回の大当り遊技状態が発生するにも一旦リセットされる。)。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。
S91で大当りフラグがセットされているときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが確変大当りであるか否かを確認する(S92)。確変大当りであるときは、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択し(S93)、S114に進む。一方、通常大当りであるときは、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択し(S94)、S114に進む。
また、S91で大当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれのときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。時短フラグがセットされていないときは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択し(S96)、S114に進む。一方、時短フラグがセットされているときは、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択し(S97)、S114に進む。
これにより、遊技状態に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したような判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示される通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかが選択される。
次いで、S114において、CPU56は、乱数バッファからランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルのデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。そして、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始することを指定するコマンドとして、第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを送信する処理を行なう(S117)。
また、特別図柄の変動を開始する(S118)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S119)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S120)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、変動表示を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR7のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内で巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示(アクティブ表示)の表示制御も実行される。具体的には、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、変動表示受信したときに所定の第1更新フラグをセットし、一方、変動表示を受信したときに所定の第2更新フラグをセットする。そして、第1更新フラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの第1保留表示を1つ消去し、残りの第1保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、変動表示第2更新フラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの第2保留表示を1つ消去し、残りの第2保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、変動表示その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下の処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出(図17等参照)が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報(保留記憶情報)を「ターゲットの保留情報(保留記憶情報)」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称し、先読み演出の対象とした保留情報に基づいたアクティブ表示を「ターゲットのアクティブ表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
パチンコ遊技機1においては、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みし、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、先読みした保留記憶情報をターゲットとして、所定のタイミングで特定演出としての先読み演出を実行する演出制御が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。
図15は、先読み演出の種類と、先読み演出内容と、先読み演出の開始時期との関係を示す先読み演出種類テーブルである。先読み演出種類テーブルは、ROM102に記憶されている。図15に示すように、パチンコ遊技機1では、チャンス目予告演出と、背景変化予告演出と、保留変化予告演出と、ゾーン予告演出との複数種類の先読み演出が実行可能である。
チャンス目予告演出は、ターゲットの変動表示以前の複数回の変動表示において、チャンス目と呼ばれる特定図柄の組合せ(たとえば、所定の奇数図柄の組合せ等)の表示結果を表示する先読み演出である。この実施の形態において、チャンス目予告演出は、大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類のチャンス目予告演出パターンのうち何れかの演出パターンが用いられる。なお、チャンス目予告演出は、固定的に設定された1種類のチャンス目予告演出パターンのみを用いるようにしてもよい。
大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類のチャンス目予告演出パターンは、たとえば、チャンス目が停止表示されたときの演出図柄の表示色が、青色となる第1チャンス目予告演出パターンと、当該表示色が緑色となる第2チャンス目予告演出パターンと、当該表示色が赤色となる第3チャンス目予告演出パターンとにより構成される。これら複数種類のチャンス目予告演出パターンは、チャンス目停止表示時の演出図柄の表示色に関して、大当りとなる期待度が、たとえば「青色<緑色<赤色」という大小関係となるように表示結果別に選択割合が設定されている。
このようなチャンス目予告演出パターンの選択は、ROM102に記憶されたチャンス目予告演出態様選択テーブルを用いて行なわれる。チャンス目予告演出態様選択テーブルでは、前述の乱数更新処理(S706)により更新されるチャンス目予告演出態様選択用の乱数SR6が、前述したような選択割合が実現可能となるように各チャンス目予告演出パターンに対応付けられている。チャンス目予告演出態様選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出された乱数SR6の値に対応するチャンス目予告演出パターンが選択される。
この実施の形態において、チャンス目は、奇数図柄の組合せというようなバリエーションの幅が広い図柄の組合せを用いるが、たとえば、左,中,右図柄が「1,2,3」となる図柄の組合せのみがチャンス目というようなバリエーションの幅が狭い図柄の組合せを用いてもよい。
背景変化予告演出は、ターゲットの変動表示以前の複数回の変動表示において、通常的に用いられる所定の背景画像(演出図柄の背景を構成する背景画像等)を、特別背景画像に変化させて表示する先読み演出である。この実施の形態において、背景変化予告演出は、大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類の背景変化予告演出パターンのうち何れかの演出パターンが用いられる。なお、背景変化予告演出は、固定的に設定された1種類の背景変化予告演出のみを用いるようにしてもよい。
大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類の背景変化予告演出パターンは、たとえば、特別背景画像が、第1特別背景画像となる第1背景変化予告演出パターンと、特別背景画像が第2特別背景画像となる第2背景変化予告演出パターンと、特別背景画像が第3特別背景画像となる第3背景変化予告演出パターンとにより構成される。これら複数種類の背景変化予告演出パターンは、特別背景画像に関して、大当りとなる期待度が、たとえば「第1特別背景画像<第2特別背景画像<第3特別背景画像」という大小関係となるように表示結果別に選択割合が設定されている。
このような背景変化予告演出パターンの選択は、ROM102に記憶された背景変化予告演出態様選択テーブルを用いて行なわれる。背景変化予告演出態様選択テーブルでは、前述の乱数更新処理(S706)により更新される背景変化予告演出態様選択用の乱数SR7が、前述したような選択割合が実現可能となるように各背景変化予告演出パターンに対応付けられている。背景変化予告演出態様選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出された乱数SR7の値に対応する背景変化予告演出パターンが選択される。
保留変化予告演出は、ターゲットの変動表示以前において、保留表示エリアで表示される保留画像の表示態様を所定回数(1回または複数回)変化させる表示をする先読み演出である。以下の説明では、先読み演出が実行される変動表示を先読み演出実行変動と呼ぶ場合がある。
保留変化演出においては、たとえば、次のような保留画像の表示態様変化が可能である。通常色(黄色)で出現表示された画像は、白色、青色、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。白色で出現表示された画像は、青色、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。青色で出現表示された画像は、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。緑色で出現表示された画像は、赤色の画像に変化可能である。このように、保留変化演出においては、大当りとなる期待度が高くなる変化態様で、表示態様の変化演出が実行可能である。なお、保留変化演出においては、大当りとなる期待度が低くなる変化態様で表示態様の変化演出が実行される場合もあるようにしてもよい。
この実施の形態において、保留変化予告演出は、大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類の保留変化予告演出パターンのうち何れかの演出パターンが選択されて用いられる。
大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類の保留変化予告演出パターンとしては、たとえば、大当りとなる期待度が、最終的に表示される保留画像の表示色について「通常色(黄色)<白色<青色<緑色<赤色」という大小関係となるように複数種類の保留変化演出パターンが設定されている。さらに、複数種類の保留変化演出パターンのうちには、1回のみ保留変化が実行される演出パターンと、複数回で保留変化が実行される演出パターンとが含まれている。
これら複数種類の保留変化予告演出パターンは、最終的に表示される保留画像の表示色について「通常色(黄色)<白色<青色<緑色<赤色」という大小関係となるように表示結果別に選択割合が設定されている。
このような保留変化予告演出パターンの選択は、ROM102に記憶された保留変化予告演出態様選択テーブルを用いて行なわれる。保留変化予告演出態様選択テーブルでは、前述の乱数更新処理(S706)により更新される保留変化予告演出態様選択用の乱数R8が、前述したような選択割合が実現可能となるように各保留変化予告演出パターンに対応付けられている。保留変化予告演出態様選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出された乱数R8の値に対応する保留変化予告演出パターンが選択される。
ゾーン予告演出は、シャッタ画像を表示し、その後、通常的に用いられる所定の背景画像に特殊背景画像を組み合わせて表示する先読み演出である。ゾーン予告演出は、遊技球の第1始動口入賞時または変動表示中時に開始される。シャッタ画像は、ターゲットの変動表示以前の複数回の変動表示またはターゲットの変動表示において表示される画像である。シャッタ画像では、シャッタを模した画像とともに、シャッタの手前でゾーン専用または非ゾーン専用のキャラクタ等のキャラクタが種々の表情で映し出される画像が表示される。特殊背景画像は、画面の上下に帯状に表示される画像であり「CHANCE ZONE」の文字が連続して表示される画像である。
シャッタ画像がターゲットの変動表示以前の複数回の変動表示において表示される場合、ターゲットの変動表示が開始するときに、シャッタ画像の表示に代えて特殊背景画像が表示される。シャッタ画像がターゲットの保留記憶情報に対応する変動表示において表示される場合、リーチ成立時またはスーパーリーチ発展時にシャッタ画像が短時間例えば1秒間表示され、続いて特殊背景画像が表示される。
この実施形態において、ゾーン予告演出では、ゾーン予告演出パターンとして、特殊背景画像が表示されているときに、可動演出部材60が作動するパターンと作動しないパターンの演出パターンが用いられる。なお、この実施形態では、可動演出部材60の作動パターンは1パターンであるが、可動演出部材60の作動パターンが複数パターンであってもよい。また、ゾーン予告演出は、可動演出部材60が作動するパターンと作動しないパターンの演出パターンを備える可動演出部材60が作動するパターンのみを用いるようにしてもよいし、作動しないパターンのみを用いるようにしてもよい。
可動演出部材60が作動する演出パターンが実行される場合と実行されない場合とでは、大当りとなる期待度が異なるように設定されている。可動演出部材60が作動する演出パターンが実行される場合の大当りとなる期待度は、可動演出部材60が作動しない演出パターンが実行される場合の大当りとなる期待度よりも高くなるように選択割合が設定されている。
このようなゾーン予告演出パターン選択は、ROM102に記憶されたゾーン予告演出態様選択テーブルを用いて行なわれる。ゾーン予告演出態様選択テーブルでは、前述の乱数更新処理(S706)により更新されるゾーン予告演出態様選択用の乱数SR6が、前述したような選択割合が実現可能となるように各ゾーン予告演出パターンに対応付けられている。ゾーン予告演出態様選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出された乱数SR6の値に対応するゾーン予告演出パターンが選択される。
これら複数種類の先読み演出は、1回の変動表示に対応して、いずれか1種類の演出のみが実行される場合と、複数種類の演出が並行して実行される場合とがある。なお、先読み演出としては、前述した演出の他に、セリフ(台詞)予告演出、アクティブ表示変化演出等のその他の種類の予告演出を実行可能としてもよい。
セリフ予告演出とは、たとえば、演出図柄および背景画像とは別に表示可能な人物画像等のキャラクタ画像が、通常的に言う台詞とは異なる特別なセリフを所定回数の変動表示において言うような場面を表示する演出をする先読み演出である。アクティブ表示変化演出とは、ターゲットの変動表示以前の複数回の変動表示において、アクティブ表示エリアで表示されるアクティブ画像の表示態様を通常的に表示する表示態様とは異なる特別な表示態様で表示する先読み演出である。
図16は、先読み演出を説明するための演出表示装置9の表示画面図である。ここでは、先読み演出のうち、報知画像を表示する先読み演出、具体的に、チャンス目予告演出、背景予告演出、及び保留変化予告演出について説明する。先読み演出のうち、ゾーン予告演出については、表示態様が異なるので、図16及び図17を用いた説明に続いて説明する。なお、ゾーン予告演出を実行する際にも、これらの先読み演出と同様に、報知画像を表示するようにしてもよい。
図16においては、演出表示装置9での基本的な表示画像として、左,中,右の演出図柄91,92,93と、保留表示エリア18cでの保留画像Hと、アクティブ表示エリアAHAでのアクティブ画像AHとが示されている。図16において、左,中,右の演出図柄91,92,93は、変動表示中の状態が下向き矢印で示され、変動停止中の状態が数値の図柄で示されている。
図16(A)には、先読み演出が実行されていないときの表示状態が示されている。図16(B1)には、先読み演出としてチャンス目予告演出が実行されているときの表示状態が示されている。図16(B2)には、先読み演出として背景変化予告演出が実行されているときの表示状態が示されている。図16(B3)には、先読み演出として保留変化予告演出が実行されているときの表示状態が示されている。
チャンス目予告演出が実行されるときには、図16(B1)のように、演出が実行される複数回の変動表示のそれぞれの終了時における変動表示結果の導出表示時において、所定のチャンス目を構成する演出図柄の組合せを停止表示させる演出がされる。
背景変化予告演出が実行されるときには、図16(B2)のように、演出が実行される複数回の変動表示の1回目の変動表示の開始時に背景図柄を通常背景図柄から特別背景図柄に変化させた後複数回の変動表示において継続して特別背景図柄を表示させる演出がされる。
保留変化予告演出が実行されるときには、図16(B3)のように、演出が実行される1回または複数回の変動表示の変動表示中(演出表示開始時から所定時間経過時)において、保留画像Hを一時的に星形に変形して発光表示させた後に、その保留画像Hの表示態様(表示色)を変化させる演出がされる。保留表示をする保留画像は、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度、すなわち、大当り表示結果となるときの表示しやすさにより異なる表示態様で表示可能である。たとえば、保留画像は、たとえば円形等のような所定形状で表示され、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度により異なる画像色で表示可能である。
保留画像は、通常色(黄色)<白色<青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、画像色の種類により期待度が異なる態様(色態様)で大当りとなる期待度が示唆可能である。新たな保留記憶情報の発生に基づいて、演出表示装置9において新たな保留記憶情報に対応する保留画像が出現する表示がされるときに、新たな保留画像は、通常色(黄色)、白色、青色、緑色、または、赤色のような表示態様で表示される。保留変化予告演出により保留画像が大当り期待度の高い表示態様に変化した場合には、遊技者の大当りに対する期待感を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態における保留変化予告演出としては、保留画像の色が変化する演出が実行されるが、これに限らず、保留変化予告演出として、保留画像の形状が変化する演出を実行してもよい。保留変化予告演出としては、保留画像の大きさが変化する演出を実行してもよい。保留変化予告演出としては、保留画像の種類が変化する演出を実行してもよい。保留変化予告演出としては、保留画像に付加する画像が変化する演出を実行してもよい。また、色変化、形状変化、大きさ変化、種類変化、および、付加画像変化のうちのいずれか複数の組合せによる演出を実行してもよい。このように、保留変化予告演出としては、表示態様が変化する演出であればどのような演出を実行してもよい。
図16(B1)〜(B3)のように、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のような複数種類の先読み演出のうち、いずれの演出が実行されるときにも、「先読み中」という文字をテロップ表示態様で表示する先読み中報知画像94を共通の報知画像として表示することにより、先読み演出の種類によらずに共通態様で先読み演出中であることを報知する先読み中報知(所定報知)の演出が実行される。このように、特定演出としての先読み演出の実行に対応して、先読み演出の種類によらずに共通態様の先読み中報知が実行されることにより、先読み演出中であるか否かを遊技者が認識しやすくなり、複数種類の先読み演出についての認識性を向上させることができる。
また、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のような複数種類の先読み演出のそれぞれについては、前述したように、複数種類の演出態様(演出パターン)が設けられ、それらの演出態様のうちから選択された演出態様で先読み演出が実行可能であるが、このようなチャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出の各先読み演出が実行されるときに、いずれの演出態様で実行される場合でも、前述した「先読み中」という文字をテロップ表示態様で表示する先読み中報知画像94を共通の報知画像として表示する演出制御が行なわれる。これにより、各先読み演出の種類についても、演出態様の種類によらずに共通態様で先読み演出中であることを報知する先読み中報知の演出が実行される。これにより、先読み演出中であるか否かを遊技者が認識しやすくなり、複数種類の演出態様の先読み演出についての認識性を向上させることができる。
また、前述したように、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のような複数種類の先読み演出で、「先読み中」という文字をテロップ表示態様で表示する先読み中報知画像94を共通の報知画像として表示する演出制御が行なわれ、かつ、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出の各先読み演出が実行されるときに、各先読み演出における複数種類の演出態様についても、「先読み中」という文字をテロップ表示態様で表示する先読み中報知画像94を共通の報知画像として表示する演出制御が行なわれることにより、先読み演出中であるか否かを遊技者がより一層認識しやすくなり、複数種類の先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
なお、先読み中報知としては、先読み中報知画像94に加えて、または、読み中報知画像94に代えて、次のような報知を実行してもよい。まず、「先読み中」というような音声をスピーカ27から出力させる報知をしてもよい。また、先読み中報知としては、先読み中報知画像94を表示せずに、「先読み中」というような音声をスピーカ27から出力させる報知をしてもよい。音声により先読み中報知をする例としては、通常の遊技状態では出力されない特殊音を出力することにより報知をしてもよい。また、先読み中報知としては、所定の役物のような可動体を動作させることにより報知をしてもよい。また、先読み中報知としては、演出表示装置9での先読み中報知画像94を表示せずに、他の表示装置において「先読み中」である旨を特定可能な表示をしてもよい。その場合における他の表示装置とは、演出表示装置9よりも小型のサブ表示装置(小型の画像表示装置等)、および、ドットマトリクス表示装置等の各種表示装置が含まれる。また、「先読み中」である旨を特定可能な表示とは、先読み中であることを特定可能な文字、先読み中であることを特定可能な予め定められた図形、先読み中であることを特定可能な予め定められた数字等、先読み中であることを直接的または間接的に特定可能な表示であれば、どのような表示であってもよい。また、先読み中報知としては、前述した各種の報知態様のいずれか複数種類を組合せた演出態様で実行するようにしてもよい。
従来のパチンコ遊技機において、演出図柄の変動表示が実行されるときに、特定演出としての先読み演出を実行する場合には、当該変動表示に対して実行されるリーチ演出等の各種演出と、先読み演出との演出上の差異が曖昧になる場合があり、そのような演出について初見の遊技者では、先読み演出が実行されているのか否かについての判断がつきにくく、演出の理解度が不十分となり、遊技の興趣の向上を図ることができないおそれがあるという問題があった。これに対し、この実施の形態のパチンコ遊技機1では、前述したように、複数種類の先読み演出に対応して共通態様の先読み中報知がされるので、先読み演出が実行されていることを明確に報知することが可能となる。これにより、共通態様の先読み中報知を実行することによって、前述の初見の遊技者でも、先読み演出が実行されているのか否かについての判断がつきやすくなり、演出の理解度が不十分とすることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
図17は、先読み中報知が実行されたときにおける先読み中報知を終了させるための先読み中報知終了演出を示す演出表示装置9の表示画面図である。図17では、演出表示装置9の表示状態が時間経過にしたがって示されている。図17においては、保留変化予告演出が実行されるときの先読み中報知についての先読み中報知終了演出を代表例として示すが、図17に示す先読み中報知終了演出は、その他の種類の先読み演出においても同様に実行される。
保留変化予告演出が実行される演出期間における複数回の変動表示においては、図17(A)に示すように、先読み中報知画像94の表示による先読み中報知が実行される。そして、図17(B),(C)に示すように、先読み判定対象の変動表示回では、図17(A)に示すその直前の変動表示回と同様に、先読み中報知画像94の表示による先読み中報知が、変動表示の開始時から変動表示の終了時まで実行される。さらに、図17(C)に示すように、先読み中報知画像94の表示による先読み中報知は、先読み判定対象の変動表示の終了後も継続して実行される。具体的には、図17(D)に示すような、先読み判定対象の変動表示回の直後(次回)の変動表示回の変動表示開始時も先読み中報知画像94の表示による先読み中報知が継続されており、図17(D)に示すように、変動表示開始時から所定時間経過時に、先読み中報知画像94の表示が終了させられることにより先読み中報知が終了させられる。
図18は、ゾーン予告演出が実行されたときの演出表示装置9の表示画面図である。ゾーン予告演出は、図18(A)に示すように、シャッタ画像300Sが表示されたシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出と、図18(B)に示すように、特殊背景画像300Tが画面の上下に帯状に表示されたシャッタ開放後ゾーン予告演出と、によって構成されている。図18(A)に示すシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出では、シャッタ画像300Sの手前側に、第1特殊キャラクタ300C1,第2特殊キャラクタ300C2、第3特殊キャラクタ等(図33(D)参照)がポーズや服装を代えながら入れ替わり表示される画像が表示される。図18(B)に示すシャッタ開放後ゾーン予告演出では、特殊背景画像300Tとともに、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出を含む)と同様の演出に即した画像が表示される。なお、図18(A)には、中の飾り図柄5Cが示されており、図18(B)には、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが示されている。
図19は、演出表示装置9の画面上に各種画像を表示させる具体的な設定の一例を示している。図19(A)は、複数の表示レイヤにZ値を割当てるZ値設定テーブルの構成例を示している。図19(B)は、Z値設定テーブルによるZ値の設定に基づく各表示レイヤの配置例を示している。この実施の形態において、複数のレイヤには、小図柄表示レイヤと、ゾーン演出表示レイヤと、変化演出表示レイヤと、演出図柄表示レイヤとが含まれている。小図柄表示レイヤには、小図柄表示エリアにて変動表示される小図柄を示す演出画像が描画される。小図柄表示エリアは、所定条件が成立したときに、特別図柄や飾り図柄の変動表示と同期して、通常の演出図柄より縮小された演出図柄である小図柄の変動表示が行なわれる表示領域である。ゾーン演出表示レイヤには、保留表示変化演出で用いられる保留表示やゾーン予告演出が実行される際のシャッタ画像やゾーン予告演出専用の専用キャラクタ画像と示す予告演出画像が表示される。なお、ゾーン演出表示レイヤにシャッタ画像が完全に表示される場合、シャッタ画像は、ゾーン演出表示レイヤにおける表示領域の全領域(又は大部分の領域)に表示される。変化演出表示レイヤには、アクティブ表示変化演出で用いられるキャラクタ等を示す演出画像が描画される。演出図柄表示レイヤには、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにて変動表示される演出図柄を示す演出画像が描画される。各表示レイヤに描画される演出画像の画像データには、それぞれの演出画像を重畳して描画するときに用いる奥行き値となるZ値が設定されている。図19(A)に示すようなZ値設定テーブルによるZ値の設定により、小図柄表示レイヤ、変化演出表示レイヤ、演出図柄表示レイヤのそれぞれに描画される演出画像のZ値は、その演出画像が描画される表示レイヤに応じて異なる値となっている。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、画像処理に用いる構成として、前述したVDP(Video Display Processor)の他に、CGROM(Character Generator ROM)、および、VRAM(Video RAM)が設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ100では、たとえば、VDPが、CGROMから読出した画像データをVRAMのフレームバッファ等に書込むときに、Z値の比較演算を行なうことで、優先度の判定を行なえばよい。そして、Z値が小さい値である演出画像の画像データは、Z値が大きい値である演出画像の画像データよりも優先してフレームバッファに書込まれる。これにより、Z値として小さい値が割当てられた表示レイヤに描画する演出画像は、Z値として大きい値が割当てられた表示レイヤに描画する演出画像よりも優先度が高くなり、遊技者からみて前方側に配置することができる。
図19(B)に示すように、小図柄表示エリア(下向き矢印が示された領域)にて変動表示される小図柄を示す演出画像が描画される小図柄表示レイヤは、遊技者からみて最も前方側に配置されるように、Z値が設定される。したがって、演出表示装置9の画面上にて任意の演出画像を表示することによる表示演出が実行される場合でも、小図柄表示エリア5Vにおける小図柄の表示は、常に遊技者が視認可能となる。また、ゾーン演出表示レイヤは、小図柄表示レイヤよりも後方側であるが、他のレイヤよりも前方側に配置されるようにZ値が設定される。このため、ゾーン予告演出が実行される際には、小図柄表示エリア5Vにおける小図柄は表示されるが、変化演出表示レイヤに表示される保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出で用いられるキャラクタ等を示す演出画像や、演出図柄表示レイヤの「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにて変動表示される演出図柄を示す演出画像等は、シャッタ画像によって遊技者が視認困難又は不能となる。
変化演出表示レイヤは、保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出で用いられる演出画像が表示される演出領域を提供する表示レイヤであり、小図柄表示レイヤよりも後方側であるが、演出図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出で用いられる演出画像は、演出図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。このように、変化演出用キャラクタを示す演出画像は、識別情報画像となる演出図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。
なお、ゾーン演出表示レイヤが、小図柄表示レイヤよりも遊技者からみて前方側に配置されるように、Z値が設定されるようにしてもよい。この場合、ゾーン予告演出が実行されるときには、小図柄表示レイヤに表示される小図柄を示す演出画像を含めて、ゾーン演出表示レイヤ以外の表示レイヤに表示される演出画像は、シャッタ画像によって遊技者が視認困難又は不能となる。
図20は、先読み演出を実行させるか否を判定するための各種判定テーブルを示す説明図である。図20(A)〜(C)には、チャンス目予告演出を実行するか否かを判定するために用いるチャンス目予告演出有無判定テーブルが示されている。図20(D)〜(F)には、背景変化予告演出を実行するか否かを判定するために用いる背景変化予告演出有無判定テーブルが示されている。図20(G)〜(I)には、保留変化予告演出を実行するか否かを判定するために用いる保留変化予告演出有無判定テーブルが示されている。図20(J)〜(L)には、ゾーン予告演出を実行するか否かを判定するために用いるゾーン予告演出有無判定テーブルが示されている。
チャンス目予告演出有無判定テーブルには、(A)の大当り時チャンス目予告演出有無判定テーブルと、(B)のスーパーリーチはずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブルと、(C)のスーパーリーチ以外はずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブルとが含まれている。背景変化予告演出有無判定テーブルには、(D)の大当り時背景変化予告有無判定テーブルと、(E)のスーパーリーチはずれ時背景変化予告演出有無判定テーブルと、(F)のスーパーリーチ以外はずれ時背景変化予告演出有無判定テーブルとが含まれている。保留変化予告演出有無判定テーブルには、(G)の大当り時保留変化予告有無判定テーブルと、(H)のスーパーリーチはずれ時保留変化予告演出有無判定テーブルと、(I)のスーパーリーチ以外はずれ時保留変化予告演出有無判定テーブルとが含まれている。ゾーン予告演出有無判定テーブルには、(J)の大当り時ゾーン予告有無判定テーブルと、(K)のスーパーリーチはずれ時ゾーン予告演出有無判定テーブルと、(L)のスーパーリーチ以外はずれ時ゾーン予告演出有無判定テーブルとが含まれている。これら各予告演出有無判定テーブルは、ROM102に記憶されている。
(A)の大当り時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(D)の大当り時背景変化予告演出有無判定テーブル、(G)の大当り時保留変化予告演出有無判定テーブル、および(J)の大当り時ゾーン予告有無判定テーブルは、保留表示が対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となると予測される大当り予測時に用いられる。
(B)のスーパーリーチはずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(E)のスーパーリーチはずれ時背景変化予告演出有無判定テーブル、(H)のスーパーリーチはずれ時保留変化予告演出有無判定テーブル、および(K)のスーパーリーチはずれ時ゾーン予告演出有無判定テーブルは、保留表示が対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となると予測されるスーパーリーチはずれ予測時に用いられる。
(C)のスーパーリーチ以外はずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(F)のスーパーリーチ以外はずれ時背景変化予告演出有無判定テーブル、(I)のスーパーリーチ以外はずれ時保留変化予告演出有無判定テーブル、および(L)のスーパーリーチ以外はずれ時ゾーン予告演出有無判定テーブルは、保留表示が対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となると予測されるスーパーリーチ以外はずれ予測時に用いられる。
(A)〜(C)の各チャンス目予告演出有無判定テーブルでは、チャンス目予告演出実行有無決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、予告演出を実行する決定と、予告演出を実行しない決定とに割振られている。(D)〜(F)の各背景変化予告演出有無判定テーブルでは、背景変化予告演出実行有無決定用の乱数SR3(0〜199の数値範囲)の合計200個の数値が、予告演出を実行する決定と、予告演出を実行しない決定とに割振られている。(G)〜(I)の各保留変化予告演出有無判定テーブルでは、保留変化予告演出実行有無決定用の乱数SR4(0〜299の数値範囲)の合計300個の数値が、予告演出を実行する決定と、予告演出を実行しない決定とに割振られている。(J)〜(L)の各ゾーン予告演出有無判定テーブルでは、ゾーン予告演出実行有無決定用の乱数SR11(0〜499の数値範囲)の合計500個の数値が、予告演出を実行する決定と、予告演出を実行しない決定とに割振られている。SR2〜SR4、SR11のそれぞれについては、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
(A)の大当り時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(D)の大当り時背景変化予告演出有無判定テーブル、および、(G)の大当り時保留変化予告演出有無判定テーブルのそれぞれでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「予告演出を実行する>予告演出を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。(B)のスーパーリーチはずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(E)のスーパーリーチはずれ時背景変化予告演出有無判定テーブル、および、(H)のスーパーリーチはずれ時保留変化予告演出有無判定テーブルのそれぞれでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「予告演出を実行する=予告演出を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。(C)のスーパーリーチ以外はずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(F)のスーパーリーチ以外はずれ時背景変化予告演出有無判定テーブル、および、(I)のスーパーリーチ以外はずれ時保留変化予告演出有無判定テーブルのそれぞれでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「予告演出を実行する<予告演出を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。
また、(A)〜(C)と(D)〜(F)と(G)〜(I)と(J)〜(L)とを比較すると、大当り決定時に先読み演出を実行する割合は、「チャンス目予告演出<背景変化予告演出<保留変化予告演出<ゾーン予告演出」という大小関係となるようにデータが設定されている。また、はずれ時に先読み演出を実行する割合は、「チャンス目予告演出>背景変化予告演出>保留変化予告演出>ゾーン予告演出」という大小関係となるようにデータが設定されている。これにより、「チャンス目予告演出<背景変化予告演出<保留変化予告演出<ゾーン予告演出」という大小関係で、演出が実行されたときの大当りに対する期待度が高くなる。なお、先読み演出が実行されたときの大当りに対する期待度は、それぞれの予告演出で同じとする等、その他の大小関係が設定されてもよい。
このような図20(A)〜(L)でのデータの設定により、保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のそれぞれについて、実行すると決定する割合が高くなる。これにより、このような先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。また、図20(A)〜(L)でのデータの設定により、保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がはずれ表示結果となるが、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチではずれ表示結果となるときには、大当りとなる期待度がスーパーリーチとなるときよりも低い、スーパーリーチ以外の変動表示(たとえば、ノーマルリーチ変動表示、通常変動表示等)ではずれ表示結果となるときと比べて、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のそれぞれについて、実行すると決定する割合が高くなる。これにより、このような先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図21は、先読み演出実行開始変動選択テーブルを示す説明図である。図21(A)に示す先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行開始変動選択テーブルは、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のようなゾーン予告演出以外の先読み演出を実行させることが決定されたときに、先読み演出の実行を開始させる変動表示を選択決定するために用いられる。図21(B)は、先読み演出としてゾーン予告演出を実行させることが決定されたときに、ゾーン予告演出の実行を開始させるタイミングを選択決定するために用いられる。先読み演出実行開始変動選択テーブルは、ROM102に記憶されている。
図21(A)に示すように、ゾーン予告演出以外の先読み演出は、新たに発生した保留記憶情報を含めて少なくとも2個の保留記憶情報が存在していることを条件として実行され、また、第1保留記憶数の上限個数は、4個であるため、先読み演出の実行を開始させる変動表示は、先読み判定対象の保留記憶情報に基づく変動表示を基準として、1回前の変動表示時、2回前の変動表示時、および、3回前の変動表示時のうちのいずれかの時期から実行可能である。
図21(A)に示すゾーン予告演出以外の先読み演出実行開始変動選択テーブルでは、新たに発生した保留記憶情報を含めた第1特別図柄の保留記憶数(第1保留記憶数)である2〜4個のそれぞれについて、1回前〜3回前の変動表示時に、先読み演出実行開始変動選択用の乱数SR5(0〜399の数値範囲)の合計400個の数値が割振られている。
図21(A)に示すゾーン予告演出以外の先読み演出実行開始変動選択テーブルでは、第1保留記憶数が多い程、より一層先の変動表示時から先読み演出の実行が開始されやすくなるように、データが設定されている。チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のような先読み演出を実行することが決定されたときには、先読み演出実行開始変動選択テーブルを用いて、先読み演出の実行を開始させる変動表示が選択決定される。これにより、先読み演出の実行開始タイミングが固定的ではなくなるので、演出のバリエーションを豊富化することができる。
図21(B)に示す先読み演出(ゾーン予告演出)実行開始変動選択テーブル(ゾーン予告演出実行開始変動選択テーブル)では、入賞時、当該変動(リーチ成立)時、及び当該変動(スーパーリーチ発展)時に、先読み演出実行開始変動選択用の乱数SR5(0〜399の数値範囲)の合計400個の数値が割振られている。以下、入賞時に開始するゾーン予告演出を第1ゾーン予告演出、当該変動(リーチ成立)時に開始するゾーン予告演出を第2ゾーン予告演出、当該変動(スーパーリーチ発展)時に開始するゾーン予告演出を第3ゾーン予告演出ということがある。
パチンコ遊技機1においては、低ベース状態においてのみ先読み演出が実行されるので、第1保留記憶をターゲットとして、先読み演出が実行される。なお、高ベース状態においても先読み演出が実行されるようにしてもよい。
なお、先読み演出については、図20に示すように、各先読み演出を実行するか否かを独立して判定している。これに対して、先読み演出を実行するか否かをランダムに判定した後、先読み演出を実行することが決定されたときに、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、保留変化予告演出、および、ゾーン予告演出のうちから、いずれか1つの予告演出、または、いずれかの複数種類の予告演出を選択し、選択した演出について、先読み演出として実行するようにしてもよい。また、先読み演出について、ゾーン予告演出とゾーン予告演出以外の先読み演出とを分けて区別し、ゾーン予告演出とゾーン予告演出以外の先読み演出を実行するか否かを独立して判定してもよい。ここで、ゾーン予告演出以外の先読み演出を実行することが決定されたときに、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、保留変化予告演出のうちから、いずれか1つの予告演出、または、いずれかの複数種類の予告演出を選択し、選択した演出について、先読み演出として実行するようにしてもよい。
図22は、演出制御用データ保持エリアを示す説明図、図23は、始動入賞時受信コマンドバッファ+演出用バッファを示す説明図、図24は、始動入賞時受信コマンドバッファデータ指定内容を示す説明図である。図3に示す演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図22に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図22に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191は、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、たとえば前述したSR1−1〜SR5、SR11のような、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファのそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図23に示すような始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。図23に示すような始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファは、第1特別図柄用と第2特別図柄用との2種類設けられている。図23では、先読み演出を実行する第1特別図柄に対応する始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファが一例として示されている。第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファは、図23に示されたバッファのうちの図柄指定、変動種別、始動入賞指定、および、保留記憶数指定という欄に相当し、各保留記憶の発生時に受信した受信コマンドをする記憶バッファである。始動入賞時受信コマンドバッファにおいては、第1保留記憶数の最大値(たとえば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。このような始動入賞時受信コマンドバッファには、図23に示された先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無、先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定、チャンス目予告演出態様指定、背景変化予告演出態様指定、保留変化予告演出態様指定、ゾーン予告演出判定有無、ゾーン予告演出実行変動指定、および、ゾーン予告演出態様指定という欄に相当する記憶領域を含む演出用バッファが、各保留記憶に対応付けられた態様で付加されている。なお、始動入賞時受信コマンドバッファと、演出用バッファとは、RAM103において、別領域に個別に設けられてもよい。
始動入賞時受信コマンドバッファについては、始動入賞時に受信したコマンドを格納する領域として、図柄指定コマンドを格納する領域(図中「図柄指定」)、変動種別コマンドを格納する領域(図中「変動種別」)、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンド)を格納する領域(図中「始動入賞指定」)、および、保留記憶数指定コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)を格納する領域(図中「保留記憶数指定」)が設けられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、保留記憶数指定コマンド(第1または第2保留記憶数指定コマンド)というコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。これにより、始動入賞があったときには、図中の「図柄指定」、「変動種別」、「始動入賞指定」、および、「保留記憶数指定」のそれぞれの領域に、受信したコマンドが格納される。
図23に示す始動入賞時受信コマンドバッファおよび対応する演出用バッファに格納されている各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものが、変動表示の演出に用いるために読出された後、削除され、以降の記憶内容がシフトされる。たとえば図23に示す格納状態において次に演出図柄の変動表示が開始される場合には、バッファ番号「1」に格納されている各データが読出された後削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされる。
図23に示す演出用バッファは、始動入賞時受信コマンドバッファと連結(従属)したようなアドレスの対応関係で記憶領域を設けてもよく、始動入賞時受信コマンドバッファとは独立したアドレスの記憶領域に、各始動入賞記憶に対応して記憶領域を設けてもよい。
図24に示すように、「図柄指定」コマンドの領域において、「C200(H)」は、はずれ表示結果指定を示し、「C201(H)」は大当り表示結果指定を示す。「変動種別」コマンドの領域において、「C300(H)」は通常変動の種別を示し、「C301(H)」はノーマルリーチ変動の種別を示し、「C302(H)」はスーパーリーチ変動の種別を示す。「始動入賞指定」コマンドの領域において、「A401(H)」は第1始動入賞指定を示し、「A402(H)」は第2始動入賞指定を示す。「保留記憶数指定」の領域においては、「C001(H)」〜「C004(H)」により第1保留記憶数「0」〜「4」を示し、「C101(H)」〜「C104(H)」により第2保留記憶数「0」〜「4」を示す。
始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および、保留記憶数指定コマンド(第1,第2)の順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、図20(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、保留記憶数指定コマンドが格納される。図20(B)では、バッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域においてコマンドが格納されている例が示されている。
演出制御バッファ設定部194においては、第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファにおけるバッファ番号「1」〜「4」のデータに対応して、次に示すような演出用の情報を格納するための記憶領域としての演出用バッファが設けられている。第2特別図柄については、この実施の形態では、先読み演出を実行しないため、先読み演出の実行用の演出用バッファは設けられていない。なお、第2特別図柄についても、先読み演出の実行用の演出用バッファを設け、第1特別図柄と同様に先読み演出を実行させてもよい。
第1特別図柄に関しては、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により、後述する先読み演出処理で、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」のデータ、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータ、「チャンス目予告演出態様指定」のデータ、「背景変化予告演出態様指定」のデータ、「保留変化予告演出態様指定」のデータ、「ゾーン予告演出判定有無」のデータ、および、「ゾーン予告演出実行変動指定」のデータが、始動入賞時受信コマンドバッファにおける保留記憶情報に対応するバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれのデータに対応して、演出用バッファに設けられた「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」のデータ格納領域、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータ格納領域、「チャンス目予告演出態様指定」のデータ格納領域、「背景変化予告演出態様指定」のデータ格納領域、「保留変化予告演出態様指定」のデータ格納領域、および、「ゾーン予告演出判定有無」のデータ格納領域に格納される。
「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」のデータは、ゾーン予告演出以外の先読み演出の判定がされたか否か(有無)を示すデータである。「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータは、ゾーン予告演出以外の先読み演出を実行するときの変動表示として指定(決定)されているか否かを示すデータである。「チャンス目予告演出態様指定」のデータは、チャンス目予告演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。「背景変化予告演出態様指定」のデータは、背景変化予告演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。「保留変化予告演出態様指定」のデータは、保留変化予告演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、図20(A)〜(I)の各種予告演出有無判定テーブルに基づく先読み演出の実行判定が未だされていないときには、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」のデータ格納領域に、「判定無」を特定可能な「1000(H)」のデータが記憶され、先読み演出を実行するか否かの判定がされたときには、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」の格納領域に、「判定有」を特定可能な「1001(H)」のデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のうち、少なくとも何れかの演出を実行することが決定されたときには、その演出内容に応じて、先読み判定対象以前の保留記憶情報に対応する「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータ格納領域に、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」を特定可能な「2001(H)」のデータが記憶される。一方、いずれの予告演出も実行しないことが決定されたときには、先読み判定対象に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータの格納領域に、「演出無」を特定可能な「2000(H)」のデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、図20(A)〜(C)の判定テーブルによりチャンス目予告演出が実行されないことが決定されたときは、「チャンス目予告演出態様指定」のデータ格納領域に、「演出無」を特定可能な「3000(H)」のデータが記憶される。一方、チャンス目予告演出が実行されることが決定されたときは、図21のチャンス目予告演出実行開始変動選択テーブルを用いて、何回前の変動表示時からチャンス目予告演出を実行するかを決定し、さらに、前述のチャンス目予告演出態様選択テーブルを用いて、何れかの種類のチャンス目予告演出パターンが選択決定される。
そして、先読み判定対象の保留記憶情報以前の保留記憶情報に対応する「チャンス目予告演出態様指定」のデータ格納領域において、その決定されたチャンス目予告演出パターンを実行するために、チャンス目予告演出パターンを特定可能なデータ(3001(H)〜等)が記憶される。図23では、バッファ番号4の保留記憶情報が先読み判定対象であり、その先読み判定対象についてチャンス目予告演出を実行することが決定され、先読み判定対象以前のすべての「チャンス目予告演出態様指定」のデータ格納領域において、第1チャンス目予告演出パターンのデータが設定された例が示されている。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、図20(D)〜(F)の判定テーブルにより背景変化予告演出が実行されないことが決定されたときは、「背景変化予告演出態様指定」のデータ格納領域に、「演出無」を特定可能な「3000(H)」のデータが記憶される。一方、背景変化予告演出が実行されることが決定されたときは、図21(A)の先読み演出実行開始変動選択テーブルを用いて、何回前の変動表示時から背景変化予告演出を実行するかを決定し、さらに、前述の背景変化予告演出態様選択テーブルを用いて、何れかの種類の背景変化予告演出パターンが選択決定される。
そして、先読み判定対象の保留記憶情報以前の保留記憶情報に対応する「背景変化予告演出態様指定」のデータ格納領域において、その決定された背景変化予告演出パターンを実行するために、背景変化予告演出パターンを特定可能なデータ(3101(H)〜等)が記憶される。図23では、バッファ番号4の保留記憶情報が先読み判定対象であり、その先読み判定対象について背景変化予告演出を実行することが決定され、先読み判定対象以前のすべての「背景変化予告演出態様指定」のデータ格納領域において、第1背景変化予告演出パターンのデータが設定された例が示されている。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、図20(G)〜(I)の判定テーブルにより保留変化予告演出が実行されないことが決定されたときは、「保留変化予告演出態様指定」のデータ格納領域に、「演出無」を特定可能な「3000(H)」のデータが記憶される。一方、保留変化予告演出が実行されることが決定されたときは、図21(A)の先読み演出実行開始変動選択テーブルを用いて、何回前の変動表示時から保留変化予告演出を実行するかを決定し、さらに、前述の保留変化予告演出態様選択テーブルを用いて、何れかの種類の保留変化予告演出パターンが選択決定される。
そして、先読み判定対象の保留記憶情報以前の保留記憶情報に対応する「保留変化予告演出態様指定」のデータ格納領域において、その決定された保留変化予告演出パターンを実行するために、保留変化予告演出パターンを特定可能なデータ(3201(H)〜等)が記憶される。図23では、バッファ番号4の保留記憶情報が先読み判定対象であり、その先読み判定対象について保留変化予告演出を実行しないことが決定され、先読み判定対象以前のすべての「保留変化予告演出態様指定」のデータ格納領域において、演出無のデータが設定された例が示されている。
各保留記憶情報に対応する「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータ格納領域においては、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のうちのいずれかを実行することが決定されたときに、「先読み演出実行変動指定有」を特定可能な「2001H」が記憶され、いずれの予告演出も実行しないことが決定されたときに、「先読み演出実行変動指定無」を特定可能な「2000H」が記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、図20(J)〜(L)の判定テーブルによりゾーン予告演出が実行されないことが決定されたときは、「ゾーン予告演出態様指定」のデータ格納領域に、「演出無」を特定可能な「4200(H)」のデータが記憶される。一方、ゾーン予告演出が実行されることが決定されたときは、図21(B)のゾーン予告演出実行開始変動選択テーブルを用いて、第1ゾーン予告演出〜第3ゾーン予告演出のいずれを実行するかを決定し、さらに、前述のゾーン予告演出態様選択テーブルを用いて、何れかの種類のゾーン予告演出パターンが選択決定される。
そして、先読み判定対象の保留記憶情報以前の保留記憶情報に対応する「ゾーン予告演出態様指定」のデータ格納領域において、その決定されたゾーン予告演出パターンを実行するために、ゾーン予告演出パターンを特定可能なデータ(4201(H))が記憶される。図23では、バッファ番号4の保留ゾーン予告演出態様選択テーブル記憶情報が先読み判定対象であり、その先読み判定対象についてゾーン予告演出を実行しないことが決定され、先読み判定対象以前のすべての「ゾーン予告演出態様指定」のデータ格納領域において、演出無のデータが設定された例が示されている。
このように、演出用バッファにおいて、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」、「チャンス目予告演出態様指定」、「背景変化予告演出態様指定」、「保留変化予告演出態様指定」、「ゾーン予告演出判定有無」、および、「ゾーン予告演出実行変動指定」のそれぞれのデータ格納領域において前述のようなデータが記憶されていくことにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのようなデータを確認することに基づいて、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、保留変化予告演出、および、ゾーン予告演出のような先読み演出を実行することが可能となる。
図25は、先読み演出と先読み中報知との関係を示すタイミングチャートである。先読み中報知を行わないため、ここでは、ゾーン予告演出以外の先読み演出について先読み中報知との関係を説明する。図25においては、(A1),(B1),(C1),(D1)において、先読み判定対象の変動表示前における先読み演出と先読中報知との関係が示されている。図25においては、(A2),(B2),(C2),(D2)において、先読み判定対象以降の変動表示における先読み演出と先読中報知との関係の第1例が示されている。図25においては、(A3),(B3),(C3),(D3)において、先読み判定対象以降の変動表示における先読み演出と先読中報知との関係の第2例が示されている。
(A1)〜(D1)に示すように、先読み判定対象の変動表示前において、先読み判定対象に基づいて、先読み演出として、チャンス目予告演出を先読み判定対象の3回前の変動表示時から実行を開始するとともに、背景変化予告演出を先読み判定対象の3回前の変動表示時から実行を開始することが決定されたときには、次のように複数種類の先読み演出が実行される。
(C1)に示すように、先読み判定対象の3回前の変動表示開始時と同時に、背景予告演出の実行が開始される。この時点は変動表示の開始時であるので、チャンス目予告演出は実行されていない。このように1回の変動表示に対応して複数種類の先読み演出が実行されるときには、(D1)に示すように、先に実行が開始される背景予告演出による先読み演出の開始時に、先読み中報知の実行が開始される。(B1)に示すように、チャンス目予告演出は、先読み判定対象の3回前、2回目、および、1回前のそれぞれの変動表示の終了直前における表示結果の導出表示時において実行される。
このように、1回の変動表示に対応して複数種類の先読み演出が実行されるときには、先に実行が開始される背景予告演出による先読み演出の開始時に、先読み中報知の実行が開始されるので、複数の特定演出が実行されるときの先読み中報知の実行時期を適切な時期とすることができる。
また、(B1),(C1)に示すように複数回の変動表示に亘り特定演出が実行されるときに、(D1)に示すように、複数回の変動表示に亘り先読み中報知が実行可能であることにより、先読み演出の実行時期に対応して先読み中報知を実行することができ、先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
次に、先読み判定対象以降の変動表示時における先読み中報知の状態制御について説明する。先読み判定対象の変動表示が実行されるときにおいて、次回の先読み演出を実行することが決定されている保留記憶情報がないときには、(A2),(B2),(C2),(D2)に示すように、背景予告演出が(C2)のように先読み判定対象の変動表示の終了に対応して終了する。そのときに、先読み中報知は、先読み判定対象の変動表示が終了しても継続し、当該先読み判定対象の変動表示の1回後の変動表示が開始されてから所定時間経過時に終了させられる。
先読み中報知については、(D2)に示すように先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み演出が実行されたときの先読み判定対象の変動表示がどの変動表示であるかを遊技者が容易に識別できないようになり、先読み判定対象の変動表示が遊技者に識別されにくいようにして遊技の興趣の低下を抑制することができる。
従来のパチンコ遊技機では、特定演出としての先読み演出が実行されるときにおいて、特に、リーチとならずにはずれ表示結果となる変動表示、および、ノーマルリーチとなった後にはずれ表示結果となる変動表示のような、大当りに対する期待度が比較的に低い変動表示が実行される保留記憶情報が先読み判定対象(ターゲット)である場合に、先読み判定対象の変動表示が実行されて終了する時点で先読み演出を終了すると、遊技者が先読み判定対象の変動表示を容易に認識可能となるので、遊技者が興ざめ感を持ち、遊技の興趣が低下するという問題があった。これに対し、この実施の形態のパチンコ遊技機1では、前述のように、先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み演出が実行されたときの先読み判定対象の変動表示がどの変動表示であるかを遊技者が容易に認識できないようにすることができ(先読み判定対象の認識性を低下させることができ)。これにより、この実施の形態では、先読み演出について、前述のような興ざめ感を遊技者が持つことを緩和することができ、遊技の興趣低下を抑制することができる。
また、先読み判定対象の変動表示が実行されるときにおいて、次回の先読み演出を実行することが決定されている保留記憶情報があるときには、(A3),(B3),(C3),(D3)に示すように、当該保留記憶情報がないときと同様に、先読み中報知が、先読み判定対象の変動表示が終了しても継続し、さらに、当該先読み判定対象の変動表示の1回後の変動表示が開始されてから所定時間が経過しても終了することなく、次回の先読み演出を実行することが決定されている先読み判定対象に対応する変動表示が実行されるまで継続して実行される。
このように、先読み中報知については、先読み判定対象が複数あるときに、先の先読み判定対象の変動表示の終了時から次の第2先読み判定対象の変動表示の開始時までの期間中において継続する態様で、報知が実行されるので、先の先読み判定対象の変動表示の終了後も、次の先読み判定対象の変動表示まで先読み予告演出が継続して実行されているような印象を遊技者に与えることができ、複数の先読み判定対象の変動表示間において遊技の興趣の低下を抑制することができる。
図26は、前述の先読み演出処理(S700)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下のような処理をする。
まず、図22示す第1保留記憶についての始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファにおける記憶内容をチェックし、その中に、先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるか否かを判定する(S711)。たとえば、先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無の格納領域において「1000(H)」のデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか、またはゾーン予告演出判定有無の領域において「4100(H)」のデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか否かを判定する。
S711で、先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S711で、先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるときは、現在の第1保留記憶個数が2以上であるか否かを、第1保留記憶数指定コマンドにより特定される第1保留記憶数に基づいて確認する(S712)。S712では、第1保留記憶数が2未満であるときに、新たな第1保留記憶情報に基づく変動表示を実行する前に変動表示を実行する第1保留記憶情報がなく、新たな第1保留記憶情報に基づく先読み演出を実行する対象となる先の変動表示が存在しないので、先読み演出を実行する変動表示が実行可能であるかどうかを確認するのである。
S712で現在の第1保留記憶個数が2以上でないときは、先読み演出を実行しないことを決定し(S727)、後述するS728に進む。一方、S712で現在の第1保留記憶個数が2以上であるときは、先読み判定対象の保留記憶情報について、始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、対応する変動表示結果および変動種別を確認する(S713)。そして、S713で確認した変動表示結果および変動種別に基づいて、図20(A)〜(C)のチャンス目予告演出有無判定テーブルから対応するテーブルを選択し、乱数SR3を抽出するとともに、選択したテーブルを用いて、乱数SR3の抽出値に基づいて、チャンス目予告演出を実行するか否かを判定する(S717)。
次に、S713で確認した変動表示結果および変動種別に基づいて、図20(D)〜(F)の背景変化予告演出有無判定テーブルから対応するテーブルを選択し、乱数SR4を抽出するとともに、選択したテーブルを用いて、乱数SR4の抽出値に基づいて、背景変化予告演出を実行するか否かを判定する(S718)。
次に、S713で確認した変動表示結果および変動種別に基づいて、図20(G)〜(I)の保留変化予告演出有無判定テーブルから対応するテーブルを選択し、乱数SR5を抽出するとともに、選択したテーブルを用いて、乱数SR5の抽出値に基づいて、保留変化予告演出を実行するか否かを判定する(S719)。
そして、保留変化予告演出を実行すると判定した場合には、先読み判定対象の第1保留記憶情報について、「保留等変化演出判定有無」の格納領域のデータとして「判定有」のデータを記憶する(S720)。なお、保留変化予告演出を実行しないと判定した場合には、「保留等変化演出判定有無」の格納領域のデータとして「判定無」のデータを記憶する。
次に、S717〜S719での判定結果に基づいて、先読み判定対象に対応して、いずれかの先読み演出を実行することが決定されたか否かを確認する(S721)。S721により、いずれの先読み演出も実行しないことが決定されたときには、先読み判定対象の第1保留記憶情報に対応して、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」の格納データとして「指定無」のデータを記憶し、「チャンス目予告演出態様指定」、「背景変化予告演出態様指定」、および、「保留変化予告演出態様指定」のような各種予告演出態様指定の格納データとして「演出無」のデータを記憶する(S726)。続いて、ゾーン予告演出処理を行なう(S726A)。ゾーン予告演出処理については、後に説明する。そしてS728に進む。
一方、S721により、いずれかの先読み演出を実行することが決定されたときには、先読み判定対象の保留記憶情報についての変動表示結果を始動入賞時受信コマンドバッファにおいて確認する(S722)。
そして、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のうち、先読み演出を実行することが決定された1または複数の先読み演出について、図21の先読み演出実行開始変動選択テーブルを選択し、乱数SR5を抽出するとともに、選択したテーブルを用いて、乱数SR5の抽出値に基づいて、実行する先読み演出の実行を開始する変動表示回を、先読み判定対象から1回前〜3回前のうちから選択決定する(S723)。
次に、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のうち、先読み演出を実行することが決定された1または複数の先読み演出について、実行する先読み演出の演出態様を、先読み演出の種類別に選択決定する(S724)。
S724では、具体的に、チャンス目予告演出を実行する決定がされたときには、チャンス目予告演出態様選択用の乱数SR6を抽出するとともに、チャンス目予告演出態様選択テーブルを選択し、乱数SR6の抽出値に基づいて、チャンス目予告演出態様としてのチャンス目予告演出パターンを複数のチャンス目予告演出パターンのうちから選択決定する。また、S724では、具体的に、背景変化予告演出を実行する決定がされたときには、背景変化予告演出態様選択用の乱数SR7を抽出するとともに、背景変化予告演出態様選択テーブルを選択し、乱数SR7の抽出値に基づいて、背景変化予告演出態様としての背景変化予告演出パターンを複数の背景変化予告演出パターンのうちから選択決定する。また、S724では、具体的に、保留変化予告演出を実行する決定がされたときには、保留変化予告演出態様選択用の乱数SR8を抽出するとともに、保留変化予告演出態様選択テーブルを選択し、乱数SR8の抽出値に基づいて、保留変化予告演出態様としての保留変化予告演出パターンを複数の保留変化予告演出パターンのうちから選択決定する。
次に、S723およびS724での決定した先読み演出の開始時期および演出態様に応じて、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」と、「チャンス目予告演出態様指定」、「背景変化予告演出態様指定」、および、「保留変化予告演出態様指定」のような各種予告演出対象指定とのデータ格納領域にデータを記憶し(S725)、S728に進む。
具体的に、S725では、チャンス目予告演出については、前述したように、先読み判定対象以前のデータ格納領域において、S723で決定された変動表示回数分の「チャンス目予告演出態様指定」のデータ格納領域に、S724で決定されたチャンス目予告演出パターンを特定する先読み演出態様のデータを記憶する。S725では、背景変化予告演出については、前述したように、先読み判定対象以前のデータ格納領域において、S723で決定された変動表示回数分の「背景変化予告演出態様指定」のデータ格納領域に、S724で決定された背景変化予告演出パターンを特定する先読み演出態様のデータを記憶する。S725では、保留変化予告演出については、前述したように、先読み判定対象以前のデータ格納領域において、S723で決定された変動表示回数分の「保留変化予告演出態様指定」のデータ格納領域に、S724で決定された保留変化予告演出パターンを特定する先読み演出態様のデータを記憶する。
S728では、保留表示出現色選択決定用の乱数SR8を抽出するとともに、所定の保留表示出現色選択決定用のデータテーブルを用いて、乱数SR8の抽出値に基づいて、保留表示出現色選択決定用のデータテーブルは、大当り表示結果となるときに「通常色(黄色)<白色<青色<緑色<赤色」という大小関係の選択割合となり、はずれ表示結果となるときに「通常色(黄色)>白色>青色>緑色>赤色」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
次に、先読み判定対象の第1保留記憶情報について、S727で選択決定した出現保留色の保留画像を新たな保留画像として出現させる表示をし(S729)、処理を終了する。このように、先読み演出処理においては、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留表示態様として、出現保留色を選択決定し、決定した出現保留表示態様で新たに保留画像を出現させる表示を実行する。このように表示された保留画像は、変動表示が実行されるごとに、図13のS707の保留記憶表示制御処理により保留シフト動作が実行され、表示位置がシフト(移動)させられることとなる。
なお、前述したような、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留表示態様(出現保留色)を選択決定する処理については、図13のS707の保留記憶表示制御処理に含め、当該保留記憶表示制御処理を実行するときに、出現保留表示態様を選択決定するようにしてもよい。
図27は、前述のゾーン予告演出処理(S726A)を示すフローチャートである。ゾーン予告演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下のような処理をする。
まず、S713で確認した変動表示結果および変動種別に基づいて、図20(J)〜(L)のゾーン予告演出有無判定テーブルから対応するテーブルを選択し、乱数SR11を抽出するとともに、選択したテーブルを用いて、乱数SR11の抽出値に基づいて、ゾーン予告演出を実行するか否かを判定する(S751)。そして、ゾーン予告演出を実行すると判定した場合には、先読み判定対象の第1保留記憶情報について、「ゾーン予告演出判定有無」の格納領域のデータとして「判定有」のデータを記憶する(S752)。なお、ゾーン予告演出を実行しないと判定した場合には、「ゾーン予告演出判定有無」の格納領域のデータとして「判定無」のデータを記憶する。
次に、S751での判定結果に基づいて、先読み判定対象に対応して、ゾーン予告演出を実行することが決定されたか否かを確認する(S753)。S753により、ゾーン予告演出を実行しないことが決定されたとき(S753のNO)には、先読み判定対象の第1保留記憶情報に対応して、「ゾーン予告演出実行変動指定」の格納データとして「指定無」のデータを記憶し、「ゾーン予告演出態様指定」の格納データとして「演出無」のデータを記憶する(S754)。
一方、S753により、ゾーン予告演出を実行することが決定されたとき(S753のYES)には、先読み判定対象の保留記憶情報についての変動表示結果を始動入賞時受信コマンドバッファにおいて確認する。次に、実行するゾーン予告演出の演出態様を、先読み演出の種類別に選択決定する(S755)。続いて、乱数SR5を抽出するとともに、図21(B)に示すゾーン予告演出実行開始選択テーブルを用いて、乱数SR5の抽出値に基づいて、実行するゾーン予告演出が第1ゾーン予告演出であるか否かを判定する(S756)。
S756により、実行するゾーン予告演出が第1ゾーン予告演出であるとき(S756のYES)には、シャッタ画像を表示させて(S757)ゾーン予告演出処理を終了する。シャッタ画像を表示させる際には、ゾーン専用またはゾーン非専用キャラクタをシャッタ画像の手前側に表示する。また、実行するゾーン予告演出が第1ゾーン予告演出でないとき(S756のNO)には、そのままゾーン予告演出処理を終了する。
図28は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616Aへ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616Aへ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616Aへ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、保留等変化の演出、および、特定予告演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理A(S616A)および演出設定処理B(S616B)を実行した後、S617に進む。演出設定処理A、演出設定処理Bの処理内容については、図29、図30を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616A、S616Bの処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図29は、前述の演出設定処理A(S616A)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明するような処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、先読みアクティブ変化演出(アクティブ変化演出)を実行する指定がされた変動表示であるか否かを判定する(S781)。具体的に、S780では、図23に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「ゾーン予告演出実行変動指定」のデータとして「ゾーン予告演出実行変動の指定有」のデータが記憶されているときに、ゾーン予告演出を実行する指定がされた変動表示であると判定する。S781において、ゾーン予告演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたとき(S781のNO)は、演出設定処理を終了する。
S781により先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定されたとき(S781のYES)は、図23に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「ゾーン予告演出態様指定」のデータを確認することに基づいて、今回実行するゾーン予告演出の演出態様を確認する(S782)。例えば、ゾーン予告演出態様「4201」が記憶されている場合には、ゾーン予告演出の演出態様として「ゾーン予告演出実行パターン」を確認する。
次に、S782による今回の変動表示において実行するゾーン予告演出の演出態様の確認結果に基づいて、実行するゾーン予告演出の演出パターン、および、実行タイミングを設定する(S783)。具体的に、S783においては、確認した「ゾーン予告演出態様指定」のデータに対応して、たとえば、今回の変動表示において、どの種類のゾーン予告演出を、どの演出パターンで、どのタイミングで実行させるかというようなゾーン予告演出の演出パターンを設定する。実行するゾーン予告演出の実行タイミングは、図21(AB)のゾーン予告演出実行開始変動選択テーブルを用いて決定し、図15のゾーン予告演出種類テーブルに設定されたゾーン予告演出種類別の演出開始時期を参照することに基づいて判別して設定可能である。
続いて、シャッタ開放後演出パターンを決定する(S784)。図31に示すように、シャッタ開放後演出パターンとしては、「演出パターン1(NR用役物動作無)」、「演出パターン2(NR用役物動作有)」、「演出パターン3(SR用役物動作無)」、「演出パターン4(SR用役物動作有)」、「演出パターン5(SR用役物動作有)」、「演出パターン6(NR用役物動作2回有)」の6パターンがある。
シャッタ開放後演出パターンで示される「役物動作」とは、可動演出部材(以下、演出用役物ということがある)60が傾動して演出用役物の上方が揺動する動作(以下、傾動動作ともいう)を行なう演出(役物演出)である。また、図31における「NR用」は、ノーマルリーチ用、「SR用」はスーパーリーチ用、「役物」は演出用役物60を意味する。また、スーパーリーチは、ノーマルリーチの後、ノーマルリーチから発展して実行されるリーチである。
図31に示す「演出パターン1(NR用役物動作無)」は、演出用役物60の傾動動作がないノーマルリーチが実行される演出パターンである。
「演出パターン2(NR用役物動作有)」は、ノーマルリーチ前に演出用役物60の傾動動作があり、ノーマルリーチが実行される演出パターンである。
「演出パターン3(SR用役物動作無)」は、演出用役物60の傾動動作がないスーパーリーチが実行される演出パターンである。
「演出パターン4(SR用役物動作有)」は、ノーマルリーチ前に演出用役物60の傾動動作があり、スーパーリーチが実行される演出パターンである。
「演出パターン5(SR用役物動作有)」は、スーパーリーチに発展した後に演出用役物60の傾動動作がある演出パターンである。
「演出パターン6(NR用役物動作2回有)」は、ノーマルリーチ前とスーパーリーチに発展した後の2回演出用役物が傾動動作を行なう演出パターンである。
図31(A)に示すように、ハズレ時ノーマルリーチが実行される場合、98%の割合で「演出パターン1(NR用役物動作無)」が実行され、2%の割合で「演出パターン2(NR用役物動作有)」が実行されるように、シャッタ開放後演出パターン決定用乱数SR21(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が割振られている。
図31(B)に示すように、ハズレ時スーパーリーチが実行される場合、60%の割合で「演出パターン3(SR用役物動作無)」が実行され、20%の割合で「演出パターン4(SR用役物動作有)」が実行され、15%の割合で「演出パターン5(SR用役物動作有)」が実行され、5%の割合で「演出パターン6(NR用役物動作2回有)」が実行されるように、シャッタ開放後演出パターン決定用乱数SR21(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が割振られている。
図31(C)に示すように、大当り時ノーマルリーチが実行される場合、40%の割合で「演出パターン1(NR用役物動作無)」が実行され、60%の割合で「演出パターン2(NR用役物動作有)」が実行されるように、シャッタ開放後演出パターン決定用乱数SR21(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が割振られている。
図31(D)に示すように、ハズレ時スーパーリーチが実行される場合、20%の割合で「演出パターン3(SR用役物動作無)」が実行され、30%の割合で「演出パターン4(SR用役物動作有)」が実行され、20%の割合で「演出パターン5(SR用役物動作有)」が実行され、30%の割合で「演出パターン6(NR用役物動作2回有)」が実行されるように、シャッタ開放後演出パターン決定用乱数SR21(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が割振られている。
図31(A)〜(D)に示すように、シャッタ開放後演出パターンは、大当り表示結果となるときに「演出パターン1<演出パターン2」、「演出パターン3<演出パターン4<演出パターン5<演出パターン6」という大小関係の選択割合となり、はずれ表示結果となるときに「演出パターン1>演出パターン2」、「演出パターン3>演出パターン4>演出パターン5>演出パターン6」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
また、各演出パターンに応じて、BGMの変化が実行される。各演出パターンとBGMの内容との関係については後に説明する。こうして、演出設定処理Aを終了する。
次に、演出設定処理Bについて説明する。図30は、前述の演出設定処理B(S616B)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明するような処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、先読みアクティブ変化演出を実行する指定がされた変動表示であるか否かを判定する(S630)。具体的に、S630では、図20(B)に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータとして「先読み演出実行変動の指定有」のデータが記憶されているときに、先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定する。S630において、先読み演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたとき(S630のN)は、後述するS637に進む。
S630により先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定されたとき(S630のY)は、図23に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「チャンス目予告演出態様指定」、「背景変化予告演出態様指定」、および、「保留変化予告演出態様指定」のそれぞれのデータを確認することに基づいて、今回実行する先読み演出の演出態様を確認する(S631)。
次に、S631による今回の変動表示において実行する先読み演出の演出態様の確認結果に基づいて、実行する先読み演出の演出パターン、および、実行タイミングを設定し(S632)、S633に進む。具体的に、S632においては、確認した「チャンス目予告演出態様指定」、「背景変化予告演出態様指定」、および、「保留変化予告演出態様指定」のデータに対応して、たとえば、今回の変動表示において、どの種類の先読み演出を、どの演出パターンで、どのタイミングで実行させるかというような先読み演出の演出パターンを設定する。その場合において、実行する先読み演出の種類は、演出用バッファのこれらの演出態様指定の領域のデータが「3000(H)」以外のデータであるか否かに基づいて判別して設定可能である。実行する先読み演出の演出パターンは、演出用バッファのこれらの演出態様指定の領域のデータに記憶された演出パターンのデータに基づいて判別して設定可能である。実行する先読み演出の実行タイミングは、図15の先読み演出種類テーブルに設定された先読み演出種類別の演出開始時期を参照することに基づいて判別して設定可能である。
次に、先読み中報知フラグがセットされているか否かを判定する(S633)。先読み中報知フラグは、先読み演出の実行に対応して先読み中報知が実行中であるときにセットされるフラグであり、後述するS635によりセットされる。
S633により先読み中報知フラグがセットされていないと判定されたとき(S633のN)は、これから実行される先読み演出に対応して先読み中報知の実行を開始するときであり、実行する先読み演出の種類に応じて、先読み中報知演出の演出パターンおよび実行タイミングを設定する(S634)。たとえば、チャンス目予告演出が実行されるときには、変動表示終了時から先読み中報知を実行する設定をする。背景変化予告演出が実行されるときには、変動表示開始時から先読み中報知を実行する設定をする。保留変化予告演出が実行されるときには、変動表示中における保留変化時から先読み中報知を実行する設定をする。また、1変動表示中において複数種類の先読み演出を実行する場合は、図16(A1),(B1),(C1),(D1)に示すように、実行タイミングが早い方の先読み演出開始時に先読み中演出を開始する設定をする。
また、S634では、いずれの種類の先読み演出が実行されるときも大当り期待度と関係なく図16に示す共通の先読み中報知画像94を表示する共通の先読み中報知が実行されるように、演出パターンが設定される。これにより、先読み中報知を実行するときの制御処理を簡素化することができる。また、S634では、いずれの種類の先読み演出が実行されるときも先読み演出の種類によらずに、図16に示す共通の先読み中報知画像94を表示する先読み中報知が実行されるように、演出パターンが設定される。これにより、遊技者が先読み中報知が実行中であるか否かを共通の先読み中報知演出の表示の有無で確認することが可能となるので、複数種類の先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
また、S634では、複数のチャンス目予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の背景変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の保留変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、図16に示す共通の先読み中報知画像94を表示する共通の先読み中報知が実行されるいずれの種類の先読み演出が実行される。これにより、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出の各先読み演出について、各先読み演出に含まれるいずれの種類の演出態様(演出パターン)が実行されるときも、遊技者が先読み中報知が実行中であるか否かを共通の先読み中報知演出の表示の有無で確認することが可能となるので、先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。また、先読み中報知を実行するときの制御処理を簡素化することができる。
次に、先読み中報知フラグをセットし(S635)、S642に進む。また、S633により先読み中報知フラグがセットされていると判定されたとき(S633のY)は、図23の演出用バッファにおける「図柄指定」のデータを確認することにより、今回の変動表示の表示結果が大当り表示結果となるか否かを判定する(S636)。
S636で大当り表示結果とならないと判定されたとき(S636のN)は、現在実行中の先読み中報知の演出を今回の変動表示中も継続し、その先読み中報知の演出を変動表示の終了後も継続させるような、先読み中報知の演出パターンを設定し(S636A)、S642に進む。これにより、今回の変動表示がはずれ表示結果となるときには、図25(D2)に示すように次回の変動表示まで継続する態様で、先読み中報知が実行されることとなる。
一方、S636で大当り表示結果となると判定されたとき(S636のY)は、現在実行中の先読み中報知の演出を今回の変動表示中も継続し、その先読み中報知の演出を変動表示の終了時に終了させるような、先読み中報知の演出パターンを設定し(S636B)、S642に進む。これにより、今回の変動表示が大当り表示結果となるときには、次回の変動表示まで継続しない態様で、先読み中報知が実行されることとなる。
S636,S636A,S636Bでは、先読み判定対象の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態に制御されるときには当該変動表示の終了時に先読み中報知が終了させられるが、はずれ表示結果となり大当り遊技状態に制御されないときには、当該変動表示の終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み判定対象の変動表示を契機として大当り遊技状態に制御されなかった場合における遊技の興趣の低下を抑制することができる。
前述のS630により先読み演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されてS637に進んだときは、先読み中報知フラグがセットされているか否かを判定する(S637)。S637で先読み中報知フラグがセットされていないと判定されたと(S637のN)きは、S642に進む。一方、S637で先読み中報知フラグがセットされていると判定されたとき(S637のY)は、既に実行された先読み演出に対応して先読み中報知が実行中であるときであり、図23の演出用バッファを確認することにより、第1保留記憶情報中において、今回の変動表示以降に次の先読み演出を実行する予定のものがあるか否かを判定する(S638)。
S638で今回の変動表示以降に次の先読み演出を実行する予定がないと判定されたとき(S638のN)は、先読み中報知フラグをリセットし(S639)、今回の変動表示開始時から所定期間(たとえば、5秒程度)経過時に先読み中報知演出を終了させる演出パターンを設定し(S640)、S642に進む。
したがって、先読み演出に対応する先読み中報知は、先読み判定対象の変動表示が実行されるときも、S636Aにより次回の変動表示まで継続する態様で実行され、S638〜S640により、第1保留記憶情報として次の先読み演出の実行予定がないときは、先読み判定対象の1回後の変動表示の開始後所定時間経過時まで継続される。
このように、先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み演出が実行されたときの先読み判定対象の変動表示がどの変動表示であるかを遊技者が容易に識別できないようになり、先読み判定対象の変動表示が遊技者に識別されにくいようにして遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、先読み判定対象の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態に制御されないときに、当該変動表示の終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み判定対象の変動表示を契機として大当り遊技状態に制御されなかった場合における遊技の興趣の低下を抑制することができる。
一方、S638で今回の変動表示以降に次の先読み演出を実行する予定があると判定されたとき(S638のY)は、先読み中報知フラグをリセットせず、現在実行中の先読み中報知の演出を今回の変動表示中も継続し、その先読み中報知の演出を変動表示の終了後も継続させるような、先読み中報知の演出パターンを設定し(S641)、S642に進む。
このように、先読み判定対象が複数あるときに、先に変動表示が実行される第1先読み判定対象の変動表示の終了時から、後に変動表示が実行される第2先読み判定対象の変動表示の開始時までの期間中において継続する態様で、先読み中報知が実行されるので、先の先読み判定対象の変動表示の終了後も、後の先読み判定対象の変動表示まで特定演出が継続して実行されているような印象を遊技者に与えることができ、複数の先読み判定対象の変動表示間において遊技の興趣の低下を抑制することができる。
次に、S642においては、前述した先読み演出および先読み中報知演出以外のその他の各種演出を設定する処理を実行する(S642)。その後、演出設定処理を終了する。
このような演出設定処理におけるS632の処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づき、図14に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S632で設定された演出パターンおよび実行タイミングに基づいて、図16に示すようなチャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のうちのいずれ1つの演出、または、いずれか複数の演出が実行される。
また、演出設定処理におけるS634,S636A、S636B、S640、S641の処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づき、図14に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S632で設定された演出パターンに基づいて、図17に示すような先読み中報知の演出が実行される。
次に、ゾーン予告演出が実行される際の具体的な演出の流れについて説明する。まず、第1ゾーン予告演出について説明する。図32は、第1ゾーン予告演出の演出態様を示すタイムチャート、図33は、第1ゾーン予告演出の流れを示す図である。ここでは、第1ゾーン予告演出が図31に示す演出パターン5で実行される場合について説明する。
図32に示すように、第1ゾーン予告演出は、第1ゾーン予告演出を発生させる遊技球の入賞があった時に開始され、このとき、図18(A)に示す演出表示装置9にシャッタ画像300Sが表示されはじめ、完全に閉鎖したシャッタ画像が表示された状態となる。また、ターゲット変動が開始すると、閉鎖したシャッタ画像300Sが表示された状態からシャッタ画像300Sが開放されていく画像が表示されシャッタ画像が表示されない状態に切り替わる。ターゲット変動が開始される前は、完全に閉鎖されたシャッタ画像300Sが表示されたシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行される。
ターゲット変動が開始するときには、さらに、特殊背景画像300T(図18(B)参照)が表示されてシャッタ開放後ゾーン予告演出が実行される。シャッタ開放後ゾーン予告演出が実行されるとともに、BGM演出で実行されるBGMが通常のBGM(通常BGM)からゾーン予告演出用BGM(以下、ゾーンBGMという)に切り替わる。続いて、ノーマルリーチ、スーパーリーチへと移行するが、この間特殊背景表画像300Tの表示やBGMが切り替わることはない。その後、演出用役物60が傾動動作を行なうと、BGMがゾーンBGMからスーパーリーチ用BGM(SR用BGM、以下「スーパーBGMという」)に切り替わる。
図33を参照してここまでの流れを説明すると、第1ゾーン予告演出が開始される前の通常の演出では、例えば、図33(A)に示すように、演出表示装置9において、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが変動表示する画像が表示されている。このとき、BGM演出として、スピーカ27からは通常BGMが出力されるBGM演出(以下、通常BGM演出という)が実行されている。通常BGMは、例えば穏やかな音楽が流れるBGMである。
通常の演出が実行されている最中に、第1ゾーン予告演出が開始されると、まず、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が開始される。シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出では、図33(B)に示すように、演出表示装置9の左右側からそれぞれシャッタ画像300Sが表示され、シャッタ画像によって左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが隠される。また、通常の演出では、演出表示装置9には、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rとともに、通常の演出画像が表示されているが、これらの演出画像も隠される。シャッタ画像300Sは、図19(B)に示すゾーン演出表示レイヤに表示される。このため、シャッタ画像300Sが完全に表示されると、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rは、図33(C)に示すように、シャッタ画像300Sに隠される。図33(B)に示す状態では、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rのうち左の飾り図柄5Lおよび右の飾り図柄5Rがシャッタ画像300Sによって隠された状態を示している。また、シャッタ画像300Sが表示されると、図19(B)に示す小図柄表示エリアに小図柄画像300A及び保留画像Hが表示される。小図柄画像300Aは、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rと同じ図柄の画像が表示される。左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rの一部または全部が変動表示されているときには、小図柄画像300Aにおいても同様の変動表示が行なわれる。小図柄画像300Aは、シャッタ画像300Sが表示されるシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出時に表示される。また、保留画像Hは、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出以外の時にも表示されることがある。シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出は、複数回の変動にまたがって行なわれることがあるが、保留画像Hが表示されていることにより、演出表示装置9を視認することで、1回の変動の終了が分かるようになっている。シャッタ予告演出が開始されると、BGM演出としてスピーカから出力されるBGMが通常BGMから、ゾーンBGMが出力されるBGM演出(以下、ゾーンBGMという)に切り替わる。ゾーンBGMは、例えば通常BGMよりもテンポが速く、通常BGMよりも遊技者の高揚感を高めるBGMである。
次に、図33(C)に示すように、シャッタ画像300Sが演出表示装置9の全面を覆うと、シャッタ画像300Sの手前に「CHANCE ZONE」の文字からなるチャンス画像300Zが表示される。このとき、BGM演出としてゾーンBGM演出が実行されている。
「CHANCE ZONE」の文字からなるチャンス画像300Zが所定時間、例えば5秒間表示されると、図33(D)に示すように、シャッタ画像300Sの前面には、第1特殊キャラクタ300C1,第2特殊キャラクタ300C2、第3特殊キャラクタ等(図33(D)参照)がポーズや服装を代えながら入れ替わり表示される。第1特殊キャラクタ300C1,第2特殊キャラクタ300C2、第3特殊キャラクタ等は、通常の演出で表示されるキャラクタでもよいし、第1ゾーン予告演出においてのみ使用されるキャラクタでもよい。このとき、BGM演出としてゾーンBGMが実行されている。
続いて、ターゲットの変動表示が開始するとき、図33(E)に示すように、シャッタ画像300Sが開放された画像が表示され、続いて、シャッタ開放後ゾーン予告演出が実行される。シャッタ開放後ゾーン予告演出では、図33(F)に示すように、演出表示装置9には、ターゲットの保留記憶情報に対応する変動表示に対応させて左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが変動表示される。このとき、演出表示装置9の上部および下部には、それぞれ特殊背景画像300Tが表示される。特殊背景画像300Tは、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rおよび通常の演出における背景画像等とともに表示される。特殊背景画像300Tが表示されていない状態では、通常時に実行される演出と同一の演出が実行される。特殊背景画像300Tは、図19(B)に示すゾーン演出表示レイヤに表示される。特殊背景画像300Tが表示されることにより、ゾーン予告演出が実行された後の演出であることを遊技者に認識させることができる。このとき、BGM演出としてゾーンBGMが実行されている。
それから、図33(G)に示すように、左の飾り図柄5Lおよび右の飾り図柄5Rが同じ数字で停止表示され、中の飾り図柄5Cが変動状態であると、リーチ状態になり、第1ゾーン予告演出(シャッタ開放後ゾーン予告演出)は終了し、第1ゾーン予告演出終了後のリーチ演出に移行する。以下、ゾーン予告演出後のリーチ(リーチ状態、リーチ演出)を特殊リーチ(特殊リーチ状態、特殊リーチ演出)という。また、特殊リーチにも、ノーマルリーチとスーパーリーチとがあり、それぞれ特殊ノーマルリーチ(特殊ノーマルリーチ状態、特殊ノーマルリーチ演出)と特殊スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ状態、特殊スーパーリーチ演出)という。図32(F)に示すリーチ状態は、特殊ノーマルリーチ状態である。特殊ノーマルリーチ状態に移行した後も、特殊背景画像300Tは表示されたままとなり、スピーカ27からBGM演出として出力されるBGMは、ゾーンBGMのままとなる。
特殊ノーマルリーチ状態の後、続いて、図33(H)に示すように、特殊スーパーリーチ状態に移行する。特殊スーパーリーチには、特殊下位スーパーリーチ(特殊下位スーパーリーチ状態、特殊下位スーパーリーチ演出)と特殊上位スーパーリーチ(特殊上位スーパーリーチ状態、特殊上位スーパーリーチ演出)とがあり、ここでは特殊下位スーパーリーチに移行する。特殊下位スーパーリーチ状態では、飾り図柄の表示がなくなり、正義側スーパーリーチ用キャラクタ300M1および敵側スーパーリーチ用キャラクタ300E1が表示される。特殊ノーマルリーチ状態から特殊下位スーパーリーチ状態に移行した後も、特殊背景画像300Tは表示されたままとなり、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなる。
その後、特殊下位スーパーリーチが実行されているときに、図33(I)に示すように、演出用役物60が傾動動作を行なうと、特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する。特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する際には、BGM演出が、ゾーンBGM演出から、スピーカ27からスーパーBGMが出力されるBGM演出(以下、スーパーBGM演出という)に切り替わる。スーパーBGMは、ゾーンBGMよりもさらに遊技者の高揚感を高めるようなBGMである。また、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tは表示されたままとなる。
演出用役物60は、傾動動作を行なった後、図33(J)に示すように、図33(A)等に示す元の位置に戻る。また、演出表示装置9では、特殊上位スーパーリーチが実行されると、正義側スーパーリーチ用キャラクタM1が変化した正義側変形スーパーリーチ用キャラクタ300M2と、敵側変形スーパーリーチ用キャラクタ300E2とが表示される。このとき、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tが表示され、BGM演出は、スーパーBGMとなる。
次に、第2ゾーン予告演出について説明する。図34は、第2ゾーン予告演出の演出態様を示すタイムチャート、図35は、第2ゾーン予告演出の流れを示す図である。ここでは、第2ゾーン予告演出が、図31に示す演出パターン5で実行される場合について説明する。
図34に示すように、第2ゾーン予告演出は、ターゲット変動が実行されているときにおいて、リーチ(ノーマルリーチ)が成立したときに開始される。リーチが成立してノーマルリーチが開始されると、図18(A)に示す演出表示装置9にシャッタ画像300Sが表示されはじめ、完全に閉鎖したシャッタ画像が表示された状態となる。続いて、閉鎖したシャッタ画像300Sが表示された状態からシャッタ画像300Sが開放されていく画像が表示されシャッタ画像が表示されない状態に切り替わる。閉鎖されたシャッタ画像300Sが表示されている時間は、短時間であり、例えば1秒程度である。
シャッタ画像300Sが表示されなくなったときには、さらに、特殊背景画像300T(図18(B)参照)が表示される。このように、第2ゾーン予告演出では、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出とシャッタ開放後ゾーン予告演出とが連続して実行される。また、スピーカ27から出力されるBGMが通常のBGMからゾーンBGMに切り替わる。続いて、ノーマルリーチ、スーパーリーチへと移行するが、この間特殊背景表画像300Tの表示やBGMが切り替わることはない。その後、演出用役物60が傾動動作を行なうと、BGMがゾーンBGMからスーパーBGMに切り替わる。
図35を参照してここまでの流れを説明すると、図35(A)に示すように、演出表示装置9において、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが変動表示する画像が表示された状態から、図35(B)に示すように、左の飾り図柄5Lおよび右の飾り図柄5Rが同じ数字で停止表示され、中の飾り図柄5Cが変動状態であると、リーチ状態になる。ここまで、BGM演出は、通常BGM演出である。
リーチ状態となったとき、図35(C)に示すように、演出表示装置9の左右側からそれぞれシャッタ画像300Sが表示され、シャッタ画像300Sによって左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5R、さらには、通常の演出画像が隠される。このとき、BGM演出が通常BGMからゾーンBGMに切り替わる。
図33に示す例では、シャッタ画像300Sは、ターゲットの表示変動が開始されるまで閉鎖した状態が続いていたため、長時間、例えば数秒から数分間継続することがあったが、図35に示す例では、シャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示された状態は非常に短く、例えば1秒程度とされている。ただし、シャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示された状態が1秒より短くてもよく、例えばシャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示されたことを遊技者が認識できる程度の時間、例えば100ms程度としてもよいし、1秒より長く、例えば3秒や5秒程度としてもよい。
このシャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示されてから開放した画像が表示されるまでの間がシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出となる。このため、図35に示す例では、シャッタ閉鎖中ゾーン予告は、非常に短時間で終了する。続いて、図35(D)に示すように、シャッタ画像300Sが開放された画像が表示され、図35(E)に示すように、「CHANCE ZONE」の文字が表示される。その後、図35(F)に示すように、リーチ演出(特殊ノーマルリーチ演出)へと移行し、リーチ演出とともに演出表示装置9の上部および下部には、それぞれ特殊背景画像300Tが表示される。このため、第2ゾーン予告演出では、シャッタ開放後予告演出は実行されず、第2ゾーン予告演出は、シャッタ閉鎖中ゾーン予告のみによって構成される。
続いて、図35(G)に示すように、特殊ノーマルリーチから特殊スーパーリーチ(特殊下位スーパーリーチ)に発展する。特殊ノーマルリーチや特殊スーパーリーチについては、図33に示す例と共通の演出が実行される。特殊ノーマルリーチが実行されてから特殊下位スーパーリーチが実行されている間は、BGM演出としてゾーンBGM演出が実行されている。
それから、図35(H)に示すように、演出用役物60が傾動動作を行なうと、特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する。特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する際には、BGM演出が、ゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わる。また、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tは表示されたままとなる。
演出用役物60は、傾動動作を行なった後、図35(I)に示すように、図33(A)等に示す元の位置に戻る。また、演出表示装置9では、特殊上位スーパーリーチが実行されると、正義側スーパーリーチ用キャラクタM1が変化した正義側変形スーパーリーチ用キャラクタ300M2と、敵側変形スーパーリーチ用キャラクタ300E2とが表示される。このとき、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tは表示されたままとなり、BGM演出は、ゾーンBGM演出のままとなる。
次に、第3ゾーン予告演出について説明する。図36は、第3ゾーン予告演出の演出態様を示すタイムチャート、図37は、第3ゾーン予告演出の流れを示す図である。ここでは、第2ゾーン予告演出が、図31に示す演出パターン5で実行される場合について説明する。
図36に示すように、第3ゾーン予告演出は、ターゲット変動が実行されているときにおいて、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展したときに開始される。ノーマルリーチからスーパーリーチに発展すると、図18(A)に示す演出表示装置9にシャッタ画像300Sが表示されはじめ、完全に閉鎖したシャッタ画像が表示された状態となる。続いて、閉鎖したシャッタ画像300Sが表示された状態からシャッタ画像300Sが開放されていく画像が表示されシャッタ画像が表示されない状態に切り替わる。閉鎖されたシャッタ画像300Sが表示されている時間は、短時間であり、例えば1秒程度である。
シャッタ画像300Sが表示されなくなったときには、さらに、特殊背景画像300T(図18(B)参照)が表示される。このように、第3ゾーン予告演出では、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出とシャッタ開放後ゾーン予告演出とが連続して実行される。また、BGM演出が通常BGM演出からゾーンBGM演出に切り替わる。続いて、スーパーリーチが実行されるが、この間特殊背景表画像300Tの表示やBGMが切り替わることはない。その後、演出用役物60が傾動動作を行なうと、BGM演出がゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わる。
図37(A)に示すように、演出表示装置9において、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが変動表示する画像が表示された状態から、図37(B)に示すように、左の飾り図柄5Lおよび右の飾り図柄5Rが同じ数字で停止表示され、中の飾り図柄5Cが変動状態であると、リーチ状態になる。
リーチ状態となった後、図37(C)に示すように、中の飾り図柄5Cが仮停止した後、スーパーリーチに発展する。スーパーリーチに発展する際、図37(D)に示すように、演出表示装置9の左右側からそれぞれシャッタ画像300Sが表示され、シャッタ画像300Sによって左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5R、さらには、通常の演出画像が隠される。このとき、BGM演出が通常BGM演出からゾーンBGM演出に切り替わる。
図37に示す例でも、図35に示す例と同様、シャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示された状態は非常に短く、例えば1秒程度とされている。ただし、シャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示された状態が1秒より短くてもよいし長くてもよい。図37に示す例では、図35に示す例と同様、シャッタ開放後予告演出は実行されず、ゾーン予告演出は、シャッタ閉鎖中ゾーン予告のみによって構成される。
続いて、図37(E)に示すように、シャッタ画像300Sが開放された画像が表示され、図37(F)に示すように、「CHANCE ZONE」の文字が表示される。その後、図37(G)に示すように、シャッタ画像300Sが開放した画像が表示されると、特殊スーパーリーチ(特殊下位スーパーリーチ)が実行される。特殊スーパーリーチについては、図33に示す例と共通の演出が実行される。特殊下位スーパーリーチが実行されている間は、ゾーンBGM演出が実行されている。
それから、図37(H)に示すように、演出用役物60が傾動動作を行なうと、特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する。特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する際には、BGM演出がゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わる。また、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tは表示されたままとなる。
演出用役物60は、傾動動作を行なった後、図37(I)に示すように、図33(A)等に示す元の位置に戻る。また、演出表示装置9では、特殊上位スーパーリーチが実行されると、正義側スーパーリーチ用キャラクタM1が変化した正義側変形スーパーリーチ用キャラクタ300M2と、敵側変形スーパーリーチ用キャラクタ300E2とが表示される。このとき、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tは表示されたままとなり、BGM演出はゾーンBGMのままとなる。
次に、図31に示す演出パターン5と比較して、演出用役物60の役物動作が無い場合(演出パターン3)、スーパーリーチに発展せず、演出用役物60の役物動作が無い場合(演出パターン1)、ノーマルリーチ前の役物動作がある場合(演出パターン2)、ノーマルリーチの前およびスーパーリーチの開始後に2回の演出用役物60の役物動作がある場合(演出パターン6)について説明する。なお、ここでは各演出パターンでの演出が第1ゾーン予告演出で実行される場合について説明する。
図38は、第1ゾーン予告演出が演出パターン3で実行される場合の演出態様を示すタイムチャートである。図38に示すように、第1ゾーン予告演出の演出パターン3は、図32に示す第1ゾーン予告演出の演出パターン5と比較して、スーパーリーチ発展時までは同様の演出が実行される。スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)に発展した後、図32に示す演出パターン5では、演出用役物60が傾動動作を行ない、BGM演出がゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わるが、図38に示す演出パターン3では、演出用役物60が傾動動作を行なわず、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。このように、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出の変化がないようにされている。
なお、第2ゾーン予告演出や第3ゾーン予告演出においても、特殊スーパーリーチ中に演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。
図39は、第1ゾーン予告演出が演出パターン1で実行される場合の演出態様を示すタイムチャートである。図39に示すように、第1ゾーン予告演出の演出パターン1は、図32に示す第1ゾーン予告演出の演出パターン5と比較して、スーパーリーチ発展時までは同様の演出が実行される。図32に示す演出パターン5ではスーパーリーチへの発展があるが、図39に示す演出パターン3ではスーパーリーチへの発展がなく、スーパーリーチ中の演出用役物60の傾動動作がない。この場合、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。このように、スーパーリーチへの発展が無く、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出の変化がないようにされている。
なお、第2ゾーン予告演出や第3ゾーン予告演出においても、スーパーリーチへの発展が無く、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。
図40は、第1ゾーン予告演出が演出パターン2で実行される場合の演出態様を示すタイムチャートである。図40に示すように、第1ゾーン予告演出の演出パターン2は、ノーマルリーチ中に演出用役物60が傾動動作を行ない、スーパーリーチへの発展が無いので、スーパーリーチ中に演出用役物60が傾動動作を行なうことはない。ノーマルリーチ中に演出用役物60が傾動動作を行なう場合、図40に示すように、BGM演出は、ゾーンBGM演出のままである。このように演出用役物60が傾動動作を行なう場合でも、スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)中でない場合、ここではノーマルリーチ中である場合には、BGM演出の変化がないようにされている。
なお、第2ゾーン予告演出や第3ゾーン予告演出においても、スーパーリーチへの発展が無く、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。また、ノーマルリーチより以前の通常の演出中に演出用役物60が傾動動作を行なっても、BGM演出の切り替えが無いようにしてもよい。
図41は、ゾーン予告演出が演出パターン6で実行される場合の演出態様を示すタイムチャートである。ここでは、ゾーン予告演出が第1始動口入賞時に実行開始する場合について説明する。図40に示すように、第1ゾーン予告演出の演出パターン2は、ノーマルリーチ中およびスーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)中の2回演出用役物60が傾動動作を行なう。この場合、図41に示すように、ノーマルリーチ中に演出用役物60が傾動動作を行なった場合には、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)中に演出用役物60が傾動動作を行なった場合には、BGM演出は、ゾーンBGM演出からスーパーBGM演出へと切り替わる。このように演出用役物60が2回の傾動動作を行なう場合でも、スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)中でない場合、ここではノーマルリーチ中である場合には、BGMの変化がなく、スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)中に演出用役物60が2回の傾動動作を行なうと、BGM演出が変化するようにされている。
なお、第2ゾーン予告演出や第3ゾーン予告演出においても、スーパーリーチへの発展が無く、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。また、ノーマルリーチより以前の通常の演出中に演出用役物60が傾動動作を行なっても、BGM演出の切り替えが無いようにしてもよい。
上記の各ゾーン予告演出では、通常BGM、ゾーンBGM、及びスーパーBGMは、適宜の楽曲、セリフ、効果音、またはこれらの組み合わせなどとすればよい。また、通常BGM、ゾーンBGM、及びスーパーBGMは、互いにまったく異なる種類(態様)の楽曲等としてもよい。例えば、通常BGMやゾーンBGMとしては楽器の演奏のみの楽曲が使用され、スーパーBGMではボーカルが入った楽曲が使用されていてもよい。あるいは、通常BGM、ゾーンBGM、スーパーBGMと進むにつれて使用する楽器が増える楽曲としてもよい。また、スーパーBGMとして、ゾーン予告演出を経た場合と経ていない場合とで、異なる種類の楽曲を用いてもよい。これによって、例えばゾーン予告演出を経た場合のみにボーカルが入った楽曲が切り替われることによって、より期待度が高い状況に対応する演出が実行されていることを遊技者にアピールすることができる。
また、各ゾーン予告では、シャッタ画像300Sや特殊背景画像300Tの表示を行うようにしているが、シャッタ画像300Sや特殊背景画像300Tとともに、図16に示す先読み中報知画像94を表示してもよい。また、ゾーン予告演出では、第1始動口入賞時、リーチ成立時、またはスーパーリーチ発展時といったタイミングでシャッタ画像300Sを表示してから特殊背景画像300Tを表示するが、シャッタ画像300Sを表示することなく、上記のシャッタ画像300Sを表示するタイミングで特殊背景画像300Tを表示するようにしてもよい。また、シャッタ画像300Sを複数回(2回以上)表示するようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、少なくとも変動表示の実行中に、遊技者による調整動作に応じて演出効果を調整可能な調整手段と、その調整手段による調整に対応する調整画像を所定期間表示する調整画像表示手段とを備え、調整画像表示手段が、所定期間内に変動表示結果が導出表示される場合に、その所定期間のうち、変動表示結果が導出表示される期間で調整画像を視認不可または視認困難とする特定報知手段を備えるパチンコ遊技機を説明する。なお、第1実施形態と共通する部分等については、共通の符号を付してその説明を省略することがある。
本実施形態において、図19に示す変化演出表示レイヤに表示される変化演出用キャラクタを示す演出画像は、識別情報画像となる演出図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。なお、複数のレイヤは、エラー画像表示レイヤを含んでいてもよい。そして、たとえば、エラー画像表示レイヤについて、小図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるようにZ値を設定することで、エラー画像(図43(D1)(D2)参照)の優先度を他の演出画像よりも高くするようにしてもよい。
図42は、演出制御用マイクロコンピュータ100にて実行される演出効果設定処理の一例を示すフローチャートである。図43は、演出表示装置9において演出効果設定処理に応じて実行される演出表示の表示画面図である。
演出効果設定処理は、たとえば、図14に示すような演出制御プロセス処理において、一連の演出制御プロセスに関するS800〜S807とは別の処理として、先読み演出処理(S700)の後に実行される。
この実施の形態では、以下に説明する演出効果設定処理を実行することで、遊技中(図43(A))や客待ちデモンストレーション表示中(図43(B))に、遊技者の調整操作により、演出効果としての音量を調整可能となっている。また、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像Rが、演出表示装置9の所定領域において演出画像やデモ画像と重畳した態様で表示される。調整結果画像Rは、図43(A)(B)(C2)等に示すように、たとえば、左右方向に増減するバーグラフ表示の態様にて表示される。なお、調整結果画像Rの態様は、遊技者等に現在の音量を認識させることができれば任意であり、音量に対応した数値や文字を表示する態様や、円グラフ態様等であってもよい。
なお、この実施の形態では、メニューモード中においては、メニュー画面(図43(C1))から「音量調整」の項目が選択されて音量調整モード選択中(図43(C2))となったときにのみ音量の調整が可能となっている。音量調整モード選択中には、調整結果画像Rが常に表示される。また、後述するように、客待ちデモ表示中に所定操作を受け付けたことに応じて、客待デモ表示中からメニューモードへと移行する。
図42に示す演出効果設定処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、メニューモード実行中であるか否かを判定する(SA701)。たとえば、演出制御用CPU101は、メニューモード実行中フラグがオン状態であればメニューモード実行中と判定し、オフ状態であればメニューモード実行中でないと判定する。
メニューモード実行中でない場合(SA701;No)、演出制御用CPU101は、調整結果画像表示中フラグがオン状態であるか否かを判定する(SA702)。なお、調整結果画像表示中フラグは、後述のSA708やSA715でオン状態にセットされ、SA704、SA712でオフ状態にクリアされる。
調整結果画像表示中フラグがオン状態である場合(SA702;Yes)、演出制御用CPU101は、調整操作受付時から予め定められた所定期間T1が経過したか否かを判定する(SA703)。ここで、調整操作(調整動作)は、たとえばスティックコントローラ122等の操作手段を用いて遊技者によってなされる操作であり、この実施の形態では、演出効果としての音量を調整するための操作である。遊技者は、たとえば、スティックコントローラ122を左右に傾倒操作することにより、音量を予め定められた範囲内(たとえば、1〜6の6段階)から調整し、傾倒操作を止めた時点での音量が調整結果としての音量として決定される。
なお、音量の決定操作は、調整操作とは別個にスティックコントローラ122のトリガボタン125を押引操作したり、プッシュボタン120を押下操作したりすることによってなされてもよい。また、音量調整のための操作手段はスティックコントローラ122に限られず、図示しない十字キーやダイヤル式の操作手段等であってもよい。また、操作手段の代わりに、非接触型のセンサ(たとえばフォトセンサ等)を用いて、当該センサによって検出される遊技者の調整動作によって演出効果の調整が可能であってもよい。
所定期間T1は、音量の調整結果を示す調整結果画像Rの表示期間として予め定められている。所定期間T1は、遊技者が調整結果を確認するのに適切な期間であれば任意であり、この実施形態では、数秒程度(たとえば2〜10秒)に設定されている。なお、調整操作受付時から所定期間T1が経過したか否かは、たとえば、後述のSA706で調整操作あり(SA706;Yes)と判定したことに伴って、所定のタイマに所定期間T1に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを判定すればよい。
なお、調整操作(調整動作)は、演出効果としての演出表示装置9や演出効果ランプの表示輝度(光量)を調整するための操作であってもよい。そして、調整結果画像Rは輝度の調整結果を示すものであってもよい。また、調整操作に応じて、音量と輝度との少なくとも一方が調整可能であればよい。また、音量に応じた調整結果画像が表示される所定期間と、輝度に応じた調整結果画像が表示される所定期間とは、同じ長さに設定されていてもよいし、異なる長さに設定されていてもよい。
ここで、図44を参照して、所定の演出中に調整結果画像Rが表示される場合の一例を説明する。図44は、所定の演出中に調整結果画像Rが表示される場合の演出表示装置9での表示例を示す図である。
演出図柄の変動表示(変動)が実行され、図44(A)に示すように演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となると、ノーマルリーチにおける所定のリーチ演出が実行され、その後、図44(B)に示すような発展報知画像(図示例では「スーパーリーチ!」)を演出表示装置9に表示することにより、スーパーリーチへの発展報知が行なわれる。変動中において、遊技者による調整操作がなされると、図44(B)に示すように演出表示装置9の右下端に調整結果画像Rが表示される(SA710に相当)。
このような発展報知に続いて、図44(C)に示すようなスーパーリーチにおけるリーチ演出の実行中に操作促進画像Pが表示される。そして、プッシュボタン31Bによる操作がなされると、図44(D)に示すように、所定のカットイン演出が実行される。なお、操作促進画像Pの表示期間中にプッシュボタン31Bによる操作がなされない場合には、カットイン演出は実行されない。その後、図44(E)に示すように、たとえば大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示される。
調整操作がなされてから所定期間T1が経過するまでは、図44(B)〜(D)に示すように、調整結果画像Rは演出表示装置9に表示されたままである。この場合、調整結果画像Rは、発展報知画像や操作促進画像P(特定演出画像の一例)とは重畳しない位置に表示される。しかし、変動表示結果導出期間T2においては、所定期間T1が経過していなくとも、図44(E)に示すように調整結果画像Rは消去される(SA712に相当)。これにより、導出表示される変動表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
第2実施形態については、以下のような手段構成を備えているといえる。
(1)識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示することが可能な遊技機(たとえばパチンコ遊技機1等)であって、少なくとも変動表示の実行中に、遊技者による調整動作(調整操作)に応じて演出効果を調整可能な調整手段(たとえばSA706、SA707の処理を実行する演出制御用CPU101)と、前記調整手段による調整に対応する調整画像(たとえば図44(B)〜(D)に示す調整結果画像R)を所定期間(たとえば所定期間T1)表示する調整画像表示手段(たとえばSA708、SA703、SA704の処理を実行する演出制御用CPU101)と、を備え、前記調整画像表示手段は、前記所定期間内に変動表示結果が導出表示される場合に、該所定期間のうち、変動表示結果が導出表示される期間(たとえば導出表示期間T2)で前記調整画像を視認不可(たとえば演出制御用CPU101がSA710〜SA712の処理を実行すること等)又は視認困難(たとえば調整画像を半透明表示としたり、点滅表示とすること等)とする。このような構成によれば、導出表示される変動表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
(2)上記(1)の遊技機において、前記調整画像の表示領域の少なくとも一部が、変動表示結果の導出表示領域の少なくとも一部と重なる(たとえば図43(A)参照)、ようにしてもよい。このような構成によれば、変動表示結果の導出表示領域の少なくとも一部と重なる調整画像結果画像を消去するため、変動表示結果の視認性の低下を抑えることができる。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、変動表示結果の導出表示中もエラー画像は消去しない(たとえば図43(D2)参照)、ようにしてもよい。このような構成によれば、エラー画像の視認性を確保することができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの遊技機において、前記調整画像の表示よりもエラー画像の表示を優先する(異常報知コマンドを受信した演出制御用CPU101が、当該コマンドが示すエラーが解消されるまでは図43(D1)、(D2)に示すようなエラー画像の表示を継続させること等)、ようにしてもよい。このような構成によれば、エラー画像の視認性を確保することができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの遊技機において、前記調整操作が行なわれた場合はデモ表示を視認可能に維持するが(たとえば図43(B)参照)、メニュー表示操作が行なわれた場合はデモ表示を消去するようにしてもよい。このような構成によれば、好適にデモ表示を行なうことができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば大当り遊技状態等)に制御するか否かを決定する決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56の大当り判定処理等)と、前記決定手段の決定結果に応じて、前記識別情報の変動表示を行ない変動表示結果を導出表示する表示手段(たとえば演出制御用CPU101の演出制御プロセス処理等)と、前記識別情報の変動表示の実行中に特定演出画像を表示可能な特定演出実行手段(たとえば変化演出用キャラクタ表示処理を実行する演出制御用CPU101の処理等)と、を備え、前記特定演出画像は、少なくとも前記識別情報の一部よりも前方側の重複する位置に配置可能であり(たとえば図19(B)参照)、前記特定演出実行手段は、前記識別情報の変動表示結果が導出される期間において、該識別情報よりも前方側にて重複する位置では前記特定演出画像の表示態様を静止態様とする(たとえば演出制御用CPU101が、演出図柄よりも前方側にて重複する位置で特定演出画像の表示態様を静止態様とする処理等)、ようにしてもよい。このような構成によれば、表示結果の誤認を防止することができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図32〜図41に示すように、演出表示装置9によってゾーン予告演出が実行されるときには、ゾーンBGM演出が実行される。図32、図33(G)、図34、図35(E)、図36、図37(E)等に示すように、ゾーンBGM演出が実行されている間、特殊スーパーリーチが実行されているときに、演出用役物60が傾動動作をしない場合には、BGM演出は、ゾーンBGM演出のままとなる。
これに対して、ゾーンBGM演出が実行されている間、特殊スーパーリーチが実行されているときに、演出用役物60が傾動動作をした場合には、図32、図33(H)(I)、図34、図35(E)(F)、図36、図37(E)(F)等に示すように、BGM演出は、ゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わる。また、演出用役物60が傾動動作を行なう場合は、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合よりも大当り遊技状態に制御される期待度が高くなる。このため、大当り遊技状態に制御される期待度が高くなる演出用役物60の傾動動作が発生したとき、大当りの期待感を高めるスーパーBGM演出が実行されるので、有利状態に制御される期待度がより高い状況であることを強調することができ、興趣を向上できる。
(2) 第1ゾーン予告演出は、図32、図38〜図41に示すように、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したとき(第1始動入賞口を通過したとき)に実行される。このため、第1始動入賞口13への遊技球の通過に応じて、大当り遊技状態に制御される期待度が高い状況を発生させることができる。したがって、大当り遊技状態に制御される期待度が高い状況を長時間持続させることができ、興趣を向上できる。
(3) ゾーン予告演出としては、図32、図38〜図41に示すように、ターゲット変動前からターゲット変動中にわたって実行される第1ゾーン予告演出が設けられている。ゾーン予告演出が実行されるときは、大当り遊技状態に制御される期待度が高いときであるので、ターゲット変動前からターゲット変動中にわたって第1ゾーン予告演出が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される期待感を長く維持することができる。また、第1ゾーン予告演出では、ターゲット変動前にはシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行され、ターゲット変動が開始された後発明シャッタ開放後ゾーン予告演出が実行される。このため、長時間にわたってゾーン予告演出が実行されるが、演出内容を多様化できるので、遊技者の飽きを抑制し、興趣を向上できる。
(4) ゾーン予告演出は、図32、図38〜図41に示すように、第1ゾーン予告演出のように、複数回の変動にわたって実行することもできるし、第2ゾーン予告演出および第3ゾーン予告演出のように、1回の変動で実行することもできる。このため、ターゲット変動の前から第1ゾーン予告演出が始まらない場合でも、ターゲット変動によってゾーン予告演出が実行されることがあるので、ゾーン予告演出の実行に対する期待感を長く維持することができる。また、第2ゾーン予告演出および第3ゾーン予告演出では、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出とシャッタ開放後ゾーン予告演出とをターゲット変動の1の変動で連続して行っている。このため、演出の多様化を図ることができる。
(5) 図19(B)に示すように、ゾーン予告演出で表示されるシャッタ画像が表示されるゾーン演出表示レイヤは、複数のレイヤに割り当てられたZ値のうち、小さい側から2番目の「1」(表示優先度が2番目)とされている。このため、表示優先度がさらに高いZ値が設定された小図柄表示エリア以外の表示エリアに表示される画像は、シャッタ画像が表示されたときには、遊技者からは視認困難または視認不能となる。このため、シャッタ画像を確実に遊技者に視認させることができる。また、リーチ演出で表示される背景やキャラクタは、ゾーン演出表示レイヤよりもZ値が大きき(表示優先度が低い)表示レイヤで実行される。このため、シャッタ画像が表示されているときには、どのようなリーチ演出が実行されていたとしても遊技者からは視認困難または視認不能となるので、通常の演出を行ってもシャッタ画像が表示されたままとなる。したがって、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行されている間に他の演出を通常通りに行なったとしても、遊技者に与える違和感を小さくするまたは無くすことができる。
(6) 図18(B)、図33(E)等に示すように、ゾーン予告演出では、シャッタ開放後ゾーン予告演出において、演出表示装置9に特殊背景画像300Tを表示している。この特殊背景画像300Tは、図33(G)に示すように、ゾーン予告演出(シャッタ開放後ゾーン予告演出)が終了してスーパーリーチ演出に移行した後に発展した後も、演出表示装置9に表示される。このため、スーパーリーチ演出が実行されている間、ゾーン予告演出を経たスーパーリーチ演出であることを認識させることができる。したがって、大当り遊技状態に制御される期待度が高いことを遊技者に認識させることができる。
(7) 図41に示すように、図1に示す演出用役物60は、2回の傾動動作を行なうことがある。ここで、スーパーリーチ演出に発展する前のシャッタ開放後ゾーン予告演出中に演出用役物60が傾動動作を行なった場合、BGM演出はゾーンBGM演出のままであり、スーパーリーチ演出に発展した後に演出用役物60が傾動動作を行なった場合、BGM演出はゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わる。このように、演出用役物60の傾動動作が行われる場合でも、状況に応じてBGM演出が切り替わったり切り替わらなかったりする。したがって、演出用役物60の傾動動作による大当り遊技状態に制御される期待度を多様化することができる。よって、役物演出が実行される状況に対応した種類の所定演出が実行されるため、役物演出の実行頻度を高めつつ、過度に期待感を高めることを抑制することができる。
(8) 図32〜図41に示すように、演出表示装置9によってゾーン予告演出が実行されるときには、ゾーンBGM演出が実行される。ゾーン予告演出が終了した後の特殊スーパーリーチ(特殊下位スーパーリーチ)演出が実行されているときに演出用役物60が傾動動作を行なわないと、BGM演出は、ゾーンBGM演出のままである。一方、特殊スーパーリーチ(特殊下位スーパーリーチ)演出が実行されているときに演出用役物60が傾動動作を行なうと、特殊下位スーパーリーチ演出から特殊上位スーパーリーチ演出に移行し、BGMがゾーンBGMからスーパーBGMに切り替わる。
演出用役物60が傾動動作を行なう場合は、傾動動作を行なわない場合よりも大当り遊技状態に制御される期待度が高くなっている。また、特殊スーパーリーチ演出が実行されているとき演出用役物60が傾動動作を行なうと、BGM演出がゾーンBGMからスーパーBGMに切り替わる。このため、演出用役物60が傾動動作を行ない、BGM演出が切り替わることで、大当り遊技状態に制御される期待度が高いこととなる。したがって、BGM演出の変化により、有利状態に制御される期待度が高い状況であることを強調することができる。
(9) 図16(B1)〜(B3)等に示すように、特定演出としての先読み演出の実行に対応して、先読み演出の種類によらずに共通態様の先読み中報知が実行されることにより、先読み演出中であるか否かを遊技者が認識しやすくなり、複数種類の先読み演出についての認識性を向上させることができる。
(10) 先読み演出の種類によらずに共通態様の先読み中報知が実行されることに加えて、さらに、図30のS634等により、複数のチャンス目予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の背景変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の保留変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも共通の先読み中報知が実行されることにより、複数種類の演出態様の先読み演出についての認識性を向上させることができ、先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
(11) 図25(D2)に示すように、先読み中報知については、先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み演出が実行されたときの先読み判定対象の変動表示がどの変動表示であるかを遊技者が容易に識別できないようになり、先読み判定対象の変動表示が遊技者に識別されにくいようにして遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(12) 先読み中報知については、先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させることに加えて、さらに、図30のS634等により、複数のチャンス目予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の背景変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の保留変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも共通の先読み中報知が実行されることにより、複数種類の演出態様の先読み演出についての認識性を向上させることができ、先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
(13) 図25(D1)に示すように、1回の変動表示に対応して複数種類の先読み演出が実行されるときには、先に実行が開始される背景予告演出による先読み演出の開始時に、先読み中報知の実行が開始されるので、複数の特定演出が実行されるときの先読み中報知の実行時期を適切な時期とすることができる。
(14) 図25(B1),(C1)に示すように複数回の変動表示に亘り特定演出が実行されるときに、(D1)に示すように、複数回の変動表示に亘り先読み中報知が実行可能であることにより、先読み演出の実行時期に対応して先読み中報知を実行することができ、先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
(15) 図25(D3)に示すように、先読み中報知については、先読み判定対象が複数あるときに、先の先読み判定対象の変動表示の終了時から次の第2先読み判定対象の変動表示の開始時までの期間中において継続する態様で、報知が実行されるので、先の先読み判定対象の変動表示の終了後も、次の先読み判定対象の変動表示まで先読み予告演出が継続して実行されているような印象を遊技者に与えることができ、複数の先読み判定対象の変動表示間において遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(16) S634では、いずれの種類の先読み演出が実行されるときも大当り期待度と関係なく図16に示す共通の先読み中報知画像94を表示する共通の先読み中報知が実行されるように、演出パターンが設定される。これにより、先読み中報知を実行するときの制御処理を簡素化することができる。
(17) S634では、いずれの種類の先読み演出が実行されるときも先読み演出の種類によらずに、図16に示す共通の先読み中報知画像94を表示する先読み中報知が実行されるように、演出パターンが設定される。これにより、遊技者が先読み中報知が実行中であるか否かを所定演出の表示の有無で確認することが可能となるので、複数種類の先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
(18) 第2実施形態に示すように、調整操作がなされてから所定期間T1が経過するまでは、図44(B)〜(D)に示すように、調整結果画像Rは演出表示装置9に表示されたままであり、調整結果画像Rは、発展報知画像や操作促進画像P(特定演出画像の一例)とは重畳しない位置に表示される。しかし、変動表示結果導出期間T2においては、所定期間T1が経過していなくとも、図44(E)に示すように調整結果画像Rは消去される(SA712に相当)。これにより、導出表示される変動表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 上記の実施形態では、特定演出としてのゾーン予告演出として、ターゲット変動の前にシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行されるパターンは、第1ゾーン予告演出の1パターンのみであるが、2パターン以上の複数パターンが設定されていてもよい。また、1変動中にシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出およびシャッタ開放後ゾーン予告演出が実行されるパターンは、第2ゾーン予告演出および第3ゾーン予告演出の2パターンであるが、1パターンが設定されていてもよいし、3パターン以上設定されていてもよい。あるいは、このパターンが設定されていないようにしてもよい。
(2) 第1ゾーン予告演出は、第1始動入賞口時に遊技球が入賞したときに実行を開始されるが、他のタイミング、例えば第1始動入賞口時に遊技球が入賞したときの変動の次の変動、またはその次の変動の開始時にゾーン予告演出開始するようにしてもよいし、第1始動入賞口時に遊技球が入賞したときの変動の次の変動、またはその次の変動の途中から開始するようにしてもよい。
(3) 第2ゾーン予告演出および第3ゾーン予告演出は、ターゲット変動のみで実行される演出であるが、先読み演出で実行の有無を決定していた。これに対して、ターゲット変動のみで実行される特定演出(ゾーン予告演出等)または特定演出に対応する演出については、当該変動における演出を決定する際に決定してもよい。
(4)
図26のS711,S712に示すように、ゾーン予告演出を含む先読み演出は、先読み演出が未判定の第1保留記憶があり、かつ、先読み演出実行が設定されていない第1保留記憶個数が2以上であることを条件として、実行可能とされている。これに対して、ゾーン予告演出では、スーパーリーチ演出を行う第1保留記憶があるか否かを判定し、スーパーリーチ演出を行う第1保留記憶がない場合に、ゾーン予告演出を実行可能となるようにしてもよい。また、ゾーン予告演出以外の先読み演出についてもスーパーリーチ演出を行う第1保留記憶がない場合に実行可能となるようにしてもよい。また、第1保留記憶についてのみ先読み判定を行っているが、第2保留記憶についての先読み判定を行なってもよいし、第1保留記憶および第2保留記憶の両方について先読み判定を行なってもよい。
(5) ゾーン予告演出中に実行される所定演出は、BGM演出とされているが、他の演出であってもよい。例えば、BGM以外のキャラクタの発する音声などの他の音などとしてもよいし、所定の画像表示などとしてもよい。演出用役物60を作動させたりしてもよい。演出用役物60を作動させる場合には、傾動動作を行なわせてもよいし、他の動作を行なわせてもよい。また、演出用役物60は、他の態様の役物であってもよく、2段階、3段階等の複数段階で作動するものであってもよい。または、ランプを用いたランプ演出などとしてもよいし、ハンドル5(図1参照)を振動させたり、エア排出孔をハンドル5またはガラス扉枠2などの形成してエア排出孔からエアを排出させたりしてもよい。また、これらの演出を組み合わせた演出を所定演出としてもよい。
(6)
リーチ演出には、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出が設定されているが、より多くのリーチ演出が設定されていてもよい。また、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出の一方または両方に複数種類のリーチ演出が設定されていてもよい。また、リーチ演出を1種類のみとしてもよい。また、リーチ演出は、演出表示装置9に表示する以外の態様で実行してもよい。例えば、演出用役物60を作動させることでリーチ演出を実行してもよいし、音声や上記の振動、エア等によってリーチ演出を実行してもよい。さらにはドット表示やドラム表示などを設けて、これらのドット表示やドラム表示を用いてリーチ演出を行ってもよい。
(7) ゾーン予告演出、リーチ演出、BGM演出は、演出制御用CPU101によって決定された内容を実行するようにしているが、例えばプッシュボタン120やスティックコントローラ122の操作の有無によって演出内容が異なるようにしてもよい。また、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の操作の有無によって演出内容が異なる場合には、遊技者にプッシュボタン120やスティックコントローラ122の操作を促進する促進報知を行なってもよい。促進報知は、図43(D)に示す画像のようなプッシュボタン120やスティックコントローラ122を演出表示装置9に表示し「押せ!」等の操作を促す文字を表示してもよいし、音声でプッシュボタン120やスティックコントローラ122の操作を促すようにしてもよい。
(8) BGMは、通常BGM、ゾーンBGM、及びスーパーBGMの3種類としているが、さらに多くの種類のBGMを設定してもよい。ここで例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展する際に、ノーマルリーチ用のBGMからスーパーリーチ用のBGMに発展するようにしてもよい。この場合、ノーマルリーチ用のBGMとスーパーリーチ用のBGMを設定する場合、さらに超スーパーリーチ用のBGMを設定し、スーパーリーチ中に演出用役物60が傾動動作したときに、スーパーリーチ用のBGMから、超スーパーリーチ用のBGMとするようにしてもよい。または、通常BGMとゾーンBGMとノーマルリーチ用のBGMとスーパーリーチ用のBGMとを設定する場合、ノーマルリーチからスーパーリーチに移行する場合に、ノーマルリーチ用のBGMからスーパーリーチ用のBGMに切り替わる場合と、ゾーンBGMが実行されているときに演出用役物60の傾動動作があると、スーパーリーチ用のBGMに切り替わる場合とがあるようにしてもよい。また、通常BGMからゾーンBGMに切り替わるタイミングは、他のタイミングでもよい。例えば、ゾーン予告演出が実行されると、BGMが通常BGMからゾーンBGMに切り替わり、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行されている間は、ゾーンBGM演出が実行されるが、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行されている間は、通常BGM演出が継続して実行され、シャッタ画像が開放する画像が表示されて、シャッタ開放後予告演出に移行した後に、BGMが通常BGMからゾーンBGMに切り替わるようにしてもよい。
(9) 図19(B)に示すように、シャッタ画像を表示するゾーン演出表示レイヤは、図19(B)に示す表示レイヤのうち、2番目に優先度が高い表示レイヤとされているが、他の優先度の表示レイヤとしてもよい。具体的に、最も優先度が高い表示レイヤとなる配置としてもよいし、優先度が3番目以下の表示レイヤとなる配置としてもよい。ゾーン演出表示レイヤが最も優先度が高い表示レイヤとなる位置に配置されない場合には、特に、図43(D1)(D2)に示すエラー画像を表示するエラー画像表示レイヤが、最も優先度を高くなるように配置してもよい。また、図43(A)に示す調整結果画像Rについては、ゾーン予告演出が実行されるゾーン演出表示レイヤよりも優先度の高い表示レイヤに表示するようにしてもよい。また、図19(B)に示すように、小図柄画像300Aは、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出中にシャッタ画像300Sの手前位置に表示されるが、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出以外のときに表示されていてもよく、例えば、常時表示されているようにしてもよいし、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが変動表示を行っているときには、表示されているようにしてもよいし、スーパーリーチ時以外のときのみは表示されているようにしてもよい。また、保留画像Hは、小図柄表示エリアに表示されているが、その他の表示エリア、例えば図19(B)に示す変化演出表示レイヤなどに表示されてもよい。この場合、シャッタ画像300Sが表示されると、保留画像Hがシャッタ画像300Sに隠されてしまうことがある。そこで、保留画像Hがシャッタ画像300Sに隠されてしまうときには、小図柄表示エリアに保留画像Hに対応して保留数を補助的に表示する補助保留画像を表示してもよい。
(10) 前述した先読み中報知を文字の表示により示す例としては、テロップ表示態様に限らず、特定のキャラクタ画像を表示して、そのキャラクタ画像のセリフとして、「先読み中」という文字を表示するようにしてもよい。演出表示装置9の一部に遊技情報等の各種のメッセージを表示する表示領域を設け、そのメッセージ表示領域において、「先読み中」という文字を表示するようにしてもよい。
(11) 前述した先読み中報知の画像としては、チャンス目予告演出の画像、背景変化予告演出の画像、および、保留変化予告演出の画像等の先読み演出の画像とは別に設けた画像を表示する例を説明した。しかし、これに限らず、先読み中報知の画像としては、各先読み演出の画像中に含め、各先読み演出の画像を表示するときに、その先読み演出の画像の一部として表示されるようにしてもよい。
(12) 前述した先読み中報知の画像としては、先読み中報知の演出態様を、複数種類の先読み演出について、完全に共通態様とした例を示した。しかし、これに限らず、先読み中報知の画像として、文字色が異なる画像、および、文字の大きさが異なる画像等の一部が異なる共通態様の画像を複数種類設けて選択可能としておき、先読み演出の種類に対応して、一部が異なる共通態様の画像を表示可能としてもよい。
(13) 前述した先読み中報知としては、すべての先読み演出を対象として、共通態様の先読み中報知を実行する例を示した。しかし、これに限らず、予め定められた特定の先読み演出(たとえば、先読み演出であることが演出内容から明確に認識可能な演出等)については、共通態様の先読み中報知とは異なる態様の先読み中報知を実行するようにしてもよい。
(14) 前述した先読み中報知を終了させるときに、先読み判定対象の1回の後の変動表示中に先読み中報知を終了させる例を示した。しかし、これに限らず、先読み判定対象の2回以降の後の変動表示中に先読み中報知を終了させるようにしてもよい。
(15) 先読み中報知を終了させるときに、先読み判定対象の1回の後の変動表示において先読み中報知を終了させる例としては、その変動表示の開始時から所定期間経過時であることを示した。しかし、これに限らず、先読み判定対象の1回の後の変動表示において先読み中報知を終了させる例としては、その変動表示において、最初の図柄が停止するタイミング、または、リーチ状態が発生するタイミング(2つの図柄が停止するタイミング)等、その変動表示の変動パターンにおける所定の演出実行タイミングで、先読み中報知を終了させてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、各種の先読み演出を実行するときに、必ず共通態様の先読み中報知を実行させる演出をする例を示した。しかし、これに限らず、各種の先読み演出を実行することが決定されたときに、100%未満の所定割合に設定された選択割合で、共通態様の先読み中報知を実行するか否かを抽選し、先読み中報知を実行する選択がされたときにのみ、共通態様の先読み中報知を実行するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態に示した先読み中報知の演出態様としては、エフェクト画像等の画像により、演出表示装置9の表示面の隅の色を変化させるものでもよい旨を開示して下さい。また、遊技盤、または、遊技枠に設けられた特定のランプ(発光手段)を発光させる演出を実行してもよい(当該ランプは、先読み中報知専用のものであってもよく、他の演出との兼用のものであってもよい)。
(18) 前述した実施の形態に示した先読み中報知の終了タイミングとしては、前述のものに限らず、先読み判定対象の変動表示よりも前(たとえば、先読み判定対象の変動表示の1回目等)の変動表示の終了時、先読み判定対象の変動表示の開始時、先読み判定対象の変動表示の実行中(たとえば、リーチ成立時)、および、先読み判定対象の変動表示の終了時等のその他のタイミングを用いてもよい。
(19) 前述した実施の形態のうち、図25(D2)に示すように、先読み中報知については、先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させる演出を実行する機能を有するパチンコ遊技機1においては、先読中報知として、複数種類の先読み演出で共通態様の報知をせずに、異なる演出態様での報知をしてもよい。たとえば、先読み演出の種類により大当りに対する期待度が同じである場合において、先読み演出の種類に応じて、異なる演出態様の所定報知を実行してもよい。また、先読み演出の種類により大当りに対する期待度が異なる場合には、各先読み演出に対応する大当りの期待度に応じて異なる演出態様の所定報知を実行してもよい。
(20) 前述した実施の形態では、保留記憶数が2以上ないときに先読み演出を実行しない例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数が2以上ないときであっても、先読み演出を実行するようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、先読み演出が実行されることの選択決定を演出制御用マイクロコンピュータ100が行なう例を示した。しかし、これに限らず、このような選択決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で行ない、決定結果を特定可能なデータを演出制御コマンドにより演出制御用マイクロコンピュータ100へ送り、演出制御用マイクロコンピュータ100がその演出制御コマンドに従って行なうようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。有利状態は、大当り遊技状態、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態の各状態の中から、1種類または2種類以上が複合した状態であってもよい。
(23) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(24) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(25) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(26) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(27) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(28) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1、パチンコ遊技機901等)であって、
前記有利状態への移行を示唆する特定演出(例えば、ゾーン予告演出等)を複数変動にわたって実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用CPU101等)と、
互いに異なる複数種類の所定演出(例えば、通常BGM演出、ゾーンBGM演出、スーパーBGM演出などのBGM演出等)を実行可能な所定演出実行手段(例えば、演出制御用CPU101等)と、
前記有利状態に制御されるか否かの報知演出(例えば、ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出などのリーチ演出等)を実行可能な報知演出実行手段(例えば、演出制御用CPU101等)と、
有利度に応じて表示態様を段階的に変化可能な特別表示を行う特別表示手段(例えば特別表示演出を行う演出制御用CPU90120など)と、
遊技に関する情報を報知する特別報知を実行可能な特別報知実行手段(例えば異常報知を行う演出制御用CPU90120など)と、
を備え、
前記特別表示手段は、特別表示の表示態様が変化されることが報知された後所定期間が経過したときに前記特別表示の表示態様を変化させ(例えば特別表示としてのアイコンが表示されることを報知する特別表示変化報知が所定期間継続して行われ、その後アイコンが表示される(特別表示が変化する)など)、
前記特別報知実行手段は、特別表示の表示態様が変化されることが報知された以後の所定期間においても前記特別報知を実行可能であり(例えば特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても異常報知が可能であるなど)、
前記所定演出実行手段は、
前記特定演出が実行されたことに応じて前記特定演出に対応する種類の前記所定演出の実行を開始し(例えば、ゾーン予告演出が実行される際にゾーンBGM演出を実行する等)、前記特定演出の後に実行された前記報知演出の終了(例えば、ゾーン予告演出が実行された後に実行されるスーパーリーチ演出の終了等)に応じて前記特定演出に対応する種類の前記所定演出(例えば、ゾーン予告演出に対応するゾーンBGM演出等)の実行を終了する(例えば、ゾーン予告演出が実行された後に実行されるスーパーリーチ演出の終了に応じてゾーンBGM演出を終了する等)第1パターンと、
前記特定演出が実行されたことに応じて前記特定演出に対応する種類の前記所定演出の実行を開始し、前記特定演出の後に実行された前記報知演出の実行中(例えば、ゾーン予告演出が実行された後に実行されたスーパーリーチ演出の実行中等)に前記有利状態への移行を示唆する特別演出(例えば、演出用役物60が傾動動作を行なう役物演出等)が実行されたことに応じて前記所定演出の種類を変化させる(例えば、スピーカ27から出力されるBGM演出をゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替える)第2パターンと
を実行可能であることを特徴とする遊技機が挙げられる。
上記遊技機によれば、有利状態に制御される期待度がより高い状況であることを強調することができ、興趣を向上できる。また、特別表示の表示態様が変化されることが報知された後の所定期間においても遊技状況を把握でき、遊技興趣の低下を防止することができる。
上記遊技機では、特定演出とともに、特別表示を伴う演出や特別報知が実行されてもよい。また、所定演出とともに、特別表示を伴う演出や特別報知が実行されてもよい。また、報知演出とともに、特別表示を伴う演出や特別報知が実行されてもよい。さらには、第1パターンや第2パターンの一方のみで特別表示を伴う演出や特別報知が実行され、他方は特別表示を伴う演出や特別報知が実行されないとしてもよい。
上記遊技機では、特定演出とともに特別表示を伴う演出や特別報知が実行される場合、特定演出が実行される複数の変動の全てにおいて特別表示を伴う演出や特別報知が実行されてもよいし、複数の変動における特定の変動においてのみ特別表示を伴う演出や特別報知が実行されてもよい。
さらに、特別表示の表示態様が変化されることが報知された後の所定期間においても遊技状況を把握でき、遊技興趣の低下を防止することができる遊技機の一例として、
可変表示を行い有利状態に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
有利度に応じて表示態様を段階的に変化可能な特別表示を行う特別表示手段(例えば特別表示演出を行う演出制御用CPU90120など)と、
遊技に関する情報を報知する特別報知を実行可能な特別報知実行手段(例えば異常報知を行う演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記特別表示手段は、特別表示の表示態様が変化されることが報知された後所定期間が経過したときに前記特別表示の表示態様を変化させ(例えば特別表示としてのアイコンが表示されることを報知する特別表示変化報知が所定期間継続して行われ、その後アイコンが表示される(特別表示が変化する)など)、
前記特別報知実行手段は、特別表示の表示態様が変化されることが報知された以後の所定期間においても前記特別報知を実行可能である(例えば特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても異常報知が可能であるなど)、
ことを特徴とする遊技機が挙げられる。以下、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、図面を参照しつつ、他の形態例の一の実施形態を詳細に説明する。図45は、パチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図45に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、および、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置905の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア905Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置905の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア905Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア905Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図45に示す例では、始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、第1特別図柄表示装置904Aおよび第2特別図柄表示装置904Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数および合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図46に示す普通電動役物用となるソレノイド9081によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図46に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図46に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図46に示す大入賞口扉用となるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図46に示すカウントスイッチ9023によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置907において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置(図45に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ9031Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ9031Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機901と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤902の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤902の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン9031Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン9031Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機901における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機901では、遊技領域に設けられた通過ゲート9041を通過した遊技球が図46に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことといった、普通図柄表示器9020にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置906Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図46に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図46に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機901では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置907の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤902の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置907を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置907の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置907において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置907を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置905の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける一部(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア905Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置905の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置905における表示動作のみならず、スピーカ908L、908Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ909などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板9011の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板9011の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板9012の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア905Lと「右」の飾り図柄表示エリア905Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄を再び変動(再変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回までなど)行うことができる。この実施の形態における擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数を指すものとする。
「擬似連」の可変表示演出において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示されると、その後に、再度可変表示(再変動)が行われる。擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せとなる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。また、擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチハズレ組合せ(単に、「リーチ組合せ」ともいう)となる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示される飾り図柄(中図柄)を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(擬似連チャンス図柄)としてもよい。通常時における飾り図柄の可変表示でも使用される飾り図柄のうちに、「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示されることで擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄が含まれてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、再変動(擬似連変動)が行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも複数回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、この実施の形態における「擬似連」の可変表示演出では、理解を容易にするため、再変動(擬似連変動)が最大1回行われることとしているが、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の回数は、例えば2回や3回といった、1回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。なお、この実施の形態における「擬似連」の可変表示では、一旦仮停止表示をした後に再変動が行われるか否か(すなわち、擬似連チャンス目が仮停止表示するか否か)を煽る擬似連煽り演出が実行される。具体的に、擬似連煽り演出では、「左」および「右」の飾り図柄を仮停止表示させるとともに、擬似連チャンス図柄を表示し(後述する成功演出および失敗演出の場合に共通した擬似連チャンス図柄を表示し)、当該擬似連チャンス図柄が仮停止表示されるか否かを煽る演出が実行される。擬似連チャンス図柄が停止表示する態様を成功演出、仮停止表示しない態様を失敗演出と呼ぶ。上述したように、この実施の形態における「擬似連」の可変表示演出では、再変動が最大1回行われることとしているため、再変動が行われない擬似連の変動パターンは再変動が行われることを煽るだけのガセの変動パターンであり(擬似連ガセの変動パターンという)、当該変動パターンに基づいて「擬似連」の可変表示演出が行われる場合には、失敗演出が実行されることとなる。なお、擬似連煽り演出において擬似連チャンス図柄といった特殊な飾り図柄を停止表示することに代えて、あるいは特殊な飾り図柄の停止表示とともに、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置905の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するよう(共通の導入演出として表示するよう)に制御されてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄や「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態における所定のラウンドの実行中、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御するか否か(特典としての確変が付与されるか否か)の特典付与演出となる大当り中昇格演出が実行される。詳しくは後述するが、大当り中昇格演出では、例えば、画像表示装置905の表示領域にてキャラクタ同士が戦うバトル演出が行われればよい。そして、メインキャラクタの勝利や敗北などにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる昇格の有無(特典としての確変が付与されるか否か)を遊技者が認識できるように報知すればよい。なお、大当り中昇格演出は、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中ではなく、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて行われてもよい。また、なお、大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態となる旨を報知する(特典が付与されることを報知する)大当り中昇格成功演出と、確変状態とならない旨を報知する(特典が付与されないことを報知する)大当り中昇格失敗演出とがある。そして、大当り中昇格成功演出が実行された場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御される。一方、大当り中昇格失敗演出が行われた場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されず(非確変状態)、時短状態に制御される。確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。時短状態は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が、通常状態に比べて短縮される遊技状態である。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。このような時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了する。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる(遊技者にとって有利な遊技状態となる)。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施の形態における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態である。また、確変状態は、高確高ベース状態とも称される遊技状態である。すなわち、大当り中昇格成功演出が実行された場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されることから、高確高ベース状態に制御されることとなる。一方、大当り中昇格失敗演出が行われた場合には、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態に制御されず(非確変状態)、時短状態に制御されることから、低確高ベース状態に制御されることとなる。
確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないものが含まれていてもよい。一例として、特図ゲームにおける可変表示結果が「確変大当り」となったことに基づく15ラウンド大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御される。その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。また、通常状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第2確変状態へと移行して、確変制御のみが行われ、時短制御や高開放制御は行われないようにしてもよい。その一方で、確変状態や時短状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第1確変状態へと移行して、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるようにしてもよい。あるいは、「確変大当り」に基づく15ラウンド大当り状態の終了後には、再び特図表示結果が「大当り」となるまで第1確変状態に制御される一方、「突確大当り」に基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第1確変状態に移行して、特図表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときに、第2確変状態へと移行するようにしてもよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御されればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
パチンコ遊技機901には、例えば図46に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081、9082に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置905、スピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板9012は、画像表示装置905における表示動作や、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ909などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ908L、908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ909などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図46に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板9011には、第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置905における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ909や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
乱数回路90104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU90103は、例えばRAM90102に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路90104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを定期的あるいは不定期に更新することで、各種の乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。CPU90103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路90104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路90104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図47は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合と「突確」である場合、さらには、可変表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。スーパーリーチ変動パターンには、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに関わらず、スーパーリーチA、スーパーリーチBといった態様のリーチ演出がある。なお、図示する例では、可変表示結果が「大当り」となる場合や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンにおいて「擬似連」の可変表示演出を行う例を示しているが、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」の場合や可変表示結果が「小当り」の場合にも「擬似連」の可変表示演出が行われてもよい。また、「擬似連」の可変表示演出が行われる変動パターンは、スーパーリーチ変動パターンである例を示しているが、ノーマルリーチ変動パターンであってもよいし、非リーチ変動パターンであってもよい。また、擬似連ガセの変動パターンについても同様に、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」の場合や可変表示結果が「小当り」の場合、ノーマルリーチや非リーチの場合があってもよい。また、上述しているように、図示する例では擬似連変動が最大1回である例を示しているが、例えば2回3回といった、1回よりも多くの回数まで実行できる変動パターンがあってもよい。また、図示する他の変動パターンにおいても「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が行われてもよい。
図46に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM90102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。このようなRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるI/O90105は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図46に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、画像表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU90120がROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU90120がRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU90120がRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板9012には、画像表示装置905に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板9013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板9014に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板9012には、スティックコントローラ9031Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット9035Aから伝送するための配線や、プッシュボタン9031Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ9035Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板9012では、例えば乱数回路90124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図46に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の演出装置(例えば画像表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909および装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
演出制御用CPU90120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU90120は、例えば予告演出といった所定示唆演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM90121から読み出してRAM90122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM90121における記憶アドレスを、RAM90122の所定領域に一時記憶させて、ROM90121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU90120から表示制御部90123や音声制御基板9013などに対して出力される。演出制御用CPU90120からの指令を受けた表示制御部90123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU90120からの指令を受けた音声制御基板9013では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。
演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域が設けられている。
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。
主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM90102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図48に示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS9011)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS9012)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS9013)。
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる乱数値MR1’〜MR3’といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS9014)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS9015)。特別図柄プロセス処理では、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS9016)。CPU90103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS9017)。一例として、コマンド制御処理では、RAM90102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図49は、図48のステップS9015にて行われる特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図49に示す特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。図50は、始動入賞判定処理として、図49のステップS90101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図50に示す始動入賞判定処理において、CPU90103は、まず、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ9022Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ9022Aがオンであるか否かを判定する(ステップS90201)。このとき、第1始動口スイッチ9022Aがオンであれば(ステップS90201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS90202)。CPU90103は、例えばRAM90102に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS90202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS90202;No)、例えばRAM90102に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS90203)。
ステップS90201にて第1始動口スイッチ9022Aがオフであるときや(ステップS90201;No)、ステップS90202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS90202;Yes)、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ9022Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ9022Bがオンであるか否かを判定する(ステップS90204)。このとき、第2始動口スイッチ9022Bがオンであれば(ステップS90204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS90205)。CPU90103は、例えばRAM90102に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS90205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS90205;No)、例えばRAM90102に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS90206)。
ステップS90203、S90206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS90207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS90208)。例えば、RAM90102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS90208の処理を実行した後に、CPU90103は、乱数回路90104やRAM90102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1’や大当り種別決定用の乱数値MR2’を示す数値データを、抽出する(ステップS90209)。特図表示結果決定用の乱数値MR1’は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2’は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。CPU90103は、ステップS90209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。なお、この実施の形態では、ステップS90209の処理にて乱数値MR1’および乱数値MR2’を抽出しているが、上述してように、乱数値MR2’は大当り種別を決定するために用いられる乱数値であるため、乱数値MR1’の判定結果が「大当り」である場合にのみ抽出されるようにしてもよい。なお、この場合、後述する図52のステップS90241にてYesと判定された後に乱数値MR2’が抽出されればよい。
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS90210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、図51(A)に示すような第1特図保留記憶部90151Aに乱数値MR1’、MR2’を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、図51(B)に示すような第2特図保留記憶部90151Bに乱数値MR1’、MR2’を示す数値データがセットされる。
図51(A)に示す第1特図保留記憶部90151Aは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部90151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1’や大当り種別決定用の乱数値MR2’を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部90151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
図51(B)に示す第2特図保留記憶部90151Bは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部90151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1’や大当り種別決定用の乱数値MR2’を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部90151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
図50に示すステップS90210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS90211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM90101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板9012に対して、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM90101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板9012に対して、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。
その後、例えばROM90101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板9012に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS90212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
ステップS90212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS90213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS90213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS90214)、ステップS90204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS90213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS90215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ9022Aと第2始動口スイッチ9022Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図49のステップS90101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S90120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部90151Aや第2特図保留記憶部90151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1’を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS90111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3’を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン決定用の乱数値MR3’は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS90110の特別図柄通常処理やステップS90111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1’、大当り種別決定用の乱数値MR2’、変動パターン決定用の乱数値MR3’を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS90112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS90112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM90102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS90112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM90102に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。また、ステップS90113の特別図柄停止処理には、時短状態の終了判定を行い、終了する場合には演出制御基板9012の側にその旨を通知するコマンドを送信する設定を行う処理が含まれている(当該コマンド自体は上述したコマンド制御処理にて演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して伝送される)。
ステップS90114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS90115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。また、ステップS90115の大当り開放中処理には、カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに応じてその旨を示す賞球コマンドを演出制御基板9012の側へ送信する設定を行う処理が含まれている(当該コマンド自体は、上述したコマンド制御処理にて演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して伝送される)。
ステップS90116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS90117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変状態や時短状態の開始設定)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS90118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS90119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS90120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機901における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図52は、特別図柄通常処理として、図49のステップS90110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図52に示す特別図柄通常処理において、CPU90103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS90231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS90231の処理では、RAM90102に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS90231;No)、第2特図保留記憶部90151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1’、大当り種別決定用の乱数値MR2’を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS90232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS90232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部90151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1’〜MR3’を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS90233)。また、ステップS90233の処理では、RAM90102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS90234)。
ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS90231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS90235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS90235の処理では、RAM90102にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS90235の処理は、ステップS90231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS90235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS90235;No)、第1特図保留記憶部90151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1’、大当り種別決定用の乱数値MR2’を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS90236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS90236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部90151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1’、MR2’示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS90237)。また、ステップS90237の処理では、RAM90102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS90238)。
ステップS90234、S90238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS90239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図53(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル90130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図53(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル90130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU90103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。
第1特図表示結果決定テーブル90130Aは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1’に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル90130Bは、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1’に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル90130Aでは、パチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1’と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル90130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1’と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル90130Aや第2特図表示結果決定テーブル90130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1’と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル90130Aと第2特図表示結果決定テーブル90130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機901において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル90130Aと第2特図表示結果決定テーブル90130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル90130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル90130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル90130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル90130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル90130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル90130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図52に示すステップS90239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1’を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS90240)。
ステップS90239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS90240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル90130Aや第2特図表示結果決定テーブル90130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1’に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル90130Aや第2特図表示結果決定テーブル90130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1’に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS90240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS90241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS90241;Yes)、RAM90102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS90242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図54に示す大当り種別決定テーブル90131を選択してセットする(ステップS90243)。
大当り種別決定テーブル90131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2’に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル90131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2’と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル90131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図52に示すステップS90243にてセットされた大当り種別決定テーブル90131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2’を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS90244)。
ステップS90244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM90102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS90245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS90241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS90241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS90246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS90246;Yes)、RAM90102に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS90247)。
ステップS90246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS90246;No)、ステップS90245、S90247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS90248)。一例として、ステップS90246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS90246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS90241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS90244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS90248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS90249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS90235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS90235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS90250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置905において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図55は、変動パターン設定処理として、図49のステップS90111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図55に示す変動パターン設定処理において、CPU90103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS90261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS90261;Yes)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図56(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル90132Aを選択してセットする(ステップS90262)。また、例えばRAM90102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS90263)。
大当り変動パターン決定テーブル90132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3’に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブル90132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3’と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA4’−1、変動パターンPB4’−1、変動パターンPB4’−2、変動パターンPB5’−1〜変動パターンPB5’−4、および変動パターンPC1’−1〜変動パターンPC1’−2のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル90132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターンPA4’−1、変動パターンPB4’−1、変動パターンPB4’−2および変動パターンPB5’−1〜変動パターンPB5’−4に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン決定テーブル90132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターンPA4’−1、変動パターンPB4’−1、変動パターンPB4’−2および変動パターンPB5’−1〜変動パターンPB5’−4に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPC1’−1〜変動パターンPC1’−2に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターンPC1’−1〜変動パターンPC1’−2に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPA4’−1、変動パターンPB4’−1、変動パターンPB4’−2および変動パターンPB5’−1〜変動パターンPB5’−4に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」の場合の方が、「確変」の場合よりも、多くの決定値がノーマルリーチの変動パターンを示す変動パターンPA4’−1に割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当り種別が「非確変」となるよりも「確変」となる可能性が高くなるため、遊技者に期待を抱かせることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、図56(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル90132Aでは、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンよりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンの方が多くの決定値が割り当てられている。
図55に示すステップS90261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS90261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS90264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS90264;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図56(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル90132Bを選択してセットする(ステップS90265)。
ステップS90264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS90264;No)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図56(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブル90132Cを選択してセットする(ステップS90267)。例えばRAM90102に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを特定する(ステップS90268)。
ハズレ変動パターン決定テーブル90132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3’に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ハズレ変動パターン決定テーブル90132Cでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン決定テーブル90132Cとでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、ハズレ変動パターン決定テーブル90132Cでは、図56(A)の大当り変動パターン決定テーブル90132Aとは対象的に、スーパーリーチのリーチ演出を行う変動パターンに割り当てられている決定値よりも、多くの決定値が非リーチの変動パターンに割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当りとなる期待度が高くなっている。また、ハズレ変動パターン決定テーブル90132Cでは、図56(A)の大当り変動パターン決定テーブル90132Aとは対象的に、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンよりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンの方が少なくなるように、決定値が割り当てられている。したがって、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が、リーチ演出が実行された場合に大当りとなる期待度が高くなっている。したがって、実行されるリーチ演出の種類にも遊技者の注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
図55に示すステップS90263、S90265、S90268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン決定用の乱数値MR3’を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS90269)。ここで、ステップS90269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置904Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置904Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR3’を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン決定テーブル90132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS90263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR3’を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU90103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターンのうちから、いずれかの変動パターンに決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン決定テーブル90132Bを参照し、変動パターン決定用の乱数値MR3’を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU90103は、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターンに決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、ステップS90269の処理にて変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS90269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS90269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS90270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS90270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS90271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS90271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS90272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU90103は、主基板9011から演出制御基板9012に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM90101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM90102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU90103は、主基板9011から演出制御基板9012に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM90101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機901における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS90272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから所定のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板9011から演出制御基板9012に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90273)、変動パターン設定処理を終了する。
図57は、図49のステップS90113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図56に示す特別図柄停止処理において、CPU90103は、まず、例えばRAM90102に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS90291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS90295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS90291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS90291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS90292)。このときには、飾り図柄停止コマンドを演出制御基板9012に対して送信するための設定を行う(ステップS90293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS90294)。例えば、ステップS90294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、RAM90102に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS90295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS90292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS90294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS90291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS90291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS90291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90296)。例えば、ステップS90296の処理では、ステップS90294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS90296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS90296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS90296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS90296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS90297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS90298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS90298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS90299)。また、当り開始指定コマンドを主基板9011から演出制御基板9012に対して送信するための設定を行う(ステップS90300)。例えば、ステップS90300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM90101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS90300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS90301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS90302)。例えば、ステップS90302の処理として、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、高ベース中において実行される特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS90303)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS90298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS90298;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS90304)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS90304;Yes)、小当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS90305)。続いて、特図表示結果が「小当り」となったことに対応した当り開始指定コマンドを主基板9011から演出制御基板9012に対して送信するための設定を行う(ステップS90306)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS90307)。また、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS90308)。
ステップS90304にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS90304;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS90309)。ステップS90308、S90309の処理のいずれかを実行した後には、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了させるか否かの判定を行い(ステップS90311)、終了させる場合には(ステップS90311;Yes)、時短制御や高開放制御などを終了させるとともに、時短状態の終了を示す時短終了コマンドを送信する設定を行ってから(ステップS90312)特別図柄停止処理を終了する。一方、終了させない場合には(ステップS90311;No)、そのまま特別図柄停止処理を終了する。例えば、ステップS90311の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、特別図柄停止処理を終了すればよい。なお、遊技状態が確変状態であるときでも時短フラグがオンであれば時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了する一方で、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。これにより、遊技状態が潜伏確変中となることができる。なお、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行われる。
また、ステップS90311の処理では、例えばRAM90102に設けられたランダムカウンタから、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM90101などに格納された確変制御終了判定テーブルを参照すること、あるいは、確変制御中における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了判定値に達したことなどにより、確変制御を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。これに対して、ステップS90311の処理では、確変制御を終了するための処理を実行せず、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御を継続させるようにしてもよい。
次に、演出制御基板9012における動作を説明する。
演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、図58に示す演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、図58に示す演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS9071)、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS9072)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS9072;No)、待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM90122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS9072;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS9073)、コマンド解析処理を実行する(ステップS9074)。コマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS9074にてコマンド解析処理を実行した後には、主基板9011の側から異常コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS9075)。異常コマンドは、例えば、実際には入賞していないのに入賞したように見せかけるなど(より具体的には、実際には開放されていない可変入賞装置への入賞が検出されたなど)の入賞に関する異常(入賞異常)や、上皿や下皿が遊技球でいっぱいになったことによる異常(皿異常)など、複数存在する異常の少なくともいずれかを検知した場合に送信されるコマンドである。異常コマンドは、複数存在する異常それぞれに対応したコマンドが主基板9011の側から送信される。異常コマンドを受信したと判定した場合(ステップS9075;Yes)、異常が発生したことを遊技者に報知する異常報知処理を実行する(ステップS9076)。異常報知処理では、例えば、画像表示装置にいずれの種類の異常が発生したかを示すメッセージを表示したり、ランプを点灯させたり音声を出力する処理が行われればよい。なお、詳しくは後述するが、この実施の形態では、ステップS9076の処理により、異常コマンドを受信することで異常報知をいずれのタイミングにおいても実行可能となっており、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても異常報知が可能となっている。
ステップS9076の処理を実行した後、またはステップS9075にて異常コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS9075;No)、遊技者により演出設定が行われたか否かを判定する(ステップS9077)。ステップS9077の処理では、例えば、図示しない演出設定用ボタンが遊技者によって操作されたか否かを、遊技者の操作行為を検知するセンサにて検知したか否かを確認することにより判定する。演出設定が行われたと判定した場合(ステップS9077;Yes)、演出設定処理を行う(ステップS9078)。ステップS9078の処理では、演出設定用ボタンが遊技者によって操作されたことにより、例えば実行される演出の音量設定や、出力される楽曲や背景の種類、画像表示装置905の輝度設定や遊技効果ランプ909などの各種ランプの輝度設定など、演出に関する設定が変更されればよい。なお、例えば、メニュー画面からいずれの演出設定を変更するのかを選択可能としてもよいし、遊技者が望む変更項目に対応して異なる操作を行うようにし、当該操作に対応する設定が変更されるようにしてもよい。なお、詳しくは後述するが、この実施の形態では、ステップS9078の処理により、遊技者の操作が行われたことで演出に関する設定をいずれのタイミングにおいても実行可能となっており、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても演出に関する設定が可能となっている。具体的に、ステップS9078の処理は、デモ表示中、可変表示中、大当り遊技に制御中、といったいずれのタイミングにおいても実行可能である。なお、可変表示の終了時から次の可変表示が開始されるまでの期間(例えば0.1秒間)はステップS9078の処理を実行不可能としてもよい。具体的に、図柄確定コマンドを受信してから変動開始コマンドを受信するまでの期間、ステップS9078の処理を禁止してもよい。
ステップS9078の処理を実行した後、またはステップS9077にて演出設定が行われていないと判定した場合(ステップS9077;No)、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS9079)。ステップS9079の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ909および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS9080)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM90122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS9072の処理に戻る。
図59は、図58のステップS9079にて行われる演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図59に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU90120は、例えばRAM90122などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS90170〜S90177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示の実行設定や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。また、可変表示開始設定処理では、有利度に応じて、特別表示としてのアイコンなどの特殊画像が段階的に表示される特別表示演出の実行設定や、カットイン予告やステップアップ予告などといった有利状態に制御されることを示唆する演出としての予告演出の実行設定が行われる。なお、遊技者にとっての有利度とは、たとえば、ある事象が生じたときに実際に遊技者にとって有利な状態(特典が付与される、あるいは、付与されている状態、特典付与の割合が高い状態、特典とは異なる有利な状態など)になる割合、あるいは、有利な状態になっている割合などをいう。また、特殊態様により付与の可能性が高いことが示される特典は、遊技者にとっての有利度の対象(有利な状態)と同じであってもよく、遊技者にとっての有利度の対象とは異なるものであってもよい。また、この実施の形態における特別表示演出は、特別表示としてのアイコンなどの特殊画像が有利度に応じて段階的に表示される演出であることを示しているが、例えば、特別表示は可変表示に対応した表示(アクティブ表示)やメータ表示であってもよく、アクティブ表示の表示態様を段階的に変化させるものや、メータ表示を段階的に増加させていくものなど、様々な種類の演出であってよい。すなわち、特別表示の段階的な変化といった概念には、アイコンなどの特殊画像が段階的に表示されることや、アクティブ表示の態様が段階的に変化することや、メータ表示が増加(または減少)することが含まれる。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、RAM90122に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。また、可変表示中演出処理では、特別表示演出や予告演出を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板9011からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板9012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。また、ステップS90173の特図当り待ち処理には、当り開始指定コマンドが「突確」を除く大当り遊技状態の開始を指定する場合に、上述した大当り中昇格演出の実行設定を行う処理などが含まれている。
ステップS90174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS90175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS90176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、大当り中昇格演出や報知演出を実行する制御が行われる。また、大当り中演出処理では、例えば主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS90177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図60は、可変表示開始設定処理として、図59のステップS90171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図59に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、例えば主基板9011から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS90551)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS90551;Yes)、例えば主基板9011から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS90552)。
ステップS90552にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS90552;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90553)。一例として、ステップS90553の処理では、まず、RAM90122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア905Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、RAM90122に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア905Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、RAM90122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS90552にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS90552;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90554)。一例として、ステップS90554の処理では、まず、RAM90122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、RAM90122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS90551にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS90551;No)、特図表示結果が「小当り」または「突確」であるか否かを判定する(ステップS90555)。「小当り」または「突確」であると判定されたときには(ステップS90555;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「小当り」や「突確」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90557)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1’−1〜PC1’−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、RAM90122に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS90555;Yes)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90556)。一例として、ステップS90556の処理では、まず、RAM90122のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM90121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置905の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに関わらず、ステップS90556の処理では、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。
ステップS90553、ステップS90554、ステップS90556、ステップS90557のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、有利度に応じてアイコンなどの特殊画像が段階的に表示される特別表示演出の実行設定を行うための特別表示演出実行設定処理を実行する(ステップS90559)。
図61は、図60のステップS90559にて行われる特別表示演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図61に示す特別表示演出実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、特別表示演出の実行有無を決定する(ステップS90601)。具体的に、ステップS90601の処理では、図62(A)に示す特別表示演出実行決定テーブルを参照して、特別表示演出の実行有無を決定する。
図62(A)は特別表示演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。この実施の形態では、特別表示演出を実行するか否かが、可変表示結果に応じて図示する決定割合に設定されている。具体的に、特別表示演出を実行する場合の方が、特別表示演出を実行しない場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように決定割合が設定されている。したがって、特別表示演出が実行されるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、例えば、可変表示結果が「大当り」である場合、スーパーリーチ大当りであるかノーマルリーチ大当りであるかによって決定割合が異なっているなど(スーパーリーチ大当りの方がノーマルリーチ大当りよりも実行有りと決定する割合が高いなど)、可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合、さらに変動パターンに応じて決定割合を異ならせてもよい。
図61に戻り、ステップS90601の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップS90601にて特別表示演出を実行すると決定したか否かを判定する(ステップS90602)。特別表示演出を実行しないと決定した場合(ステップS90602;No)、演出制御用CPU90120は、特別表示演出実行設定処理を終了する。一方、特別表示演出を実行すると決定した場合(ステップS90602;Yes)、演出制御用CPU90120は、特別表示演出の実行態様を決定する(ステップS90603)。具体的にステップS90603の処理では、図62(B)に示す特別表示演出実行態様決定テーブルを参照して、特別表示演出の実行態様を、複数態様のうちのいずれかの態様に決定する。
図62(B)は特別表示演出実行態様決定テーブルの構成例を示す図である。この実施の形態では、この実施の形態では、図示するように、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」いった種類の特別表示演出の態様が設定されており、可変表示結果に応じて図示する決定割合に設定されている。具体的に、「パターンA」の態様は、星形のアイコンが表示される態様であり、「パターンB」の態様は、星形のアイコンと三角形のアイコンが表示される態様であり、「パターンC」の態様は、星形のアイコンと三角形のアイコンと丸形のアイコンが表示される態様である。この実施形態における特別表示演出実行態様決定テーブルは、図示するように、「パターンA」の態様よりも「パターンB」の態様の方が、「パターンB」の態様よりも「パターンC」の態様の方が、実行された場合に可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように決定割合が設定されている(すなわち、より多くのアイコンが表示された方が「大当り」となる割合が高くなるように決定割合が設定されている)。したがって、いずれのアイコンが表示されるかにより演出の発展先が異なっており、いずれのアイコンが表示されるかに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、図示する例では、「パターンA」〜「パターンC」の3種類の態様を示しているが、三角形のアイコンのみ表示される態様や、丸形のアイコンのみ表示される態様があってもよい。また、この実施の形態では、特別表示演出の実行回数が1回である例を示している(図61のステップS90601にて実行有無のみを決定している)が、特別表示演出は複数回実行されてもよく(実行回数が多いほど「大当り」となる割合が高くなればよい)、その場合には、実行される度に1種類のアイコンが表示されるようにしてもよい(図61のステップS90601にて実行回数も決定し、変動パターンと回数に応じた態様を、ステップS90603の処理にて決定してもよい)。さらに、表示されるアイコンの数は同数であっても、表示されるアイコンの組合せに応じて「大当り」となる割合が異なるようにしてもよい(すなわち、可変表示結果に応じて表示するアイコンの組合せを異なる割合で決定してもよい)。
図61に戻り、ステップS90603の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、擬似連変動が行われず擬似連煽り演出のみを行う擬似連ガセの変動パターン(図47に示すPB3’−1、PB3’−2、PB5’−1、PB5’−2)であるか否かを、主基板9011の側から送信された変動パターン指定コマンドを確認することにより判定する(ステップS90604)。擬似連ガセの変動パターンでないと判定した場合(ステップS90604;No)、すなわち、擬似連変動を行う変動パターンであるか、擬似連の変動パターンでない場合、図63(A)に示す実行タイミング決定テーブル1を参照して特別表示演出の実行タイミングを決定し(ステップS90605)、特別表示演出実行設定処理を終了する。一方、擬似連ガセの変動パターンであると判定した場合(ステップS90604;Yes)、図63(B)に示す実行タイミング決定テーブル2を参照して特別表示演出の実行タイミングを決定し(ステップS90606)、特別表示演出実行設定処理を終了する。なお、上述したように、この実施の形態では、理解を容易にするため、最大1回の擬似連変動が行われることとしている(再変動が1回)が、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動の回数は、例えば2回や3回といった、1回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよく、その場合には図61のステップS90604にて、擬似連煽り演出において失敗演出が行われるか否かを判定し、失敗演出が実行される場合には、当該失敗演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを特別表示演出の実行タイミングとして決定すればよい(重畳するタイミングを選択不可とした実行タイミング決定テーブルを参照して実行タイミングを決定すればよい)。
図63は、特別表示演出の実行タイミングを決定されるために参照される実行タイミング決定テーブルの構成例を示す図である。図63(A)は、擬似連変動が行われる変動パターンであるか、擬似連の変動パターンでない場合に参照される、実行タイミング決定テーブル1の構成例を示しており、図63(B)は、擬似連ガセの変動パターンの場合に参照される、実行タイミング決定テーブル2の構成例を示している。図63(A)に示す実行タイミング決定テーブル1では、決定タイミングとして「タイミング1」〜「タイミング3」といった3種類のタイミングが設定されており、図示する決定割合に設定されている。なお、図63(A)に示す「タイミング1」〜「タイミング3」は、変動パターンに応じて予め設定されている実行タイミングであり、例えば同じ「タイミング2」の実行タイミングであっても、変動パターン毎に異なるタイミングとなっている。「タイミング1」〜「タイミング3」の全ての実行タイミングを変動パターンに応じて異なるタイミングとしてもよいし、例えば、「タイミング1」の実行タイミングについては、変動パターンに関わらず共通の実行タイミングとしてもよい。これに対し、図63(B)に示す実行タイミング決定テーブル2では、決定タイミングとして「タイミング1」と「タイミング3」といった2種類のタイミングが設定されており、図示する決定割合に設定されている。詳しくは後述するが、「タイミング2」の実行タイミングは、擬似連煽り演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳する実行タイミングに設定されており、それ以外の「タイミング1」および「タイミング3」の実行タイミングは、擬似連煽り演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳することのない実行タイミングに設定されている(図65参照)。なお、図示する例では、「タイミング1」〜「タイミング3」の3種類のタイミングを設定しているが、それぞれの実行タイミング決定テーブルに、より多くの種類の実行タイミングが設定されていてもよい。
ここで、特別表示演出とその実行タイミングについて、図64および図65を参照して説明する。図64は、特別表示演出の詳細を示すタイミングチャートである。図64に示すように、特別表示演出が開始されると、ミニゲームとしての所定示唆演出が行われる。所定示唆演出は、例えば、特別表示としてのアイコンを表示させるか否かを示唆する演出(図71(b)〜(e)参照)であり、当該所定示唆演出の演出結果が成功を示す場合に、特別表示としてのアイコンが表示されることを報知する特別表示変化報知が所定期間(例えば10秒間)継続して行われ、その後、図61のステップS90603にて決定された態様にてアイコンが表示される(特別表示が変化する)。そして特別表示演出が終了する。なお、この実施の形態では、特別表示変化報知が所定期間継続して行われ、その後特別表示が変化する例を示しているが、特別表示変化報知は上述した10秒の所定期間中継続して行われなくてもよく、例えば6秒間継続して行われ、残りの4秒間は特別表示変化報知が行われなくてもよい。すなわち、この実施の形態では、アイコンが表示されることを報知されてから所定期間、失敗演出や予告演出の実行が制限されるが、当該所定期間は、特別表示変化報知が継続して実行されているといったように、演出による期間であってもよいし、10秒間などといったタイマによりカウントされる期間であってもよい。また、図64に示す例では、所定示唆演出の演出結果が成功を示す場合について示している(この実施の形態では、理解を容易にするため、所定示唆演出の演出結果は必ず成功を示すものとして説明している)が、所定示唆演出の演出結果が失敗を示す場合があってもよく、その場合には、特別表示変化報知は行われず(アイコンも表示されず)、そのまま特別表示演出が終了すればよい。図61のステップS90601の処理は、このような特別表示演出を実行するか否かを決定している。なお、所定示唆演出の演出結果が失敗を示すものも含める場合には、図61に示すステップS90603の処理にて、失敗を示す所定示唆演出を実行する態様を選択可能とすればよい。
図65は、特別表示演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図65(A)は、擬似連ガセの変動パターンの場合における特別表示演出の実行タイミングを示しており、図65(B)は、擬似連ガセ以外の変動パターンの場合であり、擬似連変動が行われる変動パターンのときにおける特別表示演出の実行タイミングを示している。図65(C)は、擬似連ガセ以外の変動パターンの場合であり、具体的には、非リーチハズレの変動パターンのときにおける特別表示演出の実行タイミングを示している。なお、図示する例では、非リーチハズレの変動パターンについて示しており、その他の変動パターンについては図示を省略しているが、その他の変動パターンの場合については、上述したように、変動パターン毎に「タイミング1」〜「タイミング3」が予め設定されている。図65(A)に示すように、擬似連ガセの変動パターンの場合、実行される擬似連煽り演出は失敗演出となる。上述したように、特別表示演出では、所定示唆演出の演出結果として成功を示す結果が表示された後、特別表示としてのアイコンが表示されることを報知する特別表示変化報知が所定期間継続して行われ、遊技者にとって有利となることが示唆される。それにも関わらず、その後擬似連煽り演出として失敗演出が行われると、遊技者が落胆してしまい、遊技興趣が低下してしまう。そのため、図示するように、擬似連ガセの変動パターンの場合には、特別表示演出の実行タイミングとして、擬似連煽り演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳する「タイミング2」の実行タイミングは選択不可となっている。したがって、図61のステップS90606の処理では、「タイミング2」の実行タイミングが決定されることのない、図63(B)に示す実行タイミング決定テーブル2を参照して特別表示演出の実行タイミングを決定している。これにより、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降の所定期間において失敗演出の実行が制限され、遊技興趣の低下が防止される。なお、擬似連ガセの変動パターンで特別表示演出を複数回実行する場合に実行タイミングを決定するときは、図61のステップS90606の処理にて「タイミング2」以外の実行タイミングから複数のタイミングを選択すればよい。また、特別表示演出における所定示唆演出の演出結果が失敗を示す場合には、上記のような状況にはならないことから、「タイミング2」の実行タイミングを選択可能としてよい(後述する図65(B)と同様)。その一方で、特別表示演出における所定示唆演出の演出結果が失敗を示す場合にも「タイミング2」の実行タイミングを選択不可能とし、アイコンが表示されないことが報知された以降(ミニゲームとしての所定示唆演出の結果が失敗に終わった以降)の所定期間において失敗演出が行われることを防止してもよい。これによれば、所定示唆演出の結果が失敗に終わり、さらに失敗演出が実行されることで遊技者が落胆してしまうことを防止することができる。また、この実施の形態では、擬似連煽り演出(失敗演出)の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳する実行タイミングを選択不可として、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降の所定期間に失敗演出の実行を禁止する例を示しているが、擬似連煽り演出(失敗演出)の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳する実行タイミングを選択可能としてもよく、その場合には、通常時よりも小さな表示や透過させて表示するなど、遊技者にとって認識し難い態様により失敗演出を実行すればよい。また、擬似連煽り演出(失敗演出)の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳する実行タイミングを選択不可とはせず、例えば1%や2%の決定割合とするなど、決定される割合を、失敗演出が行われない場合に比べて極端に低くすることにより制限してもよい。すなわち、失敗演出の実行の制限には、実行しない場合の他、遊技者にとって認識し難い態様で実行される場合や、極端に低い割合で実行される場合も含まれる。また、擬似連煽り演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳する「タイミング2」の実行タイミングを選択可能とし、当該「タイミング2」に決定された場合に、「タイミング2」と「タイミング3」の間の実行タイミングである「タイミング2.5」といったタイミングに特別表示演出の実行タイミングをずらす処理を行うことで、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降に擬似連煽り演出として失敗演出が行われることを制限してもよい。
また、例えば、図65(A)に示すように特別表示演出の実行タイミングを「タイミング1」として決定した場合、その後擬似連煽り演出として失敗演出が行われるのは一定の期間経過した後となることから、遊技者の落胆はある程度緩和できる。しかし、より遊技者が落胆してしまうことを防止するため、擬似連ガセの変動パターンの場合、「タイミング1」および「タイミング2」を選択不可、すなわち、擬似連煽り演出の実行期間の前に設定されているタイミングを選択不可としてもよい(特別表示としてのアイコンが表示された後の期間も失敗演出が制限されることとなる)。これによれば、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降に失敗演出の実行が制限されるため、遊技興趣が低下してしまうことをより防止することができる。なお、「タイミング2」を選択不可とする一方で、「タイミング1」に決定する決定割合を1%や2%とするなど、極端に低い決定割合としてもよい。
一方、図65(B)に示すように、擬似連変動を行う変動パターンの場合には、擬似連煽り演出は成功演出となる。したがって、特別表示変化報知が所定期間継続して行われ、遊技者にとって有利となることが示唆された後に失敗演出が実行されることにより遊技者が落胆してしまうという事象が生じない。そのため、図示するように、特別表示演出の実行タイミングとして、擬似連煽り演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳する「タイミング2」の実行タイミングも選択可能となっている。すなわち、図61のステップS90605の処理では、「タイミング2」の実行タイミングを含む、図63(A)に示す実行タイミング決定テーブル1を参照して特別表示演出の実行タイミングを決定している。また、図65(C)に示すように、非リーチの変動パターンの場合についても同様に、図61のステップS90605の処理では、「タイミング2」の実行タイミングを含む、図63(A)に示す実行タイミング決定テーブル1を参照して特別表示演出の実行タイミングを決定しているが、図65(B)に示す擬似連変動を行う変動パターンの場合と比較して、「タイミング1」の実行タイミングについては共通のタイミング(例えば可変表示を開始してから2秒後のタイミング)となっているものの、「タイミング2」と「タイミング3」の実行タイミングが異なっている。このように、変動パターンに応じて共通の実行タイミングと異なる実行タイミングを設けることにより、演出効果を高めることができる。なお、図65(C)に示すように、擬似連変動を行う変動パターンおよび擬似連ガセの変動パターンであっても特別表示演出が実行可能である。これによれば、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降の所定期間においてそもそも擬似連煽り演出が実行されないため、遊技興趣の低下が防止される。なお、擬似連変動を行う変動パターンで(擬似連ガセ以外の変動パターンで)特別表示演出を複数回実行する場合に実行タイミングを決定するときは、図61のステップS90605の処理にて「タイミング1」〜「タイミング3」の全ての実行タイミングから複数のタイミングを選択すればよい。また、図65(A)および(B)に示す例(擬似連の変動パターンではなくリーチとなる変動パターンの場合も同様)では、特別表示演出の実行タイミングをリーチ前のタイミングとしているが、リーチ中に特別表示演出が実行されてもよい。なお、擬似連変動は1回以上であってもよく、初回の変動を含めた1回の変動につき1回の特別表示演出が行われてもよいし、初回の変動を含む1回の変動において複数回の特別表示演出が行われてもよい。また、複数回の特別表示演出が行われる場合、段階的に表示されるアイコンが増加し(例えば、全部で3回の特別表示演出が行われる場合、1回の特別表示演出において1つのアイコンが表示され、最終的に3つのアイコンが表示されるなど)、有利度が高くなる態様となればよい。
図60に戻り、ステップS90559の特別表示演出実行設定処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、可変表示結果が「大当り」となるか否かを予告するカットイン予告やステップアップ予告などの予告演出の実行設定を行うための予告演出実行設定処理を行う(ステップS90560)。
図66は、図60のステップS90560にて行われる予告演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図66に示す予告演出実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、予告演出の実行有無を決定する(ステップS90901)。具体的に、ステップS90901の処理では、図67に示す予告演出実行決定テーブルを参照して、予告演出の実行有無を決定する。なお、この実施の形態では、説明を簡略化して理解を容易にするため、予告演出としてカットイン予告が実行されるものとするが、その他の種類の予告演出が実行されてもよく、また、可変表示結果に応じて異なる種類の予告演出が実行されてもよいものとする。
図67は予告演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。この実施の形態では、予告演出を実行するか否かが、可変表示結果に応じて図示する決定割合に設定されている。具体的に、予告演出を実行する場合の方が、予告演出を実行しない場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように決定割合が設定されている。したがって、予告演出が実行されるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。
図66に戻り、ステップS90901の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップS90901にて予告演出を実行すると決定したか否かを判定する(ステップS90902)。予告演出を実行しないと決定した場合(ステップS90902;No)、演出制御用CPU90120は、予告演出実行設定処理を終了する。一方、予告演出を実行すると決定した場合(ステップS90602;Yes)、演出制御用CPU90120は、図60のステップS90560における特別表示演出実行設定処理にて特別表示演出の実行設定がなされたか否かを判定する(ステップS90904)。特別表示演出の実行設定がなされていないと判定した場合(ステップS90904;No)、図68(A)に示す実行タイミング決定テーブルAを参照して、予告演出の実行タイミングを決定し、予告演出実行設定処理を終了する。一方、特別表示演出の実行設定がなされていると判定した場合(ステップS90904;Yes)、図68(B)〜(D)に示す実行タイミング決定テーブルB〜実行タイミング決定テーブルDのいずれかのテーブルを、特別表示演出の実行タイミングに応じて参照し、予告演出の実行タイミングを決定する。そして予告演出実行設定処理を終了する。
図68は、予告演出の実行タイミングを決定されるために参照される実行タイミング決定テーブルの構成例を示す図である。図68(A)は、特別表示演出が実行されない場合に参照される実行タイミング決定テーブルAの構成例を示している。図68(A)に示す実行タイミング決定テーブルAでは、「タイミングA」〜「タイミングD」といった4種類のタイミングが設定されており、図示する決定割合に設定されている。図68(B)〜図68(D)は、特別表示演出が実行される場合に参照される実行タイミング決定テーブルB〜実行タイミング決定テーブルDの構成例を示している。具体的に、実行タイミング決定テーブルBは、特別表示演出が「タイミング1」のタイミングで実行される場合に参照されるテーブルであり、実行タイミング決定テーブルCは、特別表示演出が「タイミング2」のタイミングで実行される場合に参照されるテーブルであり、実行タイミング決定テーブルDは、特別表示演出が「タイミング3」のタイミングで実行される場合に参照されるテーブルである。実行タイミング決定テーブルB〜実行タイミング決定テーブルDはそれぞれ、特別表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳するタイミングが選択不可となるよう予告演出の実行タイミングが設定されている(図69参照)。なお、図示する例では、「タイミングA」〜「タイミングD」の4種類のタイミングを設定しているが、それぞれの実行タイミング決定テーブルに、より多くの種類の実行タイミングが設定されていてもよい。また、図示する例では、可変表示結果に関わらず実行タイミングが決定される例を示しているが、例えば、実行タイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるよう、可変表示結果に応じて決定される実行タイミングが異なるようにしてもよい(これとは反対に実行タイミングが早いほど「大当り」となる割合が高くなってもよい)。これによれば、予告演出が実行されるタイミングについても遊技者の注目を集めることができる。
なお、図68に示す例では、特別表示演出の実行タイミングに応じて実行タイミング決定テーブルB〜実行タイミング決定テーブルDのそれぞれのテーブルが予め用意されている例を示したが、図68(A)に示す実行タイミング決定テーブルAから特別表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳するタイミング選択不可とした決定テーブルを図66のステップS90906の処理にて作成し、実行タイミングを決定するようにしてもよい。これによれば、容量を削減することができる。
続いて、図69を参照して、特別表示演出と予告演出の実行タイミングについて説明する。図69は特別表示演出が実行される場合における予告演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。なお、特別表示演出が実行されない場合については、図示する「タイミングA」〜「タイミングD」といった全ての実行タイミングのうちからいずれかの実行タイミングを決定すればよい(図68(A)参照)。また、図69に示す「X」のタイミングは、当該タイミングでエラーが発生したり、遊技者により演出設定が行われた場合の例を示すものであり、ここでの説明は省略する。なお、「X」のタイミングでエラーが発生した場合や遊技者による演出設定が行われた場合についての説明は後述する。また、上述したように、特別表示演出が実行される場合であっても、ミニゲームとしての所定示唆演出の演出結果が失敗を示す場合には、特別表示変化報知は行われず(アイコンも表示されず)、そのまま特別表示演出が終了するため、予告演出の実行タイミングを、「タイミングA」〜「タイミングD」といった全ての実行タイミングのうちからいずれかを決定すればよい。
具体的に、図69(A)は、図63の「タイミング1」にて特別表示演出を実行する場合(図65参照)における予告演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図示するように、「タイミング1」にて特別表示演出を実行する場合、「タイミングA」以外の「タイミングB」〜「タイミングD」のいずれかのタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定する(「タイミングA」は選択不可となっている)。すなわち、演出制御用CPU90120は、図66のステップS90906の処理にて、図68(B)に示す実行タイミング決定テーブルBを参照して予告演出の実行タイミングを決定する。なお、図示する例では、「タイミングB」の実行タイミングは擬似連煽り演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳するタイミングとなっており、予告演出の実行タイミングとして「タイミングB」も選択可能となっているが、この場合「タイミングB」の実行タイミングも選択不可としてもよい。これによれば、それぞれの演出に対する遊技者の注目を集めることができる。なお、図69(A)に示す例では、擬似連煽り演出として失敗演出を実行する例を示しているが、成功演出を実行する場合についても同様である。また、特別表示演出の実行タイミングを決定する場合と同様に、成功演出を実行する場合には予告演出の実行タイミングとして「タイミングB」を選択可能とし、失敗演出を実行する場合には「タイミングB」を選択不可としてもよい(擬似連煽り演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳するタイミングを実行タイミングとして決定する場合について、特別表示演出の場合と同様にして決定してもよい)。
図69(B)は、図63の「タイミング2」にて特別表示演出を実行する場合(図65参照)における予告演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図示するように、「タイミング2」にて特別表示演出を実行する場合、「タイミングB」以外の「タイミングA」、「タイミングC」および「タイミングD」のいずれかのタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定する(「タイミングB」は選択不可となっている)。すなわち、演出制御用CPU90120は、図66のステップS90906の処理にて、図68(C)に示す実行タイミング決定テーブルCを参照して予告演出の実行タイミングを決定する。なお、図示する例では、特別表示演出の終了タイミングと擬似連煽り演出の終了タイミングとが同一タイミングとなっているが、これは一例であり、それぞれ異なるタイミングであってもよい。
図69(C)は、図63の「タイミング3」にて特別表示演出を実行する場合(図65参照)における予告演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図示するように、「タイミング3」にて特別表示演出を実行する場合、「タイミングC」以外の「タイミングA」、「タイミングB」および「タイミングD」のいずれかのタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定する(「タイミングC」は選択不可となっている)。すなわち、演出制御用CPU90120は、図66のステップS90906の処理にて、図68(D)に示す実行タイミング決定テーブルDを参照して予告演出の実行タイミングを決定する。なお、図69に示すように「タイミングD」の実行タイミングは、特別表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳しない実行タイミングとして設定されている。すなわち、「タイミングD」の実行タイミングは、特別表示演出の実行タイミングがいずれのタイミングであっても共通して選択可能な実行タイミングとなっている。したがって、特別表示演出の実行タイミングに応じたタイミングで予告演出が実行される場合と、特別表示演出の実行タイミングに関わらず(さらには、特別表示演出が実行されない場合においても)共通のタイミングで予告演出が実行される場合とがあり、演出の幅を広げることができる。
上述したように、特別表示演出では、所定示唆演出の演出結果として成功を示す結果が表示された後、特別表示としてのアイコンが表示されることを報知する特別表示変化報知が所定期間継続して行われ、遊技者にとって有利となることが示唆される。それにも関わらずアイコンが表示されることが報知されてからアイコンが表示される(特別表示が変化する)までの所定期間内に予告演出が実行されると、特別表示演出の演出効果が低下してしまう。そのため、図示するように、特別表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳しないタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定する。これにより、アイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内に予告演出が実行されることを制限し、演出効果の低下を防止している。なお、この実施の形態では、特別表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳する実行タイミングを選択不可として、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降の所定期間において予告演出の実行を禁止する例を示しているが、特別表示演出の実行期間と予告演出の実行期間が重畳する実行タイミングを選択可能としてもよく、その場合には、通常時よりも小さな表示や透過させて表示するなど、遊技者にとって認識し難い態様により予告演出を実行すればよい。すなわち、予告演出の実行の制限には、実行しない場合の他、遊技者にとって認識し難い態様で実行される場合も含まれる。また、上述したように、特別表示演出が実行される場合であっても、ミニゲームとしての所定示唆演出の演出結果が失敗を示す場合には、特別表示変化報知は行われず(アイコンも表示されず)、そのまま特別表示演出が終了するため、特別表示演出の演出効果が低下するといった事象が発生しない。そのため、この場合には、特別表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳する実行タイミングを選択不可としなくてよい(予告演出が実行されることを制限しなくてよい)。
図60に戻り、ステップS90560の予告演出実行設定処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、例えば、リーチとなるか否かを煽る演出やリーチ状態において行われるチャンスアップ予告などその他の演出を実行するか否か、また実行する演出の種類を決定するその他の演出設定をし、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS90561)。演出制御用CPU90120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、ステップS90559やS90560にて決定した特別表示演出や予告演出などに対応して、ROM90121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM90122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS90562)。
そして、画像表示装置905における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS90563)。このときには、例えばステップS90561にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置905の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。ステップS90563の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90564)、可変表示開始設定処理を終了する。
図70は、可変表示中演出処理として、図59のステップS90172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図70に示す可変表示中演出処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90801)。演出制御用CPU90120は、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば、1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS90801にて可変表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS90801;No)、演出制御用CPU90120は、特別表示演出を実行する特別表示演出期間であるか否かを判定する(ステップS90802)。特別表示演出期間は、図60のステップS90559の処理にて特別表示演出の実行有無とタイミングを決定したことに応じてステップS90561の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。
特別表示演出期間であると判定した場合(ステップS90802;Yes)、演出制御用CPU90120は、特別表示演出の演出制御を実行する(ステップS90803)。これにより特別表示演出が実行される。具体的に、ステップS90803の処理では、上述したように、ミニゲームとしての所定示唆演出を行い、所定示唆演出の演出結果として成功を示した後、特別表示としてのアイコンが表示されることを報知する特別表示変化報知を所定期間継続して行い、その後、図61のステップS90603にて決定した態様のアイコンを表示する(特別表示が変化する)。なお、所定示唆演出の演出結果が失敗を示す場合は、当該ステップS90803の処理にて、失敗を示す所定示唆演出が行われた後特別表示変化報知が行われなければよい(アイコンが表示されなければよい)。
ステップS90803の処理を実行した後、またはステップS90802にて特別表示演出期間でないと判定した場合(ステップS90802;No)、演出制御用CPU90120は、予告演出を実行する予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS90802)。予告演出期間は、図60のステップS90560の処理にて予告演出の実行有無とタイミングを決定したことに応じてステップS90561の処理にて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。予告演出期間であると判定した場合(ステップS90804;Yes)、演出制御用CPU90120は、予告演出の演出制御を実行する(ステップS90805)。これにより予告演出が実行される。
ステップS90805の処理を実行した後、またはステップS90804にて予告演出期間でないと判定した場合(ステップS90802;No)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS90806)。リーチ演出期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定した場合(ステップS90806;Yes)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出用の背景画像を表示するなど、リーチ演出を実行するための制御を行う(ステップS90807)。
ステップS90807の処理の実行後、またはステップS90806にてリーチ演出期間でないと判定した場合(ステップS90806;No)、演出制御用CPU90120は、変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行い(ステップS90808)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS90801にて可変表示時間が経過したと判定した場合(ステップS90801;Yes)、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90809)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS90809;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。
ステップS90809にて図柄確定コマンドの受信があった場合(ステップS90809;Yes)、演出制御用CPU90120は、例えば、表示制御部90123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS90810)。続いて、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS90811)。次に、演出制御用CPU90120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である「3」に更新し(ステップS90812)、可変表示中演出処理を終了する。
図71は、特別表示演出と、擬似連煽り演出としての失敗演出とが実行された場合における演出動作例を示す図である。具体的には、図65(A)に示す「タイミング1」の実行タイミングにて特別表示演出が行われ、その後失敗演出の擬似連煽り演出が行われる場合の演出動作例を示している。図71(a)に示すように可変表示が開始されると、図71(b)に示すように、ミニゲームとしての所定示唆演出が実行され、特別表示演出が開始される。なお、図示する例では、所定示唆演出としてキャラクタが登場し、表示されたコインを回転させることで成功を示す態様を所定示唆演出の例として示しているが、所定示唆演出の態様はこれ以外にも複数態様あってよい。また、所定示唆演出の演出結果として、上述したように失敗を示すものがあってもよい。
そして、図71(c)〜図71(d)に示すように所定示唆演出が進行し、図71(e)に示すように所定示唆演出の演出結果として成功が示されると、図71(f)に示すように特別表示変化報知としてアイコンが表示される旨が報知される(特別表示変化報知が実行される)。特別表示変化報知は所定期間継続して行われる。そして、所定期間経過すると、図71(g)に示すように、特別表示としてアイコンが表示される。図示する例では、「パターンA」の態様を示しているため、星形のアイコンが表示される。その後、図71(h)に示すように、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて、飾り図柄が停止表示され、図71(i)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア905Cに擬似連チャンス図柄として「再」のマークが仮停止表示されるか否かを煽る擬似連煽り演出が実行される。そして、図71(j)に示すように、擬似連煽り演出として失敗演出が実行され、擬似連チャンス図柄としての「再」のマークが仮停止表示することなくリーチ状態となる。なお、図示する例では擬似連煽り演出(失敗演出)の後にリーチ状態となる例を示しているが、当該失敗演出の後にリーチ状態とならない場合があってもよい。また、図71(j)に示す例では、特別表示としてのアイコン表示の表示位置を移動しているが、表示位置を移動しなくてもよい。その際に、表示の優先順位は、アイコン表示を優先させてもよいし、優先させなくてもよい。
このように、擬似連煽り演出として失敗演出が実行される場合、当該失敗演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを特別表示演出の実行タイミングとして決定するため、特別表示演出の実行期間と失敗演出の実行期間とが重畳しない。そのため、特別表示としてのアイコンが表示される(変化する)ことが報知された後失敗演出が行われることによる遊技者の落胆を防止することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。なお、失敗演出の実行期間と実行期間が重畳しないタイミングを特別表示演出の実行タイミングとすることに代えて、特別表示演出の実行期間と実行期間が重畳しないタイミングを失敗演出の実行タイミングとしてもよい。すなわち、特別表示演出の実行タイミングを調整することに代えて、失敗演出の実行タイミングを調整してもよい。具体的に、失敗演出の実行タイミングを、特定演出の実行期間と当該失敗演出の実行期間とが重畳しないよう予め設定された複数タイミングから1つ選択してもよい。
図72は、特別表示演出と、擬似連煽り演出としての成功演出とが実行された場合における演出動作例を示す図である。具体的には、図65(B)に示す「タイミング2」の実行タイミングにて特別表示演出が行われ、成功演出の擬似連煽り演出が行われる場合の演出動作例を示している。なお、図72(a)〜図72(f)については、図71(a)〜図71(f)と同様であるため、説明を省略する。図72に示す例では、擬似連煽り演出として成功演出が行われるため、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以降にも擬似連煽り演出が実行される。そのため、図72(g)に示すように「左」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて、飾り図柄が停止表示され、図72(h)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア905Cに擬似連チャンス図柄として「再」のマークが仮停止表示されるか否かを煽る擬似連煽り演出が実行される。そして、図72(i)に示すように、擬似連煽り演出として成功演出が実行され、擬似連チャンス図柄としての「再」のマークが仮停止表示する。そして、再変動が行われるとともに所定期間経過したことにより、図72(j)に示すように、特別表示としてアイコンが表示される。なお、図示する例では、再変動時に所定期間が経過して特別表示としてのアイコンが表示される例を示しているが、所定期間の経過タイミング(すなわち特別表示変化のタイミング)は、より早いタイミングであってもよい。具体的に、図72(h)に示すように擬似連煽り演出の実行中に所定期間が経過し、特別表示としてのアイコン表示が行われてもよい。また、擬似連煽り演出として成功演出が行われ、かつ特別表示演出が行われる場合には、所定期間の経過タイミングを擬似連煽り演出の終了タイミングと同タイミングとするようにしてもよい。また、擬似連煽り演出の終了タイミングと所定期間の経過タイミングとをそれぞれ独立して決定するようにしてもよい。このように、擬似連煽り演出として成功演出が実行される場合、遊技者が落胆してしまうといった状況にはならないため、擬似連煽り演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳するタイミングを特定演出の実行タイミングとして決定可能となっている。
図73は、特別表示演出と予告演出とが実行された場合における演出動作例を示す図である。具体的には、図69(A)に示す「タイミング1」の実行タイミングにて特別表示演出が行われ、その後「タイミングB」の実行タイミングにて予告演出が行われる場合の演出動作例を示している。なお、図69(A)に示す例では、予告演出の実行期間と擬似連煽り演出の実行期間とが重畳する例を示しているが、図73に示す例では、理解を容易にするため、擬似連煽り演出の演出動作例については省略している。
図73(a)に示すように可変表示が開始されると、図73(b)に示すように、ミニゲームとしての所定示唆演出が実行され、特別表示演出が開始される。なお、図示する例では、所定示唆演出としてキャラクタが登場し、表示されたコインを回転させることで成功を示す態様を所定示唆演出の例として示しているが、所定示唆演出の態様はこれ以外にも複数態様あってよい。また、所定示唆演出の演出結果として、上述したように失敗を示すものがあってもよい。そして、図73(c)〜図73(d)に示すように所定示唆演出が進行し、図73(e)に示すように所定示唆演出の演出結果として成功が示されると、図73(f)に示すように特別表示変化報知としてアイコンが表示される旨が報知される(特別表示変化報知が実行される)。特別表示変化報知は所定期間継続して行われる。そして、所定期間経過すると、図73(g)に示すように、特別表示としてアイコンが表示される。図示する例では、「パターンA」の態様を示しているため、星形のアイコンが表示される。その後、図73(h)に示すように、予告演出としてカットイン予告が行われる。なお、図示する例の他にも、「大当り」となる割合に応じて異なる態様のカットイン予告が実行されてもよいし、カットイン予告の他、ステップアップ予告やバトル演出などが行われるようにしてもよい。
このように、特別表示演出が実行される場合、当該特別表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳しないタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定するため、特別表示演出の実行期間と予告演出の実行期間とが重畳しない。そのため、特別表示としてのアイコンが表示される(変化する)ことが報知された後の所定期間に予告演出が行われてしまうことで演出効果を低下させてしまう、といったことを防止することができる。
図74は、図69に示す「X」のタイミングで異常が発生した場合における演出動作例を示している。具体的には、主基板9011の側から、実際には開放されていない可変入賞装置への入賞が検出されたこと(入賞異常)を示す異常コマンドを、図69に示す「X」のタイミング(特別表示演出における特別表示変化報知が行われた後のタイミング)で受信した場合の例を示している。図74(a)に示すように、特別表示変化報知が行われた後、図69に示す「X」のタイミングで異常コマンドを受信すると、図58に示すステップS9075にて異常コマンドを受信したと判定し、ステップS9076の処理にて異常報知処理が行われる。そして、当該処理により、図74(b)に示すように受信した異常コマンドの種類に応じた態様の異常報知が行われる(図示する例では「入賞異常発生!」のメッセージを表示する例を示しているが、その他にも警告音やランプを点灯させてもよいし、予め設定された異常の重要度に応じて異なる態様の報知を行ってもよい)。その後、特別表示変化報知が所定期間継続して行われた後、図74(c)に示すように特別表示としてのアイコンが表示される(特別表示が変化する)。なお、図示する例では、図74(c)のタイミングでは異常報知が消去されている例を示しているが、異常報知解除の操作が行われるまでの期間、異常報知を継続して行うようにしてもよい。このように、この実施の形態では、特別表示としてのアイコンが表示される(変化する)ことが報知された以後の所定期間内においても異常を報知することが可能である。したがって、遊技者が遊技状況を把握できなくなることを防止し、遊技興趣の低下を防止することができる。
図75は、図69に示す「X」のタイミングで遊技者により演出設定が行われた場合における演出動作例を示している。具体的には、図69に示す「X」のタイミング(特別表示演出における特別表示変化報知が行われた後のタイミング)で遊技者により演出の音量をアップさせる操作が行われた場合の例を示している。図75(a)に示すように、特別表示変化報知が行われた後、図69に示す「X」のタイミングで演出設定が行われると(遊技者による操作を検知すると)、図58に示すステップS9077にて演出設定が行われたと判定し、ステップS9078の処理にて演出設定処理が行われる。そして、当該処理により、図75(b)に示すように音量設定が変更されたこと(図示する例では音量が「6」から「7」に変更されたこと)が報知される(設定変更報知)とともに、演出により出力される音量を大きくする処理が行われる。その後、特別表示変化報知が所定期間継続して行われた後、図74(c)に示すように特別表示としてのアイコンが表示される(特別表示が変化する)。なお、図示するように、音量設定が変更されたことの報知は、特別表示変化報知や特別表示が遊技者にとって認識不可能とならない態様で表示されることが望ましい。このように、この実施の形態では、特別表示としてのアイコンが表示される(変化する)ことが報知された以後の所定期間内においても演出に関する設定を行うことが可能である。したがって、演出効果の低下を防止することができる。なお、異常報知と設定変更報知が同期間に行われる場合には、異常報知を優先して(異常報知のレイヤーを設定変更のレイヤーよりも遊技者側にするなど)実行するようにしてもよい。さらに、異常の種類によって、設定変更報知より優先されるものとされないものとがあってもよい。
以上説明したように、パチンコ遊技機901によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU90120は、失敗演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを特別表示演出の実行タイミングとして決定する。したがって、特別表示としてのアイコンが表示される(特別表示が変化する)ことが報知された以降の所定期間において失敗演出の実行が制限され、遊技興趣の低下が防止される。また、擬似連煽り演出の実行期間の前に設定されているタイミングを特別表示演出の実行タイミングとして選択不可としてもよく、これによれば、特別表示としてのアイコンが表示される(特別表示が変化する)ことが報知された以降に失敗演出の実行が制限されるため、遊技興趣が低下してしまうことをより防止することができる。また、特別表示演出が開始されると、ミニゲームとしての所定示唆演出が行われ、当該所定示唆演出の演出結果が成功を示す場合に、特別表示としてのアイコンが表示されることを報知する特別表示変化報知が所定期間継続して行われ、その後、図61のステップS90603にて決定された態様にてアイコンが表示される(特別表示が変化する)。演出制御用CPU90120は、失敗演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを特別表示演出の実行タイミングとして決定する。そのため、当該所定示唆演出の演出結果として成功が示されてからアイコンが表示される(特別表示が変化する)までの期間、失敗演出の実行が制限される。したがって、遊技興趣の低下を防止することができる。また、演出制御用CPU90120は、特別表示演出を実行する場合、表示すべきアイコン(アイコンの組合せ)を可変表示結果に応じて異なる割合で決定する。したがって、いずれのアイコンが表示されているかに対する遊技者の注目を集めることができる。
また、演出制御用CPU90120は、予告演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定する。したがって、特別表示としてのアイコンが表示される(特別表示が変化する)ことが報知された以降の所定期間において予告演出の実行が制限され、演出効果の低下を防止することができる。また、演出制御用CPU90120は、特別表示としてのアイコンが表示される(特別表示が変化する)ことが報知された以後の所定期間内においても異常を報知することが可能である。したがって、遊技者が遊技状況を把握できなくなることを防止し、遊技興趣の低下を防止することができる。さらに、演出制御用CPU90120は、特別表示としてのアイコンが表示される(特別表示が変化する)ことが報知された以後の所定期間内においても演出に関する設定が可能である。したがって、演出効果の低下を防止することができる。また、演出制御用CPU90120は、演出に関する設定が行われた場合、演出に関する設定が変更されたことを報知する(設定変更報知)。したがって、演出効果を向上させることができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機901では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、理解を容易にするため、ミニゲームとしての所定示唆演出が必ず成功を示すものとして説明したが、所定示唆演出の演出結果が失敗を示す場合があってもよい。また、上記実施の形態では、図71等に示す態様の所定示唆演出が行われる例を示したが、所定示唆演出の態様は複数あってもよく、例えば、図76に示すように、二人のランナーが競争する(レース演出を行う)態様であってもよい。図76は、所定示唆演出としてレース演出を行う場合の演出動作例を示している。具体的に、各ランナーは、その色で区別されている。各ランナーは、所定示唆演出が成功するか否かの期待度を有する。各ランナーの色として、青、緑、赤、虹があり、虹>赤>緑>青の順で成功期待度が高く、レース演出は、成功期待度の異なる2人のランナーのキャラクター(ここでは、色により区別される)がレース(競走)を行い、いずれか一方が勝つことにより、所定示唆演出の成功や失敗が報知される演出であればよい(勝ったランナーが有する成功期待度が今回の大当り期待度として報知される)。なお、レース演出は複数回行われてもよい。所定示唆演出の演出結果としての成功期待度が比較的低い緑及び青のランナーは第1グループに属し、所定示唆演出の演出結果としての成功期待度が比較的高い虹及び赤のランナーは第2グループに属するものとする。なお、レース演出は、いずれか一方のランナーを勝たせる演出であり、当該一方のランナーを選択する選択演出の一種でもある。また、レース演出では、登場する両ランナーがレースを中止することがある(いずれもが選択されない態様)。
この例では、所定示唆演出の成功期待度が比較的低い第1グループに属する青のランナーと緑のランナーとの少なくともいずれかが登場するレース演出において両ランナーが競走を中止する割合(第1中止割合)よりも、図76に示すような所定示唆演出の成功期待度が比較的高い第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出(つまり、第1グループに属する青や緑のランナーが登場しないレース演出)において両ランナーがレースを中止する割合(第2中止割合)の方が高く設定されている。これにより、所定示唆演出の成功期待度が低いときにも赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。特に、通常は可変表示結果が「大当り」となる割合よりも「ハズレ」となる割合の方が高く、所定示唆演出としての演出結果が失敗に終わることが多々ある(特別表示演出が実行されたとしても所定示唆演出の演出結果が失敗に終わることが多々ある)ことから、上記構成により赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出の出現率を高くすることができ、遊技者は、赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出が実行される度に所定示唆演出の成功期待度が高いことを期待するため、演出効果を高めることができる。レース演出のような選択演出(上述のように、レース演出は選択演出の一種である。)が実行される場合、従来は、提示された選択肢(ランナーの色)のうちから選択肢を選択しない場合には、普段選択されない高い成功期待度(高期待度)の演出が実行されていた。しかしながら、上記のように通常は可変表示結果が「大当り」となることは少ないため、所定示唆演出としての演出結果が失敗に終わることが多々あることから、遊技者が当該高期待度の演出に接することは希であり、演出効果が高められていない。そのため上記レース演出(両ランナーが中止する態様を含む演出)や上記第1中止割合と第2中止割合との関係により、高期待度が示唆される演出(赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出)が実行されやすいので、演出効果が高められている。
なお、この例ではミニゲームとしての所定示唆演出の一例として上記レース演出が実行され所定示唆演出の成功期待度を報知する演出を例に示したが、レース演出は、特別表示演出における所定示唆演出としてではなく、実行中の可変表示の大当り期待度を報知する演出(勝ったランナーが有する大当り期待度が今回の大当り期待度として報知される演出)として実行されてもよい。これによれば、大当り期待度が低い可変表示においても、大当り期待度が比較的高い第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態では、特別表示演出として特殊画像としてのアイコンが表示される例を示したが、特別表示演出としてアイコンが表示される他にも、上述したように、特別表示演出としてメータ表示を変化させる(段階的に増加させる)演出を実行してもよい。また、可変表示に対応したアクティブ表示の態様を当該特別表示演出に合わせて変化させる演出(アクティブ表示変化演出)が行われてもよい。さらに、スーパーリーチのリーチ演出(スーパーリーチ演出)時には、アクティブ表示の態様および特別表示の態様を特殊態様に変化させるようにしてもよい。以下、図77〜図80を用いて説明する。具体的に、この例におけるアクティブ表示変化演出では、アクティブ表示の表示態様を、通常態様(本例では白色)から「第1態様(青)」、「第2態様(緑)」および「第3態様(赤)」に変化させて表示可能であればよい。そして、特別表示としてのメータ表示の最終表示態様が「第1段階」または「第2段階」になった場合には、アクティブ表示の最終表示態様は「第1態様(青)」となり、メータ表示の最終表示態様が「第3段階」または「第4段階」になった場合には、アクティブ表示の最終表示態様は「第2態様(緑)」となり、メータ表示の最終表示態様が「第10段階」になった場合には、アクティブ表示の最終表示態様は「第3態様(赤)」となる。
図77は、特別表示演出が行われてメータ表示が通常態様から第1段階の表示態様に変化し、メータ表示の変化に応じて、アクティブ表示が第1態様に変化するアクティブ表示変化演出が実行される場合の演出動作例を示している。図77(A)に示すように、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示が開始されると、アクティブ表示領域909Fにアクティブ表示が表示される。図77(A)の例では、通常態様(白)によりアクティブ表示が表示されている。次いで、図77(B)に示すように、特別表示演出が実行されると、所定示唆演出としてメータ表示9090を点滅表示する演出が実行される。そして、キャラクタA90200が登場し(図77(C))、メータ表示の表示態様が、10のうちの1目盛の色が変化した第1段階の表示態様に変化する(図77(D))。その後、メータ表示の変化に応じて、アクティブ表示の表示態様が、第1態様(図77(E)の例では、文字で色が示されている)に変化して表示される(図77(E))。
次に、図78〜図80を参照して、スーパーリーチ演出、特別表示演出およびアクティブ表示変化演出の具体例について説明する。このうち、図78は、スーパーリーチ演出が単独で実行される(特別表示演出およびアクティブ表示変化演出は実行されない)場合の演出動作例を示している。また、図79および図80は、スーパーリーチ演出が実行される場合に特別表示演出およびアクティブ表示変化演出が実行される場合の演出動作例を示している。
まず、図78を参照して、スーパーリーチ演出が単独で実行される場合について説明する。図78(A)に示すように、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示が開始されると、アクティブ表示領域909Fにアクティブ表示が表示される。図78(A)の例では、通常態様(白)によりアクティブ表示が表示されている。次いで、図78(B)に示すように「左」の飾り図柄が停止表示された後、図78(C)に示すように「右」の飾り図柄が停止表示され、左と右の飾り図柄が同じ図柄(本例では、図柄「7」)で停止表示された状態となってリーチ状態が発生する。次いで、スーパーリーチへの発展タイミングとなると、図78(D)に示すように「スーパーリーチ!」などの文字表示が表示され、図78(E)に示すようにレーシングカーのレースが開始されるような演出表示が開始され、スーパーリーチ演出が開始される。なお、図78(D)〜(G)に示すように、この実施の例では、スーパーリーチ演出の実行中は、画像表示装置905の表示画面の右下端部において演出図柄の変動表示を縮小表示するものとする。
次いで、スーパーリーチ演出の実行中に所定のカットイン演出の実行タイミングとなると、図78(F)に示すように、スーパーリーチ演出の実行中に所定のカットイン演出が実行される。本例では、図78(F)に示すように、画像表示装置905において、それまでのレーシングカーのレースの演出表示とは異なる所定のキャラクタ画像90201がカットインし、「チャンス!」などのセリフ表示が表示される態様により所定のカットイン演出が実行される。なお、この例では、所定のカットイン演出は、スーパーリーチ演出の一部でとしている。なお、例えば、上記実施の形態のように、所定のカットイン演出をスーパーリーチ演出とは異なる演出として構成してもよい。また、例えば、スーパーリーチ演出を中断して所定のカットイン演出を実行するように構成してもよい。
なお、この例では、図78(A)に示すように、スーパーリーチ演出が単独で実行される場合であっても飾り図柄の可変表示を開始するときにメータ表示9090の表示も開始されるのであるが、所定のカットイン演出が開始されると、図78(F)に示すようにメータ表示9090が消去される。そのように、この例では、少なくとも所定のカットイン演出が開始されるまではメータ表示9090が表示されるので、所定のカットイン演出の実行タイミングや、特別表示の態様を特殊態様に変化させるメータ表示の特別変化(詳しくは後述する)の実行タイミングとなるまでは、所定のカットイン演出とメータ表示の特別変化とのいずれが実行されるかを認識できないようにすることができ、メータ表示の特別変化が行われてメータ表示が変化することに対して期待感をもたせることができる。なお、この例で示した態様にかぎらず、例えば、所定のカットイン演出が開始された後もメータ表示9090を継続して表示するようにしてもよい(ただし、メータのレベルは変化しない)。また、例えば、スーパーリーチ演出が単独で実行されメータ表示の特別変化やアクティブ表示変化演出が実行されない場合には、メータ表示9090を表示しないように構成してもよい。
次いで、所定のカットイン演出の実行期間を経過すると、再びレーシングカーのレースの演出表示に戻り、図78(G)に示すように、味方のレーシングカーが1位でゴールしたかのような演出表示を行う。そして、可変表示時間が経過すると、図78(H)に示すように、「中」の飾り図柄として左右の飾り図柄と同じ図柄(本例では、図柄「7」)が停止表示し、大当り図柄が導出表示される。
次に、図79および図80を参照して、スーパーリーチ演出が実行される場合に特別表示演出としてメータ表示の特別変化およびアクティブ表示変化演出が実行される場合について説明する。図79および図80の例では、特別表示演出としてメータ表示の特別変化が実行されてメータ表示が通常態様から第10段階の表示態様に変化し、メータ表示の変化に応じてアクティブ表示が第3態様に変化し、さらにメータ表示およびアクティブ表示が第3特別表示態様の特別表示に変化する。特別表示演出において、通常時は図77(D)に示すようにメータ表示の表示態様が、10のうちの1目盛の色が変化した第1段階の表示態様に変化するが、特別表示演出としてメータ表示の特別変化が実行されると、通常態様から第10段階の表示態様に変化する。このように、特別表示演出におけるメータ表示の特別変化を特殊変化演出という。
図79(A)に示すように、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示が開始されると、アクティブ表示領域909Fにアクティブ表示が表示される。図79(A)の例では、通常態様(白)によりアクティブ表示が表示されている。次いで、図79(B)に示すように「左」の飾り図柄が停止表示された後、図79(C)に示すように「右」の飾り図柄が停止表示され、「左」と「右」の飾り図柄が同じ図柄(本例では、図柄「7」)で停止表示された状態となってリーチ状態が発生する。次いで、スーパーリーチへの発展タイミングとなると、図79(D)に示すように「スーパーリーチ!」などの文字表示が表示され、図79(E)に示すようにレーシングカーのレースが開始されるような演出表示が開始され、スーパーリーチ演出が開始される。なお、図79(D)〜(I)および図80(J)に示すように、この例では、スーパーリーチ演出の実行中および特殊変化演出の実行中は、画像表示装置905の表示画面の右下端部において飾り図柄の変動表示を縮小表示するものとする。次いで、図79(F)に示すように、特別表示演出が開始される直前になると、メータ表示9090を点滅表示する報知演出が実行される。
次いで、スーパーリーチ演出の開始後、特別表示演出としての特殊変化演出の実行タイミングとなると、図79(G)に示すように、スーパーリーチ演出を中断し、特殊変化演出が実行される。本例では、図79(G)に示すように、画像表示装置905において、嵐が到来し雷が鳴り響いているかのような演出表示を行う態様により特殊変化演出が実行される。なお、この例では、特殊変化演出がスーパーリーチ演出とは異なる演出であり、スーパーリーチ演出を中断して特殊変化演出が実行される。そして、図79(H)に示すように、画像表示装置905において、メータ表示9090に対して落雷が命中したかのような演出表示を行い、特別表示としてのメータ表示の表示態様が、10のうちの全目盛の色が変化した第10段階の表示態様に変化する。なお、図79(H)に示す例では、全目盛の色が変化した第10段階の表示態様に変化する例を示したが、一気に第10段階の表示態様に変化しなくてもよい。例えば、スーパーリーチ演出を中断するか、または優先度の低いレイヤーで実行しつつ、表示態様を変化させるための専用のミニゲーム演出を行い、当該ミニゲーム演出の結果に応じていずれの段階まで変化させるかを異ならせてもよい。また、ミニゲーム演出を連続で行うことにより段階的に表示態様を変化させてもよい。
次いで、スーパーリーチ演出を再開し、図79(I)に示すように、再びレーシングカーのレースの演出表示に戻り、メータ表示の変化に応じて、アクティブ表示の表示態様が、第3態様(図79(I)の例では、文字で色が示されている)に変化して表示される。次いで、図80(J)に示すように、味方のレーシングカーが1位でゴールしたかのような演出表示を行い、メータ表示およびアクティブ表示が、第3特別表示態様の特別表示(「V」の文字を示す特別表示202)に変化して表示される。そして、可変表示時間が経過すると、図80(K)に示すように、「中」の飾り図柄として左右の演出図柄と同じ図柄(本例では、図柄「7」)が停止表示し、大当り図柄が導出表示される。
なお、この例では、スーパーリーチ演出としてレーシングカーのレースの演出表示を行い、所定のカットイン演出として所定のキャラクタ画像90201がカットインする演出表示を行い、特殊変化演出として嵐が到来し雷が鳴り響いているかのような演出表示を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、スーパーリーチ演出として敵と味方のキャラクタがバトルを行うようなバトル演出を実行したり、所定のストーリーの動画表示を行ったりしてもよく、様々な演出態様が考えられる。また、例えば、所定のカットイン演出としてボタン操作を伴うボタン演出などを実行してもよく、何らかの形式でスーパーリーチ演出中のそれまでの演出表示とは異なる表示がカットインするものであればよい。また、例えば、特殊変化演出としてメータ表示変化演出とは異なるキャラクタが登場する演出表示を行ったり、ボタン操作を伴うボタン演出など実行したりしてもよく、様々な演出態様が考えられる。
これによれば、特別表示として複数段階に態様を変化させることによって期待度を示唆する表示(本例では、メータ表示)を表示可能である。また、特定演出(本例では、スーパーリーチ演出)が実行される場合に、特別表示の態様を変化させるための特殊変化演出(本例では、特別表示演出におけるメータ表示の特別変化)を実行可能である。また、この場合、特定演出よりも優先した態様により特殊変化演出を実行可能である(本例では、スーパーリーチ演出を中断して特殊変化演出を実行する)。そのため、特定演出よりも優先した態様により特別表示の態様を変化させることができるので、特定演出が実行される場合においても特別表示の態様の変化に注目させることができる。すなわち、特定演出と特別表示の態様の変化とを両方実行すると、遊技者が特定演出に注目してしまい特別表示の態様の変化に十分注目させることができないおそれがあるが、特定演出よりも優先した態様により特別表示の態様を変化させることができるので、特定演出が実行される場合においても特別表示の態様の変化に注目させることができる。また、この例では、特別表示演出としてメータ表示を変化させる(段階的に増加させる)演出を実行するとともに、特別表示演出に合わせてアクティブ表示変化演出を行う例を示したが、アクティブ表示変化演出に代えて、上記実施の形態で示したアイコンを表示させてもよい。例えば、段階的にアイコンを表示していく場合において、特別表示演出としてメータ表示の特別変化が実行され、通常態様から第10段階の表示態様に変化した場合に、アクティブ表示の表示態様が第3態様(図79(I)の例では、文字で色が示されている)に変化して表示されることに代えて、最高段階の態様(大当り期待度が最も高い態様)でアイコンを表示してもよい。
なお、この例ではメータ表示の変化に応じて、アクティブ表示の表示態様が変化するように構成されているが、例えば、メータ表示の変化に応じて、いずれかの保留表示の表示態様が変化するように構成されていてもよい。この場合には、始動入賞時のコマンドにもとづいて、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出と特別表示演出(特殊変化演出も含む)とを関連付けて実行することにより実現されればよい。具体的には、始動入賞時のコマンドにもとづいて、メータ表示の最終表示態様と保留表示の最終表示態様とを決定し、決定結果にもとづいて演出を実行する。また、いずれかの保留表示の表示態様がメータ表示に対応して変化する構成の場合には、当該保留表示が表示された時点から対応する変動表示が開始するまでの期間において、特別表示演出(特殊変化演出も含む)を実行可能としてもよい。
また、例えば、先読み演出により保留表示の表示態様が変化可能な構成とし、開始する可変表示に対応する保留表示が通常態様とは異なる表示態様により表示されている場合には、その表示態様によりアクティブ表示を表示するようにしてもよい。具体的には、開始する可変表示に対応する保留表示が第1態様(青色の丸形表示)により表示されている場合には、第1態様(青色の丸形表示)によりアクティブ表示を表示する。また、この場合には、メータ表示の変化に応じて、保留表示の表示態様が変化し、保留表示の表示態様を引き継いだアクティブ表示が、さらなるメータ表示の変化に応じて変化するようにしてもよい。この場合、メータ表示の最終表示態様とアクティブ表示の最終表示態様とは、始動入賞時に始動入賞時のコマンドにもとづいて決定するようにしてもよいし、可変表示開始設定処理において決定するようにしてもよい。また、この場合には、保留表示が表示された時点から対応する可変表示が終了するまでの期間において、特別表示演出(特殊変化演出も含む)を実行可能としてもよい。
また、上記実施の形態では、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても演出に関する設定が可能であり、当該演出に関する設定の例として演出の音量が変更される場合について説明したが、演出に関する設定は、これに限られない。演出に関する設定は、遊技者による操作に基づいて行われるものであればよく、例えば、出力される楽曲の選択や背景の種類が変更されるものであってもよい。また、演出に関する設定には、オートボタンの機能を有効または無効に設定するが含まれていてもよい。
なお、「オートボタン」とは、実際には遊技者によってプッシュボタン9031Bが操作されていないのであるが、恰もプッシュボタン9031Bが操作されているものとして処理を実行する機能である。この例では、飾り図柄の可変表示中にボタン予告演出が実行され、ボタン予告演出においてプッシュボタン9031Bの単発操作または連打操作を検出したことにもとづいて予告表示を表示するのであるが、オートボタンの機能が有効に設定されている場合には、プッシュボタン9031Bが操作されなくても、ボタン予告演出においてプッシュボタン9031Bが単発操作または連打操作されているものとして処理を実行し、予告表示を表示する。なお、この例において、単発操作とは、プッシュボタン9031Bが一回操作されることであり、連打操作とは、プッシュボタン9031Bが連続して複数回操作されることである。
また、この実施の形態において、「オート連打」とは、実際には遊技者によってプッシュボタン9031Bが継続して押下されている(長押しされている)のであるが、恰もプッシュボタン9031Bが複数回連続して押下されている(連打されている(プッシュボタン9031Bが押されている状態と押されていない状態とが複数回繰り返されている状態))ものとして検出する機能である。この例では、オートボタンの機能が無効であるときには、ボタン予告演出においてプッシュボタン9031Bの連打操作を検出したことにもとづいて予告表示を表示することがあるが、プッシュボタン9031Bが長押しされている場合にも、連打操作を検出したものとして、予告表示を表示する。
この例では、図58のステップS9078の演出設定処理が実行されることによって、任意のタイミング(例えば、客待ちデモンストレーション表示中である期間や飾り図柄の可変表示が行われている期間、大当り遊技中である期間)に、遊技者によるプッシュボタン9031Bの操作にもとづいて、オートボタンの機能を有効とするか無効とするかの設定が可能となる。例えば、図75に示す例では、図69に示す「X」のタイミングで遊技者により音量設定が変更された例を示しているが、音量設定に代えて、演出設定としてオートボタンの機能を有効とするか無効とするかの設定も可能である。すなわち、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においてもオートボタンの機能を有効とするか無効とするかの設定が可能である。なお、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においてもオートボタンが有効か無効かの表示も可能となっている。なお、この例では、オート連打の機能は常に有効であるが、オートボタンの機能と同様に、有効とするか無効とするかの設定を可能に構成してもよい。
図81は、オートボタンの機能を有効または無効に設定する場合の表示態様の具体例を示す説明図である。図81において、(1)(2)(3)の順に表示画面の態様が遷移する。なお、図81(1)のときには、オートボタンの機能が無効に設定されているものとする。図81(1)に示すように、飾り図柄の可変表示が実行されているときに、遊技者によってプッシュボタン9031Bの長押し操作が行われると、図81(2)に示すように、オートボタンの機能が有効に設定されるとともに、画像表示装置905において「オートボタン有効」などの文字列が表示され、オートボタンの機能が有効に設定された旨の表示が行われる。またこのとき、オートボタン有効効果音をスピーカ908L、908Rから出力する制御とともに、プッシュボタン9031Bを特別発光態様により発光させる制御が行われればよい。
また、オートボタンの機能が有効に設定されているときに、遊技者によってプッシュボタン9031Bの押圧操作(単発操作)が行われると、図81(3)に示すように、オートボタンの機能が無効に設定されるとともに、画像表示装置905において「オートボタン無効」などの文字列が表示され、オートボタンの機能が無効に設定された旨の表示が行われる。またこのとき、オートボタン無効効果音をスピーカ908L、908Rから出力する制御とともに、プッシュボタン9031Bを通常発光態様により発光させる制御が行われればよい。
なお、図81の例では、飾り図柄の可変表示中にオートボタン機能の設定を変更しているが、上述したように、同様の操作を行うことにより、飾り図柄の可変表示中に限らず、客待ちデモンストレーション期間や大当り遊技期間等においても、オートボタン機能の設定を変更することができる。なお、例えばメニュー画面からオートボタンの機能が設定変更されたときにも、図81に示す例と同様に、画像表示装置905においてオートボタンの機能が無効または有効に設定された旨の表示が行われるようにしたり、オートボタン無効効果音またはオートボタン有効効果音をスピーカ908L、908Rから出力する制御を行ったり、プッシュボタン9031Bを通常発光態様または特別発光態様により発光させる制御を行ったりするようにしてもよい。
次に、長押し操作によるオート連打が行われる場合と、オートボタン機能によるオート連打が行われる場合との差異について説明する。図82は、長押し操作によるオート連打と、オートボタン機能によるオート連打との比較例を示す説明図である。なお、図82に示す例では、ボタン予告演出としてボタン予告演出Aの実行が決定されているものとする。
なお、「ボタン予告演出A」および「ボタン予告演出B」では、操作有効期間が開始されると、プッシュボタン9031Bの操作回数に応じたゲージ表示が表示され、プッシュボタン9031Bの操作が検出される度に、ゲージ表示の目盛が1つ減少したような態様に表示を更新する。そして、操作を検出した回数が所定回数に達すると(すなわち、ゲージ表示の目盛が0になると)、操作条件が成立したものと判定して予告表示(例えば、「激熱!」や「チャンス!」などの文字列)が表示される。
オートボタンの機能が無効であり、ボタン予告演出Aの実行が決定された場合には、ボタン予告演出の実行中にプッシュボタン9031Bの長押し操作が開始されると、長押し操作を開始してから4秒が経過するとオート連打による検出が開始され、オート連打による検出中は1.0秒が経過するごとにプッシュボタン9031Bによる操作回数が1回ずつ増加したものとして扱われる。また、ボタン予告演出Bの実行が決定された場合には、ボタン予告演出の実行中にプッシュボタン9031Bの長押し操作が開始されると、長押し操作を開始してから2秒が経過するとオート連打による検出が開始され、オート連打による検出中は0.5秒が経過するごとにプッシュボタン9031Bによる操作回数が1回ずつ増加したものとして扱われる。なお、ボタン予告演出Aおよびボタン予告演出Bのいずれが実行される場合であっても、プッシュボタン9031Bの通常の連打操作が行われた場合には、プッシュボタン9031Bの押圧操作を検出するごとに操作回数が1回ずつ増加したものとして扱われる。
また、オートボタンの機能が有効であれば、ボタン予告演出Aが実行される場合には、プッシュボタン9031Bの長押し操作が行われなくても、操作有効期間の開始から1.0秒が経過するごとにプッシュボタン9031Bによる操作回数が1回ずつ増加したものとして扱われる。また、ボタン予告演出Bが実行される場合には、プッシュボタン9031Bの長押し操作が行われなくても、操作有効期間の開始から0.5秒が経過するごとにプッシュボタン9031Bによる操作回数が1回ずつ増加したものとして扱われる。また、詳細については後述するが、ボタン予告演出Cが実行される場合には、プッシュボタン9031Bの操作が行われなくても、操作有効期間の中盤の所定タイミング(例えば、操作有効期間が6秒であるときには操作有効期間の開始から3秒経過したタイミング)に達すると、プッシュボタン9031Bによる操作回数が1回行われたものとして扱われる。
なお、例えば、可変表示結果が「大当り」か否かに応じて、異なる割合でオート連打開始時間やオート連打検出期間が複数の選択肢から選択されるようにしてもよい。例えば、オート連打開始時間は、可変表示結果が「大当り」の場合には、50%の割合で0秒に決定され、50%の割合で2秒に決定され、可変表示結果がはずれの場合には、70%の割合で0秒に決定され、30%の割合で2秒に決定されるようにしてもよい。また、オート連打検出間隔は、可変表示結果が「大当り」の場合には、70%の割合で0.5秒に決定され、30%の割合で1秒に決定され、可変表示結果がはずれの場合には、50%の割合で0.5秒に決定され、50%の割合で1秒に決定されるようにしてもよい。また、可変表示結果が「大当り」か否かに応じて、異なる割合でオート連打開始時間やオート連打検出期間を複数の選択肢から選択する構成については、オートボタン機能によるオート連打と、長押し操作によるオート連打とのいずれかのみに適用してもよいし、両方に適用してもよい。
すなわち、図82(A)に示されるように、長押し操作によるオート連打が行われる場合には、操作有効期間の開始後、プッシュボタン31の長押し操作が開始されてから所定の開始待機期間(本例では4秒)を経過した後に、連打判定がオンになる(すなわち、恰も連打操作が行われているものとして処理が実行され、ゲージ表示の目盛が減少していく)。
これに対して、図82(B)に示されるように、オートボタン機能によるオート連打が行われる場合には、操作有効期間の開始後、直ちに連打判定がオンになる(すなわち、操作有効期間の開始直後から、恰も連打操作が行われているものとして処理が実行され、ゲージ表示の目盛が減少していく)。このような構成により、オートボタン機能が有効であり長押し操作が行われないときと、オートボタン機能が無効であり長押し操作が行われるときとで、演出(例えば、ゲージ表示の目盛の減少)が実行されるタイミングが異ならせることができ、演出効果を高めることができる。
また、この例では、ボタン予告演出Bの実行が決定されている場合には、長押し操作によるオート連打が行われた場合には、操作有効期間の開始後、プッシュボタン9031Bの長押し操作が開始されてから所定の開始待機期間(本例では2秒)を経過した後に、連打判定がオンになり、オートボタン機能によるオート連打が行われる場合には、操作有効期間の開始後、直ちに連打判定がオンになる。そのため、ボタン予告演出A、Bのいずれの場合にも、オートボタン機能が有効であり長押し操作が行われないときと、オートボタン機能が無効であり長押し操作が行われるときとで、演出(例えば、ゲージ表示の目盛の減少)が実行されるタイミングが異なるように構成されている。
上記実施の形態では、理解を容易にするため、ミニゲームとしての所定示唆演出が必ず成功を示すものとして説明したが、所定示唆演出の演出結果が失敗を示す場合があってもよく、所定示唆演出の実行タイミングに応じて所定示唆演出の演出結果が成功を示す割合が異なるようにしてもよい。具体的に、特別表示演出の実行タイミングに応じて所定示唆演出の実行タイミングも異なるため、特別表示演出の実行タイミングに応じて所定示唆演出の演出結果が成功を示す割合が異なっていればよい。その他にも、例えば、図65に示す「タイミング1」の実行タイミングで特別表示演出を実行する場合であっても、所定示唆演出の実行タイミングが複数タイミングあるようにしてもよく、所定示唆演出の実行タイミングに応じて演出結果が成功を示す割合を異ならせてもよい。これによれば、所定示唆演出の開始タイミングに対する遊技者の注目を集めることができる。
また、上記実施の形態では、特別表示として表示されるアイコンの組合せに応じて可変表示結果が「大当り」となる割合が異なる例を示したが、これは一例である。例えば、可変表示に対応したアクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出や保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行可能な遊技機において、当該アクティブ表示や保留表示の表示態様と、特別表示の表示態様(アイコンの数や組合せ)との組合せにより可変表示結果が「大当り」となる割合が異なっていてもよい。これによれば、演出効果を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、予告演出の実行期間と特別表示演出の実行期間とが重畳しないタイミングを予告演出の実行タイミングとして決定することにより、特別表示としてのアイコンが表示される(特別表示が変化する)ことが報知された以降の所定期間において予告演出の実行が制限される例を示したが、例えば、予告演出については制限するものの、一発告知という大当り期待度は極めて高い(ここでは、「大当り」確定)特殊演出を実行可能とし、当該特殊演出については、特別表示としてのアイコンが表示される(特別表示が変化する)ことが報知された以降の所定期間においても制限しなくてもよい。この場合、特殊演出の実行タイミングについては、例えば、図68(A)に示すような、特別表示演出の実行期間と重畳するタイミングが選択不可となっていないテーブルを参照して、特殊演出の実行タイミングを複数タイミングのうちから決定すればよい。なお、特殊演出は、一発告知の他にも、遊技者の操作により保留表示が変化するような演出であってもよい。これによれば、制限される演出とそうでない演出とのメリハリがつき、演出効果を向上させることができる。また、予告演出の実行の制限には、実行しない(禁止する)場合の他、遊技者にとって認識し難い態様で実行される場合も含まれる例を示したが、予告演出の実行を制限する場合において、予告演出の実行を禁止せず実行するときには、特別表示としてのアイコン表示を予告演出よりも優先して(アイコン表示のレイヤーを予告演出のレイヤーよりも遊技者側にするなど)実行すればよい。これによれば遊技者が特別表示を視認困難となることを防止でき演出効果を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても異常報知が可能となっている例を示したが、これは一例である。異常報知の他、打ち方報知や出玉報知、第4図柄など、遊技に関する情報を特別報知として適宜報知可能であればよい。なお、出玉報知は、遊技者が獲得した出球の数(獲得出玉数)を認識可能に表示するものであり、獲得出玉数が増加する度に特別報知が更新されればよい。通常、獲得出玉数は、高ベース中に表示され、大当りとなった後に更新されるものであるため、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内には更新されないが、高ベース中に遊技球が入賞口に入賞したことによる払い出しについて、獲得出玉数を更新してもよく、そのような場合には適用可能である。また、高ベース中に可変表示結果を頻繁に「小当り」とすることにより遊技者の獲得出玉数を増加させるような遊技機においても適用可能である。これによれば、特別表示としてのアイコンが表示されることが報知された以後の所定期間内においても獲得出玉数を更新可能となり、獲得出玉数を遊技者に好適に報知することができる。なお、打ち方報知は、右打ち報知や左打ち報知など、遊技者に遊技球を発射する領域を認識可能に表示するものであればよい。また、第4図柄は、例えば、ランプを点滅表示することにより可変表示中か否かを遊技者に認識可能に表示するものであればよい。
上記実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板9012に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板9012に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板9012の側では、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板9012の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記の実施の形態では、例えば、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する例を示した。しかし、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、例えば、「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示またはスクロール表示することなども飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すことなども普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
なお、上記の実施の形態では、割合(決定割合等を含む。確率についても同じ)などは、0割を含むものであってもよい。つまり、割合や確率は0〜10割の間であればよい。例えば、一方の割合と他方の割合とを異ならせるとは、一方の割合を例えば3割として、他方の割合を7割とする他、一方の割合を例えば0割として、他方の割合を10割とすることも含む。また、一方の割合と他方の割合との合算が10割とならなくてもよい(一方と他方とのいずれにも含まれないものが存在して、所定割合を有してもよい)。また、一方の割合よりも他方の割合の方が高い割合とする場合には、一方の割合を0割とし、他方の割合を10割とすることを含む。例えば、上記において、有利状態のあとの特定期間における可変表示パターンの決定割合と、特定期間以外における可変表示パターンの決定割合とを異ならせるとは、一方で選ばれる可変表示パターンが他方では選ばれないようなことや一方で選ばれる可変表示パターンと他方で選ばれる可変表示パターンとが一部重複するか完全に重複しない場合も含む。これらは、割合を規定するテーブルの内容などによって規定されればよい。
また、パチンコ遊技機901は、特別図柄の可変表示結果として、所定の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる確変制御を行うものに限られず、例えば、遊技領域に設けられたアタッカ内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて確変制御が行われる、確変判定装置型のパチンコ遊技機でもよい。
その他にも、パチンコ遊技機901の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、または、特定の通過ゲートを通過した場合に大当り遊技状態に制御する遊技機にも適用することができる。さらには遊技用価値(メダルなど)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機901に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。