JP2019038807A - 新規抗菌薬群としての四分岐ペプチドおよびその類似体ならびにそれらの製造 - Google Patents
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Abstract
Description
「非タンパク質構成アミノ酸」は、20種の標準アミノ酸が様々な数および組合せで配列されることによって通常構成される天然のタンパク質には通常見いだされないアミノ酸を指す。
i=1の場合、単離ペプチドテトラマーは[(RGRKVVRR)2K]2KKである。
AGRKVVRR=配列番号2
RARKVVRR=配列番号3
RGAKVVRR=配列番号4
RGRAVVRR=配列番号5
RGRKVARR=配列番号6
RGRKVARR=配列番号7
RGRKVVAR=配列番号8
RGRKVVRA=配列番号9
RGAAVVRR=配列番号10
RGRKVVAA=配列番号11
RGAKAVRR=配列番号12
RGRKAARR=配列番号13
RGAAAVRR=配列番号14
RGAKAARR=配列番号15
RGRAAARR=配列番号16
RGAAAARR=配列番号17
RGRKAAAA=配列番号18
VRGRVRKR=配列番号19
GRKVVRR=配列番号20
RKVVRR=配列番号21
KVVRR=配列番号22
VVRR=配列番号23
VRR=配列番号24
RR=配列番号25
R=配列番号26
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1の保護されたK残基を結合させる工程;
(iii)第1のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(iv)第1のK残基に第2の保護されたK残基を連結する工程;
(v)第2のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(vi)第2のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(vii)連結させた2つのK残基から保護基を除去する工程;
(viiii)各ペプチドモノマーの配列に従って、保護されたアミノ酸残基をC末端からN末端の方向へ連結し、連結の都度、次の連結のために保護基を除去することによって、さらに鎖を伸長させる工程;
(ix)加える残基の数に応じて、アミノ酸残基の連結を終了する工程;および
(x)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む。
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1の保護されたK残基を結合させる工程;
(iii)第1のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(iv)第1のK残基に第2の保護されたK残基を連結する工程;
(v)第2のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(vi)第2のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(vii)連結させた2つのK残基から保護基を除去する工程;
(viii)2つのK残基の各アミン基に、保護された末端アミン基を有するペプチドモノマーを1つずつ連結する工程;および
(iv)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む。
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1のK残基を結合させる工程;
(iii)結合させた第1のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(iv)連結させたK残基から保護基を除去する工程;
(v)各ペプチドモノマーの配列に従って、保護されたアミノ酸残基をC末端からN末端の方向へ連結し、連結の都度、次の連結のために保護基を除去することによって、さらに鎖を伸長させる工程;
(vi)加える残基の数に応じて、アミノ酸残基の連結を終了する工程;および
(vii)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む。
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1のK残基を結合させる工程;
(iii)結合させた第1のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(iv)連結させたK残基から保護基を除去する工程;
(v)2つのK残基の各アミン基に、保護された末端アミン基を有するペプチドモノマーを1つずつ連結する工程;および
(vi)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む。
ペプチドモノマーRGRKVVRRKK(配列番号27)、直鎖状レトロダイマーRGRKVVRRKKKRRVVKRGR(配列番号28)、ペプチドダイマーB2088(RGRKVVRR)2KK、ペプチドテトラマーB4010[(RGRKVVRR)2K]2KKおよびスクランブルB4010[(VRGRVRKR)2K]2KKを図1に示す。ナタマイシンの構造も同時に図1に示す。
この方法においては、B4010の配列(RGRKVVRR)中の各アミノ酸をアラニン残基で置換し、抗菌活性と溶血活性とをハイスループットスクリーニング(HTS)法で評価する。第2の方法では、B4010の配列中の各アミノ酸残基を順次欠失させ、活性−毒性プロファイルを上記と同様に評価する。すべてのペプチドのMICを少なくとも3種の菌株に対して評価した後、成績の最も良かったペプチドを複数選択し、50%ウサギ涙液、25%血清、またはトリプシン(酵素:ペプチド=約1:100)中においてこれらのペプチドの活性を評価する。表1に修飾ペプチドとそれらの特性を示す。
試薬とペプチド:サブローデキストロース寒天はAcumedia社(ミシガン、ミシガン州、米国)から購入した。ペプチドはEZBiolabs社(カーメル、インディアナ州、米国)から購入した。L−α−ホスファチジルコリン(PC)、L−α−ホスファチジルエタノールアミン(PE)、L−α−ホスファチジルセリン(PS)、L−α−ホスファチジルイノシトール(PI)などの脂質は、Avanti Polar Lipids社(アラバマ州、米国)から購入した。エルゴステロール、アジ化ナトリウム(NaN3)、カルボニルシアニドm−クロロフェニルヒドラゾン(CCCP)、4−アミノピリジン(4−AP)、5−ニトロ−2−(3−フェニルプロピルアミノ)安息香酸(NPPB)、ガドリニウム(III)クロリド、塩化テトラエチルアンモニウム(TEA)および3’,3’−ジプロピルチアジカルボシアニン(diS−C3−5)色素は、Sigma-Aldrich社(ミズーリ州、米国)から購入した。ATP生物発光キットはMolecular Probes社(オレゴン州、米国)から購入した。アムホテリシンBおよびナタマイシンはSigma-Aldrich (S) Pte社(シンガポール)から粉末の形態で入手した。
ペプチド(0.6mg/mL)の遠紫外CDスペクトルを、光路長0.1cmの石英キュベットを用い、10mMPBS(pH7.0)中25℃でJASCO J810分光偏光計(JASCO、東京、日本)により測定した。260nm〜190nmのスペクトルを0.1nm間隔、走査速度50nm/分で記録した。最終的なスペクトルは、4回走査の平均である。CDデータは平均残基楕円率((θ)mrw、degcm2 dmol−1)として表した。
最小発育阻止濃度(MIC)の測定
酵母菌株を培養し、平底マイクロタイタープレートにおいて、6倍希釈したサブローデキストロース(SD)ブロス中に初期OD600=約0.08で懸濁した。同じブロスで段階希釈したペプチドを上記酵母液と混合し、最終ペプチド濃度を0.4〜22μMとした。インフィニットM200マイクロプレートリーダー(Tecan Group社、スイス)を用いて、100rpm、37℃で24/48時間オービタル振とうしながら、30分間隔でOD600を測定することにより抗真菌活性を評価した。ペプチドを含まない培養物を陽性対照とし、ブロスのみまたは22μMのペプチドを加えたブロスを陰性対照とした。完全な阻害に必要な最小濃度を目視とOD600測定により求め、MICとした。実験は3連で行った。
Time−Kill動態は、2種のC.albicans株(ATCC10231およびDF2672R)において測定した。菌株をSDブロス中で一晩培養し、細胞濃度をリン酸緩衝液で105〜106CFU/mLに調節した。それぞれの培養物にペプチドまたは抗真菌薬を加えた。培養物に加えたペプチドまたは抗真菌薬はそれぞれ適切な最終濃度となるように調節した(B4010(ATCC株では1.4〜11μM、CA2672R株では0.37〜3.7μM)、アムホテリシンB(CA2672R株において0.55μM〜11μM)およびナタマイシン(ATCC株では4.7μM〜75μM、CA2672R株では30μM))。試験溶液を一定振とうしながら37℃でインキュベートした。真菌懸濁液100μLを所定の時点で採取し、段階希釈(102倍または103倍)してSDA平板培地に入れた。この平板培地を37℃で48時間インキュベートし、コロニー数を計数した。データは、陽性対照に対する細胞生存率(%)として表した。
金属イオンによる影響を検討するため、SDブロスを適切な濃度の塩で調節した。塩の最終濃度は、NaClおよびKClでは100mMおよび135mMとし、CaCl2およびMgCl2では0.5〜2mMとした。上記と同様にMICの測定を行った。ブロスにC.albicansATCC10231細胞と塩とを加えたものを陽性対照とした。ブロスに塩のみ(NaCl、KCl、CaCl2、またはMgCl2)を加えたもの、またはブロスに塩と22μMのペプチドとを加えたものを陰性対照とした。
トリプシンまたは50%涙液の存在下におけるB4010の抗真菌活性
特に明記しない限り、すべての実験においてATCC10231株を使用した。B4010(1mg/mL)をトリプシンとともに(酵素:ペプチド=1:100)37℃でインキュベートした。様々な時間間隔(0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間)でこの混合物から20μLを採取し、1μLのトリプシン阻害剤と混合した。この混合物を180μLの酵母液に加え、OD600で増殖を24時間観察することでペプチドの抗真菌活性を測定した。トリプシン/トリプシン阻害剤の存在下(B4010は添加せず)で行った同様の実験を陽性対照とした。涙液(TF)中での抗真菌活性の評価では、新たに採取したウサギTFにペプチドを溶解し、37℃で6時間インキュベートした。インキュベーション後、涙液中ペプチドを、一晩培養した等量のC.albicans(約106CFU/mL)と混合し、37℃で24時間インキュベートした。ペプチドの最終濃度は、4.4μM、8.8μM、および22μMとした。インキュベートした混合物を段階希釈(102倍または103倍)し、そこから100μLをSD寒天平板培地に播種後、37℃で48時間インキュベートした。培養物のみおよび50%涙液との培養物を陽性対照とした。データは、涙液を加えなかった培養物に対する殺菌率(%)で表した。50%涙液の存在下において約6〜10%の殺菌率が観察された。
5%ヒト血清が2種のC.albicans臨床分離株に対するB4010の活性に及ぼす影響を検討した。ヒト男性血清を13,000rpmで10分間遠心分離して脂質を除去し、上清を回収した。臨床分離株C.albicans2672RおよびC.albicans1976Rに対するMIC値は、標準培地(SDブロス)中および上記の5%血清上清を含む標準培地中で測定した。
ペプチドB4010をトリプシンとともに(トリプシン:ペプチド=1:100)37℃でインキュベートした。様々な時間間隔でこの混合物から一部を採取し、C.albicans酵母液に加え、増殖を観察した(図3C)。トリプシンとともにインキュベーションを行っても6時間まで抗真菌活性の低下は観察されず、四分岐ペプチドが改善されたタンパク分解抵抗性を有していることが示唆された。
また、涙液やヒト血清などの複合生体液の存在下においてB4010の抗真菌効果を観察した。
B4010の抗真菌活性を50%涙液中で測定した。涙液の非存在下では、ペプチド濃度5.5μMで生存細胞の約98±2%の死滅が観察された。しかしながら、50%涙液の存在下では、低濃度(4.4μMおよび8.8μMのB4010)において殺カンジダ活性が中程度抑制された(図3D)。しかし、22μMでは活性低下は観察されず、涙液の存在下でC.albicansの対数減少値を3Logより大きくするには、高濃度のペプチドが必要であることが示唆された。
B4010の抗真菌効果に対する血清の影響は、5%ヒト血清の存在下で、2種のC.albicans臨床分離株に対するB4010のMICの変化を測定することにより検討した。いずれの菌株においても、MIC値は血清の非存在下での0.34μMから、血清の存在下で5.5μMに上昇し、5%血清中でMICは16倍上昇することが示唆された。
溶血アッセイ
ペプチドおよび抗真菌薬の溶血活性は、ウサギ赤血球に対して測定した(Orenら、1997)。すなわち、ペプチドまたは抗真菌薬をPBSで段階希釈してrRBC(最終濃度4%v/v)と混合し、37℃で1時間インキュベート後、3000rpmで10分間遠心分離した。上清に放出されたヘモグロビンを576nmの吸光度で測定することにより、ヘモグロビンの放出を観察した。PBS(何も添加せず)中の細胞懸濁液の測定値を0%溶血とし、1%トリトン−X100中の細胞懸濁液の測定値を100%溶血とした。
IOBA−NHC細胞を標準的な条件(5%CO2、37℃の加湿雰囲気)で、1μg/mLウシ膵臓インスリン、2ng/mLマウス上皮増殖因子、0.1μg/mLコレラ毒素、5μg/mLヒドロコルチゾン、10%ウシ胎仔血清(FBS)、50UI/mLペニシリンおよび50UI/mLストレプトマイシンを添加したDMEM/F12中で培養した。すべての実験において、50〜80代継代した細胞を使用した。正常な培養成長を位相差顕微鏡法により毎日観察した。コンフルエントとなった細胞を緩やかな条件でトリプシンとともにインキュベートすることで剥がし、計数した。フローサイトメトリーによる細胞毒性アッセイのマイクロタイター分析を行うため、細胞を96ウェル培養プレート(コーニング、スキポール−レイク、オランダ)に播種した(約10,000個/ウェル)。培養を37℃で24時間継続した。その後、サブコンフルエントとなった細胞(培養面が70%近くを覆う状態)を種々の濃度(0.22μM〜225μM)のペプチドに接触させた。MultiTox-Fluor Multiplexアッセイキット(プロメガ、ウィスコンシン州、米国)を用いてAFC蛍光(λex=485nm、λem=520nm)を測定することにより、細胞毒性を一定時間ごとに測定した。8時間インキュベートした後でも検出可能な毒性は認められなかったため、ペプチドとともに細胞を24時間インキュベートした後に細胞生存率を測定し、EC50(生存細胞を50%減少させるのに有効なペプチド濃度)を求めた。
C57BL6野生型マウス(6〜8週齢)を用いてB4010の急性毒性を評価した。投与経路ごとに健常野生型マウスを2匹ずつ選択した。B4010を腹腔内投与(200mg/kg)または静脈内投与(100mg/kg)した。投与経路ごとに2匹のマウスを使用し、24/48時間観察して死亡率または毒性の徴候を測定した。
B4010の局所投与がインビボでの角膜創傷治癒に影響を与えるかどうかをさらに検討した。すべての動物実験は、眼科および視覚研究における動物の使用(実験動物のケアおよび使用に関するガイドライン)についてのARVO宣言(the ARVO statement for the Use of Animals in Ophthalmic and Vision Research, the guide for the Care and Use of laboratory animals)(National Research Council)に従い、Singhealth Experimental Medical Centre(SEMC)の監督下で行った。4匹のニュージーランドホワイトウサギを2群に分け、2匹を対照群(生理食塩水)、2匹をB4010を用いた試験群とした。ウサギに1mLのケタミン(100mg/mL)と0.5mLのキシラジル(20mg/mL)を筋肉内注射して鎮静した。1%キシロカインを局所投与し角膜を麻酔した。既報(Crossonら、1986)に従い、5mmトレフィンを用いて創縁の切り込みを入れ、滅菌した小さなメス(BD-Beaver)で上皮細胞を物理的に除去し、基底膜はそのまま残した。22μMのB4010を1日3回局所投与することによってウサギを処置した。角膜創傷を確認するために眼科医院で用いられている無毒色素であるフルオレセインナトリウムで角膜創傷を染色して可視化し、コバルトブルーフィルターを用いた細隙灯生体顕微鏡で観察した。上皮再生される過程の残留創傷範囲をImage-J1.440によって測定した。
野生型(WT)および変異型S.cerevisiae株に対するMICの測定
変化したステロール構造およびステロール組成を有するS.cerevisiae ergΔ変異株に対してもB4010の抗真菌活性を試験した。
SDS−PAGEプルダウンアッセイ
作用機序を調べる別の研究において、真菌の細胞壁の主成分であるキチンやβ−D−グルカンなどの不溶性多糖類に対するB4010のアフィニティを検討した。B4010(5.5〜22μM)をキチン(エビの殻由来)またはβ−D−グルカンと37℃で2時間インキュベートした。この混合物を10,000gで遠心分離し、上清をSDS−PAGE(4〜20%)で分析した。キチンやβ−D−グルカンを用いない対照実験も行い、これらの糖質ポリマーに対するペプチドの結合を定量した。
2種の相補的な蛍光光度分析を行い、B4010が膜標的化作用を有するかどうかを検討した。
ペプチドが細胞膜を透過性にするかどうかを調べるために、SGの取り込みを分析した。SGは、無傷の細胞膜を有する細胞とインキュベートしても蛍光を発しない膜非透過性の色素である。SGは、細胞膜に損傷を有する細胞では細胞内の核酸と結合して強い蛍光を発する。
B4010の添加によるC.albicansの膜電位の変化を、膜電位感受性プローブdiS−C3−5色素の放出により観察した。すなわち、一晩培養した中間対数増殖期のカンジダ細胞を5m MHEPES緩衝液(pH7.0)に懸濁し、この懸濁液1mLを10μMのdiS−C3−5色素と混合し、サーモシェーカーにおいて37℃で1〜2時間インキュベートした。色素を取り込んだ細胞の懸濁液800μLを石英キュベットに移し、懸濁液をキュベット内で攪拌しながら、Quanta Master分光蛍光計(Photon Technology International、ニュージャージー州、米国)を用いて蛍光強度の変化を発光波長(λem)670nm(励起波長622nm)で観察した。励起バンド幅と発光バンド幅をそれぞれ1nmと2nmに設定した。蛍光レベルが一定となった後、ペプチドの最終濃度が0.22〜22μMになるようにHEPES緩衝液中濃縮ペプチド溶液10μLを加えた。蛍光強度の変化を1時間または2時間連続して測定した。また、エネルギー毒素およびイオンチャネル阻害剤の影響を調べるために、これらの添加物を先に加えてから5.5μMのB4010を加えた。蛍光強度の変化を上記と同様に観察した。
一晩培養した後期対数増殖期のC.albicansを遠心分離により採取し、10mMのHEPES(pH7.0)で5回洗浄後、HEPES緩衝液に再懸濁し、OD600=0.4に調節した。この懸濁液5mLにB4010(最終濃度5.5μM)を加え、37℃で2時間インキュベートした。この混合物を3,000gで遠心分離し、上清中のK+、Ca2+およびMg2+の存在を、CMMAC施設(シンガポール国立大学、化学学部)で利用可能なPerkin Elmer Dual-view Optima 5300 DV誘導結合プラズマ発光分光計(ICP-OCS、マサチューセッツ、米国)により推算した。
C.albicansをB4010に暴露させた後の細胞外ATPレベルを既報の方法(Koshlukovaら、1999)で測定した。細胞(OD600=約0.6)を37℃で1.5時間インキュベートし、種々の添加物の存在下または非存在下においてオービタル振とうしながら37℃で2時間インキュベートした。B4010(5.5μM)を加え、振とうしながら37℃で1.5時間さらにインキュベートした。各チューブを5000gで5分間遠心分離した。その後、上清25μLに225μLの沸騰TE緩衝液(50mMTris、2mM EDTA、pH7.8)を加え、よく混合した。この混合物を再度さらに2分間沸騰させ、試験を行うまで4℃で保存した。100μLのルシフェリン−ルシフェラーゼATPアッセイ混合物を上清100μLに加え、インフィニットM200マイクロプレートリーダー(Tecan Group社、スイス)を用いて発光を観察した。経時変化実験では、様々な時間間隔で細胞(OD600=0.4)を5.5μMのペプチドで処理した。用量依存試験では、ペプチドの濃度を0.4〜44μMの範囲で変動させた。細胞外ATP濃度は、メーカーの説明書に従い、ATPアッセイキット(Molecular Probes、オレゴン州、米国)により得た検量線を用いて決定した。
エネルギー毒素およびイオンチャネル阻害剤の影響を見るために、酵母細胞(105〜106CFU/mL)を添加物の存在下または非存在下において37℃で2時間インキュベートした。最終濃度5.5μMのB4010ペプチドを細胞懸濁液に加え、37℃で1.5時間さらにインキュベートした。各細胞懸濁液を希釈後、細胞100μLを播種し、37℃でインキュベートした。添加物を含む(ペプチドは含まない)SDA平板培地を陽性対照とした。37℃で48時間インキュベーション後、各平板培地に形成されたコロニーの数を数えることで細胞生存率を求めた。添加物の最終濃度は、CCCP(5μM)、NaN3(5mM)、4−AP(1mM)、NPPB(0.5mM)、ガドリニウム(II)クロリド(1mM)、塩化テトラエチルアンモニウム(15mM)であった。独立した2連の実験の平均値を報告した。それぞれの添加物を使用した対照実験も行い、C.albicansに対する添加物の毒性を評価した。
C.albicansの代謝作用がB4010に対する感受性に及ぼす影響を検討するため、diS−C3−5を取り込んだ細胞を5μMのCCCP(プロトン勾配の脱共役剤)または5mMのNaN3(ミトコンドリア阻害の古典経路と代替経路に対する遮断剤)とともにインキュベートし、B4010添加後の蛍光強度の変化を観察した。CCCPの添加により蛍光強度は大幅に低下し、膜電位の崩壊が示された。次にB4010を加えると、膜電位差はわずかに変化した(図6A)。既にVeermanらによって明らかにされているように、色素を取り込んだ細胞にNaN3を添加すると弱い脱分極が起こった。次にB4010を加えると、蛍光強度は上昇した(図6A)。一方、アジド処理細胞では対照細胞と比較して蛍光強度が約1/25に低下したが、遠心分離によりNaN3を除くと強度変化は回復し、このエネルギー毒素が殺カンジダ活性を可逆的に阻害することが示された。これらの結果から、プロトン脱共役剤およびエネルギー毒素はいずれも、B4010によって誘導された細胞膜の脱分極を著しく低下させたことが示唆された。CCCPとあらかじめインキュベートしたC.albicans細胞はB4010による殺傷から部分的に保護されるが、NaN3の存在下では完全に保護されることが観察された(図6B)。
B4010がK+とATPを急速に放出させること、および外部からのK+の添加により細胞死が減少し、高いイオン濃度ではMICが16倍上昇することから、イオンチャネル阻害剤によってC.albicansをB4010から保護できるのではないかという疑問がもたらされた。非特異的有機カチオン性阻害剤(TEAおよび4−AP)ならびに酵母伸展活性化イオンチャネル遮断剤であるGd3+がB4010の殺カンジダ活性に及ぼす影響を検討した。ペプチドは、TEAまたは4−APで前処理した細胞の生存率を有意に低下させた(図6B)。生存率の低下と一致して、TEAまたは4−APで前処理後にB4010を添加した細胞では、これらの阻害剤を用いなかった細胞と同程度の量のATPの放出が観察された(図6C)。一方、Gd3+とともにインキュベートした細胞では、B4010の誘導による殺傷から部分的に保護された(54±6%の生存率低下)。C.albicans細胞をアニオンチャネル阻害剤であるNPPBで前処理した後にB4010を添加すると、C.albicansはB4010から有意に保護された(12±4%の殺菌率)(図6B)。さらに、完全または部分的な保護を提供する添加物によって、ATPの流出が完全に消失または減少することがATP放出アッセイから確認された(図6C)。
同様の手順によりPC/コレステロールSUVを調製した。
熱帯の国々では、真菌症の発症率は高く、健康的にも経済的にも大きな問題となっている。免疫不全患者の増加、食品における抗真菌薬の多用、医療器具やインプラントの使用の増加などによって、真菌感染症の発症はますます増加している。全身性カンジダ症による死亡率は40%であり、米国における院内血流感染の原因の第4位となっている。現在使用されている抗真菌薬とそれらの特性を表7に例示する。以下のような抗真菌薬が使用されているものの、耐性真菌の増加と抗真菌薬の選択肢が限られているという問題が残されている。
1.様々なタイプの真菌や酵母を速やかに殺菌する(1時間未満)。
2.膜のステロール組成が変化した変異型酵母を殺菌できる。
3.分解されにくい。
4.生理学的濃度の一価イオンおよび二価イオンに抵抗性がある。
[1]ペプチドモノマー(RGRKVVRR)を出発物質とした、式[(RGRKVVRR)2K]2KKi(式中i=0または1である)を含む単離ペプチドテトラマー、または該ペプチドテトラマー[(RGRKVVRR)2K]2KKiの単離ペプチドテトラマー誘導体であって、
出発物質である該ペプチドモノマーと比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換、少なくとも1つのアミノ酸欠失、少なくとも1つのペプチドモノマー内における再配列、および/または少なくとも1つのペプチドモノマーにおける少なくとも1つの非タンパク質構成アミノ酸による修飾を含む、単離ペプチドテトラマーまたは単離ペプチドテトラマー誘導体。
[2]前記アミノ酸置換が少なくとも1つのアラニン置換を含む、前記[1]に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
[3]出発物質である少なくとも1つの前記ペプチドモノマー(RGRKVVRR)に含まれる1つのアミノ酸がアラニンで順次置換されている、前記[2]に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
[4][(AGRKVVRR)2K]2KKi、[(RARKVVRR)2K]2KKi、[(RGAKVVRR)2K]2KKi、[(RGRAVVRR)2K]2KKi、[(RGRKAVRR)2K]2KKi、[(RGRKVARR)2K]2KKi、[(RGRKVVAR)2K]2KKiおよび[(RGRKVVRA)2K]2KKi(式中i=0または1である)からなる群から選択される、先行する請求項のいずれか一項に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
[5]出発物質である前記ペプチドモノマーに含まれる2つ以上のアミノ酸がアラニン残基で置換されていてもよい、前記[1]に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
[6][(RGAAVVRR)2K]2KKi、[(RGRKVVAA)2K]2KKi、[(RGAKAVRR)2K]2KKi、[(RGRKAARR)2K]2KKi、[(RGAAAVRR)2K]2KKi、[(RGAKAARR)2K]2KKi、[(RGRAAARR)2K]2KKi、[(RGAAAARR)2K]2KKiおよび[(RGRKAAAA)2K]2KKi(式中i=0または1である)からなる群から選択される、前記[1]または[5]に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
[7]前記アミノ酸欠失が、出発物質である少なくとも1つの前記ペプチドモノマーのN末端からアミノ酸を順次欠失させることを含む、前記[1]に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
[8][(GRKVVRR)2K]2KKi、[(RKVVRR)2K]2KKi、[(KVVRR)2K]2KKi、[(VVRR)2K]2KKi、[(VRR)2K]2KKi、[(RR)2K]2KKiおよび[(R)2K]2KKi(式中i=0または1である)からなる群から選択される、前記[1]または[7]に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
[9]前記単離ペプチドテトラマーにおける非タンパク質構成アミノ酸による修飾が、(i)少なくとも1つの前記ペプチドモノマー内の任意の位置に非タンパク質構成アミノ酸を付加すること、および/または(ii)少なくとも1つの前記ペプチドモノマーに含まれる少なくとも1つのアミノ酸残基を非タンパク質構成アミノ酸で置換することを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
[10]式[(VRGRVRKR)2K]2KKi(式中i=0または1である)を含む、前記[1]に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
[11]薬剤、医薬組成物および/もしくは抗菌性組成物として使用するための、ならびに/または治療において使用するための、前記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の単離ペプチドテトラマーまたは単離ペプチドテトラマー誘導体。
[12]少なくとも1種の微生物感染症を予防および/または治療するための薬剤の製造における、前記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の単離ペプチドテトラマーまたは単離ペプチドテトラマー誘導体の使用。
[13]前記微生物感染症が、細菌感染症、真菌感染症および原虫感染症からなる群から選択される、前記[12]に記載の使用。
[14]前記微生物感染症が真菌感染症である、前記[12]または[13]に記載の使用。
[15]少なくとも1種の微生物の増殖を阻害および/または抑制する方法であって、
前記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の少なくとも1つの単離ペプチドテトラマー誘導体または単離ペプチドテトラマーを該微生物と接触させることを含む方法。
[16]前記微生物が、細菌、真菌および原虫からなる群から選択される、前記[15]に記載の方法。
[17]前記微生物が真菌である、前記[15]または[16]に記載の方法。
[18]インビトロ法である、前記[15]〜[17]のいずれか一項に記載の方法。
[19]少なくとも1種の微生物感染症を予防および/または治療する方法であって、
前記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の少なくとも1つの単離ペプチドテトラマーまたは単離ペプチドテトラマー誘導体を対象に投与することを含む方法。
[20]前記微生物感染症が、細菌感染症、真菌感染症および原虫感染症からなる群から選択される、前記[19]に記載の方法。
[21]前記微生物感染症が真菌感染症である、前記[19]または[20]に記載の方法。
[22]前記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の単離ペプチドテトラマーまたは単離ペプチドテトラマー誘導体を含む、コンタクトレンズ用液剤および/もしくは点眼液、医薬組成物および/もしくは抗菌性組成物、器具のコーティングのための組成物ならびに/またはキット。
[23]前記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の単離ペプチドテトラマーまたは単離ペプチドテトラマー誘導体の製造方法。
[24]前記ペプチドテトラマーまたはペプチドテトラマー誘導体が4つの同一のペプチドモノマーを含む前記方法であって、
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1の保護されたK残基を結合させる工程;
(iii)第1のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(iv)第1のK残基に第2の保護されたK残基を連結する工程;
(v)第2のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(vi)第2のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(vii)連結させた2つのK残基から保護基を除去する工程;
(viiii)各ペプチドモノマーの配列に従って、保護されたアミノ酸残基をC末端からN末端の方向へ連結し、連結の都度、次の連結のために保護基を除去することによって、さらに鎖を伸長させる工程;
(ix)加える残基の数に応じて、アミノ酸残基の連結を終了する工程;および
(x)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む、前記[23]に記載の方法。
[25]前記ペプチドテトラマーまたはペプチドテトラマー誘導体が4つの同一のペプチドモノマーを含む前記方法であって、
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1の保護されたK残基を結合させる工程;
(iii)第1のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(iv)第1のK残基に第2の保護されたK残基を連結する工程;
(v)第2のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(vi)第2のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(vii)連結させた2つのK残基から保護基を除去する工程;
(viii)2つのK残基の各アミン基に、保護された末端アミン基を有するペプチドモノマーを1つずつ連結する工程;および
(iv)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む、前記[23]に記載の方法。
[26]前記ペプチドテトラマーまたはペプチドテトラマー誘導体が4つの同一のペプチドモノマーを含む前記方法であって、
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1のK残基を結合させる工程;
(iii)結合させた第1のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(iv)連結させたK残基から保護基を除去する工程;
(v)各ペプチドモノマーの配列に従って、保護されたアミノ酸残基をC末端からN末端の方向へ連結し、連結の都度、次の連結のために保護基を除去することによって、さらに鎖を伸長させる工程;
(vi)加える残基の数に応じて、アミノ酸残基の連結を終了する工程;および
(vii)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む、前記[23]に記載の方法。
[27]前記ペプチドテトラマーまたはペプチドテトラマー誘導体が4つの同一のペプチドモノマーを含む前記方法であって、
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1のK残基を結合させる工程;
(iii)結合させた第1のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(iv)連結させたK残基から保護基を除去する工程;
(v)2つのK残基の各アミン基に、保護された末端アミン基を有するペプチドモノマーを1つずつ連結する工程;および
(vi)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む、前記[23]に記載の方法。
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Claims (12)
- ペプチドモノマー(RGRKVVRR)を出発物質とした、式[(RGRKVVRR)2K]2KKi(式中i=0または1である)の単離ペプチドテトラマー誘導体であって、
出発物質である該ペプチドモノマーに含まれる2つ以上のアミノ酸がアラニン残基で置換されている単離ペプチドテトラマー誘導体。 - [(RGAAVVRR)2K]2KKi、[(RGRKVVAA)2K]2KKi、[(RGAKAVRR)2K]2KKi、[(RGRKAARR)2K]2KKi、[(RGAAAVRR)2K]2KKi、[(RGAKAARR)2K]2KKi、[(RGRAAARR)2K]2KKi、[(RGAAAARR)2K]2KKiおよび[(RGRKAAAA)2K]2KKi(式中i=0または1である)からなる群から選択される、請求項1に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
- 薬剤、医薬組成物および/もしくは抗菌性組成物として使用するための、ならびに/または治療において使用するための、請求項1または2に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体。
- 少なくとも1種の微生物感染症を予防および/または治療するための薬剤の製造における、請求項1または2に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体の使用。
- 前記微生物感染症が、細菌感染症、真菌感染症および原虫感染症からなる群から選択される、請求項4に記載の使用。
- 前記微生物感染症が真菌感染症である、請求項4または5に記載の使用。
- 請求項1または2に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体を含む、コンタクトレンズ用液剤および/もしくは点眼液、医薬組成物および/もしくは抗菌性組成物、器具のコーティングのための組成物ならびに/またはキット。
- 請求項1または2に記載の単離ペプチドテトラマー誘導体の製造方法。
- 前記ペプチドテトラマーまたはペプチドテトラマー誘導体が4つの同一のペプチドモノマーを含む前記方法であって、
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1の保護されたK残基を結合させる工程;
(iii)第1のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(iv)第1のK残基に第2の保護されたK残基を連結する工程;
(v)第2のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(vi)第2のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(vii)連結させた2つのK残基から保護基を除去する工程;
(viiii)各ペプチドモノマーの配列に従って、保護されたアミノ酸残基をC末端からN末端の方向へ連結し、連結の都度、次の連結のために保護基を除去することによって、さらに鎖を伸長させる工程;
(ix)加える残基の数に応じて、アミノ酸残基の連結を終了する工程;および
(x)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む、請求項8に記載の方法。 - 前記ペプチドテトラマーまたはペプチドテトラマー誘導体が4つの同一のペプチドモノマーを含む前記方法であって、
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1の保護されたK残基を結合させる工程;
(iii)第1のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(iv)第1のK残基に第2の保護されたK残基を連結する工程;
(v)第2のK残基中の1つのアミン基から保護基を除去する工程;
(vi)第2のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(vii)連結させた2つのK残基から保護基を除去する工程;
(viii)2つのK残基の各アミン基に、保護された末端アミン基を有するペプチドモノマーを1つずつ連結する工程;および
(iv)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む、請求項8に記載の方法。 - 前記ペプチドテトラマーまたはペプチドテトラマー誘導体が4つの同一のペプチドモノマーを含む前記方法であって、
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1のK残基を結合させる工程;
(iii)結合させた第1のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(iv)連結させたK残基から保護基を除去する工程;
(v)各ペプチドモノマーの配列に従って、保護されたアミノ酸残基をC末端からN末端の方向へ連結し、連結の都度、次の連結のために保護基を除去することによって、さらに鎖を伸長させる工程;
(vi)加える残基の数に応じて、アミノ酸残基の連結を終了する工程;および
(vii)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む、請求項8に記載の方法。 - 前記ペプチドテトラマーまたはペプチドテトラマー誘導体が4つの同一のペプチドモノマーを含む前記方法であって、
(i)少なくとも1つの固相を準備する工程;
(ii)固相に第1のK残基を結合させる工程;
(iii)結合させた第1のK残基に2つの保護されたK残基を連結する工程;
(iv)連結させたK残基から保護基を除去する工程;
(v)2つのK残基の各アミン基に、保護された末端アミン基を有するペプチドモノマーを1つずつ連結する工程;および
(vi)任意で、得られた多量体を固相から遊離させる工程
を含む、請求項8に記載の方法。
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