JP2019038802A - 作物収量増加剤及び作物の収量増加方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 農作物に対して優れた生育促進作用を有する生育促進剤を提供する。【解決手段】 (Z)−N−[2−(3−クロロ−5−[シクロプロピルエチニル]ピリジン−2−イル)−2−(イソプロポキシイミノ)エチル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを含有する作物の収量増加剤並びに該収量増加剤を作物の苗、作物の茎葉部、作物の根部及び栽培土壌からなる群から選択される少なくとも一つに適用することによる、作物の収量増加方法。【選択図】 なし

Description

本発明は作物収量増加剤及び作物の収量増加方法に関する。
農作物や園芸作物等の栽培において、農作物の生育促進や収量増加等を図るために、種々の化学肥料の使用がなされたり、発根生育を促す発根生育促進剤や根を健全化し養分吸収を促す根圏活性化剤等の植物の生育を促進する様々な手段の提案がなされている。
また、各種病害による農作物の生育不良や収量の減少に対しては、各病害に適した農薬、例えば殺菌剤の処理等によって病害発生の初期の段階で対策がなされ、農作物の良好な生育、ひいては収量の増加を図っている。
ある種のオキシム置換アミド化合物は、公知化合物であり、有害生物防除剤としての活性が知られている(特許文献1及び特許文献2参照。)。
国際公開第2014/010737号 国際公開第2015/119246号
しかしながら、前述の化学肥料の多量使用は農地における土壌の酸性化や肥料焼けといった土壌障害や肥料障害を発生させることにつながり得、またこれらの障害によってかえって農作物の病害の発生を引き起こし、こうした病害を解消するための多量の農薬の使用がなされると、今度は残留農薬の問題が起こる等の課題がある。また様々に提案されている発根生育促進剤等の手段は、その効果が明確でなく、実際の使用にまで至っていないものも多い。そして病害等の発生に対して殺菌剤等の農薬の使用は有効ではあるものの、これは病害発生のない場合の農作物の収量を確保するにとどまり、農作物の生育促進や収穫量の増加をもたらすまでには至っていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、農作物に対して優れた生育促進作用を有する収量増加剤を提供することである。
本発明者らは鋭意研究した結果、(Z)−N−[2−(3−クロロ−5−[シクロプロピルエチニル]ピリジン−2−イル)−2−(イソプロポキシイミノ)エチル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを、農作物や園芸作物に散布する、又は苗の定植後、苗若しくはそれらを栽培する土壌に対して処理することにより、農作物の生育を促進でき、収量を増加できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記〔1〕〜〔6〕に関するものである。
〔1〕
(Z)−N−[2−(3−クロロ−5−[シクロプロピルエチニル]ピリジン−2−イル)−2−(イソプロポキシイミノ)エチル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを含有する作物の収量増加剤。
〔2〕
作物が、アブラナ科、マメ科、ウリ科、ユリ科、イネ科、ナス科、キク科又はアカザ科の作物である、〔1〕に記載の収量増加剤。
〔3〕
作物が、マメ科又はイネ科の作物である、〔2〕に記載の収量増加剤。
〔4〕
茎葉処理用である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の収量増加剤。
〔5〕
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の収量増加剤を作物の苗、作物の茎葉部、作物の根部及び栽培土壌からなる群から選択される少なくとも一つに適用することによる、作物の収量増加方法。
〔6〕
収量増加剤を作物の茎葉部に散布することを特徴とする、〔5〕に記載の作物の収量増加方法。
本発明の収量増加剤は、従来の化学肥料の多量使用による土壌障害等を起こすことなく、作物の生育を飛躍的に促進させることができ、また、本発明の収量増加剤は、病害発生のない場合の農作物の収量を遥かに上回る収量増加効果を実現することができる。
作物の病害を防除又は抑制する薬剤は、一般にその病害による悪影響(生育不良、枯死等)を無くすことを主目的とし、病害の発生のおそれが無い環境下で必ずしも作物の生育を促進する固有の作用を発揮するものではない。しかしながら、本発明の収量増加剤では、病害の防除、抑制とは別に、作物の生育促進作用が顕著に発揮され、これにより、収量の飛躍的な増加が期待されるものである。
本発明の収量増加剤は、(Z)−N−[2−(3−クロロ−5−[シクロプロピルエチニル]ピリジン−2−イル)−2−(イソプロポキシイミノ)エチル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド[以下、化合物(1)と略称する。]を含有する。化合物(1)は国際公開第2014/010737号、国際公開第2015/119246号等に記載の方法により製造することができる。
本発明の収量増加剤は、アブラナ科、マメ科、ウリ科、ユリ科、イネ科、ナス科、キク科又はアカザ科の作物に対して適用でき、特にイネ科及びマメ科に対して好適である。
本発明の収量増加剤は、茎葉処理用、セル苗処理用、土壌処理用又は潅注処理用として使用することができる。
本発明の収量増加剤は、水性懸濁液状の形態、水分散性粒状の形態又は粉状の形態で好適に使用できる。なおこれらの形態については、後述する各種製剤において懸濁剤、顆粒水和剤、粉剤等として挙げられたものに相当する。
本発明の収量増加剤は、作物の苗(セル苗を含む)、作物の茎葉部、作物の根部及び栽培土壌からなる群から選択される少なくとも一つに適用でき、こうした作物のセル苗等に適用することによる作物の収量増加方法についても本発明の対象である。
本発明の収量増加方法に適用される作物には、食用作物、野菜類等の園芸作物、果樹及び特用作物が挙げられる。食用作物では、エンバク、オオムギ、コムギ、ライムギ、裸麦等のムギ類、イネ、トウモロコシ、サトウキビ等のイネ科作物、アズキ、インゲン、エンドウ、ソラマメ、ダイズ、ヒヨコマメ、ヒラマメ、ラッカセイ等の等のマメ科作物、ジャガイモ等のナス科作物、サツマイモ等のヒルガオ科作物、ソバ等のタデ科作物が挙げられる。園芸作物(野菜類)では、アブラナ、大阪白菜、カブ、からし菜、カリフラワー、キャベツ、京菜、クレソン、ケール、小松菜、コールラビ、搾菜(からし菜の変種)、山東菜、すぐき菜、タアサイ、カイワレダイコン、大根、タイサイ、高菜、チンゲンサイ、唐菜(ながさきはくさい)、薹菜(ミズカケナ)、菜の花、野沢菜、白菜、パクチョイ、二十日大根(ラデッシュ)、日野菜、広島菜、ブロッコリー、ホースラデッシュ、水掛菜、ロケットサラダ(ルコラ)、芽きゃべつ及びわさび等のアブラナ科作物、カボチャ、キュウリ、シロウリ、トウガン、マクワウリ、ニガウリ、ズッキーニ、スイカ、メロン等のウリ科作物、タマネギ、ネギ、アサツキ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、ワケギ等のユリ科作物(ネギ科作物ともいう)、ナス、トマト、トウガラシ、ピーマン等のナス科作物、ゴボウ、レタス(チシャ)、シュンギク、ヒマワリ、ゴボウ、フキ等のキク科作物、イチゴ等のバラ科作物、セロリ、コリアンダー、ミツバ、ニンジン、パセリ、イタリアンパセリ等のセリ科作物、ホウレンソウ、テンサイ等のアカザ科、レモンバーム、ミント、バジル、シソ、エゴマ、セージ、タイム等のシソ科作物、ゴマ等のゴマ科作物等が挙げられる。果樹では、ビワ、リンゴ、セイヨウナシ、モモ、アンズ、オウトウ、プルーン、アーモンド、ウメ、スモモ、ナシ等のバラ科、マンゴー、ピスタチオ、カシューナッツ等のウルシ科作物、ダイダイ、ライム、ハッサク、ユズ、レモン、ナツミカン、グレープフルーツ、オレンジ、カボス、スダチ、ポンカン、ウンシュウミカン、キンカン等のミカン科作物、パパイア等のパパイア科作物、カカオ等のアオイ科作物、ブドウ等のブドウ科作物、カキ等のカキノキ科作物、キウイフルーツ等のマタタビ科作物、ブルーベリー、クランベリー等のツツジ科作物、カカオ等のアオイ科作物、コーヒーノキ等のアカネ科作物、バナナ等のバショウ科作物等が挙げられる。特用作物では、タバコ、ワタ、チャ、アサ等が挙げられる。上記の中でも、イネ科及びマメ科の作物に好適に適用され、特にイネ科作物においてはオオムギ、コムギ、ライムギ、イネ、トウモロコシが好ましく、マメ科作物においてはアズキ、エンドウ、ソラマメ、ダイズが好ましい。
本明細書における収量増加効果とは、例えば作物中の葉緑素含有量の増加等の成長特性の向上により、農作物の生育促進や収穫量の増加をもたらす効果のことを表す。葉緑素は、植物が太陽エネルギーを利用して、二酸化炭素から糖類を合成する光合成に不可欠な成分である。植物中の葉緑素の含有量は植物の発育状態の指標であり、葉緑素濃度と相関関係にあるSPAD値を、葉緑素計(例えばSPAD−502、コニカミノルタ社製等)により測定することができる。
本発明において、収量増加剤[化合物(1)]を作物の茎葉へ処理する際、該収量増加剤は、後述する各種製剤やそれらを水で希釈して調製した形態が挙げられる。
また、前記収量増加剤を作物の茎葉へ処理する時期としては、通常、作物の種子から出芽した後又は作物の苗の定植後に散布することが望ましい。より具体的には、前記収量増加剤を作物の茎葉へ処理する時期としては、出芽から収穫までの間であり、好ましくは生育ステージBBCH10〜77の作物であり、より好ましくは生育ステージBBCH21〜73、更に好ましくは生育ステージBBCH30〜65、特に好ましくは生育ステージBBCH32〜61であり、1回又は2回以上処理してもよい。尚、BBCH(Biologische Bundesanstalt Bundessortenamt and Chemical industry)はBBCHモノグラフ「単子葉植物と双子葉植物の生育ステージ(Growth stages of mono-and dicotyledonous plants)」(第2版、2001年、Federal Biological Research Centre for Agriculture and Forestry)に記載のBBCHスケールであり、作物の生育ステージを表す。
本発明の収量増加剤は、苗(セル苗を含む)へ適用することができる。その適用方法としては、例えば作物の苗育成区画又は苗育成専用容器に、苗の定植後に散布することにより実施することができる。
前記作物の苗育成区画とは、作物の苗が育成されている場所、又は作物の苗が育成されている容器を意味する。また、前記作物の苗育成用容器とは、苗箱、プラスチックポット、セルトレイ、セル苗トレイ、プラグトレイ、ペーパーポット[商品名、日本甜菜製糖(株)]及びチェーンポット[商品名、日本甜菜製糖(株)]に代表される作物の苗を育成するために用いられる容器である。
本発明の収量増加剤の苗への適用において、収量増加剤を適用する際、収量増加剤は後述する各種製剤やそれらを水で希釈して調製した形態で適用することができる。
なお単位株数の苗あたりの処理量は特に制限されないが、通常100株の苗あたり20〜2,100mLであり、好ましくは20〜1,600mL、より好ましくは20〜1,100mL、更に好ましくは20〜600mLである。
本発明の収量増加剤は、作物の根部へ適用することができる。作物の根部へ処理するとき、該収量増加剤は、後述する各種製剤やそれらを水で希釈して調製した形態が挙げられる。
前記収量増加剤の根部への導入は、種の播種若しくは苗の定植後に収量増加剤を散布する、作物の栽培土壌へ灌注することにより達成することができる。尚、前記根部とは、植物を栽培した場合に土壌中あるいは水耕液中にあって水分や栄養分の吸収を行う部分である。
本発明の収量増加剤及び本発明方法における、有効成分の好ましい処理量は、対象作物の種類などにより左右されるが、通常は、0.1〜1000ga.i./ha、好ましくは1〜300ga.i./haである。また、作物の苗育成区画及び作物の苗育成用容器内の苗への適用において、有効成分の処理量は限定されるものでないが、100株の苗あたり通常0.05〜20g、好ましくは0.1〜10gであり、さらに好ましくは0.1〜5gである。また、1,800cmあたりでは、通常0.01〜20g、好ましくは0.1〜10gであり、さらに好ましくは0.1〜5gである。
前記製剤としては、例えば、液剤(soluble concentrate)、乳剤(emulsifiable concentrate)、水和剤(wettable powder)、水溶剤(water soluble powder)、顆粒水和剤(water dispersible granule)、顆粒水溶剤(water soluble granule)、懸濁剤(suspension concentrate)、乳濁剤(concentrated emulsion)、サスポエマルジョン(suspoemulsion)、マイクロエマルジョン(microemulsion)、粉剤(dustable powder)、微粒剤(micro granule)、粒剤(granule)、錠剤(tablet)及び乳化性ゲル剤(emulsifiable gel)等の各種液体製剤及び固体製剤が挙げられる。処理する際は、製剤そのもの、あるいは水で希釈して調製したものであっても良い。これら製剤を水で希釈する場合は、通常1〜20,000倍に水で希釈して使用するのが望ましい。尚、製剤又はそれらを水で希釈して調製したものを散布する際は、如露や噴霧器等の適当な器具を使用して行うことができる。
上記の製剤は、通常、前記収量増加剤[化合物(1)]を適当な固体担体又は液体担体と混合し、更に所望により界面活性剤、浸透剤、展着剤、増粘剤、凍結防止剤、結合剤、固結防止剤、崩壊剤、消泡剤、防腐剤及び分解防止剤等を添加して得ることができる。
固体担体としては、例えば石英、カオリナイト、パイロフィライト、セリサイト、タルク、ベントナイト、酸性白土、アタパルジャイト、ゼオライト及び珪藻土等の天然鉱物質類、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム及び塩化カリウム等の無機塩類、合成シリカ並びに合成シリケート、小麦粉、デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン等の天然高分子、グルコース、マントース、ラクトース、シュクロース等の糖類、尿素等が挙げられる
液体担体としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール及びイソプロパノール等のアルコール類、キシレン、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレン等の芳香族炭化水素類、ブチルセロソルブ等のエーテル類、シクロヘキサノン等のケトン類、γ−ブチロラクトン等のエステル類、N−メチルピロリドン及びN−オクチルピロリドン等の酸アミド類、大豆油、ナタネ油、綿実油及びヒマシ油等の植物油並びに水が挙げられる。
これら固体及び液体担体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば以下の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)が挙げられる。また、界面活性剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(A)ノニオン性界面活性剤:
(A−1)ポリエチレングリコール型界面活性剤:
例えば、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテル、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルのホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)フェニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジ又はトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキル(C12〜18)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、アルキル(C8〜12)フェニルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンビスフェニルエーテル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(C12〜18)モノエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(C12〜18)ジエステル、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C12〜18)エステル、グリセロール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、アルキル(C12〜18)アミンエチレンオキサイド付加物及び脂肪酸(C12〜18)アミドエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
(A−2)多価アルコール型界面活性剤:
例えば、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸(C12〜18)エステル、ソルビタン脂肪酸(C12〜18)エステル、ショ糖脂肪酸エステル、多価アルコールアルキルエーテル及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
(A−3)アセチレン系界面活性剤:
例えば、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
(A−4)その他の界面活性剤:
例えば、アクリルグラフトコポリマー、アルキルグリコシド等が挙げられる。
(B)アニオン性界面活性剤:
(B−1)カルボン酸型界面活性剤:例えば、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリマレイン酸、マレイン酸とオレフィン(例えばイソブチレン及びジイソブチレン等)との共重合物、アクリル酸とイタコン酸の共重合物、メタアクリル酸とイタコン酸の共重合物、マレイン酸とスチレンの共重合物、アクリル酸とメタアクリル酸の共重合物、アクリル酸とアクリル酸メチルエステルとの共重合物、アクリル酸と酢酸ビニルとの共重合物、アクリル酸とマレイン酸の共重合物、N−メチル−脂肪酸(C12〜18)サルコシネート、樹脂酸及び脂肪酸(C12〜18)等のカルボン酸、並びにそれらカルボン酸の塩が挙げられる。
(B−2)硫酸エステル型界面活性剤:
例えば、アルキル(C12〜18)硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルのポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)フェニルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの硫酸エステル、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸及び硫酸化オレフィン等の硫酸エステル、並びにそれら硫酸エステルの塩が挙げられる。
(B−3)スルホン酸型界面活性剤:
例えば、パラフィン(C12〜22)スルホン酸、アルキル(C8〜12)ベンゼンスルホン酸、アルキル(C8〜12)ベンゼンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸のホルマリン縮合物、α−オレフィン(C14〜16)スルホン酸、ジアルキル(C8〜12)スルホコハク酸、リグニンスルホン酸、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテルスルホコハク酸ハーフエステル、ナフタレンスルホン酸(モノ又はジ)アルキル(C1〜6)ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、(モノ又はジ)アルキル(C1〜6)ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、アルキル(C8〜12)ジフェニルエーテルジスルホン酸、イゲポンT(商品名)、ポリスチレンスルホン酸及びスチレンスルホン酸とメタアクリル酸の共重合物等のスルホン酸、並びにそれらスルホン酸の塩が挙げられる。
(B−4)燐酸エステル型界面活性剤:
例えば、アルキル(C8〜12)燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ又はジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルのポリマーの燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)フェニルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)ベンジルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマーの燐酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの燐酸エステル、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールイミン及び縮合燐酸(例えばトリポリリン酸等)等の燐酸エステル、並びにそれら燐酸エステルの塩が挙げられる。
上記の(B−1)〜(B−4)における塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)、アンモニウム及び各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミン及びアルカノールアミン等)等が挙げられる。
(C)カチオン性界面活性剤:
例えば、アルキルアミン塩及びアルキル4級アンモニウム塩等が挙げられる。
(D)両性界面活性剤:
例えば、ベタイン型界面活性剤及びアミノ酸型界面活性剤等が挙げられる。
(E)その他の界面活性剤:
例えば、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤等が挙げられる。
これら界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、製剤100重量部に対し、通常0.05〜20重量部の範囲が望ましく、0.1〜15重量部がより望ましい。また、これら界面活性剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
結合剤としては、水溶性結合剤と水不溶性結合剤が挙げられる。
水溶性結合剤としては、例えばデキストリン(焙焼デキストリン及び酵素変性デキストリン等)、酸分解澱粉、酸化澱粉、アルファー化澱粉、エーテル化澱粉(カルボキシメチル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉及びカチオン澱粉等)、エステル化澱粉(酢酸澱粉及びリン酸澱粉等)、架橋澱粉及びグラフト化澱粉等の加工澱粉、例えばアルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ゼラチン、トラガントガム、ローカストビーンガム及びカゼイン等の天然物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース及びアセチルセルロース等のセルロース誘導体、並びに例えばポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレンブロック共重合体、ポリビニルアルコール、部分けん化酢酸ビニルとビニルエーテルの共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合物及びポリアクリルアミド等のその他の高分子が挙げられる。
水不溶性結合剤としては、例えばポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルとエチレンの共重合物、酢酸ビニルとバーサチック酸ビニルの共重合物、酢酸ビニルとエチレンと塩化ビニルの共重合物、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸エステルとスチレンの共重合物、アクリル酸エステルとシリコーンの共重合物、アクリル酸エステルとエチレンの共重合物、ポリウレタン、スチレンとブタジエンの共重合物及びアクリロニトリルとブタジエンの共重合物等の水不溶性熱可塑性樹脂、並びに例えばアミノ樹脂(尿素樹脂及びメラミン樹脂等)、フェノール樹脂(レゾール樹脂及びノボラック樹脂等)、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート系接着剤、不飽和ポリエステル及び熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
また水不溶性結合剤として使用される上記エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、脂環族型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物及びグリシジルエステル型エポキシ化合物等が挙げられる。また、エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えばポリアミド系、脂肪族ポリアミン系、脂環族ポリアミン系、芳香族ポリアミン系及び複素環式アミン系等が挙げられる。
増量剤としては例えば石英、方解石、海泡石、ドロマイト、チョーク、カオリナイト、パイロフィライト、セリサイト、ハロサイト、メタハロサイト、木節粘土、蛙目粘土、陶石、ジークライト、アロフェン、シラス、きら、タルク、ベントナイト、軽石、アタパルジャイト、ゼオライト及び珪藻土等の天然鉱物質、例えば焼成クレー、パーライト、シラスバルーン、バーミキュライト、アタパルガスクレー及び焼成珪藻土等の天然鉱物質の焼成品、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及び塩化カリウム等の無機塩類、例えばブドウ糖、果糖、しょ糖及び乳糖等の糖類、例えば澱粉、粉末セルロース及びデキストリン等の多糖類、例えば尿素、尿素誘導体、安息香酸及び安息香酸の塩等の有機物、例えば木粉、トウモロコシ穂軸、クルミ殻及びタバコ茎等の植物類、フライアッシュ、ホワイトカーボン並びに肥料等が挙げられる。
本発明において、収量増加剤を用いる場合の製剤の配合例を以下に示す。尚、以下の配合例における数値は質量部を意味する。
〔乳剤〕
収量増加剤 0.1〜30部
有機溶剤 45〜95部
界面活性剤 4.9〜30部
水 0〜50部
その他 0〜10部
その他として、例えば展着剤、分解防止剤等が挙げられる。
〔液剤〕
収量増加剤 0.01〜70部
液体担体 20〜99.99部
その他 0〜10部
その他として、例えば凍結防止剤、展着剤等が挙げられる。
〔粉剤〕
収量増加剤 0.01〜30部
固体担体 65〜99.99部
その他 0〜5部
その他として、例えばドリフト防止剤、分解防止剤等が挙げられる。
〔粒剤〕
収量増加剤 0.01〜80部
固体担体 10〜99.99部
その他 0〜10部
その他として、例えば結合剤、分解防止剤等が挙げられる。
〔懸濁剤〕
収量増加剤 0.1〜70部
液体担体 15〜98.89部
界面活性剤 1〜12部
その他 0.01〜30部
その他として、例えば凍結防止剤、増粘剤等が挙げられる。
〔水和剤〕
収量増加剤 0.1〜80部
固体担体 5〜98.9部
界面活性剤 1〜10部
その他 0〜5部
その他として、例えば固結防止剤、分解防止剤等が挙げられる。
〔顆粒水和剤〕
収量増加剤 0.1〜90部
固体担体 0〜98.9部
界面活性剤 1〜20部
その他 0〜10部
その他として、例えば浸透剤、展着剤、増粘剤、凍結防止剤、結合剤、固結防止剤、崩壊剤、消泡剤、防腐剤及び分解防止剤等が挙げられる。
本発明において、収量増加剤[化合物(1)]を用いる場合の製剤の配合例をより具体的に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、前記製剤において使用することができる各種薬剤、添加剤について例示する。
〔配合例1〕水和剤
化合物(1) 13部
パイロフィライト 81部
ソルポール5039 4部
(非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤との混合物:東邦化学工業社製)
カープレックス#80D 2部
(合成含水珪酸:塩野義製薬社製)
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
〔配合例2〕乳剤
化合物(1) 10部
キシレン 70部
N−メチルピロリドン 15部
ソルポール2680 5部
(非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤との混合物:東邦化学工業社製)
以上を均一に混合して乳剤とする。
〔配合例3〕乳剤
化合物(1) 4部
DBE 36部
(アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチルの混合物:INVISTA社商品名、以下も同様。)
アジピン酸イソブチル 30部
N−メチルピロリドン 10部
ソプロフォールBSU 14部
(非イオン性界面活性剤:Rhodia社商品名、以下も同様。)
ローダカル70BC 6部
(アニオン性界面活性剤:Rhodia社商品名、以下も同様。)
以上を、均一に混合して乳剤とする。
〔配合例4〕乳剤
化合物(1) 4部
DBE 11部
アジピン酸イソブチル 30部
N−メチルピロリドン 5部
ソプロフォールBSU 14部
ローダカル70BC 6部
プロピレングリコール 10部
水 20部
以上を、均一に混合して乳剤とする。
〔配合例5〕懸濁剤
化合物(1) 16部
アグリゾールS−710 10部
(非イオン性界面活性剤:花王社製)
ルノックス1000C 0.5部
(アニオン性界面活性剤:東邦化学工業社製)
キサンタンガム 0.2部
水 73.3部
以上を均一に混合した後、湿式粉砕して懸濁剤とする。
〔配合例6〕顆粒水和剤
化合物(1) 80部
ハイテノールNE-15 5部
(アニオン性界面活性剤:第一工業製薬社製)
バニレックスN 7.5部
(アニオン性界面活性剤:日本製紙社製)
カープレックス#80D 7.5部
(合成含水珪酸:塩野義製薬(株)商品名)
以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて攪拌混合し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して顆粒水和剤とする。
〔配合例7〕粒剤
化合物(1) 6部
ベントナイト 50部
タルク 44部
以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて攪拌混合し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して粒剤とする。
〔配合例8〕粉剤
化合物(1) 3部
カープレックス#80D 0.5部
(合成含水珪酸:塩野義製薬社製)
カオリナイト 95部
リン酸ジイソプロピル 1.5部
以上を均一に混合粉砕して粉剤とする。
〔配合例9〕水和剤
化合物(1) 10部
パイロフィライト 74部
ソルポール5039 4部
(非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤との混合物:東邦化学工業社製)
カープレックス#80D 2部
(合成含水珪酸:塩野義製薬社製)
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
〔配合例10〕乳剤
化合物(1) 7部
キシレン 73部
N−メチルピロリドン 15部
ソルポール2680 5部
(非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤との混合物:東邦化学工業社製)
以上を均一に混合して乳剤とする。
本発明の収量増加剤の使用に際しては、上記の各製剤を、水で1〜20000倍に希釈して有効成分が1ヘクタール(ha)当たり0.005〜50kg、好ましくは、0.01〜20kg、より好ましくは、0.01〜5kg、さらに好ましくは、0.01〜1kgになるように散布する。
本発明の有用性について、以下の試験例において具体的に説明する。本発明の収量増加剤の収量増加効果を示すため、収量増加効果があると知られているプロチオコナゾール(prothioconazole;以下、化合物Aと略称する。)及びビキサフェン(bixafen;以下、化合物Bと略称する。)[ペスティサイド・バイオケミストリー・アンド・フィジオロジー(Pesticide Biochemistry and Physiology)2012年,104巻,171頁]を対照剤として用いた。尚、試験例中に記載のBBCH(Biologische Bundesanstalt Bundessortenamt and Chemical industry)はBBCHスケールであり、作物の生育ステージを表す。
試験例1:圃場(5m)におけるコムギの生育試験1
1mあたり250粒のコムギ(品種 Pakito)種子を、圃場へ播種した。1区画の処理面積は5m(3反復)とした。化合物(1)の15%乳剤及び化合物Aの25%乳剤[JOAO(商品名):バイエル社製]を、各々水で希釈し、第1表に示した薬量になるように処理薬液を調製した。播種から177日後(処理量160L/ha)及び205日後(処理量195L/ha)に、前記処理薬液を2度、散布した。播種から265日後に子実を収穫し、子実の重量を測定した。1ヘクタールあたりの子実重量を算出し、処理区と無処理区を比較した。
[第1表]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
有効成分 薬量(g/ha) 子実重量(kg/区画) 子実重量(kg/ha)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
化合物(1) 50 5.1 77.0
化合物(1) 75 5.2 78.8
化合物(1) 100 5.4 82.6
化合物(1) 150 5.4 82.0
化合物A 100 5.5 83.3
化合物A 200 5.8 87.4
無処理 - 4.8 72.4
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明の収量増加剤は、無処理区と比較して子実重量が増加しており、対照剤の化合物Aと同様に収量増加効果を発揮し、作物の収量増加方法として有用であるとする結果が得られた。
試験例2〜3:圃場(5m)におけるコムギの生育試験2
試験例1に準じた方法により試験を行った。試験例2では播種から196日後(生育ステージBBCH33)及び218日後(生育ステージBBCH61)に2度、試験例3では播種から196日後(生育ステージBBCH33)及び224日後(生育ステージBBCH65)に2度、処理薬液を散布した。播種から273日後に穂を収穫し、穂の数量及び重量、並びに脱穀後の子実の数量及び重量を測定した。穂1本の平均重量(平均一穂重)及び子実1000粒あたりの重量(千粒重)を算出し、処理区と無処理区を比較した。
[第2表]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試験例 有効成分 薬量(g/ha) 平均一穂重(g) 千粒重(g)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試験例2 化合物(1) 75 1.62 42.0
化合物(1) 150 1.64 42.3
化合物A 100 1.58 42.1
化合物A 200 1.67 42.8
試験例3 化合物(1) 75 1.65 42.3
化合物(1) 150 1.66 42.8
化合物A 100 1.55 40.7
化合物A 200 1.71 41.5
無処理 - 1.43 38.5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明の収量増加剤は、無処理区と比較して子実重量が増加しており、対照剤の化合物Aと同様に収量増加効果を発揮し、作物の収量増加方法として有用であるとする結果が得られた。
試験例4:圃場(1m)におけるコムギの生育試験
1mあたり250粒のコムギ(品種 Pakito)種子を、圃場へ播種した。1区画の処理面積は1m(3反復)とした。化合物(1)の15%乳剤及び化合物Aの25%乳剤[JOAO(商品名):バイエル・クロップサイエンス社製]を、各々水で希釈し、第3表に示した薬量になるように処理薬液を調製した。播種から190日後(生育ステージBBCH37、処理量200L/ha)及び211日後(生育ステージBBCH52、処理量200L/ha)に、前記処理薬液を2度、散布した。播種から250日後に穂を収穫し、脱穀後の子実の数量及び重量を測定した。子実100粒あたりの重量を算出し、処理区と無処理区を比較した。
[第3表]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
有効成分 薬量(g/ha) 子実重量(g/百粒)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
化合物(1) 75 6.5
化合物(1) 100 6.1
化合物(1) 150 5.8
化合物A 100 5.5
化合物A 150 6.0
化合物A 200 5.7
無処理 - 5.7
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明の収量増加剤は、無処理区と比較して子実重量が増加しており、対照剤の化合物Aと同様に収量増加効果を発揮し、作物の収量増加方法として有用であるとする結果が得られた。
試験例5:温室内におけるイネの生育試験
1/10,000アールのポットに、沖積土壌を入れた。この中に水を入れて混和し、水深が0.1cm〜0.5cmとなる様に水の量を調整した後、2.5〜2.8葉齢のイネ(品種:コシヒカリ)を移植した。25℃乃至30℃の温室内にポットを置いて、イネを育成した。化合物(1)の15%乳剤を濃度100ppmとなるように水で希釈し、試験用薬液を調製した。また、化合物Aを14.85%含有し、化合物Bを7.43%含有する乳剤[Aviator Xpro(商品名):バイエル社製]を、化合物Bの濃度が75ppmとなるように水で希釈し、試験用薬液を調製した。該薬液を、イネの移植から7日後、14日後、21日後に、合計3回散布した(散布1回の処理量2000L/ha)。3回目の散布から7日後に、葉緑素計(SPAD−502Plus;コニカミノルタ社製)を用いて、イネ葉の葉緑素含有量の指標となるSPAD値を測定した。尚、SPAD値は数値が大きいほど葉緑素含有量が多いことを表す。測定は、最終展開葉から2番目の葉において、葉先から約1/3の地点とした。試験は5反復にて行い、各ポットにおいて4葉について測定し、平均値を算出した。
[第3表]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
有効成分 1 2 3 4 5 全平均値
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
化合物(1) 27.8 28.6 26.3 27.4 26.8 27.4
化合物A+化合物B 25.4 24.3 25.5 24.9 25.3 25.1
無処理 24.8 25.6 23.4 21.9 23.5 23.8
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明の収量増加剤は無処理区及び対照剤(化合物A+化合物B)と比較して、全ての反復において高いSPAD値を示し、葉緑素含有量を増加させる効果があることがわかった。
試験例6:圃場におけるインゲンマメの生育試験
株間0.4m、3条播きにインゲンマメ(品種:さつきみどり2号)を播種し、栽培した。1区画の処理面積は5m(3反復)とした。化合物(1)の15%フロアブルを水で希釈し、第4表に示した薬量になるように処理薬液を調製した。播種から64日後(生育ステージBBCH62)、71日後(生育ステージBBCH65)および78日後(生育ステージBBCH67)に処理量2000L/haの前記処理薬液を3度、散布した。播種から85日後に莢を収穫し、莢の重量を測定した。1株あたりの子実重量を算出し、処理区と無処理区を比較した。
[第4表]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
有効成分 薬量(g/ha) 莢重量(g/株)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
化合物(1) 75 71.1
化合物(1) 150 76.7
無処理 - 68.2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明の収量増加剤は無処理区と比較して莢重量が増加しており、作物の収量増加法として有用であるとする結果が得られた。
本発明の収量増加剤及び収量増加方法は優れた収量増加効果を発揮し、広範な分野での利用が可能である。

Claims (6)

  1. (Z)−N−[2−(3−クロロ−5−[シクロプロピルエチニル]ピリジン−2−イル)−2−(イソプロポキシイミノ)エチル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを含有する作物の収量増加剤。
  2. 作物が、アブラナ科、マメ科、ウリ科、ユリ科、イネ科、ナス科、キク科又はアカザ科の作物である、請求項1に記載の収量増加剤。
  3. 作物が、マメ科又はイネ科の作物である、請求項2に記載の収量増加剤。
  4. 茎葉処理用である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の収量増加剤。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の収量増加剤を作物の苗、作物の茎葉部、作物の根部及び栽培土壌からなる群から選択される少なくとも一つに適用することによる、作物の収量増加方法。
  6. 収量増加剤を作物の茎葉部に散布することを特徴とする、請求項5に記載の作物の収量増加方法。
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