JP2019033627A - Vibrator, ultrasonic motor, and method of manufacturing vibrator - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電気−機械エネルギー変換素子を有する振動子、超音波モータ及び振動子の製造方法に関する。 The present invention relates to a vibrator having an electromechanical energy conversion element, an ultrasonic motor, and a method for manufacturing the vibrator.
電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子と、主として金属からなる弾性体とを接合した振動子が知られている。この振動子では、高周波電圧の印加によって圧電素子を励振させて複数の振動モードを生じ、これらの振動モードを合成して弾性体に形成された突起部の先端に楕円運動を生じさせる。このような振動子は超音波モータや振動波モータに設けられ、これらのモータは振動子に接触する被駆動体を相対的に駆動するアクチュエータとして用いられる。このようなアクチュエータとして、圧電素子120が2つの突起部121を有する弾性体122に接合されて形成される振動子123(図14)と、該振動子123に加圧接触する被駆動部材とを備える超音波モータが知られている。この超音波モータでは、プレス加工によって2つの突起部121を板状の弾性体122に形成するため、加工精度の向上によって振動子123の製造ばらつきを低減することができ、性能を安定化することができる(例えば、特許文献1参照。)。この振動子123では、圧電素子120を弾性体122に接合した際、各突起部121の内側に密閉された空隙部124が形成される。
A vibrator in which a piezoelectric element as an electro-mechanical energy conversion element and an elastic body mainly made of metal are joined is known. In this vibrator, a piezoelectric element is excited by application of a high-frequency voltage to generate a plurality of vibration modes, and these vibration modes are combined to generate an elliptical motion at the tip of the protrusion formed on the elastic body. Such a vibrator is provided in an ultrasonic motor or a vibration wave motor, and these motors are used as actuators that relatively drive a driven body that contacts the vibrator. As such an actuator, a vibrator 123 (FIG. 14) formed by joining the
ところで、特許文献1の超音波モータが適用される機器が利用される環境は様々であり、例えば、室温よりも高温となる環境で当該機器が利用されることがある。このとき、空隙部124に密閉された空気が膨張し、空隙部124の内圧が高まり、図15の矢印で示すように、圧電素子120と弾性体122を剥離させる剥離力が発生する。例えば、空隙部124の内圧は、図16に示すように、温度が20℃のときの内圧を基準として場合、温度が80℃になると相対圧力は1.2倍となり、温度が160℃になると相対圧力は1.5倍となる。
By the way, there are various environments in which a device to which the ultrasonic motor of Patent Document 1 is applied is used. For example, the device may be used in an environment where the temperature is higher than room temperature. At this time, the air sealed in the
また、圧電素子120と弾性体122の接合には、比較的高強度の接着剤を用いるが、このような接着剤は高温となる環境で接着強度が低下する。例えば、或る接着剤の接着強度は、図17に示すように、温度が常温(20℃〜30℃)のときの接着強度を基準とした場合、温度が80℃になると接着強度が約20%低下する。
In addition, a relatively high-strength adhesive is used for joining the
すなわち、振動子123を備える超音波モータには、高温環境において、空隙部124の内圧上昇と接着剤の接着強度の低下という二重の剥離要因が作用し、弾性体122から圧電素子120が剥離するという問題が生じる。
That is, in the high-temperature environment, the ultrasonic motor including the
本発明の目的は、弾性体から圧電素子が剥離するのを防止することができる振動子、超音波モータ及び振動子の製造方法を提供することにある。 An object of the present invention is to provide a vibrator, an ultrasonic motor, and a vibrator manufacturing method capable of preventing a piezoelectric element from peeling from an elastic body.
上記目的を達成するために、本発明の振動子は、突起部を有する弾性体と、前記弾性体の1つの面と接触している電気−機械エネルギー変換素子と、を備え、前記電気−機械エネルギー変換素子と前記突起部の間に空隙部が形成され、前記電気−機械エネルギー変換素子は、前記電気−機械エネルギー変換素子を貫通する貫通穴を有することを特徴とする。 In order to achieve the above object, the vibrator of the present invention includes an elastic body having a protrusion and an electro-mechanical energy conversion element in contact with one surface of the elastic body, A gap is formed between the energy conversion element and the protrusion, and the electro-mechanical energy conversion element has a through-hole penetrating the electro-mechanical energy conversion element.
また、上記目的を達成するために、本発明の振動子は、突起部を有する弾性体と、前記弾性体の1つの面と接触している電気−機械エネルギー変換素子と、を備え、前記電気−機械エネルギー変換素子と前記突起部の間に空隙部が形成され、前記弾性体と前記電気−機械エネルギー変換素子が接触しない領域であって、前記空隙部から前記振動子の端部まで伸びている領域を有することを特徴とする。 In order to achieve the above object, the vibrator according to the present invention includes an elastic body having a protrusion and an electromechanical energy conversion element in contact with one surface of the elastic body. A gap is formed between the mechanical energy conversion element and the protrusion, and the elastic body and the electro-mechanical energy conversion element are not in contact with each other, extending from the gap to the end of the vibrator. It has the area | region which has.
本発明によれば、弾性体から圧電素子が剥離するのを防止することができる。 According to the present invention, it is possible to prevent the piezoelectric element from peeling from the elastic body.
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の実施の形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は実施の形態に記載されている構成によって限定されることはない。まず、本実施の形態に係る振動子について説明する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. However, the configurations described in the following embodiments are merely examples, and the scope of the present invention is not limited by the configurations described in the embodiments. First, the vibrator according to the present embodiment will be described.
図1は、本実施の形態に係る振動子が備える弾性体を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る振動子が備える圧電素子を示す図であり、図2(A)は平面図であり、図2(B)は図2(A)の線I−Iに沿う断面図であり、図2(C)は底面図である。図3は、本実施の形態に係る振動子の構成を概略的に示す断面図である。図4は、本実施の形態に係る振動子において圧電素子にフレキシブルプリント基板が接合された状態を示す底面図である。 FIG. 1 is a perspective view showing an elastic body provided in the vibrator according to the present embodiment. 2A and 2B are diagrams showing a piezoelectric element included in the vibrator according to the present embodiment, FIG. 2A is a plan view, and FIG. 2B is a line II in FIG. 2A. It is sectional drawing which follows, and FIG.2 (C) is a bottom view. FIG. 3 is a cross-sectional view schematically showing the configuration of the vibrator according to the present embodiment. FIG. 4 is a bottom view showing a state in which the flexible printed circuit board is bonded to the piezoelectric element in the vibrator according to the present embodiment.
弾性体10は、金属板、例えば、SUS420J2の薄板(例えば、厚さが0.3mm)からなる。弾性体10は、略矩形の中央部13と、該中央部13から板厚方向へ部分的に突出する2つの突起部11(窪み)と、中央部13の両端から長手方向に延出する桁状の2つの支持部14とを有する。各支持部14の先端には、平面視略十字状の結合部15が形成され、2つの結合部15の各々には当該結合部15を貫通する丸穴16又は長穴17が形成される。2つの突起部11は中央部13の長手方向に沿って配置され、先端に接触部12を有する。また、2つの突起部11は中央部13における後述の圧電素子20と接触する側と反対側に突出する。弾性体10において、各突起部11、中央部13、各支持部14及び各結合部15(丸穴16、長穴17)は、金属板へのプレス加工を通じて一体的に形成される。圧電素子20は、電気−機械エネルギー変換素子であるピエゾ素子からなり、中央部13とほぼ同形状の略矩形を呈する。圧電素子20は、基部となる圧電体部22と、第一の電極23と、第二の電極24と、繋ぎ電極25とを有する。第一の電極23は圧電体部22の上面をほぼ覆う薄膜電極からなる。第二の電極24は圧電体部22の下面をほぼ覆う薄膜電極からなり、圧電素子20の短手方向の中心線に沿って2つの電極に分割される。繋ぎ電極25は圧電体部22の下面において2つに分割された第二の電極24に挟まれるように形成される。圧電素子20は、第一の電極23及び第二の電極24の間に高圧の電界を形成することにより、厚さ方向に関して分極され、厚さ方向に極性を有する。また、圧電素子20は、圧電体部22を厚さ方向に貫通する2つの貫通穴21を有する。
The
本実施の形態では、圧電素子20と弾性体10は互いに接着剤等によって接合されて振動子30を構成する。このとき、弾性体10の各突起部11の内側は外部から密閉されて空隙部18を形成するが、弾性体10において、各貫通穴21が各空隙部18に対向するように、圧電素子20が弾性体10に接合される(第2の工程)。したがって、各空隙部18は各貫通穴21によって外部と連通する。また、振動子30では、圧電素子20の第二の電極24と接するように、フレキシブルプリント基板(以下、「FPC」という。)40(給電体)が圧電素子20へ接合される。FPC40には、当該FPC40を厚さ方向に貫通する2つの開口部41が穿設され、各開口部41が各貫通穴21に対向するように、FPC40が圧電素子20へ接合される(第3の工程)。これにより、FPC40が各貫通穴21を塞ぐことが無く、各貫通穴21による連通が維持される。
In the present embodiment, the
振動子30では、不図示の電源からFPC40を介して圧電素子20に高周波電圧が印加される。具体的には、弾性体10の面外曲げ振動モード(モード1)及び面外曲げ振動モード(モード2)の各共振周波数に近い周波数の交番電圧が圧電素子20の2つに分割された第二の電極24のそれぞれに印加される。これにより、振動子30では面外曲げ振動モード(モード1)の振動と面外曲げ振動モード(モード2)の振動が同時に励起される。ここで、面外曲げ振動モード(モード1)は、圧電素子20の短手方向に沿って変形する振動であり、振動子30において圧電素子20の長手方向と略平行に突起部11を挟んで2本の節線が現れる振動モードである。面外曲げ振動モード(モード2)は、圧電素子20の長手方向に沿って変形する振動であり、振動子30において圧電素子20の短手方向と略平行に3本の節線が生じる振動モードである。振動子30では、2つの突起部11が、面外曲げ振動モード(モード1)の振動の腹となる位置、且つ、面外曲げ振動モード(モード2)の振動の節となる位置に配置される。そして、面外曲げ振動モード(モード1)の振動と、面外曲げ振動モード(モード2)の振動とが合成されることによって突起部11は楕円運動が行うが、このような楕円運動を生じさせる原理は周知であるため、より詳細な説明は省略する。振動子30では、楕円運動が行う各突起部11に被駆動体を加圧接触させて、当該被駆動体を振動子30に対して相対的に駆動する。このとき、各突起部11の接触部12が摩耗するのを防止するために、弾性体10では、各突起部11をプレス加工によって形成した後、焼き入れ処理を施し、各接触部12の硬度を向上させる。
In the
圧電素子20は、電圧が印加されることによって厚さ方向や厚さ方向と直交する方向(長手方向、短手方向)に伸縮するが、弾性体10と接着されると、主に長手方向、短手方向の伸縮により、バイメタルの原理で全体が曲げられるように変形する。すなわち、振動子30には、圧電素子20に交番電圧を印加することにより、曲げ変形に起因した面外曲げ振動モード(モード1)や面外曲げ振動モード(モード2)の振動が生じる。このように、圧電素子20の変形によって振動子30に曲げ振動が励起されるため、この振動子30を使ったモータの出力(推力と速度)を大きくするためには、圧電素子20の長手方向及び短手方向の変形力を大きくする必要がある。これらの変形力を大きくする方法としては、圧電素子20に印加される交番電圧を大きくすることや圧電素子20の各方向に関する断面積を大きくすることが考えられる。さらには、圧電素子20のヤング率を大きくすることや圧電素子20の圧電定数を大きくすることが考えられる。これらの方法の中で、最も簡易な方法は、圧電素子20の各方向に関する断面積を大きくすることであるため、本実施の形態では、圧電素子20の厚さを大きくし、例えば、圧電素子20の厚さを0.47mmに設定する。
The
上述したように、振動子30では、各突起部11の楕円運動を大きくすることを考慮し、圧電素子20の厚さを比較的大きい値である0.47mmに設定する。一方、圧電素子20が厚いと貫通穴21の穿設が難しくなるおそれがある。また、貫通穴21による振動への影響、変形による応力集中の影響を小さくするために、貫通穴21は小さい方が好ましい。しかしながら、例えば、厚さが0.47mm程度の薄い圧電素子20へドリルによって貫通穴21を穿設する場合、圧電素子20自体が切削困難な材料でもあるため、ドリルの破損等も考慮すると、貫通穴21の直径を所定の大きさ以上にする必要がある。具体的には、φ0.3mm以上にしないと安定した加工ができないおそれがある。本実施の形態では、これに対応して、圧電体部22にドリルによる切削加工を施すこと無く、各貫通穴21を形成する。
As described above, in the
図5は、図2の圧電素子の製造方法を説明するための図である。図6は、図2の圧電素子における貫通穴の近傍の構成を示す拡大断面図である。上述したように、圧電素子20は厚さが0.47mmのピエゾ素子からなるが、薄膜の圧電体シートの積層構造を有する。圧電素子20の製造工程では、まず、厚さが約0.06mmの圧電体からなるグリーンシートを製造し、該グリーンシートをカットしてn枚の圧電体シート22a(圧電体薄膜)を得る。各圧電体シート22aの大きさは圧電体部22の大きさに揃えられる。次いで、各圧電体シート22aに当該圧電体シート22aを厚さ方向に貫通する2つの穴21aを穿設する。各穴21aは圧電素子20における各貫通穴21の位置に対応するように穿設される。各穴21aの穿設には、例えば、Φ0.1mmのドリルやパンチが用いられる。その後、穴21aが穿設されたn枚の圧電体シート22aを、各穴21aが対向するように積層して焼成する(第1の工程)。ここで、各穴21aが確実に対向するように、各圧電体シート22aへ位置決め用の穴(図示しない)を設け、針状の治具を各圧電体シート22aの位置決め用の穴へ遊嵌させることにより、各圧電体シート22aを重ね合わせてもよい。このとき、積層された各圧電体シート22aが一体的に焼成(焼結)され、圧電体部22が得られると同時に、圧電体部22に各貫通穴21が形成される。次いで、圧電体部22の上面及び下面に第一の電極23、第二の電極24及び繋ぎ電極25をスクリーン印刷法による電極材料(例えば、銀)の塗布、続く焼き付けによって形成する。このとき、第一の電極23や第二の電極24は部分的に各貫通穴21へ回り込むが、各貫通穴21において第一の電極23と第二の電極24が接触することが無いように(図6)、電極材料の塗布量が調整される。その後、第一の電極23及び第二の電極24の間に高圧の電界を形成して分極処理を施し、圧電素子20を得る。
FIG. 5 is a diagram for explaining a method of manufacturing the piezoelectric element of FIG. 6 is an enlarged cross-sectional view showing a configuration in the vicinity of the through hole in the piezoelectric element of FIG. As described above, the
振動子30によれば、圧電素子20は空隙部18を外部と連通させる貫通穴21を有するので、空隙部18に密閉された空気が膨張しても、空隙部18の空気を外部に逃がすことができ、空隙部18の内圧が上昇するのを防止することができる。これにより、圧電素子20と弾性体10を剥離させる剥離力が発生するのを防止して弾性体10から圧電素子20が剥離するのを防止することができる。また、圧電素子20に接合されるFPC40は開口部41を有し、開口部41は貫通穴21に対向するので、圧電素子20にFPC40が接合されても、貫通穴21が塞がれることが無く、空隙部18の内圧が上昇することもない。
According to the
また、振動子30では、厚さ方向に貫通する2つの穴21aを有する複数の圧電体シート22aを重ね合わせて圧電体部22を得るため、各穴21aの重ね合わせによって貫通穴21を形成することができる。すなわち、圧電体部22へドリルによる加工を施して貫通穴21を形成する必要を無くし、ドリルの折損等による歩留まりの悪化を防止することができる。また、貫通穴21をドリルによる加工によって形成する必要が無いので、必要以上に貫通穴21を大きくする必要が無く、もって、貫通穴21の径を小さい値(約0.1mm)に設定することができる。これにより、圧電素子20の剛性が低下するのを低減するとともに、振動モードへの影響を最小限にし、各突起部11の楕円運動が小さくなるのを防止することができる。
Further, in the
次に、本実施の形態に係る超音波モータについて説明する。図7は、本実施の形態に係る超音波モータの構成を示す分解斜視図である。図8は、図7における振動子保持体の構成を示す斜視図である。図9は、図8における矢印Aに沿って眺めた部分の拡大図である。超音波モータ70は、振動子保持リング71と振動子30とを有する振動子保持体72、ロータ73(被駆動体)、板バネ74、加圧リング75及び防振ゴム76を備える。振動子保持体72、ロータ73、板バネ74、加圧リング75及び防振ゴム76のいずれも円環状を呈し、中心軸Lに沿って図中下方から、加圧リング75、板バネ74、振動子保持体72、ロータ73及び防振ゴム76の順で積み重ねられる。振動子保持体72の振動子保持リング71の上面には約120°の間隔で3箇所に凹部71aが設けられ、各凹部71aに収容されるように3つの振動子30が配置される。各凹部71aの周方向に関する両脇にはピン状突起71b、71cが振動子保持リング71と一体的に形成される。凹部71aに振動子30が収容される際、ピン状突起71bが振動子30の弾性体10における丸穴16と係合し、ピン状突起71cが振動子30の弾性体10における長穴17と係合する。これにより、振動子30の凹部71a、引いては、振動子保持リング71に対する位置が規定され、振動子30の振動子保持リング71に対する相対移動が規制される。凹部71aの底には通気性を有するフェルトからなる振動絶縁部材90が配置される。振動絶縁部材90は振動子30の振動を阻害しないように接触し、該振動が振動子保持リング71へ伝達されるのを抑制する。振動子保持体72では、振動子30のFPC40が振動絶縁部材90に接するように、振動子30が凹部71aに収容されるが、振動絶縁部材90は通気性を有する。したがって、FPC40の各開口部41、引いては、圧電素子20の各貫通穴21は振動絶縁部材90を介して外部と通気可能であるため、空隙部18の外部との連通は維持される。また、振動子30が凹部71aに収容される際、振動子30の弾性体10の各接触部12がピン状突起71b,71cよりも上方に位置するようにピン状突起71b,71cの高さが設定される。
Next, the ultrasonic motor according to the present embodiment will be described. FIG. 7 is an exploded perspective view showing the configuration of the ultrasonic motor according to the present embodiment. FIG. 8 is a perspective view showing the configuration of the vibrator holder in FIG. FIG. 9 is an enlarged view of a portion viewed along an arrow A in FIG. The
ロータ73の下面には、例えば、窒化処理等の耐摩耗処理が施されて摩擦接触部73aが形成される。ロータ73は、摩擦接触部73aが振動子保持体72と対向するように配置される。上述したように、振動子保持体72では振動子30の弾性体10の各接触部12がピン状突起71b,71cよりも上方に位置するため、各接触部12が摩擦接触部73aに接触する。ロータ73の上面には防振ゴム76が密着される。防振ゴム76は、例えば、ブチルゴムやネオプレンゴムからなる。防振ゴム76は後述する出力伝達部材104に接する。
On the lower surface of the
図10は、図7の超音波モータが適用されるレンズ鏡筒の一部の断面図である。レンズ鏡筒100は筒状の鏡筒ユニット本体101を備える。鏡筒ユニット本体101は、一端において中心軸(光軸)Lに対して垂直且つ外側へ向けて突出するフランジ102を有する。フランジ102には、マニュアルフォーカスの際に手動で操作されるマニュアルリング103が光軸Lを中心として配置される。また、レンズ鏡筒100では、鏡筒ユニット本体101を内包するように超音波モータ70が光軸Lを中心として配置される。さらに、環状の出力伝達部材104が光軸Lを中心とし、且つ間に防振ゴム76を挟んで超音波モータ70のロータ73と対向するように配置される。出力伝達部材104及びマニュアルリング103の間にはコロリング105が配置される。コロリング105は出力伝達部材104やマニュアルリング103からの駆動力の伝達によって回転可能に構成される。コロリング105は光軸Lに沿って鏡筒ユニット本体101の端部から突出する出力キー106を有する。出力キー106は、例えば、レンズ鏡筒100のカム環(図示しない)と係合し、コロリング105の回転をカム環へ伝達する。また、コロリング105は径方向に突出する複数のコロ軸107と、各コロ軸107によって軸支される車輪状のコロ108とを有する。
FIG. 10 is a cross-sectional view of a part of a lens barrel to which the ultrasonic motor of FIG. 7 is applied. The
超音波モータ70の加圧リング75は内周側が鏡筒ユニット本体101とネジ又はバイヨネット構造によって係合する。加圧リング75を鏡筒ユニット本体101周りに回転させることによって光軸Lに沿って移動させ、板バネ74を圧縮する。圧縮された板バネ74は、振動子保持体72をロータ73へ向けて押圧する。これにより、超音波モータ70の振動子30に押圧力が作用し、振動子30における弾性体10の各接触部12が摩擦接触部73aへ加圧接触する。ここで、振動子30のFPC40へ交番電圧が印加されて各突起部11が楕円運動を行うと、摩擦駆動によってロータ73が周方向に駆動されるが、ロータ73へ出力伝達部材104や防振ゴム76を挟んで接触するコロリング105も周方向に移動する。このとき、コロリング105の出力キー106は、係合するカム環を回転させ、レンズ鏡筒のオートフォーカス動作を実現する。なお、超音波モータ70はレンズ鏡筒のオートフォーカス動作だけで無く、レンズ鏡筒のズーム動作の実現に用いられてもよく、さらには、カメラの撮像素子の駆動や手ぶれ補正時のレンズ又は撮像素子の駆動の実現に用いられてもよい。
The
超音波モータ70によれば、振動子保持体72において、振動子30が振動子保持リング71の凹部71aに収容されても、圧電素子20の各貫通穴21は振動絶縁部材90を介して外部と通気可能であるため、空隙部18の外部との連通は維持される。したがって、超音波モータ70が適用されるレンズ鏡筒100が、真夏の自動車の中に放置され、若しくは、灼熱の砂漠地帯で使用される等、高温環境に曝されても、熱によって膨張した空隙部18の空気を外部に逃がすことができる。その結果、空隙部18の内圧が上昇するのを防止することができ、振動子30において圧電素子20が弾性体10から剥離するのを防止することができ、もって、レンズ鏡筒100が機能不全に陥るのを防止することができる。
According to the
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、貫通穴21は圧電体部22の厚さ方向に関して径が一定であるが、貫通穴21の圧電体部22の厚さ方向に関する径は一定でなくてもよい。具体的には、複数枚の圧電体シート22aを積層して圧電体部22を形成する際、各圧電体シート22aに穿設される穴21aの径を変更してもよい。この場合、径が大きい穴21aを有する圧電体シート22aを圧電体部22の表面の近くに配置し、貫通穴21が圧電体部22の表面(上面、下面)に近くなるに連れて拡径するように、各圧電体シート22aを積層してもよい(図11(A))。これにより、貫通穴21は圧電体部22の厚み中央に向けて縮径するため、第一の電極23や第二の電極24を形成するために塗布された電極材料が貫通穴21の奥深くまで流れ込むのを防止することできる(図11(B))。その結果、第一の電極23と第二の電極24が接触して短絡するのを防止することができる。また、貫通穴21が圧電体部22の表面に近くなるに連れて拡径するので、該貫通穴21が第一の電極23や第二の電極24、さらには、FPC40によって塞がれる可能性を低減することができる。その結果、各空隙部18の外部との連通を確実に維持することができる。なお、図11(A)に示される貫通穴21の断面形状は一例であり、貫通穴21の断面形状はこれに限られない。また、貫通穴21の圧電体部22の厚さ方向に垂直な平面における形状は円形に限られず、四角形等の多角形であってもよい。
As mentioned above, although preferable embodiment of this invention was described, this invention is not limited to embodiment mentioned above, A various deformation | transformation and change are possible within the range of the summary. For example, the through
また、振動子30では、空隙部18の外部との連通を実現するために、圧電素子20へ貫通穴21を設けたが、各突起部11を厚さ方向に貫通する貫通穴19を弾性体10へ付加的に設けてもよい(図12)。これにより、例えば、振動絶縁部材90が目詰まりを起こして通気性を失い、圧電素子20の貫通穴21による空隙部18の外部との連通を維持できなくなっても、弾性体10の貫通穴19によって空隙部18の外部との連通を維持することができる。
Further, in the
振動子30が比較的小型である場合、弾性体10と圧電素子20の接合面積を確保するために、圧電素子20における弾性体10との対向面へ、各突起部11に対応する部分を除き、全面的に接着剤が塗布されて弾性体10と接合されることが好ましい。しかしながら、振動子30が比較的大型である場合、弾性体10と圧電素子20の接合面積に余裕が生じるため、圧電素子20の対向面へ故意に接着剤を塗布しない領域を設けてもよい。これにより、弾性体10と圧電素子20が接合されない部分(未接合部分)が生じ、振動子30において振動が励起される際、未接合部分において圧電素子20を弾性体10から一時的に離間させることができる。すなわち、圧電素子20と弾性体10の間において部分的に口開きを発生させ、該口開きを介して空隙部18を外部と連通させることができる。したがって、圧電素子20に貫通穴21を設けなくても、空隙部18の空気を外部に逃がすことができ、空隙部18の内圧が上昇するのを防止することができる。なお、振動子30において、上述した未接合部分と貫通穴21を併用してもよい。
When the
また、弾性体10において各突起部11と中央部13の両側縁部とを繋ぐ溝31を、プレス加工を通じて各突起部11と一体的に形成してもよい。なお、溝31は各突起部11に関して対称に形成されることが好ましい。その後、圧電素子20を弾性体10に接合したとき、図13に示すように、溝31の内側は圧電素子20と接合されないため、弾性体10と圧電素子20が接触しない領域を形成する。この領域は空隙部18から中央部13の両側縁部まで伸び、空隙部18を外部と連通させる連通経路32として機能する。これにより、圧電素子20に貫通穴21を設けなくても、空隙部18の空気を外部に逃がすことができ、空隙部18の内圧が上昇するのを防止することができる。なお、振動子30において、上述した溝31(連通経路32)と貫通穴21を併用してもよい。また、弾性体10では、2つの支持部14が中央部13の両端から長手方向に延出しているが、支持部14の形態はこれに限らず、例えば、短手方向に延出していてもよい。
Further, in the
10 弾性体
11 突起部
12 接触部
18 空隙部
20 圧電素子
21 貫通穴
21a 穴
22a 圧電体シート
30 振動子
40 FPC
41 開口部
70 超音波モータ
DESCRIPTION OF
41
Claims (12)
前記弾性体の1つの面と接触している電気−機械エネルギー変換素子と、を備え、
前記電気−機械エネルギー変換素子と前記突起部の間に空隙部が形成され、
前記電気−機械エネルギー変換素子は、前記電気−機械エネルギー変換素子を貫通する貫通穴を有することを特徴とする振動子。 An elastic body having a protrusion;
An electro-mechanical energy conversion element in contact with one surface of the elastic body,
A gap is formed between the electromechanical energy conversion element and the protrusion,
The electro-mechanical energy conversion element has a through-hole penetrating the electro-mechanical energy conversion element.
突起部を有する弾性体と、
前記弾性体の1つの面と接触している電気−機械エネルギー変換素子と、を備え、
前記電気−機械エネルギー変換素子と前記突起部の間に空隙部が形成され、
前記弾性体と前記電気−機械エネルギー変換素子が接触しない領域であって、前記空隙部から前記振動子の端部まで伸びている前記領域を有することを特徴とする振動子。 A vibrator,
An elastic body having a protrusion;
An electro-mechanical energy conversion element in contact with one surface of the elastic body,
A gap is formed between the electromechanical energy conversion element and the protrusion,
A vibrator having a region where the elastic body and the electro-mechanical energy conversion element do not contact with each other and extending from the gap to an end of the vibrator.
前記溝と前記電気−機械エネルギー変換素子の間に前記領域が形成されることを特徴とする請求項5又は6記載の振動子。 The elastic body has a groove;
The vibrator according to claim 5, wherein the region is formed between the groove and the electro-mechanical energy conversion element.
複数の圧電体薄膜を積層して前記電気−機械エネルギー変換素子を形成する第1の工程と、
前記形成された前記電気−機械エネルギー変換素子及び前記弾性体を接合する第2の工程と、を有し、
前記第1の工程では、各前記圧電体薄膜に形成された穴が重なるように各前記圧電体薄膜を積層して前記電気−機械エネルギー変換素子に貫通穴を形成し、
前記第2の工程では、前記貫通穴を、前記電気−機械エネルギー変換素子及び前記弾性体が接合されるときに生じる前記窪みの内側に密閉された空隙部に対向させて前記空隙部を外部と連通させることを特徴とする振動子の製造方法。 A method of manufacturing a vibrator comprising an electro-mechanical energy conversion element and an elastic body having a partially formed depression,
A first step of laminating a plurality of piezoelectric thin films to form the electromechanical energy conversion element;
A second step of joining the formed electro-mechanical energy conversion element and the elastic body,
In the first step, the piezoelectric thin films are laminated so that the holes formed in the piezoelectric thin films overlap to form through holes in the electromechanical energy conversion element,
In the second step, the through hole is made to face the air gap sealed inside the hollow that is formed when the electromechanical energy conversion element and the elastic body are joined, and the air gap is made outside. A method of manufacturing a vibrator, wherein the vibrator is communicated.
The method for manufacturing a vibrator according to claim 10, further comprising a third step of joining a power feeder to the electro-mechanical energy conversion element so as to maintain communication of the through hole.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017154389A JP2019033627A (en) | 2017-08-09 | 2017-08-09 | Vibrator, ultrasonic motor, and method of manufacturing vibrator |
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JP (1) | JP2019033627A (en) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113339438A (en) * | 2021-06-22 | 2021-09-03 | 天津大学 | Quasi-zero phononic crystal vibration isolation device capable of actively controlling multi-directional vibration isolation |
CN113446342A (en) * | 2021-05-27 | 2021-09-28 | 天津大学 | Quasi-zero rigid elastic wave metamaterial vibration isolation device with active regulation and control function |
WO2021210366A1 (en) * | 2020-04-13 | 2021-10-21 | キヤノン株式会社 | Vibration wave motor and electronic devcie equipped with same |
-
2017
- 2017-08-09 JP JP2017154389A patent/JP2019033627A/en active Pending
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