以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下で、鉛直方向、水平方向、上側、下側、上面、下面等、鉛直方向に関連する文言を使用した場合、それは、照明装置が水平方向に広がる天井面に設置された状態で表現されたものとする。
図1は、本開示の一実施形態に係る照明装置1の分解斜視図である。図1に示すように、照明装置1は、ベースライト型の照明器具であり、本体20と、光源ユニット30を有する。本体20は、吊りボルト2で、天井材3の下面に直付けされ、光源ユニット30は、本体20に対して着脱可能に取り付けられる。
本体20は、板金に曲げ加工を施すことで長尺かつ扁平な箱状に形成される。本体20の上側は、天井材3側に開口する。また、本体20の下側には、光源ユニット30を収容する角柱状の凹部4が長手方向の略全長に亘って設けられる。本体20は、凹部4の幅方向両側に傾斜部5を有する。各傾斜部5は、凹部4から離れるにしたがって上方へ傾斜する。凹部4の底板には、電源線28を通すための孔6が長手方向の略中央部に設けられ、吊りボルト2を通すための孔7が長手方向の両側に設けられる。また、底板の下面には端子台8が取り付けられる。
光源ユニット30は、カバー部材60を有する。カバー部材60には、取付部材32が取り付けられ、取付部材32の下側には、光学基板としてのLED基板(図1では図示せず)が取り付けられる。カバー部材60、取付部材32、及びLED基板は、一体に統合される。LED基板は、長尺板状の基板と、基板の下面に基板の長手方向に間隔をおいて実装された複数のLEDを有する。この統合構造については、後で図2及び図3を用いて詳細に説明する。取付部材32は、長手方向の両側に、幅方向の一方側に延びる一対の引掛金具12と、幅方向の他端側に配置される一対の引掛ばね13を有する。
光源ユニット30は、更に電源装置9と、プルスイッチ10を含む。電源装置9は、各LEDに電気的に接続される。電源装置9は、電源基板(図示せず)と、電源基板に実装された電子部品を有する。電源基板は、長手方向に延在する板状のプリント配線板で構成され、電子部品は、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ等を含み、LEDの点灯電力を生成する。周知の構造であるので詳述しないが、プルスイッチ10は、引き紐式のスイッチであり、引き紐11と、電線21を有する。電線21は、端子台8と電源装置9を電気的に接続する給電線に電気的に接続される。照明装置1の組立後かつ設置後に、引き紐11が引っ張られることで、電源装置9への給電を入切でき、LEDの点灯と消灯が切り替え可能となる。
照明装置1は、例えば次の手順で天井に設置される。先ず、天井裏に先行配線された電源線28を本体20の孔6に通し、室内側に露出する吊りボルト2を孔7に通した後、吊りボルト2にナット14をねじ込んで本体20を天井材3に固定する。次に、電源線28の端部を端子台8に電気的に接続し、さらに端子台8の雌型コネクタ15と電源装置9の雄型コネクタ16を電気的に接続する。
続いて、本体20の一方の側板17に設けられた一対の挿通孔17aの夫々に引掛金具12の先端を引っ掛けた後、一対の引掛ばね13を本体20の他方の側板17に設けられた引掛部18に引っ掛ける。また、プルスイッチ10の引き紐11を、本体20の凹部4において光源ユニット30の長手方向の一端部と隣り合う壁に設けられた孔19を通して本体20から垂れ下げる。その後、引掛金具12を支点として光源ユニット30を持ち上げるように回転させると、引掛ばね13が引掛部18に引っ掛かったままで元の状態に戻り、その結果、引掛ばね13のばね力で光源ユニット30が本体20に保持される。
図2は、天井材3に設置された状態の照明装置1を、電源装置9を通過すると共に、幅方向及び鉛直方向を含む切断面で切断したときの断面図である。また、図3は、図2における、カバー部材60、取付部材32及びLED基板50の統合構造の拡大断面図である。
図2に示すように、電源装置9は、収容ケース23を含み、収容ケース23は、下側が開口して長手方向に延在する矩形箱状の形状を有する。LED52の点灯電力を供給するための上記プリント基板及び電子部品24は、収容ケース23に収容される。光源基板の一例としてのLED基板50は、長尺状かつ平板状の基板51と、複数のLED52を含む。LED基板50は、取付部材32の下面の幅方向中央部に固定される。この固定は、例えば締結部材で実行されてもよく、取付部材32の一部を切り起こすことで形成された爪による係止で実行されてもよい。各LED52は、基板51の下面の幅方向中央部に実装される。
取付部材32は、アルミニウムや鉄等の金属で構成され、LED52で生じる熱を、基板51を介して吸収して放熱する。取付部材32は、LED基板50の固定機能と、LED52から伝導した熱を放熱する機能とを有する。図3に示すように、取付部材32は、板金に曲げ加工を施すことで上側及び長手方向両側が開口する箱状に構成され、底板40、第1側板41、第2側板42を有する。取付部材32は、幅方向を含むと共に底板40を垂直に二等分する平面に対して略面対称となる形状を有する。第1及び第2側板41,42は、底板40の幅方向の一端部又は他端部から底板40に略直交するように上側に延び、底板40の長手方向の一端部から他端部まで長手方向に延在する。第1及び第2側板41,42の夫々の上側端部は、カール加工で幅方向内側に折り返され、先端が第1及び第2側板41,42の夫々の内側面に接触する。この加工により、輪状部41a,42aが第1及び第2側板41,42の夫々の上側端部に設けられる。
カバー部材60は、光源ユニット30の長手方向に延在し、複数のLED52の光出射側を覆うように設けられる。カバー部材60は、例えば、ポリカーボネイトやアクリル等の透明又は光透過性樹脂を含んだ透光性樹脂で一体に成形される。カバー部材60は、カバー本体61、基板平行部としての第1及び第2固定部62a,62b、及び厚さ方向延在部としての第1及び第2爪部63a,63bを有する。
カバー本体61は、基板51の厚さ方向に関して基板51側とは反対側に凸の略円弧状の形状を有し、LED基板50におけるLED52の実装側を覆うように配置される。また、第1及び第2固定部62a,62bは、平板形状を有し、カバー本体61の幅方向の端部からLED52側に基板51と略平行な方向に延在する。第1固定部62aは、カバー本体61の幅方向の一端部から他端部側に延在し、第2固定部62bは、カバー本体61の幅方向の他端部から一端部側に延在する。第1固定部62aと、第2固定部62bは、幅方向に間隔をおいて対向する。
第1爪部63aは、第1固定部62aからカバー本体61側とは反対側に略基板51の厚さ方向に延在し、第2爪部63bは、第2固定部62bからカバー本体61側とは反対側に略基板51の厚さ方向に延在する。第1爪部63aは、第1固定部62aの幅方向のLED52側とは反対側の端部から上側に延在し、第2爪部63bは、第2固定部62bの幅方向のLED52側とは反対側の端部から上側に延在する。
第1爪部63aは、カバー部材60の幅方向一方側に設けられ、第2爪部63bは、カバー部材60の幅方向他方側に設けられる。第1爪部63aの上側先端部は、カール加工により円弧状に構成され、幅方向他方側に開口する凹部65aを画定する。また、第2爪部63bの上側先端部は、カール加工により円弧状に構成され、幅方向一方側に開口する凹部65bを画定する。
カバー部材60の第1及び第2爪部63a,63bを幅方向外方側に弾性変形させ、凹部65a,65bを幅方向外方側から取付部材32の輪状部41a,42aに被せ、輪状部41a,42aを幅方向内側に押圧する。このようにして、輪状部41a,42aを凹部65a,65bに嵌入する。輪状部41a,42aが凹部65a,65bに嵌入している状態で、第1及び第2固定部62a,62bの上面は、取付部材32の底板40の下面に当接し、取付部材32がカバー部材60に取り付けられる。カバー部材60の第1及び第2固定部62a,62bに、上側に開口する窪み66a,66bを局所的に設け、その窪み66a,66bに嵌り込む凸部35a,35bを底板40に設けると、取付部材32をカバー部材60に確実に固定できて好ましい。
LED基板50が固定された取付部材32をカバー部材60に固定することで、LED基板50、取付部材32及びカバー部材60が一体に統合される。図2を参照して、第1及び第2爪部63a,63bの上側端部に設けられた円弧状部68a,68bの幅方向外方の凸面を、幅方向内方に歪ませるように本体20の凹部4に下側から嵌入し、凹部4の幅方向両側の内面に係止する。その結果、光源ユニット30が、幅方向に正確に位置決めされる。
次に、カバー本体61、第1及び第2固定部62a,62b、及び第1及び第2爪部63a,63bの材質と、カバー部材60の成形方法について説明する。カバー本体61を構成する樹脂材料には、バインダー樹脂中に光拡散剤が添加され、LED52点灯中の光拡散性を良好なものにしている。光拡散剤としては、例えば、酸化ケイ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、雲母、酸化マグネシウム、タルク、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の白色無機、顔料、アクリル、スチレン等の有機顔料等が好適に用いられる。
バインダー樹脂中には、光拡散剤以外に、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤等の公知の添加剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、公知のものを制限なく用いることができる。酸化防止剤は、例えば、シーエムシー発行の、大勝靖一監修“高分子安定化の総合技術−メカニズムと応用展開−”に記載されているものを好適に使用できる。酸化防止剤の種類としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられるが、特に、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が好適に用いられる。また、アミン系酸化防止剤の中では特にヒンダートアミンが好適に用いられる。また、光安定剤も、公知のものを用いることができ、中でも、HALS(Hindered Amine Light Stabilizers)を、ラジカル捕捉剤として好適に用いることができる。
第1固定部62aと、第2固定部62bは、同一の樹脂材料で形成される。第1及び第2固定部62a,62bを構成する樹脂材料は、光の反射性を高くするためにバインダー樹脂中に酸化チタンを添加して形成される。第1及び第2固定部62a,62bを構成する樹脂材料は、バインダー樹脂中に、酸化チタン以外に、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤等の公知の添加剤を添加してもよい。酸化防止剤や、光安定剤としては、カバー本体61に関して上で説明した物質を好適に用いることができる。
第1爪部63aと、第2爪部63bは、同一の樹脂材料で形成される。第1及び第2爪部63a,63bを構成する樹脂材料は、バインダー樹脂中に酸化チタンを添加して形成される。第1及び第2爪部63a,63bを構成する樹脂材料は、バインダー樹脂中に、酸化チタン以外に、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤等の公知の添加剤を添加してもよい。酸化防止剤や、光安定剤としては、カバー本体61に関して上で説明した物質を好適に用いることができる。
図4は、LED52から出射される光における波長と相対発光強度の関係を表す図である。また、図5は、カバー本体61を構成する樹脂材料における光の波長と透過率T(a)との関係と、第1及び第2固定部62a,62bを構成する樹脂材料における光の波長と反射率R(b)との関係とを表す図である。また、図6は、第1及び第2固定部62a,62bを構成する樹脂材料における光の波長と透過率T(b)との関係と、第1及び第2爪部63a,63bを構成する樹脂材料における光の波長と透過率T(c)との関係とを表す図である。
図4に示すように、照明装置1では、光源としてのLED52は、400nm以上800nm以下の波長の光を出射する。また、図5に示すように、カバー本体61を構成する樹脂材質は、400nm以上の波長の光に関し、50%より大きい透過率を有し、略430nm以上の波長の光に対し、95%以上の透過率を有する。また、第1及び第2固定部62a,62bを構成する樹脂材質は、400nm以上の波長の光に関し、50%以上の反射率を有し、略430nm以上の波長の光に対し、90%程度の反射率を有する。
図6に示すように、第1及び第2固定部62a,62bを構成する樹脂材質は、略440nmまでの波長の光に関し0%近傍の透過率を有する。また、第1及び第2固定部62a,62bを構成する樹脂材質は、略440nm付近から800nmまで波長が大きくなるにしたがって、光の透過率が0%近傍の値から2%程度まで徐々に上昇する。一方、第1及び第2爪部63a,63bを構成する樹脂材質は、略620nmまでの波長の光に関し略0%の透過率を有し、略620nmから略740nmの波長の光に関し略0.1%の透過率を有する。また、第1及び第2爪部63a,63bを構成する樹脂材質は、略740nmから800nmの波長の光でも、透過率が0.2%程度の非常に小さい値に抑えられる。
図5及び図6に示すように、カバー本体61、第1及び第2固定部62a,62b、及び第1及び第2爪部63a,63bは、透過率が互いに異なり、互いに異なる樹脂材料で構成される。図示はしないが、カバー本体61の光の反射率をR(a)%とし、第1及び第2固定部62a,62bの光の反射率をR(b)%とし、第1及び第2爪部63a,63bの光の反射率をR(c)%としたとする。このとき、LED52から出射される波長域内の光であって同波長の光に関し、R(a)<R(c)<R(b)が成立する。
また、カバー本体61の光の透過率をT(a)%とし、第1及び第2固定部62a,62bの光の透過率をT(b)%とし、第1及び第2爪部63a,63bの光の透過率をT(c)%としたとする。このとき、図5及び図6に示すように、400nm以上800nm以下の波長域内の同波長の光に関し、T(a)>T(b)>T(c)が成立する。また、図6に示すように、第1及び第2爪部63a,63bの透過率をT(c)%とするとき、400nm以上800nm以下の波長域内の光に関し、T(c)≦0.5が成立する。
カバー部材60は、例えば、押出成形で好適に形成できる。より詳しくは、溶融状態のカバー本体61を形成する樹脂材料、溶融状態の第1及び第2固定部62a,62bを形成する樹脂材料、及び溶融状態の第1及び第2爪部63a,63bを形成する樹脂材料の夫々を、別々の押出成形機(押出機)に投入する。そして、シリンダの温度と、金型の温度を共に200°以上の高温に保った状態で、上記3つの材料を1つの金型で成形し、カバー部材60を一体に成形する。上記3つの材料は、共にポリカーボネイト樹脂を主成分とする材料であるので、押出成形で問題なく一体に成形できる。
以上、照明装置1は、長尺の板状の基板51、及びその基板51の一方側面に長手方向に間隔をおいて実装された複数のLED(光源)52を有するLED基板(光源基板)50を備える。また、照明装置1は、複数のLED52の光出射側を覆うように設けられ、基板51の長手方向に略平行に延在する一体のカバー部材60を備える。また、カバー部材60は、基板51の厚さ方向に関して基板51側とは反対側に凸の形状を有し、LED基板50におけるLED52の実装側を覆うように配置されるカバー本体61を含む。また、カバー部材60は、カバー本体61の幅方向の両端部からLED52側に基板51と略平行に延在し、幅方向に間隔をおいて対向する2つの平板状の第1及び第2固定部(基板平行部)62a,62bを有する。また、カバー部材60は、各第1及び第2固定部62a,62bからカバー本体61側とは反対側に略厚さ方向に延在する第1及び第2爪部(厚さ方向延在部)63a,63bを有する。また、カバー本体61の光の反射率をR(a)%とし、第1及び第2固定部62a,62bの光の反射率をR(b)%とし、第1及び第2爪部63a,63bの光の反射率をR(c)%とする。このとき、LED52から出射される波長域内の光であって同波長の光に関し、R(a)<R(c)<R(b)が成立する。
樹脂材料においては、透過率を低くして、遮光機能を向上させると、反射率が下がる傾向にある。上記実施形態によれば、第1及び第2爪部63a,63bの反射率R(c)が第1及び第2固定部62a,62bの反射率R(b)よりも小さい。したがって、第1及び第2爪部63a,63bの遮光機能を第1及び第2固定部62a,62bの遮光機能よりも高くできる。よって、カバー本体61内及び第1及び第2固定部62a,62b内を順次導光し、続いて第1及び第2爪部63a,63b内を上側に導光する光を抑制できる。その結果、第1及び第2爪部63a,63b内を導光することで外部に取り出せなくなるロス光を低減でき、光取り出し効率を向上できる。
図7は、照明装置1で第1及び第2固定部62a,62bの材質として使用されると好ましい反射率が高い樹脂材料における光の波長と通過率との関係を表す図である。図7に示すように、反射率が高い樹脂では、光の波長が高くなるにしたがって光の透過率が増大する傾向にある。そして、図7に示す例では、波長が高い領域で光の透過率が2%にも達する。このため、仮に、図7に示す樹脂材料を、第1及び第2固定部62a,62bと第1及び第2爪部63a,63bとに採用した場合、最大2%もの光が第1及び第2爪部63a,63内に迷い込んでロス光となり、光取り出し効率が低下する。
これに対し、本実施形態では、第1及び第2爪部63a,63bの樹脂材料を第1及び第2固定部62a,62bの樹脂材料よりも遮光機能を高くでき、第1及び第2爪部63a,63b内に迷い込む光を低減できる。よって、固定部と爪部に同じ反射率が高い樹脂材料を使用した場合の光の取り出し効率を100%とした場合、第1及び第2爪部63a,63b内に迷い込む光を防止することで、光の取り出し効率を最大102%程度とでき、2%程度も高くできる。よって、照明装置1から光度が高い光を外部に照射できる。
また、カバー本体61の光の透過率をT(a)%とし、第1及び第2固定部62a,62bの光の透過率をT(b)%とし、第1及び第2爪部63a,63bの光の透過率をT(c)%とする。このとき、400nm以上800nm以下の波長域内の同波長の光に関し、T(a)>T(b)>T(c)が成立してもよい。
白色LEDは、400nm以上800nm以下の波長域の光を出射することが知られている。上記構成によれば、白色LEDから出射された光に関して、カバー本体61の透過率が最も高いので、LED52から出射された光の大部分を、カバー本体61を透過させることができ、外部に照射できる。また、白色LEDから出射された光に関して、第1及び第2爪部63a,63bの透過率が、第1及び第2固定部62a,62bの透過率よりも低い。したがって、カバー本体61内と第1及び第2固定部62a,62b内を導光した光が第1及び第2爪部63a,63b内に進入するのを抑制できる。よって、白色LEDから出射された光に関して、カバー本体61内を導光して第1及び第2固定部62a,62bに到達した光のより多くの光を、再度カバー本体61側に進行させることができ、光取り出し効率を高くできる。
また、第1及び第2爪部63a,63bの透過率をT(c)%とするとき、400nm以上800nm以下の波長域内の光に関し、T(c)≦0.5が成立してもよい。
光遮光特性を有する材質の殆どは、透過率が0.5以下となっている。上記構成によれば、白色LEDから出射された光に関して、第1及び第2爪部63a,63bの透過率が0.5以下となるので、第1及び第2爪部63a,63b内への光の進入を効率的に抑制でき、光取り出し効率を更に高くできる。
更には、カバー本体61が、ポリカーボネイト樹脂で構成されると共に、第1及び第2固定部62a,62b、及び第1及び第2爪部63a,63bの夫々が、酸化チタンを含有するポリカーボネイト樹脂で構成されてもよい。
上記構成によれば、第1及び第2固定部62a,62b、及び第1及び第2爪部63a,63bの夫々が、酸化チタンを含有するポリカーボネイト樹脂で構成される。したがって、第1及び第2固定部62a,62b及び第1及び第2爪部63a,63bを白色に近い色の材質で構成できる。よって、下側から照明装置1を見たとき、第1及び第2固定部62a,62b及び第1及び第2爪部63a,63bが目立たなくなり、照明装置1の美観を優れたものにできる。
尚、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、カバー本体61にプリズムが設けられない場合について説明した。しかし、図8に示す変形例のカバー部材90の断面図に示すように、カバー本体91に複数のプリズム92を設けてもよく、複数のプリズム92で外部に出射される光の配光を調整してもよい。なお、この場合においても、厚さ方向延在部としての爪部94の樹脂材質が、基板平行部としての固定部93の樹脂材質よりも遮光性が高い樹脂材質で構成される。よって、図8に矢印A1,A2で示す方向に、カバー本体91、固定部93、及び爪部94を導光するロス光を低減でき、光取り出し効率を高くできる。
また、光源としてLED52を採用した。しかし、光源は、白熱電球等でもよく、400nmより小さい波長の光を含んだ光を出射してもよく、800nmより大きい波長の光を含んだ光を出射してもよい。
また、カバー本体61が、ポリカーボネイト樹脂で構成されると共に、第1及び第2固定部62a,62b、及び第1及び第2爪部63a,63bの夫々が、酸化チタンを含有するポリカーボネイト樹脂で構成される場合について説明した。しかし、これらの構成に加え、白熱電球や白色LED等で構成される光源から出射される波長域内の光に関し、固定部(基板平行部)の反射率R(b)を、R(b)>90とし、爪部(厚さ方向延在部)の反射率R(c)を、R(c)>85とすると好ましい。
公知の白色反射材の殆どは、反射率が90より大きいという条件を満たし、公知の白色遮光材の殆どは、反射率が85より大きいという条件を満たす。よって、R(b)>90という条件と、R(c)>85という条件とを満足すると、固定部及び爪部の両方を白色材料で構成でき、照明装置の美観を更に優れたものにできる。なお、固定部(基板平行部)の反射率R(b)を、R(b)>94とし、爪部(厚さ方向延在部)の反射率R(c)を、R(c)>90とすると、固定部及び爪部の両方を更に明度が高い白色とできて好ましい。
また、カバー本体61の光の透過率をT(a)%とし、第1及び第2固定部62a,62bの光の透過率をT(b)%とし、第1及び第2爪部63a,63bの光の透過率をT(c)%とした。そして、400nm以上800nm以下の同波長の光に関し、T(a)>T(b)>T(c)が成立した。しかし、400nm以上800nm以下の全ての波長で、T(a)>T(b)>T(c)が成立しなくてもよい。
また、第1及び第2爪部63a,63bの透過率をT(c)%とするとき、400nm以上800nm以下の波長域内の光に関し、T(c)≦0.5となる場合について説明した。しかし、400nm以上800nm以下の波長域内の光の一部又は全部で、T(c)>0.5が成立してもよい。
また、カバー本体61が、ポリカーボネイト樹脂で構成され、第1及び第2固定部62a,62b、及び第1及び第2爪部63a,63bの夫々が、酸化チタンを含有するポリカーボネイト樹脂で構成される場合について説明した。しかし、基板本体が、ポリカーボネイト樹脂で構成されなくてもよく、基板平行部及び厚さ方向延在部のうちの少なくとも一方は、酸化チタンを含まない樹脂材料で構成されてもよい。3つの異なる樹脂材料は、押出成形等で接合でき、一体に成形される材料であればよい。更に述べると、厚さ方向延在部は、遮光性を有する樹脂で構成されればよく、有色樹脂や、反射率が0又は0近傍の黒色樹脂で構成されてもよい。