以下、本発明の一実施形態に係る遊技機1について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の外観を示す正面図の一例である。図2は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の分解斜視図の一例である。
本実施形態では、遊技媒体としての遊技球が遊技領域を転動流下することによって種々の遊技を行なうことが可能なパチンコ遊技機1(例えば、図1参照)に本発明を適用した実施の一形態を用いて説明する。
以下の説明では、特に説明がない限り、パチンコ遊技機1(以下、「遊技機1」と称する)(図1参照)を遊技者から見て、手前側を前側とし、奥側を後側として、前後方向を規定する。また、遊技機1を遊技者から見て、左手側を左側とし、右手側を右側として、左右方向を規定する。さらに、遊技者側から見た場合に視認できる側の面を正面と規定し、遊技者の反対側から見た場合に視認できる側の面を背面と規定する。
本実施形態に係る遊技機1は、図2に示されるように、後部ユニット100と、遊技演出ユニット200と、前扉ユニット500とを具備する。これらのうち、後部ユニット100が最も後側であり、後側から前側に、後部ユニット100、遊技演出ユニット200、前扉ユニット500の順で並んでいる。以下、各構成要素について詳細に説明する。
[1.後部ユニット]
図3及び図4を参照して、後部ユニット100の構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の後部ユニット100を示す斜視図の一例である。図4は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の後部ユニット100を示す縦断面図の一例である。
図3および図4に示されるように、後部ユニット100は、筐体110と、リア投影装置120とを備えている。
[1−1.筐体]
筐体110は、リア投影装置120を収容可能で、かつ、前側が開放された上下方向に延びる箱状の部材である。
[1−2.リア投影装置]
リア投影装置120は、第1リアプロジェクタ122と、第2リアプロジェクタ124と、リアミラー126とを備えている。
第1リアプロジェクタ122は、筐体110内の上部に配置されるプロジェクタである。第1リアプロジェクタ122は、前方に向けて映像光を投射できるように配置されている。第1リアプロジェクタ122から投射された映像光は、後述のリアスクリーンユニット290に投影される。より具体的には、第1リアプロジェクタ122は、後述のリアスクリーンユニット290としての、上側リアスクリーン2902(例えば、後述の図29参照)および中間リアスクリーン2906(例えば、後述の図29参照)に映像光が投影されるように配置されている。
なお、第1リアプロジェクタ122を、リアスクリーンユニット290(例えば、図2参照)のいずれの領域に向けて映像光が投射されるように配置するかは特に限定されるものではなく、例えば、上側リアスクリーン2902(例えば、後述の図29参照)のみに向けて映像光が投射されるように配置してもよいし、リアスクリーンユニット290の略全領域に向けて映像光が投射されるように配置してもよい。
第2リアプロジェクタ124は、筐体110内において第1リアプロジェクタ122の下方に配置されるプロジェクタである。第2リアプロジェクタ124は、リアミラー126に向けて映像光を投射し、リアミラー126により反射された反射光が後述のリアスクリーンユニット290に投影されるように配置されている。より具体的には、第2リアプロジェクタ124は、リアミラー126で反射させた映像光が後述のリアスクリーンユニット290の下側リアスクリーン2904(例えば、後述の図29参照)および中間リアスクリーン2906(例えば、後述の図29参照)に投影されるように配置されている。なお、第2リアプロジェクタ124を、リアスクリーンユニット290のいずれの領域に向けて映像光が投射されるように配置するかは特に限定されるものではなく、例えば、下側リアスクリーン2904のみに向けて映像光が投射されるように配置してもよいし、リアスクリーンユニット290の略全領域に向けて映像光が投射されるように配置してもよい。
リアミラー126は、第2リアプロジェクタ124から投射された映像光を、後述のリアスクリーンユニット290に向けて反射させる部材である。リアスクリーンユニット290では、この反射された映像光により、映像が投影される。リアミラー126は、第2リアプロジェクタ124の下方に配置されている。
なお、本実施形態では、第1リアプロジェクタ122から投射された映像光については、反射させることなく前方に向けて投射させ、第2リアプロジェクタ124から投射された映像光については、リアミラー126で前方に向けて反射させるようにしているが、これに限られない。例えば、第1リアプロジェクタ122から投射された映像光および第2リアプロジェクタ124から投射された映像光の両方を、反射部材(例えば、ミラー)で前方に向けて反射させるようにしてもよい。また、第1リアプロジェクタ122から投射された映像光および第2リアプロジェクタ124から投射された映像光の両方とも、反射させずに、前方に向けて投射させるようにしてもよい。また、第1リアプロジェクタ122から投射された映像光については、反射部材(例えばミラー)で前方に向けて反射させ、第2リアプロジェクタ124から投射された映像光については、反射させることなく前方に向けて投射させるようにしてもよい。
[2.遊技演出ユニット]
図5は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の遊技演出ユニット200を示す斜視図の一例である。図6は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の遊技演出ユニット200を示す正面図の一例である。図7は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の遊技演出ユニット200を示す斜視図の一例である。なお、図5および図6では、前扉ユニット500に備えられる遊技領域区画ガラス520についても図示しているが、図7では、遊技領域区画ガラス520を図示していない。
図2および図5〜図7を参照して、遊技演出ユニット200の構成について説明する。図2に示されるように、遊技演出ユニット200は、本体枠部210と、重量感のある大きな役物でありつつも作動可能に構成される大型役物ユニット220と、上述のリア投影装置120(第1リアプロジェクタ122、第2リアプロジェクタ124)から前方に向けて投射された映像光により、正面視で視認できる映像が投影されるリアスクリーンユニット290と、後述の遊技領域320を有する遊技パネル300とを備えている。本体枠部210は、縦長矩形状の枠部であり、この本体枠部210に、大型役物ユニット220、リアスクリーンユニット290および遊技パネル300が取り付けられている。
なお、本実施形態の遊技機1では、遊技パネル300の大きさが従来の遊技機よりも小さく、後述する遊技領域320(例えば、図31参照)の直径が略300mmとなっている。また、遊技パネル300の前面には、遊技領域区画ガラス520(例えば、後述の図33参照)が配置されており、この遊技領域区画ガラス520によって、遊技領域320の前面側が他の領域と区画されている。
[2−1.本体枠部]
図8及び図9を参照して、本体枠部210の構成について説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の遊技演出ユニット200(例えば、図2参照)のうち、本体枠部210に大型役物ユニット220を取り付けた状態を示す斜視図の一例である。図9は、図8に示される本体枠部210から後述の左縦カバー2130および右縦カバー2132を除いた状態で示す斜視図の一例である。
本体枠部210は、主として本体枠212で構成されており、本体枠部210の左側の上下それぞれの端部の前面側に、取付金具214が取り付けられている。この取付金具214は、前扉ユニット500(例えば、図2参照)を取り付けるための金具であり、例えばヒンジが用いられる。また、後述の大型役物232の左右両側には、当該大型役物232と本体枠212とのスペースを塞ぐサイド部材216が設けられている。ただし、図9では、大型役物232の左側に設けられたサイド部材216のみを図示し、大型役物232の右側に設けられるサイド部材216については図示を省略している。
図8および図9に示されるように、本体枠212は、例えば、左縦枠2122と、右縦枠2124と、上横枠2126と、下横枠2128と、左縦カバー2130と、右縦カバー2132とが相互に一体に組み合わされることにより、左右方向の長さよりも上下方向の長さが長い長方形枠状であって、中央部に開口部を有する枠状に構成されている。この中央の開口部は、後述する内部抽選の結果に基づいて大型役物ユニット220が作動する役物演出や、内部抽選の結果に基づいてリアスクリーンユニット290(例えば、図29参照)に演出としての映像が投影される表示演出が行われる演出領域として機能する。
左縦枠2122は、上側部分の前側の領域が切り欠かれており、その切り欠かれた領域に、後述の大型役物左駆動機構240を収容可能となっている。
右縦枠2124は、上側部分の前側の領域が切り欠かれており、その切り欠かれた領域に、後述の大型役物右駆動機構260を収容可能となっている。
上横枠2126は、左縦枠2122の上端部と右縦枠2124の上端部とを連結するものであり、下横枠2128は、左縦枠2122の下端部と右縦枠2124の下端部とを連結するものである。
左縦カバー2130は、左縦枠2122の前側を覆うものであり、左縦枠2122の上側部分に設けられた大型役物左駆動機構240を前面側から塞ぐものである。
右縦カバー2132は、右縦枠2124の前側を覆うものであり、右縦枠2124の上側部分に設けられた大型役物右駆動機構260を前面側から塞ぐものである。
[2−2.大型役物ユニット]
図10および図11を参照して、大型役物ユニット220の構成について説明する。図10は、本発明の一実施形態における大型役物ユニット220を示す斜視図の一例である。図11は、本発明の一実施形態における大型役物ユニット220を後側から見た斜視図の一例である。
大型役物ユニット220は、重量感のある大型役物本体部230と、左右方向に長く、左右方向の略中央部で大型役物本体部230を支持する大型役物支持アーム238と、大型役物支持アーム238を支持する大型役物駆動機構(大型役物左駆動機構240,大型役物右駆動機構260)とを備えている。
大型役物左駆動機構240は、大型役物支持アーム238の左方において当該大型役物支持アーム238を支持しており、大型役物右駆動機構260とともに、当該大型役物支持アーム238を介して大型役物232を上下動させることができる。また、大型役物右駆動機構260は、大型役物支持アーム238の右方において当該大型役物支持アーム238を支持しており、大型役物支持アーム238を上下動させることができる。上述したとおり大型役物本体部230は大型役物支持アーム238に支持されているため、大型役物本体部230は、大型役物左駆動機構240および大型役物右駆動機構260によって両持ちで支持されて、上下動されることとなる。
大型役物支持アーム238の前面には、大型役物232の左右両側に、後述の導光板上下駆動機構239,270(例えば、図23参照)の駆動源であるモータ2384,2392(例えば、図14参照)が設けられており、このモータ2384,2392は、カバー部材2384,2386で前方から塞がれている。
カバー部材2384,2386の上端部には、それぞれ、上下方向に回転するローラ280,284が設けられている。これらのローラ280,284は、図示しない付勢部材によって前方に向けて付勢されている。ローラ280,284の左右両側には、前方に向けて付勢されるローラ280を、後方に向けて押さえる一対の押さえ部材282,286が設けられている。この押さえ部材282,286は、ローラ面がカバー部材2384,2386の前面よりも一定の範囲内で前側となるように、ローラ280,284の軸を支持している。
カバー部材2384,2385の前面は、上方位置において、サイド部材216の裏面と対向している。このとき、上記のローラ280,286がサイド部材216(例えば、図9参照)の裏面に当接するため、大型役物本体部230が上方位置から下降するときに、カバー部材2384,2385の前面とサイド部材216の裏面との当接を防止することができ、大型役物本体部230のスムーズな下降を行うことが可能となる。また、カバー部材2384,2385の前面とサイド部材216の裏面とが対向しない位置まで大型役物本体部230が下降し、その後、カバー部材2384,2385の前面とサイド部材216の裏面とが対向する位置まで上昇するときには、先ずは、カバー部材2384の前面とサイド部材216の裏面とが当接する。そのため、カバー部材2384,2385の前面とサイド部材216の裏面との当接を防止でき、大型役物本体部230のスムーズな上昇を行うことが可能となる。このようにして、大型役物本体部230のスムーズな昇降を実現することができる。
[2−2−1.大型役物本体部]
図12および図13を参照して、大型役物本体部230の構成の概略について説明する。図12は、大型役物支持アーム238に支持された大型役物本体部230の斜視図の一例である。図13は、大型役物支持アーム238に支持された大型役物本体部230の正面図の一例である。
大型役物本体部230は、大型役物232と、この大型役物232の背面側に配置される導光板(前側導光板234,後側導光板236)と、導光板を回転駆動させることが可能な回転駆動機構(前側導光板234を回転駆動させることが可能な前側導光板回転駆動機構2340,後側導光板236を回転駆動させることが可能な後側導光板回転駆動機構2360(いずれも後述の図19参照))と、前側導光板234および後側導光板236の両方をともに上下動させることが可能な導光板上下駆動機構239,270(いずれも後述の図23参照)とを備えている。
[2−2−1−1.大型役物]
大型役物232は、例えば「7」等の図柄を模した光透過性を有する部材であり、左右方向に延びる大型役物支持アーム238に取付固定されている。また、この大型役物232は、後述するとおり上側リアスクリーン2902(例えば、図29参照)の前方に進出することができる役物であるが、インパクトのある役物演出を行うことができるように、上側リアスクリーン2902のうち正面視で視認できる領域の大半を占める大きさとなっている。また、大型役物232は、重量感を醸し出すことができるように、周縁部(外周部)2322(後述の図15参照)の前後方向の厚みが後述する遊技パネル300の厚みよりも大きく構成されているものの、その内側は、前側導光板234を回転運動させる前側導光板回転駆動機構2340(後述の図15参照)などを収容できる収容空間2324(後述の図15参照)が形成されている。また、大型役物232の後方側の面は平坦な平面となっている。
図12〜図15(特に図15)に示されるように、前側導光板234は、大型役物232の正面視における形状と略相似形の板状部材であり、大型役物232の後方側の平面と対向するように配置されている。また、前側導光板234は、大型役物232の周縁部の略全周において当該周縁部から僅かに外側にはみ出る程度の大きさである。この前側導光板234は、詳細は後述するが、大型役物232の背面において、前側導光板回転駆動機構2340(例えば、図19参照)による回転運動と、導光板上下駆動機構239,270による上下運動との両方を行うことが可能に構成されている。これにより、正面視では、大型役物232の背面において、大型役物232と近接して対向するように配置された状態で、前側導光板回転駆動機構2340による回転運動と、導光板上下駆動機構239,270(例えば、図23参照)による上下運動とを合成した(組み合わせた)動きを視認することができる。
なお、図14は、大型役物支持アーム238に支持された大型役物本体部230の斜視図の一例であって、大型役物本体部230の前面側のカバー部材2382(例えば、図12参照)を取り外したときの斜視図の一例である。図15は、大型役物本体部230および大型役物支持アーム238の分解斜視図の一例である。
[2−2−1−2.導光板]
図16および図17を参照して、導光板(前側導光板234,後側導光板236)について説明する。図16は、後側導光板236にLED基板237が組み付けられた状態を示す斜視図である。図17は、後側導光板236からLED基板237を分離した状態を示す斜視図である。
なお、前側導光板234と後側導光板236とは、形状および大きさが略同じであるため、前側導光板234についての説明は省略し、後側導光板236についてのみ説明する。
後側導光板236は、前側導光板234と同様に、大型役物232の正面視における形状と略相似形の板状部材であり、後側導光板236と対向するように当該後側導光板236の後方に配置されている。また、後側導光板236は、大型役物232の周縁部の略全周において当該周縁部から僅かに外側にはみ出る程度の大きさである(例えば、図13参照)。この後側導光板236は、大型役物232の背面において、後述の後側導光板回転駆動機構2360による回転運動と、後述の導光板上下駆動機構239,270による上下運動との両方を行うことが可能に構成されている。これにより、正面視では、大型役物232の背面において、前側導光板234と近接して対向するように配置された状態で、後側導光板回転駆動機構2360による回転運動と、導光板上下駆動機構239,270による上下運動とを合成した動きを視認することができる。
なお、前側導光板234と後側導光板236とは、形状および大きさが略同じであるが、形状が多少異なっていてもよいし、少なくとも作動したときに視認できればいずれか一方が他方より大きくてもよい。
また、前側導光板234と後側導光板236とは、回転運動はそれぞれ別の駆動機構(前側導光板234が前側導光板回転駆動機構2340(例えば、図15参照)、後側導光板236が後側導光板回転駆動機構2360(例えば、図15参照)により行われるが、上下運動は、いずれも同じ駆動機構(導光板上下駆動機構239,270(例えば、図23参照)により行われる。
また、大型役物232の背面に配置される導光板は、必ずしも本実施形態のように2枚(前側導光板234,後側導光板236)である必要はなく、1枚であってもよいし、3枚以上であってもよい。
また、後側導光板236には開口部2361が形成されている。この開口部2361には、開口部2361の内側から後側導光板236の面に沿って光が透光されるように、LED基板237が嵌め込まれる。開口部2361に嵌め込まれたLED基板237は、表面側の押さえ板2375と裏面側の押さえ板2376とによって挟持される。
LED基板237には、当該LED基板237の外周に沿って複数のLED2372が設けられている。複数のLED2372は、図17に示される例では、LED基板237の外周全体に略等間隔で設けられている。後側導光板236の開口部2361にLED基板237が嵌め込まれた状態でLED2372が発光すると、開口部2361の内側全周から径方向の外側に向けて後側導光板236の面に沿って光が透光し、当該後側導光板236が面発光する。
なお、前側導光板234についても後側導光板236と同様に開口部が形成されており、図示しないが、この開口部には、開口部の内側から前側導光板234の面に沿って光が透光されるように、LED基板が嵌め込まれている。
また、LED基板237には開口部2374が形成されている。この開口部2374は、後側導光板回転駆動機構2360が挿通可能な大きさに形成されている。具体的には、開口部2374は、LED基板237(後側導光板236)が大型役物232に対して回転と上下動を組み合わせた所定の動きをしたときに、LED基板237と後側導光板回転駆動機構2360とが干渉しないような大きさとされている。前側導光板234の開口部に嵌め込まれるLED基板についても同様である。
[2−2−1−3.導光板回転駆動機構]
図18〜図21を参照して、導光板回転駆動機構(前側導光板回転駆動機構2340,後側導光板回転駆動機構2360)について説明する。図18は、後側導光板回転駆動機構2360および大型役物支持アーム238を、後方から見たときの分解斜視図の一例である。図19は、前側導光板回転駆動機構2340および後側導光板回転駆動機構2360を、前方からみたときの斜視図の一例である。図20は、大型役物本体部230を右側方から見た側面図の一例である。図21は、後側導光板236が回転方向における原点位置にあるときの大型役物本体部230の背面図である。
なお、前側導光板回転駆動機構2340と後側導光板回転駆動機構2360とは、駆動させる導光板の対象は異なるものの、構造および動作が略同じであるため、前側導光板回転駆動機構2340についての説明は省略し、後側導光板回転駆動機構2360についてのみ説明する。
後側導光板回転駆動機構2360は、後側導光板236を、大型役物232に対して回転運動させる機構である。
図18、図19および図21に示されるように、後側導光板回転駆動機構2360は、駆動機構取付板23601と、駆動モータ23602(図21参照)と、駆動モータ23602の回転力が伝達される駆動ギア23604と、この駆動ギア23604の回転力が伝達される各従動ギア(第1従動ギア23606、第2従動ギア23608、第3従動ギア23610、第4従動ギア23612、第5従動ギア23614、第6従動ギア23616)と、第2従動ギア23608の回転力が伝達されるリンク連結ギア23622と、リンク連結ギア23622と同軸で連結されるリンク部材23620と、第6従動ギア23616の回転力が伝達されるリンク連結ギア23632と、リンク連結ギア23632と同軸で連結されるリンク部材23630とを備えている。
駆動機構取付板23601は、後側導光板回転駆動機構2360を構成する各種部材を取り付けるための板状部材であり、大型役物支持アーム238に、導光板上下駆動機構239(例えば、後述の図24参照)を介して上下動可能に取り付けられている。導光板上下駆動機構239については後述する。なお、駆動機構取付板23601の左側の端部から左方には後述のガイド板2707が延設されており、駆動機構取付板23601の右側の端部から右方には後述のガイド板2397が延設されている。
駆動モータ23602(図21参照)は、例えばステッピングモータであり、駆動機構取付板23601の前面に固定されている。なお、図21においては、駆動機構取付板23601の前面側に取り付けられている部材を視認できるように、便宜上、駆動機構取付板23601の図示を省略している。
駆動ギア23604は、駆動モータ23602(図21参照)の出力軸に同軸で連結されたギアであり、駆動機構取付板23601の後面側に配置されている。
第1従動ギア23606は、駆動ギア23604と噛み合った状態で、駆動機構取付板23601の後面側に配置されている。第2従動ギア23608は、第1従動ギア23606と噛み合った状態で、駆動機構取付板23601の後面側に配置されている。第3従動ギア23610は、第2従動ギア23608と噛み合った状態で、駆動機構取付板23601の後面側に配置されている。第4従動ギア23612は、第3従動ギア23610と噛み合った状態で、駆動機構取付板23601の後面側に配置されている。第5従動ギア23614は、第4従動ギア23612と噛み合った状態で、駆動機構取付板23601の後面側に配置されている。第6従動ギア23616は、第5従動ギア23614と噛み合った状態で、駆動機構取付板23601の後面側に配置されている。
リンク連結ギア23622は、第2従動ギア23608と噛み合った状態で、駆動機構取付板23601の後面側に配置されている。
リンク部材23620は、正面視で後側導光板236の右方において、一方の端部がリンク連結ギア23622と同軸で連結され、他方の端部が後側導光板236の前面側に回転自在に取り付けられている。リンク部材23630は、正面視で後側導光板236の左方において、一方の端部がリンク連結ギア23632と同軸で連結され、他方の端部が後側導光板236の後面側に回転自在に取り付けられている。
リンク連結ギア23632は、第6従動ギア23616と噛み合った状態で、駆動機構取付板23601の後面側に配置されている。
リンク部材23630は、当該リンク部材23630の一方の端部がリンク連結ギア23632と同軸で連結された状態で、駆動機構取付板23601の前面側に配置されている。
なお、図19に示されるように、後側導光板回転駆動機構2360を構成する各種部材が取り付けられる駆動機構取付板23601と、前側導光板回転駆動機構2340を構成する各種部材が取り付けられる駆動機構取付板23401とは、所定のスペースを有して対面する態様で一体的に構成されている。
図15に示されるように、後側導光板236が取り付けられる駆動機構取付板23601と前側導光板234が取り付けられる駆動機構取付板23401との間の所定のスペースには、前側導光板回転駆動機構2340の駆動源である駆動モータ23402と、後側導光板回転駆動機構2360の駆動源である駆動モータ23602(図21参照)と、前側導光板234と、後側導光板236とが配置される。このとき、前側導光板234の駆動源である駆動モータ23402と、後側導光板236の駆動源である駆動モータ23602とが、左右方向に並べて、略同一平面上に配置されている。上記の所定のスペースに各駆動モータ23402,23602が配置された上で、駆動機構取付板23401と駆動機構取付板23601とが、導光板234,236(詳しくはLED基板)に形成された開口部2344,2374を貫通して取り付けられ、一体化される。なお、駆動機構取付板23401と前側導光板234とは、リンク部材23420,23440によって連結されており、駆動機構取付板23601と後側導光板236とは、リンク部材23620,23630(例えば、図19参照)によって連結されている。
このようにして、前側導光板回転駆動機構2340と、駆動機構取付板23401と、後側導光板回転駆動機構2360と、駆動機構取付板23601と、前側導光板234と、後側導光板236とが一体的に構成される。そして、このように一体的に構成された一部が大型役物232の収容空間2324に収容されるため、導光板回転駆動機構2340,2360によって占められる奥行き方向の大きさを抑制することができ、前側導光板234と後側導光板236とを近接させて、コンパクトにすることができる。
また、前側導光板回転駆動機構2340は、前側導光板234の前方側に配置されるとともに一部が上記の収容空間2324に収容される一方で、後側導光板回転駆動機構2360は、後側導光板236の後方側に配置される。すなわち、前側導光板234は、当該前側導光板234よりも前方側に配置される前側導光板回転駆動機構2340によって駆動される一方で、後側導光板236は、当該後側導光板236よりも後方側に配置される後側導光板回転駆動機構2360によって駆動される。しかも、前側導光板回転駆動機構2340の一部は収容空間2340に収容されている。したがって、大型役物232の後方側の平坦な面と前側導光板234とを近接対向させることができるとともに、前側導光板234と後側導光板236とを近接対向させた上で、大型役物232の後方において前側導光板234および後側導光板236を作動させることができる。
(後側導光板回転駆動機構による後側導光板の動作説明)
図21および図22を参照して、後側導光板回転駆動機構2360による後側導光板236の動きについて説明する。図22は、後側導光板236が回転運動により、回転方向における原点位置から移動した状態の大型役物本体部230の背面図である。
駆動モータ23602が回転すると、その回転に伴い、駆動ギア23604、第1従動ギア23606、第2従動ギア23608、第3従動ギア23610、第4従動ギア23612、第5従動ギア23614、第6従動ギア23616、リンク連結ギア23622、およびリンク連結ギア23632が回転する。リンク連結ギア23622が回転すると、このリンク連結ギア23622と同軸で連結されるリンク部材23620の一方の端部を回転中心としてリンク部材23620が回転する。また、リンク連結ギア23632が回転すると、このリンク連結ギア23632と同軸で連結されるリンク部材23630の一方の端部を回転中心としてリンク部材23630が回転する。駆動モータ23602が回転すると、リンク部材23620とリンク部材23630とが同期して回転し、後側導光板236を回転運動させることができる。
ここで、上述したとおり、大型役物232は大型役物支持アーム238に固定取付されている。また、図21では図示が省略されているが、後側導光板回転駆動機構2360が取り付けられる駆動機構取付板23601は、上述したように、大型役物支持アーム238に取り付けられている。したがって、駆動モータ23602の駆動によってリンク部材23620,23630が回転すると、例えば図22に示されるように、大型役物232(例えば、図121参照)に対して後側導光板236が回転運動することとなる。これにより、大型役物232を実際の大きさよりも大きく見せることができるとともに、大型役物232が大型役物支持アーム238に対して静止していたとしても、いかにも大型役物232が動いているかのように見せることができる。
なお、前側導光板回転駆動機構2340は、大型役物232に対して前側導光板234を回転運動させるものである。前側導光板回転駆動機構2340は、後側導光板回転駆動機構2360と同様の動作であるため、その動作説明を省略する。
また、前側導光板回転駆動機構2340による前側導光板234の動きについても、後側導光板回転駆動機構2360による後側導光板236の動きと同様であり、前側導光板回転駆動機構2340の駆動モータ23402が回転すると、その回転に伴い、各従動ギア、各リンク連結ギア、および各リンク部材が回転し、大型役物232に対して前側導光板234が回転運動することとなる。
ただし、本実施形態では、導光板(前側導光板234および後側導光板236)の駆動開始条件が成立すると(例えば、後述の演出空間700に大型役物本体部230を進出させることが決定されたときなど)、後述のサブCPU731は、前側導光板回転駆動機構2340の駆動を開始させるタイミングと、後側導光板回転駆動機構2360の駆動を開始させるタイミングとを異ならせて、それぞれの駆動を開始する。具体的には、サブCPU731は、先ずは前側導光板回転駆動機構2340の駆動を開始し、前側導光板回転駆動機構2340の駆動を開始してから所定時間が経過したのちに、後側導光板回転駆動機構2360の駆動を開始する。ここで、前側導光板回転駆動機構2340による前側導光板234の回転運動と、後側導光板回転駆動機構2360による後側導光板236の回転運動とが同じ態様で行われるため、前側導光板234の回転軌跡と後側導光板236の回転軌跡とは同じである。
また、駆動モータ23402と駆動モータ23602とは略同じ回転速度で回転するとともに、前側導光板回転駆動機構2340と後側導光板回転駆動機構2360とで減速比が同じである。そのため、前側導光板234と後側導光板236とは、所定の位相差をもって、後側導光板236が、近接して対向配置される前側導光板234を追いかけるように略同じ速度で回転運動することとなる。言い換えれば、前側導光板234と後側導光板236とが、所定の時間差をもって略同じ軌跡を描きつつ略同じ速度で回転運動することとなる。
なお、本実施形態では、前側導光板234と後側導光板236とが略同じ軌跡を描きつつ回転運動するが、必ずしもこれに限られず、前側導光板234と後側導光板236とが異なる軌跡を描くように回転運動してもよい。また、前側導光板234および後側導光板236の動きが回転運動に限定されるものでもない、さらには、前側導光板234と後側導光板236とが異なる軌跡を描くように作動するときには、前側導光板回転駆動機構2340の駆動を開始させるタイミングと、後側導光板回転駆動機構2360の駆動を開始させるタイミングとが略同じであってもよい。また、前側導光板回転駆動機構2340の駆動を開始させるタイミングと、後側導光板回転駆動機構2360の駆動を開始させるタイミングとを略同じとして回転速度を変えるようにしてもよい。
ところで、導光板234,236の上下運動は、いずれも、同じ駆動機構(導光板上下駆動機構239,270)によって行われる。しかも、上述したとおり、導光板234,236は、いずれも面発光するように構成されている。そのため、導光板234,236は、面発光しながら、所定の位相差をもって略同じ軌跡を描きつつ略同じ速度で回転する回転運動と、同じ速度で上下に移動する上下運動とを合成した動きを行う演出を行うこととなる。これにより、大型役物232を実際の大きさよりも大きく見せることができるだけでなく、厚みをコンパクトにしつつ、大型役物本体部230全体としてインパクトのある演出を行うことが可能となる。
[2−2−1−4.導光板上下駆動機構]
図23および図24を参照して、導光板上下駆動機構239,270について説明する。図23は、導光板234,236が上下方向における原点位置(最上端位置)にあるときの大型役物本体部230の背面図である。図24は、導光板234,236が、上下方向における最下端位置にあるときの大型役物本体部230の背面図である。なお、導光板上下駆動機構239,270は、図23および図24に示されるように大型役物支持アーム238に取り付けられているが、本来、図21および図22に示されるように、導光板上下駆動機構239,270の背面側にカバー部材(参照符号なし)が設けられている。しかし、図23および図24では、説明の便宜上、導光板上下駆動機構239,270を視認できるように、カバー部材の図示を省略している。
導光板上下駆動機構239は、導光板234,236を、背面視左方(図23における左方)において上下方向に往復作動させる機構である。導光板上下駆動機構270は、導光板234,236を、背面視右方(図23における右方)において上下方向に往復作動させる機構である。導光板上下駆動機構239と導光板上下駆動機構270とは、導光板234,236を、背面視左方において作動させるか背面視右方において作動させるかについて異なるものの構成および動作は略同じであるため、以下では、導光板上下駆動機構239について説明し、導光板上下駆動機構270の詳細については、説明を省略する。
導光板上下駆動機構239は、駆動モータ2392(例えば、図14参照)と、駆動ギア2393と、第1従動ギア2394と、第2従動ギア2395と、第3従動ギア2396と、ガイド板2397と、ガイド2398とを備えている。
図14に示されるように、駆動モータ2392は、ステッピングモータであり、大型役物支持アーム238において、大型役物232よりも右方の前面側に配置されている。
駆動ギア2393は、駆動モータ2392(例えば、図14参照)の出力軸に同軸で連結されたギアであり、駆動モータ2392が回転すると、この回転力が伝達される。
第1従動ギア2394は駆動ギア2393と噛み合った状態で配置されており、第2従動ギア2395は第1従動ギア2394と噛み合った状態で配置されており、第3従動ギア2396は第2従動ギア2395と噛み合った状態で配置されている。
なお、第3従動ギア2396には、径方向外側に延出するリンク部23960が形成されている。このリンク部23960の先端部には、ボス23961が設けられている。したがって、第3従動ギア2396が回転すると、第3従動ギア2396の中心を基点としてボス23961が周回する。
ガイド板2397は、上述したとおり、駆動機構取付板23601の右側の端部から右方に一体的に延設されている。ガイド板2397には、左右方向に延びる長穴23970が形成されている。この長穴23970内に、上述のボス23961が摺動自在に配置される。また、ガイド板2397には、ガイド2398を内挿するガイド孔2399(例えば、図18参照)が形成されている。
ガイド2398は、大型役物支持アーム238に設けられた上下方向に長い棒状部材であり、上述したとおり、ガイド孔2399に内挿されている。導光板上下駆動機構239の駆動によってガイド板2397が上下運動できるように、ガイド2398とガイド孔2399とは摺動自在となっている。
(導光板上下駆動機構の動作説明)
大型役物支持アーム238(すなわち大型役物232)に対する導光板234,236の上下運動は、導光板上下駆動機構239と導光板上下駆動機構270とが同期して駆動することで実現できる。ただし、導光板上下駆動機構239の動作と導光板上下駆動機構270の動作とは略同じであるため、ここでは、導光板上下駆動機構239の動作について説明し、導光板上下駆動機構270の動作説明は省略する。
駆動モータ2392(例えば、図14参照)が回転すると、その回転に伴い、第1従動ギア2394、第2従動ギア2395、第3従動ギア2396が回転する。そして、第3従動ギア2396の回転に伴い、リンク部23960の先端部に設けられているボス23961が、第3従動ギア2396の回転中心を基点として周回するとともに、長穴23970内を摺動する。この摺動に伴い、ガイド板2397を上下方向に移動させる力が作用し、ガイド孔2399がガイド2398に対して摺動することで、ガイド板2397が上下方向に作動する。ここで、上述したとおり、前側導光板回転駆動機構2340と、駆動機構取付板23401と、後側導光板回転駆動機構2360と、駆動機構取付板23601と、前側導光板234と、後側導光板236とが、一体的に構成されている。そのため、駆動機構取付板23601と一体的に構成されるガイド板2397が上下方向に作動すると、ガイド板2397と、駆動機構取付板23601と、前側導光板回転駆動機構2340と、駆動機構取付板23401と、後側導光板回転駆動機構2360と、前側導光板234と、後側導光板236とが、一体として上下方向に作動されることとなる。
上述したとおり、導光板上下駆動機構270は導光板上下駆動機構239と同期して作動するため、導光板上下駆動機構239と導光板上下駆動機構270との駆動によって、前側導光板234および後側導光板236を、大型役物支持アーム238に対して上下方向に往復移動させることができる。なお、大型役物232は大型役物支持アーム238に取付固定されているので、導光板上下駆動機構239および導光板上下駆動機構270によって前側導光板234および後側導光板236が上下方向に移動すると、この前側導光板234および後側導光板236は、図25に示されるように、大型役物232に対して上下方向に移動することとなる。図25は、大型役物本体部230の正面図であって、大型役物232に対して導光板234,236が作動した態様を示す図である。
[2−2−2.大型役物駆動機構]
図26を参照して、大型役物駆動機構(大型役物左駆動機構240,大型役物右駆動機構260)について説明する。図26は、大型役物左駆動機構240の分解斜視図である。
なお、大型役物左駆動機構240と大型役物右駆動機構260とは、大型役物支持アーム238を左方において支持するか右方で支持するかといった点で異なるものの、構造および動作が略同じであるため、大型役物右駆動機構260についての説明は省略し、大型役物左駆動機構240についてのみ説明する。
大型役物左駆動機構240は、当該大型役物左駆動機構240を構成する各種部材が取り付けられる左駆動機構取付ベース部材241と、駆動源としての駆動モータ242と、駆動モータ242の出力軸と同軸で連結されて駆動モータ242の回転力が伝達される駆動ギア243と、駆動ギア243の回転力が伝達されるボールねじ245と、ボールねじ245が回転すると上下方向に移動するとともに大型役物支持アーム238(例えば、図25参照)を下方から支える台座252と、ボールねじ245と略平行に上下方向に延びて上下方向への台座252の移動を案内する棒状のガイド246と、台座252からの大型役物支持アーム238の落下を防止するアーム支持ガイド247と、アーム支持ガイド247を支持するアーム支持溝部材254と、ガイド246を支持するガイド支持部248と、大型役物支持アーム238を下方から保持するロック機構250と、ロック機構250を支持するロック機構支持部249とを備えている。
[2−2−2−1.駆動機構取付ベース部材等の各種部材]
図26に示されるように、左駆動機構取付ベース部材241は、上下方向に沿って延びる長方形状の部材であって、本体枠部210の左縦枠2122の上側部分の切り欠かれた領域(例えば、図9参照)に取り付けられる。
駆動モータ242は、例えばステッピングモータである。駆動ギア243は、駆動モータ242の出力軸に同軸で連結されたギアである。従動ギア(不図示)は、駆動モータ242と噛み合うギアである。
ボールねじ245は、従動ギア(不図示)と連結されて回転するものである。ボールねじ245は、雄ねじ部材2450と雌ねじ部材2451とが螺合することにより構成される。雌ねじ部材2451は、雄ねじ部材2450の回転に伴い、上下方向に移動する。
雌ねじ部材2451には、大型役物支持アーム238を載置可能な台座252が取付固定されている。この台座252には、弾力性のある緩衝部材256(例えば、図10または図11参照)を介して、上方向に固定されずに自由度を保ちつつ、大型役物支持アーム238が載置されている。したがって、雌ねじ部材2451が上下方向に移動すると、これに伴って、大型役物支持アーム238を介して大型役物本体部230が上下方向に移動する。
ガイド支持部248は、左駆動機構取付ベース部材241に固定される。ガイド支持部248は、ガイド246を支持するとともに、雄ねじ部材2450を回転自在に支持する。また、ロック機構支持部249は、ガイド支持部248を介して左駆動機構取付ベース部材241に固定される。
アーム支持ガイド247は、大型役物支持アーム238(例えば、図11参照)に設けられたアーム支持溝部材254に形成されるガイド孔に摺動自在に挿通される。アーム支持溝部材254に形成されるガイド孔にアーム支持ガイド247が挿通されることにより、大型役物支持アーム238の前後方向の移動が規制される。これにより、大型役物支持アーム238が台座252から脱落することが防止される。
ガイド246は、雌ねじ部材2451に形成されたガイド孔に摺動自在に挿通される。ガイド246は、雌ねじ部材2451の上下方向の移動をガイドする。
ここで、大型役物支持アーム238(例えば、図10参照)は、上述したとおり、前後方向には上述のアーム支持ガイド247によって支持されているものの、上下方向には例えばビス等によって固定されているわけではなく台座252に載置されているだけなので、上方向の自由度が大きい。本実施形態では、上述したとおり、大型役物本体部230(より詳しくは大型役物支持アーム238)が大型役物左駆動機構240および大型役物右駆動機構260によって両持ちで支持されているため、大型役物左駆動機構240による昇降速度と大型役物右駆動機構260による昇降速度とが一致しなければ、スムーズな昇降ができないだけでなく、場合によっては昇降できないといった事態も生じうる。とくに、本実施形態の大型役物本体部230は大型で重量物であるため、その傾向が顕著である。大型役物左駆動機構240による昇降速度と大型役物右駆動機構260による昇降速度との不一致は、例えば異物の噛み込み等、些細な事が原因となって生じうる。この点、本実施形態の遊技機1によれば、上方向における自由度が大きくなるように、大型役物支持アーム238が左方および右方において上方向に固定されないよう台座252に載置されている。そのため、大型役物左駆動機構240による昇降速度と大型役物右駆動機構260による昇降速度とが必ずしも一致していなくても、スムーズな昇降を、極力、維持することが可能となる。その結果、大型役物本体部230の大型化を図ることができ、大きなインパクトを与えることができる役物演出を実行することが可能となる。
なお、本実施形態では、大型役物支持アーム238が左方および右方の両方において上方向に固定されないよう台座252に載置されているが、必ずしもこれに限られず、上方向への自由度が大きいのが左方および右方のうちいずれか一方のみであったとしても、ある程度の範囲までであれば、スムーズな昇降を維持することができる。
また、本実施形態では、台座252に大型役物支持アーム238が載置されている(すなわち、大型役物支持アーム238が台座252によって下方から支持されている)が、これに代えて、大型役物支持アーム238が吊られるようにして上方で支持されるようにし、下方向における自由度が大きくなるようにしてもよい。
また、本実施形態の大型役物支持アーム238(例えば、図10参照)は、上述したとおり、上下方向には台座252に載置されているだけであるから、大型役物支持アーム238の昇降時に、大型役物支持アーム238の安定性に欠けるおそれがある。すなわち、大型役物支持アーム238の昇降時に、ガイド246と雌ねじ部材に形成されたガイド孔との間でスムーズに摺動しなかったり、アーム支持ガイド247とアーム支持溝部材254に形成されるガイド孔との間でスムーズに摺動しなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、大型役物支持アーム238の昇降時の不安定さを抑制すべく、大型役物支持アーム238に対して左側で張力を付与する張力付与部材258と、大型役物支持アーム238に対して右側で張力を付与する張力付与部材278(例えば、図10参照)とを備えている。なお、張力付与部材258と張力付与部材278とは、左右方向で取付部位が異なるものの、構成および作用については同様であるから、以下、張力付与部材258について説明し、張力付与部材278についての説明は省略する。
張力付与部材258は、軸心を回転中心として回転できる回転部材(不図示)と、この回転部材の軸心に一端が固定して取り付けられる金属製のリボン状部材(不図示)と、このリボン状部材が軸心を中心とするコイル状に巻かれるように回転部材に対して付勢力を与える付勢部材(不図示)とを有する。リボン状部材の他端は大型役物支持アーム238に取り付けられている。
張力付与部材258は、正面視で上下方向に回転するように、ロック機構支持部249に取付固定されている。ロック機構支持部249は、上述したとおり、ガイド支持部248を介して左駆動機構取付ベース部材241に固定されているため、張力付与部材258も左駆動機構取付ベース部材241に固定されることとなる。大型役物支持アーム238が昇降するとき、大型役物支持アーム238は左駆動機構取付ベース部材241に対して相対的に移動するため、大型役物支持アーム238が下方に移動すると、張力付与部材258によって逆方向(上方向)にテンションが作用する。同様に、張力付与部材278によっても逆方向にテンションが作用するため、大型役物支持アーム238の昇降時における大型役物支持アーム238の不安定さを抑制でき、大型役物支持アーム238のスムーズな昇降を可能ならしめることができる。
また、張力付与部材258,278は、大型役物支持アーム238に対して上方向の力を作用するため、大型役物支持アーム238を上方向に移動させるときに、当該上方向への移動を補助する機能も有する。これにより、より一層。上方向への大型役物支持アーム238のスムーズな移動を可能ならしめることができる。
[2−2−2−2.ロック機構]
図27および図28を参照して、ロック機構250の構成および動作について説明する。なお、図27は、本発明の一実施形態におけるロック機構およびその支持構造を示す斜視図の一例であり、大型役物支持アーム238を下方から保持する保持状態の一例を示す図である。図28は、本発明の一実施形態におけるロック機構およびその支持構造を示す斜視図であり、大型役物支持アーム238を下方から保持する保持状態が解除された解除状態の一例を示す図である。
ロック機構250は、ロック機構支持部249およびガイド支持部248(例えば、いずれも図26参照)を介して、左駆動機構取付ベース部材241(例えば、図26参照)に取付固定される。
図27に示されるように、ロック機構250は、大型役物支持アーム238を介して大型役物本体部230を下方から抱え込むことで、当該大型役物本体部230を上方において保持する保持状態に維持することができる。
また、図28に示されるように、ロック機構250は、上記の保持態様が解除されると、大型役物本体部230が下方に移動したときに当該大型役物本体部230と干渉しないように、大型役物本体部230の下方向への移動軌跡(軌道)から退避する。このとき、大型役物支持アーム238の下面に対してスライド移動して退避するのではなく、回転運動により退避するように構成されている。
詳述すると、ロック機構250は、ロック機構取付ベース部材2502(例えば、図26参照)と、ロック用モータ2504(例えば、図26参照)と、ロック用駆動ギア2506と、ロック用従動ギア2508と、ピン25082と、円筒ころ2510と、スライダ2512と、ストッパ2514と、ストッパ支持軸2516とを備えている。
ロック機構取付ベース部材2502は、ロック機構支持部249(例えば、図26参照)に固定される。ロック用モータ2504(例えば、図26参照)は、ステッピングモータであり、ロック機構取付ベース部材2502に固定される。ロック用駆動ギア2506は、ロック用モータ2504の出力軸に同軸で連結されたギアである。ロック用従動ギア2508は、ロック用駆動ギア2506と噛み合うギアである。
ピン25082は、ロック用従動ギア2508に突出形成された円柱状のものである。円筒ころ2510は、ピン25082の外周を覆うように設けられ、ピン25802の外周面で回転自在に設けられた部材である。
スライダ2512は、ロック用モータ2504からの回転力を上下方向への力に変換し、ストッパ2514に伝達するものである。
スライダ2512は、ピン25082が挿通されるピン挿通孔25122と、ロック用ラック25124とを備えている。
ストッパ2514は、略L字状に屈曲した部材である。ストッパ2514の一方の端部には、支持孔25142が形成され、当該支持孔25142にはストッパ支持軸2516が挿通されている。ストッパ2514は、ストッパ支持軸2516を介して、ロック機構取付ベース部材2502に回転可能に取り付けられている。また、ストッパ2514の上記一方の端部には、ロック用ピニオン25144が形成されている。当該ロック用ピニオン25144は、スライダ2512のロック用ラック25124と互いに噛み合っている。
(ロック機構の動作説明)
ロック機構250の動作について説明する。ロック用モータ2504(例えば、図26参照)を回転させると、その回転に伴い、ロック用駆動ギア2506が回転し、さらにロック用従動ギア2508が回転する。ロック用従動ギア2508の回転に伴い、ピン25082が回動する。ピン25082が回動すると、その回動に伴い、ピン25082がスライダ2512のピン挿通孔25122内を摺動し、スライダ2512が上下方向に移動する。スライダ2512が上下方向に移動すると、ストッパ2514が回動する。この回動により、スライダ2512は、大型役物支持アーム238を下方から保持する保持状態(例えば、図27参照)と、大型役物支持アーム238の保持状態が解除された解除状態(例えば、図28参照)との2つの状態を選択的に採ることができる。
このように、大型役物支持アーム238を下方から保持できるようにすることで、大型役物支持アーム238(大型役物232)の大型化によって重量が大きくなったとしても、大型役物支持アーム238が重力作用で自然落下してしまうことを防止できるため、大型化された大型役物232により、大きなインパクトを与える役物演出を実行することが可能となる。
ところで、大型役物支持アーム238を下方から支えて保持する場合、かかる保持を、大型役物本体部230(大型役物支持アーム238)の下面に対してロック機構250をスライド(摺動)させて解除しようとすると、大型役物本体部230の重みによって相当の力を要する。この点、本実施形態によれば、スライドさせることなくロック機構250の回転運動によって保持態様と解除状態とを切り替えることができるので、大きな力を左程必要とすることなく、大型役物本体部230の下面に対してロック機構250を保持態様から解除状態に切り替えることができる。
[2−3.リアスクリーンユニット]
図29を参照して、リアスクリーンユニット290の構成について説明する。図29は、本発明の一実施形態におけるリアスクリーンユニットを示す斜視図である。
リアスクリーンユニット290は、上側リアスクリーン2902と、下側リアスクリーン2904と、中間リアスクリーン2906とを備えている。
上述したとおり、上側リアスクリーン2902には、第1リアプロジェクタ122(例えば、図3参照)から前方に向けて投射された映像光により、映像が投影される。下側リアスクリーン2904には、リアミラー126(例えば、図3参照)で反射されるものの、第2リアプロジェクタ124(例えば、図3参照)から投射された映像光により、映像が投影される。中間リアスクリーン2906には、第1リアプロジェクタ122から前方に向けて投射された映像光と、第2リアプロジェクタ124から投射された映像光との両方により、映像が投影される。第1リアプロジェクタ122から前方に向けて投射された映像光および第2リアプロジェクタ124から前方に向けて投射された映像光には、反射部材(例えばミラー)で反射された映像も含む。
このように、リアスクリーンユニット290は、複数のリアプロジェクタ(第1リアプロジェクタ122、第2リアプロジェクタ124(いずれも、例えば図3参照))から投射された映像光により映像が投影されるため、リアスクリーンユニット290とリアプロジェクタとの距離を最小限に抑えつつ、鮮明な映像が広域にわたってリアスクリーンユニット290に投影させることが可能となる。
なお、中間リアスクリーン2906には、第1リアプロジェクタ122から前方に向けて投射された映像光のみにより映像が投影されるようにしてもよいし、第2リアプロジェクタ124から投射された映像光のみにおり映像が投影されるようにしてもよい。
また、リアスクリーンユニット290に向けて映像光を投射するプロジェクタの数は、リアスクリーンユニット290とリアプロジェクタとの距離を必要以上に大きくすることなく鮮明な映像を広域に投影させることができれば1つであってもよいし、設置スペース及びコスト面で問題がなければ3つ以上としてもよい。
上側リアスクリーン2902、下側リアスクリーン2904および中間リアスクリーン2906は、各々、例えば略長方形状に形成されている。そして、上側リアスクリーン2902および下側リアスクリーン2904は、互いに前後方向にずれて略鉛直方向に沿って配置されている。より具体的には、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904とは、正面視で重ならないように、下側リアスクリーン2904よりも上側リアスクリーン2902の方が後方側に位置するように配置されている。これにより、上側リアスクリーン2902の前方(下側リアスクリーン2904の上方)に空間を形成させつつ、上側リアスクリーン2902に投影される映像と下側リアスクリーン2904に投影される映像との両方を正面視で見ることができる。
上側リアスクリーン2902の前方(下側リアスクリーン2904の上方)に形成された空間は、種々の演出が行われる演出空間700(例えば、後述の図47参照)として用いることができる。本実施形態では、上述した重量感のある大型役物本体部230(例えば、図8参照)を、上方(例えば、後述の飾り役物560の後方位置)に保持しておき、後述の内部抽選の結果にもとづいて、後述のサブCPU731(例えば、図48参照)による制御により大型役物左駆動機構240および大型役物右駆動機構260(例えば、図10参照)を駆動させて、大型役物本体部230(例えば、図10参照)を上記の空間に進出させるようにしている。
また、中間リアスクリーン2906は、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904との間の隙間を埋めるように配置されている。具体的には、図30に示されるように、上側リアスクリーン2902の下辺と中間リアスクリーン2906の上辺とが、例えば透明な連結部材2908によって接続され、下側リアスクリーン2904の上辺と中間リアスクリーン2906の下辺とが接続されている。図30は、リアスクリーンユニット290を縦方向に切った断面を後方からみた斜視図の一例である。下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906とは、上記の連結部材2908を用いずに互いの端面同士が接合されているが、これに限られず、下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906とについても、上記の透明な連結部材2908と同様の部材で接続するようにしてもよい。
中間リアスクリーン2906は、前方から後方に向けての上り傾斜となっている。そのため、中間リアスクリーン2906に投影される映像についても正面視で視認できる。このように、リアスクリーンユニット290は、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906とによって一の面が形成され、連続性のある映像を投影可能な一つの被投影領域として機能させつつも、奥行き感のある映像を投影することが可能となる。
このように、リアスクリーンユニット290は、上側リアスクリーン2902の前方(下側リアスクリーン2904の上方)を演出空間700(例えば、後述の図47参照)として機能させつつ、連続性のある映像を広域な演出領域に投影させることができ、これまでにない新たな演出を実行することが可能となる。
なお、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904とを前後方向にずらしたとしても、中間リアスクリーン2906は、必ずしも必須の構成ではない。例えば、正面視で上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904との間に隙間が生じないようにしつつ互いに前後方向にずらして配置すれば、リアスクリーンユニット290に連続性のある映像が投影されたとしても、遊技者は、かかる連続性のある映像を見ることができる。ただし、リアスクリーンユニット290を見る角度によっては上記隙間が見えて連続性のある映像に見えなくなる可能性があるため、中間リアスクリーン2906によって隙間が埋められている方が好ましい。
また、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904とを前後方向にずらしたとしても、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904とのうちのいずれか一方のスクリーンを湾曲させて、他方のスクリーンと接続させるようにすれば、中間リアスクリーン2906を用いることなく、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904との間に隙間が発生することを防止できる。
また、本実施形態では、下側リアスクリーン2904よりも上側リアスクリーン2902を後方側に位置するように配置しているが、これに限られない。例えば、上側リアスクリーン2902を下側リアスクリーン2904よりも前方に位置するように配置して、下側リアスクリーン2904の前方(上側リアスクリーン2902の下方)に演出空間が作られるようにしてもよい。また、スクリーンを上下に分割するのではなく左右に分割して、左側リアスクリーンと右側スクリーンとのうちいずれか一方のスクリーンを他方のスクリーンよりも後方に配置して、当該一方のスクリーンの前方(他方のスクリーンの横方)に演出空間が作られるようにしてもよい。
また、リアスクリーンユニット290は、上側リアスクリーン2902、下側リアスクリーン2904および中間リアスクリーン2906といった複数の部材で構成されているが、屈曲または湾曲させることができる部材を用いて1枚の部材で構成するようにしてもよい。
[2−4.遊技パネル]
図31を参照して、遊技パネル300の構成について説明する。図31は、本発明の一実施形態における遊技パネル300を示す斜視図である。
遊技パネル300は、下側リアスクリーン2904(例えば、図29参照)の前方に配置されている。したがって、上述の演出空間700(例えば、後述の図47参照)は、遊技パネル300の上方に位置することとなる。
本実施形態における遊技パネル300は、矩形状の透明部材で構成されており、後述の発射ハンドル588(例えば、図32参照)から発射された遊技媒体としての遊技球が流下可能に構成された略円形の遊技領域320を有している。この遊技領域320は、レール310によって区画形成されている。また、遊技領域320には、各種役物(例えばセンター役物)や各種受入口(例えば、始動口,大入賞口,通過ゲート)が設けられているとともに、誘導釘が植設されている。遊技領域320の略中央部には、図柄演出領域330を有する。すなわち、図柄演出領域330に対応する位置の下側リアスクリーン2904(例えば、図29参照)に図柄演出が投影されることで、図柄演出領域330において図柄演出が行われる。
なお、遊技領域320に設けられるレールを含む各種役物や各種受入口は、遊技パネル300の後方に配置される下側リアスクリーン2904(例えば、図29参照)に投影される映像を視認できるように、無色透明部材で構成されていることが好ましい。そして、下側リアスクリーン2904に投影される映像よりも遊技領域320での遊技に注視させたいときには、サブCPU(例えば、図48参照)による制御によって、無色透明の各種役物や各種受入口に対応する位置に、かかる各種役物や各種受入口に沿って例えば色付けされた映像を投影することで、各種役物や各種受入口を視認しやすくするとよい。これにより、遊技領域320における遊技よりも下側リアスクリーン2904に投影される演出の方が重要性が高いときには、各種役物や各種受入口の存在感を消すことができる映像を投影し、下側リアスクリーン2904に投影される演出よりも遊技領域320における遊技の方が重要性が高いときには、各種役物や各種受入口の存在感を出すことができる映像を投影するとよい。
なお、遊技領域320に設けられるレール310を含む各種役物や各種受入口は、一般的なパチンコ機の遊技領域に設けられる各種役物や各種受入口と大きく変わらないため、図示を省略する。始動口に遊技球が入賞したことに基づいて内部抽選が行われて遊技が進行する制御については、後述する。
ここで、本実施形態の遊技パネル300と下側リアスクリーン2904との位置関係について、図29および図31を参照して説明する。遊技パネル300は、上辺に沿った周縁部が、下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906との接続部(すなわち、下側リアスクリーン2904の上辺(中間リアスクリーン2906の下辺))と正面視で略一致している。これにより、下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906との境界(接続部)を遊技者から視認し難くすることができる。ただし、遊技パネル300の上辺に沿った周縁部と、上記の接続部(下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906との接続部)とが正面視で略同一直線上であるか否かは、正面から見る角度によっても変わる。そのため、遊技者が遊技機1に向かって着座した状態で、遊技者視線で、遊技パネル300の上辺に沿った周縁部と、上記の接続部とが略同一直線上となるように構成されていることが好ましい。例えば、遊技者が遊技機に向かって着座した状態で、遊技パネル300の上辺を視る遊技者視線(遊技者の目と遊技パネル300の上辺とを結ぶ線)が略水平となる場合であれば、遊技パネル300の上辺に沿った周縁部と上記の接続部とが略水平方向に略同一直線上であれば良い。
なお、遊技パネル300は、上辺に沿った周縁部を、上側リアスクリーン2902と中間リアスクリーン2906との接続部(すなわち、上側リアスクリーン2902の下辺(中間リアスクリーン2906の上辺))と正面視で略一致させるようにしてもよい。
また、遊技パネル300は、下側リアスクリーン2904(例えば、図29参照)の前方に配置することに代えて、上側リアスクリーン2902の前方に配置するようにしてもよい。この場合、遊技パネル300の下辺に沿った周縁部を、上側リアスクリーン2902と中間リアスクリーン2906との接続部(すなわち、上側リアスクリーン2902の下辺(中間リアスクリーン2906の上辺))と正面視で略一致させるか、下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906との接続部(すなわち、中間リアスクリーン2906の下辺(下側リアスクリーン2904の上辺))と正面視で略一致させるようにすることが好ましい。
なお、本実施形態の遊技パネル300は、透明の例えば樹脂部材で構成されているため、下側リアスクリーン2904に投影される映像を、遊技パネル300をとおして正面視で視認することができる。したがって、遊技者は、遊技領域320を流下する遊技球と、遊技パネル300の後方に位置する下側リアスクリーン2904も含めてリアスクリーンユニット290に投影される映像と、上側リアスクリーン2902の前方(遊技パネル300および下側リアスクリーン2904の上方)の演出空間700(例えば、後述の図47参照)での例えば大型役物本体部230による可動演出の全部を、正面視で視認できるようにしたこれまでにない新たな遊技機を提供することができる。
レール310は、環状に形成された外側レール312と、当該外側レール312の内側で外側レール312に沿って配置される内側レール314とを備えている。後述の発射ハンドル588(例えば、図32参照)が操作されると、遊技球は、図外の発射装置によって発射され、外側レール312と内側レール314との間を通過して、遊技領域320内に打ち込まれる。このようにして遊技領域320に向けて打ち込まれた遊技球が遊技領域320に配置された始動口に入賞すると、後述の内部抽選が行われる。この内部抽選の結果にもとづく図柄演出が上記の図柄演出領域330に対応する下側リアスクリーン2904に投影されるように、リア投影装置120から下側リアスクリーン2904(例えば、図29参照)に向けて映像光が投射される。
[3.前扉ユニット]
図32および図33を参照して、前扉ユニット500の構成について説明する。図32は、本発明の一実施形態における前扉ユニット500を斜め前方から見た状態を示す斜視図である。図33は、本発明の一実施形態における前扉ユニット500を斜め後方から見た状態を示す斜視図である。
前扉ユニット500は、フロントスクリーンユニット510と、各種部材(遊技領域区画ガラス520,スペーサ522,保持枠540)と、前飾り枠550とを備えている。
[3−1.フロントスクリーンユニット]
図34〜図36を参照して、フロントスクリーンユニット510の構成について説明する。図34は、本発明の一実施形態における前扉ユニット500の構成要素の一部を示す分解斜視図である。図35は、本発明の一実施形態におけるフロントスクリーン512を示す斜視図である。図36は、本発明の一実施形態におけるフロントスクリーンユニット510の断面図である。
図34に示されるように、フロントスクリーンユニット510は、フロントスクリーン512と、フロントスクリーン押さえ板514とを備えている。フロントスクリーン512は、前方から後方に向けて映像光が投射されると、当該投射された映像光により映像が投影される被投影部材として機能するとともに、フロントスクリーン512の後方をも視認することができる光透過性の被投影部材である。
なお、本実施形態では、後述のフロント投影装置600(例えば、図39参照)から投射された映像光により、演出としての映像をフロントスクリーン512に投影可能となっている。
ただし、後方を透過して視認できるもの(例えば、透過液晶等)であれば、必ずしも、プロジェクタから投射された映像光により映像が投影されるものに限定されない。
また、フロントスクリーン512の後方には遊技パネル300(例えば、図31参照)および下側リアスクリーン2904(例えば、図29参照)が配置されるが、フロントスクリーン512は上述したように光透過性の被投影部材である。したがって、遊技者は、フロントスクリーン512に投影される演出のみならず、遊技パネル300の遊技領域320を流下する遊技球や、下側リアスクリーン2904に投影される演出についても同時に視認することができる。
図35および図36に示されるように、フロントスクリーン512は、フロントパネル5122の表側の面の略全領域に網状シート5124が貼り付けられたものであり、これにより、光透過性の被投影部材として機能する。
なお、フロントパネル5122に網状シート5124を貼り付ける領域は、略全領域に限られず、フロント投影装置600(例えば、図39参照)から投射された映像光により映像を投影させたい領域に貼り付ければよい。網状シート5124が貼り付けられたフロントパネル5122における領域が、フロント投影装置600から投射された映像光により映像が投影される投影領域となる。
また、フロントパネル5122に網状シート5124を貼り付ける側の面は、表側の面に限らず、裏側の面であってもよい。
フロントパネル5122は、透明な板状の部材であればその材質は特に限定されるものではなく、例えば、ガラス板、合成樹脂板(例えば、ポリカーボネート板、アクリル板)などを挙げることができる。
網状シート5124は、微小な網目(網と網との間の隙間)を有するシートであって、網で光を反射し、網目から光を通過させることができるシートである。網状シート5124としては、例えば、網戸に使用される網状シート(例えば、アミッドシート)を挙げることができる。この網状シートは、光を反射させる網の領域と、光を通過させる網目との比率を変えることで、光の透過率を変えることができる。
本実施形態の遊技機1では、フロントスクリーン512の上方領域での光の透過率が最も高く、下方領域に向けて光の透過率が徐々に低くなるように構成されている。すなわち、フロントスクリーン512に投影される映像の鮮明度(濃淡度)は、上方領域で最も高く、下方領域に向かうにつれて階調的に低くなっていくグラデーションとしてあらわれる。すなわち、フロントスクリーン512に投影される映像は、遊技者の視線に近い上方領域で鮮明にあらわれ、遊技パネル300が配置される下方領域では鮮明度が落ちる。したがって、フロントスクリーン512に投影される映像を視認しつつ、遊技パネル300の遊技領域320(例えば、図31参照)を流下する遊技球や、下側リアスクリーン2904に投影される影像(例えば、後述の液晶表示領域を模した映像や、後述の内部抽選の結果に基づく図柄の変動演出の映像)についても視認することができ、これまでにない演出を実行することが可能となる。
フロントスクリーン押さえ部材514は、フロントスクリーン512を嵌め込むことができる枠状の部材であり、フロントスクリーン512を嵌め込んだ状態で、前扉ユニット500の保持枠540に保持される。
なお、フロントパネル5122に貼り付けられるシートは、網状シート5124に代えて、複数の微小なドット状の遮光部材が微小な間隔で面状に並べられたシート(以下、「ドット状シート」と称する)を採用してもよい。ドット状シートは、当該ドット状シートに向けて光を投射すると、ドット状の遮光部材では光が反射し、遮光部材同士の隙間からは光を通過させることができるものである。このドット状シートは、光を反射させる領域と、光を通過させる領域との比率を変えることで、光の透過率を変えることができる。
また、本実施形態では、網状シート5124またはドット状シートをフロントパネル5122に貼り付けたものを光透過性の被投影部材として用いているが、フロントスクリーン512に投影される映像と、このフロントスクリーン512の後方で行われる演出(例えば、リアスクリーンユニット290に投影される映像、大型役物232による役物演出、遊技球が流下する遊技領域320など)とを正面から視認することができれば、必ずしも、網状シート5124またはドット状シートをフロントパネル5122に貼り付ける必要はない。例えば、網状シート5124またはドット状シートを、投射された映像光を投影させることができるように支持することができれば、フロントパネル5122に貼り付けなくとも、支持された網状シート5124またはドット状シートを光透過性の被投影部材として機能させることができる。また、フロントパネル5122に網状シート5124またはドット状シートを貼り付けることに限定されるものではなく、例えば、フロントパネル5122の表面に網状またはドット状が形成されるように、フロントパネル5122を直接加工するようにしてもよい。さらには、フロントパネル5122の表面の形状を網状またはドット状とすることに限られず、フロントパネル5122の透明度を低下させるスモーク処理を行うものであっても、光透過性の被投影部材として機能させることができる。
このように、本実施形態の遊技機1では、遊技パネル300の遊技領域320を流下する遊技球と、各種演出(フロントパネル5122に投影される表示演出、リアスクリーンユニット290に投影される表示演出、および、上側リアスクリーン2902の前方(下側リアスクリーン2904および遊技パネル300の上方)の演出空間700(例えば、後述の図47参照)において行われる役物演出)のうち実行されている演出とを、正面視で同時に視認することができるといった、これまでにない新たな遊技機を提供することができる。
また、本実施形態では、フロントパネル5122に投影される映像と、上側リアスクリーン2902に投影される映像との間に、大型役物本体部230が進出するといった、これまでにない新たな役物演出を実行することが可能となる。
[3−2.前扉ユニットの各種部材]
図34を参照して、上述の前扉ユニット500の各種部材(遊技領域区画ガラス520,スペーサ522,保持枠540)について説明する。図34は、上記の各種部材(遊技領域区画ガラス520,スペーサ522,保持枠540)およびフロントスクリーンユニット510の分解斜視図の一例である。
遊技領域区画ガラス520は、遊技パネル300(例えば、図7参照)の前面に配置される部材であり、遊技領域320(例えば、図31参照)を外部空間との間で区画する部材である。遊技領域区画ガラス520は、透明な板状部材(例えば、ガラス板または樹脂部材)で構成される。
スペーサ522は、遊技領域区画ガラス520と遊技パネル300(例えば、図7参照)との間に介設され、遊技領域区画ガラス520と遊技パネル300との間の遊技領域320(例えば、図31参照)に遊技球が流下できるよう一定空間を確保する部材である。スペーサ522は、上部が開放されたコ字形に形成されている。
保持枠540は、フロントスクリーンユニット510、遊技領域区画ガラス520およびスペーサ522を保持する枠状の部材である。保持枠540の後面側には、これらの部材を収容する凹部が形成されている。また、保持枠540には、開口窓5402が形成されている。この開口窓5402を通じて、遊技者は、フロントスクリーンユニット510に投影された映像を見ることができる。なお、前飾り枠550にも開口窓5402に対応する開口窓が形成されており、この前飾り枠550に形成された開口窓と、保持枠540に形成された開口窓5402とにより、前扉ユニット500の開口窓5002(例えば、図32参照)が構成される。
また、保持枠540の背面側には、本体枠212(例えば、図8参照)の左側の上下それぞれの端部に設けられた取付金具214(例えば、図8参照)に対応する位置に、金具542(例えば、図33参照)が設けられている。この金具542は、保持枠540と本体枠212との間に介設され、取付金具214と係合させることで、保持枠540が本体枠212に取り付けられるヒンジ部材である。前扉ユニット500(保持枠540)は、取付金具214および金具542を介して、本体枠212に対して回動させることができる。
[3−3.前飾り枠]
図32に示されるように、前飾り枠550は、前扉枠552と、サイド飾り役物(右側サイド飾り役物580,左側サイド飾り役物586)と、発射ハンドル588と、貯留部590と、飾り役物560と、この飾り役物560を上下方向に作動させることが可能な飾り役物駆動機構570(例えば、図39参照)と、フロント投影装置600(例えば、図39参照)とを備えている。
[3−3−1.前扉枠]
前扉枠552は、略四角形状の枠体であって、上枠、下枠、左枠および右枠を備えている。左枠および右枠における各々の前後方向の厚みは、上下方向中央部から上方にいくにつれて次第に大きくなっており、上端部でその厚みが最大となる張出部5520が形成されている。この張出部5520には、飾り役物560およびフロント投影装置600(例えば、図39参照)が配置されている。
[3−3−2.サイド飾り役物]
前飾り枠550の正面視右側には右側サイド飾り役物580が設けられており、前飾り枠550の正面視左側には左側サイド飾り役物586が設けられている。右側サイド飾り役物580は、右側サイド上飾り役物582と、右側サイド下飾り役物584とを有している。
右側サイド上飾り役物582の形態は特に限定されるものではないが、例えば、図32に示される例では、羽ばたく鷲の左半身を立体的に象ったものとされている。右側サイド上飾り役物582の鷲と、左側サイド飾り役物586の蛇装飾5866(例えば、図37参照)とが、互いに睨み合っているような姿勢で配置されている。
また、右側サイド下飾り役物584の形態は特に限定されるものではないが、例えば、図32に示される例では、略三角形状の部材が、一つの頂点を前方に向けた状態で、全体として前方へ突出しつつ左側に湾曲したものとされている。
図37に示されるように、左側サイド飾り役物586は、装飾レンズ5862と、装飾レンズ5862を外側から覆う透明カバー部材5864と、透明カバー部材5864に蛇が螺旋状に巻き付くように立体的に施された蛇装飾5866と、LED基板5868とをを有する。また、左側サイド飾り役物586の下方には、貯留部590が配置されている。なお、図37は、左側サイド飾り役物586の斜視図の一例である。
ここで、図38を参照して、上述の装飾レンズ5862におけるレンズ効果について説明する。図38は、装飾レンズ5862およびLED基板5868のみの平面図の一例である。なお、装飾レンズ5862の最上面が平坦な面となっており、この平坦な面を、説明の便宜上、影でハッチングして示している。
装飾レンズ5862は、縦長形状であり(図37参照)、背面側がダイヤモンドカットされている。この装飾レンズ5862は、背面側に配置されているLED基板5868のLED配置面58680とダイヤモンドカットされた側とが対向するように、前後方向に延びる棒状の支持部材5872によって、LED基板5868に取り付けられている。LED基板5868のLED配置面58680には、多数のLED5870が、前方に向けて発光する態様で、装飾レンズ5862の背面側の略全域と対向して配置されている。
なお、装飾レンズ5862の背面側がダイヤモンドカットされているのは、LED5870から発光された光を、ダイヤモンドカットで拡散させるためである。したがって、装飾レンズ5862の背面側は、LED5870から発光された光を拡散できれば、必ずしもダイヤモンドカットされている必要はなく、例えば凹凸形状に形成されているものであってもよい。
また、装飾レンズ5862は、左方の面が凹凸に波打った形状とされている。例えば、図37に図示される断面を例に説明すると、装飾レンズ5862の左方の面には、最も外側(左側)に膨らむ凸部の頂点として、A点、B点、C点、D点が存在する。そして、一の凸部の頂点と隣接する凸部との間には、凹部が形成されている。A点とB点との間の凹部は、最も内側(右側)に凹む凹部の頂点がa点である。また、B点とC点との間の凹部は、最も内側(右側)に凹む凹部の頂点がb点である。同様に、C点とD点との間の凹部は、最も内側(右側)に凹む凹部の頂点がc点である。ダイヤモンドカットで拡散されて装飾レンズ5862内を進行した光は、a点、b点およびc点の各点に集光される。このような集光効果により、発光源がLED5870だけであったとしても、遊技者に対して、LED5870の他に、a点、b点およびc点にいかにも発光源が存在するかのように見せることが可能となる。
なお、本実施形態では、装飾レンズ5862内における集光点をa点、b点およびc点の3点としたが、集光点の数はこれに限られないことは言うまでもない。
[3−3−3.発射ハンドル]
図32に示されるように、発射ハンドル588は、前扉枠552の右下方に固定されている。発射ハンドル588は、図外の遊技球発射装置と電気的に接続されており、発射ハンドル588を回転させる操作が行われると、遊技球発射装置から遊技領域320(例えば、図31参照)に向けて遊技球が発射される。遊技領域320に向けての遊技球の発射強度は、発射ハンドルの操作量に応じて決まるようになっている。
[3−3−4.貯留部]
貯留部590は、前扉枠552の左方であって、左側サイド飾り役物586の下方に配置されている。貯留部590は、遊技球を貯留できるように構成されている。
[3−3−5.飾り役物]
図39〜図45を参照して、飾り役物560の構成について説明する。図39は、前扉ユニット500の上部における縦断面図の一例である。図40は、飾り役物カバー562を前方から見たときの斜視図の一例であり、図41は、飾り役物カバー562を後方から見たときの斜視図の一例である。図42は、LED基板564を前方から見たときの斜視図の一例である。図43は、LED基板564を後方から見たときの斜視図の一例である。図44は、飾り役物駆動機構570の正面図の一例である。なお、図44に示される飾り役物駆動機構570の位置は原点位置(最上端位置)である。図45は、飾り役物駆動機構570の背面図の一例である。
飾り役物560は、最前面の飾り役物カバー562(図41参照)と、飾り役物カバー562の背面において当該飾り役物カバー562に固定して取り付けられるLED基板564(図42参照)と、LED基板564の前側の面全体にわたって略均一に配置されるLED566(図42参照)とを備えている。なお、飾り役物560は、後述のフロント投影装置600の前方に位置している。
[3−3−5−1.飾り役物カバー]
飾り役物カバー562は、光透過性を有する材質で構成され、所定のロゴ等があしらわれている(図40,図41参照)。
図41に示されるように、飾り役物カバー562の後側の面には、光拡散部5622が形成されている。光拡散部5622は、光が照射されたときに当該光を拡散することができる部分であり、表面が所定の凹凸形状をなすことにより形成されている。
[3−3−5−2.LED基板]
図42に示されるように、LED基板564は、前面にLED566が配置された基板であり、飾り役物カバー562(例えば、図40参照)の背面側に配置されている。また、LED基板564は、正面視で飾り役物カバー562からはみ出ることはないものの、飾り役物カバー562を略全面に発光させることができる程度の大きさとなっている。LED566は、単色のLEDであってもよいし、或いは、フルカラーRGB型のLEDであってもよい。
図43に示されるように、LED基板564の後面には、複数のボス568が形成されている。これらのボス568は、LED基板564を、後述の飾り役物駆動機構570に固定するためのボスである。これらのボス568にビスを螺合させることにより、LED基板564を、飾り役物駆動機構570(例えば、図44参照)に固定することができる。
[3−3−5−3.飾り役物駆動機構]
図39に示されるように、飾り役物駆動機構570は、前扉枠552の上部の張出部5520(より具体的には、LED基板564(例えば、図43参照)の後側)に配置される。飾り役物駆動機構570は、フロント投影装置600の位置を維持しつつ、フロント投影装置600とLED基板564とのうち、LED基板564のみを上下方向に移動させるものである。LED基板564が上下方向に移動すると、これにともなって、最前面の飾り役物カバー562(例えば、図42参照)を含む飾り役物560の全体が上下方向に移動する。
フロント投影装置600とLED基板564とのうち、飾り役物駆動機構570によってLED基板564のみを上下方向に移動するようにしたのは、フロントスクリーン512に鮮明な映像を投影した状態で(フロント投影装置600の位置が変わるとフロントスクリーン512に投影される映像にピントずれが発生する虞がある)、飾り役物560を、映像が投影されるフロントスクリーン512の前方位置に向けて進出できるようにするためである。
図44および図45に示されるように、飾り役物駆動機構570は、左右方向に長い略長方形のベース板5702と、左側駆動機構5703と、右側駆動機構5723と、飾り役物取付孔5745と、固定孔5744とを備えている。
左側駆動機構5703は、LED基板564(例えば、図42参照)の正面視左側を上下方向に移動させる機構であり、左側スライダ5704と、延出部5706と、ガイド孔5708と、ガイド5710と、モータ5712と、駆動ギア5714と、第1従動ギア5716と、第2従動ギア5718と、第3従動ギア5720と、光センサ5722とを備えている。
左側スライダ5704は、ガイド5710にガイドされて上下方向に摺動できるようになっている。
延出部5706は、左側スライダ5704の左側側面から左側に延出する部分である。延出部5706には、左右方向に延びる長穴状のガイド孔5708が形成されている。
ガイド5710は、ベース板5702の前面に固定され、ベース板5702の左側部分において上下方向に延びるように配置されている。ガイド5710は、左側スライダ5704を上下方向に摺動可能に支持する。
モータ5712は、ステッピングモータであり、ベース板5702の後面の正面視左側部分に固定されている。
駆動ギア5714は、モータ5712の出力軸に同軸で連結されたギアであり、ベース板5702の前面側に配置されている。
第1従動ギア5716は、駆動ギア5714と噛み合っており、ベース板5702の前面側に配置されている。
第2従動ギア5718は、第1従動ギア5716と噛み合っており、ベース板5702の前面側に配置されている。第2従動ギア5718には、検出片57182が形成されている。検出片57182は、光センサ5722によって検出可能な部分である。この検出片57182は、左側スライダ5704が上下方向移動範囲の最も上の位置に到来したときに光センサ5722によって検出可能な位置に設けられている。
第3従動ギア5720は、第2従動ギア5718と噛み合っており、ベース板5702の前面側に配置されている。第3従動ギア5720には、ボス57202が突出形成されている。このボス57202は、ガイド孔5708内に挿通されており、ガイド孔5708の内周面に対して摺動可能となっている。
光センサ5722は、検出片57182を検出するセンサである。上述のように、検出片57182は、左側スライダ5704が上下方向移動範囲の最も上の位置に到来したときに光センサ5722によって検出可能な位置に設けられている。なお、左側スライダ5704が上下方向移動範囲の最も上の位置にあるときが、LED基板564(すなわち飾り役物560)の原点位置である。
バネ5746は、引張コイルばねである。バネ5746は、ベース板5702の前面側において、上下方向に沿って配置されている。バネ5746の上端はベース板5702の上端部に固定され、バネ5746の下端は左側スライダ5704の下端部に固定されている。バネ5746は、左側スライダ5704を上向きに引っ張り上げる方向に弾性力を発揮する。
右側駆動機構5723は、左側駆動機構5703と左右方向に一対で設けられており、LED基板564の正面視右側を上下方向に移動させる機構である。右側駆動機構5723は、右側スライダ5724と、延出部5726と、ガイド孔5728と、ガイド5730と、モータ5732と、駆動ギア5734と、第1従動ギア5736と、第2従動ギア5738と、第3従動ギア5740と、光センサ5742とを備えている。
右側駆動機構5723は、LED基板564を左側で上下動させるか右側で上下動させるかの違いはあるものの、各構成要素が左側駆動機構5703の各構成要素と同様の働きをする。したがって、右側駆動機構5723の各構成要素の詳細については、説明を省略する。
(左側駆動機構の動作説明)
図44および図46を参照して、左側駆動機構5703の動作について説明する。図46は、飾り役物駆動機構570の正面図の一例であり、上述の図42に示されるLED基板564(すなわち飾り役物560)が最下端まで下降したときを示している。
左側駆動機構5703は、右側駆動機構5723と同期して作動することで、LED基板564(例えば、図42参照)を上下動させるものである。なお、右側駆動機構5723は、LED基板564を上下動させるときのモータ5740の回転方向が左側駆動機構5703のモータ5720の回転方向と反対ではあるものの、動作原理は左側駆動機構5703と同じであるから、説明を省略する。
左側駆動機構5703のモータ5712が回転すると、その回転に伴い、駆動ギア5714、第1従動ギア5716、第2従動ギア5718、第3従動ギア5720が順次回転する。第3従動ギア5720が回転すると、第3従動ギア5720の中心を基点としてボス57202が周回する。第3従動ギア5720の中心を基点としてボス57202が周回すると、当該ボス57202は、ガイド孔5708内を左右方向に摺動しつつ上下動する。そして、ボス57202の上下動にともなって、左側スライダ5704がガイド5710に沿って上下方向に移動する。
このようにして、左側駆動機構5703および右側駆動機構5723が駆動することにより、LED基板564を上下方向に移動させることができ、ひいては、飾り役物カバー562を上下方向に作動させることができる。なお、左側駆動機構5703および右側駆動機構5723は、後述の内部抽選の結果にもとづいて駆動する。すなわち、下方に向けて飾り役物560が作動する役物演出(映像が投影されるフロントスクリーン512の前方位置に向けて飾り役物560が進出する役物演出)は、内部抽選の結果にもとづいて行われる。
[3−3−6.フロント投影装置]
図39および図47を参照して、フロント投影装置600について説明する。図47は、リア投影装置120およびフロント投影装置600のそれぞれから投射された映像光により、リアスクリーンユニット290およびフロントスクリーン512のそれぞれに映像が投影されている態様の一例を示す模式的側面図である。なお、図47は模式図であるから、例えばプロジェクタ122,126,622の設置角度等、実際のものとは多少の相違がある。
フロント投影装置600は、上枠5501と、左枠(不図示)と、右枠(不図示)とで囲まれる領域に収容され、飾り役物560の後方に位置している。また、フロント投影装置600は、飾り役物560および大型役物本体部230と、略同じ高さ位置に配置されている。
フロント投影装置600は、映像光を投射可能なフロントプロジェクタ622と、フロントプロジェクタ622から投射された映像光を反射させるフロントミラー624とを備えている。
[3−3−6−1.フロントプロジェクタ]
図39に示されるように、フロントプロジェクタ622は、上枠5501と、左枠(不図示)と、右枠(不図示)とで囲まれる領域内に前方に向けて固定される。
フロントプロジェクタ622は、当該フロントプロジェクタ622よりも前方に配置されるフロントミラー624に向けて映像光を投射する。フロントミラー624に向けて投射された映像光は、フロントミラー624で反射される。フロントミラー624で反射された反射光(映像光)は、フロントスクリーン512の上方領域に投影され、下方領域(遊技領域320の前面領域には投影されない(例えば、図47の映像光Aを参照)。
フロントスクリーン512の下方領域に映像が投影されないようにしているのは、遊技領域320を流下する遊技球の視認性を担保するためである。ただし、遊技領域320を流下する遊技球の視認性を担保することができる態様であれば、例えば図47の映像光Bに示されるように、フロントスクリーン512の下方領域も含むように映像が投影されてもよい。
本実施形態では、フロントプロジェクタ622は、フロントミラー624で反射させた映像光がフロントスクリーン512の主として略上半分の領域に投影されるように配置されている。
なお、フロントプロジェクタ622から投射された映像光がフロントスクリーン512のいずれの領域に投影されるかは特に限定されるものではなく、例えば、フロントスクリーン512の略全領域に投影されるようにしてもよいし、一部の領域(例えば、上方領域のみ)に投影されるようにしてもよい。フロントプロジェクタ622から投射された映像光がフロントスクリーン512の略全領域に投影されるようにした場合、フロントプロジェクタ622からの距離が遠いフロントスクリーン512の下方の領域は、上方の領域よりも映像が鮮明に投影されないおそれがある。そこで、フロントプロジェクタ622から投射された映像光により、フロントスクリーン512の略全領域を略均一に投影させたい場合には、フロントスクリーン512の透過率を、上方の領域よりも下方の領域を低くすることが好ましい。
[3−3−6−2.フロントミラー]
図39に示されるように、フロントミラー624は、上枠5501と、左枠(不図示)と、右枠(不図示)とで囲まれる領域内において、反射面を後方に向けた状態で固定される。より具体的には、フロントミラー624は、フロントプロジェクタ622から投射された映像光を反射するとともに、反射された映像光がフロントスクリーン512に投影されるように配置されている。
また、フロントミラー624は、上述のLED基板564および飾り役物560が原点位置から下方に向けて作動すると、反射面とは反対側の面である前面が露出する。そこで、フロントミラー624の前面が露出したとしても美観が損なわれないように、フロントミラー624の前面には、装飾が施された装飾部を有する。
なお、この装飾部は、飾り役物カバー562と合わさって、特定の形態が形成されるようにしてもよい。これにより、可動役物が作動したときの美観性を担保しつつ、これまでにない新たな役物作動演出を、好適に、行うことが可能となる。とくに、フロントミラー624の前面の装飾部は、LED基板564や飾り役物カバー562が原点位置にあるときは正面視で視認できず、LED基板564や飾り役物カバー562が下方に移動する役物演出が行われて初めて視認可能となるため、LED基板564および飾り役物カバー562が作動する役物演出に対して、遊技者の興味を惹くことが可能となる。上記の「特定の形態」とは、特定のキャラクタや、特定のロゴ等が相当する。
このように、本実施形態の遊技機1では、後述の内部抽選の結果にもとづいてフロントスクリーン512の前方位置に向けて進出する役物演出を行う飾り役物560が、フロントスクリーン512の上方に配置されている。フロントスクリーン512は、従来の遊技機(例えば、パチンコ機)における例えば液晶表示器に相当するととらえることができ、飾り役物560は、従来の遊技機における例えばセンター役物の上方に配置される可動役物に相当するととらえることができる。すなわち、本実施形態の遊技機1では、内部抽選の結果にもとづいてフロントスクリーン512に投影される映像、および、フロントスクリーン512の前方位置に向けて進出する飾り役物560による役物演出のいずれもが、従来の遊技機よりも遊技者に近い位置で行われることとなる。また、前扉ユニット500には、フロントスクリーン512よりも下方に、遊技領域320に向けて遊技媒体としての遊技球を発射可能な発射ハンドル588が配置されている。そのため、本実施形態の遊技機1では、従来のパチンコ機における遊技盤の下方に配置された発射ハンドルからいかにも遊技球を発射しているかのような感覚を遊技者に対して与えることが可能になるといった、これまでにない斬新な遊技機1を提供することが可能となる。
[4.遊技機の電気的構成]
次に、図48を用いて、遊技機1の制御回路について説明する。
図48に示すように、遊技機1は、主に、遊技の制御を行う主制御回路720と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路730と、から構成される。
主制御回路720は、メインCPU721、メインROM722(読み出し専用メモリ)及びメインRAM723(読み書き可能メモリ)等を具備する。
メインCPU721には、メインROM722や、メインRAM723等が接続される。メインCPU721は、メインROM722に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM722には、メインCPU721により遊技機1の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM723は、メインCPU721の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、メインCPU721の一時記憶領域としてメインRAM723を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
メインRAM723には、特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される記憶領域が設けられる。具体的には、メインRAM723には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。また同様に、メインRAM723には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。
また、主制御回路720は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路724や、I/Oポート725、コマンド出力ポート726、バックアップコンデンサ727等を具備する。初期リセット回路724は、メインCPU721に接続される。I/Oポート725は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU721に送信したり、メインCPU721からの出力信号を各種の装置に送信したりするものである。コマンド出力ポート726は、メインCPU721からのコマンドをサブ制御回路730に送信するものである。バックアップコンデンサ727は、電断時において、例えばメインRAM723に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM723に記憶されている各種データを保持するものである。
また、主制御回路720には、各種の装置(部材)が接続されている。
例えば、主制御回路720には、普通図柄表示部701や、普通図柄用保留表示部702、第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704、第1特別図柄用保留表示部705、第2特別図柄用保留表示部706、普通電動役物(不図示)の羽根部材(不図示)を駆動する始動口ソレノイド707、シャッタ(不図示)を駆動する大入賞口ソレノイド708等が接続されている。主制御回路720は、信号を送信することにより、これらの装置(部材)の動作を制御することができる。また、主制御回路720には、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いる外部端子板(不図示)が接続されている。
また、主制御回路720には、第一始動口スイッチ709や、第二始動口スイッチ710、通過ゲートスイッチ711、カウントスイッチ712、一般入賞口スイッチ713等が接続されている。主制御回路720には、これらの部材で遊技球が検知された場合に、当該部材から所定の検知信号が供給される。また、主制御回路720には、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ754等が接続されている。
また、主制御回路720には、払出・発射制御回路750が接続されている。払出・発射制御回路750には、遊技球の払い出しを行う払出装置751や、遊技球の発射を行う発射装置752、カードユニット755等が接続されている。払出装置751は、払出ユニット(不図示)に設けられる。カードユニット755には、球貸し操作パネル756が接続され、当該球貸し操作パネル756への遊技者の操作に応じた信号が供給される。
払出・発射制御回路750は、主制御回路720から供給される賞球制御コマンドや、カードユニット755から供給される貸し球制御信号を受け取ると、払出装置751に対して所定の信号を送信し、払出装置751に遊技球を払い出させる制御を行う。また、払出・発射制御回路750は、発射ハンドル588が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらに、コマンド出力ポート726には、サブ制御回路730が接続されている。サブ制御回路730は、主制御回路720から供給される各種のコマンドに応じて、フロントプロジェクタ622、第1リアプロジェクタ122、および第2リアプロジェクタ124における投射制御や、スピーカ740から発生させる音声に関する制御、ランプ25の光に関する制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路720からサブ制御回路730にコマンドを供給する一方、サブ制御回路730から主制御回路720に信号を供給できないように構成したが、これに限らず、サブ制御回路730から主制御回路720に信号を送信できるように構成してもよい。
サブ制御回路730は、サブCPU731、プログラムROM202、ワークRAM203、フロントプロジェクタ制御回路734、第1リアプロジェクタ制御回路735、第2リアプロジェクタ制御回路736、音声制御回路737、ランプ制御回路738及び役物制御回路739等を具備する。サブ制御回路730は、主制御回路720からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、サブ制御回路730は、演出ボタン(参照符号なし)の操作によってオン・オフされる演出ボタンスイッチ742が接続されている。
サブCPU731は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU731は、主制御回路720から供給される各種のコマンドに従って、サブ制御回路730の制御を行う。
プログラムROM202には、サブCPU731によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
なお、本実施形態においては、プログラムやテーブル等が記憶される記憶手段として、メインROM102及びプログラムROM202を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよい。例えば、前記記憶手段として、ハードディスク装置や、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を用いてもよい。また、前記プログラムやテーブル等は、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にダウンロードされ、ワークRAM203等に記録されるものでもよい。さらに、前記プログラムやテーブル等は、各々異なる記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU731の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、サブCPU731の一時記憶領域としてワークRAM203を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
フロントプロジェクタ制御回路734は、フロントプロジェクタ622における映像光の投射制御を行うための回路である。フロントプロジェクタ制御回路734は、映像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の映像データを生成するためのデータが記憶されている映像データROM、映像データをバッファするフレームバッファ、映像データを映像信号として変換するD/Aコンバータ等を具備する。
フロントプロジェクタ制御回路734は、サブCPU731から供給されるデータに応じて、フロントスクリーン512に映像光を投射させるための種々の処理を行うことができる。フロントプロジェクタ制御回路734は、サブCPU731から供給される映像光投射命令に応じて、フロントプロジェクタ622に映像光を投射させるための映像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、フロントプロジェクタ622に映像光を投射させるための映像データには、識別図柄を示す識別図柄映像データや、背景映像データ、演出用映像データ等の、遊技に関する各種の映像データが含まれる。
そして、フロントプロジェクタ制御回路734は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された映像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、映像データを映像信号として変換し、当該変換した映像信号を所定のタイミングでフロントプロジェクタ622に供給する。フロントプロジェクタ622に映像信号が供給されると、フロントプロジェクタ622は当該映像信号に関する映像光を投射する。こうして、フロントプロジェクタ制御装置734は、フロントプロジェクタ622に遊技に関する映像を投射させる制御を行うことができる。
第1リアプロジェクタ制御回路735は、第1リアプロジェクタ122における投射制御を行うための回路である。また、第2リアプロジェクタ制御回路736は、第2リアプロジェクタ124における投射制御を行うための回路である。第1リアプロジェクタ制御回路735および第2リアプロジェクタ制御回路736の構成は、フロントプロジェクタ制御回路734と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
音声制御回路737は、スピーカ740から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路737は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を具備する。
前記音源ICは、スピーカ740から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU731から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ740から音声を発生させる。
ランプ制御回路738は、装飾ランプ等を含むランプ25の制御を行うための回路である。ランプ制御回路738は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を具備する。
役物制御回路739は、大型役物本体部230、導光板234,236および飾り役物560といった可動役物の制御を行うための回路である。役物制御回路739は、各役物230,560に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を有する。
また、駆動回路は、サブCPU731から供給される役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、大型役物駆動機構240,260、導光板回転駆動機構2340,2360、導光板上下駆動機構239,270、飾り役物560を駆動させる駆動機構5703,5723などを介して、各役物(大型役物本体部230、導光板234,236、飾り役物560)の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU731から供給される点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物各役物(大型役物本体部230、導光板234,236、飾り役物560)の点灯動作を制御する。
[5.機能フロー]
次に、図49を用いて、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローについて説明する。図49は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。
図49に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。
特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
なお、本明細書でいう「可変表示」とは、1回の特別図柄ゲームの開始から終了するまで識別図柄が変動表示される概念であり、例えば、1回の可変表示において識別図柄の変動演出と停止演出とを可能にするものである。識別図柄の変動演出及び停止演出は、1回の可変表示において複数回行われることもある。なお、変動演出は、あくまでも見た目上行われる演出であり、可変表示の変動表示とはその意味合いが異なる。
また、「可変表示」では、例えば特別図柄ゲームの結果として特別図柄(識別図柄)が表示される「導出表示」を行うことができる。すなわち、本明細書では、「変動表示」の開始から「導出表示」までの動作を1回の「可変表示」と称する。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームは、メインCPU721により制御処理として実行される。
(1)特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタからそれぞれ乱数値(大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値)が抽出され、抽出された各乱数値が記憶される(図49に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図49に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判別される。この判別処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値等の各種データが記憶されているか否かを参照し、乱数値等の各種データが記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判別する。
次いで、特別図柄の可変表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターンを決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、及び、特別図柄の可変表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技を行う大当り遊技制御処理が実行される。なお、大当り遊技では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。
通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、「大当り」と判定される確率が増大する遊技状態(以下、「高確率遊技状態」という)や、特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かの判別処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に取得される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立するまで記憶される。このように、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立するまで各種データを記憶することを「保留」といい、保留される各種データを始動記憶という。
すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の可変表示(変動表示)が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の可変表示が開始される。以下では、保留されている特別図柄の可変表示を「保留球」ともいう。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個の保留球を取得することができる。すなわち、本実施形態では、最大8個の保留球を取得することができる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、図49には示さないが、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち先読み演出機能を備えている。
(2)普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図49に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図49に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判別される。この判別処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判別する。
次いで、普通図柄の可変表示を開始する場合、当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「当り」とするか否かの当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「当り」となると判定されると、当り遊技を行う当り遊技制御処理が実行される。
当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「当り」とならないと判定されると、当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かの判別処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。
なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[6.サブCPU731による演出]
サブCPU731(各プロジェクタ制御回路734,735,736))は、各プロジェクタから投射される映像光を制御し、各スクリーンに演出としての映像を投影する。第1リアプロジェクタ122は上側リアスクリーン2902に、第2リアプロジェクタ124は下側リアスクリーン2904および中間リアスクリーン2906に、それぞれ映像光を投射して、リアスクリーンユニット290において各種演出表示を行う。また、フロントプロジェクタ622はフロントスクリーン512に映像光を投射して、フロントスクリーン512において各種演出を行う。
具体的に、本実施形態では、内部抽選の結果に基づく演出が上側リアスクリーン2902に投影されるように、第1リアプロジェクタ122から映像光が投射される。また、遊技盤のセル画や液晶表示領域を模した映像が下側リアスクリーン2904に投影されるように、第2リアプロジェクタ124から映像光が投射される。液晶表示領域を模した映像が投影される領域では、内部抽選の結果に基づく図柄の変動演出の映像が投影されるように、第2リアプロジェクタ124から映像光が投射される。また、フロントスクリーン512にも、内部抽選の結果に基づく演出が投影される。
なお、内部抽選の結果に基づく演出は、上側リアスクリーン2902、下側リアスクリーン2904、中間リアスクリーン2906およびフロントスクリーン512の全部のスクリーンに投影されるようにしてもよいし、通常時は特定のスクリーンにのみ投影されるようにし、特定時(例えば内部抽選の結果が大当りや大当りの可能性があるとき)に、全部のスクリーンに投影されるようにしてもよい。これらのスクリーンのうちいずれのスクリーンを使ってどのような映像を投影するかは、適宜選択可能である。
また、液晶表示領域を模した映像が投影される領域(図柄の変動演出の映像が投影される領域)には、後述する特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)に表示される特別図柄と対応する演出映像が投影される。この際、例えば、特別図柄部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字等からなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)の変動表示が投影される。
そして、特別図柄部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)において特別図柄が停止表示されると、下側リアスクリーン2904の液晶表示領域を模した映像が投影される領域にも、特別図柄に対応する複数の識別図柄が停止表示される。
特別図柄部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像の映像が、リアスクリーンユニット290または/およびフロントスクリーン512に投影される。
「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の識別図柄が特定の態様(例えば、同一の識別図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、本実施形態では、第2リアプロジェクタ124による映像光の投射により、下側リアスクリーン2904の下方領域に、後述する第1特別図柄用保留表示部705及び第2特別図柄用保留表示部706の表示内容と関連する演出画像が投影される。なお、演出画像が投影される領域は下側リアスクリーン2904に限られず、上側リアスクリーン2902、中間リアスクリーン2906およびフロントスクリーン512のうちのいずれであってもよい。
また、本実施形態では、後述する普通図柄表示部701において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出映像をいずれかのスクリーン512,2902,2904,2906に投影させる機能をさらに設けてもよい。
[7.表示部]
[7−1.特別図柄表示部]
特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)は、図示しないが、特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する7セグ表示器により特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)を構成する。
なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)は、図示しない第一始動口又は第二始動口に遊技球が入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。
以下では、遊技球が第一始動口に入賞したときに変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第二始動口に入賞したときに変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。
すなわち、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、大入賞口が所定態様で開放されるため、遊技球の入賞が容易化され、多量の賞球を獲得することができる。具体的には、本実施形態では、遊技球が第一始動口に入賞し、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、大入賞口が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば30秒)が経過するまで維持される。そして、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、大入賞口が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム同士の間は、大入賞口が閉鎖状態となる。
また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。
すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第一始動口に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第二始動口に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。具体的には、第1特別図柄の保留球よりも第2特別図柄の保留球が優先的に消化されるようになっている。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[7−2.普通図柄表示部置]
普通図柄表示部701は、図示しないが、遊技領域320に設けられたゲートを遊技球が通過したことにもとづいて行われる普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置であり、普通図柄表示部701は、複数のLED(普通図柄表示LED)により構成される。そして、普通図柄表示部701では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示部701は、遊技球が球通過検出器を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示部701は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示部701において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物は閉鎖状態を維持する。
すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示部701により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[7−3.普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置は、図示しないが、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置であり、複数の普通図柄保留表示LEDを備えており、普通図柄保留表示装置では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄保留表示装置は、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて普通図柄保留表示LEDが表示され、普通図柄保留表示LEDは、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[7−4.第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄用保留表示部705は、液晶表示装置16の表示領域の右下部に配置される。
第1特別図柄用保留表示部705は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、第1特別図柄用保留表示部705は、複数の第1特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的に、第1特別図柄用保留表示部705は、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第1特別図柄保留表示LEDが表示され、第1特別図柄保留表示LEDは、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[7−5.第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄用保留表示部706は、液晶表示装置16の表示領域の右下部に配置される。
第2特別図柄用保留表示部706は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置であり、第2特別図柄用保留表示部706は、複数の第2特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的には、第2特別図柄用保留表示部706は、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第2特別図柄保留表示LEDが表示され、第2特別図柄保留表示LEDは、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
次に、図50〜図52を用いて、主制御回路720のデータ構成等について説明する。
[8.各種テーブル]
[8−1.当り乱数判定テーブル]
図50は、主制御回路720のメインROM722に記憶されている当り乱数判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を示す図である。当り乱数判定テーブル(第1始動口)は、第一始動口に遊技球が入賞した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて、「大当り」、「小当り」、及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定するために参照される。当り乱数判定テーブル(第2始動口)は、第二始動口に遊技球が入賞した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて「大当り」及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定する際に参照される。
大当り判定用乱数値は、始動口入賞を契機に行われる抽選結果を判定するための乱数値である。より具体的にいうと、大当り判定用乱数値は、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の抽選結果を示す値である。本実施形態において、大当り判定用乱数値は、0〜65535(65536種類)の中から選ばれる。
本実施形態では、第一始動口に遊技球が入賞した場合、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。それゆえ、当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のそれぞれの当選が決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」)との関係が規定される。確変フラグは、メインRAM723に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「高確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となり、「低確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「0」となる。
本実施形態では、第一始動口入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率(選択率))は、205/65536(≒1/319)となる。
また、第一始動口5442入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「205」〜「409」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、205/65536(≒1/319)となる。
さらに、第一始動口5442入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「409」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第一始動口入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1637」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率(選択率))は、1638/65536(≒1/40)となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第一始動口入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「1638」〜「1842」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、205/65536(≒1/319)となり、確変フラグが「0」である場合と同一となる。
さらに、第一始動口5442入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1842」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第一始動口に遊技球が入賞した場合には、入賞時の遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、遊技状態が「高確率遊技状態」である時に第一始動口に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「高確率遊技状態」でない時の約8倍程度高くなる。
同様に、第二始動口入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率(選択率))は、205/65536(≒1/319)となる。
また、第二始動口入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第二始動口入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1637」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率(選択率))は、1638/65536(≒1/40)となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第二始動口入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1637」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第二始動口に遊技球が入賞した場合には、「小当り」に当選することなく、入賞時の遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動し、遊技状態が「高確率遊技状態」である時の大当り確率は、「低確率遊技状態」である時の約8倍程度高くなる。
[8−2.図柄判定テーブル]
図51は、主制御回路720のメインROM722に記憶されている図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を示す図である。図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)は、第一始動口あるいは第二始動口に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「当り時選択図柄コマンド」及び「図柄指定コマンド」を選択するために参照される。「当り時選択図柄コマンド」は、当たり当選時の当たり種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の変動停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。図柄乱数値は、例えば0〜99(100種類)の中から抽出される。
本実施形態の図柄判定テーブル(第1始動口)によれば、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「9」のいずれかである場合、10/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z0」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「10」〜「19」のいずれかである場合、10/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z1」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「20」〜「29」のいずれかである場合、10/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z2」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「30」〜「39」のいずれかである場合、10/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z3」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「40」〜「49」のいずれかである場合、10/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z4」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「50」〜「95」のいずれかである場合、46/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z5」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「96」または「97」である場合、2/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z6」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA4」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「98」または「99」である場合、2/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z7」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA5」が選択される。また、小当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドとして「z8」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA6」が選択される。一方、ハズレ判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドが選択されず、図柄指定コマンドとして「zA7」が選択される。
また、本実施形態の図柄判定テーブル(第2始動口)によれば、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「24」のいずれかである場合、25/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z9」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA8」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「25」〜「49」のいずれかである場合、25/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z10」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA8」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「55」〜「99」のいずれかである場合、50/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z11」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA9」が選択される。一方、ハズレ判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドが選択されず、図柄指定コマンドとして「zA10」が選択される。
[8−3.大当り種類決定テーブル]
図52は、主制御回路720のメインROM722に記憶されている大当り種類決定テーブルを示す図である。大当り種類決定テーブルは、大当りに係る当り時選択図柄コマンドに応じて、ラウンド数、確変フラグをオンするか否か、時短フラグをオンするか否かといった大当りの種類を決定するために参照される。なお、本実施形態では、大当りの種類に関係なく大当りに当選すれば、時短フラグが「1」にセットされる。このときの時短回数は、24回、30回、36回、42回、48回及び100回のうちいずれかに決定され、当該決定された時短回数がセットされる。確変フラグは、メインRAM723に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「高確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となり、「低確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「0」となる。同様に、時短フラグは、メインRAM723に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1」となり、「非時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「0」となる。時短回数は、時短遊技状態が継続可能な特別図柄ゲームの変動回数である。すなわち、時短遊技状態において大当りに当選することなく時短回数分(100回)の特別図柄変動(特別図柄の抽選)が行われると、時短遊技状態が終了して非時短遊技状態に移行する。なお、本実施形態では、次回の大当りに当選するまで高確率遊技状態は継続する。ただし、大当りに当選することなく所定回数分の特別図柄変動(特別図柄の抽選)が行われると、高確率遊技状態が終了して低確率遊技状態に移行するようにしてもよい。
本実施形態の大当り種類決定テーブルによれば、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合、ラウンド数が「8」で、確変フラグオフ、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合、ラウンド数が「8」で、確変フラグオフ、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合、ラウンド数が「8」で、確変フラグオフ、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合、ラウンド数が「8」で、確変フラグオフ、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z5」の場合、ラウンド数が「8」で、確変フラグオン、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z6」の場合、ラウンド数が「5」で、確変フラグオン、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z7」の場合、ラウンド数が「16」で、確変フラグオン、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z9」の場合、ラウンド数が「5」で、確変フラグオフ、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z10」の場合、ラウンド数が「5」で、確変フラグオン、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z11」の場合、ラウンド数が「16」で、確変フラグオン、時短フラグオンの大当りが決定される。
なお、本実施形態では、当り時選択図柄コマンド(すなわち大当り判定値データ)がいずれであっても時短フラグオンの大当りが決定されるようになっているが、必ずしもこれに限られず、大当り判定値データに応じて時短フラグオフの大当りが決定されるようにしても良い。
また、本実施形態では、サブCPU731は、24回、30回、36回、42回、48回及び100回のうちいずれかに時短回数を決定するようになっているが、必ずしもこれに限られず、次回の大当りに当選するまで時短遊技状態が継続するように制御しても良いし、高確率遊技状態が継続する限り時短遊技状態が継続するように制御しても良い。
また、本実施形態では、サブCPU731は、次回の大当りに当選するまで高確遊技状態が継続するように制御しているが、必ずしもこれに限られず、予め決められた回数(例えば100回)まで高確遊技状態が継続する(その後、低確率遊技状態に移行する)ように制御しても良いし、大当りの当選確率との関係上、実質的に次回の大当りに当選するまで(例えば、10000回まで)高確遊技状態が継続するように制御しても良いし、次回の大当りに当選するまで高確遊技状態が継続するように制御しても良い。
以下に、パチンコ遊技機1のメインCPU721で実行される各種の処理を図53〜図71に示す。
[9.メインCPUによる制御]
[9−1.電源投入時処理]
図53は、メインCPU721による電源投入時処理を示している。遊技機1の電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU721は、初期値をスタックポインタに設定する(ステップS11)。
次に、メインCPU721は、電断検知信号がONか否かを判別する(ステップS12)。電断検知信号は、例えば所定レベルまで電圧が降下するとONとなる。電断検知信号がONの場合、メインCPU721は、電断検知状態と判別し、電断検知信号がOFFになるまでS12の処理を繰り返し行う。電断検知信号がOFFの場合、メインCPU721は、電断検知状態と判別し、ステップS13の処理に移る。
ステップS13において、メインCPU721は、RWM(メインRAM723)に対するアクセスを許可する。
次に、メインCPU721は、サブ制御回路730が信号を受け付け可能になるまで待機する副制御受信受付ウェイト処理を行う(ステップS14)。
次に、メインCPU721は、CPU内蔵の各種デバイスについて初期化処理を行う(ステップS15)。
次に、メインCPU721は、バックアップクリア信号がONか否かを判別する(ステップS16)。バックアップクリア信号は、主制御回路720を構成するメインCPU721に備えられたメインRAM723や、払出・発射制御回路750を構成するRAM(図示せず)のバックアップ内容のクリアを指令するための信号である。バックアップクリア信号がONの場合、メインCPU721は、ステップS23の処理に移る。バックアップクリア信号がOFFの場合、メインCPU721は、ステップS17の処理に移る。
ステップS17において、メインCPU721は、電断検知フラグが設定オンであるか否かを判別する。電断検知フラグは、電断発生に応じて電断処理を実行したことを示すフラグである。電断検知フラグが設定オンである場合、メインCPU721は、ステップS18の処理に移る。電断検知フラグが設定オフである場合、メインCPU721は、ステップS23の処理に移る。
ステップS18において、メインCPU721は、メインRAM723について例えばチェックサムを用いて作業領域損傷チェックを行う。
次に、メインCPU721は、作業領域が正常か否かを判別する(ステップS19)。作業領域が正常である場合、メインCPU721は、ステップS20の処理に移る。作業領域が正常でない場合、メインCPU721は、ステップS23の処理に移る。
ステップS20において、メインCPU721は、電断復旧時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う。
次に、メインCPU721は、電断復旧時の高確率遊技状態(確変遊技状態)についての報知設定を行う(ステップS21)。
次に、メインCPU721は、電断復帰時のコマンド(電断復帰コマンド)をサブ制御回路730に対して送信する処理を行う(ステップS22)。この処理を終了すると、メインCPU721は、電源投入時処理を終了する。
ステップS23において、メインCPU721は、メインRAM723の作業領域をクリアする処理を行う。
次に、メインCPU721は、RWM(メインRAM723)初期化時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う(ステップS24)。
次に、メインCPU721は、RWM初期化時のコマンド(初期化コマンド)をサブ制御回路730に対して送信する処理を行う(ステップS25)。
[9−2.システムタイマ割込処理]
図54は、メインCPU721によるシステムタイマ割込処理を示している。システムタイマ割込処理は、例えば2msごとに実行される。同図に示すように、メインCPU721は、各レジスタの値をメインRAM723のスタックエリアに退避する(ステップS31)。
次に、メインCPU721は、各種の乱数値を更新する乱数更新処理を行う(ステップS32)。
次に、メインCPU721は、各種スイッチからの入力信号を検出するためのスイッチ入力検出処理を実行する(ステップS33)。スイッチ入力検出処理については、図55を参照して後述する。
次に、メインCPU721は、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を行う(ステップS34)。
次に、メインCPU721は、サブ制御回路730に各種コマンドを出力(送信)するコマンド出力処理を行う(ステップS35)。
次に、メインCPU721は、サブ制御回路730に各種遊技情報を出力(送信)する遊技情報出力処理を行う(ステップS36)。遊技情報は、主制御回路70、サブ制御回路730、払出・発射制御回路750などにおいて処理される遊技に関わる情報であり、サブ制御回路730や払出・発射制御回路750、ホールコンピュータに送信される。
次に、メインCPU721は、退避した各レジスタの値を復帰させる処理を行う(ステップS37)。この処理を終了すると、メインCPU721は、システムタイマ割込処理を終了する。
[9−3.スイッチ入力検出処理]
図55は、メインCPU721によるスイッチ入力検出処理を示している。スイッチ入力検出処理は、先述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU721は、始動口入賞検出処理を実行する(ステップS41)。始動口入賞検出処理については、図56を参照して後述する。
次に、メインCPU721は、一般入賞口通過検出処理を行う(ステップS42)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU721は、大入賞口通過検出処理を行う(ステップS43)。大入賞口通過検出処理では、例えば大入賞口への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU721は、球通過検出器通過検出処理を行う(ステップS44)。球通過検出器通過検出処理では、球通過検出器による遊技球の通過検出に応じて普通図柄ゲームの抽選結果(乱数値)を取得する。この処理を終了すると、メインCPU721は、システムタイマ割込処理を終了する。
[9−4.始動口入賞検出処理]
図56は、メインCPU721による始動口入賞検出処理を示している。始動口入賞検出処理は、先述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU721は、第一始動口スイッチ709で遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS51)。第一始動口スイッチ709で遊技球を検出した場合、メインCPU721は、ステップS52の処理に移る。第一始動口スイッチ709で遊技球を検出していない場合、メインCPU721は、ステップS59の処理に移る。
ステップS52において、メインCPU721は、第一始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU721は、第一始動口入賞の保留個数(第1特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS53)。当該保留個数が4個未満の場合、メインCPU721は、ステップS54の処理に移る。当該保留個数が4個の場合、メインCPU721は、ステップS59の処理に移る。
ステップS54において、メインCPU721は、第一始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU721は、当り判定用乱数値及び図柄乱数値を取得し、これらの乱数値をメインRAM723に格納する処理を行う(ステップS55)。
次に、メインCPU721は、第1特別停止図柄判断処理を行う(ステップS56)。第1特別停止図柄判断処理では、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、当り乱数判定テーブル(第一始動口)及び図柄判定テーブル(第一始動口)、大当り種類決定テーブルを参照し、停止表示される予定の第1特別図柄に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU721は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS57)。変動パターン決定処理では、図柄指定コマンドや判定値データ、遊技状態やテーブルパターンに基づいて、遊技状態遷移テーブル及び変動パターン選択用テーブルを参照し、第1特別図柄に係る変動パターンを決定する。変動パターン決定処理については、図57を参照して後述する。
次に、メインCPU721は、第一始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS58)。第一始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS57の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともにサブ制御回路730へと送信される。
次に、メインCPU721は、第二始動口スイッチ710で遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS59)。第二始動口スイッチ710で遊技球を検出した場合、メインCPU721は、ステップS60の処理に移る。第二始動口スイッチ710で遊技球を検出していない場合、メインCPU721は、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS60において、メインCPU721は、第二始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU721は、第二始動口入賞の保留個数(第2特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS61)。当該保留個数が4個未満の場合、メインCPU721は、ステップS62の処理に移る。当該保留個数が4個の場合、メインCPU721は、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS62において、メインCPU721は、第二始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU721は、当り判定用乱数値及び図柄乱数値を取得し、これらの乱数値をメインRAM723に格納する処理を行う(ステップS63)。
次に、メインCPU721は、第2特別停止図柄判断処理を行う(ステップS64)。第2特別停止図柄判断処理も、第1特別停止図柄判断処理と同様に、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、当り乱数判定テーブル(第二始動口)及び図柄判定テーブル(第二始動口)、大当り種類決定テーブルを参照し、停止表示される予定の第2特別図柄に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU721は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS65)。この変動パターン決定処理も、図柄指定コマンドや判定値データ、遊技状態やテーブルパターンに基づいて、遊技状態遷移テーブル及び変動パターン選択用テーブルを参照し、第2特別図柄に係る変動パターンを決定する。変動パターン決定処理については、図57を参照して後述する。
次に、メインCPU721は、第二始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS66)。第二始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS65の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともにサブ制御回路730へと送信される。この処理を終了すると、メインCPU721は、始動口入賞検出処理を終了する。
[9−5.変動パターン決定処理]
図57は、メインCPU721による変動パターン決定処理を示している。変動パターン決定処理は、先述した始動口入賞検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU721は、後述するテーブルパターン、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、遊技状態遷移テーブル及び変動パターン選択用テーブルを参照し、変動パターン種別を選択する処理を行う(ステップS71)。
次に、メインCPU721は、選択された変動パターン種別の中から所定の抽選確率に基づいて前半及び後半変動パターンを選択する処理を行う(ステップS72)。この処理を終了すると、メインCPU721は、変動パターン決定処理を終了する。
なお、変動パターンには、識別図柄の可変表示時間が対応付けて記憶されているため、上記の変動パターン決定処理において決定された変動パターンは、実質的に、変動時間を表すことが可能な情報となる。
[9−6.主制御メイン処理]
図58は、メインCPU721による主制御メイン処理を示している。遊技機1に電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU721は、初期設定処理を行う(ステップS81)。この処理において、メインCPU721は、先述の電源投入時処理等の処理を行う。
次に、メインCPU721は、初期値乱数更新処理を行う(ステップS82)。この処理において、メインCPU721は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。
次に、メインCPU721は、特別図柄制御処理を行う(ステップS83)。特別図柄制御処理については、図59を参照して後述する。
次に、メインCPU721は、普通図柄制御処理を行う(ステップS84)。普通図柄制御処理については、図65を参照して後述する。
次に、メインCPU721は、図柄表示部制御処理を行う(ステップS85)。この処理において、メインCPU721は、ステップS83及びステップS84でメインRAM723に記憶された特別図柄制御処理の結果及び普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)及び普通図柄表示部701を駆動するための制御信号をメインRAM723に記憶する処理を行う。これにより、メインCPU721は、特別図柄表示表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)及び普通図柄表示部701に制御信号を送信し、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部703、第2特別図柄表示部704)及び普通図柄表示部701は、受信した制御信号に基づいて特別図柄や普通図柄についての可変表示及び停止表示を行う。
次に、メインCPU721は、遊技情報データ生成処理を行う(ステップS86)。この処理において、メインCPU721は、サブ制御回路730や払出・発射制御回路750、ホールコンピュータに送信するための遊技情報データに関する遊技状態コマンドを生成し、メインRAM723に記憶する。
次に、メインCPU721は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(ステップS87)。この処理において、メインCPU721は、確変フラグの値及び時短フラグの値に基づいて、サブ制御回路730に送信する記憶・遊技状態データを生成し、当該記憶・遊技状態データをメインRAM723に記憶する。この処理を終了すると、メインCPU721は、ステップS82の処理に移る。
[9−7.特別図柄制御処理]
図59は、メインCPU721による特別図柄制御処理を示している。特別図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、同図に示す各処理の左方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「08」)は、制御状態フラグの値を示す。この制御状態フラグは、メインRAM723内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU721は、制御状態フラグの数値に応じた処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
図59に示すように、メインCPU721は、制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS91)。この処理において、メインCPU721は、メインRAM723に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。メインCPU721は、読み出した制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS92〜S100の各処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの状態を示すものであり、ステップS92〜S100のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU721は、ステップS92〜S100の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定された所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに、他のサブルーチンに係る処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図54参照)も実行する。
次に、メインCPU721は、特別図柄記憶チェック処理を行う(ステップS92)。この処理において、メインCPU721は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、始動口入賞検出処理で得られた当り判定結果、特別図柄の決定結果、特別図柄の変動パターンの決定結果等を取得する。また、メインCPU721は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄可変表示時間管理処理(ステップS93)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で取得された変動パターンに対応する特別図柄の可変表示時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、始動口入賞検出処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の可変表示時間が経過した後、後述の特別図柄可変表示時間管理処理が実行されるように設定される。一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)、メインCPU721は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理については、図60を参照して詳述する。
次に、メインCPU721は、特別図柄可変表示時間管理処理を行う(ステップS93)。この処理において、メインCPU721は、制御状態フラグが特別図柄可変表示時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の可変表示時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(ステップS94)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS93の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU721は、特別図柄表示時間管理処理を行う(ステップS94)。この処理において、メインCPU721は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、ステップS93の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であるか否かを判別する。そして、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、メインCPU721は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(ステップS95)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS94の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。一方、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」でない場合、メインCPU721は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(ステップS100)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。この特別図柄表示時間管理処理については、図61を参照して後述する。
次に、メインCPU721は、大当り開始インターバル管理処理を行う(ステップS95)。この処理において、メインCPU721は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、ステップS94の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口を開放させるため、メインROM722から読み出されたデータに基づいて、メインRAM723に位置付けられた変数を更新する。また、この処理において、メインCPU721は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(ステップS96)を示す値(「04)」をセットするとともに、大入賞口の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU721は、大入賞口開放中処理を行う(ステップS96)。この処理において、まず、メインCPU721は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判別する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU721は、大入賞口を閉鎖させるため、メインRAM723に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU721は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(ステップS97)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ステップS97でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。なお、この大入賞口開放中処理の終了直前には、サブ制御回路730に対してラウンド間表示コマンドが送信される。
次に、メインCPU721は、大入賞口内残留球監視処理を行う(ステップS97)。この処理において、メインCPU721は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判別する。上記条件を満たさないと判別した場合、メインCPU721は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU721は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。一方、ステップS97において、上記条件を満たしたと判別した場合、メインCPU721は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU721は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(ステップS98)。この処理において、メインCPU721は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU721は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU721は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理で上述した大入賞口開放中処理(ステップS96)が再度実行されるように設定される。なお、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の終了直前には、サブ制御回路730に対して大入賞口開放中表示コマンドが送信される。
また、メインCPU721は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(ステップS99)。この処理において、メインCPU721は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS99の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、上述した当り時選択図柄コマンドが「z5」、「z6」、「z7」、「z10」及び「z11」のうちのいずれかである場合、メインCPU721は、遊技状態を確変遊技状態に移行させる制御を行い、述した当り時選択図柄コマンドが「z0」、「z1」、「z2」、「z3」、「z4」及び「z9」のうちのいずれかである場合には、遊技状態を非確変遊技状態にする制御を行う。なお、特別図柄の抽選結果が小当りである場合(大当り判定用乱数値が「小当り判定値データ」である場合)、メインCPU721は、遊技状態を維持する制御を行う。
次に、メインCPU721は、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了した場合、又は、「ハズレ」に当選した場合、特別図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS100)。この処理において、メインCPU721は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU721は、次回の特別図柄の可変表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU721は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS100の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS92)が実行されるように設定される。この特別図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU721は、特別図柄制御処理を終了する。
上述したように、本実施形態の遊技機1では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的に、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、当り判定の結果が「ハズレ」である場合に、メインCPU721は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。これにより、メインCPU721は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS92)、特別図柄可変表示時間管理処理(ステップS93)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS94)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS100)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU721は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU721は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS92)、特別図柄可変表示時間管理処理(ステップS93)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS94)及び大当り開始インターバル管理処理(ステップS95)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU721は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU721は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS96)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS57)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(ステップS98)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技又は小当り遊技を実行する。
なお、大当り遊技状態中に、当該大当り遊技状態の終了条件が成立した場合、メインCPU721は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。これにより、メインCPU721は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS96)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS97)、大当り終了インターバル処理(ステップS99)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS100)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図58に示す主制御メイン処理中のステップS84の普通図柄制御処理(後述の図65参照)もまた、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
本実施形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、本実施形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[9−8.特別図柄記憶チェック処理]
図60は、メインCPU721による特別図柄記憶チェック処理を示している。特別図柄記憶チェック処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU721は、メインRAM723内の所定の記憶領域から制御状態フラグをロード処理によって読み出す(ステップS111)。
次に、メインCPU721は、読み出した制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(ステップS112)。制御状態フラグが「00」でないと判別した場合、メインCPU721は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。一方、制御状態フラグが「00」であると判別した場合、メインCPU721は、ステップS113の処理に移る。
ステップS113において、メインCPU721は、第二始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。第二始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合、メインCPU721は、ステップS114の処理に移る。第二始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合、メインCPU721は、ステップS119の処理に移る。
ステップS114において、メインCPU721は、第二始動口入賞の保留個数に対応する第2始動記憶数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU721は、メインRAM723に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、可変表示中又は保留中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(0)には、可変表示中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第2特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第二始動口440の入賞時に取得した当り判定用乱数値や図柄乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、メインCPU721は、第二始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(ステップS115)。この処理において、メインCPU721は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU721は、サブ制御回路730に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU721は、ステップS116の処理に移る。
ステップS116において、メインCPU721は、制御状態フラグに特別図柄可変表示時間管理処理を示す値(「01」)をセットする処理を行う。このときまた、メインCPU721は、サブ制御回路730に対して特別図柄演出開始コマンドを送信する。
次に、メインCPU721は、大当り・小当り判定処理を行う(ステップS117)。この処理において、メインCPU721は、始動口入賞時に抽出され、かつ、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値に基づき、入賞始動口の種別に対応する当り判定テーブル(図50参照)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU721は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれに当選したかを判定(当り判定)する。
次に、メインCPU721は、決定された特別図柄の変動パターンに対応する可変表示時間を待ち時間タイマにセットする(ステップS118)。この処理を終了すると、メインCPU721は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS119において、メインCPU721は、第一始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。第一始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合、メインCPU721は、ステップS120の処理に移る。第一始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合、メインCPU721は、ステップS122の処理に移る。
ステップS120において、メインCPU721は、第一始動口入賞の保留個数に対応する第1始動記憶数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU721は、メインRAM723に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、可変表示中又は保留中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第1特別図柄始動記憶領域(0)には、可変表示中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第1特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第一始動口の入賞時に取得した当り判定用乱数値や図柄乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、第一始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(ステップS121)。この処理において、メインCPU721は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU721は、サブ制御回路730に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU721は、ステップS116の処理に移る。
ステップS122において、メインCPU721は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU721は、サブ制御回路730に対してデモ表示コマンドを送信する。この処理を終了すると、メインCPU721は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
[9−9.特別図柄表示時間管理処理]
図61は、メインCPU721による特別図柄表示時間管理処理を示している。特別図柄表示時間管理処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU721は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(ステップS131)。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合、メインCPU721は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合、メインCPU721は、ステップS132の処理に移る。
ステップS132において、メインCPU721は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU721は、待ち時間タイマにセットされた可変表示確定後の待ち時間(可変表示開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合、メインCPU721は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合、メインCPU721は、ステップS133の処理に移る。
ステップS133において、メインCPU721は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合、メインCPU721は、ステップS142の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合、メインCPU721は、ステップS134の処理に移る。
ステップS134において、メインCPU721は、さらに特別図柄ゲームが「小当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「小当り」であると判別した場合、メインCPU721は、ステップS137の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「小当り」でないと判別した場合、すなわち特別図柄ゲームが「はずれ」の場合、メインCPU721は、ステップS135の処理に移る。
ステップS135において、メインCPU721は、時短回数減算処理を行う。この時短回数減算処理については、図62を参照して後述する。
次に、メインCPU721は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS136)。この処理を終了すると、メインCPU721は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
ステップS137において、メインCPU721は、小当りを示す小当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU721は、ステップS138の処理に移る。
ステップS138において、メインCPU721は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU721は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000ms)を待ち時間タイマにセットする処理を行う(ステップS139)。
次に、メインCPU721は、特別図柄に対応する大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドをメインRAM723にセットする処理を行う(ステップS140)。これにより、サブ制御回路730には、大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドが送信される。
次に、メインCPU721は、大当り種類決定テーブル(図52参照)を参照し、特別図柄(図柄指定コマンドの種別)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM723にセットし、ラウンド数表示LEDパターンフラグをセットする(ステップS141)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。この処理を終了すると、メインCPU721は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
ステップS142において、メインCPU721は、大当りを示す大当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU721は、ステップS143の処理に移る。
ステップS143において、メインCPU721は、時短回数カウンタ、並びに時短フラグ及び確変フラグをクリアする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU721は、ステップS138の処理に移る。
[9−10.時短回数減算処理]
図62は、メインCPU721による時短回数減算処理を示している。時短回数減算処理は、先述した特別図柄表示時間管理処理あるいは後述の大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU721は、時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS151)。時短回数カウンタは、セットされた時短回数(本実施形態では、24回、30回、36回、42回、48回及び100回のうちいずれかに決定される)が0になるまで計数する減算カウンタである。時短回数カウンタの値が0である場合、メインCPU721は、ステップS154の処理に移る。時短回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU721は、時短回数減算処理を終了する。
ステップS152において、メインCPU721は、時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。
次に、メインCPU721は、再び時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS153)。時短回数カウンタの値が0である場合、メインCPU721は、ステップS154の処理に移る。時短回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU721は、時短回数減算処理を終了する。
ステップS154において、メインCPU721は、時短フラグとして「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU721は、時短回数減算処理を終了する。
[9−11.大当り終了インターバル処理]
図63は、メインCPU721による大当り終了インターバル処理を示している。大当り終了インターバル処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU721は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(ステップS161)。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(ステップS161:NO)、メインCPU721は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合、メインCPU721は、ステップS162の処理に移る。
ステップS162において、メインCPU721は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU721は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合、メインCPU721は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合、メインCPU721は、ステップS163の処理に移る。
ステップS163において、メインCPU721は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする。大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグは、大当り時のラウンド数をLEDの発光パターンによって表示するか否かを示す管理フラグとして用いられる。
次に、メインCPU721は、ラウンド数振り分けフラグをクリアする(ステップS164)。このラウンド数振り分けフラグは、メインRAM723に格納される管理フラグの一つであり、1ラウンド中にあっても予め決められた回数だけ大入賞口を周期的に開閉させるか否かを示すためのフラグである。1ラウンド中でも大入賞口を周期的に開閉させる場合は、ラウンド数振り分けフラグが「1」となる。このときまた、メインCPU721は、サブ制御回路730に対して特別図柄当り終了表示コマンドを送信する。
次に、メインCPU721は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS165)。
次に、メインCPU721は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する(ステップS166)。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合、メインCPU721は、ステップS167の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合、メインCPU721は、ステップS174の処理に移る。
ステップS167において、メインCPU721は、メインRAM34の所定領域に大当りフラグをセットする処理を行う。
次に、メインCPU721は、確変大当りか否かを判別する(ステップS168)。確変大当りである場合、メインCPU721は、ステップS169の処理に移る。確変大当りでない場合、メインCPU721は、ステップS171の処理に移る。
ステップS169において、メインCPU721は、確変フラグとして「1」をセットする処理を行う。
次に、メインCPU721は、時短フラグとして「1」をセットする処理を行う(ステップS171)。
次に、メインCPU721は、時短回数カウンタに規定の時短回数(本実施形態では一例として100回)をセットする処理を行う(ステップS172)。
次に、メインCPU721は、変動パターンテーブル設定処理を実行する(ステップS173)。変動パターンテーブル設定処理については、図64を参照して後述する。この処理を終了すると、メインCPU721は、大当り終了インターバル処理を終了する。
ステップS174において、メインCPU721は、小当りフラグの値をクリアする処理を行う。
次に、メインCPU721は、先述の時短回数減算処理を実行する(ステップS175)。この処理を終了すると、メインCPU721は、大当り終了インターバル処理を終了する。
[9−12.変動パターンテーブル設定処理]
図64は、メインCPU721による変動パターンテーブル設定処理を示している。変動パターンテーブル設定処理は、先述した電源投入時処理あるいは大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU721は、電源投入時であるか否かを判別する(ステップS181)。電源投入時である場合、メインCPU721は、ステップS182の処理に移る。電源投入時でない場合、メインCPU721は、ステップS183の処理に移る。
ステップS182において、メインCPU721は、遊技状態遷移テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン1をセットする処理を行う。
次に、メインCPU721は、確変フラグの値が「1」であるか否かを判別する(ステップS183)。確変フラグの値が「1」である場合、メインCPU721は、ステップS184の処理に移る。確変フラグの値が「0」である場合、メインCPU721は、ステップS185の処理に移る。
ステップS184において、メインCPU721は、遊技状態遷移テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン2をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU721は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。
ステップS185において、メインCPU721は、遊技状態遷移テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン3をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU721は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。
[9−13.普通図柄制御処理]
図65は、メインCPU721による普通図柄制御処理を示している。普通図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、図65に示すフローチャート中の各処理の左方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「04」)は、普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM723内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
図65に示すように、メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS191)。この処理において、メインCPU721は、メインRAM723に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。メインCPU721は、読み出した普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS192〜S196の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS162〜S166のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU721は、ステップS162〜S166の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図54参照)も実行する。
次に、メインCPU721は、普通図柄記憶チェック処理を行う(ステップS192)。この処理において、メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、当り判定等の処理を行う。また、この処理において、メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄可変表示時間監視処理(ステップS193)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS192の処理により、決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU721は、普通図柄可変表示時間監視処理を行う(ステップS193)。この処理において、メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄表示時間監視処理(ステップS194)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS193の処理により、セットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU721は、普通図柄表示時間監視処理を行う(ステップS194)。この処理において、メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、ステップS193の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「当り」であるか否かを判別する。そして、当り判定の結果が「当り」である場合、メインCPU721は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに後述の普通電動役物開放処理(ステップS195)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。一方、当り判定の結果が「当り」でない場合、メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU721は、ステップS194において当り判定の結果が「当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(ステップS195)。この処理において、メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物460の開放中において所定数の入賞があったという条件、及び、普通電動役物460の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判別する。上記一方の条件が満たされた場合、メインCPU721は、普通電動役物の羽根部材を閉鎖状態にするため、メインRAM723に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU721は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS196)。この処理において、メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。また、メインCPU721は、次回の普通図柄の可変変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU721は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、ステップS196の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(ステップS192)が実行されるように設定される。この処理を終了すると、メインCPU721は、普通図柄制御処理を終了する。
[10.サブCPUによる制御]
[10−1.サブ制御回路メイン処理]
一方、サブCPU731は、サブ制御回路メイン処理を実行することとなる。このサブ制御回路メイン処理について図66を用いて説明する。なお、このサブ制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
図66に示すように、サブCPU731は、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理を行う(ステップS201)。
次に、サブCPU731は、ウォッチドッグタイマのカウンタ値をクリアする処理を行う(ステップS202)。ウォッチドッグタイマは、起動時にリセット時間(例えば2000ms)が設定され、サービスパルスの書き込みが行われなかった場合(タイムアウト時)に電断処理が実行されることとなる。
次に、サブCPU731は、操作手段入力処理を実行する(ステップS203)。
次に、サブCPU731は、コマンド解析処理を実行する(ステップS204)。コマンド解析処理については、図67を参照して後述する。
次に、サブCPU731は、演出態様決定処理を実行する(ステップS205)。演出態様決定処理は、後述するシナリオ事前設定処理、演出決定処理(秘匿Aステージ2002)、先読み演出選択処理(高確ステージ2004)、背景変化制御処理(高確ステージ2004)、背景変化連続可能回数判定処理(高確ステージ2004)、変動シナリオ決定処理(高確ステージ2004)、チャンスアップ制御処理(高確ステージ2004)、保留変化決定処理(高確ステージ2004)、キャラクタランプ演出制御処理、全画面演出制御処理、キャラクタランプ演出の制御処理等のサブルーチンにより構成される。
次に、サブCPU731は、コマンド送信処理を実行する(ステップS206)。コマンド送信処理については、図68を参照して後述する。
次に、各プロジェクタ制御回路(フロントプロジェクタ制御回路734、第1リアプロジェクタ制御回路735および第2リアプロジェクタ制御回路736)は、描画制御処理を実行する(ステップS207)。この処理において、フロントプロジェクタ制御回路734、第1リアプロジェクタ制御回路735および第2リアプロジェクタ制御回路736は、それぞれ、サブCPU731から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてフロントプロジェクタ622、第1リアプロジェクタ122、および第2リアプロジェクタ124に映像光を投射させるための描画制御を行う。
次に、音声制御回路737は、音声制御処理を実行する(ステップS208)。この処理において、音声制御回路737は、サブCPU731から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてスピーカ740に音声を出力させるための音声制御を行う。
次に、ランプ制御回路738は、ランプ制御処理を実行する(ステップS209)。この処理において、ランプ制御回路738は、サブCPU731から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてランプ25を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。
次に、役物制御回路739は、役物制御処理を実行する(ステップS210)。この処理において、役物制御回路739は、サブCPU731から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいて可動役物ユニットを作動させる演出用駆動モータを動作させるための駆動制御を行う。このようなサブ制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期化処理が終了した後、ステップS202〜S210の各処理が繰り返し実行される。
[10−2.コマンド解析処理]
図67は、サブCPU731によるコマンド解析処理を示している。コマンド解析処理は、先述したサブ制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU731は、主制御回路720(メインCPU721)から受信後、ワークRAM733の受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理を行う(ステップS241)。
次に、サブCPU731は、受信したコマンドに対して整合性チェックを行う(ステップS242)。整合性チェックは、コマンド受信に際して目的とするデータが存在し、そのデータに誤りや欠けが無いことを検証するために行われる。
次に、サブCPU731は、サブ抽選処理を行う(ステップS243)。この処理において、サブCPU731は、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドである場合に、当該変動パターン指定コマンドに基づいて抽選により演出パターンを選択する。この処理を終了すると、サブCPU731は、コマンド解析処理を終了する。なお、サブ抽選処理においては、演出パターンを含む演出に係る全ての事項について抽選で選択するようにしてもよいし、演出パターンとして演出の種類(セリフ予告の有無やSU予告の有無等)のみを抽選で選択し、当該演出において実行される演出内容(エフェクトの種類やカットインの種類等)は、別途サブルーチン化された他の処理で演出情報として選択されるようにしてもよい。本実施形態では、サブ抽選処理において演出の種類を示す演出パターンが選択され、その後、当該演出パターンに基づいて実行される演出内容が演出情報として後述の演出態様決定処理により選択されるようになっている。
[10−3.コマンド送信処理]
図68は、サブCPU731によるコマンド送信処理を示している。コマンド送信処理は、先述したサブ制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU731は、各制御回路204〜207に対して制御用のコマンド(メッセージ)を送信する際、メッセージ設定処理を実行する(ステップS251)。この処理において、サブCPU731は、演出態様決定処理で得られた演出情報に基づいてメッセージ(演出指定情報)を生成し、当該メッセージを一時的にワークRAM203のディレクトバッファに格納する処理を行う。このメッセージ設定処理については、図69を参照して後述する。
次に、サブCPU731は、ディレクトテーブル登録処理を実行する(ステップS252)。この処理において、サブCPU731は、ディレクトバッファに格納されたメッセージと演出情報とに基づいて、これらに対応するディレクトテーブルをワークRAM733の所定領域にセットする処理を行う。このディレクトテーブル登録処理については、図70を参照して後述する。
次に、サブCPU731は、メッセージ送信処理を実行する(ステップS253)。この処理において、サブCPU731は、ディレクトバッファに格納されたメッセージをディレクトテーブルに基づく所定のタイミングで読み出し、当該メッセージを所定の制御回路204〜207に送信する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU731は、コマンド送信処理を終了する。このメッセージ送信処理については、図71を参照して後述する。
[10−4.メッセージ設定処理]
図69は、サブCPU731によるメッセージ設定処理を示している。メッセージ設定処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU731は、演出情報に基づいて送信するデバイス(制御回路204〜207)の設定を行う(ステップS261)。
次に、サブCPU731は、システム動作の有無を設定する処理を行う(ステップS262)。
次に、サブCPU731は、ステージ情報や各演出情報の設定を行う(ステップS263)。
次に、サブCPU731は、予告パターンの設定を行う(ステップS264)。これにより、ディレクトバッファには、送信先となるデバイス(制御回路204〜207)や、システム動作の有無、ステージ情報や各演出情報、予告パターンを示すメッセージが格納される。この処理を終了すると、サブCPU731は、メッセージ設定処理を終了する。
[10−5.ディレクトテーブル登録処理]
図70は、サブCPU731によるディレクトテーブル登録処理を示している。ディレクトテーブル登録処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU731は、シングルテーブルを登録する処理を行う(ステップS271)。
次に、サブCPU731は、演出態様決定処理で決定された演出情報に基づいてマスターテーブルを登録する処理を行う(ステップS272)。
次に、サブCPU731は、マスターテーブルで使用するスレーブテーブルを登録する処理を行う(ステップS273)。
次に、サブCPU731は、ディレクトバッファにセットされたメッセージに対応するディレクトテーブルをスレーブテーブルとして登録する処理を行う(ステップS274)。この処理を終了すると、サブCPU731は、ディレクトテーブル登録処理を終了する。
[10−6.メッセージ送信処理]
図71は、サブCPU731によるメッセージ送信処理を示している。メッセージ送信処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU731は、ディレクトテーブルに対応するディレクトバッファにメッセージが登録されていれば、当該メッセージに設定された「送信先デバイス」に従い各デバイス(制御回路204〜207)にメッセージを送信する処理を行う(ステップS281)。
次に、サブCPU731は、メッセージの送信完了後、不要なディレクトテーブルを破棄する処理を行う(ステップS282)。この処理を終了すると、サブCPU731は、メッセージ送信処理を終了する。
[11.演出例]
図72〜図77を参照して、各投影装置(リア投影装置120,フロント投影装置600)から投射された映像光により、各スクリーン(リアスクリーンユニット290,フロントスクリーンユニット510)に投影される表示演出や、内部抽選の結果にもとづいて演出空間700に大型役物232を進出させる役物演出などの、サブCPU731(例えば、図48参照)によって実行される演出例について説明する。図72は、リアスクリーンユニット290およびフロントスクリーンユニット510の両方に映像が投影されている態様の一例を示す模式的斜視図である。図73は、上側リアスクリーン2902と中間リアスクリーン2906と下側リアスクリーン2904とに異なる映像が投影される演出例を示す図である。図74は、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904とで異なる映像が投影されつつも、各スクリーンの境界を把握し難い映像が投影される演出例を示す図である。図75は、上側リアスクリーン2902と中間リアスクリーン2906と下側リアスクリーン2904とで一の投影面が構成されており、この一の投影面に連続性のある映像が投影される演出例を示す図である。なお、図73〜図75では、フロントスクリーン512に映像が投影されていない。また、図76は、後述の内部抽選の結果が大当りであったときに投影される演出例を示す遊技機1の正面図である。図77は、演出空間700に大型役物本体部230が進出したときに、当該大型役物232を強調する映像がフロントスクリーン512および上側リアスクリーン2902に投影された演出例を示す遊技機1の正面図である。なお、図72〜図77には、リア投影装置120、第1リアプロジェクタ122、第2リアプロジェクタ124、第2リアプロジェクタ124(例えば、いずれも図4参照)、フロント投影装置600(例えば、図39参照)、リアスクリーンユニット290、上側リアスクリーン2902、下側リアスクリーン2904、中間リアスクリーン2906(例えば、いずれも図29参照)、フロントスクリーンユニット510、フロントスクリーン512(例えば、いずれも図35参照)については図示されていないが、参照図面の説明を省略する。
以下に説明する演出例は、上述した図47に示されるとおり、第1リアプロジェクタ122から投射された映像光が、上側リアスクリーン2902に投影される。また、第2リアプロジェクタ124から投射されてリアミラー126で反射された映像光は、下側リアスクリーン2904および中間リアスクリーン2906に投影される。フロントプロジェクタ622から投射されてフロントミラー624で反射された映像光は、フロントスクリーン512の略上半分の領域において投影される。第1リアプロジェクタ122、第2リアプロジェクタ124およびフロントプロジェクタ622は、レンズの下半分の領域からのみ映像光が投射されるようになっている。ただし、レンズのどの領域から映像光が投射されるようにするかは、プロジェクタの配置位置や配置角度によっても異なり、例えば、レンズの上半分の領域からのみ映像光が投射されるようにしてもよいし、レンズの全領域から映像光が投射されるようにしてもよい。
なお、これに代えて、第1リアプロジェクタ122から投射された映像光が、上側リアスクリーン2902および中間リアスクリーン2906に投影されるとともに、第2リアプロジェクタ124から投射されてリアミラー126で反射された映像光が下側リアスクリーン2904に投影されるようにしてもよい。さらには、第1リアプロジェクタ122から投射された映像光が、上側リアスクリーン2902および中間リアスクリーン2906に投影されるとともに、第2リアプロジェクタ124から投射されてリアミラー126で反射された映像光が下側リアスクリーン2904および中間リアスクリーン2906に投影されるようにしてもよい。
また、フロントプロジェクタ622から投射されてフロントミラー624で反射された映像光は、フロントスクリーン512の略上半分の領域において投影されるようにしてもよいし、フロントスクリーン512の略全領域において投影されるようにしてもよい。
[11−1.演出例1]
図72に示される演出例1では、リアスクリーンユニット290とフロントスクリーン512とで、異なる映像が投影されている。具体的には、リアスクリーンユニット290には、雲の映像と雷の映像とが投影されており、フロントスクリーン512には月の映像が投影されている。したがって、手前側に視認できる月の映像と、奥側に視認できる雲および雷の映像とを、正面視で同じ領域内において前後方向にずれて視認することができるため、これらの映像を、立体感のある映像として見ることができる。しかも、原点位置からフロントスクリーン512とリアスクリーンユニット290との間の演出空間700(例えば、図72参照)に向けて、映像ではなく実像としての大型役物本体部230が原点位置から進出(落下)するといった斬新な役物演出も行われている。これにより、遊技領域320における遊技と、リアスクリーンユニット290に投影される映像とのいずれをも視認できるとともに遊技領域320よりも前方に投影される映像についても視認でき、さらには、フロントスクリーン512とリアスクリーンユニット290との間の演出空間700に、映像ではない実像としての大型役物本体部230を進出(落下)させるといった、これまでにない新たな演出を行うことが可能となる。
なお、図72では、リアスクリーンユニット290とフロントスクリーン512とで異なる映像が投影されているが、これに代えて、リアスクリーンユニット290とフロントスクリーン512とで同様の映像が投影されるようにしてもよい。この場合、投影される映像は、内部抽選の結果にもとづく演出であることが好ましい。また、投影される映像としては、静止画像のみが投影される態様、静止画像および動画演出の両方が投影される態様、または、動画演出のみが投影される態様であることが好ましい。さらに、リアスクリーンユニット290に投影される映像とフロントスクリーン512に投影される映像とで、同様の映像が投影されるようにしてもよい。これにより、リアスクリーンユニット290に投影される映像と、フロントスクリーン512に投影される映像とのうちいずれか一方の映像を視認できないといった事態が生じたとしても、他方の映像を視認できるため、遊技の進行に支障をきたさないだけでなく、興趣の低下を抑制することもできる。例えば、フロント投影装置600から投射された映像光を遮る位置に例えば遊技者が手をかざすと、フロントスクリーン512には影となってあらわれて、フロントスクリーン512に投影される映像の視認に支障をきたすおそれがあるが、このような場合であってもリアスクリーンユニット290に投影される映像の視認性が維持される。ここで、「同様の映像」とは、形状、大きさ、色合いおよび動き等が全て同じであることが好ましいが、遊技者から見て同様と認識しうる範囲内であれば、これらのうちのいずれかが異なっていてもよい。
また、図72の演出例1では、リア投影装置120から投射された映像光はリアスクリーンユニット290に投影され、フロント投影装置600から投射された映像光はフロントスクリーン512に投影されているが、いずれか一方から投射された映像光により投影される映像を視認できなくなるといった事態を回避する観点からいえば、リア投影装置120から投射される映像光とフロント投影装置600から投射される映像光とが、同じスクリーンに投影されるようにしてもよい。例えば、リア投影装置120から投射された映像光をスクリーンの裏面に投影し(裏面に投影された映像を正面から視認できるスクリーンを採用する必要がある)、裏面に投影された映像と同様の映像を、フロント投影装置600から投射された映像光により、スクリーンの表面に投影するようにしてもよい。この場合、スクリーンの裏面に投影される映像と、スクリーンの表面に投影される映像とのうちいずれか一方の映像を視認できないといった事態が生じたとしても、他方の映像を視認できるため、遊技の進行に支障をきたすことなく、興趣の低下を抑制することもできる。
さらに、図72に示されるように、フロントスクリーン512とリアスクリーンユニット290との間の演出空間700に役物(本実施形態の大型役物本体部230)が存在する場合には、かかる役物が透明でなければ、当該役物の後方の映像を視認することができないおそれがある。しかし、フロント投影装置600から投射される映像光により投影される映像と、リア投影装置120から投射される映像光により投影される映像とが同様の映像である場合には、上記の演出空間700に役物を進出させたとしても、フロント投影装置600から投射される映像光により投影される映像を視認できるので、遊技の進行に支障をきたすことなく、興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1リアプロジェクタ122から上側リアスクリーン2902までの距離と、第2リアプロジェクタ124から下側リアスクリーン2904や中間リアスクリーン2906までの距離が異なる。そのため、各プロジェクタ122,124から投影面である各スクリーン2902,2904,2906までの距離を考慮せずに映像光を投射すると、スクリーン全体に投影される全体映像に歪が生じて違和感を与える(連続性のある映像には見えない)おそれがある。そのため、各プロジェクタから投射される映像光を、投影されるスクリーンまでの距離に応じて映像の縮尺を変えることで、スクリーン全体に投影される全体映像を、連続性のある映像として投影されるようにしている。
[11−2.演出例2]
図73に示される演出例2では、上側リアスクリーン2902に、当該遊技機1の主要なキャラクタの映像が投影されており、下側リアスクリーン2904に、遊技盤のセル画を模した映像とともに遊技領域320の略中央に従来のパチンコ機の液晶表示器を模した映像が投影されており、中間リアスクリーン2906に、パチスロのリール停止操作ボタンを模した映像が投影されている。下側リアスクリーン2904に投影される液晶表示器を模した映像では、従来のパチンコ機のような図柄変動画像を投影することができる。このように、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906とに別々の映像を投影するといった、各スクリーン同士の境界部を利用した映像を投影することで、当該境界部を遊技者に意識させにくくしつつ多彩な映像を投影することができ、興趣を高めることが可能となる。とくに、図73に示される演出例2では、例えばパチンコ機とパチスロといったカテゴリが異なる遊技機がいかにも融合されたかのような映像が投影されるので、これまでにない面白みのある遊技機を提供することができる。上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906とに別々の映像を投影する制御はサブCPU731によって行われ、当該制御を実行するサブCPUは、後述の第6遊技機の「独立投影制御手段」に相当する。なお、上記の演出に加えて、フロントスクリーン512とリアスクリーンユニット290との間の演出空間700に、映像ではない実像としての大型役物本体部230を進出(落下)させる役物演出を行ってもよいことはいうまでもない。
[11−3.演出例3]
図74に示される演出例3では、上側リアスクリーン2902に、当該遊技機1の主要なキャラクタの映像が投影されており、下側リアスクリーン2904に、従来のパチンコ機の液晶表示器を略中央に有する遊技領域を模した映像が投影されている。中間リアスクリーン2906には、上側リアスクリーン2902に投影されている映像と下側リアスクリーン2904に投影されている映像とが被るように投影されている。下側リアスクリーン2904の液晶表示器を模した映像部分には、従来のパチンコ機のような図柄変動画像を投影することができる。しかも、図74では、上側リアスクリーン2902に投影される映像と、下側リアスクリーン2904に投影される映像とが別々の映像でありながらも、これらの映像を融合する映像が中間リアスクリーン2906に投影されているので、リアスクリーンユニット290全体として一つの連続性のある映像が投影されるといった、従来にない新たな映像を投影することができる。なお、この場合も、フロントスクリーン512とリアスクリーンユニット290との間の演出空間700に、映像ではない実像としての大型役物本体部230を進出(落下)させる役物演出を行ってもよいことはいうまでもない。
[11−4.演出例4]
図75に示される演出例4では、リアスクリーンユニット290が、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906といった別々のスクリーンを接合したスクリーンでありながらも、各境界を把握し難い一の投影面として機能している。しかも、リアスクリーンユニット290の後方から複数のリア投影装置120(第1リアプロジェクタ122,第2リアプロジェクタ124)を用いて映像を投影しているため、このリアスクリーンユニット290には、広い領域において、連続性のある映像を投影することが可能となっている。このように、演出例4では、リアスクリーンユニット290の略全領域を使ったインパクトのある映像を投影することができる。上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906とによる広い領域において、連続性のある映像を投影する制御はサブCPU731によって行われ、当該制御を実行するサブCPUは、後述の第6遊技機の「協働投影制御手段」に相当する。なお、この場合も、フロントスクリーン512とリアスクリーンユニット290との間の演出空間700に、映像ではない実像としての大型役物本体部230を進出(落下)させる役物演出を行ってもよいことはいうまでもない。
なお、図73〜図75に示される演出例2〜4は、これらのうちの一つの演出例だけを遊技機に採用してもよいし、これらのうちの複数の演出例を切り替えて映像できる態様で採用するようにしてもよい。また、図73〜図75に示される演出例のうち複数の演出例を切り替えて映像できる態様で遊技機に採用する場合には、例えば遊技状態等に応じて採用される演出例が異なるように切り替えると、効果的な表示演出を行うことができる。例えば、通常遊技状態では、遊技者の注視を図柄変動演出に引き寄せるために図73に示される演出例2または図74に示される演出例3の映像を投影しつつ、内部抽選の結果が大当りである可能性が高いときに、演出空間700に向けて、映像ではなく実像としての大型役物本体部230が原点位置から進出(落下)するとようにしてもよい。そして、例えば確変遊技状態では、図柄変動演出よりもリアスクリーンユニット290の略全領域を使った迫力のある映像を見せるために図75に示される演出例3を採用することで、遊技状況に応じた映像を投影することができる。
[11−5.演出例5]
図76に示される演出例5では、リアスクリーンユニット290に映像が投影されている状態で後述の内部抽選の結果が大当りとなったとき、リアスクリーンユニット290への映像の投影が維持された状態で、内部抽選の結果を示す大きな映像がフロントスクリーン512に投影されている。フロントスクリーン512に投影される映像(大当りであることを示す「7」図柄のゾロメ映像)は、従来のパチンコ機の液晶表示器を模した映像内で行われていた図柄変動演出の映像が、液晶表示器を模した映像内からいかにも飛び出してきたかのような映像としてもよい。かかる映像を投影することで、これまでにない新たな遊技機を提供することができる。
なお、演出例5では、フロントスクリーン512に、内部抽選の結果を示す大きな映像が投影されているが、フロントスクリーン512に投影される映像がこれに限られないことは言うまでもない。例えば、内部抽選の結果にもとづく演出としての映像がフロントスクリーン512に投影されるようにしてもよい。
[11−6.演出例6]
図77に示される演出例6では、演出空間700に大型役物232が進出したとき、大型役物232の外形を縁取った第1映像5120がフロントスクリーン512に投影されている。このように、大型役物232の外形を縁取った映像をフロントスクリーン512に投影することで、大型役物232を強調することができ、演出空間700への大型役物232が進出する役物演出と相俟って、インパクトのある演出を実行することが可能となる。
さらに、図77では、演出空間700に大型役物232が進出したとき、フロントスクリーン512に第1映像5120が投影されることに加え、大型役物232の外形を縁取った第2映像2920が上側リアスクリーン2902に投影されている。図77では、「7」図柄を模した大型役物232の外縁に沿ってぼんやりとあらわれている映像が第1映像5120であり、「7」を模した大型役物232の外縁に沿ってあらわれている二重線の輪郭が第2映像2920である。このように、演出空間700に大型役物232が進出したとき、フロントスクリーン512に投影される第1映像5120と、上側リアスクリーン2902に投影される第2映像2920とによって、大型役物232をより一層強調することが可能となる。とくに、大型役物232を正面視ではなく斜め方向からみた場合には、第1映像5120と第2映像2920とによって実体物である大型役物232を挟むように視認でき、より一層、大型役物232を強調することができる。
なお、上側リアスクリーン2902、下側リアスクリーン2904、中間リアスクリーン2906、フロントスクリーン512のいずれのスクリーンについても、内部抽選の結果にもとづく演出としての映像だけでなく、遊技が行われていないときに投影されるデモ演出や、大当り遊技中に投影される大当り中演出などが投影されるようにしてもよい。
[12.作用効果]
このように本実施形態の遊技機1では、第1リアプロジェクタ122から投射された映像光により映像が投影される上側リアスクリーン2902と、第2リアプロジェクタ124から投射された映像光により映像が投影される下側リアスクリーン2904とが、中間リアスクリーン2906を介して接続構成されているので、各投影手段(第1リアプロジェクタ122,第2リアプロジェクタ124)と各被投影部材(上側リアスクリーン2902,下側リアスクリーン2904,中間リアスクリーン2906)との距離を最小限に抑えつつ、広域の一の投影領域としてのリアスクリーンユニット290に連続性のある映像を投影することができる。例えば、従来よく用いられていた液晶表示器では、表示領域を大きくするとコストが高くなってしまい、複数の液晶表示器を並べたとしても、他の液晶表示器との境界には画像が表示されないため、映像の連続性を維持することができない。この点、本実施形態の遊技機によれば、スクリーン同士の接続部にも映像が投影されるため、映像の連続性を維持することが可能となる。
また、本実施形態の遊技機1では、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904とが、正面視で異なる領域に映像が投影されるように上下方向にずれた位置に配置されている。そしてその上で、上側リアスクリーン2902が、当該上側リアスクリーン2902の前方(下側リアスクリーン2904および遊技パネル300の上方)に演出空間700が形成されるように、下側リアスクリーン2904よりも後方に配置されている。これにより、上側リアスクリーン2902の前方に形成された演出空間700を使ってさまざまな演出を行うことができ、拡張性のある遊技機を提供することが可能となる。とくに、上側リアスクリーン2902と下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906とによる広域な投影領域を使って映像を投影することができる。しかも、遊技領域320における遊技と、上側リアスクリーン2902および下側リアスクリーン2904に投影される映像とのいずれをも視認できる拡張性のある遊技を実行可能であるとともに、遊遊技領域320における遊技と下側リアスクリーン2904に投影される映像との視認を維持しつつ、さらに大型役物本体部230による可動演出を実行可能とした、これまでにない新たな演出を行うことが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
また、本実施形態の遊技機1では、遊技パネル300よりも後方に配置されたリアスクリーンユニット290に投影される映像と、遊技パネル300よりも前方に配置されたフロントスクリーン512に投影される映像との両方を正面視で視認可能できる。しかも、上側リアスクリーン2902に投影される映像とフロントスクリーン512に投影される映像との間に、内部抽選の結果にもとづいて大型役物本体部230が進出するように構成されている。また、下側リアスクリーン2904に投影される映像とフロントスクリーン512に投影される映像との間には、遊技領域320を有する遊技パネル300が配置されている。このように、後方の映像と前方の映像との間で、映像ではない実体物が介在する遊技が行われるといった、奥行き感のある、これまでにない新たな演出を行うことが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
また、本実施形態の遊技機1では、内部抽選の結果にもとづく演出としての映像が投影されるフロントスクリーン512を前扉ユニット500の開口窓5402に有するとともに、内部抽選の結果にもとづいてフロントスクリーン512の前方位置に向けて作動する役物演出が行われる飾り役物560がフロントスクリーン512よりも上方に配置されている。上記のフロントスクリーン512および飾り役物560は、それぞれ、従来のパチンコ機1における例えば液晶表示器およびセンター役物の上方に配置される可動役物のような存在感を出すことができる。すなわち、本実施形態の遊技機1では、内部抽選の結果にもとづく演出としての映像、および、フロントスクリーン512の前方に飾り役物560が向けて作動する役物演出のいずれもが、従来のパチンコ機1よりも遊技者に近い位置で行われることとなる。また、前扉ユニット500には、フロントスクリーン512よりも下方に、遊技領域320に向けて遊技球を発射可能な発射ハンドル588が配置されている。そのため、本実施形態の遊技機1において遊技を行う遊技者に対して、従来のパチンコ機における遊技盤の下方に配置された発射ハンドルからいかにも遊技球を発射しているかのような感覚を与えうることとなり、これまでにない斬新な遊技機を提供することが可能となる。
また、本実施形態の遊技機1では、「7」図柄を模した重量感のある大型役物232の後方に導光板(前側導光板234,後側導光板236)を配置しており、これらの導光板を、大型役物232の外形の周縁部に沿って周回させるようにしている。そのため、インパクトのある役物演出を行うことができるだけでなく、大型役物232を実際の大きさよりも大きく見せることができる。しかも、大型役物232が大きくて重量がある場合には、当該大型役物232を容易に作動させることが難しく、作動させたとしても小さな動きしか行えない可能性がある。しかし、このような場合であっても、いかにも大型役物232が動いているかのように見せることが可能となることに加え、可動役物の大型化により大きなインパクトを与えつつ、当該可動役物の実際の動きよりも大きな動きを行っているかのような効果的な役物演出を行うことが可能となる。
また、本実施形態の遊技機1では、大型役物232の後方に配置される導光板(前側導光板234,後側導光板236)が、正面視で大型役物232の周縁部よりも外側にはみ出る程度の大きさの略相似形となっている。そして、これらの導光板を、回転機構(前側導光板回転駆動機構2340,後側導光板回転駆動機構2360)と上下動機構(導光板上下駆動機構239,270)とにより、大型役物232の外形の周縁部に沿って、上下動させつつ周回させることができるように構成されている。このようにして、大型役物232の後方に別部材としての導光板が配置されていることを意識させないようにしつつ、大型役物232を実際の大きさよりも大きく見せることが可能となる。従来のパチンコ機では、可動役物を大型化すると大きなインパクトを与えることができる役物演出を実行することが可能となるが、その一方で、可動役物が重くなってしまい、当該可動役物に動きを与える役物演出を行うことが困難となる。この点、本実施形態の遊技機1によれば、大型役物232を大きく見せることができることに加え、大型役物232の大型化により大きなインパクトを与えつつ、当該大型役物232の実際の動きよりも大きな動きを行っているかのような効果的な役物演出を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、「大型役物232の外形の周縁部に沿って周回」させたり、「大型役物232の外形の周縁部に沿って、上下動させつつ周回」させたりしているが、これに限られない。例えば、大型役物232と対向して当該大型役物232の後方に配置される後方役物(本実施形態では、前側導光板234,後側導光板236)を、正面視で視認できる態様で、当該大型役物232の後方において対向させつつ回動させることができれば、大型役物232を強調することができ、大型役物232を実際の大きさよりも大きく見せたり、大型役物232が例えば停止していたり小さな動きしか行っていないような場合であっても、実際の動きよりも大きく大型役物232が動いているかのように見せることが可能となる。なお、後方役物の数は1つであっても2つであってもよく、その数は限定されない。
「正面視で視認できる態様で、当該大型役物232の後方において対向させつつ回動させる」とは、後方役物の外形全部を視認できる必要はなく、後方役物の一部(例えば、外周部分)でも視認できればよい。
また、「回動」とは、必ずしも作動開始位置を通るようにして回動するものに限られず、さらには、例えば八の字のように回動方向を変えて回るものであってもよい。
また、後方役物は、立体形状物よりも板状部材の方が好ましい。後方役物が板状部材であれば、大型役物232に対して前後方向で重なるように近接して対向させつつ回動させることができるため、大型役物232をより強調できるからである。この観点から言えば、大型役物232についても、後方役物と対向する側の面が平面状であることが好ましい。
また、必ずしも大型役物232よりも後方部材の方が大きい必要はない。大型役物232よりも後方部材の方が小さかったとしても、正面視で後方役物を視認できる程度に大きな軌道で回れば、正面視で大型役物232の後方で後方役物が回っていることを視認できるからである。
また、本実施形態では、大型役物232の後方で、後方役物を回動させつつ上下動させているが、回動とは別の動きが必ずしも上下動に限られず、直線的な動きを行うものであればよい。例えば、左右方向に直線的に往復移動するものであってもよいし、斜め方向に直線的に往復移動するものであってもよい。
また、本実施形態では、後方役物として前側導光板234および後側導光板236を備えており、大型役物232の後方において、後側導光板236が、近接して対向配置される前側導光板234を追いかけるように略同じ速度で回転運動しているが、前側導光板234と後側導光板236との相対的な動きはこれに限られない。例えば、前側導光板234が作動する軌道と後側導光板236が作動する軌道とが正面視で略同じ軌道であるものの、両者の作動方向が反対方向であってもよい。また、前側導光板234が作動する軌道と後側導光板236が作動する軌道とが同じであって、両者が作動する方向も同じあるものの、両者の作動速度が異なるものであってもよい。また、前側導光板234と後側導光板236とで、大型役物232の後方を回る軌道の大きさが異なっていてもよい。また、前側導光板234と後側導光板236とのうち、いずれか一方のみが前方に向けて発光し、他方が発光しないものであってもよい。
また、本実施形態の遊技機1では、大型役物本体部230が、大型役物支持アーム238を介して、左方において大型役物左駆動機構240に支持されており、右方において大型役物右駆動機構260に支持されている。このように、大型役物本体部230が左方および右方の両方で支持されている場合(すなわち、両持ちの場合)、大型役物左駆動機構240による昇降速度と大型役物右駆動機構260による昇降速度とが一致しなければ、スムーズな昇降ができないだけでなく、場合によっては昇降できないといった事態も生じうる。とくに、大型役物232のように重量感のある大きな役物であればその傾向が顕著である。大型役物左駆動機構240による昇降速度と大型役物右駆動機構260による昇降速度との不一致は、例えば異物の噛み込み等、些細な事が原因となって生じうる。この点、本実施形態の遊技機1によれば、上方向における自由度が大きくなるように、大型役物本体部230(より詳しくは大型役物支持アーム238)が、左右いずれも上方向に固定されないよう台座252に載置されている。そのため、大型役物左駆動機構240による昇降速度と大型役物右駆動機構260による昇降速度とが必ずしも一致していなくても、スムーズな昇降を、極力、維持することが可能となる。その結果、可動役物としての大型役物232の大型化を図ることができ、大きなインパクトを与えることができる役物演出を実行することが可能となる。
また、本実施形態の遊技機1では、大型役物232が原点位置に位置するときに、原点位置において、大型役物本体部230(より詳しくは大型役物支持アーム238)をロック機構250により保持することができるため、大型役物232の大型化を図ったとしても、重力作用により自然落下してしまうことを防止でき、大きなインパクトを与えることができる役物演出を実行することが可能となる。ところで、大型役物本体部230を下方から支えて保持する場合、かかる保持を、大型役物支持アーム238の下面に対してロック機構250をスライドさせて解除しようとすると、大型役物本体部230の重みによって相当の力を要する。この点、本実施形態によれば、スライドさせることなくロック機構250の回転運動によって保持態様と解除状態とを切り替えることができるので、大きな力を左程必要とすることなく、大型役物本体部230の下面に対してロック機構250を保持態様から解除状態に切り替えることができる。
また、本実施形態の遊技機1では、前飾り枠550の張出部5520に配置されたフロント投影装置600から投射された映像光により映像がフロントスクリーン512に投影されることに加えて、内部抽選の結果にもとづいて作動可能な大型役物232を前飾り枠550の張出部5520に備えているため、これまでにない新たな演出を行うことが可能となる。とくに、飾り役物560については、従来よりも遊技者に近い位置で作動させる役物演出を行うことができる。ところで、前飾り枠550の張出部5520には、フロント投影装置600と飾り役物560とが配置されているが、フロントスクリーン512に映像を適正に投影させるためには、飾り役物560の作動にかかわらずフロント投影装置600を常に固定する必要がある。そこで、前飾り枠550の張出部5520に配置されたフロント投影装置600と飾り役物560とのうち飾り役物560のみを作動させることが可能な飾り役物駆動機構570を備えることで、可動役物を、鮮明な映像が投影されている状態で上側リアスクリーン2902の前方位置に向けて進出させることが可能となり、これまでにない新たな演出を、好適に、行うことが可能となる。
また、本実施形態の遊技機1では、前飾り枠550の張出部5520に配置されたフロント投影装置600から投射された映像光により映像がフロントスクリーン512に投影されることに加えて、内部抽選の結果にもとづいて作動可能な飾り役物560を前飾り枠550の張出部5520に備えているため、これまでにない新たな演出を行うことが可能となる。とくに、飾り役物560については、従来よりも遊技者に近い位置で作動させる役物演出を行うことができる。また、前飾り枠550の張出部5520には、フロント投影装置600と飾り役物560とが配置されているが、フロントスクリーン512に映像を適正に投影させるためには、飾り役物560の作動にかかわらずフロントプロジェクタ622およびフロントミラー624を常に固定する必要がある。そこで、前飾り枠550の張出部5520に配置されたフロントプロジェクタ622とフロントミラー624と飾り役物560とのうち飾り役物560のみを作動させることが可能な飾り役物駆動機構570を備えるようにしている。ところで、フロントプロジェクタ622とフロントミラー624と飾り役物560とのうち飾り役物560のみを作動させた場合、飾り役物560の後方に配置されるフロントミラー624の前面側が露出してしまう。そこで本発明では、飾り役物560が作動したときに露出するフロントミラー624の露出部分に、装飾が施された装飾部を有するようにしている。これにより、飾り役物560が作動したときの美観性を担保しつつ、これまでにない新たな演出を、好適に、行うことが可能となる。
[13.本実施形態に係る遊技機の拡張性]
なお、本実施形態の遊技機1では、フロント投影装置600から投射された映像光とリア投影装置120から投射された映像光とが別のスクリーンに投影されるようになっている(フロント投影装置600から投射された映像光はフロントスクリーン512に投影され、リア投影装置120から投射された映像光はリアスクリーンユニット290に投影される)。そして、フロント投影装置600から投射された映像光が投影されるフロントスクリーン512と、リア投影装置120から投射された映像光が投影されるリアスクリーンユニット290との位置関係は、前後方向にずれつつ、両スクリーンに投影される映像が正面視で重なる領域にあらわれる位置関係となっている。ただし、フロント投影装置600から投射された映像光により投影される映像と、リア投影装置120から投射された映像光により投影される映像とのうちいずれか一方の映像を視認できないといった事態が生じたとしても遊技の進行に支障をきたさないようにするといった観点からいえば、必ずしも、2つのスクリーン(フロントスクリーン512,リアスクリーンユニット290)を設ける必要はない。例えば、1枚のスクリーンの裏面に、後方から前方に向けて投射された映像光により正面視で視認できる映像が投影されるとともに、当該1枚のスクリーンの表面に、前方から後方に向けて投射された映像光により正面視で視認できる映像が投影されるようにしてもよい。このような場合には、たとえいずれか一方の映像を視認できないといった事態が生じたとしても、遊技の進行に支障をきたすことがない。
また、本実施形態の遊技機1では、リア投影装置120およびフロント投影装置600のそれぞれから投射された映像光により、リアスクリーンユニット290およびフロントスクリーン512のそれぞれに映像が投影される態様の一例を、図47の模式的側面図を用いて説明したが、図47に示される構成に代えて、図78に示される構成であってもよい。図78は、リア投影装置120およびフロント投影装置600のそれぞれから投射された映像光により、リアスクリーンユニット290およびフロントスクリーン512のそれぞれに映像が投影される態様の一例を示す図であって、図47の変形例である。なお、図78は、図47と同様に模式図であるから、例えばプロジェクタ122,126,622の設置角度等、実際のものとは多少の相違がある。
具体的には、図78に示されるように、フロントスクリーン512の左右方向の幅と略同じまたはそれよりも大きな幅で、フロントミラー624または飾り役物560の下方位置からフロントスクリーン512の下方位置までを、両側面も含めて前方から覆うように、映像光保護部材530が設けられている。この映像光保護部材530は、後方を視認できるように、透明の板状部材(例えば、ガラス板や樹脂部材)で構成されている。これにより、フロントプロジェクタ622から投射された映像光(フロントミラー624で反射された映像光)を前方から覆うことができるため、例えば遊技者が映像光を遮ったりしてフロントスクリーン512に投影される映像に影が入り込んでしまったりする等の不具合を防止できる。また、図78に示されるように、映像光保護部材530は、飾り役物560の作動範囲(飾り役物560の下方)を避けて設けられているため、飾り役物560による役物演出の実行が妨げられることもない。
また、図78に示されるように、この変形例では、第1リアプロジェクタ122が後方に向けて映像光を投射するとともに、第1リアプロジェクタ122から後方に向けて投射された映像光を前方に反射させるリアミラー128を備えている。これにより、投影面である上側リアスクリーン2902までの距離をかせぐことが可能となり、より大きな映像を上側リアスクリーン2902に投影することが可能となる。
また、本実施形態の遊技機1は、例えば「1」〜「6」の6段階の設定値を、例えばホール関係者によりセットできるように構成されていてもよい。設定値を変更すると、例えば内部抽選における大当り確率(内部当選確率)が変更される。
本実施形態の遊技機1は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全ての遊技機について、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路720自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路720に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
主制御回路720に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、遊技機1の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、本実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。
<付記>
[第1〜第13の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると内部抽選が行われ、内部抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。そして、内部抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が実行される。
この種の遊技機として、電源のオン・オフによって透明状態と乳白色状態(不透明状態)とに切り替わるスクリーンシートを表示部の前方に配置し、このスクリーンシートが不透明状態であるときにレーザー光を出力する遊技機が知られている(例えば、特開2014−200478号公報参照)。
(第1の課題)
上記の特開2014−200478号公報に記載の遊技機によると、スクリーンシートへの画像表示と、表示部への表示とを組み合わせることで、遊技者に対して視覚的なインパクトを与えることができる可能性がある。
しかし、近年、さらなる視覚的なインパクトを与えることができる演出を行うことで、興趣を高めることが可能な遊技機が望まれている。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第1の遊技機を提供する。
[第1の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU721)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
遊技領域を有する遊技部材(例えば、遊技パネル300)と、
前記遊技部材よりも後方に配置され、演出が行われる後方演出部材(例えば、リアスクリーンユニット290)と、
前記遊技部材よりも前方に配置され、後方に向けて、映像光を投射可能な前方投影手段(例えば、フロント投影装置600)と、
前記遊技部材よりも前方に配置され、前記前方投影手段から投射された映像光により、正面視で視認可能な演出が行われる前方演出部材(例えば、フロントスクリーン512)と、
を備え、
前記前方演出部材は、
前記前方投影手段から投射された映像光により投影される演出のみならず、前記後方演出部材において行われる演出についても正面視で視認可能な透過性の投影領域(例えば、網状シート5124が貼り付けられた領域)を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技部材(例えば、遊技パネル300)の後方に配置された後方演出部材(例えば、リアスクリーンユニット290)において行われる演出と、遊技部材の前方に配置された前方演出部材(例えば、フロントスクリーン512)において行われる演出との両方を正面視で視認可能となる。しかも、後方演出部材と前方演出部材との間には、遊技領域を有する遊技部材が配置されているため、後方の演出と前方の演出との間で、映像ではない実体物による遊技が行われることとなる。これにより、これまでにない新たな遊技機を提供することが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
なお、「遊技領域を有する遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第2の遊技機を提供する。
[第2の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域を有する遊技部材(例えば、遊技パネル300)と、
前記遊技部材よりも後方に配置され、前方の投影領域(例えば、リアスクリーンユニット290)に向けて、映像として投影される映像光を投射可能な後方投影手段(例えば、リア投影装置120)と、
前記遊技部材よりも前方に配置され、後方の投影領域(例えば、網状シート5124が貼り付けられた領域)に向けて、映像として投影される映像光を投射可能な前方投影手段(例えば、フロント投影装置600)と、
を備え、
前記後方投影手段から投射された映像光が投影される投影領域と、前記前方投影手段から投射された映像光が投影される投影領域とが、正面視で重なる領域を有するように構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、後方投影手段(例えば、リア投影装置120)から投射された映像光が投影される投影領域(例えば、リアスクリーンユニット290)と、前方投影手段(例えば、フロント投影装置600)から投射された映像光が投影される投影領域(例えば、フロントスクリーン512)とが、正面視で重なる。これにより、これまでにない新たな表示演出を行うことが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
なお、「後方投影手段から投射された映像光が投影される投影領域と、前方投影手段から投射された映像光が投影される投影領域とが、正面視で重なる。」とは、被投影部材が一つであっても良いし、二つであっても良い。被投影部材が一つである場合には、例えば、後方投影手段から投射された映像光が裏面に投影され、前方投影手段から投射された映像光が表面に投影される態様が考えられる。また、被投影部材が二つである場合には、例えば、前後方向に被投影部材を配置し、後方投影手段から投射された映像光が後方に配置された被投影部材に投影され、前方投影手段から投射された映像光が前方に配置された被投影部材に投影される態様が考えられる。
また、「遊技領域を有する遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技部材は透明領域を有し、
前記遊技部材よりも後方に配置され、前記後方投影手段から投射された映像光により、映像が投影される後方被投影部材(例えば、リアスクリーンユニット290)と、
前記遊技部材よりも前方に配置され、前記前方投影手段から投射された映像光により、映像が投影される前方被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)と、
をさらに備え、
前記前方被投影部材は、
前記前方投影手段から投射された映像光により投影される映像のみならず、前記後方投影手段から投射された映像光により前記後方被投影部材に投影される映像についても正面視で視認可能な透過性の投影領域(例えば、網状シート5124が貼り付けられた領域)を有することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、後方被投影部材(例えば、リアスクリーンユニット290)と後方被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)とが正面視で前後方向に重なる領域に配置される。また、前方被投影部材は、前方投影手段から投射された映像光により投影される映像のみならず、後方投影手段に投影される映像についても正面視で視認可能となる。しかも、後方演出部材と前方演出部材との間には、遊技領域を有する遊技部材が配置されているため、後方の映像と前方の映像との間で、映像ではない実体物による遊技が行われることとなる。これにより、これまでにない新たな遊技機提供することが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第3の遊技機を提供する。
[第3の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域を有する遊技部材(例えば、遊技パネル300)と、
前記遊技部材よりも後方に配置され、前方の投影領域(例えば、リアスクリーンユニット290)に向けて、演出として投影される映像光を投射可能な後方投影手段(例えば、リア投影装置120)と、
前記後方投影手段から投射される映像光を制御する後方制御手段(例えば、サブCPU731)と、
前記遊技部材よりも前方に配置され、後方の投影領域(例えば、フロントスクリーン512)に向けて、演出として投影される映像光を投射可能な前方投影手段(例えば、フロント投影装置600)と、
前記前方投影手段から投射される映像光を制御する前方制御手段(例えば、サブCPU731)と、
を備え、
前記後方投影手段から投射された映像光が投影される投影領域と、前記前方投影手段から投射された映像光が投影される投影領域とが、正面視で重なる領域を有するように構成されており、
前記後方制御手段または/および前記前方制御手段は、
前記後方投影手段から投射される映像光により投影される演出と、前記前方投影手段から投影される映像光により投影される演出とで同様の演出が行われるよう制御可能である
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、後方投影手段(例えば、リア投影装置120)から投射された映像光が投影される投影領域(例えば、リアスクリーンユニット290)と、前方投影手段から投射された映像光が投影される投影領域(例えば、フロントスクリーン512)とが、正面視で重なる。しかも、後方演出部材と前方演出部材との間には、遊技領域を有する遊技部材が配置されているため、後方の演出と前方の演出との間で、映像ではない実体物による遊技が行われることとなる。これにより、これまでにない新たな遊技機提供することが可能となる。
また、後方投影手段から投射される映像光により投影される演出と、前方投影手段から投射される映像光により投影される演出とで同様の演出が行われる。そのため、例えば、いずれか一方の演出が行われないといった事態が生じたとしても、他方の演出を視認することが可能となり、遊技の進行に支障を与えることを回避できる。また、前方投影手段から投射される映像光の光軸を、例えば遊技者の手で遮ることができるような場合には、前方投影手段から投射される映像光により投影される演出に影が入り込んでしまう虞がある。しかし、このような場合であっても後方被投影部材に投影される演出を視認できるため、遊技の進行に支障をきたすことを回避できる。
なお、「後方投影手段から投射された映像光が投影される投影領域と、前方投影手段から投射された映像光が投影される投影領域とが、正面視で重なる。」とは、被投影部材が一つであっても良いし、二つであっても良い。被投影部材が一つである場合には、例えば、後方投影手段から投射された映像光が裏面に投影され、前方投影手段から投射された映像光が表面に投影される態様が考えられる。また、被投影部材が二つである場合には、例えば、前後方向に被投影部材を配置し、後方投影手段から投射された映像光が後方に配置された被投影部材に投影され、前方投影手段から投射された映像光が前方に配置された被投影部材に投影される態様が考えられる。
また、本発明に記載された「前記後方制御手段または/および前記前方制御手段は、前記後方投影手段から投射される映像光により投影される演出と、前記前方投影手段から投影される映像光により投影される演出とで同様の演出が行われるよう制御可能」とは、「後方制御手段が、前方投影手段から投影される映像光により投影される演出と同様の演出が行われるように制御する態様」、「前方制御手段が、後方投影手段から投影される映像光により投影される演出と同様の演出が行われるように制御する態様」および「後方制御手段と前方制御手段との両方の制御によって、前方投影手段から投影される映像光により投影される演出と、後方投影手段から投影される映像光により投影される演出とで同様の演出が行われる態様」のいずれをも含むものである。
なお、「同様の演出」とは、形状、大きさ、色合いおよび動き等が全て同じであることが好ましいが、遊技者から見て同様と認識しうる範囲内であれば、これらのうちのいずれかが異なっていてもよい。
また、「遊技領域を有する遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技部材(例えば、遊技パネル300)は透明領域を有し、
前記遊技部材よりも後方に配置される後方被投影部材(例えば、リアスクリーンユニット290)と、
前記遊技部材よりも前方に配置される前方被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)と、
をさらに備え、
前記後方投影手段(例えば、リア投影装置120)は、
前記後方被投影部材の後方から当該後方被投影部材に向けて映像光を投射し、
前記前方投影手段(例えば、フロント投影装置600)は、
前記前方被投影部材の前方から当該前方被投影部材に向けて映像光を投射する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、後方被投影部材と後方被投影部材とが正面視で前後方向に重なる領域に配置される。また、前方被投影部材は、前方投影手段から投射された映像光により投影される演出のみならず、後方投影手段に投影される演出についても正面視で視認できるため、これまでにない新たな表示演出を行うことが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第4の遊技機を提供する。
[第4の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU721)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
前方に向けて映像光を投射可能な投影手段(例えば、リア投影装置120)と、
前記投影手段から投射された映像光により映像を投影可能であり、一の被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)と他の被投影部材(例えば、中間リアスクリーン2906)とが接続された接続部を有する被投影部材(例えば、リアスクリーンユニット290)と、
遊技領域(例えば、遊技領域320)を有し、前記一の被投影部材の前方に配置される遊技部材(例えば、遊技パネル300)と、
を備え、
前記遊技部材は、
当該遊技部材の周縁部(例えば、遊技パネル300の上辺)と前記被投影部材の前記接続部(例えば、下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906との接続部)とが正面視で略同一直線上となるように構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、一の被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)と他の被投影部材(例えば、中間リアスクリーン2906)とが接続された被投影部材に映像が投影されるので、広域な投影領域に映像を投影することができる。しかも、遊技部材(例えば、遊技パネル300)の周縁部(例えば、遊技パネル300の上辺)と被投影部材の接続部(例えば、下側リアスクリーン2904と中間リアスクリーン2906との接続部)とが正面視で略同一直線上となるように構成されているので、被投影部材に投影される映像に与えうる影響を最小限にとどめることができる。なお、遊技部材の周縁部と被投影部材の接続部とが正面視で略同一直線上であるか否かは、正面から見る角度によっても変わるため、遊技者が遊技機に向かって着座した状態で、遊技者視線で、遊技部材の周縁部と被投影部材の接続部とが略同一直線上となるように構成されていることが好ましい。例えば、遊技者が遊技機に向かって着座した状態で、遊技部材の辺を視る遊技者視線(遊技者の目と遊技部材の辺とを結ぶ線)が略水平となる場合であれば、遊技部材の周縁部と被投影部材の接続部とが略水平方向に略同一直線上であれば良い。
なお、「遊技部材の周縁部」とは、遊技部材が矩形であって、一の被投影部材の上方に他の被投影部材が位置するように両者が接続される場合には、遊技部材の上辺に沿う周縁部が相当する。また、遊技部材が矩形であって、一の被投影部材の下方に他の被投影部材が位置するように両者が接続される場合には、遊技部材の下辺に沿う周縁部が相当する。また、遊技部材が矩形であって、一の被投影部材の左方に他の被投影部材が位置するように両者が接続される場合には、遊技部材の左辺に沿う周縁部が相当する。さらに、遊技部材が矩形であって、一の被投影部材の右方に他の被投影部材が位置するように両者が接続される場合には、遊技部材の右辺に沿う周縁部が相当する。
また、「遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技部材(例えば、遊技パネル300)は、
当該遊技部材の後方に配置される被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)に投影される映像を視認可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、遊技領域を視認しつつ、遊技部材の後方に配置される被投影部材に投影される映像をも視認することができる。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第5の遊技機を提供する。
[第5の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU721)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
映像光を投射可能な第1投影手段(例えば、第1リアプロジェクタ122)と、
前記第1投影手段から投射された映像光により映像が投影される第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と、
映像光を投射可能な第2投影手段(例えば、第2リアプロジェクタ124)と、
正面視で前記第1被投影部材と離れた位置に配置され、前記第2投影手段から投射された映像光により映像が投影される第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)と、
前記第1被投影部材と前記第2被投影部材との間に配置される第3被投影部材(例えば、中間リアスクリーン2906)と、
を備え、
前記第1被投影部材と前記第2被投影部材とのうちいずれか一方が他方よりも前方に配置されることで、互いに前後方向となるように配置されているとともに、
前記第3被投影部材は、
前記第1被投影部材と前記第2被投影部材との間をうめるように傾斜して配置されており、
前記第1被投影部材と前記第2被投影部材と前記第3被投影部材とによって連続性のある映像を投影することができる一の表示領域(例えば、リアスクリーンユニット290)となるように、前記第3被投影部材が前記第1被投影部材および前記第2被投影部材と接続構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1投影手段(例えば、第1リアプロジェクタ122)から投射された映像光により映像が投影される第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と、正面視で第1被投影部材と離れた位置に配置され、第2投影手段(例えば、第2リアプロジェクタ124)から投射された映像光により映像が投影される第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)と、第1被投影部材と第2被投影部材との間に配置される第3被投影部材(例えば、中間リアスクリーン2906)とを備えている。第1被投影部材と第2被投影部材とは互いに前後方向となるように配置されているものの、第3被投影部材が、第1被投影部材と第2被投影部材との間をうめるように、第1被投影部材および第2被投影部材と接続構成されて傾斜して配置されている。これにより、第1被投影部材と第2被投影部材とが前後方向にずれつつも一の表示領域(例えば、リアスクリーンユニット290)を形成することができる。これにより、各投影手段と各被投影部材との距離を最小限に抑えつつ、広域の一の表示領域(例えば、リアスクリーンユニット290)が前後方向にずれていたとしても、連続性のある映像を投影することができる。例えば、従来よく用いられていた液晶表示器では、表示領域を大きくするとコストが高くなってしまい、複数の液晶表示器を並べたとしても、他の液晶表示器との境界には画像が表示されないため、映像の連続性を維持することができない。とくに、複数の液晶表示器を用いて前後方向にずれた表示領域を形成することができない。この点、本発明によれば、前後方向にずれた広域の一の表示領域に連続性のある映像を投影することが可能となる。
なお、「前記第1被投影部材と前記第2被投影部材との間に配置される第3被投影部材」は、一つの部材で構成されたものであってもよいし、複数の部材を接続して構成されたものであってもよい。
また、第1投影手段および第2投影手段とは別に、第3被投影部材に映像光を投射する第3投影手段を備えるようにしてもよいし、第1投影手段または/および第2投影手段から投射された映像光により、第3被投影手段が投影されるようにしてもよい。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第6の遊技機を提供する。
[第6の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU721)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
映像光を投射可能な第1投影手段(例えば、第1リアプロジェクタ122)と、
前記第1投影手段から投射された映像光により映像が投影される第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と、
映像光を投射可能な第2投影手段(例えば、第2リアプロジェクタ124)と、
正面視で前記第1被投影部材と離れた位置に配置され、前記第2投影手段から投射された映像光により映像が投影される第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)と、
前記第1被投影部材と前記第2被投影部材との間に配置される第3被投影部材(例えば、中間リアスクリーン2906)と、
前記第1投影手段および/または前記第2投影手段から投射される映像光を制御可能な投影制御手段(例えば、サブCPU731)と、
を備え、
前記第1被投影部材と前記第2被投影部材とのうちいずれか一方が他方よりも前方に配置されることで、互いに前後方向となるように配置されているとともに、
前記第3被投影部材は、
前記第1被投影部材と前記第2被投影部材との間をうめるように傾斜して配置されており、
前記第1被投影部材と前記第2被投影部材と前記第3被投影部材とによって連続性のある映像を投影することができる一の表示領域(例えば、リアスクリーンユニット290)となるように、前記第3被投影部材が前記第1被投影部材および前記第2被投影部材と接続構成されているとともに、
前記投影制御手段は、
前記第1被投影部材と前記第2被投影部材と前記第3被投影部材とで構成される前記一の表示領域に連続性のある一の映像が投影されるように制御する協働投影制御手段と、
前記第1被投影部材と前記第2被投影部材とで異なる映像が投影されるように制御する独立投影制御手段とを有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1投影手段(例えば、第1リアプロジェクタ122)から投射された映像光により映像が投影される第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と、正面視で第1被投影部材と離れた位置に配置され、第2投影手段(例えば、第2リアプロジェクタ124)から投射された映像光により映像が投影される第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)と、第1被投影部材と第2被投影部材との間に配置される第3被投影部材(例えば、中間リアスクリーン2906)とを備えている。第1被投影部材と第2被投影部材とは互いに前後方向となるように配置されているものの、第3被投影部材が、第1被投影部材と第2被投影部材との間をうめるように、第1被投影部材および第2被投影部材と接続構成されて傾斜して配置されている。これにより、第1被投影部材と第2被投影部材とが前後方向にずれつつも一の表示領域(例えば、リアスクリーンユニット290)を形成することができる。これにより、各投影手段と各被投影部材との距離を最小限に抑えつつ、広域の一の表示領域(例えば、リアスクリーンユニット290)が前後方向にずれていたとしても、連続性のある映像を投影することができる。例えば、従来よく用いられていた液晶表示器では、表示領域を大きくするとコストが高くなってしまい、複数の液晶表示器を並べたとしても、他の液晶表示器との境界には画像が表示されないため、映像の連続性を維持することができない。とくに、複数の液晶表示器を用いて前後方向にずれた表示領域を形成することができない。この点、本発明によれば、前後方向にずれた広域の一の表示領域に連続性のある映像を投影することが可能となる。さらに、第1被投影部材と第2被投影部材と第3被投影部材とで構成される一の表示領域に連続性のある一の映像が投影される態様と、第1被投影部材と第2被投影部材とで異なる映像が投影される態様とを、例えば遊技状態に応じて変えることもできる。
なお、「前記第1被投影部材と前記第2被投影部材との間に配置される第3被投影部材」は、一つの部材で構成されたものであってもよいし、複数の部材を接続して構成されたものであってもよい。
また、第1投影手段および第2投影手段とは別に、第3被投影部材に映像光を投射する第3投影手段を備えるようにしてもよいし、第1投影手段または/および第2投影手段から投射された映像光により、第3被投影手段が投影されるようにしてもよい。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第7の遊技機を提供する。
[第7の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU721)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
映像光を投射可能な第1投影手段(例えば、第1リアプロジェクタ122)と、
前記第1投影手段から投射された映像光により映像が投影される第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と、
映像光を投射可能な第2投影手段(例えば、第2リアプロジェクタ124)と、
前記第2投影手段から投射された映像光により映像が投影されるとともに、前記第1被投影部材に投影される映像とは正面視で異なる領域に映像が投影されるように配置される第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)と、
を備え、
前記第1被投影部材は、
当該第1被投影部材の前方に空間(例えば、演出空間700)が形成される態様で前記第2被投影部材よりも後方に配置されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と第2投影手段(例えば、下側リアスクリーン2904)とが、正面視で異なる領域に映像が投影されるようにずれて配置されている。そしてその上で、第1被投影部材が、当該第1被投影部材の前方に空間(例えば、演出空間700)が形成される態様で第2被投影部材よりも後方に配置されている。これにより、第1被投影部材の前方に形成された空間を使ってさまざまな演出を行う等、拡張性のある遊技機を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第1被投影部材(例えば、第1リアプロジェクタ122)と前記第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)とは、連続性のある映像を投影することができる一の表示領域(例えば、リアスクリーンユニット290)となるよう接続構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1投影手段(例えば、第1リアプロジェクタ122)から投射された映像光により映像が投影される第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と、第2投影手段(例えば、第2リアプロジェクタ124)から投射された映像光により映像が投影される第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)とが接続構成されている。例えば、従来よく用いられていた液晶表示器では、複数の液晶表示器を前後方向に配置することで一の液晶表示器の前方に空間を形成することは可能であるものの、連続性のある映像を投影することができない。この点、本発明によれば、各投影手段と各被投影部材との距離を最小限に抑えて広域の一の表示領域に連続性のある映像を投影しつつ、第1被投影部材の前方に空間を形成することができ、演出性に優れた遊技機を提供することが可能となる。
なお、「第1投影手段から投射された映像光により映像が投影される第1被投影部材と、第2投影手段から投射された映像光により映像が投影される第2被投影部材とが接続構成されている」とは、第1被投影部材と第2被投影部材とが直接接続されているものに限られず、第1被投影部材と第2被投影部材とが間接的に接続(例えば第1被投影部材と第2被投影部材との間に他の被投影部材を挟む等)されていても良い。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
遊技領域(例えば、遊技領域320)を有し、前記第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)に投影される映像を視認可能な態様で当該第2被投影部材の前方に配置される遊技部材(例えば、遊技パネル300)をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、遊技領域(例えば、遊技領域320)における遊技と第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)に投影される映像との両方を視認可能としつつ、さらに、第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)の前方の空間(例えば、演出空間700)を用いて演出を行うことが可能となり、さらなる拡張性のある遊技機を提供することが可能となる。
なお、「遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第8の遊技機を提供する。
[第8の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU721)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
遊技領域を有する遊技部材(例えば、遊技パネル300)と、
前記遊技部材よりも後方に配置され、演出が行われる後方演出部材(例えば、リアスクリーンユニット290)と、
前記遊技部材よりも前方に配置され、後方に向けて、映像光を投射可能な前方投影手段(例えば、フロント投影装置600)と、
前記遊技部材よりも前方に配置され、前記前方投影手段から投射された映像光により、正面視で視認可能な演出が行われる前方演出部材(例えば、フロントスクリーン512)と、
作動可能に構成される可動役物(例えば、大型役物本体部230)と、
を備え、
前記前方演出部材は、
前記前方投影手段から投射された映像光により投影される演出のみならず、前記後方演出部材に投影される演出についても正面視で視認可能な透過性の投影領域(例えば、網状シート5124が貼り付けられた領域)を有し、
前記可動役物は、
前記抽選の結果にもとづいて、前記前方演出部材において行われる演出と、前記後方演出部材において行われる演出との間(例えば、演出空間)に進出可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技部材(例えば、遊技パネル300)の後方に配置された後方演出部材(例えば、リアスクリーンユニット290)において行われる演出と、遊技部材の前方に配置された前方演出部材(例えば、フロントスクリーン512)において行われる演出との両方を正面視で視認可能となる。しかも、抽選の結果にもとづいて、後方演出部材において行われる演出と前方演出部材において行われる演出との間(例えば、演出空間700)に、映像ではない実体物としての可動役物(例えば、大型役物本体部230)が進出するように構成されているため、より一層、これまでにない新たな演出を行うことが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
なお、「遊技領域を有する遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第9の遊技機を提供する。
[第9の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、サブCPU731)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
遊技領域(例えば、遊技領域320)を有する遊技部材(例えば、遊技パネル300)と、
前記遊技部材の前方に配置され、前記遊技領域を視認可能とする開口窓(例えば、開口窓5002)が形成された枠状部材(例えば、前扉ユニット500)と、
を備え、
前記枠状部材は、
前記開口窓に配置され、前記遊技領域を正面視で視認可能な態様で前記抽選の結果にもとづく演出画像が表示される表示手段(例えば、フロントスクリーン512)と、
前記表示手段の上方に配置され、前記抽選の結果にもとづいて前記表示手段の前方に向けて作動可能であるとともに、当該遊技機にかかわる情報を示す装飾を有する装飾可動役物(例えば、飾り役物560)と、
前記表示手段よりも下方に、前記遊技領域に向けて遊技媒体を発射可能な発射操作手段(例えば、発射ハンドル588)と、
を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、抽選の結果にもとづく演出画像が表示される表示手段(例えば、フロントスクリーン512)を枠状部材(例えば、前扉ユニット500)の開口窓(例えば、開口窓5002)に有するとともに、抽選の結果にもとづいて表示手段の前方位置に向けて作動する役物演出が行われる装飾可動役物(例えば、飾り役物560)が表示手段のよりも上方に配置されている。上記の表示手段および装飾可動役物は、それぞれ、従来の遊技機における例えば液晶表示器およびセンター役物の上方に配置される可動役物に相当する。すなわち、本発明では、抽選の結果にもとづく演出画像、および、表示手段の前方に向けて装飾可動役物が作動する役物演出のいずれもが、従来の遊技機よりも遊技者に近い位置で行われることとなる。また、枠状部材には、表示手段よりも下方に、遊技領域に向けて遊技媒体を発射可能な発射操作手段(例えば、発射ハンドル588)が配置されている。そのため、本発明の遊技機において遊技を行う遊技者に対して、従来のパチンコ機における遊技盤の下方に配置された発射ハンドルからいかにも遊技球を発射しているかのような感覚を与えうることとなり、これまでにない斬新な遊技機を提供することが可能となる。
なお、「遊技領域を有する遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記枠状部材(例えば、前扉ユニット500)は、
前記表示手段(例えば、フロントスクリーン512)に向けて映像光を投射する投影手段(例えば、フロント投影装置600)を有するとともに、
前記表示手段は、
前記投影手段から映像光が投射されることにより前記演出画像としての映像が投影される投影領域(例えば、網状シート5124が貼り付けられた領域)を有し、
前記投影領域は、
前記演出画像としての映像と、前記表示手段よりも後方の遊技領域との両方を正面視で視認可能な透過性の被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)である
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、枠状部材(例えば、前扉ユニット500)の開口窓(例えば、開口窓5002)に配置された表示手段(例えば、フロントスクリーン512)において、演出画像としての映像と、当該表示手段よりも後方の遊技領域(例えば、遊技領域320)との両方を正面視で視認できるため、好適に、これまでにない斬新な遊技機を提供することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第10の遊技機を提供する。
[第10の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、サブCPU731)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
映像光を投射可能な第1投影手段(例えば、第1リアプロジェクタ122)と、
前記第1投影手段から投射された映像光により映像が投影される第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と、
映像光を投射可能な第2投影手段(例えば、第2リアプロジェクタ124)と、
前記第2投影手段から投射された映像光により映像が投影されるとともに、前記第1被投影部材に投影される映像とは正面視で異なる領域に映像が投影されるように配置される第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)と、
遊技領域(例えば、遊技領域320)を有し、前記第2被投影部材に投影される映像を視認可能な態様で当該第2被投影部材の前方に配置される遊技部材(例えば、遊技パネル300)と、
作動可能に構成される可動役物(例えば、大型役物本体部230)と、
を備え、
前記第1被投影部材は、
前記遊技部材および前記第2被投影部材の上方に空間(例えば、演出空間700)が形成される態様で当該第2被投影部材よりも後方に配置されており、
前記可動役物は、
前記抽選の結果にもとづいて、前記遊技部材および前記第2被投影部材の上方に形成された前記空間に進出可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)とが、正面視で異なる領域に映像が投影されるようにずれて配置されている。そしてその上で、第1被投影部材が、遊技部材(例えば、遊技パネル300)および第2被投影部材の上方(すなわち、第1被投影部材の前方)に空間(例えば、演出空間700)が形成される態様で第2被投影部材よりも後方に配置されている。そして、遊技部材および第2被投影部材の上方に形成された空間に、抽選の結果にもとづいて、可動役物(例えば、大型役物232)が進出可能に構成されている。これにより、第1被投影部材および第2被投影部材による広域な領域に映像を投影できる。しかも、遊技領域における遊技と、第1被投影部材および第2被投影部材に投影される映像とのいずれをも視認できる拡張性のある遊技を実行可能であるとともに、遊技領域における遊技と第2被投影部材に投影される映像との視認を維持しつつ、さらに可動役物による可動演出を実行可能とした、これまでにない新たな演出を行うことが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
なお、「遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と前記第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)とは、連続性のある映像を投影することができる一の表示領域(例えば、リアスクリーンユニット290)となるよう接続構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1投影手段(例えば、第1リアプロジェクタ122)から投射された映像光により映像が投影される第1被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)と、第2投影手段(例えば、第2リアプロジェクタ124)から投射された映像光により映像が投影される第2被投影部材(例えば、下側リアスクリーン2904)とが接続構成されている。例えば、従来よく用いられていた液晶表示器では、複数の液晶表示器を前後方向に配置することで一の液晶表示器の前方に空間を形成することは可能であるものの、連続性のある映像を投影することができない。この点、本発明によれば、遊技部材(例えば、遊技パネル300)および第2被投影部材の上方に形成された空間(例えば、演出空間700)に可動役物(例えば、大型役物232)が進出していないときに、各投影手段と各被投影部材との距離を最小限に抑えて広域の一の表示領域に連続性のある映像を投影することが可能となる。
なお、「第1投影手段から投射された映像光により映像が投影される第1被投影部材と、第2投影手段から投射された映像光により映像が投影される第2被投影部材とが接続構成されている」とは、第1被投影部材と第2被投影部材とが直接接続されているものに限られず、第1被投影部材と第2被投影部材とが間接的に接続(例えば第1被投影部材と第2被投影部材との間に他の被投影部材を挟む等)されていても良い。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第11の遊技機を提供する。
[第11の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、サブCPU731)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
前方に張り出した張出部(例えば、張出部5520)を有し、所定の映像光を投射可能な投影手段(例えば、フロント投影装置600)が前記張出部に配置される前扉部材(例えば、前飾り枠550)と、
前記投影手段から投射された映像光により映像が投影される被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)と、
を備え、
前記前扉部材の前記張出部には
作動可能な可動役物(例えば、飾り役物560)と、
前記投影手段と前記可動役物とのうち前記可動役物のみを作動させることが可能な駆動機構(例えば、飾り役物駆動機構570)と、
が配置されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、前扉部材(例えば、前飾り枠550)の張出部(例えば、張出部5520)に配置された投影手段(例えば、フロント投影装置600)から投射された映像光により映像が被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)に投影されることに加えて、抽選の結果にもとづいて作動可能な可動役物(例えば、飾り役物560)を前扉部材の張出部に備えているため、これまでにない新たな演出を行うことが可能となる。とくに、可動役物については、従来よりも遊技者に近い位置で作動させる役物演出を行うことができる。ところで、前扉部材の張出部には、投影手段と可動役物とが配置されているが、被投影手段に映像を適正に投影させるためには、可動役物の作動にかかわらず投影手段を常に固定する必要がある。そこで、前扉部材の張出部に配置された投影手段と可動役物とのうち可動役物のみを作動させることが可能な駆動機構(例えば、飾り役物駆動機構570)を備えることで、可動役物を、鮮明な映像が投影されている状態で被投影部材(例えば、上側リアスクリーン2902)の前方位置に向けて進出させることが可能となり、これまでにない新たな演出を、好適に、行うことが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記前扉部材(例えば、前飾り枠550)の後方に、遊技領域(例えば、遊技領域320)を有する遊技部材(例えば、遊技パネル300)をさらに備え、
前記前扉部材には、前記遊技領域を前方から視認可能となるように開口窓(例えば、開口窓5002)が形成されているとともに、
前記開口窓には、前記被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)が支持されており、
さらに前記被投影部材は、
前記投影手段から投射された映像光により、前記映像を投影可能であるだけでなく、後方の前記遊技領域についても正面視で視認可能な透過性の被投影部材である
ことを特徴とする。
なお、「遊技領域を有する遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
上記(2)の遊技機によれば、前扉部材(例えば、前飾り枠550)といった従来よりも遊技者に近い位置で映像と可動役物(例えば、飾り役物560)による役物演出との両方を行うことができ、興趣を高めることが可能となる。しかも、被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)は、投影手段から投射された映像光により投影される映像のみならず、後方の遊技領域(例えば、遊技領域320)についても正面視で視認できるため、より一層、興趣を高めることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記遊技部材(例えば、遊技領域320)よりも後方に配置され、映像が投影される後方表示手段(例えば、リアスクリーンユニット290)をさらに備え、
前記遊技部材は
前記後方表示手段において行われる映像を正面視で視認可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、前扉部材(例えば、前飾り枠550)の張出部(例えば、張出部5520)に配置された投影手段(例えば、フロント投影装置600)から投射された映像光により投影される映像と、後方表示手段(例えば、リアスクリーンユニット290)に投影される映像との両方を正面視で視認できつつ、さらに遊技者に近い位置で可動役物(例えば、大型役物232)による役物演出が行われるため、より一層、興趣を高めることが可能となる。
なお、本発明に記載された「映像が投影される後方表示手段」とは、映像が投影されるものであれば特定の部品や部材に限定されるものではなく、投影手段から投射された映像光により映像が投影される被投影部材であっても良いし、液晶表示器、ドット表示器およびセグメント表示器のような表示器であっても良い。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第12の遊技機を提供する。
[第12の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、サブCPU731)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
前方に張り出した張出部(例えば、張出部5520)を有し、所定の映像光を投射可能な投影手段(例えば、フロント投影装置600)が前記張出部に配置される前扉部材(例えば、前飾り枠550)と、
前記投影手段から投射された映像光によりり演出が投影される被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)と、
を備え、
前記前扉部材の前記張出部には、
前記投影手段としての、前方に向けて映像光を投射する投射手段(例えば、フロントプロジェクタ622)、および、当該投射手段から前方に向けて投射された映像光を後方に反射させる反射手段(例えば、フロントミラー624)と、
作動可能な可動役物(例えば、飾り役物560)と、
前記投射手段と前記反射手段と前記可動役物とのうち前記可動役物のみを作動させることが可能な駆動機構(例えば、飾り役物駆動機構570)と、
が配置されており、
前記反射手段は、
前記可動役物が作動したときに露出する露出部分を有するとともに、当該露出部分に、装飾が施された装飾部を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、前扉部材(例えば、前飾り枠550)の張出部(例えば、張出部5520)に配置された投影手段(例えば、フロント投影装置600)から投射された映像光により演出が被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)に投影されることに加えて、作動可能な可動役物(例えば、飾り役物560)を前扉部材の張出部に備えているため、これまでにない新たな演出を行うことが可能となる。とくに、可動役物については、従来よりも遊技者に近い位置で作動させる役物演出を行うことができる。また、前扉部材の張出部には、投影手段(例えば、フロント投影装置600)と可動役物とが配置されているが、被投影部材に演出を適正に投影させるためには、可動役物の作動にかかわらず投射手段(例えば、フロントプロジェクタ622)および反射手段(例えば、フロントミラー624)を常に固定する必要がある。そこで、前扉部材の張出部に配置された投射手段と反射手段と可動役物とのうち可動役物のみを作動させることが可能な駆動機構(例えば、飾り役物駆動機構570)を備えるようにしている。ところで、投射手段と反射手段と可動役物とのうち可動役物のみを作動させた場合、可動役物の後方に配置される反射手段が露出してしまう。そこで本発明では、可動役物が作動したときに露出する反射手段の露出部分に、装飾が施された装飾部を有するようにしている。これにより、可動役物が作動したときの美観性を担保しつつ、これまでにない新たな演出を、好適に、行うことが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記前扉部材(例えば、前飾り枠550)の後方に、遊技領域(例えば、遊技領域320)を有する遊技部材(例えば、遊技パネル300)をさらに備え、
前記前扉部材には、前記遊技領域を前方から視認可能となるように開口窓(例えば、開口窓5002)が形成されているとともに、
前記開口窓には、前記被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)が支持されており、
さらに前記被投影部材は、
前記投影手段から投射された映像光により、前記演出を投影可能であるだけでなく、後方の前記遊技領域についても正面視で視認可能な透過性の被投影部材である
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、前扉部材(例えば、前飾り枠550)といった従来よりも遊技者に近い位置で演出と可動役物による役物演出との両方を行うことができ、興趣を高めることが可能となる。しかも、被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)は、投影手段(例えば、フロント投影装置600)から投射された映像光により投影される演出のみならず、後方の遊技領域(例えば、遊技領域320)についても正面視で視認できるため、より一層、興趣を高めることが可能となる。
なお、「遊技領域を有する遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記遊技部材(例えば、遊技領域320)よりも後方に配置され、演出が行われる後方表示手段(例えば、リアスクリーンユニット290)をさらに備え、
前記遊技部材は
前記後方表示手段において行われる演出を正面視で視認可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、前扉部材(例えば、前飾り枠550)の張出部(例えば、張出部5520)に配置された投影手段(例えば、フロント投影装置600)から投射された映像光により投影される演出と、後方表示手段(例えば、リアスクリーンユニット290)において行われる演出との両方を正面視で視認できつつ、さらに遊技者に近い位置で可動役物(例えば、飾り役物560)による役物演出が行われるため、より一層、興趣を高めることが可能となる。
なお、本発明に記載された「演出が行われる後方表示手段」とは、演出が行われるものであれば特定の部品や部材に限定されるものではなく、投影手段から投射された映像光により演出が行われる被投影部材であっても良いし、液晶表示器、ドット表示器およびセグメント表示器のような表示器であっても良い。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第13の遊技機を提供する。
[第13の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、サブCPU731)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
前方に張り出した張出部(例えば、張出部5520)を有し、所定の映像光を投射可能な投影手段(例えば、フロント投影装置600)が前記張出部に配置される前扉部材(例えば、前飾り枠550)と、
前記投影手段から投射された映像光により演出が投影される被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)と、
を備え、
前記前扉部材の前記張出部には、
前記投影手段としての、前方に向けて映像光を投射する投射手段(例えば、フロントプロジェクタ622)、および、当該投射手段から前方に向けて投射された映像光を後方に反射させる反射手段(例えば、フロントミラー624)と、
前記内部抽選の結果にもとづいて作動可能な可動役物(例えば、飾り役物560)と、
前記投射手段と前記反射手段と前記可動役物とのうち前記可動役物のみを作動させることが可能な駆動機構(例えば、飾り役物駆動機構570)と、
が配置されており、
前記反射手段は、
前記可動役物が作動したときに露出する露出部分を有するとともに、当該露出部分に、装飾が施された装飾部を有し、
前記装飾部には、
前記可動役物とあわせて所定の形態をかたちづくる装飾が施されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、前扉部材(例えば、前飾り枠550)の張出部(例えば、張出部5520)に配置された投影手段(例えば、フロント投影装置600)から投射された映像光により演出が被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)に投影されることに加えて、作動可能な可動役物(例えば、飾り役物560)を前扉部材の張出部に備えているため、これまでにない新たな演出を行うことが可能となる。とくに、可動役物については、従来よりも遊技者に近い位置で作動させる役物演出を行うことができる。また、前扉部材の張出部には、投影手段と可動役物とが配置されているが、被投影手段に演出を適正に投影させるためには、可動役物の作動にかかわらず投射手段(例えば、フロントプロジェクタ622)および反射手段(例えば、フロントミラー624)を常に固定する必要がある。そこで、前扉部材の張出部に配置された投射手段と反射手段と可動役物とのうち可動役物のみを作動させることが可能な駆動機構(例えば、飾り役物駆動機構570)を備えるようにしている。ところで、投射手段と反射手段と可動役物とのうち可動役物のみを作動させた場合、可動役物の後方に配置される反射手段が露出してしまう。そこで本発明では、可動役物が作動したときに露出する反射手段の露出部分に、装飾が施された装飾部を有する。これにより、可動役物が作動したときの美観性を担保しつつ、これまでにない新たな演出を、好適に、行うことが可能となる。しかも、装飾部には、可動役物とあわせて所定の形態をかたちづくる装飾が施されているため、可動役物の作動前には遊技者から視認できない所定の形態を、可動役物が作動することによって視認することができるようになるため、より一層、興趣を高めることが可能となる。
なお、「所定の形態」とは、例えば、特定のキャラクタや特定のロゴ等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記前扉部材(例えば、前飾り枠550)の後方に、遊技領域(例えば、遊技領域320)を有する遊技部材(例えば、遊技パネル300)をさらに備え、
前記前扉部材には、前記遊技領域を前方から視認可能となるように開口窓(例えば、開口窓5002)が形成されているとともに、
前記開口窓には、前記被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)が支持されており、
さらに前記被投影部材は、
前記投影手段から投射された映像光により、前記演出を投影可能であるだけでなく、後方の前記遊技領域についても正面視で視認可能な透過性の被投影部材である
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、前扉部材(例えば、前飾り枠550)といった従来よりも遊技者に近い位置で演出と可動役物による役物演出との両方を行うことができ、興趣を高めることが可能となる。しかも、被投影部材(例えば、フロントスクリーン512)は、投影手段(例えば、フロント投影装置600)から投射された映像光により投影される演出のみならず、後方の遊技領域(例えば、遊技領域320)についても正面視で視認できるため、より一層、興趣を高めることが可能となる。
なお、「遊技領域を有する遊技部材」は、例えば、パチンコ機であれば遊技パネル(遊技盤ともいう)等が相当し、パチスロ機であればリール等が相当する。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記遊技部材(例えば、遊技領域320)よりも後方に配置され、演出が行われる後方表示手段(例えば、リアスクリーンユニット290)をさらに備え、
前記遊技部材は
前記後方表示手段において行われる演出を正面視で視認可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、前扉部材(例えば、前飾り枠550)の張出部(例えば、張出部5520)に配置された投影手段(例えば、フロント投影装置600)から投射された映像光により投影される演出と、後方表示手段(例えば、リアスクリーンユニット290)において行われる演出との両方を正面視で視認できつつ、さらに遊技者に近い位置で可動役物(例えば、飾り役物560)による役物演出が行われるため、より一層、興趣を高めることが可能となる。
なお、上記構成の本発明の第1〜第13の遊技機のいずれかに記載された「後方表示手段」とは、演出が行われるものであれば特定の部品や部材に限定されるものではなく、投影手段から投射された映像光により演出が行われる被投影部材であっても良いし、液晶表示器、ドット表示器およびセグメント表示器のような表示器であっても良い。また、「前方演出部材」についても、例えば透過液晶のように、後方を視認できる態様で映像が表示(投影含む)されるデバイスであれば、投影手段(例えば、プロジェクタ)から投射された映像光により映像が投影される例えば被投影部材(例えば、スクリーン)に限定されない。
上記構成の本発明の第1〜第13の遊技機によれば、興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
[第14〜第18の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると内部抽選が行われ、内部抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。そして、内部抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が実行される。
この種の遊技機として、内部抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器の前方に可動役物が進出し、内部抽選の結果に期待を持たせるようにした遊技機が知られている(例えば、特開2015−092885号公報参照)。
(第2の課題)
上記の特開2015−092885号公報に記載の遊技機のように可動役物が液晶表示器の前方に進出する役物演出が行われると、遊技者に期待を持たせることができる。
しかし、近年、さらなるインパクトを与えることができる役物演出を行うことで、興趣を高めることが可能な遊技機が望まれている。
上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第14の遊技機を提供する。
[第14の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU721)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
後方に収容空間(例えば、収容空間2324)を有する主役物(例えば、大型役物232)と、
前記主役物と対向して当該主役物の後方に配置される第1後方役物(例えば、前側導光板234)と、
前記第1後方役物よりも前方に配置され、前記第1後方役物を、前記主役物の後方において作動させることが可能な第1駆動機構(例えば、前側導光板回転駆動機構2340と、
前記第1後方役物よりもさらに後方に配置される第2後方役物(例えば、後側導光板236)と、
前記第2後方役物よりも後方に配置され、前記第2後方役物を、前記第1後方役物の後方において作動させることが可能な第2駆動機構(例えば、後側導光板回転駆動機構2360)と、
を備え、
前記第1駆動機構は、
前記主役物の背面側の前記収容空間に配置されるとともに、前記主役物の後方において前記第1後方役物を回動させることができるように構成されており、
前記第2駆動機構は、
前記第2後方役物を、前記第1後方役物とは異なる動きを行うように前記第2後方役物を作動させることができるように構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1後方役物(例えば、前側導光板234)を作動させることができる第1駆動機構(例えば、前側導光板回転駆動機構2340)は、第1後方役物よりも前方に配置されるとともに、主役物(例えば、大型役物232)の背面側の収容空間(例えば、収容空間2324)に配置されており、主役物の後方において第1後方役物を回動させることができるように構成されている。また、第2後方役物(例えば、後側導光板236)を作動させることができる後側導光板回転駆動機構2360は、第2後方役物よりも後方に配置されており、第2後方役物を、第1後方役物の後方において、当該第1後方役物とは異なる動きを行うように作動させることができるように構成されている。そのため、主役物に第1後方役物を近接させて主役物の後方で回るように作動させるとともに、第1後方役物に第2後方役物を近接させて第1後方役物とは異なる動きが行われるので、前後方向をコンパクトにしつつ、主役物を大きく見せることができるとともに当該主役物を強調させる動きを行わせることができる。また、主役物が例えば停止していたり小さな動きしか行っていないような場合であっても、実際の動きよりも大きく主役物が動いているかのように見せることが可能となる。従来の遊技機では、主役物を大型化すると、主役物に動きを与える役物演出を行うことが困難となるが、本発明によれば、主役物を強調させて見せることができることに加え、主役物の実際の動きよりも大きな動きを行っているかのような効果的な役物演出を行うことが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記主役物(例えば、大型役物232)は、後方側が平面状に形成されているとともに、
前記第1後方役物(例えば、前側導光板234)および前記第2後方役物(例えば、後側導光板236)は、いずれも板状部材であって、
前記主役物の後方側に形成された平面と前記第1役物とが近接して対向し、
前記第1役物と前記第2役物とが近接して対向するように構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、主役物(例えば、大型役物232)は、後方側が平面状に形成されているとともに、第1後方役物(例えば、前側導光板234)および第2後方役物(例えば、後側導光板236)がいずれも板状部材であり、主役物の後方側に形成された平面と第1役物とが近接して対向し、第1役物と第2役物とが近接して対向するように構成されているため、前後方向をより一層コンパクトにすることができる。しかも、主役物とより近い位置で前側導光板234および後側導光板236が作動するため、より一層、主役物を大きく見せることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)は、
前方に向けて発光可能に構成されているとともに、
正面視で前記主役物(例えば、大型役物232)よりも大きい略相似形である
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)が前方に向けて発光可能に構成されているため、主役物(例えば、大型役物232)と対向しつつ当該主役物の後方において回動させることで、後方役物から発光される光の残像と相俟って、より一層、主役物を大きく見せたり、主役物の実際の動きよりも大きな動きを行っているかのように見せることが可能となる。しかも、後方役物が正面視で主役物よりも大きい略相似形であるため、主役物そのものを強調させ、別部材としての後方役物の存在を意識させ難くすることが可能となる。
上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第15の遊技機を提供する。
[第15の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU721)と、
前記内部抽選の結果にもとづいて作動可能に構成される可動役物(例えば、大型役物本体部230)と、
を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
前記可動役物は、
主役物(例えば、大型役物232)および当該主役物と対向して当該主役物の後方に配置される後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)を有し、
前記後方役物は、
前記主役物と対向し、当該主役物の後方において直線的な運動を行いつつ回動可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、主役物(例えば、大型役物232)の後方に配置される後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)を、当該主役物と対向し、当該主役物の後方において直線的な運動を行いつつ回動可能に構成されるため、主役物を強調させることができ、また、主役物が例えば停止していたり小さな動きしか行っていないような場合であっても、実際の動きよりも大きく主役物が動いているかのように見せることが可能となる。従来の遊技機では、主役物を大型化すると、主役物に動きを与える役物演出を行うことが困難となるが、本発明によれば、主役物を強調させて見せることができることに加え、主役物の実際の動きよりも大きな動きを行っているかのような効果的な役物演出を行うことが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)は、
第1の後方役物(例えば、前側導光板234)と、
前記第1の後方役物と対向して当該第1の後方役物の後方に配置される第2の後方役物(例えば、後側導光板236)と、
を有し、
前記第1の後方役物と前記第2の後方役物とが、正面視でいずれも視認できる態様で作動可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1の後方役物(例えば、前側導光板234)と、当該第1の後方役物の後方に配置される第2の後方役物(例えば、後側導光板236)とを、正面視でいずれも視認できる態様で作動させることができるため、より一層、主役物を強調させたり、主役物の実際の動きよりも大きな動きを行っているかのように見せることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)は、
前方に向けて発光可能に構成されているとともに、
正面視で前記主役物よりも大きい略相似形である
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)が前方に向けて発光可能に構成されているため、主役物(例えば、大型役物232)と対向し、当該主役物の後方において直線的な運動を行いつつ回動させることで、後方役物から発光される光の残像と相俟って、より一層、主役物を大きく見せたり、主役物の実際の動きよりも大きな動きを行っているかのように見せることが可能となる。しかも、後方役物が正面視で主役物よりも大きい略相似形であるため、主役物そのものを強調させ、別部材としての後方役物の存在を意識させ難くすることが可能となる。
上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第16の遊技機を提供する。
[第16の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU721)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
作動可能に構成される可動役物(例えば、大型役物本体部230)と、
前記可動役物を作動させることが可能な駆動機構(例えば、大型役物左駆動機構240,大型役物右駆動機構260)と、
前記駆動機構の駆動を制御する可動制御手段(例えば、サブCPU731)と、
を備え、
前記可動役物は、
主役物(例えば、大型役物232)と、
前記主役物と対向して当該主役物の後方に配置される後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)とを有し、
前記駆動機構は、
前記後方役物を、前記主役物と対向しつつ当該主役物の後方において回動させることが可能な回動機構(例えば、前側導光板回転駆動機構2340,後側導光板回転駆動機構2360)と、
前記後方役物を、前記主役物と対向しつつ当該主役物の後方において直線的に作動させることが可能な直動機構(例えば、導光板上下駆動機構239,導光板上下駆動機構270)と、
を有し、
前記可動制御手段(例えば、サブCPU731)は、
前記回動機構と前記直動機構との両方を駆動させることにより、前記主役物の後方において回動と直線的な作動とを合成した前記後方役物の動きを実行可能ならしめる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、主役物(例えば、大型役物232)の後方に配置される後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)を、主役物と対向しつつ当該主役物の後方において回動させる動きと、主役物と対向しつつ当該主役物の後方における直線的な動きとの両方を実現できるため、主役物を強調させることができ、また、主役物が例えば停止していたり小さな動きしか行っていないような場合であっても、実際の動きよりも大きく主役物が動いているかのように見せることが可能となる。従来の遊技機では、主役物を大型化すると、主役物に動きを与える役物演出を行うことが困難となるが、本発明によれば、主役物を強調させて見せることができることに加え、主役物の実際の動きよりも大きな動きを行っているかのような効果的な役物演出を行うことが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)は、
第1の後方役物(例えば、前側導光板234)と、
前記第1の後方役物の後方に配置される第2の後方役物(例えば、後側導光板236)と、
を有し、
前記可動制御手段(例えば、サブCPU731)は、
前記第1の後方役物と前記第2の後方役物とを、正面視でいずれも視認できる態様で作動させる制御を実行可能である
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1の後方役物(例えば、前側導光板234)と、当該第1の後方役物の後方に配置される第2の後方役物(例えば、後側導光板236)とを、正面視でいずれも視認できる態様で作動させることができるため、より一層、主役物を強調させたり、主役物(例えば、大型役物232)の実際の動きよりも大きな動きを行っているかのように見せることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)は、
前方に向けて発光可能に構成されているとともに、
正面視で前記主役物よりも大きい略相似形である
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、後方役物(例えば、前側導光板234,後側導光板236)が前方に向けて発光可能に構成されているため、主役物(例えば、大型役物232)と対向し、当該主役物の後方において直線的な運動を行いつつ回動させることで、後方役物から発光される光の残像と相俟って、より一層、主役物を大きく見せたり、主役物の実際の動きよりも大きな動きを行っているかのように見せることが可能となる。しかも、後方役物が正面視で主役物よりも大きい略相似形であるため、主役物そのものを強調させ、別部材としての後方役物の存在を意識させ難くすることが可能となる。
上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第17の遊技機を提供する。
[第17の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU721)を備え、前記抽抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
所定の役物部材(例えば、大型役物本体部230)と、
前記所定の役物部材を左方で支持しつつ上下方向に昇降させることが可能な左側昇降機構(例えば、大型役物左駆動機構240)と、
前記所定の役物部材を右方で支持しつつ上下方向に昇降させることが可能な右側昇降機構(例えば、大型役物右駆動機構260)と、
前記左側昇降機構および前記右側昇降機構を駆動させて、左方および右方の両方で支持される前記所定の役物部材を昇降させることが可能な昇降制御手段(例えば、サブCPU731)と、
を備え、
前記左側昇降機構および/または前記右側昇降機構は、
前記所定の役物部材を載置する台座(例えば、台座252)を有し、
前記所定の役物部材は、
左方および/または右方において、上方向に固定されないよう前記台座に載置されることにより、前記左側昇降機構および/または前記右側昇降機構に支持されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の役物部材(例えば、大型役物本体部230)は、左方および/または右方において、左側昇降機構(例えば、大型役物左駆動機構240)および/または右側昇降機構(例えば、大型役物右駆動機構260)に支持されている。このように、所定の役物部材が左方および右方の両方で支持されている場合(すなわち、両持ちの場合)、左側昇降機構による昇降速度と右側昇降機構による昇降速度とが一致しなければ、スムーズな昇降ができないだけでなく、場合によっては昇降できないといった事態も生じうる。とくに、所定の役物部材が重量物である場合にはその傾向が顕著である。左側昇降機構による昇降速度と右側昇降機構による昇降速度との不一致は、例えば異物の噛み込み等、些細な事が原因となって生じうる。この点、本発明によれば、上方向における自由度が大きくなるように、所定の役物部材が左方および/または右方において上方向に固定されないよう台座(例えば、台座252)に載置されている。そのため、左側昇降機構による昇降速度と右側昇降機構による昇降速度とが必ずしも一致していなくても、スムーズな昇降を、極力、維持することが可能となる。その結果、所定の役物部材の大型化を図ることができ、大きなインパクトを与えることができる役物演出を実行することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記左側昇降機構(例えば、大型役物左駆動機構240)および/または前記右側昇降機構(例えば、大型役物右駆動機構260)は、
前記台座(例えば、台座252)に載置される前記所定の役物部材(例えば、大型役物本体部230)の前後方向への動きを規制する落下防止部材(例えば、アーム支持ガイド247)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、台座(例えば、台座252)に載置される所定の役物部材(例えば、大型役物本体部230)の前後方向への動きが規制されているため、上方向における所定の役物部材の自由度を大きくしつつも、当該所定の役物部材が台座から落下してしまうことを防止することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記左側昇降機構(例えば、大型役物左駆動機構240)は、
前記所定の役物(例えば、大型役物本体部230)を左方で載置する台座(例えば、台座252)を有するとともに、
前記右側昇降機構(例えば、大型役物右駆動機構260)は、
前記所定の役物を右方で載置する台座(例えば、台座252)を有し、
前記所定の役物部材は、
左右両側がそれぞれ前記台座に載置されることにより、前記左側昇降機構および前記右側昇降機構に支持されている
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、所定の役物部材が左方および右方の両方において、上方向に固定されないよう台座に載置されているため、スムーズな昇降を、より一層、維持することが可能となり、ひいては、より一層、所定の役物部材の大型化を図ることが可能となる。
上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第18の遊技機を提供する。
[第18の遊技機]
(1)本発明に係る遊技機は、
抽選を行う抽選手段(例えば、サブCPU731)を備え、前記抽選の結果にもとづいて遊技が進行する遊技機であって、
所定の役物部材(例えば、大型役物232)と、
前記所定の役物部材を支持しつつ上下方向に昇降させることが可能な昇降機構(例えば、大型役物左駆動機構240,大型役物右駆動機構260)と、
前記昇降機構を駆動させて、前記所定の役物部材を昇降させることが可能な昇降制御手段(例えば、サブCPU731)と、
を備え、
前記昇降機構は、
前記所定の役物部材が上方に位置するときに、当該上方の位置において保持することが可能な係止機構(例えば、ロック機構250)を有し、
前記係止機構は、
前記所定の役物部材を下方から支えることで上方において保持することが可能な保持態様と、当該所定の役物部材の上下方向の移動軌跡から退避することで前記保持態様が解除される開放態様とを、回転運動により切り替え可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の役物部材(例えば、大型役物232)が上方(例えば、原点位置)に位置するときに、当該上方の位置において係止機構(例えば、ロック機構250)により保持することができるため、所定の役物部材の大型化を図ったとしても、重力作用により自然落下してしまうことを防止でき、大きなインパクトを与えることができる役物演出を実行することが可能となる。ところで、所定の役物部材を下方から支えて保持する場合、かかる保持を、所定の役物の下面に対して係止機構をスライドさせて解除しようとすると、所定の役物部材の重みによって相当の力を要する。この点、本発明によれば、スライドさせることなく係止機構の回転運動によって保持態様と開放態様とを切り替えることができるので、大きな力を左程必要とすることなく、所定の役物の下面に対して係止機構を保持態様から開放態様に切り替えることができる。
なお、本発明に記載された「所定の役物部材の上下方向の移動軌跡から退避する」とは、係止機構(例えば、ロック機構250)によって所定の役物部材(例えば、大型役物232)の上下方向の移動が妨げられないように、係止機構を、所定の役物部材が上方から下方に移動するときに当該所定の役物部材と衝突しない位置に移動させること等が相当する。
上記構成の本発明の第14〜第18の遊技機によれば、好適に、興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。