以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図87を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図5〜図7はパチンコ機10の遊技盤13に設けられたV入賞装置650の構造を模式的に示した模式図であり、図8はパチンコ機10の後面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や球が入球可能な入球口63,64,640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図9参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。尚、遊技盤13に設けられた多数の入球口の内容については、図2を参照して後述する。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図9参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図9参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図9参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される15R時短大当たり、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される5R時短大当たり、大当たり遊技のラウンド数が5Rで大当たり終了後に時短状態が付与されない5R通常大当たりが用意されている。また、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみV入賞装置650を開放させる特典)小当たりが用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「5R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことである。また、「5R通常大当たり」は、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へと移行せずに通常状態へと移行する大当たりのことである。
また、「時短状態」とは、大当たり終了後に付加価値として、大当たり確率は通常状態と同じであるが、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態である。この第2入球口640へ球が入球し易い状態とするために、本実施形態では、第2図柄の変動時間を通常状態よりも短くし、且つ、第2図柄の抽選結果が当たりの場合に動作させる電動役物640aの動作態様を通常状態よりも第2入球口640へ球が入球し易い期間が長くなるように設定している。なお、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態を設定するためにそれ以外の構成を用いても良く、上述した設定内容の一部のみを用いても良いし、上述した内容以外にも、第2図柄の当たり確率を通常状態よりも高く設定するように構成しても良い。
さらに、本実施形態では「時短状態」が、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数(合計変動回数)が第1所定回数(100回)に到達するまでの期間(第1期間)、或いは、第2特別図柄の変動回数が第2所定回数(1回)に到達するまでの期間(第2期間)の両方を満たしている間設定されるように構成され、上述した第1期間或いは第2期間の何れかが終了した場合に終了条件が成立し、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行するように構成している。このように、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための終了条件を複数用意しておき、その複数の終了条件のうち何れかの終了条件が成立した場合に時短状態から通常状態へと移行させることで、時短状態が終了するタイミングを複数設定することが可能となり、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利な時短状態がいつまで継続するのかドキドキさせながら遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動回数に対して時短状態の終了条件を複数設定しているが、変動回数以外の要素を時短状態の終了条件として設定しても良く、例えば、特別図柄の抽選で小当たりに当選した回数や、小当たり遊技が実行される場合に作動するV入賞装置650の作動回数が所定回数(例えば、1回)に到達したことを終了条件として用いても良い。また、上述した多数の終了条件の一部のみを用いても良いし、それぞれを適宜組み合わせても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図9参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される(図10参照)。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図9参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。
つまり、第1図柄表示装置37a,37bにおいて第1図柄が可変表示(変動表示)されている期間(動的表示期間)に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が可変表示(変動表示)され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて特別図柄の抽選結果を示す表示態様で第1図柄が停止表示されるタイミングに対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が特別図柄の抽選結果に応じた表示態様で停止表示される。
なお、第3図柄表示装置81に停止表示される第3図柄は、特別図柄の抽選結果に応じた表示態様であれば良く、特別図柄の抽選結果の一部(例えば、大当たり或いは外れといった当否判定結果のみ)に対応した表示態様でも良いし、特別図柄の抽選結果の詳細(例えば、当選した大当たりの種別)に対応した表示態様でも良い。また、特別図柄の抽選結果として、3種類の抽選結果(例えば、大当たり、小当たり、外れ)を有する場合には、第3図柄の表示態様として、特別図柄の抽選結果が上述した3種類の抽選結果のうち特定の2種類(例えば、大当たり或いは小当たり)の何れかであることを示す表示態様を用いても良い。
また、本実施形態で用いられる表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良いし、パチンコ機10に複数の表示装置を設けても良い。
第2図柄表示装置83は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(突出する)ように構成されている。詳細は後述するが、電動役物640aが作動状態に可変されることにより、球が第2入球口640に入球可能となる。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常状態である場合よりも、時短状態(普図の高確率状態)である方が短くなるように設定される。これにより、時短状態中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが作動状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短状態中を、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、時短状態中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法を用いて時短状態を第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
さらに、設定される遊技状態に応じて第2図柄の変動表示にかかる時間を可変させ、且つ、電動役物640aの開放時間や開放回数を可変させる場合において、第2図柄の変動表示が開始されるタイミングにおいて設定されている遊技状態に応じて第2図柄の変動表示時間を決定し、第2図柄の変動表示が停止し、当たりを示す第2図柄が表示されたタイミング(第2図柄の当たり遊技、即ち、電動役物640aを作動させるタイミング)において設定されている遊技状態に応じて電動役物640aの開放時間や開放回数を決定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短状態中に変動が開始された第2図柄が通常状態中に当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、通常状態中に対応する電動役物640aの作動パターンで作動させることができる。よって、設定されている遊技状態と実行される電動役物の作動パターンとをより正確に対応付けることができる。
なお、遊技状態と第2図柄の変動時間および電動役物640aの作動パターンの関係は上述した内容以外を規定しても良く、例えば、第2図柄の変動開始タイミングと、電動役物640aの作動開始タイミングとの何れか一方のタイミングにおいて遊技状態として時短状態が設定されていると判別した場合には、電動役物640aの作動パターンとして遊技者に有利な作動パターン(時短状態中に実行される作動パターン)を設定するように構成しても良い。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部(殆ど)が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第2図柄保留ランプ84において表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37a,37bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図9参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。
図2に示した通り、第1入球口64は可変表示装置ユニット80の左側を球が流下するように行われる遊技(所謂、左打ち遊技)の方が、可変表示装置ユニット80の右側を球が流下するように行われる遊技(所謂、右打ち遊技)よりも球が入球し易くなるように遊技盤13上に釘が植設されている。よって、第2入球口640に球が入球し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合には、第1入球口64に球を入球させるために左打ち遊技が実行される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図9参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
加えて、本実施形態では特別図柄の抽選契機(大当たりの抽選契機)となる球を検知するスイッチ(第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチ)を入球口内に設けているため、特別図柄の抽選契機を獲得すると共に、賞球を獲得できる構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、球が通過可能な領域(ゲート)を設け、その領域(ゲート)を通過する球を検知するスイッチ(検知手段)が球の通過を検知した場合に、特別図柄の抽選契機を獲得し得るように構成しても良い。なお、この場合、特別図柄の抽選契機となり得る領域(ゲート)を通過した球の少なくとも一部が入球可能となり、球が入球した場合に所定数(例えば5個)の賞球が払い出される入球口を設けると良い。このように構成することで、特別図柄の抽選契機の獲得回数と、賞球獲得回数とを異ならせることができるため、多様な遊技性を提供することができる。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは遊技盤13から手前側(図2の視点で手前側)に突出した突出状態(許容状態)と、遊技盤13側に待避した待避状態(規制状態)と、に可変可能に構成されており、通常(第2図柄の当たりに当選していない場合)は電動役物640aが待避状態(規制状態)となって、球が第2入球口640へ入球し難い状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、即ち、第2図柄の抽選において当たりに当選した場合は、電動役物640aが突出状態(許容状態)となり、球が第2入球口640へ入球し易い状態となる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。本実施形態では図2に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
本実施形態では、図2に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。
第2入球口640の左方には、左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することを禁止(抑制)するための釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄を変動させるために球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄を変動させるために球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。
第2入球口640の上方には、右打ち遊技により発射された球の流れを規制するための釘が植設されており、後述する電動役物640aが動作していない状態では球が第2入球口640に入球しないように構成している。ここで、第2入球口640付近の遊技盤13の構成について、図3を参照して説明をする。
図3に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、スルーゲート67を通過した球は、電動役物640aが配設されている領域を通過して後述するV入賞装置650に向けて流下するように構成されている。第2入球口640はスルーゲート67の球排出位置67aの垂直方向で下に30mm、水平方向で左に70mmの位置に配置されており、スルーゲート67を直下方向に流下した球が流下可能な領域a(図3参照)よりも左側に配置されている。
そして、スルーゲート67の下方には電動役物640aが設けられている。この電動役物640aは、スルーゲート67を通過した球を第2入球口640へと誘導可能な誘導状態(突出状態)と、スルーゲート67を通過した球に当接しない非誘導状態(待避状態)とに可変可能に構成されている。
図3に示した通り、電動役物640aは第2入球口640側(図3の視点で左下側)に向けて下り傾斜となるように設けられており、電動役物640aが誘導状態(突出状態)に位置している期間中にスルーゲート67を通過した球は、電動役物640aの上面に受け入れられた後に、第2入球口640に向けて流下する。なお、詳細については図46を参照して後述するが、本実施形態では、遊技状態において電動役物640aが連続して動作する期間が異なる様に構成されている。
具体的には、電動役物640aの動作期間が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図3に示した領域を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(本実施形態では、0.4秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了するため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを確実に防止することができる。
また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも長い期間電動役物640aを動作させるため、誘導状態(突出状態)である電動役物640aの上面を流下した球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行され易くすることができる。
尚、本実施形態では時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも若干長い期間(例えば、0.7秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に球を通過させた後、球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。
図2に戻り説明を続ける。図3を参照して上述した通り、スルーゲート67を通過した球は、電動役物640aの動作状況に応じて第2入球口640またはV入賞装置650に向けて流下する。次に、V入賞装置650の構成について説明をする。
V入賞装置650は、球が入賞可能な開放状態と入賞困難な閉鎖状態とに可変可能に構成されているものであり、第2特別図柄の抽選結果が「小当たり」である場合にV入賞装置650の開閉扉650f1が動作し特定入賞口(V入賞口)650aに球が入賞可能な開放状態へと可変するように構成されている。
また、詳細は後述するが、特別図柄の「大当たり」に当選したうちの一部(大当たりD)においても、V入賞装置650の開閉扉650f1を、上述した「小当たり」に当選した場合と同様に動作させるように構成している。これにより、V入賞装置650の開閉扉650f1が動作した場合に特別図柄の「大当たり」に当選したのか「小当たり」に当選したのかを把握し難くすることができる。
ここで、図3〜図7を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図3に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、その上面を球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した球は、開閉扉650f1上を左下側(図3参照)に向けて流下し、可変入賞装置65に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、球がV入賞装置650内へと入賞する。
本実施形態では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放期間が0.1秒×12回となるように構成されおり、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している球が、V入賞装置650へと入賞する。V入賞装置650に入賞した球は、第1規制部材651或いは第2規制部材652上を流下しながら検出口650a1(図6(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。
なお、本実施形態ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間を0.1秒に設定しているが、開放扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、本実施形態では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放する回数を12回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
詳細は後述するが、本実施形態では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後には5秒が設定され、それ以外のタイミングでは0.5秒が設定されている。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合には、5回目の開放動作終了後の開放間インターバル期間中に、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を通常よりも長く設定している。また、小当たり遊技中の10回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合にも同様の制御処理が実行される。
このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。
本実施形態では、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後に他よりも長い特別開放間インターバル期間を設定している。このように1回の小当たり遊技中に遊技者に遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設けることで、遊技者に適切な遊技をより行わせ易くすることができる。なお、遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設ける場合では少なくとも2回目移行の報知タイミングを、正常に遊技を行っている遊技者が到達し得ないタイミングに設定するとよい。即ち、詳細は後述するが、本実施形態では小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を行うことにより、V入賞装置650の開閉扉650f1の1回の開放動作において少なくとも1個の球が入球し得るように構成されているため、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っていれば、10回目の開放動作中に小当たり遊技の終了条件となる入賞個数(10個)に到達し、小当たり遊技が終了されることになる。
つまり、小当たり遊技中の開放動作10回目以降に実行される開放間インターバル期間は正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている場合には到達し得ないタイミングとなる。よって、このタイミングを利用して遊技案内表示を表示させるタイミングを設定することで、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている遊技者に対して無用に長い特別開放間インターバル期間が実行されることが無くなり、小当たり遊技を円滑に実行することができる。
なお、本実施形態のように1回目の特別開放間インターバル期間を、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っても到達するタイミング(5回目の開放動作終了後)に設定する場合は、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されるタイミング(5回目の開放動作終了タイミング)、或いは、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されてから所定期間経過したタイミング(5回目の開放動作中に入球した球がV入賞装置650から排出されるまでに要する期間を経過したタイミング)においてVスイッチ650e3が球を検知しているかを判別し、Vスイッチ650e3が球を検知していると判別した場合は、1回目の特別開放間インターバル期間中にその旨を報知する報知演出を表示し、Vスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、上述したように遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に設定した特別開放間インターバル期間を遊技内容に応じて有効に用いることができる。
さらに、2回目の特別開放間インターバル期間においては、既にVスイッチ650e3が球を検知している場合にも遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に所定個数(10個)の球をV入賞装置650へ入賞させることなく小当たり遊技が終了してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、図4を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図4は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図4に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図5は、V入賞装置650の断面図である。図5(c)はV入賞装置650の上面図であり、図5(b)は、V入賞装置650のLb−Lb断面図である。図5(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図5(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図5(b)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図5(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、V入賞装置650の開口が閉鎖されている場合には、遊技球がV入賞装置650の開閉扉650f1上面を転動して、第2入球口640側へと誘導されるように構成し、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図5(a)は、図5(b)に示すLa−La断面図である。図5(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサー650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。
次に、図6を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、遊技球が特別排出口650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図6(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図6(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出口650e2に誘導される。特別排出口650e2を通過した遊技球は特別排出口650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサーで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技が設定される。即ち、Vスイッチ650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり中にV入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように流路を切り替える(図6(b)参照)ように構成している。
本実施形態で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように構成している。そして、不正状態を検知した場合(例えば、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放している状態を検知した場合)に流路ソレノイド650kをオンに設定し、不正に入賞した球がVスイッチ650e3を通過することを防止(抑制)するように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように切替部材650hを維持する状態(図6(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出口650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。
また、通常排出流路650e1の端部には球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4と確変スイッチ650e3との合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して10個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
次に、図7を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図7(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。本実施形態の開閉扉650f1は、図7(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した球は、V入賞装置650上面の傾斜(図2参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。
そして、開閉扉650f1の上面には、球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.5秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。
図7(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図7(b)に示した状態へと移行する。図7(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図7(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。
また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており(図2参照)、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、球1個分の通路幅の検出口650a1を球が通過するまでに球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、本実施形態では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に付与される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.5秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。
また、可変部材上を流下中の球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(12回)を、小当たり遊技の終了条件入賞個数(10個)よりも多く設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定しまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。
図8に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図9参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図9参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37a,37b、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、第1枠ボタン22、第2枠ボタン23などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、第1枠ボタン22、第2枠ボタン23(以下、第1枠ボタン22および第2枠ボタン23の両方を示す場合は枠ボタン22と称す。)からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図8参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図8参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容について図10〜図19を参照して説明する。図10(a)および(b)は本実施形態における第3図柄表示装置81の表示内容を模式的に示した模式図である。第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。図10(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(特別図柄1または特別図柄2)は、「0」から「9」の数字を模した10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
具体的には、主表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、主表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本第1実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様と、第2特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様とが同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む)となるように構成しているが、変動している特別図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。
次に、第3図柄表示装置81に実際に表示される内容について図10(b)を参照して説明をする。図10(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視左上には、小表示領域Dm2が形成されている。この小表示領域Dm2は、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示される(図19(a)参照)。つまり、本実施形態では、小表示領域Dm2を案内表示領域として用いている。このように構成することで、遊技者は案内表示領域に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
主表示領域Dmにおける正面視右上には、小表示領域Dm1が形成されている。この小表示領域Dm1は、第3図柄の変動表示を簡易的に表示させることが可能に構成されている。ここで、小表示領域Dm1において変動表示を実行する場合とは、例えば、主表示領域Dmにおいて、所定のキャラクタがアクションを行う演出や、枠ボタン22の押下を促す演出等の表示演出を実行している場合である。表示演出の実行中は、より大きな主表示領域Dmで演出を表示させることによって、より分かり易い演出を提供することができる。また、表示演出の実行中に、第3図柄の変動表示を小表示領域Dm1に簡易的に表示させておくことで、第3図柄の変動表示が継続していることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
さらに、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図10(b)に示すように、黒色の円形からなる保留図柄が表示される。上述した通り、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本第1実施形態では、第1特別図柄の保留球数の最大値が4個で、第2特別図柄は保留球を確保することが出来ないように設定されているので、副表示領域Dsには、第1特別図柄に対応する保留図柄が最大4個表示される。
なお、本実施形態では、保留図柄の個数を保留球数に対応させて可変させていたが、保留球数を表示する方法はこれに限られるものではない。例えば、保留球数を数字で表示させる構成としても良い。また、保留球数の数の増減に対応してキャラクタの態様を可変させることで視覚的に保留球数の大小を遊技者に報知するように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、その他に、遊技者に対して遊技結果(各図柄の抽選結果)を示唆するための遊技結果示唆態様や、主表示領域Dmにて実行されている演出表示の内容を説明するための演出説明態様や、枠ボタン22を操作するタイミングや操作した結果を示すための枠ボタン関連表示態様や、大当たり遊技に関する情報が表示される当たり関連情報表示態様が副表示領域Dsに表示されるように構成されており、副表示領域Dsに表示する内容によって、主表示領域Dmと副表示領域Dsとの表示領域の割合が異なるように設定されている。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入球口64或いは第2入球口640に対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、第2入球口640のいずれにも入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。
よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入球口64、第2入球口640のいずれかに対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられており、第1入球口64、第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。尚、詳細は後述するが、この副表示領域Dsは、第1表示領域Ds1と、その他、遊技内容や演出内容を遊技者に表示する第2表示領域Ds2と、保留球表示領域に表示された保留図柄をシフトさせ、現在実行中の変動に対応する実行中保留図柄Dsaとして表示する実行中領域Ds3と、に区画されている(図13(a)参照)。
この副表示領域Dsに表示された保留図柄は、実行中の変動表示が終了し、次の変動が開始される場合には、次の変動に対応する保留図柄(図13(b)の正面視で一番左に表示される保留図柄Dsb)を消去し、残りの保留図柄(Dsc〜Dse)が左方向にシフトして表示される。そして、消去された保留図柄Dsbは実行中表示領域Ds3に実行中保留図柄Dsaとして表示される。これにより、実行中の変動表示がどの保留図柄に対応した変動表示であるのかを遊技者に報知することができるため、例えば、保留図柄の表示態様を可変させその保留図柄に対応する特別図柄の抽選が大当たりである期待度を高める演出(所謂、先読み演出)を実行した場合において、先読み演出により表示態様を可変させた保留図柄に対応した変動表示が実行されていることを遊技者が容易に認識することができる。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球のみ最大4回まで保留可能に構成したが、保留球数の上限値は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2入球口640への入球も所定数を上限に保留可能に構成しても良いし、第1入球口64への入球に対する保留球数の上限値と、第2入球口640への入球に対する保留球数の上限値とを異ならせても良く、第1入球口64への入球に対する保留球数の上限値を第2入球口640への入球に対する保留球数の上限値よりも多くしてもよいし、逆に少なくしてもよい。また、副表示領域Dsにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしても良い。
次に、図11〜図19を参照して本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81にて表示される演出内容について説明をする。この第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において第1特別図柄または第2特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。なお、第3図柄は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示に対して、共通して変動表示が行われる。また、第2特別図柄は、第1特別図柄よりも優先して、変動表示されるように構成されており、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示することがないように構成されている。
本実施形態では、特別図柄の抽選に対応して第3図柄表示装置81に表示される演出として、複数の特別図柄変動を跨いで実行される連続演出を設定可能に構成している。この連続演出は、球が第1入球口64に入球した際に取得した各種カウンタ値(抽選結果)を示すための入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信した際に、その入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動の抽選結果を、その特別図柄変動に対応する変動表示が実行されるまでの期間(対象となる特別図柄変動よりも前に実行される特別図柄変動に対応した変動表示が実行される期間)を用いて、遊技者に示唆するための演出である。
このように、対象となる特別図柄の抽選結果を、その対象となる特別図柄よりも前に実行される特別図柄の変動期間を用いて示唆することで、遊技者に対してより長期間の演出を提供することができ演出効果を高めることができる。また、特別図柄の抽選結果(例えば、外れ)を、毎変動強調表示することなく、連続演出を実行することができるため、遊技者の遊技意欲が低下する事態が発生することを抑制することができる。
本実施形態では、上述した連続演出として得点演出が実行される。この得点演出は、所定の段階情報(ゲージ量)を異なる段階情報(ゲージ量)に可変させるための得点を付与するための演出(得点付与演出)と、段階情報が特定段階情報となった場合(ゲージ量が6に到達し、チャージ量が蓄積された場合)に実行可能となる特定演出(チャージ演出)と、が実行され得る演出である。
そして、全体的には連続演出として実行される得点演出において、段階情報が多く可変し、チャージ量が多く蓄積されるほど得点演出の対象となる特別図柄の抽選結果が大当たりである期待度が高くなるように構成されている。
これにより、得点演出が実行されている期間(複数の特別図柄変動期間)中において段階情報を徐々に可変させるように得点付与演出を実行することで、遊技者に対して大当たり当選の期待度を視覚的に報知することができ、早期に遊技に飽きてしまうことを抑制し、演出効果を高めることができる。
本実施形態では、上述した得点演出中は、対象となる特別図柄変動が実行されている期間中に実行する最終得点演出と、対象となる特別図柄変動以外の特別図柄変動(即ち、対象となる特別図柄変動よりも前に実行される特別図柄変動)が実行されている期間中に実行する事前得点演出とから構成され、各得点演出では実行される段階情報(ゲージ量)を異なる段階情報(ゲージ量)に可変させるための得点付与演出が複数回実行可能に構成されている。そして、この得点付与演出は1回の特別図柄変動期間に対応して所定回数(1〜4回)実行可能に設定されるものであり、さらに、1回の得点付与演出において、得点が付与されることを示唆する示唆演出回数と、その示唆演出のうち実際に得点が付与される付与演出回数(又は、得点が付与されない演出回数(ガセ演出回数))と、1回の付与演出において付与される得点数と、を異ならせることができるように構成している。
以上説明をしたように構成された得点演出を用いることで、得点演出中に多様な演出を実行することができ、得点演出の対象となる特別図柄の抽選結果を遊技者に早期に把握されてしまい、得点演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、得点付与演出として、特別図柄の変動表示中に第3図柄表示装置81の表示画面に得点を表示(付与)し、表示(付与)された得点が所定量(例えば、6)蓄積された場合に、特定演出(チャージ演出)が実行されるように構成している。これにより、第3図柄に表示された得点を把握することで特定演出の実行の有無、および、特定演出の実行タイミングを予測させることができ、演出効果を高めることができる。
ここで、図11を参照して、本実施形態にて実行される得点付与演出と特定演出の流れについて説明をする。図11(a)は、得点付与演出として枠ボタン22の操作が必要な操作得点付与演出が実行されて、遊技者が枠ボタン22を操作した場合の演出の流れの一例を示したタイミングチャートであって、図11(b)は、予告演出として枠ボタン22の操作が必要な操作得点演出が実行されて、遊技者が枠ボタン22を操作しなかった場合の演出の流れを示したタイミングチャートである。なお、図11(a)及び(b)では、得点付与演出、及び特定演出の流れを説明するために、特別図柄変動1回の中で得点付与演出及び特定演出が実行される一例を示しているが、得点付与演出及び特定演出は、特別図柄変動複数回に跨がっても実行され得るものである。
図11(a)に示した通り、1回の変動表示中に実行される演出の演出態様として、得点と付与するための得点付与演出(GP演出)が3回、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に得点が付与される操作得点付与演出(操作GP演出)が1回と、得点が所定量(6個)蓄積された場合に実行される特定演出(チャージ演出)とが2回実行される演出態様が変動表示として設定されるように構成されている。
特別図柄の変動が開始されると所定期間後に1回目の得点付与演出(GP演出)が開始され、その演出結果として得点(P)「2」が表示(付与)される。これにより、1回目の得点付与演出(GP演出)が終了した時点では、ゲージ量「2」を示す表示態様の段階情報が表示される。次いで、操作得点付与演出(操作GP演出)が実行され、その演出において操作手段(枠ボタン22)に対して所定の操作が実行されたことにより、その演出結果として得点(P)「3」が表示(付与)される。これにより、操作得点付与演出(操作GP演出)が終了した時点では、ゲージ量が「2」から「5」へと可変表示される。
その後、2回目の得点付与演出(GP演出)が開始され、得点(P)「1」が表示(付与)されることにより、ゲージ量が「5」から「6」へと可変表示される。本実施形態では、ゲージ量が「6」に到達した場合に、チャージ量が「1」蓄積されると共に、ゲージ量が初期値「0」へと可変表示される。そして、チャージ量「1」となることで1回目の特定演出(チャージ演出)が実行される。
ここで、特定演出として実行される演出内容としては、今回の得点演出の対象となる特別図柄の抽選結果を示唆する示唆演出や、特定条件を満たした場合のみ遊技者に付与される特別な画像や動画等がある。1回目の特定演出が終了すると、ゲージ量「0」、チャージ量「1」を示した状態で3回目の得点付与演出(GP演出)が実行され、得点(P)「5」が表示(付与)されることにより、ゲージ量が「0」から「5」へと可変表示される。
その後、4回目の得点付与演出(GP演出)が実行され、得点(P)「1」が表示(付与)されることにより、ゲージ量が「5」から「6」へと可変表示され、チャージ量が「1」から「2」へ可変表示される。そして、2回目の特定演出(チャージ演出)が実行される。
なお、この2回目の特定演出は、今回の特別図柄変動が開始される場合に設定される特別図柄変動期間に対応した変動演出として予め定められているタイミングに設定された所定演出(例えば、大当たりの期待度を急上昇させる演出)が実行されることを報知する演出が実行される。具体的には、所定演出が実行される直前に、2回目の特定演出として遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)への操作を促す演出を実行するようにしている。このように構成することで、遊技者に対して操作手段(枠ボタン22)を操作したことに基づいて所定演出が実行されたと思わせることができるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
図11(a)を参照して上述した例によれば、操作得点付与演出(操作GP演出)に成功したことにより、2回目の特定演出を所定タイミング(所定演出が実行される直前のタイミング)で実行することができるものであったが、操作得点付与演出(操作GP演出)に失敗した場合には操作得点付与演出(操作GP演出)にて得点を獲得することができず、所定タイミングで2回目の特定演出を実行できないという問題があった。それに対して、本実施形態では、操作得点付与演出(操作GP演出)の演出結果に基づいて、所定演出が実行される直前のタイミングで特定演出が実行されるように、それ以降に実行される得点付与演出の演出態様を可変(補正)する処理を実行可能に構成している。
次に、図11(b)を参照して、得点演出中に実行される操作得点付与演出(操作GP演出)において、遊技者が枠ボタン22に対して所定の操作をしなかった場合における演出の流れについて説明をする。図11(b)に示した通り、操作得点付与演出(操作GP演出)に失敗し得点(P)を獲得できなかった場合は、1回目の特定演出(チャージ演出)を実行することなく、補正後の得点付与演出(変更GP演出)を実行し、合計で得点(P)「10」が表示(付与)されることにより、上述した図11(a)と同様にチャージ量「2」を獲得した状態で2回目の特定演出(チャージ演出)が実行される。
このように構成することで、得点演出において遊技者による操作手段への操作結果に基づいて付与される得点を異ならせる演出(操作得点付与演出)を用いたとしても、所定タイミングで特定演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
次に、本実施形態における得点付与演出中に付与(表示)される得点の表示態様について、図12及び図13(a)を参照して説明する。図12(a)は、本実施形態においてゲージ量「6」に到達した回数(チャージ量の蓄積数)を模式的に示した模式図であり、図12(b)は、本実施形態において付与されるゲージ量を模式的に示した模式図であり、図12(c)は、本実施形態において実行されるリーチ演出のうち、第1リーチ態様の期待度をチャージ量およびゲージ量に対応させて模式的に示した模式図であり、図12(d)は、本実施形態において実行されるリーチ演出のうち、第2リーチ態様の期待度をチャージ量およびゲージ量に対応させて模式的に示した模式図であり、図12(e)〜(g)は、本実施形態における得点付与演出において得点が付与された場合における段階情報(ゲージ量とチャージ量)の表示態様の流れを示した模式図である。また、図13(a)は、本実施形態において得点付与演出が実行された場合に第3図柄表示装置81に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。
図12(a),(b)に示した通り、本実施形態ではゲージ量が最大「6」まで蓄積され、ゲージ量が「6」に到達した場合にチャージ量が「1」加算(蓄積)されるように構成されており、チャージ量は最大で「3」加算(蓄積)されるように設定されている。即ち、段階情報として全体で18段階に区分け可能に構成されている。
そして、得点付与演出が実行され第3図柄表示装置81に得点(P)が表示(付与)された場合に、表示(付与)された得点(P)数に対応させてゲージ量、或いはチャージ量が加算されるように表示態様が可変表示される。なお、詳細は後述するが、本実施形態では、特別図柄の抽選結果に基づいて、変動表示における得点演出にて付与する得点の数を設定するように構成している。つまり、特別図柄の抽選結果を18段階の期待度に分けて遊技者に示唆可能に構成している。
また、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が当たりであるか否かを示すための変動表示(リーチ表示)として、少なくとも、第1リーチ態様と第2リーチ態様とを有しており、それぞれのリーチ態様は、上述したチャージ量およびゲージ量に対応させて大当たり期待度が異なる様に設定されている。具体的には、図12(c)に示した通り、第1リーチ態様は、段階的に付与される得点数に応じて大当たり期待度が高くなるように設定されており(即ち、18段階)、図12(d)に示した通り、第2リーチ態様は、ゲージ量にのみ対応して大当たり期待度が高くなるように設定されている(即ち、6段階)。
このように構成することで、得点演出中に表示される段階情報のうち最も遊技者に有利となる段階を、実行される変動表示の内容(実行されるリーチ態様の種類)によって異ならせることができるため、遊技者に対して最後まで(リーチ表示が実行されるまで)大当たりに対する期待感を持たせることができる。
次に、図13(a)を参照して、得点付与演出中に表示される第3図柄表示装置81の表示内容について具体的に説明をする。図13(a)に示した通り、得点付与演出が実行されると、主表示領域Dmに貯留ゲージDgが表示される。この貯留ゲージDgは、付与された得点を視認可能に表示するものであり、6段階のゲージ量(ゲージ1表示領域Dg1〜ゲージ表示領域Dg6)と、3段階のチャージ量を示すためのチャージ表示領域Dg7と、を有している。
この貯留ゲージDgは、得点付与演出として得点が付与される毎に表示態様を可変させることで現在の得点貯留量(ゲージ量、およびチャージ量)を遊技者に報知するものである。ここで、貯留ゲージDgの表示態様を可変させる流れについて、図12(e)〜(g)を参照して具体的に説明をする。
まず、ゲージ量、およびチャージ量ともに「0」の場合において、得点付与演出によって得点(P)「1」が表示(付与)された場合には、ゲージ1表示領域Dg1の表示態様が可変し(図12(e)では黒く塗りつぶし)、現在が、ゲージ量「1」、チャージ量「0」であることを示す表示態様に可変する。また、付与された得点(P)が「11」まで蓄積された場合には、図12(f)に示した通り、ゲージ1表示領域Dg1〜ゲージ5表示領域Dg5の表示態様が可変し(黒く塗りつぶし)、且つ、チャージ表示領域Dg7に現在のチャージ量である「1」を表示し、現在が、チャージ量「1」、ゲージ「5」であることを示す表示態様に可変する。
そして、図12(f)の状態から更に得点が「1」蓄積されると、図12(g)に示した通り、一時的にゲージの値が「6」を示す用に表示態様が可変し、その後、チャージ表示領域Dg7に「2」の値が表示され、ゲージ1表示領域Dg1〜ゲージ表示領域Dg6が得点を付与されていないことを示す表示態様(初期表示態様)に可変表示する。これにより、ゲージが所定量(6)に到達し、チャージ量が1加算されたことを視覚的に報知することができる。
次に、図13〜図18を参照して得点演出中に第3図柄表示装置81に表示される演出内容について説明をする。まず、図13(a)は、得点演出の対象となる入賞情報を示す保留図柄が第1保留図柄Dsbに表示されている状態における得点付与演出実行中の画面を模式的に示した模式図である。図13(a)に示した通り、得点演出の対象となる入賞情報が表示される箇所(第1保留図柄Dsb)は、得点演出の対象となる入賞情報がどの保留図柄であるかを遊技者に報知するために対象保留図柄態様(入賞情報が存在することを示す「黒丸」と、得点演出の対象であることを示す「3つの点」と、で形成される表示態様)として表示されている。これにより、遊技者に対して得点演出が継続して実行される期間(得点演出が継続する特別図柄変動の回数)を把握することができるため、得点演出の演出状況(得点演出中に実行される複数の得点付与演出のうち、既に実行された得点付与演出の演出結果(付与済み得点))と、得点演出の残期間とに基づいて今回の得点演出の結果を予測させることができる。
なお、本実施形態では、保留図柄の表示態様を可変させることで得点演出の対象となる入賞情報を報知する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、得点演出が継続して実行される特別図柄変動の回数、即ち、得点演出の対象となる入賞情報に対応する特別図柄変動が実行されるまでの特別図柄変動回数(或いは、得点演出の対象となる入賞情報に対応する特別図柄変動を含んだ特別図柄変動回数)を示す回数表示を表示画面に表示し、新たな特別図柄変動が開始されたタイミング(或いは、特別図柄変動が終了したタイミング)で表示されている回数表示を減算するように構成しても良いし、得点演出が継続して実行される時間を具体的に表示しても良い。また、得点演出が継続して実行される期間が所定期間よりも長いか否かを判別しその判別結果に対応する表示態様を表示画面に表示しても良い。
また、本実施形態では得点演出が継続して実行される期間を遊技者が把握し得る構成を用いているが、得点演出が継続して実行される期間を遊技者に把握させないように構成しても良い。これにより、得点演出がいつまで継続するのかを分かり難くすることができ、得点演出が実行されている期間中に常に遊技者を常にドキドキさせながら遊技を行わせることができる。
そして、得点付与演出が実行されている間は、貯留ゲージDgが主表示領域Dmに表示され、主表示領域Dmにて実行される得点付与演出の演出表示領域Da1に表示される表示内容(得点付与演出の演出結果)に対応して各表示領域の表示態様が可変する。また、得点演出期間中において得点付与演出が実行されていない期間や、得点付与演出よりも表示優先度が高い表示態様(例えば、チャージ量に対応した特定演出やパチンコ機10の異常を報知するための異常報知表示)が表示される期間は、貯留ゲージDgの代わりに貯留状況表示領域DKが表示され、簡易的に現在の貯留状況(得点獲得状況)が表示される。これにより、得点演出中であることを遊技者に報知しながらも、それ以外の内容を遊技者に分かり易く表示することができる。
なお、貯留状況表示領域DKは特定演出が実行されている期間中において常時表示するように構成しても良いし。貯留ゲージDgが表示されない期間中のみ表示するように構成しても良い。前者の構成を用いた場合は、得点演出実行中に貯留状況表示領域DKが継続して表示されるため、貯留状況表示領域DKが得点演出の演出内容を示すものであることを遊技者に容易に把握させることができる。また、後者の構成を用いた場合は、第3図柄表示装置81の表示画面のうち得点演出の演出状況(現時点までにおける得点付与状況)を示すための領域を減らすことができ、第3図柄表示装置81の表示画面をその他演出表示に有効に活用することができる。
図13(a)では、得点付与演出として、得点(P)「2」が付与される演出が表示されており、付与された得点(P)に対応する表示態様に貯留ゲージDgの表示態様を可変させるための表示(演出表示領域Da1の表示内容を貯留ゲージDgに反映させるための矢印が該当)が実行される。また、貯留状況表示領域DKに得点付与演出の結果に対応した値が加算される。その後、演出表示領域Da1に表示された表示内容に対応させて貯留ゲージDgの表示態様が可変される。具体的には、得点(P)「2」が付与されたことに対応してチャージ1表示領域Da1とチャージ2表示領域Da2の表示態様を可変させ、チャージ量「2」であることを示す貯留ゲージDgの表示態様に可変する(図13(b)参照)。
上述したように、得点演出中に実行される得点付与演出の結果を演出表示領域Da1に表示した後に貯留ゲージDgの表示態様を可変させるように構成しているため、付与される得点(P)をいち早く把握しようと、遊技者を実行される得点付与演出に注視させることができる。
なお、本実施形態では得点付与演出の結果が演出表示領域Da1に表示された後に貯留ゲージDgの表示態様を可変させる構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、実行中の得点付与演出の演出結果の一部(例えば、得点が付与されるか否かの結果、付与される得点(P)の一部)を、得点付与演出実行中に遊技者に報知するように貯留ゲージDgの表示態様を可変させても良いし、実行中の得点付与演出において付与され得る得点(P)の範囲を遊技者に報知するように貯留ゲージDgの表示態様を可変させるように構成しても良い。これにより、実行中の得点付与演出の演出内容と、貯留ゲージDgの表示態様の可変状況とに基づいて今回の得点付与演出の演出結果を予測することが可能となるため、演出効果を高めることができる。
この場合、貯留ゲージDgの表示態様を可変させる構成としては、例えば、得点(P)が付与されたことを示す第1表示態様(図13(b)では黒色の表示態様)とは異なる表示態様を示す第2表示態様(例えば、対応する表示領域を点滅表示させる表示態様や、黒色とは異なる色の表示態様等)へと可変させるようにすると良い。これにより、現在の貯留ゲージDgの表示態様が、得点付与演出が実行されている状態における途中段階であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
加えて、得点付与演出実行中にその得点付与演出の演出結果を示唆するために貯留ゲージDgの表示態様を途中段階表示態様へと可変させる構成を用いる場合には、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)への操作内容に対して途中段階表示態様の内容を可変させるように構成しても良い。この場合、操作手段(枠ボタン22)に対して所定の操作が実行された場合に、実行中の得点付与演出の演出結果を詳細に表示する表示態様へと表示するように構成すると良い。これにより、得点付与演出の演出結果をいち早く把握したい遊技者に対して積極的に操作手段(枠ボタン22)を操作させることができ、演出効果を高めることができる。
図13(a)に示した状態において、保留図柄Dsbに表示されていた得点演出の対象となる入賞情報に対応する特別図柄変動が開始されると、図13(b)に示す表示内容が実行される。図13(b)は、得点演出の対象となる入賞情報(以下、対象入賞情報と称す。)に対応する変動表示(以下、対象変動表示と称す。)が実行された場合における得点付与演出の一例を示した模式図である。図13(b)に示した通り、消化図柄(実行中図柄)Dsaに対象入賞情報を示す保留図柄が移行した場合、即ち、対象変動表示が実行された場合には、消化図柄(実行中図柄)Dsaを用いた得点付与演出が副表示領域Dsの小領域Ds3を拡大して実行される。
ここでは、消化図柄(実行中図柄)Dsaを複数の演出図柄に可変して回転表示させ、ルーレット演出表示領域Ds4に停止表示された演出図柄の表示態様で得点付与演出の演出結果を遊技者に報知する演出が実行される。
また、小領域Ds3で実行される得点付与演出は、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することで停止表示するように設定されており、操作手段(枠ボタン22)を操作する旨を主表示領域Dmのコメント表示、及び、枠ボタン22を模したボタン表示態様Da2を用いて遊技者に報知している。この状態で遊技者が枠ボタン22を操作すると、図14(a)に示したように、演出図柄の回転表示が停止し、ルーレット演出表示領域Ds4に得点付与演出の結果(図14(a)では得点(P)4点付与)が表示される。そして、4点を付与されたことを示すように貯留ゲージDgおよび貯留状況表示領域DKの表示態様が可変し、チャージ量が「1」となったことを報知する。
なお、本実施形態では、枠ボタン22を操作することで演出結果を表示する操作得点付与演出において、枠ボタン22を操作しなかった場合には得点が付与されないように構成している。これにより、遊技者が枠ボタン22を操作するか否かで得点の付与状況を可変させることができる。よって、遊技者を意欲的に演出に参加させることができる。
図14(a)に示した得点付与演出によって、チャージ量が「1」になると、図14(b)に示すように、特定演出が実行される。図14(b)は、得点演出の一例を示した模式図である。特定得演出が実行されると、図14(b)に示した通り、主表示領域Dmに枠ボタン23(図1参照)を操作させるための表示態様が表示され、小領域Ds2に獲得したチャージを用いた特定演出が実行されていることを示すコメントが表示される。
次に図15(a)および図15(b)を参照して、本実施形態において得点演出中における得点付与演出の内容について説明する。図15(a)は、第3図柄表示装置81に表示される得点付与演出の演出態様の一例を示した模式図であり、図15(b)は、第3図柄表示装置81に表示される得点付与演出の演出態様の別例を示した模式図である。
図15(a)に示した得点付与演出によれば、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄の表示態様を用いて得点付与演出の演出結果を表示するように構成されている。具体的には、今回の得点付与演出の演出結果として得点(P)が付与されることを示す表示態様(「P」の文字)と、今回の得点付与演出において付与される得点(P)の数を示す得点数表示態様Da3(「1」の値)とから構成された演出結果表示態様Da2が表示される。
図15(a)では、得点付与演出の演出結果として得点(P)「1」が付与されるパターンを例に示したが、例えば、得点付与演出の演出結果として得点(P)が付与されない場合は、演出結果表示態様Da2の表示態様として、今回の得点付与演出の演出結果として得点(P)が付与されることを示す表示態様(「P」の文字)に替えて、得点(P)が付与されないことを示唆する表示態様(例えば「?」の文字)を表示したり、「P」の文字を表示した上で、得点数表示態様Da3を(「0」)とした表示態様が表示される。
なお、詳細な説明は省略するが、この演出結果表示態様Da2は、得点付与演出の演出結果以外の演出内容を遊技者に報知する場合にも用いられ、例えば、実行中の特別図柄変動に対応して第3図柄表示装置81にて表示される変動演出として、大当たりの期待度を向上させる期待度演出の実行回数(例えば、第3図柄を一旦停止して、再度変動させる疑似変動回数や、変動表示中に「チャンス」の文字が表示される回数や)を事前に報知する場合にも用いられる。この場合、具体的には、演出結果表示態様Da2として、「チャンス」の文字と、実行回数を示す値と、を組み合わせた表示態様が表示される。
このように構成することで、演出結果表示態様Da2の表示が開始された場合に、その表示態様が得点付与演出の演出結果を表示するものなのか、それ以外の演出内容を遊技者に報知するものなのかを分かり難くすることができ演出内容に注視させることができる。
上述した演出結果表示態様Da2は、第3図柄表示装置81の表示画面にて変動表示中の第3図柄(3つの第3図柄)の何れかが停止表示されるタイミングで、停止表示される第3図柄と差し替えて演出結果表示態様Da2が停止表示される。この演出結果表示態様Da2は、停止表示された時点では演出結果表示態様Da2の一部(今回の演出結果表示の対象となる演出を示す表示(例えば「P」の文字))が表示され、その後、得点数表示態様Da3が表示されるように表示制御されている。これにより、今回の演出結果表示態様Da2がどの演出を対象とした表示態様で、その結果が何であるのかを順に遊技者に報知することができるため、遊技者に継続して演出内容に注視させることができる。
なお、演出結果表示態様Da2の表示順序は上述した内容に限ること無く、例えば、先に得点数表示態様Da3(獲得した数を示す値)を表示し、その後に対象となる演出を示す表示態様を表示するように構成しても良い。また、今回の得点付与演出の演出結果として得点(P)が付与されることを示す表示態様(「P」の文字)を複数用意しておき、得点数表示態様Da3で表示される値が所定値(例えば3)よりも大きいかを判別し、複数の表示態様の中から判別結果に対応した表示態様を表示するように構成しても良い。
また、今回の得点付与演出の演出結果として得点(P)が付与されることを示す表示態様(「P」の文字)が表示され、得点数表示態様Da3が表示されていない期間において、今回の得点付与演出の演出結果として得点(P)が付与されることを示すために表示された表示態様の種別を把握することで、得点数表示態様Da3として表示される値を予測することができ、演出効果を楽しませることができる。この場合、複数の表示態様として、例えば、表示される「P」の色を異ならせた表示態様を用いると良い。これにより、演出結果表示態様Da2の画像データを複数用意することなく、且つ、遊技者に分かり易い表示態様を表示することができる。
次に、図15(b)を参照して、図15(a)を参照して説明をした得点付与演出とは異なる得点付与演出の内容について説明をする。図15(b)に示した得点付与演出は、第3図柄表示装置81の表示画面のうち主表示領域Dmの全面を用いて実行される演出であって、立方体に形成された3つの回転表示体(Ds5〜Ds7)を回転させ、停止表示された各回転表示体の表示面(遊技者が全面を視認可能な面)を組み合わせることで演出結果が表示されるものである。
具体的には、表示画面の一番左側に表示される第1回転表示体Ds5は、今回の得点付与演出の演出結果として得点(P)が付与されること示すための表示態様が少なくとも表示可能に形成され、表示画面の一番右側に表示される第3回転表示体Ds7は、今回の得点付与演出にて付与される得点数を示すための表示態様(図15(b)では「3」)が少なくとも表示可能に形成され、表示画面の中央に表示される第2回転表示体Ds6は、今回の得点付与演出に対応する演出結果表示態様Da2が成立したことを示すための表示態様(図15(b)では「X」)が少なくとも表示可能に形成されている。そして、図15(b)に示したように、第1回転表示体Ds5〜第3回転表示体Ds7の各表示面の表示態様を組み合わせることにより、一の演出結果表示態様Da2が表示される。
なお、図15(b)に示した得点付与演出においても、上述した図15(a)と同様に、得点付与演出以外の演出結果を示す表示態様を表示可能にしても良いし、各回転表示体の停止順序を複数設定可能に構成しても良い。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面に各回転表示体が表示(回転表示)されてから停止表示されるまでの期間、回転表示されている各回転表示体に表示されている表示態様を視認しながら、どの組み合わせで停止表示されるのかを予測しながら遊技を行うことができる。さらに、各回転表示体の表示面に表示される表示態様を組み合わせることで演出結果表示態様Da2を表示させる場合は、例えば、各回転表示体の表示面に文字を1つ表示可能に構成し、各回転表示体の表示面に表示された文字の組み合わせによって、特別図柄の抽選結果を示唆(報知)するように構成しても良い。
また、各回転表示体の何れかを一旦停止してから再度回転させても良いし、通常、上から下に向けて回転させる回転表示を逆向きに回転させても良い。加えて、特定条件が成立した場合、例えば、変動表示中の特別図柄の抽選や、得点演出の対象となる入賞情報に対応する特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、上下方向の回転表示に切り替えて左右方向の回転表示を行い、通常では停止表示されない表示面(立方体の場合では2面)を停止表示可能に構成しても良い。
以上、図13、及び図15を参照して、得点付与演出の演出態様を複数パターン説明したが、得点付与演出の演出態様はこれに限ること無く、最終的に演出結果表示態様Da2を表示できるものであれば良い。例えば、演出結果表示態様Da2の表示態様を透過させた状態で表示し、その透過させた演出結果表示態様Da2の透過度を徐々に低くしていき、最終的演出結果表示態様(透過していない表示態様)で停止表示された場合に、対応する得点(P)が付与されるように構成しても良い。このような構成にすることで、最終演出結果表示態様が停止表示された場合に付与される得点を事前に把握することができるため、最終演出結果表示態様が停止表示された場合に進展する得点演出を具体的に予測しながら遊技を行わせることができる。
次に、図16を参照して、チャージ量が蓄積された場合に実行される特定演出の一例の内容について説明をする。図16(a)は、特定演出が実行されている期間中の表示画面を模式的に示した模式図であり、図16(b)は、特定演出が終了するタイミングにおける表示画面を模式的に示した模式図である。
図16(a)に示した通り、本一例では特定演出として、何らかの演出が実行されるまでの時間をカウントダウンするカウントダウン表示Dg10が実行される。なお、このカウントダウン表示Dg10は、例えば、図14(b)を参照して説明をしたように、特定演出(1回目の特定演出)として遊技者の枠ボタン23を操作させるための演出を実行し、その演出期間中に枠ボタン23を操作することで表示される。
そして、複数の得点付与演出を経て、チャージ量「1」、ゲージ量「6」(即ち、直後にチャージ量「2」、ゲージ量「0」)を示す状態となるタイミングに対応させてカウントダウン表示Dg10が示す残期間が「0」となり、2回目の特定演出として枠ボタン23を操作させるための表示態様が表示される。
このように、1回目の特定演出に対応する演出として、2回目の特定演出の実行タイミングを示唆する演出を実行することにより、今回の変動表示中に2回目の特定演出が実行されることを遊技者に予測させることができる。
次に、本実施形態において実行されるリーチ演出のうち、第2リーチ態様(ミッションリーチ)の演出内容について図17から図18を参照して説明をする。図17(a)は、第2リーチ態様(ミッションリーチ)が開始された場合の表示画面に表示される一例を模式的に示した模式図であり、図17(b)は、第2リーチ態様(ミッションリーチ)のうち最初に実行される先制攻撃中の表示画面の一例を模式的に示した模式図であり、図18(a)は、第2リーチ態様(ミッションリーチ)終盤の表示画面の一例を模式的に示した模式図であり、図18(b)は、第2リーチ態様(ミッションリーチ)の演出結果を示す表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
第2リーチ態様(ミッションリーチ)が実行されると、まず、図17(a)に示した通り、第3図柄の変動表示が変動表示領域Dm1に縮小表示され、主表示領域Dmには、ミッションリーチのミッション内容として「敵を100人倒せ」の文字が表示されると共に、演出表示領域Da1に敵の残り数として「100」の値が表示される。そして、ミッションリーチ中に用いられるゲージ量を示す表示態様が、貯留ゲージDgおよび貯留状況表示領域DKに表示される。
なお、本実施形態の第2リーチ態様(ミッションリーチ)は、蓄積されているゲージ量を用いてミッション内容を事前に可変させる先制攻撃演出と、遊技者に操作手段(枠ボタン22)を操作させてミッションを達成させる本演出と、から構成されるものであり、第2リーチ態様が開始される場合におけるゲージ量の大きさに対応して大当たり当選の期待度を異ならせるように構成している。
図17(a)に示した例によれば、第2リーチ態様(ミッションリーチ)が開始された時点でゲージ量が「5」蓄積されているため、図17(b)に示した通り、先制攻撃演出中にゲージ量「5」に対応した人数「50人」をミッション内容の「100人」から減算する演出が実行される。本実施形態では、第2リーチ態様(ミッションリーチ)の先制攻撃演出にて開始時点のゲージ量に10を掛けた人数をミッション内容の人数から減算するように構成されており、ゲージ量が多い程、先制攻撃演出にて減算される人数が多くなる(本演出にて倒す人数を減らすことができる)。このように、ゲージ量に応じて先制攻撃演出の演出態様を異ならせることにより第2リーチ態様が開始される場合におけるゲージ量の大きさに対応して大当たり当選の期待度を異ならせるように構成している。
このように構成された第2リーチ態様(ミッションリーチ)の先制攻撃演出が開始されると、図17(b)に示した通り、演出表示領域Da1に表示される値が「50」まで減算され、主表示領域Dmに表示されているミッション内容も「敵を100人倒せ」から「敵を50人倒せ」に可変表示される。また、第2表示領域Ds2には、今回のミッションリーチの当たり期待度を示した「スーパーチャンス」の文字が表示される。
そして、第2リーチ態様(ミッションリーチ)の本演出が開始されると、図18(a)に示した通り、貯留ゲージDgは先制攻撃演出で用いられたゲージ量が削除された状態の表示態様となり、遊技者に枠ボタン22を連打させるためのボタンを模した画像が表示され、第2表示領域Ds2には「ボタン連打」の文字が表示される。また、演出表示領域Da1にはミッションリーチにおけるミッション到達までに必要な値として「1」が表示される。
その後、ボタン連打を継続して行い、演出表示領域Da1に表示される値が「0」になると、ミッションを達成したことになるため、小領域Ds2に「おめでとう」のメッセージが表示され、変動表示領域Dm1には大当たりに当選したことを示す第3図柄の組み合わせ(7.7.7)が停止表示される。
<第1実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図20を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、特別図柄の小当たり種別を選択するために使用する小当たり種別カウンタC5と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図39参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図52参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1入球口64への入球に対応する特別図柄1保留球格納エリア203aが設けられており、このエリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄保留球実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。なお、本実施形態では第2入球口640への入球を保留して格納する構成、および、スルーゲート67を通過したことを保留して格納する構成を有していないが、それらの構成に対しても、所定数(例えば、4つ)の保留エリア(保留第1〜第4エリア)として、特別図柄2保留球格納エリアや普通図柄保留球格納エリアを設けても良い。
続けて、図20を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図39参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図52参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄保留球実行エリアに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
また、この第1当たり乱数テーブル202aには、第1特別図柄用の特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2特別図柄用の特別図柄2乱数テーブル202a2との2種類が設けられており、大当たりとなる乱数の個数は同一であるが、小当たりとなる乱数の個数を異ならせて設定している(図22参照)。このように、小当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、遊技者への特典(大当たり又は小当たり)付与に対する期待度を異ならせることができる。この特別図柄1乱数テーブル202a1と、特別図柄2乱数テーブル202a2とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図22を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図22(a)は、第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図22(b)は、特別図柄1乱数テーブル202a1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図22(c)は、特別図柄2乱数テーブル202a2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)と小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。
具体的には、第1特別図柄の抽選を実行する場合には特別図柄1乱数テーブル202a1が参照される。図22(b)に示した通り、特別図柄1乱数テーブル202a1は、乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値が大当たり以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第1特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0〜4」のいずれかである場合に大当たりであると判別される。
第2特別図柄の抽選を実行する場合には特別図柄2乱数テーブル202a2が参照される。図22(c)に示した通り、特別図柄2乱数テーブル202a2は、乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定されており、「5〜997」が小当たり判定値として規定されており、「998,999」がそれ以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第2特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0〜4」のいずれかである場合に大当たりと判別され、「5〜997」のいずれかである場合に小当たりと判別される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。また、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)では球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりや小当たりであると判別される乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れであると判別される乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜999の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の抽選時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は5個あり、その乱数値である「0〜4」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aの特別図柄1乱数テーブル202a1、特別図柄2乱数テーブル202a2に格納されている。このように本実施形態のパチンコ機10では乱数値の総数が1000ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が5なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図23を参照して第1当たり種別選択テーブル202bの内容について説明をする。
図23(a)は、第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図23(a)に示した通り、本実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202b1と、第2特別図柄(特図2)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202b2と、を有している。これにより、特図1の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別と、特図2の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別とを異ならせる、或いは、複数種類の大当たり種別のそれぞれが選択される割合を異ならせることができるため、第1特別図柄(特図1)を用いた遊技と、第2特別図柄(特図2)を用いた遊技とで異なる遊技性を遊技者に提供することができ遊技の興趣を向上することができる。
次に、図23(b)を参照して第1特別図柄(特図1)の抽選時に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202b1について説明をする。図23(b)は特図1大当たり種別選択テーブル202b1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図23(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「10〜49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となり、「50〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりC」となる。
「大当たりA」は、大当たり遊技としてラウンド数が15ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態(時短回数1回)に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりA」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される乱数値が10個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が選択される割合は10%である。
「大当たりB」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態(時短回数1回)に設定される大当たり種別である。ラウンド数は上述した「大当たりA」よりも少ないが、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりB」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB」が選択される乱数値が40個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が選択される割合は40%である。
「大当たりC」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が通常状態(非時短状態)に設定される大当たり種別である。ラウンド数も少なく、大当たり後に通常状態が設定されるので、「大当たりC」は、遊技者にとって不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC」が選択される乱数値が50個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が選択される割合は50%である。
以上、説明をしたように、本実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の10%の割合で15ラウンドの大当たり遊技が選択され、90%の割合で5ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、50%の割合で大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態へと移行する大当たりが選択される。
次に、図23(c)を参照して、第2特別図柄(特図2)の抽選時に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202b2について説明をする。図23(c)は特図2大当たり種別選択テーブル202b2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図23(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となる。即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として遊技者にとって最も有利な「大当たりA」が必ず選択されるように構成している。
本実施形態では、大当たりの種類は3種類としたが、それに限らず、1種類でもよいし、4種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される大当たり種別の種類と、各大当たり種別の選択率(振分率)を同一にし、各大当たり種別に対応させる第1当たり種別カウンタC2の範囲のみを異ならせるように構成しても良い。これにより特定のカウンタ値を狙って第1当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が第1特別図柄と第2特別図柄との両方で実行されることを抑制することができる。
小当たり種別カウンタC5は、特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)において球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
本実施形態のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が小当たりである場合に、実行される小当たりの種別を決定するための小当たり種別選択テーブル202e(図24参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。
ここで、図24を参照して小当たり種別選択テーブル202eの内容について説明をする。図24は小当たり種別選択テーブル202eに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図24に示した通り、小当たり種別選択テーブル202eには第2特別図柄の小当たり種別として小当たりA〜小当たりCの3種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように規定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0〜19」のいずれかである場合の小当たり種別は、「小当たりA(V通過時15R時短1回大当たり)」となり、「20〜89」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりB(V通過時5R時短1回大当たり)」となり、「90〜99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりC(V通過時5R時短無大当たり)」となる。
ここで、各小当たり種別(小当たりA〜小当たりC)には、それぞれ小当たり遊技においてV入賞装置650内のVスイッチ650e3を球が通過した場合に、その小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりAの場合には、15R時短1回大当たりが設定されており、小当たりAの実行後に、可変入賞装置65が15R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態として1回の時短遊技(特別図柄の変動が100回或いは、第2特別図柄の変動が1回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりBの場合には、5R時短1回大当たりが設定されており、小当たりBの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態として1回の時短遊技(特別図柄の変動が100回或いは、第2特別図柄の変動が1回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。小当たりCの場合には、5R時短無大当たりが設定されており、小当たりCの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行されるが、大当たり遊技後には、時短状態が設定されず、通常状態が設定されるように構成されている。
このように、選択される小当たり種別によって、小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の内容およびその大当たり遊技後に設定される遊技状態を異ならせることができる。具体的には、小当たりAは、大当たり遊技において実行されるラウンド数が多く(15R)、且つ、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる時短状態が設定されるため、遊技者にとって最も有利な小当たりとして設定されており、小当たりBは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(5R)、上述した小当たりAよりも不利に設定されているが、大当たり遊技後に時短状態が設定される。小当たりCは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(5R)、且つ、大当たり遊技後に時短状態が設定されないことから、遊技者にとって最も不利な小当たりとして設定される。
なお、本実施形態では、時短状態の終了条件として、第2特別図柄の変動回数が1回(第1終了条件)、或いは、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動回数が合計で100回(第2終了条件)を設定している。このように構成することで、第1特別図柄の保留球数が1以上ある状態で大当たりに当選し、大当たり終了後に時短状態が設定された場合において、大当たり終了後に第1特別図柄(特図1)の変動が実行されたとしても時短状態が終了することが無い。また、第2特別図柄(特図2)の変動が実行された場合には上述した第2終了条件が成立し時短状態を終了させることができるため、時短状態中に任意の特別図柄(第2特別図柄)を確実に所定回数変動させることができる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図52参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図25(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図25(a)を参照して変動パターンテーブル202dの内容について説明をする。図25(a)は変動パターンテーブル202dに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図25(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202dには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターンテーブル202d1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターンテーブル202d2とが規定されている。詳細については後述するが、本実施形態では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
図25(b)は、変動パターンテーブル202dに設けられる通常用変動パターンテーブル202d1に規定された内容を模式的に示した模式図である。図25(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202d1には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図25(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜139」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「140〜149」の範囲に変動時間が20秒のガセ外れが対応付けて規定され、「150〜179」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「180〜187」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチaが対応付けて規定され、「188〜194」の範囲に変動時間が100秒のスーパーリーチbが対応付けて規定され、「195〜198」の範囲に変動時間が120秒のスーパーリーチcが対応付けて規定されている。
また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜29」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「30〜79」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチaが対応付けて規定され、「80〜129」の範囲に変動時間が100秒のスーパーリーチbが対応付けて規定され、「130〜189」の範囲に変動時間が120秒のスーパーリーチcが対応付けて規定され、「190〜198」の範囲に変動時間が140秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。
次に、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定され、抽選結果が「大当たり、または小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果に応じて、変動時間が7秒〜180秒の変動パターンのうち何れかの変動パターンが設定され、この変動パターンを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することで、変動時間に対応する変動演出が第3図柄表示装置81にて実行される。
ここで、本実施形態では、上述した通り、遊技状態として通常状態が設定されている状態において右打ち遊技を実行した場合には第2入球口640に球が入球しないように構成されていることから、通常状態中は第1入球口64に球を入球させる遊技、即ち、第1特別図柄の抽選を実行する遊技が行われるように構成されている。このように構成されている通常状態中において第2特別図柄の抽選が実行される場合としては、遊技者が不正に球を第2入球口640に入球させた場合であるため、通常状態における第2特別図柄の変動は長い変動時間を有する変動パターンが選択される。これにより、短期間の間に不正に第2特別図柄の抽選が行われる事態を抑制することができる。なお、通常状態中に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたと判別した場合は、その抽選結果が表示されるまでの期間(180秒間)を用いて、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたことを外部に報知するように構成しても良い。また、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行された場合には、その不正に実行された第2特別図柄の抽選(変動)結果として、外れの抽選(変動)結果を強制的に創出し、表示するように構成しても良い。
図25(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202d1にて選択される変動パターン(変動時間)は、図柄種別が特図1で抽選結果が外れの場合には7秒(選択割合が約70%)、40秒(選択割合が約15%)、20秒(選択割合が約5%)、80秒(選択割合が約4%)、100秒(選択割合が約3.5%)、120秒(選択割合が約2%)の順で選択され易くなるように規定されている。また、抽選結果が大当たりの場合には120秒(選択割合が約30%)、80秒(選択割合が約25%)、100秒(選択割合が約25%)、40秒(選択割合が約15%)、140秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果と選択される変動パターン(変動時間)には関連性があり、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合と、特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合とによって、特定の変動時間(変動パターン)が選択された場合における大当たり期待度を示唆することができるように構成している。このように構成することで、選択される変動時間(変動パターン)によって大当たりに当選しているか否かを遊技者に予測させることができる。
なお、本実施形態では当選した大当たり種別に関わらず、同一の変動パターンテーブルを用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が遊技者に有利となる大当たり(例えば、大当たりA)を示す大当たり種別である場合と、それ以外の大当たり(大当たりB、大当たりC)を示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、有利大当たり(大当たりA)を示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、それ以外の大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。
また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図26を参照して変動パターンテーブル202dに設けられた時短用変動パターンテーブル202d2の内容について説明をする。図26は時短用変動パターンテーブル202d2に規定された内容を模式的に示した模式図である。図26に示した通り、時短用変動パターンテーブル202d2には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図26に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が0.5秒の超短外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が0.5秒の超短外れが規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が0.5秒の超短外れが規定され、抽選結果が「小当たり」である場合は、変動時間が1秒の短小当たりが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲に変動時間が1秒の短大当たりが規定され、「150〜198」の範囲に変動時間が30秒の中大当たりが規定されている。
図20に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図39参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の第2図柄保留球実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202cによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入球口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640が「2秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入球口640が「2秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「1秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図39参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図52参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図20に戻り、説明を続ける。RAM203は、図20に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図52参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図51参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図50参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図21(b)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄1保留球数カウンタ203b、時短中合算カウンタ203c、大当たり開始フラグ203d、大当たり中フラグ203e、小当たり開始フラグ203f、小当たり中フラグ203g、V通過大当たり種別格納エリア203h、Vフラグ203i、時短中特2カウンタ203j、V通過フラグ203k、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、図20に示すように4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1入球口64に入球したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3、C5、CS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、第1特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
そして、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄を保留する機能を有していないため、球が第2入球口640へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3、C5、CS1の各値が取得され、その取得されたデータがそのまま特別図柄保留球実行エリアに格納される。
加えて、本実施形態のパチンコ機10では、普通図柄(第2図柄)を保留する機能も有していないため、球が普通始動口67を通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータがそのまま特別図柄保留球実行エリアに格納される。
特別図柄1保留球数カウンタ203bは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203bは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図44のS604参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203bは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図40のS207参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、特図1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図40のS208、図44のS605参照)。特図1保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値が変更される度に、主制御装置110より送信される特図1保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
時短中合算カウンタ203cは、時短状態中に実行される第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数を合算し、最大100回まで計数するためのカウンタである。この時短中合算カウンタ203cは、大当たりに当選した場合に初期値である0に設定され(図40のS217参照)、大当たり終了時に100に設定され(図53のS1514参照)。そして、時短状態中に特別図柄の変動が終了する毎に1減算される(図43のS502参照)。この時短中合算カウンタ203cの値は、時短状態の終了条件が成立したか否かを判別する際に参照されるものであり、カウンタ値が0まで減算されたと判別した場合に(図43のS507:Yes)、遊技状態として通常状態が設定される(図43のS508)。
上述したように、本実施形態では、時短状態中における第1特別図柄および第2特別図柄の変動を合算した回数が100回に到達(第1終了条件)、或いは、時短状態中における第2特別図柄の変動回数が1回に到達(第2終了条件)の何れかの条件が成立した場合に、時短状態が終了するように構成されており、そのうちの第1終了条件が成立したか否かを判別するために時短中合算カウンタ203cを用いている。なお、時短中合算カウンタ203cの値は、残時短回数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図43のS505参照)。残時短回数コマンドは、時短中合算カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、時短中合算カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される残時短回数コマンドによって、時短状態の第1終了条件が成立するまでの残変動回数を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の遊技状態格納エリア223iによって管理される残時短回数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110の時短中合算カウンタ203cにより計数された実際の残変動回数からずれてしまった場合であっても、次に受信する残時短回数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、残時短回数コマンドに基づいて残時短回数を管理しているが、上述した時短中合算カウンタ203cの値に対応する残時短回数コマンド、即ち、時短状態の第1終了条件が成立するまでの残変動回数を示す情報を表示制御装置114に対して送信しないように構成している。これは、通常の遊技を行っている場合には、時短状態の第2終了条件が成立することで時短状態を通常状態へと移行させるように構成されているためであり、第1終了条件が成立するまでの残変動回数を第3図柄表示装置81に表示させた状態で第2終了条件が成立し、時短状態が終了してしまう事態を抑制している。
大当たり開始フラグ203dは、大当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。抽選結果が大当たりと判定されている特別図柄の変動が停止する場合に、大当たり開始フラグ203dがオンに設定される(図40のS216)。大当たり開始フラグ203dがオンであることが判別されて、大当たりの開始タイミングであることが識別されると、オフに設定される(図53のS1503)。なお、大当たり開始フラグ203dは、初期状態ではオフに設定されるものであり、電源断等が発生した場合には、バックアップされて電源断直前の状態が保持されるように構成されている。
大当たり中フラグ203eは、大当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が大当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図40のS216)。一方、大当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている大当たり種別に対応するラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図53のS1517)。この大当たり中フラグ203eは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり開始フラグ203fは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図42のS404)。小当たり開始フラグ203fがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると識別されるとオフに設定される(図54のS1603)。この小当たり開始フラグ203fは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203gは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図42のS404)。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図54のS1620)。この小当たり中フラグ203gは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過大当たり種別格納エリア203hは、小当たり遊技が実行されている場合に、V入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3により検知された場合に設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過大当たり種別格納エリア203hは、判定結果が小当たりとなる特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される(図42のS402)。V入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球を検知すると、V通過大当たり種別格納エリア203hに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203iがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過大当たり種別格納エリア203hに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過大当たり種別格納エリア203hは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203iは、小当たり遊技中にV入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球が検知された場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定されるものである。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203iがオンであるかを判別し(図54のS1615)、Vフラグ203iがオンであると判別した場合に(図54のS1615:Yes)、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される(図54のS1616)。このVフラグ203iは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
時短中特2カウンタ203jは、時短状態中に実行される第2特別図柄の変動回数を最大1回まで計数するためのカウンタである。この時短中特2カウンタ203jは、大当たりに当選した場合に初期値である0に設定され(図40のS217参照)、大当たり終了時に1に設定される(図53のS1514参照)。そして、時短状態中に第2特別図柄の変動が終了すると1減算される(図43のS504参照)。この時短中特2カウンタ203jの値は、時短状態の終了条件が成立したか否かを判別する際に参照されるものであり、カウンタ値が0まで減算されたと判別した場合に(図43のS506:Yes)、遊技状態として通常状態が設定される(図43のS508)。
上述したように、本実施形態では、時短状態中における第1特別図柄および第2特別図柄の変動を合算した回数が100回に到達(第1終了条件)、或いは、時短状態中における第2特別図柄の変動回数が1回に到達(第2終了条件)の何れかの条件が成立した場合に、時短状態が終了するように構成されており、そのうちの第2終了条件が成立したか否かを判別するために時短中特2カウンタ203jを用いている。なお、時短中特2カウンタ203jの値は、残時短回数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図43のS505参照)。残時短回数コマンドは、時短中合算カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
なお、音声ランプ制御装置113は、残時短回数コマンドに基づいて残時短回数を管理しているが、上述した時短中特2カウンタ203jの値に対応する残時短回数コマンド、即ち、時短状態の第2終了条件が成立するまでの残変動回数を示す情報を表示制御装置114に対して送信するように構成している。これは、通常の遊技を行っている場合には、時短状態の第2終了条件が成立することで時短状態を通常状態へと移行させるように構成されているためであり、遊技者に対して、時短状態が終了するまでの残変動回数を第3図柄表示装置81に表示させて分かり易い遊技を提供するためである。
V通過フラグ203kは、小当たり遊技中において、Vフラグ203iがオンに設定されている状態を判別するために用いられるフラグであって、Vフラグ203iがオンに設定されている場合にオンに設定される。本実施形態では、小当たり遊技中においてV入賞装置650に入賞した球の殆どが特別排出流路650e2を流下するように構成されており、特別排出流路650e2に最初に入賞した球に対応したV通過処理(図49参照)においてオンに設定される(図49のS1107)。
そして、V通過処理(図49参照)では、V通過フラグ203kがオンに設定しているか判別し(図49のS1101)、オンに設定していると判別した場合は(図49のS1101:Yes)、V通過処理(図49の参照)のうちS1102〜S1108の処理をスキップするように構成している。これにより、1回の小当たり遊技中にVスイッチ650e3が複数の球を検知した場合であっても、最初に検知した球に対応したV通過処理のみが実行されることになる。よって、小当たり遊技中に実行される処理を簡素化することが出来ると共に、音声ランプ制御装置113へV通過コマンドを複数回送信してしまい、音声ランプ制御装置113側でのV通過管理は煩雑になることを抑制することができる。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図9に戻って説明を続ける。主制御措置110のMPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202が搭載されており、ROM202には少なくとも、上述した第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、小当たり種別選択テーブル202eに加え、開放シナリオテーブル202fが格納されている。
ここで、図27を参照して、開放シナリオテーブル202fの内容について説明をする。図27は開放シナリオテーブル202fに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この開放シナリオテーブル202fは、特別図柄の抽選結果が大当たり或いは小当たりであった場合に実行される特典遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)において球が入球可能となる入賞装置(可変入賞装置65、V入賞装置650)の開放動作を当選した当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて異ならせるための動作データ(開放シナリオ)が規定されている。
このように、当選結果(大当たり或いは小当たり)および当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて開放動作される入賞装置(可変入賞装置65、V入賞装置650)や開放動作内容(開放シナリオ)を異ならせることで、特典遊技の有利度合を複数段階設定することができるため、大当たり又は小当たりに当選した後も、遊技者に対してどの種別の当たりに当選したのかを楽しませることができる。
開放シナリオテーブル202fには、当選した当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に対応して当たり遊技中の開始インターバル期間(当たり遊技が開始されてから最初に入賞装置が開放動作するまでの期間)と、入賞装置の開放動作態様(開放動作される入賞装置の種別、1回の開放動作(ラウンド遊技)の秒数、総開放動作回数(ラウンド数))と、ラウンド間インターバル期間(ラウンド遊技間に設定される入賞装置が閉鎖される期間)と、終了インターバル期間(全てのラウンド遊技が終了してから、当たり遊技が終了するまでの期間(新たな特別図柄変動の開始を許容するまでの期間))とが、それぞれ規定されている。
具体的には、当選した当たり種別が大当たりAに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「15ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりAの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が15ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に多くの賞球が払い出される大当たり遊技となる。さらに、大当たり種別が大当たりAの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定される大当たりであるため、大当たりAは遊技者にとって最も有利となる特典が付与される大当たりである。
次に、当たり種別が大当たりB,Cに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「5ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりB,Cの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が5ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に対して大当たりAに対応する大当たり遊技の約1/3の賞球が払い出される大当たり遊技となる。また、大当たり種別が大当たりBの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定され、大当たりCの場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないように構成されているため、大当たりBは大当たりAよりも不利で大当たりCよりも有利な特典が付与される大当たりとなる。
当たり種別が大当たりDに対応して、開始インターバル期間として「1秒」が、入賞装置の開放動作態様として「V入賞装置650」を「1ラウンド目」に開放動作し、「可変入賞装置65」を「2〜15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技として、1ラウンド目は「0.1秒開放を0.5秒間の開放間インターバルを設けて12回」開放し、2〜15ラウンド目は「29秒間継続開放」する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。
つまり、詳細は後述するが、大当たりDの開始インターバル期間と2ラウンド目が実行されるまでの期間(1ラウンド目のラウンド遊技内容(開閉動作態様)、及び、1ラインド目終了後のラウンド間インターバル期間)に規定されている内容が、後述する小当たり遊技に規定されている内容と同一となるように構成している。このように構成することで、今回実行されている当たり遊技が大当たり遊技であるか小当たり遊技であるかを、1ラウンド目が終了するタイミングまで(小当たり遊技であればその小当たり遊技が終了するタイミングまで)遊技者に把握させ難くすることができる。これにより、小当たりに当選して小当たり遊技が実行されていると認識していた遊技者に対して意外性のある当たり遊技を提供することができる。
なお、本実施形態では、大当たりDは第2特別図柄によって大当たりに当選した場合に必ず選択される大当たり種別であり、且つ、第2特別図柄の抽選では殆どが小当たりに当選するように設定されている(図22(c)参照)。よって、遊技状態として時短状態が設定され、第2特別図柄の変動を主に行う期間中は、特別図柄の変動が停止表示された後に何らかの当たり遊技が開始される。この場合において、大当たりに当選した場合も、小当たりに当選した場合も、同一の開放動作から開始される当たり遊技を実行するため、遊技者により何れの当たり(大当たり又は小当たり)に当選したのかを把握させ難くすることができる。
加えて、第2特別図柄の抽選においては、大当たりに当選する確率の方が小当たりに当選する場合よりも低くなるように設定されており、又、大当たりDに対応する大当たり遊技の終了後には時短状態が付与されるように設定されている。よって、大当たりに当選した遊技者に対して、小当たりに当選した場合よりも不利な特典が提供されることが無いため、意外性のある遊技(大当たりDに対応した大当たり遊技)を、遊技者に有利な遊技とすることができるため、遊技者をより興奮させることができる。
なお、大当たりDに当選した場合と、各種小当たりに当選した場合とでは、第3図柄表示装置81にて表示される変動表示(変動演出)として同一の演出態様が実行されるようにし、且つ、特別図柄の抽選結果を示す第1図柄表示装置37a,37bの表示態様により遊技者に抽選結果を識別され難くするために、特別図柄の停止表示タイミングと、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の停止表示タイミングを異ならせたり、特別図柄の停止表示タイミングと第3図柄の停止表示タイミングは同期させるが、その停止表示タイミング或いはその前後の期間において、第3図柄の表示をそれ以外の期間よりも遊技者が識別し難くするために、表示態様や表示領域を可変させたり、特別図柄の停止表示タイミングにおいて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される演出用の図柄を第3図柄から普通図柄の変動表示に対応させた演出用普通図柄に切り替えたりすると良い。
加えて、当たり遊技が実行された場合に開放動作する入賞装置(V入賞装置650)と第1図柄表示装置37a,37bを離れて配設し、特別図柄の停止表示タイミング(何れかの当たりに当選したことを遊技者に報知するタイミング)に第3図柄表示装置81にてV入賞装置650を遊技者に注目させる演出表示を実行したり、本実施形態のように第1図柄表示装置37a,37bの表示領域を第3図柄表示装置81の表示領域よりも小さくし、第3図柄よりも第1図柄が視認し難くなるように構成すると良い。これにより、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるか小当たりであるかを第1図柄表示装置37a,37bの停止表示態様により識別され難くすることができ、当たり遊技中も継続して大当たりに当選したことを期待させることができる。
図27に戻り説明を続ける。当たり種別が小当たりA〜Cに対応して規定される内容には、小当たり遊技(1ラウンド遊技)に加え、その小当たり遊技中にVスイッチ650e3が球を検知することにより、小当たり遊技終了後に継続して実行される大当たり遊技(2〜15ラウンド遊技)の開放シナリオも併せて規定されている。これにより、当選した小当たり種別の小当たり遊技内容と、その小当たり遊技終了後に実行し得る大当たり遊技内容とを確実に対応付けすることができるため、適正な遊技を提供することができる。
具体的には、当たり種別が小当たりAに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。
そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2〜15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
また、当たり種別が小当たりB,Cに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。
そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2〜5ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
つまり、小当たりB,Cに対応する小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技は、上述した小当たりAに対応する大当たり遊技よりもラウンド遊技数が少なくなるように設定されている。また、小当たり種別が小当たりBの場合には、対応する大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定され、小当たりCの場合には、対応する大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないように構成されているため、小当たりBは小当たりAよりも不利で小当たりCよりも有利な特典が付与される小当たりとなる。
図9に戻り説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや、V入賞装置650の開閉扉650f1を開閉駆動するためのV開放口ソレノイドや、V入賞装置650内に設けられた切替部材650hを駆動させるための流路ソレノイド209aや電動役物を駆動するためのソレノイド(その他ソレノイド209z)などからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図70参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22や枠ボタン23からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図30(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222a、第1得点演出選択テーブル222b、第2得点演出選択テーブル222c、総付与得点選択テーブル222d、付与得点選択テーブル222e、その他、遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
第1得点演出選択テーブル222bは、上述した連続演出である得点演出を実行するか否か、及び、実行される得点演出の演出態様を選択するための選択テーブルであって、後述するコマンド判定処理(図57参照)において、主制御装置110から入賞情報コマンドを受信したと判別した場合(図57のS2209:Yes)に実行される入賞情報関連処理(図58参照)において参照される(図58のS2306)。このS2306の処理において得点演出を実行すると判別した場合に、上述した得点演出が実行される。
ここで、図31を参照して、第1得点演出選択テーブル222bの内容について説明をする。図31は、第1得点演出選択テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。この第1得点演出選択テーブル222bは得点演出の演出態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、特別図柄(第1特別図柄)の保留球数と、演出抽選カウンタ223f1の値とに対応して実行される得点演出の演出態様が規定されている。
具体的には、変動種別がスペシャルリーチ当たりであって、保留球数が2,3である場合においては、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜14」の範囲に「得点演出C」が規定され、「15〜99」の範囲に「得点演出無し」が規定される。また、保留球数が4である場合においては、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜39」の範囲に「得点演出A」が規定され、「40〜49」の範囲に「得点演出C」が規定され、「50〜99」の範囲に「得点演出無し」が規定されている。
そして、変動種別がスーパーリーチ(スーパーリーチa〜スーパーリーチc)当たりであって、保留球数が2,3である場合においては、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜9」の範囲に「得点演出A」が規定され、「10〜39」の範囲に「得点演出B」が規定され、「40〜49」の範囲に「得点演出C」が規定され、「50〜99」の範囲に「得点演出無し」が規定される。また、保留球数が4である場合においては、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜19」の範囲に「得点演出A」が規定され、「20〜39」の範囲に「得点演出B」が規定され、「40〜59」の範囲に「得点演出C」が規定され、「60〜99」の範囲に「得点演出無し」が規定されている。
変動種別がノーマルリーチ当たりである場合には、保留球数が2〜4である場合において、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜9」の範囲に「得点演出A」が規定され、「10〜24」の範囲に「得点演出B」が規定され、「25〜80」の範囲に「得点演出C」が規定されている。
一方で、変動種別がスーパーリーチ(スーパーリーチa〜スーパーリーチc)外れであって、保留球数2,3の場合には上述した変動種別がスーパーリーチ(スーパーリーチa〜スーパーリーチc)当たりである場合と同一の割合で得点演出の演出態様が規定されている。一方で、保留球数4の場合には、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜4」の範囲に「得点演出A」が規定され、「5〜39」の範囲に「得点演出B」が規定され、「40〜59」の範囲に「得点演出C」が規定され、「60〜99」の範囲に「得点演出無し」が規定される。
変動種別がノーマルリーチ外れである場合には、保留球数2〜4である場合において、演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜4」の範囲に「得点演出A」が規定され、「5〜99」の範囲に「得点演出B」が規定されている。
上述したように本実施形態における第1得点演出選択テーブル222bには得点演出の演出態様として得点演出A〜得点演出Cが規定されている。ここで、得点演出Aが選択された場合には、1回の得点演出中に付与される得点数(総付与得点数)が少なめの得点演出が実行される。次いで、得点演出B、得点演出Cの順に1回の得点演出中に付与される得点数(総付与得点数)として多くの得点数が設定され易い演出態様が実行される。
このように、対象となる特別図柄の抽選結果と、保留球数とに対応して、特定演出の実行の有無に加え、特定演出中に付与される得点の程度を予め設定することにより、得点演出の対象となる入賞情報に対応する特別図柄の当否判定結果に対して、得点演出中に付与される得点数が偏ってしまい得点演出の演出効果が低下してしまう、即ち、得点演出中に付与される総付与得点数が少ない場合に大当たりの期待度が殆ど無くなってしまうという事態を抑制することができる。
さらに、保留球数と、対象となる入賞情報に対応する特別図柄の変動パターンと、その特別図柄の当否判定結果と、に対応して得点演出として実行される演出態様の選択割合を規定しているため、例えば、変動種別がスーパーリーチで、保留球数が4の場合において、総付与得点数が低く設定され易い得点演出Aが選択される割合が、特別図柄の当否判定結果が外れの場合よりも、当たりの場合のほうが4倍ほど高くなるように規定されている(図31参照)。このように、全体的には得点演出中に付与される得点数(総付与得点数)が大きい程、大当たり期待度が高くなるように規定されているが、一部の場合(対象となる入賞情報に対応する特別図柄の変動種別が「スーパーリーチ」で保留球数が4の場合)において、得点演出中に付与される得点が少ないほど大当たり期待度が高くなるように規定することで、得点演出として意外性のある演出を提供することができる。
第2得点演出選択テーブル222cは、上述した第1得点演出選択テーブル222bと同じく、得点演出を実行するか否か、及び、実行する得点演出の演出態様を選択するために参照されるデータテーブルである。この第2得点演出選択テーブル222cは、上述した第1得点演出選択テーブル222bとは異なり、得点演出が終了した時点において獲得している保留球(得点演出中に新たに獲得した保留球)を用いて再度得点演出を実行するか否かを判別する際に参照されるものである。
ここで、図32(a)を参照して第2得点演出選択テーブル222cの内容について説明をする。図32(a)は第2得点演出選択テーブル222cの内容を模式的に示した模式図である。この第2得点演出選択テーブル222cは、後述するコマンド判定処理(図57参照)において、主制御装置110から停止コマンドを受信した場合(図57のS2214:Yes)に実行される停止コマンド処理(図61参照)において、得点演出が終了したと判別し(図61のS2601:Yes)、その時点における保留球数が2以上であると判別された場合(図61のS2604:Yes)に参照される(図61のS2607)。
この第2得点演出選択テーブル222cに規定されている内容について、図32(a)を参照して具体的に説明すると、変動種別がスペシャルリーチ当たり、或いはスーパーリーチ当たりであって、保留球数が2,3である場合においては、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜29」の範囲に「得点演出C」が規定され、「30〜99」の範囲に「得点演出無し」が規定される。また、保留球数が4である場合においては、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜49」の範囲に「得点演出C」が規定され、「50〜99」の範囲に「得点演出無し」が規定されている。
そして、変動種別がノーマルリーチ当たりである場合には、保留球数が2〜4である場合において、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜9」の範囲に「得点演出C」が規定され、「10〜99」の範囲に「得点演出無し」が規定されている。
一方で、変動種別がスーパーリーチ(スーパーリーチa〜スーパーリーチc)外れであえる場合には、保留球数が2,3である場合においては、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜9」の範囲に「得点演出C」が規定され、「10〜99」の範囲に「得点演出無し」が規定される。また、保留球数が4である場合においては、取得した演出抽選カウンタ223f1の値が「0〜4」の範囲に「得点演出C」が規定され、「5〜99」の範囲に「得点演出無し」が規定されている。
以上説明をしたように、本実施形態では、得点演出を実行するか否か、及び、実行される得点演出の演出態様(得点演出A〜得点演出C)を選択(得点演出判定)する際において、状況に応じて異なる選択内容が規定されているデータテーブルを用いている。具体的には、入賞情報コマンドを受信した場合における得点演出判定(第1得点演出選択テーブル222bを参照する判定)よりも、得点演出が終了した時点における得点演出判定(第2得点演出選択テーブル222cを参照する判定)のほうが、得点演出が実行され難く、且つ、得点演出が実行された場合における大当たり期待度が高くなるように構成している。
このように構成することで、得点演出が連続して実行された場合に、遊技者の大当たりに対する期待感を高めさせることができ、演出効果を高めることができる。また、遊技者に対して得点演出が連続して実行されることを期待させながら得点演出が実行されている間にも新たな保留球を獲得するための遊技を継続して行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、本実施形態では、得点演出が終了した場合において、第2得点演出選択テーブル222cを用いて得点演出を実行するか否かの判定を行うように構成しているが、それ以外の用途に用いても良く、例えば、大当たり終了後において獲得している保留球に対して、第2得点演出選択テーブル222cを用いて得点演出を実行するか否かの判定を行うように構成しても良い。これにより、大当たり終了後に得点演出が実行された場合において、遊技者に対して、大当たりが終了した直後のタイミングで次の大当たりへの期待感を高めさせることができる。
また、本実施形態では、得点演出を実行するか否かを判定する際に用いられるデータテーブルを2種類用いているが、3種類以上用いても良い。この場合、得点演出が3回連続で実行される場合には3回目の得点演出の結果、即ち、3回目の得点演出の対象となる入賞情報に対応する特別図柄の抽選結果が大当たりとなるように第3得点演出選択テーブルの内容を規定すると良い。また、連続して得点演出を設定する場合に、1回目の得点演出にて設定された演出内容(選択された演出態様や総付与得点数)に基づいて、2回目の得点演出の演出内容が選択されるように構成しても良いし、1回目の得点演出にて付与された得点の少なくとも一部をそのまま2回目の得点演出に持ち越して表示するように構成しても良い。
総付与得点選択テーブル222dは、得点演出を実行する場合において、今回の得点演出中に遊技者に付与する総得点を設定する際に参照されるデータテーブルであって、入賞情報関連処理(図58参照)或いは、停止コマンド処理(図61参照)において、得点演出を実行すると判別した場合(図58のS2307:Yes、或いは、図61のS2608:Yes)に実行される総付与得点設定処理(図59参照)において、総付与得点を設定する際に参照される(図59のS2402)。ここで設定された総付与得点は、総付与得点格納エリア223oに格納され、得点演出中に実行される複数の変動表示の各演出態様を設定する際に用いられる。
ここで、図32(b)を参照して、総付与得点選択テーブル222dの内容について説明をする。図32(b)は、総付与得点選択テーブル222dの内容を模式的に示した模式図である。上述した通り、本実施形態では、1回の得点演出中において付与可能な総付与得点の最大値を「18」に構成しており、入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、特別図柄(第1特別図柄)の保留球数と、設定されている演出種別(演出種別フラグ223nに設定されている得点演出の演出種別)とに対応して付与される総得点が規定されている。
具体的には、変動種別がスペシャルリーチ当たりであって、保留球数が2,3である場合においては、得点演出Cに対して総付与得点「18」が規定されており、保留球数が4である場合においては、得点演出Aに対して総付与得点「4」が、得点演出Cに対して総付与得点「18」がそれぞれ規定されている。このように総付与得点を規定することで、得点演出実行中における得点付与演出の発生頻度に対応した得点を付与することができ、違和感の無い演出を遊技者に提供することができる。なお、総付与得点選択テーブル222dにおいて「−」の箇所は、第1得点演出選択テーブル222bおよび第2得点演出選択テーブル222cを参照した場合に選択されることが無い箇所である。
次に、変動種別がスーパーリーチ(スーパーリーチa〜スーパーリーチc)当たりであって、保留球数が2,3である場合においては、得点演出Aに対して総付与得点「5〜11」の範囲が、得点演出Bに対して総付与得点「6〜14」の範囲が、得点演出Cに対して総付与得点「11〜18」の範囲がそれぞれ規定されており、保留球数が4である場合においては、得点演出Aに対して総付与得点「5〜11」の範囲が、得点演出Bに対して総付与得点「12」が、得点演出Cに対して総付与得点「12〜15」の範囲がそれぞれ規定されている。ここで、総付与得点として所定範囲が規定されている箇所については、演出カウンタ223fのうち、図示しない得点振分用演出カウンタから取得した値によって何れかの得点が選択されるように構成している。これにより、同一条件下(変動種別および保留球数が同一)において設定された得点演出において付与される総得点を異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。
また、上述した変動種別がスーパーリーチの場合は、変動種別がスペシャルリーチ当たりである場合と比べて、得点演出中に付与される総得点として低い得点が付与され易くなるように規定されている。これは、変動種別の大当たり期待度と、付与される総得点の値とを、大当たり期待度と関連付けるためである。これにより、実行される変動種別と、付与される総得点数とに基づいて遊技者が大当たりに当選したか否かを予測しながら演出を楽しむことができる。
変動種別がノーマルリーチ当たりであって、保留球数が2〜4の場合は、得点演出Aに対して総付与得点「6」が、得点演出Bに対して総付与得点「12」が、得点演出Cに対して総付与得点「18」がそれぞれ規定されている。このように、変動種別として大当たり期待度が低いノーマルリーチにおいては、遊技者に対して意外性のある演出を提供するために、総付与得点「18」が選択可能に構成している。
一方で、変動種別がスーパーリーチ(スーパーリーチa〜スーパーリーチc)外れであって、保留球数が2,3である場合においては、得点演出Aに対して総付与得点「5〜11」の範囲が、得点演出Bに対して総付与得点「6〜14」の範囲が、得点演出Cに対して総付与得点「12」がそれぞれ規定されており、保留球数が4である場合においては、得点演出Aに対して総付与得点「5〜11」の範囲が、得点演出Bに対して総付与得点「12」が、得点演出Cに対して総付与得点「12〜15」の範囲がそれぞれ規定されている。そして、変動種別がノーマルリーチ外れであって、保留球数が2〜4の場合は、得点演出Aに対して総付与得点「1〜15」が規定されている。
上述したように、変動種別がスーパーリーチである場合には、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合と、外れである場合とで、一部を除いて同一の範囲の総付与得点が選択されるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面で実行される演出(変動種別に対応する変動表示、及び得点演出中に付与される得点)によって、今回の変動表示に対応する特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを事前に把握されてしまうことを抑制することができる。
なお、変動種別がスーパーリーチであって、得点演出Cが設定されている場合において、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合は、総付与得点の最大値である「18」が選択範囲に含まれ(選択可能範囲「11〜18」)、特別図柄の抽選結果が外れである場合は、総付与得点の最大値である「18」が選択範囲に含まれないように構成している(選択可能範囲「12〜15」)。このように構成することで、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合のみ得点「18」が付与されることになるため、変動種別としてスーパーリーチが設定されている場合において、得点演出中に付与得点が「18」に到達することに注視しながら遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、得点演出中に付与される得点が大きいほど大当たりの期待度が高くなるように設定し、遊技者に分かり易い演出を提供するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、得点演出中に付与される得点が最大値以外の所定値(例えば、「7」)である場合に、大当たり期待度が高くなるように構成したり、得点演出が実行されているにも関わらず、付与された得点が少ない場合(例えば、「1」〜「3」の範囲)に、大当たり期待度が高くなるように構成したりしても良い。このように、付与された得点と大当たり期待度との関係に法則性を持たせることで、パチンコ機10を長期間遊技した遊技者にのみ大当たり期待度を正確に予測させることができる。
付与得点選択テーブル222eは、得点演出実行中の各変動表示において得点付与演出として付与(表示)される得点を選択するためのデータテーブルであって、後述する演出設定処理(図63参照)において演出変動回数カウンタ223mの値が0よりも大きいと判別した場合(図63のS2801:Yes)、即ち、現在が得点演出実行中であると判別した場合に実行される得点付与演出設定処理(図64参照)において参照される(図64のS2905)。
この付与得点選択テーブル222eには、現時点において表示可能な得点数、即ち、総付与得点選択テーブル222dを参照して選択され、総付与得点格納エリア223oに格納された総付与得点数から、既に表示した得点数、即ち、付与得点カウンタ223pのカウント値を減算した値と、演出変動回数カウンタ223mの値、即ち、得点演出が継続して実行される特別図柄変動の残回数と、演出カウンタ223fのうち、図示しない表示得点用演出カウンタの値とに対応付けて、表示得点が規定されており、得点付与演出設定処理(図64参照)が実行された場合における状況に応じて付与得点が選択される。
次に、図30(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図30(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、特別図柄1保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、SW有効時間記憶エリア223g、変動時間カウンタ223h、遊技状態格納エリア223i、演出禁止フラグ223j、演出禁止解除フラグ223k、演出変動回数カウンタ223m、演出種別フラグ223n、総付与得点格納エリア223o、付与得点カウンタ223p、操作得点実行フラグ223q、操作済フラグ223r、その他メモリエリア223z、が少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図57のS2208参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
なお、主制御装置から送信される保留球数コマンドに含まれる情報としては、実際の保留球数、即ち、特別図柄保留球数カウンタ203aの値を示す情報でも良いし、特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報でも良い。なお、保留球数コマンドとして特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報を送信する場合には、音声ランプ制御装置113に受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて現在の保留球数を演算管理する演算手段を設ければ良い。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図57のS2202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図62のS2702参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図56参照)のコマンド出力処理(図56のS2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図57のS2205参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図62のS2708参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
演出カウンタ223fは、得点演出や、各種抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図56参照)が実行される毎に1ずつ更新される。本実施形態では、演出カウンタ223fとして少なくとも得点演出の実行の有無を判定する際に用いられる演出抽選カウンタ223f1と、得点演出中に付与する総得点を選択する際に用いられる得点振分用演出カウンタ(図示せず)と、1回の変動表示にて表示する得点(1回の変動表示にて実行される複数の得点付与演出にて付与される得点の合計)を選択する際に用いられる付与得点用演出カウンタ(図示せず)とを有しており、それぞれのカウンタが同期すること無く所定範囲(例えば、0〜99)内で更新するように構成されている。
SW有効時間記憶エリア223gは、枠ボタン22或いは枠ボタン23が有効として判別される期間が記憶される記憶される記憶エリアである。本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221が選択した変動パターンに枠ボタン22或いは枠ボタン23を操作可能な演出を実行する変動パターン(SW変動パターン)であった場合に、その変動パターンに規定されている操作有効期間が設定される。詳細な説明は省略するが、このSW有効時間記憶エリア223gは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図56参照)において実行される演出更新処理(図56のS2112)において、実行されている変動パターンが操作有効期間に到達したか否かを判別し、到達したと判別した場合に、操作有効期間の経過期間をカウントし、カウントした期間がSW有効時間記憶エリア223gに設定されている操作有効期間を経過したかを判別するように構成している。また、操作有効期間中に遊技者が枠ボタン22、或いは枠ボタン23を操作したことを判別した場合にも、操作有効期間を終了させるように構成している。
変動時間カウンタ223hは、実行されている変動パターンの変動時間を計測するためのカウンタであって、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図56参照)において実行される演出更新処理(図56のS2112)においてカウンタ値が更新される。この変動時間カウンタ223hのカウンタ値を参照することで、変動パターンの変動時間を把握することが可能となるように構成している。
遊技状態格納エリア223iは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この遊技状態格納エリア223iに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のRAM223は、パチンコ機10の電源が遮断された場合にデータが消去されるため、停電等の発生による電源遮断時には遊技状態格納エリア223iに格納されている現在の遊技状態を示す情報も消去されることとなる。しかしながら、本実施形態では電源投入後に実行される主制御装置の立ち上げ処理(図51参照)にて状態コマンドが設定されるため(図51のS1312)、電源復旧後、直ちに遊技状態格納エリア223iに電源遮断前に設定されていた遊技状態を示す情報が格納されることになる。よって、パチンコ機10に電源が投入されている状態では音声ランプ制御装置113側で常に遊技状態を識別することができる。
演出禁止フラグ223jは、得点演出が設定されている状態において、新たな得点演出が設定されること禁止するためのフラグであって、得点演出が設定される場合にオンに設定される。この演出禁止フラグ223jは、入賞情報関連処理(図58参照)或いは、停止コマンド処理(図61参照)において、得点演出を実行すると判別した場合に(図58のS2307:Yes、図61のS2608:Yes)、オンに設定される(図58のS2313、図61のS2614)。そして、入賞情報関連処理(図58参照)において参照され(図58のS2304)、オンに設定されていると判別した場合は(図58のS2304:Yes)、得点演出を設定するための処理をスキップするように構成している。その後、停止コマンド処理(図61参照)において、演出禁止解除フラグ223kがオンに設定されていると判別した場合(図61のS2601:Yes)、即ち、得点演出が終了したと判別した場合に、オフに設定する(図61のS2602)。
このように構成することで、特別図柄の複数変動を用いて実行される得点演出の最中に球が第1入球口64に入球し、新たな入賞情報コマンドを受信した場合に、新たな得点演出が設定されることを防ぐことができる。よって、得点演出実行中に新たな得点演出が開始されてしまい遊技者に分かり難い演出を提供してしまうという不具合を防止することができる。
なお、本実施形態では、複数の得点演出を重複して実行できない構成を用いているため上述した制御を採用しているが、例えば、得点演出を実行する領域を複数設け、複数の得点演出を重複して実行可能な構成を有している場合は、重複して実行可能な得点演出の数に到達するまで得点演出を設定可能に構成しても良い。
具体的には、入賞情報関連処理(図58参照)で得点演出を実行すると判別した場合(図58のS2307:Yes)、や停止コマンド処理(図61参照)で得点演出を実行すると判別した場合(図61のS2608:Yes)に、得点演出の設定回数(既に実行されている得点演出数)をカウントする演出設定回数カウンタの値を1加算する。そして、入賞情報関連処理(図58参照)や停止コマンド処理(図61参照)において、新たな得点演出を設定するかを判別する前に、現在の演出設定回数カウンタの値が上限値(重複して得点演出を実行可能な数に対応する値)に到達しているかを判別し、その判別結果が上限値では無い場合には新たな得点演出を設定する処理を行い、上限値である場合には新たな得点演出を設定する処理をスキップする。そして、停止コマンド処理(図61参照)において、1の得点演出が終了したと判別した場合に、演出設定回数カウンタの値を1減算するように構成すると良い。
演出禁止解除フラグ223kは、新たな得点演出の設定を禁止する期間を解除するためのフラグであって、特別図柄変動に対応して変動表示を設定する変動表示設定処理(図62参照)にて実行される演出設定処理(図63参照)において演出変動回数カウンタの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合(図63のS2801)、即ち、今回設定する変動表示が、得点演出の最終変動であり、演出禁止フラグ223jがオンに設定されている場合に(図63のS2804:Yes)、オンに設定される(図63のS2806)。そして、停止コマンド処理(図61参照)において参照され、停止コマンド処理にて演出禁止解除フラグ223kがオンに設定されていると判別した場合に(図61のS2601:Yes)、演出禁止フラグ223jと共にオフに設定される。
演出変動回数カウンタ223mは、得点演出中に実行される特別図柄の変動回数をカウントするものであって、得点演出が設定される場合に現在の保留球数に対応する値に更新される。そして、演出設定処理(図63のS2704)でその値が参照され、演出変動回数カウンタ223mの値が0よりも大きいと判別した場合(図63のS2801:Yes)に実行される得点付与演出設定処理(図64参照)にてカウンタの値が1減算される(図64のS2908)。
演出種別フラグ223nは、得点演出の演出種別を示すフラグであり、例えば、3ビットの記憶領域が割り当てられている。1ビット目が得点演出A、2ビット目が得点演出B、3ビット目が得点演出Cにそれぞれ対応しており、オン(1)のビットに対応する得点演出が設定されていることを示す。また、全ビットがオフ(0)の場合には、得点演出が設定されていないことを意味する。
総付与得点格納エリア223oは、得点演出中に付与される得点の上限値を一時的に記憶するための領域であって、得点演出を実行すると判別した場合(図58のS2307:Yes)に実行される総付与得点設定処理(図59参照)にて設定された総付与得点が格納される。
付与得点カウンタ223pは、得点演出中に付与された(表示された)得点を計測するためのカウンタであって、得点付与演出設定処理(図64参照)において設定した付与得点の数に対応した値が加算される。また、得点付与演出として遊技者が枠ボタン22を操作した場合に得点が付与(表示)される操作得点演出が設定され、その操作得点演出中に枠ボタン22を操作しなかった場合には、付与(表示)されなかった得点に対応した値が減算される。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図57参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、詳細について後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図50参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図8参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に図28を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技の流れについて説明をする。図28は、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図28に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10は、上述したように通常遊技状態中(通常状態中)は、左打ち遊技が行われ第1入球口64を狙う特1遊技が実行される。ここで、第1特別図柄の大当たりに当選すると、当選した大当たり種別によって大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する。
具体的には、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりC(全体の50%)である場合は、大当たり終了後に再度通常状態が設定され、大当たり種別が大当たりAまたは大当たりBである場合は、大当たり終了後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態である時短遊技状態(時短状態)へと移行するように構成されている。
なお、通常状態中において第2入球口640に球を入球させて第2特別図柄の抽選を実行し、大当たりに当選した場合はその大当たり終了後に必ず通常遊技状態が設定されるように構成している。これは、図3を参照して上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は通常遊技状態中に右打ち遊技を行ったとしても第2入球口640に球が入球しない(し難い)ように構成していることから、通常遊技状態において第2特別図柄の抽選が実行される行為を不正行為とみなし、不正行為を行った遊技者に対して有利な遊技を行わせないための対策である。後述するように、本実施形態では時短状態中では第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利な抽選(遊技)を行わせることができるように構成しているため、不正行為を行って第2特別図柄の抽選を行われる虞があった。そこで、上述した対策を施すことにより、不正行為により第2特別図柄の抽選が行わせることを抑制することができる。
遊技状態として時短遊技状態(時短状態)が設定されると、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作により第2入球口640に容易に球を入球させることができるようになるため、右打ち遊技が行われ第2入球口640を狙う特2遊技が実行される。
ここで、第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合は、小当たり遊技としてV入賞装置650が開放動作され、V入賞装置650内のVスイッチ650e3が球を検知することで、大当たり遊技が開始される。ここで、当選した小当たり種別によって大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する。具体的には、当選した小当たりの小当たり種別が小当たりAまたは小当たりB(全体の90%)である場合は、大当たり終了後に再度時短状態が設定され、小当たり種別が小当たりCである場合は、大当たり終了後に通常遊技状態へと移行するように構成されている。
つまり、一度時短遊技状態へ移行すると約90%の確率で大当たり終了後に時短遊技状態が設定されるため、遊技者に有利な遊技状態を継続させ易くすることができ遊技の興趣を向上させることができる。なお、時短遊技状態中に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後に必ず時短遊技状態が設定されるように構成されている。また、時短遊技状態中に第1特別図柄の抽選により大当たりに当選した場合も、その大当たり終了後に必ず時短遊技状態が設定されるように構成されている。
これは、例えば、左打ち遊技が行われる通常遊技状態において、特図1の保留球数が上限である状態で大当たりに当選し、その大当たり終了後に時短遊技状態が設定された場合に、時短遊技状態中に特図1の保留球に対応する第1特別図柄の抽選が実行される場合がある。このように特図1の保留球(入賞は通常遊技状態だが、実際に抽選が実行されるタイミングが時短遊技状態となる入賞情報)により大当たりに当選した場合に遊技状態が通常遊技状態へと移行し得る構成を用いてしまうと、苦労して時短遊技状態へと移行した遊技者に対して不満感を与えてしまうという問題があった。これに対して本実施形態では時短状態中に第1特別図柄の大当たりに当選したとしても、遊技者に不利となることを防止することができる。
さらに、本実施形態では、時短状態の終了条件の一部として、「第2特別図柄の変動回数が1回」を有しているため、第2特別図柄の変動回数が1回となった場合(時短遊技中1回転目の第2特別図柄変動が終了した場合)にも遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態へと移行される。
次に図29を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10の小当たり遊技中の流れについて説明をする。図29(a)〜(f)は小当たり遊技中の各種構成の流れを模式的に示した図である。図29(a)〜(f)に示した通り、主制御装置110の制御処理によって小当たり遊技が実行されると、表示制御装置114によって第3図柄表示装置81の表示画面に小当たり遊技演出が実行される。そして、小当たり遊技が開始されてからt1(1秒)経過するとV入賞口ソレノイドが予め定められたシナリオに沿って駆動する(図27参照)。また、流路ソレノイド650kは常時OFFに設定されておりV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2へと流下する。特別排出流路650e2を流下した球はV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3により検知され、小当たり遊技が開始されてから1秒後からの17秒間(V有効期間t5)の間にVスイッチ650e3が球を検知することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行され、大当たり遊技が開始されてからオープニング期間t6(2秒)が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技が開始され特定入賞口65が開放される。
このように、本実施形態では、正常に右打ち遊技を実行するだけで小当たり遊技中にV入賞装置650へ球を入賞させることができ、且つ、Vスイッチ650e3に球を検知させることができるように構成している。このように構成することで、たとえ、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が、第2特別図柄の抽選が1回行われたことで終了するように構成したとしても、不都合なく遊技を行わせることができる。また、第2特別図柄の抽選が1回行われたことで時短状態が終了するように構成しているため、例えば、第2特別図柄の抽選で当選した小当たりの種別を識別し、遊技者に不利な小当たり(例えば、小当たり種別が小当たりCの小当たり)に当選した場合に、V入賞装置650へ球を入賞させずに、次の第2特別図柄の抽選を狙う遊技を防止することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図33〜図38を参照して、本第1制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図33は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図70のS4001参照)の終了後に実行される初期化処理(図70のS4002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図38参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図72(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図70のS4003,S4004参照)。
ここで、図34を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図34は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図34(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる(第3図柄表示装置81に「○」と「×」の表示)。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図34(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図34(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図34(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は、図34(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図34(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図33に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図35を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図35は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図35(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図35(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図35に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図35(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図35(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図35(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図35(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図33参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図33に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA〜Dのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が第2入球口67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第2入球口640へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入球口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図36を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図36は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「砂浜ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図36の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図38参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図37を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図37は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図37のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図37のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図37の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図38参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図37の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図34(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図70参照)の中でオンに設定される(図70のS4005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図72(b)のS4305参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図72(b)のS4301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図72(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図72(b)のS4309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図73〜図81参照)および表示設定処理(図82〜図84参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図85(a)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図85(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図86参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図38参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図38参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図38参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図72(b)のS4303参照)の中で、ポインタ更新処理(図84のS6005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図38参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図38を参照して、描画リストの詳細について説明する。図38は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図38に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図72(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図82のS6007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図70のS4002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図86参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図86のS6513参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図86のS6514参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図87のS6602参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図72(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図87のS6602参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図39から図54のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図39は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、999,99,239,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図44〜図45を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図46および図47を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、V入賞装置650への入球に伴うV入口通過処理を実行する(S108)。その後、V入賞装置650のV入賞スイッチ650e3への入賞に伴うV通過処理を実行する(S109)。尚、V入口通過処理及びV通過処理の詳細は、図48及び図49を参照して後述する。
次いで、発射制御処理を実行し(S110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図40は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図39参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S202:No)、遊技球が第2入球口640へ入球したか否かを判別する(S203)。
遊技球が第2入球口640へ入球したと判別した場合は(S203:Yes)、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5の各値を特別図柄保留球実行エリアに格納する(S204)。次いで、第1図柄表示装置37a,37bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S210)、本処理を終了する。なお、特別図柄変動開始処理については、図41を参照して後述する。
一方、S203の処理において、遊技球が第2入球口640へ入球していないと判別された場合には(S203:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得する(S205)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S206)。特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合には(S206:No)、この処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S206:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(S207)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S208)。S208の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S209)。その後、上述したS210の処理を実行し、本処理を終了する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S211)。第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S211:No)、本処理を終了する。
一方、S211の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S211:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S212)。停止図柄の設定は、図41を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S210)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりとなるか、小当たりとなるか、外れとなるかが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別(大当たりA〜D)が決定される。
尚、本実施形態では、大当たりになる場合には、第1図柄表示装置37a,37bにおいて青色のLEDを点灯させる。また、小当たりである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。さらに、第1図柄表示装置37a,37bは複数個のLEDから形成されており、抽選結果が大当たりの場合には点灯させるLEDの組み合わせを異ならせることで各大当たり種別(大当たりA〜D)を識別可能に表示するように構成している。なお、抽選結果が大当たり以外の場合(小当たり、或いは外れの場合)は、同一の表示態様で第1図柄表示装置37a,37bのLEDを点灯させても良い。また、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S212の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S213)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S213:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S214)、その後、大当たりの開始の設定する(S215)。次いで、大当たり開始フラグ203dと大当たり中フラグ203eとをオンに設定し(S216)、時短中合算カウンタ203cと時短中特2カウンタ203jを0に設定して(S217)、S218の処理へ移行する。S218の処理では、停止コマンドを設定し(S218)、本処理を終了する。
一方、S213の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S213:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S219)。
S219の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S219:Yes)、小当たり開始設定処理を実行し(S220)、次に、時短回数更新処理を実行し(S221)、上述したS218の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S219の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S219:No)、小当たり開始設定処理(S220)をスキップして、時短回数更新処理を実行する(S221)。次いで、S218の処理を実行し、本処理を終了する。
このように、特別図柄の抽選結果として小当たりに当選した場合は、小当たり開始設定処理(S220)を実行した後に時短回数更新処理(S221)が実行されるため、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されない場合は、時短状態が終了することになる。よって、小当たりに当選した際に当選した小当たりの種別を識別し、遊技者に不利となる小当たり種別である場合にV入賞装置650へ球を入球させない遊技を行った場合には、その小当たり遊技終了後に時短状態が終了するため、不正な遊技が行われることを防止することができる。
次に、図41を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S210)について説明する。図41は、特別図柄変動開始処理(S210)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S210)は、タイマ割込処理(図39参照)の特別図柄変動処理(図41参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の小当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37a,37bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、小当たり種別カウンタC5の各値を取得する(S301)。次に、取得した特別図柄の種別に対応した特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、抽選結果を取得する(S302)。具体的には、第1入球口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選であれば、第1当たり乱数カウンタC1の値と特別図柄1乱数テーブル202a1(図22(b)参照)に格納されている乱数値を比較して大当たりか否かの判別を行い、第2入球口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選であれば、第1当たり乱数カウンタC1の値と特別図柄2乱数テーブル202a2(図22(c)参照)に格納されている乱数値を比較して大当たりまたは小当たりの判別を行う。
次いで、抽選結果が大当たりであるか否かを判定する(S303)。抽選結果が大当たりである場合(S303:Yes)、取得した特別図柄の種別に対応した大当たり種別選択テーブルに基づいて、大当たり種別を取得する(S304)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特図1大当たり種別選択テーブル202b1または特図2大当たり種別選択テーブル202b2に格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA〜D)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する(図23(b)または(c)参照)。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりと判定される判定値を同じとしたが、それに限らず、異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たり乱数値の個数を同じに設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりと判定される乱数値の数を異なるように設定してもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
そして、特別図柄種別と大当たり種別とに対応した大当たり時の表示態様を設定する(S305)。このS305の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA〜D)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA〜D)が停止種別として設定される。
その後、変動種別カウンタCS1の値に基づいて大当たり変動パターンを決定し(S306)、S313の処理へ移行する。S306の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図25(b)または図26)。
S313の処理では、S306の処理で決定した変動パターンを音声ランプ制御装置113へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S313)。次いで、S305の処理で設定された停止種別を音声ランプ制御装置113へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S314)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S1401)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S314の処理が終わると、特別図柄変動処理(図40参照)へ戻る。
一方、抽選結果が大当たりではない場合は(S303:No)、抽選結果が小当たりか否かを判定する(S307)。抽選結果が小当たりである場合(S307:Yes)、取得した特別図柄の種別に対応した小当たり種別選択テーブルに基づいて、小当たり種別を取得する(S308)。より具体的には、S301の処理で取得した小当たり種別カウンタC5の値と、小当たり種別選択テーブル202eに格納されている乱数値とを比較し、3種類ある特別図柄の小当たり(小当たりA〜C)のうち、小当たり種別が何であるかを判定する(図24参照)。
次いで、特別図柄種別と小当たり種別とに対応した小当たり時の表示態様を設定する(S309)。その後、変動種別カウンタCS1の値に基づいて小当たり変動パターンを決定する(S310)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において小当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S306の処理と同様に、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図25(b)または図26)。次いで、上述したS313及びS314の処理を実行し、特別図柄変動処理(図40参照)へ戻る。
なお、この場合におけるS313及びS314の処理においては、特別図柄の抽選結果が小当たりであると判定された場合において設定された変動パターン(S310参照)と、停止種別(S309参照)に対応するコマンドが設定される。
抽選結果が小当たりではない場合(S307:No)、特別図柄に対応した外れ時の表示態様を設定する(S311)。その後、保留球数に基づいて外れ時の変動パターンを決定する(S312)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S306の処理と同様に、取得した特別図柄の種別、抽選結果およびRAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図25(b)または図26)。次いで、上述したS313及びS314の処理を実行し、特別図柄変動処理(図40参照)へ戻る。
次に、図42を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S220)について説明する。図42は、小当たり開始設定処理(S220)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S220)は、タイマ割込処理(図39参照)の特別図柄変動処理(図40参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA〜C)に基づいて、小当たり遊技の開始を設定するための処理である。
ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されるとV入賞装置650を球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、そのV入賞装置650に入賞した球が特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるよう構成されている。
即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、V入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。
小当たり開始設定処理(S220)では、まず、小当たり種別と対応した開放シナリオを設定する(S401)。その後、V通過大当たり種別格納エリア203hに小当たり種別に応じた大当たり種別を設定する(S402)。より具体的には、小当たり種別と小当たり種別選択テーブル202eに基づいて、V通過大当たり種別(大当たりA〜D)を判定する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりAまたはD(15ラウンド時短1回大当たり)であると判定し、小当たり種別がBであれば、大当たりB(5ラウンド時短1回大当たり)であると判定し、小当たり種別がCであれば、大当たりC(5ラウンド時短無大当たり)であると判定する(図24参照)。
次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S403)、小当たり開始フラグ203fと小当たり中フラグ203gをオンに設定する(S404)。その後、本処理を終了する。
次に、図43を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される時短回数更新処理(S221)について説明する。図43は、時短回数更新処理(S221)を示したフローチャートである。この時短回数更新処理(S221)は、タイマ割込処理(図39参照)の特別図柄変動処理(図40参照)の中で実行される処理であり、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。
時短回数更新処理(S221)では、まず、であるかを判別する(S501)。ではないと判別した場合は(S501:No)、そのまま本処理を終了する。
であると判別した場合は(S501:Yes)、次に、時短中合算カウンタ203cの値を1減算し(S502)、今回の変動が特図2であるかを判別する(S503)。今回の変動が特図2であると判別した場合は(S503:Yes)、時短中特2カウンタ203jの値を1減算し(S504)、S505の処理へ移行する。一方S503の処理において、今回の変動が特図2ではない(特図1である)と判別した場合は(S503:No)、S504の処理をスキップして、S505の処理へ移行する。
S505の処理では、演算により変更された時短中カウンタ(時短中合算カウンタ203cと時短中特2カウンタ203j)の値を示す残時短回数コマンドを設定する(S505)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S1401)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
その後、時短中特2カウンタ203jの値が0であるかを判別し(S506)、時短中特2カウンタ203jの値が0ではないと判別した場合は(S506:No)、次に、時短中合算カウンタ203cの値が0であるかを判別する(S507)。S507の処理で、時短中合算カウンタ203cの値が0ではないと判別した場合は(S506:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S506の処理で、時短中特2カウンタ203jの値が0であると判別した場合(S506:Yes)、または、S507の処理で、時短中合算カウンタ203cの値が0であると判別した場合(S507:Yes)は、遊技状態を通常状態に設定し(S508)、本処理を終了する。
次に、始動入賞情報処理(S105)を説明する。まず、図44のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図44は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図39参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理(図44,S105)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S601)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S602)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が4未満でなければ(S603:No)、S607の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S601:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)が4未満であれば(S603:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N1)を1加算する(S604)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S605)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S1401)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S605の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S606)。尚、S606の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203bの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
そして、S607の処理では、先読み処理を実行する(S607)。その後、この処理を終了する。
次に、図45を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(図44のS105参照)内の1処理である先読み処理(S607)について説明する。図45は、この先読み処理(S607)を示すフローチャートである。
この先読み処理(図45,S607)では、まず、第1入球口64に新たな入賞があるかどうかが判定される(S701)。判定の結果、第1入球口64に新たな入賞がない場合(S701:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64に新たな入賞があった場合は(S701:Yes)、特別図柄1乱数テーブル202a1、特図1大当たり種別選択テーブル202b1、及び変動パターンテーブル202d(通常用変動パターンテーブル202d1または時短用変動パターンテーブル202d2)に基づいて、抽選結果、大当たり種別、及び変動パターンを事前に取得する(S702)。
次いで、S702の処理で取得した、大当たり判定結果、大当たり種別、及び変動パターンを含む入賞情報コマンドを設定し(S703)、本処理を終了する。
次に、図46を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図46は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図39参照)の中で実行され、第2図柄表示装置において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図46,S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S801:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S801:No)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S802)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S802:No)、第2図柄保留球実行エリアに第2当たり乱数カウンタが格納されているかを判別し(S803)、格納されていない場合は(S803:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第2図柄保留球実行エリアに第2当たり乱数カウンタが格納されていると判別した場合は(S803:Yes)、格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S804)。
そして、S804の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄(第2)当たり乱数テーブル202cとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S805)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図22(d)参照)。
次に、S805の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S806)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S806:Yes)、当たり時の表示態様を設定し(S807)、S809の処理へ移行する。このS807の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
S806の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S806:No)、外れ時の表示態様を設定する(S808)。このS808の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S809の処理へ移行する。
S807又はS808の処理が終了すると、S809の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S809)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S809:Yes)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S810)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S809:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S811)、本処理を終了する。
一方、S802の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S802:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S812)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S810の処理またはS811の処理によって予め設定された時間である。
S812処理において、変動時間が経過していなければ(S812:No)、本処理を終了する。一方、S812の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S812:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S813)。S813の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S807の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S808の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S813の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図52参照)の第2図柄表示更新処理(S1408参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S807処理またはS808の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理(図46,S106)によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S814)。今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S814:No)、本処理を終了する。一方、今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S814:Yes)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定する(S815)。
S815の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S815:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S816)、S817の処理へ移行する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S815:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を2秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S817)、S818の処理へ移行する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の時短状態では、普通図柄の通常状態と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。
S818の処理では、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S818)、本処理を終了する。S818の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図52参照)の電動役物開閉処理(S1406参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S816の処理またはS817の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。
次に、図47のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図47は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図39参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。
スルーゲート通過処理(図47,S107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S901)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S901:Yes)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S902)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S902:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S902の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S902:No)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S903)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S903:Yes)、そのまま本処理を終了する。特別図柄の大当たり中でなければ(S903:No)、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、第2図柄保留球実行エリアに格納する(S904)。その後、本処理を終了する。
次に、図48を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S108)について説明する。図48は、タイマ割込処理(図39参照)の中で実行されるV入口通過処理(S108)を示すフローチャートである。
V入口通過処理(S108)では、まず球通過センサ(球検知スイッチ)650c1がオンであるか否かを判定する(S1001)。S1001の処理において、球通過センサがオンでないと判別された場合は(S1001:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1001の処理において、球通過センサがオンであると判別された場合(S1001:Yes)、V入賞口650aの開放期間中であるか否かを判別する(S1002)。
S1002の処理において、V入賞口650aの開放期間中であると判別された場合(S1002:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S1003)、本処理を終了する。ここで設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S1401)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置650への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる(図28参照)。
一方、V入賞口650aの開放期間中でないと判別された場合は(S1003:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、V入賞装置650へ球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定する(S1004)。その後、流路ソレノイド209aを設定し(S1004)、本処理を終了する。
次に、図49を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S109)について説明する。図49は、V通過処理(S109)を示すフローチャートである。このV通過処理(S109)は、タイマ割込処理(図39参照)の中で実行される処理である。
V通過処理では、まず、V通過フラグ203kがオンであるか否かを判別する(S1101)。S1101の処理において、V通過フラグ203kがオンであると判別された場合は(S1101:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S1101の処理において、V通過フラグ203kがオンでないと判別された場合は(S1101:No)、V通過ありか否かを判別する(S1102)。即ち、遊技球がV入賞装置650のV入賞スイッチ650e3を通過したか否かを判別する。S1102の処理において、V通過なしと判別された場合は(S1102:No)、そのまま本処理を終了する。
S1102の処理において、V通過ありと判別された場合は(S1102:Yes)、V通過有効期間中であるか否かを判別する(S1103)。V通過有効期間中であると判別された場合は(S1103:Yes)、V通過大当たり種別格納エリア203hに格納されているV通過時大当たり種別値を取得し(S1104)、取得したV通過大当たり種別を示すVフラグ203iをオンに設定する(S1105)。そして、V通過コマンドを設定する(S1106)。
次いで、V通過フラグ203kをオンに設定し(S1107)する。その後、時短中合算カウンタ203cと時短中特2カウンタ203jを0に設定して(S1108)、本処理を終了する。
一方、S1103の処理において、V通過有効期間中でないと判別された場合は(S1103:No)、エラーコマンドを設定し(S1109)、本処理を終了する。V有効期間中でない場合に、遊技球がV入賞スイッチ650e3を通過した場合は、不正にV入賞スイッチ650e3へ球が入賞された場合であると考えられる。この場合、S1405の処理においてエラーコマンドを設定されることにより、エラーの出力が実行され、不正行為を発見することができる。
図50は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1201)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図51を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図51は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1301)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1302)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1303)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図8参照)がオンされているか否かを判別し(S1304)、オンされていれば(S1304:Yes)、処理をS1315へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1304:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1305)、記憶されていなければ(S1305:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1315へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1305:Yes)、RAM判定値を算出し(S1306)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1307:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1315へ移行する。なお、図52のS1415の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1315の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1315)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1316,S1317)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1316,S1317)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1316,S1317)を実行する。RAMの初期化処理(S1316,S1317)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1316)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1317)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1310の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1304:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1305:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1307:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1308)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1309)、S1310の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1310の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、時短中カウンタ(時短中合算カウンタ203cと時短中特2カウンタ203j)の値を読み出し(S1311)、読み出した値に基づく状態コマンドを設定する(S1312)。そして、流路ソレノイド209aをオフに設定する(S1313)。その後、割込みを許可して(S1314)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図52を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図52は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1401〜S1408の各処理が実行され、その残余時間でS1411,S1412のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図52参照)においては、まず、タイマ割込処理(図39参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1401)。具体的には、タイマ割込処理(図39参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図40参照)や始動入賞処理(図44参照)で設定された特図1保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図53参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1402)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1403)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1404)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。この対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1404)をメイン処理(図52参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図39参照)において実行しても良い。
次に、特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための小当たり制御処理を実行する(S1405)。小当たり制御処理では、開放シナリオに基づいて対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。尚、本実施形態では、小当たり制御処理(S1405)をメイン処理(図52参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図39参照)において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1406)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図46参照)のS817の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS815の処理またはS816の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37a,37bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1407)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図41参照)のS306、S310またはS312の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37a,37bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37a,37bのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図41参照)のS306、S310またはS312の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図41参照)のS305、S309またはS311の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37a,37bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1408)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図46参照)のS809の処理またはS810の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図46参照)のS812の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図46参照)のS806の処理またはS807の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1409)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1409:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1410)、既に所定時間が経過していれば(S1410:Yes)、処理をS1401へ移行し、上述したS1401以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1410:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1411,S1412)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1411)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1402の処理と同一の方法によって実行する(S1412)。
ここで、S1401〜S1408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1409の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1409:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図50のNMI割込処理が実行されたということなので、S1413以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1413)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1414)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1415)、RAM203のアクセスを禁止して(S1416)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1409の処理は、S1401〜S1408で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1411とS1412の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1401の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1401の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1301)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1401の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図53のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1404)を説明する。図53は、この大当たり制御処理(S1404)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1404)は、メイン割込処理(図52参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図53,S1404)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1501)。具体的には、特別図柄変動処理(図40参照)のS216の処理により大当たり開始フラグ203dがオンに設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1501の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1501:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S1502)。そして、大当たり開始フラグ203dをオフに設定して(S1503)、本処理を終了する。
一方、S1501の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1501:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1504)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1504の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1504:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1504の処理において、特別図柄の大当たり中であると判別した場合には(S1504:Yes)、S1505の処理を実行する。S1505の処理では、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1505)。S1505の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1505:Yes)、開放シナリオテーブル202fに基づき、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S1506)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1507)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S1401)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
詳細は後述するが、本実施例では、音声ランプ制御装置113において、継続した大当たりが実行される場合には、ラウンド数の累積数に応じた表示用ラウンド数コマンドが送信されることとなる。よって、第3図柄表示装置81において継続した大当たりにおける累積されたラウンド数が表示されることとなる。これにより、大当たりが長く継続していることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S1505の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1505:No)、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したかを判別する(S1508)。具体的には、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、第1可変入賞装置65又はV入賞装置650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1508の処理において、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立した場合には(S1508:Yes)、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖して、本処理を終了する。一方、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立していない場合には(S1508:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1510)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンドが終了して開閉扉65f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。
S1510の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S1510:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1511)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S1401)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1510の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1510:No)、S1510の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S1512)。S1512の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1512:No)、本処理を終了する。
S1512の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1512:Yes)、実行されていた特別遊技が大当たりCであったか否かを判別する(S1513)。S1513の処理において、大当たりC(5R時短無大当たり)でないと判別された場合は(S1513:No)、時短中合算カウンタ203cに100を、時短中特2カウンタ203jに1を設定し(S1514)、S1515の処理へ移行する。一方、S1513の処理において、大当たりC(5R時短無大当たり)であったと判別された場合は(S1513:Yes)、S1514の処理をスキップして、S1515の処理へ移行する。
S1515の処理では、大当たり後の状態に対応する状態コマンドを設定する(S1515)。そして、大当たりの終了を設定し(S1516)、大当たり中フラグ203eをオフに設定し(S1517)、本処理を終了する。
次に、図54のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(S1405)を説明する。図54は、この小当たり制御処理(S1405)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1405)は、メイン割込処理(図52参照)の中で実行され、パパチンコ機10が特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
小当たり制御処理(図54,S1405)では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判定する(S1601)。具体的には、小当たり開始設定処理(図42参照)のS404の処理により小当たり開始フラグ203fがオンに設定されていれば、特別図柄の小当たりが開始されると判定する。S1601の処理において、特別図柄の小当たりが開始される場合には(S1601:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S1602)。そして、小当たり開始フラグ203fをオフに設定して(S1603)、本処理を終了する。
一方、S1601の処理において、特別図柄の小当たりが開始されない場合には(S1601:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判定する(S1604)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1604の処理において、特別図柄の小当たり中でなければ(S1604:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1604の処理において、特別図柄の小当たり中であると判別した場合には(S1604:Yes)、S1605の処理を実行する。S1605の処理では、V入賞口開放タイミングであるか判別する(S1605)。S1605の処理において、V入賞口開放タイミングであると判別した場合には(S1605:Yes)、開放シナリオテーブル202fに基づき、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S1606)、今回が5回目又は10回目の開放タイミングであるかを判別する(S1607)。
S1607の処理において、今回が5回目又は10回目の開放タイミングであると判別した場合は(S1607:Yes)、次に、Vフラグ203iがオンに設定されているかを判別し(S1608)、オンではない(オフである)と判別した場合に(S1608:No)、小当たり遊技が開始されてから所定期間が経過したにもかかわらず、V入賞していないことを外部に報知させるための指示コマンドを設定し(S1609)、本処理を終了する。
一方、S1607の処理で今回が5回目又は10回目の開放タイミングではないと判別した場合(S1607:No)、或いは、S1608の処理においてVフラグ203iがオンに設定されていると判別した場合(S1608:Yes)は、そのまま本処理を終了する。S1609の処理において設定された指示コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S1401)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、指示コマンドを受信すると、表示用指示コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用指示コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において右打ち遊技に案内表示を強調させる案内強調表示が、Vスイッチ650e3が球を検出するまでの期間実行される。
一方、S1605の処理において、V入賞口開放タイミングでなければ(S1605:No)、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したかを判別する(S1610)。具体的には、小当たり遊技に対応して設定された開放シナリオが終了した場合、或いは、V入賞装置650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1610の処理において、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したと判別した場合には(S1610:Yes)、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖して(S1611)、本処理を終了する。一方、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立していない場合には(S1610:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1612)。S1612の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S1612:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1613)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S1401)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1612の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1612:No)、S1614の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S1614)。S1614の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1614:No)、本処理を終了する。
S1614の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1614:Yes)、Vフラグ223iがオンに設定されているかを判別し(S1615)、オンに設定されていると判別した場合は(S1615:Yes)、Vフラグ223iの内容に対応する大当たり種別に基づく開放シナリオを設定し、大当たり開始フラグ203d、大当たり中フラグ203eをオンに設定し(S1617)、Vフラグ223iをオフに設定し(S1618)、V通過フラグ203kをオフに設定し(S1619)、小当たり中フラグ203gをオフに設定し(S1620)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図55から図69を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図55を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図55は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2061)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、電源断処理(図56のS2118)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2061)。図56を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図56のS2115:Yes)、S2118の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2062の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2062:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2063)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1406の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1403:Yes)、S1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1403:No)、S1408へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1403:Yes)、S1404へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1403:No)、S1408へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1402:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1516の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1404の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1404)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1405:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1406)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1405:No)、RAM223の異常を報知して(S1407)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1408の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1408)。電源断フラグはS1516の電源断処理の実行時にオンされる(図80のS1515参照)。つまり、電源断フラグは、S1516の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1408の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1408:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1409)、RAM223の初期値を設定した後(S1410)、割込み許可を設定して(S1411)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1408の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1404からS1406の処理を経由してS1408の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1408:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1409をスキップして、処理をS1410へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1410)、割込み許可を設定して(S1411)、メイン処理へ移行する。
なお、S1409のクリア処理をスキップするのは、S1404からS1406の処理を経由してS1408の処理へ至った場合には、S1404の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図56を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図56は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1m秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102〜S2112の処理を行わずにS2113の処理へ移行する。S2101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2102〜S2112が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2113のコマンド判定処理や、S2114の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2113の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2114の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1m秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103〜S2112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22,23(以下、枠ボタン22と称す)が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。尚、この枠ボタン入力監視・演出処理の詳細については、図65を参照して後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。なお、S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
液晶演出実行管理処理(S2110)の後に、各種カウンタ更新処理(S2111)が実行される。この各種カウンタ更新処理は、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた演出カウンタ223fが有する複数のカウンタの値を更新するための処理である。つまり、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ミリ秒毎に各カウンタの値が更新される。ここで、音声ランプ制御装置113のRAM223が有する複数のカウンタの更新方法について説明をする。
本実施形態では、第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様を設定する際に、複数のカウンタの値を参照するように構成している。このような構成において、例えば、各種カウンタ更新処理(S2111)が実行される毎に全てのカウンタの値を1更新する構成、即ち、各カウンタの更新方法を統一してしまうと、各カウンタの更新具合が同期してしまい、設定される演出態様にランダム性を持たせることが出来なくなるという不具合が生じることから、各カウンタの更新される値が同期しないように構成されている。
各種カウンタ更新処理(S2111)を終えると、次に、演出更新処理(S2112)を実行する。この演出更新処理(S2112)は、現在実行されている演出(既に設定されている変動表示)の内容を演出実行中に可変させるための処理を行うためのものである。この演出更新処理(S2112)の詳細については、図66を参照して後述する。
演出更新処理(S2112)の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2113)。このコマンド判定処理の詳細については、図57を参照して後述する。
次に、S2114の処理へ移行する。S2114の処理では、変動表示設定処理が実行される(S2114)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図62を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理(S2114)を終えると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2115:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2117)、電源断処理を実行する(S2118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2115:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2116)、RAM223が破壊されていなければ(S2116:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2116:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図57を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2113)について説明する。図57は、このコマンド判定処理(S2113)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から入賞情報コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による得点演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理(図57,S2113)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S2201)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dをオンし(S2202)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S2203)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図62参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2201:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S2204)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2204:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S2205)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2206)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図62参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2204:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S2207)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2207:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(S2208)。また、S2208の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S2208の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、特図1保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入球(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2208の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。尚、S2208の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S2207の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2207:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S2207)。入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S2209:Yes)、受信した入賞情報コマンドに基づいた入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納し(S2210)、入賞情報関連処理を実行する(S2211)。
ここで、入賞情報関連処理(S2211)の内容について、図58を参照して説明をする。図58は、入賞情報関連処理(S2211)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理(S2211)は、今回受信した入賞情報コマンドに含まれている入賞情報(変動種別)と、現在の遊技状況に基づいて、得点演出を実行するか否かの判定を行うための処理が実行される。
入賞情報関連処理(S2211)が実行されると、まず、受信した入賞情報コマンドの情報を対応する入賞情報格納エリア223aに格納し(S2301)、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を読み出す(S2302)。そして、S2302の処理で読み出した値が2以上であるかを判別し(S2303)、2以上であると判別した場合は(S2303:Yes)、次に、演出禁止フラグ223jがオンに設定されているかを判別する(S2304)。S2304の処理において、演出禁止フラグ223jがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S2304:Yes)、S2305の処理へ移行し、得点演出を実行するか否かの判定処理を行う。
一方、上述したS2303の処理において、読み出したカウンタ値が2未満であると判別した場合(S2303:No)、或いは、S2304の処理において演出禁止フラグ223jがオンに設定されていると判別した場合(S2304:Yes)は、得点演出を実行するか否かの判定処理をスキップして後述するS2314の処理へ移行する。
このように、本実施形態では、入賞情報関連処理(S2211)において、第1特別図柄の保留球数が所定数(2個)以上である場合にのみ得点演出を実行可能に構成している。よって、確実に所定数(2個)以上の変動表示に跨がって得点演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
また、演出禁止フラグ223jがオンに設定されている場合、即ち、既に得点演出を実行している場合は、新たな得点演出が設定されないように構成しているため、実行中の得点演出を最後まで遊技者に提供することができる。
次に、得点演出を設定するための処理(S2305〜S2313)について説明をする。S2305の処理では、第1得点演出選択テーブル222bを読み出す(S2305)。次いで、今回受信した入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、現在の保留球数と、取得した演出抽選カウンタ223f1の値とを用いて第1得点演出選択テーブル222bを参照して得点演出の実行の有無、及び、実行する得点演出の演出態様を判定し(S2306)、得点演出を実行するか否かを判別する(S2307)。
S2307の処理において、得点演出を実行すると判別した場合は(S2307:Yes)、S2306の処理において選択された演出種別(得点演出A〜C)に応じて演出種別フラグ223nを更新し(S2308)、今回の得点演出において付与する得点を設定するための総付与得点設定処理を実行する(S2309)。ここで、総付与得点設定処理(S2309)の内容について、図59を参照して説明する。図59は、総付与得点設定処理(S2309)の内容を示したフローチャートである。
この総付与得点設定処理が実行されると、まず、総付与得点選択テーブル222dを読み出し(S2401)、今回受信した入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、現在の保留球数と、演出種別フラグ223nが示す演出種別(得点演出A〜C)と、取得した得点振分用演出カウンタ(図示せず)の値とを用いて、総付与得点選択テーブル222dを参照して付与得点を選択する(S2402)。そして、選択した付与得点を総付与得点格納エリア223oに格納し(S2403)、本処理を終了する。
本実施形態では、上述したように、得点演出を実行すると判別した場合に、今回の得点演出において付与する得点の総数(上限値)を予め決定し、得点演出中に実行される各変動表示を設定する場合に、決定された得点の総数が上限となるように表示する得点数を決定し、各変動表示の演出内容を設定するように構成している。このように構成することで、得点演出の最終表示態様(最終表示得点数)のみ予め決定し、各変動表示にて表示される得点数は各変動表示を設定することが可能となるため、得点演出中に実行される演出態様をより多彩にすることができる。
なお、得点演出中に表示される得点数を設定する方法は、上述した内容に限定されることなく、例えば、得点演出を実行すると判別した場合に、今回の得点演出において付与する得点の総数(上限値)と、得点演出中に実行される各変動表示のそれぞれで表示する得点数と、を予め決定するように構成しても良い。また、上述した本実施形態と同様に、今回の得点演出において付与する得点の総数(上限値)のみ予め定めておき、得点演出中に実行される複数の変動表示のうち、最後の変動表示以外の変動表示は、付与する得点数を設定された得点の総数(上限値)に関わらず決定し、最後の変動表示を設定する場合に、表示される得点の総数が予め定めた得点の総数(上限値)となるように値を増減するように構成しても良い。
図58に戻り説明を続ける。連続予告付与得点設定処理(S2309)を終えると、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を読み出し(S2310)、読み出したカウンタ値を演出変動回数カウンタ223mの値として設定し(S2311)、今回読み出した入賞情報コマンドに対応する入賞情報格納エリア223aに予告対象情報を設定し(S2312)、演出禁止フラグ223jをオンに設定し(S2313)、本処理を終了する。
一方、S2303の処理において、読み出したカウンタ値(特別図柄1保留球数カウンタ223bの値)が2未満であると判別した場合(S2303)、S2304の処理において演出禁止フラグ223jがオンに設定されていると判別した場合(S2304:Yes)、或いは、S2307の処理において、得点演出を実行しないと判別した場合(S2307:No)は、S2314の処理へ移行し、今回受信した入賞情報コマンドに含まれる変動種別がスーパーリーチ以上(スーパーリーチ、またはスペシャルリーチ)であるかを判別する(S2314)。
S2314の処理において、スーパーリーチ以上であると判別した場合は(S2314:Yes)、上述したS2310の処理へ移行し、S2310〜S2313の処理を実行し本処理を終了する。一方、スーパーリーチ以上ではないと判別した場合は(S2314:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、S2314の処理について説明をする。本実施形態では、上述したように得点演出の設定を制限する制限条件(第1特別図柄の保留球数や演出禁止フラグ223jの設定状況)を設けている。また、制限条件が成立していない場合であっても、第1得点演出選択テーブル222bを参照した結果、得点演出を実行しないという判定結果が選択される場合がある。このような場合において、受信した入賞情報コマンドに含まれる変動種別が所定期間以上(80秒以上)であると、得点演出が実行されないロング変動に対応する入賞情報が特別図柄1保留球格納エリアに格納されることになる。
そのような状態において、次の入賞情報コマンドを受信し、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて得点演出が設定されると、設定された得点演出が実行されている最中に所定期間以上(80秒以上)の変動表示が実行されてしまい、得点演出が間延びしてしまうという問題があった。また、例えば、得点演出が設定されない入賞情報にスーパーリーチa当たりの変動種別が含まれている場合では、得点演出が実行されている最中に大当たりとなってしまい、得点演出の演出効果を低下させてしまうという問題があった。
そのような問題に対して、本実施形態では、得点演出を設定しない入賞情報であったとしても、所定条件(変動種別がスーパーリーチ以上)が成立した場合に、演出変動回数カウンタ223mの値を設定し、演出禁止フラグ223jをオンに設定する処理を実行するように構成し、所定条件(変動種別がスーパーリーチ以上)が成立している入賞情報が入賞情報格納エリア223aに格納されている間は、新たに得点演出が設定されないように構成している。これにより、得点演出の演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、変動種別がノーマルリーチ当たり、即ち、変動時間が短い大当たりの場合は、得点演出の設定を禁止しないように構成している。このように構成することで、得点演出が実行されている最中に、大当たりを発生させることができる。よって、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
図57に戻り説明を続ける。S2209の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S2209:No)、次に、当たり関連のコマンドを受信したかを判別し(S2212)、当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合は(S2212:Yes)、当たり関連処理を実行し(S2213)、本処理を終了する。この当たり関連処理(S2213)は、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たり又は小当たりに当選した場合に主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
ここで、当たり関連処理(S2213)の内容について、図60を参照して説明をする。図60は当たり関連処理の内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理(S2213)が実行されると、まず、大当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S2501)。大当たり開始コマンドを受信したと判別された場合(S2501:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S2502)、本処理を終了する。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図56参照)のコマンド出力処理(S2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
一方、大当たり開始コマンドを受信していないと判別された場合は(S2501:No)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したか否かを判別する(S2503)。S2503の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合(S2503:Yes)は、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2504)、本処理を終了する。なお、本実施形態では主制御装置110からラウンド数コマンドとしてラウンド数を示す情報を送信しているため、受信したラウンド数コマンドに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定しているが、例えば、主制御装置110から送信するコマンドデータの容量を軽減するために、主制御装置110から新たなラウンドが開始されたことを示すための情報をラウンド更新コマンドとして送信する構成する場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223にラウンド更新コマンドを受信した場合に、受信したラウンド更新コマンドの数を蓄積するラウンド数蓄積カウンタを設け、そのラウンド数蓄積カウンタの値に基づいて音声ランプ制御装置113側で現在のラウンド数を算出し、表示用ラウンド数コマンドを設定するように構成しても良い。
S2503の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S2503:No)、次に大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S2505)。S2505の処理において、大当たり終了コマンドを受信したと判別した場合(S2505:Yes)、表示用大当たり終了コマンドを設定し(S2506)、本処理を終了する。
S2505の処理において、大当たり終了コマンドを受信していないと判別された場合は(S2505:No)、小当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S2507)。
S2507の処理において、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S2507:Yes)、小当たり種別に基づいて表示用小当たり開始コマンドを設定し(S2507)、本処理を終了する。
S2507の処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別された場合は(S2507:No)、小当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S2509)。S2509の処理において、小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合は(S2509:Yes)、小当たり遊技の終了を示唆する演出を実行するため、表示用小当たり終了コマンドを設定し(S2510)、本処理を終了する。
一方、S2509の処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合は(S2509:No)、V入口通過コマンドを受信したか否かを判別する(S2511)。S2511の処理において、V入口通過コマンドを受信したと判別された場合は(S2511:Yes)、表示用V入口通過コマンドを設定し(S2512)、本処理を終了する。また、S2511の処理において、V入口通過コマンドを受信していないと判別した場合は(S2511:No)、次にV通過コマンドを受信したかを判別する(S2513)。
S2513の処理において、V通過コマンドを受信したと判別した場合は(S2513:Yes)、V入賞装置650のVスイッチ650e3への入球に基づく演出を示すための表示用V演出コマンドを設定し(S2514)、本処理を終了する。一方、S2513の処理において、V通過コマンドを受信していないと判別した場合は(S2513:No)、次に、指示コマンドを受信したか否かを判別する(S2515)。S2515の処理において指示コマンドを受信したと判別した場合は(S2515;Yes)、表示用指示コマンドを設定し(S2516)、本処理を終了する。一方、指示コマンドを受信していないと判別した場合は(S2515:No)、そのまま本処理を終了する。
本実施形態では小当たり遊技中にV入賞装置650の開閉扉650f1を12回開放させる小当たり遊技を実行するように構成しており、且つ、5回目或いは10回目の開放タイミングにおいて、Vスイッチ650e3が球を検知していない場合に指示コマンドを出力するように構成している(図54のS1609参照)。この指示コマンドを受信したと判別した場合は、第3図柄表示装置81に、V入賞装置650に球を入賞させることを強調して案内する強調案内表示態様(図19(a)参照)を表示させるための表示用指示コマンドを設定する。
そして、強調案内表示態様が表示されている状態でVスイッチ650e3が球を検知すると、図19(b)に示した通り、遊技者を祝福するための達成表示態様を表示させるための表示用達成コマンドを設定する。つまり、本実施形態では小当たり遊技が実行されV入賞装置650の開放動作が実行された状態であれば、右打ち遊技を行うことで確実に球がV入賞装置650に入賞するように構成されており、且つ、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した球は、Vスイッチ650e3が設けられている特別排出流路650e2へと流下するように構成している。このように構成されているにも関わらず、開閉扉650f1の5回目の開放タイミングにおいてVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、小当たり遊技が開始された場合に第3図柄表示装置81の案内表示領域Dm2(図10(b)参照)に右打ちを案内する表示に気付かずに、左打ち遊技を実行している。或いは、遊技を止めていることが考えられる。
このような場合において、案内表示領域Dm2に表示される右打ちを案内する表示をより強調した表示に可変することで、遊技者に右打ち遊技を行わせ易くすることができる。さらに、強調案内表示態様(図19(a)参照)を表示させるタイミングとして、第3図柄表示装置81に強調案内表示態様が表示されてから右打ち遊技を行った場合に、その右打ち遊技で発射された球が小当たり遊技中にV入賞装置650に到達するタイミングとしている。よって、強調案内表示態様の表示に従って右打ち遊技を実行した遊技者が小当たり遊技中に特別排出流路650e2に球を流下させられない事態を抑制することができる。
図57に戻り説明を続ける。S2212の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は(S2212:No)、次に、停止コマンドを受信したかを判別する(S2214)。停止コマンドを受信したと判別した場合は(S2214:Yes)、停止コマンド処理を実行し(S2215)、第3図柄の停止表示を設定し(S2216)、本処理を終了する。一方、停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S2214:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217)、本処理を終了する。
ここで、停止コマンド処理の内容について、図61を参照して説明をする。図61は停止コマンド処理の内容を示したフローチャートである。この停止コマンド処理は、主制御装置110から停止コマンドを受信した場合、即ち、特別図柄の停止タイミングにおける各種処理を実行するものであり、本実施形態では、実行中の得点演出の継続管理処理や、得点演出を終了する場合に、新たに得点演出を実行するかの判別処理を実行する。
停止コマンド処理(S2215)が実行されると、まず演出禁止解除フラグ223kがオンに設定されているかを判別する(S2601)。S2601の処理においてオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合(S2601:No)、即ち、現時点で得点演出が実行されていない場合、或いは、得点演出の最終変動では無い場合は、そのまま本処理を終了する。一方、演出禁止解除フラグ223kがオンに設定されていると判別した場合は(S2601:Yes)、演出禁止フラグ223j、演出禁止解除フラグ223kをオフに設定し(S2602)、次に特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を読み出し(S2603)、読み出したカウンタ値が2以上であるかを判別する(S2604)。S2604の処理において、カウンタ値が2以上であると判別した場合は(S2604:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタの値が2以上に対応する入賞情報格納エリアから入賞情報を読み出し(S2605)、第2得点演出選択テーブル222cを読み出し(S2606)、対象となる変動種別に対応する得点演出の実行可否を判定する(S2607)。
そして、S2607の判定結果を判別し(S2608)、得点演出を実行すると判別した場合は(S2608:Yes)、実行する演出種別(得点演出A〜C)に応じて演出種別フラグ223nを更新し(S2609)、上述した入賞情報関連処理(図58)と同一の総付与得点設定処理(S2610(S2309))を実行する。なお、ここでは総付与得点設定処理(図59参照)の詳細な内容についての説明は省略する。
総付与得点設定処理(S2610(S2309))を終えると、次に対象となる特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を読み出し(S2611)、読み出したカウンタ値を演出変動回数カウンタ223mの値として設定し、対象となる入賞コマンドに対応する入賞情報格納エリア223aに演出対象情報を設定し(S2613)、演出禁止フラグ223jをオンに設定し、本処理を終了する。
一方、S2604の処理において、読み出した特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が2未満であると判別した場合(S2604:No)、S2608の処理において、得点演出を実行しないと判別した場合(S2608:No)は、S2615の処理へ移行し、スーパーリーチ以上の変動種別を含む入賞情報が格納されているかを判別する(S2615)。S2615の処理において、スーパーリーチ以上の変動種別を含む入賞情報があると判別した場合は(S2615)、上述したS2611〜S2614の処理を実行し、本処理を終了する。一方、スーパーリーチ以上の変動種別を含む入賞情報が格納されていないと判別した場合は(S2615:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図62を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2114)について説明する。図62は、この変動表示設定処理(S2114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2114)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンかを判別する(S2701)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S2701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2707の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別した場合(S2701:Yes)、変動開始フラグ223dをオフに設定し(S2702)、次いで、コマンド判定処理(図57参照)のS2203の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2703)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出を設定するための演出設定処理を実行し(S2704)、その後、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別および、演出設定処理にて設定した得点演出態様に基づいて生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2705)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。S2705の処理を終えると、入賞情報格納エリア223aのデータをシフトし(S2706)、S2707の処理へ移行する。
ここで、S2704の処理において実行される演出設定処理(S2704)の内容について、図63及び図64を参照して説明をする。図63は、演出設定処理(S2704)の内容を示したフローチャートであり、図64は、演出設定処理(S2704)の中で実行される得点付与演出設定処理(S2803)の内容を示したフローチャートである。この演出設定処理(S2704)は、入賞情報関連処理(図58のS2211参照)或いは停止コマンド処理(図61のS2215参照)において、得点演出が設定された場合に、今回の変動表示設定処理(図62のS2114)にて設定される変動パターンの得点演出(付与得点)を設定するための処理である。
演出設定処理(S2704)が実行されると、まず、演出変動回数カウンタ223mの値が0よりも大きいか、即ち、得点演出実行中であるかを判別する(S2801)。演出変動回数カウンタ223mの値が0よりも大きいと判別した場合は(S2801:Yes)、次いで、演出種別フラグ223nに得点演出に演出種別が設定されているかを判別する(S2802)。S2802の処理において、演出種別が設定されていると判別した場合は(S2802:Yes)、得点付与演出設定処理を実行し(S2803)、本処理を終了する。なお、得点付与演出設定処理(S2803)の内容については、図64を参照して後述する。
S2802の処理において、演出種別フラグ223nに演出種別が設定されていないと判別した場合(S2802:No)、即ち、入賞情報関連処理(図58のS2211)において、得点演出を設定することなく、新たな得点演出の設定を禁止する期間を設けた場合(S2314:Yesの処理を実行した場合)は、得点付与演出設定処理(S2803)をスキップして本処理を終了する。
一方、S2801の処理において、演出変動回数カウンタ223mの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S2801:No)、得点演出を伴わない態様の変動パターンを決定し(S2804)、次に、演出禁止フラグ223jがオンに設定されているかを判別する(S2805)。S2805の処理において演出禁止フラグ223jがオンに設定されていると判別した場合(S2805:Yes)、即ち、得点演出が終了した後の変動表示を設定するタイミングである場合には、演出禁止解除フラグ223kをオンに設定し(S2806)、付与得点カウンタ223pの値をクリアし(S2087)、本処理を終了する。一方、演出禁止フラグ223jがオフに設定されていると判別した場合(S2805:No)は、S2806,S2807の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図64を参照して、演出設定処理(図63のS2704)において実行される得点付与演出設定処理(S2803)の内容について説明をする。図64は、得点付与演出設定処理の内容を示したフローチャートである。この得点付与演出設定処理(S2803)では、得点演出中の各変動表示に対して付与される得点を、得点演出を実行すると判別した際に設定された総付与得点を上限に、得点演出を実行する残変動回数に応じて設定する処理が実行される。
この得点付与演出設定処理(S2803)が実行されると、まず、付与得点カウンタ223pの値、即ち、今回の得点演出において既に付与した(表示した)得点数を読み出し(S2901)、次いで、総付与得点格納エリア223oに格納されている値、即ち、今回の得点演出において付与する総得点数を読み出す(S2902)。そして、総付与得点格納エリア223oの値と、付与得点カウンタ223pの値との差分を算出し(S2903)、今回の得点演出において付与可能な残得点を算出する。
S2903の処理を終えると、次に、演出変動回数カウンタ223mの値が1であるかを判別し(S2904)、1では無いと判別した場合(S2904:No)、即ち、今回の変動が得点演出の最終変動では無いと判別した場合は、今回の変動表示で残得点を全て付与(表示)しないように、算出した差分と、演出変動回数カウンタ223mの値とを用いて、付与得点選択テーブル222eを参照して、今回の変動表示にて付与する得点を選択し(S2905)、選択された得点(付与得点)に対応する得点演出を伴う変動パターンを決定する(S2906)。
そして、今回選択した付与得点を付与得点カウンタ223pの値に加算し(S2907)、演出変動回数カウンタ223mの値を1減算し(S2908)、本処理を終了する。一方、S2904の処理において、演出変動回数カウンタ223mの値が1であると判別した場合(S2904:Yes)、即ち、今回の変動表示が得点演出の最終変動であると判別した場合は、S2903の処理において算出した差分を全て表示するために、算出した差分に対応する態様の得点演出を伴う変動パターンを決定し(S2909)、算出した差分に対応する値を付与得点カウンタの値に加算する(S2910)。
次に、今回決定した変動パターンに遊技者が枠ボタン22を操作することで得点表示を行う操作得点演出が含まれているかを判別し(S2911)、操作得点演出が含まれていると判別した場合は(S2911:Yes)、操作得点実行フラグ223qをオンに設定し(S2912)、本処理を終了する。一方、S2911の処理において、操作得点演出が含まれていないと判別した場合は(S2911:No)、S2912の処理をスキップして本処理を終了する。
このように構成された得点付与演出設定処理(S2803)を用いることで、得点演出を実行すると判別した場合に、今回の得点演出中に付与する総得点のみを得点演出の対象となる入賞情報に基づいて予め設定するだけで、その対象となる入賞情報に対応する変動表示が実行されるまでの期間に実行される各変動表示に対して、多彩な得点演出を実行することができる。また、対象となる入賞情報に対応する変動表示が実行されるまでの期間に実行される各変動表示により、様々な得点が付与(表示)されたとしても、対象となる入賞情報に対応する変動表示(得点演出の最終変動となる変動表示)において、子泣きの得点演出にて付与する総得点から、既に表示(付与)された得点を差し引いた差分を表示することができるため、対象となる入賞情報の抽選結果に対応した表示態様で得点演出の結果を表示することができ、演出効果を高めることができる。
次に、図65を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図56参照)において実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)の内容について説明をする。図65は、枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)では、各タイミングでの枠ボタン22の操作に対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理が実行される。
また、得点演出において操作得点演出が設定されている場合において、枠ボタン22の操作内容に基づいて付与される(表示される)得点が可変した場合における付与得点監視処理が実行される。詳しくは後述するが、本実施形態では、得点演出を実行すると判別した場合に、今回の得点演出において付与する総得点数を決定し、得点演出中の各変動表示が実行される毎に、表示する得点を決定しながら各変動表示に対応する演出(得点演出)を実行するように構成している。そして、得点演出として操作得点演出が選択された場合は、操作得点演出において付与可能な得点、即ち、操作得点演出が実行された場合に、枠ボタン22を適切に操作した場合に付与される得点を今回の変動表示にて表示する得点として設定することで、得点演出中に表示可能な残得点数を管理するように構成している。
よって、遊技者が操作得点演出に参加し得点を獲得した場合には、残得点数の管理内容と実際に表示される(遊技者が獲得した)得点とに矛盾が生じることが無い。一方で、遊技者が操作得点演出に参加しなかった場合は、残得点数の管理内容と実際に表示される(遊技者が獲得した)得点とに矛盾が生じることになる。これに対して、本実施形態では、操作得点演出中に遊技者が適切に枠ボタン22を操作したか否かを判別し、その判別結果に基づいて、表示される得点を判定し、判定結果に基づいて残得点数の管理内容を補正する処理を実行するように構成している。
枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)を実行すると、まず、枠ボタン22の押下を検出したかを判別し(S3001)、押下を検出していないと判別した場合は(S301:No)、そのまま本処理を終了する。枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S3001:Yes)、次に、現在が(枠ボタン22を押下したタイミングが)得点操作演出期間中であるかを判別する(S3002)。ここでは、液晶演出実行管理処理(図56のS2110参照)において常時管理されている変動時間情報に基づいて判別を実行する。
S3002の処理において、現在が得点操作演出期間中であると判別した場合は、操作済フラグ223rをオンに設定し(S3003)、ボタン押下に対応した表示用押下コマンドを設定し(S3004)、本処理を終了する。ここで、操作済フラグ223rをオンに設定しなかった場合は、演出更新処理(図56のS2112)において、実行中の変動表示の演出内容の可変処理が実行される。
一方、S3002の処理において、現在が得点操作演出期間ではないと判別した場合は(S3002:No)、液晶演出実行管理処理(図56のS2110参照)において管理されている時間情報に基づいて、枠ボタン22を操作したタイミングが枠ボタン22の操作を有効に判別する何れかの操作有効期間であるかを判別し(S3005)、操作有効期間であると判別した場合は(S3005:Yes)、判別された操作有効期間に応じた表示用押下コマンドを設定し(S3004)、操作有効期間では無いと判別した場合は(S3006:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図56参照)において実行される演出更新処理(S2112)の内容について、図66を参照して説明をする。図66は、演出更新処理(S2112)の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理(S2112)では、得点演出中に実行される操作得点演出において、遊技者が枠ボタン22を操作したか否かに基づいて既に設定している変動パターンの内容を可変するための処理が実行される。
演出更新処理(S2112)が実行されると、まず。操作得点実行フラグ223qがオンに設定されているかを判別し(S3101)、操作得点実行フラグ223qがオンに設定されていないと判別した場合は(S3101:No)、そのまま本処理を終了する。オンに実行されていると判別した場合は(S3101:Yes)、現在が操作得点演出の終了タイミングであるかを判別する(S3102)。ここでは、液晶演出実行管理処理(図56のS2110参照)において管理されている時間情報に基づいて、現在のタイミングが操作得点演出の終了タイミングであるかを判別する。
S3102の処理において、終了タイミングでは無いと判別した場合は(S3102:No)、そのまま本処理を終了し、終了タイミングであると判別した場合は(S3102:Yes)、次に、操作済フラグ223rがオンであるかを判別し(S3103)、オンでは無い(オフである)と判別した場合は(S3103:No)、そのまま本処理を終了し、オンであると判別した場合は(S3103:Yes)、即ち、操作得点演出の終了タイミングに到達したにも関わらず、枠ボタン22が操作されていないと判別した場合は、操作得点演出で付与される付与得点を抽出し(S3104)、抽出した付与得点を付与得点カウンタ223pの値から減算し(S3105)、現在の演出変動回数カウンタ223mの値が0であるかを判別する(S3106)。
S3106の処理において演出変動回数カウンタ223mの値が0では無いと判別した場合は(S3106:No)、即ち、現在が得点演出の最終変動中では無いと判別した場合は、そのまま本処理を終了する。この場合、次の変動表示を設定する際には、S3105の処理において減算された付与得点カウンタ223pの値に基づいて得点演出が設定されるため、操作得点演出における枠ボタン22に対する操作の有無に対応させて残りの得点演出を実行することができる。
一方で、S3106の処理において、演出変動回数カウンタ223mの値が0であると判別した場合(S3106:Yes)、即ち、現在が得点演出の最終変動中であると判別した場合は、実行中の変動表示の残期間中に付与する得点数を補正するために、演出補正処理を実行し(S3107)、本処理を終了する。
ここで、図67を参照して演出更新処理(図66のS2112)において実行される演出補正処理(S3107)の内容について説明をする。図66は演出補正処理(S3107)の内容を示したフローチャートである。この演出補正処理(S3107)は、操作得点演出に対する枠ボタン22への操作が無かった場合に、第3図柄表示装置81に表示されなかった(遊技者に付与されなかった)得点を、後に実行される演出態様を可変させることで最終的に遊技者に付与するための補正処理を実行するものである。
本実施形態では操作得点演出において遊技者が枠ボタン22を操作し、得点が付与されることを前提に残りの得点演出において付与する得点が予め定めている。このように構成することで、操作得点演出中に枠ボタン22を適切に操作した場合には、予め定めた得点演出をそのまま実行することになる。よって、得点演出が実行されている間に、演出内容を設定、或いは可変する必要が無くなり、処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、遊技者が操作得点演出中に枠ボタン22を操作する傾向にあることから、予め設定する得点演出の演出態様を操作得点演出中に得点を表示(付与)することを前提に設定し、変動表示中に演出態様を可変させる機会が少なくなるように構成しているが、これに限ることなく、予め設定する得点演出の演出態様を操作得点演出中に得点を表示(付与)しないことを前提に設定してもよい。この場合、例えば、操作得点演出が実行されていることを遊技者に気付かれ難く報知すると良い。
また、操作得点演出後の演出態様を予め設定せずに、操作得点演出の終了後に操作得点演出の演出結果に基づいて演出態様を設定するように構成しても良いし、操作得点演出中に遊技者が枠ボタン22を操作したか否かの操作結果を所定期間(例えば、パチンコ機10の電源がオンされてからオフされるまでの期間、或いは、同一の遊技者が遊技を行っていると判別した期間(個人を特定する識別情報が入力されている期間))記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている操作結果に基づいて、演出態様の設定方法を可変するように構成しても良い。
演出補正処理(S3107)が実行されると、まず、減算後の付与得点カウンタ223pの値と、総付与得点格納エリア223oに格納されている値との差分を算出し(S3201)、残りの演出期間で付与すべき得点を算出する。次いで、操作得点演出が実行された期間が第1予告期間(図11参照)であるかを判別する(S3202)。
S3202の処理において、第1予告期間であると判別した場合は(S3202:Yes)、算出した差分に対応する演出を第2予告期間の書換演出として設定し(S3203)、設定した書換演出に対応する表示用書換演出コマンドを設定し(S3204)、その他実行管理処理を実行し(S3205)、本処理を終了する。このように構成することで、操作得点演出が第1予告期間中に実行される得点付与演出が設定されている場合には、第1予告期間の後に設定される第2予告期間中に実行される得点付与演出にて実行される演出の演出態様を可変させることで、操作得点演出中に表示(付与)されなかった得点を加算することができる。
これにより、予告期間中に予め設定された得点数(第1予告期間および第2予告期間で表示する得点数)と同等の得点数を予告期間中に表示することができるため、遊技者に対して、操作得点演出で枠ボタン22を操作していれば更に多くの得点を獲得できたのではと期待させながらリーチ演出を実行することができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
ここで、第2予告期間中の書換演出としては、同一の演出態様を用いて付与する得点数のみを可変させた演出や、実行される演出態様を可変させた演出があり、例えば、操作得点演出で表示されなかった得点(S3201の処理において算出された差分得点)や、第2予告期間の長さに応じて適宜設定すれば良い。
一方、S3202の処理において、現在が第2予告期間では無いと判別した場合は(S3202:No)、変動表示における予告期間では無く、リーチ演出が実行されるリーチ期間中の演出態様を可変させるためのリーチ態様補正処理を実行し(S3206)、本処理を終了する。
次に、図67を参照して、リーチ態様補正処理(S3206)の内容を説明する。図67はリーチ態様補正処理(S3206)の内容を示したフローチャートである。このリーチ態様補正処理(S3206)では、変動表示の抽選結果と、現在のゲージ量と、に基づいて実行するリーチ態様を設定するための処理を行う。
リーチ態様補正処理(S3206)が実行されると、まず、総付与得点格納エリア223oの値に基づいて、現在のゲージ量を算出し(S3301)、次いで、今回の変動が当たり変動(大当たりに当選している変動)であるかを判別する(S3302)。当たり変動であると判別した場合は(S3302:Yes)、次に、現在のゲージ量が3未満であるかを判別し(S3303)、3未満であると判別した場合は(S3303:Yes)、第1リーチ期間の態様としてゲージ量が5となる得点演出を伴う態様の書換第1リーチ演出を設定し(S3304)、次いで、第2リーチ期間の書換リーチ態様として、ミッションリーチを設定し(S3305)、次いで、各種表示用書換演出コマンドを設定し(S3306)、本処理を終了する。
一方、S3303の処理において、現在のゲージ量が3未満では無い(3以上である)と判別した場合は(S3303:No)、現在のゲージ量が1以上であるかを判別し(S3307)、1以上であると判別した場合は(S3307:Yes)、第1リーチ期間の態様として、ゲージ量が6となる得点演出を伴う態様の書換第1リーチ演出を設定し(S3308)、S3306の処理へ移行する。S3307の処理において、1以上では無い(0である)と判別した場合は(S3307:No)、第1リーチ期間と第2リーチ期間とを合算したリーチ期間に対応する特殊リーチ演出を設定し(S3309)、S3306の処理へ移行し、本処理を終了する。
また、S3302の処理において、今回の変動が当たり変動ではない(外れ変動である)と判別した場合は、外れ用補正処理(S3310)を実行し、本処理を終了する。この外れ用補正処理(S3310)は、当選結果が外れである場合に、無用に遊技者に大当たりの期待感を持たせないようにするためのリーチ演出を設定するための処理であって、表示されるゲージ量と、リーチ演出の演出態様を補正するための処理が実行される。
ここで、図69を参照して外れ用補正処理(S3310)の内容について説明をする。図69は外れ用補正処理(S3310)の内容を示したフローチャートである。外れ用補正処理(S3310)が実行されると、まず、現在のゲージ量が3未満であるかを判別し(S3401)、3未満であると判別した場合は(S3401:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、3以上であると判別した場合は、第1リーチ期間の態様としてゲージ量が0〜2の範囲となる得点付与演出を伴う態様の書換第1リーチ演出を設定し(S3402)、次いで、第2リーチ期間の書換リーチ態様として、ミッションリーチを設定し(S3403)、各種表示用書換演出コマンドを設定し(S3404)、本処理を終了する。
<第1制御処理例における表示制御装置が実行する制御処理について>
次に、図70から図87を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図70を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図70は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S4001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図71を参照して、ブート処理(S4001)について説明する。図71は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S4001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S4101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S4102)。これにより、MPU231は、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S4102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S4102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S4103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S4104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図70のS4001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図70のS4002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S4105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S4001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図71に示すブート処理では、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S4102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S4103〜S4105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S4101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S4101及びS4102の処理を含めて複数回繰り返した後、S4103〜S4105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S4101及びS4102の処理を行わずに、S4103〜S4105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図70の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S4002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S4003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S4003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S4004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S4004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S4005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図85(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図85(a)のS6302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図72(b)参照)において、電源投入時画像である電源投入時主画像や電源投入時変動画像(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図72(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図72(b)のS4309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像(図示せず)をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S4005の処理の後、割込許可を設定し(S4006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S4006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図72(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図72(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S4201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図72(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図72(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図38参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図72(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S4301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S4301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像(図示せず)ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S4302)を実行し、次いで、表示設定処理(S4303)を実行する。
コマンド判定処理(S4302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド割込処理の詳細については、図73〜図81を参照して後述する。
表示設定処理(S4303)では、コマンド判定処理(S4302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図82〜図84を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S4304)。このタスク処理では、表示設定処理(S4303)もしくは簡易表示設定処理(S4309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S4305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、得点演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図85および図86を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S4306)。この描画処理では、タスク処理(S4304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S4305)により設定された転送指示とから、図38に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図87を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S4307)。そして、V割込処理を終了する。S4307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA〜D、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S4301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S4301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図34参照)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S4308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S4309)を実行して、S4304の処理へ移行する。
次いで、図73〜図81を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S4302)の詳細について説明する。まず、図73は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図73に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S4401)、未処理の新規コマンドがなければ(S4401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S4401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S4303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S4402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S4403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S4404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S4404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S4405)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図74(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S4405)の詳細について説明する。図74(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S4501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S4502)。そして、S4501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4503)、ポインタ233fを0に初期化する(S4504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S4504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S4501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S4502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S4503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図87の説明に戻る。S4404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S4404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S4406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S4406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S4407)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図74(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S4407)の詳細について説明する。図74(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S4601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図72(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S4602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S4602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S4603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S4602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S4304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S4603によって設定された停止図柄判別フラグからS4602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
上述したように、本実施形態では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS4602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
ここで、図73の説明に戻る。S4406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S4406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S4408)、背面画像変更コマンドがあれば(S4408:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S4409)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図75(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S4409)の詳細について説明する。図75(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S6303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S4701)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S4702)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S4701の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S4702の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S4702によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4702の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図73の説明に戻る。S4408の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S4408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S4410)、エラーコマンドがあれば(S4410:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S4411)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図75(b)を参照して、エラーコマンド処理(S4411)の詳細について説明する。図75(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S4801)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S4802)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S4801の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S4802の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S4802に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図73の説明に戻る。S4410の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S4410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、当たり関連コマンドがあるか否かを判別し(S4412)、当たり関連コマンドがあれば(S4412:Yes)、当たり関連コマンド処理を実行して(S4413)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図76を参照して、当たり関連コマンド処理(S4413)の詳細について説明する。図76は、当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。この当たり関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドや、表示用ラウンド数コマンドや、表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
当たり関連コマンド処理(図76,S4413)では、まず、表示用大当たり開始コマンドがあるか否かを判別する(S4901)。S4901の処理において表示用当たり開始コマンドがあると判別された場合は(S4901:Yes)、大当たり開始コマンド処理を実行し(S4902)、S4903の処理へ移行する。
ここで、図77(a)を参照して、大当たり開始コマンド処理(S4902)の詳細について説明する。図77(a)は、大当たり開始コマンド処理(S4902)を示すフローチャートである。この大当たり開始コマンド処理(S4902)は、当たり関連コマンド処理(図76)において、表示用大当たり開始コマンドがあると判別された場合に実行される処理であり、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
大当たり開始コマンド処理(S4902)では、まず、コマンドに対応した(例えば、大当たり種別に対応した)大当たり開始表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5001)。次いで、大当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5002)。その後、大当たり開始表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5003)、ポインタ233fを初期化し(S5004)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5005)、本処理を終了する。
図76に戻り、説明を続ける。S4901の処理において、表示用大当たり開始コマンドが無いと判別された場合は(S4901:No)、S4903の処理へ移行する。S4901またはS4902の処理を終えると、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別する(S4903)。S4903の処理において、表示用ラウンド数コマンドがあると判別された場合は、ラウンド数コマンド処理を実行し(S4904)、S4905の処理へ移行する。
ここで図77(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S4904)の詳細について説明する。図77(b)は、ラウンド数コマンド処理(S4904)を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理(S4904)は、当たり関連コマンド処理(図76)において、表示用ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技中のラウンド数が更新される際の演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
ラウンド数コマンド処理(S4904)では、まず、コマンドに対応したラウンド数表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5102)、ラウンド数表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5103)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5104)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5105)、本処理を終了する。
図76に戻り、説明を続ける。S4903の処理において、表示用ラウンド数コマンドが無いと判別された場合は(S4903:No)、S4905の処理へ移行する。S4903またはS4904の処理を終えると、表示用大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S4905)。S4905の処理において、表示用大当たり終了コマンドがあると判別された場合は(S4905:Yes)、大当たり終了コマンド処理を実行し(S4906)、S4907の処理へ移行する。
ここで図78(a)を参照して、大当たり終了コマンド処理(S4906)の詳細について説明する。図78(a)は、大当たり終了コマンド処理(S4906)を示すフローチャートである。この大当たり終了コマンド処理(S4906)は、当たり関連コマンド判定処理(図76)において大当たり終了コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理である。
大当たり終了コマンド処理(S4906)では、まず、コマンドに対応した大当たり終了表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5201)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアして(S5202)、大当たり終了表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5203)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5204)、デモ表示フラグと確定表示フラグをオフに設定して(S5205)、本処理を終了する。
図76に戻り、説明を続ける。S4905の処理において、表示用大当たり終了コマンドが無いと判別された場合は(S4905:No)、S4907の処理へ移行する。S4905またはS4906の処理を終えると、表示用小当たり開始コマンドがあるか否かを判別する(S4907)。S4907の処理において、表示用小当たり開始コマンドがあると判別された場合は(S4907:Yes)、小当たり開始コマンド処理を実行し(S4908)、S4909の処理へ移行する。
ここで図78(b)を参照して、小当たり開始コマンド処理(S4908)の詳細について説明する。この小当たり開始コマンド処理(S4908)は、当たり関連コマンド判定処理(図76参照)において、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であり、小当たり遊技の開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
小当たり開始コマンド処理(S4908)では、まず、受信したコマンドに対応した小当たり開始表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5301)。次いで、小当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルバッファを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5302)。その後、小当たり開始表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5303)、ポインタ233fを初期化し(S5304)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5305)、本処理を終了する。
図76に戻り、説明を続ける。S4907の処理において、表示用小当たり開始コマンドが無いと判別された場合は(S4907:No)、S4909の処理へ移行する。S4907またはS4908の処理を終えると、表示用小当たり終了コマンドがあるか否かを判別する(S4909)。S4909の処理において、小当たり終了コマンドがあると判別された場合は(S4909:Yes)、小当たり終了コマンド処理を実行し(S4910)、S4911の処理へ移行する。
ここで図79(a)を参照して、小当たり終了コマンド処理(S4910)の詳細について説明する。この小当たり終了コマンド処理(S4910)は、当たり関連コマンド判定処理(図76参照)において、小当たり終了コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、小当たり遊技の終了を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
小当たり終了コマンド処理(S4910)では、まず、受信したコマンドに対応した小当たり終了表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5401)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5402)、小当たり終了表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5403)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5404)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5405)、本処理を終了する。
図76に戻り、説明を続ける。S4909の処理において、表示用小当たり終了コマンドが無いと判別された場合は(S4909:No)、S4911の処理へ移行する。S4909またはS4910の処理を終えると、表示用V入口通過コマンドがあるか否かを判別する(S4911)。S4911の処理において、V入口通過コマンドがあると判別された場合は(S4911:Yes)、V入口通過コマンド処理を実行し(S4912)、S4913の処理へ移行する。
ここで図79(b)を参照して、V入口通過コマンド処理(S4912)の詳細について説明する。このV入口通過コマンド処理(S4912)は、当たり関連コマンド判定処理(図76参照)において、V入口通過コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、V入賞装置650のV入賞スイッチ650e3を遊技球が通過したことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
V入口通過コマンド処理(S4912)では、まず、受信したコマンドに対応したV入口通過表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5501)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5502)、V入口通過表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5503)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5504)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5505)、本処理を終了する。
図76に戻り、説明を続ける。S4911の処理において、表示用V入口通過コマンドが無いと判別された場合は(S4911:No)、S4913の処理へ移行する。S4911またはS4912の処理を終えると、表示用V演出コマンドがあるか否かを判別する(S4913)。S4913の処理において、V演出コマンドがあると判別された場合は(S4913:Yes)、V演出コマンド処理を実行し(S4914)、本処理を終了する。一方、S4913の処理において、表示用V演出コマンドが無いと判別された場合は(S4913:No)、本処理を終了する。
ここで図80を参照して、V演出コマンド処理(S4914)の詳細について説明する。このV演出コマンド処理(S4914)は、当たり関連コマンド判定処理(図76参照)において、V演出コマンドを受信したと判別された場合に実行される処理であり、大当たり遊技が付与される確率が高いことを示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示するための処理である。
V演出コマンド処理(S4914)では、まず、受信したコマンドに対応したV演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5601)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5602)、V演出表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5603)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5604)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5605)、本処理を終了する。
ここで、図73の説明に戻る。S4412の処理において、当たり関連コマンドがないと判別されると(S4412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、枠ボタン22の押下げに対応する押下コマンドがあるか否かを判別し(S4414)、押下コマンドがあれば(S4414:Yes)、押下コマンド処理を実行して(S4415)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図81(a)を参照して、押下コマンド処理(S4415)の詳細について説明する。図81(a)は、押下コマンド処理を示すフローチャートである。この押下コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した押下コマンドに対応する処理を実行するものである。
押下コマンド処理(S4415)では、まず、受信したコマンドに対応した押下表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5702)、押下表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5703)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5704)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5705)、本処理を終了する。
図73に戻り、説明を続ける。S4414の処理において、押下コマンドがないと判別されると(S4414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、書換演出関連コマンドがあるか否かを判別し(S4416)、書換演出関連コマンドがあれば(S4416:Yes)、書換演出関連コマンド処理を実行して(S4417)、S4401の処理へ戻る。
ここで、図81(b)を参照して、書換演出関連コマンド処理(S4417)の詳細について説明する。図81(a)は、書換演出関連コマンド処理を示すフローチャートである。この書換演出関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した書換演出関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
書換演出関連コマンド処理(S4415)では、まず、受信したコマンドに対応した書換演出関連表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eをクリアし(S5702)、押下表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5703)。その後、ポインタ233fを初期化し(S5704)、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5705)、本処理を終了する。
ここで、図73の説明に戻る。S4416の処理において、書換演出関連コマンドがないと判別されると(S4416:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S4418)、S4401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS4401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S4401:Yes)、再びS4402〜S4418の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S4401〜S4418の処理が繰り返し実行され、S4401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図72(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S4309)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像(図34参照)を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図74(a)参照)および停止種別コマンド処理(図74(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図74(a)参照)では、S4501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S4502の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図82〜図84を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S4303)の詳細について説明する。図82は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図82に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S6001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S6001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S6002〜S6004の処理をスキップし、S6005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S6001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S6002)、S6003〜S6004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S6003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S6003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S6003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S6004)。
ここで、図83を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図83は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S6101)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S6101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S6102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図82の説明に戻る。警告画像設定処理(S6004)の後、又は、S6003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S6003:No)、次いで、S6005の処理へ移行する。
S6005では、ポインタ更新処理を実行する(S6005)。ここで、図84を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図84は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S6201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S6201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S6202)。その結果、End情報であれば(S6202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S6203)、デモ用表示データテーブルであれば(S6203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S6205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S6203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S6203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S6206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S6202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S6202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図82に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S6006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S6006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S6007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S6008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S6008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S6008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S6009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S6009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S6013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S6014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S6015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S6015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S4304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S6015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S6009の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S6009:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S6016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S6016:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S6020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S6021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S6016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S6016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図72(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S4309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像(図示せず)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図85及び図86を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S4305)の詳細について説明する。まず、図85(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S6301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S6302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図85(b)を参照して後述する。
一方、S6301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S6303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図86を参照して後述する。
次いで、図85(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S6302)について説明する。図85(b)は、この常駐画像転送設定処理(S6302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S6401)、転送指示を送信していれば(S6401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S6402)。このS6402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6402:Yes)、S6403の処理へ移行する。また、S6401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S6401:No)、S6403の処理へ移行する。
S6403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S6403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S6403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S6404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S6403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S6405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図72(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図72(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図72(b)のS4309参照)ではなく、コマンド判定処理(図73〜図81参照)および表示設定処理(図82〜図84参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図86参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図85(a)のS6301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図86を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4305)の一処理である通常画像転送設定処理(S6303)について説明する。図95は、この通常画像転送設定処理(S6303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S4303)のポインタ更新処理(S6005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S6501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S6502)、転送データ情報であれば(S6502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S6503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S6504)、S6505の処理へ移行する。
また、S6502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S6502:No)、S6503及びS6504の処理をスキップして、S6505の処理へ移行する。S6505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S6505)、転送指示を設定していれば(S6505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S6506)。
このS6506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6506:Yes)、S6507の処理へ移行する。また、S6505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S6505:No)、S6507の処理へ移行する。
S6507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S6507)、転送開始フラグがオンであれば(S6507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S6508)、S6503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S6513の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S6507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S6509)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S6509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S6509:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S6510)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S6511)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S6512)、S6513の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S6511の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S6513の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S6513)。このS6513の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S6513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S6513:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S6513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S6513:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S6514)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6514の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S6515)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図87を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S4306)の詳細について説明する。図87は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S4304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S4305)により設定された転送指示から、図38に示す描画リストを生成する(S6601)。即ち、S6601の処理では、タスク処理(S4304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S4305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S6602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S6602の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S6603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図72(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第2実施形態>
次に、図88〜図100を参照して本パチンコ機10の第2実施形態について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、得点演出を実行すると判別した際に予め設定する内容が変更されている。上述した第1実施形態では、得点演出を実行すると判別した場合に、得点演出中に付与される得点の総数(総付与得点数)を予め設定し、得点演出中に実行される各変動表示における得点演出を設定する際に、総付与得点数を上限に付与する得点を決定し、決定した得点に対応する得点演出を実行するように構成したが、本第2実施形態では、得点演出を実行すると判別した場合に、今回の得点演出において実行するチャージ演出の回数を設定するように構成している点で相違する。
また、上述した第1実施形態では、入賞情報関連処理において得点演出を実行すると判別した場合に、次に実行される変動表示から得点演出を実行するように構成しているが、本第2実施形態では、入賞情報関連処理において得点演出を実行すると判別したタイミングが所定条件を満たしていれば(例えば、変動中の変動表示が高速変動中であれば)、当該変動に対しても得点演出を設定可能にしている点で相違している(図88参照)。その他の構成については同一であるのでその他の構成については省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
本第2実施形態では、第1実施形態に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222とRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図89(a)は、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図89(a)に示した通り、本第2実施形態では、得点演出シナリオ選択テーブル222aaと、特定演出実行選択テーブル222abと、実行タイミング選択テーブル222acとが追加されている点で上述した第1実施形態と相違している。
得点演出シナリオ選択テーブル222aaは、得点演出において特定演出が実行される回数が規定されている得点演出シナリオを決定する際に参照されるデータテーブルであって、入賞情報関連処理2(図93のS2211参照)において実行される得点演出シナリオ設定処理(図94のS2351参照)にて参照されるものである。この得点演出シナリオ選択テーブル222aaには、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、得点演出を実行し得る特別図柄の変動回数(連続演出回数)と、演出カウンタ223fが有する第1演出カウンタの値とに対応させて、複数の得点演出シナリオ(シナリオA〜C)が規定されている。
具体的には、変動種別がスペシャルリーチ当たり又はスーパーリーチ当たりであり、連続演出回数が2回の場合では、第1演出カウンタの値が「0〜9」の範囲にシナリオAが規定され、それ以外の範囲には得点演出シナリオが規定されていない。ここで規定されているシナリオAは、特定演出が2回実行される得点演出に対応するシナリオである。また、取得した第1演出カウンタの値が、得点演出シナリオが規定されていない範囲である場合には、得点演出が設定されないように構成している。
この得点演出シナリオ選択テーブル222aaは、特別図柄の大当たり期待度が高い変動種別のほうが、大当たり期待度が低い変動種別よりも多くの特定演出が実行され易くなるようにシナリオが規定されている。これにより、得点演出中に多くの特定演出が実行されるほど大当たり期待度を高めることができる。よって、遊技者に対して得点演出中に実行される演出内容を注視させることができる。
さらに、得点演出が実行され得る連続演出回数が多いほど、得点演出が実行され易くなるように構成している。これにより、得点演出が短期間(例えば、特別図柄変動2回転の期間)で終了してしまうことを抑制することができると共に、長期間(例えば、特別図柄4回転の期間)の得点演出を実行することができるため、得点演出の演出効果を高めることができる。加えて、本第2実施形態では現在変動中の特別図柄変動も所定条件が成立する場合には、得点演出の実行範囲に含ませることが可能であるため、得点演出が実行される期間をより長く設定することができる。
特定演出実行選択テーブル222abは、得点演出中に実行される変動表示(最終変動表示を除く)において特定演出を実行するか否と、特定演出の実行回数とを選択するためのデータテーブルであって、得点演出が実行されている期間中において新たな変動表示が開始される場合に参照される。この特定演出実行選択テーブル222abには、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、得点演出を実行し得る特別図柄の変動回数(連続演出回数)の残変動回数と、今回の得点演出中に実行される特定演出の残回数と、第2演出カウンタの値とに対応させて、今回の変動で実行される特定演出の回数(1回実行、2回実行)が規定されている。
具体的には、変動種別がノーマルリーチであり、得点演出が継続して設定される特別図柄変動の残変動回数が1回で、残特定演出回数が2回の場合では、第2演出カウンタの値が「0〜49」の範囲に特定演出の実行回数「1回」が規定され、それ以外の範囲には特定演出が実行されないことが規定されている。また、変動種別がノーマルリーチであり、得点演出が継続して設定される特別図柄変動の残変動回数が1回で、残特定演出回数が3回の場合では、第2演出カウンタの値が「0〜69」の範囲に特定演出の実行回数「1回」が規定され、「70〜79」の範囲には特定演出の実行回数「2回」が規定されている。
実行タイミング選択テーブル222acは、得点演出中に実行される変動表示のうち、特定演出を実行すると判定された変動表示において特定演出を実行するタイミングを選択するためのデータテーブルである。ここで、図92を参照して、実行タイミング選択テーブル222acに規定されている内容について説明をする。図92は実行タイミング選択テーブル222acに規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図92に示した通り、この実行タイミング選択テーブル222acには、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、第3演出カウンタの値(0〜99)とに対応させて、特定演出の実行タイミングが規定されている。具体的には、変動種別がノーマルリーチの場合では、第3演出カウンタの値が「0〜19」の範囲に特定演出の実行タイミングとして「第1予告期間後」が、「20〜49」の範囲には「第2予告期間後」が、「50〜89」の範囲には「リーチ中」がそれぞれ規定され、それ以外の範囲(「90〜99」)の範囲には「特定演出を実行しない」が規定されている。
変動種別がガセ外れの場合では、第3演出カウンタの値が「0〜19」の範囲に特定演出の実行タイミングとして「第1予告期間後」が規定され、それ以外の範囲(「20〜99」)の範囲には「特定演出を実行しない」が規定されている。また、変動種別が短外れの場合は第3演出カウンタの値にかかわらず「特定演出を実行しない」が規定されている。
つまり、図91を参照して説明をしたように、今回の変動表示に対応する変動種別が短外れの場合は、特定演出が実行されることが無いため、実行タイミング選択テーブル222acにおいて特定演出を実行するタイミングを設けないように構成している。なお、詳細な説明は省略するが、例えば、図91に示した通り、本実施形態では1回の変動表示において複数回(2回)の特定演出が実行される場合がある。この場合は、実行タイミング選択テーブル222acを参照して1の特定演出の実行タイミングを選択し、他の特定演出の実行タイミングが1の特定演出の実行タイミングの次に到来する実行タイミングが選択されるように構成している。これにより、複数回実行される特定演出の実行タイミングを確実に異ならせることができる。また、実行タイミング選択テーブル222acを参照して選択された1の特定演出の実行タイミングがリーチ中である場合、即ち、変動表示において次に到来する実行タイミングが存在しない場合は、変動表示が開始されてから一番最初に到来する実行タイミングが選択されるように構成している。
なお、複数回実行される特定演出の実行タイミングを選択する方法は上述した方法に限ること無く、例えば、実行される特定演出の回数分、異なるカウンタ値を用いて実行タイミング選択テーブル222acを参照して実行タイミングを選択するように構成しても良いし、1つの実行タイミングにおいて、2回分の特定演出として、通常とは異なる演出態様の特定演出を実行するように構成しても良い。さらに、同一の実行タイミングにて複数の特定演出が実行されるように実行タイミングが選択された場合に、専用の特別期間(実行タイミング選択テーブル222acを参照して選択することができない期間)にて特定演出を実行するように構成しても良い。
図89(a)は、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。図89(b)に示した通り、本第2実施形態では、演出可変フラグ223abと特定演出回数カウンタ223acとが追加されている点で上述した第1実施形態と相違している。
演出可変フラグ223abは、実行中の変動表示の一部を得点演出の演出態様に可変させるか否かを示すためのフラグであって、実行中の変動表示の一部を得点演出の演出態様に可変させると判別した場合にオンに設定される。この演出可変フラグ223abがオンに設定されることで、演出更新処理2(図99のS2112)において演出可変処理(図100のS3152)が実行され、実行中の変動表示の一部を得点演出へと書き換えるための表示用書換演出コマンドが設定される。
特定演出回数カウンタ223acは、実行される得点演出において実行される特定演出回数の値を格納するためのデータ領域であって、入賞情報関連処理2(図93のS2211)において実行される得点演出シナリオ設定処理(図94のS2351)にて設定される特定演出回数の値が格納される(図94のS2360)。この特定演出カウンタ223acに格納された値は、得点演出中に特定演出が実行される度に1減算される(図96のS3411)。
<第2実施形態における制御処理について>
次に、図93から図100を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第2実施形態では上述した第1実施形態に対して、入賞情報関連処理(図58参照)を入賞情報関連処理2(図93参照)に替えた点と、演出設定処理(図63参照)を、演出設定処理2(図95参照)に替えた点と、演出更新処理(図66参照)を演出更新処理2(図99参照)に替えた点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図93を参照して入賞情報関連処理2(S2211)の内容について説明をする。図93は入賞情報関連処理2(S2211)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理2では、上述した第1実施形態の入賞情報関連処理(図58参照)に対して得点演出を設定するための処理を異ならせた点で相違している。この入賞情報関連処理2(S2211)が実行されると、入賞情報関連処理(図58参照)と同様にS2301からS2304の処理を実行し、その後、得点演出シナリオ設定処理(S2351)を実行し、本処理を終了する。
次に、得点演出シナリオ設定処理(S2351)について、図94を参照して説明をする。図94は得点演出シナリオ設定処理(S2351)の内容を示したフローチャートである。この得点演出シナリオ設定処理(S2351)では、今回受信した入賞情報コマンドを対象に得点演出を実行するか否かの判別処理と、得点演出を継続して実行する特別図柄変動の範囲、即ち、現在実行中の特別図柄変動から得点演出を実行するか否かの判別処理と、を実行する。
得点演出シナリオ設定処理(S2351)が実行されると、特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ)223bの値を演出変動回数カウンタ223mの値に設定する(S2352)。そして、現在実行中の特別図柄変動の変動種別が短外れであるかを判別し(S2353)、短外れではないと判別した場合は(S2353:No)、現在実行中の変動が高速変動中であるかを判別する(S2354)。S2354の処理において高速変動中であると判別した場合は(S2354:Yes)、演出変動回数カウンタ223mの値に1を加算し(S2355)、演出可変フラグ223abをオンに設定する(S2356)。
つまり、現在実行中の特別図柄変動に対応する変動表示を得点演出の内容に書き換え可能な書換条件が成立しているかを判別し、書換条件が成立している場合は(実行中の変動が短外れ以外の変動種別で、且つ、高速変動中である場合は)、現在実行中の特別図柄変動に対応する変動表示を得点演出の内容に書き換え可能であると判別する処理を実行する。このように、現在実行中の変動表示を上述した書換条件が成立している場合にのみ得点演出に用いるように構成することで、得点演出を実行する期間をより長く設定することができると共に、実行中の変動表示の演出内容が急に切り替わってしまい遊技者が困惑してしまう事態が発生することを抑制することができる。
一方で、S2353の処理において、実行中の特別図柄変動の変動種別が短外れであると判別した場合(S2353:Yes)、或いは、実行中の変動が高速変動中以外であると判別した場合は(S2354:No)、S2355およびS2356の処理をスキップしてS2357の処理へ移行する。このように、S2353及びS2354の処理において上述した書換条件が成立していないと判別した場合には、現在実行中の特別図柄変動の変動表示を得点演出に使用不能であるため、演出変動回数カウンタ223mの値を加算する処理がスキップされる。
S2357の処理では、得点演出シナリオ選択テーブル222aaを読み出し(S2357)、今回の入賞情報に対応した得点演出シナリオを、得点演出シナリオ選択テーブル222aaを用いて判定し(S2358)、次いで、S2358の判定結果に基づいて得点演出を実行するかを判別する(S2359)。つまり、S2358の処理において得点演出シナリオ選択テーブル222aaを参照した際に得点演出シナリオであるシナリオA〜シナリオCが規定されていない範囲を選択したか否かを判別する。S2359の処理において得点演出を実行すると判別した場合は(S2359:Yes)、決定された得点演出シナリオに対応した特定演出回数の値を特定演出回数カウンタ223acに設定し(S2360)、今回読み出した入賞コマンドに対応する入賞情報格納エリア223aに演出対象情報を設定し(S2361)、演出禁止フラグ223jをオンに設定し(S2362)、本処理を終了する。
一方で、S2359の処理において、得点演出を実行しないと判別した場合は(S2359:No)、演出可変フラグ223abをオフに設定し(S2363)、今回の変動種別がスーパーリーチ以上(スーパーリーチ、またはスペシャルリーチ)であるかを判別する(S2364)。
S2364の処理において、スーパーリーチ以上であると判別した場合は(S2364:Yes)、上述したS2361の処理へ移行し、S2361〜S2362の処理を実行し本処理を終了する。一方、スーパーリーチ以上ではないと判別した場合は(S2364:No)、演出変動回数カウンタ223mの値をクリアし(S2365)、本処理を終了する。
ここで、S2364において実行される処理は、上述した第1実施形態の入賞情報関連処理(図58参照)において実行されるS2314の処理と同一内容であるため、詳細な説明は省略するが簡単に説明をする。本実施形態では、上述したように得点演出の設定を制限する制限条件(第1特別図柄の保留球数や演出禁止フラグ223jの設定状況)を設けている。また、制限条件が成立していない場合であっても、得点演出シナリオ選択テーブル222aaを参照した結果、得点演出を実行しないという判定結果が選択される場合がある。このような場合において、受信した入賞情報コマンドに含まれる変動種別が所定期間以上(例えば、80秒以上)であると、得点演出が実行されないロング変動に対応する入賞情報が特別図柄1保留球格納エリアに格納されることになる。
そのような状態において、次の入賞情報コマンドを受信し、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に基づいて得点演出が設定されると、設定された得点演出が実行されている最中に所定期間以上(80秒以上)の変動表示が実行されてしまい、得点演出が間延びしてしまうという問題があった。また、例えば、得点演出が設定されない入賞情報にスーパーリーチa当たりの変動種別が含まれている場合では、得点演出が実行されている最中に大当たりとなってしまい、得点演出の演出効果を低下させてしまうという問題があった。
そのような問題に対して、本実施形態では、得点演出を設定しない入賞情報であったとしても、所定条件(変動種別がスーパーリーチ以上)が成立した場合に、演出変動回数カウンタ223mの値を設定し、演出禁止フラグ223jをオンに設定する処理を実行するように構成し、所定条件(変動種別がスーパーリーチ以上)が成立している入賞情報が入賞情報格納エリア223aに格納されている間は、新たに得点演出が設定されないように構成している。これにより、得点演出の演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、変動種別がノーマルリーチ当たり、即ち、変動時間が短い大当たりの場合は、得点演出の設定を禁止しないように構成している。このように構成することで、得点演出が実行されている最中に、大当たりを発生させることができる。よって、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
次に、図95を参照して、演出設定処理2(S2704)の内容について説明をする。図95は演出設定処理2(S2704)の内容を示したフローチャートである。この演出設定処理2(S2704)では、上述した第1実施形態の演出設定処理(図63参照)に加えて、得点演出の最終変動に対応して実行する最終得点演出を設定するための処理が追加されている点で相違している。
演出設定処理2(S2704)が開始されると、まず、上述した第1実施形態の演出設定処理(図63参照)のS2801と同様にS2851の処理を実行し、演出変動回数カウンタの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S2851:No)、上述した第1実施形態の演出設定処理(図63参照)のS2804〜S2807の処理と同一のS2855〜S2858の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S2851の処理において、演出変動回数カウンタの値が0よりも大きいと判別した場合は(S2851:Yes)、次に演出変動回数カウンタ223mの値が1であるかを判別し(S2852)、1ではない、即ち、今回の変動が得点演出の最終変動ではないと判別した場合は(S2852:No)、事前得点演出設定処理(S2853)を実行し、本処理を終了する。また、S2852の処理において演出変動回数カウンタ223mの値が1であると判別した場合は(S2852:Yes)、最終得点演出設定処理(S2854)を実行し、本処理を終了する。
このように、本第2実施形態では得点演出中に実行される演出を、得点演出の最終変動以外の変動に対して設定される事前得点演出と、得点演出の最終変動に対して設定される最終得点演出とに分けて各演出態様を設定するように構成している。これにより、事前得点演出に対する演出態様の自由度を高めたとしても、最終得点演出において得点演出の最終結果を統一させることが可能となるため、得点演出の演出幅を広げることが可能となり、演出効果を高めることができる。
次に、演出設定処理2(図95のS2704)において実行される事前得点演出設定処理(S2853)の内容について図96を参照して説明をする。図96は事前得点演出設定処理(S2853)の内容を示したフローチャートである。この事前得点演出設定処理(S2853)では、得点演出のうち最終演出以外の変動に対して設定される事前得点演出の演出態様を決定する処理が実行される。
事前得点演出設定処理(S2853)が実行されると、まず、特定演出実行選択テーブル222abを用いて、今回の変動(当該変動)における特定演出実行回数を決定し(S3401)、次いで、付与得点カウンタ223pの値を読み出す(S3402)。そして、ゲージ上限得点(6点)から、現在の付与得点を減算し、差分得点を算出する(S3403)。
次に、今回の変動にて特定演出を実行するか否かを上述したS3401の判別結果に基づいて判別し(S3404)、特定演出の実行なしと判別した場合は(S3404:No)、今回の変動にて付与する得点を差分得点より少ない範囲から設定する(S3405)。つまり、特定演出を実行しないにもかかわらず、ゲージ上限得点に到達してしまう量の得点が付与されないように制限をかけた状態で付与する得点を設定する。ここでは、0点から差分得点から1減算した得点の範囲の中で、図示しない演出カウンタ(制限時得点用演出カウンタ)の取得値に基づいて得点を選択する処理が実行される。
次に、設定した得点に対応する態様の得点付与演出を伴う変動パターンを決定し(S3406)、設定した得点に対応する値を付与得点カウンタ223pの値に加算し(S3407)、演出変動回数カウンタ223mの値を1減算して(S3408)、本処理を終了する。
一方で、S3404の処理において、今回の変動で特定演出を実行すると判別した場合は(S3404:Yes)、実行タイミング選択テーブル222acに基づいて特定演出実行タイミングを設定し(S3409)、特定演出実行タイミングまでに実行される得点付与演出として、算出した差分得点に対応する態様の得点付与演出を伴う変動パターンを決定し(S3410)、特定演出回数カウンタ223acの値を更新し(S3411)する。
そして、設定した得点に対応する値を付与得点カウンタ223pの値に加算し(S3412)、上述した第1実施形態の得点付与演出設定処理(図64参照)のS2911およびS2912の処理と同一であるS3413およびS3414の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、演出設定処理2(図95のS2704)において実行される最終得点演出設定処理(S2854)の内容について図97を参照して説明をする。図97は最終得点演出設定処理(S2854)の内容を示したフローチャートである。この最終得点演出設定処理(S2854)では、得点演出のうち最終変動に対して設定される最終得点演出の演出態様を決定する処理が実行される。
最終得点演出設定処理(S2854)が実行されると、まず、今回の変動種別に対応する最終特定演出タイミングを設定する(S3501)。ここで、本第2実施形態では、特定演出の最終変動となり得る各変動種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ(図90参照))が、それぞれ予め特定演出(最終特定演出)が実行可能な所定タイミング(例えば、リーチになったタイミングや、最終図柄が停止する直前のタイミングや、リーチ演出が異なるリーチ演出に切り替わるタイミング等)が設けられるように構成しており、S3501の処理では今回の対象となる変動種別に対して設定されている最終特定演出のタイミングを設定する処理を実行する。なお、最終特定演出のタイミングは変動種別単位で異ならせても良いし、主制御装置110から送信された変動パターンコマンドに含まれる変動種別には最終特定演出を実行可能な複数のタイミングのみ設け、音声ランプ制御装置113側で最終特定演出を実行するタイミングを上述した複数のタイミングから選択し決定する処理を実行するように構成しても良い。
次に、特定演出回数カウンタ223acの値を読み出して、残特定演出回数を算出し(S3502)、算出した残特定演出回数が1であるかを判別する(S3503)、S3503の処理において残特定演出回数が1ではない(2または3である)と判別した場合は(S3503:No)、次に、付与得点カウンタ223pの値を読み出し(S3504)、読み出した付与得点カウンタ223pの値に基づいて、残特定演出回数を実行するために必要となる得点(十分得点)を算出する(S3505)。例えば、現在の付与得点カウンタの値が4で、残特定演出回数が3である場合は、そのうちの1つは最終特定演出として使用するため、残りの残特定演出回数である2に対応するように、付与得点として8〜13の範囲の中から一つの得点が算出される。つまり、今回の最終得点演出において付与される得点が8点未満の場合は、ゲージ上限量に2回到達することができず、13点よりも多い場合は、ゲージ上限量に3回到達してしまうため、残特定演出回数に対応した得点付与では無くなってしまう。よって、十分得点として「8〜13」の範囲(許容範囲)の中から一つの得点が算出される。なお、上述した許容範囲の中から十分得点として一つの得点を算出する際には、例えば、今回の得点演出の演出態様(演出変動回数や事前得点演出の内容)や、最終得点演出に対応する特別図柄変動の抽選結果(当否判定、変動種別)や、演出カウンタ223fが有する専用のカウンタの取得値に対応付けて規定されたデータテーブルを用いて選択すると良い。このように構成することで、例えば、大当たりの期待度が高い程、或いは、得点演出の演出効果が高いほど、許容範囲のうち大きい得点が選択されるように規定することができる。
次に、実行タイミング選択テーブル222acに基づいて特定演出の実行タイミングを設定し(S3506)、S3505の処理において算出した十分得点の値に対応させて付与得点カウンタ223pの値を更新し(S3507)、特定演出回数カウンタ223acの値を更新し(S3508)、最終特定演出設定処理(S3509)へ移行する。
一方、S3503の処理において1であると判別した場合は(S3503:Yes)、最終得点演出において上述した最終特定演出のみを実行する場合であるため、S3504〜S3508の処理をスキップしてS3509の処理へ移行する。ここで、図98を参照して最終特定演出設定処理(S3509)の内容を説明する。図98は最終特定演出設定処理(S3509)の内容を示したフローチャートである。この最終特定演出設定処理(S3509)では、各変動種別に対応する変動パターンに予め設定される最終特定演出の実行タイミングに合わせて得点を付与するための得点付与演出が設定される。
最終特定演出設定処理(S3509)が実行されると、まず、付与得点カウンタ223pの値を読み出し(S3601)、最終特定演出実行タイミングまでに付与する得点を算出する(S3602)。次いで、最終特定演出実行タイミングに対応する得点付与演出として、算出した得点に対応する得点付与演出を設定する(S3603)。
そして、算出した得点の値に対応させて付与得点カウンタ223pの値を更新し(S3604)、特定演出回数カウンタ223acの値を更新し(S3605)、本処理を終了する。
図97に戻り説明を続ける。S3509の処理を終えると、次いで、今回決定した変動パターンに操作得点演出が含まれているかを判別し(S3510)、含まれている場合は(S3510:Yes)、操作得点実行フラグをオンに設定し(S3511)、演出変動回数カウンタ223mの値を1減算して(S3512)、本処理を終了する。なお、上述したS3510及びS3511の処理の詳細な内容については、上述した第1実施形態の得点付与演出設定処理(図64のS2803)のS2911及びS2912の処理と同一であるためその説明を省略する。
次に、図99を参照して演出更新処理2(S2112)の内容について説明をする。図99は、演出更新処理2(S2112)の内容を示したフローチャートである。本第2実施形態における演出更新処理2(S2112)は、上述した第1実施形態における演出更新処理(図66参照)に対して、演出可変フラグ223abがオンに設定されている場合における処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
演出更新処理2(S2112)が実行されると、まず、上述した第1実施形態における演出更新処理(図66参照)と同一のS3101〜S3107の処理を実行する。S3107の処理を終えると、次に演出可変フラグ223abがオンであるかを判別し(S3151)、オンである場合は(S3151:Yes)、後述する演出可変処理(S3152)を実行し、次に演出可変フラグ223abをオフに設定し(S3153)、本処理を終了する。一方で、S3151の処理において演出可変フラグ223abがオフである場合は、S3152およびS3153の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図100を参照して、演出更新処理2(図99のS2112)において実行される演出可変処理(S3152)の内容について説明をする。図100は演出可変処理(S3152)の内容を示したフローチャートである。この演出可変処理では変動中の変動表示の演出態様の一部を得点演出に書き換える処理を実行するものである。
演出可変処理(S3152)が実行されると、まず、変動中の演出において付与する得点として1点を設定し(S3161)、次に設定した得点(1点)に対応する値に付与得点カウンタ223pの値を更新する(S3162)。そして、演出変動回数カウンタ223mの値を1減算し、表示用書換演出コマンドを設定し(S3164)、本処理を終了する。
上述したように、得点演出の範囲に、現在実行中の変動表示を加える場合には、実行中の変動表示において得点が1点付与される演出が実行される。これにより、遊技者に対して得点演出が実行されたことを即座に報知することができる。また、付与される得点を少なく(1点)設定しているため、後に実行される特定演出の各変動に対する処理に対して与える影響を少なくすることができる。
なお、本実施形態では、得点演出の範囲に実行中の変動表示を加える場合には、実行中の変動表示において得点が1点付与される得点付与演出を実行するように構成しているが、付与する得点はこれに限ることなく、例えば、特定演出が実行されない範囲(1〜5点)からランダムに設定するようにしても良い。ただし、付与する得点として0点が選択され得る範囲にしてしまうと得点演出が実行されたことを遊技者に早期に報知することができなくなるため、最低でも1点は付与されるように構成すると良い。また、今回の得点演出の対象となる入賞情報に対応する特別図柄抽選の結果に基づいて付与する得点を可変するように構成しても良い。これにより、得点演出が実行される期間中継続して当たりに対する期待感を遊技者に持たせ続けることができる。さらに、得点演出の範囲に実行中の変動表示を加える場合には、実行中の変動表示において得点を付与するのではなく、得点演出が実行される旨を報知するだけの書換演出を実行するように構成しても良い。これにより、得点演出の範囲に実行中の変動表示を加えるか否かに応じて、後の得点演出中における得点付与演出の処理を異ならせる必要が無くなるため得点演出中の処理を簡素化することができる。
<各実施形態における操作得点演出の第1操作演出例について>
次に、図101〜107を参照して、各実施形態における操作得点演出の別例について説明をする。上述した各実施形態では、得点演出中に実行される操作得点演出に対する枠ボタン22の操作態様(操作の有無)に応じて、付与する得点を可変させるように構成していた。これに対して、本第1操作演出例では、予告演出として、枠ボタン22の操作態様(操作の有無)に応じて表示態様を設定する第1予告演出と、予め定められた期間に実行される第2予告演出とを設けた点で相違している。
従来型の遊技機では、遊技の興趣を向上させるために、1回の変動表示中に大当たり当選期待度を示唆する複数の予告演出がそれぞれ独立して表示されるように構成されていた。このような遊技機では、様々な予告演出を遊技者に提供できるため、演出効果を高めるとともに遊技の興趣を向上させることが可能であるが、複数の予告演出の演出態様(表示内容)と、実行タイミングとによって、無用な予告演出を表示したり、遊技者を困惑させる予告演出を表示したりすることがあり、遊技の興趣を十分向上させるものでは無いという問題があった。
また、予告演出の中には、遊技者が操作手段(例えば、枠ボタン22)を操作することで予告演出の表示内容を遊技者に報知するものがある(以下、操作予告演出と称す)。このような予告演出を用いた遊技機では、操作手段(枠ボタン22)への操作タイミングによって、他の予告演出と実行タイミング(予告演出の表示内容を表示するタイミング)が入れ替わってしまい、何れか一方の予告演出が無用なものになる虞があった。加えて、操作予告演出の実行タイミングが他の予告演出の実行タイミングと入れ替わらないように操作予告演出のみ実行される期間を設けてしまうと、限られた演出期間(変動表示期間)内に多くの予告演出を実行することが困難となり、演出効果を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第1操作演出例では、第1予告演出に対する枠ボタン22の操作態様(操作の有無)、及び、操作タイミングに応じて、第1予告演出及び第2予告演出の演出態様(表示内容)を可変させるように構成している。このように構成することで、操作予告演出(第1予告演出)に対してどのタイミングで操作手段を操作したとしても、その操作タイミングに対応した演出態様で予告演出が実行されるため、演出効果を高めることができる。
<第1操作演出例における演出内容について>
次に、図101〜図105を参照して、本変形例における演出内容について説明をする。図101(a)は、第1予告演出と第2予告演出との表示タイミングを示したタイミングチャートであって、図101(b)は、第1予告演出の操作タイミングにおける各予告演出の予告表示内容を示した図である。
図101(a)に示した通り、本操作演出例においては、第1予告演出と第2予告演出とが重複して表示される複合予告演出を実行可能に構成している。具体的には、図102(a)に示したように、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて第1予告演出が実行され、副表示領域Dsの小表示領域Ds2にて第2予告演出が実行される。図102(a)は、複合予告演出が開始された直後の表示画面の一例を示す模式図である。
第1予告演出は、枠ボタン22を操作することを案内する操作案内表示Db1が表示された2秒後から10秒間の間を枠ボタン操作可能範囲として設定し、枠ボタン操作可能期間の残期間を示すタイムゲージDb2が続けて主表示領域Dmに表示される。この枠ボタン操作可能期間は、最初の2秒を第1期間、次の5秒を第2期間、最後の3秒を第3期間として設定しており、枠ボタン操作可能期間のうち、枠ボタン22を操作したタイミングがどの期間(第1期間〜第3期間)に該当するかを判別し、その判別結果に基づいて、複合予告演出の予告表示内容を可変可能にしている。
具体的には、図101(b)に示した通り、枠ボタン22の操作タイミングが第1期間であると判別した場合は、第1予告演出の予告表示内容として得点付与期待度を報知(示唆)する内容が表示され、第2予告演出の予告表示内容として獲得する得点が報知される。つまり、第1期間に枠ボタン22を操作した場合は、第1予告演出のほうが先に予告表示を実行するため、第1予告演出、第2予告演出の順に得点付与演出を段階的に遊技者に報知するように構成している。
次に、枠ボタン22の操作タイミングが第2期間であると判別した場合は、第1予告演出の予告表示内容として獲得する得点が報知され第2予告演出の予告表示内容として得点付与期待度を報知(示唆)する内容が表示される(図102(b)参照)。つまり、第2期間に枠ボタン22を操作した場合は、第1予告演出よりも先に第2予告演出が予告表示を実行するため、第2予告演出、第1予告演出の順に得点付与演出を段階的に遊技者に報知するように構成している。
枠ボタン22の操作タイミングが第3期間であると判別した場合は、第1予告演出の予告表示内容として第2予告演出の予告表示内容を強調した内容が表示される(図105(b)参照)。つまり、第3期間は、第2予告演出の演出期間が経過して小領域Ds2に第2予告演出が表示されていないタイミングであるため、遊技者に今回の重複予告演出の演出結果を報知するために、第2予告演出の予告表示内容(「P」の文字)を複合した強調表示(De5)が表示される。
なお、枠ボタン22の操作タイミングが第3期間であると判別した場合は、得点付与に関わる表示内容以外の報知、例えば、特別図柄の抽選結果を直接示唆する報知を実行するように構成しても良い。
一方、第1予告演出中(枠ボタン操作可能範囲内)に枠ボタン22を操作しなかった場合は、第2予告演出に対応する予告表示のみを実行し、第1予告演出に対応する予告表示を実行しないように構成している。この場合、表示画面に得点が表示されないように構成している。
なお、本変形例では、上述した複合予告演出を実行する場合の例を説明しているが、上述した第1予告演出、及び、第2予告演出は、それぞれが別々のタイミングで実行されるようにも構成されている。また、第2予告演出の待機状態(図102(a)の宝箱が閉じている状態)を長期間(例えば、30秒)継続させ、その間に実行される複数の操作演出や第3予告演出の結果に応じて、第2予告演出の予告表示タイミングを異ならせても良い。
次に図102〜図105を参照して、上述した重複フラグが実行されている際に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容について説明をする。図102(a)は、重複予告演出が実行された直後に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。図102(a)に示した通り、重複予告演出が実行されると。第1予告演出として、枠ボタン22を操作することを案内する操作案内表示Db1と、枠ボタン操作可能期間の残期間を示すタイムゲージDb2とが続けて主表示領域Dmに表示される。そして、第2予告演出として、第2予告演出の予告表示が実行されることを遊技者に報知するための事前報知表示として宝箱Dc1が副表示領域Dsの小領域Ds2に表示される。
そして枠ボタン操作可能期間の最初に設定された第1期間(2秒)が経過した状態で枠ボタン22を操作していなければ、図102(b)に示した表示画面が表示される。図102(b)は、重複予告演出のうち、第1期間中に枠ボタン22を操作しなかった場合における第2期間中に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。図102(b)に示した通り。枠ボタン22を操作していない状態であるため主表示領域Dmでは操作案内表示Db1とタイムゲージDb2とが継続して表示される。タイムゲージDb2は上述した図101(a)に比べて残期間が少ないことを示す態様で表示される。そして、副表示領域Dsの小領域Ds2で実行される第2予告演出の予告表示として得点が付与されることを示唆するP付与期待度報知として、第2予告表示De1に得点が付与されることを示す「P」の文字が表示される。
ここで、第2予告表示De1に表示されるP付与期待度報知としては、図示した「P」の文字以外にも、得点が付与される可能性があることを示す「P?」の文字や、得点が付与されることが確定し、且つ、付与される得点が大きいことを示す「超P」の文字が表示されるように構成されている。これにより、P付与期待度報知だけが表示されている状態であっても、遊技者に重複予告演出の演出結果を予測させることが可能となり、演出効果を高めることができる。なお、本操作演出例では、P付与期待度報知の報知態様として異なる文字を用いて様々な報知態様を示しているが。それ以外の構成を用いても良く、例えば、「P」の文字の色や大きさを変えて異なる意味合いのP付与期待度報知を行うように構成しても良い。
図103(a)は、重複予告演出の第1期間中(図102(a)参照)に枠ボタン22を操作した場合の表示例を示した模式図である。図103(a)に示した通り、主表示領域Dmに第1予告演出の予告表示として得点が付与されることを示唆するP付与期待度報知として、第1予告表示De2に得点が付与されることを示す「P」の文字が表示される。そして、第2予告演出が次いで実行されることを示唆する「宝箱の中身は何だろう」の文字が表示される。
図103(b)は、重複予告演出の第1期間中(図102(a)参照)に枠ボタン22を操作した場合の表示例の別例を示した模式図である。図103(b)に示した通り、主表示領域Dmに第1予告演出の予告表示として得点が付与されることを示唆するP付与期待度報知として、第1予告表示De2に大きな得点が付与されることを示す「超P」の文字が表示される。そして、第2予告演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果(大量の得点)であることを示唆する「宝箱の中身に期待してね」の文字が表示される。
図104(a)は、重複予告演出の第1期間中に枠ボタン22を操作した状態(図103(b)参照)で第2期間に到達した際の表示画面の一例を示した模式図である。図104(a)に示した通り、主表示領域Dmに第1予告演出の第1予告表示De2に「超P」の文字が表示されている状態で、副表示領域Dsの小領域Ds2にて第2予告表示De3に7点の得点をしめす「7」の文字が表示される。そして、7点の文字が表示されると貯留状況表示領域DKの表示が付与(表示)された得点に対応して更新される。
なお、図104(a)に示した第2予告演出の第2予告表示De3に替えて、図104(b)に示した第2予告表示De3を表示するように構成しても良い。図104(b)は、重複予告演出の第1期間中に枠ボタン22を操作した状態(図103(b)参照)で第2期間に到達した際の表示画面の別例を示した模式図である。図104(b)に示した別例では、第2予告演出の第2予告表示De3として大当たりに当選することを示す「V」の文字が表示され、主表示領域Dmには「おめでとう」の文字が表示される。このように、得点演出中に実行される重複予告演出において、得点を付与する予告演出以外に、対象となる特別図柄の抽選結果を直接報知する予告表示を用いることで、意外性のある演出を実行することが出来ると共に、得点演出中に付与されている得点が少ない状態でも大当たりに対する期待感を持たせることができる。
図105(a)は、重複予告演出の第2期間中に枠ボタン22を操作した場合の表示画面の一例を示した模式図である。図102(b)の状態で枠ボタン22を操作すると、図105(a)に示したように、副表示領域Dsの小領域Ds2にて第2予告表示De1に「P」の文字が表示されている状態で、主表示領域Dmに第1予告表示De4に3点を示す「3」の文字が表示される。そして、3点の文字が表示されると貯留状況表示領域DKの表示が付与(表示)された得点に対応して更新される。
図105(b)は、重複予告演出の第3期間中に枠ボタン22を操作した場合の表示画面の一例を示した模式図である。第3期間中に枠ボタン22を操作すると、図105(b)に示したように、副表示領域Dsの小領域Ds2では第2予告表示が終了しており、主表示領域Dmには第1予告演出の第1予告表示De5に得点が付与されることを示す「P」の文字(今回の重複予告演出にて第2予告演出で表示された内容)と、3点を示す「3」の文字を合成した文字が表示される。そして、3点の文字が表示されると貯留状況表示領域DKの表示が付与(表示)された得点に対応して更新される。
以上、説明をしたように、本第1操作演出例では、重複予告演出にて表示させる各予告演出にて表示させる内容(演出態様)を各予告表示の表示タイミングに合わせて可変させることで、遊技者に対して最後の予告演出が実行されるまでの間、予告演出に興味を持たせることができる。
なお、本第1操作演出例では、枠ボタン操作可能期間を示すタイムゲージDbとして残期間を遊技者に視認させるだけの構成を用いているが、例えば、枠ボタン操作可能期間のうち現在がどの期間(第1期間〜第3期間)であるのかを遊技者に報知するために、タイムゲージDb2の表示態様を可変させるように構成しても良く、例えば、第1期間中は「青色」、第2期間中は「黄色」、第3期間中は「青色」に変化するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して意図的に特定期間を狙わせる遊技を行わせることができ、遊技者の演出への参加意欲を高めることができる。
<本第1操作演出例における制御処理について>
次に、図106及び図107を参照して、本第1操作演出例における制御内容について説明をする。本第1操作演出例では、上述した各実施形態に対して、枠ボタン入力監視・演出処理(図65参照)の内容を枠ボタン入力監視・演出処理3(図106参照)に変更して点で相違している。
ここで、図106を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理3(S2107)の内容について説明をする。図106は枠ボタン入力監視・演出処理3(S2107)の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理3(S2107)では、上述した枠ボタン入力監視・演出処理(図65参照)に対して、得点操作演出期間中に枠ボタン22を押下した場合において各予告演出の態様を設定する予告態様設定処理(S3051参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。同一の要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
枠ボタン入力監視・演出処理3(S2107)が実行されると、上述した枠ボタン入力監視・演出処理(図65参照)と同一のS3001〜S3003の処理が実行され、その後に、予告態様設定処理(S3051)を実行する。この予告態様設定処理(S3051)を終えると、上述した枠ボタン入力監視・演出処理(図65参照)と同一のS3004の処理を実行し、本処理を終了する。また、S3002の処理において得点操作演出期間中では無いと判別した場合(S3002:No)も、上述した枠ボタン入力監視・演出処理(図65参照)と同一のS3005の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図107を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理3(S2107)において実行される予告態様設定処理(S3051)の内容について説明をする。図107は予告態様設定処理(S3051)の内容を示したフローチャートである。この予告態様設定処理(S3051)では、枠ボタン22を押下したタイミングに応じて第1予告演出の演出態様と第2予告演出の演出態様とを設定する処理が実行される。
予告態様設定処理(S3051)が実行されるとまず、枠ボタン22の押下タイミングが第1期間(図101参照)であるかを判別する(S3052)。ここで、枠ボタン22の押下を有効に判別する得点操作演出期間(枠ボタン操作可能期間)が設定されると、その経過時間が図示しない計時カウンタによって計時される。そして、枠ボタン22が押下されたと判別したタイミングにおける計時カウンタの値に基づいてそのタイミングが第1期間、第2期間、第3期間のいずれかであるかを判別するように構成している。
S3052の処理において、押下タイミングが第1期間であると判別した場合は(S3052:Yes)、次に、第1予告表示態様として得点付与期待度報知態様を設定し(S3053)、第2予告表示態様として付与得点報知態様を設定する(S3054)。そして、設定した態様に対応した表示用予告コマンドを設定し(S3055)、本処理を終了する。つまり、図101(b)を参照して上述したように、枠ボタン22の操作タイミングが第1期間である場合には、先に実行(表示)される第1予告演出にて得点付与されることを示す表示態様が表示され(図103(a)参照)、その後、第2予告演出が実行されるタイミングで付与される得点数を示す表示態様が表示される(図104(b)参照)。このように、得点を付与する1つの演出に対して、複数の予告演出を実行可能に構成し、各予告演出の実行タイミングに応じて対象となる演出の演出結果を徐々に示唆報知することで、遊技者に演出結果を予測させながら、或いは、演出結果が遊技者に有利な結果であることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本第1操作演出例では、先に実行される予告演出に対して、得点が付与されることを示す表示態様を表示し、後に実行される予告演出に対して、付与される得点数を示す表示態様を表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、先に実行される予告演出に対して、付与され得る得点数を示す表示態様を表示し、後に実行される予告演出に対して、得点が付与されるか否かを示す表示態様を表示するように構成しても良い。このように構成することで、先に実行される予告演出にて表示された付与され得る得点数を把握することで、実際に得点が付与された場合における演出の進展を遊技者に予測させることができ、遊技者に期待感を持たせながら予告演出を実行することができる。
図107に戻り説明を続ける。S3052の処理において、押下タイミングが第1期間では無いと判別した場合は(S3052:No)、次に、押下タイミングが第2期間であるかを判別し(S3056)、第2期間である場合は(S3056:Yes)、第1予告表示態様として付与得点報知態様を設定し(S3057)、上述したS3055の処理を実行して本処理を終了する。
つまり、押下タイミングが第2期間である場合には、既に第2予告演出が予め設定されていた得点付与期待度報知態様で報知されている状態(図102(b)参照)であるため、第1予告演出の表示態様として、付与される得点数を示す付与得点報知態様が設定され、表示される(図105(a)参照)。
一方、S3056の処理において押下タイミングが第2期間では無いと判別した場合は(S3056;No)、押下タイミングが第3期間であるため、第1予告表示態様として第2予告表示の内容に対応した演出態様(図105(b)参照)を設定し、上述したS3055の処理を実行して本処理を終了する。つまり、押下タイミングが第3期間の場合、即ち、第2予告演出が終了した後のタイミングである場合は、付与得点報知態様(付与される得点数のみを示す表示態様)を表示したとしても、第2予告演出の表示態様(得点が付与されることを示す表示態様(図102(b)参照))が既に消えているため、その値の対象を遊技者が把握することが困難となる。
よって、図105(b)に示した通り、得点が付与されることを示す表示態様と、付与される得点数を示す表示態様とを組み合わせた表示態様を表示するように構成することで、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。なお、枠ボタン操作可能期間内に枠ボタン22が押下されない場合は、予告態様設定処理(図107のS3051)が実行されないため、第1予告演出による表示態様が設定されず、予告演出全体として中途半端な演出が実行されることになる。よって、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<第3実施形態>
次に、図108〜図118を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態および第2実施形態では、得点演出の何れの変動表示中にも付与された得点が所定量(例えば、6)に到達すると、特定演出が実行されるように構成していた。これに対して、本第3実施形態では、特定演出を得点演出の最終変動、つまり、得点演出を実行すると判別した起因となった入賞情報コマンドに対応する変動表示中にのみ特定演出を実行するように構成し、それまでの得点演出が実行される変動表示では、特定演出が実行される回数を確保するためのストック演出を実行するように構成した点で相違する。
このように構成することで、得点演出を最後まで楽しませることができると共に、最終変動以外の変動表示において特定演出を実行する設定を行う必要が無くなるため、変動表示の設定処理を容易に実行することができる。
<第3実施形態における得点演出について>
次に、図108及び図109を参照して、第3実施形態のパチンコ機10において実行される得点演出について説明をする。図108(a)は、得点演出中(最終変動前)の表示画面の一例を模式的に示した模式図である。図108(a)によれば、上述した各実施形態の得点演出と同様の演出が実行されると共に、主表示領域に、獲得したチャージ量をストック表示するストック表示領域Db2が形成されている。
このストック表示領域Db2は、現在獲得しているチャージ量を示すための獲得済チャージ量表示領域Db2aと、今回の得点演出において獲得可能な最大チャージ量表示領域D2b2を有しており、図108(a)では、最大チャージ量表示領域D2b2に「3」が、獲得済チャージ量表示領域Db2aに「0」が表示されている。
また、貯留状況表示領域DKには、ゲージの値を示す数値のみが表示されており、主表示領域Dmの上方に現在が得点演出中であることを示す得点演出表示態様Db1として「チャージゾーン」のコメントが表示されている。この図108(a)では、得点演出の最終変動に対応する保留図柄を遊技者に報知するために、第2保留図柄Dscの表示態様を他の保留図柄と識別可能な表示態様で表示している。
そして、得点演出にて付与された得点が所定量(6)に到達すると、図108(b)に示した通り、ストック表示領域Db2の獲得済チャージ量表示領域Db2aに「1」が表示される。得点演出の最終変動の前変動が停止すると、図109に示した通り、主表示領域Dmに「チャージゾーン終了」のコメントが表示されると共に、小領域Ds2において、次の変動で特定演出が実行されることを示唆するための事前コマンドが表示される。
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態の得点演出の最終変動においても、上述した各実施形態と同様に得点を付与する得点付与演出を実行可能に構成している。そして、最終変動前(図109に示した状態に到達するまで)に獲得したチャージ量と、最終変動にて獲得するチャージ量とを合算した回数分、最終変動において特定演出が実行されるよに構成している。
このように構成することで、得点演出の最終変動に到達するまでに獲得したチャージ量(ストック数)が少ない場合であっても、最終変動にて多くのチャージ量を獲得することに期待することができる。また、最終変動に対応する大当たり抽選結果と、得点演出の最終変動に到達するまでに獲得したチャージ量(ストック数)とによって、最終変動で実行されるリーチ演出の大当たり期待度を異ならせるように構成してあるため、獲得したチャージ量が少ない場合においても、最終変動のリーチ演出によっては、大当たりに期待度を高めることができる。よって、得点演出を最後まで楽しませることができる。
なお、上述した構成を用いる場合において、最終変動で実行されるリーチ演出を事前に遊技者に報知(示唆)するように構成しても良い。このように構成することで、得点演出中に必要以上にチャージ量を獲得して欲しくないといった意外性のある遊技性を遊技者に提供することができる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図110を参照して、第3実施形態における電気的構成について説明する。本第3実施形態では、第2実施形態に対して、音声ランプ制御装置113のMPU201のROM222及びRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図110は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU201のROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第3実施形態では、第2実施形態におけるROM222(図30(a)参照)に対して、通常変動パターン選択テーブル222ba、特定変動パターン選択テーブル222bb、回数選択テーブル222bc、実行タイミング選択テーブル222bd、当たり用表示得点選択テーブル222be、外れ用表示得点選択テーブル222bfを追加している。その他の構成については、第2実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
通常変動パターン選択テーブル222baは、得点演出の最終変動以外における変動パターンを選択するためのデータテーブルであって、その内容は上述した第1実施形態の変動パターンテーブル222aと同一であるため、その詳細な説明を省略する。
特定変動パターン選択テーブル222bbは、得点演出の最終変動における変動パターンを選択するためのデータテーブルであって、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、今回の得点演出において設定された特定演出回数(特定回数)と、既に獲得したチャージ量と、に対応して様々な変動パターンが規定されている。
ここで、特定変動パターン選択テーブル222bbについて、図111を参照して、説明をする。図111は特定変動パターン選択テーブル222bbの内容を模式的に示した模式図である。この特定変動パターン選択テーブル222bでは、得点演出の最終変動の変動パターンとして、設定されている特定演出回数を実行可能な演出態様および、最終変動で獲得しなければならないチャージ量、即ち、特定演出回数から報知済回数カウンタ223bbの値を減算した値を獲得するための得点付与演出態様を設定可能な変動パターンが選択されるように規定されている。
図111を参照して、得点演出の最終変動の変動パターンの選択について説明する。特定変動パターン選択テーブル222bb(図111)では、主制御装置110により決定される変動パターン種別(変動パターンコマンドによって通知される変動種別)に対して、後述する回数選択テーブル222bcに基づいて決定される特定演出回数(回数格納エリア223baに格納されている回数情報(回数データ))によって、現在の報知済み回数カウンタ223bbの値に対応して各特定変動パターン(連続予告演出の最終変動の変動パターン)がそれぞれ設定されている。
なお、得点演出が実行される場合には、特定変動パターン選択テーブル222bbに設定されている変動パターン(ノーマルリーチ当たり、スーパーリーチa〜c(当たりおよび外れ)、スペシャルリーチ(当たりのみに設定されている変動パターン))が選択されるのみの場合に限られており、その他の変動パターンでは、得点演出が実行されない構成となっているので、特定変動パターン選択テーブル222bbには、その他の変動パターン(ノーマルリーチ外れ等)が設定されていない。
次に、具体的に特定変動パターンの選択方法について説明する。後述する音声ランプ制御装置113のMPU222により実行される最終得点演出設定処理2(S2854:図118参照)におけるS3553により回数格納エリア223baに格納されている値(特定演出回数に相当)、報知済回数カウンタ223bb、変動パターンコマンドにより通知されている変動パターン種別に基づいて特定変動パターン選択テーブル222bb(図111)より特定変動パターンが選択される。
図111に示すように、変動パターンコマンドにより通知されている変動パターン種別がノーマルリーチ当たりである場合には、変動パターン選択テーブル222aで設定されているノーマルリーチ当たりと同様の変動態様で構成されているノーマルの特定変動パターン(報知済回数カウンタ223bbが0である場合に選択)と、チャージ量のストック演出(以下、ストック演出)が変動中に1回実行されるノーマルリーチ当たりの変動態様(第3図柄の変動態様については、変動パターン選択テーブル222aで設定されているノーマルリーチ当たりの変動態様と同様)であるノーマルAの特定変動パターンが設定されている。
また、スーパーリーチaの変動パターン種別である場合には、ストック演出が実行されないSPA1、ストック演出が1回実行されるSPA2、ストック演出が2回実行されるSPA3、の特定変動パターンが設定されている。なお、SPA1〜SPA3の特定変動パターンとしては、ストック演出が実行される回数(0回も含む)が異なるのみであり、主な変動態様としては、通常時に選択されるスーパーリーチaの変動パターン(通常変動パターン選択テーブル222baにより選択される変動パターン)と同様の変動態様が設定される。
ここで、図111に示すように、スーパーリーチaである場合には、SPA1の特定変動パターンは、特定演出回数(回数格納エリア223baの値)と報知済回数カウンタ223bbとの各値(回数格納エリア223baの値,報知済回数カウンタ223bbの値)が(0,0),(1,1),(2,2)のいずれかとなる場合に選択されるように設定されている。同様に、SPA2の特定変動パターンは、(1,0),(2,1)のいずれかである場合に選択され、SPA3の変動パターンは、(2,0)である場合に選択されるように設定されている。
また、スーパーリーチbの変動パターン種別である場合には、ストック演出が実行されないSPB1、ストック演出が1回実行されるSPB2、ストック演出が2回実行されるSPB3、ストック演出が3回実行されるSPB4の特定変動パターンが設定されている。なお、SPB1〜SPB4の特定変動パターンとしては、ストック演出が実行される回数(0回も含む)が異なるのみであり、主な変動態様としては、通常時に選択されるスーパーリーチbの変動パターン(通常変動パターン選択テーブル222baにより選択される変動パターン)と同様の変動態様が設定される。
ここで、図111に示すように、スーパーリーチbである場合には、SPB1の特定変動パターンは、特定演出回数(回数格納エリア223baの値)と報知済回数カウンタ223bbとの各値(回数格納エリア223baの値,報知済回数カウンタ223bbの値)が(0,0),(1,1),(2,2),(3,3)のいずれかとなる場合に選択されるように設定されている。同様に、SPB2の特定変動パターンは、(1,0),(2,1),(3,2)のいずれかである場合に選択され、SPB3の変動パターンは、(2,0),(3,1)のいずれかである場合に選択され、SPB4の変動パターンは、(3,0)である場合に選択されるように設定されている。
また、スーパーリーチcの変動パターン種別である場合には、ストック演出が実行されないSPC1、ストック演出が1回実行されるSPC2、ストック演出が2回実行されるSPC3、ストック演出が3回実行されるSPC4の特定変動パターンが設定されている。なお、SPB1〜SPB4の特定変動パターンとしては、ストック演出が実行される回数(0回も含む)が異なるのみであり、主な変動態様としては、通常時に選択されるスーパーリーチcの変動パターン(通常変動パターン選択テーブル222baにより選択される変動パターン)と同様の変動態様が設定される。なお、設定されている特定演出回数(回数格納エリア223baの値)と報知済回数カウンタ223bbとの各値については、スーパーリーチbの場合と同様であり、その説明は省略する。
また、スペシャルリーチの変動パターン種別である場合には、ストック演出が実行されないSSP1、ストック演出が1回実行されるSSP2、ストック演出が2回実行されるSSP3、ストック演出が3回実行されるSSP4の特定変動パターンが設定されている。なお、SSP1〜SSP4の特定変動パターンとしては、ストック演出が実行される回数(0回も含む)が異なるのみであり、主な変動態様としては、通常時に選択されるスペシャルリーチの変動パターン(通常変動パターン選択テーブル222baにより選択される変動パターン)と同様の変動態様が設定される。なお、設定されている特定演出回数(回数格納エリア223baの値)と報知済回数カウンタ223bbとの各値については、スーパーリーチBの場合と同様であり、その説明は省略する。
なお、図111より明らかなように、スーパーリーチの種別により特定演出が実行される回数の上限は異なるように構成されており、表示されるストック演出の上限回数により実行されるスーパーリーチの種別を予測させ易くでき、ストック演出に対する遊技者の香味を増大させて、遊技の興趣を向上できる。
回数選択テーブル222bcは、得点演出を実行すると判別した際に、今回の得点演出の最終変動で実行される特定演出の回数を選択するためのデータテーブルであって、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、現在の保留球数と、変動抽選カウンタ223bcの値とに対応して、特定演出回数の値が0〜3の範囲で規定されている。
ここで、図112を参照して、回数選択テーブル222bcの内容について説明をする。図112は回数選択テーブル222bcの内容を模式的に示した模式図である。回数選択テーブル222bcは、後述する音声ランプ制御装置113のMPU222が実行する得点演出シナリオ設定処理2(S2351:図116参照)におけるS2371の処理で参照されて、特定演出回数(ストック演出が実行される回数(即ち、最終変動で実行される特定演出の回数))が決定される。具体的には、図117に示すように回数選択テーブル222bcでは、各変動パターン種別(ノーマルリーチ当たり、スーパーリーチA〜C(当たりおよび外れ、スペシャルリーチ(当たりのみ))のそれぞれに対して、保留球に対応して変動抽選カウンタ223bcの判定値が設定されている。
ノーマルリーチ当たりの変動パターン種別が変動パターンコマンドにより通知されている場合には、保留球数が2個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として「0〜9」である場合には、0回の特定演出回数が選択される。保留球数が3個または4個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として、「0〜4」に対して特定演出回数0回、「5〜9」に対して特定演出1回が設定されている。なお、設定されている判定値以外の値が変動抽選カウンタ223bcの値である場合には、特定演出(得点演出)が実行されないように構成されている。
スーパーリーチaの変動パターン種別が変動パターンコマンドにより通知されている場合には、保留球数が2個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として「0〜9」に対して、0回の特定演出回数、「10〜29」に対して1回の特定演出回数、「30〜39」に対して、2回の特定演出回数がそれぞれ設定されている。保留球数が3個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として、「0〜29」に対して特定演出回数0回、「30〜39」に対して特定演出2回が設定されている。保留球数が4個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として、「0〜19」に対して特定演出回数0回、「20〜29」に対して特定演出1回、「30〜49」に対して特定演出2回が設定されている。このようにスーパーリーチaである場合には、最大で2回の特定演出の回数が選択可能に構成されており、後述するスーパーリーチb〜c、スペシャルリーチよりも少なく設定されている。また、保留球数が多いほど、特定演出回数の多い値が選択される確率が高く設定されている。これにより、保留球を多いほど特定演出の回数が多くなりやすので、保留球を遊技者が貯める意欲を増大させることができる。なお、設定されている判定値以外の値が変動抽選カウンタ223bcの値である場合には、特定演出(得点演出)が実行されないように構成されている。
スーパーリーチbの変動パターン種別が変動パターンコマンドにより通知されている場合には、保留球数が2個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として「0〜9」に対して0回の特定演出回数、「10〜35」に対して1回の特定演出回数、「36〜39」に対して2回の特定演出回数、「40〜49」に対して3回の特定演出回数がそれぞれ設定されている。保留球数が3個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として、「0〜5」に対して特定演出回数0回、「6〜24」に対して特定演出1回、「25〜39」に対して特定演出2回、「40〜59」に対して特定演出3回が設定されている。保留球数が4個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として、「0〜19」に対して特定演出回数0回、「20〜29」に対して特定演出1回、「30〜39」に対して特定演出2回、「40〜69」に対して特定演出3回が設定されている。このようにスーパーリーチbである場合には、保留球数が多いほど、特定演出回数の多い値が選択される確率が高く設定されている。これにより、保留球を多いほど特定演出の回数が多くなりやすので、保留球を遊技者が貯める意欲を増大させることができる。なお、設定されている判定値以外の値が変動抽選カウンタ223bcの値である場合には、特定演出(得点演出)が実行されないように構成されている。
スーパーリーチcの変動パターン種別が変動パターンコマンドにより通知されている場合には、保留球数が2個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として「0〜9」に対して0回の特定演出回数、「10〜35」に対して1回の特定演出回数、「36〜39」に対して2回の特定演出回数、「40〜49」に対して3回の特定演出回数がそれぞれ設定されている。保留球数が3個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として、「0〜5」に対して特定演出回数0回、「6〜24」に対して特定演出1回、「25〜39」に対して特定演出2回、「40〜49」に対して特定演出3回が設定されている。保留球数が4個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として、「0〜19」に対して特定演出回数0回、「20〜29」に対して特定演出1回、「30〜39」に対して特定演出2回、「40〜69」に対して特定演出3回が設定されている。このようにスーパーリーチbである場合には、保留球数が多いほど、特定演出回数の多い値が選択される確率が高く設定されている。これにより、保留球を多いほど特定演出の回数が多くなりやすので、保留球を遊技者が貯める意欲を増大させることができる。なお、設定されている判定値以外の値が変動抽選カウンタ223bcの値である場合には、特定演出(得点演出)が実行されないように構成されている。
スペシャルリーチの変動パターン種別が変動パターンコマンドにより通知されている場合には、保留球数が2個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として「0〜14」に対して3回の特定演出回数が設定されている。保留球数が3個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として、「0〜39」に対して特定演出回数0回、「40〜49」に対して特定演出1回が設定されている。保留球数が4個である場合には、変動抽選カウンタ223bcの判定値として、「0〜39」に対して特定演出回数0回、「40〜49」に対して特定演出3回が設定されている。このようにスペシャルリーチである場合には、他の変動パターンよりも保留球が2個である場合には、最大の3回の特定演出回数のみが選択可能に構成されているので、特定演出回数として3回が報知されることで、大当たりである場合に選択される確率が高いスペシャルリーチが最終変動で実行されるのではと期待させることができる。
実行タイミング選択テーブル222bdは、最終変動において特定演出を実行するための各種演出データ(予告データ)を選択するためのデータテーブルであって、特定変動パターン選択テーブル222bbにより選択された変動パターン種別と、その変動パターン種別に設定されている特定回数とに基づいて、特定演出を実行するタイミングを選択するためのものである(図113参照)。なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113が設定する変動パターンを複数のブロックで形成している。具体的には、変動種別がスーパーリーチa(変動時間が80秒)の場合であれば、第1予告期間(20秒)、第2予告期間(20秒)、第1リーチ期間(20秒)、第2リーチ期間(20秒)と、4つのブロックに構成している。
そして、各ブロックの境目は特定演出が実行可能となるように演出データが設定されており、その複数の特定演出実行可能期間のうち、実行タイミング選択テーブル222bdにより選択された期間で特定演出が実行されるように選択された変動パターンに対応する演出データを設定する。なお、特定演出を実行するタイミングは上述した構成に限ること無く、適宜設定しても良い。また、特定演出を実行する回数、及び、タイミングを先に決定し、その決定した内容に対応した変動パターンを選択するように構成しても良い。
ここで、各変動パターンにおいて設定される特定演出の内容について説明をする。例えば、第1予告期間終了後に実行される特定演出は、枠ボタン23を操作させる操作案内表示が第3図柄表示装置81に表示され、枠ボタン23を所定期間内(例えば3秒)に操作することで、第2予告期間中に実行される予告演出へと画面が切り替わる特定演出が実行される。この特定演出が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面に第2予告期間中に実行される予告演出の演出態様を示唆する示唆コメントが表示される。この示唆コメントは当該変動の特別図柄の当否判定結果に応じて異なる表示態様が設定されるように構成される。
これにより、特定演出を実行させることで当該変動の当否判定結果を予測することが可能となるため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。なお、当該期間における特定演出の演出態様はこれに限ること無く、例えば、当該期間における特定演出をストック演出として用いても良い。
また、第2予告期間終了後に実行される特定演出としては、枠ボタン23を操作させる操作案内表示が第3図柄表示装置81に表示され、枠ボタン23を所定期間内(例えば3秒)に操作することで、第2予告期間が繰り返し実行されることを示す特定演出や、リーチ演出が実行されることを示す特定演出が実行される。リーチ期間中に実行される特定演出としては、上述した各特定演出と同様に、枠ボタン23を操作させるための表示が実行され、枠ボタン23を操作することで、当該変動の当否判定結果を示唆するコメント表示が実行される。
また、各ブロックで実行可能な演出データは、当該変動で付与すべき得点数に応じて設定されるように構成されており、特定演出が実行されるタイミングよりも前の期間で必ずストック演出が実行されるように構成している。これにより、チャージされた回数に応じて適切に特定演出を実行することができ、遊技者に違和感を与えることが無い。
当たり用表示得点選択テーブル222beは、得点演出中の各変動表示にて付与する得点を選択するためのデータテーブルであって、得点演出の最終変動が大当たりに当選する場合に参照されるものである(図114参照)。
後述する音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する得点演出シナリオ設定処理2(S2351:図116参照)におけるS2374の処理により回数選択テーブル222bcにより決定された特定演出回数により総付与得点(特定演出回数を6倍した値)が算出されて、その算出された値が総付与得点格納エリア223oに格納されている。この総付与得点格納エリア223oに格納されている値と、現在獲得している得点の値が格納される付与得点カウンタ223pの値とから獲得できる残得点が算出(判別)されて、その残回数と、最終変動を含む残りの変動回数とに基づいて、当たり用表示得点選択テーブル222beより得点が選択される。なお、図114には、残得点(表示可能残得点で示した値)と残変動回数に対してそれぞれ獲得可能な得点の値が設定されている。具体的には、残得点が「18」であり、残変動回数が2回である場合には、「0〜1」の範囲の値が設定されており、その範囲の値が取得した演出カウンタ223fの値に基づいて選択される。このように、図114に示されている得点の範囲が、残得点と残変動回数によって選択され、演出カウンタ223fの値によって、選択された値の範囲から1の値が選択されるように構成されている。このように構成することで、よりランダムに得点を選択することができ、得点演出に対して新鮮味を与えることができる。
外れ用表示得点選択テーブル222bfは、得点演出中の各変動表示にて付与する得点を選択するためのデータテーブルであって、得点演出の最終変動が外れである場合に参照されるものである(図115参照)。なお、既に上述した当たり用表示得点選択テーブル222beと得点の選択方法は同様であり、設定されている各得点範囲が異なるのみであるので、その詳細な説明は省略する。図114〜図115に示したように、抽選結果が大当たりである場合のほうが、高い得点が選択される確率が高く設定されており、得点演出で高い得点が選択されることで、遊技者に最終変動で大当たりとなる期待度を高く設定するように構成されている。
このように、得点演出の最終変動に対応する特別図柄の抽選結果に基づいて、得点演出中に付与する得点を可変することで、得点演出が開始されてから最終変動が実行されるまでの期間においても、演出の進捗状況に興味を持たせることができる。
次に、図110(b)を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。本第3実施形態では、上述した第2実施形態に対して、回数格納エリア223ba、報知済回数カウンタ223bbを追加している。その他の構成については、第2実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
回数格納エリア223baは、回数選択テーブル222bcにおいて選択された得点演出回数を格納するためのエリアである。ここに格納された値は、得点演出の各変動表示に対応する変動パターンを設定する場合に参照される。また、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるストック表示領域Db2の最大チャージ量表示領域Db2b値として表示する際にも参照される。なお、最大チャージ量表示領域D2b2に表示する値は、回数格納エリア223baに格納した値でも良いし、回数格納エリア223baに格納可能な最大値を用いても良い。
例えば、回数格納エリア223baに格納した値を用いた場合であれば、得点演出のどの変動でチャージ量を獲得するかに応じて、大当たり期待度を可変するように構成すれば良い。これにより、大当たり期待度を複雑に表現することができ、演出効果を高めることができる。また、回数格納エリア223baに格納可能な最大値(本実施形態であれば3)を用いた場合であれば、今回の得点演出にて獲得できるか否かは不明である最大値を表示するため、今回の得点演出の大当たり期待度を相対的に判別することができ、遊技者に予測する楽しみを提供することができる。なお、上述した2つの値を共にストック表示領域Db2に表示するように構成しても良い。
報知済回数カウンタ223bbは、得点演出中に既に報知されたストック数を記憶するためのカウンタであって、第3図柄表示装置81のストック表示領域Db2の獲得済チャージ量表示領域Db2aに表示される値と同一の値が計測される。このカウンタの値は、得点演出の残変動に対する変動表示の演出を設定する際に参照される。
変動抽選カウンタ223bcは、上述した演出カウンタ223fと同様に定期的に値が更新されるループカウンタであって、回数選択テーブル222bcを用いて特定演出回数を選択する際に、その値が取得される。
<第3実施形態における制御処理について>
次に、図116〜図118を参照して、本第3実施形態における制御処理について説明する。本第3実施形態では、上述した各実施形態に対して、得点演出を実行すると判別した場合に、得点演出の最終変動にて実行する特定演出の実行回数を設定する点で相違している(図116参照)。そして、得点演出中の変動表示設定処理において、表示する得点を決定し、決定した得点を蓄積した値が所定量に到達した場合(周回値を超えた場合)に、チャージ量をストックする演出を設定する点で相違している(図117参照)。また、得点演出において、最終変動以外の変動では特定演出を設定しないように構成した点で相違している(図117参照)。最後に、得点演出の最終変動において設定される変動パターンに対して、チャージ量を獲得する回数と、特定演出を実行する回数と、に基づいて変動パターンを設定する処理と、特定演出を実行するタイミングを設定する処理を有する点で相違している(図118参照)。
まず、図116を参照して得点演出シナリオ設定処理2(S2351)の内容について説明をする。図116は得点演出シナリオ設定処理2(S2351)の内容を示したフローチャートである。得点演出シナリオ設定処理2(S2351)が実行されると、上述した得点演出シナリオ設定処理(図94参照)と同一のS2352〜S2356の処理を実行し、S2356の処理を終えると、回数選択テーブル222bcを読み出し(S2371)、今回の入賞情報に対応した特定演出回数を、回数選択テーブル222bcを用いて判定する(S2372)。ここで参照される回数選択テーブル222bcは、図112を参照して説明をしたように、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、現在の保留球数と、変動抽選カウンタの値とに対応して、特定演出回数の値が0〜3の範囲で規定されている。
ここで、変動種別がノーマルリーチ当たりで保留球数が3又は4の場合は、特定演出回数が0回または1回実行される得点演出が選択される。或いは、得点演出が実行されないパターンが選択される。例えば、変動抽選カウンタ223bcの値が「0〜4」の範囲であれば、特定演出回数が0回の得点演出が選択される。この特定演出回数が0回の得点演出とは、得点演出中に付与される得点が所定数(6点)に到達せず、特定演出が実行されることがない得点演出である。このように、特定演出が1回も実行されない得点演出を設定可能に構成することで、得点演出が実行される機会を増加させながらも、得点演出中に実行される特定演出の期待度が低下してしまうことを抑制することができる。
また、変動種別がノーマルリーチ当たりの場合は、選択され得る特定演出回数の最大値が1回となるように規定されている。これは、特定演出が実行される最終得点演出の演出期間が30秒であり、他の変動種別(スーパーリーチ、スペシャルリーチ)に対して短いためである。このように、特定演出が実行される最終得点演出の演出期間に対応して予め実行される特定演出回数を規定することで、遊技者に違和感を与える演出が実行されることを抑制することができる。
さらに、本実施形態の回数選択テーブル222bcでは、保留球数が多いほど(得点演出の対象期間が長い程)多くの特定演出が実行され易くなるように規定されている。これにより、事前得点演出が実行される期間の長さに応じて、得点付与演出にて付与される得点数を増加するように遊技者に思わせることができるため、遊技者に対して保留球数が多い状態を継続させようと積極的に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態の回数選択テーブル222bcでは、ノーマルリーチ以外の変動種別において、当否判定結果に関わらず特定演出回数を選択するように規定されている。これにより、得点演出中に付与される得点数(事前得点演出中に獲得したストック数)によって、最終得点演出の演出結果(最終得点演出に対応する特別図柄の抽選結果)が遊技者に事前に察知されてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、上述した通り当否判定結果に関わらず特定演出回数を選択するように規定しているが、これに限ること無く、当否判定結果に応じて特定演出回数を選択するように規定しても良い。この場合、例えば、保留球数が所定数(例えば、3個)の場合において選択される特定演出回数を当否判定結果によって異ならせるように構成すると良い。具体的には、変動種別がスーパーリーチBで、保留球3個の場合において、当否判定結果が当たりの場合には、特定演出回数として3回を設定可能とし、当否判定結果が外れの場合には、特定演出回数として3回を設定不可能に構成すると良い。
このように構成することで、得点演出が実行された場合における保留球数と、特定演出が実行される回数とを把握することで、今回の得点演出の演出結果を予測させることができる。よって、演出効果を高めることができる。
さらに、本実施形態の回数選択テーブル222bcは、変動種別が、大当たり期待度が最も高い変動種別であるスペシャルリーチで、保留球数が2個の場合には特定演出回数が3回となる得点演出のみ実行可能に構成している。そして、保留球数が2個の場合に特定演出回数が3回となる割合は、スペシャルリーチの変動種別が最も高くなるように構成している。これにより、遊技者に意外性のある得点演出が実行された場合に大当たり期待度を高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、大当たり期待度が最も高い変動種別であるスペシャルリーチで、保留球数が3又は4個の場合には特定演出回数が0回となる得点演出が他の変動種別よりも選択され易くなるように構成している。これにより、特定演出回数が0回の得点演出であっても、最終得点演出の内容によって大当たりに期待を持たせることができるため、遊技者に対して得点演出を最後まで飽きること無く注視させることができる。
図116に戻り説明を続ける。S2372の処理を終えると、次いで、得点演出を実行するかを判別し(S2359)、実行すると判別した場合は(S2359:Yes)、即ち、S2372の処理において、回数選択テーブル222bcの特定演出回数0〜3回が規定されている変動抽選カウンタ223bcの値を取得した場合には、決定した特定演出回数の値を回数格納エリア223baに設定し(S2373)、決定した特定演出回数の値に対応する範囲で、総付与得点を決定し総付与得点格納エリア223oに格納する(S2374)。
ここで、決定した特定演出回数の値に対応する範囲とは、例えば、決定した得点演出回数の値が0回の場合は総付与得点の範囲として「0〜5」が、1回の場合は「6〜11」が、2回の場合は「12〜17」が、3回の場合は「18」が総付与得点の範囲として定められている。そして、決定された特定演出回数に対応した総付与得点の範囲の中から、演出カウンタ223fが有する所定の抽選カウンタの値を取得し、1つの得点を今回の得点演出の総付与得点として決定する。S2374の処理を終えると上述した特定演出シナリオ設定処理(図94参照)と同一のS2361〜S2363の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図117を参照して、本実施形態にて実行される事前得点演出設定処理2の内容について説明をする。図117は事前得点演出設定処理2の内容を模式的に示したフローチャートである。この事前得点演出設定処理2(S2853)は、上述した事前得点演出設定処理(図96参照)に対して、今回の変動において付与される得点を決定する内容を変更した点と、決定された付与得点に応じて実行される処理内容を変更した点で相違する。
事前得点演出設定処理2(S2853)が実行されると、まず、今回の得点演出が、当否判定結果が当たりとなる得点演出であるか否かを判別する(S3451)。そして、当たりとなる得点演出であると判別した場合は(S3451:Yes)、当たり用表示得点選択テーブル222beを用いて、当該変動における表示得点を決定し(S3452)、S3454の処理へ移行する。一方、S3451の処理において、当たりとなる得点演出ではない(外れである)と判別した場合は(S3451:No)、外れ用表示得点選択テーブル222bfを用いて当該変動における表示得点を決定し(S3453)、S3454の処理へ移行する。
ここで、図114及び図115を参照して上述した当たり用得点選択テーブル222beと外れ用表示得点選択テーブル222bfに規定されている内容について説明すると、得点演出が実行される特別図柄の残変動回数と、今回の得点演出で付与可能な得点数とに対応して今回の変動にて付与可能な得点の範囲がそれぞれ規定されており、演出カウンタ223fが有する専用のカウンタ(図示せず)から取得した値(演出カウンタ223fと同様に定期的に更新されるループカウンタ)に応じて、付与可能な得点の範囲から1つの値(得点)を選択するように構成している。
また、付与可能な得点の範囲の一部が当たり用得点選択テーブル222beと外れ用表示得点選択テーブル222bfとで重複するように構成している。これにより、1回の変動表示において付与される得点数によって今回の得点演出が当たり当選に対応する得点演出であるか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。一方で、所定条件を満たしている場合、例えば、残変動回数が3回で、表示可能残得点が13点の場合では、今回の得点演出が当たり当選に対応する得点演出である場合のみ、表示得点として7点が選択可能になる。また、今回の得点演出において表示可能な得点数(総付与得点)や、表示可能な残得点は遊技者が把握することができないように構成している。
このように構成することで、得点が付与される法則性を詳細に把握した遊技者のみ、今回の得点演出が当たり当選に対応した得点演出であるか否かを把握することが可能となるため、継続して長期間遊技を行った遊技者に対して満足感を提供することができる。
S3454の処理では、付与得点カウンタ223pの値を読み出し(S3454)、今回の表示得点と、付与得点カウンタ223pの値とを加算し(S3455)、加算した値が上限値(周回値(6点))を超えたか否かを判別する(S3456)。S3456の処理において、周回値を超えたと判別した場合は(S3456:Yes)、周回値を超えた回数を報知済回数カウンタ223bbに設定し(S3457)、S3458の処理へ移行する。
S3457の処理において設定される回数としては、例えば、現在の付与得点数が4点であって、今回の表示得点が5点である場合には、加算した得点数が9点となり、周回値を一度超えた状態(チャージ1:ゲージ3)となるため、周回値を超えた回数として1の値が報知済み回数カウンタ223bbの値に加算される。また、S3457の処理においては、最大で3の値が報知済回数カウンタ223bbの値に加算される。
S3458の処理では、決定した得点に対応する態様の得点付与演出を伴う変動パターン決定し(S3458)、回数格納エリア223baに格納されている値を報知済回数カウンタ223bbに加算された値に対応させて更新する(S3459)。これにより、回数格納エリア223baに未だに報知されていない特定演出回数の回数が把握することができる。次に、上述した第2実施形態の事前得点演出設定処理(図96参照)のS3412〜S3414の処理と同一のS3461〜S3463の処理を実行し本処理を終了する。
次に、図118を参照して、最終得点演出設定処理2(S2854)の内容について説明をする。図118は、最終得点演出設定処理2(S2854)の内容を示したフローチャートである。この最終得点演出設定処理2(S2854)は、上述した第2実施形態の最終得点演出設定処理(図97参照)に対して、変動パターンを選択する処理を異ならせた点で相違している。
最終得点演出設定処理2(S2854)が実行されると、まず、回数格納エリア223baに格納されている値(今回の得点演出で実行される特定演出回数)を読み出し(S3551)、次いで、報知済回数カウンタ223bbの値を読み出す(S3552)。そして、回数格納エリア223baの値と、報知済回数カウンタ223bbの値とに基づいて特定変動パターン選択テーブル222bbを用いて変動パターンを選択する(S3553)。
特定変動パターン選択テーブル222bbは図111を参照して上述した通り、特定演出が実行される回数(最大チャージ量表示領域Db2bに表示される数)と、事前得点演出にて既に報知されている特定演出回数(獲得済チャージ量表示領域Db2aに表示される数)とに対応して異なる変動パターンが選択されるように構成されている。
具体的には、各変動種別に対して、変動パターン1は最終得点演出にてチャージ量を獲得しない演出態様が設定され、変動パターン2は最終得点演出にてチャージ量を1回獲得する演出態様が、変動パターン3は最終得点演出にてチャージ量を2回獲得する演出態様が、変動パターン4は最終得点演出にてチャージ量を3回獲得する演出態様が規定されている。
このように、最終得点演出においてチャージすべき回数に対応させて選択される変動パターンを異ならせることにより、最終得点演出にて実行される演出態様を遊技者に違和感無く設定することができる。なお、ここで複数規定されている変動パターン1〜4は同一の変動種別であることから実行される変動期間は同一である。よって、本実施形態では各変動パターンに対応して、最終得点演出中に実行される得点付与演出の演出態様が設定されるように構成している。
S3553の処理を終えると、次に、実行タイミング選択テーブル222bdを用いてS3552の処理で選択された変動パターンに対して特定演出を実行するタイミングを設当たり用(S3554)、上述した最終得点演出設定処理(図97参照)のS3510及びS3511の処理と同一のS3555及びS3556の処理を実行し、本処理を終了する。
このように構成することで、特定演出を実行する変動を最終変動(最終得点演出)に限定することができるため、得点演出を実行する場合に、最終変動以外の変動表示(事前得点演出中)に対する変動パターンを複数用意する必要が無くなる。よって、得点演出を設定する際の処理負荷を軽減することができる。
また、最終変動の変動表示(最終得点演出)に対する変動パターンを多彩に設定することができ、演出効果を高めることができる。具体的には、特定演出を実行する回数に応じて、変動パターンを設定することができるため、特定演出を違和感無く実行することができ、且つ、変動パターンが大きく進展するタイミングに特定演出を設定することができるため、演出効果をより高めることができる。
さらに、特定演出が実行される回数を予め報知することで、最終変動で実行される変動パターンと、特定演出が実行される回数とによって、大当たり期待度を遊技者に予測させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
<第4実施形態>
次に、図119〜図125を参照して、本第4実施形態における制御処理について説明する。本第4実施形態では、上述した第3実施形態に対して、得点演出を実行すると判別した場合に、得点演出の事前変動期間(得点演出が開始される特別図柄変動から、得点演出が実行されると判別された入賞情報に対応する特別図柄変動(最終変動)が開始されるまでの期間)中に付与される得点の付与パターンとして、異なる付与パターンを有する複数の付与シナリオから1の付与シナリオを設定し、設定された付与シナリオを用いて得点の付与タイミングを管理する点で相違している。
そして、得点演出の最終変動期間(得点演出が実行されると判別された入賞情報に対応する特別図柄変動が実行される期間)中に実行される演出表示(最終得点演出)の演出態様を、設定された付与シナリオに基づいて選択する点で相違している。
また、最終得点演出として選択された演出態様が示す大当たり当選の期待度を、設定された付与シナリオに応じて異ならせるように構成している点で相違している。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図119を参照して、第4実施形態における電気的構成について説明する。本第4実施形態では、上述した第2実施形態に対して、音声ランプ制御装置113のMPU201のROM222及びRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の構成については、第2実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図119(a)は、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU201のROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第4実施形態では、第2実施形態におけるROM222(図89(a)参照)に対して、得点付与シナリオ選択テーブル222ca、シナリオ変動パターン1選択テーブル222cb、シナリオ変動パターン2選択テーブル222cc、を追加している。その他の構成については、第2実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
得点付与シナリオ選択テーブル222caは、得点演出の実行の有無、および得点演出の最終変動以外(事前得点演出期間)における得点の付与パターンを選択するためのデータテーブルであって、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、今回の連続予告演出において設定された特定演出実行回数と、演出カウンタ223fが有する第2演出カウンタの値と、に対応して様々な付与パターン(付与シナリオ)が規定されている。
ここで、得点付与シナリオ選択テーブル222caについて、図120を参照して説明をする。図120は得点付与シナリオ選択テーブル222caの内容を模式的に示した模式図である。この得点付与シナリオ選択テーブル222caには、得点演出の事前得点演出期間において付与される得点の付与パターンとして、3種類の付与パターン(付与シナリオ)が規定されている。
具体的には、付与シナリオ1が選択された場合には、事前得点演出期間中において、今回の得点演出中に付与される総付与得点を均等に付与するための得点付与演出が設定され易くなり、付与シナリオ2が選択された場合には、事前得点演出期間の前半期間に、得点付与演出が偏って設定され易くなり、付与シナリオ3が選択された場合には、事前得点演出の後半期間に、得点付与演出が偏って設定され易くなるように得点演出が設定される。
後述する音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される得点演出シナリオ設定処理3(S2351)のS7007により得点付与シナリオ選択テーブル222ca(図120参照)を読みだして、選択されている得点演出シナリオ(シナリオA〜C:図90参照)の種別に設定されている特定演出回数の値と第2演出カウンタの値によって、対応する得点付与シナリオ(付与シナリオ1〜付与シナリオ3)が選択される。
具体的には、最終変動で選択される変動パターン種別(入賞情報コマンドにより通知)がスペシャルリーチ(当たり)およびスーパーリーチA〜C(当たり)である場合には、特定演出回数が1回の得点演出シナリオ(シナリオA)が選択されている場合には、第2演出カウンタの値が「0〜39」に対して付与シナリオ1、「40〜89」に対して付与シナリオ1、「90〜99」に対して付与シナリオ1が設定されており、特定演出回数が2回の得点演出シナリオ(シナリオB)が選択されている場合には、第2演出カウンタの値が「0〜39」に対して付与シナリオ2、「40〜89」に対して付与シナリオ1、「90〜99」に対して付与シナリオ3が設定されており、特定演出回数が3回の得点演出シナリオ(シナリオC)が選択されている場合には、第2演出カウンタの値が「0〜39」に対して付与シナリオ2、「40〜89」に対して付与シナリオ1、「90〜99」に対して付与シナリオ3が設定されており、同様に、各変動種別に対して図120に示すように付与シナリオの種別が割り当てられている。
このように、得点演出中に付与される得点の付与タイミングを予め定めた付与シナリオに基づいて設定するように構成することで、得点付与演出中に実行される得点付与演出の演出態様を意図的に異ならせることができる。よって、今回の得点演出において付与される総付与得点数を遊技者に早期に把握されてしまうことを抑制することができ、演出効果を高めることができる。
シナリオ変動パターン1選択テーブル222cbは、得点演出のうち、事前得点演出期間中に実行される変動パターンを選択するためのテーブルであって、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、得点演出の残変動回数と、今回の得点演出で設定された付与シナリオ(付与シナリオ1〜3)の種別とに対応して様々な変動パターンが規定されている。
ここで、シナリオ変動パターン1選択テーブル222cbについて、図121を参照して、説明をする。図121はシナリオ変動パターン1選択テーブル222cbの内容を模式的に示した模式図である。このシナリオ変動パターン1選択テーブル222cbでは、特定演出の事前得点演出期間中に実行され得る変動パターン毎に、得点付与頻度を異ならせた変動パターン1〜3が規定されている。
各種変動パターンには、変動パターン1〜3に対応する変動パターン種別が設定されている。具体的には、短外れの変動種別であれば、短外れ1(変動パターン1に対応)、短外れ2(変動パターン2に対応)、短外れ3(変動パターン3に対応)がそれぞれ設定されている。同様に、各変動種別の名称の末尾に付した数字が変動パターン1〜3の種別の番号にそれぞれ対応するように、図121では示してある。
各変動種別に対応して規定されている変動パターン1〜3のうち、変動パターン1は最も多くの得点が付与され得る得点付与演出が実行される変動パターンであり、変動パターン3が最も付与され得る得点が少なくなる変動パターンであり、変動パターン2が付与され得る得点数が上述した変動パターン1と変動パターン3との間となる得点付与演出が実行される変動パターンである。
具体的には、変動種別が短外れ(7秒)であって、付与シナリオ1が設定されている場合は、得点演出の残変動回数にかかわらず「短外れ2」が選択される。同様に、図121のシナリオ変動パターン1選択テーブル222cbに示されているように変動パターンコマンドで指定されている変動種別に対応して、設定されている付与シナリオ、残りの最終変動までの変動回数によって連続予告演出専用の変動パターンが選択されるように構成されている。
シナリオ変動パターン2選択テーブル222cc(図122参照)は、得点演出のうち、最終得点演出期間中(連続予告演出における最終変動)に実行される変動パターンを選択するためのテーブルであって、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、当否判定結果と、今回の得点演出で設定された付与シナリオの種別とに対応して様々な変動パターンが規定されている。
ここで、シナリオ変動パターン2選択テーブル222ccについて、図122を参照して、説明をする。図122はシナリオ変動パターン2選択テーブル222ccの内容を模式的に示した模式図である。このシナリオ変動パターン2選択テーブル222ccでは、特定演出の最終得点演出として実行される各変動種別に対して変動パターン1〜3が規定されている。なお、先に説明したシナリオ変動パターン1選択テーブル222cb(図121参照)で説明したのと同様に、変動パターン1は最も多くの得点が付与され得る得点付与演出が実行される変動パターンであり、変動パターン3が最も付与され得る得点が少なくなる変動パターンであり、変動パターン2が付与され得る得点数が上述した変動パターン1と変動パターン3との間となる得点付与演出が実行される変動パターンである。
具体的には、当たりとなるノーマルリーチの変動パターンコマンドが通知されている場合には、設定されている付与シナリオが付与シナリオ1である場合には、変動演出用カウンタの値に限らずノーマル1の変動パターン(当たりとなるノーマルリーチのうち、変動パターン1に対応する変動パターン)が選択される。付与シナリオ2が設定されている場合には、変動演出用カウンタの値「0〜79」に対してノーマル2(当たりとなるノーマルリーチのうち、変動パターン2に対応する変動パターン)、変動演出用カウンタの値「80〜99」に対してノーマル1(当たりとなるノーマルリーチのうち、変動パターン1に対応する変動パターン)がそれぞれ選択されるように構成されている。付与シナリオ3が設定されている場合には、変動演出用カウンタの値「0〜79」に対してノーマル3(当たりとなるノーマルリーチのうち、変動パターン3に対応する変動パターン)、変動演出用カウンタの値「80〜99」に対してノーマル1(当たりとなるノーマルリーチのうち、変動パターン1に対応する変動パターン)がそれぞれ選択されるように構成されている。
外れのノーマルリーチの変動種別が変動パターンコマンドで通知されている場合にも、図122で示したように設定されている付与シナリオ、取得した変動演出用カウンタの値に基づいて、実行する変動種別が選択される。また、スーパーは、スーパーリーチの変動種別を示しており、スーパー1は、スーパーリーチの変動パターンにおける変動パターン1に対応する変動種別が選択されることを示している。同様に、種別名称の末尾に示した数字が変動パターン種別の数字を示している。また、スペシャルは、スペシャルリーチであることを示しており、種別名称の末尾が変動パターン種別の数字を示している。
次に、図110(b)を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。本第4実施形態では、上述した第2実施形態に対して、付与シナリオ格納エリア223caを追加している。その他の構成については、第2実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
付与シナリオ格納エリア223caは、得点付与シナリオ選択テーブル222caを用いて選択された付与シナリオを一時的に格納するためのエリアである。ここに格納された付与シナリオは、得点演出の各変動表示に対応する変動パターンを設定する場合に参照される。
この付与シナリオ格納エリア223caには、後述する得点演出シナリオ設定処理3(図123参照)において、得点演出を実行すると判別した場合に(図123のS7005)、選択された付与シナリオが格納される(図123のS7008)。そして、格納された付与シナリオが事前得点演出設定処理3(図124のS2853)において、シナリオ変動パターン1選択テーブル222cbを用いて変動パターンを選択する場合に参照される(図124のS7103参照)。また、最終得点演出設定処理3(図125のS2854)において、シナリオ変動パターン2選択テーブル222ccを用いて変動パターンを選択する場合に参照される(図125のS7206参照)。
<第4実施形態における制御処理について>
次に、図123〜図125を参照して、本第4実施形態における制御処理について説明する。本第4実施形態では、上述した各実施形態に対して、得点演出を実行すると判別した際に得点演出中に付与される得点の付与パターン(付与シナリオ)を選択し(図123参照)、選択された付与シナリオに基づいて、得点演出の事前得点演出期間中における各変動表示の変動パターンを選択し(図124参照)、得点演出の最終得点演出における変動表示の変動パターンを選択する(図125参照)点で相違している。
まず、図123を参照して本第4実施形態において実行される得点演出シナリオ設定処理3(S2351)の内容について説明をする。この得点演出シナリオ設定処理3(S2351)は上述した第2実施形態の得点演出シナリオ設定処理(図94参照)に対して、現在変動中の変動表示に対して得点演出を実行させるための処理を削除した点と、得点演出を実行すると判別した場合に付与シナリオを設定する処理を追加した点で相違する。その他の内容については同一であり、同一の要素に対しては詳細な説明を省略する。
得点演出シナリオ設定処理3(S2351)が実行されると、まず、上述した第2実施形態のS2352と同一のS7001の処理を実行し、次いで、上述した第2実施形態のS2357及びS2358と同一のS7002及びS7003の処理を実行する。S7003の処理を終えると、次に、選択された得点演出シナリオに対応する特定演出回数の値を回数格納エリア223baに格納し(S7004)する。
S7004の処理を終えると、次に得点演出を実行するか否かを判別し(S7005)、得点演出を実行しないと判別した場合は(S7005:No)、上述した第2実施形態の得点演出シナリオ設定処理(図94参照)のS2364及びS2365の処理と同一のS7011及びS7012の処理を実行し演出禁止フラグ223jをオンに設定し(S7010)、本処理を終了する。
一方、S7005の処理において、得点演出を実行すると判別した場合は(S7005;Yes)、得点付与シナリオ選択テーブル222caを読み出し(S7006)、今回の入賞情報に対応した付与シナリオを、得点付与シナリオ選択テーブル222caを用いて選択する(S7007)。次いで、選択された付与シナリオ(付与シナリオ1〜3)を付与シナリオ格納エリア223caに格納し(S7008)、上述した第2実施形態の得点演出シナリオ設定処理(図94参照)のS2361と同一のS7009の処理を実行し、上述したS7010の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図124を参照して、事前得点演出設定処理3(S2853)の内容について説明をする。図124は事前得点演出設定処理3(S2853)の内容を示したフローチャートである。この事前得点演出設定処理3(S2853)は、本実施形態における事前得点演出中の各変動表示の変動パターンを設定するための処理を実行するものであり、上述した第3実施形態の事前得点演出設定処理2(図117参照)に対して、事前得点演出中の変動パターンを設定する処理を、得点演出シナリオ設定処理3(図123参照)にて設定された付与シナリオに基づいて変動パターンを設定する処理へと変更した点で相違する。
事前得点演出設定処理3(S2853)が実行されると、まず、付与シナリオ格納エリア223caに格納されている付与シナリオを読み出し(S7101)、次に、演出変動回数カウンタ223mの値を読み出す(S7102)。そして、シナリオ変動パターン1選択テーブル222cbを用いて今回の変動パターンを選択し(S7103)、選択された変動パターンに対応する付与得点を決定する(S7104)。
S7104の処理を終えると、次に、決定した得点に対応する値を付与得点カウンタ223pの値に加算し(S7105)、上述した事前得点演出設定処理2(図117参照)のS3456からS3458と同一のS7106からS7108の処理を実行し、演出変動回数カウンタ223mの値を1減算して(S7109)、本処理を終了する。
次に、図125を参照して、最終得点演出設定処理3(S2854)の内容について説明をする。図125は、最終得点演出設定処理3(S2854)の内容を示したフローチャートである。この最終得点演出設定処理3(S2854)は、本実施形態における最終得点演出の変動パターンを設定するための処理を実行するものである。最終得点演出設定処理3(S2854)が実行されると、まず報知済回数カウンタ223bbの値を読み出し(S7201)、回数格納エリア223baに格納されている値を読み出す(S7202)。そして、S7201で読み出した値をS7202で読み出した値から減算し、差分が存在するかを判別する(S7203)。
S7203の処理において差分(設定された特定演出回数のうち未だに報知されていない回数)があると判別した場合は(S7203:Yes)、付与得点カウンタ223pの値を読み出し(S7204)、差分値に対応する差分付与得点を算出する(S7205)。つまり、現在付与されている得点に対して、予め設定された特定演出回数を全て報知するために必要な付与得点数を算出する。
S7205の処理を終えると、次にシナリオ変動パターン2選択テーブル222ccを用いて今回の変動パターンを選択する(S7206)。次に、今回の変動が当たり変動であるかを判別し(S7207)、当たり変動であると判別した場合は、S7205の処理において算出した付与得点に対応する演出態様を設定し(S7208)、本処理を終了する。
一方、S7207の処理において、今回の変動が当たり変動では無いと判別した場合は(S7207:No)、次の周回値(上限値)に到達しない範囲で演出付与得点を算出し(S7209)、差分付与得点と演出付与得点とを合算し(S7210)、上述したS7208の処理を実行し、本処理を終了する。つまり、本実施形態では最終得点演出として、今回の変動が当たり変動ではない場合に、特定演出回数が増加することの無い範囲で積極的に得点を付与するための処理(S7209及びS7210)が実行されるように構成している。このように構成することで、最終得点演出中に実行される特定演出回数が増加するのではと遊技者に期待を抱かせることができる。
<各実施形態における変動表示の演出態様を示す第1演出例について>
次に、図126〜図130を参照して、上述した各実施形態における変動表示にて設定される演出態様について詳細に説明をする。上述したように得点演出が実行されている場合に実行される各変動表示は、その変動表示中に複数の得点付与演出が実行可能に構成されており、得点演出として設定されている総付与得点数やシナリオ等に基づいて様々な得点付与演出が設定される。
ここで、図126(a)を参照して、特別図柄の変動種別に対応する各変動パターンが有する期間構成について説明をする。図126(a)は、特別図柄の変動種別に対応する各変動パターンが有する期間構成を模式的に示した模式図である。
図126(a)に示した通り、各変動パターンはリーチ態様が表示される前の予告期間(第1予告期間、第2予告期間)と、リーチ態様が表示されるリーチ期間(第1リーチ期間、第2リーチ期間、特別リーチ期間)とから構成されている。
次に、図126(b)を参照して、各変動パターンにおける予告期間(リーチ前期間)中に実行され得る演出態様について説明をする。図126(b)は、予告期間(リーチ前期間)中に実行され得る演出態様に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図126(b)に示した通り、予告期間中には4種類の演出態様(予告A〜予告D)が実行され得るように規定されており、各演出態様毎に、得点が付与されるか否かを示唆する演出回数(P付与示唆回数)、得点が付与されることを報知し得る回数(P表示回数)、1回のP表示に対して獲得可能な得点数の範囲(獲得P数/表示)、枠ボタン22を操作させる演出であるか否か(操作の有無)が規定されている。
具体的には、予告Aは、P付与示唆回数が2回、P表示回数が0〜2回、獲得P数/表示が1〜2、枠ボタン22の操作が不要な演出であり、予告Bは、P付与示唆回数が5回、P表示回数が1〜5回、獲得P数/表示が1、枠ボタン22の操作が不要な演出であり、予告Cは、P付与示唆回数が1回、P表示回数が1回、獲得P数/表示が1〜8、枠ボタン22の操作が不要な演出であり、予告Dは、P付与示唆回数が1回、P表示回数が1回、獲得P数/表示が0〜18、枠ボタン22の操作が必要な演出である。
次に、図127を参照して、各変動パターンにおけるリーチ期間中に実行され得る演出態様について説明をする。図127は、リーチ期間中に実行され得る演出態様に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図127に示した通り、リーチ期間中には5種類の演出態様(リーチA〜リーチE)が実行され得るように規定されており、演出態様毎に、得点が付与されるか否かを示唆する演出回数(P付与示唆回数)、得点が付与されることを報知し得る回数(P表示回数)、1回のP表示に対して獲得可能な得点数の範囲(獲得P数/表示)、枠ボタン22を操作させる演出であるか否か(操作の有無)、当たり期待度、実行され得る期間が規定されている。
具体的には、演出態様がリーチAである場合には、P(ポイント)付与示唆回数が「2回」、P表示回数として「0〜2回」、獲得P数/表示として「1〜6」、操作予告演出(操作の有無)として無(操作予告演出は設定されない)が選択される。また、リーチAの説明として、P付与期待度として、高得点(ポイント)を獲得可能だが、0点の可能性もある演出態様となっている。大当たりの期待度としては、「低」となっており低く設定されている。リーチAの演出態様が実行される実行可能期間は、第1リーチ期間(図126(a)参照)に設定されている。リーチBについても、図127に示すように、リーチAの演出態様と同様に、各得点付与演出内容が選択されるように構成されている。リーチBの演出態様は、図127に示すように、最低でも1点(ポイント)は獲得できる演出態様であるが、高得点を獲得することは、リーチAの演出態様よりも困難に設定されている。
リーチ演出Cは、当たり期待度が中ランクであり、第1リーチ期間および第2リーチ期間(図126(a)参照)に実行可能であり、リーチ演出Dは、当たり期待度が高ランクであり、第1リーチ期間および第2リーチ期間(図126(a)参照)に実行可能であり、リーチ演出Eは、当たり期待度が超高ランクであり、特別リーチ期間(図126(a)参照)に実行可能に設定されている。
<第1演出例における電気的構成について>
次に、図128を参照して、第1演出例における電気的構成について説明する。図128(a)は、本第1演出例における音声ランプ制御装置113のMPU201のROM222の内容を模式的に示した模式図である。第1演出例では、音声ランプ制御装置113のMPU201のROM222の内容のうち変動パターン選択テーブル222aのうち、得点演出の最終変動に実行される最終得点演出に対応する変動パターンを選択するための最終変動パターン選択テーブル222daが追加されている点で相違する。その他の構成については、上述した第4実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
ここで、図129を参照して本第1演出例における最終変動パターン選択テーブル222daに規定されている内容について説明をする。図129は、最終変動パターン選択テーブル222daに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この最終変動パターン選択テーブル222daでは、得点演出における最終変動の変動パターン(最終得点演出が実行される変動パターン)として、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに含まれる変動種別と、当否判定結果と、今回の得点演出において付与すべき得点の残数(差分)とに対応して、変動パターンの各期間に設定される演出態様(得点付与演出)が規定されている。
具体的には、変動種別がノーマルリーチであって、当否判定結果が当たりの場合で、差分値が1の場合には、選択される変動パターンとして、第1予告期間には予告演出(得点付与演出)が設定されず、第2予告期間に得点付与演出として「予告B(付与得点1(1P))」が設定され、第1リーチ期間に「リーチB」の演出態様が規定され、第2リーチ期間では演出態様が選択されない変動パターンが選択される。
同様に、差分2〜5である場合には、第1予告期間には予告演出(得点付与演出)が設定されず、第2予告期間に得点付与演出として「予告A」が設定され、第1リーチ期間に「リーチC」の演出態様が規定され、第2リーチ期間では演出態様が選択されない変動パターンが選択される。差分6である場合には、第1予告期間には得点付与演出として「予告D」が設定され、第2予告期間に得点付与演出として「予告A」が設定され、第1リーチ期間に「リーチD」の演出態様が規定され、第2リーチ期間では演出態様が選択されない変動パターンが選択される。同様に、当否判定結果が外れである場合には、図129に示したように各期間に対応して、予告種別または演出態様が選択される。また、スーパーはスーパーリーチの変動パターンを示したものであり、ノーマルリーチと同様に当否判定結果のそれぞれ(当たり、外れ)に対応して各期間に対応して。予告種別または演出態様が選択されるように最終変動パターン選択テーブル222daに設定されている。
また、スペシャルは、スペシャルリーチの変動パターンを示したものであり、第1リーチ期間と第2リーチ期間に跨って特別リーチ(他の変動パターンに対しては設定されない演出態様)が設定される。
<第1演出例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
本第1演出例では、上述した第4実施形態に対して、音声ランプ制御装置113にて実行される最終得点演出設定処理3(図125参照)に替えて、最終得点演出設定処理4を実行する点で相違している。ここで、図130を参照して最終得点演出設定処理4の内容について説明をする。図130は最終得点演出設定処理4の内容を示したフローチャートである。この最終得点演出設定処理4(S2854)では、上述した最終得点演出設定処理3(図125参照)に対して、差分付与得点を用いて変動パターンを選択するための処理内容が相違し、それ以外の内容は同一である。同一の要素に対しては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図130に示した通り、最終得点演出設定処理4(S2854)が実行されると、上述した最終得点演出設定処理3(図125参照)と同一のS7201〜S7205の処理を実行する。そして、S7205の処理を終えると、最終変動パターン選択テーブル222daを用いて最終変動パターンを選択し(S7251)、本処理を終了する。
<第2演出例について>
上述した各実施形態に対して、以下に示す演出を用いても良い。例えば、上述した第3実施形態では、得点演出の最終変動において実行される特定演出の回数を、事前に遊技者に報知可能な構成を用いているが、その構成に加えて、最終変動における特定演出の実行タイミングを、事前に遊技者に報知可能な構成を用いても良い。ここで、図131から図137を参照して、得点演出の最終変動において実行される特定演出の実行タイミングを、事前に遊技者に報知可能な第2演出例について説明をする。
本第2演出例では、得点演出の最終変動において実行される特定演出の実行タイミングを得点演出が実行される複数の変動のうち、最終変動の一つ前の変動(最終前変動)中に最終変動にて特定演出が実行されるタイミングを遊技者に報知可能な報知演出(カウントダウン演出)を実行するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して得点演出の最終得点演出にて実行される演出内容を予め予測させることができるため、遊技者に期待感を持たせた遊技を行わせることができる。
また、本パチンコ機10では、特別図柄の大当たりに当選した場合に長い変動時間が選択され易く構成されている。よって、カウントダウン演出にて報知される期間の長さによって、今回の得点演出が大当たりに当選する特別図柄に対応して実行されている期待感を高めさせることができる。
まず、図131を参照して本第2演出例において第3図柄表示装置81にて実行される演出内容について説明をする。図131(a)は、最終前変動においてカウントダウン演出が実行された場合に第3図柄表示装置81に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図であり、図131(b)は、最終変動が開始された時点におけるカウントダウン演出の表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図131(a)に示すように、最終前変動においてカウントダウン演出が実行されると、次変動(得点演出の最終変動)において特定演出が実行されるタイミングが第1カウントダウン表示領域Dg10a、及び、第2カウントダウン表示領域Dg10bに表示される。
ここで、本第2演出例では上述したカウントダウン演出として、得点演出の最終変動において実行される特定演出の実行タイミングを複数表示可能に構成しており、第1カウントダウン表示領域Dg10aには、得点演出の最終変動において先に実行される特定演出の実行タイミングが表示され、第2カウントダウン表示領域Dg10bには、得点演出の最終変動において後に実行される特定演出の実行タイミングが表示される。
図131(a)に示した例によれば、第1カウントダウン表示領域Dg10aには「15秒」が表示され、第2カウントダウン表示領域Dg10bには「準備中」の文字が表示されている。ここで、カウントダウン演出として第1カウントダウン表示領域Dg10aおよび第2カウントダウン表示領域Dg10bに表示される表示内容の設定方法について簡単に説明をする。
本第2演出例の得点演出の最終変動にて実行される最終得点演出に対応する変動パターンには、変動開始から所定期間(例えば、10秒)が経過した地点に特定演出を設定可能な期間が設けられている(例えば、第1予告期間終了タイミング(図126(a)参照))。
さらに、変動時間カウンタ223hによりカウントされる変動時間と、変動表示設定処理により設定された変動パターンとに基づいてカウントダウン演出が開始された場合に、最終前変動の残変動時間を計測(判別)可能な手段を設けている。そして、最終前演出の残変動時間と、最終変動の変動開始からの所定期間を合算した値(時間)を、第1カウントダウン表示領域Dg10aに表示するように構成している。このように構成することで、カウントダウン演出の実行タイミング(カウントダウン演出を実行すると判別するタイミング)を異ならせたとしても、特定演出が実行されるタイミングを遊技者に正確に報知することができる。
図131(a)に示した状態から時間が経過し最終変動が実行されると、図131(b)に示したように、第1カウントダウン表示領域Dg10aには「10秒」が表示され、第2カウントダウン表示領域Dg10bには「30秒」が表示される。これにより、最終変動中に少なくとも実行される特定演出の回数と、各特定演出が実行されるタイミングとを遊技者に報知することができるため、遊技者に特定演出が実行されるタイミングを把握させた状態で最終得点演出を実行することができる。
ここで、特定演出として実行され得る演出内容としては、得点を付与して貯留ゲージDgの表示態様を可変させる演出や、大当たりに当選している期待度を高める演出があるため、カウントダウン演出によって報知されているタイミング(特定演出の実行タイミング)が、例えば、得点が付与され難いタイミング(得点付与演出が実行されていないタイミング)であるか否かによってカウントダウン演出の対象となる特定演出がどの演出態様で実行されるのかを遊技者に予測させることができる。よって、今回の得点演出の結果を遊技者に事前に予測させながら得点演出を最後まで楽しませることができる。
なお、本第2演出例では、複数(2つ)の特定演出に対して実行タイミングを報知するカウントダウン演出を用いているが、実行タイミングが報知される特定演出の数はこれに限ること無く、1つでも良いし、3つ以上でも良い。また、本第2演出例では第1カウントダウン表示領域Dg10aにて特定演出が実行されるまでの期間を表示しているが、第1カウントダウン表示領域Dg10aにも「準備中」を表示するようにしても良い。
加えて、本第2演出例では、最終変動において実行される特定演出の実行タイミングを報知するために実際の計時時間に基づいたカウントダウン演出を用いているが、最終変動において実行される特定演出の実行タイミングを遊技者に示唆可能な構成で有れば良く、例えば、複数の特定演出が実行されるまでの時間を算出し、その算出した時間を合算させて表示するようにしても良い。このように構成することで、個々の特定演出が実行されるタイミングを正確に把握させることは出来ないが、合算した時間を遊技者に把握させることができるため、最終変動(最終得点演出)中に特定演出が実行される度に残りの特定演出が実行されるタイミングや回数を予測させることができる。なお、この場合は最終変動(最終得点演出)中に実行される特定演出の回数を遊技者に報知しないように構成すると良い。
さらに、特定演出が実行されるまでの期間が短い(例えば、2秒以内)のか長いのか(例えば、30秒)を把握できる程度に可変表示される可変表示態様を可変させる演出を上述したカウントダウン演出の代わりに用いても良い。さらに、最終前変動中において第2カウントダウン表示領域Dg10bに「準備中」と表示し(図131(a)参照)、その後最終変動が実行された場合に「準備中」の文字を、大当たりの当選期待度を高める表示態様(例えば、「チャンス」)に可変させるように構成しても良い。このように構成することで、特定演出が実行されるタイミングが報知されると思っていた遊技者に対して、意外性のある演出を提供することができる。なお、この場合は、得点付与演出として実行され得る各種演出よりも遊技者に有利な内容を示す表示態様に可変させるように構成すると良い。これにより、実行されると認識していた特定演出が実行されなかったとしても、遊技者に不満を与えることを抑制することができる。
以上説明をしたように、本第2演出例のカウントダウン演出を実行することにより、カウントダウン演出の進行具合と、得点演出の進行具合とを把握しながら大当たり期待度を予測させることができ、演出効果を高めることができる。
また、全ての特定演出に対してカウントダウン表示態様を表示するのでは無く、一部のカウントダウン表示態様を「準備中」と表示する場合は、各特定演出の実行タイミングに対応させてカウントダウン表示態様を表示させ、且つ、各特定演出の実行順だけを遊技者に把握させるように構成すると良い。これにより、「準備中」と表示されたカウントダウン表示態様に対応した特定演出がどのタイミングで実行されるのかを、他の特定演出に対応したカウントダウン表示態様に基づいて予測することができる。
さらに、カウントダウン表示領域に表示された期間を、得点演出の最終変動が実行された場合(最終得点演出が実行された場合)に可変させるように構成しても良い。これにより、意外性のある演出を遊技者に提供することができる。なお、この場合、カウントダウン表示態様に表示された期間が長くなるように構成すると良い。本第2演出例におけるパチンコ機10では、変動時間が長くなればなるほど、大当たりの期待度が高くなるように構成しているため、カウントダウン表示領域に表示された期間が長くなるように可変させることで、大当たり期待度を高めることができる。
また、カウントダウン表示領域に表示されたカウントダウン表示態様を可変させる場合は、遊技者による操作手段(枠ボタン22)への操作内容に応じて可変させるか否かを判別する判別手段を設けると良い。
本第2演出例では、上述したカウントダウン表示を実行するために、得点演出の最終変動の一つ前の変動表示(最終前変動表示)において、カウントダウン表示を実行するか否かを判別する判別処理を実行し、カウントダウン表示を実行すると判別した場合に、当該変動(最終前変動)の残期間を算出し、その残期間に、最終変動の所定期間(例えば、10秒)、即ち、最終変動がどの変動種別であっても確実に経過する期間を加算した合算期間をカウントダウン表示領域に表示させる処理を実行する。
そして、得点演出の最終変動(最終得点演出)を実行する場合に、カウントダウン演出が実行されているかを判別し、実行していると判別した場合に、変動開始から所定期間経過後(例えば、10秒後)に1の特定演出が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、容易にカウントダウン演出を実行することができる。
また、上述した第3実施形態では、得点演出の最終変動に対応する変動パターンの全ての期間を得点演出が実行可能な期間として設定しているが、得点演出の最終変動の変動期間のうち、最初の所定期間(例えば、最初の10秒間)は特定演出が実行されない様に設定しておき、カウントダウン演出用の疑似特定演出期間として設定しても良い。このように構成することで、特定演出の最終前変動において、カウントダウン演出を実行する場合に、当該変動の残期間に加え、最終変動の変動時間のうち最初の10秒間の範囲から1のタイミングを選択し合算期間を設定したとしても、最終変動の変動パターン設定に支障を来すことが無い。よって、特定演出を容易に設定することができる。
なお、得点演出の最終変動中に新たにチャージを獲得した(付与された得点が所定量に到達した)場合には、即座に特定演出を実行しても良いし、当該変動内において特定演出が実行されるまでの期間をカウントダウン表示しても良い。また、1つの特定演出が実行されるタイミングに対して、複数のカウントダウン表示を実行しても良い。つまり、10秒後に特定演出が実行される場合に、複数のカウントダウン表示が10秒後を示す異なる表示態様で表示されるように構成しても良い。この場合、例えば、各カウントダウン表示のカウント速度を異ならせ、特定演出が実行されるタイミングが近づくにつれて、同じタイミングを示していることを遊技者に把握させるように構成すると良い。これにより、遊技者に複数のカウントダウン表示の表示態様を注視させることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、上述したカウントダウン演出は、得点演出の最終変動中に実行される特定演出の実行タイミングを示す演出として用いているが、それ以外の用途に用いても良く、例えば、得点演出の最終変動が大当たりに当選している場合は、最終変動後に実行される大当たり遊技中の所定タイミングをカウントダウン表示で示すように構成しても良い。このように構成した場合には、得点演出の最終変動の変動時間よりも長いカウントダウン表示態様を設定することができる。
<第2演出例における電気的構成について>
次に、図132を参照して本第2演出例における音声ランプ制御装置113のROM222、RAM223の電気的構成について説明をする。図132(a)は、本第2演出例における音声ランプ制御装置113のROM222に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図132(b)は、本第2演出例における音声ランプ制御装置113のRAMに規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第2演出例では、上述した各実施形態に対して、第1カウントダウンフラグ223eaと第2カウントダウンフラグ223ebとを追加した点で相違している。
第1カウントダウンフラグ223eaは、カウントダウン演出が実行されることを示すためのフラグであって、最終前変動中に実行される得点付与演出によって付与された得点が周回値(貯留ゲージDgがMAXになる値)を超えた場合に(図134のS7106:Yes)、実行されるカウントダウン設定処理(図135のS7151参照)においてオンに設定される(図135のS7304参照)。そして、最終変動中に実行される最終得点演出を設定するための最終得点演出設定処理5(図136のS2854参照)において参照され(図136のS7271)、オンに設定されていると判別した場合に(図136のS7271;Yes)、実行されるカウントダウン演出設定処理(図137のS7272)にてカウントダウン演出が設定された後にオフに設定される(図137のS7402参照)。
第2カウントダウンフラグ223ebは、カウントダウン演出として2個目のカウントダウン表示領域Dg10bを表示する条件が成立したことを示すためのフラグであって、最終前変動中に実行される得点付与演出によって付与された得点が周回値(貯留ゲージDgがMAXになる値)を超えた場合に(図134のS7106:Yes)、実行されるカウントダウン設定処理(図135のS7151参照)において、第2カウントダウン演出を実行すると判別した場合に(図135のS7305:Yes)オンに設定される(図135のS7307参照)。ここで、S7305の判別は、最終前得点演出設定処理(図134のS2872参照)のS7106の処理において、周回値を2回超えたか否かを判別することで実行される。そして、最終変動中に実行される最終得点演出を設定するための最終得点演出設定処理5(図136のS2854参照)において、実行されるカウントダウン演出設定処理(図137のS7272)にて参照され(図137のS7405)、オンに設定されていると判別した場合に(図137のS7405:Yes)、第2カウントダウン演出を設定し(図137のS7407)、その後オフに設定される(図137のS7402参照)。
<第2演出例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図133から図137を参照して、本第2演出例における音声ランプ制御装置113の制御処理の内容について説明をする。本第2演出例では、上述したように得点演出の最終変動において最終得点演出を実行し、その最終得点演出中に実行される特定演出の実行タイミングを最終前変動の実行中に遊技者に報知するカウントダウン演出を実行するための処理が実行される。
ます、図133を参照して本第2演出例における演出設定処理5(S2704)の内容について説明をする。図133は演出設定処理5(S2704)の内容を示したフローチャートである。この演出設定処理5(S2704)は上述した第2実施形態における演出設定処理2(図95参照)に対して、得点演出の最終変動の一つ前の変動である最終前変動にて専用の演出設定処理を実行するようにした点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
演出設定処理5(S2704)が実行されると、上述した演出設定処理2(図95参照)と同一のS2851及びS2852の処理を実行し、S2851の処理において演出変動回数カウンタ223mの値が0よりも大きくないと判別した場合は(S2851:No)、上述した演出設定処理2(図95参照)と同一のS2855〜S2858の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S2852の処理において演出変動回数カウンタの値が1であると判別した場合は(S2852:Yes)、最終得点演出設定処理5を実行し(S2873)、本処理を終了する。また、S2852の処理において演出変動回数カウンタの値が1ではないと判別した場合は(S2852:No)、次に、演出変動回数カウンタの値が2であるかを判別し(S2871)、演出変動回数カウンタの値が2であると判別した場合は、最終前得点演出設定処理を実行し(S2872)、本処理を終了する。
一方で、S2871の処理において、演出変動回数カウンタの値が2ではないと判別した場合は(S2871:No)、上述した第4実施形態と同様に事前得点演出設定処理3(図124参照)を実行し(S2853)、本処理を終了する。このように構成することで、得点演出中の各変動の演出内容を設定するための処理として、最終変動に対応する最終得点演出を設定する処理と、最終前変動に対応する最終前演出を設定する処理と、それ以外の変動に対応する事前得点演出を設定する処理と、を異ならせて実行することができる。
次に、図134を参照して、演出設定処理5(図133参照)において実行される最終前得点演出設定処理(S2872)の内容について説明をする。図134は、最終前得点演出設定処理(S2872)の内容を示したフローチャートである。この最終前得点演出設定処理(S2872)では、上述したカウントダウン演出を実行するためのカウントダウン設定処理が実行される。それ以外の処理には、上述した事前得点演出設定処理3(図124参照)と同一であり、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
最終前得点演出設定処理(S2872)が実行されると、上述した事前得点演出設定処理3(図124参照)と同一のS7101〜S7109の処理が実行される。その中で、S7108の処理を実行した後に、カウントダウン処理を実行し(S7151)、S7151の処理を終えると、上述したS7107の処理へ移行する。つまり、本演出例では、最終前変動において、周回値(ゲージの上限値)を超えた場合にカウントダウン演出を実行するための処理が実行される。
本演出例では、最終前変動でのみカウントダウン演出を実行するように構成しているため、例えば、特別図柄の変動を実行する場合に、主制御装置110により特別図柄変動開始処理を実行する場合における特別図柄保留球カウンタの値によって選択される変動パターン(変動時間)を異ならせる構成で場合であったとしても、カウントダウン演出を実行することができる。
次に、図135を参照して、最終前得点演出設定処理(図134参照)において実行されるカウントダウン設定処理(S7151)の内容について説明をする。図135はカウントダウン設定処理(S7151)の内容を示したフローチャートである。このカウントダウン設定処理では、最終得点演出にて実行される特定演出の実行タイミングに対応させたカウントダウン期間を設定し、カウントダウン演出を表示するための表示用コマンドが設定される。
カウントダウン設定処理(S7151)が実行されると、まず、カウントダウン開始タイミングからの残余期間、つまり、最終前変動においてカウントダウン設定処理が実行されるタイミングから残りの残変動期間を算出し(S7301)、算出した残余期間に10秒を加算する(S7302)。本演出例では、図137を参照して後述するが、カウントダウン演出が実行される場合には、最終変動が開始されてから10秒後(第1予告期間終了後)に特定演出(疑似特定演出)を実行させるための処理を実行するように構成している。よって、S7302の処理において、残余期間に10秒を加算することで、次変動である最終変動における特定演出の実行タイミングを設定することができる。
S7302の処理を終えると、次に、加算した秒数に対応する表示用第1カウントダウンコマンドを設定し(S7303)、第1カウントダウンフラグ223eaをオンに設定する(S7304)。そして、第2カウントダウン演出が実行されるかを判別し(S7305)、第2カウントダウン演出を実行すると判別した場合は(S7305:Yes)、「準備中」を示す表示用第2カウントダウンコマンドを設定し(S7306)、第2カウントダウンフラグ223ebをオンに設定し(S7307)、本処理を終了する。
一方、S7305の処理において第2カウントダウン演出を実行しないと判別した場合は(S7305:No)、S7306及びS7307の処理をスキップして本処理を終了する。ここで、S7305の処理内容について説明をする。図131を参照して上述した通り、本演出例では、最終前変動において付与された得点数によって周回値を超えた場合に、最終変動にて実行される特定演出の実行タイミングを遊技者に報知するためのカウントダウン演出を実行するように構成している。さらに、最終前変動において大量の得点が付与された結果、周回値を2回超えた場合には、カウントダウン演出として、最終変動において実行される複数回(2回)の特定演出の実行タイミングを遊技者に報知するためのカウントダウン演出を実行するように構成している。
そして、S7405の処理では、最終前変動において大量の得点が付与される最終前変動演出が設定され、最終前変動において周回値を2回超えたか否かを判別することにより実行される処理である。この判別方法としては具体的には、最終前得点演出設定処理(図134参照)において更新された報知済回数カウンタ223bbの値に基づいて判別される。
<各実施形態における操作得点演出の第2操作演出例について>
次に、図138から図144を参照して、上述した各実施形態において実行される操作演出の別例について説明をする。図101から図107を参照して上述した第1操作演出例では、重複して設定された第1予告演出と第2予告演出との演出態様を、各予告演出の実行タイミングに応じて可変するように構成していた。また、第1予告演出を遊技者が枠ボタン22に対して所定の操作を行った場合に実行される操作演出とし、その操作演出の有効期間(枠ボタン22に対する所定の操作を)を第2予告演出と重複するように設定することで、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングに応じて各予告演出にて実行される演出態様を可変させるように構成していた。
より具体的には、操作演出の有効期間(枠ボタン22に対する所定の操作を)第2予告演出が実行されるタイミングよりも前の第1期間と、第2予告演出期間中の第2期間と、第2予告期間よりも後の第3期間とに区分けし、遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングがどの期間に該当するかを判別し、その判別結果に基づいて各予告演出の演出態様を可変させるように構成していた。
これに対して、本第2操作演出例では、複数の予告演出を独立して設定可能な構成を有し、それぞれ独立して設定された予告演出の演出態様(予告内容)を判定し、その判定結果に基づいて、各予告演出の実行タイミングを調整する構成を用いている。このように構成することで、一の演出対象(例えば、得点付与演出)に対して複数の予告演出を実行する場合に、先に実行される予告演出の演出内容が後に実行される予告演出の演出内容よりも信頼度の高い内容であった場合に、後に実行される予告演出の意味合いが無くなってしまい、演出効果を低下させてしまうという問題を解決することができる。
また、上述した第1操作演出例に比べて、演出態様を可変させる必要が無いため、複数の予告演出がそれぞれ異なる表示形態を用いて予告演出を実行する場合に、各予告演出のそれぞれに可変される内容の表示態様を設ける必要が無くなるため、予告演出を実行するためのデータ量を軽減することができる。
さらに、本第2操作演出例では、独立して設定される複数の予告演出のうち少なくとも一方が、遊技者が枠ボタン22に対して所定の操作を行った場合に実行される操作演出であり、且つ、重複したタイミングで設定された場合に、枠ボタン22に対して所定の操作を行ったタイミングに基づいて、各予告演出の実行タイミングを異ならせるように構成している。これにより、遊技者の操作により予告演出の実行タイミングが前後する予告演出を用いたとしても適正な順序で各予告演出を実行することができる。
次に、図138(a)を参照して、本第2操作演出例の演出の内容について説明をする。図138(a)は、複数の予告演出が重複した場合の一例もおける演出の流れを模式的に示した模式図である。図138(a)に示した例によれば、枠ボタン22への所定の操作に基づいて実行される第1予告演出と、第2予告演出とが重複している。具体的には、第1予告演出は上述した図102(a)の主表示領域Dmにて実行される操作演出と、第2予告演出が、図102(a)の小領域Ds2に表示される宝箱を用いた予告演出と、同様の演出が実行される。
第1予告演出は、2秒間の告知期間(枠ボタン22を操作させる演出が実行されることを遊技者に告知する期間)を経て、10秒間の枠ボタン操作可能範囲(操作有効期間)が設定され、その後、8秒間の予告演出表示期間が設定される合計で20秒の予告演出として構成されている。ここで10秒間の枠ボタン操作可能範囲内で遊技者が枠ボタン22を操作することにより、第1予告演出が実行される。
図138(a)に示した通り、第2予告演出は、5秒間の予告演出が実行される期間(第2予告演出期間)と、第2予告演出が実行されることを遊技者に報知するための18秒間の第2事前予告期間から構成されており、さらに、第2事前予告期間を第2事前予告期間1(10秒)と、第2事前予告期間2(8秒)とに分けて構成している。第2予告演出は、単独で実行される場合には第2事前予告期間(計18秒)が経過したタイミングで予告演出が5秒間実行される。
次に、図138(b)を参照して、操作手段である枠ボタン22への操作タイミングと、第1予告演出の実行タイミングと第2予告演出の実行タイミングとの関係について説明をする。図得138(b)は、枠ボタンの操作タイミングと予告表示タイミングの関係を示した図である。図138(b)に示した通り、本第2操作演出例では、図138(a)に示したように第1予告演出と第2予告演出が重複して設定された場合において、第1予告演出の第1予告表示タイミング、即ち、第1予告演出の枠ボタン操作可能範囲の中で遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングに応じて第1予告表示タイミングと第2予告表示タイミングとを異ならせている。
具体的には、枠ボタン22が操作されたタイミングが「第1期間」であれば、第1予告表示タイミングとして「第1期間後」が設定され、第2予告表示タイミングとして「第2事前予告期間1後」が設定される。また、枠ボタン22が操作されたタイミングが「第2期間」であれば、第1予告表示タイミングとして「操作直後」が設定され、第2予告表示タイミングとして「第1予告表示と同一」が設定される。なお、第1予告表示タイミングと同一のタイミングで第2予告表示を実行するとは、遊技者が認識出来ない程度の若干の誤差を含んだ概念であり、遊技者が同一に表示されたと認識できる範囲であれば良い。
そして、枠ボタン22が操作されたタイミングが「第3期間」であれば、第1予告表示タイミングとして「操作直後」が設定され、第2予告表示タイミングとして「第2事前予告期間2後」が設定される。また、第1予告演出の枠ボタン操作可能範囲(10秒)の中で枠ボタンを操作しなかった場合は、第1予告表示が実行されず、第2予告表示タイミングとして「第2事前予告期間2後」が設定される。
以上説明をしたように、枠ボタン操作可能範囲のうち、第1期間中に枠ボタン22を操作すると、第1予告演出の予告表示が実行された後に第2予告演出の予告表示が実行される。また、第2期間中に枠ボタン22を操作すると、第1予告演出の予告表示と、第2予告演出の予告表示とが同一タイミング(遊技者が同一に表示されたと認識する程度の誤差を含む)で実行される。さらに、第3期間中に枠ボタン22を操作した場合は、既に第2予告演出の予告表示が実行されているため(第2事前予告期間2経過後の時点で第2予告演出の予告表示が表示されるため)、第2予告演出の予告表示が実行された後に第1予告演出の予告表示が実行される。
このように構成することで、複数の予告演出が重複した場合に、一方の予告演出の予告表示が実行されるタイミングに基づいて重複して設定された複数の予告演出のそれぞれの実行タイミングを設定することができるため、適正な順序で複数の予告演出を実行することができる。
また、上述した第2予告演出は、単独で実行される場合には18秒間の事前予告期間(図103(a)の宝箱が表示される期間)を経てから、第2予告演出の予告表示(図104(a)参照)が実行されるように予め設定しているが、図138(a)に示したように操作予告演出(第1予告演出)と重複して実行される場合には、操作予告演出(第1予告演出)の枠ボタン操作可能範囲のうち、第1期間または第2期間中に枠ボタン22を操作した場合には、第2事前予告期間中に第2予告演出の予告表示(図104(a)参照)を実行させることが可能となる。
さらに、第2予告演出が実行されることを事前に報知する第2事前予告期間のうち第2事前予告期間1は、どのタイミングで枠ボタン22が操作されたとしても第2予告演出の予告表示が実行されることが無いため、第2予告演出が実行されることを事前に報知する期間を確実に確保することができる。
<第2操作演出例の電気的構成について>
次に、図139を参照して、本第2操作演出例における電気的構成について説明する。本第2操作演出例では、第1実施形態に対して、音声ランプ制御装置113のMPU201のROM222及びRAM223の内容が変更されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図139(a)は、第2操作演出例における音声ランプ制御装置113のMPU201のROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第2操作演出例では、第1実施形態におけるROM222(図30(a)参照)に対して、第1コメント予告選択テーブル222ea、第2コメント予告選択テーブル222ebを追加している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
第1コメント予告選択テーブル222eaは、本第2操作演出例で用いられる予告演出(第1予告演出)である第1コメント予告の演出態様(予告内容、実行タイミング)を選択するためのデータテーブルであって、演出カウンタ223fが有する図示しない第1コメント抽選カウンタの値に対応して複数の演出態様が規定されている。この第1コメント予告選択テーブル222eaは、コメント予告設定処理(図141参照)において、第1コメント予告の演出態様を選択する際に参照される(図141のS7501)。
第2コメント予告選択テーブル222ebは、本第2操作演出例で用いられる予告演出(第2予告演出)である第2コメント予告の演出態様(予告内容、実行タイミング)を選択するためのデータテーブルであって、演出カウンタ223fが有する図示しない第2コメント抽選カウンタの値に対応して複数の演出態様が規定されている。この第2コメント予告選択テーブル222ebは、コメント予告設定処理(図141参照)において、第2コメント予告の演出態様を選択する際に参照される(図141のS7502)。
なお、上述した、第1コメント予告選択テーブル222eaと、第2コメント予告選択テーブル222ebとはそれぞれ異なるデータテーブルで構成されており、それぞれ独立して演出態様が選択されるように構成している。
図139(b)は、第2操作演出例における音声ランプ制御装置113のMPU201のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第2操作演出例では、第1実施形態におけるRAM223(図30(a)参照)に対して、第1コメントフラグ223ea、予告重複フラグ223ebを追加している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
第1コメントフラグ223eaは、第1コメント予告が実行されることを判別するためのフラグであって、オンに設定されることで第1コメント予告が実行されることを示している。この第1コメントフラグ223eaは、後述するコメント予告設定処理(図141のS2951参照)において、第1コメント予告を実行すると判別した場合に(図141のS7503:Yes)、オンに設定され(図141のS7504)、枠ボタン入力監視・演出処理6(図142参照)において参照され(図142のS3051参照)、予告態様設定処理6(図143参照)において表示用予告コマンドを設定した後に、オフに設定される(図143のS3077参照)。
予告重複フラグ223ebは、第1コメント予告と第2コメント予告とが重複した期間に設定されたことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで第1コメント予告と第2コメント予告とが重複した期間に設定されたことを示すものである。この予告重複フラグ223ebは、後述するコメント予告設定処理(図141のS2951参照)において、重複期間ありと判別された場合に(図141のS7508:Yes)、オンに設定され(S7509)、枠ボタン入力監視・演出処理6(図142参照)において参照され(図142のS3052参照)、予告態様設定処理6(図143参照)において表示用予告コマンドを設定した後に、オフに設定される(図143のS3077参照)。
<第2操作演出例の制御処理について>
次に、図140から図144を参照して、本第2操作演出例における制御処理について説明をする。本第2操作演出例では、得点演出中に実行される変動パターンの中にコメント予告が含まれている場合にコメント予告を設定するための処理を実行するように構成している。
まず、図140を参照して得点付与演出設定処理6(S2803)の内容について説明をする。図140は得点付与演出設定処理6(S2803)の内容を示したフローチャートである。この得点付与演出設定処理6(S2803)は、上述した第1実施形態の得点付与演出設定処理(図65参照)に対して、操作得点演出に替えてコメント予告に関する処理を加えた点で相違しそれ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
得点付与演出設定処理6(S2803)が実行されると、まずは、上述した得点付与演出設定処理(図65参照)と同一のS2901〜S2910の処理を実行し、S2910の処理を終えると、次に、コメント予告設定処理を実行し(S2951)、上述したS2908の処理を実行し本処理を終了する。
ここで、コメント予告設定処理(S2951)の内容について図141を参照して説明をする。図141はコメント予告設定処理(S2951)の内容を示したフローチャートである。このコメント予告設定処理(S2951)では、今回決定した変動パターンにてコメント予告を実行するか否か、及び、実行されるコメント予告の演出態様(予告内容、実行タイミング)を設定するための処理が実行される。
図141に示した通り、コメント予告設定処理(S2951)が実行されると、まず、第1コメント予告選択テーブル222eaを用いて第1コメント予告を選択し(S7501)、次いで、第2コメント予告選択テーブル222ebを用いて第2コメント予告を選択する(S7502)。そして、S7501の処理において第1コメント予告を実行することが選択されたかを判別し(S7503)、第1コメント予告を実行すると判別した場合は(S7503:Yes)、第1コメントフラグ223eaをオンに設定し(S7504)、次に、S7502の処理において第2コメント予告を実行することが選択されたかを判別し(S7504)、第2コメント予告を実行すると判別した場合は(S7505:Yes)、第1コメント予告として選択された予告内容と第2コメント予告として選択された予告内容とを判定する(S7506)。
そして、S7506の判定内容に基づいて第1コメント予告実行期間と、第2コメント予告実行期間とを設定し(S7507)、次に、今回設定した第1コメント予告実行期間と、第2コメント予告実行期間とが重複する期間があるかを判別する(S7508)。S7508の処理において重複期間があると判別した場合は(S7508:Yes)、予告重複フラグ223ebをオンに設定し(S7509)、本処理を終了する。
一方、S7508の処理において重複期間が無いと判別した場合は(S7508:No)、S7509の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。ここで、S7508の処理で重複期間が無いと判別した場合はS7507の処理にて設定された第1コメント予告実行期間と、第2コメント予告実行期間と、に基づいて各コメント予告が実行される。
次に、図142を参照して、第2操作演出例における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図56参照)において実行されるボタン入力監視・演出処理6(S2107)の内容について説明をする。図142は、枠ボタン入力監視・演出処理6(S2107)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理6(S2107)では、各タイミングでの枠ボタン22の操作に対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させるための処理が実行される。
枠ボタン入力監視・演出処理6(S2107)を実行すると、まず、枠ボタン22の押下を検出したかを判別し(S3001)、押下を検出していないと判別した場合は(S3001:No)、そのまま本処理を終了する。枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S3001:Yes)、第1コメントフラグはオンであるか判別する(S3051)。第1コメントフラグがオンであると判別された場合には(S3051:Yes)、操作済フラグをオンに設定し(S3003)、予告重複フラグがオンであるか判別する(3052)。予告重複フラグがオンであると判別した場合には(3052:Yes)、予告態様設定処理6が実行される(S3053)。この予告態様設定処理6(S3053)については、図143を参照して後述する。
S3053の処理が実行された後には、S3004の処理が実行される。一方、S3052の処理において、予告重複フラグがオフであると判別した場合には(S3052:No)、S3004の処理を実行する。S3004の処理では、ボタン押下に対応した表示用押下コマンドが設定される(S3004)。一方、S3051の処理において、第1コメントフラグがオフであると判別した場合には(S3051:No)、その他操作期間であるか判別する。その他操作期間であると判別した場合には、S3004の処理を実行する。S3004の処理を実行した後、この処理を終了する。一方、S3005の処理において、その他操作期間外であると判別した場合には(S3005:No)、この処理を終了する。
次に、図143を参照して、第2操作演出例における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図56参照)において実行されるボタン入力監視・演出処理6(S2107)内の一処理である予告態様設定処理6(S3051)の内容について説明をする。図142は、予告態様設定処理6(S3051)を示したフローチャートである。この予告態様設定処理6(S3051)では、枠ボタン22を押下した場合におけるタイミングに基づいて各種演出が設定される処理が実行される。
予告態様設定処理6(S3051)を実行すると、まず、押下タイミングが第1期間であるか判別する(S3053)。押下タイミングが第1期間である場合には(S3053:Yes)、第1コメント予告の実行期間を第1期間後に設定する(S3071)。第2コメント予告の実行期間を第2事前予告期間1終了後に設定する(S3072)。その後、S3055の処理を実行する。一方、S3053の処理において押下タイミングが第1期間外であると判別した場合には(S3053:No)、押下タイミングが第2期間内であるか判別する(S3056)。押下タイミングが第2期間内であると判別した場合には(S3056:Yes)、第1コメント予告の実行を設定する(S3073)。第2コメント予告の実行を設定する(S3074)。その後、S3055の処理を実行する。
一方、S3056の処理において、押下タイミングが第2期間外であると判別した場合には(S3056:No)、第1コメント予告の実行を設定する(S3075)。その後、第2コメント予告の実行期間を第2事前予告期間2終了後に設定する(S3076)。
S3055の処理では、設定した態様に対応した表示用予告コマンドを設定する(S3055)。その後、第1コメントフラグ、予告重複フラグをオフに設定して(S3077)、その後、この処理を終了する。
次に、図144を参照して、本第2操作演出例における演出更新処理6(S2112)の内容を説明する。図144は演出更新処理6(S2112)の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理6(S2112)では、第1予告演出の実行期間中のうち、枠ボタン22が操作されていない場合に実行される予告演出の実行期間を設定するための処理が実行される。
演出更新処理6(S2112)が実行されると、まず、第1コメントフラグ223eaがオンに設定されているかを判別し(S3171)、オンに設定されていると判別した場合は(S3171:Yes)、次いで、第2期間が経過したかを判別する(S3172)。ここで、第3期間を判別したか否かは、音声ランプ制御装置113のRAMが有する変動時間カウンタ223hにより計時される時間を用いて判別される。
S3172の処理において、第2期間が経過していると判別した場合は(S3172:Yes)、操作済フラグ223rがオンであるかを判別し(S3173)、操作済フラグ223rがオンでは無いと判別した場合は(S3173:No)、次に、予告重複フラグ223ebがオンに設定されているかを判別する(S3174)。
一方で、S3171の処理において、第1コメントフラグ223eaがオンでは無いと判別した場合(S3171:No)、S3172の処理において、第2期間を経過していない、即ち、現在が第1予告演出期間中であると判別した場合(S3172:No)、S3173の処理において、操作済フラグ223rがオンに設定されていると判別した場合(S3173:Yes)は、そのまま本処理を終了する。
S3174の処理において、予告重複フラグ223ebがオンに設定されていると判別した場合は(S3174:Yes)、第2コメント予告の実行期間を第2事前報知期間2終了後に設定し(S3175)、予告重複フラグ223ebをオフに設定し(S3176)、第1コメントフラグをオフに設定し(S3177)、本処理を終了する。つまり、第1コメント予告と第2コメント予告とが、図138(a)を参照して上述したように重複して設定された場合は、操作演出である第1コメント予告に対する枠ボタン22の操作が所定期間(第2期間が経過するまで)操作されなかった場合に、第2コメント予告の実行期間を設定するように構成している。
以上説明をしたように、第1実施形態では、特別図柄の抽選に対応して第3図柄表示装置81に表示される演出として、複数の特別図柄変動を跨いで実行される連続演出を設定可能に構成している。このように、対象となる特別図柄の抽選結果を、その対象となる特別図柄よりも前に実行される特別図柄の変動期間を用いて示唆することで、遊技者に対してより長期間の演出を提供することができ演出効果を高めることができる。また、特別図柄の抽選結果(例えば、外れ)を、毎変動強調表示することなく、連続演出を実行することができるため、遊技者の遊技意欲が低下する事態が発生することを抑制することができる。
さらに、所定の段階情報(ゲージ量)を異なる段階情報(ゲージ量)に可変させるための得点を付与するための演出(得点付与演出)と、段階情報が特定段階情報となった場合(ゲージ量が6に到達し、チャージ量が蓄積された場合)に実行可能となる特定演出(チャージ演出)と、が実行され得る得点演出を実行するように構成している。そして、全体的には連続演出として実行される得点演出において、段階情報が多く可変し、チャージ量が多く蓄積されるほど得点演出の対象となる特別図柄の抽選結果が大当たりである期待度が高くなるように構成している。
これにより、得点演出が実行されている期間(複数の特別図柄変動期間)中において段階情報を徐々に可変させるように得点付与演出を実行することで、遊技者に対して大当たり当選の期待度を視覚的に報知することができ、早期に遊技に飽きてしまうことを抑制し、演出効果を高めることができる。
加えて、上述した第1実施形態では、得点付与演出として、特別図柄の変動表示中に第3図柄表示装置81の表示画面に得点を表示(付与)し、表示(付与)された得点が所定量(例えば、6)蓄積された場合に、特定演出(チャージ演出)が実行されるように構成している。これにより、第3図柄に表示された得点を把握することで特定演出の実行の有無、および、特定演出の実行タイミングを予測させることができ、演出効果を高めることができる。
上述した第1実施形態では、得点演出中に付与される得点の付与方法として、得点演出を実行すると判別した際に総付与得点を設定し、得点演出中において各変動表示が実行される度に、総付与得点を超えないように付与得点を設定するように構成している。これにより、得点演出中の演出態様を円滑に設定することができる。
また、上述した第2実施形態では、得点演出中に付与される得点の付与方法として、得点演出を実行すると判別した際に、得点演出中に実行される特定演出の回数を予め設定し、その特定演出の設定回数に対応した総得点数を設定するように構成している。これにより、特定演出が実行される回数が同一となる範囲内で総得点数を設定することができるため、演出効果を高めることができる。
上述した第3実施形態では、特定演出を得点演出の最終変動、つまり、得点演出を実行すると判別した起因となった入賞情報コマンドに対応する変動表示中にのみ特定演出を実行するように構成し、それまでの得点演出が実行される変動表示では、特定演出が実行される回数を確保するためのストック演出を実行するように構成している。
このように構成することで、得点演出を最後まで楽しませることができると共に、最終変動以外の変動表示において特定演出を実行する設定を行う必要が無くなるため、変動表示の設定処理を容易に実行することができる。
上述した第3実施形態の構成に加えて、得点演出を実行すると判別した場合に、得点演出の事前変動期間(得点演出が開始される特別図柄変動から、得点演出が実行されると判別された入賞情報に対応する特別図柄変動(最終変動)が開始されるまでの期間)中に付与される得点の付与パターンとして、異なる付与パターンを有する複数の付与シナリオから1の付与シナリオを設定し、設定された付与シナリオを用いて得点の付与タイミングを管理するように構成し、得点演出の最終変動期間(得点演出が実行されると判別された入賞情報に対応する特別図柄変動が実行される期間)中に実行される演出表示(最終得点演出)の演出態様を、設定された付与シナリオに基づいて選択するように構成している。
これにより、得点付与演出中に実行される得点付与演出の演出態様を意図的に異ならせることができる。よって、今回の得点演出において付与される総付与得点数を遊技者に早期に把握されてしまうことを抑制することができ、演出効果を高めることができる。
さらに、最終得点演出として選択された演出態様が示す大当たり当選の期待度を、設定された付与シナリオに応じて異ならせるように構成している点で相違している。
このように構成することで、得点演出の過程(得点の付与過程)と、最終変動にて実行される変動表示(最終得点演出)と、の内容によって大当たり期待度を可変させることができるため、得点演出の最後まで遊技者に期待感を持たせ続けることができる。
なお、上述した各実施形態においては、特別図柄の複数変動を用いて得点演出を実行するように構成しているが、上述した各実施形態において実行される得点演出を、特別図柄の1変動内に実行するように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の1回の変動パターンを複数のブロックに区分けして構成し、複数のブロックを前半ブロックと後半ブロックに設定する設定手段を設け、前半ブロックに設定された期間で事前得点演出を実行し、後半ブロックに設定された期間で最終得点演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、1回の特別図柄の前半ブロックの演出態様に基づいて後半ブロックの演出態様を設定することができるため、演出効果を高めることができる。また、上述した各実施形態に記載した技術概念を1回の特別図柄変動内で得点演出を実行する構成に組み合わせても良い。
また、上述した各実施形態では、複数のシナリオを設定する構成を設けているが、設定されているシナリオを遊技者に示唆(報知)する演出を設けても良い。これにより,得点演出中に設定された各種シナリオを遊技者が把握することが可能となるため、得点演出の演出結果を推理する楽しさを提供することができる。
また、上述した各実施形態では、得点付与演出において得点が付与された場合にゲージ量(段階情報)を可変させる構成を用いているが、これに加え、例えば、得点付与演出において得点が付与されない演出(ガセ演出)が実行された場合(例えば、0点が表示される得点付与演出)に、そのガセ演出の回数を計測する計測手段を設け、その計測手段によって計測された回数が所定回数(例えば、5回)に到達した場合に、ゲージ量(段階情報)を可変させる可変手段を設けても良い。これにより、得点付与演出においてガセ演出が実行された場合であっても、ゲージ量(段階情報)が可変する可能性を持たせることができるため、演出効果を高めることができる。
加えて、得点付与演出において得点(例えば1点)を付与すると決定した場合に、所定条件(例えば、操作手段(枠ボタン22)への操作)が成立しているかを判別する手段を設け、所定条件の成立状況に基づいて、通常の得点付与演出と、ガセ情報を用いた付与演出とを切り替える演出切替手段を設けても良い。
また、上述した各実施形態では、連続予告演出を実行すると判別した際に、今回の連続予告演出で付与する得点数(総得点数)や、実行する特定演出の回数(総特定演出回数)を決定し、その決定された内容に応じて連続予告演出中に実行される各変動表示の演出態様を設定するように構成している。そして、各変動表示の演出態様として、上述した総得点数や総特定演出回数を上限として、連続予告演出中に実行される残変動回数と、今回の連続予告演出の対象となる入賞情報の当否判定結果とに基づいて、付与する得点や特定演出の回数を複数範囲の中から抽選で決定するように構成している。
このように構成することで、連続予告演出中に実行される各変動表示の演出態様を、連続予告演出に対して適切に設定することができ、且つ、多彩な演出態様を設定することができる。しかしながら、連続予告演出中に実行される各変動表示単位で付与得点をランダムに設定する構成であるため、連続予告演出の全期間を通して関連性(ストーリー性)を持たせるように意図的に得点を付与することが出来ないという問題があった。
上述した問題を解決するためには、例えば、連続予告演出を実行すると判別した際に、連続予告演出の対象となる入賞情報の当否判定結果や、連続予告演出中に実行される変動表示回数(特別図柄回数)や、連続予告演出の対象となる入賞情報に含まれる変動種別等に応じて、連続予告演出全期間における得点付与パターンに関連性(ストーリー性)を持たせるようにシナリオを設定しても良い。
ここで設定するシナリオとしては、具体的には、総得点数を連続予告演出の前半に多く付与するシナリオ(シナリオA)、総得点数を連続予告演出の後半に多く付与するシナリオ(シナリオB)、総得点数を連続予告演出中に均等に付与するシナリオ(シナリオC)、総得点数を連続予告演出中に無作為に付与するシナリオ(シナリオD)等を設けると良い。このように構成することで、連続予告演出中に付与される得点に関連性(ストーリー性)を持たせることができる。よって、演出効果を高めることができる。
なお、上述したシナリオ(得点付与シナリオ)を設けた場合には、設定された得点付与シナリオに対応した演出態様を設定するように構成すると良い。このように構成することで、連続予告演出に対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上述した例では、連続予告演出の全期間における得点付与パターンに対してシナリオを設定するものであるが、それ以外の構成として、連続予告演出中の各変動表示の演出態様を設定する際に、その変動表示期間において付与する得点に対して関連性(ストーリー性)を持たせるようにシナリオを設定し、且つ、そのシナリオに対応した変動表示演出を実行するように構成しても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行され、通常の遊技状態の場合に遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域を異ならせていればよく、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。また、同一の領域を狙いながら異なる遊技状態における遊技を実行可能に構成してもよい。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22,23を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(1022b、1122b)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(特定演出の実行有無に応じて得点蓄積)
所定の演出期間内において特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により前記特定演出が実行されることを判別する実行判別手段と、複数段階の段階情報を表示可能な段階情報表示手段と、前記段階情報を可変させる段階情報可変手段と、前記実行判別手段の判別結果に応じて、前記段階情報可変手段により可変される前記段階情報を設定する段階情報設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、所定期間実行される演出のうち、特定の演出(例えば、カットイン演出)が実行されるタイミングを遊技者に事前に報知する事前報知演出(カウントダウン演出)を実行可能に構成している遊技機がある。(例えば、特開2013−198568号公報)。
かかる従来型の遊技機は、得点が所定量に到達した場合に特定演出を実行することができるため、特定演出が実行されるか否かを事前に煽ることができ、演出効果を高めることができるものであった。しかしながら、特定演出が実行されるタイミングに事前報知演出を実行すると判別した場合に、その事前報知演出を実行する期間(即ち、開始タイミングと終了タイミング)を設定するように構成されているため、演出内容が単調となってしまい、遊技者が演出に対して早期に飽きてしまうという問題があった。
遊技機A1によれば、実行判別手段により特定演出が実行されることを判別し、その判別結果に基づいて段階情報を可変設定し、段階情報表示手段に表示させることができる。これにより、段階情報の可変状況と、特定演出の実行の有無とに関連性を持たせることができる。よって、段階情報表示手段に表示される段階情報を見ることで特定演出が実行されるか否かを遊技者に予測させることが可能となるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記段階情報設定手段は、前記実行判別手段により前記特定演出を実行すると判別された場合に、前記段階情報として特定段階情報を設定するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出を実行すると判別された場合に、段階情報設定手段により段階情報として特定段階情報が設定される。これにより、段階情報の可変状況と、特定演出の実行の有無とにより関連性を持たせることができる。よって、段階情報表示手段に表示される段階情報が特定段階情報になることを期待しながら遊技を行わせることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A2において、前記段階情報設定手段は、前記複数の段階情報として前記特定段階情報とは異なる段階情報を少なくとも複数設定可能なものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、段階情報表示手段により複数の段階情報として特定段階情報とは異なる段階情報が少なくとも複数表示される。これにより、段階情報表示手段により表示される段階情報を見ることで、遊技者に段階情報が可変したことを把握させることができる。よって、特定段階情報へと可変される期待感を高めさせることができるため、遊技者に対して実行される演出を注視させることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記特定演出実行手段により前記特定演出が実行される特定期間を判別する期間判別手段を有し、前記段階情報設定手段は、前記期間判別手段の判別結果に応じて、前記段階情報可変手段により可変される前記段階情報を設定するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、期間判別手段により、演出期間のうち特定演出が実行される期間を判別し、その判別結果に基づいて段階情報を設定することができる。これにより、特定演出を実行されるタイミングに合わせて、段階情報を可変させることができ、特定演出の実行タイミングと表示される段階情報に関連性を持たせることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A4において、前記実行判別手段により前記特定演出が実行されると判別された場合に、前記期間判別手段により判別された前記特定期間に対応させて、所定の可変期間を前記特定期間よりも前に設定する可変期間設定手段を有し、前記段階情報設定手段は、前記可変期間設定手段により設定される前記可変期間中に前記特定段階情報を設定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変期間設定手段により特定演出が実行される特定期間に対応させて可変期間が設定され、段階情報設定手段により可変期間中に特定段階情報が設定される。これにより、段階情報表示手段により特定段階情報が表示されるタイミングと、特定演出が実行されるタイミングとに関連性を持たせることができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が実行されたことを判別する操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に応じて前記段階情報を可変させる段階情報操作可変手段と、その段階情報操作可変手段により可変される前記段階情報を設定する段階情報操作設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対して所定の操作が実行されたことが操作判別手段により判別され、その判別結果に応じて段階情報が段階情報操作設定手段により設定される。これにより、操作手段に対する操作内容に応じて表示される段階情報を異ならせることが可能となる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A6において、前記段階情報可変手段は、前記段階情報を複数回可変可能とするものであり、前記複数回可変される前記段階情報のうち、少なくとも1を前記段階情報操作可変手段により可変されるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、段階情報可変手段により段階情報が複数回可変され、そのうちの1つが段階情報操作可変手段により可変される。これにより、操作手段への操作に対応して可変される段階情報と、操作手段への操作に対応しないで可変される段階情報とを用いて段階情報を可変させることができる。よって、段階情報を多種にわたり設定することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機A7において、前記段階情報操作可変手段により可変された前記段階情報に対応させて、前記段階情報可変手段の可変態様を補正する補正手段を有するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、段階情報操作可変手段により可変された段階情報に対応させて、補正手段により他の段階情報の可変態様が補正される。これにより、操作手段への操作に応じて段階情報の可変態様を異ならせたとしても、他の段階情報の可変態様を補正することにより、特定期間に到達した際に、同一の段階情報を表示させることができる。よって、操作手段への操作の有無によって違和感のある演出が実行されてしまうという不具合が発生する事態を抑制することができるという効果がある。
遊技機A8において、前記段階情報設定手段は、前記操作判別手段により前記所定の操作が実行された場合に設定される操作段階情報を予め設定するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、段階情報設定手段により設定される段階情報として、操作手段に対して所定の操作が実行された場合に設定される操作段階情報に対応した段階情報が設定される。これにより、操作手段に対して所定の操作がされた場合には、予め設定された操作段階情報をそのまま用いることができるため、補正手段を用いて段階情報を設定する手間を省くことができ、段階情報を表示するための処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
上述した遊技機A9の構成に替えて、操作判別手段により所定の操作が実行されなかった場合に設定される操作段階情報に対応させた段階情報を予め設定するように構成しても良い。なお、段階情報設定手段により予め設定する操作段階情報は、操作手段に対して設定される所定の操作の難易度に応じて決定すれば良く、例えば、操作手段を操作させるための操作演出において所定の操作として容易な操作(例えば、操作手段である枠ボタン22を所定期間内に1回押下させる操作)を行わせる場合は、操作手段に対して所定の操作が実行された場合に設定される操作段階情報に対応した段階情報を予め設定し、操作手段を操作させるための操作演出において所定の操作として難しい操作(例えば、操作手段である枠ボタン22を操作させる期間を短く設定し、且つ複数回押下させる操作や、操作手段である枠ボタン22を操作させる期間を遊技者が把握できない操作演出中に操作)を行わせる場合は、操作手段に対して所定の操作が実行されなかった場合に設定される操作段階情報に対応した段階情報を予め設定するように構成すれば良い。
遊技機A8において、前記操作判別手段の判別結果を複数記憶可能な操作結果記憶手段と、その操作結果記憶手段に記憶された前記判別結果を判定可能な判定手段と、を有し、前記段階情報設定手段は、操作段階情報として、前記判定手段の判定結果に対応した操作段階情報を予め設定するものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作判別手段の判別結果が操作結果記憶手段により複数記憶され、判定手段により操作結果記憶手段に記憶された判別結果が判定される。そして、判定手段の判定結果に対応した段階情報が段階情報設定手段により設定される。これにより、遊技者の操作に対応した段階情報を段階情報設定手段により予め設定することができる。よって、例えば、操作手段を積極的に操作する遊技者に対しては、操作手段に対して所定の操作が実行された場合に設定される操作段階情報に対応した段階情報を予め設定し、操作手段を操作しない遊技者に対しては、操作手段に対して所定の操作が実行されなかった場合に設定される操作段階情報に対応した段階情報を予め設定することができる。よって、補正手段を用いて段階情報を補正する手間を省くことができ、段階情報を可変表示するための処理負荷をより軽減させることができるという効果がある。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による動的表示後に特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される期間を前記所定の演出期間として設定する演出期間設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A1からA10のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されている期間を用いて所定の演出期間が設定される。これにより、演出期間中に表示される段階表示の表示態様を特典遊技が付与される期待度として示すことが可能となる。よって、遊技者に演出内容を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機A1からA11の何れかにおいて、前記実行判別手段により前記特定演出を実行しないと判別された場合に、前記段階情報設定手段により設定される前記段階情報を制限する制限手段を有するものであることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A1からA11のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行判別手段により特定演出が実行されないと判別された場合には、制限手段により段階情報設定手段による段階情報の設定が制限される。これにより、特定演出が実行されるか否かを段階情報設定手段により設定される段階情報により予測させることができる。よって、可変表示される段階情報を遊技者に注視させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A12において、前記制限手段は、前記段階情報設定手段により前記特定段階情報が設定されることを制限するものであることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、制限手段により特定段階情報が設定されることが制限される。これにより、特定演出が実行されない場合に特定段階情報が設定されてしまうことを確実に防止することができる。よって、特定演出が実行されることを段階情報で報知することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A12またはA13において、前記段階情報設定手段は、前記制限手段により前記段階情報の設定を制限されている場合に、前記特定段階情報とは異なる準特定段階情報を設定し易くするものであることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A12またはA13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、制限手段により段階情報の設定が制限されている場合に、段階情報設定手段により準特定段階情報が設定され易くなる。これにより、段階情報設定手段により設定される段階情報によって、特定演出が実行されるか否かを遊技者に予測させることができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機A14において、前記段階情報設定手段は、前記段階情報を複数回設定可能とするものであり、前記準特定段階情報の示す前記段階情報は、前記特定段階情報に近似するものであることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定段階情報に近似する準特定段階情報が表示される。これにより、準特定段階情報が表示された場合に、次に特定段階情報が表示されるのではと遊技者に期待させることができる。よって、最後まで継続して期待感を持たせることができるという効果がある。
<特徴B群>(前半期間の演出過程に基づいて後半期間の演出を設定)
所定期間の期間演出を設定する期間演出設定手段と、前記期間演出設定手段により設定された前記期間演出を実行する期間演出実行手段と、を有した遊技機において、前記期間演出設定手段は、所定の第1期間における第1期間演出を設定する第1期間演出設定手段と、前記第1期間よりも後に設定される第2期間における第2期間演出を設定する第2期間演出設定手段と、を有し、前記第2期間演出設定手段は、前記期間演出実行手段により実行された第1期間演出の演出態様に応じて、前記第2期間演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、所定期間実行される演出のうち、特定の演出(例えば、カットイン演出)が実行されるタイミングを遊技者に事前に報知する事前報知演出(カウントダウン演出)を実行可能に構成している遊技機がある。(例えば、特開2013−198568号公報)。
かかる従来型の遊技機は、得点が所定量に到達した場合に特定演出を実行することができるため、特定演出が実行されるか否かを事前に煽ることができ、演出効果を高めることができるものであった。しかしながら、特定演出が実行されるタイミングに事前報知演出を実行すると判別した場合に、その事前報知演出を実行する期間(即ち、開始タイミングと終了タイミング)を設定するように構成されているため、演出内容が単調となってしまい、遊技者が演出に対して早期に飽きてしまうという問題があった。
遊技機B1によれば、所定期間の期間演出が期間演出設定手段により設定され、期間演出実行手段により期間演出が実行される。さらに、期間演出設定手段として、所定の第1期間における第1期間演出が第1期間演出設定手段により設定され、第1期間よりも後の第2期間における第2期間演出が、第1期間演出の演出態様に応じて第2期間演出設定手段により設定される。
これにより、期間演出中の演出態様として第1期間演出の演出態様と、その第1期間演出中に実行された演出態様に応じた第2期間演出の演出態様と、を設定することができるため、期間演出中に実行される一連の演出内容を遊技者に違和感を与えることの無い演出として実行することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において、所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による動的表示後に特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、所定の取得条件が成立した場合に、入球情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得した前記入球情報を、前記所定の判別条件が成立するまでの間、所定数を上限に複数記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶される前記入球情報に基づいて事前判別を実行する事前判別手段と、を有し、前記事前判別手段による事前判別の結果が所定条件を満たした場合に、前記期間演出設定手段により、前記記憶手段に記憶されている複数の前記入球情報に対応する前記動的表示期間を用いて前記期間演出が設定されるものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、判別手段の判別結果を示すための識別情報が動的表示手段により所定期間動的表示され、判別手段の判別結果が所定の判別結果である場合に特典遊技付与手段により特典遊技が付与される。所得条件が成立した場合に取得手段により入球情報が取得され、記憶手段により所定数を上限に複数記憶される。そして、記憶手段に記憶される入球情報に基づいて事前判別手段により事前判別が実行され、その判別結果が所定条件を満たした場合に、記憶手段に記憶されている複数の入球情報に対応する動的表示期間を用いた期間演出が期間演出設定手段により設定される。これにより、複数の入球情報に対応する動的表示期間を用いた期間演出を実行することができるため、期間演出の演出期間を長くすることができ、演出効果を高めることができる。
遊技機B1またはB2において、前記第1期間演出終了時における演出態様である最終演出態様を決定する決定手段と、前記第1期間演出開始時における演出態様である開始演出態様を、前記決定手段により決定された前記最終演出態様とするための演出シナリオを設定する演出シナリオ設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1期間演出の最終演出態様が決定手段により決定され、第1期間演出の開始演出態様を第1期間演出の最終演出態様とするための演出シナリオが演出シナリオ設定手段により設定される。よって、第1期間演出中における演出態様を演出シナリオに応じて可変させることができるため、期間演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機B3において、前記演出シナリオ設定手段により設定可能な前記演出シナリオが複数記憶されているシナリオ記憶手段を有し、前記シナリオ記憶手段は、所定の第1演出シナリオと、その第1演出シナリオとは異なる過程で前記開始演出態様を前記最終演出態様とする第2演出シナリオと、を少なくとも記憶しているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出シナリオ記憶手段に異なる過程で開始演出態様を最終演出態様とする複数の演出シナリオが記憶される。これにより、第1期間における第1期間演出の内容を意図的に異ならせることができるため、第1期間演出の最中に遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B4において、前記第2期間演出設定手段は、少なくとも、前記演出シナリオ設定手段により設定された前記演出シナリオに応じて前記第2期間演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出シナリオ設定手段により設定された演出シナリオに応じて第2期間演出設定手段により前記第2期間演出の演出態様が設定される。これにより、第1期間演出中に設定された演出シナリオに対応した第2期間演出を設定することができるため、遊技者に違和感の無い演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機B5において、前記第2期間演出設定手段は、前記第1期間演出の最終演出態様に応じて前記第2期間演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出シナリオ設定手段により設定された演出シナリオに加え、第1期間演出の最終演出態様に応じて第2期間演出設定手段により前記第2期間演出の演出態様が設定される。これにより、第1期間演出の最終演出態様が同一の場合であっても、第2期間演出の演出態様を異ならせることが可能となる。よって、期間演出全体の演出態様を多様化することができるという効果がある。
遊技機B3からB6のいずれかにおいて、前記演出シナリオ設定手段により設定された演出シナリオを示唆する示唆手段を有するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B3からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出シナリオ設定手段により設定された演出シナリオが示唆手段により示唆される。よって、遊技者に設定されている演出シナリオを予測させる楽しみを提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機B7において、前記示唆手段は、前記第1期間中に前記演出シナリオ設定手段により設定された演出シナリオを示唆するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、演出シナリオ設定手段により設定された演出シナリオが示唆手段により第1期間中に示唆される。よって、遊技者に設定されている演出シナリオを予測させた状態で、第1期間演出を実行させることができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記期間演出は、前記事前判別の結果が所定条件を満たした前記入球情報に対応する前記判別手段の判別結果を示すためのものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9において、前記決定手段は、前記事前判別の結果が所定条件を満たした前記入球情報に対応する前記判別手段の判別結果に応じて前記最終演出態様を決定するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、前記事前判別の結果が所定条件を満たした前記入球情報に対応する前記判別手段の判別結果を示すための動的表示期間に対応して前記第2期間を設定する第2期間設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機B11。
<特徴Ca群>(重複予告演出の実行タイミング調整)
所定の演出期間内において特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により前記特定演出が実行されることを示唆するための第1示唆演出を所定の第1タイミングで実行する第1示唆演出実行手段と、前記特定演出実行手段により前記特定演出が実行されることを示唆するための前記第1示唆演出とは異なる第2示唆演出を所定の第2タイミングで実行する第2示唆演出実行手段と、前記第1示唆演出が実行される前記第1タイミングと、前記第2示唆演出が実行される前記第2タイミングとのうち、少なくとも1のタイミングを調整可能な実行タイミング調整手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機Ca1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための予告演出を複数実行可能に構成している遊技機がある。(例えば、特開2013−198568号公報)。
かかる従来型の遊技機は、複数の予告演出を実行することができ、演出効果を高めることができるものであった。しかしながら、複数の予告演出の表示タイミングや表示内容次第では、全ての予告演出に対して遊技者に期待を持たせることができない場合があり、遊技者が演出に対して早期に飽きてしまうという問題があった。
遊技機Ca1によれば、第1示唆演出が実行される第1タイミングと、第2示唆演出が実行される第2タイミングとのうち、少なくとも1のタイミングが実行タイミング調整手段により調整される。これにより、複数の示唆演出が実行される場合において、各示唆演出を適正な順序で実行することができるという効果がある。
遊技機Ca1において、前記第1示唆演出が実行される第1示唆演出期間を設定する第1示唆演出期間設定手段と、その第1示唆演出期間設定手段により設定された前記第1示唆演出期間を判別する第1示唆演出期間判別手段と、前記第2示唆演出が実行される第2示唆演出期間を設定する第2示唆演出期間設定手段と、その第2示唆演出期間設定手段により設定された前記第2示唆演出期間を判別する第2示唆演出期間判別手段と、前記第1示唆演出期間と、前記第2示唆演出期間との少なくとも一部が重複しているかを判別する重複期間判別手段と、を有し、前記実行タイミング調整手段は、前記重複期間判別手段の判別結果に応じて前記少なくとも1のタイミングを調整するものであることを特徴とする遊技機Ca2。
遊技機Ca2によれば、遊技機Ca1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1示唆演出期間判別手段により第1示唆演出期間が判別され、第2示唆演出期間判別手段により第2示唆演出期間が判別される。そして、第1示唆演出期間と、第2示唆演出期間との少なくとも一部が重複しているかが重複期間判別手段により判別され、その判別結果に応じて実行タイミング調整手段により実行タイミングが調整される。これにより、それぞれ独立して設定される各示唆演出の実行期間が重複した場合における各示唆演出の実行タイミングを調整することができるため、複数の示唆演出が短期間の間に実行された場合において、各示唆演出を適正な順序で実行することができるという効果がある。
遊技機Ca2において、前記第1示唆演出実行手段により前記第1示唆演出が実行されることを事前に報知する事前報知を実行可能な事前報知実行手段とを有し、前記第1示唆演出期間設定手段は、前記事前報知が実行される事前報知期間も前記第1示唆演出期間として設定するものであることを特徴とする遊技機Ca3。
遊技機Ca3によれば、遊技機Ca2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、事前報知実行手段により第1示唆演出が実行されることを事前に報知する事前報知が実行され、その事前報知が実行される事前報知期間が第1示唆演出期間設定手段により設定される。これにより、実際に示唆演出が実行される期間ではなく、示唆演出が実行されることを報知している期間と、他の示唆演出が実行される期間とが重複した場合であっても、示唆演出の実行タイミングを調整することができる。よって、各示唆演出を適正な順序で実行することができるという効果がある。
遊技機Ca3において、前記実行タイミング調整手段は、前記重複期間判別手段により前記事前報知期間と、前記第2示唆演出期間との少なくとも一部が重複していると判別した場合に、前記第1示唆演出の実行タイミングを調整するものであることを特徴とする遊技機Ca4。
遊技機Ca4によれば、遊技機Ca3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、重複期間判別手段により事前報知期間と、第2示唆演出期間との少なくとも一部が重複していると判別された場合に、実行タイミング調整手段により第1示唆演出の実行タイミングが調整される。これにより、第2示唆演出の実行タイミングに基づいて第1示唆演出を実行するタイミングを異ならせることができる。よって、第1示唆演出と第2示唆演出とを適正なタイミングで実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機Ca4において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が実行されたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記第2示唆演出実行手段は、前記操作判別手段による判別結果に応じて前記第2示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機Ca5。
遊技機Ca5によれば、遊技機Ca4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段に対して実行される所定の操作に応じて第2示唆演出が実行される。よって、遊技者の操作に応じて第2示唆演出の実行タイミングを異ならせることができるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができるという効果がある。
また、遊技者の操作タイミングに応じて第2示唆演出の実行タイミングが異なったとしても、その第2示唆演出の実行タイミングに応じて第1示唆演出の実行タイミングを調整することができるため、第1示唆演出と第2示唆演出とを適正なタイミングで実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機Ca5において、前記操作手段に対して前記所定の操作が実行されたことを前記操作判別手段が有効に判別する操作有効期間を設定する有効期間設定手段を有し、前記有効期間設定手段は、前記事前報知期間と重複して前記操作有効期間を設定可能とするものであり、前記実行タイミング調整手段は、前記事前報知期間と重複して設定された前記操作有効期間における前記操作判別手段の判別結果に基づいて前記第1示唆演出の実行タイミングを調整するものであることを特徴とする遊技機Ca6。
遊技機Ca6によれば、遊技機Ca5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効期間設定手段により操作有効期間が事前報知期間と重複して設定され、その重複して設定された操作有効期間における操作判別手段の判別結果に基づいて第1示唆演出の実行期間が示唆演出実行期間設定手段により設定される。これにより、第1示唆演出の事前報知期間が実行されている間に第2示唆演出が実行されるか否かによって第1示唆演出の実行期間を異ならせることができる。よって、遊技者の操作に応じて実行される第1示唆演出を用いたとしても、第1示唆演出と第2示唆演出とを適正なタイミングで実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機Ca5において、前記事前報知期間設定手段は、前記操作判別手段の判別結果に関わらず前記事前報知を実行する第1事前報知期間と、前記操作判別手段の判別結果に応じて前記事前報知或いは前記第1示唆演出を実行する第2事前報知期間と、を設定するものであることを特徴とする遊技機Ca6。
遊技機Ca6によれば、遊技機Ca5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、事前報知期間設定手段により、事前報知のみを実行する第1事前報知期間と、事前報知或いは第1示唆演出を実行する第2事前報知期間とが設定される。これにより、事前報知が実行されている第2事前報知期間中に、遊技者が所定の操作を実行することで第1示唆演出を即座に実行させることができる。よって、第1示唆演出の実行タイミングを柔軟に設定することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
また、第1事前報知期間を設けることで、遊技者が所定の操作を実行した場合であっても第1示唆演出が実行されることを確実に事前報知することができるため、遊技者に分かり易い演出を実行することができるという効果がある。
<特徴D群>(所定の段階表示で特定演出)
複数段階の段階情報を表示する段階情報表示手段と、前記段階情報を可変させる段階情報可変手段と、前記段階情報可変手段により可変される前記段階情報を設定する段階情報設定手段と、前記段階情報表示手段により特定段階情報が表示された場合に特定演出を実行する特定演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、所定期間実行される演出のうち、特定の演出(例えば、カットイン演出)が実行されるタイミングを遊技者に事前に報知する事前報知演出(カウントダウン演出)を実行可能に構成している遊技機がある。(例えば、特開2013−198568号公報)。
かかる従来型の遊技機は、得点が所定量に到達した場合に特定演出を実行することができるため、特定演出が実行されるか否かを事前に煽ることができ、演出効果を高めることができるものであった。しかしながら、特定演出が実行されるタイミングに事前報知演出を実行すると判別した場合に、その事前報知演出を実行する期間(即ち、開始タイミングと終了タイミング)を設定するように構成されているため、演出内容が単調となってしまい、遊技者が演出に対して早期に飽きてしまうという問題があった。
遊技機D1によれば、段階情報表示手段に特定段階情報が表示された場合に特定演出実行手段により特定演出が実行される。これにより、特定演出が実行されるか否かを段階情報の可変状況から遊技者に予測させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機D1において、所定条件の成立を判別する条件判別手段と、その条件判別手段により前記所定条件の成立が判別されるまでの間、前記段階情報表示手段により前記特定段階情報が表示されないように前記段階情報設定手段による前記段階情報の設定を制限する制限手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、条件判別手段により所定条件の成立が判別され、所定条件が成立するまでは、特定段階情報が表示されないように制限手段により段階情報設定手段による段階情報の設定が制限される。これにより、特定演出が実行されない場合に特定段階情報が表示されることを防止することができる。よって、遊技者に分かり易い演出を提供することができるという効果がある。
遊技機D2において、前記段階情報設定手段は、前記制限手段により前記段階情報の設定を制限されている場合に、前記特定段階情報とは異なる前記順特定段階情報を設定し易くするものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、制限手段により段階情報の設定が制限されている場合に、順特定段階情報が設定され易くなる。よって、制限手段により段階情報の設定が制限されている状態であっても、遊技者に興味を持たせた演出を提供することができるという効果がある。
遊技機D3において、前記段階情報設定手段は、前記順特定段階情報が設定されている場合に前記特定段階情報を設定可能とするものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、順特手段階情報が設定されている場合に段階情報設定手段により特定段階情報が設定される。これにより、順特定段階情報が設定された場合に次に特定段階情報が設定されるのではと遊技者に期待感を持たせることができる。よって、制限手段により段階情報の設定が制限されている状態であっても、遊技者に興味を持たせた演出を提供することができるという効果がある。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、特別演出を実行可能な特別演出実行手段と、その特別演出実行手段により前記特別演出が実行される実行タイミングを判別する実行タイミング判別手段と、前記段階情報表示手段により前記特定段階情報が表示されてから前記実行タイミング判別手段により判別された前記実行タイミングまでの残期間を判別する残期間判別手段と、を有し、前記特定演出実行手段は、前記特定演出として前記残期間判別手段の判別結果に応じた期間報知演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別演出実行手段により実行される特別演出が実行されるまでの残期間が残期間判別手段により判別され、その判別結果に応じた期間報知演出が特定演出として実行される。これにより、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機D5において、所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記動的表示後に特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、所定の取得条件が成立した場合に、入球情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得した前記入球情報を、前記所定の判別条件が成立するまでの間、所定数を上限に複数記憶可能な記憶手段と、を有し、前記特定演出実行手段は、前記段階情報表示手段により前記特定段階情報が表示された場合に前記記憶手段に記憶されている複数の前記入球情報に対応する前記動的表示期間を用いて前記期間報知演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の動的表示期間を跨いで期間報知演出を実行することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機D6において、前記段階情報表示手段により前記特定段階情報が表示された場合に実行されている前記動的表示の残期間を判別する動的表示残期間判別手段と、その動的表示残期間判別手段により残期間が判別された前記動的表示の次に実行される動的表示において前記特別演出が実行されるまでの特定期間を判別する特定期間判別手段と、を有し、前記残期間判別手段は、前記動的表示残期間判別手段の判別結果と、前記特定期間判別手段の判別結果とに基づいて前記残期間を判別するものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の動的表示期間を跨いで実行される期間報知演出を確実に実行することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機D7において、前記特別演出実行手段は、前記動的表示手段により前記動的表示が実行されてから特定タイミングで前記特別演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の動的表示期間を跨いで実行される期間報知演出を確実に実行することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴E群>(重複予告演出の表示内容調整)
異なる演出期間のうち、一の演出期間を設定する演出期間設定手段と、前記一の演出期間内に設定される特定期間において特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出結果を示唆するための示唆演出を前記演出期間内に実行する示唆演出実行手段と、を有し、前記示唆演出実行手段は、少なくとも、第1示唆演出を実行する第1示唆演出実行手段と、前記第1示唆演出とは異なる第2示唆演出を実行する第2示唆演出実行手段と、前記第1示唆演出と前記第2示唆演出の実行期間を設定する示唆演出実行期間設定手段と、を有し、前記示唆演出実行期間設定手段により設定された前記第1示唆演出の実行期間と、前記第2示唆演出の実行期間と、を判別する実行期間判別手段と、その実行期間判別手段の判別結果に応じて前記示唆演出実行手段により実行される前記第1示唆演出と前記第2示唆演出の演出態様を設定する演出態様設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、当たり抽選を行い、その抽選結果を示すための変動表示演出を表示装置にて実行するものがある。かかる従来型の遊技機では、その抽選結果を示唆するための示唆演出を複数設け、その複数の示唆演出の一部として遊技者が操作可能な操作手段への操作結果に基づいて示唆演出を実行する操作示唆演出を有する遊技機が提案されている(例えば、特開2014−128603号公報)。しかしながら、上述した従来型の遊技機では、操作示唆演出を実行するために操作手段への操作を有効に判別する期間が所定期間設けられていることから、通常の示唆演出実行タイミングと操作示唆演出実行タイミングが入れ替わる場合があり、各位示唆演出の演出効果が低下してしまい、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合が生じてしまうという問題があった。
遊技機E1によれば、第1示唆演出の実行期間と、第2示唆演出の実行期間とを判別し、判別結果に基づいて各示唆演出の演出態様を設定することができる。よって、遊技者の興趣を向上させて、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機E1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記第1示唆演出実行手段は、前記操作判別手段による判別結果に応じて前記第1示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、操作手段への操作タイミングに応じて、第1示唆演出を実行するタイミングが異なったとしても、適切な演出態様を設定することができる。よって、遊技者の興趣を向上させて、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機E2において、前記示唆演出実行期間設定手段は、前記第1示唆演出の実行期間と、前記第2示唆演出の実行期間とを重複して設定可能なものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、第1示唆演出の実行期間と第2示唆演出の実行期間とを重複して設定することができるため、限られた期間の中でより多くの示唆演出を実行することができる。
<特徴F群>(段階報知態様に応じた期待度演出)
所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果を示すための動的表示を所定期間実行する動的表示手段と、前記判別手段による判別の結果が所定の判別結果である場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段による判別結果が所定の判別結果であることを示唆するための示唆態様を設定する示唆態様設定手段と、その示唆態様設定手段により設定された前記示唆態様を前記動的表示が実行される前記所定期間実行する示唆態様実行手段と、複数段階の段階情報を表示する段階情報表示手段と、その段階情報表示手段によって表示される前記段階情報を可変させる段階情報可変手段と、を有し、前記示唆態様設定手段は、前記段階情報可変手段により前記段階情報が所定の第1段階情報へと可変された場合に前記判別手段による判別結果が所定の判別結果である期待度が高いことを示唆する第1示唆態様と、前記段階情報可変手段により前記段階情報が所定の第2段階情報へと可変された場合に前記判別手段による判別結果が所定の判別結果である期待度が高いことを示唆する第2示唆態様と、を少なくとも設定可能であることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、当たり抽選を行い、その抽選結果を示すための変動表示演出を表示装置にて実行するものがある。かかる従来型の遊技機では、その抽選結果に基づいて、付与条件が成立した場合に得点を付与し、付与された得点量が大きい程、当たり期待度の高い演出(リーチ演出)が実行される遊技機が提案されている(例えば、特開2011−62560号公報)。しかしながら、上述した従来型の遊技機では、付与された特典量が小さい場合には当たり期待度が低いリーチ演出が実行されるため、リーチ演出が実行される前に遊技者が遊技に飽きてしまい、遊技者の興趣が低下してしまうという問題があった。
遊技機F1によれば、段階情報可変手段により段階情報が所定の第1段階情報へと可変された場合に判別手段による判別結果が所定の判別結果である期待度が高いことを示唆する第1示唆態様と、段階情報可変手段により段階情報が所定の第2段階情報へと可変された場合に判別手段による判別結果が所定の判別結果である期待度が高いことを示唆する第2示唆態様と、を少なくとも設定可能であるため、段階情報の可変状況によって遊技者が遊技に飽きてしまい、遊技者の興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
上述した各種発明の概念を示す遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各種発明の概念を示す遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各種発明の概念を示す遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。