JP2019024377A - 藻場の種別分布と生物量の取得方法及び装置 - Google Patents

藻場の種別分布と生物量の取得方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い空間解像度で、広範囲の水域における藻場の種類とその分布、および生物量分布を取得する。【解決手段】藻場を含む調査対象水域においてソナー・システムにより位置情報と共に計測された測深値及び超音波の反射強度を、前記調査対象水域を複数に分割してなる各区画に位置的に対応させ、各区画について、測深値の散らばりの代表値、反射強度の代表値、測深値から算出される当該区画の凸度を取得し、前記測深値の散らばりの代表値、前記反射強度の代表値、前記凸度の1つあるいは複数を用いて、統計的に区画毎に藻類種及び底質の判別を行い、各区画の判別結果を統合して前記調査対象水域における藻場の種別分布を取得する。【選択図】図2

Description

本発明は、藻場の種別分布と生物量の取得方法及び装置に関するものである。本明細書は、海草・海藻藻場の種類の判別とその分布、及び藻場の生物量の分布を取得する方法を開示する。
近年、藻場の減少が、水産資源の保護、および二酸化炭素の貯留効果等の関係で沿岸海洋環境の保全の観点から問題となっている。この課題に取り組むには、実際の藻場の現存量と分布を把握する必要があるが、藻場の現存量と分布を広範囲かつ詳細に取得することは簡単ではない。
従来の典型的な藻場調査は、潜水による分布調査やコドラート法による定量採集に基づく統計的推定によるものである。しかしながら、藻場は均一に分布しているわけではなく、パッチ状に分布しているため、広範囲の調査においては、サンプル調査の代表性や効率性が問題となる。
サンプリング理論による統計的推定以外に直接、藻場の分布を測定するものとして、従来から魚群探知機や音響測深儀による藻場の定量の試みもある。特許文献1、2には、超音波魚群探知機を用いて海底に向けて超音波を発射し、海底からの反射エコーを受信することにより、海底と藻との反射エコーレベルの差から藻の存在の有無を識別しようすることが記載されている。
人工衛星画像、または、航空機やドローンからの空撮による画像の解析により藻場の分布を把握しようという試みもある。特許文献4には、藻場の観察に用い得る空中写真地図作成装置が提案されている。
特許文献5には、カラー空撮画像により推定された藻場候補領域と音響水深探査により推定された藻場候補領域の一致した領域を藻場域と推定することによる、藻場分布測定方法、藻場分布測定装置、藻場分布測定用プログラムが開示されている。
他の方法として、水中カメラで直接海底を観測して記録するという方法がある。特許文献3には、水中走行ビデオシステムを用いた海草藻場の調査方法が記載されている。しかしながら、カメラの捉える範囲は狭く、広域に分布する藻場では、実用上の問題がある。
高い空間解像度で広い水域の藻場の種類とその分布、および生物量(湿重量または乾燥重量)分布を測定するという目的を達成するには、魚群探知機や音響測深儀は計測した線上の海草・海藻の種類や生物量しか推定できないという問題がある。人工衛星画像、航空機、無人機による空撮は、撮影できる機会が極めて少ないという問題と波が小さく光が比較的よく透過する海域に限定されるという問題がある。水中カメラで直接海底を観測は、非常に手間がかかり、広域にわたって実施するのは、困難である。現在、もっとも普通に行われている藻場内の複数箇所での刈り取りによる藻場の分布と重量の測定から統計的な推定は、藻場の不連続的に分布、個体ごとの大きさの違いのため極めて不十分なものである。
近年、音響海底測量機器の技術革新が進み、従来の音響測深儀に加え、ナロー・マルチビーム・ソナーが用いられるようになってきた。ナロー・マルチビーム・ソナーを用いることで、高い空間解像度で海底の凹凸を測定でき、また、海底の反射強度も計測できる。ナロー・マルチビーム・ソナーを用いた底質推定は、特許文献6に記載されている。また、3次元サイドスキャンソナーを用いた底質推定が特許文献7に記載されている。これらの文献には、藻場の種別分布を取得することについては一切記載されていない。
特開平7−49376 特開平8−271629 特開2002−58370 特開2004−151278 特開2013−252096 特開2006−162294 特許第5939677
Jeff S. Jenness, Calculating landscape surface area from digital elevation models. Wildlife Society Bulletin 2004, 32(3), 829-839. 細川真也・三好英一・内村真之・中村由行(2006): メソコスム水槽におけるアマモ地上部の現存量と生長・脱落速度の季節変動, 港湾空港技術研究所報告, Vol.45, No.3, pp25-45.
本発明は、高い空間解像度で、広範囲の水域における藻場の種類とその分布、および生物量分布を取得することを目的とするものである。
本発明が採用した技術手段は、
藻場を含む調査対象水域においてソナー・システムにより位置情報と共に計測された測深値及び超音波の反射強度を、前記調査対象水域を複数に分割してなる各区画に位置的に対応させ、
各区画について、測深値の散らばりの代表値、反射強度の代表値、測深値から算出される当該区画の凸度を取得し、
前記測深値の散らばりの代表値、前記反射強度の代表値、前記凸度の1つあるいは複数を用いて、統計的に区画毎に藻類種及び底質の判別を行い、
各区画の判別結果を統合して前記調査対象水域における藻場の種別分布を取得する、
藻場の種別分布の取得方法、である。
1つの態様では、藻場の種別分布に加えて、前記調査対象水域における藻場の種別分布及び底質の分布を取得する。
本明細書において、藻場には、海草藻場(アマモ場)、海藻藻場が含まれる。海草藻場を形成する藻類としては、種子植物優占群落であるアマモ類、ウミヒルモ類、スガモ類が含まれる。海藻藻場を形成する藻類としては、褐藻優占群落であるコンブ類(コンブ場)、ホンダワラ類(ガラモ場)、アラメ・カジメ類(アラメ・カジメ場)、ウミウチワ類、アミジグサ類、ヤハズグサ類、紅藻優占群落であるマクサ類、サンゴモ類、緑藻優占群落であるアオサ類、アオノリ類が含まれる。
本明細書において、調査対象水域の水底は典型的には海底であるが、調査対象水域の水底は海底に限定されるものではなく、湖、川、池、沼の水底を含み、これらの水底に群落する藻類も本発明の対象となる。
また、本明細書において、藻場の種別には、同じ藻類の年代別の種別(例えば、コンブの一年目葉体と二年目葉体)も含まれる。
以降、簡単のために、アマモ類を含めた藻場構成種を藻類と呼ぶ。
1つの態様では、前記ソナー・システムは、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムである。ナロー・マルチビーム・ソナー・システムを用いることで、調査対象水域において、高い空間解像度で、かつ、底深に対して広い刈り幅の範囲で、超音波による音響測深値と超音波反射強度を取得することができる。
1つの態様では、前記ソナー・システムは、測深機能付サイドスキャンソナー・システムである。
ソナー・システムは、調査対象水域において、一度に幅広い範囲(刈り幅)を測深できる、いわゆるスワス測深機・システムである。
位置情報は、GPSに代表されるGNSS(衛星航法システム)によって取得することができる。
ソナー・システムによって計測された計測データは、必要に応じて適宜補正され得ることが当業者に理解される。
1つの態様では、区画の寸法は、0.25m×0.25m〜2m×2mの範囲であり、1つの好ましい例では、1m×1m以下である。
区画の寸法、面積は任意に決めることができ、上記範囲に限定されるものではない。
1つの態様では、前記測深値の散らばりの代表値は、分散あるいは標準偏差である。
1つの態様では、反射強度の代表値は、平均値である。
1つの態様では、前記各区画の凸度は、測深値から算出される当該区画の表面積と当該区画の面積との比である。
本発明は、さらに、
ある藻類であると判定された各区画において、当該区画における測深値を用いて、当該区画を代表する草丈指標値を算出し、
草丈指標値と前記藻類の現存量との関係を用いて、前記算出した草丈指標値から当該区画の藻類の現存量を算出し、
前記藻類であると判定された各区画の現存量を統合して前記調査対象水域における前記藻場の種別毎の生物量、および/あるいは、生物量分布を取得する、
藻場の生物量及び生物量分布の取得方法を提供する。
草丈指標値と藻類の現存量との関係は、藻類の種類によって異なるので、藻類の種別毎に事前に取得しておく。
1つの態様では、前記草丈指標値は、各区画において、海底と樹冠の間の任意の基準面と当該基準面より浅い草体または藻体の測深点との差を合計した値である。以降、簡単のために海草の草体も含めて藻体とよぶ。
1つの態様では、前記草丈指標値は、前記海底と樹冠の間の任意の基準面と当該基準面より浅い藻体の測深点との差を合計した値を、当該区画の全測深点数で除した値である。
本発明が採用した他の技術手段は、
藻場を含む調査対象水域においてソナー・システムにより計測された測深値及び超音波の反射強度を位置情報と共に記憶する手段と、
前記測深値及び超音波の反射強度を、前記調査対象水域を複数に分割してなる各区画に位置的に対応させる手段と、
各区画について、測深値の散らばりの代表値を算出する手段と、
各区画について、反射強度の代表値を算出する手段と、
各区画について、測深値から算出される当該区画の凸度を算出する手段と、
前記測深値の散らばりの代表値、前記反射強度の代表値、前記凸度の1つあるいは複数を用いて、統計的に区画毎に藻類種及び底質の判別を行う判別手段と、
各区画の判別結果を統合して、前記調査対象水域における藻場の種別分布を取得する手段と、
を備えた藻場の種別分布の取得装置、である。
1つの態様では、前記装置は、さらに、
ある藻類であると判定された各区画において、当該区画における測深値を用いて、当該区画を代表する草丈指標値を算出する手段と、
草丈指標値と前記藻類の現存量との関係を用いて、前記算出した草丈指標値から当該区画の藻類の現存量を算出する手段と、
前記藻類であると判定された各区画の現存量を統合して前記調査対象水域における前記藻場の種別毎の生物量、および/あるいは、生物量分布を取得する取得手段と、
を備えている。
1つの態様では、前記草丈指標値は、各区画において、海底と樹冠の間の任意の基準面と当該基準面より浅い藻体の測深点との差を合計した値である。
1つの態様では、前記草丈指標値は、前記海底と樹冠の間の任意の基準面と当該基準面より浅い藻体の測深点との差を合計した値を、当該区画の全測深点数で除した値である。
本発明が採用した他の技術手段は、藻場の種別分布を取得するために、コンピュータを、藻場の種別分布の取得装置の各手段として機能させるための1つあるいは複数のコンピュータプログラム、である。
本発明が採用した他の技術手段は、
調査対象水域においてソナー・システムにより位置情報と共に計測された測深値及び超音波の反射強度を、前記調査対象水域を複数に分割してなる各区画に位置的に対応させ、
各区画について、測深値の散らばりの代表値、反射強度の代表値、測深値から算出される当該区画の凸度を取得し、
前記測深値の散らばりの代表値、前記反射強度の代表値、前記凸度の1つあるいは複数を用いて、統計的に各区画の底質を推定する、
水底の底質の推定方法、である。
1つの態様では、前記調査対象水域には藻場が含まれており、前記各区画の底質の推定には、藻類種の推定が含まれる。
本明細書において、統計的に底質の判別や推定を行うことには、機械学習や人工知能を用いた判別や推定が含まれる。
本発明によれば、高い空間解像度で、広範囲の水域における藻場の種類とその分布、および藻場の現存量分布を取得することができる。
本発明に係る藻場の種別分布及び生物量を取得する装置の全体構成を示す図である。 本発明に係る藻場の種別分布及び生物量を取得する方法の全体の流れを示す図である。 図2と類似の図であるが、特に、生物量の計算の流れを詳細に示すフロー図である。 調査対象水域を分割してなる区画について説明する図である。 水底の種類に応じた測深値の散らばりの相違を例示する図である。 水底の種類に応じた区画の凸度を示す図である。 水底の第1の判別手法の判別のフロー図である。 図7の第2ステップに用いる閾値の根拠を示す実験データである。具体的には、7月について、グランド・トゥルース・データをもとに求めた底質毎の凸度と反射強度(dB)の範囲を示し、各点は平均値、エラーバーは標準偏差である。 水底の第2の判別手法で用いた判別関数を示す。 水底の第3の判別手法で用いた決定木を示す。 アマモ場の抽出に関する調査範囲を示す図である。薄いトーンと濃いトーンの範囲は、それぞれ7月と10月の調査範囲を示し、破線は、7月と10月の調査で重なる範囲を示す。 上図は7月調査時の全範囲の区画を示す図であり、下図は、水底の第1の判別手法によりアマモ場と判定された区画を示す図である。 上図は10月調査時の全範囲の区画を示す図であり、下図は、水底の第1の判別手法によりアマモ場と判定された区画を示す図である。 第2の判別手法によりアマモ場と判定された領域(区画)を示す図である。7月のアマモ分布を薄いグレーで、10月のアマモ分布を濃いグレーで示す。 アマモの葉と重量の関係を示す図である。 アマモ現存量推定に用いる人工モデル藻場を示す。 アマモ現存量推定に用いる音響草丈長について説明する図である。 音響草丈指標値と人工モデル藻場現存量について回帰分析結果を示す図である。 アマモ現存量推定結果としての区画毎の現存量の推定を示し、縦軸が頻度、横軸が区画毎の現存量である。 アマモ現存量推定結果としての現存量分布図である。 アマモ現存量推定結果としての3次元分布図である。 ナロー・マルチビーム・ソナー・システムによる測深結果を示す図である。 ナロー・マルチビーム・ソナー・システムで測定した反射強度を示す図である。 区画毎のナロー・マルチビーム・ソナー・システムによる測深データの標準偏差を示す図である。 決定木による分類結果を表示する分布図である。
[A]藻場の種別分布及び生物量を取得する装置
図1に示すように、本実施形態に係る装置は、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムと、データ処理装置と、記憶装置と、表示装置とから構成されている。データ処理装置、記憶装置、表示装置は、データの入力部、出力部、データ処理部として機能する演算部、記憶部、表示部を備えたコンピュータ(例えば、汎用コンピュータ)から構成することができる。
ナロー・マルチビーム・ソナー・システムは、音響測深機としてのナロー・マルチビーム・ソナーと、データ補正のための動揺センサ、方位センサと、位置情報取得装置としてのGPS、慣性航法装置と、これらにより得られたデータを実時間で取得するコンピュータ(図示せず)と、を備えている。ナロー・マルチビーム・ソナーは、送波部と受波部を備え、極めて幅の狭い細い超音波ビームを一度に多数水底に発信して、超音波ビームが水底で反射されて戻って来る時間を測定して水底までの距離をビームごとに測定する機械であり、一度に広い刈り幅でデータを取得できる。近年のナロー・マルチビーム・ソナー・システムでは、各ビームの反射強度も同時に取得できる。細い超音波ビームは、海底に当たる面積が小さいさめ、高い空間解像度で水底の凹凸を測定でき、また、水底の反射強度も計測できる。ナロー・マルチビーム・ソナー・システムにおけるデータ補正や位置情報の取得は当業者によく知られているので、詳細な説明は省略する。ナロー・マルチビーム・ソナー・システムを用いることによって、調査対象水域における測深値、超音波の反射強度を位置情報と共に取得することができる。
調査対象水域の底質の判別と海草・海藻の判別、藻場の分布とその種類判別、藻場の面積計算、藻場の生物量及びその分布は、データ処理装置と記憶装置が協働して、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムにより計測された位置情報を伴う測深値及び超音波の反射強度を処理することによって取得される。計測結果や処理結果は、適宜、表示装置に表示させることができる。本明細書に添付した図面は方式上グレースケールの図面であるが、実際には、深さや強度等の度合や領域等を色分けしてなるカラー画像が表示される。
ナロー・マルチビーム・ソナー・システムによって取得された調査対象水域における測深値、超音波の反射強度は位置情報と共に記憶装置に記憶される。調査対象水域における全ての測深点データ(x, y, z 軸上の位置)から、測深結果に基づく調査対象水域の水底の表面図が得られる。水底の表面図は、典型的には、三角形の集合によって表現される。位置情報を伴う測深データから水底の表面図を作成するソフトウェアは公知である。
水域の底質および藻場の判別を行うにあたり、調査対象水域を任意の大きさの区画に分割し、各区画に測定した測深値と海底反射強度を対応させることで、区画毎に判別が行われる。データ処理装置は、調査対象水域を区画に分割する分割手段、計測値(測深値、反射強度)を各区画への割り当てる割り当て手段として機能する。記憶装置には、調査対象水域を多数の区画に分割するプログラムが格納されており、このプログラムにしたがって調査対象水域の区画への分割手段が当該調査対象水域を多数の区画に分割する。各区画は位置情報を有しており、分割された区画を位置情報に基づいて統合することで調査対象水域を再構成できる。本実施形態では、調査対象水域の底質の判別、海草・海藻の種別、生物量の推定等は、区画単位で行われ、区画毎の結果を統合することで種別分布図や生物量の分布図を得ることができる。
記憶装置に記憶された調査対象水域における測深値、超音波の反射強度は位置情報を備えており、調査対象水域における測深値、超音波の反射強度は計測値の各区画への割り当て手段によって、各区画に割り当てられる。同様に、調査対象水域の区画への分割に伴い測深値に基づく水底の表面(複数の測深点に基づく複数の三角形から形成される)も各区画に割り当てられる。
図4に示すように、調査対象水域は格子状に複数の区画に分割される。なお、このように調査対象水域が格子状に区画されることから、後述する実験例では、区画に代えてグリッドという表現を用いている。区画の寸法は、例えば、0.25m×0.25m〜2m×2mの範囲であり、1つの好ましい例では、0.25m×0.25m〜1m×1mの範囲である。各区画は位置情報を備えている。例えば、区画には識別番号等の識別子が割り当てられており、識別子は調査対象水域における当該区画の位置に対応している。各区画の水底には、多数の超音波ビームが入射されており、各区画は、当該区画の水底の各入射点で反射された超音波ビームに基づく多数のデータ(測深値、反射強度)を保持している。後述するように、これらのデータを処理することで、各区画が、例えば、「アマモ」であるか、「砂地」であるか判定される。各区画の判定結果を統合することで、アマモの分布図が得られる。底質の判別を区画毎に行うことによって、不連続な分離された領域(図4参照)であっても良好に抽出することができる。区画毎に所定の藻類か否か判定することで、パッチで分布する藻場の分布も良好に取得することができる。なお、アマモ場と砂地の境界に亘って区画が設定された場合には、誤判別される可能性があるが、区画のサイズを小さくすることで、判別精度を向上させることができる。
データ処理装置は、各区画の測深値の散らばりの代表値の算出手段として機能する。測深値の散らばりを代表値としては、標準偏差や分散を例示することができ、各区画毎に測深値の標準偏差や分散が算出される。算出された区画毎の代表値(標準偏差や分散)は、各区画の識別子に関連して記憶装置に記憶される。各区画の測深値の散らばりの代表値は、水底(藻類が存在する場合には藻類を含む)が平坦であるか、あるいは、凹凸であるかの指標として用いることができる。例えば、調査対象水域の水底が砂地と砂地から上方に延びる藻類とからなる場合に、藻類が存在する区画における測深値の散らばりの代表値は、砂地の区画における測深値の散らばりの代表値よりも大きくなる。図5(A)は砂地の測深点、(B)アマモ場の測深点を示し、砂地では測深点が固まっているのに対して、アマモ場では測深点が散らばっており、測深点の標準偏差値ないし分散が大きくなる。
データ処理装置は、各区画の超音波の反射強度の代表値の算出手段として機能する。超音波の反射強度の代表値としては、平均値を例示することができ、各区画毎に反射強度の平均値が算出される。算出された区画毎の代表値(平均値)は、各区画の識別子に関連して記憶装置に記憶される。超音波の反射強度の代表値は、平均値に限定されるものではなく、例えば、重み付け平均値、中央値、最頻値等を代表値として用いてもよい。超音波の反射強度は、超音波の入射対象の性質に応じて異なることが知られており、水底を構成する要素(砂地、砂利、岩、海藻、海草等)の性質に応じて、超音波の反射強度が異なり得る。例えば、砂利や岩は音響的に硬く、海藻や海草は音響的に軟らかい。
データ処理装置は、各区画の凸度の算出手段として機能する。凸度は、各区画の水底の表面積(測深値から計算される)の当該区画の平面積に対する割合である。各区画は、当該区画に対する複数の測深値(位置情報を伴う)を備えており、各測深点を結ぶ複数の三角形の集合から当該区画の表面が形成されるとみなすことができる。この考えは、Triangulated Irregular Networks(TINs)として知られている。三角形の面積を足し合わせことで当該区画の表面積が得られる。非特許文献1には、ある区画の表面積の当該区画の平面積に対する割合の計算方法が記載されており、本発明における各区画の凸度の計算において採用ないし参照することができる。
本発明に用いられる凸度の計算方法はこれらに限定されるものではない。位置情報を伴う複数の測深値を用いて何らかの表面形状を構築する手法やその変形例は当業者において適宜採用し得る。例えば、区画が有する全ての測深点を用いずに、一部の測深点を用いて表面形状を構築してもよい。あるいは、計測された測深点から計算した修正測深点を用いて表面形状を構築してもよい。また、典型的には、区画の表面積を当該区画の面積で除して凸度としているが、例えば、記憶装置に記憶された統計データと区画面積が共通であれば、表面積自体を凸度としてもよい。なお、水底が傾斜地の場合には、凹凸がなくても平面積に対して表面積が大きくなるので、例えば、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムで測深された海底地形をもとに海底の傾斜角度を算出して区画面積を補正してもよい。
各区画の凸度は、例えば、水底の表面の複雑さの指標として用いることができる。複数の測深点から構築される表面が複雑な形をしているほど、表面積が大きくなり、凸度も大きくなる。測深点の散らばりがあまり大きくなくても、小さな凹凸の繰り返し頻度が多ければ、表面積、すなわち、凸度が大きくなると考えられる。したがって、測深点の散らばりの代表値と凸度はいずれも水底の凹凸に関連する指標であるが、底質の異なる特徴を反映するものである。図6に、砂地、海藻が付着したブロック、アマモの凸度を、区画の寸法毎に示す。砂地、海藻が付着したブロック、アマモは、凸度によって判別可能であることが示される。既知の水底において、水底を形成する可能性のある物質や藻類の種類に対応して、区画寸法毎に凸度を取得して、データベース化することで、凸度を用いた底質判別を行うことができる。凸度を用いることで、例えば、砂、泥、岩、礫、小石、コンブ、アマモ、ホンダワラ、アラメ、が判別可能であると考えられる。
データ処理装置は、区画毎の藻場種および底質の判別手段として機能する。藻類や底質の形状や物理的特徴は、反射強度の代表値、測深値の散らばりの代表値、区画の凸度に何らかの形で反映されると考えられる。判別手段は、測深値の散らばりの代表値(例えば、標準偏差や分散)、反射強度の代表値(例えば、平均)、凸度の1つあるいは複数を用いて、統計的に各区画における藻類種及び底質の判別を行う。
記憶装置は、藻類種、各種底質と、反射強度の代表値、測深値の散らばりの代表値、区画の凸度との関係を規定するデータベースを備えている。このようなデータベースは、底質情報(藻場種を含む)が既知の水底について、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムによって測深値と海底反射強度を取得し、この既知の水底を分割してなる区画に測深値、反射強度を割り当てる。各区画での測深値の分散値(または標準偏差値)と、各区画の海底反射強度の平均値、各区画の凸度を算出する。区画毎に計算した測深値の分散値、海底反射強度の平均値、凸度を、当該区画の既知の底質情報に対応させ、測深値の分散値(または、標準偏差)、海底反射強度、及び凸度から、各底質(藻場種を含む)を統計的に分類する。統計的分類によりナロー・マルチビーム・システムにより計測を行った対象水域の底質、藻場の種類を決定する。藻類種、各種底質の可能性のある組み合わせを分類するべく、各組み合わせに適切な判別を行うために適切な判別関数、閾値、ニューラルネットワーク等を統計的に用意して記憶装置に格納しておくことが望ましい。
調査対象水域の水底を形成する要素に応じて、判別に用いる指標や、指標の組み合わせ、判別手順は異なり得る。通常、調査対象水域の水底の大まかな情報(例えば、どの種類の藻場が存在するか?、砂地か?、岩が多いか?等)はわかっているので(仮に未知の場合であっても、潜水調査や水中カメラによって把握することができる)、その水域の底質の判定に適切なデータベースを選択して、統計的分類によりナロー・マルチビーム・ソナー・システムにより計測を行った水域の底質、藻場の種類を決定する。
例えば、調査対象水域の水底がアマモと砂地とブロックから構成されると仮定すると、図7に示すように2ステップでアマモを分類することができる。第1ステップでは、学習データである測深点標準偏差と海底反射強度から作成した判別関数を用いて、各区画を砂地と砂地以外のグリッドに分類し、第2ステップでは、砂地以外と判別されたグリッドからアマモ場の閾値(学習データから設定される)以上のグリッドを抽出し、アマモ場と決定する。
例えば、調査対象水域の水底がアマモと砂地から構成されると仮定すると、図5(A)、(B)に示すように、測深値の散らばりに特徴が見られるので、測深値の標準偏差や分散を用いると共に、学習データに基づく適切な閾値を設定することで、各区画を砂地、アマモのいずれかに分類することができる。また、砂地とアマモでは反射強度にも差異があることから、学習データとしての測深点標準偏差と海底反射強度から作成した判別関数を用いて、各区画を砂地、アマモのいずれかに分類してもよい(図9参照)。このような判別関数は、アマモと砂地からなる既知の水底(区画)においてナロー・マルチビーム・ソナー・システムにより計測した測深値、反射強度を学習データとして作成することができる。
例えば、調査対水域の水底がコンブとスガモと砂利と岩から構成されると仮定すると、図10に示すような決定木を用いてコンブを分類してもよい。先ず、コンブ・砂利が比較的平坦であるのに対して、スガモ・岩が凹凸であることに着目し、測深データの標準偏差及び適宜設定した閾値を用いて、各グリッドを、第1グループ(コンブ、砂利)と第2グループ(スガモ、岩)に分類する。次いで、反射強度に関連して、コンブ、スガモが音響的に柔らかく、砂利、岩が音響的に硬いことに着目して、反射強度及び適宜設定した閾値を用いて、第1グループをコンブと砂利に、第2グループをスガモと岩に分類する。
上記判別手順は単なる例示であって、調査対象水域の水底を形成する要素に応じて、異なる判別手順が採用し得る。例えば、ウガノモクのように草丈が大きい藻類の場合には、位置情報を備えた測深データのみで判別及びマッピングが可能である。
データ処理装置はデータベースと協働して、藻場の海草・海藻の生物量(典型的には重量)を推定する。データ処理装置は、各区画を代表する草丈指標値の算出手段として機能する。草丈指標値は、藻場であると判定された各区画において、当該区画における測深値を用いて算出する。例えば、草丈指標値として、区画ごとの総草丈長を用いることができる。総草丈長は、区画ごとに、区画内の海底の平均測深値、区画内の最深値、または各測深点の近傍の最深測値などの任意に決めた基準水深から各測深値を引いた値の区画内の全ての点についての総和である。また、その総草丈長を測深点数で除して各区画内での草丈長の期待値を算出して、草丈指標値としてもよい。
藻場の現存量推定には、草丈指標値と、現存重量との関係を事前に取得しておく必要がある。藻場の海草・海藻の生物重量の測定は、それらの分布する海域で、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムによる測深調査後に海草・海藻の生物量(湿重量または乾燥重量)を相関分析で求めるに十分な3つ以上の箇所(5箇所以上が望ましい)について、一定範囲の面積における全部の海草・海藻を刈り取りその生物量(湿重量または乾燥重量)を測定する。ナロー・マルチビーム・ソナー・システムから得られるデータをもとに、刈り取りした箇所における任意に決めた面積をもつ区画内の総草丈長を求める。総草丈長と前記測定された生物量の現存量との統計的関係を求める。任意の面積をもつ区画ごとの総草丈長と、任意の面積に対応する区画面積内の総草丈長と現存量との統計的関係を、海草・海藻の種類毎に取得し、記憶装置に格納しておく。この関係は、例えば、回帰式として格納しておくことができる。藻場であると判定された各区画において草丈指標値を算出し、記憶装置に格納された草丈指標値と現存量との関係を用いることで、当該区画の藻場の生物量を算出することができる。各区画の生物量を藻場の種類毎に統合することで、藻場の種類ごとの生物量の分布、藻場の種類ごとの全生物量を取得することができる。後述する実施例では、アマモの生物量の取得について言及するが、他の藻類の生物量についても同様の手順で取得することができる。
図3は藻場の種類ごとの分布とその生物量を計測する手順を示すフローチャートであり、左側のブロックは、藻場の種別分布と生物量の取得のために事前に行われる準備工程を示し、右側のブロックは、藻場の種別分布と生物量の取得工程を示す。準備工程において、藻場の種類を含む既知の各種底質におけるナロー・マルチビーム・ソナー・システムで計測した測深値および超音波の反射強度を、水域内を分割する任意に設定した区画へ位置的に対応させてプールし、各区画の凸度・測深値の分散(標準偏差)および超音波の反射強度と、底質および藻場種との関係を把握する。この関係はデータベースとして記憶装置に格納される。準備工程において、藻場種の種類別の刈取りによる現存量の測定と、藻場種が分布する区画の海底と樹冠の間の任意の基準面から基準面より浅い藻体の測深点までの丈を合計して求める総草丈長と、を用いて、藻場種の種類別の区画の総草丈長と現存量の回帰分析を行う。この回帰分析の結果はデータベースとして記憶装置に格納される。
右側のブロックにおいて、調査対象水域においてナロー・マルチビーム・ソナー・システムで計測した測深値・超音波の反射強度を、水域内を分割する任意に設定した区画へ位置的に対応させてプールする。準備工程で取得した関係をもとに、区画の凸度・測深値の分散(標準偏差)および超音波の反射強度を用いて、区画ごとに底質および海藻・海藻種を判別する。判別結果に基づいて、調査対象水域の底質地図・藻場種ごとの分布図を作成する。次いで、藻場種が分布する区画の海底と樹冠の間の任意の基準面から基準面より浅い藻体の測深点までの丈を合計して総草丈長を計算し、準備工程で取得した総草丈長と現存量の回帰分析をもとに区画毎に藻場種毎の生物量を計算する。この計算結果に基づいて、調査対象水域の藻場種毎の生物量分布図作成・総分布量計算を行う。
このように、本実施形態は、主として、藻場種を含む底質の判別方法及び藻場種の生物量計算方法に関するものである。そして、藻場の種類を含む底質の判別方法および藻場の種類別の生物量計算方法を提供することによって、藻場の種類を含む底質の分布図と水域の藻場種ごとの生物量分布図作成・総分布量の計算が可能となる。作成された調査対象水域の底質地図や藻場種ごとの分布図や調査対象水域の藻場毎の生物量分布図は、表示装置のディスプレイにカラー画像として表示される。
本実施形態では、多数の細い超音波ビームのそれぞれの正確な位置を取得できるナロー・マルチビーム・ソナー・システムを用いて、調査対象水域を計測することで測深値と海底反射強度を取得し、任意に設定した区画における得られる測深値の分散値(または、標準偏差)、海底反射強度、及び凸度から、調査対象水域の各底質を統計的に判別して、藻場の種類を含む底質の分布図を作成し、さらに、藻場種ごとの現存量を推定することで、調査対象水域の藻場種ごとの生物量分布図作成・総分布量の計算を行う。水中で光よりも減衰の少ない超音波を用いるために、海底からの光の反射が弱くなる底深が深い水域や濁度の高い水域においても、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムを用いると対象水域の掃海調査により隙間なくデータを取得することができ、藻場の種類を含む底質の分布図を作成し、藻場種ごとの生物量分布を得ることができる。
[実験例1]
実験例1は、アマモ場の分布及び現存量の推定に関するものである。
[背景]
アマモ場は、仔稚魚の成育場、栄養塩吸収など重要な生態学的機能を有している。しかしながら、経済発展にともなう沿岸域の埋め立てや水質の悪化により、著しく減少している。近年、藻場の重要性が広く認識されるようになり、各地でアマモ場の再生・保全の取り組みが行われている。また、二酸化炭素を固定し、貯留するため、アマモはブルーカーボンと呼ばれ、注目されている。保全活動の効果判定やブルーカーボンの定量評価には現存量の推定が必要で、これまでアマモ場を対象とする現存量調査では、直接的手法であるコドラート法が用いられている。しかし、この方法は広範囲のアマモ場を対象とする場合の効率や補間の精度に問題があった。そこで、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムを用いてアマモ場の分布と現存量の推定を行った。
[データの取得及び処理]
ナロー・マルチビーム・ソナーとしてSonic2024 (R2SONIC Inc.)を用い、慣性航法装置であるPOS/MV(Applanix Corp.)と共に漁船に搭載して計測を行った。隣り合う平行する測線間の刈り幅が50%オーバーラップするように測線を設定し、測線上をこの漁船で航行しながら、超音波ビームごとの測深点データ、海底反射強度データを取得した。ナロー・マルチビーム・ソナー・システムで取得した音響データを、現場で得られた水中音速度鉛直分布、船体動揺データ、潮位データ(気象庁より)を用いて補正した上で、データのノイズ(海底二次反射や気泡や魚群等による反射)を除去した。海底だけでなくアマモにより反射されたすべての測深点データ(x, y, z 軸上の位置)をもとに図化ソフト(Fledermaus, QPS Canda Inc.)により海底地形図を作成した。これによって、多数の測深点により海底の表面が形成される。
図化ソフトであるArcGIS (ESRI Corp.)を用いて調査海域全体(測深データから得られた海底表面)を0.5×0.5mのグリッドに分け、グリッド内の測深点データ、海底反射強度をプールし、海底凸度を求めた。海底凸度は、グリッド内の測深点から得られる当該グリットの水底の表面積とグリッド面積の比であり、分割されたグリットの表面積をグリッド面積(0.25m)で除すことで各グリッドの海底凸度が求められる。海底凸度を、測深点データ、海底反射強度と共に各グリッドにプールした。
[調査時期・現場]
調査は2016年の7月と10月に新潟県佐渡島白瀬地先において実行した。結果を考察するにあたり、10月の調査範囲は7月の調査範囲よりも大きいことに留意されたい。7月は約200×400m、10月は約300×500mの範囲で調査を行った。図11に調査範囲の模式図を示すが、実際の測定領域は方形ではない(図12上図、図13上図参照)。
[アマモ分布の抽出(第1判別手法)]
アマモの分布をグリッドごとの測深点データの標準偏差、海底凸度、海底反射強度の平均値を用いて抽出した。グランド・トゥルース・データをもとにアマモ場、砂地、ブロックが水中ビデオカメラの撮影で確認された位置に対応するグリッドをそれぞれの底質のグリッドとし、それぞれの底質のグループに属するグリッドの測深点データの標準偏差、海底反射強度、海底凸度の各項目を用いる判別関数による底質のクラス分けを行った。第1判別手法の手順を決定木として図7に示す。
砂地とそれ以外の海底の起伏は明らかに異なる。そこで、グランド・トゥルース・データの一部のデータである砂地または砂地以外のそれぞれのグリッド140 点を抽出し、事前に与えられた学習データとして統計解析ソフトR(The R Foundation for Statistical Computing Platform Version 3. 3. 2, 2016)で海底反射強度と測深点標準偏差を用いた判別関数を作成した。この関数を全グリッドに適用しグリッドを砂地または砂地以外の2群に判別した。
次に、砂地以外と判別されたグリッドからアマモ場とその他であるブロックに判別した。アマモの海底凸度と海底反射強度とその他のブロックなどは異なると期待される。そこで、ブロックとアマモのグランド・トゥルース・データから得たそれぞれのグリッド用い海底凸および海底反射強度の判別関数を作成し、アマモ場の閾値以上の値を持つグリッドをアマモ場として判別した。凸度、反射強度共に図8において、平均値の値からエラーバーが示す標準偏差値をひいたものを閾値とした。すなわち、アマモについてのエラーバー下端が示す値以上を持つグリッドをアマモ場として抽出した。
7月の調査において、学習データから作成された判別関数は、
y=-6.085SD-0.1786dB+Cであった。ここで、y,D,dB,C は、それぞれ、グリッドの判別関数の値、グリッドの測深点の標準偏差、海底反射強度、定数である。判別関数を用いて砂地以外と判別されたグリッドは96,407個であった。
このグリッドについて、海底凸度および海底反射強度の閾値以上のものを抽出したところグリッド数は69,945個となり、アマモ場の面積は17,486.25 m2と推定された(ArcGISで作成された調査範囲のグリッド総面積は53,092.25 m2)。アマモ場の抽出結果を図12下図に示す。
10月の調査において、学習データから作成された判別分析関数は、
y=42.888SD+0.1590dB+Cであった。判別関数を用いて砂地以外と判別されたグリッドは179,432個であった。
このグリッドについて、海底凸度および海底反射強度の閾値以上のものを抽出したところグリッド数は106,080個となり、アマモ場の面積は26,520.00m2と推定された(ArcGIS で作成された調査範囲のグリッド総面積は122,391.50 m2)。アマモ場の抽出結果を図13下図に示す。
[アマモ分布の抽出(第2判別手法)]
第2判別手法では、測深点標準偏差と海底反射強度を用いて1ステップで、砂地とアマモ場を識別した。第2判別手法は、調査対象領域の水底が砂地とアマモのみから形成されることを仮定している。
図5に示すように、(A)の砂地では測深点が固まっているが、(B)のアマモ場では、測深点が散らばり、標準偏差の値が大きくなる。
底質の種別により音響的反射強度が変わることが知られており、砂などよりもアマモの方が強い傾向にある。
測深点標準偏差と海底反射強度の2つの要素を用いて判別分析により、アマモ場を抽出した。グランド・トゥルース・データをもとに抽出した砂とアマモ場各140点の学習データの判別関数による分類結果を図9に示す。縦軸が海底反射強度、横軸が測深点標準偏差である。△がアマモ、〇が砂であり、直線は作成された判別関数を示す。測深点標準偏差が小さく、海底反射強度が弱い左下に砂、測深点標準偏差が大きく、海底反射強度が強い右上にアマモが分類される。
学習データによって作成された判別関数を調査範囲全体に適用し、アマモ場を抽出した。結果を図14に示す。7月と10月の調査領域は異なるが、図14では、共通領域における結果を重ね合わせて示している。
[アマモ現存量の推定]
アマモ地上部の草丈と重量の関係について説明する。測深点の情報は「アマモの長さ」に関係する情報を含むが、測深点を用いて「アマモの生物量」を推定するためにはアマモの長さと生物量との間に関係がなければならない。すなわち、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムによる計測によってアマモの現存量を推定するためには、アマモの地上部について葉と重量に関係がなければならない。
アマモの地上部について長さと生物量の間に関係があるか検討した。サンプルは2016年10月に佐渡島白瀬地先で潜水採集したアマモを使用した。50個体から得られた葉の草丈(cm)と湿重量(g)を計測した。非特許文献2に記載された葉身を参考にして、50枚の葉身と湿重量を計測し、回帰分析を行った。その結果を図15に示す。縦軸が湿重量、横軸が葉身を示し、葉身が長くなると湿重量も増えていることが確認された。湿重量は葉身の1.87乗に比例することから、測深点データを用いてアマモ現存量を推定できると考えられる。
アマモ現存量の推定のための実験は3回に分けて行った。宮城県志津川湾の平磯で2015年7月、韮の浜で同年9月、新潟県佐渡島白瀬地先で2016年7月に実験を行った。これらの異なる時期、場所において全10点の人工モデル藻場を設置した。地下部ごと採集したアマモを、1×1mのメッシュの金枠に段階的に密度を変えて植え付け、海底に固定し、人工モデル藻場とした。図16に、佐渡で設置した人工モデル藻場を例示する。左上から極低密度、右下の高密度まで、アマモ同士の取り付け間隔を20cmから10cmに変化させることによって、4段階の密度を作成した。ナロー・マルチビーム・ソナー・システムを用いて、人工モデル藻場における超音波ビームデータを取得し、その後、植え付けたアマモを回収した。回収したアマモは80℃で24時間乾燥し地上部の乾重量を計測した。
図17に示すように、各グリッド(区画)の測深点データの平均をグリッド水深とみなし、この線より上にある測深点はアマモが反射したものとみなしてアマモ測深点とし、矢印を音響草丈長とする。アマモ分布域と分類されたグリッドについて、グリッド水深よりも浅い測深点をアマモ測深点としてグリッド毎に抽出した。各グリッドについて、グリッド水深とグリッド内のすべてのアマモ測深点の差(音響草丈長)を求め、その総和を音響草丈長総和Lとした。測深点数はグリッド毎に異なり得るので、アマモ測深点数Zを全測深点数Tで割ったものをかけて正規化して音響草丈指標値Iを求めた。すなわち、
音響草丈長指標値I=(アマモ測深点数Z/全測深点数T)×音響草丈長総和L
である。
各人工モデル藻場を代表する1グリッドの測深点データから計算した音響草丈長指標値Iと人工モデル藻場現存量の関係について回帰分析を行った。結果を図18に示す。縦軸に人工モデル藻場の現存量、横軸に音響草丈指標値を示している。この回帰式を用いて、佐渡白瀬地先について、各グリッドの音響草丈長指標値から、7月と10月の各グリッドのアマモ現存量を推定した。
グリッド毎の現存量の推定結果を図19に示す。縦軸が頻度、横軸がグリッド現存量である。7月と10月を比較すると、ピークが左に移動している。10月はグリッド現存量が減少する結果となった。アマモの現存量については、一般的に夏に最大となり冬に最小となることが知られている。
アマモ現存量推定結果として、現存量分布図を図20に示す。上に7月の結果、下に10月の結果を示す。グリッドごとの現存量を濃度で示している。原画像はカラー画像であり、水深と現存量が明確に区別されることに留意されたい。海底地形は白から黒にかけて深くなっていることを示している。7月では浅場で濃密に分布しているが、10月では全体的に低密度になっている。アマモが密に分布している場所や季節変化を捉えることができた。
アマモ現存量推定結果を3次元分布図として表示することができる。ナロー・マルチビーム・ソナー・システムの測深データから作成された測深結果図にアマモの分布をオーバーレイし、3次元のアマモ分布図(藻場の生物量の分布)を作成し、可視化した(図21)。グリット毎のアマモ現存量は、例えばバーとして表示され、バーの長さとしては、例えば、平均音響草丈長(音響草丈長の平均値)を用いることができる。なお、図21の原画像はカラー画像であり、例えば、バーの長短を色分け表示できる点に留意されたい。
本実験を通して、サブメーター(測位精度1m以下)の空間スケールで広範囲のアマモ場の分布およびアマモ地上部の現存量を推定することができた。このことにより、アマモ分布の詳細な把握、可視化が可能となった。可視化された情報および、アマモの現存量は、保全活動の評価やブルーカーボンの試算、アマモ場生態系モデルの構築に貢献する。
[実験例2]
実験例2は、コンブに関する藻場マッピングに関するものである。2015年6月に北海道えりも町笛前地先コンブ場調査において、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムを用いて、測深データ、反射強度データを取得した。図22に、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムによる測深結果を示す。図23に、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムで測定した反射強度を示す。図24に、0.5m×0.5mグリッド内のマルチビーム測深データの標準偏差を示す。
測深データ、反射強度データを用いて、コンブ、スガモ、その他底質の判別を行った。具体的には、図10に示す決定木を用いて水底の判別を行った。先ず、コンブ・砂利が比較的平坦であるのに対して、スガモ・岩が凹凸であることに着目し、測深データの標準偏差とほぼ同じ意味を持つ統計的信頼限界の幅及び適宜設定した閾値を用いて、各グリッドを、第1グループ(コンブ、砂利)と第2グループ(スガモ、岩)に分類した。次いで、反射強度に関連して、コンブ、スガモが音響的に柔らかく、砂利、岩が音響的に硬いことに着目して、反射強度及び適宜設定した閾値を用いて、第1グループをコンブと砂利に、第2グループをスガモと岩に分類した。分類結果をマッピングしてなる分布図を図25に示す。なお、図22〜図25の原画像はカラー画像であり、各領域は画素値によって明確に区別されることに留意されたい。
産業活動で大気中に排出された二酸化炭素は、森林と海洋で吸収される。UNEPは2009年に『Blue Cabon』という報告書を出し、海草やマングローブ林などが沿岸で重要な吸収源で、海洋で吸収される炭素の約20%程度を吸収していると指摘し、これらのブルーカーボンと命名した。藻場を定量的に評価し、二酸化炭素吸収源としてブルーカーボンを科学的に定量的に評価できれば、二酸化炭素削減目標に算入できる可能性がある。また、市場メカニズムによる二国間での炭素取引も行うことができるので、開発途上国における藻場造成や再生に資金を投入し、藻場の炭素量を定量的に評価することで、炭素クレジットを得ることができる可能性がある。そのためには、広範囲を定量的に評価できる本手法が有効である。また、本手法は、底質判別も可能であるので、藻場の生物量だけでなく、砂、泥、岩などの底質判別もでき、それらの判別も含めたオプションとすることができる。

Claims (20)

  1. 藻場を含む調査対象水域においてソナー・システムにより位置情報と共に計測された測深値及び超音波の反射強度を、前記調査対象水域を複数に分割してなる各区画に位置的に対応させ、
    各区画について、測深値の散らばりの代表値、反射強度の代表値、測深値から算出される当該区画の凸度を取得し、
    前記測深値の散らばりの代表値、前記反射強度の代表値、前記凸度の1つあるいは複数を用いて、統計的に区画毎に藻類種及び底質の判別を行い、
    各区画の判別結果を統合して前記調査対象水域における藻場の種別分布を取得する、
    藻場の種別分布の取得方法。
  2. 前記ソナー・システムは、ナロー・マルチビーム・ソナー・システムである、請求項1に記載の藻場の種別分布の取得方法。
  3. 前記区画の寸法は、0.25m×0.25m〜2m×2mの範囲である、請求項1、2いずれか1項に記載の藻場の種別分布の取得方法。
  4. 前記測深値の散らばりの代表値は、標準偏差あるいは分散である、請求項1〜5いずれか1項に記載の藻場の種別分布の取得方法。
  5. 前記反射強度の代表値は、平均値である、請求項1〜4いずれか1項に記載の藻場の種別分布の取得方法。
  6. 前記各区画の凸度は、測深値から算出される当該区画の水底の表面積と当該区画の面積との比である、請求項1〜5いずれか1項に記載の藻場の種別分布の取得方法。
  7. 藻場を含む調査対象水域においてソナー・システムにより位置情報と共に計測された測深値を、前記調査対象水域を複数に分割してなる各区画に位置的に対応させ、区画毎に藻類種及び底質の判別を行い、各区画の判別結果を統合することで取得された前記調査対象水域における藻場の種別分布において、
    ある藻類であると判定された各区画において、当該区画における測深値を用いて、当該区画を代表する草丈指標値を算出し、
    草丈指標値と前記藻類の現存量との関係を用いて、前記算出した草丈指標値から当該区画の藻類の現存量を算出し、
    前記藻類であると判定された各区画の現存量を統合して前記調査対象水域における前記藻場の種別毎の生物量、および/あるいは、生物量分布を取得する、
    藻場の生物量及び生物量分布の取得方法。
  8. 前記草丈指標値は、各区画において、海底と樹冠の間の任意の基準面と当該基準面より浅い藻体の測深点との差を合計した値である、請求項7に記載の藻場の生物量及び生物量分布の取得方法。
  9. 前記草丈指標値は、前記海底と樹冠の間の任意の基準面と当該基準面より浅い藻体の測深点との差を合計した値を、当該区画の全測深点数で除した値である、請求項8に記載の藻場の生物量及び生物量分布の取得方法。
  10. 藻場を含む調査対象水域においてソナー・システムにより計測された測深値及び超音波の反射強度を位置情報と共に記憶する手段と、
    前記測深値及び超音波の反射強度を、前記調査対象水域を複数に分割してなる各区画に位置的に対応させる手段と、
    各区画について、測深値の散らばりの代表値を算出する手段と、
    各区画について、反射強度の代表値を算出する手段と、
    各区画について、測深値から算出される当該区画の凸度を算出する手段と、
    前記測深値の散らばりの代表値、前記反射強度の代表値、前記凸度の1つあるいは複数を用いて、統計的に区画毎に藻類種及び底質の判別を行う判別手段と、
    各区画の判別結果を統合して、前記調査対象水域における藻場の種別分布を取得する手段と、
    を備えた、藻場の種別分布の取得装置。
  11. 前記区画の寸法は、0.25m×0.25m〜2m×2mの範囲である、請求項10に記載の藻場の種別分布の取得装置。
  12. 前記測深値の散らばりの代表値は、標準偏差あるいは分散である、請求項10、11いずれか1項に記載の藻場の種別分布の取得装置。
  13. 前記反射強度の代表値は、平均値である、請求項10〜12いずれか1項に記載の藻場の種別分布の取得装置。
  14. 前記各区画の凸度は、測深値から算出される当該区画の水底の表面積と当該区画の面積との比である、請求項10〜13いずれか1項に記載の藻場の種別分布の取得装置。
  15. ある藻類であると判定された各区画において、当該区画の測深値を用いて、当該区画を代表する草丈指標値を算出する手段と、
    草丈指標値と前記藻類の現存量との関係を用いて、前記算出した草丈指標値から当該区画の藻類の現存量を算出する手段と、
    前記藻類であると判定された各区画の現存量を統合して前記調査対象水域における前記藻場の種別毎の生物量、および/あるいは、生物量分布を取得する手段と、
    を備えた、請求項10〜14いずれか1項に記載の藻場の種別分布の取得装置。
  16. 前記草丈指標値は、各区画において、海底と樹冠の間の任意の基準面と当該基準面より浅い藻体の測深点との差を合計した値である、請求項15に記載の藻場の種別分布の取得装置。
  17. 前記草丈指標値は、前記海底と樹冠の間の任意の基準面と当該基準面より浅い藻体の測深点との差を合計した値を、当該区画の全測深点数で除した値である、請求項16に記載の藻場の種別分布の取得装置。
  18. 藻場の種別分布を取得するために、コンピュータを、請求項10〜17いずれか1項に記載の手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
  19. 調査対象水域においてソナー・システムにより位置情報と共に計測された測深値及び超音波の反射強度を、前記調査対象水域を複数に分割してなる各区画に位置的に対応させ、
    各区画について、測深値の散らばりの代表値、反射強度の代表値、測深値から算出される当該区画の凸度を取得し、
    前記測深値の散らばりの代表値、前記反射強度の代表値、前記凸度の1つあるいは複数を用いて、統計的に各区画の底質を推定する、
    水底の底質の推定方法。
  20. 前記調査対象水域には藻場が含まれており、
    前記各区画の底質の推定には、藻類種の推定が含まれる、
    請求項19に記載の水底の底質の推定方法。
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