JP2019009093A - 常電導接続部材及び超電導ケーブルの端末構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導ケーブルと常電導部とを接続する際に、使用環境下に関わらず、熱侵入量を低減すること。【解決手段】超電導ケーブルに接続して、超電導ケーブルを常温側の機器に電気的に接続する常電導接続部材であって、超電導ケーブルの外周に配置され、超電導ケーブルに接続される電極部と、電極部の外周にフランジ状に配置され、電極部に接続される導電リード部と、導電リード部に導電リード部の外周側で接続され、且つ、常温側の機器に接続される端子部と、端子部自体と、導電リード部において端子部から電極部への通電経路の端子部側の部位とのうちの少なくとも一方を冷却する冷却機構とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、超電導ケーブルの終端接続部等に用いられる常電導接続部材及び超電導ケーブルの端末構造体に関する。
従来、極低温で超電導状態になる超電導線材を導体として用いた超電導ケーブルが知られている。超電導ケーブルは、大電流を低損失で送電可能な電力ケーブルとして期待されており、特に、大規模プラント用超電導ケーブルとしての実用化に向けて開発が進められている。
超電導ケーブルは、断熱管内に一心又は複数心のケーブルコアが収容された構造を有するものが知られている。一心のケーブルコアとしては、例えば中心から順に、フォーマ、超電導導体層、電気絶縁層、ケーブルシールド層、及び保護層等を有する。また、一心のケーブルコアとしては、大容量の送電を可能とするために、フォーマの外周に、超電導導体層と、電気絶縁層とを交互に同心円状に配置した複数の超電導導体層を同一心で有する同軸型のケーブルコアが知られている。
断熱管は、ケーブルコアを収容し内部に冷媒(例えば液体窒素)が充填される内管(以下「断熱内管」)と、断熱内管の外周を覆う外管(以下「断熱外管」)を有する。断熱内管と断熱外管の間は、断熱のために真空状態とされる。
超電導ケーブルの終端接続部等に適用される超電導ケーブルの端末構造体においては、低温部となる低温容器に超電導ケーブルの端末部が収容され、超電導ケーブルの導体(例えば超電導導体層)が、電流導入端子である電流リード部を介して常温部に引き出される。低温容器は、超電導ケーブルの端末部を収容し、運転時に液体窒素等の冷媒が充填される冷媒槽と、冷媒槽を収容し運転時に真空状態とされる真空槽とからなる二重構造を有する。
電流リード部としては、特許文献1に示すように、超電導ケーブルの外周に接続されるフランジ状の部分を有する常電導接続部材が知られている。
この常電導接続部材は、超電導ケーブルの外周に設けられ、超電導ケーブルの導体に接続されるケーブル接続部と、ケーブル接続部の外周に配置され、冷媒槽と一体に設けられる内側リード部と、内側リード部の外周に配置され、真空槽内に配置される環状の導電板部と、導電板部の外周に配置され、真空槽の周壁の一部として配置される円環部とを有する。これらケーブル接続部、内側リード部、導電板部、円管部は電気的に接続されている。導電板部には、超電導ケーブルの延在方向に貫通し、延在方向で真空槽内部を連通させる貫通孔としてのスリットが形成され、円環部の外周には、外部に突出して常温部に接続される端子が設けられている。
超電導ケーブルの終端にリード部を接続する超電導ケーブルの端末構造体では、外部からの熱侵入量を低くするために、常温部から低温部に渡って配置される常電導接続部材において、伝導熱の経路を長くすることが考えられる。
特許文献1の常電導接続部材では、導電板部の表裏面を貫通する貫通孔が、同心円の複数のスロットにすることで、端子と内側リード部との間で伝導熱の経路となる部位の長さを極力長くし、超電導ケーブルの超電導導体層への熱の進入を低減するようにしている。
米国特許出願公開第2012/289405号明細書
ところで、特許文献1に示すような超電導ケーブル終端に設置する端末構造体では、常電導接続部材において、端子と内側リード部との間の伝導熱の経路となる導電部分の長さ/断面積比を最適化することにより、熱侵入量(伝導熱と通電時のジュール発熱の和)を最小値化できることが知られている。
しかしながら、端末構造体では、使用環境によって、端子側の温度である高温端(室温側)の温度と、内側リード部側の温度である低温側(冷媒)の温度は予め決められる。高温端側の温度と低温側の温度が変更不能であれば、熱侵入量の下限も自ずと設定されてしまい、この状態から更に熱侵入量を低減することは、困難である。なお、導電部分の断面積を温度分布に合わせて変化させ、通電時の導電部分における電気抵抗を均一にする方法が考えられるが、断面積を変えれば温度分布も変わってしまう。よって、導電部分の断面積を温度分布に合わせて変化させることだけで最適値を求めることは非常に困難である。
したがって、常電導接続部材としては、使用環境によって、端子側の温度と、内側リード部側の温度とが決められている場合でも、熱侵入量を低減して好適な通電容量を確保できるものが望まれている。
本発明の目的は、超電導ケーブルと常電導部とを接続する際に、使用環境下に関わらず、熱侵入量を低減できる常電導接続部材及び超電導ケーブルの端末構造体を提供することである。
本発明に係る常電導接続部材は、超電導ケーブルに接続して、当該超電導ケーブルを常温側の機器に電気的に接続する常電導接続部材であって、
前記超電導ケーブルの外周に配置され、前記超電導ケーブルに接続される電極部と、
前記電極部の外周にフランジ状に配置され、前記電極部に接続される導電リード部と、
前記導電リード部に当該導電リード部の外周側で接続され、且つ、前記常温側の機器に接続される端子部と、
前記端子部自体と、前記導電リード部において前記端子部から前記電極部への通電経路の端子部側の部位とのうちの少なくとも一方を冷却する冷却機構と、
を有する構成を採る。
本発明に係る超電導ケーブルの端末構造体は、上記構成の常電導接続部材と、前記常電導接続部材に接続される超電導ケーブルと、を有する構成を採る。
本発明によれば、超電導ケーブルと常電導部とを接続する際に、使用環境下に関わらず、熱侵入量を低減できる。
本発明の実施の形態1に係る常電導接続部材を有する端末構造体の要部構成を模式的に示す図である。 端末構造体における超電導ケーブルの概略構成を示す断面図である。 端末構造体における常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す正面図である。 端末構造体における常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す側面である。 図3のA−A線断面図である。 本発明の実施の形態2に係る常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す正面図である。 本発明の実施の形態2に係る常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す側面である。 図6のB−B線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
<端末構造体の構成>
図1は、本発明の一実施の形態に係る常電導接続部材を有する端末構造体1の要部構成を示す模式的に示す図である。図1では、常電導接続部材30以外を便宜上、断面図で示す側面図で説明の便宜上、超電導ケーブル10が導入される側を基端側(図1では右側)、反対側を先端側(図1では左側であり挿入方向側ともいう)として説明する。
図1に示す端末構造体1は、超電導ケーブル10の端末部と、端末構造体1の外部機器である常温部とを、所謂、電流リードとして機能する常電導接続部材30を介して接続する。なお、本実施の形態1の端末構造体1では、超電導ケーブル10は複数の超電導導体層112を有し、これら複数の超電導導体層112を常温部にそれぞれ接続するため、複数の常電導接続部材30を有している。端末構造体1は、1つの常電導接続部材30を介して超電導ケーブルにおける単層の超電導導体層を常温部に接続する構造でもあってもよい。また、超電導ケーブル10の端末部は、ここでは、断熱管12を段剥ぎしたケーブルコア部分とする。図1に示す端末構造体1は、超電導ケーブル10の端末部と、常電導接続部材30と、冷媒槽21及び真空槽22を有する低温容器20と、支持脚部(支持部)28を有する。
端末構造体1では、中央部に超電導ケーブル10が挿通された常電導接続部材30が所定間隔を空けて配置されている。常電導接続部材30間に、超電導ケーブル10を囲むように筒状の内側収容管部211が架設されることに冷媒槽21が形成される。また、常電導接続部材30間に、冷媒槽21を囲むように、筒状の外側収容管部221が架設されることにより、真空槽22が形成されている。
すなわち、低温容器20は、常電導接続部材30及び内側収容管部211を含む内側の冷媒槽21と、常電導接続部材30及び外側収容管部221を含む外側の真空槽22とからなる二重構造となっている。
このように構成される低温容器20(詳細には冷媒槽21)内に超電導ケーブル10の端末部が所定の状態で水平方向に延在するように収容された状態となっている。
低温容器20から、常電導接続部材30(詳細には、図3に示す常電導接続部材30の引出端子部37)を介して超電導ケーブル10の導体電流が、常温部としての外部電力機器等の実系統側に引き出される。また、実系統側から常電導接続部材30を介して超電導ケーブル10に通電される。
なお、端末構造体1は、シールド接続端子40を有し、このシールド接続端子40に超電導ケーブル10のケーブルシールド層114(図2参照)を接地している。シールド接続端子40は、中央で超電導ケーブル10が挿通される円盤状の本体を有し、常電導接続部材30と同様の機能を有するものであり、具体的な構成は後述する。
本実施の形態の超電導ケーブル10は、超電導線材からなる複層の超電導導体層を有し、端末構造体1において、略水平方向に配置した超電導ケーブル10から超電導導体層毎に、水平方向で所定間隔を空けて、常電導接続部材30を介して導体電流を引き出される。
図2は、本発明の一実施の形態に係る端末構造体における超電導ケーブルの概略構成を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、超電導ケーブル10は、断熱管12内に、電気絶縁層(導体絶縁層)113(113−1、113−2、113−3)を介して超電導導体層112(112−1、112−2、112−3)を同心円状に複数備えるケーブルコア11が収容された超電導ケーブルである。
超電導ケーブル10は、各超電導導体層で位相の異なる電流を流す多相超電導ケーブルとしてもよい。また、超電導ケーブル10は、超電導導体層が2層以上の超電導導体層、あるいは、単層の超電導導体層を有する構成としてもよい。本実施の形態の超電導ケーブル10は、超電導導体層112を、中心から、U相、V相、W相の電流を流す導体として3層で同軸上に有した三相同軸超電導ケーブルとしている。
ケーブルコア11は、例えば中心から順に、N冷却管として機能する中央冷却管111、第1超電導導体層112−1、第1電気絶縁層(導体絶縁層)113−1、第2超電導導体層112−2、第2電気絶縁層(導体絶縁層)113−2、第3超電導導体層112−3、第3電気絶縁層(導体絶縁層)113−3、ケーブルシールド層114、及び保護層115等を有する。
各超電導導体層112及びケーブルシールド層114は、例えば、下層の外面に螺旋状に巻き付けた多数本の超電導テープ(テープ状の超電導線材)により構成される。超電導導体層を構成する各超電導テープは、互いに重ならずに配置されている。
超電導テープは、ここでは、REBaCu系(REは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd及びHoから選択された1種以上の元素を示し、y≦2及びz=6.2〜7である。)の高温超電導薄膜を備える酸化物超電導材である。この超電導テープは、テープ状の金属基板上に成膜された中間層上に、テープ状の超電導薄膜である酸化物超電導層(以下、「超電導層」と称する)、安定化層が順に積層されることによって作製される。なお、超電導テープの金属基板としては、ニッケル(Ni)、ニッケル合金又はステンレス鋼である。また、中間層は、例えば、金属基板上に、酸化アルミニウム(Al)層、ガリウムドープ酸化亜鉛層(GdZr:GZO)、或いはイットリウム安定化ジルコニア(YSZ)等による第1層、Y又は酸化ランタンマンガン(LaMnO)等の層である第2層、酸化マグネシウム(MgO)等から成る第3層、LaMnO等の層である第4層、酸化セリウム(CeO)層である第5層を、順に積層することによって構成される。なお、超電導層は、有機金属酸塩あるいは有機金属化合物を原料とし、真空プロセスを使用せずに、MOD法(Metal Organic Deposition Processes:有機酸塩堆積法)により中間層上に成膜される。MOD法は、金属基板上に中間層を設けた複合基板上の金属有機酸塩を加熱して熱分解することによって複合基板上に超電導層である薄膜を形成する。安定化層は、超電導層上に銀(Ag)等を成膜することにより形成される。
このように構成される超電導テープを、複合基板上において、下層の中央冷却管111、電気絶縁層113(113−1、113−2)の外周に、超電導層(超電導薄膜)が外周側、複合基板(基板)が内周側となるように、螺旋状に巻回することによって、各超電導導体層112は構成される。
電気絶縁層113は、それぞれ下層の超電導導体層112の外周に、例えば、半合成絶縁紙を巻回して構成される。保護層115は、例えば、ケーブルシールド層114の外周にクラフト紙等を巻回して構成される。
超電導ケーブル10の端末部においては、図1に示すように、ケーブルコア11に段剥ぎ加工が施され、先端側から順に各層が露出する。各超電導導体層112(112−1、112−2、112−3)には、各超電導導体層112(112−1、112−2、112−3)に電気的に接続される常電導接続部材30(30−1、30−2、30−3)が接続されている。
ここでは、常電導接続部材30は、超電導導体層112の外周に配置され、且つ、外側収容管部221及び内側収容管部211のそれぞれの表裏面のうち少なくとも一方の面に、冷媒槽21及び真空槽22を形成するように接続される。
本実施の形態の超電導ケーブル10では、ケーブルシールド層114の外周には、ケーブルシールド層114に電気的に接続されるシールド接続端子が配置されている。また、本実施の形態では、超電導導体層112(112−1、112−2、112−3)の外周に配置される電気絶縁層113(113−1、113−2、113−3)の外周には、ストレスコーン等の電界緩和部15が配置されている。
断熱管12は、内側の断熱内管121と外側の断熱外管122とからなり、断熱内管121及び断熱外管122は、コルゲート状を有することが好ましい。本実施の形態の断熱内管121及び断熱外管122は、例えば、ステンレス鋼(SUS)製のコルゲート管(波付き管)によりそれぞれ構成される。超電導ケーブル10は、フォーマの外周側に、超電導導体層112と、波付き管である断熱内管121と断熱外管122とによる二重構造を採る断熱管12とを順に有する構成となっている。
断熱内管121は、低温容器20の基端側において、シールド接続端子40の内周部に、内部接続部52を介して気密的に固定されている。内部接続部52が固定されたシールド接続端子40の内周部を介して、断熱内管121は、冷媒槽21内部(主に内側収容管部211内部)と気密的に連通する。
断熱外管122は、低温容器20の基端側において、真空槽22の基端面として機能するシールド接続端子40の外周部に、外部接続部54を介して気密的に固定されている。外部接続部54が固定されたシールド接続端子40の外周部を介して、断熱外管122と断熱内管121の間の空間は、断熱層を形成する真空槽22内部(主に外側収容管部221内部)と気密的に連通する。
シールド接続端子40は、内周部の中央部で超電導ケーブル10を挿通し、超電導ケーブル10のケーブルシールド層114を接地するために外部に引き出す端子であり、ここでは、常電導接続部材30と同様に形成される。よって、シールド接続端子40については、常電導接続部材30の説明とともに後述する。
断熱内管121は、ケーブルコア11を収容し、冷媒槽21に接続される。断熱内管121は、運転時には冷媒(例えば液体窒素)が充填される。これにより、超電導導体層112は、超電導状態に維持される。断熱内管121と断熱外管122の間は、断熱のために、運転時に真空状態に保持される。
内側収容管部211は、筒状であり、エポキシ樹脂や繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)等の絶縁材料により構成される絶縁管である。すなわち、超電導ケーブル10の端末部は、冷媒槽21である絶縁管に収容された状態となる。
軸方向で常電導接続部材30を介して接続される内側収容管部211同士は、常電導接続部材30に、超電導ケーブル10の延在方向(「軸方向」ともいう)に貫通して形成された貫通孔322(図3参照)を介して連通した状態となっている。
なお、冷媒槽21は、例えば真空槽22内に配置された架台(図示略)に載置してもよい。冷媒槽21には、運転時に冷媒循環装置(図示略)により冷媒が循環供給される。冷媒槽21に連通する断熱内管121の内部も冷媒で充填される。
外側収容管部221は、外周にがい管部23を有する筒状であり、冷媒槽21を収容するように常電導接続部材30間に設けられる。外側収容管部221は、例えばエポキシ樹脂やFRP等の絶縁材料で構成され、常電導接続部材30に気密的に固定される。
外側収容管部221の内側は、常電導接続部材30に、超電導ケーブル10の延在方向に貫通して形成されたスロット部364(図3参照)を介して連通した状態となっている。
がい管部23は、例えば、ポリマーがい管または磁器がい管により構成される。ここでは、がい管部23をポリマーがい管で構成したものとして説明する。がい管部23は、例えば、絶縁筒の外周面に一体的にポリマー被覆体を一体的に設けて形成される。絶縁筒は、機械的強度の高いFRP(繊維強化プラスチック)で構成される。絶縁筒は、冷媒槽21内の超電導ケーブル10の外面に電界緩和部15を取り付けた場合、この電界緩和層の周囲で電界緩和部を囲む位置に配置される。ポリマー被覆体は、電気絶縁性能に優れる材料、例えばシリコーンポリマー(シリコーンゴム)などの高分子材料で構成され、外周面に、複数個の傘状の襞部が長手方向に離間して形成される。がい管部23の内部、つまり、真空槽22の内部は、運転時には真空引きされて真空状態となる。
カバー、外部接続部54、常電導接続部材30及び外側収容管部221により構成される真空槽22は、運転時に真空ポンプ(図示略)により真空引きされ、真空状態に保持される。真空槽22に連通する断熱内管121と断熱外管122の間の空間が真空状態に保持される。
<常電導接続部材30の構成>
図3は、端末構造体における常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す正面図であり、図4は、端末構造体における常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す側面である。また、図5は、図3のA−A線断面図である。
図3から図5に示す常電導接続部材30は、超電導ケーブル10を、引出端子部37を介して常温側の機器に電気的に接続する。なお、常電導接続部材30は、超電導ケーブル10において外周面となる各超電導導体層のそれぞれに同様に接続されるので、図3から図5に示す常電導接続部材30は、例えば、図1の常電導接続部材30−2として説明する。
常電導接続部材30は、端末構造体1において、内側収容管部211(冷媒槽21)の内側の超電導ケーブル10の外周面に位置する超電導導体層112と、外側収容管部221の外部の常温側の機器とを導通する。
常電導接続部材30は、電極部32、導電リード部33、引出端子部37、冷却機構38、被覆断熱材(以下、「断熱材」ともいう)39を有する。
電極部32、導電リード部33および引出端子部37は、導電性を有し、電気的に接続される。
電極部32は、超電導ケーブル10の外周に配置され、超電導ケーブル10に接続される。電極部32は、本実施形態では、銅等の導電部材により筒状に形成され、内周面で超電導ケーブル10の外周の超電導導体層に密着して電気的に接続された状態で固定されている。本実施の形態では、図4及び図5に示すように、内側リード部34及び外側リード部36の厚みよりも、超電導ケーブル10の延在方向に長い。
電極部32の周壁部には、軸方向に沿って貫通して形成され、且つ、冷媒が通る貫通孔322が周方向に複数設けられている。
導電リード部33は、電極部32の外周にフランジ状に配置され、電極部32に電気的に接続される。導電リード部33は、引出端子部37と電極部32との間の部位により形成され、引出端子部37から電極部32への通電経路Eを有する。
導電リード部33は、本実施の形態では、電極部32の外周に配置され、内側収容管部211が固定される内側リード部34と、内側リード部34に電気的に接続され、内側リード部34の外周に配置される外側リード部36と、を有する。
内側リード部34は、円環板状の銅等からなる導電部材であり、内部に超電導ケーブル10及び電極部32が配置される。
内側リード部34の内周面には、接触子であるマルチコンタクト35aが取り付けられており、このマルチコンタクト35aを介して電極部32と電気的に接続した状態で周方向及び軸方向に摺動自在に外嵌されている。
内側リード部34は、表裏面の外周縁部で、内側収容管部211の開口端部を塞ぐように気密的に固定される。内側リード部34は、外周縁部に、内側収容管部211を固定する固定穴342が形成され、この固定穴342を介して内側収容管部211がボルト等の止着材により固着される。内側収容管部211の中心軸と内側リード部34の中心軸とは同軸であることが好ましい。
外側リード部36は、例えば、銅等の導電部材により環状に形成され、ここでは、内側リード部34と同じ厚みの円環板状に形成されている。なお、外側リード部36の厚みは、内側リード部34の厚みと同じ厚みでなくてもよく、内側リード部34よりも厚くてもよく、また、薄くても良い。また、外側リード部36は、部分的に厚い部分を有していてもよい。
外側リード部36の内周面には、接触子であるマルチコンタクト35bが取り付けられており、このマルチコンタクト35bを介して内側リード部34と電気的に接続しつつ、相対的に周方向及び軸方向に摺動自在に接続されている。
外側リード部36の外周面には、引出端子部37が半径方向に突出して設けられている。なお、本実施の形態では、引出端子部37は外側リード部36と一体的に形成されている。
外側リード部36では、表裏面の少なくとも一面の外周部に、外側収容管部221(図1参照)が気密的に固定される。例えば、外側収容管部221は、外側リード部36に固定穴362を介してボルト等の止着部材により固定される。図1に示す常電導接続部材30―1の表面(ここでは、先端側の面)には、真空槽22の先端面となるカバーが気密的に固定され、常電導接続部材30―2では表裏面にそれぞれ外側収容管部221が取り付けられている。
また、外側リード部36は、外側収容管部221よりも内側の領域であって、引出端子部37と内側リード部34との間の領域に形成されたスロット部364を有する。
スロット部364は、導電リード部33において、引出端子部37と電極部32とを連続させるための通電経路Eを規定する。なお、スロット部364を内側リード部34に設けて、内側リード部34にスロット部364により規定される通電経路Eを形成してもよい。
スロット部364は、中心の超電導ケーブル10を囲むように配置される複数のスロット364a、364bを有する。
スロット部364は、本実施の形態では、引出端子部37と、電極部32の超電導ケーブル10との接触部分との間の通電経路Eの長さを、引出端子部37と、電極部32の超電導ケーブル10との接触部分との間を少なくとも最短で結ぶ直線よりも長くなるように規定している。
本実施の形態では、スロット364a、364bは、それぞれ同心で且つ異なる直径の欠円状(円の一部を直線で切断した形状)をなしている。
最外周側のスロット364aにおいて欠円部分を挟む端部は、半径方向で引出端子部37と超電導ケーブル10を挟んだ逆側の位置に配置させている。
また、スロット364aに異なる直径で且つ、内周側で隣り合う同心のスロット364bでは、スロット364bの欠円部分を挟む端部を、スロット364aにおいて欠円部分を挟む端部とは、同心を挟み逆側の位置であり、且つ、スロット364aを挟み引出端子部37の接続部分と対向する位置に位置させている。これら複数の欠円状のスロット364a、364bでは、隣り合うスロット同士で、欠円部分を挟む端部が、同心を挟んで逆側に配置される。
このように、常電導接続部材30では、引出端子部37に最も近接する最外周のスロット364aの欠円部分を、引出端子部37とは正対する方向に位置させることにより、熱伝導経路を長くしている。これにより、例えば、引出端子部37に最も近接する最外周のスロット364aの欠円部分を、引出端子部37側に配置されるようにして常電導接続部材を形成した構成と比較して、同じ外形寸法の常電導接続部材でも熱侵入量を低減できる。
常電導接続部材30は、通電経路E(本実施の形態では、引出端子部37と電極部32との間の内側リード部34及び外側リード部36における伝導熱が伝導する導電部分)の「長さ/断面積比」を、熱侵入量(伝導熱と通電時のジュール発熱の和)が最小値となるように設定している。
引出端子部37は、導電リード部33の外周面、つまり、外側リード部36の外周面から外方に突出して設けられ、常温側の機器に接続される。
引出端子部37は、真空槽22の外周から外方に突出し、常温側に配置される。
引出端子部37はここでは、外側リード部36と一体の板状であり、外側リード部36の外周の一部から突出する矩形板状に形成されている。
断熱材39は、外側リード部36に外部からの熱侵入を防止する。断熱材39は、常電導接続部材30において外側リード部36及び引出端子部37の外周を覆う。断熱材39は、本実施の形態では、グラスウール等を芯材とした真空断熱材を用いているが、断熱効果を有するものであればどのようなものであってもよい。
冷却機構38は、引出端子部37及び導電リード部33において引出端子部37から電極部32への通電経路Eとなる部位の端子部側の部位の双方或いは一方を冷却する。
冷却機構38は、例えば、引出端子部37自体を冷却したり、引出端子部37から電極部32への通電経路Eにおいて引出端子部37側の部位を冷却したりする管状の冷却部を有する。
冷却部は、本実施の形態では、引出端子部37内に形成される管状の冷却通路であり、冷却機構38は、冷却部と、環状部内に充填される液体窒素等の冷媒とを有する。
具体的には、管状の冷却通路は、外側リード部36と引出端子部37とが連続する部分、つまり双方の接合部分の一端側から、一方の側辺部、上端部及び他方の側辺部に沿って連続する部位に形成された貫通穴である。管状の冷却通路は、冷却ユニット382に備えられ、例えば、低温容器20の外部に設ける図示しないリザーバー、図示しないポンプ及び冷却装置382aに、冷媒供給通路382bを介して連通する。これらを用いて、冷媒は、ポンプにより冷媒供給通路382bを介して低温容器20の外部に取り出して一旦リザーバーで貯留し、このリザーバーから冷却装置に供給する。そして、ポンプにより冷却装置で冷却された冷媒が冷媒供給通路382bを介して管状の冷却通路である冷却機構38内に戻るようにして、冷却機構38は循環冷却を実現している。ポンプとして真空ポンプを用いることにより、冷却装置382aでは、内部のガスは加熱されてから真空ポンプにより吸引され、冷却装置382a内が減圧されて気化熱により温度が下がる。冷却装置382aと真空ポンプ間のガスを、冷却部に供給する。冷却部を通過させる冷媒は超電導ケーブル10の冷却システムとは熱的に切り離された、廃冷熱を使用することが好ましい。
冷却部の冷却通路は、例えば、引出端子部37と外側リード部36との接合部分内を接合部分に沿って、且つ、通電経路Eを横切るように形成されてもよい。なお、冷却部が、引出端子部37及び外側リード部内に冷却通路として形成される場合、冷却通路周辺の導電部分において電流が流れる方向と直交する断面が冷却通路断面積分の厚み分減らないように、冷却通路を囲む導電部分の厚みを厚くするように形成されてもよい。
また、端末構造体1を、液化ガスを気化させて使用しているプラントに用いる場合では、液化ガスの気化潜熱を利用することができる。
このように、本実施の形態の常電導接続部材30によれば、冷却機構38が、引出端子部37から電極部32への通電経路Eとなる部位の引出端子部37側の部位、ここでは、引出端子部37自体を冷却するので、通電時において、外部から超電導ケーブル10への熱侵入量を減少させることができる。
ここで、超電導線材と常電部とを接続する端末構造体において、導電部分の「長さ/断面積比」を最適化させた電流リードの熱侵入量を、さらに低減させるためには、高温端温度を下げ、超電導ケーブルが駆動する際の温度との温度差を小さくする必要がある。しかしながら、冷媒の蒸発ガスを冷却に使用できる超電導マグネット等と違い、超電導ケーブルに対する冷媒は、蒸発すること無く循環させる構造が用いられるため、蒸発ガスを利用することはできない。また、超電導ケーブルを冷却している冷媒(ガスまたは液体)を利用すると、高温端からの熱が冷却システムに侵入するため、熱侵入量を低減することができない。よって、本実施の形態では、高温端である引出端子部37或いは通電経路において引出端子部37側を冷却する際に冷却機構38の冷却部に供給される冷媒は、超電導ケーブルの冷却システムと、熱的に切り離された所から導入されることが好ましい。
これにより、端末構造体1において、使用環境によって、端子側の温度である高温端(室温側)の温度と、内側リード部34側の温度である低温側(冷媒)の温度は予め決められた場合でも、導電部分の断面積を温度分布に合わせて変化させることなく、その温度差を低減できる。これにより、超電導ケーブル10への熱侵入量を低減することを容易に行うことができる。
さらに、本実施の形態の常電導接続部材30は、高温端部分に冷却通路となる貫通穴を設け、そこに冷媒を通過させることにより、簡易な構成で、使用環境下に関わらず熱侵入量を低減できる常電導接続部材を実現することができる。
また、常電導接続部材30では、導電リード部33及び引出端子部37は断熱材39により覆われているので、外部から常電導接続部材30内部への熱が一層侵入しにくくなっており、超電導ケーブル10は、好適な通電を行うことができる。
(実施の形態2)
<常電導接続部材30Aの構成>
図6は、本発明の実施の形態2に係る常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す正面図であり、図7は、本発明の実施の形態2に係る常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す側面である。また、図8は、図6のB−B線断面図である。
図6〜図8に示す常電導接続部材30Aは、実施の形態1の端末構造体1において、常電導接続部材30に換えて、内側収容管部211と外側収容管部221とに軸方向で接続される。常電導接続部材30Aは、冷却機構38Aを電流リード部33Aの高温端に接触させて冷却する。
常電導接続部材30Aは、常電導接続部材30と同様に、超電導ケーブル10において外周面となる各超電導導体層のそれぞれに同様に接続される。図6から図8に示す常電導接続部材30Aは、例えば、図1の常電導接続部材30−2として説明する。
常電導接続部材30Aは、内側収容管部211(冷媒槽21)の内側の超電導ケーブル10の外周面に位置する超電導導体層112の端末に電気的に接続され、超電導ケーブル10と、常温側の機器とを電気的に接続する。
常電導接続部材30Aは、常電導接続部材30と同様の基本的な構成及び機能を有し、常電導接続部材30と比較して、外側リード部36Aと、引出端子部37A及び冷却機構38Aの構成要素が異なり、その他の構成要素は同様である。したがって、以下では、常電導接続部材30Aの説明に際し、常電導接続部材30と同様の構成については同符号同名称を付して説明は省略し、異なる構成要素について詳細に説明する。
常電導接続部材30Aは、電極部32、導電リード部33A、引出端子部37A、冷却機構38A、被覆断熱材39を有する。なお、電極部32、導電リード部33Aおよび引出端子部37Aは、導電性を有し、電気的に接続される。
常電導接続部材30Aにおける導電リード部33Aは、引出端子部37Aと電極部32との間の部位により形成され、引出端子部37Aから電極部32への通電経路E1を有する。
導電リード部33Aは、電極部32の外周にマルチコンタクト35aを介して電気的に接続された内側リード部34と、内側リード部34の外周にマルチコンタクト35bを介して電気的に接続された外側リード部36Aとを有する。なお、内側リード部34には、固定穴342を介してボルト等の止着材により内側収容管部211が固定され、外側リード部36Aには、固定穴362を介してボルト等の止着部材により外側収容管部221が固定される。内側リード部34の中心軸と外側リード部36Aの中心軸は同一軸であり、超電導ケーブル10とも同一軸心上となるように配置されている。
外側リード部36Aは、外側リード部36と同様の機能を有する。外側リード部36Aは、例えば、外側リード部36と同様に、銅等の導電部材により環状に形成され、ここでは、内側リード部34と同じ厚みの円環板状に形成されている。なお、外側リード部36Aの厚みは、外側リード部36と同様に、内側リード部34の厚みと同じ厚みでなくてもよく、内側リード部34よりも厚くても、薄くても良い。また、外側リード部36は、部分的に厚い部分を有していてもよい。
外側リード部36Aは、表裏面を貫通して形成され、通電経路E1の一部を形成するスロット部364を有するとともに、外周面の一部で引出端子部37Aが接続されている。スロット部364は、外側リード部36のものと同様に形成され同様の機能を有する。引出端子部37に最も近接する最外周のスロット364aの欠円部分が、引出端子部37Aとは正対する方向に位置されており、これにより、熱伝導経路が長くなっている。なお、スロット部364は、外側収容管部221同士を連通させている。
外側リード部36Aでは、通電経路E1の長さは、引出端子部37Aと、電極部32の超電導ケーブル10との接触部分との間の長さであり、引出端子部37Aと、電極部32の超電導ケーブル10との接触部分との間を少なくとも最短で結ぶ直線よりも長い。なお、通電経路E1(本実施の形態では、引出端子部37Aと電極部32との間の内側リード部34及び外側リード部36Aにおける伝導熱が伝導する導電部分)の「長さ/断面積比」を、熱侵入量(伝導熱と通電時のジュール発熱の和)が最小値となるように設定されることが好ましい。
引出端子部37Aは、導電リード部33Aの外周面、つまり、外側リード部36Aの外周面から外方に突出するように接合され、常温側の機器に接続される。
引出端子部37Aは、常電導接続部材30の引出端子部37と比較して、外側リード部36Aと一体に形成されておらず、ここでは、導電性を有する矩形板状の端子本体部372と、端子本体部372の一端面と、外側リード部36Aの外周の一部とを接続する導電部374とを有する。
端子本体部372は、外側リード部36Aと同様の導電材料、例えば、銅により形成され、外部の機器の端子に固定されて電気的に接続される。
導電部374は、ここでは、端子本体部372と外側リード部36Aとを間に介設され、その長さと導電部分の断面積(通電方向に直交する断面積)を調節した部材からなる。導電部374は、その長さと導電部分の断面積が調製されていることにより、引出端子部37A側、端末構造体1が設置される環境温度下における熱侵入量(伝導熱と通電時のジュール発熱の和)を最小値化、つまり、最適化されたものである。端末構造体1が設置される環境温度下は、常電導接続部材30Aの高温端である室温側の温度と超電導ケーブル10側(低温側(冷媒)の温度とが決められている環境下である。
導電部374は、例えば、素線を絶縁被覆膜で被覆したエナメル線を撚り合わせて束ねて形成されたリッツ線とする。
冷却機構38Aは、引出端子部37A及び導電リード部33Aにおいて引出端子部37Aから電極部32への通電経路E1となる部位の端子部側の部位の双方或いは一方を冷却する冷却部を有する。
冷却機構38Aは、引出端子部37A自体を冷却してよいが、ここでは、冷却部は、引出端子部37Aから電極部32への通電経路E1において引出端子部37A側の部位を冷却する。
冷却部は、本実施の形態2では、引出端子部37Aと外側リード部36Aとの接合部分に隣接配置された冷却管であり、冷却管内に液体窒素等の冷媒が充填される。
冷却管は、外側リード部36Aと引出端子部37Aとが連続する部分、つまり双方の接合部分の一端側から、一方の側辺部、上端部及び他方の側辺部に沿って連続する部位に、軸方向で離間する表裏面で密着した状態で隣接配置されている。
冷却管は、冷却機構38Aの管状の冷却通路と同様に、冷却ユニット382Aに備えられ、低温容器20の外部に設けるリザーバー、ポンプ及び冷却装置に、冷媒供給通路を介して連通される。これらを用いて冷媒が供給され、且つ、循環するように形成される。
これにより、端末構造体において、使用環境によって、端子側の温度である高温端(室温側)の温度と、内側リード部側の温度である低温側(冷媒)の温度は予め決められた場合でも、導電部分の断面積を温度分布に合わせて変化させた際の最適化値で求められる熱侵入量よりも更に低い熱侵入量にすることができる。なお、常電導接続部材30Aでは、導電リード部33A及び引出端子部37Aは断熱材39により覆われているので、外部から常電導接続部材30A内部への熱が一層侵入しにくくなっており、超電導ケーブル10は、好適な通電を行うことができる
これにより、引出端子部37Aを介して超電導ケーブル10に常温部から通電される際に、超電導ケーブル10に均一に通電させることができ、熱侵入量も極力低減することができ、好適な通電状態を確保できる。
[実施例1]
図3〜図5に示すように冷却機構38の冷却部に冷媒となる窒素ガスを通過させて高温端全体を冷却する常電導接続部材30を、無酸素銅(C1020)に銀メッキした材料を用いて製造した。大気と接触する引出端子部37及び導電リード部33の外周部分は真空断熱材(断熱材39)により覆った。実施例1の常電導接続部材30において、高温端の温度、つまり、室温側温度である外側リード部36の引出端子部37における温度は、300Kであり、低温端温度、つまり、内側リード部34における温度は70Kである。この実施例1の常電導接続部材30にAC3000A(実効値)であり、周波数60Hzで通電した際の熱侵入量を測定した。これを表1に示す。
[実施例2]
図6〜図8に示すように導電部分の「長さ/断面積比」を最適化して、冷却機構38Aの冷却管(冷却部)に冷媒となる窒素ガスを通過させて高温端側を冷却する常電導接続部材30Aを、無酸素銅(C1020)に銀メッキした材料を用いて製造した。大気と接触する引出端子部37A及び導電リード部33Aの外周部分は真空断熱材(断熱材39)により覆った。この実施例2の常電導接続部材30Aに、実施例1と同様の環境下で、且つ、実施例1と同様の条件で通電して常電導接続部材30Aにおける熱侵入量を測定した。これを表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様の材料で、冷却機構38を有しない従来型の常電導部材を製造した。この比較例1の常電導接続部材に実施例1と同様の環境下で、且つ、実施例1と同様の条件で通電して、常電導接続部材における熱侵入量を測定した。これを表1に示す。
Figure 2019009093
これら実施例1、2及び比較例1のそれぞれについて、通電電流AC3000A(実効値)、周波数60Hzで通電して、熱侵入量を測定したところ、実施例1及び実施例2では、55Wであり、比較例1は146Wであった。なお、熱侵入量は、カロリメトリック法にて測定した。
このように測定の結果、実施例1及び実施例2では、比較例1に対して38%の熱侵入量となり、実施例1及び実施例2ともに比較例1と比較して減少することが判った。
つまり、常電導接続部材30、30Aに示すように、高温端である引出端子部37、37A側を冷却することにより、熱侵入量を大幅に低減されることがわかった。
また、実施例1と実施例2とを比較して、室温側から冷却部までの導電部分においても「長さ/断面積比」を最適化することにより、冷却機構の冷却部を冷却するのに必要なエネルギーを低減出来ることが判った。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 端末構造体
10 超電導ケーブル
11 ケーブルコア
12 断熱管
15 電界緩和部
20 低温容器
21 冷媒槽
22 真空槽
23 がい管部
30、30A 常電導接続部材
32 電極部
33、33A 導電リード部
34 内側リード部
35a、35b マルチコンタクト
36、36A 外側リード部
37、37A 引出端子部(端子部)
38、38A 冷却機構
39 断熱材
40 シールド接続端子
52 内部接続部
54 外部接続部
111 中央冷却管
112 超電導導体層
113 電気絶縁層
114 ケーブルシールド層
115 保護層
121 断熱内管
122 断熱外管
211 内側収容管部
221 外側収容管部
322 貫通孔
342 固定穴
364 スロット部
372 端子本体部
374 導電部
382a 冷却装置
382b 冷媒供給通路
364a、364b スロット
E、E1 通電経路

Claims (5)

  1. 超電導ケーブルに接続して、当該超電導ケーブルを常温側の機器に電気的に接続する常電導接続部材であって、
    前記超電導ケーブルの外周に配置され、前記超電導ケーブルに接続される電極部と、
    前記電極部の外周にフランジ状に配置され、前記電極部に接続される導電リード部と、
    前記導電リード部に当該導電リード部の外周側で接続され、且つ、前記常温側の機器に接続される端子部と、
    前記端子部自体と、前記導電リード部において前記端子部から前記電極部への通電経路の端子部側の部位とのうちの少なくとも一方を冷却する冷却機構と、
    を有する、
    常電導接続部材。
  2. 前記冷却機構は、前記端子部自体と、前記導電リード部における前記通電経路の端子部側の部位とのうちの少なくとも一方に貫通して形成され、内部に冷媒が流通する冷却通路を有する、
    請求項1記載の常電導接続部材。
  3. 前記冷却機構は、前記端子部自体と、前記導電リード部における前記通電経路の端子部側の部位とのうちの少なくとも一方に接触して配置され、内部を流通する冷媒により、前記少なくとも一方を冷却する冷却管を有する、
    請求項1記載の常電導接続部材。
  4. 前記導電リード部の外周には、当該外周を覆う断熱材が設けられている、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の常電導接続部材。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の常電導接続部材と、
    前記常電導接続部材に接続される超電導ケーブルと、
    を有する、
    超電導ケーブルの端末構造体。
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