JP2019003844A - 高周波分離ヒューズ - Google Patents

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Abstract

【課題】 高周波の雷サージ電流では溶断せず、低周波の異常電流では確実に溶断する高周波分離ヒューズを提供すること。
【解決手段】 高周波電流を分離し、低周波電流によって溶断される高周波分離ヒューズ1であって、低周波電流を入力ポート部1a側から出力ポート部1b側へ流すことが可能な異常電流溶断部1dと、異常電流溶断部1dを覆うように配置され、高周波電流および低周波電流を入力ポート部1a側から出力ポート部1b側へ流すことが可能な外部筐体部1cとを備え、異常電流溶断部1dを流れる低周波電流が、予め決定された電流量を超える異常電流である場合、異常電流溶断部1dが溶断することによって、入力ポート部1aから出力ポート部1b側への異常電流の流れを遮断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電力線や通信線等のケーブルに侵入した雷サージ電流のような高周波電流を分離するための高周波分離ヒューズに関する。
従来、電気・電子機器を雷サージ電流のような高周波電流から保護するため、避雷素子(SPD; Surge Protective Device)を用いて、ケーブルに侵入した高周波電流を接地線や他のケーブルにバイパスし、その機器を保護する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、電気・電子機器の漏電や短絡事故により、ケーブルに、低周波の異常電流(漏電電流や地絡電流等)が流れた場合の電気安全対策として、機器の内部回路にヒューズを実装し、電気・電子機器の発火や感電を防止する方法が知られている。この方法によれば、ヒューズに溶断電流量を超える電流が流れた場合、ヒューズ内部を溶断し、異常電流の侵入を遮断することができる。
これらの方法により、電気・電子機器が故障せず、安全に使用することが可能となる。
特開2016−163523号公報
しかしながら、このような従来の方法では、以下のような問題がある。
すなわち、雷サージ電流は、ケーブルから内部回路に侵入すると、SPDを通過すると同時にヒューズをも通過する。この際、雷サージ電流によってヒューズが溶断する場合がある。
しかしながら、多雷地域では、雷サージ電流の侵入が多発するため、その度にヒューズが溶断し、機器が頻繁に使用不能になるという問題が生じる。
その対策として、雷サージ電流によってヒューズが溶断しないように、ヒューズの溶断電流量を上げることが考えられるが、そうすると、低周波の異常電流に対しても溶断しにくくなるという問題が生じてしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、高周波電流を分離することによって、高周波の雷サージ電流では溶断せず、低周波の異常電流では確実に溶断する高周波分離ヒューズを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の観点は、高周波電流を分離し、低周波電流によって溶断される高周波分離ヒューズであって、前記低周波電流を入力端側から出力端側へ流すことが可能な内側導電部と、前記内側導電部を覆うように配置され、前記高周波電流および前記低周波電流を前記入力端側から前記出力端側へ流すことが可能な外側導電部とを備え、前記内側導電部を流れる前記低周波電流が、予め決定された電流量を超える異常電流である場合、前記内側導電部が溶断することによって、前記入力端側から前記出力端側への前記異常電流の流れを遮断する。
本発明の第2の態様は、第1の態様の高周波分離ヒューズにおいて、前記高周波電流は、雷サージ電流であり、前記外側導電部は、前記内側導電部を配置するための中空部を有しており、前記外側導電部の厚さを、前記雷サージ電流の周波数成分が前記外側導電部を通過可能な値に設定する。
本発明の第3の態様は、第2の態様の高周波分離ヒューズにおいて、前記中空部に配置された内側導電部の外壁と、前記外側導電部の内壁との間に、真空な間隙が形成されているか、または、充填物が充填されている。
本発明の第4の態様は、第1の態様の高周波分離ヒューズにおいて、前記高周波電流は、雷サージ電流であり、前記外側導電部の表面積および長さを、前記外側導電部が前記雷サージ電流によって破損されない値に設定する。
本発明の第5の態様は、第1の態様の高周波分離ヒューズにおいて、前記異常電流が、前記入力端から侵入した場合、前記外側導電部を流れる異常電流量よりも、前記内側導電部を流れる異常電流量が多い。
本発明の第6の態様は、第1の態様の高周波分離ヒューズにおいて、前記外側導電部の外周を覆うカバー部と、前記入力端と、前記カバー部の内側とに結合され、前記入力端が前記内側導電部および前記外側導電部から離反する方向へ作用する力を前記入力端へ付与する第1の引力付与手段、または、前記出力端と、前記カバー部の内側とに結合され、前記出力端が前記内側導電部および前記外側導電部から離反する方向へ作用する力を前記出力端へ付与する第2の引力付与手段のうちの少なくとも一方の引力付与手段と、をさらに備える。
本発明の第7の態様は、第6の態様の高周波分離ヒューズにおいて、前記入力端および前記出力端は、前記内側導電部と融着され、前記外側導電部と接触しているが融着されていない。
本発明の第8の態様は、第6の態様の高周波分離ヒューズにおいて、前記内側導電部が溶断すると、前記引力付与手段によって、前記入力端および前記出力端のうちの少なくとも一方が、前記内側導電部および前記外側導電部から離反することによって、前記入力端側から前記出力端側への前記異常電流の流れを遮断する。
本発明によれば、内側導電部を外側導電部で覆う二重構造を用い、ファラデーケージ効果や表皮効果等を利用することにより、高周波電流である雷サージ電流を、外側導電部のみに流し、低周波電流を、内側電導部と外側電導部との両方に流す一方、低周波電流が異常電流である場合には、内側電導部が溶断するようにすることによって、高周波電流である雷サージ電流では溶断せず、低周波電流である異常電流では確実に溶断する高周波分離ヒューズを実現することができる。
実施形態に係る高周波分離ヒューズの構成例を示す概念図である。 異常電流侵入時における入力ポート部と出力ポート部との切り離しを説明するための高周波分離ヒューズの構成例を示す断面図である。 異常電流侵入時における入力ポート部と出力ポート部との切り離しを説明するための高周波分離ヒューズの別の構成例を示す断面図である。 異常電流侵入時における入力ポート部と出力ポート部との切り離しを説明するための高周波分離ヒューズのさらに別の構成例を示す断面図である。 異常電流侵入時における入力ポート部と出力ポート部との切り離しを説明するための高周波分離ヒューズのさらにまた別の構成例を示す断面図である。 実施形態に係る高周波分離ヒューズの別の構成例を示す概念図である。 実施形態に係る高周波分離ヒューズのさらに別の構成例を示す概念図である。 実施形態に係る高周波分離ヒューズのさらにまた別の構成例を示す概念図である。
以下、本発明を実施するための実施形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は、その他多くの異なる形態で実施することが可能であり、以下に示す実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る高周波分離ヒューズ1の構成例を示す概念図である。
高周波分離ヒューズ1は、入力ポート部1a、出力ポート部1b、外部筺体部1c、および異常電流溶断部1dを備える。これらは一例として導体(金属)であるが、必ずしも導体に限られるものではなく、電流を通すことができれば、誘電体、半導体、強誘電体、磁性体のいずれであってもよい。
高周波分離ヒューズ1は、内部が充填された金属からなる入力ポート部1aと出力ポート部1bの間に、内部に中空部を有する金属からなる外部筐体部1cと、外部筐体部1cの内部の中空部内に、同心円状に配置された円柱状の異常電流溶断部1dとを備えてなる。外部筐体部1cの内径は、異常電流溶断部1dの外径よりも大きく、これによって、異常電流溶断部1dは、外部筐体部1cの中空部内に、外部筐体部1cと接触しないように配置されるようにしてもよい。あるいは、外部筐体部1cの内径と、異常電流溶断部1dの外径が等しく、これによって、外部筐体部1cの中空部内に、異常電流溶断部1dが、外部筐体部1cと隙間なく密着して配置されるようにしてもよい。
入力ポート部1aには入力導線1e、出力ポート部1bには出力導線1fがそれぞれ付属している。入力導線1eおよび出力導線1fは、高周波電流である雷サージ電流や、低周波電流である給電電流や電気信号電流等の入力端および出力端となる。また、低周波電流はさらに、漏電電流や地絡電流等のように、予め決定された電流量を超える異常電流をも含む。
ここで、入力ポート部1aおよび出力ポート部1bの底面(例えば、入力ポート部1aおよび出力ポート部1bが、図1に示すように円錐形状をしている場合には、円錐の底面)は、外部筐体部1cおよび異常電流溶断部1dの断面と完全に導通している。または、異常電流溶断部1dと、入力ポート部1aおよび出力ポート1bは、化学的な手法あるいは溶接で融着していても良い。
異常電流溶断部1dは、入力ポート部1a、外部筐体部1c、出力ポート部1bとは異なる金属からなることが好ましいが、同一の金属でも良く、ヒューズのエレメントと同様に一定の溶断電流が流れると溶断するように設計されている。このようなヒューズ設計手法は公知である。
外部筐体部1cの内径が、異常電流溶断部1dの外径よりも大きく、外部筐体部1cと異常電流溶断部1dとの間に隙間が存在する場合、隙間は真空でも良いが、高周波分離ヒューズ1を通過する高周波電流と、低周波電流との分離特性を制御するために、この隙間の値を変化させたり、充填物を充填したり、さらに、充填物を充填する場合には、充填物の材質を変化させたりしても良い。
なお、ここで、分離特性とは、高周波電流が、外部筐体部1cと異常電流溶断部1dに分離して流れる比率と、低周波電流が、外部筐体部1cと異常電流溶断部1dに分離して流れる比率とを称する。
充填物としては、絶縁体、誘電体、半導体、強誘電体、磁性体等であって良い。これら充填物を充填すれば、充填物の誘電率や透磁率により、外部筐体部1cと異常電流溶断部1dとの間の電気的な結合(静電結合等)の影響が軽減されるので、高周波電流が異常電流溶断部1dに流れ込まないように分離特性を制御することができる。
また、外部筐体部1cの内壁と、異常電流溶断部1dの外壁との間の距離の制御と、充填物の材質の選択との組合せによって、高周波分離ヒューズ1を通過する高周波電流と低周波電流との分離特性を調整してもよい。
このような構成から成る高周波分離ヒューズ1の入力ポート部1aに接続された入力導線1eから雷サージ電流のような高周波電流が侵入した場合、この高周波電流は、入力ポート部1aの表面、外部筺体部1cの表面、出力ポート部1bの表面を流れ、出力導線1fから流出する。高周波電流は、数十kHz〜数MHzの周波数成分を有するため、ファラデーケージ効果によって、外部筺体部1cの内部に侵入することができず、結果として異常電流溶断部1dには高周波電流は流れない。
それに対して、例えば50Hzまたは60Hzの交流電流のような低周波電流は、入力ポート部1aから、外部筺体部1c、出力ポート部1bだけではなく、異常電流溶断部1dにも流れる。このため、異常電流溶断部1dにのみヒューズのエレメント機能(溶断電流量を超える電流が侵入した場合に溶断する機能)を持たせておくことで、雷サージ電流のような高周波電流では溶断せず、低周波電流のうち、予め決定された電流量を超える異常電流(例えば、商用電源等の異常電流)に対してのみ溶断するヒューズを実現できるようになる。
特に、低周波電流が、外部筐体部1cよりも異常電流溶断部1dに多く流れるように分離特性を調整することによって、異常電流に対して素早く反応し溶断するヒューズを実現できるようになる。
以上の機能を効率的に実現するための例として、外部筐体部1cや異常電流溶断部1dの形状を、以下の方法に従って決定する。
(表皮効果を用いて決定する方法)
外部筐体部1cや異常電流溶断部1dのサイズを、表皮効果を用いて決定する方法について説明する。
まず、雷サージ電流は高周波電流であるために、ファラデーケージ効果により、外部筐体部1cを流れる。このため、高周波電流が流れても外部筺体部1cが破損しないように、外部筺体部1cのサイズを決定する必要がある。このため、例えば、ITU−T勧告K.44に記載されている雷サージ電流波形等を実際に外部筐体部1cに流すことによって決定することができる。
次に、外部筐体部1cが導体である場合は、表皮効果から外部筐体部1cの厚さを決定する。外部筐体部1cは、高周波電流の流路となることから雷サージ電流のような高周波電流を十分に流せる厚さが必要となる。
外部筐体部1cの厚さは、一般的な表皮効果の原理式を用いて導出される表皮深さとすることができる。例えば、外部筐体部1cの電気抵抗率をρout、外部筐体部1cの絶対透磁率をμout、雷サージ電流の角周波数をωlightingとすると、外部筐体部1cの表皮深さdoutは、下記(1式)で表される。ここで、雷サージ電流の角周波数は、雷サージ電流の全ての周波数帯域を十分に流すため、低周波側の周波数を角周波数ωlightingとすることが望ましい。
ただし、(1式)で導出される表皮深さは、表面電流の1/e(約0.37)になる表皮深さを示す。そこで、十分な雷サージ電流を流すために、下記(2式)に示すように、表皮深さdoutを1/eで補正した補正表皮深さdzeroを外部筺体部1cの厚さとしてもよい。
以上より、雷サージ電流の全ての周波数成分を流せる外部筺体部1cの厚さが導出される。
次に、異常電流溶断部1dのサイズの決定方法について説明する。異常電流溶断部1dは、低周波電流である異常電流に対する反応を敏感にするため、低周波電流が、外部筐体部1cよりも異常電流溶断部1dに多く流れるようにする必要がある。そのために、低周波電流の周波数成分に対する外部筐体部1cの抵抗値Routと、異常電流溶断部1dの抵抗Rinとが、下記(3式)の関係を満たす必要がある。
ここで、異常電流の角周波数がωcurrentである場合、外部筐体部1cを流れる異常電流の表皮深さdout_iは、下記(4式)で表すことができる。
さらに、外部筐体部1cの直径Doutと外部筐体部1cを流れる異常電流の周波数成分が流れた場合の表皮深さdout_iが、下記(5式)の関係を満たす場合、外部筐体部1cの抵抗値Routは、下記(6式)として表すことができる。
ここで、Lは外部筐体部1cの長さである。次に、異常電流溶断部1dも導体である場合は、表皮効果から、異常電流溶断部1dの抵抗値Rinを導出することができる。同様に、異常電流溶断部1dの直径Dinと異常電流溶断部1dを流れる異常電流の周波数成分が流れた場合の表皮深さdin_iが、下記(7式)によって表される。
ここで、ρinは異常電流溶断部1dの電気抵抗率、μinは異常電流溶断部1dの絶対透磁率である。次に、異常電流溶断部1dの直径Dinと異常電流溶断部1dを流れる異常電流の周波数成分が流れた場合の表皮深さdin_iが下記(8式)の関係を満たす場合、異常電流溶断部1dの抵抗値Rinは、下記(9式)となる。
以上より、上記(3式)を満たすように外部筐体部1cと異常電流溶断部1dのサイズや材質を決定する。
(インピーダンスを用いて決定する方法)
外部筐体部1cや異常電流溶断部1dのサイズを、インピーダンスから決定する方法について説明する。
まず、雷サージ電流のような高周波電流は、ファラデーケージ効果により、外部筐体部1cを流れるため、高周波電流が流れても外部筺体部1cが破損しないように外部筐体部1cのサイズを決定する必要がある。例えばITU−T勧告K.44に記載されている雷サージ電流波形等を実際に外部筐体部1cに流すことによって決定することができる。
次に、異常電流溶断部1dのサイズの決定方法について説明する。低周波電流である異常電流が、外部筐体部1cよりも異常電流溶断部1dに多く流れるようにするため、外部筺体部1cのインピーダンスZoutと異常電流溶断部1dのインピーダンスZinを比較する。Routを外部筐体部1cの抵抗値、Loutを外部筐体部1cの長さ、Rinを異常電流溶断部1dの抵抗値、Linを異常電流溶断部1dの長さ、ωcurrentを異常電流の角周波数とすると、外部筺体部1cのインピーダンスZoutおよび異常電流溶断部1dのインピーダンスZinは、それぞれ下記の(10式)および(11式)のように表すことができる。
低周波電流である異常電流が、外部筐体部1cより、異常電流溶断部1dに多く流れるためには、以下の関係が成立する必要がある。
したがって、上記(12式)を満たすように、外部筐体部1cと異常電流溶断部1dのサイズや材質を決定する。
(導電率を用いて決定する方法)
外部筐体部1cや異常電流溶断部1dのサイズを、導電率を用いて決定する方法について説明する。
まず、雷サージ電流のような高周波電流は、ファラデーケージ効果により、外部筐体部1cに流れるため、高周波電流が流れても外部筺体部1cが破損しないように、外部筺体部1cのサイズを決定する必要がある。このため、例えば、ITU−T勧告K.44に記載されている雷サージ電流波形を実際に外部筺体部1cに流し、破損する場合は、表面積を大きくするか、長さを短くする等の調整をする。
次に、異常電流溶断部1dのサイズの決定方法について説明する。低周波電流が、外部筐体部1cよりも異常電流溶断部1dに多く流れるようにするため、異常電流に対する外部筺体部1cの導電率σoutと、異常電流に対する異常電流溶断部1dの導電率σinとが下記(13式)の関係を満たす必要がある。
なお、導電率σと電気抵抗率ρとは下記(14式)のように、逆数の関係にある。
上記(13式)を満たすように外部筐体部1cと異常電流溶断部1dのサイズや材質を決定する。
(誘電体の誘電率を用いて決定する方法)
外部筐体部1cや異常電流溶断部1dのサイズを、誘電体の誘電率を用いて決定する方法について説明をする。誘電体に電流が流れるのは、誘電体内のキャリアが誘電体内にできた電場によって運ばれるためである。この時の導電率は、eを電荷の素量、nをキャリア密度、μをキャリア移動度とすると、下記(15式)のように表すことができる。
異常電流すなわち低周波電流が、外部筐体部1cよりも異常電流溶断部1dに多く流れるためには、外部筺体部1cの導電率σoutと異常電流溶断部1dの誘電率σinとの間で、下記(16式)の関係を満たす必要がある。
上記(16式)を満たすように外部筐体部1cと異常電流溶断部1dのサイズや材質を決定する。
(異常電流侵入時における入力ポート部2aと出力ポート部2bの切り離し)
次に、入力導線1eから異常電流が侵入した場合における、入力ポート部1aと出力ポート部1bとの切り離しについて説明する。
図2は、異常電流侵入時における入力ポート部1aと出力ポート部1bとの切り離しを説明するための高周波分離ヒューズ1の構成例を示す断面図である。
通常、入力ポート部1aと異常電流溶断部1dとは融着しているが、入力ポート部1aと外部筐体部1cは接触のみで、融着はしていない。
このような構成によれば、高周波電流である雷サージ電流が入力導線1eから流れてきた場合であっても、雷サージ電流は、ファラデーケージ効果により異常電流溶断部1dに侵入せず、外部筐体部1cのみを流れるので、異常電流溶断部1dは溶断しない。一方、低周波電流である異常電流が入力導線1eから流れてきた場合、異常電流は異常電流溶断部1dを流れ、異常電流溶断部1dを溶断し、溶断時の衝撃で、入力ポート部1aが異常電流溶断部1dから外れ、入力ポート部1a側と出力ポート部1b側とが物理的に切り離れ、異常電流を遮断するようになる。
図3は、異常電流侵入時における入力ポート部1aと出力ポート部1bとの切り離しを説明するための高周波分離ヒューズ3の構成例を示す断面図である。
図3に示すバネ付高周波分離ヒューズ3は、基本的な構成は、図2に示す構成と同様に、入力ポート部1aと異常電流溶断部1dとが融着している一方、入力ポート部1aと外部筐体部1cは接触のみで、融着はしていない。しかしながら、バネ付高周波分離ヒューズ3は、図1および図2に示すような高周波分離ヒューズ1をカバー部3gによって覆い、カバー部3gの内側における入力導線1e側に遮断用バネ3hの一端を固定し、遮断用バネ3hの他端を、入力ポート部1aに固定することによって、入力ポート部1aを入力導線1e側へ引っ張るバネ力を与えている。
図3に示すバネ付高周波分離ヒューズ3は、図2に示す高周波分離ヒューズ1と同様に、高周波電流である雷サージ電流が入力導線1eから流れてきた場合であっても、雷サージ電流は、ファラデーケージ効果により異常電流溶断部1dに侵入せず、外部筐体部1cのみを流れるので、異常電流溶断部1dは溶断しない。一方、低周波電流である異常電流が入力導線1eから流れてきた場合、異常電流が異常電流溶断部1dを流れ、異常電流溶断部1dが溶断する。さらには、溶断時の衝撃で、入力ポート部1aの異常電流溶断部1dとの融着が外れ、遮断用バネ3hのバネ力によって、入力ポート部1aは、高周波分離ヒューズ本体から確実に切り離されるようになるので、異常電流をより確実に遮断できるようになる。
なお、図示していなが、カバー部3gの内側における出力導線1f側に遮断用バネ3hの一端を固定し、遮断用バネ3hの他端を、出力ポート部1bに固定することによって、出力ポート部1bを出力導線1f側へ引っ張るバネ力を与えるようにしても、同様の効果を奏することができる。
また、図示しないが、当業者であれば、遮断用バネ3hの代わりに、磁石を適用(例えば、カバー部3gの内部の入力導線1e近傍にS極の磁石を配置し、入力ポート部1aの先端側にN極の磁石を配置する。同様に、カバー部3gの内部の出力導線1f近傍にS極の磁石を配置し、出力ポート部1bの先端側にN極の磁石を配置する)しても、同様の効果を奏することができることを理解するであろう。
さらには、このような遮断用バネ3hまたは図示しない磁石を、入力ポート部1a側と出力ポート部1b側との両方に適用しても良い。入力ポート部1a側と出力ポート部1b側との両方に適用する場合、片方に遮断用バネ3hを適用し、他方に磁石を適用するようにしても良い。
図4は、異常電流侵入時における入力ポート部1aと出力ポート部1bとの切り離しを説明するための高周波分離ヒューズ4の構成例を示す断面図である。
図4に示すバネ付高周波分離ヒューズ4は、基本的な構成は、図2の場合と同様に、入力ポート部1aと異常電流溶断部1dとは融着している一方、入力ポート部1aと外部筐体部1cは接触のみで、融着はしていない。しかしながら、異常電流溶断部1dは中細形状をしている。
図4に示す高周波分離ヒューズ4でもまた、図2に示す高周波分離ヒューズ1と同様に、高周波電流である雷サージ電流が入力導線1eから流れてきた場合であっても、雷サージ電流は、ファラデーケージ効果により異常電流溶断部1dに侵入せず、外部筐体部1cのみを流れるので、異常電流溶断部1dは溶断しない。一方、低周波電流である異常電流が入力導線1eから流れてきた場合、異常電流は、中細形状の異常電流溶断部1dを流れる。異常電流溶断部1dは、中細形状であることにより、異常電流が流れるとより溶断されやすくなるので、異常電流を確実に遮断することができるようになる。
図5は、異常電流侵入時における入力ポート部1aと出力ポート部1bとの切り離しを説明するための高周波分離ヒューズ5の構成例を示す断面図である。
図5に示すバネ付高周波分離ヒューズ5は、基本的には、図2に示す構成と同様に、入力ポート部1aと異常電流溶断部1dとは融着している一方、入力ポート部1aと外部筐体部1cは接触のみで、融着はしていない。しかしながら、バネ付高周波分離ヒューズ5は、異常電流溶断部1dの一部が細い螺旋形状となっている。
図5に示す高周波分離ヒューズ5でもまた、図2に示す高周波分離ヒューズ1と同様に、高周波電流である雷サージ電流が入力導線1eから流れてきた場合であっても、雷サージ電流は、ファラデーケージ効果により異常電流溶断部1dに侵入せず、外部筐体部1cのみを流れるので、異常電流溶断部1dは溶断しない。一方、低周波電流である異常電流が入力導線1eから流れてきた場合、異常電流は、異常電流溶断部1dを流れる。異常電流溶断部1dは、一部が細い螺旋形状であることにより、異常電流が流れるとより溶断されやすくなるので、異常電流を確実に遮断することができるようになる。
以上説明したように、上記実施形態に係る高周波分離ヒューズによれば、異常電流溶断部1dを外部筐体部1cで覆う二重構造の採用により、低周波電流は、外部筐体部1cと異常電流溶断部1dとの両方を流れるが、高周波電流は、ファラデーケージ効果により、外部筐体部1cのみを流れ、異常電流溶断部1dには侵入しない。そして、低周波電流のうち、予め決定された電流量を超える異常電流が、異常電流溶断部1dを流れると、異常電流溶断部1dが溶断することにより、入力ポート部1aから出力ポート部1bへの電流の流れが遮断される。
したがって、入力導線1eから雷サージ電流が流れてきた場合、雷サージ電流は、ファラデーケージ効果により、外部筐体部1cのみを流れ、異常電流溶断部1dには侵入しないので、異常電流溶断部1dは溶断しない。
一方、入力導線1eから、商用電源等の低周波電流が流れてきた場合、低周波電流は、異常電流溶断部1dを流れる。さらには、特に、低周波電流が、予め決定された電流量を超える異常電流である場合、異常電流溶断部1dが溶断する。このように、雷サージ電流では溶断せず、異常電流において確実に溶断する高周波分離ヒューズを提供することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
例えば、本発明の実施形態に係る高周波分離ヒューズ1における外部筐体部1cは、図1に示すように、円筒形状の金属に限定されるものではなく、図6に示すように、網目により円筒状に形成されていても良い。また、図7に示すように、細い導線を撚り合わせて形成された同軸ケーブルの外皮により構成されていても良い。このような構成によれば、細かい導線が撚り合わされていることにより、表面積を大きくすることができ、結果として、高周波電流をより流れやすくすることが可能となる。さらにまた、図8に示すように、角管形状の金属から構成されていても良い。その場合、四角状の中空部内に配置されるように、異常電流溶断部1dが、四角柱形状をしていても良い。
このように、本発明の実施形態に係る高周波分離ヒューズ1は、図1に示すような構成に限定されるものではなく、図6乃至8に示すような変形構成をも含んでいる。
なお、入力ポート部1a、出力ポート部1b、外部筐体部1c、異常電流溶断部1d、および、遮断用バネ3hおよび磁石は、後述する特許請求の範囲における入力端、出力端、外側導電部、内側電導部、および引力付与手段にそれぞれ対応する。
1、4、5・・高周波分離ヒューズ、1a・・入力ポート部、1b・・出力ポート部、1c・・外部筐体部、1d・・異常電流溶断部、1e・・入力導線、1f・・出力導線、3・・バネ付高周波分離ヒューズ、3g・・カバー部、3h・・遮断用バネ。

Claims (8)

  1. 高周波電流を分離し、低周波電流によって溶断される高周波分離ヒューズであって、
    前記低周波電流を入力端側から出力端側へ流すことが可能な内側導電部と、
    前記内側導電部を覆うように配置され、前記高周波電流および前記低周波電流を前記入力端側から前記出力端側へ流すことが可能な外側導電部とを備え、
    前記内側導電部を流れる前記低周波電流が、予め決定された電流量を超える異常電流である場合、前記内側導電部が溶断することによって、前記入力端側から前記出力端側への前記異常電流の流れを遮断する、高周波分離ヒューズ。
  2. 前記高周波電流は、雷サージ電流であり、
    前記外側導電部は、前記内側導電部を配置するための中空部を有しており、前記外側導電部の厚さを、前記雷サージ電流の周波数成分が前記外側導電部を通過可能な値に設定した、請求項1に記載の高周波分離ヒューズ。
  3. 前記中空部に配置された内側導電部の外壁と、前記外側導電部の内壁との間に、真空な間隙が形成されているか、または、充填物が充填された、請求項2に記載の高周波分離ヒューズ。
  4. 前記高周波電流は、雷サージ電流であり、
    前記外側導電部の表面積および長さを、前記外側導電部が前記雷サージ電流によって破損されない値に設定した、請求項1に記載の高周波分離ヒューズ。
  5. 前記異常電流が、前記入力端から侵入した場合、前記外側導電部を流れる異常電流量よりも、前記内側導電部を流れる異常電流量が多い、請求項1に記載の高周波分離ヒューズ。
  6. 前記外側導電部の外周を覆うカバー部と、
    前記入力端と、前記カバー部の内側とに結合され、前記入力端が前記内側導電部および前記外側導電部から離反する方向へ作用する力を前記入力端へ付与する第1の引力付与手段、または、前記出力端と、前記カバー部の内側とに結合され、前記出力端が前記内側導電部および前記外側導電部から離反する方向へ作用する力を前記出力端へ付与する第2の引力付与手段のうちの少なくとも一方の引力付与手段と、
    をさらに備える請求項1に記載の高周波分離ヒューズ。
  7. 前記入力端および前記出力端は、前記内側導電部と融着され、前記外側導電部と接触しているが融着されていない、請求項6に記載の高周波分離ヒューズ。
  8. 前記内側導電部が溶断すると、前記引力付与手段によって、前記入力端および前記出力端のうちの少なくとも一方が、前記内側導電部および前記外側導電部から離反することによって、前記入力端側から前記出力端側への前記異常電流の流れを遮断する、請求項6に記載の高周波分離ヒューズ。
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