JP2019002748A - 導電性フィラー強化プラスチックスの樹脂硬化度測定方法 - Google Patents

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博之 小助川
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敏行 ▲高▼木
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Abstract

【課題】導電性フィラーを用いた強化プラスチックスのマトリックス樹脂の硬化度を非破壊で簡単に測定する方法の提供を課題とする。
【解決手段】被検査体1である導電性フィラー強化プラスチックスに対して検査コイル10を配置する。検査コイル10に高周波電流を通電して被検査体1に交流磁場を生成させ、この交流磁場に起因する磁束φ1が被検査体1を貫く。磁束φ1は導電性フィラー2を流れる伝導電流JCと共にマトリックス樹脂5に変位電流JDを発生させ、伝導電流JC及び変位電流JDにより被検査体1に誘導電流Jを発生させる。伝導電流JCと変位電流JDに起因する反作用磁束φ2にて検査コイル10に誘導起電力v或いはインピーダンスZを発生させる。この時、伝導電流JCより変位電流JDの方が大となる高周波領域に於いて誘導起電力v或いはインピーダンスZを検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素繊維やカーボンナノチューブのような導電性フィラーを用いた強化プラスチックスの樹脂硬化度測定方法に関する。
現在、広く使用されている繊維強化プラスチックスとして炭素繊維強化プラスチックス(以下、CFRPという。)がある。CFRPは、軽量、高強度、高剛性という特性を利用して、ゴルフクラブのシャフト、テニスラケットのフレーム、釣り竿、ノートパソコンの筐体など多様な製品に使われている。そして後述するように、最近では、航空機の胴体や翼、風力発電機用のプロペラ、レーシングカーのボディ、自転車のフレームなどにも使われ始めている。
CFRPは、繊維状補強材である炭素繊維を機織して織物状のシートに形成し、或いはこれを巻いて管とし、又は炭素繊維を束状の長尺物とし、これに硬化剤その他の添加物を混合した熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を均等に含浸させ、加熱して硬化状態にした材料である。用途に合わせて熱硬化性樹脂の代わりに熱可塑性樹脂を用いることも出来る。
CFRPの成形方法には、成形型に繊維骨材である炭素繊維の織布を敷き(管の場合は芯金に巻き付け)、硬化剤を混合した熱硬化性樹脂を脱泡しながら多重積層してゆくハンドレイアップ法やスプレーアップ法の外、あらかじめ繊維骨材と熱硬化性樹脂を混合したシート状のもの(プリプレグ)を金型で圧縮成型するSMCプレス法、インジェクション成形の様に繊維を敷き詰めた合わせ型に熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂を注入するRTM法、成形したプリプレグの熱硬化性樹脂をオートクレーブで硬化させて成形する方法がある。
CFRPは、アルミニウム合金より軽量で高強度という特性を持つが、衝撃により層間剥離が生じるという欠点や、例えば、航空機の翼や胴体部分、自動車のボディなど大型部品の場合、マトリックス樹脂である熱硬化性樹脂の硬化が均一に行われないことがあり、強度不足の部分が成形品のいずれかに発生するという懸念が指摘されていた。そのために開発当初はこれらの欠点や問題点が製品の安全性に問題を起こさないゴルフクラブのシャフトや釣竿に多用されていた。
その後、層間剥離の非破壊評価が進歩したことを契機として現在では航空機材料としての用途が増大している。また、軽量化の面から熱可塑性樹脂を用いた自動車のボディ用材料としても注目を浴びている。
CFRPの非破壊検査には超音波探傷法、渦電流法などがあり、破壊検査には化学発光法などがある。
超音波探傷法には、全没水浸法(プローブと探傷面との間に水を介在させて探傷する方法で、プローブと被検査体を水中に浸漬する方法)、局部水浸法(プローブと被検査体との間だけの局部的に水などの液体を介在させて探傷する方法)、噴流探傷法(局部水浸法の一種で、水で噴流を作り、これを被検査体に当て、該噴流を利用して探傷する方法)などがあるが、この方法は超音波プローブと被検査体の間の音波の伝播を確保するための適当な接触媒質(一般的には水)を介在させる必要がある。全没水浸法では、例えば、飛行機の翼や胴体のような大型の被検査体の場合、これを全没させるための超大型水槽が必要となり、現実的ではない。
更に、CFRPにこの超音波探傷法を適用する場合、欠陥に起因する超音波反射のみならず、繊維および樹脂界面において超音波が反射、散乱するので欠陥との区別が難しく、加えて材料中の超音波の減衰量が大きいため受信信号が小さくなり、金属材料に比ベ欠陥検出能が低下するという問題点がある。
渦電流法は、簡単に述べると、被検査体に近接させて垂直に立てた検査コイルに交流電流(5MHz以下)を流し、導電性の被検査体の内部に主として支配方程式(後述)第1項である伝導電流Jに起因する渦電流を生成させ、この渦電流に起因する磁束によって検出機能も兼ねる検査コイルに誘導起電力を発生させ、この誘導起電力の変化或いはインピーダンスの変化を検出することで、導電性の被検査体の欠陥を発見できることを利用したもので、主として金属の非破壊検査法として用いられてきた。
CFRPに渦電流法を用いた例としては特許文献1、2が挙げられる。この方法は、5MHzの交流電流を四辺形の検査コイルに流すことにより、配向角の異なる複数のプライ数を有するCFRPのプライ(同一配向方向に引き揃えられた炭素繊維層)間の剥離欠陥や繊維破断欠陥を繊維方向に関係なく高感度で迅速に検出するものである。
即ち、配向角の異なる複数のプライ数を有するCFRPの誘導電流の経路の特性から四辺形の検査コイルの屈曲部の下に剥離欠陥が来た揚合に、検出機能も兼ねる検査コイルに発生する誘導起電力或いはインピーダンスの変化が検出され、また繊維破断欠陥では四辺形の検査コイルの辺部の下に繊維破断欠陥が来た場合に同様に誘導起電力或いはインピーダンスの変化が検出されることで、剥離欠陥や繊維破断欠陥を特定するものである。
特開平9−072884号公報 特開平7−167839号公報
CFRPの欠陥は上記のように、層間剥離や繊維破断欠陥だけでなく、部材を構成するマトリックス樹脂の未硬化部分や硬化不足部分も挙げられる。未硬化部分や硬化不足部分は硬化部分に比べて強度不足となり重大な事故に繋がる。従って、CFRPの非破壊検査では、層間剥離や繊維破断欠陥だけでなく未硬化部分や硬化不足部分の非破壊検査も重要である。また、例えばナイロン6のような熱可塑性樹脂では重合度で硬化度が異なり、強度不足の部分が発生するので、同様に非破壊検査が重要になる。
なお、特許文献1に記載の方法では、四辺形という特殊な形状の検査コイルを用い、配向角の異なる複数のプライ数を有するCFRPの層間の渦電流の流れの阻害による剥離欠陥や、繊維方向の渦電流の流れの阻害による繊維破断欠陥を検出することが出来るが、CFRPを始めとする強化プラスチックスのマトリックス樹脂の未硬化部分や硬化不足部分、重合度不足部分の検出までは出来ない。
何故ならば、後述するようにCFRPの場合、四辺形の検査コイルに流す印加電流の周波数が5MHz以下であって、伝導電流Jcによる渦電流に対してマトリックス樹脂の硬化度測定に有用な変位電流JDが過小であって、変位電流JDの測定が出来ないからである。(換言すれば、特許文献1に記載の方法では、配向角の異なる複数のプライ数を有するCFRPの層間剥離や繊維破断欠陥の検出に限定される。)
本発明は上記従来技術の問題点を鑑みてなされたもので、炭素繊維やカーボンナノチューブその他、導電性を有するフィラーを用いた強化プラスチックスのマトリックス樹脂の硬化度を非破壊で簡単且つ正確に測定する方法の提供をその課題とする。
請求項1に記載の導電性フィラー強化プラスチックスの樹脂硬化度測定方法は、
互いがその一部で繋がっている導電性フィラー2と、絶縁プレートであるマトリックス樹脂5とで構成された、被検査体1である導電性フィラー強化プラスチックスに対して検査コイル10、或いは検査コイル10と該検査コイル10とは別に用意されたピックアップコイル11とを配置し、
前記検査コイル10に高周波電流又は高周波パルス電流を通電して磁束φ1を発生させ、
前記磁束φ1は、前記被検査体1を貫き、前記導電性フィラー2に伝導電流JCを発生させると共に前記マトリックス樹脂5に変位電流JDを発生させて、前記伝導電流JCと前記変位電流JDの和である誘導電流Jを前記被検査体1に発生させ、
前記伝導電流Jcと前記変位電流JDに起因する反作用磁束φ2にて前記検査コイル10、或いは前記ピックアップコイル11に誘導起電力v或いはインピーダンスZを発生させ、
前記伝導電流Jcより前記変位電流JDの方が大となる高周波領域に於いて前記誘導起電力v或いは前記インピーダンスZを検出することを特徴とする。
なお、前記インピーダンスZは前記誘導起電力vを前記検査コイル10、或いは前記ピックアップコイル11に流れる電流値で除することで得られる値である。
請求項2は、請求項1に記載の前記高周波領域において、複数の周波数で前記誘導起電力v或いは前記インピーダンスZを検出することを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2に於いて、前記高周波領域が5MHzを越える(好ましくは10MHz以上である)範囲であることを特徴とする。
請求項4は、請求項1〜3のいずれかに於いて、前記検査コイル10、又は前記検査コイル10と前記ピックアップコイル11とを前記被検査体1に対して所定方向に移動させる、或いは前記検査コイル10、又は前記ピックアップコイル11に対して前記被検査体1を所定方向に移動させることを特徴とする。
請求項5は、請求項1〜4のいずれかに於いて、前記導電性フィラー2は、導電性繊維(炭素繊維、ボロン繊維、合成繊維やセラミック繊維などの無機繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させた繊維状物、有機物繊維やセラミック繊維などの無機繊維の表面を金属で被覆した繊維状物、有機物繊維やセラミック繊維などの無機繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した繊維状物)、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、金属粒子の内の少なくとも1つであることを特徴とする。
本発明は、伝導電流より変位電流の方が大となる高周波数領域に於いて、ピックアップ機能を兼務した検査コイル、又はピックアップコイルに発生した誘導起電力を測定することにより、被検査体のマトリックス樹脂の硬化度を測定することができる。
また、複数の周波数で誘導起電力或いはインピーダンスを検出することで、より正確な硬化度測定が可能となる。そして、検査コイル、又は検査コイルと該検査コイルとは別に用意されたピックアップコイルとを被検査体に対して相対移動させることで、大型部材の連続的非破壊検査が可能となる。
本発明に使用される非破壊検査装置の構成概念図である。 図1で使用される検査コイルの断面図である。 (a)は欠陥のない被検査体に対する検査状態を示す概念斜視図、(b)は欠陥のある被検査体に対する検査状態を示す概念斜視図である。 検査コイルとピックアップコイルの本発明での使用状態概念図である。 被検査体の導電性フィラーを伝導電流が流れる状態の概念図である。 被検査体の導電性フィラーを伝導電流が流れ、変位電流がマトリックス樹脂を流れている状態の概念図である。 5.7MHzと56.9MHzでCFRPを検査した結果を示すグラフである。
以下、本発明方法を図面に基づき詳細に説明する。検査装置Aは、図1に示すように、公知のXYテーブル20、アクリル樹脂板のような絶縁プレート21、検査コイル10、パーソナルコンピューター12、オシレータ14、増幅ユニット16、及びA/D変換器18とで構成されている。図2は本発明で使用される検査コイル10の断面図である。図3(a)(b)は本発明で使用される検査コイル10により被検査体1である導電性フィラー強化プラスチックス中に誘導電流Jが流れる状況を示した模式図で、図3(a)は欠陥Kなし被検査体1、同図(b)は欠陥Kあり被検査体1を用いた例である。
XYテーブル20は、被検査体1を移動テーブル上に固定状態に載置してX軸方向、これと直交するY軸方向に移動する公知の装置である。図示していないが、被検査体1を固定し、検査コイル10やピックアップコイル11側を載置して移送させるようにしてもよい。換言すれば、被検査体1に対して検査コイル10やピックアップコイル11を相対的に移動させることになる。
検査コイル10は、被検査体1の形状及び寸法、また検出すべき欠陥Kの性状に応じて、種々の形態のものが用いられ、例えば、配管やパイプに挿入して内面側の欠陥Kを検出する内挿コイル、コイルの内側にワイヤーや棒、配管・パイプなどの被検査体1を通して被検査体1の外面側の欠陥Kを検出する貫通コイル、平板状の被検査体1の上に垂直に配置され、被検査体1の表面や内部の欠陥Kを検出する上置コイルなどがある。
欠陥Kの測定方式には、自己誘導方式と相互誘導方式、自己比較方式、標準比較方式などがある。
自己誘導型は一つの検査コイル10が誘導電流Jの発生と検出とを兼ね(図1〜図3)、相互誘導型は、誘導電流Jを発生させる検査コイル10と誘導電流Jを検出するピックアップコイル11との2種類のコイルを用いる(図4)。自己比較方式(図示せず)はプローブの走査方向にコイルを二つ並べてそれらの信号の差異を検出する方式である。被検査体とプローブの距離であるリフトオフが変化すると雑音が発生することがあるが、この方式ではリフトオフの変化で二つのコイルの信号が同時に変化するので、それらの差を取ることによってリフトオフ雑音を打ち消すことができる。
標準比較方式(図示せず)は、一方のコイルを被検査体1に、他方のコイルを基準体に作用させて差異を検出する方式である。被検査体1における減肉量などの絶対量を検出する必要がある場合に用いられるものである。
本発明では、測定方式は自己誘導型自己比較方式で、検査コイル10は板状の被検査体1の表面上を走査しながら検査するため上置コイル(図1)が用いられる。勿論、他の方式でも良い。なお、図2の検査コイル10は空芯でも良いが、円形螺旋状の検査コイル10の内側に公知のコア10aが用いられている。検査コイル10はコイル毎に共振周波数が決まっている。
パーソナルコンピューター12は、XYテーブル20の動きの制御、検査コイル10への印加電流の制御、及びピックアップ機能を兼務した検査コイル10(或いはピックアップコイル11)にてピックアップした、主として変位電流JDの変化に起因する誘導起電力v或いはインピーダンスZの変化を検出し、マトリックス樹脂5の硬化度の判断基準となる基準インピーダンス表と比較してマトリックス樹脂における測定部分の硬化度を判定する働きを司る。基準インピーダンス表はマトリックス樹脂5の種類毎に予め作成されている。
オシレータ14は、任意の周波数信号を発生できる周波数発振器で、電源30から供給された交流電流を所定の高周波電流に変換して検査コイル10に供給する。なお、所定の高周波電流に代えて高周波パルス電流を供給するようにしても良い。検査コイル10の共振周波数はそのコイルで固有値であるから、予め測定しておき、オシレータ14からその共振周波数で検査コイル10に高周波電流(或いは高周波パルス電流)を供給する。本実施例では、検査コイル10に5MHzを越える(好ましくは10MHz以上の)高周波電流(又は高周波パルス電流)を印加する。
増幅ユニット16は、ピックアップ機能を有する検査コイル10(又は、ピックアップコイル11)で発生した微弱な誘導起電力v或いはインピーダンスZを増幅してA/D変換器18に出力する装置である。
A/D変換器18は、増幅ユニット16から送られてきたアナログの、主である変位電流JDによる誘導起電力v或いはインピーダンスZをデジタル信号に変えてコンピューター12に出力する装置である。
被検査体1は、導電性フィラー2と、マトリックス樹脂5(熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂)との複合材料(導電性フィラー強化プラスチックス)で、導電性フィラー2としては、導電性繊維(炭素繊維、ボロン繊維、合成繊維やセラミック繊維などの無機繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させた繊維状物、有機物繊維やセラミック繊維などの無機繊維の表面を金属で被覆した繊維状物、有機物繊維やセラミック繊維などの無機繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した繊維状物)、ステンレス鋼や銅、アルミニウムのような金属を繊維化した金属繊維、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、金属粒子の内の少なくとも1つ(即ち、1つ又は2つ以上の組み合わせ)が用いられる。
導電性フィラー2が長繊維の場合、束状態、或いは機織されて織布状態で使用され、短繊維又は粒子の場合は、マトリックス樹脂5に混ぜ込まれて使用される。いずれの場合でも、導電性フィラー2は隣接する他の導電性フィラー2との接点8で電気的に繋がっており、伝導電流Jcが流れるようになっている(図5、図6)。高周波領域では、マトリックス樹脂5を挟んで隣り合う導電性フィラー2が近接するポイント9間で変位電流JDが流れるようになる。
マトリックス樹脂5は用途に応じた素材が用いられる。熱硬化性樹脂の場合、例えば、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などが使用される。上記導電性フィラー2は上記の周知方法でマトリックス樹脂5中に含まれる。熱可塑性樹脂では、例えば、ポリアミド(ナイロン)、酢酸ビニルを水に分散させた水系接着剤などが挙げられる。
次に本発明の測定原理を説明する。数式(1)は、誘導(渦)電流測定の原理を示すマックスウェル方程式である。被検査体1に於ける磁場の回転(∇×H(=誘導(渦)電流J))は、検査コイル10の直下において発生する(第1項)伝導電流Jcと(第2項)変位電流JDの和で表される。
∇×H=Jは、(第1項)伝導電流Jcと(第2項)変位電流JDの和で表されるが、後述するように周波数によっては第1項が優勢な場合と、第2項が優勢な場合とがあり、これが被検査体1に生成される。即ち、通常の電磁調理器や特許文献1の場合は第1項が優勢な場合で、一般的に渦電流と呼ばれている。これに対して本発明は第2項が優勢な場合を利用するもので、この場合の検査体1に現れる電流も渦電流である。そこで、被検査体1に現れる渦電流を誘導電流で統一する。

σ:導電性フィラーの導電率(導電性フィラーの種類により固有)
E:電場
j:虚数記号
ω:2πf(fは周波数)
ε:マトリックス樹脂の誘電率(誘電率εは樹脂の種類により固有であるが、熱硬化性樹脂ではその硬化度により変化する。即ち、硬化が進むにつれてマトリックス樹脂の分子量が大きくなり、誘電率εが低下する。熱可塑性樹脂(例えば、ナイロン6)の場合は、重合度(ε―カプロラクタムの重合度)により変化する。即ち、重合度が進むにつれてマトリックス樹脂の分子量が大きくなり、誘電率εが低下する。)
図5は被検査体1中の導電性フィラー2を第1項の伝導電流Jcだけが流れている状態の模式図であり、図6は、これに加えて導電性フィラー2の間に充填されたマトリックス樹脂5を第2項の変位電流JDが流れている状態の模式図である。図5と図6の違いは、検査コイル10への印加交流電流又はパルス電流の周波数の違いによる。
数式(1)によれば、ωが2πfであるから、検査コイル10に印加する交流電流やパルス電流の周波数fが低い状態では第1項(Jc)に比べて第2項(JD)が過小となり、第2項(JD≒0)は無視されて被検査体1に現れる誘導電流J≒Jc(伝導電流による渦電流)となる。この状態が図5である。
これに対して、周波数fが高くなると、第2項(JD)が、固有値を取る第1項(Jc)に対して次第に大きくなり、前記周波数fがある値を越えて大きくなると{第2項/第1項(ωε/σ)}が1を越える。
そして前記周波数fが更に大きくなると、(ωε/σ)が1を遥かに超えて、1≪(ωε/σ)となり、ピックアップ機能を兼務する検査コイル10は、主として第2項(JD)の誘導起電力vを検出することになる。この状態が図6である。換言すれば、1≪(ωε/σ)となる周波数f領域では、被検査体1に現れる誘導電流Jの主たる部分は第2項(JD)ということになる。本発明は、マトリックス樹脂5の硬化度(或いは重合度)を検出することを目的としているので、第2項(JD)が第1項(Jc)を少なくとも越えた周波数領域で検査され、更には大きく越えた周波数領域で検査することが好ましい。
ここで、上記「第2項(JD)が第1項(Jc)を少なくとも越えた周波数領域」について検討する。数式(1)から分かるように、導電性フィラー2やマトリックス樹脂5の種類によって導電率σ、誘電率εが異なるため、第1項(Jc)及び第2項(JD)は一定の値が与えられるものではないが、導電性フィラー2やマトリックス樹脂5が変わってもこれらが大きく変化するものでないため、CFRPを例に取ってこれを説明する。
導電性フィラー2である炭素繊維の導電率σを1.5×104S/m、比誘電率εrを1.0、エポキシ樹脂の導電率σを1.0×10-12S/m、比誘電率εrを5.0(未硬化状態)とする。硬化状態では、エポキシ樹脂の比誘電率εrは2.0程度を示す。比誘電率εrとは、物質固有の値であり、誘電率εを真空の誘電率ε0(8.854×10-12F/m)で除した値である。
数式(1)に従えば、電場Eを一定とすれば第1項である伝導電流Jcは一定の値を示し、第2項の変位電流JDは周波数が高くなるに連れて大きくなり、周波数によって伝導電流Jcと変位電流JDとの間で優劣が生じる。
そこで、伝導電流Jcと変位電流JDのいずれが支配的であるかを知るために、様々な周波数に於ける(σ/εω)とその逆数の(εω/σ)を比較した。ここでは、0.5MHz、1MHz、5MHz、10MHz及び50MHzで計算した。計算結果は以下の通りである。
伝導電流Jcが支配的な時のJc/JD(=σ/εω)。炭素繊維のσとεを導入した。
変位電流JDが支配的な時のJD/Jc(=εω/σ)。未硬化状態のエポキシ樹脂のσとεを導入した。
表1、2を比較すると、1MHzでは、マトリックス樹脂5は未硬化状態(硬化状態ではεr=2.0)であるが、Jcが支配的な時のJc/JDが2.70×108を、JDが支配的な時のJD/Jcが2.78×108を示し、ほぼ等しい。マトリックス樹脂5が硬化状態になると、変位電流JDは更に小さくなるので、1MHzでは、伝導電流Jcが支配的で、変位電流JDの変化は捉えにくいと言える。
周波数を5MHzに上げると、Jcが支配的な時のJc/JDが5.40×107を、JDが支配的な時のJD/Jcが1.39×109を示し、その差は上記のように「未硬化状態で」約25倍となる。「硬化状態」でも、10倍程度の差があるので、変位電流JDを十分捉えることができる。10MHzになれば更にその差が拡大する。従って、5MHzを越えた高周波領域が「第2項(JD)が第1項(Jc)を少なくとも越えた周波数領域」と言える。
次に、被検査体1に現れる誘導電流Jを図3のピックアップ機能を兼務する検査コイル10にて検出する原理を説明する。図3(a)は被検査体1に欠陥Kがない場合、同図(b)は欠陥Kがある場合である。
図3のピックアップ機能を兼務する検査コイル10に誘起される誘導起電力vは、以下の数式(2)で示される。

v:ピックアップ機能を兼務する検査コイル10に発生する誘導起電力(信号強度)
N:検査コイルの巻き数
φ:磁束
φ1:高周波電流の印加による検査コイル内に発生した磁束
φ2:その反作用として被検査体に発生した誘導電流Jによる磁束
同図(b)では欠陥Kにより磁束φ2が減少するが磁束φ1は変化しない。
ここで、検査コイル10或いはピックアップコイル11に生じる誘電起電力vと、被検査体1に生じる誘導電流Jとの関係は、数式(1)、数式(3)、及び数式(4)によって記述できる。



B :検査コイル10或いはピックアップコイル11に発生する磁場
S :検査コイル10或いはピックアップコイル11内の面積
dS:検査コイル10或いはピックアップコイル11内の微小面積
L :検査コイル10或いはピックアップコイル11の導線の全長
dl:検査コイル10或いはピックアップコイル11の導線の微小素片
A :磁気ベクトルポテンシャル
V’:誘導電流が発生する領域
dV’:誘導電流が発生する微小領域
r :検査コイル内を流れる高周波電流の位置ベクトル
r’:誘導電流を示す位置ベクトル

上式から分かるように、第1項Jc(σE)は固定値を示すが、第2項JD(jωεE)はマトリックス樹脂5の硬化度に対応して変化するマトリックス樹脂の誘電率εにより変化する。それ故、ピックアップ機能を兼務する検査コイル10に発生する誘導起電力(信号強度)vを検出することで磁束φ2、或いはベクトルポテンシャルAの減少(変化)を知ることができ、被検査体1の欠陥Kの有無、換言すれば、マトリックス樹脂5の硬化の状態を検出できる。即ち、適切な測定条件(印加高周波電流又はパルス電流の周波数:5MHzを越えた領域での検査コイル10の共振周波数)を選ぶことによりマトリックス樹脂5の硬化度測定が可能となる。
また、被検査体1の検査対象は、表面だけではなく当然内部も検査対象になる。現在、大型の被検査体1としては、航空機の主翼や銅体などが対象となっている。これらの厚みは、20mm〜30mmである。現状では、両面から検査をするとして、10mm〜15mmの検査深さを達成できればよい。
一般的な金属の誘導(渦)電流Jの浸透深さδは、数式(5)により記述されることが知られている。
数式(5)を利用する時、被検査体1に発生する誘導電流Jの浸透深さδは、「最表面に流れる誘導電流の電流密度に対して、1/e(37%)になる時の深さ」と定義されている。

δ:誘導電流の浸透深さ、f:周波数、μ:透磁率、σ:導電率
数式(5)から周波数fが高くなる程、誘導電流Jの浸透深さδは浅くなる。検査対象の材質によるが、浸透深さδから周波数fの上限が決まる。
一般的な金属の誘導(渦)電流Jの浸透深さδを示す数式5を利用した場合、被検査体1をCFRP(透磁率μ=4π×10-7H/m、厚さ方向の導電率σ=20S/m)とすると、周波数f=50MHzの場合、誘導電流の浸透深さδは15mm程度、f=100MHzの場合、11mm程度となり、大型厚肉部材に対して適用可能である。
次に本発明の測定手順を説明する。「第2項(JD)が第1項(Jc)を少なくとも越えた周波数領域」において、検査コイル10の共振周波数を予め測定する。そして、「該周波数領域」に於いて、該検査コイル10により被検査体1のマトリックス樹脂5と同じ樹脂の複数の硬化度についての共振周波数に於けるインピ―ダンス値を測定する。これを基準インピ―ダンス値とする。
然る後、絶縁プレート21を介して、被検査体1をXYテーブル20上に固定し、螺旋円形の検査コイル10を被検査体1に対して垂直に立てて配置する。検査コイル10の共振周波数は予め分かっているので、その共振周波数の高周波電流又は高周波パルス電流をオシレータ14から検査コイル10に流す。これにより、検査コイル10に磁束φ1が発生し、被検査体1を貫く。
被検査体1では、磁束φ1に起因する誘導電流Jが発生し、磁束φ2を生起する。この磁束φ2に起因する誘導起電力vがピックアップ機能を兼務する検査コイル10に発生する。この誘導起電力vの大半は第2項(JD)によるものである。
ピックアップされた誘導起電力vは増幅ユニット16にて増幅され、A/D変換器18によりデジタル信号に変換されてパーソナルコンピューター12に取り込まれ、誘導起電力vに起因するインピーダンス値が算出され、基準インピ―ダンス値と比較される。
検出されたインピーダンス値が完全硬化状態の基準インピ―ダンス値に近い程、硬化が進んでいることが分かる。
大型部品の場合、マトリックス樹脂の硬化度は場所によって少しずつ異なることがある。そこでXYテーブル20をX軸、Y軸方向に所定の速度で移動させ、検査コイル10を被検査体1に沿って所定方向に走査する。これによりマトリックス樹脂5の硬化度の度合に基づき誘導起電力vの大きさが変化するので、この変化をピックアップ機能を兼務する検査コイル10のインピーダンス変化として検出し、被検査体1全体の硬化度を連続的に測定することができる。これにより大型部品でも厚さも含めての全面検査が可能となる。
部品の厚みに合わせて検査コイル10を変え、複数の周波数で測定することも可能である。周波数が高い程、浸透深さδは浅くなるが、第1項(Jc)に対して第2項(JD)が顕著に表れ測定精度が向上する。
上記の場合はピックアップ機能を兼務する検査コイル10をXYテーブル20に載置固定して移動するようになっているが、当然、被検査体1を移動させてもよい。検査コイル10と被検査体1との関係は、被検査体1の検査のために一方に対して他方を相対的に移動させることになる。
(実施例)
マトリックスをエポキシ樹脂としたCFRPのプリプレグ(エポキシ樹脂:炭素繊維=33:67(体積比))を用意し、100℃で30分、60分、120分の加熱処理を施した未硬化状態のものと、150℃で120分の加熱処理を施した完全硬化状態のものとを用意し、それぞれのインピーダンスを測定した。測定共振周波数は(□:5.7MHz、■:56.9MHz)である。
完全硬化状態のもののインピーダンスはいずれの場合も、118Ω又は119Ω程度を示し、発生熱量は0である。
また、100℃で120分の加熱処理を施した未硬化状態のものは、いずれも完全硬化状態のものに近く125Ωを示し、100℃で60分の加熱処理を施した未硬化状態のものはいずれも130Ωを示した。
しかしながら、100℃で30分の加熱処理を施した未硬化状態のものは、5.7MHzでは135Ωを示し、56.9MHzでは165Ωを示し、多く乖離した。この結果を図7に示す。
なお、図の横軸は硬化が完全に完了するまでに硬化反応により発生する転移エンタルピー△Hであり、単位質量(ミリグラム)当たりの熱量(ミリジュール)で表され、この値が大きい程、未硬化度が高いことを示す。縦軸はインピーダンス(Ω)である。
これにより被検査体1のインピーダンス(Ω)を測定することで、被検査体1のマトリックス樹脂5の硬化度を非破壊で正確に検査できる。また、周波数が高い程、未硬化状態の検出精度が高いことが分かる。
A:検査装置、E:電場、f:周波数、J:誘導電流(渦電流)、Jc:伝導電流、JD:変位電流、K:欠陥、φ:磁束、φ1:検査コイル内に発生する磁束、φ2:反作用磁束、σ:導電性フィラーの導電率(導電性フィラーの種類により固有)、j:虚数記号、ω:2πf、ε:マトリックス樹脂の誘電率、μ:透磁率、δ:誘導電流の浸透深さ、v:ピックアップ機能を兼務する検査コイルに発生する誘導起電力(信号強度)、
1:被検査体、2:導電性フィラー、5:マトリックス樹脂、8:導電性フィラー同士の接点、9:導電性フィラーが近接する変位電流が流れるポイント、10:検査コイル、10a:コア、11:ピックアップコイル、12:パーソナルコンピューター、14:オシレータ、16:増幅ユニット、18:A/D変換器、20:XYテーブル、21:絶縁プレート、30:電源。

Claims (5)

  1. 互いがその一部で繋がっている導電性フィラーと、絶縁プレートであるマトリックス樹脂とで構成された、被検査体である導電性フィラー強化プラスチックスに対して検査コイル、或いは検査コイルと該検査コイルとは別に用意されたピックアップコイルとを配置し、
    前記検査コイルに高周波電流又は高周波パルス電流を通電して磁束を発生させ、
    前記磁束は、前記被検査体を貫き、前記導電性フィラーに伝導電流を発生させると共に前記マトリックス樹脂に変位電流を発生させて、前記伝導電流と前記変位電流の和である誘導電流を前記被検査体に発生させ、
    前記伝導電流と前記変位電流に起因する反作用磁束にて前記検査コイル、或いは前記ピックアップコイルに誘導起電力或いはインピーダンスを発生させ、
    前記伝導電流より前記変位電流の方が大となる高周波領域に於いて前記誘導起電力或いは前記インピーダンスを検出することを特徴とする導電性フィラー強化プラスチックスの樹脂硬化度測定方法。
  2. 前記高周波領域において、複数の周波数で前記誘導起電力或いは前記インピーダンスを検出することを特徴とする請求項1に記載の導電性フィラー強化プラスチックスの樹脂硬化度測定方法。
  3. 前記高周波領域が5MHzを越える範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性フィラー強化プラスチックスの樹脂硬化度測定方法。
  4. 前記検査コイル、又は前記検査コイルと前記ピックアップコイルとを前記被検査体に対して所定方向に移動させる、或いは前記検査コイル、又は前記検査コイルと前記ピックアップコイルに対して前記被検査体を所定方向に移動させることを特徴とする請求項1〜3にいずれかに記載の導電性フィラー強化プラスチックスの樹脂硬化度測定方法。
  5. 前記導電性フィラーは、導電性繊維、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、金属粒子の内の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性フィラー強化プラスチックスの樹脂硬化度測定方法。
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