JP2018535375A - ドライランピストンロッドパッキンおよびドライランピストンロッドパッキンを作動させるための方法 - Google Patents

ドライランピストンロッドパッキンおよびドライランピストンロッドパッキンを作動させるための方法 Download PDF

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Abstract

ピストンロッドが長手方向(L)に移動させられ得るような方法で支持されたピストンロッド(5)をシールするためのドライランピストンロッドパッキン(10)は、少なくとも1つの室リング(3)と、シール室(3a)と、シール室(3a)に配置されたシールリング(2)とを備えるとともに、高圧側(10a)と低圧側(10b)とを有しており、リフトオフデバイス(4)は、リフトオフデバイスがシールリング(2)を長手方向(L)に上昇および下降させ得るような方法で設計および配置される。

Description

本発明は、請求項1の前提部によるドライランピストンロッドパッキンに関する。本発明はまた、請求項9の前提部によるドライランピストンロッドパッキンを作動させるための方法に関する。
ドライランピストン圧縮機は、圧縮部において、例えば潤滑油などの外部の潤滑剤なしに機能する圧縮機である。圧縮室は、ここで、圧縮される媒体の望ましくない流出を防ぐかまたは少なくとも最小限まで減らすために、その環境に対して可能な限りシールされなければならない。シールに対する重要な点は、特にピストンロッドがシリンダ内部へと入っていく領域であり、この通路はピストンロッドパッキンとも呼ばれる。
ドライラン圧縮機において、特にピストンロッドをシールするためのシールリングなどのシール要素は、極めて高い機械負荷および熱負荷を受ける。トライボロジー的特性と同様に、そのようなシール要素はまた、高温および高い圧力差でそれらのシール特性を維持しなければならない。
特に、ドライランピストン圧縮機においてピストンロッドをシールするために、今日のシール要素は、充填ポリマーまたは高温ポリマーなどのプラスチックでできていることが多い。使用されるポリマー材料は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE:Polytetrafluorethylen)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:Polyetheretherketon)、ポリイミド(PI:Polymid)またはポリアミドイミド(PAI:Polyamidimid)である。これらのポリマーは、通常、カーボン、グラファイト、ガラス繊維、金属、セラミックスまたは固形潤滑剤などの充填剤と混合され、この形態において充填ポリマーとして知られている。
刊行物(特許文献1)は、長手方向に可動なピストンロッドを有するピストン圧縮機のためのドライランピストンロッドパッキンを開示している。このピストンロッドパッキンは、少なくとも1つのシールリングと少なくとも1つのアクチュエータとを含み、アクチュエータはシールリングに作用し、かつ、シールリングをピストンに対して半径方向に変位させることができる。このように、シールリングとピストンロッドとの間の間隙の幅は、制御された方式で変化し得る。この配置構成はそれ自体既知であり、比較的複雑で、かつ、シールリングが部分的により大きい摩耗を受けるという欠点を有する。
刊行物(特許文献2)は、長手方向に可動なピストンロッドを有するピストン圧縮機のためのドライランピストンロッドパッキンを開示している。このピストンロッドパッキンは、少なくとも1つのシールリングと少なくとも1つのアクチュエータとを含み、アクチュエータは、ピストンロッドに対して軸方向の力をシールリングにかけ得る。この配置構成は、ピストンロッドに対して半径方向のシールリングの変位が、シールリングに作用する力により困難であるという欠点を有する。
国際公開第2006/042866号 国際公開第2015/082497号
したがって、本発明の目的は、より有利なドライランピストンロッドパッキンと、ドライランピストンロッドパッキンを作動させるためのより有利な方法とを提案することにある。
この目的は、請求項1の特徴を有するドライランピストンロッドパッキンで達成される。従属請求項2〜8は、ピストンロッドパッキンのさらなる有利な実施形態に関する。本目的は、請求項9の特徴を有する方法でさらに達成される。従属請求項10〜14は、さらなる有利な方法ステップに関する。
特に、本目的は、長手方向に可動であるように取り付けられるピストンロッドをシールするためのドライランピストンロッドパッキンであって、少なくとも1つの室リングとシールリングとを含み、室リングは、シール室であって、その中にシールリングが配置される、シール室を有し、ピストンロッドパッキンは、高圧側と低圧側とを有し、シール室は、支持面であって、高圧側の方に向けられかつ低圧側に対してシール室の境界を定める支持面を有し、シールリングは、半径方向において内側と外側とを有し、シールリングは、第1および第2端面を有し、第1端面は、高圧側の方に向けられかつ加圧面を形成し、第2端面は、低圧側の方に向けられかつ接触面を形成し、それにより、圧力下にあるシールリングは、接触面が支持面に接した状態であり、能動的リフトオフデバイスは、支持面とシールリングの接触面との間に中間間隙を形成するために、支持面に接しているシールリングを高圧側に向かって長手方向に上昇させるように構成される、ドライランピストンロッドパッキンで達成される。
本目的は、特に、長手方向に可動であるように取り付けられるピストンロッドをシールするためのドライランピストンロッドパッキンを作動させるための方法であって、ピストンロッドパッキンは、少なくとも1つの室リングとシールリングとを含み、室リングは、シール室であって、その中にシールリングが配置される、シール室を有し、ピストンロッドパッキンは、ピストンロッドを囲み、ピストンロッドパッキンは、作動ガスに対して高圧側と低圧側とを有し、シール室は、支持面であって、高圧側の方に向けられかつ低圧側に対してシール室の境界を定める支持面を有し、シールリングは、半径方向において内側と外側とを有し、シールリングは、第1および第2端面を有し、第1端面は、高圧側の方に向けられかつ作動ガスのための加圧面を形成し、第2端面は、低圧側の方に向けられかつ接触面を形成し、それにより、シールリングは、通常運転において支持面に対して接触面で押され、かつ支持面に接触し、センタリングのために支持面に接しているシールリングは、第1に能動的リフトオフデバイスによって高圧側に向かって長手方向に移動させられ、かつしたがって支持面から離れて上昇させられ、それにより、中間間隙は、支持面とシールリングの接触面との間に形成され、作動ガスは、その間隙内へ高圧側から貫入し、それにより、長手方向におけるシールリングの接触圧力は、したがってシールリングを長手方向に対して半径方向に移動させるために克服される摩擦力を小さくするために低下させられ、シールリングは、上昇させられた後で、半径方向に変位させられる、方法でさらに達成される。
有利な実施形態において、シールリングは、無端シールリングとして構成される。このような無端シールリングは、特に容易にピストンロッドに対してセンタリングされ得る。しかしながら、シールリングは、複数部片で構成されてもよく、特に円周方向に配置されかつ少なくとも半径方向に互いに対して変位可能である複数の、好ましくは3つのセグメントを含み得る。
本発明によるドライランピストンロッドパッキンは、長手方向に移動可能に取り付けられるピストンロッドを小さい摩擦で、したがって長い期間にわたり確実に、特に良好にシールするという利点を有する。ピストンロッドパッキンは、シール室を備えた少なくとも1つの室リング、および好ましくは、長手方向に連続的に配置されたシール室を備えた複数の室リングを含み、シールリング、好ましくは、無端シールリングは、各シール室に配置されかつピストンロッドを囲む。シールリングは、ピストンロッドパッキンの低圧側の方に向けられる第2端面を有し、通常、シールリングが第2端面を介して支持面に対して押されるように少なくとも静圧がシールリングに作用し、それにより、支持面はシール室の境界を定める。本発明によるピストンロッドパッキンは、ピストンロッドの走行方向にシールリングを上昇させるリフトオフデバイスを含み、それにより、中間間隙が支持面と第2端面との間に形成される。結果として、シールリングを半径方向に移動させるために克服されなければならないシールリングの静摩擦が低下する。したがって、本発明によるピストンロッドパッキンは、とりわけ、第1に、シールリングがより小さい力で半径方向に移動し得、第2に、半径方向におけるシールリングの変位時、実質的に減少した摩耗が生じるか、またはさらに摩耗が生じないという利点を有する。特に有利な実施形態において、持ち上げられた状態において、シールリングは、それに作用する圧力によってピストンロッドに対して自動的にセンタリングされる。シールリングは、ピストンロッドに接触しないように有利にセンタリングされ、それにより、ピストンロッドにも、ピストンロッドの方に向けられるシールリングのシール面にも摩耗が生じない。シールリングを半径方向に容易に変位させる可能性はまた、ピストンロッドと、ピストンロッドの方に向けられるシールリングのシール面との間のシール間隙が極めて小さく保たれ得るという利点をもたらし、その理由は、ピストンロッドに対するシールリングの位置が変更または調整され得るためである。
有利な方法において、シールリングは、ピストンロッドに対して定期的にセンタリングされる。センタリングは、好ましくは、ピストンロッドの吸引移動中に起きる。特に有利な方法において、シールリングは、ピストンロッドの各吸引移動中、すなわちクランクシャフトの360°回転毎に1度、リフトオフデバイスによって上昇させられ、好ましくは、シールリングに作用する作動ガスの圧力によって自動的にピストンロッドに対してセンタリングされる。しかしながら、同様に、持ち上げられた状態においてシールリングを半径方向にセンタリングするために、シールリングに機械的に作用する少なくとも1つの追加的な半径方向アクチュエータを提供することが有利であることも分かる。
したがって、本発明によるピストンロッドパッキンは、シールリングに摩耗がないか、または極めてわずかにのみ摩擦があり、それによりピストンロッドパッキンがより長い作動期間にわたり補修管理なしに作動し得るという利点を有する。本発明によるピストンロッドパッキンは、ピストンロッドとシールリングとの間のシール間隙が、摩擦が生じない状態で極めて小さく保たれるというさらなる利点を有する。この小さいシール間隙は、本発明によるピストンロッドパッキンがより高い圧力下でも同様に確実にシールし得るか、またはシールのために必要であるシールリングの数がより少ないという利点を有する。
リフトオフデバイスは、好ましくは、特に圧電性結晶を含む電気機械的デバイスまたは機械的デバイスとして構成される。有利な実施形態において、本発明によるピストンロッドパッキンは、ピストンロッドに対するシールリングの位置を検出するための少なくとも1つのセンサを含む。このセンサは、例えば、ピストンロッドの表面とシールリングのシール面との間の距離を測定するための距離センサとして構成され得る。センサはまた、例えば、シールリングとピストンロッドとの間の相互接触時に生じる温度上昇を検出するために、シールリングまたはピストンロッドの温度を検出する温度センサとして構成され得る。
本発明は、以下で添付図面を参照して説明される。図示の例示的実施形態は、図示の変形形態への限定を構成せず、本発明の原理を説明するためにのみ機能する。同じまたは同様のコンポーネントには同じ参照符号が付されている。本発明による機能を説明するために、単純化された原理の表現が示されており、そこではピストンロッドパッキンの多くの要素がさらなる明確さのために省略されている。しかしながら、これは、そのようなコンポーネントが本発明による解決策に存在しないことを意味するものではない。
ピストンロッドパッキンおよびその中に配置されたドライランピストンロッドを示す図である。 通常運転中のシール配置構成の長手方向断面の部分図である。 加えられた圧力が示された図2による図である。 シールリングの変位中のシール配置構成の長手方向断面の部分図である。 加えられた圧力が示された図4による図である。 室リングの上面図である。 ピストンロッドパッキンのさらなる例示的実施形態を示す図である。 図7によるシールリングの上面図である。 ピストンロッドパッキンのさらなる例示的実施形態を示す図である。 複数部片のシールリングの斜視図である。 複数部片のシールリングを備えたピストンロッドパッキンの例示的実施形態を示す図である。
図1は、ピストンロッド5をシールするためのドライランピストンロッドパッキン10の長手方向断面を示しており、ピストンロッド5は、ピストンロッドパッキン10を通って延び、かつ、長手方向Lすなわち移動方向5bに可動であるように取り付けられている。ピストンロッドパッキン10は、少なくとも1つの室リング3と、シール室3aと、シール室3aに配置された無端シールリング2とを含み、シール室3aを備えた室リング3およびシールリング2は、シール配置構成1を形成する。シール室3aの少なくとも1つまたは各シール室3aにおいて、いくつかのシールリング2、例えば、2つまたは3つのシールリングは、長手方向Lに相互に接触して連続的に配置され得る。ピストンロッドパッキン10は、圧縮される作動ガスGに対して高圧側10aと低圧側10bとを有する。図1に示されたピストンロッドパッキン10の例示的実施形態は、長手方向Lに連続的に配置された5つのシール配置構成1を含み、それにより、ピストンロッド5は、ピストンロッド5をシールする5つのシールリング2に囲まれる。シールリング2は、高圧側10a(シリンダ)と低圧側10b(クランク室)との間の圧力差をシールする。生じる漏出はいずれも漏出ガスライン8を介して消散され、漏出ガスシール9は、ガスがクランク室の方向に通り抜けるのを少なくとも部分的に防ぐ。
図2は、図1に示された長手方向断面の部分図を詳細に示す。シール室3aは、支持面3bであって、高圧側10aの方に向けられかつ低圧側10bに対してシール室3a境界を定める支持面3bを有する。シールリング2は、半径方向において、ピストンロッド5の方に向けられる内側2eと、半径方向外側にある外側2fとを有する。間隙Sが内側2eとピストンロッド5の表面との間に形成される。シールリング2は、第1および第2端面2a、2bを有し、第1端面2aは、高圧側10aの方に向けられかつ加圧面を形成し、第2端面2bは、低圧側10bの方に向けられかつ接触面2cを形成し、それにより、圧力下にあるシールリング2は、接触面2cが支持面3bと接した状態にある。アクチュエータ4aを含むリフトオフデバイス4は、支持面3bと接触面2cとの間に中間間隙Zを一時的に形成するために、長手方向Lにおいて、支持面3bと接しているシールリング2を上昇させ得るように構成され、それにより、作動ガスGが間隙Zに貫入することができ、したがってシールリング2に作用する圧力が変わる。図4は、形成された中間間隙Zとともに、持ち上げられた状態におけるシールリング2を示し、シールリング2は、リフトオフデバイス4により上昇距離Aだけ持ち上げられ、最大上昇距離Aは、好ましくは1mm未満、有利には0.1mm未満、特に有利にはわずか数マイクロメートルであり、例えば0.01mm〜0.1mmの範囲である。図2および4による例示的実施形態において、リフトオフデバイス4は、プッシャー面4dを有する圧電アクチュエータ4aを含む。起動状態において、プッシャー面4dは、図4に示されるとおり、支持面3bの上に突出し、したがってシールリング2を上昇させる。そうでない場合、非起動状態において、すなわち受動状態において、圧電アクチュエータ4aは、好ましくは、プッシャー面4dが支持面3bと同じ高さになるか、またはプッシャー面4dが支持面3bより低くなるかのいずれかの点で、プッシャー面4dが支持面3bの上に突出しないように室リング3の内部に配置される。アクチュエータ4aの非起動状態において、シールリング2は、シール室3aにおける圧力のために支持面3bの上にある。
ピストン圧縮機の作動中、少なくとも2つの異なる圧力状態がシールリング2で生じ得る。ピストンロッド5の吸引移動中、好ましくは実質的に一定の吸引圧力がシールリング2にかけられる。ピストンロッド5の圧縮移動中、圧縮圧力がシールリングにかけられる。可能な一例示的実施形態において、吸引移動中の高圧側10aへの圧力が4MPa(40バール)の吸引圧力である一方、低圧側10bへの圧力は、大気圧、すなわち0.1MPa(1バール)であり、圧縮移動中、この圧力は、最大で10MPa(100バール)の圧縮圧力まで上昇する。
図3は、図2による図を示し、一定の吸引圧力がシール室3aまたはシールリング2にかけられ、シールリング2に作用する異なる圧力が詳細に示されている。室圧力Pがシールリング2の第1端面2aおよび外側2fの両方に作用する。間隙Sに沿って、ピストンロッド5の長手方向Lにおいて減少する間隙圧力Pが示される。接触面2cに沿って、半径方向において減少する接触圧力Pが示される。室3aからの出口に出口圧力Pが存在する。シールリング2を半径方向に変位させるのに必要な半径方向の力Fは、摩擦係数μと接触圧力Fとの積に等しい。
図5は、シールリング2が持ち上げられた状態の図4による図を示し、一定の吸引圧力がシールリング2にかけられ、シールリング2に作用する異なる圧力が詳細に示される。室圧力Pは、シールリング2の第1端面2aおよび外側2fに作用する。間隙Sに沿って、ピストンロッド5の長手方向Lにおいて減少する間隙圧力Pが示される。接触面2cに沿って、半径方向においてわずかに減少する接触圧力Pが示される。室3aからの出口に出口圧力Pが存在する。シールリング2の上昇または結果としての中間間隙Zは、わずかに減少する接触圧力Pをもたらし、接触圧力Pは、支持面3bに作用するシールリング2の接触圧力Fを減少させ、接触圧力Fは、次にシールリングの半径方向変位に必要な力Fを減少させ、半径方向の力Fは、摩擦係数μと接触圧力Fとの積に等しい。図3および5の比較は、図5では、接触圧力Fおよびしたがってまた力Fが実質的に減少することを示す。
図3および5を参照して、長手方向Lに可動であるように取り付けられるピストンロッド5をシールするためのドライランピストンロッドパッキン10を作動させるための方法が説明される。通常運転中、すなわち実質的に一定の吸引圧力がピストンロッドパッキン10に存在する吸引移動中、接触面2cを備えたシールリング2は、支持面3bに押し当てられる。シールリング2をセンタリングするために、シールリング2は、第1にリフトオフデバイス4のプッシャー面4dによって長手方向Lに移動させられ、したがって支持面3bから上昇させられ、それにより、したがって長手方向Lに対して半径方向Rにシールリング2を移動させるために克服されなければならない摩擦力Fを低下させるために、中間間隙Zが支持面3bとシールリング2の接触面2cとの間に作り出される。シールリング2が上昇させられた後、シールリング2がピストンロッド5に対して偏心して配置される場合、シールリング2は、半径方向Rに移動させられ、かつシールリング2に作用する全ての圧力の合計を原因として好ましくは自動的にセンタリングされる。
有利には、シールリング2は、ピストンロッド5の吸引移動中にリフトオフデバイス4により再び持ち上げられかつ下降させられる。有利には、持ち上げられた状態において、シールリング2は、それに作用する半径方向の力によって自動的にセンタリングされる。しかしながら、また、シールリング2に作用する半径方向アクチュエータ6により、例えば、図9または11に示されるとおり機械的に作用する半径方向アクチュエータ6により、持ち上げられた状態におけるシールリング2をセンタリングすることが有利である。有利な方法において、シールリング2は、ピストンロッド5の1回の完全な往復移動中に1度上昇および下降させられる。この方法は、シールリング2が各クランクシャフトの360°回転中にピストンロッド5に対して新たにセンタリングされ得、それにより、シールリング2とピストンロッド5との間の相互接触が大部分、有利には完全に、回避され得るという利点を有する。ピストンロッド5の表面に対するシールリング2の位置を検出する少なくとも1つのセンサを配置することも有利である。有利な方法において、シールリング2は長手方向Lに持ち上げられ、その後、例えば、ピストンロッド5とシールリング2の内側2eとの間の距離が所定の公称距離値から逸脱する場合にのみ、半径方向に変位させられる。このような方法は、例えば、経時的にシールリング2を上昇させる回数を最小限にすることを可能にする。有利な実施形態において、リフトオフデバイス4は、ピストンロッドパッキン10の各シールリング2のために設けられる。可能な方法において、全てのリフトオフデバイス4は、吸引移動中に再び、好ましくは相互に同調して持ち上げられかつ下降させられる。さらなる有利な方法において、例えば、リフトオフデバイス4の割り当てられたシールリング2が例えば所定の公称距離値から逸脱するリフトオフデバイス4のみが起動させられる。
図6は、図4に示された支持面3bの上面図を示す。アクチュエータ4aと、シールリング2に作用するプッシャー面4dとを備えた3つのリフトオフデバイス4は、室リング3において円周方向に離間されて配置される。各室リング3について、互いに円周方向に180°だけ離間される少なくとも2つのアクチュエータ4aが設けられ、好ましくは、特に有利には、互いに円周方向に120°だけ均等に離間されて配置された3つのアクチュエータ4aが設けられる。
図7は、さらなるピストンロッドパッキン10の長手方向断面の部分図を示す。図2に示されたリフトオフデバイスとは対照的に、図7に示されたリフトオフデバイス4は、永久磁石2dと電磁石4aとを含み、永久磁石2dはシールリング2に配置され、電磁石4aは室リング3に配置され、永久磁石2dおよび電磁石4aは、長手方向Lにおいて互いに反対側にあるように配置される。電磁石4aの起動は、永久磁石2dの反発、次いでシールリング2の上昇を招く。図8は、2つの永久磁石2dが円周方向に離間されて配置されたシールリング2の第2端面2bの上面図を示す。
図9は、さらなるピストンロッドパッキン10の長手方向断面の部分図を示す。図7に示されたリフトオフデバイスとは対照的に、図9に示されたリフトオフデバイス4は、例えば、プルロッド4cなどを含む完全に機械的な配置構成を含み、プッシャー面4dを上昇および下降させるために関節継手がアクチュエータ4aに配置される。有利には、制御ライン6aを備えた半径方向アクチュエータ6も提供され、これは、シールリング2の外側2fに作用し、かつシールリング2を半径方向Rに変位させるように構成される。有利には、円周方向に離間される複数の半径方向アクチュエータ6が設けられる。
図10は、複数部片のシールリング2であって、円周方向に無端でありかつ側方案内部2hを有する案内部2gを含み、側方案内部2hを介して半径方向Rに移動可能に取り付けられる2つの狭いシールセグメント2iおよび2つの幅広いシールセグメント2kを含む複数部片のシールリング2を示す。
図11は、さらなるピストンロッドパッキン10の長手方向断面の部分図を示す。図2に示された配置構成とは対照的に、図11による配置構成は、図10に示されたシールリング2および半径方向アクチュエータ6も含む。図10に示されるとおり、シールリング2の断面は、断面線A−Aを通る。図11は、特に、シールリング2が接触面2cを介して室3aの支持面3bに接していることを示す。リフトオフデバイス4は、圧電アクチュエータ4aと、電気供給ライン4bとを含む。幅広いシールセグメント2kは、半径方向Rに変位可能であるようにシールリング2に取り付けられる。アクチュエータ4aの起動は、図4に示されるとおり中間間隙Zを作り出す。中間間隙Zが開くと、好ましくは、シールリング2の案内部2gはピストンロッド5に対してセンタリングされる。図11に示された配置構成は、少なくとも2つの半径方向アクチュエータ6を含み、それぞれの半径方向アクチュエータ6は、2つの幅広いシールセグメント2kの各々に対し、これらを半径方向Rに変位させるために作用する。図11に示された配置構成は、好ましくは4つの半径方向アクチュエータ6を含み、これらは、図10に示される4つのシールセグメント2k、2iの各々が半径方向Rに制御可能に変位させられ得るように、ピストンロッドに対して互いに円周方向に離間される。したがって、間隙Sの幅、すなわちピストンロッド5の表面と、シールセグメント2k、2iのシール面の内側2eとの間の距離は調整可能である。図11に示される配置構成に好適なシールリング2には多くの可能な実施形態があり、シールリング2は、半径方向Rに変位可能なシールセグメント2i、2kを含む。

Claims (14)

  1. 長手方向(L)に可動であるように取り付けられるピストンロッド(5)をシールするためのドライランピストンロッドパッキン(10)であって、少なくとも1つの室リング(3)とシールリング(2)とを含み、前記室リング(3)は、シール室(3a)であって、その中に前記シールリング(2)が配置される、シール室(3a)を有し、前記ピストンロッドパッキン(10)は、高圧側(10a)と低圧側(10b)とを有し、前記シール室(3a)は、支持面(3b)であって、前記高圧側(10a)の方に向けられかつ前記低圧側(10b)に対して前記シール室(3a)の境界を定める支持面(3b)を有し、前記シールリング(2)は、半径方向において内側(2e)と外側(2f)とを有し、前記シールリング(2)は、第1および第2端面(2a、2b)を有し、前記第1端面(2a)は、前記高圧側(10a)の方に向けられかつ加圧面を形成し、前記第2端面(2b)は、前記低圧側(10b)の方に向けられかつ接触面(2c)を形成し、それにより、圧力下にあるシールリング(2)は、前記接触面(2c)が前記支持面(3b)に接した状態である、ドライランピストンロッドパッキン(10)において、
    能動的リフトオフデバイス(4)は、前記支持面(3b)と前記シールリング(2)の接触面(2c)との間に中間間隙(Z)を形成するために、前記支持面(3b)に接しているシールリング(2)を前記高圧側(10a)に向かって前記長手方向(L)に上昇させるように構成されることを特徴とする、ドライランピストンロッドパッキン。
  2. 前記長手方向(L)に連続的に配置された複数の室リング(3)およびシール室(3a)を含み、単一のシールリング(2)は、各シール室(3a)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のピストンロッドパッキン。
  3. 前記シールリング(2)は、無端シールリングとして構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のピストンロッドパッキン。
  4. 少なくとも2つ、好ましくは3つのリフトオフデバイス(4)は、各シールリング(2)に割り当てられることと、前記リフトオフデバイス(4)は、前記シールリング(2)の円周方向において互いに離間されて配置されることとを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のピストンロッドパッキン。
  5. 前記リフトオフデバイス(4)は、永久磁石(2d)と電磁石とを含み、前記永久磁石(2d)は前記シールリング(2)に配置され、前記電磁石は前記室リング(3)に配置され、前記永久磁石(2d)および前記電磁石は、好ましくは、前記長手方向(L)において互いに反対側にあるように配置されることを特徴とする、請求項4に記載のピストンロッドパッキン。
  6. 前記リフトオフデバイス(4)は、プッシャー面(4d)を備えたプッシャー部を含み、前記プッシャー面(4d)は、起動状態において前記接触面(2c)の上に突出することを特徴とする、請求項4に記載のピストンロッドパッキン。
  7. 前記リフトオフデバイス(4)は、圧電性結晶を含み、前記圧電性結晶は、前記室リング(3)に配置されることを特徴とする、請求項4または6に記載のピストンロッドパッキン。
  8. 前記シールリング(2)の外側(2f)に作用し、かつ前記シールリング(2)全体または前記シールリング(2)のシールセグメント(2i、2k)を前記半径方向(R)に変位させるように構成される半径方向アクチュエータ(6)を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のピストンロッドパッキン。
  9. 長手方向(L)に可動であるように取り付けられるピストンロッド(5)をシールするためのドライランピストンロッドパッキン(10)を作動させるための方法であって、前記ピストンロッドパッキン(10)は、少なくとも1つの室リング(3)とシールリング(2)とを含み、前記室リング(3)は、シール室(3a)であって、その中に前記シールリング(2)が配置される、シール室(3a)を有し、前記ピストンロッドパッキン(10)は、前記ピストンロッド(5)を囲み、前記ピストンロッドパッキン(10)は、作動ガス(G)に対して高圧側(10a)と低圧側(10b)とを有し、前記シール室(3a)は、支持面(3b)であって、前記高圧側(10a)の方に向けられかつ前記低圧側(10b)に対して前記シール室(3a)の境界を定める支持面(3b)を有し、前記シールリング(2)は、半径方向において内側(2e)と外側(2f)とを有し、前記シールリング(2)は、第1および第2端面(2a、2b)を有し、前記第1端面(2a)は、前記高圧側(10a)の方に向けられかつ前記作動ガス(G)のための加圧面を形成し、前記第2端面(2b)は、前記低圧側(10b)の方に向けられかつ接触面(2c)を形成し、それにより、前記シールリング(2)は、通常運転において前記支持面(3b)に対して前記接触面(2c)で押され、かつ前記支持面(3b)に接触する方法において、
    センタリングのために前記支持面(3b)に接している前記シールリング(2)は、第1に能動的リフトオフデバイス(4)によって前記高圧側(10a)に向かって前記長手方向(L)に移動させられ、かつしたがって前記支持面(3b)から離れて上昇させられ、それにより、中間間隙(Z)は、前記支持面(3b)と前記シールリング(2)の接触面(2c)との間に形成され、前記作動ガス(G)は、前記間隙内へ前記高圧側(10a)から貫入し、それにより、前記長手方向(L)における前記シールリング(2)の接触圧力は、したがって前記シールリング(2)を前記長手方向(L)に対して前記半径方向(R)に移動させるために克服させられる摩擦力を小さくするために低下させられることと、前記シールリング(2)は、上昇させられた後で、前記半径方向(R)に変位させられることとを特徴とする、方法。
  10. 前記シールリング(2)は、前記ピストンロッド(5)の吸引移動中に再び上昇および下降させられることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 持ち上げられた状態において、前記シールリング(2)は、該シールリングに作用する半径方向の力によって自動的にセンタリングされることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記シールリング(2)全体または前記シールリング(2)のシールセグメント(2i、2k)は、持ち上げられた状態において、機械的に作用する半径方向アクチュエータ(6)によってセンタリングされることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
  13. 前記シールリング(2)は、前記ピストンロッド(5)のそれぞれの完全な往復移動中に一度、再び上昇および下降させられることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記シールリング(2)全体または前記シールリング(2)のシールセグメント(2i、2k)は、前記ピストンロッド(5)と前記シールリング(2)の内側(2e)との間の距離が所定の公称距離値から逸脱する場合、前記半径方向(R)に変位させられることを特徴とする、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
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