JP2018531565A - Nfc「分割スタック」アーキテクチャ - Google Patents

Nfc「分割スタック」アーキテクチャ Download PDF

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Abstract

近距離無線通信型アプリケーションを処理するデバイス(5、16、26)であって、近距離無線通信型アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理するとともに、第1のインターフェースプロトコル(NCI、EMV)に基づいて通信するホストドライバ(7、28)を処理するホストコントローラ回路(3、27)と、近距離無線通信型非接触インターフェース(6、35)とホストコントローラ回路(3、27)とインターフェースするコントローラドライバ(11、32)とを処理するNFCコントローラ回路(4、33)とを含み、ホストコントローラ回路(3、27)は、第1のインターフェースプロトコル(NCI、EMV)に基づいてホストドライバ(7、28)とインターフェースし、第2のインターフェースプロトコルに基づいてコントローラドライバ(11、32)とインターフェースする第1の送信モジュール(9、30)を処理し、第1の送信モジュール(9、30)は、近距離無線通信型アプリケーションの実質的にすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクをさらに処理し、NFCコントローラ回路(4、33)は、近距離無線通信型非接触インターフェース(6、35)に対する近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルなタスクを処理する第2の送信モジュール(12、34)を含む、デバイス(5、16、26)。

Description

本発明は、近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)型アプリケーションを処理するデバイスであって、
近距離無線通信型アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理し、第1のインターフェースプロトコルに基づいて通信するホストドライバを処理するホストコントローラ回路と、
近距離無線通信型非接触インターフェースと、ホストコントローラ回路とインターフェースするコントローラドライバとを処理するNFCコントローラ回路とを含み、ホストコントローラ回路は、第1のインターフェースプロトコルに基づいてホストドライバとインターフェースし第2のインターフェースプロトコルに基づいてコントローラドライバとインターフェースする第1の送信モジュールを処理し、第1の送信モジュールは、さらに、近距離無線通信型アプリケーションの実質的にすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクを処理し、NFCコントローラ回路は、近距離無線通信型非接触インターフェースに対する近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルなタスクを処理する第2の送信モジュールを含む、デバイスに関する。
文献米国特許出願公開第2009/0206984(A1)号は、近距離無線通信(NFC)機能を備えた携帯電話のようなデバイスを開示している。NFC技術は、NFCフォーラム(http://www.nfc−forum.ofg)の名称の産業コンソーシアムによって開発され、RFID技術から派生したものである。NFC構成要素は、ISO18.092で標準化されているように「リーダ」モード、「カードエミュレーション」モード、および「ピア2ピア」モードで動作可能である。NFC構成要素は、その近距離無線通信非接触インターフェース磁界を介して発信し、磁界の振幅を変調することによってデータを送信し、負荷変調と誘導結合とによってデータを受信する。例えばEP1327222に記載されているエミュレーションモードでは、NFC構成要素は、トランスポンダのように受動的に動作して別のリーダと対話し、その別のリーダからはRFIDチップとして見られる。
米国特許出願公開第2009/0206987(A1)号で開示されているデバイスは、通常の電話機能に関係するすべてのデバイスアプリケーションを処理するホストコントローラ回路または携帯電話プロセッサを含む。これらのアプリケーションは、例えば、電話に出ること、SMSの送信、またはインターネット検索を可能にする。この携帯電話に近距離無線通信機能を加えるために、NFCコントローラ回路という名称の別個の集積回路がこの携帯電話に付加されている。NFCフォーラム規格「NFC Controller Interface(NCI)」は、ホストコントローラ回路とNFCコントローラ回路との間の通信を可能にするために使用されるインターフェースプロトコルを定義している。ホストコントローラ回路は、このNCIインターフェースを、NFCコントローラ回路で処理されるコントローラドライバという名称のソフトウェアのスタックとNCIインターフェースに基づいて通信する、ホストドライバという名称のソフトウェアのスタックによって実装する。
図1に、従来技術のデバイスの標準NFCアーキテクチャのホストコントローラ回路1およびNFCコントローラ回路2の、そのような典型的な設定を示す。図2に、この2つの集積回路内で処理される機能と、シングルワイヤプロトコルを介してNFCコントローラ回路2に接続されたスマートカード(UICC)のより詳細なブロック図を示す。ホストコントローラ回路のデバイスホストは、一部がデバイスホストで処理され、一部がNFCコントローラ回路2のNCI−FW(スタック)で処理される近距離無線通信アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理する。この標準NFCアーキテクチャにおけるNCI−FW(スタック)は、コントローラドライバとしてNCIインターフェースを介したホストコントローラ回路1との通信を可能にする。
この標準NFCアーキテクチャの欠点は、NFCコントローラ回路2で処理される近距離無線通信アプリケーションの部分を更新する能力が限定されていることである。NCIインターフェースは、そのような無線更新の容易で高速な方法を可能にしない。特に、携帯電話製造業者用のNFCコントローラ回路2はほとんどの場合、NFCコントローラ回路2上で処理されるファームウェアの更新にきわめて限られた作用しか及ぼさないサードパーティ集積回路である。また、NFCコントローラ回路2は、ホストコントローラ回路1と比較して限られたメモリ空間および処理能力しかなく、このことは、例えば異なるクレジットカード会社の多くの新しいペイメントアプリケーションを使用可能にする可能性を制限している。
本発明の目的は、無線によるファームウェア更新が容易でより柔軟性のある、近距離無線通信型アプリケーションを処理するデバイス、チップセットおよび方法を提供することである。
この目的は、ファームウェア更新によって更新される近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのファームウェアが非リアルタイムホストコントローラ回路内に存在する、デバイスおよびチップセットによって達成される。
この目的は、さらに、近距離無線通信型アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理する非リアルタイムホストコントローラ回路と、近距離無線通信型非接触インターフェースを処理するNFCコントローラ回路とを含むデバイスによって近距離無線通信型アプリケーションを処理する方法であって、
ホストコントローラ回路において近距離無線通信型アプリケーションの実質的にすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクを処理するステップと、
NFCコントローラ回路において近距離無線通信型非接触インターフェースに対する近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルなタスクを処理するステップと、
NFCコントローラ回路から独立してファームウェア更新によって更新される近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのファームウェアを処理するステップとが処理される方法によって達成される。
この「分割スタック」アーキテクチャは、近距離無線通信型アプリケーションの、非タイムクリティカルおよび/またはメモリ消費型のタスクまたは部分を、NFCコントローラ回路からホストコントローラ回路に移動する。近距離無線通信非接触インターフェースに対する正常な通信を確保するために、近距離無線通信型アプリケーションのタイムクリティカルおよびパフォーマンスクリティカルなタスクまたは部分は依然としてNFCコントローラ回路内に配置される。これに加えて、例えば反復的なプロセスのきわめて限られたその他のタスクを、NFCコントローラ回路によって処理することができる。その結果、近距離無線通信型アプリケーションのソフトウェアスタックは実質的にすべて、大量のメモリ資源を備え、携帯電話のデバイスアプリケーションにその電話またはWLANデータ転送機能により直接接続された高速プロセッサであるホストプロセッサ回路内に存在して、近距離無線通信型アプリケーションの無線更新を可能にする。
本発明の上記およびその他の態様は、以下に記載の実施形態を参照すれば明らかになり、わかるであろう。当業者は、様々な実施形態を組み合わせることができることがわかるであろう。
従来技術によるデバイスにおける標準NFCアーキテクチャを示す図である。 従来技術によるデバイスにおける標準NFCアーキテクチャを示す図である。 本発明によるデバイスにおける「分割スタック」NFCアーキテクチャを示す図である。 本発明によるデバイスにおける「分割スタック」NFCアーキテクチャを示す図である。 近距離無線通信アプリケーションのどのタスクまたは部分を、「分割スタック」NFCアーキテクチャに基づくどの集積回路で処理すべきであるかを、従来技術の標準NFCアーキテクチャと比較して示す略図である。 セキュアエレメントとしてスマートカードによりスマートカードをエミュレートするために、「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスが近距離無線通信アプリケーションをどのように処理するかを開示する図である。 セキュアエレメントとしてスマートカードによりスマートカードをエミュレートするために、「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスが近距離無線通信アプリケーションをどのように処理するかを開示する図である。 標準NFCアーキテクチャを備えたデバイスによってポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションを処理する2つの異なる従来技術の手法を開示する図である。 標準NFCアーキテクチャを備えたデバイスによってポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションを処理する2つの異なる従来技術の手法を開示する図である。 「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスがポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションをどのように処理するかを開示する図である。 ポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションのどのタスクまたは部分を、「分割スタック」NFCアーキテクチャに基づくどの集積回路で処理すべきであるかを、従来技術の標準NFCアーキテクチャと比較して示す略図である。 アプリケーションレベルでの「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスを示すシステム図を開示する図である。
図1および図2に、上述のような従来技術の携帯電話のホストコントローラ回路1とNFCコントローラ回路2とを示す。図3および図4に、本発明による「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えた携帯電話5のホストコントローラ回路3とNFCコントローラ回路4とを示す。携帯電話5は、例えば電話に出ること、SMSの送信、またはインターネット検索を可能にするように、デバイスアプリケーションを処理し、通常の電話機能を実現するための、図示しないあらゆる種類の従来技術のモジュールを含む。ホストコントローラ回路3は、このような機能を可能にするためにこれらすべてのタスクを統括制御し、携帯電話5の他の集積回路とインターフェースする、携帯電話5の主プロセッサである。
NFCコントローラ回路4は、当業者には周知の近距離無線通信機能を可能にするための上記の他の集積回路のうちの1つである。NFC技術は、NFCフォーラム(http://www.nfc−forum.ofg)の名称の産業コンソーシアムによって開発されたものであり、RFID技術から派生している。NFCコントローラ回路4は、図示されていないRFIDアンテナに接続され、他のNFC対応デバイスと通信するために非接触インターフェース6のホストとして動作する。無線NFC非接触インターフェースプロトコルが、ISO18.092、ISO14.443、ISO15.693、NFCフォーラム規格、およびEMVCoにおいて標準化され、規定された時間枠内で処理される必要がある。その他のタイムクリティカルまたはパフォーマンスクリティカルなタスクは以下の通りである。
1.データを早過ぎず遅過ぎずに送信することを意味する遅延時間/保護時間。
2.動作磁界をリセットするEMVCoタイミング。
3.NFCアクティブモード衝突回避。
4.ウェイティングタイムエクステンションのタイミング。
5.電磁妨害処理(EMD)。
したがって、NFCコントローラ回路4は、このNFC非接触インターフェースプロトコルを実現するように、タイムクリティカルなタスクまたはパフォーマンスクリティカルなタスクを処理し、このことはホストコントローラ回路の必要レイテンシを短縮するのに役立つ。
NFCフォーラム規格「NFC Controller Interface(NCI)」は、ホストコントローラ回路3とNFCコントローラ回路4との間の通信を可能にするために使用されるインターフェースプロトコルを定義している。ホストコントローラ回路3は、このNCIインターフェースを、ホストドライバ7という名称のソフトウェアのスタックによって実現し、ホストドライバ7は、コントローラドライバ8という名称のソフトウェアのスタック(NCI−FW(スタック))とNCIインターフェースに基づいて通信する。第1の送信モジュール9の一部としてのこのコントローラドライバ8は、NCIインターフェースを処理し、実現する。コントローラドライバ8またはホストソフトドライバ10の送信モジュール9のいずれかが、携帯電話5の近距離無線通信アプリケーションのすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクを処理する。典型的な近距離無線通信アプリケーションは、例えば、カードエミュレーションアプリケーションまたはポイントオブセールスアプリケーションであり、これについては図6、図7および図10ないし図12に示す実施形態に基づいてさらに詳細に説明する。
第1の送信モジュール9は、第2のインターフェースプロトコルに基づいてコントローラドライバまたはNFCコントローラソフトドライバ11と通信するホストソフトドライバ10をさらに含む。NFCコントローラ回路4は、近距離無線通信型非接触インターフェース6に対する近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルなタスクを処理する第2の送信モジュール12をさらに含む。これに加えて、第2の送信モジュール12は、反復タスクまたは全体的なスループット時間に影響するタスクも処理することができる。図4に示すNFCコントローラ回路4は、シングルワイヤプロトコルを介してスマートカード14とインターフェースするための論理リンクレイヤ13をさらに含む。
図3および図4に示すホストコントローラ回路3およびNFCコントローラ回路4の「分割スタック」NFCアーキテクチャは、第2の送信モジュール12が、近距離無線通信アプリケーションを可能にするためにタイムクリティカルなタスクまたはパフォーマンスクリティカルなタスクを実現するようにNFCコントローラ回路4により処理される必要があるソフトウェアの比較的小規模なスタックに過ぎないという利点を有する。近距離無線通信アプリケーションの他のすべての非タイムクリティカルなタスクおよびメモリまたはデータ消費型タスクは、高い処理能力と十分なメモリ空間と携帯電話5の他の機能への容易なリンクとを有するホストコントローラ3によって、第1の送信モジュール9内で処理される。その結果、従来技術の標準NFCアーキテクチャに基づくNFCコントローラ4によって処理される必要のあるソフトウェアスタックは、ホストコントローラ3に移動される。
ファームウェア更新は、「分割スタック」NFCアーキテクチャによる方がNFC標準アーキテクチャと比べてはるかに容易である。例えば、「分割スタック」NFCアーキテクチャにおけるファームウェア更新は、ホストコントローラ回路3の完全制御下にあり、したがって、NFCコントローラ回路4から独立して更新し、確認することができる。NFC標準アーキテクチャの従来の手法では、ホストコントローラ回路3は新しいファームウェアをサードパーティNFCコントローラ回路4に更新/コピーする必要がある。これは、通常、保護されており、したがってNFCコントローラ回路4の製造業者は、NFCコントローラ回路4上のファームウェアを更新するためのインターフェースとルーチンとを提供する必要がある。期待通りに機能しないものがある場合、ホストシステムの製造業者は、それを再び機能させる方法を提供するために、サードパーティNFCコントローラの製造業者と再度接触しなければならない。
これにより、近距離無線通信アプリケーションの容易なファームウェア更新が可能になり、ホストコントローラ3においてより高性能な近距離無線通信アプリケーションを処理することが可能になる。ホストドライバ7は依然としてNFC Controller Interface NCIに基づいて通信するため、この新規な「分割スタック」アーキテクチャを実装する際に、デバイスホスト15において処理されるソフトウェアのスタックに変更を加える必要がない。これは、デバイスホスト15によって処理される、近距離無線通信アプリケーションを使用する通常の電話デバイスアプリケーションが、アーキテクチャの変更のために修正される必要がないことを意味する。
図5に、従来技術の標準NFCアーキテクチャと比較した「分割スタック」NFCアーキテクチャの略図を示す。図からわかるように、タイムクリティカルまたは高タイミング精度レイヤ3およびレイヤ4のプロトコルは、NFCコントローラ回路4内で処理する必要があるが、近距離無線通信アプリケーションのデータ集約型またはメモリ消費型タスクは、ホストコントローラ回路3で処理される。当業者は、近距離無線通信アプリケーションのタスクまたは部分のうちのいずれがタイムクリティカルであり、したがってパフォーマンスクリティカルであるか、および、タスクまたは部分のうちのいずれが大量のメモリ空間を必要とするかについて明確な決定を行うことができ、それらをどこで処理すべきかを決定することができる。
「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスを使用したスマートカード(UICC)によるカードエミュレーション
図6および図7に、セキュアエレメントとしてのUICCによりスマートカードをエミュレートするために近距離無線通信アプリケーションを処理するデバイス16のための最も重要なアプリケーションの1つを開示する。図6は、HCI上のUICCの設定方法を示す。UICCによるカードエミュレーションを可能にするために、HCIネットワークを介した接続を確立する必要がある。これは、ホストコントローラ回路3におけるHCIホストの実装によって行われる。物理接続(通常はシングルワイヤプロトコルSWP)とスマートカード14の論理リンクレイヤ17とは、近距離無線通信アプリケーションのタイムクリティカルなタスクであり、したがってNFCコントローラ回路4上で処理される。
図7に、スマートカード14との接続が確立された後のHCIを介したカードエミュレーションを示す。NFCコントローラ回路4が、外部リーダ/ライタ18とスマートカード14との間の接続と通信とを処理する。カードエミュレーションとは関連のないその他のHCI通信は、ホストコントローラ回路3内の送信モジュール9によって処理される必要がある。スマートカード14によるこのカードエミュレーションモードにより、CLFモードの標準レイヤ4通信のようなすべての通信機構がサポートされる。
この「分割スタック」NFCアーキテクチャはカードエミュレーションアプリケーションにとって、タイムクリティカルなタスクを有する近距離無線通信アプリケーションのためのスタックのうちの小部分と、場合によりいくつかの小規模の反復タスクのみをNFCコントローラ回路4において処理するだけでよく、これにより、近距離無線通信アプリケーションの全体的なパフォーマンスが高速化されるとともにファームウェア更新が容易になるという利点を有する。
「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスによるポイントオブセールスソリューション
図8ないし図11に、別の重要な近距離無線通信アプリケーションである、ポイントオブセールスソリューションを開示する。図8および図9は、2つの異なる従来技術の手法、すなわち、図8のNFCフロントエンド手法と図9のNFCコントローラ手法とを開示し、図10は「分割スタック」NFCアーキテクチャに基づくポイントオブセールスソリューションのための本発明の新規な手法を開示する。
図8に開示する従来技術のNFCフロントエンド手法では、近距離無線通信アプリケーションとしてのペイメントカード22による非接触型決済を処理するために、3つの集積回路(ベースバンドコントローラ19、専用コントローラ20およびNFCフロントエンドIC21)が接触インターフェースを介してインターフェースする。NFCフロントエンドIC21は、単に非接触インターフェースを可能にするだけであり、EMVCoレベル1およびレベル2プロトコルは、専用コントローラ20によって処理される。
図9に開示する従来技術のNFCコントローラ手法は、2つの集積回路、すなわちベースバンドコントローラ23(ホストコントローラ回路に相当)とNFCコントローラIC24(NFCコントローラ回路に相当)のみを使用する。NFCコントローラIC24は、ペイメントカード22と非接触インターフェースする。ベースバンドコントローラ23のペイメントホスト25が、一部はベースバンドコントローラ23において処理され、一部はNFCコントローラIC24のEMVCoレベル1スタックにおいて処理されるポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理する。この標準NFCアーキテクチャにおけるEMVCoレベル1スタックは、コントローラドライバとしてEMVCoインターフェースを介したベースバンドコントローラ23との通信を可能にする。
EMVは、スマートペイメントカードと、それらのカードを受け付け可能な支払い端末および現金自動預払機のための技術標準である。EMVカードは、ペイメントカード22と同様に、データを磁気ストライプではなく集積回路に記憶するスマートカードである。「分割スタック」NFCアーキテクチャを使用するデバイス26を備える図10に示すこのポイントオブセールスソリューションでは、ベースバンドコントローラ27(ホストコントローラ回路に相当)が、EMVインターフェースに基づいてコントローラドライバ29(EMVCoレベル1という名称のソフトウェアのスタック)と通信するホストドライバ28(EMVCoレベル2という名称のソフトウェアのスタック)を使用して、このEMVインターフェースを実装する。第1の送信モジュール30の一部としてのこのコントローラドライバ29は、一方ではEMVインターフェースを処理し、実装し、他方では、デバイス26の近距離無線通信アプリケーションのすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクを処理する。
第1の送信モジュール30は、第2のインターフェースプロトコルに基づいてコントローラドライバ32と通信するホストソフトドライバ31をさらに含む。NFCコントローラ回路33は、近距離無線通信型非接触インターフェース35に対するポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルおよびパフォーマンスクリティカルなタスクを処理する第2の送信モジュール34をさらに含む。これに加えて、第2の送信モジュール34は、反復タスクまたは全体的なスループット時間に影響するタスクも処理することができる。
図10に示すベースバンドコントローラ27およびNFCコントローラ回路33の「分割スタック」NFCアーキテクチャは、第2の送信モジュール34が、近距離無線通信アプリケーションを可能にするためにタイムクリティカルなタスクまたはパフォーマンスクリティカルなタスクを実現するようにNFCコントローラ回路33により処理される必要があるソフトウェアの比較的小規模なスタックに過ぎないという利点を有する。近距離無線通信アプリケーションの他のすべて、または実質的にすべての非タイムクリティカルなタスクおよびメモリまたはデータ消費型タスクは、高い処理能力と十分なメモリ空間とデバイス26の他の機能への容易なリンクとを有するベースバンドコントローラ27によって、第1の送信モジュール30内で処理される。その結果、図9に示すように、従来技術の標準NFCアーキテクチャに基づくNFCコントローラ−IC24によって処理される必要のあるソフトウェアスタックは、EMVインターフェースを介した困難なアクセスを回避するためにベースバンドコントローラ27に移動される。
図11に、ポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションのための従来技術の標準NFCアーキテクチャと比較した、「分割スタック」NFCアーキテクチャの略図を示す。図からわかるように、タイムクリティカルまたは高タイミング精度型レイヤ2ないしレイヤ4プロトコルのみは依然としてNFCコントローラ回路33内で処理される必要があるが、近距離無線通信アプリケーションのデータ集約型またはメモリ消費型タスクはベースバンドコントローラ27で処理される。
「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスのアプリケーションビュー
図12に、アプリケーションレベルの、「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスのシステム図を開示する。従来技術の標準NFCアーキテクチャでは、NFCコントローラ回路2がピアデバイス上のアプリケーションとホストコントローラ回路1上のアプリケーションとの間の通信センターである。「分割スタック」NFCアーキテクチャでは、近距離無線通信アプリケーションの主要部分がホストコントローラ回路3上にあり、NFCコントローラ回路4が主としてそのNFCコントローラソフトドライバ11および第2の送信モジュール12によって異なる各部分を接続する。この新規な「分割スタック」NFCアーキテクチャでは、以下のような利点が得られる。
1)ホストコントローラ回路3が、NFCコントローラ回路4上で処理されるファームウェア/ソフトウェアの更新の従来の制約なしに、直接無線更新を行うことができる。
2)ホストコントローラ回路3は、現在のアーキテクチャの制約、すなわち、NFCコントローラ回路4のメモリ空間および処理能力の制約なしに、多数の新規アプリケーション(例えば、Visa、Mastercardなどからのペイメントアプリケーションから、ロイヤルティーカード、発券、アクセス制御に至るまで)を追加し、管理することができる。
3)ウェアラブル装置やInternet−of−Things(モノのインターネット)ソリューションなどの空間制約型および/または価格重視型デバイスが、既存のホストコントローラ回路を使用して、NFCハードウェアコントローラを必要とせずにNFC機能を備えることができる。
本発明の上述の各実施形態では、デバイス5、16および27が、
・近距離無線通信型アプリケーションの実質的にすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクを、ホストコントローラ回路3または27において処理するステップと、
・近距離無線通信型非接触インターフェース6または35に対する近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルなタスクを、NFCコントローラ回路4または33において処理するステップと、
・ファームウェア更新によって更新すべき近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのファームウェアを、NFCコントローラ回路から独立して処理するステップとを備える方法を処理する。
この方法は、本発明の実施形態に関して上述した利点の達成を可能にする。
また、近距離無線通信型アプリケーションを処理するデバイスは、携帯電話のみならず、他のモバイルデバイス、ウェアラブル装置やIOTデバイスであってもよいと言える。本発明は、特に、近距離無線通信アプリケーションを処理するデバイスに有利であるが、類似の種類のRFIDアプリケーションを使用するデバイスにも有利であろう。
さらに、NFCコントローラ回路は、マイクロプロセッサまたは専用集積回路によって実現可能であると言える。
図中のNSCという略語は、NFCソフトコントローラ(NFC Soft Controller)を意味する。
なお、アプリケーションは、ホストコントローラ内またはセキュアエレメント内のいずれかに配置されることを明記しておく。分割スタックアーキテクチャは、任意の新規アプリケーションに適応するように、NCIまたはNFCスタックの修正を(ホストコントローラにおいて直接)可能にする。これは、例えば、スタックを再構成するだけでNFCC機能を支払い端末機能に変換することができることを意味する。
RFID通信をサポートするために、典型的にはタイムクリティカルであってリアルタイム応答を必要とする低レベルのNFC機能は、NSC−ICに集積される。NSC−ICは、変更の可能性がきわめて低く、したがって機能の頻繁な更新を要求しない十分に確立されたRFID標準を実装する。
高レベルのNFC/NCI−FWは、典型的には非タイムクリティカルであるがよりメモリおよびデータ集約的な、より高レベルのNFC機能を含む。また、NCI標準は比較的新しく、依然として発展過程にあり、その結果、機能が頻繁に更新される。また、このレベルでは、プロプライエタリ機能が必要とされることが多い。
分割スタックは、更新だけでなく、集積のカスタマイズも可能にする。
・特に、NCIを「ネイティブにサポート」しないアプリケーションは、集積がより容易であるとわかる(NCIを実装する必要がない)。
・これにより、このスタックの多用途性とNFC/モバイル、決済およびインフラストラクチャまたは運輸に対する適合性が明らかになる。
また、「ファームウェア−ダウンローダ」を実装する必要がなく、スタックは製造業者のデバイスSW更新で更新される。
ホストインターフェースプロトコルに関しては、トランザクション数が最小限になるように、NFCコントローラモジュールと非リアルタイムホストコントローラとの間の通信のためのインターフェースプロトコルが実装されると言うことができる。NFCフロントエンドを使用する従来技術の実装では、ホストコントローラは状態情報を取得し、構成を行うために、多数のアクセスを行う必要がある。したがって、FWは、非リアルタイムシステムにおけるNFCコントローラの使用を可能にするためにオンチップに移動されていた。NSCデバイスは、NFCコントローラとホストコントローラとの間で最小限の数のトランザクションしか必要としないようにして状態情報を収集し、処理する。同様にして、ホストコントローラからNSCに送信される制御情報が最適化される。非リアルタイムコントローラはすべてのトランザクションにかなりのレイテンシを加え、それによって通常なら全体的な処理時間を遅くすることになるため、この態様はきわめて重要である。
従来技術のアーキテクチャは、きわめて制約された環境における内蔵ARMファームウェアのために、試験、再検討、検査および全体的な開発と再現性確認に膨大なオーバーヘッドを要する。資源が限られていることにより、新規機能の追加に制約が生じる。特許請求対象の分割スタックアーキテクチャは、オーバーヘッドと、より迅速な全体的な開発および再現性確認とをほとんど必要としない、(包括的試験および検証のための)構成要素ベースの(デバッグを容易にするためにI/Oからプロトコルロジックを分離する)層構造スタックを使用し、これはIOT(Inter−Operability−Tests:相互運用性テスト)にとって重要である。
NSCコントローラに常駐する「ソフトウェア」という用語は、ソフトウェアのこの小規模なスタックがハードウェアアクセラレータまたは論理機能とも呼ばれ得るという意味に解釈すべきであるものと言っておかなければならない。このソフトウェアは更新の必要がないため、ハードウェアでも実現可能であり、本発明の実質的利点を有する。
本発明は、近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)型アプリケーションを処理するデバイスであって、
近距離無線通信型アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理し、第1のインターフェースプロトコルに基づいて通信するホストドライバを処理するホストコントローラ回路と、
近距離無線通信型非接触インターフェースと、ホストコントローラ回路とインターフェースするコントローラドライバとを処理するNFCコントローラ回路とを含む、デバイスに関する。
文献米国特許出願公開第2009/0206984(A1)号は、近距離無線通信(NFC)機能を備えた携帯電話のようなデバイスを開示している。NFC技術は、NFCフォーラム(http://www.nfc−forum.ofg)の名称の産業コンソーシアムによって開発され、RFID技術から派生したものである。NFC構成要素は、ISO18092で標準化されているように「リーダ」モード、「カードエミュレーション」モード、および「ピア2ピア」モードで動作可能である。NFC構成要素は、その近距離無線通信非接触インターフェース磁界を介して発信し、磁界の振幅を変調することによってデータを送信し、負荷変調と誘導結合とによってデータを受信する。例えばEP1327222に記載されているエミュレーションモードでは、NFC構成要素は、トランスポンダのように受動的に動作して別のリーダと対話し、その別のリーダからはRFIDチップとして見られる。
米国特許出願公開第2009/0206987(A1)号で開示されているデバイスは、通常の電話機能に関係するすべてのデバイスアプリケーションを処理するホストコントローラ回路または携帯電話プロセッサを含む。これらのアプリケーションは、例えば、電話に出ること、SMSの送信、またはインターネット検索を可能にする。この携帯電話に近距離無線通信機能を加えるために、NFCコントローラ回路という名称の別個の集積回路がこの携帯電話に付加されている。NFCフォーラム規格「NFC Controller Interface(NCI)」は、ホストコントローラ回路とNFCコントローラ回路との間の通信を可能にするために使用されるインターフェースプロトコルを定義している。ホストコントローラ回路は、このNCIインターフェースを、NFCコントローラ回路で処理されるコントローラドライバという名称のソフトウェアのスタックとNCIインターフェースに基づいて通信する、ホストドライバという名称のソフトウェアのスタックによって実装する。
図1に、従来技術のデバイスの標準NFCアーキテクチャのホストコントローラ回路1およびNFCコントローラ回路2の、そのような典型的な設定を示す。図2に、この2つの集積回路内で処理される機能と、シングルワイヤプロトコルを介してNFCコントローラ回路2に接続されたスマートカード(UICC)のより詳細なブロック図を示す。ホストコントローラ回路のデバイスホストは、一部がデバイスホストで処理され、一部がNFCコントローラ回路2のNCI−FW(スタック)で処理される近距離無線通信アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理する。この標準NFCアーキテクチャにおけるNCI−FW(スタック)は、コントローラドライバとしてNCIインターフェースを介したホストコントローラ回路1との通信を可能にする。
この標準NFCアーキテクチャの欠点は、NFCコントローラ回路2で処理される近距離無線通信アプリケーションの部分を更新する能力が限定されていることである。NCIインターフェースは、そのような無線更新の容易で高速な方法を可能にしない。特に、携帯電話製造業者用のNFCコントローラ回路2はほとんどの場合、NFCコントローラ回路2上で処理されるファームウェアの更新にきわめて限られた作用しか及ぼさないサードパーティ集積回路である。また、NFCコントローラ回路2は、ホストコントローラ回路1と比較して限られたメモリ空間および処理能力しかなく、このことは、例えば異なるクレジットカード会社の多くの新しいペイメントアプリケーションを使用可能にする可能性を制限している。
文献WO2012/065643A1は、さらに、デバイスアプリケーションを処理するホストコントローラ回路と、近距離無線通信非接触インターフェースを処理し、可能にするNFCコントローラ回路とを含むデバイス(例えば携帯電話)を開示している。この文献は、NFCコントローラ回路から異なるNFC実行環境にデータをルーティングする機構を開示している。WO2012/065643A1で開示されているデバイスは、上記と同じ欠点を含む。
本発明の目的は、標準準拠近距離無線通信型アプリケーションと、NFCコントローラ回路の限られた処理能力およびメモリのみの必要性とを処理するデバイスおよび方法を提供することである。
この目的は、ホストコントローラ回路が、第1のインターフェースプロトコルに基づいてホストドライバとインターフェースするコントローラドライバと、第2のインターフェースプロトコルに基づいてコントローラドライバとインターフェースするホストソフトドライバとを備える第1の送信モジュールを処理し、第1の送信モジュールは、UICCまたはセキュアエレメントによるカードエミュレーションを可能にするためにHCIネットワークの確立をさらに処理し、
NFCコントローラ回路が、ホストコントローラ回路の関与なしにカードエミュレーション中に事前に確立されたHCIネットワークを使用して、UICCまたはセキュアエレメントとピアデバイスとの間のカードエミュレーションアプリケーション中の実際のデータ交換を処理する第2の送信モジュールを含む、デバイスによって達成される。
この目的は、
近距離無線通信型アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理し、第1のインターフェースプロトコルに基づいて通信するホストドライバを処理するホストコントローラ回路と、
近距離無線通信型非接触インターフェースと、ホストコントローラ回路とインターフェースするコントローラドライバとを処理するNFCコントローラ回路とを含むデバイスによって近距離無線通信型アプリケーションを処理する方法であって、
第1のインターフェースプロトコルに基づいてホストドライバとインターフェースするためにホストコントローラ回路を備える第1の送信モジュールのコントローラドライバを処理するステップと、
第2のインターフェースプロトコルに基づいてコントローラドライバとインターフェースするためにホストコントローラ回路によって第1の送信モジュールのホストソフトドライバを処理するステップと、
UICCまたはセキュアエレメントによるカードエミュレーションアプリケーションを可能にするために第1の送信モジュールとのHCIネットワークを確立するステップと、
ホストコントローラ回路の関与なしにNFCコントローラ回路の第2の送信モジュールによるカードエミュレーション中に事前に確立されたHCIネットワークを使用して、UICCまたはセキュアエレメントとピアデバイスとの間のカードエミュレーションアプリケーション中の実際のデータ交換を処理するステップとが処理される方法によってさらに達成される。
この「分割スタック」アーキテクチャは、近距離無線通信型アプリケーションの、非タイムクリティカルおよび/またはメモリ消費型のタスクまたは部分を、NFCコントローラ回路からホストコントローラ回路に移動する。近距離無線通信非接触インターフェースに対する正常な通信を確保するために、近距離無線通信型アプリケーションのタイムクリティカルおよびパフォーマンスクリティカルなタスクまたは部分は依然としてNFCコントローラ回路内に配置される。これに加えて、例えば反復的なプロセスのきわめて限られたその他のタスクを、NFCコントローラ回路によって処理することができる。その結果、近距離無線通信型アプリケーションのソフトウェアスタックは実質的にすべて、大量のメモリ資源を備え、携帯電話のデバイスアプリケーションにその電話またはWLANデータ転送機能により直接接続された高速プロセッサであるホストプロセッサ回路内に存在して、近距離無線通信型アプリケーションの無線更新を可能にする。
UICCによるカードエミュレーションを可能にするために全NCIプロトコルと、HCIネットワークの確立とをホストコントローラ回路に移動することによって、NFCコントローラ回路から手続きを除去するとともに、デバイスを標準準拠の状態に維持する。実際のデータ交換の全手続きをNFCコントローラ回路に移すことによって、ホストコントローラ回路にプロトコルを介してデータを転送する必要がない高速な処理が実現される。両方の特徴が組み合わさって、処理能力とメモリが限られたNFCコントローラ回路が、要件を満たすのに十分な高速でCEアプリケーションを処理することができる能力の実現を可能にする。これは、安全で信頼性の高いNFCペイメント機能およびその他のアプリケーション(例えば運輸)を保証するために重要である。
本発明の上記およびその他の態様は、以下に記載の実施形態を参照すれば明らかになり、わかるであろう。当業者は、様々な実施形態を組み合わせることができることがわかるであろう。
従来技術によるデバイスにおける標準NFCアーキテクチャを示す図である。 従来技術によるデバイスにおける標準NFCアーキテクチャを示す図である。 本発明によるデバイスにおける「分割スタック」NFCアーキテクチャを示す図である。 本発明によるデバイスにおける「分割スタック」NFCアーキテクチャを示す図である。 近距離無線通信アプリケーションのどのタスクまたは部分を、「分割スタック」NFCアーキテクチャに基づくどの集積回路で処理すべきであるかを、従来技術の標準NFCアーキテクチャと比較して示す略図である。 セキュアエレメントとしてスマートカードによりスマートカードをエミュレートするために、「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスが近距離無線通信アプリケーションをどのように処理するかを開示する図である。 セキュアエレメントとしてスマートカードによりスマートカードをエミュレートするために、「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスが近距離無線通信アプリケーションをどのように処理するかを開示する図である。 標準NFCアーキテクチャを備えたデバイスによってポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションを処理する2つの異なる従来技術の手法を開示する図である。 標準NFCアーキテクチャを備えたデバイスによってポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションを処理する2つの異なる従来技術の手法を開示する図である。 「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスがポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションをどのように処理するかを開示する図である。 ポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションのどのタスクまたは部分を、「分割スタック」NFCアーキテクチャに基づくどの集積回路で処理すべきであるかを、従来技術の標準NFCアーキテクチャと比較して示す略図である。 アプリケーションレベルでの「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスを示すシステム図を開示する図である。
図1および図2に、上述のような従来技術の携帯電話のホストコントローラ回路1とNFCコントローラ回路2とを示す。図3および図4に、本発明による「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えた携帯電話5のホストコントローラ回路3とNFCコントローラ回路4とを示す。携帯電話5は、例えば電話に出ること、SMSの送信、またはインターネット検索を可能にするように、デバイスアプリケーションを処理し、通常の電話機能を実現するための、図示しないあらゆる種類の従来技術のモジュールを含む。ホストコントローラ回路3は、このような機能を可能にするためにこれらすべてのタスクを統括制御し、携帯電話5の他の集積回路とインターフェースする、携帯電話5の主プロセッサである。
NFCコントローラ回路4は、当業者には周知の近距離無線通信機能を可能にするための上記の他の集積回路のうちの1つである。NFC技術は、NFCフォーラム(http://www.nfc−forum.ofg)の名称の産業コンソーシアムによって開発されたものであり、RFID技術から派生している。NFCコントローラ回路4は、図示されていないRFIDアンテナに接続され、他のNFC対応デバイスと通信するために非接触インターフェース6のホストとして動作する。無線NFC非接触インターフェースプロトコルが、ISO18092、ISO14443、ISO15693、NFCフォーラム規格、およびEMVCoにおいて標準化され、規定された時間枠内で処理される必要がある。その他のタイムクリティカルまたはパフォーマンスクリティカルなタスクは以下の通りである。
1.データを早過ぎず遅過ぎずに送信することを意味する遅延時間/保護時間。
2.動作磁界をリセットするEMVCoタイミング。
3.NFCアクティブモード衝突回避。
4.ウェイティングタイムエクステンションのタイミング。
5.電磁妨害処理(EMD)。
したがって、NFCコントローラ回路4は、このNFC非接触インターフェースプロトコルを実現するように、タイムクリティカルなタスクまたはパフォーマンスクリティカルなタスクを処理し、このことはホストコントローラ回路の必要レイテンシを短縮するのに役立つ。
NFCフォーラム規格「NFC Controller Interface(NCI)」は、ホストコントローラ回路3とNFCコントローラ回路4との間の通信を可能にするために使用されるインターフェースプロトコルを定義している。ホストコントローラ回路3は、このNCIインターフェースを、ホストドライバ7という名称のソフトウェアのスタックによって実現し、ホストドライバ7は、コントローラドライバ8という名称のソフトウェアのスタック(NCI−FW(スタック))とNCIインターフェースに基づいて通信する。第1の送信モジュール9の一部としてのこのコントローラドライバ8は、NCIインターフェースを処理し、実現する。コントローラドライバ8またはホストソフトドライバ10の送信モジュール9のいずれかが、携帯電話5の近距離無線通信アプリケーションのすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクを処理する。典型的な近距離無線通信アプリケーションは、例えば、カードエミュレーションアプリケーションまたはポイントオブセールスアプリケーションであり、これについては図6、図7および図10ないし図12に示す実施形態に基づいてさらに詳細に説明する。
第1の送信モジュール9は、第2のインターフェースプロトコルに基づいてコントローラドライバまたはNFCコントローラソフトドライバ11と通信するホストソフトドライバ10をさらに含む。NFCコントローラ回路4は、近距離無線通信型非接触インターフェース6に対する近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルなタスクを処理する第2の送信モジュール12をさらに含む。これに加えて、第2の送信モジュール12は、反復タスクまたは全体的なスループット時間に影響するタスクも処理することができる。図4に示すNFCコントローラ回路4は、シングルワイヤプロトコルを介してスマートカード14とインターフェースするための論理リンクレイヤ13をさらに含む。
図3および図4に示すホストコントローラ回路3およびNFCコントローラ回路4の「分割スタック」NFCアーキテクチャは、第2の送信モジュール12が、近距離無線通信アプリケーションを可能にするためにタイムクリティカルなタスクまたはパフォーマンスクリティカルなタスクを実現するようにNFCコントローラ回路4により処理される必要があるソフトウェアの比較的小規模なスタックに過ぎないという利点を有する。近距離無線通信アプリケーションの他のすべての非タイムクリティカルなタスクおよびメモリまたはデータ消費型タスクは、高い処理能力と十分なメモリ空間と携帯電話5の他の機能への容易なリンクとを有するホストコントローラ3によって、第1の送信モジュール9内で処理される。その結果、従来技術の標準NFCアーキテクチャに基づくNFCコントローラ4によって処理される必要のあるソフトウェアスタックは、ホストコントローラ3に移動される。
ファームウェア更新は、「分割スタック」NFCアーキテクチャによる方がNFC標準アーキテクチャと比べてはるかに容易である。例えば、「分割スタック」NFCアーキテクチャにおけるファームウェア更新は、ホストコントローラ回路3の完全制御下にあり、したがって、NFCコントローラ回路4から独立して更新し、確認することができる。NFC標準アーキテクチャの従来の手法では、ホストコントローラ回路3は新しいファームウェアをサードパーティNFCコントローラ回路4に更新/コピーする必要がある。これは、通常、保護されており、したがってNFCコントローラ回路4の製造業者は、NFCコントローラ回路4上のファームウェアを更新するためのインターフェースとルーチンとを提供する必要がある。期待通りに機能しないものがある場合、ホストシステムの製造業者は、それを再び機能させる方法を提供するために、サードパーティNFCコントローラの製造業者と再度接触しなければならない。
これにより、近距離無線通信アプリケーションの容易なファームウェア更新が可能になり、ホストコントローラ3においてより高性能な近距離無線通信アプリケーションを処理することが可能になる。ホストドライバ7は依然としてNFC Controller Interface NCIに基づいて通信するため、この新規な「分割スタック」アーキテクチャを実装する際に、デバイスホスト15において処理されるソフトウェアのスタックに変更を加える必要がない。これは、デバイスホスト15によって処理される、近距離無線通信アプリケーションを使用する通常の電話デバイスアプリケーションが、アーキテクチャの変更のために修正される必要がないことを意味する。
図5に、従来技術の標準NFCアーキテクチャと比較した「分割スタック」NFCアーキテクチャの略図を示す。図からわかるように、タイムクリティカルまたは高タイミング精度レイヤ3およびレイヤ4のプロトコルは、NFCコントローラ回路4内で処理する必要があるが、近距離無線通信アプリケーションのデータ集約型またはメモリ消費型タスクは、ホストコントローラ回路3で処理される。当業者は、近距離無線通信アプリケーションのタスクまたは部分のうちのいずれがタイムクリティカルであり、したがってパフォーマンスクリティカルであるか、および、タスクまたは部分のうちのいずれが大量のメモリ空間を必要とするかについて明確な決定を行うことができ、それらをどこで処理すべきかを決定することができる。
「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスを使用したスマートカード(UICC)によるカードエミュレーション
図6および図7に、セキュアエレメントとしてのUICCによりスマートカードをエミュレートするために近距離無線通信アプリケーションを処理するデバイス16のための最も重要なアプリケーションの1つを開示する。図6は、HCI上のUICCの設定方法を示す。UICCによるカードエミュレーションを可能にするために、HCIネットワークを介した接続を確立する必要がある。これは、ホストコントローラ回路3におけるHCIホストの実装によって行われる。物理接続(通常はシングルワイヤプロトコルSWP)とスマートカード14の論理リンクレイヤ17とは、近距離無線通信アプリケーションのタイムクリティカルなタスクであり、したがってNFCコントローラ回路4上で処理される。
図7に、スマートカード14との接続が確立された後のHCIを介したカードエミュレーションを示す。NFCコントローラ回路4が、外部リーダ/ライタ18とスマートカード14との間の接続と通信とを処理する。カードエミュレーションとは関連のないその他のHCI通信は、ホストコントローラ回路3内の送信モジュール9によって処理される必要がある。スマートカード14によるこのカードエミュレーションモードにより、CLFモードの標準レイヤ4通信のようなすべての通信機構がサポートされる。
この「分割スタック」NFCアーキテクチャはカードエミュレーションアプリケーションにとって、タイムクリティカルなタスクを有する近距離無線通信アプリケーションのためのスタックのうちの小部分と、場合によりいくつかの小規模の反復タスクのみをNFCコントローラ回路4において処理するだけでよく、これにより、近距離無線通信アプリケーションの全体的なパフォーマンスが高速化されるとともにファームウェア更新が容易になるという利点を有する。
「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスによるポイントオブセールスソリューション
図8ないし図11に、別の重要な近距離無線通信アプリケーションである、ポイントオブセールスソリューションを開示する。図8および図9は、2つの異なる従来技術の手法、すなわち、図8のNFCフロントエンド手法と図9のNFCコントローラ手法とを開示し、図10は「分割スタック」NFCアーキテクチャに基づくポイントオブセールスソリューションのための本発明の新規な手法を開示する。
図8に開示する従来技術のNFCフロントエンド手法では、近距離無線通信アプリケーションとしてのペイメントカード22による非接触型決済を処理するために、3つの集積回路(ベースバンドコントローラ19、専用コントローラ20およびNFCフロントエンドIC21)が接触インターフェースを介してインターフェースする。NFCフロントエンドIC21は、単に非接触インターフェースを可能にするだけであり、EMVCoレベル1およびレベル2プロトコルは、専用コントローラ20によって処理される。
図9に開示する従来技術のNFCコントローラ手法は、2つの集積回路、すなわちベースバンドコントローラ23(ホストコントローラ回路に相当)とNFCコントローラIC24(NFCコントローラ回路に相当)のみを使用する。NFCコントローラIC24は、ペイメントカード22と非接触インターフェースする。ベースバンドコントローラ23のペイメントホスト25が、一部はベースバンドコントローラ23において処理され、一部はNFCコントローラIC24のEMVCoレベル1スタックにおいて処理されるポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理する。この標準NFCアーキテクチャにおけるEMVCoレベル1スタックは、コントローラドライバとしてEMVCoインターフェースを介したベースバンドコントローラ23との通信を可能にする。
EMVは、スマートペイメントカードと、それらのカードを受け付け可能な支払い端末および現金自動預払機のための技術標準である。EMVカードは、ペイメントカード22と同様に、データを磁気ストライプではなく集積回路に記憶するスマートカードである。「分割スタック」NFCアーキテクチャを使用するデバイス26を備える図10に示すこのポイントオブセールスソリューションでは、ベースバンドコントローラ27(ホストコントローラ回路に相当)が、EMVインターフェースに基づいてコントローラドライバ29(EMVCoレベル1という名称のソフトウェアのスタック)と通信するホストドライバ28(EMVCoレベル2という名称のソフトウェアのスタック)を使用して、このEMVインターフェースを実装する。第1の送信モジュール30の一部としてのこのコントローラドライバ29は、一方ではEMVインターフェースを処理し、実装し、他方では、デバイス26の近距離無線通信アプリケーションのすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクを処理する。
第1の送信モジュール30は、第2のインターフェースプロトコルに基づいてコントローラドライバ32と通信するホストソフトドライバ31をさらに含む。NFCコントローラ回路33は、近距離無線通信型非接触インターフェース35に対するポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルおよびパフォーマンスクリティカルなタスクを処理する第2の送信モジュール34をさらに含む。これに加えて、第2の送信モジュール34は、反復タスクまたは全体的なスループット時間に影響するタスクも処理することができる。
図10に示すベースバンドコントローラ27およびNFCコントローラ回路33の「分割スタック」NFCアーキテクチャは、第2の送信モジュール34が、近距離無線通信アプリケーションを可能にするためにタイムクリティカルなタスクまたはパフォーマンスクリティカルなタスクを実現するようにNFCコントローラ回路33により処理される必要があるソフトウェアの比較的小規模なスタックに過ぎないという利点を有する。近距離無線通信アプリケーションの他のすべて、または実質的にすべての非タイムクリティカルなタスクおよびメモリまたはデータ消費型タスクは、高い処理能力と十分なメモリ空間とデバイス26の他の機能への容易なリンクとを有するベースバンドコントローラ27によって、第1の送信モジュール30内で処理される。その結果、図9に示すように、従来技術の標準NFCアーキテクチャに基づくNFCコントローラ−IC24によって処理される必要のあるソフトウェアスタックは、EMVインターフェースを介した困難なアクセスを回避するためにベースバンドコントローラ27に移動される。
図11に、ポイントオブセールス近距離無線通信アプリケーションのための従来技術の標準NFCアーキテクチャと比較した、「分割スタック」NFCアーキテクチャの略図を示す。図からわかるように、タイムクリティカルまたは高タイミング精度型レイヤ2ないしレイヤ4プロトコルのみは依然としてNFCコントローラ回路33内で処理される必要があるが、近距離無線通信アプリケーションのデータ集約型またはメモリ消費型タスクはベースバンドコントローラ27で処理される。
「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスのアプリケーションビュー
図12に、アプリケーションレベルの、「分割スタック」NFCアーキテクチャを備えたデバイスのシステム図を開示する。従来技術の標準NFCアーキテクチャでは、NFCコントローラ回路2がピアデバイス上のアプリケーションとホストコントローラ回路1上のアプリケーションとの間の通信センターである。「分割スタック」NFCアーキテクチャでは、近距離無線通信アプリケーションの主要部分がホストコントローラ回路3上にあり、NFCコントローラ回路4が主としてそのNFCコントローラソフトドライバ11および第2の送信モジュール12によって異なる各部分を接続する。この新規な「分割スタック」NFCアーキテクチャでは、以下のような利点が得られる。
1)ホストコントローラ回路3が、NFCコントローラ回路4上で処理されるファームウェア/ソフトウェアの更新の従来の制約なしに、直接無線更新を行うことができる。
2)ホストコントローラ回路3は、現在のアーキテクチャの制約、すなわち、NFCコントローラ回路4のメモリ空間および処理能力の制約なしに、多数の新規アプリケーション(例えば、Visa、Mastercardなどからのペイメントアプリケーションから、ロイヤルティーカード、発券、アクセス制御に至るまで)を追加し、管理することができる。
3)ウェアラブル装置やInternet−of−Things(モノのインターネット)ソリューションなどの空間制約型および/または価格重視型デバイスが、既存のホストコントローラ回路を使用して、NFCハードウェアコントローラを必要とせずにNFC機能を備えることができる。
本発明の上述の各実施形態では、デバイス5、16および27が、
・近距離無線通信型アプリケーションの実質的にすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクを、ホストコントローラ回路3または27において処理するステップと、
・近距離無線通信型非接触インターフェース6または35に対する近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルなタスクを、NFCコントローラ回路4または33において処理するステップと、
・ファームウェア更新によって更新すべき近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのファームウェアを、NFCコントローラ回路から独立して処理するステップとを備える方法を処理する。
この方法は、本発明の実施形態に関して上述した利点の達成を可能にする。
また、近距離無線通信型アプリケーションを処理するデバイスは、携帯電話のみならず、他のモバイルデバイス、ウェアラブル装置やIOTデバイスであってもよいと言える。本発明は、特に、近距離無線通信アプリケーションを処理するデバイスに有利であるが、類似の種類のRFIDアプリケーションを使用するデバイスにも有利であろう。
さらに、NFCコントローラ回路は、マイクロプロセッサまたは専用集積回路によって実現可能であると言える。
図中のNSCという略語は、NFCソフトコントローラ(NFC Soft Controller)を意味する。
なお、アプリケーションは、ホストコントローラ内またはセキュアエレメント内のいずれかに配置されることを明記しておく。分割スタックアーキテクチャは、任意の新規アプリケーションに適応するように、NCIまたはNFCスタックの修正を(ホストコントローラにおいて直接)可能にする。これは、例えば、スタックを再構成するだけでNFCC機能を支払い端末機能に変換することができることを意味する。
RFID通信をサポートするために、典型的にはタイムクリティカルであってリアルタイム応答を必要とする低レベルのNFC機能は、NSC−ICに集積される。NSC−ICは、変更の可能性がきわめて低く、したがって機能の頻繁な更新を要求しない十分に確立されたRFID標準を実装する。
高レベルのNFC/NCI−FWは、典型的には非タイムクリティカルであるがよりメモリおよびデータ集約的な、より高レベルのNFC機能を含む。また、NCI標準は比較的新しく、依然として発展過程にあり、その結果、機能が頻繁に更新される。また、このレベルでは、プロプライエタリ機能が必要とされることが多い。
分割スタックは、更新だけでなく、集積のカスタマイズも可能にする。
・特に、NCIを「ネイティブにサポート」しないアプリケーションは、集積がより容易であるとわかる(NCIを実装する必要がない)。
・これにより、このスタックの多用途性とNFC/モバイル、決済およびインフラストラクチャまたは運輸に対する適合性が明らかになる。
また、「ファームウェア−ダウンローダ」を実装する必要がなく、スタックは製造業者のデバイスSW更新で更新される。
ホストインターフェースプロトコルに関しては、トランザクション数が最小限になるように、NFCコントローラモジュールと非リアルタイムホストコントローラとの間の通信のためのインターフェースプロトコルが実装されると言うことができる。NFCフロントエンドを使用する従来技術の実装では、ホストコントローラは状態情報を取得し、構成を行うために、多数のアクセスを行う必要がある。したがって、FWは、非リアルタイムシステムにおけるNFCコントローラの使用を可能にするためにオンチップに移動されていた。NSCデバイスは、NFCコントローラとホストコントローラとの間で最小限の数のトランザクションしか必要としないようにして状態情報を収集し、処理する。同様にして、ホストコントローラからNSCに送信される制御情報が最適化される。非リアルタイムコントローラはすべてのトランザクションにかなりのレイテンシを加え、それによって通常なら全体的な処理時間を遅くすることになるため、この態様はきわめて重要である。
従来技術のアーキテクチャは、きわめて制約された環境における内蔵ARMファームウェアのために、試験、再検討、検査および全体的な開発と再現性確認に膨大なオーバーヘッドを要する。資源が限られていることにより、新規機能の追加に制約が生じる。特許請求対象の分割スタックアーキテクチャは、オーバーヘッドと、より迅速な全体的な開発および再現性確認とをほとんど必要としない、(包括的試験および検証のための)構成要素ベースの(デバッグを容易にするためにI/Oからプロトコルロジックを分離する)層構造スタックを使用し、これはIOT(Inter−Operability−Tests:相互運用性テスト)にとって重要である。
NSCコントローラに常駐する「ソフトウェア」という用語は、ソフトウェアのこの小規模なスタックがハードウェアアクセラレータまたは論理機能とも呼ばれ得るという意味に解釈すべきであるものと言っておかなければならない。このソフトウェアは更新の必要がないため、ハードウェアでも実現可能であり、本発明の実質的利点を有する。

Claims (9)

  1. 近距離無線通信型アプリケーションを処理するデバイス(5、16、26)であって、
    前記近距離無線通信型アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理するとともに、第1のインターフェースプロトコル(NCI、EMV)に基づいて通信するホストドライバ(7、28)を処理するホストコントローラ回路(3、27)と、
    近距離無線通信型非接触インターフェース(6、35)と、前記ホストコントローラ回路(3、27)とインターフェースするコントローラドライバ(11、32)とを処理するNFCコントローラ回路(4、33)とを含み、
    前記ホストコントローラ回路(3、27)は、前記第1のインターフェースプロトコル(NCI、EMV)に基づいて前記ホストドライバ(7、28)とインターフェースし、第2のインターフェースプロトコルに基づいて前記コントローラドライバ(11、32)とインターフェースする第1の送信モジュール(9、30)を処理し、前記第1の送信モジュール(9、30)は、前記近距離無線通信型アプリケーションの実質的にすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクをさらに処理し、前記NFCコントローラ回路(4、33)は、前記近距離無線通信型非接触インターフェース(6、35)に対する前記近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルなタスクを処理する第2の送信モジュール(12、34)を含むデバイス(5、16、26)において、
    ファームウェア更新によって更新される前記近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのファームウェアが前記非リアルタイムホストコントローラ回路内に存在することを特徴とする、デバイス(5、16、26)。
  2. 前記第1のインターフェースプロトコルは、NFCフォーラム規格で規定されている「NFC Controller Interface(NCI)」である、請求項1に記載のデバイス(5、16)。
  3. 前記第1のインターフェースプロトコルは、ISO/IEC7816およびISO/IEC14.443に基づく「EMV Contactless Specifications for Payment Systems」である、請求項1に記載のデバイス(26)。
  4. 前記ホストコントローラ回路(3)または前記NFCコントローラ回路(4)は、スマートカード(14)との接触インターフェースのための論理リンク制御レイヤ(13)を処理し、前記第1の送信モジュール(9)または前記NFCコントローラ回路(4)は、前記デバイスアプリケーションのためにスマートカードをエミュレートするためにホストコントローラインターフェースを処理する、請求項1ないし3のいずれかに記載のデバイス(5、16)。
  5. 近距離無線通信型アプリケーションを処理するデバイス(5、16、26)のためのチップセットであって、請求項1ないし4に記載のホストコントローラ回路(3、27)とNFCコントローラ回路(4、33)とを含むことを特徴とするチップセット。
  6. 近距離無線通信型アプリケーションを使用するデバイスアプリケーションを処理する非リアルタイムホストコントローラ回路(3、27)と、近距離無線通信型非接触インターフェース(6、35)を処理するNFCコントローラ回路(4、33)とを含むデバイス(5、16、26)によって前記近距離無線通信型アプリケーションを処理する方法であって、
    前記ホストコントローラ回路(3、27)において、前記近距離無線通信型アプリケーションの実質的にすべての非タイムクリティカルなタスクおよび/またはメモリ消費型タスクを処理するステップと、
    前記NFCコントローラ回路(4、33)において、前記近距離無線通信型非接触インターフェース(6、35)に対する前記近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのタイムクリティカルなタスクを処理するステップと、
    前記NFCコントローラ回路から独立してファームウェア更新によって更新される前記近距離無線通信型アプリケーションのためのすべてのファームウェアを処理するステップとが処理される方法。
  7. 前記ホストコントローラ回路(3、27)内で前記近距離無線通信型アプリケーションに関連する情報を送信するために第1のインターフェースプロトコルを処理するステップと、
    前記ホストコントローラ回路(3、27)と前記NFCコントローラ回路(4、33)との間で前記近距離無線通信型アプリケーションに関連する情報を送信するために第2の送信プロトコルを処理するステップとが処理される、請求項6に記載の方法。
  8. NFCフォーラム規格で規定されている「NFC Controller Interface(NCI)」を第1のインターフェースプロトコルとして処理するステップが処理される、請求項7に記載の方法。
  9. ISO/IEC7816およびISO/IEC14.443に基づく「EMV Contactless Specifications for Payment Systems」を第1のインターフェースプロトコルとして処理するステップが処理される、請求項7に記載の方法。
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