JP2018530513A - 安定な酸化鉄磁性ナノ粒子(ナノmag)スラリー及びその製造方法 - Google Patents

安定な酸化鉄磁性ナノ粒子(ナノmag)スラリー及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

≧95%マグネタイト(Fe)を含み、透過型電子顕微鏡を用いて測定される7〜27nmの粒径サイズ、及び60〜80emu/gの磁化強度(Ms)を有する酸化鉄ナノ粒子が開示される。また、被覆された酸化鉄ナノ粒子、当該酸化鉄ナノ粒子の製造方法及びそれを含む物品が開示される。

Description

本発明は、安定なスラリーとして形成され得る酸化鉄ナノ粒子の製造方法に関する。当該ナノ粒子及び/又は当該スラリーは小さな粒子サイズを有し、また、被覆(又は、被膜、コーティング、coating)層が当該酸化鉄ナノ粒子上に形成される際、ポリマー母材における優れた分散特性を有する。
酸化鉄ナノ粒子は、より大きい等価な材料と比較した特有の特徴を有する。酸化鉄ナノ相、例えばマグネタイト(Fe)、マグヘマイト(γ−Fe)及びヘマタイト(α−Fe)等の中で、マグネタイトは飽和磁化値が高いため頻繁に用いられる。従って、酸化鉄(Fe)マグネタイトナノ粒子は、生物医学的用途、鉱物分離、磁気光学材料及びマイクロ波フィルタに関して重大な関心を受けている。しかし、酸化鉄ナノ粒子は、非常に高い付着特性を有しており、酸化鉄ナノ粒子が互いに凝集する傾向があるという結果をもたらす。この現象は、酸化鉄ナノ粒子が、大きな表面エネルギー(>100dyn/cm−1)と共に、粒子間の強い磁気双極子間相互作用を有するためである。この問題は酸化鉄ナノ粒子の使用を制限する。従って、工業用途について、酸化鉄ナノ粒子の分散/凝集現象を制御して、それらを機能材料及び製品に適用する技術を開発することが非常に重要である。水性媒体中でのFeナノ粒子の分散安定性を改善するために、修飾剤(modifier)で酸化鉄表面を修飾して有効な斥力を生み出すことが必要である。それに加えて、保護シェルは磁気特性を安定化するだけでなく、酸素による酸化に対して磁性ナノ粒子を更に保護するのに用いることもできる。修飾剤(modifying agent)は酸化鉄ナノ粒子の凝集を防止できなければならず、環境のために例えば硫黄等の有害な元素を含まず、また、マグネタイトと界面活性剤との間の相互作用を損なわない。米国特許出願公開2013/0330280号には、架橋したラミネート生体適合性ポリマーで被覆されたロッド形状の酸化鉄ナノ粒子が開示されている。しかし、磁気強度が述べられておらず、また、製造された酸化鉄ナノ粒子のサイズは大き過ぎ、且つ範囲が広過ぎて(100〜500nm)、多くの用途における使用、例えば手袋の製造において天然及び/又は合成ゴムと組み合わせて使用のための有効な酸化鉄ナノ粒子を低供することができない。当該磁気特性は、製造プロセスにおいて破れた手袋の存在を検出するのに有用であり得る。
本発明は、マグネタイト構造を有する黒色酸化鉄ナノ粒子スラリーを製造する方法を提供し、当該方法は、第1段階において60℃で酸化鉄をNHOHで沈殿させ、その後、脱イオン水での洗浄工程を行うこと含む。第2段階において、オレイン酸を酸化鉄スラリーと混合して、酸化鉄ナノスラリーを均一に分散した。次に、得られた酸化鉄ナノ粒子を形成状態(又は、形成後、as formed)で用いることができ、あるいは、母材又は媒体(例えば、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、チタニア、酸化亜鉛、シリカ、アルミニウム等)に入れてよい。得られた酸化鉄ナノ粒子は、他の酸化鉄ナノ粒子と比較して優れた特性を有する。
従って、本発明の第1の態様において、
≧95%(又は、95%以上の、≧95%)マグネタイト(Fe)を含み、以下の特性:
透過型電子顕微鏡を用いて測定される7〜27nm(例えば、12〜25nm、20〜23nm等)の粒径サイズ、及び
60〜80emu/g(例えば、65〜75emu/g、67〜70emu/g等)の磁化強度(Ms)
を有する酸化鉄ナノ粒子が提供される。
本発明のある実施形態において、酸化鉄ナノ粒子は、
85〜99%(例えば、90〜95%)の結晶化度(又は、結晶化割合、結晶化パーセンテージ、percentage crystallininty)、
実質的に球形の形状、
0.15〜0.25(例えば、0.16〜0.25、0.17〜0.20等)の多分散性指数、
0.19〜1.84emu/g(例えば、0.25〜1.50emu/g、0.50〜1.00emu/g)の残留磁気、
3.29〜14.71kA/m(例えば、4.20〜11.00kA/m、5.00〜8.50kA/m等)の保磁力(Hc)、
−33〜−49mV(例えば、−45〜−48mV、46.7mV等)のゼータ電位
を有してよい。
本発明の更なる実施形態において、酸化鉄ナノ粒子は、酸化鉄ナノ粒子の表面を被覆する被覆剤を更に含んでよい。例えば、被覆剤は、ヘキサデカン酸、テトラデカン酸、ドデカン酸、ウンデカン酸、デカン酸、ステアリン酸、ヘキサン酸、ノナン酸(nonaic acid)、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、メルカプトシラン、アミノシラン、及び更にとりわけ、オレイン酸からなる群から選択されてよい。本発明のより更なる実施形態において、被覆剤は、酸化鉄ナノ粒子の表面上の単層被覆、2層被覆又は多層被覆を形成していてよい。本明細書で言及してよい本発明の特定の実施形態において、被覆剤は2層の形態であってよい。
本発明のより更なる実施形態において、被覆された酸化鉄ナノ粒子は、
透過型電子顕微鏡を用いて測定される6〜25nm(例えば、8〜23nm)の粒径サイズ、
62〜75emu/g(例えば、65〜68emu/g)の磁化強度(Ms)、
0.13〜0.25(例えば、0.14〜0.20)の多分散性指数、
0.80〜1.07emu/g(例えば、0.85〜1.00emu/g)の残留磁気、及び/又は
6.47〜8.57G(例えば、6.95〜7.75G)の保磁力(Hc)、
−45〜−55mV(例えば、−50〜−51mV)のゼータ電位、
酸化を受けた際に、1%〜6%(例えば、2%〜5.5%、5.2%等)だけ低下する磁気強度、
20日から100日(例えば、30日から90日、30日から90日等)の水安定性又は水/ラテックス媒体安定性
を有してよい。
技術的に実行可能な上記特徴の任意の組み合わせが本発明の一部として予測されることは認識されるだろう。
本発明の第2の態様において、酸化鉄ナノ粒子の製造方法が提供され、プロセスが、
(i)FeCl(又はその溶媒和物)及びFeCl(又はその溶媒和物)の混合物を溶媒中に供給し、当該混合物をNHOHと反応させて、酸化鉄ナノ粒子を含む第1スラリーを形成する工程と、
(ii)第1スラリーから酸化鉄ナノ粒子を分離する工程と、
(iii)被覆されていない酸化鉄ナノ粒子を溶媒で洗浄して、被覆されていない酸化鉄ナノ粒子のウェットケーキを形成する工程と
を含む。
本発明のある実施形態において、分離する工程(ii)及び洗浄する工程(iii)は、
(a)第1スラリーに磁力を印加して、酸化鉄ナノ粒子を沈降させ(又は、まとめる、settle)、溶媒をデカントする工程、及び
(b)溶媒を加えて、第2スラリーを形成し、その後、第1スラリーに磁力を印加して、酸化鉄ナノ粒子を沈降させ、溶媒をデカントしてウェットケーキを形成する工程、及び任意で
(c)工程(b)を1回以上繰り返す工程
を含んでよい。
本発明のより更なる実施形態において、
(a)FeClがFeCl・4HO溶媒和物として存在してよく、FeClがFeCl・6HO溶媒和物として存在し、及び/又は
(b)FeCl及び/又はFeClが溶媒和物として存在する場合に、用いられる溶媒和物のモル数に基づいてモル比が計算されるという条件で、FeCl(又はその溶媒和物)及びFeCl(又はその溶媒和物)が、0.5:3〜1:1(例えば、0.75:2〜1:1.75、1:1.5等)のモル比で存在してよい。
本発明のある実施形態において、工程(i)で、
(a)溶媒は水であり、及び/又は
(b)NHOHは12Mの水溶液であり、100mL/分の速さで混合物に加え、及び/又は
(c)機械式の攪拌機を用いて、100rpm〜1000rpm(例えば、200rpm〜700rpm、500rpm等)の速さで混合物及び第1スラリーを撹拌し、
(d)反応の温度が50〜70℃(例えば、55〜65℃、60℃等)であり、及び/又は
(e)NHOHを全量加えた後、第1スラリーを20分〜120分、例えば90分等の間撹拌し、及び/又は
(f)NHOHを全量加えた後、第1スラリーが9.5以下のpHを有するまで反応を継続する。
本発明のある実施形態において、当該方法の得られた酸化鉄ナノ粒子は、
(i)≧95%マグネタイト(Fe)を含んでよく、及び/又は
(ii)60〜80emu/g(例えば、65〜66emu/g)の磁気強度を有してよく、及び/又は
(iii)−33〜−49mV(例えば、−45〜−48mV、−46.7mV等)のゼータ電位を有してよく、及び/又は
(iv)透過型電子顕微鏡を用いて測定した際、7〜27nm(例えば、12〜25nm、20〜23nm、10〜15nm等)の粒子サイズを有してよい。
本発明のより更なる実施形態において、プロセスは、
(a)上述の方法で作製した酸化鉄ナノ粒子を提供する工程と、
(b)当該提供された酸化鉄ナノ粒子を被覆剤と混合して混合物を提供し、そこから被覆された酸化鉄ナノ粒子を製造する工程と
を含む後のプロセスにおいて、被覆された酸化鉄ナノ粒子を形成することを更に含んでよい。
この更なる処理工程の実施形態において、
(i)工程(a)において、酸化鉄ナノ粒子を酸化鉄ナノ粒子のウェットケーキとして提供し(例えば、ウェットケーキはナノ粒子と水とを含む)、
(ii)工程(b)において、被覆剤を酸化鉄ナノ粒子に0.2:1より大きい重量/重量の比(例えば、2.5:1〜2:1、3:1〜1:1等)で加え、及び/又は
(iii)工程(b)において、混合物を第2期間の間超音波処理(又は、音波処理、sonication)して被覆された酸化鉄ナノ粒子を提供する前に、混合物に第1期間の間機械的混合を施してよく(例えば、第1期間は1分間〜1時間であり、超音波処理は5分間〜10時間、15分間〜2時間等、例えば1時間である)、任意で超音波処理の出力は85〜90Wであり、及び/又は
(iv)工程(b)において、被覆された酸化鉄ナノ粒子を均一に分散させてよい。
ある実施形態において、上述の方法により製造した被覆された酸化鉄ナノ粒子は、
(i)≧95%マグネタイト(Fe)を含んでよく、及び/又は
(ii)62〜75emu/g(例えば、65〜68emu/g)の磁気強度を有してよく、及び/又は
(iii)−40〜−50mV(例えば、−45〜−48mV、−46.7mV等)のゼータ電位を有してよく、及び/又は
(iv)酸化を受けた際に、1%〜6%(例えば、2%〜5.5%、5.2%等)だけ低下する磁気強度を有してよく、及び/又は
(v)20日から100日(例えば、30日から90日、30日から90日等)の間、水又は水/ラテックス媒体中で安定であってよく、及び/又は
(vi)透過型電子顕微鏡を用いて測定される6〜25nm(例えば、8〜23nm)の粒子サイズを有してよい。
本発明のより更なる実施形態において、被覆された酸化鉄ナノ粒子は、
(c)被覆された酸化鉄ナノ粒子を、材料の溶液又は材料の溶融した形態(melted form)(例えば、ポリマー溶液、溶融したポリマー、あるいは、反応及び/又は硬化することができて、ポリマー材料、紙前駆体(paper precursor)、段ボール前駆体(又は、厚紙前駆体、cardboard precursor)若しくは布前駆体(fabric precursor)、又はより詳細には、合成ラテックス溶液、例えばニトリルゴム(NBR)等を形成する反応混合物)溶液に加えて、含浸(又は、含浸された、impregnated)酸化鉄ナノ粒子混合物を形成する工程、及び任意で
(d)含浸酸化鉄ナノ粒子混合物からの物品、又は含浸酸化鉄ナノ粒子混合物を含む物品を形成する工程
を含む1つ以上の更なる処理を施してよい。
本発明の実施形態において、被覆剤は、ヘキサデカン酸、テトラデカン酸、ドデカン酸、ウンデカン酸、デカン酸、ステアリン酸、ヘキサン酸、ノナン酸(nonaic acid)、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、メルカプトシラン、アミノシラン、及び更にとりわけ、オレイン酸からなる群から選択されてよい。
本発明の第3の態様において、本発明の第1及び第2の態様並びにその実施形態に係る酸化鉄ナノ粒子を含む材料(例えば、ポリマー、紙、段ボール若しくは布、炭素、粘土、セラミック、樹脂、又はより詳細には、合成ラテックス、例えばニトリルゴム(NBR)等)を含む物品が提供される。当該態様のある実施形態において、被覆された酸化鉄ナノ粒子は実質的に均一に当該材料の全体に亘って分布していてよい。
本発明の特徴は、本発明の実施形態の添付の図面と併せて解釈されると、以下の詳細な説明からより容易に理解され、認識されるだろう。
図1は、被覆されていない酸化鉄ナノ粒子(a)及び本発明に係るオレイン酸で被覆された酸化鉄ナノ粒子を示す。 図2は、被覆されていない(FeO)及びオレイン酸で被覆された(FeO(OA))酸化鉄(Fe)ナノ粒子の粉末X線回折図を示す。 図3は、被覆されていない酸化鉄(FeO)及びオレイン酸で被覆された酸化鉄(FeO(OA))のラマンスペクトルを示す。 図4は、KBr(コントロール)、被覆されていない酸化鉄(FeO)、オレイン酸で被覆された酸化鉄(FeO(OA))及びオレイン酸(OA)のFT−IRスペクトルである。 図5は、振動試料型磁力計(VSM)を用いて室温で測定した、被覆されていない酸化鉄(FeO)及びオレイン酸で被覆された酸化鉄(FeO(OA))のヒステリシスループである。 図6は、被覆された酸化鉄スラリーの磁気強度である。 図7は、水溶液中のオレイン酸官能化(又は、官能性、functionalised)酸化鉄ナノ粒子の様々な比率の組成の安定性を示す。 図8は、NBRラテックス及び水中のオレイン酸官能化酸化鉄ナノ粒子の最大30日の期間に亘る安定性を示す。
驚くべきことに、以下に記載のプロセスを用いて、とりわけ良好な特性を有する酸化鉄ナノ粒子を作製できることを見出した。これらの酸化鉄ナノ粒子はとりわけ良好な磁気特性を有しており、酸化に耐えることができ(例えば、被覆された場合)、また液体媒体(例えば、水、ポリマー前駆体媒体又はポリマー媒体)中で懸濁液を形成する能力を有し、酸化鉄ナノ粒子のより均一な分散を可能にする。
得られる酸化鉄ナノ粒子は≧95%マグネタイト(Fe)を含み、
透過型電子顕微鏡を用いて測定される7〜27nm(例えば、12〜25nm、20〜23nm等)の粒径サイズ、及び
60〜80emu/g(例えば、65〜75emu/g、67〜70emu/g等)の磁化強度(Ms)
を有する。
酸化鉄ナノ粒子は、透過型電子顕微鏡を用いて観察した際、実質的に球形の形状を有してよい。追加的に、又は代替的に、
(i)酸化鉄ナノ粒子は、85〜99%(例えば、90〜95%)の結晶化度、
(ii)以下の実験の節で説明するように測定された0.15〜0.25(例えば、0.16〜0.25、0.17〜0.20等)の多分散性指数、
以下の実験の節で説明するように測定された0.19〜1.84emu/g(例えば、0.25〜1.50emu/g、0.50〜1.00emu/g)の残留磁気、
以下の実験の節で説明するように測定された3.29〜14.71kA/m(例えば、4.20〜11.00kA/m、5.00〜8.50kA/m等)の保磁力(Hc)、
以下の実験の節で説明するように測定された−33〜−49mV(例えば、−45〜−48mV、46.7mV等)のゼータ電位
を有してよい。
本明細書で言及される酸化鉄ナノ粒子の結晶化度は、任意の適切な方法で測定してよい。例えば、結晶化度は、メスバウアー分光法を用いて測定してよい。
上述の酸化鉄ナノ粒子は、以下の工程:
(i)FeCl(又はその溶媒和物)及びFeCl(又はその溶媒和物)の混合物を溶媒中に供給し、当該混合物をNHOHと反応させて、酸化鉄ナノ粒子を含む第1スラリーを形成する工程と、
(ii)第1スラリーから酸化鉄ナノ粒子を分離する工程と、
(iii)被覆されていない酸化鉄ナノ粒子を溶媒で洗浄して、被覆されていない酸化鉄ナノ粒子のウェットケーキを形成する工程と
を含む方法を用いて準備してよい。
分離する工程(ii)及び洗浄する工程(iii)は、以下のプロセス:
(a)第1スラリーに磁力を印加して、酸化鉄ナノ粒子を沈降させ(又は、まとめる、settle)、溶媒をデカントする工程、及び
(b)溶媒を加えて、第2スラリーを形成し、その後、第1スラリーに磁力を印加して、酸化鉄ナノ粒子を沈降させ、溶媒をデカントしてウェットケーキを形成する工程、及び任意で
(c)工程(b)を1回以上繰り返す工程
を含んでよい。
上述のプロセスのある実施形態において、
(a)FeClがFeCl・4HO溶媒和物として存在してよく、FeClがFeCl・6HO溶媒和物として存在してよく、及び/又は
(b)FeCl及び/又はFeClが溶媒和物として存在する場合に、用いられる溶媒和物のモル数に基づいてモル比が計算されるという条件で、FeCl(又はその溶媒和物)及びFeCl(又はその溶媒和物)が、0.5:3〜1:1(例えば、0.75:2〜1:1.75、1:1.5等)のモル比で存在してよい。
本発明の特定の実施形態において、上述のプロセスは、以下の条件:
(a)工程(i)において、溶媒は水であってよい、
(b)工程(i)において、NHOHは12Mの水溶液であってよく、100mL/分の速さで混合物に加えてよい、
(c)工程(i)において、機械式の攪拌機を用いて、100rpm〜1000rpm(例えば、200rpm〜700rpm、500rpm等)の速さで混合物及び第1スラリーを撹拌してよい、
(d)工程(i)において、反応温度は50〜70℃(例えば、55〜65℃、60℃等)であってよい、
(e)工程(i)において、NHOHを全量加えた後、第1スラリーを20分〜120分、例えば90分等の間撹拌してよい、
(f)工程(i)において、NHOHを全量加えた後、第1スラリーが9.5以下のpHを有するまで反応を継続してよい、
の1つ以上を施してよい。
加えて、上述の酸化鉄ナノ粒子に更なる処理工程を施して、被覆された酸化鉄ナノ粒子を提供してよい。これらの被覆された酸化鉄ナノ粒子は、酸化鉄ナノ粒子の表面を被覆する被覆剤を更に含む。例えば、被覆剤は、ヘキサデカン酸、テトラデカン酸、ドデカン酸、ウンデカン酸、デカン酸、ステアリン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、メルカプトシラン、アミノシラン及びオレイン酸からなる群から選択されてよい。本明細書で言及してよい特定の被覆剤は、オレイン酸を含む。
本発明のある実施形態において、被覆剤は、酸化鉄ナノ粒子の表面上の単層被覆、2層被覆又は多層被覆を形成してよい。すなわち、被覆が2層被覆である場合、被覆剤は、酸化鉄ナノ粒子の表面と相互作用して(又は、相互に、interactive)接触している第1被覆層、及び第1被覆層と相互作用する第2被覆層を形成してよい。単層及び多層との用語は、本明細書で提供される2層の定義に基づいて理解され得る。
本明細書で言及してよい本発明の特定の実施形態において、被覆は2層の形態であってよい。
被覆された酸化鉄ナノ粒子は、以下の特性:
透過型電子顕微鏡を用いて測定される6〜25nm(例えば、8〜23nm)の粒径サイズ、
62〜75emu/g(例えば、65〜68emu/g)の磁化強度(Ms)、
0.13〜0.25(例えば、0.14〜0.20)の多分散性指数、
0.80〜1.07emu/g(例えば、0.85〜1.00emu/g)の残留磁気、及び又は
6.47〜8.57kA/m(例えば、6.95〜7.75kA/m)の保磁力(Hc)、
−45〜−55mV(例えば、−50〜−51mV)のゼータ電位、
酸化を受けた際に、1%〜6%(例えば、2%〜5.5%、5.2%等)だけ低下する磁気強度、
20日から100日(例えば、30日から90日、30日から90日等)の水安定性又は水/ラテックス媒体安定性
の1つ以上を有してよい。
酸化に対する耐性、媒体中での均一性及び媒体中での安定性を得ることが従来の酸化鉄ナノ粒子にとってとりわけ困難な特性であることは留意されるだろう。
被覆された酸化鉄ナノ粒子を、
(a)上述の方法で作製した酸化鉄ナノ粒子を提供する工程と、
(b)当該提供された酸化鉄ナノ粒子を被覆剤と混合して混合物を提供し、そこから被覆された酸化鉄ナノ粒子を製造する工程と
により提供してよい。
本明細書で言及してよい本発明の特定の実施形態において、酸化鉄ナノ粒子を酸化鉄ナノ粒子のウェットケーキとして提供してよい。例えば、ウェットケーキはナノ粒子と水とを含んでよい。
上述のプロセスの工程(b)において、被覆剤を被覆されていない酸化鉄ナノ粒子に0.2:1より大きい重量/重量の比(例えば、2.5:1〜2:1、3:1〜1:1等)で加えてよい。重量/重量の比が用いられる材料の乾燥重量に基づくことは理解されるだろう。
被覆剤は、オレイン酸、ヘキサデカン酸、テトラデカン酸、ドデカン酸、ウンデカン酸、デカン酸、ステアリン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、メルカプトシラン及びアミノシランからなる群から選択されてよい。本明細書で言及されてよい特定の被覆剤はオレイン酸を含み、オレイン酸を被覆されていない酸化鉄ナノ粒子に0.2:1より大きい重量/重量の比(例えば、2.5:1〜2:1、3:1〜1:1等)で加える。
工程(b)において、上記混合物を第2期間の間超音波処理して被覆された酸化鉄ナノ粒子を提供する前に、混合物に第1期間の間機械的混合を施してよい(例えば、第1期間は1分間〜1時間であり、超音波処理は5分間〜10時間、15分間〜2時間等、例えば1時間である)。例えば、超音波処理の出力は85〜90Wである。
上述のプロセスが均一に分散され得る酸化鉄ナノ粒子を提供し得ることは認識されるだろう。
上述のプロセスは、被覆された酸化鉄ナノ粒子を、材料の溶液又は材料の溶融した形態(例えば、ポリマー、又は合成ラテックス、NBRラテックス等)に加えて、含浸酸化鉄ナノ粒子混合物を形成する追加の工程を更に含んでよい。加えて、その後、含浸酸化鉄ナノ粒子混合物を用いて、含浸酸化鉄ナノ粒子混合物から物品(例えば、NBRラテックス物品)を形成してよい。
材料の溶液又は材料の溶融した形態は、ポリマー溶液、溶融したポリマー、あるいは、反応及び/又は硬化することができて、ポリマー材料を形成する反応混合物であってよい。代替の実施形態において、当該材料は、紙、段ボール又は布を形成するのに用いられる成分の混合物であってよい。本発明の特定の実施形態において、当該材料はラテックス溶液(例えば、合成ラテックス溶液、ニトリルゴム(NBR)等)であってよい。
上述のプロセスは、
(i)62〜75emu/g(例えば、65〜68emu/g)の磁化強度(Ms)、
(ii)−45〜−55mV(例えば、−50〜−51mV)のゼータ電位、
(iii)酸化を受けた際に、1%〜6%(例えば、2%〜5.5%、5.2%等)だけ低下する磁気強度を有し、及び
(iv)20日から100日(例えば、30日から90日、30日から90日等)の間、水又は水/ラテックス媒体中で安定である
から選択される1つ以上の特性を有する被覆された酸化鉄ナノ粒子を作製するのに用いてよい。
本発明の範囲内にある被覆された酸化鉄ナノ粒子を製造するプロセスを以下に説明する。以下に記載のプロセスが、本発明の全ての態様及び実施形態に対して必須でない追加の成分を含んでよいことは認識されるだろう。
半乾きのナノ磁性酸化鉄ナノ粒子に種々の量の界面活性剤を加え、手動で撹拌し(表1に記載の量)、その後、12MのNHOHを加えた。得られた懸濁液は、超音波発生装置(又は、音波発生装置、sonicator)を用いて超音波で1時間処理され、本明細書において「ナノMAG」と記載されてよい。
本明細書で用いられる酸化鉄は、他に記載が無い限り、マグヘマイト(γ−Fe)若しくはマグネタイト(Fe)、又はそれらの組み合わせである。本明細書で用いられる界面活性剤は、他に記載が無い限り、脂肪酸(オレイン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ドデカン酸(ラウリン酸)(Luaric acid)、ウンデカン酸、デカン酸(カプリン酸)、ステアリン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、トリデカン酸(C13)、ペンタデカン酸(C15)、若しくはヘプタデカン酸(C17))、又はカップリング剤(3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンチオール、又はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、あるいは、それらの組み合わせである。
また、本明細書に記載の酸化鉄ナノ粒子を含む材料(例えば、ポリマー、紙、段ボール若しくは布、又はより詳細には、合成ラテックス、ニトリルゴム(NBR)等)から形成される物品が提供される。
方法
ゼータサイザー
マルバーンのゼータサイザーナノZSを選択して、IONP(酸化鉄ナノ粒子)のゼータ電位、粒子サイズ分布及び多分散性を調査した。これは、凝集の高度検出、並びに小さい又は希釈されたサンプル及び非常に低い又は高い濃度のサンプルの測定に用いられる動的光散乱を用いた高性能な2角度の粒子及び分子サイズの分析装置である。この技術は、ブラウン運動に基づく粒子移動の拡散を測定し、その後、ストークス−アインシュタインの関係を用いてそれをサイズ及びサイズ分布に変換する。約0.001gのIONPを準備して5mlのDI水中に分散させた。更に、0.2mlの3Mの水酸化アンモニウムを滴下した。溶液はpH10である。IONPを脱イオン水中に十分に分散させることを確実にするため、溶液を1時間超音波処理した。レーザーを安定させるために、ゼータサイザー機器の電源を30分間入れた。次に、分散溶液を、流体力学的サイズ(又は、流体力学的半径、hydrodynamic size)及びゼータ電位をそれぞれ測定する使い捨てのポリスチレン(DTS0012)中及び折り畳まれたキャピラリーセル(folded capillary cell)(DTS1060)中に注入した。その後、所要のセルを機器に挿入し、温度を安定させた。最後に、スラリーの電荷(又は、荷電、charge)及び粒子サイズ分布の測定を解析し、結果を集めた。
高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)
HRTEM分析をJEM−2100F機器により加速電圧200kVで行った。これは、単一のサンプルからの像及び回折の情報の両方を取り出す能力のおかげと考える材料科学者にとって、特性評価技術のリストにおける主要なサポートとなっている。更に、サンプル上で加速されたビーム電子で生じる放射により、材料特性を決定することができる。これは、非常に小さく微小な格子縞間隔を観察することができる1.6倍の倍率までの高倍率を提供する。HRTEMの特性評価の前に、分散させたIONPを300メッシュの銅グリッド上に滴下することにより、サンプルを準備した。準備したサンプルを一晩置いた。その後、HRTEMに挿入する前に、銅グリッド上に準備したサンプルをHRTEMサンプルホルダーの中に配置した。IONPの像を選択し、50000倍、100000倍及び500000倍の倍率で撮影した。サイズ及び格子縞間隔をimage−Jで測定した。100個のIONP粒子を測定した後、粒子サイズ分布をプロットすることができ、XRD情報を支持するのに格子縞間隔を用いた。
振動試料型磁力計(VSM)
VSMは1956年にサイモン・フォーナー(Simon Foner)(MITの科学者)により発明され、反磁性、常磁性、強磁性及び反強磁性の多種多様な材料の磁気特性を決定するのに広く用いられている。振動試料型磁力計(Lakeshore−VSM7407)を用いてIONPの磁気特性を調査した。約0.03gのIONPをサンプルホルダーに準備し、電磁石の極の間の1対のピックアップコイルの中心に配置した。サンプルをトランスデューサアセンブリのサンプルロッドに取り付け、駆動コイルの中心を通過させる。71Hzの周波数でオシレーターで自身が駆動されるパワーアンプでトランスデューサを駆動した。磁場(又は、磁化磁界、magnetizing field)に垂直なz軸に沿ってサンプルを振動させ、磁気特性自体を示す信号を誘起した。10000kA/m〜−10000kA/m及び−10000kA/m〜10000kA/mの連続ヒステリシス及び磁場を適用して、IONPの磁化飽和(Ms)、保磁力(Hc)及び残留磁化(Mr)を確認した。
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)
FTIRスペクトルは、分子の吸収及び透過率(特定の周波数のエネルギー)示し、IONPの官能基、他の付着した分子の官能基、及びIONPと分子との間に結び付いた官能基を決定するのに有用である。サンプルホルダーにサンプルを置く前に、サンプルホルダーをアセトンで洗浄した。約0.3mgのIONPを4mgのKBrと混合し、成形して、ペレットを形成した。ペレットをFTIRに設置し、IR放射をペレットに通過させた。IR放射の幾らかはサンプルで吸収され、その幾らかは透過により通過した。FTIRの分解能を400cm−1〜4000cm−1の波長範囲において16スキャンで4cm−1に設定した。FTIRスペクトルを標識ピーク(又は、分類されたピーク、labelled peak)で収集した。
ラマン分光法
本研究では、ラマン分光法(高性能CCDカメラ及びLEILA(又は、ライカ、LEILA)の顕微鏡を用いてレニショーのin via Reflux)を使用した。これは化学構造及び物理的形態に関する情報を提供するのに広く用いられる振動分光技術の1つである。これは、高い横方向分解能(又は、方位分解能、lateral resolution)を用い、特徴的なスペクトルパターンから物質(相)、及びIONP中の物質の量を定量的又は判定量的に決定するのに用いられた。約0.05gのサンプルをサンプルホルダー中に置き、その後、ラマン分光器に挿入した。試験のプロセスにおいて試料の分解及び蛍光発光が起こり得る。このことは、IONPのような高感度材料に大きな影響を与えるだろう。従って、0.2mVのレーザー出力の1パーセントを選択して180秒の曝露時間でIONPを分析した。本研究では、アルゴンガスレーザー(514nm)を選択した。その分解能により1800mm−1のスペクトルが良好なスペクトルをプロットするのに十分であるからである。50倍(×50)の対物レンズでレーザービームを集光することにより散乱放射を集め、また、試料上のレーザースポットは514nmの励起で約0.836μmであった。得られたラマンスペクトルを解析し、IONPの種々の相を決定した。
実施例1
酸化鉄ナノ粒子の準備
60℃の脱イオン(DI)水(680mL)に、強く撹拌しながら(500rpm)、完全に溶解したFeCl・4HOの水溶液(28.16g、141.64mmol、100mLのHO中)、及び完全に溶解したFeCl・6HOの水溶液(57.42g、212.43mmol、100mLのHO中;FeCl・4HO/FeCl・6HOのモル比が1:1.5)を連続して加えた。次いで、100mL/分の速さで、水酸化アンモニウム(12M、1000mL)を上記溶液に加えた。反応混合物を60℃で更に90分撹拌した。磁石を用いて反応混合物から沈殿を分離してウェットケーキを形成し、次いで、DI水を加え、水の除去のサイクル及び除去を何度も繰り返した。次いで、過剰な水を取り除き、ナノ磁性粒子を半乾きの状態に保って凝集を防止した。
図1aは、得られた被覆されていないナノ磁性酸化鉄のTEM像を示す。
実施例2
官能化酸化鉄ナノ粒子の準備
1gの準備1の半乾きの酸化鉄ナノ磁性粒子にオレイン酸(5mL、0.45g)を撹拌しながら加え、その後、NHOH(12M、5mL)を加えた。得られた混合物を1時間超音波処理(又は、音波処理、sonicated)した。
図1bは、本発明の被覆された酸化鉄粒子を示す。
図2は、実施例1のオレイン酸で被覆された(FeO(OA))酸化鉄ナノ粒子と対照して、準備1で得られた被覆されていない酸化鉄(FeO)について得られたX線粉末回折の結果を示す。示されるように、粉末回折の結果は、両方の材料が特徴的なピークを有する酸化鉄を含むことを示した。X線粉末回折の実験で得られた結果に基づくと、FeO及びFeO(OA)の結晶サイズは同等なようである。しかし、このことが被覆されていない酸化鉄ナノ粒子が凝集する可能性を考慮していないことは認識されるだろう。
流体力学的測定の技術(例えば、ゼータサイザー)を用いて検討すると、被覆されていない粒子は、僅かにサイズが大きい(表2参照)。この差異は、より低いゼータ電位Zp(表2)により示唆されるように、おそらくほぼ溶液中での被覆されていない酸化鉄ナノ粒子の凝集に起因するものである。Zpは溶液中の粒子の安定性の指標である。従って、流体力学的粒子(hydrodynamic particles)は、TEM分析を用いて測定したものと比較して僅かに大きなサイズを有するが、FeO及びFeO(OA)の粒子サイズはなおナノサイズ化されている(又は、ナノサイズである、nanosized)。加えて、被覆されていない酸化鉄ナノ粒子における凝集の実際の度合いが、ここで示されるものより幾らか高いことがあり得ることに留意すべきである。
図3は、被覆されていない酸化鉄(FeO)及びオレイン酸で被覆された酸化鉄(FeO(OA))のラマンスペクトルを示す。668cm−1及び700cm−1における強いピークの存在により、両方のサンプルがそれぞれ、マグネタイト磁性相(又は、磁気相、magnetic phase)及びマグヘマイト磁性相を含むことが分かった(Slavov,L., M.V.Abrashevら(2010)、Journal of Magnetism and Magnetic Materials、322(14):1904〜1911)。しかし、いずれの組成もヘマタイト相又はゲータイト(geotite)相の存在を示さなかった。
図4は、オレイン酸で被覆された酸化鉄(FeO(OA))、被覆されていない鉄(FeO)、KBr(コントロール)及びオレイン酸(OA)のFT−IRスペクトルを示す。示されるように、FeO及びFeO(OA)が580cm−1における(Fe−O)(A)結合の特徴的な吸収バンドを示すことを理解でき(Ma,M., Y.Zhangら(2003)、Colloids and Surfaces A:Physicochemical and Engineering Aspects 212(2〜3):219−226;Slavof ibid)、これはサンプルが酸化鉄であることを示しており、両方のサンプルが酸化鉄粒子を含むことを裏付ける。OAは、それぞれ2800〜3000cm−1及び1390〜1420cm−1におけるC−H伸縮バンド(D)及び変角(bending)バンド(B)の存在により検出することができる。これらのバンドはFeO(OA)でも示され、サンプル中の少ないOA含有量に起因して、当該バンドの小さなピークサイズを有する。OAは、(C)(1690〜1760cm−1)においてC=Oのバンドも示す。しかし、このバンドは、カルボキシル基と酸化鉄との間の、C=O振動を阻害する強い相互作用に起因してFeO(OA)では検出されないことがあり得る。3400cm−1におけるバンドは、O−H変角(E)振動に起因する。これらの結果は、FeO(OA)がFe−O及びC−Hに対応する振動を含むことを示しており、組成中の酸化鉄及びOAの両方の存在をそれぞれ裏付ける。
FeO及びFeO(OA)について、振動試料型磁力計(VSM)を用いて室温で測定したヒステリシスループを図5に示す。合成した磁性NPは超常磁性挙動を示し、観察された非常に小さな保磁力及び磁気残留磁気(magnetic remanence)を有する。FeO及びFeO(OA)の飽和磁化の値はそれぞれ、〜80.6、及び〜66.2である。組成物の磁気特性に対するバリアとして振る舞う被覆材料に起因して、被覆されたナノ粒子がより低い値を与えたと推測される。
酸化鉄ナノ粒子について被覆剤としてオレイン酸を使用することは、ナノ粒子の凝集だけでなく、図6に示すような酸素による酸化も防止する。酸化遅延剤(又は、抑制剤、retarder)を用いてサンプルを比較し、サンプルを125℃の温度に25分間加熱し、その後、磁気特性を特徴付けた。処理されていないFeOサンプルと比較して、被覆されていない酸化鉄(FeO)について18.9%の低下と比較して、加熱されなかったサンプルと比較して、オレイン酸で被覆された酸化鉄ナノ粒子(FeO(OA))は、酸化を遅らせることができ、磁気強度は5.2%だけ低下することが分かった。
実施例3
酸化鉄とオレイン酸との比率を最適化するために、準備1で記載したように半乾きの酸化鉄を準備した。種々の量のオレイン酸を半乾きのナノ磁性酸化鉄ナノ粒子に加え、手動で撹拌し、その後、12MのNHOHを加えた(表3に記載の量)。超音波発生装置を用いて、得られた懸濁液を超音波で1時間処理した。
図7に示すように、0.2:1より大きいオレイン酸:酸化鉄ナノ粒子の比率が、溶液中で安定な被覆されたナノ粒子を得るのに必要であると思われる。水酸化アンモニウムが溶液中の被覆された酸化鉄ナノ粒子の安定性に影響を与えないようであることは認識されるだろう。
実施例4
次に、水及びNBRラテックス中におけるオレイン酸で被覆された酸化鉄ナノ粒子の安定性を調査した。
初めに、ブラシ及び洗剤を用いて混合タンクを徹底的に洗浄して、調合プロセスの間汚染がないことを確実にした。700gの全固形分(TSC)43%のNBRラテックスを濾過し、混合タンクに移した。それを50rpmの攪拌速度で30分間攪拌した。その後、ラテックスのpHをpH9.6〜9.7に調節した。ラテックスのTSCが43%に保持されることを連続的に確認した。次に、18.06gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)をラテックスにゆっくり加え、1時間攪拌を続けた。再度、化合物ラテックスのpHを測定し、pH9.6〜9.7に調節した。その間、3.61gのジブチルジチオカルバメート(ZDBC)、7.02gの硫黄、6.52gの酸化亜鉛(ZnO)及び9.03gの二酸化チタン(TiO)を量り分けた。これらの化学物質全てをラテックス化合物にゆっくり加え、更に1時間攪拌した。その後、攪拌速度を30rpmに落とし、一晩置いた。調合したラテックスのTSCを確認し、DI水で23%に希釈した。この段階で、5、10、15及び20phrの被覆されたIONP並びに12.04gのアクアワックスを調合したラテックスにゆっくり加えた。TSC及びpHを制御及び記録しながら、それを1時間攪拌した。
図8は、水及びNBRラテックス中のFeOx(OA)のある期間に亘る安定性を示す。オレイン酸の充填(loading)量は、酸化鉄1g当たり0.4gであった。図8に示すように、FeOx(OA)ナノ粒子は、水及びNBRラテックスの両方において少なくとも30日間安定である。当該観察された安定性はZp値(実施例1参照)と一致している。

Claims (31)

  1. ≧95%マグネタイト(Fe)を含み、以下の特性:
    透過型電子顕微鏡を用いて測定される7〜27nm(例えば、12〜25nm、20〜23nm等)の粒径サイズ、及び
    60〜80emu/g(例えば、65〜75emu/g、67〜70emu/g等)の磁化強度(Ms)
    を有する酸化鉄ナノ粒子。
  2. 85〜99%の結晶化度(例えば、90〜95%)、及び/又は
    実質的に球形の形状
    を有する請求項1に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  3. 0.15〜0.25(例えば、0.16〜0.25、0.17〜0.20等)の多分散性指数を有する請求項1又は2に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  4. 0.19〜1.84emu/g(例えば、0.25〜1.50emu/g、0.50〜1.00emu/g)の残留磁気、及び
    3.29〜14.71kA/m(例えば、4.20〜11.00kA/m、5.00〜8.50kA/m等)の保磁力(Hc)
    を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  5. −33〜−49mV(例えば、−45〜−48mV、46.7mV等)のゼータ電位を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  6. 前記酸化鉄ナノ粒子の表面を被覆する被覆剤を更に含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  7. 前記被覆された酸化鉄ナノ粒子が、
    透過型電子顕微鏡を用いて測定される6〜25nm(例えば、8〜23nm)の粒径サイズ、及び/又は
    62〜75emu/g(例えば、65〜68emu/g)の磁化強度(Ms)
    を有する請求項6に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  8. 前記被覆剤が、オレイン酸、ヘキサデカン酸、テトラデカン酸、ドデカン酸、ウンデカン酸、デカン酸、ステアリン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、メルカプトシラン及びアミノシランからなる群から選択される請求項6又は7に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  9. 前記被覆剤がオレイン酸である請求項8に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  10. 前記被覆剤が、前記酸化鉄ナノ粒子の前記表面上の単層被覆、2層被覆又は多層被覆を形成している請求項6〜9のいずれか1項に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  11. 0.13〜0.25(例えば、0.14〜0.20)の多分散性指数を有する請求項6〜10のいずれか1項に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  12. 前記酸化鉄ナノ粒子が、
    0.80〜1.07emu/g(例えば、0.85〜1.00emu/g)の残留磁気、及び/又は
    6.47〜8.57kA/m(例えば、6.95〜7.75kA/m)の保磁力(Hc)
    を有する請求項6〜11のいずれか1項に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  13. 前記被覆された酸化鉄ナノ粒子が、
    (i)−45〜−55mV(例えば、−50〜−51mV)のゼータ電位を有し、及び/又は
    (ii)酸化を受けた際に、1%〜6%(例えば、2%〜5.5%、5.2%等)だけ低下する磁気強度を有し、及び/又は
    (iii)20日から100日(例えば、30日から90日、30日から90日等)の間、水又は水/ラテックス媒体中で安定である
    請求項6〜12のいずれか1項に記載の酸化鉄ナノ粒子。
  14. 酸化鉄ナノ粒子(例えば、請求項1〜5に記載の酸化鉄ナノ粒子)の製造方法であって、前記プロセスが、
    (i)FeCl(又はその溶媒和物)及びFeCl(又はその溶媒和物)の混合物を溶媒中に供給し、当該混合物をNHOHと反応させて、酸化鉄ナノ粒子を含む第1スラリーを形成する工程と、
    (ii)前記第1スラリーから前記酸化鉄ナノ粒子を分離する工程と、
    (iii)前記被覆されていない酸化鉄ナノ粒子を溶媒で洗浄して、被覆されていない酸化鉄ナノ粒子のウェットケーキを形成する工程と
    を含む製造方法。
  15. 前記分離する工程(ii)及び前記洗浄する工程(iii)が、
    (a)前記第1スラリーに磁力を印加して、前記酸化鉄ナノ粒子を沈降させ、前記溶媒をデカントする工程、及び
    (b)溶媒を加えて、第2スラリーを形成し、その後、前記第1スラリーに磁力を印加して、前記酸化鉄ナノ粒子を沈降させ、前記溶媒をデカントしてウェットケーキを形成する工程、及び任意で
    (c)工程(b)を1回以上繰り返す工程
    を含む請求項14に記載の製造方法。
  16. (a)FeClがFeCl・4HO溶媒和物として存在し、FeClがFeCl・6HO溶媒和物として存在し、及び/又は
    (b)FeCl及び/又はFeClが溶媒和物として存在する場合に、用いられる前記溶媒和物のモル数に基づいてモル比が計算されるという条件で、FeCl(又はその溶媒和物)及びFeCl(又はその溶媒和物)が、0.5:3〜1:1(例えば、0.75:2〜1:1.75、1:1.5等)のモル比で存在する
    請求項14又は15に記載の製造方法。
  17. 工程(i)において、
    (a)溶媒は水であり、及び/又は
    (b)NHOHは12Mの水溶液であり、100mL/分の速さで混合物に加え、及び/又は
    (c)機械式の攪拌機を用いて、100rpm〜1000rpm(例えば、200rpm〜700rpm、500rpm等)の速さで前記混合物及び前記第1スラリーを撹拌し、
    (d)前記反応の前記温度が50〜70℃(例えば、55〜65℃、60℃等)であり、及び/又は
    (e)NHOHを全量加えた後、前記第1スラリーを20分〜120分、例えば90分等の間撹拌し、及び/又は
    (f)NHOHを全量加えた後、前記第1スラリーが9.5以下のpHを有するまで前記反応を継続する
    請求項14〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 前記酸化鉄ナノ粒子が、
    (i)≧95%マグネタイト(Fe)を含み、及び/又は
    (ii)60〜80emu/g(例えば、65〜75emu/g、67〜70emu/g等)の磁化強度(Ms)を有し、及び/又は
    (iii)−33〜−49mV(例えば、−45〜−48mV、−46.7mV等)のゼータ電位を有し、及び/又は
    (iv)透過型電子顕微鏡を用いて測定した際、7〜27nm(例えば、12〜25nm、20〜23nm等)の粒子サイズを有する
    請求項14〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
  19. 前記プロセスが、
    (a)請求項14〜18のいずれか1項に記載の製造方法で作製した酸化鉄ナノ粒子を提供する工程と、
    (b)前記被覆されていない酸化鉄ナノ粒子を被覆剤と混合して混合物を提供し、そこから被覆された酸化鉄ナノ粒子を製造する工程と
    を含む後のプロセスにおいて、被覆された酸化鉄ナノ粒子を形成することを更に含む請求項14〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
  20. 工程(a)において、前記酸化鉄ナノ粒子を酸化鉄ナノ粒子のウェットケーキとして提供する(例えば、ウェットケーキは前記ナノ粒子と水とを含む)請求項19に記載の製造方法。
  21. 工程(b)において、前記被覆剤を前記酸化鉄ナノ粒子に0.2:1より大きい重量/重量の比(例えば、2.5:1〜2:1、3:1〜1:1等)で加える請求項19又は20に記載の製造方法。
  22. 工程(b)において、前記混合物を第2期間の間超音波処理して前記被覆された酸化鉄ナノ粒子を提供する前に、前記混合物に第1期間の間機械的混合を施す(例えば、前記第1期間は1分間〜1時間であり、前記超音波処理は5分間〜10時間、15分間〜2時間等、例えば1時間である)請求項19〜21のいずれか1項に記載の製造方法。
  23. 前記超音波処理の出力が85〜90Wである請求項22に記載の製造方法。
  24. 前記被覆された酸化鉄ナノ粒子が、
    (i)≧95%マグネタイト(Fe)を含み、及び/又は
    (ii)62〜75emu/g(例えば、65〜68emu/g)の磁化強度(Ms)を有し、及び/又は
    (iii)−45〜−55mV(例えば、−50〜−51mV)のゼータ電位を有し、及び/又は
    (iv)酸化を受けた際に、1%〜6%(例えば、2%〜5.5%、5.2%等)だけ低下する磁気強度を有し、及び/又は
    (v)20日から100日(例えば、30日から90日、30日から90日等)の間、水又は水/ラテックス媒体中で安定であり、及び/又は
    (vi)透過型電子顕微鏡を用いて測定される6〜25nm(例えば、8〜23nm)の粒子サイズを有する
    請求項19〜24のいずれか1項に記載の製造方法。
  25. 工程(b)において、前記被覆された酸化鉄ナノ粒子を均一に分散させる請求項19〜24のいずれか1項に記載の製造方法。
  26. 前記プロセスが、
    (c)前記被覆された酸化鉄ナノ粒子を、材料の溶液又は材料の溶融した形態(例えば、ポリマー溶液、溶融したポリマー、あるいは、反応及び/又は硬化することができて、ポリマー材料、紙前駆体、段ボール前駆体若しくは布前駆体、又はより詳細には、合成ラテックス溶液、例えばニトリルゴム(NBR)等を形成する反応混合物)溶液に加えて、含浸酸化鉄ナノ粒子混合物を形成する工程
    を更に含む請求項19〜25のいずれか1項に記載の製造方法。
  27. 前記プロセスが、
    (d)前記含浸酸化鉄ナノ粒子混合物からの物品、又は前記含浸酸化鉄ナノ粒子混合物を含む物品を形成する工程
    を更に含む請求項26に記載の製造方法。
  28. 前記被覆剤が、オレイン酸、ヘキサデカン酸、テトラデカン酸、ドデカン酸、ウンデカン酸、デカン酸、ステアリン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、メルカプトシラン及びアミノシランからなる群から選択される請求項19〜27のいずれか1項に記載の製造方法。
  29. 前記被覆剤がオレイン酸である請求項28に記載の製造方法。
  30. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の酸化鉄ナノ粒子を含む材料を含む物品。
  31. 前記酸化鉄ナノ粒子が実質的に均一に前記材料の全体に亘って分布している請求項30に記載の物品。
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