JP2018521390A - ブロックチェーンを基礎としたトランザクションにおける不正利用検知のための方法及びシステム - Google Patents

Abstract

私的に検証されたアイデンティティへブロックチェーントランザクションをリンクさせる方法において、アカウントプロファイルを格納するステップと、トランザクションメッセージを受信するステップと、第１のアカウントプロファイルを識別するステップと、第２のアカウントプロファイルを識別するステップと、トランザクション通知を受信するステップと、リンクを格納するステップとを含む方法。

Description

関連出願の相互参照

本願は、米国特許出願第14/719,030号（2015年5月21日出願）の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体をここに参照のために取り込む。

本開示は、ブロックチェーントランザクションを私的に検証されるアイデンティティへリンクさせることに関し、特に、トランザクションデータと格納されたアカウントプロファイルとに基づいて、トランザクションに関連付けられた消費者又は販売者へブロックチェーントランザクションを関連付けることに関する。

近年、匿名性及び安全性に価値をおく消費者によって、伝統的な不換通貨に比べてブロックチェーン通貨の使用が増大している。ブロックチェーンを使用する通貨（例えば、暗号化される通貨（「暗号通貨」））は、消費者へ、分散され且つ使用時に比較的匿名性があり安全である通貨を提供する。例えばブロックチェーンへポストされるトランザクションは、通貨の送信者又は送受信者についての任意の情報を要求しなくてよいので、トランザクションにおける支払人及び受取人が匿名性を保持することを可能にする。そのようなブロックチェーントランザクションの態様は、プライバシーを維持したい消費者にとって非常に好ましく、彼らの情報の盗取による詐欺の可能性を低減するのに役立つ。

しかし、ブロックチェーン通貨はしばしば、支払人の情報に対する安全性及びセキュリティを提供可能である一方、そのようなセキュリティは、ブロックチェーンの制限によって、受取人にとって限定されているおそれがある。例えば、ブロックチェーンを基礎としたトランザクションが処理されるには、ブロックチェーンを検証及び更新するのに必要なコンピュータ処理時間及びリソースによって、膨大な時間がかかる（約１０分）。反対に、支払ネットワークを用いて処理される伝統的な不換通貨トランザクションは、しばしば、ナノ秒単位で測定される処理時間を要する。結果的に、速いトランザクション時間に慣れた消費者及び販売者はしばしば、ブロックチェーントランザクションが実行されるのに膨大な時間を待つことを余儀なくされるか、又は、受取人は、移転が有効であることにつき支払人が誠実であることに依存せざるを得ない。後者の場合、ブロックチェーンの匿名性は、受取人を不利な立場におく。というのも、受取人が支払人を識別不可能であることによって、受取人は、様々なリスク又は詐欺の検出手段を使用することを妨げられるからである。したがって、多くのエンティティ（特に販売者、小売人、サービス提供者及び、商品又は役務の他の調達者）は、製品につきブロックチェーン通貨を受け付けることと、ブロックチェーントランザクションに参加することに注意深いことがある。

更に消費者自身は、しばしばブロックチェーン通貨を使用することを渋るかもしれない。ブロックチェーン通貨は分散しており、ブロックチェーンに依存してどのアカウントがどの通貨金額へアクセスを有するかを追跡する。このため、周知で理解されている伝統的な不換通貨及びアカウントに特に関して、消費者によって、ブロックチェーン通貨を採用すること（まして理解すること）は困難であり得る。自身の通貨を金融機関のアカウント内に保持させることに慣れている消費者にとって、このことは特に厄介である。ブロックチェーン通貨の性質としては、通貨が関連付けられた任意の所定のアドレスへのアクセスは、電子的な証明書（しばしば電子ウォレット、e-ウォレット又は単に「ウォレット」として示される）の保有に基づいて制御されることである。したがって、もしウォレットが紛失され、捨てられ又は盗取されれば、関連付けられた通貨は権限のある保有者によってもしばしば回復不可能であり、彼らの認識及び許可無く使用されるおそれがある。更にブロックチェーンの匿名性によって、消費者はそのアイデンティティ及びウォレットの所有権を証明できないかもしれないので、そのウォレット及び／又は関連付けられた通貨が盗取されても、ほとんど償還請求できない。

したがって、ブロックチェーン通貨を使用するトランザクションの格納及び処理に対し改善が必要である。不換通貨を使用する既存の支払ネットワーク及び支払処理システムは特に、消費者及び販売者の情報及び証明書を安全に格納且つ保護するよう、及び、コンピュータシステム間で機密データを送信するよう、設計及び構成される。更に、既存の支払システムは、しばしば、複雑な計算、リスク評価及び詐欺アルゴリズムアプリケーションを極端に速く実行するよう構成され、不換通貨トランザクションの迅速な処理を確実にする。したがって、伝統的な支払ネットワーク及び支払システムの技術を、ブロックチェーン通貨と組合せて使用することは、アカウント情報の安全性を維持しつつ消費者及び販売者へ分散ブロックチェーンの利益を提供し、詐欺及び盗取に対する強力な防御を提供する。

本開示は、ブロックチェーントランザクションを、私的に検証されるアイデンティティへリンクさせるシステム及び方法を提供する。

私的に検証されたアイデンティティへブロックチェーントランザクションをリンクさせる方法は、
アカウントデータベースへ複数のアカウントプロファイルを格納するステップであって、各アカウントプロファイルは、アカウント識別子とアカウントデータとを少なくとも含むトランザクションアカウントに関連するデータを含む、ステップと、
受信装置によってトランザクションメッセージを受信するステップであって、当該トランザクションメッセージは１以上の基準に基づいてフォーマットされて複数のデータ要素を含み、当該複数のデータ要素は、個人アカウント番号を格納するよう構成された第１のデータ要素と、販売者識別子を格納するよう構成された第２のデータ要素と、少なくともブロックチェーンネットワーク識別子を格納するよう構成された第３のデータ要素とを含む、ステップと、
前記アカウントデータベースに格納された第１のアカウントプロファイルを処理装置によって識別するステップであって、含まれる前記アカウント識別子は、前記受信されたトランザクションメッセージに含まれる前記第１のデータ要素に格納された前記個人アカウント番号に対応する、ステップと、
前記アカウントデータベースに格納された第２のアカウントプロファイルを前記処理装置によって識別するステップであって、含まれる前記アカウント識別子は、前記受信されたトランザクションメッセージに含まれる前記第２のデータ要素に格納された前記販売者識別子に対応する、ステップと、
前記受信装置によってトランザクション通知を受信するステップであって、前記トランザクション通知は、前記第３のデータ要素に格納される前記ブロックチェーンネットワーク識別子に関連付けられたブロックチェーンネットワークであって、前記第３のデータ要素が前記受信されたトランザクションメッセージに含まれるブロックチェーンネットワークを用いて処理されるトランザクションを示し、前記トランザクション通知はトランザクション識別子と、前記第１のアカウントプロファイル及び前記第２のアカウントプロファイルのうち１つに関連付けられたアドレス識別子とを少なくとも含む、ステップと、
前記処理装置によって、前記受信されたトランザクション通知に含まれる前記トランザクション識別子と、前記アドレス識別子、前記個人アカウント番号及び前記販売者識別子のうち少なくとも１つとの間のリンクを格納するステップと、を含む。

私的に検証されたアイデンティティへブロックチェーントランザクションをリンクさせるシステムは、アカウントデータベースと受信装置と処理装置とを含む。アカウントデータベースは、複数のアカウントプロファイルを格納するよう構成され、各アカウントプロファイルは、アカウント識別子とアカウントデータとを少なくとも含むトランザクションアカウントに関するデータを含む。
受信装置は、トランザクションメッセージを受信するよう構成され、当該トランザクションメッセージは１以上の基準に基づいてフォーマットされて複数のデータ要素を含み、当該複数のデータ要素は、個人アカウント番号を格納するよう構成された第１のデータ要素と、販売者識別子を格納するよう構成された第２のデータ要素と、ブロックチェーンネットワーク識別子を格納するよう構成された第３のデータ要素とを含む。
処理装置は、
前記アカウントデータベースに格納された第１のアカウントプロファイルを識別するステップであって、含まれる前記アカウント識別子は、前記受信されたトランザクションメッセージに含まれる前記第１のデータ要素に格納された前記個人アカウント番号に対応する、ステップと、
前記アカウントデータベースに格納された第２のアカウントプロファイルを識別するステップであって、含まれる前記アカウント識別子は、前記受信されたトランザクションメッセージに含まれる前記第２のデータ要素に格納された前記販売者識別子に対応する、ステップと、
を実行するよう構成される。
前記受信装置は更にトランザクション通知を受信するよう構成され、前記トランザクション通知は、前記第３のデータ要素に格納される前記ブロックチェーンネットワーク識別子に関連付けられたブロックチェーンネットワークであって、前記第３のデータ要素が前記受信されたトランザクションメッセージに含まれるブロックチェーンネットワークを用いて処理されるトランザクションを示し、前記トランザクション通知はトランザクション識別子と、前記第１のアカウントプロファイル及び前記第２のアカウントプロファイルのうち１つに関連付けられたアドレス識別子とを少なくとも含む。
前記処理装置は、前記受信されたトランザクション通知に含まれる前記トランザクション識別子と、前記アドレス識別子、前記個人アカウント番号及び前記販売者識別子のうち少なくとも１つとの間のリンクを格納するよう更に構成される。

本開示の範囲は、添付の図面と共に解釈されると、例示的な実施形態についての下記の詳細な記載から最も良く理解される。当該図面には次の図が含まれる。
ブロックチェーン通貨ストレージ及び、私的に検証されたアイデンティティへのリンクを管理するハイレベルのシステムアーキテクチャと、例示的実施形態による支払ネットワークを用いたブロックチェーンネットワークの処理におけるその使用とを示す機能ブロック図である。 例示的実施形態による、ブロックチェーントランザクションを承認しブロックチェーントランザクションを私的に検証されたアイデンティティへリンクさせる図１の処理サーバを示す機能ブロック図である。 例示的実施形態による、不換通貨及びブロックチェーン通貨の断片的な保存を管理する図１のイシュアを示す機能ブロック図である。 例示的実施形態による、トランザクションメッセージ及び支払ネットワークを用いてブロックチェーントランザクションを承認する処理を示す機能ブロック図である。 例示的実施形態による、図２の処理サーバを用いてブロックチェーントランザクションを承認する処理を示すフローチャートである。 例示的実施形態による、ブロックチェーントランザクションの詳細を含むトランザクションメッセージの保存データ要素に含めるためのインボイスの生成を示す機能ブロック図である。 例示的実施形態による、ブロックチェーントランザクションを、私的に検証されたアイデンティティへリンクさせる処理を示すフローチャートである。 例示的実施形態による、不換通貨及びブロックチェーン通貨の断片的保存の管理を示すフローチャートである。 例示的実施形態による、識別されたリスク値に基づいたブロックチェーントランザクションの承認処理を示す機能ブロック図である。 例示的実施形態による、ブロックチェーンを基礎としたトランザクションの例示的な承認方法を示すフローチャートである。 例示的実施形態による、ブロックチェーントランザクションを、私的に検証されたアイデンティティへリンクさせる例示的な方法を示すフローチャートである。 例示的実施形態による、ブロックチェーン通貨の断片的保存を管理する例示的な方法を示すフローチャートである。 例示的実施形態による、リスク値を用いてブロックチェーントランザクションを承認する例示的な方法を示すフローチャートである。 例示的実施形態による、コンピュータシステムアーキテクチャを示す機能ブロック図である。

本開示の更なる応用分野は、下記の詳細な説明から自明である。例示的実施形態の詳細な説明は、例示目的のみを意図しており、本開示の範囲を必要的に制限することを意図しない。

用語解説
支払ネットワーク−現金代替物の使用によって、資金移転で使用されるシステム又はネットワーク。支払ネットワークは、様々な異なるプロトコル及び手順を使用して、様々なタイプのトランザクションのために資金移転を処理してよい。支払ネットワークを介して実行されるトランザクションは、商品又は役務の購入と、クレジット購入と、デビットトランザクションと、資金移転と、口座引き落としとを含んでよい。支払ネットワークは、現金代替物によってトランザクションを実行するよう構成されてよく、これは支払カードと、信用紹介状と、小切手と、トランザクションアカウントとを含んでよい。支払ネットワークとして実行されるネットワーク又はシステムの例は、MasterCard（登録商標）、VISA（登録商標）、Discover（登録商標）、American Express（登録商標）、PayPal（登録商標）によって操作されるものを含む。本書での「支払ネットワーク」との用語は、エンティティとしての支払ネットワークと、物理的支払ネットワーク（例えば、支払ネットワークを含む、機器、ハードウェア、及びソフトウェア）との両方を指す。

トランザクションアカウント−トランザクションへ資金を供給するために使用される金融アカウント（例えば当座預金口座、普通預金口座、クレジット口座、仮想支払口座等）。トランザクションアカウントは消費者と関連付けられてよく、これは、支払アカウントに関連付けられた任意の適切なタイプのエンティティ（人、家族、人の集まり、会社、政府エンティティ等を含んでよい）であってよい。いくつかの実施形態では、トランザクションアカウントは仮想的（例えばPayPal（登録商標）等によって操作されるアカウント等）であってよい。

ブロックチェーン−ブロックチェーンを基礎とした通貨の全てのトランザクションの公共台帳（public ledger）。１以上のコンピュータ装置は、ブロックチェーンネットワークを含んでよく、これはブロックチェーンにおけるブロックの一部としてトランザクションを処理及び記録するよう構成されてよい。一旦ブロックが完成すると、当該ブロックはブロックチェーンへ追加され、したがってトランザクション記録が更新される。多くの実施形態では、ブロックチェーンは時系列順のトランザクションの台帳であってよいし、ブロックチェーンネットワークによる使用に適した他の順番で提示されてもよい。いくつかの実施形態では、ブロックチェーンで記録されたトランザクションは、宛先アドレスと通貨金額とを含んでよい。これによりブロックチェーンは、どれほどの通貨が特定のアドレスへ帰属するかを記録する。いくつかの実施形態では、追加情報（例えばソースアドレス、タイムスタンプ等）が捕捉されてよい。

支払ネットワークにおいてブロックチェーン通貨を使用するためのシステム
図１は、ブロックチェーン通貨及び不換通貨を管理するシステム１００と、支払トランザクションにおけるそのシステムの使用とを示す。このとき、伝統的な支払ネットワーク（検証されたアイデンティティの、ブロックチェーンを基礎としたトランザクションへのリンクを含む）が使用され、ブロックチェーンを基礎としたトランザクションにおけるリスクが評価される。

システム１００では、ブロックチェーントランザクションが、支払人１０２のコンピュータ装置と、受取人１０４のコンピュータ装置との間で生じてよい。本書で使用されるように、「支払人」は、支払トランザクションに資金を供給するコンピュータ装置及び／又は消費者を指してよい。「受取人」は、支払トランザクションにおいて支払を受けるコンピュータ装置及び／又は消費者を指してよい。ブロックチェーントランザクションは、ブロックチェーンネットワーク１０６を含む１以上のコンピュータ装置によって処理されてよい。ブロックチェーンネットワークは、少なくとも、（例えば支払人１０４と関連付けられる）宛先アドレスと、ブロックチェーン通貨の金額とを受信し、トランザクション記録を含むブロックチェーンへ追加されるブロックを生成することによってトランザクションを処理してよい。

支払人１０２のコンピュータ装置は、コンピュータ装置に格納された（例えば電子ウォレットに格納された）暗号鍵を用いてトランザクションリクエストをデジタルに署名してよい。デジタル署名は、暗号鍵を用いて生成されたアドレスであり、当該アドレスを含み、又は当該アドレスと関連付けられてよい。当該暗号鍵は、ブロックチェーンにおいてブロックチェーン通貨と関連付けられてよく、ブロックチェーン通貨を、受取人１０４及び／又はそのコンピュータ装置と関連付けられたアドレスへ転送するために使用されてよい。いくつかの実施形態では、当該アドレスは、１以上のハッシュ及び／又はエンコードアルゴリズム（例えばBase58Checkエンコードアルゴリズム）を用いてエンコードされてよい。ブロックチェーンを基礎としたトランザクションにおけるブロックチェーン通貨の移転のためのアドレスの生成及び使用は、ブロックチェーンネットワーク１０６を使用しており、当業者にとって自明である。

システム１００はまた、支払ネットワーク１０８を含んでよい。支払ネットワーク１０８は、当業者にとって自明な方法及びシステムを用いて、支払トランザクションを処理するよう構成されてよい。システム１００では、支払ネットワーク１０８はまた、処理サーバ１１０を含んでよい。下記でより詳細に記載される処理サーバ１１０は、支払ネットワーク１０８及び伝統的な支払レール（rail）を用いて、ブロックチェーンを基礎としたトランザクションを承認するよう構成されてよいし、ブロックチェーントランザクションを、私的に検証されたアイデンティティ（不換及び／又はブロックチェーントランザクションアカウントを含む）にリンクするよう構成されてよいし、ブロックチェーントランザクションに対するリスク及び処罰の評価を提供するよう構成されてよい。

支払人１０２はイシュア１１２に関連付けられてよい。下記でより詳細に説明されるイシュア１１２は、金融機関（例えば支払人１０２へ１以上のトランザクションアカウントを発行する発行銀行）のコンピュータ装置であってよい。トランザクションアカウントは、１以上の不換通貨トランザクションアカウントと、１以上のブロックチェーン通貨トランザクションアカウントと、１以上の複合通貨トランザクションアカウントと、又は、それらの組合せとを含んでよい。例えば支払人１０２は、不換通貨とブロックチェーン通貨との両方につきイシュア１１２にトランザクションアカウントを有してよく、また、追加の不換通貨トランザクションアカウントをも有してよい。

受取人１０４は、アクワイアラ１１４と関連付けられてよい。アクワイアラ１１４は、金融機関（例えば受取人１０４へ１以上のトランザクションアカウントを発行する加盟店銀行）のコンピュータ装置であってよい。アクワイアラ１１４はイシュア１１２と同等であってよいが、支払人１０２に関するというより受取人１０４に関するものである。いくつかの実施形態では、イシュア１１２及びアクワイアラ１１４は、同一の金融機関であってよい。例えばイシュア１１２は、支払人１０２及び受取人１０４の両方へトランザクションアカウントを提供してよい。

支払人１０２は受取人１０４と、ブロックチェーントランザクションを実行してよい。ブロックチェーントランザクションの一部として、受取人１０４はブロックチェーン通貨の支払の受取のための、宛先アドレスを生成してよい。宛先アドレスは、受取人１０４のコンピュータ装置に格納された暗号鍵を用いて生成されてよい。暗号鍵は鍵ペアの一部（例えばコンピュータ装置に格納された秘密鍵に対応する公開鍵）であってよい。いくつかの実施形態では、受取人１０４は、支払人１０２へ公開鍵を提供してよい。支払人１０２は宛先アドレスを生成してよい。次いで、合意されたブロックチェーン通貨金額の支払を行うために、支払人１０２によって、トランザクションリクエストが、受取人１０４によって提供された宛先アドレスへ提出されてよい。伝統的なブロックチェーントランザクションでは、トランザクションリクエストはコンピュータ装置によってブロックチェーンネットワーク１０６へ提出されてよい。本システム１００では、トランザクションリクエストは、支払ネットワーク１０８の処理サーバ１１０へ提出されてよい。

トランザクションリクエストはトランザクションメッセージであってよく、また、その管理のための１以上の基準（例えば、国際標準化機構のISO8583標準）に基づいてフォーマットされてよい。いくつかの実施形態では、処理サーバ１１０はトランザクションリクエストを受信して、その後のトランザクションメッセージを生成してよい。トランザクションメッセージは複数のデータ要素を含んでよく、これらは１以上の基準に基づいた特定の用途と関連付けられてよい。例えばデータ要素はトランザクション金額を格納するためのデータ要素を含んでよいし、また、私的使用のために保存される少なくとも１つのデータ要素を含んでよい。システム１００では、処理サーバ１１０へ提出されるトランザクションメッセージは、私的使用のために保存されるデータ要素を含んでよい。当該データ要素は、好ましいブロックチェーントランザクションに関連付けられるデータを含む。

例えば私的使用のために保存されるデータ要素は、ネットワーク識別子と、トランザクション金額と、公開鍵及びアドレス識別子の少なくとも１つとを含んでよい。ネットワーク識別子は、ブロックチェーンネットワーク１０６と関連付けられてよい。当該ブロックチェーンネットワーク１０６はトランザクションにおいて移転されるブロックチェーン通貨と関連付けられる。ネットワーク識別子は処理サーバ１１０によって使用されて、結果的に生じるブロックチェーントランザクションのポスティングのために、関連付けられたブロックチェーンネットワーク１０６を識別する。更に、異なる識別子を使用することによって、処理サーバ１１０は、異なる複数のブロックチェーン通貨と関連付けられたブロックチェーンネットワーク１０６とにつき、本開示の機能を実行するよう構成されてよい。

トランザクション金額は、トランザクションの結果として移転されるブロックチェーン通貨の金額であってよい。アドレス識別子は、ブロックチェーン通貨についての宛先アドレスであってよい。当該アドレス識別子は、受取人１０４によって提供され、又は、受取人１０４によって提供される情報（例えば彼らの公開鍵）を用いて支払人１０２によって生成される。データ要素が、アドレス識別子に代えて（例えば受取人１０４と関連付けられた）公開鍵を含む場合、処理サーバ１１０は公開鍵を用いてアドレス識別子を生成するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、アドレス識別子は、１以上のハッシュアルゴリズム及び／又はエンコーディングアルゴリズム（例えばBase58Checkアルゴリズム）を用いてエンコードされてよい。

いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージは複数の受取人１０４についての情報を含んでよい。そのような実施形態では、私的使用のために保存されるデータ要素は、複数のトランザクション金額、関連アドレス識別子、及び／又は公開鍵を含んでよい。他の実施形態では、トランザクションメッセージは私的使用のために保存された複数のデータ要素を含んでよい。その各々は、トランザクション金額、異なるアドレス識別子、及び／又は受取人１０４と関連付けられた公開鍵を含む。いくつかの実施形態では、受取人１０４の一人は、支払人１０２であってよい。例えばブロックチェーントランザクションは、支払人１０２によって保持されるブロックチェーン通貨の残りの金額を含んでよく、したがって、入力されたアドレスから支払人１０２の宛先アドレスへの移転を含んでよい。これは、当業者にとって自明である。

いくつかの実施形態では、私的使用のために保存されるデータ要素、又は、トランザクションメッセージにおいて私的使用のために保存される代替データ要素は、支払人１０２と関連付けられた入力情報を含んでよい。入力情報は、先のブロックチェーントランザクションと関連付けられたトランザクション識別子と、支払人１０２と関連付けられた公開鍵及びデジタル署名とを含んでよい。デジタル署名は、公開鍵に対応する秘密鍵を用いて生成されてよく、支払人１０２によってトランザクション識別子と関連付けられるブロックチェーン通貨金額の所有権の検証のために使用されてよい。これにより、支払人１０２は要求されたトランザクションにおいてブロックチェーン通貨を移転することの承認を受ける。

いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージは支払人１０２によって処理サーバ１１０へ提出されてよい。他の実施形態では、支払人１０２は、イシュア１１２へトランザクション情報を提供する。イシュア１１２は、処理サーバ１１０へトランザクションメッセージを生成及び提出してよい。一旦トランザクションメッセージが処理サーバ１１０によって受信されると、処理サーバ１１０は追加機能（例えば、下記でより詳細に説明される、リスク又は処罰の評価）を実行する。対応するブロックチェーントランザクションは、次いで、私的使用のために保存されたデータ要素に含まれる情報に基づいて、ブロックチェーンネットワーク１０６を用いて処理されてよい。いくつかの実施形態では、ブロックチェーントランザクションは処理サーバ１１０によって開始されてよい。他の実施形態では、処理サーバ１１０はトランザクションメッセージ又はそこに含まれるデータをイシュア１１２へ提供してよい。イシュア１１２はブロックチェーントランザクション（例えば下記のように、トランザクションのリスクを評価した後、支払人１０２が当該トランザクションのために十分なブロックチェーン通貨を有するか否かを評価する等）を開始する。

例えば、下記でより詳細に説明されるように、イシュア１１２は不換通貨及びブロックチェーン通貨の断片的保存を管理する。当該保存には、支払人１０２と関連付けられた通貨のストレージが含まれる。イシュア１１２は、支払人１０２と関連付けられたブロックチェーン通貨のトランザクション金額を格納してよい。これにより、トランザクションが支払人１０２によって試行されたときに、イシュア１１２は、ブロックチェーントランザクションを開始する前に支払人１０２の利用可能資金を検証することができる。当該検証は、トランザクションメッセージを処理サーバ１１０へ提出する前、及び／又は、トランザクションリクエストをブロックチェーンネットワーク１０６へ提出する前に実行される。

他の実施形態では、イシュア１１２は、処理サーバ１１０によって提供され又はイシュア１１２によって実行される評価に基づいて（例えば支払人の利用可能資金と、クレジット履歴と、又は他の詐欺、処罰及び／又は当業者にとって自明なリスク考慮とに基づいて）、トランザクションのリスクを評価してよい。いくつかの実施形態では、アクワイアラ１１４はブロックチェーンネットワーク１０６による処理の前に、トランザクションのリスクを評価してよい。例えばアクワイアラ１１４は、下記で一層詳細に説明されるように、支払人１０２の信頼性と、詐欺の可能性等とを、イシュア１１２、処理サーバ１１０、又は第三者エンティティによって提供されるデータに基づいて評価してよい。いくつかの実施形態では、支払人１０２は、受取人１０４（例えば販売者）によって提供された割引と引き換えに、入金取消又は支払保護の使用を拒否してよい。金額が減額される結果として、販売者１０４には利点がある。いくつかの実施形態では、受取人１０４は、トランザクションに対するリスク評価及び他の保護の使用を拒否してよい。

いくつかの実施形態では、イシュア１１２及び／又は処理サーバ１１０は、支払人１０２及び／又は受取人１０４の代わりに秘密鍵を格納するよう更に構成されてよい。そのような実施形態において秘密鍵は、イシュア１１２及び／又は処理サーバ１１０が支払人１０２に代わってブロックチェーントランザクションを開始してデジタル署名を実行可能なように格納される。これにより支払人１０２は、ブロックチェーントランザクションにて使用するためのコンピュータ装置を保持する必要がない。例えばイシュア１１２は、支払人１０２に代わって、秘密鍵と支払人１０２に関連付けられた任意のトランザクション識別子とを（例えばそのブロックチェーン通貨アカウントに）格納してよい。イシュア１１２は、デジタル署名を生成するよう構成されてよく、当該生成された署名とトランザクション識別子とを、支払人１０２に関するブロックチェーントランザクションのために、トランザクションメッセージ内に含める。

いくつかの実施形態では、処理サーバ１１０は更に、ブロックチェーントランザクションを、私的に検証されたアイデンティティ（例えば支払人１０２、受取人１０４、又はそれと関連付けられたトランザクションアカウント）とリンクさせるよう構成されてよい。例えば処理サーバ１１０は、支払人１０２及び受取人１０４に関連付けられたトランザクションアカウントについてのアカウント情報（例えばそれぞれ、イシュア１１２及びアクワイアラ１１４によって保持される）を格納してよい。当該アカウント情報は、アドレス識別子を含んでよい。処理サーバ１１０は次いで、ブロックチェーントランザクションを、格納されたアカウント情報と関連付けてよい。このとき、そこに含まれるアカウント識別子と、受信されたトランザクションメッセージ内のデータ要素に含まれるアカウント識別子とが使用される。したがって、処理サーバ１１０は、ブロックチェーントランザクションのために個人の過去のトランザクションデータを格納してよい。個人が不換通貨とブロックチェーン通貨との複合アカウントを有する場合、処理サーバ１１０は結果として、消費者の不換通貨とブロックチェーン通貨とについてのトランザクション履歴を格納してよい。

したがって、本開示の方法及びシステムは、トランザクションメッセージと伝統的支払ネットワークとを用いてブロックチェーントランザクションの処理方法を提供する。当該処理方法は、消費者と金融機関とへ、現在のブロックチェーントランザクションでは入手不可能な重要な利益を提供する。高度に統制され安全である伝統的な支払レールとトランザクションメッセージとを使用することによって、トランザクション情報は、現在ブロックチェーントランザクションにおいて使用されている方法よりもハイレベルなセキュリティで送信される。更に、秘密鍵を金融機関及び／又は支払ネットワークに格納することで、消費者は、自身の秘密鍵を格納するコンピュータ装置を常に保持することなく、ブロックチェーントランザクションに参加することができる。機密的な金融情報を格納することにつき専門性を既に有する金融機関と支払ネットワークであって、トランザクションメッセージを送信及び分析するよう備えられた金融機関と支払ネットワークとへデータを委ねることによって、消費者のブロックチェーン通貨の盗取リスクを低減することができる。

更に支払ネットワークを用いてブロックチェーントランザクションを処理することによって、支払ネットワークは、既存の詐欺及びリスクのアルゴリズム及び情報を用いて、詐欺の可能性を評価し、ブロックチェーントランザクションのリスクを評価可能である。当該情報は、支払ネットワーク（例えば過去の不換及びブロックチェーントランザクションデータ、商業興信所データ、人口統計的データ等）にとって利用可能であり、ブロックチェーンネットワーク１０６では利用不可能である。したがって、支払人１０２及び受取人１０４は、詐欺及びリスクに対する追加的な保護手段と共に、ブロックチェーントランザクションに参加することができる。更に、リスク評価は、金融機関によって使用されて、消費者へ、受取人（例えば支払人へ商品を供給する販売者）への資金又はその標識を提供してよい。このとき、伝統的なブロックチェーントランザクションによる非常に長い処理時間を待機する必要がない。

例えば消費者は、ブロックチェーン通貨を使用して販売者の商品へ支払を行いたいことがある。伝統的なブロックチェーントランザクションでは、販売者（例えば消費者の支払能力を保証された販売者）はトランザクションが検証されるまで少なくとも１０分待機しなければならず、又は、商品を提供しつつも支払を受けられないリスクを冒さなくてはならない。本開示の方法及びシステムを使用することで、販売者のアクワイアラは、トランザクションのリスクを評価し、ブロックチェーントランザクションの検証のために待機する前に商品を提供すべきか否かを判定することができる。更にもし金融機関が消費者のためにブロックチェーン通貨を格納すれば、金融機関（信用され且つ検証されたエンティティ）は、アクワイアラに対し、消費者が十分な資金を有しているので販売者は即座に当該消費者へ商品を提供可能であることを保証することが出来る。更に、もし金融機関がブロックチェーン通貨の断片的保存を管理する場合、金融機関は即座に消費者の利用可能な通貨を更新可能である。これにより消費者は、ブロックチェーンネットワークの検証を待つこと無く、一連のトランザクションに参加することができる。

したがって、本開示の方法及びシステムは、断片的保存、トランザクションメッセージ、リスク評価及び支払ネットワーク処理により、消費者のセキュリティを増大し、処理時間を大幅に減少し、詐欺に対して顕著に増加した防御を提供することで、ブロックチェーントランザクションの伝統的処理に対して重要な改善を提供可能である。

処理サーバ
図２は、システム１００の処理サーバ１１０の実施形態を示す。当業者にとって、図２に示す処理サーバ１１０の実施形態が、例示目的のみで提供されることと、本開示の機能を実行するのに適した、処理サーバ１１０の全ての可能な構成を徹底的に示したものでないことは自明である。例えば図１４に示され下記で一層詳細に説明されるコンピュータシステム１４００が、処理サーバ１１０の適切な構成であってよい。

処理サーバ１１０は受信部２０２を含んでよい。受信部２０２は１以上のネットワークプロトコルを介して１以上のネットワーク上でデータを受信するよう構成されてよい。受信部２０２は、イシュア１１２と、アクワイアラ１１４と、支払人１０２と、及び、トランザクションメッセージのやり取りについての１以上の基準（例えばISO8583標準）にしたがってフォーマットされた他のエンティティとから、関連付けられた通信プロトコルを用いて、トランザクションメッセージを受信するよう構成されてよい。受信部２０２はまた、イシュア１１２、アクワイアラ１１４及び／又は支払人１０２からトランザクションリクエストを受信してよい。受信部２０２はまた、トランザクションアカウントのためのアカウント情報を金融機関（例えばイシュア１１２及びアクワイアラ１１４）から受信するよう構成されてよい。当該情報は、不換通貨及びブロックチェーン通貨のアカウントを含む。受信部２０２は更に、本開示の機能を実行するのに適した任意の追加データ（例えばブロックチェーントランザクションのリスク評価で使用されるデータ、商業興信所情報、人口統計的な特徴等）を受信するよう構成されてよい。

処理サーバ１１０はまた、処理部２０４を含んでよい。処理部２０４は本開示の処理サーバ１１０の機能を実行するよう構成されてよい。このことは、当業者にとって自明である。ブロックチェーントランザクションについてのトランザクションリクエストが受信部２０２によって受信されると、処理部２０４はトランザクションリクエストに含まれるデータを識別し、それに基づいてトランザクションメッセージを生成するよう構成されてよい。トランザクションメッセージは１以上の基準（例えばISO8583標準）にしたがって生成されてよく、複数のデータ要素を含んでよい。データ要素はトランザクション金額と私的使用のために保存されたデータ要素とを格納するよう構成されたデータ要素を含んでよい。処理部２０４はトランザクション金額を格納するよう構成されたデータ要素においてゼロ値を格納するよう構成されてよく、少なくともネットワーク識別子又はそれに基づいたエンコード値と、アドレス識別子と、トランザクション金額とを私的使用のために保存されたデータ要素へ格納するよう構成されてよい。

いくつかの実施形態では、処理部２０４は更にアドレス識別子を生成するよう構成されてよい。そのような実施形態では、処理部２０４は受信されたトランザクションリクエストに含まれる公開鍵を用いて宛先アドレスを生成してよい。宛先アドレスはアドレス識別子であってよい。いくつかの実施形態では、宛先アドレスは１以上のハッシュアルゴリズム及び／又はエンコーディングアルゴリズム（例えばBase58Checkアルゴリズム）を用いてエンコードされて、アドレス識別子を生成してよい。

処理サーバ１１０はまた、送信部２０６を含んでよい。送信部２０６は１以上のネットワークプロトコルを介して１以上のネットワーク上でデータを送信するよう構成されてよい。送信部２０６はイシュア１１２、アクワイアラ１１４、支払人１０２又は他のエンティティへデータリクエストを送信してよい。送信部２０６はまた、生成されたトランザクションメッセージを、支払ネットワーク１０６を用いて金融機関（例えばイシュア１１２、アクワイアラ１１４）へ送信するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、送信部２０６はまた、ブロックチェーントランザクションにおいて使用するために、受信部２０２によって受信され且つ処理部２０４によって生成された情報に基づいて、ブロックチェーントランザクションリクエストをブロックチェーンネットワーク１０６へ送信してよい。例えば送信部２０６はイシュア１１２へトランザクションメッセージを送信してよい。イシュア１１２は、受信部２０２によって受信される承認情報において示されるように、対応するブロックチェーントランザクションを承認する。送信部２０６は次いで、当業者にとって自明な方法及びシステムを用いて、ブロックチェーントランザクションをブロックチェーンネットワーク１０６へ送信してよい。

いくつかの実施形態では、処理サーバ１１０はまた、アカウントデータベース２０８を含んでよい。アカウントデータベース２０８は、複数のアカウントプロファイル２１０を格納するよう構成されてよい。各アカウントプロファイル２１０は、消費者（例えば支払人１０２、受取人１０４等）、又は、それに関連付けられたトランザクションアカウントに関連するデータを含んでよい。当該データは、少なくとも、アカウント識別子、不換通貨金額及び１以上のブロックチェーン通貨金額を含む。各ブロックチェーン通貨金額は、ブロックチェーンネットワーク１０６と関連付けられる。アカウント識別子は、識別に用いられるアカウントプロファイル２１０に関連付けられた一意の値（例えばトランザクションアカウント番号、ウォレット識別子、装置識別子、ユーザ名、ｅメールアドレス、電話番号等）であってよい。いくつかの実施形態では、アカウント識別子は秘密鍵であってよい。アカウント識別子はまた、関連消費者及び／又はトランザクションアカウントに関連付けられたブロックチェーントランザクションにおいて使用される複数の関連アドレス識別子を含んでよい。

そのような実施形態では、受信部２０２は更に、ブロックチェーントランザクションのためのトランザクションメッセージを受信するよう構成されてよい。トランザクションメッセージは、特定のアカウント識別子を含む個人アカウント番号を格納するよう構成されたデータ要素と、少なくともネットワーク識別子とトランザクション金額とを含む、私的使用のために保存されたデータ要素とを含んでよい。処理部２０４は特定のアカウント識別子を含むアカウントデータベース２０８に格納された特定のアカウントプロファイル２１０を識別するよう構成されてよい。処理部２０４は更に、ブロックチェーントランザクションに対するリスク値を識別するよう構成されてよい。リスク値は、私的使用のために保存されたデータ要素に含まれるトランザクション金額と、識別された特定のアカウントプロファイル２１０に含まれるデータとに基づいてよい。

例えばリスク値は、トランザクション金額と、私的使用のために保存されたデータ要素に含まれるネットワーク識別子と対応するブロックチェーンネットワーク１０６に関連付けられた特定のアカウントプロファイル２１０のブロックチェーン通貨金額との対応関係に基づいてよい。いくつかの実施形態では、リスク値はまた、不換通貨の対応金額に基づいて（例えば不換通貨と対応するブロックチェーン通貨との相互間の交換に関連付けられた１以上の交換比率に基づいて）よい。

処理部２０４は更に、識別されたリスク値に基づいて、ブロックチェーントランザクションの承認を判定するよう構成されてよい。例えばもし処理部２０４が、ブロックチェーントランザクションは高いリスク値（例えば詐欺、処罰、支払不能等の高い確立を示す値）を有すると判定すると、処理部２０４は、当該トランザクションは拒否されるべきと判定してよい。処理部２０４はトランザクションメッセージを修正して、判定を含むようにしてよい。送信部２０６はトランザクションメッセージをイシュア１１２及び／又はアクワイアラ１１４へ送信するよう構成されてよい。金融機関は次いで、当該判定に基づいてトランザクションの処理へ進んでよい。処理の一部として、受信部２０２は、金融機関から承認レスポンスを受信してよい。送信部２０６は、当該レスポンスを、受信されたトランザクションメッセージへの返信として転送してよく、また、（例えばトランザクションが承認された場合、）ブロックチェーンネットワーク１０６とのブロックチェーントランザクションを開始してよい。

いくつかの実施形態では、処理部２０４は更に、ブロックチェーントランザクションを、アカウントデータベース２０８に格納されたアカウントプロファイル２１０とリンクさせるよう構成されてよい。そのような実施形態では、ブロックチェーントランザクションにつき受信部２０２により受信されたトランザクションメッセージは、少なくとも、個人アカウント番号を格納するよう構成された第１のデータ要素と、販売者識別子を格納するよう構成された第２のデータ要素と、私的使用のために保存され、少なくともブロックチェーンネットワーク識別子を格納するよう構成された第３のデータ要素とを含んでよい。処理部２０４は第１のアカウントプロファイル２１０（ここでは、含まれるアカウント識別子は個人アカウント番号に対応する）と第２のアカウントプロファイル２１０（ここでは、含まれるアカウント識別子は販売者のアカウント番号に対応する）とを識別する。

受信部２０２はまた、ブロックチェーントランザクションを示すトランザクション通知を受信する。当該ブロックチェーントランザクションは、受信されたトランザクションメッセージの第３のデータ要素に含まれるブロックチェーンネットワーク識別子と関連付けられたブロックチェーンネットワーク１０６を用いて処理される。トランザクション通知は、少なくともトランザクション識別子とアドレス識別子とを含んでよい。アドレス識別子は、識別された第１のアカウントプロファイル２１０又は識別された第２のアカウントプロファイル２１０と関連付けられてよい。処理部２０４は次いで、トランザクション識別子と、アドレス識別子に関連付けられたアカウントプロファイル２１０に格納されたアカウント識別子との間のリンクを格納してよい。いくつかの実施形態では、当該リンクは、対応するアカウントプロファイル２１０にトランザクション識別子を格納することによって格納されてよく、これにより、対応するアカウントプロファイル２１０は、関連トランザクションアカウントに関わる将来のブロックチェーントランザクションにおいて使用可能である。いくつかの実施形態では、送信部２０６はトランザクション識別子を、リンクされたアカウントに関連付けられた金融機関へ送信してよい。これにより当該金融機関は、将来のブロックチェーントランザクションにおける使用のためにトランザクション識別子を格納する。いくつかの実施形態では、処理部２０４は、トランザクションメッセージに含まれるトランザクションデータを、第１の及び／又は第２のアカウントプロファイル２１０に格納してよい。

いくつかの実施形態では、処理サーバ１１０は更にトランザクションデータベース２１２を含んでよい。トランザクションデータベース２１２は、複数のトランザクションデータエントリ２１４を格納するよう構成されてよい。各トランザクションデータエントリ２１４は、支払トランザクションに関連するデータを含んでよい。当該支払トランザクションは不換通貨トランザクション又はブロックチェーン通貨トランザクションであってよい。各トランザクションデータエントリ２１４は、トランザクションメッセージ、トランザクション通知、及び／又はそこに含まれるデータ（例えばトランザクション時刻及び／又は日付、トランザクション識別子、ソースアドレス、宛先アドレス、トランザクション金額、販売者データ、消費者データ、商品データ、ロイヤルティデータ、報酬データ等）を含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクションデータエントリ２１４は関連支払トランザクションに関わるトランザクションアカウントに関連するアカウントプロファイル２１０内に格納されてよい。

処理サーバ１１０はまた、メモリ２１６を含んでよい。メモリ２１６は、本開示の機能を実行するときに処理サーバ１１０によって使用するのに適したデータを格納するよう構成されてよい。例えばメモリ２１６は、アドレス識別子をエンコードするための１以上のハッシュアルゴリズムと、アドレス識別子、ブロックチェーンネットワークデータを生成するための１以上のルールと、リスク値を算出するためのルール及び／又はアルゴリズムと、不換通貨及びブロックチェーン通貨の交換アルゴリズム若しくはデータ等と、を格納してよい。メモリ２１６に格納される追加データは、当業者にとって自明である。

金融機関
図３は、システム１００の金融機関（例えばイシュア１１２）の実施形態を示す。当業者にとって、図３に示すイシュア１１２の実施形態が、例示目的のみで提供されることと、本開示の機能を実行するのに適した、イシュア１１２の全ての可能な構成を徹底的に示したものでないことは自明である。例えば図１４に示され下記で一層詳細に説明されるコンピュータシステム１４００が、イシュア１１２の適切な構成であってよい。

イシュア１１２は中央データベース３０８を含んでよい。中央データベース３０８は複数の中央アカウント３１０を格納するよう構成されてよい。各中央アカウント３１０は、通貨タイプと関連付けられてよく、対応する通貨金額を含んでよい。例えばイシュア１１２は少なくとも、不換通貨と関連付けられ不換通貨金額を含む第１の中央アカウント３１０と、ブロックチェーン通貨と関連付けられブロックチェーン通貨金額を含む第２の中央アカウント３１０とを含んでよい。

イシュア１１２はまた、アカウントデータベース３１２を含んでよい。アカウントデータベース３１２は、複数のアカウントプロファイル３１４を格納するよう構成されてよい。各アカウントプロファイル３１４は、消費者（例えば支払人１０２）又はトランザクションアカウント（少なくとも不換通貨金額、ブロックチェーン通貨金額、アカウント識別子及び１以上のアドレスを含む）と関連するデータを格納するよう構成されてよい。各アドレスは、アカウントプロファイル３１４と関連付けられ、ブロックチェーン通貨を関連消費者及び／又はトランザクションアカウントへと移転するときの宛先アドレスとして使用されてよい。

イシュア１１２は更に受信部３０２を含んでよい。受信部３０２は１以上のネットワークプロトコルを介して１以上のネットワーク上でデータを受信するよう構成されてよい。受信部３０２は支払人１０２、受取人１０４、アクワイアラ１１４、処理サーバ１１０等からアドレスを受信してよい。当該アドレスはそれぞれのアカウントプロファイル３１４に格納される。受信部３０２はまた、支払トランザクションに関連するトランザクションメッセージを受信するよう構成されてよい。トランザクションメッセージは１以上の基準（例えばISO8583標準）にしたがってフォーマットされてよく、関連通信プロトコル及び通信チャネル（例えば支払ネットワーク１０８及び／又は関連支払レール）を用いてイシュア１１２へ通信されてよい。トランザクションメッセージは複数のデータ要素を含む。当該データ要素は、少なくとも、特定のアドレス及びトランザクション金額を含む、私的使用のために保存されたデータ要素を含む。

イシュア１１２はまた処理部３０４を含んでよい。処理部３０４は、本開示のイシュア１１２の機能を実行するよう構成されてよい。このことは当業者にとって自明である。処理部３０４は、受信されたトランザクションメッセージに含まれるアドレスを含んだアカウントデータベースに格納される、特定のアカウントプロファイル３１４を識別してよい。処理部３０４は次いで、受信されたトランザクションメッセージにおける私的使用のために保存されたデータ要素に含まれるトランザクション金額に基づいて、識別されたアカウントプロファイル３１４に含まれるブロックチェーン通貨金額を更新してよい。処理部３０４はまた、ブロックチェーン通貨に関連付けられた中央データベース３０８内の中央アカウント３１０におけるブロックチェーン通貨金額を更新してよい。

アカウントデータベース３１２に格納されたアカウントプロファイル３１４に関連付けられたトランザクション金額が、ブロックチェーントランザクションに資金を供給するために使用される実施形態では、処理部３０４は、識別されたアカウントプロファイル３１４内のブロックチェーン通貨金額からトランザクション金額を控除するよう構成されてよい。処理部３０４はまた、中央データベース３０８に格納された対応する中央アカウント３１０に含まれるブロックチェーン通貨金額を更新してよい。処理部３０４は更に、不換通貨と、又は、追加的な数及び／又は追加的なタイプのブロックチェーン通貨とを用いて、同一の機能を実行するよう構成されてよい。

いくつかの実施形態では、各アカウントプロファイル３１４は更に、１以上の暗号鍵（例えば秘密鍵と公開鍵とのペア）を格納するよう構成されてよい。そのような実施形態では、処理部３０４は、アカウントプロファイル３１４に格納された公開鍵を用いて、ブロックチェーントランザクションにおける宛先アドレスとして使用するためのアドレスを生成するよう構成されてよい。処理部３０４はまた、特定のアカウントプロファイル３１４からブロックチェーン通貨を移転するために、そこに含まれる秘密鍵を用いて、デジタル署名を提供するよう構成されてよい。

いくつかの実施形態では、イシュア１１２は更に、支払ネットワーク１０８を用いてブロックチェーントランザクションを開始するよう構成されてよい。そのような実施形態では、受信部３０２は支払人１０２からトランザクションリクエストを受信してよい。トランザクションリクエストは少なくとも、（例えば受取人１０４と関連付けられる）宛先アドレスと、ネットワーク識別子と、ブロックチェーン通貨と、アカウント識別子とを含んでよい。処理部３０４は特定のアカウント識別子を含むアカウントプロファイル３１４を識別してよい。いくつかの実施形態における処理部３０４は、先に進む前に、アカウントプロファイル３１４がブロックチェーン通貨につき十分な金額を含みトランザクションを支援することを検証してよい。処理部３０４は、トランザクション識別子、アドレス、又は、ブロックチェーントランザクションに資金を提供するために使用する他の識別子を、識別されたアカウントプロファイル３１４に格納されたデータに基づいて識別してよい。処理部３０４はまた、そこに格納される秘密鍵を用いてデジタル署名を生成してよい。いくつかの実施形態では、デジタル署名は受信されたトランザクションリクエストに含まれてよい。

処理部３０４は次いで、トランザクションメッセージを生成する。トランザクションメッセージは、私的使用のために保存されたデータ要素を含んでよい。当該データ要素は、宛先アドレス、ネットワーク識別子及びブロックチェーン通貨金額を含む。データ要素又は私的使用のために保存された代替データ要素は、デジタル署名と、トランザクション識別子又は他の識別子とを含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージはトランザクション金額を格納するよう構成されたデータ要素を含んでよい。当該トランザクション金額はゼロ値を含み、トランザクションが不換通貨のためでなくブロックチェーントランザクションのためであることを示す。いくつかの実施形態では、別のデータ要素が、当該トランザクションを、ブロックチェーントランザクション又は非不換通貨トランザクションとして示してよい。

イシュア１１２は１以上のネットワークプロトコルを介して１以上のネットワーク上でデータを送信するよう構成される送信部３０６を含んでよい。送信部２０６は、本開示の方法及びシステムを用いてブロックチェーントランザクションを処理するために、生成されたトランザクションメッセージを処理サーバ１１０へ提出してよい。いくつかの実施形態では、受信部３０２は処理サーバ１１０から、修正されたトランザクションメッセージを受信してよい。例えば処理サーバ１１０はリスク評価を実行してよく、トランザクションメッセージを、識別されたリスク値及び／又はそれに基づく承認判定を含むように修正してよい。処理部３０４は次いで、当業者にとって自明な方法及びシステムを用いて、修正されたトランザクションメッセージに含まれるデータに基づいてトランザクションを承認又は拒否してよい。処理部３０４は承認レスポンスを生成してよい。これは、送信部３０６によって処理サーバ１１０へ提出されて、適宜処理される。例えばもし承認レスポンスが承認を示せば、処理サーバ１１０はブロックチェーンネットワーク１０６にてブロックチェーントランザクションを開始し、トランザクションの承認を受取人１０４に通知してよい。

イシュア１１２はまたメモリ３１６を含んでよい。メモリ３１６は本開示の機能を実行するときにイシュア１１２によって使用するのに適切なデータを格納するよう構成されてよい。例えばメモリ３１６はトランザクションを承認するためのルール又はアルゴリズムを格納するよう構成され、不換通貨とブロックチェーン通貨との相互間の交換、ブロックチェーンアドレスの生成、デジタル署名の生成等を実行する。イシュア１１２に格納される追加データは、当業者にとって自明である。

支払ネットワークにおけるブロックチェーントランザクションを承認する処理
図４は、システム１００を使用して伝統的な支払ネットワークにおいてブロックチェーントランザクションを承認する処理４００を示す。

ステップ４０２では、支払ネットワーク１０８の処理サーバ１１０は、ブロックチェーントランザクションのためのトランザクションメッセージを生成してよい。上述の通り、トランザクションメッセージは１以上の標準に基づいてフォーマットされてよく、複数のデータ要素を含んでよい。当該複数のデータ要素は、トランザクション金額を格納するよう構成された第１のデータ要素と、私的使用のために保存された第２のデータ要素とを含む。第１のデータ要素はゼロ値を格納してよい。第２のデータ要素はブロックチェーンネットワーク識別子と、ブロックチェーン通貨のトランザクション金額と、受取人１０４に関連付けられたアドレス識別子とを格納してよい。

ステップ４０４では、処理サーバ１１０の送信部２０６は、トランザクションメッセージを、支払ネットワーク１０８を介してイシュア１１２へ送信してよい。イシュア１１２の受信部３０２は、関連プロトコルを用いてトランザクションメッセージを受信してよい。ステップ４０６では、イシュア１１２の処理部３０４は、ブロックチェーントランザクションの承認に関しチェックしてよい。承認は、例えば支払人１０２の資金の十分性（例えば格納された通貨金額、支払人１０２に関連付けられたトランザクション識別子に関連付けられたブロックチェーン通貨金額等、又は、当業者にとって自明な他の基準）に基づいてよい。処理部３０４は当該判定に基づいて承認レスポンス（例えばトランザクションの承認又は拒否を示す承認レスポンス）を生成してよい。

ステップ４０８では、イシュアの送信部３０６は、承認レスポンスメッセージを、支払ネットワーク１０８を介して処理サーバ１１０へ送信してよい。処理サーバ１１０の受信部２０２は、承認レスポンスを受信してよい。これは１以上の基準に基づいてフォーマットされ且つ関連プロトコルを用いて送信されたトランザクションメッセージであってよい。ステップ４１０では、処理サーバ１１０の処理部２０４は、レスポンスコードを評価してよい。レスポンスコードの評価は例えば、承認又は拒否のチェック、（例えば対応するブロックチェーントランザクションを参照する）参照識別子（例えばトランザクション識別子）のチェック、トランザクションの詳細の検証等を含んでよい。

ステップ４１２では、処理サーバ１１０の送信部２０６は、レスポンスメッセージを、支払ネットワーク１０８とトランザクションメッセージの送信に関連付けられたプロトコルとを介して、アクワイアラ１１４へ転送してよい。ステップ４１４では、イシュア１１２は、例えば送信部３０６を用いてトランザクションリクエストを適切なブロックチェーンネットワーク１０６へ提出することによって、ブロックチェーントランザクションを実行する。このとき、受信されたトランザクションメッセージ内で、私的使用のために保存されたデータ要素に含まれる詳細が使用される。いくつかの実施形態では、イシュア１１２はブロックチェーンネットワーク１０６からトランザクション識別子を受信してよい。処理部３０４はトランザクション識別子を、処理サーバ１１０へ提供される承認レスポンスメッセージに（例えば、参照識別子を格納するよう構成されたデータ要素に）含めてよい。このような実施形態においてステップ４１４は、ステップ４０８から４１２までに先立って実行されてよい。ステップ４１６にて、アクワイアラ１１４は、例えばブロックチェーン通貨の受領を検証すること、又は、トランザクション識別子を用いてトランザクションを有効化すること等によって、ブロックチェーントランザクションが生じたことを検証してよい。

ブロックチェーンを基礎としたトランザクションメッセージの処理
図５は、支払ネットワーク１０８の処理サーバ１１０におけるブロックチェーントランザクションに関連付けられたトランザクションメッセージの処理を示す。

ステップ５０２では、処理サーバ１１０の受信部２０２は、例えば支払人１０２又はイシュア１１２から、トランザクションリクエストを受信してよい。トランザクションリクエストは少なくとも、ブロックチェーンネットワーク１０６に関連付けられたネットワーク識別子と、ブロックチェーンネットワーク１０６に関連付けられたブロックチェーン通貨のトランザクション金額と、受取人１０４に関連付けられた公開鍵及び／又はアドレス識別子とを含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクションリクエストはまたトランザクション識別子と、支払人１０２に関連付けられた秘密鍵に関連付けられたデジタル署名とを含んでよい。他の実施形態（例えば処理サーバ１１０が支払人１０２と関連付けられた秘密鍵を、例えばアカウントデータベース２０８内のアカウントプロファイル２１０内に格納する実施形態）では、トランザクションリクエストはアカウント識別子を含んでよい。

ステップ５０４では、処理サーバ１１０の処理部２０４は、受信されたトランザクションリクエストがアドレス識別子を含むか否かを判定してよい。もしトランザクションリクエストがアドレス識別子を含まず、且つ、例えば受取人１０４に関連付けられた公開鍵を含むならば、ステップ５０６にて処理部２０４は受取人１０４に対しアドレス識別子を生成してよい。いくつかの実施形態では、ステップ５０６は、処理サーバの送信部２０６によって、生成されたアドレス識別子を受取人１０４へ送信することを含んでよい。

アドレス識別子が生成され及び／又は識別されると、ステップ５０８にて処理部２０４は、受信されたトランザクションリクエストに含まれるネットワーク識別子がエンコードされているか否かを判定する。もしネットワーク識別子がエンコードされていなければ、ステップ５１０にて、処理部２０４はネットワーク識別子をエンコードする。ネットワーク識別子は、受信されたトランザクションリクエストに含まれるネットワーク識別子を、エンコードされた値（１６進値）を生成するように構成された１以上のアルゴリズムへ適用することによってエンコードされる。

ネットワーク識別子がエンコードされると、ステップ５１２にて処理部２０４はトランザクションメッセージを生成してよい。トランザクションメッセージはトランザクションメッセージと関連付けられた１以上の基準（例えばISO8583標準）に基づいてフォーマットされてよい。トランザクションメッセージは複数のデータ要素を含んでよい。例えばデータ要素はトランザクション金額を格納するよう構成されたデータ要素を含んでよい。当該トランザクション金額はゼロ値又はブロックチェーントランザクションを示す他の値を含む。データ要素はまた、支払人１０２に関連付けられたアカウント識別子を含む個人アカウント番号を格納するよう構成されたデータ要素と、受取人１０４に関連付けられたアカウント番号を含む販売者識別子を格納するよう構成されたデータ要素（例えばアドレス識別子であってよい）と、私的使用のために保存されたデータ要素とを含んでよい。私的使用のために保存されたデータ要素は、少なくとも、エンコードされたネットワーク識別子と、アドレス識別子と、ブロックチェーン通貨のトランザクション金額とを含んでよい。いくつかの実施形態では、私的使用のために保存されたデータ要素、又は、私的使用のために保存された追加のデータ要素は支払人情報（例えばトランザクション識別子、支払人１０２に関連付けられたデジタル署名）を含んで、トランザクションに資金を供給するために使用されるブロックチェーン通貨のソースを検証してよい。いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージはまた、メッセージタイプの標識を含んでよい。これは、承認メッセージを示してよい。

ステップ５１４では、処理サーバ１１０の送信部２０６は、トランザクションメッセージを、支払ネットワーク１０８を介して、支払人１０２と関連付けられたイシュア１１２へ送信してよい。イシュア１１２は次いで、トランザクションメッセージに含まれるデータを用いて、ブロックチェーントランザクションを承認及び実行してよい。いくつかの実施形態では、処理５００は更に、受信部２０２によってイシュア１１２から承認レスポンスを受信することと、処理装置２０４によって適宜トランザクションを処理することとを含む。例えばもし承認レスポンスがトランザクションの承認を示せば、処理サーバ１１０の処理部２０４は関連付けられたトランザクション情報を用いて、ブロックチェーンネットワーク１０６とブロックチェーントランザクションを開始してよい。

ブロックチェーントランザクションのインボイス
図６は、ブロックチェーントランザクションのためのインボイスの生成のための処理６００を示す。インボイスは、データ値、コンテナ、要素、又は、ブロックチェーントランザクションの開始及び処理において使用するのに適したデータを含む他のデータストレージタイプであってよい。本開示のインボイスは、トランザクションメッセージのデータ要素（例えば１以上の基準に基づいた、私的使用のために保存されたデータ要素であって、例えばISO8583標準）に格納されてよい。

図６に示すように、インボイスはネットワーク識別子６０２、受取人公開鍵６０４及びトランザクション値６０６を含んでよい。ネットワーク識別子６０２はそれぞれのブロックチェーン通貨のブロックチェーントランザクションを処理するために使用されるブロックチェーンネットワーク１０６に関連付けられてよい。ネットワーク識別子６０２は例えば、ブロックチェーンネットワーク１０６に関連付けられた一意の値（例えばアルファベットと数値を組合せた名称、数値、インターネットプロトコルアドレス、メディアアクセス制御アドレス等）であってよい。受取人公開鍵６０４は受取人１０４に関連付けられた鍵ペアの公開鍵であってよい。ブロックチェーントランザクションの結果として、当該受取人１０４に対し、ブロックチェーン通貨が移転される。トランザクション値６０６は、ブロックチェーントランザクションの結果として移転されるブロックチェーン通貨のトランザクション金額であってよい。

ネットワーク識別子６０２は１以上のエンコードアルゴリズム６０８を使用することでエンコードされ、エンコード済みネットワーク値６１２を取得する。エンコード済みネットワーク値６１２はブロックチェーンネットワーク１０６に関連付けられた１６進値であってよい。エンコード済みネットワーク値６１２は、例えば、ブロックチェーントランザクションを実行するために使用されるブロックチェーンネットワーク１０６を識別するときに使用されてよい。いくつかの実施形態では、エンコード済みネットワーク値６１２はブロックチェーンネットワーク１０６に対してトランザクションリクエストを通信するときに使用されるデータと（例えば宛先アドレス（例えばインターネットプロトコルアドレス））、又は、ブロックチェーンネットワーク１０６に対して例えばルックアップテーブルを使用することによって宛先アドレス識別を識別するときに（処理サーバ１１０又はイシュア１１２の）処理装置によって使用可能な情報とを含んでよい。

受取人公開鍵６０４は１以上のハッシュアルゴリズム６１０を使用することによって受取人アドレス６１４を生成するために使用されてよい。受取人アドレス６１４は受取人１０４に関連付けられた一意の値であってよく、結果的に生じるブロックチェーントランザクションにおいて通貨を移転するための宛先アドレスとして使用されてよい。いくつかの実施形態では、ハッシュアルゴリズム６１０は追加的及び／又は代替的にエンコーディング（例えばBase58Checkエンコーディング）を使用して、受取人アドレス６１４を生成してよい。当該受取人アドレス６１４は、容易に識別可能な文字のみを含む、アルファベットと数値とを組合せた文字列である。

エンコード済みネットワーク値６１２、受取人アドレス６１４及びトランザクション値６０６は、トランザクションメッセージデータ要素６１６において（例えば文字列、値のアレイ、又は他の適切なタイプのデータストレージで、）組み合わされてよい。データ要素６１６は例えば、１以上の基準において私的使用のために保存されたデータ要素であってよい。トランザクションメッセージは当該１以上の基準（例えばISO8583標準）に基づく。インボイスはデータ要素６１６に含まれてよい。当該データ要素６１６はトランザクションメッセージに含まれ、ネットワーク識別子６０２に関連付けられたブロックチェーンネットワーク１０６によって実行されるブロックチェーントランザクションを開始するために使用される。当該データ要素６１６は、トランザクション値６０６を、生成された受取人アドレス６１４に関連付けられた受取人１０４へ支払う。

ブロックチェーントランザクションを検証済みアイデンティティにリンクさせる処理
図７は、支払ネットワーク１０８の処理サーバ１１０を用いて、ブロックチェーントランザクションを、私的に検証されたアイデンティティへリンクさせる処理７００を示す。当業者にとって、図７に示され且つ本開示で開示される処理７００が、トランザクションメッセージを受信し分析するよう構成され、また、私的に（非公開に）及び／又は公開に利用可能なブロックチェーントランザクション情報のソースを（例えばブロックチェーン自体を分析することで）使用してブロックチェーントランザクションを受信し検証するように構成された、任意のエンティティ（例えばイシュア１１２）によって実行可能であることは自明である。例えば処理７００のステップは、処理サーバ１１０のコンポーネントによって実行され、下記の通り、イシュア１１２が処理７００を実行するときにイシュア１１２の対応コンポーネントによって実行されてよい。

ステップ７０２にて、処理サーバ１１０の受信部２０２はトランザクションメッセージを受信してよい。トランザクションメッセージは１以上の基準（例えばISO8583標準）に基づいてフォーマットされてよく、複数のデータ要素を含んでよい。データ要素は、少なくとも、個人アカウント番号を格納するよう構成された第１のデータ要素と、販売者識別子を格納するよう構成された第２のデータ要素と、ブロックチェーンネットワーク１０６と関連付けられたブロックチェーンネットワーク識別子を少なくとも格納するよう構成された第３のデータ要素とを含んでよい。いくつかの実施形態では、各データ要素に含まれるデータは、単一のデータ要素（例えば私的使用のために保存されたデータ要素）に含まれてよい。

ステップ７０４にて処理サーバ１１０の処理部２０４は、関連支払トランザクションに関わるエンティティに対応するアカウントデータベース２０８に格納されたアカウントプロファイル２１０を識別してよい。例えば処理サーバ１１０は、支払人１０２に関連付けられた第１のアカウントプロファイルであって、個人アカウント番号を格納するよう構成された第１のデータ要素に含まれたアカウント識別子を含む第１のアカウントプロファイルを識別し、また、受取人１０４に関連付けられた第２のアカウントプロファイルであって、販売者識別子を格納するよう構成された第２のデータ要素に含まれるアカウント識別子を含む第２のアカウントプロファイルを識別してよい。いくつかの実施形態では、アカウント識別子はまた、アドレス識別子（例えばそれぞれのエンティティに関連付けられた鍵ペアの公開鍵を用いて生成される識別子）であってよい。

ステップ７０６にて、処理部２０４は、対応する支払トランザクションの詐欺スコアが要求されているか否かを判定する。例えば詐欺スコアは、支払人１０２に関連付けられたイシュア１１２によって要求され、又は受取人１０４に関連付けられたアクワイアラ１１４によって要求されてよい。例えば、対応するブロックチェーントランザクションの処理に先立ってトランザクションメッセージが処理サーバ１１０によって受信される実施形態においては、もし詐欺スコアが要求されなければ、処理７００はステップ７１２に進んでよい。もし詐欺スコアが要求されれば、ステップ７０８にて、処理部２０４は（例えばメモリ２１６に格納される）詐欺ルールを、受信されたトランザクションメッセージに含まれるデータ（いくつかの実施形態では、識別されたアカウントプロファイル）へ適用して、詐欺スコアを生成してよい。ステップ７１０にて、処理サーバ１１０の送信部２０６は、詐欺スコアを、適切なエンティティ（例えばイシュア１１２及び／又はアクワイアラ１１４）へ送信してよい。

ステップ７１２にて処理部２０４は、受信されたトランザクションメッセージに関連付けられたブロックチェーントランザクションが生じたか否かを判定する。当該判定は次のうちいずれかに該当する。すなわち、（１）ブロックチェーンネットワーク１０６からの又はブロックチェーントランザクションを開始するよう構成されたエンティティ（例えばイシュア１１２）からのトランザクション通知の受信に基づく。（２）処理サーバ１１０がブロックチェーントランザクションを開始する実施形態においては処理サーバ１１０に固有である。（３）ブロックチェーン自体の分析によるブロックチェーントランザクションの検証に基づく（このとき、例えば受取人アドレス、トランザクション金額、及びトランザクションメッセージに含まれる他の情報が用いられる）。もしブロックチェーントランザクションが生じなければ、処理７００は完了する。というのもリンクが不要だからである。

もしブロックチェーントランザクションが生じれば、ステップ７１４にて、処理サーバ１１０の受信部２０２は、ブロックチェーントランザクションに関連付けられたトランザクション通知を受信してよい。トランザクション通知は例えばブロックチェーンネットワーク１０６、イシュア１１２、アクワイアラ１１４、支払人１０２、受取人１０４、又は、ブロックチェーンを用いてブロックチェーントランザクションを検証するよう構成されたエンティティ（例えば処理部２０４を用いる支払ネットワーク１０８又は第三者）、によって提供されてよい。トランザクション通知は、少なくともトランザクション識別子とアドレス識別子とを含んでよい。トランザクション通知は、ブロックチェーントランザクションに関連付けられた一意の値であってよい。アドレス識別子は受取人１０４に関連付けられたアドレスを含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクション通知はまた、支払人１０２に関連付けられた支払人アドレスと、追加情報（例えばトランザクション金額）とを含んでよい。いくつかの実施形態では、処理部２０４は受信されたトランザクションメッセージから、そのような情報を識別可能である。

ステップ７１６にて、処理部２０４は、受信されたトランザクション通知に含まれた情報に基づいて、任意の適用可能なリンクを識別してよい。例えば処理部２０４は、ブロックチェーントランザクションと、ステップ７０４で識別され且つトランザクションの受取人１０４と関連付けられた第２のアカウントプロファイルとの間のリンクを識別する。当該識別は、含まれたアカウント識別子及び／又はアドレス識別子との対応関係と、受信されたトランザクション通知に含まれるアドレス識別子とに基づく。トランザクション通知が支払人アドレスを含む実施形態では、処理部２０４は、支払人アドレスを用いて、ステップ７０４で識別された第１のアカウントプロファイルとブロックチェーントランザクションとの間のリンクを識別してよい。

ステップ７１８にて、処理部２０４はリンクデータを処理サーバ１１０に格納する。例えばリンクデータは、適用可能な各アカウントプロファイルとメモリ２１６内のトランザクション識別子との間のリンクとして格納されてよいし、（例えばリンクされたアカウントプロファイル２１０のアカウント識別子として）ブロックチェーントランザクションに関連付けられたトランザクションデータベース２１２内のトランザクションデータエントリ２１４に格納されてよいし、また、トランザクションへリンクされたものとして識別されたアカウントプロファイル２１０に格納されてよい。当該格納は例えば、リンクされたトランザクションのトランザクション識別子をアカウントプロファイル２１０内に格納することによって行われる。いくつかの実施形態では、リンクデータを格納することは、送信部２０６によってリンクデータを外部エンティティへ送信して格納すること（例えば将来のブロックチェーントランザクションで使用するためにイシュア１１２へ送信してアカウントプロファイル３１４に格納すること）を含んでよい。

断片的保存の管理処理
図８は、イシュア１１２における、又は、不換通貨と１以上のブロックチェーン通貨との組合せを用いてトランザクションアカウントを発行するよう構成された他の金融機関における、不換通貨及びブロックチェーン通貨の断片的保存の管理処理８００を示す。

ステップ８０２にて、イシュア１１２の受信部３０２はトランザクションメッセージを受信してよい。トランザクションメッセージは、支払トランザクションに関連付けられ且つ１以上の基準（例えばISO8583標準）に基づいてフォーマットされてよく、更に、関連通信プロトコルを用いて受信されてよい。トランザクションメッセージは複数のデータ要素を含んでよい。当該複数のデータ要素は、少なくとも、関連トランザクションに関わるエンティティに関連付けられた特定のアドレスとトランザクション金額とを含む、私的使用のために保存されたデータ要素を含む。いくつかの実施形態では、私的使用のために保存されたデータ要素、又はそれに追加される他のデータ要素は、追加アドレスを含んでよい。

ステップ８０４にてイシュア１１２の処理部３０４は、関連支払トランザクションに関わるアカウントデータベース３１２に格納されるアカウントプロファイル３１４を識別してよい。アカウントプロファイル３１４は、そこに含まれるアドレスに基づいて識別される。当該アドレスは、受信されたトランザクションメッセージに含まれるデータ要素に含まれたアドレスに対応する。複数の関連アカウントプロファイル３１４が識別される実施形態では、識別されたアカウントプロファイル３１４の各々に対し処理８００の残りのステップが実行されてよい。

ステップ８０６にて処理部３０４は、識別されたアカウントプロファイル３１４が、トランザクションの支払人１０２又は受取人１０４に対応するか否かを識別してよい。当該判定は、関連アドレスが格納されたデータ要素、データ要素内（例えばそこに格納されるインボイス内）の位置、トランザクションメッセージのソース、又は他の適切な値に基づいてよい。

アカウントプロファイル３１４はトランザクションの受取人１０４に関連付けられる。次いでステップ８０８にて、処理部３０４は不換通貨がトランザクションに関わるか否かを判定してよい。当該判定は、受信されたトランザクションメッセージに含まれたデータ要素に基づいてよい。例えば不換通貨が関われば、トランザクションメッセージに含まれる各データ要素は、１以上の基準に基づいて特定されたデータを含む。当該データは、非ゼロ値をとるトランザクション金額を含む。他の実施形態では、不換通貨が関わらなければ、トランザクション金額を格納するよう構成されたデータ要素は、ゼロ値をとってよく、私的使用のために保存されたデータ要素はブロックチェーントランザクションインボイスを含んでよく、及び／又は、追加のデータ要素はトランザクションがブロックチェーントランザクション（さもなければ非不換通貨トランザクション）であることを示すデータを含んでよい。

もしトランザクションが不換通貨の使用を伴えば、次いでステップ８１０にて、処理部３０４は不換通貨を、対応するアカウントプロファイル３１４内の不換通貨金額に加算してよい。加算された通貨金額は、受信されたトランザクションメッセージにトランザクション金額を格納するよう構成されたデータ要素に含まれる金額に基づいてよい。ステップ８１２にて、中央データベース３０８に格納された不換通貨と関連付けられた中央アカウント３１０内の不換通貨金額は、同一の又は関連する通貨アカウントによって（例えば手数料を理由に）更新（例えば増加）されてよい。

もしトランザクションが不換通貨の使用を伴わなければ、次いでステップ８１４にて、処理部３０４はブロックチェーン通貨を、対応するアカウントプロファイル３１４内のブロックチェーン通貨金額へ加算してよい。加算された通貨金額は、例えばブロックチェーンを分析することによって、受信されたトランザクションメッセージにおける私的使用のために保存されたデータ要素に含まれた金額に基づいてよく、又は、対応するブロックチェーントランザクションに関連付けられたトランザクション通知に含まれた金額に基づいてよい。ステップ８１６にて、ブロックチェーン通貨に関連付けられた中央アカウント３１０内のブロックチェーン通貨金額は、同一の又は関連する通貨アカウントによって（例えば手数料を理由に）更新（例えば増加）されてよい。

もしステップ８０６にて、処理部３０４が、関係するアカウントプロファイル３１４がトランザクションの支払人１０２に対応すると判定すると、次いでステップ８１８にて、処理部３０４は不換通貨がトランザクションに関係すると判定してよい。ステップ８０８における受取人１０４についての判定と類似して、上記判定は、受信されたトランザクションメッセージに含まれるデータ要素に基づいてよい。もしトランザクションが不換通貨と関係すれば、次いでステップ８２０にて、不換通貨は通貨金額に基づいてアカウントプロファイル３１４から控除されてよい。ステップ８２２にて、不換通貨は、（例えば追加手数料が控除された状態の）通貨金額に基づいて、中央データベース３０８の不換通貨中央アカウント３１０から控除されてよい。もしトランザクションがブロックチェーン通貨に関するものなら、アカウントプロファイル３１４及びブロックチェーン通貨の中央アカウント３１０は両方共、通貨金額に基づいたブロックチェーン通貨を控除して更新されてよい。

リスクに基づいて、ブロックチェーンを基礎としたトランザクションを承認する処理
図９は、支払ネットワーク１０８の処理サーバ１１０を用いて、リスクに基づいて、ブロックチェーントランザクションを承認するための処理９００を示す。当業者にとって、図９に示され且つ本開示で開示される処理９００が、トランザクションメッセージを受信し分析するよう構成され、また、リスクを判定するように構成された任意のエンティティ（例えばイシュア１１２）によって実行可能であることは自明である。例えば処理９００のステップは、処理サーバ１１０のコンポーネントによって実行され、下記の通り、イシュア１１２が処理９００を実行するときにイシュア１１２の対応コンポーネントによって実行されてよい。

ステップ９０２にて、処理サーバ１１０の受信部２０２はトランザクションメッセージを受信してよい。トランザクションメッセージは１以上の基準（例えばISO8583標準）に基づいてフォーマットされてよく、複数のデータ要素を含んでよい。トランザクションメッセージは、特定のアカウント識別子を含む個人アカウント番号を格納するよう構成されたデータ要素と、少なくともブロックチェーンネットワーク識別子とトランザクション金額とを含む、私的使用のために保存されたデータ要素とを含んでよい。ステップ９０４にて処理サーバ１１０の処理部２０４は、支払トランザクションに関する支払人１０２に関連付けられたアカウントプロファイル２１０を識別してよい。アカウントプロファイル２１０は、含まれるアカウント識別子と、個人アカウント番号を格納するよう構成されたデータ要素に含まれる特定のアカウント識別子との対応関係に基づいて識別されてよい。

ステップ９０６にて、処理部２０４は、識別されたアカウントプロファイル２１０が、ブロックチェーントランザクションに資金を供給するのに十分なブロックチェーン通貨を有するか否かを判定する。もし当該アカウントが十分な通貨を有すれば、次いでステップ９０８にて、トランザクションに対するリスク値が通貨の十分性に基づいて判定されてよい。いくつかの実施形態では、リスク値は、（例えばアカウントプロファイル２１０内で示される）利用可能な通貨とトランザクション金額との差異に基づいてよい。例えば、もしトランザクションがほぼ実行できず、同時トランザクションにおいて支払人１０２が金額を供給できない結果になれば、高いリスクが示される。

もしステップ９０６にて処理部２０４が、アカウントプロファイル２１０内に十分なブロックチェーン通貨がないと判定すれば、次いでステップ９１０にて処理部２０４は不換通貨で同等の金額を算出してよい。当該算出は、例えばメモリ２１６に格納され、又は、送信部２０６及び受信部２０２の使用によって検索される、１以上の交換比率を用いてよい。このとき交換比率は、ブロックチェーンネットワーク１０６、金融機関又他の第三者から要求される。ステップ９１２にて、処理部２０４は、識別されたアカウントプロファイル２１０が十分な不換通貨金額を含み、トランザクションに対して同等の金額を有するか否かを判定してよい。

もし処理部２０４が、当該アカウントがブロックチェーン通貨又不換通貨につき十分な金額を含まないと判定すると、次いでステップ９１４にて、処理部２０４は資金不十分との理由で、支払トランザクションを拒否してよい。支払トランザクションの拒否は、トランザクションメッセージを修正してトランザクションが拒否されたことを示すことを含む。このことは、メッセージタイプの標識及び／又は１以上のデータ要素を修正することによって実行される。ステップ９１６にて、送信部２０６は受信されたトランザクションメッセージへの承認レスポンスとして、修正されたトランザクションメッセージを送信してよい。

もし処理部２０４がステップ９１２にて、トランザクション金額を含む十分な不換通貨があると判定すると、次いで処理９００はステップ９０８に進み、リスク値が判定される。いくつかの実施形態では、リスク値は各特定のタイプの通貨の利用可能性によって影響される。例えばもし支払人１０２が、不十分な金額のブロックチェーン通貨しか有さず、しかし、十分な金額の不換通貨を有する場合、リスク値は、同じ割合で十分な金額のブロックチェーン通貨がある場合よりもリスクが高いことを示してよい。ブロックチェーン通貨及び不換通貨の利用可能性に基づくリスク値は、伝統的なトランザクションにおける（複数の不換通貨が関わる）複数タイプの通貨の利用可能性に基づくリスク値と類似してよい。

ステップ９１８にて、処理部２０４は、判定されたリスク値が許容できるレベルであるか否かを判定してよい。リスク値の許容は、支払人１０２に関連付けられたイシュア１１２によって、支払人１０２によって、支払ネットワーク１０８によって、トランザクションに関係する受取人１０４によって、受取人１０４に関連付けられたアクワイアラ１１４によって、又はそれらの組合せによって、設定される基準に基づいてよい。リスク値が受容できなければ、次いでステップ９２０にて、処理部２０４はハイリスクを理由に、支払トランザクションを拒否してよい。トランザクションの拒否は、トランザクションメッセージを修正してトランザクションが拒否されたことを示すことを含む。このことは、メッセージタイプの標識及び／又は１以上のデータ要素を修正することによって実行される。いくつかの実施形態では、修正内容は、拒否理由（例えばこの例では、ハイリスク）の標識を含んでよい。ステップ９２４にて、送信部２０６は受信されたトランザクションメッセージへの承認レスポンスとして、修正されたトランザクションメッセージを支払ネットワーク１０８を介して送信してよい。

もしステップ９１８にて処理部２０４が、リスク値は許容できると判定すると、次いでステップ９２２にて、トランザクションが承認される。トランザクションの承認は、トランザクションメッセージを修正してトランザクションが承認されたことを示すことを含む。このことは、メッセージタイプの標識及び／又は１以上のデータ要素を修正することによって実行される。ステップ９２４にて、修正されたトランザクションメッセージは、支払ネットワーク１０８を介して送信されてよい。いくつかの実施形態では、拒否されたトランザクションについてのトランザクションメッセージは、支払人１０２及び／又は受取人１０４に対して送信されてよい。一方、承認されたトランザクションについてのトランザクションメッセージは、更なる承認のためにイシュア１１２又は他のエンティティへ送信されてよい。

ブロックチェーンを基礎としたトランザクションを承認するための例示的方法
図１０は、支払ネットワーク１０８によって生成され支払ネットワーク１０８を介して送信されるトランザクションメッセージを用いて、ブロックチェーンを基礎としたトランザクションを承認するための方法１０００を示す。

ステップ１００２にて、トランザクションリクエストは、受信装置（例えば受信部２０２）によって受信されてよい。当該トランザクションリクエストは少なくとも、ブロックチェーンネットワークと関連付けられたネットワーク識別子（例えばブロックチェーンネットワーク１０６）と、トランザクション金額と、公開鍵及びアドレス識別子の１つとを含む。もし受信されたトランザクションリクエストがアドレス識別子を含まなければ、ステップ１００４にて、処理装置（例えば処理部２０４）によって、受信されたトランザクションリクエストに含まれる公開鍵と１以上のハッシュアルゴリズム及び／又はエンコーディングアルゴリズムの少なくとも１つを用いて、アドレス識別子が生成されてよい。一実施形態では、１以上のハッシュアルゴリズム及び／又はエンコーディングアルゴリズムは、Base58Checkエンコーディングの使用を含んでよい。

ステップ１００６にてトランザクションメッセージは処理装置によって生成されてよい。当該トランザクションメッセージは１以上の基準に基づいてフォーマットされ、複数のデータ要素を含む。当該トランザクションメッセージは、少なくとも、トランザクション金額を格納するよう構成された第１のデータ要素と、私的使用のために保存された第２のデータ要素とを含む。第１のデータ要素はゼロ値を含み、第２のデータ要素は少なくとも、（ｉ）ネットワーク識別子又は当該ネットワーク識別子に基づくエンコード値と、（ｉｉ）アドレス識別子と、（ｉｉｉ）トランザクション金額とを含む。一実施形態では、１以上の基準は少なくともISO8583標準を含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージは承認メッセージを示すメッセージタイプ標識を含んでよい。一実施形態では、ネットワーク識別子に基づくエンコード値は、少なくともネットワーク識別子と１以上のアルゴリズムとを用いて生成される１６進値である。いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージは、非通貨トランザクションを示す処理コードを格納するよう構成された第３のデータ要素を含んでよい。

ステップ１００８にて、トランザクションメッセージは、支払ネットワーク（例えば支払ネットワーク１０８）を用いて、送信装置（例えば送信部２０６）によって金融機関（例えばイシュア１１２）へ送信されてよい。一実施形態では、方法１０００は更に、受信部２０２によって、支払ネットワーク１０８を用いて返信トランザクションメッセージを金融機関１１２から受信することを含み、当該返信トランザクションメッセージはレスポンスコードを格納するよう構成された第３のデータ要素を含む。更なる実施形態では、方法１０００は更に、送信部２０６によって、受信されたトランザクションリクエストに応じて返信トランザクションメッセージを送信することを含んでよい。他の実施形態では、レスポンスコードは生成されたトランザクションメッセージに関連付けられたトランザクションの承認を示してよい。第２のデータ要素は更に、参照識別子を含んでよい。更に別の実施形態では、参照識別子は次のうち少なくとも１つであってよい。すなわち、関連ブロックチェーンネットワーク１０６を用いて実行されたトランザクションに関連付けられた値と、生成されたトランザクションメッセージに含まれる第２のデータ要素に含まれたデータの一部に部分的に基づいて生成されたデジタル署名との少なくとも１つである。

ブロックチェーントランザクションを私的な検証済みアイデンティティにリンクさせる例示的方法
図１１は、標準化されたトランザクションメッセージとそこに含まれるデータ要素との使用に基づいて、ブロックチェーントランザクションを私的な検証済みアイデンティティへリンクさせる方法１１００を示す。

ステップ１１０２にて、複数のアカウントプロファイル（例えばアカウントプロファイル２１０）は、アカウントデータベース（例えばアカウントデータベース２０８）に格納されてよい。各アカウントプロファイル２１０はトランザクションアカウントに関連するデータを含み、当該トランザクションアカウントは少なくともアカウント識別子とアカウントデータとを含む。一実施形態では、アカウントデータは、トランザクションデータと位置データと特徴データと詐欺データとの少なくとも１つを含んでよい。

ステップ１１０４にてトランザクションメッセージは、受信装置（例えば受信部２０２）によって受信されてよい。トランザクションメッセージは１以上の基準に基づいてフォーマットされ、複数のデータ要素を含む。当該複数のデータ要素は、少なくとも、個人アカウント番号を格納するよう構成された第１のデータ要素と、販売者識別子を格納するよう構成された第２のデータ要素と、ブロックチェーンネットワーク識別子を格納するよう構成された第３のデータ要素とを含んでよい。一実施形態では、トランザクションメッセージは非通貨トランザクションを示す処理コードを格納するよう構成された第４のデータ要素を含んでよい。いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージは承認メッセージを示すメッセージタイプ標識を含んでよい。

ステップ１１０６にて、アカウントデータベース２０８に格納された第１のアカウントプロファイル２１０は、処理装置（例えば処理部２０４）によって識別されてよい。含まれるアカウント識別子は、受信されたトランザクションメッセージに格納された第１のデータ要素に格納される個人アカウント番号に対応する。ステップ１１０８にて、アカウントデータベース２０８に格納された第２のアカウントプロファイル２１０は、処理装置２０４によって識別されてよい。含まれるアカウント識別子は、受信されたトランザクションメッセージに含まれる第２のデータ要素に格納される販売者識別子に対応する。

ステップ１１１０にてトランザクション通知は受信部２０２によって受信されてよい。当該トランザクション通知はトランザクションが、受信されたトランザクションメッセージに含まれる第３のデータ要素に格納されたブロックチェーンネットワーク識別子に関連付けられたブロックチェーンネットワーク（例えばブロックチェーンネットワーク１０６）を用いて処理されることを示し、また、少なくとも、トランザクション識別子と、第１のアカウントプロファイル２１０と第２のアカウントプロファイル２１０との１つに関連付けられたアドレス識別子とを含む。一実施形態では、アドレス識別子は、第１のアカウントプロファイル２１０と第２のアカウントプロファイル２１０との１つに関連付けられた公開鍵を用いて生成されるハッシュであってよい。

ステップ１１１２にて、受信されたトランザクション通知に含まれるトランザクション識別子と、アドレス識別子、個人アカウント番号及び販売者識別子の少なくとも１つとの間のリンクは、処理装置２０４によって格納されてよい。一実施形態では、リンクは、リンクプロファイルとしてトランザクションデータベース（例えばトランザクションデータベース２１２）に格納されてよい。リンクプロファイルは少なくとも、トランザクション識別子と、アドレス識別子、個人アカウント番号及び販売者識別子の少なくとも１つとを含む。いくつかの実施形態では、リンクは第１のアカウントプロファイル２１０に格納されてよい。一実施形態では、リンクは第２のアカウントプロファイル２１０に格納されてよい。

ブロックチェーン通貨の断片的保存を管理する例示的方法
図１２は、支払ネットワークにおいて金融機関が使用するブロックチェーン通貨及び不換通貨の断片的保存を管理する方法１２００を示す。

ステップ１２０２にて、少なくとも、不換通貨と関連付けられた不換金額（flat amount）は、第１の中央アカウント（例えば中央アカウント３１０）に格納されてよい。ステップ１２０４にて、ブロックチェーン通貨と関連付けられたブロックチェーン金額は、第２の中央アカウント３１０に格納されてよい。ステップ１２０６にて、複数のアカウントプロファイル（例えばアカウントプロファイル３１４）はアカウントデータベース（例えばアカウントデータベース３１２）に格納されてよい。各アカウントプロファイル３１４は消費者（例えば支払人１０２、受取人１０４、トランザクション金額等）に関連付けられたデータを含んでよい。当該データは少なくとも、不換通貨金額とブロックチェーン通貨金額と、アカウント識別子とアドレスとを含む。一実施形態では、第２の中央アカウント３１０に格納されたブロックチェーン金額は、アカウントデータベース３１２に格納される各アカウントプロファイル３１４に含まれたブロックチェーン通貨金額の合計に基づく。

ステップ１２０８にて、支払トランザクションに関連付けられたトランザクションメッセージは、受信装置（例えば受信部３０２）によって受信されてよい。トランザクションメッセージは１以上の基準に基づいてフォーマットされ、複数のデータ要素を含む。当該複数のデータ要素は、少なくとも、特定のアドレス及びトランザクション金額を含む、私的使用のために保存されたデータ要素を含む。一実施形態では、１以上の基準は、ISO8583標準を少なくとも含む。ステップ１２１０にて、アカウントデータベース３１２に格納された特定のアカウントプロファイル３１４は、処理装置（例えば処理部３０４）によって識別されてよい。そこに含まれるアドレスは、受信されたトランザクションメッセージ内のデータ要素に含まれる特定のアドレスに対応する。

ステップ１２１２にて、識別されたアカウントプロファイル３１４に格納されたブロックチェーン通貨金額は、受信されたトランザクションメッセージ内のデータ要素に格納されるトランザクション金額に基づいて、処理装置３０４によって更新されてよい。一実施形態では、方法１２００は更に、処理部３０４によって、受信されたトランザクション金額内のデータ要素に含まれるトランザクション金額に基づいて、第２の中央アカウント３１０に格納されたブロックチェーン金額を更新することを含んでよい。いくつかの実施形態では、方法１２００はまた、処理部３０４によって、ブロックチェーン通貨金額に関連付けられたブロックチェーンネットワーク（例えばブロックチェーンネットワーク１０６）を用いてブロックチェーントランザクションを開始することを含んでよい。ブロックチェーントランザクションは、特定のアドレスへの又は特定のアドレスからのトランザクション金額についてのものである。

一実施形態では、第２の中央アカウント３１０は更に、複数の鍵を格納するよう構成される。各鍵はアカウントデータベース３１２に格納されるアカウントプロファイル３１４に関連付けられる。更なる実施形態では、方法１２００は更に、処理装置３０４によって、関連鍵を１以上のハッシュアルゴリズム及び／又はエンコーディングアルゴリズムに適用することに基づいて、アカウントデータベース３１２の各アカウントプロファイル３１４に格納されるアドレスを生成することを含む。更に別の実施形態では、１以上のハッシュアルゴリズム及び／又はエンコーディングアルゴリズムは、Base58Checkエンコーディングの使用を含んでよい。

一実施形態では、トランザクションメッセージは更に、資金供給アドレスを含む個人アカウント番号を格納するよう構成されたデータ要素を含んでよい。更なる実施形態では、方法１２００はまた、次のことを含んでよい。すなわち、処理装置３０４によって、アカウントデータベース３１２に格納される資金アカウントプロファイル３１４を識別することであって、含まれるアドレスは、資金供給アドレスに対応することと、処理装置３０４によって、受信されたトランザクションメッセージ内のデータ要素に含まれるトランザクション金額に基づいて、識別された資金アカウントプロファイル３１４に含まれるブロックチェーン通貨金額を控除することであって、識別された特定のアカウントプロファイル３１４に格納されるブロックチェーン通貨金額を更新することは、受信されたトランザクションメッセージ内のデータ要素に含まれるトランザクション金額に基づいてブロックチェーン通貨金額へ追加すること、である。

リスク値を用いてブロックチェーントランザクションを承認する例示的方法
図１３は、利用可能なブロックチェーン通貨及び／又は不換通貨に基づいたリスク値を用いて、支払ネットワークにおけるブロックチェーントランザクションの承認を行うための方法１１００を示す。

ステップ１３０２にて、複数のアカウントプロファイル（例えばアカウントプロファイル２１０）はアカウントデータベース（例えばアカウントデータベース２０８）に格納されてよい。各アカウントプロファイル２１０は消費者（例えば支払人１０２、受取人１０４、トランザクション金額等）に関連付けられたデータを含んでよい。当該データは少なくとも、アカウント識別子と、不換通貨金額と、１以上のブロックチェーン通貨金額とを含む。各ブロックチェーン通貨金額はブロックチェーンネットワーク（例えばブロックチェーンネットワーク１０６）に関連付けられる。

ステップ１３０４にて、支払トランザクションに関連付けられたトランザクションメッセージは、受信装置（例えば受信部２０２）によって受信されてよい。トランザクションメッセージは１以上の基準に基づいてフォーマットされ、複数のデータ要素を含む。当該複数のデータ要素は、少なくとも、特定のアカウント識別子を含む個人アカウント番号を格納するよう構成された第１のデータ要素と、少なくともネットワーク識別子とトランザクション金額とを含む、私的使用のために保存された第２のデータ要素とを含む。一実施形態では、１以上の基準は少なくとも１つISO8583標準を含んでよい。

ステップ１３０６にて、アカウントデータベース２０８に格納された特定のアカウントプロファイル２１０は、処理装置（例えば処理部２０４）によって識別されてよい。含まれるアカウント識別子は、受信されたトランザクションメッセージに格納された第１のデータ要素に含まれる特定のアカウント識別子に対応する。ステップ１３０８にて、リスク値は、支払トランザクションのために処理装置２０４によって識別されてよい。リスク値は少なくとも、受信されたトランザクションメッセージの第２のデータ要素に含まれるトランザクション金額と、不換通貨金額及びブロックチェーン通貨金額の少なくとも１つに基づいてよい。当該不換通貨金額及びブロックチェーン通貨金額は、識別された特定のアカウントプロファイル２１０に含まれる受信されたトランザクションメッセージの第２のデータ要素に含まれるネットワーク識別子に対応した、ブロックチェーンネットワーク１０６に関連付けられる。

一実施形態では、トランザクション金額はブロックチェーン通貨金額であってよい。支払トランザクションのためのリスク値を識別することは、受信されたトランザクションメッセージの第２のデータ要素に含まれるトランザクション金額と、識別された特定のアカウントプロファイルに含まれる受信されたトランザクションメッセージの第２のデータ要素に含まれるネットワーク識別子に対応するブロックチェーンネットワーク１０６に関連付けられたブロックチェーン通貨金額と、に基づいてよい。いくつかの実施形態では、トランザクション金額はブロックチェーン通貨金額であってよい。支払トランザクションのためのリスク値を識別することは、受信されたトランザクションメッセージの第２のデータ要素に含まれるトランザクション金額と、識別された特定のアカウントプロファイルに含まれる不換通貨金額と、ブロックチェーン通貨と不換通貨との間の双方向の交換における交換比率と、に基づいてよい。

ステップ１３１０にて支払トランザクションの承認は、少なくとも識別されたリスク値に基づいて処理装置２０４によって判定されてよい。ステップ１３１２にて、受信されたトランザクションメッセージは、承認判定に基づいて、処理装置２０４によって修正されてよい。一実施形態では、受信されたトランザクションメッセージを修正することは、トランザクションメッセージの第３の要素に、承認判定を示すレスポンスコードを格納することを含んでよい。ステップ１３１４にて送信装置（例えば送信部２０６）は、修正されたトランザクションメッセージを送信してよい。

一実施形態では、方法１３００は更に、処理装置２０４によって、少なくとも、それぞれのアカウントプロファイル２１０に含まれるアカウント識別子と、１以上のハッシュアルゴリズム及び／又はエンコーディングアルゴリズムとを用いて、各アカウントプロファイル２１０のアドレス識別子を生成することを含んでよい。別の実施形態では、特定のアカウント識別子は、識別された特定のアカウントプロファイル２１０に含まれるアカウント識別子を用いて生成されたアドレス識別子と同様の値を有してよい。更に別の実施形態では、１以上のハッシュアルゴリズム及び／又はエンコーディングアルゴリズムは、Base58Checkエンコーディングの使用を含んでよい。

いくつかの実施形態では、方法１３００はまた、処理装置２０４によって、ネットワーク識別子に対応するブロックチェーンネットワーク１０６を用いてブロックチェーントランザクションを開始することを含んでよい。当該ネットワーク識別子は、特定のアカウント識別子からのトランザクション金額についての、受信されたトランザクションメッセージの第２のデータ要素に含まれる。更なる実施形態では、受信されたトランザクションメッセージを修正することは更に、第２のデータ要素へ、ブロックチェーントランザクションを開始した結果として生成される参照識別子を追加することを含んでよい。

コンピュータシステムアーキテクチャ
図１４は、コンピュータシステム１４００を示す。そこには、本開示の実施形態又はその一部が、コンピュータ読取り可能なコードとして実装されてよい。例えば図１の処理サーバ１１０及び／又はイシュア１１２は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、格納された命令を有する非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体、又はこれらの組合せを用いて実装されてよく、１以上のコンピュータシステム又は他の処理システムにおいて実装されてよい。ハードウェア、ソフトウェア及びこれらの任意の組合せは、図４、５及び７乃至１３の方法を実装するために使用されるモジュール及びコンポーネントを実現してよい。

プログラマブルロジックが使用される場合、そのようなロジックは、商業的に利用可能な処理プラットフォーム又は特定用途装置上で実行してよい。業者は、開示された事項についての実施形態が、様々なコンピュータシステム構成で実行可能であることを理解する。当該システム構成は、マルチコアのマルチプロセッサシステムと、ミニコンピュータと、メインフレームコンピュータと、分散された機能でリンクされ又はクラスタ化されたコンピュータと、任意の装置へ仮想的に実装可能な汎用（pervasive）又はミニチュアのコンピュータとを含む。例えば少なくとも１つのプロセッサ装置及びメモリが、上記実施形態を実装するために使用されてよい。

本開示のプロセッサユニット又は装置は、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、又はこれらの組合せであってよい。プロセッサ装置は、１以上のプロセッサ「コア」を有してよい。本開示の「コンピュータプログラム媒体」、「非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体」及び「コンピュータ使用可能な媒体」との用語は、概して、有形の媒体（例えば取外し可能なストレージユニット１４１８、取外し可能なストレージユニット１４２２及びハードディスクドライブ１４１２にインストールされたハードディスク等）を指すために使用される。

本開示の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム１４００に関して記述される。本開示を読んだ後、当業者にとって、他のコンピュータシステム及び／又はコンピュータアーキテクチャを用いて本開示をどのように実装するかは自明である。動作はシーケンシャルな処理として開示されるが、いくつかの動作は実際には、並行して、同時に及び／又は分散環境で、実行されてよい。このとき、プログラムコードは、単一プロセッサの又はマルチプロセッサのマシンによってアクセスするために、ローカルに又はリモートに格納された状態である。更に、いくつかの実施形態では、動作の順番は、開示される事項の趣旨を逸脱することなく再配置可能である。

プロセッサ装置１４０４は特定目的の又は汎用目的のプロセッサ装置であってよい。プロセッサ装置１４０４は、通信インフラストラクチャ１４０６（例えばバス、メッセージキュー、ネットワーク、マルチコアメッセージパススキーム等）へ接続されてよい。ネットワークは、本開示の機能を実行するのに適した任意のネットワークであってよく、ローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）、ワイドエリアネットワーク（ＷＡＮ）、無線ネットワーク（例えばＷｉｆｉ）、モバイル通信ネットワーク、衛星ネットワーク、インターネット、光ファイバ、同軸ケーブル、赤外線、無線周波数（ＲＦ）又はこれらの任意の組合せを含んでよい。他の適切なネットワークタイプ及び構成は、当業者にとって自明である。コンピュータシステム１４００はまた、メインメモリ１４０８（例えばランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ等）を含んでよく、また、補助記憶装置１４１０を含んでよい。補助記憶装置１４１０は、ハードディスクドライブ１４１２と取外し可能なストレージドライブ１４１４（例えばフロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリ等）とを含んでよい。

取外し可能なストレージドライブ１４１４は、周知の方法で、取外し可能なストレージユニット１４１８から読み取りを行ってもよいし、そこへ書き込みを行ってもよい。取外し可能なストレージユニット１４１８は、取外し可能なストレージドライブ１４１４によって読み取られ又は書き込まれることができる、取外し可能なストレージ媒体を含んでよい。例えばもし取外し可能なストレージドライブ１４１４がフロッピーディスクドライブ又はユニバーサルシリアルバスポートであれば、取外し可能なストレージユニット１４１８はそれぞれ、フロッピーディスク又はポータブルフラッシュドライブであってよい。一実施形態では、取外し可能なストレージユニット１４１８は非一時的な読取り可能記録媒体であってよい。

いくつかの実施形態では、補助記憶装置１４１０は代替手段を含み、コンピュータプログラム又は他の命令がコンピュータシステム１４００（例えば取外し可能なストレージユニット１４２２及びインタフェース１４２０）にロードされることを可能にしてよい。そのような手段の例は、（例えばビデオゲームシステムで見られる）プログラムカートリッジ及びカートリッジインタフェース、取外し可能なメモリチップ（例えばＥＥＰＲＯＭ、ＰＲＯＭ等）、関連ソケット、他の取外し可能なストレージユニット１４２２及びインタフェース１４２０を含んでよい。このことは当業者にとって自明である。

コンピュータシステム１４００に（例えばメインメモリ１４０８に及び／又は補助記憶装置１４１０に）格納されたデータは、任意のタイプの適切なコンピュータ読取り可能な媒体（例えば光ストレージ（コンパクトディスク、デジタル多目的ディスク、Blu-rayディスク等）又は磁気テープストレージ（例えばハードディスクドライブ））上に格納されてよい。データは任意のタイプの適切なデータベース構成（例えばリレーショナルデータベース、構造化照会言語（ＳＱＬ）データベース、分散データベース、オブジェクトデータベース、分散キーバリューストア等）で構成されてよい。適切な構成及びストレージタイプは、当業者にとって自明である。

コンピュータシステム１４００はまた、通信インタフェース１４２４を含んでよい。通信インタフェース１４２４は、ソフトウェア及びデータが、コンピュータシステム１４００と外部装置との間で送信されることを可能にしてよい。例示的な通信インタフェース１４２４は、モデム、ネットワークインタフェース（例えばイーサネットカード）、通信ポート、ＰＣＭＣＩＡスロット及びカード等を含んでよい。通信インタフェース１４２４を介して転送されるソフトウェア及びデータは信号形式であってよい。当該信号形式は、電子の、電磁気の、光の、又は当業者にとって自明な他の信号のものであってよい。信号は、通信パス１４２６を介して伝わる。当該通信パス１４２６は信号を伝送するよう構成され、電線、ケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、無線周波数リンク等を用いて実装されてよい。

コンピュータシステム１４００は表示インタフェース１４０２を更に含んでよい。表示インタフェース１４０２は、データが、コンピュータシステム１４００と外部ディスプレイ１４３０との間で転送されることを可能にするよう構成されてよい。例示的な表示インタフェース１４０２は、高精細度マルチメディアインタフェース（ＨＤＭＩ）、デジタルビジュアルインタフェース（ＤＶＩ）、ビデオグラフィックスアレイ（ＶＧＡ）等を含んでよい。ディスプレイ１４３０は任意の適切なタイプのディスプレイであってよく、コンピュータシステム１４００の表示インタフェース１４０２を介して転送されるデータを表示する。ディスプレイ１４３０は、ブラウン管（ＣＲＴ）ディスプレイ、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）、発光ダイオード（ＬＥＤ）ディスプレイ、静電容量方式タッチディスプレイ、薄膜トランジスタ（ＴＦＴ）ディスプレイ等を含む。

コンピュータプログラム媒体及びコンピュータ使用可能な媒体は、メモリ（例えばメインメモリ１４０８及び補助記憶装置１４１０）を指してよく、半導体メモリ（ＤＲＡＭ等）であってよい。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム１４００へソフトウェアを提供するための手段であってよい。コンピュータプログラム（例えばコンピュータ制御ロジック）は、メインメモリ１４０８及び／又は補助記憶装置１４１０に格納されてよい。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェース１４２４を介して受信されてよい。そのようなコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム１４００が本開示の方法を実行することを可能にしてよい。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ装置１４０４が図４、５及び７乃至１３に示される本開示の方法を実行することを可能にしてよい。したがって、そのようなコンピュータプログラムはコンピュータシステム１４００のコントローラを示す。本開示はソフトウェアを使用して実装される。当該ソフトウェアは、取外し可能なストレージドライブ１４１４、インタフェース１４２０、及びハードディスクドライブ１４１２又は通信インタフェース１４２４を用いて、コンピュータプログラム製品に格納されてコンピュータシステム１４００へロードされてよい。

本開示に一貫する技術は、他の特徴の中でも、ブロックチェーントランザクションを承認し、ブロックチェーントランザクションにおいてリスク値を識別し、ブロックチェーントランザクションを検証済みアイデンティティとリンクさせるシステム及び方法を提供する。本開示のシステム及び方法の様々な例示的実施形態が上述されるが、それらは限定目的でなく例示目的のみで示されることを理解されたい。それは徹底したものでなく、本開示を、開示された形態そのものへ限定しない。上記の教示に照らして修正例及び変形例が可能である。広がり又は範囲を逸脱すること無く、本開示の実装から修正例及び変形例が得られてよい。

Claims (16)

1. 私的に検証されたアイデンティティへブロックチェーントランザクションをリンクさせる方法において、
   アカウントデータベースへ複数のアカウントプロファイルを格納するステップであって、各アカウントプロファイルは、アカウント識別子とアカウントデータとを少なくとも含むトランザクションアカウントに関連するデータを含む、ステップと、
   受信装置によってトランザクションメッセージを受信するステップであって、当該トランザクションメッセージは１以上の基準に基づいてフォーマットされて複数のデータ要素を含み、当該複数のデータ要素は、個人アカウント番号を格納するよう構成された第１のデータ要素と、販売者識別子を格納するよう構成された第２のデータ要素と、少なくともブロックチェーンネットワーク識別子を格納するよう構成された第３のデータ要素とを含む、ステップと、
   前記アカウントデータベースに格納された第１のアカウントプロファイルを処理装置によって識別するステップであって、含まれる前記アカウント識別子は、前記受信されたトランザクションメッセージに含まれる前記第１のデータ要素に格納された前記個人アカウント番号に対応する、ステップと、
   前記アカウントデータベースに格納された第２のアカウントプロファイルを前記処理装置によって識別するステップであって、含まれる前記アカウント識別子は、前記受信されたトランザクションメッセージに含まれる前記第２のデータ要素に格納された前記販売者識別子に対応する、ステップと、
   前記受信装置によってトランザクション通知を受信するステップであって、前記トランザクション通知は、前記第３のデータ要素に格納される前記ブロックチェーンネットワーク識別子に関連付けられたブロックチェーンネットワークであって、前記第３のデータ要素が前記受信されたトランザクションメッセージに含まれるブロックチェーンネットワークを用いて処理されるトランザクションを示し、前記トランザクション通知はトランザクション識別子と、前記第１のアカウントプロファイル及び前記第２のアカウントプロファイルのうち１つに関連付けられたアドレス識別子とを少なくとも含む、ステップと、
   前記処理装置によって、前記受信されたトランザクション通知に含まれる前記トランザクション識別子と、前記アドレス識別子、前記個人アカウント番号及び前記販売者識別子のうち少なくとも１つとの間のリンクを格納するステップと、を含む方法。
2. 請求項１に記載の方法において、前記リンクはリンクプロファイルとしてトランザクションデータベースに格納され、前記リンクプロファイルは、前記トランザクション識別子と、前記アドレス識別子、前記個人アカウント番号及び前記販売者識別子のうち前記少なくとも１つとを少なくとも含む、方法。
3. 請求項１に記載の方法において、前記リンクは前記第１のアカウントプロファイルに格納される、方法。
4. 請求項１に記載の方法において、前記リンクは前記第２のアカウントプロファイルに格納される、方法。
5. 請求項１に記載の方法において、前記トランザクションメッセージは非通貨トランザクションを示す処理コードを格納するよう構成された第４のデータ要素を含む、方法。
6. 請求項１に記載の方法において、前記アドレス識別子は、前記第１のアカウントプロファイルと前記第２のアカウントプロファイルとのうち１つに関連付けられた公開鍵を用いて生成されるハッシュである、方法。
7. 請求項１に記載の方法において、前記トランザクションメッセージは、承認メッセージを示す、メッセージタイプの標識を含む、方法。
8. 請求項１に記載の方法において、前記アカウントデータは、トランザクションデータ、位置データ、特徴データ及び詐欺データのうち少なくとも１つを含む、方法。
9. 私的に検証されたアイデンティティへブロックチェーントランザクションをリンクさせるシステムにおいて、
   複数のアカウントプロファイルを格納するよう構成されたアカウントデータベースであって、各アカウントプロファイルは、アカウント識別子とアカウントデータとを少なくとも含むトランザクションアカウントに関するデータを含む、アカウントデータベースと、
   トランザクションメッセージを受信するよう構成される受信装置であって、当該トランザクションメッセージは１以上の基準に基づいてフォーマットされて複数のデータ要素を含み、当該複数のデータ要素は、個人アカウント番号を格納するよう構成された第１のデータ要素と、販売者識別子を格納するよう構成された第２のデータ要素と、ブロックチェーンネットワーク識別子を格納するよう構成された第３のデータ要素とを含む、受信装置と、
   処理装置であって、
   前記アカウントデータベースに格納された第１のアカウントプロファイルを識別するステップであって、含まれる前記アカウント識別子は、前記受信されたトランザクションメッセージに含まれる前記第１のデータ要素に格納された前記個人アカウント番号に対応する、ステップと、
   前記アカウントデータベースに格納された第２のアカウントプロファイルを識別するステップであって、含まれる前記アカウント識別子は、前記受信されたトランザクションメッセージに含まれる前記第２のデータ要素に格納された前記販売者識別子に対応する、ステップと、
   を実行するよう構成される処理装置とを含み、
   前記受信装置は更にトランザクション通知を受信するよう構成され、前記トランザクション通知は、前記第３のデータ要素に格納される前記ブロックチェーンネットワーク識別子に関連付けられたブロックチェーンネットワークであって、前記第３のデータ要素が前記受信されたトランザクションメッセージに含まれるブロックチェーンネットワークを用いて処理されるトランザクションを示し、前記トランザクション通知はトランザクション識別子と、前記第１のアカウントプロファイル及び前記第２のアカウントプロファイルのうち１つに関連付けられたアドレス識別子とを少なくとも含み、
   前記処理装置は、前記受信されたトランザクション通知に含まれる前記トランザクション識別子と、前記アドレス識別子、前記個人アカウント番号及び前記販売者識別子のうち少なくとも１つとの間のリンクを格納するよう更に構成される、システム。
10. 請求項９に記載のシステムにおいて、
    トランザクションデータベースを更に含み、
    前記リンクはリンクプロファイルとして前記トランザクションデータベースに格納され、前記リンクプロファイルは前記トランザクション識別子と、前記アドレス識別子、前記個人アカウント番号及び前記販売者識別子のうち前記少なくとも１つとを少なくとも含む、システム。
11. 請求項９に記載のシステムにおいて、前記リンクは前記第１のアカウントプロファイルに格納される、システム。
12. 請求項９に記載のシステムにおいて、前記リンクは前記第２のアカウントプロファイルに格納される、システム。
13. 請求項９に記載のシステムにおいて、前記トランザクションメッセージは非通貨トランザクションを示す処理コードを格納するよう構成された第４のデータ要素を含む、システム。
14. 請求項９に記載のシステムにおいて、前記アドレス識別子は、前記第１のアカウントプロファイルと前記第２のアカウントプロファイルとのうち１つに関連付けられた公開鍵を用いて生成されるハッシュである、システム。
15. 請求項９に記載のシステムにおいて、前記トランザクションメッセージは、承認メッセージを示す、メッセージタイプの標識を含む、システム。
16. 請求項９に記載のシステムにおいて、前記アカウントデータは、トランザクションデータ、位置データ、特徴データ及び詐欺データのうち少なくとも１つを含む、システム。
    

Images