本発明は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物(本明細書で以下「mTOR阻害剤ナノ粒子組成物」とも呼ぶ)を、第2の治療剤と併せて個体に投与することによる、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法および組成物を提供する。第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)またはがんワクチン(例えば、腫瘍細胞から調製されるワクチン、または少なくとも1つの腫瘍関連抗原から調製されるワクチン)とすることができる。
したがって、本出願は、併用治療の方法を提供する。本明細書に記載される併用治療の方法は、1種の薬剤または組成物が別の薬剤と併せて投与されることを必要とすることが、当業者により理解されるべきである。
同様に、本明細書に記載される方法に有用な、組成物(例えば、医薬組成物)、キットおよび単位投与量も提供される。
定義
本明細書で用いられる「nab」は、ナノ粒子アルブミン結合を表し、「nab−シロリムス」は、シロリムスのアルブミン安定化ナノ粒子処方物である。nab−シロリムスは、既に記載されている、nab−ラパマイシンとしても知られている。例えば、それらのそれぞれの全体が、参照により本明細書に組み込まれている、WO2008109163A1、WO2014151853、WO2008137148A2およびWO2012149451A1を参照のこと。
本明細書で用いられる「処置」または「処置すること」とは、臨床的な結果を含めた有益な結果または所望の結果を得るための手法である。本発明の目的では、有益または所望の臨床結果に、以下:疾患から結果として生じる1またはそれより多くの症状を緩和すること、疾患の程度を軽減すること、疾患を安定化させること(例えば、疾患の増悪を予防するかまたは遅延させること)、疾患の拡大(例えば、転移)を予防するかまたは遅延させること、疾患の再発を予防するかまたは遅延させること、疾患の再発率を低減すること、疾患の進行を遅延させるかまたは緩徐にすること、疾患状態を改善すること、疾患の寛解(部分寛解または完全寛解)をもたらすこと、疾患を処置するのに必要とされる1またはそれより多くの他の医薬の用量を低減すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を向上させること、および/または生存を延長することのうちの1または複数が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、処置は、処置前の同一被験体における対応する症状に比べて、または処置を受けない他の被験体における対応する症状に比べて、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%のうちのいずれかで、がんと関連する1または複数の症状の重症度を軽減する。同様に、「処置」とは、がんの病理学的帰結の低下が包含される。本発明の方法は、処置のこれらの態様のうちの任意の1または複数を企図する。
用語「再発(recurrence)」、「再発(relapse)」または「再発した」とは、疾患の消失の臨床的評価の後にがんまたは疾患が戻ることを指す。遠隔転移または局所再発の診断は、再発と考えることができる。
用語「不応性の」または「抵抗性」は、処置に応答しなかったがんまたは疾患を指す。
本明細書で用いられる「危険性がある」個体とは、癌を発症する危険性がある個体である。「危険性がある」個体は、検出可能な疾患を有する場合もあり、有さない場合もあり、本明細書に記載される処置法の前に、検出可能な疾患を示している場合もあり、示していない場合もある。「危険性がある」とは、個体が1またはそれより多くのいわゆる危険因子を有することを意味し、これらは、本明細書に記載の癌の発症と相関する測定可能なパラメーターである。これらの危険因子のうちの1または複数を有する個体は、これらの危険因子(複数可)を伴わない個体よりも高い、がんを発症する可能性がある。
「補助の状況(adjuvant setting)」とは、個体が、癌の既往歴を有し、個体に治療が全般的に応答性である(しかし、必ずしもそうである必要はない)臨床状況を指し、これには、手術(例えば、手術による切除)、放射線療法、および化学療法が含まれるがこれらに限定されない。しかし、彼らの癌の既往歴のために、これらの個体は、疾患を発症する危険性があると考えられる。「補助の状況」における処置または投与は、後続の処置方式を指す。危険性の程度(例えば、補助の状況にある個体が「高危険性」または「低危険性」とみなされる場合の)は、複数の因子に依存し、最初に処置された時における疾患の程度に依存することが最も通常である。
「新補助療法の状況(neoadjuvant setting)」とは、方法を、主要/根治的(definitive)治療の前に実施する臨床状況を指す。
本明細書で用いられる、癌の発症を「遅延させること」とは、がんの発症を延期するか、阻害するか、緩徐化するか、遅滞させるか、安定化させるか、かつ/または遅らせることを意味する。この遅延は、疾患の既往歴および/または処置される個体に応じて、様々な長さの時間でありうる。当業者に明らかである通り、十分な遅延または顕著な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で、予防を包含しうる。癌の発症を「遅延させる」方法とは、所与の時間枠における疾患発症の可能性を低減し、かつ/またはこの方法を用いない場合と比較して、所与の時間枠内で疾患の程度を軽減する方法である。このような比較は、統計学的に有意な数の被験体を用いる臨床試験に基づくことが典型的である。癌の発症は、コンピュータ断層撮影法(CATスキャン)、磁気共鳴画像診断法(MRI)、超音波法、凝血検査、動脈造影法、生検、尿細胞検査および細胞検査が含まれるがこれらに限定されない標準的な方法を用いて検出することができる。発症とは、初期において検出されず、発生、再発および発病(onset)を含む癌の進行を指す場合がある。
本明細書で用いられる「有効量」という用語は、その症状のうちの1または複数を改善するか、緩和するか、軽減するか、かつ/または遅延させるなど、指定された障害、状態、または疾患を処置するのに十分な量の化合物または組成物を指す。癌について、有効量は、腫瘍を縮小させ、かつ/もしくは腫瘍の増殖速度を減少させる(腫瘍の増殖を抑制するなど)か、または癌における望ましくない他の細胞増殖を予防するかもしくは遅延させるのに十分な量を含む。一部の実施形態では、有効量が、癌の発症を遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量が、再発を予防するかまたは遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量は、個体における再発率を低下するのに十分な量である。有効量は、単回または複数回投与で投与することができる。薬物または組成物の有効量は、(i)がん細胞の数を低下させること、(ii)腫瘍サイズを縮小すること、(iii)末梢器官へのがん細胞の浸潤をある程度、阻害する、遅らせる、減速させる、好ましくは停止させること、(iv)腫瘍転移を阻害すること(すなわち、ある程度まで減速させ、好ましくは停止させること)、(v)腫瘍増殖を阻害すること、(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発を予防または遅延させること、(vii)腫瘍の再発率を低下させること、および/または(viii)がんと関連する症状の1または複数をある程度、軽減することができる。
当分野において理解されている通り、「有効量」は、1または複数の用量であってもよく、すなわち、単回用量または複数回用量が、処置の所望のエンドポイントを達成するために必要となり得る。有効量は、1または複数の治療剤を投与する文脈において考慮することができ、ナノ粒子組成物(例えば、シロリムスおよびアルブミンを含む組成物)は、1または複数の他の薬剤と併せて、所望のまたは有益な結果となり得る、または達成される場合、有効量で投与されると見なすことができる。本発明の併用治療における成分(例えば、第1および第2の治療)は、各成分について同一または異なる投与経路を使用して、逐次に、同時にまたは同時発生的に(concurrently)、投与され得る。したがって、併用治療の有効量は、逐次に、同時にまたは同時発生的に投与された場合に、所望の転帰を生じる、第1の治療の量および第2の治療の量を含む。
「と併せて」または「と組み合わせて」とは、同一の処置計画のもとで、同一個体に、本明細書に記載されるナノ粒子組成物を、他の薬剤の投与に加えて投与するなどの、1つの処置モダリティを、別の処置モダリティに加えて投与することを指す。したがって、「と併せて」または「と組み合わせて」とは、個体への1つの処置モダリティの投与であって、別の処置モダリティの送達前、その最中またはその後の、投与を指す。
本明細書で用いられる用語「同時投与」は、併用治療における第1の治療と第2の治療が、約15分、例えば、約10分、約5分または約1分のうちのいずれかを超えない時間を離して投与されることを意味する。第1および第2の治療が同時に投与される場合、第1の治療と第2の治療は、同一の組成物(例えば、第1の治療と第2の治療の両方を含む組成物)中に、または別個の組成物中に含まれてもよい(例えば、第1の治療がある組成物中に、第2の治療が別の組成物中に含まれる)。
本明細書で用いられる用語「逐次投与」は、併用治療における第1の治療および第2の治療が、約15分、例えば、約20分、約30分、約40分、約50分、約60分またはそれより長い時間のいずれかを超える時間を離して投与されることを意味する。第1の治療または第2の治療のいずれかが、最初に投与されてもよい。第1の治療および第2の治療は、別個の組成物中に含まれ、それらは、同一もしくは異なるパッケージまたはキット中に含まれてもよい。
本明細書で用いられる用語「同時発生的投与」は、併用治療における第1の治療の投与と第2の治療の投与が、互いに重なることを意味する。
本明細書で使用する場合、阻害剤としての化合物を記載する際に使用される「特異的」、「特異性」、または「選択的」もしくは「選択性」は、該化合物が、非標的よりも、特定の標的(例えば、タンパク質および酵素)と好ましくは相互作用する(例えば、特定の標的に結合する、これをモジュレートおよび阻害する)ことを意味する。例えば、化合物は、特定の標的に対して、より高い親和性、より高いアビディティ、より高い結合係数またはより低い解離係数を有する。特定の標的に対する化合物の特異性または選択性は、当分野において周知の様々な方法を使用することにより、測定、決定または評価することができる。例えば、特異性または選択性は、標的に対する化合物のIC50を測定することによって、測定、決定または評価することができる。標的に対する化合物のIC50が、非標的に対する同一化合物のIC50の2分の1、4分の1、6分の1、8分の1、10分の1、20分の1、50分の1、100分の1、500分の1、1000分の1またはそれ未満である場合、その化合物はその標的に対して特異的または選択的である。例えば、HDACに対する本発明のヒストンデアセチラーゼ阻害剤のIC50は、非HDACに対する同一ヒストンデアセチラーゼ阻害剤のIC50の2分の1、4分の1、6分の1、8分の1、10分の1、20分の1、50分の1、100分の1、500分の1、1000分の1またはそれ未満である。例えば、クラスIのHDACに対する本発明のヒストンデアセチラーゼ阻害剤のIC50は、他のHDAC(例えば、クラスIIのHDAC)に対する同一ヒストンデアセチラーゼ阻害剤のIC50の2分の1、4分の1、6分の1、8分の1、10分の1、20分の1、50分の1、100分の1、500分の1、1000分の1またはそれ未満である。例えば、HDAC3に対する本発明のヒストンデアセチラーゼ阻害剤のIC50は、他のHDAC(例えば、HDAC1、2または6)に対する同一ヒストンデアセチラーゼ阻害剤のIC50の2分の1、4分の1、6分の1、8分の1、10分の1、20分の1、50分の1、100分の1、500分の1、1000分の1またはそれ未満である。IC50は、当分野において一般に公知の方法により決定することができる。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合性の」とは、生物学的でも他の点でも望ましい材料を意味し、例えば、材料は、あらゆる顕著に望ましくない生物学的作用を引き起こさず、またはそれが含有される組成物の他の成分のうちのいずれかとも有害な様式で相互作用もせずに、患者に投与される医薬組成物へと組み込むことができる。薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤は、好ましくは、毒性試験および製造試験の要求基準を満たし、かつ/または米国食品医薬品局により作成された「不活性成分についての指針」に含まれるものである。
本明細書に記載される本発明の実施形態は、実施形態「からなる」こと、および/または実施形態「から本質的になる」ことを包含することを理解されたい。
本明細書における「おおよその」値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とするばらつきを包含(および記載)する。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を包含する。
本明細書で使用する場合、ある値またはパラメーター「ではない」という言及は、一般にある値またはパラメーター「以外」を意味および記載する。例えば、この方法が、タイプXのがんを処置するために使用されないということは、この方法は、X以外のタイプのがんを処置するために使用されることを意味する。
本明細書および付属の特許請求の範囲で用いられる単数形の「ある」、「または」、および「その」は、文脈が別段に決定することが明らかでない限り、複数の指示を包含する。
固形腫瘍を処置する方法
本発明は、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、固形腫瘍には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮種(lymphangioendotheliosarcoma)、カポジ肉腫、軟組織肉腫、子宮サクロノーマ滑膜腫(uterine sacronomasynovioma)、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚がん、睾丸腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫などの肉腫および癌腫が含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、膀胱がん、腎細胞癌および黒色腫からなる群より選択される。一部の実施形態では、固形腫瘍は再発したまたは不応性の固形腫瘍である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含み、ナノ粒子組成物および第2の治療剤が同時発生的に投与される、方法が提供される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および第2の治療剤の投与は、ほぼ同じ時間(例えば、1、2、3、4、5、6または7日以内のいずれか1つ)に開始される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および第2の治療剤の投与は、ほぼ同じ時間(例えば、1、2、3、4、5、6または7日以内のいずれか1つ)に終了される。一部の実施形態では、第2の治療剤の投与は、ナノ粒子組成物の投与の終了後(例えば、約0.5ヵ月間、約1ヵ月間、約2ヵ月間、約3ヵ月間、約4ヵ月間、約5ヵ月間、約6ヵ月間、約7ヵ月間、約8ヵ月間、約9ヵ月間、約10ヵ月間、約11ヵ月間または約12ヵ月間のいずれか1つ)、継続される。一部の実施形態では、第2の治療剤の投与は、ナノ粒子組成物の投与の開始後(例えば、約0.5ヵ月後、約1ヵ月後、約2ヵ月後、約3ヵ月後、約4ヵ月後、約5ヵ月後、約6ヵ月後、約7ヵ月後、約8ヵ月後、約9ヵ月後、約10ヵ月後、約11ヵ月後または約12ヵ月のいずれか1つ)に開始される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および第2の治療剤の投与は、ほぼ同じ時間に開始されて、そして終了する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および第2の治療剤の投与は、ほぼ同時に開始され、第2の治療剤の投与は、ナノ粒子組成物の投与の終了後(例えば、約0.5ヵ月間、約1ヵ月間、約2ヵ月間、約3ヵ月間、約4ヵ月間、約5ヵ月間、約6ヵ月間、約7ヵ月間、約8ヵ月間、約9ヵ月間、約10ヵ月間、約11ヵ月間または約12ヵ月間のいずれか1つ)、継続される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および第2の治療剤の投与は、ほぼ同時に停止され、第2の治療剤の投与は、ナノ粒子組成物の投与の開始後(例えば、約0.5ヵ月後、約1ヵ月後、約2ヵ月後、約3ヵ月後、約4ヵ月、約5ヵ月後、約6ヵ月後、約7ヵ月後、約8ヵ月後、約9ヵ月後、約10ヵ月後、約11ヵ月後または約12ヵ月後のいずれか1つ)に開始される。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および第2の治療剤の投与は、ほぼ同時に停止され、ナノ粒子組成物の投与は、第2の治療剤の投与の開始後(例えば、約0.5ヵ月後、約1ヵ月後、約2ヵ月後、約3ヵ月後、約4ヵ月後、約5ヵ月後、約6ヵ月後、約7ヵ月後、約8ヵ月後、約9ヵ月後、約10ヵ月後、約11ヵ月後または約12ヵ月のいずれか1つ)に開始される。
本明細書で使用される「mTOR阻害剤」は、mTORの阻害剤を指す。mTORは、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)/Akt(タンパク質キナーゼB)経路の下流のセリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼであり、細胞生存、増殖、ストレスおよび代謝の重要な調節因子である。mTOR経路の調節不全は、多くのヒト癌において見出されており、mTOR阻害は、腫瘍進行に対する実質的な阻害効果を生じている。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、mTORキナーゼ阻害剤である。本明細書に記載されるmTOR阻害剤には、BEZ235(NVP−BEZ235)、エベロリムス(RAD001、Zortress、CerticanおよびAfinitorとしても公知)、ラパマイシン(シロリムスまたはRapamuneとしても公知)、AZD8055、テムシロリムス(CCI−779およびToriselとしても公知)、CC−115、CC−223、PI−103、Ku−0063794、INK 128、AZD2014、NVP−BGT226、PF−04691502、CH5132799、GDC−0980(RG7422)、Torin 1、WAY−600、WYE−125132、WYE−687、GSK2126458、PF−05212384(PKI−587)、PP−121、OSI−027、Palomid 529、PP242、XL765、GSK1059615、WYE−354およびリダフォロリムス(デフォロリムスとしても公知)が含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、シロリムスおよびそのアナログを含むリムス薬物である。リムス薬物の例には、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK−506)が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、このリムス薬物は、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK−506)からなる群より選択される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、CC−115またはCC−223などのmTORキナーゼ阻害剤である。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、mTOR阻害剤が、BEZ235(NVP−BEZ235)、エベロリムス(RAD001、Zortress、CerticanおよびAfinitorとしても知られている)、ラパマイシン(シロリムスまたはRapamuneとしても知られている)、AZD8055、テムシロリムス(CCI−779およびToriselとしても知られている)、CC−115、CC−223、PI−103、Ku−0063794、INK128、AZD2014、NVP−BGT226、PF−04691502、CH5132799、GDC−0980(RG7422)、Torin1、WAY−600、WYE−125132、WYE−687、GSK2126458、PF−05212384(PKI−587)、PP−121、OSI−027、パロミド529、PP242、XL765、GSK1059615、WYE−354およびリダフォロリムス(デフォロリムスとしても知られている)からなる群より選択される、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、mTOR阻害剤が、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK−506)からなる群より選択されるリムス薬物である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。
一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫賦活剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(Celgene)である。IMiDs(登録商標)化合物は、複数の作用機序により、免疫系および他の生物学的標的をモジュレートする、独占的所有権のある、小分子の経口で利用可能な化合物である。IMiDs(登録商標)化合物には、レナリドマイドおよびポマリドマイドが含まれる。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、サイトカイン、ケモカイン、幹細胞増殖因子、リンホトキシン、造血因子、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロポエチン、トロンボポエチン、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF)、TNF−ベータ、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、インターフェロン−アルファ、インターフェロン−ベータ、インターフェロン−ガンマ、インターフェロン−ラムダ、「S1因子」と表される幹細胞増殖因子、ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、チロキシン、インスリン、プロインスリン、リラキシン、プロレラキシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、肝細胞増殖因子(hepatic growth factor)、プロスタグランジン、線維芽細胞増殖因子、プロラクチン、胎盤性ラクトゲン、OBタンパク質、ミュラー管抑制物質、マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド、インヒビン、アクチビン、血管内皮細胞増殖因子、インテグリン、NGF−ベータ、血小板増殖因子、TGF−アルファ、TGF−ベータ、インスリン様成長因子−I、インスリン様成長因子−II、マクロファージ−CSF(M−CSF)、IL−1、IL−1a、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、IL−25、LIF、FLT−3、アンジオスタチン、トロンボスポンジン、エンドスタチン、リンホトキシン、サリドマイド、レナリドマイドおよびポマリドマイドからなる群より選択される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体(共刺激受容体を含む)を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、抗CD28、抗OX40(例えば、MEDI6469)、抗GITR(例えば、TRX518)、抗4−1BB(例えば、BMS−663513およびPF−05082566)、抗ICOS(例えば、JTX−2011、Jounce Therapeutics)、抗CD27(例えば、バルリルマブおよびhCD27.15)、抗CD40(例えば、CP870,893)および抗HVEMからなる群より選択されるアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、抗CTLA4(例えば、イピリムマブおよびトレメリムマブ)、抗PD−1(例えば、ニボルマブ、ピジリズマブおよびペムブロリズマブ)、抗PD−L1(例えば、MPDL3280A、BMS−936559、MEDI4736およびアベルマブ)、抗PD−L2、抗LAG3(例えば、BMS−986016またはC9B7W)、抗B7−1、抗B7−H3(例えば、MGA271)、抗B7−H4、抗TIM3、抗BTLA、抗VISTA、抗KIR(例えば、リリルマブ(Lirilumab)およびIPH2101)、抗A2aR、抗CD52(例えば、アレムツズマブ)、抗IL−10、抗FasL(例えば、米国特許第9,255,150号に開示されているもの)、抗IL−35および抗TGF−β(例えば、フレソルミマブ(Fresolumimab))からなる群より選択されるアンタゴニスト抗体である。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫賦活剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)個体の免疫系を直接刺激する有効量の免疫賦活剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のIMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)サイトカイン、ケモカイン、幹細胞増殖因子、リンホトキシン、造血因子、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロポエチン、トロンボポエチン、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF)、TNF−ベータ、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、インターフェロン−アルファ、インターフェロン−ベータ、インターフェロン−ガンマ、インターフェロン−ラムダ、「S1因子」と表される幹細胞増殖因子、ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、チロキシン、インスリン、プロインスリン、リラキシン、プロレラキシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、肝細胞増殖因子、プロスタグランジン、線維芽細胞増殖因子、プロラクチン、胎盤性ラクトゲン、OBタンパク質、ミュラー管抑制物質、マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド、インヒビン、アクチビン、血管内皮細胞増殖因子、インテグリン、NGF−ベータ、血小板増殖因子、TGF−アルファ、TGF−ベータ、インスリン様成長因子−I、インスリン様成長因子−II、マクロファージ−CSF(M−CSF)、IL−1、IL−1a、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、IL−25、LIF、FLT−3、アンジオスタチン、トロンボスポンジン、エンドスタチン、リンホトキシン、サリドマイド、レナリドマイドおよびポマリドマイドからなる群より選択される有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体(共刺激受容体を含む)のアゴニストを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体(共刺激受容体を含む)のアゴニストは、抗CD28、抗OX40(例えば、MEDI6469)、抗ICOS(例えば、JTX−2011、Jounce Therapeutics)、抗GITR(例えば、TRX518)、抗4−1BB(例えば、BMS−663513およびPF−05082566)、抗CD27(例えば、バルリルマブおよびhCD27.15)、抗CD40(例えば、CP870,893)および抗HVEMからなる群より選択されるアゴニスト抗体である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫チェックポイント阻害剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗CTLA4(例えば、イピリムマブおよびトレメリムマブ)、抗PD−1(例えば、ニボルマブ、ピジリズマブおよびペムブロリズマブ)、抗PD−L1(例えば、MPDL3280A、BMS−936559、MEDI4736およびアベルマブ)、抗PD−L2、抗LAG3(例えば、BMS−986016またはC9B7W)、抗B7−1、抗B7−H3(例えば、MGA271)、抗B7−H4、抗TIM3、抗BTLA、抗VISTA、抗KIR(例えば、リリルマブおよびIPH2101)、抗A2aR、抗CD52(例えば、アレムツズマブ)、抗IL−10、抗FasL、抗IL−35および抗TGF−β(例えば、フレソルミマブ)からなる群より選択されるアンタゴニスト抗体である。
一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ボリノスタット(SAHA)、パノビノスタット(LBH589)、ベリノスタット(PXD101、CAS414864−00−9)、タセジナリン(tacedinaline)(N−アセチルジナリン、CI−994)、ギビノスタット(ガビノスタット、ITF2357)、FRM−0334(EVP−0334)、レスベラトロール(SRT501)、CUDC−101、クイシノスタット(quisinostat)(JNJ−26481585)、アベキシノスタット(abexinostat)(PCI−24781)、ダシノスタット(dacinostat)(LAQ824、NVP−LAQ824)、バルプロ酸、4−(ジメチルアミノ)N−[6−(ヒドロキシアミノ)−6−オキソヘキシル]−ベンズアミド(HDAC1阻害剤)、4−ヨードスベロイルアニリドヒドロキサム酸(HDAC1およびHDAC6阻害剤)、ロミデプシン(クラス−IのHDACを主に対象とするHDAC阻害活性を有する環式テトラペプチド)、1−ナフトヒドロキサム酸(HDAC1およびHDAC6阻害剤)、アミノ−ベンズアミドバイアスエレメントをベースとするHDAC阻害剤(例えば、モセチノスタット(MGCD103)およびエンチノスタット(MS275)であり、これらは、HDAC1、2および3に対して非常に選択的である)、AN−9(CAS122110−53−6)、APHA化合物8(CAS676599−90−9)、アピシジン(CAS183506−66−3)、BML−210(CAS537034−17−6)、サレルマイド(salermide)(CAS1105698−15−4)、スベロイルビス−ヒドロキサム酸(CAS38937−66−5)(HDAC1およびHDAC3阻害剤)、ブチリルヒドロキサム酸(CAS4312−91−8)、CAY10603(CAS1045792−66−2)(HDAC6阻害剤)、CBHA(CAS174664−65−4)、リコリノスタット(ACY1215、ロシリノスタット)、トリコスタチン−A、WT−161、ツバシン(tubacin)およびMerck60からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤であるロミデプシンである。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ボリノスタット(スベロイルアニリドヒドロキサム酸または「SAHA」)、トリコスタチンA(「TSA」)、LBH589(パノビノスタット)、PXD101(ベリノスタット)、オキサムフラチン(oxamflatin)、ツバシン、セリプタイド(seriptaid)、NVP−LAQ824、桂皮酸ヒドロキサム酸(CBHA)、CBHA誘導体およびITF2357が含まれるがこれらに限定されないヒドロキサム酸である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、モセチノスタット(MGCD0103)、ベンズアミドM344、BML−210、エンチノスタット(SNDX−275またはMS−275)、ピメリン酸ジフェニルアミド4b、ピメリン酸ジフェニルアミド106、MS−994、CI−994(アセチルジナリン、PD123654および4−アセチルアミノ−N−(ウアミノフェニル)−ベンズアミド)(4−acetylamino−N−(Uaminophenyl)−benzamide)が含まれるがこれらに限定されないベンズアミドである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。
一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、アパチニブ、カボザニチニブ、カネルチニブ、クレノラニブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、フォレチニブ、ホスタマチニブ、イブルチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、ラパチニブ、リニファニブ、モテサニブ、ムブリチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、ラドチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、バタラニブおよびベムラフェニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤はキナーゼ阻害剤であるニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤はキナーゼ阻害剤であるソラフェニブである。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、アパチニブ、カボザニチニブ、カネルチニブ、クレノラニブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、フォレチニブ、ホスタマチニブ、イブルチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、ラパチニブ、リニファニブ、モテサニブ、ムブリチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、ラドチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、バタラニブおよびベムラフェニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。
一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を使用して調製されるワクチンである。
したがって、例えば、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を使用して調製されるワクチンである。
本明細書における第2の治療剤を言う場合、第2の治療剤またはその誘導体が該当し、したがって、本発明は、これらの実施形態のいずれか(第2の治療剤;第2の治療剤またはその誘導体)を企図して含む。薬剤の「誘導体」もしくは「アナログ」、または他の化学部分は、この薬剤または部分に構造的に類似している化合物が含まれるがこれらに限定されず、またはこの薬剤もしくは部分と同じ一般的な化学クラスである。一部の実施形態では、第2の治療剤もしくは部分の誘導体もしくはアナログは、第2の治療剤または部分の類似の化学的および/または物理的特性(例えば、官能基を含む)を保持する。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかによれば、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、1または複数の追加の治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の第2の治療剤、およびc)第2の治療剤による標準併用治療において使用される、有効量の少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。
本明細書に提供される方法は、固形腫瘍を有すると診断された、または固形腫瘍を有することが疑われる個体(例えば、ヒト)を処置するために使用され得る。一部の実施形態では、個体は、ヒトである。一部の実施形態では、個体は、臨床患者、臨床試験ボランティア、実験動物などである。一部の実施形態では、個体は、約60歳未満(例えば、約50歳、約40歳、約30歳、約25歳、約20歳、約15歳または約10歳のいずれか未満を含む)である。一部の実施形態では、個体は、約60歳超(例えば、約70歳、約80歳、約90歳または約100歳のいずれか超を含む)である。一部の実施形態では、個体は、本明細書に記載される疾患または障害(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)のうちの1または複数の診断を受けている、または遺伝的にかかりやすい。一部の実施形態では、個体は、本明細書に記載される、1または複数の疾患または障害と関連する、1または複数のリスク因子を有する。
がん処置は、例えば、腫瘍退縮、腫瘍重量またはサイズの縮小、進行までの時間、生存期間、無増悪生存期間、全奏効率、奏効期間、クオリティオブライフ、タンパク質の発現および/または活性によって評価することができる。例えば、放射線学的イメージングによる応答の測定を含めた、治療の効力を決定する手法が使用され得る。
一部の実施形態では、処置の効力は、式100−(T/C×100)を使用して算出される、腫瘍増殖阻害率(%TGI)として測定され、式中、Tは、処置された腫瘍の平均相対腫瘍体積であり、Cは、非処置腫瘍の平均相対腫瘍体積である。一部の実施形態では、%TGIは、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%または95%超である。
膀胱がん
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連している(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。
一部の実施形態では、膀胱がんは、低悪性度膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、高悪性度膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、浸潤性である。一部の実施形態では、膀胱がんは、非浸潤性である。一部の実施形態では、膀胱がんは、筋層非浸潤性である。
一部の実施形態では、膀胱がんは、乳頭状腫瘍および平坦状癌腫が含まれるがこれらに限定されない移行上皮癌または尿路上皮癌(例えば、転移性尿路上皮癌)である。一部の実施形態では、膀胱がんは、転移性尿路上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、膀胱の尿路上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、尿管の尿路上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、尿道の尿路上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、腎盂の尿路上皮癌である。
一部の実施形態では、膀胱がんは、扁平上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、非扁平上皮癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、腺癌である。一部の実施形態では、膀胱がんは、小細胞癌である。
一部の実施形態では、膀胱がんは、初期ステージの膀胱がん、非転移性膀胱がん、非浸潤性膀胱がん、筋層非浸潤性膀胱がん、原発性膀胱がん、進行性膀胱がん、局所進行性膀胱がん(例えば、切除不能な局所進行性膀胱がん)、転移性膀胱がんまたは寛解中の膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、限局性切除可能である、限局性切除不能である、または切除不能である。一部の実施形態では、膀胱がんは、標準膀胱内注入(膀胱内)治療に対して不応性となった、高悪性度の筋層非浸潤性がんである。
本明細書に提供される方法は、膀胱がんを有すると診断された、または膀胱がんを有することが疑われる個体(例えば、ヒト)を処置するために使用され得る。一部の実施形態では、個体は、腫瘍切除を受けている。一部の実施形態では、個体は手術を拒否している。一部の実施形態では、個体は、医療的に手術不能である。一部の実施形態では、個体は、Ta、Tis、T1、T2、T3a、T3bまたはT4膀胱がんの臨床ステージにある。一部の実施形態では、個体は、Tis、CIS、TaまたはT1の臨床ステージにある。
一部の実施形態では、個体は、膀胱がんと関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、膀胱がんの初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、膀胱がんの進行ステージにある。実施形態の一部では、個体は、膀胱がんを発症する素因を遺伝的に、または他の点で有する(例えば、リスク因子を有する)。膀胱がんのリスクのある個体は、例えば、膀胱がんを経験した親類を有するもの、および遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。一部の実施形態では、個体は、SPARC発現について陽性である(例えば、IHC基準に基づく)。一部の実施形態では、個体は、SPARC発現について陰性である。一部の実施形態では、個体は、FGFR2の変異を有する。一部の実施形態では、個体は、p53の変異を有する。一部の実施形態では、個体は、MIB−1の変異を有する。一部の実施形態では、個体は、FEZ1/LZTS1、PTEN、CDKN2A/MTS1/P6、CDKN2B/INK4B/P15、TSC1、DBCCR1、HRAS1、ERBB2またはNF1のうちの1または複数に変異を有する。一部の実施形態では、個体は、p53とPTENの両方に変異を有する。
一部の実施形態では、個体は、膀胱がんについて以前に処置を受けている(「事前の治療」とも呼ぶ)。一部の実施形態では、個体は、膀胱がんの標準治療により以前に処置されている。一部の実施形態では、事前の標準治療は、BCGによる処置である。一部の実施形態では、事前の標準治療は、マイトマイシンCによる処置である。一部の実施形態では、事前の標準治療は、インターフェロン(例えば、インターフェロン−α)による処置である。一部の実施形態では、個体は、寛解中の膀胱がん、進行性膀胱がんまたは再発性膀胱がんを有する。一部の実施形態では、個体は、他の薬剤(例えば、白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンCおよび/またはインターフェロン)による膀胱がんの処置に対して抵抗性である。一部の実施形態では、個体は、他の薬剤(例えば、白金をベースとする薬剤またはBCG)による膀胱がんの処置に対して最初は応答性であるが、処置後に進行している
一部の実施形態では、個体は、事前の治療(例えば、事前の標準治療、例えば、BCGによる処置)後に、再発性膀胱がん(例えば、Ta、Tis、T1、T2、T3a、T3bまたはT4の臨床ステージにある膀胱がん)を有する。例えば、個体は、事前の治療による処置に対して最初は応答性であるが、事前の治療の休止により、約2ヵ月間、約3ヵ月間、約4ヵ月間、約5ヵ月間、約6ヵ月間、約7ヵ月間、約8ヵ月間、約9ヵ月間、約10ヵ月間、約11ヵ月間、約12ヵ月間、約24ヵ月間、約36ヵ月間、約48ヵ月間または約60ヵ月間のいずれか後に、膀胱がんを発症し得る。
一部の実施形態では、個体は、事前の治療(例えば、事前の標準治療、例えばBCGによる処置)に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体は、処置の時点で、事前の治療(例えば、事前の標準治療、例えばBCGによる処置)で進行している。例えば、個体は、事前の治療による処置で、約1ヵ月間、約2ヵ月間、約3ヵ月間、約4ヵ月間、約5ヵ月間、約6ヵ月間、約7ヵ月間、約8ヵ月間、約9ヵ月間、約10ヵ月間、約11ヵ月間または約12ヵ月間のいずれか以内に進行している。
一部の実施形態では、個体は、事前の治療(例えば、事前の標準治療、例えばBCGによる処置)に対して抵抗性である。
一部の実施形態では、個体は、例えば、応答できないことに起因しておよび/または毒性に起因して、事前の治療(例えば、事前の標準治療、例えばBCGによる処置)を継続するのに適していない。
一部の実施形態では、個体は、事前の治療(例えば、事前の標準治療、例えばBCGによる処置)に対して非応答性である。
一部の実施形態では、個体は、事前の治療(例えば、事前の標準治療、例えばBCGによる処置)に対して部分的に応答性である、またはあまり望ましくない程度の応答性を示す。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、膀胱がんは、再発性膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、これらに限定されないが、白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンCおよび/またはインターフェロンなどの、膀胱がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、膀胱がんは、再発性膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、これらに限定されないが、白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンC、および/またはインターフェロンなどの、膀胱がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、膀胱がんは、再発性膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、これらに限定されないが、白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンC、および/またはインターフェロンなどの、膀胱がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、膀胱がんは、再発性膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、これらに限定されないが、白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンC、および/またはインターフェロンなどの、膀胱がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、膀胱がんは、再発性膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、これらに限定されないが、白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンC、および/またはインターフェロンなどの、膀胱がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、膀胱がんは、再発性膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、これらに限定されないが、白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンC、および/またはインターフェロンなどの、膀胱がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、膀胱がんは、再発性膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、これらに限定されないが、白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンC、および/またはインターフェロンなどの、膀胱がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、膀胱がんは、再発性膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、これらに限定されないが、白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンC、および/またはインターフェロンなどの、膀胱がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンCおよびインターフェロンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンCおよびインターフェロンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンCおよびインターフェロンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンCおよびインターフェロンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンCおよびインターフェロンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、膀胱がんは、再発性膀胱がんである。一部の実施形態では、膀胱がんは、これらに限定されないが、白金をベースとする薬剤、BCG、マイトマイシンC、および/またはインターフェロンなどの、膀胱がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される個体における膀胱がん(例えば、筋層非浸潤性膀胱がん、例えば、BCG不応性NMIBC)を処置する方法のいずれかによれば、個体は、膀胱がんと関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、膀胱がんの初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、膀胱がんの進行ステージにある。実施形態の一部では、個体は、膀胱がんを発症する素因を遺伝的に、または他の点で有する(例えば、リスク因子を有する)。膀胱がんのリスクのある個体は、例えば、膀胱がんを経験した親類を有するもの、および遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。一部の実施形態では、個体は、膀胱がんと関連する遺伝子(例えば、HRAS、KRAS2、RB1またはFGFR3)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または膀胱がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、個体は、rasまたはPTEN変異を有する。一部の実施形態では、がん細胞は、1または複数のmRNAを翻訳するためのmTOR経路に依存している。一部の実施形態では、がん細胞は、mTOR非依存経路によってmRNAを合成することができない。一部の実施形態では、がん細胞は、非がん性細胞と比べて、PTEN活性が低下しているもしくはまったくない、またはPTENの発現が低下しているもしくはまったくない。一部の実施形態では、個体は、PI3K活性の上昇、mTOR活性の上昇、FLT−3ITDの存在、AKT活性の上昇、KRAS活性の上昇およびNRAS活性の上昇からなる群より選択される、少なくとも1つの腫瘍バイオマーカーを有する。一部の実施形態では、個体は、薬物代謝遺伝子、がん遺伝子および薬物標的遺伝子からなる群より選択される、少なくとも1つの遺伝子にバリエーションを有する。
腎細胞癌
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における腎細胞癌を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。
一部の実施形態では、腎細胞癌(腎臓がん、腎腺癌または副腎腫(hypernephroma)とも呼ばれる)は腺癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、明細胞型腎細胞癌、乳頭状腎細胞癌(好色素性腎細胞癌(chromophilic renal cell carcinoma)とも呼ばれる)、嫌色素性腎細胞癌(chromophobe renal cell carcinoma)、集合尿細管腎細胞癌(collecting duct renal cell carcinoma)、顆粒腎細胞癌(granular renal cell carcinoma)、混合顆粒腎細胞癌(mixed granular renal cell carcinoma)、腎血管筋脂肪腫または腎紡錘細胞癌(spindle renal cell carcinoma)である。一部の実施形態では、個体は、腎細胞癌と関連する遺伝子(例えば、VHL、TSC1、TSC2、CUL2、MSH2、MLHl、INK4a/ARF、MET、TGF−α、TGF−β1、IGF−I、IGF−IR、AKTおよび/またはPTEN)、遺伝子変異または多型を有するヒトとすることができる、または腎細胞癌と関連する遺伝子の1または複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、腎細胞癌は、(1)フォンヒッペル−リンドウ(VHL)症候群、(2)遺伝性乳頭状腎癌(HPRC)、(3)バート−ホッグ−デューブ症候群(BHDS)と関連する家族性腎膨大細胞腫(FRO)、または(4)遺伝性腎癌(HRC)と関連する。米国がん合同委員会(AJCC)病期分類グループによる4つのステージ、I、II、IIIまたはIVのいずれかの腎細胞癌を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、腎細胞癌は、ステージIVの腎細胞癌である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における腎細胞癌を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、再発性腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、これらに限定されないが、Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよび/またはVotrient(パゾパニブ塩酸塩)などの、腎細胞癌の標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における腎細胞癌を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、再発性腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、これらに限定されないが、Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよび/またはVotrient(パゾパニブ塩酸塩)などの、腎細胞癌の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における腎細胞癌を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、腎細胞癌は、再発性腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、これらに限定されないが、Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよび/またはVotrient(パゾパニブ塩酸塩)などの、腎細胞癌の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における腎細胞癌を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、腎細胞癌は、再発性腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、これらに限定されないが、Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよび/またはVotrient(パゾパニブ塩酸塩)などの、腎細胞癌の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における腎細胞癌を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、腎細胞癌は、再発性腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、これらに限定されないが、Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよび/またはVotrient(パゾパニブ塩酸塩)などの、腎細胞癌の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における腎細胞癌を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、腎細胞癌は、再発性腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、これらに限定されないが、Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよび/またはVotrient(パゾパニブ塩酸塩)などの、腎細胞癌の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における腎細胞癌を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、腎細胞癌は、再発性腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、これらに限定されないが、Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよび/またはVotrient(パゾパニブ塩酸塩)などの、腎細胞癌の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における腎細胞癌を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、腎細胞癌は、再発性腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、これらに限定されないが、Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよび/またはVotrient(パゾパニブ塩酸塩)などの、腎細胞癌の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における腎細胞癌を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよびVotrient(パゾパニブ塩酸塩)からなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよびVotrient(パゾパニブ塩酸塩)からなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよびVotrient(パゾパニブ塩酸塩)からなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよびVotrient(パゾパニブ塩酸塩)からなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよびVotrient(パゾパニブ塩酸塩)からなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、腎細胞癌は、再発性腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、これらに限定されないが、Afinitor(エベロリムス)、テムシロリムス、アルデスロイキン、アバスチン(ベバシズマブ)、アキシチニブ、ソラフェニブ、スニチニブおよび/またはVotrient(パゾパニブ塩酸塩)などの、腎細胞癌の標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される個体における腎細胞癌を処置する方法のいずれかによれば、個体は、腎細胞癌と関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、腎細胞癌の初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、腎細胞癌の進行ステージにある。実施形態の一部では、個体は、腎細胞癌を発症する素因を遺伝的に、または他の点で有する(例えば、リスク因子を有する)。腎細胞癌のリスクのある個体は、例えば、腎細胞癌を経験した親類を有するもの、および遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。一部の実施形態では、個体は、腎細胞癌と関連する遺伝子(例えば、VHL、TSC1、TSC2、CUL2、MSH2、MLHl、INK4a/ARF、MET、TGF−α、TGF−β1、IGF−I、IGF−IR、AKTおよび/またはPTEN)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または腎細胞癌と関連する遺伝子の1または複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、個体は、rasまたはPTEN変異を有する。一部の実施形態では、がん細胞は、1つまたは複数のmRNAを翻訳するためのmTOR経路に依存している。一部の実施形態では、がん細胞は、mTOR非依存経路によってmRNAを合成することができない。一部の実施形態では、がん細胞は、非がん性細胞と比べて、PTEN活性が低下しているもしくはまったくない、またはPTENの発現が低下しているもしくはまったくない。一部の実施形態では、個体は、PI3K活性の上昇、mTOR活性の上昇、FLT−3ITDの存在、AKT活性の上昇、KRAS活性の上昇およびNRAS活性の上昇からなる群より選択される、少なくとも1つの腫瘍バイオマーカーを有する。一部の実施形態では、個体は、薬物代謝遺伝子、がん遺伝子および薬物標的遺伝子からなる群より選択される、少なくとも1つの遺伝子にバリエーションを有する。
黒色腫
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における黒色腫を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。
一部の実施形態では、黒色腫は、表在拡大型黒色腫、悪性黒子型黒色腫、結節性黒色腫、粘膜黒色腫、ポリープ様黒色腫、線維形成性黒色腫、メラニン欠乏性黒色腫、軟組織黒色腫または末端部黒子黒色腫である。米国がん合同委員会(AJCC)病期分類グループによる4つのステージ、I、II、IIIまたはIVのいずれかの黒色腫を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、黒色腫は再発性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における黒色腫を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、黒色腫は、再発性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、これらに限定されないが、アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよび/またはベムラフェニブなどの、黒色腫の標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における黒色腫を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、黒色腫は、再発性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、これらに限定されないが、アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよび/またはベムラフェニブなどの、黒色腫の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における黒色腫を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、黒色腫は、再発性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、これらに限定されないが、アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよび/またはベムラフェニブなどの、黒色腫の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における黒色腫を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、黒色腫は、再発性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、これらに限定されないが、アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよび/またはベムラフェニブなどの、黒色腫の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における黒色腫を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、黒色腫は、再発性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、これらに限定されないが、アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよび/またはベムラフェニブなどの、黒色腫の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における黒色腫を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、黒色腫は、再発性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、これらに限定されないが、アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよび/またはベムラフェニブなどの、黒色腫の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における黒色腫を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、黒色腫は、再発性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、これらに限定されないが、アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよび/またはベムラフェニブなどの、黒色腫の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における黒色腫を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、黒色腫は、再発性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、これらに限定されないが、アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよび/またはベムラフェニブなどの、黒色腫の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における黒色腫を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよびベムラフェニブからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよびベムラフェニブからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよびベムラフェニブからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよびベムラフェニブからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよびベムラフェニブからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、黒色腫は、再発性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、これらに限定されないが、アルデスロイキン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、インターフェロンアルファ−2b、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、トラメチニブ、ニボルマブおよび/またはベムラフェニブなどの、黒色腫の標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される個体における黒色腫を処置する方法のいずれかによれば、個体は、黒色腫と関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、黒色腫の初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、黒色腫の進行ステージにある。実施形態の一部では、個体は、黒色腫を発症する素因を遺伝的に、または他の点で有する(例えば、リスク因子を有する)。黒色腫のリスクのある個体は、例えば、黒色腫を経験した親類を有するもの、および遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。一部の実施形態では、個体は、黒色腫と関連する遺伝子(例えば、CDKN2A、CDK4、BRCA2、BRAF、NRAS、KIT、MC1RまたはMDM2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または黒色腫と関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、個体は、rasまたはPTEN変異を有する。一部の実施形態では、がん細胞は、1つまたは複数のmRNAを翻訳するためのmTOR経路に依存している。一部の実施形態では、がん細胞は、mTOR非依存経路によってmRNAを合成することができない。一部の実施形態では、がん細胞は、非がん性細胞と比べて、PTEN活性が低下しているもしくはまったくない、またはPTENの発現が低下しているもしくはまったくない。一部の実施形態では、個体は、PI3K活性の上昇、mTOR活性の上昇、FLT−3ITDの存在、AKT活性の上昇、KRAS活性の上昇およびNRAS活性の上昇からなる群より選択される、少なくとも1つの腫瘍バイオマーカーを有する。一部の実施形態では、個体は、薬物代謝遺伝子、がん遺伝子および薬物標的遺伝子からなる群より選択される、少なくとも1つの遺伝子にバリエーションを有する。
乳がん
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における乳がん(例えば、ホルモン受容体陽性(HR+)乳がん)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。
一部の実施形態では、乳がんは、初期ステージの乳がん、非転移性乳がん、進行性乳がん、ステージIVの乳がん、局所進行性乳がん、転移性乳がん、寛解中の乳がん、付加療法の状況にある乳がんまたは新補助療法の状況にある乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、新補助療法の状況にある。一部の実施形態では、乳がんは、進行ステージにある。一部の実施形態では、乳がん(これは、HER2陽性またはHER2陰性とすることができる)には、例えば、進行性乳がん、ステージIVの乳がん、局所進行性乳がんおよび転移性乳がんが含まれる。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における乳がん(例えば、HR+乳がん)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、再発性乳がん(例えば、HR+乳がん)である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、これらに限定されないが、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよび/またはエリブリンなどの、乳がん(例えば、HR+乳がん)の標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における乳がん(例えば、HR+乳がん)を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、再発性乳がん(例えば、HR+乳がん)である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、これらに限定されないが、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよび/またはエリブリンなどの、乳がん(例えば、HR+乳がん)の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における乳がん(例えば、HR+乳がん)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、再発性乳がん(例えば、HR+乳がん)である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、これらに限定されないが、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよび/またはエリブリンなどの、乳がん(例えば、HR+乳がん)の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における乳がん(例えば、HR+乳がん)を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、再発性乳がん(例えば、HR+乳がん)である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、これらに限定されないが、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよび/またはエリブリンなどの、乳がん(例えば、HR+乳がん)の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における乳がん(例えば、HR+乳がん)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、再発性乳がん(例えば、HR+乳がん)である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、これらに限定されないが、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよび/またはエリブリンなどの、乳がん(例えば、HR+乳がん)の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における乳がん(例えば、HR+乳がん)を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、再発性乳がん(例えば、HR+乳がん)である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、これらに限定されないが、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよび/またはエリブリンなどの、乳がん(例えば、HR+乳がん)の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における乳がん(例えば、HR+乳がん)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、再発性乳がん(例えば、HR+乳がん)である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、これらに限定されないが、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよび/またはエリブリンなどの、乳がん(例えば、HR+乳がん)の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における乳がん(例えば、HR+乳がん)を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、再発性乳がん(例えば、HR+乳がん)である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、これらに限定されないが、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよび/またはエリブリンなどの、乳がん(例えば、HR+乳がん)の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における乳がん(例えば、HR+乳がん)を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよびエリブリンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよびエリブリンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよびエリブリンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよびエリブリンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよびエリブリンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、再発性乳がん(例えば、HR+乳がん)である。一部の実施形態では、乳がん(例えば、HR+乳がん)は、これらに限定されないが、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチン、ビノレルビン、カペシタビン、リポソームドキソルビシン、ゲムシタビン、ミトキサントロン、イキサベピロン、nab−パクリタキセルおよび/またはエリブリンなどの、乳がん(例えば、HR+乳がん)の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される個体における乳がん(例えば、HR+乳がん)を処置する方法のいずれかによれば、個体は、乳がん(例えば、HR+乳がん)と関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、乳がん(例えば、HR+乳がん)の初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、乳がん(例えば、HR+乳がん)の進行ステージにある。実施形態の一部では、個体は、乳がん(例えば、HR+乳がん)を発症する素因を遺伝的に、または他の点で有する(例えば、リスク因子を有する)。乳がん(例えば、HR+乳がん)のリスクのある個体は、例えば、乳がん(例えば、HR+乳がん)を経験した親類を有するもの、および遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。一部の実施形態では、個体は、乳がん(例えば、HR+乳がん)と関連する遺伝子(例えば、BRCAl、BRCA2、ATM、CHEK2、RAD51、AR、DIRAS3、ERBB2、TP53、AKT、PTENおよび/またはPDK)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または乳がん(例えば、HR+乳がん)と関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、個体は、rasまたはPTEN変異を有する。一部の実施形態では、この方法は、ERとPgRの両方を発現しない腫瘍組織を有する患者のホルモン受容体の状態に基づいて、患者集団(すなわち乳がん(例えば、HR+乳がん)集団)を特定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、がん細胞は、1つまたは複数のmRNAを翻訳するためのmTOR経路に依存している。一部の実施形態では、がん細胞は、mTOR非依存経路によってmRNAを合成することができない。一部の実施形態では、がん細胞は、非がん性細胞と比べて、PTEN活性が低下しているもしくはまったくない、またはPTENの発現が低下しているもしくはまったくない。一部の実施形態では、個体は、PI3K活性の上昇、mTOR活性の上昇、FLT−3ITDの存在、AKT活性の上昇、KRAS活性の上昇およびNRAS活性の上昇からなる群より選択される、少なくとも1つの腫瘍バイオマーカーを有する。一部の実施形態では、個体は、薬物代謝遺伝子、がん遺伝子および薬物標的遺伝子からなる群より選択される、少なくとも1つの遺伝子にバリエーションを有する。
子宮内膜がん
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における子宮内膜がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。
一部の実施形態では、子宮内膜がんは、腺癌、癌肉腫、扁平上皮癌、未分化の癌腫、小細胞癌または移行上皮癌である。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、類内膜がん(endometroid cancer)、扁平分化を有する腺癌、腺棘細胞腫、腺扁平上皮癌、分泌性癌(secretory carcinoma)、繊毛癌腫または絨毛管状腺癌(villoglandular adenocarcinoma)である。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、明細胞癌、粘液性腺癌(mucinous adenocarcinoma)または乳頭状漿液性腺癌である。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、グレード1、グレード2またはグレード3である。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、タイプ1の子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、タイプ2の子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、子宮癌肉腫である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における子宮内膜がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、再発性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、これらに限定されないが、パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよび/またはシスプラチンなどの、子宮内膜がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における子宮内膜がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、再発性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、これらに限定されないが、パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよび/またはシスプラチンなどの、子宮内膜がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における子宮内膜がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、再発性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、これらに限定されないが、パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよび/またはシスプラチンなどの、子宮内膜がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における子宮内膜がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、再発性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、これらに限定されないが、パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよび/またはシスプラチンなどの、子宮内膜がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における子宮内膜がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、再発性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、これらに限定されないが、パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよび/またはシスプラチンなどの、子宮内膜がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における子宮内膜がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、再発性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、これらに限定されないが、パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよび/またはシスプラチンなどの、子宮内膜がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における子宮内膜がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、再発性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、これらに限定されないが、パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよび/またはシスプラチンなどの、子宮内膜がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における子宮内膜がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、再発性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、これらに限定されないが、パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよび/またはシスプラチンなどの、子宮内膜がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における子宮内膜がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよびシスプラチンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよびシスプラチンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよびシスプラチンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよびシスプラチンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよびシスプラチンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、再発性子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、これらに限定されないが、パクリタキセル、カルボプラチン、ドキソルビシンおよび/またはシスプラチンなどの、子宮内膜がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される個体における子宮内膜がんを処置する方法のいずれかによれば、個体は、子宮内膜がんと関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、子宮内膜がんの初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、子宮内膜がんの進行ステージにある。実施形態の一部では、個体は、子宮内膜がんを発症する素因を遺伝的に、または他の点で有する(例えば、リスク因子を有する)。子宮内膜がんのリスクのある個体は、例えば、子宮内膜がんを経験した親類を有するもの、および遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。一部の実施形態では、個体は、子宮内膜がんと関連する遺伝子(例えば、MLH1、MLH2、MSH2、MLH3、MSH6、TGBR2、PMS1および/またはPMS2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または子宮内膜がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、個体は、rasまたはPTEN変異を有する。一部の実施形態では、がん細胞は、1つまたは複数のmRNAを翻訳するためのmTOR経路に依存している。一部の実施形態では、がん細胞は、mTOR非依存経路によってmRNAを合成することができない。一部の実施形態では、がん細胞は、非がん性細胞と比べて、PTEN活性が低下しているもしくはまったくない、またはPTENの発現が低下しているもしくはまったくない。一部の実施形態では、個体は、PI3K活性の上昇、mTOR活性の上昇、FLT−3ITDの存在、AKT活性の上昇、KRAS活性の上昇およびNRAS活性の上昇からなる群より選択される、少なくとも1つの腫瘍バイオマーカーを有する。一部の実施形態では、個体は、薬物代謝遺伝子、がん遺伝子および薬物標的遺伝子からなる群より選択される、少なくとも1つの遺伝子にバリエーションを有する。
膵臓神経内分泌がん(pancreatic neuroendocrine cancer)
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。
一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、分化型神経内分泌腫瘍、分化型(低悪性度)神経内分泌癌、または未分化型(高悪性度)神経内分泌癌である。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、機能性または非機能性膵神経内分泌腫瘍である。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ソマトスタチノーマ、ガストリノーマ、ビポーマ、GRFomaまたはACTHomaである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、再発性膵臓神経内分泌がんである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、これらに限定されないが、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)および/またはエベロリムスなどの、膵臓神経内分泌がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、再発性膵臓神経内分泌がんである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、これらに限定されないが、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)および/またはエベロリムスなどの、膵臓神経内分泌がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、再発性膵臓神経内分泌がんである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、これらに限定されないが、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)および/またはエベロリムスなどの、膵臓神経内分泌がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であて、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、再発性膵臓神経内分泌がんである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、これらに限定されないが、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)および/またはエベロリムスなどの、膵臓神経内分泌がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、再発性膵臓神経内分泌がんである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、これらに限定されないが、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)および/またはエベロリムスなどの、膵臓神経内分泌がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、再発性膵臓神経内分泌がんである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、これらに限定されないが、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)および/またはエベロリムスなどの、膵臓神経内分泌がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、再発性膵臓神経内分泌がんである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、これらに限定されないが、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)および/またはエベロリムスなどの、膵臓神経内分泌がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、再発性膵臓神経内分泌がんである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、これらに限定されないが、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)および/またはエベロリムスなどの、膵臓神経内分泌がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における膵臓神経内分泌がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)およびエベロリムスからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)およびエベロリムスからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)およびエベロリムスからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)およびエベロリムスからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)およびエベロリムスからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、再発性膵臓神経内分泌がんである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、これらに限定されないが、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、フルオロウラシル(5−FU)、ダカルバジン、テモゾロミド、サリドマイド、カペシタビン、スニチニブ、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド、ランレオチドまたはパシレオチド)および/またはエベロリムスなどの、膵臓神経内分泌がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される個体における膵臓神経内分泌がんを処置する方法のいずれかによれば、個体は、膵臓神経内分泌がんと関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、膵臓神経内分泌がんの初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、膵臓神経内分泌がんの進行ステージにある。実施形態の一部では、個体は、膵臓神経内分泌がんを発症する素因を遺伝的に、または他の点で有する(例えば、リスク因子を有する)。膵臓神経内分泌がんのリスクのある個体は、例えば、膵臓神経内分泌がんを経験した親類を有するもの、および遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。一部の実施形態では、個体は、膵臓神経内分泌がんと関連する遺伝子(例えば、NF1および/またはMEN1)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または膵臓神経内分泌がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、個体は、rasまたはPTEN変異を有する。一部の実施形態では、がん細胞は、1つまたは複数のmRNAを翻訳するためのmTOR経路に依存している。一部の実施形態では、がん細胞は、mTOR非依存経路によってmRNAを合成することができない。一部の実施形態では、がん細胞は、非がん性細胞と比べて、PTEN活性が低下しているもしくはまったくない、またはPTENの発現が低下しているもしくはまったくない。一部の実施形態では、個体は、PI3K活性の上昇、mTOR活性の上昇、FLT−3ITDの存在、AKT活性の上昇、KRAS活性の上昇およびNRAS活性の上昇からなる群より選択される、少なくとも1つの腫瘍バイオマーカーを有する。一部の実施形態では、個体は、薬物代謝遺伝子、がん遺伝子および薬物標的遺伝子からなる群より選択される、少なくとも1つの遺伝子にバリエーションを有する。
卵巣がん
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における卵巣がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。
一部の実施形態では、卵巣がんは、卵巣上皮がんである。例示的な卵巣上皮がんの組織学的分類には、漿液性嚢腫(例えば、漿液性良性嚢胞腺腫、上皮細胞の増殖活性および核の異常を伴うが、浸潤性破壊的成長のない漿液性嚢胞腺腫、または漿液性嚢胞腺癌)、粘液性嚢胞腫(例えば、粘液性良性嚢胞腺腫、上皮細胞の増殖活性および核の異常を有するが、浸潤性破壊性成長のない粘液性嚢胞腺腫、または粘液性嚢胞腺癌)、類内膜腫瘍(例えば、良性類内膜嚢胞、上皮細胞の増殖活性および核の異常を伴うが、浸潤性破壊的成長のない類内膜腫瘍、または類内膜腺癌)、明細胞(中腎型(mesonephroid))腫瘍(例えば、良性明細胞腫瘍、上皮細胞の増殖活性および核の異常を伴うが、浸潤性破壊的成長のない明細胞腫瘍、または明細胞嚢胞腺癌)、上記の群の1つに割りあてることができない未分類の腫瘍、または他の悪性腫瘍が含まれる。一部の実施形態では、卵巣上皮がんは、ステージI(例えば、ステージIA、IBまたはIC)、ステージII(例えば、ステージHA、HBまたはIIC)、ステージIII(例えば、ステージIIIA、HIBまたはHIC)またはステージIVである。
一部の実施形態では、卵巣がんは卵巣胚細胞腫瘍である。例示的な組織学的サブタイプには、未分化胚細胞腫または他の胚細胞腫瘍(例えば、肝様腫瘍または腸腫瘍などの内胚葉洞腫瘍、胎生期癌、胎児性癌(olyembryoma)、絨毛癌、奇形腫または混合型腫瘍)が含まれる。例示的な奇形腫は、未熟型奇形腫、成熟型奇形腫、充実性奇形腫および嚢胞性奇形腫(例えば、成熟嚢胞性奇形腫などの類皮嚢腫、および悪性転換を有する類皮嚢腫)である。いくつかの奇形腫は、卵巣甲状腺腫、カルチノイド、卵巣甲状腺腫およびカルチノイドなどの単胚葉性および高度限定型(monodermal and highly specialized)、または他のもの(例えば、悪性の神経外胚葉性および上衣腫)である。一部の実施形態では、卵巣胚細胞腫瘍は、ステージI(例えば、ステージIA、IBまたはIC)、ステージII(例えば、ステージHA、HBまたはIIC)、ステージIII(例えば、ステージIIIA、HIBまたはIIIC)またはステージIVである。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における卵巣がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、卵巣がんは、再発性卵巣がんである。一部の実施形態では、卵巣がんは、これらに限定されないが、nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよび/またはビノレルビンなどの、卵巣がんの標準治療において使用される1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における卵巣がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、卵巣がんは、再発性卵巣がんである。一部の実施形態では、卵巣がんは、これらに限定されないが、nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよび/またはビノレルビンなどの、卵巣がんの標準治療において使用される1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における卵巣がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、卵巣がんは、再発性卵巣がんである。一部の実施形態では、卵巣がんは、これらに限定されないが、nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよび/またはビノレルビンなどの、卵巣がんの標準治療において使用される1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における卵巣がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、卵巣がんは、再発性卵巣がんである。一部の実施形態では、卵巣がんは、これらに限定されないが、nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよび/またはビノレルビンなどの、卵巣がんの標準治療において使用される1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における卵巣がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、卵巣がんは、再発性卵巣がんである。一部の実施形態では、卵巣がんは、これらに限定されないが、nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよび/またはビノレルビンなどの、卵巣がんの標準治療において使用される1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における卵巣がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、卵巣がんは、再発性卵巣がんである。一部の実施形態では、卵巣がんは、これらに限定されないが、nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよび/またはビノレルビンなどの、卵巣がんの標準治療において使用される1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における卵巣がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、卵巣がんは、再発性卵巣がんである。一部の実施形態では、卵巣がんは、これらに限定されないが、nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよび/またはビノレルビンなどの、卵巣がんの標準治療において使用される1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における卵巣がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、卵巣がんは、再発性卵巣がんである。一部の実施形態では、卵巣がんは、これらに限定されないが、nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよび/またはビノレルビンなどの、卵巣がんの標準治療において使用される1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における卵巣がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよびビノレルビンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよびビノレルビンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよびビノレルビンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよびビノレルビンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよびビノレルビンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、卵巣がんは、再発性卵巣がんである。一部の実施形態では、卵巣がんは、これらに限定されないが、nab−パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、ビンブラスチン、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカンおよび/またはビノレルビンなどの、卵巣がんの標準治療において使用される1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される個体における卵巣がんを処置する方法のいずれかによれば、個体は、卵巣がんと関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、卵巣がんの初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、卵巣がんの進行ステージにある。実施形態の一部では、個体は、卵巣がんを発症する素因を遺伝的に、または他の点で有する(例えば、リスク因子を有する)。卵巣がんのリスクのある個体は、例えば、卵巣がんを経験した親類を有するもの、および遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。一部の実施形態では、個体は、卵巣がんと関連する遺伝子(例えば、MLH1、MLH3、MSH2、MSH6、TGFBR2、PMS1、PMS2、BRCAlおよび/またはBRCA2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または卵巣がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、個体は、rasまたはPTEN変異を有する。一部の実施形態では、がん細胞は、1つまたは複数のmRNAを翻訳するためのmTOR経路に依存している。一部の実施形態では、がん細胞は、mTOR非依存経路によってmRNAを合成することができない。一部の実施形態では、がん細胞は、非がん性細胞と比べて、PTEN活性が低下しているもしくはまったくない、またはPTENの発現が低下しているもしくはまったくない。一部の実施形態では、個体は、PI3K活性の上昇、mTOR活性の上昇、FLT−3ITDの存在、AKT活性の上昇、KRAS活性の上昇およびNRAS活性の上昇からなる群より選択される、少なくとも1つの腫瘍バイオマーカーを有する。一部の実施形態では、個体は、薬物代謝遺伝子、がん遺伝子および薬物標的遺伝子からなる群より選択される、少なくとも1つの遺伝子にバリエーションを有する。
リンパ管平滑筋肉腫症(LAM)
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、再発性リンパ管平滑筋肉腫症である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、これらに限定されないが、シロリムスおよび/またはドキシサイクリンなどの、リンパ管平滑筋肉腫症の標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、再発性リンパ管平滑筋肉腫症である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、これらに限定されないが、シロリムスおよび/またはドキシサイクリンなどの、リンパ管平滑筋肉腫症の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、再発性リンパ管平滑筋肉腫症である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、これらに限定されないが、シロリムスおよび/またはドキシサイクリンなどの、リンパ管平滑筋肉腫症の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、再発性リンパ管平滑筋肉腫症である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、これらに限定されないが、シロリムスおよび/またはドキシサイクリンなどの、リンパ管平滑筋肉腫症の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、再発性リンパ管平滑筋肉腫症である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、これらに限定されないが、シロリムスおよび/またはドキシサイクリンなどの、リンパ管平滑筋肉腫症の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、再発性リンパ管平滑筋肉腫症である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、これらに限定されないが、シロリムスおよび/またはドキシサイクリンなどの、リンパ管平滑筋肉腫症の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、再発性リンパ管平滑筋肉腫症である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、これらに限定されないが、シロリムスおよび/またはドキシサイクリンなどの、リンパ管平滑筋肉腫症の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、再発性リンパ管平滑筋肉腫症である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、これらに限定されないが、シロリムスおよび/またはドキシサイクリンなどの、リンパ管平滑筋肉腫症の標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のドキシサイクリンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のドキシサイクリンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のドキシサイクリンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のドキシサイクリンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のドキシサイクリンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ドキシサイクリンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、再発性リンパ管平滑筋肉腫症である。一部の実施形態では、リンパ管平滑筋肉腫症は、これらに限定されないが、シロリムスおよび/またはドキシサイクリンなどの、リンパ管平滑筋肉腫症の標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される個体におけるリンパ管平滑筋肉腫症を処置する方法のいずれかによれば、個体は、リンパ管平滑筋肉腫症と関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、リンパ管平滑筋肉腫症の初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、リンパ管平滑筋肉腫症の進行ステージにある。実施形態の一部では、個体は、リンパ管平滑筋肉腫症を発症する素因を遺伝的に、または他の点で有する(例えば、リスク因子を有する)。リンパ管平滑筋肉腫症のリスクのある個体は、例えば、リンパ管平滑筋肉腫症を経験した親類を有するもの、および遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。一部の実施形態では、個体は、リンパ管平滑筋肉腫症と関連する遺伝子(例えば、TSC1および/またはTSC2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、またはリンパ管平滑筋肉腫症と関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、個体は、rasまたはPTEN変異を有する。一部の実施形態では、がん細胞は、1つまたは複数のmRNAを翻訳するためのmTOR経路に依存している。一部の実施形態では、がん細胞は、mTOR非依存経路によってmRNAを合成することができない。一部の実施形態では、がん細胞は、非がん性細胞と比べて、PTEN活性が低下しているもしくはまったくない、またはPTENの発現が低下しているもしくはまったくない。一部の実施形態では、個体は、PI3K活性の上昇、mTOR活性の上昇、FLT−3ITDの存在、AKT活性の上昇、KRAS活性の上昇およびNRAS活性の上昇からなる群より選択される、少なくとも1つの腫瘍バイオマーカーを有する。一部の実施形態では、個体は、薬物代謝遺伝子、がん遺伝子および薬物標的遺伝子からなる群より選択される、少なくとも1つの遺伝子にバリエーションを有する。
前立腺がん
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における前立腺がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACクラスの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。
一部の実施形態では、前立腺がんは、腺癌である。一部の実施形態では、前立腺がんは、肉腫、神経内分泌腫瘍、小細胞がん、腺管がんまたはリンパ腫である。一部の実施形態では、前立腺がんは、Jewett病期分類システムに従い、4つのステージすなわち、A、B、CまたはDのいずれかにある。一部の実施形態では、前立腺がんは、ステージAの前立腺がん(例えば、がんは、直腸検査中に感知され得ない)である。一部の実施形態では、前立腺がんは、ステージBの前立腺がん(例えば、腫瘍は、前立腺内部のより多数の組織を含み、直腸検査の間、感知され得る、またはPSAレベルが高いために、実施される生検により発見される)である。一部の実施形態では、前立腺がんは、ステージCの前立腺がん(例えば、このがんは前立腺の外側から近傍組織にまで広がっている)である。一部の実施形態では、前立腺がんは、ステージDの前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、アンドロゲン非依存性前立腺がん(AIPC)である。一部の実施形態では、前立腺がんは、アンドロゲン依存性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、ホルモン療法に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における前立腺がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、レナリドマイド、ポマリドマイドまたは免疫チェックポイント阻害剤)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、前立腺がんは、再発性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、これらに限定されないが、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよび/またはビノレルビンなどの、前立腺がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における前立腺がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤、例えばポマリドマイド)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、免疫調節剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、前立腺がんは、再発性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、これらに限定されないが、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよび/またはビノレルビンなどの、前立腺がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における前立腺がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、前立腺がんは、再発性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、これらに限定されないが、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよび/またはビノレルビンなどの、前立腺がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における前立腺がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ロミデプシン)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、前立腺がんは、再発性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、これらに限定されないが、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよび/またはビノレルビンなどの、前立腺がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における前立腺がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、前立腺がんは、再発性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、これらに限定されないが、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよび/またはビノレルビンなどの、前立腺がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における前立腺がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ニロチニブまたはソラフェニブ)を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、前立腺がんは、再発性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、これらに限定されないが、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよび/またはビノレルビンなどの、前立腺がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における前立腺がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、前立腺がんは、再発性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、これらに限定されないが、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよび/またはビノレルビンなどの、前立腺がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における前立腺がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、がんワクチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、前立腺がんは、再発性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、これらに限定されないが、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよび/またはビノレルビンなどの、前立腺がんの標準治療において使用される、1つまたは複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における前立腺がんを処置する方法であって、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよびビノレルビンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のシロリムスまたはその誘導体がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよびビノレルビンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよびビノレルビンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよびビノレルビンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスまたはその誘導体を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、シロリムスのナノ粒子組成物中のアルブミンとシロリムスまたはその誘導体との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよびビノレルビンからなる群より選択される、有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、シロリムスまたはその誘導体は、シロリムスである。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、シロリムスのナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、前立腺がんは、再発性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、これらに限定されないが、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン、エストラムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンおよび/またはビノレルビンなどの、前立腺がんの標準治療において使用される、1または複数の薬物に対して不応性である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される個体における前立腺がんを処置する方法のいずれかによれば、個体は、前立腺がんと関連する1または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態では、個体は、前立腺がんの初期ステージにある。一部の実施形態では、個体は、前立腺がんの進行ステージにある。実施形態の一部では、個体は、前立腺がんを発症する素因を遺伝的に、または他の点で有する(例えば、リスク因子を有する)。前立腺がんのリスクのある個体は、例えば、前立腺がんを経験した親類を有するもの、および遺伝的または生化学マーカーの分析によりそのリスクが決定されたものを含む。一部の実施形態では、個体は、前立腺がんと関連する遺伝子(例えば、RNASEL/HPC1、ELAC2/HPC2、SR−A/MSRl、CHEK2、BRCA2、PONl、OGGl、MIC−I、TLR4および/またはPTEN)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または前立腺がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、個体は、rasまたはPTEN変異を有する。一部の実施形態では、がん細胞は、1つまたは複数のmRNAを翻訳するためのmTOR経路に依存している。一部の実施形態では、がん細胞は、mTOR非依存経路によってmRNAを合成することができない。一部の実施形態では、がん細胞は、非がん性細胞と比べて、PTEN活性が低下しているもしくはまったくない、またはPTENの発現が低下しているもしくはまったくない。一部の実施形態では、個体は、PI3K活性の上昇、mTOR活性の上昇、FLT−3ITDの存在、AKT活性の上昇、KRAS活性の上昇およびNRAS活性の上昇からなる群より選択される、少なくとも1つの腫瘍バイオマーカーを有する。一部の実施形態では、個体は、薬物代謝遺伝子、がん遺伝子および薬物標的遺伝子からなる群より選択される、少なくとも1つの遺伝子にバリエーションを有する。
血管腫瘍
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における血管腫瘍を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、ビンクリスチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。一部の実施形態では、血管腫瘍は、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫(tufted angioma)またはカポジ型血管内皮腫(kaposiform hemangioendothelioma)(KHE)である。一部の実施形態では、血管腫瘍は、事前の治療に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における血管腫瘍(例えば、カポジ肉腫、血管肉腫、房状血管腫またはカポジ型血管内皮腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のビンクリスチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のビンクリスチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のビンクリスチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のビンクリスチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のビンクリスチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ビンクリスチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子は、約10mg/m2〜約200mg/m2(例えば、約10mg/m2〜約40mg/m2、約40mg/m2〜約75mg/m2、約75mg/m2〜約100mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2、約20mg/m2〜約55mg/m2のいずれか、およびこれらの値の間の任意の範囲を含む)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子は、約20mg/m2〜約55mg/m2(例えば、約20mg/m2、約35mg/m2、約45mg/m2または約55mg/m2のいずれか)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、ビンクリスチンは、約0.5mg/m2〜約5mg/m2(例えば、約0.5mg/m2〜約1mg/m2、約1mg/m2〜約1.5mg/m2、約1.5mg/m2〜約2mg/m2、約2mg/m2〜約2.5mg/m2、約2.5mg/m2〜約3mg/m2、約3mg/m2〜約4mg/m2、約4mg/m2〜約5mg/m2、約1.5mg/m2のいずれか、およびこれらの値の間の任意の範囲を含む)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、ビンクリスチンは、約1.5mg/m2の投与量である。一部の実施形態では、血管腫瘍は、再発性血管腫瘍である。一部の実施形態では、血管腫瘍は、血管腫瘍の標準治療において使用される1または複数の薬物に対して不応性である。一部の実施形態では、血管腫瘍はカポジ肉腫である。一部の実施形態では、血管腫瘍は血管肉腫である。一部の実施形態では、血管腫瘍は房状血管腫である。または、一部の実施形態では、血管腫瘍は、カポジ型血管内皮腫である。
小児腫瘍
本出願は、一態様では、mTOR阻害剤(例えば、シロリムス)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、および有効量の第2の治療剤(例えば、ビンクリスチン)を個体に投与するステップを含む、ヒト個体における固形腫瘍を処置する方法を提供し、個体は、約21歳以下(例えば、約18歳以下)である。固形腫瘍には、例えば、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、髄芽腫、神経膠腫、肝腫瘍、腎腫瘍、房状血管腫およびカポジ型血管内皮腫(KHE)が含まれる。一部の実施形態では、個体は、事前の処置に抵抗性または不応性である。一部の実施形態では、個体は、事前の処置時に進行する。一部の実施形態では、個体は、再発性固形腫瘍を有する。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含み、個体が約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、第2の治療剤による標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、テモゾロミド、イリノテカン、ビンクリスチンまたはそれらの組み合わせである。例えば、一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のi)テモゾロミドおよびイリノテカンまたはii)ビンクリスチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、髄芽腫、神経膠腫、肝腫瘍、腎腫瘍、房状血管腫またはカポジ型血管内皮腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、事前の治療に対して不応性である。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9〜約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5〜約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1〜約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば、約6ヵ月〜約1歳、約6ヵ月未満、または約3ヵ月未満である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、神経芽細胞腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、髄芽腫、神経膠腫、肝腫瘍または腎腫瘍)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のテモゾロミドおよびイリノテカンを個体に投与するステップを含み、個体が約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のテモゾロミドおよびイリノテカンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のテモゾロミドおよびイリノテカンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のテモゾロミドおよびイリノテカンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のテモゾロミドおよびイリノテカンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、テモゾロミドおよびイリノテカンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子は、約10mg/m2〜約200mg/m2(例えば、約10mg/m2〜約40mg/m2、約40mg/m2〜約75mg/m2、約75mg/m2〜約100mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2、約20mg/m2〜約55mg/m2のいずれか、およびこれらの値の間の任意の範囲を含む)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子は、約20mg/m2〜約55mg/m2(例えば、約20mg/m2、約35mg/m2、約45mg/m2または約55mg/m2のいずれか)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、テモゾロミドは、約10mg/m2〜約200mg/m2(例えば、約10mg/m2〜約40mg/m2、約40mg/m2〜約75mg/m2、約75mg/m2〜約100mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2、約125mg/m2のいずれか、およびこれらの値の間の任意の範囲を含む)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、テモゾロミドは、約125mg/m2の投与量である。一部の実施形態では、イリノテカンは、約10mg/m2〜約200mg/m2(例えば、約10mg/m2〜約40mg/m2、約40mg/m2〜約75mg/m2、約75mg/m2〜約100mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2、約90mg/m2のいずれか、およびこれらの値の間の任意の範囲を含む)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、イリノテカンは、約90mg/m2の投与量にある。一部の実施形態では、固形腫瘍は、再発性固形腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、固形腫瘍の標準治療において使用される1または複数の薬物に対して不応性である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、骨肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、ユーイング肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、横紋筋肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、髄芽腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経膠腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、肝腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、腎腫瘍である。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9〜約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5〜約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1〜約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば、約6ヵ月〜約1歳、約6ヵ月未満、または約3ヵ月未満である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、房状血管腫またはカポジ型血管内皮腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のビンクリスチンを個体に投与するステップを含み、個体が約21歳以下(例えば、約18歳以下)である、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子中のmTOR阻害剤がアルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)、組成物、ならびにb)有効量のビンクリスチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のビンクリスチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下)の平均粒子サイズを有する、組成物、ならびにb)有効量のビンクリスチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物であって、ナノ粒子が、アルブミンと関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤を含み、ナノ粒子が、約150nm以下(例えば、約120nm以下、例えば約100nm)の平均粒子サイズを有し、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比が約9:1またはそれ未満(例えば、約9:1または約8:1)である、組成物、ならびにb)有効量のビンクリスチンを個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、ビンクリスチンによる標準併用治療において使用される、少なくとも1つの治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子は、約10mg/m2〜約200mg/m2(例えば、約10mg/m2〜約40mg/m2、約40mg/m2〜約75mg/m2、約75mg/m2〜約100mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2、約20mg/m2〜約55mg/m2のいずれか、およびこれらの値の間の任意の範囲を含む)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子は、約20mg/m2〜約55mg/m2(例えば、約20mg/m2、約35mg/m2、約45mg/m2または約55mg/m2のいずれか)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、ビンクリスチンは、約0.5mg/m2〜約5mg/m2(例えば、約0.5mg/m2〜約1mg/m2、約1mg/m2〜約1.5mg/m2、約1.5mg/m2〜約2mg/m2、約2mg/m2〜約2.5mg/m2、約2.5mg/m2〜約3mg/m2、約3mg/m2〜約4mg/m2、約4mg/m2〜約5mg/m2、約1.5mg/m2のいずれか、およびこれらの値の間の任意の範囲を含む)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、ビンクリスチンは、約1.5mg/m2の投与量である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、再発性固形腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、固形腫瘍の標準治療において使用される1または複数の薬物に対して不応性である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、房状血管腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、カポジ型血管内皮腫である。一部の実施形態では、個体は、約17歳、約16歳、約15歳、約14歳、約13歳、約12歳、約11歳、約10歳、約9歳、約8歳、約7歳、約6歳、約5歳、約4歳、約3歳、約2歳または約1歳のいずれか以下である。一部の実施形態では、個体は、約9〜約15歳である。一部の実施形態では、個体は、約5〜約9歳である。一部の実施形態では、個体は、約1〜約5歳である。一部の実施形態では、個体は、約1歳以下、例えば、約6ヵ月〜約1歳、約6ヵ月未満、または約3ヵ月未満である。
医薬組成物
本明細書に記載される、ナノ粒子組成物(例えば、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物)および/または第2の治療剤は、上記のナノ粒子組成物または第2の治療剤と、本明細書に記載される処置方法、投与方法および投与レジメにおける使用に関して、当分野において公知の、薬学的に許容される担体、賦形剤、安定化剤および/または別の薬剤とを混合することによる、医薬組成物などの処方物の調製に使用され得る。
医薬組成物中のナノ粒子の負のゼータ電位を向上させることによって安定性を増大させるために、ある種の負に荷電している成分を加えることができる。このような負に荷電している成分には、胆汁酸塩、胆汁酸、グリコール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸および他のもの、ならびにレシチン(卵黄)をベースとするリン脂質を含むリン脂質が含まれ、リン脂質には、以下のホスファチジルコリン:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリンおよびジパルミトイルホスファチジルコリンが含まれるがこれらに限定されない。他のリン脂質には、L−α−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)、および他の関連化合物が含まれる。負に荷電している界面活性剤または乳化剤、例えば、コレステリル硫酸ナトリウムなどもまた、添加物として好適である。
一部の実施形態では、本医薬組成物は、ヒトへの投与に好適である。一部の実施形態では、本医薬組成物は、獣医学的文脈では、家庭用ペットおよび農業用動物などの哺乳動物への投与に好適である。本発明の組成物の幅広い好適な処方物(例えば、それらの全体が参照により組み込まれている、米国特許第5,916,596号および同第6,096,331号を参照のこと)が存在する。以下の処方物および方法は、単に例示に過ぎず、決して限定ではない。経口投与に好適な処方物は、(a)水、食塩水またはオレンジジュースなどの希釈剤に溶解した、有効量の活性成分(例えば、ナノ粒子組成物または第2の治療剤)などの液体溶液、(b)それぞれ、固体または顆粒として所与の量の活性成分を含有している、カプセル、小袋(sachet)または錠剤、(c)適切な液体中の懸濁物、(d)好適なエマルジョン、および(e)粉末を含むことができる。錠剤形態は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、微結晶セルロース、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸および他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝化剤、保湿剤(moistening agent)、保存剤、矯味矯臭剤、および薬理学的に適合可能な賦形剤のうちの1または複数を含むことができる。ロセンジ形態は、矯味矯臭薬、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性成分を含むことができ、香錠は、活性成分に加えて、当分野において公知のこのような賦形剤を含有する、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシア、エマルジョン、ゲルなどの活性成分を不活性基剤中に含む。
非経口投与に好適な処方物には、水性および非水性の、等張性無菌注射溶液が含まれ、これは、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および意図されるレシピエントの血液と処方物を適合させる溶質、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤(thickening agent)、安定化剤および保存剤を含むことができる水性および非水性の無菌懸濁物を含むことができる。この処方物は、アンプルおよびバイアルなどの単位用量または複数回用量の密封容器中で提供され得、使用直前に、注射用の滅菌液体賦形剤(例えば、水)を添加することしか必要としない、フリーズドライ(凍結乾燥)条件で保管可能である。即席の注射溶液および懸濁物は、以前に記載されている種類の滅菌の粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
上記の本発明の組成物を含む、エアゾール投与に好適な処方物が提供される。一部の実施形態では、エアゾール投与に好適な処方物は、水性または非水性の等張性滅菌溶液であり、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および/または溶質を含有することができる。一部の実施形態では、エアゾール投与に好適な処方物は、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤および/または保存剤を、単独でまたは好適な他の成分と組み合わせて含むことができる、水性または非水性滅菌懸濁物である。これらのエアゾール処方物は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの、加圧された許容可能な噴霧体に入れることができる。これらのエアゾール処方物は、ネブライザーまたは噴霧器で使用するためなどの、非加圧調製物用の医薬品として処方することもできる。
一部の実施形態では、本医薬組成物は、例えば、約5.0〜約8.0、約6.5〜約7.5および約6.5〜約7.0の任意の範囲のpHを含めた、約4.5〜約9.0の範囲のpHを有するよう処方される。一部の実施形態では、本医薬組成物のpHは、例えば、約6.5、約7または約8(例えば、約8)のいずれか以上を含む、約6以上に処方される。本医薬組成物はまた、グリセロールなどの、好適な張度調節剤(tonicity modifier)の添加によって血液と等張にすることもできる。
本発明のナノ粒子は、硬質カプセルまたは軟質カプセルに封入することができ、錠剤に圧縮することができ、または飲料もしくは食物に組み込むことができ、または他の方法で食事に組み込むことができる。カプセルは、ナノ粒子と不活性な医薬用希釈剤とを混合し、この混合物を適切なサイズの硬質ゼラチンカプセルに挿入することによって処方することができる。軟質カプセルが所望される場合、許容可能な植物油、軽質石油(light petroleum)または他の不活性油とのナノ粒子のスラリーを、ゼラチンカプセル中に機械によって封入することができる。
同様に、この組成物および本明細書に記載される処方物を含む単位剤形も提供される。これらの単位剤形は、単回または複数回単位投与量中の適切なパッケージ中で保管することができ、やはりさらに滅菌および密封されてもよい。例えば、本医薬組成物(例えば、ある投与量または単位剤形の医薬組成物)は、(i)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子、ならびに(ii)薬学的に許容される担体を含むことができる。他の例では、本医薬組成物(例えば、ある投与量または単位剤形の医薬組成物)は、a)シロリムスまたはその誘導体およびアルブミンを含むナノ粒子、ならびにb)少なくとも1つの他の治療剤を含む。一部の実施形態では、他の治療剤は、本明細書に記載される第2の治療剤のいずれかを含む。一部の実施形態では、本医薬組成物はまた、がんを処置するために有用な、1または複数の他の化合物(または、薬学的に許容されるその塩)を含む。一部の実施形態では、組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の量は、以下の範囲:約20〜約50mg、約50〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mgまたは約300〜約350mgのいずれかに含まれる。一部の実施形態では、組成物(例えば、投与量または単位剤形)中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の量は、mTOR阻害剤約54mg〜約540mg、例えば、約180mg〜約270mgまたは約216mgの範囲にある。一部の実施形態では、担体は、非経口投与(例えば、静脈内投与)に適切である。一部の実施形態では、タキサンは、組成物中に含まれない。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)は、組成物中に含有されている、固形腫瘍の処置のための唯一の医薬活性剤である。
したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載される固形腫瘍を処置する方法のいずれかにおいて使用するための、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子および/または第2の治療剤を含む上記の医薬組成物のいずれかにしたがう医薬組成物が提供される。一部の実施形態では、本医薬組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミン)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本医薬組成物は第2の治療剤を含む。一部の実施形態では、本医薬組成物は、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミン)を含むナノ粒子、ならびにb)第2の治療剤を含む。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫賦活剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、第2の治療剤は、ポマリドマイドおよびレナリドマイドからなる群より選択される免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。
処置される疾患
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、膵臓神経内分泌がん、子宮内膜がん、卵巣がん、乳がん、腎細胞癌、リンパ管平滑筋肉腫症(LAM)、前立腺がんおよび膀胱がんからなる群より選択される。この方法は、米国がん合同委員会(AJCC)病期分類グループによるステージI、II、IIIおよびIVを含めた、すべてのステージの固形腫瘍に適用可能である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、初期ステージのがん、非転移性がん、原発性がん、進行性がん、局所進行性がん、転移性がん、寛解中のがん、付加療法の状況にあるがんまたは新補助療法の状況にあるがんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、限局性切除可能である、限局性切除不能である、または切除不能である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、限局性切除可能である、または切除可能性が境界線上にある。一部の実施形態では、がんは、事前の治療に対して不応性である。一部の実施形態では、がんは、化学治療剤(例えば、リムス薬物の非ナノ粒子処方物)の非ナノ粒子処方物による処置に対して抵抗性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、初期ステージの乳がん、非転移性乳がん、進行性乳がん、ステージIVの乳がん、局所進行性乳がん、転移性乳がん、寛解中の乳がん、付加療法の状況にある乳がん、または新補助療法の状況にある乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、新補助療法の状況にある。一部の実施形態では、乳がんは、進行ステージにある。一部の実施形態では、乳がん(これは、HER2陽性またはHER2陰性とすることができる)には、例えば、進行性乳がん、ステージIVの乳がん、局所進行性乳がんおよび転移性乳がんが含まれる。一部の実施形態では、個体は、乳がんと関連する遺伝子(例えば、BRCAl、BRCA2、ATM、CHEK2、RAD51、AR、DIRAS3、ERBB2、TP53、AKT、PTENおよび/またはPDK)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または乳がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピー(例えば、HER2遺伝子の1または複数の余分のコピー)を有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、この方法は、ERとPgRの両方を発現しない腫瘍組織を有する患者のホルモン受容体の状態に基づいて、がん患者集団(すなわち乳がん集団)を特定するステップをさらに含む。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、がんは、腎細胞癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は腺癌である。一部の実施形態では、腎細胞癌は、明細胞型腎細胞癌、乳頭状腎細胞癌(好色素性腎細胞癌とも呼ばれる)、嫌色素性腎細胞癌、集合尿細管腎細胞癌、顆粒腎細胞癌、混合顆粒腎細胞癌、腎血管筋脂肪腫または腎紡錘細胞癌である。一部の実施形態では、個体は、腎細胞癌に関連する遺伝子(例えば、VHL、TSC1、TSC2、CUL2、MSH2、MLHl、INK4a/ARF、MET、TGF−α、TGF−β1、IGF−I、IGF−IR、AKTおよび/またはPTEN)、遺伝子変異または多型を有するヒトとすることができる、または腎細胞癌に関連する遺伝子の1つまたは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。一部の実施形態では、腎細胞癌は、(1)フォンヒッペル−リンドウ(VHL)症候群、(2)遺伝性乳頭状腎癌(HPRC)、(3)バート−ホッグ−デューブ症候群(BHDS)に関連する家族性腎膨大細胞腫(FRO)、または(4)遺伝性腎癌(HRC)に関連している。一部の実施形態では、腎細胞癌は、米国がん合同委員会(AJCC)病期分類グループによるステージI、II、IIIまたはIVのいずれかにある。一部の実施形態では、腎細胞癌は、ステージIVの腎細胞癌である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、腺癌である。一部の実施形態では、前立腺がんは、肉腫、神経内分泌腫瘍、小細胞がん、腺管がんまたはリンパ腫である。一部の実施形態では、前立腺がんは、Jewett病期分類システムに従い、4つのステージすなわち、A、B、CまたはDのいずれかにある。一部の実施形態では、前立腺がんは、ステージAの前立腺がん(例えば、がんは、直腸検査中に感知され得ない)である。一部の実施形態では、前立腺がんは、ステージBの前立腺がん(例えば、腫瘍は、前立腺内部のより多数の組織を含み、直腸検査の間、感知され得る、またはPSAレベルが高いために、実施される生検により発見される)である。一部の実施形態では、前立腺がんは、ステージCの前立腺がん(例えば、このがんは前立腺の外側から近傍組織にまで広がっている)である。一部の実施形態では、前立腺がんは、ステージDの前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、アンドロゲン非依存性前立腺がん(AIPC)である。一部の実施形態では、前立腺がんは、アンドロゲン依存性前立腺がんである。一部の実施形態では、前立腺がんは、ホルモン療法に対して不応性である。一部の実施形態では、前立腺がんは、ホルモン療法に対して実質的に不応性である。一部の実施形態では、個体は、前立腺がんと関連する遺伝子(例えば、RNASEL/HPC1、ELAC2/HPC2、SR−A/MSRl、CHEK2、BRCA2、PONl、OGGl、MIC−I、TLR4および/またはPTEN)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または前立腺がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトである。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)である。NSCLCの例には、大細胞癌(例えば、大細胞神経内分泌癌、混合大細胞神経内分泌癌、類基底細胞癌、リンパ上皮腫様癌、明細胞癌およびラブドイド表現型を有する大細胞癌)、腺癌(例えば、腺房、乳頭状(例えば、気管支肺胞癌、非粘液性、粘液性、粘液性と非粘液性の混合型および中間細胞型)、ムチンを有する充実型腺癌、混合型サブタイプを有する腺癌、高分化胎児型腺癌、粘液性(膠様)腺癌、粘液性嚢胞腺癌、印環細胞腺癌および明細胞腺癌)、神経内分泌肺腫瘍および扁平上皮癌(例えば、乳頭状、明細胞、小細胞および類基底)が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、NSCLCは、TNM分類に従って、ステージTの腫瘍(原発性腫瘍)、ステージNの腫瘍(所属リンパ節)またはステージMの腫瘍(遠隔転移)である。一部の実施形態では、肺がんは、カルチノイド(定型または非定型)、腺扁平上皮癌、円柱腫、または唾液腺の癌腫(例えば、腺様嚢胞癌または粘液性類表皮癌)である。一部の実施形態では、肺がんは、多形、肉腫様あるいは肉腫成分を伴う癌腫(例えば、紡錘細胞および/または巨細胞を伴う癌腫、紡錘体細胞癌、巨細胞癌、癌肉腫または肺芽腫)である。一部の実施形態では、がんは、小細胞肺がん(SCLC;燕麦細胞癌とも呼ばれる)である。小細胞肺がんは、ステージが限定された、広範なステージの、または再発性の小細胞肺がんとすることができる。一部の実施形態では、個体は、肺がんと関連することが疑われるか、または示される遺伝子(例えば、SASH1、LATS1、IGF2R、PARK2、KRAS、PTEN、Kras2、Krag、Pas1、ERCC1、XPD、IL8RA、EGFR、Ot1−AD、EPHX、MMP1、MMP2、MMP3、MMP12、IL1β、RASおよび/またはAKT)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または肺がんと関連する遺伝子の1または複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肺がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、肺がんは、再発性肺がんである。一部の実施形態では、肺がんは、肺がんの標準治療において使用される少なくとも1つの薬物に対して不応性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、脳がんである。一部の実施形態では、脳がんは、神経膠腫、脳幹神経膠腫、小脳または大脳星状細胞腫(例えば、重細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫または未分化(悪性)星状細胞腫)、悪性神経膠腫、上衣腫、乏突起膠腫(oligodenglioma)、髄膜腫、頭蓋咽頭腫、血管芽細胞腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視覚路および視床下部神経膠腫または神経膠芽腫である。一部の実施形態では、脳がんは、神経膠芽腫(多形性神経膠芽腫またはグレード4の星状細胞腫とも呼ばれる)である。一部の実施形態では、神経膠芽腫は、放射線抵抗性である。一部の実施形態では、神経膠芽腫は、放射線感受性である。一部の実施形態では、神経膠芽腫は、テント下であってもよい。一部の実施形態では、神経膠芽腫は、テント上である。一部の実施形態では、個体は、脳がん(例えば、神経膠芽腫)と関連する遺伝子(例えば、NRP/B、MAGE−El、MMACI−El、PTEN、LOH、p53、MDM2、DCC、TP−73、RbI、EGFR、PDGFR−α、PMS2、MLHlおよび/またはDMBTl)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または脳がん(例えば、神経膠芽腫)と関連する遺伝子(例えば、MDM2、EGFRおよびPDGR−α)の1または複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における脳がんを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、脳がんは、再発性脳がんである。一部の実施形態では、脳がんは、脳がんの標準治療において使用される少なくとも1つの薬物に対して不応性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、表在拡大型黒色腫、悪性黒子型黒色腫、結節性黒色腫、粘膜黒色腫、ポリープ様黒色腫、線維形成性黒色腫、メラニン欠乏性黒色腫、軟組織黒色腫または末端部黒子黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、米国がん合同委員会(AJCC)病期分類グループによる、ステージI、II、IIIまたはIVのいずれかにある。一部の実施形態では、黒色腫は再発性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、卵巣がんである。一部の実施形態では、卵巣がんは、卵巣上皮がんである。例示的な卵巣上皮がんの組織学的分類には、漿液性嚢腫(例えば、漿液性良性嚢胞腺腫、上皮細胞の増殖活性および核の異常を伴うが、浸潤性破壊的成長のない漿液性嚢胞腺腫、または漿液性嚢胞腺癌)、粘液性嚢胞腫(例えば、粘液性良性嚢胞腺腫、上皮細胞の増殖活性および核の異常を有するが、浸潤性破壊性成長のない粘液性嚢胞腺腫、または粘液性嚢胞腺癌)、類内膜腫瘍(例えば、良性類内膜嚢胞、上皮細胞の増殖活性および核の異常を伴うが、浸潤性破壊的成長のない類内膜腫瘍、または類内膜腺癌)、明細胞(中腎型)腫瘍(例えば、良性明細胞腫瘍、上皮細胞の増殖活性および核の異常を伴うが、浸潤性破壊的成長のない明細胞腫瘍、または明細胞嚢胞腺癌)、上記の群の1つに割りあてることができない未分類の腫瘍、または他の悪性腫瘍が含まれる。一部の実施形態では、卵巣上皮がんは、ステージI(例えば、ステージIA、IBまたはIC)、ステージII(例えば、ステージHA、HBまたはIIC)、ステージIII(例えば、ステージIIIA、HIBまたはHIC)またはステージIVである。一部の実施形態では、個体は、卵巣がんと関連する遺伝子(例えば、MLH1、MLH3、MSH2、MSH6、TGFBR2、PMS1、PMS2、BRCAlおよび/またはBRCA2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または卵巣がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピー(例えば、HER2遺伝子の1または複数の余分のコピー)を有するヒトである。
一部の実施形態では、卵巣がんは卵巣胚細胞腫瘍である。例示的な組織学的サブタイプには、未分化胚細胞腫または他の胚細胞腫瘍(例えば、肝様腫瘍または腸腫瘍などの内胚葉洞腫瘍、胎生期癌、胎児性癌、絨毛癌、奇形腫または混合型腫瘍)が含まれる。例示的な奇形腫は、未熟型奇形腫、成熟型奇形腫、充実性奇形腫および嚢胞性奇形腫(例えば、成熟嚢胞性奇形腫などの類皮嚢腫、および悪性転換を有する類皮嚢腫)である。いくつかの奇形腫は、卵巣甲状腺腫、カルチノイド、卵巣甲状腺腫およびカルチノイドなどの単胚葉性および高度限定型、または他のもの(例えば、悪性の神経外胚葉性および上衣腫)である。一部の実施形態では、卵巣胚細胞腫瘍は、ステージI(例えば、ステージIA、IBまたはIC)、ステージII(例えば、ステージHA、HBまたはIIC)、ステージIII(例えば、ステージIIIA、HIBまたはIIIC)またはステージIVである。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、膵臓神経内分泌がんである。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、分化型神経内分泌腫瘍、分化型(低悪性度)神経内分泌癌、または未分化型(高悪性度)神経内分泌癌である。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、機能性膵神経内分泌腫瘍である。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌腫瘍は、非機能性膵神経内分泌腫瘍である。一部の実施形態では、膵臓神経内分泌がんは、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ソマトスタチノーマ、ガストリノーマ、ビポーマ、GRFomaまたはACTHomaである。一部の実施形態では、個体は、膵臓神経内分泌がんと関連する遺伝子(例えば、NF1および/またはMEN1)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または膵臓神経内分泌がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、腺癌、癌肉腫、扁平上皮癌、未分化の癌腫、小細胞癌または移行上皮癌である。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、類内膜がん、扁平分化を有する腺癌、腺棘細胞腫、腺扁平上皮癌、分泌性癌、繊毛癌腫または絨毛管状腺癌である。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、明細胞癌、粘液性腺癌または乳頭状漿液性腺癌である。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、グレード1、グレード2またはグレード3である。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、タイプ1の子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、タイプ2の子宮内膜がんである。一部の実施形態では、子宮内膜がんは、子宮癌肉腫である。一部の実施形態では、個体は、子宮内膜がんと関連する遺伝子(例えば、MLH1、MLH2、MSH2、MLH3、MSH6、TGBR2、PMS1および/またはPMS2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または子宮内膜がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、リンパ管平滑筋肉腫症である。一部の実施形態では、個体は、リンパ管平滑筋肉腫症と関連する遺伝子(例えば、TSC1および/またはTSC2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、またはリンパ管平滑筋肉腫症と関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、結腸がんである。一部の実施形態では、個体は、結腸がんと関連する遺伝子(例えば、RAS、AKT、PTEN、POKおよび/またはEGFR)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または結腸がんと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、結節硬化症(TS)を伴う上衣下巨細胞星状細胞腫(SEGA)である。一部の実施形態では、個体は、SEGAと関連する遺伝子(例えば、TSC1および/またはTSC2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、またはSEGAと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるSEGA(例えば、TSを伴うSEGA)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、SEGAは、再発性SEGAである。一部の実施形態では、SEGAは、SEGAの標準治療において使用される少なくとも1つの薬物(例えば、エベロリムスおよび/またはシロリムス)に対して不応性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、結節硬化症(TS)を伴う血管筋脂肪腫である。一部の実施形態では、血管筋脂肪腫は、PEComaである。一部の実施形態では、個体は、血管筋脂肪腫と関連する遺伝子(例えば、TSC1および/またはTSC2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または血管筋脂肪腫と関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における血管筋脂肪腫(例えば、TSを伴う血管筋脂肪腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、血管筋脂肪腫は、再発性血管筋脂肪腫である。一部の実施形態では、血管筋脂肪腫は、血管筋脂肪腫の標準治療において使用される少なくとも1つの薬物(例えば、エベロリムスおよび/またはシロリムス)に対して不応性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、カルチノイドである。一部の実施形態では、カルチノイドは、胃腸カルチノイド、肺カルチノイドまたは直腸カルチノイドである。一部の実施形態では、カルチノイドは、機能性カルチノイドである。一部の実施形態では、カルチノイドは、非機能性カルチノイドである。一部の実施形態では、個体は、カルチノイドと関連する遺伝子(例えば、MEN1)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、またはカルチノイドと関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるカルチノイドを処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、カルチノイドは、再発性カルチノイドである。一部の実施形態では、カルチノイドは、カルチノイドの標準治療において使用される少なくとも1つの薬物(例えば、ソマトスタチンアナログ、インターフェロンおよび/またはエベロリムス)に対して不応性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、肝細胞癌(HCC)である。一部の実施形態では、HCCは、初期ステージのHCC、非転移性HCC、原発性HCC、進行性HCC、局所進行性HCC、転移性HCC、寛解中のHCCまたは再発性HCCである。一部の実施形態では、HCCは、限局性切除可能(すなわち、完全な外科的除去を可能にする、肝臓の一部に限定される腫瘍)、限局性切除不能(すなわち、重大な血管構造が含まれるので、または肝臓が損なわれているので、限局性腫瘍は、切除不能となり得る)、または切除不能(すなわち、腫瘍は、肝臓のすべての葉を含む、かつ/または他の器官(例えば、肺、リンパ節、骨)を含んで広がっている)である。一部の実施形態では、HCCは、TNM分類に従って、ステージIの腫瘍(血管浸潤を伴わない単一の腫瘍)、ステージIIの腫瘍(血管浸潤を伴う単一の腫瘍、または5cm以下の複数の腫瘍)、ステージIIIの腫瘍(複数の腫瘍、いずれかが5cmよりも大きい、または門脈もしくは肝静脈の主要枝を含む腫瘍)、ステージIVの腫瘍(胆嚢以外の隣接器官の直接的浸潤を伴う腫瘍、または臓側腹膜の穿孔)、N1の腫瘍(所属リンパ節転移)、またはM1の腫瘍(遠隔転移)である。一部の実施形態では、HCCは、AJCC(米国がん合同委員会)病期分類基準にしたがって、ステージT1、T2、T3またはT4のHCCである。一部の実施形態では、HCCは、肝臓細胞癌、HCCの線維層板バリアントおよび混合型肝細胞胆管癌のいずれか1つである。一部の実施形態では、個体は、肝細胞癌と関連する遺伝子(例えば、CCND2、RAD23B、GRP78、CEP164、MDM2および/またはALDH2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または肝細胞癌と関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における肝細胞癌を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、肝細胞癌は、再発性肝細胞癌である。一部の実施形態では、肝細胞癌は、肝細胞癌の標準治療において使用される少なくとも1つの薬物(例えば、ソラフェニブ、フロクスウリジン、シスプラチン、マイトマイシンC、ドキソルビシンおよび/またはエベロリムス)に対して不応性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、横紋筋肉腫(RMS)である。一部の実施形態では、横紋筋肉腫は、ブドウ状横紋筋肉腫(botryoid rhabdomyosarcoma)、紡錘細胞横紋筋肉腫(spindle cell rhabdomyosarcoma)、胎児性横紋筋肉腫、胞巣型横紋筋肉腫(alveolar rhabdomyosarcoma)または未分化肉腫である。一部の実施形態では、横紋筋肉腫は、多形横紋筋肉腫または硬化性横紋筋肉腫である。一部の実施形態では、個体は、横紋筋肉腫と関連する遺伝子(例えば、PAX3、PAX7、FOXO1および/またはIGF2)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または横紋筋肉腫と関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における横紋筋肉腫を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンまたはビノレルビン)またはアルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、ストレプトゾシンまたはブスルファン)である。一部の実施形態では、横紋筋肉腫は、再発性横紋筋肉腫である。一部の実施形態では、横紋筋肉腫は、横紋筋肉腫の標準治療において使用される少なくとも1つの薬物(例えば、ビンクリスチン、ダクチノマイシン、シクロホスファミド、イリノテカン、トポテカン、イホスファミド、エトポシドおよび/またはドキソルビシン)に対して不応性である。
一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における横紋筋肉腫を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のビノレルビンおよびシクロホスファミドを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子は、約10mg/m2〜約200mg/m2(例えば、約10mg/m2〜約40mg/m2、約40mg/m2〜約75mg/m2、約75mg/m2〜約100mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2、約15mg/m2〜約45mg/m2のいずれか、およびこれらの値の間の任意の範囲を含む)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子は、約15mg/m2〜約45mg/m2(例えば、約15mg/m2、約25mg/m2、約35mg/m2または約45mg/m2のいずれか)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、ビノレルビンは、約10mg/m2〜約80mg/m2(例えば、約10mg/m2〜約20mg/m2、約20mg/m2〜約40mg/m2、約40mg/m2〜約60mg/m2、約60mg/m2〜約80mg/m2、約25mg/m2のいずれか、およびこれらの値の間の任意の範囲を含む)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、ビノレルビンは、約25mg/m2の投与量である。一部の実施形態では、シクロホスファミドは、約0.5g/m2〜約5g/m2(例えば、約0.5g/m2〜約1g/m2、約1g/m2〜約1.2g/m2、約1.2g/m2〜約1.4g/m2、約1.4g/m2〜約1.6g/m2、約1.6g/m2〜約1.8g/m2、約1.8g/m2〜約2.0g/m2、約2.0g/m2〜約2.2g/m2、約2.2g/m2〜約3g/m2、約3g/m2〜約4g/m2、約4g/m2〜約5g/m2、約1.2g/m2のいずれか、およびこれらの値の間の任意の範囲を含む)の投与量範囲にある。一部の実施形態では、シクロホスファミドは、約1.2g/m2の投与量にある。一部の実施形態では、横紋筋肉腫は、再発性横紋筋肉腫である。一部の実施形態では、横紋筋肉腫は、横紋筋肉腫の標準治療において使用される少なくとも1つの薬物(例えば、ビンクリスチン、ダクチノマイシン、シクロホスファミド、イリノテカン、トポテカン、イホスファミド、エトポシドおよび/またはドキソルビシン)に対して不応性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、神経芽細胞腫は、副腎、頚部、胸腹部(chest abdomen)または骨盤の神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、神経芽細胞腫は、ステージ1、ステージ2A、ステージ2B、ステージ3、ステージ4またはステージ4Sの神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、神経芽細胞腫は、ステージL1、ステージL2、ステージMまたはステージM2の神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、個体は、神経芽細胞腫と関連する遺伝子(例えば、ALK、PHOX2B、MYCN、NTK1、KIF1B、LMO1、NBPF10および/またはATRX)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、または神経芽細胞腫と関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における神経芽細胞腫を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンまたはビノレルビン)またはアルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、ストレプトゾシンまたはブスルファン)である。一部の実施形態では、神経芽細胞腫は、再発性神経芽細胞腫である。一部の実施形態では、神経芽細胞腫は、神経芽細胞腫の標準治療において使用される少なくとも1つの薬物(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、シスプラチン、カルボプラチン、ビンクリスチン、ドキソルビシン、エトポシド、トポテカン、ブスルファン、メルファランおよび/またはジヌツキシマブ)に対して不応性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、ユーイング肉腫である。一部の実施形態では、ユーイング肉腫は、骨盤、大腿骨、上腕骨、肋骨または鎖骨のユーイング肉腫である。一部の実施形態では、個体は、ユーイング肉腫と関連する遺伝子(例えば、EWSおよび/またはFLI1)、遺伝子変異もしくは多型を有するヒト、またはユーイング肉腫と関連する遺伝子の1もしくは複数の余分のコピーを有するヒトとすることができる。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるユーイング肉腫を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、シロリムスまたはその誘導体である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、nab−シロリムスである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)およびがんワクチン(例えば、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチン)からなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、チロシンキナーゼ阻害剤などのキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、腫瘍細胞または少なくとも1つの腫瘍関連抗原を使用して調製されるワクチンなどのがんワクチンである。一部の実施形態では、第2の治療剤は、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンまたはビノレルビン)またはアルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、ストレプトゾシンまたはブスルファン)である。一部の実施形態では、ユーイング肉腫は、再発性ユーイング肉腫である。一部の実施形態では、ユーイング肉腫は、ユーイング肉腫の標準治療において使用される少なくとも1つの薬物(例えば、ビンクリスチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、イホスファミドおよび/またはエトポシド)に対して不応性である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、PDKおよび/またはAKT活性化を特徴とする。一部の実施形態では、PDKおよび/またはAKT活性化を特徴とする固形腫瘍は、HER2+乳がん、卵巣がん、子宮内膜がん、肉腫、頭部および頚部の扁平上皮癌、または甲状腺がんである。一部の変形では、固形腫瘍は、AKT遺伝子の増幅をさらに特徴とする。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、サイクリンD1の過剰発現を特徴とする。一部の実施形態では、サイクリンD1の過剰発現を特徴とする固形腫瘍は、乳がんである。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、cMYCの過剰発現を特徴とする。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、HIFの過剰発現を特徴とする。一部の実施形態では、HIFの過剰発現を特徴とする固形腫瘍は、腎細胞癌またはフォンヒッペル−リンドウである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、VHL変異をさらに含む。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、TSC1および/またはTSC2の喪失を特徴とする。一部の実施形態では、TSC1および/またはTSC2を特徴とする固形腫瘍は、結節硬化症または肺リンパ管平滑筋肉腫症である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、TSC2変異を特徴とする。一部の実施形態では、TSC2変異を特徴とする固形腫瘍は、腎血管筋脂肪腫である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、固形腫瘍は、PTEN変異を特徴とする。一部の実施形態では、PTEN変異は、PTEN機能の喪失である。一部の実施形態では、PTEN変異を特徴とする固形腫瘍は、神経膠芽腫、子宮内膜がん、前立腺がん、肉腫または乳がんである。
バイオマーカーの存在に基づく処置方法
本発明は、一態様では、1または複数のmTOR関連遺伝子における、1または複数のmTOR活性化性異常の状態に基づいて、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法を提供する。一部の実施形態では、1または複数のバイオマーカーは、mTOR阻害剤による処置に対する好都合な応答を示すバイオマーカー、免疫調節剤(例えば、免疫賦活剤または免疫チェックポイント阻害剤)による処置に対する好都合な応答を示すバイオマーカー、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による処置に対する好都合な応答を示すバイオマーカー、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)による処置に対する好都合な応答を示すバイオマーカーおよびがんワクチンによる処置に対する好都合な応答を示すバイオマーカーからなる群より選択される。
したがって、一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型(copy number variation)を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのmTOR関連バイオマーカーは、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTORC2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT−3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、TP53、FGFR4、BAP1、KRAS、NRASおよびPTENからなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子に存在する。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料における循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、AKT、S6K、S6および4EBP1からなる群より選択される。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学によって決定される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、逐次投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤およびナノ粒子組成物は、同時発生的に投与される。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、ならびに(b)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、およびii)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含み、個体が、mTOR活性化性異常を有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのmTOR関連バイオマーカーは、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTOR2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT−3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、TP53、FGFR4、BAP1、KRAS、NRASおよびPTENからなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子に存在する。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料における循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、AKT、S6K、S6および4EBP1からなる群より選択される。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択(例えば、特定または推薦)するステップ、および(c)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのmTOR関連バイオマーカーは、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTOR2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT−3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、TP53、FGFR4、BAP1、KRAS、NRASおよびPTENからなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子に存在する。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料における循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、AKT、S6K、S6および4EBP1からなる群より選択される。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤による処置について、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を選択(特定または推薦を含む)する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、および(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのmTOR関連バイオマーカーは、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTOR2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT−3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、TP53、FGFR4、BAP1、KRAS、NRASおよびPTENからなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子に存在する。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料における循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、AKT、S6K、S6および4EBP1からなる群より選択される。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
一部の実施形態では、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を選択(特定または推薦を含む)および処置する方法であって、(a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、(b)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ、ならびに(c)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのmTOR関連バイオマーカーは、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1の活性化(例えば、mTORC2ではなくmTORC1の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC2の活性化(例えば、mTORC1ではなくmTORC2の活性化を含む)がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常により、mTORC1とmTOR2の両方の活性化がもたらされる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT−3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、TP53、FGFR4、BAP1、KRAS、NRASおよびPTENからなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子に存在する。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、遺伝子配列決定により評価される。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、腫瘍試料におけるDNA配列決定に基づいている。一部の実施形態では、遺伝子配列決定は、血液試料における循環DNAまたは無細胞DNAの配列決定に基づいている。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、個体を選択するための根拠としてさらに使用される。一部の実施形態では、TFE3の変異状態は、TFE3の転座を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子は、AKT、S6K、S6および4EBP1からなる群より選択される。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、免疫組織化学により決定される。
本明細書では、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置に応答する可能性がより高いか、または処置に応答する可能性がより低いかを評価する方法であって、この処置が、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤を含み、この方法は、個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップを含む、方法も提供される。一部の実施形態では、この方法は、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤を、処置に応答する可能性が高いと決定される個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常の存在は、その個体が処置に応答する可能性がより高いことを示し、mTOR活性化性異常の非存在は、その個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物)の量は、mTOR活性化性異常の状態に基づいて決定される。
一部の実施形態では、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体が、mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて、処置に応答する可能性が高いか、またはその処置に好適であるかの評価を補助する方法であって、この処置は、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤を含み、この方法は、個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常の存在は、その個体が処置に応答する可能性が高いことを示し、mTOR活性化性異常の非存在は、その個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、この方法は、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤を含む処置に応答する可能性がある、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を特定する方法であって、a)個体におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、ならびにb)mTOR活性化性異常を有する個体に基づいて個体を特定するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、この方法は、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の量は、mTOR活性化性異常の状態に基づいて決定される。
本明細書では、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤を受容している固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体の治療的処置を調整する方法であって、個体から単離した試料におけるmTOR活性化性異常を評価するステップ、およびmTOR活性化性異常の状態に基づいて治療的処置を調整するステップを含む、方法も提供される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の量が調整される。
本明細書では、個体の部分集団において、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)に使用するための、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の第2の治療剤を含む治療を市場に出す(market)方法であって、mTOR活性化性異常を有する試料を有する部分集団の個体を特徴とする個体の部分集団を処置するための治療の使用に関して、標的とする大衆(audience)に情報を提供するステップを含む、方法が提供される。
「MTOR活性化性異常」とは、mTORシグナル伝達経路の過剰活性化をもたらし得る、1または複数のmTOR関連遺伝子の、遺伝的異常、異常な発現レベルおよび/または異常な活性レベルを指す。「過剰活性化する」とは、参照活性レベルまたは範囲を上回る、例えば、参照活性レベルまたは参照活性範囲の中央値を少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約200%、約500%またはそれよりも高くのいずれか上回るレベルまで、分子(例えば、タンパク質またはタンパク質複合体)またはシグナル伝達経路(例えば、mTORシグナル伝達経路)の活性レベルの向上を指す。一部の実施形態では、参照活性レベルは、標準化された試験における臨床的に許容される正常な活性レベル、またはmTOR活性化性異常のない健常な個体(または個体から単離した組織もしくは細胞)における活性レベルである。
本明細書に企図されているmTOR活性化性異常には、1つのmTOR関連遺伝子において1つのタイプの異常、1つのmTOR関連遺伝子において1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のタイプの異常、1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のmTOR関連遺伝子において1つのタイプの異常、または1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のmTOR関連遺伝子において1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のタイプの異常が含まれ得る。異なるタイプのmTOR活性化性異常には、これらに限定されないが、遺伝的異常、異常な発現レベル(例えば、過剰発現または過少発現)、異常な活性レベル(例えば、高活性レベルまたは低活性レベル)、および異常なリン酸化レベルが含まれ得る。一部の実施形態では、遺伝的異常は、mTOR関連遺伝子のコード化、非コード化、調節、エンハンサー、サイレンサー、プロモーター、イントロン、エクソン、および非翻訳領域が含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子と関連する核酸(例えば、DNAまたはRNA)、またはタンパク質配列(すなわち変異)、または異常なエピジェネティック特徴への変化を含む。一部の実施形態では、参照活性レベルまたは範囲を上回る、例えば、参照活性レベルまたは参照活性範囲の中央値より少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約200%、約500%またはそれよりも高くのいずれか上回るレベルまでの、少なくとも1つの分子(例えば、タンパク質またはタンパク質複合体)またはシグナル伝達経路(例えば、mTORシグナル伝達経路)。一部の実施形態では、参照活性レベルは、標準化された試験における臨床的に許容される正常な活性レベル、またはmTOR活性化性異常のない健常な個体(または個体から単離した組織もしくは細胞)における活性レベルである。
本明細書に企図されているmTOR活性化性異常には、1つのmTOR関連遺伝子において1つのタイプの異常、1つのmTOR関連遺伝子において1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のタイプの異常、1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のmTOR関連遺伝子において1つのタイプの異常、または1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のmTOR関連遺伝子において1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のタイプの異常が含まれ得る。異なるタイプのmTOR活性化性異常には、これらに限定されないが、遺伝的異常、異常な発現レベル(例えば、過剰発現または過少発現)、異常な活性レベル(例えば、高活性レベルまたは低活性レベル)、および異常なリン酸化レベルが含まれ得る。一部の実施形態では、遺伝的異常は、mTOR関連バイオマーカーのコード化、非コード化、調節、エンハンサー、サイレンサー、プロモーター、イントロン、エクソンおよび非翻訳領域が含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子と関連する核酸(例えば、DNAまたはRNA)、またはタンパク質配列(すなわち変異)、または異常なエピジェネティック特徴への変化を含み、参照活性レベルまたは範囲を上回る、例えば、参照活性レベルまたは参照活性範囲の中央値より少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約200%、約500%もしくはそれよりも高くのいずれか上回るレベルまでの、分子(例えば、タンパク質またはタンパク質複合体)によってコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルまたはシグナル伝達経路(例えば、mTORシグナル伝達経路)を含む。一部の実施形態では、参照活性レベルは、標準化された試験における臨床的に許容される正常な活性レベル、またはmTOR活性化性異常のない健常な個体(または個体から単離した組織もしくは細胞)における活性レベルである。
本明細書に企図されているmTOR活性化性異常には、1つのmTOR関連遺伝子において1つのタイプの異常、1つのmTOR関連遺伝子において1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のタイプの異常、1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のmTOR関連遺伝子において1つのタイプの異常、または1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のmTOR関連遺伝子において1つ超(例えば、少なくとも約2つ、約3つ、約4つ、約5つ、約6つまたはそれよりも多くのいずれか)のタイプの異常が含まれ得る。異なるタイプのmTOR活性化性異常には、これらに限定されないが、遺伝的異常、異常な発現レベル(例えば、過剰発現または過少発現)、異常な活性レベル(例えば、高活性レベルまたは低活性レベル)、および異常なリン酸化レベルが含まれ得る。一部の実施形態では、遺伝的異常は、mTOR関連遺伝子のコード化、非コード化、調節、エンハンサー、サイレンサー、プロモーター、イントロン、エクソン、および非翻訳領域が含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子と関連する核酸(例えば、DNAまたはRNA)、またはタンパク質配列(すなわち変異)、または異常なエピジェネティック特徴への変化を含む。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、欠失、フレームシフト、挿入、ミスセンス変異、ナンセンス変異、点変異、サイレント変異、スプライス部位の変異および転座が含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、変異は、mTORシグナル伝達経路の負の調節因子に対する機能喪失変異、またはmTORシグナル伝達経路の正の調節因子の機能獲得変異とすることができる。一部の実施形態では、遺伝的異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のコピー数多型は、欠失、重複、逆位および転座を含めた、ゲノムの構造再編成によって引き起こされる。一部の実施形態では、遺伝的異常は、DNAメチル化、ヒドロキシメチル化、ヒストン結合の増加または低下、クロマチン再構成などが含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子の異常なエピジェニック特徴を含む。
mTOR活性化性異常は、参照配列(例えば、核酸配列またはタンパク質配列)、対照発現(例えば、RNAまたはタンパク質発現)レベル、対照活性(例えば、下流での標的の活性化または阻害)レベルまたは対照タンパク質のリン酸化レベルなどの対照または参照と比較して決定される。mTOR関連遺伝子における異常な発現レベルまたは異常な活性レベルは、mTOR関連遺伝子がmTORシグナル伝達経路の正の調節因子(すなわち、アクチベーター)である場合、対照レベルを(例えば、対照レベルより約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約200%、約500%またはそれよりも高くのいずれか)上回ってもよく、またはmTOR関連遺伝子がmTORシグナル伝達経路の負の調節因子(すなわち、阻害剤)である場合、対照レベルを(例えば、対照レベルより約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれ未満のいずれか)下回ってもよい。一部の実施形態では、対照レベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)は、対照集団のレベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)の中央値である。一部の実施形態では、対照集団は、処置されている個体と同じ固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する集団である。一部の実施形態では、対照集団は、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有しておらず、場合により、処置されている個体と、比較可能な人口統計的特性(例えば、性別、年齢、民族性など)を有する健常な集団である。一部の実施形態では、対照レベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)は、同一個体に由来する健常な組織のレベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)である。遺伝的異常は、対照試料における参照配列のエピジェニックなパターンを含めた、参照配列との比較により決定することができる。一部の実施形態では、参照配列は、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有していないが、処置されている個体と、類似の人口統計的特性(性別、年齢、民族性など)を場合により有することがある個体の健常な集団に存在しているmTOR関連遺伝子の対立遺伝子(例えば、一般的な対立遺伝子)などの、mTOR関連遺伝子の完全な機能性対立遺伝子に対応する配列(DNA、RNAまたはタンパク質配列)である。
mTOR活性化性異常の「状態」は、1または複数のmTOR関連遺伝子におけるmTOR活性化性異常、もしくは異常なレベル(タンパク質のリン酸化レベルを含む、発現または活性レベル)の存在または非存在を指すことができる。一部の実施形態では、対照と比較した1または複数のmTOR関連遺伝子における遺伝的異常(例えば、変異またはコピー数多型)の存在は、(a)個体は、処置に応答する可能性がより高いこと、または(b)個体は、処置について選択されることを示している。一部の実施形態では、対照と比較したmTOR関連遺伝子または野生型mTOR関連遺伝子における遺伝的異常の非存在は、(a)個体は、処置に応答する可能性がより低いこと、または(b)個体は、処置について選択されないことを示している。一部の実施形態では、1または複数のmTOR関連遺伝子の異常なレベル(例えば、タンパク質のリン酸化レベルを含む発現レベルまたは活性レベル)は、個体が処置に応答する可能性があることと関連する。例えば、mTORシグナル伝達経路を過剰活性化する方向への、1または複数のmTOR関連遺伝子のレベル(例えば、タンパク質のリン酸化レベルを含めた、発現レベルまたは活性レベル)のより大きな逸脱は、個体が処置に応答する可能性がより高いことを示している。一部の実施形態では、1または複数のmTOR関連遺伝子のレベル(例えば、タンパク質のリン酸化レベルを含めた、発現レベルまたは活性レベル)に基づいた予測モデルが使用されて、(a)個体が処置に応答する可能性、および(b)処置について個体を選択するかどうかを予測される。例えば、各レベルに対する係数を含めた、予測モデルは、臨床試験データを使用して、回帰分析などの統計学的分析により得ることができる。
1または複数のmTOR関連遺伝子の発現レベルおよび/もしくは活性レベル、ならびに/または1もしくは複数のmTOR関連遺伝子によってコードされる1または複数のタンパク質のリン酸化レベル、ならびに/または1または複数のmTOR関連遺伝子の1または複数の遺伝的異常の存在または非存在は、(a)個体が最初に処置を受けることが適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(b)個体が最初に処置を受けることが不適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(c)処置に対する応答性、(d)個体が処置を受け続けることが適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(e)個体が処置を受け続けることが不適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(f)投与量の調整、(g)臨床的利益の可能性の予測のいずれかを決定するために有用となり得る。
本明細書で用いられる「に基づいて」は、本明細書に記載される、個体の特徴を評価すること、決定することまたは測定することを含む(および、好ましくは、処置を受けるのに好適な個体を選択すること)を含む。mTOR活性化性異常の状態が、本明細書に記載される処置方法を、選択する、評価する、測定するまたは決定するための「根拠として使用される」場合、1または複数のmTOR関連遺伝子におけるmTOR活性化性異常は、処置の前および/またはその最中に決定され、得られた状態(mTOR活性化性異常の存在、非存在、発現レベルおよび/または活性レベルを含む)は、以下のいずれかを評価する際に、臨床医により使用される:(a)個体が最初に処置を受けることが適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(b)個体が最初に処置を受けることが不適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(c)処置に対する応答性、(d)個体が処置を受け続けることが適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(e)個体が処置を受け続けることが不適切である可能性がある、またはその可能性が高い、(f)投与量の調整、または(g)臨床的利益の可能性の予測。
個体におけるmTOR活性化性異常は、個体からの試料を分析することにより評価または決定することができる。この評価は、新しい組織試料または保管された組織試料に基づくことができる。好適な試料は、これらに限定されないが、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)組織、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)組織に隣接する正常組織、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)組織に対して遠位にある正常組織、または末梢血液のリンパ球を含む。一部の実施形態では、試料は、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)組織である。一部の実施形態では、試料は、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)細胞または腹腔鏡検査により得られた固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)細胞の微細針の吸引物などの、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)細胞を含有する生検試料である。一部の実施形態では、生検細胞は、分析前に、遠心分離されてペレットにされる、固定化される、およびパラフィンに包埋される。一部の実施形態では、生検細胞は、分析前に急速冷凍される。一部の実施形態では、試料は血漿試料である。
一部の実施形態では、試料は、循環転移性がん細胞を含む。一部の実施形態では、試料は、血液からの循環腫瘍細胞(CTC)を選別することにより得られる。一部のさらなる実施形態では、CTCは、原発性腫瘍から剥がれて、体液中を循環する。一部のさらなる実施形態では、CTCは、原発性腫瘍から剥がれて、血流中を循環する。一部の実施形態では、CTCは、転移の指標である。
一部の実施形態では、試料は、mTOR関連遺伝子によりコードされる分子(例えば、タンパク質)またはその断片を認識する抗体と混合される。一部の実施形態では、試料は、mTOR関連遺伝子(例えば、DNAまたはRNA)と関連する核酸またはその断片を認識する核酸と混合される。一部の実施形態では、試料は、次世代DNA、RNAおよび/またはエキソーム配列決定分析などの、配列決定分析のために使用される。
mTOR活性化性異常は、処置の開始前、処置の間の任意の時間、および/または処置の終了時に評価することができる。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、投与の各サイクルにおいて、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の投与の約3日前から、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物の投与の約3日後まで評価される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、投与の各サイクルの1日目に評価される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、サイクル1、サイクル2およびサイクル3に評価される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、サイクル3の後、2サイクル毎にさらに評価される。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤を個体に投与するステップを含み、個体が、免疫調節剤による処置に対する好都合な応答を示す少なくとも1つのバイオマーカー(本明細書で以下「免疫調節剤関連バイオマーカー」とも呼ぶ)を有する個体に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤による、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)の処置に対する応答に影響を及ぼす遺伝子(本明細書で以下「免疫調節剤関連遺伝子」とも呼ぶ)における異常を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、免疫調節剤関連遺伝子は、HbF、RANKL、PU.1、ERK、カテプシンK、OPG、MIP−1α、BAFF、APRIL、CRBN、Ikaros、Aiolos、TNF−α、IL−1、IL−12、IL−2、IL−10、IFN−γ、GM−CSF、erk1/2、Akt2、αVβ3−インテグリン、IRF4、C/EBPβ(NF−IL6)、p21およびVEGFからなる群より選択される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを評価するステップ、および(b)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、およびii)有効量の免疫調節剤を個体に投与するステップを含み、個体が、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、免疫調節剤関連遺伝子は、HbF、RANKL、PU.1、ERK、カテプシンK、OPG、MIP−1α、BAFF、APRIL、CRBN、Ikaros、Aiolos、TNF−α、IL−1、IL−12、IL−2、IL−10、IFN−γ、GM−CSF、erk1/2、Akt2、αVβ3−インテグリン、IRF4、C/EBPβ(NF−IL6)、p21およびVEGFからなる群より選択される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを評価するステップ、(b)少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択(例えば、特定または推薦)するステップ、および(c)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の免疫調節剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、免疫調節剤関連遺伝子は、HbF、RANKL、PU.1、ERK、カテプシンK、OPG、MIP−1α、BAFF、APRIL、CRBN、Ikaros、Aiolos、TNF−α、IL−1、IL−12、IL−2、IL−10、IFN−γ、GM−CSF、erk1/2、Akt2、αVβ3−インテグリン、IRF4、C/EBPβ(NF−IL6)、p21およびVEGFからなる群より選択される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。
一部の実施形態では、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の免疫調節剤による処置について、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を選択(特定または推薦を含む)する方法であって、(a)個体における少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを評価するステップ、および(b)少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、免疫調節剤関連遺伝子は、HbF、RANKL、PU.1、ERK、カテプシンK、OPG、MIP−1α、BAFF、APRIL、CRBN、Ikaros、Aiolos、TNF−α、IL−1、IL−12、IL−2、IL−10、IFN−γ、GM−CSF、erk1/2、Akt2、αVβ3−インテグリン、IRF4、C/EBPβ(NF−IL6)、p21およびVEGFからなる群より選択される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。
一部の実施形態では、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を選択(特定または推薦を含む)および処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを評価するステップ、(b)少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ、および(c)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の免疫調節剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、免疫調節剤関連遺伝子は、HbF、RANKL、PU.1、ERK、カテプシンK、OPG、MIP−1α、BAFF、APRIL、CRBN、Ikaros、Aiolos、TNF−α、IL−1、IL−12、IL−2、IL−10、IFN−γ、GM−CSF、erk1/2、Akt2、αVβ3−インテグリン、IRF4、C/EBPβ(NF−IL6)、p21およびVEGFからなる群より選択される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。
固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体が、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置に応答する可能性がより高い、またはその処置に応答する可能性がより低いかを評価する方法も、本明細書で提供され、この処置は、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の免疫調節剤を含み、この方法は、個体における少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを評価するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、処置に応答する可能性があると決定された個体に、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の免疫調節剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーの存在は、個体が処置に応答する可能性がより高いことを示し、少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーの非存在は、個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、免疫調節剤の量は、個体における少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーの存在に基づいて決定される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(レナリドマイドまたはポマリドマイドなどの小分子免疫調節剤)である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドである。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。
i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の免疫調節剤を受容する、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体の治療的処置を調整する方法も、本明細書で提供され、この方法は、個体から単離した試料における少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを評価するステップ、および少なくとも1つの免疫調節剤関連バイオマーカーを有する個体に基づいて治療的処置を調整するステップを含む。一部の実施形態では、免疫調節剤の量が調整される。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)を個体に投与するステップを含み、個体が、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による処置に対する好都合な応答を示す少なくとも1つのバイオマーカー(本明細書で以下「HDACi関連バイオマーカー」とも呼ぶ)を有する個体に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤による、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)の処置に対する応答に影響を及ぼす遺伝子(本明細書で以下「HDACi関連遺伝子」とも呼ぶ)における異常を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、HDACi関連遺伝子は、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10、SIRT1、SIRT2、SIRT3、SIRT4、SIRT5、SIRT6、SIRT7、CBP、MOZ、MOF、MORF、P300およびPCAFからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを評価するステップ、ならびに(b)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、およびii)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤を個体に投与するステップを含み、個体が、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、HDACi関連遺伝子は、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10、SIRT1、SIRT2、SIRT3、SIRT4、SIRT5、SIRT6、SIRT7、CBP、MOZ、MOF、MORF、P300およびPCAFからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを評価するステップ、(b)少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択(例えば、特定または推薦)するステップ、ならびに(c)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、およびii)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、HDACi関連遺伝子は、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10、SIRT1、SIRT2、SIRT3、SIRT4、SIRT5、SIRT6、SIRT7、CBP、MOZ、MOF、MORF、P300およびPCAFからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。
一部の実施形態では、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤による処置について、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を選択(特定または推薦を含む)する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを評価するステップ、および(b)少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、HDACi関連遺伝子は、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10、SIRT1、SIRT2、SIRT3、SIRT4、SIRT5、SIRT6、SIRT7、CBP、MOZ、MOF、MORF、P300およびPCAFからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。
一部の実施形態では、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を選択(特定または推薦を含む)および処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを評価するステップ、(b)少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ、および(c)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーは、HDACi関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、HDACi関連遺伝子は、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10、SIRT1、SIRT2、SIRT3、SIRT4、SIRT5、SIRT6、SIRT7、CBP、MOZ、MOF、MORF、P300およびPCAFからなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。
固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体が、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、およびii)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤による処置に応答する可能性がより高い、またはその処置に応答する可能性がより低いかを評価する方法も、本明細書で提供され、この方法は、個体における少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを評価するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、処置に応答する可能性があると決定された個体に、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のHDACiを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーの存在は、個体が処置に応答する可能性がより高いことを示し、少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーの非存在は、個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、HDACiの量は、個体における少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーの存在に基づいて決定される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。
i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のHDACiを受容する、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体の治療的処置を調整する方法も、本明細書で提供され、この方法は、個体から単離した試料における少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを評価するステップ、および少なくとも1つのHDACi関連バイオマーカーを有する個体に基づいて治療的処置を調整するステップを含む。一部の実施形態では、HDACiの量が調整される。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)を個体に投与するステップを含み、個体が、キナーゼ阻害剤による処置に対する好都合な応答を示す少なくとも1つのバイオマーカー(本明細書で以下「キナーゼ阻害剤関連バイオマーカー」とも呼ぶ)を有する個体に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤による、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)の処置に対する応答に影響を及ぼす遺伝子(本明細書で以下「キナーゼ阻害剤関連遺伝子」とも呼ぶ)における異常を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤関連遺伝子は、ERK、MCL−1およびPIN1からなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブおよびソラフェニブからなる群より選択される。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを評価するステップ、ならびに(b)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、およびii)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)を個体に投与するステップを含み、個体が、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤関連遺伝子は、ERK、MCL−1およびPIN1からなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブおよびソラフェニブからなる群より選択される。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを評価するステップ、(b)少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択(例えば、特定または推薦)するステップ、および(c)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤関連遺伝子は、ERK、MCL−1およびPIN1からなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブおよびソラフェニブからなる群より選択される。
一部の実施形態では、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)による処置について、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を選択(特定または推薦を含む)する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを評価するステップ、および(b)少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤関連遺伝子は、ERK、MCL−1およびPIN1からなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブおよびソラフェニブからなる群より選択される。
一部の実施形態では、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を選択(特定または推薦を含む)および処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを評価するステップ、(b)少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ、および(c)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤関連遺伝子は、ERK、MCL−1およびPIN1からなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブおよびソラフェニブからなる群より選択される。
固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体が、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)による処置に応答する可能性がより高い、またはその処置に応答する可能性がより低いかを評価する方法も、本明細書で提供され、この方法は、個体における少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを評価するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、処置に応答する可能性があると決定された個体に、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のキナーゼ阻害剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーの存在は、個体が処置に応答する可能性がより高いことを示し、少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーの非存在は、個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤の量は、個体における少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーの存在に基づいて決定される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブおよびソラフェニブからなる群より選択される。
i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のキナーゼ阻害剤を受容する、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体の治療的処置を調整する方法も、本明細書で提供され、この方法は、個体から単離した試料における少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを評価するステップ、および少なくとも1つのキナーゼ阻害剤関連バイオマーカーを有する個体に基づいて治療的処置を調整するステップを含む。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤の量が調整される。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含み、個体が、がんワクチンによる処置に対する好都合な応答を示す少なくとも1つのバイオマーカー(本明細書で以下「がんワクチン関連バイオマーカー」とも呼ぶ)を有する個体に基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、がんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチンによる、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)の処置に対する応答に影響を及ぼす遺伝子(例えば、がんワクチンの調製において使用される抗原をコードする遺伝子であり、本明細書において「がんワクチン関連性遺伝子」とも呼ぶ)における異常を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、ネオ抗原をもたらす変異などの、がんワクチン関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、異常なリン酸化レベルの、がんワクチン関連遺伝子によりコードされるタンパク質を含む。一部の実施形態では、がんワクチン関連遺伝子は、ネオ抗原などの腫瘍関連抗原(TAA)をコードする。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、TAAを使用して調製されるワクチンである。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを評価するステップ、ならびに(b)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、およびii)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含み、個体が、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを有することに基づいて、処置について選択される、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、ネオ抗原をもたらす変異などの、がんワクチン関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、異常なリン酸化レベルの、がんワクチン関連遺伝子によりコードされるタンパク質を含む。一部の実施形態では、がんワクチン関連遺伝子は、ネオ抗原などの腫瘍関連抗原(TAA)をコードする。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、TAAを使用して調製されるワクチンである。
一部の実施形態では、個体における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを評価するステップ、(b)少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択(例えば、特定または推薦)するステップ、ならびに(c)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、およびii)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、異常なリン酸化レベルの、がんワクチン関連遺伝子によりコードされるタンパク質を含む。一部の実施形態では、がんワクチン関連遺伝子は、ネオ抗原などの腫瘍関連抗原(TAA)をコードする。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、TAAを使用して調製されるワクチンである。
一部の実施形態では、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のがんワクチンによる処置について、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を選択(特定または推薦を含む)する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを評価するステップ、および(b)少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、異常なリン酸化レベルの、がんワクチン関連遺伝子によりコードされるタンパク質を含む。一部の実施形態では、がんワクチン関連遺伝子は、ネオ抗原などの腫瘍関連抗原(TAA)をコードする。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、TAAを使用して調製されるワクチンである。
一部の実施形態では、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体を選択(特定または推薦を含む)および処置する方法であって、(a)個体における少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを評価するステップ、(b)少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを有する個体に基づいて、処置について個体を選択または推薦するステップ、ならびに(c)i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、およびii)有効量のがんワクチンを個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子のコピー数多型を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の異常な発現レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子の異常な活性レベルを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーは、異常なリン酸化レベルの、がんワクチン関連遺伝子によりコードされるタンパク質を含む。一部の実施形態では、がんワクチン関連遺伝子は、ネオ抗原などの腫瘍関連抗原(TAA)をコードする。一部の実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、TAAを使用して調製されるワクチンである。
固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体が、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のがんワクチンによる処置に応答する可能性がより高い、またはその処置に応答する可能性がより低いかを評価する方法も、本明細書で提供され、この方法は、個体における少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを評価するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、処置に応答する可能性があると決定された個体に、i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のがんワクチンを投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーの存在は、個体が処置に応答する可能性がより高いことを示し、少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーの非存在は、個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、がんワクチンの量は、個体における少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーの存在に基づいて決定する。一部の実施形態では、がんワクチンは、ニロチニブおよびソラフェニブからなる群より選択される。
i)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含む有効量の組成物、ならびにii)有効量のがんワクチンを受容する、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体の治療的処置を調整する方法も、本明細書で提供され、この方法は、個体から単離した試料における少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを評価するステップ、および少なくとも1つのがんワクチン関連バイオマーカーを有する個体に基づいて治療的処置を調整するステップを含む。一部の実施形態では、がんワクチンの量が調整される。
個体の処置が、本明細書に記載される、mTOR活性化性異常、ならびに免疫調節剤関連バイオマーカー、HDACi関連バイオマーカー、キナーゼ阻害剤関連バイオマーカーおよびがんワクチン関連バイオマーカーのいずれかの存在に依存し得るよう、この項目において記載されている方法の組み合わせがさらに企図される。
mTOR活性化性異常
本出願は、参照配列からの逸脱(すなわち遺伝的異常)、1または複数のmTOR関連遺伝子の異常な発現レベルおよび/または異常な活性レベルを含めた、いずれか1または複数の上記のmTOR関連遺伝子における、mTOR活性化性異常を企図する。本出願は、本明細書において開示されているmTOR活性化性異常の任意の1または複数の状態に基づく処置および方法を企図する。
本明細書に記載されるmTOR活性化性異常は、mTORシグナル伝達レベルまたは活性レベルの向上(すなわち、過剰活性化)に関係している。本出願において記載されているmTORシグナル伝達レベルまたはmTOR活性レベルは、上記の上流のシグナルのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせに応答する、mTORシグナル伝達を含むことができ、mTORC1および/またはmTORC2によるmTORシグナル伝達を含むことができ、これにより、下流の分子プロセス、細胞プロセスまたは生理学的プロセス(例えば、タンパク質合成、オートファジー、代謝、細胞周期停止、アポトーシスなど)のいずれか1つまたは組み合わせの測定可能な変化がもたらされ得る。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR活性化性異常のないmTOR活性のレベルよりも、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約200%、約500%またはそれよりも高くのいずれか1つだけmTOR活性を過剰活性化する。一部の実施形態では、mTOR活性の過剰活性化は、mTORC1によってのみ媒介される。一部の実施形態では、mTOR活性の過剰活性化は、mTORC2によってのみ媒介される。一部の実施形態では、mTOR活性の過剰活性化は、mTORC1とmTORC2の両方によって媒介される。
mTOR活性を決定する方法は、当分野において公知である。例えば、Brian CGら、Cancer Discovery、2014年、4巻:554〜563頁を参照のこと。mTOR活性は、上記のmTORシグナル伝達経路の下流の出力(例えば、分子レベル、細胞レベルおよび/または生理学的レベルにおけるもの)のいずれか1つを定量することにより測定することができる。例えば、mTORC1によるmTOR活性は、リン酸化4EBP1(例えばP−S65−4EBP1)のレベル、および/またはリン酸化S6K1(例えばP−T389−S6K1)のレベル、および/またはリン酸化AKT1(例えばP−S473−AKT1)のレベルを決定することにより測定することができる。mTORC2によるmTOR活性は、リン酸化FoxO1および/またはFoxO3aのレベルの決定により測定することができる。リン酸化タンパク質のレベルは、目的のリン酸化タンパク質を特異的に認識する抗体を使用して、ウエスタンブロットアッセイなどの、当分野において公知の任意の方法を使用して決定することができる。
候補となるmTOR活性化性異常は、様々な方法によって、例えば、文献の探索によって、または遺伝子発現プロファイリング実験(例えばRNA配列決定実験またはマイクロアレイ実験)、定量的プロテオミクス実験および遺伝子配列決定実験が含まれるがこれらに限定されない、当分野において公知の実験方法によって特定することができる。例えば、対照試料と比較した、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体から採集した試料に行われる遺伝子発現プロファイリング実験および定量的プロテオミクス実験により、異常なレベルで存在する遺伝子および遺伝子産物(例えば、RNA、タンパク質およびリン酸化タンパク質)のリストが提示され得る。一部の例では、対照試料と比較した、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体から採集した試料に行われた遺伝子配列決定(例えば、エキソーム配列決定)実験により、遺伝的異常のリストが提示され得る。統計的関連性解析(例えば、ゲノムワイド関連解析)が、固形腫瘍を有する個体の集団から採集された実験データに関して行われ、この実験において、固形腫瘍と特定される異常(異常なレベルまたは遺伝的異常)を関係づけることができる。一部の実施形態では、標的化配列決定実験(例えば、ONCOPANEL(商標)試験)が行われ、固形腫瘍(例えば、がん、再狭窄または肺高血圧症)を有する個体における遺伝的異常のリストが提示される。
ONCOPANEL(商標)試験が、種々の供給源の試料(例えば、腫瘍生検または血液試料)由来のDNAにおける、体細胞変異、コピー数多型および構造的再編成を含む遺伝的異常の検出のために、がん関連遺伝子のエクソンDNA配列およびイントロン領域を調査するために使用され得、それによって、mTOR活性化性異常であり得る遺伝的異常の候補リストを提供する。一部の実施形態では、このmTOR関連遺伝子の異常は、ONCOPANEL(商標)試験(CLIA認証)から選択される遺伝子における遺伝的異常または異常なレベル(例えば、発現レベルまたは活性レベル)である。例えば、Wagle N.ら、Cancer discovery 2巻、1号(2012年):82〜93頁を参照のこと。
ONCOPANEL(商標)試験の例示的なバージョンは、300のがん遺伝子、および35の遺伝子にわたる113のイントロンを含む。例示的なONCOPANEL(商標)試験に含まれる300の遺伝子は、ABL1、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALOX12B、APC、AR、ARAF、ARID1A、ARID1B、ARID2、ASXL1、ATM、ATRX、AURKA、AURKB、AXL、B2M、BAP1、BCL2、BCL2L1、BCL2L12、BCL6、BCOR、BCORL1、BLM、BMPR1A、BRAF、BRCA1、BRCA2、BRD4、BRIP1、BUB1B、CADM2、CARD11、CBL、CBLB、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CD274、CD58、CD79B、CDC73、CDH1、CDK1、CDK2、CDK4、CDK5、CDK6、CDK9、CDKN1A、CDKN1B、CDKN1C、CDKN2A、CDKN2B、CDKN2C、CEBPA、CHEK2、CIITA、CREBBP、CRKL、CRLF2、CRTC1、CRTC2、CSF1R、CSF3R、CTNNB1、CUX1、CYLD、DDB2、DDR2、DEPDC5、DICER1、DIS3、DMD、DNMT3A、EED、EGFR、EP300、EPHA3、EPHA5、EPHA7、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERCC2、ERCC3、ERCC4、ERCC5、ESR1、ETV1、ETV4、ETV5、ETV6、EWSR1、EXT1、EXT2、EZH2、FAM46C、FANCA、FANCC、FANCD2、FANCE、FANCF、FANCG、FAS、FBXW7、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FH、FKBP9、FLCN、FLT1、FLT3、FLT4、FUS、GATA3、GATA4、GATA6、GLI1、GLI2、GLI3、GNA11、GNAQ、GNAS、GNB2L1、GPC3、GSTM5、H3F3A、HNF1A、HRAS、ID3、IDH1、IDH2、IGF1R、IKZF1、IKZF3、INSIG1、JAK2、JAK3、KCNIP1、KDM5C、KDM6A、KDM6B、KDR、KEAP1、KIT、KRAS、LINC00894、LMO1、LMO2、LMO3、MAP2K1、MAP2K4、MAP3K1、MAPK1、MCL1、MDM2、MDM4、MECOM、MEF2B、MEN1、MET、MITF、MLH1、MLL(KMT2A)、MLL2(KTM2D)、MPL、MSH2、MSH6、MTOR、MUTYH、MYB、MYBL1、MYC、MYCL1(MYCL)、MYCN、MYD88、NBN、NEGR1、NF1、NF2、NFE2L2、NFKBIA、NFKBIZ、NKX2−1、NOTCH1、NOTCH2、NPM1、NPRL2、NPRL3、NRAS、NTRK1、NTRK2、NTRK3、PALB2、PARK2、PAX5、PBRM1、PDCD1LG2、PDGFRA、PDGFRB、PHF6、PHOX2B、PIK3C2B、PIK3CA、PIK3R1、PIM1、PMS1、PMS2、PNRC1、PRAME、PRDM1、PRF1、PRKAR1A、PRKCI、PRKCZ、PRKDC、PRPF40B、PRPF8、PSMD13、PTCH1、PTEN、PTK2、PTPN11、PTPRD、QKI、RAD21、RAF1、RARA、RB1、RBL2、RECQL4、REL、RET、RFWD2、RHEB、RHPN2、ROS1、RPL26、RUNX1、SBDS、SDHA、SDHAF2、SDHB、SDHC、SDHD、SETBP1、SETD2、SF1、SF3B1、SH2B3、SLITRK6、SMAD2、SMAD4、SMARCA4、SMARCB1、SMC1A、SMC3、SMO、SOCS1、SOX2、SOX9、SQSTM1、SRC、SRSF2、STAG1、STAG2、STAT3、STAT6、STK11、SUFU、SUZ12、SYK、TCF3、TCF7L1、TCF7L2、TERC、TERT、TET2、TLR4、TNFAIP3、TP53、TSC1、TSC2、U2AF1、VHL、WRN、WT1、XPA、XPC、XPO1、ZNF217、ZNF708、ZRSR2である。例示的なONCOPANEL(商標)試験において調査されるイントロン領域は、ABL1、AKT3、ALK、BCL2、BCL6、BRAF、CIITA、EGFR、ERG、ETV1、EWSR1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FUS、IGH、IGL、JAK2、MLL、MYC、NPM1、NTRK1、PAX5、PDGFRA、PDGFRB、PPARG、RAF1、RARA、RET、ROS1、SS18、TRA、TRB、TRG、TMPRSS2の特定のイントロン上に敷き詰められる。上に列挙した遺伝子およびイントロン領域が含まれるがこれらに限定されない、ONCOPANEL(商標)試験の任意の実施形態またはバージョン中に含まれる遺伝子のいずれかのmTOR活性化性異常(例えば、遺伝的異常および異常なレベル)は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物による処置について個体を選択するための根拠として機能することが、本出願によって企図される。
候補となる遺伝的異常または異常なレベルがmTOR活性化性異常であるかどうかは、当分野において公知の方法を用いて決定することができる。細胞(例えば、細胞系)または動物モデルにおける遺伝的実験が行われ、実験において観察されたすべての異常から特定される固形腫瘍関連異常が、mTOR活性化性異常であるということが確認され得る。例えば、遺伝的異常は、細胞系または動物モデルにおいてクローニングおよび作出され得、これらの作出された細胞系または動物モデルのmTOR活性を測定して、遺伝的異常を有していない対応する細胞系または動物モデルと比較することができる。このような実験でのmTOR活性の上昇は、遺伝的異常が、臨床試験で試験され得る候補mTOR活性化性異常であることを示すことができる。
遺伝的異常
1または複数のmTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、mTOR関連遺伝子のコード化、非コード化、調節、エンハンサー、サイレンサー、プロモーター、イントロン、エクソン、および非翻訳領域が含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子と関連する核酸(例えば、DNAまたはRNA)、またはタンパク質配列(すなわち変異)、またはエピジェネティック特徴への変化を含むことができる。
これらの遺伝的異常は、生殖細胞系変異(染色体再編成を含む)、または体細胞変異(染色体再編成を含む)とすることができる。一部の実施形態では、遺伝的異常は、個体の正常組織および固形腫瘍組織を含めて、すべての組織中に存在している。一部の実施形態では、遺伝的異常は、個体の固形腫瘍組織にしか存在しない。一部の実施形態では、遺伝的異常は、固形腫瘍組織の一部にしか存在しない。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、欠失、フレームシフト、挿入、インデル、ミスセンス変異、ナンセンス変異、点変異、一塩基多様性(SNV)、サイレント変異、スプライス部位変異、スプライスバリアントおよび転座が含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子の変異を含む。一部の実施形態では、変異は、mTORシグナル伝達経路の負の調節因子に対する機能喪失変異、またはmTORシグナル伝達経路の正の調節因子の機能獲得変異とすることができる。
一部の実施形態では、遺伝的異常は、mTOR関連遺伝子のコピー数多型を含む。通常、ゲノムあたり各mTOR関連遺伝子の2つのコピーが存在する。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のコピー数は、遺伝的異常によって増幅され、ゲノムにおけるmTOR関連遺伝子の少なくとも約3、約4、約5、約6、約7、約8またはそれより多いコピーのいずれかをもたらす。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、ゲノムにおけるmTOR関連遺伝子のコピーの一方またはその両方の喪失をもたらす。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のコピー数多型は、mTOR関連遺伝子の異型接合性の喪失である。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のコピー数多型は、mTOR関連遺伝子の欠失である。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のコピー数多型は、染色体またはその断片の欠失、重複、逆位および転座を含めた、ゲノムの構造再編成によって引き起こされる。
一部の実施形態では、遺伝的異常は、DNAメチル化、ヒドロキシメチル化、異常なヒストン結合、クロマチン再構成などが含まれるがこれらに限定されない、mTOR関連遺伝子と関連する異常なエピジェネティック特徴を含む。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のプロモーターは、対照レベル(例えば、標準化された試験における臨床的に共用された正常レベル)と比べて、例えば、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれよりも高くのいずれかだけ、個体において過剰メチル化される。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、上記のmTOR関連遺伝子のいずれか1つにおいて、遺伝的異常(例えば、変異またはコピー数多型)である。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、PTEN、TP53、FGFR4およびBAP1から選択される、1または複数の遺伝子における、変異またはコピー数多型である。
mTOR関連遺伝子における遺伝的異常は、遺伝性がんおよび散発性がんを含めた、様々なヒトがんにおいて特定された。例えば、TSC1/2における生殖細胞系不活性化変異は結節硬化症を引き起こし、この状態を有する患者は、皮膚および脳過誤腫、腎血管筋脂肪腫および腎細胞癌(RCC)を含む病変を呈する(Krymskaya VPら 2011年、FASEB Journal 25巻(6号):1922〜1933頁)。PTEN過誤腫性症候群(PTEN hamartoma tumor syndrome)(PHTS)は、不活性化生殖細胞系PTEN変異にリンクしており、乳がん、子宮内膜がん、濾胞性甲状腺がん、過誤腫およびRCCを含めた、臨床的症状発現の範囲と関連する(Legendre C.ら、2003年、Transplantation proceedings 35巻(補遺3):151S〜153S頁)。さらに、散発性腎臓がんもまた、PI3K−Akt−mTOR経路(例えばAKT1、MTOR、PIK3CA、PTEN、RHEB、TSC1、TSC2)におけるいくつかの遺伝子の体細胞変異を保持することが示されている(Power LA、1990年、Am. J. Hosp. Pharm. 475巻、5号:1033〜1049頁;Badesch DBら 2010年、Chest 137巻(2号):376〜387l頁;Kim JCおよびSteinberg GD、2001年、The Journal of urology、165巻(3号):745〜756頁;McKiernan J.ら、2010年、J. Urol. 183巻(補遺4))。明細胞型腎細胞癌におけるCancer Genome Atlasにより特定された上位50種のかなりの変異を受けた遺伝子のうち、変異率は、mTORC1活性化に収束する遺伝子変異について約17%である(Cancer Genome Atlas Research Network.、「Comprehensive molecular characterization of clear cell renal cell carcinoma.」、2013年 Nature 499巻:43〜49頁)。mTOR関連遺伝子における遺伝的異常は、リムス薬物による処置に対してがんを有する個体の感受性を付与することが分かった。例えば、Wagleら、N. Eng. J. Med. 2014年、371巻:1426〜33頁;Iyerら、Science 2012年、338巻:221頁;Wagleら、Cancer Discovery 2014年、4巻:546〜553頁;Grabinerら、Cancer Discovery 2014年、4巻:554〜563頁;Dicksonら. Int J. Cancer 2013年、132巻(7号):1711〜1717頁およびLimら、J Clin. Oncol. 33巻、2015年、補遺;抄録11010を参照のこと。上記の参照文献によって記載されているmTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、本明細書に組み込まれている。一部のmTOR関連遺伝子における例示的な遺伝的異常が以下に記載されており、本出願は、本明細書に記載される例示的な遺伝的異常に限定されないことが理解される。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、MTORにおける遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、MTORの活性化変異を含む。一部の実施形態では、MTORの活性化変異は、N269、L1357、N1421、L1433、A1459、L1460、C1483、E1519、K1771、E1799、F1888、I1973、T1977、V2006、E2014、I2017、N2206、L2209、A2210、S2215、L2216、R2217、L2220、Q2223、A2226、E2419、L2431、I2500、R2505、およびD2512からなる群より選択されるMTORのタンパク質配列における、1または複数の位置(例えば、約1、約2、約3、約4、約5、約6またはそれより多い位置のいずれか1つ)におけるものである。一部の実施形態では、MTORの活性化変異は、N269S、L1357F、N1421D、L1433S、A1459P、L1460P、C1483F、C1483R、C1483W、C1483Y、E1519T、K1771R、E1799K、F1888I、F1888I L、I1973F、T1977R、T1977K、V2006I、E2014K、I2017T、N2206S、L2209V、A2210P、S2215Y、S2215F、S2215P、L2216P、R2217W、L2220F、Q2223K、A2226S、E2419K、L2431P、I2500M、R2505P、およびD2512Hからなる群より選択される、1または複数のミスセンス変異(例えば、約1、約2、約3、約4、約5、約6またはそれより多い変異のいずれか1つ)である。一部の実施形態では、MTORの活性化変異は、MTORがRHEBに結合するのを撹乱する。一部の実施形態では、MTORの活性化変異は、MTORがDEPTORに結合するのを撹乱する。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、TSC1またはTSC2における遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、TSC1またはTSC2における異型接合性の喪失を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、TSC1またはTSC2における機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、機能喪失変異は、TSC1またはTSC2における、フレームシフト変異またはナンセンス変異である。一部の実施形態では、機能喪失変異は、TSC1における、フレームシフト変異c.1907_1908delである。一部の実施形態では、機能喪失変異は、TSC1:c.1019+1G>Aのスプライスバリアントである。一部の実施形態では、機能喪失変異は、TSC2におけるナンセンス変異c.1073G>Aおよび/またはTSC1におけるナンセンス変異p.Trp103*である。一部の実施形態では、機能喪失変異は、TSC1またはTSC2における、ミスセンス変異を含む。一部の実施形態では、ミスセンス変異は、TSC1のA256位、および/またはTSC2のY719位にある。一部の実施形態では、ミスセンス変異は、TSC1におけるA256VまたはTSC2におけるY719Hを含む。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、RHEBにおける遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、RHEBにおける機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、機能喪失変異は、Y35およびE139から選択される、RHEBのタンパク質配列における1または複数の位置にある。一部の実施形態では、RHEBにおける機能喪失変異は、Y35N、Y35C、Y35HおよびE139Kから選択される。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、NF1における遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、NF1における機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、NF1における機能喪失変異は、NF1におけるD1644位のミスセンス変異である。一部の実施形態では、ミスセンス変異は、NF1におけるD1644Aである。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、NF2における遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、NF2における機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、NF2における機能喪失変異は、ナンセンス変異である。一部の実施形態では、NF2におけるナンセンス変異は、c.863C>Gである。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、PTENにおける遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、ゲノムにおけるPTENの欠失を含む。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、PI3Kにおける遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、PIK3CAまたはPIK3CGにおける機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、機能喪失変異は、E542、I844およびH1047からなる群より選択される、PIK3CAのある位置におけるミスセンス変異を含む。一部の実施形態では、機能喪失変異は、E542K、I844VおよびH1047Rからなる群より選択される、PIK3CAにおけるミスセンスを含む。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1における遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、AKT1における活性化変異を含む。一部の実施形態では、活性化変異は、AKT1のH238位におけるミスセンス変異である。一部の実施形態では、ミスセンス変異は、AKT1におけるH238Yである。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常は、TP53における遺伝的異常を含む。一部の実施形態では、遺伝的異常は、TP53における機能喪失変異を含む。一部の実施形態では、機能喪失変異は、A39fs*5などの、TP53における、フレームシフト変異である。
mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、個体に由来する試料および/または参照試料などの試料に基づいて評価することができる。一部の実施形態では、試料は、組織試料、または組織試料から抽出された核酸である。一部の実施形態では、試料は、細胞試料(例えば、CTC試料)、または細胞試料から抽出された核酸である。一部の実施形態では、試料は、腫瘍の生検である。一部の実施形態では、試料は、腫瘍試料、または腫瘍試料から抽出された核酸である。一部の実施形態では、試料は、生検試料、または生検試料から抽出された核酸である。一部の実施形態では、試料は、ホルムアルデヒド固定化パラフィン包埋(FFPE)試料、またはFFPE試料から抽出された核酸である。一部の実施形態では、試料は、血液試料である。一部の実施形態では、無細胞DNAは、血液試料から単離される。一部の実施形態では、生物学的試料は血漿試料、または血漿試料から抽出された核酸である。
mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、当分野において公知の任意の方法により決定することができる。例えば、Dicksonら.Int. J. Cancer、2013年、132巻(7号):1711〜1717頁;Wagle N. Cancer Discovery、2014年、4巻:546〜553頁;およびCancer Genome Atlas Research Network. Nature 2013年、499巻:43〜49頁を参照のこと。例示的な方法には、サンガー配列決定もしくは次世代配列決定プラットフォームを使用するゲノムDNA配列決定、亜硫酸水素塩配列決定、または他のDNA配列決定をベースとする方法;ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ;In−situハイブリダイゼーションアッセイ;およびDNAマイクロアレイが含まれるがこれらに限定されない。個体から単離した試料に由来する1または複数のmTOR関連遺伝子のエピジェネティック特徴(例えば、DNAメチル化、ヒストン結合またはクロマチン改変)は、対照試料に由来する1または複数のmTOR関連遺伝子のエピジェネティック特徴と比較してもよい。試料から抽出された核酸分子が、AKT1、FLT−3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、TP53、FGFR4、BAP1、KRAS、NRASおよびPTENの野生型配列などの、参照配列と比べた、mTOR活性化遺伝的異常の存在について、配列決定または解析が行われ得る。
一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、無細胞DNA配列決定方法を使用して評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、次世代配列決定を使用して評価される。一部の実施形態では、血液試料から単離されたmTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、次世代配列決定を使用して評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、エキソーム配列決定を使用して評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、蛍光in−situハイブリダイゼーション分析を使用して評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、本明細書に記載される処置方法の開始前に評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、本明細書に記載される処置方法の開始後に評価される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の遺伝的異常は、本明細書に記載される処置方法の開始前および開始後に評価される。
異常なレベル
mTOR関連遺伝子の異常なレベルは、異常な発現レベルまたは異常な活性レベルを指すことができる。
mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルは、対照レベルと比べて、mTOR関連遺伝子によってコードされる分子のレベルの増加または低下を含む。mTOR関連遺伝子によってコードされる分子は、RNA転写物(例えば、mRNA)、タンパク質アイソフォーム、タンパク質アイソフォームのリン酸化および/または脱リン酸化状態、タンパク質アイソフォームのユビキチン化および/または脱ユビキチン化状態、タンパク質アイソフォームの膜局在化(例えば、ミリストイル化、パルミトイル化など)状態、タンパク質アイソフォームの他の転写後改変状態、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルは、下流の標的遺伝子のエピジェネティック調節、転写調節、翻訳調節、翻訳後調節またはそれらの任意の組み合わせを含めた、mTOR関連遺伝子の下流の任意の標的遺伝子によってコードされる分子の増強または抑制を含む。さらに、mTOR関連遺伝子の活性は、タンパク質合成、細胞成長、増殖、シグナル伝達、ミトコンドリア代謝、ミトコンドリア生合成、ストレス応答、細胞周期停止、オートファジー、微小管組織化および脂質代謝が含まれるがこれらに限定されない、mTOR活性化性異常に応答する、下流の細胞作用および/または生理学的作用を含む。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常(例えば、異常な発現レベル)は、異常なタンパク質リン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、AKT、TSC2、mTOR、PRAS40、S6K、S6および4EBP1からなる群より選択される、mTOR関連遺伝子によってコードされるタンパク質中に存在する。関連するバイオマーカーとして働くことができるmTOR関連遺伝子の例示的なリン酸化種には、AKT S473リン酸化、PRAS40 T246リン酸化、mTOR S2448リン酸化、4EBP1 T36リン酸化、S6K T389リン酸化、4EBP1 T70リン酸化およびS6 S235リン酸化が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、個体は、個体におけるタンパク質がリン酸化されている場合に、処置について選択される。一部の実施形態では、個体は、個体におけるタンパク質がリン酸化されていない場合に、処置について選択される。一部の実施形態では、タンパク質のリン酸化状態は、免疫組織化学によって決定される。
mTOR関連遺伝子(mTOR−associates gene)の異常なレベルは、固形腫瘍などのがんと関連する。例えば、高レベル(74%)のリン酸化mTOR発現が、ヒト膀胱がん組織アレイにおいて見出されており、リン酸化mTORの強度は、生存の低下と関連した(Hansel DEら、(2010年)Am. J. Pathol. 176巻:3062〜3072頁)。mTOR発現は、70の症例のうちの54症例(77%)のT2筋浸潤性膀胱腫瘍において活性化されたpS6−キナーゼの活性化によって証明されている通り、表在性疾患から浸潤性膀胱がんまでの進行における疾患ステージに応じて、増加することが示された(Seager CMら、(2009年)Cancer Prev. Res.(Phila)2巻、1008〜1014頁)。mTORシグナル伝達経路もまた、肺動脈性高血圧症において、過剰に活性化されることが知られている。
個体におけるmTOR関連遺伝子のレベル(例えば、発現レベルおよび/または活性レベル)は、試料(例えば、個体に由来する試料または参照試料)に基づいて決定することができる。一部の実施形態では、試料は、組織、器官、細胞または腫瘍に由来する。一部の実施形態では、試料は、生物学的試料である。一部の実施形態では、生物学的試料は、生物学的流体試料または生物学的組織試料である。さらなる実施形態では、生物学的流体試料は、体液である。一部の実施形態では、試料は、固形腫瘍組織、前記固形腫瘍組織に隣接する正常組織、前記固形腫瘍組織に対して遠位にある正常組織、血液試料または他の生物学的試料である。一部の実施形態では、試料は、固定化試料である。固定化試料には、ホルマリン固定化試料、パラフィン包埋試料または凍結試料が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、試料は、固形腫瘍細胞を含有している生検である。さらなる実施形態では、生検は、固形腫瘍細胞の微細針の吸引物である。さらなる実施形態では、生検は、腹腔鏡検査により得られる固形腫瘍細胞である。一部の実施形態では、生検細胞は、遠心分離されてペレットにされる、固定化される、およびパラフィンに包埋される。一部の実施形態では、生検細胞は、急速冷凍される。一部の実施形態では、生検細胞は、mTOR関連遺伝子によりコードされる分子を認識する抗体と混合される。一部の実施形態では、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子は、下流の標的遺伝子のエピジェネティック調節、転写調節、翻訳調節、翻訳後調節またはそれらの任意の組み合わせを含めた、mTOR関連遺伝子の下流の任意の標的遺伝子によってコードされる分子の増強または抑制を含む。さらに、mTOR関連遺伝子の活性は、タンパク質合成、細胞成長、増殖、シグナル伝達、ミトコンドリア代謝、ミトコンドリア生合成、ストレス応答、細胞周期停止、オートファジー、微小管組織化および脂質代謝が含まれるがこれらに限定されない、mTOR活性化性異常に応答する、下流の細胞作用および/または生理学的作用を含む。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常(例えば、異常な発現レベル)は、異常なタンパク質リン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、AKT、TSC2、mTOR、PRAS40、S6K、S6および4EBP1からなる群より選択される、mTOR関連遺伝子によってコードされるタンパク質中に存在する。関連するバイオマーカーとして働くことができるmTOR関連遺伝子の例示的なリン酸化種には、AKT S473リン酸化、PRAS40 T246リン酸化、mTOR S2448リン酸化、4EBP1 T36リン酸化、S6K T389リン酸化、4EBP1 T70リン酸化およびS6 S235リン酸化が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、個体は、個体におけるタンパク質がリン酸化されている場合、処置について選択される。一部の実施形態では、個体は、個体におけるタンパク質がリン酸化されていない場合、処置するために選択される。一部の実施形態では、タンパク質のリン酸化状態は、免疫組織化学により決定される。
mTOR関連遺伝子の異常なレベルは、固形腫瘍などのがんに関連している。例えば、高レベル(74%)のリン酸化mTOR発現が、ヒト膀胱がん組織アレイにおいて見いだされており、リン酸化mTORの強度は、生存の低下に関連した(Hansel DEら、(2010年)Am. J. Pathol. 176巻:3062〜3072頁)。mTOR発現は、70の症例のうちの54症例(77%)のT2筋浸潤性膀胱腫瘍において活性化されたpS6−キナーゼの活性化によって証明されている通り、表在性疾患から浸潤性膀胱がんまでの進行における疾患ステージに応じて、増加することが示された(Seager CMら、(2009年)Cancer Prev. Res.(Phila)2巻、1008〜1014頁)。mTORシグナル伝達経路もまた、肺動脈性高血圧症において、過剰に活性化されることが知られている。
個体におけるmTOR関連遺伝子のレベル(例えば、発現レベルおよび/または活性レベル)は、試料(例えば、個体に由来する試料または参照試料)に基づいて決定することができる。一部の実施形態では、試料は、組織、器官、細胞または腫瘍に由来する。一部の実施形態では、試料は、生物学的試料である。一部の実施形態では、生物学的試料は、生物学的流体試料または生物学的組織試料である。さらなる実施形態では、生物学的流体試料は、体液である。一部の実施形態では、試料は、固形腫瘍組織、前記固形腫瘍組織に隣接する正常組織、前記固形腫瘍組織に対して遠位にある正常組織、血液試料または他の生物学的試料である。一部の実施形態では、試料は、固定化試料である。固定化試料には、ホルマリン固定化試料、パラフィン包埋試料または凍結試料が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、試料は、固形腫瘍細胞を含有している生検である。さらなる実施形態では、生検は、固形腫瘍細胞の微細針の吸引物である。さらなる実施形態では、生検は、腹腔鏡検査により得られる固形腫瘍細胞である。一部の実施形態では、生検細胞は、遠心分離されてペレットにされる、固定化される、およびパラフィンに包埋される。一部の実施形態では、生検細胞は、急速冷凍される。一部の実施形態では、生検細胞は、下流の標的遺伝子のエピジェネティック調節、転写調節、翻訳調節、翻訳後調節またはそれらの任意の組み合わせを含めた、mTOR関連遺伝子の下流の任意の標的遺伝子によってコードされる分子の増強または抑制を含む、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質の異常なリン酸化レベルを含む、mTOR関連バイオマーカーによってコードされる分子を認識する抗体と混合される。さらに、mTOR関連遺伝子の活性は、タンパク質合成、細胞成長、増殖、シグナル伝達、ミトコンドリア代謝、ミトコンドリア生合成、ストレス応答、細胞周期停止、オートファジー、微小管組織化および脂質代謝が含まれるがこれらに限定されない、mTOR活性化性異常に応答する、下流の細胞作用および/または生理学的作用を含む。
一部の実施形態では、mTOR活性化性異常(例えば、異常な発現レベル)は、異常なタンパク質リン酸化レベルを含む。一部の実施形態では、異常なリン酸化レベルは、AKT、TSC2、mTOR、PRAS40、S6K、S6および4EBP1からなる群より選択される、mTOR関連遺伝子によってコードされるタンパク質中に存在する。関連するバイオマーカーとして働くことができるmTOR関連遺伝子の例示的なリン酸化種には、AKT S473リン酸化、PRAS40 T246リン酸化、mTOR S2448リン酸化、4EBP1 T36リン酸化、S6K T389リン酸化、4EBP1 T70リン酸化およびS6 S235リン酸化が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、個体は、個体におけるタンパク質がリン酸化されている場合、処置するために選択される。一部の実施形態では、個体は、個体におけるタンパク質がリン酸化されていない場合、処置するために選択される。一部の実施形態では、タンパク質のリン酸化状態は、免疫組織化学により決定される。
mTOR関連遺伝子の異常なレベルは、固形腫瘍などのがんに関連している。例えば、高レベル(74%)のリン酸化mTOR発現が、ヒト膀胱がん組織アレイにおいて見出されており、リン酸化mTORの強度は、生存の低下に関連した(Hansel DEら、(2010年)Am. J. Pathol. 176巻:3062〜3072頁)。mTOR発現は、70の症例のうちの54症例(77%)のT2筋浸潤性膀胱腫瘍において活性化されたpS6−キナーゼの活性化によって証明されている通り、表在性疾患から浸潤性膀胱がんまでの進行における疾患ステージに応じて、増加することが示された(Seager CMら、(2009年)Cancer Prev. Res.(Phila)2巻、1008〜1014頁)。mTORシグナル伝達経路もまた、肺動脈性高血圧症において、過剰に活性化されることが知られている。
個体におけるmTOR関連遺伝子のレベル(例えば、発現レベルおよび/または活性レベル)は、試料(例えば、個体に由来する試料または参照試料)に基づいて決定することができる。一部の実施形態では、試料は、組織、器官、細胞または腫瘍に由来する。一部の実施形態では、試料は、生物学的試料である。一部の実施形態では、生物学的試料は、生物学的流体試料または生物学的組織試料である。さらなる実施形態では、生物学的流体試料は、体液である。一部の実施形態では、試料は、固形腫瘍組織、前記固形腫瘍組織に隣接する正常組織、前記固形腫瘍組織に対して遠位にある正常組織、血液試料または他の生物学的試料である。一部の実施形態では、試料は、固定化試料である。固定化試料には、ホルマリン固定化試料、パラフィン包埋試料または凍結試料が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、試料は、固形腫瘍細胞を含有している生検である。さらなる実施形態では、生検は、固形腫瘍細胞の微細針の吸引物である。さらなる実施形態では、生検は、腹腔鏡検査により得られる固形腫瘍細胞である。一部の実施形態では、生検細胞は、遠心分離されてペレットにされる、固定化される、およびパラフィンに包埋される。一部の実施形態では、生検細胞は、急速冷凍される。一部の実施形態では、生検細胞は、mTOR関連遺伝子によりコードされる分子を認識する抗体と混合される。一部の実施形態では、生検は、個体が固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有するかどうかを決定するために採取され、次に、試料として使用される。一部の実施形態では、試料は、外科手術により得られた固形腫瘍細胞を含む。一部の実施形態では、試料は、mTOR関連遺伝子の発現レベルの決定が行われるのとは異なる時間で得ることができる。
一部の実施形態では、試料は、循環転移性がん細胞を含む。一部の実施形態では、試料は、血液からの循環腫瘍細胞(CTC)を選別することにより得られる。さらなる実施形態では、CTCは、原発性腫瘍から剥がれて、体液中を循環する。さらなる実施形態では、CTCは、原発性腫瘍から剥がれて、血流中を循環する。さらなる実施形態では、CTCは、転移の指標である。
一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子によってコードされるタンパク質のレベルは、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを評価するために決定される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の下流の標的遺伝子によってコードされるタンパク質のレベルは、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを評価するために決定される。一部の実施形態では、タンパク質レベルは、個体のタンパク質またはそのタンパク質分解断片の1または複数のエピトープに特異的な1または複数の抗体を使用して決定される。本発明の実施に使用するのに好適な検出方法には、免疫組織化学、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)、ウェスタンブロット法、質量分析および免疫PCRが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、試料中のmTOR関連遺伝子および/またはその下流の標的遺伝子によってコードされるタンパク質のレベルは、同一試料における、ハウスキーピングタンパク質(例えば、グリセルアルデヒド3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、すなわちGAPDH)のレベルによって正規化(例えば、除算する)される。
一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子によってコードされるmRNAのレベルを決定して、mTOR関連遺伝子の異常な発現レベルを評価する。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の下流の標的遺伝子によってコードされるmRNAのレベルを決定して、mTOR関連遺伝子の異常な活性レベルを評価する。一部の実施形態では、逆転写(RT)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイ(定量的RT−PCRアッセイを含む)を使用して、mRNAレベルを決定する。一部の実施形態では、遺伝子チップまたは次世代配列決定方法(例えば、RNA(cDNA)配列決定またはエキソーム配列決定)を使用して、mTOR関連遺伝子および/またはその下流の標的遺伝子によってコードされるRNA(例えば、mRNA)のレベルを決定する。一部の実施形態では、試料中のmTOR関連遺伝子および/またはその下流の標的遺伝子のmRNAレベルは、同一試料における、ハウスキーピングタンパク質(例えば、GAPDH)のmRNAレベルによって正規化(例えば、除算する)される。
mTOR関連遺伝子のレベルは、対照または参照と比べて、高いレベルまたは低いレベルであり得る。mTOR関連遺伝子がmTOR活性(例えば、mTORC1および/またはmTORC2活性)の正の調節因子である一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の異常なレベルは、対照と比べて高レベルである。mTOR関連遺伝子がmTOR活性(例えば、mTORC1および/またはmTORC2活性)の負の調節因子である一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の異常なレベルは、対照と比べて低レベルである。
一部の実施形態では、個体中のmTOR関連遺伝子のレベルは、対照試料におけるmTOR関連遺伝子のレベルと比較される。一部の実施形態では、個体におけるmTOR関連遺伝子のレベルは、複数の対照試料におけるmTOR関連遺伝子のレベルと比較される。一部の実施形態では、複数の対照試料は、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有する個体における、mTOR関連遺伝子のレベルを分類するために使用される統計量を生成するために使用される。
mTOR関連遺伝子のレベル(すなわち、高いまたは低い)の分類または順位付けは、対照レベルの統計的分布に対して決定することができる。一部の実施形態では、分類または順位付けは、個体から得られた、正常組織(例えば、末梢血単核細胞)、または正常な上皮細胞試料(例えば、口腔内スワップ(buccal swap)または皮膚パンチ)などの対照試料に対するものである。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のレベルは、対照レベルの統計的分布に対して、分類または順位付けされる。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のレベルは、個体から得られる対照試料に由来するレベルに対して、分類または順位付けされる。
対照試料は、非対照試料と同じ供給源および方法を使用して得ることができる。一部の実施形態では、対照試料は、様々な個体(例えば、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を有しない個体、固形腫瘍に対応する疾患の良性形態またはそれほど進行していない形態を有する個体、および/または類似した民族性、年齢および性別を共有する個体)から得られる。一部の実施形態では、試料が腫瘍組織試料である場合、対照試料は、同じ個体に由来する非がん性試料とすることができる。一部の実施形態では、複数の対照試料(例えば、異なる個体に由来)を使用して、特定の組織、器官または細胞集団におけるmTOR関連遺伝子のレベルの範囲を決定する。
一部の実施形態では、対照試料は、適切な対照であると決定された培養組織または細胞である。一部の実施形態では、対照は、mTOR活性化性異常を有していない細胞である。一部の実施形態では、標準化された試験における臨床的に許容された正常レベルが、mTOR関連遺伝子の異常なレベルを決定するための対照レベルとして使用される。一部の実施形態では、個体における、mTOR関連遺伝子またはその下流の標的遺伝子のレベルは、免疫組織化学に基づいたスコアリング系などの、スコアリング系に従い、高い、中間または低いに分類される。
一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のレベルは、個体におけるmTOR関連遺伝子のレベルを測定し、対照または参照と比較することによって決定される(例えば、所与の患者集団の中央値レベル、または第2の個体のレベル)。例えば、単一個体のmTOR関連遺伝子のレベルが、患者集団の平均レベルより上にあることが決定された場合、その個体は、高い発現レベルのmTOR関連遺伝子を有すると決定される。あるいは、単一個体のmTOR関連遺伝子のレベルが、患者集団の中央値レベルより下にあることが決定された場合、その個体は、低い発現レベルのmTOR関連遺伝子を有すると決定される。一部の実施形態では、個体を、処置に応答する第2の個体および/または患者集団と比較する。一部の実施形態では、個体を、処置に応答しない第2の個体および/または患者集団と比較する。一部の実施形態では、レベルは、mTOR関連遺伝子および/またはその下流の標的遺伝子によってコードされる核酸のレベルを測定することによって決定される。例えば、単一個体について、mTOR関連遺伝子によりコードされた分子(例えば、mRNAまたはタンパク質)のレベルが、患者集団の中央値レベルより上にあることが決定された場合、その個体は、mTOR関連遺伝子によってコードされた、高い発現レベルの分子(例えば、mRNAまたはタンパク質)を有すると決定される。あるいは、単一個体について、mTOR関連遺伝子によりコードされた分子(例えば、mRNAまたはタンパク質)のレベルが、患者集団の中央値レベルより下にあることが決定された場合、その個体は、mTOR関連遺伝子によってコードされた、低いレベルの分子(例えば、mRNAまたはタンパク質)を有すると決定される。
一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子の対照レベルは、mTOR関連遺伝子のレベルの統計的分布を得ることによって決定される。一部の実施形態では、mTOR関連遺伝子のレベルは、対照レベル、または対照レベルの統計的分布に対して、分類または順位付けされる。
一部の実施形態では、バイオインフォーマティクス方法は、mTOR関連遺伝子の活性レベルの尺度として、mTOR関連遺伝子の下流の標的遺伝子のレベルを含めた、mTOR関連遺伝子のレベルを決定および分類するために使用される。遺伝子発現プロファイリングデータを使用して遺伝子セット発現プロファイルを評価するために、多数のバイオインフォーマティクス手法が開発された。方法としては、Segal, E.ら、Nat. Genet. 34:66−176 (2003年);Segal, E.ら、Nat. Genet. 36:1090−1098頁(2004年);Barry, W. T.ら、Bioinformatics 21:1943−1949頁(2005年);Tian, L.ら、Proc Nat’l Acad Sci USA 102:13544−13549頁(2005年);Novak B AおよびJain A N. Bioinformatics 22:233−41頁(2006年);Maglietta Rら、Bioinformatics 23:2063−72頁(2007年);Bussemaker H J, BMC Bioinformatics 8 Suppl 6:S6頁(2007年)に記載されるものが挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、対照レベルは、予め決定された閾値レベルである。一部の実施形態では、mRNAが決定され、低レベルは、臨床的に正常と見なされるもの、または対照から得られたレベルのものよりも、約1倍、約0.9倍、約0.8倍、約0.7倍、約0.6倍、約0.5倍、約0.4倍、約0.3倍、約0.2倍、約0.1倍、約0.05倍、約0.02倍、約0.01倍、約0.005倍、約0.002倍、約0.001倍またはそれ未満のいずれかより低いmRNAレベルである。一部の実施形態では、高レベルは、臨床的に正常と見なされるもの、または対照から得られたレベルのものよりも、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.5倍、約1.7倍、約2倍、約2.2倍、約2.5倍、約2.7倍、約3倍、約5倍、約7倍、約10倍、約20倍、約50倍、約70倍、約100倍、約200倍、約500倍、約1000倍または1000倍超を超えるmRNAレベルである。
一部の実施形態では、タンパク質発現レベルは、例えばウエスタンブロットまたは酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)によって決定される。例えば、低レベルまたは高レベルに関する基準は、mTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質を特異的に認識する抗体によってブロットされるmTOR関連遺伝子によりコードされるタンパク質に対応するタンパク質ゲル上のバンドの全強度に基づいてなされ、ハウスキーピングタンパク質(例えば、GAPDH)を特異的に認識する抗体によってブロットされたハウスキーピングタンパク質(例えば、GAPDH)に対応する同一試料の同一タンパク質ゲルのバンドによって正規化(例えば、除算する)することができる。一部の実施形態では、タンパク質レベルが、臨床的に正常と見なされるもの、または対照から得られたレベルのものの、約1倍、約0.9倍、約0.8倍、約0.7倍、約0.6倍、約0.5倍、約0.4倍、約0.3倍、約0.2倍、約0.1倍、約0.05倍、約0.02倍、約0.01倍、約0.005倍、約0.002倍、約0.001倍またはそれ未満のいずれかより低い場合、このタンパク質レベルは低い。一部の実施形態では、タンパク質レベルが、臨床的に正常と見なされるもの、または対照から得られたレベルのものの、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.5倍、約1.7倍、約2倍、約2.2倍、約2.5倍、約2.7倍、約3倍、5倍、約7倍、約10倍、約20倍、約50倍または100倍または100倍超のいずれかより高い場合、このタンパク質レベルは高い。
一部の実施形態では、タンパク質発現レベルは、例えば、免疫組織化学によって決定される。例えば、低いレベルまたは高いレベルについての基準は、例えばmTOR関連遺伝によってコードされるタンパク質を特異的に認識する抗体を使用することによる、陽性染色細胞の数および/または染色の強度に基づいて作成され得る。一部の実施形態では、このバイオマ−カーレベルは、約1%未満、約5%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満または約50%未満の細胞が陽性染色を有する場合、低い。一部の実施形態では、このバイオマ−カーレベルは、染色が、陽性対照染色よりも、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%低い強度である場合、低い。一部の実施形態では、このバイオマ−カーレベルは、約40%超、約45%超、約50%超、約55%超、約60%超、約65%超、約70%超、約75%超、約80%超、約85%超または約90%超の細胞が陽性染色を有する場合、高い。一部の実施形態では、このバイオマ−カーレベルは、染色が陽性対照染色と同等の強度である場合、高い。一部の実施形態では、このバイオマ−カーレベルは、染色が陽性対照染色の強度の80%、85%または90%である場合、高い。
一部の実施形態では、スコアリングは、米国特許出願第2013/0005678号に記載されている「H−スコア」に基づく。H−スコアは、式:3×染色が強力な細胞の割合+2×染色が中程度の細胞の割合+染色が弱い細胞の割合によって得られ、0〜300の範囲で与えられる。
一部の実施形態では、強い染色、中程度の染色および弱い染色は、範囲が確立され、染色の強度がその範囲内にビニングされる(binned)、較正されたレベルの染色である。一部の実施形態では、強い染色は、75パーセンタイルを上回る強度範囲の染色であり、中程度の染色は、25パーセンタイル〜75パーセンタイルの強度範囲の染色であり、低い染色は、25パーセンタイルを下回る強度範囲の染色である。一部の態様では、特定の染色技術に精通している当業者は、ビンのサイズを調整し、染色カテゴリーを定義する。
一部の実施形態では、染色された細胞の50%超が強力な反応性を示す場合、高い染色という標識が割りあてられ、染色された細胞の50%未満に染色が観察されない場合、染色がないという標識が割りあてられ、他の場合のすべてについて、低い染色という標識が割りあてられる。
一部の実施形態では、試料、患者などにおけるmTOR関連遺伝子の遺伝的異常もしくはレベルの評価および/またはスコアリングは、1または複数の経験の豊富な臨床医、すなわち、mTOR関連遺伝子発現およびmTOR関連遺伝子の産物の染色パターンに経験のある臨床医によって行われる。例えば、一部の実施形態では、臨床医は、評価およびスコアリングされる試料、患者などに関する臨床的特徴および転帰について盲検にされる。
一部の実施形態では、タンパク質リン酸化のレベルが決定される。タンパク質のリン酸化状態は、様々な試料供給源から評価され得る。一部の実施形態では、試料は、腫瘍の生検である。タンパク質のリン酸化状態は、様々な方法により評価され得る。一部の実施形態では、リン酸化状態は免疫組織化学を使用して評価される。タンパク質のリン酸化状態は、部位特異的となり得る。タンパク質のリン酸化状態は、対照試料と比較され得る。一部の実施形態では、リン酸化状態は、本明細書に記載される処置方法の開始前に評価される。一部の実施形態では、リン酸化状態は、本明細書に記載される処置方法の開始後に評価される。一部の実施形態では、リン酸化状態は、本明細書に記載される処置方法の開始前および開始後に評価される。
mTOR関連遺伝子のレベルを決定するために、診断用研究室に試料を送達することによる、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)の処置を指示する;mTOR関連遺伝子のレベルが既知の対照試料を提供する;mTOR関連遺伝子によってコードされる分子に対する抗体、またはmTOR関連遺伝子の下流の標的遺伝子によりコードされる分子に対する抗体を提供する;これらの試料および対照試料を上記の抗体に個々に接触させる、ならびに/または抗体結合の相対量を検出する方法が、本明細書においてさらに提供され、試料のレベルを使用して、本明細書に記載される方法のいずれか1つによる処置を患者は受けるべきであるという結論を提示する。
固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)の処置を指示する方法であって、試料におけるmTOR活性化性異常の状態(例えば、この存在/非存在、またはレベル)と関連するデータを検討または分析するステップ、医療提供者または医療管理者などの個体に、処置に応答する個体の可能性または適性に関して、データの検討または分析に基づいた結論を提示するステップをさらに含む方法も、本明細書で提供される。本発明の一態様では、結論は、ネットワーク上でのデータの送信である。
抵抗性バイオマーカー
ある種の遺伝子の遺伝的異常および異常なレベルは、本明細書に記載される処置方法に対する抵抗性と関連することがある。一部の実施形態では、抵抗性バイオマーカーにおける異常(例えば、遺伝的異常または異常なレベル)を有する個体は、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子を使用する処置方法から除外される。一部の実施形態では、mTOR活性化性異常の1または複数の状態と組み合わせた抵抗性バイオマーカーの状態は、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子を使用した処置方法のいずれか1つに関して個体を選択するための根拠として使用される。
例えば、IGHMエンハンサー3、TFEA、RCCP2、RCCX1またはbHLHe33に結合する転写因子としても知られているTFE3は、遺伝子のプロモーターにおけるMUE3−タイプのEボックス配列を特異的に認識して結合する転写因子である。TFE3は、形質転換増殖因子ベータ(TGF−ベータ)シグナル伝達の下流の遺伝子の発現を促進する。TFE3の転座は、腎細胞癌および他のがんと関連する。一部の実施形態では、野生型TFE3遺伝子の核酸配列は、ヒトゲノムのGRCh38.p2アセンブリによれば、X染色体の補体鎖のヌクレオチド49028726からヌクレオチド49043517までのGenbank受託番号NC_000023.11によって特定される。本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子を使用する処置に対する抵抗性と関連し得るTFE3の例示的な転座には、t(X;1)(p11.2;q21)、t(X;1)(p11.2;p34)、(X;17)(p11.2;q25.3)およびinv(X)(p11.2;q12)などのXp11転座が含まれるがこれらに限定されない。TFE3座の転座は、免疫組織化学的方法または蛍光in−situハイブリダイゼーション(FISH)を使用して評価することができる。
投薬および投与方法
併用治療における、個体(例えば、ヒト)に投与されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の用量は、特定の組成物、投与方法および処置される固形腫瘍の具体的なステージにより様々となり得る。その量は、固形腫瘍に対する治療的応答または予防的応答などの望ましい応答を生じるのに十分であるべきである。一部の実施形態では、組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の量は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物が個体に投与される場合、毒性学的作用(例えば、臨床的に許容されるレベルの毒性を超える作用)を誘発するレベル未満である、または潜在的な副作用が制御され得る、もしくは許容され得るレベルである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)は、第2の治療剤と同時に個体に投与される。例えば、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物および第2の治療剤は、約15分間以下、例えば、約10分間、約5分間または約1分間のいずれかの時間を離して投与される。一例では、化合物が溶液中に存在する場合、同時投与は、化合物の組み合わせを含有する溶液を投与することによって達成することができる。別の例では、別個の溶液の同時投与であって、その一方がmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を含有し、そのもう一方が、第2の治療剤を含有する、同時投与を使用することができる。一例では、同時投与は、化合物の組み合わせを含有する組成物を投与することによって達成することができる。別の例では、同時投与は、2つの別個の組成物を投与することにより達成することができ、一方は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を含み、もう一方は、第2の治療剤を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)および第2の治療剤の同時投与は、mTOR阻害剤および/または第2の治療剤の補充的用量と組み合わせることができる。
他の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤は、同時に投与されない。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)は、第2の治療剤の前に投与される。他の実施形態では、第2の治療剤は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の前に投与される。非同時投与における時間差は、1分間、5分間、10分間、15分間、30分間、45分間、60分間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間、24時間、36時間または48時間超とすることができる。他の実施形態では、最初に投与される化合物は、2番目に投与される化合物が投与される前に、患者に効果が現れる時間が与えられる。一部の実施形態では、時間差は、最初に投与された化合物が、患者におけるその作用を完了する時間を超えて、または最初に投与された化合物が、患者において、完全にもしくは実質的に排出または脱活性化される時間を超えて、延びることはない。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の投与は同時発生的である。すなわち、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物の投与期間および第2の治療剤の投与期間は互いに重なる。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)は、第2の治療剤の投与前に少なくとも1サイクル(例えば、少なくとも2、3または4サイクルのいずれか)の間、投与される。一部の実施形態では、第2の治療剤は、少なくとも1、2、3または4週間のうちのいずれかの間、投与される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の投与は、ほぼ同じ時間(例えば、1、2、3、4、5、6または7日以内のいずれか1つ)に開始される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の投与は、ほぼ同じ時間(例えば、1、2、3、4、5、6または7日以内のいずれか1つ)に終了される。一部の実施形態では、第2の治療剤の投与は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の投与の終了後も(例えば、約1ヵ月間、約2ヵ月間、約3ヵ月間、約4ヵ月間、約5ヵ月間、約6ヵ月間、約7ヵ月間、約8ヵ月間、約9ヵ月間、約10ヵ月間、約11ヵ月間または約12ヵ月間のいずれか1つ)、継続される。一部の実施形態では、第2の治療剤の投与は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の投与の開始後(例えば、約1ヵ月後、約2ヵ月後、約3ヵ月後、約4ヵ月後、約5ヵ月後、約6ヵ月後、約7ヵ月後、約8ヵ月後、約9ヵ月後、約10ヵ月後、約11ヵ月後または約12ヵ月後のいずれか1つ)に開始される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の投与は、ほぼ同じ時間に開始されて、終了する。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の投与は、ほぼ同時に開始され、第2の治療剤の投与は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物の投与の終了後(例えば、約1ヵ月間、約2ヵ月間、約3ヵ月間、約4ヵ月間、約5ヵ月間、約6ヵ月間、約7ヵ月間、約8ヵ月間、約9ヵ月間、約10ヵ月間、約11ヵ月間または約12ヵ月間のいずれか1つ)、継続される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の投与は、ほぼ同時に停止され、第2の治療剤の投与は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物の投与の開始後(例えば、約1ヵ月後、約2ヵ月後、約3ヵ月後、約4ヵ月後、約5ヵ月後、約6ヵ月後、約7ヵ月後、約8ヵ月後、約9ヵ月後、約10ヵ月後、約11ヵ月後または約12ヵ月後のいずれか1つ)に開始される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤は、同時発生的に投与されない。例えば、一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)は、第2の治療剤が投与される前に終了される。一部の実施形態では、第2の治療剤の投与が終了した後、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)が投与される。これらの同時発生的ではない2つの投与の間の期間は、約2〜8週間の範囲、例えば、約4週間とすることができる。
mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の投薬頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の経過中に調整することができる。mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤は、別々に投与される場合、異なる投薬頻度または間隔で投与することができる。例えば、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)は、毎週投与することができる一方、第2の治療剤は、より高い頻度またはより低い頻度で投与され得る。一部の実施形態では、ナノ粒子および/または第2の治療剤の持続的な連続放出処方物が使用され得る。持続放出を達成するための様々な処方物およびデバイスが、当分野において公知である。本明細書に記載される投与構成の組み合わせも、使用され得る。
mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤は、同一投与経路または異なる投与経路を使用して投与することができる。一部の実施形態では、(同時および逐次投与の両方の場合)、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)および第2の治療剤は、所定の比で投与される。例えば、一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)と第2の治療剤との重量比は、約1:1である。一部の実施形態では、重量比は、約0.001:約1および約1000:約1の間、または約0.01:約1および100:約1の間とすることができる。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)と第2の治療剤との重量比は、約100:1、約50:1、約30:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1および約1:1のいずれか未満である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)と第2の治療剤との重量比は、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約30:1、約50:1、約100:1のいずれかより大きい。他の比が企図される。
mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)および/または第2の治療剤に必要な用量は、各薬剤が単独で投与される場合に通常、必要とされるものと同じでもよく、またはそれより少なくてもよい(しかし、必ずしもそうではない)。したがって、一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)および/または第2の治療剤の治療量未満の量が投与される。「治療量未満の量(subtherapeutic amount)」または「治療レベル未満のレベル(subtherapeutic level)」とは、治療量に満たない、すなわちmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および/または第2の治療剤が単独で投与される場合に、通常、使用される量に満たない量を指す。この低減は、所与の投与時に投与される量、および/または所与の期間にわたり投与される量(頻度の低下)に関して反映され得る。
一部の実施形態では、同じ程度の処置を発揮するのに必要な、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の通常の用量の少なくとも約5%、約10%、約20%、約30%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれよりも高くのいずれかだけの減少を可能にするように、十分な第2の治療剤が投与される。一部の実施形態では、同じ程度の処置を発揮するのに必要な第2の治療剤の通常の用量の少なくとも約5%、約10%、約20%、約30%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%またはそれよりも高くのいずれかだけの減少を可能にするように、十分なmTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)が投与される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)と第2の治療剤の両方の用量が、単独で投与される場合のそれぞれの対応する通常の用量と比べて、低減される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)および第2の治療剤のどちらも、治療レベル未満、すなわち低減されたレベルで投与される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)および/または第2の治療剤の用量は、確立された最大毒性量(MTD)よりも実質的に少ない。例えば、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および/または第2の治療剤の用量は、MTDの約50%、約40%、約30%、約20%または約10%未満である。
本明細書に記載される投与構成の組み合わせを使用することができる。本明細書に記載される併用治療方法は、単独で行われてもよく、または手術、放射線、遺伝子治療、免疫療法、骨髄移植、幹細胞移植、ホルモン療法、標的化療法、寒冷療法、超音波療法、光線力学療法および/または化学療法などの別の療法と組み合わせてもよい。さらに、固形腫瘍を発症するリスクがより大きなヒトは、疾患の発症を阻害するおよび/または遅延させるために処置を受けてもよい。
当業者によって理解される通り、第2の化学治療剤の適切な用量は、臨床的治療において既に使用されているおよその量であり、この場合、第2の治療剤は、単独、または他の化学治療剤と組み合わせて投与される。投与量の変動は、処置される状態に依存して発生する可能性がある。上記の通り、一部の実施形態では、第2の化学治療剤は、低減されたレベルで投与され得る。
したがって、一部の実施形態では、第2の治療剤がポマリドマイドである本明細書に記載される方法のいずれかによれば、ポマリドマイドは、28日サイクルのうちの1〜21日目に、約1〜約4mg(例えば、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mgまたは約4mgのいずれかを含み、これらの値の間の任意の範囲を含む)の1日経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、ポマリドマイドは、28日サイクルのうちの1〜21日目に、約4mg以下(例えば、約4mg、約3.5mg、約3mg、約2.5mg、約2mg、約1.5mg、約1mgまたはそれ未満のいずれか以下)の1日経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、ポマリドマイドは、28日サイクルのうちの1〜21日目に、約4mgの1日経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、ポマリドマイドは、血液学的悪性疾患が進行するまで投与される。一部の実施形態では、この方法は、個体へのデキサタサゾンの投与をさらに含む。一部の実施形態では、デキサタサゾンは、28日サイクルのうちの1、8、15および22日目に、約20〜約40mg(例えば、約20mg、約25mg、約30mg、約35mgまたは約40mgのいずれかを含み、これらの値の間の任意の範囲を含む)の1日用量(例えば、経口用量)として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、デキサタサゾンは、28日サイクルのうちの1、8、15および22日目に、約40mgの1日用量(例えば、経口用量)として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。ポマリドマイドの用量は、薬物有害反応を管理するために、用量低減を伴って、またはそれを伴わずに、中止または中断されてもよい。一部の実施形態では、ポマリドマイドは、ポマリドマイドの承認ブランドの処方情報に従って投与される。
一部の実施形態では、第2の治療剤がレナリドマイドである本明細書に記載される方法のいずれかによれば、レナリドマイドは、28日サイクルのうちの1〜21日目に、約15〜約25mg(例えば、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mgまたは約25mgのいずれかを含み、これらの値の間の任意の範囲を含む)の1日経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、レナリドマイドは、28日サイクルのうちの1〜21日目に、約25mg以下(例えば、約25mg、約22.5mg、約20mg、約17.5mg、約15mg、約12.5mg、約10mgまたはそれ未満のいずれか以下)の1日経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、レナリドマイドは、28日サイクルのうちの1〜21日目に、約25mgの1日経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、レナリドマイドは、血液学的悪性疾患が進行するまで投与される。一部の実施形態では、この方法は、個体へのデキサタサゾンの投与をさらに含む。一部の実施形態では、デキサタサゾンは、28日サイクルのうちの1、8、15および22日目に、約20〜約40mg(例えば、約20mg、約25mg、約30mg、約35mgまたは約40mgのいずれかを含み、これらの値の任意の範囲を含む)の1日用量(例えば、経口用量)として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、デキサタサゾンは、28日サイクルのうちの1、8、15および22日目に、約40mgの1日用量(例えば、経口用量)として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。レナリドマイドの用量は、薬物有害反応を管理するために、用量低減を伴って、またはそれを伴わずに、中止または中断されてもよい。一部の実施形態では、レナリドマイドは、レナリドマイドの承認ブランドの処方情報に従って投与される。
一部の実施形態では、第2の治療剤がロミデプシンである本明細書に記載される方法のいずれかによれば、ロミデプシンは、28日サイクルのうちの1、8および15日目に、約5〜約14mg/m2(例えば、約5mg/m2、約6mg/m2、約7mg/m2、約8mg/m2、約9mg/m2、約10mg/m2、約11mg/m2、約12mg/m2、約13mg/m2または約14mg/m2のいずれかを含み、これらの値の間の任意の範囲を含む)のIV用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、ロミデプシンは、28日サイクルのうちの1、8および15日目に、約14mg/m2以下(例えば、約14mg/m2、約12mg/m2、約10mg/m2、約8mg/m2、約6mg/m2、約4mg/m2、約2mg/m2またはそれ未満のいずれか以下)のIV用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、レナリドマイドは、28日サイクルのうちの1、8および15日目に、約14mg/m2のIV用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。ロミデプシンの用量は、薬物有害反応を管理するために、用量低減を伴って、またはそれを伴わずに、中止または中断されてもよい。一部の実施形態では、ロミデプシンは、ロミデプシンの承認ブランドの処方情報に従って投与される。
一部の実施形態では、第2の治療剤がニロチニブである本明細書に記載される方法のいずれかによれば、ニロチニブは、28日サイクルのうちの1〜28日目に、約200〜約400mg(例えば、約200mg、約220mg、約240mg、約260mg、約280mg、約300mg、約320mg、約340mg、約360mg、約380mgまたは約400mgのいずれかを含み、これらの値の間の任意の範囲を含む)の1日2回の経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、ニロチニブは、28日サイクルのうちの1〜28日目に、約400mg以下(例えば、約400mg、約350mg、約300mg、約250mg、約200mg、約150mgまたはそれ未満のいずれか以下)の1日2回の経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、ニロチニブは、28日サイクルのうちの1〜28日目に、約300mgの1日2回の経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、ニロチニブは、28日サイクルのうちの1〜28日目に、約400mgの1日2回の経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、2つの毎日用量のニロチニブは、約12時間空けて投与される。ニロチニブの用量は、薬物有害反応を管理するために、用量低減を伴って、またはそれを伴わずに、中止または中断されてもよい。一部の実施形態では、ニロチニブは、ニロチニブの承認ブランドの処方情報に従って投与される。
一部の実施形態では、第2の治療剤がソラフェニブである本明細書に記載される方法のいずれかによれば、ソラフェニブは、28日サイクルのうちの1〜28日目に、約250〜約400mg(例えば、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mgまたは約400mgのいずれかを含み、これらの値の間の任意の範囲を含む)の1日2回の経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、ソラフェニブは、28日サイクルのうちの1〜28日目に、約400mg以下(例えば、約400mg、約375mg、約350mg、約325mg、約300mg、約275mg、約250mgまたはそれ未満のいずれか以下)の1日2回の経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。一部の実施形態では、ソラフェニブは、28日サイクルのうちの1〜28日目に、約400mgの1日2回の経口用量として、少なくとも1(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くのいずれか)サイクルの間、投与される。ソラフェニブの用量は、薬物有害反応を管理するために、用量低減を伴って、またはそれを伴わずに、中止または中断されてもよい。一部の実施形態では、ソラフェニブは、ソラフェニブの承認ブランドの処方情報に従って投与される。
治療量または治療量未満の量で投与されるかにかかわらず、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)と第2の治療剤との組み合わせは、固形腫瘍の処置に有効であるべきである。例えば、治療量未満の量のmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)は、第2の治療剤と組み合わさせた場合にこの組み合わせが固形腫瘍の処置に有効であるならば、有効量とすることができ、その逆も同様である。
個体(例えば、ヒト)に投与されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の用量および第2の治療剤の用量は、特定の組成物、投与形式および処置される疾患のタイプにより様々となり得る。一部の実施形態では、この用量は、客観的応答(例えば、部分的応答または完全応答)を生じるのに有効である。一部の実施形態では、この用量は、個体において完全応答を生じるのに十分である。一部の実施形態では、この用量は、個体において部分的応答を生じるのに十分である。一部の実施形態では、この投与される用量は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミン粒子組成物)および第2の治療剤で処置される個体の集団において、約20%、約25%、約30%、約35%。約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約64%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%または約90%のいずれかよりも高い全体的な応答率を生じるのに十分である。本明細書に記載される方法の処置に対する個体の応答は、例えば、RECISTレベルに基づいて決定され得る。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の量は、個体の無増悪生存期間を延長するのに十分である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の量は、個体の全生存期間を延長するのに十分である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の量は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物および第2の治療剤により処置された個体の集団の中で、約50%、約60%、約70%または約77%のいずれかを超えるものに臨床的利益を生じるのに十分である。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の量は、処置前の同一個体における対応する腫瘍サイズ、がん細胞数もしくは腫瘍増殖速度と比べて、または処置を受けていない他の個体における対応する活性と比べて、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%のいずれかだけ、腫瘍サイズが縮小する、がん細胞数が低下する、または腫瘍増殖速度が低下するのに十分である。精製酵素、細胞をベースとするアッセイ、動物モデルまたはヒトへの試験によるin vitroアッセイなどの標準方法を使用して、この効果の大きさを測定することができる。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の量は、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物および第2の治療剤が個体に投与される場合に、毒性学的作用(すなわち、臨床的に許容されるレベルの毒性を超える作用)を誘発するレベル未満である、または潜在的な副作用が制御され得る、もしくは許容され得るレベルである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の量は、第2の治療剤と一緒に投与される場合、同じ投薬レジメンに従って、この組成物の最大耐量(MTD)に近い。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の量は、第2の治療剤と一緒に投与される場合、MTDの約80%、約90%、約95%または約98%のいずれかを超える。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の量は、以下の範囲:約0.1mg〜約1000mg、約0.1mg〜約2.5mg、約0.5mg〜約5mg、約5mg〜約10mg、約10mg〜約15mg、約15mg〜約20mg、約20mg〜約25mg、約20mg〜約50mg、約25mg〜約50mg、約50mg〜約75mg、約50mg〜約100mg、約75mg〜約100mg、約100mg〜約125mg、約125mg〜約150mg、約150mg〜約175mg、約175mg〜約200mg、約200mg〜約225mg、約225mg〜約250mg、約250mg〜約300mg、約300mg〜約350mg、約350mg〜約400mg、約400mg〜約450mgまたは約450mg〜約500mg、約500mg〜約600mg、約600mg〜約700mg、約700mg〜約800mg、約800mg〜約900mgまたは約900mg〜約1000mg(これらの値のいずれかの範囲を含む)のいずれかに含まれる。一部の実施形態では、有効量の組成物(例えば、単位剤形)中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の量は、約5mg〜約500mg、例えば、約30〜約400mg、30mg〜約300mgまたは約50mg〜約200mgの範囲にある。一部の実施形態では、有効量のmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、単位剤形)中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の量は、例えば、約150mg、約225mg、約250mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mgまたは約500mgを含めた、約150mg〜約500mgの範囲にある。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の濃度は、例えば、約0.1mg/ml〜約50mg/ml、約0.1mg/ml〜約20mg/ml、約1mg/ml〜約10mg/ml、約2mg/ml〜約8mg/ml、約4mg/ml〜約6mg/mlまたは約5mg/mlのいずれかを含めて、希薄(約0.1mg/ml)であるかまたは濃縮(約100mg/ml)されている。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の濃度は、少なくとも約0.5mg/ml、約1.3mg/ml、約1.5mg/ml、約2mg/ml、約3mg/ml、約4mg/ml、約5mg/ml、約6mg/ml、約7mg/ml、約8mg/ml、約9mg/ml、約10mg/ml、約15mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約30mg/ml、約40mg/mlまたは約50mg/mlのいずれかである。
上記の態様のいずれかの一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の量は、少なくとも約1mg/kg、約2.5mg/kg、約3.5mg/kg、約5mg/kg、約6.5mg/kg、約7.5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kgまたは約60mg/kgのいずれかである。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の有効量は、約350mg/kg、約300mg/kg、約250mg/kg、約200mg/kg、約150mg/kg、約100mg/kg、約50mg/kg、約25mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約7.5mg/kg、約6.5mg/kg、約5mg/kg、約3.5mg/kg、約2.5mg/kgまたは約1mg/kgのいずれか未満である。
上記態様のうちのいずれかの一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)のとして、少なくとも25mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、250mg/m2、260mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、500mg/m2、540mg/m2、750mg/m2、1000mg/m2、または1080mg/m2のおよそいずれかのmTOR阻害剤である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、350mg/m2、300mg/m2、250mg/m2、200mg/m2、150mg/m2、120mg/m2、100mg/m2、90mg/m2、50mg/m2、または30mg/m2のおよそいずれか未満のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)を含む。一部の実施形態では、投与毎のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の量は、25mg/m2、22mg/m2、20mg/m2、18mg/m2、15mg/m2、14mg/m2、13mg/m2、12mg/m2、11mg/m2、10mg/m2、9mg/m2、8mg/m2、7mg/m2、6mg/m2、5mg/m2、4mg/m2、3mg/m2、2mg/m2、または1mg/m2のおよそいずれか未満である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の有効量は以下の範囲:約1〜約5mg/m2、約5〜約10mg/m2、約10〜約25mg/m2、約25〜約50mg/m2、約50〜約75mg/m2、約75〜約100mg/m2、約100〜約125mg/m2、約125〜約150mg/m2、約150〜約175mg/m2、約175〜約200mg/m2、約200〜約225mg/m2、約225〜約250mg/m2、約250〜約300mg/m2、約300〜約350mg/m2、または約350〜約400mg/m2のいずれかに含まれる。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の有効量は、約30〜約300mg/m2、例えば、約100〜約150mg/m2、約120mg/m2、約130mg/m2、または約140mg/m2である。
一部の実施形態では、化合物を組み合わせると、固形腫瘍の処置において、相乗効果(すなわち、相加効果を超える)を示す。用語「相乗効果」とは、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤などの2種の薬剤の作用を指し、例えば、がんまたはその症状の症候性進行を減速させるという効果を生じ、これは、単独で投与される各薬物の効果の単純な和を超える。相乗効果は、例えば、シグモイド−Emax式(Sigmoid−Emax equation)(Holford, N. H. G.およびScheiner, L. B.、Clin. Pharmacokinet. 6巻:429〜453頁(1981年))、Loeweの相加式(equation of Loewe additivity)(Loewe, S.およびMuischnek, H.、Arch. Exp. Pathol Pharmacol. 114巻:313〜326頁(1926年))および中央値効果式(median−effect equation)(Chou, T. C.およびTalalay, P.、Adv. Enzyme Regul. 22巻:27〜55頁(1984年))などの好適な方法を使用して算出することができる。上に言及されている各式を実験データに当てはめて、薬物の組み合わせの効果を評価する一助とするための対応するグラフを生成することができる。上に言及されている式と関連する、対応するグラフは、それぞれ、濃度−効果曲線、イソボログラム曲線および組み合わせ指数曲線である。
異なる実施形態では、使用される組み合わせおよび有効量に応じて、化合物の組み合わせは、がんの増殖を阻害する、がんの停滞を達成する、または実質的なもしくは完全ながんの退縮さえ達成することができる。
mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の量は、固形腫瘍の有効な処置をもたらすべきである一方、それらの量は、組み合わされると、個体に対して好ましくは過度な毒性がない(すなわち、これらの量は、好ましくは、医療的指針によって確立されている毒性限界以内である)。一部の実施形態では、過度の毒性の防止および/または固形腫瘍の一層効果的な処置の提供のどちらかのために、投与される総投与量に対する制限が設けられる。
様々な投与量レジメンを使用して、固形腫瘍を処置することができる。一部の実施形態では、上記の例示的な投与量のうちのいずれかなどの毎日の投与量が、3、4、5、6、7、8、9または10日間、1日あたり1回、2回、3回または4回、投与される。がんのステージおよび重症度に応じて、より短い処置期間(例えば、最大5日まで)が、高投与量で使用されてもよく、またはより長い処置期間(例えば、10日またはそれより長い、または数週間、または1ヵ月、またはそれより長い)が、低投与量で使用されてもよい。一部の実施形態では、1日1回または1日2回の投与量が、2日毎に投与される。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を投与するための投与頻度には、毎日、隔日、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、休みなく毎週、4週間のうちの3回(例えば、20日サイクルのうちの第1日目、第8日目、および第15日目)、3週間ごとに1回、2週間ごとに1回、または3週間のうちの2週間が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を、2週間ごとに約1回、3週間ごとに約1回、4週間ごとに約1回、6週間ごとに約1回、または8週間ごとに約1回投与する。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を、一週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(すなわち、毎日)のうちのいずれかで投与する。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約6カ月間、3カ月間、1カ月間、20日間、15日間、14日間、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、または1日間のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、8カ月間、または12カ月間のうちのいずれかより長い。一部の実施形態では、投与スケジュールに休みがない。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1週間以下である。
一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、または11回にわたる。一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、5回にわたる。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムスまたはその誘導体)を、少なくとも10日間にわたり投与し、各投与間の間隔が、約2日間以下であり、各回の投与におけるmTOR阻害剤の用量が、約0.25mg/m2〜約25mg/m2、または約25mg/m2〜約50mg/m2など、約0.25mg/m2〜約250mg/m2、約0.25mg/m2〜約150mg/m2、約0.25mg/m2〜約75mg/m2である。
mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の投与は、約1カ月間〜約7年間など、長期間にわたり延長することができる。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84カ月間のうちのいずれかの期間にわたり投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムスまたはその誘導体)の投与量が、3週間のスケジュールで与える場合、5〜400mg/m2の範囲にあり得るか、毎週のスケジュールで与える場合、5〜250mg/m2(80mg/m2〜150mg/m2、例えば、100〜120mg/m2など)の範囲にあり得る。例えば、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムスまたはその誘導体)の量は、3週間のスケジュールで約60〜約300mg/m2(例えば、約260mg/m2)である。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を投与するための例示的な投薬スケジュールには、休止しないで毎週100mg/m2、4週間のうち3週間にわたって毎週10mg/m2(例えば、28日サイクルの1、8および15日目)、4週間のうち3週間にわたって毎週45mg/m2(例えば、28日サイクルの1、8および15日目)、4週間のうち3週間にわたって毎週75mg/m2(例えば、28日サイクルの1、8および15日目)、4週間のうち3週間にわたって毎週100mg/m2、4週間のうち3週間にわたって毎週125mg/m2、3週間のうち2週間にわたって毎週125mg/m2、休止しないで毎週130mg/m2、2週間毎に1回175mg/m2、2週間毎に1回260mg/m2、3週間毎に1回260mg/m2、3週間毎に180〜300mg/m2、休止しないで毎週60〜175mg/m2、1週間に2回20〜150mg/m2、および1週間に2回150〜250mg/m2が含まれるがこれらに限定されない。mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の投薬頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の経過中に調整することができる。
一部の実施形態では、個体を、少なくとも約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の処置サイクルのうちのいずれかにわたり処置する。
本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)は、約24時間より短い注入時間にわたり、個体にmTOR阻害剤ナノ粒子組成物を注入することを可能とする。例えば、一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を、約24時間、12時間、8時間、5時間、3時間、2時間、1時間、30分間、20分間、または10分間のうちのいずれか未満の注入期間にわたり投与する。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を、約30分間の注入期間にわたり投与する。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(一部の実施形態では、リムス薬物、例えばシロリムス)の例示的な用量には、約50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、260mg/m2、および300mg/m2のうちのいずれかが含まれるがこれらに限定されない。例えば、ナノ粒子組成物におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムスまたはその誘導体)の投与量は、3週間のスケジュールで与える場合、約100〜400mg/m2の範囲であり得、毎週のスケジュールで与える場合、約10〜250mg/m2の範囲にあり得る。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の投与量は、約100mg〜約400mg、例えば約100mg、約200mg、約300mgまたは約400mgである。一部の実施形態では、リムス薬物は、毎週約100mg、毎週約200mg、毎週約300mg、1週間に2回、約100mg、または1週間に2回、約200mgで投与される。一部の実施形態では、この投与は、毎月の維持用量がさらに続く(この維持用量は、毎週の用量と同じまたは異なることができる)。
一部の実施形態では、リムスナノ粒子組成物が静脈内投与される場合、ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えば、シロリムス)の投与量は、約30mg〜約400mgの範囲とすることができる。本明細書に記載される、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)により、約24時間よりも短い注入時間にわたる、個体へのmTOR阻害剤ナノ粒子組成物の注入が可能になる。例えば、一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)は、約24時間、約12時間、約8時間、約5時間、約3時間、約2時間、約1時間、約30分間、約20分間または約10分間のいずれか未満の注入期間にわたって投与される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)は、約30分間〜約40分間の注入期間にわたり、投与される。
一部の実施形態では、各投与量は、単回投与量として送達されることになる、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)と第2の治療剤の両方を含有する一方、他の実施形態では、各投与量は、別個の投与量として送達されることになる、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物または第2の治療剤の一方を含有する。
純粋な形態または適切な医薬組成物のmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤は、当分野において公知の、許容される投与形式または薬剤のいずれかにより投与することができる。組成物および/または薬剤は、例えば、経口、鼻、非経口(例えば、静脈内、筋肉内または皮下)、局所的、経皮、膣内、膀胱内(intravesically)、槽内または直腸に投与することができる。剤形は、好ましくは、正確な投与量を単回投与するのに好適な単位剤形で、例えば、錠剤、丸剤、軟質の弾性または硬質のゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁物、坐剤、エアゾール剤などの固体、半固体、凍結乾燥粉末または液体の剤形とすることができる。
上で議論した通り、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤は、単回単位用量または別個の剤形で投与することができる。したがって、語句「薬学的組み合わせ」は、単回剤形または別個の剤形のどちらかの2種の薬物の組み合わせを含む。すなわち、出願全体を通して記載されている薬学的に許容される担体および賦形剤は、単回単位用量のmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤と組み合わせることができ、これらの化合物が別々に投与される場合、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物および第2の治療剤と個別に組み合わせることができる。
補助剤およびアジュバント剤は、例えば、保存剤、湿潤剤、懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、芳香剤、乳化剤および分散剤を含むことができる。微生物の作用の予防は、一般に、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などの、様々な抗菌剤および抗真菌剤によって提供される。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤も、やはり含まれていてもよい。注射可能な薬学的形態の吸収の延長は、吸収を遅延させる作用物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によって引き起こすことができる。これらの補助剤はまた、クエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、ブチル化ヒドロキシトルエンなどの、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝化剤および抗酸化剤を含むことができる。
固形剤形は、腸溶コーティングおよび当分野において周知の他のものなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製することができる。それらは、緩和剤(pacifying agent)を含有することができ、それらは、遅延した様式で腸管のある部分で活性化合物(単数または複数)を放出するような組成物であり得る。使用することができる包埋された組成物の例は、ポリマー基材およびワックスである。活性化合物はまた、適宜、上記の賦形剤の1または複数を含む、マイクロ封入形態とすることができる。
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁物、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。このような剤形は、担体、例えば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノールなど;可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド;油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物中、例えば、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)または第2の治療剤、または薬学的に許容されるその塩および任意選択の薬学的アジュバントの溶解、分散などにより溶液または懸濁物を形成することによって調製される。
一部の実施形態では、意図される投与形式に応じて、薬学的に許容される組成物は、本明細書に記載される化合物または薬学的に許容されるその塩を約1重量%〜約99重量%、および薬学的に許容される賦形剤を99重量%〜1重量%含有する。一例では、この組成物は、本明細書に記載される化合物または薬学的に許容されるその塩が約5重量%〜約75重量%の間にあり、その残りは、好適な薬学的賦形剤である。
このような剤形を調製する実際の方法は、公知であり、当業者には明らかとなろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1990年)が参照される。
mTORナノ粒子組成物(例えばシロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)は、例えば、静脈内経路、動脈内経路、腹腔内経路、肺内経路、経口経路、吸入経路、膀胱内(intravesicular)経路、筋肉内経路、気管内経路、皮下経路、眼内経路、髄腔内経路、経粘膜(transmucosal)経路、および経皮経路を含めた各種の経路を介して、個体(ヒトなど)に投与することができる。一部の実施形態では、組成物の持続放出処方物を用いることができる。一部の実施形態では、組成物を、静脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を、門脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を、動脈内投与する。一部の実施形態では、組成物を、腹腔内投与する。
ナノ粒子組成物
本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含む(様々な実施形態では、これらから本質的になる、またはこれらからなる)ナノ粒子を含む。水への溶解性に乏しい薬物のナノ粒子(例えば、マクロライド)は、例えば、それらの各々の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,916,596号、同第6,506,405号、同第6,749,868号、同第6,537,579号、同第7,820,788号および同第8,911,786号、およびやはり米国特許公開第2006/0263434号および同第2007/0082838号、PCT特許出願W008/137148に開示されている。
一部の実施形態では、この組成物は、約1000ナノメートル(nm)以下、例えば、約900、約800、約700、約600、約500、約400、約300、約200および約100nm以下のいずれかの平均(average)または平均(mean)直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約200nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約150nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約100nm以下である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約10〜約400nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約10〜約150nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約40〜約120nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子は約50nm以上である。一部の実施形態では、ナノ粒子は、滅菌ろ過可能である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物におけるナノ粒子の平均直径が、例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)の直径が、例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)が、例えば、約10nm〜約200nm、約20nm〜約200nm、約30nm〜約180nm、約40nm〜約150nm、約40nm〜約120nmおよび約60nm〜約100nmを含む、約10nm〜約400nmの範囲内に収まる。
一部の実施形態では、アルブミンが、ジスルフィド結合を形成しうるスルフヒドリル基を有する。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンのうちの少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のうちのいずれか1つを含む)が、架橋されている(例えば、1またはそれより多くのジスルフィド結合を介して架橋されている)。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子が、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と会合される(例えば、これでコーティングされる)。一部の実施形態では、組成物が、ナノ粒子形態および非ナノ粒子形態の両方でのmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含み(例えば、溶液の形態、または可溶性質アルブミン/ナノ粒子複合体の形態での)、組成物におけるmTOR阻害剤(のうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかがナノ粒子形態である。一部の実施形態では、ナノ粒子中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)が、ナノ粒子の重量で約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかを構成する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、非ポリマーマトリックスを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、ポリマー材料(ポリマーマトリックスなど)を実質的に含まないmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)のコアを含む。
一部の実施形態では、組成物が、その組成物のナノ粒子部分および非ナノ粒子部分の両方においてアルブミンを含み、組成物におけるアルブミンのうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかが、組成物の非ナノ粒子部分にある。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の重量比が、約15:1以下、例えば、約10:1以下など、約18:1以下である。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の重量比が、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約13:1、約4:1〜約12:1、または約5:1〜約10:1のうちのいずれかの範囲内に収まる。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンとmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の重量比が、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:9、1:10、1:15以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムス)の重量比が、以下:約1:1〜約18:1、約1:1〜約15:1、約1:1〜約12:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約9:1、約1:1〜約8:1、約1:1〜約7:1、約1:1〜約6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、約1:1〜約3:1、約1:1〜約2:1、または約1:1〜約1:1のうちのいずれかである。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)が、上記の特徴のうちの1または複数を含む。
本明細書に記載されるナノ粒子は、乾燥処方物(凍結乾燥組成物など)で存在させる場合もあり、生体適合性媒体中に懸濁させる場合もある。適切な生体適合性媒体には、水、水性緩衝媒体、生理食塩液、緩衝生理食塩液、アミノ酸の必要に応じて緩衝化させた溶液、タンパク質の必要に応じて緩衝化させた溶液、糖の必要に応じて緩衝化させた溶液、ビタミンの必要に応じて緩衝化させた溶液、合成ポリマーの必要に応じて緩衝化させた溶液、脂質含有エマルジョンなどが含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、薬学的に許容される担体は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含む。アルブミンは、天然の起源または合成的に調製されたもののいずれかであってもよい。一部の実施形態では、アルブミンは、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは、組換えアルブミンである。
ヒト血清アルブミン(HSA)とは、Mr65Kの高度に可溶性の球状タンパク質であり、585アミノ酸からなる。HSAは、血漿中で最も豊富なタンパク質であり、ヒト血漿のコロイド浸透圧のうちの70〜80%を占める。HSAのアミノ酸配列は、合計17個のジスルフィド架橋、1個の遊離チオール(Cys34)、および単一のトリプトファン(Trp214)を含有する。HSA溶液の静脈内使用は、血液量減少性ショック(hypovolumic shock)の予防および処置に適用があり(例えば、Tullis、JAMA、237巻、355〜360頁、460〜463頁(1977年)、およびHouserら、Surgery、Gynecology and Obstetrics、150巻、811〜816頁(1980年)を参照されたい)、新生児高ビリルビン血症の処置における交換輸血と共に行われる(例えば、Finlayson、Seminars in Thrombosis and Hemostasis、6巻、85〜120頁(1980年)を参照されたい)。ウシ血清アルブミンなど、他のアルブミンも意図される。このような非ヒトアルブミンの使用は、例えば、獣医学(家庭用ペットおよび農業上の状況を含む)など、非ヒト哺乳動物においてこれらの組成物を使用する状況で適切でありうる。ヒト血清アルブミン(HSA)は、複数の疎水性結合部位(HSAの内因性リガンドである脂肪酸について、合計8つ)を有し、薬物の多様なセット、特に、中性の疎水性化合物および負に荷電した疎水性化合物に結合する(Goodmanら、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、9版、McGraw−Hill New York(1996年))。極性リガンド特徴に対する結合点として機能する表面近傍の荷電リシン残基および荷電アルギニン残基を伴う、極めて細長い疎水性ポケットである、HSAのIIAサブドメインおよびIIIAサブドメインでは、2つの高アフィニティーの結合部位が提起されている(例えば、Fehskeら、Biochem. Pharmcol.、30巻、687〜92頁(198a)、Vorum、Dan. Med. Bull.、46巻、379〜99頁(1999年)、Kragh−Hansen、Dan. Med. Bull.、1441巻、131〜40頁(1990年)、Curryら、Nat. Struct. Biol.、5巻、827〜35頁(1998年)、Sugioら、Protein. Eng.、12巻、439〜46頁(1999年)、Heら、Nature、358巻、209〜15頁(199b)、およびCarterら、Adv. Protein. Chem.、45巻、153〜203頁(1994年)を参照されたい)。ラパマイシンおよびプロポフォールは、HSAに結合することが示されている(例えば、Paalら、Eur. J. Biochem.、268巻(7号)、2187〜91頁(200a)、Purcellら、Biochim. Biophys. Acta、1478(a)、61〜8頁(2000年)、Altmayerら、Arzneimittelforschung、45巻、1053〜6頁(1995年)、およびGarridoら、Rev. Esp. Anestestiol. Reanim、41巻、308〜12頁(1994年)を参照されたい)。さらに、ドセタキセルは、ヒト血漿タンパク質に結合することが示されている(例えば、Urienら、Invest. New Drugs、14(b)、147〜51頁(1996年)を参照)。
組成物におけるアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)は一般に、mTOR阻害剤のキャリアとして役立つ、すなわち、組成物におけるアルブミンは、アルブミンを含まない組成物と比較してmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を、水性媒体中でより容易に懸濁可能とするか、またはこの懸濁物を維持する一助となる。これは、mTOR阻害剤を可溶化するための毒性溶媒(または界面活性剤)の使用を回避することが可能であり、これにより、個体(ヒトなど)にmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を投与することによる1またはそれより多くの副作用を軽減しうる。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物が、Cremophor(またはポリオキシエチル化ヒマシ油、Cremophor EL(登録商標)(BASF)を含む)などの界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)が、界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を個体に投与するとき、組成物におけるCremophorまたは界面活性剤の量が、その個体において1またはそれより多くの副作用を引き起こすのに十分でない場合は、その組成物は、「Cremophorを実質的に含まない」か、または「界面活性剤を実質的に含まない」。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)が、約20%、15%、10%、7.5%、5%、2.5%、または1%のうちのいずれか未満の有機溶媒または界面活性剤を含有する。一部の実施形態では、アルブミンはヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは組換えアルブミンである。
本明細書に記載される組成物におけるアルブミンの量は、その組成物における他の成分に応じて変化する。一部の実施形態では、組成物が、水性懸濁物、例えば、安定的なコロイド状懸濁物(ナノ粒子の安定的な懸濁物など)の形態でmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を安定化させるのに十分な量でアルブミンを含む。一部の実施形態では、アルブミンが、水性媒体におけるmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の沈降速度を低減する量である。粒子含有組成物の場合、アルブミンの量はまた、mTOR阻害剤のナノ粒子のサイズおよび密度にも依存する。
mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)は、少なくとも約0.1時間、0.2時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、または72時間のうちのいずれかにわたるなど、長時間にわたり水性媒体において懸濁されたままである(目視可能な沈殿も沈降もないなど)場合、タキサンは、水性懸濁物中で「安定化」されている。懸濁物は一般に、個体(ヒトなど)への投与に適するが、必ずしもそうではない。懸濁物の安定性は一般に、保存温度(室温(20〜25℃など)または冷蔵条件(4℃など)など)で評価する(しかし、必ずしもそうではない)。例えば、懸濁物の調製後約15分で、懸濁物が、肉眼で目視可能なフロキュレーションも粒子凝集も、または1000倍の光学顕微鏡下で観察したときにフロキュレーションも粒子凝集も示さない場合、その懸濁物は、保存温度で安定的である。安定性はまた、約40℃より高温の温度など、加速試験条件下でも評価することができる。
一部の実施形態では、アルブミンが、特定の濃度の水性懸濁物においてmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を安定化させるのに十分な量で存在する。例えば、組成物中のmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の濃度は、例えば、0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2〜約8mg/ml、約4〜約6mg/mlまたは約5mg/mlのうちのおよそいずれかを含む、約0.1〜約100mg/mlである。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の濃度が、約1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、および50mg/mlのうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物が、界面活性剤(Cremophorなど)を含まないか、または実質的に含まないように、アルブミンが、界面活性剤(Cremophorなど)の使用を回避する量で存在する。
一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.1%〜約50%(w/v)(例えば、約0.5%(w/v)、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約30%(w/v)、約40%(w/v)、または約50%(w/v))のアルブミンを含む。一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.5%〜約5%(w/v)のアルブミンを含む。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物におけるアルブミン対mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の重量比が、十分な量のmTOR阻害剤が、細胞に結合するか、または細胞により輸送されるような重量比である。アルブミンとmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)との異なる組合せに対して、アルブミン対mTOR阻害剤の重量比を最適化しなければならないが、一般に、アルブミン対mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の重量比(w/w)は、約0.01:1〜約100:1、約0.02:1〜約50:1、約0.05:1〜約20:1、約0.1:1〜約20:1、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約12:1、約4:1〜約10:1、約5:1〜約9:1、または約9:1である。一部の実施形態では、アルブミン対mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の重量比が、約18:1以下、15:1以下、14:1以下、13:1以下、12:1以下、11:1以下、10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、および3:1以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)の重量比が、以下:約1:1〜約18:1、約1:1〜約15:1、約1:1〜約12:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約9:1、約1:1〜約8:1、約1:1〜約7:1、約1:1〜約6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、約1:1〜約3:1、約1:1〜約2:1、または約1:1〜約1:1のうちのいずれか1つである。
一部の実施形態では、アルブミンにより、組成物を、個体(ヒトなど)に、重大な副作用なしに投与することが可能となる。一部の実施形態では、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミン)が、ヒトへのmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)投与の1またはそれより多くの副作用を軽減するのに有効な量である。mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)投与の「1またはそれより多くの副作用を軽減すること」という用語は、mTOR阻害剤により引き起こされる1またはそれより多くの望ましくない作用、ならびにmTOR阻害剤を送達するのに用いられる送達ビヒクル(リムス薬物を注射に適するものとする溶媒など)により引き起こされる副作用の軽減、緩和、除去、または回避をいう。このような副作用には、例えば、骨髄抑制、神経毒性、過敏症、炎症、静脈刺激、静脈炎、疼痛、皮膚刺激、末梢性神経障害、好中球減少性発熱(neutropenic fever)、アナフィラキシー反応、静脈血栓症(venous thrombosis)、管外遊出、およびこれらの組合せが含まれる。しかし、これらの副作用は、例示的なものであるに過ぎず、リムス薬物(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)と関連する他の副作用または副作用の組合せも軽減することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、シロリムスおよびヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、シロリムスおよびヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子の平均直径または平均直径は、約10〜約150nmである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、シロリムスおよびヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子の平均直径または平均直径は、約40〜約120nmである。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nmの平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、シロリムスおよびヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1または約8:1である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約10nm〜約150nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約40nm〜約120nmである。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約10nm〜約150nmの平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約40nm〜約120nmの平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約10nm〜約150nmの平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約40nm〜約120nmの平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下(例えば、約9:1または約8:1)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)と関連する(例えば、アルブミンでコーティングされた)シロリムスを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有しており、組成物中のアルブミンとシロリムスとの重量比は、約9:1または約8:1である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約10nm〜約150nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約40nm〜約120nmである。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(例えば、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミン)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)で安定化されたシロリムスを含むナノ粒子を含み、これらのナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約10nm〜約150nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約40nm〜約120nmである。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたmTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるmTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)で安定化されたシロリムスを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとシロシムスの重量比は、約9:1または約8:1である。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約10nm〜約150nmである。一部の実施形態では、ナノ粒子の平均直径または平均直径は、約40nm〜約120nmである。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物が、nab−シロリムスを含む。一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物が、nab−シロリムスである。nab−シロリムスとは、ヒトアルブミンUSPにより安定化させたシロリムスの処方物であり、直接注射可能な生理学的溶液中で分散させることができる。ヒトアルブミンとシロリムスとの重量比は約8:1〜約9:1である。0.9%塩化ナトリウム注射液または5%デキストロース注射液など、適切な水性媒体中で分散させると、nab−シロリムスは、シロリムスの安定的なコロイド状懸濁物を形成する。コロイド状懸濁物におけるナノ粒子の平均粒子サイズは、約100ナノメートルである。HSAは、水中で際限なく(freely)可溶性であるので、例えば、約2mg/ml〜約8mg/ml、または約5mg/mlを含む、希釈(約0.1mg/mlのシロリムスまたはその誘導体)〜濃縮(約20mg/mlのシロリムスまたはその誘導体)の範囲にわたる広範な濃度で、nab−シロリムスを再構成することができる。
当技術分野では、ナノ粒子組成物を作製する方法が公知である。例えば、mTOR阻害剤(例えば、limus薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなど)を含有するナノ粒子は、高せん断力条件(例えば、超音波処理、高圧ホモジナイゼーションなど)下で調製することができる。これらの方法は、例えば、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号;同第6,537,579号;同第7,820,788号におよび同第8,911,786号において開示され、また、米国特許出願公開第2007/0082838号、同第2006/0263434号、ならびにPCT出願第WO08/137148号においても開示されている。
簡潔に言うと、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)を、有機溶媒中に溶解させ、この溶液を、アルブミン溶液へと添加することができる。この混合物を、高圧ホモジナイゼーションに供する。次いで、蒸発により有機溶媒を除去することができる。得られた分散物を、さらに凍結乾燥させることができる。適切な有機溶媒には、例えば、ケトン、エステル、エーテル、塩素化溶媒、および当技術分野で公知の他の溶媒が含まれる。例えば、有機溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルム/エタノール(例えば、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、または9:1の比による)でありうる。
mTOR阻害剤
本明細書に記載される方法は、一部の実施形態では、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物の投与を含む。本明細書で使用される「mTOR阻害剤」は、mTORの阻害剤を指す。mTORは、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)/Akt(タンパク質キナーゼB)経路の下流のセリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼであり、細胞生存、増殖、ストレスおよび代謝の重要な調節因子である。mTOR経路の調節不全は、多くのヒト癌において見出されており、mTOR阻害は、腫瘍進行に対する実質的な阻害効果を生じている。
ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)(ラパマイシンの機構的標的またはFK506結合タンパク質12−ラパマイシン関連タンパク質1(FRAP1)としても公知)は、2つの別個の複合体、mTOR複合体1(mTORC1)およびmTOR複合体2(mTORC2)中に存在する非定型セリン/スレオニンタンパク質キナーゼである。mTORC1は、mTOR、mTORの調節関連タンパク質(Raptor)、哺乳動物致死性SEC13タンパク質8(mammalian lethal with SEC13 protein 8)(MLST8)、PRAS40およびDEPTORから構成される(Kimら(2002年).Cell 110巻:163〜75頁;Fangら(2001年).Science 294巻(5548号):1942〜5頁)。mTORC1は、4つの主要なシグナルインプットを統合する:栄養素(例えば、アミノ酸およびホスファチジン酸)、増殖因子(インスリン)、エネルギーおよびストレス(例えば、低酸素およびDNA損傷)。アミノ酸の入手可能性は、RagおよびRagulator(LAMTOR1〜3)が関与する経路を介してmTORC1にシグナル伝達され、増殖因子およびホルモン(例えば、インスリン)は、TSC2を不活性化してmTORC1の阻害を防止するAktを介してmTORC1へとシグナル伝達する。あるいは、低いATPレベルは、TSC2のAMPK依存的活性化およびraptorのリン酸化をもたらして、mTORC1シグナル伝達タンパク質を低減させる。
活性mTORC1は、下流の標的(4E−BP1およびp70 S6キナーゼ)のリン酸化を介したmRNAの翻訳、オートファジーの抑制(Atg13、ULK1)、リボソーム新生、およびミトコンドリア代謝または脂肪生成をもたらす転写の活性化を含む、いくつかの下流の生物学的効果を有する。したがって、mTORC1活性は、条件が好ましい場合には細胞増殖を促進し、またはストレスの間もしくは条件が好ましくない場合には、異化プロセスを促進する。
mTORC2は、mTOR、mTORのラパマイシン非感受性コンパニオン(rapamycin−insensitive companion of mTOR)(RICTOR)、GβLおよび哺乳動物ストレス活性化タンパク質キナーゼ相互作用タンパク質1(mSIN1)から構成される。多くの上流シグナルおよび細胞機能が定義された(上を参照のこと)mTORC1とは対照的に、mTORC2の生物学について知られていることは比較的少ない。mTORC2は、F−アクチン張線維、パキシリン、RhoA、Rac1、Cdc42およびタンパク質キナーゼCα(PKCα)のその刺激を介して細胞骨格組織化を調節する。mTORC2成分をノックダウンすることは、アクチン重合に影響を与え、細胞の形態を乱すことが観察されている(Jacintoら(2004年). Nat. Cell Biol. 6巻、1122〜1128頁;Sarbassovら(2004年). Curr. Biol. 14巻、1296〜1302頁)。これは、タンパク質キナーゼCα(PKCα)のリン酸化、パキシリンのリン酸化および接着斑へのその再局在化、ならびにRhoAおよびRac1のGTP負荷を促進することによって、mTORC2がアクチン細胞骨格を制御することを示唆している。mTORC2がこれらのプロセスを調節する分子機構は、決定されていない。
一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)は、mTORC1の阻害剤である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)は、mTORC2の阻害剤である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)は、mTORC1とmTORC2の両方の阻害剤である。
一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、シロリムスおよびそのアナログが含まれるリムス薬物である。リムス薬物の例には、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK−506)が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、このリムス薬物は、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムスおよびタクロリムス(FK−506)からなる群より選択される。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、CC−115またはCC−223などのmTORキナーゼ阻害剤である。
一部の実施形態では、このmTOR阻害剤はシロリムスである。シロリムスは、FKBP−12と複合体化し、mTORC1を結合することによってmTOR経路を阻害するマクロライド系抗生物質である。
一部の実施形態では、このmTOR阻害剤は、シロリムス(ラパマイシン)、BEZ235(NVP−BEZ235)、エベロリムス(RAD001、Zortress、CerticanおよびAfinitorとしても公知)、AZD8055、テムシロリムス(CCI−779およびToriselとしても公知)、CC−115、CC−223、PI−103、Ku−0063794、INK 128、AZD2014、NVP−BGT226、PF−04691502、CH5132799、GDC−0980(RG7422)、Torin 1、WAY−600、WYE−125132、WYE−687、GSK2126458、PF−05212384(PKI−587)、PP−121、OSI−027、Palomid 529、PP242、XL765、GSK1059615、WYE−354およびリダフォロリムス(デフォロリムスとしても公知)からなる群より選択される。
BEZ235(NVP−BEZ235)は、mTORC1触媒性阻害剤であるイミダゾキノリン(imidazoquilonine)誘導体である(Roper Jら、PLoS One、2011年、6巻(9号)、e25132頁)。エベロリムスは、シロリムスの40−O−(2−ヒドロキシエチル)誘導体であり、シクロフィリンFKBP−12を結合し、これは、mTORC1とも複合体化する。AZD8055は、mTORC1(p70S6Kおよび4E−BP1)のリン酸化を阻害する小分子である。テムシロリムスは、FK506結合タンパク質と複合体を形成し、それがmTORC1複合体中にある場合にはmTORの活性化を阻害する小分子である。PI−103は、ラパマイシン感受性(mTORC1)複合体の活性化を阻害する小分子である(Knightら(2006年)Cell. 125巻:733〜47頁)。KU−0063794は、用量依存的および時間依存的様式で、Ser2448におけるmTORC1のリン酸化を阻害する小分子である。INK 128、AZD2014、NVP−BGT226、CH5132799、WYE−687は各々、mTORC1の小分子阻害剤である。PF−04691502は、mTORC1活性を阻害する。GDC−0980は、クラスI PI3キナーゼおよびTORC1を阻害する経口的に生体利用可能な小分子である。Torin 1は、mTORの強力な小分子阻害剤である。WAY−600は、mTORの、強力なATP競合性の選択的な阻害剤である。WYE−125132は、mTORC1のATP競合性の小分子阻害剤である。GSK2126458は、mTORC1の阻害剤である。PKI−587は、PI3Kα、PI3kγおよびmTORの高度に強力な二重阻害剤である。PP−121は、PDGFR、Hck、mTOR、VEGFR2、SrcおよびAblの多標的阻害剤である。OSI−027は、それぞれ22nMおよび65nMのIC50を有する、mTORC1およびmTORC2の選択的で強力な二重阻害剤である。Palomid 529は、ABCB1/ABCG2に対する親和性を欠き、良好な脳透過性を有するmTORC1の小分子阻害剤である(Linら(2013年)Int J Cancer DOI: 10.1002/ijc.28126(印刷前の電子公開))。PP242は、選択的mTOR阻害剤である。XL765は、mTOR、p110α、p110β、p110γおよびp110δについての、mTOR/PI3kの二重阻害剤である。GSK1059615は、PI3Kα、PI3Kβ、PI3Kδ、PI3KγおよびmTORの新規二重阻害剤である。WYE−354は、HEK293細胞(0.2μM〜5μM)およびHUVEC細胞(10nM〜1μM)においてmTORC1を阻害する。WYE−354は、mTORの強力で特異的なATP競合性阻害剤である。デフォロリムス(リダフォロリムス、AP23573、MK−8669)は、選択的mTOR阻害剤である。
mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中の他の成分
本明細書に記載されるナノ粒子は、他の薬剤、賦形剤、または安定化剤を含む組成物中に存在させることができる。例えば、ナノ粒子の負のゼータ電位を増大させることにより安定性を増大させるために、ある特定の負に荷電した成分を添加することができる。負に荷電したこのような成分には、グリココール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸などからなる胆汁酸による胆汁酸塩、以下のホスファチジルコリン:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリン、およびジパルミトイルホスファチジルコリンが含まれるレシチン(卵黄)ベースのリン脂質を含めたリン脂質が含まれるがこれらに限定されない。他のリン脂質は、L−α−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(distearyolphosphatidylcholine)(DSPC)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、および他の関連化合物を含む。例えば、硫酸コレステリルナトリウムなど、負に荷電した界面活性剤または乳化剤もまた、添加剤として適する。
一部の実施形態では、組成物が、ヒトへの投与に適する。一部の実施形態では、組成物が、獣医学の状況において、家庭用ペットおよび農業用動物などの哺乳動物への投与に適する。多種多様なmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)の適切な処方物が存在する(例えば、米国特許第5,916,596号および同第6,096,331号を参照されたい)。以下の処方物および方法は、例示的なものであるに過ぎず、全く限定的なものではない。経口投与に適する処方物は、(a)水、生理食塩液、またはオレンジジュースなどの希釈剤中に溶解させた有効量の化合物などの液体溶液、(b)各々が、固体または顆粒として、所定量の有効成分を含有する、カプセル、小袋(sachet)、または錠剤、(c)適切な液体中の懸濁物、および(d)適切なエマルジョンからなる場合がある。錠剤形態は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、微晶質セルロース、アカシアガム、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ならびに他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、保湿剤(moistening agent)、防腐剤、矯味矯臭剤、および薬理学的に適合性の賦形剤のうちの1または複数を包含しうる。ロゼンジ形態は、矯味矯臭薬(通常はスクロースおよびアカシアガムまたはトラガカントガム)中の有効成分、ならびに、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアガムなどの不活性基剤中に有効成分を含む香錠、有効成分に加えて当技術分野で公知の賦形剤などの賦形剤を含有するエマルジョン、ゲルなどを含み得る。
適するキャリア、賦形剤、および希釈剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントガム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、生理食塩溶液、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシ安息香酸塩およびプロピルヒドロキシ安息香酸塩、滑石、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油が含まれるがこれらに限定されない。処方物は、さらに、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、防腐剤、甘味剤、または矯味矯臭剤も含み得る。
非経口投与に適する処方物には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および処方物を、意図されるレシピエントの血液と適合性にする溶質を含有しうる水性および非水性で等張性の滅菌注射液と、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤(thickening agent)、安定化剤、および防腐剤を包含しうる水性および非水性の滅菌懸濁物とが含まれる。処方物は、アンプルおよびバイアルなど、単位用量または複数回用量の密封容器内に存在させることが可能であり、使用の直前に、注射用の滅菌液体賦形剤、例えば、水の添加だけを必要とする凍結乾燥(freeze−dried (lyophilized))条件下で保存することが可能である。既に説明した種類の滅菌粉末、滅菌顆粒、および滅菌錠剤から、即席の注射液および懸濁物を調製することができる。注射用処方物が好ましい。
一部の実施形態では、例えば、5.0〜約8.0、約6.5〜約7.5、および約6.5〜約7.0のうちのおよそいずれかのpH範囲を含む、pH範囲が約4.5〜約9.0となるように組成物を処方する。一部の実施形態では、例えば、約6.5、7、または8(約8など)のうちのいずれか以上を含む、組成物のpHを約6以上となるように処方する。また、グリセロールなど、適切な張度修飾剤(tonicity modifier)を添加することにより、組成物を血液と等張性とすることもできる。
免疫調節剤
本明細書に記載される方法は、一部の実施形態では、免疫調節剤と組み合わせたmTOR阻害剤のナノ粒子組成物の投与を含む。本明細書において使用される「免疫調節剤」とは、存在する場合、身体の免疫系を改変する、抑制するまたは刺激する治療剤を指す。免疫調節剤は、免疫系を活性化する組成物もしくは処方物(例えば、アジュバントまたはアクチベーター)、または免疫系を下方調節する組成物もしくは処方物を含むことができる。アジュバントは、アルミニウムをベースとする組成物、および細菌またはマイコバクテリアの細胞壁の成分を含む組成物を含むことができる。アクチベーターは、細胞免疫応答を刺激する抗原提示細胞を活性化する分子を含むことができる。例えば、アクチベーターは、免疫賦活剤ペプチドとすることができる。アクチベーターは、Toll様受容体TLR−2、3、4、6、7、8もしくは9のアゴニスト、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、TNF、CD40L、CD28、FLT−3リガンド、またはIL−1、IL−2、IL−4、IL−7、IL−12、IL−15またはIL−21などのサイトカインが含まれ得るがこれらに限定されない。アクチベーターは、CD28、OX40、GITR、4−1BB、ICOS、CD27、CD40またはHVEMのアゴニスト(例えば、アゴニスト抗体)などの、T細胞上の活性化性受容体(共刺激受容体を含む)のアゴニストを含むことができる。アクチベーターはまた、免疫抑制剤である、IL−10、FasL、IL−35、TGF−β、インドールアミン−2,3ジオキシゲナーゼ(IDO)またはシクロホスファミドの阻害剤などの免疫抑制剤の活性を阻害する化合物、またはCTLA4、PD−1、PD−L1、PD−L2、LAG3、B7−1、B7−H3、B7−H4、BTLA、VISTA、KIR、A2aRまたはTIM3のアンタゴニスト(例えば、アンタゴニスト抗体)などの免疫チェックポイントの活性を阻害する化合物を含むことができる。アクチベーターはまた、CD40、CD80またはCD86などの共刺激分子を含むことができる。免疫調節剤はまた、IL−12p70に対する抗体、Toll様受容体TLR−2、3、4、5、6、8または9のアンタゴニスト、またはシクロホスファミド、シクロスポリンAもしくはFK506などの免疫機能の一般的な抑制剤などの免疫系を下方調節する薬剤を含むことができる。目的の他の抗体には、例えば、抗GD2抗体(例えば、ジヌツキシマブ)を含めた、腫瘍細胞の標的に指向されたものが含まれる。これらの薬剤(例えば、アジュバント、アクチベーターまたは下方調節剤)は、最適な免疫応答を形成するよう組み合わせることができる。
インドールアミン−2,3ジオキシゲナーゼ(IDO)酵素は、必須アミノ酸であるトリプトファンの分解を触媒し、がんを免疫系から逃れさせ得るその役割のため、がん免疫療法における重要な標的として出現した。IDO活性は、トリプトファンの欠損をもたらし、これは、腫瘍の微小環境内での細胞傷害性T細胞を飢えさせる。さらに、得られたトリプトファン代謝産物は、制御性T細胞を活性化し、これにより、腫瘍への免疫応答がさらに抑制される。IDOは、多数のがんにおいて、抗原提示細胞によって過剰発現され、高いIDO発現は、卵巣がん、AML、子宮内膜癌、結腸がんおよび黒色腫を含めた、いくつかのがんにおいて、不良な転帰に相関しているように思われる。IDOを遮断すると、腫瘍に対する免疫応答が増強される。IDO阻害剤には、1−メチル−[D]−トリプトファン(D−1MT、NSC−721782)、エパカドスタット(epacadostat)(INCB24360)、ノルハルマン(β−カルボリン)、ロスマリン酸およびCOX−2阻害剤などの、小分子または抗体をベースとする阻害剤が含まれるがこれらに限定されない。
本明細書で用いられる用語「免疫チェックポイント阻害剤」、「チェックポイント阻害剤」などは、免疫系の制御機構の活性を阻害する化合物を指す。免疫系チェックポイントまたは免疫チェックポイントは、自己寛容を維持するよう、または付随的な組織損傷を最小化するために生理学的免疫応答の期間および大きさをモジュレートするように、一般に作用する免疫系における阻害性経路である。チェックポイント阻害剤は、その経路においてタンパク質の活性を阻害することにより、免疫系チェックポイントを阻害することができる。免疫系チェックポイントタンパク質には、細胞傷害性T−リンパ球抗原4(CTLA4)、プログラム細胞死1タンパク質(PD−1)、プログラム細胞死1リガンド1(PD−L1)、プログラム細胞死リガンド2(PD−L2)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)、B7−1、B7−H3、B7−H4、T細胞膜タンパク質3(TIM3)、B−およびT−リンパ球アテニュエーター(BTLA)、T細胞活性化のV−ドメイン免疫グロブリン(Ig)含有サプレッサ(VISTA)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)およびA2Aアデノシン受容体(A2aR)が含まれるがこれらに限定されない。したがって、チェックポイント阻害剤は、CTLA4、PD−1、PD−L1、PD−L2、LAG3、B7−1、B7−H3、B7−H4、BTLA、VISTA、KIR、A2aRまたはTIM3のアンタゴニストを含む。例えば、CTLA4、PD−1、PD−L1、PD−L2、LAG3、B7−1、B7−H3、B7−H4、BTLA、VISTA、KIR、A2aRまたはTIM3に結合して、それらの機能を拮抗する抗体が、チェックポイント阻害剤である。さらに、免疫系チェックポイントの阻害機能を阻害する任意の分子(例えば、ペプチド、核酸、小分子など)が、チェックポイント阻害剤である。
シロリムス、その誘導体および他のmTOR阻害剤は、免疫抑制剤として一般に見なされ、したがって、治療の主目的は、標的細胞または疾患に対する免疫系を活性化することなので、がん免疫抗体薬(例えば、抗PD−1または抗PD−L1)とmTOR阻害剤とを組み合わせることには関心が持たれてこなかった。しかし、本発明者らは、mTOR阻害剤、具体的にはABI−009(シロリムスのアルブミン結合性ナノ粒子)を使用すると、例えば、CD8+T細胞またはメモリーT細胞などのT細胞を含めた免疫系を活性化して、疾患に対するこのようながん免疫薬剤の活性がさらに改善され得ることを提案する。
CTLA−4は、免疫のチェックポイント分子であり、この分子は、活性化されたT細胞上で上方調節される。抗CTLA4 mAbは、CTLA−4とCD80/86との相互作用を遮断して、免疫抑制機構をオフにして、DCによるT細胞の連続的な刺激を可能にすることができる。CTLA−4、イピリムマブおよびトレメリムマブを対象とする、2種のIgG mAbが、いくつかの適応症に関して臨床試験において試験されている。イピリムマブは、黒色腫を処置するために、FDAによって承認されている。
PD−1は、T細胞活性化および耐性を調節する、共刺激分子のB7/CD28ファミリーの一部であり、したがって、アンタゴニスト抗PD1抗体は、耐性の克服に有用となり得る。PD−1/PD−L1経路の関わりにより、T細胞エフェクター機能、サイトカイン分泌および増殖が阻害される(Turnisら、OncoImmunology 1巻(7号):1172〜1174頁、2012年)。高レベルのPD−1は、T細胞の消耗、または慢性的な刺激を伴う。さらに、PD−1発現の増加は、がん患者における生存の低下に相関している。ニボルマブは、切除不能なまたは転移性の黒色腫、および扁平上皮非小細胞肺がんを処置するためにFDAに承認されたPD−1に対するヒトmAbである。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体における免疫応答を増強し、サイトカイン、ケモカイン、幹細胞増殖因子、リンホトキシン、造血因子、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロポエチン、トロンボポエチン、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF)、TNF−ベータ、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、インターフェロン−アルファ、インターフェロン−ベータ、インターフェロン−ガンマ、インターフェロン−ラムダ、「S1因子」と表される幹細胞増殖因子、ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、チロキシン、インスリン、プロインスリン、リラキシン、プロレラキシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、肝細胞増殖因子、プロスタグランジン、線維芽細胞増殖因子、プロラクチン、胎盤性ラクトゲン、OBタンパク質、ミュラー管抑制物質、マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド、インヒビン、アクチビン、血管内皮細胞増殖因子、インテグリン、NGF−ベータ、血小板増殖因子、TGF−アルファ、TGF−ベータ、インスリン様成長因子−I、インスリン様成長因子−II、マクロファージ−CSF(M−CSF)、IL−1、IL−1a、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、IL−25、LIF、FLT−3、アンジオスタチン、トロンボスポンジン、エンドスタチン、リンホトキシン、サリドマイド、レナリドマイドまたはポマリドマイドが含まれ得るがこれらに限定されない。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドもしくはその鏡像異性体または鏡像異性体の混合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体または多形である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドもしくはその鏡像異性体または鏡像異性体の混合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体または多形である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫応答を増強し、抗CTLA4(例えば、イピリムマブおよびトレメリムマブ)、抗PD−1(例えば、ニボルマブ、ピジリズマブおよびペムブロリズマブ)、抗PD−L1(例えば、MPDL3280A、BMS−936559、MEDI4736およびアベルマブ)、抗PD−L2、抗LAG3(例えば、BMS−986016またはC9B7W)、抗B7−1、抗B7−H3(例えば、MGA271)、抗B7−H4、抗TIM3、抗BTLA、抗VISTA、抗KIR(例えば、リリルマブおよびIPH2101)、抗A2aR、抗CD52(例えば、アレムツズマブ)、抗IL−10、抗FasL、抗IL−35および抗TGF−β(例えば、フレソルミマブ)からなる群より選択されるアンタゴニスト抗体が含まれ得るがこれらに限定されない。一部の実施形態では、抗体は、アンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗体は、ヒトである、またはヒト化されている。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫応答を増強し、抗CD28、抗OX40(例えば、MEDI6469)、抗GITR(例えば、TRX518)、抗4−1BB(例えば、BMS−663513およびPF−05082566)、抗ICOS(例えば、JTX−2011、Jounce Therapeutics)、抗CD27(例えば、バルリルマブおよびhCD27.15)、抗CD40(例えば、CP870、893)および抗HVEMからなる群より選択される抗体が含まれ得るがこれらに限定されない。一部の実施形態では、抗体は、アゴニスト抗体である。一部の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗体は、ヒトである、またはヒト化されている。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の免疫調節剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫賦活剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、IMiDs(登録商標)化合物(Celgene)である。IMiDs(登録商標)化合物は、レナリドマイドおよびポマリドマイドなどの、複数の作用機序により、免疫系および他の生物学的標的をモジュレートする、独占的所有権のある経口で利用可能な小分子化合物である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、小分子または抗体をベースとするIDO阻害剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、サイトカイン、ケモカイン、幹細胞増殖因子、リンホトキシン、造血因子、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロポエチン、トロンボポエチン、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF)、TNF−ベータ、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、インターフェロン−アルファ、インターフェロン−ベータ、インターフェロン−ガンマ、インターフェロン−ラムダ、「S1因子」と表される幹細胞増殖因子、ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、チロキシン、インスリン、プロインスリン、リラキシン、プロレラキシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、肝細胞増殖因子、プロスタグランジン、線維芽細胞増殖因子、プロラクチン、胎盤性ラクトゲン、OBタンパク質、ミュラー管抑制物質、マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド、インヒビン、アクチビン、血管内皮細胞増殖因子、インテグリン、NGF−ベータ、血小板増殖因子、TGF−アルファ、TGF−ベータ、インスリン様成長因子−I、インスリン様成長因子−II、マクロファージ−CSF(M−CSF)、IL−1、IL−1a、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、IL−25、LIF、FLT−3、アンジオスタチン、トロンボスポンジン、エンドスタチン、リンホトキシン、サリドマイド、レナリドマイドおよびポマリドマイドからなる群より選択される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドもしくはその鏡像異性体または鏡像異性体の混合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体または多形である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドもしくはその鏡像異性体または鏡像異性体の混合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体または多形である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体(共刺激受容体を含む)を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、抗CD28、抗OX40(例えば、MEDI6469)、抗GITR(例えば、TRX518)、抗4−1BB(例えば、BMS−663513およびPF−05082566)、抗ICOS(例えば、JTX−2011、Jounce Therapeutics)、抗CD27(例えば、バルリルマブおよびhCD27.15)、抗CD40(例えば、CP870,893)および抗HVEMからなる群より選択されるアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、抗CTLA4(例えば、イピリムマブおよびトレメリムマブ)、抗PD−1(例えば、ニボルマブ、ピジリズマブおよびペムブロリズマブ)、抗PD−L1(例えば、MPDL3280A、BMS−936559、MEDI4736およびアベルマブ)、抗PD−L2、抗LAG3(例えば、BMS−986016またはC9B7W)、抗B7−1、抗B7−H3(例えば、MGA271)、抗B7−H4、抗TIM3、抗BTLA、抗VISTA、抗KIR(例えば、リリルマブおよびIPH2101)、抗A2aR、抗CD52(例えば、アレムツズマブ)、抗IL−10、抗FasL、抗IL−35および抗TGF−β(例えば、フレソルミマブ)からなる群より選択されるアンタゴニスト抗体である。
一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、個体の免疫系を直接、刺激する免疫賦活剤である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化性受容体を標的とするアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、サイトカイン、ケモカイン、幹細胞増殖因子、リンホトキシン、造血因子、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロポエチン、トロンボポエチン、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF)、TNF−ベータ、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、インターフェロン−アルファ、インターフェロン−ベータ、インターフェロン−ガンマ、インターフェロン−ラムダ、「S1因子」と表される幹細胞増殖因子、ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、チロキシン、インスリン、プロインスリン、リラキシン、プロレラキシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、肝細胞増殖因子、プロスタグランジン、線維芽細胞増殖因子、プロラクチン、胎盤性ラクトゲン、OBタンパク質、ミュラー管抑制物質、マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド、インヒビン、アクチビン、血管内皮細胞増殖因子、インテグリン、NGF−ベータ、血小板増殖因子、TGF−アルファ、TGF−ベータ、インスリン様成長因子−I、インスリン様成長因子−II、マクロファージ−CSF(M−CSF)、IL−1、IL−1a、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、IL−25、LIF、FLT−3、アンジオスタチン、トロンボスポンジン、エンドスタチン、リンホトキシン、サリドマイド、レナリドマイドおよびポマリドマイドからなる群より選択される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドもしくはその鏡像異性体または鏡像異性体の混合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体または多形である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、レナリドマイドもしくはその鏡像異性体、または鏡像異性体の混合物、あるいは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体または多形である。一部の実施形態では、免疫調節剤は、抗CTLA4(例えば、イピリムマブおよびトレメリムマブ)、抗PD−1(例えば、ニボルマブ、ピジリズマブおよびペムブロリズマブ)、抗PD−L1(例えば、MPDL3280A、BMS−936559、MEDI4736およびアベルマブ)、抗PD−L2、抗LAG3(例えば、BMS−986016またはC9B7W)、抗B7−1、抗B7−H3(例えば、MGA271)、抗B7−H4、抗TIM3、抗BTLA、抗VISTA、抗KIR(例えば、リリルマブおよびIPH2101)、抗A2aR、抗CD52(例えば、アレムツズマブ)、抗IL−10、抗FasL、抗IL−35および抗TGF−β(例えば、フレソルミマブ)からなる群より選択されるアンタゴニスト抗体である。
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤
本明細書に記載される方法は、一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤と組み合わせたmTOR阻害剤のナノ粒子組成物の投与を含む。ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤は、皮膚および末梢性T細胞リンパ腫において、単剤として大きな臨床的利益があることを実証しており、これらの適応症に関してFDAによる承認を受けている。
ヒストンデアセチラーゼは、4つのクラス:クラス−I(HDAC1、2、3、8)、クラス−IIa(HDAC4、5、7、9)、クラス−IIb(HDAC6、10)、クラス−III(SIRT1−7)およびクラス−IV(HDAC11)に分類される。これらのクラスは、細胞内局在化(クラス−I HDACは、核内に存在しており、クラス−II酵素は、細胞質である)およびそれらの細胞内標的の点で異なる。HDACは、通常、標的ヒストンタンパク質に会合しているが、最近の研究により、がん細胞において、遺伝子発現、DNA複製および修復、cdl周期進行、細胞骨格再構築およびタンパク質シャペロン活性を含めた、様々な機能と関連する1,750の非ヒストンタンパク質上に少なくとも3,600のアセチル化部位があることが明らかになっている。非選択的なHDAC阻害剤(HDACi)を用いる臨床試験は、効力があることを示したが、疲労、下痢および血小板減少症などの副作用により制限される。
HDAC阻害剤には、ボリノスタット(SAHA)、パノビノスタット(LBH589)、ベリノスタット(PXD101、CAS414864−00−9)、タセジナリン(N−アセチルジナリン、CI−994)、ギビノスタット(ガビノスタット、ITF2357)、FRM−0334(EVP−0334)、レスベラトロール(SRT501)、CUDC−101、クイシノスタット(JNJ−26481585)、アベキシノスタット(PCI−24781)、ダシノスタット(LAQ824、NVP−LAQ824)、バルプロ酸、4−(ジメチルアミノ)N−[6−(ヒドロキシアミノ)−6−オキソヘキシル]−ベンズアミド(HDAC1阻害剤)、4−ヨードスベロイルアニリドヒドロキサム酸(HDAC1およびHDAC6阻害剤)、ロミデプシン(クラス−IのHDACを主に対象とするHDAC阻害活性を有する環式テトラペプチド)、1−ナフトヒドロキサム酸(HDAC1およびHDAC6阻害剤)、アミノ−ベンズアミドバイアスエレメントをベースとするHDAC阻害剤(例えば、モセチノスタット(MGCD103)およびエンチノスタット(MS275)であり、これらは、HDAC1、2および3に対して非常に選択的である)、AN−9(CAS122110−53−6)、APHA化合物8(CAS676599−90−9)、アピシジン(CAS183506−66−3)、BML−210(CAS537034−17−6)、サレルマイド(CAS1105698−15−4)、スベロイルビス−ヒドロキサム酸(CAS38937−66−5)(HDAC1およびHDAC3阻害剤)、ブチリルヒドロキサム酸(CAS4312−91−8)、CAY10603(CAS1045792−66−2)(HDAC6阻害剤)、CBHA(CAS174664−65−4)、リコリノスタット(ACY1215、ロシリノスタット)、トリコスタチン−A、WT−161、ツバシンおよびMerck60が含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、HDAC阻害剤は、HDACの、ヌクレオチドをベースとする、またはタンパク質/ペプチドをベースとする阻害剤である。例えば、HDACのヌクレオチドをベースとする阻害剤には、短ヘアピンRNA(shRNA)、RNA干渉(RNAi)、短鎖干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、ロックされた核酸(LNA)、DNA、ペプチド−核酸(PNA)、モルホリノおよびアプタマーが含まれ得るがこれらに限定されない。一部の実施形態では、ヌクレオチドをベースとする阻害剤は、少なくとも1つの修飾塩基からなる。一部の実施形態では、ヌクレオチドをベースとする阻害剤は、HDACのmRNAに結合し、その翻訳を低減するもしくは阻害する、またはその分解を増加させる。一部の実施形態では、ヌクレオチドをベースとする阻害剤は、細胞および/または被験体における、HDACの発現(例えば、mRNA転写物および/またはタンパク質レベルにおいて)を低下させる。一部の実施形態では、ヌクレオチドをベースとする阻害剤は、HDACに結合して、その酵素活性を低下させる。
HDACのタンパク質またはペプチドをベースとする阻害剤には、ペプチド、組換えタンパク質および抗体またはその断片が含まれ得るがこれらに限定されない。タンパク質またはペプチドをベースとする阻害剤は、少なくとも1つの非天然アミノ酸からなることができる。一部の実施形態では、タンパク質またはペプチドをベースとする阻害剤は、細胞および/または被験体における、HDACの発現(例えば、mRNA転写物および/またはタンパク質レベルにおいて)を低下させる。一部の実施形態では、タンパク質またはペプチドをベースとする阻害剤は、HDACに結合して、その酵素活性を低下させる。
本明細書に記載されるタンパク質に対する、ヌクレオチドをベースとする阻害剤もしくはタンパク質/ペプチドをベースとする阻害剤を特定および/または生成する方法は、一般に、当分野において公知である。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤には、ボリノスタット(SAHA)、パノビノスタット(LBH589)、ベリノスタット(PXD101、CAS414864−00−9)、タセジナリン(N−アセチルジナリン、CI−994)、ギビノスタット(ガビノスタット、ITF2357)、FRM−0334(EVP−0334)、レスベラトロール(SRT501)、CUDC−101、クイシノスタット(JNJ−26481585)、アベキシノスタット(PCI−24781)、ダシノスタット(LAQ824、NVP−LAQ824)、バルプロ酸、4−(ジメチルアミノ)N−[6−(ヒドロキシアミノ)−6−オキソヘキシル]−ベンズアミド(HDAC1阻害剤)、4−ヨードスベロイルアニリドヒドロキサム酸(HDAC1およびHDAC6阻害剤)、ロミデプシン(クラス−IのHDACを主に対象とするHDAC阻害活性を有する環式テトラペプチド)、1−ナフトヒドロキサム酸(HDAC1およびHDAC6阻害剤)、アミノ−ベンズアミドバイアスエレメントをベースとするHDAC阻害剤(例えば、モセチノスタット(MGCD103)およびエンチノスタット(MS275)であり、これらは、HDAC1、2および3に対して非常に選択的である)、AN−9(CAS122110−53−6)、APHA化合物8(CAS676599−90−9)、アピシジン(CAS183506−66−3)、BML−210(CAS537034−17−6)、サレルマイド(CAS1105698−15−4)、スベロイルビス−ヒドロキサム酸(CAS38937−66−5)(HDAC1およびHDAC3阻害剤)、ブチリルヒドロキサム酸(CAS4312−91−8)、CAY10603(CAS1045792−66−2)(HDAC6阻害剤)、CBHA(CAS174664−65−4)、リコリノスタット(ACY1215、ロシリノスタット)、トリコスタチン−A、WT−161、ツバシンおよびMerck60が含まれ得るがこれらに限定されない。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1つだけのHDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、HDACの1つだけのクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、2つもしくはそれよりも多いHDAC、またはHDACの2つもしくはそれよりも多いクラスに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIおよびII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、クラスIII HDACに特異的である。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ボリノスタット(SAHA)、パノビノスタット(LBH589)、ベリノスタット(PXD101、CAS414864−00−9)、タセジナリン(N−アセチルジナリン、CI−994)、ギビノスタット(ガビノスタット、ITF2357)、FRM−0334(EVP−0334)、レスベラトロール(SRT501)、CUDC−101、クイシノスタット(JNJ−26481585)、アベキシノスタット(PCI−24781)、ダシノスタット(LAQ824、NVP−LAQ824)、バルプロ酸、4−(ジメチルアミノ)N−[6−(ヒドロキシアミノ)−6−オキソヘキシル]−ベンズアミド(HDAC1阻害剤)、4−ヨードスベロイルアニリドヒドロキサム酸(HDAC1およびHDAC6阻害剤)、ロミデプシン(クラスIのHDACを主に対象とするHDAC阻害活性を有する環式テトラペプチド)、1−ナフトヒドロキサム酸(HDAC1およびHDAC6阻害剤)、アミノ−ベンズアミドバイアスエレメントをベースとするHDAC阻害剤(例えば、モセチノスタット(MGCD103)およびエンチノスタット(MS275)であり、これらは、HDAC1、2および3に対して非常に選択的である)、AN−9(CAS122110−53−6)、APHA化合物8(CAS676599−90−9)、アピシジン(CAS183506−66−3)、BML−210(CAS537034−17−6)、サレルマイド(CAS1105698−15−4)、スベロイルビス−ヒドロキサム酸(CAS38937−66−5)(HDAC1およびHDAC3阻害剤)、ブチリルヒドロキサム酸(CAS4312−91−8)、CAY10603(CAS1045792−66−2)(HDAC6阻害剤)、CBHA(CAS174664−65−4)、リコリノスタット(ACY1215、ロシリノスタット)、トリコスタチン−A、WT−161、ツバシンおよびMerck60からなる群より選択される。一部の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシンである。
キナーゼ阻害剤
本明細書に記載される方法は、一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)と組み合わせたmTOR阻害剤のナノ粒子組成物の投与を含む。キナーゼ阻害剤は、非小細胞肺がん、腎細胞癌および慢性骨髄性白血病を含めたいくつかの適応症に対して、単剤として有意な臨床的利益があることを実証しており、これらの適応症に対してFDAによる承認を受けている。
キナーゼは、高エネルギーのホスフェート供与分子から特定の基質へのホスフェート基の移動を触媒する酵素である。キナーゼは、ホスホトランスフェラーゼのより大きなファミリーの一部である。分子のリン酸化状態は、それがタンパク質、脂質または炭水化物であるかにかかわらず、その活性、反応性および/またはその他の分子への結合能力に影響を及ぼすことができる。したがって、キナーゼは、代謝、細胞シグナル伝達、タンパク質調節、細胞輸送、分泌プロセス、および他の多くの細胞経路において重要である。
タンパク質キナーゼは、タンパク質に作用し、セリン、スレオニン、チロシンおよび/またはヒスチジン残基上で、そのタンパク質をリン酸化する。リン酸化は、多くの方法において、タンパク質の機能を改変することができる。リン酸化は、タンパク質の活性を向上または低下させることができる、タンパク質を安定化することができる、または破壊のためにタンパク質に印を付けることができる、特定の細胞コンパートメント内にタンパク質を局在化することができる、およびリン酸化は、他のタンパク質との相互作用を開始または撹乱することができる。タンパク質キナーゼは、すべてのキナーゼの大部分を構成し、幅広く研究されている。これらのキナーゼは、ホスファターゼと組み合わされて、タンパク質および酵素調節、ならびに細胞におけるシグナル伝達において大きな役割を果たす。
「キナーゼ阻害剤」とは、本明細書で使用する場合、分子および医薬品を指し、その被験体への投与によりキナーゼが阻害される。チロシンキナーゼ阻害剤の例には、アパチニブ、カボザニチニブ、カネルチニブ、クレノラニブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、フォレチニブ、ホスタマチニブ、イブルチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、ラパチニブ、リニファニブ、モテサニブ、ムブリチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、ラドチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、バタラニブおよびベムラフェニブが含まれるがこれらに限定されない。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤には、アパチニブ、カボザニチニブ、カネルチニブ、クレノラニブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、フォレチニブ、ホスタマチニブ、イブルチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、ラパチニブ、リニファニブ、モテサニブ、ムブリチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、ラドチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、バタラニブおよびベムラフェニブが含まれ得るがこれらに限定されない。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤はニロチニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤はソラフェニブである。
好適なチロシンキナーゼ阻害剤には、例えば、イマチニブ(Gleevec(登録商標))、ニロチニブ(nilotinim)、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標);ZD−1839)、エルロチニブ(Tarceva(登録商標);OSI−774)、スニチニブリンゴ酸塩(Sutent(登録商標))、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))およびラパチニブ(GW562016;Tykerb)が含まれる。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、多重可逆性ErbBlファミリーチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、ラパチニブ(laptinib))である。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、単一可逆性EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、ゲフィチニブまたはエルロチニブ)である。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、エルロチニブである。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブである。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、単一非可逆性EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EKB−569またはCL−387,785)である。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、多重非可逆性ErbBファミリーチロシンキナーゼ阻害剤(例えばカネルチニブ(CL−1033;PD183805)、HKI−272、BIBW2992またはHKI−357)である。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、多重可逆性チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、ZD−6474、ZD−6464、AEE788またはXL647)である。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、ErbBファミリーヘテロ二量体化を阻害する(例えば、BMS−599626)。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、HSP90に影響を及ぼすことにより、タンパク質のフォールディングを阻害する(例えば、ベンゾキノンアンサマイシン、IPI−504または17−AAG)。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、BCR−AbIの阻害剤である。一部の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、IGF−IRの阻害剤である。
したがって、一部の実施形態では、個体(例えば、ヒト)における固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤(例えば、リムス薬物、例えばシロリムスまたはその誘導体)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量のキナーゼ阻害剤を個体に投与するステップを含む、方法が提供される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、キナーゼの1つ超のクラスを阻害する(例えば、チロシンキナーゼ、Rafキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼのうちの1つ超の阻害剤)。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、アパチニブ、カボザニチニブ、カネルチニブ、クレノラニブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、フォレチニブ、ホスタマチニブ、イブルチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、ラパチニブ、リニファニブ、モテサニブ、ムブリチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、ラドチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、バタラニブおよびベムラフェニブからなる群より選択される。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブである。一部の実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ソラフェニブである。
がんワクチン
本明細書に記載される方法は、一部の実施形態では、がんワクチン(例えば、自己細胞または同種異系腫瘍細胞、またはTAAを使用して調製されるワクチン)と組み合わせた、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物の投与を含む。がんワクチンは、前立腺がん、乳がん、肺がん、黒色腫、膵臓がん、結腸直腸がんおよび腎細胞癌を含めたいくつかの固形腫瘍の適応症に対する治療法における有意な臨床的利益を実証しており、症候性および最小限の症候性の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)を処置するため、FDAによる承認を受けている。
がんワクチンは、個体の免疫系がTAAに応答して悪性細胞を除去する免疫応答を開始する能力を高める活性な免疫療法の形態である(Melero,I.ら(2014年).Nature reviews Clinical oncology、11巻(9号)、509〜524頁)。がんワクチンは、複数の不確定な抗原を標的とするよう、または所与の抗原もしくは抗原の群を特異的に標的とするよう設計され得る。多価ワクチンは、腫瘍細胞全体に由来するもの、あるいは腫瘍細胞と融合された、腫瘍に由来するDNAもしくはRNAでトランスフェクトされた、または腫瘍細胞に由来する溶解物を負荷された樹状細胞に由来するものなどの、自己細胞または同種異系細胞から調製することができる。抗原特異的ワクチンは、狭いエピトープ特異性を有する短鎖ペプチドもしくは複数エピトープを有する長鎖ペプチドを含めた単一抗原から、またはいくつかの異なる抗原の混合物から調製することができる。
がんワクチンにおける抗原の免疫原性は、抗原を1または複数のアジュバントと組み合わせるなどによって、いくつかの方法で高めることができる。アジュバントは、タイプ1Tヘルパー細胞(TH1)および細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の活性化などの、がん免疫療法に対する所望の免疫応答を誘発するよう選択することができる。がんワクチンに有用なアジュバントには、例えば、ミョウバン(水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウム)、微生物および細菌性誘導体(カルメット−ゲラン杆菌、CpG、Detox B、モノホスホリル脂質A、およびポリI:C)、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、油エマルジョンまたは界面活性剤(例えば、AS02、AS03、MF59、Montanide ISAー51(商標)およびQS21)、微粒子(例えば、AS04、ポリラクチドco−グリコリドおよびウイロソーム)、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、ワクシニアおよび鶏痘)、デルタイヌリンをベースとする合成多糖類、イミダゾキノリン(imidzaquinoline)、サポニン、フラジェリンおよび天然または合成サイトカイン(例えば、IL−2、IL−12、IFN−αおよびGM−CSF)が含まれる。例えば、Banday, A. H.ら(2015年). Immunopharmacology and immunotoxicology、37巻(1号)、1〜11頁およびMelero,I.ら(上記)を参照のこと。抗原およびアジュバントはまた、がんワクチンの効力を向上させるために、免疫原性送達ビヒクルにパッケージされ得る。このような送達ビヒクルには、リポソームマイクロスフィア、組換えウイルスベクターおよび培養成熟樹状細胞が含まれるがこれらに限定されない。免疫原性は、初回刺激/追加刺激ストラテジを使用することによって高めることもでき、この場合、この免疫系は、抗原を標的とする第1のがんワクチンを用いて初回刺激され、次に、同じ抗原を標的とするが、異なるベクター中の第2のがんワクチンにより追加刺激される。
がんワクチンは、任意の分子および医薬品を含むことができ、これらの被験体への投与により、少なくとも1つの腫瘍関連抗原に対する免疫応答を開始する被験体の免疫系の能力を高める。がんワクチンの例には、自己腫瘍細胞から調製される多価ワクチン、同種異系腫瘍細胞から調製される多価ワクチン、および少なくとも1つの腫瘍関連抗原から調製される抗原特異的ワクチンが含まれるがこれらに限定されない。抗原特異的ワクチンは、少なくとも1つの腫瘍関連抗原、その断片または少なくとも1つの腫瘍関連抗原もしくはその断片をコードする核酸(例えば、組換えウイルスベクター)を含むことができる。
上記方法のいずれかに従う一部の実施形態では、がんワクチンには、自己腫瘍細胞を使用して調製されるワクチン、同種異系腫瘍細胞を使用して調製されるワクチン、および少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を使用して調製されるワクチンが含まれ得るがこれらに限定されない。一部の実施形態では、TAAは、例えば、熱ショックタンパク質、メラノサイト抗原gp100、MAGE抗原、BAGE、GAGE、NY−ESO−1、Melan−A、PSA、HER2、hTERT、p53、サバイビン、KRAS、WT1、アルファフェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA−125、GM2、MUC−1、上皮性腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼおよびTrp−2からなる群より選択される。一部の実施形態では、TAAは、bcr−abl、またはβ−カテニン、HSP70−2、CDK4、MUM1、CTNNB1、CDC27、TRAPPC1、TPI、ASCC3、HHAT、FN1、OS−9、PTPRK、CDKN2A、HLA−A11、GAS7、GAPDH、SIRT2、GPNMB、SNRP116、RBAF600、SNRPD1、Prdx5、CLPP、PPP1R3B、EF2、ACTN4、ME1、NF−YC、HLA−A2、HSP70−2、KIAA1440およびCASP8からなる群より選択される、タンパク質の変異形態などの、ネオ抗原である(ネオ抗原を特定する例に関しては、Gubin, M. M.ら(2015年).The Journal of clinical investigation、125巻(9号)、3413〜3421頁;Lu, Y. C.およびRobbins, P. F.(2016年2月)、Seminars in immunology.28巻(1号):22〜27頁;およびSchumacher, T. N.およびSchreiber, R. D.(2015年)、Science、348巻(6230号)、69〜74頁を参照のこと)。一部の実施形態では、TAAは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBVおよびHCV)、ヒトT−リンパ向性ウイルス(HTLV)、メルケル細胞ポリオーマウイルス、エプスタイン−バールウイルス(EBV)およびカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)などの、ヒトがんに関与しているウイルスに由来するポリペプチドである。
好適ながんワクチンには、例えば、GVAX、ADXS11−001、ADXS31−001、ADXS31−164、ALVAC−CEAワクチン、BiovaxID、Prostvac、CDX110、CDX1307、CDX1401、CimaVax−EGF、CV9104、Lapuleucel−T、NeuVax、GRNVAC1、GI−6207、GI−6301、GI−4000、Tecemotide、CBLI、CvacおよびSCIB1が含まれる。
製造物品およびキット
本発明の一部の実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤を含む、固形腫瘍の処置に有用な材料を含有する製造物品が提供される。製造物品は、容器、および容器上もしくは容器に付随されたラベルまたは添付文書を含むことができる。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジなどが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。一般に、容器は、本明細書に記載される疾患または障害を処置するのに有効な組成物を保持しており、滅菌アクセスポートを有していてもよい(例えば、容器は、皮下用注射針によって貫通可能な栓を有する静脈内溶液バッグまたはバイアルとすることができる)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は、a)mTOR阻害剤のナノ粒子処方物、またはb)第2の治療剤である。ラベルまたは添付文書は、この組成物が、個体における特定の状態を処置するために使用されることを表示する。ラベルまたは添付文書は、個体に組成物を投与するための指示をさらに含むであろう。本明細書に記載される併用治療を含む製造物品およびキットも企図される。
添付文書とは、適応症、用法、投与量、投与、禁忌および/またはこのような治療製品の使用に関する注意事項に関する情報を含む、治療製品の市販パッケージに慣用的に含まれている指示を指す。一部の実施形態では、添付文書は、この組成物が、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)を処置するために使用されることを表示する。
さらに、製造物品は、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンゲル溶液およびデキストロース溶液などの、薬学的に許容される緩衝液を含む、第2の容器をさらに含み得る。製造物品は、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針およびシリンジを含めた、市販および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
例えば、固形腫瘍(例えば、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫)の処置のために、様々な目的に有用なキットも提供される。本発明のキットは、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)(または単位剤形および/または製造物品)を含む1または複数の容器を含み、一部の実施形態では、第2の治療剤(例えば、本明細書に記載される薬剤)および/または本明細書に記載される方法のいずれかによる使用のための指示をさらに含む。キットは、処置に好適な個体を選択する説明をさらに含むことがある。本発明のキット中に供給される指示は、通常、ラベルまたは添付文書(例えば、キットに含まれる紙シート)上の書面による指示であるが、機械による読み取り可能な指示(例えば、磁気または光記憶ディスクに保持された指示)も許容される。
例えば、一部の実施形態では、キットは、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を含む組成物を含む。一部の実施形態では、キットは、a)mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を含む組成物、ならびにb)第2の治療剤を含む。一部の実施形態では、キットは、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫などの固形腫瘍を処置するための、a)mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を含む組成物、ならびにb)第2の治療剤と組み合わせてmTOR阻害剤ナノ粒子組成物を個体に投与するための指示を含む。一部の実施形態では、キットは、膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫などの固形腫瘍を処置するための、a)mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を含む組成物、b)第2の治療剤、およびc)mTOR阻害剤ナノ粒子組成物および第2の治療剤を個体に投与するための指示を含む。mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤は、別々の容器中または単一容器の中に存在し得る。例えば、キットは、1つの別個の組成物、または1つの組成物はmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)を含み、別の組成物は第2の治療剤を含む、2つまたはそれより多い組成物を含み得る。
本発明のキットは、適切なパッケージ(packaging)中に存在する。適切なパッケージには、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性のパッケージ(例えば、密封されたMylarバッグまたはプラスティック製のバッグ)などが含まれるがこれらに限定されない。キットは場合によって、緩衝剤および解釈情報など、さらなる構成要素も提供しうる。したがって、本出願はまた、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、ジャー、可撓性パッケージなどを含む製品も提供する。
mTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤の使用と関連する指示は、一般に、意図される処置のための投与量、投薬スケジュールおよび投与経路に関する情報を含む。容器は、単位用量、バルクパッケージ(例えば、複数回用量パッケージ)、または部分単位用量(sub−unit dose)であってもよい。長期間、例えば、1週間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヵ月間、4ヵ月間、5ヵ月間、7ヵ月間、8ヵ月間、9ヵ月間、またはそれよりも長いもののいずれかの間、個体の有効な処置を提供するために、十分な投与量の、本明細書において開示されているmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤を含有するキットが提供され得る。キットはまた、複数の単位用量のmTOR阻害剤ナノ粒子組成物(例えば、シロリムス/アルブミンナノ粒子組成物)および第2の治療剤、ならびに使用のための指示を含んでいてもよく、薬局、例えば病院薬局および調剤薬局において保管および使用するのに十分な量で包装されてもよい。
当業者は、本発明の範囲および精神の範囲内では、複数の実施形態が可能であることを認識する。ここで、本発明を、以下の非限定的な例に言及することにより、より詳細に記載する。以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然ながら、いかなる形でもその範囲を限定するものとしてみなすべきではない。
例示的な実施形態
実施形態1。一部の実施形態では、個体における固形腫瘍を処置する方法であって、a)mTOR阻害剤およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにb)有効量の第2の治療剤を個体に投与するステップを含み、第2の治療剤が、免疫調節剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤およびキナーゼ阻害剤からなる群より選択される、方法が提供される。
実施形態2。実施形態1の一部のさらなる実施形態では、固形腫瘍は膀胱がん、腎細胞癌または黒色腫である。
実施形態3。実施形態1または2の一部のさらなる実施形態では、固形腫瘍は、再発した固形腫瘍であるか、または固形腫瘍の標準治療に対して不応性の固形腫瘍である。
実施形態4。実施形態1〜3のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤の量は、約10mg/m2〜約150mg/m2である。
実施形態5。実施形態4の一部のさらなる実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤の量は、約45mg/m2〜約100mg/m2である。
実施形態6。実施形態4の一部のさらなる実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤の量は、約75mg/m2〜約100mg/m2である。
実施形態7。実施形態1〜6のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、毎週、投与される。
実施形態8。実施形態1〜6のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、4週間毎に3週間にわたって投与される。
実施形態9。実施形態1〜8のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物および第2の治療剤は、個体に逐次、投与される。
実施形態10。実施形態1〜8のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物および第2の治療剤は、個体に同時に投与される。
実施形態11。実施形態1〜10のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、mTOR阻害剤は、リムス薬物である。
実施形態12。実施形態11の一部のさらなる実施形態では、リムス薬物はシロリムスである。
実施形態13。実施形態1〜12のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、約150nm以下である。
実施形態14。実施形態13の一部のさらなる実施形態では、組成物中のナノ粒子の平均直径は、約120nm以下である。
実施形態15。実施形態1〜14のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、ナノ粒子組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤との重量比は、約9:1以下である。
実施形態16。実施形態1〜15のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、ナノ粒子はアルブミンと関連するmTOR阻害剤を含む。
実施形態17。実施形態16の一部のさらなる実施形態では、ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたmTOR阻害剤を含む。
実施形態18。実施形態1〜17のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、静脈内、動脈内、腹腔内、膀胱内、皮下、髄腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼内、経皮、経口に、または吸入により投与される。
実施形態19。実施形態18の一部のさらなる実施形態では、mTOR阻害剤ナノ粒子組成物は、静脈内に投与される。
実施形態20。実施形態1〜19のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、個体はヒトである。
実施形態21。実施形態1〜20のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、この方法は、少なくとも1つのmTOR活性化性異常の存在に基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。
実施形態22。実施形態21の一部のさらなる実施形態では、mTOR活性化性異常は、mTOR関連遺伝子における変異を含む。
実施形態23。実施形態21または22の一部のさらなる実施形態では、mTOR活性化性異常は、AKT1、FLT−3、MTOR、PIK3CA、PIK3CG、TSC1、TSC2、RHEB、STK11、NF1、NF2、TP53、FGFR4、BAP1、KRAS、NRASおよびPTENからなる群より選択される、少なくとも1つのmTOR関連遺伝子に存在する。
実施形態24。実施形態1〜23のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、第2の治療剤は免疫調節剤である。
実施形態25。実施形態24の一部のさらなる実施形態では、免疫調節剤はIMiD(登録商標)化合物である。
実施形態26。実施形態24の一部のさらなる実施形態では、免疫調節剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。
実施形態27。実施形態24の一部のさらなる実施形態では、免疫調節剤は、ポマリドマイドおよびレナリドマイドからなる群より選択される。
実施形態28。実施形態24〜27のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、この方法は、免疫調節剤による処置に対して好都合の応答を示す、少なくとも1つのバイオマーカーの存在に基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。
実施形態29。実施形態28の一部のさらなる実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーは、免疫調節剤関連遺伝子における変異を含む。
実施形態30。実施形態1〜23のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、第2の治療剤はヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。
実施形態31。実施形態30の一部のさらなる実施形態では、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ロミデプシン、パノビノスタット、リコリノスタットおよびベリノスタットからなる群より選択される。
実施形態32。実施形態30または31の一部のさらなる実施形態では、この方法は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)による処置に対する好都合の応答を示す、少なくとも1つのバイオマーカーの存在に基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。
実施形態33。実施形態32の一部のさらなる実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーは、HDACi関連遺伝子における変異を含む。
実施形態34。実施形態1〜23のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、第2の治療剤はキナーゼ阻害剤である。
実施形態35。実施形態34の一部のさらなる実施形態では、キナーゼ阻害剤は、ニロチニブおよびソラフェニブからなる群より選択される。
実施形態36。実施形態34または35の一部のさらなる実施形態では、この方法は、キナーゼ阻害剤による処置に対する好都合の応答を示す、少なくとも1つのバイオマーカーの存在に基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。
実施形態37。実施形態36の一部のさらなる実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーは、キナーゼ阻害剤関連遺伝子における変異を含む。
実施形態38。実施形態1〜23のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、第2の治療剤はがんワクチンである。
実施形態39。実施形態38の一部のさらなる実施形態では、がんワクチンは、自己腫瘍細胞から調製されるワクチン、同種異系腫瘍細胞から調製されるワクチン、および少なくとも1つの腫瘍関連抗原から調製されるワクチンからなる群より選択される。
実施形態40。実施形態38または39の一部のさらなる実施形態では、この方法は、がんワクチンによる処置に対する好都合の応答を示す、少なくとも1つのバイオマーカーの存在に基づいて、処置について個体を選択するステップをさらに含む。
実施形態41。実施形態36の一部のさらなる実施形態では、少なくとも1つのバイオマーカーは、がんワクチン関連遺伝子における変異を含む。
実施形態42。実施形態1〜41のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、固形腫瘍は膀胱がんである。
実施形態43。実施形態1〜41のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、固形腫瘍は腎細胞癌である。
実施形態44。実施形態1〜41のいずれか1つの一部のさらなる実施形態では、固形腫瘍は黒色腫である。
(実施例1:UMUC3(ヒト膀胱がん)細胞系マウス異種移植片モデルにおける、nab−シロリムスと組み合わせた薬物の抗腫瘍活性の評価)
胸腺欠損ヌードマウスのUMUC3細胞異種移植片モデルにおいて、nab−シロリムスと組み合わせた、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、ドセタキセルおよび免疫チェックポイント阻害剤(ICI)を含む、薬物のパネルの抗腫瘍効力を評価して比較した。ICIは、抗CTLA4(例えば、イピリムマブおよびトレメリムマブ)、抗PD−1(例えば、ニボルマブ、ピジリズマブおよびペムブロリズマブ)、抗PD−L1(例えば、MPDL3280A、BMS−936559、MEDI4736およびアベルマブ)、抗PD−L2、抗LAG3(例えば、BMS−986016またはC9B7W)、抗B7−1、抗B7−H3(例えば、MGA271)、抗B7−H4、抗TIM3、抗BTLA、抗VISTA、抗KIR(例えば、リリルマブおよびIPH2101)または抗A2aRなどの、免疫チェックポイントタンパク質を標的とするアンタゴニスト抗体を含む。
ヒト膀胱がん(腺癌)細胞系UMUC3は、以下の通り調製する。凍結した(液体窒素)アリコートのUMUC3細胞系(ATCC)を解凍して、10%のウシ胎仔血清(FBS)を補充したDMEM培地を含有する75cm2のフラスコに分散し、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃でインキュベートする。細胞は、80%コンフルエントになると、培養物を150cm2フラスコに拡大増殖させる。マウスに注射するのに十分な細胞が得られるまで(マウスあたり、10×106個の細胞)、この培養物をさらに拡大増殖させる。
UMUC3細胞から確立された腫瘍は、以下の通りである。雌の胸腺欠損ヌードマウスを得て、オートクレーブした敷わら(bedding)が供給されている、上部にフィルターの取り付けられたケージに収容する。動物の取り扱い手順は、層流フード下である。各マウスの耳に個体識別用のタグを取り付け、各マウスの体重を記録する。腫瘍を埋め込むため、各マウスの右側腹に、UMUC3細胞(20%Matrigelを含む0.1mL PBS中に、側腹あたり10×106個の細胞)を皮下注射する。腫瘍が合計で約60〜160mm3になるまで、腫瘍の測定値を1週間あたり、3回(例えば、月曜日、水曜日および金曜日)記録する。
処置の前に、すべてのマウスの体重および腫瘍の測定値を記録する。マウスは、腫瘍サイズに基づいて、各8匹のマウスからなる7つの処置群などの処置群に分類する。これらのマウスは、以下の表1に記載されている、投薬レジメンに従って、薬物により処置する。この処置は3週間の投薬を含む。
マウスは、1週間あたり3回(例えば、月曜日、水曜日および金曜日)、体重を記録し、毎日、苦痛の徴候を記録し、1週間あたり3回(例えば、月曜日、水曜日および金曜日)、腫瘍の測定値を記録することにより処置の経過中、モニタリングする。投薬レジメンの完了後、2週間、またはマウスの腫瘍サイズが2000mm3超となってマウスを犠牲にするまで、腫瘍サイズおよび体重の測定を継続する。
(実施例2:単剤として、ならびにテモゾロミドおよびイリノテカンと組み合わせて、CNS腫瘍を含む、再発性または不応性固形腫瘍を有する小児患者における、ABI−009(Nab−シロリムス)の第I相臨床試験)
小児患者において、中枢神経系(CNS)腫瘍を含めた、再発性または不応性固形腫瘍を処置するために、単一アーム非無作為化第1相用量増大試験を設計して、単剤として、またはテモゾロミドおよびイリノテカンと組み合わせた、ABI−009の毒性プロファイル、最大耐量、推奨される第2相用量、ならびに薬物動態パラメーターおよび薬力学パラメーターを決定する。小児患者の固形腫瘍の処置における、イリノテカンおよびテモゾロミドと組み合わせたAB−009の効力を第1相試験の範囲内で評価する。さらに、SK61および4E−BP1などのバイオマーカーの発現は、処置前の患者で決定する。調査される例示的な固形腫瘍は、神経芽細胞腫(NB)、骨肉腫(OS)、ユーイング肉腫(EWS)、横紋筋肉腫(RMS)、髄芽腫(MB)、神経膠腫、腎腫瘍および肝腫瘍(例えば、肝芽腫および肝細胞癌)を含む。
臨床試験の主目的は、以下を含む:1)CNS腫瘍を含む再発性/不応性固形腫瘍を有する小児患者に、テモゾロミドおよびイリノテカン(1〜5日目に投与)と組み合わせて、21日サイクルのうちの1日目および8日目に、30分間かけて静脈内用量として投与したABI−009の最大耐量(MTD)および/または推奨される第2相用量(RP2D)を推定すること、2)再発性または不応性がんを有する小児患者において、21日サイクルのうちの1日目および8日目に、30分間かけて、静脈内用量として投与した単剤のABI−009の毒性を定めて記載すること、3)再発性または不応性がんを有する小児患者において、テモゾロミドおよびイリノテカン(1〜5日目に投与)と組み合わせて、21日サイクルのうちの1日目および8日目に、30分間かけて静脈内用量として投与したABI−009毒性を定めて記載すること、および4)再発性または不応性がんを有する小児患者における、ABI−009の薬物動態を特徴付けること。この研究の二次的な目的は、第1相試験の範囲内で、テモゾロミドおよびイリノテカンと組み合わせた、ABI−009の抗腫瘍活性を予備的に定めることである。この研究の探索的な目的は、免疫組織化学を使用して、固形腫瘍の小児患者からの保管されている腫瘍組織における、SK61および4E−BP1発現状態を試験することである。
図1は、実験設計スキームを示している。ABI−009を、21日間の各サイクルのうちの1日目および8日目に、30分間かけて静脈内に投与する。サイクル2+の間では、サイクル2の間にイリノテカンを投与した1時間後、ABI−009を投与する。その後のサイクルに関しては、ABI−009は、テモゾロミドおよびイリノテカンの8時間後以内に投与する。テモゾロミドは、サイクル2+から、21日間の各サイクルの1〜5日目に、毎日1回、経口投与する。イリノテカンは、サイクル2+から、21日間の各サイクルの1〜5日目に、テモゾロミドの1時間後に、毎日1回、経口投与する。セフィキシムまたは等価な抗生物質を下痢予防として使用し、イリノテカン投与中、イリノテカンの最初の用量の2日前に、および各サイクルのイリノテカンの最後の用量の3日後に投与する。治療の1サイクルは、21日間と考える。1サイクルは、最大で合計約24ヵ月の治療期間で、合計35サイクルの間、繰り返すことができる。
用量漸増スキームは、以下の表1に示されている。用量レベル1は、開始用量レベルであり、このレベルは、以前の臨床試験における、ABI−009、イリノテカンおよびテモゾロミドの推奨される第2相用量に基づいて決定されたものである。MTDが用量レベル1を超える場合、患者の次のコホートは、用量レベル−1で処置されることになる。用量レベル−1が、十分に許容されない場合、この研究は、登録(accrual)を打ち切る。
用量漸増および患者登録に関して、6つの段階的な設計(rolling six design)を利用する。例えば、Skolnik JM、Barrett JS、Jayaraman Bら:「Shortening the timeline of pediatric phase I trials: the rolling six design.」 J Clin Oncol 26巻:190〜5頁、2008年を参照のこと。手短に言えば、(1)現在の用量レベルで登録された患者数、(2)現在の用量レベルにおいて用量制限毒性(DLT)を経験した患者数、および(3)登録されているが、許容データが現在の用量レベルにおいて未決定である患者数に応じて、2〜6名の患者を1つの用量レベルに同時に登録することができる。例えば、3名の参加者が、1つの用量コホートに登録される場合に、この3名全員の毒性データが入手可能であれば、4番目の参加者が登録されて、DLTが存在しない場合、用量漸増されて、この4番目の参加者は、次の用量レベルに登録される。最初の3名の参加者の1名もしくは複数について、データが依然として入手できない、およびDLTが観察されない場合、または1つのDLTが観察された場合、新しい参加者は、同一用量レベルで登録される。最後に、2つまたはそれより多いDLTが観察される場合、用量レベルは漸減される。この過程を、参加者5および6に繰り返す。各3人の参加者の後、登録を一時停止する代わりに、6名のコホートが埋まった場合にのみ、登録を一時停止する。参加者が毒性に関して評価不能である場合、次の利用可能な参加者がこの研究に登録される際に、漸増または漸減規則が果たされていない場合、上記の評価不能な参加者を次の利用可能な参加者に置きかえる。
最大6名の患者のコホートの2名またはそれより多くが、所与の用量レベルでDLTを経験した場合、MTDを上回り、用量漸増を停止する。6名の評価可能な患者から観察される2つのDLTが、異なるクラスの有害作用(例えば、肝毒性および骨髄抑制)である、ありそうにない事象では、コホートを12名の患者まで拡大することを考慮する(DLTの1つが、用量関連性があるように思われない場合、この有害作用は容易に可逆性がある。研究責任者/DVLリーダーシップ/INDスポンサーはすべて、コホートの拡大を許容することに同意する)。MTDまたはRP2Dが、一旦、定まると、再発した/不応性の固形腫瘍を有する、最大6名の追加の患者が登録されて、若い患者の代表数におけるPKデータを取得することができる(すなわち、12歳未満の患者6名、および12歳以上の患者6名)。
サイクル1からの患者は、用量制限毒性(DLT)を経験しておらず、かつ以下の繰り返しサイクルでの修正された開始基準:コレステロール≦400mg/dLまたは≦500mg/dLおよび脂質低下薬服薬中、ならびにトリグリセリド≦300mg/dLまたは≦500mg/dLおよび脂質低下薬服薬中を除いて、適格性項目で定められている実験室パラメーターをやはり満たしている場合、これらの患者にはサイクル2が継続される。ABI−009単独によるサイクル1の治療後に、進行性疾患を有する患者は、他の除外基準を満たさない限り、依然として研究を続けることができる。
研究のサイクル2+の部分に関すると、患者が少なくとも安定病態を有しており、かつ以下の繰り返しサイクルでの修正された開始基準:コレステロール≦400mg/dLまたは≦500mg/dLおよび脂質低下薬服薬中、ならびにトリグリセリド≦300mg/dLまたは≦500mg/dLおよび脂質低下薬服薬中を除いて、適格性項目で定めされている実験室パラメーターをやはり満たしている場合、1サイクルを21日毎に繰り返してもよい。
併用治療に関する最大耐量(MTD)は、患者の33%以下が治療のサイクル2の間に、DLTを経験する最大の用量として決定する。併用治療に関して推奨される第2相用量は、サイクル2において、またはDLTの非存在下で、または用量レベル3(55mg/m2のABI−009、90mg/m2のイリノテカンおよび125mg/m2のテモゾロミド)で定められたMTDとして決定する。
DLTの観察期間は、治療の最初の2サイクルである。サイクル1の間に観察されたDLTは、サイクル2の併用治療のMTD決定に対して数えられる。CTCAE v4または現行版を、毒性の等級付けに使用する。研究薬物の少なくとも1回用量を受容する患者はいずれも、有害事象に関して評価可能と見なす。さらに、用量漸増部分の場合、患者は、プロトコールの指針に従い、サイクル1の間に処方された用量の少なくとも100%およびサイクル2の間に処方された用量の100%を受容しなければならず、かつサイクル1およびサイクル2の間に実施される適切な毒性モニタリング研究は、DLTについて評価可能であると見なさなければならない。サイクル1またはサイクル2の一方の間の所与の用量レベルにおいて、毒性を評価できない患者は、置きかえられる。
DLTは、血液学的および非血液学的毒性について、別々に定める。非血液学的DLTは、以下の特定のものを除外して、調査薬物に起因するグレード3またはそれよりも多くのいずれかの非血液学的毒性として定める:グレード3の吐き気および嘔吐が3日間未満;次の処置サイクルの時間に前にグレード1以下またはベースラインに戻る、ALT/AST/GGTを含めたグレード3の肝酵素の増加。注:この研究の目的に関すると、ALTに対するULNは、45U/Lと定める;グレード3の発熱;グレード3の感染症;経口補給に応答する、グレード3の低リン酸血症、低カリウム血症、低カルシウム血症または低マグネシウム血症;次の処置サイクルの開始前にグレード2以下に戻るグレード3または4の高トリグリセリド血症。高トリグリセリド血症の重症度(グレード)は、絶食レベルに基づく。慣例的な(非絶食)実験室研究が行われる際にグレード3または4のトリグリセリドが検出された場合、この試験は、正確な等級付けを可能にするよう、絶食状態で3日以内に繰り返すべきである;次の処置サイクルの開始前に、グレード2以下またはベースライン(インスリンまたは経口糖尿病剤の使用を伴うまたは伴わない)に戻るグレード3の高血糖症。高血糖症の重症度(グレード)は、絶食レベルに基づく。慣例的な(非絶食)実験室研究が行われる際にグレード3の高血糖症が検出される場合、この試験は正確な等級付けを可能にするよう、絶食状態で3日以内に繰り返すべきである;次の処置サイクルの前に、脂質低下薬の開始後に、グレード2以下に戻るグレード3または4の高コレステロール血症。高コレステロール血症の重症度(グレード)は、絶食レベルに基づく。慣例的な(非絶食)実験室研究が行われる際にグレード3または4の高コレステロール血症が検出された場合、この試験は、正確な等級付けを可能にするよう、絶食状態で3日以内に繰り返すべきである。非血液学的毒性はまた、処置サイクルの間の14日間以上の遅延を含む。研究薬物の中止を必要とするアレルギー反応は、用量制限毒性とは見なさない。
血液学的DLTは、以下の通り定める:7日間を超えるグレード4の好中球減少;7日間以内の、別々の2日における血小板数<20,000/mm3、または別々の2日における血小板輸血の必要性;処置サイクルの間の14日間を超える遅延を引き起こす骨髄抑制;および、グレード3または4の血栓塞栓症事象。グレード3または4の発熱性好中球減少症は、用量制限毒性とは見なさない。
トリグリセリドを高度に絶食した場合の用量改変は、表2に示されている通りである。
疾患の評価は、サイクル1の終了時、サイクル2の終了時、次に、2サイクル間の1つおきのサイクルに、次に、3サイクル毎に行う。疾患応答は、固形腫瘍の応答評価基準(RECIST)の指針(バージョン1.1)を使用して評価する。
毒性および応答のモニタリングの他に、薬物動態および薬力学研究が行われる。ABI−009薬物動態(PK)は、検証済みのLC−MS/MSアッセイを使用して決定する。イリノテカンおよびテモゾロミドの薬物動態は、蛍光検出を伴う検証済みのHPLCアッセイを使用して決定する。ABI−009のPK研究に関しては、研究のサイクル1(単剤)およびサイクル2(併用治療)の間の以下の時間点で、血漿試料(時間点あたり2mL)を患者から得る:1日目:用量前、注入の終わり、次に、注入開始後、1、2、4および8時間;2日目:D1 ABI−009の用量の24時間後;4日目(±1日間):D1 ABI−009の用量の72時間後(±24時間);および8日目:ABI−009の用量前。場合により、注入後の任意の時間点におけるCSF採集物を得て分析し、ABI−009のPKを決定することができる。イリノテカンおよびテモゾロミドのPK研究に関しては、研究のサイクル2(併用治療)の間の以下の時間点で、血漿試料(時間点あたり2mL)を患者から得る:1日目:用量前、次に、イリノテカン用量の10分後、1時間後、3時間後および6時間後;および2日目:2日目のイリノテカン用量前(1日目のイリノテカン用量の24時間後)。薬物動態パラメーター(Tmax、Cmax、t1/2、AUC、Cl/F)は、必要に応じて、標準非コンパートメント方法またはコンパートメント方法を使用して算出する。
さらに、ABI−009による処置前に、小児固形腫瘍におけるSK61および4E−BP1発現を評価するため、腫瘍組織試料を免疫組織化学によって検査する。登録前に、パラフィン包埋組織ブロックまたは非染色スライドが必要である。この分析は、本研究のサイクル1の間に行う。
適格性
適格な個体は、以下の組み入れ基準のすべてを満たさなければならない。
(1)患者は、12ヵ月以上21歳以下でなければならない。
(2)患者は、CNS腫瘍を含めた、再発性または不応性固形腫瘍と診断されなければならない。
(3)患者は、以下のパフォーマンスステータスを有していなければならない:16歳を超える患者の場合、50%以上のカルノフスキーであり、16歳以下の場合、50%以上のランスキー。CNS腫瘍を有する患者における神経学的欠損は、研究登録前の少なくとも7日間、比較的安定でなければならない。麻痺のために歩くことができないが、車椅子で立ち上がることができる患者は、パフォーマンススコアを評価する目的の場合、歩行可能と見なされる。
(4)患者は、事前の抗がん化学療法のすべての急性毒性作用から完全に回復していなければならず、登録前の以前の抗がんを対象とする治療から少なくとも以下の期間を満たさなければならない。必要とされる時間枠の後に、数値での適格性基準、例えば、血液数基準が満たされている場合、この患者は、適切に回復していると見なされる:(i)骨髄抑制性であることが知られている細胞毒性化学療法または他の化学療法:細胞毒性または骨髄抑制性化学療法の最終用量後21日以上(事前のニトロソ尿素の場合、42日);(ii)骨髄抑制であることが知られていない抗がん剤(例えば、血小板数またはANC数の低下を伴わない):薬剤の最終用量後7日以上;(iii)抗体:抗体の3半減期以上、または最終用量後30日以上経過していなければならないかのどちらか短い方であり、すべての急性毒性から回復していなければならない;(iv)造血増殖因子:長時間作用型増殖因子(例えば、Neulasta)の最終用量後14日以上、または短時間作用型増殖因子の場合、7日。投与後7日を過ぎて発生する既知の有害事象を有する薬剤の場合、この期間は、この有害事象が発生することが知られている期間を超えて延長しなければならない;(v)免疫療法または免疫調節薬:ステロイドまたは腫瘍を対象とするワクチンを除く、いかなるタイプの免疫療法、免疫調節薬(例えば、サイトカイン、アジュバントなど)の完了後42日以上;(vi)幹細胞注入(TBIを有するまたは有していない):同種異系(非自己)骨髄もしくは幹細胞移植、またはDLIもしくはブースト注入を含めた任意の幹細胞注入:注入後84日以上、およびGVHDの証拠がない;ブースト注入を含めた、自己幹細胞注入:42日以上;g)細胞治療:いかなるタイプの細胞治療(例えば、改変T細胞、NK細胞、樹状細胞など)の完了後42日以上;(vii)陽子を含めた、XRT/体外ビーム照射:局所XRT後14日以上;TBI、頭蓋脊髄XRT後、または骨盤の50%以上に照射した場合、150日以上;他の実質的なBM照射の場合、42日以上;i)放射線医薬品治療(例えば、放射性標識抗体、131I−MIBG):全身に投与された放射線医薬品治療後42日以上;(viii)イリノテカン、テモゾロミドおよびmTOR阻害剤への曝露:ABI−009を除き、イリノテカン、テモゾロミドまたはmTOR阻害剤による以前の単剤治療を受けた患者は、適格である;ABI−009を除き、上記の3つの薬剤のうちの2つによる以前の併用治療受けた患者は、適格である;組み合わせた3つの薬剤(すなわち、イリノテカン、テモゾロミドおよびmTOR阻害剤)すべてにより事前の治療を受けた患者は、適格ではない;イリノテカンおよびテモゾロミドを以前に受け、進行した、またはこれらの2つの薬物により深刻な毒性を有した患者は、適格ではない。
(5)患者は、下記の器官の機能基準を満たさなければならない:
(i)以下の通り定められた適切な骨髄機能:既知の骨髄合併症(bone marrow involvement)のない固形腫瘍を有する患者の場合:末梢性絶対好中球数(ANC)≧1000/mm3;血小板数≧100,000/mm3(輸液とは無関係、登録前に少なくとも7日間、血小板輸血を受けていないと定められる);ベースラインにおいてヘモグロビン≧8.0g/dL(RBC輸液を受けていてもよい)。既知の骨髄転移性疾患を有する患者の場合:末梢性絶対好中球数(ANC)≧1000/mm3;血小板数≧100,000/mm3(輸液とは無関係、登録前に少なくとも7日間、血小板輸血を受けていないと定められる);輸液を受けていてもよいが、但し、その患者は、赤血球または血小板の輸血に対して不応性であることが知られていない条件とする。これらの患者は、血液学的毒性を評価できないであろう。固形腫瘍を有する6名の患者のすべてのコホートの少なくとも5名は、この研究の用量漸増部分について、血液学的毒性に評価可能でなければならない。用量を制限する血液学的毒性が観察される場合、登録されるその後の患者はすべて、血液学的毒性が評価可能でなければならない。
(ii)以下の通り定められた、適切な腎機能:クレアチニンクリアランスまたは放射性同位体GFR≧70ml/分/1.73m
2、または以下の表3に示されている年齢/性別に基づいた血清クレアチニン。
(iii)以下の通り定められた、適切な肝機能:ビリルビン(抱合型+非抱合型の合計)≦1.5×年齢についての正常値上限(ULN);SGPT(ALT)≦110U/L。この研究の目的に関すると、SGPTに対するULNは、45U/Lである;血清アルブミン≧2g/dL。
(iv)以下の通り定められた適切な肺機能:決定に臨床的適応症がある場合(例えば、安静時の呼吸困難)、部屋の空気に対して94%超のパルスオキシメトリ。
(v)以下の通り定められた適切な神経学的機能:非酵素誘導性抗てんかん薬を服用している場合、およびよく制御されている場合、発作障害を有する患者は、登録されてもよい。事前の治療に起因する神経系障害(CTCAE v4)は、グレード2以下でなければならない。
(vi)以下の通り定められた適切な代謝機能:血清トリグリセリドレベル≦300mg/dL;血清コレステロールレベル≦300mg/dL;年齢についての正常値上限の範囲内のランダムまたは空腹時血糖値。初期血糖値が、正常範囲外にあるランダム試料である場合、追跡調査の空腹時血糖を得て、年齢についての正常範囲内になければならない。
(vii)以下の通り定められた適切な血圧コントロール:血圧(BP)≦95パーセンタイル(年齢、身長および性別について)であり、高血圧症の処置のための投薬を受けていないこと。
(viii)以下の通り定められた適切な血液凝固:いかなる抗血液凝固剤も服用中ではなく、INR≦1.5である。
以下の除外基準のうちの任意の1または複数を満たす患者は、この研究に登録するのに適格ではない。(1)間質性肺疾患および/または肺炎を有する患者は適格ではない;(2)患者は、登録前の7日以内に、強力なCYP3A4誘発剤または阻害剤のいずれかを受容してはならない;(3)テムシロリムス/他のmTOR阻害剤、テモゾロミドまたはイリノテカンと類似の組成物の化合物に起因するアレルギー反応の病歴を有する患者は、適格ではない;(4)アルブミンに対する過敏性を有する患者は適格ではない;(5)研究の登録時に0.2m2未満のBSAを有する患者は、適格ではない;(6)現在または最近、深部静脈血栓を有する患者は適格ではない;および(5)以下の侵襲的手順を受けた、または受ける計画がある患者は、適格ではない:登録前の28日以内の大規模な外科手順、腹腔鏡手順、直視下生検または深刻な外傷性損傷;皮下ポート配置またはセントラルライン(central line)配置は大手術と見なされない。外部セントラルラインは、登録の少なくとも3日前には配置されていなければならず、かつ皮下ポートは、登録の少なくとも7日前には配置されていなければならない。登録前の7日以内のコア生検;または、登録前の7日以内の微細針吸引。この研究の目的に関すると、骨髄吸引および生検は、外科的手順とは見なされず、したがって、プロトコール治療の開始前の14日以内は許容される。
(実施例3:横紋筋肉腫(RMS)の最初の再発/疾患進行に対する、ビノレルビン(V)およびシクロホスファミド(C)と組み合わせたABI−009の第II相試験)
RMSを有する患者は、最初の再発/疾患進行で、不良な予後を有している。VCは、RMSにおいて活性を有するが、これらの患者の転帰を改善することが望ましいと思われる。
例えば、生検で証明されたRMS、30歳未満、最初の再発/進行で望ましくない予後を有する患者は、適格である。登録基準は、例えば、余命>8週間、パフォーマンスステータス<2、適切な器官機能および書面でのインフォームドコンセントがある。患者は、例えば、最大12サイクルの間、3週間毎に、投与される2つのレジメンの間に無作為化される:
レジメンA−V 25mg/m2、静脈内(IV)、3週間のサイクルの1日目および8日目;C 1.2g/m2のIV、1日目;
レジメンB−レジメンAと同一のVC;ABI−009を15mg/m2〜45mg/m2のIV、3週間のサイクルの1日目、8日目および15日目、または1日目および8日目。
主要エンドポイントは、例えば、6ヵ月時点で、無再発生存(event−free survival)(EFS)である。6週目の疾患応答を、例えば、RECISTを使用して評価する。この研究は、例えば、2つのレジメン(α=0.2、1−β=0.8、両側検定)間のEFSの15%の差異を検出するよう進める。中間解析は、例えば、予期される事象のうちの30%、50%および75%が発生したときに、計画される。
(実施例4:nab−シロリムスと抗PD−1抗体との組み合わせによる固形腫瘍の処置)
同系腫瘍を有する免疫応答性マウスを、ABI−009と抗PD1抗体(例えば、Bio X Cell、West Lebanon(NH、米国)からのクローンRMP1−14)との組み合わせにより処置する。マウス黒色腫細胞系B16−F10などの、固形腫瘍細胞系を、例えば、10%仔ウシ血清(FBS)を補充したDMEM培地中で培養し、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃でインキュベートする。雌のC57BL/6マウス(5〜6週齢)などのマウスに、例えば、側腹あたり、20%Matrigelを含む、0.1ml PBS中の1×104個のB16がん細胞を皮下に注射する。
例えば、腫瘍が平均体積100mm3まで成長したときに、処置を開始する。マウスを、例えば、ABI−009と抗PD−1抗体との組み合わせにより処置した少なくとも1つの実験群、および未処置のまたはモック処置を受けた1つの対照群に分ける。ABI−009は、例えば、5mg/kgで1週間に3回、静脈内(IV)に投与する。抗PD1抗体は、例えば、250μgで1週間に3回、腹腔内(IP)に投与する。組み合わせ処置に関して、ABI−009は、例えば、抗PD−1抗体の投与と同時発生的に、その1週間前、またはその1週間後に投与する。各群中の動物は、例えば、腫瘍体積、有害応答、腫瘍の病理組織学、体重および一般的な健康状態(摂食、歩行、日々の活動)についてモニタリングする。
(実施例5:nab−シロリムスとがんワクチンとの組み合わせによる固形腫瘍の処置)
同系腫瘍を有する免疫応答性マウスを、ABI−009とがんワクチンとの組み合わせにより処置する。マウス黒色腫細胞系B16などの固形腫瘍細胞系に、ヒトgp100遺伝子などの腫瘍関連抗原を形質導入して、B16−gp100細胞系を生成し、この細胞系を、例えば、10%仔ウシ血清(FBS)を補充したDMEM培地中で培養し、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃でインキュベートする。0日目に、例えば、雌のC57BL/6マウス(6〜8週齢)などのマウスに、例えば、2×105個のB16−gp100がん細胞を皮内に注射する。
がんワクチンは、組換え熱ショックタンパク質(HSP;hsp110)などのアジュバントを含む、タンパク質gp100などの、組換え腫瘍関連抗原を含有する。HSPをベースとする抗腫瘍gp100ワクチンなどのアジュバントをベースとするワクチンは、例えば、gp100およびhsp110組換えタンパク質を等モル比でインキュベートして非共有結合により複合体化させることにより生成する。
処置は、例えば、10日目に開始する。マウスを、例えば、ABI−009とgp100がんワクチンなどのがんワクチンとの組み合わせにより、10日目および17日目に処置した少なくとも1つの実験群、および未処置のまたはモック処置を受けた1つの対照群に分ける。ABI−009は、例えば、5mg/kgでIVに投与する。gp100ワクチンなどのがんワクチンは、例えば、25μgで皮内に投与する。各群中の動物は、例えば、腫瘍体積、有害応答、腫瘍の病理組織学、体重および一般的な健康状態(摂食、歩行、日々の活動)についてモニタリングする。