JP2018519915A - 超音波の所定の場を得るための照射法およびそのための超音波レンズの製造方法 - Google Patents

超音波の所定の場を得るための照射法およびそのための超音波レンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

収差障壁(8)でマスクされた媒体(3)の均質な内部部分(7)において所定の超音波場を得るために、超音波レンズ(9)が、放出超音波プローブ(2)と収差障壁との間に介在される。超音波レンズは、超音波プローブが所定の超音波(13a)を送信したときに、前記所定の波が、媒体中に所定の目的とする超音波を発生させるように、媒体の実際の画像化から得られる超音波伝播特性のマッピングを含む媒体のモデルを用いて計算される。

Description

本発明は、骨の障壁によってマスクされた実質的に均質な媒体中で超音波の所定の場を得るための照射方法およびそのための超音波レンズを作製するための製造方法に関する。
より詳細には、本発明は、少なくとも1つの収差障壁によってマスクされた実質的に均質な内部部分を含む媒体中の所定の目的とする超音波場を超音波プローブから得るための照射方法に関し、この方法は、少なくとも1つの超音波伝播が、媒体中の超音波伝播特性のマッピングに基づいて、媒体中でシミュレートされる、シミュレーションのステップを含む。
ここで、「実質的に均質な部分」は、超音波伝播のための実質的に均一な特性を有する媒体を意味すると理解される。これは、例えば、ヒトまたは動物の脳を含むことができ、この場合、収差障壁は、頭蓋骨によって構成されている。
国際公開第2004/019784号は、上述のシミュレーションから、各トランスデューサによって送信される個々の信号が、媒体の内部部分における目的とする場を得るために決定されるような方法を例示する。この方法はうまくいくが、実際のところ多数のトランスデューサ(典型的には500から1000)および個々のトランスデューサを個別に駆動することができる複雑な電子回路を必要とする。
国際公開第2004/019784号
本発明の目的は、特に、簡略化された低コストの手段での実施を可能にするために、この種の方法をさらに改良することである。
この目的で、本発明は、内部部分からみて収差障壁の他の側で、媒体に対して所定の位置に配置された超音波プローブによって超音波が送信されるようにすることによって、内部部分に属する少なくとも1つの所定の領域内に所定の目的とする超音波場を得るための、少なくとも1つの収差障壁と、収差障壁によってマスクされた実質的に均質な内部部分とを含む媒体のための照射方法を提案し、この照射方法は、少なくとも以下のステップを含む。
(c)媒体の実際の画像化から得られる超音波伝播特性のマッピングを含む媒体のモデルを使用して超音波レンズが算出されるレンズ算出ステップであって、それが超音波プローブと収差障壁との間に配置されるとき、超音波プローブが所定の超音波(個々の収差障壁とは独立する)を送信する際、所定の波が所定領域内に所定の目的とする超音波場を生成するように収差を発生するのに適する、レンズ算出ステップと、
(d)レンズ算出ステップ(c)で算出されたレンズを作製するステップと、
(e)所定の位置に配置された超音波レンズを通して超音波プローブによって所定の超音波が送信される、放射ステップ。
これらの配置により、場合によっては低減された数のトランスデューサ(場合により単一のもの)を用いて、目的とする超音波場を非常に簡単に得ることができる。特に、本発明による照射方法は、超音波プローブから特に複雑な波形を送信することを必要としない。なぜなら、プローブが、例えば常に所定の距離に集束された、特に簡単な所定の波を送信することができるからである。
このようにして、X線(CT)またはMRI画像などの媒体の実際の画像を使用して、超音波レンズをコンピュータ手段によって迅速に算出することができ、次いでこのレンズを、例えば、3次元印刷または数値制御された機械加工など、コンピュータ化された製造手段によって、迅速に作製することができる。標準的な超音波プローブおよび同様に標準的である制御手段により、媒体を、所望のカスタマイズされた方法で照射することができる。レンズは、同じ媒体3に対して(例えば、同じ患者に対して)何度も再使用することができる。超音波プローブおよびその制御手段は、放射される超音波が、各用途に特定の(また、医療用途の意味では、特に各患者に特定の)、収差障壁とは独立した、所定の波であるため、変更または再プログラミングすることなく、いくつかの媒体(例えば、何人かの患者に関して)に対して再使用可能である。
このように、本照射方法は、非常に使いやすく低コストで実施される。
本発明による照射方法の好ましい実施形態において、さらに以下の処理の1つおよび/または他が用いられ得る。
・レンズ算出ステップ(c)よりも前に、マッピングが行われる画像化ステップ(a)が実施される。
・画像化ステップ(a)は、X線またはMRIイメージングによって実施される。
・マッピング法は、骨密度測定により実施される。
・レンズ作製ステップは、レンズの3次元印刷およびレンズを形成するための材料の少なくとも1つのブロックの数値制御された機械加工のうちから選択される方法によって実施される。
・レンズ作製ステップ(d)は、以下のサブステップを含む。
(d1)少なくとも1つの成形型の3次元印刷および少なくとも1つの成形型を形成するための材料の少なくとも1つのブロックの数値制御された機械加工のうちから選択された方法によって実施される、少なくとも1つの成形型の作製のサブステップ、
(d2)レンズまたはレンズの少なくとも1つの構成要素が、少なくとも1つの成形型中で成形される、成形のサブステップ、
・レンズ算出ステップ(c)よりも前に、シミュレーションステップ(b)が実施され、ステップ(b)において、
(b1)所定の位置に配置された超音波プローブから、選択されたレンズ位置への、所定の超音波の媒体中の伝播が計算され、所定の超音波の、選択されたレンズ位置への第1の到達時刻t(x、y)が決定される。
(b2)所定の領域から選択されたレンズ位置への、所定の目的とする超音波場の媒体(3)中の逆伝播がシミュレートされる。
(b3)選択されたレンズ位置への、所定の目的とする超音波場の逆伝播の第2の到達時刻t(x、y)が決定される。
(b4)第1到達時刻t(x、y)と、第2到達時刻t(x、y)との和である、選択されたレンズ位置における遅延則Δt(x、y)が決定される。
そして、レンズ算出ステップ(c)において、超音波レンズは、超音波プローブが超音波レンズを通って所定の超音波を送信する際に、所定の波が、収差障壁を通過した後の目標領域内に所望の超音波場を再現するように、遅延則Δt(x、y)を用いて算出される。
・第1到達時刻t(x、y)および第2到達時刻t(x、y)は、選択されたレンズ位置に位置する所定の制御面に属する異なる制御点M(x、y)において決定される。
・制御面は、超音波プローブと収差障壁との間に位置する。
・レンズ算出ステップ(c)において、超音波レンズの厚みe(x、y)が、以下の式により、制御点M(x、y)に対応するレンズの各位置L(x、y)において算出される。
e(x、y)=e+Δt(x、y)/(1/c−1/c) (3)
ここで、
cは、収差障壁の外側の媒体中での超音波の速度である。
は、レンズ中の超音波の速度である。
は、e(x、y)が、レンズの各点において、正であり、かつ所定の最小厚みよりも大きい値を有するような定数である。
・超音波は、単色性であり、レンズ(9)算出ステップ(c)において、レンズ厚みe(x、y)が、以下の式により、制御点M(x、y)に対応するレンズの各点L(x、y)で算出される。
e(x、y)=e+Δt(x、y)/(1/c−1/c)、T/(1/c−1/c)を法とする
ここで、
cは、収差障壁の外側の媒体中での超音波の速度である。
は、レンズ中の超音波の速度である。
は、e(x、y)が、レンズの各点において、正であり、かつ所定の厚みよりも大きい値を有するような実数である。
Tは、超音波の周期である。
・レンズ算出ステップ(c)は、超音波レンズ中の所定の超音波の移動時間および超音波レンズ表面における所定の超音波の入射角を考慮する。
・レンズ算出ステップ(c)において、超音波プローブ、超音波レンズ、および収差障壁の間のエコーを含む、所定の超音波の全ての伝播が考慮され、超音波エネルギーの伝達量が、所定の領域において最適化され得るようにする。
・レンズ算出ステップ(c)は、所定領域における超音波エネルギー伝達量を最適化するために、分析モデルまたは数値モデルを用いて、繰り返し行われる。
・超音波が伝播する媒体は、ヒトまたは動物の頭であり、この場合収差障壁は頭蓋骨であり、内部部分は脳である。
・所定の超音波場は、少なくとも1つの所定の領域内の内部部分内に焦点が合わされる。
さらに、本発明の目的はまた、内部部分からみて収差障壁の他の側において媒体に対して所定の位置に位置づけられた超音波プローブによって超音波を送信することによって、内部部分に属する少なくとも1つの所定の領域内に所定の目的とする超音波場を得るための、少なくとも1つの収差障壁および収差障壁によってマスクされた実質的に均質な内部部分を含む媒体の照射を目的とする超音波レンズを作製するための製造方法である。
本製造方法は、少なくとも1つのレンズ算出ステップ(c)を含み、このステップの間、超音波レンズが、媒体の実際の画像化から得られた超音波伝播特性のマッピングを含む媒体のモデルを用いて算出され、レンズは、超音波プローブと収差障壁との間に配置されたとき、収差の生成に適し、超音波プローブが所定の超音波を送信するとき、所定の波が所定の領域中に所定の目的とする超音波場を生成するようにする。
本発明による製造方法の好ましい実施形態において、以下の処理の1つおよび/または他が用いられ得る。
この製造方法は、レンズ算出ステップ(c)において算出されたレンズの作製のステップ(d)をさらに含む。
・レンズの作製のステップ(d)は、レンズの3次元印刷およびレンズを形成するための材料の少なくとも1つのブロックのデジタル制御された機械加工のうちから選択される方法によって行われる。
・レンズを作製するステップ(d)は、以下のサブステップを含む。
(d1)少なくとも1つの成形型の3次元印刷および少なくとも1つの成形型を形成するための材料の少なくとも1つのブロックの数値制御された機械加工のうちから選択される方法によって行われる成形型作製のサブステップ。
(d2)レンズまたはレンズの少なくとも1つの構成要素(9)が、少なくとも1つの成形型中で成形される、成形のサブステップ。
有利には、レンズは、所定の照射への曝露によって修正可能な音響波伝播特性を有する材料で作製される。
レンズ算出ステップ(c)の間、レンズは、レンズ中の音響波伝播の局所的な機械的特性を決定することによって算出される。
そして、この方法は、レンズ算出ステップ(c)において決定された音響波伝播の局所的機械的特性を得るため、レンズが所定の照射に局所的に曝される、レンズの作製のステップ(d)を含む。
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、非制限的な例として与えられるその実施形態の1つについての以下の説明の中で明らかになるであろう。
超音波レンズを含む、本発明を実施するサンプル超音波発生機構の全体概略図である。 図1の機構の機能図である。 図1の機構で使用可能な音響レンズの計算モードを示す図である。 図1の機構の動作を示す図である。
様々な図において、同じ参照符号は同一または類似の要素を示す。
図1に示す超音波発生のための機構1は、媒体3中、例えば患者Pの頭部、または身体の他の部分に、所定の超音波場を発生させることができる。媒体3は、少なくとも1つの収差障壁8(ここでは患者Pの頭蓋骨)と、収差障壁8によってマスクされた少なくとも1つの実質的に均質な内部部分7(ここでは患者Pの脳)とを含む。
より一般的には、実質的に均質な媒体7は、ヒト患者または任意の他の脊椎動物の任意の組織媒体であってよく、この組織媒体は超音波の伝播に対して実質的に均質な特性を有してよいのに対して、収差障壁は任意の他の骨障壁であってよい。代替的な例として、組織媒体は、場合によっては患者Pの心臓または心臓−肺システムによって構成されてもよく、このような事例では、骨障壁は胸郭によって構成されることになる。
機構1は、例えば約0.1〜10MHz、特に0.2〜3MHzの周波数で、患者Pの脳7(または、より一般的には媒体3の内部部分7)に、脳8の外側から超音波を発生させることを意図している。
このような超音波の発生は、例えば、以下を意図することができる。
・静的または機能的画像化、特に、血流を見るためのドップラーイメージング、または温熱治療によって生じる加熱を見るための熱イメージングを含む、超音波画像または一連の脳画像を作成する。
・および/または、特に、腫瘍を破壊し、出血を凝固させ、熱的に活性化された薬剤を局所的に活性化するための温熱療法を行う。
・および/または、静脈中に予め注射された薬剤を局所的に拡散させるために血液脳関門を局所的に開く。
・および/または、超音波神経調節によって脳を活性化/生存させる。
これらの後者の用途では、目的とする波場を得ること自体は治療的処置ではなく、波を集束するための簡単な技術的手段であることに留意されたい。医師によって選択される可能な治療処置は、目的とする波場、その強度、その適用長さ、この目的とする波場の適用回数およびそれらの分布を経時的に選択することからなる。
全ての場合において、例えば脳の1つまたは複数の点上の超音波プローブ2によって発せられた超音波を集束させるために、またはより複雑な波場を生成するために、患者Pの脳7内に1つ以上の所定の目的とする超音波場を、可能な限り高い精度で、生成できることが必要である。図4に示すように、目的とする波場は、例えば、脳7内の焦点Fに焦点が合わされた波場、または場合によってはいくつかの焦点とすることができる。
図1に示すように、超音波プローブ2は、例えば、患者Pの頭部3上に所定の方法で配置されたヘルメット4内に組み込まれてよく、または、超音波プローブ2は、任意の他の既知の位置決めシステムによって搭載されてよい。全ての場合において、超音波プローブ2は所定の位置において患者の頭蓋骨8の外側に位置付けられる。
ヘルメット4にも組み込まれている、超音波レンズとも呼ばれる、音響レンズ9が、超音波プローブ2と患者Pの頭蓋骨8との間に配置されている。可撓性のポーチ(図示せず)に含まれてよい、ゲルまたは液体が、超音波レンズ9と頭蓋骨8との間に、および/または超音波プローブ2と超音波レンズ9との間に、超音波の良好な伝達を確保するために介在させることができる。ここで、このゲルまたは液体は、外部媒体と呼ばれ、超音波の伝播媒体3の一部を構成すると考えられる。
音響レンズ9は、圧縮音響波cの速度が脳内の波の速度cとは異なる任意の材料から形成され得る(cは実質的に水中の音速であり、約1480m/sである)。超音波レンズは、例えば、プラスチック、特にPDMS(c=1030m/s)とも呼ばれるポリジメチルシロキサン、またはTPX(登録商標)(c=2090m/s)の名称で知られているポリメチルペンテンから製造することができる。
超音波レンズのいくつかの部分は、例えば、治療を必要としない領域において、または頭蓋骨の加熱を制限するために、特に脳7または頭蓋骨8に作られた超音波を局所的に減衰させるために、超音波を減衰する、反射する、または吸収する材料で作られてよい。
超音波プローブ2は、それ自体がコンピュータ6(PC)によって制御することができる電子回路5(B)によって制御することができる。
図2に示すように、超音波プローブ2は、1つ以上の超音波トランスデューサT1〜T8を含むことができる。ここに示された例では、8つのトランスデューサが存在するが、特にイメージング用途においてはより多数であったり、またはより少数であったりする可能性がある。場合によっては、特に、熱的または機械的効果による処置のために、超音波が集束されることのみ必要である場合には、単一のトランスデューサT1を使用することができる。超音波プローブ2は、上述の国際公開第2004/019784号で説明されているように、超音波イメージングを意図するトランスデューサと、温熱治療を意図するトランスデューサとを含むことができる。
図2に示すように、超音波プローブ2を制御する電子回路5は、以下を含むことができる。
・コンピュータ7によって制御される中央電子ユニット10(CPU)、
・中央電子ユニット10に接続された少なくとも1つの中央メモリ11(MEM)、
・各トランスデューサT1〜T8に接続され、一般にバッファメモリ(図示せず)に関連付けられたアナログデジタル変換器A/D1−A/D8、
・場合によっては、信号処理12(DSP)に特有の回路。
前述した機構を実施するために、超音波レンズ9は、例えば以下のステップに従って、所望の目的とする波場を得ることができるように設計され製造される。
(a)媒体3の3次元モデルの決定
予め、媒体中の超音波の伝播特性のマッピングを含む媒体3の3次元モデルが決定される。
このステップは、一般的には、特に、各点における収差障壁8の骨密度を決定するため、イメージ生成処理、特にX線またはMRIのイメージ生成処理を含む。そのため、各点における超音波伝播パラメータは、上述の国際公開第2004/019784号に説明されるように決定することができる(特に、収差障壁8の各点における、質量密度ρ、超音波の速度c、および/または超音波の吸収τ)。
三次元モデルは、例えば、コンピュータ6にロードすることができる。ユーザは、媒体3(図4)の画像上に所望の超音波場、例えば1つ以上の焦点Fを配置することができる。この位置決めは、例えば、治療すべき病変または媒体3の画像上の他の対象領域を観察し、コンピュータ6のユーザインターフェース(例えば、マウス、タッチスクリーンまたは他のもの)を使用して画像上にこの領域を配置することによって行うことができる。以下では、単純化のために、1つまたは複数の焦点または1つまたは複数の複雑な目的とする波場領域を指定するために、「対象領域F」を参照する。
(b)シミュレーション
収差障壁を通る超音波の伝播は、その次にレンズによって誘起されなくてはならない遅れまたは相シフトを決定し、それに基づきレンズに与える形状を推測するために、上述の3次元モデルからシミュレートすることができる。このステップは、上述のコンピュータ6または他のコンピュータによって行うことができる。
このシミュレーションステップは、以下のサブステップを含むことができる。
(b1)制御面(S1−S’1)上の到達時刻の決定
図3のS1及びS’1に示すように、超音波プローブ2によって放射される所定の超音波13の到達時刻t(x、y)、好ましくはプローブ2と上述の対象領域Fとの間に配置された単一の制御面14に属する異なる制御点M(x、y)、を決定することが可能である。この制御面14は、収差障壁8と、前述の音響レンズ9が占めるべき位置にある超音波プローブ2との間に位置する。制御面14は、例えば、軸X、Yが、深さ方向に配置されたZ軸に垂直な平面XYであってよい。この制御面は、任意の他の平面または曲面であってよい。
これらの到着時刻t(x、y)は、コンピュータ6等により(制御面14全体に共通の任意の一定時間T’まで)容易に決定される。なぜなら、媒体の外側部分(収差障壁の外側)は、超音波の伝播に対して均質であると考えられるためである。
プローブが半径Rの球形である単純で最も一般的な場合、この決定は以下の形式で非常に簡単に行うことができる。
(x、y)=T’−d(M)/c (2)
ここで、
・d(M)は、制御点M(x、y)とプローブの曲率中心との間の距離であり、
・cは、媒体3の外部部分における超音波の速度である。
より一般的には、到達時刻t(x、y)は、プローブと制御点との間の超音波伝播の算出によって、または均質媒体において単純な任意の他の既知の波伝播法によって、決定することができる(次いで伝播は、分析計算を可能にする単純化されたモデルで行うことができる)。
到達時刻t(x、y)は、これ以降、第1の到達時刻と称する。
(b2)3次元モデルにおける対象領域における所望の超音波の後方伝播のシミュレーション(S2):
図3のS2に示すように、このサブステップb2の間に、媒体3中の所定の目的とする超音波場の後方伝播が、媒体3中の対象領域Fから前述の制御面14までシミュレートされる。
このシミュレーションは、例えば、以下の数式1のような波動方程式を使用することによって、例えばコンピュータ6によって行うことができる。
Figure 2018519915
ここで、下記数式2で表される符号は、考慮される点に関する位置ベクトルを示す。
Figure 2018519915
pは、圧力を示す。
Sは、考慮される点において存在し得る超音波源によって生成される超音波信号を示す。
収差障壁8および内部部分7における超音波の伝播は、上記の式(1)を離散化することによって、有限差分法によってコンピュータにおいてシミュレートすることができる。シミュレーションは、有限要素法、またはインパルス回折法、または他の既知の方法によっても行うことができる。
(b3)制御面14における第2到達時刻の決定(S’2):
図3のS’2に示すように、所定の目的とする波場の後方伝播を表す超音波13c、13bの到達時刻t(x、y)は、前述のシミュレーションにより制御面14に属する制御点M(x、y)において決定することができる。
例えば、領域F内の超音波13cの放射の瞬間から到達時刻t(x、y)がカウントされる。ここで、xおよびyは、それぞれ考慮される制御点Mの軸X、Y上の座標である。以下、到達時刻t(x、y)を第2到達時刻と呼ぶ。
(b4)レンズの遅延則の決定(S3):
図3のS3に示すように、第1到達時刻t(x、y)と第2到達時刻t(x、y)との和に等しい様々な制御点M(x、y)において、遅延則Δt(x、y)が決定される。
(c)超音波レンズの算出(S4):
上述した遅延則Δt(x、y)から出発して、コンピュータ6またはその他は、次に、超音波レンズ9のプロファイルを計算し、レンズが超音波プローブ2と収差障壁aとの間に介在されたときに、超音波プローブ2が所定の超音波13aを放射する際、レンズを通過した後の所定の波、そして収差障壁が関心領域内の所定の超音波場を生成するように、遅延Δt(x、y)を加算することができる。
より正確には、超音波レンズ9の厚さeは、制御面14の制御点M(x、y)に対応するレンズの各点において計算されてよく、レンズの厚さeが超音波の周期T=1/f(ここで、fは超音波の中心周波数である)を法としておよび/または制御面全体に共通の任意の一定時間Tまでの、遅延則に対応する超音波伝播の時間補正を導入するように計算することができる。
例えば、制御点M(x、y)に対応するレンズの各点L(x、y)において、超音波レンズ厚さe(x、y)を下式(3)により算出することができる。
e(x、y)=Δt(x、y)/(1/c−1/c)+e (3)となる。
定数eは、e(x、y)がレンズの各点において正で最小である値を有するような実数である。
単色波の放射の場合、制御点M(x、y)に対応するレンズの各点L(x、y)において超音波レンズ厚さe(x、y)を、下式(4)により計算することができる。
e(x、y)=Δt(x、y)/(1/c−1/c)+e、T/(1/c−1/c)を法とする (4)
T/(1/c−1/c)を法とするとは、e(x、y)=Δt(x、y)/(1/c−1/c)+e+n・T/(1/c−1/c)を意味し、ここで、nは正または負の整数であり、e(x、y)が正の値を持つようにする。整数nは、レンズ9全体に共通であってもよいし(単体レンズ)、レンズ9の領域によって異なっていてもよい(フレネルレンズ)。
なお、レンズ算出ステップ(c)は、少なくとも、超音波レンズ9における所定の超音波の進行時間と、超音波レンズ9の表面に対する所定の超音波の入射角とを考慮することができる。レンズ算出ステップ(c)は、超音波プローブ2と超音波レンズ9と収差障壁8との間のエコーを含む、所定の超音波の伝播全体を考慮することもできる。レンズ算出ステップ(c)は、所定の領域Fにおける超音波エネルギー伝達量を最適化するために、分析または数値モデルを使用して、繰り返し行うことができる。
(d)超音波レンズの作製(s5):
患者P(または、より一般的には所定の用途に関して)に関するレンズ9のプロファイルが計算されると、レンズを、好ましくは迅速な製造方法によって、製造することができる。
特に、迅速な試作のために一般的に使用されている製造方法の1つ、例えば以下の方法を使用することができる:
・レンズ9の3次元印刷。
・レンズ9を形成するための材料のブロックの数値制御された機械加工。
・2つのサブステップを含む方法:
(d1)成形型の3次元印刷および成形型を形成するための材料のブロックの数値制御された機械加工のうちから選択された方法によって行われる成形型製造のサブステップ(図示せず)。
(d2)レンズ9が成形型中で成形される成形のサブステップ。
(e)使用:
レンズ9が製造されると、それは前述のヘルメット4または他の支持体に取り付けることができ、それにより、患者Pの頭蓋骨8上の占めるべき所定の位置に位置決めされる。オペレータは、所定の波13aを、超音波プローブ2から超音波レンズ9を介して送信することができる。
図4に示すように、レンズ9は、頭蓋骨8または他の収差障壁を通過した後、波面13cが前述の理論波13に対応するように、頭蓋骨8の上流の波面13bを形成する収差を導入する。その結果、例えば、焦点スポットFに焦点を合わせる目的とする波場を得る。
このようにして脳または他の内部部分7に送信された波は、既に説明したように対象領域Fを治療するように働くことができる。さらに、超音波レンズ9が、伝達および受信の双方の間、頭蓋骨または他の収差障壁8に起因する収差を補償するので、超音波プローブ2が画像化のための超音波トランスデューサを含むとき、関心領域Fの周りの少なくとも近傍の脳または他の内部部分7を画像化することができる。
本発明による方法は、装置の位置決めの検証の任意のステップ(f)をさらに含むことができ、このステップにおいて、収差障壁で反射された超音波エコーが超音波プローブに記録され、エコーが、媒体3の前述のモデルを用いてシミュレートされた同じ反射信号と比較される。
全ての場合において、レンズ9は機械的特性(特に硬度)を有する材料、従って所定の放射線への曝露によって修正可能な音響波伝播特性を有する材料で製造することができる。
所定の放射線は、例えば紫外線とすることができる。
対象となる材料は、例えば、紫外線下で硬化するポリジメチルシロキサン(PDMS)またはポリビニルメチルシロキサン(PVMS)であることができる。
この場合、レンズ算出ステップ(c)の間に、所望の目的とする波場を実現するためにレンズ9内の音響波伝播の局所的な機械的特性を決定することによって、レンズ9を算出することができる。これらの機械的特性は、レンズ9の形状に加えて、または変形として、決定することができ、目的とする波場は、レンズ9の局部伝播特性の局所的なばらつきによって得ることができる。
レンズ9の作製のステップ(d)の間、レンズは、レンズ算出ステップ(c)で決定された音響波伝播の局所的機械的特性を得るために所定の放射に局所的に曝される。
1 超音波発生のための機構
2 超音波プローブ
3 媒体
4 ヘルメット
5 電子回路
6 コンピュータ
7 内部部分
8 収差障壁
9 超音波レンズ
10 中央電子ユニット(CPU)
11 中央メモリ(MEM)
12 信号処理(DSP)
13 超音波
14 制御面
P 患者

Claims (34)

  1. 内部部分からみて収差障壁の他の側で、媒体に対して所定の位置に配置された超音波プローブによって超音波が送信されるようにすることによって、内部部分に属する少なくとも1つの所定の領域内に所定の目的とする超音波場を得るための、少なくとも1つの収差障壁と、収差障壁によってマスクされた実質的に均質な内部部分とを含む媒体のための照射方法であって、少なくとも以下のステップを含む照射方法:
    (c)媒体の実際の画像化から得られる超音波伝播特性のマッピングを含む媒体のモデルを使用して超音波レンズが算出されるレンズ算出ステップであって、レンズが超音波プローブと収差障壁との間に配置されるとき、超音波プローブが所定の超音波を送信する際、所定の波が所定領域内に所定の目的とする超音波場を生成するように収差を発生するのに適する、レンズ算出ステップと、
    (d)レンズ算出ステップ(c)で算出されたレンズを作製するステップと、
    (e)所定の位置に配置された超音波レンズを通して超音波プローブによって所定の超音波が送信される、放射ステップ。
  2. レンズ算出ステップ(c)よりも前に、マッピングが行われる画像化ステップ(a)が実施される、請求項1に記載の照射方法。
  3. 画像化ステップ(a)が、X線またはMRIイメージングによって実施される、請求項2に記載の照射方法。
  4. マッピング法が、骨密度測定により実施される、請求項3に記載の照射方法。
  5. レンズ作製ステップ(d)が、レンズの3次元印刷およびレンズを形成するための材料の少なくとも1つのブロックのデジタル制御された機械加工のうちから選択される方法によって実施される、請求項1から4の何れか一項に記載の照射方法。
  6. レンズ作製ステップ(d)が、以下のサブステップを含む、請求項1から4の何れか一項に記載の照射方法:
    (d1)少なくとも1つの成形型の3次元印刷および少なくとも1つの成形型を形成するための材料の少なくとも1つのブロックの数値制御された機械加工のうちから選択される方法によって行われる少なくとも1つの成形型作製のサブステップ、
    (d2)レンズまたはレンズの少なくとも1つの構成要素が、少なくとも1つの成形型中で成形される、成形のサブステップ。
  7. レンズ算出ステップ(c)よりも前に、以下を含むシミュレーションステップ(b)が実施される、請求項1から6の何れか一項に記載の照射方法:
    (b1)所定の位置に配置された超音波プローブから、選択されたレンズ位置への、所定の超音波の媒体中の伝播が計算され、所定の超音波の、選択されたレンズ位置への第1の到達時刻t(x、y)が決定される、
    (b2)所定の領域から選択されたレンズ位置への、所定の目的とする超音波場の媒体(3)中の逆伝播がシミュレートされる、
    (b3)選択されたレンズ位置への、所定の目的とする超音波場の逆伝播の第2の到達時刻t(x、y)が決定される、
    (b4)第1到達時刻t(x、y)と、第2到達時刻t(x、y)との和である、選択されたレンズ位置における遅延則Δt(x、y)が決定される、
    そして、レンズ算出ステップ(c)において、超音波レンズは、超音波プローブが超音波レンズを通って所定の超音波を送信する際に、所定の波が、収差障壁を通過した後の前記領域内に目的とする超音波場を再現するように、遅延則Δt(x、y)を用いて算出される。
  8. 第1到達時刻t(x、y)および第2到達時刻t(x、y)が、選択されたレンズ位置に位置する所定の制御面に属する異なる制御点M(x、y)において決定される、請求項7に記載の照射方法。
  9. 制御面が、超音波プローブと収差障壁との間に位置する、請求項8に記載の照射方法。
  10. レンズ算出ステップ(c)において、超音波レンズの厚みe(x、y)が、以下の式により、制御点M(x、y)に対応するレンズの各位置L(x、y)において算出される、請求項8または9に記載の照射方法:
    e(x、y)=Δt(x、y)/(1/c−1/c)+e
    ここで、
    cは、収差障壁の外側の媒体中での超音波の速度であり、
    は、レンズ中の超音波の速度であり、
    は、e(x、y)が、レンズの各点において、正であり、かつ所定の厚みよりも大きい値を有するような実数である。
  11. 超音波が、単色性であり、レンズ算出ステップ(c)において、レンズ厚みe(x、y)が、以下の式により、制御点M(x、y)に対応するレンズの各点L(x、y)で算出される、請求項8または9に記載の照射方法:
    e(x、y)=Δt(x、y)/(1/c−1/c)+e、T/(1/c−1/c)を法とする
    ここで、
    cは、収差障壁の外側の媒体中での超音波の速度であり、
    は、レンズ中の超音波の速度であり、
    は、e(x、y)が、レンズの各点において、正であり、かつ所定の厚みよりも大きい値を有するような実数であり、
    Tは、超音波の周期である。
  12. サブステップ(b3)において、到達時刻t(x、y)が、分析計算を可能とする簡単化されたモデルで所定の超音波の伝播をシミュレートすることによって決定される、請求項7から11の何れか一項に記載の照射方法。
  13. レンズ算出ステップ(c)が、超音波レンズ中の所定の超音波の移動時間および超音波レンズ表面における所定の超音波の入射角を考慮する、請求項1から12の何れか一項に記載の照射方法。
  14. レンズ算出ステップ(c)において、超音波プローブ、超音波レンズ、および収差障壁の間のエコーを含む、所定の超音波の全ての伝播が考慮される、請求項1から13の何れか一項に記載の照射方法。
  15. レンズ算出ステップ(c)が、所定領域における超音波エネルギー伝達量を最適化するために、分析モデルまたは数値モデルを用いて、繰り返し行われる、請求項1から14の何れか一項に記載の照射方法。
  16. 超音波が伝播する媒体が、ヒトまたは動物の頭であり、収差障壁が頭蓋骨であり、内部部分が脳である、請求項1から15の何れか一項に記載の照射方法。
  17. 所定の超音波場は、少なくとも1つの所定の領域内の内部部分内に焦点が合わされる、請求項1から16の何れか一項に記載の照射方法。
  18. 内部部分からみて収差障壁の他の側において媒体に対して所定の位置に位置づけられた超音波プローブによって超音波を送信することによって、内部部分に属する少なくとも1つの所定の領域内に所定の目的とする超音波場を得るための、少なくとも1つの収差障壁および収差障壁によってマスクされた実質的に均質な内部部分を含む媒体の照射を目的とする超音波レンズを作製するための製造方法であって、
    少なくとも1つのレンズ算出ステップ(c)を含み、このステップの間、超音波レンズが、媒体の実際の画像化から得られた超音波伝播特性のマッピングを含む媒体のモデルを用いて算出され、レンズは、超音波プローブと収差障壁との間に配置されたとき、収差の生成に適し、超音波プローブが所定の超音波を送信するとき、所定の波が所定の領域中に所定の目的とする超音波場を生成するようにする、製造方法。
  19. レンズ算出ステップ(c)において算出されたレンズの作製ステップ(d)をさらに含む、請求項18に記載の製造方法。
  20. レンズ作製ステップ(d)が、レンズの3次元印刷およびレンズを形成するための材料の少なくとも1つのブロックのデジタル制御された機械加工のうちから選択される方法によって行われる、請求項19に記載の製造方法。
  21. レンズ作製ステップ(d)が、以下のサブステップを含む、請求項19に記載の製造方法:
    (d1)少なくとも1つの成形型の3次元印刷および少なくとも1つの成形型を形成するための材料の少なくとも1つのブロックの数値制御された機械加工のうちから選択される方法によって行われる成形型作製のサブステップ、
    (d2)レンズまたはレンズの少なくとも1つの構成要素が、少なくとも1つの成形型中で成形される、成形のサブステップ。
  22. レンズ算出ステップ(c)よりも前に、マッピングが行われる画像化ステップ(a)が実施される、請求項18から21の何れか一項に記載の製造方法。
  23. 画像化ステップ(a)が、X線またはMRIイメージングによって実施される、請求項22に記載の製造方法。
  24. マッピング法が、骨密度測定により実施される、請求項23に記載の製造方法。
  25. レンズ算出ステップ(c)よりも前に、以下を含むシミュレーションステップ(b)が実施される、請求項18から24の何れか一項に記載の製造方法:
    (b1)所定の位置に配置された超音波プローブから、選択されたレンズ位置への、所定の超音波の媒体中の伝播が計算され、所定の超音波の、選択されたレンズ位置への第1の到達時刻t(x、y)が決定される、
    (b2)所定の領域から選択されたレンズ位置への、所定の目的とする超音波場の媒体(3)中の逆伝播がシミュレートされる、
    (b3)選択されたレンズ位置への、所定の目的とする超音波場の逆伝播の第2の到達時刻t(x、y)が決定される、
    (b4)第1到達時刻t(x、y)と、第2到達時刻t(x、y)との和である、選択されたレンズ位置における遅延則Δt(x、y)が決定される、
    そして、レンズ算出ステップ(c)において、超音波レンズは、超音波プローブが超音波レンズを通って所定の超音波を送信する際に、所定の波が、収差障壁を通過した後の前記領域内に目的とする超音波場を再現するように、遅延則Δt(x、y)を用いて算出される。
  26. 第1到達時刻t(x、y)および第2到達時刻t(x、y)が、選択されたレンズ位置に位置する所定の制御面に属する異なる制御点M(x、y)において決定される、請求項25に記載の製造方法。
  27. 制御面が、超音波プローブと収差障壁との間に位置する、請求項26に記載の製造方法。
  28. レンズ算出ステップ(c)において、超音波レンズの厚みe(x、y)が、以下の式により、制御点M(x、y)に対応するレンズの各位置L(x、y)において算出される、請求項26または27に記載の製造方法:
    e(x、y)=Δt(x、y)/(1/c−1/c)+e
    ここで、
    cは、収差障壁の外側の媒体中での超音波の速度であり、
    は、レンズ中の超音波の速度であり、
    は、e(x、y)が、レンズの各点において、正であり、かつ所定の厚みよりも大きい値を有するような実数である。
  29. 超音波が、単色性であり、レンズ算出ステップ(c)において、レンズ厚みe(x、y)が、以下の式により、制御点M(x、y)に対応するレンズの各点L(x、y)で算出される、請求項26または27に記載の製造方法:
    e(x、y)=Δt(x、y)/(1/c−1/c)+e、T/(1/c−1/c)を法とする
    ここで、
    cは、収差障壁の外側の媒体中での超音波の速度であり、
    は、レンズ中の超音波の速度であり、
    は、e(x、y)が、レンズの各点において、正であり、かつ所定の厚みよりも大きい値を有するような実数であり、
    Tは、超音波の周期である。
  30. サブステップ(b3)において、到達時刻t(x、y)が、分析計算を可能とする簡単化されたモデルで所定の超音波の伝播をシミュレートすることによって決定される、請求項25から29の何れか一項に記載の製造方法。
  31. レンズ算出ステップ(c)が、超音波レンズ中の所定の超音波の移動時間および超音波レンズ表面における所定の超音波の入射角を考慮する、請求項18から30の何れか一項に記載の製造方法。
  32. レンズ算出ステップ(c)において、超音波プローブ、超音波レンズ、および収差障壁の間のエコーを含む、所定の超音波の全ての伝播が考慮される、請求項18から31の何れか一項に記載の製造方法。
  33. レンズ算出ステップ(c)が、所定領域における超音波エネルギー伝達量を最適化するために、分析モデルまたは数値モデルを用いて、繰り返し行われる、請求項18から32の何れか一項に記載の製造方法。
  34. レンズが、所定の放射線への曝露によって修正可能な音響波伝播特性を有する材料で製造され、
    レンズ算出ステップ(c)の間に、レンズ中の音響波伝播の局所的な機械的特性を決定することによって、レンズを算出することができ、
    レンズ作製ステップ(d)を含み、このステップにおいて、レンズが、レンズ算出ステップ(c)で決定された音響波伝播の局所的機械的特性を得るために所定の放射線に局所的に曝される、
    請求項1から17の何れか一項に記載の照射方法、または請求項18から33の何れか一項に記載の製造方法。
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