JP2018514889A - 当初証拠金標準モデルに基づいて当初証拠金を計算及び提供する方法及びシステム - Google Patents

当初証拠金標準モデルに基づいて当初証拠金を計算及び提供する方法及びシステム Download PDF

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Abstract

当初証拠金標準モデル(SIMM(Standard Initial Margin Model))が、清算されないデリバティブの全体の当初証拠金として計算されて提供される。ある実施形態では、少なくとも1つの計算装置を用いて、複数のリスククラスに関する情報を取得し、付随する取得した該情報に基づいてリスククラス毎にデルタ証拠金、ベガ証拠金及びカーベチャー証拠金を決定する。少なくとも1つの計算装置が、該各デルタ証拠金、該各ベガ証拠金及び該各カーベチャー証拠金の合計によってリスククラス毎の当初証拠金を計算する。少なくとも1つの計算装置により、全体の当初証拠金の計算に、商品クラスを用いるか否かを決定し、該決定に基づいて、数式を用いて全体の当初証拠金を計算し、全体の当初証拠金を提供する。その後、基になったデリバティブ契約に関する当初証拠金のマージンコールの金額を、計算した当初証拠金に基づいて生成し得る。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月29日出願の米国特許仮出願第62/154,261号及び2015年10月20日出願の米国特許仮出願第62/243,973号の利益を主張するものであり、その内容は、その全体の参照により本明細書に援用される。
本発明は、新規の当初証拠金標準モデル(「SIMM(Standard Initial Margin Model)」)に基づいて、清算されないデリバティブの全体の当初証拠金を計算して提供する方法及びシステムに関する。
証拠金モデルは、資本モデルと事実上異なる。リスクベース証拠金モデルでは、朝のマージンコール処理の時間に稼働して結果を提供することが求められ、また紛争解決のため透明であり修正可能であることが求められる。さらに、リスクベース証拠金モデルは、利用者が、例えば潜在的な取引の流動的な影響を理解でき得るように、また紛争原因を即座に分析して解決できるように、迅速に稼働することが求められる。
バーゼル銀行監督委員会(「BCBS(Basel Committee on Banking Supervision)」)と証券監督者国際機構(「IOSCO(International Organization of Securities Commissions)」)とが中心となる、証拠金規制に関するワーキング・グループ(「WGMR(Working Group on Margin Requirements)」)は、清算されない、二者間(バイラテラル)デリバティブの、2013年証拠金規制の枠組みに関する最終報告書を公表した。各管轄区域の規制当局はそれぞれ、該最終報告書に合う独自の証拠金規則を開発し始めた。
変動証拠金の計算は、直接観察可能であることが多いものである日々の評価の変化に基づくが、それとは異なり、当初証拠金の計算は、モデルの選択と使用する仮定とにより大きく異なることがある。WGMRが設定した上記枠組みのもとでは、企業は、或る基準を満たし、規制当局の承認を得ている限り、企業独自の内部モデルを用いて当初証拠金を計算することができる。しかしながら、異なる内部モデル間にある有意な矛盾と相違とにより、様々な互換性の問題だけでなく誤差が浮上し得る。
そのため、世界的に市場参加者により使用されて、標準の方法論を提供し、また一貫した規制ガバナンスや監視をさせながら透明な紛争解決法をもたらすことができる、清算されないデリバティブの当初証拠金モデルが要望されている。
モデルの一貫した実施を達成できるように、清算されないデリバティブの当初証拠金に対して、共通の分類を提供することがさらに要望されている。
本開示の一例によれば、当初証拠金標準モデル(SIMM)を用いて、清算されないデリバティブの全体の当初証拠金を計算して提供する方法を提供する。上記方法は、少なくとも1つの計算装置によって、複数のリスククラスに関する情報を取得することと、上記少なくとも1つの計算装置によって、上記複数のリスククラスに関する取得した該情報に基づいて、リスククラス毎にデルタ(delta)証拠金、ベガ(vega)証拠金及びカーベチャー(curvature)証拠金を決定することとを含む。上記方法はまた、上記少なくとも1つの計算装置によって、該各デルタ証拠金、該各ベガ証拠金及び該各カーベチャー証拠金の合計によって、リスククラス毎に当初証拠金を計算することと、上記少なくとも1つの計算装置によって、全体の当初証拠金の計算に、商品クラスを用いるか否かを決定することとを含む。上記方法はまた、上記少なくとも1つの計算装置によって、該決定に基づいて、数式を用いて、上記全体の当初証拠金を計算することと、上記少なくとも1つの計算装置によって、上記全体の当初証拠金を提供することとを含む。
本開示の別の例によれば、実行可能な命令のセットを備える非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。上記実行可能な命令のセットは、少なくとも1つのプロセッサにより実行される場合に、上記少なくとも1つのプロセッサに対して、当初証拠金標準モデル(SIMM)を用いて、清算されないデリバティブの全体の当初証拠金を計算して、提供する方法を実行させる。該方法は、複数のリスククラスに関する情報を取得することと、上記複数のリスククラスに関する取得した該情報に基づいて、リスククラス毎にデルタ証拠金、ベガ証拠金及びカーベチャー証拠金を決定することとを含む。上記方法はまた、該各デルタ証拠金、該各ベガ証拠金及び該各カーベチャー証拠金の合計によって、リスククラス毎に当初証拠金を計算することと、上記全体の当初証拠金の計算に、商品クラスを用いるか否かを決定することとを含む。上記方法はまた、該決定に基づいて、数式を用いて前記全体の当初証拠金を計算することと、上記全体の当初証拠金を提供することとを含む。
本開示のさらに別の例によれば、当初証拠金標準モデル(SIMM)を用いて、清算されないデリバティブの全体の当初証拠金を計算して、提供するシステムを提供する。上記システムは、複数のリスククラスに関する情報を取得し、上記複数のリスククラスに関する取得した該情報に基づいて、リスククラス毎にデルタ証拠金、ベガ証拠金及びカーベチャー証拠金を決定し、該各デルタ証拠金、該各ベガ証拠金及び該各カーベチャー証拠金の合計によって、リスククラス毎に当初証拠金を計算し、上記全体の当初証拠金の計算に、商品クラスを用いるか否かを決定し、該決定に基づいて、数式を用いて上記全体の当初証拠金を計算し、上記全体の当初証拠金を提供する、記憶されたプログラム可能な命令を実行する少なくとも1つの計算装置を備える。
添付の図面とともに検討したとき、以下の1つ又は複数の好ましい実施形態の詳細な説明から、本発明の他の目的、利点及び新規特徴が明らかになるであろう。
図1は、本発明の1つ又は複数の態様に係るシステムの一例を示す。
図2は、本発明の1つ又は複数の態様に係るフロー図の一例を示す。
図3Aは、本発明の1つ又は複数の態様に係る信用適格SIMMリスク区分を示す一例の表である。
図3Bは、本発明の1つ又は複数の態様に係る信用非適格SIMMリスク区分を示す表の一例である。
図3Cは、本発明の1つ又は複数の態様に係るエクイティSIMMリスク区分を示す表の一例である。
図4Aは、本発明の1つ又は複数の態様に係る信用適格についての提出の一例である。
図4Bは、本発明の1つ又は複数の態様に係る信用適格のダミーISIN表の一例である。
図5Aは、本発明の1つ又は複数の態様に係る信用非適格の提出の一例である。
図5Bは、本発明の1つ又は複数の態様に係る信用非適格のマッピングテーブルの一例である。
図6は、本発明の1つ又は複数の態様に係るエクイティについての提出の一例である。
図7は、本発明の1つ又は複数の態様に係る提出及び結果のタイムラインの一例である。
図1は、本発明の1つ又は複数の態様に係るシステム100を示す。例えば、システム100の1つ又は複数の構成要素を用いて、当初証拠金標準モデル、すなわちSIMMによる、清算されないデリバティブの当初証拠金情報を計算して提供することができる。
さらなる例では、システム100の1つ又は複数の構成要素を、SIMMの一貫した実施を得るために、SIMMの全ての利用者(例えば、応募者、当事者、企業等)間で同じであるリスクウエイトと相関パラメータと感応度値(以下にさらに述べることとする)を扱うために用いることができる。そのため、これらパラメータを一貫して適用するには、同じリスク区分に対して正味の感応度値を一貫して割り当てる必要がある。特定の資産クラスに関しては、1つ又は複数のリスクウエイトが明白及び/又は明瞭であり得るため、SIMMの利用者間においても取り扱いは同じであることとなる。例えば信用及びエクイティである他の資産クラスに関しては、正味の感応度値の一貫した割り当てを確立するために、各リスクファクターに対して生じた感応度を、リスク区分に対して一貫して対応させる(map)ことができる。一例では、マッピングにおける一貫性は、クラウドソーシングのソリューション(例えば、クラウドソーシングによる情報の利用)を介して達成される。例えば、クラウドソーシングのソリューションは、少なくとも原資産をそれらの適切なリスク区分に対応させ得る、マッピングテーブルの保持及び/又は普及をSIMM利用者に対して必要とし得る。該マッピングは、SIMM利用者により提出された「議決(vote)」に基づくことができる。このため、クラウドソーシングによる情報の価値は、例えば、それにより当事者が、リスク区分及び加重といった彼らの内部決定の代わりにコンセンサスの結果(consensus result)を利用できるということにある。様々な操作能力をもつカウンターパーティーが実行可能とすることができるように、SIMMは、全てを包括し、エントリーに対して障壁を有さないということに留意されたい。
システム100は、サーバコンピュータ110、コンピュータ120、モバイルコンピュータ130、タブレットコンピュータ140及び記憶装置150などの、全てがネットワーク160に接続された複数のコンピュータ及び/又は計算装置を備えることができる。例えば、サーバコンピュータ110はバックエンドシステムコンピュータであってよく、例えば1つ又は複数のプロセッサ112、メモリ113(命令114及びデータ115を含む)、ディスプレイ116及びインタフェース117などの、コンピュータと連携する複数の構成要素を備えてよい。
サーバコンピュータ110のプロセッサ112は、その中の構成要素に指示してメモリ113内に記憶され得る命令114及び/又はデータ115などの情報の処理に基づく或るタスクを実行することができる。プロセッサ112は、例えば中央処理装置(CPU)である標準プロセッサであってよく、又は、特定用途向け集積回路(ASIC)もしくはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの専用プロセッサであってよい。図1にはプロセッサ112を示すためにプロセッサのブロックを1つ示しているが、サーバコンピュータ110は、直列に及び/又は並列に連結される複数のプロセッサを備えてもよい。
例えばプロセッサ112により実行可能な命令114及びプロセッサ112によって検索され、操作され、又は記憶されることができるデータ115などである、プロセッサ112によってアクセス可能な情報を、メモリ113が記憶する。例としては、メモリ113は、例えばROM、RAM、ハードドライブ、CD−ROM、DVD、書込み可能、読み出し専用等の、プロセッサによってアクセス可能な情報を記憶することができるハードウェアであってよい。
命令114は、プロセッサ112によって直接的に(例えばマシンコード)又は間接的に(例えばスクリプト)実行されようとする命令セットを含むことができる。命令セットは、サーバコンピュータ110で実施可能であるソフトウェア内に含むことができる。用語「命令」、「ステップ」及び「プログラム」は、区別なく用いることができるということがわかる。例えば、命令114は、SIMMを用いて、清算されないデリバティブの当初証拠金を計算して提供する少なくとも1つの実行可能な命令セットを含むことができる。別の例では、命令114は、少なくとも1つの実行可能な命令セットを含んで、特定の資産クラス及び商品に関するインプットの感応度にSIMMパラメータを一貫して適用することを促進でき、例えば、SIMM利用者が提出した「議決」に基づいて、リスク区分への適切なマッピングを決定する。
データ115は、命令114のセットに応じて、プロセッサ112によって検索され、記憶され、変更され、及び/又は操作され得る。データ115は、データの集合として記憶されてよい。本発明では、あらゆる特定のデータ構造に限定されず、データ115は、コンピュータのレジスタや、例えばXMLなどの複数の異なるフィールドとレコードを有する表としてデータベース内に記憶することができる。データ115はまた、例えば2進値、ASCII、EBCDIC(拡張2進化10進コード)等である任意のコンピュータ読み取り可能な形式にフォーマットされてもよい。
一例としては、データ115は、例えば、金利、信用−適格、信用−非適格、エクイティ、コモディティ及び外国為替(FX)などである以下でさらに述べることとする、様々なリスククラスに関する情報及びデータを含むことができる。さらなる例としては、そのデータ115を、コンピュータ120、モバイルコンピュータ120及び/又はタブレットコンピュータ140を用いて、1人又は複数の利用者からサーバコンピュータ110で受信し、記憶装置150に記憶できる。
さらに、データ115はまた、例えば国際証券識別コード(「ISIN」)である、様々な情報を示すSIMM利用者からのクラウドソーシングによる提出又は議決を含んでもよく、それが特定の資産クラス及び商品の入力された感応度にSIMMパラメータを一貫して適用することを促進することとなる。さらなる例としては、そのデータ115を、コンピュータ120、モバイルコンピュータ120及び/又はタブレットコンピュータ140を用いて、1人又は複数の利用者からサーバコンピュータ110で受信し、記憶装置150に記憶できる。
ディスプレイ116は、例えば液晶ディスプレイ(「LCD」)画面、プラズマ画面等である、利用者に対してデータを伝えることができる任意のタイプの装置とすることができる。インタフェース117は、例えばキーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロホン、カメラ等である、利用者に対してサーバコンピュータ110と通信させるような装置、ポート又は接続とすることができ、また例えばユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、CD/DVDドライブ、ジップドライブ、各種カードリーダ等である1つ又は複数の入/出力ポートを備えることができる。
サーバコンピュータ110及び追加のサーバコンピュータは、ネットワーク機器のラックに載置されるか、及び/またはデータセンターに配置されるラックであってよい。一態様においては、サーバコンピュータ110は、ネットワーク160を利用して、コンピュータ120、モバイルコンピュータ130、タブレットコンピュータ140及び/又は記憶装置150で実行されるプログラムのリクエストを扱うことができる。
例えばモバイルコンピュータ130(例えばノート型パソコン、スマートフォン、PDA、タブレットコンピュータ)及びタブレットコンピュータ140であるモバイル型計算装置は、例えばプロセッサ、メモリ、入/出力可能部、ディスプレイ等であるサーバコンピュータ110及びコンピュータ120と同様の構成要素及び機能を有することができ、ネットワークの他の構成要素と通信するようにネットワーク160に通信可能に接続できる。
図1の記憶装置150は、大量のデータを記憶するように構成でき、ネットワーク160の他の構成要素によってアクセスできる。例えば、記憶装置150は、例えばROM、RAM、ハードドライブ、半導体ドライブ、着脱可能ドライブ、ネットワーク記憶装置、仮想メモリ、キャッシュ、レジスタ等である、記憶要素の集合体又は記憶要素の混合した集合体であってよい。
ネットワーク160は、1つの構成要素から別の構成要素に、データ、命令等の通信及び送信を促進するように構成された任意のタイプの、有線又は無線の、ネットワークとすることができる。例えば、ネットワーク160は、ローカルエリアネットワーク(LAN)(例えばイーサネット(登録商標)又は他のIEEE802.03LAN技術)、Wi−Fi(例えばIEEE802.11標準の、広域ネットワーク(WAN)、仮想私設ネットワーク(VPN)、グローバルエリアネットワーク(GAN))又はそれらの任意の組み合わせであってよい。
SIMMを用いて、清算されないデリバティブの当初証拠金を計算して提供することに関する様々な態様、例及び/又は操作について、その方法論及び計算を実行するシステム100及びシステム100の1つ又は複数の構成要素において示す例に基づいて説明することとする。上述した態様、例及び/又は操作は、特定の又は正確な順序で実行する必要はない。むしろ、異なる順序で、異なる組み合わせで又は同時に等で実行してよい。
(SIMM方法論)
SIMMを用いて当初証拠金を計算するための計算及び方法論は、インプットの感応度に基づくものであり、感応度及びリスクファクターは、以下でさらに説明する或る定義を満たす。感応度は、集計式(aggregation equation)へのインプットとして用いることができ、それは、特定の資産クラス内の様々なリスクファクターにおけるポジションのヘッジング及び分散効果を認識することが意図され得る。SIMMはまた複雑な取引を含み、及び/又は複雑な取引から成り、それらは他の取引と同じ方法で取り扱われる。
本開示の一態様では、少なくとも2つの異なるSIMM方法論があり、1つ目は商品クラスを用いず、2つ目は商品クラスを用いる。また、少なくとも6つのリスククラス、(1)金利、(2)信用(適格)、(3)信用(非適格)、(4)エクイティ、(5)コモディティ及び(6)外国為替(FX)がある。リスククラス毎の証拠金は、「デルタ証拠金(delta margin)」、「ベガ証拠金(vega margin)」及び「カーベチャー証拠金(curvature margin)」の合計であるように規定される。例えば、各リスククラスXに関して、この数式は以下の通りである。
Figure 2018514889
例えば、商品クラスを用いない場合、区分をリスク条件で規定し得るため、各リスククラスは、取引の商品タイプにかかわらず、全取引からその構成要素のリスクを取る。例えば、金利レグ及びエクイティパフォーマンス連結レグの両方を伴うスワップは、金利及びエクイティの両リスククラスにおいて考慮されることとなる。例えば、金利感応度は、「純枠な」利子率の取引の金利エクスポージャーとの相殺を考慮して計算される。その後金利及びFXの証拠金を組み合わせて、以下の数式により与えられる合同のIR/FX証拠金額が得られる。
Figure 2018514889
相関ΨIRFXは27%の値を有する。2種類の信用証拠金をまた組み合わせて、以下の式を用いて合同の信用証拠金額が得られる。
Figure 2018514889
ΨCreditは未決定(TBD)の値を有する。全体のSIMM証拠金金額は、以下の4つの証拠金の合計である。
Figure 2018514889
別の例では、商品クラスを用いる場合には、少なくとも4つの商品クラス、(1)金利と外国為替(RatesFX)、(2)信用、(3)エクイティ及び(4)コモディティがありうる。全ての取引が個別の商品クラスに割り当てられ、SIMMが商品クラス毎に別個に検討される。また区分をリスク条件で規定し得るが、各商品クラスにおいて、リスククラスは、その商品クラスの取引のみから、その構成要素のリスクを取る。例えば、エクイティデリバティブは、エクイティリスククラスのみならず金利リスククラス内にリスクを有するであろう。それらリスクの全ては、RatesFX商品クラスにおける取引のリスクとは切り離して維持される。
各商品クラスにおいて、6つのリスククラス毎に当初証拠金(IM)を計算する。該商品クラスの全体の証拠金は、以下の数式で与えられる。
Figure 2018514889
“product”は、4つの商品クラスのうちの1つであり、r及びsにおける総和は6つのリスククラスにわたって得る。リスククラス間の相関である相関行列Ψrsは以下でさらに詳細に述べることとする。
全体のSIMMは、以下の4つの商品クラスのSIMM値の合計である。
Figure 2018514889
デルタ証拠金の計算を適用する前に、同一の商品のポジションを完全に相殺し得る。デリバティブ商品の原商品を含む商品は、それらが同じ契約パラメータを有する場合に同一であると考えられる。このことは、原商品が、デリバティブ商品に応じて購入されたか又は販売されたかどうかに関係ないものであり得る。
さらなる例では、以下のアプローチを用いて、金利リスククラスのみに適用されるデルタリスクを捕捉する。例えば、1つ又は複数のコンピュータが、商品の全域にわたり各リスクファクター(k,i)に対する正味の感応度(net sensitivity)を発見し得、ここでkは金利テナーであり、iはサブ利回り曲線の指数名であって、金利リスククラスに関しては以下で規定するものとする。
次に、1つ又は複数のコンピュータが、以下の数式に基づく対応するリスクウエイトRWによって、各リスクファクター(k,i)に対する正味の感応度Sk,iに加重する。
Figure 2018514889
CRは、以下のように規定される集中リスクファクターである。
Figure 2018514889
集中閾値(concentration threshold)Tに関しては、通貨b毎に規定される。
その後1つ又は複数のコンピュータが、各通貨における加重感応度を集計する。
Figure 2018514889
サブ曲線の相関φi,jとテナーの相関パラメータρk,lについては、以下でさらに述べる。
さらに、1つ又は複数のコンピュータが、リスククラスにおける通貨の全域にわたりデルタ証拠金(delta margin)の金額を集計する。
Figure 2018514889
Figure 2018514889
相関パラメータγbcについては、以下でさらに述べる。
さらなる例では、以下のアプローチを用いて、金利以外の各リスククラスに適用されるデルタリスクを捕捉することができる。例えば、1つ又は複数のコンピュータを用いて、商品の全域にわたり各リスクファクターkに対する正味の感応度を発見し得る。
その後、1つ又は複数のコンピュータが、リスククラス毎のバケット(区分)構造に従って、対応するリスクウエイトRWによって各ファクターkに対する正味の感応度sに加重する。
Figure 2018514889
CRは、信用スプレッドリスクの集中リスクファクターである。
Figure 2018514889
リスクウエイトkとして、エクイティ、コモディティ、FXリスクに関して、同じ発行体/シニオリティの曲線のテナーにわたってjについて合計すると以下の通りである。
Figure 2018514889
ここでTは、区分bに関する集中閾値である。
その後加重感応度が、例えば以下の数式を用いて、各区分内で集計される。
Figure 2018514889
例えば、以下の数式を用いて、各リスククラス内の区分の全域にわたり、デルタ証拠金の金額が集計される。
Figure 2018514889
Figure 2018514889
区分b内の全てのリスクファクターに関する。
オプションであるか、又は例えば期限前償還オプションを含むオプションを含むか、又はボラティリティ感応度(例えば、商品がオプショナリティに支配される)を有する商品は、ベガリスク及びカーベチャーリスクに関する追加的な証拠金規制に支配され得る。例としては、以下のアプローチを用いて、各リスククラスに個別に適用され得るベガリスクエクスポージャーを捕捉する。
例えば、金利及び信用商品に関して、各ボラティリティ−テナーjにおけるリスクファクターkのボラティリティσkjは、各ボラティリティ−テナーjにおけるリスクファクターkのインプライド・アット・ザ・マネー・ボラティリティ(implied at−the−money volatility)であるとして規定されるものであって、「ボラティリティ−テナー(vol−tenor)」とは、基になったスワップの満期である。ボラティリティは、正規分布のボラティリティ(normal volatility)、対数正規分布のボラティリティ(log−normal volatility)などとも称され得る。
エクイティ、FX及びコモディティ商品に関して、各ボラティリティ−テナーjにおけるリスクファクターkのボラティリティσkjは、以下の数式で得られる。
Figure 2018514889
ここでα=Φ−1(99%)であり、RWはリスクファクターkの対応するデルタリスクウエイトであり、「ボラティリティ−テナー」jは、次のテナー区分、2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年、10年、15年、20年及び30年を用いるオプション満期時である。コモディティ指数のボラティリティに関しては、用いるリスクウエイトは「他の」区分のリスクウエイトである。FXベガ(1つの通貨ペアにより異なり得る)に関しては、用いるリスクウエイトは、FXデルタ感応度と共通のリスクウエイトである。
リスクファクターkに対する商品i毎のベガリスクエクスポージャーは、以下の数式を用いて見積もられる。
Figure 2018514889
ここで、VRWは関連するリスククラスのベガリスクウエイトであり、σkjは上記で規定したボラティリティであり、(dV)/dσはインプライド・アット・ザ・マネー・ボラティリティに対する商品iの価格の感応度であり(例えば、「ベガ」)、スキューとスマイルを一定して維持する(これはボラティリティ1%上昇に対する対数正規分布のベガであり得る)。例えば、5年金利ベガは、5年間で満期となる全てのボラティリティ加重金利(vol−weighted interest rate)のキャプレットと「スワップションベガ」との合計であって、USD/JPYのFXベガは、全てのボラティリティ加重USD/JPYのFXベガの合計である。
その後、1つ又は複数のコンピュータが、商品iの全域にわたり各リスクファクターkに対する正味のベガリスクエクスポージャーVRを発見するものであって、以下でさらに規定し述べる。信用適格、エクイティ及びコモディティのリスククラスにおける指数のボラティリティに関して、特別な措置があってもよい。
その後ベガリスクエクスポージャーが、各区分内で集計される。例えば、以下の数式を用いる。
Figure 2018514889
VCRは、区分bのベガ集中リスクファクターであり、以下のように規定される。
Figure 2018514889
ここで、VTは区分bのベガ集中閾値である。
その後、例えば以下の数式を用いて、各リスククラスにおける区分の全域にわたりベガ証拠金が集計される。
Figure 2018514889
Figure 2018514889
区分bにおける全てのリスクファクターに関する。
本開示のさらなる例では、以下のアプローチを用いて各リスククラスに対して適用されるカーベチャーリスクエクスポージャーを捕捉する。例えば、リスクファクターkに対する商品i毎のカーベチャーリスクエクスポージャーは、以下の数式を用いて試算される。
Figure 2018514889
ここでσkj及び(dV)/dσは、上記で規定したボラティリティ及びベガであり、tkjは、ボラティリティ及びベガに対応する標準オプションの評価日から満期日までの満期時(例えば暦日における)であり、SF(t)はバニラオプションのベガとガンマとの間の関係性から得られるスケーリング関数(scaling function)の値である。
Figure 2018514889
スケーリング関数はベガ及びボラティリティ(vol)の両方とは関係なく、満期のみの関数であり、以下に例である表を示す。
Figure 2018514889
テナーは、1ヶ月=365/12(日)、5年=365×5(日)であるような他のテナーに対する比例のスケーリングにより、例えば「12ヶ月」は暦日で365日に等しいという基準を用いて、暦日に変換される。
次に、カーベチャーリスクエクスポージャーCVRikが、商品iの全域にわたり各リスクファクターkに対して得られ得る。ベガに関する場合と同じ特別の措置が、信用、エクイティ及びコモディティのリスククラスにおける指数に適用され得るということを理解されたい。
次に、例えば以下の数式を用いて、各区分内でカーベチャーリスクエクスポージャーが集計される。
Figure 2018514889
ここで、ρklは各リスククラスに対して適用可能な仮定された相関である。
各リスククラス内における区分の全域にわたり、証拠金が集計される。
Figure 2018514889
Figure 2018514889
ここで、合計は、リスククラスの全ての非残余区分にわたって得られるものであり、Φ−1(99.5%)は標準正規分布の99.5番目の百分位数である。非残余区分のカーベチャー証拠金は以下の通りである。
Figure 2018514889
Figure 2018514889
残余等価物は、以下のように規定される。
Figure 2018514889
Figure 2018514889
Figure 2018514889
全体のカーベチャー証拠金は、以下の数式により規定されるように、上記2項を合計することで規定され得る。
Figure 2018514889
(リスクファクター及び感応度の定義)
(リスクファクターの定義)
金利のリスクファクターは、通貨毎に以下の点(vertex)、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年、10年、15年、20年及び30年における10の利回りがある。当該利回り曲線は、商品が表示される通貨の利回り曲線であり得る。所与の通貨に関して、例えば“OIS”、“Libor1m”、“Libor3m”、“Libor6m”、“Libor12m”及び(USDのみに関して)“Prime”と呼ぶ、複数のサブ利回り曲線を用いてよい。サブ曲線はそれぞれ、指標名iを有する。リスクは、通貨、テナー及び曲線の指標によって個別に区分され得、サブ曲線のアウトライト・レート(outright rate)に対するリスクとして表現される。上記列記されていないいずれのサブ曲線も、その最も近い同等物に対応させる。金利のリスクファクターはまた、各通貨の同水準のインフレ率を含み得る。少なくとも1つの契約上の支払い義務がインフレ率に依存している場合は、当該通貨のインフレ率をリスクファクターとして用いる。同じ通貨のインフレ率に関する全ての感応度は、完全に相殺する。
信用適格のリスクファクターは、以下の点、1年、2年、3年、5年及び10年のそれぞれにおける、発行体/シニオリティの各ペアの5つの信用スプレッドである。所与の発行体/シニオリティに関して、当該信用スプレッド曲線が1つ以上ある場合、そのとき上記各点における信用スプレッドのリスクは、文書化(例えばリストラクチャリング条項)又は通貨により異なり得る、その発行体及びシニオリティの信用スプレッド曲線の全てにわたるその点(vertex)におけるリスクの正味の合計であり得る。信用適格の指数及びビスポークのバスケット(bespoke basket)(例えば証券化及び非証券化を含む)に関して、基になった発行体/シニオリティのリスクファクターに対してデルタ感応度を計算する。信用指数のベガ感応度は、基になったリスクファクターに対して割り当てられる必要はないが、むしろ指数ベガリスク全体は、セクター間指数の残余区分を用いて、適切な信用適格区分に分類されるものである。
信用非適格のリスクファクターは、以下の各点、1年、2年、3年、5年及び10年における各発行体/トランシェの5つの信用スプレッドである。感応度は、トランシェに対して計算される。所与のトランシェに関して、当該信用スプレッド曲線が1つ以上ある場合、そのとき上記各点における信用スプレッドリスクは、そのトランシェの信用スプレッド曲線の全てにわたるその点(vertex)におけるリスクの正味の合計であり得る。信用指数のベガ感応度は、基になった発行体に割り当てられる必要はないが、むしろ指数ベガ全体は、セクター間指数の残余区分を用いて、適切な非適格区分に分類されるものである。
エクイティのリスクファクターは全て、エクイティの価格(株価)であり、エクイティスポット価格のそれぞれが、リスクファクターである。エクイティの株式指数、株式ファンド及びETFに対する感応度は、少なくとも2つの方法のうちの1つで取り扱うことができ、その方法とは、デルタ全体を「指数、ファンド、ETF」のエクイティ区分に分類することができる標準アプローチか、双方で合意した場合にデルタをもとの個々のエクイティに割り当てることができる代替的アプローチかの何れかである。標準アプローチか、代替的アプローチかは、ポートフォリオレベルの基準で選択してよい。ビスポークのバスケットに対するデルタ感応度は、もとの個々のエクイティに割り当てられる。エクイティの株価指数、株式ファンド及びETFのベガ感応度は、もとの個々のエクイティに割り当てられる必要はないが、むしろベガリスク全体は、「指数、ファンド、ETF」のエクイティ区分に分類されるものである。ビスポークのバスケットに対するベガ感応度は、もとの個々のエクイティに割り当てられ得る。説明の通り、全ての機関でエクイティのベガの割り当てを実行できなくてもよいと理解されるべきであるが、好ましいアプローチでありうる。
コモディティのリスクファクターは全て、コモディティ価格であり、コモディティスポット価格のそれぞれが、リスクファクターである。例としては、例えば“Coal Europe(欧州・石炭)”、“Precious Metals Gold(貴金属・金)”及び“Livestock Lean Hogs(家畜・豚赤身肉)”が挙げられる。コモディティの先渡価格に対するリスクが、もとのスポット価格リスクに割り当てられて、集計され得るが、コモディティのフォワード曲線は、それぞれ平行して動くものとする。コモディティ指数に対する感応度は、2つの方法のうちのひとつで取り扱うことができ、その方法は、デルタ全体を「他の」区分に分類することができる「標準アプローチ」か、又はデルタをもとの個々の商品に割り当て得る「改善したアプローチ」の何れかである。標準アプローチか、改善したアプローチかは、ポートフォリオレベルの基準で選択してよい。ビスポークのバスケットに対するデルタ感応度は、もとの個々の商品に割り当てられる。例えば、コモディティ指数のベガ感応度は、もとの個々のコモディティに割り当てられなくてよいが、むしろ指数ベガリスク全体が「他の」区分に分類され得る。
FXのリスクファクターは全て、商品の価値がそれにより異なり得る、報告通貨と、任意の通貨又は任意のFXクロスレートの通貨との間の為替レートである。これは、報告通貨そのものは除外し得る。FXベガリスクファクターは全て、それに対して商品がFXボラティリティリスクを有する通貨ペアである。
(「感応度」の定義)
以下に、本開示の1つ又は複数の態様に係るインプットとして用いられる感応度sについて述べる。金利及び信用に関する感応度は以下の通りである。
Figure 2018514889
エクイティ、コモディティ及びFXのリスクに関する感応度は以下の通りである。
Figure 2018514889
ここでsは、リスクファクターxに対する感応度であり、V(x)は、リスクファクターxの値が与えられる、商品の価値である。
例えば銀行である企業はまた、中央差分又は後進型差分法を用いるか、又は小さいショック規模及び拡大を用いてよい。例えば、金利及び信用に関しては、以下の通りである。
Figure 2018514889
Figure 2018514889
Figure 2018514889
Figure 2018514889
エクイティ、コモディティ及びFXのリスクに関しては以下の通りである。
Figure 2018514889
Figure 2018514889
Figure 2018514889
Figure 2018514889
金利のリスクファクターに関して、感応度はPV01として規定される。無リスク曲線rのtに対する、商品iのPV01(例えば、リスクファクターrに対する商品iの感応度)は、以下の数式によって規定される。
Figure 2018514889
ここでrは、テナーtにおける無リスク金利であり、csは、テナーtにおける信用スプレッドであり、Vは、無リスク金利及び信用スプレッド曲線の関数としての、商品iの市場価値であり、1bpは1ベーシスポイント、例えば0.0001、すなわち0.01%である。金利のリスクファクターに関して、無リスク利回り曲線を構成するために「実勢金利(market rate)」を用いる。
信用非証券化のリスクファクターに関して、感応度はCS01として規定される。テナーtに対する商品のCS01は以下のように規定される。
Figure 2018514889
n番からデフォルトまでのリスクファクターを含む、信用の適格及び非適格の証券化に関して、感応度はCS01として規定される。以下の基準を全て満たす場合、そのポジションは適格な証券化であるとしてみなされ得、上記で信用(非証券化)に関して規定されたように、CS01は、例えば、証券化又はn番からデフォルトまでの商品の基になった名称に対して計算され得る。例えば、そのポジションは、再証券化のポジションではなく、証券化のトランシェの収益における比例配分のシェアを提供しない証券化エクスポージャーのデリバティブでもない。別の例では、全ての参照事業体(reference entity)は単名商品であって、単名信用デリバティブを含むがこれに限定されず、それに関して流動的な双方向市場が存在し、参照事業体における取引指数(trade index)を含むがこれに限定されない。またさらなる例では、商品は、信用リスクに対する標準アプローチ下で、個人向けエクスポージャー、住宅用モーゲージエクスポージャー又は商業用モーゲージエクスポージャーとして扱われるであろう原資産(underlying)を参照しない。また別の例では、商品は、特定目的の事業体における請求権を参照しない。
上述の基準をいずれも満たさない場合、例えば、そのポジションは非適格であるとみなされ、その後CS01は商品のスプレッドに対して計算される(商品の原資産のスプレッドとは対照的に)。最終販売価格又は現在の善意の競争入札及び価格提示に合理的に関連した価格を1日のうちに決定し、取引慣習に従う相対的に短時間にそうした価格で決済できるように、独立した善意の売買の申し入れが存在するような、双方向市場が存在するものとみなす。
エクイティのリスクファクターに関する感応度が以下のように規定される。エクイティ価格の1パーセントの相対的変動に対する商品の価値変動は以下の通りである。
Figure 2018514889
ここでkは、所与のエクイティであり、EQはエクイティkの市場価値であり、Vはエクイティkの価格の関数としての商品iの市場価値である。
コモディティのリスクファクターに関する感応度は以下のように規定される。コモディティ価格の1パーセントの相対的変動に対する商品の価値変動は以下の通りである。
Figure 2018514889
ここでkは、所与のコモディティであり、CTYはコモディティkの市場価値であり、Vはコモディティkの価格の関数としての商品iの市場価値である。
FXのリスクファクターに関する感応度は以下のように規定される。FXレートの1パーセントの相対的変動に対する商品の価値変動は以下の通りである。
Figure 2018514889
ここでkは、報告通貨以外の所与の通貨であり、FXは、通貨kの一単位に対する報告通過の単位数を表した、通貨kと報告通貨との間のスポット為替レートであり、Vは為替レートkの関数としての商品iの市場価値である。報告通貨そのもののFX感応度は、この計算からは除外し得る。また、オプショナリティに支配される商品に関して最初の(first order)の感応度を計算する場合、上昇(bump)下でのボラティリティは、各リスククラスにおける一般的市場慣行により調整されるということを理解されたい。
(金利リスク)
(金利−リスクウエイト)
無リスク利回り曲線(所与の通貨におけるエクスポージャー)はそれぞれ、個別の区分であると考えられ得る。リスクウエイトRWは以下の表に配列される。第1の表は、米国ドル(USD)、ユーロ(EUR)、英国ポンド(GBP)、スイスフラン(CHF)、オーストラリアドル(AUD)、ニュージーランドドル(NZD)、カナダドル(CAD)、スウェーデンクローナ(SEK)、ノルウェークローネ(NOK)、デンマーククローナ(DKK)、香港ドル(HKD)、韓国ウォン(KRW)、シンガポールドル(SGD)及び台湾ドル(TWD)として規定される通常ボラティリティの通貨に関する。第2の表は、日本円(JPY)のみが規定される低ボラティリティの通貨に関する。第3の表は、その他の全ての通貨が規定される高ボラティリティの通貨に関する。あらゆる通貨のインフレ率のリスクウエイトは32bpsである。また、金利リスククラスのベガリスクウエイトVRWは、0.18である。
表1:点(vertex)ごとのリスクウエイト(通常通貨)
Figure 2018514889
表2:点ごとのリスクウエイト(低ボラティリティ通貨)
Figure 2018514889
表3:点ごとのリスクウエイト(高ボラティリティ通貨)
Figure 2018514889
(金利−相関)
リスクエクスポージャーに関して、以下の相関行列を用いる。
集計した加重感応度又はリスクエクスポージャーの相関
Figure 2018514889
集計した加重感応度又はリスクエクスポージャーに関して、インフレ率と同じ通貨の任意の利回りとの間の相関は、33%である。サブ曲線に関して、同じ通貨の任意の2つのサブ曲線間の相関Φi,jは、98.2%である。パラメータγbc=27%が、異なる通貨の全域にわたって集計に用いられる。
(信用適格リスク)
(信用適格−リスクウエイト)
まず、発行体/シニオリティに対する感応度又はリスクエクスポージャーが、次の表に従う区分に割り当てられる。
Figure 2018514889
感応度は、発行体/シニオリティが(i)非証券化ポジション又は(ii)適格証券化ポジションのいずれに由来するかによって区別される。
次の表に配列した区分に応じて、全ての点(1年、2年、3年、5年、10年)に対して、同じリスクウエイトを用いる。
Figure 2018514889
信用リスククラスのベガリスクウエイトVRWは、0.35である。
(信用適格−相関)
同じ区分内の感応度又はリスクエクスポージャーのペアに適用される相関パラメータρkCを、次の表に配列している。
Figure 2018514889
由来は、感応度が、証券化の結果であるか又は非証券化の結果であるかを参照し、完全に相殺されることとならない。
異なる非残余区分の全域にわたって感応度又はリスクエクスポージャーのペアに適用される相関パラメータγbpを、次の表に配列している。
Figure 2018514889
(信用非適格リスク)
(信用非適格−リスクウエイト)
まず、次の表に従う区分に、感応度又はリスクエクスポージャーが割り当てられる。
Figure 2018514889
感応度又はリスクエクスポージャーをこれら区分のうちのひとつに割り当てることができなければ(例えば、分類上の変数のデータが利用できないといった理由で)、そのときポジションには「残余区分」が割り当てられる。
リスクウエイトを、次の表に配列している。
Figure 2018514889
信用非適格のベガリスクウエイトVRWは、0.20である。
(信用非適格−相関)
他の区分に関して、同じ区分内の感応度又はリスクエクスポージャーのペアに割り当てられる相関パラメータρkCを、次の表に配列している。
Figure 2018514889
異なる区分の全域にわたって感応度又はリスクエクスポージャーのペアに適用される相関パラメータγbpを、次の表に配列している。
Figure 2018514889
(エクイティリスク)
(エクイティ−リスクウエイト)
まず、次の表に規定される区分に従って、感応度又はリスクエクスプロージャーを、区分に割り当てる。
Figure 2018514889
「大」は、株式時価総額20億USD以上として規定し、「小」は、株式時価総額20億USD未満として規定する。「株式時価総額」は、世界の全ての株式市場の全域にわたり同じ法人又は法人グループの株式時価総額の合計として規定する。先進国市場は、カナダ、アメリカ、メキシコ、ユーロ圏、非ユーロ圏の西欧諸国(イギリス、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク及びスイス)、日本、オセアニア(オーストラリア及びニュージーランド)、シンガポール及び香港として規定する。セクターの定義は、概して市場内で用いられるものである。エクイティのポジションを特定の区分に割り当てる場合、銀行は、エクイティの発行体の最大の重要な業務が、事実上、区分の定義に対応していることを証明しなければならない。許容可能な証拠は、外部業者情報又は内部分析となり得る。多国籍のマルチセクターエクイティ発行体に関しては、最大の重要な領域及び発行体が取引を行うセクターに応じて、特定の区分への割り当てがなされなければならない。ポジションをこれら区分のうちの1つに割り当てることができなければ(例えば、分類上の変数においてデータが利用できないといった理由から)、そのときポジションには「残余区分」が割り当てられる。リスクウエイトは、次の表にあるような各名目ポジションに割り当てられる。
Figure 2018514889
エクイティリスククラスのベガリスクウエイトVRWは、0.21である。
(エクイティ−相関)
同じ区分内の感応度又はリスクエクスポージャーのペアに適用される相関パラメータρkCを、次の表に配列している。
Figure 2018514889
異なる非残余区分の全域にわたり感応度又はリスクエクスポージャーのペアに適用される相関パラメータγbpを、次の表に配列している。
Figure 2018514889
(コモディティリスク)
(コモディティ−リスクウエイト)
リスクウエイトはコモディティのタイプにより異なる。次の表に配列している。
Figure 2018514889
コモディティリスククラスのベガリスクウエイトVRWは、0.36である。
(コモディティ−相関)
同じ区分内の感応度又はリスクエクスポージャーのペアに適用される相関パラメータρkCを、次の表に配列している。
Figure 2018514889
異なる区分の全域にわたり感応度又はリスクエクスポージャーのペアに適用される相関パラメータγbpを、次の表に配列している。
Figure 2018514889
(外国為替リスク)
外国為替−リスクウエイトに関して、固有のリスクウエイト=7.9が、全てのFXの感応度又はリスクエクスポージャーに適用される。FXボラティリティのベガリスクウエイトVRWは、0.21である。
外国為替−相関に関して、固有の相関ρkC=0.5が、FXの感応度又はリスクエクスポージャーの全ペアに適用される。
(集中閾値)
金利リスクの集中閾値は、以下の通貨グループによって与えられる。
Figure 2018514889
信用スプレッドリスクの集中閾値は、以下の信用リスクのタイプによって与えられる。
Figure 2018514889
エクイティリスクの集中閾値は、以下の通りである。
Figure 2018514889
コモディティリスクの集中閾値は、以下の通りである。
Figure 2018514889
FXリスクの集中閾値は、以下の通りである。
Figure 2018514889
ベガリスクの集中閾値は、以下の通りである。
Figure 2018514889
(商品クラスを用いる場合のリスククラス間の相関)
単一の商品クラス内の当初証拠金のリスククラスに割り当てられる相関パラメータΨCrを、次の表に配列している。
Figure 2018514889
(リスクデータ標準)
以下に、計算したSIMM値の差を解消するため、またIM計算のための調整処理の一部として両市場参加者によって要求されうるポートフォリオ及び取引上でのリスクを説明する方法について記載する。提案としては、自動化処理によって読み出すことができるだけでなく手動による閲覧も可能である簡潔でロバストなフォーマットに関するものである。このフォーマットは、現在のリスクファクターのセットに対して特定されているが、将来の新規リスクファクターの取り扱いに対しても容易に応用することができる。目的としては、2つの異なる目的、リスク調整とIM計算の基準との両方を達成することができるフォーマットを得ることである。このフォーマットにおいてリスクデータが与えられるため、このフォーマットは、ポートフォリオのIM計算に対して率直であり機械的であるということがわかる。
このフォーマットは、行末標識で区切られた行と「タブ」文字(ASCIIコード9)により区切られた列による簡潔なフラットファイルである。各要素は、文字又は数字(ストリングとして表される)のいずれかとすることができ、文脈依存型とすることができる。こうしたファイルの第1の行は、従来どおりタブ区切りで、列の名称を包含するヘッダー行となる。続く行はそれぞれ、取引又はポートフォリオに関する1つのリスクファクターを包含する。
リスクファクターの5つのキーを以下に示す。RiskType(リスクタイプ)−金利リスク、適格信用リスク等のリスクファクターのタイプを示したストリング。例としてはRisk_IRCurve(金利デルタ)、Risk_Inflation(インフレーションデルタ)、Risk_CreditQ(信用適格)、Risk_CreditNonQ(信用非適格)、Risk_Equity(エクイティリスク)、Risk_Commodity(コモディティリスク)、Risk_FX(FXリスク)、Risk_IRVol(金利ベガ)、Risk_CreditVol(信用ベガ)、Risk_CreditVolNonQ(信用非適格ベガ)、Risk_EquityVol(エクイティベガ)、Risk_CommodityVol(コモディティベガ)、Risk_FXVol(FXベガ)が挙げられる。これは、IMにもたらされる各ファクターのリスクカテゴリを特定する。Qualifier(限定子)−通貨(金利)、発行体(適格信用)等、特定のリスクファクターを示すストリング。Bucket(区分)−数字で表す、限定子の区分番号(当てはまる場合)。これは、信用、エクイティ及びコモディティのリスクファクターについてのSIMM方法論で説明した区分に相当する。例えば、大きい規模の先進国市場のエクイティの「消費者、ユーティリティ」セクターでは、どのポジションも区分値5である。Label1(ラベル1)−例えば「3ヶ月」、「5年」等、リスクファクターの点(vertex)を示すテナーラベル。Label2(ラベル2)−リスクファクターが行列であった場合に用いられる第2のテナーラベル。
これらキーは、固定及び/又は不変であり得るが、許容される値については柔軟であってよく、時間に応じて発展させることができる。どのリスクも、これらキーをスカラー、ベクトル又は行列の形で表現することができる。また、3つの列には、(1)Amount(金額)−ある数字である、所与の通貨単位でのリスクの金額、(2)AmountCurrency(金額の通貨)−標準の3文字のISO通貨コードとすることができる「金額」フィールドの通貨、(3)AmountUSD(金額USD)−USDで表したリスクの金額(金額の通貨とUSDとを換算するデータ生成部で用いられる有効なFXレートを含意するさらなる利点を有する)、であるリスクの金額を含む。重要な地域的な規制を満たすために有用であるさらなる列としては、ProductClass(商品クラス)−取引(又は取引のポートフォリオ)が属する商品クラスを示すストリング識別子、が挙げられ、許容される値は、「RatesFX」、「信用」、「エクイティ」、「コモディティ」である。
他の随意の列も許容され、推奨される。この標準は、任意の利用者又は文脈により必要とされ得る取引又はポートフォリオの識別子などを含むその他のさらなる付加的な列も許容する。有用となる他の列としては、PortfolioID(ポートフォリオID)(例えば、感応度が属するポートフォリオ/ネッティングセットを示す随意の識別子)、TradeID(取引ID)(例えば、感応度が属する、ネッティングセット内の取引を示す随意の識別子)及び/又はCounterpartyName(カウンターパーティー名)、CounterpartyID(カウンターパーティーID)、NettingSetNumber(ネッティングセット番号)等が挙げられる(例えば、フォーマット利用者間で相互に合意がある場合、必要に応じて追加のグループ分けフィールドが有用であり得る)。
CRIFファイルに日付を用いる場合には、日付はISO8601標準規格に従ってフォーマットされ得るものであり、2016年9月1日(1 Sptember 2016)であれば“2016−09−01”とするように、“YYYY−MM−DD(年−月−日)”と示すことができる。
上記したような、リスクファクターの感応度を示すために用いる5つヘッダーを、以下に示す。
RiskType(リスクタイプ)−以下のリスクファクターのタイプを示すストリング:金利(例えば、Risk_IRCurve、Risk_Inflation、Risk_IRVol)、信用適格(例えば、Risk_CreditQ、Risk_CreditVol)、信用非適格(例えば、Risk_CreditNonQ、Risk_CreditVolNonQ)、エクイティ(例えば、Risk_Equity、Risk_EquityVol)、外国為替(FX)(例えば、Risk_FX、Risk_FXVol)及びコモディティ(例えば、Risk_Commodity、Risk_CommodityVol)。
Qualifier(限定子):全ての金利タイプ(ISO通貨名、例えばUSD、EUR、SEK)。全ての信用適格タイプ(例えばISIN)。これは、発行体/シニオリティの組み合わせに関する代表のISINである。全ての信用非適格タイプ。全てのエクイティタイプ(例えば指数、ファンド及びETFを除く全てのエクイティに関するISINであり、ユーザ定義のストリングによる記述を有する)。Risk_FX(例えば、デルタの非基準通貨、デルタの“EUR”又は“CHF”等)。Risk_FXVol(例えば、ベガの通貨ペア、ベガの“EURJPY”又は“SEKCHF”)。Commodity(コモディティ)(例えば、コモディティを説明するストリング)。
Bucket(区分):Risk_IRCurve:整数コード。値「1」(区分#1を意味する)は、通常ボラティリティ通貨に対応し、値「2」は低ボラティリティ通貨に対応し、値「3」は高ボラティリティ通貨に対応する。他の通貨分類を取り入れる場合は、所与の連続する整数コードであるものとする。Risk_Inflation、Risk_IRVol:使用しない。全ての信用適格のタイプ:1から12又は「残余」のストリングからの整数コードであり、適格あり信用のSIMM区分に対応する。区分の値は1(IGのソブリン)から12(HYの半官半民関連)と「残余」まである。全ての信用非適格のタイプ:1から6又は「残余」のストリングからの整数コードであり、非適格の信用のSIMM区分に対応する。区分の値は1(IGのRMBS/CMBS)から6(HYの自動車ローンABS)と「残余」まである。全てのエクイティのタイプ:1から11又は「残余」のストリングからの整数コードであり、エクイティのSIMM区分に対応する。区分の値は1(大きい新興市場の「消費者、ユーティリティ」)から11(指数、ファンド、ETF)と「残余」まである。全てのコモディティのタイプ:1から16の整数コードであり、コモディティのSIMM区分に対応する。区分の値は、1(石炭)から16(その他)まである。
Label1(ラベル1):Risk_IRCurve及びRisk_IRVol:リスクのテナーTであり、Tは[「3ヶ月」、「6ヶ月」、「1年」、「2年」、「3年」、「5年」、「10年」、「15年」、「20年」、「30年」]である。全ての信用のタイプ:リスクのテナーTであり、Tは[「1年」、「2年」、「3年」、「5年」、「10年」]である。Risk_EquityVol、Risk_FXVol、Risk_CommodityVol:ボラティリティ−テナー(オプション満期)Tであり、Tは[「3ヶ月」、「6ヶ月」、「1年」、「2年」、「3年」、「5年」、「10年」、「15年」、「20年」、「30年」]である。
Label2(ラベル2):Risk_IRCurve:サブ曲線の名称。“OIS”、“Libor1m”、“Libor3m”、“Libor6m”、“Libor12m”又は(USDのみに対して)“Prime”とすることができる。Risk_CreditQ:適格証券化からリスクが浮上する場合はストリング“Sec”。完全2次元のリスクになるベガのように将来的な拡張に有用でもある。
これらはじめの5つのキーは固定であるが、許容された値については柔軟であり、時間に応じて発展させることができる。他の3つのフィールド(Amount(金額)、AmountCurrency(金額通貨)、AmountUSD(金額USD))も固定の名称を有するが、それらの内容は、可変であり、リスクファクターの感応度の調整に用いられる数字である。はじめの5つのキーは、任意のリスクについての正確な記述を与え得る5つから成る組(five−tuple)を規定している。ファイルは、同じ5つから成る組の複数のインスタンスを含むということを理解されたい。例えば、ファイルがTradeID(取引ID)から生じるリスクを列記していれば、そのとき5年のUSD金利デルタを意味する5つから成る組(“Risk_IRCurve”、“USD”、1、“5y”、“ ”)は、もしポートフォリオ内にUSD取引がいくつか存在する場合には、ファイル内で数回発生し得る。
金利リスクの5つのキー及び金額の値は、次のように用いられる。
Figure 2018514889
インフレーションの6つのラベルの値は、次の値を有する。
Figure 2018514889
適格信用リスクの6つのラベルは、以下のこれらの値をとる。
Figure 2018514889
非適格信用リスクの6つのラベルは、以下のこれらの値をとる。
Figure 2018514889
エクイティリスクの6つのラベルは、以下のこれらの値をとる。
Figure 2018514889
コモディティリスクの6つのラベルは、以下のこれらの値をとる。
Figure 2018514889
外国為替リスクの6つのラベルは、以下のこれらの値をとる。
Figure 2018514889
資産タイプ毎に異なるベガタイプが存在する。利用可能なオプションを、次の表に示す。
Figure 2018514889
金利と信用に関しては、基になったスワップの満期にわたって、後に合計されるものである金額は、ベガとボラティリティとの積に等しいため、報告ベガは、行列の各行の合計(全ての基になったスワップのテナーにわたる)と等しい1列の数値である。エクイティ、コモディティ及びFXに関しては、報告ベガは1列の数値であり、「3ヶ月」、「6ヶ月」、「1年」、「2年」、「3年」、「5年」、「10年」、「15年」、「20年」又は「30年」のセットにおける満期毎の対数正規分布のボラティリティである
指数及びバスケットに関しては、以下の特別な場合に留意されたい。信用(適格):信用指数に対するベガは、もとの単名ボラティリティリスクに割り当てられなくてもよいが、複数セクター間指数の当該区分又は「残余」の区分に完全に分類され得る。エクイティ指数:エクイティの指数/ファンド/ETFに対するベガは、もとの指数成分に割り当てられなくてもよいが、区分11(「指数、ファンド、ETF」)に完全に分類され得る。エクイティのビスポークのバスケット:エクイティのビスポークのバスケットに対するベガは、もとのバスケット成分に分類され得、それらベガは、当該区分に分類される。コモディティ指数:コモディティ指数に対するベガは、もとの指数成分に割り当てられなくてもよいが、当該区分、すなわち複数セクター間指数に関する区分16(「その他」)に完全に分類され得る。
次に、本開示の1つ又は複数の態様に係る様々な例を説明する。
金利スワップ:5年のUSD金利のパー・スワップ、保有者が1000万USDの固定金額を受け取る。このリスクは、5年のパー・スワップ・レートで1bp上昇につき−4,881USDであり、ファイル内容は以下のとおりとなる。
Figure 2018514889
インフレーションスワップ:7年のUSD・CPIインフレーション・ゼロ・クーポン・スワップ、保有者が1000万USDの固定金額を受け取る。7年のインフレーションのリスクは−6,968であり、SIMMはリスクファクターとして通貨毎に同水準のインフレ率を用いるため、その全体におけるインフレーションリスクに割り当てられる。このファイルにおける当該内容は以下の通りとなる。
Figure 2018514889
クレジット・デフォルト・スワップ:ゼネラルエレクトリック社(General Electric Co.)の5年のCDS、保有者は1000万USDのプロテクションを買う。CDSのリスクは標準CDSスプレッドにおける1bp上昇ごとに4,939USDである。このファイルは以下の通りである。
Figure 2018514889
エクイティオプション:FTSE100指数における、名目1000万GBP(1526.655指数単位)の1年のアット・ザ・マネー・コールオプション。エクイティスポット価格は6,550.27であり、エクイティのデルタは854.161指数単位(56%のデルタ)と同等であり、それはGBP現金払条件では5,594,785GBPである。そのため、エクイティ価格における1%上昇は、55,948GBPに相当する。GBP/USDのFXレートで1.5103が与えられれば、USDエクイティリスクは84,498USDである。エクイティのベガはATM対数正規分布ボラティリティにおいて1%上昇に対して39,448GBPであり、それは単純に報告通貨で59,578USDに換算される。
Figure 2018514889
コモディティオプション:名目10,000oz金の3ヶ月のコールオプション、権利行使価格1185USD/oz。金のスポット価格は1187であり、オプション・デルタは金価格において1単位上昇につき5,571USDである(デルタ5,571ozとも記載できる)。そのため、金価格1%上昇は、66,124USDに相当する。ベガは、ATMのブラック=ショールズのボラティリティにおける1%上昇に対して23,754USDであり、さらなる処理を必要としない。
Figure 2018514889
FXフォワード#1:市場外・1年のFXフォワード、保有者が1000万USDを受け取り、800万EURを支払う。EUR/USDのFXレート(当日)は1.149575である。このポジションのPVは744,484USDで、EUR/USDのFXデルタとして−8,030,825EUR(USDデルタで+9,232,035USDと同等)を伴う。一部の企業は、「成分PV」又は「同等のポジション」の概念を取り入れ得る。FXデルタが特定の通貨に与えられれば、成分PVは同じFXデルタを有するその通貨における現金の金額となる。この例においては、EURでの成分PVは−8,030,825EURであり、USDでの成分PVは9,976,518USDである(全体のPVとUSDデルタの合計である)。ファイル内容は以下の通りとなる。
Figure 2018514889
FXフォワード#2:市場外・1年のFXフォワード、保有者が1000万GBPを受け取り、1200万EURを支払う。当日のGBP/USDのFXレートは1.510296である。このポジションのPVは1,190,303USDである。2つのデルタ:EUR/USDデルタ=−12,046,237EUR(+13,848,052USDのUSDデルタと同等)と、GBP/USDのデルタ=+9,957,220GBP(−15,038,354USDのUSDデルタと同等)が存在する。比較として、成分PVは−12,046,237EUR及び+9,957,220GBPである。この場合のファイル内容は以下の通りである。
Figure 2018514889
この場合、全体のUSDデルタはゼロである(そのため、ファイルに含む必要はない)。さらに、全てのデルタの合計は11,903であり、ここでもまた全体のPVの1パーセントとなっている。
金利ベガの例:バミューダン・スワップション2%クーポン、10年物、行使不可2年、固定金額支払いを停止するオプション。この取引に関する簡潔な例である以下のベガ行列は、通常ボラティリティリスクに関する(1bp/年・通常ボラティリティあたりのUSD)。
Figure 2018514889
この表は、スワップションの満期が、左側の縦の欄にあり、基になったスワップの満期が上の水平の欄にあることを意味している。例えば、2年×8年の部分(ベガが885USD)は、8年のスワップにおいて2年で満期となるオプションに相当する。このベガ行列は、例である企業のリスク管理システムから入力された行であり、該行及び列のテナーラベルは、まだSIMM標準と一致していない。実質の通常ボラティリティレベル(bp/年)は以下の通りである。
Figure 2018514889
ベガは、ボラティリティと乗算して、各行に沿って合計されて、以下の1列のベガが得られる。
Figure 2018514889
これがその後、金利のSIMM標準テナーラベルで以下のように改めて表にされる。
Figure 2018514889
このリスクのファイル内容は以下の通りとなる。
Figure 2018514889
FXベガの例:FXオプション・3ヶ月USD/JPYのコール、1000万USDコール、権利行使価格117.484。USD/JPY・FX3ヶ月のベガは、対数正規分布のボラティリティでの1%上昇に対して2,325,092JPY(19,768USD)である。このポジションのファイルの行は以下の通りである。
Figure 2018514889
リスクが任意の取引識別キー(存在する場合)を含む同じキーを有する場合、リスクを集計(合計)することができる。ゼロリスクを表す行は、いずれもファイルから除外できる。そうでなければ、行を、単純に別の行の一番上に積む。例えば、上記した例である取引の全てのポートフォリオを我々が有するとすると、そのとき全体のファイルは以下のようになる。
Figure 2018514889
このフォーマットにおけるデータは、いくつかの望ましい特徴を有し得る。例えば、参加者間のリスクの比較の公正な根拠となり、データは、それ自体がSIMM計算用に調整され、「金額」の列はSIMM規則の正味の感応度に正確に相当し、それを各リスクウエイトに乗算することと分散・共分散の式に適用することとを残すのみであり、限定子及び区分間のつながりをクロスチェックすることとクラウドソーシングすることができることとの両方を提供する。
次の表は、コモディティ価格及びボラティリティリスクの限定子として用いられようとする標準化したコモディティ名を列記している。異なる出所からの同じコモディティ名によるリスクを、把握することができる。
Figure 2018514889
Figure 2018514889
いくつかの状況では、CRIFファイルの基準通貨を変更することが役立ち得る。このことは、異なる基準通貨を用いて計算した同じポートフォリオの2つCRIFファイルの比較に有用であり得る。1つの基準通貨から別の基準通貨への換算は、率直である。金額列にある数字と、2つの基準通貨間のFXレートとを乗算すれば十分である。例えば、上記リスクファイルのUSDからJPYへの換算は、「金額」列にある全ての値をUSDJPYのFXレートと乗算するだけで、「金額通貨」列の値が「USD」から「JPY」に換算される。
図2は、本開示の1つ又は複数の態様に係る例であるフロー図を示している。
ブロック210において、図1のシステム100に示すコンピュータであるような1つ又は複数の計算装置が複数のリスククラスに関する情報を取得し得る。上記したように、リスククラスは、金利、信用−適格、信用−非適格、エクイティ、コモディティ及び外国為替(FX)であり得る。この情報は、例えば、リスクファクター及び感応度値を含み得る。
ブロック212において、1つ又は複数の計算装置が、上記で説明した数式を用いて、リスククラス毎にデルタ証拠金、ベガ証拠金及びカーベチャー証拠金を決定する。ブロック214において、ブロック212で決定した該各デルタ証拠金、該各ベガ証拠金及び該各カーベチャー証拠金の合計によって、リスククラス毎の当初証拠金を計算する。
ブロック216において、1つ又は複数の計算装置が、全体の当初証拠金(例えば、SIMM証拠金)の計算において商品クラスを用いるかどうかを決定する。該決定に基づいて、特定の数式を用いて全体の当初証拠金を計算する。この数式は、例えば、商品クラスを用いるか否かに基づいて異なってよい。ブロック220において、全体の当初証拠金が、例えば1つ又は複数の計算装置のディスプレイ装置上に提供される。
最後に、SIMMを用いて計算した当初証拠金の金額が、対象事業体の店頭取引の清算されないデリバティブのポートフォリオに関して、適用する規制(内部モデルの使用に関する条項(provision)の下)により要求される最小証拠金金額の基準の役目を果たし得る。このように、基になったデリバティブ契約に関する当初証拠金のマージンコールの金額を、計算した当初証拠金に基づいて生成する。
(SIMMのクラウドソーシングユーティリティと動作)
クラウドソーシングユーティリティに係る様々な態様及び例を以下に説明する。以下にさらに説明するように、「ユーティリティ(Utility又はthe Utility)」又はそのあらゆる変化形は、例えば、SIMMのクラウドソーシング機能(データを受信し、まとめる)を促進して維持し、SIMM利用者が提出される議決に基づいて様々なリスク区分に対する適切なマッピングの決定も行うソフトウェア及び/又はプログラム命令を実行するバックエンドサーバ側のシステムであると考えることができる。
上記したように、各資産クラスは、SIMMに入力されようとする1つ又は複数のリスクファクターの感応度を分類するために用いるリスク区分を含むことができる。図3Aは、本発明の1つ又は複数の態様に関する「信用適格」のSIMMリスク区分を示す例である表である。図3Bは、本発明の1つ又は複数の態様に係る「信用非適格」のSIMMリスク区分を示す例である表である。さらに図3Cは、本発明の1つ又は複数の態様に係る「エクイティ」のSIMMリスク区分を示す例である表である。図示するように、図3Aから図3Cに示す例である表のそれぞれは、「区分番号」列、「信用度」列及び「セクター」列を示す。
清算されない証拠金規制に影響を受けるあらゆる当事者が、クラウドソーシングに参加する資格があるということがわかる。一実施形態では、SIMMを利用する利用者、当事者が、清算されない証拠金規制の範囲内にある彼らの勘定におけるポジションに関してのみデータを提出することができる。
例として、原資産毎に、提出する企業はそれぞれ、図3Aから図3Cに示す対応するSIMM区分をもつ1つの識別子をユーティリティに提供することができる。これが、1つの「議決」となるものと考える。例えば、提出する企業はそれぞれ、それ独自の内部論理及び/又は基準を適用し、ユーティリティに提出されようとする議決を決定し得る。例えば、現在の信用格付を用いることができる。
ユーティリティへの議決の提出頻度は、例えば日に1回、週に1回、2週に1回など変更してよい。しかしながら、一例としては、提出は少なくとも月に1回はなされる。そのため、この例では、クラウドソーシングユーティリティに提出した議決は、データが現在のものであることを保証し、同時に、もはやポジションを保有しないという企業からの議決を動的に「放棄」するために、1ヶ月後を満期とする。
企業からの新しい議決は、例えば、特定の原資産に関して企業の前回の議決を無効にすることができる。このため、前回提出された特定の原資産に関する議決は、それらが無効にされるまで(又は上記の例の、それらの月に1回の満期まで)有効のままにされ得る。
議決を提出した企業は、「随意の」情報をもつそれらの議決を補うことを決定することができる。例えば、この随意の情報は、調整処理を容易にするためにセクター、領域等の情報を含みうる。これは、そのデータ供給元を伴う企業のデータのライセンシングにより異なり得る。
清算されない証拠金規制の範囲に新企業が参入してきた場合に、ユーティリティは、新規利用者に対してクラウドソーシングのために彼らの議決を提出するように便宜をはかるように構成され得る。
一部の例では、ユーティリティは、データの完全性を保証するために、入ってきたデータに対して特定のチェックを実行する必要があり得る。
ユーティリティへのデータの提出に係る、様々な態様及び例を以下に説明する。例えば、データの提出は、資産識別子及び資産クラス範囲を含み得る。
信用適格資産に関する例であって、さらに銘柄の文脈において、原資産を特定するために国際証券識別コード(“ISIN”)を用いることができる。例えば、SIMM利用者は、原資産とシニオリティとのペア毎に1つのISINと、図3Aにおける対応する当該SIMM区分とを提出し得る。例として、図4Aが、テンプレートからの提出の例である。図4Aに示すように、提出の例は3つの列、“Red Preferred ISIN/ISIN(Red優先ISIN/ISIN)”、“Select ISDA SIMM Bucket(選択ISDA・SIMM区分)”及び“Name of issuer/underlying(発行体/原資産の名称)”を含み、さらにそれぞれ“XS0741962681”、“CRQ 2”及び“ABN AMRO Bank N.V.(ABNアムロ銀行)”のエントリーを含む。
発行体/シニオリティの各ペアに関して複数のISINが存在し得るため、利用者は、知っている場合又は利用可能である場合には、Standard Reference Obligation(SRO:標準参照債務)取引を含む、RED Preferred ISINとしてマークイット社(Markit(登録商標))によって指定されるISINを提供できる。RED Preferred ISINを知らない又は利用可能でない場合には、そのときは取引で合意された又は確認されたISINを提出できる(例えば、マークイット社(Markit(登録商標))では、SRO・ISINが各SRO取引に関連するRED Preferred ISINであるということを確認してきた)。
信用適格資産に関連する例であって、さらに指数の文脈において、信用適格指数は、成分に分解することができ、各成分は銘柄用の同様の方法論に従ってSIMM区分に対応させる。
この例では、ISINが存在し得ない参照事業体の既知のリストが存在し得る。そのため、SIMMクラウドソーシングユーティリティのために、静的なダミーISINのセットが提出目的で提供され得る。図4Bは、ダミーISINの例である表を示している。例えば、この表には、「ISINをもたない参照事業体の正式名一覧」とする第1の列と、「ISDA・SIMM用ダミーISIN」とする第2の列とが含まれる。
信用非適格の資産に関する例であって、さらに銘柄の文脈では、利用者が、例えば原資産毎に1つのISINと、図3Bの対応する当該SIMM区分とを提出し得る。単に例として、図5Aが、テンプレートからの提出の例である。図5Aに示すように、提出の例は、3つの列、“Red Preferred ISIN/ISIN(Red優先ISIN/ISIN)”、“Select ISDA SIMM Bucket(選択ISDA・SIMM区分)”及び“Name of issuer/underlying(発行体/原資産の名称)”含み、さらにそれぞれ“XS0259419400”、“Credit Non Q 1”及び“Residential Mortgage Security(住宅ローンの保証)”のエントリーを含む。
信用非適格の資産に関する一部の例であって、さらに指数の文脈においては、信用非適格指数(例えば金利のみ(「IO(Interest Only)」)のABX/CMBX/TRSと元金のみ(「PO(Principal Only)」)のTRS)に関していずれのISINも存在せずともよい。このため、ユーティリティは、企業間のリスク区分における差異を最小限にするために、合意があれば、適切なISDA・SIMMリスク区分に対して特定の信用非適格指数を対応させている、標準最良慣行マッピングテーブルを記憶(host)し、保持し及び/又は発行する。このように、マッピングテーブルが、ユーティリティによって指数レベルで保持され得る。そのため、ユーティリティは、このテーブルへのインプットの出所のみならず、SIMMの利用者に透明であるテーブルを保つための規則を作成しうる。例えば、図5Bは、ユーティリティによって指数レベルで保持される例であるマッピングテーブルを示す。図示するように、マッピングテーブルは、第1の列の「モーゲージ指数」と、第2の列の「ISDA・SIMM区分」を含み得る。
エクイティ資産に関する例であって、さらに銘柄の文脈においては、利用者が、原資産毎に1つのISINと、図3Cの対応する当該SIMM区分とを提出し得る。例としては、図6にテンプレートからの提出例を示している。図6に示すように、提出の例は、5つの列、“ISIN”、“Select ISDA SIMM Bucket(選択ISDA・SIMM区分)”、“Issuer Name−per Bloomberg(ブルームバーグにおける発行体の名称)”、“Additional Identifier Type(追加識別子タイプ)”及び“Input Identifier(インプット識別子)”を含み、さらにそれぞれ“FR0000121667”、“EQ5”、“Essilor International SA(エシロールインターナショナル)”のエントリー、エントリーなし及びエントリーなしを含む。
エクイティ資産に関する一部の例であって、さらに指数の文脈では、エクイティ指数は、「エクイティ指数」、「ETF」及び/又は「ファンド」に関する個別のSIMMリスク区分を有し得る。
上記した例に加えて、特定の資産クラス及び商品に関するインプットの感応度に対するSIMMパラメータの一貫した適用を必要とし得る、他のタイプの資産に関して、クラウドソーシングの機能性が考慮され、該他のタイプの資産に関してクラウドソーシングの機能性が適用され得る。
ユーティリティからの決定と、結果の出力とに関する様々な態様及び例を、以下に説明する。
予め決定された時間間隔、例えば1時間に1回、1日に1回、週に1回、1ヶ月に1回等で、ユーティリティは、票決された区分など、全ての議決を合計し、利用する企業に関するコンセンサスのSIMM区分の最終結果報告を発行するように構成され得る。
例えば、ユーティリティは、SIMM利用者からの最多の議決を受ける区分に基づくリスク区分に対してコンセンサスのマッピングを決定し得る。スプリットデシジョン(例えば、過半数がない賛否同数の議決)の事象では、条件においてより厳しい区分又はリスク加重を、「勝者」又は選択された区分と考え、結果として生じたクラウドソーシングされたSIMMリスク区分として報告する。賛否同数の議決が、同じリスク加重をもつリスク区分を含む場合、最小数の区分が、勝者とされ得、結果として生じたクラウドソーシングされたSIMMリスク区分として報告することとなる。例えば、SIMMリスク区分番号1を、最小数の区分と考えることができる。「残余」区分における議決に基づくスプリットデシジョンの事象においては、残余の区分ではないSIMM区分が勝者と考えられ、その後、結果として生じたクラウドソーシングされたSIMMリスク区分として選択し得る。
例として、ユーティリティは、SIMM利用者から受け取った議決がたった1つであっても、結果におけるコンセンサスのSIMM区分を提供することができる。
ユーティリティは、所定時間に、結果の出力を提供し得、例えば、T+1で米国東部時間(EST)PM1時00分などの或る時間に1日1回とする。例えば、図7は提出及び結果のタイムライン例を示している。結果の出力が1日1回であれば、そのとき各日の出力は、その日のカットオフ時間より前であって最大1ヶ月前に受け取った全ての当該議決に基づき得る。上述したように、クラウドソーシングユーティリティに提出された議決は、1ヶ月後に「満期」となり得るため、満期を迎えることが想定される議決は、ユーティリティによって合計しないようにするため、結果には影響しない。一部の例では、SIMM利用者は、業界試験中などに結果のタイミングをさらに評価する権利を保有し得る。
ユーティリティは、SIMM区分ごとの議決数を含むコンセンサスの結果を発行し得る。ユーティリティの利用者はまた、単に彼らがユーティリティに提出した原資産だけでなく、出力データの全てを受信することができる。結果報告の購読者には様々な層が存在し得ることが想定される。
クラウドソーシングによるコンセンサスの結果を、操作能力が異なる利用者が利用できることを確実にするために、ユーティリティは、結果報告の送達中にアカウントのプライバシー問題を考慮もしながら、複数の方法及びデータプラットフォームを介して結果報告を引渡しすることができ得る。SIMMの保全性を維持する目的でSIMMを操作する事業体によって、又は監査目的のSIMMの利用者もしくは規制者によって、データ結果又は報告が周期的に要求され得る。
例えばSIMM利用者による結果の適用である、消費に関連する様々な態様及び例を以下に記載する。
一例としては、ユーティリティが発行したデータは、SIMMの幅広い適用の一部として、清算されないデリバティブの証拠金規制の範囲内のそれらの当事者によって、証拠金計算のために用いられ得る。
機関、企業、利用者等は、FTPのみならずユーティリティにより提案されようとする他のデータ送達チャネルを介したユーティリティからの、それぞれの原資産識別子及び対応するコンセンサスのSIMM区分を含む、クラウドソーシングの結果を消費(例えば、利用、解析、検討等)することができなければならない。
ユーティリティが出力する結果は、T+2日の遅れでのリスク計算のために企業又はエンドユーザにより適用され得る。図7は、提出及び結果のタイムラインを示している。例えば、「取引A」を実施するとき、企業が「取引A」を採決するとき、企業がユーティリティの結果を受信するときのタイムラインを示しており、マージンコールについても示している。参加者は、業界試験中などにこの結果のタイミングをさらに評価する権利をここでも保有し得る。
必要であれば、一部の状況において、各機関は、IM計算等のためにユーティリティが出力したSIMM区分をもつその内部SIMM区分を無効にできる。
例えばリスクファクターのネッティングである、クラウドソーシングユーティリティの他の可能な機能に関する様々な態様及び例を、以下に記載している。一例として、同じSIMM区分内の取引に関しては、異なる証券発行にわたるネッティングに用いられる適切な識別子が必要であり得る。
例えば、エクイティ資産の文脈においては、複数の為替の全域にわたり取引される異なる株式にわたるネッティングのために、ISINが用いられ得、以下にチャートで示している。
Figure 2018514889
別の例では、信用適格資産の文脈においては、以下のチャートに示すように、例えばティッカー(TICKER)である、内部維持される発行体フィールドが用いられ得る。以下のチャートは、ティッカーが、異なる車載の銘柄の全域にわたって完全な相殺を提供することを示すものであって、“RED ENTITY CODE”フィールドはなくてもよい。
Figure 2018514889
前述の開示は、単に本発明を説明するために述べたのであって、限定する意図はない。当業者によれば、本発明の趣旨及び実体を組み込む開示の実施形態の変形が想到され得るため、本発明は、添付の請求項及びその均等物の範囲にある全てを包含するように解釈されるべきである。本開示は、専門家ではない人物は通じていない可能性がある文言及び頭字語を使用しているが、当業者であれば、本明細書で使用した文言及び頭字語に通じているであろう。

Claims (22)

  1. 当初証拠金標準モデル(SIMM(Standard Initial Margin Model))を用いて、清算されないデリバティブの全体の当初証拠金を計算して提供する方法であって、
    少なくとも1つの計算装置によって、複数のリスククラスに関する情報を取得することと、
    前記少なくとも1つの計算装置によって、前記複数のリスククラスに関する取得した該情報に基づいて、リスククラス毎にデルタ(delta)証拠金、ベガ(vega)証拠金及びカーベチャー(curvature)証拠金を決定することと、
    前記少なくとも1つの計算装置によって、該各デルタ証拠金、該各ベガ証拠金及び該各カーベチャー証拠金の合計によって、リスククラス毎に当初証拠金を計算することと、
    前記少なくとも1つの計算装置によって、全体の当初証拠金の計算に、商品クラスを用いるか否かを決定することと、
    前記少なくとも1つの計算装置によって、該決定に基づいて、数式を用いて、前記全体の当初証拠金を計算することと、
    前記少なくとも1つの計算装置によって、前記全体の当初証拠金を提供することとの動作を含む、方法。
  2. 前記複数のリスククラスは、少なくとも(i)金利、(ii)信用−適格、(iii)信用−非適格、(iv)エクイティ、(v)コモディティ及び(vi)外国為替(FX)を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記複数のリスククラスに関する前記情報は、1つ又は複数の予め決定したリスクファクター及び1つ又は複数の感応度を含む、請求項2記載の方法。
  4. 前記複数のリスククラスに関する前記情報は、1つ又は複数の金利のリスクウエイト及び1つ又は複数の金利の相関を含む、請求項3記載の方法。
  5. 前記複数のリスククラスに関する前記情報は、1つ又は複数の信用−適格のリスクウエイト及び1つ又は複数の信用−適格の相関を含む、請求項3記載の方法。
  6. 前記複数のリスククラスに関する前記情報は、1つ又は複数の信用−非適格のリスクウエイト及び1つ又は複数の信用−非適格の相関を含む、請求項3記載の方法。
  7. 前記複数のリスククラスに関する前記情報は、1つ又は複数のエクイティのリスクウエイト及び1つ又は複数のエクイティの相関を含む、請求項3記載の方法。
  8. 前記複数のリスククラスに関する前記情報は、1つ又は複数のコモディティのリスクウエイト及び1つ又は複数のコモディティの相関を含む、請求項3記載の方法。
  9. 前記複数のリスククラスに関する前記情報は、1つ又は複数のFXのリスクウエイト及び1つ又は複数のFXの相関を含む、請求項3記載の方法。
  10. 前記複数のリスククラスに関する前記情報は、1つ又は複数の集中閾値(concentration threshold)を含む、請求項3記載の方法。
  11. リスククラス毎の前記当初証拠金は、
    Figure 2018514889
    により規定するものであって、IMが前記当初証拠金、xが各リスククラス、DeltaMarginがリスククラス毎の前記デルタ証拠金、VegaMarginがリスククラス毎の前記ベガ証拠金、CurvatureMarginがリスククラス毎の前記カーベチャー証拠金である、請求項1記載の方法。
  12. 商品クラスを用いない場合、前記全体の当初証拠金の計算に用いる前記数式は、
    Figure 2018514889
    によって規定するものであって、SIMMが前記全体の当初証拠金である、請求項11記載の方法。
  13. 前記IMIR&FXは、
    Figure 2018514889
    である、請求項12記載の方法。
  14. 前記IMCreditは、
    Figure 2018514889
    である、請求項12記載の方法。
  15. 商品クラスを用いる場合、前記全体の当初証拠金の計算に用いる前記数式は、
    Figure 2018514889
    によって規定するものであって、SIMMが、前記全体の当初証拠金である、請求項11記載の方法。
  16. 前記商品クラスは、(i)金利と外国為替(RatesFX)、(ii)信用、(iii)エクイティ及び(iv)コモディティを含む、請求項15記載の方法。
  17. 前記商品クラス毎の証拠金は、
    Figure 2018514889
    によって規定するものであって、SIMMproductが前記商品クラスのうちの1つの前記証拠金である、請求項16記載の方法。
  18. 前記全体の当初証拠金の提供は、前記少なくとも1つの計算装置によって、前記全体の当初証拠金をディスプレイ装置に表示することを含む、請求項1記載の方法。
  19. 実行可能な命令のセットを備える非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記実行可能な命令のセットは、少なくとも1つのプロセッサにより実行される場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに対して、当初証拠金標準モデル(SIMM)を用いて、清算されないデリバティブの全体の当初証拠金を計算して、提供する方法を実行させるものであって、前記方法は、
    複数のリスククラスに関する情報を取得することと、
    前記複数のリスククラスに関する取得した該情報に基づいて、リスククラス毎にデルタ証拠金、ベガ証拠金及びカーベチャー証拠金を決定することと、
    該各デルタ証拠金、該各ベガ証拠金及び該各カーベチャー証拠金の合計によって、リスククラス毎に当初証拠金を計算することと、
    前記全体の当初証拠金の計算に、商品クラスを用いるか否かを決定することと、
    該決定に基づいて、数式を用いて前記全体の当初証拠金を計算することと、
    前記全体の当初証拠金を提供することとの動作を含むコンピュータ読み取り可能媒体。
  20. 当初証拠金標準モデル(SIMM)を用いて、清算されないデリバティブの全体の当初証拠金を計算して、提供するシステムであって、
    複数のリスククラスに関する情報を取得し、
    前記複数のリスククラスに関する取得した該情報に基づいて、リスククラス毎にデルタ証拠金、ベガ証拠金及びカーベチャー証拠金を決定し、
    該各デルタ証拠金、該各ベガ証拠金及び該各カーベチャー証拠金の合計によって、リスククラス毎に当初証拠金を計算し、
    前記全体の当初証拠金の計算に、商品クラスを用いるか否かを決定し、
    該決定に基づいて、数式を用いて前記全体の当初証拠金を計算し、
    前記全体の当初証拠金を提供する、記憶されたプログラム可能な命令を実行する少なくとも1つの計算装置を備える、システム。
  21. 複数のリスククラスに関する前記情報は、マッピングテーブルを用いて維持され、
    前記方法は、前記少なくとも1つの計算装置によって、前記マッピングテーブルを複数の利用者に送信することをさらに含む、請求項1記載の方法。
  22. 複数のリスククラスに関する前記情報が、前記複数の利用者間で一貫するように、前記マッピングテーブルは、前記複数の利用者からの少なくとも1つ又は複数の議決に基づいて更新される、請求項21記載の方法。
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