本開示の実施形態は、一般に無線ネットワーキングに関し、より詳細には、無線ネットワークを介して受信されたシンボルの利用可能な復号時間(すなわち、復号及び処理するために利用可能な時間量)を増加させることに関する。
以下の発明を実施するための形態では、特定の例示的な実施形態を例示し、説明している。当業者に理解されるように、これらの実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な異なる方法で変更することができる。したがって、図面及び説明は本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。同様の参照番号は、本明細書の同様の要素を示す。
図1は、一実施形態による無線ネットワークを示す。無線ネットワークは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)のインフラストラクチャ基本サービスセット(BSS)100を含む。802.11無線LANでは、BSSは基本ビルディングブロックを提供し、代表的にはアクセスポイント(AP)及び1つ以上の関連するステーション(STA)を含む。図1では、BSS100は、第1、第2、第3及び第4の無線装置(又はステーション)104、106、108及び110(STA1、STA2、STA3及びSTA4とも呼ばれる)と無線通信するアクセスポイント102(APとも呼ばれる)を含む。無線装置は、それぞれ、IEEE802.11規格による媒体アクセス制御(MAC)層及び物理(PHY)層を含むことができる。
図1では、第1〜第4のステーションSTA1〜STA4のみを含むBSS100のみを示しているが、実施形態はこれに限定されず、任意の数のBSを含む複数のBSSを含むことができる。
AP102は、ステーションであり、すなわち、BSS100の機能を制御及び調整するように構成されたSTAである。AP102は、単一のフレームを使用してBSS100内の複数のステーションSTA1〜STA4のうちから選択された単一のステーションに情報を送信する、あるいは単一の直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)ブロードキャストフレーム、単一のOFDMマルチユーザ他入力多出力(MU−MIMO:Multi-User Multi-Input Multi-Output)送信、又は単一の直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)フレームのいずれかを使用してBSS100内のステーションSTA1〜STA4のうちの2つ以上に同時に情報を送信することができる。
STA1〜STA4は、それぞれが単一のフレームを使用してAP102にデータを送信する、あるいは単一のフレームを使用して互いに情報を送受信することができる。ステーションSTA1〜STA4のうちの2つ以上は、アップリンク(UL)OFDMAフレームを使用してAP102に同時にデータを送信することができる。BSS100が空間分割多元接続(SDMA:Spatial Division Multiple Access)をサポートするとき、ステーションSTA1〜STA4のうちの2つ以上は、UL MU−MIMOフレームを使用して同時にAP102にデータを送信することができる。
別の実施形態では、AP102は存在しなくてもよく、ステーションSTA1〜STA4はアドホックネットワーク内とあることができる。
ステーションSTA1〜STA4及びAP102は、プロセッサ及びトランシーバを含み、ユーザインタフェース及び表示装置をさらに含むことができる。
プロセッサは、無線ネットワークを介して送信されるフレームを生成し、無線ネットワークを介して受信されたフレームを処理し、無線ネットワークのプロトコルを実行するように構成される。プロセッサは、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラミング命令を実行することによって、その機能の一部又は全部を実行することができる。トランシーバは、プロセッサに機能的に接続されたユニットを表し、無線ネットワークを介してフレームを送受信するように設計されている。
トランシーバは、送信及び受信の機能を実行する単一のコンポーネント、又はそれぞれがそのような機能の1つを実行する2つの別個のコンポーネントを含むことができる。プロセッサ及びトランシーバは、それぞれのハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、又はその両方を使用して、ステーションSTA1〜STA4及びAP102のそれぞれに実装され得る。
AP102は、WLANルータ、スタンドアロンアクセスポイント、WLANブリッジ、WLANコントローラによって管理される軽量アクセスポイント(LWAP)などであってよく、それらを含んでもよい。さらに、携帯電話が無線「ホットスポット」として動作するように構成されているときなど、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は携帯電話などの装置は、AP102として動作することができる。
ステーションSTA1〜STA4の各々は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットPC、無線電話、携帯電話、スマートフォン、電子書籍、ポータブルマルチメディアプレーヤー(PMP)、ポータブルゲーム機、ナビゲーションシステム、デジタルカメラ、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)プレーヤ、デジタルオーディオレコーダ、デジタルオーディオプレーヤ、デジタルピクチャレコーダ、デジタルピクチャプレーヤ、デジタルビデオレコーダ、デジタルビデオプレーヤなどであってよく、それらを含んでもよい。
本開示は、IEEE802.11規格に従うWLANシステムに適用され得るが、これに限定されない。
IEEE802.11規格では、ステーション(アクセスポイントを含む)間で交換されるフレームは、管理フレーム、制御フレーム、及びデータフレームに分類される。管理フレームは、通信プロトコルスタックの上位層に転送されない管理情報を交換するために使用されるフレームであってもよい。制御フレームは、媒体へのアクセスを制御するのに使用されるフレームとすることができる。データフレームは、通信プロトコルスタックの上位層に転送されるデータを送信するのに使用されるフレームとすることができる。
各フレームのタイプ及びサブタイプは、適用可能な規格で規定されているように、フレームの制御フィールド内に含まれるタイプフィールド及びサブタイプフィールドを使用して識別されることができる。
図2は、一実施形態による無線装置200の概略ブロック図を示す。無線又はWLAN装置200は、BSS内の任意の装置、例えば、図1のAP102又は任意のステーションSTA1〜STA4を表すことができる。WLAN装置200は、ベースバンドプロセッサ210と、無線周波数(RF)トランシーバ240と、アンテナ部250と、記憶装置(例えば、メモリ)232と、1つ以上の入力インタフェース234と、1つ以上の出力インタフェース236とを含む。ベースバンドプロセッサ210、メモリ232、入力インタフェース234、出力インタフェース236、及びRFトランシーバ240は、バス260を介して互いに通信することができる。
ベースバンドプロセッサ210は、ベースバンド信号処理を実行し、MACプロセッサ212及びPHYプロセッサ222を含む。ベースバンドプロセッサ210は、記憶装置232は、ソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム命令)及びその中に記憶されたデータを有する非一時的なコンピュータ可読媒体を含むことができる。
一実施形態では、MACプロセッサ212は、MACソフトウェア処理部214及びMACハードウェア処理部216を含む.MACソフトウェア処理部214は、記憶装置232に記憶されたソフトウェアに含まれ得るMACソフトウェアを実行することによってMAC層の第1の複数の機能を実装することができる。MACハードウェア処理部216は、専用ハードウェア(以後、「MACハードウェア」と呼ぶ)でMAC層の第2の複数の機能を実装することができる。ただし、MAC処理部212はこれに限定されない。例えば、MACプロセッサ212は、実装に従って、第1及び第2の複数の機能をソフトウェアで完全に実行する、あるいはハードウェアで完全に実行するように構成され得る。
PHY処理部222は、送信信号処理部224と、受信信号処理部226とを含む.PHY処理部222は、PHY層の複数の機能を実装する。これらの機能は、実装に従って、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせで実行され得る。
送信信号処理部224によって実行される機能は、前方誤り訂正(FEC)符号化、1つ以上の空間ストリームへのストリーム解析、複数の時空間ストリームへの空間ストリームのダイバーシティ符号化、チェーンを送信する時空間ストリームの空間マッピング、逆フーリエ変換(iFT)計算、ガードインターバル(GI)を生成するためのサイクリックプレフィックス(CP)挿入などの1つ以上を含むことができる。
RFトランシーバ240は、RF送信機242及びRF受信機244を含む。RFトランシーバ240は、ベースバンドプロセッサ210から受信した第1の情報をWLANに送信し、WLANから受信した第2の情報をベースバンドプロセッサに提供するように構成される。
アンテナ部250は、1つ以上のアンテナを含む。多入力多出力(MIMO)又はマルチユーザMIMO(MU−MIMO)が使用されるとき、アンテナ部250は、複数のアンテナを含むことができる。一実施形態では、アンテナ部250内のアンテナは、ビーム形成アンテナアレイとして動作することができる。一実施形態では、アンテナ部250内のアンテナは、指向性アンテナとしてよく、固定又は操縦可能とすることができる。
入力インタフェース234は、ユーザからの情報を受け、出力インタフェース236は、ユーザに情報を出力する。入力インタフェース234は、キーボード、キーパッド、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのうちの1つ以上を含むことができる。出力インタフェース236は、表示装置、タッチスクリーン、スピーカなどのうちの1つ以上を含むことができる。
本明細書で説明するように、WLAN装置200の多くの機能は、ハードウェア又はソフトウェアのいずれかで実装され得る。どの機能がソフトウェアで実装され、どの機能がハードウェアで実装されるかは、設計に課せられた制約に従って異なるだろう。制約は、設計コスト、製造コスト、市場投入までの時間、消費電力、利用可能な半導体技術などのうちの1つ以上を含むことができる。
本明細書で説明するように、広範囲の電子装置、回路、ファームウェア、ソフトウェア、及びそれらの組み合わせがWLAN装置200のコンポーネントの機能を実装するのに使用され得る。さらに、WLAN装置200は、アプリケーションプロセッサ、ストレージインタフェース、クロック発生器回路、電源回路等などの他のコンポーネントを含むことができるが、簡潔にするため省略されている。
図3Aは、送信(Tx)信号処理部(TxSP)324、RF送信機342、及びアンテナ352を含む、一実施形態によるデータを送信するように構成された無線装置のコンポーネントを示す。一実施形態では、TxSP324、RF送信機342、及びアンテナ352は、図2の送信信号処理部224、RF送信機242及びアンテナ部250のアンテナにそれぞれ対応する。
TxSP324は、符号器300と、インタリーバ302と、マッパ304と、逆フーリエ変換器(IFT)306と、ガードインターバル(GI)挿入器308とを含む。
符号器300は、入力データDATAを受信及び符号化する。一実施形態では、符号器300は、前方誤り訂正(FEC)符号器を含む。FEC符号器は、2進畳み込み符号(BCC)符号器に続いてパンクチャリング装置(puncturing device)を含むことができる。FEC符号器は、低密度パリティチェック(LDPC)符号器を含むことができる。
TxSP324は、符号器300によって符号化が実行される前に入力データをスクランブルして、0又は1の長いシーケンスの確率を低減するためのスクランブラをさらに含むことができる。符号器300がBCC符号化を実行するとき、TxSP324は、複数のBCC符号器間でスクランブルされたビットを逆多重化するための符号器パーサをさらに含むことができる。LDPC符号化が符号器で使用される場合、TxSP324は符号器パーサを使用しないことがある。
インタリーバ302は、符号器300から出力された各ストリームのビットをインタリーブして、その中のビットの順序を変更する。インタリーバ302は、符号器300がBCC符号化を実行するときにのみインタリーブを適用し、そうでない場合、符号器300から出力されたストリームをその中のビットの順序を変更することなく出力することができる。
マッパ304は、インタリーバ302から出力されたビットのシーケンスをコンステレーションポイントにマッピングする。符号器300がLDPC符号化を実行した場合、マッパ304は、コンステレーションマッピングに加えてLDPCトーンマッピングも実行することができる。
TxSP324がMIMO又はMU−MIMO送信を実行するとき、TxSP324は、送信の空間ストリームのNSS個数に従って、複数のインタリーバ302及び複数のマッパ304を含むことができる。TxSP324は、符号器300の出力をブロックに分割するためのストリームパーサをさらに含み、ブロックを異なるインタリーバ302又はマッパ304にそれぞれ送信することができる。TxSP324は、さらに、空間ストリームからのコンステレーションポイントを数NSTS個の時空間ストリームに拡散するための時空間ブロックコード(STBC:Space-time block code)符号器、時空間ストリームを送信チェーンにマッピングするための空間マッパとをさらに含む。空間マッパは、直接マッピング、空間拡張、又はビームフォーミングを使用することができる。
IFT306は、マッパ304から出力されたコンステレーションポイントのブロック(又は、MIMO又はMU−MIMOが実行されるときは、空間マッパ)を、時間領域ブロック(すなわち、シンボル)に逆離散的フーリエ変換(IDFT)又は逆高速フーリエ変換(IFFT)を使用することによって変換する。STBC符号器及び空間マッパが使用される場合、IIFT306は送信チェーンごとに提供され得る。
TxSP324がMIMO又はMU−MIMO送信を実行するとき、TxSP324は、意図しないビームフォーミングを防止するためにサイクリックシフトダイバーシティ(CSD)を挿入することができる。TxSP324は、IFT306の前又は後にCSDの挿入を実行することができる。CSDは、送信チェーンごとに指定されることができ、又は時空間ストリームごとに指定され得る。代替的には、CSDは、空間マッパの一部として適用され得る。
TxSP324がMIMO又はMU−MIMO送信を実行する場合、空間マッパの前のいくつかのブロックはユーザごとに提供され得る。
GI挿入器308は、IFT306によって生成された各シンボルの先頭にGIを付加する。各GIは、GIが先行するシンボルの終了の反復部分に対応するサイクリックプレフィックス(CP)を含むことができる。TxSP324は、GIを挿入した後、各シンボルのエッジを滑らかにするために、任意にウィンドウ処理を実行することができる。
RF送信機342は、シンボルをRF信号に変換して、アンテナ352を介してRF信号を送信する。TxSP324がMIMO又はMU−MIMO送信を行うとき、GI挿入器308及びRF送信機342は、送信チェーンごとに提供され得る。
図3Bは、受信機(Rx)信号処理部(RxSP)326、RF受信機344、及びアンテナ354を含む、実施形態によるデータを受信するように構成された無線装置のコンポーネントを示す。実施形態では、RxSP326、RF受信機344、及びアンテナ354は、図2の受信信号処理部226、RF受信機244及びアンテナ部250のアンテナに対応することができる。
RxSP326は、GI除去器318と、フーリエ変換器(FT)316と、デマッパ314と、デインタリーバ312と、復号器310とを含む。
RF受信機344は、アンテナ354を介してRF信号を受信し、RF信号をシンボルに変換する。GI除去器318は、各シンボルからGIを除去する。受信した送信がMIMO又はMU−MIMO送信であるとき、RF受信機344及びGI除去器318は、受信チェーンごとに提供され得る。
FT316は、離散フーリエ変換(DFT)又は高速フーリエ変換(FFT)を使用して、各シンボル(すなわち、各時間領域ブロック)をコンスタレーション点の周波数領域ブロックに変換する。FT316は、受信チェーンごとに提供され得る。
受信した送信がMIMO又はMU−MIMO送信であるとき、RxSP326は、受信機チェーンのFT316のそれぞれの出力を複数の時空間ストリームのコンステレーションポイントに変換するための空間デマッパを含むことができ、コンステレーションポイントを時空間ストリームから1つ以上の空間ストリームに逆拡散するためのSTBC復号器を含む。
デマッパ314は、FT316又はSTBC復号器から出力されたコンステレーションポイントをビットストリームにデマッピングする。受信した送信がLDPC符号化を使用して符号化された場合、デマッパ314は、コンステレーションデマッピングを実行する前にLDPCトーンデマッピングをさらに実行することができる。
デインタリーバ312は、デマッパ314から出力された各ストリームのビットをデインタリーブする。デインタリーバ312は、受信した送信がBCC符号化を使用して符号化されたときにのみデインタリーブを行い、そうでない場合、デインタリービングを行うことなくデマッパ314によって出力されたストリームを出力することができる。
受信した送信がMIMO又はMU−MIMO送信であるとき、RxSP326は、送信の空間ストリームの数に対応する複数のデマッパ314及び複数のデインタリーバ312を使用することができる。この場合、RxSP326は、デインタリーバ312から出力されたストリームを合成するためのストリームデパーサ(stream deparser)をさらに含むことができる。
復号器310は、デインタリーバ312又はストリームデパーサから出力されたストリームを復号する。一実施形態では、復号器312は、FEC復号器を含む。FEC復号器は、BCC復号器又はLDPC復号器を含むことができる。
RxSP326は、復号されたデータをデスクランブルするためのデスクランブラをさらに含むことができる。復号器310がBCC復号を行うとき、RxSP326は、複数のBCC復号器によって復号されたデータを多重化する符号器デパーサをさらに含むことができる。復号器310がLDPC復号を実行するとき、RxSP326は、符号器デパーサを使用しなくてよい。
図4Aは、一実施形態による、第1のステーションSTA1と第2のステーションSTA2との間のWLAN動作400を示す。この動作は、RTS(Ready-To-Send)フレーム402、CTS(Clear-To-Send)フレーム404、物理層コンバージェンス手順(PLCP:Physical Layer Convergence Procedure)プロトコルデータユニット(PPDU)フレーム406、及び確認応答(ACK)フレーム408を含む。
WLAN動作400は、DCF(Distributed Coordinate Function)を利用することができる。ステーションSTA1〜STA3の1つ以上は、アクセスポイントとすることができる。
第1のステーションSTA1は、RTSフレーム402を送信する。図4Aの例において、RTSフレーム402は第2のステーションSTA2宛であり、第3のステーションSTA3宛ではない。
第2のステーションSTA2は、RTSフレーム402を受信及び復号する。第2のステーションSTA2は、RTSフレーム402が第2のステーションSTA2宛であると決定するとき、第2のステーションSTA2は、SFIS持続時間tSIFSに等しい持続時間を有する第1の短フレーム間間隔(SIFS:Short Inter-Frame Space)後、第1のステーションSTA1宛のCTSフレーム404を送信することにより、RTSフレーム402に応答する。SIFS持続時間tSIFSは、チャネルにおける前の送信の終了からチャネルにおける次の送信の開始まで測定される。
第3のステーションSTA3も、RTSフレーム402を受信及び復号する。第3のステーションSTA3は、RTSフレーム402が第3のステーションSTA3宛ではないと決定するとき、第3のステーションSTA3は、RTSフレーム402内に含まれる持続時間値に従って、ネットワーク割当ベクトル(NAV:Network Allocation Vector)410を設定する。NAV410は、WLAN動作400の残りのためのチャネルを予約するのに使用される。
NAV410に設定された値は、NAV410が設定されている時間から開始し、その間は第3のステーションSTA3はチャネルに送信せず、一実施形態では、チャネルを検出しない、期間に対応する。期間は、CTSフレーム404の持続時間、PPDUフレーム406の持続時間、ACKフレーム408の持続時間、及びSFIS持続時間tSIFSの3倍の合計に対応することができる。
地理的レイアウト及び他のファクタに依存して、第3のステーションSTA3はCTSフレーム404を受信してもしなくてもよい。第3のステーションSTA3がCTSフレーム404(図4Aには図示せず)を受信し、CTSフレーム404が第3のステーション宛でないと決定したとき、第3のステーションSTA3は、CTSフレーム404内に含まれた持続時間値に従ってNAV410を更新することができる。
NAV410に設定された期間の後、第3のステーションSTA3は、DIFS持続時間tDIFSに等しい持続時間を有する少なくとも1つの追加の分散調整機能(DCF)フレーム間間隔(DIFS)に対しては送信しないことを継続する。DIFS持続時間tDIFSは、28、34、及び50マイクロ秒のうちの1つとすることができる。
DIFS中、第3のステーションSTA3は、チャネルが使用中であるかどうかを決定するためにチャネルを検出することができる。DIFSの後、第3のステーションSTA3は、0以上のタイムスロットのバックオフ期間の後、チャネルに送信することができる。
第1のステーションSTA1がCTSフレーム404を受信及び復号すると、次いで、第2のSIFSの後、第1のステーションSTA1はPPDUフレーム406を送信する。PPDUフレーム406は第2のステーションSTA2宛である。
第2のステーションSTA2は、PPDUフレーム406を受信及び復号する。これに応答して、SFIS持続時間tSIFSに等しい持続時間を有する第3のSIFSの後、第2のステーションSTA2は、第1のステーションSTA1宛にACKフレーム408を送信することによってPPDUフレーム406に応答する。
第2のステーションSTA2が第3のSIFSの終了時にACKフレーム408の送信を開始しない場合、第1のステーションSTA1は、PPDUフレーム406の送信が失敗したと決定することができる。第1のステーションSTA1がPPDUフレーム406の送信が失敗したと決定するとき、第1のステーションSTA1はPPDUフレーム406を再送信することができる。
図4Aに示すように、NAV410のみがACKフレーム408の送信の計算された終了時間までWLAN動作400のためにチャネルを予約するとき、第2のステーションSTA2は、NAVベクトルに設定された期間が満了する前に、ACKフレーム408の送信を完了しなければならない。
したがって、第2のステーションSTA2は、PPDUフレーム406の送信が完了した後、1つのSIFSでACKフレーム408の送信を開始する必要がある。第2のステーションSTA2は、ACKフレーム408の送信を開始する前に、PPDUフレーム406のすべての有効なデータ搬送シンボルを受信し、正常に復号しなければならない。
図4Bは、第1の時間T1と第2の時間T2との間の期間中の、図4AのWLAN動作400の詳細を示す。図4Bは、PPDUフレーム406の最終部分及びACKフレーム408の最初の部分を示す。
PPDUフレーム406は、最後から3番目のシンボル414、最後から2番目のシンボル418、及び最後のシンボル422を含むデータシンボルのシーケンスを含む。一実施形態では、シンボル414、418、及び422はOFDMシンボルである。
各シンボルには、ガードインターバル(GI)を占有するサイクリックプレフィックス(CP)が先頭に付加されている。最後から3番目のシンボル414は最後から3番目のCP412に先行され、最後から2番目のシンボル418は最後から2番目のCP416に先行され、最後のシンボル422は最後のCP420に先行される。
PPDUフレーム406内の各データシンボルは、シンボル持続時間tSYMに等しい持続時間を有する。一実施形態では、シンボル持続時間tSYMは12.8マイクロ秒である。各データシンボルは、78.125kHzのサブキャリア間隔を有する。PPDUフレーム406内の各CPはCP持続時間tCP等しい持続時間を有する。一実施形態では、CP持続時間tCPは、0.8、1.6、及び3.2マイクロ秒のうちの1つとすることができる。
図4Aを参照して説明したように、第2のステーションSTA2は、16マイクロ秒のSIFSであって、PPDUフレーム406の送信が完了するときに開始するSIFSの終了前に、PPDUフレーム406の復号及び、その有効性を決定することを終了する必要があり得る。2.4GHz帯に対するIEEE802.11b規格による実施形態では、第2のステーションSTA2は、10マイクロ秒のSIFS+16マイクロ秒の信号延長時間の間に、PPDUフレーム406の復号及びその有効性の決定を終了する必要があり得る。以下では、16マイクロ秒のSIFS及びIEEE802.11b SIFS+16マイクロ秒の信号延長の両方を16マイクロ秒SIFSと呼ぶ。
以下、受信装置が復号されるべき最終シンボルの受信を終了する時間と、受信装置が対応する確認応答の送信を開始しなければならない時間との間隔は、利用可能な復号時間tdecと呼ばれる。
第2のステーションSTA2が後のシンボルを受信しつつ1つ以上の先行の受信シンボルを処理することができるパイプライン実装を使用するとき、受信したPPDUフレーム406の最後又は最後の数個のOFDMシンボルが最も問題となり得る。受信したPPDUフレーム406の最後又は最後の数個のOFDMシンボルの処理を完了するために必要な時間は、第2のステーションSTA2がACKフレーム408を送信する準備ができている最も早い時間を決定することができる。
最後のシンボル422の処理は、最後のシンボル422の全体が受信されたときに開始することができる。その結果、16マイクロ秒のSIFS以内に、第2のステーションSTA2は、例えば、図3を参照して説明したような、周波数オフセット補償、FFT、等化、デインタリーブ、デレートマッチング、復号、フレームチェックサム計算及び追加の動作を実行することによって最後のシンボル422を処理することが必要となることがある。
最後のシンボル422の処理が、最後のシンボル422を送信するのにSTBCが使用されないときなど、最後のシンボル422を任意の他のシンボルと組み合わせることに依存しないとき、第2のステーションSTA2がACKフレーム408を送信する準備ができている最も早い時間は、最後のシンボル422における情報を処理するのに必要な時間に依存することがある。
最後のシンボル422(最後のシンボル422の持続時間、最後のシンボル422を送信するのに使用されたキャリアの数、その両方が増加したとき等)の情報量の増加は、最後のシンボル422における情報を処理するのに必要な時間を増加させることがある。例えば、12.8マイクロ秒の持続時間を有する802.11ax修正に従って送信されるシンボルは、各々が3.2マイクロ秒の持続時間を有するIEEE Std 802.11acに従って送信される4つのシンボルを処理するのと等価な処理を必要とすることがある。この必要な処理の増加は、第2のステーションSTA2がACKフレーム408を送信する準備ができている最も早い時間に対応する遅延を引き起こすことがある。
最後のシンボル422の処理が、最後のシンボル422を他のシンボルと組み合わせることに依存するとき、最後のシンボル422における情報を処理するのに必要な時間が増加することがある。
例えば、STBCがPPDUフレーム406を送信するのに使用されるとき、最後のシンボル422の復号は、最後のシンボル422と最後の隣のシンボル418の両方からの情報と、組み合わされた情報における情報を処理するのに必要な時間情報は、最後のシンボル422だけの情報を処理するのに必要な時間よりも実質的に長く(例えば、2倍の長さ)することができる。より具体的には、STBCを使用して送信され、それぞれが12.8マイクロ秒の持続時間を有する、802.11ax修正による一対のシンボルは、STBCなしで送信された8個の3.2マイクロ秒のIEEE Std 802.11acのシンボルを処理することと等価な処理を必要とする。
最後のシンボル422全体が受信される前に、最後の隣のシンボル418及び最後のシンボル422の処理が開始することができないことがあるため、この必要な処理における増加は、第2のステーションSTA2がACKフレーム408を送信する準備ができている最も早い時間におけるさらなる遅延を生じさせることがある。
最後のシンボル422の受信後に追加の処理が必要とされる状況においてACKフレーム408をタイムリーに送信するという要件を満たすために、受信装置に、処理を実行するためのより多くの回路、処理を実行するためのより高速な回路、又は両方を供給することができる。しかし、バッテリ駆動型、コスト重視型、又はその両方である装置においては、より多くの回路、より高速な回路、又はその両方を提供することは望ましくない可能性がある。
したがって、本開示の実施形態は、PPDUフレーム406などのフレームの復号される1つ以上の最終シンボルの処理を実行するために受信装置(第2のステーションSTA2など)により多くの時間を提供することに関する。
図5〜図8は、それぞれ、実施形態によるシンボルの利用可能な復号時間tdecを増加させるための技術を示す。図5〜図8に図示する各技術は、単独で、又は他の技術の1つ以上と組み合わせて使用され得る。
図5は、一実施形態による、PPDUフレーム506の最終部分の受信及びPPDUフレーム506に応答するACKフレーム508の送信の開始に対応する期間中のWLAN動作500の一部を示す。WLAN動作500では、第1のステーションSTA1がPPDUフレーム506を送信し、第2のステーションSTA2がPPDUフレーム506を受信する。WLAN動作500は、第1のステーションSTA1が第2のステーションSTA2がPPDUフレーム506のデータを含む最終シンボルを処理するための追加の時間を必要とすると決定したときに実行され得る。
図5は、PPDUフレーム506に対応するアグリゲートMACプロトコルデータユニット(A−MPDU)526の最終部分を示す。A−MPDU526は、データMPDU530、第1のフレーム終了(EOF:End-of-Frame) MPDU532、第2のEOF MPDU534、第3のEOF MPDU536、及び第4のEOF MPDU538を含む。
データMPDU530の最後から2番目の部分は、図5に破線で示すように、PPDUフレーム506の最後から3番目のシンボル514内に符号化される。データMPDU530の最後の部分及び第1のEOF MPDU532は、両方ともPPDUフレーム506の最後から2番目のシンボル518内に符号化される。第2のEOF MPDU534、第3のEOF MPDU536、及び第4のEOF MPDU538は、PPDUフレーム506の最後のシンボル522内に符号化される。シンボル514、518、及び522は、それぞれ、OFDMシンボルとすることができる。
図5は、3つのEOF MPDUが単一のシンボル内に符号化されていることを示しているが、実施形態はこれに限定されない。そして、図5は各EOF MPDUの全体が単一のシンボル内に符号化されていることを示しているが、実施形態はこれに限定されず、一実施形態では、EOF MPDUの第1の部分は第1のシンボル内に符号化され、EOF MPDUの第2の部分は第1のシンボルの直後に送信される次のシンボル内に符号化され得る。
PPDUフレーム506の各シンボルは、ガードインターバル(GI)を占有するサイクリックプレフィックス(CP)に先行されており、最後から3番目のシンボル514は最後から3番目のCP512に先行され、最後から2番目のシンボル518は最後から2番目のCP516に先行され、最後のシンボル522は最後のCP520に先行される。
EOF MPDU532、534、536、及び538の各々は、それぞれのEOF指示を含む。例示的な実施形態では、EOF MPDU532、534、536、及び538の各々は、Nullサブフレームとすることができ、各Nullサブフレームは、EOFフィールドが1に設定されたMPDUデリミタを含む。1に設定されているEOFフィールドは、A−MPDU526内の非ヌルMPDUのすべてが受信されたことを受信装置に指示する。
第2のステーションSTA2がPPDUフレーム506の最後から2番目のシンボル518を復号するとき、第2のステーションSTA2は、最後から2番目のシンボル518からデータMPDU530の最終部分及び第1のEOF MPDU532を抽出することができる。第1のEOF MPDU532は、EOFフィールドが1に設定されたMPDUデリミタなどのEOF指示を含み、第2のステーションSTA2は、最後のシンボル538が復号される必要がないと判断することができる。
その結果、第2のステーションSTA2が復号されるべきPPDUフレーム506の最終シンボル(すなわち、データを有する最後のシンボル、この例では最後から2番目のシンボル518)を復号するための利用可能な復号時間tdecが増加する。図5に示す例では、利用可能な復号時間tdecは、SIFS持続時間tSIFS、シンボル持続時間tSYM、CP持続時間tCPの合計まで増加する。
例えば、SIFS持続時間tSIFSが16マイクロ秒であるとき、シンボル持続時間tSYMは12.8マイクロ秒であり、CP持続時間tCPであるとき、利用可能な復号時間tdecは16マイクロ秒から32マイクロ秒に増加する。しかし、実施形態はこれに限定されず、復号化されるべきPPDUフレーム506の最終シンボルは、EOF MPDUを含む追加のシンボルをA−MPDU526の最後に追加することによって最後から2番目のシンボル518よりも前のシンボルに対応することができる。
したがって、図5に示すように、送信機(第1のステーションSTA1)は、受信機(第2のステーションSTA2)により多くの時間を提供するために、MAC層において、受信機では復号される必要がない1つ以上の余分なデータユニット(例えばMPDU)を付け足す(pad)。MAC層のビットは符号化ステージ(FECステージなど)によって符号化されるため、MACパディングは符号化ステージの前に発生するため、MACパディングは符号化前パディング又はFEC前パディングと呼ばれ得る。一実施形態では、余分なデータユニットは、A−MPDU送信における1つ以上のEOF MPDUとすることができる。受信機は、復号化を必要としない1つ以上のOFDMシンボルの前に受信されたOFDMシンボル内のEOF MPDUを検出することによって、1つ以上のOFDMシンボルが復号化を必要としないことを決定することができる。
一実施形態では、A−MPDUがSTBCを使用して送信される場合、A−MPDU内のデータを送信するのに使用されるOFDMシンボルの数は2の倍数である。しかし、A−MPDUを送信するのに使用される最後のシンボルが、受信機による復号を必要としないパディングのみを含む場合、A−MPDUを送信するのに使用される最後のシンボルは、別のOFDMシンボルと対になっていない単一のOFDMシンボルである。
フレームを受信し、フレーム内のEOF MPDUを検出する装置は、EOF MPDUを含んだOFDMシンボルに続く任意のOFDMシンボルを復号しないことを決定することができる。
一実施形態では、受信装置は、EOF MPDUに関連付けられたフレームチェックサム(FCS)ビットを含む、EOF MPDU全体を受信した後にEOF MPDUを検出することができる。本実施形態の受信装置に送信するとき、EOF MPDUを含むフレームを送信する装置は、送信される情報を付け加えることができ、フレーム内の第1のEOF MPDUの全体が、OFDMシンボル又は復号する必要がないシンボルの開始前に送信されるようにする。すなわち、第1のEOF MPDUの全体は、最後のOFDMシンボルの開始前に、又は受信装置が複数の最終OFDMシンボルの前に、復号処理時間緩和の複数のシンボル持続時間tSTMを必要とするときに、送信される。
別の実施形態では、受信装置は、復号されていないOFDMシンボルでEOF MPDUの最終部分が送信されたときでも、EOF MPDUのヘッダが復号されるときにEOF MPDUを検出することができる。この実施形態の受信装置に送信するとき、EOF MPDUを含むフレームを送信する装置は、送信される情報を付け加えることができ、フレーム内の第1のEOF MPDUのヘッダ部分の全体が、OFDMシンボル又は復号する必要がないシンボルの開始前に送信されるようにする。すなわち、第1のEOF MPDUのヘッダの全体は、最後のOFDMシンボルの開始前に、又は受信装置が複数の最終OFDMシンボルの前に復号処理時間緩和の複数のシンボル持続時間tSTMを必要とするときに、送信される。
図6は、別の実施形態による、PPDUフレーム606の最終部分の受信及びPPDUフレーム606に応答するACKフレーム608の送信の開始に対応する期間中のWLAN動作600の一部を示す。WLAN動作600は、第1のステーションSTA1によって送信されたPPDUフレーム606と、第2のステーションSTA2によって送信された対応するACKフレーム608とを含む。
図6は、第1のステーションSTA1が物理層内でPPDU606に組み込む第1及び第2のパディングビット640及び642を含む第1の余分PHYパディングビットも含む。第1の余分PHYパディングビットは、符号化ステージの前に発生することができ、符号化ステージによって符号化されるため、第1の余分PHYパディングビットは符号化前PHYパディングビットと呼ぶことができる。FECが符号化ステージに使用されるため、符号化前PHYパディングビットはFEC前PHYパディングビットと呼ぶことができる。FEC前MACパディングビット及びFEC前PHYパディングビットは、FEC符号器を使用して符号化ステージの前に適用され得る。
PPDUフレーム606は、最後から3番目のシンボル612、最後から2番目のシンボル618、及び最後のシンボル646を含むシンボルのシーケンスを含む。各シンボルは、ガードインターバル(GI)を占有するサイクリックプレフィックス(CP)に先行される。最後から3番目のシンボル614は最後から3番目のCP612に先行され、最後から2番前のシンボル618は最後から2番目のCP616に先行され、最後のシンボル646は最後のCP644に先行される。一実施形態では、シンボル614、618、及び646は、OFDMシンボルである。
図6にも示すように、PPDUフレーム606に対応するA−MPDU626が示されている。A−MPDU626の最後から2番目の部分628Aは、PPDUフレーム606の最後から3番目のシンボル614内に符号化される。
A−MPDU626の最後の部分628Bは、PPDUフレーム606の最後から2番目のシンボル618内に符号化される。第1のパディングビット640も、最後から2番目のシンボル618内に符号化される。一実施形態では、第1のパディングビット640は、A−MPDU626の最後の部分628Bの符号化プロセス(FEC符号化など)の前に追加され、第1のパディングビット640は、最後の部分628Bの情報と結合符号化される。
第2のパディングビット642は、最後のシンボル646内に符号化される。第2のパディングビット642は、A−MPDU626の最後の部分628Bの符号化プロセス(FEC符号化など)の前に追加され、(第1のパディングビット640のように)最後の部分628Bの情報と結合符号化される。
図6は、A−MPDU626の一部に対応する情報と共に最後から2番目のシンボル618内に符号化された第1のパディングビット640、及び最後のシンボル646内に符号化された第2のパディングビット642を示すが、実施形態はこれに限定されない。一実施形態では、第1のパディングビット640を使用して生成されるシンボルは、A−MPDU626の一部に対応する情報を含まない。一実施形態では、第2のパディングビット642は、PPDU606の複数の最終シンボルを生成するのに使用される。
図7は、別の実施形態による、PPDUフレーム706の最終部分の受信及びPPDUフレーム706に応答するACKフレーム708の送信の開始に対応する期間中のWLAN動作700の一部を示す。WLAN動作700は、第1のステーションSTA1によって送信されたPPDUフレーム706と、第2のステーションSTA2によって送信された対応するACKフレーム708とを含む。
図7は、第1のステーションSTA1が物理(PHY)層内でPPDU706に組み込む第1及び第2のパディングビット740及び750を含む第2の余分PHYパディングビットも含む。第2の余分PHYパディングビットは、A−MPDUのようなMAC層からのフレームから別個に符号化されたビットとして提供されることができる一方、第1の余分PHYパディングビットは符号化ステージの前に発生する。第2の余分PHYパディングビットは、A−MPDU及び第1の追加のPHYパディングビットとは、MACフレーム及び第1の余分PHYパディングビットを結合符号化する符号化ステージの点で別個である。第2の余分PHYパディングビットは、MACフレーム及び第1の余分PHYパディングビットを符号化する符号化ステージの後に発生し、したがって、符号化後PHYパディングビットと呼ぶことができる。FECは符号化ステージに使用されるので、符号化後PHYパディングビットは、FEC後PHYパディングビットと呼ぶことができる。FEC後PHYパディングビットは、FEC符号化ビットに適用されることができる。
PPDUフレーム706は、最後から3番目のシンボル712、最後から2番目のシンボル718、及び最後のシンボル754を含むシンボルのシーケンスを含む。各シンボルは、GIを占有するサイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)に先行される。最後から3番目のシンボル714は最後から3番目のCP712に先行され、最後から2番目のシンボル718は最後から2番目のCP716に先行され、最後のシンボル754は最後のCP752に先行される。一実施形態では、シンボル714,718、及び754は、OFDMシンボルである。
図7に示すように、PPDUフレーム706に対応するA−MPDU726が示される。A−MPDU726の最後から2番目の部分728Aは、PPDUフレーム706の最後から3番目のシンボル714内に符号化される。
A−MPDU726の最後の部分728Bは、PPDUフレーム706の最後から2番目のシンボル718内に符号化される。第1のパディングビット740も最終から2番目のシンボル718に追加される。第1のパディングビット740は、A−MPDU726の最後の部分728Bの符号化処理(例えば、FEC符号化)の後に追加され、第1のパディングビット740は、最後の部分728Bの情報と結合符号化されない。
第2のパディングビット750は、最後のシンボル754に追加される。第2のパディングビット750は、A−MPDU726の最後の部分728Bの符号化処理(例えば、FEC符号化)の後に追加され、最後の部分728Bの情報と結合符号化されない。第2のパディングビット750は、A−MPDU726の情報と結合符号化されないので、A−MPDU726の復号は、第2のパディングビット750の復号とは完全に分離することができ、A−MPDU726を復号するのに利用可能な時間量を増加させることができる。特に、最後から2番目のシンボル718を復号するための利用可能な復号時間tdecを増加させることができる。
図7は、第2のパディングビット750が最後のシンボル754に追加されることを示しているが、実施形態はこれに限定されない。一実施形態では、第2のパディングビット750は、PPDU706の複数の最終シンボルに加えられる。
一実施形態では、第1のステーションSTA1は、第2の余分パディングビットの存在又は量を示す指示を第2のステーションSTA2に提供することができる。一実施形態では、第1のステーションSTA1は、第2のステーションSTA2に、PPDU706が、物理層内で追加され、第2のパディングビット750に対応する追加シンボル(最後のシンボル755など)を含むことの指示を提供することができる。
一実施形態では、物理層内で追加され、第2のパディングビット750に対応する追加のシンボル(最後のシンボル755など)のPPDU706内での存在は、例えば、提案されたIEEE Std 802.1ax規格などの規格によって規定されている。
一実施形態では、第2のステーションSTA2は第2のパディングビット750の復号を行う必要がないため、第1のステーションSTA1は最後のシンボル754を完全に送信しなくてもよく、代わりに最後のシンボル754の一部分のみを送信することができる。一実施形態では、第2のパディングビット750、最後のシンボル754、及び最後のCP752を省略することができ、PPDU706の最後のシンボルは、A−MPDU726の一部及び第1のパディングビット740を含むことができる。
図8は、別の実施形態による、PPDUフレーム806の最終部分の受信及びPPDUフレーム806に応答するACKフレーム808の送信の開始に対応する期間中のWLAN動作800を示す。WLAN動作800は、第1のステーションSTA1によって送信されたPPDUフレーム806と、第2のステーションSTA2によって送信された対応するACKフレーム808とを含む。
PPDUフレーム806は、最後から2番目のシンボル818及び最後のシンボル822を含むシンボルのシーケンスを含む。各シンボルは、GIを占有するサイクリックプレフィックス(CP)に先行される。最後から2番目のシンボル818は最後から2番目のCP816に先行され、最後のシンボル822は最後のCP820に先行される。
一実施形態では、シンボル818及び822はOFDMシンボルである。
一実施形態では、シンボル818及び822のシンボル持続時間TSYMはそれぞれ12.8マイクロ秒に等しい。一実施形態では、CP816及び820のCP持続時間TCPは、それぞれ、0.8、1.6、及び3.2マイクロ秒のいずれかに等しい。
PPDU806のフレーム終了(EOF:End of Frame)までの持続時間は、PPDU806のレガシー信号(L−SIG)フィールド(図示せず)によって指示される。L−SIGフィールドは、複数ビット毎秒のデータレートフィールドと、複数バイトの長さフィールドを有し、ここで、データレートフィールド及び長さフィールドの両方は、L−SIGフィールド後のPPDU内の仮想OFDMシンボルの数を示し、各仮想OFDMシンボルは、PPDU806を送信するのに使用される実際のシンボルの持続時間に関係なく、4マイクロ秒の持続時間を有する。その結果、データレートフィールド及び長さフィールドの両方とも、PPDUのN×4マイクロ秒の持続時間を導出するのに使用することができる。L−SIGフィールドの長さフィールドは、L−SIGフィールドの後のPPDU806内のバイト数である。例えば、L−SIGフィールドの終了に対するPPDUのEOFまでの持続時間は、長さフィールドに8ビットを掛けたものをデータレートフィールドに4マイクロ秒を掛けたもので割って、その除算の結果を仮想OFDMシンボルの4マイクロ秒の持続時間で掛けたものを使用することによって決定され得る。
PPDU806のL−SIGフィールド後部分を送信するのに使用されるシンボルの持続時間が12.8マイクロ秒であるとき、L−SIGフィールドを使用して、PPDU806のL−SIGフィールド後部分を送信するのに使用されるシンボルの整数(integer number)に対応しない持続時間を指示することによって、最後のシンボル822のための利用可能な復号時間tdecに追加の時間を提供することができる。フレームの終了は、L−SIG長さ指示を使用して延長されることができる。L−SIGフィールドによって指示されるL−SIGの長さは、フレームの最後に追加された延長の終了を指示することができる。
図8に示す例では、シンボル持続時間TSYMは12.8マイクロ秒であり、CP持続時間TCPは3.2マイクロ秒である。したがって、CP及びシンボルの各対は、4つの4マイクロ秒の仮想OFDMシンボルの持続時間に等しい、16マイクロ秒のプレフィックスシンボル持続時間tCP+SYMを有する。
図8に示すように、L−SIGフィールドは、3つの4マイクロ秒の間隔で最後のシンボル822の終了までの持続時間より長いEOFまでの持続時間を示す。3つの4マイクロ秒の間隔は、それぞれ、図8の第1、第2、及び第3の仮想OFDMシンボル860、862、及び864に対応する。第2のステーションSTA2は、L−SIGフィールドの終了に対して最大の持続時間を決定することによって、PPDU806の実際の持続時間(すなわち、最後のシンボル822の終了までの持続時間)を明確に決定することができる。これは、L−SIGフィールドによって指示される持続時間以下であり、プレフィックスシンボル持続時間tCP+SYMの倍数であり、ここで、プレフィックスシンボル持続時間tCP+SYMは図示の例では16マイクロ秒である。
例えば、L−SIGフィールドが、EOFへのL−SIGフィールド後の持続時間が172マイクロ秒(43個の4マイクロ秒の仮想OFDMシンボルに対応する)を示す場合、第2のステーションSTA2は、PPDU806のL−SIGフィールド後部分の実際の持続時間は160マイクロ秒であり、PPDU806の延長の持続時間は12マイクロ秒であると明確に決定することができる。160マイクロ秒の持続時間は、L−SIGフィールドによって示される172マイクロ秒の持続時間よりも短いプレフィックスシンボル持続時間tCP+SYMの最も大きい全体数に対応するためである。
一実施形態では、第2のステーションSTA2は、PPDU806のL−SIGフィールド後部分の実際の持続時間の後、受信された信号を復号しなくてよい。
一実施形態では、第1のステーションSTA1は、仮想OFDMシンボル860、862、及び864に対応する延長の期間中、信号を送信しないあるいはヌル信号を送信することができる。延長はゼロ信号強度を有することができる。
一実施形態では、第1のステーションSTA1は、仮想OFDMシンボル860、862、及び864に対応する延長の期間中に送信することができる。延長は、非ゼロ信号強度を有することができる。仮想OFDMシンボル860、862、及び864に対応する期間中に送信される信号は、WLANのCCA(Clear Channel Assessment)プロセスの適切な動作を保証するように適合され得る。
図8に示す例では、延長が追加されて利用可能な復号時間tdecにさらに12マイクロ秒を提供するが、実施形態はこれに限定されない。一実施形態では、延長の持続時間は、単位時間の倍数である複数の持続時間をサポートすることができる。単位時間は、4マイクロ秒とすることができ、この場合、複数の持続時間は、0、4、8、12、及び16マイクロ秒を含むことができる。
一実施形態では、延長の長さの曖昧さを避けるために、延長の持続時間は、12.8μsのOFDMシンボル長よりも小さくする必要がある。例えば、上述したように、EOFへのL−SIGフィールド後の持続時間が172マイクロ秒(43個の4マイクロ秒の仮想OFDMシンボルに対応する)であることをL−SIGフィールドが示す場合、第2のステーションSTA2は、PPDU806のL−SIGフィールド後部分の実際の持続時間が160マイクロ秒であり、PPDU806の延長の持続時間が12マイクロ秒であることを明確に決定することができる。しかし、EOFへのL−SIGフィールド後の持続時間が176マイクロ秒(44個の4マイクロ秒の仮想OFDMシンボルに対応する)であることをL−SIGフィールドが示す場合、第2のステーションSTA2は、PPDU806のL−SIGフィールド後部分の実際の持続時間及びPPDU806の延長の持続時間を明確に決定することができない。これは、PPDU806のL−SIGフィールド後部分の実際の持続時間及び延長の持続時間が明示的にL−SIGフィールドから導出されないためである。L−SIGフィールドによって示される持続時間から明示的に導出されない長さ指示が高効率SIG(HE−SIG)フィールド内で送信される場合、12マイクロ秒を超える追加の利用可能な復号時間を指示することが可能である。HE−SIGフィールドは、延長の長さの曖昧さを避けるために延長の持続時間についての指示を含むことができる。HE−SIGフィールド内の長さ指示は、延長の持続時間が所定の持続時間より長いかどうかを指示することができる。例えば、シンボル持続時間TSYMが12.8マイクロ秒であり、CP持続時間TCPが3.2マイクロ秒であるとき、所定の持続時間は12マイクロ秒とすることができる。延長の持続時間は、0、4、8、12、及び16マイクロ秒のいずれかと同様に4マイクロ秒の倍数とすることができるため、HE−SIGフィールド内の長さ指示は、延長の持続時間が16マイクロ秒である場合、真を指示することができ、HE−SIGフィールド内の長さ指示は、延長の持続時間が0、4、8及び12マイクロ秒のいずれかである場合、偽を指示することができる。
第1のフレームを受信する第1の装置は、第2のフレームの最後のフレームが第1のフレームの最後のフレームと実質的に同一の処理を必要とするときでも、第2のフレームを受信する第2の装置とは異なる利用可能な復号時間を必要とすることがある。例えば、第1の装置は、復号される必要があるデータを含む最終OFDMシンボルの受信の終了から追加の4μsの利用可能な復号時間を必要とするが、第2の装置は、復号される必要があるデータを含む最終OFDMシンボルの受信の終了から12μsの利用可能な復号時間を必要とすることがある。
装置は、フレームの送信特性(すなわち、フレームの送信フォーマット)に従って異なる量の追加の利用可能な復号時間を要求することもできる。例えば、装置によって要求される追加の利用可能な復号時間の量は、前方誤り訂正(FEC)符号化(例えば、LDPC、BCC等)のタイプ、変調及び符号化方式(MCS)、帯域幅(BW)、STBCが使用されるかどうか、SFBCが使用されるどうか、データレート等の1つ以上に応じて変更することができる。ここで、MCSは、変調方式(BPSK、QPSK、16−QAM、64−QAMなど)と符号化率(1/2、3/4、2/3など)を示す。
一実施形態では、装置は、送信フォーマットに従って利用可能な復号時間の追加量を必要とすることなく、装置が最終シンボルの復号を実行することができるかどうかの指示を含む能力情報を提供することができる。例えば、装置は、STBC及びLDPCを使用して送信されたフレーム、80MHzのBW及びLDPCを使用して送信されたフレームなどが、追加の利用可能な復号時間を必要とせずに復号されることができるという1つ以上のそれぞれの指示を提供することができる。
一実施形態では、装置は、1つ以上の送信フォーマット又はすべての送信フォーマットに必要な利用可能な復号時間の追加量の指示を含む、その能力情報を提供することができる。
一実施形態では、装置は、受信(Rx)VHC−MCSマップ、Rx最高サポートデータレート等のサポートされるMCS能力に従って必要とされる利用可能な復号時間の追加量の指示を含む能力情報を提供することができる。
図9は、一実施形態による、送信されたフレーム内に符号化されたシンボルの利用可能な復号時間を増加させるためのプロセス900を示す。一実施形態では、フレームは、例えばIEEE802.11規格に従って送信されるフレームなどのWLANフレームである。一実施形態では、フレームは高効率PLCPプロトコルデータユニット(HE PPDU)フレームである。
プロセス900は、WLANのステーションなどの送信装置によって実行され得る。一実施形態では、プロセス900を実行する送信装置はアクセスポイント(AP)である。一実施形態では、プロセス900を実行する送信装置は、非APステーションである。
一実施形態では、フレームは、フレームを受信する装置が所定の時間内に応答を送信することを要求するタイプのフレームのタイプであって、所定の期間はフレームの送信の終了に対して測定される。応答を送信する前に、受信装置は、受信装置に送信されている情報を搬送するフレーム内のすべてのシンボルを復号し、処理することを要求され得る。
一実施形態では、所定の期間は、短フレーム間間隔(SIFS:Short Inter-Frame Space)である。一実施形態では、所定の期間は16マイクロ秒である。
S901において、送信装置は、受信装置の能力情報を受信装置から受信する。能力情報は、1つ以上の送信タイプに対する必要な追加の処理時間を含むことができる。1つ以上の送信タイプは、変調タイプ、符号化レート、帯域幅、符号化タイプ、STBCが使用されるかどうか、及びSFBCが使用されるかどうかを含むことができる。符号化後PHYパディングビット及びフレームの延長は、追加の処理時間を提供することができる。能力情報は、複数の送信フォーマット又はすべての可能な送信フォーマットに対する複数の追加の処理時間を含むことができる。送信フォーマットは、複数の送信タイプの組み合わせである。例えば、1つの送信フォーマットは、BPSKの変調タイプと20MHzの帯域幅を使用することができ、別の送信フォーマットは、QPSKの変調タイプと40MHzの帯域幅を使用することができる。5つの変調タイプと4つの帯域幅が存在する場合、すべての可能な送信フォーマットの数は20(=5×4)とすることができる。
S902において、送信装置は、L−SIGフィールド、HE−SIGフィールド、及び0.8、1.6、又は3.2サイクリックプレフィックス(CP)のいずれかを有する12.8マイクロ秒のOFDMシンボル長を含むフレームを生成する。
S903において、送信装置は、フレームについての追加の持続時間を決定するのであって、追加の持続時間は受信装置に送信されている情報を送信するために使用された持続時間を超える持続時間である。追加の持続時間は、フレームを使用して、送信されている情報を搬送する複数のシンボルを受信装置に送信した直後の期間に対応することができる。
一実施形態では、送信装置は、1つ以上の受信装置の能力情報に基づいて、フレームについての追加の持続時間を決定することができる。追加の持続時間は、フレームの1つ以上の送信特性(すなわち、送信フォーマット)に従って決定され得る。追加の持続時間を決定するのに使用される送信特性は、フレームの帯域幅、フレームの変調及び符号化方式(MCS)、フレームの前方誤り訂正(FEC)符号化のタイプ、フレームのデータレート、フレームが空間時間ブロック符号化(STBC:Space Time Block Coding)を使用して送信されるかどうか、フレームが空間周波数ブロック符号化(SFBC)を使用して送信されるかどうか等の1つ以上とすることができる。
一実施形態では、追加の持続時間は、受信装置の1つ以上の特性に従って決定され得る。1つ以上の特性は、フレームの1つ以上のシンボルを復号及び処理するために受信装置によって必要とされる時間に対応することができる。
例えば、STBCとSFBCのどちらもフレームを送信するのに使用されないとき、1つ以上の特性は、受信装置に送信されている情報を含むフレームの最後のシンボルを処理及び復号するために必要な時間に対応することができる。STBC又はSFBCのうちの1つがフレームを送信するのに使用されるとき、1つ以上の特性は、受信装置に送信されている情報を含むフレームの最後のシンボルのうちの2つを処理及び復号するために必要な時間に対応することができる。
S904において、送信装置は、追加の持続時間に従ってフレームの持続時間を延長する。追加の持続時間に従ってフレームの持続時間を延長するプロセスの実施形態を、以下に説明する図11に示す。
一実施形態では、送信装置は、図5のWLAN動作500を実行することができる。送信装置は、1つ以上のNull MACプロトコルデータユニット(MPDU)(例えば、1つ以上のEOF(End of Frame)MPDU)を、フレームに対応するアグリゲートMPDU(A−MPDU)に付加することによって、フレームの持続時間を延長する。
一実施形態では、送信装置は、図6のWLAN動作600を実行することができる。送信装置は、フレームに対応するデータユニットにパディングビットを付加し、次いで、データユニット及びパディングビットの結合符号化を実行することによって、フレームの持続時間を延長することができる。一実施形態では、データユニットは、MPDU又はA−MPDUである。一実施形態では、符号化は、低密度パリティチェック(LDPC)符号化、二進畳み込み符号(BCC)符号化などの一種の前方誤り訂正(FEC)符号化である。
一実施形態では、送信装置は、図7のWLAN動作700を実行することができる。送信装置は、データユニットの符号化を実行し、符号化の結果にパディングビットを付加することによって、フレームの持続時間を延長することができる。一実施形態では、データユニットは、MPDU又はA−MPDUである。一実施形態では、符号化は、一種の前方誤り訂正(FEC)符号化である。
一実施形態では、送信装置は、図8のWLAN動作800を実行することができる。送信装置は、フレームのレガシー信号(L−SIG)フィールド内で延長された持続時間を指示することによって、フレームの持続時間を延長することができる。延長された持続時間は、受信装置に送信されている情報を送信するのに使用される持続時間より長くすることができる。一実施形態では、L−SIGフィールドによって指示される持続時間は、情報を送信するのに使用される持続時間よりも長い、0、4、8及び12マイクロ秒のうちの1つとすることができる。
S906において、送信装置はフレームを送信する。
一実施形態では、送信装置は、フレームの追加の持続時間中にヌルシンボルを送信する。
一実施形態では、送信装置は、フレームの追加の期間中に信号を送信する。
S908において、送信装置は、フレームの終了後、SIFSでのフレームに応答して、確認応答フレームを受信する。
図10は、延長された持続時間を有するフレームを受信及び処理するプロセス1000を示す。延長された持続時間は、フレームのシンボルを復号するための追加の時間を提供する(すなわち、延長された持続時間は、シンボルの復号のための利用可能な復号時間を増加させる)。
プロセス1000は、WLANのステーションなどの受信装置によって実行され得る。一実施形態では、WLANは、IEEE802.11規格に従って動作するWLANである。
S1001において、受信装置は、必要な追加の処理時間を決定する。受信装置は、1つ以上の送信タイプに基づいて必要な追加の処理時間を決定することができる。1つ以上の送信タイプは、それぞれ、変調タイプ、コーディングレート、帯域幅、及び符号化方式のうちの1つ以上を含むことができる。
S1002において、受信装置は、受信装置の能力情報を送信装置に提供する。能力情報は、1つ以上の送信タイプに対する必要な追加の処理時間を含むことができる。符号化後PHYパディングビット及びフレームの延長が、追加の処理時間を提供することができる。
S1003において、受信装置は、L−SIGフィールド、HE−SIGフィールド、0.8、1.6、又は3.2サイクリックプレフィックス(CP)のいずれかを有する12.8μs長のOFDMシンボル、符号化前PHYパディングビット、符号化後PHYパディングビット、及びフレームの延長を有するフレームを受信する。一実施形態では、フレームはHE−PPDUフレームである。
S1004において、受信装置は、フレームに含まれるデータユニットの送信の持続時間を決定する。一実施形態では、データユニットは、MPDU又はA−MPDUである。一実施形態では、データユニットの送信の持続時間は、フレームのレガシー信号(L−SIG)フィールドの終了に関連する。
一実施形態では、受信装置は、データユニット内のEOF MPDUを検出することによってデータユニットの送信の持続時間を決定する。
一実施形態では、受信装置は、受信フレームのレガシー信号(L−SIG)フィールドに示される持続時間を使用してデータユニットの送信の持続時間を決定する。一実施形態では、データユニットの送信の持続時間は、フレームのL−SIGフィールドの終了に関連する。
一実施形態では、データユニットの送信は、複数のシンボルを使用して実行され、各シンボルは、プレフィックスシンボル持続時間を有する。プレフィックスシンボル持続時間は、シンボルの持続時間と、シンボルに関連付けられたサイクリックプレフィックスの持続時間とを含む。一実施形態では、プレフィックスシンボル持続時間は、13.6、14.4、及び16マイクロ秒のうちのいずれか1つとすることができる。
受信装置は、L−SIGフィールドによって示される持続時間を決定し、プレフィックスシンボル持続時間の整数倍であり、L−SIGフィールドによって示される持続時間以下の最も長い持続時間を決定することによって、データユニットの送信の持続時間を決定することができる。
一実施形態では、受信装置は、受信フレームのHE−SIGフィールドの長さ指示を使用して、データユニットの送信の持続時間を決定する。長さ指示は、延長された持続時間が、データユニットの送信の持続時間よりも所定の持続時間だけ大きいかどうかを指示する。一実施形態では、所定の持続時間は12マイクロ秒である。
S1006において、受信装置は、データユニットに対応する複数のシンボル、すなわち、データユニットの送信の持続時間中に送信された複数のシンボルを復号する。
S1008において、受信装置は、復号された複数のシンボルを使用して確認応答(ACK)フレームを送信することを決定する。一実施形態では、受信装置は、データユニットの送信の持続時間後に受信されたシンボルを復号した結果を使用せずにACKフレームを送信することを決定する。
一実施形態では、受信装置は、シンボルの中でもとりわけ、データユニットを送信するのに使用された複数のシンボルのうちの最後に復号されたシンボルを使用してACKフレームを送信することを決定し、一実施形態では、最後に復号されたシンボルの後に受信された任意のシンボルを復号した結果を使用せずにACKフレームを送信することを決定する。その結果、最後に復号されたシンボルの利用可能な復号時間を増加させることができる。
図11は、一実施形態による、フレーム内に符号化されたシンボルについての利用可能な復号時間を増加させるために、フレームの持続時間を延長するプロセス1100を示す。プロセス1100は、図9のプロセス900のS904中に実行され得る。
プロセス1100は、フレームを送信している送信装置によって実行され得る。送信装置は、IEEE802.11規格によるWLANのようなWLANの一部とすることができる。送信装置はアクセスポイント(AP)とすることができる。
図11では、プロセス1100のいくつかの動作は媒体アクセス制御(MAC)層で実行され、プロセス1100の他の動作は物理(PHY)層で実行されることが示されている。一実施形態では、MAC層はIEEE802.11規格のMAC層に対応し、PHY層はIEEE802.11規格のPHY層に対応する。
図11に示す例では、フレームは、A−MPDUを含むPPDUフレームとすることができる。PPDUフレーム(A−MPDUなど)のデータ部分は、12.8マイクロ秒のシンボル持続時間を有するシンボルを使用して送信され得る。
S1104において、プロセス1100がMAC層パディングを実行すると決定すると、プロセス1100はS1108に進む。そうでない場合、プロセス1100はS1110に進む。
S1108において、プロセス1100は、1つ以上のEOF MPDUをA−MPDUに組み込む。EOF MPDUは、A−MPDUの最後に付加される。
S1110において、A−MPDUの前方誤り訂正(FEC)符号化を実行する前にプロセス1100がPHY層でビットパディングを実行すると決定した場合、プロセス1100はS1112に進む。そうでなければ、プロセス1100はS1114に進む。
S1112において、プロセス1100は、PHY層において、第1のパディングビットをA−MPDUに付加する。
S1114において、プロセス1100は、FEC符号器を使用してA−MPDUを符号化し、FEC符号化データユニットを生成する。第1のパディングビットがS1112でA−MPDUに付加されたとき、FEC符号器は第1のパディングビットをA−MPDU内の情報で結合的に符号化してFEC符号化データユニットを生成する。
S1116において、プロセス1100がFEC符号化後ビットパディングを実行すると決定したとき、プロセス1100はS1120に進む。そうでない場合、プロセス1100はS1124に進む。
S1120において、プロセス1100は、S1114で生成されたFEC符号化データユニットに第2のパディングビットを付加する。
S1124において、プロセス1100は、利用可能な復号時間を増加させる必要があるかどうかを決定する。利用可能な復号時間を増加させる必要があるとき、プロセス1100はS1126に進む。そうでない場合、プロセス1100はS1130に進む。
S1126において、プロセス1100は、フレームの終了に延長を付加し、フレームのHE−SIGフィールドに長さ指示を含める。長さ指示は、長さの曖昧さを避けるために延長の持続時間を指示することができる。指示は、延長の持続時間が12マイクロ秒より長いかどうかを指示することができる。
S1130において、プロセス1100は、長さフィールドがフレームの終了を指示することができるように、L−SIGフィールドの長さフィールドを設定する。その後、プロセス1100は終了する。
上記の説明及び図では、当業者が本開示の実施形態を理解及び実施できるように例示的な実施形態を提供した。しかしながら、実施形態はこれに限定されず、したがって、STAの数、特定の識別情報、特定のフォーマット、識別情報ごとのSTAの特定の数、又は例示的な実施形態の他の詳細に限定されない。さらに、明細書及び関連する図では、1つ以上のIEEE Std 802.11規格が参照されているが、実施形態はこれに限定されず、本明細書の教示及び開示に照らして当業者は、本開示が、ライセンスされたバンド又はライセンスされていないバンドで動作する無線動作に適用される方法を理解するものである。
上記の説明及び図では、IEEE802.11axの修正のHE PPDU、HE−SIGフィールドなどに適用されているが、IEEE802.11の次の修正のPPDU、SIGフィールドなどにも適用され得る。
本開示の実施形態は、本明細書で説明する動作の1つ以上を実行するように構成された電子装置を含む。しかし、実施形態はこれに限定されない。
本開示の実施形態は、本明細書で説明するプロセスを使用して動作するように構成されたシステムをさらに含むことができる。システムは、図1のBSS100などの基本サービスセット(BSS)を含むことができるが、実施形態はこれに限定されない。
本開示の実施形態は、プロセッサ又はマイクロコントローラなどの様々なコンピュータ手段を介して実行可能なプログラム命令の形態で実装され、非一時的なコンピュータ可読媒体に記録され得る。非一時的なコンピュータ可読媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などの1つ以上を含むことができる。プログラム命令は、プロセスを実行し、図1に示す無線装置のような装置上で実行されるとき、本明細書で説明するフレームを生成し、復号するように適合され得る。
一実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はフラッシュメモリを含むことができる。一実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体は、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなどの磁気、光学、又は光磁気ディスクを含むことができる。
本発明は、現実の実施形態と現在考えられているものに関連して説明しているが、実施形態は開示された実施形態に限定されず、反対に、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれる様々な修正及び均等構成を含むことができる。プロセスにおいて説明した動作の順序は例示的なものであり、いくつかの動作は並べ替えられ得る。また、2つ以上の実施形態を組み合わせることができる。