JP2018512100A - オーディオ処理のためのマルチレートシステム - Google Patents

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Abstract

マルチレートオーディオ処理システム及び方法は、高サブバンドへの振幅/位相補償を適用するのに用いることができるオーディオ処理によって起こる最低周波数サブバンドの遷移帯域における振幅/位相変化のリアルタイム測定及び処理を提供する。トーン信号を遷移帯域に注入して、測定及び処理のための強力なトーンコンテンツを提供することができる。リアルタイム測定及び補償は、変化の発生源(例えば、非線形時変性線形又はユーザ制御パラメータ)に関係なく、時変性振幅/位相変化に適応し、何れかの線形オーディオ処理に対しても普遍的適用性を提供する。【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年2月12日に出願された「任意オーディオ処理のためのマルチレートシステム」という名称の米国仮出願第62/115,560号明細書及び2015年8月12日に出願された「オーディオ処理のためのマルチレートシステム」という名称の米国本出願第14/824,998号明細書の米国特許法第119(e)条に基づく優先権の利益を主張し、これらの内容全体が引用により本明細書に組み入れられる。
(技術分野)
本発明は、デジタルオーディオのマルチレート処理に関し、より詳細には、最低周波数サブバンドでのオーディオ処理によって起こる振幅及び位相アーティファクトを補償する技術に関する。
現在、高サンプリングレートコンテンツをサポートするオーディオ再生ハードウェアが使用されている。しかしながら、オーディオ処理技術は、このようなコンテンツの全帯域幅を処理する必要がない可能性がある。高サンプリングレートでのオーディオ処理は、多くのコンピュータ資源を要求するので、低サンプリングレート用に設計されたオーディオ処理を高サンプリングレートで実施することは望ましくない。これは、限定的なコンピュータ資源を有するシステムにとって特に重要である。
計算処理上有利であるという理由から、様々なオーディオ処理技術でマルチレート処理が利用されている。一般に、マルチレートサブバンド処理は、サブバンド分解、デシメーション、及び拡大プロセスを含む。これらのプロセスは、再構成位相でオリジナルコンテンツの全帯域幅を維持しながら、サブバンドの帯域幅に対応する低減されたサンプリングレートで信号を処理することができる。
米国仮出願第62/115,560号明細書 米国本出願第14/824,998号明細書
一部の技術は、計算の複雑さを低減するためにサブバンドの最低周波数サブバンドにのみオーディオ処理を適用している。しかしながら、最低周波数サブバンドにおいてオーディオ処理を実施すると、多くの場合、振幅及び位相の変化を引き起こす。既存の技術は、サブバンドの遷移帯域における振幅及び位相に一致する補償フィルタを高周波数サブバンドに付加することによって、これらの変化を補正しようと試みている。既存の技術は、補償フィルタを計算するためのオーディオ処理の先験的知識、又はサブバンドの遷移帯域における処理の振幅/位相特性の非リアルタイム測定の何れかに依存する。
本概要は、以下の詳細な説明でさらに後述する概念の選択を単純な形で導入するために示すものである。本概要は、請求項に記載された主題の主要な特徴又は必須の特徴を識別するためのものでも、請求項に記載された主題の範囲を限定するために使用するためのものでもない。
本明細書で記載されるマルチレート任意オーディオ処理システム及びその方法の実施形態は、低サンプリングレート用に設計されたオーディオ処理のための効率的な高サンプリングレート再生システムである。計算の複雑さを低減するために、高サンプリングレート信号がデシメートされて、2つのサブバンドに分割される。プロセスは、最大限にデシメートされたシステムを得るために、最低サブバンドにおいて繰り返すことができる。本システム及び方法の実施形態は、再構成位相でオリジナルコンテンツの全帯域幅を維持しながら、計算の複雑さを低減するために最低周波数サブバンドにのみオーディオ処理を適用する。オーディオ処理は、任意とすることができ、すなわち、既知もしくは未知、線形、非線形又は時変性、或いは様々な制御パラメータに対するユーザ変更の影響を受けるものとすることができる。本システム及び方法の実施形態は、非線形処理、或いは時変性又は未定の振幅及び位相変化を生じるユーザ設定制御パラメータなどのオーディオ処理に特に好適である。本システム及び方法の実施形態は、各オーディオ処理のためのフィルタを再設計する必要なしに普遍的に適用できるので、任意の線形オーディオ処理に特に適している。
低帯域でのオーディオ処理によって起こる振幅及び位相変化を克服するために、マルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態は、任意オーディオ処理に対してリアルタイム振幅及び位相測定及び補償方法を使用して、精度を向上させる。詳細には、振幅及び位相測定が最低周波数サブバンドの遷移帯域にて実施され、補償は、サブバンドの残りの帯域で実施されて、サブバンドが再結合されたときに生じる可能性があるエイリアシング雑音及び振幅歪みを低減する。オーディオ処理の実施形態は、オーディオサンプルのブロックを処理する。測定及び補償方法は、オーディオサンプルの同じブロックを適切に処理し、各ブロックの振幅及び位相補償を更新する。サブバンドは、アップサンプリングされて再結合される。
本システム及び方法の実施形態は、オーディオ処理によって起こる振幅及び位相の変化を確実に計算するために最低周波数サブバンドの遷移帯域に十分な信号振幅及びトーンコンテンツが存在するかどうかを決定することによって、リアルタイム測定及び補償を提供する。存在する場合には、振幅及び位相補償が計算されて、残りの帯域に適用される。存在しない場合には、十分な振幅及びトーンコンテンツが遷移帯域に存在するようになるまで、最後に計算された振幅及び位相補償が残りのサブバンドに適用されるか、又は補償が無効化される。
本システム及び方法の実施形態は、振幅及び位相の変化を確実に計算するために最低サブバンドの遷移帯域に十分な信号振幅及びトーンコンテンツが存在するかどうかを決定することにより、リアルタイム測定及び補償を提供する。存在する場合には、振幅及び位相補償が計算されて、残りのサブバンドに適用される。存在しない場合には、遷移帯域に位置付けられる1又は2以上のトーン信号が、オーディオ処理の前に最低サブバンドに加算(注入)され、オーディオ処理後に最低サブバンドから減算される(取り除かれる)。1又は2以上のトーン信号は、振幅及び位相補償を確実に計算するのに必要なトーンコンテンツ及び振幅を提供する。本実施形態は、最低サブバンドの信号振幅及び位相を測定し、遷移帯域の雑音信号よりも高く且つ最低サブバンドの信号振幅に最小の変更を行うのに十分に低いトーン信号の振幅を決定して、遷移帯域における信号のキャンセレーションを阻止するようにトーン信号の位相及び周波数を選択する。本実施形態は、オーディオ処理の前に遷移帯域の信号を取り除いて、オーディオ処理後に信号を注入し、1又は2以上のトーン信号に対するオーディオ処理の影響のみに基づいてクリーンな測定及び計算を提供することができる。
本システム及び方法の実施形態は、遷移帯域において異なる周波数にて離間した複数のトーン信号を注入する。本実施形態は、複数のトーン信号の測定値の加重平均を計算して、単一の振幅補償値及び信号遅延補償値を生成する。本実施形態は、振幅及び位相特性が遷移帯域におけるオーディオ処理の振幅及び位相特性にほぼ一致する1又は2以上の補償フィルタを計算する。振幅/遅延補償は、計算効率がよく、補償フィルタは、より正確な振幅及び位相補償を提供する。補償フィルタは、オーディオ処理サンプルの各ブロックに対して、又は定められた間隔の低頻度で再計算することができる。
本システム及び方法の実施形態は、全最低周波数サブバンド測定値(例えばRMS)及び遷移帯域測定値の振幅を比較して、オーディオ処理の全バンド信号レベル又は目的とする利得(全サブバンド測定値)の維持と完全再構成特性(遷移バンド測定値)との間のバランスを実現する。
これらの特徴により、本システム及び方法の実施形態は、全高サンプリングレートオーディオ処理のコスト又は位相補償フィルタリングを備えたQMFシステムのコストと比べて、低い計算コストで動作することが可能になる。加えて、新規の遷移帯域加算/減算法を使用することで、再構成された信号における振幅歪み及びエイリアシング雑音がかなりの量低減される。
代替的な実施形態が可能であり、本明細書に記載のステップ及び要素は、特定の実施形態に応じて、変更、追加、又は削除が可能である点に留意されたい。これらの代替的な実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく使用可能な別のステップ及び別の要素、並びに実施可能な構造的変更を含む。
ここで、同じ参照符号が全体を通して対応する要素を表わす図面を参照する。
最低周波数サブバンドにおけるオーディオ処理によって起こる振幅及び位相変化のリアルタイム測定及び補償用に構成されたデシメーション/拡大比Mを有する、Mチャネル直交ミラーフィルタ(QMF)バンクオーディオ処理構造の1つの実施形態のブロック図である。 オーディオ処理の前に最低周波数サブバンドにマルチトーンオーディオを加算しオーディオ処理後にマルチトーン信号を減算することによって、リアルタイム測定及び補償が達成される、2チャネルQMFバンクオーディオ処理構造の1つの実施形態を示すブロック図である。 2チャネル構造の下部及び上部周波数サブバンドの周波数応答、及び下部及び上部サブバンドを分離する遷移帯域におけるマルチトーン信号の注入を示す図である。 2チャネルQMFバンクの多相表現における分析フィルタバンクを示すブロック図である。 2チャネルQMFバンクの多相表現における合成フィルタバンクを示すブロック図である。 遷移帯域及び全最低周波数サブバンドにわたる振幅測定の比較に基づくリアルタイム振幅補償を示す図である。 遷移帯域へのトーン信号の注入及びトーン信号の振幅/位相の計算の決定プロセスを示す流れ図である。 リアルタイム測定を用いて高周波数サブバンドに対する補償フィルタを更新する、2チャネルQMFバンクオーディオ処理構造の1つの実施形態を示すブロック図である。
マルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態の以下の説明においては、添付図面を参照する。これらの図面は、マルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態をどのように実施できるかについての具体的な実施例を例証として示している。他の実施形態を利用できること、並びに請求項に記載される主題の範囲から逸脱することなく構造的変更を行うことができる点を理解されたい。
最低周波数サブバンドにおけるオーディオ処理によって起こる振幅/位相変化を補正するために、高周波数サブバンド用の補償フィルタのオフライン設計の既存の技術は、任意のオーディオ処理で使用される独立システムに好適ではない。補償フィルタは、オーディオ処理の先験的知識か、又は各オーディオ処理インスタンス化に対して誘起された振幅/位相変化のオフライン測定値の何れかに基づいて設計及び決定される。非線形処理、線形時変性処理又はユーザ設定制御パラメータを有する線形又は非線形処理などのオーディオ処理は、時変性又は未定の振幅及び位相変化を生成する。既存の技術は、このような条件に適切には対処しない。更に、振幅及び位相補償が決定される真の線形オーディオ処理の場合でも、既存の技術は、各オーディオ処理技術に対して特定のフィルタ設計を必要とする。
高サブバンドに対する振幅/位相補償のオーディオ処理及び適用によって起こる低サブバンドの遷移帯域における振幅/位相変化のリアルタイム測定を可能にする本発明の技術は、任意オーディオ処理と共に使用される独立システムに好適である。リアルタイム測定及び補償は、変化の発生源(例えば、非線形、時変性線形又はユーザ制御パラメータ)にかかわらず、時変性振幅/位相変化に適応し、何らかの線形オーディオ処理に対して普遍的な適用性を提供する。
次に、マルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態の構成要素に関するシステムの詳細を以下で議論する。構成要素、モジュール、及びシステムを実施することができる複数の方法のうちの幾つかだけを以下に詳述する点に留意されたい。多くの変形形態が図示したものから可能である。例えば、一部の構成では、サブバンドの各々のサブバンド信号がダウンサンプリング/アップサンプリングされる。他の構成では、最低サブバンドのサブバンド信号は、オーディオ処理のサンプリングレートにダウンサンプリングされて、次いでアップサンプリングされるが、高サブバンド又はより高いサブバンドのサブバンド信号は、ダウンサンプリング/アップサンプリングされてもよく、又はされなくてもよい。何れの手法も、QMFバンクにおいて実施することができるが、QMFの多相形態は、サブバンドの全てをダウンサンプリングする必要がある。
ここで図1を参照すると、オーディオ再生システム10の実施形態は、音響(サウンド)14(圧力波)をアナログ信号に変換するマイクロフォン12と、アナログ信号をサンプリングして高サンプリングレートのデジタルオーディオ信号x(n)17(モノ、ステレオ又はマルチチャネル)を生成するアナログ−デジタル(A/D)コンバータ16とを含む。サンプリングレートの例としては、88.2kHz、96kHz、176.4kHz及び192kHである。或いは、デジタルオーディオ信号は、事前に記録してデジタルオーディオファイル18として格納することができる。高サンプリングレートデジタルオーディオ信号は、サブバンド分解、デシメーション、拡大及び合成プロセスを実施するマルチレートオーディオ処理システム20に入力される。オーディオ処理は、最低サブバンドにおいてのみダウンサンプリングオーディオ信号に適用される。典型的なサンプリングレートは、44.1kHz及び48kHzである。オーディオ処理によって起こる振幅/位相変化は、リアルタイムで測定され、このような変化に対する補償は、実施される特定のオーディオ処理(すなわち、非線形、線形時変性、制御パラメータ又は特定の線形設計)から独立した方法でリアルタイムに高サブバンドに適用される。マルチレートオーディオ処理システム20は、1又は2以上のICチップ22で実施することができ、各ICチップが、1又は2以上のデジタルプロセッサ24及びメモリ26を有して構成される。再構成デジタルオーディオ信号x´(n)は、デジタル−アナログ(D/A)コンバータ28を通過してアナログ信号を生成し、これがラウドスピーカ30を駆動して音響32(圧力波)を発生させる。或いは、デジタルオーディオ信号x´(n)は、デジタルオーディオファイル33として格納することができる。
マルチレートオーディオ処理システム20は、デシメーション/拡大比Mを有するMチャネル直交ミラーフィルタ(QMF)バンクオーディオ処理構造34として実装され、ここでMは整数値である。分析フィルタH0(Z)、H1(Z)....HM-1(Z)36a、36b...36M-1は、入力デジタルオーディオ信号x(n)をM周波数サブバンド(遷移帯域にてオーバラップする)に分解し、M個のサブバンド信号を生成する。デシメータ38a、38b...38M-1は、それぞれのサブバンド信号をデシメートして、M個のダウンサンプリングサブバンド信号を生成する。
オーディオプロセッサ40は、最低サブバンドにおいてダウンサンプリングサブバンド信号に対してオーディオ処理を行って、第1処理済み信号を生成する。典型的には、サブバンド信号は、オーディオサンプルのブロック(例えば、256、512、1024サンプル)にセグメント化されて、各ブロックが処理される。オーディオ処理は、固定又は時変性とすることができる線形フィルタリング、すなわちローパス、ハイパス及びバンドパスフィルタリングなどの線形プロセスと、動的レンジ圧縮、リミッター及び変調などの非線形プロセス、又はグラフィックイコライザ利得、処理の有効/無効及びフィルタカットオフ周波数などのユーザ制御パラメータを構成することができる。オーディオ処理は、遷移帯域におけるダウンサンプリングされたオーディオ信号に対する振幅及び位相変化を生成する。オーディオ処理はまた、全最低周波数サブバンドの信号に対して目的とする利得を与える。
補償ユニット42は、ダウンサンプリングサブバンド信号の遷移周波数帯域における振幅及び位相をリアルタイムで(オーディオ処理の前後に)測定し、この測定値を処理して遷移周波数帯域における振幅及び位相の変化を計算し、最低周波数サブバンドにおける振幅及び位相の測定された変化にほぼ一致するように残りの高周波数サブバンドに対する振幅補償及び位相補償の両方を計算する。振幅補償は、遷移帯域における振幅の変化のみに基づいて計算することができ、この場合、補償は、出力オーディオ信号の完全な再構成を提供する。或いは、振幅補償は、出力オーディオ信号の完全な再構成とオーディオ処理の目的とする利得又は信号レベルの維持とのバランスをとるために、遷移帯域及び最低周波数サブバンド全体の両方における振幅の変化に基づいて計算することができる。測定及び計算は、遷移周波数帯域でのみ好適に実施されて計算効率を向上させる。
振幅及び位相補償は、高周波数サブバンドにおけるダウンサンプリングサブバンド信号の各々に適用されて、処理済みサブバンド信号を生成する。1つの実施形態では、補償は、1又は2以上の補償フィルタ44の形態で提供される。別の実施形態では、補償は、単値利得46(振幅補償)及び単値遅延48(位相補償)の形態で提供される。フィルタ構成では、オーディオ処理の処理レイテンシーを補償するために、追加の遅延が提供される。利得/遅延構成では、遅延48は、グループ遅延及び処理レイテンシーの両方を含む。Mチャネル実施構成では、各高サブバンドにおける遅延は、計算されたグループ遅延の整数の倍数にフィルタバンクのグループ遅延を加えたものである。振幅/遅延補償は、計算効率がよく、補償フィルタは、より精密な振幅及び位相補償を提供する。
処理されたオーディオサンプルの各ブロックに対して、補償ユニット42は、振幅/位相の変化、従って振幅/位相補償を確実に計算するために、好ましくは、最低サブバンドの遷移帯域におけるダウンサンプリングサブバンド信号の十分な振幅及びトーンコンテンツがあるかどうかを決定する。信号が小さすぎるか又は雑音が多すぎる場合には、計算は有効ではない。この場合、補償ユニット42は、様々な選択肢を実施するよう構成することができる。1つの選択肢では、補償ユニット42は、遷移帯域における強いトーン信号が検出されるまで、振幅/位相補償の計算及び適用を単に無効にする。別の選択肢では、補償ユニット42は、強いトーン信号が検出されるまで、新しい振幅/位相補償の計算を無効にして、最後に計算された振幅/位相補償を適用する。更に別の選択肢では、補償ユニットは、1又は2以上のトーン信号を最低サブバンドのダウンサンプリングサブバンド信号の遷移帯域に挿入して、測定目的として強いトーン信号を生成することができる。次いで、1又は2以上のトーン信号は、オーディオ処理後にダウンサンプリングサブバンド信号から取り除かれる。トーン信号は、最低周波数サブバンドにおいて信号振幅に対して最小変更を行い、また、遷移帯域における既存の信号のキャンセレーションを阻止するように選択される。測定及び処理にクリーンなトーン信号を提供するため、補償ユニットは、オーディオ処理の前に遷移においてオーディオ信号を取り除き、オーディオ処理後に信号を再挿入することができる。1つの実施形態では、これは、サンプルのブロックに対し全FFTを実施し、遷移帯域において信号を取り除いて、逆FFTを実施することによって達成することができる。
処理後、エキスパンダー50a、50b、...50M-1は、Mチャネルの処理済みサブバンド信号を係数Mだけ拡大する。合成フィルタF0(z)、F1(z)...FM-1(z)は、それぞれのサブバンド信号を処理して、これらが再結合され(54)てデジタルオーディオ出力信号X´(n)を生成し、このデジタルオーディオ出力信号は、デジタルオーディオファイルとしてセーブされるか、又は音響に変換される。
ここで図2を参照すると、マルチレートオーディオ処理システム98の実施形態が、デシメーション/拡大比2を有する2チャネル直交ミラーフィルタバンクオーディオ処理構造100として実施される。2つの分析フィルタH0(z)110及びH1(z)115に続いて、入力信号x(n)120は、係数2でデシメートされる130、135。本システムが最大にデシメートされた場合、サブバンドのサンプリングレートは、オーディオ処理140のサンプリングレートと同じになり、オーディオ処理140は、低帯域でのみ実施することができる。低帯域におけるオーディオ処理140が振幅/位相変化並びに遅延をもたらす可能性があるので、利得、位相及びレイテンシーの補償が高帯域に必要とされる。この実施形態では、利得補償145及び遅延補償150(位相(グループ遅延)及びレイテンシー)が、高サブバンドに適用される。処理済みサブバンド信号は、係数2で拡大され160、165、合成フィルタF0(z)170及びF1(z)175で処理され、再結合180されて、デジタルオーディオ信号x´(n)を生成185する。
図3に示すように、分析フィルタH0(z)110並びにH1(z)115及び合成フィルタF0(z)及びF1(z)175は、それぞれπ/2でクロスオーバ周波数を有するローパス及びハイパスフィルタである。ローパスフィルタは、パス帯域187、クロスオーバ周波数を中心とする遷移帯域188、及び阻止帯域189を有する。ハイパスフィルタは、阻止帯域190、クロスオーバ周波数を中心とする遷移帯域191及びパス帯域192を有する。
数学的には、分析フィルタH0(z)110とH1(z)115の関係は、次式で記述することができる。
Figure 2018512100
エイリアシングを相殺するために、合成フィルタF0(z)170及びF1(z)175は、以下の条件を満足する必要がある。
Figure 2018512100
式(1)及び(2)は、エイリアシングフリー分析及び合成フィルタが単一のフィルタH0(z)110から設計できることを示している。
直交ミラーフィルタ(QMF)バンクを多相形態で表現することで、計算上の利点が得られる。多相表現は、フィルタ係数を複数のグループに分ける方法である。比2では、偶数番号のフィルタ係数が、奇数番号のフィルタ係数から分割される。多相表現を使用して、分析フィルタH0(z)110は、次式のように書くことができる。
Figure 2018512100
式(1)、(2)及び(3)を使用して以下の式が得られる。
Figure 2018512100
Figure 2018512100
デシメーション/拡大比が2である場合、式(4)及び(5)におけるE0(z2)及びE1(z2)は、デシメーション及びインターポレーションノーブルアイデンティティを使用して転置される。その結果、これらはE0(z)及びE1(z)になる。この結果として、低レートで動作する対応するフィルタもたらされる。図4は、QMFバンクの多相表現における分析フィルタバンク110、115を例証するブロック図である。図5は、QMFバンクの多相表現における合成フィルタバンク170、175を例証するブロック図である。
QMFの多相表現を多分解能構造に拡大して、最大デシメートシステムを実現することができる。信号は、デシメートされて2つのサブバンドに分割され、同じプロセスが、低帯域信号に適用される。オーディオ処理は、最低帯域においてのみ実施されるので、第1サブバンドの高帯域は、サブバンド処理を必要としない。上述のパワー対称フィルタ設計が与えられる場合、図4及び図5における項E0(z)及びE1(z)は、オールパス(全通過)フィルタA0(z)及びA1(z)に置き換えられる。項A0(z)/A1(z)及びA´0(z)/A´1(z)は、本システムの設計要件に従う同じフィルタでなくてもよい。
エイリアシングキャンセレーション(相殺)に加えて、信号を再構成するときに振幅歪みを阻止することが望ましい。図4及び図5におけるE0(z)200及びE1(z)205が、無限インパルス応答(IIR)オールパスフィルタである場合、この振幅歪みの発生源が排除されなる。E0(z)200及びE1(z)205における2つのオールパスフィルタは、分析フィルタH0(z)110をパワー対称フィルタに設計し且つこれを2つのオールパスフィルタに分解することによって得られる。
パワー対称IIRハーフバンドフィルタは、以下の2つの条件を満足する。
Figure 2018512100
Figure 2018512100
カットオフ周波数ωc=0.5πで設計されたバターワースフィルタは、パワー対称条件を満足する。楕円フィルタもまた、式(6)及び(7)で与えられた条件を満足することができるが、これらのパラメータは調節する必要がある。パワー対称楕円フィルタ設計プロセスは、ニューヨーク、Information Science Reference、Ljiljana Milicによる書籍「Multirate Filtering for Digital Signal Processing MATLAB Applications(デジタル信号処理MATLABアプリケーションのためのマルチレートフィルタリング)」の第7章(「第Lバンドデジタルフィルタ」)206〜237ページ(2009年)に詳細に記述されている。パワー対称楕円フィルタの極は、複素平面の虚軸に位置付けられるので、E0(z)200及びE1(z)205のオールパスフィルタは、極インターレーシング特性を用いて得られ、これは、ニュージャージー、PTR Prentice−Hall、P.P.Vaidyanathanによる書籍「Maximally Decimated Filter Banks(マルチレートシステム及びフィルタバンク)」の第5章(「最大デシメートフィルタバンク」)188−256ページ(1993年)に記述されている。
マルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態は、一部では、パワー対称フィルタを有するQMFシステム設計を含むので、エイリアシング雑音及び振幅歪みがない。しかしながら、オーディオ処理を低サブバンドに適用した結果として、エイリアシング雑音及び振幅歪みが導入される可能性がある。低帯域処理によって誘起される変化を補償するために高サブバンドに対して行われた振幅及び位相補償でも、振幅歪み及びエイリアシング雑音を完全に排除できない場合がある。従って、振幅歪み及びエイリアシング雑音を包含する領域を最小限にするために、阻止帯域減衰が高い狭遷移帯域を有することが望ましい。
マルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の一部の実施形態では、比2:1のデシメーション/拡大システムにおける分析フィルタH0(z)110の設計基準は、(a)阻止帯域減衰が96dB又はこれより高いこと、及び(b)遷移帯域幅が0.4167π〜0.5833πであることである。
通過域端周波数0.4167πは、48kHzサンプリングレートの20kHzに相当する。従って、エイリアシング雑音及び振幅歪みが存在する場合、これらは、人間の聴覚を超える周波数範囲に存在することになる。分析フィルタH0(z)110及びH1(z)115が互いの鏡像であるので、振幅歪み及びエイリアシング雑音は、阻止帯域減衰基準が上記で設定されると、−96dBFs未満となる。マルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態は、フィルタ設計基準を満足する最適パワー対称フィルタを含む。
異なる実施形態では、第13次ハーフバンドバターワース及び楕円フィルタは、0.4167πにパスバンド端を有する。バターワースフィルタ減衰は、阻止帯域の単調性に起因して、0.78πを上回る楕円フィルタの減衰よりも高い。しかしながら、バターワースフィルタは、遷移帯域幅を低減するためにフィルタ次数の増大を伴う。従って、楕円フィルタが好適であり、上述の遷移帯域幅基準に対して低フィルタ次数要件が与えられた場合には、マルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態において使楕円フィルタが用される。
楕円フィルタ設計が選択された場合、幾つかのトレードオフを検討する必要がある。これらは、遷移帯域幅と阻止帯域減衰との間、及びフィルタ次数とリップルサイズとの間のそれぞれのトレードオフである。遷移帯域が小さくなるほど、より低い阻止帯域減衰が得られる。フィルタ次数が高くなると、より高い阻止帯域減衰を生成できるが、リップルサイズ及び計算コストも増大することになる。所与のフィルタ設計基準に対する最適設計は、パスバンド端0.42πを有する第13次数楕円フィルタである。上述のオールパス分解を使用すると、図4及び5のE0(z)及びE1(z)は、第13次楕円フィルタの第3次オールパスフィルタである。
再度図2を参照すると、最低サブバンドにおけるオーディオ処理によって起こる振幅、位相及び遅延を高サブバンドで補償するために、最低周波数サブバンドにおける信号の振幅及び位相のリアルタイム測定を行い、オーディオ信号自体が遷移帯域における十分なトーンコンテンツ及び信号強度を有するかどうかを決定して確実に補償を決定するよう処理されなくてはならず、また、注入するものがトーン信号ではない場合、オーディオ処理によって起こった位相における振幅の変化を計算して、補償フィルタプラス遅延(処理レイテンシー)又は単一利得値及び単一遅延値(グループ遅延プラス処理レイテンシー)の何れかの形態で高サブバンドの振幅及び位相補償を計算しなくてはならない。振幅及び位相補償は、信号の全帯域幅において必要ではなく、遷移帯域にのみ必要である。補償プロセッサ300は、測定、制御及び計算技術を実装し、利得及び位相補償をリアルタイムで提供するよう構成される。1つの実施形態では、プロセッサ300は、サンプルの各ブロックを処理し(オーディオ処理によって処理される)、各ブロックに対する更新された利得及び位相補償を提供する。
補償プロセッサ300は、最低周波数サブバンド(全帯域及び遷移帯域)における信号の振幅及び位相のリアルタイム測定をトーン信号の注入前302及びトーン信号の注入後304並びにオーディオ処理後306に行うよう適切に構成される。全帯域振幅は、サンプルの各処理済みブロックに対する最低周波数サブバンドにおけるオーディオ信号サンプルx(n)の二乗平均平方根(RMS)として計算することができる。遷移帯域振幅は、遷移帯域全体の離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform)係数の平均値として計算することができる。計算効率を改善するために、Goertzelアルゴリズムを使用してDFT係数を計算することができる。Goertzelアルゴリズムは、所与の周波数のDFT値を提供するデジタルフィルタの形態を有する。信号の位相は、実数部によって除算されたDFT項の虚数部の逆タンジェントを取ることによって計算することができる。
補償プロセッサ300は、全帯域及び遷移帯域の振幅及び位相測定値を処理して、最低周波数サブバンドにおけるオーディオ信号の遷移帯域に1又は2以上のトーン信号を注入するかどうかを決定するよう構成され、注入する場合には、トーン信号308の適正な振幅、位相及び周波数が処理される。信号が遷移帯域において十分な振幅及びトーンコンテンツを有する場合には、トーン信号の注入は必要ではない。トーン信号が注入される場合、プロセッサ300は、1又は2以上のトーン信号の振幅を遷移帯域における雑音信号よりも高いが全第1周波数サブバンドにおける振幅に対する最小変化にするのに十分に低くなるように設定し、また、1又は2以上のトーン信号の位相及び周波数を遷移帯域における第1ダウンサンプリングサブバンド信号のキャンセレーションを防ぐように設定する。プロセッサは、加算ノード312にて1又は2以上のトーン信号を注入して、トーン信号を最低周波数サブバンドのオーディオ信号に追加するマルチトーン信号生成器310を実装するよう構成される。
これらのトーン信号は、適切な単周波数離散正弦波である。数学的には、処理前に低帯域に加算される信号、及び加算された信号を減算することを目的とするキャンセレーション信号が、次式で与えられる。
Figure 2018512100
Figure 2018512100
ここで、ρはリアルタイム振幅としてN/2−1に設定され、位相補償実施構成は、ナイキスト周波数でのグループ遅延測定値のみを包含する。更に、ρは、全遷移帯域振幅/位相情報を活用するために、低帯域フィルタH0(z)の通過域端周波数のDFTポイントに設定することができる。信号振幅βは、オーディオ処理140の前の低帯域信号の第1測定値によって決定される。項δmag(k)及びδphase(k)は、オーディオ処理前及びオーディオ処理後の測定値から計算される振幅差及び位相差である。図2に示すように、利得314及び遅延316はトーン信号に適用されて、加算ノード318にて最低周波数サブバンドのオーディオ信号から取り除かれる。測定のために加算された信号は、本システムによって導入される振幅/位相測定誤差及び丸め誤差が存在する可能性があるので、完全には相殺することはできない。
補償プロセッサ300は、オーディオ処理320によって起こる全帯域及び遷移帯域の両方における振幅及び位相の変化を計算するよう構成される。振幅の変化は、処理後振幅に対する処理前振幅の比として表すことができる。位相の変化は、処理後及び処理前の位相測定値間の差として表すことができる。振幅及び位相の変化は、各トーン信号に対して、又は(トーンが注入されない場合には)遷移帯域全体の1又は2以上の周波数にて計算される。
補償プロセッサ300は、振幅及び位相の測定された変化にほぼ一致する高サブバンドの振幅及び位相補償を計算するよう構成される(322)。図示のように、プロセッサは、利得145を設定するための単一利得値並びに遅延150を設定するための単一遅延値(グループ遅延及び処理レイテンシーの両方)を計算して、高周波数サブバンドの信号に補償を適用する。或いは、プロセッサは、周波数応答がオーディオ処理の遷移帯域における周波数応答とほぼ一致する全補償フィルタを計算することができる。
低帯域信号の二乗平均平方根(RMS)値の変化を高帯域信号に適用することで、一定の全帯域信号レベルを維持する面で振幅補償要件を満たすことができるが、マルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態のQMFシステムにおける信号の完全な再構成を達成しない可能性がある。QMFシステムの遷移帯域における信号の振幅情報は、Goertzelアルゴリズムから得られるので、低帯域信号の遷移帯域における振幅変化を計算するのに使用することができる。
以下の式(10)及び(11)は、全帯域信号レベルの維持と完全な再構成特性との間の妥当なバランスを実現するため、RMS値の変化及び遷移帯域レベルの変化の比較を数学的に示している。
Figure 2018512100
Figure 2018512100
ここでmcoefは、QMFシステムの高帯域に適用される実際の振幅補償値である。f(mδtr,mδRMS)は、遷移帯域振幅変化(mδtr)及び最低周波数サブバンド変化(mδRMS)に基づいて振幅補償値を計算する関数である。この関数f()は、遷移帯域及び第1周波数サブバンドの間のバランスを決定するために振幅変化差dδrms_tr及び目標閾値の入力を取る関数G()と解釈することができる。関数G()は、所与のアプリケーションに対する特定の問題に対処するための多くの方法で設計することができる。
式(12)は、関数G()の一例である。
Figure 2018512100
この実施例では、閾値τは、2つの閾値τ1及びτ2のセットである。閾値設定に加えて、経時的にスムーズな振幅遷移を確保するために、スムーズアルゴリズムがリアルタイム実施構成でmcoefに適用される。
ここで図6を参照すると、入力信号400が下位及び上位周波数サブバンド402及び404それぞれに分割されている。オーディオ処理は、低周波数サブバンドの信号に実施されて、処理済みサブバンド信号406を生成する。この実施例では、補償は、フィルタによって提供され、従って、遷移帯域全体に渡って変化することができる。振幅補償は、3つの方法の1つで高周波数サブバンドの信号404に適用される。第1に、振幅補償408は、遷移帯域の振幅変化のみに基づいて計算され、信号404に適用されて補償された信号409を生成する。対応する合成出力信号410に示されるように、この手法は、420に示すように完全な再構成を提供するが、406に示される全帯域信号レベル(オーディオ処理の利得)を維持することはない。第2に、振幅補償412は、全帯域に対するRMS値のみに基づいて計算され、信号404に適用されて補償された信号413を生成する。対応する合成出力信号414に示されるように、この手法は、406に示されるような全帯域信号レベル(オーディオ処理の利得)を維持するが、完全な再構成を提供するものではない。最後に、振幅補償416は、完全な再構成と全帯域信号レベルとをバランスさせるために式11を使用して計算され、信号404に適用されて補償された信号417を生成する。このバランスは、合成出力信号418に示されるように達成される。
補償のための遷移帯域の振幅及び位相応答は、測定値及び計算から既知であるので、振幅及び位相応答が与えられた場合、フィルタ又は複数のフィルタを設計することができる。或いは、振幅一致及び位相一致のための別個のフィルタを設計することができる。遷移帯域に追加されるトーンの数は、遷移帯域の周波数分解能を決定付ける。補償フィルタを設計する際に、周波数分解能がフィルタ設計に必要なものよりも低い場合に、振幅及び位相応答がインターポレーションを必要とすることがある。多くの場合、項位相補償は、グループ遅延補償と同じと見なされる。しかしながら、グループ遅延は、隣接する周波数ビンだけでなく、大きな間隔を有する周波数ビンを使用して測定することができる。従って、グループ遅延は、周波数分解能が与えられた場合の位相変化の近似とすることができる。
離散的時間信号のグループ遅延測定値に利用可能な様々な方法があるが、マルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態は、直接微分法を使用する。直接微分法は、信号のアンラップド位相の微分を計算する。これは、数学的には次式のように書くことができる。
Figure 2018512100
QMFの低帯域における任意オーディオ処理によって起こる位相変化は、Goertzelアルゴリズムを使用して測定される。次いで、ナイキスト周波数でのグループ遅延が計算されて、QMFシステムにおける低帯域と高帯域との間の二乗イン服オーバーラップが大きな量であることに起因して最も近い整数値に丸められる。QMFシステムの最低サブバンドにおける任意オーディオ処理がレイテンシーをもたらす場合、高サブバンドの信号もまた、最低サブバンドに導入されたレイテンシーに一致するように遅延させなくてはならない。遅延ブロックは、レイテンシー補償のために存在する必要であるので、整数グループ遅延補償法は、付加的な計算は追加されないが、少量のメモリが追加となる。
1つの純粋な正弦波トーンでは、グループ遅延を計算するために2つのDFT構成要素が必要となるので、グループ遅延マッチングを行うことができない。しかしながら、ナイキスト周波数位相変化は常に、0度又は180度=>0度:補償なしで180度:0度にするための1サンプル遅延となるので、1つのトーンを用いて、ナイキスト周波数に位相マッチングを行うことができる。
ナイキスト周波数の1サンプル遅延は、離散的時間信号の180度位相シフトに相当することを考慮すると、奇数グループ遅延は、QMFシステムの高帯域においてナイキスト周波数で180度位相シフトを引き起こすことになる。パワー対称楕円フィルタが、ナイキスト周波数の低帯域と高帯域との間の90度位相差を有する場合、奇数グループ遅延を追加することにより、ナイキストでの信号は相殺されず、再構成位相における信号の極性が変化する。
しかしながら、低帯域におけるQMFシステムのエイリアシング雑音と高帯域におけるエイリアシング雑音との間の位相差は180度である。このため、エイリアシング雑音は、再構成位相で相殺される。従って、高帯域において奇数グループ遅延を追加することで、エイリアシング雑音及び振幅歪みが実際に増大する可能性がある。この結果、ナイキストでの位相応答変化をチェックすることが重要である。
例えば、ナイキスト周波数での0度位相シフト及び奇数グループ遅延については、ナイキスト周波数が0度位相シフト及び奇数グループ遅延を有する場合、グループ遅延値は、最も近い整数ではなく最も近い偶数整数値に丸めるべきである。
ここで図7を参照すると、図2のステップ308のトーン注入決定の実施形態は最初に、最低周波数サブバンドの遷移帯域においてトーン信号を注入するかどうかを決定し、注入する場合には、注入されるトーンの振幅及び位相を求める。補償プロセッサは、最低周波数サブバンドの遷移帯域におけるダウンサンプリング信号が振幅及び位相補償を計算するのに十分な振幅及び十分なトーンコンテンツの両方を有するかどうかを決定するよう構成される。いいえである場合、補償プロセッサは、トーン信号の振幅を、遷移帯域における雑音信号よりも高いが全最低周波数サブバンドの振幅に対して最小変化とするのに十分に低くなるように決定するよう構成される。補償プロセッサは、遷移帯域におけるダウンサンプリング信号のキャンセレーションを阻止するようにトーン信号の位相及び周波数を選択するよう構成される。
1つの実施形態では、補償プロセッサは、3つのプロセス、すなわち、プロセスA、プロセスB及びプロセスCを実施して、トーン信号を注入するかどうかを決定し、注入する場合には、トーン信号の振幅及び位相を求めるよう構成される。補償プロセッサは、処理されたサンプルの現在のブロックに対する遷移帯域振幅(Amp[])500及び遷移帯域位相(Phs[])502を受け取るよう構成される。
補償プロセッサは、遷移帯域振幅を処理して、遷移帯域の振幅が最小値よりも大きいかどうかを決定する(504)よう構成される(プロセスA)。プロセスAの実施例は、最小振幅(a)>(−6*sys)(dB)+Emd(dB)を計算し、ここでBsys=システムビット分解能(例、−32ビット、24ビット、16ビットなど)及びEmd=計算からの丸め誤差、及び最小振幅(a)は遷移帯域における最小振幅である。この実施例では、振幅/位相補償を計算するのに必要な最小振幅は、dB換算でのシステムビット分解能に対する最小信号値と振幅/位相計算からの期待される丸め誤差との合計である。
補償プロセッサは、遷移帯域振幅を処理して、遷移帯域がトーンであるかどうかを決定する(506)よう構成される(プロセスB)。プロセスBの実施例は、遷移帯域のスペクトル平坦性を計算して、振幅スペクトルがトーン成分を含む可能性があるかどうかを決定する。このプロセスは、遷移帯域における各周波数の位相変動を測定して、トーン信号と雑音信号を区別することができる位相成分を測定する。スペクトル平坦性及び位相変動を組み合わせることによって、信号が遷移帯域内の所与の周波数ビンでトーン信号を含むるかどうかを決定することができる。例えば、
トーン(k)=真、デルタ_p(k)<閾値_p&スペクトル平坦性(k)>閾値_sf
=偽、デルタ_p(k)>閾値_p||スペクトル平坦性(k)<閾値_sf
閾値_p=位相変動閾値
閾値_s=スペクトル平坦性閾値

スペクトル平坦性(k)=PI(k)/Avr、ここでk=1...m、m=ピークの数、Amp[]を使用して計算される。
PI(1,2,...m)=遷移帯域におけるスペクトラルピークのレベル、(m<n、m=遷移帯域におけるピークの数、n=遷移帯域周波数ビンの数)

Avr=遷移帯域振幅の平均レベル

デルタ_p(k)=デルタ_p1(K)−デルタ_p0(k);位相変動(k=1,2,...m)、Phs[]を使用して計算される。
デルタ_p0(k)=abs(Phs[k]−Phs[k−1])、及び
デルタ_p1(k)=abs(Phs[k+1]−Phs[k])
遷移帯域信号が、十分な振幅及びトーンコンテンツの両方を有する(すなわち、プロセスA及びプロセスBが両方とも「真」である)場合(508)には、補償プロセッサは、トーン信号を注入せず(510)、遷移帯域信号を処理して振幅及び位相補償を決定する。遷移帯域信号が、十分な振幅又はトーンコンテンツの何れかを欠く(すなわちプロセスA又はプロセスBが「偽」である)場合(508)には、補償プロセッサは、遷移帯域振幅、遷移帯域位相及び全最低周波数サブバンド振幅を処理(510)して、注入されるトーンの振幅/位相を計算(512)し、トーンを遷移帯域に注入(514)するよう構成される。
1つの実施例では、補償プロセッサは、信号レベルの最小変化を設定して、入力信号の全帯域振幅を用いてトーンの最小レベルを計算するよう構成される。例えば、
Figure 2018512100
の要件を満足する最小xrmsを見つける。
ここで、Inrmsは最低周波数サブバンド振幅の測定値であり、xrms=注入されるトーンのレベルである。
ケース1(a=真、b=偽)、振幅は大きいが雑音である
τ=トーン_雑音_比率:トーン信号対雑音比
ケース2(a=偽、b=真)、振幅は小さいがトーンである
τ=最小_レベル、ケース2における最小レベル変化閾値
ケース3(a=偽、b=偽)、振幅は小さく且つ雑音である
τ=「min_level」及びτ=「tone_noise_ratio」の両方に対してXrmsを計算し、
rms(min_level)>Xrms(tone_noise_ratio)の場合、
rms=Xrms(min_level)
ms(min_level)<Xms(tone_noise_ratio)の場合、
=Xms(tone_noise_ratio)
ここで図8を参照すると、マルチレートオーディオ処理システム600の実施形態が、デシメーション/拡大比2を有する2チャネル直交ミラーフィルタバンクオーディオ処理構造として実施される。この実施形態では、高周波数サブバンドにおける振幅/位相補償は、1又は2以上の補償フィルタを使用して実施される。補償フィルタは、付加的な計算コストでオーディオ処理によって遷移帯域に導入される振幅及び位相変化の優良な一致をもたらす。
2つの分析フィルタH0(z)606及びH1(z)608に続いて、入力信号x(n)610は、係数2でデシメートされる612及び614。オーディオ処理616は、ダウンサンプリング入力信号x(n)のサンプルのブロックに対して実施される。ダウンサンプリング信号x(n)の振幅/位相は、オーディオ処理の前後で測定されて処理され(618)、オーディオ処理によって起こる遷移帯域における信号の振幅及び位相の変化を計算して、全遷移帯域周波数/位相応答情報を提供する。1又は2以上の補償フィルタは、この情報から設計され(620)、遷移帯域における周波数/位相応答にほぼ一致するフィルタ応答を提供する。FIR又はIIRフィルタは、振幅及び位相特性が与えられた場合のフィルタを設計するために使用することができる。これは、振幅及び位相応答とほぼ一致する同じフィルタセットか、又は振幅一致及び位相一致のための別個のフィルタセットとすることができる。これらの設計は、フィルタ622を更新するのに使用される。データスムージング/インターポレーション(624)が更新されたフィルタに適用され、フィルタ又はフィルタ係数を更新することによって起こる可能性がある何らかのアーティファクトを阻止する。これらのインターポレーション/スムーズフィルタは、最高周波数サブバンドでのフィルタ処理の状態変数に適用され、振幅及び位相補償(626)を提供する。遅延628は、オーディオ処理の処理レイテンシーの補償を提供する。処理されたサブバンド信号は、係数2で拡大され(630,632)、合成フィルタF0(z)634及びF1(z)636を用いて処理されて再結合638され、デジタルオーディオ信号x´(n)640を生成する。
本明細書に記載する以外の他の変形形態が明らかになるであろう。例えば、実施形態によっては、本明細書で説明した何らかの方法及びアルゴリズムの特定の動作、事象、又は機能を異なる順序で実行することができ、追加、統合、又は完全に省略することができる(従って、ここで説明する全ての動作又は事象が、本方法及びアルゴリズムの実施に必要というわけではない)。更に、特定の実施形態において、動作又は事象は、連続的ではなく、例えば、マルチスレッド型処理、割り込み処理、もしくはマルチプロセッサ又はプロセッサコアによって、又は他の並列アーキテクチャ上で同時に実行することができる。加えて、様々なタスク又は処理は、一緒に機能することができる異なるマシン及びコンピューティングシステムによって実行することができる。
本明細書で開示した実施形態に関連して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、方法、及びアルゴリズム処理及び手順は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はこの両方の組合せとして実施することができる。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性について明確に例証するために、上記では、様々な実例的な構成要素、ブロック、モジュール、及び処理動作について、これらの機能性に関して一般的に説明してきた。このような機能性をハードウェア又はソフトウェアとして実施するか否かは、特定の用途及びシステム全体に課された設計上の制約による。記載した機能性は、特定の用途の各々に関して異なる方法で実施することができるが、このような実施の決定が、本明細書の範囲からの逸脱を生じさせると解釈すべきではない。
本明細書で開示した実施形態に関連して説明する様々な例示的な論理ブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、処理デバイス、1又は2以上の処理デバイスを有するコンピューティングデバイス、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラム可能論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理、離散的ハードウェア構成要素、又は本明細書で説明する機能を実行するよう設計されたこれらのいずれかの組合せのようなマシンによって実施し又は実行することができる。汎用プロセッサ及び処理デバイスは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替形態において、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態マシン、これらの組合せ、又は同様のものとすることができる。プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1又は2以上のマイクロプロセッサ、又はいずれかの他のこのような構成のような、コンピューティングデバイスの組合せとしても実施可能である。
本明細書で説明したマルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態は、多くのタイプの汎用又は専用コンピューティングシステム環境又は構成内で動作可能である。一般に、コンピューティング環境は、限定されるものではないが、1又は2以上のマイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタルシグナルプロセッサ、携帯用コンピューティングデバイス、パーソナル・オーガナイザ、デバイスコントローラ、電気製品内部の計算エンジン、携帯電話、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、及び埋め込みコンピュータを備えた電気製品に基づくコンピュータシステムを含む、あらゆるタイプのコンピュータシステムを含むことができる。
このようなコンピューティングデバイスは、限定されるものではないが、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、ラップトップ又はモバイルコンピュータ、携帯電話及びPDAのような通信デバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラム可能な家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、オーディオ又はビデオメディアプレーヤ、及びその他を含む、少なくとも何らかの最低限の計算能力を有するデバイスに通常、見出すことができる。一部の実施形態において、コンピューティングデバイスは、1又は2以上のプロセッサを含むことになる。各プロセッサは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、超長命令語(VLIW)、又は他のマイクロコントローラのような特殊なマイクロプロセッサとすることができ、或いは、マルチコアCPU内の特殊なグラフィックス処理ユニット(GPU)ベースのコアを含む、1又は2以上のプロセッシングコアを有する従来型の中央処理ユニット(CPU)とすることができる。
本明細書で開示した実施形態に関連して説明する方法、処理、又はアルゴリズムの処理動作は、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、又はこの2つのいずれかの組合せで具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、コンピューティングデバイスによってアクセス可能なコンピュータ可読媒体内に含めることができる。コンピュータ可読媒体は、取り外し可能、取り外し不可のいずれかである揮発性及び不揮発性媒体、又は何らかのこれらの組合せを含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読又はコンピュータ実行可能命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータのような情報を格納するために用いられる。例示的かつ非限定的に、コンピュータ可読媒体は、コンピュータストレージ媒体及び通信媒体を含むことができる。
コンピュータストレージ媒体は、限定されるものではないが、Blurayディスク(BD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、フロッピーディスク、テープドライブ、ハードドライブ、光ドライブ、固体メモリデバイス、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を格納するために使用可能で1又は2以上のコンピューティングデバイスによってアクセス可能ないずれかの他のデバイスのような、コンピュータ又はマシン可読媒体又はストレージデバイスを含む。
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD−ROM、又は当該技術で公知の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体、メディア、又は物理コンピュータストレージのいずれかの他の形式内に常駐することができる。例示的なストレージ媒体は、プロセッサがストレージ媒体から情報を読み出して、そこに情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合することができる。代替形態では、ストレージ媒体は、プロセッサに一体化することができる。プロセッサ及びストレージ媒体は、特定用途向け集積回路(ASIC)内に常駐することができる。ASICは、ユーザ端末内に常駐することができる。代替的に、プロセッサ及びストレージ媒体は、ユーザ端末内の個別構成要素として常駐することができる。
本明細書で使用する場合、語句「非一時的」は、「永続的又は長寿命の」を意味する。語句「非一時的コンピュータ可読媒体」は、ありとあらゆるコンピュータ可読媒体を含み、唯一の例外は一時的な伝搬信号である。これは、例示的かつ非限定的に、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、及びランダムアクセスメモリ(RAM)のような非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
語句「オーディオ信号」は、物理的音響を表す信号である。
コンピュータ可読又はコンピュータ実行可能命令、データ構造、プログラムモジュール、及びその他のような情報の保持は、1又は2以上の変調データ信号、電磁波(搬送波のような)、又は他の伝送機構又は通信プロトコルをエンコードするための様々な通信媒体を用いることによって実現することができ、いずれかの有線又は無線情報配信機構を含む。一般に、これらの通信媒体は、信号内の情報又は命令をエンコードするような方法で設定又は変更される自己の特性の1又は2以上を有する信号を参照する。例えば、通信媒体は、1又は2以上の変調データ信号を搬送する有線ネットワーク又はダイレクト有線接続のような有線媒体、及び音響、無線周波数(RF)、赤外線、レーザーのような無線媒体、及び1又は2以上の変調データ信号又は電磁波を送信、受信、又は送受信するための他の無線媒体を含む。上記のいずれかの組合せも、通信媒体の範囲内に含まれるべきである。
更に、本明細書で説明したマルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の種々の実施形態の一部又は全てを具現化するソフトウェア、プログラム、コンピュータプログラム製品のうちの1又はいずれかの組合せ、或いはこれの一部分は、コンピュータ可読命令又は他のデータ構造の形式で、コンピュータ又はマシン可読媒体又はストレージデバイス及び通信媒体のあらゆる所望の組合せに格納、受信、送信、又はそこから読み出すことができる。
本明細書で説明したマルチレート任意オーディオ処理システム及び方法の実施形態は、コンピューティングデバイスによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータ実行可能命令という一般的状況で更に説明することができる。一般に、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、及びその他を含み、これらが、特定のタスクを実行し、特定の抽象データタイプを実施する。また、本明細書で説明した実施形態は、1又は2以上の通信ネットワークを通じてリンクされた1又は2以上のリモート処理デバイスによって、又は1又は2以上のデバイスのクラウド内でタスクが実行される、分散コンピューティング環境で実施することもできる。分散コンピューティング環境では、メディアストレージデバイスを含む、ローカル及びリモートの両方のコンピュータストレージ媒体内に、プログラムモジュールを配置することができる。更に、上記の命令は、プロセッサを含むこともあれば含まないこともある、ハードウェア論理回路として部分的に又は全体的に実施することができる。
本明細書で使用する条件語、とりわけ、「できる(can)」「してよい(might)」「できる(may)」「例えば(e.g.)」及び同様のものは、他に明確に言及されていない限り、又は用いられる文脈でそれ以外に理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えるものである。従って、このような条件語は、特徴、要素、及び/又は状態が、1又は2以上の実施形態にとって必ず必須であること、或いは、作成者の入力又は指示があってもなくても、これらの特徴、要素、及び/又は状態が含まれるか又はいずれかの特定の実施形態で実行されるべきかどうかを決めるためのロジックを、1又は2以上の実施形態が必ず含むことを一般に示唆するものではない。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及び同様のものは、同義であり、包含的かつオープンエンド(open−end)方式で使用され、付加的な要素、特徴、動作、操作、及びその他を除外しない。また、用語「or」は、包括的な意味で(排他的意味ではなく)用いられ、従って、例えば、要素のリストをつなぐために使用されるとき、用語「or」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味する。
上記の詳細な説明は、種々の実施形態に適用される場合に新規の特徴を示し、説明し、及び指摘するが、本開示の精神から逸脱することなく、例証されたデバイス又はアルゴリズムの形式及び詳細において、様々な省略、置換、及び変更を加えることができる点を理解されたい。理解できるように、一部の特徴は、他の特徴とは別に使用すること又は実施することができるので、本明細書で説明する本発明の特定の実施形態は、本明細書に示した特徴及び利点の全てを提供しない形態の範囲内で具現化することができる。
更に、主題は、構造的特徴及び方法論的動作に特有の用語で説明してきたが、添付の請求項に記載する主題は、上記で説明した特定の特徴又は動作に必ずしも限定されるわけではないことを理解されたい。むしろ、上記で説明した特定の特徴及び動作は、請求項を実施する例示的な形態として開示される。
10 オーディオ再生システム
12 マイクロフォン
14 音響
16 アナログ/デジタルコンバータ
18 デジタルオーディオファイル
20 マルチレートオーディオ処理システム
22 ICチップ
24 デジタルプロセッサ
26 メモリ
28 デジタル/アナログコンバータ
30 ラウドスピーカ
32 音響
33 デジタルオーディオファイル
34 Mチャネル直交ミラーフィルタ(QMF)バンクオーディオ処理構造
36a 36b 36M−1 分析フィルタ
38a 38b 38M−1 デシメータ
40 オーディオプロセッサ
42 リアルタイム振幅/位相変化測定及び補償計算
44 補償フィルタ
46 利得
48 遅延
50a 50b 50M−1 エキスパンダー
52a 52b 50M−1 合成フィルタ
54 デジタルオーディオ出力信号x´(n)を生成するために再結合される

Claims (26)

  1. オーディオ再生方法であって、
    第1デジタルオーディオ信号を遷移周波数帯域によって分離される少なくとも第1及び第2周波数サブバンドに分割して、少なくとも第1及び第2サブバンド信号を生成するステップと、
    前記第1サブバンド信号をダウンサンプリング又はデシメートすることによって、第1ダウンサンプリングサブバンド信号を生成するステップと、
    前記遷移周波数帯域内にある少なくとも1つのトーン信号を前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号に注入するステップと、
    前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号に対してオーディオ処理を実施することによって第1処理済みサブバンド信号を生成するステップと、
    前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号と前記第1処理済みサブバンド信号の前記遷移周波数帯域の振幅及び位相をリアルタイムで測定するステップと、
    前記測定での測定値をリアルタイムで処理して、前記遷移周波数帯域における振幅及び位相の変化を計算するステップと、
    前記第1周波数サブバンドにおける振幅及び位相の測定された変化にほぼ一致する前記第2周波数サブバンドに対する振幅補償及び位相補償の両方をリアルタイムで計算するステップと、
    前記第2サブバンド信号の遷移帯域に前記振幅及び位相補償を適用することによって、第2処理済みサブバンド信号をリアルタイムで生成するステップと、
    前記第1処理済みサブバンド信号から前記少なくとも1つのトーン信号を取り除くステップと、
    前記第1及び第2処理済みサブバンド信号を組み合わせて出力オーディオ信号を再構成するステップと、
    を含む、オーディオ再生方法。
  2. 前記遷移帯域において前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号の十分な振幅があるか否かを決定して、振幅及び位相の変化を計算するステップと、
    前記測定された振幅及び位相から、前記第1ダウンサンプリング信号が前記遷移帯域において十分なトーンコンテンツを有するか否かを決定して、振幅及び位相の変化を計算するステップと、
    1又は2以上の前記トーン信号の注入を選択的に有効又は無効にするステップと、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号の全第1周波数サブバンドにおける振幅及び位相を測定するステップと、
    1又は2以上の前記トーン信号の振幅を、前記遷移帯域の雑音信号よりも高いが前記全第1周波数サブバンドにおける振幅に対して最小変化にするのに十分に低くなるように決定するステップと、
    1又は2以上の前記トーン信号の位相及び周波数を選択して、前記遷移帯域における前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号のキャンセレーションを阻止するステップと、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記オーディオ処理は、前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号のサンプルのブロックに対して実施され、リアルタイムでの前記振幅及び位相の測定並びに前記振幅及び位相補償の適用は、サンプルの各ブロックに対して実施される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つのトーン信号は、前記遷移帯域における異なる周波数で離間した複数のトーン信号を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記振幅及び位相補償を計算するステップは、複数の前記トーン信号の測定値の加重平均を計算して、単一の振幅補償値及び単一の遅延補償値を生成するステップを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記振幅及び遅延補償を計算するステップは、振幅及び位相特性が前記遷移帯域におけるオーディオ処理の振幅及び位相特性にほぼ一致する1又は2以上の補償フィルタを計算するステップを含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記第1周波数サブバンドにわたる前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号及び前記第1処理済みサブバンド信号の振幅測定値を処理して、前記オーディオ処理によって起こる前記第1周波数サブバンドにわたる振幅の変化を計算するステップを更に含み、
    前記振幅補償は、前記出力オーディオ信号の完全な再構成と前記オーディオ処理の目的とする利得又は信号レベルの維持とのバランスをとるように、前記第1周波数サブバンドにわたる前記振幅の変化及び前記遷移周波数帯域にわたる前記振幅の変化の関数として計算される、請求項1に記載の方法。
  9. Figure 2018512100
    coefは前記第2サブバンドに適用される振幅補償値であり、f(mδtr,mδRMS)は前記遷移帯域の振幅の変化(mδtr)及び前記第1周波数サブバンドの変化(mδRMS)に基づいて前記振幅補償値(mcoef)を計算する関数であり、G()は、振幅差dδrms_tr及び目標閾値τの関数として前記遷移帯域と前記第1周波数帯域との間のバランスを決定する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記オーディオ処理は、非線形プロセス、線形であるが時変性プロセス、或いは前記オーディオ処理によって時変性の振幅及び位相変化を生成するようなユーザ選択可能な制御パラメータの影響を受ける線形もしくは非線形プロセスのうちの1つであり、前記振幅及び位相補償の計算及び適用が時変性である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記リアルタイムでの振幅及び位相の測定並びに前記振幅及び位相補償の適用は、前記遷移帯域においてのみ実施される、
    請求項1に記載の方法。
  12. 前記方法は、直交ミラーフィルタ(QMF)バンクにおいて実施され、前記第1サブバンド信号は、前記オーディオ処理のサンプリングレートに最大限デシメートされ、前記処理済み信号を組み合わせるステップは、前記処理済み信号を出力サンプリングレートに拡大又はアップサンプリングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記出力オーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換するステップと、
    1又は2以上のスピーカを介して前記アナログオーディオ信号を音響に変換するステップと、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記方法は、1又は2以上のデジタルプロセッサ及びメモリで実施される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記振幅又は位相の測定がオーディオ処理前及びオーディオ処理後の少なくとも1つのトーン信号だけを測定するように、前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号から前記遷移帯域における信号を取り除くステップと、
    前記遷移帯域における前記信号を前記第1処理済みサブバンド信号に注入するステップと、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  16. オーディオ再生方法であって、
    第1デジタルオーディオ信号を遷移周波数帯域によって分離される少なくとも第1及び第2周波数サブバンドに分割して、少なくとも第1及び第2サブバンド信号を生成するステップと、
    前記第1サブバンド信号をダウンサンプリング又はデシメートすることによって、第1ダウンサンプリングサブバンド信号を生成するステップと、
    前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号に対してオーディオ処理を実施することによって第1処理済みサブバンド信号を生成するステップと、
    前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号と前記第1処理済みサブバンド信号の前記遷移周波数帯域の振幅及び位相をリアルタイムで測定するステップと、
    前記測定での測定値をリアルタイムで処理して、前記遷移周波数帯域における振幅及び位相の変化を計算するステップと、
    前記第1周波数サブバンドにおける振幅及び位相の測定された変化にほぼ一致する前記第2周波数サブバンドに対する振幅補償及び位相補償の両方をリアルタイムで計算するステップと、
    前記第2サブバンド信号の遷移帯域に前記振幅及び位相補償を適用することによって、第2処理済みサブバンド信号をリアルタイムで生成するステップと、
    前記第1及び第2処理済みサブバンド信号を組み合わせて出力オーディオ信号を再構成するステップと、
    を含む、オーディオ再生方法。
  17. 前記遷移帯域において前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号の十分な振幅があるか否かを決定して、振幅及び位相の変化を計算するステップと、
    前記測定された振幅及び位相から、前記第1ダウンサンプリング信号が前記遷移帯域において十分なトーンコンテンツを有するか否かを決定して、振幅及び位相の変化を計算するステップと、
    前記振幅又はトーンコンテンツが不十分である場合、前記振幅補償及び位相補償の計算を選択的に無効にするステップと、
    を更に含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記振幅又はトーンコンテンツが不十分である場合、前記第2サブバンド信号の遷移帯域への前記振幅及び位相補償の適用を選択的に無効にする、請求項17に記載の方法。
  19. 前記振幅又はトーンコンテンツが不十分である場合、前記第2サブバンド信号の遷移帯域に最後に計算された前記振幅及び位相補償を適用する、請求項17に記載の方法。
  20. 前記オーディオ処理は、前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号のサンプルのブロックに対して実施され、リアルタイムでの前記振幅及び位相の測定並びに前記振幅及び位相補償の適用は、サンプルの各ブロックに対して実施される、請求項16に記載の方法。
  21. オーディオ再生システムであって、
    デジタルオーディオ信号を遷移周波数帯域によって分離される少なくとも最低及び最高周波数サブバンドに分割して少なくとも第1及び第2サブバンド信号を生成し、少なくとも前記第1サブバンド信号をデシメートして第1ダウンサンプリングサブバンド信号を生成するよう構成された直交ミラーフィルタ(QMF)バンクと、
    前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号に対してオーディオ処理を実施して、第1処理済みサブバンド信号を生成するよう構成されたオーディオプロセッサと、
    前記第2サブバンド信号に振幅及び位相補償を適用して、第2処理済みサブバンド信号を生成するよう構成された振幅及び位相補償器と、
    前記オーディオプロセッサの前及び前記オーディオプロセッサの後に前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号及び前記第1処理済みサブバンド信号の前記遷移周波数帯域における振幅及び位相をリアルタイムで測定して、前記遷移周波数帯域における振幅及び位相の変化をそれぞれ計算し、前記計算された変化にほぼ一致する振幅及び位相補償の更新を計算するよう構成された補償ユニットと、
    を備え、
    前記QMFフィルタは、少なくとも前記第1処理済みサブバンド信号を拡大して、前記第1及び第2処理済みサブバンド信号を組み合わせてオーディオ出力を再構成するよう構成されている、
    ことを特徴とするオーディオ再生システム。
  22. 前記補償ユニットは、前記遷移帯域において前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号が十分な振幅及びトーンコンテンツを有するか否かを決定して、振幅及び位相遷移の変化を計算するよう構成される、請求項21に記載のオーディオ再生システム。
  23. 前記振幅又はトーンコンテンツの何れかが不十分である場合、前記補償ユニットは、前記遷移周波数帯域内にある少なくとも1つのトーン信号を前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号に注入して、前記第1処理済みサブバンド信号から前記少なくとも1つのトーン信号を取り除くよう構成される、
    請求項22に記載のオーディオ再生システム。
  24. 前記補償ユニットは、前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号の全最低周波数サブバンドにおける振幅及び位相を測定して、1又は2以上の前記トーン信号の振幅を、前記遷移帯域の雑音信号よりも高いが前記全第1周波数サブバンドにおける振幅に対して最小変化にするのに十分に低くなるように決定して、前記遷移帯域における第1ダウンサンプリングサブバンド信号のキャンセレーションを阻止するように1又は2以上の前記トーン信号の位相及び周波数を選択するよう構成される、
    請求項23に記載のオーディオ再生システム。
  25. 前記オーディオプロセッサは、前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号のサンプルのブロックに対してオーディオ処理を実施し、前記補償ユニットは、サンプルの各ブロックを処理して前記振幅及び位相補償を更新する、
    請求項21に記載のオーディオ再生システム。
  26. 前記補償ユニットは、前記最低周波数サブバンドにわたる前記第1ダウンサンプリングサブバンド信号及び前記第1処理済みサブバンド信号の振幅測定を処理して、前記オーディオ処理によって起こる前記最低周波数サブバンドにわたる振幅の変化を計算するよう構成され、前記補償ユニットは、前記出力オーディオ信号の完全な再構成と前記オーディオ処理の目的とする利得又は信号レベルの維持とのバランスをとるように、前記最低周波数サブバンドにわたる振幅の変化と前記遷移周波数帯域にわたる前記振幅の変化との関数として振幅補償を計算するよう構成される、
    請求項21に記載のオーディオ再生システム。
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