JP2018511416A - Ecgベースの心筋虚血検出のための方法及びシステム - Google Patents

Ecgベースの心筋虚血検出のための方法及びシステム Download PDF

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Abstract

急性虚血検出デバイスが、12誘導心電計ECGデバイス12と、電子データ処理デバイス12と、表示要素22とを有する。電子データ処理デバイスは、12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに12誘導ECGto血管特異的誘導VSL変換50を適用して、VSL誘導データ(例えば、LAD、LCX、及びRCA血管特異的誘導データ)を生成し、VSL誘導データに対するST値を決定し、VSL誘導データに対するST値をVSL誘導ST閾値60と比較することにより、12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータが急性虚血を示すかどうかを決定する。12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータが急性虚血を示すと決定される場合、表示要素は、急性虚血アラーム又は警告を表示する、及び/又は生成されたVSL誘導ECGトレースを表示することができる。

Description

本願は一般に、医療クリティカルケア分野、緊急医療ケア分野、心臓診断分野、心電図(ECG)分野、急性虚血検出分野、及び関連分野に関する。
STセグメント上昇心筋梗塞(STEMI)患者を効果的に管理して治療目標を達成するには、迅速で正確な診断(急性心筋梗塞AMI検出)が不可欠である。症状の発症直後はAMIの生化学的マーカーが上昇しない場合があるため、再灌流治療の初期診断及び決定は、しばしば臨床症状及び標準12誘導ECGに基づかれる。しかし、急性冠動脈症候群ACSを示唆する症状を持つ患者では、12誘導ECGに基づかれる現在使用されている診断基準は、STEMI患者を高特異で同定するが、感度は低い。1つの研究(2005 International Consensus Conference Part 5:Acute Coronary Syndromes.Circulation 2005;112:11155−11172)では、入院12誘導ECGを用いて、バイオマーカー結果を知らされない救急医が、STEMIの診断を低感度42%(95%CI、32%〜52%)で確立したが、特異度は99.7%(95%CI、98%〜99.9%)と高い。その結果、多くの偽陰性の患者は、最適な療法及びその潜在的な利益を得ることができない場合がある。
本書に開示されるアプローチは、急性虚血識別のための12誘導ECGを解釈する精度を改善する。本書に示される試験結果は、開示されたアプローチが、STEMI患者の検出を改善する(例えば、特異性を犠牲にすることなくより高い感度を達成する)という証拠を示し、その結果、そうでなければ偽陰性となる患者も最適治療の恩恵を受けることができる。開示されたアプローチは、以下に説明するような様々な態様を組み込む。
本書に開示されるいくつかの例示的な実施形態では、急性虚血検出デバイスが、12誘導心電図(ECG)デバイス、電子データ処理デバイス、及び表示要素を有する。電子データ処理デバイスは、VSL誘導データを生成するため12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに12誘導ECGデータto血管特異的誘導(VSL)変換を適用するステップと、VSL誘導データに対するST値を決定するステップと、VSL誘導データに対するST値をVSL誘導ST閾値と比較することにより、12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータが急性虚血を示すかどうかを決定するステップとを含む処理を実行するようプログラムされる。12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータが急性虚血を示すと決定される場合、表示要素は、急性虚血アラーム又は警告を表示するよう構成される。
本書に開示されるいくつかの例示的な実施形態において、急性虚血検出方法は、対象の12誘導心電図(ECG)データを取得するステップと、上記12誘導ECGデータに、12誘導ECGto血管特異的誘導(VSL)変換を適用し、対象のVSL誘導データを生成するステップと、上記VSL誘導データに対するST値を決定するステップと、上記VSL誘導データに対するST値とVSL誘導ST閾値とを比較することにより、上記対象が急性虚血を有するか否かを決定するステップと、上記対象が急性虚血を有すると決定される場合、急性虚血アラーム又は警告を発するステップとを有する。
本書に開示されるいくつかの例示的な実施形態では、心電計デバイスが、12誘導心電計(ECG)デバイスと、上記12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに12誘導ECGto血管特異的誘導(VSL)変換を適用し、VSL誘導データを生成するステップを含む処理を実行するようプログラムされた電子データ処理デバイスとを含む。12誘導ECGデバイスは例えば、(i)標準12誘導ECG電極配置及び(ii)Mason−Likar12誘導ECG電極配置の少なくとも1つを使用して12誘導ECGデータを取得するよう構成されることができる。心電計デバイスは、生成されたVSL誘導データをVSL誘導トレースとして表示するよう構成された表示要素を更に含むことができる。
1つの利点は、急性虚血識別に関する12誘導ECGの解釈における改善された正確度を提供することにある。
別の利点は、偽陰性を低減した12誘導ECGベースの急性虚血検出を提供することにある。
別の利点は、臨床医にはよく知られた誘導トレース出力形式で、得られた血管特異的誘導(VSL)ECGトレースを表示することにある。
別の利点は、特定の誘導配置(例えば、標準12誘導ECG電極配置又はMason−Likar12誘導電極配置)に対して調整され、及び/又は対象の性別に合わせて調整された12誘導ECGベースの急性虚血検出を提供することにある。
本発明の更に追加的な利点は、以下の詳細な説明を読み及び理解することにより当業者に認識されるだろう。所与の実施形態は、これらの利点の1つ、2つ、又はそれ以上を提供する点を理解されたい。
心電図(ECG)ベースの急性虚血検出システムを図式的に示し、インセットAは、いくつかの顕著な特徴がラベル付けされた、典型的なECGを示し、インセットBは、検出システムにおいて適切に使用される標準的な12誘導ECG電極構成を示し、インセットCは、検出システムで代替的に使用される代替的なMason−LikarECG電極構成を示す図である。 図1の急性虚血検出システムで使用されるオフライン訓練されたパラメータを訓練するオフライン処理システムを図式的に示す図である。 図1の急性虚血検出システムにより適切に実行されるオンライン処理を図式的に示す図である。 図2のオフライン処理システムに基づき実行されるオフライン処理のための本書で説明される結果を提示する図である。 図2のオフライン処理システムに基づき実行されるオフライン処理のための本書で説明される結果を提示する図である。 12誘導ECGとともに図1から図3のシステムを使用して得られた血管特異的誘導(VSL)ECGの1つの可能な提示を示す図である。
心電図(ECG)は、心臓の電気的活動により生成された電位のグラフィック記録である。ECGは、例えば紙に物理的に記録されることができるか、又はECG電極を介して取得されたタイムスタンプ付き電圧サンプルを格納するなどして、データファイルとして電子的に記録されることができる。各心臓収縮に関連付けられる電気インパルス形成及び伝導は、体全体に広がる弱い電流を生成する。身体の様々な位置に電極を適用し、これらの電極を心電図(ECG)装置に接続することにより、電位の大きさにおける変動が記録される。記録されたECGの大きさは通常、ミリボルトのオーダーである。典型的なECGが、図1インセットAに示され、各心臓周期で繰り返される一連の波を有する。これらの波は、慣習に従い、P、QRS、及びTとしてラベル付けされる。P波は両心房の脱分極及び収縮を表し、QRS複合体は心室の脱分極及び収縮を表し、T波は心室の再分極を表す。
図1インセットBに示されるような標準的な12誘導ECGでは、10個の電極が使用される。3つが、右腕(RA)、左腕(LA)及び左脚(LL)に配置され、6つが、胸部(V1からV6)に配置され、接地基準電極が右脚(RL)に配置されるが、より一般的にはどこにでも配置されることができる。特異的な前胸部誘導を得るため、胸部電極は正確で適切な位置に配置されなければならない。
3つの肢誘導(I、II、及びIII)、3つの拡張肢誘導(aVR、aVL、及びaVF)、及び6つの前胸誘導(V1からV6)からなる12のECG誘導が、表1に示されるように9つの電極から得られる。3つの肢誘導の各々は、2つの選択された部位の間の電位差を表す。3つの拡張肢誘導の各々は、他の2つの残りの末端を参照して一方の端部における電位を記録する。これら6つの肢誘導は、正面の電位を記録する。6つの正面の誘導は独立していない。実際、3つの肢電極からは2つの独立した信号チャネルしか存在しない。
Figure 2018511416
前胸部V誘導は、3つの末端を参照して特定の胸部位置における電位を記録する。各前胸部誘導は、選択された電極配置部位から見て、水平面内の電位を記録する。6つの標準的な胸部誘導に加えて、追加的な胸部誘導がしばしば虚血の調査に用いられる。それらは、4つの右側胸部誘導(V3R、V4R、V5R、V6R)及び3つの後部誘導(V7、V8、V9)を含む。
標準的な肢電極(図1インセットB)の配置は、安静時の12誘導ECGを取得するには問題ないが、継続的なモニタリング又は運動テストなどの外来用途にとっては実用的ではない。患者にとって不都合で不快なだけでなく、肢電極も動きアーチファクトの影響を受けやすい。従って、外来用途では、修正された電極構成(Mason−Likar)がしばしば使用される。このMason−Likarの構成は、図1インセットCに示される。Mason−Likar12誘導ECG構成では、図1インセットCに示されるように、3つの肢電極及び接地電極が胴に配置される。
心筋虚血という用語は、心臓の筋肉細胞への血液供給の減少を指す。これは、動脈管が、代謝要求を満たすのに十分な酸素を組織に供給する能力が制限されるとき生じる。心筋虚血の主な原因は、冠状動脈疾患である。事象が限られた時間内である場合、虚血の影響は可逆的である。
心筋虚血事象が緩和されないままであるとき、組織細胞が死ぬようになり、心筋梗塞が生じる。
心室脱分極後、正常な心筋細胞はほぼ同じ電位になる。従って、心臓病変が存在しない場合、脱分極の終了及び再分極の開始は通常、等電点である。ECG信号上では、この領域は、STセグメントと呼ばれる。それは、S波の終わり(J点とも呼ばれる)とT波の始まりとの間の領域として規定される(図1インセットA参照)。虚血性及び損傷組織は、心筋の細胞を多かれ少なかれ興奮させる。この異常な電気的特性の変化は、再分極段階において最も顕著である。ECGのSTセグメントは主に心室再分極を反映するので、虚血又は細胞損傷は、STセグメントのレベルにおける変化(下降又は上昇)として表示される。
ECG電極の位置並びにST変化の方向及び大きさは、危険にさらされている心臓の領域及び損傷の可能な程度を示す。虚血性事象を検出し、それらの位置を突き止める確率は、使用されるECG誘導の数、ECG誘導の適切な選択、及び正しい誘導の配置と共に増加する。
STセグメント測定を決定するための標準的な手法は、J点での値又はJ点後の60又は80ミリ秒(ms)後の点での値と、等電点のベースラインとの間の電圧差を測定することによる(図1インセットA参照)。等電点のベースラインは、P波とQ波の間(P−R間隔)又はP波の前の間(T−P間隔)のいずれかである。STセグメント測定値は、ミリボルト(mV)、マイクロボルト(μV)又はミリメートル(mm)で報告されることができる。標準的な(紙出力)ECGストリップは、通常1mV当たり10mmのスケールでプロットされるので、1mmのSTセグメント変化は、0.1mVの電圧変化を表すことになる。正の値はSTの上昇を表し、負の値はSTの下降を表す。1mm(又は0.1mV)を超えるSTセグメントの変化は、一般的に重要であると考えられる。
急性心筋梗塞(AMI)及び急性冠動脈症候群(ACS)の文献考察で用いられるいくつかの従来の用語が次に説明される。ACSは、冠状動脈内のプラークの突然の破裂に関連付けられる3つのタイプの冠状動脈疾患を指す。ACSのタイプは、不安定狭心症(UA);非STセグメント上昇心筋梗塞(NSTEMI);及びSTセグメント上昇心筋梗塞(STEMI)を含む。閉塞の位置、血流が遮断される時間及び発生する損傷の量は、急性冠動脈症候群のタイプを決定する。心筋梗塞(MI)は世界中の死亡及び障害の主要な原因である。米国だけでも、ACSのために必要とされる入院は100万件を超える。これは、半分以上が急性心筋梗塞(AMI)であり、約3分の2がNSTEMI、残りがSTEMIである。
欧州心臓学会(ESC)/米国心臓病学会(ACCF)/アメリカ心臓協会(AHA)/世界心臓連盟(WHF)からの現在の合意文書(Thygesenらによる「Joint ESC/ACCF/AHA/WHF Task Force for the Redefinition of Myocardial Infarction.Universal definition of myocardial infarction.」、J Am Coll Cardiol 2007;50:2173−95)によれば、標準的な12誘導ECGのSTEMI基準は、2つの隣接する誘導のJ点で測定されたST上昇値が、誘導V2、V3について男性で0.2mV(又は2mm)以上若しくは女性で0.15mV(又は1.5mm)以上、及び/又は他の10誘導について0.1mV(又は1mm)以上である。連続する10の誘導ペアは、(aVL、I)、(I、−aVR)、(−aVR、II)、(II、aVF)、(aVF、III)、(VI、V2)、(V2、V3)、(V3、V4)、(V4、V5)、(V5、V6)である。右側及び後部誘導の基準は、AHA/ACCF/HRSの科学声明文書(Wagner他による「AHA/ACCF/HRS Recommendations for the Standardization and Interpretation of the Electrocardiogram Part VI:Acute Ischemia/Infraction」、Circulation 2009;119:e262−e270)に与えられる。
AMIの患者を管理するための現行の実践ガイドラインは、これらの患者のケア及び結果を最適化することを目的としている。STEMI患者の場合、梗塞関連動脈は通常完全に閉塞されるので、治療目標は、正常な冠動脈血流を得、可能な限り迅速に梗塞を中断することである。効果的な再灌流治療の選択肢は、静脈血栓溶解療法及び経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を含む。具体的には、STEMI患者のための現在の治療指針は、(1)PCI機能を有する病院に関しては、90分以内にプライマリPCIで治療するか、又は第一医師と接触すること、及び(2)PCI機能を持たない病院に関しては、フィブリン溶解療法が禁忌でない限り、病院到着から30分以内にフィブリン溶解療法で治療する。再灌流のモードにかかわらず、最も重要な概念は、STEMIの症状の発症から再灌流の開始までの時間として規定される総合虚血時間を最小にすることである。
STEMI患者を効果的に管理して治療目標を達成するには、迅速で正確な診断(AMI検出)が不可欠である。症状の発症直後はAMIの生化学的マーカーが上昇しない場合があるため、再灌流治療の初期診断及び決定は、しばしば臨床症状及び標準12誘導ECGに基づかれる。しかし、ACSを示唆する症状を持つ患者では、12誘導ECGに基づかれる現在使用されている診断基準は、STEMI患者を高特異で同定するが、感度は低い。1つの研究(2005 International Consensus Conference Part 5:Acute Coronary Syndromes.Circulation 2005;112:11155−11172)では、入院12誘導ECGを用いて、バイオマーカー結果を知らされない救急医が、STEMIの診断を低感度42%(95%CI、32%〜52%)で確立したが、特異度は99.7%(95%CI、98%〜99.9%)と高い。その結果、多くの偽陰性の患者は、最適な療法及びその潜在的な利益を得ることができない場合がある。
感度が低い理由の1つは、標準の12誘導ECGにおける所定の位置に配置された6つの前胸誘導(V1からV6)で、胸部表面の広い領域がサンプリングされない点にある。このことを考慮して、AMIのECG診断は、後部胸部及び/又は右前胸部誘導を追加することにより;又は身体表面電位マッピング(BSPM)と呼ばれる、胴の周りの誘導アレイを使用して電位を記録することにより、潜在的に最適化されることができる。ある研究(Ornatoらによる「Body surface mapping vs 12−lead electrocardiography to detect ST−elevation myocardial infarction」、Am J Emerg Med 2009;27(7):779−784)において、STEMI患者の検出を改善するのに80誘導マッピングシステムが用いられる。別の研究(Kornreichらによる「Body surface potential mapping of ST segment changes in acute myocardial infarction」、Circulation 1993;87:773−782)では、平均MIマップから正常対象の平均マップを差し引いた120誘導判別マップに基づき、梗塞領域(前方、下方及び後方)に基づかれる3つのMIグループのそれぞれについて、ST上昇及び下降における最も大きな変化を伴う2つの胴体の位置が特定される。これらの6つの場所のうち、5つは標準的な前胸誘導位置によりカバーされていなかった。段階的判別分析を用いて改善された性能が示される。
これらの研究は、追加の電極を追加することが、検出性能を改善する可能性を持つことを実証している。しかしながら、追加のコスト、患者の快適さ、及びこれらの追加の誘導を得ることに伴う時間のため、多数の電極の臨床使用は困難である。胴体における非標準的な位置に追加の電極を正確に配置することを必要とする方法も、臨床医にとって大きな課題となり得る。更に、心臓専門医は一般に、遍在する従来の12誘導ECGを解釈するように訓練されており、代替的なECG電極構成に基づく診断を快く思わない場合がある。
追加的な誘導を直接取得する代わりに、別の研究(Horacekらによる「Optimal electrocardiographic leads for detecting acute myocardial ischemia」、J Electrocardiol 2001;34(Suppl):97−111)では、左前下行枝(LAD)動脈、右冠状動脈(RCA)、及び左回旋(LCX)動脈のバルーン血管形成術中に記録された120誘導マップを用いて、急性虚血中の最も感受性の高いSTセグメント変化を備える3つの血管特異的誘導(VSL)が同定される。各動脈閉塞について、平均のΔSTマップを用いて、最も上昇した及び下降したSTセグメント位置が特定される。各個別のΔSTマップは、ピークバルーン膨張時のマップから(バルーンカテーテル挿入前の)ベースラインマップを引くことにより得られる。同じ120誘導マッピングデータセットから、標準最小二乗法を用いて、12誘導ECGから、バイポーラVSL:RCA、LCX、及びRCAを導出するために3つの線形方程式が使用される。STEMI検出のための分類器として線形判別関数が使用される。
このアプローチを緊急臨床環境に適用することの難しさは、ΔSTの分析がベースラインECGを必要とするが、急性心筋事象を起こすACS患者に対しては、ベースラインECGは通常利用できない点にある。代わりに、緊急事態における臨床判断は典型的には、入院ECGのみをレビューすることに基づかれる。更に、識別分類器は臨床医に対して透過的ではないので、システムにより行われた検出を臨床医が独立して検証することは困難である。臨床医は、VSLに関する検出閾値を知り、現在使用されているSTEMI基準に似た独立した判断をすることができることを好む場合がある。
フォローアップ研究(Horacekらによる「Detection of myocardial ischemia by vessel−specific leads derived from the 12−lead electrocardiogram and its subsets」、J Electrocardiol 2008;41:508−517)では、独立した120誘導BSPM Dalhousieスーパーセットが、3つのVSL線形方程式を導出するために使用される。急性虚血検出のため、全てのVSLに対する最適な単一の性別非依存性の検出閾値も決定される。従来の12誘導ECGに対し作用するSTEMI基準の場合、ST変化は、性別及び誘導依存の両方であることが判明している。
本書に開示されるアプローチは、急性虚血識別のための12誘導ECGを解釈する精度を改善する。本書に示される試験結果は、開示されたアプローチが、STEMI患者の検出を改善する(例えば、特異性を犠牲にすることなくより高い感度を達成する)という証拠を示し、その結果、そうでなければ偽陰性となる患者も最適治療の恩恵を受けることができる。開示されたアプローチは、以下に説明するような様々な態様を組み込む。
いくつかの態様では、開示されたアプローチは、患者のベースラインECGからのST変化を使用する代わりに、ピークデータを直接使用して、AMI中の最大ST変化を伴う胴体位置を識別する。緊急臨床環境では、ベースラインのECGは通常利用可能ではない。本書に開示されるピークデータを使用して胴体位置を特定することは、典型的な緊急環境において実際に利用可能なECGデータと互換性がある。
最も感度の高い誘導は、最適な場所に配置された電極を伴うバイポーラ誘導として直接記録されることができる。しかしながら、本書に開示されるアプローチでは、これらの誘導は、従来の12誘導ECGから導かれる。好都合なことに、良く知られた標準的(又はMason−Likar)12誘導ECGを超える余分な物理的電極は使用されない。
本書に開示される実施形態では、VSLに対する変換係数セットが、標準及びMason−Likar電極配置の両方に対して生成される。一般に、異なる(標準対Mason−Likar)12誘導配置により取得されたECGは同じではない。
改善されたSTEMI検出を提供することに加えて、導出されたVSL波形もオプションで、ST変化の表示及び追跡のために提供される。これは、よく知られた誘導トレース出力形式を臨床医師に提供する。
いくつかの実施形態では、判別関数ベースの分類を使用する代わりに、検出閾値がVSLのSTレベルに直接基づかれる。臨床医師は、提供されたVSL波形と共に、推奨される検出閾値を用いてSTEMIの検出を独立して検証することができる。
本書に開示されるいくつかの実施形態は、更なる検出性能向上のため、すべてのVSLについて同じ単一の閾値ではなく、誘導特異的な閾値を使用する。このアプローチは、例えば心臓からの距離に基づき、異なるECG誘導が異なる振幅を持つ可能性を説明する。最適な検出性能のため、閾値はオプションで、信号強度に基づき調整される。
追加的又は代替的に、VSLベースのAMI検出に同じSTEMI閾値が使用されることができるよう、導出されたVSLがスケール化されることができる。例えば、(100μVの代わりに)110μVの閾値が所与の誘導に対するより良好な検出性能を生み出す場合、誘導は、信号(又はST測定)を1.1で除算することによりスケールダウンされることができ、その結果、STEMI基準で使用される値のいくつかと同様の閾値として100μVが使用されることができる。更に、110μVの閾値より、臨床医が、記録されたECGから100μVの閾値を視覚的にチェックする方がはるかに容易である。
更に、本書に開示されるいくつかの実施形態は、女性に対するST変化が男性より少ない傾向があることを反映するため、性別特異的な閾値を採用する。本書において、検出閾値が性別特異的である場合、より良好な性能が実現され得ることが認識される。
再び図1を参照すると、本書に開示される例示的な実施形態では、典型的には、救急車、救急室、集中治療室(ICU)、心臓ケアユニットCCU)などの緊急ケア環境において評価される患者である対象10は、ECGデータ取得能力を有する患者モニタ12により(又は、代替的に、専用ECGシステムにより;より一般的には、デバイス12は、ベッドサイドモニタ、心臓除細動器、心電計、ストレス試験システム、テレメトリーモニター、又はホルターモニターなどの虚血検出のための12誘導ECGベースのSTセグメント分析を提供する任意のECGデバイスとすることができる。)モニタされる。このため、12誘導ECG電極セット14が対象10と動作可能に接続される。12誘導電極セット14は、標準の12誘導構成(図1インセットB)又はMason−Likar12誘導構成(図1インセットC)を含むことができる。開示されたアプローチを、例えばEASI構成のような他の共通の誘導構成で、例えば図2を参照して本書に記載されるような誘導セットにおける適切な訓練と共に採用することも考えられる。患者モニタ12(又は専用のECGシステム)は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどを含む電子データ処理デバイスを有し、これは、(例えば、図2を参照して)本書に開示されるように訓練される特定のオフライン訓練済みパラメータ(例えば、12誘導toVSL変換、VSL特異的閾値、及びオプションのVSLスケーリング係数)を使用して、(例えば、図3を参照して)本書に開示されるオンライン動作を実行する急性虚血検出器20を実現するソフトウェア又はファームウェアを実行する。パラメータのいくつかはオプションで、誘導配置特異的(例えば、標準対Mason−Likar)であり、及び/又は性別特異的である(その結果、対象10の性別が、急性虚血検出器20への別の入力である。)。患者モニタ12(又は専用のECGシステム)は、急性虚血検出器20の出力が表示される表示要素22を含む。図示された表示要素22に加えて、又は場合によりこれに代えて、その出力は、プリンタ(図示省略)を介して印刷されることができる。この出力は例えば、急性虚血が検出された場合に発せられるアラーム又は警告を含む(追加的又は代替的に、音声アラーム又は警告が出され得る)。出力はオプションで、12誘導ECGからの急性虚血検出器により生成された血管特異的誘導(VSL)トレースのプロットを含むこともできる。更に、患者モニタ12(又は専用ECGシステム)はオプションで、12誘導ECG誘導トレース(又はこれらの12誘導トレースのうちの選択されたもの)を表示することができ、デバイスが多機能患者モニタである場合、患者モニタ12は追加的又は代替的に、他の患者データ(例えば、他の生理学的センサデータ、例えば血圧、Sp02など)などを表示することができる。
図2を簡単に参照すると、オフライン処理30は、かなりの計算負荷を必要とする。例えば身体表面電位マッピング(BSPM)データセット32の収集に対して実行されるデータ処理である。各BSPMは、(例えば)ブロックされた様々な冠状動脈を持つ対象の120誘導に関するデータを含み、更に12誘導ECGデータセット34の訓練セットに対するVSL特異的閾値を最適化する。この実質的な計算負荷を考慮して、オフライン処理30は、デスクトップコンピュータ、ネットワークベースのサーバコンピュータ、コンピューティングクラスタ、クラウドコンピューティングリソースなどの十分に強力な電子データ処理デバイス40(図2に図式的に示される)により適切に実行される。
図1及び図3の急性虚血検出器20は、開示されたオンライン急性虚血検出器処理を実行する患者モニタ12、専用ECG、又は他の電子データ処理デバイスにより実行可能なソフトウェア又はファームウェアを格納する非一時的記憶媒体として実現される点を理解されたい。同様に、図2のオフライン処理30は、開示されたオフライン処理30を実行するコンピュータ又は他の電子データ処理デバイス40により実行可能なソフトウェア又はファームウェアを格納する非一時的な記憶媒体として実現されることができる。非一時的記憶媒体は例えば、ハードディスクドライブ、RAIDディスクアレイ、又は他の磁気記憶媒体、及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、又は他の電子記憶媒体、及び/又は光ディスク又は他の光記憶媒体などを含むことができる。
本書に開示されたアプローチは、12誘導ECGから得られる3つの血管特異的誘導(VSL)に基づかれる基準を使用することにより、現在使用されているSTEMI基準と比較して、急性虚血検出性能を改善する。例示的な実施形態では、オフライン処理30が使用され、12誘導ECGtoVSL誘導変換50、ST閾値60、及びオプションの誘導スケーリング係数64(図2参照)が生成される。これらは次に、急性虚血を診断するため、急性虚血検出器20により実行される特定の患者のオンライン処理(図3参照)の間に使用される。
一実施形態では、オフライン処理30は以下を含む。3つの主な冠動脈LAD、LCX、及びRCAのそれぞれの閉塞の間に最大のST上昇及び下降を伴う身体表面上の位置が決定される。バルーン−膨張経皮冠動脈インターベンション(PCI)処置及び/又は急性心筋梗塞(AMI)中に得られた体表面電位マッピング(BSPM)データ32が、この作業を実行するのに適切に使用される。このため、LADが閉塞された1つ又は複数のBSPMデータセットが、最適なLAD特異的な位置を決定するために提供され、最適なLCX特異的位置を決定するため、LCXが閉塞された1つ又は複数のBSPMデータセットが提供され、最適なRCA特異的位置を決定するため、RCAが閉塞された1つ又は複数のBSPMデータセットが提供される。変換係数は、最小二乗法を使用して12誘導ECGからVSLを導出するのに使用される3つの線形方程式(又は、より一般的には変換)50に対して生成される。BSPMデータセット36は、ロバスト係数セットを生成するために使用される。追加の12誘導急性虚血データセット34は、VSLのための最適な急性虚血検出閾値60を決定するために使用される。この最適化のための適切な性能尺度は、検出感度及び特異性を含む。1つのアプローチでは、臨床プラクティスで現在使用されるSTEMI基準により達成される高い検出特異性を失うことなく、より高い検出感度として改善された性能が測定される。
前述の処理30は、オフラインで(即ち、例示的なコンピュータ40を使用して、急性虚血検出器20が適用される前に)行われる。急性虚血検出器20により実行されるオンライン分析のため、オフライン分析30から必要とされる情報は、患者モニタ12に適切に予め記憶される。これらの情報は、変換50、閾値60、及びオプションのスケーリング係数64を含む。変換50は、1つの実施形態では、3つの血管特異的な誘導、LAD、LCX、及びRCAを導出するための2組の変換係数により適切に表される。1組の変換係数は、標準的な12誘導ECG電極の配置用であり、他の組の変換係数は、Mason−Likar12誘導ECG電極配置用である。各係数セットは、24個の係数(3つの誘導について1誘導当たり8個の係数)を含む。例示的な実施形態では、閾値60は、6つの検出閾値、即ち3つのVSL(LAD、LCX、及びRCA)でVSL当たりの2つの性別特異的閾値を含む。
図3を参照すると、急性虚血検出器20により実行される例示的オンライン分析は、診断される対象10に関して取得された12誘導ECGデータ70に対して作用する。オンライン分析は以下を含む。3つのVSLは、24の係数セット(オフライン処理30により生成される)及び対象10に関して取得されたECGデータ70の8つの入力ECG誘導(II、III、VI、...、V6)を使用して3つの線形方程式(又は変換)50から得られる(適切な係数が、対象のECG70が標準又はMason−Likar12誘導構成を使用して取得されるかどうかに基づき使用される)。いくつかの実施形態では、導出されたVSL信号はオプションで、スケーリング係数64によりスケール化されてもよい。次いで、例えば12誘導ECGデータに対してST測定を実行するために既に提供されている患者モニタ12(又は専用ECGシステム)の利用可能なST測定アルゴリズムを使用して、3つのVSLに対するST測定が実行される。8入力ECG誘導に対するST測定が提供される場合、VSLに対するST測定値を直接得るのに、同じ式が使用されることもできる。次に、3つのVSLST測定値(それぞれ、LAD、LCX、及びRCA誘導に対してSTLAD、STLCX、及びSTRCA)が、予め格納された閾値60と照合される。いずれかのVSLが性別及び誘導特異的閾値を超える場合、急性虚血検出が宣言される。
図1〜図3を参照して開示された急性虚血検出技術の概要を提供した後、図2のオフライン処理30の例示的な実施例から始めて、いくつかのより具体的な実施例が次に説明される。
3つのバイポーラVSLに対する6つの胴の位置は、以下のように決定される。まず、3つの主要な冠動脈LAD、LCX、及びRCAのそれぞれの閉塞の間に最大のST上昇及び下降を伴う身体表面上の位置が決定される。LAD、LCX、及びRCAに対する最も上昇及び下降した胴体の位置は、それぞれVLAD+とVLAD−、VLCX+とVLCX−、VRCA+とVRCA−である。このため、バルーン膨張PCI処置及び/又はAMI中に取得されたBSPMデータセット32が使用される。実際に実行される例では、左前下行冠動脈(LAD;n=32)、右冠動脈(RCA;n=36)及び左回旋冠動脈(LCx;n=23)の選択的バルーン膨張PCI処置により誘導された急性虚血性事象の間にDalhousie Universityで記録された120誘導ECGマッピングデータセット(Horacekらによる「Optimal electrocardiographic leads for detecting acute myocardial ischemia」、J Electrocardiol 2001;34(Suppl):97−111参照)が、6つの最適な胴体部位を同定するために用いられる。各動脈閉塞に対する平均ピーク膨張マップは、最大のST変化を持つ各群の15人の患者を平均することにより得られる。これらの3つのSTマップから、6つのVSLに対する胴体位置が決定される。
次に、以下の線形変換式(1)
Figure 2018511416
を用いてVSLを導出するための変換係数が決定される。式(1)では、VSLに対する6つの胴体位置が、最も左の6×1列ベクトルを形成する。12誘導ECGからの8つの独立したECG誘導(II、III、V1、...、V6)は、式(1)の右端の8×1ベクトルを形成する。48個の変換係数Cij、i=1、...、6及びj=1、...、8は、式(1)の6×8変換行列
Figure 2018511416
を形成する。式(1)に列挙された変換係数を決定するため、大きなBSPMデータセットが採用される。例えば、1つの実際に行われた決定では、標準最小自乗回帰法を用いて変換係数が導出するのに、Dalhousie 120誘導マッピングスーパーセット(n=892)(Horacekらによる「On designing and testing transformations for derivation of standard 12−lead/18−lead electrocardiograms and vectorcardiograms from reduced sets of predictor leads」、J Electrocardiol 2008;41:220−229)が使用される。Cij、i=1、...、6及びj=1、...、8の推定は、前述のHoracekらに記載される回帰のための汎用手順を使用して、スーパーセットの全対象に関するQT間隔の利用可能な全てのデータサンプルにわたる誤差平方和を最小にするように選択される。
いくつかの実施形態では、変換係数の2つの別々の組が導出される。1つは標準の12誘導配置用、もう1つはMason−Likar12誘導配置用である。より一般的には、他の誘導配置のための変換も同様に決定されることができる。更に、式(1)は線形変換を使用するが、他の12誘導toVSL変換トポロジも考えられる。
次に、3つのVSLが得られる。LAD、LCX、及びRCAに対する3つの血管特異的バイポーラ誘導は、式(2)
Figure 2018511416
に示されるように、正と負の端子の間の差として計算されることができる。代替的に、正及び負の端子にある誘導が必要でない場合、次の式(3)
Figure 2018511416
を使用して、3つの血管特異的誘導が直接計算されることができる。式(3)の変換行列
Figure 2018511416
は、合計24個の要素Tij、i=1,2,3及びj=1、...、8を備える3x8行列である。別のアプローチでは、変換係数Tijは、以下の式(4)
Figure 2018511416
を使用して、式(1)のCijから得られることができる。代替的に、係数Tijは、式(1)を参照して説明されるように式(1)における係数Cijと同じように直接的に計算されることができる。
各入力ECGサンプルに対するECG波形及びVSLに対するST値の両方を計算するのに、式(2)及び(3)が使用されることができる点にも留意されたい。
急性虚血を検出するための閾値60は、この例では以下のように最適化される。3つの血管特異的誘導の最大値が同定され、即ち:
Figure 2018511416
となる。ここで、STLAD、STLCX及びSTRCAは、それぞれ血管特異的誘導LAD、LCX及びRCAに対するST値である。
急性虚血の検出は、以下の式(6)〜(8):
Figure 2018511416
を用いて、6つの性別及び誘導特異的閾値Θi、j、i=LAD、LCX、又はRCA及びj=女性又は男性を用いて、血管特異的誘導の最大ST値を比較することにより決定される。
最適な検出閾値を決定するため、12誘導急性虚血データセット34が使用される。これらのデータセット34は、各データセットが急性虚血を伴う対象用であるか、又は急性虚血なしの対象用であるかについて適切にラベル付けされる。適切な性能尺度は、検出感度及び特異性である。改善された性能は、臨床プラクティスにおいて現在使用されるSTEMI基準により達成される高い検出特異性を失うことなく、より高い検出感度として測定されることができる。
実際に行われた閾値の最適化は、STAFF IIIデータセットを用いた(Horacekらによる「Detection of myocardial ischemia by vessel−specific leads derived from the 12−lead electrocardiogram and its subsets」、J Electrocardiol 2008;41:508−517)。これは、LAD(n=35)、RCA(n=47)、及びLCX(n=17)を含む選択的冠動脈バルーン血管形成術を受けた単一血管疾患を持つ99人の患者からなる。長期のバルーン膨張(平均=5'27"、範囲:1'30"〜7'17")中に標準12誘導ECGが連続的に記録され、STセグメントがJ点で測定される。感度及び特異性の点で検出性能を測定するため、(カテーテル挿入前の)ベースライン状態は「非虚血状態」とみなされ(即ちラベル付けされ)、膨張の終わりは「虚血」状態とみなされる(即ちラベル付けされる)。
実際に行われた別の閾値最適化は、グラスゴーAMIデータセットを用いた(Martinらによる「ST−segment deviation analysis of the admission 12−lead electrocardiogram as an aid to early diagnosis of MI」、JACC 2007;50:1021−1028を参照)。これは、入院12誘導ECGを備える116人のACS患者からなる。AMIは、58人の患者においてコントラスト増強されたMRIで確認される。J点でのSTセグメント測定値が分析に利用可能である。
オプションで、VSLがスケール化される。1つのアプローチでは、正規化されたVSLが、LAD誘導に関する式(9)
Figure 2018511416
に示されるように計算され、LCX誘導に関しては式(10)
Figure 2018511416
に示されるように計算され、RCA誘導に関しては式(11)
Figure 2018511416
に示されるように計算される。式(9)から(11)において、VSLをスケール化するため、スケール係数Si、j、i=LAD、LCX、又はRCA、及びj=女性又は男性が使用される。その結果、STEMI基準に使用されるのと同じ閾値(200、150、及び100μV)が、スケール化されたVSLに対しても使用され得る。スケール化が必要ない場合、Si、j=1.0である。例えば、210μVがVSLの1つに対して最適な閾値であると決定される場合、その誘導は係数1.05でスケールダウンされることができる。誘導がスケーリングされた後、STEMI閾値の1つとマッチする最適な閾値は200μVになる。スケーリング係数は、最適な閾値が決定された後にのみ決定される。
以下では、上述の例示的なデータセットから導出された変換係数に基づかれる、実際に実行されるオフライン処理に関する性能結果が提示される。選択された例示的なデータセットに関する性能結果は、それぞれSTAFF IIIデータセット及びグラスゴーデータセットに関する図4及び図5に示される。図4では、ピーク膨張の結果が左側にプロットされ、ベースラインの結果は右側にプロットされる。同様に、図5では、AMI結果が左側に示され、非AMI結果は右側に示される。
各ECG記録について、3つのVSLからの最大ST値は、y軸上に示されるように、STの大きさ(μV)に基づきデータポイントとしてプロットされる。データポイントは、最大ST値に関連付けられるVSLに基づきグループ化される。最初のグループはLADで、その後にLCXとRCAが続く。各誘導グループ内には、1)STEMI陽性及び男性、2)STEMI陰性及び男性、3)STEMI陽性及び女性、及び4)STEMI陰性及び女性の4つのサブグループがある。現在のSTEMI基準を満たすデータについては、良好な視覚化のために正方形のボックスがデータポイントに追加される。500μVより大きい値を持つデータに対しては、データポイントは、500μVでプロットされ、500μVを超えるデータポイントの実際の数を示す数字が提供される。短い水平線は、同等のSTEMI基準を表し、LAD男性に対して200μV、LAD女性に対して150μV、RCA及びLCXのすべての性別に対して100μVである。
左パネルにおける閾値を超えるデータポイントは、真陽性(TP)としてカウントされ、右パネルにおける閾値を超えるデータポイントは偽陽性(FP)としてカウントされる。いくつかの閾値セットに対する感度及び特異度性能結果が表2に要約される。対応する閾値が表3に示される。
Figure 2018511416
Figure 2018511416
表2から、VSLベースの急性虚血検出に対するSTEMI等価閾値を用いて、STAFF IIIデータセットに対して同じ特異性を維持しつつ、VSLが、両方のデータセットに対してSTEMIより高い感度を持つことが分かる。しかしながら、VSLは、STEMIよりも偽陽性が1つ多い(VSLに対して2、STEMIに対して1)。この余分な偽陽性の検出は、女性LAD閾値を150から160μVに増加させることにより除去されることができる。この設定は、VSL+とマークされる。この設定は、検出感度に影響しない点に留意されたい。更に高い閾値でも検出感度が高いままであることを更に実証するため、すべての誘導に対する男性特異的閾値が5%増加される。この設定は、VSL++とラベル付けされ、表3にリストされる。この設定に対する感度及び特異性が表2に示される。STAFF IIIデータセットに関して、2つ多い偽陰性と1つ少ない偽陽性が存在する点に留意されたい。グラスゴーデータセットに関して、1つ多い偽陰性があり、偽陽性数に変化はなかった。しかし、両方のデータセットに関して、閾値が高い場合であっても、感度数はSTEMI数よりもかなり良好であった。
VSL++が使用されると仮定すると、式(9)から(11)に記載されるスケーリング係数が計算されることができる。ST値は、スケールダウンされ、その結果、STEMI基準で使用されるのと同じ閾値が、急性虚血検出に対するVSLに使用されることができる。
表2に要約された試験結果は、12誘導ECGから得られるVSLに基づかれる開示されたアプローチが、同じ12の標準誘導に適用された既存のACC/ESC STEMI基準より良好な診断性能で、任意の血管における急性心筋虚血を識別することができることを示す。STEMI基準に使用される閾値と同様の閾値において、VSLの特異性は高いままであったが、感度は、両方のデータセットに対して現在使用されているSTEMI基準により実現される数と比較して有意な量だけ増加した。実際の臨床応用では、特異性の減少なしのこの感度の増加は、STEMI患者に対してのみ現在提供されている急性療法に関して、より多くの急性MI患者が正確に識別されることを可能にする。
オンライン分析に使用される操作が、以下に説明される。
オンライン急性虚血検出分析のための入力情報は、(1)12誘導ECG電極の配置−標準配置又はMason−Likar配置(12誘導タイプが提供されない場合、事前に設定されたユニットのデフォルト設定が使用されることができる)、(2)患者の性別−男性又は女性(与えられない場合、予め設定されたデフォルトの性別設定が使用されることができ、これは、より高い特異性を提供するために「男性」、又はより高い感度を提供するために「女性」として選択され得る)、並びに(3)12誘導ECG波形及び/又は12誘導ST測定を含む。
ステップ1。(a)入力12誘導ECGから、特定された12誘導電極の配置に基づき、予め記憶された係数セット
Figure 2018511416
を用いて、式(1)を使用して、VLAD+、VLAD_、VLCX+、VLCX−、VRCA+、及びVRCA−が計算され、(b)入力12誘導ST測定値から、同じ係数セットと式(1)を使用して、これらの誘導に対するST値が計算される。
ステップ2。(a)3つのVSL:LLAD、LLCX、及びLRCAは、ステップ1aの結果を用いて、式(2)を使用して、又は特定された12誘導電極配置に関して予め記憶された係数セット
Figure 2018511416
を用いて、入力12誘導ECGから、式(3)を使用して、計算され、(b)STLAD、STRCX、及びSTRCAのVSLに対する3つのST値が、ステップ1bからのST結果を用いて、式(2)を使用して、又は特定された12誘導電極配置に関して事前に格納された係数セット
Figure 2018511416
を用いて、入力12誘導ST測定から、式(3)を使用して、計算される。
ステップ3。12誘導ST測定が入力の一部として提供されない場合、ホストECGデバイスにおける既存のST測定プログラムを使用して、入力12誘導及び3つのVSLに対するST測定値が得られる。
ステップ4。入力された性別に基づき、予め記憶されたスケールファクタSi、j、i=LAD、LCX、又はRCA、j=女性、又は男性を用いて、式(9)から(11)を使用して、VSL及び関連付けられるST測定値の両方がスケール化される。
ステップ5。入力された性別に従って予め記憶された閾値を用いて、式(5)から(8)に基づき急性虚血検出が行われる。
一例として、12誘導ECGと共にVSLの1つの可能な提示が図6に示される。標準的な3x4フォーマットの12誘導ECGが上部に示され、通常リズムストリップ用に予約された3つのVSLが、下部に示される。ST測定値は誘導ラベルの隣にも表示され、簡単に確認できる。
本発明が、好ましい実施形態を参照して説明されてきた。上記の詳細な説明を読み及び理解すると、第三者は、修正及び変更を思いつくことができる。本発明は、添付の特許請求の範囲又はその等価の範囲内に入る限りにおいて、斯かる修正及び変更の全てを含むものとして解釈されることが意図される。

Claims (20)

  1. 急性虚血検出デバイスであって、
    12誘導心電計デバイスと、
    電子データ処理デバイスであって、
    VSL誘導データを生成するため、前記12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに、12誘導ECGto血管特異的誘導VSL変換を適用するステップと、
    前記VSL誘導データに対するST値を決定するステップと、
    前記VSL誘導データに対するST値とVSL誘導ST閾値とを比較することにより、前記12誘導ECGデバイスにより取得された前記12誘導ECGデータが、急性虚血を示すかどうかを決定するステップとを含む処理を実行する、電子データ処理デバイスと、
    前記12誘導ECGデバイスにより取得された前記12誘導ECGデータが急性虚血を示すと決定される場合、急性虚血アラーム又は警告を表示する表示要素とを有する、急性虚血検出デバイス。
  2. 前記適用するステップが、前記12誘導ECGデータを取得するために使用された前記12誘導ECG電極配置に基づき、標準的な12誘導ECG電極配置又はMason−Likar12誘導ECG電極配置のいずれかに対する前記12誘導ECGtoVSL変換を選択するステップを含む、請求項1に記載の急性虚血検出デバイス。
  3. 前記決定するステップが、前記12誘導ECGデータが取得される対象の性別に基づき、前記VSL誘導ST閾値を選択するステップを含む、請求項1又は2に記載の急性虚血検出デバイス。
  4. 前記適用するステップが、
    前記12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに、12誘導ECGto左前下行枝変換を適用して、LAD誘導データを生成するステップと、
    前記12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに、12誘導ECGto左回旋動脈変換を適用して、LCX誘導データを生成するステップと、
    前記12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに、12誘導ECGto左冠動脈変換を適用して、RCA誘導データを生成するステップとを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の急性虚血検出デバイス。
  5. 前記決定するステップが、急性虚血を示すことが知られていないベースライン12誘導ECGデータに基づかれない、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の急性虚血検出デバイス。
  6. 前記表示要素が更に、前記生成されたVSL誘導データをVSL誘導トレースとして表示する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の急性虚血検出デバイス。
  7. オフライン処理を実行するようにプログラムされた電子データ処理デバイスを更に有し、前記オフライン処理が、
    閉塞されたVSLに対応する冠動脈で取得された少なくとも1つの体表面電位マッピングデータセットに基づき、各VSLに対してSTマップを生成するステップと、
    前記STマップが最大ST上昇及び最大ST下降を示す位置を各VSLに対して特定するステップと、
    少なくとも1つの体表面電位マッピングデータセット及び各VSLに対する前記特定された位置を使用して、前記12誘導ECGtoVSL変換を決定するステップとを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の急性虚血検出デバイス。
  8. 前記電子データ処理デバイスが、更なるオフライン処理を実行するようプログラムされ、
    前記更なるオフライン処理が、前記VSLに対する前記ST閾値を最適化し、訓練データが急性虚血を伴う又は急性虚血を伴わない対象に対するものであるかどうかについてラベル付けされた12誘導ECG訓練データに関して急性虚血を最適に決定するステップを含む、請求項7に記載の急性虚血検出デバイス。
  9. 急性虚血検出方法において、
    対象の12誘導心電図データを取得するステップと、
    前記12誘導ECGデータに、12誘導ECGto血管特異的誘導VSL変換を適用し、前記対象に関するVSL誘導データを生成するステップと、
    前記VSL誘導データに対するST値を決定するステップと、
    前記VSL誘導データに対するST値とVSL誘導ST閾値とを比較することにより、前記対象が急性虚血を有するか否かを決定するステップと、
    前記対象が急性虚血を有すると決定される場合、急性虚血アラーム又は警告を発するステップとを有する、方法。
  10. 前記適用及び決定ステップが、左前下行誘導データ、左回旋動脈誘導データ、及び左冠動脈誘導データを含むVSL誘導データに対するST値を生成及び決定するために実行される、請求項9に記載の急性虚血検出方法。
  11. 心電計デバイスであって、
    12誘導心電計デバイスと、
    前記12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに12誘導ECGto血管特異的誘導VSL変換を適用し、VSL誘導データを生成するステップを含む処理を実行するようプログラムされた電子データ処理デバイスとを有する、心電計デバイス。
  12. 前記12誘導ECGデバイスが、標準12誘導ECG電極配置及びMason−Likar12誘導ECG電極配置の少なくとも1つを使用して、12誘導ECGデータを取得する、請求項11に記載の心電計デバイス。
  13. 前記生成されたVSL誘導データをVSL誘導トレースとして表示する表示要素を更に有する、請求項11又は12に記載の心電計デバイス。
  14. 前記電子データ処理デバイスが更に、前記VSL誘導データから生成される少なくとも1つのST値とVSL誘導ST閾値とを比較することにより、前記12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータが急性虚血を示すか否かを決定する、請求項11乃至13の任意の一項に記載の心電計デバイス。
  15. オフライン処理を実行するようにプログラムされた電子データ処理デバイスを更に有し、前記オフライン処理が、
    閉塞されたVSLに対応する冠動脈で取得された少なくとも1つの体表面電位マッピングデータセットに基づき、各VSLに対してSTマップを生成するステップと、
    前記STマップが最大ST上昇及び最大ST下降を示す位置を各VSLに対して特定するステップと、
    少なくとも1つの体表面電位マッピングデータセット及び各VSLに対する前記特定された位置を使用して、前記12誘導ECGtoVSL変換を決定するステップとを含む、請求項11乃至14の任意の一項に記載の心電計デバイス。
  16. 前記電子データ処理デバイスが、更なるオフライン処理を実行するようプログラムされ、
    前記更なるオフライン処理が、前記VSL誘導ST閾値を最適化し、訓練データが急性虚血を伴う又は急性虚血を伴わない対象に対するものであるかどうかについてラベル付けされた12誘導ECG訓練データに関して急性虚血を最適に決定するステップを含む、請求項15に記載の心電計デバイス。
  17. 前記適用するステップが、前記12誘導ECGデータを取得するために使用された前記12誘導ECG電極配置に基づき、標準的な12誘導ECG電極配置又はMason−Likar12誘導ECG電極配置のいずれかに対する前記12誘導ECGtoVSL変換を選択するステップを含む、請求項11乃至16の任意の一項に記載の心電計デバイス。
  18. 前記適用するステップが、前記12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに、12誘導ECGto左前下行枝変換を適用して、LAD誘導データを生成するステップを含む、請求項11乃至17の任意の一項に記載の心電計デバイス。
  19. 前記適用するステップが、前記12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに、12誘導ECGto左回旋動脈変換を適用して、LCX誘導データを生成するステップを含む、請求項11乃至18の任意の一項に記載の心電計デバイス。
  20. 前記適用するステップが、前記12誘導ECGデバイスにより取得された12誘導ECGデータに、12誘導ECGto左冠動脈変換を適用して、RCA誘導データを生成するステップを含む、請求項11乃至19の任意の一項に記載の心電計デバイス。
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