JP2018508684A - 脆弱部を有する複合材料製の翼形部 - Google Patents

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Abstract

複合材料製ブレード(40)への衝撃損傷から生じる材料の脱落に関連する悪条件を緩和する1以上の脆弱部を有する複合材料製ブレード(40)を有する回転機械(10)が提供される。複合材料製ブレード(40)は、エネルギーの消散、自己破砕、及び所定の脱落軌道のための手段を有する。複合材料製ブレード(40)の製造、ブレードの回転機械(10)への組み込み、及び自己破砕ブレード(40)の動作のための方法も提供される。【選択図】図8及び図9

Description

本開示の分野は、広くには、回転機械に関し、より詳細には、回転機械において使用される翼形部に関する。本実施形態は、広くには、航空機に搭載されるガスタービンエンジンのファンモジュールに使用するための翼形部に関する。より具体的には、本翼形部の実施形態は、これに限られるわけではないが、衝撃による損傷に起因する材料の脱落に関連する悪条件を軽減する複合材料製のファンブレード又はプロペラに関する。
一部は航空機の推進に使用されるガスタービンエンジンなどの少なくともいくつかの公知の回転機械は、空気を下流へと流すファンモジュールの一部である複数の回転するブレード又はプロペラを含む。従来の単一回転ターボプロップガスタービンエンジンは、約0.7までの飛行マッハ数の低い巡航速度において高い効率をもたらすが、いくつかの単一回転ターボプロップエンジンは、より高い巡航速度について考慮されている。より高い巡航速度、すなわちマッハ0.7〜0.9は、典型的には、必要とされる比較的大きい推力を生み出すためにダクテッドファンガスタービンエンジンを使用して達成される。アンダクテッドファン(UDF、General Electric社の登録商標)又はオープンロータと称されることも多いダクトを持たない逆方向回転プロペラガスタービンエンジンが、高い巡航速度に必要な大きな推力をダクテッドファンよりも高い効率でもたらすために開発されている。これらのブレード及びプロペラは、エンジンが吸い込む異物の破片に対して或る程度の完全性を有するが、異物の吸い込みは、依然として、回転するブレード又はプロペラの損傷部分の脱落に繋がる可能性があり、したがって改善の余地がある。
欧州特許出願公開第2365186号明細書
一態様では、本発明の実施形態は、根元と、先端と、根元と先端との間の翼長)と、前縁と、後縁と、前縁と後縁の間の翼弦とを備える複合材料製ブレードを有する翼形部であって、ブレードがポーチを備える1以上のエネルギー散逸部材を有している翼形部に関する。
別の態様では、本発明の実施形態は、複合材料製ブレードの翼長及び翼弦に沿って延在し、1以上のストランドを有しているエネルギー散逸部材に関する。
他の態様では、本発明の実施形態は、部分的に剥離剤で覆われ、複合材料製ブレードと共硬化されたエネルギー散逸部材に関する。
他の態様では、本発明の実施形態は、損傷開始部を有しており、1以上のストランドが開始部へと接続されているエネルギー散逸部材に関する。さらに、開始部は、ポーチであってよい。またさらに、ポーチは、ポーチに合致するプランジャを有することができ、プランジャは、1以上のストランドとの組合せにおいて、ポーチを膨張させ、次いで複合材料製ブレードを損傷させ、或いは破砕するように機能する。
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、複合材料製ブレードの脱落部分の複合材料製ブレードからの分離によるポーチの作動に関する。
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、脆弱部を有する積層体を製造する方法であって、強化ポリマーマトリックスを製造するステップと、強化ポリマーマトリックスを複数の薄板に切断するステップと、複数の薄板と1以上のエネルギー散逸部材とを積み重ねることによって積層体を形成するステップと、積層体を圧密するステップとを含む方法に関する。
別の態様では、本発明の実施形態は、樹脂を含む強化ポリマーマトリックスを使用する方法であって、樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ、ポリエステル、フェノール、ビニルエステル、ポリウレタン、シリコーン、ポリアミド、及びポリアミドイミドからなる群から選択される方法に関する。同様に、本発明の実施形態は、強化ポリマーマトリックスが補強材を含み、補強材は、ガラス、グラファイト、アラミド、及び有機繊維からなる群から選択される方法に関する。さらに、本発明の実施形態は、樹脂が強靱化材料をさらに含み、強靱化材料は、エラストマーゴム及び熱可塑性樹脂からなる群から選択される方法に関する。
他の態様では、本発明の実施形態は、薄板がプライである方法、積層体が最終製品へと成形される方法、及び圧密がオートクレーブにおいて実行される方法に関する。
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、積層体が複合材料製ブレードである最終製品に成形される方法に関する。別の態様では、本発明の実施形態は、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ、ポリエステル、フェノール、ビニルエステル、ポリウレタン、シリコーン、ポリアミド、及びポリアミドイミドからなる群から選択される樹脂を含む強化ポリマーマトリックスを使用して、複合材料製ブレードである最終製品を成形する方法に関する。同様に、本発明の実施形態は、ガラス、グラファイト、アラミド、及び有機繊維からなる群から選択される補強材を含む強化ポリマーマトリックスを使用して、複合材料製ブレードである最終製品を成形する方法に関する。
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、自己破砕ブレードの動作の方法であって、1以上のエネルギー散逸部材を備える複合材料製ブレードの脱落部分を脱落させるステップと、1以上のエネルギー散逸部材によって脱落部分を損傷させるステップと、適宜複合材料製ブレードの被保持部分を保持するステップと、適宜1以上のエネルギー散逸部材によって被保持部分を損傷させるステップとを含む方法に関する。
別の態様では、本発明の実施形態は、エネルギー散逸部材がロータへと接続されている自己破砕ブレードの動作の方法に関する。
別の態様では、本発明の実施形態は、自己破砕ブレードの動作の方法であって、損傷させるステップが、1以上のエネルギー散逸部材を取り囲む複合材料製ブレード構造を損傷させることをさらに含む方法に関する。
別の態様では、本発明の実施形態は、自己破砕ブレードの動作の方法であって、脱落部分が所定の経路を辿るように1以上のエネルギー散逸部材によって脱落部分の軌道を変更するステップをさらに含む方法に関する。
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、自己破砕ブレードの動作の方法であって、1以上のエネルギー散逸部材によって脱落部分の運動エネルギーを消散させるステップをさらに含む方法に関する。
この「発明の概要」は、「発明を実施するための形態」においてさらに後述される考え方の選択を、簡単な形で紹介するために提示される。この「発明の概要」は、特許請求の範囲に記載される主題の重要な特徴又は必須の特徴を特定しようとするものではなく、特許請求の範囲に記載の主題の技術的範囲を限定するために使用されるものでもない。上述の特徴はいずれも、あくまでも例として理解されるべきであり、本構造及び方法の多数のさらなる特徴及び目的を、本明細書の開示から学習できるであろう。本発明の特徴、詳細、効用、及び利点のさらに詳しい提示が、本発明の種々の実施形態の以下の書面による説明においてもたらされ、添付の図面に示され、添付の特許請求の範囲に定められる。したがって、この概要を、ここに含まれる明細書、特許請求の範囲、及び図面の全体をさらに検討することなく限定的に解釈すべきではない。
以下の説明を添付の図面と併せて参照することによって、これらの実施形態の上述の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点並びにそれらを達成するやり方が、さらに明らかになり、実施形態がよりよく理解されるであろう。
ダクテッドファンガスタービンエンジンの側面断面図である。 航空機に搭載されたダクトを持たない逆方向回転プロペラエンジンの斜視図である。 逆方向回転プロペラエンジンの側面図である。 ファン翼形部の脱落時のダクテッドファンエンジンの時系列の正面図である。 ファン翼形部の脱落時のダクテッドファンエンジンの時系列の正面図である。 ファン翼形部の脱落時のダクテッドファンエンジンの時系列の正面図である。 ファン翼形部の脱落時のダクテッドファンエンジンの時系列の正面図である。 本発明の典型的な実施形態であり、エネルギー散逸部材を有する複合材料製ブレードの側面図であり、無傷の状態のブレードが示されている。 本発明の典型的な実施形態であり、エネルギー散逸部材を有する複合材料製ブレードの側面図であり、分離した状態のブレードが示されている。 本発明の別の典型的な実施形態であり、損傷開始部を有するエネルギー散逸部材を備えた複合材料製ブレードの側面図である。 図10の本発明の典型的な実施形態からの損傷開始部の斜視図である。 図10の本発明の典型的な実施形態及び図11の損傷開始部からの断面切断図であり、「事象前」状態である。 図10の本発明の典型的な実施形態及び図11の損傷開始部からの断面切断図であり、「事象後」状態である。 本発明の別の典型的な代替の実施形態であり、エネルギー散逸部材及び脱落ゾーンを有する複合材料製ブレードの側面断面図である。 本発明の別の典型的な代替の実施形態であり、エネルギー散逸部材を有する複合材料製ブレードの側面図である。 衝突事象後のプロペラ部分の脱落時のプロペラの時系列の正面図である。 衝突事象後のプロペラ部分の脱落時のプロペラの時系列の正面図である。 衝突事象後のプロペラ部分の脱落時のプロペラの時系列の正面図である。 衝突事象後のプロペラ部分の脱落時のプロペラの時系列の正面図である。 衝突事象後の一部分の脱落時の図15の本発明の典型的な代替の実施形態の時系列の正面図である。 衝突事象後の一部分の脱落時の図15の本発明の典型的な代替の実施形態の時系列の正面図である。 衝突事象後の一部分の脱落時の図15の本発明の典型的な代替の実施形態の時系列の正面図である。 衝突事象後の一部分の脱落時の図15の本発明の典型的な代替の実施形態の時系列の正面図である。 本発明の方法に従って実行される順次のプロセス工程を要約するフロー図である。
示される実施形態が、適用において、以下の説明に記載され、或いは図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを、理解すべきである。示される実施形態は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行可能である。各々の例は、説明の目的で提示されており、開示される実施形態を限定するものではない。実際、これらの実施形態では、開示の技術的範囲及び技術的思想から離れることなく、種々の変更及び変種が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、或る実施形態の一部として例示又は説明される特徴を、別の実施形態では使用して、さらなる実施形態をやはりもたらすことが可能である。このように、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の技術的範囲に含まれるような変更及び変形を包含するように意図される。
また、本明細書において使用される表現及び用語が、説明を目的とするものであり、限定として解釈されてはならないことを、理解すべきである。本明細書における「を含む」、「を備える」、又は「を有する」、並びにこれらの変種の使用は、そこに挙げられる事項、それらの均等物、並びに追加の事項を包含するように意図されている。とくに限定されない限り、用語「接続」、「結合」、及び「取り付け」、並びにこれらの変種は、本明細書において、広く用いられ、直接的及び間接的な接続、結合、及び取り付けを包含する。さらに、用語「接続」及び「結合」並びにこれらの変種は、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されない。
本明細書において使用されるとき、用語「軸方向」は、エンジンの長手軸に沿った次元をいう。「軸方向」と併せて使用される用語「前方」は、エンジンの入り口へと向かう方向の移動をいい、或いは別の部品と比べてエンジンの入り口の比較的近くに位置する部品をいう。「軸方向」と併せて使用される用語「後方」は、エンジンのノズルへと向かう方向の移動をいい、或いは別の構成部品と比べてエンジンのノズルの比較的近くに位置する構成部品をいう。
本明細書において使用されるとき、用語「半径方向」は、エンジンの中心長手軸と外側のエンジン外周との間を延在する次元をいう。「近位」という用語は、単独或いは「半径方向」という用語との併用において、中心長手軸に向かう方向の移動をいい、或いは他の構成部品と比べて中心長手軸の比較的近くに位置する構成部品をいう。「遠位」という用語は、単独或いは「半径方向」という用語との併用において、外側のエンジン外周に向かう方向の移動をいい、或いは他の構成部品と比べて外側のエンジン外周の比較的近くに位置する構成部品をいう。
本明細書において使用されるとき、用語「横方向」又は「横方向に」は、軸方向及び半径方向の両方の次元に垂直な次元をいう。
方向についての言及(例えば、半径方向、軸方向、近位側、遠位側、上部、下部、上方、下方、左、右、横、前、後ろ、最上部、最下部、上、下、垂直、水平、時計方向、反時計方向)は、あくまでも読み手による本発明の理解を助けるための識別の目的で使用されているにすぎず、とりわけ本発明の位置、向き、及び使用に関して、限定を生じさせるものではない。接続についての言及(例えば、取り付け、結合、接続、及び接合)は、広く解釈されるべきであり、とくに示されない限りは、構成要素の集まりの間の介在の部材及び構成要素間の相対移動を含むことができる。したがって、接続についての言及は、必ずしも2つの構成要素が直接的に接続されて互いに不動の関係にあることを意味しない。例示される図面は、あくまでも説明を目的とするものであり、添付の図面に反映される寸法、位置、順序、及び相対サイズは、様々に変更可能である。
ダクテッドファンガスタービンエンジンのファンブレード、並びに単一回転ターボプロップ及びアンダクテッド逆方向回転プロペラガスタービンエンジンのプロペラは、鳥、破片、及びエンジンが吸い込む他の物品からの異物による損傷に対して、一定の完全性を有する。しかしながら、異物の吸い込みは、他のエンジン構成部品又は航空機の構造体に損傷を引き起こしかねない回転するブレード又はプロペラの一部分の脱落に繋がり得る。単一回転ターボプロップ及びアンダクテッド逆方向回転プロペラエンジン、すなわちオープンロータのファンブレードの場合、何らかのやり方で管理されないと、これらの種類のエンジンにおいてはブレード又はプロペラを囲むダクト構造が存在しないがゆえに、ブレード又はプロペラの脱落部分の軌道に関して、この一部分を隣接する後続のブレード並びに他の隣接する航空機の構造体に衝突させる機会が存在する。先行技術のブレード及びプロペラは、脱落し得るブレードの一部分のサイズ及びエネルギーを低減する脆弱性を欠いている。したがって、異物による損傷に耐えながら、所望の場合に脆弱であるダクテッド及びアンダクテッド単一回転ターボプロップ並びにアンダクテッド逆方向回転ファンブレード及びプロペラを、提供することができる。
以下で、本発明による複合材料製ブレードを、詳細に説明する。図面の簡単な説明、この段落、及び以下で使用されるとき、用語「ブレード」は、これらに限られるわけではないが、ファンブレード及びプロペラの両方を含むと理解され、用語「複合材料」は、これらに限られるわけではないが、熱硬化性又は熱可塑性のマトリックスと、これらに限られるわけではないが任意の長さ、サイズ、又は配向のガラス、グラファイト、アラミド、又は有機繊維を含む強化材とを含む強化ポリマーマトリックス複合材料を含むと理解され、これらに限られるわけではないが射出成形、樹脂トランスファ成形、プリプレグテープレイアップ(手動又は自動)、引き抜き成形、又は強化ポリマーマトリックス複合構造の製造のための任意の他の適切な方法による製造を含むとさらに理解される。さらに、「複合材料」は、これらに限られるわけではないが、強化ポリマーマトリックス複合材料を金属と組合せたハイブリッド複合材料、或いは2つ以上の強化ポリマーマトリックス複合材料の組合せ、又は2つ以上の金属の組合せを含むと理解される。用語「共硬化」を、これらに限られるわけではないが、複合材料を硬化させると同時に何らかの他の未硬化の材料に結合させる行為、及び2つ以上の構成要素を一緒に硬化させる(そのうちの少なくとも1つが完全に硬化してよく、少なくとも1つが未硬化であってよい)行為の両方を含むと理解することができる。
用語「軌道」は、これに限られるわけではないが、複合材料製ブレードの一部分の脱落後に、その脱落部分がとる経路を含むと理解される。この経路を、例えば、ガスタービンエンジンの中心線などの回転機械の長手方向の中心線に対して表すことができる。
複合材料製ブレードは、高い回転速度及び先端の線速度で動作することができ、エネルギー散逸手段、自己破砕手段、及び脱落軌道をあらかじめ決定する手段からなる群から選択される1以上の手段を備えることができる。複合材料製ブレードは、異物からの衝撃並びにブレードの一部分又はブレード全体の脱落後に、脱落し得るブレードの一部分の運動エネルギーを散逸させること、ブレード又はブレードの脱落部分を破砕すること、及びブレードの脱落部分の軌道を変更すべく作用することからなる群から選択される機能のうちの1つを可能にできる1つ以上の内部の共硬化によるエネルギー散逸部材を含むことができる。
エネルギー散逸部材は、複合材料製ブレードの内部に配置されてよく、或いはエネルギー散逸部材の一部分が、複合材料製ブレードの外部を延在してよく、ブレードの基部又は根元からブレードの先端まで半径方向に延在してよく、ブレードの軸方向の弦長に沿って分布してよい。さらに、いくつかの実施形態は、エネルギー散逸部材に1以上の曲がり部を含むことができる。エネルギー散逸部材は、所望の領域におけるブレードの破砕を助け、運動エネルギーを散逸させるためのストランド又は随意による損傷開始部を含むことができる。
用語「自己破砕」は、これらに限られるわけではないが、例えば熱硬化性又は熱可塑性のマトリックスと、これらに限られるわけではないが任意の長さ、サイズ、又は配向のガラス、グラファイト、アラミド、又は有機繊維を含む強化材とを含む強化ポリマーマトリックス構造を含む周囲の複合材料製ブレードの構造体を壊し、裂き、切断し、或いは膨らませるエネルギー散逸部材の能力など、複合材料製ブレードの一部分を脱落させる充分な力がブレードに作用した後に複合材料製ブレードそのものに意図された損傷を生じさせるための複合材料製ブレードの能力を含むと理解される。破砕は、複合材料製ブレードの同じ又は異なる厚さにおける深さ、翼弦、又は翼長において順次又は同時に生じてよく、複合材料製ブレード構造の細片又は破片の脱落をもたらすことができる。
複合材料製ブレードの1つの典型的な実施形態(ただしこれらに限られるわけではない)は、ストランドと損傷開始部とを有するエネルギー散逸部材を利用し、ストランド及び損傷開始部は、複合材料製ブレードに一部分を脱落させる充分な力が作用した後に複合材料製ブレードの構造を通って引っ張られることで、複合材料製ブレード構造を壊す。複合材料製ブレードのさらに他の実施形態は、耐衝撃性と脆弱性とをバランスさせるようにエネルギー散逸部材との組合せにおいて働くブレードの半径方向の翼長に沿った脱落ゾーンを含む。他の実施形態は、後続のブレード又は他の構造体との衝突を防止すべく脱落部分の軌道を整列させ、或いは変更するようなやり方でブレードの翼弦に沿って互い違いに配置されるたるみ又は余分な長さを有するストランドを含むエネルギー散逸部材を含む。
最初に図1を参照すると、エンジン軸線32に沿って配置されたファンモジュール12及びエンジンコア14を含むダクテッドファンガスタービンエンジン10の概略の側面断面図が示されている。ファンモジュール12は、ロータ20から半径方向遠位側へと延在しているロータ20に結合したファン翼形部18のアレイを囲んでいるファンケーシング16を備える。エンジンコア14は、高圧圧縮機22と、燃焼器24と、高圧タービン26とを含む。低圧タービン28が、ファン翼形部18を駆動する。適宜、ファンモジュールの回転速度を低圧タービン28の回転速度よりも低句するために、減速装置34を低圧タービン28とロータ20との間に結合させることができる。随意による減速装置34は、低圧タービン28とロータ20との間の速度の減速を達成するためのスター又はプラネタリ型の遊星ギアボックス、複合ギアボックス、或いは他の歯車装置であってよい。
稼働時に、空気が、エンジン10の空気取り入れ口30を通って進入し、1以上の圧縮段を通って移動し、そこで空気の圧力を高め、燃焼器24へと導くことができる。圧縮された空気が、燃料と混合されて燃やされ、高圧タービン26及び低圧タービン28に向かって燃焼器24を出る高温の燃焼ガスをもたらす。高圧タービン26及び低圧タービン28において、タービン翼形部を回転させる高温の燃焼ガスからエネルギーが抽出され、シャフトのエンジン軸線32を中心にして高圧圧縮機22及びファン翼形部18のそれぞれを回転させる。本明細書に記載の実施形態に関して、ファン翼形部18は、ファンモジュール12及びダクテッドファンエンジン10内の複合材料製ブレード40の位置を代表する。
ここで図2を参照すると、航空機100の翼102に取り付けられたアンダクテッド逆方向回転プロペラエンジン110の斜視図が示されている。さらに、図3には、エンジン軸線32と、カウリング114と、第1段118及び第2段120の2段の逆方向回転プロペラを有するファンモジュール116とを備える逆方向回転プロペラエンジン110の側面図が示されている。各段118及び120は、複数のプロペラ122及び124を有する。エンジン110の動作は、図1のダクテッドファンエンジン10について説明した動作と同じであり、ファンモジュール116は、ケーシング構造によって囲まれてはいないダクト無しのプロペラ122及び124を有する。図2又は図3には示されていないが、ターボプロップエンジンは、やはり周囲のケーシングを持たないただ1段のプロペラ118のみを有する。本明細書に記載の実施形態に関して、プロペラ118及び120は、逆方向回転プロペラエンジン110のファンモジュール116及びただ1段のプロペラ118を有するターボプロップエンジンにおける複合材料製ブレードの位置を代表する。明瞭にするために、上述の3つのエンジンの構成の全てにおいて、複合材料製ブレードは、それぞれのエンジン軸線32を中心にして回転する。
ここで図1を検討すると、これに限られるわけではないが、取り入れ口30を通って流れてファンモジュール12へと吸い込まれる鳥類などの異物が、ファン翼形部18、ファンケーシング16、及びエンジン10内の他の下流の構造体を損傷させる可能性がある。同様に、図3に示されるように、逆方向回転プロペラエンジン110の場合には、エンジンの動作の最中に異物がファンモジュール116の経路に存在し、ダクト無しのプロペラ122及び124を損傷させる可能性がある。ファン翼形部又はプロペラの損傷は、これらの部品が、エンジンコア14の直径並びに例えば鳥又は飛行場の破片などの翼形部又はプロペラに衝突し得る潜在的な異物のサイズと比べて、直径及び長さにおいて比較的大型であり得るがゆえに、きわめて厄介になり得る。この大きなサイズゆえに、ファン翼形部又はプロペラの一部分が脱落して二次的な衝突を引き起こし、さらなる損傷を生じさせる可能性がある。この損傷は、エンジンの性能を低下させ、場合によってはエンジンの出力の喪失を引き起こす可能性がある。
図4、図5、図6、及び図7は、ファン翼形部18にファン翼形部18の脱落を生じさせる異物が衝突した後に生じ得るファンモジュール12の内部の事象の時間経過の描写を示している。このダクテッドファンエンジン10の正面図は、ファン翼形部18の従来からの段及びファンケーシング16を用いている。ここで図4、図5、図6、及び図7を参照すると、各々が、20枚のファン翼形部18(20枚はあくまでも翼形部18の典型的な数にすぎず、決して本発明を限定しようとするものではない)及びファンケース16を示しており、翼形部18の一部分の脱落時のエンジン10の時系列を示している。図4〜図7の各々において、翼形部18のうちの1つが、これを脱落翼形部或いは翼形部18の一部分の脱落を引き起こし得る異物が最初に衝突し得る翼形部18として指定する文字Rによって識別されている。脱落翼形部Rに隣接する別の翼形部18が、これを後続翼形部として指定する文字Tによって識別されている。後続翼形部Tは、翼形部18に後続し、或いは翼形部18に遅れる翼形部18である。脱落ブレード及び後続ブレードとしての特定の翼形部18の識別は、例示であり、決して本発明を限定するものではない。図4においては、全てのファン翼形部18が、異物からの衝撃を被っていないという点で、無傷である。図5において、脱落翼形部Rは、異物による衝撃を受けており、今や2つの部分に分離し得る。図6に進むと、脱落翼形部Rの自由な部分が、今まさに後続翼形部Tに衝突しかねない。最後に、図7においては、後続翼形部Tが、脱落翼形部Rの自由な部分の衝突によって2つの部分へと分離しており、ここで脱落翼形部Rの自由な部分は、分かりやすくするために取り除かれている。
エンジン10内のファン翼形部18の高い回転速度ゆえに、脱落翼形部の自由な部分のサイズの減少は、後続翼形部T及びファンケース16にとって耐える必要があると考えられる運動エネルギーを減少させる。必要とされるエネルギー吸収のこの減少は、ケース16内への閉じ込めの設備及び構造の除去を可能にし、したがってファンケース16の相対的な重量軽減をもたらす。重量の軽減は、結果として、航空機がより長い航続距離のためのより多くの燃料を運ぶことを可能にし、或いはエンジン10の別の領域に重量を追加することを可能にすることにより、頑強さの向上を可能にする。自由部分のサイズを小さくすることによる別の重要な利点は、慣性負荷の脱落によって引き起こされる偏心及び脱落後のロータ20へのファンブレード18の荷重の変化に起因してロータ20が被る不平衡荷重も、軽減されることにある。これらの利点は、オープンロータエンジン110並びにプロペラ122及び124の脱落部分のサイズの減少を考慮するときにも、認識され得る。
図8及び図9の本発明の典型的な実施形態によって示されるように、この目標は、複合材料製ブレード40に1つ以上のエネルギー散逸部材80を取り入れることによって達成することができる。無傷の状態の複合材料製ブレード40を示している図8をまず検討すると、ブレード40は、根元42と、先端44と、前縁46と、後縁48とを有しており、根元42から先端44までの半径方向遠位側へのブレード40の翼長52と、前縁46から後方へと後縁48まで延在する軸方向の翼弦54とを有している。内部流路50が、根元42に対して半径方向遠位側の翼長において翼弦54に沿って定められてよく、異物の衝突事象を被ると考えられる翼長52の半径方向における最も下方の部分を表す。この典型的な実施形態では、複合材料製ブレード40が、ストランド82を有する3つのエネルギー散逸部材80を有しており、各々のストランド82は、適宜、根元42において始まり、先端44に向かって半径方向に遠位側へと延在し、その後に内部流路50に向かって半径方向かつ近位側へと曲げ戻され、1以上の随意による曲がり部86を形成している。この実施形態におけるエネルギー散逸部材80は、根元43で始まるが、部材80は、例えば先端、翼長の途中、など、複合材料製ブレード40の任意の場所で始まってよい。各々のストランド82の両端に、上述のとおりの構成にて定められる1以上の損傷開始部84を組合せることができる。この実施形態では、個々のエネルギー散逸部材80の配置は、一端が内部流路50よりも半径方向において下方に位置し、部材が内部流路50を通って半径方向における上方へと延在するように選択されているが、部材80は、この配置及び構成に限られるわけではない。この典型的な実施形態では、3つのエネルギー散逸部材80が示されているが、任意の数の部材80を使用することができる。
エネルギー散逸部材の実施形態(ただし、これらに限られるわけではない)は、内部にあってよく、部分的に外部に延在してもよく、複合材料製ブレードと共硬化されてもよいストランドを含むことができる。ストランドの材料として、これらに限られるわけではないが、東洋紡(株)の登録商標であるZylon(登録商標)(ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール))繊維、高強度金属ワイヤ、又はストランドの形態の任意の他の適切な高強度材料を挙げることができる。典型的には、ストランドの断面形状の実施形態(ただし、これらに限られるわけではない)は、円形、楕円形、多角形、又は不規則であってよく、約0.005インチ〜約0.075インチ及び約0.010インチ〜約0.030インチの断面寸法の範囲であってよい。ストランドの断面積の他の典型的な実施形態(ただし、これらに限られるわけではない)は、約0.0001平方インチ〜約0.02平方インチ及び約0.001平方インチ〜約0.002平方インチの断面積の範囲であってよい。他の典型的なストランドの形態(ただし、これらに限られるわけではない)として、編み、織り、細片、又はテープの形態を挙げることができる。ストランドの断面は、全長に沿って一定であってよく、或いは、これに限られるわけではないが、長さの一端から他端へとサイズが増加するなど、断面のサイズ、断面の形状、形態、及び材料において変化してもよい。
損傷開始部の典型的な形状及び材料の態様を、局所領域における複合材料製ブレードの輪郭に合わせて仕立てることができ、材料の選択も、共硬化、組立、又は複合材料製ブレードの稼働の最中に複合材料製ブレードと化学的に反応することがないようにあつらえることができる。損傷開始部の実施形態(ただし、これらに限られるわけではない)は、理解を容易にする目的で図示はしないが、金属、セラミック、又は複合構造の起伏があり、中実であり、中空であり、或いは鋸歯状であるくさびを含むことができ、内部にあってもよく、複合材料製ブレードと共硬化させられてもよい。そのような損傷開始部の材料として、これらに限られるわけではないが、鋼、アルミニウム、チタニウム、コバルト、クロム、及びニッケル金属合金、或いは任意の他の適切な金属合金を挙げることができる。他の損傷開始部の材料として、これらに限られるわけではないが、ベリリア、セリア、及びジルコニアなどのセラミックの酸化物、炭化物、ホウ化物、チッ化物、及びケイ化物などの非酸化物、並びに単独又は組合せにおける酸化物及び非酸化物を挙げることができ、粒子補強材又は繊維補強材を有しても、有さなくてもよい。損傷開始部の他の実施形態(ただし、これに限られるわけではない)は、充填材で少なくとも部分的に満たされた少なくとも部分的に中空のポーチを含む。充填材の形態として、これらに限られるわけではないが、流体又は半固体を挙げることができる。流体及び半固体の材料として、これらに限られるわけではないが、複合材料の製造に適したシリコーン、ゲル、コーキング、又は他の非圧縮性もしくはほぼ非圧縮性の材料、或いはこれらの組合せを挙げることができる。ポーチは、ストランドとの組合せにおいて機能するプランジャを含むことができ、プランジャは、ストランドが引っ張られたときにポーチの内容物を押して移動させることによってポーチを膨張させることで、ポーチの周囲の複合材料製ブレードの領域において破砕を開始させることができる。適宜、充填材は、単独或いは上述の流体及び半固体の充填材との組合せにおける小さな固体の金属又はセラミック片であってもよい。複合材料製ブレードにブレードの一部分を脱落させる充分な力が加わった後に、破砕の別の典型的な態様(ただし、これに限られるわけではない)は、ストランド及びポーチを有するエネルギー散逸部材を利用し、ストランドが複合材料製ブレードの構造を通って引っ張られてポーチを作動及び膨張させることで、複合材料製ブレードの構造を破砕する。
ストランド及び損傷開始部の例(ただし、これに限られるわけではない)を含むエネルギー散逸部材を、複合材料製ブレードの内部における部材の初期の滑り又は移動を促進することでエネルギーの散逸において部材を補助するために、剥離剤、フィルム、又はコーティングで少なくとも部分的に覆うことができる。剥離剤として、これらに限られるわけではないが、Henkel社の登録商標であるFrekote(登録商標)、EUROCOAT、DuPont社の登録商標であるTeflon(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)、又は複合材料を製造するための他の適切な剥離剤を挙げることができる。
任意の構成要素の位置、材料、製造、形状、サイズ、断面特性、及び長さ特性を含むエネルギー散逸部材、ストランド、及び損傷開始部(ただし、これらに限られるわけではない)を含む複合材料製ブレードの構成要素の任意の組合せが、エネルギーの散逸、破砕、及び軌道の調整における使用に適することができる。さらに、本発明は、複合材料製ブレードの製造方法に関する。加えて、本発明は、脆弱部を有するブレード又は複合材料製ブレードの回転機械への組み込み及び使用に関する。この方法は、上述のとおりの複合材料製ブレードの構成要素の任意の組合せを利用することができる。
ここで図9に移動すると、図8の典型的な実施形態が、異物又は脱落ブレードの自由部分が衝突した後の脱落ブレードR及び後続ブレードTに言及する際に図4〜7において上述した状態と同様の分離した状態にて示されている。図示のとおり、複合材料製ブレードに衝撃が加わるとき、ストランド82は引っ張られ、或いは引き伸ばされ得る。ストランドに加わるこの引っ張りが、複合材料製ブレード40の脱落部分から運動エネルギーを引き取り、隣接する複合材料製ブレード40又はファンケース16が被ると考えられる耐えなければならない衝撃エネルギーを小さくする。ストランド82に加わる引っ張りに加えて、複合材料製ブレード40の脱落部分は、共硬化させられたストランド82を複合材料製ブレード40の内部構造を通って引きずり、やはり脱落部分の運動エネルギーを小さくすると同時に、ブレード40の残存部分及び脱落部分の両方を破砕する。随意による損傷開始部84は、脱落部分の破砕を助け、より大きい部分を個々の運動エネルギーがより小さい2つ以上の部分へと分解することができる。
図10は、複合材料製ブレード40の別の典型的な実施形態であり、複合材料製ブレード40が、やはり根元42と、先端44と、前縁46と、後縁48とを有しており、根元42から先端44までの半径方向遠位側へのブレード40の翼長52と、前縁46から後方に後縁48まで延在する軸方向の翼弦54とを有している。やはり、内部流路50が、根元42の半径方向上方の翼長において翼弦54に沿って定められてよく、異物の衝突事象を被ると考えられる翼長52の半径方向における最も下方の部分を表す。この典型的な実施形態では、複合材料製ブレード40は、5つのエネルギー散逸部材80を有する。各々のエネルギー散逸部材80は、少なくとも一部分が複合材料製ブレード40の外部にある1以上のストランド82を有する。ストランド82の半径方向近位端は、ロータ20へと接続され、次いでストランド82の長さは、根元42及び内部流路50を通過して翼長52へと半径方向遠位側に進み、翼長52において、ストランド82を、その半径方向遠位端において、損傷開始部84のこの典型的な実施形態では、損傷開始部84へと接続することができる。この典型的な実施形態では、5つのエネルギー散逸部材80が示されているが、任意の数の部材80を使用することができる。
図10の複合材料製ブレード40に記載のとおりの典型的な損傷開始部84が、図11に示されている。この典型的な損傷開始部84は、ポーチ90と、プランジャ92とを有し、少なくとも部分的に充填材94で満たされてよい。ポーチ90の形状及びサイズは、ポーチの配置の領域における複合材料製ブレード40の局所的な外形及びサイズに一致するよう、任意の適切なサイズ、形状、及び構成となるように適応させることができ、図示の構成は、あくまでも例示の目的のためのものにすぎない。ストランド82は、ポーチ90を通過でき、プランジャ92に接続されてよい。エネルギー散逸部材80の少なくとも一部分は、剥離剤96によってコーティングされてよい。この典型的な実施形態では、ポーチ90及びストランド82の外側の少なくとも一部分を、分離及び破砕の開始を促進するために剥離剤96で覆うことができる。プランジャ92の周囲を、まだブレード40がエネルギー散逸部材80が作動するほどには異物による損傷の影響を受けていない「事象前」状態において、ポーチ90に一致するように構成することができる。
図10の断面図である図12が、事象前状態のポーチ90、プランジャ92、及びストランド82を示している。異物が複合材料製ブレード40に衝突し得る場合に、複合材料製ブレード40に加わるエネルギーによって、ブレード40の一部分の脱落が生じる可能性がある。この事象が発生する場合に、ストランド82及びプランジャ92を作動させることができる。この作動は、ブレード40の脱落部分が、損傷開始部84よりも半径方向近位側であるが、ロータ20へと接続されてよいストランド82の半径方向近位端よりも半径方向遠位側である位置において分離する場合に、生じることができる。ひとたびブレード40の分離を引き起こす可能性がある力を受けると、ブレード40の脱落部分は、ロータ20から半径方向に遠位側に移動することができる。しかしながら、ロータ20へと接続されてよいストランド82の端部は、脱落したブレード部分と一緒に移動することができず、これが、ロータ20に接続されたストランド82の端部と、損傷開始部84に接続されてよいストランド82の半径方向遠位端を含み得るブレード40の脱落部分との間の、相対運動を引き起こし得る。この相対運動は、図10の断面図である図13に示されるように、損傷開始部84へと接続されたストランド82を実質的に近位側へと半径方向に引っ張り、「事象後」状態とすることができる。
プランジャ92が事象後状態へと引っ張られるとき、プランジャ92は、ポーチ90内の充填材94を圧縮することができる。プランジャ92の周囲はポーチ90に一致していてよく、ポーチは非圧縮性の充填材94で満たされていてよいため、プランジャ92によって充填材94へと加えられる力が、ポーチ90へと伝達され、ポーチ90を膨張させる。ポーチ90は複合材料製ブレード40内に収容されているため、この膨張は、複合材料製ブレード40も膨らませる。また、随意による剥離剤96の補助により、分離ゾーンが、複合材料製ブレードにおいて、損傷開始部84に隣接して形成され得る。これにより、複合材料製ブレード40の膨張及び分離領域が、ブレード40を破砕して弱体化させることができる。破砕は、複合構造における層間剥離、繊維の破損、マトリックスの破損、などの形態をとり得る。これにより、荷重に耐える複合構造の量が減少し、したがって破砕の場所及びその周囲における複合材料の強度が低下する。動作時、複合材料製ブレードは大きな遠心荷重のもとにあるため、強度のこの低下は、ブレード40のより小さい部分へと荷重を分布させることによって、複合材料製ブレード40のさらなる損傷をもたらすことができる。これは、究極的に、ブレード40のさらなる部分の分離及び脱落をもたらすことができる。
複合材料製ブレード40のこの弱体化又は破砕は、作動可能な複合材料製ブレード40内の各々のエネルギー散逸部材80について繰り返される。複合材料製ブレード40内のエネルギー散逸部材80の軸方向及び半径方向における位置をずらすことによって、破砕の順序付け及び組合せをもたらすことができる。これは、エネルギー吸収部材を複合材料製ブレードの各部分において種々の厚さに配置すること、並びにこれらの厚さ及び位置における局所的な幾何学的相違に対応するように損傷開始部84のサイズ及び形状を変えることによって、達成され得る。また、エネルギー散逸部材80内で、1つ以上の損傷開始部84を使用でき、ストランド82に沿って直列に分布させることができる。さらに、エネルギー散逸部材80内で、ストランド82は、直列に分布した損傷開始部84の間にたるみ又は余分な長さを有してもよく、このたるみは、ストランド82が複合材料製ブレード40を通って引っ張られるときに複合材料製ブレード40を破砕することができ、直列に配置され得る損傷開始部84の作動を遅延させることができる。この典型的な実施形態では、5つのエネルギー散逸部材80が示されているが、任意の数の部材80を使用することができる。
次に、複合材料製ブレード40の別の典型的な実施形態の側面断面図である図14を参照すると、複合材料製ブレード40が、やはり根元42と、先端44と、前縁46と、後縁48とを有しており、根元42から先端44までの半径方向遠位側へのブレード40の翼長52と、前縁46から後方に後縁48まで延在する軸方向の翼弦54とを有している。やはり、内部流路50が、根元42の半径方向上方の翼長において翼弦54に沿って定められてよく、異物の衝突事象を被ると考えられる翼長52の半径方向における最も下方の部分を表す。
図14の典型的な実施形態では、複合材料製ブレード40の翼長52を、半径方向において、3つの脱落ゾーン、すなわち下部翼長ゾーン60、中間翼長ゾーン62、及び上部翼長ゾーン64に分けることができる。各々の脱落ゾーン内には、あくまでも例示の目的で、図示のとおりのサイズ、形状、構成、及び位置にて、下部翼長ゾーン60について60A、60B、及び60Cとして特定され、中間ゾーン62について62A及び62Bとして特定され、上部翼長ゾーン64について64A及び64Bとして特定される1つ以上のキャビティが存在し得る。これらのキャビティは、充填材を欠いていてもよく、或いは適宜樹脂、発泡体、固定されていない媒体、などで満たされてもよい。キャビティ60C、62B、及び64Bの半径方向近位側のリブが、隣接するキャビティを接続する通路68と対をなす1つ以上のフランジ66を備える。同様に、キャビティ62A及び64Aは、隣接するキャビティを接続する通路68を含む。3つのエネルギー散逸部材80が、複合材料製ブレード40の内部にあって、複合材料製ブレード40と共硬化されてよく、通路68及びフランジ66を通って根元42から先端44まで半径方向に延在することができ、重なり合うことがないように翼弦54に沿って軸方向に分布することができる。随意による損傷開始部が、フランジ66においてストランドに組合せられてよく、フランジ66の内側にぴったりと据えられてよい。
脱落ゾーンキャビティは、エネルギー散逸部材及び損傷発生部との組合せにおいて、ブレードの半径方向の翼長に沿ったブレードの耐衝撃性及び脆弱性のバランスを追求するように機能する。異物が、キャビティ64Aの領域の上部翼長ゾーン64において、複合材料製ブレード40の上部翼長ゾーン64の部分の全体を分離させるに充分なエネルギーで複合材料製ブレード40に衝突するとき、キャビティ64Bのフランジ66及び通路68を通るエネルギー散逸部材80が、図9で説明したように引っ張られ、脱落部分の運動エネルギーを小さくする。さらに、フランジ66の内側に据えられた損傷開始部も、フランジ66及び通路68を通って引っ張られ、脱落部分を、個々の運動エネルギーがより小さい1つ以上の断片又は部分へと破砕する。しかしながら、この例において、他の2つのエネルギー散逸部材80は、複合材料製ブレード40の脱落部分(上部翼長ゾーン64の全体)よりも半径方向近位側に位置できるため、引っ張られなくてもよく、下部翼長ゾーン60及び中間翼長ゾーン63の衝撃に対する完全性を損なっていない。脱落ゾーンキャビティの半径方向における割り当ては、複数のエネルギー散逸部材との組合せにおいて、衝突ゾーンの半径方向遠位側の領域に脆弱性をもたらすが、衝突ゾーンの近位側の領域における耐衝撃抵抗を維持する。この典型的な実施形態では、3つのエネルギー散逸部材80が示されているが、任意の数の部材80を使用することができる。同様に、3つの翼長ゾーン及び7つのキャビティを示したが、任意の数のゾーン、キャビティ、フランジ、及び通路を使用することが可能である。
次に図15に目を向けると、複合材料製ブレード40の別の典型的な実施形態の側面図が、やはり根元42と、先端44と、前縁46と、後縁48とを有しており、根元42から先端44までの半径方向遠位側へのブレード40の翼長52と、前縁46から後方に後縁48まで延在する軸方向の翼弦54とを有している。やはり、内部流路50が、根元42の半径方向上方の翼長において翼弦54に沿って定められてよく、異物の衝突事象を被ると考えられる翼長52の半径方向における最も下方の部分を表す。複合材料製ブレード40は、重なり合うことがないように前縁46から後縁48への互い違いのパターンにて根元42から先端44まで半径方向に延在している単一のエネルギー散逸部材80を有する。エネルギー散逸部材80の他の典型的な互い違いのパターンは、ロータ20又はブレード根元42において始まり、ブレード先端44へと翼弦54を通る曲がりくねった経路にて翼長52に沿って半径方向遠位側へと延在することができ、ブレード40の厚さを通って深さが変化することができる。エネルギー散逸部材80のためのさらなる典型的な互い違いのパターンは、ブレード40の翼長及び翼弦に沿った互い違いにおいて不規則であってよく、エネルギー散逸部材80が根元42又はロータ20から先端44へと半径方向に遠位側へと延在することができるときに、1以上の随意による曲がり部86を形成することができる。この典型的なエネルギー散逸部材80は、複合材料製ブレード40の内部にあって、複合材料製ブレード40と共硬化されてよい。エネルギー散逸部材80の実施形態は、上記の図8の典型的な実施形態で説明したようなストランドであってよい。この本実施形態では、互い違いのパターンは、根元42から先端44まで直接的に延在するより短い長さとは対照的に、部材80にたるみ又は余分な長さをもたらすことができる。複合材料製ブレード40の異物の衝突による損傷時に、脱落し得るブレード40の一部分が、部材80を脱落部分から半径方向近位側に引っ張り、脱落部分の運動エネルギーを小さくする。加えて、以下で説明されるように、エネルギー散逸部材80の配置及び互い違いは、複合材料製ブレード40の脱落部分の軌道を変えることができる。この典型的な実施形態では、ただ1つのエネルギー散逸部材80が示されているが、任意の数の部材80を使用することが可能である。
航空機100に搭載されたオープンロータとも呼ばれる逆方向回転プロペラガスタービンエンジン110を有する図2の航空機100を再び簡単に参照すると、プロペラの一部分がファンモジュール116から脱落した場合に、プロペラの一部分が航空機の胴体に衝突する可能性が存在し得る。上記で簡単に述べたように、複合材料製ブレード40内のエネルギー散逸部材の配置及び互い違いが、複合材料製ブレード40の脱落部分の軌道を修正する。この修正は、脱落部分を隣接する複合材料製ブレード40又は航空機の胴体を潜在的に含む航空機の構造体から離れる方向に向けることが望まれ得るため、有益であり得る。
図16〜図19及び図20〜図23は、この軌道の修正を説明している。これらの図は、基本のブレードの時系列(図16〜図19)と、修正された軌道を有する複合材料製ブレード40の典型的な実施形態を説明する別の時系列(図20〜図23)とを使用する。図4〜図7において詳述した時系列と同様に、図16〜図19の各々における翼形部の1つが、それを脱落翼形部と指定する文字Rで特定され、別の1つが、それを後続翼形部と指定する文字Tで特定されている。この時系列は、異物からの衝撃の直後の脱落翼形部と、無傷の状態の後続翼形部とを示す図16で始まる。次に、図17において、脱落翼形部の一部分が、後続翼形部に向かって移動していてよく、この部分の半径方向近位端が、後続翼形部に向かって回転しているが、まだ後続翼形部には衝突していない。次に、図18において、脱落部分の半径方向近位端が、脱落翼形部の他の部分が後続翼形部に衝突する可能性があるが、後続翼形部に衝突し、後続翼形部の形状を変形させ得る。最後に、図19において、脱落翼形部の脱落部分が、後続翼形部に衝突し続け、後続翼形部をさらに変形させる。脱落翼形部の脱落部分の運動エネルギー及び後続翼形部における接触位置に応じて、このレベルの変形は、後続翼形部も破損させる可能性がある。
対照的に、図15からの複合材料製ブレード40の典型的な実施形態が、やはりRとして指定される脱落ブレード及び同様にTとして指定される隣接の後続ブレードの両方の位置に存在する図20〜23に示されるとおりに、この時系列が繰り返される。この時系列は、やはり異物からの衝撃の直後の脱落ブレードと、無傷の状態の後続ブレードとを示している図20で始まる。しかしながら、図20において、脱落ブレードの脱落部分は、エネルギー散逸部材80によって脱落ブレードの被保持部分に繋がれている。次に、図21において、脱落ブレードの脱落部分は、この部分の半径方向近位端がエネルギー散逸部材80によって被保持部分に繋がれているため、後続ブレードに向かって移動している。図21において、エネルギー散逸部材80は、上述したように、複合材料製ブレード40にたるみ又は余分な長さを提供する互い違いのパターンを有する。脱落部分の運動エネルギーによってこの部分が被保持部分から半径方向遠位側へと移動するにつれて、エネルギー散逸部材80のたるみが、脱落部分の運動エネルギーを減少させつつ、整列した脱落部分の軌道に対して好ましい方向に脱落部分を通って引っ張られることができる。脱落部分が半径方向に遠位側へと移動し続けるとき、図22に示されるように、エネルギー散逸部材80のたるみを、脱落部分を被保持部分に整列させたままで減少させることができる。最後に、図23に示すように、エネルギー散逸部材80のたるみが使い尽くされるとき、部材80は、脱落部分を整列した経路に依然として保ち、脱落部分の運動エネルギーの低減及び後続ブレードの回避の両方を果たしつつ、壊れることができる。この同じ考え方を、脱落部分を主として後方へと、航空機100及び近傍の航空機の構造体から遠ざかるように優先的に整列させるやり方で、脱落部分を繋ぐために使用することができる。
複合材料製ブレード40の上述の典型的な実施形態は、ブレード40の枚数が約2〜約24、約8〜約16、及び約10〜約14など(ただし、これらに限られるわけではない)の範囲にあるダクテッドファン、オープンロータ、ターボプロップガスタービンエンジン、及び陸上用ガスタービンなど(ただし、これらに限られるわけではない)の回転機械において利用可能である。複合材料製ブレード40のこれらの典型的な実施形態の翼長52は、これらに限られるわけではないが、約20インチ〜約90インチ、約40インチ〜約70インチ、及び約50〜約70インチなどの範囲であってよい。複合材料製ブレード40のこれらの典型的な実施形態の翼弦54は、これらに限られるわけではないが、約5インチ〜約40インチ、約10インチ〜約30インチ、及び約12〜約24インチなどの範囲であってよい。
図24は、脆弱部を有する積層体の製造のための1つの典型的なプロセス500(ただし、これに限られるわけではない)を示しており、一例(ただし、これに限られるわけではない)の脆弱部を有する積層体は、複合材料製ブレード40であってよい。このプロセス500は、樹脂及び補強材料から強化ポリマーマトリックスを構成する実質的に一方向の予備含浸(プリプレグ)プロセス502を含むことができる。補強材料は、繊維、ロービング、マット、ロービング織物、織り糸、編組、又は縫合布の形態をとることができる。樹脂は、室温における液体としてもたらされ、或いは液体の状態へと加熱されてよい。次いで、補強材料に樹脂を含浸させて、強化ポリマーマトリックスが形成される。含浸は、サイジングとも呼ばれ、1つ以上の層又はサイジング工程にて補強材料へと樹脂を吹き付け、浸漬し、塗り付け、或いは同様のやり方で付着させることによって行うことができる。一例(ただし、これに限られるわけではない)は、エポキシ樹脂を含浸させた一方向の補強材料としての炭素繊維である。他の典型的な樹脂(ただし、これらに限られるわけではない)として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、及びポリエーテルイミド(PEI)、並びにポリエステル、フェノール、ビニルエステル、ポリウレタン、シリコーン、ポリアミド、ポリアミドイミド、などが挙げられる。これらの樹脂のいくつかは、例えばエラストマーゴムなどの別個の伸縮素材又は樹脂中に分散させられた熱可塑性材料などを取り入れることによって強靱化されてもよい。
典型的なプロセス500(ただし、これに限られるわけではない)においては、次にレイアッププロセスを実行することができる。レイアッププロセスは、強化ポリマーマトリックスを複数の薄板504へと切断することを含む。本明細書において使用されるとき、用語「薄板」は、プライ全体、プライセグメント、並びに形状及び細片におけるプライの一部分をいう。次いで、薄板及び1以上のエネルギー散逸部材80が積み重ねられ、積層体506が製造される。1つ以上のエネルギー散逸部材80は、図10の複合材料製ブレードの典型的な実施形態に示されるように、積層体の種々の位置に配置されてよく、積層体の内部にあっても、部分的に積層体の外部にあってもよい。このプロセスは、補強繊維が複数のプライ層を通って挿入されて全体としての積層体の品質を改善することができる超音波によって補助される縫合プロセスをさらに含むことができる。また、レイアッププロセスは、薄板及びエネルギー散逸部材80の積み重ねの前及び最中に薄板を成形することを含むことができる。機械によるレイアッププロセスは、プライの切断並びに薄板の製造及び成形に手作業の熟練及び労力を使用する従来からのレイアッププロセスとの対照において考えたときに、労働コストを節約することができる。
最後に、このプロセスは、積層体を成形して硬化させて複合材料製ブレード508を得るために、圧密プロセスを使用することができる。圧密プロセスは、積層体及びその薄板を所望の形状へとプレスするための圧密力を使用し、レイアップ工程の一部であってもよく、その場で実施されてよい。一例(ただし、これに限られるわけではない)は、積層体を高圧装置に入れて積層体の成形及び硬化を行うオートクレーブプロセスである。適切なオートクレーブ温度として、約400°F〜約840°F、好ましくは約600°F〜約760°Fの温度が挙げられる。
本明細書においては、本発明を好ましい実施形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造及び使用並びに関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、いくつかの実施例を使用している。本発明の特許可能な技術的範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者にとって想到される他の実施例も含むことができる。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言から相違しない構造要素を有しており、或いは特許請求の範囲の文言から実質的には相違しない同等の構造要素を含むならば、特許請求の範囲の技術的範囲に包含される。当業者であれば、上述の種々の実施形態からの態様並びに各々のそのような態様についての他の公知の同等物を混ぜ合わせて適合させることで、本出願の原理に従ったさらなる実施形態及び技術を構築することができる。

Claims (30)

  1. 根元(42)と、先端(44)と、両者の間の翼長(52)と、前縁(46)と、後縁(48)と、両者の間の翼弦(54)と、1以上のポーチ(90)を備える1以上のエネルギー散逸部材(80)とを有する複合材料製ブレード(40)を備える翼形部(18)。
  2. 1以上のエネルギー散逸部材(80)は、翼長(52)に沿って延在し、翼弦(54)に沿って分布し、1以上のエネルギー散逸部材(80)は、1以上のストランド(82)を備えている、請求項1に記載の翼形部(18)。
  3. 1以上のエネルギー散逸部材(80)は、剥離剤(96)によって少なくとも部分的に覆われている、請求項1に記載の翼形部(18)。
  4. 1以上のエネルギー散逸部材(80)は、複合材料製ブレード(40)と少なくとも部分的に共硬化させられている、請求項1に記載の翼形部(18)。
  5. 1以上のエネルギー散逸部材(80)は、1以上の損傷開始部(84)をさらに備え、1以上のストランド(82)は、1以上の損傷開始部(84)に接続されている、請求項1に記載の翼形部(18)。
  6. 1以上の損傷開始部(84)は、1以上のポーチ(90)を備える、請求項5に記載の翼形部(18)。
  7. 1以上の損傷開始部(84)は、1以上のポーチ(90)に適合するように構成された1以上のプランジャ(92)を備える、請求項6に記載の翼形部(18)。
  8. 1以上のプランジャ(92)は、1以上のストランド(82)に接続され、1以上のポーチ(90)は、充填材(94)で少なくとも部分的に満たされている、請求項7に記載の翼形部(18)。
  9. 1以上のプランジャ(92)は、1以上のストランド(82)との組合せにおいて、ポーチ(90)を膨張させることによって複合材料製ブレード(40)を破砕するように機能する、請求項8に記載の翼形部(18)。
  10. ポーチ(90)は、複合材料製ブレード(40)の脱落部分が複合材料製ブレード(40)から分離するときに作動する、請求項1に記載の翼形部(18)。
  11. 脆弱部を有する積層体(506)を製造する方法(500)であって、
    強化ポリマーマトリックスを製造するステップ(502)と、
    強化ポリマーマトリックスを複数の薄板(504)へと切断するステップ(504)と、
    複数の薄板(504)及び1以上のエネルギー散逸部材(80)を積み重ねることによって積層体(506)を形成するステップ(506)と、
    積層体(506)を圧密するステップ(508)と
    を含む方法。
  12. 強化ポリマーマトリックスは、樹脂を含み、樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ、ポリエステル、フェノール、ビニルエステル、ポリウレタン、シリコーン、ポリアミド、及びポリアミドイミドからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 強化ポリマーマトリックスは、補強材を含み、補強材は、ガラス、グラファイト、アラミド、及び有機繊維からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  14. 複数の薄板(504)は、複数のプライを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 積層体(506)を最終製品へと成形するステップ
    をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  16. 積層体(506)の圧密は、積層体(506)のオートクレーブにおける圧密を含む、請求項11に記載の方法。
  17. 積層体(506)は、ブレード(18)を含む、請求項11に記載の方法。
  18. 樹脂は、強靱化材料をさらに含み、強靱化材料は、エラストマーゴム及び熱可塑性樹脂からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  19. 強化ポリマーマトリックスは、樹脂を含み、樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ、ポリエステル、フェノール、ビニルエステル、ポリウレタン、シリコーン、ポリアミド、及びポリアミドイミドからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  20. 強化ポリマーマトリックスは、補強材を含み、補強材は、ガラス、グラファイト、アラミド、及び有機繊維からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  21. 自己破砕ブレードの動作の方法であって、
    1以上のエネルギー散逸部材(80)を備える複合材料製ブレード(40)の脱落部分を脱落させるステップと、
    1以上のエネルギー散逸部材(80)によって脱落部分を損傷させるステップと、
    適宜複合材料製ブレード(40)の被保持部分を保持するステップと、
    適宜1以上のエネルギー散逸部材(80)によって被保持部分を損傷させるステップと
    を含む方法。
  22. 1以上のエネルギー散逸部材(80)は、1以上のストランド(82)をさらに備える、請求項21に記載の方法。
  23. 1以上のエネルギー散逸部材(80)は、1以上の損傷開始部(84)をさらに備える、請求項21に記載の方法。
  24. 1以上のエネルギー散逸部材(80)は、剥離剤(96)によって少なくとも部分的に覆われ、複合材料製ブレード(40)と少なくとも部分的に共硬化させられている、請求項21に記載の方法。
  25. 1以上の損傷開始部(84)は、1以上のポーチ(90)を備える、請求項23に記載の方法。
  26. 1以上のエネルギー散逸部材(80)は、1以上のストランド(82)をさらに備え、1以上の損傷開始部(84)は、1以上のポーチ(90)に適合するように構成された1以上のプランジャ(92)を備え、1以上のプランジャ(92)は、1以上のストランド(82)に接続され、1以上のポーチ(90)は、充填材(94)で少なくとも部分的に満たされている、請求項25に記載の方法。
  27. 1以上のエネルギー散逸部材(80)のうちの少なくとも1つは、ロータ(20)へと接続されている、請求項21に記載の方法。
  28. 損傷させるステップは、1以上のエネルギー散逸部材(80)の周囲の複合材料製ブレード構造を損傷させることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  29. 脱落部分が所定の経路を辿るように1以上のエネルギー散逸部材(80)によって脱落部分の軌道を変更するステップ
    をさらに含む、請求項21に記載の方法。
  30. 1以上のエネルギー散逸部材(80)によって脱落部分の運動エネルギーを消散させるステップ
    をさらに含む、請求項21に記載の方法。
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