JP2018505751A - 核磁気共鳴コイルの配置のためのシステム及び方法 - Google Patents

核磁気共鳴コイルの配置のためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

核磁気共鳴画像法(MRI)システムが提供される。本システムは、静磁場B0を生成する主磁石を含む。加えて、本システムは、一体型磁石装置を更に含む。一体型磁石装置は、一次磁場シフト用コイル及び磁場シフト用遮蔽コイルを含む磁場シフト用コイルを有し、一次磁場シフト用コイルは、撮像ボリューム内において、磁場シフト用遮蔽コイルよりも、撮像する物体に対して、近くに配置される。傾斜磁場コイルは、一次磁場シフト用コイルと磁場シフト用遮蔽コイルとの間に配置されている。少なくとも1つの基材層が含まれ、磁場シフト用コイル、及び傾斜磁場コイルのための機械的支持を提供する。【選択図】図7

Description

本発明は、概ね、核磁気共鳴画像法に関する。より具体的には、本発明は、核磁気共鳴画像システムの信号検出感度を向上させるためのコイル配置に関する。
核磁気共鳴画像法(MRI)は、医学において使用されている主な画像化技術である。MRIは、脳、筋肉、及び腎臓などの柔組織の詳細画像を生成可能である。組織内に存在する水及び/又は脂肪などの種々な化合物の特異的性質を使用して、画像を生成する。強力な磁場を印加すると、核スピン角運動量を有する多数の原子(水素など、水素は水及び脂肪に多く含まれる)の核磁気モーメントのベクトル和により、外部から印加された磁場と整列した正味磁気モーメントが作り出される。更に、得られた正味磁気モーメントは、印加された磁場に比例する、明確に定義された周波数で歳差運動をすることができる。無線周波数パルスによる励起の後、この正味の磁化により、検出可能な信号が生成される。
デルタ緩和拡張核磁気共鳴(DREMR:delta relaxation enhanced magnetic resonance)は、一般的には、磁場循環緩和時間測定法(field−cycled relaxometry)、又は磁場循環画像法(field−cycled imaging)と呼ばれており、印加する磁場の強さによって変化する内在組織のコントラスト機構を使用して、新規な画像コントラストを生成可能とするMRI技術である。DREMRコントラストを得るために、MRパルスシーケンスの特定の部分の間、時間に応じて、静磁場を変化させる。磁場を変化させるために、磁場シフト用磁気コイルが用いられる。DREMRのコントラスト機構は、生成される磁場シフトの強度に強く相関することから、DREMRシステムにおいて使用する従来のMRIコイルに対して、磁場シフト用電磁石を適切に配列することは、重要である。
MRIスキャニングシステム用の新規なシステム及び方法、並びに従来技術について、上で指摘した欠点のうちの少なくとも1つを回避及び軽減する方法を提供することを目的とする。
一態様によれば、核磁気共鳴画像法(MRI)システムにおいて使用するための一体型磁石装置が提供される。一体型磁石装置は、一次磁場シフト用磁石及び磁場シフト用遮蔽磁石を含む磁場シフト用電磁石を含んでいてよく、一次磁場シフト用磁石は、磁場シフト用遮蔽磁石よりも撮像ボリュームの近くに配置される。一体型磁石装置は、一次磁場シフト用磁石と磁場シフト用遮蔽磁石との間に置かれ得る傾斜磁場コイルと、磁場シフト用電磁石及び傾斜磁場コイルを機械的に支持し得る少なくとも1つの基材層と、を更に含み得る。また、一体型磁石装置は、少なくとも1つの冷却機構を含んでいてもよい。
これらは、これ以降、明らかとなる他の態様及び利益と共に、より完全に以下に記載及び特許請求の範囲に記載された構築及び動作の詳細に記載され、その一部を形成する添付の図面が参照される。図面全体を通して、同様の符号は、同様の部分を指す。
実施形態によるデルタ緩和核磁気共鳴画像システムの機能的サブシステムのブロック図である。
実施形態による図1のデルタ緩和核磁気共鳴システムによりスキャンされる撮像ボリューム及び対応するスライスである。
例示的なT1緩和、及びT2緩和の図を示す。
実施形態による例示的なパルスシーケンス図である。
実施形態による1本の受信された行を含むk空間の模式図である。
一実施形態に従う、例示的な一体型磁石装置の仮想的な径方向断面を示す。
一実施形態に従う、例示的な一体型磁石装置の理想的な縦方向断面を示す。
図1を参照すると、例示的な実施形態によるデルタ緩和磁気共鳴画像(DREMR)システムのブロック図100が示されている。100によって示されるDREMRシステムの例示的な実施形態は、単に例示を目的とするものであり、更なる構成要素、より少ない構成要素、及び/又は変更された構成要素を含む変更形態が可能である。従来の核磁気共鳴画像(MRI)システムは、物体中の水素原子などのプロトンからの核磁気共鳴(MR)信号の画像を構築するために主に使用される撮像モダリティを指す。医療用MRIにおいて、対象となる典型的な信号は、組織における主な水素含有要素である水及び脂肪からのMR信号である。DREMRシステムでは、従来のMRI手法と合わせて、磁場シフト型核磁気共鳴法を用いることにより、従来のMRIにおいて可能なコントラストとは異なるコントラスト(特定の分子のコントラストなど)が得られる。
図1に示されるように、例示的なDREMRシステム100は、データ処理システム105を備える。データ処理システム105は、概ね、ディスプレイなどの1つ又は2つ以上の出力デバイスと、キーボード及びマウスなどの1つ又は2つ以上の入力デバイスと、揮発的部品及び永続的部品を有するメモリに接続されている1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備えることができる。データ処理システム105は、スキャンを行うために使用されるMRIシステム100のハードウェア構成要素との通信及びデータ交換に適合した1つ又は2つ以上のインターフェースを更に備えることができる。
図1を継続して参照して、例示的なDREMRシステム100はまた、主磁石110を備えることができる。主磁石110は、例えば、永久磁石、超伝導磁石、又は抵抗磁石として実装されてもよい。ハイブリッド磁石を含む、DREMRシステム100における使用に適した他の磁石種が、現在、当業者に想起及び想到されると思われる。主磁石110は、強度B0及び軸に沿った方向を有する、実質的に均一な静磁場を生成するように動作可能である。この静磁場を使用して、撮像ボリューム内にある物体の所望の原子核(水及び脂肪の水素におけるプロトンなど)を、スキャンに備えて磁気的に整列させる。この例示的な実施形態でも同様であるが、一部の実施形態においては、主磁石110の動作を制御するために、データ処理システム105と通信接続される静磁場制御装置115を使用することができる。
DREMRシステム100は、例えば、3つの直交する傾斜軸に沿って、静磁場における空間情報をエンコーディングするために使用される、傾斜磁場コイル120などの傾斜磁石を更に備えてもよい。傾斜磁場コイル120のサイズ及び構成は、それらの傾斜磁場コイル120によって、制御された均一な線形傾斜が作り出されるようなものであってよい。例えば、主磁石110内に位置する3対の、直交する、通電された一次コイルが、所望の線形傾斜磁場を生成するように設計されていてよい。
一部の実施形態では、傾斜磁場コイル120は、遮蔽され、一次傾斜磁場コイルにより生成された傾斜磁場と逆方向の逆磁場を生成可能なコイルなどの遮蔽磁石からなる外層を含んでいてもよく、これにより、一次−遮蔽コイル対が形成されている。このようなコイル対において、「一次」コイルは、傾斜磁場の生成に関与し、「遮蔽」コイルは、撮像ボリュームなどの特定のボリュームの外側の一次コイルによる漂遊磁場の低減に寄与することができる。傾斜磁場コイル120の一次−遮蔽コイル対、即ち、一次コイルと遮蔽コイルは、直列に接続されていてもよい。遮蔽付き傾斜磁場コイルを共に形成するように、任意の所与の傾斜磁場軸のためのコイルを二層よりも多く有していてもよい。遮蔽付き傾斜磁場コイル120により、スキャンされた画像にアーチファクトを生じさせ得る渦電流、及び他の干渉などを低減させることができる。渦電流は、DREMRシステム100の導電性部品内を主に流れ、撮像ボリュームの外側の磁場(フリンジ場)により生じるため、傾斜磁場コイル120により生じるフリンジ場を減らすことにより、干渉を減らすことができる。したがって、一次−遮蔽コイル対の形状及びサイズ、導電体ワイヤのパターン及びサイズ、並びに電流の振幅及びパターンを、傾斜磁場コイル120の外側の正味磁場が可能な限りゼロに近づくように選択することができる。円筒状の磁石の場合は、例えば、2つのコイルを、同心の円筒形態で配置することができるが、垂直磁場の磁石の場合は、2つのコイルを、同軸ディスクとして配置することができる。
遮蔽による副作用の1つとして、傾斜磁場コイル120の一次−遮蔽コイル対により生成される磁場が、撮像ボリューム内で、部分的に互いに打ち消し合う場合がある。したがって、遮蔽付き傾斜磁場コイル120によって、ある特定の強度の傾斜磁場を生成するためには、遮蔽されていない傾斜磁場コイル120の場合よりも、多くの電流が必要となり得る。この作用は、傾斜磁場効率として数値化することができ、駆動電流1アンペアに対して達成可能な傾斜強度として定義することができる。傾斜磁場コイルの性能を記述する別の重要なパラメータとして、傾斜スルーレートと呼ばれるものがあり、これは、傾斜磁場コイルをゼロから最大振幅まで駆動させる速度である。この値は、傾斜磁場コイルのインダクタンスに逆比例する。通常、遮蔽付き傾斜磁場コイル120の効率を、遮蔽されていない傾斜磁場コイル120の効率に匹敵し得るほどに高めるためには、インダクタンスの増加が必要となる。このインダクタンスの増加により、最大達成可能スルーレートが低下することとなる。遮蔽付きの構成における効率の低下は、一次コイルと遮蔽コイルとの間の距離と電流密度の比に依存し得る。一次−遮蔽コイル対間の距離を広げることにより、効率を高めることができる。
遮蔽されているかどうかに関わらず、一次コイル及び遮蔽コイルを含む傾斜磁場コイル120の導電性構成要素は、導電体(例えば、銅、アルミニウムなど)から構成することができる。内部の電気接続は、傾斜磁場コイル120の両端子に電位差が印加されると、電流が所望の経路を流れ得るように、行われ得る。一次傾斜磁場コイル及び遮蔽傾斜磁場コイルの両方について、3つの傾斜磁場軸のための各導電性構成要素は、物理的に分離されることにより、かつ/又は非導電性のバリアにより絶縁されていてよい。非導電性基板(例えば、G10、FR4、エポキシなど)に、一次傾斜磁場巻線を配置してもよい。
いくつかの変更形態において、傾斜磁場コイル120に、熱制御機構又は熱抽出機構が設けられていてもよい。例えば、巻線の一部は、中空であってもよく、これらの中空導体に冷却剤を通過させて、傾斜磁場コイル120から、例えば、電気が印加された際の巻線の抵抗熱による熱を抽出してもよい。あるいは、傾斜磁場コイル120内に冷却剤流路を挿入するなど、熱を抽出する他の方法が使用されてもよい。冷却剤流路は、傾斜磁場コイルの巻線と熱接触していてもよい。また、傾斜磁場コイル120を、熱伝導性、かつ非電導性のエポキシに組み込むことにより、機械アセンブリを確実に固定し、かつ電気的破壊の可能性を抑制することができる。
撮像ボリューム内の物体の空間選択的な励起を行い得るように、傾斜磁場コイル120により生成される磁場を、組み合わせて、かつ/又は順次、静磁場に重ね合わせることができる。空間的な励起が可能であることに加えて、傾斜磁場コイル120により、撮像ボリューム内にある原子核に対して、空間特異的な周波数及び位相の情報を付加することができることから、得られたMR信号を有用な画像に再構成することができるようになる。データ処理システム105と通信接続された傾斜磁場コイル制御装置125を使用して、傾斜磁場コイル120の動作を制御することができる。
DREMRシステム100の一部の実施形態においては、シムコイル(以下に限定されるわけではないが、通例、2次又はそれよりも高次の球面調和関数の磁場プロファイルを生成する)、又は一様な磁場オフセットコイル、又は何らかの他の補正電磁石などの追加的な磁気コイルが存在してもよい。能動的なシミング(様々の物体がシステム内部、又はシステムの周囲に存在するときに入り込む、磁場の歪みを補正すること)を行うためには、静磁場をより均一にするように作用する磁場を提供するために用いられる、シムコイルなどの補正電磁石に通電する。例えば、これらのコイルにより生成した磁場により、主磁石110の欠陥、若しくは外部の強磁性体の存在に起因する静磁場の不均一性、又は撮像領域内の物質の磁化率の違い、又は、何らかの他の静的事象若しくは時変的事象に起因する静磁場の不均一性の補正が容易になり得る。
DREMRシステム100は、無線周波数(RF)コイル130を更に備えていてもよい。RFコイル130を使用して、強度B1のRF磁場を確立し、原子核又は「スピン」を励起させることができる。RFコイル130はまた、撮像される物体内の「緩和している」スピンから発せられる信号を検出することができる。したがって、RFコイル130は、送信コイルと受信コイルが別個になった形式であってもよいし、送信モードと受信モードとを切り替えるための切り替え機構を備えた、統合型送受信コイルであってもよい。
RFコイル130は、通常、受信専用のコイルである表面コイル、及び/又は、送受信コイルの場合もある、ボリュームコイルとして実装され得る。RFコイル130は、主磁石110のボアにおいて、一体化されていてもよい。あるいは、頭部など、スキャンされる物体のより近位にRFコイル130を実装してもよく、緊密に適合するヘルメットなど、物体の形状に近似する形状であってもよい。データ処理システム100と通信接続されたRFコイル制御装置135を使用して、RFコイル130の動作を制御することができる。
磁場シフト法によりコントラスト画像を作成するため、DREMRシステム100では、MR信号の生成及び取得と同時に、磁場シフト用電磁石140を使用することができる。磁場シフト用電磁石140によって静磁場の強度を変動させることができる。したがって、磁場シフト用電磁石140は、静磁場を増大させるか、又は摂動させる、磁場シフト用磁場を作り出すことにより、主磁石110を補助する役目を果たし得る。磁場シフト用電磁石140の動作は、データ処理システム100に通信接続された磁場シフト用電磁石制御装置145を用いて制御することができる。
干渉及びアーチファクトを減らすため、磁場シフト用電磁石140は、上述した遮蔽付き傾斜磁場コイル120と同様の遮蔽体を含んでいてもよい。遮蔽付き磁場シフト用電磁石140は、2つの構成要素、即ち、磁場シフトを生み出す、内側の一次磁場シフト用電磁石と、撮像ボリュームなどの特定のボリュームの外側における、一次磁場シフト用電磁石の漂遊磁場を弱めることにより、遮蔽を形成する、外側の遮蔽磁場シフト用電磁石と、を有していてよい。インダクタンスを下げること(スルーレートを高速化すること)、効率を上げること(所与の電流振幅について磁場強度を高めること)、及び抵抗を減らすこと(発熱を抑え、後で冷却する必要性を減らすこと)など、競合する各要件のバランスをとって、磁場シフト一次電磁石と遮蔽電磁石とを組み合わせ、実装を行うことは、電磁石に関する複雑な問題である。
実際のところ、磁場シフト用電磁石140を遮蔽することによる副作用の1つとして、遮蔽付き磁場シフト用電磁石140の一次部分と遮蔽用部分によって作られる磁場が、撮像ボリューム内において部分的に互いに打ち消し合う場合がある。したがって、遮蔽付き磁場シフト用電磁石140によって、ある特定の強度の磁場を生成するためには、遮蔽されていない磁場シフト用電磁石140の場合よりも、多くの電流が必要となり得る。この作用は、磁場シフト効率として数値化することができ、電磁石を通る電流1アンペア当たりの磁場シフト振幅として定義することができる。遮蔽付きの構成における効率の低下は、遮蔽電磁石と一次電磁石との間の距離と電流密度の比に依存する。一次電磁石と遮蔽電磁石との間の距離を広げることにより、磁場シフト効率を高めることができる。
一次電磁石及び遮蔽電磁石などの磁場シフト用電磁石140の導電性部分は、導電体(例えば、銅、アルミニウムなど)から構成することができる。内部の電気接続は、磁場シフト用電磁石140の両端子に電位差が印加されると、電流が所望の経路を流れ得るように、行われ得る。一次電磁石及び遮蔽電磁石の両方について、各導電性構成要素は、物理的に分離されることにより、かつ/又は非導電性のバリアにより絶縁されていてよい。磁場シフト用巻線は、非導電性基材(例えば、G10、FR4、エポキシなど)上に、又は非導電性基材内に、重なって配置されていてよい。
いくつかの変更形態において、磁場シフト用電磁石140に、熱制御機構又は熱抽出機構が設けられていてもよい。例えば、巻線を用いて電磁石を形成する場合、その巻線は、中空であってもよく、これらの中空導体に冷却剤を通過させて、電気を流したときの巻線の抵抗熱により電磁石に溜まった熱を抽出してもよい。あるいは、磁場シフト用電磁石140内に冷却剤流路を挿入するなど、熱を抽出する他の方法が使用されてもよい。冷却剤流路は、磁場シフト用電磁石140と熱接触していてもよい。磁場シフト用電磁石140についても、熱伝導性、かつ非電導性のエポキシに組み込むことにより、機械アセンブリを確実に固定し、かつ電気的破壊の可能性を抑制することができる。
DREMRシステム100を使用して、T1強調画像及びT2強調画像などの画像を取得するための多くの手法が存在する。DREMRシステム100の機能を簡潔に説明するために、プロトン密度強調画像を得るための動作を単純化し、非限定的な例として記載する。この例によると、DREMRシステム100は、画像を生成するために、物体に比較的大きな磁場をかけて、その物体中のスピン角運動量を含む原子核(組織中に存在する水又は脂肪中の水素のプロトンなど)の存在を検出する。この例示的な実施形態において、静磁場の強度はB0であり、スピン角運動量を含む原子核は、水素プロトン又は単にプロトンであってよい。静磁場は、主磁石110の撮像ボリューム内に配置された物体中の水素プロトンを部分的に分極させる。続いて、適切にチューニングしたRF放射により、例えば、強度B1のRF磁場を形成し、プロトンを励起する。最終的に、プロトンが磁性相互作用から「緩和」する際に、励起されたプロトンからの弱いRF放射信号が、MR信号として検出される。検出されるMR信号の周波数は、印加した磁場に比例する。物体を横断して傾斜した磁場を生成し、物体内での位置が変われば、静磁場の磁場の数値が変化し得るようにすることにより、信号を得るための物体の断面が選択可能となる。信号周波数が生成された変動磁場に比例すると仮定すると、この変化により、特定の信号周波数及び位相から、物体内での位置が特定される。したがって、得られたMR信号から、プロトンの存在という観点での物体のマップを構成するための十分な情報を得ることができる。これが従来のMRI画像法の原理である。例えば、プロトンの密度が組織の種類により変化するため、得られた信号を処理した後、組織の違いを画像コントラストの違いとしてマッピングすることができる。
ここから図2を参照して、DREMRシステム100による例示的な信号取得プロセスを更に説明するために、240によって示されるZ軸に沿った方向の、強度B0の静磁場210を有する主磁石110の撮像ボリューム250内に、物体が配置されると想定するものとする。続いて、物体は、正味磁化ベクトルを有する。この説明のための例では、205によって示されるように、X軸及びY軸に沿う平面におけるスライスが撮像されている。この例では、スライスが、Z軸に沿う有限の厚さを有し、体積スライス205が生じていることに留意されたい。
物体をB0の静磁場においたとき、個々のスピンが、Z軸の方向に整列する。図3を参照すると、平衡状態において、B0の静磁場による磁化により、M0の振幅を有する、正味の縦磁化Mzが静磁場に平行に作り出され得る。振幅B1のRF磁場を生成する無線周波数(RF)パルスを、RFコイル130によりラーモア周波数にて印加すると、これらのスピンを励起させることができる。RF磁場が印加されている間、正味の磁化は、印加されたRF(B1)磁場の周りに回転し、正味の磁化をZ軸から離れるように回転させることができる。X−Y平面に投射される回転した磁化の成分は、正味の横磁化Mxyである。RF磁場が取り除かれるまで、スピンは、印加されたRF磁場の周りに歳差運動し得る。
平衡状態の磁化が摂動させられると、スピン緩和プロセスが起こる。スピン−格子緩和プロセスによって、磁化がZ軸に沿った平衡状態の分布へと戻される。そのため、305で示すように、スピン−格子緩和により、縦磁化Mzは、特徴的な時定数T1で、最大値M0に向かって戻され得る。Z軸に沿った磁化が37%回復したときの特徴的な時間を、T1緩和時間、又はT1時間と呼ぶ。1/T1は、縦緩和率と呼ばれる。
一方で、スピン−スピン緩和により、正味の横磁化のディフェージングに起因して、コヒーレンス性が失われ得る。それ故、スピン−スピン緩和の間、横磁化Mxyは、310に示すように、特徴的な時定数T2でゼロへ向かって指数関数的に減衰する。信号が37%減衰したときの特徴的な時間を、T2緩和時間、又はT2時間と呼ぶ。1/T2は、横緩和率と呼ばれる。
横緩和(T2)は、横磁化の不可逆的なディフェージングを引き起こし得る。また、磁場の不均一性によって引き起こされる可逆的なディフェージング効果も存在する。これらの更なるディフェージング場は、静磁場の不均一性、各種組織又は物質間での磁化率の違い、化学シフト、空間エンコーディングのために適用した傾斜などの様々な要因により引き起こされ得る。横緩和時間に対する、これらの可逆的ディフェージング効果の寄与分は、通常、T2’と呼ばれる。可逆的な(T2’)ディフェージング効果、及び不可逆的な(T2)ディフェージング効果を組み合わせた特徴的な緩和時間は、通常、T2*緩和と呼ばれる。
時定数T1と時定数T2との間の差は、MR画像にてコントラストを作り出すために重要である。これらの緩和時間は、印加する磁場の強度、並びに温度によって変化し得る。更に、生物の組織に関するT1及びT2の値は様々となり得る。一般的に、T1時間が短い(315で示すT1aなど)組織ほど、信号の回復が早いため、T1時間が長い(305で示すT1bなど)組織と比べて、所与の時点において大きな信号強度を示し得る(画像においてより明るくなる)。一方で、T2時間が短い(320で示すT2aなど)組織は、検出される横磁化Mxyにおける減少のため、信号強度が小さくなり得る(画像においてより暗くなる)。それ故、ある画像からのMR信号は、内因的な組織特性と、使用者により選択される、外因的な画像パラメータ及び造影剤との組み合わせに依存し得る。
DREMRシステム100において、従来法で画像を取得するためには、データ処理システム105にて、1組又は2組以上のRFパルス及び傾斜波形(まとめて、「パルスシーケンス」と呼ばれる)を選択する。データ処理システム105は、選択されたパルスシーケンス情報を、RF制御装置135及び傾斜磁場制御装置125に伝達する。これらの制御装置は協働して、パルスシーケンスの提供に関する波形及びタイミングを生成し、スキャンが行われる。
印加されるRFパルスシーケンス及び傾斜磁場波形、即ち、パルスシーケンスの種類は、緩和時間が画像の特徴に最も大きく影響するように変更することができる。例えば、T2*緩和は、グラディエントエコー(GRE)シーケンスにおいて用いられる90°RFパルスの後に、有意な影響を有し、T2緩和は、(スピンエコーシーケンスとしても知られる)90°〜180°の連続的なRFパルスの後に、更に有意な影響を有する。
ここからは図4を参照して、DREMRシステム100を使用して画像を取得するために使用することができる例示的なパルスシーケンス400を示す。具体的には、例示的なパルスシーケンスのタイミング図が示されている。このタイミング図は、時間に対する、送信された(RFt)信号、磁場傾斜G、G、及びG、並びに受信されたRFx信号及び磁場シフト信号(FS)のパルス又は信号の大きさを示している。理想化したパルスシーケンスは、例示の目的のため単純化したものであり、RFtにおけるスライス選択無線周波数パルス410、Gzにおけるスライス選択傾斜磁場パルス420、Gyにおける位相エンコーディング傾斜磁場パルス430、Gxにおける周波数エンコーディング傾斜磁場パルス440、並びに、RFxにおける検出MR信号450を含み得る。3つの傾斜磁場Gx、Gy、及びGzに対するパルスは、傾斜磁場コイル120により生成することができる磁場傾斜の大きさ及び持続期間を表わす。スライス選択パルス410は、RFコイル130の送信態様により生成することができる。検出MR信号450は、RFコイル130の受信態様により検出することができる。この説明のための例では、RFコイル130の送信態様及び受信態様は、別箇のコイルにより形成されるものとする。最後に、磁場シフト信号FSは、信号FSの期間に亘って、静磁場強度を変化させる。画像化手法が異なれば、パルス又は信号の正確なタイミング、振幅、形状、及び期間も変化し得る。例えば、磁場シフト信号FSは、用いる手法において画像コントラストを向上させ得る時間、及び様式にて適用されてよい。
パルスシーケンス400において生じる最初のイベントは、スライス選択傾斜磁場パルス420をオンにすることであり得る。スライス選択RFパルス410を、同時に印加することができる。この説明のための例では、スライス選択RFパルス410は、RFエネルギーのサイン関数型のバーストであってもよい。他の実施形態において、他のRFパルスの形状及び期間が使用されてもよい。スライス選択RFパルス410をオフにした後は、スライス選択傾斜磁場パルス420もオフにすることができ、また、位相エンコーディング傾斜磁場パルス430をオンにすることができる。一部の実施形態では、この時点において、静磁場強度を変化させるために、磁場シフト信号460もオンにしてよい。位相エンコーディング傾斜磁場パルス430をオフにした後は、周波数エンコーディング傾斜磁場パルス440をオンにすることができ、検出MR信号450を記録することができる。図4に示されたパルス及び信号の形状、大きさ、及び期間は、例示の目的で選択されたものであり、実施形態においては、所望のスキャンの結果を得るために、これらのファクタなどのうち、1つ又は2つ以上を、変更してもよいことに留意されたい。
1つの画像を生成するのに必要とされる全てのデータを収集するために、パルスシーケンス400を、特定の回数又は反復数、通常は、256回反復してよい。パルスシーケンス400のそれぞれの反復間の時間は、反復時間(TR)と呼ばれる場合がある。更に、スライス選択パルス410の中心点と検出MR信号450のピークとの間の期間は、エコー時間(TE)と呼ばれる場合がある。TR及びTEは両方とも、所望のスキャンに適するように変更可能である。
DREMRシステム100の信号取得プロセスを更に説明するために、図4と併せて、図2を参照する。スライスを選択するために、スライス205中に位置しているプロトンに対する共鳴条件を満たす、スライス選択傾斜磁場パルス420がZ軸に沿って印加されてもよい。実際に、Z軸に沿うスライスの位置は、スライス選択傾斜磁場パルス420に部分的に基づいて決定することができる。したがって、スライス選択傾斜磁場パルス420と同時に生成されるスライス選択パルス410は、この例におけるスライス205内に位置しているプロトンを励起させることができる。スライス205の上下に位置しているプロトンは、通常、スライス選択パルス410により影響を受けない。
この例を続いて参照すると、パルスシーケンス400によると、スライス選択傾斜磁場パルス420の後に位相エンコーディング傾斜磁場パルス430を印加することができる。Y軸に沿って印加されたと仮定すると、Y軸に沿う種々の位置におけるスピンは、種々のラーモア周波数で歳差運動を開始し得る。位相エンコーディング傾斜磁場パルス420がオフになると、種々の位置における正味磁化ベクトルは、同じ速度で歳差運動し得るが、異なる位相を有し得る。これらの位相は、位相エンコーディング傾斜磁場パルス430の期間及び大きさにより決定され得る。
位相エンコーディング傾斜磁場パルス430をオフにした後は、周波数エンコーディング傾斜磁場パルス440をオンにしてよい。この例では、周波数エンコーディング傾斜磁場は、X方向にある。周波数エンコーディング傾斜磁場により、選択されたスライス内のプロトンを、X方向の位置に応じた速度で歳差運動させ得る。したがって、スライス内の種々の空間的位置は、固有の位相角及び歳差周波数により特徴付けられる。周波数エンコーディング傾斜磁場パルス440がオンである間に、RF受信コイル130を使用して、スキャン中の物体に含まれるプロトンにより生成された検出信号450を受信することができる。
パルスシーケンス400がDREMRシステム100により行われる場合、図5の500によって示されるように、k空間と呼ばれる一時的な行列に、取得した信号を格納することができる。通常、k空間は、あるスキャンについて測定された検出信号の集合であり、空間周波数ドメインに存在する。X軸520(Kx)に沿う周波数エンコーディングデータ及びY軸530(Ky)に沿う位相エンコーディングデータによりk空間をカバーすることができる。スライスについてのk空間行列に対する全ての行が(例えば、シグナルスライスのスキャン終了時に)受信されたとき、例えば、二次元フーリエ変換により、数学的にデータを処理して、最終的な画像を生成することができる。このため、k空間は、画像を空間ドメインで再構成する前に、生データを保持することができる。通常、k空間は、最終的な画像と同じ数の列及び行を有し、スキャン中、通常、パルスシーケンス400当たり1本の行である生データにより満たされる。例えば、510で示されるk空間500の第1の行は、スライスをスキャンするために生成されたパルスシーケンスの第1の反復完了後に満たされ、そのパルスシーケンス反復について検出された信号を含む。パルスシーケンスの複数回の反復後に、k空間を満たすことができる。パルスシーケンスの各反復は、k空間の適切な部分に対する信号が取得されるように、わずかに変更可能である。尚、種々のパルスシーケンスに基づいて、例えば、スパイラル様式などでk空間を満たす他の方法が可能であり、他の方法が想到されることに留意されたい。
傾斜磁場コイル120は、特定の空間分布を有する時変磁場を生成する、MRIシステムの典型的な構成要素である。磁場変化の程度が大きいほど、MR撮像シーケンスをより速く行なうことができると共に、解像度が向上する。上記で検討したとおり、達成可能な最大限の傾斜磁場強度は、傾斜磁場効率により特徴付けられる。傾斜磁場コイル120の効率は、傾斜磁場コイル120の形状、サイズ、及び配置における変化により改善することができる。例えば、円筒形の実施形態において、一次傾斜磁場コイル巻線は、撮像ボリューム内の物体により近くに、より小さい半径で構築することができる。あるいは、ワイヤ数(巻線密度)を増やすことができる。
磁場シフト用電磁石140にも同様の考え方を適用する。磁場シフト用電磁石140は、主磁石110によって作り出される静磁場を増大させることができる時変磁場を作り出す。磁場の変化の程度が大きいほど、性能を向上させることができる。上述したように、達成可能な磁場シフト振幅の最大値は、磁場シフト効率によって特徴付けられる。磁場シフト用電磁石140の効率は、磁場シフト用電磁石140の形状、サイズ、及び配置を変化させることで向上させることができる。例えば、一次磁場シフト用コイルは、撮像ボリューム内にある物体に近い、より小さな半径で構築されてよい。あるいは、ワイヤ数(巻線密度)を増やすことができる。
一般的に、磁場シフト用電磁石140により生成される絶対的な磁場シフトが大きいほど、デルタ緩和拡張MR信号についてのコントラスト対ノイズ比が大きくなると共に、DREMRシステム100によって実行されるパルスシーケンスにおける柔軟性が高まる。それ故、所与の電力入力により、磁場シフト用電磁石140の磁場シフト効率を向上させることにより、最大限の磁場シフトを作り出し得ることは、DREMRシステム100の実装を行う上で、非常に望ましいことであり得る。典型的には、効率をより高めるためには、一次磁場シフト用コイルは、撮像する物体に可能な限り近くに配置されてよく、磁場シフト用遮蔽コイルは、一次磁場シフト用コイルから可能な限り遠くに配置されてよい。この原則は、典型的には、遮蔽付き傾斜磁場コイル120の効率にも当てはまる。一部の実施形態では、所望される磁場シフトの大きさを達成するために、傾斜磁場コイルの効率より、磁場シフト効率の向上を優先してもよい。
傾斜磁場コイル120と同一の機械的アセンブリ内に磁場シフト用電磁石140を組み合わせることにより、所与の径方向空間内の磁場シフト効率を向上させることができる。一部の実施形態では、傾斜磁場コイル120の一次コイル及び遮蔽コイルを、磁場シフト用電磁石140の一次コイル及び遮蔽コイルと組み合わせ、磁場シフト効率を最適化する層構造を備える単一の一体型磁石装置を形成してもよい。
一体型磁石装置600の例示的な円筒型の実施形態の断面を、説明のために単純化して図6に示す。図6に示す各要素は、一定の縮尺に合わせてあるわけではない。この例の一体型磁石装置は、円筒形であり、この円筒形の長さ方向は、図の平面に垂直な平面上に延びている。他の実施形態においては、層の順番が保たれる限りは、他の形状をとっていてもよい。更なる変更形態では、この順番を変更してもよい。この例の一体型磁石装置600は、撮像ボリューム650を取り囲んでいてもよく、また、一次磁場シフト用磁石605、一次傾斜磁石610、傾斜遮蔽磁石615、及び磁場シフト用遮蔽磁石620を含んでいてもよい。本一体型装置は、625で示す磁石110のボア内に示されている。更に、撮像ボリューム650内には、RFコイル130、及び他の磁石又はコイル(シムコイルなど)も、配置され得る。なお、典型的には、一次磁場シフト用磁石605及び磁場シフト用遮蔽磁石620を使用して、Z軸に沿った磁場シフト用磁場を作り出すことができ、これにより、所定量dBだけ静磁場を増大できる点に留意すべきである。図6において、Z軸は、図の平面に対して垂直である。したがって、一次磁場シフト用磁石605及び磁場シフト用遮蔽磁石620は、Z軸に沿って磁場シフト用磁場を作り出すための適切な巻線を含んでいてもよい。一方で、傾斜一次磁石610及び傾斜遮蔽磁石615は、直行する3軸(図の平面上にあるX軸とY軸、そして、Z軸)全てに沿って変化する磁場を作り出すことができ、それ故、これらの方向に沿った傾斜磁場を生成し、遮蔽するために適切な巻線を含むことができる。
図6において示されている層配置に基づき、磁場シフト用電磁石140の一次磁石605は、スキャンされる物体に対して可能な限り近くに配置することができ、一方で、磁場シフト用遮蔽磁石620を、磁場シフト用電磁石140の一次磁石605から遠く離して配置することができ、これにより、磁場シフト効率を高める。更に、傾斜磁場コイル120を、磁場シフト用電磁石140の一次磁場シフト用磁石605と磁場シフト用遮蔽磁石620との間に配置することによって、磁場シフト効率を傾斜磁場効率よりも優先させる。例えば、磁場シフト用電磁石140の効率を高めるために、又は磁場シフト用遮蔽磁石の一部として、磁場シフト用電磁石の最も内側の一次電磁石層605と最も外側の遮蔽電磁石層620との間に、追加的な磁場シフト用電磁石140の層を挿入してもよい。なお、この層配置は、小動物と人間の両方に使用するための規模のDREMRシステム100など、異なる大きさのDREMRシステム100にも適用可能であることに留意されたい。
傾斜磁場コイル120及び磁場シフト用磁石140のための熱出力の放出は、能動的冷却及び受動的冷却によって管理し得る。熱の抽出は、冷却剤を通過させるための中空のチャネルを有する伝導体を用いて直接的に行ってもよいし、冷却剤が巻線と熱接触するような様式で、又は、電磁石によって抵抗性出力が放出させられるのと同一の平均速度にて、熱エネルギーを抽出可能な任意の他の方法によって、磁石又はコイルアセンブリに冷却剤を通過させて、間接的に行ってもよい。冷却層を複数のコイル要素と熱接触させると、効率を上げることができる。同一の冷却層を用いて、傾斜磁場コイル及びそれらの遮蔽、並びに磁場シフト用一次コイル及び遮蔽コイルを冷却することで、利用可能な径方向空間をより良好に使用できる。
A−Aに沿った、図6において示す層配置による、例示的な一体型磁石装置600の断面の単純化した例示である、図7を参照する。なお、図示されている各要素は、縮尺が統一されておらず、図示しやすい大きさとなっていることに留意されたい。上述したように、例示的な一体型磁石装置は、遮蔽付き磁場シフト用電磁石140と、遮蔽付き傾斜磁場コイル120と、受動的冷却部及び能動的冷却部と、を含む。650は、内部にスキャンを行う物体が配置される撮像ボリュームを示す。更に、この空間内には、RFコイル130、及び他のコイル(シムコイルなど)も、配置されてよい。一方で、625は、内部に一体型磁石装置が配置された主磁石110のボアを示す。
図7を続いて参照すると、705において基材層が示されている。基材層は、磁場シフト用電磁石140のための機械的支持を付与することができる、任意の剛性又は半剛性材料で形成し得る。例えば、基材705は、G10、FR4、又はエポキシから形成されていてよい。710において、磁場シフト用電磁石140の一次磁場シフト用磁石を示す。一次磁場シフト用磁石710は、基材705の上、及び/又は基材705の中に配置されていてよく、作動すると磁場シフト用磁場を作り出す磁石を形成する。一次磁場シフト用磁石710は、銅などの磁場生成に適した導電性材料から作製された巻線により形成されていてよい。用いられる導電性材料は、巻線内での、並びに、近くにある他の導電性要素との短絡を防ぐため、通常は絶縁される。
熱伝導性副層715a及び715c、並びに冷却剤副層715bは、第1の冷却層715を形成する。熱伝導性副層715a及び715cは、銅、アルミニウム、鋼(典型的には、絶縁していないもの)、又は熱伝導性エポキシなどの任意の熱伝導性材料から形成されていてよい。冷却剤副層715bは、以下で更に詳しく述べるように、水若しくはグリコール混合物などの液体状、又は空気などの気体状の冷却剤を、一次磁場シフト用巻線710、及び傾斜磁場コイル120の一次巻線の周りに循環させることを可能とする、任意の機構で構成されていてよい。例えば、一次磁場シフト用磁石710の長さ方向に延びる細い冷却剤管を数百本用いて、液体冷却剤を循環させることができる。一変更形態では、冷却剤管は、一次磁場シフト用磁石710の周囲に延びていてもよい。典型的には、冷却剤層715bにおいて冷却剤を分配するために使用する冷却剤機構は、導電性のものではない。例えば、冷却剤管は、非導電性材料から構築されていてもよいし、絶縁性材料を適用することにより、非導電性としてもよい。なお、各冷却層を複数のコイル層を冷却するために用いることにより、径方向空間を節約できることに留意されたい。
例示的な一体型磁石装置の次の3つの層725a、725b、及び725cは、それぞれX、Z、及びY方向に沿って傾斜を作り出すための、傾斜磁場コイル120用一次磁石を含む。傾斜磁場コイル120の直交する各部分の配置の順番は、限定的なものではなく、様々であってよい。例えば、変更形態では、Z軸に沿った傾斜を作り出すための一次傾斜磁石は、725aに置かれていてよく、Y軸に沿った傾斜を作り出すための磁石は、725bに置かれていてよく、X軸に沿った傾斜を作り出すための磁石は、725cに置かれていてよい。磁石は、銅などの磁場生成に適した導電性材料から作製され得る巻線により形成されていてよい。用いられる導電性材料は、巻線内での、並びに、近くにある他の導電性要素との短絡を防ぐため、通常は絶縁される。傾斜磁場コイル120の一次磁石は、典型的には、エポキシなどの熱伝導性基材の中、及び/又はその上に配置される。変更形態では、一次磁石のうちの1つ又は2つ以上は、これらの層の機械的安定性を向上させるために、剛性若しくは半剛性基材の中、及び/又はその上に配置されてもよい。例えば、一部の変更形態では、ポッティングエポキシを使用して、傾斜磁場コイル120の一次巻線の間、及びその周りの全ての空隙を埋め、機械的に安定な構造を形成してもよい。エポキシ基材は、一次傾斜磁場巻線から冷却剤層へ熱を効率的に輸送するために熱伝導性のものとすべきである。一部の実施形態では、3つの層に対する基材のうち少なくとも1つは、熱伝導性ではなく、G10、及びFR4などの材料で形成されていてもよい。この例では、層725bは、非熱伝導性基材から形成される。
図7を続いて参照すると、熱伝導性副層730a及び730c、並びに冷却剤副層730bは、第2の冷却層730を形成する。熱伝導性副層730a及び730cは、銅、アルミニウム、鋼、又はエポキシなどの任意の熱伝導性材料で形成されていてよい。冷却剤副層730bは、以下で更に詳しく述べるように、水などの液体状、又は空気などの気体状の冷却剤を、傾斜磁場コイル120の一次巻線、及び帰還層740の周りに循環させることを可能とする、任意の機構で構成されていてよい。例えば、一次傾斜磁場コイル120の長さ方向に延びる細い冷却剤管を数百本用いて、液体冷却剤を循環させることができる。一変更形態では、冷却剤管は、一次傾斜磁場コイル120及び/又はその要素である磁石の周囲に延びていてもよい。典型的には、冷却剤副層730bにおいて冷却剤を分配するために使用する冷却剤機構は、導電性のものではない。例えば、冷却剤管は、非導電性材料から構築されていてもよいし、絶縁性材料を適用することにより、非導電性としてもよい。冷却剤の流れの方向は、冷却剤層715の方向と異なっていてもよい。なお、各冷却層を複数の磁石又はコイル層を冷却するために用いることにより、径方向空間を節約できることに留意されたい。
740において、帰還線及び/又は帰還冷却ライン用の層が示されている。帰還線により、コイルシステムにおいて、磁場シフト用コイル140及び傾斜磁場コイル120からそれぞれの電力源への出力電流が、入力電流と同じ側にあるようにすることが可能となる。これらの電線は、スキャンに使用する磁場の生成に能動的に関与するわけではない。これらの電線は、典型的には、ポッティングエポキシなどの熱伝導性基材内に、かつ/又は、そのような熱伝導性基材上に埋め込まれる。帰還冷却ラインにより、このコイルシステムにおいて、冷却システムの出口が冷却システムの入り口と同一の側にあるようにすることが可能となる。一部の実施形態では、帰還線、及び/又は帰還冷却ラインは、層740により提供される空間を通過しないように配置されてよい。このような変更形態では、帰還線及び/又は帰還冷却ラインは、一体型磁石装置の他の層の中に、又は、一体型磁石装置の外側に配置されてもよい。
例示的な一体型磁石装置の次の3つの層750a、750b、及び750cは、それぞれX、Z、及びY軸に沿って遮蔽を作り出すための、傾斜磁場コイル120用遮蔽磁石を含む。傾斜磁場コイル120の指向性部分の配置の順番は、限定的なものではなく、様々であってよい。例えば、変更形態では、Z軸に沿った遮蔽を作り出すための遮蔽巻線は、750aに置かれていてよく、Y軸に沿った遮蔽を作り出すための巻線は、750bに置かれていてよく、X軸に沿った遮蔽を作り出すための巻線は、750cに置かれていてよい。典型的には、この順番は、層725aから725cにおける傾斜磁場コイル120の一次磁石の順番に合わせてよい。傾斜磁場コイル120のための遮蔽磁石は、銅などの磁場生成に適した導電性材料から作製された巻線により形成されていてよい。用いられる導電性材料は、巻線内での、並びに、近くにある他の導電性要素との短絡を防ぐため、通常は絶縁される。傾斜磁場コイル120の遮蔽磁石は、典型的には、エポキシなどの熱伝導性基材の中、及び/又はその上に配置される。変更形態では、一次巻線のうちの1つ又は2つ以上は、これらの層の機械的安定性を向上させるために、剛性若しくは半剛性基材の中、及び/又はその上に配置されてもよい。一部の実施形態では、3つの層に対する基材のうち少なくとも1つは、熱伝導性ではなく、G10、FR4、又はエポキシなどの材料で形成されていてもよい。この例では、層750bは、非熱伝導性基材から形成される。
図7を続いて参照すると、熱伝導性副層760a及び760c、並びに冷却剤副層760bは、第3の冷却層760を形成する。熱伝導性副層760a及び760cは、銅、アルミニウム、鋼、又はエポキシなどの任意の熱伝導性材料で形成されていてよい。冷却剤副層760bは、水若しくはグリコール混合物などの液体状、又は空気などの気体状の冷却剤を、傾斜磁場コイル120の遮蔽磁石、及び磁場シフト用電磁石140の遮蔽磁石の層770の周りに循環させることを可能とする、任意の機構で構成されていてよい。例えば、傾斜磁場コイル120の遮蔽磁石の長さ方向に延びる細い冷却剤管を数百本用いて、液体冷却剤を循環させることができる。一変更形態では、冷却剤管は、一次傾斜磁場コイル120の周囲に延びていてもよい。典型的には、冷却剤副層760bにおいて冷却剤を分配するために使用する冷却剤機構は、導電性のものではない。例えば、冷却剤管は、非導電性材料から構築されていてもよいし、絶縁性材料を適用することにより、非導電性としてもよい。冷却剤の流れの方向は、冷却剤層715及び/又は730の方向と異なっていてもよい。なお、各冷却層を複数のコイル層を冷却するために用いることにより、径方向空間を節約できることに留意されたい。
磁場シフト用電磁石140の遮蔽磁石を770において示す。遮蔽磁石層760は、G10、FR4、又はエポキシなどの基材の中に、かつ/又はそのような基材の上に配置されていてもよく、動作時に磁場シフト用磁場に対する遮蔽を生成する電磁石を形成し得る。磁場シフト用遮蔽巻線は、銅などの磁場生成に適した導電性材料から作製されていてよい。用いられる導電性材料は、巻線内での、並びに、近くにある他の導電性要素との短絡を防ぐため、通常は絶縁される。
変更形態では、一体型磁石装置の1つ又は2つ以上の層を、省略及び/若しくは変更してもよいし、更に/又は、追加的な層を加えてもよい。例えば、これら3つの冷却層は、実質的に同一の構成要素を有する、実質的に同一の冷却機構から形成されるものとして示されているが、変更形態では、これら3つの冷却層715、730、及び/又は760のうちの1つ又は2つ以上を使用して、互いに異なる冷却機構、副層、及び/又は構成要素を用いてもよい。更なる例として、一部の実施形態では、冷却層に加えて、又はその代わりに、人間サイズの用途など、より大型のDREMRシステム100により適した他の冷却方法を用いてもよい。例えば、一部の実施形態では、磁場シフト用電磁石140及び/又は傾斜磁場コイル120(遮蔽巻線を含む)の実装において、中空の冷却剤輸送導体を使用することもでき、その中空導体を通して冷却流体を循環させてもよい。更なる例として、磁場シフト用電磁石導体、傾斜磁場コイル導体、又は他の電磁石導体の更なる層をアセンブリ内に挿入してもよい。一部の変更形態では、磁石が配置される基材は、電磁石の一部のための電線を保持するように、磁石の周囲に間隔を開ける、ホールドオフであってもよい。更なる変更形態では、このホールドオフは、3Dプリンタを用いて印刷されたものであってもよい。
一体型磁石装置600は、広範な形状及びサイズのDREMRシステム100のために使用できる。例えば、DREMRシステム100は、人間サイズの撮像用途(脳のスキャンのための脳撮像用途など)、又は小動物のスキャン用途を可能とするための適切なサイズ及び形状の一体型磁石装置を用いて構築されてよい。一部の実施形態では、磁場シフト用電磁石140、及び傾斜磁場コイル120のための遮蔽磁石を含む、一体型磁石装置600内での、巻線の相対的な径方向位置、又は順番は、DREMRシステム100のサイズに関わらず同一のままであってもよい。
一体型磁石装置を用いて、より大型のサイズのDREMRシステムを構築する他の実施形態では、冷却方法及び冷却機構は、変更されてもよい。例えば、電磁石の巻線について中空導体を用いて、冷却流を、より熱源の近くに配置することもできる。したがって、一体型磁石装置の冷却剤層の代わりに、又はそれに加えて、冷却流体(液体又はガス)を、磁石を形成する巻線の中空導体を通して流し得る。例えば、中空導体を、一体型磁石装置の半径の周りにループ、渦巻き、螺旋状に走らせて、傾斜磁場コイル120の縦方向(z軸)傾斜電磁石を実装してもよく、また、横方向(x軸又はy軸)傾斜電線パターンは、冷却流を収容するz層と熱接触させて配置してもよい。同一の方法を磁場シフト用電磁石140の巻線を冷却するために利用してもよく、それらは、一体型磁石装置の半径の周りにループ、渦巻き、螺旋状に走っている点において、z−傾斜巻線に類似していてよい。一変更形態では、横(x軸又はy軸)傾斜電磁石も、中空導体で形成されていてよく、冷却流体(液体又はガス)をその中空導体に通し得るものであり得る。
DREMRシステム100の意図された用途に基づき、磁場シフト用電磁石140、及び傾斜磁場コイル120の巻線の実装に用いるパターンは、様々であってよい。例えば、(脳のスキャン用途などの)人間サイズのDREMRシステム100において使用する一体型磁石装置の実装では、小動物のスキャン用途のものとは異なる巻線パターンを使用して、磁場シフト用電磁石140及び傾斜磁場コイル120を実装してもよい。一体型磁石装置での磁場シフト用電磁石140及び傾斜磁場コイル120(遮蔽巻線を含む)の実装に用いる巻線の相対的な径方向順序は、同一のままであってもよい。しかしながら、脳のスキャン用のDREMRシステム100では、形状的な制限により、磁石の中心に頭部を配置することができない場合があるため、磁場シフト用電磁石140及び傾斜磁場コイル120の巻線パターンは、縦方向z軸に沿って対称ではなくてもよい。対照的に、小動物撮像用のDREMRシステム100のための磁場シフト用電磁石140及び傾斜磁場コイル120に対する巻線パターンは、撮像領域をコイルの中心に置くことができることから、縦方向に対称であってもよい。
上述した実施形態は、例示であることを意図しており、本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ定義される範囲から逸脱することなく、当業者により、変形及び改変がこれらになされてもよい。例えば、検討された方法、システム、及び実施形態を、完全に又は部分的に、変形及び組み合わせることができる。

Claims (18)

  1. 核磁気共鳴画像法(MRI)システムにおいて使用するための一体型磁石装置であって、
    一次磁場シフト用磁石及び磁場シフト用遮蔽磁石を含む磁場シフト用電磁石であって、前記一次磁場シフト用磁石は、前記磁場シフト用遮蔽磁石よりも撮像ボリュームの近くに配置される、磁場シフト用電磁石と、
    前記一次磁場シフト用磁石と前記磁場シフト用遮蔽磁石との間に配置される傾斜磁場コイルと、
    前記磁場シフト用電磁石、及び前記傾斜磁場コイルに対する機械的支持を提供する、少なくとも1つの基材層と、
    少なくとも1つの冷却機構と、を含む、装置。
  2. 前記冷却機構は、部分的には、冷却剤を受容する中空導体から、前記傾斜磁場コイル、前記一次磁場シフト用磁石、及び前記磁場シフト用遮蔽磁石のうちの少なくとも1つを形成することを含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記冷却機構は、
    前記傾斜磁場コイル、前記一次磁場シフト用磁石、及び前記磁場シフト用遮蔽磁石のうちの少なくとも1つに隣接して配置される冷却剤層を含む、請求項1に記載の装置。
  4. 前記冷却剤層は、
    冷却剤副層と、
    前記冷却剤副層と、前記傾斜磁場コイル、前記一次磁場シフト用磁石、及び前記磁場シフト用遮蔽磁石のうちのいずれかとの間に配置される、少なくとも1つの熱伝導性副層と、を更に含む、請求項3に記載の装置。
  5. 前記冷却剤副層は、冷却剤の循環を可能とする機構を含む、請求項4に記載の装置。
  6. 前記傾斜磁場コイルは、
    一次傾斜磁石と遮蔽傾斜磁石を更に含み、前記一次傾斜磁石は、撮像する物体のより近くに配置される、請求項1に記載の装置。
  7. 前記装置は、円筒状であり、前記円筒の内側は、撮像ボリュームを形成し、前記傾斜磁場コイル、前記一次磁場シフト用磁石、及び前記磁場シフト用遮蔽磁石は、前記円筒の長さ方向に沿って延びる前記円筒の円形層を形成する、請求項1に記載の装置。
  8. 前記一次磁場シフト用磁石は、内層を形成し、前記磁場シフト用遮蔽磁石は、外層を形成し、前記傾斜磁場コイルは、少なくとも1つの中間層を形成する、請求項7に記載の装置。
  9. 前記内層、中間層、及び外層はそれぞれ、冷却剤層で分離されている、請求項8に記載の装置。
  10. デルタ緩和核磁気共鳴画像法(DREMR)システムであって、
    撮像ボリュームにおいて、静磁場を生成する主磁石と、
    前記主磁石のボア内に配置される一体型磁石装置と、を含み、前記一体型磁石装置は、
    一次磁場シフト用磁石及び磁場シフト用遮蔽磁石を含む磁場シフト用電磁石であって、前記一次磁場シフト用磁石は、前記磁場シフト用遮蔽磁石よりも撮像ボリュームの近くに配置される、磁場シフト用電磁石と、
    前記一次磁場シフト用磁石と前記磁場シフト用遮蔽磁石との間に配置される傾斜磁場コイルと、
    前記磁場シフト用電磁石、及び前記傾斜磁場コイルに対する機械的支持を提供する、少なくとも1つの基材層と、
    少なくとも1つの冷却機構と、を含む、DREMRシステム。
  11. 前記冷却機構は、部分的には、冷却剤を受容する中空導体から、前記傾斜磁場コイル、前記一次磁場シフト用磁石、及び前記磁場シフト用遮蔽磁石のうちの少なくとも1つを形成することを含む、請求項10に記載のDREMRシステム。
  12. 前記冷却機構は、
    前記傾斜磁場コイル、前記一次磁場シフト用磁石、及び前記磁場シフト用遮蔽磁石のうちの少なくとも1つに隣接して配置される冷却剤層を含む、請求項10に記載のDREMRシステム。
  13. 前記冷却剤層は、
    冷却剤副層と、
    前記冷却剤副層と、前記傾斜磁場コイル、前記一次磁場シフト用磁石、及び前記磁場シフト用遮蔽磁石のうちのいずれかとの間に配置される、少なくとも1つの熱伝導性副層と、を更に含む、請求項12に記載のDREMRシステム。
  14. 前記冷却剤副層は、冷却剤の循環を可能とする機構を含む、請求項13に記載のDREMRシステム。
  15. 前記傾斜磁場コイルは、
    一次傾斜磁石と遮蔽傾斜磁石を更に含み、前記一次傾斜磁石は、撮像する物体のより近くに配置される、請求項10に記載のDREMRシステム。
  16. 前記一体型磁石装置は、円筒状であり、前記円筒の内側は、撮像ボリュームを形成し、前記傾斜磁場コイル、前記一次磁場シフト用磁石、及び前記磁場シフト用遮蔽磁石は、前記円筒の長さ方向に沿って延びる前記円筒の円形層を形成する、請求項10に記載のDREMRシステム。
  17. 前記一次磁場シフト用磁石は、内層を形成し、前記磁場シフト用遮蔽磁石は、外層を形成し、前記傾斜磁場コイルは、少なくとも1つの中間層を形成する、請求項16に記載のDREMRシステム。
  18. 前記内層、中間層、及び外層はそれぞれ、冷却剤層で分離されている、請求項17に記載のDREMRシステム。
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