JP2018504233A - 皮膚疾患及び他の適応症のための標的化uvb光線療法のためのシステム及び方法 - Google Patents

皮膚疾患及び他の適応症のための標的化uvb光線療法のためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、皮膚疾患及び他の適応症のための標的化UVB光線療法のためのシステム及び方法を対象とする。一実施形態では、光線療法システムは、光を放射するように構成された放射線源を含むことができる。放射線源によって放射される光の少なくとも75%が、298nm〜307nmの帯域幅を有する波長を有することができる。本光線療法システムはまた、放射線源に動作可能に接続され、光線療法セッションのための線量を決定するように構成されたコントローラを含むことができる。線量は、放射線源の強度と放射線源の露光時間との積に対応することができ、1未満の最小紅斑線量(MED)を上限とすることができる。光線療法の線量の送達が、ユーザの皮膚におけるカルシトリオール及びビタミンD3の産生を刺激し得、皮膚疾患を治療するための免疫応答を提供することができる。【選択図】図16

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年2月5日に出願された米国仮特許出願第62/112,248号及び2015年7月28日に出願された米国仮特許出願第62/198,070号に対する優先権を主張し、これらの出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本技術は、光線療法、より詳細には、皮膚疾患及び他の適応症を治療するためのUVB光線療法に関する。
最も一般的な皮膚疾患のいくつかとして、乾癬、アトピー性皮膚炎(湿疹)、及び白斑が含まれ、それぞれ一般的な成人集団の3%、2%、及び1%に影響を及ぼしている。乾癬は、典型的にかゆみを伴う赤く鱗状の斑点及びまだらを特徴とする、慢性の再発/寛解自己免疫性皮膚疾患である。乾癬に見られる皮膚病変は、わずかな局部的斑点から完全に身体を被覆するまで重症度が異なることがある。アトピー性皮膚炎は、湿疹としても知られており、炎症性、再発性、及び非伝染性の皮膚疾患である。遺伝的及び環境的アレルゲン曝露の両方が、この状態の発症の原因となり得る。湿疹を有する人には、しばしば体全体に広がる痒く赤い、乾いて滲出性の、鱗状の皮膚斑点がある。湿疹及び乾癬の両方は、様々な皮膚細胞からの過活動免疫応答に起因するため、1925年以降、UV光露光の免疫抑制効果がこれらの状態に有用ではないかと考えられている。
免疫系機能不全に関連するいくつかの他の皮膚疾患がある。白斑は、メラノサイト(皮膚色素細胞)が死んだ場合または機能できない場合に、皮膚の不均一脱色素化を引き起こす自己免疫状態である。慢性じんま疹(chronic urticaria)(一般にじんま疹(hives)として知られている)は、灼熱感や刺すような感覚を引き起こす淡く赤い、隆起した、かゆみのあるこぶが顕著な皮膚発疹である。慢性じんま疹の30〜40%が本質的に自己免疫性であることはよく認識されている。扁平苔癬は、慢性の炎症性自己免疫疾患であり、皮膚がかゆみを伴う多角形で頂部が平らな紫色の丘疹及びまだらに冒される。皮膚T細胞リンパ腫は、T細胞の変異によって引き起こされる免疫系の癌の一種である。類乾癬は、皮膚T細胞リンパ腫の初期段階と考えられ、乾癬(赤い鱗状病変)に似た症状を有する皮膚疾患である。苔癬状ひこう疹は、赤く炎症性で鱗状の丘疹群によって特徴付けられる皮膚状態であり、何カ月も続く場合があり、抗原トリガーに対する異常な免疫応答によって引き起こされる可能性が高い。バラ色ひこう疹は、細胞性免疫と関連していると考えられている皮膚の急性炎症性疾患であり、胴体、腕、及び脚の鱗状ピンク病変を特徴とする。掻痒症(痒みのある皮膚)は、生活の質に重大な悪影響を及ぼす末期腎疾患患者の共通の症状である。
乾癬及びアトピー性皮膚炎(湿疹)などの皮膚疾患は、光線療法で治療されている。多くの皮膚疾患は皮膚免疫系の機能不全によって引き起こされると考えられているため、このような状態への光線療法の有効性は、紫外線光の局所及び全身免疫系の両方の影響に起因するとされてきた。光線療法は、単独で、またはより効果的な結果を提供することが期待される局所カルシトリオール軟膏と共に使用される。特定の波長のUV光に露光されると、皮膚はカルシトリオールを内因的に産生する。しかしながら、免疫系への影響及び皮膚カルシトリオール産生の効率は、波長依存性が高い。
本技術の多くの態様は、以下の図面を参照することにより、より良く理解することができる。図面の構成要素は、必ずしも原寸に比例しない。むしろ、本技術の原理を明確に示すことに重点が置かれている。
様々なタイプのUV放射デバイスの光線療法放射スペクトルを示すグラフである。 乾癬光線療法作用スペクトルを示すグラフである。 接触過敏症作用スペクトルを示すグラフである。 シス−ウロカニン酸作用スペクトルを示すグラフである。 生体内チミン二量体作用スペクトルを示すグラフである。 生体内腫瘍壊死因子アルファ作用スペクトルを示すグラフである。 乾癬光線療法の作用スペクトルと免疫応答作用スペクトルを示すグラフである。 本技術の実施形態に従って構成された免疫応答光線療法作用スペクトルを示すグラフである。 プレビタミンD3作用スペクトルを示すグラフである。 プレビタミンD3作用スペクトル及びビタミンD3作用スペクトルを示すグラフである。 様々なタイプのUV放射デバイスの光線療法放射スペクトルとビタミンD3作用スペクトルを示すグラフである。 カルシトリオール作用スペクトルを示すグラフである。 紅斑作用スペクトルを示すグラフである。 UVB光線療法放射スペクトル、図8の免疫応答光線療法作用スペクトル、及び図13の紅斑作用スペクトルを示すグラフである。 ビタミンD/カルシトリオール作用スペクトル及び図8の免疫応答光線療法作用スペクトルを示すグラフである。 本技術の実施形態に従って構成された組み合わせ光線療法作用スペクトルを示すグラフである。 皮膚のタイプ、最小紅斑線量(MED)、標準紅斑線量(SED)、及び紅斑有効放射露光量(EERE)の関係を示す表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 異なるスペクトル放射照度を有する集束UV光線療法デバイスの光線療法セッションの皮膚タイプ依存パラメータを示す線量表である。 本技術の一実施形態に従って構成された集束UV放射のための高エネルギー光線療法装置またはシステムの等角図である。 本技術の別の実施形態に従って構成された集束UV放射のための低エネルギー光線療法装置またはシステムの等角図である。 本技術のいくつかの実装が動作し得るデバイスの概要を示すブロック図である。 本技術のいくつかの実装が動作し得る環境の概要を示すブロック図である。
本技術は、特定の波長の集束UVを提供する光線療法デバイス、システム、及び方法を対象とし、全UV露光を減少させることと同様に、免疫系の影響及びカルシトリオール産生の両方を増加または最大化することが期待されている。そのようなシステム及び方法は、追加のカルシトリオール軟膏の適用を必要とすることなく、組み合わせ光線療法の有効性を改善することができる。実施形態の多くは、乾癬を治療し、皮膚におけるビタミンDの産生を促進するためのシステム、デバイス、及び方法に関して以下に記載されるが、本明細書に記載したものに加えて、他の適用(例えば、他の皮膚疾患及び/または自己免疫疾患の光線療法治療)及び他の実施形態は、本技術の範囲内である。更に、本技術のいくつかの他の実施形態は、本明細書に記載されたものとは異なる構造、構成要素、または手順を有することができる。したがって、当業者であれば、本技術が追加の要素を有する他の実施形態を有することができること、または図を参照して以下に示され説明されるいくつかの特徴を持たない他の実施形態を有することができることを理解するであろう。
I.光線療法治療
光線療法は、これらの中等度から重度の皮膚疾患の全てに対して、最も効果的かつ一般的な治療選択肢の1つである。光線療法は広範な乾癬の第一選択の療法であると考えられており、治療は通常少なくとも3ヶ月間週3回の露光からなる。この治療の有効性に寄与するいくつかの局所及び全身の免疫調節生物学的機構が存在する。光線療法は、機能不全の過活動免疫応答を抑制するために、乾癬の病変内及び全身の両方で、ヘルパーT細胞由来サイトカインプロファイルを変更することが示されている。研究により、ケラチノサイトアポトーシス及びTリンパ球の枯渇が、病変の消失の原因となる局所免疫抑制を引き起こすことが示されている。光線療法は、局所免疫抑制を引き起こすケラチノサイトアポトーシスに対応して、ランゲルハンス細胞(皮膚の抗原提示免疫細胞)の数を抑制し減少させることが示されている。全身UVA及び/またはUVB照射は、全身免疫抑制につながり、免疫機能回復のための有効なツールであると期待される、シス−ウロカニン酸及びDNAピリミジン二量体の産生を引き起こす。紫外線光線療法は、乾癬、アトピー性皮膚炎、白斑、慢性じんま疹、扁平苔癬、皮膚T細胞リンパ腫、苔癬状ひこう疹、類乾癬、バラ色ひこう疹、掻痒症、脂漏性皮膚炎、及び光線痒疹を含む様々な皮膚疾患を治療するために使用されてきた。
II.光線療法源
様々な波長での紫外線露光は、皮膚疾患に有益な影響を及ぼすことが分かっている。日光露光そのものが、これらの状態に利益をもたらす局所及び全身免疫抑制の両方を生じさせることが示されている。多くの光線療法デバイスは、広帯域UVB(280nm〜320nm)、狭帯域UVB(311nm〜313nm)、エキシマレーザ(308nm)、UVA(340nm〜400nm)、及びソラレンを用いるUVA(PUVA)、を含む様々な波長の組み合わせを使用して紫外放射線の制御された送達を提供している。それぞれの技術は異なるUV光のスペクトルを提供するが、全て同じ免疫抑制原則で動作する。広帯域UVB(BB−UVB)は、局所及び全身免疫抑制の両方を誘発することが期待されている。狭帯域UVB(NB−UVB)もまた、局所及び全身免疫抑制を誘発すると期待されている。PUVA治療は、ソラレンを光増感剤として使用し、続いてUVA露光を行い、局所及び全身免疫抑制を引き起こす。
UVA、NB−UVB、及びエキシマレーザを用いた光線療法もまた、局所免疫抑制による可能性がある白斑を効果的に治療するために使用されてきた。研究は、NB−UVBがUVAより有効であり、エキシマレーザが白斑の影響を受けたメラニン細胞の再色素沈着を刺激する上でNB−UVBより有効であることを示し、短波長UVBに対する選好を示している。以下で更に詳細に論じるように、UVB放射の選好は、いくつかの免疫抑制作用スペクトルと一致する。エキシマランプ、UVAデバイス、広帯域UVBデバイス、及び狭帯域UVBデバイス用の光線療法技術のスペクトル解析を図1に示す。図33及び図34を参照して以下に更に詳細に説明するように、これらの光線療法用放射線源は、光線療法用デバイス及びシステムに組み込むことができる。
III.免疫応答作用スペクトル
紫外線光の全ての波長が皮膚疾患を治療するのに同じ効力を有するわけではない。相対的な波長効力(すなわち、作用スペクトル)は、光線療法有効性のいくつかの指標について判定されている。例えば、乾癬の光線療法の生体内作用スペクトルを図2に示す。
免疫応答の原因であると考えられる生物学的機構の種々の尺度に対する作用スペクトルも、皮膚疾患の治療に有効であることが示されている。接触過敏症の全身抑制誘導における生体内作用スペクトル(全身免疫変化の尺度)を図3に示す。
シス−ウロカニン酸は日光で誘発される全身免疫抑制因子であり、皮膚科学的皮膚疾患にも影響を及ぼすことが期待されている。ヒト皮膚におけるシス−ウロカニン酸産生の作用スペクトルを図4に示し、290nm〜310nmのUVBスペクトル域にピークを示す。
紫外線光は、ピリミジン二量体と(6−4)光産物の形で、直接DNA損傷を引き起こし、ケラチノサイトのアポトーシスを誘発する。これは、乾癬に有効であり得る局所及び全身免疫抑制に加えて、抗酸化DNA修復酵素を活性化する。DNA中のチミン二量体及び(6−4)光産物の形成の生体外作用スペクトルは、260nm付近にピークを示す。しかしながら、表皮チミン二量体形成の生体作用スペクトルは、全ての皮膚層に対して300nmにピークを示す。より長いピーク波長は、300nmより短いUV波長の表皮透過の有意な減少によって引き起こされると考えられている。図5は、研究で試験した全ての皮膚層の二量体形成に基づく平均生体内チミン二量体作用スペクトルを示す。
腫瘍壊死因子アルファは、抗炎症反応に有利なUV露光後の皮膚に見られるサイトカインプロファイル変化の重要な開始剤であることが判明している。腫瘍壊死因子アルファの生体内産生のための作用スペクトルを図6に示す。
図7に示すように、乾癬に特有の光線療法のための作用スペクトルは、全ての作用スペクトルが300nmまたはそれに近いピークを有するという点で、光線療法有効性の原因となる生物学的機構の他の作用スペクトルに非常に類似している。
乾癬治療の表現ならびに全身及び局所免疫応答のための複数の確立された作用スペクトルを単純化するために、図8は、皮膚疾患の免疫応答治療のための単一作用スペクトルを示す。この単一作用スペクトルは、放射照度の各波長における乾癬治療、接触過敏症の抑制、シス−ウロカニン酸産生、全皮膚層チミン二量体形成、及び腫瘍壊死因子アルファ産生の平均有効性を表す。得られた組み合わせ作用スペクトルは、光線療法治療あたりの総放射照度を最小にして、免疫媒介皮膚疾患を治療するために必要な局所及び全身免疫応答を誘発するのに最も有効な光の波長を示す。
ビタミンD
近年、ビタミンDはカテリシジン発現の主要な調節物質として識別されている。カテリシジンは、皮膚に見られる抗菌ペプチドであり、自然及び適応免疫の両方に影響を与える。機能不全カテリシジン発現は、アトピー性皮膚炎及び乾癬のような皮膚疾患において観察されている。更に、25−ヒドロキシビタミンD欠損は、乾癬、アトピー性皮膚炎、及び白斑などの特定の皮膚疾患と関連している。皮膚疾患患者の25−ヒドロキシビタミンD欠損の補正は、既存のUVB光線療法デバイスの有効性の一因となると期待されている。例えば、高用量のビタミンDが乾癬及び白斑の有効な治療であることが研究によって示されている。
皮膚ビタミンDの産生
ヒトの皮膚がUVB光(280nm〜315nm)に露光されると、7−デヒドロコレステロール(7−DHC)がプレビタミンD(産生を調節する2つの他の生物学的に不活性な光産物と同様に)に変換される。プレビタミンDは、皮膚内でビタミンDに変換され、数日間経過すると血流に移される。これらの内部制御は、2週間以上持続する、肝臓へのビタミンDの意図的に調節された、緩徐で一定の細流をもたらす。肝臓に到達した後、ビタミンDは、活性プロステロイドホルモンカルシトリオールになるために、2つの代謝変換(肝臓における25−ヒドロキシル化、次いで腎臓における1アルファヒドロキシル化)を必要とする。図9は、ヒト皮膚における7−DHCのプレビタミンDへの変換のための単色UV作用スペクトルを示す。グラフに示すように、ピーク合成は297〜298nmで起こる。同じデータが国際照明委員会(CIE)によって更に定義され、拡張された。
UVの治療線量に露光されたヒト皮膚同等物を用いてビタミンD作用スペクトルを構築し、302nmにピークを示した。プレビタミンD作用スペクトルとビタミンD作用スペクトルとの比較を図10に示す。
図11では、ビタミンD作用スペクトルと光線療法(BB−UVB、NB−UVB、UVA、日焼け)の4つの一般的な形態のスペクトル分析との比較により、各光線療法技術がビタミンDを産生する傾向が異なることを示している。実際、UVAスペクトルがプレビタミンD作用スペクトルの外側にあるので、UVBを用いる光線療法のみが血清ビタミンD濃度への有意な変化を産生し得る。更に、BB−UVBのより大きなエネルギー量がプレビタミンD作用スペクトルの最も有効な範囲内にあるので、BB−UVBはNB−UVBよりも多くのビタミンDを産生する。しかしながら、現在の光線療法技術のどれも、ビタミンD産生を最適化するものはない。
カルシトリオール
ビタミンDの活性型はカルシトリオールとして知られている。表皮は、培養されたケラチノサイトの増殖を阻害し、それらを最終分化に誘導するカルシトリオールの受容体を有する。ビタミンD受容体の研究は、カルシトリオールと乾癬の感受性との関連を確認している。カルシトリオールの経口及び局所投与の両方が、乾癬及び白斑の治療として使用されており、局所溶液が、典型的には、高カルシウム血症のリスクを伴う経口選択肢よりも効果的で安全である。局所合成カルシトリオールは、より少ないUV治療及びより少ない全UV露光で全体的有効性を増加させることが期待されるので、しばしば光線療法と組み合わせて使用される。しかし、局所カルシトリオールはUV光によって分解されるので、光線療法治療の前に適用すると、有効性が著しく低下する。
皮膚のカルシトリオール産生
皮膚合成または食事摂取からのビタミンDは順次、肝臓で25−ヒドロキシビタミンDに、次いで腎臓でカルシトリオールに変換される。しかしながら、この内部プロセスに加えて、カルシトリオールはUVBに露光されたヒトの皮膚で直接産生されることが示されている。研究者は、カルシトリオールの皮膚合成が、現在のUVBベースの光線療法の効力に寄与し得る要因であることを示唆している。皮膚におけるカルシトリオールの光産物は、ビタミンDと同様に波長に対して非常に敏感であり、研究では300nm〜305nmの最大形成が示されている。実際、皮膚におけるビタミンD光産物の量は、皮膚におけるその後のカルシトリオール変換の量を直接決定する。ビタミンD作用スペクトルを構築した同じ研究でも、その後のカルシトリオール産生の作用スペクトルが同一であると結論付けられた(図12)。
光線療法のためにUVB源として一般的に使用されるマサチューセッツ州アンドーバーのPhilips製の狭帯域TL−01ランプは、約311nmの最大スペクトル放射照度を有する。図12に示すように、TL−01 NB−UVBランプのスペクトル曲線はカルシトリオール作用スペクトルとほとんど重ならない。したがって、TL−01ランプは少量のカルシトリオールを産生することができるが、300nm(±2.5nm)のUVBエネルギーは、カルシトリオールの産生において著しくより有効である(例えば、38倍有効である)。
IV.紅斑及びMED
紅斑は、皮膚損傷、感染、または炎症で起こる血流の増加によって引き起こされる皮膚の赤みである。UV露光によって引き起こされる紅斑は、一般に日焼けと呼ばれる。CIE(ISO17166:1999)によって発表された国際的に認められた標準である、紅斑参照作用スペクトル及び標準紅斑線量(SED)が、250nm〜400nmの個々の波長に対する紅斑応答を判定するために使用される。紅斑のCIE作用スペクトルが、光線療法治療に使用されるUV源からのスペクトル放射照度出力の重み付け係数として使用される。図13に示すように、紅斑作用スペクトルは、250nm〜298nmの一定の最大値を有し、298nm〜325nmで急速に低下し、その後、ゆっくりと着実に低下する。
光線療法治療に使用される標準紫外線線量は、所与の光源における個々の患者の最小紅斑線量(MED)に基づいている。24時間以内に皮膚にわずかなピンク色の着色を生じるのに必要な紅斑重み付けUV線量は、1MEDと呼ばれる。UV放射線に対する皮膚の紅斑反応は、メラニン含有量によって判定される体質的な皮膚色と関連する。より暗い皮膚色を有する個体は、より多くのメラニンがUVB光子を吸収する。したがって、暗い皮膚は標準MED線量を達成するために、明るい皮膚よりも多くの紅斑重み付けUVを必要とする。歴史的に、光線療法の適用では、患者の体質的皮膚色を6つのクラスの1つに置くフィッツパトリック皮膚タイプ分類システムを使用している。フィッツパトリックシステムによれば、皮膚タイプ1は最も皮膚色が明るく(最低のメラニン含有量)、皮膚タイプ6は最も皮膚色が暗い(最高のメラニン含有量)。
各波長の紅斑と免疫応答の関係は、皮膚治療のための最も有効なUV源を判定するために重要であり得る。具体的には、UV源のスペクトル放射照度は、紅斑と免疫応答との比が1未満の波長の範囲のエネルギーを送達すべきである。したがって、298nmより短い波長のUVエネルギーを送達すると、紅斑は一定の最大値のままであるが、波長が最大免疫応答(例えば、図8に示す約300nm)未満のレベルに低下するので、徐々に治療効果が低下する。図14は、狭帯域UVB(NB−UVB)からのスペクトルエネルギーの大部分が、1未満の紅斑/免疫応答比であることを示し、一方で、広帯域UVB(BB−UVB)は、免疫応答よりも紅斑に寄与する有意なエネルギーを含む(図14の斜線部分を参照)。したがって、図14は、BB−UVBよりむしろNB−UVBを使用する標準MED治療につき、より大きな免疫応答を有するより多くの全UVエネルギーが送達され得ることを示す。その結果、NB−UVBは、BB−UVBよりも乾癬の治療においてより有効であることが見出された。
V.組み合わせ作用スペクトル
紅斑、プレビタミンD、ビタミンD、カルシトリオール、乾癬クリアランス、及びいくつかの免疫応答作用スペクトルが画定されており、図に示すように、互いに非常に類似している。図15では、ビタミンD/カルシトリオール光産物の作用スペクトルを、紅斑作用スペクトル及び複数の免疫応答スペクトル(すなわち、図8の免疫応答治療作用スペクトル)から構成された作用スペクトルと比較して示す。
図16は、図10及び12のビタミンD/カルシトリオール作用スペクトルの平均ならびに図8の免疫応答作用スペクトルを含む「組み合わせ光線療法作用スペクトル」を示す。この組み合わせ作用スペクトルは、皮膚における免疫応答及びビタミンD/カルシトリオール産生の両方についての最大有効性を表す。図16の作用スペクトルの下で、カルシトリオール産生及び免疫応答を最大にするUVスペクトルを単離して皮膚に送達する光線療法デバイス(皮膚疾患の治療のための)を使用することにより、追加の経口または局所カルシトリオール投与の必要性なしに組み合わせ療法の有効性の増加を提供することが期待できる。図16に示すように、最大の光線療法有効性の最適な波長範囲は、298nm〜307nmであり、298nmより短い波長または307nmより長い波長で最小のUVエネルギーである。したがって、図33及び図34を参照して以下に更に詳細に説明するような、298nm〜307nmの波長範囲内で全UV出力の75%を超える光線療法デバイスは、皮膚疾患の治療に最も効果的で安全であると期待されている。
VI.治療線量
光線療法の線量は、光源の強度(または放射照度)にその光源への露光時間を掛けたもの(線量=強度×時間)として記述することができる。したがって、所望の線量は、放射線源の強度及び/または露光時間を増加または減少させることによって達成することができる。線量は、強度(または放射照度)がミリワット/平方センチメートル(mW/cm)で表される場合、ミリジュール/平方センチメートル(mJ/cm)で表すことができ、時間は秒で表すことができる。以下に更に詳細に説明するように、光線療法の適用において、特定の放射線源及び患者に対する線源の構成のための強度及び線量の計算に、いくつかの追加の要因が影響を及ぼす可能性がある。
線量ならびに光線療法源及びシステムの選択された実施形態
光線療法は、皮膚の治療領域に実質的に一様なエネルギー分布を提供するシステムを用いて皮膚に送達することができ、光線療法が適用される均一性は、光線療法セッション中に送達される線量レベルに影響を与え得る。より具体的には、治療領域全体に送達される線量は、一般に、皮膚のいずれかの領域に適用される最大線量レベルによって制限される。例えば、治療領域が100cmであり、治療領域に光線療法を送達するために使用される光線療法システムが、治療領域の10cmを他の90cmに適用される強度の2倍の強度に露光する不均一なエネルギー分布を有するとすると、治療領域全体の線量は、10cmの治療領域に適用できる最大線量によって制限される。これにより、治療領域の大部分が最大または所望の線量の半分に露光される。したがって、より均一な放射線を放射する光線療法システムは、治療有効性を高めることが期待される。
様々な機構を使用して、相対的均一性を有する皮膚への光源または光源システムの放射照度を、放射及び適用し得る。低及び高エネルギー放射線源を有する光線療法システムの選択された実施形態は、図33及び34を参照して以下に更に詳細に説明される。ある種の実施形態において、光線療法デバイスは、患者の治療領域に近接して(例えば、3cm以下)配置することができる1つ以上の低エネルギー放射線源(例えば、3ワット以下)を含む。これにより、光線療法を選択的かつ拡張可能な治療領域に送達することが可能になる。他の実施形態では、光線療法デバイスは、放射線源から放射されたエネルギーの分布を可能にするために、患者の治療領域から十分に離れた距離(例えば、10cm以上)だけ隔置された1つ以上の高エネルギー放射線源(例えば、25ワット以上)を含む。例えば、放射線源は、放射線源に近い位置において強度の不均一な分布(例えば、放射パターンの中心でより高い強度)を有するが、放射線源から更に離れたときに、放射線源が放射線強度の実質的に均一な分布を提供するように光を外側に分布させる放射パターンを有し得る。本実施形態では、光線療法は、大きな治療領域(例えば、100cm以上)にわたって適用することができる。
低エネルギー光線療法システムは、比較的単色の波長放射を有する1つ以上の小さな放射線源を備えることができる。これらの放射線源は、別のフィルタリング方法(例えば、コーティング)を必要とせず、しっかりとパックされたアレイで組み立てることができるように構成することができる。例えば、放射源は、発光ダイオード(LED)であってもよい。放射線源としてLEDを使用する光線療法システムでは、LEDは、光学エネルギーの大部分が皮膚疾患の光線療法治療、ビタミンD光線療法、自己免疫疾患、及び/または他の適応症などに適した小さな帯域幅(例えば、10nmの帯域幅)内で放射される、特定の波長の標的で放射線を放射するように構成することができる。例えば、LEDの波長は、図1〜図16に関して上述した方法を使用して選択することができる。特定の実施形態では、LEDは、298nm〜307nmの波長を放射することができる。他の実施形態では、LEDは、295nm〜310nmの範囲の波長などの1つ以上の異なる波長を有することができる。個々のLEDは、放射された光を表面領域にわたって少なくとも実質的に均一に広げる1つ以上のレンズまたは他の特徴を備えることもできる。個々のLEDレンズに加えて、または代替として、より大きなレンズを使用することができ、複数のLEDにわたって放射の均一性を高めるために、複数のLEDに定置することができる。様々な実施形態では、光線療法システムのLEDは、50以上のLEDのアレイのようなしっかりとパックされたアレイに配設される。LEDアレイの強度は、アレイ及び関連する構成要素の様々なパラメータを調整することによって選択することができる。例えば、LEDアレイの強度は、LEDに送達される入力エネルギーを増加させること(例えば、電源またはそれに対する制御を変更することによって)、単位面積あたりのLEDの量を増加させること、LEDと患者の治療領域の距離を減少させること(例えば、0〜3cm)、LED上のレンズ(単数または複数)の光拡散の程度を減少させること、及び/または放射強度に影響を及ぼすLEDアレイの他の機能を変更すること、によって増加し得る。逆に、LEDアレイの強度は、LEDに送達されるエネルギーレベルを減少させること、単位面積あたりのLEDの量を減少させること、LEDと患者の治療領域との間の距離を増加させること、LED上のレンズ(単数または複数)の光拡散の程度を増加させること、及び/または放射強度に影響を及ぼすLEDアレイの他の特徴を変更すること、によって減少し得る。
LEDベースの光線療法システムは、例えば、LEDと患者の治療部位との距離、LEDの互いの間隔、及び/または個々のLED上のレンズの形状など、システムの様々な特徴を考慮に入れて、少なくとも実質的に均一な照射強度分布を提供することができる。例えば、アレイの1つのLEDからの照射が別のLEDの照射と重ならないように、個々のLEDの放射パターンの少なくとも主要な部分が互いに重ならないようにして、LEDアレイを配設することができる。個々のLED上のレンズは、互いに重なり合わないように、個々のLEDのLED放射を拡大または縮小して使用することができる。ある種の実施形態では、LEDは、LED放射の重なりを回避する距離だけ隔置され、LED放射から露光されていない治療領域の一部(例えば、LEDアレイの領域に対向する領域またはLEDアレイの放射領域内の領域)は残される。例えば、LEDは、治療領域の20%がLED放射に露光されないように、一方で、治療領域の残りの80%がLEDから実質的に均一な強度レベルに露光されるような距離に隔置されてもよい。その他の実施形態では、LEDは、患者の治療領域の30%、40%、または50%が露光されず、一方で、治療領域の対応する70%、60%、または50%が実質的に均一な強度レベルに露光されるように隔置されてもよい。
LEDベースの光線療法システムが少なくとも実質的に均一な照射強度を提供するように構成されている場合、光線療法セッション中は、LEDアレイを治療領域から一定距離に維持して、光線療法源への均一な露光を維持することが重要である。したがって、ある種の実施形態では、光線療法デバイスは、治療領域と直接接触するように設計される(例えば、放射線源は患者の皮膚上に定置される)。例えば、光線療法デバイスは、光線療法セッション中のデバイスの動作前及び/または動作中に、皮膚が直接接触していることを確認するために、デバイスが皮膚に適切に定置されたときを示すセンサを含むことができる。光線療法デバイスは、LEDアレイを治療領域に直接取り付けることを可能にするストラップ、接着剤、及び/または別のタイプのファスナを備えることができる。これらの実施形態では、皮膚表面から放射線源までの一定距離は、患者の動きまたは操作者の裁量によるのではなく、デバイス設計自体によって維持される。
上述のLEDベースのデバイスなどの低エネルギー光線療法デバイスは、患者に取り付けることができ、または患者の皮膚のすぐ近くに配置することができる装着型デバイスであり得る。装着型光線療法デバイスは、放射線源を運ぶことができる可撓性もしくは非可撓性のシートまたは布地のような基材に貼り付けられた放射線源(例えば、LEDアレイ)を含むことができる。装着型光線療法デバイスは、患者が横たわること、座ること、または立つことができるパッドまたはマット、患者の皮膚に貼付することができるパッチ、衣類または他の装着型品目に組み込まれたパネル、毛布、袖口、帽子、シャツ、ジャケット、パンツ(例えばレギンス)、靴下、手袋、ベスト、ケープ、時計、ワンド、パドル、櫛及び/または患者の皮膚に直接適用できる他の適切な品目の形態をとり得る。装着型光線療法デバイスは、放射線源を含むデバイスの部分にわたって実質的に均一で一定の放射線強度のレベルを提供するように構成することができる。各種実施形態では、装着型光線療法デバイスはまた、システム制御及び/または露光時間を通して入力エネルギーを変更することによって、線量の調整を可能にすることができる。
高エネルギー光線療法システムは、選択されたUVB範囲(例えば、298nm〜307nm)で大量のエネルギーを放射する1つ以上の放射線源と、選択された範囲外の不必要な波長を遮断するフィルタ機構とを含むことができる。放射線源は、1つ以上の水銀アークランプ、パルス及びフラッシュキセノンランプ、蛍光灯、メタルハライドランプ、及び/または光線療法のための他の適切な放射線源を含むことができる。光線療法装置は、ランプのタイプ、治療領域の所望のサイズ、所望の強度、及び所望の光線療法時間に応じて、5つのランプ、10のランプ、20のランプ、30のランプ、40のランプ、50のランプ、などの複数の放射線源を含むことができる。ある種の実施形態では、放射線源自体はフィルタ機構を含むことができる。その他の実施形態では、光線療法システムは、所望の波長範囲を放射するために放射線源とは別個の追加フィルタリング特徴を含む。フィルタ機構は、吸収フィルタ及び/または干渉フィルタを含むことができる。高エネルギー光線療法システムは、放射線源間の距離(例えば、重ならない放射パターン)、放射線源上の任意のレンズの形状、実質的に均一な照射分布を受けるように患者を放射線源から離して配置しなければならない距離、などのシステムの様々な特徴を考慮に入れることによって、少なくとも実質的に均一な照射強度分布を提供することができる。更に、光線療法システムの出力は、エネルギー入力、ランプ数、レンズ仕様、及び/またはフィルタパラメータを変更することによって調整することができる。
強度(または放射照度)
放射線源の強度は、源からの所与の距離で測定した1平方センチメートルあたりの絶対ミリワット(mW/cm)として測定することができる。源と測定位置との間の距離が増加するにつれて、測定の強度は減少する。高エネルギー光線療法デバイスでは、光線療法デバイスの強度は、放射線源に対する患者の位置で測定されると仮定される。放射線源から患者までの距離が患者間、放射線療法セッション間、または単一患者の体に沿って大きいと、光線療法適用の一貫した線量に対して放射照度の均一性及び強度があまりにも変化する。したがって、様々な実施形態では、光線療法デバイスは、放射線源からの患者の距離が10cm以上100cm以下であるように構成することができる。この範囲内で、患者の位置の変動が約30cm以下になるように、光線療法デバイスの構成について患者の標準位置を決定することができる。低エネルギーのデバイスでは、放射線源は、患者の皮膚と直接接触しているか、治療部位から3cm以上離れていないと仮定される。
光線療法適用における放射線源の強度は、スペクトル照度出力測定のための重み付け係数として「紅斑参照作用スペクトル」(ISO 17166:1999)を使用する。各波長の絶対測定強度(mW/cm)にその波長の重み付け係数を掛けて、紅斑重み付け放射照度を判定する。それぞれの個々の波長に対する全ての紅斑重み付け放射照度の合計は、光線療法デバイスの紅斑重み付け放射照度(または強度)の総和に等しい。この紅斑重み付け強度は、線量に関連する計算(すなわち、線量=強度×時間)に使用することができる。
ISO標準によれば、1標準紅斑線量(SED)は、10mJ/cmの紅斑有効放射露光量(EERE)と同等である。同じ絶対強度を有する放射線源は、最大光線療法有効性の比較的狭い最適波長範囲(例えば、298nm〜307nm)内であっても、各波長の絶対測定強度に重み付け係数が適用されるため、1SEDを達成するのに必要な露光時間に有意な差を有し得る。
皮膚露光
皮膚疾患の光線療法治療は、紫外放射線の線量を送達するデバイスを使用する1つ以上の個別治療セッションからなることができる。UV放射線への露光は皮膚組織に損傷を与えると考えられ、他の状態と関連し得るので、全UV露光を低減または最小化することによって光線療法セッションの安全性を高めることができる。デバイスは、皮膚の小さな標的領域(例えば、「スポット治療」)またはほぼ全皮膚表面(例えば、「全身」)を露光するようなサイズ及び形状であり得る。UV放射線の全身露光は、皮膚表面の大部分に病変を示す乾癬の重度の症例のために確保することができる。典型的には、光線療法治療は、皮膚の患部のみをUV放射線に露光するスポット治療として使用される。例えば、乾癬を特徴付ける皮膚病変(鱗状斑点及びまだら)は、周囲の皮膚を避けながら光線療法デバイスで照射されてもよい。この治療プロトコルは、典型的には全UV露光を制限するように選択され、全身免疫抑制反応ではなく局所免疫抑制応答に主に依存する。しかし、そのようなスポット治療は、皮膚疾患の治療上の利益をもたらす3つの他の機構、すなわちカルシトリオール産生、ビタミンD産生、及び全身性免疫応答)を制限する。
このUVB範囲内で産生されるカルシトリオール、ビタミンD、及び全身性免疫応答の量は、治療中に露光された皮膚の総表面積に直接関連すると予想される。したがって、UVBに露光された皮膚の表面領域が増加すると、これらの反応の全てが増加し、それによって全身露光がスポット治療に必要な強度を必要としないため、身体のいずれかの領域への全UV露光を最小にしながら治療有効性を増加させる。この方法の効力は、集束UVBの範囲を使用して拡大することができる。例えば、298nm〜307nmの波長範囲内で総UV出力の大半を放射する光線療法デバイスは、組み合わせ光線療法の作用スペクトル(図16)と一致しており、したがって、身体の選択領域に光線療法を送達することに焦点を当てている既存の光線療法技術よりも、著しく少ない総UV放射線の使用で、著しく多くのカルシトリオール、ビタミンD3、及び全身免疫応答を産生する。例えば、本技術は、この集束エネルギーを皮膚の広い表面領域に均等に分配して、治療の有効性を改善すると同時に、いずれかの領域に対する総UV放射線を同時に低減することができる。
集束UVB(298nm〜307nm)を放射する高エネルギーまたは低エネルギーデバイスは、特定の患部を「スポット治療」するように設計することもでき、他の集束されていないUVデバイスと比較して、カルシトリオール、ビタミンD3、局所免疫応答、及び全身免疫応答の産生を最大限に提供することができる。しかし、各光線療法セッション中に皮膚表面露光を最大にすることによって、集束UV(298nm〜307nm)を用いた有効性の劇的な改善が得られる。
全身の治療効果を提供するために露光する必要がある皮膚表面領域の最小閾値は約30%であると考えられている。治療セッション中に露光された皮膚表面領域のパーセンテージ(30%〜100%)と全体的な治療有効性との間には直接的な相関があると考えられている。単一の光線療法セッション中に患者の全皮膚表面領域の少なくとも30%を集束UV範囲(298nm〜307nm)に露光することは、患部に直接的なUV露光をしなくても皮膚疾患の有効な治療を可能にするであろう。これは、大きな表面領域を容易に治療する高エネルギーデバイスによって達成することができる。低エネルギーデバイスは、大きな領域の治療を提供するために、より大きな放射線源のアレイを含むように構成することもできる(例えば、マット、ジャケット、またはブランケット)。あるいは、単一の光線療法セッション(例えば、小さなパッドにおけるような)の間に、より小さい規模の低エネルギー光線療法デバイスを患者の身体の様々な場所で複数回使用することができる。例えば、頭皮に乾癬病変を有する患者は、肩から下の皮膚のみに露光する集束UV(298nm〜307nm)デバイスで首尾よく治療することができる。
画定線量
上述したように、標準紅斑線量(SED)は、紅斑性UVの標準測定値である(光線療法治療で使用される最小紅斑線量(MED)と混同してはならない)。治療のための適切な線量の決定は、フィッツパトリック皮膚タイプ1〜6として表すことができる患者の体質的皮膚色に基づいている。皮膚タイプは、フィッツパトリック皮膚タイプスケール(例えば、自動化されたユーザインターフェース上または手動で提供される)に関連する一連の質問に答えることによっても判定することができ、患者の皮膚の反射率および/または吸収を測定するセンサまたは検出器を使用して自動的に判定される、および/または患者の皮膚の色調を所定の皮膚特性(例えば、色白、早く日焼けする、適度に日焼けする、容易に日焼けするなど)及び/または色の皮膚の画像と一致させることを可能にするグリッドを使用して判定される。他の実施形態では、患者の皮膚タイプは、他のセンサを使用して、ならびに/または自動及び/もしくは手動のアンケートもしくはチャートによって自動的に判定することができる。皮膚タイプは1最小紅斑線量(1MED)を計算するために使用され、これは、24時間以内に皮膚がわずかなピンク色の彩色を産生するのに必要な紅斑有効放射露光量(mJ/cmで表されるEERE)である。MEDは患者の皮膚のタイプとその皮膚のタイプに対するEEREの量を考慮するので、「標準的な」光線療法線量は全ての皮膚のタイプのMEDの小数で表すことができる。例えば、デバイスによる治療のための標準的な光線療法線量は、全ての皮膚タイプに対して一定の0.75MED(または1MEDの75%)であるように選択することができる。0.75MEDを定数として、EEREの量(mJ/cm)は皮膚タイプに応じて調整され、0.75MEDを達成する変数になる。各皮膚タイプ(すなわち、皮膚タイプ1〜6)について1MEDを達成するために必要とされるEEREの正確な量は、1.5SED〜9SEDに等しい15mJ/cm〜90J/cmにあると予想される。皮膚のタイプ、MED、SED、及びEEREの関係は図17に反映されている。
皮膚タイプとMEDは、皮膚の反射率を測定する機器またはアンケートから得られた情報を使用して判定することができる。皮膚反射率機器は、典型的に皮膚と直接接触するため、このような機器は、低エネルギー光線療法システムの一部としてLEDアレイに組み込ませることができる。高エネルギー光線療法システムでは、治療開始前に皮膚反射率、皮膚タイプ、及びMEDを判定できるように、皮膚反射率機器をシステムに組み込むことができる。高エネルギー及び低エネルギーシステムの両方で、アンケートを実施し、治療開始前に皮膚タイプを判定することができる。
皮膚疾患の治療のためのUV線量は、副作用なしに有意な有効性を生じるように選択することができる。298nm〜307nmの波長範囲内で全UV出力の75%を超えて放射する光線療法デバイスは、皮膚疾患の治療に有効であり、副作用を回避することができる。しかしながら、副作用を回避し、良好な有効性をもたらすための指針を提供するためには、線量範囲が必要である。MEDはいくつかの変数を考慮するので、光線療法デバイスによって提供される線量は、少数のMED定数として表すことができる。例えば、集束UV範囲(例えば、298nm〜307nm)を有する光線療法デバイスは、0.2MED(1MEDの20%)〜0.9MED(1MEDの90%)の線量範囲を有することができる。この線量範囲内では、0.2MEDが最も効率的ではないと予想されるが、UVへの皮膚露光によって引き起こされる副作用のリスクが比較的低く、これに対して、0.9MEDが最も効率的であると予想される。線量が増加するにつれて、UV露光のレベルが等しく増加する。したがって、特定の実施形態では、線量は、約0.55MEDである、UV露光と有効性との等しい均衡を有するように選択することができる。他の実施形態では、線量は、使用される光線療法デバイス、有効性及び所望のUV露光タイプ、ならびに患者の皮膚タイプに応じて、0.55MEDより高いかまたは低いことがある。
MED線量と皮膚露光の組み合わせ
線量と皮膚露光率を組み合わせて、UV露光と有効性のバランスを調整することができる。上述のように、光線療法治療の有効性は、少なくとも部分的には、UV放射線に露光される患者の皮膚の表面積の量と適用されるMEDの程度との関数であることが予想され、より多くの皮膚露光及びより高いレベルのMEDがより効果的な治療法を提供することが予想される。特定の実施形態では、例えば、集束UV範囲(298nm〜307nm)を使用する光線療法治療セッションの線量範囲は、患者の皮膚表面領域の100%に対して0.9MEDの最大線量から、患者の皮膚表面領域の30%に対して0.2MEDの最小線量までを含む。他の実施形態では、より多くのまたはより少ない患者の皮膚が露光されてもよく、及び/またはMED範囲がより大きくまたはより小さくあってもよい。
皮膚の露光のパーセンテージが光線療法の有効性に寄与すると予想されるが、必ずしも副作用のリスクに影響するとは限らない。例えば、線量が一定(例えば、0.55MED)に保持され、皮膚露光率が増加する場合、有効性は、副作用のリスクを増加させることなく増加すると予想される。したがって、光線療法の線量が0.2MED〜0.9MEDであり、かつ皮膚露光率が30%より大きい限り、潜在的な副作用のリスクを軽減しながら、所望の有効性のバランスを達成するために線量及び露光率を交換することが可能である。すなわち、光線療法の線量及び結果としての有効性は、皮膚の全露光(例えば、30%〜100%)及び1MEDのパーセンテージ(例えば20%〜90%)に基づいて選択することができ、これらの2つのパラメータ(すなわち、皮膚露光パーセンテージ及びMED線量)は、所望の結果及び患者固有のニーズ(例えば、特定の適応症、皮膚のタイプなど)に基づいて選択することができる。
MED線量に対する皮膚露光パーセンテージを変えることによって一定の有効性を維持することも可能である。したがって、露光皮膚表面領域を増加させることは、同じレベルの有効性を達成するのに必要なMED線量を低下させる可能性がある。例えば、光線療法セッションにおいて、0.4MED線量及び50%皮膚露光の場合と同様に、0.2MED線量及び100%皮膚露光で、同じ有効性を達成することができる。同様に、光線療法治療セッションは、(a)0.8MED線量及び30%皮膚露光の場合と同様に、0.4MED線量及び60%皮膚露光で、または(b)0.45MED線量及び80%皮膚露光と同様に、0.9MED線量及び40%皮膚露光で、同じ有効性を持つことができる。MED線量は、光線療法セッション(例えば、UV放射線への露光)の副作用を最も良く制御するパラメータであるが、皮膚露光のパーセンテージはそうではないと考えられている。したがって、様々な実施形態において、選択された線量は、皮膚露光の増加したパーセンテージ及び減少したMED線量を含む。
線量表
実際には、皮膚疾患を治療するための光線療法セッションのパラメータは、既知のまたは測定されたスペクトル放射照度値及び選択されたMED線量(例えば、0.2MED〜0.9MED)を有する選択された光線療法デバイスについての線量表またはチャートを用いて判定することができる。例えば、これらの線量チャートは、選択された光線療法デバイスの各フィッツパトリック皮膚タイプについて、SED、露光時間(例えば、秒)、絶対線量(mJ/cm)、及びEERE(mJ/cm)を判定するために使用され得る。特定の実施形態では、例えば、集束UV範囲(例えば、298nm〜307nm)を有する光線療法デバイスは、0.2MED(1MEDの20%)〜0.9MED(1MEDの90%)のMED線量範囲を有することができる。この波長及びMED線量範囲が与えられると、露光時間、絶対線量、及びEEREの計算は、光源のデバイス強度及び正確なスペクトル放射照度に基づいて計算することができる。この情報は、その後、特定の光線療法治療デバイスの各皮膚タイプの線量範囲を示す線量チャートを作成するために使用することができる。図18〜図32は、(a)298nmの単色UV源(図18〜20)、302nmの単色UV源(図21〜23)、307nmの単色UV源(図24〜26)、302nmのフィルタリングされたメタルハライドUV源(図27〜29)、及び301nmのLED(図30〜図32)の異なるスペクトル放射照度と、(b)各UV源の3つの異なるデバイス強度の実施例(すなわち、低、中、高)と、を用いる5つの光線療法デバイスのかかる線量表を示す。これらの線量チャートを使用して、臨床医は、集束UV光線療法デバイスの動作パラメータの範囲を理解し、特定の患者の光線療法セッションのための所望のパラメータを選択し、それに応じてMED線量を変化させることができる。例えば、図20に示すように、298nmの単色高強度UV源は、わずか1秒の全露光時間及びわずか3.0mJ/cmの絶対放射照度の光線療法セッションにおいて、皮膚タイプ1を有する患者に0.2MEDを送達することができる。図24に示すように、皮膚タイプ6を有する患者に0.9MEDを送達するために307nm単色低強度UV源を使用すると、37.25分の光線療法セッションが必要とされ、絶対放射照度は568.2mJ/cmである。
VII.選択された光線療法システムの実施形態
図33は、本技術の実施形態に従って構成された集束UV放射線のための高エネルギー光線療法装置またはシステム(「システム3300」)の等角図である。システム3300は、所定の波長範囲(例えば、約298〜307nm、298〜304nm、300〜305nmなど)内でエネルギーを放射する複数の集束UV放射線固定具またはアセンブリ3310(「放射線アセンブリ3310」)を含む。例えば、システム3300は、図16の組み合わせ光線療法作用スペクトルに示される最適な波長範囲内でUVB放射線を放射するために使用することができる。各放射アセンブリ3310は、システム3300の他の放射アセンブリ3310と実質的に類似の波長及び類似の強度を有するエネルギーを放射することができ、またはシステム3300内の個々の放射線アセンブリ3310の放射波長及び強度が異なってもよい。図示された実施形態では、放射線アセンブリ3310は、2つのハウジング、アーム、またはカラム(個々に第1のカラム3330a及び第2のカラム3330bと呼ばれ、まとめてカラム3330と呼ぶ)によって担持され、台座またはベース3332上に取り付けられているかまたは別の方法で取り付けられており、放射線アセンブリ3310は、ベース3332の中央部分3334に向かって概ね内側に向けられている。ベース3332及びカラム3330は、ヒトが放射線アセンブリ3310によって放射された集束UVBエネルギーに露光されることができる照射ゾーンを一緒に画定する。ユーザ(例えば、ヒト)がベース3332の中央部分3334に立っているか、またはベース3332の中央部分3334に位置している場合、放射線アセンブリ3310は、皮膚疾患を治療し、皮膚のビタミンD産生を刺激し、及び/または所定の波長範囲への露光から利益を得ることができる他の適応症を治療するためにユーザの皮膚を照射することができる。様々な実施形態では、ベース3332及び/またはカラム3330の中央部分3334は、ユーザの身体の全ての側面を放射線アセンブリ3310によって放射されるエネルギーに露光するように互いに対して回転することができる。
システム3300は、システム3300の様々な特徴を考慮に入れて、少なくとも実質的に均一な照射強度分布を提供することができる。例えば、図33に示す実施形態では、第1のカラム3330a内の放射線アセンブリ3310は、第2のカラム3330b内の放射線アセンブリ3310から垂直方向にオフセットして、第1のカラム2030aの放射アセンブリ3310からの照射が、第2のカラム3330bの放射アセンブリ3310からの照射と直接重なることを防止する。例えば、第1のカラム3330a内の放射線アセンブリ3310は、第2のカラム3330b内の放射線アセンブリ3310から、個々の放射線アセンブリ3310の約1半径分オフセットすることができる。放射線アセンブリ3310のこのずれは、カラム3330の長さに沿ってより均一な照射強度を提供し、ユーザの皮膚のある領域が他の領域より多くの照射に露光されることを防止する。他の実施形態では、システム3300は、放射アセンブリ3310によって放射される放射線の均一性を高め、かつ/または放射線が投射される方向を操作するために、異なる特徴及び/または他の放射線アセンブリ構成を備えることができる。例えば、1つ以上のレンズを1つ以上の放射線アセンブリ3310の前方に配置し、光が照射ゾーンまたはその一部にわたって均一に分布するように光を曲げるように構成することができる。更なる実施形態では、実質的に均一な照射分布を受けるように患者を放射線アセンブリ3310から離して配置すべき距離を選択することによって、均一な放射を達成することができ、ならびに/またはシステム3300の出力は、エネルギー入力、ランプの数、レンズ仕様、及び/もしくはフィルタパラメータを変更することによって調整されてもよい。
更なる実施形態では、システム3300は、図33に示される8つより少ない、あるいは8つより多い放射線アセンブリ3310(例えば、1つの放射線アセンブリ、2つの放射線アセンブリ、4つの放射線アセンブリ、9つの放射線アセンブリなど)を有するカラム3330、単一のカラム3330の放射線アセンブリ3310、2つを超えるカラム3330の放射線アセンブリ3310(例えば、4つのカラム、6つのカラムなど)を含むことができる、及び/または放射線アセンブリ3310が、他の適切な構成で配設されてもよい。例えば、放射線アセンブリ3310が、照射領域を少なくとも実質的に包囲し、ハウジングによって画定された包囲空間に向かって内側に放射線を向けるハウジングによって、担持されてもよい。
システム3300は、比較的短時間の光線療法セッション中に、皮膚疾患または他の適応症に治療効果を提供するために、及び/または皮膚におけるビタミンD産生を促進するために、高強度集束UVB放射線を放射することができる。例えば、装置3300は、毎週または毎月容量のビタミンD産生を刺激するために、光線療法セッション(例えば、30秒、1分、2分、5分など)中に十分な量の照射を提供することができる。様々な実施形態において、各光線療法セッションの露光時間は、ユーザの皮膚タイプ及び/または放射線アセンブリ3310の強度に基づいて選択することができる。ユーザの皮膚のタイプは、フィッツパトリック皮膚タイプまたは皮膚の反射率及び/または吸収を測定する検出器に基づいて決定することができる。より具体的には、ユーザの皮膚タイプは更に、フィッツパトリック皮膚タイプスケールに関連する一連の質問(例えば、システム3300の自動化されたユーザインターフェース上にある)に答えることによって判定されるか、反射率、吸収、及び/もしくは皮膚のタイプに関連する他の特徴を測定するシステム3300のハウジング上の、ならびに/またはシステム3300に動作可能に結合されたセンサまたは検出器を使用して自動的に判定されるか、ならびに/またはユーザもしくは臨床医が患者の皮膚の色調を所定の皮膚の特性(例えば、色白、早く日焼けする、適度に日焼けする、容易に日焼けするなど)及び/もしくは色の皮膚画像に一致させることができるグリッドを使用して判定される。他の実施形態では、患者の皮膚タイプは、皮膚タイプを判定するための他の適切な機構及び方法を使用して、自動的にまたは手動で判定することができる。例えば、ユーザの皮膚の色調が明るいほど、ユーザの皮膚における所望のレベルのUVB露光を得る必要な露光時間が短くなるか、またはユーザの皮膚の過度な露光を避けるために許される露光時間が短くなる。別の実施例として、システム3300によって提供されるエネルギーの強度が高いほど、光線療法のための所望の照射を得るための必要な露光時間は短くなる。特定の実施形態では、各ユーザに提供されるUVB放射の量は、図18〜32に示される線量表を使用して選択することができる。
図33に示すように、各放射線アセンブリ3310は、UV放射線源3312、UV放射線源3312を部分的に取り囲む反射器3336、及び放射線源3312の前方のフィルタ3338を含むことができる。放射線源3312は、高エネルギー(例えば、UV光)を放射することができ、エネルギーの少なくともいくつかは、放射線アセンブリ3310を出る前に、反射器3336(例えば、鏡面基材またはコーティング)に接触することができる。反射器3336は、所定の帯域幅(例えば、6nm、8nm、16nmなど)内の光が放射線アセンブリ3310を出ることができるフィルタ3338に向かって光を迂回させるか、または光を向けることができる。特定の実施形態では、反射器3336は、放射線源3312によって放射された光が反射器3336との接触時に少なくとも実質的にコリメートするように、放射線源3312の周りで湾曲している。次に、コリメートされた光ビームは、フィルタ3338に向かって前方に移動し、同じ入射角(例えば、約0°)でフィルタ3338を通過して、光の実質的に均一なフィルタリングを提供する。他の実施形態では、放射線アセンブリ3310は、反射器3336を含まなくてもよく、及び/または放射アセンブリ3310は、放射線源3312から放射される放射線をコリメートする他の特徴を含むことができる。特定の実施形態では、フィルタ3338は、中央部分3334においてユーザに向かって放射される前にエネルギーを均一に分布させるレンズとすることができる。他の実施形態では、均一光分布レンズは、フィルタ3338から分離していてもよい。
放射線源3312は、発光管またはエンベロープ内において2つの電極間のガス混合物を介して電気アークを発生することによって光を生成する、一種の高強度放電(「HID」)ランプであるメタルハライドランプを含むことができる。メタルハライドランプのアーク長(すなわち、電極間の距離)は、メタルハライドランプが点光源と同様に作用して光のコリメートを容易にするように、全体として放射線アセンブリ3310に対して比較的小さくすることができる。他の実施形態では、メタルハライドランプの構成及び放射線アセンブリ3310の他の構成要素(例えば、反射器3336)のサイジングに応じて、メタルハライドランプは、より大きいまたはより小さいアーク長を有することができる。他の実施形態では、放射線源3312は、水銀アークランプ、パルス及びフラッシュキセノンランプ、ならびに蛍光ランプなどの異なるタイプの高エネルギーUVB放射源を含むことができる。
メタルハライドランプを放射線源3312として使用する場合、メタルハライドランプのアーク管内のガス混合物を選択して、メタルハライドランプの放射UVB含有量を増加させることができる。例えば、ガス混合物は、UVB範囲で約1%の放射を有する通常の日焼けベッドランプと比較して、UVB範囲(例えば、約280〜315nm)における全放射の約6%を生成するようにドープすることができる。放射の増加したUVB含量は、放射線アセンブリ3310によって放射されるUVBの強度を増加させることができ、したがって、所望の光線療法を達成するために必要な全体の露光時間を減少し得る。試験データに基づいて、ドープされたメタルハライドランプの放射の大部分は約300〜305nmの波長を有すると考えられている。図16に関して上述したように、組み合わせ光線療法作用スペクトルは、皮膚疾患の治療のための最適な波長範囲が約298〜307nmであることを示唆している。したがって、メタルハライドランプは、皮膚におけるビタミンDの産生及び皮膚疾患のための免疫応答を促進するためにただ一つ適しており、他のタイプのUV放射線源よりも少ないフィルタリングを必要とし得る。
フィルタ3338は、所定の帯域幅外のUVB放射線が放射線アセンブリ3310を出ることを防止する狭いパスフィルタであってもよい。特定の実施形態では、フィルタ3338は、基材(例えば、ガラス、プラスチックなど)及び基材に塗布された少なくとも1つの干渉コーティングを含むことができる。コーティングは、当業者に知られている方法を用いて基材上に噴霧することができ、及び/または基材上に配することができる。所定のスペクトルの外側で、UV放射線の少なくともいくらかのフィルタリングを提供する基材及び干渉コーティングは、ニューヨーク州エルムスフォードのSchottから入手可能である。様々な実施形態では、放射線アセンブリ3310の他の部分は、所望の波長スペクトルの外側の少なくともいくらかの放射線を遮断する干渉コーティング及び/または他のフィルタリング特徴を含むことができる。例えば、吸収フィルタをメタルハライドランプのエンベロープに組み込むことができる(例えば、金属添加物をランプの石英に組み込むことができる)。図16を参照して上述した組み合わせ光線療法作用スペクトルは、光線療法のための最も効率的な波長を判定するために使用することができ、所定の波長を中心とする放射線を放射する狭いパスフィルタを設計または選択することができる。例えば、特定の実施形態では、フィルタ3338は、所定のスペクトル(例えば、約298〜307nm)の外側でUVB放射を少なくとも実質的に遮断することができる。他の実施形態では、フィルタ3338は、選択された帯域幅(例えば、4nmスペクトル、6nmスペクトル、8nmスペクトル、12nmスペクトル、16nmスペクトルなど)の外側でUVB放射線を少なくとも実質的に遮断することができ、ならびに/または皮膚疾患を治療するため及び/もしくはビタミンDを産生するために、スペクトルを他の適切な波長周辺を中心とすることができる(例えば、298nm、300nm、302nmなど)。
システム3300によって提供される集中UVB放射線は、比較的短い光線療法セッション(例えば、10分未満、5分未満、2分未満、1分未満など)内の所望の波長帯(例えば、図16に示される)内で大量のUVB放射線を送達することができる。UVB放射線は、ユーザの皮膚の露光領域(すなわち、治療領域)が実質的に均一な光の強度に曝露されるように、実質的に均一な放射パターンで分布させることができる。各ユーザに提供される線量は、図18〜32に関して上述した線量表に基づいて選択することができる。
図34は、本技術の別の実施形態に従って構成された集束UV放射線のための低エネルギー光線療法装置またはシステム(「システム3400」)の等角図である。システム3400は、装着型基材3410及び複数のLEDなど、複数の低強度放射線源3420(例えば、3ワット以下)を含むことができる。本明細書で使用される場合、装着型基材は、患者が放射線源3420に極めて近接して来るように、患者の皮膚に極めて近接(例えば、患者の皮膚の3cm以内に)できる物品または装置を指す。図34に図示された実施形態では、例えば、装着型基材3410は、患者が上または下に横たわることができるブランケットまたはパッドである。他の実施形態では、装着型基材3410は、患者の身体の一部(例えば、患者の脚、腕、胴、手首など)を包むバンド、袖、衣類(例えば、緊密にフィットするシャツまたはパンツ)、及び/または低強度放射線源を運ぶことができ、患者の皮膚に極めて接近して保持され得る他の物品であり得る。装着型光線療法システム3400は、放射線源3420を含む装着型基材3410の部分にわたって実質的に均一で一定の放射線強度レベルを提供することができる。これにより、光線療法を選択的かつ拡張可能な治療領域に送達することが可能になる。
システム3400の放射線源3420は、しっかりとパックされたアレイの装着型基材3410上に配設することができる。様々な実施形態において、放射線源3420は、(例えば、図34に示されるように)装着型基材3410にわたって均一に広げられ、他の実施形態では、放射線源3420は、特定のセクションで隔置されるか、または装着型基材3410にわたって不均一に分布している。放射源3420は、皮膚疾患、ビタミンD欠乏症、自己免疫疾患、及び/もしくは他の適応症を治療するのに適した、比較的単色の波長放射(例えば、298nm、300nm、302nm、305nmなど)または所定の狭い帯域幅内の複数の異なる波長(例えば、10nm帯域幅、7nm帯域幅、5nm帯域幅など)を備えた放射光のLEDであり得る。例えば、LEDの波長は、図1〜図16に関して上述した方法及び作用スペクトルを使用して選択することができる。特定の実施形態では、LEDは、298nm〜307nmの波長を放射することができる。他の実施形態では、LEDは、295nm〜310nmの範囲の波長またはそれらの間の波長などの1つ以上の異なる波長を有することができる。LEDの単色出力は、所定のスペクトル内でUVB放射線を提供するために必要なフィルタリングの量を低減または排除することができる。適切なLEDは、例えば、サウスカロライナ州コロンバスのSensor Electronic Technology,Inc.から入手可能である。
個々の放射線源3420は、1つ以上のレンズ3430(個別に第1のレンズ3430a及び第2のレンズ3430bとして識別される)を含むこともできる。第1のレンズ3430aなどの個々のレンズは、個々の放射線源3420の上に配置することができる。他の実施形態では、第2のレンズ3430bのようなより大きなレンズは、2つ以上の放射線源3420(例えば、装着型基材3410上の放射線源3420の全て)に及ぶことができる。特定の実施形態では、より大きな第2のレンズ3430bは、個々の第1のレンズ3430aとともに使用することができる。更なる実施形態では、システム3400は、放射された光を少なくとも実質的に均一に、装着型基材3410の一部または装着型基材3410の表面領域全体に広げる他の特徴を含むことができる。
放射線源3420のアレイの強度は、放射線源3420及び放射線源3420のアレイの様々なパラメータを調整することによって選択することができる。例えば、放射線源アレイの強度は、(例えば、電源またはそれに対する制御を変更することによって)放射線源3420に供給される入力エネルギーを増加させることによって、単位面積あたりの放射線源3420の量を増加させることによって、放射線源と患者の治療領域との間の距離を減少させることによって(例えば、0〜3cm、4cm以内、5cm以内など)、放射線源3420上のレンズ(単数または複数)3430の光拡散の程度を減少させることによって、及び/または放射線強度に影響を与える放射線源アレイの他の特徴を変更することによって、増加させることができる。反対に、放射線源アレイの強度は、放射線源3420に送達されるエネルギーのレベルを減少させることによって、減少させることができ、単位面積あたりの放射線源3420の量を減少させることによって、放射線源3420と患者の治療領域との間の距離を増加させることによって、レンズ(単数または複数)3430の光拡散の程度を増加させることによって、及び/または放射線強度に影響を与える放射線源アレイの他の特徴を変更することによって、減少させることができる。
図34に示すように、システム3400は、更に、装着型基材3410上に放射線源3420に動作可能に接続されたコントローラ3450を含むことができる。コントローラ3450は、有線接続線3460(例えば、電気コード)または無線接続(例えば、ブルートゥース(登録商標)、インターネット、イントラネットなど)を介して、放射線源3420に結合することができる。コントローラ3450は、システム3400の様々なパラメータを調整するだけでなく、システム3400を起動及び停止するために操作者(例えば、臨床医、技術者、及び/またはユーザ)によって操作することができる。これらのパラメータは、例えば、放射線源3420に送達されるエネルギーのレベルを含むことができる。以下で更に詳細に説明するように、コントローラ3450は、システム3400のパラメータを調整する様々な自動化プログラム及びアルゴリズムを含むことができる。例えば、コントローラ3450は、図18〜図32に関して上述した線量表を使用して、システム3400によって提供される線量を調節することができる。
動作中、システム3400は、放射線源3420と患者の治療部位との間の距離、互いに対する放射線源3420の間隔、及び/または放射線源3420上のレンズ3430の形状など、システムの様々な特徴を考慮に入れて、少なくとも実質的に均一な照射強度分布を提供することができる。例えば、個々の放射線源3420の放射パターンの少なくとも大部分が互いに重なり合わないように、放射線源アレイを配設することができる。放射線源3420上のレンズ3430は、互いに重なり合わないように、個々の放射線源3420の放射を拡大または縮小して使用することができる。特定の実施形態では、放射線源3420は、重なり合う放射を回避する距離だけ隔置され、したがって、治療領域の一部(例えば、装着型基材3410に面する皮膚の領域)が放射から露光されない。
様々な実施形態において、システム3400は、放射線源3420への均一の露光を維持するために、放射線源3420が光線療法セッション中に、治療領域から一定の距離にとどまるように構成することができる。したがって、装着型基材3410は、治療領域と直接接触して定置することができる。特定の実施形態では、システム3400は、光線療法セッション中、システム3400の動作前及び/または動作中に、直接的な皮膚接触を確認するために、放射線源3420がいつ皮膚に適切に定置されるかを示すセンサ3440を含むことができる。図34に示す実施形態は、単一のセンサ3400を含む。しかしながら、他の実施形態では、システム3400は、患者の皮膚との接触を確認するために装着型基材を横切って隔置された複数のセンサ3440を含むことができる。
更なる実施形態では、センサ3440は、光線療法が適用される前に患者の皮膚タイプを自動的に判定するために、皮膚の反射率及び/または吸収を測定する検出器を含むことができる。他の実施形態では、センサ3440は、皮膚タイプに関連する他の特性を測定することができる。上述のように、この情報は、患者に提供するための正しい線量を判定する際に使用することができる。次に、コントローラ3450は、測定された皮膚タイプに応じて、光線療法の持続時間及びエネルギー入力など、システム3400のパラメータを調整するために使用され得る。他の実施形態では、この情報をコントローラ3450に手動で入力することができる。更なる実施形態では、皮膚タイプは、フィッツパトリック皮膚タイプスケールに関連する一連の質問(例えば、システム3400の自動化されたユーザインターフェース上の)に答えることによって、ユーザまたは臨床医が患者の皮膚の色調を所定の皮膚の特性(例えば、色白、早く日焼けする、適度に日焼けする、容易に日焼けするなど)及び/もしくは色の皮膚画像と一致させることを可能にするグリッドを使用することによって、ならびに/または皮膚のタイプを判定するための他の適切な機構及び方法を使用することによって、判定することができる。
図35は、開示された技術のいくつかの実装が動作し得るデバイスの概要を示すブロック図である。デバイスは、光線療法の線量に影響を及ぼし得る光線療法セッションのパラメータを選択するためのデバイス3500のハードウェア構成要素を備えることができる。このデバイス3500は、光線療法システム(例えば、図33及び図34を参照して上述した光線療法システム3300及び3400)を動作させるコントローラ、例えば図34のコントローラ3450であってよい。デバイス3500は、例えば、CPU3510に動作を通知する中央処理装置(「CPU」プロセッサ)3510に入力を提供する1つ以上の入力デバイス3520を含むことができる。動作は、通常、入力デバイスから受信した信号を解釈し、通信プロトコルを使用して情報をCPU3510に伝達するハードウェアコントローラによって媒介される。入力デバイス3520は、例えば、センサ(例えば、皮膚接触センサ、距離または近接センサ、皮膚反射率または吸収検出器、他の皮膚タイプセンサなど)、マウス、キーボード、タッチスクリーン、赤外線センサ、タッチパッド、装着型入力デバイス、カメラまたは画像ベースの入力デバイス、マイクロフォン、及び/または他のユーザ入力デバイス、を含むことができる。
CPU3510は、デバイス内の単一のまたは複数の処理ユニットであってもよいし、複数のデバイスにわたって分布されていてもよい。CPU3510は、例えば、PCIバスまたはSCSIバスなどのバスを使用して、他のハードウェアデバイスに結合することができる。CPU3510は、ディスプレイ3530などのデバイス用のハードウェアコントローラと通信することができる。ディスプレイ3530は、テキスト及びグラフィックスを表示するために使用することができる。いくつかの実施例では、ディスプレイ3530は、光線療法セッションのパラメータ、デバイス3500に結合された検出器によって検出された指標の要約、及び/または他の適切な情報など、ユーザにグラフィカルでテキスチュアルな視覚フィードバックを提供する。いくつかの実装形態では、ディスプレイ3530は、入力デバイスがタッチスクリーンである場合、または視線方向監視システムが装備されている場合など、ディスプレイの一部としての入力デバイスを含む。いくつかの実装形態では、ディスプレイ3530は、入力デバイス3520とは別個のものである。ディスプレイデバイスの実施例は、LCDディスプレイスクリーン、LEDディスプレイスクリーン、投影された、ホログラフィの、または拡張現実ディスプレイ(ヘッドアップディスプレイデバイスまたはヘッドマウントデバイスなど)である。他のI/Oデバイス3540、ネットワークカード、ビデオカード、オーディオカード、USB、ファイヤーワイヤもしくは他の外部デバイス、カメラ、プリンタ、スピーカ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、ディスクドライブ、またはブルーレイデバイス、などもまた、プロセッサに結合することができる。
いくつかの実装形態では、デバイス3500は更に、ネットワークノードと無線または有線で通信することができる通信デバイスを含む。通信デバイスは、例えばTCP/IPプロトコルを用いてネットワークを介して、他のデバイスまたはサーバと通信することができる。デバイス3500は、複数のネットワークデバイスにわたってオペレーションを分布させるため、通信デバイスを利用することができる。
CPU3510は、メモリ3550にアクセスすることができる。メモリは、揮発性及び不揮発性ストレージ用の1つ以上のさまざまなハードウェアデバイスを含み、読み取り専用メモリと書き込み可能メモリの両方を含むことができる。例えば、メモリ3550は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、CD、DVD、磁気記憶デバイス、テープドライブ、デバイスバッファなどのような、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CPUレジスタ、読み出し専用メモリ(ROM)、及び書き込み可能な不揮発性メモリ、を含むことができる。メモリは、基礎となるハードウェアから分離された伝搬信号ではなく、メモリは非一過性である。メモリ3550は、オペレーティングシステム3562、光線療法プログラム3564、及び他のアプリケーションプログラム3566などの、プログラム及びソフトウェアを格納するためのプログラムメモリ3560を含むことができる。交感神経トーン解析プログラム3564は、例えば、患者に適切な線量を提供する光線療法システム(例えば、図33及び図34に記載のシステム3300及び3400)のパラメータを判定すること、光線療法セッション中のシステムのパラメータを分析すること、及び/または臨床医もしくは他のユーザが調整することができる特定の療法または治療の特定のパラメータの推奨を提供すること、の1つ以上のアルゴリズムを含むことができる。メモリ3550はまた、心臓検出器からの記録データ、患者データ、交感神経トーン解析に関連するアルゴリズム、構成データ、設定、ユーザオプションまたは選好など、を含むデータメモリ970を含むことができ、これらはプログラムメモリ3560またはデバイス3500の任意の要素に提供されることができる。
いくつかの実装形態は、多数の他の汎用目的または専用コンピューティングシステム環境もしくは構成目的で、動作可能であり得る。この技術での使用に適し得る周知のコンピューティングシステム、環境、及び/または構成の例には、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、携帯電話、装着型電子機器、タブレットデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラム可能な消費者用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などを含むが、これらに限定されない。
図36は、開示された技術のいくつかの実装が動作し得る環境3600の概要を示すブロック図である。環境3600は、1つ以上のクライアントコンピューティングデバイス3605A〜D(「クライアントコンピューティングデバイス3605」として集合的に識別される)を含むことができ、その例は図35のデバイス3500を含むことができる。クライアントコンピューティングデバイス3605は、サーバコンピューティングデバイス3610など、ネットワーク3630を介して、1つ以上のリモートコンピュータとの論理接続を使用して、ネットワーク環境で動作することができる。
いくつかの実装形態では、サーバ3610は、クライアント要求を受信し、サーバ3620A〜Cのような他のサーバを介して、それらの要求の実行を調整するエッジサーバとすることができる。サーバコンピューティングデバイス3610及び3620は、デバイス3500(図35)などのコンピューティングシステムを備えることができる。各サーバコンピューティングデバイス3610及び3620は論理的に単一のサーバとして表示されるが、サーバコンピューティングデバイス3610及び3620はそれぞれ、同じまたは地理的に異なる物理的場所に位置した複数のコンピューティングデバイスを包含する分散コンピューティング環境であってもよい。いくつかの実装では、各サーバ3620は、サーバの一群に対応する。
クライアントコンピューティングデバイス3605ならびにサーバコンピューティングデバイス3610及び3620は、それぞれ、他のサーバ/クライアントデバイスに対するサーバまたはクライアントとして機能することができる。サーバ3610は、データベース3615に接続することができる。サーバ3620A〜Cは、それぞれ対応するデータベース3625A〜Cに接続することができる。上述したように、各サーバ3620は、一群のサーバに対応することができ、これらのサーバの各々は、データベースを共有することができ、またはそれら自身のデータベースを有することができる。データベース3615及び3625は、特定の線量及び特定の光線療法システムの光線療法パラメータ、患者情報、及び/または図1〜34に関連して上述したシステム及び方法の実装に必要な他の情報、を引き出すためのアルゴリズムなどの情報を保管(格納)することができる。データベース3615及び3625は論理的に単一のユニットとして表示されるが、データベース3615及び3625は、それぞれ、複数のコンピューティングデバイスを包含する分散コンピューティング環境であってもよく、対応するサーバ内に設置されてもよく、または同じまたは地理的に異なる物理的位置に設置されてもよい。
ネットワーク3630は、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)でもよいが、他の有線または無線ネットワークであってもよい。ネットワーク3630は、インターネットまたは何らかの他の公衆または私設ネットワークであってもよい。クライアントコンピューティングデバイス3605は、有線または無線通信などのネットワークインターフェースを介してネットワーク3630に接続することができる。サーバ3610とサーバ3620との間の接続は別個の接続として示されているが、これらの接続は、ネットワーク3630または別個の公衆もしくは私設ネットワークを含む、任意の種類のローカル、ワイドエリア、有線または無線ネットワークとすることができる。
VIII皮膚疾患のための光線療法
紫外線光線療法は、皮膚からの免疫調節応答のため皮膚疾患の治療として数年間使用されている。口腔及び局所のカルシトリオールもまた、その抗増殖性及び分化促進効果から、皮膚疾患の治療のために投与される。光線療法は、有効性を改善し全UV露光を減少させるために、しばしば局所カルシトリオールと組み合わせられる。低血清25−ヒドロキシビタミンDは皮膚疾患に関連するので、UVB光線療法からの血中濃度の増加も有効性の一因となる可能性がある。UV露光媒介免疫応答、カルシトリオール産生、ビタミンD産生、及び紅斑は、全て大きく波長に依存している。本技術の様々な実施形態において、UV光線療法のための線量は、紅斑作用スペクトルによって指示される最小紅斑線量(MED)に基づく。この標的範囲外のUV紫外線を最小限に抑えまたは排除しながら、約298nm〜307nmに集束された小さな波長範囲のUV放射線を単離して皮膚に送達することは、全UV露光を低減または最小限に抑えながら皮膚疾患に対する光線療法有効性を最大化することが期待される。
光線療法のために約302nmに集束したUV放射線を単離して送達するこの新しい技術には、多くの利点がある。例えば、上記で概説した線量及びパラメータを使用する光線療法治療は、紅斑作用スペクトルに基づく光線療法治療あたりの露光時間及び全UV露光を最小限に抑えながら、皮膚疾患(例えば、乾癬)の治療の有効性を高めることができる。線量及びパラメータはまた、いくつかの免疫応答作用スペクトルに基づいて免疫抑制及び生物学的応答を達成するために、光線療法治療あたりのUV露光を減少または最小化するために使用され得る。
加えて、線量及びパラメータは、乾癬クリアランス作用スペクトル及びいくつかの免疫応答作用スペクトル、ビタミンDの皮膚産生及び25−ヒドロキシビタミンD不全の得られた矯正、ビタミンDの皮膚産生及び得られたカテリシジン発現の調節、ならびにカルシトリオール作用スペクトル及び得られたカルシトリオール表皮産生、に基づいて皮膚疾患を治療するために、最も少ない数の光線療法セッションで光線療法治療を提供することができる。更に、線量及びパラメータは、最大の皮膚カルシトリオール産生を達成するために必要とされる、光線療法治療セッションあたりのUV露光レベルの低下または最小化を伴う光線療法治療を提供することができる。したがって、開示された光線療法デバイス及び方法は、UV光線療法皮膚カルシトリオール産生刺激を使用してUV刺激免疫応答+経口または局所カルシトリオール投与と同等の有効性をもたらし、それによって、皮膚疾患の治療のための経口または局所カルシトリオール投与のための内在性代替物を提供する。
IX.他の適応症のための光線療法
本技術に従って構成された光線療法治療方法及びシステムは、全身性免疫異常によって影響を受ける他の疾患または適応症を治療するためにも使用することができる。例えば、多発性硬化症(「MS」)などの自己免疫疾患は、過度の免疫応答に起因するので、UV光露光の全身の免疫抑制効果から恩恵を受けることが期待される。免疫系応答光線療法作用スペクトル(例えば、図8に示されるものに類似する)は、図3の接触感受性作用スペクトル、図4のシス−ウロカニン酸作用スペクトル、図5の生体内チミンダイナー作用スペクトル、図6の生体内腫瘍壊死因子アルファ作用スペクトル、ならびに/またはペプチド、ホルモン、及び/もしくは免疫抑制に関連する他の生物学的因子の作用スペクトル、を組み合わせて作成することができる。これらの付加的な作用スペクトルは、治療しようとする特定の自己免疫疾患に関連する生物学的因子の1つ以上の作用スペクトルを含むことができる。特定の実施形態では、組み合わせ免疫応答光線療法作用スペクトルは、図10のビタミンD/カルシトリオール作用スペクトルを含むかまたはこれと組み合わせて、1つ以上の自己免疫疾患を治療するための組み合わせ光線療法作用スペクトルを生成することができる。この作用スペクトル(ビタミンD/カルシトリオール作用スペクトルを含むかまたは除外する)を用いて、特定の自己免疫疾患に対して最大の光線療法有効性を提供する波長を判定することができる。例えば、多くの実施形態において、免疫応答の最大有効性を有する波長は、298nm〜307nm(例えば、約302nmに集束される)であると予想される。次いで、この波長情報を使用して、所望のスペクトル内でUV放射線を放射する1つ以上のUV源を有する光線療法システムを選択または設計することができる。次いで、各光線療法セッションのパラメータは、所望のMED(例えば、0.2MED〜0.9MED)、UV源の強度、皮膚露光の割合、及び患者の皮膚タイプ、に基づいて判定することができる。例えば、所与のスペクトルの照度及び強度を有するUV源の各光線療法セッションの時間は、所望のMED(例えば、0.2MED〜0.9MED)及び患者の皮膚タイプに基づいて判定することができる。
X.実施例
以下の実施例は、本技術のいくつかの実施形態を例示するものである。
1.皮膚疾患を治療するための光線療法システムであって、
光を放射するように構成され、強度を有する放射線源であって、前記放射線源によって放射される光の少なくとも75%が、298nm〜307nmの帯域幅を有する波長を有する、放射線源と、
前記放射線源に動作可能に接続され、光線療法セッションのための線量を決定するように構成されたコントローラであって、前記線量は、前記放射線源の強度と前記放射線源の露光時間との積に等しく、前記線量は、1未満の最小紅斑線量(MED)を上限とし、前記線量の送達がカルシトリオール及びビタミンDの産生を刺激し、前記皮膚疾患を治療するための免疫応答を提供する、コントローラと、を備える、光線療法システム。
2.前記放射線源が、患者の皮膚の少なくとも30%を前記放射線源によって放射される光に露光するように構成されている、請求項1に記載の光線療法システム。
3.前記放射線源が低エネルギー放射線源であり、治療領域の3cm内に配置されるように構成されている、実施例1に記載の光線療法システム。
4.前記放射線源がLEDのアレイを含む、実施例3に記載の光線療法システム。
5.装着型基材を更に備え、
前記放射線源が、前記装着型基材上に配設され、治療領域内に光を放射するように構成された複数のLEDを含む、実施例1に記載の光線療法デバイス。
6.前記LEDは、前記治療領域にわたって実質的に均一なUV放射線を放射するように構成されている、実施例5に記載の光線療法デバイス。
7.前記装着型基材上にセンサを更に備え、前記センサは、患者の皮膚に対する前記放射線源の近接性を判定するように構成されている、実施例1〜6のいずれか一項に記載の光線療法デバイス。
8.皮膚の吸収及び/または反射を測定するように構成されたセンサを更に備え、前記コントローラは、前記センサによって測定された前記皮膚の吸収及び/または反射に基づいて線量を選択するように構成されている、実施例1〜6のいずれか一項に記載の光線療法デバイス。
9.前記放射線源が、実質的に等しい強度の光を前記治療領域に放射するように構成された複数の高エネルギー放射線源を含む、実施例1に記載の光線療法デバイス。
10.前記複数の高エネルギー放射線源は、前記治療領域から約10〜100cm離れて隔置され、前記高エネルギー放射線源と前記治療領域との間の距離の変動は30cm未満である、実施例9に記載の光線療法デバイス。
11.前記放射線源が、少なくとも1つの狭帯域UVB源を含む、実施例1に記載の光線療法システム。
12.前記放射線源が、少なくとも1つの広帯域UVB源を含む、実施例1に記載の光線療法システム。
13.前記放射線源の前記強度は、前記放射線源によって放射される各波長の光の絶対測定強度と紅斑参照作用スペクトル重み付け係数との積の合計に等しい紅斑重み付け放射照度である、実施例1〜12のいずれか一項に記載の光線療法システム。
14.光線療法システムを用いて皮膚疾患を治療する方法であって、
ユーザの皮膚タイプを判定することと、
コントローラを介して、光線療法セッションの間に前記ユーザに送達する光線療法の線量を判定することであって、前記線量は、前記光線療法デバイスの放射線源の強度と前記放射線源の露光時間との積に等しく、前記線量は、1未満の最小紅斑線量(MED)を上限とする、光線療法の線量を判定することと、
前記光線療法デバイスを介して、前記ユーザの治療領域に前記光線療法の線量を送達することと、を含み、前記光線療法の線量を送達することは、前記放射線源から298〜307nmの帯域幅内の1つ以上の波長を有する光を放射することを含み、前記光線療法の線量の送達は、カルシトリオール及びビタミンDの産生を刺激し、前記皮膚疾患を治療するための免疫応答を提供する、方法。
15.前記ユーザの前記皮膚タイプを判定することは、センサを介して、ユーザの皮膚の反射率または吸収を測定することを含む、実施例14に記載の方法。
16.前記放射線源によって放射される各波長の光の絶対測定強度と紅斑参照作用スペクトル重み付け係数との積を合計することによって、前記放射線源の前記強度を判定することを更に含む、実施例14または15に記載の方法。
17.前記光線療法の線量を送達することは、複数の高エネルギー放射線源から光を放射することを含み、
前記方法は、前記ユーザの前記治療領域を前記放射線源から100cm未満離して配置することを更に含み、前記高エネルギー放射線源と前記治療領域との間の距離の変動は30cm未満である、実施例14〜16のいずれか一項に記載の方法。
18.前記光線療法の線量を送達することは、前記光線療法の線量を前記ユーザの皮膚の少なくとも30%に送達することを含む、実施例14〜17のいずれか一項に記載の方法。
19.前記光線療法の線量を送達することは、装着型基材上に配設された複数の低エネルギー放射線源から光を放射することを含み、
前記方法は、前記ユーザの前記治療領域を前記低強度放射線源から3cm未満離して配置することと、前記露光時間中に前記治療領域と前記放射線源との間に実質的に均一な距離を維持することと、を更に含む、実施例14〜16のいずれか一項に記載の方法。
20.前記コントローラを介して、前記線量を選択するように、前記放射線源の露光時間及び強度を互いに関連して調整することを更に含む、実施例14〜19のいずれか一項に記載の方法。
21.皮膚におけるビタミンD産生を刺激するように構成された光線療法システムであって、
298nm〜307nmの帯域幅の波長を有する光を放射するように構成された複数の放射線源であって、前記複数の放射線源は、治療領域にわたって実質的に均一な放射強度を放射するように構成され、前記治療領域は、前記放射線源によって照射される患者の皮膚の一部である、複数の放射線源と、
前記放射線源に動作可能に接続され、光線療法セッションのための線量を決定するように構成されたコントローラであって、前記線量は、前記放射線源の強度と前記放射線源の露光時間との積に等しく、前記線量は、1未満の最小紅斑線量(MED)を上限とし、前記線量の送達がカルシトリオール及びビタミンDの産生を刺激する、コントローラと、光線療法システム。
結論
前述のことから、本技術の特定の実施形態が説明のために本明細書に記載されているが、本開示から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることが理解されよう。特定の実施形態の文脈で説明された新技術の特定の態様は、他の実施形態では、組み合わせるかまたは排除することができる。更に、新技術の特定の実施形態に関連する利点は、それらの実施形態の文脈において記載されているが、他の実施形態もそのような利点を示すことができ、必ずしも全ての実施形態が本技術の範囲内に入るような利点を示す必要はない。したがって、本開示及び関連技術は、本明細書において明示的に図示または説明されていない他の実施形態を包含することができる。

Claims (21)

  1. 皮膚疾患を治療するための光線療法システムであって、
    光を放射するように構成され、強度を有する放射線源であって、前記放射線源によって放射される光の少なくとも75%が、298nm〜307nmの帯域幅を有する波長を有する、放射線源と、
    前記放射線源に動作可能に接続され、光線療法セッションのための線量を決定するように構成されたコントローラであって、前記線量は、前記放射線源の強度と前記放射線源の露光時間との積に等しく、前記線量は、1未満の最小紅斑線量(MED)を上限とし、前記線量の送達がカルシトリオール及びビタミンDの産生を刺激し、前記皮膚疾患を治療するための免疫応答を提供する、コントローラと、を備える、光線療法システム。
  2. 前記放射線源が、患者の皮膚の少なくとも30%を前記放射線源によって放射される光に露光するように構成されている、請求項1に記載の光線療法システム。
  3. 前記放射線源が低エネルギー放射線源であり、治療領域の3cm内に配置されるように構成されている、請求項1に記載の光線療法システム。
  4. 前記放射線源がLEDのアレイを含む、請求項3に記載の光線療法システム。
  5. 装着型基材を更に備え、
    前記放射線源が、前記装着型基材上に配設され、治療領域内に光を放射するように構成された複数のLEDを含む、請求項1に記載の光線療法デバイス。
  6. 前記LEDは、前記治療領域にわたって実質的に均一なUV放射線を放射するように構成されている、請求項5に記載の光線療法デバイス。
  7. 前記装着型基材上にセンサを更に備え、前記センサは、患者の皮膚に対する前記放射線源の近接性を判定するように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光線療法デバイス。
  8. 皮膚の吸収及び/または反射を測定するように構成されたセンサを更に備え、前記コントローラは、前記センサによって測定された前記皮膚の吸収及び/または反射に基づいて線量を選択するように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光線療法デバイス。
  9. 前記放射線源が、実質的に等しい強度の光を前記治療領域に放射するように構成された複数の高エネルギー放射線源を含む、請求項1に記載の光線療法デバイス。
  10. 前記複数の高エネルギー放射線源は、前記治療領域から約10〜100cm離れて隔置され、前記高エネルギー放射線源と前記治療領域との間の距離の変動は30cm未満である、請求項9に記載の光線療法デバイス。
  11. 前記放射線源が、少なくとも1つの狭帯域UVB源を含む、請求項1に記載の光線療法システム。
  12. 前記放射線源が、少なくとも1つの広帯域UVB源を含む、請求項1に記載の光線療法システム。
  13. 前記放射線源の前記強度は、前記放射線源によって放射される各波長の光の絶対測定強度と紅斑参照作用スペクトル重み付け係数との積の合計に等しい紅斑重み付け放射照度である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の光線療法システム。
  14. 光線療法システムを用いて皮膚疾患を治療する方法であって、
    ユーザの皮膚タイプを判定することと、
    コントローラを介して、光線療法セッションの間に前記ユーザに送達する光線療法の線量を判定することであって、前記線量は、前記光線療法デバイスの放射線源の強度と前記放射線源の露光時間との積に等しく、前記線量は、1未満の最小紅斑線量(MED)を上限とする、光線療法の線量を判定することと、
    前記光線療法デバイスを介して、前記ユーザの治療領域に前記光線療法の線量を送達することと、を含み、前記光線療法の線量を送達することは、前記放射線源から298〜307nmの帯域幅内の1つ以上の波長を有する光を放射することを含み、前記光線療法の線量の送達は、カルシトリオール及びビタミンDの産生を刺激し、前記皮膚疾患を治療するための免疫応答を提供する、方法。
  15. 前記ユーザの前記皮膚タイプを判定することは、センサを介して、ユーザの皮膚の反射率及び吸収を測定することを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記放射線源によって放射される各波長の光の絶対測定強度と紅斑参照作用スペクトル重み付け係数との積を合計することによって、前記放射線源の前記強度を判定することを更に含む、請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記光線療法の線量を送達することは、複数の高エネルギー放射線源から光を放射することを含み、
    前記方法は、前記ユーザの前記治療領域を前記放射線源から100cm未満離して配置することを更に含み、前記高エネルギー放射線源と前記治療領域との間の距離の変動は30cm未満である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記光線療法の線量を送達することは、前記光線療法の線量を前記ユーザの皮膚の少なくとも30%に送達することを含む、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記光線療法の線量を送達することは、装着型基材上に配設された複数の低エネルギー放射線源から光を放射することを含み、
    前記方法は、前記ユーザの前記治療領域を前記低強度放射線源から3cm未満離して配置することと、前記露光時間中に前記治療領域と前記放射線源との間に実質的に均一な距離を維持することと、を更に含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記コントローラを介して、前記線量を選択するように、前記放射線源の露光時間及び強度を互いに関連して調整することを更に含む、請求項14〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 皮膚におけるビタミンD産生を刺激するように構成された光線療法システムであって、
    298nm〜307nmの帯域幅の波長を有する光を放射するように構成された複数の放射線源であって、前記複数の放射線源は、治療領域にわたって実質的に均一な放射強度を放射するように構成され、前記治療領域は、前記放射線源によって照射される患者の皮膚の一部である、複数の放射線源と、
    前記放射線源に動作可能に接続され、光線療法セッションのための線量を決定するように構成されたコントローラであって、前記線量は、前記放射線源の強度と前記放射線源の露光時間との積に等しく、前記線量は、1未満の最小紅斑線量(MED)を上限とし、前記線量の送達がカルシトリオール及びビタミンDの産生を刺激する、コントローラと、光線療法システム。
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