JP2018206837A - 固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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公一 馬場
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Abstract

【課題】光学特性を向上させることが可能な固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法、並びに電子機器を提供する。【解決手段】本開示の一実施形態の固体撮像装置は、半導体基板と、半導体基板内に積層されると共に、半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域および第2領域と、第1領域と第2領域との間に形成され、半導体基板を構成する結晶構造を分離する第1の分離領域とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、例えば、半導体基板内において、互いに異なる波長帯域の光電変換を行う光電変換部が積層されている固体撮像装置およびその製造方法、並びにこれを備えた電子機器に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像装置では、画素サイズの縮小化が進んでいる。これにより、画素へ入射するフォトン数が減少することから感度が低下すると共に、S/N比の低下が生じている。また、カラー化のために、赤,緑,青の原色フィルタを2次元配列してなるカラーフィルタを用いた場合、例えば、赤画素では、緑と青の光がカラーフィルタによって吸収されるために、感度の低下を招いている。更に、各色信号を生成する際に、画素間で補間処理を行うことから、いわゆる偽色が発生する。
そこで、例えば、特許文献1では、半導体基板内に、フォトダイオードによって構成される複数の光電変換部を設け、半導体基板の裏面側に、光電変換部とは異なる色の信号を取り出す有機光電変換膜を設けた固体撮像装置が開示されている。このような固体撮像装置では、1画素から複数色(例えば、R/G/Bの3色)の信号を取り出すことで、感度向上が図られている。
特開2008−258474号公報
ところで、上記のように、半導体基板内の異なる深さに複数のフォトダイオードを有する固体撮像装置では、混色の発生の低減や、ダイナミックレンジの拡大等の光学特性の向上が求められている。
光学特性を向上させることが可能な固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法、並びに電子機器を提供することが望ましい。
本開示の一実施形態の固体撮像装置は、半導体基板と、半導体基板内に積層されると共に、半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域および第2領域と、第1領域と第2領域との間に形成され、半導体基板を構成する結晶構造を分離する第1の分離領域とを備えたものである。
本開示の一実施の形態の固体撮像装置の製造方法は、半導体基板内に、半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域および第2領域を積層形成し、さらに第1領域と第2領域との間に、半導体基板を構成する結晶構造を分離する第1の分離領域を形成するものである。
本開示の一実施形態の電子機器は、1または複数の上記本開示の一実施形態の固体撮像装置を備えたものである。
本開示の一実施形態の固体撮像装置および一実施形態の固体撮像装置の製造方法、並びに一実施形態の電子機器では、半導体基板内に積層形成され、半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域と第2領域との間に、半導体基板を構成する結晶構造を分離する第1の分離領域を形成するようにした。これにより、第1領域と第2領域との間におけるブルーミングを抑制することが可能となる。また、飽和信号量を大きくすることが可能となる。
本開示の一実施形態の固体撮像装置および一実施形態の固体撮像装置の製造方法、並びに一実施形態の電子機器によれば、半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域と第2領域との間に第1の分離領域を設けるようにしたので、第1領域と第2領域との間におけるブルーミングが抑制される。また、飽和信号量が大きくなる。よって、光学特性を向上させることが可能となる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
本開示の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の要部構成を表す断面模式図である。 図1に示した固体撮像装置の平面構成を表す模式図である。 本開示の固体撮像装置の単位画素の詳細な構成を表す断面模式図である。 図3に示した固体撮像装置の単位画素の構成を表す平面模式図である。 図3に示した固体撮像装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 図1に示した固体撮像装置の要部の製造方法を説明するための断面模式図である。 図6Aに続く工程を表す断面模式図である。 図6Bに続く工程を表す断面模式図である。 図6Cに続く工程を表す断面模式図である。 図7Aに続く工程を表す断面模式図である。 図5および図7Bに続く工程を表す断面模式図である。 図8に続く工程を表す断面模式図である。 図9に続く工程を表す断面模式図である。 本開示の第2の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する断面模式図である。 図11Aに続く工程を表す断面模式図である。 本開示の第3の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する断面模式図である。 図12Aに続く工程を表す断面模式図である。 図12Bに続く工程を表す断面模式図である。 本開示の変形例1に係る固体撮像装置の要部構成を表す断面模式図である。 本開示の変形例2に係る固体撮像装置の要部構成を表す断面模式図である。 本開示の変形例3に係る固体撮像装置の要部構成を表す平面模式図である。 本開示の変形例4に係る固体撮像装置の要部構成を表す断面模式図である。 本開示の変形例5に係る固体撮像装置の要部構成を表す断面模式図である。 本開示の変形例6に係る固体撮像装置の要部構成を表す断面模式図である。 図1等に示した固体撮像装置の全体構成を表すブロック図である。 図19に示した固体撮像装置を用いた電子機器(カメラ)の一例を表す機能ブロック図である。 体内情報取得システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 本技術が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。 図22に示したカメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。 車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。 撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
以下、本開示における実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。また、本開示は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比等についても、それらに限定されるものではない。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.第1の実施の形態(積層された無機光電変換部の間に分離領域を設けた例)
1−1.固体撮像装置の構成
1−2.固体撮像装置の製造方法
1−3.作用・効果
2.第2の実施の形態(青色用無機光電変換部を形成したのち分離領域を形成する例)
3.第3の実施の形態(シリコンオンナッシング技術とエピタキシャル成長を組み合わせて分離領域を形成する例)
4.変形例
5.適用例
<1.第1の実施の形態>
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る固体撮像装置(固体撮像装置1)の要部の断面構成を模式的に表したものである。図2は、図1に示した固体撮像装置1の平面構成を模式的に表したものであり、図1は、図2に示したI−I線における断面模式図である。図3は、図1に示した固体撮像装置1の単位画素Pの詳細な断面構成を表したものである。固体撮像装置1は、例えば、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ等の電子機器に用いられるCMOSイメージセンサ等を構成するものである。固体撮像装置1は、例えば、1つの有機光電変換部20と、2つの無機光電変換部12B,12R(第1領域、第2領域)とが縦方向に積層された、いわゆる縦方向分光型のものである。本実施の形態の固体撮像装置1は、縦方向(図1では、Y軸方向)に積層された無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間に分離領域13(第1の分離領域)が形成された構成を有する。
(1−1.固体撮像装置の構成)
固体撮像装置1は、画素P毎に、1つの有機光電変換部20と、2つの無機光電変換部12B,12Rとが縦方向に積層されものである。有機光電変換部20は、半導体基板10の第1面(裏面)10A側に設けられている。無機光電変換部12B,12Rは、半導体基板10内に埋め込み形成されており、半導体基板10の厚み方向(Y軸方向)に積層されている。有機光電変換部20と、無機光電変換部12B,12Rとは、互いに異なる波長帯域の光を選択的に検出して光電変換を行うものである。具体的には、有機光電変換部20では、緑(G)の色信号を取得する。無機光電変換部12B,12Rでは、吸収係数の違いにより、それぞれ、青(B)および赤(R)の色信号を取得する。これにより、固体撮像装置1では、カラーフィルタを用いることなく一つの画素において複数種類の色信号を取得可能となっている。
なお、本実施の形態では、光電変換によって生じる電子および正孔の対のうち、電子を信号電荷として読み出す場合(n型半導体領域を光電変換層とする場合)について説明する。また、図中において、「p」「n」に付した「+(プラス)」は、p型またはn型の不純物濃度が高いことを表し、「++」はp型またはn型の不純物濃度が「+」よりも更に高いことを表している。
半導体基板10は、例えば、n型のシリコン(Si)基板により構成され、所定領域にpウェル11を有している。pウェル11の第2面(半導体基板10の表面)10Bには、例えば、各種フローティングディフュージョン(浮遊拡散層)FD(例えば、FD1,FD2,FD3)と、各種トランジスタTr(例えば、縦型トランジスタ(転送トランジスタ)Tr1、転送トランジスタTr2、アンプトランジスタ(変調素子)AMPおよびリセットトランジスタRST)と、多層配線40とが設けられている。多層配線40は、例えば、配線層41,42,43を絶縁層44内に積層した構成を有している。また、半導体基板10の周辺部には、ロジック回路等からなる周辺回路(図示せず)が設けられている。
なお、図3では、半導体基板10の第1面10A側を光入射面S1、第2面10B側を配線層側S2と表している。
無機光電変換部12B,12Rは、例えばPIN(Positive Intrinsic Negative)型のフォトダイオードによって構成されており、それぞれ、半導体基板10の所定領域にpn接合を有する。無機光電変換部12B,12Rは、シリコン基板において光の入射深さに応じて吸収される波長帯域が異なることを利用して縦方向に光を分光することを可能としたものである。
無機光電変換部12Bは、青色光を選択的に検出して青色に対応する信号電荷を蓄積させるものであり、青色光を効率的に光電変換可能な深さに設置されている。無機光電変換部12Rは、赤色光を選択的に検出して赤色に対応する信号電荷を蓄積させるものであり、赤色光を効率的に光電変換可能な深さに設置されている。なお、青(B)は、例えば450nm〜495nmの波長帯域、赤(R)は、例えば620nm〜750nmの波長帯域にそれぞれ対応する色である。無機光電変換部12B,12Rはそれぞれ、各波長帯域のうちの一部または全部の波長帯域の光を検出可能となっていればよい。
本実施の形態では、半導体基板10内において厚み方向(Y軸方向)に積層形成された無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間に分離領域13が形成されている。分離領域13は、無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間を電気的に分離するものである。具体的には、半導体基板10を構成する結晶構造が縦方向で分離された領域であり、例えば、内部が空洞な中空構造として形成されている。なお、分離領域13は、上記のように、結晶構造が縦方向で分離されていればよいため、必ずしも中空構造である必要はない。即ち、分離領域13は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)および酸窒化シリコン(SiON)等の絶縁膜で構成されていてもよい。更に、分離領域13は、例えば、入射光を阻害しない金属や半導体等の透明導電材料を用いて形成してもよい。透明導電材料によって構成された分離領域13に、電圧印加部(図示せず)から電圧を印加することで、無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間を電気的に分離するようにしてもよい。具体的な透明導電材料としては、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)やインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)等が挙げられる。
本実施の形態の分離領域13は画素P毎に設けられている。分離領域13は、無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間の少なくとも一部に形成されていればよいが、例えば、XZ平面方向において、無機光電変換部12B,12Rと同程度の大きさに形成されていることが好ましい。より好ましくは、図1および図2に示したように、無機光電変換部12B,12Rよりも大きく形成されていることが好ましい。これにより、無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間におけるブルーミングの発生による信号電荷(ここでは、電子)の移動を防ぐことが可能となる。
また、隣り合う画素Pの間には、半導体基板10を平面方向に分離する画素分離溝14(第2の分離領域)が設けられていることが好ましい。画素分離溝14は、分離領域13と同様に、隣り合う無機光電変換部12B,12Rの間を電気的に分離するものであり、例えば、半導体基板10の第1面10Aから第2面10Bに向かって延在する溝によって構成されている。画素分離溝14は、側面および底面に、例えば、固定電荷膜15が形成されていることが好ましい。この固定電荷膜15は、例えば、後述する固定電荷層24の連続膜として形成することができる。画素分離溝14の内部には、例えば、絶縁膜が埋設されていてもよいが、遮光性を有する膜(遮光膜16)が埋設されていることが好ましい。これにより、隣接する画素Pへの斜めの光の入射による混色の発生を抑制することが可能となる。
無機光電変換部12Bおよび無機光電変換部12Rは、具体的には、図3に示したように、それぞれ、例えば、正孔蓄積層となるp+領域と、電子蓄積層となるn領域とを有する(p−n−pの積層構造を有する)。無機光電変換部12Bのn領域は、縦型トランジスタTr1に接続されている。無機光電変換部12Bのp+領域は、縦型トランジスタTr1に沿って屈曲し、無機光電変換部12Rのp+領域につながっている。
半導体基板10の第2面10Bには、上記のように、例えば、フローティングディフュージョン(浮遊拡散層)FD1,FD2,FD3と、縦型トランジスタ(転送トランジスタ)Tr1と、転送トランジスタTr2と、アンプトランジスタ(変調素子)AMPと、リセットトランジスタRSTとが設けられている。
縦型トランジスタTr1は、無機光電変換部12Bにおいて発生し、蓄積された、青色に対応する信号電荷(ここでは電子)を、フローティングディフュージョンFD1に転送する転送トランジスタである。無機光電変換部12Bは半導体基板10の第2面10Bから深い位置に形成されているので、無機光電変換部12Bの転送トランジスタは縦型トランジスタTr1により構成されていることが好ましい。
転送トランジスタTr2は、無機光電変換部12Rにおいて発生し、蓄積された赤色に対応する信号電荷(ここでは電子)を、フローティングディフュージョンFD2に転送するものであり、例えばMOSトランジスタにより構成されている。
アンプトランジスタAMPは、有機光電変換部20で生じた電荷量を電圧に変調する変調素子であり、例えばMOSトランジスタにより構成されている。
リセットトランジスタRSTは、有機光電変換部20からフローティングディフュージョンFD3に転送された電荷をリセットするものであり、例えばMOSトランジスタにより構成されている。
下部第1コンタクト32、下部第2コンタクト45、下部第3コンタクト46および上部コンタクト33は、例えば、PDAS(Phosphorus Doped Amorphous Silicon)等のドープされたシリコン材料、または、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)等の金属材料により構成されている。
半導体基板10の第1面10A側には、有機光電変換部20が設けられている。有機光電変換部20は、例えば、下部電極21、有機光電変換層22および上部電極23が、半導体基板10の第1面10Aの側からこの順に積層された構成を有している。下部電極21は、例えば、固体撮像装置1ごとに分離形成されている。有機光電変換層22および上部電極23は、複数の固体撮像装置1に共通した連続層として設けられている。有機光電変換部20は、選択的な波長帯域(例えば、450nm以上650nm以下)の一部または全部の波長帯域に対応する緑色光を吸収して、電子−正孔対を発生させる有機光電変換素子である。
半導体基板10の第1面10Aと下部電極21との間には、例えば、固定電荷を有する層(固定電荷層)24と、絶縁性を有する誘電体層25と、層間絶縁層26とが設けられている。上部電極23の上には、保護層27が設けられている。保護層27の上方には、平坦化層やオンチップレンズ等の光学部材(いずれも図示せず)が配設されている。
下部電極21は、半導体基板10内に形成された無機光電変換部12B,12Rの受光面と正対して、これらの受光面を覆う領域に設けられている。下部電極21は、光透過性を有する導電膜により構成され、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)により構成されている。但し、下部電極21の構成材料としては、このITOの他にも、ドーパントを添加した酸化スズ(SnO2)系材料、あるいはアルミニウム亜鉛酸化物(ZnO)にドーパントを添加してなる酸化亜鉛系材料を用いてもよい。酸化亜鉛系材料としては、例えば、ドーパントとしてアルミニウム(Al)を添加したアルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム(Ga)添加のガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウム(In)添加のインジウム亜鉛酸化物(IZO)が挙げられる。また、この他にも、CuI、InSbO4、ZnMgO、CuInO2、MgIN24、CdO、ZnSnO3等を用いてもよい。
有機光電変換層22は、光エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。有機光電変換層22は、p型半導体またはn型半導体として機能する有機半導体材料を、例えば3種類含んで構成されている。3種類の有機半導体材料のいずれかは、有機P型半導体および有機n型半導体のうちの一方または両方であると共に、選択的な波長域(例えば、450nm以上650nm以下)の光を光電変換する一方、他の波長域の光を透過させるものである。
有機光電変換層22は、層内に、p型半導体とn型半導体との接合面(p/n接合面)を有する。p型半導体は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能するものであり、n型半導体は、相対的に電子受容体(アクセプタ)として機能するものである。有機光電変換層22は、光を吸収した際に生じる励起子が電子と正孔とに分離する場を提供するものであり、具体的には、電子供与体と電子受容体との界面(p/n接合面)において、励起子が電子と正孔とに分離する。有機光電変換層22の厚みは、例えば、50nm〜500nmである。
上部電極23は、下部電極21と同様の光透過性を有する導電膜により構成されている。上部電極23は画素P毎に分離されていてもよいし、各画素)に共通の電極として形成されていてもよい。上部電極23の厚みは、例えば、10nm〜200nmである。
なお、有機光電変換層22と下部電極21との間、および有機光電変換層22と上部電極23との間には、他の層が設けられていてもよい。具体的には、例えば、下部電極21側から順に、下引き膜、正孔輸送層、電子ブロッキング膜 、有機光電変換層22、正孔ブロッキング膜、バッファ膜、電子輸送層および仕事関数調整膜等が積層されていてもよい。
固定電荷層24は、正の固定電荷を有する膜でもよいし、負の固定電荷を有する膜でもよい。負の固定電荷を有する膜の材料としては、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(Ta25)、酸化チタン(TiO2)等が挙げられる。また、上記以外の材料としては酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化セリウム、酸化ネオジム、酸化プロメチウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化正孔ミウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化イットリウム、窒化アルミニウム膜、酸窒化ハフニウム膜または酸窒化アルミニウム膜等を用いてもよい。
固定電荷層24は、2種類以上の膜を積層した構成を有していてもよい。これにより、例えば負の固定電荷を有する膜の場合には正孔蓄積層としての機能をさらに高めることが可能である。
誘電体層25の材料は特に限定されないが、例えば、シリコン酸化膜、TEOS、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等によって形成されている。
層間絶縁層26は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)および酸窒化シリコン(SiON)等のうちの1種よりなる単層膜か、あるいはこれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。
保護層27は、光透過性を有する材料により構成され、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)および酸窒化シリコン(SiON)等のうちのいずれかよりなる単層膜、あるいはそれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。この保護層27の厚みは、例えば、100nm〜30000nmである。
半導体基板10の第1面10Aと第2面10Bとの間には、貫通電極31が設けられている。有機光電変換部20は、この貫通電極31を介して、アンプトランジスタAMPのゲートGampと、フローティングディフュージョンFD3とに接続されている。これにより、固体撮像装置1では、半導体基板10の第1面10A側の有機光電変換部20で生じた電荷を、貫通電極31を介して半導体基板10の第2面10B側に良好に転送し、特性を高めることが可能となっている。
貫通電極31は、例えば、固体撮像装置1の各々に、有機光電変換部20ごとに設けられている。貫通電極31は、有機光電変換部20とアンプトランジスタAMPのゲートGampおよびフローティングディフュージョンFD3とのコネクタとしての機能を有すると共に、有機光電変換部20において生じた電荷(ここでは、電子)の伝送経路となるものである。貫通電極31の下端は、例えば、下部第1コンタクト32を介して、多層配線40の配線層41内の接続部41Aに接続されている。接続部41Aと、アンプトランジスタAMPのゲートGampとは、下部第2コンタクト45により接続されている。接続部41Aと、フローティングディフュージョンFD3とは、下部第3コンタクト46により接続されている。貫通電極31の上端は、例えば、上部コンタクト33を介して下部電極21に接続されている。
フローティングディフュージョンFD3の隣には、図3に示したように、リセットトランジスタRSTのリセットゲートGrstが配置されていることが好ましい。これにより、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷を、リセットトランジスタRSTによりリセットすることが可能となる。
貫通電極31は、半導体基板10を貫通すると共に、例えば、分離溝50により半導体基板10とは分離されている。貫通電極31は、例えば、半導体基板10と同じ半導体、例えばシリコン(Si)により構成され、n型またはp型の不純物が注入される(図3では例えばp+)ことにより抵抗値が低減されていることが好ましい。また、貫通電極31の上端部および下端部には、高濃度不純物領域(図3では例えばp++)が設けられ、上部コンタクト33との接続抵抗および下部第1コンタクト32との接続抵抗がさらに低減されていることが好ましい。貫通電極31は、金属または導電性材料により構成されていてもよい。金属または導電性材料を用いることにより、貫通電極31の抵抗値をさらに低減すると共に、貫通電極31と下部第1コンタクト32、下部第2コンタクト45および下部第3コンタクト46との接続抵抗をさらに低減することが可能となる。貫通電極31を構成する金属または導電性材料としては、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)等が挙げられる。
図3に示したように、分離溝50の外側面51、内側面52および底面53は、例えば絶縁性を有する誘電体層25により被覆されている。誘電体層25は、例えば、分離溝50の外側面51を被覆する外側誘電体層25Aと、分離溝50の内側面52を被覆する内側誘電体層25Bとを有している。外側誘電体層25Aと内側誘電体層25Bとの間には、空洞54が設けられていることが好ましい。即ち、分離溝50は環状または輪状であり、空洞54は分離溝50と同心円をなす環状または輪状である。これにより、貫通電極31と半導体基板10との間に生じる静電容量を低減させ、変換効率を高めると共に遅延(残像)を抑えることが可能となる。
また、分離溝50の外側面51の半導体基板10内には、貫通電極31と同じ導電型(n型またはp型)の不純物領域(図3ではp+)が設けられていることが好ましい。更に、分離溝50の外側面51、内側面52および底面53と、半導体基板10の第1面10Aとに、固定電荷層24が設けられていることが好ましい。具体的には、例えば、分離溝50の外側面51の半導体基板10内にp型の不純物領域(図3のp+)を設けると共に、固定電荷層24として負の固定電荷を有する膜を設けることが好ましい。これにより、暗電流を低減することが可能となる。
図4は、本開示に係る技術を適用し得る複数の光電変換部(例えば、上記無機光電変換部12B,12Rおよび有機光電変換部20)が積層された画素を有する固体撮像装置の構成例を示した平面図である。即ち、図4は、例えば図19に示した画素部100を構成する単位画素Pの平面構成の一例を表したものである。
単位画素Pは、R(Red)、G(Green)およびB(Blue)のそれぞれの波長の光を光電変換する赤色光電変換部(図3における無機光電変換部12R)、青色光電変換部(図3における無機光電変換部12B)および緑色光電変換部(図3における有機光電変換部20)(図4では、いずれも図示せず)が、例えば、受光面(図3における光入射面S1)側から、緑色光電変換部、青色光電変換部および赤色光電変換部の順番で3層に積層された光電変換領域1100を有する。更に、単位画素Pは、RGBのそれぞれの波長の光に対応する電荷を、赤色光電変換部、緑色光電変換部および青色光電変換部から読み出す電荷読み出し部としてのTr群1110、Tr群1120およびTr群1130を有する。固体撮像装置1では、1つの単位画素Pにおいて、縦方向の分光、即ち、光電変換領域1100に積層された赤色光電変換部、緑色光電変換部および青色光電変換部としての各層で、RGBのそれぞれの光の分光が行われる。
Tr群1110、Tr群1120およびTr群1130は、光電変換領域1100の周辺に形成されている。Tr群1110は、赤色光電変換部で生成、蓄積されたRの光に対応する信号電荷を画素信号として出力する。Tr群1110は、転送Tr(MOS FET)1111、リセットTr1112、増幅Tr1113および選択Tr1114で構成されている。Tr群1120は、青色光電変換部で生成、蓄積されたBの光に対応する信号電荷を画素信号として出力する。Tr群1120は、転送Tr1121、リセットTr1122、増幅Tr1123および選択Tr1124で構成されている。Tr群1130は、緑色光電変換部で生成、蓄積されたGの光に対応する信号電荷を画素信号として出力する。Tr群1130は、転送Tr1131、リセットTr1132、増幅Tr1133および選択Tr1134で構成されている。
転送Tr1111は、ゲートG、ソース/ドレイン領域S/DおよびFD(フローティングディフュージョン)1115(となっているソース/ドレイン領域)によって構成されている。転送Tr1121は、ゲートG、ソース/ドレイン領域S/D、および、FD1125によって構成される。転送Tr1131は、ゲートG、光電変換領域1100のうちの緑色光電変換部(と接続しているソース/ドレイン領域S/D)およびFD1135によって構成されている。なお、転送Tr1111のソース/ドレイン領域は、光電変換領域1100のうちの赤色光電変換部に接続され、転送Tr1121のソース/ドレイン領域S/Dは、光電変換領域1100のうちの青色光電変換部に接続されている。
リセットTr1112、1132および1122、増幅Tr1113、1133および1123ならびに選択Tr1114、1134および1124は、いずれもゲートGと、そのゲートGを挟むような形に配置された一対のソース/ドレイン領域S/Dとで構成されている。
FD1115、1135および1125は、リセットTr1112、1132および1122のソースになっているソース/ドレイン領域S/Dにそれぞれ接続されると共に、増幅Tr1113、1133および1123のゲートGにそれぞれ接続されている。リセットTr1112および増幅Tr1113、リセットTr1132および増幅Tr1133ならびにリセットTr1122および増幅Tr1123のそれぞれにおいて共通のソース/ドレイン領域S/Dには、電源Vddが接続されている。選択Tr1114、1134および1124のソースになっているソース/ドレイン領域S/Dには、VSL(垂直信号線)が接続されている。
本開示に係る技術は、以上のような固体撮像装置に適用することができる。
(1−2.固体撮像装置の製造方法)
本実施の形態の固体撮像装置1は、例えば、次のようにして製造することができる。
図5〜図10は、固体撮像装置1の製造方法を工程順に表したものである。まず、図5に示したように、半導体基板10内に、第1の導電型のウェルとして例えばpウェル11を形成し、このpウェル11内に第2の導電型(例えばn型)の無機光電変換部12B,12Rを形成する。半導体基板10の第1面10A近傍にはp+領域を形成する。また、図5に示したように、貫通電極31および分離溝50の形成予定領域に、半導体基板10の第1面10Aから第2面10Bまで貫通する不純物領域(p+領域)を形成する。更に、貫通電極31の上端部および下端部の形成予定領域には高濃度不純物領域(p++領域)を形成する。
このとき、本実施の形態の無機光電変換部12B,12Rおよび分離領域13は以下のようにして形成する。まず、図6Aに示したように、シリコンの表面マイグレーションによる形状変化を応用したシリコンオンナッシング技術を用いて半導体基板10に分離領域13を形成する。具体的には、半導体基板10上の無機光電変換部12B,12Rの形成予定領域に、フォトレジストプロセスを用いてトレンチ加工を行って複数の開口を形成したのち、例えば1100℃、300Torrの還元性雰囲気(例えば、水素雰囲気)中において熱処理を行う。これにより、半導体基板10に所望のサイズの中空構造を有する分離領域13が形成される。
続いて、図6Bに示したように、例えば、レジストプロセスおよびインプラプロセスを用いて、半導体基板10に無機光電変換部12Bを形成する。次に、図6Cに示したように、例えば、エピタキシャル成長プロセスにより、半導体基板10を延伸させる。
続いて、図7Aに示したように、例えば、レジストプロセスおよびインプラプロセスを用いて、半導体基板10に無機光電変換部12Rを形成する。この後、フローティングディフュージョンFDおよび各種トランジスタをTrや、周辺回路を形成する。
具体的には、例えば、半導体基板10の第2面10Bに、フローティングディフュージョンFD1〜FD3となるn+領域を形成したのち、ゲート絶縁層17と、縦型トランジスタTr1、転送トランジスタTr2、アンプトランジスタAMPおよびリセットトランジスタRSTの各ゲートを含むゲート配線層34とを形成する。これにより、縦型トランジスタTr1、転送トランジスタTr2、アンプトランジスタAMPおよびリセットトランジスタRSTを形成する。更に、半導体基板10の第2面10B上に、下部第1コンタクト32、下部第2コンタクト45、下部第3コンタクト46、接続部41Aを含む配線層41〜43および絶縁層44からなる多層配線40を形成する。
半導体基板10の基体としては、例えば、半導体基板10と、埋込み酸化膜(図示せず)と、保持基板(図示せず)とを積層したSOI(Silicon on Insulator)基板を用いる。埋込み酸化膜および保持基板は、図2には図示しないが、半導体基板10の第1面10Aに接合されている。イオン注入後、アニール処理を行う。
次いで、半導体基板10の第2面10B側(多層配線40側)に支持基板(図示せず)または他の半導体基板等を接合して、上下反転する。続いて、半導体基板10をSOI基板の埋込み酸化膜および保持基板から分離し、半導体基板10の第1面10Aを露出させる。以上の工程は、イオン注入およびCVD(Chemical Vapor Deposition)等、通常のCMOSプロセスで使用されている技術にて行うことが可能である。なお、支持基板は、周辺回路が形成されたロジック基板を用いてもよい。その場合には、周辺回路の形成は省略される。
次いで、図8に示したように、例えばドライエッチングにより半導体基板10を第1面10A側から加工し、輪状あるいは環状の分離溝50を形成する。分離溝50の深さは、図8の矢印D50Aに示したように、半導体基板10を第1面10Aから第2面10Bまで貫通してゲート絶縁層17に達することが好ましい。更に、分離溝50の底面53での絶縁効果をより高めるためには、分離溝50は、図8の矢印D50Bに示したように、半導体基板10およびゲート絶縁層17を貫通して多層配線40の絶縁層44に達することが好ましい。図8には、分離溝50が半導体基板10およびゲート絶縁層17を貫通している場合を表している。このとき、同時に隣り合う画素P間を分離する画素分離溝14を形成する。
続いて、図9に示したように、分離溝50の外側面51、内側面52および底面53と、画素分離溝14の側面および底面と、半導体基板10の第1面10Aとに、例えば負の固定電荷層24(固定電荷膜15)を形成する。負の固定電荷層24として、2種類以上の膜を積層してもよい。それにより、正孔蓄積層としての機能をより高めることが可能となる。負の固定電荷層24を形成したのち、外側誘電体層25Aおよび内側誘電体層25Bを有する誘電体層25を形成する。このとき、誘電体層25の膜厚および成膜条件を適切に調節することで、分離溝50内において、外側誘電体層25Aと内側誘電体層25Bとの間に空洞54を形成する。なお、画素分離溝14の内部に遮光膜16を埋設する場合には、例えば、CVD法を用いて、例えばタングステン(W)膜を埋め込み形成する。これにより、側面および底面が固定電荷膜15によって覆われた画素分離溝14の内部に遮光膜16が埋設される。
次に、図10に示したように、層間絶縁層26および上部コンタクト33を形成し、上部コンタクト33を貫通電極31の上端に接続する。続いて、層間絶縁層26上に、下部電極21,有機光電変換層22、上部電極23および保護層27をこの順に形成する。有機光電変換層22は、例えば、上記3種類の有機半導体材料を、例えば真空蒸着法を用いて成膜する。なお、上記のように、有機光電変換層22の上層または下層に、他の有機層(例えば、電子ブロッキング層等)を形成する場合には、真空工程において連続的に(真空一貫プロセスで)形成することが望ましい。また、有機光電変換層22の成膜方法としては、必ずしも真空蒸着法を用いた手法に限らず、他の手法、例えば、スピンコート技術やプリント技術等を用いてもよい。最後に、平坦化層等の光学部材およびオンチップレンズ(図示せず)を配設する。以上により、図1および図3に示した固体撮像装置1が完成する。
固体撮像装置1では、有機光電変換部20に、オンチップレンズ(図示せず)を介して光が入射すると、その光は、有機光電変換部20、無機光電変換部12B,12Rの順に通過し、その通過過程において緑、青、赤の色光毎に光電変換される。以下、各色の信号取得動作について説明する。
(有機光電変換部20による緑色信号の取得)
固体撮像装置1へ入射した光のうち、まず、緑色光が、有機光電変換部20において選択的に検出(吸収)され、光電変換される。
有機光電変換部20は、貫通電極31を介して、アンプトランジスタAMPのゲートGampとフローティングディフュージョンFD3とに接続されている。よって、有機光電変換部20で発生した電子−正孔対のうちの電子が、下部電極21側から取り出され、貫通電極31を介して半導体基板10の第2面10B側へ転送され、フローティングディフュージョンFD3に蓄積される。これと同時に、アンプトランジスタAMPにより、有機光電変換部20で生じた電荷量が電圧に変調される。
また、フローティングディフュージョンFD3の隣には、リセットトランジスタRSTのリセットゲートGrstが配置されている。これにより、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷は、リセットトランジスタRSTによりリセットされる。
ここでは、有機光電変換部20が、貫通電極31を介して、アンプトランジスタAMPだけでなくフローティングディフュージョンFD3にも接続されているので、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷をリセットトランジスタRSTにより容易にリセットすることが可能となる。
これに対して、貫通電極31とフローティングディフュージョンFD3とが接続されていない場合には、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷をリセットすることが困難となり、大きな電圧をかけて上部電極23側へ引き抜くことになる。そのため、有機光電変換層22がダメージを受けるおそれがある。また、短時間でのリセットを可能とする構造は暗時ノイズの増大を招き、トレードオフとなるため、この構造は困難である。
(無機光電変換部12B,12Rによる青色信号,赤色信号の取得)
続いて、有機光電変換部20を透過した光のうち、青色光は無機光電変換部12B、赤色光は無機光電変換部12Rにおいて、それぞれ順に吸収され、光電変換される。無機光電変換部12Bでは、入射した青色光に対応した電子が無機光電変換部12Bのn領域に蓄積され、蓄積された電子は、縦型トランジスタTr1によりフローティングディフュージョンFD1へと転送される。同様に、無機光電変換部12Rでは、入射した赤色光に対応した電子が無機光電変換部12Rのn領域に蓄積され、蓄積された電子は、転送トランジスタTr2によりフローティングディフュージョンFD2へと転送される。
(1−3.作用・効果)
近年、CCDイメージセンサ、あるいはCMOSイメージセンサ等の固体撮像装置では、画素サイズの縮小化が進んでいる。画素サイズが小さくなると、単位画素へ入射するフォトン数が減少することから感度が低下すると共に、S/N比が低下する。そこで、半導体基板内に、フォトダイオードによって構成される複数の光電変換部(例えば、青色光(B)および赤色光(R)を光電変換する2つの光電変換部)を設け、半導体基板の裏面側に、光電変換部とは異なる色(例えば、緑色光(G))の信号を取り出す有機光電変換膜が設けられた、所謂、縦方向分光型の固体撮像装置が開発されている。このような固体撮像装置では、1画素から複数色(例えば、R/G/Bの3色)の信号を取り出すことで、感度向上が図られている。
しかしながら、上記のように、半導体基板内の異なる深さに複数のフォトダイオードを有する固体撮像装置では、半導体基板内に積層された光電変換部間におけるブルーミングにより、混色の発生やダイナミックレンジが縮小するという問題があった。
これに対して、本実施の形態の固体撮像装置1では、半導体基板10内に積層形成される無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間に、分離領域13を形成するようにした。これにより、無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間におけるブルーミングを抑制することが可能となる。また、飽和信号量を大きくすることが可能となる。
以上、本実施の形態では、半導体基板10内に積層形成される無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間に分離領域13を形成ことにより、無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間におけるブルーミングが抑制される。また、飽和信号量が大きくなる。これにより、混色の発生が低減されると共に、ダイナミックレンジを拡大することが可能となる。即ち、光学特性を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、分離領域13として、シリコンオンナッシング技術を用いて中空構造を形成した。これにより、無機光電変換部12B,12Rを構成するn領域の間に設けられるp領域の厚みを薄くすることが可能となり、飽和信号量をさらに大きくすることが可能となる。
更に、本実施の形態では、半導体基板10に積層形成された無機光電変換部12B,12Rの隣り合う画素P間に画素分離溝14を設けるようにした。これにより、隣り合う画素P間におけるブルーミングを抑制することが可能となる。よって、固体撮像装置1の光学特性をさらに向上させることが可能となる。
次に、本開示の第2,第3の実施の形態および変形例について説明する。なお、第1の実施の形態の固体撮像装置1に対応する構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
<2.第2の実施の形態>
図11Aおよび図11Bは、本開示の第2の実施の形態に係る固体撮像装置の要部の製造方法を模式的に表したものである。なお、本実施の形態の固体撮像装置の構成は、上記第1の実施の形態における固体撮像装置1と同様である。
本実施の形態の無機光電変換部12B,12Rおよび分離領域13は以下のようにして形成する。まず、図11Aに示したように、例えば、レジストプロセスおよびインプラプロセスを用いて、半導体基板10に無機光電変換部12Bを形成する。続いて、図11Bに示したように、無機光電変換部12Bと対向する領域に、フォトレジストプロセスを用いてトレンチ加工を行って複数の開口を形成したのち、例えば1100℃、300Torrの水素雰囲気中において熱処理を行う。これにより、半導体基板10に所望のサイズの中空構造を有する分離領域13が形成される。以降、第1の実施の形態と同様の方法を用いて無機光電変換部12Rおよび有機光電変換部20等を順次形成する。
以上のように、無機光電変換部12Bを形成したのち、分離領域13を形成するようにしてもよい。
<3.第3の実施の形態>
図12A〜図12Cは、本開示の第3の実施の形態に係る固体撮像装置の要部の製造方法を模式的に表したものである。なお、本実施の形態の固体撮像装置の構成は、上記第1の実施の形態における固体撮像装置1と同様である。
本実施の形態の無機光電変換部12B,12R、分離領域13および半導体基板10の結晶成長を以下のように行う。まず、図12Aに示したように、例えば、レジストプロセスおよびインプラプロセスを用いて、半導体基板10に無機光電変換部12Bを形成する。続いて、図12Bに示したように、無機光電変換部12Bに対向する領域に、フォトレジストプロセスを用いて複数のトレンチ13Hを形成する。続いて、エピタキシャル成長プロセスにより、半導体基板10を延伸させる。このとき、エピタキシャル成長時の熱プロセスの前処理により、複数のトレンチ13H部分の表面マイグレーションが起こり、半導体基板10中に分離領域13となる中空構造が形成される。以降、第1の実施の形態と同様の方法を用いて無機光電変換部12Rおよび有機光電変換部20等を順次形成する。
以上のように、分離領域13が中空構造の固体撮像装置は、シリコンオンナッシング技術と半導体基板のエピタキシャル成長プロセスとを組み合わせることで、分離領域13と半導体基板の結晶成長を一括で行うことが可能となる。即ち、製造工程数を削減することが可能となる。
<4.変形例>
本開示の固体撮像装置は、以下のような構成としてもよい。
(変形例1)
図13は、本開示の変形例1に係る固体撮像装置2の要部の断面構成を模式的に表したものである。本変形例の固体撮像装置2では、隣り合う画素Pの間に、半導体基板10を貫通する画素分離溝64が設けられた点が上記第1の実施の形態とは異なる。この画素分離溝64は、第1の実施の形態における画素分離溝14と同様に、半導体基板10の第1面10Aから第2面10Bに向かって形成してよいし、第2面10Bから第1面10Aに向かって形成するようにしてもよい。その場合には、画素分離溝14は、例えば図7Aに示したように、半導体基板10に無機光電変換部12Rを形成したのち、各種トランジスタの形成工程において、半導体基板10に画素分離溝64となるトレンチを形成する。
(変形例2)
図14は、本開示の変形例2に係る固体撮像装置3の要部の断面構成を模式的に表したものである。本変形例の固体撮像装置3は、各画素Pに対して共通の分離領域63を設けた点が上記第1の実施の形態とは異なる。即ち、本変形例における分離領域63は、例えば、画素部100の全面に形成されたものである。なお、本変形例のように、分離領域63を各画素Pに対して連続する構造として形成する場合には、画素分離溝14は省略される。
(変形例3)
図15は、本開示の変形例3に係る固体撮像装置4の要部の平面構成を模式的に表したものである。本変形例の固体撮像装置4では、例えば、互いに隣り合う4つの画素Pに対して1つの分離領域63を設けた点が上記第1の実施の形態および変形例2とは異なる。なお、分離領域63は、必ずしも4つの画素Pにそれぞれ設けられた無機光電変換部12B,12Rの形成領域全面に形成されていなくてもよく、図15に示したように、各無機光電変換部12B,12Rの一部に形成するようにしてもよい。
また、分離領域63は、互いに隣り合う4つの画素Pに対してではなく、例えば、隣り合う2つの画素P、あるいは、互いに隣り合う6つの画素Pに対して1つ形成するようにしてもよい。更に、本変形例のように、隣り合ういくつかの画素Pを一区画として共通の分離領域63を設ける場合には、隣り合う各区画の間に画素分離溝14を設けるようにしてもよい。
(変形例4)
図16は、本開示の変形例4に係る固体撮像装置5の要部の断面構成を模式的に表したものである。上記第1の実施の形態および変形例1〜3では、1つ分離領域13,63が無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間を分離している例を示したがこれに限らない。本変形例のように、例えば、各々独立する複数の分離領域63を無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間に形成するようにしてもよい。
(変形例5)
図17は、本開示の変形例5に係る固体撮像装置6の要部の断面構成を模式的に表したものである。本変形例の固体撮像装置6では、半導体基板10内に、3つの無機光電変換部(例えば、無機光電変換部62R,62B,62G)が積層され、それぞれの間に分離領域13が設けられた点が上記第1の実施の形態とは異なる。本変形例では、緑(G)の色信号を取得する緑色光を無機光電変換部62Gとして形成している。このため、固体撮像装置6では、有機光電変換部20は省略される。
(変形例6)
図18は、本開示の変形例6に係る固体撮像装置7の要部の断面構成を模式的に表したものである。本変形例の固体撮像装置7では、1つの無機光電変換部62の間に分離領域13を形成した点が上記第1の実施の形態および変形例1〜5とは異なる。本変形例の無機光電変換部62は、第1領域62Xおよび第2領域62Yを有すると共に、その一部が屈曲して繋がった構造となっている。分離領域13は、例えばその屈曲部分に形成されている。このように、上記第1の実施の形態および変形例1〜5では、それぞれ、互いに異なる波長帯域の光を選択的に検出して光電変換を行う無機光電変換部の間(例えば、無機光電変換部12Bと無機光電変換部12Rとの間)に分離領域13,63を設けた例を示したがこれに限らない。
<5.適用例>
(適用例1)
図19は、上記実施の形態において説明した固体撮像装置(例えば、固体撮像装置1)の全体構成を表したものである。この固体撮像装置1は、CMOSイメージセンサであり、半導体基板10上に、撮像エリアとしての画素部1aを有すると共に、この画素部1aの周辺領域に、例えば、行走査部131、水平選択部133、列走査部134およびシステム制御部132からなる周辺回路部130を有している。
画素部1aは、例えば、行列状に2次元配置された複数の単位画素Pを有している。この単位画素Pには、例えば、画素行ごとに画素駆動線Lread(具体的には行選択線およびリセット制御線)が配線され、画素列ごとに垂直信号線Lsigが配線されている。画素駆動線Lreadは、画素からの信号読み出しのための駆動信号を伝送するものである。画素駆動線Lreadの一端は、行走査部131の各行に対応した出力端に接続されている。
行走査部131は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、画素部1aの各単位画素Pを、例えば、行単位で駆動する画素駆動部である。行走査部131によって選択走査された画素行の各単位画素Pから出力される信号は、垂直信号線Lsigの各々を通して水平選択部133に供給される。水平選択部133は、垂直信号線Lsigごとに設けられたアンプや水平選択スイッチ等によって構成されている。
列走査部134は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、水平選択部133の各水平選択スイッチを走査しつつ順番に駆動するものである。この列走査部134による選択走査により、垂直信号線Lsigの各々を通して伝送される各画素の信号が順番に水平信号線135に出力され、当該水平信号線135を通して半導体基板10の外部へ伝送される。
行走査部131、水平選択部133、列走査部134および水平信号線135からなる回路部分は、半導体基板10上に直に形成されていてもよいし、あるいは外部制御ICに配設されたものであってもよい。また、それらの回路部分は、ケーブル等により接続された他の基板に形成されていてもよい。
システム制御部132は、半導体基板10の外部から与えられるクロックや、動作モードを指令するデータ等を受け取り、また、固体撮像装置1の内部情報等のデータを出力するものである。システム制御部132はさらに、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータを有し、当該タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に行走査部131、水平選択部133および列走査部134等の周辺回路の駆動制御を行う。
なお、本開示の固体撮像装置1は、例えば、図7Aに示したように、画素領域211および制御回路212が形成された第1半導体チップ210と、ロジック回路223が形成された第2半導体チップ220とが積層された、いわゆる積層型固体撮像装置であってもよい。
画素領域211は、上記画素部1aに相当し、制御回路212には、例えば、上記行走査部131およびシステム制御部132等が設けられている。ロジック回路223には、例えば、上記周辺回路部130および水平選択部133等が設けられている。
また、例えば、図7Bに示したように、第1半導体チップ230に画素領域231を形成し、第2半導体チップ240に制御回路242とロジック回路243とを設けるようにしてもよい。
このように、制御回路およびロジック回路の少なくとも一方を、画素領域が形成される半導体チップ(第1半導体チップ210,230)とは別の半導体チップ(第2半導体チップ220,240)に設けることにより、画素領域を拡大することができる。これにより、画素領域に搭載される画素数が増加し、平面分解能を向上させることが可能となる。
(適用例2)
上記固体撮像装置1等は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話等、撮像機能を備えたあらゆるタイプの電子機器に適用することができる。図20に、その一例として、電子機器8(カメラ)の概略構成を示す。この電子機器8は、例えば、静止画または動画を撮影可能なビデオカメラであり、固体撮像装置1と、光学系(光学レンズ)310と、シャッタ装置311と、固体撮像装置1およびシャッタ装置311を駆動する駆動部313と、信号処理部312とを有する。
光学系310は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置1の画素部1aへ導くものである。この光学系310は、複数の光学レンズから構成されていてもよい。シャッタ装置311は、固体撮像装置1への光照射期間および遮光期間を制御するものである。駆動部313は、固体撮像装置1の転送動作およびシャッタ装置311のシャッタ動作を制御するものである。信号処理部312は、固体撮像装置1から出力された信号に対し、各種の信号処理を行うものである。信号処理後の映像信号Doutは、メモリ等の記憶媒体に記憶されるか、あるいは、モニタ等に出力される。
(適用例3)
<体内情報取得システムへの応用例>
更に、本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
図21は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る、カプセル型内視鏡を用いた患者の体内情報取得システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
体内情報取得システム10001は、カプセル型内視鏡10100と、外部制御装置10200とから構成される。
カプセル型内視鏡10100は、検査時に、患者によって飲み込まれる。カプセル型内視鏡10100は、撮像機能及び無線通信機能を有し、患者から自然排出されるまでの間、胃や腸等の臓器の内部を蠕動運動等によって移動しつつ、当該臓器の内部の画像(以下、体内画像ともいう)を所定の間隔で順次撮像し、その体内画像についての情報を体外の外部制御装置10200に順次無線送信する。
外部制御装置10200は、体内情報取得システム10001の動作を統括的に制御する。また、外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100から送信されてくる体内画像についての情報を受信し、受信した体内画像についての情報に基づいて、表示装置(図示せず)に当該体内画像を表示するための画像データを生成する。
体内情報取得システム10001では、このようにして、カプセル型内視鏡10100が飲み込まれてから排出されるまでの間、患者の体内の様子を撮像した体内画像を随時得ることができる。
カプセル型内視鏡10100と外部制御装置10200の構成及び機能についてより詳細に説明する。
カプセル型内視鏡10100は、カプセル型の筐体10101を有し、その筐体10101内には、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、給電部10115、電源部10116、及び制御部10117が収納されている。
光源部10111は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、撮像部10112の撮像視野に対して光を照射する。
撮像部10112は、撮像素子、及び当該撮像素子の前段に設けられる複数のレンズからなる光学系から構成される。観察対象である体組織に照射された光の反射光(以下、観察光という)は、当該光学系によって集光され、当該撮像素子に入射する。撮像部10112では、撮像素子において、そこに入射した観察光が光電変換され、その観察光に対応する画像信号が生成される。撮像部10112によって生成された画像信号は、画像処理部10113に提供される。
画像処理部10113は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサによって構成され、撮像部10112によって生成された画像信号に対して各種の信号処理を行う。画像処理部10113は、信号処理を施した画像信号を、RAWデータとして無線通信部10114に提供する。
無線通信部10114は、画像処理部10113によって信号処理が施された画像信号に対して変調処理等の所定の処理を行い、その画像信号を、アンテナ10114Aを介して外部制御装置10200に送信する。また、無線通信部10114は、外部制御装置10200から、カプセル型内視鏡10100の駆動制御に関する制御信号を、アンテナ10114Aを介して受信する。無線通信部10114は、外部制御装置10200から受信した制御信号を制御部10117に提供する。
給電部10115は、受電用のアンテナコイル、当該アンテナコイルに発生した電流から電力を再生する電力再生回路、及び昇圧回路等から構成される。給電部10115では、いわゆる非接触充電の原理を用いて電力が生成される。
電源部10116は、二次電池によって構成され、給電部10115によって生成された電力を蓄電する。図21では、図面が煩雑になることを避けるために、電源部10116からの電力の供給先を示す矢印等の図示を省略しているが、電源部10116に蓄電された電力は、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、及び制御部10117に供給され、これらの駆動に用いられ得る。
制御部10117は、CPU等のプロセッサによって構成され、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、及び、給電部10115の駆動を、外部制御装置10200から送信される制御信号に従って適宜制御する。
外部制御装置10200は、CPU,GPU等のプロセッサ、又はプロセッサとメモリ等の記憶素子が混載されたマイクロコンピュータ若しくは制御基板等で構成される。外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100の制御部10117に対して制御信号を、アンテナ10200Aを介して送信することにより、カプセル型内視鏡10100の動作を制御する。カプセル型内視鏡10100では、例えば、外部制御装置10200からの制御信号により、光源部10111における観察対象に対する光の照射条件が変更され得る。また、外部制御装置10200からの制御信号により、撮像条件(例えば、撮像部10112におけるフレームレート、露出値等)が変更され得る。また、外部制御装置10200からの制御信号により、画像処理部10113における処理の内容や、無線通信部10114が画像信号を送信する条件(例えば、送信間隔、送信画像数等)が変更されてもよい。
また、外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100から送信される画像信号に対して、各種の画像処理を施し、撮像された体内画像を表示装置に表示するための画像データを生成する。当該画像処理としては、例えば現像処理(デモザイク処理)、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の信号処理を行うことができる。外部制御装置10200は、表示装置の駆動を制御して、生成した画像データに基づいて撮像された体内画像を表示させる。あるいは、外部制御装置10200は、生成した画像データを記録装置(図示せず)に記録させたり、印刷装置(図示せず)に印刷出力させてもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る体内情報取得システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部10112に適用され得る。これにより、検出精度が向上する。
(適用例4)
<4.内視鏡手術システムへの応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
図22は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図22では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
光源装置11203は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
図23は、図22に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部11402に適用され得る。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、検出精度が向上する。
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
(適用例5)
<移動体への応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図24は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図24に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図24の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図25は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図25では、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図25には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
以上、第1〜第3の実施の形態および変形例1〜6、並びに適用例を挙げて説明したが、本開示内容は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記第1の実施の形態では、光電変換部として、緑色光を検出する有機光電変換部20と、青色光,赤色光をそれぞれ検出する無機光電変換部12B,12Rとを積層させた構成としたが、本開示内容はこのような構造に限定されるものではない。即ち、有機光電変換部において赤色光あるいは青色光を検出するようにしてもよいし、無機光電変換部において緑色光を検出するようにしてもよい。
また、上記実施の形態等では、裏面照射型の固体撮像装置1の構成を例に挙げて説明したが、表面照射型の固体撮像装置にも適用可能である。更に、積層型の固体撮像装置(半導体基板上に光電変換層を有するもの)であれば、上記実施の形態等で示した縦方向分光型のものであってもよいし、半導体基板上に、複数色の撮像素子を2次元配列(例えばベイヤー配列)させたものであってもよい。更にまた、例えば、多層配線側にメモリ素子等の他の機能素子が設けられた基板が積層されていてもよい。
また、これらの有機光電変換部および無機光電変換部の数やその比率も限定されるものではなく、2以上の有機光電変換部を設けてもよいし、有機光電変換部だけで複数色の色信号が得られるようにしてもよい。更に、本開示の固体撮像装置では、上記実施の形態等で説明した各構成要素を全て備えている必要はなく、また逆に他の層を備えていてもよい。
更にまた、本開示の技術は、固体撮像装置だけでなく、例えば太陽電池にも適用することが可能である。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
なお、本開示は、以下のような構成であってもよい。
(1)
半導体基板と、
前記半導体基板内に積層されると共に、前記半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域および第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に形成され、前記半導体基板を構成する結晶構造を分離する第1の分離領域と
を備えた固体撮像装置。
(2)
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1の分離領域によって電気的に分離されている、前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
複数の画素を備え、
前記第1の分離領域は、前記画素毎に設けられている、前記(1)または(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
複数の画素を備え、
隣り合う前記複数の画素は、1つの前記第1の分離領域を共有している、前記(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載の固体撮像装置。
(5)
前記第1の分離領域は、内部が空洞な中空構造である、前記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の固体撮像装置。
(6)
前記第1の分離領域は、絶縁膜によって形成されている、前記(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載の固体撮像装置。
(7)
電圧印加部を有し、
前記第1の分離領域には、前記電圧印加部から電圧が印加されている、前記(1)乃至(6)のうちのいずれかに記載の固体撮像装置。
(8)
前記第1領域と前記第2領域とは、部分的に連続している、前記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の固体撮像装置。
(9)
前記第1領域および前記第2領域は、互いに異なる波長帯域の光電変換を行う、前記(1)乃至(8)のうちのいずれかに記載の固体撮像装置。
(10)
複数の画素を備え、
前記第1領域および前記第2領域は、前記複数の画素毎に設けられており、
隣り合う前記複数の画素との間には、前記複数の画素の間を分離する第2の分離領域が形成されている、前記(1)乃至(9)のうちのいずれかに記載の固体撮像装置。
(11)
前記第2の分離領域は、前記半導体基板の第1面から前記第1面と対向する第2面に向かって延在する溝である、前記(10)に記載の固体撮像装置。
(12)
前記溝は、側面および底面に固定電荷を有する絶縁膜が形成されている、前記(11)に記載の固体撮像装置。
(13)
前記溝には遮光膜が埋設されている、前記(12)に記載の固体撮像装置。
(14)
前記半導体基板は、前記第1面側に、前記第1領域および前記第2領域とは異なる帯域の光電変換を行うと共に、有機半導体材料を含む有機光電変換部が形成されている、前記(11)乃至(13)のうちのいずれかに記載の固体撮像装置。
(15)
前記半導体基板は、前記第1面と対向する第2面に多層配線層が設けられている、前記(14)に記載の固体撮像装置。
(16)
半導体基板内に、前記半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域および第2領域を積層形成し、さらに前記第1領域と前記第2領域との間に、前記半導体基板を構成する結晶構造を分離する第1の分離領域を形成する
固体撮像装置の製造方法。
(17)
前記第1領域を形成したのち、前記第1領域上の前記半導体基板の所定の領域にトレンチを開口し、還元性雰囲気流で熱処理することにより前記第1の分離領域を形成する、前記(16)に記載の固体撮像装置の製造方法。
(18)
前記第1領域上の前記半導体基板の所定の領域にトレンチを開口し、還元性雰囲気流で熱処理することにより前記第1の分離領域を形成したのち、前記第1領域を形成する、前記(16)に記載の固体撮像装置の製造方法。
(19)
エピタキシャル成長により前記半導体基板を前記第1領域および前記第2領域の積層方向に成長させる、前記(16)乃至(18)のうちのいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
(20)
1または複数の固体撮像装置を備え、
前記固体撮像装置は、
半導体基板と、
前記半導体基板内に積層されると共に、前記半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域および第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に形成され、前記半導体基板を構成する結晶構造を分離する第1の分離領域と
を有する電子機器。
1〜7…固体撮像装置、8…電子機器、10…半導体基板、11…pウェル、12B,12R,62…無機光電変換部、13,63…分離領域、14,64…画素分離溝、15…固定電荷膜、16…遮光膜、17…ゲート絶縁層、20…有機光電変換部、21…下部電極、22…有機光電変換層、23…上部電極、24…固定電荷層、25…誘電体層、26…層間絶縁層、27…保護層、31…貫通電極、32…下部第1コンタクト、33…上部コンタクト、34…ゲート配線層、40…多層配線、41,42,43…配線層、44…絶縁層、45…下部第2コンタクト、46…下部第3コンタクト、50…分離溝、62X…第1領域、62Y…第2領域。

Claims (20)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板内に積層されると共に、前記半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域および第2領域と、
    前記第1領域と前記第2領域との間に形成され、前記半導体基板を構成する結晶構造を分離する第1の分離領域と
    を備えた固体撮像装置。
  2. 前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1の分離領域によって電気的に分離されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 複数の画素を備え、
    前記第1の分離領域は、前記画素毎に設けられている、請求項1に記載の固体撮像装置。
  4. 複数の画素を備え、
    隣り合う前記複数の画素は、1つの前記第1の分離領域を共有している、請求項1に記載の固体撮像装置。
  5. 前記第1の分離領域は、内部が空洞な中空構造である、請求項1に記載の固体撮像装置。
  6. 前記第1の分離領域は、絶縁膜によって形成されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
  7. 電圧印加部を有し、
    前記第1の分離領域には、前記電圧印加部から電圧が印加されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
  8. 前記第1領域と前記第2領域とは、部分的に連続している、請求項1に記載の固体撮像装置。
  9. 前記第1領域および前記第2領域は、互いに異なる波長帯域の光電変換を行う、請求項1に記載の固体撮像装置。
  10. 複数の画素を備え、
    前記第1領域および前記第2領域は、前記複数の画素毎に設けられており、
    隣り合う前記複数の画素との間には、前記複数の画素の間を分離する第2の分離領域が形成されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
  11. 前記第2の分離領域は、前記半導体基板の第1面から前記第1面と対向する第2面に向かって延在する溝である、請求項10に記載の固体撮像装置。
  12. 前記溝は、側面および底面に固定電荷を有する絶縁膜が形成されている、請求項11に記載の固体撮像装置。
  13. 前記溝には遮光膜が埋設されている、請求項12に記載の固体撮像装置。
  14. 前記半導体基板は、前記第1面側に、前記第1領域および前記第2領域とは異なる帯域の光電変換を行うと共に、有機半導体材料を含む有機光電変換部が形成されている、請求項11に記載の固体撮像装置。
  15. 前記半導体基板は、前記第1面と対向する第2面に多層配線層が設けられている、請求項14に記載の固体撮像装置。
  16. 半導体基板内に、前記半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域および第2領域を積層形成し、さらに前記第1領域と前記第2領域との間に、前記半導体基板を構成する結晶構造を分離する第1の分離領域を形成する
    固体撮像装置の製造方法。
  17. 前記第1領域を形成したのち、前記第1領域上の前記半導体基板の所定の領域にトレンチを開口し、還元性雰囲気流で熱処理することにより前記第1の分離領域を形成する、請求項16に記載の固体撮像装置の製造方法。
  18. 前記第1領域上の前記半導体基板の所定の領域にトレンチを開口し、還元性雰囲気流で熱処理することにより前記第1の分離領域を形成したのち、前記第1領域を形成する、請求項16に記載の固体撮像装置の製造方法。
  19. エピタキシャル成長により前記半導体基板を前記第1領域および前記第2領域の積層方向に成長させる、請求項16に記載の固体撮像装置の製造方法。
  20. 1または複数の固体撮像装置を備え、
    前記固体撮像装置は、
    半導体基板と、
    前記半導体基板内に積層されると共に、前記半導体基板に入射した光を光電変換する第1領域および第2領域と、
    前記第1領域と前記第2領域との間に形成され、前記半導体基板を構成する結晶構造を分離する第1の分離領域と
    を有する電子機器。
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