本開示は、本明細書における説明に記載されるまたは図面において例解される構成要素の構築及び配設の詳細にその用途において限定されないことが理解されるものとする。本開示の教示は、他の実施形態において使用及び実践されてもよく、種々の方法において実践または実行されてもよい。また、本明細書において使用される専門表現及び専門用語が、説明目的のためであり、制限として見なされるべきではないことが理解されるものとする。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」、または「有する(having)」、及びこれらの変化形の使用は、その後に列記される項目、及びそれらの同等物、ならびに追加の項目を包含することが意味される。別途指定または制限されない限り、「装着された(mounted)」、「接続された(connected)」、「支持された(supported)」、及び「連結された(coupled)」という用語、ならびにこれらの変化形は、広義に使用され、直接的及び間接的双方の装着、接続、支持、及び連結を包含する。更に、「接続された(connected)」及び「連結された(coupled)」は、物理的もしくは機械的接続または連結に制限されない。
以下の考察は、当業者が本開示の実施形態を作製及び使用することを可能にするために提示される。例解される実施形態への種々の修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書における原理は、本開示の実施形態から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用され得る。このため、実施形態は、示される実施形態に制限されることを意図しないが、本明細書において開示される原理及び特性と一致する最も広い範囲が与えられるものとする。以下の発明を実施するための形態は、異なる図面における同様の要素が同様の参照番号を有する図面を参照して読まれるものとする。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、選択された実施形態を描写し、実施形態の範囲を制限することを意図しない。当業者は、本明細書において提供される実施例が、多くの有用な代替物を有し、実施形態の範囲内にあることを認識するであろう。
ここで図を参照すると、図1及び2では、例示的な実施形態による外科用ロボットシステム100を例解する。外科用ロボットシステム100は、例えば、外科用ロボット102、1つ以上のロボットアーム104、基部106、表示器110、例えば、誘導管114を含む、エンドエフェクタ112、及び1つ以上の追跡マーカ118を含んでもよい。外科用ロボットシステム100は、患者追跡デバイス116を含んでもよく、また、患者追跡デバイス116は、1つ以上の追跡マーカ118を含み、それは、患者210に(例えば、患者210の骨に)直接固定されるように適合される。外科用ロボットシステム100はまた、例えば、カメラスタンド202上に位置付けられた、カメラ200を利用してもよい。カメラスタンド202は、カメラ200を所望の位置において移動、配向、及び支持するために任意の適切な構成を有することができる。カメラ200は、例えば、カメラ200の視点から見ることができる所与の測定量においてアクティブ及びパッシブ追跡マーカ118を識別することができる、1つ以上の赤外カメラ(例えば、2焦点または立体写真測量カメラ)等の、任意の適切なカメラまたは複数のカメラを含んでもよい。カメラ200は、所与の測定量をスキャンしてもよく、3次元におけるマーカ118の位置を識別及び判定するために、マーカ118から来る光を検出してもよい。例えば、アクティブマーカ118は、電気信号(例えば、赤外発光ダイオード(LED))によって作動される赤外発光マーカを含んでもよく、パッシブマーカ118は、例えば、カメラ200または他の適切なデバイス上の照明器によって発出される赤外光を反射するレトロな反射性マーカ(例えば、それらは、入射光の方向に入射するIR放射を反射する)を含んでもよい。
図1及び2は、手術室環境における外科用ロボットシステム100の配置のための潜在的な構成を例解する。例えば、ロボット102は、患者210の近くまたは隣に位置付けられてもよい。患者210の頭部の近くが描写されるが、ロボット102は、手術を受けている患者210の領域に応じて、患者210の近くの任意の適切な場所に位置付けることができることが理解されるであろう。カメラ200は、ロボットシステム100から分離されてもよく、患者210の足に位置付けられてもよい。この場所は、カメラ200が、手術野208への直接的な視線を有することを可能にする。再度、カメラ200は、手術野208への見通し線を有する任意の適切な位置に位置してもよいことが意図される。描写される構成において、外科医120は、ロボット102の向かいに位置付けられてもよいが、依然として、エンドエフェクタ112及び表示器110を操作することができる。外科助手126は、更にまた、エンドエフェクタ112及び表示器110の双方にアクセス可能に、外科医120の向かいに位置付けられてもよい。所望される場合、外科医120及び助手126の場所は、逆にされてもよい。麻酔医122及び看護師または洗浄技師124のための伝統的な領域は、ロボット102及びカメラ200の場所によって邪魔されないままである。
ロボット102の他の構成要素に関して、表示器110は、外科用ロボット102に取設することができ、他の例示的な実施形態において、表示器110は、外科用ロボット102を伴う手術室内、または遠隔の場所のいずれかにおいて、外科用ロボット102から取り外すことができる。エンドエフェクタ112は、ロボットアーム104に連結されてもよく、少なくとも1つのモータによって制御されてもよい。例示的な実施形態において、エンドエフェクタ112は、患者210上で手術を実施するために使用される(本明細書において更に説明される)外科用器具608を受容する及び配向させることができる、誘導管114を備えることができる。本明細書において使用される際、「エンドエフェクタ」という用語は、「エンドイフェクチュエータ」及び「イフェクチュエータ要素」という用語と同義的に使用される。誘導管114を用いて一般的に示されるが、エンドエフェクタ112は、手術中の使用に適した任意の適切な器具類と置き換えてもよいことが理解されるであろう。一部の実施形態において、エンドエフェクタ112は、所望の様態における外科用器具608の移動をもたらすために任意の既知の構造を備えることができる。
外科用ロボット102は、エンドエフェクタ112の並進及び配向を制御することができる。ロボット102は、例えば、x、y、及びz軸に沿って、エンドエフェクタ112を移動させることができる。エンドエフェクタ112は、(エンドエフェクタ112と関連付けられるオイラー角(例えば、ロール、ピッチ、及び/またはヨー)のうちの1つ以上を選択的に制御することができるように)x、y、及びz軸、ならびにZフレーム軸のうちの1つ以上の周囲の選択的回転のために構成することができる。一部の例示的な実施形態において、エンドエフェクタ112の並進及び配向の選択的制御は、例えば、回転軸のみを備える6自由度のロボットアームを利用する従来のロボットと比較して、有意に改善された精密性でもって医療手技の実施を可能にすることができる。例えば、外科用ロボットシステム100は、患者210上で動作させるために使用されてもよく、ロボットアーム104は、患者210の身体の上に位置付けることができ、エンドエフェクタ112は、患者210の身体に向かってz軸に対して選択的に角度付けられる。
一部の例示的な実施形態において、外科用器具608の位置は、外科用ロボット102が、手技中、常に外科用器具608の場所を認識することができるように、動的に更新することができる。結果として、一部の例示的な実施形態において、外科用ロボット102は、医師からのいかなる更なる支援も伴わずに(医師がそのように所望しない限り)素早く所望の位置に外科用器具608を移動させることができる。外科用ロボット102は、外科用器具608が、選択された、事前に計画された軌道から外れた場合、外科用器具608の経路を補正するように構成することができる。一部の例示的な実施形態において、外科用ロボット102は、エンドエフェクタ112及び/または外科用器具608の移動の停止、修正、及び/または手動制御を可能にするように構成することができる。このため、使用中、例示的な実施形態において、医師または他のユーザは、システム100を動作させることができ、エンドエフェクタ112及び/または外科用器具608の自主的な移動を停止、修正、または手動で制御するオプションを有する。外科用ロボット102による外科用器具608の制御及び移動を含む、外科用ロボットシステム100の更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、同時係属の米国特許出願第13/924,505号において見出すことができる。
ロボット外科用システム100は、3次元においてロボットアーム104、エンドエフェクタ112、患者210、及び/または外科用器具608の移動を追跡するように構成された1つ以上の追跡マーカ118を備えることができる。例示的な実施形態において、複数の追跡マーカ118は、制限することなく、ロボット102の基部106上、ロボットアーム104上、またはエンドエフェクタ112上等の、ロボット102の外表面に装着(またはそうでなければ固定)することができる。例示的な実施形態において、複数の追跡マーカ118のうちの少なくとも1つの追跡マーカ118は、エンドエフェクタ112に装着またはそうでなければ固定することができる。1つ以上の追跡マーカ118は、更に患者210に装着(またはそうでなければ固定)することができる。例示的な実施形態において、複数の追跡マーカ118は、外科医、外科用ツール、またはロボット102の他のパーツによって遮られる可能性を低減するように、手術野208から離間して、患者210上に位置付けることができる。更に、1つ以上の追跡マーカ118は、外科用ツール608(例えば、スクリュードライバ、拡張器、インプラント挿入器、または同様のもの)に更に装着(またはそうでなければ固定)することができる。このため、追跡マーカ118は、マークされた物体(例えば、エンドエフェクタ112、患者210、及び外科用ツール608)のそれぞれが、ロボット102によって追跡されることを可能にする。例示的な実施形態において、システム100は、例えば、エンドエフェクタ112、(例えば、エンドエフェクタ112の管114内に位置付けられた)外科用器具608の、配向及び場所、ならびに患者210の相対位置を計算するために、マークされた物体のそれぞれから収集された追跡情報を使用することができる。
マーカ118は、放射線不透過性マーカまたは光学マーカを含んでもよい。マーカ118は、球体、球状、円筒形状、立方体、直方体、または同様のものを含み、適切に成形されてもよい。例示的な実施形態において、マーカ118のうちの1つ以上は、光学マーカであってもよい。一部の実施形態において、エンドエフェクタ112上の1つ以上の追跡マーカ118の位置付けは、エンドエフェクタ112の位置をチェックまたは検証する役割を果たすことによって、位置測定値の精密性を最大化することができる。外科用ロボット102及び外科用器具608の制御、移動、ならびに追跡を含む、外科用ロボットシステム100の更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、同時係属の米国特許出願第13/924,505号において見出すことができる。
例示的な実施形態は、外科用器具608に連結された1つ以上のマーカ118を含む。例示的な実施形態において、例えば、患者210及び外科用器具608に連結される、これらのマーカ118、ならびにロボット102のエンドエフェクタ112に連結されるマーカ118は、従来の赤外発光ダイオード(LED)または、例えば、Optotrak(登録商標)等の商業的に入手可能な赤外光追跡システムを使用して追跡されることが可能なOptotrak(登録商標)ダイオードを備えることができる。Optotrak(登録商標)は、Northern Digital Inc.,Waterloo,Ontario,Canadaの登録商標である。他の実施形態において、マーカ118は、Polaris Spectra等の商業的に入手可能な光学追跡システムを使用して追跡されることが可能な従来の反射性球体を備えることができる。Polaris Spectraはまた、Northern Digital,Incの登録商標である。例示的な実施形態において、エンドエフェクタ112に連結されたマーカ118は、オン及びオフにされ得る赤外発光ダイオードを備えるアクティブマーカであり、患者210及び外科用器具608に連結されるマーカ118は、パッシブ反射性球体を備える。
例示的な実施形態において、マーカ118から発出された及び/またはマーカ118によって反射された光は、カメラ200によって検出することができ、マークされた物体の場所及び移動を監視するために使用することができる。代替の実施形態において、マーカ118は、無線周波数及び/もしくは電磁リフレクタまたはトランシーバを備えることができ、カメラ200は、無線周波数及び/もしくは電磁トランシーバを含むか、またはそれによって置き換えることができる。
外科用ロボットシステム100と同様に、図3は、本開示の例示的な実施形態と一致するドッキング型構成における、外科用ロボットシステム300及びカメラスタンド302を例解する。外科用ロボットシステム300は、表示器304、上部アーム306、下部アーム308、エンドエフェクタ310、垂直カラム312、キャスタ314、キャビネット316、タブレット引出し318、コネクタパネル320、制御パネル322、及び情報のリング部324を含む、ロボット301を備えてもよい。カメラスタンド302は、カメラ326を備えてもよい。これらの構成要素は、図5に関してより詳細に説明される。図3は、カメラスタンド302が、例えば、使用中でないときに、ロボット301と入れ子にされる、ドッキング型構成における外科用ロボットシステム300を例解する。カメラ326及びロボット301は、例えば、図1及び2に示されるように、外科手技中に、互いに分離してもよく、任意の適切な場所に位置付けてもよいことが、当業者によって理解されるであろう。
図4は、本開示の例示的な実施形態と一致する基部400を例解する。基部400は、外科用ロボットシステム300の一部分であってもよく、キャビネット316を備えてもよい。キャビネット316は、限定されるものではないが、バッテリ402、配電モジュール404、プラットホームインターフェースボードモジュール406、コンピュータ408、ハンドル412、及びタブレット引出し414を含む、外科用ロボットシステム300のある構成要素を収容してもよい。これらの構成要素間の接続及び関係は、図5に関してより詳細に説明される。
図5は、外科用ロボットシステム300の例示的な実施形態のある構成要素のブロック図を例解する。外科用ロボットシステム300は、プラットホームサブシステム502、コンピュータサブシステム504、動き制御サブシステム506、及び追跡サブシステム532を備えてもよい。プラットホームサブシステム502は、バッテリ402、配電モジュール404、プラットホームインターフェースボードモジュール406、及びタブレット充電ステーション534を更に備えてもよい。コンピュータサブシステム504は、コンピュータ408、表示器304、及びスピーカ536を更に備えてもよい。動き制御サブシステム506は、駆動回路508、モータ510、512、514、516、518、安定器520、522、524、526、エンドエフェクタ310、及びコントローラ538を更に備えてもよい。追跡サブシステム532は、位置センサ540及びカメラ変換器542を更に備えてもよい。システム300はまた、フットペダル544及びタブレット546を備えてもよい。
入力電力は、電源548を介してシステム300に供給され、それは、配電モジュール404に提供されてもよい。配電モジュール404は、入力電力を受信し、システム300の他のモジュール、構成要素、及びサブシステムに提供される異なる電力供給電圧を発生するように構成される。配電モジュール404は、異なる電圧供給をプラットホームインターフェースモジュール406に提供するように構成されてもよく、それは、コンピュータ408、表示器304、スピーカ536、ドライバ508等の他の構成要素に、例えば、電力モータ512、514、516、518及びエンドエフェクタ310、モータ510、リング部324、カメラ変換器542、ならびにシステム300のための他の構成要素、例えば、キャビネット316内の電気構成要素を冷却するための送風機に提供されてもよい。
配電モジュール404はまた、電力を、タブレット引出し318内に位置付けられ得るタブレット充電ステーション534等の、他の構成要素に提供してもよい。タブレット充電ステーション534は、テーブル546を充電するためにタブレット546と無線または有線通信してもよい。タブレット546は、本開示と一致する及び本明細書に説明される外科医によって使用されてもよい。
配電モジュール404はまた、バッテリ402に接続されてもよく、そのバッテリは、万一配電モジュール404が入力電力548からの電力を受信しない場合において、一時的な電源としての役割を果たす。他のときには、配電モジュール404は、必要な場合、バッテリ402を充電する役割を果たしてもよい。
プラットホームサブシステム502の他の構成要素はまた、コネクタパネル320、制御パネル322、及びリング部324を含んでもよい。コネクタパネル320は、異なるデバイス及び構成要素をシステム300ならびに/または関連付けられた構成要素及びモジュールに接続する役割を果たしてもよい。コネクタパネル320は、異なる構成要素からの線路または接続を受容する1つ以上のポートを含んでもよい。例えば、コネクタパネル320は、システム300を他の機器に接地し得る接地端子ポート、フットペダル544をシステム300に接続するためのポート、位置センサ540、カメラ変換器542、及びカメラスタンド302と関連付けられたカメラ326を備え得る追跡サブシステム532に接続するためのポートを有してもよい。コネクタパネル320はまた、コンピュータ408等、他の構成要素とのUSB、イーサネット(登録商標)、HDMI(登録商標)通信を可能にするために、他のポートを含んでもよい。
制御パネル322は、システム300の動作を制御する種々のボタンもしくは指示器を提供してもよく、及び/またはシステム300に関する情報を提供してもよい。例えば、制御パネル322は、システム300の電源をオンまたはオフにするためのボタン、垂直カラム312を上げるまたは下げるためのボタン、及びシステム300が物理的に移動することを係止するようにキャスタ314に係合するように設計され得る安定器520〜526を上げるまたは下げるためのボタンを含んでもよい。万一緊急の場合には、他のボタンがシステム300を停止してもよく、それは、全てのモータ電力をなくし得、全ての動きの発生を停止するために機械的制動を加え得る。制御パネル322はまた、ユーザにあるシステム状況を通知する指示器、例えば、線路電力指示器等、またはバッテリ402用の充電の状態を通知する指示器を有してもよい。
リング部324は、システム300のユーザに、システム300が不十分に動作している異なるモード及び該ユーザへのある警告を通知するための視覚的指示器であってもよい。
コンピュータサブシステム504は、コンピュータ408、表示器304、及びスピーカ536を含む。コンピュータ504は、システム300を動作させるためのオペレーティングシステム及びソフトウェアを含む。コンピュータ504は、情報をユーザに表示するために、他の構成要素(例えば、追跡サブシステム532、プラットホームサブシステム502、及び/または動き制御サブシステム506)からの情報を受信及び処理してもよい。更に、コンピュータサブシステム504はまた、音声をユーザに提供するためにスピーカ536を含んでもよい。
追跡サブシステム532は、位置センサ504及び変換器542を含んでもよい。追跡サブシステム532は、図3に関して説明されたようなカメラ326を含むカメラスタンド302に対応してもよい。位置センサ504は、カメラ326であってもよい。追跡サブシステムは、外科手技中にユーザによって使用されるシステム300及び/または器具の異なる構成要素上に位置する、ある一定のマーカの場所を追跡してもよい。この追跡は、それぞれ、アクティブまたはパッシブ要素、例えば、LEDまたは反射性マーカ等の場所を追跡する赤外技術の使用を含む、本開示と一致する様態で行われてもよい。これらの種類のマーカを有する構造の場所、配向、及び位置は、表示器304上でユーザに表示され得るコンピュータ408に提供されてもよい。例えば、これらの種類のマーカを有し、(ナビゲーション空間として呼ばれ得る)この様態で追跡される外科用器具608が、患者の解剖学的構造の3次元画像に関連してユーザに示されてもよい。
動き制御サブシステム506は、垂直カラム312、上部アーム306、下部アーム308を物理的に移動させる、またはエンドエフェクタ310を回転させるように構成されてもよい。物理的移動は、1つ以上のモータ510〜518の使用を通じて行われてもよい。例えば、モータ510は、垂直カラム312を垂直に上げるまたは下げるように構成されてもよい。モータ512は、図3に示されるように垂直カラム312との係合点の周囲で、上部アーム308を横に移動させるように構成されてもよい。モータ514は、図3に示されるように上部アーム308との係合点の周囲で、下部アーム308を横に移動させるように構成されてもよい。モータ516及び518は、一方がロールを制御し得、かつもう一方が傾きを制御し得るような様態で、エンドエフェクタ310を移動させるように構成されてもよく、それによって、エンドエフェクタ310が移動され得る複数の角度を提供する。これらの移動は、コントローラ538によって達成されてもよく、そのコントローラは、エンドエフェクタ310上に配置されたロードセルを通してこれらの移動を制御し得、ユーザが、これらのロードセルを係合することによって作動され得、所望の様態においてシステム300を移動させる。
更に、システム300は、ユーザが、(タッチスクリーン入力デバイスであってもよい)表示器304上に、表示器304上の患者の解剖組織の3次元画像上に外科用器具または構成要素の場所を指示することを通じて、垂直カラム312、上部アーム306、及び下部アーム308の自動移動を提供してもよい。ユーザは、フットペダル544を踏むことまたはいくらかの他の入力手段によって、この自動移動を開始してもよい。
図6は、例示的な実施形態と一致する外科用ロボットシステム600を例解する。外科用ロボットシステム600は、エンドエフェクタ602、ロボットアーム604、誘導管606、器具608、及びロボット基部610を備えてもよい。器具ツール608は、1つ以上の追跡マーカ(例えば、マーカ118等)を含む追跡アレイ612に取設してもよく、関連付けられた軌道614を有してもよい。軌道614は、器具ツール608が、一度それが誘導管606を通して位置付けられるまたは誘導管606内に固定されると進むように構成される移動の経路、例えば、患者への器具ツール608の挿入の経路を表現してもよい。例示的な動作において、ロボット基部610は、外科用ロボットシステム600が、患者210上で動作している際に、ユーザ(例えば、外科医)を支援してもよいように、ロボットアーム604及びエンドエフェクタ602と電子通信するように構成されてもよい。外科用ロボットシステム600は、前に説明した外科用ロボットシステム100及び300と一致してもよい。
追跡アレイ612は、器具ツール608の場所及び配向を監視するために、器具608上に装着されてもよい。追跡アレイ612は、器具608に取設されてもよく、追跡マーカ804を備えてもよい。図8に最も良く見られるように、追跡マーカ804は、例えば、発光ダイオード及び/または他の種類の反射性マーカ(例えば、本明細書における他の箇所に説明されるようなマーカ118)であってもよい。追跡デバイスは、外科用ロボットシステムと関連付けられた1つ以上の見通し線デバイスであってもよい。例として、追跡デバイスは、外科用ロボットシステム100、300と関連付けられた1つ以上のカメラ200、326であってもよく、また、ロボットアーム604、ロボット基部610、エンドエフェクタ602、及び/または患者210に対する器具608の定義された領域または相対的配向について追跡アレイ612を追跡してもよい。追跡デバイスは、カメラスタンド302及び追跡サブシステム532と併せて説明された構造のものと一致してもよい。
図7A、7B、及び7Cは、例示的な実施形態と一致するエンドエフェクタ602のそれぞれ、上面図、正面図、及び側面図を例解する。エンドエフェクタ602は、1つ以上の追跡マーカ702を備えてもよい。追跡マーカ702は、発光ダイオードまたは他の種類のアクティブ及びパッシブマーカ、例えば、前に説明した追跡マーカ118等であってもよい。例示的な実施形態において、追跡マーカ702は、電気信号によって作動されるアクティブ赤外発光マーカ(例えば、赤外発光ダイオード(LED))である。このため、追跡マーカ702は、赤外マーカ702がカメラ200、326に認識できるように作動させてもよく、または赤外マーカ702がカメラ200、326に認識できないように非作動にしてもよい。このため、マーカ702がアクティブであるとき、エンドエフェクタ602は、システム100、300、600によって制御されてもよく、マーカ702が非作動にされるとき、エンドエフェクタ602は、適切な位置に係止され、システム100、300、600によって移動することができなくてもよい。
マーカ702は、マーカ702が、外科用ロボットシステム100、300、600と関連付けられた1つ以上のカメラ200、326または他の追跡デバイスによって認識され得るような様態で、エンドエフェクタ602上または内に配置されてもよい。カメラ200、326または他の追跡デバイスは、追跡マーカ702の移動を追うことによって、エンドエフェクタ602を、それが異なる位置及び視野角に移動する際に、追跡してもよい。マーカ702及び/またはエンドエフェクタ602の場所は、外科用ロボットシステム100、300、600と関連付けられた表示器110、304、例えば、図2に示されるような表示器110及び/または図3に示される表示器304上に示されてもよい。この表示器110、304は、ユーザが、エンドエフェクタ602が、ロボットアーム604、ロボット基部610、患者210、及び/またはユーザに対する望ましい位置にあることを確保することを可能にし得る。
例えば、図7Aに示されるように、マーカ702は、追跡デバイスが、手術野208から離れて配置され、ロボット102、301の方に向くように、かつ、カメラ200、326が、追跡デバイス100、300、600に対するエンドエフェクタ602の共通配向の範囲を通してマーカ702のうちの少なくとも3つを見ることができるように、エンドエフェクタ602の表面の周囲に配置されてもよい。例えば、マーカ702の分配は、このようにして、エンドエフェクタ602が手術野208において並進及び回転されるときに、エンドエフェクタ602が追跡デバイスによって監視されることを可能にする。
加えて、例示的な実施形態において、エンドエフェクタ602は、外部カメラ200、326がマーカ702を読み取る準備ができたときを検出することができる赤外(IR)受信機を装備してもよい。この検出の直後、エンドエフェクタ602は、次いで、マーカ702を照明してもよい。外部カメラ200、326がマーカ702を読み取る準備ができていることがIR受信機により検出されると、外部カメラ200、326に、発光ダイオードであり得るマーカ702のデューティーサイクルを同期させる必要性を信号で伝えてもよい。これはまた、全体としてロボットシステムによる低電力消費を可能にし得、それによって、マーカ702が、連続的に照明される代わりに、適時にのみ照明されるであろう。更に、例示的な実施形態において、マーカ702は、他のナビゲーションツール、例えば、異なる種類の外科用器具608等との干渉を防ぐために、電源をオフにしてもよい。
図8は、追跡アレイ612及び追跡マーカ804を含む1つの種類の外科用器具608を描写する。追跡マーカ804は、限定されるものでないが、発光ダイオードまたは反射性球体を含む、本明細書に説明される任意の種類のものであってもよい。マーカ804は、外科用ロボットシステム100、300、600と関連付けられた追跡デバイスによって監視され、カメラ200、326の見通し線のうちの1つ以上であってもよい。カメラ200、326は、追跡アレイ612及びマーカ804の位置ならびに配向に基づいて、器具608の場所を追跡してもよい。ユーザ、例えば、外科医120等は、追跡アレイ612及びマーカ804が、追跡デバイスまたはカメラ200、326によって十分に認識され、器具608及びマーカ804を、例えば、例示的な外科用ロボットシステムの表示器110上に表示させるような様態で、器具608を配向させてもよい。
外科医120が、器具608をエンドエフェクタ602の誘導管606の中に配置し得、器具608を調節し得る様態が、図8において明らかである。エンドエフェクタ112、310、602の中空管または誘導管114、606は、外科用器具608の少なくとも一部分を受容するようにサイズ決定及び構成される。誘導管114、606は、外科用器具608のための挿入及び軌道が、患者210の身体内またはその上で所望の解剖学的対象に到達することができるように、ロボットアーム104によって配向されるように構成される。外科用器具608は、略円筒形器具の少なくとも一部分を含んでもよい。スクリュードライバが外科用ツール608として例解されるが、任意の適切な外科用ツール608がエンドエフェクタ602によって位置付けられてもよいことが理解されるであろう。例として、外科用器具608は、誘導ワイヤ、カニューレ、レトラクタ、掘削器、リーマ、スクリュードライバ、挿入ツール、除去ツール、または同様のもののうちの1つ以上を含んでもよい。中空管114、606は円筒形構成を有するように一般的に示されるが、誘導管114、606は、外科用器具608に適応するために及び手術位置にアクセスするために所望された任意の適切な形状、サイズ、及び構成を有してもよいことが当業者によって理解されるであろう。
図9A〜9Cは、例示的な実施形態と一致するエンドエフェクタ602及びロボットアーム604の一部分を例解する。エンドエフェクタ602は、本体1202及びクランプ1204を更に備えてもよい。クランプ1204は、ハンドル1206、ボール1208、バネ1210、及びリップ部1212を備えてもよい。ロボットアーム604は、凹部1214、装着プレート1216、リップ部1218、及び磁石1220を更に備えてもよい。
エンドエフェクタ602は、1つ以上の連結を通して外科用ロボットシステム及びロボットアーム604と機械的にインターフェースを取ってもよく、ならびに/または係合してもよい。例えば、エンドエフェクタ602は、位置決め連結及び/または補強連結を通してロボットアーム604と係合してもよい。これらの連結を通して、エンドエフェクタ602は、可撓性及び無菌バリアの外側のロボットアーム604と締結してもよい。例示的な実施形態において、位置決め連結は、磁気運動学的装着であってもよく、補強連結は、5つの棒状オーバーセンタクランピングリンク機構であってもよい。
位置決め連結に関して、ロボットアーム604は、装着プレート1216を備えてもよく、それは、非磁気材料、1つ以上の凹部1214、リップ部1218、及び磁石1220であってもよい。磁石1220は、凹部1214のそれぞれの下に装着される。クランプ1204の一部分は、磁気材料を備えてもよく、1つ以上の磁石1220によって吸引されてもよい。クランプ1204及びロボットアーム604の磁気吸引を通して、ボール1208は、それぞれの凹部1214の中に着座されることになる。例えば、図9Bに示すボール1208は、図9Aに示す凹部1214に着座させてもよい。この着座は、磁気的に支援された運動学的連結と考えられ得る。磁石1220は、エンドエフェクタ602の配向に関わらず、エンドエフェクタ602の全重量を支持するのに十分強いように構成されてもよい。位置決め連結は、6自由度を固有に抑制する任意の様式の運動学的装着であってもよい。
補強連結に関して、クランプ1204の一部分は、固定接地リンクであるように構成されてもよく、そのように、クランプ1204は、5つの棒リンク機構としての役割を果たしてもよい。クランプハンドル1206を閉じることは、リップ部1212及びリップ部1218が、エンドエフェクタ602及びロボットアーム604を固定するような様態でクランプ1204に係合する際に、エンドエフェクタ602をロボットアーム604に締結し得る。クランプハンドル1206が閉じられると、バネ1210は、クランプ1204が係止位置にある間に伸長または加圧され得る。係止位置は、中心を過ぎたリンク機構を提供する位置であり得る。中心を過ぎた閉じた位置の理由で、リンク機構は、クランプ1204を解放するためにクランプハンドル1206に加えられる力がなければ開かない。このため、係止位置において、エンドエフェクタ602は、ロボットアーム604に強固に固定され得る。
バネ1210は、張力における曲がり梁であってもよい。バネ1210は、高剛性及び高降伏ひずみを呈する材料、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)バージン材等から成ってもよい。エンドエフェクタ602及びロボットアーム604間のリンク機構は、エンドエフェクタ602及びロボットアーム604間に、2つの連結の締結を妨害せずに、無菌バリアを提供し得る。
補強連結は、複数のバネ部材を用いるリンク機構であってもよい。補強連結は、カムまたは摩擦に基づく機構を用いて掛止めしてもよい。補強連結はまた、ロボットアーム604へのエンドエフェクタ102の締結を支持する十分に強力な電磁石であってもよい。補強連結は、エンドエフェクタ602及びロボットアーム604間の界面上を滑り、かつスクリュー機構、オーバーセンタリンク機構、またはカム機構を用いて締め付ける、エンドエフェクタ602及び/またはロボットアーム604のいずれかから完全に分離したマルチピースカラーであってもよい。
図10及び11を参照すると、外科手技の前または間に、ある位置合わせ手技が、ナビゲーション空間及び画像空間の両方において、物体及び患者210の対象の解剖学的構造を追跡するために行われてもよい。かかる位置合わせを行うために、位置合わせシステム1400は、図10に例解されるように使用されてもよい。
患者210の位置を追跡するために、患者追跡デバイス116は、患者210の硬い解剖学的構造に固定されるべき患者固定器具1402を含んでもよく、動的参照基部(DRB)1404は、患者固定器具1402に確実に取設されてもよい。例えば、患者固定器具1402は、動的参照基部1404の開口部1406に挿入されてもよい。動的参照基部1404は、追跡デバイス、例えば、追跡サブシステム532等が認識できるマーカ1408を含んでもよい。これらのマーカ1408は、本明細書において前に考察されたように、追跡マーカ118等の光学マーカまたは反射性球体であってもよい。
患者固定器具1402は、患者210の硬い解剖組織に取設され、外科手技全体を通して取設されたままであってもよい。例示的な実施形態において、患者固定器具1402は、患者210の硬い領域、例えば、外科手技を受ける対象の解剖学的構造から離れて位置する骨に取設される。対象の解剖学的構造を追跡するために、動的参照基部1404は、対象の解剖学的構造の場所を用いて動的参照基部1404を位置合わせするために、対象の解剖学的構造上またはその近くに一時的に配置される位置合わせ固定具の使用を通して対象の解剖学的構造と関連付けられる。
位置合わせ固定具1410は、枢動アーム1412の使用を通じて、患者固定器具1402に取設される。枢動アーム1412は、位置合わせ固定具1410の開口部1414を通して患者固定器具1402を挿入することによって、患者固定器具1402に取設される。枢動アーム1412は、例えば、枢動アーム1412の開口部1418を通してノブ1416を挿入することによって、位置合わせ固定具1410に取設される。
枢動アーム1412を使用して、位置合わせ固定具1410は、対象の解剖学的構造の上に配置されてもよく、その場所は、位置合わせ固定具1410上の追跡マーカ1420及び/または基準1422を使用して、画像空間及びナビゲーション空間において判定されてもよい。位置合わせ固定具1410は、ナビゲーション空間において認識できるマーカ1420の集合物を含んでもよい(例えば、マーカ1420は、追跡サブシステム532によって検出可能であってもよい)。追跡マーカ1420は、本明細書において前に説明されるように、赤外光において認識できる光学マーカであってもよい。位置合わせ固定具1410はまた、画像化空間(例えば、3次元CT画像)において認識できる基準1422、例えば、軸受ボール等の集合物を含んでもよい。図11に関してより詳細に説明されるように、位置合わせ固定具1410を使用して、対象の解剖学的構造は、動的参照基部1404と関連付けられてもよく、それによって、ナビゲーション空間における物体の描写が、解剖学的構造の画像上に重ね合わされることを可能にする。対象の解剖学的構造から離れた位置に位置する動的参照基部1404は、参照点になり得、それによって、外科用領域からの位置合わせ固定具1410及び/または枢動アーム1412の取り外しを可能にする。
図11は、本開示と一致する位置合わせのための例示的な方法1500を提供する。方法1500は、ステップ1502において始まり、そのステップにおいて、対象の解剖学的構造のグラフィカル表現(または画像(複数可))が、システム100、300 600、例えば、コンピュータ408にインポートされてもよい。グラフィカル表現は、位置合わせ固定具1410及び基準1420の検出可能な画像化パターンを含む、患者210の対象の解剖学的構造の3次元CTまたはX線透視スキャンであってもよい。
ステップ1504において、基準1420の画像化パターンが、画像化空間において検出及び位置合わせされ、コンピュータ408内に記憶される。任意選択的に、このときに、ステップ1506において、位置合わせ固定具1410のグラフィカル表現が、対象の解剖学的構造の画像上に重ね合わされてもよい。
ステップ1508において、位置合わせ固定具1410のナビゲーションパターンが、マーカ1420を認識することによって検出及び位置合わせされる。マーカ1420は、位置センサ540を介して追跡サブシステム532によって赤外光を通してナビゲーション空間において認識される光学マーカであってもよい。このため、対象の解剖学的構造の場所、配向、及び他の情報が、ナビゲーション空間において位置合わせされる。したがって、位置合わせ固定具1410は、基準1422の使用による画像空間とマーカ1420の使用によるナビゲーション空間の両方において認識されてもよい。ステップ1510において、画像空間内の位置合わせ固定具1410の位置合わせが、ナビゲーション空間に転移される。この転移は、例えば、マーカ1420のナビゲーションパターンの位置と比較して、基準1422の画像化パターンの相対位置を使用することによって、行われる。
ステップ1512において、(画像空間を用いて位置合わせされた)位置合わせ固定具1410のナビゲーション空間の位置合わせが、患者固定器具1402に取設された動的位置合わせアレイ1404のナビゲーション空間に更に転移される。このため、位置合わせ固定具1410は、取り外されてもよく、動的参照基部1404は、ナビゲーション空間が画像空間と関連付けられるので、ナビゲーション及び画像空間の両方において、対象の解剖学的構造を追跡するために使用されてもよい。
ステップ1514及び1516において、ナビゲーション空間は、ナビゲーション空間において認識できるマーカ(例えば、光学マーカ804を用いる外科用器具608)を用いて、画像空間及び物体上に重ね合わされてもよい。物体は、対象の解剖学的構造の画像上の外科用器具608のグラフィカル表現を通して追跡されてもよい。
図12A〜12Bは、患者210の手術前、手術中、手術後、及び/またはリアルタイムの画像データを取得するためにロボットシステム100、300、600と併せて使用され得る画像化デバイス1304を例解する。任意の適切な主題が、画像化システム1304を使用して任意の適切な手技のために画像化されてもよい。画像化システム1304は、画像化デバイス1306及び/またはCアーム1308デバイス等、任意の画像化デバイスであってもよい。X線システムにおいて要求され得る患者210の頻繁な手動の再位置付けを必要とせずに、いくらかの異なる位置から患者210のX線写真を取ることが望ましいであろう。図12Aに例解されるように、画像化システム1304は、「C」形状の両遠位端部1312において終端する細長いC形状部材を含むCアーム1308の形態にあってもよい。C形状部材1130は、X線源1314及び画像受信器1316を更に備えてもよい。アームのCアーム1308内の空間は、X線支持構造1318からの実質的な干渉なしで患者を診療するための余地を医師に提供し得る。図12Bに例解されるように、画像化システムは、支持構造画像化デバイス支持構造1328、例えば、車輪1332を有する車輪付移動可能カート1330等に取設されるガントリー筐体1324を有する画像化デバイス1306を含んでもよく、それは、例解されない、画像捕捉部分を取り囲んでもよい。画像捕捉部分は、X線源及び/または発出部分ならびにX線受信及び/または画像受信部分を含んでもよく、また、それらは、互いから約180度に配置されてもよく、画像捕捉部分の軌道に対してロータ(例解されない)上に装着されてもよい。画像捕捉部分は、画像取得中に360度回転するように動作可能であってもよい。画像捕捉部分は、中心点及び/または軸の周囲に回転してもよく、患者210の画像データが、多方向からまたは複数の平面において取得されることを可能にする。ある画像化システム1304が本明細書に例解されるが、任意の適切な画像化システムが、当業者によって選択されてもよいことが理解されるであろう。
ここで、図13A〜13Cを参照して、外科用ロボットシステム100、300、600は、所望の外科領域に対するエンドエフェクタ112、602、外科用器具608、及び/または患者210(例えば、患者追跡デバイス116)の正確な位置付けに頼る。図13A〜13Cに示される実施形態では、追跡マーカ118、804が、器具608及び/またはエンドエフェクタ112の一部分に強固に取設される。
図13Aは、基部106、ロボットアーム104、及びエンドエフェクタ112を含むロボット102を有する外科用ロボットシステム100の一部分を描写する。例解されない他の要素、例えば、表示器、カメラ等がまた、本明細書に説明されるように存在してもよい。図13Bは、誘導管114を有するエンドエフェクタ112及びエンドエフェクタ112に強固に取り付けられた複数の追跡マーカ118のクローズアップ図を描写する。この実施形態では、複数の追跡マーカ118が、誘導管112に取設される。図13Cは、複数の追跡マーカ804が器具608に強固に取り付けられた器具608(この場合において、プローブ608A)を描写する。本明細書のどこかに説明されるように、器具608は、任意の適切な外科用器具、例えば、限定されるものではないが、誘導ワイヤ、カニューレ、レトラクタ、掘削器、リーマ、スクリュードライバ、挿入ツール、除去ツール、または同様のもの等を含み得る。
3Dにおいて追跡されるべき器具608、エンドエフェクタ112、または他の物体を追跡するとき、追跡マーカ118、804のアレイは、ツール608またはエンドエフェクタ112の一部分に強固に取設されてもよい。好ましくは、追跡マーカ118、804は、マーカ118、804が邪魔にならない(例えば、外科手術、視界等を妨げない)ように取設される。マーカ118、804は、例えば、アレイ612と共に、追跡されるべき器具608、エンドエフェクタ112、または他の物体に取り付けられてもよい。通常、3つまたは4つのマーカ118、804が、アレイ612と共に使用される。アレイ612は、線形区分、横材を含んでもよく、マーカ118、804が互いに対して異なる相対位置及び場所にあるように非対称的であってもよい。例えば、図13Cに示されるように、4つのマーカ追跡アレイ612を伴うプローブ608Aが示され、図13Bは、異なる4つのマーカ追跡アレイ612を伴うエンドエフェクタ112を描写する。
図13Cでは、追跡アレイ612がプローブ608Aのハンドル620として機能する。このため、4つのマーカ804が、プローブ608Aのハンドル620に取設され、それは、シャフト622及び先端部624の邪魔をしない。これらの4つのマーカ804の立体写真測量追跡は、器具608が剛体として追跡されること、ならびにプローブ608Aが追跡カメラ200、326の前であちこち移動する間に追跡システム100、300、600が、先端部624の位置及びシャフト622の配向を精密に判定することを可能にする。
3D(例えば、複数の剛体)で追跡されるべき1つ以上のツール608、エンドエフェクタ112、または他の物体の自動追跡を可能にするために、各ツール608、エンドエフェクタ112、または同様のもの上のマーカ118、804は、既知のマーカ間隔を用いて非対称的に配設される。非対称的な整列の理由は、どのマーカ118、804が剛体上の特定の場所に対応するか及びマーカ118、804が前または後から見られる、すなわち、鏡映を作られるかどうかが明白であるためである。例えば、マーカ118、804がツール608またはエンドエフェクタ112上で四角形に配設された場合、システム100、300、600は、どのマーカ118、804が四角形のどの角に対応したかが不明であろう。例えば、プローブ608Aの場合、どのマーカ804がシャフト622に最も近かったかが不明であろう。このため、どの方向へシャフト622がアレイ612から延在していたかが分からないであろう。したがって、各アレイ612、及びそれゆえ、追跡されるべき各ツール608、エンドエフェクタ112、または他の物体は、固有のマーカパターンを有するはずであり、それが、追跡されている他のツール608または他の物体と区別されることを可能にする。非対照的及び固有のマーカパターンは、システム100、300、600が、個々のマーカ118、804を検出することを可能にし、次いで、記憶されたテンプレートに対するマーカ間隔をチェックして、それらがどのツール608、エンドエフェクタ112、または他の物体を表すかを判定する。検出されたマーカ118、804は、次いで、自動的に分類され得、それぞれの追跡された物体に正しい順序で割り当てられ得る。この情報なしでは、剛体計算は、ユーザが、検出されたマーカ118、804のどれが各剛体上のどの位置に対応したかを手動で特定しない限り、重要な幾何学的情報、例えば、ツール先端部624及びシャフト622の整列等を抽出するように行えない可能性がある。これらの概念は、3D光学追跡方法における当業者に一般に知られている。
ここで図14A〜14Dを参照して、移動可能な追跡マーカ918A〜918Dを伴うエンドエフェクタ912の代替型が示される。図14Aにおいて、移動可能な追跡マーカ918A〜918Dを伴うアレイが、第1の構成において示され、図14Bにおいて、移動可能な追跡マーカ918A〜918Dが、第1の構成に対して角度をつけられる、第2の構成において示される。図14Cは、例えば図14Aの第1の構成におけるカメラ200、326によって見られるような、追跡マーカ918A〜918Dのテンプレートを示し、図14Dは、例えば図14Bの第2の構成におけるカメラ200、326によって見られるような、追跡マーカ918A〜918Dのテンプレートを示す。
この実施形態において、4つのマーカアレイ追跡は、マーカ918A〜918Dが、全て剛体に対して固定位置にはなく、その代わりに1つ以上のアレイマーカ918A〜918Dが、例えば、試験中に、自動検出のためのプロセスを妨害することなく追跡され、かつ追跡されたマーカ918A〜918Dを仕分けられる剛体についての更新された情報を与えるために、調節され得ると考えられる。
例えば、ロボットシステム100、300、600のエンドエフェクタ912に接続された誘導管914等任意のツールを追跡するとき、追跡アレイの第1目的は、カメラ座標系におけるエンドエフェクタ912の位置を更新することである。剛性システムを使用するとき、例えば、図13Bに示されるように、反射性マーカ118のアレイ612は、誘導管114から強固に延在する。追跡マーカ118が強固に接続されるため、カメラ座標系内のマーカ場所の情報はまた、カメラ座標系内の誘導管114の中心線、先端部、及び尾部の正確な場所を提供する。典型的に、アレイ612等からのエンドエフェクタ112の位置についての情報及び別の追跡源からの対象軌道の場所についての情報は、誘導管114を軌道に整列するように移動させ、先端部を軌道ベクトルに沿って特定の場所に移動させるはずの、ロボット102の各軸に対して入力される、要求された移動を計算するために使用される。
時々、所望の軌道が、動かしにくく、到達不可能な場所にあるが、誘導管114が旋回すれば、到達され得る。例えば、ロボット102の基部106から離間した非常に急な軌道ポイントは、誘導管114がピッチ(手首部上下角度)軸の制限を超えて上方へ旋回される場合、到達可能となり得るが、誘導管114がそれを手首部の端部に接続しているプレートに対し平行に取設される場合、到達可能とはならないであろう。そのような軌道に到達するために、ロボット102の基部106は、移動されてもよく、または異なる誘導管アタッチメントを伴う異なるエンドエフェクタ112は、作業できるエンドエフェクタと交換されてもよい。これらの解決策は両方とも、時間を消費しかつ煩雑となり得る。
図14A及び14Bに最も良く見られるように、アレイ908は、1つ以上のマーカ918A〜918Dが、固定位置にはなく、その代わりに1つ以上のマーカ918A〜918Dが、調節、旋回、枢動、または移動することができるように構成される場合、ロボット102は、検出及び追跡プロセスを妨害することなく追跡されている物体についての更新された情報を提供することができる。例えば、マーカ918A〜918Dのうちの1つが、位置に固定されてもよく、他のマーカ918A〜918Dが移動可能であってもよく、マーカ918A〜918Dのうちの2つが、位置に固定されてもよく、他のマーカ918A〜918Dが移動可能であってもよく、マーカ918A〜918Dのうちの3つが、位置に固定されてもよく、他のマーカ918A〜918Dが移動可能であってもよく、または全てのマーカ918A〜918Dが移動可能であってもよい。
図14A及び14Bにおいて示される実施形態において、マーカ918A、918Bは、エンドエフェクタ912の基部906に直接強固に接続され、マーカ918C、918Dは、管914に直接強固に接続される。アレイ612と同様に、アレイ908は、マーカ918A〜918Dをエンドエフェクタ912、器具608、または他の追跡される物体に取設するために提供されてもよい。しかしながら、この場合、アレイ908は、複数の分離した構成要素から成る。例えば、マーカ918A、918Bは、第1のアレイ908Aを伴う基部906に接続されてもよく、マーカ918C、918Dは、第2のアレイ908Bを伴う誘導管914に接続されてもよい。マーカ918Aは、第1のアレイ908Aの第1の端部に取り付けられてもよく、マーカ918Bは、直線距離で分離され、第1のアレイ908Aの第2の端部に取り付けられてもよい。第1のアレイ908が実質的に線形である間に、第2のアレイ908Bは、誘導管914に接続された、根元端部に関して湾曲またはV形状構成を有し、一方の遠位端部にマーカ918Cを伴い、他方の遠位端部にマーカ918Dを伴うV形状においてそこから遠位端部に分岐している。特定の構成が本明細書に例解されるが、異なる数及び種類のアレイ908A、908Bを含む他の非対称的な設計、ならびに異なる配設、数、及び種類のマーカ918A〜918Dが考えられるということが理解されるであろう。
誘導管914は、基部906に対して、例えば、ヒンジ920または基部906に対する他のコネクタにわたって移動可能、旋回可能、もしくは枢動可能であってもよい。このため、マーカ918C、918Dは、誘導管914が、枢動し、旋回し、または移動するとき、マーカ918C、918Dもまた枢動、旋回、または移動するように移動可能である。図14Aに最も良く見られるように、誘導管914は、マーカ918A〜918Dが第1の構成を有するように、実質的に通常のまたは垂直の配向において整列する縦軸916を有する。ここで図14Bを参照して、誘導管914は、マーカ918A〜918Dが第1の構成とは異なる第2の構成を有するような、垂直の配向に対して、縦軸916が角度を付けられるように枢動され、旋回され、または移動される。
図14A〜14Dに関して説明した実施形態とは対称的に、旋回台が全4つのマーカ918A〜918Dが誘導管914に強固に取設されたまま、誘導管914とアーム104(例えば、手首部アタッチメント)との間に存在し、この旋回台がユーザによって調節される場合、ロボットシステム100、300、600は、誘導管914の配向が変更されたことを自動的に検出することができないであろう。ロボットシステム100、300、600は、マーカアレイ908の位置を追跡し、誘導管914が前の配向において手首部(ロボットアーム104)に取設されていたと推定して、正しくないロボット軸の移動を計算するであろう。1つ以上のマーカ918A〜918D(例えば、2つのマーカ918C、918D)を管914上に強固に維持しながら、1つ以上のマーカ918A〜918D(例えば、2つのマーカ918A、918B)を旋回台にわたって維持することによって、新しい位置の自動検出が可能となり、正しいロボットの移動が、ロボットアーム104の端部上の新しいツールまたはエンドエフェクタ112、912の検出に基づいて計算される。
1つ以上のマーカ918A〜918Dは、任意の適切な手段に従い、移動され、枢動され、旋回され、または同様の状態になるように構成される。例えば、マーカ918A〜918Dは、ヒンジ920、例えば、クランプ、バネ、レバー、スライド、トグル、もしくは同様のもの、またはマーカ918A〜918Dを個別にあるいは組み合わせて移動させる、アレイ908A、908Bを個別にあるいは組み合わせて移動させる、エンドエフェクタ912の任意の一部分を別の一部分に対して移動させる、ツール608の任意の一部分を別の一部分に対して移動させるための、任意の別の適切な機構によって、移動されてもよい。
図14A及び14Bに示されるように、アレイ908及び誘導管914は、クランプまたはヒンジ920を単に緩める、アレイ908A、908Bの一部を他の一部908A、908Bに対して移動させる、ならびに誘導管914が異なる位置に配向されるようにヒンジ920を締め直すことによって再構成可能となってもよい。例えば、2つのマーカ918C、918Dは、管914と強固に相互接続され、2つのマーカ918A、918Bは、ヒンジ920にわたってロボットアーム104に取設するエンドエフェクタ912の基部906に強固に相互接続されてもよい。ヒンジ920は、クランプ、例えば、蝶ナット、または同様のものの形状であってもよく、ユーザが第1の構成(図14A)と第2の構成(図14B)との間で迅速に切り替えることを可能にするように緩め、締め直すことができる。
カメラ200、326は、マーカ918A〜918Dを、例えば、図14C及び14Dにおいて識別されたテンプレートのうちの1つにおいて、検出する。アレイ908が第1の構成(図14A)にあり、追跡カメラ200、326がマーカ918A〜918Dを検出する場合、次いで追跡されたマーカが、図14Cに示されるようなアレイテンプレート1と一致する。アレイ908が第2の構成(図14B)にあり、追跡カメラ200、326がマーカ918A〜918Dを検出する場合、次いで追跡されたマーカが、図14Dに示されるようなアレイテンプレート2と一致する。アレイテンプレート1及びアレイテンプレート2は、各々が誘導管914、マーカ918A〜918D、ならびにロボットアタッチメント間で固有に画定された空間的関係を伴う、2つの別個のツールとして、システム100、300、600によって認識される。ユーザは、したがって、システム100、300、600に変更を通知することなく、エンドエフェクタ912の位置を第1の構成と第2の構成との間で調節することができ、かつシステム100、300、600は、ロボット102の移動を軌道上に乗せておくように適切に調節するであろう。
この実施形態において、マーカアレイが、固有のテンプレートと一致する2つのアセンブリ位置があり、システム100、300、600がアセンブリを2つの異なるツールまたは2つの異なるエンドエフェクタとして認識することを可能にする。これらの2つの位置(すなわち、図14C及び14Dにそれぞれ示されるアレイテンプレート1及びアレイテンプレート2)の間、またはこれらの2つの位置の外の旋回台のいずれの位置において、マーカ918A〜918Dは、いずれのテンプレートとも一致せず、システム100、300、600は、個々のマーカ918A〜918Dがカメラ200、326によって検出されているにも関わらず、存在するいずれのアレイも検出せず、この結果は、マーカ918A〜918Dがカメラ200、326の視界から一時的に遮断されている場合と同様である。他のアレイテンプレートが、例えば、異なる器具608または他のエンドエフェクタ112、912等を識別する、他の構成のために存在し得ることが理解されるであろう。
説明された実施形態において、2つの離散アセンブリ位置が、図14A及び14Bに示される。しかしながら、固有のマーカテンプレートがアレイの1つ以上のマーカ918A〜918Dの位置を他に対して調節することによって作成され得る、旋回結合部、線形結合部、旋回及び線形結合部の組み合わせ、ペグボード、または他のアセンブリ上の複数の離散位置が存在し得、各離散位置は、特定のテンプレートと一致し、固有のツール608またはエンドエフェクタ112、912を異なる既知の属性で定義することが理解されるであろう。加えて、エンドエフェクタ912のために例解されるが、移動可能な、固定マーカ918A〜918Dは、任意の適切な器具608または追跡される他の物体と共に使用されてもよいことが理解されるであろう。
ロボットのエンドエフェクタ112(例えば、図13A及び13Bで描写されるように)に取設された3つ以上のマーカの完全剛体アレイを追跡するために、外部3D追跡システム100、300、600を使用するとき、カメラ200、326の座標系内のロボット102の区分毎の3D位置を直接追跡する、または計算することが可能である。追跡器に対する結合部の幾何学的な配向は、設計によって既知であり、結合部の線形または角度の付いた位置は、ロボット102の各モータのためのエンコーダから既知であり、エンドエフェクタ112から基部116までの全ての可動部品の3D位置を完全に画定する。同様に、追跡器がロボット102(図示せず)の基部106上に装着される場合、各モータのエンコーダからの既知の結合部幾何学形状及び結合部位置に基づいて、基部106からエンドエフェクタ112までのロボット102の区分毎の3D位置を追跡または計算することが可能である。
いくつかの状況において、ロボット102の全てのセグメントの位置を、エンドエフェクタ112に強固に取設された3つ未満のマーカ118から追跡されることが所望され得る。具体的に、ツール608が誘導管114内に導入される場合、1つの追加マーカ118だけで追跡して、ロボット902の完全な剛体の動きを追跡することが所望され得る。
ここで図15A〜15Eを参照して、単一の追跡マーカ1018のみを有するエンドエフェクタ1012の代替型が示される。エンドエフェクタ1012は、本明細書で説明された他のエンドエフェクタと同様であってもよく、縦軸1016に沿って延在する誘導管1014を含んでもよい。本明細書で説明された他の追跡マーカと同様に、単一の追跡マーカ1018は、誘導管1014に強固に取り付けられてもよい。この単一のマーカ1018は、完全剛体追跡を可能にするために不足している自由度を追加する目的を果たし、ならびに/またはロボット及びカメラの位置決めに関する推定が有効であることを確実とするための監視マーカとして働く目的を果たすことができる。
単一の追跡マーカ1018は、任意の利便性の良い方向において突出し、外科医の視界を遮らないエンドエフェクタ1012の強固な延伸部としてロボットエンドエフェクタ1012に取設されてもよい。追跡マーカ1018は、誘導管1014またはエンドエフェクタ1012上の任意の適切な場所に取り付けられてもよい。誘導管1014に取り付けられるとき、追跡マーカ1018は、誘導管1014の第1の端部と第2の端部との間の場所に位置決めされてもよい。例えば、図15Aにおいて、単一の追跡マーカ1018は、誘導管1014から前方に延在し、誘導管1014の中点上部及び誘導管1014の入口下部に縦方向に位置決めされ、狭いシャフト1017の端部上に装着された反射性球体として示される。この位置は、マーカ1018がカメラ200、326によって概して認識されることを可能にするだけでなく、外科医120の視界を遮る、または手術近傍で他のツールもしくは物体と衝突することがない。加えて、この位置におけるマーカ1018を伴う誘導管1014は、誘導管1014内に導入された任意のツール608上のマーカアレイが、誘導管1014上の単一のマーカ1018が認識されると同時に、認識されるように設計される。
図15Bに示されるように、ぴったりと適合するツールまたは器具608が誘導管1014内に設置されるとき、器具608は、6自由度のうち4に機械的に制約される。つまり、器具608は、誘導管1014の縦軸1016の周囲を除く、いずれの方向においても回転することはできず、器具608は、誘導管1014の縦軸1016に沿うことを除くいずれの方向においても並進されることはできない。換言すると、器具608は、誘導管1014の中心線に沿って並進し、誘導管1014の中心線の周囲を回転することのみできる。(1)誘導管1014の縦軸1016の周囲の回転の角度、及び(2)誘導管1014に沿った位置等の、更に2つのパラメータが既知の場合、次いでカメラ座標系内のエンドエフェクタ1012の位置が、完全に画定される。
ここで図15Cを参照すると、システム100、300、600は、ツール608が誘導管1014の内部に実際に位置決めされるとき、及びその代わりに誘導管1014の外ではなく、ただカメラ200、326のビュー内のどこかにあるときを知ることが可能となるはずである。ツール608は、縦軸または中心線616、及び複数の追跡されたマーカ804を伴うアレイ612を有する。剛体計算は、ツール608の中心線616が、ツール608上のアレイ612の追跡された位置に基づいたカメラ座標系内のどこに位置付けられるのか判定するために使用されてもよい。
単一のマーカ1018から誘導管1014の中心線または縦軸1016への固定の通常(垂直)距離DFは、固定され、幾何学的に既知であり、単一のマーカ1018の位置は、追跡することができる。したがって、ツールの中心線616から単一のマーカ1018まで検出された距離DDが、誘導管の中心線1016から単一のマーカ1018までの既知の固定距離DFと一致するとき、ツール608が誘導管1014内にあるか(ツール608の中心線616、1016及び誘導管1014が合致)、またはこの距離DDが固定距離DFと一致する可能性のある位置の地点の何らかの点に偶然あるのかを判定することができる。例えば、図15Cにおいて、ツールの中心線616から単一のマーカ1018までの通常の検出距離DDは、2つの位置中の透明なツール608によって表現されたデータの両方のフレーム(追跡されたマーカの座標)における誘導管の中心線1016から単一のマーカ1018までの固定距離DFと一致する、このため、いつツール608を誘導管1014内に位置付けるか判定するために、追加の考察が必要となってもよい。
ここで図15Dを参照して、プログラムされたロジックは、追跡データのフレームを探すために使用することができ、ツールの中心線616から単一のマーカ1018まで検出された距離DDが、ツール608は誘導管1014内で移動するという状態を満たすために、単一の球体1018に対して最小距離よりも大きく空間内でツール608が移動しているにも関わらず、正確な長さで固定されたままである。例えば、第1のフレームF1は、第1の位置においてツール608で検出されてもよく、第2のフレームF2は、第2の位置(すなわち、第1の位置に関して線形に移動した)においてツール608で検出されてもよい。ツールアレイ612上のマーカ804は、第1のフレームF1から第2のフレームF2までの所与の量を超えて(例えば、合計5mm超)移動してもよい。この移動を伴ってさえ、ツール中心線ベクトルC´から単一のマーカ1018まで検出された距離DDは、第1のフレームF1及び第2のフレームF2の両方において実質的に同一である。
論理的には、外科医120またはユーザは、ツール608を誘導管1014内に設置し、それをわずかに回転させる、または誘導管1014内に摺動させることができ、システム100、300、600は、5つのマーカ(4つのツール608上のマーカ804、加えて単一の誘導管1014上のマーカ1018)の追跡から、ツール608が誘導管1014内にあることを検出することができるであろう。ツール608が誘導管1014内にあることは既知であり、空間内のロボットエンドエフェクタ1012の位置及び配向を画定する全6自由度が、計算されてもよい。単一のマーカ1018なしでは、ツール608が誘導管1014内にあることを確信をもって知られる場合でさえ、誘導管1014がツールの中心線ベクトルC´に沿って位置付けられる場所、及び誘導管1014が中心線ベクトルC´に対してどのように回転されるのかは不明である。
図15E上に強調されるように、追跡される単一のマーカ1018ならびにツール608上の4つのマーカ804の存在で、誘導管1014の中心線ベクトルC´、ツール608、単一のマーカ1018を通じる通常のベクトル、及び中心線ベクトルC´を通じる通常のベクトルを構築することが可能である。この通常のベクトルは、手首部(本実施例において、セグメントに平行に配向された)より遠位のロボットの前腕に対して既知の配向である配向を有し、特定の固定位置において中心線ベクトルC´と交わる。便宜上、3つの相互に直交するベクトル、k´、j´、i´が、図15Eに示されるように構築され得、剛体位置及び誘導管1014の配向を画定する。3つの相互に直交するベクトルk´のうちの1つは、中心線ベクトルC´から構築され、第2のベクトルj´は、単一のマーカ1018を通じて通常ベクトルから構築され、第3のベクトルi´は、第1のベクトルk´、第2のベクトルj´のベクトル外積である。これらのベクトルk´、j´、i´に対するロボットの結合部位置は、全ての結合部がゼロのとき既知であり、固定される、したがって剛体計算が、ロボットがホーム位置にあるとき、これらのベクトルk´、j´、i´に対するロボットの任意の区分の場所を判定するために使用することができる。ロボットの移動中、ツールマーカ804の位置(ツール608が誘導管1014内にある間)及び単一のマーカ1018の位置は、追跡システムから検出され、各結合部の角度/線形位置はエンコーダから既知であり、次いでロボットの任意の区分の位置及び配向が、判定され得る。
いくつかの実施形態において、ツール608の配向を誘導管1014に対して固定するために有用であってもよい。例えば、エンドエフェクタ誘導管1014は、機械加工またはインプラント位置決めを可能にするために、軸1016の周囲の特定の位置において配向されてもよい。誘導管1014内に挿入されたツール608に取設されたものの配向は、ツール608上の追跡されたマーカ804から既知であるが、カメラ座標系内の誘導管1014自体の回転配向は、誘導管1014上の追加の追跡マーカ1018(または他の実施形態において複数の追跡マーカ)なしでは不明である。このマーカ1018は、中心線ベクトルC´に対するマーカ1018の配向に基づいて−180°〜+180°の原則的に「クロック位置」を提供する。このため、単一のマーカ1018は、完全剛体追跡を可能にするために追加の自由度を提供し、ならびに/またはロボット及びカメラの位置決めに関する推定が有効であることを確実とするための監視マーカとして働くことができる。
図16は、ロボット102のエンドエフェクタ1012(または本明細書で説明された任意の他のエンドエフェクタ)を所望の対象軌道にナビゲート及び移動させるための方法1100のブロック図である。ロボットエンドエフェクタ1012または誘導管1014上の単一のマーカ1018の別の使用例は、ロボット102に取設された完全追跡アレイなしで、ロボット102の自動安全移動を可能にする方法1100の一部であることである。この方法1100は、追跡カメラ200、326がロボット102に対して移動しない(すなわち、それらが固定位置にある)とき、機能し、追跡システムの座標系及びロボットの座標系は、共同で位置合わせされ、ロボット102は、誘導管1014の位置及び配向が各ロボット軸のエンコードされた位置のみに基づいてロボットの直交座標系内で正確に判定することができるように較正される。
この方法1100に関して、追跡器及びロボットの座標系は、共同で位置合わせされなければならず、つまり追跡システムの直交座標系からロボットの直交座標系への座標変換が必要であるということを意味する。便宜上、この座標変換は、ロボット工学分野において既知である並進及び回転の4×4マトリクスとなり得る。この変換は、「カメラからロボットへの変換」を引用してTcrと称されるであろう。一度この変換が既知となると、各追跡されたマーカに対するベクトル形式においてx、y、z座標として受信される、追跡データの任意の新しいフレームが、4×4マトリクスによって乗算され、その結果生じるx、y、z座標がロボット座標系内にあるであろう。Tcrを獲得するために、ロボット上の完全追跡アレイが、それがロボットの座標系内で既知の場所でロボットに強固に取設されている間に追跡され、次いで既知の剛体方法が座標の変換を計算するために使用される。ロボット102の誘導管1014内に挿入された任意のツール608が、追加マーカ1018がまた読み取られるとき強固に取設されたアレイと同じ剛体情報を提供することができるということが明らかとなるはずである。つまり、ツール608は、固定された位置及び配向ではなく、誘導管1014内の任意の位置に、誘導管1014内のいずれの回転で、挿入されることのみを必要とする。このため、追跡アレイ612を伴う任意のツール608を誘導管1014内に挿入すること、ツールのアレイ612加えて誘導管1014の単一のマーカ1018を読み込むこと、一方で同時にロボットの座標系内の誘導管1014の現在の場所を、各軸上のエンコーダから判定することによって、Tcrを判定することが可能である。
ロボット102を対象軌道にナビゲート及び移動させるためのロジックが、図16の方法1100において提供される。ループ1102に入る前に、変換Tcrが前もって記憶されたことが推定される。このため、ループ1102に入る前、ステップ1104において、ロボット基部106を固定した後、ロボットが静的な間に誘導管内に挿入されたツールの追跡データの1つ以上のフレームを記憶し、ステップ1106において、カメラ座標からロボット座標Tcrへのロボット誘導管位置の変換を、この静的データ及び以前の較正データから計算する。Tcrは、カメラ200、326がロボット102に対して移動しない限り有効であるはずである。カメラ200、326がロボット102に対して移動し、Tcrを再度獲得する必要がある場合、システム100、300、600は、ユーザにツール608を誘導管1014内に挿入するように促すことができ、次いで必要な計算を自動的に実施することができる。
方法1100のフローチャートにおいて、収集されたデータの各フレームは、患者210上のDRB1404の追跡された位置、エンドエフェクタ1014上の単一のマーカ1018の追跡された位置、及び各ロボット軸の位置のスナップ写真から成る。ロボットの軸の位置から、エンドエフェクタ1012上の単一のマーカ1018の場所を計算する。計算された位置を、追跡システムから記録されたマーカ1018の実際の位置と比較する。値が一致する場合、ロボット102が既知の場所内にあることが確実となり得る。変換TcrをDRB1404の追跡された位置に適用し、ロボット102の対象を、ロボットの座標系の項内に提供することができる。ロボット102を、次いで対象に到達するように移動させるように命令することができる。
ステップ1104、1106の後、ループ1102は、DRB1404のための剛体情報を追跡システムから受信するステップ1108、対象先端部及び軌道を画像座標から追跡システム座標に変換するステップ1110、及び対象先端部及び軌道をカメラ座標からロボット座標(Tcrを適用)に変換するステップ1112を含む。ループ1102は、追跡システムからロボット用の単一の迷いマーカ位置を受信するステップ1114、及び単一の迷いマーカを追跡システム座標からロボット座標(記憶されたTcrを適用)に変換するステップ1116を更に含む。ループ1102はまた、順運動学からロボット座標系内の単一のロボットマーカ1018の現在の場所を判定するステップ1118を含む。ステップ1116及び1118からの情報は、変換された追跡された位置からの迷いマーカ座標が所与の交差未満の計算された座標と一致するかどうかステップ1120を判定するために使用される。はいの場合、ステップ1122に進み、計算し、ロボットを対象x、y、z及び軌道に移動させる。いいえの場合、ステップ1124に進み、アレイを挿入した後ステップ1126に進む前に休止し、誘導管1014への完全アレイの挿入を要求し、Tcrを再度計算し、次いでステップ1108、1114、及び1118の繰り返しに進む。
この方法1100は、場所を検証するための単一のマーカ1018の連続的な監視が省略される方法に対して利点を有する。単一のマーカ1018なしでも、Tcrを使用してエンドエフェクタ1012の位置を判定し、エンドエフェクタ1012を対象の場所に送ることは可能であるが、ロボット102が実際に予想された場所内にあるかを検証することは不可能である。例えば、カメラ200、326がぶつかり、Tcrがそれ以上有効でない場合、ロボット102は、誤った場所に移動するであろう。このため、単一のマーカ1018は、安全性に関する値を提供する。
ロボット102の所与の固定された位置に関して、追跡カメラ200、326を新しい場所に移動させることは理論上可能であり、単一の追跡されたマーカ1018は単一のポイントであり、アレイではないため移動されないままである。このような場合、システム100、300、600は、単一のマーカ1018の計算され、追跡された場所において一致があるため、いずれのエラーも検出しない。しかしながら、一度ロボットの軸が誘導管1012を新しい場所に移動させると、計算され、追跡された位置は、不一致となり、安全性チェックが有効となるであろう。
「監視マーカ」という用語は、例えば、DRB1404に対して固定された場所内にある単一のマーカを参照して使用されてもよい。この場合、DRB1404がぶつかるまたは別様に外れると、監視マーカの相対場所が変化し、外科医120はナビゲーションに問題があり得ることを警告され得る。同様に、本明細書に説明された実施形態において、ロボットの誘導管1014上の単一のマーカ1018を伴って、システム100、300、600は、カメラ200、326がロボット102に対して移動しているかどうか連続的にチェックすることができる。カメラ200、326がぶつかるもしくは正常に動作しないこと、またはロボットが正常に動作しないこと等によって、追跡システムの座標系のロボットの座標系に対する位置合わせがなくなる場合、システム100、300、600は、ユーザに警告し、補正を行うことができる。このため、この単一のマーカ1018はまた、ロボット102のための監視マーカとしても考えられ得る。
ロボット102上に永久的に装着された完全アレイ(例えば、図7A〜7Cに示されるエンドエフェクタ602上の複数の追跡マーカ702)を伴い、ロボット監視マーカとしての単一のマーカ1018のこのような機能は、カメラ200、326がロボット102に対して固定された位置にあることが要求されないため、必要ではなく、Tcrはロボット102の追跡された位置に基づいて各フレームで更新されるということが明らかにされるべきである。単一のマーカ1018を完全アレイの代わりに使用する理由は、完全アレイがより大型で邪魔になり、それによって外科医の視界及び手術野208へのアクセスを、単一のマーカ1018よりも遮断することと、完全アレイに対する視線が、単一のマーカ1018に対する視線よりもより容易に遮断されることである。
ここで図17A〜17B及び18A〜18Bを参照すると、インプラントホルダ608B、608C等の、器具608が、固定された追跡マーカ及び移動可能な追跡マーカ804、806の両方を含み、描写される。インプラントホルダ608B、608Cは、ハンドル620及びハンドル620から延在する外側シャフト622を有してもよい。シャフト622は、示されるように、ハンドル620に対して実質的に垂直に、または任意の他の適切な配向において位置決めされてもよい。内部シャフト626は、一方の端部でノブ628を伴う外側シャフト622を通じて延在してもよい。インプラント10、12は、他方の端部で、当業者に既知の典型的な接続機構を使用してインプラントホルダ608B、608Cの先端具624で、シャフト622に接続する。ノブ628は、例えば、インプラント10、12を延在させ、連接させるために回転してもよい。本明細書に参照によって組み込まれる、米国特許第8,709,086号及び同第8,491,659号は、拡張可能な固定デバイス及び設置方法を説明する。
インプラントホルダ608B、608C等の、ツール608を追跡するとき、追跡アレイ612は、アレイ612を成すまたは別様にインプラントホルダ608B、608Cに取設される、固定されたマーカ804及び1つ以上の移動可能なマーカ806の組み合わせを含む。ナビゲーションアレイ612は、インプラントホルダ器具608B、608Cに対して既知の場所を伴い位置決めされる、少なくとも1つ以上の(例えば、少なくとも2つの)固定された位置マーカ804を含んでもよい。これらの固定されたマーカ804は、器具の幾何学形状に対していずれの配向においても移動することができず、器具608が空間内のどこにあるか画定することにおいて有用であろう。加えて、少なくとも1つのマーカ806が存在し、固定されたマーカ804に対して所定の境界内の移動(例えば、摺動、回転等)が可能な、アレイ612または器具自体に取設することができる。システム100、300、600(例えば、ソフトウエア)は、移動可能なマーカ806の位置を、インプラント10の特定の位置、配向、または他の属性(図17A〜17Bに示される拡張可能な椎体間スペーサの高さ、または図18A〜18Bに示される連接式椎体間スペーサの角度等)に相互に関連付ける。このため、システム及び/またはユーザは、移動可能なマーカ806の場所に基づいてインプラント10、12の高さまたは角度を判定することができる。
図17A〜17Bに示される実施形態において、4つの固定されたマーカ804が、インプラントホルダ608Bを画定するために使用され、5番目の移動可能なマーカ806が、インプラントの高さ(例えば、収縮位置または拡張位置)のフィードバックを提供するために、所定の経路内で摺動することが可能である。図17Aは、はじめの高さにおける拡張可能なスペーサ10を示し、図17Bは、移動可能なマーカ806が異なる位置に並進され、拡張された状態にあるスペーサ10を示す。この場合、移動可能なマーカ806は、インプラント10が拡張されるとき、固定されたマーカ804に近接して移動するが、この移動は可逆的または別様に異なってもよいと考えられる。マーカ806の線形並進の量は、インプラント10の高さに対応するであろう。2つの位置のみが示されるが、これを連続する機能として有することが可能であり、それによっていずれの所与の拡張高が、移動可能なマーカ806の特定の位置に相互に関連付けられ得る。
ここで、図18A〜18Bを参照して、4つの固定されたマーカ804が、インプラントホルダ608Cを画定するために使用され、5番目の移動可能なマーカ806が、インプラントの連接角度のフィードバックを提供するために所定の経路内を摺動するように構成される。図18Aは、はじめの線形状態で連接式スペーサ12を示し、図18Bは、移動可能なマーカ806が異なる位置に並進され、あるオフセット角度で連接された状態のスペーサ12を示す。マーカ806の線形並進の量は、インプラント12の連接角度に対応するであろう。2つの位置のみが示されるが、これを連続する機能として有することが可能であり、それによっていずれの所与の連接角度が、移動可能なマーカ806の特定の位置に相互に関連付けられ得る。
これらの実施形態において、移動可能なマーカ806は、位置に基づいてインプラント10、12の属性についてのフィードバックを提供するために連続して摺動する。また、移動可能なマーカ806があるはずの別個の位置があってもよく、インプラント属性についての更なる情報を提供することが可能であることが考えられる。この場合、全てのマーカ804、806の各別個の構成は、特定の配向または特定の高さにおいて、インプラントホルダ608B、608C、及びインプラント10、12の特定の幾何学形状に相互に関連付ける。加えて、移動可能なマーカ806のいずれの運動も、いずれの他の種類のナビゲートされたインプラントの他の可変属性のために使用することができる。
移動可能なマーカ806の線形移動に関して描写及び説明されたが、移動可能なマーカ806は、マーカ806の回転または他の移動もインプラント10、12についての情報を提供するために有用である用途があってもよいことから、摺動だけに制限されるべきではない。一組の固定されたマーカ804と移動可能なマーカ806との間の位置におけるいずれの相対変化も、インプラント10、12、または他の装置のための関連情報となり得る。加えて、拡張可能な及び連接式インプラント10、12が例解されるが、器具608は、スペーサ、ケージ、プレート、締結具、釘、ねじ、ロッド、ピン、ワイヤ構造、縫合、アンカークリップ、ステープル、ステント、骨移植、生物学的薬剤、セメント、または同様のもの等の、他の医療デバイス及び材料と協働し得る。
ここで図19Aを参照して、ロボットエンドエフェクタ112が他の種類のエンドエフェクタ112と交換可能であることが想定される。更に、各エンドエフェクタ112が、所望の外科手技に基づいて1つ以上の機能を実施することが可能であってもよいと考えられる。例えば、誘導管114を有するエンドエフェクタ112は、本明細書で説明されるように器具608を誘導するために使用されてもよい。加えて、エンドエフェクタ112は、例えば、外科用デバイス、器具、またはインプラントを制御する、異なるまたは代替的なエンドエフェクタ112に取って代わられてもよい。
代替的なエンドエフェクタ112は、ロボットに連結し、ロボットによって制御可能な、1つ以上のデバイスまたは器具を含んでもよい。非制限的な例として、図19Aにおいて描写されるようなエンドエフェクタ112は、レトラクタ(例えば、米国特許第8,992,425号及び同第8,968,363号において開示された1つ以上のレトラクタ)または(米国特許第8,845,734号、同第9,510,954号、及び同第9,456,903号において例解された拡張可能なインプラント等)拡張可能な椎間固定デバイス等の外科用デバイスを挿入または設置するための1つ以上の機構、(米国特許第9,364,343号及び同第9,480,579号において例解されたインプラント等)独立型の椎間固定デバイス、(米国特許第9,393,128号及び米国特許第9,173,747号において例解された椎体部分切除術用インプラント等)拡張可能な椎体部分切除術用デバイス、(米国特許第9,259,327号において例解されたインプラント等)連接式スペーサ、(米国特許第9,539,031号において例解されたデバイス等)椎間人工関節、(米国特許第9,486,253号において例解されたデバイス等)椎弓形成術用デバイス、(米国特許第9,592,082号において例解されたインプラント等)棘突起スペーサ、インフレータブル、多軸ねじ、ユニプレーナねじ、椎弓根ねじ、ポストねじ、及び同様のもの、骨固定用プレート、ロッド構成物、ならびに(米国特許第8,882,803号において例解されたデバイス等)変更デバイス、人口及び天然ディスク、運動保存デバイス及びインプラント、(米国特許第9,440,076号において例解されたデバイス等)脊髄刺激装置、ならびに他の外科用デバイスを備える。エンドエフェクタ112は、外科標的に骨セメント、骨移植、生体細胞、薬剤、または他の移送可能物を提供するためにロボットに直接または間接的に連結されたものもしくは器具を含んでもよい。エンドエフェクタ112はまた、椎間板切除術、椎骨形成術、椎骨ステント術、拡張、または他の外科手技を実施するために設計された1つ以上の器具を含んでもよい。
エンドエフェクタ自体及び/またはインプラント、デバイス、もしくは器具は、1つ以上のマーカ118を含んでもよく、マーカ118の場所及び位置が、3次元で識別されてもよい。マーカ118は、本明細書で説明されるように、カメラ200に直接または間接的に認識され得る、アクティブまたはパッシブマーカ118を含んでもよいことが考えられる。このため、インプラント10上に位置付けられた1つ以上のマーカ118は、例えば、移植前、移植中、及び移植後にインプラント10の追跡のために提供してもよい。
図19Bに示されるように、エンドエフェクタ112は、ロボットアーム104に連結される器具608またはその一部(例えば、器具608が、図9A〜9Cに示される連結機構によってロボットアーム104に連結されてもよい)を含んでもよく、ロボットシステム100によって制御可能である。このため、図19Bに示される実施形態において、ロボットシステム100は、インプラント10を患者に挿入し、拡張可能なインプラント10を拡張または収縮することが可能である。したがって、ロボットシステム100は、外科医を支援し、そこから部分的にまたは全体的に独立して操作するように構成されてもよい。このため、ロボットシステム100がその特定の機能または外科手技のために各代替的なエンドエフェクタ112を制御することが可能となり得ることが想定される。
本明細書において説明されたロボット及び関連付けられたシステムは概して、脊椎用途を参照して説明されているが、ロボットシステムは、限定されるものではないが、外傷における手術、または他の成形用途(骨髄内釘、プレート、及び同様のものの配置等)、頭蓋、神経、心胸、脈管、結腸直腸、腫瘍学的、歯科、及び他の外科手術ならびに外科手技を含む、他の外科用途における使用のために構成されることもまた考えられる。
本発明のいくつかの実施形態を、前述の明細書において開示してきたが、本発明が関連し、前述の説明及び関連する図面において提示される教示の利益を有する、本発明の多くの修正及び他の実施形態が着想されようことが理解される。このため、本発明が本明細書において上で開示される具体的な実施形態に制限されないこと、ならびに多くの修正及び他の実施形態が、添付の請求項の範囲内に含まれることが意図されることが、理解される。一実施形態からの特性が、本明細書に説明される異なる実施形態からの特性と組み合わされてもよいまたは使用されてもよいことが更に想定される。更に、本明細書、ならびに以下の請求項において、具体的な用語が採用されるが、それらは、一般的かつ説明的意味においてのみ使用され、説明される発明も、以下の請求項も制限する目的で使用されない。本明細書において引用される各特許及び公開物の開示全体は、各かかる特許または公開物が本明細書において参照することにより個々に組み込まれるかのように、参照により組み込まれる。本発明の種々の特性及び利点は、以下の請求項において記載される。