JP2018200627A - 畳み込みニューラルネットワーク - Google Patents

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Abstract

【課題】畳み込み層での畳み込み演算のために多数の入力バーが必要となる場合であっても、その畳み込み演算にクロスバー回路を適用することが可能な畳み込みニューラルネットワークを提供する。
【解決手段】クロスバー回路が、第1クロスバー回路61と第2クロスバー回路62とに分割される。第1クロスバー回路61には、入力データに含まれる特徴マップの内、一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算を行う。第2クロスバー回路62には、第1クロスバー回路61にて畳み込み演算の対象とされる一部の特徴マップとは異なる別の一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算を行う。第1クロスバー回路61によるフィルタの畳み込み演算結果である特徴マップと、第2クロスバー回路62によるフィルタの畳み込み演算結果である特徴マップが、マージ層63においてマージされる。
【選択図】図8

Description

本発明は、複数の畳み込み層を含む畳み込みニューラルネットワークに関する。
近年、ディープニューラルネットワーク及びディープラーニングアルゴリズムを使用することにより、例えば画像認識の分野において、従来の機械学習による認識性能を遥かに凌駕する認識性能を得られることが実証されている。この際、ディープニューラルネットワークとして、概して畳み込みニューラルネットワークが用いられる。畳み込みニューラルネットワークは、局所領域(フィルタ)の畳み込み(Convolution)とプーリング(Pooling)とを繰り返して抽出した特徴を、全結合層を介して出力層に伝え、出力層から、ソフトマックス(Softmax)関数などにより、分類すべき各クラスに属する確からしさを示す出力値を出力するように構成される。
このような畳み込みニューラルネットワークでは、畳み込みやプーリングのために、多くの加算、乗算、及び除算などの演算が繰り返される。従って、畳み込みニューラルネットワークにおける演算をCPUやGPUを用いて行う場合、演算負荷が膨大となり、消費電力も増加するという問題がある。
そのため、このような演算を効率良く行うための専用のハードウエア回路の開発が進められている。そのハードウエア回路の一例として、例えば特許文献1や特許文献2に示されるような、印加電圧や通電電流によって異なる抵抗状態に設定することが可能な抵抗変化型メモリ(メモリスタ)を利用したクロスバー回路がある。
このクロスバー回路は、多数の入力バーと多数の出力バーとが交差するように配列され、各交点において入力バーと出力バーとがメモリスタを介して接続されることによって構成される。クロスバー回路の入力バーに入力信号を入力すると、各入力信号はメモリスタによるコンダクタンスを重みとして乗じられた後、出力バー上において積算される。このため、例えば、上述した畳み込みニューラルネットワークのある畳み込み層における、フィルタの各要素の重みに対応したコンダクタンスを各メモリスタに設定することにより、畳み込み演算をクロスバー回路にて実行させることが可能となる。
国際公開第2016/068953号 国際公開第2017/010049号
ここで、出力層から見て上位の階層の畳み込み層において、フィルタの畳み込み演算を上述したクロスバー回路にて行おうとした場合、下位の階層の畳み込み層で作成された各特徴マップに対するフィルタの畳み込み演算結果を積算するために、入力バーの数として、(下位の階層の畳み込み層で作成された特徴マップの数×フィルタサイズ+1)が必要となる。なお、フィルタサイズとしては、例えば3×3、5×5のサイズが用いられる。また、入力バーの数に「1」を加えているのは、バイアスを入力するための入力バーも必要なためである。
大規模な畳み込みニューラルネットワークでは、1つの畳み込み層において用いられるフィルタの数も多数に上ることがある。この場合、畳み込み層で作成される特徴マップの数も多数に上ることになる。そのような場合、その上位階層の畳み込み層のクロスバー回路では、例えば、千を超える入力バーが必要となることもあり得る。
しかしながら、クロスバー回路の物理的なサイズ、すなわち入力バーや出力バーの本数は、配線でのIRドロップや、配線の最大許容電流などの要因により、制限を受ける。このため、畳み込みニューラルネットワークが大規模となった場合には、上位階層の畳み込み層において、畳み込み演算にクロスバー回路を利用できない可能性が生じる。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、畳み込み層での畳み込み演算のために多数の入力バーが必要となる場合であっても、その畳み込み演算にクロスバー回路を適用することが可能な畳み込みニューラルネットワークを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による畳み込みニューラルネットワークは、
複数の畳み込み層(21〜27)を含み、その複数の畳み込み層の少なくとも1つは、複数の入力バー(50)と、それら複数の入力バーと交差する複数の出力バー(51、52)と、複数の入力バーと複数の出力バーとの各交点に設けられ、複数の入力バーに入力される各入力信号に対して、畳み込まれる複数のフィルタに対応する重みを付与する複数の重み付与素子(53)とを有するクロスバー回路(44)を有し、それぞれの入力バーに入力された入力信号が重み付与素子によって重みを付与された状態で、各出力バー上で加算されることにより、それぞれの入力信号を含む入力データに対する複数のフィルタの畳み込み演算をアナログ領域で行うものであり、
入力データは、複数の特徴マップを含み、
畳み込み層のクロスバー回路(44)は、複数の特徴マップの内の一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算を行う第1クロスバー回路(61)と、第1クロスバー回路とは別個に設けられ、第1クロスバー回路にて畳み込み演算の対象とされる一部の特徴マップとは異なる別の一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算を行う第2クロスバー回路(62)とを有し、
第1クロスバー回路による畳み込み演算結果と、第2クロスバー回路による畳み込み演算結果とをマージするマージ層(63)を有する。
上記のように、本発明による畳み込みニューラルネットワークは、複数の畳み込み層の少なくとも1つにおいて、クロスバー回路は、互いに別個に設けられた第1クロスバー回路と第2クロスバー回路とを有するように構成される。このため、ある畳み込み層において、クロスバー回路の物理的なサイズ上限を超える入力バーの本数が必要となる場合であっても、その必要となる入力バーの本数を、第1クロスバー回路と第2クロスバー回路を含む複数のクロスバー回路に振り分けることが可能になる。これにより、畳み込み演算をクロスバー回路において実行することが可能になる。
ただし、第1クロスバー回路は、複数の特徴マップの内の一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算を行って演算結果(特徴マップ)を出力するものである。また、第2クロスバー回路は、第1クロスバー回路にて畳み込み演算が行われる一部の特徴マップとは異なる別の一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算を行って演算結果(特徴マップ)を出力するものである。このように、第1クロスバー回路及び第2クロスバー回路の演算結果は、個別に見ると、入力された全ての特徴マップに基づくものではない。このため、それらの畳み込み演算結果をそのまま用いて畳み込みニューラルネットワークにおける処理を続行すると、認識性能の低下を招く虞がある。
そのため、本発明による畳み込みニューラルネットワークは、さらに、第1クロスバー回路による畳み込み演算結果と、第2クロスバー回路による畳み込み演算結果とをマージするマージ層を備えている。このように、それぞれの演算結果をマージすることにより、そのマージ結果は、入力された全ての特徴マップに基づくものとなる。そのため、マージ層によるマージ結果を用いて、その後の畳み込みニューラルネットワークにおける処理を続行することで、認識性能の低下を抑制することが可能となる。
上述した構成において、マージ層は、第1クロスバー回路による演算結果と、第2クロスバー回路による演算結果との対応する要素同士をマージするものであることが好ましい。このように、対応する要素同士をマージするようにした場合、マージ層におけるマージ処理に、畳み込み層のクロスバー回路と同様に構成されたクロスバー回路を用いることができる。
上述した構成において、マージ層は、複数の入力バーと、複数の入力バーと交差する複数の出力バーと、複数の入力バーと複数の出力バーとの各交点に設けられ、複数の入力バーに入力されるそれぞれの畳み込み演算結果の各要素に対して、重みを付与する複数の重み付与素子とを有するクロスバー回路を有し、マージ層のクロスバー回路において、第1クロスバー回路の畳み込み演算結果と第2クロスバー回路の畳み込み演算結果との対応する要素同士が重み付与素子による重みを付与された状態で、各出力バー上で加算されることによりマージされることが好ましい。このように、マージ層もクロスバー回路を用いて構成することにより、マージ処理の演算も効率的に行うことができる。
上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら本発明の範囲を制限することを意図したものではない。
また、上述した特徴以外の、特許請求の範囲の各請求項に記載した技術的特徴に関しては、後述する実施形態の説明及び添付図面から明らかになる。
実施形態による畳み込みニューラルネットワークの構造の一例を概念的に示す図である。 図1の畳み込みニューラルネットワークを、クロスバー回路を用いて具現化した場合の構成を示す構成図である。 クロスバー回路について説明するための説明図である。 クロスバー回路について説明するための別の説明図である。 クロスバー回路について説明するためのさらに別の説明図である。 図1に示す構造の畳み込みニューラルネットワークにおいて、第1〜第5コンボリューション層では3×3のサイズのフィルタを用いた畳み込み演算を行い、第6、第7コンボリューション層では1×1のサイズのフィルタを用いた畳み込み演算を行い、かつ、第1、第2コンボリューション層でのフィルタ数を96、第3〜第6コンボリューション層でのフィルタ数を192、及び第7コンボリューション層でのフィルタ数を10とした場合に、各コンボリューション層にて必要となる入力バー及び出力バーの本数を示す図である。 図6に示したケースにおいて、クロスバー回路の入力バーと出力バーの本数が、512×512の制限を受ける場合と、1024×1024の制限を受ける場合とで、それぞれ必要となるクロスバー回路の分割数の例を示す図である。 クロスバー回路が、2つ以上のクロスバー回路に分割された場合の、それら2つ以上のクロスバー回路の演算結果をマージするマージ層を含む構成を示す図である。 クロスバー回路の入力バーと出力バーの本数が、512×512の制限を受ける場合と、1024×1024の制限を受ける場合とで、いずれのコンボリューション層においてマージ層が必要になるか、及びマージ層が必要となる場合に、そのマージ層を構成するクロスバー回路の入力バーと出力バーとの本数を示す図である。 変形例として、マージ層が、階層的に設けられた第1層クロスバー回路と、第2層クロスバー回路とから形成される構成を示した図である。 実施形態及び変形例による、入力データの各カテゴリへの分類に関する平均エラー率の改善度合を示す図である。
本発明に係る畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network)の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下に説明する実施形態では、入力データとしての画像を、複数のカテゴリに分類する用途に適用した例について説明する。ただし、畳み込みニューラルネットワークは、その他の用途に適用することも可能である。例えば、畳み込みニューラルネットワークは、物体や人の検出、人の顔の認識、あるいは、道路標識の認識などにも適用することが可能である。
図1は、本実施形態による畳み込みニューラルネットワーク20の構造の一例を概念的に示している。畳み込みニューラルネットワーク20は、基本的に、コンボリューション層とプーリング層とを交互に接続した構造を有する。例えば、図1に示す例では、畳み込みニューラルネットワーク20は、第1コンボリューション層21、第2コンボリューション層22、第3コンボリューション層23、第4コンボリューション層24、第5コンボリューション層25、第6コンボリューション層26、及び、第7コンボリューション層27からなる7層のコンボリューション層を有している。そして、第2コンボリューション層22と第3コンボリューション層23との間に、第1プーリング層28が設けられ、第4コンボリューション層24と第5コンボリューション層25との間に、第2プーリング層29が設けられている。
このように、畳み込みニューラルネットワーク20においては、コンボリューション層の次に必ずプーリング層が接続されるとは限らず、複数のコンボリューション層を接続した後に、プーリング層が接続されることもある。また、コンボリューション層21〜27及びプーリング層28〜29の層数は、図1に示す例に限られない。一般的には、コンボリューション層21〜27及びプーリング層28〜29の層数を増やすほど、認識性能をより向上させることができる。
第1〜第7コンボリューション層21〜27は、それぞれ入力される入力データ(画像)に対して、所定のサイズ(例えば3×3、5×5)を有するフィルタを畳み込む演算を行う。これは、一般的な画像処理でのフィルタの畳み込み、すなわち、小サイズの画像(フィルタ)を入力画像に2次元的に畳み込んで、画像をぼかしたり、エッジを強調したりするものと基本的に同じである。具体的には、第1〜第7コンボリューション層21〜27では、フィルタとしての小サイズの画像の各ピクセル値(重み)と、入力データとしての入力画像におけるフィルタと同サイズの領域の各ピクセル値とをそれぞれ掛け合わせた各乗算結果を積算することで、畳み込み演算が行われる。この際、入力データが複数枚の入力画像を含む場合には、それら複数枚の入力画像の同じ領域において同じフィルタによる畳み込み演算が行われ、それらの畳み込み演算による演算結果がさらに積算される。このようにして計算された積算結果は、ReLUやtanhなどの活性化関数を経て、各コンボリューション層21〜27のフィルタ位置に対応する出力となる。
なお、フィルタの重みは学習によって決定される。学習は、本実施形態では、畳み込みニューラルネットワーク20を、一旦コンピュータ上に構築し、教師あり学習により行われる。学習の対象は、上述したフィルタの重みの他、後述するマージ層のフィルタの重みやバイアス入力の大きさが含まれる。学習が終了すると、その学習値が、後述するクロスバー回路に設定される。
フィルタは、所定のストライドで入力画像上をシフトされていき、各シフト位置において、上述した畳み込み演算が行われる。これにより、各コンボリューション層21〜27において、入力画像全体に渡ってそれぞれのフィルタ位置に応じた出力が作成され、それらの集合が、各コンボリューション層21〜27の出力となる。それらの出力を、フィルタのシフト位置に対応するように2次元的にまとめた結果が、各コンボリューション層21〜27による出力データとなり、その出力データが次の階層のコンボリューション層の入力データとなる。このように、各コンボリューション層21〜27の出力データは、それぞれ2次元的に配列される画像の形を取り、一般的には特徴マップと呼ばれる。この特徴マップは、各コンボリューション層21〜27において使用されるフィルタの数と同じ数だけ生成される。このため、第2コンボリューション層22以降の各コンボリューション層22〜27には、複数枚の入力画像(特徴マップ)を含む入力データが入力される。
また、第1コンボリューション層21においても、入力画像がカラー画像である場合には、RGBに対応する3枚の画像が入力される。本実施形態では、入力データとしてカラー画像を用いている。一方、入力画像がグレースケール画像である場合には、第1コンボリューション層21には、1枚の画像が入力されるだけである。
本実施形態では、第6、第7コンボリューション層26、27において使用されるフィルタのサイズは1×1に設定されている。つまり、第6、第7コンボリューション層26、27では、各入力画像における同じ位置のピクセル値が、フィルタによる重みを掛け合わされた上で加算される、1×1の畳み込み演算が行われる。これら第6、第7コンボリューション層26、27として、いわゆる全結合層を用いることも可能であるが、本実施形態では、第6、第7コンボリューション層26、27を含む各コンボリューション層21〜27における畳み込み演算を、クロスバー回路を用いてアナログ領域において実行するために、上述したように1×1の畳み込み演算を行うコンボリューション層を採用している。全結合層を採用すると、入力バーの数が過大となり、1つのクロスバー回路で対応することが困難になるためである。クロスバー回路に関しては、後に詳細に説明する。
第1、第2プーリング層28、29は、入力画像のどの位置でフィルタとの適合性が高かったかを示す情報の一部を捨てることにより、入力画像内に現れる特徴の位置変化に対する不変性を高めるとともに、画像のサイズを縮小して後の計算量を削減できるようにするためのものである。
具体的には、第1、第2プーリング層28、29においては、入力画像に対して所定のサイズ(例えば2×2、3×3)のウインドウを定め、そのウインドウ内のピクセル値を平均化(平均プーリング)したり、ウインドウ内のピクセル値の最大値を採用(最大プーリング)したりすることにより、入力画像の複数のピクセル値をまとめる。なお、本実施形態では、第1、第2プーリング層における処理もクロスバー回路を用いてアナログ領域で行うべく、第1、第2プーリング層28、29は平均プーリングを実行するように構成される。
プーリングにおけるウインドウは、そのウインドウの適用位置が重ならないように、あるいは一部のみで重なるように入力画像上でシフトされる。このため、例えば、ウインドウのサイズが2×2であり、ウインドウが重ならないように2ピクセルのストライドでシフトした場合には、プーリングにより入力画像のピクセル数は1/4に縮小される。なお、このようなプーリングは、各入力画像(特徴マップ)毎に行われるので、プーリング前後の入力画像の枚数は不変である。
出力層30は、例えば、ソフトマックス関数による正規化により、分類すべき複数のカテゴリ毎に、入力データ10としての画像が属する確率を出力するように構成される。従って、出力層30が出力する確率の中で最も高い確率に対応するカテゴリを選択することにより、入力データ10としての画像を、複数のカテゴリに分類することができる。
次に、上述した構造を有する畳み込みニューラルネットワーク20を、クロスバー回路を用いて具現化するための構成について図2を参照して説明する。図2に示すように、畳み込みニューラルネットワーク20を具現化するための構成要素として、本実施形態では、主に、マイクロコンピュータ40、D/A変換回路43、クロスバー回路44、及びA/D変換回路45を備えている。
最初に、クロスバー回路44について、図3〜図5に基づいて説明する。図3に示すように、クロスバー回路44は、複数の入力バー50と、複数の出力バー51、52と、複数の重み付与素子53と、複数の差動演算増幅器54とを有する。
複数の入力バー50には、マイクロコンピュータ40によって、入力画像における、上述したフィルタと同サイズの領域の各ピクセル値に対応する入力信号(電圧信号)が入力される。複数の出力バー51、52は、複数の入力バー50とそれぞれ交差するように設けられる。
これらの入力バー50及び出力バー51、52は、例えば図4に示すように、CMOS素子が形成されたCMOS基板上に形成され得る。この場合、入力バー50には、CMOS素子からなる入力ニューロン55を介して、上述したピクセル値に対応する電圧信号が入力されるように構成される。入力バー50と出力バー51との交点には、重み付与素子53としてのメモリスタが設けられ、入力バー50と出力バー51とは、メモリスタを介して接続されている。
メモリスタは、印加電圧や通電電流によって、最小値と最大値との間で、異なる抵抗状態に設定することが可能な抵抗変化型メモリである。例えば、メモリスタのコンダクタンスは、図示しない電圧印加回路を用いて、負の書込電圧を印加することにより増加させることができ、正の書込電圧を印加することにより減少させることができる。そして、メモリスタは、正負の書込電圧以上の電圧が印加されない限り、設定された抵抗状態(コンダクタンス)を維持する。このようなメモリスタとして使用可能な素子としては、Pt/TiO2/Pt金属酸化物素子、相変化メモリ、磁気トンネル接合メモリ、などがある。
図4に示す構成を、電気回路的に示すと図5のようになる。図5に示すように、出力バー51に接続される出力ニューロン56を構成するCMOS素子によって演算増幅器が形成されている。さらに、この演算増幅器の入出力間に抵抗Rが接続されることにより、加算器が構成されている。このため、図5に示すように、入力ニューロン55から入力バー50にそれぞれ入力された電圧信号V1、V2は、重み付与素子53としてのメモリスタによるコンダクタンスG1、G2がそれぞれ掛け合わされた上で、加算される。この加算結果は、加算器においてR倍される。このようにして、出力ニューロン56からは、以下の数式1に示すように、各入力バー50の電圧信号V1、V2、…と、メモリスタのコンダクタンスG1、G2との乗算結果が積算され、さらにR倍された結果が出力される。
(数1)
出力ニューロンの出力電圧=RΣViGi
図3に示すように、出力バー51は、差動演算増幅器54の非反転入力端子に接続され、出力バー52は、差動演算増幅器54の反転入力端子に接続されている。差動演算増幅器54は、CMOS基板内のCMOS素子を用いて構成され得る。なお、図3においては、図5に示した加算器は省略されている。さらに、図3では、上述した活性化関数としての処理を行う回路も省略されている。実際には、差動演算増幅器54の出力側に、活性化関数処理回路が設けられる。
本実施形態では、差動演算増幅器54の非反転入力端子及び反転入力端子に、それぞれ出力バー51、52を接続しているので、フィルタとして、正の重みだけでなく、負の重みも利用して畳み込み演算を行うことが可能になる。すなわち、ある入力信号に対して正の重みを掛け合わせる場合には、非反転入力端子に接続された出力バー51と入力バー50との間に設けられた重み付与素子53のコンダクタンスを、反転入力端子に接続された出力バー52と入力バー50との間に設けられた重み付与素子53のコンダクタンスよりも、設定しようとしている正の重み分だけ大きく設定すれば良い。逆に、ある入力信号に対して負の重みを掛け合わせる場合には、反転入力端子に接続された出力バー52と入力バー50との間に設けられた重み付与素子53のコンダクタンスを、非反転入力端子に接続された出力バー51と入力バー50との間に設けられた重み付与素子53のコンダクタンスよりも、設定しようとしている負の重み分だけ大きく設定すれば良い。
従って、本実施形態では、図3に示すように、2本の出力バー51、52を1組として、その1組の出力バー51、52と入力バー50との間の重み付与素子53に対して、それぞれのフィルタ1、2、3、…に対応する重みが設定される。
マイクロコンピュータ40は、CPU41、RAM42、ROMなどを備え、例えば、ROMに記憶されたプログラムに従い、種々の処理を実施する。なお、以下においては、第1コンボリューション層21を対象とした処理について説明するが、マイクロコンピュータ40は、他のコンボリューション層22〜27に対しても同様の処理を行なう。
まず、マイクロコンピュータ40は、入力データ10としての画像において、フィルタの畳み込み演算を行う領域を定め、その領域に含まれる各ピクセルのピクセル値に応じたデジタル信号をD/A変換回路43に出力する。これにより、D/A変換回路43は、畳み込み演算が行われる領域の各ピクセル値に応じたアナログ信号(電圧信号)をクロスバー回路44へ出力する。
さらに、マイクロコンピュータ40は、クロスバー回路44における演算処理が終了して、出力が出されるタイミングで、A/D変換回路45からの出力を取り込む処理を実行する。この際、A/D変換回路45は、第1コンボリューション層21において使用されるフィルタ数と同数の、あるフィルタ位置での畳み込み演算、活性化関数による処理を経た出力をデジタル信号に変換して出力している。マイクロコンピュータ40は、A/D変換回路45から出力されたデジタル信号を、複数のフィルタ毎に区別して、RAM42にそれぞれ格納する。
そして、マイクロコンピュータ40は、入力画像において、フィルタの畳み込み演算を行う領域を所定のストライドだけシフトさせ、そのシフト後の領域に含まれるピクセル値に対応するデジタル信号を出力するとともに、上述したのと同様の処理を行う。これを、入力画像のすべての領域でフィルタのシフトが完了するまで繰り返す。これにより、第1コンボリューション層21により作成された、フィルタ数と同数の特徴マップを示すデジタルデータがRAM42に保存される。
上述した構成を有する畳み込みニューラルネットワーク20において、大規模なネットワークを構築しようとした場合、1つのコンボリューション層において用いられるフィルタの数も多数に上ることがある。この場合、そのコンボリューション層で作成される特徴マップの数も多数に上ることになる。そのような場合、その次の階層(上位階層)のコンボリューション層のクロスバー回路44では、例えば、千を超える入力バー50が必要となることもあり得る。
例えば、図1に示す構造の畳み込みニューラルネットワーク20において、第1〜第5コンボリューション層21〜25では、3×3のサイズのフィルタを用いた畳み込み演算を行い、かつ、第1、第2コンボリューション層21、22でのフィルタ数を96、第3〜第6コンボリューション層23〜26でのフィルタ数を192、及び第7コンボリューション層27でのフィルタ数を10とした場合に、各コンボリューション層21〜27にて必要となる入力バー50及び出力バー51、52の数を図6に示す。
第1コンボリューション層21では、RGBの3枚の画像に対して、3×3のフィルタによる畳み込み演算を行うために必要な入力バー50の数は、画像枚数(3枚)×フィルタサイズ(3×3)+バイアス入力(1)=28となる。また、出力バー51、52の数は、1組の出力バー(2本)×フィルタ数(96)=192となる。
同様に、第2〜第7コンボリューション層22〜27にて必要となるクロスバーの数を計算すると、図6に示すように、第2コンボリューション層22では、入力バー50の数は865、出力バー51、52の数は192となる。第3コンボリューション層23では、入力バー50の数は865、出力バー51、52の数は384となる。第4、第5コンボリューション層24、25では、入力バー50の数は1729、出力バー51、52の数は384となる。第6コンボリューション層26では、入力バー50の数は193、出力バー51、52の数は384となる。そして、第7コンボリューション層27では、入力バー50の数は193、出力バー51、52の数は20となる。
このように、あるコンボリューション層において、多数のフィルタを用いた場合、生成される特徴マップの数も増えるため、次の(上位の)階層のコンボリューション層のクロスバー回路44において、必要な入力バーの本流が飛躍的に増加することになる。
しかしながら、クロスバー回路44の物理的なサイズ、すなわち入力バーや出力バーの本数は、各配線でのIRドロップや、各配線の最大許容電流などの要因により、制限を受ける。例えば、入力バー50と出力バー51、52の数は、実用上、512×512に制限されたり、1024×1024に制限されたりする。
このため、畳み込みニューラルネットワーク20が大規模となった場合には、上位階層のコンボリューション層において、1つのクロスバー回路44だけでは、すべての特徴マップからの入力を受けることができないことが起こり得る。この場合、クロスバー回路44を2つ以上のクロスバー回路に分割し、多数の特徴マップからの入力を、2つ以上のクロスバー回路に振り分けることが考えられる。この場合、クロスバー回路44は、少なくとも、複数の特徴マップの内の一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算等を行う第1クロスバー回路と、第1クロスバー回路とは別個に設けられ、第1クロスバー回路にて畳み込み演算等が行われる一部の特徴マップとは異なる別の一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算を行う第2クロスバー回路とを有することになる。
例えば、図6に示したケースにおいて、クロスバー回路44の入力バー50と出力バー51、52の本数が、512×512の制限を受ける場合と、1024×1024の制限を受ける場合とで、それぞれ必要となるクロスバー回路44の分割数を図7に示す。
入力バー50と出力バー51、52の本数が512×512の制限を受ける場合、図7に「分割数の例1」として示すように、第2、第3コンボリューション層22、23において、入力バー50の数が865であるため、2つのクロスバー回路が必要となる。従って、第2、第3コンボリューション層22、23のクロスバー回路の分割数は2となる。さらに、第4、第5コンボリューション層24、25では、入力バー50の数が1729であるため、4つのクロスバー回路が必要となる。従って、第4、第5コンボリューション層24、25のクロスバー回路の分割数は4となる。
クロスバー回路の入力バー50と出力バー51、52の最大本数が1024×1024である場合には、クロスバー回路の分割は多少抑えられる。それでも、図7に「分割数の例2」として示すように、第4、第5コンボリューション層24、25において、2つのクロスバー回路が必要となるので、クロスバー回路の分割数は2となる。
クロスバー回路を分割すると、分割された2つ以上のクロスバー回路では、それぞれ異なる一部の特徴マップを入力とした畳み込み演算等を行うことになる。換言すれば、分割された各クロスバー回路の出力を個別に見ると、入力された全ての特徴マップに基づくものではない。このため、それらの出力をそのまま用いて畳み込みニューラルネットワーク20における処理を続行すると、認識性能の低下を招く虞がある。
そのため、本実施形態では、図8に示すように、クロスバー回路44が、2つ以上の第1、第2クロスバー回路61,62に分割された場合、それら2つ以上の第1、第2クロスバー回路61、62の演算結果の対応する要素としてのピクセル値同士をマージするマージ層63を設けた。
マージ層63は、各コンボリューション層21〜27と同様のクロスバー回路64を有し、当該クロスバー回路64において、上述した第6、第7コンボリューション層26、27と同様に、1×1の畳み込み演算を行うように構成される。すなわち、第1クロスバー回路61の演算結果と、第2クロスバー回路62の演算結果とは、それぞれ画像の形を取る。マージ層63のクロスバー回路64では、分割された第1、第2クロスバー回路61、62の演算結果としての画像における同じ位置のピクセル値に対し、それぞれ1×1のサイズのフィルタ毎の重みを掛け合わせた上で加算する演算を行う。マージ層63におけるフィルタの数は、対応するコンボリューション層において使用されるフィルタの数と同じに設定される。なお、マージ層63におけるフィルタの重みも、上述したように、クロスバー回路44、61、62におけるフィルタの重みの学習と同時に学習される。
また、マージ層63によって、第1、第2クロスバー回路61、62にて作成された特徴マップ(画像)をマージするために、第1クロスバー回路61の畳み込み演算結果の各要素(ピクセル)の数、第2クロスバー回路62の畳み込み演算結果の各要素(ピクセル)の数、及びマージ層63によるマージ結果の各要素(ピクセル)の数は、同一である。
図8を参照して、クロスバー回路44の分割やマージ層63に関して、より具体的に説明する。図8では、クロスバー回路44の最大本数が512×512に制限される分割例1において、第2コンボリューション層22のクロスバー回路44が、2つの第1、第2クロスバー回路61,62に分割された場合に、第1、第2クロスバー回路61、62に入力される特徴マップの数、及び第1、第2クロスバー回路61、62から出力される特徴マップの数、さらにマージ層63のクロスバー回路64から出力される特徴マップの数の一例を示している。
上述したように、第1コンボリューション層21において使用されるフィルタ数は96であり、第2コンボリューション層22には、そのフィルタ数と同数の96枚の特徴マップが、入力データとして与えられる。第2コンボリューション層22において、この入力データを1つのクロスバー回路44で処理しようとすると、図6に示すように、入力バーの数として865本が必要となる。しかし、クロスバー回路44の入力バーの本数は最大で512本に制限されている。このため、第2コンボリューション層22では、クロスバー回路44を第1、第2クロスバー回路61、62の2つに分割する。
第1クロスバー回路61には、入力データに含まれる96枚の特徴マップの内、48枚の特徴マップが入力される。この場合、必要となる入力バーの本数は、特徴マップの枚数48×フィルタサイズ(3×3)+バイアス入力(1)=433となり、最大本数内に収めることができる。また、第2コンボリューション層22において使用されるフィルタ数は96であるが、第1クロスバー回路61では、その内の半分の48のフィルタによる畳み込み演算を行うように構成される。従って、第1クロスバー回路の出力バーの本数は、1組の出力バー(2本)×フィルタ数(48)=96となる。そして、フィルタ数が48であるため、第1クロスバー回路61にて作成される第1特徴マップの枚数は48枚となる。
第2クロスバー回路62は、第1クロスバー回路61にて畳み込み演算の対象とされる一部の特徴マップとは異なる別の一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算を行う。従って、第2クロスバー回路62にも、入力データに含まれる96枚の特徴マップの内、第1クロスバー回路61に入力される以外の残りの48枚の特徴マップが入力される。さらに、第2クロスバー回路62では、第1クロスバー回路61にて畳み込み演算が行われるフィルタ以外の、残りの48のフィルタの畳み込み演算が行われる。従って、第2クロスバー回路62においては、第1クロスバー回路61と同様に、入力バー50の本数が433となり、出力バー51、52の本数は96となる。また、第2クロスバー回路62にて作成される第2特徴マップの数は48枚となる。
そして、第1クロスバー回路61にて作成された第1特徴マップと、第2クロスバー回路62にて作成された第2特徴マップとが、マージ層63の入力データとなる。このため、図9に第1マージ層として示すように、マージ層63のクロスバー回路64の入力バー50の本数は、(第1特徴マップの枚数(48)+第2特徴マップの枚数(48))×フィルタサイズ(1×1)+バイアス入力=97となる。また、クロスバー回路64の出力バー51、52の本数は、1組の出力バー(2本)×フィルタ数(96)=192となる。このように、マージ層63では、1×1の畳み込み演算を行うだけであるため、入力バー50の本数及び出力バー51、52の本数とも、最大本数内に収めることができる。
以上は、クロスバー回路44の最大本数が512×512に制限される場合に、第2コンボリューション層22に設けられる第1マージ層に関する説明である。同様にして、第3コンボリューション層23に設けられる第2マージ層、第4コンボリューション層24に設けられる第3マージ層、及び第5コンボリューション層25に設けられる第4マージ層のクロスバー回路の入力バー及び出力バーの本数を計算すると、図9に示すようになる。すなわち、第2〜第4マージ層は、いずれも入力バーの本数は193、出力バーの本数は384となる。
また、クロスバー回路44の最大本数が1024×1024に制限される場合には、図9に示すように、第1マージ層及び第2マージ層は不要であり、第3マージ層及び第4マージ層だけが設けられる。その場合の第3,第4マージ層のクロスバー回路は、上述した例と同じく、入力バーの本数は193、出力バーの本数は384となる。
このように、コンボリューション層のクロスバー回路が2つ以上に分割される場合に、分割されたクロスバー回路のそれぞれの演算結果の対応する要素同士をマージするマージ層を設けることにより、マージ層から出力される各々の特徴マップは、入力された全ての特徴マップに基づくものとなる。そのため、マージ層から出力された特徴マップを用いて、その後の畳み込みニューラルネットワークにおける処理を続行することで、認識性能の低下を抑制することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
例えば、図8に示した、第1、第2クロスバー回路61、62へ入力される特徴マップの数、第1、第2クロスバー回路61、62から出力される特徴マップの数は、一例に過ぎない。第1、第2クロスバー回路61、62には、入力バーが最大本数内に収まる範囲で、異なる数の特徴マップを入力しても良い。また、第1クロスバー回路61と、第2クロスバー回路62とで、異なる数の特徴マップが作成されるようにしても良い。
また、図8に示す例とは異なり、第1クロスバー回路61において、入力データの内の一部(例えば48枚)の特徴マップに対して、すべてのフィルタによる畳み込み演算を行って全枚数(例えば96枚)の第1特徴マップを作成するとともに、第2クロスバー回路62においても、入力データの内の別の一部(例えば48枚)の特徴マップに対して、すべてのフィルタによる畳み込み演算を行って全枚数(例えば96枚)の第2特徴マップを作成しても良い。ただし、この場合、マージ層63のクロスバー回路64の入力バーの本数は、第1特徴マップの枚数+第2特徴マップの枚数+バイアス入力となるため、上述した実施形態に比べて増加することになる。
さらに、マージ層63の内部を階層的に構成しても良い。つまり、図10に示すように、マージ層63を、階層的に設けられた第1層クロスバー回路65、66と、第2層クロスバー回路67とから構成しても良い。なお、図10には、例えば、第4コンボリューション層24において、階層的なマージ層63を設けた場合の、各クロスバー回路65〜67に入力される特徴マップの数、各クロスバー回路65〜67から出力される特徴マップの数の一例を示している。以下、図10を参照して、マージ層63の階層的な構成について説明する。
上述したように、第3コンボリューション層23にて作成される特徴マップの枚数は192枚であり、第4コンボリューション層24の第1クロスバー回路61には、その中の96枚の特徴マップが入力される。そして、第1クロスバー回路61は、全部で192個のフィルタの内の96個のフィルタによる畳み込み演算を行って、96枚の特徴マップを作成する。同様に、第4コンボリューション層24の第2クロスバー回路62にも、第1クロスバー回路61に入力された以外の残りの96枚の特徴マップが入力される。そして、第2クロスバー回路62は、第1クロスバー回路61にて畳み込み演算が行われるフィルタ以外の、残りの48のフィルタの畳み込み演算を行い、96枚の特徴マップを作成する。
マージ層63には、2個の第1層クロスバー回路65、66が設けられる。ただし、第1層クロスバー回路65、66は3個以上であっても良い。2つの第1層クロスバー回路65、66は、ともに、第1クロスバー回路61にて作成された特徴マップと、第2クロスバー回路62にて作成された特徴マップとを入力として、1×1のサイズのフィルタによる畳み込み演算を行う。第1層クロスバー回路65、66にて使用されるフィルタ数も同じ192であり、それぞれ192枚の特徴マップを作成する。ただし、2個の第1層クロスバー回路65、66にて使用されるフィルタは、それぞれ個別に用意され、学習もそれぞれ行われる。このため、2個の第1層クロスバー回路65、66では、それぞれ重みの異なるフィルタが用いられることになる。
第2層クロスバー回路67は、2個の第1層クロスバー回路65、66にて作成された特徴マップを入力として、1×1のサイズのフィルタによる畳み込み演算を行い、第4コンボリューション層24の出力として、192枚の特徴マップを作成する。
図11に基づき、マージ層63を階層的に構成した場合の効果を説明する。コンピュータ上に、各コンボリューション層21〜27のクロスバー回路44を分割せずに畳み込みニューラルネットワーク20を構築した場合、入力データの各カテゴリへの分類に関する平均エラー率は9.17±0.13%であった。
それに対し、各コンボリューション層21〜27のクロスバー回路44を分割し、上述したマージ層63を設けなかった場合、平均エラー率は、分割例1において13.1±0.43%、分割例2において11.22±0.14%まで悪化した。しかし、上述した実施形態にて説明したような、1階層のクロスバー回路64からなるマージ層63を設けた場合、平均エラー率は、分割例1において11.17±0.24%、分割例2において10.02±0.26%まで改善した。さらに、図10に示すように、2階層のクロスバー回路65、66からなるマージ層63を設けた場合には、平均エラー率は、分割例1において11.15±0.04%、分割例2において9.64±0.25%となり、より一層の改善を図ることができることを確認した。
また、上述した実施形態では、すべてのコンボリューション層21〜27における畳み込み演算をクロスバー回路44を用いて行う例について説明したが、クロスバー回路44の分割が必要となる少なくとも1つのコンボリューション層において、分割したクロスバー回路61、62及びマージ層を用いて畳み込み演算を行い、他のコンボリューション層の畳み込み演算はマイクロコンピュータ40にて行うものであっても良い。
さらに、上述した実施形態のマージ層63におけるマージ処理をクロスバー回路64ではなく、マイクロコンピュータ40にて行う場合には、マージ層63は、全結合層として、全ての特徴マップの全要素(全ピクセル)を重み付けして加算するものであっても良い。
10:入力データ、20:畳み込みニューラルネットワーク、21〜27:第1〜第7コンボリューション層、28:第1プーリング層、29:第2プーリング層、30:出力層、40:マイクロコンピュータ、43:D/A変換回路、44:クロスバー回路、45:A/D変換回路、50:入力バー、51、52:出力バー、53:重み付与素子、54:差動演算増幅器、55:入力ニューロン、56:出力ニューロン、61:第1クロスバー回路、62:第2クロスバー回路、63:マージ層、64:クロスバー回路

Claims (7)

  1. 複数の畳み込み層(21〜27)を含む畳み込みニューラルネットワーク(20)であって、
    複数の畳み込み層の少なくとも1つは、複数の入力バー(50)と、それら複数の入力バーと交差する複数の出力バー(51、52)と、複数の入力バーと複数の出力バーとの各交点に設けられ、複数の入力バーに入力される各入力信号に対して、畳み込まれる複数のフィルタに対応する重みを付与する複数の重み付与素子(53)とを有するクロスバー回路(44)を有し、それぞれの入力バーに入力された入力信号が前記重み付与素子によって重みを付与された状態で、各出力バー上で加算されることにより、それぞれの入力信号を含む入力データに対する前記複数のフィルタの畳み込み演算をアナログ領域で行うものであり、
    前記入力データは、複数の特徴マップを含み、
    前記畳み込み層のクロスバー回路(44)は、前記複数の特徴マップの内の一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算を行う第1クロスバー回路(61)と、前記第1クロスバー回路とは別個に設けられ、前記第1クロスバー回路にて畳み込み演算の対象とされる前記一部の特徴マップとは異なる別の一部の特徴マップに対して複数のフィルタの畳み込み演算を行う第2クロスバー回路(62)とを有し、
    前記第1クロスバー回路による演算結果と、前記第2クロスバー回路による演算結果とをマージするマージ層(63)を有する畳み込みニューラルネットワーク。
  2. 前記マージ層は、前記第1クロスバー回路による演算結果と、前記第2クロスバー回路による演算結果との対応する要素同士をマージする請求項1に記載の畳み込みニューラルネットワーク。
  3. 前記マージ層は、複数の入力バーと、複数の入力バーと交差する複数の出力バーと、複数の入力バーと複数の出力バーとの各交点に設けられ、複数の入力バーに入力されるそれぞれの畳み込み演算結果の各要素に対して、重みを付与する複数の重み付与素子とを有するクロスバー回路(64)を有し、
    前記マージ層のクロスバー回路において、前記第1クロスバー回路の畳み込み演算結果と前記第2クロスバー回路の畳み込み演算結果との対応する要素同士が重み付与素子による重みを付与された状態で、各出力バー上で加算される請求項2に記載の畳み込みニューラルネットワーク。
  4. 前記マージ層は、階層的に設けられた第1マージ層(65、66)と第2マージ層(67)とを有し、
    前記第1マージ層は、前記第1クロスバー回路による畳み込み演算結果と、前記第2クロスバー回路による畳み込み演算結果との対応する要素同士をマージしたマージ結果として、複数のマージ結果を出力し、
    前記第2マージ層は、前記第1マージ層が出力した複数のマージ結果の対応する要素同士をさらにマージする請求項2又は3に記載の畳み込みニューラルネットワーク。
  5. 前記第1クロスバー回路は、複数のフィルタの内の一部のフィルタの畳み込み演算を行い、畳み込み演算を行ったフィルタの数に対応する特徴マップを作成するものであり、
    前記第2クロスバー回路は、前記第1クロスバー回路にて畳み込み演算を行ったフィルタとは異なる別の一部のフィルタの畳み込み演算を行い、畳み込み演算を行ったフィルタの数に対応する特徴マップを作成するものである請求項1乃至4のいずれかに記載の畳み込みニューラルネットワーク。
  6. 前記第1クロスバー回路の畳み込み演算結果の各要素の数、前記第2クロスバー回路の畳み込み演算結果の各要素の数、及び前記マージ層によるマージ結果の各要素の数は、同一である請求項1乃至5のいずれかに記載の畳み込みニューラルネットワーク。
  7. 前記畳み込み層のクロスバー回路における重み付与素子、及び前記マージ層のクロスバー回路における重み付与素子は、外部にて行われる学習結果に基づく重みがそれぞれ設定される請求項3に記載の畳み込みニューラルネットワーク。
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