<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を遊技球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、遊技球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された遊技球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、遊技球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された遊技球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上方には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「砂浜ステージ」,「深海ステージ」の2つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「砂浜ステージ」→「深海ステージ」→「砂浜ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「砂浜ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった遊技球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、遊技球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には遊技球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で遊技球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ遊技球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面視下方部には、下皿50に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、遊技球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された遊技球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図8参照)から発射された遊技球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、遊技球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、遊技球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が10個入賞するまで)開放され、その開放が16回(16ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の遊技球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒〜90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に遊技球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして遊技球を打つので、第1入球口64にも遊技球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、普通入球口67における遊技球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物64aが開放され、第1入球口64へ遊技球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、遊技球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に遊技球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。「大当たりA」、及び「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。また、大当たり種別が「大当たりA」の場合は、大当たり終了後の付加価値としてパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。この特別図柄の高確率状態は次に特別図柄の大当たりとなるまで継続する。一方、「大当たりB」の終了後は付加価値として特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の当たり確率がアップする。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ遊技球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態(時短中よりも当たり確率が低い状態)のことを示す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数を共通とし、大当たりの種別に応じて大当たりの終了後に「特別図柄の高確率状態」となるか「普通図柄の時短状態」となるかを変えている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、普通図柄の時短状態として、第1入球口64に付随する電動役物64aを開放する時間を長くしたり、1回の普通図柄の当たりで電動役物64aを開放する回数を増やしても良い。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された遊技球のうち変動が未実行である遊技球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に遊技球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、遊技球が入賞することにより5個から15個の遊技球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ遊技球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄表示装置81に表示される絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。本第1実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図8参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、上側の約5/6が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の下側の1/6が、保留球数を示す保留球数図柄や予告キャラ等を表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmの表示画面(表示領域)には、複数の表示領域として、上段・中断・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は、18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄と10個の副図柄との20個の図柄で構成されている。そして、表示画面では、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって、所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図4(b)に示すように、主表示領域Dmには、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面には、5つの有効ライン、即ち、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている(図4(a)参照)。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3、中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、大当たりが発生したとして、大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は、「通常図柄」に相当する。16R通常大当たりである「大当たりB」が発生する場合には、同一の通常図柄の組み合わせが停止表示される。また、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「確変図柄」に相当する。同一の確変図柄の組み合わせが停止表示された場合には、16R確変大当たりである「大当たりA」が発生する。なお、「大当たりA」が発生する場合の一部では、同一の通常図柄の組み合わせが一旦停止表示された後で、当該通常図柄が確変図柄に変更される演出(所謂、昇格演出)が実行される。これにより、通常図柄が揃った(又は揃いそうな)場合にも、確変大当たりに対する期待感を遊技者に持続して抱かせることができる。
なお、第3図柄表示装置81における図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
また、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に遊技球が第1入賞口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第3図柄表示装置81の副表示領域Dsには、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(「○」の図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、第3図柄表示装置81に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、第3図柄表示装置81に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。図4(b)の例では、保留球数図柄が2個表示されている例を示しており、保留球数が2個であることを示している。
なお、本実施形態においては、第1入賞口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図5から図7を参照して、本実施形態のパチンコ機10における表示演出の1種である連続予告演出について説明を行う。連続予告演出は、連続する複数回の変動表示に渡って同系統の予告演出が実行される演出である。この連続予告演出は、第1入球口64に対する新たな始動入賞を検出した場合に、実行可否が判定される。連続予告演出の実行が決定された場合には、新たな始動入賞を検出した時点で保留されている保留球に基づく変動表示、および当該新たな始動入賞に基づく変動表示に渡って実行される。なお、詳細については後述するが、新たな始動入賞の抽選結果が外れの場合よりも、大当たりの場合の方が、連続予告演出の決定割合が高くなる。よって、連続予告演出が実行された場合に、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。
図5(a),(b)は、連続予告演出が設定されている保留球のうち、最後に実行される保留球以外に基づいて実行される変動表示の表示態様の一例を示した図である。図5(a)は、上図柄列Z1、および下図柄列Z3が停止表示され、中図柄列Z2が変動中の状態を示している。図5(a)に示した通り、連続予告演出の実行中は、上図柄列Z1、および下図柄列Z3に同一の数字が付された第3図柄が停止表示される。図5(a)の例では、「3」の数字が付された主図柄が、それぞれ上図柄列Z1の真ん中と、下図柄列Z2の右側とに表示される。また、図5(a)に示した通り、同一の数字が付された主図柄は、その周囲が発光した態様(他の第3図柄とは異なる態様)で表示される。これにより、遊技者に対して連続予告演出の実行中であることを容易に認識させることができる。以下、この主図柄の周囲が発光した態様のことを、「オーラを纏った態様」と称する。
そして、図5(b)に示した通り、連続予告演出の実行中は、中図柄列Z2が停止表示された場合も、中図柄列Z2のうち「3」の数字が付された主図柄がオーラを纏った態様で停止表示される。これにより、表示された図柄の組み合わせは外れの組み合わせとなるにも拘わらず、大当たりとなること(保留球の中に大当たりに対応する抽選結果が含まれていること)に対する期待感を向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図6は、連続予告演出における最後の変動表示が実行されている場合の表示態様を示した図である。図6(a)に示した通り、連続予告演出の最後の変動表示において、上図柄列Z1と、下図柄列Z3とが停止表示されると、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された主図柄が停止表示されると共に、当該同一の数字が付された主図柄がオーラを纏った態様で表示される。図6(a)の例では、「3」の数字が付された主図柄が有効ラインL4上にそれぞれ停止表示されている場合を例示している。この、1の図柄列(中図柄列Z2)が変動中の状態で、且つ、有効ライン上に同一の数字が付された主図柄が停止表示された状態を、リーチ状態と称する。なお、本第1実施形態では、連続予告演出の最後の変動表示では必ずリーチ状態が発生するように構成している。即ち、新たな始動入賞がリーチ状態を伴う変動表示に対応する抽選結果である場合にのみ、連続予告演出の開始が判定され得る構成としている。このように構成することで、連続予告演出が開始された時点で、その後に少なくともリーチ状態が発生することを遊技者に認識させることができるので、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
図6(a)に示した通り、リーチ状態が発生すると、主表示領域Dmにおける右上に横長略長方形形状の表示領域HR1が形成されると共に、当該表示領域HR1に対して、「リーチ!!!」という文字が表示される。この表示領域HR1の表示内容により、遊技者に対してリーチ状態が発生したことをより容易に理解させることができる。
図6(b)は、連続予告演出の最後の変動表示において中図柄列Z2が停止表示され、大当たりが報知される場合の表示態様の一例を示している。連続予告演出で大当たりが報知される場合には、上図柄列Z1、及び下図柄列Z3においてそれぞれ停止表示されている、オーラを纏った主図柄と同一の数字が付された主図柄が、既に停止表示されている主図柄が配置されている有効ライン上に停止表示される。つまり、同一の数字が付され、且つ、オーラを纏った態様の主図柄が、1の有効ライン上に揃う演出が実行される。図6(b)では、「3」の数字が付された主図柄が、有効ラインL4上に揃った場合を例示している。有効ライン上に同一の数字が付された主図柄が3つ揃うことにより、遊技者に対して大当たりとなったことを容易に理解させることができる。なお、主表示領域Dmの右上側に形成された表示領域HR1には、大当たりとなったことを祝福する「おめでとう!!」という文字が表示される。これにより、遊技者に対してより大きな満足感を与えることができる。
なお、本第1実施形態では、連続予告演出が設定された各変動表示において、オーラを纏って停止表示される主図柄を、全て同一の数字が付された主図柄となるように構成している。つまり、連続予告演出の1回目の変動表示において、「3」の数字が付された主図柄が各図柄列Z1〜Z3にオーラを纏った状態で停止表示された場合は、2回目以降の変動表示でも、「3」の数字が付された3つの主図柄がオーラを纏った状態で停止表示される。このように構成することで、1の連続予告演出における各変動表示の態様に統一感を持たせることができる。
また、図示については省略したが、連続予告演出が設定されている各変動表示において実行される予告演出は、停止図柄がオーラを纏った態様に変更される演出(予告演出A)以外にも複数存在する。具体的には、各図柄列Z1〜Z3の変動停止時に、同一の数字が付された主図柄が氷結する演出(予告演出B)と、同一の数字が付された主図柄が稲妻に打たれる演出(予告演出C)とが連続予告演出の種別として少なくとも設けられている。予告演出Cは、大当たりとなる期待度が最も高い種別であり、予告演出Aは、大当たりとなる期待度が最も低い種別である。また、予告演出Bの期待度は、予告演出Aより高く、予告演出Cより低い期待度に設定されている。このように、連続予告演出の種別に応じて大当たりとなる期待度を異ならせることにより、遊技者に対して連続予告演出の種別にも注目して遊技を行わせることができる。
次に、図7を参照して、連続予告演出が設定された場合における演出態様の経時変化について説明する。図7は、保留球が2個存在する状態で、新たな始動入賞を検出して連続予告演出が決定される場合における、演出態様の経時変化の様子を模式的に示した図である。
図7に示した通り、保留球が2個存在する状態における通常の(即ち、連続予告演出が設定されていない)変動表示の実行中に、始動入賞(図7左上の入賞A)を検出すると、連続予告演出の実行可否の判定が実行される。入賞Aに基づく判定で連続予告演出の実行が決定された場合は、その時点で保留されている2個の保留球に基づく変動表示と、入賞Aに基づく変動表示との変動時間に渡って連続予告演出が実行されるように設定する。より具体的には、連続予告演出の残り回数を示す予告回数カウンタ223iの値に連続予告演出の実行回数である3を設定すると共に、決定された連続予告演出の種別(予告演出A〜Cの何れか)に応じて予告種別フラグ223kの値を更新する。これにより、次の変動表示(連続予告演出の実行が決定された時点で保留されている最も古い保留球に基づく変動表示)から連続予告演出が開始される。
また、本第1実施形態では、連続予告演出の実行が決定されると、連続予告演出の抽選を禁止する状態(以下、予告抽選禁止状態と称する)が設定される。これは、連続予告演出の実行中に、連続予告演出が重複して決定されてしまうことを防止(抑制)するためである。より詳述すると、連続予告演出の実行中にも、新たな始動入賞を検出したことに基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成とした場合、連続予告演出の途中で予告演出の種別が切り替わってしまう可能性がある。例えば、予告演出Bが設定された連続予告演出の実行中に、新たな始動入賞を検出して連続予告演出の実行可否を判別し、予告演出Aの実行が決定されてしまうと、予告演出Bが打ち切られてしまい、次の変動から予告演出Aに切り替わってしまう虞がある。つまり、比較的期待度が高い演出種別(予告演出B)から、期待度が低い演出種別(予告演出A)に切り替わることで、遊技者をがっかりさせてしまう可能性がある。また、同一の演出種別の連続予告演出が、連続予告演出の実行中に新たに決定された場合、連続予告演出の開始時に保留されていた保留球の個数以上の回数の変動表示に渡って連続予告演出が実行されることになる。これにより、遊技者がどの保留球に期待感を抱けばいいのか分かり難くなってしまう虞があるので、演出の意味が分かり難くなってしまう場合がある。
また、これらの問題点を解決する方法として、最終的に外れとなる連続予告演出の実行中に、大当たりに対応する始動入賞を検出した場合にのみ、連続予告演出の実行可否の判定を許容し、且つ、追加で決定された連続予告演出の演出種別は、実行中の連続予告演出の演出種別以上の期待度となるように構成する方法も考えられる。しかしながら、この場合は連続予告演出の実行中に始動入賞を検出する毎に、複数の条件を判別して連続予告演出の実行可否や、予告種別を決定するための制御処理を行う必要があるため、処理負荷が増大してしまう可能性があるという問題点がある。
そこで、本第1実施形態では、図7に示した通り、連続予告演出の実行が決定されてから、当該連続予告演出の終了後、1回の変動表示(予告抽選禁止状態において最初に検出された入賞Bに基づく変動表示)が終了するまでの間に渡って、新たに連続予告演出の実行可否を判定することが禁止される構成としている。これにより、連続予告演出の実行中に、演出種別が切り替わってしまったり、連続予告演出の開始時における保留球数を超えて連続予告演出が継続してしまうことを抑制することができる。更に、始動入賞時には、予告抽選禁止状態か否か(後述する、予告演出禁止フラグ223hがオンであるか否か)を判定して、予告抽選禁止状態である場合には連続予告演出の実行可否の判定処理をスキップするという単純な制御を行うだけでよいので、パチンコ機10の処理負荷を軽減できる。
図7に示した通り、連続予告演出が設定された3回の変動表示の実行中は、上述した予告抽選禁止状態が設定される。よって、例えば、図7に示したように、連続予告演出の2回目や3回目の変動表示の実行中に始動入賞を検出した場合には、当該始動入賞に対する連続予告演出の実行可否の判定処理はスキップされる。また、予告抽選禁止状態は、連続予告演出が終了した後、1回目に実行される変動表示の実行期間中も継続し、連続予告演出の終了後1回目の変動表示が終了した時点で予告抽選禁止状態が解除される。このため、連続予告演出が終了した後、1回目の変動表示の実行中に新たな始動入賞を検出した場合には、当該始動入賞に対する連続予告演出の実行可否の判定処理は、連続予告演出の実行中と同様にスキップされる。これにより、連続予告演出の終了直後に再度連続予告演出が開始されてしまい、連続予告演出が延々と続いてしまうことを防止(抑制)することができる。仮に、連続予告演出の終了後、最初に実行される変動表示から連続予告演出の設定を許容してしまうと、最初の連続予告演出の実行開始の契機となった始動入賞に基づく変動表示が終了した後も、連続予告演出が継続しているかのような演出態様となってしまう。この場合、連続予告演出が何に基づいて開始されたのかが遊技者にとって不明となってしまう可能性があり、連続予告演出の意味を誤解させてしまう虞がある。つまり、連続予告演出が、始動入賞時に先読みされた抽選結果(変動種別)に基づいて実行されるのではなく、単に決まった回数の変動表示に渡って演出態様を変更するだけの演出であると誤解する虞がある。これに対して本第1実施形態では、連続予告演出が終了した後、少なくとも1回の変動表示を通常の態様(予告演出を伴わない態様)で実行することができるので、1の連続予告演出が終了したか否かを遊技者に対して容易に理解させることができる。これにより、連続予告演出の実行中に、何回目に実行される変動表示(何番目の保留球)に対して期待感を抱けば良いのかを、遊技者により分かり易くすることができる。
また、本第1実施形態では、図7に示した通り、予告抽選禁止状態が解除されたことを契機として、その時点で保留されている全ての保留球の抽選結果を判別し、当該判別結果に基づいて、連続予告演出の実行可否を判定する構成としている。判別方法の詳細については後述するが、全ての保留球の抽選結果を加味して連続予告演出の実行可否を判別することによって、より期待度の高い保留球が保留されているにも拘わらず、期待度の低い保留球に基づいて連続予告演出の実行が設定されてしまうことを抑制することができる。
つまり、仮に、始動入賞を検出したタイミングが時間的に古い保留球から順に連続予告演出の実行可否を判別していく構成にしてしまうと、時間的に新しい保留球を判別せずに連続予告演出が決定されてしまう可能性がある。この場合において、連続予告演出が決定された保留球が比較的期待度の低い抽選結果(例えば、ノーマルリーチ後に外れとなる保留球)であり、且つ、時間的に新しい保留球の中に期待度が高い保留球(例えば、スーパーリーチが発生して大当たりとなる保留球)が含まれている場合には、期待度の低い保留球に対して連続予告演出が設定されたにも拘わらず、期待度の高い保留球に対して連続予告演出が設定されないという状況が発生してしまう可能性がある。よって、連続予告演出に対する期待感を損なってしまう可能性がある。
また、逆に、始動入賞を検出したタイミングが時間的に新しい保留球から順に連続予告演出の実行可否を判別していく構成にしてしまうと、時間的に古い保留球を判別せずに連続予告演出が決定されてしまう可能性がある。この場合において、連続予告演出が決定された保留球が比較的期待度の低い抽選結果(例えば、ノーマルリーチ後に外れとなる保留球)であり、且つ、時間的に古い保留球の中に期待度が高い保留球(例えば、スーパーリーチが発生して大当たりとなる保留球)が含まれている場合には、先に実行される期待度の高い保留球で連続予告演出が終了せずに、期待度の低い保留球に基づく変動表示まで連続予告演出が継続してしまう。即ち、連続予告演出が尻すぼみになってしまった印象を遊技者に対して抱かせてしまう虞がある。
これに対して本第1実施形態では、予告抽選禁止状態が解除された時点で、全ての保留球の抽選結果を加味して連続予告演出の実行可否を判定することができるので、保留球の中で最も期待度が高い抽選結果まで継続する連続予告演出を設定することができる。よって、期待度が低い保留球に連続予告演出が設定されたにも拘わらず、期待度が高い保留球には連続予告演出が設定されないという状況や、連続予告演出の途中で期待度の高い保留球が消化され、連続予告演出の最後の変動表示で期待度の低い保留球が消化されてしまう状況等が発生することを抑制することができる。よって、連続予告演出を好適に実行することができる。
なお、本第1実施形態では、予告抽選禁止状態を、連続予告演出の実行が決定されてから、連続予告演出の終了後、1回目の変動表示が終了するまでに渡って設定する構成としていたが、これに限られるものではない。予告抽選禁止状態が解除される条件は、任意に定めてもよく、例えば、予告抽選禁止状態が設定される変動表示の回数を増加させても(例えば、5回にしても)よい。このように構成することで、1の連続予告演出が終了してから次の連続予告演出が開始されるまでの間に、より多くの通常の態様(予告演出を伴わない態様)の変動表示を実行することができるので、1の連続予告演出が終了したか否かを、より確実に遊技者に認識させることができる。また、予告抽選禁止状態が設定される変動表示の回数を増加させる程、連続予告演出を決定する機会が少なくなるので、連続予告演出の希少性を高めることができる。よって、連続予告演出が開始されただけで、珍しい演出を見ることができたと遊技者に感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第1実施形態では、予告抽選禁止状態の解除条件を、変動表示の回数(連続予告演出の終了後、1回の変動表示が終了するまで)で規定していたが、解除条件は必ずしも変動表示の回数に限定されるものではない。例えば、連続予告演出の終了後における経過時間により解除条件を定める構成としてもよい。より具体的には、連続予告演出が終了した後、所定期間(例えば、30秒間)が経過した場合に予告抽選禁止状態を解除する構成としてもよい。このように構成することで、連続予告演出の終了とともに遊技を終了した遊技者がいた場合にも、次の遊技者が所定期間の経過後に遊技を開始していれば、予告抽選禁止状態が解除されている状態で遊技を行わせることができる。よって、後任の遊技者が予告抽選禁止状態から遊技を開始することになるという状況が生じることを抑制できるので、連続予告演出をより楽しませることができる。
本第1実施形態では、予告抽選禁止状態を、連続予告演出が終了した後、1回の変動表示が終了するまでの間に渡って設定する構成としていたが、連続予告演出の終了直後に予告抽選禁止状態を解除する構成としてもよい。この場合において、連続予告演出の最後の変動表示であるか否かを、演出態様から遊技者が容易に識別可能となるように構成してもよい。このように構成することで、予告抽選禁止状態が設定される期間をより短くすることができるので、連続予告演出の実行機会をより増加させることができる。なお、連続予告演出の最後の変動表示であるか否かを示す演出態様の具体例としては、例えば、連続予告演出の残りの変動回数をカウントダウン表示する構成としてもよい。また、最後の変動表示において終了を示唆する表示(例えば、「終了」という文字等)を表示させる構成としてもよいし、連続予告演出中に同一の楽曲を継続して流す構成とし、連続予告演出における最後の変動表示が終了したタイミングで楽曲を止める構成としてもよい。また、連続予告演出の実行中は、最後の変動表示以外の変動表示では第3図柄表示装置81においてリーチ状態が発生しない構成としてもよい。即ち、連続予告演出の実行中は、リーチ状態が表示されることにより、連続予告演出の最後の変動表示であることを示唆する構成としてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、遊技球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、遊技球が普通入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物64aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に遊技球が入り易い状態となるように構成されている。遊技球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における遊技球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、遊技球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、遊技球が入球すると5個の遊技球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、遊技球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上記した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、遊技球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった遊技球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により遊技球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の遊技球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図9,10を参照して説明する。図9(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述するが、始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図9(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図9(b)の202b1参照)。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図9(b)の202b2参照)。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
第2当たり乱数テーブル202c(図9(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図9(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図9(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口67を遊技球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターン選択テーブル202d(図10参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図11を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図21参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図29参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、遊技球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図21参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図29参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
ここで、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、特別図柄の確変状態である場合には、特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜9」のいずれであるか判別されて、「0〜9」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値が「0〜399」の400個ある中で、大当たりとなる判定値が「0〜9」の10個なので、特別図柄の確変中に特別図柄の大当たりとなる確率は、1/40(10/400)となる。また、特別図柄の低確率状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるか判別されて、「0」であれば大当たりであると判別される。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値が「0〜399」の400個ある中で、大当たりとなる判定値が「0」の1個のみなので、特別図柄の低確率状態おいてに特別図柄の大当たりとなる確率は、1/400となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図9(b)を参照して上述したように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は「大当たりA」となる(図9(b)の202b1参照)。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は「大当たりB」となる(図9(c)の202b2参照)。このように、本第1実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への遊技球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への遊技球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図29参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図10参照)は、上述した通り、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図10(a)〜(d)を参照して変動パターン選択テーブル202dの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202dは、図10(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図10(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図10(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図10(d)参照)とが少なくとも設定されている。
まず、図10(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図10(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0〜50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51〜179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180〜198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図10(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150〜197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図10(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
図11に戻って説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、遊技球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図9(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図9(c)を参照して上述した通り、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている(図9(c)の202c1参照)。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、遊技球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」に設定しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている(図9(c)の202c2参照)。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、遊技球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ遊技球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図21参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図29参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図8に戻り、説明を続ける。RAM203は、図11に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図29参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図28参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図27参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図8に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fとを少なくとも有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、遊技球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、遊技球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM223の入賞情報格納エリア223aに格納する。また、予告抽選禁止状態でなければ、入賞情報コマンドにより通知された各種情報に基づいて、連続予告演出の実行可否を判定する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、遊技球が左右何れかの普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ遊技球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図24のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図22のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図22のS206、図24のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、普通入球口67における遊技球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、遊技球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図26のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS505参照)。
遊技球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図26のS605)。一方、遊技球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図26のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203eは、初期状態がオフに設定されており、特別図柄の大当たりAの終了時にオンに設定される(図30のS1014参照)。一方、特別図柄の抽選において大当たりとなった場合には、その大当たりの開始を設定する際にオフに設定される(図22のS213参照)。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図23参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変フラグ203eが参照され、その状態がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203eの状態がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる(図23のS303,S304参照)。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、大当たりBとなる度に、その大当たりBの終了時に値が100にセットされる(図30のS1013参照)。また、大当たり種別に関わらず、特別図柄の抽選により大当たりとなった場合は、その大当たりの開始を設定する中で値が0に設定される。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値、および確変フラグ203eの状態が参照され、時短中カウンタ203fの値が1以上であるか、確変フラグ203eの状態がオンであれば、普通図柄の時短中と判別される。この場合、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図25のS509参照)。一方、時短中カウンタ203fの値が0であり、且つ、確変フラグ203eの状態がオフであれば、普通図柄の通常状態と判別されて、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図25のS510参照)。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物64aを駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により遊技球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた遊技球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、遊技球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図12から図13を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の詳細について説明する。まず、図12(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図12(a)に示した通り、ROM222には、変動パターン選択テーブル222aと、予告選択テーブル222bとが少なくとも設けられている。
変動パターンテーブル222aは、主制御装置110において変動パターン選択テーブル202dを参照して選択された変動演出の大まかな表示態様(変動時間)に基づき、変動演出の詳細な表示態様を特定するために用いられる。より具体的には、主制御装置110により選択された表示態様を通知するための変動パターンコマンドを受信した場合に、変動表示設定処理(図36参照)の中の1処理である予告演出設定処理(図37参照)において、変動パターンテーブル222aに規定されている変動パターンの中から1の変動パターン(変動演出の詳細な表示態様)を決定(特定)する(図37のS4603,S4605参照)。この変動パターンテーブル222aに規定された変動パターンには、予告演出の有無、および予告演出の種別も含んだ情報が規定されている。
予告選択テーブル222bは、連続予告演出の実行可否を判定する際に参照されるデータテーブルである。この予告選択テーブル222bの詳細について、図13を参照して説明する。図13は、この予告選択テーブル222bの規定内容を示した図である。
図13に示した通り、予告選択テーブル222bは、予告演出A〜Cのそれぞれが決定される乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲を、変動種別毎に規定したデータテーブルである。連続予告演出の実行可否を判定する際は、演出抽選カウンタ223fの値が、各予告演出に対応付けられている乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲の何れかに属している場合に、当該範囲に対応付けられている演出種別の連続予告演出の実行が決定される。一方、演出抽選カウンタ223fの値が、予告選択テーブル222bに規定されている何れの乱数値の範囲にも属していない場合には、連続予告演出を実行しないことが決定される。
この予告選択テーブル222bには、変動種別としてスペシャルリーチ当たり、スーパーリーチ当たり、ノーマルリーチ当たり、スペシャルリーチ外れ、スーパ−リーチ外れ、ノーマルリーチ外れの6種類が規定されている。その他の変動種別(長外れ、短外れ)については、規定されていないため、連続予告演出の実行可否の対象外となる。連続予告演出が実行され得る対象を、リーチ状態が発生する変動種別に限ることにより、連続予告演出が開始された時点で、少なくともリーチ状態に発展することが保証される。よって、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。
図13に示した通り、変動種別がスペシャルリーチ当たりの場合は、「0〜9」の10個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出A」が対応付けて規定され、「10〜44」の35個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出B」が対応付けて規定され、「45〜59」の15個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出C」が対応付けて規定されている(図13の222b1参照)。演出抽選カウンタ223fは、「0〜99」の100個の値の範囲で更新されるので、変動種別がスペシャルリーチ当たりの場合に、「予告演出A」が決定される割合は10%(10/100)であり、「予告演出B」が決定される割合は35%(35/100)であり、「予告演出C」が決定される割合は15%(15/100)である。また、連続予告演出が決定されない割合は40%(40/100)である。
また、図13に示した通り、変動種別がスーパーリーチ当たりの場合は、「0〜9」の10個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出A」が対応付けて規定され、「10〜39」の30個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出B」が対応付けて規定され、「40〜49」の10個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出C」が対応付けて規定されている(図13の222b2参照)。よって、変動種別がスーパーリーチ当たりの場合に、「予告演出A」が決定される割合は10%(10/100)であり、「予告演出B」が決定される割合は30%(30/100)であり、「予告演出C」が決定される割合は10%(10/100)である。また、連続予告演出が決定されない割合は50%(50/100)である。即ち、スペシャルリーチ当たりの場合よりも、連続予告演出が決定される割合が低くなる。また、連続予告演出の実行される場合において、予告演出Aが決定される割合がスペシャルリーチ当たりよりも高くなる一方で、予告演出Cが決定される割合が低くなる。
また、図13に示した通り、変動種別がノーマルリーチ当たりの場合は、「0〜9」の10個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出A」が対応付けて規定され、「10〜24」の15個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出B」が対応付けて規定され、「25〜29」の5個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出C」が対応付けて規定されている(図13の222b3参照)。よって、変動種別がノーマルリーチ当たりの場合に、「予告演出A」が決定される割合は10%(10/100)であり、「予告演出B」が決定される割合は15%(15/100)であり、「予告演出C」が決定される割合は5%(5/100)である。また、連続予告演出が決定されない割合は70%(70/100)である。即ち、スペシャルリーチ当たりや、スーパーリーチ当たりの場合よりも、連続予告演出が決定される割合が低くなる。また、連続予告演出の実行される場合において、予告演出Aが決定される割合がスペシャルリーチ当たりやスーパーリーチ当たりよりも高くなる一方で、予告演出Cが決定される割合が低くなる。
また、図13に示した通り、変動種別がスペシャルリーチ外れの場合は、「0〜9」の10個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出A」が対応付けて規定され、「10〜17」の8個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出B」が対応付けて規定され、「18,19」の2個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出C」が対応付けて規定されている(図13の222b4参照)。よって、変動種別がスペシャルリーチ外れの場合に、「予告演出A」が決定される割合は10%(10/100)であり、「予告演出B」が決定される割合は8%(8/100)であり、「予告演出C」が決定される割合は2%(2/100)である。また、連続予告演出が決定されない割合は80%(80/100)である。即ち、スペシャルリーチ当たり、スーパーリーチ当たり、およびノーマルリーチ当たりの場合よりも、連続予告演出が決定される割合が低くなる。また、連続予告演出の実行される場合において、予告演出Aが決定される割合がスペシャルリーチ当たり、スーパーリーチ当たり、ノーマルリーチ当たりよりも高くなる一方で、予告演出B,Cが決定される割合が低くなる。
また、図13に示した通り、変動種別がスーパーリーチ外れの場合は、「0〜8」の9個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出A」が対応付けて規定され、1個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)「9」に対して「予告演出B」が対応付けて規定されている(図13の222b5参照)。よって、変動種別がスーパーリーチ外れの場合に、「予告演出A」が決定される割合は9%(9/100)であり、「予告演出B」が決定される割合は1%(1/100)である一方、「予告演出C」が決定される可能性はない。また、連続予告演出が決定されない割合は90%(90/100)である。即ち、スペシャルリーチ当たり、スーパーリーチ当たり、ノーマルリーチ当たり、およびスペシャルリーチ外れの場合よりも、連続予告演出が決定される割合が低くなる。また、連続予告演出の実行される場合において、予告演出Aが決定される割合がスペシャルリーチ当たり、スーパーリーチ当たり、ノーマルリーチ当たり、およびスペシャルリーチ外れよりも高くなる一方で、予告演出Bが決定される割合が低くなる。また、予告演出Cは決定される可能性が0となる。
また、図13に示した通り、変動種別がノーマルリーチ外れの場合は、「0〜4」の5個の乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲に対して「予告演出A」が対応付けて規定されている(図13の222b6参照)。よって、変動種別がスペシャルリーチ外れの場合に、「予告演出A」が決定される割合は5%(5/100)である一方、予告演出B,Cが決定される可能性はない。また、連続予告演出が決定されない割合は95%(95/100)である。即ち、連続予告演出の実行可否の判定対象となる他の変動種別よりも、連続予告演出が決定される割合が低くなる。また、連続予告演出の実行される場合において、予告演出Aが決定される割合が他の変動種別よりも高くなる一方で、予告演出B,Cが決定される可能性が0となる。
このように、本第1実施形態では、大当たりとなる場合の方が、外れの場合よりも連続予告演出を決定する割合が高くなるように構成している。また、期待度が高い(変動時間が長い)変動種別の方が、期待度が低い(変動時間が短い)変動種別よりも連続予告演出を決定する割合が高くなるように構成している。これにより、連続予告演出の実行が開始された時点で、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
また、本第1実施形態では、期待度が高い変動種別の方が、期待度が低い変動種別よりも、予告演出Aが決定される割合が低くなる一方で、予告演出Cが決定される割合が高くなるように構成している。このため、予告演出Cが開始された場合には、遊技者に対して大当たりとなることを強く期待させることができる一方、予告演出Aが開始された場合には、連続予告演出の最後の変動表示まで緊張感を持って演出を見守らせることができる。よって、予告演出の種別に注目して遊技を行わせることができる。
また、予告演出Bは、ノーマルリーチ外れでは選択(決定)されない構成としているので、予告演出Bが開始された時点で、スーパーリーチ以上(スーパーリーチ外れ、スペシャルリーチ外れ)に発展するか、大当たりとなることが確定する。よって、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。更に、予告演出Cは、ノーマルリーチ外れ、およびスーパーリーチ外れでは選択(決定)されない構成としているので、予告演出Cが開始された時点で、スペシャルリーチに発展するか、大当たりとなることが確定する。よって、予告演出Cが開始された場合には、遊技者に対して大当たりとなることに対するより強い期待感を抱かせることができる。
次に、図12(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の詳細について説明する。図12(b)は、RAM223の規定内容を示したブロック図である。
図12(b)に示した通り、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、変動時間カウンタ223eと、演出抽選カウンタ223fと、遊技状態格納エリア223gと、予告演出禁止フラグ223hと、予告回数カウンタ223iと、予告禁止解除フラグ223jと、予告種別フラグ223kと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞を検出した場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。言い換えれば、入賞情報格納エリア223aの保留第1エリア〜保留第4エリアは、それぞれ、主制御装置110の特別図柄保留球格納エリア203aにおける保留第1エリア〜第4エリアに格納されている各カウンタ値に基づく抽選結果に対応したデータが格納される。
また、音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドにより新たな始動入賞に基づく各種情報が通知された場合に、当該各種情報に基づいて連続予告演出を実行するか否か判別する。即ち、通知された各種情報と、演出抽選カウンタ223fの値とから、上述した予告選択テーブル222bを参照して連続予告演出を実行するか否か、および連続予告演出の演出種別を決定する。連続予告演出を実行することにより、複数回の変動表示に渡って大当たりに対する期待感を持続的に抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、上述した通り、本第1実施形態では、連続予告演出の実行が決定されると、連続予告演出の実行可否の判定を禁止する予告抽選禁止状態が設定される。そして、予告抽選禁止状態が終了すると、入賞情報格納エリア223aの全てのエリアに格納された情報に基づいて、連続予告演出の実行可否を判定する。また、連続予告演出を実行する場合には、どの保留球までに渡って連続予告演出を継続させるかについても判別を実行する。この、予告抽選禁止状態が終了したことに基づいて実行される、連続予告演出の実行可否の判定方法について、図14を参照して詳細に説明する。
図14は、予告抽選禁止状態が終了(解除)された場合に、入賞情報格納エリア223aの各エリアの情報を参照して実行される制御処理の一部を説明するための図である。図14の横長略長方形形状の破線内に示した通り、入賞情報格納エリア223aの各エリアは、それぞれ1バイト(8ビット)のデータを格納可能に構成されている。1バイトデータの各ビットには、図14に示した通り、変動種別が対応付けられており、オンのビットが当該エリアに格納された入賞情報の変動種別を示している。より具体的には、図14に示した通り、上位ビットから順に、「スペシャルリーチ当たり」、「スーパーリーチ当たり」、「ノーマルリーチ当たり」、「スペシャルリーチ外れ」、「スーパーリーチ外れ」、「ノーマルリーチ外れ」、「長外れ」、「短外れ」がそれぞれ対応付けられている。図14に示した例では、保留第1エリアの2ビット目が1(オン)で、その他のビットがオフであるので、2ビット目に対応付けられている「長外れ」が、保留第1エリアに格納されているデータが示す抽選結果(変動種別)となる。同様に、入賞情報格納エリア223aの保留第2エリアは、「スペシャルリーチ外れ」が対応付けられている5ビット目が1(オン)に設定されているので、保留第2エリアのデータが示す抽選結果(変動種別)は「スペシャルリーチ外れ」である。以下同様に、保留第2エリアのデータが示す抽選結果(変動種別)は、「短外れ」であり、保留第3エリアのデータが示す抽選結果(変動種別)は「スーパーリーチ当たり」である。なお、実行エリアのデータについては本制御に用いられないため、図示については省略している。
予告抽選禁止状態が解除されると、図14に示した通り、各保留エリアのうち、保留第1エリアを除く各保留エリアの上位6ビットの論理和を算出する。論理和とは、複数のデータのうち、少なくとも1のデータが真(1)であれば、真(1)となり、複数のデータの全てが偽(0)であれば偽(0)となる論理演算である。図14の例では、上位6ビットの論理和として「010100」というデータが生成(演算)される。なお、保留第1エリアを除外しているのは、本第1実施形態における連続予告演出が、少なくとも2回の変動表示に渡って実行する構成としているからである。言い換えれば、保留第1エリアを連続予告演出の実行可否の判定の対象としてしまうと、保留第1エリアのデータに基づく1の変動表示のみに対して連続予告演出が設定されてしまう場合が生じてしまうので、これを防止(抑制)する趣旨である。
本第1実施形態では、生成した論理和データに基づいて、入賞情報格納エリア223aの各保留エリアに格納されているデータのうち、最も期待度(連続予告演出の実行可否の判定の優先度)が高い保留球に対応するデータが何であるかを特定する。より具体的には、論理和データは、上位ビットにいくほど期待度が高い保留球に対応するデータであることを示しているので、論理和データの中にオン(1)のビットがあるか否かを上位ビット側から判別していき、オンのビットを検出した場合に、当該ビットに対応する変動種別に基づいて、予告選択テーブル222bと演出抽選カウンタ223fの値とから連続予告演出の実行可否の抽選を実行する。そして、連続予告演出を実行すると判別した場合には、論理和データのオン(1)のビットと同一の期待度(変動種別)に対応するビットがオン(1)となっている保留エリアを検索して、論理和データと同一のビットがオンになっている保留エリアに対応する保留球まで継続する連続予告演出を設定する。
このように、本第1実施形態では、予告抽選禁止状態が解除された場合に、入賞情報格納エリア223aの全ての保留エリアのデータに基づいて、論理和データを生成し、当該論理和データに基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成としている。このように構成することで、全ての保留エリアのデータの詳細を確認した上で、連続予告演出の実行可否を判定する場合に比較して、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。より具体的には、例えば、全ての保留球が長外れ、又は短外れ(即ち、連続予告演出の実行可否の判定の対象外の抽選結果)だった場合に、本第1実施形態では、論理和データの全てのビットが0となるので、その時点で処理を終了させることができる。よって、全ての保留エリアの各ビットを1つずつ判定していく方法に比べて、処理負荷を軽減することができる。また、例えば、連続予告演出の実行可否の判定対象となる保留球が複数存在する場合でも、論理和データに基づいて判別すれば、1のデータが設定されている最上位のビットを判別するだけで、容易に保留内で最も期待度(連続予告演出の実行可否の判定の優先度)が高い変動種別を特定することができる。よって、全ての保留エリアの各ビットを判別し、連続予告演出の実行可否の判定対象となる複数の変動種別のうち、期待度が最も高い変動種別を特定するといった処理を行う必要がなくなる。よって、処理負荷を軽減することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図33のS4208参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図33のS4202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図36のS4502参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理のコマンド出力処理(図32のS4102参照)の中で、表示制御装置114に送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図33のS4205参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図36のS4508参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が設定される(図36のS4510参照)。
変動時間カウンタ223eは、変動時間をカウントするためのカウンタである。この変動時間カウンタは、変動表示の開始時に、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンに対応する変動時間(カウンタ値)が設定され、例えば、メイン処理(図32参照)が実行される毎に更新される。この変動時間カウンタ223eにより、主制御装置110において実行される特別図柄の変動表示の残りの変動時間を、音声ランプ制御装置113側で正確に把握することができる。よって、第1表示装置37における特別図柄の変動表示の変動時間と、第3図柄表示装置81において実行される第3図柄の変動表示の変動時間とを一致させることができる。
演出抽選カウンタ223fは、連続予告演出の実行可否の判定(抽選)等、演出態様の抽選に用いられるカウンタである。この演出抽選カウンタ223fは。「0〜99」の範囲で値が更新される。連続予告演出を抽選する際は、予告選択テーブル222bから、この演出抽選カウンタ223fの値に対応する予告種別が参照されて、連続予告演出が決定される。
遊技状態格納エリア223gは、パチンコ機10の遊技状態に応じたデータを格納しておくための記憶領域である。この遊技状態格納エリア223gは、主制御装置110から、パチンコ機10の遊技状態に変更が生じる毎に出力される状態コマンドを受信する毎に更新される(図33のS4210参照)。なお、遊技状態格納エリア223gは、例えば1バイトの記憶領域で構成され、下位2ビットの状態によって遊技状態を特定可能に構成されている。より具体的には、例えば、最下位のビットが普通図柄の時短状態であるか否かを示し、下位2ビット目のビットが特別図柄の確変状態であるか否かを示す。音声ランプ制御装置113のMPU221は、この遊技状態格納エリア223gに格納されたデータに基づいて、音声ランプ制御装置113側でパチンコ機10の遊技状態を把握することができる。
予告演出禁止フラグ223hは、予告抽選禁止状態であるか否かを示すフラグであり、この予告演出禁止フラグ223hがオンであれば、予告抽選禁止状態であることを意味する。一方、予告演出禁止フラグ223hがオフであれば、予告抽選禁止状態ではないことを意味する。この予告演出禁止フラグ223hがオンの間は、連続予告演出の実行可否の判定(抽選)が禁止される。この予告演出禁止フラグ223hは、連続予告演出の実行可否の判定(抽選)に当選した場合にオンに設定される(図34のS4311、図35のS4415参照)。また、この予告演出禁止フラグ223hは、連続予告演出の終了後、1回目に実行される通常の(即ち、予告演出を伴わない)変動表示の変動停止時にオフに設定される(図35のS4402参照)。
予告回数カウンタ223iは、連続予告演出の残りの変動表示の回数をカウントするためのカウンタである。この予告回数カウンタ223iは、連続予告演出の実行が決定された場合に、実行する連続予告演出の回数に応じた値が設定される(図34のS4310、図35のS4414参照)。また、この予告回数カウンタ223iの値が1以上の間は、新たに変動表示を開始するタイミングとなる毎に値が1ずつ減算される(図37のS4604参照)。
予告禁止解除フラグ223jは、連続予告演出が終了した後、1回目の変動表示の実行中であるか否かを示すフラグである。即ち、変動後に予告抽選禁止状態が解除される変動表示の実行中であるか否かを示すフラグである。この予告禁止解除フラグ223jがオンであれば、連続予告演出が終了した後、1回目の変動表示の実行中であることを意味し、オフであれば、連続予告演出が終了した後、1回目の変動表示の実行中以外の状態であることを意味する。この予告禁止解除フラグ223jは、連続予告演出が終了した後、1回目の変動表示の開始時にオンに設定される(図37のS4607参照)。一方、この予告禁止解除フラグ223jは、予告抽選禁止状態が解除されると共にオフに設定される(図35のS4402参照)。
予告種別フラグ223kは、連続予告演出の演出種別を示すフラグであり、例えば、3ビットの記憶領域が割り当てられている。1ビット目が予告演出A、2ビット目が予告演出B、3ビット目が予告演出Cにそれぞれ対応しており、オン(1)のビットに対応する予告演出が設定されていることを示す。また、全ビットがオフ(0)の場合には、連続予告演出が設定されていないことを意味する。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図33参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図15を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図27参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図15を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図15は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図38のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図38のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図20参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図40(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図38のS6003,S6004参照)。
ここで、図16を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図16は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図16(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図16(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図16(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図16(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図16(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図16(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図15に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図17を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図17は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図17(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図17(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図17に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図17(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図17(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図17(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図17(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図15参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図15に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「1」から「9」の数字を付した上述の9種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「1」から「9」の数字が付されていない主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「青年」や「女性」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図18を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図18は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「砂浜ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図18の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図20参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図19を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図19は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図19のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図19のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図19の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図20参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図19の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図16(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図38参照)の中でオンに設定される(図38のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図49(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図40(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図40(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図40(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図41〜図45参照)および表示設定処理(図46〜図48参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図49(a)のS7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図49(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図50参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図20参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図20参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図20参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図40(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図46のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図20参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図20を参照して、描画リストの詳細について説明する。図20は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図20に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図40(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図46のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図38のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図50参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図50のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図50のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図51のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図40(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図21から図30のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図21は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した場合に0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、及び始動入賞処理の詳細は、図22〜図24を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図25および図26を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、遊技球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、遊技球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して遊技球の発射指示をする。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図22は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であると判別した場合は(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図23を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新して(S210)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S211)。停止図柄の設定は、図23を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S211の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212:Yes)、確変フラグ203eをオフにリセットすると共に、時短中カウンタ203fの値を0にリセットして(S213)、大当たりの開始を設定し(S214)、処理をS217へと移行する。S214の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図29参照)の大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S212の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212:No)、時短中カウンタ203fの値が0より大きい値(1以上の値)であるかを判定し(S215)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S215:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S216)、処理をS217へと移行する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S215:No)、S216の処理をスキップして、処理をS217へと移行する。S217の処理では、特別図柄の変動停止を示す停止コマンドを設定して(S217)、本処理を終了する。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図23は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図21参照)の特別図柄変動処理(図22参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、現在が特別図柄の確変状態であるか(RAM203の確変フラグ203eがオンであるか)を判定する(S302)。確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率状態)であることを示す。
特別図柄の確変状態である(確変フラグ203eがオンである)と判定した場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、特別図柄の確変状態でない(確変フラグ203eがオフである)と判定した場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0」のみが設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」に一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(16R確変大当たり)であると判定し(図9(b)の202b1参照)、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(16R時短大当たり)であると判定する(図9(b)の202b2参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、上述した通り、変動パターン選択テーブル202d(図10参照)に規定されている。S307の処理が終了すると、処理をS310へと移行する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン選択テーブル202d(図10参照)の規定内容とを比較することにより、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。S309の処理が終了すると、処理をS310へと移行する。
S307の処理またはS309の処理が終了した後で実行されるS310の処理では、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図29参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図24は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、遊技球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球(入賞)を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が第1入球口64に入球(入賞)したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S406の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S407)。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S408)、本処理を終了する。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図25は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物64aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、現在が普通図柄の時短状態中であるかを判別する(S508)。具体的には、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるか、または、確変フラグ203eがオンの場合に普通図柄の時短状態であると判別し、時短中カウンタ203fの値が0、且つ、確変フラグ203eがオフであれば、普通図柄の通常状態である(時短状態でない)と判別する。
S508の処理において、普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S508:Yes)、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S509)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(c)の202c2参照)。
一方、S508の処理において、普通図柄の時短状態中ではないと判別した場合は(S508:No)、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(c)の202c1参照)。
次に、S509またはS510の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S511)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S511:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S512)。このS512の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定し、処理をS514へと移行する。
一方、S511の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S511:No)、外れ時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S514の処理へ移行する。
S514の処理では、普通図柄の時短状態中であるか否かを判別し(S514)、普通図柄の時短状態中であれば(S514:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S515)、本処理を終了する。一方、S514の処理において、普通図柄の通常状態であると判別した場合は(S514:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S516)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなるので、普通図柄の抽選頻度が高くなる。よって、普通図柄の抽選で当たりとなる頻度が高くなることにより、第1入球口64に付随する電動役物64aが開放され易くなるので、第1入球口64へ遊技球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S517)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S515の処理またはS516の処理によって予め設定された時間である。
S517の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S517:No)、本処理を終了する。一方、S517の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過したと判別した場合は(S517:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S518)。S518の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S512の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S518の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図29参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S512の処理またはS513の処理で設定された表示態様で、停止図柄(普通図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S519)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S519:Yes)、次に、現在が普通図柄の時短状態中であるか否かを判別し(S520)、時短状態中であると判別した場合は(S520:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放時間、および開放回数として、「1秒間×2回」を設定し(S522)、S523の処理へと移行する。一方、S520の処理において、普通図柄の通常状態である(時短状態でない)と判別した場合は(S520:No)、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放時間、および開放回数として、「0.2秒間×1回」を設定し(S521)、S523の処理へと移行する。
S523の処理では、S521、又はS522の処理で設定された時間および開放回数の、電動役物64aの開閉制御開始を設定し(S523)、本処理を終了する。S523の処理によって、電動役物64aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図29参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物64aの開閉制御が開始され、S521の処理またはS522の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物64aの開閉制御が継続される。一方、S519の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであると判別した場合は(S519:No)、S520〜S523の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図26のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図26は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過の有無を判断し、遊技球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が普通入球口67を通過したと判定した場合は(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
遊技球が普通入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、そのまま本処理を終了する。一方、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。なお、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。図27は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図28を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図28は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS814へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS814へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS814へ移行する。なお、図29のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S814の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S814)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S815,S816)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S815,S816)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S815,S816)を実行する。RAMの初期化処理(S815,S816)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S815)、その後、RAM203の初期値を設定する(S816)。RAM203の初期化処理の実行後は、S810の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、確変フラグ203e、および時短中カウンタ203fの値を読み出して(S811))、読み出した各値が示す遊技状態を音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する(S812)。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドが示す遊技状態に応じて、RAM223の遊技状態格納エリア223gのデータを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して、電源投入の直後に正確な遊技状態を把握させることができる。S812の処理が終了した後は、割込みを許可して(S813)、後述するメイン処理に移行する。なお、状態コマンドは、例えば1バイトのデータで構成され、下位2ビット分のデータによって遊技状態を通知することができる。即ち、最下位のビットが時短状態であるか否かを示すビットであり、最下位のビットがオンであれば、現在が普通図柄の時短状態であることを示す。一方、最下位のビットがオフである場合は、現在が普通図柄の通常状態であることを示す。また、下位2ビット目のデータが確変状態であるか否かを示すビットであり、下位2ビット目がオンであれば現在が特別図柄の確変状態であることを示す。一方、下位2ビット目がオフの場合は、現在が特別図柄の低確率状態であることを示す。この状態コマンドの各ビットのオン・オフを判別することで、音声ランプ制御装置113側で容易に遊技状態を識別することができる。
次に、図29を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図29は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図21参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図21参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図22参照)や始動入賞処理(図24参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図24参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図30参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、遊技球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物64aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図25参照)のS523の処理によって電動役物64aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物64aの開閉制御を開始する。なお、この電動役物64aの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS521の処理またはS522の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図25参照)のS515の処理またはS516の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図25参照)のS518の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図25参照)のS512の処理またはS513の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図27のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図28のS801参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図30のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図30は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図29参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図22参照)のS214の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1003)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1003の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1003:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1004)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1004:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1005)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1006)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判定した場合は(S1004:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1007)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に遊技球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1007の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1007:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1008)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1007:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1009)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1009の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1009:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1010)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1009の処理において、エンディングの演出の開始タイミングでないと判定した場合は(S1009:No)、次いで、エンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別し(S1011)、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1011:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1011:Yes)、今回の大当たりが大当たりAであるか否かを判別する(S1012)。
S1012の処理において、大当たりAでない(即ち、大当たりBである)と判別した場合は(S1012:No)、時短中カウンタ203fの値に100を上書きすることにより、大当たり終了後に100回の普通図柄の時短期間が付与されるように設定して(S1013)、処理をS1015へと移行する。一方、S1012の処理において、今回の大当たりが大当たりAであると判別した場合は(S1012:Yes)、確変フラグ203eをオンとすることで、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与されるように設定し(S1014)、処理をS1015へと移行する。
S1013の処理、又はS1014の処理後に実行されるS1015の処理では、大当たりが終了した後の特別図柄の抽選状態(特別図柄の確変状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか)を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定し(S1015)、大当たりの終了を設定して(S1016)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図31から図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。図31は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4116の電源断処理(図32参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図32を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図32のS4113:Yes参照)、S4116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
S4002の処理において、電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S4004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223の全ての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S4006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4116の電源断処理の実行時にオンされる(図32のS4115参照)。つまり、電源断フラグは、S4116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値を設定した後(S4010)、主制御装置110の立ち上げ処理(図28参照)の中で出力された状態コマンドが示す電源投入時の遊技状態を解析して(S4011)、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じて遊技状態格納エリア223gのデータを更新する(S4012)。次に、割込み許可を設定して(S4013)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、処理をS4010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S4010)、主制御装置110の立ち上げ処理(図28参照)の中で出力された状態コマンドが示す電源投入時の遊技状態を解析して(S4011)、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じて遊技状態格納エリア223gのデータを更新する(S4012)。次いで、割込み許可を設定して(S4013)、メイン処理へ移行する。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図32は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS4101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1m秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102〜S4110の処理を行わずにS4111の処理へ移行する。S4101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S4102〜S4110が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4111のコマンド判定処理や、S4112の変動表示設定処理を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1m秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4103〜S4112の各処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを表示制御装置114に対して送信する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後、電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、枠ボタン22が押下されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を設定する処理である。即ち、連続変身演出の操作有効期間において枠ボタン22が押下された場合に、成功報知態様、または失敗報知態様を表示させるための処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理後、液晶演出実行管理処理を実行して(S4110)、処理をS4111へと移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4111の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S4111)。このコマンド判定処理の詳細については、図33を参照して後述する。そして、コマンド判定処理が終了すると、変動表示設定処理が実行される(S4112)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図36を参照して後述する。
S4112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4115)、電源断処理を実行する(S4116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4117)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4114)、RAM223が破壊されていなければ(S4114:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4111)について説明する。図33は、このコマンド判定処理(S4111)を示したフローチャートである。コマンド判定処理(S4111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図32参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4201)。変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4201:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンに設定し(S4202)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4203)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図36参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4201:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S4204)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S4204:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S4205)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S4206)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図36参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S4204:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S4207)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S4207:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S4208)。また、S4208の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S4208の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、遊技球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S4208の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S4208の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知する表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S4207の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S4207:No)、次いで、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判定する(S4209)。そして、状態コマンドを受信したと判定した場合には(S4209:Yes)、受信した状態コマンドが示す遊技状態に応じて、遊技状態格納エリア223gのデータを更新し(S4210)、メイン処理に戻る。
S4209の処理において、状態コマンドを受信していないと判定した場合には(S4209:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S4211)。そして、入賞情報コマンドを受信したと判定した場合には(S4211:Yes)、受信した入賞コマンドを解析して、連続予告演出の実行判定を行うための入賞情報コマンド処理を実行して(S4212)、メイン処理に戻る。この入賞情報コマンド処理(S4212)の詳細については、図34を参照して後述する。
一方、S4211の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判定した場合は(S4211:No)、次いで、停止コマンドを受信したか否かを判定する(S4213)。そして、停止コマンドを受信したと判定した場合には(S4213:Yes)、予告抽選禁止状態が解除されるタイミングかを判別して、予告抽選禁止状態の解除タイミングであれば保留されている全ての保留球の抽選結果に基づいて連続予告演出の実行可否の判定を行うための停止コマンド処理を実行する(S4214)。この停止コマンド処理(S4214)の詳細については、図35を参照して後述する。S4214の処理が終了すると、次いで、変動中の第3図柄の停止表示を設定して(S4215)、メイン処理に戻る。
一方、S4213の処理において、停止コマンドを受信していない場合には(S4213:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S4216)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、オープニングコマンドであれば、表示制御装置114に対して表示用オープニングコマンドを設定することにより表示制御装置114に対して大当たりのオープニング演出の開始を指示する。また、例えば、その他のコマンドがエンディングコマンドであれば、表示制御装置114に対して表示用エンディングコマンドを設定することにより表示制御装置114に対して大当たりのエンディング演出の開始を指示する。
このコマンド判定処理を実行することにより、主制御装置110から出力されたコマンドに応じて適切な処理を実行することができる。
次に、図34を参照して、上述した入賞情報コマンド処理(S4212)の詳細について説明する。この入賞情報コマンド処理(S4212)は、上述した通り、受信した入賞コマンドを解析して、連続予告演出の実行判定を行うための処理である。
入賞情報コマンド処理(図34参照)では、まず、受信した入賞情報コマンドにより通知された情報を、入賞情報格納エリア223aの保留第1〜第4エリアの空きエリアのうち、最も番号の若い保留エリアに格納する(S4301)。次に、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を読み出して(S4302)、読み出したカウンタ値が2以上であるか否かを判別する(S4303)。
S4303の処理により、特別図柄保留球数カウンタ223bの値が2未満であると判別した場合は(S4303:No)、連続予告演出を実行するのに必要な保留球数(2以上)に満たないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S4303の処理において、特別図柄保留球数カウンタ223bの値が2以上であると判別した場合は(S4303:Yes)、次いで、予告演出禁止フラグ223hがオンであるか否かを判別する(S4304)。S4304の処理において、予告演出禁止フラグ223hがオンであると判別した場合は(S4304:Yes)、現在が予告抽選禁止状態であり、連続予告演出の実行可否の判定(実行抽選)が禁止されている状態なので、連続予告演出の実行抽選を行うためのS4305〜S4311の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
一方、S4304の処理において、予告演出禁止フラグ223hがオフであると判別した場合には(S4304:No)、予告選択テーブル222b(図13参照)を読み出して(S4305)、読み出した予告選択テーブル222bのうち、今回入賞情報コマンドにより通知された変動種別に対応して規定された乱数値(カウンタ値)と、演出抽選カウンタ223fの値とを比較することにより、連続予告演出の実行可否を判定する(S4306)。即ち、予告演出A〜Cのそれぞれに対応付けて規定された乱数値の範囲のうち、いずれかと、演出抽選カウンタ223fの値とが一致するか否かを判定する。
次いで、S4306の処理による判定結果が、連続予告演出の実行に対応する判定結果であるかを判別し(S4307)、連続予告演出の非実行に対応する判定結果の場合には(S4307:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4307の処理において、連続予告演出の実行に対応する判定結果であると判別した場合には(S4307:Yes)、まず、予告選択テーブル222bから特定された今回の連続予告演出の演出種別に応じて予告種別フラグ223kを更新する(S4308)。即ち、今回の演出種別が予告演出Aであれば、予告種別フラグ223kの1ビット目をオン(1)、その他のビットをオフ(0)に設定し、予告演出Bであれば、予告種別フラグ223kの2ビット目をオン(1)、その他のビットをオフ(0)に設定し、予告演出Cであれば、予告種別フラグ223kの3ビット目をオン(1)、その他のビットをオフ(0)に設定する。
S4308の処理が終了すると、次に、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を読み出して(S4309)、読み出したカウンタ値を予告回数カウンタ223iに設定する(S4310)。これにより、現在保留されている全ての保留球に基づく変動表示に渡って、連続予告演出の実行を設定することができる。S4310の処理が終了すると、予告演出禁止フラグ223hをオンに設定することで、予告抽選禁止状態を設定して(S4311)、本処理を終了する。
この入賞情報コマンド処理(図34参照)を実行することにより、今回の入賞情報コマンドを受信した時点で保留されている保留球に基づく変動表示、および当該入賞情報コマンドに基づく変動表示に渡って実行される連続予告演出を設定することができる。上述した通り、入賞情報コマンドにより通知された抽選結果が外れの場合よりも、大当たりの場合の方が、連続予告演出の決定割合が高くなる。よって、連続予告演出が実行された場合に、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。
次に、図35を参照して、上述した停止コマンド処理(S4214)の詳細について説明する。この停止コマンド処理(S4214)は、上述した通り、予告抽選禁止状態が解除されるタイミングかを判別して、予告抽選禁止状態の解除タイミングであれば保留されている全ての保留球の抽選結果に基づいて連続予告演出の実行可否の判定を行うための処理である。
図35に示した通り、停止コマンド処理(図35参照)が実行されると、予告禁止解除フラグ223jがオンであるかを判別し(S4401)、オフであると判別した場合は(S4401:No)予告抽選禁止状態の解除タイミングではないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、予告禁止解除フラグ223jがオンである(即ち、予告抽選禁止状態の解除タイミングである)と判別した場合は(S4401:Yes)、予告抽選禁止状態を解除するために、予告演出禁止フラグ223hをオフに設定すると共に、予告禁止解除フラグ223jをオフに設定する(S4402)。次に、特別図柄保留球数カウンタ223bのカウンタ値を読み出して(S4403)、読み出したカウンタ値が2以上であるかを判別する(S4404)。
S4404の処理において、読み出した特別図柄保留球数カウンタ223bの値が1以下であると判別した場合は(S4404:No)、連続予告演出を実行するのに必要な保留球数に満たないので、そのまま本処理を終了する。一方、S4404の処理において、特別図柄保留球数カウンタ223bの値が2以上であると判別した場合は(S4404:Yes)、連続予告演出を実行するのに必要な保留球数以上の保留球が保留されていることを意味するので、各保留球の抽選結果(変動種別)に基づいて連続予告演出の実行可否を判定するためのS4405〜S4415の各処理を実行する。
より具体的には、まず、入賞情報格納エリア223aの各保留エリアのうち、保留第1エリアを除く各エリアにおける上位6ビットのデータの論理和(図14参照)を算出する(S4405)。そして、算出した論理和の最上位ビットが1(オン)であるかを判別して(S4406)、オンであれば(S4406:Yes)、オンのビットの変動種別(即ち、スペシャルリーチ当たり)に対応する割合で連続予告演出の実行可否を判定するためのS4409〜S4415の各処理を実行する。
一方、S4406の処理において、論理和データの最上位ビットが1でない(即ち、0である)と判別した場合は(S4406:No)、次いで、今回判別したビットよりも1ビット分下位のビットが1(オン)であるかを判別する(S4407)。S4407の処理において、1ビット分下位のビットも1ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S4407:No)、今回判別したビットが論理和データにおける最下位のビットであるかを判別する(S4408)。
S4408の処理において、今回の判別を行った対象ビットが論理和データにおける最下位のビットではないと判別した場合は(S4408:No)、処理をS4407へと移行させ、これ以降、S4407の処理による判別で1(オン)のビットが検出される(S4407:Yes)か、S4408の処理において、最下位のビットまで全てが1(オン)ではない(即ち、0である)と判別される(S4408)まで、S4407,S4408の各処理が繰り返し実行される。
S4407の処理において、1(オン)のビットを検出した場合は(S4407:Yes)、当該1(オン)のビットが対応付けられている変動種別に応じた割合で連続予告演出の実行可否を判定するためのS4409〜S4415の各処理を実行する。一方、S4408の処理において、最下位のビットまで全てが1(オン)ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S4408:No)、現状保留されている保留球の中に、連続予告演出の実行可否の判定の対象となる抽選結果が含まれていないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
S4406の処理、またはS4407の処理において、論理和データの中から1(オン)のビットを検出した場合は(S4406:Yes、またはS4407:Yes)、まず、予告選択テーブル222b(図13参照)を読み出す(S4409)。次いで、S4406、またはS4407の処理で1(オン)であるこが検出されたビットに対応付けられた変動種別と、演出抽選カウンタ223fの値とに基づいて、読み出した予告選択テーブル222bを参照して連続予告演出を実行するか否か(演出抽選カウンタ223fが予告選択テーブル222bに規定されたいずれかの乱数値と一致するか)を判別する(S4410)。
S4410の処理が終了すると、次いで、S4410の処理による判別において、連続予告演出の実行に対応する判別結果になった(演出抽選カウンタ223fが予告選択テーブル222bに規定されたいずれかの乱数値と一致した)かを判別し(S4411)、連続予告演出の実行に非対応の判別結果であれば(S4411:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4411の処理において、連続予告演出の実行に対応する判別結果になったと判別した場合は(S4411:Yes)、まず、予告選択テーブル222bから特定された今回の連続予告演出の演出種別に応じて予告種別フラグ223kを更新する(S4412)。即ち、今回の演出種別が予告演出Aであれば、予告種別フラグ223kの1ビット目をオン(1)、その他のビットをオフ(0)に設定し、予告演出Bであれば、予告種別フラグ223kの2ビット目をオン(1)、その他のビットをオフ(0)に設定し、予告演出Cであれば、予告種別フラグ223kの3ビット目をオン(1)、その他のビットをオフ(0)に設定する。
S4412の処理が終了すると、次に、今回の判定の対象となった変動種別に対応するビットが1(オン)に設定されている保留エリアを、保留第4エリア側から順番に検索して(S4413)、検索した保留エリアに対応する値を、予告回数カウンタ223iに設定する(S4414)。例えば、検索結果が保留第4エリアであれば、予告回数カウンタ223iに4を設定し、例えば、検索結果が保留第2エリアであれば、予告回数カウンタ223iに2を設定する。
なお、保留第4エリア側から検索するのは、S4413の検索対象のビットが1(オン)の保留エリアが複数存在する場合に、より多くの保留球に渡って連続予告演出を設定するためである。具体的には、例えば、今回の連続予告演出の実行可否の判定をスーパーリーチ外れの変動種別に対応する抽選結果で判定し、且つ、保留第4エリアと、保留第2エリアとにスーパーリーチ外れに対応するデータが格納されていた場合には、保留第4エリア側から検索することで、保留第4エリアのスーパーリーチ外れを最初に検出することができる。よって、4回の変動表示に渡る連続予告演出の実行を設定することができる。これに対して保留第1エリアから検索を行う構成とした場合は、保留第2エリアのスーパーリーチ外れのデータを検出した時点で検索を終了してしまうため、連続予告演出の対象となる変動表示が少なくなってしまう(保留第1、第2エリアに格納されたデータに基づく2回分の変動表示となってしまう)。よって、保留第4エリア側から検索を行うことにより、より多くの変動表示に渡って連続予告演出を設定することができるので、遊技者の期待感をより長い期間に渡って持続的に抱かせることができる。
S4414の処理が終了すると、予告演出禁止フラグ223hをオンにすることで予告抽選禁止状態を設定し(S4415)、本処理を終了する。
この停止コマンド処理により、予告抽選禁止状態が解除されたタイミングで、入賞情報格納エリア223aのうち、第1保留エリアを除く全ての保留エリアのデータに基づいて、論理和データを生成し、当該論理和データに基づいて連続予告演出の実行可否を判定することができる。このように構成することで、全ての保留エリアのデータの詳細を確認した上で、連続予告演出の実行可否を判定する場合に比較して、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。より具体的には、例えば、全ての保留球が長外れ、又は短外れ(即ち、連続予告演出の実行可否の判定の対象外の抽選結果)だった場合に、本第1実施形態では、論理和データの全てのビットが0となるので、その時点で処理を終了させることができる。よって、全ての保留エリアの各ビットを1つずつ判定していく方法に比べて、処理負荷を軽減することができる。また、例えば、連続予告演出の実行可否の判定対象となる保留球が複数存在する場合でも、論理和データに基づいて判別すれば、1のデータが設定されている最上位のビットを判別するだけで、容易に保留内で最も期待度(連続予告演出の実行可否の判定の優先度)が高い変動種別を特定することができる。よって、全ての保留エリアの各ビットを判別し、連続予告演出の実行可否の判定対象となる複数の変動種別のうち、期待度(連続予告演出の実行可否の判定の優先度)が最も高い変動種別を特定するといった処理を行う必要がなくなる。よって、処理負荷を軽減することができる。
なお、本第1実施形態では、S4413の処理において、連続予告演出の判定対象となった変動種別に対応するビットがオンとなっている保留エリアの検索を、保留第4エリアから順番に実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、保留第1エリアから順に検索する構成としてもよい。このように構成することで、論理和データに基づいて特定された今回の連続予告演出の実行可否の判定対象となる変動種別の保留球が保留内に複数存在する場合において、連続予告演出の実行中に複数回、期待度が同一の変動種別の変動表示が実行されることを抑制できる。つまり、例えば、保留第2エリアと保留第4エリアとにスーパーリーチ外れの変動種別に対応するデータが格納されている場合において、保留第4エリア側から保留エリアの検索を行うと、保留第4エリアのデータに対応する変動表示までに渡って連続予告演出が実行されることになる。この場合、1の連続予告演出において、スーパーリーチ外れ(期待度の高い変動表示)が2回(複数回)発生することとなる。期待度の高い変動表示が立て続けに発生し、且つ、その間に連続予告演出が実行されることにより更に大当たりに対する期待感が高められたにも拘わらず、最終的に外れとなってしまうと、遊技者の遊技に対するモチベーションを大きく低下させてしまう可能性がある。これに対して保留エリアの検索を保留第1エリア側から行う構成とすれば、1の連続予告演出において期待度の高い変動種別の変動表示が実行される回数を最低限に限ることができるので、連続予告演出で外れになった場合でも、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させ難くできる。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4112)について説明する。図36は、この変動表示設定処理(S4112)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図32参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する処理である。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S4501)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S4501:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4507の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S4501:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S4502)、次いで、コマンド判定処理(図33参照)のS4203の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を取得する(S4503)。
次に、今回の変動パターンコマンドに基づいて開始させる変動表示に連続予告演出が設定されているかを判別し、設定されていれば予告演出を設定するための予告演出設定処理を実行する(S4504)。この予告演出設定処理(S4504)の詳細については、図37を参照して後述する。S4504の処理が終了すると、次いで、S4504の処理の中で決定された変動表示の態様を表示制御装置114に対して通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S4505)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S4506)。S4506の処理では、入賞情報格納エリア223aの保留第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S4507の処理へ移行する。
S4507の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S4507)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S4507:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S4507:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S4508)、次いで、コマンド判定処理(図33参照)のS4206の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S4509)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定すると共に、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S4510)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図37のフローチャートを参照して、上述した予告演出設定処理(S4504)の詳細について説明する。この予告演出設定処理(S4504)は、変動表示設定処理(図36参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、今回の変動パターンコマンドに基づいて開始させる変動表示に連続予告演出が設定されているかを判別し、設定されていれば予告演出を設定するための処理である。
図37に示した通り、予告演出設定処理(図37参照)では、まず、予告回数カウンタ223iの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S4601)、0より大きい値であれば(S4601:Yes)、今回の変動表示に連続予告演出が設定されていることを意味するので、予告種別フラグ223kを読み出す(S4602)。次いで、予告種別フラグ223kが示す態様の予告演出を伴う変動パターンを、変動パターン選択テーブル222aを参照して決定し(S4603)、予告回数カウンタ223iの値を1減算して(S4604)、本処理を終了する。
一方、S4601の処理において、予告回数カウンタ223iの値が0であると判別した場合は(S4601:No)、まず、予告演出を伴わない態様の変動パターンを、変動パターン選択テーブル222aを参照して決定し(S4605)、次に、予告演出禁止フラグ223hがオンであるかを判別する(S4606)。S4606の処理において、予告演出禁止フラグ223hがオンであると判別した場合は(S4606:Yes)、連続予告演出の終了後、1回目の変動表示の開始タイミングであることを意味するので、予告禁止解除フラグ223jをオンに設定して(S4607)、本処理を終了する。S4607の処理で予告禁止解除フラグ223jをオンに設定しておくことにより、今回開始する変動表示(連続予告演出の終了後、1回目の変動表示)の変動期間の間、予告抽選禁止状態を継続させることができ、変動終了時に停止コマンド処理(図35参照)の中で予告抽選禁止状態を解除させることができる(図35のS4402参照)。連続予告演出の終了後、1回目の変動表示まで予告抽選禁止状態を継続させる構成とすることで、連続予告演出の終了後、間隔無く連続予告演出が再度実行されてしまうことを抑制することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図38から図51を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図38を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図38は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図39を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図39は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図38のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図38のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図39に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図38の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図49(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図49(a)のS7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図40(b)参照)において、図16に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図40(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図40(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図40(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図40(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図40(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図40(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図40(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図41〜図45を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図46〜図48を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図49および図50を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図20に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図51を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA〜F、小当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図41〜図45を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図41は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図41に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図42(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図42(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図41の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図42(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図42(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜F、小当たり、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図40(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図41に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図43(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図43(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図41に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図43(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図43(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図41に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図44を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図44は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図41に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、背面画像変更コマンドがあれば(S6414:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図45(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図45(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図41の説明に戻る。S6414の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6416)、エラーコマンドがあれば(S6416:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図45(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図45(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図41の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6418)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402〜S6418の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6418の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図40(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図42(a)参照)および停止種別コマンド処理(図42(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図42(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図46〜図48を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図46は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図46に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202〜S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203〜S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図47を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図47は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図46の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図48を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図48は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図46に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図40(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図49及び図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図49(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図49(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図50を参照して後述する。
次いで、図49(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図49(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図40(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図40(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図40(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図41〜図45参照)および表示設定処理(図46〜図48参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図50参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図49(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図50は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常画像転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図51を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図51は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図20参照)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図40(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態のパチンコ機10では、連続する複数回の変動表示に渡って同系統の予告演出が実行される連続予告演出を実行可能に構成している。この連続予告演出は、基本的に第1入球口64に対する新たな始動入賞を検出した場合に、実行可否が判定される。連続予告演出の実行が決定された場合には、新たな始動入賞を検出した時点で保留されている保留球に基づく変動表示、および当該新たな始動入賞に基づく変動表示に渡って実行される。この連続予告演出は、新たな始動入賞の抽選結果が外れの場合よりも、大当たりの場合の方が、決定される割合が高くなるので、連続予告演出が実行された場合に、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。
また、本第1実施形態では、連続予告演出の実行が決定されると、連続予告演出の抽選を禁止する予告抽選禁止状態が設定される。これは、連続予告演出の実行中に、連続予告演出が重複して決定されてしまうことを防止(抑制)するためである。より詳述すると、連続予告演出の実行中にも、新たな始動入賞を検出したことに基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成とした場合、連続予告演出の途中で予告演出の種別が切り替わってしまう可能性がある。例えば、予告演出Bが設定された連続予告演出の実行中に、新たな始動入賞を検出して連続予告演出の実行可否を判別し、予告演出Aの実行が決定されてしまうと、予告演出Bが打ち切られてしまい、次の変動から予告演出Aに切り替わってしまう虞がある。つまり、比較的期待度が高い演出種別(予告演出B)から、期待度が低い演出種別(予告演出A)に切り替わることで、遊技者をがっかりさせてしまう可能性がある。また、同一の演出種別の連続予告演出が、連続予告演出の実行中に新たに決定された場合、連続予告演出の開始時に保留されていた保留球の個数以上の回数の変動表示に渡って連続予告演出が実行されることになる。これにより、遊技者がどの保留球に期待感を抱けばいいのか分かり難くなってしまう虞があるので、演出の意味が分かり難くなってしまう場合がある。また、これらの問題点を解決する方法として、最終的に外れとなる連続予告演出の実行中に、大当たりに対応する始動入賞を検出した場合にのみ、連続予告演出の実行可否の判定を許容し、且つ、追加で決定された連続予告演出の演出種別は、実行中の連続予告演出の演出種別以上の期待度となるように構成する方法も考えられる。しかしながら、この場合は連続予告演出の実行中に始動入賞を検出する毎に、複数の条件を判別して連続予告演出の実行可否や、予告種別を決定するための制御処理を行う必要があるため、処理負荷が増大してしまう可能性があるという問題点がある。
そこで、本第1実施形態では、連続予告演出の実行が決定されてから、当該連続予告演出の終了後、1回の変動表示が終了するまでの間に渡って、新たに連続予告演出の実行可否を判定することが禁止される構成としている。このように構成することで、連続予告演出の実行中に、演出種別が切り替わってしまったり、連続予告演出の開始時における保留球数を超えて連続予告演出が継続してしまうことを抑制することができる。更に、始動入賞時には、予告抽選禁止状態か否かを判定して、予告抽選禁止状態である場合には連続予告演出の実行可否の判定処理をスキップするという単純な制御を行うだけでよいので、パチンコ機10の処理負荷を軽減できる。
また、本第1実施形態では、予告抽選禁止状態が解除されたことを契機として、その時点で保留されている全ての保留球の抽選結果を判別し、当該判別結果に基づいて、連続予告演出の実行可否を判定する構成としている。判別方法の詳細については後述するが、全ての保留球の抽選結果を加味して連続予告演出の実行可否を判別することによって、より期待度の高い保留球が保留されているにも拘わらず、期待度の低い保留球に基づいて連続予告演出の実行が設定されてしまうことを抑制することができる。よって、期待度が低い保留球に連続予告演出が設定されたにも拘わらず、期待度が高い保留球には連続予告演出が設定されないという状況や、連続予告演出の途中で期待度の高い保留球が消化され、連続予告演出の最後の変動表示で期待度の低い保留球が消化されてしまう状況等が発生することを抑制することができる。よって、連続予告演出を好適に実行することができる。
また、本第1実施形態では、予告抽選禁止状態を、連続予告演出の終了後、1回の通常の(予告演出が設定されない)変動表示が終了するまで継続させる構成としている。このように構成することで、連続予告演出が終了してから、次に連続予告演出が開始されるまでに、少なくとも1回の通常の変動表示を実行することができる。これにより、連続予告演出の終了直後に再度連続予告演出が開始されてしまい、連続予告演出が延々と続いてしまうことを抑制防止(抑制)することができる。従って、連続予告演出の実行中に、何れの保留球に対して期待感を抱けば良いのかを分かり易くすることができる。
なお、本第1実施形態では、予告抽選禁止状態が解除された場合に、入賞情報格納エリア223aの各保留エリアに格納されたデータに基づいて論理和データを生成し、当該論理和データに基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、入賞情報コマンドを受信する毎に、論理和データを生成し、RAM223の所定の記憶領域に格納しておく構成としてもよい。このように構成することで、予告抽選禁止状態が解除された場合に論理和データを算出する処理を省略することができるので、予告抽選禁止状態が解除された場合における連続予告演出の実行可否の判別に要する処理負荷を軽減することができる。
本第1実施形態では、連続予告演出の実行が決定された場合に、当該決定の時点で保留されている全ての保留球に渡って連続予告演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、連続予告演出の実行が決定された場合に、更に、連続予告演出を行う保留球の範囲を抽選結果等に応じて決定する構成としてもよい。より具体的には、例えば、最終的に外れが報知される連続予告演出の場合には、予告演出の連続回数が3回以下となるように構成する一方で、最終的に当たりが報知される連続予告演出の場合には、予告演出の連続回数が最大で4回まで許容される構成としてもよい。このように構成することで、予告演出の連続回数にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第1実施形態では、連続予告演出の実行が決定された場合に、当該決定の時点で保留されている全ての保留球に渡る連続予告演出を設定した上で、当該連続予告演出が終了するまで予告抽選禁止状態を設定する構成としていた。即ち、連続予告演出における予告演出の連続回数が一旦決定されると、当該連続回数を増減させない構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、連続予告演出の実行が決定した場合にも、当該連続予告演出の実行中に新たな入賞情報コマンドを受信した場合には、連続予告演出の実行抽選を行う構成としてもよい。即ち、新たな入賞情報に対応する変動表示まで連続予告演出を延長するか否かの抽選(連続予告延長抽選)を実行する構成としてもよい。この場合において、連続予告延長抽選を行うのは、実行中の連続予告演出が最終的に外れを報知する連続予告演出の場合に限る構成としてもよい。このように構成することで、連続予告演出をより多い回数に渡って連続して実行することができるので、遊技者の興趣向上を図ることができる。また、連続予告演出の延長が決定されるのは、新たな始動入賞が当たりの場合のみとしてもよい。このように構成することで、連続予告演出が保留球数の上限値である4を超えた場合には、遊技者に対して連続予告延長抽選に当選したことに加えて、大当たりとなることまでも理解させることができる。よって、連続予告演出の実行中における予告演出の連続回数により注目して遊技を行わせることができる。
本第1実施形態では、各保留エリアの上位6ビットの論理和を算出して連続予告演出の実行判定に用いる構成としていたが、6ビットに限定されるものではなく、パチンコ機10の仕様等に応じて任意に設定して良い。また、各抽選結果に対応する連続予告演出の抽選確率(判定割合)についても、任意に定めて良い。
本第1実施形態では、保留球数が2以上の場合にのみ、連続予告演出を実行可能に構成していたが、これに限られるものではない。保留球数が1個の場合にも、予告演出の実行可否を抽選する構成としてもよい。この場合において、1の変動時間の中で予告演出を伴う第3図柄の変動表示が単発で行われる(即ち、第1図柄の変動時間と第3図柄の変動時間とを一致させる)構成としてもよいし、1の変動時間の中で予告演出を伴う第3図柄の変動表示を複数回実行する(即ち、第1図柄の変動時間よりも短い変動時間の第3図柄の変動表示を複数回実行する)構成としてもよい。
本第1実施形態では、連続予告演出として、第3図柄表示装置81の表示画面内に同一の第3図柄が3つ表示され、且つ、当該3つの第3図柄の停止表示時に第3図柄が燃え上がる態様で表示する予告演出を説明したが、予告演出の態様はこれに限られるものではない。例えば、連続予告演出の実行中は、各変動における所定タイミング(例えば、変動開始時)に同一の(又は態様が類似した)エフェクトが発生する構成としてもよいし、所定タイミング(例えば、変動停止時)に同一の(又は態様が類似した)キャラクタが出現する構成としてもよい。また、ストーリー性のある一連の演出(例えば、敵と戦って勝利することで大当たりが報知される演出や、敵から逃げ切ることができれば大当たりが報知される演出等)を、連続予告演出が設定された全ての変動表示に渡って実行する構成としてもよい。更に、連続予告演出が設定された場合に、必ずしも設定範囲内における全ての変動表示で同系統の予告演出を実行する必要はなく、例えば、予告演出が決定された場合に、当該予告演出の決定に対応する保留球を示す保留図柄の態様を変動終了まで通常とは異なる態様に変更する構成(例えば、保留図柄の色を可変させたり、保留図柄を所定のキャラクタに変更する等)としてもよい。このように構成することで、態様が変更された保留図柄に対応する保留球に基づく変動表示が開始されるよりも前に、当該保留球に対して期待感を抱かせることができる。
本第1実施形態では、連続予告演出が設定されている場合に、各図柄列に表示される互いに同一の数字が付された主図柄が他の第3図柄とは異なる態様(オーラを纏った態様)で表示されるように構成したが、連続予告演出の実行中以外でも、異なる態様に変更する演出を実行してもよい。具体的には、例えば、上図柄列Z1の停止表示時にのみ、1の主図柄を予告演出と同一の態様で表示させ、中図柄列Z2、下図柄列Z3には、態様が変更された主図柄と同一の数字が付された主図柄が停止表示されない演出を実行してもよい。また、上図柄列Z1、および下図柄列Z3の停止表示時に、互いに同一の数字が付された主図柄が予告演出と同一の態様で表示され、中図柄列Z2の停止表示時には、態様が変更された主図柄と同一の数字が付された主図柄が停止表示されない演出を実行してもよい。即ち、途中までは予告演出が設定された場合と同一の演出態様で推移し、途中で予告演出とは異なる演出態様となる演出(所謂、フェイク演出)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、予告演出と異なる演出態様になるまでは、遊技者に対して連続予告演出が開始されたかのように思わせることができるので、連続予告演出の実行抽選に長い期間当選することができなかった場合にも、連続予告演出に対する期待感を抱かせることができる。
本第1実施形態では、変動種別に応じて連続予告演出が決定される割合や、各予告演出の種別の比率が可変する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、変動種別に加えて、大当たり種別に応じても連続予告演出が決定される割合や、各予告演出の種別の比率を可変させる構成としてもよい。このように構成することで、連続予告演出の実行有無や、予告演出の種別に応じて、大当たりとなった場合における大当たり種別を予測させることができるので、遊技者の連続予告演出に対する興趣をより向上させることができる。
本第1実施形態では、予告抽選禁止状態ではない(予告演出禁止フラグ223hがオンである)状態で始動入賞を検出し、入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へと出力されると、必ず予告選択テーブル222bのうち、今回の変動種別に対応する乱数値(演出抽選カウンタ223fの値)の範囲を参照して連続予告演出の実行可否を判定(抽選)する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、今回の始動入賞よりも期待度が高い(遊技者にとって有利な抽選結果の)保留球が既に保留されている場合には、連続予告演出を抽選しないように構成してもよい。仮に、今回の始動入賞よりも期待度が高い保留球が既に保留されている状態で連続予告演出を決定してしまうと、連続予告演出の途中で期待度が高い変動表示が実行された後で、連続予告演出の最後の変動表示において、期待度が比較的低い変動表示が実行されてしまう状況が発生する。つまり、期待度が尻すぼみの演出となってしまう虞がある。これに対して、期待度が高い保留球が既に保留されている場合には、連続予告演出の抽選自体を実行しない構成とすることで、期待度が尻すぼみとなることを防止(抑制)できるので、連続予告演出の最後に実行される変動表示により大きな期待感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第1実施形態では、連続予告演出が終了してから変動が1回終了した場合に予告抽選禁止状態を解除する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、連続予告演出の最後の変動表示が終了した時点で予告抽選禁止状態を解除する構成としてもよい。
本第1実施形態では、予告抽選禁止状態ではない状態で始動入賞を検出した場合に、制限無く連続予告演出の実行可否の判定を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、保留内に大当たりが既に含まれている場合には、連続予告演出の実行可否の判定を回避するように構成してもよい。これにより、連続予告演出の途中で大当たりとなり、連続予告演出が途切れてしまうことを抑制できる。また、例えば、保留第1エリアに大当たりの抽選結果が保留されている場合には、連続予告演出の実行可否の判定を回避するように構成してもよい。このように構成することで、新たな始動入賞を検出した時点で保留内に大当たりが既に存在していたとしても、当該大当たりが報知されるまでの間に、少なくとも2回の予告演出を伴う変動表示を実行することができる。即ち、予告演出を伴う変動表示が1回のみ実行されて大当たりが報知されることを抑制できる。よって、連続予告演出が、大当たりを報知するために実行されたのだと遊技者に思わせることができるので、演出が不自然となってしまうことを抑制できる。この場合において、大当たりとなった時点で連続予告演出の設定をリセットし、大当たりが終了したタイミングで、保留されている各保留球の抽選結果(変動種別)に基づいて連続予告演出の実行可否の判定を行う構成としてもよい。
<第2実施形態>
次に、図52から図59を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、始動入賞を検出する毎に、当該始動入賞に基づいて取得された各種カウンタ値(乱数値)から特別図柄の抽選結果(当否や変動パターン等)を先読みして、音声ランプ制御装置113に対して先読み結果を入賞情報コマンドによって通知する構成としていた。そして、音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドにより通知された先読み結果に基づいて、連続予告演出の実行判定を行う構成としていた。また、第1実施形態では、連続予告演出の実行が決定された時点で、予告抽選禁止状態を設定することにより、連続予告演出が重複して決定されることを防止(抑制)する構成としていた。そして、予告抽選禁止状態が解除された場合に、その解除時点で入賞情報格納エリア223aの各保留エリアに格納されているデータの論理和を算出し、当該論理和に基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成としていた。即ち、論理和データに基づいて、保留球の中に連続予告演出の実行可否の判定対象となる変動種別の保留球が含まれているか、および現状の保留球の中で最も期待度の高い変動種別は何であるかを判定する構成としていた。そして、連続予告演出の実行可否の判定対象となる変動種別が含まれている場合には、最も期待度が高い変動種別に対応する判定割合(抽選確率)で連続予告演出の実行可否を判定(抽選)する構成としていた。
これに対して第2実施形態では、変動種別に応じてポイントを設定しておき、入賞情報格納エリア223aに格納されている1または複数のデータに対応するポイントの合計値を把握可能に構成した。そして、予告抽選禁止状態の間は、新たな入賞情報コマンドを受信する毎に、ポイントの合計を更新する構成とし、予告抽選禁止状態が解除された場合には、ポイントの合計値に基づいて保留球に含まれる変動種別を把握して連続予告演出の実行可否の判定を行う構成としている。
また、本第2実施形態では、主制御装置110において始動入賞を検出したことに基づいて各種カウンタ値を取得した場合に、その取得した各種カウンタ値が属する値の範囲を判別して、判別した値の範囲を音声ランプ制御装置113に対して通知する構成としている。即ち、第2実施形態における主制御装置110は、先読みを行わないで、取得した値の範囲のみを判別する構成としている。そして、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から入賞情報コマンドに変えて出力される乱数範囲コマンドによって通知された乱数値(カウンタ値)の範囲に基づいて、各種カウンタ値の範囲を判別し、音声ランプ制御装置113側で先読みを実行する構成とした。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第2実施形態における電気的構成>
まず、図52を参照して、第2実施形態における主制御装置110のROM202の構成について説明する。図52(a)は、本第2実施形態における主制御装置110のROM202の構成を示したブロック図である。図52(a)に示した通り、本第2実施形態のROM202は、第1実施形態におけるROM202の構成(図9(a)参照)に加えて、乱数範囲選択テーブル202eが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1実施形態と同一なので、その詳細な説明については省略する。
乱数範囲選択テーブル202eは、第1入球口64に対する始動入賞に基づいて取得された各種カウンタ値(乱数値)が属する値の範囲を特定するために参照されるデータテーブルである。始動入賞時は、各種カウンタ値と、この乱数範囲選択テーブル202eとが比較されて、カウンタ値(乱数値)の属する値の範囲が特定される(図55のS412参照)。特定されたカウンタ値(乱数値)の値の範囲は、乱数範囲コマンドにより音声ランプ制御装置113に対して出力される(図55のS413参照)。
この乱数範囲選択テーブル202eの詳細について、図52(b),(c)を参照して説明する。図52(b)は、乱数範囲選択テーブル202eの構成を示したブロック図である。図52(b)に示した通り、乱数範囲選択テーブル202eは、第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲を特定するための当たり乱数範囲テーブル202e1と、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲を特定するための当たり種別範囲テーブル202e2と、変動種別カウンタCS1の値の範囲を特定するための変動種別範囲テーブル202e3とで少なくとも構成されている。
図52(c)を参照して、乱数範囲選択テーブル202eを構成する各テーブルのうち、当たり乱数範囲テーブル202e1を例にとって、乱数範囲選択テーブル202eを構成する各テーブルの規定内容の概要について説明する。
図52(c)に示した通り、当たり乱数範囲テーブル202e1には、乱数値(カウンタ値)の範囲を示すデータ(範囲パラメータ)と、第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲とが対応付けて規定されている。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値「0」(即ち、特別図柄の低確率状態、および確変状態における大当たり乱数)に対しては、範囲パラメータ「00H」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲「1〜9」(即ち、特別図柄の確変状態における大当たり乱数)に対しては、範囲パラメータ「01H」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲「10〜49」に対しては、範囲パラメータ「02H」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲「50〜99」に対しては、範囲パラメータ「03H」が対応付けて規定され、第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲「100〜149」に対しては、範囲パラメータ「04H」が対応付けて規定されている。以降も、乱数値の値の範囲が50個毎に、異なる範囲パラメータの値が対応付けて規定されている。
この当たり乱数範囲テーブル202e1を参照して、例えば、始動入賞に基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1の値が「60」であれば、第1当たり乱数カウンタC1の値が属する範囲が「50〜99」であるため、今回の乱数値の範囲を示す範囲パラメータとして、「03H」が特定される。また、例えば、取得された第1当たり乱数カウンタC1の値が「375」であれば、第1当たり乱数カウンタC1の値が属する範囲が「350〜399」であるため、今回の乱数値の範囲を示す範囲パラメータとして、「09H」が特定される。
なお、各範囲には、同一の判定結果に対応する判定値のみが規定されている。つまり、範囲パラメータ「00H」に対応する範囲には、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される判定値のみが規定されている。また、範囲パラメータ「01H」に対応する範囲には、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される判定値のみが規定されている。また、範囲パラメータ「02H」〜「09H」に対応する範囲には、外れと判定される判定値のみが規定されている。このように、各範囲を同種の判定値のみで構成することで、各範囲と、判定結果とを一対一対応にすることができる。つまり、1の範囲の中に複数の判定結果に対応する判定値が混在してしまい、範囲が特定されたとしても当該範囲のカウンタ値(乱数値)を用いた判定結果を特定できなくなってしまうことを抑制することができる。よって、当たり乱数範囲テーブル202e1を参照して特定され、通知された範囲パラメータに基づいて、音声ランプ制御装置113側で正確に先読み処理を実行することができる。
なお、図示については省略したが、乱数範囲選択テーブル202eを構成する他のテーブル(当たり種別範囲テーブル202e2、変動種別範囲テーブル202e3)についても同様に、第1当たり種別カウンタC2、または変動種別カウンタCS1の値の範囲と、範囲パラメータの値とが対応付けて規定されている。また、各テーブルに設定されている複数の範囲は、全て同一の判定結果に対応する判定値のみで構成されている。
上述した通り、当たり乱数範囲テーブル202e1等の、乱数範囲選択テーブル202eに規定された各データテーブルを参照して特定された範囲パラメータは、乱数範囲コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して出力される。音声ランプ制御装置113では、乱数範囲コマンドによって通知された各種カウンタ値(乱数値)が属する値の範囲に基づいて、各種抽選結果(特別図柄の抽選結果、大当たり種別、変動パターン)を先読みする。なお、詳細については後述するが音声ランプ制御装置113のROM222には、乱数範囲コマンドによって通知され得る各種カウンタ値(乱数値)の範囲と、各種カウンタ値に基づく抽選結果とが対応付けて規定されたデータテーブルが設けられている。音声ランプ制御装置113は、乱数範囲コマンドを受信すると、各データテーブルに基づいて、カウンタの種別毎に抽選結果の先読みを行う。
このように、始動入賞に基づいて取得された各種カウンタ値(乱数値)の値が属する範囲を音声ランプ制御装置113に対して出力し、音声ランプ制御装置113側で、受信した各種カウンタ値(乱数値)の値が属する範囲と、抽選結果との対応関係を規定したデータテーブルに基づいて先読みを実行する構成とすることにより、主制御装置110側の処理負荷を軽減することができる。即ち、始動入賞を検出した場合に、主制御装置110では、各種データテーブルに規定された乱数値1つ1つと今回取得したカウンタ値とを比較して抽選結果を先読みする処理を実行する必要がなく、乱数範囲選択テーブル202eに規定された値の範囲と、今回取得したカウンタ値とを比較するだけで済む。よって、大当たりの抽選や、第1図柄の表示態様の更新等、遊技に関する主要な制御を行う主制御装置110において、処理負荷の軽減を図ることにより、遊技に関する主要な制御を確実に遅滞なく実行することができる。また、始動入賞に基づいて取得したカウンタ値(乱数値)そのものを音声ランプ制御装置113に対して出力するのでなく、カウンタ値(乱数値)が属する値の範囲に変換して音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としているので、不正に乱数範囲コマンドを外部から取得されたとしても、その不正に取得された乱数範囲コマンドから大当たりとなる乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を予測され難くすることができる。よって、不正行為に対する抑止効果を高めることができる。また、音声ランプ制御装置113側では、通知されたカウンタ値(乱数値)の範囲に基づいて、各種カウンタに対応する先読み処理を実行することができるので、主制御装置110において特別図柄変動開始処理(図23参照)の中で実行される各種抽選により近い条件で先読みを実行することができる。よって、音声ランプ制御装置113において、より正確に先読み結果を把握することができる。
次に、図53、図54を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223について説明する。まず、図53(a)は、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を示したブロック図である。図53(a)に示した通り、第2実施形態におけるROM222は、上述した第1実施形態におけるROM222の構成(図12(a)参照)に対して、ポイント選択テーブル222cと、従当たり乱数テーブル222dと、従当たり種別テーブル222eと、従変動種別テーブル222fと、解除時用選択テーブル222gとが少なくとも追加されている。
ポイント選択テーブル222cは、先読みにより特定された変動種別に応じたポイントを特定するために参照されるデータテーブルである。予告抽選禁止状態の間は、先読みによって変動種別が特定される毎に、このポイント選択テーブル222cが参照されてポイントの合計値が更新される。
このポイント選択テーブル222cの詳細について、図54(a)を参照して説明する。図54(a)は、ポイント選択テーブル222cの規定内容を示した図である。図54(a)に示した通り、このポイント選択テーブル222cには、変動種別毎に、ポイントが対応付けて規定されている。
具体的には、図54(a)に示した通り、変動種別が「スペシャルリーチ当たり」に対しては、「30ポイント」が対応付けて規定され(図54(a)の222c1参照)、変動種別が「スーパーリーチ当たり」、および「ノーマルリーチ当たり」に対しては、「5ポイント」が対応付けて規定され(図54(a)の222c2,222c3参照)、「スペシャルリーチ外れ」、「スーパーリーチ外れ」、「ノーマルリーチ外れ」に対しては、「1ポイント」が対応付けて規定されている(図54(a)の222c4〜222c6参照)。一方、その他の変動種別(「長外れ」、「短外れ」)に対しては、「0ポイント」が対応付けて規定されている(図54(a)の222c7参照)。
本第2実施形態では、予告抽選禁止状態において、乱数範囲コマンドに基づいて先読みにより変動種別を特定すると、このポイント選択テーブル222cが参照されて、今回の先読み結果に対応するポイントが特定される。特定されたポイントは、後述するポイント格納エリア223mに対して加算される。これにより、予告抽選禁止状態において、常に、全ての保留球に応じたポイントを先読みと同時に更新して行くことができる。
図53(a)に戻って説明を続ける。従当たり乱数テーブル222d、従当たり種別テーブル222e、および従変動種別テーブル222fは、それぞれ乱数範囲コマンドにより主制御装置110から出力された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1のそれぞれが属する値の範囲に基づいて、特別図柄の当否、大当たり種別、および変動パターンを先読みするために参照されるデータテーブルである。これらの各テーブルの構成について、従当たり乱数テーブル222dを例にとって、図54(b)を参照して説明する。
図54(b)は、従当たり乱数テーブル222dの規定内容を示した図である。図54(b)に示した通り、この従当たり乱数テーブル222dには、遊技状態(特別図柄の低確率状態、高確率状態)毎に、特別図柄の大当たりと判定される乱数値の範囲(範囲パラメータ)が対応付けて規定されている。具体的には、図54(b)に示した通り、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値の範囲(範囲パラメータ)として、「00H」が対応付けて規定され(図54(b)の222d1参照)、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値の範囲(範囲パラメータ)として、「00H,01H」が対応付けて規定されている(図54(b)の222d2参照)。
なお、図示については省略したが、他のデータテーブル(従当たり種別テーブル222e、従変動種別テーブル222f)についても同様に、第1当たり種別カウンタC2、または変動種別カウンタCS1に対応する範囲パラメータの値と、決定される大当たり種別、または変動パターンとが対応付けて規定されている。
音声ランプ制御装置113は、乱数範囲コマンドを受信すると、コマンドにより通知された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1のそれぞれに対応する範囲パラメータを抽出し、抽出した各範囲パラメータの値と、従当たり乱数テーブル222d、従当たり種別テーブル222e、従変動種別テーブル222fとを比較して特別図柄の抽選結果、大当たり種別、および変動パターンの先読みを実行する。通知されたカウンタ値(乱数値)の範囲に基づいて、各種カウンタに対応する先読み処理を実行することができるので、主制御装置110において特別図柄変動開始処理(図23参照)の中で実行される各種抽選により近い条件で先読みを実行することができる。よって、音声ランプ制御装置113において、より正確に先読み結果を把握することができる。先読み処理が終了すると、第1実施形態と同様に、連続予告演出の実行可否が判定される。また、予告抽選禁止状態においては、連続予告演出の実行可否の判定に代えて、先読みにより特定された変動種別に応じたポイントを、ポイント選択テーブルを参照して特定し、ポイント格納エリア223mのデータを更新する処理を行う。
図53(a)に戻って説明を続ける。解除時用選択テーブル222gは、予告抽選禁止状態が解除された場合において、連続予告演出の抽選を行う際に参照されるデータテーブルである。予告抽選禁止状態が解除された場合には、ポイント格納エリア223mに格納されたポイントを保留球数で割ったポイントの平均値と、この解除時用選択テーブル222gとを比較することにより、連続予告演出の実行可否を判定する。
ここで、図54(c)を参照して、解除時用選択テーブル222gの詳細について説明する。図54(c)は、解除時用選択テーブル222gの規定内容を示した図である。図54(c)に示した通り、解除時用選択テーブル222gには、ポイント格納エリア223mに格納されているポイントの平均値の範囲毎に、連続予告演出の実行が決定される演出抽選カウンタ223fの値の範囲がそれぞれ規定されている。
具体的には、図54(c)に示した通り、ポイントの平均値(A)が5より大きい値の場合には、予告演出Aに対応する演出抽選カウンタ223fの値の範囲として、「0〜19」が対応付けて規定され、予告演出Bに対応する演出抽選カウンタ223fの値の範囲として、「20〜49」が対応付けて規定され、予告演出Cに対応する演出抽選カウンタ223fの値の範囲として、「50〜59」が対応付けて規定されている(図54(c)の222g1参照)。
また、ポイントの平均値(A)が5以下で、且つ、1より大きい値の場合には、予告演出Aに対応する演出抽選カウンタ223fの値の範囲として、「0〜4」が対応付けて規定され、予告演出Bに対応する演出抽選カウンタ223fの値の範囲として、「5〜19」が対応付けて規定され、予告演出Cに対応する演出抽選カウンタ223fの値の範囲として、「20〜29」が対応付けて規定されている(図54(c)の222g2参照)。また、ポイントの平均値(A)が1以下の値の場合には、予告演出Aに対応する演出抽選カウンタ223fの値の範囲として、「0〜8」が対応付けて規定され、予告演出Bに対応する演出抽選カウンタ223fの値として、「9」が対応付けて規定されている(図54(c)の222g3参照)。この解除時用選択テーブル222gにより、予告抽選禁止状態が解除された場合に、ポイントの平均値に応じた抽選確率(判定割合)で連続予告演出の実行可否を抽選(判定)することができる。
次に、図53(b)を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。本第2実施形態におけるRAM223では、上述した第1実施形態におけるRAM223の構成(図12(b)参照)に対して、ポイント格納エリア223mが追加されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態におけるRAM223の構成と同一なので、その詳細な説明については省略する。
ポイント格納エリア223mは、保留されている各保留球の変動種別に対応するポイントの合計値を、予告抽選禁止状態の間に格納し、更新するための記憶領域である。このポイント格納エリア223mには、連続予告演出の実行が決定された時点で、保留されている全ての保留球に応じた変動種別をポイントに変換した値の合計値が格納される(図57のS4713参照)。このポイント格納エリア223mに格納されたポイントは、新たな始動入賞に基づいて乱数範囲コマンドを受信し、当該コマンドにより通知された乱数値(カウンタ値)の範囲に基づいて先読み処理を実行する毎に、先読みにより特定された変動種別に対応するポイントが加算されて更新される(図57のS4705参照)。また、予告抽選禁止状態の間に新たな変動表示を開始させる場合に、当該開始させる変動表示の変動種別に対応するポイントが減算されて更新される(図59のS4613参照)。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図55を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。図55は、本第2実施形態における始動入賞処理2(S111)を示すフローチャートである。この始動入賞処理2(S111)は、第1実施形態における始動入賞処理(図24参照)に代えて実行される処理であり、始動入賞処理(図24参照)と同様に、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴って実行される処理である。
この第2実施形態における始動入賞処理2(図55参照)のうち、S401〜S406の各処理では、それぞれ第1実施形態における始動入賞処理(図24参照)のS401〜S406の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2実施形態における始動入賞処理2(図55参照)では、S406の処理が終了すると、次に、乱数範囲選択テーブル202e(図52(b)参照)を読み出して(S411)、読み出した乱数範囲選択テーブル202eと、取得した各種カウンタ値(乱数値)とを比較することにより各カウンタ値(乱数値)が属する値の範囲(範囲パラメータ)を特定する(S412)。次に、特定したカウンタ値(乱数値)が属する値の範囲(範囲パラメータ)を通知するための乱数範囲コマンドを設定して(S413)、本処理を終了する。
ここで設定された乱数範囲コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、乱数範囲コマンドを受信すると、その乱数範囲コマンドから各種カウンタ値(乱数値)に対応する範囲パラメータを抽出し、ROM222の従当たり乱数テーブル222d、従当たり種別テーブル222e、従変動種別テーブル222fと比較することで今回の始動入賞に基づく抽選結果を先読みする。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図56から図59を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。まず、図56のフローチャートを参照して、本第2実施形態におけるコマンド判定処理2(S4121)について説明する。このコマンド判定処理2(4121)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図33参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図33参照)と同様に、主制御装置110から受信したコマンドを判定して、対応する制御を実行するための処理である。
この第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図56参照)のうち、S4201〜S4210、S4213、S4215、およびS4216の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図33参照)のS4201〜S4210、S4213、S4215、およびS4216の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図56参照)では、S4209の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合に(S4209:No)、次いで、乱数範囲コマンドを受信したか判別し(S4221)、乱数範囲コマンドを受信したと判別した場合は(S4221:Yes)、乱数範囲コマンドによって通知された、各種カウンタ値が属する値の範囲(範囲パラメータ)に基づいて先読みを行うための乱数範囲コマンド処理を実行し(S4222)、本処理を終了する。この乱数範囲コマンド処理(S4222)の詳細については、図57を参照して後述する。
一方、S4221の処理において、乱数範囲コマンド処理を受信していないと判別した場合は(S4221:No)、S4213の処理へ移行する。このS4213の処理において、主制御装置110から停止コマンドを受信したと判別した場合は(S4213:Yes)、第1実施形態における停止コマンド処理(図35参照)に代えて、停止コマンド処理2を実行し(S4223)、処理をS4215へと移行する。この停止コマンド処理2(S4223)の詳細については、図58を参照して後述する。
次に、図57を参照して、上述したコマンド判定処理2(図56参照)の中で乱数範囲コマンドを受信した場合に実行される乱数範囲コマンド処理(S4222)の詳細について説明する。この乱数範囲コマンド処理(S4222)は、上述した通り、乱数範囲コマンドによって通知された範囲パラメータに基づいて先読みを行うための処理である。
この乱数範囲コマンド処理(図57参照)では、まず、乱数範囲コマンドにより通知されたカウンタ種別毎の範囲パラメータを、従当たり乱数テーブル222d、従当たり種別テーブル222e、および従変動種別テーブル222fとそれぞれ比較する(S4701)。即ち、第1当たり乱数カウンタC1に対応する範囲パラメータを従当たり乱数テーブル222dと、第1当たり種別カウンタC2に対応する範囲パラメータを従当たり種別テーブル222eと、変動種別カウンタCS1に対応する範囲パラメータを従変動種別テーブル222fと、それぞれ比較することにより、抽選結果を先読みする。そして、S4701の処理による先読み結果を、入賞情報格納エリア223aの空きエリアに格納する(S4702)。
次いで、予告演出禁止フラグ223hがオンであるかを判別して(S4703)、予告演出禁止フラグ223hがオンであると判別した場合は(S4703:Yes)、予告抽選禁止状態であるので、ポイント格納エリア223mに格納されているポイントを更新するための処理を実行する。具体的には、ポイント選択テーブル222cを読み出す(S4704)。そして、S4701の処理による先読み結果に対応するポイントを、ポイント選択テーブル222cから読み出して、その読み出したポイントをポイント格納エリア223mに格納された値に加算し(S4705)、本処理を終了する。
一方、S4703の処理において、予告演出禁止フラグ223hがオフであると判別した場合は(S4703:No)、次いで、保留球数が2以上であるかを判別する(S4706)。即ち、連続予告演出の実行に必要な最低限の保留球が保留されているかを判別する。S4706の処理において、保留球数が1以下であると判別した場合は(S4706:No)、連続予告演出の実行に必要な最低限の保留球に満たないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。これに対し、S4706の処理において、保留球数が2以上であると判別した場合は(S4706:Yes)、連続予告演出の実行に必要な最低限の保留球が保留されていることを意味するので、今回の乱数範囲コマンドにより通知された範囲パラメータから特定された変動種別に基づいて連続予告演出の実行可否を判定するための処理を実行する。
具体的には、まず、予告選択テーブル222b(図13参照)を読み出して(S4707)、今回の先読みにより特定された変動種別と、演出抽選カウンタ223fの値とを読み出した予告選択テーブル222bと比較することにより、連続予告演出の実行可否を判定する(S4708)。次いで、S4708の判定で、連続予告演出の実行に対応する判定結果となったかを判別し(S4709)、連続予告演出を実行しない場合は(S4709:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4709の処理において、連続予告演出を実行すると判別した場合は(S4709:Yes)、まず、予告選択テーブル222bから特定された予告演出の演出種別に応じて、予告種別フラグ223kを更新する(S4710)。次に、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を読み出して(S4711)、読み出したカウンタ値を予告回数カウンタ223iの値として設定する(S4712)。次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されている各保留球の抽選結果(変動種別)に対応するデータと、ポイント選択テーブル222cとを比較することにより、各保留球の変動種別をポイントに変換する(S4713)。そして、ポイントの合計値をポイント格納エリア223mに格納し(S4714)、予告演出禁止フラグ223hをオンに設定して(S4715)、本処理を終了する。
この乱数範囲コマンド処理(図57参照)により、乱数範囲コマンドで通知された範囲パラメータに基づいて正確に先読み処理を実行することができる。
次に、図58を参照して、上述した停止コマンド処理2(S4223)の詳細について説明する。この停止コマンド処理2(S4223)は、上述した通り、第1実施形態における停止コマンド処理(図35参照)に代えて実行される処理である。
この第2実施形態における停止コマンド処理2(S4223)のうち、S4401〜S4404、S4411,S4412,S4414、およびS4415の各処理では、それぞれ第1実施形態における停止コマンド処理(図35参照)のS4401〜S4404,S4411,S4412,S4414、およびS4415の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における停止コマンド処理2(S4223)では、S4404の処理が終了すると、次いで、ポイント格納エリア223mに格納されているポイントを読み出して(S4421)、読み出したポイントが0であるかを判別する(S4422)。S4422の処理において、読み出したポイントが0であると判別した場合は(S4422:Yes)、保留されている保留球の中に、連続予告演出の実行可否の判定対象となる保留球が含まれていないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。一方、S4422の処理において、読み出した値が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S4422:No)、連続予告演出の実行可否の判定対象となる変動種別に対応する保留球が少なくとも1個保留されていることを示すので、まず、ポイント格納エリア223mから読み出したポイントを保留球数(特別図柄保留球数カウンタ223bの値)で割った平均値(A)を算出する(S4423)。
次いで、S4423の処理で算出した平均値(A)と、解除時用選択テーブル222g(図54(c)参照)とを比較することにより、連続予告演出の実行可否を判定して(S4424)、処理をS4411へと移行する。
また、本第2実施形態における停止コマンド処理2(図58参照)では、S4412の処理が終了すると、平均値の範囲に対応する期待度の保留球に対応するデータが格納されている保留エリアを、入賞情報格納エリア223aにおける保留第4エリアから順に検索し(S4425)、処理をS4414へと移行する。例えば、平均値(A)が1以下であれば、保留球の中にスペシャルリーチ外れ、スーパーリーチ外れ、ノーマルリーチ外れのうち、いずれかが少なくとも1つ含まれていることを意味するので、保留第4エリアから順に、リーチを伴う外れに対応する変動種別に対応するデータが格納されている保留エリアを検索する。
また、本第2実施形態における停止コマンド処理2(図58参照)では、S4415の処理が終了すると、ポイント格納エリア223mに格納されているポイントを0にリセットして(S4426)、本処理を終了する。
次に、図59を参照して、本第2実施形態における予告演出設定処理2(S4521)の詳細について説明する。図59は、この予告演出設定処理2(S4521)を示したフローチャートである。この予告演出設定処理2(S4521)は、第1実施形態における予告演出設定処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における予告演設定処理(図37参照)と同様に、今回の変動パターンコマンドに基づいて開始させる変動表示に連続予告演出が設定されているかを判別し、設定されていれば予告演出を設定するための処理である。
この第2実施形態における予告演出設定処理2(図59参照)のうち、S4601〜S4607の各処理では、それぞれ第1実施形態における予告演出設定処理(図37参照)のS4601〜S4607の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における予告演出設定処理2(図59参照)では、S4604、又はS4607の処理が終了すると、次いで、ポイント選択テーブル222cを読み出して(S4611)、読み出したテーブルから今回実行を開始する変動表示の変動種別に対応するポイントを特定する(S4612)。そして、S4612の処理で特定したポイントをポイント格納エリア223mに格納されている値から減算することにより更新して(S4613)、本処理を終了する。この予告演出設定処理2(図59参照)を実行することにより、ポイント格納エリア223mに格納されているポイントを、常に、保留されている保留球のポイントの合計値に維持することができる。
以上説明した通り、第2実施形態におけるパチンコ機10では、変動種別に応じてポイントを設定しておき、入賞情報格納エリア223aに格納されている1または複数のデータに対応するポイントの合計値を把握可能に構成した。そして、予告抽選禁止状態の間は、新たな入賞情報コマンドを受信する毎に、ポイントの合計を更新する構成とし、予告抽選禁止状態が解除された場合には、ポイントの合計値に基づいて保留球に含まれる変動種別を把握して連続予告演出の実行可否の判定を行う構成としている。このように構成することにより、ポイントの値から連続予告演出の実行可否の判定対象となる変動種別に対応する保留球が保留されているかや、実行可否の判定対象となる変動種別の種類等を容易に判別することができる。また、予告抽選禁止状態が解除されてから、全ての保留球の変動種別を1つ1つ判別して、その判別結果に応じて連続予告演出の実行可否の判定を行う構成とする場合に比較して、処理負荷を軽減することができる。
また、本第2実施形態では、主制御装置110において始動入賞を検出したことに基づいて各種カウンタ値を取得した場合に、その取得した各種カウンタ値が属する値の範囲を判別して、判別した値の範囲に対応する範囲パラメータを音声ランプ制御装置113に対して通知する構成としている。即ち、第2実施形態における主制御装置110は、先読みを行わないで、取得した値の範囲のみを判別する構成としている。そして、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から出力される乱数範囲コマンドによって通知された範囲パラメータの値に基づいて、各種カウンタ値の範囲を判別し、音声ランプ制御装置113側で先読みを実行する構成としている。このように構成することで、始動入賞を検出した場合に、主制御装置110では、各種データテーブルに規定された乱数値1つ1つと今回取得したカウンタ値とを比較して抽選結果を先読みする処理を実行する必要がなく、乱数範囲選択テーブル202eに規定された値の範囲と、今回取得したカウンタ値とを比較するだけで済むので、処理負荷を軽減することができる。よって、大当たりの抽選や、第1図柄の表示態様の更新等、遊技に関する主要な制御を行う主制御装置110において、処理が重くなってしまうことを抑制できるので、遊技に関する主要な制御を確実に遅滞なく実行することができる。また、始動入賞に基づいて取得したカウンタ値(乱数値)そのものを音声ランプ制御装置113に対して出力するのでなく、カウンタ値(乱数値)が属する値の範囲に変換して音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としているので、不正に乱数範囲コマンドを外部から取得されたとしても、その不正に取得された乱数範囲コマンドから大当たりとなる乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を予測され難くすることができる。よって、不正行為に対する抑止効果を高めることができる。また、音声ランプ制御装置113側では、通知されたカウンタ値(乱数値)の範囲に基づいて、各種カウンタに対応する先読み処理を実行することができるので、主制御装置110において特別図柄変動開始処理(図23参照)の中で実行される各種抽選により近い条件で先読みを実行することができる。よって、音声ランプ制御装置113において、より正確に先読み結果を把握することができる。
なお、本第2実施形態では、新たな始動入賞を検出した場合に取得された各種カウンタ値を、範囲パラメータに変換して乱数範囲コマンドにより音声ランプ制御装置113に通知する構成としていたが、必ずしも範囲パラメータに変換する必要はない。例えば、各種カウンタ値(乱数値)が取り得る値の個数と、同数の変換パラメータを用意しておき、各種カウンタ値が取り得る各値と、変換パラメータの値とが一対一対応となるように設定する構成としてもよい。そして、始動入賞に基づいて各種カウンタ値が取得された場合には、各種カウンタ値を変換パラメータの値に変換して音声ランプ制御装置113に通知する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置113側には、変換パラメータと抽選結果との対応関係を規定した各種のデータテーブルを設ける構成としてもよい。このように構成することで、主制御装置110側で実行する各種の抽選により近い条件で、音声ランプ制御装置113側で抽選結果を先読みすることができるので、先読みをより正確に実行することができる。
本第2実施形態では、始動入賞に基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、および変動種別カウンタCS1が属する値の範囲を乱数範囲選択テーブル202eにより特定して、その特定した範囲を乱数範囲コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知する構成としていたが、本制御の対象となるカウンタの種別はこれに限られず、任意に定めてもよい。
本第2実施形態では、始動入賞に基づいて取得された各種カウンタ値が属する範囲を特定して、音声ランプ制御装置113に対して乱数範囲コマンドにより通知する構成としていたが、範囲以外の情報を通知する構成としてもよい。例えば、始動入賞時に各種カウンタ値と比較するテーブルとして、乱数値と、抽選結果とが対応付けられて規定されたデータテーブルをカウンタ値の分だけ用意しておき、始動入賞に基づいて各種カウンタ値に対応する抽選結果を特定し、コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側の処理負荷を軽減することができる。また、この場合において、始動入賞時に各種カウンタ値の抽選結果を特定するために参照する専用のデータテーブルを設ける必要は無く、変動開始時に特別図柄の抽選等を実行するために用いるデータテーブルを共用で用いる構成としてもよい。
<第3実施形態>
次に、図60から図63を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、予告抽選禁止状態が解除された場合に、その解除時点で入賞情報格納エリア223aに格納されているデータの論理和を算出し、算出した論理和データに基づいて保留球に含まれる変動種別を判別する構成としていた。そして、判別された変動種別に基づいて、連続予告演出の実行可否を判定する構成としていた。
これに対して第3実施形態では、予告抽選禁止状態の間は、全ての保留球に基づく抽選結果のうち、最も期待度が高い抽選結果(変動種別)の種類と、その期待度が高い抽選結果に対応する保留球が保留されている保留エリアとを記憶しておくことが可能に構成している。この記憶しておいた情報は、入賞情報コマンドによって新たな始動入賞に基づく先読み結果が通知される毎に更新される。即ち、新たな始動入賞に基づく抽選結果(変動種別)の種類と、既に記憶しておいた最も期待度が高い抽選結果の種類とを比較して、新たな抽選結果が示す期待度が、既に記憶されている中で最も期待度の高い抽選結果が示す期待度よりも高ければ、新たな入賞情報に基づく抽選結果の種類と、新たな入賞情報が格納された保留エリアの位置とを上書きする構成としている。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態における電気的構成>
次に、図60を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223について説明する。図60(a)は、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を示したブロック図である。図60(a)に示した通り、本第3実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図12(b)参照)に加えて、高期待度種別フラグ223nと、高期待度位置格納エリア223pとが設けられている点で相違している。
高期待度種別フラグ223nは、保留されている各保留球に対応する各抽選結果(変動種別)のうち、最も期待度が高い抽選結果(変動種別)の種類(種別)を示すフラグである。予告抽選禁止状態が解除された場合には、この高期待度種別フラグ223nの状態に基づいて、連続予告演出の実行可否の判定対象となる変動種別が保留されているか否かが判別される(図62のS4432参照)。この高期待度種別フラグ223nの状態と、期待度との対応関係について、図60(b)を参照して詳しく説明する。
図60(b)は、高期待度種別フラグ223nの状態(値)と、期待度との対応関係を説明するための説明図である。図60(b)に示した通り、高期待度種別フラグ223nは、00H〜04Hの5種類の状態が設定され得る構成となっている。図60(b)に示した通り、高期待度種別フラグ223nの値「00H」は、期待度が最も低い変動種別である「長外れ」、および「短外れ」に対応しており、「01H」は、期待度が2番目に低い(4番目に高い)変動種別である「ノーマルリーチ外れ」に対応している。また、高期待度種別フラグ223nの値「02H」は、期待度が3番目に低い(3番目に高い)変動種別である「スーパーリーチ外れ」に対応しており、「03H」は、期待度が2番目に高い(4番目に低い)変動種別である「スペシャルリーチ外れ」に対応している。
そして、高期待度種別フラグ223nの値「04H」は、期待度が最も高い「各種当たり」(スペシャルリーチ当たり、スーパーリーチ当たり、ノーマルリーチ当たり)に対応している。即ち、本第3実施形態では、抽選結果が大当たりの場合は変動種別に関係なく、同一の期待度に設定する構成としている。これは、連続予告演出の途中で大当たりとなり、連続予告演出が中断されてしまうことを抑制する趣旨である。つまり、大当たりの変動種別に期待度の差をつける構成とした場合、先に期待度が低い変動種別の大当たりに対応する始動入賞が発生し、その後に期待度が高い変動種別の大当たりに対応する始動入賞が発生した場合に、期待度が高い変動種別の大当たりに基づいて高期待度種別フラグ223n、および後述する高期待度位置格納エリア223pが更新されてしまう場合がある。つまり、予告抽選禁止状態が解除された時点で大当たりに対応する保留球が複数保留されている場合において、時間的に後で検出された始動入賞に基づく大当たり保留が、連続予告演出の実行可否の判定の対象となってしまう可能性がある。この場合に連続予告演出の実行が決定されると、時間的に後で検出された始動入賞に基づく大当たりの変動表示までに渡って連続予告演出が実行されるので、時間的に先に検出され足し導入賞に基づく大当たりの変動表示でも予告演出が設定されてしまう。よって、当該先に変動が開始される変動表示後に大当たりとなるので、その大当たりを報知するために連続予告演出が実行されたかのように遊技者に誤解させてしまう可能性がある。よって、本第3実施形態では、大当たりに対応する変動種別に期待度の差をつけない構成とし、既に大当たりに対応する保留球が存在する状態で、新たに大当たりに対応する始動入賞を検出したとしても、高期待度種別フラグ223n、および後述する高期待度位置格納エリア223pが当該新たな始動入賞に対応する変動種別に基づいて更新されないように構成した。これにより、連続予告演出の途中で大当たりとなり、大当たり後に再度、連続予告演出が再開されるという状況が生じることを防止(抑制)できるので、連続予告演出の最後の変動表示がどれであったのかをより明確に遊技者に理解させることができる。よって、より分かり易い演出を実現することができる。
この高期待度種別フラグ223nは、連続予告演出の実行が決定された場合に初期値である「00H」にリセット(設定)される(図61のS4326、図62のS4436参照)。また、入賞情報コマンドを受信する毎(即ち、新たな始動入賞を検出する毎)に、当該入賞情報コマンドが示す変動種別と、高期待度種別フラグ223nが示す保留内の最も期待度が高い変動種別とを比較し、入賞情報コマンドが示す変動種別の期待度の方が高ければ、この高期待度種別フラグ223nの値が新たに入賞情報コマンドにより通知された変動種別の期待度に対応する値に更新される(図61のS4324参照)。そして、予告抽選禁止状態が解除され、連続予告演出の実行が決定された場合には、この高期待度位置格納エリア223pが示す保留エリアのデータに基づく変動表示までに渡る連続予告演出が実行されるように設定される(図62のS4434参照)。
ここで、図示については省略したが、本第3実施形態では、大当たりとなる全ての変動種別の期待度を同一(「04H」)としたのに合わせて、予告選択テーブル222bの規定内容についても、大当たりとなる変動種別については、変動種別によらず、共通の判定値が参照されるように構成している。即ち、例えば、第1実施形態において、新たな始動入賞に基づく変動種別が「スーパーリーチ当たり」の場合に連続予告演出の実行可否の判定に用いられる判定値(図13の222b2参照)を、本第3実施形態では、大当たりに対応する全ての変動種別で連続予告演出の実行可否の判定に用いる構成としている。
なお、新たに検出された始動入賞に基づく変動種別が大当たりの変動種別の場合に、連続予告演出の実行可否の判定に用いる判定値は、これに限られるものではない。第1実施形態におけるノーマルリーチ当たりの場合に判定に用いる判定値(図13の222b3)を用いる構成としてもよいし、第1実施形態における予告選択テーブル222bには規定されていない判定値の範囲を用いる構成としてもよい。これにより、設計の自由度を高めることができる。
図60(a)に戻って説明を続ける。高期待度位置格納エリア223pは、保留球のうち、最も期待度が高い変動種別(即ち、高期待度種別フラグ223nの値が示す期待度の変動種別)が保留されている保留エリアの位置に対応するデータを格納しておくための記憶領域である。具体的には、最も期待度が高い変動種別に対応する保留球が保留されている保留エリアが保留第1エリアであれば、高期待度位置格納エリア223pに対して「01H」が格納され、保留第2エリアであれば、高期待度位置格納エリア223pに対して「02H」が格納され、保留第3エリアであれば、高期待度位置格納エリア223pに対して「03H」が格納され、保留第4エリアであれば、高期待度位置格納エリア223pに対して「03H」が格納される。この高期待度位置格納エリア223pは、連続予告演出の実行が決定された場合(即ち、予告抽選禁止状態となった場合)に、初期値である「00H」にリセット(設定)される(図61のS4326、図62のS4436参照)。また、入賞情報コマンドを受信する毎(即ち、新たな始動入賞を検出する毎)に、当該入賞情報コマンドが示す変動種別と、高期待度種別フラグ223nが示す保留内の最も期待度が高い変動種別とを比較し、入賞情報コマンドが示す変動種別の期待度の方が高ければ、新たに入賞情報コマンドにより通知された入賞情報に対応するデータが格納された保留エリアに対応する値が、高期待度位置格納エリア223pに上書きされる(図61のS4325参照)。予告抽選禁止状態が解除され、連続予告演出の実行が決定された場合には、この高期待度位置格納エリア223pが示す保留エリアのデータに基づく変動表示までに渡る連続予告演出が実行されるように設定される(図62のS4434参照)。
このように、本第3実施形態では、予告抽選禁止状態において、保留球のうち最も期待度が高い抽選結果(変動種別)の種類(種別)と、その期待度が最も高い抽選結果が格納されている保留エリアとを、高期待度種別フラグ223nの値、および高期待度位置格納エリア223pに格納されたデータによって把握可能に構成している。これにより、予告抽選禁止状態が解除された場合に実行される連続予告演出の実行可否の判定では、単に高期待度種別フラグ223nが示す変動種別に対応する判定割合(抽選確率)で連続予告演出の実行可否を判定すればよく、全ての保留球の変動種別を1つ1つ判別する等の複雑な制御を行う必要がないため、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。更に、最も期待度が高い抽選結果(変動種別)に対応するデータが格納されている保留エリアを、高期待度位置格納エリア223pに格納されているデータに基づいて容易に特定することが可能なので、連続予告演出を実行する保留球の範囲を特定するための処理を、より簡素な制御によって実現することができる。従って、予告抽選禁止状態が解除されてから、連続予告演出を設定するまでの間における処理負荷をより低減することができる。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図61から図63を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。まず、図61のフローチャートを参照して、本第3実施形態における入賞情報コマンド処理3(S4231)について説明する。
入賞情報コマンド処理3(図61参照)は、第1実施形態における入賞情報コマンド処理(図34参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における入賞情報コマンド処理(図34参照)と同様に、受信した入賞コマンドを解析して、連続予告演出の実行判定を行うための処理である。
この第3実施形態における入賞情報コマンド処理3(図61参照)のうち、S4301〜S4311の各処理では、それぞれ第1実施形態における入賞情報コマンド処理(図34参照)のS4301〜S4311の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3実施形態における入賞情報コマンド処理3(図61参照)では、S4304の処理において、予告演出禁止フラグ223hがオンであると判別した場合は(S4304:Yes)、高期待度種別フラグ223nを読み出して(S4321)、読み出した高期待度種別フラグ223nが示す期待度と、受信した入賞情報コマンドが示す変動種別の期待度とを比較する(S4322)。そして、今回新たに受信した入賞情報コマンドにより通知された変動種別に対応する期待度の方が高期待度であるかを判別し(S4323)、新たに通知された変動種別の方が高期待度であると判別した場合は(S4323:Yes)、高期待度種別フラグ223nを、今回の入賞情報コマンドにより通知された変動種別の期待度に対応する値(図60(b)参照)に更新する(S4324)。
S4324の処理後は、今回の入賞情報コマンドにより通知されたデータを格納した保留エリアの種別(保留第1〜第4エリアのいずれか)に対応する値を、高期待度位置格納エリア223pに上書き(格納)して(S4325)、本処理を終了する。一方、S4323の処理において、新たに通知された変動種別の期待度が、高期待度種別フラグ223nが示す期待度以下であると判別した場合は(S4323:No)、S4324,S4325の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、本第3実施形態における入賞情報コマンド処理3(図61参照)では、S4310の処理が終了した後(即ち、連続予告演出を設定した後)で、高期待度種別フラグ223n、および高期待度位置格納エリア223pを共に初期値にリセットして(S4326)、処理をS4311へと移行する。
この入賞情報コマンド処理3(図61参照)を実行することにより、予告抽選禁止状態において新たな始動入賞に基づく入賞情報を受信する毎に、当該入賞情報に基づく新たな保留球も含めた全ての保留球の中で最も期待度が高い抽選結果(変動種別)の種類(種別)と、格納されている保留エリアとを判別し直すことができる。よって、予告抽選禁止状態が解除された場合に、保留球の中で最も期待度が高い抽選結果(変動種別)の種類(種別)と、格納されている保留エリアとを、高期待度種別フラグ223nの値(状態)、および高期待度位置格納エリア223pのデータに基づいて容易に判別することができる。従って、予告抽選禁止状態が解除されてから、連続予告演出の設定が完了するまでの間における処理負荷を軽減することができるので、連続予告演出の設定処理をより好適に実行できる。
次に、図62のフローチャートを参照して、停止コマンド処理3(S4232)の詳細について説明する。この第3実施形態における停止コマンド処理3(S4232)は、第1実施形態における停止コマンド処理(図35参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における停止コマンド処理(図35参照)と同様に、予告抽選禁止状態が解除されるタイミングかを判別して、予告抽選禁止状態の解除タイミングであれば保留されている全ての保留球の抽選結果に基づいて連続予告演出の実行可否の判定を行うための処理である。
この第3実施形態における停止コマンド処理3(図62参照)のうち、S4401〜S4404,S4409,S4411,S4412、およびS4415の各処理では、それぞれ第1実施形態における停止コマンド処理(図35参照)のS4401〜S4404,S4409,S4411,S4412、およびS4415の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3実施形態における停止コマンド処理3(図62参照)では、S4404の処理が終了すると、高期待度種別フラグ223nを読み出して(S4431)、読み出した高期待度種別フラグ223nの値(状態)が「00H」であるか否かを判別する(S4432)。つまり、保留内に連続予告演出の実行可否の判定対象となる保留球が含まれていないかを判別する。
S4432の処理において、高期待度種別フラグ223nの値が「00H」であれば(S4432:Yes)、保留内における最も期待度が高い変動種別は「長外れ」、または「短外れ」であり、保留内に連続予告演出の実行可否の判定対象となる保留球が含まれていないことを意味するので、連続予告演出の実行可否の判定を実行せずに、そのまま本処理を終了する。一方、S4432の処理において、高期待度種別フラグ223nの値が「00H」ではないと判別した場合は(S4432:No)、次に、高期待度位置格納エリア223pに格納されているデータが「02H」以上であるかを判別し(S4433)、「01H」であると判別した場合には(S4433:No)、最も期待度が高い変動種別に対応する保留球が保留第1エリアに格納されており、複数の変動表示に渡って予告演出を実行することができないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
これに対して、S4433の処理において、高期待度位置格納エリア223pに格納されているデータが「02H」以上であると判別した場合は(S4433:Yes)、連続予告演出の実行可否の判定対象となる変動種別が保留内に含まれており、且つ、当該変動種別が保留第2エリア以降に保留されていることを意味するため、連続予告演出の実行可否の判定を行う。具体的には、予告選択テーブル222bを読み出して(S4409)、読み出した予告選択テーブル222bと、高期待度種別フラグ223nの値(状態)に対応する変動種別とに基づいて、連続予告演出の実行可否を判定(抽選)し(S4434)、処理をS4411へと移行する。
また、本第3実施形態における停止コマンド処理3(図62参照)では、S4412の処理が終了すると、高期待度位置格納エリア223pに格納された値を予告回数カウンタ223iの値として設定し(S4435)、高期待度種別フラグ223n、および高期待度位置格納エリア223pを共に初期値である「00H」にリセットして(S4436)、処理をS4415へと移行する。
この停止コマンド処理3(図62参照)を実行することにより、予告抽選禁止状態が解除された場合に、高期待度種別フラグ223nの状態(値)が示す変動種別に基づいて連続予告演出の実行可否を容易に判定することができる。また、連続予告演出の実行が決定された場合には、高期待度位置格納エリア223pに格納されたデータに基づいて、連続予告演出の設定対象となる保留エリアの範囲を容易に特定することができる。よって、予告抽選禁止状態が解除されてから、連続予告演出の設定が終了するまでの間の処理負荷を軽減することができる。
次に、図63を参照して、本第3実施形態における予告演出設定処理3(S4531)の詳細について説明する。この第3実施形態における予告演出設定処理3(S4531)は、第1実施形態における予告演出設定処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における予告演出設定処理(図37参照)と同様に、今回の変動パターンコマンドに基づいて開始させる変動表示に連続予告演出が設定されているかを判別し、設定されていれば予告演出を設定するための処理である。
この第3実施形態における予告演出設定処理3(図63参照)のうち、S4601〜S4607の各処理では、それぞれ第1実施形態における予告演出設定処理(図37参照)のS4601〜S4607の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における予告演出設定処理3(図63参照)では、S4604、またはS4607の処理が終了すると(即ち、予告抽選禁止状態の間における変動開始タイミングの場合)、次に、高期待度種別フラグ223nの状態(値)が「00H」であるかを判別し(S4621)、「00H」以外の値であれば(S4621:No)、高期待度位置格納エリア223pのデータを1減算することにより更新して(S4622)、本処理を終了する。これにより、新たな変動表示の開始が設定され、各保留エリアのデータがシフトされるのに合わせて、最も期待度が高い変動種別に対応する保留球が格納されている位置(保留エリア)を示すデータ(高期待度位置格納エリア223pのデータ)を更新することができる。一方、S4621の処理において、高期待度種別フラグ223nの状態が「00H」であると判別した場合は(S4621:Yes)、S4622の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。高期待度種別フラグ223nの状態が「00H」である場合は、今回の予告抽選禁止状態において、入賞情報コマンド処理3(図61参照)が1度も実行されていないか、入賞情報コマンド処理3(図61参照)のS4323の処理で1度も新たな入賞情報に対応する変動種別の方が高期待度であると判別されていないことを意味するので、高期待度位置格納エリア223pのデータが初期値である「00H」のままだからである。
この予告演出設定処理3(図63参照)を実行することにより、予告抽選禁止状態において新たな変動表示の開始が設定される毎に、高期待度位置格納エリア223pのデータを実際の入賞情報格納エリア223aのデータにリンクさせて更新することができる。
以上説明した通り、第3実施形態におけるパチンコ機10では、予告抽選禁止状態の間は、全ての保留球に基づく抽選結果のうち、最も期待度が高い抽選結果(変動種別)の種類と、その期待度が高い抽選結果に対応する保留球が保留されている保留エリアとを高期待度種別フラグ223nの状態、および高期待度位置格納エリア223pに格納されているデータによって把握可能に構成している。そして、予告抽選禁止状態が解除された場合には、保留球の中で最も期待度が高い抽選結果(変動種別)の種類(種別)と、格納されている保留エリアとを、高期待度種別フラグ223nの値(状態)、および高期待度位置格納エリア223pのデータに基づいて判別する構成としている。
このように構成することで、予告抽選禁止状態が解除された場合に、高期待度種別フラグ223nの状態(値)が示す変動種別に基づいて連続予告演出の実行可否を容易に判定することができる。即ち、入賞情報格納エリア223aに格納されている全てのデータから各保留球の変動種別を1つ1つ判別して、最も期待度が高い変動種別を特定する場合に比較して、簡素な処理で連続予告演出の実行可否を判定することができるので、予告抽選禁止状態が解除された場合におけるMPU221の処理負荷を軽減することができる。また、連続予告演出の実行が決定された場合には、高期待度位置格納エリア223pに格納されたデータに基づいて、連続予告演出の設定対象となる保留エリアの範囲を容易に特定することができる。即ち、連続予告演出の実行可否の判定対象となった変動種別に対応するデータが格納されている保留エリアを検索する処理を省略し、単に高期待度位置格納エリア223pに格納されているデータを読み出すという簡素な処理で代替することができるので、連続予告演出の対象となる保留球の範囲を設定する際の処理負荷を軽減することができる。
なお、本第3実施形態では、入賞情報コマンドによって大当たりに対応する抽選結果が通知された場合、および予告抽選禁止状態が解除された時点で保留されている保留球の中に大当たりに対応する抽選結果が保留されている場合には、当該大当たりに対応する変動種別にはよらず、同一の判定値によって連続予告演出の実行可否を判定する構成としていたが、これに限られるものではない。第1実施形態と同様に、変動種別に応じて連続予告演出の実行が決定される割合を変動種別に応じて異ならせる構成としてもよい。
本第3実施形態では、高期待度種別フラグ223nの値と、高期待度位置格納エリア223pに格納されたデータとの2種類の情報に基づいて、予告抽選禁止状態が解除された場合に連続予告演出の実行可否を判定する構成としていたが、これに限られるものではない。何れか一方のみをRAM223に設ける構成とし、入賞情報格納エリア223aに格納されているデータと合わせて連続予告演出の実行可否を判定する構成としてもよい。このように構成することで、RAM223の記憶容量を削減することができる。
本第3実施形態では、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報を入賞情報格納エリア223aの空きエリアに格納する構成としていたが、入賞情報格納エリア223aを削除してもよい。通常時は、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報のみに基づいて連続予告演出の実行可否を判定可能であるし、予告抽選禁止状態においては、高期待度種別フラグ223nと、高期待度位置格納エリア223pとに格納されているデータのみに基づいて、予告抽選禁止状態が解除された場合における連続予告演出の実行可否の判定を実行することが可能であるためである。入賞情報格納エリア223aを削除することにより、音声ランプ制御装置113のRAM223の容量を削減することができる。
<第4実施形態>
次に、図64から図68を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、連続予告演出の実行が決定された時点で、予告抽選禁止状態を設定することにより、連続予告演出が重複して決定されることを防止(抑制)する構成としていた。そして、予告抽選禁止状態が解除された場合に、その解除時点で入賞情報格納エリア223aの各保留エリアに格納されているデータの論理和を算出し、当該論理和に基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成としていた。即ち、論理和データに基づいて、保留球の中に連続予告演出の実行可否の判定対象となる変動種別の保留球が含まれているか、および現状の保留球の中で最も期待度の高い変動種別は何であるかを判定する構成としていた。そして、連続予告演出の実行可否の判定対象となる変動種別が含まれている場合には、最も期待度が高い変動種別に対応する判定割合(抽選確率)で連続予告演出の実行可否を判定(抽選)する構成としていた。
これに対して第4実施形態におけるパチンコ機10では、連続予告演出の実行が決定された場合だけでなく、大当たりとなった場合にも予告抽選禁止状態を設定する構成としている。そして、大当たりの終了時にも予告抽選禁止状態を解除して、論理和データの算出、および連続予告演出の実行可否の判定を実行する構成としている。これにより、大当たりの終了時に保留されている全ての保留球の変動種別を加味して連続予告演出の実行可否の判定を行うことができるので、より期待度の高い保留球が保留されているにも拘わらず、期待度の低い保留球に基づいて連続予告演出の実行が設定されてしまうことを抑制することができる。よって、大当たりが終了した直後において、期待度が低い保留球に連続予告演出が設定されたにも拘わらず、期待度が高い保留球には連続予告演出が設定されないという状況や、連続予告演出の途中で期待度の高い保留球が消化され、連続予告演出の最後の変動表示で期待度の低い保留球が消化されてしまう状況等が発生することを抑制することができる。従って、連続予告演出を好適に実行することができる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。各種電気的構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図64を参照して、本第4実施形態において大当たりに当選してからの連続予告演出の抽選(判定)状態の経時変化について説明する。図64に示した通り、大当たりに当選し、大当たりの開始タイミング(オープニング期間の開始タイミング)になると、予告抽選禁止状態が設定される。これにより、大当たりの間は、始動入賞が検出されたとしても、連続予告演出の実行可否の判定(抽選)が実行されることはない。図64の例では、大当たり中に2回の始動入賞(入賞a、および入賞b)が検出された場合を図示しているが、入賞aを検出した場合も、入賞bを検出した場合も予告抽選禁止状態が設定されているため、連続予告演出の実行可否の判定は実行されない。
図64に示した通り、予告抽選禁止状態は、大当たりのエンディング期間となっても継続し、エンディング期間が終了した場合(即ち、大当たりの終了タイミングとなった場合)に予告抽選禁止状態が解除される。予告抽選禁止状態が解除されると、大当たり中に保留された保留球(入賞a、および入賞b)と、大当たりが開始された時点で既に保留されていた保留球との内容(変動種別)に基づいて、連続予告演出の実行可否が判定される。即ち、上述した第1実施形態における予告抽選禁止状態が解除された場合と同様に、入賞情報格納エリア223aの各保留エリアに格納されているデータの論理和を算出して、最も期待度が高い変動種別を特定する。そして、当該期待度が高い変動種別に応じた抽選確率(判定割合)で、連続予告演出の実行可否を判定する。
このように構成することで、大当たりの終了時に保留されている全ての保留球の変動種別を加味して連続予告演出の実行可否の判定を行うことができるので、より期待度の高い保留球が保留されているにも拘わらず、期待度の低い保留球に基づいて連続予告演出の実行が設定されてしまうことを抑制することができる。仮に、大当たりの実行中において通常時と同様に連続予告演出の実行が決定されるまで、始動入賞を検出する毎に連続予告演出の実行可否を判定する構成とした場合、期待度の低い変動種別の始動入賞に対して連続予告演出の実行を決定した後で、期待度の高い変動種別の始動入賞を検出する可能性がある。この場合、大当たりが終了した直後の変動から開始される連続予告演出が、期待度の低い変動種別まで継続し、連続予告演出の終了直後に期待度の高い変動表示が実行されてしまうので、遊技者の連続予告演出に対する信頼度を低下させてしまう虞がある。これに対して本第4実施形態では、大当たりの間、予告抽選禁止状態を設定する構成としているので、大当たりが終了した直後において、期待度が低い保留球に連続予告演出が設定されたにも拘わらず、期待度が高い保留球には連続予告演出が設定されないという状況や、連続予告演出の途中で期待度の高い保留球が消化され、連続予告演出の最後の変動表示で期待度の低い保留球が消化されてしまう状況等が発生することを抑制することができる。従って、連続予告演出を好適に実行することができる。
なお、図示については省略したが、大当たりの開始タイミングとなった時点で既に連続予告演出が設定されていた場合には、予告抽選禁止状態を設定する際に、連続予告演出の設定を一旦クリアする構成としている。このように構成することで、大当たりの開始以前の連続予告演出の設定が残ったまま大当たりが終了してしまうことを抑制できるので、より確実に、大当たり当選時の保留球、および大当たりの間に増加した保留球の変動種別を全て加味した上で、大当たり後における連続予告演出の実行可否を好適に判定することができる。
なお、本第4実施形態では、大当たりの開始タイミングとなった時点で、大当たりが開始される以前に既に設定されていた連続予告演出の設定をクリアする構成としていたが、連続予告演出の設定をクリアするタイミングはこれに限られるものではなく、任意に定めることができる。例えば、大当たりにおける最初の始動入賞を検出したことに基づいて、連続予告演出の設定をクリアする構成としてもよい。このように構成することで、例えば、大当たり中に一度も始動入賞が検出されなかった場合等には、大当たりの開始以前の連続予告演出の設定をそのまま大当たり後の設定として流用することができる。つまり、予告抽選禁止状態が解除された場合に、大当たりの開始以前と全く同一の保留球に対して改めて連続予告演出の実行可否を判定するという無駄な処理が発生することを防止できるので、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図65から図68を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。まず、図65のフローチャートを参照して、本第4実施形態におけるコマンド判定処理4(S4131)について説明する。このコマンド判定処理4(S4131)は、上述した第1実施形態におけるコマンド判定処理(図33参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図33参照)と同様に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた制御を行うための処理である。
この第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図65参照)のうち、S4201〜S4209,S4211,S4213,S4215、およびS4216の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図33参照)のS4201〜S4209,S4211,S4213,S4215、およびS4216の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図65参照)では、S4209の処理において状態コマンドを受信したと判別した場合に(S4209:Yes)、状態コマンドが示す遊技状態に応じて遊技状態格納エリア223gのデータを更新するための状態コマンド処理を実行し(S4231)、本処理を終了する。この状態コマンド処理(S4231)の詳細については、図66を参照して後述する。
また、本第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図65参照)では、S4211の処理において入賞情報コマンドを受信したと判別した場合に(S4211:Yes)、第1実施形態における入賞情報コマンド処理(図34参照)に代えて、入賞情報コマンド処理4を実行し(S4232)、本処理を終了する。なお、この入賞情報コマンド処理4(S4232)の詳細については、図67を参照して後述する。一方、S4211の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、次に、主制御装置110から受信したコマンドの中にオープニングコマンドがあるかを判別し(S4233)、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S4233:Yes)、まず、予告演出禁止フラグ223hをオンに設定する(S4234)。これにより、大当たりのオープニング期間が開始された時点で、予告抽選禁止状態を設定することができる。
S4234の処理が終了すると、次に、予告回数カウンタ223iのカウンタ値を0にリセットすると共に、予告種別フラグ223kを初期値である「00H」にリセットすることで、連続予告演出の設定をリセットし(S4235)、表示用オープニングコマンドを設定して(S4236)、本処理を終了する。一方で、S4233の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4233:No)、処理をS4213へと移行する。
また、本第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図65参照)では、S4213の処理において停止コマンドを受信したと判別した場合に(S4213:Yes)、停止コマンド処理(図35参照)に代えて、解除時判別処理を実行して(S4237)、処理をS4215へと移行する。この解除時判別処理(S4237)は、予告抽選禁止状態が解除されたか否かを判別し、予告抽選禁止状態が解除された場合に、各保留球の変動種別に応じて連続予告演出の実行可否を判定するための処理である。この解除時判別処理(S4237)の詳細については、図68を参照して後述する。
次いで、図66を参照して、上述した状態コマンド処理(S4231)の詳細について説明する。この状態コマンド処理(S4231)は、上述した通り、状態コマンドが示す遊技状態に応じて遊技状態格納エリア223gのデータを更新するための処理である。
この状態コマンド処理(図66参照)では、まず、受信した状態コマンドが示す遊技状態に応じて、遊技状態格納エリア223gに格納されているデータを更新し(S4801)、次いで、今回の状態コマンドが、大当たり終了時に出力された状態コマンドであるか否かを判別する(S4802)。即ち、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図30参照)のS1015の処理により設定された状態コマンドであるか否かを判別する。なお、上述した通り、1バイトのデータで構成される状態コマンドのうち、下位2ビットが遊技状態を示すデータである。つまり、最下位のビットが普通図柄の時短状態であるか否かを示すビットであり、下位2ビット目が特別図柄の確変状態であるか否かを示すビットである。本第4実施形態では、下位2ビット以外の所定のビット(例えば、最上位ビット)がオンである場合に、大当たりの終了時に出力した状態コマンドであることを示し、オフであれば、大当たりの終了時以外で出力した状態コマンドであることを示す。つまり、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図30参照)のS1015の処理では、大当たり後の遊技状態に応じて状態コマンドの下位2ビットのデータを設定すると共に、所定のビット(例えば、最上位ビット)をオンに設定した状態コマンドを生成する。これにより、S4802の処理では、所定のビット(例えば、最上位ビット)がオンであるかを判別するだけで、容易に大当たり終了時に出力された状態コマンドであるかを判別することができる。
S4802の処理において、大当たり終了時に出力された状態コマンドであると判別した場合は(S4802:Yes)、大当たりの終了タイミングであることを意味するので、予告禁止解除フラグ223jをオンに設定し(S4803)、上述した解除時判別処理を実行して(S4804)、本処理を終了する。S4802の処理において予告禁止解除フラグ223jをオンに設定しておくことにより、解除時判別処理(S4804)において、大当たり開始時に保留されていた保留球、および大当たりの実行中に新たに取得された保留球の変動種別に基づいて、連続予告演出の実行可否を判別することができる。このように、本第4実施形態では、連続予告演出の実行が終了した後で予告抽選禁止状態が解除された場合と、大当たりの終了時とで、全く同一の処理である解除時判別処理(図68参照)によって連続予告演出の実行可否を判定する構成としている。これにより、予告抽選禁止状態の解除契機に応じて別個の処理で連続予告演出の実行可否を判定する構成とする場合に比較して、制御プログラムの記述を簡素化することができる。よって、開発時における開発者の作業量を削減することができる。
一方、S4802の処理において、主制御装置110より受信した状態コマンドが、大当たり終了時に出力されたコマンドではないと判別した場合は(S4802:No)、S4803,S4804の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図67を参照して、上述した入賞情報コマンド処理4(S4232)、の詳細について説明する。この入賞情報コマンド処理4(S4232)は、上述した通り、第1実施形態における入賞情報コマンド処理(図34参照)に代えて実行される処理である。
この第4実施形態における入賞情報コマンド処理4(S4232)のうち、S4301〜S4311の各処理では、それぞれ第1実施形態における入賞情報コマンド処理(図34参照)のS4301〜S4311の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態における入賞情報コマンド処理4(図67参照)では、S4301の処理が終了した後で、今回の入賞情報コマンドを出力する契機となった始動入賞以前に大当たりに対応する保留球が既に保留されているか否かを判別する(S4331)。より具体的には、入賞情報格納エリア223aの実行エリア、および各保留エリアのデータを読み出して、少なくとも1のデータが大当たりに対応する変動種別(スペシャルリーチ当たり、スーパーリーチ当たり、ノーマルリーチ当たりのいずれか)であるかを判別する。即ち、今回の入賞情報コマンドに基づくデータを格納した保留エリア以外の全ての保留エリアの論理和を算出し、上位3ビットのうち少なくとも1つのビットがオンであるかを判別する。
S4331の処理において、大当たりに対応する保留球が既に保留されている(論理和の上位3ビットのいずれかがオンである)と判別した場合は(S4331:Yes)、今回の始動入賞に基づく保留球までに渡る連続予告演出を設定したとしても、途中で大当たりとなることで連続予告演出がリセットされてしまうので、連続予告演出が中途半端となってしまう(例えば、3回の変動に渡る連続予告演出を設定したはずが、1回目の変動で大当たりとなってしまう等)。よって、この場合には連続予告演出の実行可否を判定せずに、そのまま本処理を終了する。一方、S4331の処理において、大当たりに対応する保留球が保留されていないと判別した場合は(S4331:No)、今回の入賞情報コマンドが示す変動種別に基づいて連続予告演出の実行可否を判定するためのS4302〜S4311の各処理を実行する。
次に、図68を参照して、上述した解除時判別処理(S4237,S4804)の詳細について説明する。この解除時判別処理(S4237,S4804)は、予告抽選禁止状態が解除された場合に、各保留球の変動種別に基づいて連続予告演出の実行可否、および実行範囲を判定するための処理である。即ち、第1実施形態における停止コマンド処理(図35参照)に相当する処理である。なお、第1実施形態では、予告抽選禁止状態が解除され得るタイミングが、停止コマンドを受信したタイミングのみであったが、本第4実施形態では、大当たりの終了タイミングとなった場合にも予告抽選禁止状態が解除される構成としている。このため、処理の名称を、「解除時判別処理」と改めた。
この第4実施形態における解除時判別処理(図68参照)のうち、S4401〜S4415の各処理では、それぞれ第1実施形態における停止コマンド処理(図35参照)のS4401〜S4415の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4実施形態における解除時判別処理(図68参照)では、S4403の処理が終了すると、次いで、実行中の変動表示、または次に実行される変動表示が大当たりを報知するための変動表示であるかを判別する(S4441)。より具体的には、入賞情報格納エリア223aの実行エリア、および保留第1エリアのデータを読み出して、どちらかのエリアに大当たりの変動種別に対応するデータが格納されているかを判別する。S4441の処理において、大当たりの変動種別に対応するデータが格納されていると判別した場合は(S4441:Yes)、連続予告演出を設定したとしても、複数の変動表示に渡って連続して予告演出が実行されるよりも前に、大当たりとなり、連続予告演出の設定がリセットされてしまうことを意味する。よって、この場合は、連続予告演出の実行可否を判定することなく、本処理を終了する。
一方、S4441の処理において、実行中の変動表示、および次に実行される変動表示がいずれも大当たりではないと判別した場合は(S4441:No)、連続予告演出の実行可否、および実行範囲を判定するためのS4404〜S4415の各処理を実行して、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、連続予告演出の実行が決定された場合だけでなく、大当たりとなった場合にも予告抽選禁止状態を設定する構成としている。そして、大当たりの終了時にも予告抽選禁止状態を解除して、論理和データの算出、および連続予告演出の実行可否の判定を実行する構成としている。これにより、大当たりの終了時に保留されている全ての保留球の変動種別を加味して連続予告演出の実行可否の判定を行うことができるので、より期待度の高い保留球が保留されているにも拘わらず、期待度の低い保留球に基づいて連続予告演出の実行が設定されてしまうことを抑制することができる。よって、大当たりが終了した直後において、期待度が低い保留球に連続予告演出が設定されたにも拘わらず、期待度が高い保留球には連続予告演出が設定されないという状況や、連続予告演出の途中で期待度の高い保留球が消化され、連続予告演出の最後の変動表示で期待度の低い保留球が消化されてしまう状況等が発生することを抑制することができる。従って、連続予告演出を好適に実行することができる。
また、本第4実施形態では、連続予告演出の実行が終了した後で予告抽選禁止状態が解除された場合と、大当たりの終了時とで、全く同一の処理である解除時判別処理(図68参照)を実行することにより連続予告演出の実行可否を判定する構成としている。このように構成することで、予告抽選禁止状態の解除契機に応じて別個の処理で連続予告演出の実行可否を判定する構成とする場合に比較して、制御プログラムの記述を簡素化することができる。よって、開発時における開発者の作業量を削減することができる。
なお、本第4実施形態では、大当たりの終了タイミングで予告抽選禁止状態を解除すると共に、大当たりの開始時点で既に保留されていた保留球、および大当たり中に新たに検出された始動入賞に基づく保留球のそれぞれの変動種別から、大当たりの終了後に連続予告演出を実行するか否かの判定を実行する構成としていたが、予告抽選禁止状態の解除タイミング、および連続予告演出の実行可否の判定タイミングはこれに限られるものではない。例えば、大当たり中に始動入賞を検出し、保留球数が最大となった時点で、予告抽選禁止状態を解除して連続予告演出の実行可否を判定する構成としてもよい。保留球数が最大となった時点で、その後に保留球が増加することはあり得ない(即ち、期待度が最も高い変動種別が大当たり終了まで変わらない)ので、大当たりの終了タイミングで連続予告演出の実行可否の判定を行うのと同一の結果を得ることができるためである。このように構成することで、大当たり終了時における音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。よって、大当たりの終了後に第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始するタイミングが遅れてしまう等の不具合が発生してしまうことを防止(抑制)できる。
本第4実施形態では、大当たりが終了したことに基づいて予告抽選禁止状態が解除された場合と、連続予告演出が終了したことに基づいて予告抽選禁止状態が解除された場合とで、同一の処理である解除時判別処理(図68参照)を実行する構成としていたが、必ずしも同一の処理を実行する必要はない。別個の処理を用意しておいてもよい。このように構成することで、大当たり終了時と、連続予告演出の終了時とで、処理を異ならせることができるので、連続予告演出の実行条件を異ならせることができる。これにより、例えば、大当たり終了後には最終的に当たりとなる場合にしか連続予告演出の実行を許可しない、等の特殊な制御を実現することができる。よって、予告抽選禁止状態の解除条件にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第4実施形態の変形例>
次に、図69から図73を参照して、上述した第4実施形態の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態では、大当たり中に予告抽選禁止状態を設定し、大当たりの終了タイミングで予告抽選禁止状態を解除して連続予告演出の実行可否を判定する構成としていた。
これに対して本変形例では、大当たり中の所定のタイミング(エンディング期間の開始時)に予告抽選禁止状態を解除して連続予告演出の実行可否を判定する構成としている。そして、大当たりのエンディング演出において、大当たりの終了後に連続予告演出が開始されるか否かの期待度を示唆することが可能に構成している。これにより、連続予告演出が実行される期待度が高い態様のエンディング演出が実行された場合には、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が開始されるよりも前から、連続予告演出に対する期待感をより強く遊技者に抱かせることができる。
この第4実施形態の変形例におけるパチンコ機10が、上述した第4実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第4実施形態の変形例における電気的構成>
まず、図69(a)を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明する。図69(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図69(a)に示した通り、第4実施形態の変形例におけるROM222は、上述した第4実施形態におけるROM222の構成(第1実施形態におけるROM222の構成(図12(a)参照)と同一)に対して、エンディング選択テーブル222hが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第4実施形態と同一のため、その詳細については省略する。
エンディング選択テーブル222hは、大当たりのエンディング期間が開始される際に、エンディング演出の態様を決定するために参照されるデータテーブルである。上述した通り、本変形例では、大当たり終了後に連続予告演出が実行される期待度を、エンディング演出の態様により示唆する構成としている。本変形例では、大当たりのエンディング期間となったことに基づいて実行される連続予告演出の実行可否の判定結果に応じた割合で、通常の態様(連続予告演出が実行される期待度の低い態様)のエンディング演出と、特殊な態様(連続予告演出が実行される期待度の高い態様)のエンディング演出とのうちどちらかを、エンディング選択テーブル222hから決定する(図72のS4910参照)。
このエンディング選択テーブル222hの詳細について、図70を参照して説明する。図70は、エンディング選択テーブル222hの規定内容を示した図である。図70に示した通り、エンディング演出選択テーブル222hには、連続予告演出が実行される期待度の低い通常エンディングが決定される演出抽選カウンタ223fの値(乱数値)の範囲と、連続予告演出が実行される期待度の高い予告示唆エンディングが決定される乱数値(カウンタ値)の範囲とが、連続予告演出の実行可否、および予告種別の判定結果毎に対応付けて規定されている。なお、図示については省略したが、通常エンディングでは、エンディング演出中の背景の色を青色に設定する一方で、予告示唆エンディングでは、背景の色を赤色に設定する構成としている。このように構成することで、遊技者は、背景の色を確認するだけで容易に通常エンディングであるか、予告示唆エンディングであるかを識別することができる。よって、大当たりのエンディング期間の開始時に、遊技者に対して背景が赤色になることを期待して遊技を行わせることができる。
図70に示した通り、「予告演出A」に対しては、通常エンディングに対応する乱数値(カウンタ値)の範囲として、「0〜49」が対応付けて規定され、予告示唆エンディングに対応する乱数値(カウンタ値)の範囲として「50〜99」が対応付けて規定されている(図70の222h1参照)。このため、大当たり中に実行される連続予告演出の実行可否の抽選で、「予告演出A」が決定された場合には、50%の割合(50/100)で大当たりのエンディング演出として予告示唆エンディングが設定される。
また、「予告演出B」に対しては、通常エンディングに対応する乱数値(カウンタ値)の範囲として、「0〜24」が対応付けて規定され、予告示唆エンディングに対応する乱数値(カウンタ値)の範囲として「25〜99」が対応付けて規定されている(図70の222h2参照)。このため、大当たり中に実行される連続予告演出の実行可否の抽選で、「予告演出B」が決定された場合には、75%の割合(75/100)で大当たりのエンディング演出として予告示唆エンディングが設定される。「予告演出C」に対しては、通常エンディングに対応する乱数値(カウンタ値)の範囲として、「0〜9」が対応付けて規定され、予告示唆エンディングに対応する乱数値(カウンタ値)の範囲として「10〜99」が対応付けて規定されている(図70の222h3参照)。このため、大当たり中に実行される連続予告演出の実行可否の抽選で、「予告演出C」が決定された場合には、90%の割合(90/100)で大当たりのエンディング演出として予告示唆エンディングが設定される。
一方で、大当たり後に連続予告演出が実行されない場合(連続予告演出が非実行の場合)に対応する乱数値(カウンタ値)の範囲として、「0〜94」が対応付けて規定され、予告示唆エンディングに対応する乱数値(カウンタ値)の範囲として「95〜99」が対応付けて規定されている(図70の222h4参照)。このため、大当たり中に実行される連続予告演出の実行可否の抽選で、連続予告演出の非実行が決定された場合には、5%の割合(5/100)でしか、大当たりのエンディング演出として予告示唆エンディングが設定されない。
このように、本変形例では、連続予告演出が実行されない場合には、エンディング演出として予告示唆エンディングが設定される割合が極めて低く(5%の割合に)設定されているので、予告示唆エンディングが実行された時点で、連続予告演出の実行に対する期待感を向上させることができる。また、本変形例では、大当たりとなる期待度が高い予告種別が決定されている程、予告示唆エンディングの決定割合が高くなるように構成している。即ち、大当たりの期待度が比較的低い「予告演出A」の場合には、50%の割合で予告示唆エンディングが決定され、「予告演出A」よりも大当たりの期待度が高い「予告演出B」の場合には、75%の割合で予告示唆エンディングが決定され、大当たりの期待度が最も高い「予告演出C」の場合には、90%の割合で予告示唆エンディングが決定される。このように構成することで、予告示唆エンディングが実行された場合に、「予告演出C」が決定されていることを遊技者に期待させることができる。即ち、予告示唆エンディングが実行された場合に、遊技者の大当たりに対する期待感をより高めることができるので、エンディング演出の態様により注目して遊技を行わせることができる。
なお、本変形例では、通常エンディングと、予告示唆エンディングとで、エンディング演出の実行中における背景の色を異ならせる構成としていたが、これはあくまでも一例であり、遊技者が通常エンディングと、予告示唆エンディングとを区別可能な範囲で任意の演出態様とすることができる。具体的には、例えば、通常エンディングと予告示唆エンディングとで、エンディング演出中に表示される文字を異ならせてもよいし(例えば、通常エンディングでは「またね!」という文字を表示し、予告示唆エンディングでは「チャンス!」という文字を表示する等)、エンディング演出中に表示されるキャラクタを異ならせてもよい(例えば、通常エンディングでは女性のキャラクタを表示し、予告示唆エンディングでは男性のキャラクタを表示する等)。更に、通常エンディングと予告示唆エンディングとで、態様を異ならせるのは第3図柄表示装置81の表示態様に限られるものではなく、例えば、エンディング演出中に再生される楽曲を異ならせたり、電飾部29〜33の発光色や発光パターンを異ならせたりすることで、通常エンディングと予告示唆エンディングとで演出態様を異ならせる構成としてもよい。
また、本変形例では、エンディング演出の態様として、通常エンディングと、予告示唆エンディングとの2種類のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、4種類のエンディング演出の態様を設ける構成とし、それぞれ大当たり後に予告演出Aが実行される場合に選択される割合が高い種別、予告演出Bが実行される場合に選択される割合が高い種別、予告演出Cが実行される場合に選択される割合が高い種別、連続予告演出が実行されない場合に選択される割合が高い種別として設定しておいてもよい。このように構成することで、エンディング演出の態様から、連続予告演出が実行される期待度だけでなく、実行される可能性が高い予告演出の演出種別もエンディング期間中に予測させることができるので、エンディング演出の態様により注目して遊技を行わせることができる。
次に、図69(b)を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図69(b)は、本変形例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図69(b)に示した通り、本変形例におけるRAM223は、上述した第4実施形態におけるRAM223の構成(第1実施形態におけるRAM223の構成(図12(b)参照)と同一)に対して、判定未実行フラグ223qが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第4実施形態と同一のため、その詳細については省略する。
判定未実行フラグ223qは、エンディング期間の開始時に、連続予告演出の実行可否を判別したか否かを示すフラグである。判定未実行フラグ223qがオンであれば、エンディング期間の開始時に連続予告演出の実行可否が未実行であることを示し、オフであれば、連続予告演出の実行可否を判定済みであることを示す。
ここで、本変形例では、エンディング期間の開始時点で保留球数が上限値(4個)まで貯まっている場合にのみ、連続予告演出の実行可否を判別する構成としている。保留球数が上限に満たない状態で連続予告演出の実行可否を判定してしまうと、その後、エンディング演出の実行中に新たな始動入賞を検出し、且つ、当該新たな始動入賞の変動種別が、既に連続予告演出が設定されている各保留球の変動種別よりも高い期待度の場合に、連続予告演出が終了した直後に期待度が高い変動表示が実行されるという状況が発生してしまう。
そこで、本変形例では、エンディング期間の開始時点で保留球数が上限値まで貯まっており、エンディング期間中に保留球の状況が変わる可能性が無い場合に限り、連続予告演出の実行可否を判定する構成としている。そして、エンディング期間の開始時に連続予告演出の実行可否を判定しなかった場合には、大当たりの終了時に連続予告演出の実行可否を判定する構成としている。このように構成することで、大当たりの終了時点で保留されている全ての保留球の変動種別を加味して連続予告演出の実行可否を判定することができるので、連続予告演出を好適に実行することができる。
判定未実行フラグ223qは、エンディング期間の開始時に連続予告演出の実行可否を判定しなかった場合にオンに設定され(図73のS4908参照)、大当たりの終了時に連続予告演出の実行可否を判定する場合にオフに設定される(図72のS4812参照)。
<第4実施形態の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図71から図73を参照して、第4実施形態の変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理について説明する。まず、図71を参照して、コマンド判定処理5(S4141)の詳細について説明する。このコマンド判定処理5(S4141)は、第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図65参照)に代えて実行される処理であり、第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図65参照参照)と同様に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた制御を行うための処理である。
この第4実施形態の変形例におけるコマンド判定処理5(図71参照)のうち、S4201〜S4209,S4211,S4213,S4215,S4216,およびS4232〜S4237の各処理では、それぞれ第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図65参照)のS4201〜S4209,S4211,S4213,S4215,S4216,およびS4232〜S4237の各処理と同一の処理が実行される。
また、第4実施形態の変形例におけるコマンド判定処理5(図71参照)では、S4209の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合に(S4209:Yes)、第4実施形態における状態コマンド処理(図66参照)に代えて、状態コマンド処理5を実行し(S4241)、本処理を終了する。この状態コマンド処理5(S4241)の詳細については、図72を参照して後述する。
また、第4実施形態の変形例におけるコマンド判定処理5(図71参照)では、S4233の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にオープニングコマンドが含まれていないと判別した場合に(S4233:No)、主制御装置110から受信したコマンドの中にエンディングコマンドがあるかを判別する(S4242)。そして、S4242の処理において、主制御装置110からエンディングコマンドを受信していると判別した場合は(S4242:Yes)、エンディング演出の態様を選択するためのエンディングコマンド処理を実行し(S4243)、本処理を終了する。このエンディングコマンド処理(S4243)の詳細については、図73を参照して後述する。
次に、図72を参照して、上述した状態コマンド処理5(S4241)の詳細について説明する。この状態コマンド処理5(S4241)は、第4実施形態における状態コマンド処理(図66参照)と同様に、主制御装置110から受信した状態コマンドが示す遊技状態に応じて遊技状態格納エリア223gのデータを更新するための処理である。
この第4実施形態の変形例における状態コマンド処理5(図72参照)のうち、S4801〜S4804の各処理では、それぞれ第4実施形態における状態コマンド処理(図66参照)のS4801〜S4804の各処理と同一の処理が実行される。
また、第4実施形態の変形例における状態コマンド処理5(図72参照)では、S4802の処理において、今回の状態コマンドが、大当たり終了時に出力されたコマンドであると判別された場合に(S4802:Yes)、判定未実行フラグ223qがオンであるかを判別し(S4811)、判定未実行フラグ223qがオンであれば(S4811:Yes)、エンディング期間の開始時に連続予告演出の実行可否の判定が実行されていないことを示すので、判定未実行フラグ223qをオフに設定した上で(S4812)、連続予告演出の実行可否を判定するためのS4803,S4804の各処理を実行し、本処理を終了する。一方、S4811の処理において、判定未実行フラグ223qがオフであると判別した場合は(S4811:No)、エンディング期間の開始時に保留球が上限数に達していたことにより、連続予告演出の実行可否を既に判定済みであることを意味するので、S4812,S4803,S4804の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この状態コマンド処理5(図72参照)を実行することにより、エンディング期間の開始時に連続予告演出の実行可否を判定していなかった場合にも、大当たりの終了時に実行可否の判定を実行することができるので、毎回の大当たりにおいて、大当たりの開始時に保留されていた保留球、および大当たり中に増加した保留球の変動種別に応じて確実に連続予告演出の実行可否を判定することができる。
次に、図73を参照して、上述したエンディングコマンド処理(S4243)の詳細について説明する。このエンディングコマンド処理は、上述した通り、エンディング演出の態様を選択するための処理である。
このエンディングコマンド処理(図73参照)では、まず、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を読み出して(S4901)、読み出したカウンタ値が4であるかを判別する(S4902)。即ち、保留球数が上限値に達しているか否かを判別する。S4902の処理において、特別図柄保留球数カウンタ223bの値が4であると判別した場合は(S4902:Yes)、エンディング期間の間により期待度の高い変動種別に対応する保留球が増加する可能性が無いため、連続予告演出の実行可否の判定を実行するためのS4903,S4904の各処理を実行する。即ち、予告禁止解除フラグ223jをオンに設定し(S4903)、解除時判別処理を実行して(S4904)、処理をS4905に移行する。なお、この解除時判別処理は、第4実施形態における解除時判別処理(図68参照)と全く同一の処理であるため、その説明については省略する。
S4905の処理では、予告回数カウンタ223iのカウンタ値が0より大きいかを判別する。つまり、解除時判別処理(S4904)において連続予告演出の実行が決定され、予告回数カウンタ223iに対して予告演出の連続回数に対応する値が設定されたか否かを判別する。S4905の処理において、予告回数カウンタ223iのカウンタ値が0より大きい値であると判別した場合は(S4905:Yes)、予告種別フラグ223kの状態から、今回決定された連続予告演出の演出種別を特定し(S4906)、エンディング選択テーブル222h(図70参照)のうち、S4906の処理で特定した演出種別に対応する乱数値(カウンタ値)の範囲と、演出抽選カウンタ223fの値とを比較する(S4907)。
次いで、S4907の処理による比較結果から、演出抽選カウンタ223fの値に対応するエンディング種別(通常エンディング、予告示唆エンディングのいずれか)を決定し(S4910)、決定したエンディング種別を表示制御装置114に通知するための表示用エンディングコマンドを設定して(S4911)、本処理を終了する。
これに対して、S4902の処理において、読み出した特別図柄保留球数カウンタ223bの値が4未満であると判別した場合は(S4902:No)、連続予告演出の実行可否の判定を行ってしまうと、エンディング期間中に期待度がより高い変動種別に対応する始動入賞を検出してしまう可能性がある(大当たりの終了時点で保留されている最も期待度が高い変動種別に基づく連続予告演出の実行可否の判定を行うことができなくなる可能性がある)ので、判定未実行フラグ223qをオンに設定して(S4908)、処理をS4909へと移行する。また、S4905の処理において、予告回数カウンタ223iの値が0である(即ち、連続予告演出の実行が決定されなかった)と判別した場合にも(S4905:No)、処理をS4909へと移行する。
S4909の処理では、エンディン選択テーブル222h(図70参照)のうち、連続予告演出の非実行に対応する乱数値(カウンタ値)の範囲(図70の222h4参照)と、演出抽選カウンタ223fのカウンタ値とを比較して(S4909)、処理をS4910に移行し、連続予告演出の実行が決定された場合と同様に、エンディング種別の決定、および表示用エンディングコマンドの設定を行う。
このエンディングコマンド処理(図73参照)を実行することにより、連続予告演出の実行可否の判定結果に応じた割合で、エンディング演出の態様を選択することができるので、遊技者に対して連続予告演出の実行有無や、予告種別に応じた期待度を示すことができる。
以上説明した通り、第4実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、大当たり中の所定のタイミング(エンディング期間の開始時)に予告抽選禁止状態を解除して連続予告演出の実行可否を判定する構成としている。そして、大当たりのエンディング演出の態様によって、大当たりの終了後に連続予告演出が開始されるか否かの期待度を示唆することが可能に構成している。これにより、連続予告演出が実行される期待度が高い態様のエンディング演出が実行された場合には、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が開始されるよりも前から、連続予告演出に対する期待感をより強く遊技者に抱かせることができる。
なお、第4実施形態の変形例では、通常エンディングと、予告示唆エンディングとで、エンディング演出の実行中における背景の色を異ならせる構成としていたが、これはあくまでも一例であり、遊技者が通常エンディングと、予告示唆エンディングとを区別可能な範囲で任意の演出態様とすることができる。具体的には、例えば、通常エンディングと予告示唆エンディングとで、エンディング演出中に表示される文字を異ならせてもよいし(例えば、通常エンディングでは「またね!」という文字を表示し、予告示唆エンディングでは「チャンス!」という文字を表示する等)、エンディング演出中に表示されるキャラクタを異ならせてもよい(例えば、通常エンディングでは女性のキャラクタを表示し、予告示唆エンディングでは男性のキャラクタを表示する等)。更に、通常エンディングと予告示唆エンディングとで、態様を異ならせるのは第3図柄表示装置81の表示態様に限られるものではなく、例えば、エンディング演出中に再生される楽曲を異ならせたり、電飾部29〜33の発光色や発光パターンを異ならせたりすることで、通常エンディングと予告示唆エンディングとで演出態様を異ならせる構成としてもよい。
第4実施形態の変形例では、エンディング演出の態様として、通常エンディングと、予告示唆エンディングとの2種類のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、4種類のエンディング演出の態様を設ける構成とし、それぞれ大当たり後に予告演出Aが実行される場合に選択される割合が高い種別、予告演出Bが実行される場合に選択される割合が高い種別、予告演出Cが実行される場合に選択される割合が高い種別、連続予告演出が実行されない場合に選択される割合が高い種別として設定しておいてもよい。このように構成することで、エンディング演出の態様から、連続予告演出が実行される期待度だけでなく、実行される可能性が高い予告演出の演出種別もエンディング期間中に予測させることができるので、エンディング演出の態様により注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、または加えて、大当たりの終了時点で保留されていた保留球、および大当たり中に新たに検出した始動入賞に基づく保留球の中に大当たりが含まれる期待度をエンディング演出の態様により示唆する構成としてもよい。また、この場合において、期待度を示唆するのではなく、大当たりが含まれている場合にしか選択されないエンディング演出の態様を設ける構成としてもよい。このように構成することで、エンディング演出の態様により注目して遊技を行わせることができる。
第4実施形態の変形例では、エンディング期間の開始タイミングにおいて保留球数が上限値(4個)に達していると判別された場合に予告抽選禁止状態を解除して連続予告演出の実行可否を判定する構成としていたが、予告抽選禁止状態の解除タイミング、および連続予告演出の実行可否の判定タイミングはこれに限られるものではない。例えば、大当たり中に始動入賞を検出し、保留球数が最大となった時点で、エンディング期間の開始タイミングとなっていなくても連続予告演出の実行可否を判定する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング期間の開始タイミングにおいては、エンディング演出の態様の選択処理のみを実行すればよく、連続予告演出の実行可否の判定を行うタイミングを異ならせることができる。よって、エンディング期間の開始タイミングにおける音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができるので、エンディング演出の態様の選択が遅れてしまい、エンディング演出の実行が遅れてしまったり、連続予告演出の実行可否の判定結果に対応した態様を正常に選択することができなくなってしまったりすることを防止(抑制)することができる。
<第5実施形態>
次に、図74から図76を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、遊技盤13の盤面構成(釘の配置や風車の配置等)がほぼ左右対称となっており、遊技盤13において可変表示装置ユニット80の右側に設けられている流路に向けて発射された遊技球(右打ちされた遊技球)と、左側に設けられている流路に向けて発射された遊技球(左打ちされた遊技球)とで、遊技球が発射されてから第1入球口64、または可変入賞装置65に到達するまでの期間が略同一となるように構成されていた。
これに対して本第5実施形態では、遊技盤13において可変表示装置ユニット80の右側に設けられている流路に向けて発射された遊技球(右打ちされた遊技球)の方が、左側に設けられている流路に向けて発射された遊技球(左打ちされた遊技球)よりも、第1入球口64や可変入賞装置65に到達するまでの期間が長くなるように構成した。加えて、本第4実施形態では、特定入賞口65aが開放されている場合において、可変表示装置ユニット80の右側に設けられている流路を流下した遊技球よりも、可変表示装置ユニット80の左側に設けられている流路を流下した遊技球の方が、特定入賞口65aに入球する割合が高くなるように構成されている。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
図74は、本第5実施形態における遊技盤13の盤面構成を示し図である。図74に示した通り、第5実施形態における遊技盤13の盤面構成は、上述した第1実施形態における遊技盤13の盤面構成(図2参照)に対して、遊技盤13における可変表示装置ユニット80の右側には、遊球が内部へと入球可能な迂回役物700が設けられている。詳細については図75を参照して後述するが、この迂回役物700は、右打ち(遊技盤13の右側に打ち出された)遊技球が特定入賞口65aへと到達するまでの時間を長くするために設けられている。言い換えれば、迂回役物700は、左打ちにより発射された遊技球が特定入賞口65aへと到達するまでの期間よりも、右打ちにより発射された遊技球が特定入賞口65aへと到達するまでの時間の方が長くなるように、右打ちされた遊技球の流下時間を長くすることができる。なお、本第5実施形態では、左打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間が1秒間〜2秒間となるのに対して、右打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間は7秒間〜8秒間となるように構成されている。
ここで、図75を参照して、本第5実施形態における迂回役物700の詳細について説明する。図75は、迂回役物700を模式的に示した模式図である。図75に示した通り、迂回役物700は、その上部に開口部710が設けられている。右打ちにより発射された遊技球は、この開口部710を介して迂回役物700の内部へと進入できる。また、迂回役物700の下部には、迂回役物700内を流下した遊技球を迂回役物700の外部へと排出するための開口部720が設けられている。更に、迂回役物700には、内部に進行した球が開口部720を介さずに外部へと排出されることを防止するために、周縁部730によって正面視手前側、奥側、および左右方向の4方向を囲まれている。この周縁部730は、半透明な部材(例えば、PS材)によって構成されているので、球が流下する様子を遊技者が容易に視認することができる。
また、周縁部730のうち、正面視奥側の平面は、ベース板60と略同一平面となるように組み付けることができるので、周縁部730とベース板60との間に隙間が生じることで、球がその隙間に挟まってしまうことを抑制することができる。更に、周縁部730のうち、正面視手前側の平面と、ガラスユニット16とは、前面枠14が閉鎖された状態において隙間無く接触するように構成されているので、周縁部730とガラスユニット16との間に隙間が生じることで、球がその隙間に挟まってしまうことを抑制することができる。
図75に示した通り、迂回役物700の内部には、迂回役物700の下方へ向かって傾斜した複数の流路(誘導流路740〜790)が設けられている。各誘導流路740〜790において、球が接触する面は略平板形状となっており、その幅は周縁部730の内側部分の幅(正面視奥側の内壁と、正面視手前側の内壁との間の距離)と略同一となるように構成されている。即ち、周縁部730の内側部分と、各誘導流路740〜790との間に隙間が生じることで、その隙間を球が通過してしまうことを防止できるように構成されている。
図75に示した通り、誘導流路740,760,780は、正面視右上方向から左下方向へ下る向きに傾斜している。また、誘導流路750,770,790は、正面視左上方向から右下方向へ下る向きに傾斜している。そして、迂回役物700の上側から順番に、誘導流路740,750,760,770,780,790が配置されている。即ち、正面視右上方向から左下方向へ下る向きに傾斜した流路と、正面視左上方向から右下方向へ下る向きに傾斜した流路とが交互に設けられている。
開口部710へと入球した遊技球は、まず、誘導流路740へと落下し、その誘導流路740の成す傾斜に沿って、正面視左下方向へと流下する。そして、遊技球が誘導流路740の下端まで到達すると、遊技球は誘導流路740から誘導流路750に向けて落下する。そして、落下した遊技球は、誘導流路750に沿って正面視右下方向へと流下する。流下した遊技球が誘導流路750の下端へ到達すると、遊技球は誘導流路760へと落下し、誘導流路760の成す傾斜に沿って、正面視左下方向へと流下する。
遊技球は、以降も流路に沿って流下する動作と、下側の流路へと落下する動作とを交互に繰り返す。そして、最終的に遊技球は誘導流路790の下端へ到達し、誘導流路790の下端から開口部720に向けて落下する。これにより、迂回役物700へと入球した球が開口部720を介して迂回役物700の外部へと排出される。遊技球の流下する流路が変わる度に、遊技球が流下する向きが変わるので(即ち、右下方向から左下方向、若しくは左下方向から右下方向に変わるので)、流路が変わる度に遊技球の流下する勢い(流下速度)を削ぐことができる。よって、開口部710を介して迂回役物700へと入球した遊技球が、開口部720を介して外部へと排出されるまでの時間を長くすることができる。これにより、遊技盤13の左側へと遊技球を発射するのに比べて、遊技盤13の右側へと球を発射した場合に球が遊技盤13の下部(第1入球口64や可変入賞装置65が配設されている領域)へと到達する時間を長くする(7秒以上にする)ことができる。
また、図75に示した通り、各誘導流路740〜790は、それぞれ流路支持軸741〜791によって軸支されており、各流路支持軸を回転軸として、時計回り、または反時計回りに回動可能に構成されている。また、回動動作は、各誘導流路740〜790の下側に設けられた回動停止部材742a〜792a、又は回動停止部材742b〜792bに対して各誘導流路740〜790の下面が接触することにより停止する。この回動動作について、誘導流路740を例に取って説明する。
上述した通り、誘導流路740は、流路支持軸741を回転軸として回動可能に構成されている。この回動動作は、誘導流路740を流下する遊技球の重みに基づいて行われる。具体的には、遊技球が誘導流路740の上半分を流下する場合に、遊技球の重みによる負荷が誘導流路740の上半分にかかることにより、誘導流路740の上半分を下方向へ回動させる向きの力が生じる。即ち、誘導流路740を正面視で時計回りに回動させる向きの力が働くので、誘導流路740は流路支持軸741を回転軸として時計回りに回動する。回動動作は、誘導流路740の下面が回動停止部材742bに接触することで停止する。この回動停止部材742bにより、誘導流路740が時計回りに回動しすぎてしまい、誘導流路740の傾きが逆向きになってしまうことを抑制できる。
ここで、回動停止部材742bは、略円柱形状の部材であり、周縁部730の手前側の内壁、および奥側の内壁とそれぞれ接合されている。即ち、誘導流路740の下面が接触した際の衝撃で、その位置がずれてしまわないように構成されている。なお、他の回動停止部材742a〜792a、および回動停止部材752b〜792bについても、その構造は回動停止部材742bと同様である。
一方、球が誘導流路740の下半分を流下する場合は、遊技球の重みによる負荷が誘導流路740の下半分にかかるので、誘導流路740の下半分を下方向へと回動させる向きの力が生じる。即ち、誘導流路740を正面視で反時計回りに回動させる向きの力が働くので、誘導流路740は流路支持軸741を回転軸として反時計回りに回動する。回動動作は、誘導流路740の下面が回動停止部材742aに接触することで停止する。この回動停止部材742aにより、誘導流路740が反時計回りに回動しすぎてしまうことを抑制することができる。つまり、誘導流路740の傾きが大きくなりすぎて、遊技球の勢いを削げなくなってしまうことを抑制することができる。よって、右打ちにより発射された遊技球を、確実に7秒以上かけて遊技盤13の下方(第1入球口64や特定入賞口65aが配設されている領域)に流下させることができる。なお、各誘導流路740〜790の傾きが最大となった状態で遊技球が流下すると、遊技球が第2入球口640へと到達するまでに7秒となるように、各誘導流路740〜790の経路長、および最大傾斜角度が設定されている。全ての誘導流路740〜790が最大傾斜角を保ったまま遊技球が流下するのは稀であるので、遊技球が第2入球口640へと到達する時間を確実に7秒以上とすることができる。
このように、遊技球の重みによる負荷に基づいて各誘導流路740〜790の傾きが変化するように構成することで、各誘導流路740〜790を流下する遊技球の流下速度を可変させることができる。よって、遊技球が迂回役物700を通過し終わるまでの時間をばらつかせることができる。また、上記の説明では1個の球が誘導流路740上を進行した場合について説明したが、実際の遊技中には複数の球が同一の誘導流路上を進行する状態も起こり得る。この場合には、各誘導流路740〜790の回動動作を更に不規則とすることができるので、遊技球が迂回役物700を通過し終わるまでの時間をばらつかせることができる。
また、図75に示した通り、各誘導流路740〜790は、上面の左右両端の角に比べて、下面の左右両端の角が丸くなるように加工している。このように構成することで、各誘導流路740〜790が回動する場合に、下面の角と周縁部730の内壁部分とを接触し難くすることができる。よって、各誘導流路740〜790を、周縁部730に対してより近い位置に配置できるので、各誘導流路740〜790と、周縁部730との間に隙間ができ、その隙間に遊技球が挟まってしまったり、その隙間を遊技球が通過してしまったりすることを抑制することができる。なお、各誘導流路740〜790は、遊技球が流下していない状態において、自重により傾きの最も大きい配置へと戻るように構成されている。例えば、球が誘導流路740を流下していない状態においては、誘導流路740の自重により、流路支持軸741を回転軸として正面視反時計回りに回動する。この回動動作は、誘導流路の下面が回動停止部材742aに接触するまで行われ、回動停止部材742aへと接触することにより停止する。同様に、誘導流路750〜790は、遊技球が流下していない状態において、自重により各回動停止部材752a〜792aへと接触するまで回動動作を行うように構成されている。これにより、各誘導流路750〜790が回動動作を行っている途中で遊技球が流下するか、各誘導流路750〜790の回動動作が終了した状態で遊技球が流下するかに応じて球の流下速度を異ならせることができる。よって、遊技者が第2入球口640を狙い難くすることができる。
なお、各誘導流路740〜790が自重では回動せず、遊技球の通過によってのみ回動するように構成してもよい。また、例えば、各誘導流路740〜790をモータ等により規則的に、或いは不規則に回動させるように構成してもよい。
図74に戻って説明を続ける。図74に示した通り、迂回役物700の下方には、迂回役物700の下端側の開口部720を介して迂回役物700から流出した遊技球の流下方向を制限するように多数の釘が配置されている。これらの釘によって、迂回役物700から流出した全ての遊技球を、可変入賞装置65に対して正面視左側に設けられている曲面部材800に落下させることができる(第1入球口64の方向へ遊技球が流下してしまうことを抑制できる)。この曲面部材800に落下した遊技球は、曲面部材800の上面を転動し、可変入賞装置65の方向へと誘導される。図74に示した通り、可変入賞装置65と、曲面部材800との間は非常に狭い(遊技球一個分未満の幅しかない)ため、特定入賞口65aが開放されている状態において、曲面部材800の左端まで誘導されたほぼ全ての遊技球を、特定入賞口65aへと入賞(入球)させることができる。これに対し、可変入賞装置65に対して正面視左側には、可変入賞装置65の下方のアウト口66へと遊技球を誘導するための比較的広い(遊技球一個分を上回る幅の)スペース(流路)が設けられている。このため、特定入賞口65aが開放されている場合において、遊技球を左打ちによって発射した場合、多くの遊技球が特定入賞口65aへと入球するものの、一部の遊技球(例えば、10球に1球の割合)が特定入賞口65aへと入球せずに、可変入賞装置65の左側からアウト口66へと誘導される。
このように、本第5実施形態では、遊技盤13における正面視右側の流路に対して迂回役物700と、曲面部材800とを設ける構成としている。これらにより、右打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間を、左打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間よりも長くすることができる。なお、基本的には右打ちの方が特定入賞口65aに到達するまでの期間が長くなるが、遊技球の反射方向や射出状況等に応じては、左打ちの方が特定入賞口65aに到達するまでの期間が長くなる可能性も0ではない(例えば、左方向に発射した遊技球が一時的に静止した場合や、可変表示装置ユニット80の左側の流路で球詰まりが生じた場合等)。このため、可変表示装置ユニット80の右側の流路を流下(通過)した遊技球は、左側の流路を流下(通過)した遊技球に比較して、特定入賞口65aに到達するまでの期間が長くなり易くなる(左側の流路を流下した遊技球の方が、特定入賞口65aに到達するまでの期間が短くなり易くなる)とも言い換えることができる。
また、本第5実施形態では、特定入賞口65aが開放されている場合において、右打ちされた遊技球が特定入賞口65aに入球する割合を、左打ちされた遊技球が特定入賞口65aに入球する割合よりも高くすることができる。これにより、スピーディーに大当たり遊技を進行させたい(早期に大当たり遊技を終わらせたい)と考える遊技者に対して、大当たり遊技の実行中に、多少の損失(10球に1球程度の割合の無駄球)を覚悟の上で、左打ちにより特定入賞口65aを狙って遊技を行わせることができる。一方で、無駄球(損失)を可能な限り発生させたくないという遊技者に対して、大当たり遊技の期間が長くなることを覚悟の上で、右打ちにより特定入賞口65aを狙って遊技を行わせることができる。よって、遊技者毎に、大当たり遊技の実行中において、好みの遊技性を選択させることができるので、遊技者毎の趣向に合わせた遊技性を実現することができる。なお、大当たりの各ラウンドは、各ラウンドが開始してから30秒間が経過するか、或いは、30秒間が経過する前に10個以上の遊技球が特定入賞口65aへと入球した場合に終了される。大当たりの各ラウンドが開始してから遊技球を右打ちにより発射し始めたとしても、30秒間が経過するよりも前に10個の遊技球を、迂回役物700を通過させて特定入賞口65aへと入球させることができる(13秒〜14秒程度で10個の遊技球を入球させることができる)。よって、右打ちを行った場合に、賞球面で不利となる(規定個数の遊技球が特定入賞口65aに入賞する前にラウンドが終了してしまう)ことを抑制できる。
次に、図76を参照して、本第5実施形態における大当たり遊技の実行中の表示態様について説明する。図76は、大当たり中における第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの表示態様の一例を示した図である。
図76に示した通り、本第5実施形態では、大当たりになると、主表示領域Dmにおける正面視左上側と、正面視右上側とに、略長方形形状の表示領域HR2,HR3が形成されると共に、表示領域HR2、および表示領域HR3の下方に、略長方形形状で表示領域HR2,HR3よりも面積が大きい表示領域HR4が形成される。表示領域HR2に対しては、左向きの矢印を模した画像が表示されると共に、「左打ちで高速モード」という文字と、「大当たりを素早く消化できるよ」という文字とが表示される。これらの表示内容により、大当たり中に左打ちを行うと、大当たりを比較的短い期間で消化することができる(大当たりが比較的高速で進行する)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図76に示した通り、表示領域HR3に対しては、右向きの矢印を模した画像が表示されると共に、「右打ちで低速モード」という文字と、「大当たりをじっくり消化できるよ」という文字とが表示される。これらの表示内容により、大当たり中に右打ちを行うと、大当たりを比較的長い時間をかけて消化することができる(大当たりが比較的低速で進行する)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図76に示した通り、表示領域HR4に対しては、大当たり中であることを示す各種の画像や情報が表示される。具体的には、図76に示した通り、表示領域HR4における中央部分に、金貨が大量に入っている宝箱を模した画像TBが表示されると共に、表示領域HR4の内部における右上側に、「大当たり」という文字が付された表示領域HR6が形成される。これらの表示内容によって、大当たり遊技の実行中であることを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、表示領域HR4の内部における左上側には、大当たりの進行状況(ラウンド数や、払い出された賞球数)を示す文字を表示するための表示領域HR5が形成される。図76の例では、「ROUND:01/16」という文字(現在のラウンド数と、最大のラウンド数との対比を示す情報)と、「GET:0000/1600」という文字(現在までの賞球の払い出し個数と、最大の払い出し個数との対比を示す情報)とが表示される。これらの表示領域HR5に表示される表示内容により、大当たりの進行状況を遊技者に対して容易に理解させることができる。
以上説明した通り、本第5実施形態では、右打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間が、左打ちされた遊技球が特定入賞口65aに到達するまでの期間よりも長くなるように構成している。加えて、本第5実施形態では、特定入賞口65aが開放されている場合において、右打ちされた遊技球が特定入賞口65aに入球する割合を、左打ちされた遊技球が特定入賞口65aに入球する割合よりも高くする構成としている。これらの構成により、スピーディーに大当たり遊技を進行させたい(より短い時間で多量の賞球を獲得したい)と考える遊技者に対して、大当たり遊技の実行中に、多少の損失(10球に1球程度の割合の無駄球)を覚悟の上で、左打ちにより特定入賞口65aを狙って遊技を行わせることができる。一方で、無駄球(損失)を可能な限り発生させたくないと考える遊技者に対しては、大当たり遊技の期間が長くなることを覚悟の上で、右打ちにより特定入賞口65aを狙って遊技を行わせることができる。よって、遊技者毎に、大当たり遊技の実行中において、好みの遊技性を選択させることができるので、遊技者毎の趣向に合わせた遊技性を実現することができる。
なお、本第5実施形態では、迂回役物700を可変表示装置ユニット80の右側に設けることで、右打ちにより発射された遊技球が可変入賞装置65へと到達するまでの期間を、左打ちにより発射された遊技球が可変入賞装置65へと到達するまでの期間よりも長くなるように構成していた。即ち、右打ちにより発射された遊技球が流下する際の経路長を、左打ちにより発射された遊技球が流下する際の経路長よりも長くすることにより、右打ちを行った方が、左打ちを行うよりも流下時間が長くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路において、迂回役物700に代えて公知のクルーン手段を設ける構成としてもよい。このように構成することで、クルーン手段に到達してからクルーン手段を通過するまでの期間を長くすることができるので、右打ちにより発射された遊技球の流下時間を長くすることができる。また、例えば、迂回役物700に代えて、遊技球の流下を所定期間停止させる役物を可変表示装置ユニット80の右側に設けられている流路に設ける構成としてもよいし、ベース板60のうち、遊技盤13の右側を、左側よりも摩擦係数が高い物質(例えば、ゴム等の弾性体)で構成することにより、遊技盤13の右側を流下する遊技球の流下速度がベース板60との摩擦によって減速され易く構成してもよい。また、迂回役物700に代えて、可変表示装置ユニット80の左側の流路と、右側の流路とで釘の配置を異ならせることにより、右側の流路を流下した方が、左側の流路を流下した場合よりも遊技盤13における下方の領域(第1入球口64や可変入賞装置65が配置されている領域)に到達するまでの期間が長くなるように構成してもよい。
本第5実施形態では、大当たり中に第3図柄表示装置81において、左打ちを行った場合の遊技性と、右打ちを行った場合の遊技性とをそれぞれ表示領域HR2、および表示領域HR3に対して表示させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり中には、左打ちを促す画像のみを表示させる構成としてもよいし、右打ちを促す画像のみを表示させる構成としてもよい。左打ちを促す画像のみを表示させる構成とすることにより、大当たりを短時間で終了させることができるので、多量の賞球を短い時間で獲得させることができる。よって、遊技者の興趣を向上させることができる。また、右打ちを促す画像のみを表示させる構成とすることにより、無駄球(特定入賞口65aに入球せずにアウト口66に入球してしまう遊技球)を減らすことができるので、1の大当たりにおける遊技者の利益をより大きくすることができる。
また、大当たり中に遊技者に対して発射方向を報知する場合において、大当たりの種別や、大当たり中に実行される演出の種別等に応じて、報知する発射方向を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、確変大当たりになった場合に、奇数の数字が付された主図柄(確変図柄)が揃う変動表示演出(確変大当たりになった場合のみ実行される演出態様)を実行するか、偶数の数字が付された主図柄(通常図柄)が揃う変動表示演出(通常大当たりとなった場合に必ず実行される演出態様)を実行するかを抽選により決定する構成とする。そして、通常大当たりとなるか、確変大当たりになり、且つ、抽選により通常図柄が揃う演出が決定された場合には、大当たり中に確変大当たりであるか否かを報知する演出を実行する構成とする。この場合において、確変大当たりであるか否かを報知するための演出態様(例えば、大当たりの最終ラウンドまで確変大当たりであるか否かが分からない態様の演出と、1ラウンド目の終了時に即座に報知される演出態様と、大当たりの各ラウンドのどこで報知されるか分からない演出態様とのいずれか)を、遊技者に対して選択させる(即ち、遊技者が操作可能なボタンやレバー等の操作手段を設け、操作内容に対応する演出態様を決定する)構成とした上で、当該演出態様の選択を1ラウンド目に実行してもよい。そして、演出態様を選択させるための時間をより長く確保するために、通常図柄が揃う変動表示演出により報知された大当たり(通常図柄報知の大当たり)の1ラウンド目においては、右打ちを示唆する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者に対して演出態様を選択させるための期間をより長く確保することができるので、遊技者に対してより確実に好みの演出態様を選択させることができる。一方で、1ラウンド目において遊技者に何らの選択も促さない場合(例えば、確変図柄が揃う変動表示演出により大当たりが報知された場合)には、大当たり中に左打ちを報知する構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが終了するまでの期間を短くすることができるので、比較的短時間で多量の賞球の払出を受けることができる。
また、例えば、通常大当たりとなるか、確変大当たりになり、且つ、抽選により通常図柄が揃う演出が決定された場合に、大当たりの1ラウンド目において確変大当たりか否かを報知する演出を実行する構成とし、当該演出の中で、操作手段に対する操作を促す演出(操作演出)を実行する構成としてもよい。より具体的には、例えば、操作手段として遊技者が押下可能なプッシュボタンを設ける構成とし、所定期間内にプッシュボタンを連続して押下するように促す演出を実行する。そして、プッシュボタンに対する押下回数に応じて、表示態様が可変する(例えば、インジケータのゲージが貯まっていく)構成とし、押下に連動して表示態様が特定の表示態様に可変する(例えば、ゲージがインジケータの最大まで貯まる)ことにより確変大当たりであることが報知される構成としてもよい。この場合において、通常大当たりとなるか、確変大当たりになり、且つ、抽選により通常図柄が揃う演出が決定された場合(操作演出が実行される場合)には大当たりの1ラウンド目に右打ちを報知する構成とすることで、1ラウンドのラウンド期間を比較的長くすることができるため、操作演出を行うための期間をより長く確保することができる。よって、操作演出の演出効果をより高めることができる。一方で、確変大当たりになり、且つ、抽選により確変図柄が揃う演出が決定された場合(操作演出が実行されない場合)には、1ラウンド目に左打ちを報知する構成とすることで、大当たりが終了するまでの期間を短くすることができる。よって、比較的短時間で多量の賞球の払出を受けることができる。
また、確変大当たりであるか否かの報知を行う際の演出態様を選択させるのに代えて、例えば、1ラウンド目において、大当たり遊技の実行中に再生される楽曲(音声による演出)の種別を選択可能に構成し、楽曲を選択するための期間(選曲期間)の間は少なくとも右打ちを報知する構成としてもよい。より具体的には、大当たりの1ラウンド目において、楽曲(音声による演出)の種別を選択するための選曲メニュー画面を第3図柄表示装置81に対して表示させる。この選曲メニュー画面には、パチンコ機10に設定されている複数(例えば、10個)の楽曲のそれぞれに対応する画像が表示される。また、パチンコ機10に対して、枠ボタン22に代えて、又は加えて、遊技者が操作可能なボタン等の操作手段を設ける構成とし、操作手段に対する操作内容に応じて選曲メニュー画面に表示されている1の画像を選択可能に構成する。例えば、選曲メニュー画面において、各楽曲に対応する画像を縦一列に配置させると共に、1の画像(例えば、中央に表示されている画像)が点灯した見た目となり、その他の画像が消灯した見た目となるように構成する。また、操作手段として、上移動に対応するボタン(上ボタン)と、下移動に対応するボタン(下ボタン)と、決定操作に対応するボタン(決定ボタン)との3種のボタンを設ける構成とする。そして、選曲期間中に上ボタンに対する押下を検出することで、押下直前まで点灯した見た目となっていた画像が消灯した見た目に切り替わると共に、1つ上側に配置されていた画像が点灯した見た目に切り替わるように構成する(点灯した見た目の画像が1つ分だけ上側に移動する)。また、下ボタンに対する押下を検出した場合も同様に、点灯した見た目の画像が1つ分だけ下側に移動するように構成する。更に、選曲期間中に決定ボタンに対する押下を検出することで、押下の時点で点灯した見た目となっている画像に対応する楽曲を、今回の大当たり中に再生させる楽曲として決定する構成とする。即ち、1ラウンド目の終了時から大当たりの最終ラウンドの終了まで再生させる楽曲として設定する。このように構成することで、大当たり中に遊技者の好みの楽曲を再生させることができるので、大当たり遊技中における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
係る状況下において、大当たりの1ラウンド目において左打ちを報知する構成とした場合、1ラウンド目が比較的早期に終了してしまうため、選曲期間も短くなってしまう。このため、遊技者が好みの楽曲を上ボタン、および下ボタンに対する操作により選択し、決定ボタンにより再生を設定させるよりも前に選曲期間が終了してしまう可能性がある。これに対して選曲期間が設定される大当たり(楽曲を選択する演出の実行が決定されている大当たり)の1ラウンド目(選曲期間)の間に右打ちを報知する構成とすることにより、1ラウンド目のラウンド期間を比較的長い期間にすることができるので、遊技者が選曲メニュー画面の中から好みの楽曲を探して(対応する画像が点灯した見た目となるように上ボタンや下ボタンを操作して)決定する(決定ボタンを押下する)ための期間をより長く確保することができる。これにより、遊技者を焦らせることなく、好みの楽曲を確実に選択させることができるので、楽曲を選択する際における遊技者の利便性を高めることができる。また、選曲期間が設定されない大当たり(通常の大当たり演出が実行される大当たり)の1ラウンド目の間に左打ちを報知する構成とすることにより、遊技が間延びしてしまうことを防止し、スピーディーに大当たり遊技を消化させることができる。よって、大当たり中に実行される演出態様に応じて適切な発射方向を遊技者に対して報知することができる。
更に、1ラウンド目に選曲期間を設定する等、遊技者に対して操作手段に対する操作を促す演出(操作演出)が大当たりとなった場合における所定割合で実行される場合において、遊技者の過去の操作状況(操作履歴)に応じて1ラウンド目に報知する発射方向を可変させる構成としてもよい。より具体的には、例えば、操作演出が設定された大当たりの1ラウンド目において遊技者が操作手段に対する操作を行ったか否かの情報(操作履歴)を記憶しておくことが可能に構成する。そして、操作演出が設定された大当たりを開始する場合には、記憶しておいた過去の操作履歴に基づき、過去の所定回数(例えば、5回)の操作演出が設定された大当たりに渡って遊技者が操作を行っていない場合には、左打ちを報知する構成とする一方で、所定回数以内の大当たりにおいて遊技者が操作を行っていた場合には右打ちを報知する構成としてもよい。即ち、操作演出が実行されても操作を行わない傾向の遊技者に対しては、左打ちを報知することにより大当たりの1ラウンド目をより早期に終了させることで短時間に多量の賞球を獲得できる遊技性を実現する一方、操作演出中に積極的に操作を行う傾向の遊技者に対しては、右打ちを報知することにより操作演出の実行期間を長期化し、操作演出において遊技者が操作手段に対する十分な操作を行うための期間を確保することができる。よって、遊技者の傾向に応じた遊技性を実現することができる。
本第5実施形態では、右打ちを行った方が、左打ちを行った場合よりも特定入賞口65aへの入球率が高くなる盤面構成とすることにより、右打ちの方が賞球面で若干有利となる構成としていたが、右打ちを賞球面で有利にするための構成は、これに限られるものではない。例えば、右打ちにより発射された遊技球と、左打ちにより発射された遊技球とで特定入賞口65aに入球する割合は同一としておく代わりに、特定入賞口65の右側(即ち、左打ちされた遊技球が入球困難となり、且つ、右打ちされた遊技球が入球可能となる位置)に、賞球数が比較的多い(例えば、15個)一般入賞口を設ける構成としてもよい。即ち、特定入賞口65aが開放されている状態において、左打ちされた遊技球は基本的に特定入賞口65aに入球し、一部の遊技球は特定入賞口65aへ入球できずにアウト口66に流下する一方で、右打ちされた遊技球は基本的に特定入賞口65aに入球し、一部の遊技球が一般入賞口へ入球する構成としてもよい。このように構成することで、右打ちを行った場合には、一般入賞口に入球して得られる賞球が、大当たりによる賞球(即ち、特定入賞口65aに遊技球が入球したことによる賞球)に加えて付与されるので、大当たり中に右打ちを行った方が賞球面で有利とすることができる。よって、より多くの賞球を獲得したいと考える遊技者に対して、大当たりの期間が長くなることを覚悟の上で、右打ちを行わせることができる。一方で、より短い期間で大当たりの賞球を獲得したいと考える遊技者に対しては、賞球面で右打ちよりも多少不利になることを覚悟の上で、大当たり中に左打ちを行わせることができる。
本第5実施形態では、大当たりとなった場合に、単に右打ちした場合の特徴と、左打ちした場合の特徴とを表示領域HR2、およびHR3に対して表示させる構成としていたが(図76参照)、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の所定箇所(例えば、可変表示装置ユニット80の左側の流路、および右側の流路の途中)に、右打ちされているのか、左打ちされているのかを検出可能なセンサ等の検出手段を設ける構成とし、検出手段による検出結果から遊技者が遊技球を発射している方向を判別する構成としてもよい。そして、判別した発射方向に応じて大当たり中の演出を可変させる構成としてもよい。例えば、右打ちを検出した場合には、表示領域HR2が消灯し、表示領域HR3が点灯した見た目とする一方で、左打ちを検出した場合には、表示領域HR2が点灯し、表示領域HR3が消灯した見た目とする構成としてもよい。このように構成することで、遊技者に対して、自己の選択した発射方向によりどのような遊技性になるのかを容易に理解させることができる。
<第6実施形態>
次に、図77から図89を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明を行う。上述した第5実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13において、可変表示装置ユニット80の左側に設けられた流路を遊技球が流下した場合よりも、右側に設けられた流路を遊技球が流下した場合の方が、遊技盤13の下方の領域(第1入球口64や、可変入賞装置65が配置されている領域)に到達するまでの時間が長くなり易くなるように、各流路の経路長や遊技球の流下方向等を構成していた。加えて、第6実施形態におけるパチンコ機10では、特定入賞口65aが開放されている場合(即ち、大当たり遊技の実行中)において、左打ちによって遊技球を発射した場合よりも、右打ちによって遊技球を発射した場合の方が高い割合で特定入賞口65aに入賞(入球)し易くなるような盤面構成の遊技盤13を採用していた。
これに対して第6実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり中に開閉される可変入賞装置として、可変入賞装置65に加えて、右可変入賞装置650が設けられている。この右可変入賞装置650の右特定入賞口650aは、大当たりの1ラウンド目において入球可能な開放状態に設定され、大当たり中に遊技球が入球することで大当たり終了後に特別図柄の確変状態が付与される。一方、可変入賞装置65の特定入賞口65aは、大当たりの2ラウンド目以降に開放され、遊技球が入球することで所定数の賞球のみが付与される。また、右特定入賞口650aは、左打ちを行った場合も、右打ちを行った場合も遊技球が到達し得る位置に配置されており、詳細については後述するが、1ラウンド目において左打ちをし続けると、右特定入賞口650aが入球可能な状態の間に右可変入賞装置650に到達する遊技球の個数は多くなるものの、到達した遊技球が右特定入賞口650a入球する割合は低くなるように構成されている。一方で、1ラウンド目において右打ちをし続けた場合は、右特定入賞口650aが入球可能な状態の間に右可変入賞装置650に到達する遊技球の個数は少なくなるものの、到達した遊技球が右特定入賞口650a入球する割合が高くなるように構成されている。これらによって、大当たりの1ラウンド目における遊技性を、遊技球の打ち出し方向に応じて異ならせることができるので、遊技者毎に、好みの遊技性(右特定入賞口650aへの入球率が低い代わりに到達する遊技球数が多くなる遊技性と、到達個数が少ない代わりに入球率が高くなる遊技性とのいずれか)を選択させることができる。
この第6実施形態におけるパチンコ機10が、第5実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第6実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第6実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図77を参照して、本第6実施形態における遊技盤13の構成について説明する。図77は、本第6実施形態における遊技盤13の正面図である。図77に示した通り、本第6実施形態における遊技盤13では、第5実施形態における遊技盤13(図74参照)に設けられていた曲面部材800に代えて、曲面部材810が設けられている点で相違している。この曲面部材810の斜面の一部には、図77に示した通り、右可変入賞装置650が配置されている。
右可変入賞装置650は、その略中央部分に横長矩形状の右特定入賞口650aが設けられている。この特定入賞口650aは、通常時には開閉扉650f1によって閉鎖されており(即ち、入球が困難な状態に設定されており)、大当たりの1ラウンド目が開始されると、開閉扉650f1が大当たり種別毎に予め定められている開閉パターンで開閉される。言い換えれば、大当たりの1ラウンド目において右特定入賞口650aに入球可能な状態と、入球困難な状態とが特定の切り替えパターンで切り替えられる。そして、開閉扉650f1が開放されている間(右特定入賞口650aに入球可能な状態の間)に、遊技球が右特定入賞口650aへと入球すると、大当たりの終了後の遊技状態が、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される(大当たり終了時に確変フラグ203eがオンに設定される)。これに対し、1の大当たりにおいて一度も右特定入賞口650aへと遊技球が入球しなかった場合は、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される(時短中カウンタ203fの値に100が設定される)。言い換えれば、大当たり中に右特定入賞口650aへと遊技球が一度も入球しなかった場合よりも、右特定入賞口650aへと遊技球が入球した場合の方が、遊技者にとって有利となる(大当たり終了後の遊技状態が有利となる)。
図77に示した通り、右特定入賞口650aは、曲面部材810の上面の曲面状の経路に沿って配置されているので、迂回役物700を通過して曲面部材810に落下した遊技球は、曲面部材810の上面に沿って転動することにより、容易に右特定入賞口650aに到達することができる。加えて、図77に示した通り、曲面部材810の上面における左端と、右特定入賞口650aの左端とは、略同一水平面上に配置されている。また、遊技盤13における左側の流路の下方に設けられている曲面部材820は、その上面における右端の高さが、曲面部材810の条件における左端の高さよりも高くなるように構成されている。そして、曲面部材820と曲面部材810の間には、図77に示した通り、曲面部材820から曲面部材810に向かって下る向きの傾斜を形成するように複数の釘が配置されている。これらの構成により、左打ちされて可変表示装置ユニット80の左側の流路を通過した遊技球が曲面部材820の上面に到達した場合は、曲面部材820の上面を転動して曲面部材820の右端に到達する。そして、曲面部材820の右端から正面視右方へと射出された遊技球は、曲面部材820と曲面部材810との間に植立されている釘と干渉しながら正面視右下方向へと流下し、曲面部材810の左端へと到達する。曲面部材810に対して左側から曲面部材810の上面に到達した遊技球は、曲面部材810の上面を正面視右方向に転動していくことにより、右特定入賞口650aまで容易に到達することができる。このため、大当たりの1ラウンド目においては、右打ちを行った場合も、左打ちを行った場合も右可変入賞装置650に対して遊技球を到達させることができる。よって、大当たりの1ラウンド目において、好みの方向に遊技球を発射させることができる。
次に、図78を参照して、右可変入賞装置650の構造についてより詳細に説明する。図78(a)は、右可変入賞装置650の開閉扉650f1が閉鎖された状態(右特定入賞口650aに遊技球が入球困難な状態)における右可変入賞装置650の正面斜視図であり、図78(b)は、右可変入賞装置650の開閉扉650f1が閉鎖状態から開放状態に切り替わる(右特定入賞口650aに遊技球が入球困難な状態から入球可能な状態に切り替わる)途中の状態における右可変入賞装置650の正面斜視図である。
図78(a)に示した通り、右特定入賞口650aが閉鎖されている状態において、右特定入賞口650aを閉鎖する開閉扉650f1の左端と、曲面部材810の上面のうち、右可変入賞装置650よりも左側の部分(左床面810b)とは、ほぼ段差無く滑らかに繋がっている。一方、開閉扉650f1の右端には、正面視左方から転動してきた遊技球が開閉扉650f1の上面を通過して右方向へと転動して行くことを抑制するための凸部650g1が設けられている。この凸部650g1は、開閉扉650f1の上面に対して突出しているため、開閉扉650f1の左方から開閉扉650f1上を転動してきた遊技球は、凸部650g1によって転動を妨げられて転動が停止する。図78(a)に示した通り、開閉扉650f1の上面は正面視右上方向から左下方向に向かって下る向きに傾斜しているので、凸部650g1によって転動が妨げられた遊技球は、開閉扉650f1の上面を正面視左下方向に向けて流下する。そして、左床面810bを正面視左方向に転動して、曲面部材810の左端からアウト口66の方向へと落下する。なお、右可変入賞装置650よりも右側から流下してきた(右床面810aに沿って転動してきた)遊技球は、右床面810の傾斜によって流下の勢いが強くなっているため、開閉扉650f1が閉鎖されている状態においては、凸部650g1を乗り越えて、アウト口66の方向まで流下させることができる。このように、右可変入賞装置650を傾斜させて配置したことにより、開閉扉650f1が閉鎖されている期間において、遊技球が開閉扉650f1の上部に貯まってしまうことを抑制し、アウト口66へと流下させることができる。
図78(b)に示した通り、大当たりの1ラウンド目において、右特定入賞口650aが入球可能な状態に切り替わる場合には、右特定入賞口650aの上方を塞いでいた開閉扉650f1が、正面視左方向にスライド移動することにより、開閉扉650f1が開放される。図78(b)に示した通り、開閉扉650f1の開放途中においては、正面視右側から転動してきた遊技球が右特定入賞口650aへと入球することができるものの、正面視左側から転動してきた遊技球は凸部650g1に阻まれて右特定入賞口650に入球することが困難になる。なお、詳細については図79を参照して後述するが、開閉扉650f1が完全に開放されると、凸部650g1の上端と左床面810bとがほぼ同一の高さとなる(ほぼ滑らかに連結される)ので、右可変入賞装置650に対して左側から転動してきた遊技球も凸部650g1を通過して右特定入賞口650aに入球することができるようになる。
次に、図79を参照して、右可変入賞装置650の開閉扉650f1が閉鎖されている場合、および開放されている場合における、右可変入賞装置650に到達した遊技球の流下方向について説明する。まず、図79(a)は、開閉扉650f1が完全に開放されている状態における右可変入賞装置650、および曲面部材810の断面図である。図79(a)に示した通り、開閉扉650f1が完全に開放された状態では、開閉扉650f1の右端に設けられている凸部650g1の上端と、左床面810bとの高さが略同一となるので、右可変入賞装置650に対して正面視左方向から転動してきた遊技球は、凸部650g1を容易に通過することができる。即ち、凸部650g1に妨げられることなく、右特定入賞口650aに対して容易に入球(入賞)することができる。また、右可変入賞装置650に対して正面視右方向から転動してきた(右床面810aに沿って流下してきた)遊技球についても、右特定入賞口650aに対する入球(入賞)を妨げるものが存在しないため、容易に右特定入賞口650aに入球(入賞)することができる。
図79(b)は、開閉扉650f1が完全に閉鎖されている状態における右可変入賞装置650、および曲面部材810の断面図である。図79(b)に示した通り、開閉扉650f1が閉鎖された状態においては、右特定入賞口650aが開閉扉650f1によって塞がれてしまうため、遊技球が入球不可能となる。この状態において、右可変入賞装置650に対して正面視左方向から転動してきた遊技球は、開閉扉650f1が形成する右上方向に登る向きの傾斜により、左下方向に下る向きの重力が作用するため、転動の勢いが削がれる。また、開閉扉650f1の右端には、開閉扉650f1の他の部分よりも上方に突出した凸部650g1が設けられているため、仮に右方向へ向かう転動の勢いが強く、開閉扉650f1をほぼ登りきることができたとしても、凸部650g1によって右床面810a側に到達することが妨げられる。よって、開閉扉650f1の傾斜に沿って左下方向へと流下し、曲面部材810の左端からアウト口66に向けて落下する。
一方で、右可変入賞装置650に対して正面視右方向から転動してきた遊技球は、右床面810aが成す傾斜によって凸部650g1を乗り越えるための十分な勢いが付加された状態となっているので、凸部650g1を乗り越えて開閉扉650f1を通過することができる。これにより、曲面部材810の左端からアウト口66に向けて落下させることができる。
次に、図80、および図81を参照して、大当たりの1ラウンド目における開閉扉650f1(右特定入賞口650a)の開放パターンについて説明する。ここで、本第6実施形態では、大当たりの1ラウンド目において、右特定入賞口650aが比較的長い期間入球可能な状態に設定される大当たり種別(大当たりA6)と、比較的短い期間入球可能な状態に設定される大当たり種別(大当たりB6)とが設けられている。入球可能な状態が長くなると、遊技球を右特定入賞口650aに入球させる機会が多くなるので、大当たり終了後の遊技状態が有利な状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)に設定される可能性が高くなる。よって、大当たりA6の方が、大当たりB6よりも遊技者にとって有利な(大当たり終了後の遊技状態が有利な状態になり易い)大当たり種別であると言える。以降、説明の簡略化のため、大当たりA6の1ラウンド目において設定される右特定入賞口650aの開放パターンを、V入賞可能な開放パターンと称し、大当たりB6の1ラウンド目において設定される右特定入賞口650aの開放パターンを、V入賞困難な開放パターンと称する。
図80(a)は、V入賞可能な開放パターン(大当たりA6の1ラウンド目で設定される開放パターン)が設定された場合における、右特定入賞口650aの状態の経時変化を示した図である。V入賞可能な開放パターンが設定されると、まず、1ラウンド目の開始から1.5秒間の間、右特定入賞口650aが閉鎖された状態に保たれる。そして、1.5秒経過時点において、右特定入賞口650aが閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。なお、図80(a)に示した通り、右特定入賞口650aの開放動作が開始されてから右特定入賞口650aが完全に開放された状態となるまでには0.3秒を要する。このため、1ラウンド目の開始から1.8秒経過時点で完全に開放された状態となる。この完全に開放された状態は0.2秒間継続し、0.2秒経過時(即ち、1ラウンド目の開始から2.0秒経過時)に右特定入賞口650aの閉鎖動作が開始される。この閉鎖動作は、開放動作と同様に、0.3秒間で完了する(1ラウンドの開始から2.3秒が経過すると完全に閉鎖される)。そして、右特定入賞口650aが完全に閉鎖されると、右特定入賞口650aが閉鎖された状態が0.5秒間継続する。そして、0.5秒間が経過すると(即ち、1ラウンド目の開始から2.8秒間が経過すると)、再度、右特定入賞口650aが開放される。この開放動作では、1回目の開放動作と同一の動作が繰り返される。即ち、0.3秒間かけて完全に開放され、開放された状態が0.2秒間維持され、0.3秒間かけて閉鎖される。
その後も、0.5秒間の完全に閉鎖された状態と、0.8秒間の開放動作(右特定入賞口650aが0.3秒間かけて完全に開放され、開放された状態が0.2秒間維持され、0.3秒間かけて閉鎖される一連の動作)とが繰り返される。この繰り返し動作により、V入賞可能な開放パターンでは、大当たりの1ラウンド目において、0.8秒間の開放動作が6回繰り返される。また、図80(a)に示した通り、最後の開閉動作は1ラウンド目の開始から8.0秒間が経過した後で実行される。ここで、本第6実施形態では、第5実施形態と同様に、可変表示装置ユニット80の右側の流路に、遊技球の流下時間を長くするための迂回役物700が配設されている。右打ちされた遊技球が迂回役物700を通過することにより、遊技盤13の下方の領域(第1入球口64や可変入賞装置65、右可変入賞装置650が等配設されている領域)に到達するまでの期間が、第5実施形態と同様に7秒〜8秒となる。よって、大当たりの1ラウンド目に右打ちを開始した場合は、ラウンドの開始から少なくとも7秒間以上の時間をかけて遊技球が右可変入賞装置650に到達する。よって、右打ちを行った場合には、V入賞可能な開放パターンにおける最後の開放期間の開始時(1ラウンド目の開始から8秒間経過時)前後で遊技球が右可変入賞装置650に到達する。このため、1ラウンド目に右打ちを行った場合は、6回の開放期間のうち、最後の開放期間でのみ、右特定入賞口650aに対して遊技球を入球させることができる可能性がある。
これに対して大当たりの1ラウンド目に左打ちをし続けた場合は、1秒間〜2秒間程度で遊技盤13の下方の領域(第1入球口64や可変入賞装置65、右可変入賞装置650が等配設されている領域)に遊技球が到達するので、1ラウンド目の開始時に即座に左打ちをすれば、1回目の開放期間から遊技球を特定入賞口650aに到達させることができる。即ち、右特定入賞口650aへと入球させる機会を最大で6回得ることができる。しかしながら、上述した通り、左側から右特定入賞口650aに向けて転動してきた遊技球は、右側から転動してきた遊技球に比べて1の開放期間(開放が開始されてから完全に閉鎖されるまでの0.8秒間)において、右特定入賞口650aに対して入球可能となる期間が短くなる。更に、左打ちを行った場合には、右打ちを行った場合に比較して右可変入賞装置650に到達することができない遊技球が多くなる。即ち、曲面部材820と曲面部材810との間に植立されている複数の釘の間をすり抜けることにより、遊技球が曲面部材810に到達できずにアウト口66へ入球する場合や、第1入球口64に入球する場合がある。よって、V入賞可能な開放パターンが設定された場合には、1ラウンド目に左打ちを行うことにより、右特定入賞口650aが開放されている間に到達する遊技球の個数は多いが、入球する割合が低くなり、且つ、無駄球も多くなる遊技性となる。これに対し、大当たりの1ラウンド目に右打ちを行った場合には、右特定入賞口650aが開放されている間に到達する遊技球の個数は少ないが、入球する割合が高くなる遊技性となる。よって、1ラウンド目の遊技性を、遊技球の発射方向に応じて可変させることができるので、大当たりの1ラウンド目における遊技者の興趣を向上させることができる。なお、大当たりの1ラウンド目において右打ちを行った場合も、左打ちを行った場合も1ラウンドの間に遊技球が入球する可能性は略同一(例えば、約80%の割合)となるように、開放期間や盤面構成等が設定されている。
図80(b)は、V入賞が困難な開放パターン(大当たりB6の1ラウンド目で設定される開放パターン)が設定された場合における、右特定入賞口650aの状態の経時変化を示した図である。V入賞が困難な開放パターンが設定された場合には、図80(b)に示した通り、1ラウンド目の開始と同時に右特定入賞口650aが開放され、完全に開放された直後に閉鎖される。よって、左打ちを行った場合も、右打ちを行った場合も、右特定入賞口650aが開放されている間に右特定入賞口650aへと遊技球を入球させることは極めて困難になる(1ラウンドの間に遊技球が入球する可能性はほぼ0%となる)。このため、大当たりに当選した場合に、遊技者に対して、大当たり種別が大当たりA6になる(V入賞可能な開放パターンが設定される)ことを期待させることができる。
図81は、V入賞可能な開放パターンが設定された場合における1の開放期間の間の開閉扉650f1の状態をより詳細に示した図である。図81に示した通り、開放動作が開始されるまでの間は、開閉扉650f1によって右特定入賞口650aの上部が塞がれた状態になるので、右特定入賞口650aに対して遊技球が入球不可能となる(図81(a)参照)。そして、開閉扉650f1の開放開始タイミングになると、開閉扉650f1が正面視左方向にスライド移動することにより、曲面部材810の内部へと収納されていく。開放動作の開始から0.1秒間が経過すると、右特定入賞口650aのうち、上方を開閉扉650f1で塞がれていない部分の幅が、遊技球1個分以上の幅となる(図81(b)参照)。これにより、右方向から転動してきた遊技球が右特定入賞口650aへと入球可能となる。一方で、左方向から転動してきた遊技球は、開閉扉650f1のうち、曲面部材810の内部に収納されていない部分が形成する右上方向に上る向きの傾斜と、凸部650g1とにより、右特定入賞口650aへと入球することが妨げられる。即ち、左側から転動してきた遊技球は、開閉扉650f1が完全に閉鎖されている状態と同様に、右特定入賞口650aへの入球が不可能となる。この、右側から転動してきた遊技球が右特定入賞口650aへと入球可能となり、且つ、左側から転動してきた遊技球が入球不可能となる状態は、0.1秒間の間継続し、0.1秒間が経過すると(即ち、開放動作の開始から0.2秒間が経過すると)、開閉扉650f1のほとんどが曲面810の内部に収納される(凸部650g1と左床面810bの右端との間の幅が遊技球1個分未満となる)ことにより、左床面810bの右端に到達した遊技球が、開閉扉650f1の上面を介さずに、直接凸部650g1の上方を通過することが可能となる(図81(c)参照)。よって、右可変入賞装置650に対して正面視左側から転動してきた遊技球についても、凸部650g1を通過して右特定入賞口650aに入球可能となる。即ち、右方向から転動してきた遊技球(右打ちにより発射された遊技球)も、左方向から転動してきた遊技球(左打ちにより発射された遊技球)も、共に右特定入賞口650aに入球可能な状態となる。以降は、開閉扉650f1が完全に開放されるまでの間、両方向(右側、および左側の両方)から転動してきた遊技球が右特定入賞口650aに入球可能な状態となる。
図81に示した通り、開放動作が開始されてから0.3秒間が経過すると、開閉扉650f1が曲面部材810の内部に完全に収納され、凸部650g1のみが外部に露出した状態(開閉扉650f1が完全に開放された状態)となる(図81(d)参照)。この完全に開放された状態は、上述した通り0.2秒間継続し、0.2秒間が経過すると、閉鎖動作が開始される。この閉鎖動作は、開放動作と逆の動作が同一の時間(即ち、0.3秒)をかけて実行される。このため、開放動作が開始されてから開閉扉650f1が再度閉鎖されるまでの間において、右可変入賞装置650aに対して遊技球が入球可能となる期間は、右打ち時において、開放動作の開始から0.1秒経過時から、開閉扉650f1が完全に閉鎖される0.1秒前までの0.6秒間となる。一方、左打ち時においては、開放動作の開始から0.2秒経過時から、開閉扉650f1が完全に閉鎖される0.2秒前までの0.4秒間となる。即ち、左打ちを行った場合よりも、右打ちを行った方が、右可変入賞装置650に到達した遊技球が入球する割合は高くなる。
このように、本第6実施形態では、右特定入賞口650aに対して遊技球が可能となる期間を、右可変入賞装置650に対して右側から到達した遊技球であるか、左側から到達した遊技球であるかに応じて可変させる構成としている。これにより、右可変入賞装置650に対して右側から遊技球が到達した場合には、右特定入賞口650aへと入球することをより強く期待させることができる。更に、本第6実施形態では、上述した通り、右打ちを行った場合よりも、左打ちを行った場合の方が、大当たりの1ラウンド目においてより多くの遊技球が右可変入賞装置650に対して到達する構成となっている。よって、大当たりの1ラウンド目において左打ちを行った場合には、遊技球が右特定入賞口650aに入球し難いが、入球させる機会が多い遊技性を実現することができる一方で、右打ちを行った場合には、遊技球が左特定入賞口650aに入球し易いが、入球させる機会が少ない遊技性を実現することができる。よって、遊技球の発射方向により大当たりの1ラウンド目における遊技性を変更することができるので、1ラウンド目における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第6実施形態では、開閉扉650f1の右端に凸部650g1を設けることで、左側から転動してきた遊技球が右特定入賞口650aへと入球可能となる期間を、右側から転動してきた遊技球が入球可能となる期間よりも短くする構成としていたが、必ずしも凸部650g1を設ける必要はない。凸部650g1を削除したとしても、開閉扉650f1が形成する右上方向に登る向きの傾斜によって、開閉扉650f1の開放動作の途中(例えば、図81(b)に示す配置)において左側から転動してきた遊技球が右特定入賞口650aに入球することを抑制することができる。
次に、図82を参照して、本第6実施形態における大当たりA6(V入賞可能な開放パターンが設定される大当たり)の1ラウンド目における表示態様の一例を示した図である。図82に示した通り、大当たりA6の1ラウンド目が開始されると、第3図柄表示装置81の表示画面における表示領域HR2に対して、「左打ちで数打ちゃ当たるモード」という文字と、「到達数は多いけどVに入りにくいよ!」という文字と、左向きの矢印を模した画像とが表示される。これらの表示内容により、左打ちを行うと、右可変入賞装置650に対して遊技球をより多く到達させることができる一方で、右特定入賞口650aに遊技球が入球し難くなる(V入賞し難くなる)遊技性になるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図82に示した通り、表示領域HR3に対して、「右打ちで一撃必殺モード」という文字と、「到達数は少ないけどVに入り易いよ!」という文字と、右向きの矢印を模した画像とが表示される。これらの表示内容により、右打ちを行うと、右可変入賞装置650に到達する遊技球が少なくなる一方で、右特定入賞口650aに遊技球が入球し易くなる(V入賞し易くなる)遊技性になるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図82に示した通り、第3図柄表示装置81における表示領域HR4には、右可変入賞装置650、および曲面部材810を模した画像が表示される。また、可変入賞装置650の正面視手前側には、アルファベットの「V」を模した装飾が施された状態が表示されると共に、表示領域HR4における正面視左上側には、「Vを狙え!!」という文字が表示された表示領域HR7が表示される。これらの表示内容により、「V」という文字を模した装飾が施されている右可変入賞装置650に対して遊技球を入球させることにより、遊技者にとって有利な結果になること(大当たり終了後に特別図柄の確変状態となること)を遊技者に対して容易に理解させることができる。
加えて、図82に示した通り、表示領域HR4に対しては、右可変入賞装置650を模した画像に対して正面視左側、および右上側に、それぞれ右可変入賞装置650の方向を向いた矢印の画像が表示されている。右可変入賞装置650を模した画像に対して正面視左側に表示されている矢印の画像には、「数打ちゃ当たる」という文字が付されており、正面視右上側に表示されている矢印の画像には、「一撃必殺」という文字が付されている。これらの表示内容により、遊技者が表示領域HR2の表示内容に従って左打ちを行った(数打ちゃ当たるモードを選択した)場合には、右可変入賞装置650に対して正面視左方向から遊技球が転動してくるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、遊技者が表示領域HR3の表示内容に従って右打ちを行った(一撃必殺モードを選択した)場合には、右可変入賞装置650に対して正面視右上方向から遊技球が転動してくるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、いずれの方向に注目すれば右特定入賞口650aに遊技球が入球するかどうかを確認できるのかということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
<第6実施形態における電気的構成>
次に、図83を参照して、本第6実施形態における主制御装置110に設けられているROM202の構成について説明する。図83(a)は、本第6実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図83(a)に示した通り、第6実施形態におけるROM202の構成は、上述した第5実施形態(および第1実施形態)におけるROM202の構成(図9(a)参照)に対して、開放パターンテーブル202aaが追加されている点で相違している。また、第1当たり種別選択テーブル202bの内容が変更となっている。その他の構成については第5実施形態と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
開放パターンテーブル202aaは、大当たりの1ラウンド目における右特定入賞口650aの開放パターン(V入賞可能な開放パターン、およびV入賞困難な開放パターンのいずれか)を大当たり種別毎に規定したデータテーブルである。この開放パターンテーブル202aaには、開閉扉650f1の開閉動作の開始タイミングを示すデータが規定されている。大当たりの1ラウンド目の開始時には、この開放パターンテーブル202aaから、大当たり種別に対応する開放パターンが選択されて、1ラウンド目の開放パターンとして設定される。開放パターン(開閉動作の開始タイミング)を予め開放パターンテーブル202aaに規定しておくことにより、毎回の大当たりにおいて、同一の開放パターンで開閉扉650f1を開閉動作させることができる。
次に、図83(b)を参照して、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。図83(b)は、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図83(b)に示した通り、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bにおいて、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜79」の範囲に対しては、「大当たりA6」が対応付けて規定されている(図83の202b1参照)。この「大当たりA6」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たりの1ラウンド目においてV入賞可能な開放パターン(約80%の割合で右特定入賞口650aに遊技球を入球させることが可能な開放パターン)が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA6」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)が「0〜79」の80個であるので、大当たりとなった場合に「大当たりA6」が決定される割合は80%(80/100)である。
また、図83(b)に示した通り、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bにおいて、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲に対しては、「大当たりB6」が対応付けて規定されている(図83の202b2参照)。この「大当たりB6」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たりの1ラウンド目においてV入賞困難な開放パターン(右特定入賞口650aに遊技球を入球させることがほぼ不可能な開放パターン)が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB6」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)が「80〜99」の20個であるので、大当たりとなった場合に「大当たりB6」が決定される割合は20%(20/100)である。
なお、本第6実施形態では、V入賞困難な開放パターンが設定される大当たり種別を設ける構成としていたが、必ずしもV入賞困難な開放パターンを設ける必要はない。例えば、大当たりになると必ずV入賞可能な開放パターンが設定される構成とする代わりに、V入賞する割合を低下させることで、大当たり終了後に確変状態が設定される割合を本第6実施形態と同等になるように調節してもよい。このように構成することで、開放パターンの数を少なくすることができるので、開放パターンテーブル202aaのデータ量を削減することができる。
次に、図84を参照して、本第6実施形態における主制御装置110に設けられているRAM203の構成について説明する。図84は、本第6実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図84に示した通り、本第6実施形態におけるRAM203は、上述した第5実施形態(および第1実施形態)におけるRAM203の構成(図8参照)に対して、確変設定フラグ203aaと、確変通過カウンタ203abと、入賞個数カウンタ203acと、残球タイマフラグ203adと、残球タイマ203aeと、確変有効フラグ203agと、確変有効タイマ203ahと、排出個数カウンタ203afとが追加されている点で相違している。
確変設定フラグ203aaは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に右特定入賞口650aに遊技球が入球したか否かにより決定される。ここで、右可変入賞装置650の内部には、右特定入賞口650aから入球した遊技球が必ず通過する位置に確変スイッチ650e(図示せず)が配設されている。この確変スイッチ650eの出力がオンになった場合に、右特定入賞口650aへと遊技球が入球したと判断されて、確変設定フラグ203aaがオンに設定される(図88のS1305、図89のS1410参照)。一方、この確変設定フラグ203aaは、大当たりの終了時にオフに設定される(図87のS1205参照)。なお、この確変設定フラグ203aaは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203aaがオンに設定されている場合には、電源断が遮断される前に遊技球が確変スイッチ650eを通過していたかを判別し、通過していたと判別できた場合にのみ、確変設定フラグ203aaを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ650eを通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203abが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203aaのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、ホールの被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203abは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの1ラウンド)の終了後に確変スイッチ650eを通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203abと後述する排出個数カウンタ203afとの合計により、1ラウンド目において右可変入賞装置650の右特定入賞口650aに入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203abは、1ラウンドが終了した後の所定期間(所謂、球はけ期間)において、確変スイッチ650eの通過を検出する毎に値が1ずつ加算されて更新される(図89のS1409)。また、右特定入賞口650aに入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図89のS1415)。なお、この確変通過カウンタ203abは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203acは、大当たり遊技における各ラウンドにおいて、可変入賞装置65の特定入賞口65a、または右可変入賞装置650の右特定入賞口650aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、可変入賞装置65に設けられた入球検出スイッチ(図示せず)、または右可変入賞装置650に設けられた上述した確変スイッチ650eを遊技球が通過したと検出されたことに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図88のS1303)。一方、1のラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65、および右可変入賞装置650に入賞した個数(入賞個数カウンタ203acの値と確変通過カウンタ203abとの合計値)と、排出された個数(排出個数カウンタ203afの値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる(図89のS1415参照)。なお、この入賞個数カウンタ203acの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
残球タイマフラグ203adは、ラウンドが終了した時点において可変入賞装置65、または右可変入賞装置650の内部に遊技球が残存している場合に、残存している遊技球を排出させるための球はけ期間であるか否かを示すフラグである。この残球タイマフラグ203adがオンに設定されている場合は、球はけ期間であることを意味する。この残球タイマフラグ203adがオンに設定されている間は、後述する残球タイマ203aeが1ずつ加算されて更新される(図89のS1405参照)。
残球タイマ203aeは、1のラウンドが終了して特定入賞口65aまたは右特定入賞口650aが閉鎖した時点において、可変入賞装置65、または右可変入賞装置650の内部に遊技球が残存していた場合に、当該残存していた遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。遊技球が排出されるまでに必要な時間は0.5秒であり、本第6実施形態では、予め0.8秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203aeの上限値として設定されている。この残球タイマ203aeの上限値(本実施形態では、0.8秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65、または右可変入賞装置650への入賞個数と、排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図89のS1411)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65、または右可変入賞装置650内で遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。また、不正に右可変入賞装置650内に遊技球を残存させておき、大当たりの1ラウンド目となったタイミングを見計らって遊技球を確変スイッチ65eに流下させる不正行為を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ650eを遊技球が通過しても確変設定フラグ203aaをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
排出個数カウンタ203afは、大当たりの各ラウンドにおいて、可変入賞装置65、または右可変入賞装置650から外部に排出された遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203afは、各可変入賞装置(可変入賞装置65、または右可変入賞装置650)から遊技球を排出するための球排出口を遊技球が通過する(球排出口に設けられている球排出口スイッチが遊技球の通過によりオンになる)毎に、値が1ずつ加算されて更新される(図89のS1403参照)この排出個数カウンタ203afは、可変入賞装置65、または右可変入賞装置650に入賞した球の数と排出個数との一致が判別された後に、初期値である0にリセットされる(図89のS1414)。
<第6実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図85から図89を参照して、本第6実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。まず、図85を参照して、本第6実施形態における大当たり制御処理7(S921)について説明する。この大当たり制御処理7(S921)は、主制御装置110のメイン処理(図29参照)において、第5実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図30、S904参照)に代えて実行される処理である。
この第6実施形態における大当たり制御処理7(図85参照)のうち、S1001〜S1004、およびS1009〜S1011の各処理では、それぞれ第5実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図30参照)のS1001〜S1004、およびS1009〜S1011の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6実施形態における大当たり制御処理7(図85参照)では、S1004の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合に(S1004:Yes)、ラウンドおよび大当たり種別に応じた開放動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行して(S1021)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理(S1021)の詳細については、図86を参照して後述する。
また、本第6実施形態における大当たり制御処理7(図85参照)では、S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1011Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行して(S1022)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(S1022)の詳細については、図87を参照して後述する。
また、本第6実施形態における大当たり制御処理7(図85参照)では、S1011の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判定した場合には(S1011:No)、特定入賞口65a、および右特定入賞口650aへの入賞に応じた処理を行うための入賞処理を実行する(S1023)。尚、この入賞処理(S1023)の詳細については、図88を参照して後述する。入賞処理(S1023)の終了後は、特定入賞口65a、および右特定入賞口650aに対して入球した遊技球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行して(S1024)、本処理を終了する。この異常処理(S1024)の詳細については、図89を参照して後述する。
次に、図86を参照して、上述した大当たり動作設定処理(S1021)の詳細について説明する。図86は、大当たり動作設定処理(S1021)を示したフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1021)は、上述した通り、ラウンドおよび大当たり種別に応じた開放動作を設定するための処理である。
大当たり動作設定処理(図86参照)では、まず、1ラウンド目の開始タイミングであるか否かを判別し(S1101)、大当たりの1ラウンド目の開始タイミングではないと判別した場合は(S1101:No)、特定入賞口65aの開放を設定して(S1102)、処理をS1105に移行する。
一方、S1101の処理において、1ラウンド目の開始タイミングであると判別した場合は(S1101:Yes)、今回の大当たり種別に対応する開放パターンを、開放パターンテーブル202aaから読み出す(S1103)。このS1103の処理では、今回の大当たり種別が大当たりA6であれば、V入賞可能な開放パターン(図80(a)参照)を読み出す一方で、今回の大当たり種別が大当たりB6であれば、V入賞困難な開放パターン(図80(b)参照)を読み出す。
S1103の処理が終了すると、次いで、S1103の処理で読み出された開放パターンの開始を設定して(S1104)、処理をS1105に移行する。S1102、またはS1104の処理後に実行されるS1105の処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S1105)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理(図86参照)を実行することにより、大当たり種別に応じて、右特定入賞口650aを適切な開放パターンで開閉制御することができる。
次に、図87を参照して、大当たり終了処理(S1022)の詳細について説明する。この大当たり終了処理(S1022)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。この大当たり終了処理(S1022)では、まず、確変設定フラグ203aaがオンであるか否かを判別し(S1201)、確変設定フラグ203aaがオフであると判別した場合は(S1201:No)、今回の大当たりの間に右特定入賞口650aへと遊技球が1個も入球(入賞)しなかったことを意味するので、時短中カウンタ203fの値に100を設定することで大当たり終了後の遊技状態を特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定して(S1202)、処理をS1204に移行する。
一方、S1201の処理において、確変設定フラグ203aaがオンであると判別した場合は(S1201:Yes)、今回の大当たりの間に右特定入賞口650aへと遊技球が入球したことを意味するので、確変フラグ203eをオンに設定することで大当たり終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定して(S1203)、処理をS1204へ移行する。
S1202、又はS1203の処理後に実行されるS1204の処理では、S1202、又はS1203の処理によって設定した大当たり後の状態を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定し(S1204)、確変設定フラグ203aaをオフに設定して(S1205)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(図87参照)を実行することにより、確変設定フラグ203aaの状態に応じて適切な遊技状態を設定することができる。
次に、図88を参照して、入賞処理(S1023)の詳細について説明する。この入賞処理(S1023)は、上述した通り、特定入賞口65a、および右特定入賞口650aへの入賞に応じた処理を行うための処理である。この入賞処理(S1023)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S1301)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口65a、または右特定入賞口650aの開放状態からインターバル期間が終了するまでの期間である。S1301の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S1301:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S1301:Yes)、次いで、いずれかの特定入賞口(特定入賞口65a、または右特定入賞口650a)への入賞を検出したかを判別し(S1302)、特定入賞口(特定入賞口65a、または右特定入賞口650a)への入賞を検出していないと判別した場合は(S1302:No)、処理をS1306へと移行する。一方、特定入賞口(特定入賞口65a、または右特定入賞口650a)に対する入賞を検出したと判別した場合は(S1302:Yes)、入賞個数カウンタ203acの値に1を加算して更新する(S1303)。次いで、今回のラウンドが1ラウンド目であるか否かを判別して(S1304)、1ラウンド目であると判別した場合は(S1304:Yes)、大当たりの1ラウンド目において右特定入賞口650aに入球(入賞)したことを意味するので、確変設定フラグ203aaをオンに設定して(S1305)、処理をS1306に移行する。これに対し、S1304の処理において、今回のラウンドが1ラウンド目ではないと判別した場合は(S1304:No)、S1305の処理をスキップして、処理をS1306へと移行する。
S1306の処理では、入賞個数カウンタ203acの値が10以上の値となったか否かを判別して(S1306)、入賞個数カウンタ203acの値が10以上の値になったと判別した場合は(S1306:Yes)、S1308の処理へと移行して、今回のラウンドの終了を設定する。一方、S1306の処理において、入賞個数カウンタ203acの値が10未満であると判別した場合は(S1306:No)、次に、ラウンド時間が経過したか否かを判別し(S1307)、ラウンド時間が経過していれば(S1307:Yes)、S1308の処理へと移行して、今回のラウンドの終了を設定する。一方、ラウンド期間が経過していないと判別した場合は(S1307:No)、ラウンドを終了する必要がないため、そのまま本処理を終了する。なお、S1307の処理では、今回のラウンドが1ラウンド目の場合、設定されている開放パターンの終了タイミングとなっていればラウンド時間が経過したと判別する一方で、2ラウンド目以降の場合は、ラウンドの開始から30秒間が経過した場合にラウンド時間が経過したと判別する。
S1308の処理では、特定入賞口(特定入賞口65a、または右特定入賞口650a)の閉鎖を設定し(S1308)、特定入賞口が閉鎖されたことを示す閉鎖コマンドを設定する(S1309)。次いで、残球タイマフラグ203adをオンに設定することで球はけ期間を設定して(S1310)、本処理を終了する。
次いで、図89を参照して、異常処理(S1024)の詳細について説明する。この異常処理(S1024)は、上述した通り、特定入賞口65a、および右特定入賞口650aに対して入球した遊技球が正常に排出されたかを判別するための処理である。この異常処理(S1024)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S1401)、ラウンド有効期間でなければ(S1401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S1401:Yes)、次いで、遊技球が球排出口スイッチを通過したか(各可変入賞装置から遊技球を排出するための排出口から遊技球が排出されたか)を判別する(S1402)。
S1402の処理において、遊技球が球排出口スイッチを通過したと判別した場合は(S1402:Yes)、排出個数カウンタ203afの値に1を加算し(S1403)、S1404の処理へ移行する。一方、S1402の処理において、遊技球が球排出口スイッチを通過していなければ(S1402:No)、S1403の処理をスキップしS1404の処理へ移行する。
S1404の処理では、残球タイマフラグ203adがオンであるかを判別し(S1404)、残球タイマフラグ203adがオフであると判別した場合は(S1404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1404の処理において、残球タイマフラグ203adがオンであると判別した場合は(S1404:Yes)、現在が球はけ期間中であることを意味するので、残球タイマ203aeの値に1を加算して更新する(S1405)。次に、残球タイマ203aeの値が上限値であるか(即ち、球はけ期間の終了タイミング(ラウンド終了から0.8秒経過時)であるか)を判別し(S1406)、残球タイマ203aeの値が上限値でない(球はけ期間の終了タイミングではない)と判別した場合は(S1406:No)、現在が1ラウンド目の終了後の球はけ期間であるか否かを判別し(S1407)、1ラウンドが終了した後の球はけ期間であると判別した場合は(S1407:Yes)、次いで、確変スイッチ650eを遊技球が通過したか否か判別し(S1408)、確変スイッチ650eを遊技球が通過していないと判別した場合は(S1408:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1408の処理において、確変スイッチ650eを遊技球が通過したと判別した場合は(S1408:Yes)、確変通過カウンタ203abの値に1を加算し(S1409)、確変設定フラグ203aaをオンに設定して(S1410)、本処理を終了する。これに対し、S1407の処理において、今回の球はけ期間が、2ラウンド目以降のラウンドが終了した後の球はけ期間であると判別した場合は(S1407:No)、S1408〜S1410の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、S1406の処理において、残球タイマ203aeの値が上限値である(球はけ期間の終了タイミングである)と判別した場合は(S1406:Yes)、次いで、排出個数(排出個数カウンタ203afの値)が、入賞個数(入賞個数カウンタ203acの値と、確変通過カウンタ203abの値との合計値)と一致しているかを判別する(S1411)。
S1411の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S1411:No)、エラーコマンドを設定し(S1412)、S1413の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、右特定入賞口650aが閉鎖されている間に確変スイッチ650e3に遊技球を通過させる不正行為を抑制できる。
一方、S1411の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S1411:Yes)、S1412の処理をスキップし、S1413の処理へと移行する。S1413の処理では、残球タイマフラグ203adをオフに設定し(S1413)、次いで、残球タイマ203aeの値をリセットする(S1414)。その後、入賞個数カウンタ203ac、排出個数カウンタ203af、確変通過カウンタ203abの値をそれぞれリセットし(S1415)、本処理を終了する。
この異常処理(図89参照)を実行することにより、各可変入賞装置(可変入賞装置65、および右可変入賞装置650)の内部で球詰まりが生じる等により、各特定入賞口(特定入賞口65a、および右可変入賞装置650a)へと入球した遊技球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。
以上説明した通り、第6実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の実行中(特別遊技状態中)に遊技球が入球することで遊技者に対して特典(賞球)が付与される可変入賞装置として、可変入賞装置65と、右可変入賞装置650との2種類を設ける構成としている。右可変入賞装置650の右特定入賞口650aは、大当たりの1ラウンド目において入球可能な開放状態に設定され、大当たり中に遊技球が入球することで、賞球に加え、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が付与される。よって、右特定入賞口650aに遊技球が入球するか否かによって、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利となるか否かが変わるので、大当たりの1ラウンド目において右特定入賞口650aへと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができる。
右特定入賞口650aは、左打ちを行った場合も、右打ちを行った場合も遊技球が到達し得る位置に配置されており、1ラウンド目において左打ちをし続けると、右特定入賞口650aが入球可能な状態の間に右可変入賞装置650に到達する遊技球の個数は多くなるものの、到達した遊技球が右特定入賞口650a入球する割合は低くなるように構成されている。一方で、1ラウンド目において右打ちをし続けた場合は、右特定入賞口650aが入球可能な状態の間に右可変入賞装置650に到達する遊技球の個数は少なくなるものの、到達した遊技球が右特定入賞口650a入球する割合が高くなるように構成されている。即ち、所定期間(1ラウンドの開放パターンが終了するまでの期間)の間に右可変入賞装置650に到達する遊技球の個数(右特定入賞口650aへと入賞させる機会の多さ)の面(要素)は、右打ちよりも左打ちの方が有利となるように構成している。また、右可変入賞装置650に対する入球し易さ(入球率)の面(要素)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるように構成している。これらによって、大当たりの1ラウンド目における遊技性を、遊技球の打ち出し方向に応じて異ならせることができるので、遊技者毎に、好みの遊技性(右特定入賞口650aへの入球率が低い代わりに到達する遊技球数が多くなる遊技性と、到達個数が少ない代わりに入球率が高くなる遊技性とのいずれか)を選択させることができる。よって、より多くの遊技者の趣向に適合する遊技性を実現できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第6実施形態では、大当たりの所定期間(1ラウンド目)において、右打ちを行った場合には、左打ちを行った場合に比較して入球率の面で有利になる(右可変入賞装置650aに到達した遊技球が右特定入賞口650aに入球し易くなる)構成とする一方で、左打ちを行った場合には、右打ちを行った場合に比較して到達個数の面で有利になる(より多くの遊技球が右可変入賞装置650aに到達し易くなる)構成としていた。これにより、右打ちを行った場合と、左打ちを行った場合とで有利な面、および不利な面を異ならせる構成とすることにより、右打ちを行うか、左打ちを行うかを遊技者に選択させることができる遊技性を実現していたが、右打ちと左打ちとの優位性の違いはこれに限られるものではない。例えば、左打ちを行った場合に遊技球が入球し易い(右打ちを行うと入球困難な)位置に、開放時間が短い(例えば、最大1秒間)が、遊技球の入球を検出した場合に付与される賞球が多い(例えば、入球1回あたり15個)特定入賞口を設け、右打ちを行った場合に遊技球が入球し易い(左打ちを行うと入球困難な)位置に、開放時間が長い(例えば、最大5秒間)が、付与される賞球が少ない(例えば、入球1回あたり3個)特定入賞口を設ける構成としてもよい。そして、ラウンド毎に、開放される特定入賞口を交互に切り替える構成とし、ラウンド間のインターバルを極端に短くする(例えば、0.1秒にする)構成としてもよい。このように構成することで、大当たり中に左打ちをし続けた場合は、特定入賞口へと入球する遊技球の個数が少なくなり易いが、特定入賞口へ入球した場合に付与される賞球が多くなる遊技性を実現することができる。一方、大当たり中に右打ちをし続けた場合には、特定入賞口へとより多くの遊技球が入球し易いが、特定入賞口へ入球した場合に付与される賞球が少なくなる遊技性を実現することができる。よって、遊技者に対して好みの遊技性を選択して遊技を行わせることができる。また、例えば、左打ちを行った場合に遊技球が入球し易い(右打ちを行うと入球困難な)位置に、可変入賞装置65を設け、右打ちを行った場合に遊技球が入球し易い(左打ちを行うと入球困難な)位置に、右可変入賞装置650を設ける構成とし、1の大当たりにおいて右可変入賞装置650が開放される期間を、可変入賞装置65が開放される期間よりも短くなるように構成してもよい。即ち、1の大当たりにおいて右打ちをし続けると、右特定入賞口650aへと入球して大当たり後に確変状態が付与される可能性が高くなる一方で、得られる賞球が少なくなる構成とし、左打ちをし続けると、特定入賞口65aに多くの遊技球が入球することで多量の賞球を獲得可能となる一方で、右特定入賞口650aへと入球させることが困難になることで大当たり後の遊技状態が不利となる構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり中の発射方向毎に、優位性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、この場合において、可変入賞装置65(入球に対して賞球のみが付与される可変入賞装置)と、右可変入賞装置650(入球に対して賞球が付与される上に確変状態も付与される可変入賞装置)との位置関係を逆にしてもよい。また、右打ちの方が有利な面(要素)と、左打ちの方が有利な面(要素)とを設定するのは、大当たりの1ラウンド目に限られるものではない。例えば、通常遊技中において、右打ちよりも左打ちの方が有利となる要素と、左打ちよりも右打ちの方が有利となる要素とを設ける構成としてもよい。より具体的には、例えば、左打ちで発射された遊技球が入球可能な左入球口と、右打ちで発射された遊技球が入球可能な右入球口とを設ける構成とし、いずれかの入球口に遊技球が入球した場合に特別図柄の抽選を実行する構成とする。そして、普通図柄の時短状態では、右打ちで右入球口を狙って遊技を行うことにより、左打ちよりも遊技効率の面で有利となる一方で、左打ちを行うと、遊技効率の面では右打ちよりも不利になるが、大当たりに当選した場合に右打ちよりも有利な大当たり種別(ラウンド数、または有利状態の継続率の面で有利になる種別)が選択され易くなる構成としてもよい。
本第6実施形態では、大当たりの所定期間(1ラウンド目)において、右打ちを行った場合には、左打ちを行った場合に比較して右可変入賞装置650aに到達した遊技球が右特定入賞口650aに入球し易くなる構成とする一方で、左打ちを行った場合には、右打ちを行った場合に比較してより多くの遊技球が右可変入賞装置650aに到達し易くなる構成としていた。これに加えて、大当たりの1ラウンド目における遊技球の発射方向を検出可能なセンサ等を遊技盤13に設ける構成としてもよい。そして、センサによって検出した発射方向に応じて、対応する演出を実行する構成としてもよい。より具体的には、例えば、左打ちを検出した場合には、1ラウンド目の表示態様(図82参照)として、表示領域HR2が点灯し、表示領域HR3が消灯した見た目の表示態様とする一方で、右打ちを検出した場合には、表示領域HR3が点灯し、表示領域HR2が消灯した見た目の表示態様となるように設定してもよい。このように構成することで、遊技者に対して事故が選択した遊技性をより容易に理解させることができる。
本第6実施形態では、右可変入賞装置650の開閉扉650f1が正面視左方向にスライドすることで開放される構成とすることにより、右可変入賞装置650に対して右側から転動してきた遊技球の方が、左側から転動してきた遊技球よりも入球可能となる期間が長くなるように構成していたが、開閉扉650f1の形状および動作内容はこれに限られるものではない。例えば、開閉扉650f1は、正面視手前側から奥側に向けて開放される構成としてもよい。そして、開閉扉650f1における正面視右手前側の長さを、遊技球1個分以上、正面視左手前側の長さよりも短く構成してもよい。即ち、開閉扉650f1が正面視奥側に収納されていく際に、開閉扉650f1における左側よりも右側の方が早く遊技球が入球可能な状態となり、且つ、開閉扉650f1が閉鎖される際は、開閉扉650f1が正面して前側に突出していく際に、開閉扉650f1における左側の方が早く遊技球が入給付可能な状態となるように構成してもよい。このように構成した場合も、上述した第6実施形態と同様に、右可変入賞装置650に対して右側から転動してきた遊技球の方が、左側から転動してきた遊技球よりも入球可能となる期間が長くなるように構成することができる。
本第6実施形態では、盤面構成によって物理的に、右打ちよりも左打ちの方が有利となる面(即ち、右可変入賞装置650に到達した遊技球が右特定入賞口650aへと入球する割合)と、左打ちよりも右打ちの方が有利となる面(即ち、1ラウンド中に右可変入賞装置650へと到達可能な遊技球の個数)とを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、制御的に実現しても良い。より具体的には、例えば、右打ちを行っても、左打ちを行っても遊技球の到達割合が同等となる位置に右特定入賞口650aを設ける。そして、大当たりの1ラウンド目において、遊技者が右打ちを行ったか、左打ちを行ったかを検出可能に構成し、右打ちを行っていると検出した場合と、左打ちを行っていると検出した場合とで開放パターンを異ならせる構成としてもよい。即ち、右打ちを検出した場合は、右特定入賞口650aの開放回数は少ないが、各開放の開放期間が比較的長い開放パターンで右特定入賞口650aを開放させる一方で、左打ちを検出した場合は、右特定入賞口650aの開放回数が比較的多い一方で、各開放の開放期間が比較的短い開放パターンで右特定入賞口650aを開放させる構成としてもよい。また、遊技球の発射方向ではなく、ボタン等の操作手段を操作することにより、大当たりの遊技性を遊技者に選択させる構成としてもよい。
<第7実施形態>
次に、図90から図95を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第5実施形態では、右打ちにより発射された遊技球は、全て迂回役物700を通過する構成としていた。即ち、右打ちを行うと、必ず7秒〜8秒の時間をかけて遊技盤13における下方の領域(第1入球口64や、可変入賞装置65が設けられている領域)まで流下する構成としていた。即ち、大当たり遊技の実行中以外の通常遊技状態において、右打ちを行うと遊技効率が悪化してしまう構成となっていた。
これに対して本第7実施形態では、可変表示装置ユニット80の右側に2種類の流路を設ける構成とし、一方の流路を流下すると第5実施形態と同様に迂回役物700を通過して可変入賞装置65へと遊技球が流下するのに対し、他方の流路を流下すると、迂回役物700への入球が回避され、且つ、特定入賞口65aにも入球し難くなる構成としている。即ち、遊技球がいずれかの入球口(第1入球口64、特定入賞口65、アウト口66、一般入賞口63等)に入球するまでの期間が比較的長くなる流路と、いずれかの入球口に入球するまでの期間が比較的短くなる流路との2種類を可変表示装置ユニット80の右側に設ける構成としている。これにより、大当たり中において遊技球の発射方向に応じて遊技性を異ならせる(多少の無駄球が発生する可能性があるが、大当たりを早期に消化できる遊技性と、無駄球が発生し難いが、大当たりの消化期間が長くなる遊技性とを選択する)ことを可能としつつ、右打ちによって遊技を行った場合における遊技効率の悪化を防止することができる。
この第7実施形態におけるパチンコ機10が、第5実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられているROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第5実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第5実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図90を参照して、本第7実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図90は、本第7実施形態における遊技盤13の正面図である。図90に示した通り、本第7実施形態における遊技盤13では、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側、且つ、迂回役物700に対して正面視左側に、遊技球が流下可能な流路が設けられている点で、第5実施形態における遊技盤13と相違している。また、第1入球口64に付随して設けられていた電動役物64aが削除されている点で相違している。以降、説明の簡略化のため、迂回役物700が設けられている流路を、右第1流路と称し、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側、且つ、迂回役物700に対して正面視左側に設けられている流路を、右第2流路と称する。
図90に示した通り、右第2流路における上方には、遊技球が通過可能な普通入球口(スルーゲート)67が設けられており、遊技球が普通入球口67を通過することにより、第5実施形態等と同様に、普通図柄の抽選が実行される。この普通入球口67には、図90に示した通り、「GO」という文字が付されている。普通入球口67の下方には、遊技球が入球可能な第2入球口640が設けられている。この第2入球口640に遊技球が入球すると、第1入球口64に遊技球が入球した場合と同様に、特別図柄の抽選が実行される。なお、第1入球口64へと入球したことに基づいて実行される特別図柄の抽選(第1特別図柄の抽選)と、第2入球口640へと入球したことに基づいて実行される特別図柄の抽選(第2特別図柄の抽選)とでは、大当たりに当選する割合が、状態(特別図柄の低確率状態であるか、特別図柄の確変状態であるか)によらず同一となるように構成されている。一方、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定される大当たり種別は、第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合と、第2特別図柄の抽選により大当たりになった場合とで異なるように構成している(図92(a)参照)。より具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合よりも、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合の方が、多いラウンド数の大当たり種別が決定され易くなるように構成されている。これにより、第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった方が、遊技者に対してより大きな喜びを抱かせることができる。
第2入球口640には、正面視右方向に開放動作を行うことが可能な電動役物640aが付随して設けられている。この電動役物640aが閉鎖されている(縦方向に起立した状態となっている)間は、右第2流路に流入した遊技球が第2入球口640へと入球不可能となる一方で、電動役物640aが開放されている(正面視右方向に傾倒した状態となっている)間は、右第2流路に流入した遊技球のほとんどが第2入球口640に入球可能となる。この電動役物640aは、第5実施形態等の電動役物64aと同一の条件で開放状態に可変する。より具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に、「0.2秒×1回」の開放期間、および開放回数が設定される一方で、普通図柄の時短状態では、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に、「1秒×2回」の開放期間、および開放回数が設定される。これに加え、第5実施形態等と同様に、普通図柄の通常状態では、普通図柄の変動時間が30秒であるのに対し、普通図柄の時短状態では、普通図柄の変動時間が3秒と非常に短くなる。よって、普通図柄の通常状態において右第2流路を狙って遊技球を発射する遊技方法を行うと、ほとんど第2入球口640へと遊技球を入球させることができない(遊技球を無駄に消費してしまう)のに対して、普通図柄の時短状態では、右第2流路を狙って遊技球を発射する遊技方法により、頻繁に(発射した遊技球の個数と、第2入球口640に入球したことにより払い出される賞球数とがほぼ同等となる程度に)第2入球口640へと遊技球を入球させることができる。よって、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態、または特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)においては、右第2流路を狙って遊技球を発射し続けることにより、大当たりとなった場合に有利な大当たり種別(ラウンド数が比較的多い大当たり種別)が決定され易い第2特別図柄の抽選を、持ち球をほとんど減らすことなく連続して実行させることができる。一方、普通図柄の通常状態においては、右第2流路を狙ってもほとんどの遊技球が無駄になってしまうため、左打ちにより第1入球口64を狙って遊技球を発射することで遊技を行う必要がある。第1特別図柄の抽選により大当たりになっても、不利な大当たり種別(ラウンド数が比較的少ない大当たり種別)が決定され易い上に、左打ちをし続けるほどに、持ち球が減っていく。このため、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態になることをより強く期待して遊技を行わせることができる。
また、第2入球口640の下方には、アウト口66が設けられている。このアウト口66に遊技球が入球すると、賞球が付与されずに遊技球がパチンコ機10の外部へと排出される。このアウト口66により、右第2流路内で遊技球が球詰まりを起こしてしまうことを防止することができる。なお、図90に示した通り、右第2流路には、いずれかの入球口(第2入球口640、またはアウト口66)へと遊技球が入球するまでの間に、遊技球の流下を妨げる(進行方向を可変させたり、減速させたりする)構成がほぼ存在しない。よって、右第1流路に比較すると、遊技球の発射からいずれかの入球口への入球までの期間が極めて短く(例えば、1秒間程度に)なる。よって、右第2流路を狙って遊技球を発射することにより、効率良く遊技を行うことができる。
このように、本第7実施形態では、可変表示装置ユニット80の右側に、迂回役物700が設けられている右第1流路に加えて、普通入球口67、および第2入球口640が設けられている右第2流路が設けられている。第2入球口640は、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態の間、入球し易い(電動役物640aが開放され易い)状態となるので、普通図柄の通常状態では、左打ちを行わせ、普通図柄の高確率状態では右打ちを行わせることができる。即ち、迂回役物700の存在下においても、遊技者に対して通常遊技中(大当たり遊技中以外の遊技状態)において遊技状態に応じて遊技球を発射する方向を切り替える楽しみを与えることができる。
次に、図91を参照して、本第7実施形態における第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。図91は、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態、および特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)における表示態様の一例を示した図である。図91に示した通り、普通図柄の時短状態が設定された場合は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおける正面視上側(第3図柄の変動表示が実行されている表示領域の上方)に、横長略長方形形状の表示領域HR8が形成される。この表示領域HR8に対しては、図91に示した通り、「右打ちで「GO」を狙え!!」という文字と、右向きの矢印を模した画像とが表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、「GO」という文字が付されている普通入球口(スルーゲート)67を通過する発射強度(発射速度)で遊技球を右打ちすることにより、第2入球口640へも遊技球を入球させることができるということを容易に理解させることができる。
なお、本第7実施形態では、発射強度85%〜100%で遊技球を発射することにより(即ち、操作ハンドル51の可動範囲の85%〜100%の位置まで回動させることにより)、右第1流路へと遊技球が流入可能となり、60%〜90%の発射強度で遊技球を発射することにより(即ち、操作ハンドル51の可動範囲の60%〜90%の位置まで回動させることにより)、右第2流路へと遊技球が流入可能となる。ここで、85%〜90%の発射強度の範囲で遊技球を発射させた場合には、遊技球の反発方向等により、右第1流路へも、右第2流路へも流入する可能性がある。また、60%〜65%の発射強度で遊技球を発射させた場合には、右第2流路へ流入する可能性、および可変表示装置ユニット80の左側の流路に流入する可能性がある。一方で、発射強度91%〜100%の範囲内で遊技球を発射した場合は、ほぼ確実に右第1流路へと遊技球が流入する。また、発射強度66%〜84%の範囲内で遊技球を発射した場合は、ほぼ確実に右第2流路へと遊技球が流入する。なお、25%〜59%の発射強度で遊技球を発射させた場合には、ほぼ確実に可変表示装置ユニット80の左側の流路へと遊技球が流入する。また、25%未満の発射強度で遊技球を発射させた場合には、戻り球防止部材68を越えることができないため、遊技球が遊技領域に発射されることはない。
<第7実施形態における電気的構成>
次に、図92を参照して、本第7実施形態における主制御装置110のROM202に設けられている第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。なお、本第7実施形態における主制御装置110のROM202の構成は、第5実施形態(および第1実施形態)におけるROM202の構成(図9(a)参照)に対して、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容が一部変更となっているのみである。図92(a)に示した通り、本第7実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たりに当選した際の抽選が第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかに応じて、異なる大当たり種別が規定されている。
具体的には、図92(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選による大当たりのうち、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が「0〜4」に対しては、大当たり種別として「大当たりA7」が対応付けて規定されている(図92(a)の202b1参照)。この「大当たりA7」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA7」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)が「0〜4」の5個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA7」が決定される割合(確率)は5%(5/100)である。
また、図92(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選による大当たりのうち、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が「5〜59」に対しては、大当たり種別として「大当たりB7」が対応付けて規定されている(図92(a)の202b2参照)。この「大当たりB7」は、ラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される大当たり種別である。即ち、ラウンド数は「大当たりA7」よりも少ないものの、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な遊技状態となるので、比較的遊技者に有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB7」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)が「5〜59」の55個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB7」が決定される割合(確率)は55%(55/100)である。
また、図92(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選による大当たりのうち、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が「60〜99」に対しては、大当たり種別として「大当たりC7」が対応付けて規定されている(図92(a)の202b3参照)。この「大当たりC7」は、ラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される大当たり種別である。即ち、ラウンド数が最も少ない上に、大当たり終了後の遊技状態も比較的不利な状態となるため、「大当たりC7」は、最も不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC7」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)が「60〜99」の40個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC7」が決定される割合(確率)は40%(40/100)である。
一方、図92(a)に示した通り、第2特別図柄の抽選による大当たりのうち、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が「0〜59」に対しては、大当たり種別として「大当たりD7」が対応付けて規定されている(図92(a)の202b4参照)。この「大当たりD7」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される大当たり種別である。即ち、「大当たりA7」と同様に、ラウンド数の点でも、大当たり後の遊技状態の点でも、遊技者にとって最も有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりD7」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)が「0〜59」の60個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD7」が決定される割合(確率)は60%(60/100)である。
また、図92(a)に示した通り、第2特別図柄の抽選による大当たりのうち、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が「60〜99」に対しては、大当たり種別として「大当たりE7」が対応付けて規定されている(図92(a)の202b5参照)。この「大当たりE7」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される大当たり種別である。即ち、ラウンド数は最も多いものの、大当たり後の遊技状態は比較的不利な遊技状態に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりE7」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)が「60〜99」の40個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE7」が決定される割合(確率)は40%(40/100)である。
このように、本第7実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、95%の割合で8ラウンド(比較的少ないラウンド数)の大当たり(大当たりB7、および大当たりC7のいずれか)が決定され、5%の割合でのみ、16ラウンド(比較的多いラウンド数)の大当たり(大当たりA7)が決定される構成としている。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、100%の割合で16ラウンド(比較的多いラウンド数)の大当たり(大当たりD7、および大当たりE7のいずれか)が決定される構成としている。これにより、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるよりも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった方が、多いラウンド数が決定され易くなるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、遊技者に対してより大きな期待感を抱かせることができる。
なお、第2特別図柄の抽選による大当たりを第1特別図柄の抽選による大当たりよりも有利にする方法は、これに限られるものではない。例えば、ラウンド数に代えて、または加えて、大当たり終了後に特別図柄の確変状態となる大当たり種別が決定される割合を、第2特別図柄の抽選による大当たりの方が高くなるように構成してもよい。また、例えば、通常大当たりとなった場合の時短回数として、第2特別図柄の大当たりの方が多い時短回数が選択され易くなるように構成してもよい。
次に、図92(b)を参照して、本第7実施形態における主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。図92(b)は、RAM203の構成を示すブロック図である。図92(b)に示した通り、本第7実施形態におけるRAM203は、第5実施形態(および第1実施形態)におけるRAM203の構成(図8参照)に対して、特別図柄保留球格納エリア203aに代えて、第1特別図柄保留球格納エリア203a1と、第2特別図柄保留球格納エリア203a2とが設けられている点、および特別図柄保留球数カウンタ203cに代えて、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1と、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2とが設けられている点で相違している。
第1特別図柄保留球格納エリア203a1は、第1入球口64へ入球したタイミングで取得された各種カウンタ値を格納するための記憶領域であり、第2特別図柄保留球格納エリア203a2は、第2入球口640へ入球したタイミングで取得された各種カウンタ値を格納するための記憶領域である。第1特別図柄保留球格納エリア203a1と、第2特別図柄保留球格納エリア203a2とは、それぞれ第5実施形態(および第1実施形態)における特別図柄保留球格納エリア203aと同様の構成となっている。即ち、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。特別図柄の抽選が行われる場合には、第2特別図柄保留球格納エリア203a2の保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の値が、実行エリア(図11参照)へシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。一方、第2特別図柄保留球格納エリア203a2の保留第1エリアに各カウンタ値が格納されていない場合(第2特別図柄の保留球が0の場合)は、第1特別図柄保留球格納エリア203a1の保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の値が、実行エリア(図11参照)へシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。即ち、本第7実施形態では、第2特別図柄の抽選の方が、第1特別図柄の抽選よりも優先して実行される。
第1特別図柄保留球数カウンタ203c1は、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタであり、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2は、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203c1は、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図94のS424参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1は、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図93のS228参照)。第2特別図柄保留球数カウンタ203c2は、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図94のS430参照)。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2は、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図93のS223参照)。
<第7実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図93から図95を参照して、本第7実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図93を参照して、本第7実施形態における特別図柄変動処理8(S121)について説明する。この特別図柄変動処理8(S121)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で、第5実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動処理(図22参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37における変動表示、および第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターン等を設定するための処理である。
この第7実施形態における特別図柄変動処理8(図93参照)のうち、S201,S202、およびS208〜S217の各処理では、それぞれ第5実施形態(第1実施形態)における特別図柄変動処理(図22参照)のS201,S202、およびS208〜S217の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における特別図柄変動処理8(図93参照)では、S202の処理において、特別図柄の変動中ではないと判別した場合に(S202:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)を取得して(S221)、取得した第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が0より大きい値であるか否かを判別する(S222)。
S222の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(S222:Yes)、次いで、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)から1を減算して更新し(S223)、更新後の第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値を示す特図2保留球数コマンドを設定する(S224)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S224の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203a2に格納されたデータをシフトする(S225)。S225の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203a2の保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、処理をS208へと移行する。
一方、S222の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が0より大きい値(1以上の値)でない(即ち、0である)と判別した場合は(S222:No)、次いで、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)を取得して(S226)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が0より大きい値であるか否かを判別する(S227)。
S227の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が0より大きい値(1以上の値)でない(即ち、0である)と判別した場合は(S227:No)、第1特別図柄の保留球も、第2特別図柄の保留球も存在せず、特別図柄の変動表示を新たに開始させることができないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
一方、S227の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(S227:Yes)、次いで、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)から1を減算して更新し(S228)、更新後の第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値を示す特図1保留球数コマンドを設定する(S229)。ここで設定された保留球数コマンドは、特図1保留球数コマンドと同様に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
S229の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203a1に格納されたデータを、S225の処理と同様の方法によりシフトして(S230)、処理をS208へと移行する。
次に、図94を参照して、本第7実施形態における始動入賞処理8(S122)の詳細について説明する。この始動入賞処理8(S122)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で、第5実施形態(および第1実施形態)における始動入賞処理(図24参照)に代えて実行される処理であり、第1入球口64、および第2入球口640への入球を検出した場合に、対応する制御を実行するための処理である。
この始動入賞処理8(S122)では、まず、遊技球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S421)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、S421の処理において、遊技球が第1入球口64に入賞したと判別した場合は(S421:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(第1特別図柄の抽選に対応する変動表示の保留回数N1)を取得する(S422)。そして、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S423)。
そして、S421の処理において、第1入球口64へ入賞していないと判別した場合(S421:No)、或いは、第1入球口64への遊技球の入賞があっても、S423の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が4未満でない(即ち、4である)と判別した場合は(S423:No)、処理をS427へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S421:Yes)、且つ、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)が4未満であれば(S423:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値(N1)を1加算する(S424)。そして、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値を示す特図1保留球数コマンドを設定する(S425)。
ここで設定された特図1保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S425の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理(図21参照)のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別カウンタC3の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203a1の空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S426)、処理をS427へと移行する。尚、S426の処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ203c1の値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S427の処理では、遊技球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S427)。本処理でも、S421の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理に渡って検出する。そして、S427の処理において、遊技球が第2入球口640に入賞したと判別された場合は(S427:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(第2特別図柄の抽選に対応する変動表示の保留回数N2)を取得し(S428)、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S429)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S427:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判定した場合は(S429:No)、処理をS433へと移行する。一方、第2入球口640への入賞があり(S427:Yes)、且つ、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)が4未満であれば(S429:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値(N2)に1を加算する(S430)。そして、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値を示す特図2保留球数コマンドを設定する(S431)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2保留球数コマンドを受信すると、その特図2保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S431の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理(図21参照)のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別カウンタC3の各値を、RAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203a2の空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S432)、S433の処理へ移行する。尚、S432の処理では、S426の処理と同様に、第2特別図柄保留球数カウンタ203c2の値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S433の処理では、始動入賞に基づいて取得した各種カウンタ値から当否を先読みするための先読み処理を実行して(S433)、本処理を終了する。この先読み処理の詳細について、図95を参照して説明する。
図95は、先読み処理(S433)を示すフローチャートである。この先読み処理(S433)では、まず、今回の始動入賞処理8(図94参照)において第1入球口64、または第2入球口640に対する新たな入球を検出していたか否かを判別し(S1501)、新たな入球を検出していないと判別した場合は(S1501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1501の処理において、新たな入球を検出していたと判別した場合は(S1501:Yes)、次に、検出した入球に対応する保留球数が上限値(即ち、4)であるか否かを判別し(S1502)、上限値であると判別した場合は(S1502:Yes)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S1502の処理において、保留球数が上限値未満であると判別した場合は(S1502:No)、入球を検出した時点で取得された各種カウンタ値(始動入賞処理8(図94参照)のS426、またはS432の処理で格納された各種カウンタ値)に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S1503)。
S1503の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S1504)、本処理を終了する。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図29参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
以上説明した通り、第7実施形態におけるパチンコ機10では、可変表示装置ユニット80の右側に、通過した遊技球がいずれかの入球口に入球するまでの期間(遊技盤13の下方の領域に到達するまでの期間)が比較的長くなる(7秒〜8秒を要する)右第1流路と、通過した遊技球がいずれかの入球口に入球するまでの期間が比較的短くなる(1秒程度)右第2流路との2つの流路を設ける構成としている。大当たりにおいて右第1流路を狙って遊技球を発射することにより、上述した第5実施形態と同様に、特定入賞口65aへと到達するまでの期間は長くなる(即ち、大当たりが終了するまでの期間が長くなる)が、左打ちにより特定入賞口65aを狙って遊技球を発射した場合よりも高い割合で特定入賞口65aに遊技球を入球(入賞)させることができる。
また、遊技球を右第2流路に向けて発射した場合、特定入賞口65aへと入球する可能性はほぼ0であるが、第2入球口640へと比較的短い期間(1秒間程度)で到達させることができる。よって、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され易くなる普通図柄の高確率状態においては、右第2流路に向けて遊技球を発射し続ける(66%〜84%の発射強度で右打ちを行う)ことによって、持ち球をほとんど減らさずに第2特別図柄の抽選を連続して行わせることができる。一方で、左打ちを行うと、第2入球口640に入球する可能性はほぼ0であるが、第1入球口64へと入球可能となる上に、特定入賞口65aにも入球可能になる。また、右第1流路に向けて遊技球を発射した場合よりも、短い期間(1秒〜2秒程度)で遊技盤13の下方の領域(第1入球口64や特定入賞口65が設けられている領域)に遊技球を到達させることができる。よって、大当たりを短い期間で終了させたい(短時間で多くの賞球を獲得したい)と考える遊技者に対して、左打ちを行わせることができる。また、電動役物640aが開放され難い普通図柄の通常状態においても、左打ちにより第1入球口64へと遊技球が入球することを狙って遊技を行わせることができる。このように、本第7実施形態では、遊技状態や遊技者の趣向等に応じて、遊技球を流下させる流路を可変させることができる。よって、遊技球の発射方向を打ち分ける楽しみを遊技者に与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第7実施形態では、右第2流路を流下した遊技球は、第2入球口640、またはアウト口66のどちらかに入球する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、右第2流路へと流入した遊技球の一部が、第1入球口64や特定入賞口65等に到達可能となるように構成してもよい。また、逆に、右第1流路へと流入した遊技球の一部が第2入球口640に到達可能となるように構成してもよい。
本第7実施形態では、特定入賞口65aに入球し易く、第2入球口640に入球し難い右第1流路と、特定入賞口65aに入球し難く、第2入球口640に入球し易い右第2流路とを可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、右第2流路を流下した遊技球が、第1入球口64へと入球可能となり、且つ、特定入賞口65aへの入賞率が右第1流路を流下した場合よりも低くなるように構成してもよい。このように構成することで、通常時において左打ちにより遊技を行った場合も、右打ちにより右第2流路を狙って遊技を行った場合も、第1入球口64へと遊技球が入球可能となるので、通常遊技中において、遊技者の好みの発射方向に遊技球を発射させることができる。また、例えば、遊技盤13の左側において、特定入賞口65aに入球し易く、且つ、第1入球口64に入球し難い左第1流路と、左第1流路よりも特定入賞口65aに入球し難く、且つ、左第1流路よりも第1入球口64に入球し易い左第2流路とを設ける構成としてもよい。
本第7実施形態では、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態の間、普通入球口67を狙って遊技球を発射するように示唆する演出(図91参照)を実行する構成としていたが、これに加えて、普通図柄の時短状態が設定されているにも拘わらず遊技者が左打ちを行っている場合(例えば、第1入球口64に遊技球が入球したことを検出した場合)には、普通入球口67を狙って遊技球を発射することをより強く要請する態様の演出(警告演出)を実行する構成としてもよい。また、同様に、普通図柄の通常状態において右打ちを行っていることを検出した(例えば、普通入球口67を遊技球が通過したことを検出した)場合にも、左打ちを行うように強く要請する態様の演出(警告演出)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が遊技球の発射方向を誤ったまま遊技を継続してしまい、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)することができる。
<第7実施形態の第1の変形例>
次いで、図96から図98を参照して、第7実施形態の各種変形例について説明を行う。まず、図96を参照して、第7実施形態における第1の変形例について説明を行う。上述した第7実施形態では、右第1流路を遊技球が流下した場合は特定入賞口65aに対する入賞率が最も高くなる一方で、特定入賞口65aに到達するまでの期間が長くなる構成としていた。また、右第2流路を遊技球が流下した場合は、第2入球口640へと遊技球が入球し易くなる一方で、特定入賞口65aには入球し難くなる構成としていた。
これに対して第1の変形例では、右第1流路を流下した遊技球と、右第2流路を流下した遊技球とが、共に特定入賞口65aに到達可能となる構成としている。また、詳細については後述するが、大当たり遊技の実行中に連続して右打ちをし続けることにより、右第1流路を流下した遊技球と、右第2流路を流下した遊技球とがほぼ同時に可変入賞装置65に到達する構成としている。これにより、大当たり遊技の実行中に、特定入賞口65aに対して遊技球が2個ずつ入賞(入球)するので、各ラウンドにおいて、特定入賞口65aへの最大の入賞回数を超えて遊技球を入賞させることが容易となる。より詳述すると、上述した通り、大当たりの各ラウンドでは、特定入賞口65aに対する10個目の入賞を検出した時点で、ラウンドの終了条件が成立したと判別されて特定入賞口65aが閉鎖される。この状況下において、9個の遊技球が既に特定入賞口65aに入賞済みの状態で2個の遊技球がほぼ同時に特定入賞口65aに到達すると、10個目の入賞を検出してから特定入賞口65aを閉鎖させるまでの間に、10個目の遊技球とほぼ同時に到達した11個目の遊技球も特定入賞口65aへと入賞させることができる。即ち、1のラウンドにおいて、11個分の入賞に対する賞球(規定回数を上回る回数の入賞に対する賞球)を比較的容易に得ることができる。よって、パチンコ機10の本来の大当たりの仕様を超えて賞球を獲得させることができるので、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第7実施形態における第1の変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13について、図96を参照して説明する。図96は、第1の変形例における遊技盤13の正面図である。図96に示した通り、本第1の変形例における遊技盤13では、右第1流路(遊技盤13における最も右側に形成されている流路)には、第7実施形態における迂回役物700に代えて、複数の釘が設けられている。この複数の釘により、遊技球の流下方向を複数回、切り替え可能に構成している。一方で、右第2流路(可変表示装置ユニット80と、右第1流路との間に形成されている流路)には、右第1流路に比較して遊技球の流下を妨げる(減速させる)構造物が少ない。よって、右第1流路を流下した場合よりも、右第2流路を流下した場合の方が、遊技球が発射されてから遊技盤13における下方の領域(第1入球口64や可変入賞装置65が配置されている領域)へと到達するまでの期間が短くなる。より具体的には、第1流路を流下した場合よりも、第2流路を流下した場合の方が、遊技球が発射されてから可変入賞装置65へと到達するまでの期間が0.6秒程度短くなる。
また、右第1流路、および右第2流路の上方には、遊技球を右第1流路、または右第2流路のどちらかへと振り分ける振分部材850が設けられている。右打ちにより発射された遊技球は、必ずこの振分部材850に到達し、振分部材850によって何れかの流路(右第1流路、または右第2流路のどちらか)へと振り分けられる。図96に示した通り、この振分部材850は、流下してきた遊技球を受け止めて一時的に保持可能な2つの保持部850a,850bを有している。振分部材850は、基本的に保持部850a,850bのどちらかが上方を向いて静止した状態となり、右打ちにより発射された遊技球が上方を向いた保持部によって受け止められる。図96では、保持部850aが上方を向いて静止した状態において、右打ちにより発射された遊技球が受け止められた状況を例示している。
保持部850a,850bのいずれかによって遊技球が受け止められると、遊技球の重さによる重力が、振分部材850に対して作用する。この結果、保持部850aによって遊技球が受け止められた場合は、振分部材850が回転軸850cを回転軸として反時計回りに回動し、保持部850bが上方を向いた状態となる。この状態において、保持部850aは、左下方向に下る向きの傾斜を形成するため、保持部850aに保持されていた遊技球は、正面視左下方向に落下する。即ち、右第2流路を流下する。一方、保持部850bによって遊技球が受け止められた場合は、振分部材850が回転軸850cを回転軸として時計回りに回動し、保持部850aが上方を向いた状態となる。この状態において、保持部850bは、右下方向に下る向きの傾斜を形成するため、保持部850bに保持されていた遊技球は、正面視右下方向に落下する。即ち、右第1流路を流下する。このため、振分部材850は、遊技球をいずれかの流路に振り分ける毎に、異なる保持部が上方を向いた状態となる。よって、遊技球が振分部材650に到達する毎に、右第1流路と、右第2流路とに交互に遊技球を振り分けることができる。
上述した通り、右第1流路を流下するよりも、右第2流路を流下した方が、可変入賞装置65へと到達するまでの期間が約0.6秒短くなる。そして、上述した通り、遊技球の発射間隔は最短で0.6秒となるように構成されている。よって、連続して右打ちを行うと、右第1流路に振り分けられた1の遊技球と、当該1の遊技球の次に発射されて右第2流路に振り分けられた遊技球とが、ほぼ同時に可変入賞装置65に到達し、ほぼ同時に特定入賞口65aへと入賞する。このため、大当たりの各ラウンドにおいて、9個の遊技球が既に特定入賞口65aへと入賞済みの状態(あと1回入賞を検出すると特定入賞口65aが閉鎖される状態)で、右第1流路、および右第2流路を流下した2個の遊技球がほぼ同時に特定入賞口65aへと到達した場合は、1のラウンドで11個の遊技球を入球させることができる。即ち、連続して右打ちを行い続けるだけで、容易に大当たりの各ラウンドにおける上限の入賞個数である10個(ラウンドの終了条件となる入賞個数)を超えて遊技球を特定入賞口65aに入球させる(所謂、オーバー入賞を発生させる)ことができる。よって、大当たり遊技における遊技者の興趣をより向上させることができる。
なお、本第1の変形例では、遊技球を右打ちし続けるだけで振分部材850によって右第1流路と、右第2流路とに交互に遊技球が振り分けられる構成としていたが、これに限られるものではない。振分部材850を削除し、遊技者自身に発射強度を調節させることにより、オーバー入賞を狙わせる構成としてもよい。この場合は、各ラウンドにおいて特定入賞口65に対する入賞数が9個(規定個数より1少ない入賞数)となった場合に、まず、右第1流路を狙って遊技球を発射し、続けて右第2流路を狙って遊技球を発射することにより、右第1流路を流下した遊技球と、右第2流路を流下した遊技球とをほぼ同時に可変入賞装置65へと到達させることができる。つまり、10個目の遊技球の入賞を検出してから特定入賞口65aが閉鎖されるまでの間に、11個目の遊技球を特定入賞口65aに入賞させることができる。よって、上述した第1の変形例に比べると、発射方向を素早く切り替える技術が必要となるが、正確に発射方向を切り替える遊技者にとっては、より確実にオーバー入賞を発生させることができる。即ち、上述した第1の変形例では、1のラウンドにおいて10個目の遊技球が右第1流路に振り分けられなければ、オーバー入賞が発生しない構成となっている。つまり、ラウンド開始時の振分部材850の状態に応じて、オーバー入賞し易い状態であるか否かが異なっている。これに対して振分部材850を削除した場合、発射方向を切り替える技術を有した遊技者であれば、10個目、および11個目の遊技球を必ず右第1流路と、右第2流路とに流下させることができるので、より確実にオーバー入賞を発生させることができる。
<第7実施形態における第2の変形例>
次に、図97を参照して、第7実施形態における第2の変形例について説明する。上述した第7実施形態では、右第1流路を遊技球が流下した場合は特定入賞口65aに対する入賞率が最も高くなる一方で、特定入賞口65aに到達するまでの期間が長くなる構成としていた。また、右第2流路を遊技球が流下した場合は、第2入球口640へと遊技球が入球し易くなる一方で、特定入賞口65aには入球し難くなる構成としていた。
これに対して第2の変形例では、大当たり中に遊技球が入球することで賞球が付与される可変入賞装置として、第7実施形態における可変入賞装置65に代えて、可変入賞装置6500を左打ちで発射された遊技球が入球不可能となる位置に設ける構成としている。この可変入賞装置6500は、右第1流路を流下した遊技球と、右第2流路を流下した遊技球とが入球可能となるように構成されている。そして、右第1流路は、右第2流路よりも可変入賞装置6500へと到達するまでの期間が長くなるように構成されており、且つ、可変入賞装置6500が開放されている間において、特定入賞口6500aへと入球する割合が高くなるように構成されている。これにより、大当たりにおいて、右第1流路を狙って遊技球を発射した場合と、右第2流路を狙って遊技球を発射した場合とで異なる遊技性を実現することができる。即ち、右第1流路を狙って遊技球を発射し続けることで、大当たり遊技の実行期間が長くなるが、無駄球が発生しにくい遊技性となる一方で、右第2流路を狙って遊技球を発射し続けることで、大当たり遊技の実行期間が短くなるが、無駄球が発生し得る遊技性となる。
この第7実施形態の第2の変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13について、図97を参照して説明を行う。図97は、遊技盤13の正面図である。図97に示した通り、本第2の変形例では、第7実施形態における遊技盤13(図90参照)に対して、可変入賞装置65が削除されている点、右第2流路の下方が、遊技盤13の下方の領域と繋げられている点、および右第1流路と、右第2流路との間に可変入賞装置6500が設けられている点でのみ相違する。
図97に示した通り、可変入賞装置6500は、遊技球が入球可能な特定入賞口6500aへの入球を検出する毎に、賞球が付与される。この可変入賞装置6500には、遊技球の入球を妨げることが可能な一対の電動役物6500a1,6500a2が付随して設けられている。この電動役物6500a1,6500a2は、通常時には特定入賞口6500aへの入球が不可能となるように閉鎖されており、大当たりの各ラウンドにおいて所定期間(30秒間が経過するまで、或いは、遊技球が10個入球するまで)開放される。
また、図97に示した通り、右第1流路側に設けられている電動役物6500a1が開放されることにより、迂回役物700の内部の1の誘導流路(誘導流路780)の下端と、電動役物6500a1の先端とが近接する。即ち、誘導流路780と、電動役物6500a1との間を遊技球が通過することが不可能になる結果、誘導流路780を流下した遊技球がほぼ確実に特定入賞口6500aに入賞する。
一方で、右第2流路側に設けられている電動役物6500a2が開放された場合、電動役物6500aの先端(上端)よりも左側に遊技球1個分以上の隙間が空く。よって、右第2流路を流下した遊技球は、開放されている電動役物6500a2に誘導されて特定入賞口6500aへと入球し易くなるが、電動役物6500a2の先端(上端)よりも左側を抜けて、遊技盤13の下方の領域(第1入球口64やアウト口66が設けられている領域)に流下する可能性もある。
このように、第7実施形態における第2の変形例では、右第2流路に向けて遊技球を発射した場合に、特定入賞口6500aへと遊技球を入球可能に構成した。そして、大当たり中に右第1流路に向けて遊技球を発射し続けた場合は、遊技球が可変入賞装置6500へと到達するまでの期間が長い(大当たり遊技の実行期間が長い)が、特定入賞口6500aが開放されている間に到達したほぼ全ての遊技球を特定入賞口6500aに入球させることができる遊技性となる。一方、大当たり中に右第2流路に向けて遊技球を発射示続けた場合は、遊技球が可変入賞装置6500へと到達するまでの期間が短い(大当たり遊技を短期間で終わらせることができる)が、一部(例えば、10球に1球の割合)の遊技球が特定入賞口6500aへと入球せずにアウト口66へと入球してしまうというリスクがある遊技性となる。よって、上述した第5実施形態と同様に、大当たりの期間が長くなる代わりに無駄球(特定入賞口6500aに入球せずにアウト口66に入球してしまう遊技球)を少なくすることができる遊技性と、大当たりをスピーディーに消化できる代わりに無駄球が比較的多くなってしまう遊技性とを遊技者に選択させることができる。
<第7実施形態の第3の変形例>
次に、図98を参照して、第7実施形態における第3の変形例について説明を行う。上述した第7実施形態では、右第1流路に設けられている迂回役物700により、右第1流路を通過する期間を長期化する構成としていた。これにより、右第1流路を遊技球が流下した場合は特定入賞口65aに対する入賞率が最も高くなる一方で、特定入賞口65aに到達するまでの期間を長期化する構成としていた。
これに対して第3の変形例では、右第1流路において迂回役物700を削除すると共に、流路の幅が遊技球2個分未満となるように(即ち、迂回役物700が設けられている場合よりも流路の幅が狭くなるように)構成した。そして、遊技球が右第1流路を流下する期間を長期化させるための構成として、右第1流路に対して複数の回転体861〜863を配置させる構成とした。右第1流路の幅を狭くしたことにより、遊技盤13の盤面の面積に占める右第1流路の面積の割合を小さくすることができるので、盤面における釘や風車等の配置の自由度を高めることができる。
この第7実施形態における第3の変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13について、図98を参照して説明する。図98は、第3の変形例における遊技盤13の正面図である。図98に示した通り、本第3の変形例における遊技盤13では、第7実施形態における遊技盤13の盤面構成(図90参照)に対して、右第1流路において迂回役物700に代えて複数の回転体861〜863が設けられている点、右第1流路の幅が狭くなると共に右第2流路の幅が広くなっている点が相違している。
上述した回転体861〜863について、より詳細に説明する。図98に示した通り、右第1流路には3つの回転体861〜863が設けられている。この3つの回転体861〜863の動作について、回転体861を例にとって説明する。図98に示した通り、回転体861は、円形の一部が抉れた略三日月型の形状で構成されており、回転軸861bを回転軸として正面視反時計回りに回転動作を行うことが可能に構成されている。また、回転体861には、流下してきた遊技球を1個に限り受け止めることが可能な球止め部861aが設けられている。球止め部861aが右第1流路の上流方向を向いた状態では、回転体861に到達した遊技球が球止め部861aにより受け止められる。球止め部861aは、回転体861の回転動作に連動して回転動作するので、球止め部861aに受け止められた遊技球も、回転軸861bを回転軸として回転する。そして、球止め部861aが右第1流路における下流側を向いた状態になると、遊技球に作用する重力により右第1流路の下流側に落下する。
一方で、球止め部861aが右第1流路における上流方向を向いていない状態で遊技球が回転体861に到達した場合には、回転体861の外周部分のうち、上流方向側に接触した状態となる。この外周部分に遊技球が接触した状態は、回転体861が回転動作することにより球止め部861aが右第1流路の上流方向を向いた状態となるまで継続する。球止め部861aが右第1流路の上流方向を向いた状態になると、遊技球は球止め部861aへと流下し、以降は上述した通り、回転体861の回転動作に連動して回転軸861bを回転軸とした回転動作を行った後、右第1流路における下流側へと落下する。
このように、右第1流路に対して回転体861〜863を設ける構成とすることにより、各回転体に到達する毎に、遊技球の流下を妨げることができる。各回転体に到達した遊技球を一旦停止させ、球止め部に遊技球を受け止めさせ、回転体の回転動作に連動して回転軸を中心とした回転動作を行わせるという複数の動作を遊技球に行わせることができる。よって、回転体861〜863が設けられて以内場合に比較して、右第1流路に到達した遊技球が右第1流路を流下しきるまでに要する期間を長期化することができる。よって、左打ちにより発射された遊技球に比較して、右第1流路に向けて発射された遊技球が遊技盤13における下方の領域に到達するまでの期間を長期化することができる。
このように、第7実施形態における第3の変形例では、迂回役物700に代えて、比較的設置面積が小さくて済む複数の回転体861〜863を右第1流路に配置させる構成としている。そして、各回転体861〜863により遊技球の流下速度を低下させる(流下を妨げる)ことにより、右第1流路に向けて発射された遊技球が遊技盤13における下方の領域に到達するまでの間の期間が、左打ちにより発射された遊技球が下方の領域に到達するまでの期間よりも長くなるように構成している。これらにより、上述した第7実施形態と同様の遊技性を実現しつつ、右第1流路の占める面積を小さくすることができるので、盤面構成の自由度をより向上させることができる。
なお、本第7実施形態における第3の変形例では、右第1流路に対して3つの回転体を設ける構成としていたが、回転体の個数および配置は本第3の変形例の形態に限られるものではなく、任意に定めることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記第5から第7実施形態、およびその変形例では、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に迂回役物700を有した流路を配置する構成としていたが、盤面構成は任意に変更することができる。例えば、可変表示装置ユニット890の左側に迂回役物700を配置する構成としてもよい。
上記第5から第7実施形態、およびその変形例では、迂回役物700の各誘導流路740〜790を、遊技盤13のベース板60よりも手前側に突出させて構成していたが、これに限られるものではない。例えば、迂回役物700をベース板60よりも奥側に設ける構成としてもよい。即ち、迂回役物700をベース板60の裏側に配置させると共に、ベース板60のうち、迂回役物700の前面側を少なくとも透明な材質で構成することで、遊技球の流下状況を目視可能とする。そして、ベース板60のうち、迂回役物700の上流側(ベース板60の奥側へと進行した遊技球が開口部710へと流入可能となる位置)、および下流側(開口部720から流出した遊技球がベース板60の手前側へと流出可能な位置)に、ベース板60を貫通し、且つ、遊技球が通過可能な大きさの開口部を設ける構成としてもよい。このように構成することで、ベース板60のうち、迂回役物700の手前側に、釘や風車等を配置させることができる。即ち、遊技盤13の盤面を有効利用することができる。
上記各実施形態では、当否および変動パターンの先読み結果(変動種別)に基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、これらに代えて、または加えて、大当たり種別に基づいて連続予告演出の実行可否の判定を実行する構成としてもよい。このように構成することで、連続予告演出の実行有無や予告演出の演出種別から、大当たりとなった場合の大当たり種別を予測させることができるので、遊技者の連続予告演出に対する興趣を向上させることができる。
上記各実施形態では、期待度が高い抽選結果になるほど連続予告演出が実行され易くなる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、期待度が低い抽選結果ほど連続予告演出が実行されやすくなる構成としてもよい。このように構成することで、連続予告演出が実行されないことを期待して遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができる。また、上記各実施形態では、連続予告演出の実行が決定された場合に、複数の変動表示に渡って連続して予告演出を伴う変動表示が実行される構成としていたが、必ずしも連続する複数の変動表示に渡って予告演出を実行する必要はない。例えば、連続予告演出が設定されている各変動表示の開始時に、予告演出を設定するか否かを抽選する構成としてもよい。また、この場合において、連続予告演出の設定の契機となった入賞情報の期待度が高い程、各変動表示において予告演出を設定する抽選確率が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、予告演出が連続するほど大当たりに対する期待感を高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上記各実施形態では、予告抽選禁止状態が解除された場合に、入賞情報格納エリア223aに格納されている1又は複数のデータを1つ1つ判別するのではなく、論理和データ(第1実施形態)やポイント(第2実施形態)、高期待度種別フラグ223nの値(第3実施形態)等、保留されている抽選結果の内容を示すデータに基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成としていたが、これに限られるものではない。入賞情報格納エリア223aに格納されている1又は複数のデータを1つ1つ判別する構成としてもよい。また、上記各実施形態では、予告抽選禁止状態が解除された場合にのみ、論理和データ(第1実施形態)やポイント(第2実施形態)、高期待度種別フラグ223nの値(第3実施形態)等、保留されている抽選結果の内容を示すデータに基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成としていたが、これに限られるものではなく、通常時に実行される連続予告演出の実行可否の判定の一部または全部においても、保留されている抽選結果の内容を示すデータに基づいて判定を行ってもよい。また、逆に、予告抽選禁止状態以外の状態(通常の状態)では、常に、入賞情報コマンド(乱数範囲コマンド)により通知された抽選結果のみに基づいて連続予告演出の実行可否の判定を行う構成としてもよい。
上記各実施形態では、連続予告演出の実行が決定されたことを契機として予告抽選禁止状態を設定する構成としていたが、予告抽選禁止状態の設定タイミングは、これに限られるものではなく、任意に定めてもよい。具体的には、例えば、最終的に大当たりとなる連続予告演出の実行が決定された場合にのみ、予告抽選禁止状態を設定してもよい。即ち、外れとなる連続予告演出の実行中には、連続予告演出を上書き可能に構成してもよい。このように構成することで、連続予告演出の実行頻度を高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、大当たりの開始に基づいて予告抽選禁止状態を設定してもよいし、特別図柄の確変状態、または普通図柄の時短状態が開始されたことに基づいて予告抽選禁止状態を設定してもよい。また、例えば、変動開始タイミングとなる毎に抽選により予告抽選禁止状態を設定するか否かを判別する構成としてもよいし、例えば、遊技者が操作可能な操作手段を設けておき、操作手段に対する操作内容に応じて予告抽選禁止状態の設定及び解除を切り替える構成としてもよい。同様に、予告抽選禁止状態が解除されるタイミングについても、連続予告演出が終了した後、1回の通常の変動表示が終了するタイミングに限られるものではなく、任意に定めてもよい。例えば、連続予告演出が終了してから5回の変動表示が終了するまでは予告抽選禁止状態が解除されない構成としてもよいし、逆に、連続予告演出が終了した時点で予告抽選禁止状態を解除してもよい。または、連続予告演出の実行中における所定タイミングで解除してもよいし、連続予告演出とは無関係に解除してもよい。例えば、大当たりや確変状態、時短状態等の終了に基づいて解除する構成としてもよいし、予告抽選禁止状態が設定されている間は、変動表示を実行する毎に、抽選により解除するか否かを判別する構成としてもよい。また、遊技者の操作に基づいて解除可能に構成してもよい。更に、予告抽選禁止状態を設けなくてもよい。
上記各実施形態では、主制御装置110から出力される始動入賞コマンド(乱数範囲コマンド)に基づいて、音声ランプ制御装置113において連続予告演出の実行可否を判定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、主制御装置110側で連続予告演出の実行可否を判定し、判定結果を音声ランプ制御装置113に対して通知する構成としてもよい。この場合において、連続予告演出が設定された変動パターンであるか否かを示す情報を変動パターンコマンドに含めて送信してもよいし、別のコマンドにより送信してもよい。また、連続予告演出の実行が決定されたことのみを音声ランプ制御装置113に対して出力する構成とし、連続予告演出が継続する期間は音声ランプ制御装置113側で把握しておく構成としてもよい。
上記各実施形態では、予告抽選禁止状態を、連続予告演出の実行が決定されてから、その連続予告演出の終了後、1回の変動表示が終了するまでの間に限り設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりとなった場合にも、予告抽選禁止状態を設定する構成としてもよい。そして、大当たりの終了時に予告抽選禁止状態を解除して、その時点で保留されている各保留球の抽選結果(変動種別)を示すデータ(論理和データ(第1実施形態)、ポイント(第2実施形態)、または高期待度種別フラグ223nの値(第3実施形態))に基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成としてもよい。ここで、大当たりの間は、遊技者が特定入賞口65aを狙って球を発射するので、特定入賞口65aの鉛直上方に設けられている第1入球口64(図2参照)へも大当たり中に球が複数入球する可能性が高い。即ち、大当たりが開始されてから終了するまでの間に、保留球が複数増加する可能性が高い。この状況下において、大当たり中に発生した第1入球口64に対する始動入賞を検出する毎に連続予告演出の実行可否を判定する構成とすると、先に期待度が低い変動種別に対応する始動入賞に基づいて連続予告演出が決定され、予告抽選禁止状態が設定された後で、期待度が高い変動種別に対応する始動入賞が発生してしまう可能性がある。つまり、期待度が高い変動種別に対応する保留球が保留内に存在するにも拘わらず、その期待度が高い変動種別に基づく変動表示に基づいて連続予告演出の実行可否を判定することができなくなってしまう虞がある。これに対して、大当たり中は予告抽選禁止状態を設定しておき、大当たりの終了時に予告抽選禁止状態を解除して、その時点で保留されている各保留球の抽選結果に基づいて連続予告演出の実行可否を判定する構成としておけば、大当たりの終了時点で保留されている保留球の中で、期待度が最も高い変動種別の保留球に基づいて連続予告演出の実行可否を判定することができる。よって、連続予告演出をより好適に設定することができる。
上記各実施形態では、予告抽選禁止状態が解除された場合に、連続予告演出の実行可否の判定を複数の保留球の変動種別に応じて実行する例について説明したが、連続予告演出の実行可否の判定に限られるものではない。例えば、保留図柄の態様を通常とは異なる態様に変更することが可能に構成された遊技機(所謂、保留予告演出を搭載した遊技機)について、上記各実施形態の技術を適用してもよい。即ち、保留図柄の態様を変化することが禁止される禁止状態が、所定条件の成立(例えば、保留予告演出の実行が決定された場合や、大当たりが開始された場合)に基づいて設定され、当該禁止状態が解除された場合に、その解除時点で保留されている複数の保留球の変動種別を判別し、最も期待度が高い変動種別に応じた抽選確率で、保留予告の実行可否、および保留予告を実行する場合における保留図柄の態様を決定する構成としてもよい。また、上記各実施形態の技術は、連続予告演出や保留予告演出等を実行するために、保留球の変動種別を判定する場合に限定されるものではない。複数の保留球に対して何らかの判定を実行する場合に、上記各実施形態の技術を適用することができる。
上記各実施形態では、予告抽選禁止状態が解除された場合に、連続予告演出の実行可否の判定を複数の保留球の変動種別に応じて実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、予告抽選禁止状態を設定せず、始動入賞を検出する毎に、その時点で保留されている各保留球の変動種別に応じて連続予告演出の実行可否の判定(連続予告演出が実行中であれば、連続予告演出の延長可否の判定)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、予告抽選禁止状態か否かで制御を変更する必要が無いので、制御プログラムの記述内容を簡素化することができる。よって、開発者の開発負荷を低減することができる。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。より具体的には、例えば、第2実施形態における各種カウンタ値(乱数値)が属する値の範囲を主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して通知し、音声ランプ制御装置113側で、各種カウンタ値(乱数値)が属する値の範囲に基づいて先読み処理を行う一連の制御を、第1実施形態や第3実施形態に適用してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(先読み禁止状態が解除された場合に、全保留を先読みする)
遊技に関する主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段から出力される制御信号に基づいて制御を行う従制御手段と、を備えた遊技機において、前記主制御手段は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段による判別結果を示す判別結果信号を前記従制御手段に出力する第1出力手段と、所定の取得条件の成立に基づいて、前記判別手段による判別に用いる判別情報を取得する判別情報取得手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報に基づく判別情報信号を、前記判別条件が成立するよりも前に前記従制御手段に出力可能な第2出力手段と、を備え、前記従制御手段は、前記第1出力手段により出力された前記判別結果信号、および前記第2出力手段により出力された前記判別情報信号を少なくとも受信可能に構成された信号受信手段と、その信号受信手段により前記判別結果信号が受信されたことに基づいて、その受信された判別結果信号が示す判別結果に応じた第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記信号受信手段により前記判別情報信号が受信されたことに基づいて、その受信された前記判別情報信号に応じた情報を、所定の情報数を上限として、対応する前記判別結果信号が前記信号受信手段により受信されるまで少なくとも記憶可能な情報記憶手段と、特定条件の成立を契機として、前記情報記憶手段に記憶された複数の前記判別情報信号に応じた情報に基づいて特定の判別を実行可能な特定判別手段と、その特定判別手段による判別で第2の判別結果となったことに基づいて、当該判別よりも後に実行される1又は複数の前記第1演出の実行期間に渡って第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003−325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、複数の変動表示の実行期間にまたがって、同系統の演出を実行する(所謂、連続予告演出を実行する)ことで、複数回の連続して実行される変動表示に渡って遊技者に対して持続的に期待感を抱かせ続けることができるものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1の連続予告演出の実行中に、再度、連続予告演出の実行判定に当選し、重複して連続予告演出が実行される場合があった。この場合、連続予告演出における何れの変動表示に対して期待感を抱けば良いのかが遊技者に分かり難くなってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機A1では、主制御手段において、判別条件の成立に基づいて実行される判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。判別手段による判別結果を示す判別結果信号が、第1出力手段によって従制御手段に出力される。所定の取得条件の成立に基づいて、判別手段による判別に用いる判別情報が判別情報取得手段によって取得され、その取得された判別情報に基づく判別情報信号が、判別条件が成立するよりも前に第2出力手段により従制御手段に出力される。また、従制御手段において、第1出力手段により出力された判別結果信号、および第2出力手段により出力された判別情報信号が信号受信手段によって受信される。信号受信手段により判別結果信号が受信されたことに基づいて、その受信された判別結果信号が示す判別結果に応じた第1演出が第1演出実行手段によって実行される。信号受信手段により判別情報信号が受信されたことに基づいて、その受信された判別情報信号に応じた情報が、所定の情報数を上限として、少なくとも対応する判別結果信号が信号受信手段により受信されるまで、情報記憶手段によって記憶される。特定条件の成立を契機として、情報記憶手段に記憶された複数の判別情報信号に応じた情報に基づいて特定の判別が特定判別手段によって実行され、その特定判別手段による判別で第2の判別結果となったことに基づいて、当該判別よりも後に実行される1又は複数の第1演出の実行期間に渡って第2演出実行手段により第2演出が実行される。
これにより、1又は複数の第1演出の実行期間に渡って第2演出を実行することができるので、演出を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記信号受信手段により前記判別情報信号が受信されたことを契機として、その受信された前記判別情報信号に応じた情報に基づいて前記第2演出を実行するか判別する受信時判別手段を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1が奏する効果に加え、信号受信手段により判別情報信号が受信されたことを契機として、その受信された判別情報信号に応じた情報に基づいて第2演出を実行するかが受信時判別手段により判別されるので、第2演出が実行される機会をより多くすることができるので、演出をより多様化させることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記第2演出実行手段は、前記受信時判別手段により前記第2演出を実行すると判別された場合に、当該判別の契機となった前記判別情報信号に対応する前記第1演出を少なくとも含む複数の前記第1演出の実行期間に渡って前記第2演出を実行するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、受信時判別手段により第2演出を実行すると判別された場合に、当該判別の契機となった判別情報信号に対応する第1演出を少なくとも含む複数の第1演出の実行期間に渡って、第2演出実行手段により第2演出が実行されるので、演出を多様化させることができるという効果がある。
遊技機A2又はA3において、前記受信時判別手段による判別が制限される判別制限状態を、所定の設定条件の成立に基づいて設定する制限状態設定手段と、その制限状態設定手段により前記判別制限状態が設定されている場合に、所定の解除条件の成立に基づいて前記判別制限状態を解除する解除手段と、を備え、前記特定条件は、前記所定の解除条件が成立したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、受信時判別手段による判別が制限される判別制限状態が、制限状態設定手段により所定の設定条件の成立に基づいて設定される。制限状態設定手段により判別制限状態が設定されている場合に、所定の解除条件の成立に基づいて判別制限状態が解除手段により解除される。所定の解除条件が成立した場合に、特定条件が成立する。
これにより、判別制限状態が解除された場合に、既に情報記憶手段に記憶されている複数の判別結果信号に応じた情報に基づいて特定判別手段による判別を実行することができるので、第2演出の実行可否の判別を、より多くの判別結果信号に応じた情報に基づいて行うことができるという効果がある。
遊技機A4において、前記制限状態設定手段は、前記受信時判別手段により前記第2演出を実行すると判別されたことに基づいて前記判別制限状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、受信時判別手段により第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、制限状態設定手段により判別制限状態が設定されるので、第2演出の実行中に受信時判別手段により第2演出の実行が重複して判別されてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A5において、前記所定の解除条件は、前記第2演出が終了した後、少なくとも1の前記第1演出が実行されたことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5が奏する効果に加え、第2演出が終了した後、少なくとも1の第1演出が実行されたことに基づいて所定の解除条件が成立するので、第2演出の実行中、および第2演出が終了した後、少なくとも1の第1演出が実行されている場合は、第2演出を実行するかの判別が行われることを制限できる。よって、第2演出が終了してから、次に第2演出が開始されるまでには少なくとも1回、第2演出を伴わない第1演出を実行させることができるので、第2演出がいずれの第1演出まで継続したのかを遊技者に対して容易に理解させることができる。従って、より分かり易い演出を実現することができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記特定判別手段は、前記情報記憶手段に記憶されている前記判別情報信号に応じた情報の中に、前記第1の判別結果に対応する情報が含まれている場合の方が、前記第1の判別結果に対応する情報が含まれていない場合よりも前記第2の判別結果となる割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、情報記憶手段に記憶されている判別情報信号に応じた情報の中に、第1の判別結果に対応する情報が含まれている場合の方が、第1の判別結果に対応する情報が含まれていない場合よりも第2の判別結果となる割合が高くなるように特定判別手段による判別が実行されるので、第2演出が実行された場合に、遊技者に対して特典遊技が実行されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴B群>(各保留エリアの論理和データから保留されている変動種別を判別)
遊技に関する主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段から出力される制御信号に基づいて制御を行う従制御手段と、を備えた遊技機において、前記主制御手段は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段による判別結果を示す判別結果信号を前記従制御手段に出力する第1出力手段と、所定の取得条件の成立に基づいて、前記判別手段による判別に用いる判別情報を取得する判別情報取得手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報に基づく判別情報信号を、前記判別条件が成立するよりも前に前記従制御手段に出力可能な第2出力手段と、を備え、前記従制御手段は、前記第1出力手段により出力された前記判別結果信号、および前記第2出力手段により出力された前記判別情報信号を少なくとも受信可能に構成された信号受信手段と、その信号受信手段により前記判別結果信号が受信されたことに基づいて、その受信された判別結果信号が示す判別結果に応じた第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記信号受信手段により前記判別情報信号が受信されたことに基づいて、その受信された前記判別情報信号に応じた情報を、所定の情報数を上限として、対応する前記判別結果信号が前記信号受信手段により受信されるまで少なくとも記憶可能な情報記憶手段と、特定条件の成立を契機として、前記情報記憶手段に記憶された複数の前記判別情報信号に応じた情報に対して所定の演算を行うことで所定の演算データを算出する演算データ算出手段と、その演算データ算出手段により算出された前記所定の演算データに基づいて、第2演出を実行するか判別する第2演出実行判別手段と、その第2演出実行判別手段による判別で前記第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、当該判別よりも後に実行される1又は複数の前記第1演出の実行期間に渡って前記第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003−325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、複数の変動表示の実行期間にまたがって、同系統の演出を実行する(所謂、連続予告演出を実行する)ことで、複数回の連続して実行される変動表示に渡って遊技者に対して持続的に期待感を抱かせ続けることができるものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1の連続予告演出の実行中に、再度、連続予告演出の実行判定に当選し、重複して連続予告演出が実行される場合があった。この場合、連続予告演出における何れの変動表示に対して期待感を抱けば良いのかが遊技者に分かり難くなってしまうという問題点があった。また、これを解決するために、1の連続予告演出が決定された場合に、その連続予告演出が終了するまでの間、連続予告演出の実行可否の判定を制限する方法が考えられるが、この場合、連続予告演出の実行中に検出された始動入賞に基づく保留球に対して連続予告演出を実行することができないので、1の連続予告演出が終了してから、次の連続予告演出が実行されるまでの間に比較的長い期間が空いてしまう場合があった。更に、連続予告演出中に保留された全ての保留球の抽選結果に基づいて、連続予告演出の終了後に、連続予告演出を実行するか否かの判定を行うという方法も考えられるが、全ての保留球の抽選結果を判別する必要があるため、通常の連続予告演出の実行可否の判定に比較して処理負荷が増大してしまうという問題点があった。
これに対して遊技機B1によれば、主制御手段において、判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。判別手段による判別結果を示す判別結果信号が第1出力手段により従制御手段に出力される。所定の取得条件の成立に基づいて、判別手段による判別に用いる判別情報が判別情報取得手段によって取得され、その取得された判別情報に基づく判別情報信号が、第2出力手段により判別条件が成立するよりも前に従制御手段に出力される。また、従制御手段において、第1出力手段により出力された判別結果信号、および第2出力手段により出力された判別情報信号が信号受信手段により受信される。信号受信手段により判別結果信号が受信されたことに基づいて、その受信された判別結果信号が示す判別結果に応じた第1演出が第1演出実行手段により実行される。信号受信手段により判別情報信号が受信されたことに基づいて、その受信された判別情報信号に応じた情報が、所定の情報数を上限として、少なくとも対応する判別結果信号が信号受信手段により受信されるまで情報記憶手段により記憶される。特定条件の成立を契機として、情報記憶手段に記憶された複数の判別情報信号に応じた情報に対して演算データ算出手段により所定の演算が行われて所定の演算データが算出される。演算データ算出手段により算出された所定の演算データに基づいて、第2演出実行判別手段により第2演出を実行するかが判別される。第2演出実行判別手段による判別で第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、当該判別よりも後に実行される1又は複数の第1演出の実行期間に渡って第2演出実行手段により第2演出が実行される。
これにより、複数の判別情報信号に応じた情報に対して所定の演算を行った結果得られる所定の演算データに基づいて第2演出を実行するかの判別を行うことができるので、情報記憶手段に記憶されている全ての情報を1つ1つ判別して、各判別結果をふまえて第2演出を実行するかの判別を実行する場合に比較して、従制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記演算データ算出手段により算出された前記所定の演算データに基づいて、前記所定の演算の対象となった複数の前記判別情報信号に応じた情報の中に予め定められた特定の判別情報に対応する情報が含まれているかを判別する情報判別手段を備え、前記第2演出実行判別手段は、前記情報判別手段により前記特定の判別情報に対応する情報が含まれていると判別された場合に、前記所定の演算データに基づいて前記第2演出を実行するか判別するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演算データ算出手段により算出された所定の演算データに基づいて、所定の演算の対象となった複数の判別情報信号に応じた情報の中に予め定められた特定の判別情報に対応する情報が含まれているかが情報判別手段により判別される。情報判別手段により特定の判別情報に対応する情報が含まれていると判別された場合に、所定の演算データに基づいて第2演出実行判別手段により第2演出を実行するか判別される。
これにより、第2演出実行判別手段による判別が実行される機会を、特定の判別情報に対応する情報が含まれている場合に限定できるので、判別処理の頻度を低減することができる。よって、従制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機B2において、前記予め定められた特定の判別情報の種別には、前記第1の判別結果に対応する第1判別情報と、前記第1の判別結果とは異なる判別結果に対応する第2判別情報とが少なくとも設けられているものであり、前記第2演出実行判別手段は、前記情報判別手段により前記第2判別情報が含まれていると判別されるよりも、前記第1判別情報が含まれていると判別された場合の方が高い割合で前記第2演出を実行すると判別するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、予め定められた特定の判別情報の種別として、第1の判別結果に対応する第1判別情報と、第1の判別結果とは異なる判別結果に対応する第2判別情報とが少なくとも設けられている。情報判別手段により第2判別情報が含まれていると判別されるよりも、第1判別情報が含まれていると判別された場合の方が、第2演出実行判別手段により高い割合で第2演出を実行すると判別される。
これにより、第2演出が実行された場合に、第1の判別結果となって特典遊技が実行されることを遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機B2又はB3において、前記主制御手段は、前記判別情報取得手段により前記判別情報が取得されたことに基づいて、前記判別手段による判別結果を前記判別条件が成立するよりも前に特定する事前特定手段と、その事前特定手段により特定された判別結果に対応する情報を少なくとも含ませて前記判別情報信号を生成する判別情報信号生成手段と、を備え、前記情報記憶手段は、前記事前特定手段により特定され得る複数の判別結果のそれぞれに対応した複数のビットで構成された記憶領域を、少なくとも前記所定の情報数分有して構成され、前記従制御手段は、前記信号受信手段により前記判別情報信号が受信されたことに基づいて、前記情報記憶手段に設けられた1の記憶領域のうち、前記判別情報信号が示す判別結果に対応するビットを、特定の状態に設定するビット設定手段を備え、前記演算データ算出手段は、前記所定の演算として、前記情報記憶手段に記憶された複数の前記判別情報信号に応じた情報の論理和を前記所定の演算データとして算出するものであり、前記情報判別手段は、前記論理和の特定のビットが前記特定の状態になっている場合に、特定の判別情報に対応する情報が含まれていると判別するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、判別情報取得手段により判別情報が取得されたことに基づいて、判別条件が成立するよりも前に判別手段による判別結果が事前特定手段によって特定される。事前特定手段により特定された判別結果に対応する情報を少なくとも含んだ判別情報信号が、判別情報信号生成手段によって生成される。事前特定手段により特定され得る複数の判別結果のそれぞれに対応した複数のビットで構成された記憶領域が、少なくとも所定の情報数の分だけ情報記憶手段に設けられている。従制御手段において、信号受信手段により判別情報信号が受信されたことに基づいて、情報記憶手段に設けられた1の記憶領域のうち、判別情報信号が示す判別結果に対応するビットが、ビット設定手段により特定の状態に設定される。所定の演算として、情報記憶手段に記憶された複数の判別情報信号に応じた情報の論理和が、演算データ算出手段により所定の演算データとして算出される。論理和の特定ビットが特定の状態になっている場合に、特定の判別情報に対応する情報が含まれていると情報判別手段により判別される。
これにより、論理和の特定のビットの状態を判別するだけで、論理和の演算に用いられた全ての情報を判別したのと同等の結果を得ることができるので、従制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機B4において、前記ビット設定手段は、前記判別情報信号が示す判別結果に対応するビットをオン状態に設定し、他のビットをオフ状態に設定するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、判別情報信号が示す判別結果に対応するビットがビット設定手段によってオン状態に設定される一方で、他のビットがオフ状態に設定されるので、第2演出実行判別手段による判別を正確に実行することができるという効果がある。
遊技機B4又はB5において、前記特定の判別情報の種別には、前記第2演出実行判別手段による判別の対象とする優先度が異なる複数の種別が設定されているものであり、前記情報判別手段は、前記特定の状態となっているビットのうち、前記優先度が最も高い判別結果に対応するビットを判別するものであり、前記第2演出実行判別手段は、前記判別手段により判別されたビットに対応する判別割合で前記第2演出を実行するか判別するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2演出実行判別手段による判別の対象とする優先度が異なる複数の種別が特定の判別結果の種別として設定されている。特定の状態となっているビットのうち、優先度が最も高い判別結果に対応するビットが情報判別手段により判別される。判別手段により判別されたビットに対応する判別割合で、第2演出実行判別手段により第2演出を実行するかが判別される。
これにより、事前特定手段によって特定された判別手段による判別結果に応じて第2演出を実行すると判別される割合を異ならせることができるので、第2演出判別手段による判別結果を第2演出の実行有無から遊技者に推測させることができるという効果がある。
遊技機B6において、前記情報判別手段は、前記特定のビットを判別する場合に、前記優先度が最も高い判別結果に対応するビットから前記優先度が高い順に前記特定の状態になっているかを判別するものであり、前記従制御手段は、前記情報判別手段により前記特定の状態になっていると判別されたことに基づいて、前記情報判別手段による判別を打ち切る判別打切手段を備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定のビットが情報判別手段によって判別される場合には、優先度が最も高い判別結果に対応するビットから優先度が高い順に特定の状態になっているかが判別される。従制御手段において、情報判別手段により特定の状態になっていると判別されたことに基づいて、情報判別手段による判別が判別打切手段によって打ち切られる。
これにより、特定のビットを構成する全てのビットを判別せずに判別処理を打ち切ることができるので、従制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴C群>(保留内容を示す特定情報をサブで更新し、特定情報に基づいて連続予告の実行可否を判別)
遊技に関する主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段から出力される制御信号に基づいて制御を行う従制御手段と、を備えた遊技機において、前記主制御手段は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段による判別結果を示す判別結果信号を前記従制御手段に出力する第1出力手段と、所定の取得条件の成立に基づいて、前記判別手段による判別に用いる判別情報を取得する判別情報取得手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報に基づく判別情報信号を、前記判別条件が成立するよりも前に前記従制御手段に出力可能な第2出力手段と、を備え、前記従制御手段は、前記第1出力手段により出力された前記判別結果信号、および前記第2出力手段により出力された前記判別情報信号を少なくとも受信可能に構成された信号受信手段と、その信号受信手段により前記判別結果信号を受信したことに基づいて、当該判別結果信号が示す判別結果に応じた第1演出を実行する第1演出実行手段と、特定情報を記憶した特定情報記憶手段と、前記信号受信手段により前記判別情報信号を受信したことに基づいて、当該受信した判別情報信号に対応する前記判別手段による判別結果を特定する判別結果特定手段と、その判別結果特定手段によって特定された前記判別結果に基づいて、前記特定情報を更新可能な情報更新手段と、前記特定情報記憶手段に記憶された前記特定情報に基づいて、第2演出を実行するか判別する第2演出実行判別手段と、その第2演出実行判別手段による判別で前記第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、当該判別よりも後に実行される1又は複数の前記第1演出の実行期間に渡って前記第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003−325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、複数の変動表示の実行期間にまたがって、同系統の演出を実行する(所謂、連続予告演出を実行する)ことで、複数回の連続して実行される変動表示に渡って遊技者に対して持続的に期待感を抱かせ続けることができるものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1の連続予告演出の実行中に、再度、連続予告演出の実行判定に当選し、重複して連続予告演出が実行される場合があった。この場合、連続予告演出における何れの変動表示に対して期待感を抱けば良いのかが遊技者に分かり難くなってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機C1によれば、主制御手段において、判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。判別手段による判別結果を示す判別結果信号が第1出力手段により従制御手段に出力される。所定の取得条件の成立に基づいて、判別手段による判別に用いる判別情報が判別情報取得手段により取得され、その取得された判別情報に基づく判別情報信号が、第2出力手段により判別条件が成立するよりも前に従制御手段に出力される。また、従制御手段において、第1出力手段により出力された判別結果信号、および第2出力手段により出力された判別情報信号が信号受信手段によって受信される。信号受信手段により判別結果信号が受信されたことに基づいて、当該判別結果信号が示す判別結果に応じた第1演出が第1演出実行手段により実行される。信号受信手段により判別情報信号が受信されたことに基づいて、当該受信した判別情報信号に対応する判別手段による判別結果が判別結果特定手段により特定され、その判別結果特定手段により特定された判別結果に基づいて、特定情報記憶手段に記憶されている特定情報が情報更新手段により更新される。特定情報記憶手段に記憶された特定情報に基づいて、第2演出を実行するかが第2演出実行判別手段により判別され、その第2演出実行判別手段により第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、当該判別よりも後に実行される1又は複数の第1演出の実行期間に渡って第2演出実行手段により第2演出が実行される。
これにより、1又は複数の第1演出の実行期間に渡って第2演出を実行することができるので、演出を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記判別結果特定手段により前記判別結果が特定されたことを契機として、その特定された前記判別結果に基づいて前記第2演出を実行するか判別する受信判別手段と、前記第2演出を実行するかの判別を、前記第2演出実行判別手段に行わせるか、前記受信判別手段に行わせるかを切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別結果特定手段により判別結果が特定されたことを契機として、その特定された判別結果に基づいて受信判別手段によりだい2演出を実行するかが判別される。第2演出を実行するかの判別を、第2演出実行手段に行わせるか、受信判別手段に行わせるかが切替手段により切り替えられる。
これにより、第2演出を実行するかの判別の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機C2において、所定の設定条件の成立に基づいて、前記受信判別手段による判別が制限される判別制限状態を設定する制限状態設定手段と、その制限状態設定手段により前記判別制限状態が設定されている場合に、所定の解除条件の成立に基づいて前記判別制限状態を解除する解除手段と、を備え、前記切替手段は、前記所定の解除条件が成立したことに基づいて、前記第2演出を実行するかの判別が前記第2演出実行判別手段によって行われるように切り替えるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の設定条件の成立に基づいて、受信判別手段による判別が制限される判別制限状態が制限状態設定手段により設定され、その制限状態設定手段により判別制限状態が設定されている場合に、所定の解除条件の成立に基づいて判別制限状態が解除手段により解除される。所定の解除条件が成立したことに基づいて、第2演出を実行するかの判別が第2演出実行判別手段によって行われるように切替手段によって切り替えられる。
これにより、判別制限状態が解除された場合に、判別制限状態の間に更新された特定情報に基づいて第2演出実行判別手段によって第2演出を実行するかの判別を行うことができるので、判別制限状態の間に受信された判別情報信号に対応する判別結果を加味して、第2演出実行判別手段による判別を行わせることができるという効果がある。
遊技機C3において、前記切替手段は、前記第2演出実行判別手段によって前記第2演出を実行するかの判別が実行されたことに基づいて、前記第2演出を実行するかの判別が前記受信判別手段によって行われるように切り替えるものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、第2演出実行判別手段によって第2演出を実行するかの判別が実行されたことに基づいて、第2演出を実行するかの判別が受信判別手段によって行われるように切替手段によって切り替えられるので、第2演出を実行するかを好適に判別することができるという効果がある。
遊技機C3又はC4において、前記解除手段により前記判別制限状態が解除されてから、次に前記制限状態設定手段によって判別制限状態が設定されるまでの間、前記情報更新手段により前記特定情報が更新されることを回避する更新回避手段を備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C4によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、解除手段により判別制限状態が解除されてから、次に制限状態設定手段によって判別制限状態が設定されるまでの間、情報更新手段により特定情報が更新されることが更新回避手段により回避されるので、第2演出実行手段による特定情報を用いた判別が実行され難い期間において、無駄に特定情報を更新してしまうことを抑制できる。よって、従制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記従制御手段は、前記判別結果特定手段により特定され得る前記判別結果毎に、数値データを対応付けて規定した規定情報を記憶している規定情報記憶手段を備え、前記情報更新手段は、前記判別結果特定手段によって特定された前記判別結果に対応付けて前記規定情報に規定されている前記数値データを用いた所定の演算を行うことにより、前記特定情報を更新するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段において、判別結果特定手段により特定され得る判別結果毎に、数値データを対応付けて規定した規定情報が規定情報記憶手段に記憶されている。判別結果特定手段によって特定された判別結果に対応付けて規定されている数値データを用いて、情報更新手段により所定の演算が行われて特定情報が更新される。
これにより、判別結果毎に規定されている数値データを読み出して所定の演算を行うという単純な処理により特定情報を更新できるので、特定情報を更新する際の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記特定情報記憶手段は、前記特定情報として、前記判別結果特定手段により特定された1の判別結果を示す情報を記憶するものであり、前記従制御手段は、前記判別結果特定手段により特定され得る前記判別結果毎に予め定められている優先度に基づいて、前記判別結果特定手段により新たに特定された前記判別結果に対応する前記優先度が、前記特定情報記憶手段に既に記憶されている前記特定情報が示す判別結果に対応する前記優先度よりも高いかを判別する優先度判別手段を備え、前記情報更新手段は、前記優先度判別手段により前記新たに特定された前記判別結果に対応する前記優先度の方が高いと判別された場合に、前記特定情報を、前記新たに特定された前記判別結果を示す情報に更新するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定情報として、判別結果特定手段により特定された1の判別結果を示す情報が特定情報記憶手段に記憶される。従制御手段において、判別結果特定手段により特定され得る判別結果毎に予め定められている優先度に基づいて、判別結果特定手段により新たに特定された判別結果に対応する優先度が、特定情報記憶手段に既に記憶されている特定情報が示す判別結果に対応する優先度よりも高いかが優先度判別手段により判別される。優先度判別手段により新たに特定された判別結果に対応する優先度の方が高いと判別された場合に、情報更新手段により、特定情報が、新たに特定された判別結果を示す情報に更新される。
これにより、判別情報信号が複数回出力された場合であっても、特定情報記憶手段には、複数回の判別情報信号により通知された複数の判別結果のうち、優先度が最も高い1の判別結果を示す情報のみを記憶しておくことができるので、第2演出を実行するかを、最も優先度が高い判別情報に基づいて実行することができるという効果がある。
遊技機C7において、前記従制御手段は、前記情報更新手段により前記特定情報が更新されたことに基づいて、前記新たに特定された前記判別結果となる前記判別手段による判別が実行されるまでの間に実行される前記第1演出の回数を特定する回数特定手段と、その回数特定手段により特定された前記第1演出の回数に対応する演出回数情報を記憶する演出回数情報記憶手段と、を備え、前記第2演出実行手段は、前記演出回数情報記憶手段に記憶されている前記演出回数情報が示す回数の前記第1演出の実行期間に渡って前記第2演出を実行するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段において、情報更新手段により特定情報が更新されたことに基づいて、新たに特定された判別結果となる判別手段による判別が実行されるまでの間に実行される第1演出の回数が回数特定手段により特定される。回数特定手段により特定された第1演出の回数に対応する演出回数情報が演出回数情報記憶手段により記憶される。演出回数情報記憶手段に記憶されている演出回数情報が示す回数の第1演出の実行期間に渡って、第2演出実行手段により第2演出が実行される。
これにより、第2演出を実行すると第2演出実行判別手段によって判別された場合に、演出回数情報記憶手段に記憶された演出回数情報が示す回数の第1演出の実行期間を、第2演出の実行期間として設定するという単純な制御によって第2演出を実行することができるので、第2演出を実行する場合における処理負荷を低減することができるという効果がある。
遊技機C8において、前記従制御手段は、前記信号受信手段により前記判別結果信号を受信したことに基づいて、前記演出回数情報記憶手段に記憶されている前記演出回数情報を、1回少ない回数に対応する前記演出回数情報に更新する演出回数情報更新手段を備えることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、従制御手段において、信号受信手段により判別結果信号を受信したことに基づいて、演出回数情報記憶手段に記憶されている演出回数情報が、1回少ない回数に対応する演出回数情報に演出回数情報更新手段によって更新されるので、より確実に、最も優先度が高い判別情報に対応する第1演出の実行期間まで第2演出を継続させることができるという効果がある。
<特徴D群>(始動入賞時に取得した乱数値の範囲を入賞情報としてサブに送信)
遊技に関する主な制御を実行する主制御手段と、その主制御手段から出力される制御信号に基づいて制御を行う従制御手段と、を備えた遊技機において、前記主制御手段は、所定範囲で判定値を更新して生成することが可能な判定値生成手段と、その判定値生成手段により生成された前記判定値を、所定の取得条件の成立に基づいて取得する判定値取得手段と、その判定値取得手段により取得された前記判定値が予め定められた特定値と一致するかを判別する判別手段と、その判別手段により前記特定値と一致すると判別された場合に、その特定値に対応して設定された処理を実行する制御処理実行手段と、前記判定値取得手段により前記判定値が取得されたことに基づいて、前記所定範囲を複数に分割した複数の小範囲のうち、今回取得した前記判定値がいずれの前記小範囲に属する値であるかを特定する小範囲特定手段と、その小範囲特定手段によって特定された前記小範囲を示す小範囲信号を前記従制御手段に出力する信号出力手段と、を備え、前記従制御手段は、前記信号出力手段によって出力された前記小範囲信号を受信する信号受信手段と、その信号受信手段により前記小範囲信号を受信したことを契機として、その小範囲信号が示す前記小範囲に基づいて前記判別手段による判別結果を特定する判別結果特定手段と、を備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、主制御手段において、判定値生成手段により所定範囲内で生成された判定値が、所定の取得条件の成立に基づいて判定値取得手段により取得される。判定値取得手段により取得された判定値が、判別手段により予め定められた特定値と一致するかが判別される。判別手段により特定値と一致すると判別された場合に、その特定値に対応して設定された処理が制御処理実行手段により実行される。判定値取得手段により判定値が取得されたことに基づいて、所定範囲を複数に分割した複数の小範囲のうち、今回取得した判定値がいずれの小範囲に属する値であるかが小範囲特定手段により特定される。小範囲特定手段によって特定された小範囲を示す小範囲信号が、信号出力手段により従制御手段に出力される。また、従制御手段において、信号出力手段によって出力された小範囲信号が信号受信手段により受信され、その信号受信手段により小範囲信号が受信されたことを契機として、その小範囲信号が示す小範囲に基づいて判別手段による判別結果が判別結果特定手段により特定される。
これにより、従制御手段において、判別手段による判別結果を好適に判別することができるという効果がある。
遊技機D1において、前記従制御手段は、前記小範囲信号により通知され得る前記小範囲の種別と、前記判別手段による判別結果との対応関係が規定された規定情報を記憶した規定情報記憶手段を備え、前記判別結果特定手段は、前記小範囲信号が示す前記小範囲の種別と、前記規定情報記憶手段に記憶された前記規定情報とに基づいて前記判別手段による判別結果を特定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、小範囲信号により通知され得る小範囲の種別と、判別手段による判別結果との対応関係が規定された規定情報が規定情報記憶手段に記憶されている。小範囲信号が示す小範囲の種別と、規定情報記憶手段に記憶された規定情報とに基づいて、判別結果特定手段により判別手段による判別結果が特定される。
これにより、規定情報に規定された対応関係に基づいて判別結果を容易に特定することができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記特定値には、第1の特定値として設定された1又は複数の値と、第2の特定値として設定された1又は複数の値とを少なくとも含む複数の種別が設けられているものであり、前記制御処理実行手段は、前記判定値が前記第1の特定値と一致した場合に第1の処理を実行し、前記判定値が第2の特定値と一致した場合に前記第1の処理とは異なる第2の処理を実行するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定値には、第1の特定値として設定された1又は複数の値と、第2の特定値として設定された1又は複数の値とを少なくとも含む複数の種別が設けられている。判定値が第1の特定値と一致した場合には、制御処理実行手段により第1の処理が実行される一方で、判定値が第2の特定値と一致した場合には、制御処理実行手段により第1の処理とは異なる第2の処理が実行される。
これにより、判定値が一致した特定値の種別に応じて多様な処理を実行することができるという効果がある。
遊技機D3において、前記小範囲のうち、前記特定値が含まれている小範囲は、同一の種別の特定値のみで構成されているものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、特定値が含まれている小範囲が、同一の種別の特定値のみで構成されているので、種別が異なる特定値が混在する小範囲や、特定値と、特定値とは異なる値とが混在する小範囲が生じることを抑制できる。よって小範囲と、判別手段による判別結果とを一対一対応とすることができるので、判別結果特定手段による判別を、判別手段による判別により近い条件で実行することができるという効果がある。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記主制御手段は、判定値取得手段により取得された前記判定値を、前記判別手段による判別を実行するための判別条件が成立するまで少なくとも記憶する判定値記憶手段を備え、前記信号出力手段は、前記判別条件が成立するよりも前に前記小範囲信号を前記従制御手段に出力可能なものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、判定値取得手段により取得された判定値が、判別手段による判別を実行するための判別条件が成立するまで少なくとも判定値記憶手段により記憶される。判別条件が成立するよりも前に、信号出力手段により小範囲信号が従制御手段に対して出力される。
これにより、従制御手段において、判別条件が成立するよりも前に判別手段による判別結果を特定することができるという効果がある。
遊技機D5において、前記主制御手段は、前記判別手段による判別結果を示す判別結果信号を出力する判別結果信号出力手段を備え、前記従制御手段は、前記判別結果信号が前記信号受信手段によって受信されたことに基づいて、その受信された判別結果信号により通知された判別結果を示す第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記判別結果特定手段によって特定された前記判別結果に基づいて、第2演出を実行するか判別する第2演出実行判別手段と、その第2演出実行判別手段によって前記第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、当該判別の対象となった判別結果を示す第1演出を少なくとも含む複数の前記第1演出の実行期間に渡って前記第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、判別手段による判別結果を示す判別結果信号が判別結果信号出力手段により出力される。また、従制御手段において、判別結果信号が信号受信手段によって受信されたことに基づいて、その受信された判別結果信号により通知された判別結果を示す第1演出が、第1演出実行手段により実行される。判別結果特定手段によって特定された判別結果に基づいて、第2演出を実行するかが第2演出実行判別手段により判別される。第2演出実行判別手段によって第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、当該判別の対象となった判別結果を示す第1演出を少なくとも含む複数の第1演出の実行期間に渡って第2演出実行手段により第2演出が実行される。
これにより、演出態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機D6において、前記従制御手段は、前記第2演出実行判別手段により前記第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、前記第2演出実行判別手段による判別が制限される判別制限状態を設定する判別制限状態設定手段と、前記第2演出の実行が終了した後、少なくとも1の第1演出が実行されたことに基づいて、前記判別制限状態を解除する解除手段と、を備えることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段において、第2演出実行判別手段により第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、第2演出実行判別手段による判別が制限される判別制限状態が判別制限状態設定手段により設定される。第2演出の実行が終了した後、少なくとも1の第1演出が実行されたことに基づいて、判別制限状態が解除手段により解除される。
これにより、第2演出の実行中、および第2演出が終了した後、少なくとも1の第1演出が実行されている場合には、第2演出が新たに実行されることを抑制することができるので、第2演出が終了してから次の第2演出が開始されるまでに、少なくとも1の、第2演出を伴わない第1演出を実行することができる。よって、第2演出が終了したタイミングを遊技者に対して容易に理解させることができるので、より分かり易い演出を実現することができるという効果がある。
遊技機D7において、前記従制御手段は、前記判別結果特定手段により特定された前記判別結果を示す判別結果情報を、所定の情報数を上限として記憶可能な判別結果情報記憶手段と、前記解除手段により前記判別制限状態が解除される場合に、前記判別結果情報記憶手段に記憶されている複数の前記判別結果情報に基づいて、前記第2演出を実行するか判別する解除時判別手段と、その解除時判別手段により前記第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、当該判別よりも後に実行される1又は複数の前記第1演出の実行期間に渡って前記第2演出を実行する解除時実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段において、判別結果特定手段により特定された判別結果を示す判別結果情報が、所定の情報数を上限として判別結果情報記憶手段により記憶される。解除手段により判別制限状態が解除される場合に、判別結果情報記憶手段に記憶されている複数の判別結果情報に基づいて、解除時判別手段により第2演出を実行するかが判別される。解除時判別手段により第2演出を実行すると判別されたことに基づいて、当該判別よりも後に実行される1又は複数の第1演出の実行期間に渡って、解除時実行手段により第2演出が実行される。
これにより、判別制限状態が解除された場合に、新たに小範囲信号が主制御手段から出力されるまで待たなくても、第2演出の実行を設定することができる。また、判別制限状態の間に出力された小範囲信号に基づいて判別結果特定手段により特定された判別結果も加味して第2演出を実行するか判別することができる。よって、より好適に第2演出を実行するか判別することができるという効果がある。
<特徴E群>(右打ちされた球がアタッカーに到達するまでの期間を左打ちした場合よりも長くする)
第1方向に発射された遊技球が流下可能な第1流路と、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が流下可能な第2流路と、前記第1流路を流下した遊技球と、前記第2流路を流下した遊技球とが少なくとも入球可能な位置に設けられた入球手段と、その入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記第2流路は、前記第1方向に発射された遊技球が前記入球手段に到達するまでの期間よりも、前記第2方向に発射された遊技球が前記入球手段に到達するまでの期間の方が長くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、大入賞口が所定回数開閉される当たり状態に移行するものがある。係る従来型の遊技機では当たり状態の間に大入賞口へと遊技球を入賞させる毎に所定個数の賞球が付与されるので、遊技者に対して当たり状態を1つの楽しみに遊技を行わせることができる。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要があるため、当たり状態中における遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機E1によれば、第1方向に発射された遊技球が第1流路を流下し、第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が第2流路を流下する。第1流路を流下した遊技球と、第2流路を流下した遊技球とが少なくとも入球可能な位置に入球手段が設けられている。入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典が特典付与手段によって付与される。第1方向に発射された遊技球が入球手段に到達するまでの期間よりも、第2方向に発射された遊技球が入球手段に到達するまでの期間の方が長くなるように第2流路が構成されている。
これにより、少しでも早く遊技球を入球手段に到達させたいと考える遊技者に対して、第1流路を狙って遊技球を発射させることができる一方、比較的長い時間をかけて遊技球を入球手段に到達させたいと考える遊技者に対して、第2流路を狙って遊技球を発射させることができる。よって、遊技者毎の好みの発射方向を選択して遊技を行わせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機E1において、前記入球手段は、前記第2流路を流下した遊技球が入球する割合の方が、前記第1流路を流下した遊技球が入球する割合よりも高くなる位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第2流路を流下した遊技球が入球する割合の方が、第1流路を流下した遊技球が入球する割合よりも高くなる位置に入球手段が配置されているので、第1流路を流下すると、入球手段へと到達するまでの期間が短くなる反面、入球手段へと入球し難くなってしまう。一方、第2流路を流下すると、入球手段へ入球し易くなるものの、入球手段へと到達するまでの期間が長くなってしまう。よって、遊技者毎の趣向に合った発射方向を遊技者自身に選択させることができるという効果がある。
遊技機E1又はE2において、前記第2流路を流下する遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、第2流路を流下する遊技球の流下速度が減速手段によって減速されるので、第2方向に発射された遊技球が入球手段へと到達するまでの期間を、より確実に第1方向に発射された遊技球が入球手段に到達するまでの期間よりも長くすることができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定回数、前記第2位置から前記第1位置に可変する可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が所定回数、第2位置から第1位置に可変する可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。
これにより、判別手段による判別で特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E4において、特定の発射間隔以上の発射間隔で遊技球を前記第1方向、および前記第2方向に発射可能な発射手段と、前記可変遊技の実行中において、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置に可変されてから予め定められた特定個数以上の遊技球が前記入球手段へと入球したことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置に可変させる第1可変制御手段と、前記可変遊技の実行中において、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置に可変されてから予め定められた特定期間が経過したことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置に可変させる第2可変制御手段と、を備え、前記特定期間は、前記第2方向に向けて遊技球の発射を開始してから、前記特定の発射間隔で前記第2方向に発射された前記特定個数の遊技球が前記第2流路を流下し終わるまでの期間よりも少なくとも長いものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段が、特定の発射間隔以上の発射間隔で遊技球を第1方向、および第2方向に発射可能に構成されている。可変遊技の実行中において、可変手段が第2位置から第1位置に可変されてから予め定められた特定個数以上の遊技球が入球手段へと入球したことに基づいて、可変手段が第1可変制御手段によって第2位置に可変される。可変遊技の実行中において、可変手段が第2位置から第1位置に可変されてから予め定められた特定期間が経過したことに基づいて、第2可変制御手段により可変手段が第2位置に可変される。第2方向に向けて遊技球の発射を開始してから、特定の発射間隔で第2方向に発射された特定個数の遊技球が第2流路を流下し終わるまでの期間よりも少なくとも特定期間の方が長くなるように構成されている。
これにより、可変遊技の実行中において第2方向へと遊技球を発射した場合に、特定期間が経過するよりも前に特定個数の遊技球を入球手段に入球させることができるので、遊技者が損をしてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機E4において、前記可変遊技実行手段は、前記可変遊技の実行中に特定条件が成立したことを契機として、前記可変手段が前記第1位置に可変されてから予め定められた第1期間が経過した後で前記第2位置に可変される第1可変動作を前記所定回数含む特定の可変パターンで、前記可変手段が可変するように制御するものであり、前記特定の可変パターンにおける1又は複数の前記第1可変動作の実行期間は、前記特定の可変パターンが開始されてから前記第1方向に発射された遊技球が到達可能となり、且つ、前記特定の可変パターンが開始されてから前記第2方向に発射された遊技球が到達困難となるものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変遊技の実行中に特定条件が成立したことを契機として、可変手段が第1位置に可変されてから予め定められた第1期間が経過した後で第2位置に可変される第1可変動作を所定回数含む特定の可変パターンで、可変遊技実行手段により可変手段が可変するように制御される。特定の可変パターンにおける1又は複数の第1可変動作の実行期間が、特定の可変パターンが開始されてから第1方向に発射された遊技球が到達可能となり、且つ、特定の可変パターンが開始されてから第2方向に発射された遊技球が到達困難となる。
これにより、第2方向に遊技球を発射すると、第1方向へ発射した場合よりも、入球手段へと遊技球が入球する機会が少なくなるので、第1方向に発射したいと遊技者に思わせることができるという効果がある。
遊技機E6において、前記可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として、1の前記可変遊技において前記入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に第1遊技状態を設定し、1の前記可変遊技において前記入球手段へと遊技球が入球した場合に前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として、1の可変遊技において入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定される一方、1の可変遊技において入球手段へと遊技球が入球した場合に遊技状態設定手段によって第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態が設定されるので、入球手段へと遊技球が入球するか否かに対してより注目して可変遊技の実行中における遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E6又はE7において、前記第1流路は、流下した遊技球を第3方向から前記入球手段に到達させるものであり、前記第2流路は、流下した遊技球を前記第3方向とは異なる第4方向から前記入球手段に到達させるものであり、前記可変手段は、前記第2位置に可変されている間に、その上面を遊技球が流下可能に構成され、且つ、前記第4方向側の方が前記第3方向側よりも高くなるように傾斜して配置されているものであり、前記入球手段は、前記可変手段が前記第1位置に可変されている状態において、遊技球が上方から入球可能となり、且つ、前記可変手段が前記第2位置に可変されている状態において、上方を前記可変手段により塞がれた状態となるものであり、前記可変手段は、前記第4方向側から前記第3方向側に向かう向きにスライドすることにより前記第2位置から前記第1位置に可変するものであることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E6又はE7が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路を流下した遊技球が第3方向から入球手段へと到達する一方で、第2流路を流下した遊技球が第3方向とは異なる第4方向から入球手段へと到達する。可変手段が第2位置に可変されている間に、その上面を遊技球が流下可能に構成され、且つ、第4方向側の方が第3方向側よりも高くなるように可変手段が傾斜して配置されている。可変手段が第1位置に可変されている状態において、遊技球が上方から入球可能となるように入球手段が構成されている。また、可変手段が第2位置に可変されている状態において、入球手段の上方が可変手段によって塞がれた状態となる。第4方向側から第3方向側に向かう向きにスライドすることにより可変手段が第2位置から第1位置に可変する。
これにより、可変手段が第1位置に可変する途中において、第3方向側から到達した遊技球が入球手段へと入球し難くなる一方で、第4方向側から到達した遊技球が入球し易くなる。よって、可変遊技の実行中において第1方向に遊技球を発射するよりも、第2方向に発射した場合の方が入球手段へと到達した遊技球が入球手段に入球する可能性を高くすることができるという効果がある。
<特徴F群>(大当たり中に右打ちすると、ある面では左打ちよりも有利になるが、別の面では左打ちよりも不利になる)
第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに少なくとも遊技球を発射可能な発射手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技における遊技者の有利度合いに関する第1要素を、前記特典遊技の実行期間に含まれる特定期間の間に前記第2方向に遊技球が発射され続けるよりも、前記第1方向に遊技球が発射され続けた方が遊技者に有利とする第1要素有利化手段と、前記第1要素とは異なる第2要素を、前記特定期間の間に前記第1方向に遊技球が発射され続けるよりも、前記第2方向に遊技球が発射され続けた方が遊技者に有利とする第2要素有利化手段と、を備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、大入賞口が所定回数開閉される当たり状態に移行するものがある。係る従来型の遊技機では当たり状態の間に大入賞口へと遊技球を入賞させることにより、賞球等の遊技者に有利となる所定の特典が付与されるので、遊技者に対して当たり状態を1つの楽しみに遊技を行わせることができる。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、大入賞口へと遊技球を入賞させるためには、遊技機毎に決まった方向へと遊技球を発射する必要がある上に、当たり状態における有利度合い(獲得できる所定の特典の量)は予め定まっているので、当たり状態が、単に決まった方向へと遊技球を発射し続けるだけの作業のようになってしまう虞があった。よって、従来型の遊技機では、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機F1によれば、第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに少なくとも遊技球を発射可能に発射手段が構成されている。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。特典遊技における遊技者の有利度合いに関する第1要素が、特典遊技の実行期間に含まれる特定期間の間に第2方向に遊技球が発射され続けるよりも、第1方向に遊技球が発射され続けた方が第1要素有利化手段によって有利とされる。特典遊技における遊技者の有利度合いに関する第2要素が、特典遊技の実行期間に含まれる特定期間の間に第1方向に遊技球が発射され続けるよりも、第2方向に遊技球が発射され続けた方が第2要素有利化手段によって有利とされる。
これにより、特典遊技の実行中に第1要素を有利にしたい遊技者に対して第1方向へと遊技球を発射させることができる一方で、第2要素を有利にしたい遊技者に対して第2方向へと遊技球を発射させることができる。よって、遊技者毎の趣向に合った遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機F1において、前記第1方向に発射された遊技球と、前記第2方向に発射された遊技球とが少なくとも入球可能な位置に設けられている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段に入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記特典遊技の実行中に、前記可変手段を予め定めた第1回数、前記第2位置から前記第1位置に可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球と、第2方向に発射された遊技球とが少なくとも入球可能な位置に入球手段が設けられている。入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球手段に入球困難となる第2位置とに可変手段が可変される。特典遊技の実行中に、可変手段が予め定めた第1回数、第2位置から第1位置に可変制御手段によって可変される。
これにより、入球手段へと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができるので、特典遊技の実行中における興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記第1要素有利化手段は、前記特典遊技の実行期間の間に前記第2方向に遊技球が発射され続けるよりも、前記第1方向に遊技球が発射され続けた方が前記入球手段へと入球する割合を高くするものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、特典遊技の実行期間の間に第2方向に遊技球が発射され続けるよりも、第1方向に遊技球が発射され続けた方が入球手段へと入球する割合が第1要素有利化手段によって高くされるので、入球手段へと入球する割合が高い遊技性で特典遊技の実行中における遊技を行いたいと考える遊技者に対して、積極的に第1方向へと遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機F2又はF3において、前記第2要素有利化手段は、前記第1方向に遊技球が発射され続けるよりも、前記第2方向に遊技球が発射され続けた方が、前記特定期間の間に前記入球手段に到達する遊技球の個数を多くするものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2又はF3の奏する効果に加え、第1方向に遊技球が発射され続けるよりも、第2方向に遊技球が発射され続けた方が、特定期間の間に入球手段に到達する遊技球の個数が第2要素有利化手段によって多くされるので、より多くの遊技球を入球手段に到達させたいと考える遊技者に対して、積極的に第2方向に遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機F4において、前記可変制御手段は、前記可変手段が前記第1位置に可変されてから予め定められた第1期間が経過した後で前記第2位置に可変される第1可変動作を前記特定期間の間に前記第1回数実行するものであり、前記第2要素有利化手段は、前記特定期間が開始されてから前記第1方向に発射された遊技球が、所定回数の前記第1可変動作の実行期間が終了するまでの間に前記入球手段に到達することを抑制するものであり、前記所定回数の前記第1可変動作の実行期間のうち少なくとも一部は、前記特定期間が開始されてから前記第2方向に発射された遊技球が到達可能となる期間であることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第1位置に可変されてから予め定められた第1期間が経過した後で第2位置に可変される第1可変動作が可変制御手段によって特定期間の間に第1回数実行される。特定期間が開始されてから第1方向に発射された遊技球が、所定回数の第1可変動作の実行期間が終了するまでの間に入球手段に到達することが第2要素有利化手段によって抑制される。所定回数の第1可変動作の実行期間のうち少なくとも一部は、特定期間が開始されてから第2方向に発射された遊技球が到達可能となる期間で構成されている。
これにより、第2方向に遊技球を発射した方が、第1方向に遊技球を発射した場合よりも多くの回数の第1可変動作の実行中に入球手段へと遊技球を到達させることができるので、入球手段へと入球させる機会をより多く得ることができるという効果がある。
遊技機F5において、前記第2要素有利化手段は、前記第1方向に発射された遊技球が前記入球手段へと到達するまでの期間が、前記第2方向に発射された遊技球が前記入球手段へと到達するまでの期間よりも長くなるように前記第1方向に発射された遊技球の流下速度を抑制するものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、第1方向に発射された遊技球が入球手段へと到達するまでの期間が、第2方向に発射された遊技球が入球手段へと到達するまでの期間よりも長くなるように、第2要素有利化手段によって第1方向に発射された遊技球の流下速度が抑制されるので、第1方向に発射された遊技球が、所定回数の第1可変動作が終了するよりも前に入球手段に到達することをより確実に防止できる。よって、第2方向に遊技球を発射した方が、より確実に入球手段へと入球させる機会を多くすることができるという効果がある。
遊技機F5又はF6において、前記第1可変動作は、前記第2位置から前記第1位置への可変が開始されてから、前記第1位置への可変が終了するまでの期間が予め定められた第2期間となるように前記可変手段が可変されるものであり、前記第1要素有利化手段は、前記第2方向に発射された遊技球が前記第2期間の間に前記入球手段へと到達した場合よりも、前記第1方向に発射された遊技球が前記第2期間の間に前記入球手段へと到達した方が前記入球手段に入球し易くするものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F5又はF6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可変動作では、第2位置から第1位置への可変が開始されてから、第1位置への可変が終了するまでの期間が予め定められた第2期間となるように可変手段が可変される。第2方向に発射された遊技球が第2期間の間に入球手段へと到達した場合よりも、第1方向に発射された遊技球が第2期間の間に入球手段へと到達した方が第1要素有利化手段によって入球手段に入球し易くされる。
これにより、第1方向に遊技球を発射した場合は、可変手段が第1位置に可変されている第1期間に加えて、第2位置から第1位置に可変する途中の第2期間においても入球手段へと入球する可能性があるため、第1方向に遊技球を発射した方が、入球手段へと入球可能となる期間を長くすることができる。よって、遊技球を第1方向に発射した方が、第2方向に発射した場合よりも、入球手段に到達した遊技球が入球手段へと入球する可能性を高くすることができるという効果がある。
遊技機F7において、前記第1方向に発射された遊技球が流下可能であり、且つ、流下した遊技球を第3方向から前記入球手段に到達させる第1流路と、前記第2方向に発射された遊技球が流下可能であり、且つ、流下した遊技球を前記第3方向とは異なる第4方向から前記入球手段に到達させる第2流路と、を備え、前記可変手段は、前記第2位置に可変されている間に、その上面を遊技球が流下可能に構成され、且つ、上面における前記第3方向側の方が前記第4方向側よりも高くなるように傾斜して構成されているものであり、前記入球手段は、前記可変手段が前記第1位置に可変されている状態において、遊技球が上方から入球可能となり、且つ、前記可変手段が前記第2位置に可変されている状態において、上方を前記可変手段により塞がれた状態となるものであり、前記第1要素有利化手段は、前記第3方向側から前記第4方向側に向かう向きに前記可変手段をスライドさせることにより前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置に可変させるものであることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球が、第1流路によって第3方向から入球手段に到達される。第2方向に発射された遊技球が、第2流路によって第3方向とは異なる第4方向から入球手段に到達される。可変手段が第2位置に可変されている間に、その上面を遊技球が可能となる。また、可変手段の上面における第3方向側の方が、第4方向側よりも高くなるように傾斜して構成されている。可変手段が第1位置に可変されている状態において、入球手段に対して遊技球が上方から入球可能となる一方で、可変手段が第2位置に可変されている状態において、入球手段の上方が可変手段によって塞がれた状態となる。可変手段が第2位置から第1位置に可変される際に、第1要素有利化手段によって第3方向側から第4方向側に向かう向きに可変手段がスライドされる。
これにより、第2方向に発射され、第2期間の間に第4方向側から可変手段の上面に到達した遊技球に対して、可変手段の上面の傾斜によって第4方向側へと戻す向きの重力を作用させることができるので、入球手段へと入球し難くすることができる。一方、入球手段の上方における第3方向側は、第4方向側よりも早く上方から入球可能な状態となるため、第1方向に発射され、第2期間の間に第3方向側から入球手段に到達した遊技球を入球し易くすることができる。よって、第2方向に発射された遊技球よりも、第1方向に発射された遊技球の方が、より確実に入球手段へと到達した場合の入球率を高くすることができる。
遊技機F2からF8のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、1の前記特典遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に第1遊技状態を設定し、1の前記特典遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球した場合に前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F2からF8のいずれかが奏する効果に加え、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、1の特典遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定される。一方、1の特典遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球した場合に第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。よって、入球手段へと遊技球が入球することによって、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態が有利な第2遊技状態に設定されるので、入球手段へと遊技球が入球するか否かにより注目して特典遊技の実行中における遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴G群>(電チューに入賞し易いがアタッカーに入賞し難いルートと、アタッカーに入賞し易いが電チューに入賞し難いルートとを右側に設ける)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により特定範囲内の発射強度で発射された遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能であり、且つ、前記第2流路を流下した遊技球が入球困難な位置に設けられた第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第1入球手段に入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置に可変させる可変制御手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能であり、且つ、前記第1流路を流下した遊技球が入球困難な位置に設けられた第2入球手段と、を備えることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、盤面に複数の入球口が設けられているものがある。より具体的には、当たり状態に移行させるか否かの抽選の契機となる始動口や、当たり状態に移行した場合に遊技球が入球可能となる大入賞口等、遊技球が入球した場合に異なる制御が行われる複数の入球口が設けられているものがある。係る従来型の遊技機では、遊技状態に応じて狙うべき入球口が可変されるので、遊技状態に応じて発射方向を可変指せる楽しみを遊技者に与えることができる。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、遊技状態が変更されるまでは、現在の遊技状態に応じた発射方向に遊技球を発射し続ける必要があるため、遊技が単調となってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
また、遊技球が入球可能となる発射方向が複数設定されている特定の入球口を設け、少なくとも1の遊技状態において、特定の入球口を狙って遊技を行わせる構成とする方法も考えられるが、特定の入球口へ向かう複数の流路により盤面構成の自由度が低減してしまうという問題点があった。
これに対して遊技機G1によれば、発射手段により特定範囲内の発射強度で発射された遊技球が第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路とを流下可能となる。第1流路を流下した遊技球が入球可能となり、且つ、第2流路を流下した遊技球が入球困難な位置に第1入球手段が設けられている。第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典が特典付与手段によって付与される。第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも第1入球手段に入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、可変制御手段により可変手段が第2位置から第1位置に可変される。第2流路を流下した遊技球が入球可能であり、且つ、第1流路を流下した遊技球が入球困難な位置に第2入球手段が設けられている。
これにより、特定範囲内の発射強度で遊技球を発射することにより、第1流路へも第2流路へも遊技球が流入する可能性があるので、遊技球の流下方向に注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1において、前記第1流路は、前記特定範囲に含まれる第1範囲内の発射強度で発射された遊技球が流下可能なものであり、前記第2流路は、前記特定範囲に含まれ、且つ、前記第1範囲とは異なる第2範囲内の発射強度で発射された遊技球が流下可能なものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定範囲に含まれる第1範囲内の発射強度で発射された遊技球が第1流路を流下可能となる。また、特定範囲に含まれ、且つ、第1範囲とは異なる第2範囲内の発射強度で発射された遊技球が第2流路を流下可能となる。
これにより、第1範囲内の発射強度で遊技球を発射するか、第2範囲内の発射強度で遊技球を発射するかによって遊技球が流入する流路を異ならせることができるので、遊技者の任意の流路に遊技球を流入させることができる。よって、遊技者の利便性を高めることができるという効果がある。
遊技機G2において、前記特定範囲外の発射強度で発射された遊技球が流下可能であり、且つ、流下した遊技球が前記第2入球手段に入球することが困難となる第3流路と、その第3流路を流下した遊技球が入球可能な第3入球手段と、前記第2入球手段、および前記第3入球手段のいずれかに遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記第2流路を流下した遊技球が前記第2入球手段に入球する割合よりも、前記第3流路を流下した遊技球が前記第3入球手段に入球する割合が高くなるものであり、前記第2遊技状態は、前記第3流路を流下した遊技球が前記第3入球手段に入球する割合よりも、前記第2流路を流下した遊技球が前記第2入球手段に入球する割合が高くなるものであり、前記可変制御手段は、前記判別手段による判別で特定の判別結果となったことを前記特定条件の成立として、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定回数可変される可変遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3流路が、特定範囲外の発射強度で発射された遊技球が流下可能となるように構成されている。第3流路を流下した遊技球は、第3入球手段へと入球可能となり、且つ、第2入球手段に入球することが困難となる。第2入球手段、および第3入球手段のいずれかに遊技球が入球したことに基づいて判別手段により判別が実行される。所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。第1遊技状態では、第2流路を流下した遊技球が第2入球手段に入球する割合よりも、第3流路を流下した遊技球が第3入球手段に入球する割合の方が高くなる。第2遊技状態では、第3流路を流下した遊技球が第3入球手段に入球する割合よりも、第2流路を流下した遊技球が第2入球手段に入球する割合が高くなる。判別手段による判別で特定の判別結果となったことを特定条件の成立として、可変手段が第2位置から第1位置へと所定回数か偏される可変遊技が可変制御手段によって実行される。
これにより、第1遊技状態では、第3流路を流下させた方が判別手段による判別を効率良く実行させることができる一方で、第2遊技状態では、第2流路を流下させた方が判別手段による判別を効率良く実行させることができる。よって、遊技状態に応じて遊技球の発射方向を切り替える楽しみを遊技者に与えることができるという効果がある。
遊技機G3において、前記第1入球手段は、前記第1流路を流下した遊技球と、前記第3流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、第1流路を流下した遊技球と、第3流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に第1入球手段が設けられているので、可変遊技の実行中に、遊技者に対して好みの流路を選択させることができるという効果がある。
遊技機G4において、前記第1流路に向けて発射された遊技球が前記第1入球手段へと到達するまでの期間が、前記第3流路に向けて発射された遊技球が前記第1入球手段へと到達するまでの期間よりも長くなるように前記第1流路における遊技球の流下を抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、第1流路に向けて発射された遊技球が第1入球手段へと到達するまでの期間が、第3流路に向けて発射された遊技球が第1入球手段へと到達するまでの期間よりも長くなるように第1流路における遊技球の流下が抑制手段によって抑制されるので、可変遊技の実行中に早く第1入球手段へと到達させたいと考える遊技者に対しては、第3流路を狙って遊技球を発射させることができる一方、可変遊技をより長く楽しみたいと考える遊技者に対しては、第1流路を狙って遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機G5において、前記発射手段は、特定の発射間隔以上の発射間隔で遊技球を発射可能なものであり、前記可変制御手段は、前記可変遊技の実行中において、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置に可変されてから予め定められた特定個数以上の遊技球が前記入球手段へと入球したことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置に可変させる第1可変制御手段と、前記可変遊技の実行中において、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置に可変されてから予め定められた特定期間が経過したことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置に可変させる第2可変制御手段と、有し、前記特定期間は、前記第1流路に向けて遊技球の発射を開始してから、前記特定の発射間隔で発射された前記特定個数の遊技球が前記第1流路を流下し終わるまでの期間よりも少なくとも長いものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段が、特定の発射間隔以上の発射間隔で遊技球を発射可能に構成されている。可変遊技の実行中において、可変手段が第2位置から第1位置に可変されてから予め定められた特定個数以上の遊技球が入球手段へと入球したことに基づいて、第1可変制御手段によって可変手段が第2位置に可変される。また、可変遊技の実行中において、可変手段が第2位置から第1位置に可変されてから予め定められた特定期間が経過したことに基づいて、第2可変制御手段によって可変手段が第2位置に可変される。第1流路に向けて遊技球の発射を開始してから、特定の発射間隔で発射された特定個数の遊技球が第1流路を流下し終わるまでの期間よりも特定期間の方が長くなるように構成されている。
これにより、第1流路に遊技球を発射した場合に、特定個数の遊技球が第1入球手段へと到達するよりも前に可変手段が第1位置に可変されてしまうことを抑制できるので、可変遊技の実行中に第1流路に遊技球を発射した場合に付与される所定の特典が少なくなってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機G4からG6のいずれかにおいて、前記第1入球手段は、前記可変手段が前記第1位置に可変されている場合において、前記第3流路を流下した遊技球よりも、前記第1流路を流下した遊技球の方が入球する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G4からG6のいずれかが奏する効果に加え、可変手段が第1位置に可変されている場合において、第3流路を流下した遊技球よりも、第1流路を流下した遊技球の方が入球する割合が高くなるように第1入球手段が構成されているので、無駄球を発生させたくないと考える遊技者に対して、可変遊技の実行中に第1流路を狙って遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機G3からG7のいずれかにおいて、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難になる第4位置とに可変可能な第2可変手段と、第1条件の成立に基づいて、前記第2可変手段を前記第4位置から前記第3位置へと可変するように制御する制御手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも前記第1条件が成立し難いものであることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G3からG7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難になる第4位置とに第2可変手段が可変可能に構成されている。第1条件の成立に基づいて、第2可変手段が第4位置から第3位置へと可変するように制御手段によって制御される。第2遊技状態よりも、第1遊技状態の方が、第1条件が成立し難くなるように構成されている。
これにより、第1遊技状態では、第3流路を流下させた方がより確実に判別手段による判別を効率良く実行させることができる一方で、第2遊技状態では、第2流路を流下させた方がより確実に判別手段による判別を効率良く実行させることができるという効果がある。
<特徴H群>(大当たり演出の態様に応じて、対応する消化時間の発射方向を報知)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により第1方向に発射された遊技球が流下可能な第1流路と、前記発射手段により前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が流下可能な第2流路と、第1条件が成立したことに基づいて特定期間を設定する特定期間設定手段と、その特定期間設定手段により前記特定期間が設定された後で、前記第1流路、または前記第2流路を遊技球が流下した場合に成立し得る第2条件が成立したことに基づいて前記特定期間を終了させる特定期間終了手段と、前記特定期間の間に特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、第1特定演出と、その第1特定演出とは異なる第2特定演出とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段と、前記特定期間において、遊技球の発射方向を示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、その示唆演出実行手段により実行される前記示唆演出として、前記種別決定手段によって前記第1特定演出が決定されたことに基づいて前記第1方向を示唆する第1示唆演出を決定し、前記第2特定演出が決定されたことに基づいて前記第2方向を示唆する第2示唆演出を決定する示唆演出決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、盤面に複数の入球口が設けられているものがある。より具体的には、当たり状態に移行させるか否かの抽選の契機となる始動口や、当たり状態に移行した場合に遊技球が入球可能となる大入賞口等、遊技球が入球した場合に異なる制御が行われる複数の入球口が設けられているものがある。係る従来型の遊技機では、遊技状態に応じて狙うべき入球口が可変されるので、遊技状態に応じて発射方向を可変指せる楽しみを遊技者に与えることができる。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、遊技状態が変更されるまでは、現在の遊技状態に応じた発射方向に遊技球を発射し続ける必要があるため、遊技が単調となってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
また、遊技球が入球可能となる発射方向が複数設定されている特定の入球口を設け、少なくとも1の遊技状態において、特定の入球口を狙って遊技を行わせる構成とする方法も考えられるが、特定の入球口へ向かう複数の流路により盤面構成の自由度が低減してしまうという問題点があった。
遊技機H1によれば、遊技球を発射可能な発射手段により第1方向に発射された遊技球は第1流路を流下可能となり、発射手段により第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球は第2流路を流下可能となる。第1条件が成立したことに基づいて特定期間設定手段により特定期間が設定され、その特定期間設定手段により特定期間が設定された後で、第1流路、または第2流路を遊技球が流下した場合に成立し得る第2条件が成立したことに基づいて特定期間終了手段によって特定期間が終了される。特定期間の間に特定演出実行手段によって特定演出が実行される。特定演出実行手段により実行される特定演出の種別として、第1特定演出と、その第1特定演出とは異なる第2特定演出とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別が決定される。特定期間において、遊技球の発射方向を示唆する示唆演出が示唆演出実行手段によって実行される。示唆演出実行手段により実行される示唆演出として、種別決定手段によって第1特定演出が決定されたことに基づいて、示唆演出決定手段により第1方向を示唆する第1示唆演出が決定される一方で、第2特定演出が決定されたことに基づいて第2方向を示唆する第2示唆演出が決定される。
これにより、特定演出の種別に応じて適切な発射方向を示唆演出によって示唆することができるので、演出態様を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機H1において、前記第1流路を流下した遊技球と、前記第2流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に設けられている入球手段を備え、前記第2条件は、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第2流路は、前記第1流路よりも、流下した遊技球が前記入球手段へと到達するまでの期間が長くなり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路を流下した遊技球と、第2流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に入球手段が設けられている。入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2条件が成立する。第2流路は、第1流路よりも流下した遊技球が入球手段へと到達するまでの期間が長くなり易く構成されている。
これにより、第2特定演出が決定された場合には、第2条件が成立するまでの期間を比較的長期化させることができるので、第2特定演出を実行するための十分な演出期間を確保することができるという効果がある。
遊技機H2において、前記入球手段へと遊技球が入球可能になる第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段に遊技球が入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置に所定回数可変する可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記特定期間設定手段は、前記可変遊技の実行が開始されたことを前記第1条件の成立として前記特定期間を設定するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球可能になる第1位置と、その第1位置よりも入球手段に遊技球が入球困難になる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。判別条件の成立に基づいて判別手段によって判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて可変手段が第2位置から第1位置に所定回数可変する可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。可変遊技の実行が開始されたことを第1条件の成立として、特定期間設定手段により特定期間が設定される。
これにより、可変遊技の実行中において、演出態様を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機H2又はH3のいずれかにおいて、前記第2条件は、前記第1条件の成立後に前記入球手段へと予め定めた特定個数の遊技球が入球した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H2又はH3のいずれかが奏する効果に加え、第2条件は、第1条件の成立後に入球手段へと予め定めた特定個数の遊技球が入球した場合に成立するので、第2方向に遊技球を発射した方が、第1方向に遊技球を発射するよりも第2条件が成立するまでの期間を長くすることができる。よって、第2特定演出を実行するための十分な演出期間を確保することができるという効果がある。
遊技機H1からH4のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、前記種別決定手段により前記第2特定演出が決定された場合に、前記第2特定演出の実行期間中に、前記操作手段に対する操作を有効とする操作有効期間を設定する操作有効期間設定手段と、を備え、前記第2特定演出は、複数の演出態様の中から前記操作手段に対する操作内容に応じた1の演出態様を遊技者に選択させる態様の演出で構成され、前記第2条件が成立したことに基づいて、前記第2特定演出の実行中に遊技者により選択された1の演出態様を実行する選択演出実行手段を備えるものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1からH4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、種別決定手段により第2特定演出が決定された場合に、第2特定演出の実行期間中に、操作手段に対する操作を有効とする操作有効期間が操作有効期間設定手段によって設定される。第2特定演出が、複数の演出態様の中から操作手段に対する操作内容に応じた1の演出態様を遊技者に選択させる態様の演出で構成されている。第2条件が成立したことに基づいて、第2特定演出の実行中に遊技者により選択された1の演出態様が選択演出実行手段によって実行される。
これにより、第2特定演出が実行された場合に、第2条件が成立した後で実行される演出態様として、遊技者の好みの演出態様を選択させることができるので、第2条件が成立した後における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H5において、画像を表示可能な表示手段を備え、前記第2特定演出は、前記複数の演出態様のそれぞれに対応する複数の画像が前記表示手段に表示され、且つ、前記複数の画像のうち1の画像が特定の表示態様で表示される表示態様を少なくとも含むものであり、前記操作有効期間の間に前記操作手段に対する第1の操作内容の操作を検出したことに基づいて、前記特定の表示態様で表示される画像を可変させる態様可変手段と、前記操作有効期間の間に前記操作手段に対する第2の操作内容の操作を検出したことに基づいて、前記特定の表示態様で表示されている画像に対応する演出態様を、前記選択演出実行手段によって実行される演出態様として設定する実行設定手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特定演出には、複数の演出態様のそれぞれに対応する複数の画像が表示手段に表示され、且つ、複数の画像のうち1の画像が特定の態様で表示される表示態様が少なくとも含まれている。操作有効期間の間に操作手段に対する第1の操作内容の操作を検出したことに基づいて、特定の表示態様で表示される画像が態様可変手段によって可変される。操作有効期間の間に操作手段に対する第2の操作内容の操作を検出したことに基づいて、特定の表示態様で表示されている画像に対応する演出態様が、実行設定手段により選択演出実行手段によって実行される演出態様として設定される。
これにより、操作手段に対する操作内容を可変させることで、画像の選択と、演出の決定とを遊技者に対して容易に行わせることができるという効果がある。
遊技機H1からH4のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、前記種別決定手段により前記第2特定演出が決定された場合に、前記第2特定演出の実行期間中に、前記操作手段に対する操作を有効とする操作有効期間を設定する操作有効期間設定手段と、を備え、前記第2特定演出は、前記操作手段に対する所定の操作を促す演出態様を少なくとも含むものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H1からH4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、種別決定手段により第2特定演出が決定された場合に、第2特定演出の実行期間中に、操作手段に対する操作を有効とする操作有効期間が操作有効期間設定手段により設定される。第2特定演出には、操作手段に対する所定の操作を促す演出態様が少なくとも含まれて構成される。
これにより、第2特定演出の実行中に遊技者に対して操作手段を積極的に操作させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H5からH7において、前記操作有効期間の間に前記操作手段に対する操作が実行されたか否かを判別する操作判別手段と、少なくとも所定回数の前記操作有効期間に渡って連続して前記操作判別手段により前記操作手段に対する操作が実行されたと判別されていない場合に、前記示唆演出実行手段により前記第1示唆演出が決定されるように制御する決定制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H5からH7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作有効期間の間に操作手段に対する操作が実行されたか否かが操作判別手段により判別される。少なくとも所定回数の操作有効期間に渡って連続して操作判別手段により操作手段に対する操作が実行されたと判別されていない場合に、示唆演出実行手段により第1示唆演出が決定されるように決定制御手段により制御される。
これにより、遊技者の操作手段に対する操作の傾向を加味して示唆演出の種別を決定することができるので、演出態様をより好適に設定することができるという効果がある。
遊技機A1からA7、B1からB7、C1からC9、D1からD8、E1からE8、F1からF8、G1からG8、H1からH8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA7、B1からB7、C1からC9、D1からD8、E1からE8、F1からF8、G1からG8、H1からH8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA7、B1からB7、C1からC9、D1からD8、E1からE8、F1からF8、G1からG8、H1からH8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。