<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の遊技盤13の右下領域に設けられた盤面ユニット700の内部を示した正面図であり、図4および図5は盤面ユニット700の内部の球流れを示した模式図であり、図6は盤面ユニット700に設けられた貯留弁ソレノイドの動作を示した模式図であり、図7はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、第1入球口64、第2入球口640、スルーゲート67、可変入賞装置65等を有する遊技盤13(図2参照)が前面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図19参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。一方、下皿ユニット15の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
そして、下皿ユニット15の中央部に第1枠ボタン(演出用ボタン)22aが設けられ、下皿の上部に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが設けられている。第1枠ボタン22aは、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作され、第2枠ボタン22bは、例えば、後述する貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)の貯留状態を解除する場合などに、遊技者により操作される。このように、遊技者が操作可能な複数の枠ボタン(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)をパチンコ機10の中央部および左側に配設することで、パチンコ機10の右側に配設された操作ハンドル51を操作している状態(遊技者が右手で操作ハンドルを操作している状態)であっても、枠ボタンを容易に操作可能としている。
また、下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口(入球口)を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
本パチンコ機10では、可変表示装置ユニット80の左側(遊技盤13正面視で左側)を左遊技領域、右側を右遊技領域として形成し、左遊技領域を狙って球を発射する遊技(以下、左打ち遊技と称す)では、一般入球口63や第1入球口64に球を入球させる遊技が行われ、右遊技領域を狙って球を発射する遊技(以下、右打ち遊技と称す)では、発射された球が可変表示装置ユニット80の上方を通過し、右遊技領域に設けられる盤面ユニット700を狙う遊技が行われる。このように構成された本パチンコ機10では、遊技者に対して遊技状態に応じた遊技(左打ち遊技又は右打ち遊技)を行わせることで、遊技が単調になることを抑制している。尚、各遊技状態や右遊技領域に設けられる盤面ユニット700についての詳細な説明は後述する。
図2に戻り遊技盤13の説明を続ける。2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図19参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640のいずれかへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(ラウンド数)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりC」の3種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、大当たり遊技の結果に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。なお、「大当たりA〜C」の3種類は、球が第1入球口64又は第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選(以下、第1特別図柄の抽選と称す)と、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選(以下、第2特別図柄の抽選と称す)とで、大当たりに当選した場合に選択される割合が異なるように構成されている。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒〜90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
一方、スルーゲート(普通入球口)67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放位置に可変されることで第2入球口640が開放される。なお、通常時は、電動役物640aが閉鎖位置に配設されているため、第2入球口640が閉鎖されている。よって、普通図柄の当たりとなった場合は、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、1秒または30秒)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート(普通入球口)67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート(普通入球口)67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりC」の3種類が設けられている。「大当たりA」、および「大当たりC」になると、いずれもラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となる。一方、「大当たりB」になると、ラウンド数が8ラウンドの特別遊技状態(8ラウンド大当たり)となる。また、「大当たりB」、および「大当たりC」になると、大当たり終了後に特別図柄の大当たり確率が高くなる高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。特別図柄の高確率状態が付与された遊技状態では、普通図柄(第2図柄)の当たり確率も高くなり、且つ、普通図柄の変動時間が短くなる状態、即ち、第2入球口640に付設される電動役物640aが開放し、第2入球口640に球を入球させ易い状態(時短状態)も付与される。この特別図柄の高確率状態および時短状態は、次の大当たりに当選するまで継続する。一方、「大当たりA」になると、大当たり終了後に上述した時短状態のみ付与される。この場合、時短状態は大当たり終了後から特別図柄の変動が100回終了するまで(101回目の変動が開始されるまで)継続する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「特別図柄の高確率状態」(特別図柄の確変状態)をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の高確率状態)とは、普通図柄の当たり確率がアップすると共に第2特別図柄の変動時間が短くなって、第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態のことをいう。これ対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」(普通図柄の低確率状態)といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間のことを、普通図柄の時短期間と称す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を異ならせている。これに対して、全ての大当たり種別でラウンド数を共通(例えば、全て8ラウンド)としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第2入球口640に付随する電動役物640aを開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たりの種別によって、大当たり終了後に付与される特典が決定されるが、例えば、大当たり中に球が特定の領域(V入賞スイッチ)を通過したことを条件に大当たり終了後に特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態を付与するようにしてもよい。また、本実施形態では、特別図柄の確変状態が次の大当たりに当選するまで継続するように構成しているが、普通図柄の時短状態同様に、大当たり終了後の特別図柄変動回数が所定回数(例えば100回)となるまでの期間のみ特別図柄の確変状態が継続したり、特別図柄の確変状態から特別図柄の通常状態へと移行(転落)する抽選を特別図柄の変動が開始される度に実行し、その抽選に当選するまでの期間特別図柄の確変状態が継続したりしてもよい。さらに、本実施形態は、特別図柄の確変状態中は普通図柄の時短状態が付与されるが、特別図柄の確変状態中であっても、普通図柄の時短状態を付与しない遊技状態(所謂、潜伏確変状態)を設けてもよい。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、または第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は入球口毎に最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、複数の入球口への入球数を合算した数が上限数(例えば、8回)となるまで保留されるように設定してもよい。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示等を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA〜Dに応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入球することにより所定数(例えば、5個)の球が賞球として払い出される複数の一般入球口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。また、第3図柄表示装置81として複数の液晶ディスプレイを設けても良いし、第3図柄表示装置81が可動するように構成してもよい。ここで、第3図柄表示装置81の表示内容について、図8を参照して説明する。
図8は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図8(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図8(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄によって構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図11参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図8(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64、および第2入球口640のどちらかに対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、および第2入球口640への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64、および第2入球口640に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。また、小領域Ds3には、第3図柄が表示される。詳細については後述するが、本パチンコ機10では、遊技状態に応じて抽選が実行され易い特別図柄の種別(第1特別図柄、および第2特別図柄のいずれか)が異なって構成されている。主表示領域Dmでは、現在の遊技状態において抽選が実行され易い特別図柄の抽選が実行された場合における変動表示が表示される。一方、小領域Ds3には、現在の遊技状態において抽選が実行され難い特別図柄の抽選が実行された場合における変動表示が表示される。
実際の表示画面では、図8(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に対して、主表示領域Dmに表示されている主図柄とは異なる第3図柄の主図柄が合計3個表示される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて第1特別図柄の抽選に基づく変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、および、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示が行われている間に球が第2入球口640へ入球した場合、その入球回数はそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。具体的には、小領域Ds1の上半分に表示された図柄(第1保留球数図柄)が第1入球口64に対する保留球数を示しており、下半分に表示された図柄(第2保留球数図柄)が第2入球口640に対する保留球数を示している。図8は、第1保留図柄が4つ表示されている一方で、第2保留図柄が0個表示されている(第2保留図柄が全てブランクになっている)場合を例示している。
なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻り説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が左右いずれかのスルーゲート(普通入球口)67を通過する毎に、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に球が入り易い状態となるように構成されている。球がスルーゲート(普通入球口)67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64や第2入球口640と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると3個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。この第1入球口64は、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側の経路へと球を打ち出した場合(所謂、左打ち遊技を行った場合)のほうが、右打ち遊技を行った場合よりも入球し易くなるように構成されている。
一方、遊技盤領域の右側領域の下方には盤面ユニット700が配設されている。この盤面ユニットには、スルーゲート(普通入球口)67、第2入球口640、可変入賞装置65、特定一般入球口630、及び、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)が配設されている(図3参照)。この盤面ユニット700の一部にはカバー部材710が設けられており、盤面ユニット700内の特定流路(貯留装置に貯留されていた球が流下する流路)が外部から視認困難となるように構成されている。
ここで、図3を参照して、遊技盤13の右下領域に配設される盤面ユニット700について説明をする。図3は、遊技盤13の右下領域を拡大した正面図である。図3に示すように、盤面ユニット700は、遊技盤13の右遊技領域を流下した球が流入可能となるように上方に向けて開口された流入口700aと、流入口700aから流入した球のうち、盤面ユニット内に設けられた各入球口(特定一般入球口630、第2入球口640、特定入賞口65a)に入球しなかった球を盤面ユニット700外へと排出する流出口700bとを有するボックス状のユニット体である。
盤面ユニット700内には、流入口700aの下側にスルーゲート(普通入球口)67が設けられており、流入口700aから盤面ユニット700内に流入した球の殆どがスルーゲート(普通入球口)67を通過するように構成されている。このスルーゲート67の下方には第2入球口640に付随する電動役物640aが配設されており、その電動役物640aの左側に形成された振分流路700dを流下した球が入球可能な位置に、可変入賞装置65および基部ユニット760が配設されている。そして、基部ユニット760の上面に形成された貯留用流路700eを流下した球が入球可能な位置に特定一般入球口630が配設されている。この特定一般入球口630に球が入球すると、一般入球口よりも多い15球の賞球が払い出されるように設計されている。
次に、盤面ユニット700に設けられる各種装置について図3を参照して説明する。本パチンコ機10では、球を第2入球口640へ誘導するための流路として第1流路641bと第2流路642bが設けられている、第1流路641bへ球を流入させるための第1開口部641aと第2流路642bへ球を流入させるための第2開口部642aとが球を受け入れ可能な開状態と、その開状態よりも球の受け入れを困難にする閉状態とに可変されるよう電動役物640aが設けられている。
また、電動役物640aは、閉状態となった場合に、その上面を球が流下可能な流路となるように形成されており、その流路の上流側にて第1開口部641aを、下流側にて第2開口部642aをそれぞれ覆うように構成されている。この電動役物640aは図示しない駆動手段(ソレノイド等)によって駆動される一枚の板状部材で構成されており、駆動手段によって開状態へと可変させる場合は、第1開口部641aおよび第2開口部642aの何れも開状態となり、閉状態へと可変させる場合は、第1開口部641aおよび第2開口部642aの何れも閉状態となる。また、電動役物640aの上面流路は、遊技盤13の正面視左下方向が下流側となるように下り傾斜を有しており、これにより、電動役物640aの右側(図3の視点で右側)に設けられた第1開口部641aよりも第2開口部642aの方が下流側となるように構成している。
次に、電動役物640aの開閉動作及び第2入球口640への入球の流れについて、第2入球口640に球が入球しやすい普通図柄の時短状態を例に説明をする。本パチンコ機10では普通図柄の時短状態において、普通図柄の変動時間が1秒に設定され(図38参照)、普通図柄(第2図柄)の当たり確率が75%に設定される。そして、普通図柄の時短状態における電動役物640aの開放動作として、1秒開放→0.5秒閉鎖→1秒開放の動作が実行される。
また、図3に示す通り、電動役物640aは第1開口部641aを覆う上流側よりも第2開口部642aを覆う下流側の方が低くなるように、略中央部に段差を設けたクランク形状で構成されており、第1開口部641aを覆う上流部から第2開口部642aを覆う下流部まで球が到達する時間が約0.6秒となるように構成されている。このように構成することで、盤面ユニット700に流入し、電動役物640aの上流側に球が到達したタイミングが、電動役物640aが開状態の場合は、そのまま第1開口部641aに流入し、第1流路641bおよび合流路641cを通過して第2入球口640へ入球する。一方、電動役物640aの上流側に球が到達したタイミングが、電動役物640aが閉状態の場合は、電動役物640aの上面を下流側(第2開口部642a)に向けて流下する。そして、電動役物640aの上面を流下した球が電動役物640aの下流側(第2開口部642aを覆う位置)に到達する時点(即ち、電動役物640aの上面を流下してから0.6秒後)では、電動役物640aが次の開放動作を実行しており、第2開口部642aに球が流入し、第2流路642bおよび合流路641cを通過して第2入球口640へ入球する。
このように、第2入球口640へ球を誘導する複数の流路(第1流路641b、第2流路642b)を有し、その複数の流路に球を流入させるための各開口部(第1開口部641a、第2開口部642a)を、球が流入可能な開状態と、その開状態よりも球の流入を困難にする閉状態とに可変する可変手段(電動役物640a)を設け、さらに、複数の流路に球を流入させるための各開口部(第1開口部641a、第2開口部642a)を球が流下可能な流路の上流側と下流側となるように配設することで、可変手段(電動役物640a)が閉状態であるため、上流側の開口部(第1開口部641a)に流入できなかった球を下流側の開口部(第2開口部642a)から流入させることが可能となる。
また、電動役物640aが第1開口部641aを覆う上流位置から第2開口部642aを覆う下流位置まで球が流下するのに要する期間(0.6秒)が、電動役物640aの開放動作中に実行される閉鎖インターバル期間(0.5秒)よりも長くなるように設計しているため、電動役物640aが開放動作中であるにも係わらず、閉鎖インターバル期間のタイミングで第1開口部641aに到達してしまい、第1開口部641aに流入できなかった球を、第2開口部642aから確実に流入させることができる。
加えて、第1開口部641aを覆う上流位置から第2開口部642aを覆う下流位置まで球が流下するのに要する期間(0.6秒)が、電動役物640aを開放動作させるか否かの抽選を行う普通図柄の変動時間(時短中は0.5秒)よりも長くなるように設計しているため、普通図柄の変動中に第1開口部641aに到達してしまい、第1開口部641aに流入できなかった球を、その普通図柄の抽選結果が当たりの場合には、第2開口部642aから流入させることができる。よって、電動役物640aが開放動作し易い遊技状態(普通図柄の時短状態)において、遊技者は常時右打ち遊技を行うだけで、効率良く第2入球口640へ球を入球させることができ、安心して遊技者に遊技を行わせることができる。
さらに、本パチンコ機10では、盤面ユニット700の流入口700aから流入した球が電動役物640aに向けて流下するように構成しているため、球の流れを整列させた後に、電動役物640aの上流側に向けて球を誘導することが可能となる。よって、遊技盤13を流下する球が、電動役物640aの下流側に直接落下することにより第2入球口640へ入球しない球が発生する事態を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1開口部641aを覆う位置から第2開口部642aを覆う位置まで転動するために要する時間が、電動役物640aの開放動作中におけるインターバル期間(0.5秒)や、普通図柄(第2図柄)の変動時間(0.5秒)よりも長い約0.6秒となるように構成しているため、電動役物640aの開放動作中のみならず、普通図柄(第2図柄)の変動中に右打ち遊技で発射された球も第2入球口640へ入球しやすくすることができる。
加えて、図3に示す通り、本パチンコ機10では、第1開口部641aから流入した球が第2開口部642aから流入した球よりも優先して第2入球口640に入球されるように構成されている。詳細に説明をすると、第1開口部641aまたは第2開口部642aから流入した球が合流して第2入球口640に向けて流下させる合流路641cに対して、第1開口部641aから流入した球が流下する第1流路641bを直上方向に連通し、第2開口部642aから流入した球が流下する第2流路642bを側面方向に連通させるように構成している。このように構成することで、第1流路641bを流下する球と、第2流路642bを流下する球とが同時に発生した場合に、運動エネルギー(落下エネルギー)が大きい第1流路641bを流下した球が優先的に第2入球口640へ誘導されることになる。よって、第1流路641bを流下する球と、第2流路642bを流下する球とによって合流路641cで球詰りが発生してしまうことを抑制することができる。さらに、第2開口部642aよりも球が多く流入することになる第1開口部641aから流入した球を円滑に第2入球口640へ入球させることができる。
第1流路641bよりも球流下の優先度が低く設定されている第2流路642bは、球複数個分(本実施形態では3個)を滞留可能な長さ(本実施形態では35mm)で形成されており、第1流路641bを流下する球によって球の流下が滞ったとしても、第2開口部642aへの球の流入を阻害することが無いように構成されている。
なお、詳細は後述するが、本パチンコ機10では、大当たり中は普通図柄の時短状態がリセットされ、通常状態が設定されるため、大当たり中に電動役物640aが頻繁に開放動作してしまい、電動役物640aの下方に設けられた可変入賞装置65に球が到達しないという事態が発生することを防止することができる。上述した事態を防止するために、遊技盤13の構成を変更し、電動役物640aの上方に可変入賞装置65を設けても良い。
可変入賞装置65には、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
次に盤面ユニット700内に配設される基部ユニット760について説明をする。図3に示す通り、基部ユニット760は盤面ユニット700の下流側(流出口700b側)に配設されており、上方に貯留用流路700e、下方側にアウト流路700fが形成されるように設けられている。
この基部ユニット760には、貯留用流路700eを流下する球を貯留させるための貯留装置として第1貯留装置770および第2貯留装置771が設けられ、この貯留装置は最大で5個の球が貯留可能に構成されている。詳細は図9を参照して後述するが、第1貯留装置770および第2貯留装置771はパチンコ機10に設けられた第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作されたことに基づいて、所定の時間差でそれぞれが球を貯留する貯留状態から球の貯留状態を解除する解除状態へと可変するように制御され、遊技者が第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作する毎に1球ずつ球を流下させるように構成されている。
また、貯留用流路700e上には、球の貯留量が上限に達していることを検知するための貯留上限センサS1と、貯留状態の球の有無を検知するための貯留検知センサS2とが設けられている。これら各センサは、電磁誘導により検出対象となる球の存在情報を電気的信号に置き換える非接触検出方式の近接センサで形成されているため、球の通過によりセンサが破損することが無い。
なお、本実施形態の構成に限られることなく、貯留用流路700e上の球の貯留状況を把握可能な構成であれば良く、例えば、球を検知するセンサとして静電容量形、超音波形、光電形、磁気形等の近接スイッチを用いてもよいし、リミットスイッチ等の接触式検出方式のスイッチを設けても良い。さらに、貯留用流路700eに貯留されている球の数を把握するために、各球貯留位置(図3で示す球が貯留されている位置)のそれぞれに対応させて球を検知するセンサを設けても良いし、貯留用流路700eに流入した球数と、貯留用流路700eから流出した球数とが計数可能となるようにセンサを設け、その差数によって貯留用流路700eに貯留されている球の数を把握するようにしても良い。
さらに、基部ユニット760には、貯留用流路700eから流出した球を特定一般入球口630へと誘導する誘導位置(突出位置)と、特定一般入球口630への誘導を規制する規制位置(埋没位置)とに可変可能な可動弁750が設けられており、予め定められた動作パターン(動作シナリオ)に基づいて可変制御されている。この可動弁750の可動制御の詳細な説明については、図9を参照して後述する。
盤面ユニット700のうち、カバー部材710に覆われている箇所(図2参照)には、カバー部材710を裏面側(カバー部材710に対して遊技盤13側)からカバー部材710に対して光を照射するための発光手段である透過用ランプ227ba〜227beが設けられている。この透過用ランプ227ba〜227beがカバー部材710に光を照射することにより、遊技者がカバー部材710に覆われた内部を視認可能となる透過状態とすることができる。なお、詳細は後述するが、この透過用ランプ227ba〜227beは所定条件が成立した場合(例えば、貯留装置が解除状態となり球が流下した場合)に、発光するように制御されている。よって、所定条件が成立していない通常遊技中に、遊技者が可動弁750の動作状況を把握しながら貯留装置の解除操作を行うことを抑制することができる。また、貯留装置の解除操作を行い、可動弁750付近を球が流下する際には、カバー部材710が透過状態となるため、球が可動弁750付近を流下する状況を遊技者に視認させることができる。
このように構成された盤面ユニット700を有する本パチンコ機10では、可動弁750が特定一般入球口630に球を誘導可能な誘導状態(閉状態)となるタイミングで球が可動弁750に到達するように、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)の貯留状態を解除状態へと可変させる第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)に貯留された球を特定一般入球口630に入球させることができる。よって、遊技者に対して第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作するタイミングを計らせながら遊技を行わせることができ、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
また、詳細は後述するが、本実施形態では、可動弁750が予め定められた様々なパターンで動作するように設定されており、その動作内容のうち可動弁750が誘導状態(閉状態)となる期間は、その殆どが、球を1個のみ誘導可能な期間(0.1秒)として設定されている。よって、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)に貯留されている球を特定一般入球口630に誘導可能なタイミングに精度が求められるため、より遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
本実施形態では、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)に貯留されている球を1個ずつ特定一般入球口630に向けて流下させることができるよう構成しているため、可動弁750が誘導状態(閉鎖状態)となる期間として、球を1個のみ誘導可能な期間(0.1秒)が連続して設定される場合であっても、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを適切なタイミングで操作することで、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)に貯留されている球を全て特定一般入球口630へ入球させることが可能となる。よって、遊技者を、より多くの賞球を得るために意欲的に遊技に参加させることができる。なお、可動弁750の動作内容(動作パターン)の詳細な内容については、図9、及び図23を参照して後述する。
さらに、本実施形態では、可動弁750の動作状況を遊技者が把握し難くするための遮蔽手段としてカバー部材710を設けているため、可動弁750の動作状況を把握した状態で第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作する行為を防止することができる。また、遮蔽手段であるカバー部材710は所定条件(例えば、貯留装置が解除状態となり球が流下した場合)が成立することに基づいて、内部が視認可能となる透過状態へと切り替わるようハーフミラーで構成されているため、遊技球が可動弁750付近を流下する場合にはカバー部材710が透過状態へと切り替わる。よって、可動弁750付近を流下する球の流下状況を遊技者に把握させることができる。
なお、本実施形態では、遮蔽手段であるカバー部材710に対して、光(透過用ランプ)を照射することで、透過状態へと切替える構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、常時点灯している発光手段(LED)からカバー部材710に照射される光の入射角が切り替わるようにカバー部材710を可動可能に構成し、カバー部材710が所定位置に位置した場合にのみ内部が視認可能な透過状態となるように構成してもよい。
また、可動弁750を透明樹脂素材(例えば、ポリカーボネート、ABS等)で構成し、カバー部材710を内部が視認可能な透明色で構成し、その表面に、照射された光を乱反射させる加工(例えば、シボ加工)を施すように構成してもよい。これにより、パチンコ機10において遊技が実行されている間は装飾用ランプ227aから照射される光によってカバー部材710の内部を視認困難とし、パチンコ機10の電源をオフにした状態(即ち、装飾用ランプ227aが点灯していない状態)ではカバー部材710の内部を視認可能とするようにしてもよい。これにより、パチンコ機10の電源をオフにした状態であっても店員が容易にカバー部材710の内部を点検することができる。
このような構成を用いる場合は、装飾用ランプ227aから照射される光がカバー部材710に照射されることを遮蔽する遮蔽壁を設け、その遮蔽壁を遮蔽状態と非遮蔽状態とに可変させる構成を設けるとよい。これにより、遊技が行われている間であってもカバー部材710の内部を遊技者に視認させることができる。また、本第1実施形態同様に、カバー部材710に対して光を照射するための専用の発光手段(ランプ)を設け、その発光手段に対して発光制御を行うことで、カバー部材710の内部を視認困難な状態(光を照射している状態)と、視認可能な状態(光を照射していない状態)とを切替えるようにしてもよい。
さらに、内部が視認可能なカバー部材710に装飾用の可動部材を設け、その可動部材の動作を制御することで、カバー部材710の内部を視認可能な状態(装飾用の可動部材の動作が少ない状態)と、カバー部材710の内部を視認困難な状態(装飾用の可動部材の動作が多い状態)とを切替えるようにしてもよい。
また、詳細は図9および図10を参照して後述するが、本実施形態では、可動弁750の動作内容に基づいて第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを解除させるタイミングを設定し、第3図柄表示装置81(図2参照)にて演出表示するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81にて実行される演出表示に従って第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することにより遊技者に特典(特定一般入球口630への入球に基づく賞球)を付与することが可能となり、遊技者に対して意欲的に遊技に参加させることができる。
次に、本パチンコ機10において右打ち遊技によって、右遊技領域に打ち出された球の流れについて、図2および図3を参照して説明する。
図2に示す通り、本パチンコ機10の右側領域には盤面ユニット700が配設されており、盤面ユニット700の流入口700aの上方に設けられた釘の配置によって、右打ち遊技によって右遊技領域に打ち出された球の約95%(100球中約95球)が盤面ユニット700の流入口700aに流入するように配設されている。なお、右打ち遊技によって打ち出された球のうち、盤面ユニット700の流入口700aに流入しなかった球(100発中約5発)は、可変表示装置ユニット80と盤面ユニット700との間に形成された球流路(図2参照)をアウト口66に向けて流下する。
盤面ユニット700の流入口700aに流入した球の流れについて図3を参照して説明する。流入口700aの直下には流入口に流入した球が約1:14の割合で左右に振り分けられるように釘Qa,Qbが設けられている。釘Qa,Qbの右側に振分けられた球(右打ち遊技によって打ち出された100球のうち約90球)はスルーゲート67を通過した後に、電動役物640aの上流部(第1開口部641aを覆う位置)へと流下し、釘Qa,Qbの左側に振分けられた球(右打ち遊技によって打ち出された100球のうち約5球)は、第1誘導路700cを通過して電動役物640aの下流部(第2開口部642a)へと流下する。なお、釘Qa,Qbは調整可能な調整手段の役割も兼ねており、球の衝突等により、球を左右に振り分ける割合が変化しても所望の割合へと調整することができる。なお、上述したように、電動役物640aの上流部(第1開口部641aを覆う位置)へと流下した球は、第1開口部641a又は第2開口部642aへと流入可能に電動役物640a上を流下するため、電動役物640aの下流部(第2開口部642a)へと流下した球よりも第2入球口640に入球し易くなる。よって、調整手段である釘Qa,Qbを調整することで、右打ち遊技によって打ち出された球が第2入球口640へ入球する割合を調整することができる。
電動役物640aに到達した球は、電動役物640aが開状態となるタイミングで、第1開口部641aまたは第2開口部642aへと流入し、第2入球口640へ入球する。一方、第1開口部641aおよび第2開口部642aへと流入しなかった球は、電動役物640aの下流端から振分流路700dへと流下する。振分流路700dには、球を可変入賞装置65に向けて流下させる方向(図3の視点で右下方向)と基部ユニット760に向けて流下させる方向(図3の視点で左下方向)とに振り分けるための釘Q1〜Q3および第1調整部材701aが設けられており、振分流路700dに流入した球(右打ち遊技によって打ち出された100球のうち約95球)が9:1の割合で右下方向と左下方向とに振り分けるように構成されている。
そして、振分流路700dを流下し、基部ユニット760に向けて流下させる方向(図3の視点で左下方向)へと振分けられた球(右打ち遊技によって打ち出された100球のうち約10球)のうち、約1/3の球が貯留用流路700eに流入し、残りの約2/3の球がアウト流路700fに流入するように構成されている。
上述したように、本実施形態におけるパチンコ機10は、右打ち遊技により打ち出された球は、約30球に1球の割合で貯留用流路700eに流入するように構成されている。つまり、特定一般入球口630に球が入球した場合に遊技者に払い出される賞球数が15球であることから、電動役物640aが開状態になり易い普通図柄の時短状態や、可変入賞装置65の開放動作が実行される大当たり遊技状態では無い通常遊技状態において、特定一般入球口630に球を入球させる遊技が行われたとしても、特定一般入球口630へ球を入球させるために要する球数(約30球)が特定一般入球口630へ球が入球した場合に払い出される賞球数(15球)よりも多くなるため、持ち球が増加することが無い。よって、通常遊技状態において可動弁750の動作内容を不正に把握したり、可動弁750を故障させたりした状態で、特定一般入球口630へ球を入球させる不正遊技を抑制することができる。
なお、本実施形態では、上述した盤面構成を用いることで、貯留用流路700eに球が流入する頻度を抑えているため、可変入賞装置65の開放動作が行われる大当たり状態や、第2入球口640に球が入球しやすい時短状態(普通図柄の時短状態)以外の通常遊技状態において、右打ち遊技を行ったとしても持ち球が増えないようにしているが、貯留用流路700eに球が流入する頻度を高くし、特定一般入球口630に球を入球させる遊技(第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作する遊技)が行われ易くしてもよい。
このような場合であっても、本実施形態のようにカバー部材710により可動弁750が覆うことにより、可動弁750の動作状況を把握困難とさせることで、通常遊技状態において持ち球が増えることを抑制することができる。
加えて、本実施形態のパチンコ機10は、閉状態である電動役物640aを流下した球が貯留用流路700eへと流入可能に構成しているため、電動役物640aが開状態になり易い普通図柄の時短状態では、貯留用流路700eに球が流入し難くなり、電動役物640aが開状態になり難い大当たり遊技状態では、貯留用流路700eに球が流入し易くなる。よって、遊技状態に応じて、特定一般入球口630への球の入球期待度を異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、振分流路700dを流下した球は、可変入賞装置65が配設される右下方向または特定一般入球口630が配設される左下方向の何れかへと振り分けられるように構成されているため、パチンコ機10の個体差や設置状況によって振分流路700dを流下する球の振分割合が異なったとしても、遊技者に極度に不利な遊技を行わせることを防止することができる。さらに、振分流路700dに設けられている釘Q1〜Q3や第1調整部材701aの仕様(配置)を異ならせることで、パチンコ機10を大当たり遊技中に可変入賞装置65に効率よく球が入球する遊技仕様と、大当たり遊技中に特定一般入球口630に球が入球し易い(即ち、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)に球が貯留され易い)遊技仕様とを遊技者に提供することができ、遊技者が自身の技量に基づいて遊技を行うパチンコ機10を選択することができる。
次に基部ユニット760に設けられた貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)、可動弁750の動作および球流れについて、図4〜図6を参照して説明をする。図4(a)は、貯留用流路700e上に上限数である5個の球が貯留されている状態を模式的に示した図であって、図4(b)は、第1貯留装置770が解除状態で、可動弁750が誘導状態(突出状態)となった場合を模式的に示した図である。図5(a)は、第1貯留装置770が解除状態で、可動弁750が規制状態(埋没状態)となった場合を模式的に示した図である。図5(b)は、第1貯留装置770が貯留状態で、第2貯留装置771が解除状態となった場合を模式的に示した模式図である。図6は、第1貯留装置770の第1貯留弁770aおよび第2貯留装置771の第2貯留弁771aの動作機構を模式的に示した模式図であって、図6(a)は、第1貯留装置770が解除状態で第2貯留装置771が貯留状態となる場合の貯留弁ソレノイド770bの動作を示す図であり、図6(b)は、第1貯留装置770が貯留状態で第2貯留装置771が解除状態となる場合の貯留弁ソレノイド770bの動作を示す図である。
図4(a)に示すように、第1貯留弁770aと第2貯留弁771aとは、その間に球が1個貯留可能な間隔を有するように設けられ、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)に上限数(5個)の球が貯留されている図4(a)の状態では、第1貯留装置770(第1貯留弁770a)が1個の球を貯留し、第2貯留装置771(第2貯留弁771a)が4個の球を貯留している状態となる。このような状態において、貯留用流路700eに向けて流下してきた新たな球は、貯留用流路700eに貯留されている球によって流下方向が変更され、基部ユニット760の下方に設けられたアウト流路700fに向けて流下し、アウト流路700fから盤面ユニット700外へと流出する。
この貯留用流路700eの流下先、即ち、第1貯留弁770aが解除状態となった場合に、球が流下する領域には球の通過を検知する第1球通過センサS3が設けられ、その第1球通過センサS3が設けられる領域よりも下流側の領域には球の通過を検知する第2球通過センサS4が設けられている。本実施形態では、この第1球通過センサS3および第2球通過センサS4の検知結果、及び、特定一般入球口630への入球を示すコマンドに基づいて、第1貯留装置770が解除状態となってから特定領域(特定一般入球口630または第2球通過センサS4)を通過するまでの期間が計測可能に構成されており、この計測結果に基づいて、第1貯留装置770が解除状態となってから(第1球通過センサS3が球通過を検知してから)実行される演出の内容(演出の開始タイミングや演出期間や演出内容)を補正可能に構成されている。
ここで、パチンコ機10の遊技領域を流下する球は、そのパチンコ機10の設置状態(傾き)、外気環境(温度、湿度)、球の汚れに応じて、特定の区間を流下する流下期間が異なる。よって、球の流下に対する演出を実行する場合において、予め定められた流下期間に基づいて特定の演出を実行してしまうと、その演出の結果と、実際の球の流下結果とに誤差が生じてしまうという不具合があった。これに対して、本実施形態では上述したように球の流下に対する演出の内容を補正可能としている。
これにより、可動弁750が球を特定一般入球口630へと誘導可能な誘導状態(突出状態)に可変されるタイミングで球が可動弁750に到達するように、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作するタイミングを報知する演出の報知タイミングを実際の球の流下期間に基づいて補正することができ、遊技者に違和感を与えてしまう演出が実行されることを抑制することができる。
また、本実施形態で用いられる演出以外にも、例えば、球が所定位置(例えば、第1球通過センサS3)を通過したことを起因に、その球が特定位置(例えば、特定一般入球口630)に到達するか否かを煽る煽り演出を所定期間実行し、その煽り演出の後に、球の通過結果を示す結果演出を実行する場合において、煽り演出の期間を実際に要する球通過期間に基づいて補正することが可能となり、遊技者に違和感を与えてしまう演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
具体的には、煽り演出として、最終段階に向けて複数段階設定された指標を満たしていく演出を実行し、結果演出として、最終段階に到達したか否かの演出を実行する場合において、複数段階設定された指標の夫々を満たしてタイミングを異ならせたり、煽り演出の開始タイミングを異ならせたりすることで、煽り演出が途中の段階にも係わらず結果演出が実行されてしまったり、煽り演出の最終段階まで到達した状態で結果演出の実行を待機したりする事態が発生することを抑制することができる。
なお、上述した第1球通過センサS3または第2球通過センサS4に加え、貯留上限センサS1や貯留検知センサS2の検知結果を用いて、盤面ユニット700内(特に、貯留用流路700e)にて球詰りや不正行為が実行されているかを判別するように構成してもよい。
貯留用流路700e上で球を貯留している第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aは、パチンコ機10に設けられている第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(図1参照)を操作(押下)し、貯留弁ソレノイド770b(図19参照)を駆動させることで、貯留用流路700eに貯留されている球を1球ずつ流下させるように駆動制御されている。なお、貯留弁ソレノイド770b(図19参照)を駆動させることで、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aを動作させる機構の詳細については、図6を参照して後述し、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの駆動制御内容の詳細については、図9を参照して後述する。
ここで、図4(a)に示す状態において、第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(図1参照)を操作すると、まず、第1貯留弁770aが解除状態となり、第1貯留弁770aと第2貯留弁771aとの間に貯留されていた球が解除状態となった第1貯留弁770a上を通過して下流方向へと流下する(図4(b)参照)。貯留用流路700e上に貯留されている球は、貯留状態である第2貯留弁771aによって、下流方向への流下が規制されているため、貯留用流路700eからは1個の球のみが下流方向へと流下することになる。
そして、可動弁750が突出している状態(誘導状態)で、貯留用流路700eから球が流下して来た場合は、図4(b)に示す通り、可動弁750および、第2調整部材701b上を流下し、特定一般入球口630へと入球する(図4(b)参照)。一方、可動弁750が埋没している状態(規制状態)で、貯留用流路700eから球が流下して来た場合は、図5(a)に示す通り、特定一般入球口630に入球することなく、流出口700bから盤面ユニット700外へと流出する。
このように、本実施形態は、遊技者が操作手段(第2枠ボタン(解除用ボタン)22b)を操作(押下)することで、貯留装置による球の貯留を解除可能に構成しているため、遊技者が貯留装置による球の貯留を解除するタイミングを決定することができる。加えて、可動弁750は、予め定められた動作パターンで突出状態(許容状態)と埋没状態(規制状態)とに可変動作するように構成されている。よって、遊技者が操作手段(第2枠ボタン(解除用ボタン)22b)を操作するタイミングに基づいて、球が特定一般入球口630に入球するか否かが決定されるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作されることが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
遊技者が第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作(押下)し、第1貯留弁770aが解除状態となる期間が所定時間(本実施形態では1秒)を経過すると、次に、第1貯留弁770aが閉鎖状態になると共に、第2貯留弁771aが解除状態となる(図5(b)参照)。この状態では、第2貯留弁771aによって貯留用流路700eに貯留されていた球が第1貯留弁770aに当接する位置まで流下する。その後、所定期間経過後(本実施形態では、第2貯留弁771aが解除状態となってから0.5秒後)に、第2貯留弁771aが閉鎖状態となり、図4(a)に示す状態へと移行する。
つまり、図5(b)に示す状態では、第2貯留弁771aによって貯留用流路700eに貯留されていた球(4個)が第1貯留弁770aによって貯留される状態まで流下した状態で、第2貯留弁771aが解除状態(埋没状態)から閉鎖状態(突出状態)へと可変される。ここで、本実施形態では、第1貯留弁770aと第2貯留弁771aとが球1個分の間隔(約11mm)を隔てて設けられているため、第2貯留弁771aは、第1貯留弁770aによって貯留されている(堰き止められている)4個の球のうち、最下流の球と最下流から2個目の球との間の位置に突出する。よって、第2貯留弁771aの突出動作をスムーズに実行することができる。
なお、貯留用流路700eのうち第2貯留弁771aが突出している状態で球が貯留される領域(即ち、第2貯留弁771aが突出する位置から貯留用流路700eの上流端までの位置)の距離は、球4個分(約44mm)に、第2貯留弁771aの厚み(図5(b)の視点で左右方向)(約3mm)を加えた距離(約47mm)より長く、球5個分(約55mm)より短い距離となるように構成されている(本実施形態では、50mm)。
このように構成することで、第2貯留弁771aが突出する際に、第2貯留弁771aの厚み分、貯留用流路700e上を球が後退しても貯留用流路700eに貯留されていた球が第2貯留弁771aの突出動作に伴って貯留用流路700eの上流端から溢れ落ちてしまうことを防止することができる。また、第2貯留弁771aが解除されている状態(埋没状態)において6個目の球が貯留用流路700eに貯留されることを防止することができる。なお、貯留用流路700eに貯留された球が各貯留弁の動作によって、貯留用流路700eの上流端から溢れ落ちてしまうことを抑制するために、貯留用流路700eの上流端に下流側が低くなる段差を設けても良い。これにより、貯留用流路700eに貯留された球が各貯留弁の動作によって、貯留用流路700eの上流端から溢れ落ちてしまうことを抑制することができる。
次に、図6を参照して、第1貯留弁770aと第2貯留弁771aとを電気的に駆動させるための貯留弁ソレノイド770bについて説明する。図6(a)は、貯留弁ソレノイド770bを正方向にオンした状態を模式的に示した模式図であって、図6(b)は、貯留弁ソレノイド770bを負方向にオンした状態を模式的に示した模式図である。本実施形態では、1つの電気的駆動源(貯留弁ソレノイド770b)を用いて複数の可変部材(第1貯留弁770aと第2貯留弁771a)を可変動作させるように構成されている。具体的には、貯留弁ソレノイド770bは、2方向保持型の自己保持型ソレノイドである。
この2方向保持型の自己保持型ソレノイドは、オープンフレームソレノイドに永久磁石を組み合わせ、コイルに対して瞬時の通電を行うことでプランジャを吸引し、吸引後の位置を永久磁石で保持することで、吸引後の状態を保持する際に通電を不要とした自己保持型ソレノイドであって、永久磁石を中心に正負方向に夫々コイルを設け、各々のコイルを通電することで正方向または負方向にプランジャを吸引し、吸引後の状態を、永久磁石を用いて保持可能に構成したソレノイドである。これにより、1つのソレノイドを用いて、正方向にプランジャを吸引した状態、負方向にプランジャを吸引した状態、正負方向の何れにもプランジャを吸引させていない初期状態の3つの状態を保持することができる。
そして、貯留弁ソレノイド770bによって、正方向にプランジャを吸引させた状態(貯留弁ソレノイド770bを正方向にオンした状態)では、図6(a)に示すように、第1貯留弁770aが開放(解除)状態へと可変され、負方向にプランジャを吸引させた状態(貯留弁ソレノイド770bを負方向にオンした状態)では、図6(b)に示すように、第2貯留弁771aが開放(解除)状態へと可変される。また、貯留弁ソレノイド770bを正負方向のいずれにもオンしていない状態(オフ状態)では、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aのいずれもが、閉鎖(非解除)状態へと可変されるように構成している。
つまり、図6(a)に示す通り、第1貯留弁770aと、貯留弁ソレノイド770bとは貯留弁ソレノイド770bの動作を第1貯留弁770aへと伝達するための第1伝達手段によって組み合わされている。この第1伝達手段は、3枚のギアを有しており、貯留弁ソレノイド770bが有するプランジャの正方向側先端部に組み付けられている。また、第2貯留弁771aは、その末端部がプランジャの負方向側先端部に組み付けられている。
ここで、貯留弁ソレノイド770bが正方向にオンされた場合には、正方向側に吸引されるプランジャの動作に従って、第1伝達手段に設けられるギアが回動し、そのギアの回動結果に基づいて、第1伝達手段の末端側(第1貯留弁770aと接続される側)に設けられる第1貯留弁770aが解除(開放)状態に可変動作され、第2貯留弁771aは、正方向側に吸引されるプランジャの動作に従って、その先端部が貯留用流路700e上に突出し、閉鎖(非解除)状態に可変動作される(図6(a)参照)。
一方、貯留弁ソレノイド770bが負方向にオンされた場合には、図6(b)に示す通り、負方向側に突出するプランジャの動作に基づいて、第1貯留弁770aが閉鎖(非解除)状態に可変動作され、第2貯留弁771aが解除(開放)状態に可変動作される。なお、図示は省略するが、貯留弁ソレノイド770bのプランジャが正方向、負方向の何れにも吸引されていない状態(通常状態)では、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aがともに閉鎖(非解除)状態となるように可変動作される。
以上、説明をしたように、本実施形態では、複数の可変部材(第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771a)を1つの電気的駆動源(貯留弁ソレノイド770b)のみで可変動作させているため、電気的駆動源を設置するスペースを少なくすることができ、装置の省スペース化を図ることができる。また、装置を省スペース化することにより空いたスペースを用いて装飾用の部材や遊技に関わる装置を設置することが可能となり、演出効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、貯留弁ソレノイド770bがどの状態になったとしても、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aが共に開放(解除)状態となることが無いため、貯留弁ソレノイド770bが故障し誤作動を起こしたとしても、確実に貯留用流路700eを球が通過し続ける事態を防止することができる。また、1つの電気的駆動源(貯留弁ソレノイド770b)のみで可変動作させる構成であるため、貯留用流路700eに貯留された球を1個ずつ特定一般入球口630に向けて流下させる際の可変動作制御を貯留弁ソレノイド770bに対して実行するだけであるため、複数の電気的駆動源(ソレノイド等)に対して、可変動作制御を実行する場合と比較して、可変動作制御の処理負荷を軽減させることができる。
なお、本実施形態では、複数の可変部材(第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771a)を1つの電気的駆動源(貯留弁ソレノイド770b)により駆動される移動体(プランジャ)の移動方向によって可変動作させる構成を用いているが、1つの電気的駆動源を用いて複数の可変部材を可変動作させるものであれば、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、電気的駆動源としてステッピングモータを用いて、そのモータの回転数(ステップ数)に対応させて複数の可変部材を所定タイミングで可変動作させるように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、複数の可変部材(第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771a)を1つの電気的駆動源(貯留弁ソレノイド770b)のみで可変動作される構成を用いているが、各可変部材に対して夫々電気的駆動源を設けてもよい。また、本実施形態では、第1貯留弁770aと第2貯留弁771aとで可変動作するための構成を異ならせているが、同一の可変動作構成を用いても当然良い。加えて、本実施形態では、貯留用流路700eに貯留された球を1個ずつ特定一般入球口630に向けて流下させる可変動作制御を実行するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。例えば、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを所定期間(例えば1秒)の間継続して押下することで、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aを同時に解除(開放)させるよう可変動作制御を実行してもよい。これにより、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対して通常操作を行う場合は貯留用流路700eから球が1個ずつ流出するように各貯留弁に対して可変動作制御が実行され、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対して長押し操作を行った場合は、貯留用流路700e上に貯留された球が少なくとも2個以上流出するように可変動作制御が実行される。よって、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対する遊技者の操作内容によって、貯留用流路700eから流出する球の数またはタイミングを異ならせることが可能となり、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図9を参照して、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作した場合における第1貯留装置770および第2貯留装置771の動作制御と、可動弁750の開閉動作の流れについて説明する。図6は第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作と各種装置の関係を示すタイミングチャートである。
図9に示した通り、本実施形態では第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作すると、まず、第1貯留装置770の第1貯留弁770aが解除(開放)状態へと1秒間可変制御され、上述した図4(b)の状態となる。この状態において第1貯留弁770aと第2貯留弁771aとの間に貯留されていた球が貯留用流路700eから流下する。ここで、第1貯留弁770aが解除(開放)状態となることで流下される球が可動弁750に到達するまでには約0.5秒の流下期間を要するため、第1貯留弁770aが解除(開放)状態となってから約0.5秒後の可動弁の動作状況によって、球が特定一般入球口630へと誘導されるか否かが決定される。図9で示した動作例では、最初に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作し、第1貯留装置770(第1貯留弁770a)を解除(開放)状態へと可変させた0.5秒後の可動弁750の動作状況が、図9(d)に示す通り、開放状態(規制状態)状態であるため、球は特定一般入球口630へと入球することなく、盤面ユニット700の流出口700bより盤面ユニット700外へと流下する。
図9(a)に示した通り、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを一度操作すると、図9(b)および(c)に示した通り、合計で2秒間の可変制御が実行され、その可変制御が実行されている間は、次の第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作を受け付けないように構成しているため、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作して各貯留装置の可変制御が実行された場合には、そこから約2秒間は、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作を受け付けない操作無効期間が設定される。これにより、各貯留装置の可変制御が実行されている間に、次の可変制御が開始されてしまうことを抑制することができる。
第1貯留装置770(第1貯留弁770a)が解除(開放)状態となってから1秒が経過すると、第1貯留装置770(第1貯留弁770a)が非解除(閉鎖)状態となるように可変制御され(図9(b))、その地点から0.5秒後に第2貯留装置771(第2貯留弁771a)を解除(開放)状態へと可変させる可変制御が実行される(図9(c))。そして、その地点から0.5秒間、第2貯留装置771(第2貯留弁771a)の解除(開放)状態を継続させ、上述した図5(b)で示した通り、第2貯留装置771(第2貯留弁771a)により貯留されていた球を第1貯留装置770の第1貯留弁770aに当接する位置まで流下させる期間を設ける(図9(c))。
つまり、本実施形態では、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、球を1個、可動弁750に向けて流下させるよう構成しており、さらに、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bは最短でも2秒に1回しか貯留装置の解除操作を実行しないよう構成されている。よって、本パチンコ機10では、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bをタイミングよく操作(押下)しなければ特定一般入球口630に球を入球させることができず、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作精度が求められる。なお、本実施形態のパチンコ機10では、この第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作するタイミングを示唆するタイミング演出(操作演出)が第3図柄表示装置81にて実行されるように構成しており、そのタイミング演出(操作演出)に従って第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、球を特定一般入球口630に入球させやすくすることができるように構成されている。これにより、遊技者に対して意欲的に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させることができる。
図9において、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作し、第1貯留装置770(第1貯留弁770a)を再度解除(開放)状態へと可変させたタイミングでは、その操作タイミングの0.5秒後に可動弁750eが閉(誘導)状態となるため、この操作によって可動弁750に向けて流下した球は、閉(誘導)状態の可動弁750によって特定一般入球口630へと誘導される。
可動弁750は、パチンコ機10に電源が投入されたことに基づいて予め定められた規則に従って常時可変制御されるものである。そして、この可変制御内容は、後述するように、動作(可変)パターンが異なる複数の動作シナリオ(図23(a)参照)が組み合わされて規定されている。このように動作シナリオに基づいて可変制御される可動弁750が閉鎖(誘導)状態となるタイミングで球が可動弁750に到達するように第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、球が特定一般入球口630へと誘導される。
次に、図10〜図17を参照して、本実施形態のパチンコ機10が実行するタイミング演出(操作演出)について説明をする。本実施形態では、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)に貯留されていた球を、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対する操作に基づいて、可動弁750に向けて流下させるように構成されている。そして、可動弁750に球が到達したタイミングが、可動弁750が開放(規制)状態の場合は、特定一般入球口630への球の入球を規制し、閉鎖(誘導)状態の場合は、特定一般入球口630への球の入球を誘導するように構成している。
この可動弁750が閉鎖(誘導)状態となる期間は、短期間(例えば、0.1秒)が設定されており、遊技者が無作為に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作したとしても貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)に貯留されていた球を特定一般入球口630へ入球させることが困難となるよう構成している。ここで、本実施形態では、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させるタイミングを報知するための演出として、タイミング演出(操作演出)が実行されるように構成している。遊技者はこのタイミング演出(操作演出)の演出内容に従って第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、効率よく球を特定一般入球口630へと入球させることができるようになる。
ここで、図10を参照して、上述したタイミング演出(操作演出)において、遊技者に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させるタイミングを設定する方法について説明をする。図10はタイミング演出(操作演出)において第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させるタイミングを設定する地点を示すタイミングチャートである。上述したように、可動弁750は、予め定められた規則に従って常時可変制御されるように構成されており、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作されたことに基づいて貯留用流路700e(図3参照)から可動弁750に向けて流下する球は、約0.5秒の流下期間を経て可動弁750に到達するように構成されている。
本実施形態では、可動弁750の可変制御内容を予め読み出し、可動弁750が閉鎖(誘導)状態となる地点を特定し(図10(a))、その地点から球流下期間(0.5秒)を減算した地点を特定一般入球口630へ球を入球させることが可能な入球可能タイミングとして設定可能に構成している(図10(b))。このように入球可能タイミングを設定し、そのタイミングに合わせて第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる演出を実行することで、遊技者は実行されている演出に従って第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作するだけで特定一般入球口630へ球を入球させることができる。よって、遊技者に対して有利な特典(賞球)を付与することが可能な演出を実行することができ、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
また、特定一般入球口に入球可能なタイミングとして設定される入球可能タイミングは上述したように、可動弁750が誘導状態に位置するタイミングの0.5秒前である。ここで、可動弁750が誘導状態となる期間はその殆どが0.1秒であることから、入球可能タイミングが設定されている期間は、対応する可動弁750の動作が開始されるよりも前の期間となる。これにより、入球可能タイミングに基づいて実行されるタイミング演出が可動弁750の動作内容に基づいて設定されていることを気付かれ難くすることができる。
また、本実施形態では、複数の動作シナリオに基づいて可動弁750を動作させているため、可動弁750が誘導状態となる間隔は様々である。よって、万が一、入球可能タイミングを設定する際に参照された可動弁750の動作よりも前に実行される可動弁750の動作と、入球可能タイミングとが一致することが合ったとしても、それを基に可動弁750の動作状況を把握することはできない。よって、入球可能タイミングに基づいて実行されるタイミング演出が可動弁750の動作内容に基づいて設定されていることを気付かれ難くすることができる。
加えて、詳細は後述するが、本実施形態では第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作され、第1貯留装置770が解除(開放)状態となった場合、具体的には、第1貯留装置770が解除(開放)状態となり、貯留用流路700eから流出した球を第1球通過センサS3が検知した場合に、透過用ランプ227bが点灯するように構成されている。つまり、特定一般入球口630に球が入球可能な入球可能タイミングで第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作した場合には、貯留用流路700eから流出した球が第1球通過センサS3を通過するタイミング(第2枠ボタン22bを操作してから0.1秒後のタイミング)でカバー部材710の内部が視認可能な状態となる。ここで、可動弁750が誘導状態となる期間はその殆どが0.1秒であることから、カバー部材710の内部が視認可能な状態となるタイミングは、入球可能タイミングの設定対象となる可動弁750の動作が開始されるよりも前の期間となる。これにより、カバー部材710の内部が視認可能な状態となるタイミングに基づいて可動弁750の動作状況が把握されることが無い。
なお、本実施形態では、後述する図11〜図17に示すように、タイミング演出(操作演出)として、第3図柄表示装置81に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作を促す表示ポインタを移動表示させ、その表示ポインタが特定位置に到達したタイミングで第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、上述した入球可能タイミングと、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作タイミングとを合致させる演出が実行される。次に、本実施形態で用いられるタイミング演出(操作演出)の内容について説明をする。
まず、図11および図12を参照して、大当たり中に実行されるタイミング演出(操作演出)の内容について説明をする。図11(a)は、タイミング演出(操作演出)が実行される前のラウンドにて実行される予告演出中の表示内容の一例を示す模式図であって、図11(b)〜図12(b)は、タイミング演出(操作演出)中の表示内容の一例を示す模式図である。なお、各図面では、第3図柄表示装置81の表示内容を示す模式図と、操作手段(第1枠ボタン(演出用ボタン)22aおよび第2枠ボタン(解除用ボタン)22b)に対する操作状況を示す模式図とを用いて、操作手段の操作に基づいて変化する第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。
図11に示す通り、第3図柄表示装置81には、現在のラウンド数を表示するラウンド数表示部714が画面左上に表示され、副表示領域Ds2では、大当たり中に獲得した球数を示唆する獲得表示が実行され、副表示領域Ds3では、遊技方法を案内する案内表示部に「右を狙え」の表示がされる。そして、特定入賞口65aに球が入賞したことに基づいて獲得した球数を示唆するための獲得数表示態様718が特定入賞口65aの賞球数を示す「15」として表示される。この獲得数表示態様718は、特定入賞口65aへの球の入賞に基づいて第3図柄表示装置81に表示された後、副表示領域Ds2に向けて移動表示し、最終的に、副表示領域Ds2の獲得表示として加算される。
画面中央には、次のラウンドからタイミング演出(操作演出)が開始されることを遊技者に報知するための予告表示と、タイミング演出(操作演出)のゲーム性を知らせる案内表示とが実行される。そして、画面下側には、タイミング演出(操作演出)にて用いられる演出領域が表示される。この演出領域には、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対応して「左」が付された左ボタン表示態様715と、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aに対応して「中」が付された中ボタン表示態様716とが表示され、それぞれのボタン表示態様に対応して、表示ポインタ719(図11(b)参照)が表示される副表示領域Ds4とDs5とが設けられる。
この副表示領域Ds4およびDs5は、図11(b)にて後述するが複数の表示ポインタ719が右から左へとスクロール移動表示される領域であって、表示ポインタ719が操作タイミングを示す表示態様であるバー表示部717と合致したタイミングで操作手段(第1枠ボタン(演出用ボタン)22aまたは第2枠ボタン(解除用ボタン)22b)を操作することで成功演出(後述する図11(b)参照)が実行される。また、表示ポインタ719がバー表示部717と合致していないタイミングで操作手段を操作した場合には失敗演出(後述する図12(b)参照)が実行される。
なお、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対応する副表示領域Ds4にて表示ポインタ719がバー表示部717と合致するタイミングが、図10を参照して上述した入球可能タイミングとなる。図11(a)に示すように、予告演出が実行されている間は、副表示領域Ds4およびDs5には「待機中」の文字が、右から左へとスクロール移動表示される。
上述したように、本実施形態におけるタイミング演出(操作演出)では、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aと、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bとを遊技者に操作させる演出が実行される。このように構成することで、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bのみを操作させる演出を実行する場合に比べて、遊技者にボタン操作を行わせる回数を増やすことができ演出効果を高めることができる。
次に、図11(b)を参照して、大当たり中におけるタイミング演出(操作演出)の表示内容を説明する。タイミング演出(操作演出)が実行されると、副表示領域Ds4およびDs5に表示ポインタ719がスクロール移動表示され、そのうち表示ポインタ719aがバー表示部717と合致するタイミングで、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作すると、画面中央に結果表示態様720として「good」の文字が表示されるとともに、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作したことが左ボタン表示態様715の表示態様を可変させることで表示される。この場合、タイミング演出(操作演出)として、貯留装置を解除させる第2枠ボタン22bを入球可能タイミングで操作しているため、その操作に基づいて貯留装置から流下した球が特定一般入球口630へ入球することになる。
図12(a)に示す状態は、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aに対応する副表示領域Ds5に表示される表示ポインタ719cがバー表示部717に合致するタイミングで第1枠ボタン(演出用ボタン)22aを操作した状態であって、このタイミングで第1枠ボタン(演出用ボタン)22aを操作することで、特定一般入球口630に球が入球したことにより得られた賞球数を示す特定獲得数表示態様721が表示されるとともに、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aを操作したことが右ボタン表示態様716の表示態様を可変させることで表示される。
図12(b)に示す状態は、タイミング演出(操作演出)において、表示ポインタ719hがバー表示部717と合致していないタイミングで第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作した状態であって、画面中央に結果表示態様720として「bad」の文字が表示されるとともに、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作したことが左ボタン表示態様715の表示態様を可変させることで表示される。この場合、タイミング演出(操作演出)として、貯留装置を解除させる第2枠ボタン22bを入球可能タイミングとは異なるタイミングで操作しているため、その操作に基づいて貯留装置から流下した球が特定一般入球口630へ入球することがない。
次に図13および図14を参照して、特別図柄の変動表示中に実行されるタイミング演出(操作演出)の内容について説明する。なお、上述した図8(b)と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図13(a)に示す通り、特別図柄の変動表示中にタイミング演出(操作演出)が実行されると、大当たり中と同様の演出表示が実行される。なお、タイミング演出(操作演出)の表示について、大当たり中と同様の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図13(a)では、タイミング演出(操作演出)が開始されるタイミングを遊技者に報知するために、「スタート」の表示態様がスクロール移動表示される。そして、特別図柄の変動表示中にタイミング演出(操作演出)が実行されると、図13(b)に示す通り、副表示領域Ds2に、特定一般入球口630へ球が入球したことで遊技者に付与される特典(賞球)を示す獲得表示(「15」)が実行され、副表示領域Ds4またはDs5には表示ポインタ719(719k〜719p)がスクロール移動表示される。
本実施形態では、特別図柄の抽選結果が当たり変動中である場合に実行されるタイミング演出(操作演出)において、副表示領域Ds4にてスクロール移動する表示ポインタ(図14の場合は、表示ポインタ719q〜719t)がバー表示部717に合致するタイミングで第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、図14に示すように、特別図柄の抽選結果が副表示領域Ds2に表示されるように構成されている。このように構成することで、貯留装置の貯留状態を解除させるための第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを特別図柄の抽選結果を報知するために用いることができる。
次に、図15を参照して、特別図柄の抽選結果が大当たりに当選したことを第3図柄表示装置81で報知する大当たり確定表示画面の表示内容について説明をする。図15(a)は、大当たり種別が「大当たりA」の大当たりに当選した場合に表示される大当たり確定表示画面の一例を示した模式図であり、図15(b)は、大当たり種別が「大当たりC」の大当たりに当選した場合に表示される大当たり確定表示画面の一例を示した模式図である。
ここで、本実施形態では、可動弁750の動作パターンとして、遊技者に有利となる動作パターン(動作シナリオ)が実行される有利期間と、有利期間よりも遊技者に不利となる動作パターン(動作シナリオ)が実行される不利期間とが設定されており(後述する図23(a)参照)、可動弁750は予め定められた順序で複数の動作パターン(動作シナリオ)が実行されるように構成されている(後述する図23(b)参照)。さらに、可動弁750の動作状況に基づいて、今後実行される可動弁750の動作パターン(動作シナリオ)を判別可能に構成されている。
このように構成されている本実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たりに当選したことを第3図柄表示装置81で報知する大当たり確定表示画面において、その大当たりに基づく大当たり遊技が実行される期間中に、可動弁750が遊技者に有利となる動作パターン(動作シナリオ)で可変動作されるのかを判別し、その判別結果を第3図柄表示装置81にて報知することができる。これにより、遊技者は、大当たり遊技中に可動弁750が遊技者に有利な動作パターン(動作シナリオ)で実行されることを大当たり遊技が実行される前に把握することができ、大当たり遊技中の遊技を意欲的に行わせることができる。
図15(a)に示す大当たり確定表示画面の一例では、大当たり種別が「大当たりA」の大当たりに当選し、即ち、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されない16ラウンド大当たりに当選したことを示す「大当たり」の表示と、その大当たり遊技中に可動弁750が遊技者に有利な動作パターン(動作シナリオ)で実行されることを報知する可動弁有利期間報知態様721として「チャンス」の文字が表示される。
また、図15(b)に示し大当たり確定表示画面の一例では、大当たり種別が「大当たりC」の大当たりに当選し、即ち、大当たり遊技終了後に確変状態が付与される16ラウンド大当たりに当選し、且つ、その大当たり遊技中に可動弁750が遊技者に有利な動作パターン(動作シナリオ)で実行されることを示す「超」の文字が表示される。
このように、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを報知する態様に加え、その大当たり中の可動弁750の動作状況を報知する態様を大当たり確定表示画面にて報知することで、様々なパターンの大当たり確定表示態様を表示することができる。
次に、図16及び図17を参照して、本実施形態で実行されるタイミング演出(操作演出)における演出態様の設定方法について説明をする。図16は、特定一般入球口630に入球可能なタイミングと、タイミング演出(操作演出)にて実行される楽曲情報とに基づいて表示ポインタの表示位置を設定する内容を模式的に示した模式図である。
図16に示す通り、本実施形態では、図10を参照して上述した特定一般入球口630に入球可能タイミングを示す情報と、タイミング演出(操作演出)に用いられる楽曲情報と、タイミング演出(操作演出)の難易度を設定する難易度設定情報とに基づいて、タイミング演出(操作演出)にて表示される表示ポインタ719(図11(b)参照)の表示位置が決定される。
本実施形態では、タイミング演出(操作演出)において複数の楽曲が使用可能に構成されており、各楽曲に対して、表示ポインタ719が表示可能(設定可能)な箇所が予め定められている。これはタイミング演出(操作演出)において各楽曲のリズムに合わせたタイミングで操作手段を操作させるためであり、このように構成することで、特定一般入球口630に入球可能なタイミングで表示ポインタ719を設定したとしても、タイミング演出(操作演出)において実行されている楽曲のリズムに合わせて操作手段を操作することができ、遊技者に対して違和感を与えること無くタイミング演出(操作演出)を実行させることができる。
図16(a)に示す楽曲Aと図16(b)に示す楽曲Bとでは、表示ポインタ719を表示可能(設定可能)な箇所の数も間隔も異なっており、それにより、表示ポインタ719を設定する箇所も異なることになる。また、本実施形態では、タイミング演出の難易度を設定可能に構成されており、高い難易度を選択した場合には、タイミング演出(操作演出)において第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる表示ポインタ719の表示位置が特定一般入球口630に入球可能なタイミングと合致する回数が多くなるように設定される代わりに、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる表示ポインタ719がバー表示部717(図11(b)参照)と合致した状態で第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作し難いように演出態様が設定されるように構成されている。一方、低い難易度を選択した場合には、高い難易度を選択した場合に比べて、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる表示ポインタ719の表示位置が特定一般入球口630に入球可能なタイミングと合致する回数が少なく設定される代わりに、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる表示ポインタ719がバー表示部717(図11(b)参照)と合致した状態で第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作し易いように演出態様が設定されるように構成されている。
具体的には、低い難易度を楽曲Aで選択した場合には、図16(a)に示す通り、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対応する表示ポインタ719のうち、特定一般入球口630に入球可能なタイミングと合致する回数が2回に設定され、さらに、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aに対応する表示ポインタ719が5個表示されるように設定される。
一方、高い難易度を楽曲Bで選択した場合には、図16(b)に示す通り、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対応する表示ポインタ719のうち、特定一般入球口630に入球可能なタイミングと合致する回数が5回に設定され、さらに、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aに対応する表示ポインタ719が8個表示されるように設定される。
さらに、図17を参照して後述するが、高い難易度を選択した場合には、タイミング演出(操作演出)として表示される表示ポインタ719の表示態様として、低い難易度を選択した場合に比べて、タイミングを取りにくい表示態様が設定される。
このように、遊技者が自身の技量に応じてタイミング演出(操作演出)の難易度を選択可能にし、その難易度に応じて、付与される特典を異ならせることで、様々な遊技者に対して、意欲的にタイミング演出(操作演出)を実行させることができる。
また、上述した内容は、本実施形態で実行されるタイミング演出(操作演出)において楽曲の選択と難易度の選択との両方を示した内容であったが、難易度を変えることなく、楽曲のみを選択する場合は、楽曲Aと楽曲Bとで表示ポインタ719を表示(設定)可能な箇所の間隔が異なっていることから、間隔を空けてタイミング演出(操作演出)を楽しみたい遊技者は楽曲Aを選択し、短い間隔でタイミング演出(操作演出)を楽しみたい遊技者は楽曲Bを選択することができる。これにより、難易度を変えること無く、遊技者の所望するタイミング演出(操作演出)を実行することが可能となり、様々な遊技者に対して、意欲的にタイミング演出(操作演出)を実行させることができる。
さらに、短い間隔でタイミング演出(操作演出)が実行される場合には、短期間で貯留用流路700eに貯留されている球を消化(流出)させることができるため、長い間隔でタイミング演出(操作演出)が実行される場合よりも、新たな球を貯留用流路700eに貯留させ易くすることができる(即ち、貯留用流路700eに貯留されている球に衝突し、新たな球が貯留用流路700eに流入されない事態を抑制することができる)。これにより、タイミング演出(操作演出)によって、特定一般入球口630に球を入球させる機会を多くすることができる。
なお、本実施形態では、タイミング演出(操作演出)中に設定される、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対応する表示ポインタ719のうち、特定一般入球口630に入球可能なタイミングと合致する回数の上限が5回としているが、それ以上の回数(例えば、8回)を設定してもよい。このように構成することで、タイミング演出(操作演出)が実行される際に貯留用流路700eに貯留されている球(最大5球)に加え、タイミング演出(操作演出)中に新たに貯留用流路700eに流入した球に対しても、特定一般入球口630へ入球可能なタイミングで第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させることが可能となる。よって、遊技者に対して、より多くの球が貯留用流路700eに流入するように積極的に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、表示ポインタ719を表示(設定)可能な箇所の間隔を楽曲によって異ならせ、遊技者が楽曲を選択することで、タイミング演出(操作演出)にて実行される表示ポインタの表示間隔を狭くしたり、広くしたりする構成を用いているが、それ以外の構成として、遊技者にタイミング演出(操作演出)にて実行される表示ポインタ719の表示間隔を選択する選択手段と、その選択手段によって選択された表示ポインタ719の表示間隔に基づいて、表示ポインタ719の表示箇所を設定する設定手段を設けても良いし、楽曲の再生速度を可変させることで、同一の楽曲を用いて、表示ポインタ719の表示間隔を設定する設定手段を設けても良い。このような構成を用いた場合であっても、難易度を変えること無く、遊技者の所望するタイミング演出(操作演出)を実行することが可能となり、様々な遊技者に対して、意欲的にタイミング演出(操作演出)を実行させることができる。
また、本実施形態では表示ポインタ719を表示(設定)可能な箇所(間隔)が異なる複数の楽曲(楽曲情報)が記憶されているが、それぞれの楽曲(楽曲情報)に設定されている表示ポインタ719の表示可能箇所を、可動弁750の各シナリオ種別の可動弁閉鎖タイミングと対応付けるように構成するとよい。これにより、タイミング演出(操作演出)が実行される期間における可動弁750の動作状況(即ち、実行されるシナリオ種別)を判別し、その判別結果に基づいてシナリオ種別を特定し、特定されたシナリオ種別に対応する楽曲をタイミング演出(操作演出)として実行することで、特定一般入球口630へ球が入球可能なタイミングと、楽曲の表示ポインタ719を表示可能な箇所とを合致させやすくすることができる。この場合、タイミング演出(操作演出)の開始タイミングとして、可動弁750のシナリオ種別が切り替わるタイミングを設定することで、さらに容易にタイミング演出(操作演出)において表示される表示ポインタ719の表示箇所を設定することができる。
次に、図17を参照して、タイミング演出(操作演出)における難易度を選択する難易度選択画面の内容について説明をする。図17は、大当たり遊技の1ラウンド目に実行される難易度を選択する難易度選択画面の表示内容の一例を示した模式図である。なお、第3図柄表示装置81に表示される要素のうち、上述した図11(a)と同一の要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図17に示した通り、大当たり遊技の1ラウンド目が開始されると、ラウンド表示部714に「ROUND1」が表示され、画面中央に、難易度選択演出が実行されていることを報知する報知表示と、難易度を選択する方法を案内する案内表示が実行される。この案内表示では、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aを用いて選択することを示すボタン表示721が表示される。
そして、画面下方には、現在選択されている難易度を示す矢印722が2秒毎に難易度低と難易度高を示す位置に移動表示され、副表示領域Ds4およびDs5には、対応する難易度を選択した場合に表示される表示ポインタ719の表示態様を示すデモポインタ723がスクロール移動表示されている。
ここで、副表示領域Ds4に表示される難易度低を選択した場合におけるデモポインタ723に対して、副表示領域Ds5に表示される難易度高を選択した場合におけるデモポインタ723a〜723dは、遊技者が特定のタイミングで操作し難い表示態様が設定されている。具体的には、デモポインタ723aは、表示ポインタ719の周辺に星印で示す阻害表示が表示されており、デモポインタ723bは、表示ポインタ719が縮小表示されており、デモポインタ723cは、表示ポインタ719の中心位置を把握し難い非対象の表示態様が表示されており、デモポインタ723dは、表示ポインタ719を視認し難くするための阻害表示が表示ポインタ719と重複する位置に表示されている。
このように、遊技者が自身の技量に応じてタイミング演出(操作演出)の難易度を選択可能にし、その難易度に応じて、付与される特典を異ならせることで、様々な遊技者に対して、意欲的にタイミング演出(操作演出)を実行させることができる。なお、遊技者がタイミング演出(操作演出)において操作手段(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)を適正なタイミングで操作した回数(成功回数)を累積し、成功回数が増加することに基づいて、難易度高の場合に実行される表示ポインタ719の表示態様が難易度低の場合に実行される表示ポインタ719へと可変するように構成するとよい。加えて、難易度低のタイミング演出(操作演出)を実行している場合においては、成功回数に応じて、特定一般入球口630に球が入球可能な入球タイミングと合致した表示ポインタ719が表示される頻度を高めるように構成してもよい。これにより、遊技者をより意欲的に遊技に参加させることができる。
また、タイミング演出(操作演出)において操作手段(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)を適正なタイミングで操作した成功回数の累積が所定回数を超えた場合には、遊技者に対してより難易度が高く、得られる特典が大きい超難易度のタイミング演出(操作演出)を選択可能としてもよい。これにより、遊技者に対して、所定の演出条件(成功回数が所定回数となる)を満たした場合にのみ、選択可能な演出(超難易度演出)を設けることが可能となり、遊技者に対してより意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態ではタイミング演出(操作演出)に実行される遊技者に操作内容(成功回数)に基づいて、タイミング演出(操作演出)の演出態様を異ならせているが、それ以外にも、例えば、タイミング演出(操作演出)以外で実行される操作演出(例えば、大当たり遊技中のミニゲーム演出や、特別図柄変動中のリーチ演出)において、遊技者が第1枠ボタン22aを操作した操作履歴(操作回数、操作内容、操作結果)に基づいて、タイミング演出(操作演出)の演出態様を異ならせるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10で実行される様々な操作演出に対して意欲的に遊技を行わせることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、遊技者による操作手段(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)に対する操作結果に限ること無く、例えば、計時手段(RTC)により計時されている計時期間や、遊技者が遊技を行った遊技期間に基づいてタイミング演出(操作演出)の演出態様を切替えるように構成してもよい。
次に図18を参照して、盤面ユニット700(図2参照)に設けられたカバー部材710を内部が視認困難な遮蔽状態から、内部を視認可能な透過状態へと可変させる透過演出の内容について説明する。図18(a)は遮蔽状態を示す模式図であり、図18(b)は透過状態を示す模式図である。なお、上述した図4と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図18(a)に示す通り、カバー部材710は、盤面ユニット700の下流側(第1貯留弁770aより下流側)領域を全て覆うように取り付けられており、貯留用流路700e側以外はカバー部材710の内部を覗きこむことができないように取り付けられている。そして、貯留用流路700e側からカバー部材710の内部を覗き込もうとしても、貯留用流路700eの延長方向よりも下方に可動弁750を設けているため可動弁750の可動状況を視認することが出来ないように構成されている。さらに、第1貯留弁770aが突出位置に位置しているため、よりカバー部材710の内部を貯留用流路700e側から視認することが困難となる。このように構成することで、カバー部材710が内部を視認困難な遮蔽状態において、可動弁750の可動状況を把握させることを抑制することができる。
このように構成されたカバー部材710は、所定条件(例えば、貯留装置が解除状態となり球が流下した場合)が成立することに基づいて、透過用ランプ227ba〜227beが点灯し、図18(b)に示す通り、内部が視認可能となる透過状態へと切り替わるようハーフミラーで構成されている。よって、可動弁750付近を流下する球の流下状況を遊技者に把握させることができる。
なお、本実施形態では、遮蔽手段であるカバー部材710に対して、光(透過用ランプ)を照射することで、透過状態へと切替える構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、常時点灯している発光手段(LED)からカバー部材710に照射される光の入射角が切り替わるようにカバー部材710を可動可能に構成し、カバー部材710が所定位置に位置した場合にのみ内部が視認可能な透過状態となるように構成してもよい。
また、可動弁750を透明樹脂素材(例えば、ポリカーボネート、ABS等)で構成し、カバー部材710を内部が視認可能な透明色で構成し、その表面に、照射された光を乱反射させる加工(例えば、シボ加工)を施すように構成してもよい。これにより、パチンコ機10において遊技が実行されている間は装飾用ランプ227aから照射される光によってカバー部材710の内部を視認困難とし、パチンコ機10の電源をオフにした状態(即ち、装飾用ランプ227aが点灯していない状態)ではカバー部材710の内部を視認可能とするようにしてもよい。これにより、パチンコ機10の電源をオフにした状態であっても店員が容易にカバー部材710の内部を点検することができる。
このような構成を用いる場合は、装飾用ランプ227aから照射される光がカバー部材710に照射されることを遮蔽する遮蔽壁を設け、その遮蔽壁を遮蔽状態と非遮蔽状態とに可変させる構成を設けるとよい。これにより、遊技が行われている間であってもカバー部材710の内部を遊技者に視認させることができる。また、本第1実施形態同様に、カバー部材710に対して光を照射するための専用の発光手段(ランプ)を設け、その発光手段に対して発光制御を行うことで、カバー部材710の内部を視認困難な状態(光を照射している状態)と、視認可能な状態(光を照射していない状態)とを切替えるようにしてもよい。
さらに、内部が視認可能なカバー部材710に装飾用の可動部材を設け、その可動部材の動作を制御することで、カバー部材710の内部を視認可能な状態(装飾用の可動部材が可動弁750と重複しない位置で可動する状態)と、カバー部材710の内部を視認困難な状態(装飾用の可動部材が可動弁750を覆うように重複位置で可動する状態)とを切替えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図18(a)に示した通り、カバー部材710によって、盤面ユニット700の下流側を全て覆うように構成することで、カバー部材710が遮蔽状態の場合に可動弁750の可動状態が視認されることを確実に防止する構成としていたが、これに限られること無く、通常遊技を行っている姿勢で可動弁750の可動状態を視認し難くする効果を奏する構成であればよい。例えば、カバー部材710を可動弁750のみを覆う程度の大きさで構成してもよい。これにより、可動弁750の可動状態を視認し難くする構成を低コストで構築することができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図7に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図19参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図7、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図7、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図19を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図19は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図24参照)が設けられている。
ここで、図24を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たり(および小当たり)の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別(大当たり図柄)の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止種別の選択に使用する停止種別カウンタC3と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。また、小当たり種別の選択には、小当たり種別カウンタC5が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図33参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図42参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1入球口64に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄1保留球格納エリア203aと第2入球口640に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄2保留球格納203bとが設けられている。本実施形態では、第1入球口64、第2入球口640には、保留球が最大4個までそれぞれ設けられており、合計最大8個の保留球が記憶可能に構成されている。そのため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に、球が第1入球口64に入賞すると、各カウンタ値が特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、第2入球口640に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。その後、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値が特別図柄1保留球格納エリア203a内に設けられた実行エリアに移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。同様にして、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された各カウンタ値が特別図柄2保留球格納エリア203b内に設けられた実行エリアに移動されて、第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理が実行される。
一方、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、遊技球が第1入球口64または第2入球口640に入賞した場合には、入賞した入球口(始動口)に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、入賞した入球口に対応する特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに記憶される。また、入賞した入球口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、5個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、第1入球口64と第2入球口640とに対してそれぞれ4個としたが、これに限られず、4個より少なく(例えば3個)してもよいし、4個より多く(例えば、8個)してもよい。また、上限値を設けない構成としてもよい。
図24を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図33参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図42参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aに規定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、遊技状態が低確率遊技状態である場合には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるか判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、遊技状態が高確率遊技状態である場合には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1〜4」の範囲内であるか判別されて、「1〜4」の範囲内であれば、大当たりであると判別される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリア、または特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は1個あり、その乱数値である「0」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は4個あり、その乱数値である「1〜4」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が4なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/75」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、この第1当たり種別カウンタC2の値と第1当たり種別選択テーブル202b(図20(b)参照)とに基づいて、大当たり種別が選択されることとなる。具体的には図20(b)を参照して後述する。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄としてリーチが掛かっている図柄とは異なる図柄が停止する「リーチ外れ」(例えば90〜99の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、特別図柄の確変状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなると共に、「リーチ外れ」が90〜99と狭くなるため、「リーチ外れ」が選択され難くなる。また、特別図柄の低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなると共に、「リーチ外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜99と広くなる。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターン選択テーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図42参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図21、および図22参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、変動パターンを選択するためのデータテーブルが複数規定されている(図21(b)及び図22参照)。この変動パターン選択テーブル202dには、第1特別図柄と、第2特別図柄とで共通に用いられる複数の変動パターン選択テーブルが設定されており、それぞれに対して、当否判定結果別に変動パターン選択テーブルが設定されている。各変動パターン選択テーブルの詳細については、図21、および図22を参照して後述する。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図33参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普図実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図20参照)に規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cに規定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。例えば、この第2当たり乱数テーブル202cにおいて、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は5個あり、その範囲は「5〜9」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が5個なので、普通図柄の低確率時における普通図柄の当たりとなる確率は、「5/240」となる。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が200個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。このように、本実施形態では、普通図柄の当たりとなる乱数値が、普通図柄の低確率状態と、普通図柄の高確率状態とで大きく異なるため、当たり確率が大きく異なっている。また、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間も普通図柄の低確率時と高確率時とで異なっている。このため、普通図柄の低確率状態と、普通図柄の高確率状態とで、第2入球口640への入球し易さが大きく異なるので普通図柄の低確率状態(通常状態)においては、遊技者に対して第1入球口64を狙って遊技を行わせることができる。
普通図柄の低確率状態において、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜9」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640が「0.2秒間×2回」だけ開放される。一方、普通図柄の高確率状態において、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過すると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が1秒間実行され、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640が「1秒間×2回」だけ開放される。尚、本実施形態では、普通図柄の変動時間や、普通電動役物開放時間や開放回数については、遊技性を損なわない範囲で適宜変更してもよい。
普図変動種別カウンタCS2は、0〜99の範囲で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。スルーゲート67を遊技球が通過した場合に、この普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて、普通図柄の変動パターンが選択される。具体的には、普図変動種別カウンタCS2の値が0〜99の範囲(即ち、全範囲)で、変動時間が3秒の変動パターンが選択される。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図33参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図42参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図19に戻り、説明を続ける。RAM203は、図19に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図42参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図41参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図40参照)が即座に実行される。
次に、図20〜図23を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容について説明する。図20(a)は、本実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、既に上述した第1当たり乱数テーブル202aと、第2当たり乱数テーブル202cとに加え、第1当たり種別選択テーブル202bと、変動パターン選択テーブル202dと、可動弁動作シナリオ記憶領域202eと、可動弁動作シナリオテーブル202fとが少なくとも設けられている。
まず、図20(b)を参照し、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。第1当たり種別選択テーブル202b(図20(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図20(b)に示した通り、第1特別図柄(特別図柄1)に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。この大当たりAは、ラウンド数が16ラウンドである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりA」は、ラウンド数が最も多い大当たり種別の一つであって、その大当たり終了後に、普通図柄の時短状態が100回付与される。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜89」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB」は、ラウンド数が8ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は40個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は40%(40/100)である。この「大当たりB」は、「大当たりA」よりも少ないラウンド数である8ラウンドが設定されているが、大当たり終了後に確変状態が付与されるため、1回の大当たりによって得られる出玉の面では「大当たりA」よりも不利な大当たり種別となるが、次回の大当たりに当選するまで確変状態が継続するため、1回の大当たりが開始してから遊技状態が通常状態に戻るまでに遊技者が獲得可能な出玉(期待出玉)の面では「大当たりA」よりも有利な大当たり種別となる。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC」は、「大当たりA」と同様に、ラウンド数が16ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりC」は、「大当たりB」よりもラウンド数が多く、且つ、大当たり終了後に確変状態が付与される。よって、「大当たりA」や「大当たりB」よりも有利な大当たり種別となる。
一方、第2特別図柄に対しては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜59」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60〜99」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、大当たり終了後に付与される特典(普通図柄の時短状態または確変状態)の割合は同じ(1:1の割合)であるが、ラウンド数が16ラウンドの大当たりが付与される割合が、第2特別図柄のほうが多くなるように規定されている。
このように、本実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に対して、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合のほうが、遊技者に最も有利となる「大当たりC」が選択されやすくなる構成としている。よって、一旦連荘モード(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)が設定されると、右打ちにより第2入球口640へと入球させることにより、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる状態と、大当たりとが繰り返され易くなる。このため、遊技者に対して、連荘モードへと移行させることを一つの目的として遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図21、および図22を参照して、変動パターン選択テーブル202dの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202dは、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、変動表示の変動パターン(変動時間)を決定する乱数値が規定されている。
図21(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202dは、通常モードにおいて変動パターン(変動時間)を決定するための通常用テーブル202d1と、確変状態、および、普通図柄の時短状態(以下、時短状態と称す)において変動パターンを決定するための確変・時短用テーブル202d2と、大当たり終了後に100回の時短状態が付与される大当たり種別である「大当たりA」の大当たり終了後、特別図柄の変動回数が90〜110回目の変動パターン(変動時間)を決定するためのチャンス用テーブル202d3とが少なくとも含まれる。
まず、図21(b)を参照して、通常用テーブル202d1について説明する。図21(b)は、この通常用テーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。図21(b)に示した通り、通常用テーブル202d1は、特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
本実施形態では、特別図柄の種別(第1特別図柄、第2特別図柄)に係わらず共通の変動パターン(変動時間)が選択されるように規定されており、具体的に、停止種別として完全外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜98」の範囲に短外れ(5秒)の変動パターンが対応付けられ、「99〜198」の範囲に長外れ(10秒)の変動パターンが対応付けられている。また、特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別として外れリーチが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜159」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「160〜198」の範囲にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられている。また、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0〜50」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「51〜179」の範囲にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられ、「180〜198」の範囲にスペシャルリーチ各種(90秒)が対応付けられている。
次に、図22(a)を参照して、変動パターン選択テーブル202dに含まれる確変・時短用テーブル202d2の詳細について説明を行う。この確変・時短用テーブル202d2は、上述した通り、確変状態、および時短状態において変動パターンを決定するために用いられるテーブルである。
この確変・時短用テーブル202d2では、第1特別図柄と、第2特別図柄とで、同一の停止種別、同一の変動種別カウンタCS1の値となった場合に同一の変動パターン(変動時間)が決定されるように構成されている。具体的には、特別図柄の抽選が外れとなり、停止種別として完全外れが決定された場合、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」の範囲には短外れ(5秒)が対応付けられ、「191〜198」の範囲には長外れ(10秒)が対応付けられている。このように、確変状態や時短状態では、特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別として完全外れが決定された場合に、通常モード(通常状態)よりも短外れとなる割合が高くなる構成としている。これにより、通常モード(通常状態)よりも遊技者に有利な確変状態やや時短状態における遊技効率を向上させることができる。
また、特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別としてリーチ外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜198」の範囲(即ち、全範囲)にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられている。また、第1特別図柄の抽選で、外れの一種である小当たりとなった場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0〜198」の範囲(即ち、全範囲)にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられている。
一方、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0〜50」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「51〜179」の範囲にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられ、「180〜198」の範囲にスペシャルリーチ各種(90秒)が対応付けられている。
このように、確変・時短用テーブル202d2が設定される確変状態、時短状態では、通常モード(通常状態)と異なり、選択される変動パターンとして変動時間が短い変動パターンが選択されやすく規定されており、更に、第1特別図柄よりも遊技者に有利な大当たり(例えば、大当たりC)に当選しやすい第2特別図柄の抽選が実行されやすく構成されている。これにより、右打ちにより第2入球口640を狙って球を打ち出すことにより、第2特別図柄の抽選を効率よく実行させることができる。即ち、大当たりとなった場合に確変状態が付与され易い有利な状態となる。よって、大当たりとなることをより強く期待して遊技を行わせることができる。
次に、図22(b)を参照して、変動パターン選択テーブル202dに含まれるチャンス用テーブル202d3の詳細について説明を行う。このチャンス用テーブル202d3は、上述した通り、大当たり種別が「大当たりA」である場合に実行される大当たり終了後において、特別図柄の変動回数が所定回数(大当たり終了後90〜110回)である期間中の変動パターン(変動時間)が規定されているテーブルである。つまり、大当たり終了後に時短状態(特別図柄が100回変動するまでの期間)が付与される「大当たりA」において、その時短状態の終盤(大当たり終了後90〜100回)および時短状態から通常状態へと遊技状態が移行してからの序盤(大当たり終了後101〜110回)において、用いられるテーブルである。
具体的には、停止種別として完全外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜98」の範囲に短外れ(5秒)の変動パターンが対応付けられ、「99〜150」の範囲に長外れ(10秒)の変動パターンが対応付けられ、「151〜198」の範囲にチャンス外れ(50秒)の変動パターンが対応付けられている。また、特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別として外れリーチが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜150」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「151〜198」の範囲にチャンスリーチ各種(50秒)が対応付けられている。また、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0〜10」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「11〜179」の範囲にチャンスリーチ各種(50秒)が対応付けられ、「180〜198」の範囲にスペシャルリーチ各種(90秒)が対応付けられている。即ち、チャンス用テーブル202d3が参照される期間においては、大当たりに当選した場合に、最もチャンス変動が選択される割合が高くなるように設定している。これにより、チャンス変動に基づく変動表示が実行されることで、大当たりに対する期待と、特定一般入球口630へ球を入球させることに対する期待とを遊技者に持たせることができる。
上述したように、このチャンス用テーブル202d3では、特別図柄の抽選結果および停止種別の選択結果に係わらず、変動時間が50秒の特殊変動種別(チャンス変動種別)が選択可能に構成されている。詳細な説明は図58〜図60を参照して後述するが、このチャンス変動種別が選択された状態で、貯留用流路700eに球が貯留されている場合には、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作タイミングを示唆する操作演出が実行される。この操作演出において示唆される操作タイミングに合わせて第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、貯留用流路700eに貯留されている球を特定一般入球口630へと入球することが可能となる。
このように構成することで、遊技者に対して有利な右打ち遊技を提供可能な遊技状態(確変状態や時短状態)中に貯留用流路700e(貯留装置)に貯留された球を、通常状態において効率よく解除操作させることができる。また、本実施形態では、右打ち遊技が実行されている期間(時短遊技の終盤)においてもチャンス用テーブル202d3を用いて変動パターン(変動時間)が選択されるように構成している。これにより、時短回数が残り少なくなり、右打ち遊技中に大当たりに当選する期待度が低くなった状態であっても、特定一般入球口630に球を入球させ易くすることが可能となるため、遊技者に対して時短状態の最後まで遊技を意欲的に行わせることができる。
さらに、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、操作演出として、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで今回の抽選結果を報知するように構成している。このように構成することで、貯留装置の貯留状態を解除するための操作手段(第2枠ボタン(解除用ボタン)22b)を用いて、特別図柄の抽選結果を示唆(報知)する演出を実行することができ、遊技者に意外性を持たせた遊技を提供することができる。
なお、本実施形態では時短状態の終盤から通常状態の序盤に跨るようにチャンス用テーブル202d3が参照される期間を設定しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態の所定期間(例えば、時短残回数20〜10回)や、大当たりに当選することなく特別図柄の抽選回数が所定回数(例えば、600回)を超えた場合等にチャンス用テーブル202d3を用いて変動パターンが設定されるようにしてもよい、また、本実施形態のようにチャンス用テーブル202d3を設けずに、遊技状態に応じて用いられる各変動パターン選択テーブルにおいて、変動種別カウンタCS1の所定値にチャンス変動種別を対応付けるように規定してもよい。
次に、可動弁動作シナリオ記憶領域202eの詳細な内容について、図23(a)を参照して説明する。図23(a)は、可動弁動作シナリオ記憶領域202eの内容を模式的に示した模式図である。この可動弁動作シナリオ記憶領域202eは、可動弁750の動作制御に用いられる動作シナリオがシナリオ種別毎に記憶されている領域であって、この可動弁動作シナリオ記憶領域202eに記憶されている情報を用いて、電源立ち上げ処理時に設定されるシナリオ設定順に可動弁750が動作される。
具体的には、可動弁動作シナリオ記憶領域202eには、シナリオ種別として動作シナリオ1から動作シナリオ5が規定されている。動作シナリオ1は、シナリオ内容として「開放2秒→閉鎖0.1秒(1セット)×15回」が設定されており、31.5秒間の動作シナリオである。つまり、流下してきた球を特定一般入球口630へと誘導可能な期間(可動弁750が閉状態となる期間)が、2.1秒中0.1秒となるように可動弁750が可動動作されるシナリオである。この「閉鎖0.1秒」とは、タイミングよく球が可動弁750に到達した場合に特定一般入球口630へと誘導される期間であって、可動弁750を閉鎖するための可変動作を遊技者が視認してから第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作したとしても球が可動弁750に到達するまでには経過してしまう期間として設定されている。これにより、遊技者が可動弁750の動作状況を視認しながら第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作する行為を抑制することができる。
動作シナリオ2は、シナリオ内容として「開放5秒→閉鎖0.1秒(1セット)×6回」が設定されており、30.6秒間の動作シナリオである。この動作シナリオ2は、上述した動作シナリオ1と比較して可動弁750が開状態(開放)となる期間が長く設定されており、動作シナリオ1よりも遊技者に不利な動作シナリオである。また、動作シナリオ1と動作シナリオ2とでは、可動弁750が閉状態(閉鎖)となる期間が同一であることから、可動弁750が閉鎖している期間を遊技者が把握したとしても、次に可動弁750が閉鎖するタイミングを予測し難くさせることができる。
動作シナリオ3は、シナリオ内容として「開放4秒→((閉鎖0.1秒→開放0.2秒)×3)(1セット)×6回」が設定されており、29.4秒間の動作シナリオである。この動作シナリオ3は、上述した動作シナリオ1、動作シナリオ2とは異なり、可動弁750が閉状態(閉鎖)となる期間(0.1秒)が短期間(0.9秒間)で複数回(3回)設定される動作シナリオであり、特定一般入球口630に球を誘導し易い動作シナリオとなる。
動作シナリオ4は、シナリオ内容として「開放3秒→閉鎖0.5秒(1セット)×9回」が設定されており、31.5秒間の動作シナリオである。この動作シナリオ4は、上述した動作シナリオ1〜3に対して、可動弁750の閉状態(閉鎖)を維持する期間が長く(0.5秒間)設定されている。これにより、球を特定一般入球口630へ誘導するための第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作タイミングを広く設定することが可能となる。
このように、予め定められている可動弁750の動作内容を、遊技者に有利となる動作期間、不利となる動作期間で区分けして記憶させておくことで、現在実行されている(または、今後実行される)可動弁750の動作が遊技者に有利な動作か否かを容易に判別することができる。
図23(b)は、可動弁動作シナリオテーブル202fの内容を模式的に示した模式図である。この可動弁動作シナリオテーブル202fは、予め定められている順番で規定されている各シナリオ種別に対して、可動弁750を動作させる設定順情報が付与されている。主制御装置110のMPUでは、可動弁750の動作制御を実行する場合に、可動弁動作シナリオテーブル202fに規定されている内容に対応する情報を、可動弁動作シナリオ記憶領域202eから読み出して、可動弁750を可動させている。
この可動弁動作シナリオテーブル202fは、設定順「END」に対応する動作シナリオに基づく動作が終了した場合に、設定順「1」に対応する動作シナリオが実行されるようにループ処理が実行される。なお、本実施形態では、可動弁動作シナリオテーブル202fに予め設定順が記憶されているものを示しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、予め定められている複数のシナリオ種別の何れかを可動弁750の動作開始タイミングとして決定する手段を設け、動作開始タイミングに決定されたシナリオ種別に対して設定順「1」を設定し、以降、昇順で設定順を付与する構成としてもよい。これにより、可動弁750の動作を開始する場合に最初に実行される動作シナリオを異ならせることが可能となり、遊技者が可動弁750の動作を把握し難くすることができる。
加えて、可動弁動作シナリオテーブル202fに予め定められた順序で規定されている複数の動作シナリオをループして読み出せるように構成し、最初に読み出す動作シナリオ(即ち、設定順「1」が設定される動作シナリオ)の箇所を異ならせることにより、可動弁750の動作を開始する場合に最初に実行される動作シナリオを異ならせることが可能となり、遊技者が可動弁750の動作を把握し難くすることができるとともに、長期間で見た場合に、可動弁750の可変動作を公平に提供することができる。また、可動弁750の動作処理が複雑になることを抑制することができる。
次に、RAM203の詳細について、図25を参照して説明する。図25は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図25に示した通り、RAM203は、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変フラグ203g、時短中カウンタ203h、動作シナリオ格納エリア203i、動作カウンタ203j、解除フラグ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとを有している。この特別図柄2保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図36のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図34のS210参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図34のS211、図36のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄2保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図36のS410参照)。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図34のS205参照)。この特別図柄2保留球数カウンタ203eの値も、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図41のS1504参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図40のS1405参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図39のS705)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図39のS703:No)。
確変フラグ203gは、現在の遊技状態が特別図柄の確変状態(特別図柄の確変中)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203gがオンに設定されていると、遊技状態が特別図柄の確変状態であることを示し、オフであると特別図柄の低確率状態であることを示している。本実施形態では、大当たり種別が「大当たりB」または「大当たりC」である大当たり遊技終了時に、この確変フラグ203gがオンに設定される(図43のS1113参照)。また、確変フラグ203gは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、その大当たりの開始が設定される場合にオフに設定される(図34のS219参照)。なお、初期化された状態(即ち、RAM消去スイッチ122を押下した状態でパチンコ機10に対して電源が投入された状態)では、この確変フラグ203gがオフにリセットされ、通常の電源断が発生した場合には、電源の遮断が発生する直前の状態がバックアップされるように構成されている。
時短中カウンタ203hは、普通図柄の時短状態(時短状態)において、残りの時短期間(特別図柄の変動回数)をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203hは、大当たり種別が「大当たりA」である大当たり遊技終了時に、100が設定される(図43のS1112参照)。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変状態に設定されない場合には、100回の時短状態が付与される。
動作シナリオ格納エリア203iは、可動弁750の動作制御(図46のS1009参照)が開始された場合に、可動弁動作シナリオテーブル202fより動作シナリオを読み出して格納する領域である。この動作シナリオ格納エリア203iに格納された動作シナリオに基づいて可動弁750の動作制御が行われる。
動作カウンタ203jは、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)の動作制御を実行する際に用いられるカウンタである。貯留弁動作処理(図45のS1206参照)が実行される度に1加算され(S1302)、カウンタの値に基づいた動作制御が実行される。
解除フラグ203kは、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作されたことを判別するためのフラグであって、オンであれば、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作されたことを示し、オフであれば、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作されていないことを示す。この解除フラグ203kは、貯留制御処理(図44のS1008参照)において、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作されたと判別した場合に(図44のS1202:Yes)、オンに設定され、オンに設定されることで貯留弁動作処理(図45のS1206)が実行され、貯留弁動作処理(図45のS1206)が終了した場合に、オフに設定される(図45のS1309参照)。
残球タイマフラグ203mは、特定一般入球口630に球が正常に入賞しているかを判別するために実行される入賞処理(図47のS1010参照)において、オンに設定されるフラグであり(図47のS1504参照)、後述する残球タイマのカウントを開始させるために用いられる。
残球タイマ203nは、特定一般入球口630に球が正常に入賞しているかを判別するために実行される入賞処理(図47のS1010参照)において、正常の範囲を特定するためにカウントされるタイマである。この残球タイマ203nのカウント値が上限(1秒に対応する値)になっても、特定一般入球口630に球が入球しない場合にはエラーコマンドが設定される。
可動弁初回設定フラグ203pは、可動弁750の動作制御を開始させるためにオンに設定されるフラグであって、主制御装置110の立ち上げ処理(図41参照)において、可動弁の動作設定を行う際にオンに設定される(図41のS914参照)。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
図19に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、特定入賞口65aを閉鎖または開放するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209や、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aを駆動するための貯留弁ソレノイド770bや、可動弁750を突出(許容)または埋没(規制)するための可動弁ソレノイド751が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図7、122)回路253や貯留装置の貯留弁を解除する際に操作される第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが接続され、MPU201は各種スイッチ208や第2枠ボタン(解除用ボタン)22bから出力される信号や、RAM消去スイッチ(図7、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図40参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置227(装飾用ランプ227a、透過用ランプ227b、その他ランプ227c等)における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aなどがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aからの入力を監視し、遊技者によって第1枠ボタン(演出用ボタン)22aが操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について図26〜図27を参照して説明する。図26(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図26(a)に示した通り、ROM222は、変動パターン選択テーブル222aと、可動弁動作シナリオ222bと、楽曲情報格納エリア222cと、入球タイミング設定テーブル222dとを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
可動弁動作シナリオ222bは、主制御装置110によって動作制御される可動弁750の動作状況を音声ランプ制御装置113側でも把握するために設けられたものであって、主制御装置110のROM202に記憶されている可動弁動作シナリオ記憶領域202eおよび可動弁動作シナリオテーブル202fに格納されている情報が記憶されている領域である。
ここで、可動弁動作シナリオ222bの内容について、図27(a)を参照して説明する。図27(a)は、可動弁動作シナリオ222bの内容を模式的に示した模式図である。図27(a)に示す通り、可動弁動作シナリオ222bには、主制御装置110のROM202に記憶されている可動弁動作シナリオと同一の情報に、後述する可動弁動作カウンタ223tの値が対応付けられている。さらに、連続する複数のシナリオ種別に対してシナリオグループが設定されている。これにより、主制御装置110側から出力された可動弁状態コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置側でも可動弁の動作状況(現在の動作状況および今後の動作状況)を把握することができる。また、連続する複数のシナリオ種別に対して設定されるシナリオグループは、可動弁の動作状況が遊技者に有利な動作状況か否かを判別するために用いられるものである。
楽曲情報格納エリア222cは、操作演出に用いられる楽曲情報が格納されている領域であって、操作演出に用いられる楽曲に対して演出ポインタの表示位置を設定する際に参照されるものである。
ここで、楽曲情報格納エリア222cの内容について、図28を参照して説明する。図28は、楽曲情報格納エリア222cの内容を模式的に示した模式図である。図28に示す通り、楽曲情報格納エリア222cには、楽曲データ222c1と、楽曲データ222c1の音域を所定の閾値で区分けした音域種別毎に設定される音域種別データ(音域1データ222c2、音域2データ222c3)とが格納されている。
楽曲データ222c1は、操作演出で実行される(再生される)楽曲に関する情報(音階、テンポ等)であって、この情報に基づいた音域種別データ(音域1データ222c2、音域2データ222c3)が設定されている。
音域種別データ(音域1データ222c2、音域2データ222c3)は、楽曲データ222c1を複数の音域(音域1(高音域)と音域2(低音域))に区分けして設定される情報である。この情報には、操作演出で実行される楽曲のテンポに対応した位置(楽曲データ222c1の音階にて音符が記されている位置)が演出ポインタ表示可能領域として設定されている。このように、操作演出で用いられる演出ポインタの表示可能領域を楽曲データに対して予め設定しておくことで、操作演出に対して演出ポインタの表示位置を変更する場合に、操作演出にて実行(再生)される楽曲に対応した違和感の無いタイミングで演出ポインタを表示させることができる。
また、図28に示す通り、操作演出にて実行(再生)される楽曲では、音域1と音域2とで、記される音符の数が異なっているため、音域1データ222c2よりも音域2データ222c3に演出ポインタ表示可能領域が多く設定される。言い換えると、音域1データ222c2は音域2データよりも演出ポインタの表示可能領域が設定可能な間隔が広くなる。このように、操作演出にて実行(再生)される楽曲に対して、音域毎に演出ポインタ表示可能領域を設定可能とすることで、同一の楽曲を用いて異なる操作演出を実行することが可能となる。よって、遊技者に対して多彩な操作演出を提供するために必要なデータ量を削減することができる。
さらに、操作演出において、操作手段(第1枠ボタン22aや第2枠ボタン22b)を操作する間隔を遊技者が選択可能とする構成を用いる場合は、遊技者が選択した操作間隔に対応した音域種別データ(音域1データ222c2、音域2データ222c3)を用いて操作演出を実行するだけで遊技者の所望する操作演出を実行することができる。
なお、このように1つの楽曲データから複数の音域種別データを作成し、各音域種別データのうち選択された音域種別データに対応した操作演出を実行する場合には、選択された音域種別データに対応した音が操作手段を操作した場合に出力されるようにするとよい。これにより、1つの楽曲に対して音域種別を異ならせた操作演出を実行する場合に、遊技者の操作と操作演出とに一体感を持たせることができ。演出効果を高めることができる。
上述したように、本実施形態では、楽曲情報格納エリア222cに、1つの楽曲データ222c1に対して複数の音域種別データを(音域1データ222c2、音域2データ222c3)格納しているが、それ以外に、例えば、1つの楽曲データ222c1に対して、使用されている複数の楽器毎に種別データを設定したり、異なる複数のテンポ毎に種別データを設定したりしてもよい。
次に、図26(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図26(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、コマンド記憶領域223aと、第1特別図柄保留球数カウンタ223bと、第2特別図柄保留球数カウンタ223cと、普通図柄保留球数カウンタ223dと、変動開始フラグ223eと、停止種別選択フラグ223fと、演出カウンタ223gと、ラウンド数累積カウンタ223hと、確変状態フラグ223iと、時短状態カウンタ223jと、貯留状態フラグ223kと、貯留上限フラグ223mと、球通過フラグ223nと、解除操作フラグ223pと、解除状態フラグ223qと、演出一時記憶エリア223rと、可動弁状態格納エリア223sと、可動弁動作カウンタ223tと、可動弁初回フラグ223uと、閉鎖タイミング格納エリア223vと、タイミング演出設定フラグ223wと、演出実行中フラグ223xと、押下期間情報格納エリア223yと、難易度格納エリア223aaと、難易度選択フラグ223abと、球通過情報格納エリア223acと、入球タイミング格納エリア223adと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図50参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ223bが、第1特別図柄(特別図柄1)の抽選に基づく変動演出の保留球数に対応し、第2特別図柄保留球数カウンタ223cが、第2特別図柄(特別図柄2)の抽選に基づく変動演出の保留球数に対応する。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する(図50のS2211参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
普通図柄保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値が増減した場合に設定されるコマンドを受信した場合に、受信したコマンドの内容に対応させて値を増減させるカウンタであって、主制御装置110側で管理している普通図柄の保留球数と音声ランプ制御装置113側で管理している普通図柄の保留球数とを同期させるために用いられるものである。この普通図柄保留球数カウンタ203fの値は、例えば、第3図柄表示装置81にて普通図柄の保留球数を表示する場合に用いられる。なお、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を第3図柄表示装置81にて表示させる場合の詳細な内容については、上述した特別図柄の保留球数を第3図柄表示装置81に表示させる場合と同様であるため、その説明については省略する。
変動開始フラグ223eは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図50のS2202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図55のS2702参照)。変動開始フラグ223eがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図49参照)のコマンド出力処理(S2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223fは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図50のS2205参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図55のS2710参照)。停止種別選択フラグ223fがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
演出カウンタ223gは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ223gは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、メイン処理(図49参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。なお、この演出カウンタ223gは、図示しない複数のカウンタを有しており、1回のループ処理内において複数のカウンタ値を参照して演出のパターンを決定する場合には、夫々異なるカウンタの値が用いられる。これにより、1つの演出パターンを設定する際に、同一のカウンタ値が複数箇所で用いられることが無くなるため、設定される演出パターンの偏りを抑制することができる。なお、同一のカウンタから取得した値に対して異なる処理を施した上で算出された各値を用いて演出パターンを設定するように構成してもよい。具体的には、演出パターンのうち、一の選択では取得した値の一の位を参照し、他の選択では取得した値の十の位を参照し、さらに他の選択では取得した値の一の位を3倍にした値と十の位を5倍にした値とを乗じ、得られた値の一の位を参照するようにしてもよい。このように構成することで、演出パターンを設定する際に用いられるカウンタの数を減らしながらも、設定される演出パターンの偏りを抑制することができる。
ラウンド数累積カウンタ223hは、大当たり遊技中のラウンド数をカウントするためのカウンタであって、主制御装置110から送信されるラウンド数コマンドを受信した場合に、そのコマンドに対応した値に更新され(図53のS2504)、大当たりエンディング演出処理においてカウンタの値が0にリセットされる(図53のS2513)。音声ランプ制御装置113において、このラウンド数累積カウンタ223hに基づいて、表示用ラウンド数コマンドが設定される(図54のS2611,S2614)。
確変状態フラグ223iは、パチンコ機10の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグである。この確変状態フラグ223iがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、オフであれば特別図柄の低確率状態であることを示す。この確変状態フラグ223iは、主制御装置110より出力される状態コマンドの通知内容に合わせて更新される。この確変状態フラグ223iの状態に応じて現在が特別図柄の確変状態であるか否かを判別し、対応する演出を設定する。より具体的には、特別図柄の確変状態において表示される右打ちナビ画像を表示させるか否かを判別したり、通常状態において右打ち遊技を実行した場合に右打ち警告画像を表示させるか否かを判別したりする。
時短状態カウンタ223jは、パチンコ機10の遊技状態が普通図柄の時短状態であるか否かを示すフラグである。この時短状態カウンタ223jがオンであれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、オフであれば普通図柄の通常状態(低確率状態)であることを示す。この時短状態カウンタ223jは、主制御装置110より出力される状態コマンドの通知内容に合わせて更新される。この時短状態カウンタ223jの状態に応じて現在が普通図柄の時短状態であるか否かを判別し、対応する演出を設定する。より具体的には、普通図柄の時短状態において表示される右打ちナビ画像を表示させるか否かを判別したり、通常状態において右打ち警告画像を表示させるか否かを判別したりする。
貯留状態フラグ223kは、貯留用流路700eに球が貯留されていることを判別するためのフラグであって、貯留用流路700eに設けられている貯留検知センサS2の検知結果に基づいた設定がなされる。この貯留状態フラグ223kがオンであれば、貯留用流路700eに球が貯留されていることを示し、オフであれば、貯留用流路700eに球が貯留されていないことを示す。この貯留状態フラグ223kは、貯留状態監視処理(図57のS2116参照)において、貯留検知センサS2が球を検知していると判別した場合にオンに設定され(図57のS2853参照)、貯留検知センサS2が球を検知していないと判別した場合にオフに設定される(図57のS2855)。そして、変動表示設定処理(図55のS2114参照)において、チャンスパターンの変動パターンを取得した場合に(図55のS2704:Yes)、参照される(図55のS2705)。ここで、貯留状態フラグ223kがオンに設定されている場合は(図55のS2705:Yes)、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる演出(図13参照)が実行される。
貯留上限フラグ223mは、貯留用流路700eに貯留されている球が上限数(本実施形態では5個)に到達していることを判別するためのフラグであって、貯留用流路700eに設けられている貯留上限センサS1の検知結果に基づいた設定がなされる。この貯留上限フラグ223mがオンであれば、貯留用流路700eに上限数の球が貯留されていることを示し、オフであれば、貯留用流路700eに上限数の球が貯留されていないことを示す。この貯留上限フラグ223mは、貯留状態監視処理(図57のS2116参照)において、貯留上限センサS1が球を検知していると判別した場合にオンに設定され(図57のS2858参照)、貯留上限センサS1が球を検知していないと判別した場合にオフに設定される(図57のS2862)。そして、大当たり中演出処理(図54のS2504参照)において、所定のラウンド(本実施形態では7or15ラウンド)に突入した場合に(図54のS2605:yes)、参照される(図54のS2606)。ここで、貯留上限フラグ223mがオンに設定されている場合は(図54のS2606:Yes)、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる演出(図11参照)が実行される。
球通過フラグ223nは、球が盤面ユニット700内の所定領域(第1球通過センサS3が設けられている領域)を通過したことを判別するためのフラグである。この球通過フラグ223nがオンであれば球が所定領域を通過したことを示し、オフであれば、球が所定領域を通過していない(球が所定領域を通過してから所定期間(例えば、1秒)が経過)していることを示す。この球通過フラグ223nは、球通過監視処理(図56のS1815参照)において、第1球通過センサS3(図3参照)が球の通過を検知した場合にオンに設定され(図56のS2804)、同じく球通過監視処理(図56のS1815参照)において、球通過フラグ223nがオンに設定されてから所定期間以内に特定一般入球口630への入球があった場合(図56のSS2806:Yes)、第2球通過センサS4が球を検知した場合(図56のS2807:Yes)、或いは、所定期間が経過した場合(図56のS2808:Yes)にオフに設定される(図56のS2813)。
解除操作フラグ223pは、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作されたか否かを判別するフラグである。この解除操作フラグ223pがオンであれば、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作されたことを示し、オフであれば、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作されていないことを示す。この解除操作フラグ223pは、コマンド判定処理(図50のS2113参照)において、解除操作コマンドを受信した場合(図50のS2218参照)にオンに設定され(図50のS2219参照)、貯留装置関連処理(図52のS2217参照)において、閉鎖(非解除)状態を示すコマンドを受信した場合(図52のS2404:Yes)に、オフに設定される(図52のS2406参照)。
解除状態フラグ223qは、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)が開放(解除)状態であるか否かを判別するフラグである。この解除状態フラグ223qがオンであれば、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)が開放(解除)状態であることを示し、オフであれば、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)が閉鎖(非解除)状態であることを示す。この解除状態フラグ223qは、コマンド判定処理(図50のS2113参照)において、貯留装置関連コマンドを受信した場合(図50のS2216:Yes)に実行される貯留装置関連処理(図52のS2217参照)で開放状態コマンド(解除状態に対応する貯留状態コマンド)を受信した場合(図52のS2401:Yes)にオンに設定され(図52のS2402参照)、閉鎖状態コマンド(非解除状態に対応する貯留状態コマンド)を受信した場合(図52のS2404:Yes)に、オフに設定される(図52のS2405参照)。この解除状態フラグ223qがオンに設定されると、球通過監視処理(図56のS2115参照)が実行され、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)に貯留された球の流下状況が監視される。
演出一時記憶エリア223rは、設定された演出内容をその演出が実行されるまで一時的に記憶させるための領域であって、例えば、大当たり中に実行されるタイミング演出(操作演出)の演出態様を設定するタイミング(7又は15ラウンド目)から大当たり中にタイミング演出(操作演出)を実行するタイミング(8又は16ラウンド目)までの期間、タイミング演出(操作演出)の内容が一時的に記憶される。この演出一時記憶エリア223rは、タイミング演出共通設定処理(図62のS3105参照)において、今回設定される演出が大当たり中に実行されるタイミング演出(操作演出)であると判別した場合(図62のS3210:Yes)、設定された演出態様を記憶し(図62のS3214参照)、大当たり中演出処理(図54のS2504参照)において、タイミング演出(操作演出)が実行されるラウンド(8又は16ラウンド)が実行される場合に(図54のS2609:Yes)、読み出される(図54のS2611)。
可動弁状態格納エリア223sは、音声ランプ制御装置113側で可動弁750(図3参照)の動作状況を把握するための情報が格納される領域であって、後述する可動弁動作カウンタ223tの値に対応して可動弁750の動作状況が随時更新される。この可動弁状態格納エリア223sは、可動弁状態コマンド処理(図51のS2215参照)において、初回情報を含む可動弁状態情報を受信した場合に(図51のS2302:Yes)、可動弁動作シナリオ222bの情報が格納され(図51のS2303参照)、可動弁動作カウンタ223tの値に基づいて可動弁750の動作状態が更新される。この可動弁状態格納エリア223sに格納される情報は、主制御装置110から可動弁状態コマンドを受信する毎に可動弁状態コマンドの内容と一致しているかの判別が行われる(図51のS2309)。また、可動弁状態格納エリア223sに格納された情報に基づいて、可動弁閉鎖タイミングが閉鎖タイミング格納エリアに格納される(図51のS2306参照)。
可動弁動作カウンタ223tは、音声ランプ制御装置113側で可動弁750(図3参照)の動作状況を把握するために用いられるカウンタであって、可動弁状態格納エリア223sに格納された可動弁動作シナリオ情報を更新するためのものである。この可動弁動作カウンタ223tは、可動弁状態コマンド処理(図51のS2215参照)において、可動弁動作シナリオが可動弁状態格納エリア223sに設定された場合(図51のS2303参照)に「1」の値が設定され(図51のS2304)、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図49参照)において実行される可動弁動作カウンタ更新処理(図64のS2112)が実行される度にカウンタの値が「1」加算される(図64のS3403)。また、カウンタの値が上限に到達している場合には、再度カウンタの値が「1」に設定される(図64のS3404)。このように、定期的(1ms)に実行される処理(メイン処理)において可動弁動作カウンタ223tの値を更新することで、音声ランプ制御装置113側で可動弁750の動作状況を適切に管理することができる。
可動弁初回フラグ223uは、パチンコ機10に電源が投入された直後の状態であることを判別するためのフラグであって、可動弁状態格納エリア223sに可動弁動作シナリオを初期設定する状態であるかを判別するために用いられるものである。この可動弁初回フラグ223uがオンであればパチンコ機10に電源が投入された直後の状態であることを示し、オフであればパチンコ機10に電源が投入された直後ではないことを示す。この可動弁初回フラグ223uは、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図48参照)においてオンに設定され(図48のS2013参照)、可動弁状態コマンド処理(図51参照)において参照され(図51のS2301)、可動弁動作シナリオを可動弁状態格納エリア223sに設定した後にオフに設定される(図51のS2305)。また、可動弁初回フラグ223uがオンに設定されているにも係わらず、主制御装置110から受信した可動弁状態コマンドに初回情報が含まれていない場合は、エラーコマンドが設定される(図51のS2307参照)。
閉鎖タイミング格納エリア223vは、可動弁750の閉鎖タイミングを格納するための領域であって、可動弁状態格納エリア223sに設定された情報に基づいて、可動弁750が閉鎖するタイミング(即ち、球が特定一般入球口630に入球するタイミング)が格納されるものである。この閉鎖タイミング格納エリア223vは、可動弁状態コマンド処理(図51のS2215参照)において、主制御装置110から初回情報を含む可動弁状態コマンドを受信し(図51のS2302:Yes)、可動弁状態格納エリア223sに可動弁動作シナリオが設定された場合に、その可動弁動作シナリオに基づいて可動弁の閉鎖タイミングを算出され、その算出された閉鎖タイミングが格納される(図51のS2306)。この閉鎖タイミング格納エリア223vに格納される閉鎖タイミングは、タイミング演出(操作演出)における演出ポインタを設定する際に参照される。
タイミング演出設定フラグ223wは、遊技者に操作手段(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)を操作させる演出を実行するタイミング演出(操作演出)を実行するかを判別するためのフラグであって、オンであれば、タイミング演出(操作演出)を実行する条件が成立していることを示し、オフであれば、タイミング演出(操作演出)を実行する条件が成立していないことを示す。なお、本実施形態では、タイミング演出(操作演出)を実行する条件として、特定の変動パターン(チャンス変動種別)が選択され、且つ、貯留用流路700eに球が貯留されている状態、または、大当たり遊技中の所定ラウンド(8R、16R)が開始される状態、が設定されている。
このタイミング演出設定フラグ223wは、変動表示設定処理(図55のS2114参照)において、取得した変動パターンがチャンスパターン(チャンス変動種別を示す変動パターン)であり(図55のS2704:Yes)、貯留状態フラグ223kがオンであると判別した場合(図55のS2705:Yes)に、オンに設定される。また、当たり関連処理(図53のS2221)において、7または15ラウンド終了を示すインターバルコマンドを受信し(図53のS2507:Yes)、貯留上限フラグ223mがオンであると判別した場合(図53のS2508:Yes)に、オンに設定される。
そして、タイミング演出設定フラグ223wがオンに設定されると、タイミング演出設定処理(図60のS2111参照)において、タイミング演出(操作演出)が設定される(図60のS3102〜S3105参照)。そして、今回設定されたタイミング演出(操作演出)が特別図柄変動中に実行されるものである場合は、タイミング演出共通設定処理(図62のS3105参照)において、表示用タイミング演出コマンドを設定した後(図62のS3211参照)に、オフに設定され(図62のS3213)、今回設定されたタイミング演出(操作演出)が大当たり遊技中に実行されるものである場合は、大当たり中演出処理(図54のS2504参照)において、タイミング演出(操作演出)が実行されるラウンドが開始され(図54のS2609:Yes)、表示用演出ラウンドコマンドを設定した後(図54のS2611参照)に、オフに設定される(図54のS2613)。
演出実行中フラグ223xは、タイミング演出(操作演出)が実行されているかを判別するためのフラグであって、オンであればタイミング演出(操作演出)が実行されていることを示し、オフであればタイミング演出(操作演出)が実行されていないことを示す。この演出実行中フラグ223xは、操作手段(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)に対する操作がタイミング演出(操作演出)に基づく操作であるかを判別する際に参照される。この演出実行中フラグ223xは、タイミング演出共通設定処理(図62のS3105参照)において、表示用タイミング演出コマンドを設定した後(図62のS3211参照)に、オンに設定される(図62のS3212)。また、大当たり中演出処理(図54のS2504参照)において、タイミング演出(操作演出)が実行されるラウンドが開始され(図54のS2609:Yes)、表示用演出ラウンドコマンドを設定した後(図54のS2611参照)に、オンに設定される(図54のS2612612)。そして、設定されたタイミング演出(操作演出)が終了した場合にオフに設定される。
押下期間情報格納エリア223yは、タイミング演出(操作演出)において表示されるポインタ(演出ポインタ、当たり用ポインタ)の表示タイミングに対応するように設定される操作手段(第1枠ボタン22aまたは第2枠ボタン22b)の操作タイミングを格納する領域である。この押下期間情報格納エリア223yは、タイミング演出共通設定処理(図62のS3105参照)において、設定された表示ポインタ(演出ポインタ、当たりポインタ)に対応させて成功押下期間が設定される(図62のS3209参照)。ここで設定された成功押下期間は、枠ボタン入力監視・演出処理(図59のS2107参照)において、枠ボタン(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)が押下されたタイミングが成功押下期間であるかを判別するために参照される(図59のS3005,S3006参照)。
難易度格納エリア223aaは、遊技者の選択したタイミング演出(操作演出)の難易度情報を格納するための領域である。この難易度格納エリア223aaには、枠ボタン入力監視・演出処理(図59のS2107参照)において選択された難易度情報が格納される(図59のS3012参照)。この難易度格納エリア223aaに格納された情報は、対応するタイミング演出の演出態様を設定する際に参照され(図61(a)のS3133)、対応するタイミング演出(操作演出)の終了とともにクリアされる。
難易度選択フラグ223abは、タイミング演出(操作演出)における難易度を選択する演出が実行されているか(難易度を選択可能なタイミングであるか)を判別するためのフラグであって、オンであれば難易度を選択可能なタイミングであることを示し、オフであれば難易度を選択可能なタイミングではないことを示す。この難易度選択フラグ223abは、操作手段(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)に対する操作が難易度を選択する演出に基づく操作であるかを判別する際に参照される。この難易度選択フラグ223abは、大当たり中演出処理(図54のS2504参照)において、1ラウンド目が開始されたと判別した場合(図54のS2602:Yes)にオンに設定され、1ラウンド目が終了したと判別した場合(図54のS2602:No)にオフに設定される。
球通過情報格納エリア223acは、貯留用流路700eに貯留されていた球が特定一般入球口630または盤面ユニット700の流出口700bを通過するまでの通過期間を示す情報を格納するための領域である。この球通過情報格納エリア223acに格納される通過期間を示す情報に基づいて、タイミング演出(操作演出)においてポインタ(演出ポインタ)が表示される位置が補正される。この球通過情報格納エリア223acは、球通過監視処理(図56のS2115参照)において算出された通過期間を示す情報が格納され(図56のS2812)、タイミング演出補正処理(図63のS3106参照)において参照される(図63のS3301参照)。なお、この球通過情報格納エリア223acは、通過期間を示す情報が複数(例えば、1000回分)格納可能に構成されている。よって、複数回算出された通過期間を用いて、タイミング演出(操作演出)を補正することが可能となるため、例えば、不測の動きをした球が発生したことに基づいて演出内容が補正されることが無く、適正なタイミング演出(操作演出)を設定することができる。
なお、本実施形態では球通過情報格納エリア223acをRAM223に設けているが、例えば、パチンコ機10の電源を落としても情報を保持可能な記録媒体に球通過情報格納エリア223acを設けるように構成してもよい。
入球タイミング格納エリア223adは、球通過監視処理(図56のS2115参照)において算出された通過期間に基づいて、タイミング演出補正処理(図63のS3106参照)にて設定される入球タイミングを格納するための領域である。この入球タイミング格納エリア223adに格納された入球タイミングに基づいて、タイミング演出(操作演出)の演出態様(演出ポインタ)の設定が行われる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に、図29を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図29は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図65のS5001参照)の終了後に実行される初期化処理(図65のS5002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図32参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図67(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、および第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図65のS5003,S5004参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、電源投入時変動画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図29に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。背面画像とは、主図柄(第3図柄)の背面側に表示される画像であり、例えば、街や海、空等が表示される。また、右打ちナビ画像(図11(a)参照)等も背面画像として背面画像エリア235cに格納されている。
第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、オープニングデータ転送フラグ233i、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aが開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態(大当たり状態)の終了を遊技者に報知することを遊技者に報知するための演出である。
デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図30を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図30は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図30の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図32参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図31を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図31は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図31のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図31のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図31の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図32参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図31の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図65参照)の中でオンに設定される(図65のS5005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図76(b)のS6605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図67(b)のS5301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図67(b)のS5308参照)および簡易表示設定処理(図67(b)のS5309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図68〜図72参照)および表示設定処理(図73〜図75参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図76(a)のS6501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図76(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図77参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図32参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図32参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図32参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図67(b)のS5303参照)の中で、ポインタ更新処理(図73のS6205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図32参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図32を参照して、描画リストの詳細について説明する。図32は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図32に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図67(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図73のS6207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図65のS5002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図77参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図77のS6713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図77のS6714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図78のS6802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図67(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図78のS6802参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図33から図47のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図33は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では300)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、300,99,239,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図34〜図37を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、および、スルーゲート通過処理の詳細は、それぞれ図38、および図39を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図34を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図34は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図33参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図42参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにそれぞれ格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図35を参照して後述する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得し(S208)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいかを判別する(S209)。S209の処理により、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合は(S209:No)、本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でないと判別された場合は(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトし(S212)、処理をS213へと移行する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S214の処理において、変動時間が経過したと判別された場合は(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図35を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるか、大当たりCとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBである場合には、赤色のLEDを点灯させる。また、大当たりCである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には緑色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S217)、その後、大当たりの開始を設定する(S218)。なお、開放シナリオとは、具体的には、特定入賞口65aの開放パターンの設定を示す。つまり、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドにおいて、所定期間(30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)特定入賞口65aが開放されるように設定し、12ラウンドにおいて、大当たり種別に応じたパターン(図16参照)で特定入賞口65aが開放されるように設定することを示す。S218の処理が終了すると、確変フラグ203gをオフに設定する(S219)。次に、時短中カウンタ203hを0に設定し(S220)、S221の処理へ移行する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が外れであれば(S216:No)、時短中カウンタ203hの値が1以上であるか判別し(S222)、値が1以上でない(即ち、0である)と判別された場合には(S222:No)、S221の処理へ移行する。一方、時短中カウンタ203hが1以上であると判別された場合には(S222:Yes)、時短中カウンタ203hの値を1減算する(S223)。次いで、時短中カウンタ203hの値が0であるか判別し(S224)、0より大きいと判別された場合には(S224:No)、S221の処理へ移行する。一方、時短中カウンタ203hが0であると判別された場合には(S224:Yes)、S221の処理へ移行する。
S221の処理では、停止コマンドを設定する(S221)。そして、本処理を終了する。
次に、図35を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図35は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図33参照)の特別図柄変動処理(図34参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203gがオンであるかを判別し(S302)、オンであれば(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を第1当たり乱数テーブル202aより取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202aに規定された10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
なお、本実施形態では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を共通にしているが、特別図柄1の抽選か、特別図柄2の抽選かに応じて異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本実施形態では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を同じ個数に設定しているが、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで大当たりとなる判定値の個数を異ならせてもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
一方、S302の処理において、確変フラグ203gがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率遊技状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「200」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、この当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303、またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、大当たりを示す大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、3種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、および、大当たりC)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、および、大当たりC)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、および、大当たりC)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値と、変動時間との関係は、変動パターン選択テーブル20dに規定されている。
この変動パターン選択テーブル202dに規定されている変動パターンとしては、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「チャンス外れ」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れチャンスリーチ」各種が規定されている。また、大当たりA・大当たりB・大当たりC共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用チャンスリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、リーチ外れであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306、またはS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンド、および停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図42参照)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。図36は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図33参照)の中で実行され、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図42参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理において更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S407〜S412の各処理では、S401〜S406の各処理と同様の処理が第2入球口640の入賞に対して実行される。S407〜S412の各処理では、第2入球口640の入賞に対応する保留球を保留する処理が実行される点が異なっているのみであり、その他の処理についてはS401〜S406の各処理と同一であるので、その詳細な説明は省略する。また、S407〜S412の各処理が終了すると、先読み処理を実行し(S413)、本処理を終了する。
次に、図37を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される先読み処理(S413)について説明する。図37は、この先読み処理(S413)を示すフローチャートである。この先読み処理(S413)は、始動入賞処理(図36参照)の中で実行される。
この先読み処理では、まず、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞があるかどうか判定し(S501)、第1入球口64、および第2入球口640のいずれにも新たな入賞がない場合は(S501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64、または第2入球口640に新たな入賞があると判別した場合(S501:Yes)、変動開始時の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを判定し(S502)、特別図柄の確変状態であれば(S502:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(S503)、処理をS505へと移行する。
S502の処理において、遊技状態が特別図柄の確変状態でないと判別した場合は(S502:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(S504)、処理をS505へと移行する。S505の処理では、大当たりの判定結果である第1当たり種別カウンタC2と停止種別選択カウンタC3の各値を特別図柄保留球格納エリアに格納する(S505)。次に、大当たり判定結果を含む入賞情報コマンドを設定し(S506)、この処理を終了する。
次に、図38を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図38は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図33参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判定し(S608)、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S608:Yes)、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S609)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図20(c)の202c2参照)。
S608の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S608:No)、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図20(c)の202c1参照)。
次に、S609またはS610の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S611)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S611:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S612)。このS612の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S613)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S613:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S614)、S617の処理へ移行する。S613の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S613:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S615)、S617の処理へ移行する。
S611の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S611:No)、外れ時の表示態様を設定する(S616)。このS616の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S617の処理へ移行する。
S617の処理では、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S617)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S617:Yes)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を1秒間に設定して(S618)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S617:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S619)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→1秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S618の処理またはS619の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S612の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S616の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図42参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S612の処理またはS616の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図42参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S614の処理またはS615の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図39のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図39は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図33参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103の処理において更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。なお、S705の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図40のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。このNMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始する。
次に、図41を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図41は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。この初期設定処理では、例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図7参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS910へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS910へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS910へ移行する。なお、図42のS1017の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S910の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S910)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S911,S912)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S911,S912)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S911,S912)を実行する。RAMの初期化処理(S911,S912)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S911)、その後、RAM203の初期値を設定する(S912)。RAM203の初期化処理の実行後は、第1貯留弁770a、および、第2貯留弁771aの閉鎖を設定する(S913)。つまり、RAM203が初期化された場合には、必ず、貯留装置(第1貯留弁770a、および、第2貯留弁771a)が閉状態(即ち、貯留用流路700e(図3参照)を球が通過出来ない状態)となるように設定される。これにより、RAM203が初期化された状態においては、貯留装置(第1貯留弁770a、および、第2貯留弁771a)が常に一定の状態とすることができ、且つ、特定一般入球口630に球が入球し難い状態とすることができる。よって、RAM203を初期化した後の遊技状態を適正化することが出来るとともに、RAM203を初期化し、不正に特定一般入球口630へ球を貯留させる行為を防止することができる。
S912の処理を終えると、次に、可動弁750の動作を設定する(S914)。このS914の処理では、可動弁750の動作制御を開始するための可動弁初回設定フラグ203pがオンに設定される。可動弁初回設定フラグ203pがオンに設定されることで、後述する主制御装置110のメイン処理(図42参照)の可動弁制御処理(図42のS1009参照)において、可動弁750の動作制御が開始される。なお、本実施形態では、立ち上げ処理のS914の処理において可動弁初回設定フラグ203pがオンに設定されるが、例えば、立ち上げ処理が実行される度に可動弁初回設定フラグ203pがオンに設定されるタイミングを異ならせるように構成してもよい。
このように構成することで、立ち上げ処理が実行される度に可動弁の動作制御が開始されるタイミングを異ならせることができる。よって、パチンコ機10の電源を立ち上げてからの経過期間を基に可動弁750の動作状況が把握されることを防止することができる。また、このように可動弁初回設定フラグ203pをオンに設定するタイミングを異なる構成を用いる場合、例えば、RAM203を初期化した際には同一のタイミングで可動弁初回設定フラグ203pがオンに設定されるようにするとよい。
なお、上述した可動弁初回設定フラグ203pをオンに設定するタイミングを異ならせる方法としては、例えば、可動弁初回設定フラグ203pをオンに設定するタイミングを遅延させる遅延タイマを設け、立ち上げ処理において遅延タイマを実行させる処理を行えば良い。そして、その遅延タイマに設定される遅延期間は、主制御装置110に設けられた各種カウンタの値を用いたり、随時更新される記憶領域に記憶されている情報を用いたり、遅延期間を抽選で決定する抽選手段を設けたりすればよい。S914の処理が終了すると、S915の処理へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S915の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S915の処理では、音声ランプ制御装置113に対して、電源復帰時の遊技状態を通知するためのコマンド(状態コマンド)を出力する(S915)。この状態コマンドは、特別図柄の確変状態であるか否かや、普通図柄の時短状態であるか否か、普通図柄の時短回数等を通知するためのコマンドである。時短中カウンタ203hの値や、確変フラグ203gの状態に応じて状態コマンドが生成され、音声ランプ制御装置113に対して出力される。この状態コマンドを出力することにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで遊技状態の認識を一致させることができる。よって、特別図柄の低確率状態であるにもかかわらず、右打ちナビ(図5(a)参照)が表示されてしまったり、逆に、特別図柄の確変状態であるにも関わらず、遊技者が右打ちを行った場合に右打ち警告画像(図5(b)参照)が表示されてしまったりすることを防止(抑制)することができる。即ち、遊技状態と実行される演出とを合致させることができる。
S915の処理が終了すると、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(S916)。次いで、割込みを許可して(S917)、後述するメイン処理に移行する。
以上、説明したように、本実施形態では、RAM203が初期化されていない場合は、RAM203にバックアップされたデータが保持されているため、詳細な説明は省略したが、貯留装置(第1貯留弁770a、および、第2貯留弁771a)および可動弁750に対して、電源がオフになる前の状態から継続した動作制御が実行される。よって、ノイズ等によって一時的に電源がオフされた場合に遊技者に違和感を与えることなく継続して遊技を実行することができる。
なお、立ち上げ処理が実行される場合に、貯留装置(第1貯留弁770a、および、第2貯留弁771a)および可動弁750に対する動作制御の設定として、本実施形態とは異なる次の制御を実行してもよい。まず、立ち上げ処理を実行して、今回の処理が、RAM203が初期化された状態か否かを判別し、初期化されていないと判別した場合には、正常に電源がオフされたか否かを判別する。これにより、立ち上げ処理が実行された際の状態を、初期化状態、通常電源オン状態、異常電源オン状態の何れであるかを特定する。
そして、異常電源オン状態の場合は、ノイズ等による一時的な電断状態(瞬電状態)であるため、RAM203にバックアップされたデータを用いて、電源がオフになる前の状態から継続した動作制御処理を実行する。次に、通常電源オン状態の場合は、本実施形態で上述したRAM203が初期化された場合に実行される処理と同一の処理を実行する。最後に、初期化状態である場合には、貯留装置(第1貯留弁770a、および、第2貯留弁771a)が閉状態(即ち、貯留用流路700e(図3参照)を球が通過出来ない状態)となるように設定し、可動弁750を、特定のタイミング(例えば、遅延期間0秒)で、且つ、可動弁動作シナリオテーブル202fの特定箇所(例えば、先頭に格納されている箇所)から動作制御が開始されるように処理を実行するとよい。
これにより、異常電源オン状態の場合は、遊技者に違和感を与えることなく継続して遊技を実行することができ、通常電源オン状態の場合は、立ち上げ処理が実行される度に可動弁の動作制御が開始されるタイミングを異ならせることができる。よって、パチンコ機10の電源を立ち上げてからの経過期間を基に可動弁750の動作状況が把握されることを防止することができる。さらに、初期化状態の場合は、可動弁750が特定の動作内容で制御されるため、複数のパチンコ機10に対して可動弁750を同一内容で動作させたい場合に容易に設定をすることができる。
次に、図42を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図42は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1010の各処理が実行され、その残余時間でS1013,S1014のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図33参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図33参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図34参照)や始動入賞処理(図36参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図43参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に、特別図柄変動処理(図34参照)のS217の処理により設定された開放シナリオに従って、特定入賞口65aの開放、および閉鎖を設定する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図38参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS614の処理またはS615の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図35参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図35参照)のS307,S309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図35参照)のS306,S308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図38参照)のS618の処理またはS619の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図38参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図38参照)のS612の処理またはS616の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
S1007の処理を実行した後には、貯留制御処理を実行する(S1008)。この貯留制御処理(S1008)については、図44および図45を参照して、後述するが、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの開放および閉鎖を設定するための処理を実行する。
S1008の処理が終了すると、可動弁制御処理を実行する(S1009)。この可動弁制御処理(S1009)については、図46を参照して、後述するが、可動弁初回設定フラグ203pの設定状態に基づいて、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aを閉鎖状態または解除状態に制御するための処理を実行する。次いで、S1009の処理が終了すると、入賞処理を実行する(S1010)。この入賞処理(S1010)については、図47を参照して、後述する。
S1010の処理が終了すると、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1011)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1011:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1012)、既に所定時間が経過していれば(S1012:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1012:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1013,S1014)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1013)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では300、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1014)。
ここで、S1001〜S1010の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1011の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1011:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図40のNMI割込処理が実行されたということなので、S1015以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1015)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1016)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1017)、RAM203のアクセスを禁止して(S1018)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1011の処理は、S1001〜S1010で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1013とS1014の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図43のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図43は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図42参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図34参照)のS218の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1102)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図42参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1103)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1103の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1103:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1103の処理により、特別図柄の大当たり中であると判別した場合は(S1103:Yes)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(S1104)。そして、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S1104:Yes)、特定入賞口65aを開放し(S1105)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1106)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図42参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判定した場合は(S1104:No)、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1107)。具体的には、特定入賞口65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)以上入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1107の処理において、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(S1107:Yes)、特定入賞口65aを閉鎖して(S1108)、本処理を終了する。一方、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1107:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1109)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドまたは8ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1109:Yes)、エンディングコマンドを設定する(S1110)。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図42参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223のコマンド記憶領域223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1110の処理が終了すると、次いで、今回の大当たりが大当たりAであるか否かを判別し(S1111)、大当たりAであれば(S1111:Yes)、大当たりAの終了後に普通図柄の時短状態へと移行させるために、時短中カウンタ203hの値に100を設定し(S1112)、本処理を終了する。
一方、S1111の処理において、今回の大当たりが大当たりAでない(即ち、大当たりBまたはCである)と判別した場合は(S1111:No)、大当たりBまたはCの終了後に特別図柄の高確率状態へと移行させるために、確変フラグ203gをオンに設定して(S1113)、本処理を終了する。
次に、図44のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される貯留制御処理(S1008)を説明する。図44は、この貯留制御処理(S1008)を示すフローチャートである。この貯留制御処理(S1008)は、メイン処理(図42参照)の中で実行され、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの開放および閉鎖を設定するための処理である。図4を参照して上述したように、本実施形態では、貯留用流路700eに貯留された複数の球(上限5個)を第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対する操作に基づいて1個ずつ流下させるよう第1貯留装置770の第1貯留弁770aと第2貯留装置771の第2貯留弁771aの動作を制御している。このように構成することで、遊技者が行う第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対する操作のタイミングに合致させて貯留用流路700eに貯留されている球を流下させることができる。よって、遊技者に対して第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを意欲的に操作させることができる。また、本実施形態では、図6を参照して上述したように、1つの電気的駆動源(貯留弁ソレノイド770b)を駆動させることで、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aをそれぞれ異なるタイミング(予め定められたタイミング)で開放(解除)および閉鎖(非解除)させる構成を有している。このように構成することで、各貯留弁に対して夫々電気的駆動源を設ける場合と比べて部品点数を削減することができ、コストダウンや装置の省スペース化を図ることができる。
貯留制御処理では、まず、解除フラグ203kがオンであるかを判別し(S1201)、解除フラグ203sがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1201:No)、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aが閉鎖されている(第1貯留装置770および第2貯留装置771に球を貯留できる状態が設定されている)ことを意味するので、次いで、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを遊技者が押下(操作)しているか否かを判別する(S1202)。即ち、押下検出信号を検出したか否かを判別する。
S1202の処理において、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの押下(操作)を検出していない(即ち、押下検出信号を検出していない)と判別した場合は(S1202:No)、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aを閉鎖状態に保っておくために、そのまま本処理を終了する。一方、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの押下(操作)を検出した(即ち、押下検出信号を検出した)と判別した場合は(S1202:Yes)、解除ボタン操作コマンドを設定する(S1203)。そして、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの開放が設定されたことを示すために、解除フラグ203kをオンに設定し(S1204)、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aが開放状態となったことを音声ランプ制御装置113に対して通知するために第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの開放状態(解除状態)に対応する貯留状態コマンドを設定して(S1205)、本処理を終了する。
ここで設定された貯留状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図42参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、解除状態に対応する貯留状態コマンドを受信すると、解除状態に対応する背面種別に設定するための表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114に対して出力する。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドに基づいて、背面画像を変更する。即ち、図63(b)に示したように、小領域Ds2に対して「ゲート開放中」との文字が表示される態様に設定される。これにより、遊技者に対して第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aが開放状態であると容易に認識させることができる。
一方、S1201の処理において、解除フラグ203kがオンであると判別した場合は(S1201:Yes)、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの動作を設定するための貯留弁動作処理を実行する(S1206)。なお、貯留弁動作処理の詳細は、図45を参照して後述する。S1206の処理が終了すると、解除フラグ203kがオフであるかを判別し(S1207)、解除フラグ203kがオフでない(即ち、オンである)と判別した場合は(S1207:No)、本処理を終了する。
一方、S1207の処理において、解除フラグ203kがオンであると判別した場合は(S1207:Yes)、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aが閉鎖されている(第1貯留装置770および第2貯留装置771に球を貯留できる状態が設定されている)ことを意味するので、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aが閉鎖状態となったことを音声ランプ制御装置113に対して通知するために、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの閉鎖状態に対応する貯留状態コマンドを設定して(S1208)、本処理を終了する。
ここで設定された貯留状態マンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図42参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、閉鎖状態に対応する貯留状態コマンドを受信すると、閉鎖状態に対応する背面種別に設定するための表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114に対して出力する。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドに基づいて、背面画像を変更する。即ち、図63(a)に示したように、小領域Ds2に対して「ボタンを押すとゲート開放!」との文字が表示される態様に設定される。これにより、遊技者に対して第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを押下することにより第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aを開放状態に設定できると容易に認識させることができる。
この貯留制御処理を実行することにより、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作状況に応じて、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの開放または閉鎖を設定することができる。これにより、遊技者の任意のタイミングで第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの上部へと球を貯留することにより、アウト口に球が入球する状態と、第1貯留装置770および第2貯留装置771へと流入(入球)した球が、特定一般入球口630へ向けて流下する状態とを切り替えることができる。
ここで、図45のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される貯留弁動作処理(S1206)を説明する。図45は、この貯留弁動作処理(S1206)を示すフローチャートである。この貯留弁動作処理(S1206)は、貯留制御処理(図44参照)の中で実行され、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの動作を設定するための処理である。
貯留弁動作処理では、まず、貯留弁ソレノイド770bを正方向にオンに設定し(S1301)、動作カウンタ203jに1加算する(S1302)。次いで、動作カウンタ203jの値が250であるかを判別する(S1303)。S1303の処理において、動作カウンタ203jの値が250であると判別した場合は(S1303:Yes)、貯留弁ソレノイド770bをオフに設定し(S1304)、本処理を終了する。
一方、S1303の処理において、動作カウンタ203jの値が250でないと判別した場合は(S1303:No)、次いで、動作カウンタ203jの値が375であるかを判別する(S1305)。S1305の処理において、動作カウンタ203jの値が375であると判別した場合は(S1305:Yes)、貯留弁ソレノイド770bを負方向にオンに設定し(S1306)、本処理を終了する。
S1305の処理において、動作カウンタ203jの値が375でないと判別した場合は(S1305:No)、次いで、動作カウンタ203jの値が500であるかを判別する(S1307)。S1307の処理において、動作カウンタ203jの値が500であると判別した場合は(S1307:Yes)、貯留弁ソレノイド770bをオフに設定する(S1306)。そして、解除フラグ203kをオフに設定し(S1309)、動作カウンタ203jの値を0にセットして(S1310)、本処理を終了する。また、S1307の処理において、動作カウンタ203jの値が500でないと判別した場合も(S1307:No)、本処理を終了する。
次に、図46のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される可動弁制御処理(S1009)を説明する。図46は、この可動弁制御処理(S1009)を示すフローチャートである。この可動弁制御処理(S1009)は、メイン処理(図42参照)の中で実行され、可動弁750の開放および閉鎖を設定するための処理である。
可動弁制御処理では、まず、可動弁初回設定フラグ203pがオンであるか否かを判別し(S1201)、可動弁初回設定フラグ203pがオンであると判別した場合は(S1201:Yes)、可動弁動作シナリオテーブル202fに基づいて、動作シナリオを動作シナリオ格納エリア203iに格納する(S1402)。S1403の処理が終了すると、可動弁初回設定フラグ203pをオフに設定し(S1403)、S1404の処理へ移行する。一方、S1201の処理において、可動弁初回設定フラグ203pがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1201:No)、S1402およびS1403の処理をスキップし、S1404の処理へ移行する。
S1404の処理では、動作シナリオを動作シナリオ格納エリア203iから動作情報を取得し(S1404)、取得した動作情報に基づいて、新たなシナリオ種別の開始タイミングであるか否かを判別する(S1405)。そして、新たなシナリオ種別の開始タイミングであると判別した場合は(S1405:Yes)、新たなシナリオ種別の開始を示す可動弁状態コマンドを設定し(S1406)、S1407の処理へ移行する。この可動弁状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図42参照)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、可動弁状態コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。
一方、S1405の処理において、新たなシナリオ種別の開始タイミングでないと判別した場合は(S1405:No)、S1407の処理へ移行する。S1407の処理では、S1404の処理で取得した動作情報に基づいて、可動弁750の閉鎖タイミングであるか否かを判別する(S1407)。S1407の処理において、可動弁750の閉鎖タイミングであると判別した場合は(S1407:Yes)、可動弁ソレノイド751をオンに設定し(S1408)、S1409の処理へ移行する。
一方、S1407の処理において、可動弁750の閉鎖タイミングでないと判別した場合は(S1407:No)、S1409の処理へ移行する。S1409の処理では、S1404の処理で取得した動作情報に基づいて、可動弁750の開放タイミングであるか否かを判別する(S1409)。S1409の処理において、可動弁750の開放タイミングであると判別した場合は(S1409:Yes)、可動弁ソレノイド751をオフに設定し(S1410)、S1411の処理へ移行する。
一方、S1409の処理において、可動弁750の開放タイミングでないと判別した場合は(S1409:No)、S1411の処理へ移行する。S1411の処理では、動作カウンタ203jを1加算し、本処理を終了する。
次に、図47のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S1010)を説明する。図47は、この入賞処理(S1010)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1010)は、メイン処理(図42参照)の中で実行され、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
入賞処理では、まず、残球タイマフラグ203mがオンであるか否かを判別する(S1501)。残球タイマフラグ203mがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1501:No)、解除フラグ203kがオンであるか否かを判別する(S1502)。解除フラグ203kがオンであると判別した場合は(S1502:Yes)、次いで、第1球通過センサS3が遊技球の通過を検知したか否かを判別する(S1503)。第1球通過センサS3が遊技球の通過を検知したと判別した場合は(S1503:Yes)、残球タイマフラグ203mをオンに設定し(S1504)、S1505の処理へ移行する。一方、S1502の処理において、解除フラグ203kがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合(S1502:No)、および、S1503の処理において、第1球通過センサS3が遊技球の通過を検知していないと判別した場合(S1503:No)は、そのまま本処理を終了する。
一方、S1501の処理において、残球タイマフラグ203mがオンであると判別した場合(S1501:Yes)は、S1505の処理へ移行する。
S1501において、残球タイマフラグ203mがオンであると判別した場合(S1501:Yes)、および、S1504において、残球タイマフラグ203mをオンに設定した場合は、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの解除期間(開放期間)を意味するので、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの解除期間(開放期間)を計時する残球タイマ203nに1加算して更新する(S1505)。そして、更新後の残球タイマ203nの値が上限値であるか(即ち、第1貯留弁770aおよび第2貯留弁771aの解除が設定されてから1秒が経過したか)を判別し(S1506)、上限値でない(1秒が経過していない)と判別した場合には(S1506:No)、特定一般入球口630に遊技球が入球したか否かを判別し(S1507)、特定一般入球口630に遊技球が入球していないと判別した場合には(S1507:No)、本処理を終了する。
S1507の処理において、特定一般入球口630へと遊技球が入球したと判別した場合には(S1507:Yes)、S1508の処理へ移行する。一方、S1506の処理において、残球タイマ203nの値が上限値であると判別した場合は(S1506:Yes)、エラーコマンドを設定し(S1510)、S1508の処理へ移行する。ここで設定されたエラーコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図42参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)が設定されると共に、ホールコンピュータに対してエラー信号の出力が設定される。よって、特定一般入球口630に不正に遊技球を入賞させることを抑制できる。
S1508の処理では、残球タイマフラグ203mをオフに設定し(S1508)、残球タイマ203nを初期値である0にリセットする(S1509)。その後、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図48から図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図48を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図48は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2120の電源断処理(図49参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2002)。図49を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図49のS2116参照)、S2120の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2120の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2120の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2003:Yes)、S2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2003:No)、SS2008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2003:Yes)、S2004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2120の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2003:No)、S2008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2120の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2005:No)、RAM223の異常を報知して(S2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2008)。電源断フラグはS2120の電源断処理の実行時にオンされる(図49のS2118参照)。つまり、電源断フラグは、S2120の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2120の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2009)、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2012)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2009をスキップして、処理をS2010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S2010)。次いで、主制御装置110より受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に応じて確変状態フラグ223iを更新し(S2011)、割込み許可を設定して(S2012)、メイン処理へ移行する。状態コマンドに基づいて確変状態フラグ223iを更新することにより、主制御装置110の認識する遊技状態と音声ランプ制御装置113の認識する遊技状態とを一致させることができる。よって、遊技状態に応じて適切に演出を実行することができる。
なお、S2009のクリア処理をスキップするのは、S2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至った場合には、S2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図49を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図49は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1m秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102〜S2112の処理を行わずにS2113の処理へ移行する。S2101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2102〜S2112が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2113のコマンド判定処理、S2114の変動表示設定処理、S2115の球通過監視処理、および、S2116の貯留状態監視処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2113の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2114の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。また、S2115の処理が短い周期で実行されることにより、第1球通過センサS3および第2球通過センサS4に基づき、通過カウンタに関する設定を遅滞なく行うことができ、S2116の処理が短い周期で実行されることにより、貯留状態に基づき、貯留状態フラグ223kおよび貯留上限フラグ223mに関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1m秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2103〜S2116の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される第1枠ボタン22aが押されたか否かの入力を監視し、第1枠ボタン22aの入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、第1枠ボタン22aの遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して第1枠ボタン22aの操作に対応する表示用コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。なお、S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S2110の処理が終了すると、タイミング演出設定処理を行う(S2111)。このタイミング演出設定処理の詳細については、図60〜図63を参照して後述する。
S2111の処理が終了すると、可動弁動作カウンタ更新処理を実行する(S2112)。この可動弁動作カウンタ更新処理では、可動弁動作シナリオに基づいて、可動弁動作カウンタを更新するための処理である。この可動弁動作カウンタ更新処理の詳細については、図64を参照して後述する。
可動弁動作カウンタ更新処理の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2113)。このコマンド判定処理の詳細については、図50〜図54を参照して後述する。
次に、S2114の処理へ移行する。S2114の処理では、変動表示設定処理が実行される(S2114)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図55を参照して後述する。
次に、S2115の処理へ移行する。S2115の処理では、球通過監視処理が実行される(S2115)。球通過監視処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この球通過監視処理の詳細については、図56を参照して後述する。
次に、S2116の処理へ移行する。S2116の処理では、貯留状態監視処理が実行される(S2116)。貯留状態監視処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この貯留状態監視処理の詳細については、図57を参照して後述する。
そして、貯留状態監視処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2117)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2117の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2117:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2119)、電源断処理を実行する(S2120)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2121)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2117の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2117:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2118)、RAM223が破壊されていなければ(S2118:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2118:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図50を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2113)について説明する。図50は、このコマンド判定処理(S2113)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図49参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理(図50、S2113)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。なお、変動パターンコマンドは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドであって、主制御装置110から、選択された変動パターン(変動時間)が第1特別図柄および第2特別図柄の夫々に対応して出力される。
S2201の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S2201:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223eをオンに設定し(S2202)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S2203)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、特別図柄の変動パターン種別であることを特別図柄の種別毎(対応する第1特別図柄、第2特別図柄)に識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図55参照)において、表示制御装置114に対して特別図柄の変動表示演出の開始と、その特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S2201:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2204)。停止種別コマンド(特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドのいずれか)を受信したと判別した場合は(S2204:Yes)、受信したコマンドの種別に対応するフラグをオンに設定する(S2205)。具体的には、特図1停止種別コマンドを受信した場合に、第1特別図柄に対応する停止種別選択フラグ223fをオンに設定し、特図2停止種別コマンドを受信した場合に、第2特別図柄に対応する停止種別選択フラグ223fをオンに設定する。次に、受信した停止種別コマンドから停止種別(完全外れ、リーチ外れ、小当たり、大当たりA〜Cのいずれか)を抽出して(S2206)、本処理を終了する。S2206の処理において抽出された停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。そして、後述の変動表示設定処理(図55参照)が実行される場合に参照され、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
S2204の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判別した場合には(S2204:No)、主制御装置110より停止コマンドを受信したかを判別する(S2207)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(S2207:Yes)、受信したコマンドに基づいて表示用停止コマンドを設定し(S2208)、本処理を終了する。
次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したかを判別する(S2209)。保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S2209:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(即ち、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動表示の保留球数)が抽出されて、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた対応するカウンタ値を更新して(S2210)、本処理を終了する。より具体的には、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出した場合は、RAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223bに抽出したカウンタ値を格納し、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出した場合は、第2特別図柄保留球数カウンタ223cに抽出したカウンタ値を格納する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、または第2入球口640に入球(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2210の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bと、第2特別図柄保留球数カウンタ223cとの値を、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eとの値にそれぞれ合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bまたは第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値が、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値とずれしまっても、始動入賞をしたことに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bまたは第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。
また、S2209の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S2209:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S2212)。S2212の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S2212:Yes)、入賞情報コマンド受信処理を実行する(S2213)。この入賞情報コマンド受信処理(S2213)では、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出を設定するために参照させる各種フラグの設定や各種カウンタの設定が行われる。これにより、保留中の特別図柄の抽選結果に基づいて、その保留中の特別図柄の変動が開始されるよりも前(即ち、対象の特別図柄の変動よりも前に実行されている特別図柄の変動表示中)に、入賞情報コマンドを送信した特別図柄の抽選結果を示す演出を実行することが可能となり、1つの特別図柄の抽選結果を複数の特別図柄の変動表示期間を用いて遊技者に示唆報知することができ、演出効果を高めることができる。
一方、S2212の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S2212:No)、主制御装置110より可動弁状態コマンドを受信したかを判別する(S2214)。可動弁状態コマンドを受信したと判別した場合は(S2214:Yes)、可動弁状態コマンド処理を実行し(S2215)、本処理を終了する。
ここで、図51を参照して、可動弁状態コマンド処理(S2215)について説明をする。図51は、可動弁状態コマンド処理(S2215)を示したフローチャートである。この可動弁状態コマンド処理(S2215)は、主制御装置110で動作制御される可動弁750の動作状況(開放、閉鎖状況)を音声ランプ制御装置113側で把握するために実行する処理である。本実施形態では、音声ランプ制御装置113のROM222に主制御装置110が可動弁750を動作させるための動作情報(動作シナリオ)と同一の情報を含む可動弁動作シナリオ222bが格納されており、その動作情報の進行具合を主制御装置110の動作制御と同期させることで、音声ランプ制御装置113側で可動弁750の今後の動作状況を把握可能に構成している。これにより、可動弁の開放タイミングや閉鎖タイミングに基づいた演出を音声ランプ制御装置113側で設定し、実行することができる。この可動弁の開放タイミングや閉鎖タイミングに基づいた演出を実行することで、遊技者に対して第2枠ボタン22bを操作(押下)させるタイミングを示唆することが可能となる。
可動弁状態コマンド処理(S2215)が実行されると、まず、可動弁初回フラグ223uがオンであるかを判別する(S2301)。可動弁初回フラグ223uがオンであると判別した場合は(S2301:Yes)、次に、今回受信した可動弁状態コマンドに初回情報が含まれているかを判別する(S2302)。つまり、電源立ち上げ時にオンに設定される可動弁初回フラグ223uがオンに設定されている状態において受信された可動弁状態コマンドが、主制御装置110の立ち上げ処理(図41参照)にて実行される可動弁の動作設定(図41のS914参照)において設定された可動弁750の動作制御を開始することを示す初回情報を含む可動弁状態コマンドであるかを判別する。S2302の処理において、今回受信した可動弁状態コマンドに初回情報が含まれていると判別した場合は(S2302:Yes)、可動弁動作シナリオ222bの内容を可動弁状態格納エリア223sに設定し(S2303)、可動弁動作カウンタ223tの値を1に設定し(S2304)、可動弁初回フラグ223uをオフに設定する(S2305)。
そして、可動弁状態格納エリア223sに設定された可動弁動作シナリオおよび可動弁動作カウンタ223tの値に基づいて、可動弁750が閉鎖状態となるタイミングを取得する。その取得した可動弁閉鎖タイミングを閉鎖タイミング格納エリア223vに格納し(S2306)、本処理を終了する。つまり、本実施形態では、主制御装置110が可動弁750を動作制御する際に用いられる動作シナリオの情報と同一の情報を音声ランプ制御装置113が有しており、主制御装置110は可動弁750の動作制御を開始する場合に、その開始を示す情報(初回情報)を音声ランプ制御装置113に送信し、音声ランプ制御装置113は初回情報を受信した場合に、可動弁750の動作シナリオの情報と同一の情報を用いて、可動弁750の動作状況を把握するように構成している。なお、主制御装置110の立ち上げ処理(図41参照)において設定される初回情報には、可動弁750の開始タイミングや、用いられる動作シナリオの種別が含まれる。それ以外の情報として、例えば、可動弁750の動作開始タイミングを異ならせる(遅延させる)構成を用いる場合には、主制御装置110の立ち上げ処理(図41参照)が実行されてから実際に可動弁750の動作を開始するまでの期間(即ち、遅延期間)を示す期間情報を初回情報に含めると良い。
また、可動弁750の動作を開始させる場合に、動作シナリオの開始箇所を異ならせる構成を用いる場合には、今回設定された開始箇所を示す情報を初回情報に含めると良い。さらに、初回情報として、可動弁750の動作が開始されてから所定期間分の動作シナリオ情報を示す期間シナリオ情報を含めても良い。これにより、音声ランプ制御装置113は初回情報を受信した場合に所定期間分の期間シナリオ情報に基づいて、可動弁動作シナリオ222bの内容を可動弁状態格納エリア223sに設定することが可能となり、実際の可動弁750の動作状況と同期を取りやすくすることができる。
一方、S2302において、今回受信した情報に初回情報が含まれていないと判別した場合は(S2302:No)、主制御装置110の立ち上げ処理(図41参照)と音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図48参照)とが実行されるタイミングが異なっている状態であると判別し、エラーコマンドを設定し(S2307)、本処理を終了する。ここでエラーコマンドが設定された場合は、設定されたエラーコマンドに基づいて第3図柄表示装置81にパチンコ機10の電源を再投入する旨の報知が為される。そして、電源を再投入することで、再度、主制御装置110、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が実行され、正常な状態へ復帰させることができる。なお、この電源の再投入を複数回実行してもエラーコマンドが設定される場合は、主制御装置110の立ち上がりタイミングと音声ランプ制御装置113の立ち上がりタイミングとが正常なタイミングでは無いと判別し、エラーコマンドの設定内容を変更するように構成してもよい。
S2301の処理において、可動弁初回フラグ223uがオンではない(オフである)と判別した場合には(S2301:No)、音声ランプ制御装置113が随時更新している現在の可動弁750の動作状況を可動弁状態格納エリア223sから読み出し(S2308)、今回受信した可動弁状態コマンドと比較して内容が一致しているかを判別する(S2309)。ここで、内容が一致していると判別した場合は(S2309:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、内容が一致していないと判別した場合は(S2309:No)、内容が一致していない旨を示すエラーコマンドを設定し(S2307)、本処理を終了する。
ここで、可動弁の動作状況を示す情報が主制御装置110から受信した可動弁状態コマンドと、音声ランプ制御装置113の可動弁状態格納エリア223sの動作状況とが一致しない場合は、一致しないと判別した回数を記憶可能な記憶手段を設け、その記憶手段に記憶された回数が所定回数、詳しくは、連続して所定回数記憶された場合にエラーコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、突発的に発生したノイズによって内容が一致しない判別結果が出ただけの場合をエラーと判別することを抑制することができる。
なお、本実施形態では、主制御装置110にて可動弁750を動作制御する場合に用いられる動作シナリオが、所定期間(約30秒)のシナリオ種別を複数組み合わせて構成されており、そのシナリオ種別が新たなシナリオ種別に切り替わるタイミングで可動弁状態コマンドを送信するように構成している。これにより、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力するコマンドの総数を軽減することができる。また、それ以外にも、音声ランプ制御装置113が可動弁750の動作状況に基づいた演出を実行する可能性がある状態となった場合、即ち、主制御装置110が変動パターンを選択する際に、チャンス用テーブル202d3を参照する状態となった場合や、実際にチャンス用テーブル202d3からチャンス用の変動種別を選択した場合や、大当たりが開始される場合等、に、可動弁状態コマンドを出力するように構成してもよい、これにより、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力するコマンドの総数を軽減するとともに、遊技者に違和感を与える演出を抑制することができる。
図50に戻り説明を続ける。S2214の処理において、可動弁状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S2214:No)、貯留装置関連コマンドを受信したかを判別する(S2216)。S2216において、貯留装置関連コマンドを受信したと判別した場合は(S2216:Yes)、貯留装置関連処理を実行し(S2217)、本処理を終了する。
ここで、貯留装置関連処理(S2217)について、図52を参照して説明する。図52は、貯留装置関連処理(S2217)を示すフローチャートである。この貯留装置関連処理(S2217)は、遊技者が第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作したことに基づいて実行される貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)の動作内容を音声ランプ制御装置113が把握するための処理である。
貯留装置関連処理(S2217)が実行されると、まず、今回受信した貯留装置関連コマンドが貯留装置の開放(解除)状態(貯留用流路700e(図3参照)を球が流下可能な状態)を示すコマンドであるかを判別する(S2401)。S2401の処理において、開放状態を示すコマンドであると判別した場合は(S2401:Yes)、解除状態フラグ223qをオンに設定し(S2402)、表示用解除コマンドを設定し(S2403)、本処理を終了する。ここで設定される表示用解除コマンドは、表示制御装置114へと送信され、貯留装置が解除された場合専用の演出が実行される。この専用の演出としては、例えば、特定一般入球口630に球が入球した場合に遊技者に付与される特典(15個の賞球)を示唆する示唆態様を第3図柄表示装置81に表示し、特定一般入球口630に球が入球した場合にはその示唆態様を確定態様へと変更し、特定一般入球口630に球が入球しなかった場合にはその示唆態様が消滅する演出が実行される。
S2401の処理において、今回受信した貯留装置関連コマンドが開放状態を示すコマンドではないと判別した場合には(S2401:No)、今回受信した貯留装置関連コマンドが閉鎖状態を示すコマンドであるかを判別し(S2404)、閉鎖状態を示すコマンドである場合は(S2404;Yes)、解除状態フラグ223qをオフに設定し(S2405)、解除操作フラグ223pをオフに設定し(S2406)、表示用非解除コマンドを設定し(S2407)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)において貯留用流路700eを球が貯留される非解除状態と球が流下可能な解除状態とを、第1貯留弁770aと第2貯留弁771aとを動作制御することで可変させている(図9参照)。この動作制御は予め設定されている順序で第1貯留弁770aと第2貯留弁771aとを可変させる制御であるため、球が流下可能な解除(開放)状態を示すコマンドを受信してから、球が貯留される非解除(閉鎖)状態を示すコマンドを受信するまでの期間は一定(1秒)である。よって、貯留装置関連処理(S2217)において、開放(解除)状態を示すコマンドを受信してからの期間を計測する計測手段を設け、その計測手段により、所定期間(例えば、1秒)が経過しても閉鎖(非解除)状態を示すコマンドが受信されない場合にエラーコマンドを設定するように構成してもよい。これにより、主制御装置110が動作制御を行っている貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)に対する状況把握が正常では無いことを即座に判別することができる。
図50に戻り説明を続ける。S2216の処理において、貯留装置関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S2216:No)、次に、解除操作コマンドを受信したかを判別する(S2218)。S2218の処理において、解除操作コマンドを受信したと判別した場合は(S2218:Yes)、解除操作フラグ223pをオンに設定し(S2219)、本処理を終了する。この解除操作コマンドは、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作された場合に出力されるコマンドである。一方、解除操作コマンドを受信していないと判別した場合は(S2218:No)、当たり関連コマンドを受信したかを判別する(S2220)。
S2220の処理において、当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S2220:Yes)、当たり関連処理を実行し(S2221)、本処理を終了する。この当たり関連処理(S2221)の詳細な内容については、図53および図54を参照して後述する。一方、S2220の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S2220:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2222)、本処理を終了する。
S2222の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものであって、例えば、遊技盤13に設けられた各入球口に球が入球したことに基づいて設定される入球コマンドを受信した場合に、球が入球した入球口の種別毎に入球数の累積をする処理が実行される。
次に、図53を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(S2221)について説明をする。図53は、当たり関連処理(S2221)を示すフローチャートである。この当たり関連処理(S2221)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図49参照)のコマンド判定処理(図560のS2113参照)中で実行される処理であり、主制御装置110から当たり関連コマンドを受信した場合に実行される処理である。
当たり関連処理(S2221)が実行されると、まず、大当たりオープニングコマンドを受信したかを判別する(S2501)。大当たりオープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S2501:Yes)、次いで、表示用オープニングコマンドを設定し(S2502)、本処理を終了する。一方、S2501の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S2501:No)、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(S2503)。S2503の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S2503:Yes)、受信したコマンドに基づいてラウンド数累積カウンタ223hを更新し(S2504)、ついで、大当たり中演出処理を実行し(S2505)、本処理を終了する。
ここで、図54を参照して大当たり中演出処理(S2505)について説明をする。図54は、大当たり中演出処理(S2505)を示すフローチャートである。この大当たり中演出処理(S2505)では、大当たり中に実行される演出として、大当たりを祝福するための大当たり遊技演出に加え、遊技者に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる操作演出(タイミング演出)と、その操作演出(タイミング演出)の難易度を遊技者に選択させる難易度選択演出と、の演出態様が設定され、各演出が実行される。
大当たり中演出処理(S2505)が実行されると、まず、演出実行中フラグ223xがオンであるかを判別する。演出実行中フラグ223xがオンではない(オフである)と判別した場合は(S2601:No)、次に、今回受信したラウンド数コマンドが大当たりの1ラウンド目を示すラウンド数コマンドであるかを判別する(S2602)。S2602の処理において、1ラウンド目を示すラウンド数コマンドであると判別した場合は(S2602:Yes)、難易度選択フラグ223abをオンに設定し(S2603)、本処理を終了する。ここで難易度選択フラグ223abをオンに設定することで、大当たりの1ラウンド目が実行されている間に操作された枠ボタン(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)の操作信号に基づいてタイミング演出(操作演出)の難易度を選択する処理が後述する枠ボタン入力監視・演出処理(図59のS2107)にて実行される。
一方、S2602の処理において、1ラウンド目を示すラウンド数コマンドではないと判別した場合は(S2602:No)、難易度選択フラグ223abをオフに設定し(S2604)、次に、今回受信したラウンド数コマンドが大当たりの7ラウンド目または15ラウンド目であるかを判別する(S2605)。S2605の処理において、7ラウンド目または15ラウンド目を示すラウンド数コマンドであると判別した場合は(S2605:Yes)、貯留上限フラグ223mがオンであるかを判別し(S2606)、貯留上限フラグ223mがオンであると判別すると(S2606:Yes)、タイミング演出(操作演出)を実行可能な条件が成立しているため、タイミング演出設定フラグ223wをオンに設定し(S2607)、表示用予告ラウンドコマンドを設定し(S2608)、本処理を終了する。
一方、S2605の処理において、今回受信したラウンド数コマンドが大当たりの7ラウンド目または15ラウンド目ではないと判別した場合(S2605:No)、或いは、S2606の処理において、貯留上限フラグ223mがオンではないと判別した場合には(S2606:No)、タイミング演出(操作演出)を実行可能な状態では無いため、タイミング演出設定フラグ223wをオンに設定することなく、S2609の処理へ移行する。
S2609の処理では、今回受信したラウンド数コマンドが大当たりの8ラウンド目または16ラウンド目であるかを判別し(S2609)、8ラウンド目または16ラウンド目であると判別した場合は(S2609:Yes)、タイミング演出設定フラグ223wがオンであるかを判別する(S2610)。即ち、今回受信した8ラウンド目または16ラウンド目の1つ前のラウンド(7ラウンド目または15ラウンド目)において、タイミング演出設定フラグ223wがオンに設定されたか(タイミング演出(操作演出)を実行可能な条件が成立しているか)を判別する。S2610の処理において、タイミング演出設定フラグ223wがオンに設定されている場合は(S2610:Yes)、次に、演出一時記憶エリア223rよりタイミング演出情報を読み出し、表示用演出ラウンドコマンドを設定する(S2611)。そして、演出実行中フラグ223xをオンに設定し(S2612)、タイミング演出設定フラグ223wをオフに設定し(S2613)、本処理を終了する。なお、S2611の処理において、読み出されるタイミング演出情報は、タイミング演出設定フラグ223wがオンに設定されたことに基づいて、後述するタイミング演出設定処理(図60のS2111参照)にて設定されるものであり、その詳細な内容については、図60を参照して後述する。
S2609の処理において、今回受信したラウンド数コマンドが大当たりの8ラウンド目または16ラウンド目ではないと判別した場合(S2609:No)、或いは、S2610の処理において、タイミング演出設定フラグ223wがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は、受信したラウンド数に対応する表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2614)、本処理を終了する。
ここで設定された各種表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図49参照)のコマンド出力処理(S2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、各種表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
このように、本実施形態では、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値によって現在のラウンド数を判別し、第3図柄表示装置81に表示される演出の内容を変更するよう構成しているが、それ以外の構成でもよく、例えば、ラウンド数コマンドに現在のラウンド数を示す情報を含めることで、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値を加算する処理を無くしてもよい。
以上、説明をしたように、本実施形態では、大当たりが開始されると、最初のラウンド(1ラウンド目)で大当たり中に実行されるタイミング演出(操作演出)の難易度を選択する演出が実行される(図17参照)。さらに、実際にタイミング演出(操作演出)が実行されるラウンド(8又は16ラウンド)の前のラウンド(7又は15ラウンド)の時点でタイミング演出(操作演出)を実行可能な条件(貯留用流路700e(図3参照)に上限量の球が貯留されていること)が成立しているかを判別し、条件を満たしている場合に、次のラウンドでタイミング演出(操作演出)が実行されることを予告する予告演出が実行される(図11(a)参照)。そして、タイミング演出(操作演出)を実行する(図11(b)参照)。
このように、タイミング演出(操作演出)が実行される前のラウンドにて予告演出が実行されるため、遊技者に対して枠ボタン(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)を操作させる演出が実行されることを予め周知させることができる。また、予告演出が実行されるラウンドにおいて、タイミング演出(操作演出)を実行可能な条件が成立していることを判別し、条件が成立している場合にのみ予告演出を実行するようにしているため、予告演出が実行されたにも係わらず、タイミング演出(操作演出)が実行されないという不具合を防止することができる。
さらに、貯留用流路700eに上限数の球が貯留されていることを、タイミング演出(操作演出)を実行する条件として設定しているため、タイミング演出(操作演出)として用いる演出を、貯留球を5個用いた演出に固定することができ、演出に用いられるデータ量を削減することができる。なお、タイミング演出(操作演出)を実行する条件はこれに限られること無く、所定数(例えば1個)の球が貯留されていることを条件にしてもよいし、貯留用流路700eに球が貯留されているか否かに係わらずタイミング演出(操作演出)を実行するようにしてもよい。また、貯留用流路700eに貯留されている球数を判別し、その判別結果に基づいてタイミング演出(操作演出)の演出態様を変更してもよい。具体的には、貯留用流路700eを解除状態へと可変させる第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる回数が貯留用流路700eに貯留されている球数に対応した演出態様に変更してもよいし、貯留用流路700eに貯留されている球数に係わらず、特定のタイミング演出(操作演出)、即ち、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作回数が固定されたタイミング演出(操作演出)を実行するように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、遊技者に対してタイミング演出(操作演出)の難易度を選択可能に構成しているため、遊技者は自分の技量に合わせて、タイミング演出(操作演出)の演出態様を設定することができるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
加えて、本実施形態では、タイミング演出(操作演出)を実行する条件が成立した場合に予告演出を実行するように構成している。つまり、タイミング演出(操作演出)が実行される条件が成立したことを、予告演出の実行に基づいて遊技者に示唆しているが、それ以外の構成を用いても良い。例えば、第3図柄表示装置81に貯留用流路700eに貯留されている球数と、タイミング演出(操作演出)を実行するために必要な貯留数とを表示し、且つ、遊技者に対して、貯留用流路700eに球を貯めることを促す演出を実行するとよい。これにより、遊技者は大当たり中において特定入賞口65aに球を入賞させる遊技に加え、貯留用流路700eに球を貯留させる遊技を行うことになり、遊技の興趣を高めることができる。また、貯留用流路700eに球を貯留させるために、大当たり中における可変入賞装置65が閉鎖している状態(インターバル状態)においても、継続して球を打ち出すことになるため、遊技の稼働を高めることができる。
さらに、本実施形態では、大当たりとして提供されるラウンド数が8ラウンドと大当たり(大当たり種別が「大当たりB」)と、16ラウンドの大当たり(大当たり種別が「大当たりA」と「大当たりC」)とを設けている。つまり、8ラウンド大当たりの場合は、大当たり遊技中にタイミング演出(操作演出)が実行される回数が最大1回となり、16ラウンド大当たりの場合は、大当たり遊技中にタイミング演出(操作演出)が実行される回数が最大2回となるようにしている。これにより、大当たり種別によって付与する特典を異ならせることが可能となり、遊技者に対して興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、大当たり中における所定のラウンド数において、タイミング演出(操作演出)を実行するように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、貯留用流路700eに所定数(例えば3個)の球が貯留されたことを判別した場合に、その次のラウンドでタイミング演出(操作演出)を実行するようにしてもよい。これにより、遊技者に対して、より積極的に貯留用流路700eへ球を貯留させる遊技を行わせることができる。
図53に戻り、説明を続ける。S2503の処理において、今回受信した当たり関連コマンドがラウンド数コマンドではないと判別した場合は(S2503:No)、次に、インターバルコマンドを受信したかを判別する(S2506)。このインターバルコマンドは、大当たりにおける各ラウンドが終了した場合に主制御装置110から出力されるコマンドである。S2506の処理において、インターバルコマンドを受信したと判別した場合は(S2506:Yes)、ラウンド数累積カウンタ223hの値に基づいて、終了したラウンド数を算出し、算出した結果が7または15ラウンド目の終了を示すものであるかを判別する(S2507)。
S2507の処理において、今回受信したインターバルコマンドが7または15ラウンド目の終了を示すインターバルコマンドであると判別した場合は(S2507:Yes)、貯留上限フラグ223mがオンであるかを判別し(S2508)、オンであると判別した場合は(S2508:Yes)、タイミング演出設定フラグ223wをオンに設定し(S2509)、対応する表示用インターバルコマンドを設定し(S2509)、本処理を終了する。つまり、本実施形態では、図54を参照して説明したように予告演出が実行されるラウンド(7または15ラウンド目)において、タイミング演出(操作演出)を実行可能な条件が成立しているかを判別し、タイミング演出設定フラグ223wをオンに設定する処理を行っているが、それに加え、タイミング演出(操作演出)が実行される前のラウンド(7または15ラウンド目)が終了したタイミングにおいても、タイミング演出(操作演出)を実行可能な条件が成立しているかを再度判別しており、その判別結果に基づいて、タイミング演出設定フラグ223wをオンに設定可能に構成している。
このように構成することで、タイミング演出(操作演出)が実行されるラウンドが開始される直前までタイミング演出(操作演出)を実行可能な条件が成立しているか否かを判別することができ、遊技者に対してタイミング演出(操作演出)を提供する機会を増加させることができる。なお、この場合、予告演出が実行されることなく、タイミング演出(操作演出)が実行されることになる。よって、予告演出が実行されず落胆していた遊技者に対して、想定外のタイミング演出(操作演出)を提供することができる。
なお、詳細は図示していないが、S2507〜S2509の処理については、大当たり中演出処理(図54のS2504参照)において、既にタイミング演出設定フラグ223wがオンに設定されている場合には、その処理がスキップされるように構成している。これにより、不要な処理が実行されることを防止することができる。
一方、S2506の処理において、インターバルコマンドを受信していないと判別した場合は(S2506:No)、大当たりエンディングコマンドを受信したかを判別する(S2511)。S2511の処理において、大当たりエンディングコマンドを受信した場合は(S2511:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S2512)、ラウンド数累積カウンタ223hの値をクリアし(S2513)、本処理を終了する。また、S2511の処理において、大当たりエンディングコマンドを受信していないと判別した場合も(S2511:No)、本処理を終了する。
次に、図55を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2114)について説明する。図55は、この変動表示設定処理(S2114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2114)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図49参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図55参照)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(完全外れ、リーチ外れ、大当たり)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図S2114)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223eがオンに設定されているか判別する(S2701)。そして、変動開始フラグ223eがオフであると判別した場合には(S2701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2709の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223eがオンであると判別した場合には(S2701:Yes)、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、今回の特別図柄の変動表示の詳細な態様を決定するためのS2702〜S2708の各処理を実行する。
より具体的には、まず、変動開始フラグ223eをオフに設定し(S2702)、次いで、抽出した変動パターンを取得し(S2703)、今回抽出した変動パターンがチャンスパターンであるかを判別する(S2704)。S2704の処理では、主制御装置110の特別図柄変動開始処理(図35のS213参照)において、変動パターンの変動種別として「チャンス外れ」、「チャンスリーチ」が決定された変動パターンコマンドを受信した場合に、今回抽出した変動パターンがチャンスパターンであると判別する。S2704の処理において、取得した変動パターンがチャンスパターンであると判別した場合は(S2704:Yes)、次に、貯留状態フラグ223kがオンであるかを判別し(S2705)、オンであると判別した場合に(S2705:Yes)、タイミング演出(操作演出)を実行可能な条件が成立したものとして、タイミング演出設定フラグ223wをオンに設定する(S2706)。
本実施形態では、上述したようにチャンス演出(操作演出)を実行可能な変動パターンの変動種別を示す変動パターンコマンドを受信した場合において、貯留用流路700eに球が貯留されていることを成立条件として、チャンス演出(操作演出)が実行されるようにしているが、貯留用流路700e上の球の有無を判別することなくチャンス演出(操作演出)を実行するようにしてもよい。これにより、チャンス演出中に貯留用流路700eに球が流入した場合に、その球を特定一般入球口630へ入球させやすくすることができる。
そして、表示用変動パターンコマンドを設定し(S2707)、次いで、対応する特別図柄保留球数カウンタ(第1特別図柄保留球数カウンタ223bまたは第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値から1を減算し、減算した値に基づいて、コマンド記憶領域に含まれる入賞情報格納エリアのデータをシフトし(S2709)、S2709の処理へ移行する。一方、S2704の処理において、今回取得した変動パターンがチャンスパターンではないと判別した場合(S2704:No)、或いは、S2705の処理において、貯留状態フラグ223kがオンではない(オフである)と判別した場合(S2705:No)は、つまり、今回の変動表示設定処理(S2114)において、タイミング演出(操作演出)を実行可能な条件が成立していないと判別した場合は、S2706の処理をスキップして、S2707の処理へ移行する。
S2709の処理では、RAM223の停止種別選択フラグ223fがオンに設定されているか判別する(S2709)。そして、停止種別選択フラグ223fがオフであると判別した場合には(S2709:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2709の処理において、停止種別選択フラグ223fがオンであると判別した場合には(S2709:Yes)、停止種別選択フラグ223fをオフに設定し(S2710)、次いで、コマンド判定処理(図50参照)のS2206の処理において、抽出された停止種別を取得し(S2711)、取得した停止種別を設定する(S2712)。次いで、設定した停止種別に基づいて、表示制御装置114に対して停止種別を通知するための表示用停止種別コマンドを設定し(S2713)、本処理を終了する。
次に、図56を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される球通過監視処理(S2115)について説明する。図56は、この球通過監視処理(S2115)を示したフローチャートである。この球通過監視処理(S2115)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図49参照)の一処理であり、盤面ユニット700(図3参照)内の貯留用流路700e(図3参照)を流下した球の通過を監視するための処理である。
球通過監視処理(S2115)では、まず、解除状態フラグ223qがオンであるかを判別する(S2801)。ここで、解除状態フラグ223qがオンではない(オフである)と判別した場合は、貯留用流路700eが球を流下可能な解除(開放)状態ではないため、本処理を終了する。S2801の処理において、解除状態フラグ223qがオンであると判別した場合は(S2801:Yes)、次に、球通過フラグ223nがオンであるかを判別する(S2802)。S2802の処理において、球通過フラグ223nがオフであると判別した場合は(S2802:No)、次いで、第1球通過センサS3の検知結果に基づいて球が第1球通過センサS3を通過したかを判別する(S2803)。S2803の処理において、球が通過したと判別した場合は(S2803:Yes)、球通過フラグ223nをオンに設定し(S2804)、通過カウンタ223aeに「1」を設定し(S2805)、S2806の処理へ移行する。
つまり、上述したS2801〜S2805の処理では、解除状態フラグ223qがオンに設定され、貯留用流路700eに貯留されていた球の流下(通過)を第1球通過センサS3が検知した場合に期間の計測を開始する処理が実行される。一方、S2802の処理において、球通過フラグ223nがオンであると判別した場合は(S2802:Yes)、既に、期間の計測が開始されている状態であるため、S2803〜S2805の処理をスキップしてS2806へ移行する。また、S2803の処理において、第1球通過センサS3が球の通過を検知していないと判別した場合は(S2803)、貯留用流路700eが解除状態に可変した直後であって、未だ球が第1球通過センサS3に到達していない状態であるため、そのまま本処理を終了する。
S2806の処理では、特定一般入球口630への球の入球があるかを判別する(S2806)。S2806の処理において、特定一般入球口630への球の入球がないと判別した場合は(S2806:No)、次いで、第2球通過センサS4が球の通過を検知したかを判別し(S2807)、球の通過を検知していない場合は(S2807:No)、通過カウンタ223aeの値が上限(1秒に対応する値)に到達したかを判別する(S2808)。S2808の処理において、上限に到達していないと判別した場合は(S2808:No)、通過カウンタ223aeの値に1を加算して(S2809)、本処理を終了する。このように、S2805の処理において、通過カウンタ223aeの値を「1」に設定すると、特定一般入球口630への球の入球、または、第2球通過センサS4による球の通過検知、或いは、通過カウンタ223aeの値が上限に到達(1秒を示す値まで加算)するまで、本処理が実行される度に(1ms毎に)通過カウンタ223aeの値が「1」加算される。
一方、S2806の処理において、特定一般入球口630への球の入球があると判別した場合は(S2806:Yes)、現在の通過カウンタ223aeの値に基づいて球の通過期間(球が第1球通過センサS3を通過してから特定一般入球口630に入球するまでの期間)を算出し(S2811)、算出した通過期間を示す情報を球通過情報格納エリア223acに設定し(S2812)、S2813の処理へ移行する。また、S2807の処理において、第2球通過センサS4が球の通過を検知した場合も(S2812:Yes)、現在の通過カウンタ223aeの値に基づいて球の通過期間(球が第1球通過センサS3を通過してから第2球通過センサS4を通過するまでの期間)を算出し(S2811)、S2812の処理を実行し、S2813の処理へ移行する。
S2808の処理において、通過カウンタ223aeの値が上限値(1秒を示す値)であると判別した場合は(S2808:Yes)、第1球通過センサS3が球の通過を検知してから所定期間(1秒間)の間に球が特定一般入球口630に入球せず、且つ、第2球通過センサS4を通過していない状態であるため、球詰りの可能性があるため、エラーコマンドを設定し(S2810)、S2813の処理へ移行する。
S2813の処理では、第1球通過センサS3が通過を検知した球に対しての処理が完了したため、球通過フラグ223nをオフに設定し(S2813)、通過カウンタ223aeの値をリセットし(S2814)、本処理を終了する。
本実施形態ではこの球通過監視処理(S2115)において、球通過情報格納エリア223acに格納された球通過期間を示す期間情報に基づいて、タイミング演出(操作演出)の演出態様を補正する処理が実行される。具体的には、貯留用流路700eを流下した球が特定一般入球口630または第2球通過センサS4を通過するまでの期間に基づいて、タイミング演出(操作演出)において遊技者に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させるタイミングを示唆する演出ポインタの表示タイミングを可変する補正処理が実行される。この補正処理の詳細な内容については、図63を参照して後述するが、タイミング演出(操作演出)の演出態様を球の通過期間に基づいて補正することにより、タイミング演出(操作演出)にて実行される演出態様と、実際の球流れ状況とをより深く関連付けさせることが可能となり、遊技者に違和感を与えない演出を提供することができる。
なお、本実施形態では、第1球通過センサS3を通過した球が、特定一般入球口630へと入球するまでに要する基準期間と、第1球通過センサS3を通過した球が特定一般入球口630へと入球するまでに要する基準期間とが同一となるように第2球通過センサS4の取り付け位置を決定している。これにより、特定一般入球口630へと球が入球した場合に算出される通過期間と、第2球通過センサS4に球が通過した場合に算出される通過期間との両方を用いて、タイミング演出に補正の必要性があるかを判別することができる。
なお、通過期間を計測する手法としては、上述した内容に限られること無く、例えば、所定条件が成立した場合(第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作された場合)に基づいて通過期間の計測を開始したり、特定一般入球口630に球が入球する場合のみ通過期間を計測するように構成してもよい。また、第2球通過センサS4の配設位置は本実施形態に限られること無く、特定一般入球口630へ入球する球の通過期間と異なる通過期間となる箇所に第2球通過センサS4を配設してもよい。
次に、図57を参照して、貯留状態監視処理(S2116)について説明をする。図57は、この貯留状態監視処理(S2116)を示したフローチャートである。この貯留状態監視処理(S2116)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図49参照)の一処理であり、盤面ユニット700(図3参照)内の貯留用流路700e(図3参照)上に球が貯留されていることを判別するための処理である。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、遊技盤13上で球を貯留可能な貯留装置として、第1貯留装置770と第2貯留装置771とを設けており、最大で5個の球を貯留可能に構成している。各貯留装置は夫々第1貯留弁770a、第2貯留弁771aを備えており、この第1貯留弁770a、第2貯留弁771aは、遊技者が操作可能な第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対して操作(押下)が実行されることに基づいて、貯留されている球を1個ずつ流下させるよう動作制御される。さらに、本実施形態では、第2貯留弁771aが閉鎖状態の場合に貯留される1個目の球の存在を検知可能な貯留検知センサS2と、貯留用流路700eに上限数の球(5個)が貯留されていることを検知可能な貯留上限センサS1とが設けられており、貯留用流路700e上の球の貯留状況を判別可能に構成している。
この貯留状態監視処理(S2116)では、まず、貯留検知センサS2がオンであるかを判別する(S2851)。S2851の処理において貯留検知センサS2がオンであると判別した場合は(S2851:Yes)、貯留状態フラグ223kがオンであるかを判別し(S2852)、貯留状態フラグ223kがオンではないと判別した場合は(S2852:No)、貯留状態フラグ223kをオンに設定し、S2856の処理へ移行する。一方、S2852の処理において、貯留状態フラグ223kがオンであると判別した場合は(S2852:Yes)、S2853の処理をスキップしてS2856の処理へ移行する。
また、S2851の処理において、貯留検知センサS2がオフであると判別した場合は(S2851:No)、次いで、貯留状態フラグ223kがオンであるかを判別し(S2854)、オンであると判別した場合は、貯留状態フラグ223kをオフに設定し(S2855)、S2856へ移行する。一方、S2854の処理において、貯留状態フラグ223kがオフであると判別した場合は(S2854:No)、S2855の処理をスキップしてS2856の処理へ移行する。このように、貯留検知センサS2の検知結果に基づいて、貯留状態フラグ223kの設定が随時更新されるように構成されている。
S2856の処理では、貯留上限センサS1がオンであるかを判別する(S2856)。このS2856の処理において、貯留上限センサS1がオンであると判別した場合、即ち、貯留用流路700eに上限量の球が貯留されていると判別した場合は(S2856:Yes)、貯留上限フラグ223mがオンに設定されているかを判別し(S2857)、貯留上限フラグ223mがオフである場合は(S2857:No)、貯留状態フラグ223kがオンに設定されているかを判別し(S2858)、貯留状態フラグ223kがオンであると判別した場合には(S2858:Yes)、貯留上限フラグ223mをオンに設定し(S2859)、本処理を終了する。一方、S2858の処理において、貯留状態フラグ223kがオフであると判別した場合には(S2858:No)、貯留検知センサS2が球を検知していないにも係わらず、貯留上限センサS1が球を検知している状態であるため、エラーコマンドを設定し(S2860)、本処理を終了する。一方、S2857の処理において、貯留上限フラグ223mがオンである場合は(S2857:Yes)、そのまま本処理を終了する。
また、S2856の処理において、貯留上限センサS1がオフであると判別した場合は(S2856:No)、次に、貯留上限フラグ223mがオンであるかを判別し(S2861)、オンではない(オフである)と判別した場合は(S2861:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2861の処理においてオンであると判別した場合は(S2861:Yes)、貯留上限フラグ223mをオフに設定し(S2862)、本処理を終了する。
以上説明をしたように、本実施形態における貯留状態監視処理(S2116)では、貯留用流路700e上の球の貯留状況および球貯留の異常有無を判別し、各種フラグ(貯留状態フラグ223k、貯留上限フラグ223m)やエラーコマンドを設定することができるため、音声ランプ制御装置113にて貯留用流路700eの貯留状態に基づいた演出を実行することができる。
次に、図58を参照して、ランプ出力処理(S2103)について説明をする。図58は、このランプ出力処理(S2103)を示したフローチャートである。このランプ出力処理(S2103)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図49参照)の一処理であり、ランプ表示装置227に対して送信されるランプ点灯コマンドを設定するための処理である。ここで、本実施形態では、図19に示すように、ランプ表示装置227として、パチンコ機10の全体に亘って設けられている演出等に用いられる装飾用ランプ227aと、盤面ユニット700(図3参照)の一部を覆うように設けられたカバー部材710に対して、そのカバー部材710の内部を遊技者が視認可能となる透過状態にするための透過用ランプ227bと、その他ランプ227cと設けられている。
ランプ出力処理(S2103)が実行されると、まず、現在が音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が実行されてから所定期間(30秒)以内であるかを判別する(S2901)。ここでは、音声ランプ制御装置113のMPU221によって計時されているタイマ(図示せず)を用いて所定期間が計測される。S2901の処理において、30秒以内であると判別した場合は(S2901:Yes)、透過用ランプ点灯コマンドを設定し(S2904)、S2905の処理へ移行する。
ここで、本実施形態では通常の遊技状態において、可動弁750の動作状況を遊技者に視認させないようにするためにカバー部材710を設けている。このカバー部材710は上述したように裏面から所定の光(透過用ランプの光)を照射することで、内部が視認困難な遮蔽状態から内部を視認可能な透過状態へと可変するよう構成されている。そして、遊技機に電源を投入してから所定期間(立ち上げ処理が実行されてから所定期間)の間は、遊技状態に係わらず、透過用ランプを点灯させるように構成している。これにより、パチンコ機10に電源を投入した直後、即ち、パチンコ機10を店員が点検するタイミングにおいては、カバー部材710により覆われている盤面ユニット700の内部を容易に視認することができる。
一方、S2901の処理において、現在が音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が実行されてから所定期間(30秒)以内ではない(所定期間(30秒)経過後である)と判別した場合は(S2901:No)、次に、第1球通過センサS3が球の通過を検知したかを判別する(S2902)。S2902の処理において、第1球通過センサS3が球の通過を検知した場合は(S2902:Yes)、第1球通過センサS3を通過した球を遊技者が視認できるように透過用ランプ点灯コマンドを設定し(S2904)、S2905の処理へ移行する。なお、この場合における透過用ランプ点灯コマンドは、球がカバー部材710に覆われている領域を通過するのに十分な時間(例えば、0.7秒)透過用ランプ227bが点灯されるよう設定されているが、例えば、特定一般入球口630へ球が入球したこと、或いは、第2球通過センサS4が球の通過を検知したことを条件に、透過用ランプ227bを消灯させるように構成してもよい。これにより、カバー部材710が透過状態となる期間を必要最低限に抑えることができ、遊技者に対して可動弁750の動作状況を把握され難くすることができる。
ここで、本実施形態では、盤面ユニット700のうち、貯留用流路700eに貯留された球が流下可能な領域(特定一般入球口630および可動弁750が設けられている領域)が視認困難となるようにカバー部材710によって覆われている(図2参照)。これにより、可動弁750の動作状況を遊技者に視認させないようにすることが可能となるが、カバー部材710に覆われた領域を球が通過する場合に、球の行方まで遊技者が把握できず、遊技者に不満感を与える虞があった。そこで、本実施形態では、カバー部材710に覆われる領域を球が通過することを第1球通過センサS3による球の検知によって判別し、カバー部材710を透過状態へと可変させる。このように構成することで、遊技者に対して球の通過(流下)状況を確実に把握させることができるため、遊技者が安心して遊技を行うことができる。また、通常状態(透過用ランプが点灯していない状態)において、内部が視認できない状態であるカバー部材が、内部を視認可能な透過状態へと可変することで、パチンコ機10の遊技盤13に変化を与え、遊技者にカバー部材710で覆われている箇所を球が通過することを気付かせ易くすることができる。
S2902の処理において、第1球通過センサS3が球の通過を検知していない場合は(S2902:No)、次いで、特定演出が実行されているかを判別する(S2903)。S2903の処理において、特定演出が実行されていると判別した場合は(S2903:Yes)、特定演出の演出態様に基づいて透過用ランプ点灯コマンドを設定し(S2904)、S2905へ移行する。ここで、S2903の処理において、判別される特定演出とは、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図55のS2114)において、設定される表示用変動パターンコマンドが、特定の演出である場合に実行されるものであって、当該演出が実行されている間は、透過用ランプ点灯コマンドを用いた演出態様が実行される。これにより、特別図柄の抽選結果を示す変動演出において特定条件が成立した場合のみカバー部材710を透過状態へと可変させることが可能となるため、遊技者に可動弁の動作状況を把握させながら、自力で第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる遊技性を提供することができる。また、特別図柄の抽選が実行される遊技を行った遊技者に対して、特別図柄の抽選結果に係わらず、遊技者に有利となる特典(カバー部材710を透過させる特典)を付与することができるため、遊技者の遊技意欲を高めさせることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、特定演出が実行されていると判別した場合に透過用ランプ227bを点灯させるように構成しているが、例えば、特定演出が実行されている(特定演出が設定された)状態において、貯留用流路700eに球が貯留されているかを判別し、球が貯留されていると判別した場合にのみ透過用ランプ227bを点灯させる演出を実行し、球が貯留されていないと判別した場合は、透過用ランプ227bに代えて、カバー部材710付近に設けられた装飾用ランプ227aを点灯させる演出を実行するとよい。このように構成することで、カバー部材710を不必要に透過状態へと可変することにより、遊技者に対して不要に可動弁750の動作状況を視認させることを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図55のS2114)において、設定される表示用変動パターンコマンドが、特定の演出である場合に透過用ランプ227bを点灯させる演出を実行するように構成しているが、それ以外に例えば、前回の大当たり終了後から、大当たりに当選することなく特別図柄の抽選回数(変動回数)が所定回数(例えば、500回)を超えたことを条件にカバー部材710が透過状態となるようにしてもよいし、リアルタイム・クロック(RTC)により所定の期間が計時されている間にカバー部材710が透過状態となるように透過用ランプの点灯制御を実行してもよい。また、長期間の間(特別図柄が所定回数(例えば30回)変動する期間や、計時される期間が長期間(例えば、10分))カバー部材710が透過するように構成する場合には、貯留用流路700eに向けて球を打ち出す遊技を案内する案内表示を第3図柄表示装置81に表示するようにしてもよい。これにより、遊技者が有利となる遊技を確実に報知することができる。
図58に戻り、説明を続ける。S2903の処理において、特定演出が実行されていないと判別した場合(S2903:No)、或いは、S2904の処理を終えた後には、現在の状態(遊技状態)に応じて装飾用ランプ点灯コマンドを設定し(S2905)、本処理を終了する。なお、装飾用ランプ点灯コマンドは、実行される変動パターンや現在の遊技状態等に応じて各種設定される。
次に、図59を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)について説明する。図59は、枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)の内容を示すフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(2107)では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)に対する操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドの設定や、その操作内容に基づいた各種フラグの設定がなされる。
具体的には、タイミング演出(操作演出)が実行されている期間における枠ボタン(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)の操作タイミングが押下成功期間か否かを判別し、その判別結果に基づいた演出(成功演出、失敗演出)を表示させるための表示用コマンドを設定したり、タイミング演出(操作演出)の難易度を選択する期間における枠ボタン(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)の操作に基づいて、タイミング演出(操作演出)の難易度を設定したりする処理が実行される。
枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)が実行されると、まず、演出実行中フラグ223xがオンに設定されているかを判別する(S3001)。そして、S3001の処理において、演出実行中フラグ223xがオンであると判別した場合は(S3001:Yes)、次に、解除操作フラグ223pがオンであるかを判別する(S3002)。S3002の処理において、解除操作フラグ223pがオンであると判別した場合は(S3002:Yes)、解除操作フラグ223pをオフに設定し(S3003)、S3005の処理へ移行する。一方、解除操作フラグがオフであると判別した場合は(S3002:No)、次いで、第2枠ボタン22aが操作(押下)されたかを判別する(S3004)。
S3004の処理において、第2枠ボタン22aが操作(押下)されていないと判別した場合は(S3004:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S3004の処理において第2枠ボタン22aが操作(押下)されたと判別した場合は(S3004:Yes)、S3005の処理へ移行する。
ここで、本実施形態では、図19に示した通り、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aは、音声ランプ制御装置113に対して操作に基づく操作信号を出力するように構成されており、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bは、主制御装置110に対して操作に基づく操作信号を出力するように構成されている。そして、音声ランプ制御装置113によって演出態様が設定されるタイミング演出(操作演出)は、上述した第1枠ボタン(演出用ボタン)22aおよび第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対する操作に基づいて演出態様(演出結果)が可変するように構成されている。
よって、図59の枠ボタン入力監視・演出処理(S2107)においては、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aに対する操作(押下)の有無を判別する処理(S3004)と、主制御装置110から解除操作コマンドを受信した場合にオンに設定される解除操作フラグ223pの設定内容に基づいて第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対する操作(押下)の有無を判別する処理(S3002)とが実行される。これにより、異なる制御手段(主制御装置110、音声ランプ制御装置113)に対して操作信号が出力される複数の操作手段(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)に対する操作内容を集約することができ、各操作手段(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)への操作に対応した演出態様の可変設定を円滑に行うことができ、演出効果を高めることができる。
また、本実施形態では、第1枠ボタン22aに対する操作を判別する処理(S3004)よりも先に、第2枠ボタン22bに対する操作状況を示す解除操作フラグ223pの設定内容を判別する処理(S3002)が実行されるように構成している。これは、両方の枠ボタン(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)が同時に操作された場合に、第2枠ボタン22bに対する操作に基づいて演出を実行するためである。つまり、本実施形態では第2枠ボタン(解除用ボタン)22bは、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)の状態を閉鎖(非解除)状態から開放(解除)状態へと可変させるために設けられた操作手段であり、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対する操作によって、遊技者に特典を付与可能なものであるため、単に演出用に設けられた第1枠ボタン(演出用ボタン)22aとは遊技に与える影響が大きく異なるものである。よって、タイミング演出(操作演出)では、遊技の結果に影響を与え得る第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対する操作の有無判別を、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aの有無判別よりも優先度を高めている。このように構成することで、遊技の結果に影響を与え得る操作手段に対する操作と、遊技の結果に影響を与えることのない演出用の操作手段に対する操作との両方を用いて実行される演出(タイミング演出(操作演出))において、遊技の結果に対応した演出を実行することができる。
図59に戻り説明を続ける。S3005の処理では、押下を検出したボタン種別に応じた押下期間情報を押下期間情報格納エリア223yから読み出す(S3005)。つまり、S3002の処理において、解除操作フラグ223pがオンであると判別してS3005の処理に移行した場合は、第2枠ボタン22bに対応した押下期間情報を押下期間情報格納エリア223yから読み出し、S3004の処理において、第1枠ボタン22aの押下を検出したと判別して、S3005の処理に移行した場合は、第1枠ボタン22aに対応した押下期間情報を押下期間情報格納エリア223yから読み出す。
そして、S3005の処理を終えると、次に、S3005の処理によって読み出された押下期間情報に基づいて今回の枠ボタン操作が押下成功期間中に行われたものであるかを判別し(S3006)、押下成功期間中ではないと判別した場合は(S3006:No)、表示用失敗演出コマンドを設定し(S3007)、S3011の処理へ移行する。ここで、表示用失敗演出コマンドが設定された場合は、図11(b)に示すように、結果表示態様720として「bad」が表示される。
一方、S3006の処理において、押下成功期間中であると判別した場合は(S3006:Yes)、今回の処理で判別されている操作が第2枠ボタン(解除用ボタン)22bであるかを判別する(S3008)。S3008の処理において、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作であると判別した場合は(S3008:Yes)、表示用解除ボタン成功演出コマンドを設定し(S3009)、S3011の処理へ移行する。また、S3008の処理において、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作ではなく、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aの操作であると判別した場合は(S3008:No)、表示用演出ボタン成功演出コマンドを設定し(S3010)、S3011の処理に移行する。
ここで、表示用解除ボタン成功演出コマンドが設定された場合は、図10(b)に示すように、結果表示態様720として「good」が表示されるとともに、第2枠ボタン22bを模式的に示す左ボタン表示715が押下状態態様へと可変される。また、表示用演出ボタン成功演出コマンドが設定された場合は、図11(a)に示すように、結果表示態様720として「good」が表示されるとともに、第1枠ボタン22aを模式的に示す中ボタン表示716が押下状態態様へと可変される。さらに、今回のタイミング演出(操作演出)において、特定一般入球口630に球が入球している場合には、その旨を示す特定入球表示態様721が特定一般入球口630への球の入球によって遊技者に付与される特典を示す態様(賞球数を示す「15」)で表示される。
図59に戻り説明を続ける。S3011の処理では、難易度選択フラグ223abがオンに設定されているかを判別する(S3011)。S3011の処理において、難易度選択フラグ223abがオフであれば(S3011:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S3011の処理において、難易度選択フラグ223abがオンであれば(S3011:Yes)、第1枠ボタン22aが押下されたかを判別し(S3012)、押下されている場合は(S3012:Yes)、次に、選択された難易度を示す難易度情報を難易度格納エリア223aaに設定し(S3013)、難易度選択フラグ223abをオフに設定し(S3014)、本処理を終了する。また、S3012の処理において、第1枠ボタン22aが押下されていないと判別した場合は(S3012:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図60を参照して、タイミング演出設定処理(S2111)について説明をする。図60は、タイミング演出設定処理(S2111)の内容を示すフローチャートである。このタイミング演出設定処理(S2111)は、実行されるタイミング演出(操作演出)の内容を設定するための処理である。
タイミング演出設定処理(S2111)が実行されると、まず、タイミング演出設定フラグ223wがオンであるかを判別する(S3101)。S3101の処理において、タイミング演出設定フラグ223wがオンであると判別した場合は(S3101:Yes)、次に、現在が大当たり中であるかを判別し(S3102)、大当たり中であると判別した場合は(S3102:Yes)、大当たり中に実行されるタイミング演出(操作演出)の演出態様を設定するための大当たり用タイミング演出事前設定処理(S3103)を実行し、S3105の処理へ移行する。この大当たり用タイミング演出事前設定処理(S3103)については、図61(a)を参照して詳細な説明を後述する。
一方、S3102の処理において、大当たり中ではないと判別した場合は(S3102:No)、特別図柄の変動表示に基づくタイミング演出(操作演出)の演出態様を設定するための通常用タイミング演出事前設定処理(S3104)を実行し、S3105の処理へ移行する。この通常用タイミング演出事前設定処理(S3104)については、図61(b)を参照して詳細な説明を後述する。
S3105の処理では、何れのタイミング(大当たり中、通常中)で実行されるタイミング演出(操作演出)であっても共通に実行されるタイミング演出共通設定処理を実行し(S3105)、その後、本処理を終了する。このタイミング演出共通設定処理(S3105)については、図62を参照して詳細な説明を後述する。
また、S3101の処理において、タイミング演出設定フラグ223wがオフであると判別した場合は(S3101:No)、タイミング演出(操作演出)における入球タイミングを補正するためのタイミング演出補正処理(S3106)を実行し、その後、本処理を終了する。このタイミング演出補正処理(S3106)については、図63を参照して詳細な説明を後述する。
ここで、図61(a)を参照して、大当たり用タイミング演出事前設定処理(S3103)について説明をする。図61(a)は、大当たり用タイミング演出事前設定処理(S3103)の内容を示すフローチャートである。この大当たり用タイミング演出事前設定処理(S3103)は、大当たり中に設定された難易度に基づいて、実行されるタイミング演出(操作演出)における枠ボタン(第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22b)操作時に出力される音声(効果音)を設定するものである。
大当たり用タイミング演出事前設定処理(S3103)が実行されると、まず、難易度格納エリア223aaに設定されている難易度情報を読み出し(S3131)、読み出した難易度に対応するポインタ設定条件を取得する(S3132)。具体的には、難易度格納エリア223aaに設定されている難易度情報より、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作タイミングと、特定一般入球口630に球が入球可能なタイミングとを合致させる合致回数、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作回数、および、難易度に対応する演出ポインタの表示態様情報とを取得する。
S3132の処理を終えると、次に、読み出した難易度情報が低難度であるかを判別する(S3133)。S3133の処理において、低難度の難易度情報であると判別した場合は(S3133:No)、楽曲情報格納エリア222cより、低難度を示す音域1データ222c2を読み出し(S3134)、音域1に対応する音声コマンドを設定し(S3135)、本処理を終了する。ここで設定される音声コマンドとしては、音域1が楽曲情報のうち高音域を示すものであることから、それに対応するように高音の音声(効果音)が設定される。
一方、S3133の処理において、高難度の難易度情報であると判別した場合は(S3133:No)、楽曲情報格納エリア222cより、高難度を示す音域2データ222c3を読み出し(S3136)、音域2に対応する音声コマンドを設定し(S3137)、本処理を終了する。ここで設定される音声コマンドとしては、音域2が楽曲情報のうち低音域を示すものであることから、それに対応するように低音の音声(効果音)が設定される。
次に、図61(b)を参照して、通常用タイミング演出事前設定処理(S3104)について説明をする。図61(b)は、通常用タイミング演出事前設定処理(S3104)の内容を示すフローチャートである。この通常用タイミング演出事前設定処理(S3104)では、対象となる特別図柄の抽選結果が当たりである場合に、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを押下成功期間中に操作したことに基づいて抽選結果が報知されるよう設定を行うものである。
通常用タイミング演出事前設定処理(S3104)が実行されると、まず、低難度のポインタ設定条件を取得し(S3151)、次に、今回の特別図柄の変動が当たり変動であるかを判別する(S3152)。S3152の処理において、当たり変動中であると判別した場合は(S3152:Yes)、当たり用ポインタ設定フラグ223afをオンに設定し(S3153)、S3151の処理において取得したポインタ設定条件から、ポインタ表示数を1減算し(S3154)、本処理を終了する。
次に、図62を参照して、タイミング演出共通設定処理(S3105)について説明をする。図62は、タイミング演出共通設定処理(S3105)の内容を示すフローチャートである。このタイミング演出共通設定処理(S3105)は、上述した、大当たり用タイミング演出事前設定処理(図61(a)のS3103参照)、或いは、通常用タイミング演出事前設定処理(図61(b)のS3104参照)によって設定されたタイミング演出(操作演出)のポインタ設定条件と、可動弁750の動作状況とに基づいてタイミング演出(操作演出)の演出態様を決定する処理を実行するものである。
タイミング演出共通設定処理(S3105)が実行されると、まず。可動弁状態格納エリア223sに格納されている現在の可動弁750の可動状態(可動状況)に基づいて、30秒後までの閉鎖タイミング情報を閉鎖タイミング格納エリア223vより読み出す(S3201)。そして、入球タイミング格納エリア223adに格納されている入球タイミング情報を読み出し、閉鎖タイミングから入球タイミング情報を減算した入球可能タイミング情報を算出する(S3202)。
そして、今回のタイミング演出(操作演出)のポインタ設定条件と、S3202の処理において算出した入球可能タイミング情報とが合致するタイミングがあるかを判別する(S3203)。具体的には、ポインタ設定条件として設定された楽曲の音域データに対応する演出ポインタ表示可能領域(図27参照)と、入球可能タイミング情報とが合致する箇所が、ポインタ設定条件に設定されている合致回数分一致する箇所があるかを判別する。この場合、入球可能タイミング情報は、予め定められた所定規則に従って動作制御される可動弁750の閉鎖タイミングに基づいて算出されるものであるため、タイミング演出(操作演出)にて実行される楽曲の開始タイミングを所定期間(最大で10秒)の範囲内でずらしながら、合致するタイミングがあるかを判別する(図16参照)。
S3203の処理において、合致するタイミングがあると判別した場合は(S3203:Yes)、その合致タイミングに基づいてタイミング演出(操作演出)の開始タイミングを設定し(S3204)、一方、S3203の処理において、合致するタイミングが無いと判別した場合は(S3203:No)、ポインタ設定条件として設定された楽曲の音域データに対応する演出ポインタ表示可能領域(図27参照)以外に特別ポインタ表示位置を設定し、合致タイミングを作成する(S3205)。その後、作成した合致タイミングに基づいて、演出開始タイミングを設定する(S3204)。
S3204の処理を終えると、次に、当たり用ポインタ設定フラグ223afがオンに設定されているかを判別する(S3206)。S3206の処理において、当たり用ポインタ設定フラグ223afがオンであると判別した場合は(S3206:Yes)、即ち、今回のタイミング演出(操作演出)が当たりに当選した特別図柄の変動演出に基づいて実行されるものである場合は、今回のタイミング演出(操作演出)のポインタ設定条件と、S3202の処理において算出した入球可能タイミング情報とが合致しない非合致ポイントに第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させるための表示ポインタを1つ設定し(S3207)、当たり用ポインタ設定フラグ223afをオフに設定し(S3208)、S3209の処理へ移行する。一方、S3206の処理において、当たり用ポインタ設定フラグ223afがオフであると判別した場合は(S3206:No)、S3207およびS3208の処理をスキップしてS3209の処理へ移行する。
このように構成することで、特別図柄の変動中に実行されるタイミング演出(操作演出)において、入球可能タイミング情報と合致しない非合致ポイントに第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させるための表示ポインタを設定することが可能となる。これにより、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させるための表示ポインタに対して適正なタイミングで、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作したとしても特定一般入球口630に球が入球しない場合に、遊技者に変動中の特別図柄の抽選結果が大当たりではないかと期待を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、このよう構成を用いる場合には、上述した非合致ポイントに設定された表示ポインタに対して適正なタイミングで、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作したと判別した場合に、第3図柄表示装置81に特別図柄の抽選結果を報知するように構成してもよい。これにより、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作を特別図柄の抽選結果を報知するための手段として用いることができる。
また、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が当たりの場合のみ上述した非合致ポイントに表示ポインタを設定するように構成しているが、それ以外の場合、即ち、特別図柄の抽選結果が当たりでは無い場合であっても、非合致ポイントを設定するように構成してもよい。
S3209の処理では、ポインタ設定条件に設定されている合致回数分の表示ポインタを設定し(S3209)、設定された表示ポインタ(S3207の処理で設定された表示ポインタと、S3209の処理で設定された表示ポインタ)に対応させて成功押下期間を決定し、押下期間情報格納エリア223yに設定する(S3210)。S3210の処理を終えると、次に、現在が大当たり中であるかを判別し(S3211)、大当たり中であると判別した場合は(S3211:Yes)、今回の処理で設定した各種内容を演出一時記憶エリア223rに格納し(S3215)、本処理を終了する。一方、S3211の処理において、現在が大当たり中ではないと判別した場合は(S3211:No)、今回の処理で設定した各種内容に基づいて表示用タイミング演出コマンドを設定し(S3212)、演出実行中フラグ223xをオンに設定し(S3213)、タイミング演出設定フラグ223wをオフに設定し(S3214)、本処理を終了する。
次に、図63を参照して、タイミング演出補正処理(S3106)について説明する。図63は、タイミング演出補正処理(S3106)の内容を示したフローチャートである。このタイミング演出補正処理(S3106)は、タイミング演出(操作演出)において設定される特定一般入球口630へ入球可能なタイミングを実際の球通過期間に基づいて補正するための処理が実行される。ここで、本実施形態では、入球タイミングとして球の通過期間を0.5秒に設定した入球タイミング(正常)と、球の通過期間を0.4秒に設定した入球タイミング(早)と、球の通過期間を0.6秒に設定した入球タイミング(遅)のいずれかを選択して、入球タイミング格納エリア223adに設定可能に構成している。そして、本処理で設定された入球タイミング情報に基づいて、可動弁750の閉鎖タイミング情報から入球タイミング格納エリア223adに設定されている入球タイミング情報に対応する球の通過期間を減算することで、特定一般入球口630に入球可能なタイミングが設定される。
タイミング演出補正処理(S3106)が実行されると、まず、球通過情報格納エリア223acに設定されている通過期間を読み出し(S3301)、読み出した通過期間を解析し、通過期間(短)と、通過期間(正常)と、通過期間(長)の情報数をそれぞれ算出する(S3302)。その後、算出した通過期間情報数が通過期間(長)の情報数が通過期間(短)の情報数以上であるかを判別する(S3303)。S3303の処理において、通過期間(長)の情報数が通過期間(短)の情報数よりも少ないと判別した場合は(S3303:No)、次いで、算出した通過期間情報数が通過期間(正常)の情報数が通過期間(短)の情報数以上であるかを判別する(S3304)。S3304の処理において、通過期間(正常)の情報数が通過期間(短)の情報数以上であると判別した場合は(S3304:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3304の処理において、通過期間(短)の情報数の方が多いと判別した場合は(S3304:No)、現在設定されている入球タイミング情報が入球タイミング(遅)であるかを判別する(S3305)。S3305の処理において、入球タイミング(遅)ではないと判別した場合は(S3305:No)、特定一般入球口630に入球可能なタイミングとして、タイミング(早)を選択し、入球タイミング格納エリアに設定し(S3306)、その後本処理を終了する。一方、S3305の処理において、入球タイミング(遅)であると判別した場合は(S3305:Yes)、特定一般入球口630に入球可能なタイミングとして、タイミング(正常)を選択し、入球タイミング格納エリアに設定し(S3310)、その後本処理を終了する。
また、S3303の処理において、通過期間(長)の情報数が通過期間(短)の情報数以上であると判別した場合は(S3303:Yes)、次に、算出した通過期間情報数が通過期間(正常)の情報数が通過期間(長)の情報数以上であるかを判別する(S3307)。S3307の処理において、通過期間(正常)の情報数が通過期間(長)の情報数以上であると判別した場合は(S3307:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S3307の処理において、通過期間(正常)の情報数が通過期間(長)の情報数よりも少ないと判別した場合は(S3307:No)、次いで、現在設定されている入球タイミング情報が入球タイミング(早)であるかを判別する(S3308)。S3308の処理において、入球タイミング(早)ではないと判別した場合は(S3308:No)、特定一般入球口630に入球可能なタイミングとして、タイミング(遅)を選択し、入球タイミング格納エリアに設定する(S3309)。一方、S3308の処理において、入球タイミング(早)であると判別した場合は(S3305:Yes)、上述したS3310の処理に移行し、その後、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本実施形態では、球が所定区間(第1球通過センサS3〜特定一般入球口630または、第2球通過センサS4を通過するまでの区間)を通過するのに要する期間を計測した通過期間情報に基づいて、可動弁750の閉鎖タイミングから減算される入球タイミング期間を可変させることで、特定一般入球口630へ入球可能なタイミングを補正するように構成したが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、貯留装置が解除されたことや、タイミング演出(操作演出)において、適正なタイミングで第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作したことを開始条件に設定し、その開始条件が設定してから、特定一般入球口630または、第2球通過センサS4を通過するまでの期間を計測するようにしてもよい。このように構成しても本実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、入球タイミング期間を可変させるのではなく、通過期間情報に基づいて実行される演出の進行度合いを可変させることで、適正なタイミングで表示ポインタが表示されるように補正処理を行っても良い。
次に、図64を参照して、可動弁動作カウンタ更新処理(S2112)について説明する。図64は、可動弁動作カウンタ更新処理(S2112)の内容を示すフローチャートである。この可動弁動作カウンタ更新処理(S2112)では、可動弁750の動作シナリオを更新するための可動弁動作カウンタ223tを更新するための処理が実行される。
可動弁動作カウンタ更新処理(S2112)が実行されると、まず、可動弁動作シナリオの設定があるかを判別する(S3401)。S3401の処理において設定が無いと判別した場合は(S3401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、設定があると判別した場合は(S3401:Yes)、次に、可動弁動作カウンタの値が上限値であるかを判別する(S3402)。ここで、可動弁動作カウンタの値は、可動弁動作シナリオテーブル202fに設定される24個の動作シナリオを実行するために必要な値であり、732秒に相当するカウンタの値が上限値として設定されている。
S3402の処理において、上限値ではないと判別した場合は(S3402:No)、可動弁動作カウンタ223tの値に1を加算し(S3403)、本処理を終了する。一方、S3402の処理において、上限値であると判別した場合は(S3402:Yes)、可動弁動作カウンタの値を1に設定し(S3404)、本処理を終了する。これにより、音声ランプ制御装置113側で可動弁750の動作状況を随時把握することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図65から図78を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図65を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図65は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S5001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図66を参照して、ブート処理(S5001)について説明する。図66は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S5001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S5101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S5102)。これにより、MPU231は、S5101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S5102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S5102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S5103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S5104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図65のS5001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図65のS5002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S5105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S5001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図66に示すブート処理では、S5101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S5101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S5102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S5103〜S5105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S5101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S5101及びS5102の処理を含めて複数回繰り返した後、S5103〜S5105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S5101及びS5102の処理を行わずに、S5103〜S5105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図65の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S5002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S5003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S5003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S5004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S5004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S5005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図76(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図76(a)のS6502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図67(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図67(b)のS5308参照)および簡易表示設定処理(図67(b)のS5309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S5005の処理の後、割込許可を設定し(S5006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S5006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図67(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図67(a)は、コマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S5201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図67(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図67(b)は、このV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図32参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図67(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S5301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S5301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S5302)を実行し、次いで、表示設定処理(S5303)を実行する。
コマンド判定処理(S5302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図68〜図72を参照して後述する。
表示設定処理(S5303)では、コマンド判定処理(S5302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図73〜図75を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S5304)。このタスク処理では、表示設定処理(S5303)もしくは簡易表示設定処理(S5309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S5305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図76および図77を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S5306)。この描画処理では、タスク処理(S5304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S5305)により設定された転送指示とから、図32に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図78を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S5307)。そして、V割込処理を終了する。S5307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S5301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S5301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S5308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S5309)を実行して、S5304の処理へ移行する。
次いで、図68〜図72を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S5302)の詳細について説明する。まず、図68は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図68に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S5401)、未処理の新規コマンドがなければ(S5401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S5401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S5403)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S5402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S5403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S5404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S5404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S5405)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図69(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S5405)の詳細について説明する。図69(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S5501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S5501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5502)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S5501の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S5503)。表示設定処理では、S5503の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S5501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5504)、ポインタ233fを0に初期化する(S5505)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5506)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S5505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S5501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S5502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S5504の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図68の説明に戻る。S5404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S5404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S5406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S5406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S5407)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図69(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S5407)の詳細について説明する。図69(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S5601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図67(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S5602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S5602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S5603)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S5602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S5304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S5603の処理によって設定された停止図柄判別フラグからS5602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S5601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS5602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図68に戻り、説明を続ける。S5406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S5406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S5408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S5408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S5409)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図70(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S5409)の詳細について説明する。図70(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5701)。次いで、S5701の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S5702)。
そして、S5701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5703)、ポインタ233fを0に初期化する(S5704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5705)、オープニングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S5704の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S5701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S5702の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(15ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(15ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
図68に戻り、説明を続ける。S5408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S5408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S5410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S5410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S5411)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図70(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S5411)の詳細について説明する。図70(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5702)。
そして、S5701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5703)、ポインタ233fを0に初期化する(S5704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5705)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図68の説明に戻る。S5410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S5410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S5412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S5412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S5413)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図71を参照して、エンディングコマンド処理(S5413)の詳細について説明する。図71は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5902)。
次いで、S5901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5903)、ポインタ233fを0に初期化する(S5904)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図68の説明に戻る。S5412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S5412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S5414)、背面画像変更コマンドがあれば(S5414:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S5415)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図72(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S5415)の詳細について説明する。図72(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S6503)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S6001)。そして、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S6002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S6001の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S6002の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S6002の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S5702の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値に直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図68の説明に戻る。S5414の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S5414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S5416)、エラーコマンドがあれば(S5416:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S5417)、S5401の処理へ戻る。
ここで、図72(b)を参照して、エラーコマンド処理(S5417)の詳細について説明する。図72(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S6101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S6102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S6101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S6102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S6102の処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図68の説明に戻る。S5416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S5416:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S5418)、S5401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS5401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S5401:Yes)、再びS5402〜S5418の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S5401〜S5418の処理が繰り返し実行され、S5401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図67(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S5309)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図69(a)参照)および停止種別コマンド処理(図69(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図69(a)参照)では、S5501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S5502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図73〜図75を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S5303)の詳細について説明する。図73は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図73に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S6201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S6201:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S6202〜S6204の処理をスキップし、S6205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S6201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S6202)、S6203〜S6204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S6203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S6203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S6203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S6204)。
ここで、図74を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図74は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S6301)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S6301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S6302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図73の説明に戻る。警告画像設定処理(S6204)の後、又は、S6203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S6203:No)、次いで、S6205の処理へ移行する。
S6205では、ポインタ更新処理を実行する(S6205)。ここで、図75を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図75は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S6401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S6401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S6402)。その結果、End情報であれば(S6402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S6403)、デモ表示データテーブルであれば(S6403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S6405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S6403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S6403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S6406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S6402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S6402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図73に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S6206)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S6206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S6207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S6208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S6208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S6208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S6209)。
その結果、確定表示フラグがオンであれば(S6209:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S6213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S6214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S6215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S6215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S5304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S6215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S6209の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S6209:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S6216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S6216:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6217)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S6220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S6221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S6216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S6216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図67(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S5309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図76及び図77を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S5305)の詳細について説明する。まず、図76(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S6501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S6501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S6502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図76(b)を参照して後述する。
一方、S6501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S6503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図77を参照して後述する。
次いで、図76(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S5305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S6502)について説明する。図76(b)は、この常駐画像転送設定処理(S6502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S6601)、転送指示を送信していれば(S6601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S6602)。このS6602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6602:Yes)、S6603の処理へ移行する。また、S6601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S6601:No)、S6603の処理へ移行する。
S6603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S6603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S6603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S6604)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S6603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S6605)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図67(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図67(b)のS5308参照)および簡易表示設定処理(図67(b)のS5309参照)ではなく、コマンド判定処理(図68〜図72参照)および表示設定処理(図73〜図77参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図77参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図76(a)のS6601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図77を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S5305)の一処理である通常画像転送設定処理(S6503)について説明する。図77は、この通常画像転送設定処理(S6503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S5303)のポインタ更新処理(S6205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S6701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S6702)、転送データ情報であれば(S6702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S6703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S6704)、S6705の処理へ移行する。
また、S6702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S6702:No)、S6703及びS6704の処理をスキップして、S6705の処理へ移行する。S6705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S6705)、転送指示を設定していれば(S6705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S6706)。
このS6706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6706:Yes)、S6707の処理へ移行する。また、S6705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S6705:No)、S6707の処理へ移行する。
S6707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S6707)、転送開始フラグがオンであれば(S6707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S6708)、S6703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S6713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S6707:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S6709)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S6709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S6709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S6710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S6711)。更に、背面画像判別フラグの示す背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S6712)、S6713の処理へ移行する。
S6713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S6713)。このS6713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S6713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S6713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S6713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S6713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S6714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S6714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S6715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図78を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S5306)の詳細について説明する。図78は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S5304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S5305)により設定された転送指示から、図32に示す描画リストを生成する(S6801)。即ち、S6801の処理では、タスク処理(S5304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S5305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S6802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S6802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S6803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図67(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明をしたように、本実施形態では、可動弁750が特定一般入球口630に球を誘導可能な誘導状態(閉状態)となるタイミングで球が可動弁750に到達するように、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)の貯留状態を解除状態へと可変させる第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)に貯留された球を特定一般入球口630に入球させることができる。よって、遊技者に対して第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作するタイミングを計らせながら遊技を行わせることができ、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
また、本実施形態では、可動弁750が予め定められた様々なパターンで動作するように設定されており、その動作内容のうち可動弁750が誘導状態(閉状態)となる期間は、その殆どが、球を1個のみ誘導可能な期間(0.1秒)として設定されている。よって、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)に貯留されている球を特定一般入球口630に誘導可能なタイミングに精度が求められるため、より遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
本実施形態では、操作手段(第2枠ボタン(解除用ボタン)22b)を操作することで、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)に貯留されている球を1個ずつ特定一般入球口630に向けて流下させることができるよう構成しているため、可動弁750が誘導状態(閉鎖状態)となる期間として、球を1個のみ誘導可能な期間(0.1秒)が連続して設定される場合であっても、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを適切なタイミングで操作することで、貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)に貯留されている球を全て特定一般入球口630へ入球させることが可能となる。よって、遊技者を、より多くの賞球を得るために意欲的に遊技に参加させることができる。
なお、操作手段の操作に対して複数個の球を貯留装置から流出させる構成にしてもよく、さらに、遊技者の操作手段に対する操作内容に基づいて、貯留装置から流出させる球の個数を可変させるようにしてもよい。これにより、より多彩な遊技を遊技者に提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、盤面ユニット700のうち、カバー部材710に覆われている箇所(図2参照)には、カバー部材710を裏面側(カバー部材710に対して遊技盤13側)からカバー部材710に対して光を照射するための発光手段である透過用ランプ227ba〜227beが設けられている。この透過用ランプ227ba〜227beがカバー部材710に光を照射することにより、遊技者がカバー部材710に覆われた内部を視認可能となる透過状態とすることができる。なお、詳細は後述するが、この透過用ランプ227ba〜227beは所定条件が成立した場合(例えば、貯留装置が解除状態となり球が流下した場合)に、発光するように制御されている。よって、所定条件が成立していない通常遊技中に、遊技者が可動弁750の動作状況を把握しながら貯留装置の解除操作を行うことを抑制することができる。また、貯留装置の解除操作を行い、可動弁750付近を球が流下する際には、カバー部材710が透過状態となるため、球が可動弁750付近を流下する状況を遊技者に視認させることができる。
さらに、本実施形態では、可動弁750の動作状況を遊技者が把握し難くするための遮蔽手段としてカバー部材710を設けているため、可動弁750の動作状況を把握した状態で第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作する行為を防止することができる。また、遮蔽手段であるカバー部材710は所定条件(例えば、貯留装置が解除状態となり球が流下した場合)が成立することに基づいて、内部が視認可能となる透過状態へと切り替わるようハーフミラーで構成されているため、遊技球が可動弁750付近を流下する場合にはカバー部材710が透過状態へと切り替わる。よって、可動弁750付近を流下する球の流下状況を遊技者に把握させることができる。
なお、本実施形態では、遮蔽手段であるカバー部材710に対して、光(透過用ランプ)を照射することで、透過状態へと切替える構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、常時点灯している発光手段(LED)からカバー部材710に照射される光の入射角が切り替わるようにカバー部材710を可動可能に構成し、カバー部材710が所定位置に位置した場合にのみ内部が視認可能な透過状態となるように構成してもよい。
また、可動弁750を透明樹脂素材(例えば、ポリカーボネート、ABS等)で構成し、カバー部材710を内部が視認可能な透明色で構成し、その表面に、照射された光を乱反射させる加工(例えば、シボ加工)を施すように構成してもよい。これにより、パチンコ機10において遊技が実行されている間は装飾用ランプ227aから照射される光によってカバー部材710の内部を視認困難とし、パチンコ機10の電源をオフにした状態(即ち、装飾用ランプ227aが点灯していない状態)ではカバー部材710の内部を視認可能とするようにしてもよい。これにより、パチンコ機10の電源をオフにした状態であっても店員が容易にカバー部材710の内部を点検することができる。
このような構成を用いる場合は、装飾用ランプ227aから照射される光がカバー部材710に照射されることを遮蔽する遮蔽壁を設け、その遮蔽壁を遮蔽状態と非遮蔽状態とに可変させる構成を設けるとよい。これにより、遊技が行われている間であってもカバー部材710の内部を遊技者に視認させることができる。また、本第1実施形態同様に、カバー部材710に対して光を照射するための専用の発光手段(ランプ)を設け、その発光手段に対して発光制御を行うことで、カバー部材710の内部を視認困難な状態(光を照射している状態)と、視認可能な状態(光を照射していない状態)とを切替えるようにしてもよい。
さらに、内部が視認可能なカバー部材710に装飾用の可動部材を設け、その可動部材の動作を制御することで、カバー部材710の内部を視認可能な状態(装飾用の可動部材の動作が少ない状態)と、カバー部材710の内部を視認困難な状態(装飾用の可動部材の動作が多い状態)とを切替えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、可動弁750の動作内容に基づいて操作手段(第2枠ボタン(解除用ボタン)22b)を操作させるタイミングを設定し、第3図柄表示装置81(図2参照)にて演出表示するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81にて実行される演出表示に従って第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することにより遊技者に特典(特定一般入球口630への入球に基づく賞球)を付与することが可能となり、遊技者に対して意欲的に遊技に参加させることができる。
本実施形態では、上述した演出(タイミング演出)を、大当たり遊技中または特定の変動パターンが選択された場合に実行されるよう構成しているが、それ以外の所定条件が成立した場合に上述した演出(タイミング演出)が実行されるように構成してもよく、例えば、貯留用流路700eに上限量となる球が貯留されたことが判別された場合や、計時手段(RTC等)により特定の時間が計時された場合や、特別図柄変動中や大当たり遊技中に実行される演出用ボタン(第1枠ボタン)22aを操作させる演出(所謂、ミニゲーム等)において、特定条件(例えば、ミッションクリア等)が成立した場合等に所定条件を成立させるよう構成してもよい。これにより、様々なタイミングでタイミング演出(操作演出)を実行することが可能となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、主制御装置110から所定の入賞コマンド(第1入球口64または第2入球口640に球が入球した場合に出力されるコマンド)を受信した場合に、その入賞コマンドに対応する特別図柄の変動が開始されるまでの間に実行される演出(所謂、先読み演出)の期間を用いて、タイミング演出(操作演出)を実行するようにしてもよい。
本実施形態では、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、球を1個、可動弁750に向けて流下させるよう構成しており、さらに、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bは最短でも2秒に1回しか貯留装置の解除操作を実行しないよう構成されている。よって、本パチンコ機10では、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bをタイミングよく操作(押下)しなければ特定一般入球口630に球を入球させることができず、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの操作精度が求められる。なお、本実施形態のパチンコ機10では、この第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作するタイミングを示唆するタイミング演出(操作演出)が第3図柄表示装置81にて実行されるように構成しており、そのタイミング演出(操作演出)に従って第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、球を特定一般入球口630に入球させやすくすることができるように構成されている。これにより、遊技者に対して意欲的に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させることができる。
本実施形態におけるタイミング演出(操作演出)では、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aと、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bとを遊技者に操作させる演出が実行される。このように構成することで、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bのみを操作させる演出を実行する場合に比べて、遊技者にボタン操作を行わせる回数を増やすことができ演出効果を高めることができる。
本実施形態では、特別図柄の抽選結果が当たり変動中である場合に実行されるタイミング演出(操作演出)において、副表示領域Ds4にてスクロール移動する表示ポインタがバー表示部717に合致するタイミングで第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作することで、図14に示すように、特別図柄の抽選結果が副表示領域Ds2に表示されるように構成されている。このように構成することで、貯留装置の貯留状態を解除させるための第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを特別図柄の抽選結果を報知するために用いることができる。
また、特別図柄の抽選結果を報知するために第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させる場合には、その操作に基づいて貯留装置から流出した球が特定一般入球口630に入球困難なタイミングが設定される。これにより、不要に遊技者に対して特典(特定一般入球口630への球の入球に対する賞球)が付与されることを抑制することができる。なお、このようなタイミングを設定する場合では、特定一般入球口630に球が入球しなければ大当たりであることを示唆する報知を行うと良い。これにより、流出された球が特定一般入球口630に入球した場合も、しない場合も遊技者に特典が付与されるため、遊技者に安心感を提供することができる。
本実施形態では、タイミング演出(操作演出)において複数の楽曲が使用可能に構成されており、各楽曲に対して、表示ポインタ719が表示可能(設定可能)な箇所が予め定められている。これはタイミング演出(操作演出)において各楽曲のリズムに合わせたタイミングで操作手段を操作させるためであり、このように構成することで、特定一般入球口630に入球可能なタイミングで表示ポインタ719を設定したとしても、タイミング演出(操作演出)において実行されている楽曲のリズムに合わせて操作手段を操作することができ、遊技者に対して違和感を与えること無くタイミング演出(操作演出)を実行させることができる。
本実施形態では、タイミング演出(操作演出)において、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させるタイミングを、各楽曲に対して予め設定されている表示ポインタを表示(設定)可能な箇所から選択するように構成しているが、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aのみを操作させる操作演出において、上述した構成を用いても良い。これにより、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aを操作させる操作演出として多彩な演出を実行することができる。
本実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たりに当選したことを第3図柄表示装置81で報知する大当たり確定表示画面において、その大当たりに基づく大当たり遊技が実行される期間中に、可動弁750が遊技者に有利となる動作パターン(動作シナリオ)で可変動作されるのかを判別し、その判別結果を第3図柄表示装置81にて報知することができる。これにより、遊技者は、大当たり遊技中に可動弁750が遊技者に有利な動作パターン(動作シナリオ)で実行されることを大当たり遊技が実行される前に把握することができ、大当たり遊技中の遊技を意欲的に行わせることができる。
本実施形態では、遊技者が自身の技量に応じてタイミング演出(操作演出)の難易度を選択可能にし、その難易度に応じて、付与される特典を異ならせることで、様々な遊技者に対して、意欲的にタイミング演出(操作演出)を実行させることができる。
また、上述した内容は、本実施形態で実行されるタイミング演出(操作演出)において楽曲の選択と難易度の選択との両方を示した内容であったが、難易度を変えることなく、楽曲のみを選択する場合は、楽曲Aと楽曲Bとで表示ポインタ719を表示(設定)可能な箇所の間隔が異なっていることから、間隔を空けてタイミング演出(操作演出)を楽しみたい遊技者は楽曲Aを選択し、短い間隔でタイミング演出(操作演出)を楽しみたい遊技者は楽曲Bを選択することができる。これにより、難易度を変えること無く、遊技者の所望するタイミング演出(操作演出)を実行することが可能となり、様々な遊技者に対して、意欲的にタイミング演出(操作演出)を実行させることができる。
なお、本実施形態では、表示ポインタ719を表示(設定)可能な箇所の間隔を楽曲によって異ならせ、遊技者が楽曲を選択することで、タイミング演出(操作演出)にて実行される表示ポインタの表示間隔を狭くしたり、広くしたりする構成を用いているが、それ以外の構成として、遊技者にタイミング演出(操作演出)にて実行される表示ポインタ719の表示間隔を選択する選択手段と、その選択手段によって選択された表示ポインタ719の表示間隔に基づいて、表示ポインタ719の表示箇所を設定する設定手段を設けても良いし、楽曲の再生速度を可変させることで、同一の楽曲を用いて、表示ポインタ719の表示間隔を設定する設定手段を設けても良い。このような構成を用いた場合であっても、難易度を変えること無く、遊技者の所望するタイミング演出(操作演出)を実行することが可能となり、様々な遊技者に対して、意欲的にタイミング演出(操作演出)を実行させることができる。
本実施形態では、音声ランプ制御装置113が可動弁750の動作状況を把握可能とするために、音声ランプ制御装置113のROM222に可動弁動作シナリオ222bを記憶させ、その可動弁動作シナリオ222bの情報を随時更新することで、可動弁750の現在の動作状況および今後の動作内容を把握し、特定一般入球口630へ球が入球可能なタイミングを設定するように構成していたが、例えば、可動弁動作シナリオ222bの情報に基づいて、装飾用可動部材の可動動作や、装飾用ランプ、音声(効果音)等の出力を実行する実行シナリオを生成し、その生成された実行シナリオに基づいて、特定一般入球口630へ球が入球可能なタイミングを間接的に設定するように構成してもよい。また、この場合、実行シナリオに基づいて実行される装飾用可動部材の可動動作や、装飾用ランプ、音声(効果音)等の出力を遊技者が把握困難な場所で実行させるとよい。
本第1実施形態では、貯留用流路700eに2つの貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)を設け、最大で5個の球を貯留し、第2枠ボタン22bの操作に基づいて、貯留装置を解除(開放)状態へ可変させ、貯留用流路700eから球を流出させるように構成していたが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、図79に示すように複数の貯留用流路700e,700gを設けても良い。ここで、図79を参照して、遊技盤13上に球を貯留させる構成の変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した第1実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図79は、第1実施形態の変形例を示す遊技盤13の部分正面図である。図79に示した通り、本変形例は、上述した第1実施形態に対して、貯留用流路700eの上方に第2貯留用流路700gを設けた点と、貯留用流路700eに設けられていた第2貯留弁771aを貯留用流路700gに設けた点と、貯留用流路700gに貯留されている球を検知する第2貯留上限センサS5と第2貯留検知センサS6とを設けた点で相違する。また、詳細な説明は省略するが、上述した第1実施形態では、第1貯留弁770aと第2貯留弁771aとを1つの貯留弁ソレノイド770bを用いて動作制御していたが、本変形例ではそれぞれの貯留弁が個々に貯留弁ソレノイドを備えている点と、夫々の貯留装置(貯留弁)に対応して解除用ボタンを設けた(例えば、後述する図87参照)点で相違する。
本変形例で新たに設けられた第2貯留用流路700gは、貯留用流路700eよりも球が流入し難くなるよう形成されており、第1調整部材701aに衝突し、跳ね返った球が流入可能に形成されている。具体的には、振分流路700dを流下する球で、右下方向(貯留用流路700e方向)に振分けられた球のうち、30球に1球程度の球が流入するように形成されている。なお、調整部材701aの角度や位置を調整することで、第2貯留用流路700gに流入する球の割合を調整することが可能に構成されている。
図79に示すように、本変形例では、貯留用流路700eに5個の球が、第2貯留用流路700gに5個の球が、合計10個の球を貯留可能に構成されている。さらに、貯留用流路700eよりも流入し難い第2貯留用流路700gに流入した球は可動弁750の可変動作の影響を受けること無く特定一般入球口630に向けて球が流下されるよう、その出口が特定一般入球口630を臨むように設けられている。これにより、球を貯留し難い流路(第2貯留用流路700g)に球が貯留された場合には、遊技者に確実に特典(特定一般入球口630へ球が入球したことに基づく賞球)を付与することができる。よって、遊技者は、常に、第2貯留用流路700gに球が流入することを期待しながら遊技を行うことになるため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、図87に示すパチンコ機10を本変形例に用いた場合における遊技の流れについて説明をする。まず、図87のパチンコ機10について説明をする。図87は、貯留装置を解除するための解除用ボタンを複数設けたパチンコ機10の正面図である。本パチンコ機は上述した第1実施形態のパチンコ機10(図1参照)に対して、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cを設けた点と、第1貯留装置770の解除(開放)制御が第2枠ボタン22bの操作に基づいて実行され、第2貯留装置771の解除(開放)制御が第3枠ボタン22cの操作に基づいて実行されるように制御内容を異ならせた点で相違する。その他の要素については同一であり、同一の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図87に示す通り、本パチンコ機10は下皿ユニット15の左側には第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが設けられ、下皿ユニット15の右側には第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cが設けられている。この第2枠ボタン(解除用ボタン)22bと、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cとは、20センチほどの間隔を空けて下皿ユニット15に配設されているため、遊技者が片手で同時に操作困難としている。また、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bと、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cとの間には、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aが、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bと、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cとのボタン表面を繋ぐ直線を遮るように突出して配設されており、遊技者が片手で同時に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bと、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cとを操作することをより困難にしている。
また、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bが操作(押下)された場合には、第1貯留装置770(第1貯留弁770a)の貯留状態を解除(開放)状態へと可変させる制御が実行され、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cが操作(押下)された場合は、第2貯留装置771(第2貯留弁771a)の貯留状態を解除(開放)状態へと可変させる制御が実行されるよう構成されている。
これにより、遊技者が所望のタイミングで第2枠ボタン(解除用ボタン)22bと、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cとを操作することで、遊技者の操作内容に従った貯留装置の解除制御を実行することができ、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
また、遊技者が片手で第2枠ボタン(解除用ボタン)22bと、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cとを同時に操作することが困難となるように構成しているため、遊技を行いながら(即ち、片手で操作ハンドル51を操作しながら)、同時に第2枠ボタン(解除用ボタン)22bと、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cが操作されてしまい、複数の貯留装置の解除制御(例えば、電気的駆動源を用いた可動弁可動制御)が同時に実行されることによる処理負荷、または、同時に電気的駆動源(例えば、ソレノイド、モータ等)が駆動することによる一時的な使用電力の上昇を抑えることができる。なお、遊技者が両手を用いて第2枠ボタン(解除用ボタン)22bと、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cとを同時に操作する場合には、操作ハンドル51が操作されていない状態であることから、複数の貯留装置の解除制御が同時に実行されたとしても、操作ハンドル51への操作に対する遊技制御(例えば、電気的駆動源を用いた発射制御)が実行されていないため、パチンコ機10全体の処理負荷、または、同時に電気的駆動源(例えば、ソレノイド、モータ等)が駆動することによる一時的な使用電力の上昇を抑えることができる。
つまり、本構成を用いることで、2つの貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)に対する解除制御と、操作ハンドル51への操作に対する遊技制御(例えば、発射制御)とが同時に行われることを抑制することができ、パチンコ機10における処理負荷(電気的駆動源を用いた制御処理)や、使用電力(電気的駆動源を駆動させるための使用電力)が一時的に上昇してしまうことを抑制することができる。
図79に戻り説明を続ける。図79で示した第1実施形態の変形例(貯留用流路700eと第2貯留用流路700gとを設けた構成)において、上述した図87の構成(第2枠ボタン(解除用ボタン)22bと、第3枠ボタン(第2解除用ボタン)22cとを設けた構成)を用いた場合には、第2枠ボタン22bに対する操作に基づいて、第1貯留装置770(第1貯留弁770a)が開放(解除)状態となり、貯留用流路700eから球が流出し、第3枠ボタン22cに対する操作に基づいて、第2貯留装置771(第2貯留弁771a)が開放(解除)状態となり、貯留用流路700gから球が流出することになる。
図79に示す通り、貯留用流路700eおよび第2貯留用流路700gから流出した球は何れも特定一般入球口630入球可能となるように球流路が形成されており、特定一般入球口630の上方で貯留用流路700eから流出した球と第2貯留用流路700gから流出した球とが合流するように球流路が形成されている。これにより、各貯留用流路(貯留用流路700e、第2貯留用流路700g)から流出した球の流下状況によって、特定一般入球口630に球が入球するか否かが決定されるため、遊技者に対して、球の動きに注視させ遊技を楽しませることができる。
また、図87で示した構成によれば、第2枠ボタン22bと第3枠ボタン22cとが片手で同時に操作困難な位置に配設されているため、特定一般入球口630の上方で球同士が衝突してしまい、特定一般入球口630に球が入球できない事態を抑制することができる。
第2貯留用流路700gには第2貯留上限センサS5と第2貯留検知センサS6とが設けられており、第2貯留上限センサS5が球を検知した場合、即ち、第2貯留用流路700gに上限量の球が貯留されていることを検知した場合は、この状態で遊技(右打ち遊技)を実行したとしても、これ以上第2貯留用流路700gに球を貯まることができないため、遊技者に対して第3枠ボタン22cの操作を促す報知(例えば、第3図柄表示装置81にて第3枠ボタン22cを押下することを促す表示、音声出力装置226にて第3枠ボタン22cを押下することを促す音声出力、第3枠ボタン22c(または、その周辺)を発光させることで第3枠ボタン22cを押下することを促す音声出力)が実行される。これにより、流出した球が特定一般入球口630に入球しやすい第2貯留用流路700gの球の貯留量が上限である状態で遊技を継続してしまい、遊技者に不利な遊技を行わせることを抑制することができる。
なお、本変形例の構成においても、上述した第1実施形態の説明で記載した内容を適宜組み合わせてもよく、例えば、第2枠ボタン22b或いは第3枠ボタン22cに対する1回の操作に基づいて、球が1個だけ流出するように第1貯留弁770a或いは第2貯留弁771aの動作を制御するようにしてもよいし、第2枠ボタン22b或いは第3枠ボタン22cに対する1回の操作に基づいて、貯留されている全ての球を流出させるように制御してもよい。また、第2枠ボタン22b或いは第3枠ボタン22cに対する操作の操作内容(例えば、通常押し又は長押し)に基づいて、流出させる球数や球の流出タイミングを異ならせるようにしてもよい。これにより、貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)に貯留されている球を貯留装置から流出させるために遊技者が操作する操作手段(第2枠ボタン22b、第3枠ボタン22c)の操作タイミングや操作内容を多彩にすることが出来、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本変形例では、第2貯留用流路700gを、貯留された球が特定一般入球口630を臨む箇所に流出されるように構成することで、遊技者に有利となる貯留用流路(第2貯留用流路700g)と、それよりも不利となる貯留用流路(第1貯留用流路700e)を設けているが、一方の貯留用流路と他方の貯留用流路とに有利不利を設定し、有利となる貯留用流路のほうが不利となる貯留用流路よりも球が流入し難く構成されていればよい。
例えば、第2貯留用流路700gの球流出口と特定一般入球口630との間に第2可動弁を設け、その第2可動弁が可動弁750よりも球を特定一般入球口630に誘導可能な誘導状態となる割合が高くなるように構成してもよい。また、各貯留用流路に貯留される球数の上限を貯留用流路毎に異ならせるように構成してもよい。
<第2実施形態>
次に、図80〜図83を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として第1枠ボタン(演出用ボタン)22aと、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bとを別々に構成していた。また、遊技者に操作手段を操作させるためのタイミング演出(操作演出)として、操作手段(第1枠ボタン(演出用ボタン)22aおよび第2枠ボタン(解除用ボタン)22b)毎に表示ポインタをスクロール移動させる演出表示を実行するように構成していた。
これに対して、本第2実施形態では、第1実施形態における操作手段(第1枠ボタン(演出用ボタン)22aおよび第2枠ボタン(解除用ボタン)22b)に代えて、第1枠ボタン(演出用ボタン)1122aと、第2枠ボタン(解除用ボタン)1122bとを設けている。そして、第1枠ボタン(演出用ボタン)1122aの操作に連動して、第2枠ボタン(解除用ボタン)1122bが押下動作させるための連動手段を設け、その連動手段を、第1枠ボタン(演出用ボタン)1122aの操作に基づいて第2枠ボタン(解除用ボタン)1122bを動作させる連動状態と、第1枠ボタン(演出用ボタン)1122aの操作に基づいて第2枠ボタン(解除用ボタン)1122bが動作されない解除状態とに可変させるための可変制御手段とを設けている。
これにより、遊技者に対して、第1枠ボタン(演出用ボタン)1122aを操作させるタイミング演出(操作演出)を実行し、遊技者が第1枠ボタン(演出用ボタン)1122aを操作する行為を実行するだけで、第2枠ボタン(解除用ボタン)1122bを動作させることが可能となる。よって、遊技者に違和感を与えること無く、貯留装置を解除させることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第1枠ボタン22a、第2枠ボタン22bに代えて、第1枠ボタン1122a、第2枠ボタン1122bが設けられている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図80を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。図80に示した通り、本第2実施形態におけるパチンコ機10の下皿ユニット15中央部には、第1枠ボタン1122a、第2枠ボタン1122bが設けられている。次に、図81を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10に設けられる第1枠ボタン1122a、第2枠ボタン1122bの構成について説明をする。図81(a)は、第1枠ボタン1122a、第2枠ボタン1122bを平面視した模式図であって、図81(b)は、第1枠ボタン1122a、第2枠ボタン1122bの連動動作構成を示す模式図である。
図81(a)に示す通り、第1枠ボタン1122aと、第2枠ボタン1122bとは連動手段1125を介して接続可能に構成されている。また、第2枠ボタン1122bは、第1枠ボタン1122aよりも一回り小さい形状で構成されており、その周辺には規制壁1123が設けられている。これにより、遊技者が意図しないタイミング、例えば、第1枠ボタン1122aを操作しようとした場合に、第2枠ボタン1122bに触れてしまい誤って押下操作をしてしまうことを抑制している。
次に、第1枠ボタン1122a、第2枠ボタン1122bの詳細な構成について、図81(b)を参照して説明する。なお、第1枠ボタン1122aおよび第2枠ボタン1122bには、押下したボタンを通常の位置に復帰させるための復帰手段(例えば、バネ部材、ゴム部材等を用いた弾性部材)や、ボタン操作可能な期間であることを報知するための発光手段等が設けられているが、上述した復帰手段および発光手段等は、一般的に用いられる公知技術が採用されているものであり、その図示および詳細な説明は省略する。
第1枠ボタン1122aの下方には押下動作されたことを検知するための検知スイッチS22aが設けられ、第2枠ボタン1122bの下方には押下動作されたことを検知するための検知スイッチS22bが設けられている。これにより、各枠ボタンが操作(押下)されたことを検知している。また、第1枠ボタン1122aと第2枠ボタン1122bとの間には、両方の枠ボタンと係合可能な連動手段1125が設けられており、この連動手段1125を係合位置に突出させた場合には、第1枠ボタン1122aの押下動作に連動して、第2枠ボタン1122bが押下動作される。なお、連動手段1125は、第2枠ボタン1122bの押下動作では押圧されないように構成されているため、第2枠ボタン1122bの押下動作に連動して第1枠ボタン1122aが押下動作されることはない。
次に、図82を参照して、第1枠ボタン1122a、第2枠ボタン1122bの押下動作について説明をする。図82(a)は、連動手段1125が埋没している解除状態において第1枠ボタン1122aを押下した状態を示す模式図であって、図82(b)は、連動手段1125が突出している連動状態において第1枠ボタン1122aを押下した状態を示す模式図である。
図82(a)に示す通り、連動手段1125が解除状態に位置している間は、第1枠ボタン1122aと、連動手段1125が係合していないため、第1枠ボタン1122aの押下動作に連動して連動手段1125が移動することがない。よって、第2枠ボタン1122bが押下動作されない。一方で、連動手段1125が連動状態に位置している間は、図82(b)に示す通り、第1枠ボタン1122aと、連動手段1125が係合するため、第1枠ボタン1122aの押下動作に連動して連動手段1125が下方へと移動する。そして、連動手段1125と係合した第2枠ボタン1122bも下方へと移動し、検知スイッチS22bにより押下動作されたことが検知される。
また、第2枠ボタン1122bの周辺に設けられた規制壁1123は、図82(b)に示す第2枠ボタン1122bが押下動作された状態においても、第2枠ボタン1122bの周辺に位置するよう、下皿ユニット15の内部側に突出して設けられている。これにより、第2枠ボタン1122bが押下位置(図82(b)に示す位置)から通常位置(図82(a)に示す位置)へと復帰するための復帰動作をスムーズにすることができる。また、第1枠ボタン1122aの押下動作に連動して押下動作される場合の片側把持状態での押下動作をスムーズにすることができる。
なお、本実施形態では、各枠ボタン(第1枠ボタン1122a、第2枠ボタン1122b)が遊技者に操作されていない初期位置(図81(b)参照)から遊技者に操作されたことが検知される検知位置(図82(b)参照)までの移動距離が同一に構成されているが、上述した第1実施形態の枠ボタン入力監視・演出処理(図59のS2107参照)にて説明したように、第2枠ボタン1122bの操作に基づく処理を優先的に実行しているため(図59のS3002参照)、連動手段1125が連動状態となり、第1枠ボタン1122aと、第2枠ボタン1122bとが同時に押下動作された場合には、第2枠ボタン1122bの押下動作に基づく演出が実行されることになる。よって、遊技者が操作した操作手段(第1枠ボタン1122a)とは異なる操作手段(第2枠ボタン1122b)の操作に基づいた演出が実行されるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
なお、本実施形態では、制御処理によって、第1枠ボタン1122aと、第2枠ボタン1122bとが同時に押下動作された場合に、第2枠ボタン1122bに基づく演出が実行されるように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第1枠ボタン1122aを初期位置(図81(b)参照)から検知位置(図82(b)参照)まで移動させる距離よりも、第2枠ボタン1122bを初期位置(図81(b)参照)から検知位置(図82(b)参照)まで移動させる距離のほうが短くなるように構成するとよい。これにより、連動手段1125が連動状態であって、第1枠ボタン1122aと第2枠ボタン1122bとが同時に押下動作した場合に、先に第2枠ボタン1122bの押下動作が検知されるため、第2枠ボタン1122bに基づく演出を優先的に実行することができる。
次に、本第2実施形態における連動手段1125を可変制御する制御内容について説明をする。連動手段1125は各枠ボタン(第1枠ボタン1122aと、第2枠ボタン1122b)と係合する連動状態(突出状態)と、その係合が解除される解除状態(埋没状態)とに可変動作されるものであり、上述した第1実施形態の押下期間情報格納エリア223yに設定されている第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの押下成功期間に対応して連動状態となるように設定される。これにより、上述した第1実施形態のタイミング演出(操作演出)において、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bを操作させるタイミングと同一のタイミングで第2枠ボタン(解除用ボタン)1122bを押下動作させることができる。
なお、上述したタイミング以外のタイミングで連動手段を連動状態へと可変させるように構成してもよく、例えば、遊技者が連動手段の状態を設定可能に構成してもよい。これにより、遊技者が連動手段を連動状態に設定する期間と、タイミング演出(操作演出)における第2枠ボタン(解除用ボタン)1122bの操作タイミングを示す表示ポインタの表示期間とを一致させられるか否かによって、遊技結果に影響を与えることになるため、遊技の興趣を向上させることができる。
次に本第2実施形態における第1枠ボタン(演出用ボタン)1122aを用いたタイミング演出(操作演出)の表示内容について、図83を参照して説明をする。図83は、タイミング演出(操作演出)の表示内容を示す模式図である。なお、上述した第1実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。上述したように、本第2実施形態では、第1枠ボタン(演出用ボタン)1122aの操作を促すための中ボタン表示態様716と、第1枠ボタン(演出用ボタン)1122aを操作させるタイミングを示唆する表示ポインタを表示するための副表示領域Ds5が表示される。つまり、第1実施形態では、第1枠ボタン(演出用ボタン)22aと第2枠ボタン(解除用ボタン)22bの夫々に対して表示ポインタ719を表示し、遊技者に対して各枠ボタンを操作させるようにしていたが、実際は、第2枠ボタン(解除用ボタン)22bに対応する表示ポインタのみをバー表示部717と合致するタイミングで操作するだけで、遊技者に有利な特典が付与されるため、その仕組を理解した遊技者は意欲的に遊技に参加しなくなるという問題があった。
それに対して、本第2実施形態のタイミング演出(操作演出)によれば、遊技者には第1枠ボタン1122aを操作させる演出のみを実行し、その演出にて表示される複数の表示ポインタ719のうち、何れかの表示ポインタ719をバー表示部717と合致するタイミングを入球可能タイミングと合致させ、その表示ポインタ719がバー表示部717付近を通過する際に、連動手段1125を連動状態へと可変制御し、その表示ポインタ719がバー表示部717と合致するタイミングで第1枠ボタン1122aを操作することにより、特定一般入球口630へ球が入球可能なタイミングで第2枠ボタン1122bを押下動作させることができる。これにより、スクロール移動表示される表示ポインタ719のどれが入球可能タイミングを示唆しているものかを把握させることなくタイミング演出(操作演出)を実行することが可能となる。よって、タイミング演出(操作演出)にてスクロール表示される表示ポインタ719の全てに対して、バー表示部717に合致した状態で第1枠ボタン(演出用ボタン)1122aを操作させることが可能となり、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
以上、説明をしたように、本第2実施形態においては、第1枠ボタン1122aと第2枠ボタン1122bと係合させるための連動手段1125と、その連動手段1125を第1枠ボタン1122aと第2枠ボタン1122bとを係合させる連動状態と、第1枠ボタン1122aと第2枠ボタン1122bとを非係合状態にする解除状態とに可変可能な可変制御手段を設け、連動手段1125が連動状態に可変されている間に、遊技者が第1枠ボタン1122aを操作した場合に、その操作(押下動作)に連動して第2枠ボタン1122bが押下動作される構成を用いることで、遊技者に違和感を与えることなく第2枠ボタン1122bを操作させることを可能としているが、本第2実施形態と同様の作用効果を奏する別構成を用いても良い。
例えば、連動手段1125を磁性体で構成し、連動手段1125を励磁状態にすることにより、複数の操作手段(第1枠ボタン1122aと第2枠ボタン1122b)が連動して動作する連動状態となり、連動手段1125を消磁状態にすることにより、複数の操作手段(第1枠ボタン1122aと第2枠ボタン1122b)が連動して動作しない解除状態となるように構成してもよいし、上述した第2実施形態とは異なる構造を用いて連動状態と解除状態とを切り替え可能な手段を用いてもよい。さらに、上述した第2実施形態では2つの操作手段を連動可能な構成を用いているが、3つ以上の操作手段を連動させるように構成してもよいし、3つ以上の操作手段のうち連動状態となる複数の操作手段の組み合わせが異なるように制御可能に構成してもよい。これにより、遊技者が行う操作手段に対する操作に基づいて様々な組み合わせの操作演出を実行することが可能となるため、遊技者に対して意外性のある遊技(演出)を提供することができる。
また、例えば、第2実施形態の変形例として図84〜図86に示すような枠ボタンユニット1022を設けても良い。この枠ボタンユニット1022は、演出用ボタンである第1枠ボタン1022aを取り囲むように解除用ボタンである第2枠ボタン1022bを備えたユニット構造体である。
図84に示す通り、本変形例におけるパチンコ機10では、下皿ユニット15の中央部に枠ボタンユニット1022が設けられている。このように、複数の枠ボタン(第1枠ボタン1022a、第2枠ボタン1022b)をユニット構成とし、1箇所にまとめて配設することにより、パチンコ機10の限られたスペースを有効に用いることができる。
次に、図85および図86を参照して本変形例における枠ボタンユニット1022の構成について説明をする。図85(a)は、枠ボタンユニット1022を遊技者が操作する状態を示す模式図であって、図85(b)は、枠ボタンユニット1022の構成を示した模式図である。図86(a)は、枠ボタンユニット1022のうち第2枠ボタン10222bの押下動作を規制した状態において、枠ボタンユニット1022を操作(押下)した状態を示す模式図であって、図86(b)は、枠ボタンユニット1022のうち第2枠ボタン1022bの押下動作を解除した状態において、枠ボタンユニット1022を操作(押下)した状態を示す模式図である。
まず、図85(a)に示した通り、本第2実施形態の枠ボタンユニット1022は、遊技者が押下操作をした際に、遊技者の手が第1枠ボタン1022a、第2枠ボタン1022bの両方に当接するよう第1枠ボタン1022aが直径5センチの円形状に構成され、第2枠ボタン1022bがその内部に第1枠ボタン1022aを内在させた直径7センチの円環状に構成されている。つまり、枠ボタンユニット1022は全体で直径7センチの円形状のユニット構造となる。
次に、図85(b)を参照して、枠ボタンユニット1022の構成について説明をする。図85(b)に示した通り、枠ボタンユニット1022は、下皿ユニット15に対してパチンコ機10の表面側(図85(b)の視点で上側)に突出するように設けられており、さらに、枠ボタンユニット1022のうち、第2枠ボタン1022bよりも第1枠ボタン1022aの方がパチンコ機10の表面側(図85(b)の視点で上側)に突出するように構成されている。このように構成することで、第2枠ボタン1022bの押下動作を規制した状態であっても、第1枠ボタン1022aを操作(押下)することができる。
そして、第1枠ボタン1022aの押下方向(図85(b)の視点で下方向)には、第1枠ボタン1022aが押下されたことを検知するための検知スイッチS22aが設けられ、第2枠ボタン1022bの押下方向(図85(b)の視点で下方向)には、第2枠ボタン1022bが押下されたことを検知するための検知スイッチS22bが設けられている。さらに、押下操作されていない状態(通常状態)に位置する第2枠ボタン1022bが押下操作された状態(押下状態)へと移動する押下動作を規制する規制手段として規制部材1023aが設けられ、電気的駆動源であるソレノイド1023の動作によって、第2枠ボタン1022bの押下動作を規制する規制位置と、第2枠ボタン1022bの押下動作を規制しない解除位置とに可変可能に構成されている。
図85(b)では、規制部材1023aが規制位置に位置している状態を示しており、規制部材1023aによって、第2枠ボタン1022bが通常状態から押下状態へと移動することを規制している。この規制部材1023aは、弾性変化可能な材質(例えば、ゴム)で構成されており、規制部材1023aが規制位置に位置している状態では、規制部材1023aが解除位置に位置している状態に比べて強い力で押下操作をしなければ第2枠ボタン1022bの押下動作を検知スイッチS22bが検知できないように構成している。このように構成することで、第2枠ボタン1022bは、常に押下操作可能ではあるが、状態に応じて(規制部材1023aの状態に応じて)押下操作に必要とされる押圧力を変化させることが可能となる。また、各枠ボタンの押下操作に必要とされる押圧力については、規制部材1023aが解除位置に位置している状態における第2枠ボタン1022b、第1枠ボタン1022a、規制部材1023aが規制位置に位置している状態における第2枠ボタン1022bの順で押下操作に必要とされる押圧力が強くなるように構成している。これにより、第2枠ボタン1022bが規制状態の場合は、第1枠ボタン1022aのみが押下操作されやすくし、第2枠ボタン1022bが解除状態の場合は、第1枠ボタン1022aに対する押下操作に基づいて第2枠ボタン1022bを押下させやすくすることができる。
なお、本変形例では、第2枠ボタン1022bを常時押下操作可能な構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、規制部材1023aを弾性変化しない材質(例えば、金属や高硬度の樹脂(ポリカーボネート)等)で構成し、規制部材1023aが規制位置に位置している状態では第2枠ボタン1022bが押下操作できないようにしてもよい。
また、本変形例では、図85(b)に示した通り、第1枠ボタン1022aが押下されて検知スイッチS22aに検知されるまでの距離(第1枠ボタン押下ストローク)が、第2枠ボタン1022bが押下されて検知スイッチS22bに検知されるまでの距離(第2枠ボタン押下ストローク)よりも長くなるように構成している。これにより、第2枠ボタン1022bの押下動作が規制されている状態であっても、違和感無く第1枠ボタン1022aに対して押下操作を実行することができる。
以上、説明した各実施形態では、貯留用流路700eに球を貯留させるための貯留手段として第1貯留装置770(第1貯留弁770a)および第2貯留装置(第2貯留弁771a)とを設け、第2枠ボタン22bが操作される毎に1個ずつ球が流出(流下)するように貯留手段の可変動作を制御していたが、貯留用流路700eに球を貯留させるための貯留手段として、第1貯留装置770(第1貯留弁770a)のみを設けるように構成してもよい。
この場合、第2枠ボタン22bを通常操作(通常押下)した場合は、球が1個分流出する程度の期間(例えば、0.2秒)開放(解除)状態となるように、貯留装置を制御し、第2枠ボタン22bを長押し操作した場合は、貯留手段に貯留されている球が全て流出するまで開放(解除)状態が継続されるように構成してもよい。ここで、第2枠ボタン22bが長押しされていることを判別する手法としては、初めの押下操作は通常押下と同じ処理を実行し、通常押下に基づいた第1貯留装置770の開放期間が終了したタイミングで再度第2枠ボタン22bの操作状況は判別し、その時点で継続して第2枠ボタン22bが押下されている場合に長押し操作と判別するとよい。これにより、所定期間の継続押下が実行されていると判別した場合に、第1貯留装置770の開放動作を実行する場合に比べて、第2枠ボタン22bの操作に素早く対応して第1貯留装置770を開放させることができる。
また、このような構成を用いることで、タイミング演出(操作演出)において、第1貯留装置770に貯留されている全ての球を特定一般入球口に入球させるには、第2枠ボタン22bを通常操作する行為を選択し、第1貯留装置770に貯留されている球のうち、少なくとも1つは特定一般入球口に入球させたいと願う遊技者は長押し操作を選択することが可能となり、遊技者の技量に合わせた演出遊技を実行することができる。
さらに、本実施形態では、可動弁750の動作パターンとして、短期間に複数回の誘導状態へと可変する動作シナリオ3(図23(a)参照)が設けられている。よって、可動弁750が動作シナリオ3を実行するタイミングで長押し操作を選択した場合は、多くの球を特定一般入球口へ入球させることができる。
なお、このように長押し操作が実行可能な枠ボタン22bを設ける場合には、動作シナリオ3が実行されるタイミングを示唆する報知演出を実行してもよい。これにより、遊技者は報知演出内容に基づいて、通常操作または長押し操作を推測しながら選択することができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、枠ボタン22bを長押し操作した場合に、継続して第1貯留装置770を開放(解除)状態にするのではなく、特定の間隔で第1貯留装置770を開閉させるように制御してもよい。この場合、特定の間隔を可動弁750の動作シナリオ(動作パターン)に基づいて設定するとよい。これにより、長押し操作に基づいて流出した1個目の球が特定一般入球手段に入球した場合に、残りの球も入球しやすいタイミングで流出させることができる。
以上、説明をした各実施形態では、貯留用流路700eまたは貯留用流路700gに球を貯留させる構成として電気的駆動源によって貯留状態と解除状態とに可変動作される貯留弁を用いた貯留装置を設けているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、磁力によって、球を貯留させる構成を用いても良い。この場合、磁力を有する磁性体を球に接近させる貯留位置と球から遠ざける解除位置とに可変させる可変部材を用いたり、通電することで磁力が発生する部材(所謂、電磁石)を用いて、貯留状態と解除状態とを可変制御したりすればよい。
上述した各実施形態では、貯留手段(貯留装置)から流出した球を特定の入球手段(特定一般入球口630)へと誘導可能な誘導状態と誘導困難な困難状態とに可変可能な構成として、予め定められた可変パターン(動作シナリオ)で突出位置と埋没(退避)位置との可変動作される可動弁750を設けているが、貯留手段(貯留装置)から流出した球を特定の入球手段へと誘導可能な誘導状態と、誘導困難な困難状態とに可変するものであれば、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、球を誘導する開口部を複数有する回転体であって、その複数の開口部のうち所定の開口部に球が入球した場合に特定一般入球口630へ球が誘導され、それ以外の開口部に球が入球した場合には、特定一般入球口630へ球が誘導されないように構成された回転体を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタンを用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(1022b、1122b)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
上述した各実施形態は、右打ち遊技によって発射された球のうち、盤面ユニット700の流入口700aに流入し、可変入賞装置65、第2入球口640に入球しなかった球が貯留用流路700eに流入するように構成されており、右打ち遊技により打ち出された球の約30球に1球が貯留用流路700eに流入するように構成したが、右打ち遊技によって発射された球が貯留用流路700eに流入する割合は適宜決定すればよく、遊技盤右側領域の構成も適宜変更してもよく。例えば、図88に示すように、盤面ユニット700内の各構成の配置を上述した各実施形態と異ならせ、貯留用流路700eに流入する割合が高くなるように構成してもよい。
次に、図88を参照して、パチンコ機10の遊技盤13の別例について説明する。図88は、別例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。この別例における遊技盤13と上記各実施形態に用いられる遊技盤13とでは、遊技盤右側領域に設けられる盤面ユニット700内の各構成の配置関係が相違しており、それ以外の要素については同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図88に示す通り、本別例の遊技盤13では、上述した図2および図3に示す遊技盤13と同様に盤面ユニット700の流入口700aの上方に設けられた釘の配置によって、右打ち遊技によって右遊技領域に打ち出された球の約95%(100球中約95球)が盤面ユニット700の流入口700aに流入し、流入口に流入した球の約93%(右打ち遊技によって打ち出された球のうち約90%)がスルーゲート67を通過した後に、可変入賞装置65に向けて流下する。
そして、可変入賞装置65に向けて流下した球は、可変入賞装置65が開状態(開放状態)の場合には、可変入賞装置65に入球し、可変入賞装置65が閉状態(閉鎖状態)の場合には、可変入賞装置65を通過して、電動役物640aに向けて流下する。
電動役物640aが閉状態となるタイミングで電動役物640aに到達した球は、閉状態の電動役物640a上を流下して振分流路700d(図3参照)へと流入する。この振分流路700dに流入した球は、約9球に1球が貯留用流路700eへ流入するように調整部材(釘等)が配設されている。つまり、本別例における遊技盤13の構成では、右打ち遊技によって右遊技領域に打ち出された球の約10球に1球が貯留用流路700eに流入するように(即ち、盤面ユニット700内に設けられた特定一般入球口630(図3参照))の賞球数(15球)よりも少ない球数(10球)の打ち出しにより、貯留用流路700eに球が流入するように)構成されている。
このように構成された遊技盤13によれば、大当たり遊技中に右打ちされた球を効率よく可変入賞装置65に入球させることができ、さらに、大当たり遊技中において、可変入賞装置65が閉鎖されているタイミング(ラウンド間インターバル中)に可変入賞装置65に入球することなく通過した球を効率よく貯留用流路700eに流入させることができるため、大当たり遊技を遊技者に有利に実行させることができる。
しかしながら、このように構成された遊技盤13を用いた場合には、通常遊技中に遊技盤右側領域に向けて球を打ち出すことで、図2に示した遊技盤13の構成に比べて貯留用流路700eに球が流入しやすくなるため、通常遊技中に特定一般入球口630に球を入球させる行為が行われてしまうという虞がある。
これに対して、本別例では、図2を参照して上述したように、可動弁750の可動状態が外部から視認困難となるように、カバー部材710が設けられているため、たとえ、通常遊技中に貯留用流路700eに球を流入させたとしても、貯留用流路700eに貯留された球が特定一般入球口630に入球するように貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)を解除させるタイミングを把握し難くすることができる。よって、通常遊技中に特定一般入球口630に球を入球させる遊技を実行し、多量な球を獲得する行為を抑制することができる。
さらに、上記各実施形態にて上述したように、可動弁750は様々な動作パターンで可動するように構成されているため、通常遊技中に特定一般入球口630に球を入球させる遊技を実行し、多量な球を獲得する行為をより抑制することができる。
なお、本別例のように構成された遊技盤13を用いた場合において、通常遊技中であっても所定条件が成立した場合に、貯留用流路700eに貯留された球が特定一般入球口630に入球するように貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)を解除させるタイミング(枠ボタン22を操作するタイミング)を報知するようにしてもよい。具体的には、特別図柄の抽選結果が所定回数(例えば、500回)連続して外れとなった場合や、遊技が開始されてから所定時間(例えば、3時間)が経過した場合や、第3図柄表示装置81にて実行される変動パターンとして特定の変動パターンが選択された場合や、パチンコ機10に現在の時刻を判別可能な手段(例えば、リアルタイムクロック)を設け、現在の時刻が所定時刻(例えば、正午)となった場合を契機として、上述したタイミングを遊技者に報知するタイミング報知が実行されるようにするとよい。
これにより、特別図柄の大当たりに当選していない遊技者に対して、所定期間の間、遊技者に有利になり得る遊技を提供することができるため、遊技者が当たりに当選することなく遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、上述したタイミング報知が実行されてから終了するまでのタイミング報知継続期間については、常に一定時間となるように設定してもよいし、毎回異なる時間が設定されるようにしてもよい。また、タイミング報知の終了条件として時間の経過だけではなく、例えば、タイミング報知が実行されている期間中に特定一般入球口630に球が所定数(例えば、2個)入球したことを終了条件としてもよい。このように構成することでタイミング報知が実行される期間中に特定一般入球口630に球を入球させやすくすることができる。
なお、このようなタイミング報知が実行される場合には、遊技者に有利となる遊技が右打ち遊技となることから、第3図柄表示装置81の副表示領域Ds3に右打ち遊技を案内するための案内表示として「右を狙え」が表示される。この案内表示は、実際にタイミング報知が実行されるよりも所定期間前(例えば、30秒前)から第3図柄表示装置81の副表示領域Ds3に表示されるように設定されている。これは、タイミング報知が実行されるまでに貯留用流路700eに球を貯留させることを目的とした準備用報知である。これにより、タイミング報知が実行される状態において、貯留用流路700eに球が貯留されていない事態が発生することを抑制することができる。
さらに、上述した準備用報知を実行するか否かを、貯留用流路700e上に貯留されている球の有無を判別する判別手段(貯留上限センサS1、貯留検知センサS2)の判別結果に基づいて決定するとよい。具体的には、貯留上限センサS1が球を検知している場合には、準備用報知が実行されないように設定するとよい。これにより、貯留用流路700eに新たに球を流入させることができない状態で準備用報知を実行してしまうことで、遊技者が無駄に右打ち遊技を実行してしまうことを抑制することができる。また、この準備用報知が実行される期間については適宜設定すればよいが、例えば、貯留用流路700eに貯留されている球数、または、貯留用流路700eに新たに流入可能(貯留可能)な球数に基づいて準備用報知期間の長さを可変可能に構成するとよい。これにより、タイミング報知が実行される状態において、貯留用流路700eに球が貯留されていない事態が発生することを抑制することができ、且つ、遊技者に対して無駄に右打ち遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をしたように、図88に示した本別例の構成を用いたパチンコ機10によれば、貯留用流路700eに球が流入しやすい遊技盤13の構成、具体的には、特定一般入球口630に球が入球した場合に払い出される球数(例えば、15球)よりも、少ない球数(例えば、10球)の球を打ち出すことで貯留用流路700eに球が流入可能な構成を用いたとしても、可動弁750の動作状況を外部から視認し難くするためのカバー部材710を設けたため、貯留用流路700eに貯留された球が特定一般入球口630に入球するタイミングで貯留装置(第1貯留装置770および第2貯留装置771)を解除させ難くすることができる。
また、本別例では、特定一般入球口630に球が入球した場合に払い出される賞球数(15球)よりも少ない球数(10球)の打ち出しによって貯留用流路700eに球を流入させることができるため、通常遊技中(即ち、可変入賞装置65が開状態とならず、電動役物640aが開状態になり難い遊技状態)で且つ貯留用流路700eに球が貯留されていない状態であっても、上述したタイミング報知を実行し、貯留用流路700eに球を貯留させてから特定一般入球口630に球を入球させたとしても、遊技者に有利な遊技(打ち出した球数よりも、払い出される球数のほうが多くなる遊技)を提供することができる。
これにより、特別図柄の大当たりに当選していない遊技者に対して、所定期間の間、遊技者に有利になり得る遊技を提供することができるため、遊技者が当たりに当選することなく遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(貯留装置解除タイミングを演出で示唆)
球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、入球した球を貯留可能な貯留手段と、遊技球が入球することに基づいて遊技者に有利な特典が付与される特定入球手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて、前記貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる貯留制御手段と、その貯留制御手段により前記解除状態に可変されることで前記貯留手段から流出した球が前記特定入球手段へと入球し易い第1状態と、前記流出した球が前記特定入球手段へと入球し難い第2状態とに可変可能な可変手段と、その可変手段を予め定められた可変パターンに従って可変制御する可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち出された遊技球を保留可能な保留装置を設け、遊技者が解除操作を行うことで保留装置に保留された遊技球を入球口へと流下させる構成を有するものがある。(例えば、特開2006−95235号公報)。
かかる従来型の遊技機では、遊技者が保留装置に保留されている遊技球を流下させるタイミングを決定することは可能となるが、遊技者が決定した遊技球を流下させるタイミングに応じて遊技者に付与される特典を異ならせることが出来ないため、解除操作を行うタイミングを遊技者に意欲的に狙わせることが出来ず、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機A1によれば、前記貯留手段が操作手段の操作により解除状態に可変されて流出した球が第1状態に可変された可変手段まで移動した場合には、特定入球手段へと入球され易く構成されている。これにより、貯留手段に遊技球が貯留された場合に、特定入球手段へと可変手段により入球し易くなるタイミングで操作手段を操作することの楽しみを遊技者に提供することができる。よって、遊技意欲が低下してしまうという不具合を抑制できるという効果がある。
なお、上述した可変手段としては、電気的駆動源の駆動によって突出位置と埋没位置とに可変動作可能な部材(例えば、可動弁)以外にも、上述した第1状態と第2状態とに可変可能な回転体や、球の流路を切替える切替部材でもよい。また、電気的駆動源を用いること無く、流下した球によって次に流下する球の流下方向を切替える切替部材でもよい。
遊技機A1において、前記可変制御手段により前記可変手段を可変制御するための複数の前記可変パターンが記憶された記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記複数の可変パターンより1の可変パターンを設定する可変パターン設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、可変手段が複数の可変パターンより1の可変パターンが設定されて可変されるので、可変パターンを遊技者に記憶されて、第1状態となるタイミングを容易に狙われることにより、遊技者に対して過剰に有利になる不具合を抑制できるという効果がある。
ここで、複数の可変パターンが記憶された記憶手段とは、可変手段を第1状態とする第1期間と第2状態とする第2期間とが定められている可変パターンが複数種類記憶されている手段である。なお、この可変パターンは、可変手段を可変させる最小単位を1つの可変パターンとしてもよいし、第1期間と第2期間とが同一の動作を複数回連続して行う場合は、その複数回の動作を1つの可変パターンとしてもよい。上述した前者の場合は、可変手段の1回の動作に対して1つの可変パターンが設定されているため、可変手段の動作を詳細に設定し、遊技者に可変手段が第1状態となるタイミングを把握され難くすることができる。また、上述した後者の場合は、1つの可変パターンの実行期間を長くすることができるため、可変パターンを設定する頻度を抑制することができる。
遊技機A2において、前記可変パターン設定手段は、電源が投入されてから前記可変パターンを予め定められた順序で繰り返し設定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、電源が投入されてからの可変パターンが予め定められた順序で繰り返し設定されるので、1の可変パターンが偏って選択されて、有利不利が偏る不具合を抑制できるという効果がある。
ここで、電源が投入されてから、とは、遊技機に電源が投入され、可変手段の可変動作が実行されてからという意味であり、可変手段の可変パターンが予め定められた順序で設定されることで上述した効果が奏されるものである。
なお、本遊技機A3に、遊技機に電源が投入されてから、可変手段の可変動作の実行が開始されるまでの期間を異ならせる処理を追加し、1の可変パターンが偏って選択される不具合を抑制しながらも、電源が投入されてから所定時間後に実行される可変動作を異ならせるようにしてもよい。つまり、電源が投入されてから、可変動作の実行が開始されるまでの期間を例えば3秒異ならせる(遅らせる)ことで、電源が投入されてから所定時間後に実行されり可変動作を3秒分ずらす(遅らせる)ことができる。これにより、電源が投入されてからの経過時間を計測し、その計測結果に基づいて可変手段が第1状態となるタイミングを把握されてしまうことを抑制することができる。この場合、電源が投入されてから所定時間後に実行される可変動作を異ならせる手法としては、電源投入後に実行される処理において、可変動作に対する制御を開始するタイミングを抽選で決定したり、予め定められている開始タイミングを順に実行したりする手法が考えられる。
また、可変手段の可変パターンを設定する順序が予め定められた設定順序記憶手段を設け、その設定順序記憶手段に記憶されている順序を繰り返し実行するように可変パターンが設定されるものである場合は、可変手段の可変動作を開始する際に、設定順序記憶手段に記憶されているどの可変パターンを最初に実行する可変パターンとして設定するかを決定する可変パターン決定手段を設けてもよい。これにより、1の可変パターンが偏って選択される不具合を抑制しながらも、電源が投入されてから所定時間後に実行される可変動作を異ならせることが可能となる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、遊技者に有利となる前記操作手段の操作タイミングを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、その示唆演出実行手段により実行される示唆演出の態様を前記可変制御手段により実行されている可変パターンに基づいて設定する示唆演出態様設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、可変手段が可変されている可変パターンに基づいて、示唆演出の態様が設定されるので、容易に実行される可変パターンに合わせた示唆演出の実行を設定することができるという効果がある。
なお、遊技機A4の構成を用いる場合には、可変手段が第1状態に位置するタイミングを遊技者に予測されないようにするとよい。具体的には、可変手段の可変動作を視認し難くするための遮蔽部材(目隠し部材)を設けると良い。これにより、可変手段を直接見るのではなく、実行される示唆演出に基づいて可変手段が第1状態となるタイミングを遊技者に把握させることができるため、演出効果を高めることができる。
さらに、遊技機A2の構成を備えた場合は、可変手段が第1状態となるタイミングを遊技者が予測することを困難にすることができるため、実行される示唆演出に遊技者を注視させることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
遊技機A4において、前記示唆演出態様設定手段により設定される前記示唆演出の態様は、前記複数の可変パターンのそれぞれに対応してそれぞれ設定されているものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、複数の可変パターンに対応してそれぞれ示唆演出の態様が設定されているので、可変パターンが切り替わっても遊技者に有利となる示唆演出を容易に実行できるという効果がある。
なお、操作手段の操作タイミングを示唆する示唆演出としては、第3図柄表示装置の表示画面に移動体を表示させ、その移動体が特定位置に位置したタイミングを操作タイミングと一致させる演出や、演出として実行される音声が所定の音声となるタイミングを操作タイミングと一致させる演出などが考えられる。この場合、操作タイミングが近づいていることを遊技者に把握させる事前演出を用いるとよい。具体的には、特定位置に向けて移動体を直線上に等速度で移動表示させる演出や、数字を特定の数字(例えば0)に向けてカウントダウンする音声を用いた演出を用いるとよい。これにより、操作手段を操作するタイミングを事前にある程度把握することができるため、操作タイミングが短い期間しか設定されていない場合であっても、適切に操作手段を操作させることができる。
一方、遊技者に有利となる操作タイミングで操作手段を操作し難くさせるために、上述した事前演出とは異なる阻害演出を実行するとよい。この阻害演出としては、事前演出をタイミングを異ならせて実行することが考えられる。これにより、遊技者に有利となる操作タイミングで操作手段を操作させ難くすることができる。
遊技機A4またはA5において、前記可変制御手段により実行されている前記可変パターンの内容を判別する判別手段を有し、前記示唆演出実行手段は、判別手段により判別された内容に基づいた開始タイミングで前記示唆演出を開始するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4またはA5の奏する効果に加え、実際に行われている可変パターンの可変内容に基づいた開始タイミングで示唆演出が開始されるので、可変パターンの進捗に合わせて示唆演出を実行することができるという効果がある。
ここで、可変パターンの内容としては、その可変パターンが遊技者に有利な可変パターンであるか否かを示す内容情報や、実際に可変手段が第1状態となる期間を示す内容情報や、可変パターンが切り替わるまでの残り期間を示す内容情報等が考えられる。
遊技機A6において、前記可変手段が前記第1状態となる期間を判定する期間判定手段を有し、前記示唆演出実行手段は、前記期間判定手段の判定結果に基づいたタイミングで、前記示唆演出を開始するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、第1状態となる期間を判定した結果に基づいたタイミングで示唆演出が開始されるので、操作手段が操作された場合に、貯留手段から流出した球が第1状態に可変されている期間に可変手段まで移動できるタイミングで示唆演出を容易に実行できるという効果がある。
遊技機A3からA7のいずれかにおいて、前記示唆演出で示唆される前記操作手段の操作タイミングは、その操作タイミングに基づいて前記操作手段を操作した場合に、前記貯留手段から流出した少なくとも1の球が前記第1状態に可変された前記可変手段まで移動可能に設定されているものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A3からA7のいずれかの奏する効果に加え、示唆演出に基づいたタイミングで操作手段を操作することで、特定入球手段へと遊技球を入球させ易くでき、操作手段を操作する興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機A2からA8のいずれかにおいて、前記記憶手段に記憶されている前記可変パターンに基づいて、前記可変手段が前記第1状態に可変するタイミングを特定するタイミング特定手段と、前記貯留手段から流出した球が前記可変手段に到達するまでの期間を設定する期間設定手段と、前記タイミング特定手段により特定された前記タイミングから、前記期間設定手段により設定された期間分を減算したタイミングを前記操作手段の操作タイミングとして設定する操作タイミング設定手段と、その操作タイミング設定手段により設定された操作タイミングを示唆する演出を実行する示唆演出実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A2からA8のいずれかの奏する効果に加え、第1状態に可変するタイミングを特定し、その特定したタイミングから、貯留手段から流出した球が前記可変手段に到達するまでの期間を減算した値と操作タイミングとして設定し、その操作タイミングを示唆する演出を実行するため、操作タイミングを示唆する演出の精度を高めることができ、遊技者を意欲的に演出に参加させることができるという効果がある。
遊技機A9において、前記貯留手段から流出した球が前記可変手段に到達するまでに期間を計測する計測手段と、その計測手段により計測された計測期間と、前記期間設定手段により設定された期間とを判別する期間判別手段と、その期間判別手段の判別結果に基づいて、前記期間設定手段の設定内容を補正する期間補正手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、実際に球が到達するまでの期間を計測し、その計測結果に基づいて設定期間を補正することができるため、示唆演出の精度をより高めることができ、遊技者を意欲的に演出に参加させることができるという効果がある。
遊技機A4からA10のいずれかにおいて、前記遊技領域に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球した場合に、判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示唆するための演出を実行する演出実行手段と、前記判別手段による判別結果が、特定判別結果であることに基づいて特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、特典遊技が実行されるか否かの判別を行う判別手段の判別結果に基づいて、示唆演出が実行されるため、遊技者に対して、特典遊技を狙う遊技と特定入球手段に球を入球させる遊技とを関連付けることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
ここで、示唆演出が実行される条件としては、例えば、判別手段の判別結果が、特典遊技が実行される特定判別結果である場合や、特典遊技が実行されない(所謂、外れ)判別結果が所定回数連続した場合等が考えられる。
また、示唆演出が実行されるタイミングとしては、判別手段の判別結果が遊技者に報知されるよりも前の期間でもよいし、判別結果が報知されるタイミングでもよいし、判別結果が特定判別結果の場合であれば、判別結果が報知された後に実行される特典遊技中であってもよい。特典遊技中に示唆演出が実行される場合であれば、遊技者に対して、特典遊技と特定入球手段に球を入球させる遊技とを同時に行わせることが可能となり、遊技者により有利な遊技状態を提供することができる。
<特徴B群>(解除操作を用いた演出を実行)
球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、入球した球を貯留可能な貯留手段と、遊技球が入球することに基づいて遊技者に有利な特典が付与される特定入球手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて、前記貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる貯留制御手段と、その貯留制御手段により前記解除状態に可変されることで前記貯留手段から流出した球が前記特定入球手段へと入球し易い第1状態と、前記流出した球が前記特定入球手段へと入球し難い第2状態とに可変可能な可変手段と、その可変手段を予め定められた可変パターンに従って可変制御する可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち出された遊技球を保留可能な保留装置を設け、遊技者が解除操作を行うことで保留装置に保留された遊技球を入球口へと流下させる構成を有するものがある。(例えば、特開2006−95235号公報)。
かかる従来型の遊技機では、遊技者が保留装置に保留されている遊技球を流下させるタイミングを決定することは可能となるが、遊技者が決定した遊技球を流下させるタイミングに応じて遊技者に付与される特典を異ならせることが出来ないため、解除操作を行うタイミングを遊技者に意欲的に狙わせることが出来ず、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機B1によれば、前記貯留手段が操作手段の操作により解除状態に可変されて流出した球が第1状態に可変された可変手段まで移動した場合には、特定入球手段へと入球され易く構成されている。これにより、貯留手段に遊技球が貯留された場合に、特定入球手段へと可変手段により入球し易くなるタイミングで操作手段を操作することの楽しみを遊技者に提供することができる。よって、遊技意欲が低下してしまうという不具合を抑制できるという効果がある。
なお、上述した可変手段としては、電気的駆動源の駆動によって突出位置と埋没位置とに可変動作可能な部材(例えば、可動弁)以外にも、上述した第1状態と第2状態とに可変可能な回転体や、球の流路を切替える切替部材でもよい。また、電気的駆動源を用いること無く、流下した球によって次に流下する球の流下方向を切替える切替部材でもよい。
遊技機B1において、前記遊技領域に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球した場合に、判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示唆するための演出を実行する演出実行手段と、前記判別手段による判別結果が、特定判別結果であることに基づいて特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、所定条件が成立した場合に前記操作手段の操作タイミングであることを示唆する特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、特典遊技が実行されるか否かの判別を行う判別手段の判別結果を示唆するための演出として、所定条件が成立した場合に操作手段の操作タイミングを示唆する特定演出が実行されるため、遊技者に対して、判別手段の判別結果に基づいて特典遊技または特定演出を付与することが可能となる。よって、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記貯留手段が球を貯留していることを判別する貯留判別手段を有し、前記貯留判別手段により前記貯留手段が球を貯留していると判別したことが、前記所定条件の成立条件の少なくとも一つであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、少なくとも貯留判別手段により貯留手段に球が貯留されていると判別された場合に特定演出が実行されるため、特定演出により示唆される操作タイミングで操作手段を操作したにも係わらず、貯留手段から球が流出しない事態を抑制することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記特定判別結果を示唆するための演出を実行している場合に、前記特定判別結果とは異なる判別結果を示唆するための演出を実行している場合よりも前記特定演出を実行し易いものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、判別手段による判別結果が、特典遊技が実行される特定判別結果である場合に、特定判別結果以外の判別結果である場合よりも特定演出が実行され易いため、遊技者に対して、特典遊技と特定演出の両方を一度に付与し易くすることができる。よって、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、前記演出実行手段により実行される前記特定演出により示唆される前記操作タイミングは、その操作タイミングで操作を実行した場合に前記貯留手段から流出した少なくとも1の球が前記第2状態に可変された前記可変手段まで移動可能に設定されているものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4のいずれかが奏する効果に加え、貯留手段から流出された少なくとも1の球が第2状態に可変された可変手段に到達する操作タイミングが特定演出により示唆されるため、判別手段の判別結果を示唆する演出が実行されている間に、貯留手段に貯留されている球を貯留手段から流出させる場合に、特定入球手段へ球が入球してしまうことを抑制することができる。
遊技機B2からB5のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記特定演出が実行されている期間に前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記判別手段による判別結果に基づく情報を報知する報知演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B2からB5のいずれかの奏する効果に加え、特定演出が実行されている期間に操作手段が操作されたことに基づいて、判別手段の判別結果に基づく情報を報知する報知演出が実行されるため、遊技者を報知演出に注視させることができる。よって、貯留手段に貯留されている球を貯留手段から流出させる動作を遊技者に気付かれ難くすることができる。
遊技機B2からB6において、前記特典遊技実行手段により特典遊技が実行されている期間に、遊技者に有利となる前記操作手段の操作タイミングを示唆する有利示唆演出を実行する有利示唆演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B2からB6の奏する効果に加え、特典遊技が実行されている期間では、遊技者に有利となる操作手段の操作タイミングが有利示唆演出によって示唆されるため、特典遊技実行中の遊技価値を高めることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
<特徴C群>(可動弁の動作を視認困難にする)
球が入球可能な入球手段と、その入球手段へ球が入球し易くなる第1状態と、その第1状態よりも前記入球手段に球が入球し難くなる第2状態とに可変可能な可変手段と、その可変手段の少なくとも一部を外部から視認が困難な困難状態と、その困難状態よりも視認し易い容易状態とに切替可能な切替手段と、所定条件が成立した場合に、前記切替手段により前記困難状態から前記容易状態へと切替える切替制御手段とを有することを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち出された遊技球が特定領域へ入球することを許容する許容位置と、規制する規制位置とに可変可能な可変手段を設け、可変手段が許容位置となった状態で可変手段を球が通過することで、特定領域を球が通過し、遊技者に特典を付与するものがある。(例えば、特開2015−083161号公報)。
かかる従来型の遊技機では、遊技盤に打ち出された遊技球が可動手段に到達するタイミングによって、特定領域に球が入球するか否かが決定されるため、遊技者に対して、遊技球がどのタイミングで可変手段に到達するか否かを楽しませることができるものであった。しかしながら、可動手段の動作状況を遊技者が把握できるように構成されているため、可動手段が許容位置となるタイミングに合わせて遊技球を可変手段に到達させるという行為を行われてしまうという問題があった。また、可動手段の動作状況を遊技者が把握できることから、打ち出した遊技球が特定入球口へ入球しないことを遊技者に早期に察知されてしまうことにより、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機C1によれば、入球手段へ球が入球し易くなる第1状態と、その第1状態よりも前記入球手段に球が入球し難くなる第2状態とに可変可能な可変手段の可変状態の少なくとも一部を外部から視認が困難な困難状態と、その困難状態よりも視認し易い容易状態とに切替手段により切替えることができるため、可変手段の状態を遊技者に把握させない状態と把握させる状態とを設定することができる。よって、打ち出した遊技球が特定入球口へ入球しないことを遊技者に早期に察知されてしまうことにより、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記切替手段は、前記可変手段の前面側に配置された遮蔽部材と、その遮蔽部材に対して背面側より特定色の光を照射することが可能な照射手段と、を有し、前記遮蔽手段は、前記照射手段により照射されていない場合には、前記困難状態となり、前記照射手段により照射されることで前記容易状態に可変するように構成されているものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、照射手段による光の照射によって困難状態と容易状態とを切替えることができるため、切替手段を容易に設計することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記切替手段は、前記可変手段の前面側位置と前記可変手段の前面側から退避した退避位置とに可動可能な可動部材を有し、前記切替制御手段は、前記可動部材を前記前面側位置に可動させることで前記困難状態に切り替え、前記可動部材を前記退避位置に可動させることで前記容易状態に切り替えるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、可動部材を可動させることで、困難状態と容易状態とを切替えることができるため、切替手段を容易に設計することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記切替手段は、前記可変手段の前面側に配置された遮蔽部材と、その遮蔽部材に対して光を照射することが可能な照射手段と、その照射手段により前記遮蔽部材に対して照射される光の入射角を可変させる可変手段と、を有し、前記遮蔽手段は、前記可変手段により前記光の入射角を第1の角度とすることにより、前記容易状態に可変するように構成されているものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、遮蔽部材に対する光の入射各を可変させるだけで、遮蔽部材を容易状態へ可変させることができるため、切替手段を容易に設計することができるという効果がある。
遊技機C4において、前記可変手段は、前記遮蔽部材を可動させる可動手段であり、前記可動手段により前記遮蔽部材を可動させることで、前記光の入射角を前記第1の角度とするものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、遮蔽部材を可動させることで、光の入射各を第1の角度とするため、照射手段を可動させずに遮蔽部材を容易状態へ可変させることができるため、切替手段を容易に設計することができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記可変手段に向けて流下する球を検知可能な球検知手段を有し、前記球検知手段が球を検知した場合に、前記所定条件が成立するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかの奏する効果に加え、可変手段に向けて球が流下することが検知された場合に、所定条件が成立するため、遮蔽部材によって球の流下が視認出来ない事態を抑制することができるという効果がある。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記遊技領域に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球した場合に、判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示唆するための演出を実行する演出実行手段と、前記判別手段による判別結果が、特定判別結果であることに基づいて特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別回数を計測する計測手段と、を有し、前記計測手段により、前記判別手段の判別結果が連続して前記特定判別結果以外の判別結果となった判別回数を所定回数計測した場合に、前記所定条件が成立するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、判別手段の判別結果が所定回数連続して特定判別結果以外である場合に、遮蔽部材を容易状態とすることができるため、遊技者が極度に不利な状態となることを抑制することができるという効果がある。
遊技機C2からC7のいずれかにおいて、前記照射手段とは異なる光を照射する第2照射手段と、第1条件の成立に基づいて、前記照射手段または前記第2照射手段の何れかに対して照射制御を実行する照射制御手段と、前記第1条件が成立したことに基づいて、前記第1条件とは異なる第2条件の成立を判別する第2条件成立判別手段と、を有し、前記照射制御手段は、前記第2条件が成立している場合には、前記照射手段に対して前記照射制御を実行し、前記第2条件が成立していない場合には、前記第2照射手段に対して前記照射制御を実行するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C2からC7のいずれかの奏する効果に加え、照射制御を実行する第1条件が成立した場合に、第2条件が成立しているか否かの判別結果に基づいて照射制御を実行する対象を異ならせているため、遮蔽部材を容易状態にさせない場合であっても、第2照射手段による照射制御が実行されるため、光の照射による演出効果が低下することを抑制することができるという効果がある。
なお、照射手段と第2照射手段とを近傍に配設することで、光の照射による演出に対して遊技者が違和感を感じてしまうことを抑制することができる。また、遊技機C8の構成を用いる場合には、照射制御手段による照射制御の内容を同一にし、制御を実行する出力先のみを照射手段と第2照射手段とに切替える切替制御を実行可能に構成するとよい。これにより、照射制御手段の制御負荷を軽減するとともに、演出効果が低下することを抑制することができる。
<特徴D群>(特定タイミングに操作手段を操作させるようリズムゲームを設定)
球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、入球した球を貯留可能な貯留手段と、遊技球が入球することに基づいて遊技者に有利な特典が付与される特定入球手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて、前記貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる貯留制御手段と、その貯留制御手段により前記解除状態に可変されることで前記貯留手段から流出した球が前記特定入球手段へと入球し易い第1状態と、前記流出した球が前記特定入球手段へと入球し難い第2状態とに可変可能な可変手段と、その可変手段を予め定められた可変パターンに従って可変制御する可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち出された遊技球を保留可能な保留装置を設け、遊技者が解除操作を行うことで保留装置に保留された遊技球を入球口へと流下させる構成を有するものがある。(例えば、特開2006−95235号公報)。
かかる従来型の遊技機では、遊技者が保留装置に保留されている遊技球を流下させるタイミングを決定することは可能となるが、遊技者が決定した遊技球を流下させるタイミングに応じて遊技者に付与される特典を異ならせることが出来ないため、解除操作を行うタイミングを遊技者に意欲的に狙わせることが出来ず、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機D1によれば、貯留手段が操作手段の操作により解除状態に可変されて流出した球が第1状態に可変された可変手段まで移動した場合には、特定入球手段へと入球され易く構成されている。これにより、貯留手段に遊技球が貯留された場合に、特定入球手段へと可変手段により入球し易くなるタイミングで操作手段を操作することの楽しみを遊技者に提供することができる。よって、遊技意欲が低下してしまうという不具合を抑制できるという効果がある。
なお、上述した可変手段としては、電気的駆動源の駆動によって突出位置と埋没位置とに可変動作可能な部材(例えば、可動弁)以外にも、上述した第1状態と第2状態とに可変可能な回転体や、球の流路を切替える切替部材でもよい。また、電気的駆動源を用いること無く、流下した球によって次に流下する球の流下方向を切替える切替部材でもよい。
遊技機D1において、前記操作手段に対する操作に応じて演出態様が可変される操作演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記操作演出のうち、特定期間内に前記操作手段が操作された場合に、前記演出態様を特定演出態様に可変させる演出態様可変手段と、前記可変制御手段により可変される前記可変手段の状態に基づいて特定タイミングを設定する特定タイミング設定手段と、特定条件が成立した場合に、前記特定タイミング設定手段によって設定された前記特定タイミングに基づいて、前記操作演出における前記特定期間を設定する操作演出設定手段と、を有することを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、演出実行手段により、操作手段に対応する操作に応じて演出態様が可変される操作演出が実行され、その操作演出中に操作手段が操作されることに基づいて演出態様が特定演出態様に可変される特定期間を、可変手段の状態に基づいて設定される特定タイミングによって設定することができるため、操作演出と可変手段の状態とを関連付けることが可能となる。よって、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機D2において、前記特定タイミングは、前記操作手段を操作した場合に、前記貯留手段から流出した少なくとも1の球が前記第1状態に可変された前記可変手段まで移動されることが可能なタイミングで設定されているものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、操作手段を操作した場合に貯留手段から流出した少なくとも1の球が第1状態に可変された可変手段まで移動可能なタイミングが特定タイミングとして設定されるため、操作演出にて演出態様を特定演出態様に可変させるように操作手段を操作することで、貯留手段に貯留されている球を特定入球手段に入球させ易くすることができる。よって、遊技者に対して意欲的に操作演出に参加させることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機D2またはD3において、前記特定期間内に前記操作手段が操作されたかを判別する操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいて更新される情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、特定条件の成立頻度を可変させる頻度可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2またはD3の奏する効果に加え、操作演出において特定期間内に操作手段が操作されたか否かに応じて、特定条件の成立頻度が可変されるため、遊技者を意欲的に操作演出に参加させることができる。よって、操作演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
なお、この場合、操作演出中に設定される特定期間内に操作手段を操作した回数が増加することに伴って、特定条件の成立頻度を高めることが望ましい。このように構成することで、遊技者に対して、特定期間内に操作手段を意欲的に操作させることができ、操作演出の演出効果をより高めることができるという効果がある。
遊技機D2からD4のいずれかにおいて、前記操作手段とは異なる第2操作手段を設け、前記演出実行手段により実行される前記操作演出は、前記操作手段または前記第2操作手段に対する操作に応じて前記演出態様が可変するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D2からD4のいずれかの奏する効果に加え、操作演出により操作可能な操作手段を増やすことができるため、演出効果を高めることができる。
遊技機D2からD5のいずれかにおいて、前記演出実行手段により実行される前記操作演出は、所定の楽曲に基づいて前記特定期間が設定されるものであり、前記所定の楽曲の進行具合に対応して、前記特定期間を設定可能な特定期間設定可能領域が複数記憶された特定期間設定可能領域記憶手段と、その特定期間設定可能領域記憶手段に記憶された前記複数の特定期間設定可能領域と、前記特定タイミングとが一致する箇所を判別する一致箇所判別手段と、その一致箇所判別手段により一致すると判別された箇所に、前記操作演出の前記特定期間を設定する特定期間設定手段と、を有することを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、楽曲に基づいて特定期間が設定される操作演出において、楽曲の進行具合に対応した特定期間設定可能領域と、特定タイミングとが一致する箇所に操作演出の特定期間が設定されるため、操作演出に用いられる楽曲に対応した特定期間を用いて、特定タイミングで操作手段を操作させることが可能となり、操作演出の演出効果をより高めることができるという効果がある。
<特徴E群>(球流れ状況に基づいて、操作演出を補正する)
球が通過可能な球経路と、その球経路のうち、特定位置を球が通過したことを検知するための球通過検知手段と、所定条件が成立してから前記球通過検知手段が球を検知するまでの期間として第1期間を設定する期間設定手段と、その期間設定手段に設定された前記第1期間に基づいて、特定演出態様を報知する報知タイミングを設定する報知タイミング設定手段と、その報知タイミング設定手段により設定された報知タイミングで前記特定演出態様を報知する演出報知手段と、前記所定条件が成立してから前記球通過検知手段が球を検知するまでの通過期間を特定する期間特定手段と、その期間特定手段により特定された前記通過期間と、前記期間設定手段により設定される前記第1期間とを判別する期間判別手段と、その期間判別手段による判別結果に基づいて、前記期間設定手段に設定される前記第1期間を補正する期間補正手段と、を有することを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球の流下状況を遊技者に分かりやすく報知するために、遊技球が流下する期間に対応させた演出を実行するものがある。(例えば、特開2011−235016号公報)。また、遊技盤に打ち出された遊技球を保留可能な保留装置を設け、遊技者が解除操作を行うことで保留装置に保留された遊技球を入球口へと流下させる構成を有するものがある。(例えば、特開2006−95235号公報)。
かかる従来型の遊技機では、遊技球の流下状況を分かりやすく報知することができるため、報知内容(演出内容)に基づいて遊技者に対して遊技を楽しませることができる。また、遊技盤に打ち出された遊技球が可動手段に到達するタイミングによって、特定入球口に球が入球するか否かが決定されるため、遊技者に対して、遊技球がどのタイミングで可動手段に到達するか否かを楽しませることができるものであった。しかしながら、遊技球が流下する期間に対応させた演出が実行される期間と、実際の遊技球が流下する期間とが相違してしまった場合に、遊技球の流下状況と当該演出とが相違してしまい、遊技者を困惑させてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。また、可動手段の動作状況を遊技者が把握できるように構成されているため、可動手段が許容位置となるタイミングに合わせて遊技球を可変手段に到達させるという行為を行われてしまうという問題があった。また、可動手段の動作状況を遊技者が把握できることから、打ち出した遊技球が特定入球口へ入球しないことを遊技者に早期に察知されてしまうことにより、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機E1によれば、特定演出態様を報知する報知タイミングが設定される際に参照される第1期間を、実際に球が通過する通過期間に基づいて補正することができるため、球の通過状況と、特定演出態様の実行状況とを一致させ易くすることができる。これにより、演出効果を高めることができるという効果がある。
ここで、遊技機E1の構成を、特定演出態様として球が特定の球経路を通過するか否かを示唆するための演出が実行される遊技機に用いた場合には、球の通過状況と特定演出態様の報知タイミングとがずれてしまい、球が特定の球経路を通過した後に、球が特定の球経路を通過することを示唆するための演出が実行されてしまうといった不具合を抑制することができる。
遊技機E1において、前記演出報知手段により報知される前記特定演出態様は、前記特定位置を球が通過することを示唆するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、特定位置を球が通過することを示唆する演出が報知されるタイミングを実際に球が通過する期間に応じて補正することができるため、演出効果をより高めることができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、前記球経路のうち、前記特定位置よりも上流側の所定位置を球が通過したことを判別する球通過判別手段を有し、前記球通過判別手段により、前記所定位置を球が通過したと判別した場合に、前記所定条件が成立するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、球経路のうち、球が所定位置を通過してから特定位置を通過するまでの期間に基づいて予め設定された報知タイミングを実際の球の通過期間に基づいて補正することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
なお、遊技機E3では、所定条件の成立契機として、球が所定位置を通過した場合を示したが、球が通過したと判別する方法としては、実際に球の通過を検知手段(例えば、近接センサ)で検知する方法以外にも、例えば、所定位置に向けて球が流下することを規制する規制部材が、規制位置から規制を解除する解除位置に可変したことを検知する方法が考えられる。この場合、規制部材が解除位置に可変したとしても、即座に球が所定位置に向けて流下するとは限らないため、例えば、規制部材の上流側に所定位置に向けて流下可能な状態で球を滞留させる滞留手段を設け、その滞留手段に球が滞留している状態において、前記規制部材が解除位置に可変したことを判別する方法を用いるとよい。このような方法を用いたとしても、所定位置を球が通過したことを間接的に判別することができ、遊技機E3と同等の効果を奏することができる。
遊技機E3において、前記球経路は、前記特定位置が設けられる第1球経路と、前記所定位置と前記特定位置との間の区間で前記第1球経路から分岐する第2球経路とを有するものであること特徴とする遊技機E4。
遊技機E3によれば、前記所定位置を通過した球が前記特定を通過することなく、第2球経路を通過する可能性があるため、実際に球がどの球経路を通過するのかを遊技者に楽しませることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E4において、前記球経路を通過する球が前記第1球経路を通過しやすい第1状態と、前記第1状態よりも前記第2球経路を通過しやすい第2状態とに前記球経路の経路状態を可変可能な可変手段と、その可変手段により可変される前記球経路の経路状態に基づいて、前記所定位置を通過した球が前記第1球経路を通過可能な経路状態であるかを判別する経路状態判別手段と、を有し、前記演出報知手段は、前記経路状態判別手段が前記所定位置を通過した球が前記第1球経路を通過可能な経路状態であると判別した場合に、前記特定演出態様を報知するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、球が特定位置を通過可能な状態である場合に、特定演出態様が報知されるため、特定演出態様が報知されることで、遊技者に球が特定位置を通過するのではと期待させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
また、この場合、予め定められている第1期間と、実際に球が所定位置から特定位置まで通過するために費やす期間とが異なってしまうと、特定演出態様が報知されたにも関わらず、球が第1球経路を通過しないといった事態が多発してしまうという不具合が発生するが、遊技機E5によれば、実際に球が所定位置から特定位置まで通過するのに要した期間に基づいて第1期間を補正することができるため、特定演出態様の信頼度を高めることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機E3からE5のいずれかにおいて、前記第2球経路のうち、第2特定位置を球が通過したことを検知するための第2球通過検知手段と、球が前記所定位置を通過してから前記第2球通過検知手段に検知されるまでの第2通過期間を特定する第2期間特定手段と、を有し、前記期間判別手段は、前通過期間および前記第2通過期間と、前記第1期間とを判別するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E3からE5の奏する効果に加え、第2球通路を通過するのに要した期間も用いて第1期間を補正することができるため、第1球通路を通過した球のみに基づいて第1期間を補正する場合に比べて、第1期間を補正するための情報を増やすことが可能となり、補正精度を高めることができる。よって、特定演出態様の信頼度を高めることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
なお、遊技機E6の構成においては、球が所定位置から特定位置まで通過するのに要する期間と同一の期間を要する箇所に第2特定位置を設けるとよい。これにより、期間特定手段により特定される通過期間に関する情報と、第2期間特定手段により特定される第2通過期間に関する情報とを区分けすることなく収集することができ、制御負荷を軽減することができるという効果がある。
また、遊技機E6では、期間判別手段が通過期間と第2通過期間とを用いる構成としているが、第2通過期間のみを用いる構成としてもよい。
<特徴F群>(複数の操作手段を同一操作で操作可能にする)
遊技者が操作可能な第1操作手段と、その第1操作手段に対して操作がされたことを判別する第1判別手段と、遊技者が操作可能な前記第1操作手段とは異なる第2操作手段と、その第2操作手段に対して操作がされたことを判別する第2判別手段と、前記第1判別手段または前記第2判別手段による判別結果に基づいて、所定演出を実行する演出実行手段と、を有する遊技機において、前記第1操作手段の可変動作に連動して前記第2操作手段を可変動作させるための連動手段と、その連動手段を、前記第1操作手段に対して前記第2操作手段を連動させる連動状態と、その連結状態を解除する解除状態とに可変させる可変制御手段と、を有し、前記可変制御手段は、所定条件が成立した場合に前記連動手段を前記連動状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段を複数設け、各操作手段が操作されたことに基づいた操作演出が実行されるものがある。(例えば、特開2006−55481号公報)。
かかる従来型の遊技機では、遊技者が複数の操作手段のうち、演出に対応する操作手段を操作することで操作演出が実行されるものであるため、遊技者に対して複数の操作手段のうち対応する操作手段を選んで操作させる必要があり、操作手段を操作させる意欲を低下させてしまうという問題があった。また、複数の操作手段のうち、1の操作手段を操作することで、1の操作手段への操作に対応する演出が実行されるため、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができないという問題があった。
遊技機F1によれば、遊技者が第1操作手段を操作した場合に、第1判別手段の判別結果に基づいた演出、または、第2判別手段の判別結果に基づいた演出の何れかが実行されるため、1つの操作手段に対する操作のみで複数の操作手段を操作した場合と同様の演出を実行することができ、操作手段を操作させる意欲が低下することを抑制することができるという効果がある。
また、第1操作手段を操作した場合に、第2判別手段の判別結果に基づいた演出を実行可能としているため、遊技者に対して、意外性のある演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記演出実行手段は、前記可変制御手段によって前記連動手段が前記連動状態に可変されている状態で、前記第1操作手段を操作した場合には、前記第2判別手段による判別結果に基づいて前記所定の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、連動手段を連動状態に可変することで、第1操作手段を操作した場合に第2判別手段の判別結果に基づいた演出が実行されるため、遊技者に対して、意外性のある演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記第1操作手段および前記第2操作手段は、第1位置から第2位置へと移動可能に構成されるものであり、前記第1判別手段および前記第2判別手段は、それぞれに対応する前記第1操作手段または前記第2操作手段が前記第2位置へと移動したことを判別するものであって、前記第1操作手段を前記第1位置から前記第2位置まで移動させる距離よりも、前記第2操作手段を前記第1位置から前記第2位置まで移動させる距離のほうが短いものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、第1操作手段よりも第2操作手段のほうが、操作をしたことが判別されるまでの距離を短くしているため、連動手段が連動状態である場合に、第1操作手段を操作した際に確実に第2判別手段の判別結果に基づく演出を実行することが可能となる。よって、簡単な構成で意外性のある演出を実行することができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記連動手段は、外部から視認困難な遊技機内部に設けられていることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、連動手段が外部から視認困難な位置に設けられているため、遊技者が連動手段の状態を把握し難くすることができる。よって、遊技者に対して、意外性のある演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、入球した球を貯留可能な貯留手段と、遊技球が入球することに基づいて遊技者に有利な特典が付与される特定入球手段と、前記第2操作手段に対する操作に基づいて、前記貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる貯留制御手段と、その貯留制御手段により前記解除状態に可変されることで前記貯留手段から流出した球が前記特定入球手段へと入球し易い第1状態と、前記流出した球が前記特定入球手段へと入球し難い第2状態とに可変可能な可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4の奏する効果に加え、第1操作手段を操作した場合に、貯留制御手段が貯留状態から解除状態へと可変する可能性があるため、、遊技者に対して、意外性のある遊技を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F5において、前記貯留手段から流出した球が前記特定入球手段へと入球しやすい前記第2操作手段の操作タイミングを設定するタイミング設定手段と、そのタイミング設定手段によって設定された操作タイミングに基づいて、前記第1操作手段を操作させる操作演出を実行する操作演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、第1操作手段を操作させる操作演出に従って、第1操作手段を操作することで、特定入球手段に球を入球させることが可能となるため、遊技者を意欲的に操作演出に参加させることができるという効果がある。
遊技機F6において、前記操作演出は、前記第1操作手段を操作させる操作タイミングが複数回報知される演出であって、前記複数回報知される操作タイミングのうち、少なくとも1つは前記タイミング設定手段により設定された操作タイミングであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F6の奏する効果に加え、操作演出中に実行される複数回の操作タイミング報知のうち、何れかを特定入球手段へと入球しやすい第2操作手段の操作タイミングを示唆するものとすることができるため、操作演出中に実行される複数回の操作タイミングの全てに対して第1操作手段を操作させることができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴G群>(可動弁が有利となる状態を先読みして報知)
球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、入球した球を貯留可能な貯留手段と、遊技球が入球することに基づいて遊技者に有利な特典が付与される特定入球手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて、前記貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる貯留制御手段と、その貯留制御手段により前記解除状態に可変されることで前記貯留手段から流出した球が前記特定入球手段へと入球し易い第1状態と、前記流出した球が前記特定入球手段へと入球し難い第2状態とに可変可能な可変手段と、その可変手段を予め定められた可変パターンに従って可変制御する可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち出された遊技球を保留可能な保留装置を設け、遊技者が解除操作を行うことで保留装置に保留された遊技球を入球口へと流下させる構成を有するものがある。(例えば、特開2006−95235号公報)。
かかる従来型の遊技機では、遊技者が保留装置に保留されている遊技球を流下させるタイミングを決定することは可能となるが、遊技者が決定した遊技球を流下させるタイミングに応じて遊技者に付与される特典を異ならせることが出来ないため、解除操作を行うタイミングを遊技者に意欲的に狙わせることが出来ず、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機G1によれば、前記貯留手段が操作手段の操作により解除状態に可変されて流出した球が第1状態に可変された可変手段まで移動した場合には、特定入球手段へと入球され易く構成されている。これにより、貯留手段に遊技球が貯留された場合に、特定入球手段へと可変手段により入球し易くなるタイミングで操作手段を操作することの楽しみを遊技者に提供することができる。よって、遊技意欲が低下してしまうという不具合を抑制できるという効果がある。
なお、上述した可変手段としては、電気的駆動源の駆動によって突出位置と埋没位置とに可変動作可能な部材(例えば、可動弁)以外にも、上述した第1状態と第2状態とに可変可能な回転体や、球の流路を切替える切替部材でもよい。また、電気的駆動源を用いること無く、流下した球によって次に流下する球の流下方向を切替える切替部材でもよい。
遊技機G1において、前記可変制御手段により前記可変手段が可変制御される前記可変パターンには、少なくとも、前記可変手段が前記第1状態となり易い第1期間と、その第1期間よりも前記可変手段が前記第1状態となり難い第2期間とを有しており、前記可変制御手段による前記可変手段の可変制御として前記第1期間が設定されるタイミングを判別する期間判別手段と、その期間判別手段により前記第1期間が設定されるタイミングを判別した場合に、特定演出を実行する特定演出実行手段と、を有することを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、特定演出が実行されることで、遊技者に対して可変手段が第1状態となり易い第1期間が設定されることを把握させることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G2において、所定条件が成立した場合に、遊技者に有利となる前記操作手段の操作タイミングを示唆する有利示唆演出を実行する有利示唆演出実行手段を有し、前記特定演出実行手段は、前記所定条件が成立してから、前記有利示唆演出が実行されるまでの期間に前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、今回の有利示唆演出が第1期間中に実行されている可能性があることを遊技者に報知することができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G3において、前記特定演出実行手段は、前記有利示唆演出が実行される期間内に、前記第1期間が設定される場合に、前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、今回の有利示唆演出が第1期間中に実行されることを遊技者に報知することができるため、遊技者により意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G2からG4のいずれかにおいて、前記貯留手段が球を貯留していることを判別する貯留判別手段を有し、前記特定演出実行手段は、少なくとも、前記貯留判別手段により前記貯留手段が球を貯留していることを判別した場合に、前記特定演出を実行可能とするものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G2からG4のいずれかの奏する効果に加え、貯留手段に球が貯留されている場合にのみ、特定演出が実行されるため、遊技者に積極的に操作手段を操作させることができる。また、貯留手段に球が貯留されていない状態で特定演出が実行されることを禁止しているため、無用に特定演出が実行されてしまい、可変部材の可変パターンを遊技者に把握されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機G2からG5のいずれかにおいて、前記遊技領域に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球した場合に、判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示唆するための演出を実行する演出実行手段と、前記判別手段による判別結果が、特定判別結果であることに基づいて特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記判別手段により判別結果が前記特定判別結果であることも合わせて報知する特定融合演出を実行するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G2からG5の奏する効果に加え、特典遊技が実行される旨と第1期間が設定される旨を融合した演出を実行することができるため、遊技者により有利な遊技状態が実行されることを報知することができる。よって、遊技者に期待感を持たせながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G2からG6のいずれかにおいて、前記特定演出実行手段は、前記有利示唆演出中に示唆される遊技者に有利となる前記操作手段の操作タイミングを報知する報知態様を特定報知態様に可変させるものであることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G2からG6のいずれかの奏する効果に加え、有利示唆演出中の報知態様によって第1期間が設定されることを遊技者に報知することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴H群>(解除示唆演出の難易度を選択可能にする)
球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、入球した球を貯留可能な貯留手段と、遊技球が入球することに基づいて遊技者に有利な特典が付与される特定入球手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて、前記貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる貯留制御手段と、その貯留制御手段により前記解除状態に可変されることで前記貯留手段から流出した球が前記特定入球手段へと入球し易い第1状態と、前記流出した球が前記特定入球手段へと入球し難い第2状態とに可変可能な可変手段と、その可変手段を予め定められた可変パターンに従って可変制御する可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち出された遊技球を保留可能な保留装置を設け、遊技者が解除操作を行うことで保留装置に保留された遊技球を入球口へと流下させる構成を有するものがある。(例えば、特開2006−95235号公報)。
かかる従来型の遊技機では、遊技者が保留装置に保留されている遊技球を流下させるタイミングを決定することは可能となるが、遊技者が決定した遊技球を流下させるタイミングに応じて遊技者に付与される特典を異ならせることが出来ないため、解除操作を行うタイミングを遊技者に意欲的に狙わせることが出来ず、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機H1によれば、貯留手段が操作手段の操作により解除状態に可変されて流出した球が第1状態に可変された可変手段まで移動した場合には、特定入球手段へと入球され易く構成されている。これにより、貯留手段に遊技球が貯留された場合に、特定入球手段へと可変手段により入球し易くなるタイミングで操作手段を操作することの楽しみを遊技者に提供することができる。よって、遊技意欲が低下してしまうという不具合を抑制できるという効果がある。
なお、上述した可変手段としては、電気的駆動源の駆動によって突出位置と埋没位置とに可変動作可能な部材(例えば、可動弁)以外にも、上述した第1状態と第2状態とに可変可能な回転体や、球の流路を切替える切替部材でもよい。また、電気的駆動源を用いること無く、流下した球によって次に流下する球の流下方向を切替える切替部材でもよい。
遊技機H1において、前記可変制御手段により実行される前記可変手段の可変パターンに基づいて、遊技者に有利となる前記操作手段の操作タイミングを示唆する有利示唆演出を実行する有利示唆演出実行手段と、その有利示唆演出実行手段により実行される前記有利示唆演出の演出態様を選択可能な選択手段と、その選択手段により選択された前記演出態様に基づいて前記有利示唆演出の演出態様を設定する演出態様設定手段と、を有することを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、遊技者が選択した演出態様で有利示唆演出が実行されるため、遊技者の所望する演出態様で有利示唆演出を実行することが可能となり、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機H2において、前記有利示唆演出実行手段により実行される前記有利示唆演出は、遊技者に有利となる前記操作手段の操作タイミングを複数回示唆可能なものであり、前記演出態様設定手段は、前記選択手段により選択された前記演出態様に基づいて、前記有利示唆演出の示唆回数を設定する示唆回数設定手段と、その示唆回数設定手段により設定された示唆回数に基づいて、前記有利示唆演出の示唆態様を設定する示唆態様設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、選択手段によって選択された演出態様に基づいて、有利示唆演出の示唆回数と示唆態様が設定されるため、遊技者に対して意欲的に選択手段の選択を行わせることができるという効果がある。
遊技機H3において、前記示唆回数設定手段により、所定回数以上の前記示唆回数が設定された場合には、前記示唆態様設定手段により設定される前記示唆態様を遊技者が視認可能な第1態様よりも、前記第1態様よりも視認困難な第2態様が設定されやすくするものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、選択手段によって、多くの示唆回数が設定される演出態様を選択した場合に、遊技者に有利となる操作手段の操作タイミングで操作手段を操作し難い第2態様が設定されることになる。これにより、遊技者に対して、所定回数より少ない示唆回数に対応する演出態様を選択し、第1態様が設定されやすい有利示唆演出を実行するか。所定回数以上の示唆回数に対応する演出態様を選択し、第2態様が設定されやすい有利示唆演出を実行するかを選択させることができる。よって、遊技者が自身の技量に合わせた有利示唆演出を選択することができ、意欲的に演出に参加させることができるという効果がある。
遊技機H3またはH4において、前記示唆回数設定手段により、所定回数以上の前記示唆回数が設定された場合には、前記所定回数未満の前記示唆回数が設定された場合よりも、前記示唆態様設定手段により前記示唆態様が設定される間隔として、短い間隔が設定されやすくするものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H3またはH4の奏する効果に加え、選択手段によって、多くの示唆回数が設定される演出態様を選択した場合に、所定回数より少ない示唆回数が設定される演出態様が選択された場合よりも、示唆態様が設定される間隔として短い間隔が設定されやすくなるため、遊技者が自身の技量に合わせた有利示唆演出を選択することができ、意欲的に演出に参加させることができるという効果がある。
遊技機H3からH5のいずれかにおいて、前記有利示唆演出が実行されている間における、前記操作手段の操作内容を判別する操作内容判別手段と、その操作内容判別手段により判別された操作内容が、所定の操作条件を満たしている場合に、前記有利示唆演出の演出態様を遊技者に有利な特別演出態様に可変させる演出態様可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H3からH5のいずれかの奏する効果に加え、有利示唆演出中の操作手段に対する操作内容に基づいて、有利示唆演出の演出態様を遊技者に有利な特別演出態様に可変させることができるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機H6において、前記操作内容判別手段は、前記操作手段が前記遊技者に有利となる操作手段の操作タイミングで操作手段が操作された操作回数を判別するものであり、前記操作内容判別手段により、前記操作回数が前記所定回数に到達した場合に、前記演出態様可変手段により前記有利示唆演出の演出態様を前記特別演出態様に可変させるものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、適正なタイミングで操作手段を操作した回数に基づいて、有利示唆演出の演出態様を遊技者に有利な特別演出態様に可変させることができるため、遊技者に対してより意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
<特徴I群>(サブ側で弁動作監視)
球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、入球した球を貯留可能な貯留手段と、遊技球が入球することに基づいて遊技者に有利な特典が付与される特定入球手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて、前記貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる貯留制御手段と、その貯留制御手段により前記解除状態に可変されることで前記貯留手段から流出した球が前記特定入球手段へと入球し易い第1状態と、前記流出した球が前記特定入球手段へと入球し難い第2状態とに可変可能な可変手段と、その可変手段を予め定められた可変パターンに従って可変制御する可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち出された遊技球を保留可能な保留装置を設け、遊技者が解除操作を行うことで保留装置に保留された遊技球を入球口へと流下させる構成を有するものがある。(例えば、特開2006−95235号公報)。かかる従来型の遊技機では、遊技者が保留装置に保留されている遊技球を流下させるタイミングを決定することは可能となるが、遊技者が決定した遊技球を流下させるタイミングに応じて遊技者に付与される特典を異ならせることが出来ないため、解除操作を行うタイミングを遊技者に意欲的に狙わせることが出来ず、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機I1によれば、貯留手段が操作手段の操作により解除状態に可変されて流出した球が第1状態に可変された可変手段まで移動した場合には、特定入球手段へと入球され易く構成されている。これにより、貯留手段に遊技球が貯留された場合に、特定入球手段へと可変手段により入球し易くなるタイミングで操作手段を操作することの楽しみを遊技者に提供することができる。よって、遊技意欲が低下してしまうという不具合を抑制できるという効果がある。
なお、上述した可変手段としては、電気的駆動源の駆動によって突出位置と埋没位置とに可変動作可能な部材(例えば、可動弁)以外にも、上述した第1状態と第2状態とに可変可能な回転体や、球の流路を切替える切替部材でもよい。また、電気的駆動源を用いること無く、流下した球によって次に流下する球の流下方向を切替える切替部材でもよい。
遊技機I1において、遊技の制御を実行する主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて、遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記主制御手段は、前記貯留制御手段と、前記可変制御手段と、その可変制御手段の制御内容を前記従制御手段に通知するための可変制御情報を生成する可変制御情報生成手段と、を有し、前記従制御手段は、所定の演出が実行される表示手段と、前記可変手段が可変制御される予め定められた可変パターンに対応した可変情報が記憶された可変情報記憶手段と、前記主制御手段から出力される前記可変制御情報に基づいて、前記可変情報記憶手段に記憶されている可変情報を用いて、前記可変手段の可変制御状況を特定する可変制御状況特定手段と、その可変制御状況特定手段により特定された可変制御状況に基づいて、前記表示手段に表示させるための演出を設定する演出設定手段と、その演出設定手段により設定された前記演出を実行する演出実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、主制御手段により可変制御される可変手段の可変状況に基づく演出を実行する際に、従制御手段が、主制御手段から出力される可変制御情報と、従制御手段の可変情報記憶手段に記憶されている可変情報と、に基づいて演出を実行することになるため、主制御手段の制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機I2において、前記可変制御情報生成手段は、遊技機に電源が投入されてから最初に生成する前記可変制御情報に、少なくとも、前記可変手段の可変動作を開始させる開始タイミング情報を含むものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、遊技機に電源が投入されてから最初に生成する可変制御情報に、可変手段の可変動作を開始させる開始タイミング情報が含まれているため、従制御手段による可変制御状況の特定精度を高めることができるという効果がある。
遊技機I3において、前記主制御手段は、遊技機に電源が投入されてから、前記可変手段の可変動作を開始するまでの動作開始期間として、異なる期間を設定可能な動作開始期間設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、遊技機に電源が投入されてから、可変手段の可変動作が開始されるまでの期間を異ならせることが可能となるため、可変手段の可変動作を遊技者に容易に把握されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機I2からI4において、前記主制御手段は、前記可変制御手段により前記可変手段を可変制御するための複数の前記可変パターンが記憶された記憶手段と、遊技機に電源が投入された場合に、最初に実行する可変パターンを、前記複数の可変パターンの中から設定する初期可変パターン設定手段と、を有し、前記可変制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記複数の可変パターンを予め定められた順序で繰り返し実行するものであり、前記可変制御情報生成手段は、遊技機に電源が投入されてから最初に生成する前記可変制御情報に、少なくとも、前記初期可変パターン設定手段により設定された初期可変パターン設定情報を含むものであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I2からI4のいずれかの奏する効果に加え、複数の可変パターンが予め定められた順序で繰り返し実行されるように可変手段を可変制御したとしても、遊技機に電源が投入された場合に、最初に実行する可変パターンを、複数の可変パターンの中から設定することができるため、可変手段の可変動作を遊技者に容易に把握されることを抑制することができるという効果がある。また、複数の可変パターンが予め定められた順序で繰り返し実行されるように可変手段を可変制御しているため、可変制御の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴J群>(所定回数操作手段を操作させる操作演出において、操作間隔を遊技者が選択可能にする)
球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、入球した球を貯留可能な貯留手段と、遊技球が入球することに基づいて遊技者に有利な特典が付与される特定入球手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて、前記貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる貯留制御手段と、その貯留制御手段により前記解除状態に可変されることで前記貯留手段から流出した球が前記特定入球手段へと入球し易い第1状態と、前記流出した球が前記特定入球手段へと入球し難い第2状態とに可変可能な可変手段と、その可変手段を予め定められた可変パターンに従って可変制御する可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち出された遊技球を保留可能な保留装置を設け、遊技者が解除操作を行うことで保留装置に保留された遊技球を入球口へと流下させる構成を有するものがある。(例えば、特開2006−95235号公報)。
かかる従来型の遊技機では、遊技者が保留装置に保留されている遊技球を流下させるタイミングを決定することは可能となるが、遊技者が決定した遊技球を流下させるタイミングに応じて遊技者に付与される特典を異ならせることが出来ないため、解除操作を行うタイミングを遊技者に意欲的に狙わせることが出来ず、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機J1によれば、貯留手段が操作手段の操作により解除状態に可変されて流出した球が第1状態に可変された可変手段まで移動した場合には、特定入球手段へと入球され易く構成されている。これにより、貯留手段に遊技球が貯留された場合に、特定入球手段へと可変手段により入球し易くなるタイミングで操作手段を操作することの楽しみを遊技者に提供することができる。よって、遊技意欲が低下してしまうという不具合を抑制できるという効果がある。
なお、上述した可変手段としては、電気的駆動源の駆動によって突出位置と埋没位置とに可変動作可能な部材(例えば、可動弁)以外にも、上述した第1状態と第2状態とに可変可能な回転体や、球の流路を切替える切替部材でもよい。また、電気的駆動源を用いること無く、流下した球によって次に流下する球の流下方向を切替える切替部材でもよい。
遊技機J1において、前記可変制御手段により実行される前記可変手段の可変パターンに基づいて、遊技者に有利となる前記操作手段の操作タイミングを示唆する有利示唆演出を実行する有利示唆演出実行手段と、その有利示唆演出実行手段により実行される前記有利示唆演出の演出態様を選択可能な選択手段と、その選択手段により選択された前記演出態様に基づいて前記有利示唆演出の演出態様を設定する演出態様設定手段と、を有することを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、遊技者が選択した演出態様で有利示唆演出が実行されるため、遊技者の所望する演出態様で有利示唆演出を実行することが可能となり、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J2において、前記有利示唆演出実行手段により実行される前記有利示唆演出は、前記操作手段の操作タイミングを所定間隔で報知するものであり、前記操作手段の操作タイミングが報知される報知間隔として、第1間隔と、その第1間隔よりも報知間隔が短い第2間隔とを設定可能な間隔設定手段を有し、前記選択手段は、前記有利示唆演出の演出態様として、少なくとも、前記第1間隔に対応した第1演出態様と、前記第2間隔に対応した第2演出態様とを選択可能なものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。すなわち、有利示唆演出の演出態様を選択手段によって選択することで、操作手段の操作タイミングが報知される報知間隔の長さを変更することができる。これにより、遊技者は自分の技量に応じた操作間隔に対応した演出態様を選択することができるため、操作手段を用いた演出に積極的に参加することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J3において、前記有利示唆演出を表示する表示手段と、前記選択手段により選択可能な複数の前記演出態様を選択画面として前記表示手段に表示させる選択表示制御手段と、を有し、前記選択表示制御手段は、前記選択可能な複数の演出態様に対応した前記報知間隔を前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。すなわち、表示手段に表示される複数の演出態様の中から、操作手段の操作タイミングが報知される報知間隔を把握したうえで一の演出態様を選択手段により選択することができる。これにより、遊技者は意図した報知間隔で操作タイミングが報知される演出態様を容易に選択することができるため、分かりやすい遊技を提供することができ、遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機J4において、前記選択表示制御手段は、前記操作手段の操作タイミングが報知される回数を示す回数情報を、前記複数の演出態様に対応して表示するものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。すなわち、表示手段に表示される複数の演出態様の中から、操作手段を操作すべき回数を把握したうえで一の演出態様を選択手段により選択することができる。これにより、操作回数が少ない場合は、操作手段の操作タイミングが報知される報知間隔を短くし、操作回数が多い場合は、操作手段の操作タイミングが報知される報知間隔を長くするといった遊技者に合わせた演出態様を選択しやすくすることができる。よって、遊技者を遊技に意欲的に参加させることができるという効果がある。
上記各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上記各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上記各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。