JP2018198551A - 植物生育方法及び植物生育システム - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽光エネルギーの普及に寄与しつつ農地を活用することができる植物生育方法及び植物生育システムを提供すること。【解決手段】太陽光パネルが設置された農地において植物を生育するための植物生育方法は、太陽光パネルの裏面側に設けられたLED照明装置を用いて、前記農地で生育されている植物の表面における光の光量子束密度が60μmol/m2・s以上となるように、前記植物に対して光を照射する工程を含むことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、農地において植物を生育するための植物生育方法及び植物生育システムに関する。
再生エネルギーの導入と普及促進に伴い、一定条件下、太陽光発電事業のための農地の活用が認められている。具体的には、農林水産省「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて」平成25年3月31日付)によれば、太陽光パネルを設置した下部の農地における営農の適切な継続が確実で、パネル設置にあたっては農作物の生育に適した日射量を保つ設計でなければならず、下部の農地における単収が、同じ年の地域の平均的な単収と比較して8割以上でなければならない。
これを解決するためには、ソーラーパネルの下部の農地が日照不足になるのを防ぐため、ソーラーパネルの間隔を空ける必要があるが、ソーラーパネルの間隔を空けると農地面積あたりの発電量が大幅に減少する。
特許文献1は太陽光発電システムに関し、太陽電池パネルの取り付け架台における空きスペースの有効利用を図る手段を提供するために、太陽電池パネルの下に植物栽培装置を設置し、LED照明装置を太陽電池パネルの裏面に一体となるよう取り付けることが記載されている。
特許文献2は太陽光発電及び植物生育システムに関し、光が太陽光パネルにより遮断されて植物の成長ができなくなる不都合を解決するために太陽光パネルの下面にランプを配することが記載されている。
特開2013-214644 実用新案登録第3168944号
しかしながら、特許文献1の太陽光発電システムは、太陽電池パネルの取り付け架台における空きスペースの有効利用を図ることを目的としているため、太陽電池パネルの下部の農作物の生育状態については着目しておらず、農作物の生育に必要な光の照射量、照射時間等については具体的に検討されていない。
特許文献2についても、実際に農作物を生育させた実施例は記載されておらず、農作物の生育に必要な光の照射量、照射時間等については具体的に検討されていない。
特許文献1及び特許文献2のいずれの文献も、太陽電池パネル下で我が国の制度に合致する生育レベルに農作物を生育するために必要な条件については記載していない。
本発明の課題は、太陽光エネルギーの普及に寄与しつつ農地を活用することができる植物生育方法及び植物生育システムを提供することにある。
本発明は、以下の項に記載の主題を包含する。
[1]太陽光パネルが設置された農地において植物を生育するための植物生育方法であって、
太陽光パネルの裏面側に設けられたLED照明装置を用いて、前記農地で生育されている植物の表面における光の光量子束密度が60μmol/m2・s以上となるように、前記植物に対して光を照射する工程を含むことを特徴とする方法。
[2]太陽光パネルが設置された農地において植物を生育するための植物生育方法であって、
前記太陽光パネルの裏面側に設けられたLED照明装置と農地との間に照射されている光の照度を測定する照度計が4,000ルクス以下の照度を示した場合に、前記LED照明装置を用いて、前記農地で生育されている植物に対して光を照射する工程を含むことを特徴とする方法。
[3]前記照射する工程は、前記植物の表面における光の光量子束密度が60μmol/m2・s以上となるように植物に対して光を照射することを含む[2]に記載の方法。
[4]前記農地で生育された植物の収量が、太陽電池パネル及びLED照明装置を設置しない状態の前記農地で生育された植物の収量の8割以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]農地において植物を生育するための植物生育システムであって、
受光面及びその裏面を有する太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルの裏面側に取り付けられたLED照明装置と、
前記LED照明装置と農地との間に照射されている光の照度を測定する照度計とを備え、
前記照度計が4,000ルクス以下の照度を示した場合に、前記LED照明装置から前記農地で生育されている植物に対して光を照射するよう、前記LED照明装置から照射される光の光量子束密度を設定することを特徴とする植物生育システム。
[6]前記植物の表面における光の光量子束密度が60μmol/m2・s以上となるよう、前記LED照明装置から照射される光の光量子束密度を設定することを特徴とする[5]に記載の植物生育システム。
本発明によれば、太陽パネルの下でも植物が十分に生育できる。このため、太陽光エネルギーの普及に寄与しつつ農地を活用することができ、一石二鳥である。
本発明の一実施形態の植物生育システムの略斜視図。 図1の植物生育システムの略正面図。 図2のLED照明装置及び照度計の部分拡大底面図。 オーチャードグラスの生育日数に対する平均草丈を示すグラフ。 ペレニアルライグラスの生育日数に対する平均草丈を示すグラフ。 オーチャードグラス及びペレニアルライグラスを、0μmol/m2・s、30μmol/m2・s、60μmol/m2・s及び90μmol/m2・sの光量子束密度の光が照射される条件で生育したときの播種後40日目(0μmol/m2・s並びに30μmol/m2・s)及び播種後42日目(60μmol/m2・並びに90μmol/m2・s)の地上部茎葉の平均乾燥重量を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態を図1〜3を参照して説明する。
図1及び2に示すように、本発明における一実施形態の、農地において植物を生育するための植物生育システム1は、太陽電池パネル2と、LED照明装置6と、照度計8とを備えている。太陽電池パネル2は太陽光の受光面4及びその裏面5を有する。LED照明装置6は太陽電池パネル2の裏面5の側に取り付けられ、LED照明装置6は、農地9で生育されている植物10、特にはLED照明装置6の下方の農地9で生育されている植物10を照射する。なお、LED照明装置6は太陽電池パネル2の裏面5に取り付けられてもよいが、太陽電池パネル2の裏面5から離間していてもよい。またLED照明装置6は、太陽電池パネル2とは独立に離間して設置されてもよい。
農地9は田、畑、牧草地等であることができ、牧草地であることが好ましい。また、植物10は好ましくは農作物である。農作物としては、水稲、陸稲、麦、トウモロコシ、イモ、豆等の普通作物;牧草、ソルゴー等の飼料作物;レンゲ、マリーゴールド、ウマゴヤシ等の緑肥作物;野菜、果樹、花き等の園芸作物;工芸作物;が挙げられる。植物10は飼料作物であることが好ましく、牧草であることがより好ましい。
太陽電池パネル2には光電変換素子が内蔵されており、受光面4を介して光電変換素子に入った光は電気に変換される。発電された電力はLED照明装置6の点灯に使用し、余剰の電力を電力会社に販売する構成とすることもできるし、あるいはLED照明装置6の電源は外部電源によって供給され、太陽電池パネル2にて発電された電力はすべて電力会社に販売する構成とすることもできる。発電された電力または外部供給される電力を太陽電池パネル2内のリチウム電池等の充電池に貯蔵すれば、かかる貯蔵電力を夜間や曇天、雨天時のLED照明装置6の点灯に用いることもできる。このような構成の太陽電池パネル2は公知であり、市販品を利用することができる。
LED照明装置6は、太陽電池パネル2と対面する側と反対の面として略矩形のLED照射面11LED照射面11を有し、図3に示すように、LED照射面11には複数(図では160個)のLEDのアレイ12が配置されている。LEDとしては、赤色LED、緑色LED、青色LED、白色LEDを生育する植物の種類に応じて適宜選択して使用することができる。
本実施形態ではLED照明装置6は巻き上げ式であり、太陽電池パネル2の裏面5に取り付けられた支柱、パイプ又は紐等の長尺部材7を伝って農地9に対して略垂直方向に上下移動が可能である。LED照明装置6は、より強い光で植物10を照射するため、植物10にできるだけ近い位置にあることが好ましい。LED照明装置6が巻き上げ式に移動可能であるため、図2に示すように、最初は実線で示す位置にLED照明装置6を地面に対し略平行に配置し、植物10の成長に合わせて矢印の方向に地面に略平行にLED照明装置6を巻き上げて上昇させ、太陽電池パネル2に近づいたら点線で示す位置で太陽電池パネル2に沿って収容されるように、LED照明装置6の高さを調節することができる。巻き上げ式にすると、例えば植物10として牧草等の飼料作物を生育した場合には、LED照明装置6を巻き上げてから牛を農地9に導入して放牧し、牛に植物10を摂食させることもできるため便利である。LED照明装置6は市販品を利用することができる。
照度計8は、LED照明装置6と農地9との間に照射されている光の照度を測定するためのものであり、本実施形態では、LED照明装置6の下方の農地9で生育されている植物10に照射されている光の照度を測定する。照度計8は、LED照明装置6と農地9の間、特にはLED照明装置6とLED照明装置6の下方の農地9で生育されている植物10との間の任意の位置に取り付けられ得る。本実施形態では照度計8はLED照明装置6に取り付けられるが、LED照明装置6とは独立に農地9に立設した支柱等の器具に取り付けてもよい。
LED照明装置6における照度計8の位置は特に限定されないが、図3に示すようにLED照射面11の長手方向に沿ったほぼ中央に配置されてもよいし、LED照射面11の縁部又は角部に配置されてもよい。照度計8は市販品を利用することができる。
植物生育システム1は、照度計8が4,000ルクス以下の照度を示した場合に、LED照明装置6から、農地9で生育されている植物10、特にLED照明装置6の下方の農地9で生育されている植物10に照射するよう、LED照明装置6から照射される光の光量子束密度を設定する。光量子束密度は光量子計で測定することができる。測定箇所は少なくとも1箇所でよく、1箇所の測定値でもよいし、複数箇所を測定してその測定値の平均を求めてもよい。
LED照明装置6から照射される光の光量子束密度の設定は、植物の育成者又は事業者等の作業者が照度計8の値を見て、手動で行ってもよいし、自動で行ってもよい。照度の不足分をLEDで自動的に補うことにより、植物10の十分な生育が可能となる。また、以下の実施形態における、照度計8が3,000ルクス又は4,000ルクス以下の照度を示した場合のLED照明装置6から照射される光の光量子束密度の設定は、農地9の任意の農作物の照射の目的で行うことができるが、農地9は牧草地であることが好ましい。また、植物10はオーチャードグラス及びペレニアルライグラスから選択される少なくとも一方であることが好ましい。
LED照明装置6から照射される(LED照明装置6が照射する)光の光量子束密度は、高い程植物10の生育が向上する。このため光量子束密度は、植物10の生育の点では、20μmol/m2・s以上であることが好ましく、60μmol/m2・s以上であることがより好ましく、70μmol/m2・s以上であることがより好ましく、80μmol/m2・s以上であることがより好ましく、90μmol/m2・s以上であることがより好ましく、100μmol/m2・s以上であることがより好ましく、150μmol/m2・s以上であることがより好ましく、200μmol/m2・s以上であることがより好ましく、200μmol/m2・sを超えることがより好ましい。ただし、消費電力の省略の点では光量子束密度は低い方が好ましいため、LED照明装置6から照射される光の光量子束密度は、20μmol/m2・s以上200μmol/m2・s以下であることが好ましく、60μmol/m2・s以上200μmol/m2・s以下であることがより好ましい。
また、LED照明装置6からの光は、植物の表面における光の光量子束密度が20μmol/m2・s以上、好ましくは30μmol/m2・s以上、より好ましくは40μmol/m2・s以上、より好ましくは50μmol/m2・s以上、より好ましくは60μmol/m2・s以上、より好ましくは70μmol/m2・s以上、より好ましくは80μmol/m2・s以上、より好ましくは90μmol/m2・s以上、より好ましくは100μmol/m2・s以上、より好ましくは110μmol/m2・s以上、より好ましくは120μmol/m2・s以上、より好ましくは130μmol/m2・s以上、より好ましくは140μmol/m2・s以上、より好ましくは150μmol/m2・s以上、より好ましくは160μmol/m2・s以上、より好ましくは170μmol/m2・s以上、より好ましくは180μmol/m2・s以上、より好ましくは190μmol/m2・s以上、より好ましくは200μmol/m2・s以上、より好ましくは200μmol/m2・sを超えるように照射されることが好ましく、植物の表面における光の光量子束密度が、好ましくは20μmol/m2・s以上200μmol/m2・s以下、より好ましくは60μmol/m2・s以上200μmol/m2・s以下であるようにLED照明装置6からの光が植物に対して照射されることがより好ましい。
一つの実施形態では、植物生育システム1は、照度計8が3,000ルクス以下の照度を示した場合に、LED照明装置6からの光を、農地9で生育されている植物10に照射するよう、LED照明装置6から照射される光の光量子束密度を設定する。
一つの実施形態では、植物生育システム1は、照度計8が4,000ルクス以下の照度を示した場合に、農地9で生育されている植物10の表面における光の光量子束密度が60μmol/m2・s以上となるよう、LED照明装置6から照射される光の光量子束密度を設定する。
別の実施形態では、植物生育システム1は、照度計8が4,000ルクス以下の照度を示した場合に、農地9で生育されている植物10の表面における光の光量子束密度が90μmol/m2・s以上となるよう、LED照明装置6から照射される光の光量子束密度を設定する。
また別の実施形態では、植物生育システム1は、照度計8が3,000ルクス以下の照度を示した場合に、LED照明装置6からの光を、農地9で生育されている植物10に照射するよう、LED照明装置6から照射される光の光量子束密度を設定する。
さらに別の実施形態では、植物生育システム1は、照度計8が3,000ルクス以下の照度を示した場合に、農地9で生育されている植物10の表面における光の光量子束密度が60μmol/m2・s以上となるよう、LED照明装置6から照射される光の光量子束密度を設定する。
なお別の実施形態では、植物生育システム1は、照度計8が3,000ルクス以下の照度を示した場合に、農地9で生育されている植物10の表面における光の光量子束密度が90μmol/m2・s以上となるよう、LED照明装置6から照射される光の光量子束密度を設定する。
驚くべきことに、本願では、植物10の表面における光量子束密度が60μmol/m2・s及び90μmol/m2・sとなるようLED照明装置6からの光を照射した場合に、植物10にLED照明装置6からの光を照射しなかった場合、植物10の表面における光量子束密度が3μmol/m2・sとなるよう光を照射した場合、及び植物10の表面における光量子束密度が30μmol/m2・sとなるよう光を照射した場合に比べて、植物が大幅に生育した。60μmol/m2・s及び90μmol/m2・sをルクスに換算するとそれぞれ3240ルクス及び4860ルクス程度となるが、この程度の光を植物10に照射すれば、太陽パネルによる太陽光エネルギーの普及のために農地を活用するのに十分な程度に植物10を生育させることができる。
LED照明装置6からの光を照射する期間は、植物10の播種から収穫までの全期間であってもよいし、該全期間の日数のうちの90%以上、80%以上、70%以上、60%、50%以上、40%以上、30%以上、20%以上、又は10%以上であってもよい。また、LED照明装置6からの光は晴天、曇天、雨天のいずれに照射してもよいし、曇天と雨天のみに照射してもよい。さらに、一日のうちの照射時間は昼間(日の出から日没まで)と夜間(日没から日の出まで)のサイクルに合わせてもよいし、12時間照明−12時間消灯(例えば午前6時−午後6時照明/午後6時−午前6時消灯又は午前7時−午後7時照明/午後7時−午前7時消灯)としてもよいし、植物の種類に応じて適宜決定することができる。
本発明は、太陽光パネルが設置された農地において植物を生育するための植物生育方法であって、太陽電池パネルの裏面側に設けられたLED照明装置を用いて、前記農地で生育されている植物の表面における光の光量子束密度が60μmol/m2・s以上となるように、前記植物に対して光を照射する工程を含むことを特徴とする方法を包含する。
本発明はまた、太陽光パネルが設置された農地において植物を生育するための植物生育方法であって、太陽光パネルの裏面側に設けられたLED照明装置と農地との間に照射されている光の照度を測定する照度計が4,000ルクス以下の照度を示した場合に、LED照明装置を用いて、農地で生育されている植物に対して光を照射する工程を含むことを特徴とする方法を包含する。
上記の植物生育方法において、植物に照射される光の光量子束密度及び光の照射期間の例は、上記に示した通りである。
特に、農地9で生育された植物10の収量が、太陽電池パネル2及びLED照明装置6を設置しない状態の同じ農地9で生育された植物10の収量の8割以上である場合には、現行の政府の制度による再生エネルギー普及のための農地の転用が可能であるため、太陽光エネルギーの普及に寄与しつつ農地を活用することができる。
上記において、LED照明装置6の下方の農地9で生育された植物10の収量が、太陽電池パネル2及びLED照明装置6を設置しない状態のLED照明装置6の下方の農地9で生育された植物10の収量の8割以上であるようにしてもよい。
なお、一実施形態において、植物10の収量とは、ある一定期間植物10を生育した後の平均丈を指す。平均丈は5株、10株、20株等の植物10の丈の測定値の合計から株数を割って求めることができる。別の実施形態において、植物10の収量とは、ある一定期間植物10を生育した後の地上部の生重量、乾燥重量又はそれらのいずれかの平均値を指す。さらに別の実施形態において、植物10の収量とは、ある一定期間植物10を生育した後の収穫物の生重量、乾燥重量又はそれらのいずれかの平均値を指す。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例 牧草生育試験
(実施方法)
1/5,000aワグネルポット (以下、ポットと呼ぶ)に、花・野菜用栽培用の市販の培養土を詰め、手で培養土を鎮圧し、このとき,ポットの口から3−6cm程度土が沈むようにした。播種草種は、オーチャードグラス及びペレニアルライグラスの種子を使用した。培養土に種子を1ポットあたり30粒播き、2−3mm覆土し、手で鎮圧した。
発芽後、苗を間引いて1ポットあたり5−8個体とし、各ポットあたりの苗数を同じにした。生育温度は25℃とし、照射条件は、生育期間中毎日12時間明期、12時間暗期とした。LED照明として、RRB−LED(660nm波長の赤色LED2個及び445nm波長の青色LED1個)を使用した。ポットを棚に配置し、RRB−LEDをポットの上方に設置し、各ポットの土の表面に光量子計を配置し、各試験区の光量子束密度 (ppF)が3μmol/m2・s、30μmol/m2・s、60μmol/m2・s、及び90μmol/m2・sとなるようポットの高さを調整した。各試験区の光量子束密度は、各ポットにおける光量子計の測定値の平均値を計算することにより求めた。水やりは全てのポットに同量の水を一定間隔で与え、50mLを一日一回とした。各試験区は3反復とした。
播種後2週間は、発芽実生数とその草丈を記録し、播種後3週間以降は、草丈を測定した。平均草丈は、各ポットの1株当たりの草丈の平均値(cm)を算出した。
播種後40日目(光強度3μmol/m2・s、30μmol/m2・s試験区)又は42日目(光強度60μmol/m2・s、90μmol/m2・s試験区)に、生育物を収穫し、茎葉地上部の各ポット中の1株当たりの平均乾燥重量(mg)を測定した。
(結果)
図4に示すように、いずれの試験区でも経過日数と共にオーチャードグラスの平均草丈は増大したが、特に、光量子束密度が60μmol/m2・s及び90μmol/m2・sの試験区での植物の生育は顕著であった。
図5に示すように、ペレニアルライグラスの場合もいずれの試験区でも経過日数と共にオーチャードグラスの平均草丈は増大したが、特に、光量子束密度が60μmol/m2・s及び90μmol/m2・sの試験区での植物の生育は顕著であった。LEDからの光の照射強度が大きいほど、地上部茎葉の平均乾燥重量は大きくなり、特に光量子束密度が60μmol/m2・s及び90μmol/m2・sの試験区での植物の生育は顕著であった。
図6に示すように、オーチャードグラス及びペレニアルライグラスのいずれの場合も、いずれの試験区でも経過日数と共にオーチャードグラスの平均草丈は増大したが、特に、光量子束密度が60μmol/m2・s及び90μmol/m2・sの試験区での植物の収量の増大は顕著であった。
以上のように、本発明は、太陽電池パネルによって照度が低下することにより阻害される農作物の生育をLEDで補償するものである。牧草に照射される光の光量子束密度を60μmol/m2・sから90μmol/m2・s程度とすると、牧草が良好な生育を示すことが明らかとなった。
1・・・植物生育システム、2…太陽電池パネル、4…受光面、5…裏面、6…LED照明装置、8…照度計、9…農地、10…植物。

Claims (6)

  1. 太陽光パネルが設置された農地において植物を生育するための植物生育方法であって、
    太陽光パネルの裏面側に設けられたLED照明装置を用いて、前記農地で生育されている植物の表面における光の光量子束密度が60μmol/m2・s以上となるように、前記植物に対して光を照射する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 太陽光パネルが設置された農地において植物を生育するための植物生育方法であって、
    前記太陽光パネルの裏面側に設けられたLED照明装置と農地との間に照射されている光の照度を測定する照度計が4,000ルクス以下の照度を示した場合に、前記LED照明装置を用いて、前記農地で生育されている植物に対して光を照射する工程を含むことを特徴とする方法。
  3. 前記照射する工程は、前記植物の表面における光の光量子束密度が60μmol/m2・s以上となるように植物に対して光を照射することを含む請求項2に記載の方法。
  4. 前記農地で生育された植物の収量が、太陽電池パネル及びLED照明装置を設置しない状態の前記農地で生育された植物の収量の8割以上である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 農地において植物を生育するための植物生育システムであって、
    受光面及びその裏面を有する太陽電池パネルと、
    前記太陽電池パネルの裏面側に取り付けられたLED照明装置と、
    前記LED照明装置と農地との間に照射されている光の照度を測定する照度計とを備え、
    前記照度計が4,000ルクス以下の照度を示した場合に、前記LED照明装置から前記農地で生育されている植物に対して光を照射するよう、前記LED照明装置から照射される光の光量子束密度を設定することを特徴とする植物生育システム。
  6. 前記植物の表面における光の光量子束密度が60μmol/m2・s以上となるよう、前記LED照明装置から照射される光の光量子束密度を設定することを特徴とする請求項5に記載の植物生育システム。
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松本俊郎、渡辺俊明、伊藤卓爾、堀端章: "透光性太陽電池を用いた補光照明による新植物形成に関する基礎研究", 太陽/風力エネルギー講演論文集2007, JPN6021050988, 25 October 2007 (2007-10-25), JP, pages 109 - 111, ISSN: 0004666077 *

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