JP2018197589A - Crank washer - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、クランクワッシャに関する。 The present invention relates to a crank washer.
スラストワッシャの表面に保持される潤滑油の量を増加させる発明として、例えば特許文献1に開示されたスラストワッシャがある。このスラストワッシャは、上下方向に沿った油溝を有し、規則性のある凹凸部によって形成されたヘリングボーン形状のテクスチャが軸方向外側に設けられている。このテクスチャにより、スラストワッシャの表面に保持される潤滑油の量が増加して油膜圧力が発生するため、クランクシャフトのスラスト面とスラストワッシャとの接触を防止し、焼付きを防ぐことができる。
As an invention for increasing the amount of lubricating oil retained on the surface of the thrust washer, there is a thrust washer disclosed in
スラストワッシャに油溝を設けた場合、油溝を通って内周側から外周側に潤滑油が逃げやすくなる。また、スラストワッシャに設けられるテクスチャは、表面加工によって形成されるが、表面加工の手間やコストがかかることとなる。 When the oil groove is provided in the thrust washer, the lubricating oil easily escapes from the inner peripheral side to the outer peripheral side through the oil groove. Moreover, although the texture provided in the thrust washer is formed by surface processing, it takes time and effort for the surface processing.
本発明は、クランクワッシャにおいて油溝や表面加工を要することなく、焼付きを抑えることを目的とする。 An object of the present invention is to suppress seizure without requiring oil grooves or surface processing in a crank washer.
本発明は、回転軸の軸方向の力を受ける摺動面を有する半円環形状のクランクワッシャであって、内周面と前記摺動面との間に形成された第1傾斜面を備えるクランクワッシャを提供する。 The present invention is a semi-annular crank washer having a sliding surface that receives an axial force of a rotating shaft, and includes a first inclined surface formed between an inner peripheral surface and the sliding surface. Provide crank washers.
本発明においては、前記第1傾斜面は、周方向の全体に設けられている構成であってもよい。 In this invention, the structure provided in the whole circumferential direction may be sufficient as a said 1st inclined surface.
また、本発明においては、前記第1傾斜面の径方向の幅は、前記回転軸の回転方向上流側から回転方向下流側に向かうにつれて狭く形成されている構成であってもよい。 Moreover, in this invention, the structure currently formed narrowly as the width | variety of the radial direction of the said 1st inclined surface goes to the rotation direction downstream from the rotation direction upstream of the said rotating shaft may be sufficient.
また、本発明においては、前記第1傾斜面は、周方向の所定部分における径方向の幅が前記所定部分以外の部分より狭く形成されている構成であってもよい。 In the present invention, the first inclined surface may be configured such that a radial width in a predetermined portion in the circumferential direction is narrower than a portion other than the predetermined portion.
また、本発明においては、前記第1傾斜面の径方向の幅は、周方向の端側から中央側に向かうにつれて狭く形成されている構成であってもよい。 Further, in the present invention, the radial width of the first inclined surface may be configured to become narrower from the end in the circumferential direction toward the center.
また、本発明においては、前記第1傾斜面の前記摺動面からの深さは、前記回転軸の回転方向上流側から回転方向下流側に向かうにつれて浅く形成されている構成であってもよい。 Moreover, in this invention, the structure from which the depth from the said sliding surface of the said 1st inclined surface is formed shallowly as it goes to the rotation direction downstream from the rotation direction upstream of the said rotating shaft may be sufficient. .
また、本発明においては、前記第1傾斜面の前記摺動面からの深さは、周方向の端側から中央側に向かうにつれて浅く形成されている構成であってもよい。 Moreover, in this invention, the structure currently formed shallowly as the depth from the said sliding surface of the said 1st inclined surface goes to the center side from the end side of the circumferential direction may be sufficient.
また、本発明においては、外周面と前記摺動面との間に形成された第2傾斜面を備える構成であってもよい。 Moreover, in this invention, the structure provided with the 2nd inclined surface formed between the outer peripheral surface and the said sliding surface may be sufficient.
本発明によれば、クランクワッシャにおいて油を積極的に摺動面に流入させ、焼付きを抑えることができる。 According to the present invention, oil can be actively flowed into the sliding surface in the crank washer, and seizure can be suppressed.
[実施形態]
図1は、内燃機関におけるクランクシャフト1を例示する図である。回転軸の一例であるクランクシャフト1においては、主軸受10、コンロッド軸受20、およびクランクワッシャ30が用いられる。主軸受10は、シリンダブロック(図示略)のハウジング(図示略)に装着してクランクシャフト1のジャーナルを把持し、クランクシャフト1を支える軸受である。コンロッド軸受20は、コネクティングロッド2に装着してクランクシャフト1のピンを把持し、コネクティングロッド2を支える軸受である。本発明に係るスラストワッシャの一例であるクランクワッシャ30は、主軸受10と組み合わせて使用され、クランクシャフト1の軸方向の力を支える軸受である。クランクワッシャ30は、クランクシャフト1およびシリンダブロックの軸方向の位置決めをする機能も有する。
[Embodiment]
FIG. 1 is a diagram illustrating a
図2の(a)は、クランクワッシャ30の正面図であり、図2の(b)は、図2の(a)のA−A線断面図である。図においては、直交するx軸、y軸およびz軸で方向を示し、クランクシャフト1の回転方向を矢印aで示している。図において座標系を表す記号のうち、円の中に交差する2本線が描かれた記号は、紙面手前側から奥側に向かう矢印を表し、円の中に黒の円が描かれた記号は、紙面奥側から手前に向かう矢印を表す。また、図面の座標系においては、x軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。y、z成分についても、上記の定義に沿ってy軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向と定義する。
2A is a front view of the
クランクワッシャ30は、半円環形状で平板の上部ワッシャ31と、同じく半円環形状で平板の下部ワッシャ32で構成されている。上部ワッシャ31および下部ワッシャ32は、本発明に係るクランクワッシャの一例である。クランクワッシャ30は2枚で一組であり、後述する摺動面310および摺動面320の反対側の面同士を向かい合わせ、これらの間に図示しないハウジングを挟んで組付けられる。なお、クランクワッシャ30は、下部ワッシャ32を含まず、上部ワッシャ31のみであってもよい。
The
上部ワッシャ31は、摺動面310、切欠き312および傾斜面313を有する。切欠き312は、+x方向および−x方向にそれぞれ減肉されて設けられていてもよく、また、+y方向にも減肉されて設けられていてもよい。摺動面310は、クランクシャフト1と摺動する面であり、スラスト荷重を受けてクランクシャフト1を支持する部位である。
The
本発明に係る第1傾斜面の一例である傾斜面313は、上部ワッシャ31の−y方向の端面の内周面314側に形成された傾斜面である。傾斜面313は、+y方向に見ると、径方向の幅が予め定められた幅wとなっている。また、傾斜面313は、外周面315側から内周面314側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。
The
下部ワッシャ32は、回り止め321、摺動面320、切欠き322および傾斜面323を有する。回り止め321は、図示しないハウジングに設けられた回り止め溝に掛かり、下部ワッシャ32がクランクシャフト1の回転に伴って回ることを防ぐ。また、回り止め321がハウジングの回り止め溝に掛かって下部ワッシャ32の回転が抑制されることで、上部ワッシャ31の回転も抑制される。なお、回り止め321の根元には回り止め溝との干渉を防止するための「逃がし」が設けられていてもよい。
The
切欠き322は、+x方向および−x方向にそれぞれ減肉されて設けられていてもよく、また、+y方向にも減肉されて設けられていてもよい。摺動面320は、クランクシャフト1と摺動する面であり、スラスト荷重を受けてクランクシャフト1を支持する部位である。
The
本発明に係る第1傾斜面の一例である傾斜面323は、下部ワッシャ32の−y方向の端面の内周面324側に形成された傾斜面である。傾斜面323は、+y方向に見ると、径方向の幅が予め定められた幅wとなっている。また、傾斜面323は、外周面325側から内周面324側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。
The
上部ワッシャ31および下部ワッシャ32の製造方法としては、複数の方法が適用可能である。例えば、上部ワッシャ31および下部ワッシャ32の素材が金属である場合、上部ワッシャ31および下部ワッシャ32は、板状の金属に対してプレス加工または切削加工を行うことにより得られる。なお、上部ワッシャ31および下部ワッシャ32の素材が金属である場合、傾斜面313および傾斜面323は、プレス加工を行う際の金型または切削により形成される。また、上部ワッシャ31および下部ワッシャ32の素材が樹脂である場合、上部ワッシャ31および下部ワッシャ32は、射出成型または圧縮成形により得られる。なお、上部ワッシャ31および下部ワッシャ32の素材が樹脂である場合、傾斜面313および傾斜面323は、射出成型または圧縮成形の金型により形成される。
As a manufacturing method of the
クランクシャフト1にクランクワッシャ30が取り付けられた状態においては、主軸受10の内周面側に供給された潤滑油は、主軸受10から流れ出たあと、傾斜面313および傾斜面323へ流れる。傾斜面313は、摺動面310側で上部ワッシャ31の周方向全体に渡って設けられ、傾斜面323は、下部ワッシャ32の周方向全体に渡って設けられているため、潤滑油は、傾斜面313および傾斜面323から、摺動面310および摺動面320の全体に供給される。
In a state where the
クランクワッシャにおいて傾斜面313および傾斜面323を設けず、摺動面310および摺動面320に油溝を設けた構成の場合、潤滑油は油溝を通ってクランクワッシャの外周側へ逃げやすくなる。一方、本実施形態においては、傾斜面313および傾斜面323から摺動面310および摺動面320の全体に潤滑油が供給されるため、傾斜面313および傾斜面323を設けず且つ油溝を設けた場合より摺動面310および摺動面320の全体に供給される潤滑油の量が増え、より焼付きを抑えることができる。また、本実施形態においては、潤滑油を保持する表面加工を摺動面310および摺動面320に行わなくても、摺動面310および摺動面320の全体に潤滑油を供給することができ、表面加工を行う構成と比較すると、製造の工数およびコストを減らすことができる。
When the crank washer is not provided with the
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態および以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
[Modification]
As mentioned above, although embodiment of this invention was described, this invention is not limited to embodiment mentioned above, It can implement with another various form. For example, the present invention may be implemented by modifying the above-described embodiment as follows. In addition, you may combine each of embodiment mentioned above and the following modifications.
(変形例1)
図3は、本発明の変形例に係るクランクワッシャ30Aの正面図である。クランクワッシャ30Aは、半円環形状で平板の上部ワッシャ31Aと、同じく半円環形状で平板の下部ワッシャ32Aで構成されている。上部ワッシャ31Aは、傾斜面313に替えて傾斜面313Aを有し、下部ワッシャ32Aは、傾斜面323に替えて傾斜面323Aを有する。なお、以下の説明においては、上部ワッシャ31Aにおいて上部ワッシャ31と同じ構成、および下部ワッシャ32Aにおいて下部ワッシャ32と同じ構成については、図面において同じ符号を付し、その説明を省略する。
(Modification 1)
FIG. 3 is a front view of a
傾斜面313Aは、上部ワッシャ31Aの−y方向の端面の内周面314側に形成された傾斜面である。傾斜面313Aにおいては、外周面315側から内周面314側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。上部ワッシャ31Aを+y方向に見ると、傾斜面313Aの径方向の幅は、x軸方向の中央部が最も狭く、x軸方向の中央部から周方向に沿って合わせ面の方向に向かうにつれて広くなっている。
The
傾斜面323Aは、下部ワッシャ32Aの−y方向の端面の内周面324側に形成された傾斜面である。傾斜面323Aにおいては、外周面325側から内周面324側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。下部ワッシャ32Aを+y方向に見ると、傾斜面323Aの径方向の幅は、x軸方向の中央部が最も狭く、x軸方向の中央部から周方向に沿って合わせ面の方向に向かうにつれて広くなっている。
The
上部ワッシャ31Aと下部ワッシャ32Aの合わせ面付近においては、主軸受10から流れ出る潤滑油の量が、x軸方向の中央部より多くなる。本変形例においては、主軸受10から流れでる潤滑油の量が多い合わせ面付近においては、傾斜面313Aの幅と傾斜面323Aの幅が広くなっているため、多くの潤滑油を摺動面310および摺動面320に供給することができる。
In the vicinity of the mating surface of the
(変形例2)
図4は、本発明の変形例に係るクランクワッシャ30Bの正面図である。クランクワッシャ30Bは、半円環形状で平板の上部ワッシャ31Bと、同じく半円環形状で平板の下部ワッシャ32Bで構成されている。上部ワッシャ31Bは、傾斜面313に替えて傾斜面313Bを有し、下部ワッシャ32Bは、傾斜面323に替えて傾斜面323Bを有する。なお、以下の説明においては、上部ワッシャ31Bにおいて上部ワッシャ31と同じ構成、および下部ワッシャ32Bにおいて下部ワッシャ32と同じ構成については、図面において同じ符号を付し、その説明を省略する。
(Modification 2)
FIG. 4 is a front view of a
傾斜面313Bは、上部ワッシャ31Bの−y方向の端面において、内周面314側の一部に形成された傾斜面である。実施形態においては、傾斜面313が摺動面310側で周方向全体に渡って設けられているのに対し、傾斜面313Bは、クランクシャフト1の回転方向上流側の合わせ面側から周方向に沿って予め定められた距離の位置まで設けられ、周方向全体に渡って設けられていない点で相違する。傾斜面313Bにおいては、外周面315側から内周面314側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。上部ワッシャ31Bを+y方向に見ると、傾斜面313Bの径方向の幅は、クランクシャフト1の回転方向上流側の合わせ面側が広く、周方向に沿ってクランクシャフト1の回転方向下流側に向かうにつれて狭くなっている。
The
傾斜面323Bは、下部ワッシャ32Bの−y方向の端面において、内周面324側の一部に形成された傾斜面である。実施形態においては、傾斜面323が摺動面320側で周方向全体に渡って設けられているのに対し、傾斜面323Bは、クランクシャフト1の回転方向上流側の合わせ面側から周方向に沿って予め定められた距離の位置まで設けられ、周方向全体に渡って設けられていない点で相違する。傾斜面323Bにおいては、外周面325側から内周面324側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。下部ワッシャ32Bを+y方向に見ると、傾斜面323Bの径方向の幅は、クランクシャフト1の回転方向上流側の合わせ面側が広く、周方向に沿ってクランクシャフト1の回転方向下流側に向かうにつれて狭くなっている。
The
本変形例においても、主軸受10から流れでる潤滑油の量が多い合わせ面付近においては、傾斜面313Bの幅と傾斜面323Bの幅が広くなっているため、多くの潤滑油を摺動面310および摺動面320に供給することができる。
Also in this modified example, in the vicinity of the mating surface where the amount of lubricating oil flowing from the
(変形例3)
図5は、本発明の変形例に係るクランクワッシャ30Cの正面図である。クランクワッシャ30Cは、半円環形状で平板の上部ワッシャ31Cと、同じく半円環形状で平板の下部ワッシャ32Cで構成されている。上部ワッシャ31Cは、傾斜面313に替えて傾斜面313Cを有し、下部ワッシャ32Cは、傾斜面323に替えて傾斜面323Cを有する。なお、以下の説明においては、上部ワッシャ31Cにおいて上部ワッシャ31と同じ構成、および下部ワッシャ32Cにおいて下部ワッシャ32と同じ構成については、図面において同じ符号を付し、その説明を省略する。
(Modification 3)
FIG. 5 is a front view of a
傾斜面313Cは、上部ワッシャ31Cの−y方向の端面の内周面314側に形成された傾斜面である。傾斜面313Cにおいては、外周面315側から内周面314側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。上部ワッシャ31Aを+y方向に見ると、傾斜面313Cの径方向の幅は、x軸方向の中央部が最も広く、x軸方向の中央部から周方向に沿って合わせ面の方向に向かうにつれて狭くなっている。
The
傾斜面323Cは、下部ワッシャ32Cの−y方向の端面の内周面324側に形成された傾斜面である。傾斜面323Cにおいては、外周面325側から内周面324側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。下部ワッシャ32Cを+y方向に見ると、傾斜面323Cの径方向の幅は、x軸方向の中央部が最も広く、x軸方向の中央部から周方向に沿って合わせ面の方向に向かうにつれて狭くなっている。
The
摺動面310および摺動面320においては、エンジンの種類によっては、クランクシャフト1の回転方向上流側と下流側、即ち、合わせ面の近傍の所定部分は、他の位置よりスラスト面に対して強く当たる部分となる。本変形例においては、この部分の内周側において、傾斜面313Cおよび傾斜面323Cの幅を狭くとっているため、スラスト面に対する摺動面を確保することができる。また、傾斜面313Cおよび傾斜面323Cの幅は、合わせ面側から周方向に沿ってx軸方向の中央部に向かうにつれて広くなっているため、多くの潤滑油を摺動面310および摺動面320に供給することができる。
In the sliding
(変形例4)
図6は、本発明の変形例に係るクランクワッシャ30Dの正面図である。クランクワッシャ30Dは、半円環形状で平板の上部ワッシャ31Dと、同じく半円環形状で平板の下部ワッシャ32Dで構成されている。上部ワッシャ31Dは、傾斜面313に替えて傾斜面313D−1と傾斜面313D−2を有し、下部ワッシャ32Dは、傾斜面323に替えて傾斜面323D−1と傾斜面323D−2を有する。なお、以下の説明においては、上部ワッシャ31Dにおいて上部ワッシャ31と同じ構成、および下部ワッシャ32Dにおいて下部ワッシャ32と同じ構成については、図面において同じ符号を付し、その説明を省略する。
(Modification 4)
FIG. 6 is a front view of a
傾斜面313D−1および傾斜面313D−2は、上部ワッシャ31Dの−y方向の端面の内周面314側の一部に形成された傾斜面である。傾斜面313D−1および傾斜面313D−2においては、外周面315側から内周面314側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。上部ワッシャ31Dを+y方向に見たとき、傾斜面313D−1は、クランクシャフト1の回転方向上流側の合わせ面とx軸方向の中央部との間において、周方向に沿って予め定められた範囲に設けられている。傾斜面313D−1の径方向の幅は、周方向で見ると傾斜面313D−1の中央部が最も広く、周方向に沿って中央部から離れるにつれて狭くなっている。また、傾斜面313D−2は、クランクシャフト1の回転方向下流側の合わせ面とx軸方向の中央部との間において、周方向に沿って予め定められた範囲に設けられている。傾斜面313D−2の径方向の幅も、周方向で見ると傾斜面323D−2の中央部が最も広く、周方向に沿って中央部から離れるにつれて狭くなっている。
The
傾斜面323D−1および傾斜面323D−2は、下部ワッシャ32Dの−y方向の端面の内周面324側に形成された傾斜面である。傾斜面323D−1および傾斜面323D−2においては、外周面325側から内周面324側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。下部ワッシャ32Dを+y方向に見たとき、傾斜面323D−1は、クランクシャフト1の回転方向下流側の合わせ面とx軸方向の中央部との間において、周方向に沿って予め定められた範囲に設けられている。傾斜面323D−1の径方向の幅は、周方向で見ると傾斜面323D−1の中央部が最も広く、周方向に沿って中央部から離れるにつれて狭くなっている。また、傾斜面323D−2は、クランクシャフト1の回転方向上流側の合わせ面とx軸方向の中央部との間において、周方向に沿って予め定められた範囲に設けられている。傾斜面323D−2の径方向の幅も、周方向で見ると傾斜面323D−2の中央部が最も広く、周方向に沿って中央部から離れるにつれて狭くなっている。
The
合わせ面の近傍において、スラスト面に対して強く当たる部分が生じる場合、本変形例においては、この強く当たる部分より内周側に傾斜面を設けていないため、摺動面310および摺動面320においてスラスト面に対して強く当たる部分は、スラスト面に対する摺動面を確保しつつ、傾斜面313D−1、傾斜面313D−2、傾斜面323D−1および傾斜面323D−2から潤滑油を摺動面310および摺動面320に供給し、焼付きを抑えることができる。
In the case where a portion that strongly strikes the thrust surface is generated in the vicinity of the mating surface, in the present modification, since the inclined surface is not provided on the inner peripheral side from the strongly contacted portion, the sliding
(変形例5)
図7は、本発明の変形例に係るクランクワッシャ30Eの正面図である。また、図8は、図7のB−B線断面図、C−C線断面図、D−D線断面図、E−E線断面図、F−F線断面図およびG−G線断面図である。クランクワッシャ30Eは、半円環形状で平板の上部ワッシャ31Eと、同じく半円環形状で平板の下部ワッシャ32Eで構成されている。上部ワッシャ31Eは、傾斜面313に替えて傾斜面313Eを有し、下部ワッシャ32Eは、傾斜面323に替えて傾斜面323Eを有する。なお、以下の説明においては、上部ワッシャ31Eにおいて上部ワッシャ31と同じ構成、および下部ワッシャ32Eにおいて下部ワッシャ32と同じ構成については、図面において同じ符号を付し、その説明を省略する。
(Modification 5)
FIG. 7 is a front view of a
傾斜面313Eは、上部ワッシャ31Eの−y方向の端面の内周面314側に形成された傾斜面である。傾斜面313Eは、+y方向に見ると、径方向の幅が予め定められた幅wとなっている。また、傾斜面313Eは、外周面315側から内周面314側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。
The
また、内周面314の位置における傾斜面313Eの+y方向の深さを見ると、図7のB−B線の位置、即ち、クランクシャフト1の回転方向上流側では、図8の(a)に示したようにd1の深さであり、図7のC−C線の位置、即ち、x軸方向の中央部では、図8の(b)に示したようにd2の深さであり、図7のD−D線の位置、即ち、クランクシャフト1の回転方向下流側では、図8の(c)に示したようにd3の深さとなっている。d1、d2およびd3の関係は、d1>d2>d3となっており、傾斜面313Eは、クランクシャフト1の回転方向上流側の合わせ面側から下流側の合わせ面側に向かうにつれて深さが浅くなっている。換言すると、傾斜面313Eの表面は、クランクシャフト1の回転方向上流側の合わせ面側から下流側の合わせ面側に向かうにつれて摺動面310とのなす角度が小さくなっている。
Further, when the depth in the + y direction of the
傾斜面323Eは、下部ワッシャ32Eの−y方向の端面の内周面324側に形成された傾斜面である。傾斜面323Eは、+y方向に見ると、径方向の幅が予め定められた幅wとなっている。また、傾斜面323Eは、外周面325側から内周面324側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。
The
また、内周面324の位置における傾斜面323Eの+y方向の深さを見ると、図7のG−G線の位置、即ち、クランクシャフト1の回転方向上流側では、図8の(d)に示したようにd1の深さであり、図7のF−F線の位置、即ち、x軸方向の中央部では、図8の(e)に示したようにd2の深さであり、図7のE−E線の位置、即ち、クランクシャフト1の回転方向下流側では、図8の(f)に示したようにd3の深さとなっている。つまり、傾斜面323Eは、傾斜面313Eと同じく、クランクシャフト1の回転方向上流側の合わせ面側から下流側の合わせ面側に向かうにつれて深さが浅くなっている。換言すると、傾斜面323Eの表面は、クランクシャフト1の回転方向上流側の合わせ面側から下流側の合わせ面側に向かうにつれて摺動面320とのなす角度が小さくなっている。
Further, looking at the depth in the + y direction of the
クランクワッシャ30Eは、主軸受10から流れでる潤滑油の量が多い合わせ面付近においては、傾斜面313Eの深さと傾斜面323Eの深さが深くなっているため、多くの潤滑油を摺動面310および摺動面320に供給することができる。なお、上述した変形例では、傾斜面313Eおよび傾斜面323Eの深さは、クランクシャフト1の回転方向上流側から下流側に向かって浅くなっているが、回転方向上流側から下流側に向かって浅くなり、x軸方向の中央部で最も浅く、x軸方向の中央部から回転方向下流側に向かって深くなる構成であってもよい。
In the
(変形例6)
図9は、本発明の変形例に係るクランクワッシャ30Fの正面図である。クランクワッシャ30Fは、半円環形状で平板の上部ワッシャ31Fと、同じく半円環形状で平板の下部ワッシャ32Fで構成されている。上部ワッシャ31Fは、上部ワッシャ31と比較すると、傾斜面316をさらに有し、下部ワッシャ32Fは、下部ワッシャ32と比較すると、傾斜面326をさらに有する。なお、以下の説明においては、上部ワッシャ31Fにおいて上部ワッシャ31と同じ構成、および下部ワッシャ32Fにおいて下部ワッシャ32と同じ構成については、図面において同じ符号を付し、その説明を省略する。
(Modification 6)
FIG. 9 is a front view of a
本発明に係る第2傾斜面の一例である傾斜面316は、上部ワッシャ31Fの−y方向の端面の外周面315側に形成された傾斜面である。傾斜面316は、+y方向に見ると、径方向の幅が一定の幅となっている。また、傾斜面316は、内周面314側から外周面315側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。本発明に係る第2傾斜面の一例である傾斜面326は、下部ワッシャ32Fの−y方向の端面の外周面325側に形成された傾斜面である。傾斜面326は、+y方向に見ると、径方向の幅が予め定められた幅となっている。また、傾斜面326は、内周面324側から外周面325側へ向かうにつれてy軸方向の厚みが減少している。
The
本変形例によれば、クランクシャフト1のたわみによってクランクシャフト1のスラスト面が摺動面310や摺動面320に対して傾いたとしても、傾いたスラスト面に傾斜面316または傾斜面326の表面が当たるため、傾斜面316および傾斜面326がない場合と比較すると、クランクワッシャ30に対するスラスト面の当たりが緩和され、焼付きの発生を抑えることができる。なお、傾斜面316と傾斜面326は、周方向の全体ではなく、周方向の一部に設ける構成であってもよい。
According to this modification, even if the thrust surface of the
(変形例7)
上述した実施形態および変形例においては、傾斜面の表面は、外周面側から内周面側に向かって平坦となっているが、傾斜面の表面は、平坦でなくてもよい。図10は、変形例に係る上部ワッシャ31Gおよび上部ワッシャ31Hを径方向に切断した断面を拡大した図である。
(Modification 7)
In the embodiment and the modification described above, the surface of the inclined surface is flat from the outer peripheral surface side toward the inner peripheral surface side, but the surface of the inclined surface may not be flat. FIG. 10 is an enlarged view of a cross section obtained by cutting the
上部ワッシャ31Gは、傾斜面313Gを有する。傾斜面313Gの表面は、図10の(a)に示したように、+y方向へ凹んだ曲面となっている。上部ワッシャ31Hは、傾斜面313Hを有する。傾斜面313Hの表面は、図10の(b)に示したように、−y方向へ凸の曲面となっている。なお、下部ワッシャの傾斜面においても図10に示した傾斜面313Gまたは傾斜面313Hと同様の表面を有する構成としてもよい。
The
(変形例8)
上述した実施形態および変形例に係るクランクワッシャは、切欠き312および切欠き322を有しているが、切欠き312および切欠き322を有していない構成であってもよい。
(Modification 8)
Although the crank washer according to the above-described embodiment and modification includes the
(変形例9)
上述した実施形態および変形例においては、上部ワッシャと下部ワッシャの両方に傾斜面が設けられているが、上部ワッシャと下部ワッシャのいずれか一方にのみ傾斜面を設ける構成としてもよい。
(Modification 9)
In the embodiment and the modification described above, the inclined surface is provided on both the upper washer and the lower washer. However, the inclined surface may be provided on only one of the upper washer and the lower washer.
1…クランクシャフト
2…コネクティングロッド
10…主軸受
20…コンロッド軸受
30、30A、30B、30C、30D、30E、30F…クランクワッシャ
31、31A、31B、31C、31D、31E、31F、31G、31H、31J…上部ワッシャ
32、32A、32B、32C、32D、32E、32F…下部ワッシャ
310…摺動面
320…摺動面
313、313A、313B、313C、313D−1、313D−2、313E、313G、313H、313J…傾斜面
312…切欠き
314…内周面
315…外周面
316…傾斜面
320…摺動面
321…回り止め
323、323A、323B、323D−1、323D−2、323E…傾斜面
322…切欠き
324…内周面
325…外周面
326…傾斜面
DESCRIPTION OF
Claims (8)
内周面と前記摺動面との間に形成された第1傾斜面
を備えるクランクワッシャ。 A semi-annular crank washer having a sliding surface that receives the axial force of the rotating shaft,
A crank washer comprising a first inclined surface formed between an inner peripheral surface and the sliding surface.
請求項1または請求項2に記載のクランクワッシャ。 3. The crank washer according to claim 1, wherein a width of the first inclined surface in a radial direction is narrower from an upstream side in a rotational direction of the rotary shaft toward a downstream side in the rotational direction.
請求項2に記載のクランクワッシャ。 The crank washer according to claim 2, wherein the first inclined surface is formed such that a radial width in a predetermined portion in the circumferential direction is narrower than a portion other than the predetermined portion.
請求項2に記載のクランクワッシャ。 3. The crank washer according to claim 2, wherein a radial width of the first inclined surface is narrower from a circumferential end side toward a central side.
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のクランクワッシャ。 The depth from the said sliding surface of the said 1st inclined surface is formed shallowly as it goes to the rotation direction downstream from the rotation direction upstream of the said rotating shaft. Crank washer as described.
請求項2に記載のクランクワッシャ。 The crank washer according to claim 2, wherein a depth of the first inclined surface from the sliding surface is shallower from an end in the circumferential direction toward the center.
を備える請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のクランクワッシャ。 The crank washer according to any one of claims 1 to 7, further comprising a second inclined surface formed between an outer peripheral surface and the sliding surface.
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Citations (4)
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