JP2018194543A - アレルギー疾患の治療の効果を判定するためのキット、およびその利用 - Google Patents

アレルギー疾患の治療の効果を判定するためのキット、およびその利用 Download PDF

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哲司 高林
Tetsuji Takabayashi
哲司 高林
重治 藤枝
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重治 藤枝
義政 意元
Yoshimasa Imoto
義政 意元
加奈子 吉田
Kanako Yoshida
加奈子 吉田
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Abstract

【課題】アレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キット、アレルギー疾患の治療の効果を判定するためのデータの取得方法、アレルギー疾患の治療剤、および、アレルギー疾患の治療剤のスクリーニング方法を提供する。【解決手段】TAFIタンパク質を検出するための試薬を含んでいる、アレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キットを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、アレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キット、アレルギー疾患の治療の効果を判定するためのデータの取得方法、アレルギー疾患の治療剤、および、アレルギー疾患の治療剤のスクリーニング方法に関する。
近年、世界規模の工業化に伴って、環境の変化、および、生活様式の変化が進み、その結果、アレルギー疾患を患う患者が急増している。
アレルギー疾患は、生体にとって本来無害な外来抗原に対して免疫系が過剰に反応することによって生じる疾患である。スギ花粉症もアレルギー疾患の一種であり、その主な原因は、スギ花粉に含まれる抗原性物質であると言われている。大気中に飛散したスギ花粉がヒトの体内に侵入すると、B細胞によって、スギ花粉に含まれる抗原性物質に対するイムノグロブリンE抗体(IgE)が産生される。IgEが、肥満細胞の細胞膜上に存在する高親和性IgE受容体(FcεRI)に結合することによって、生体は、スギ花粉に含まれる抗原性物質に対して感作された状態となる。当該生体に再び抗原性物質が侵入し、当該抗原性物質が肥満細胞の細胞膜上に存在するIgEに結合することによって、IgEとIgEとの間に架橋が生じる。架橋によってシグナルが発生し、当該シグナルが肥満細胞内で伝達されることによって、肥満細胞内に蓄積されているケミカルメディエーター(例えば、ヒスタミン、および、ロイコトリエン等)が放出され(脱顆粒反応)、生体に様々なアレルギー症状を引き起こす。食物アレルギー、気管支喘息、および、アトピー性皮膚炎等の他のアレルギー疾患と同様に、スギ花粉症においても、近年重症化および低年齢化の傾向が見られ、その傾向が今後ますます深刻化していくと予想されている。
現在、スギ花粉症の治療は、抗アレルギー薬を用いる薬物療法が主体である。しかし、薬物療法は、基本的にアレルギーの症状を一時的に緩和する対症療法であり、根治性はないため、症状が続く限り抗アレルギー薬を飲み続ける必要がある。また、抗アレルギー薬には、副作用(例えば、眠気、倦怠感、口喝、吐気、および、消化器症状等)が少なからず存在する。重症患者にはステロイド薬が使用されるが、高い治療効果が期待できる反面、重大な副作用(例えば、緑内障、糖尿病の増悪、および、感染症の再燃等)の懸念もあり、長期に亘るステロイド薬の使用にはリスクが伴う。鼻粘膜を縮小させるレーザー手術、および、鼻汁分泌を抑制する神経切断術等の外科的な治療も行われているが、いずれも根治性はなく、効果の継続は長くても数年程度である。
アレルギー疾患に対して現在唯一、根治治療を望める治療法として、免疫療法がある。免疫療法は、抗原(アレルゲン)を皮下注射、舌下投与または嚥下投与することによって、抗原に対するアレルギー反応を低下させる治療法である。免疫療法は、6〜7割の患者に対して効果を有することが明らかになっている。また、免疫療法では抗原を直接生体に投与することから、過剰なアレルギー反応によるアナフィラキシーショックの発生が懸念されるが、特に、舌下免疫療法ではアナフィラキシーショックの発生頻度は低く、有効な治療法としての免疫療法が確立されつつあり、今後、その他のアレルギー疾患に対しても普及していくと考えられている(例えば、非特許文献1〜4参照)。
免疫療法などに代表されるアレルギー疾患の治療方法は、治療効果を有していることは判ってはいるが、治療効果を発揮するメカニズムに関しては、不明な点が多く残されている。
また、免疫療法などに代表されるアレルギー疾患の治療方法に関して、現在、当該治療方法が特定の患者にとって有効であるか否か簡便に判定する方法が無い。それ故に、治療方法が特定の患者にとって有効であるか否か判らないまま、長年にわたって治療を継続する必要があり、患者に大きな負担を強いるという問題点がある。
また、免疫療法などに代表されるアレルギー疾患の治療方法は、過剰なアレルギー反応によるアナフィラキシーショックを引き起こす危険性が皆無とはいえず、安全性の高い治療方法の開発が望まれている。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、アレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キット、アレルギー疾患の治療の効果を判定するためのデータの取得方法、アレルギー疾患の治療剤、および、アレルギー疾患の治療剤のスクリーニング方法を提供することにある。
免疫療法などに代表されるアレルギー疾患の治療方法が、生体内においてどのようなメカニズムで抗アレルギー効果を発揮するのかを解明できれば、抗原を直接生体に投与するというリスクを犯すことなく、花粉症等のアレルギー疾患の根治治療を行うことができる可能性がある。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、(i)アレルギー疾患の治療を行い、当該治療が有効である場合、生体内でTAFIタンパク質の量が増加すること、および、(ii)TAFIタンパク質を投与すると、生体内におけるアレルギー反応を抑制できること、を見出し、本発明を完成させるに至った。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キットは、TAFIタンパク質を検出するための試薬を含んでいることを特徴としている。
本発明の一態様に係る判定キットでは、上記TAFIタンパク質は、以下の(1)または(2)のタンパク質であることが好ましい:
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、CCL5および/またはCCL8のmRNAの発現抑制活性を有するタンパク質。
本発明の一態様に係る判定キットでは、上記アレルギー疾患は、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、または、気管支喘息であることが好ましい。
本発明の一態様に係る判定キットでは、上記アレルギー疾患の治療は、免疫療法、薬物療法、外科的手術療法、食事療法、または、運動療法であることが好ましい。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアレルギー疾患の治療の効果を判定するためのデータの取得方法は、生体から取得された試料中のTAFIタンパク質を検出する検出工程を有することを特徴としている。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアレルギー疾患の治療剤は、TAFIタンパク質を有効成分として含有していることを特徴としている。
本発明の一態様に係る治療剤では、投与剤型が、点眼剤、点鼻剤、軟膏剤、または、吸入剤であることが好ましい。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアレルギー疾患の治療剤のスクリーニング方法は、生体から取得された細胞に、被検物質を接触させる工程と、上記細胞におけるTAFIタンパク質の発現を検出する工程と、を有していることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、短期間で、かつ、客観的に、アレルギー疾患の治療方法が患者にとって有効であるか否か判定することができる。このことは、採用している治療方法を続けるべきか、別の治療方法を採用すべきか、短期間で判定することを可能とし、これによって、患者が被る肉体的負担および経済的負担を軽減することができる。
TAFIタンパク質は、鼻粘膜線維芽細胞におけるアレルギー反応を誘発する化学物質(サイトカイン)の産生抑制効果、および、肥満細胞の脱顆粒反応によるヒスタミン遊離抑制効果を有しているため、本発明の一態様によれば、アレルギー疾患全般を治療できるのみならず、根治性のある治療方法を提供することができる。
本発明の一態様によれば、抗原(アレルゲン)ではなく、TAFIタンパク質を用いるので、安全な治療方法を提供できる。
本発明の実施例において、舌下免疫治療法が施されたスギ花粉症患者における、血漿中TAFIタンパク質の濃度の経年的変化を示すグラフである。 本発明の実施例において、スギ花粉症患者における、補体(C3a)の濃度と、血漿中TAFIタンパク質の濃度との相関を示すグラフである。 本発明の実施例において、ヒト鼻粘膜繊維芽細胞に対するTAFIタンパク質の効果を示すグラフである。 本発明の実施例において、ヒト肥満細胞の脱下顆粒反応に対するTAFIタンパク質の効果を示すグラフである。 本発明の実施例において、ヒト気道上皮細胞のアレルギー炎症反応に対するTAFIタンパク質の効果を示すグラフである。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意図する。
〔1.アレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キット〕
本発明者らは、アレルギー患者(具体的には、スギ花粉症患者)を対象として免疫療法(具体的には、舌下免疫療法)によるスギ花粉の投与を行い、当該アレルギー患者の血漿中のタンパク質解析を行った。その結果、本発明者らは、免疫療法を行った後に特異的に血漿中の量が増加するタンパク質として、TAFIタンパク質を見出した。更に、本発明者らは、血漿中のTAFIタンパク質の濃度は、アレルギー症状の病勢を反映する補体(C3a)の濃度との間に有意な逆相関関係を有していることを見出した。すなわち、血漿中のTAFI濃度を測定することで、アレルギー疾患の治療の効果を判定することが可能である。
それ故に、本実施の形態のアレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キットは、TAFI(Thrombin-activatable fibrinolysis inhibitor)タンパク質を検出するための試薬を含んでいる。
上記試薬は、TAFIタンパク質自体を検出するものであってもよいし、TAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を検出するものであってもよい。
試薬によって検出されるTAFIタンパク質としては、例えば、ヒト由来のTAFIタンパク質、および、ヒト由来のTAFIタンパク質に変異が生じた変異タンパク質を挙げることができる。また、上記TAFIタンパク質としては、例えば、ヒト以外の生物種(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、ウマ、ブタ等の哺乳類)由来のTAFIタンパク質、および、ヒト以外の生物種由来のTAFIタンパク質に変異が生じた変異タンパク質を挙げることができる。
より具体的に、上記TAFIタンパク質は、以下の(1)または(2)のタンパク質であることが好ましい:
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、CCL5(換言すれば、RANTES)および/またはCCL8(換言すれば、MCP−2)のmRNAの発現抑制活性を有するタンパク質。
なお、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質とは、ヒトのTAFIタンパク質である。
後述する実施例に示すように、TAFIタンパク質は、CCL5および/またはCCL8のmRNAの発現抑制活性を有している。周知の方法にしたがって、任意のタンパク質のこれらの活性を測定し、任意のタンパク質がこれらの活性を有していれば、当該タンパク質を、TAFIタンパク質としての活性を有するタンパク質と判定することができる。
具体的に、鼻粘膜線維芽細胞をIL−4またはIL−8にて刺激すると、CCL5および/またはCCL8のmRNAの発現が誘導される。任意のタンパク質が加えられた鼻粘膜線維芽細胞、および、任意のタンパク質が加えられていない鼻粘膜線維芽細胞の各々を、IL−4またはIL−8にて刺激する。任意のタンパク質が加えられていない鼻粘膜線維芽細胞を刺激した時に比べて、任意のタンパク質が加えられた鼻粘膜線維芽細胞を刺激した時に、CCL5および/またはCCL8のmRNAの発現が抑制されていれば、当該任意のタンパク質を、「CCL5および/またはCCL8のmRNAの発現抑制活性を有するタンパク質」とみなすことができる。
本明細書において「1個もしくは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入、および/または付加された」とは、特に限定されるものではないが、部位特異的突然変異誘発法等の公知の変異タンパク質作製法により、置換、欠失、挿入、および/または付加できる程度の数(好ましくは10個以下、より好ましくは9個以下、より好ましくは8個以下、より好ましくは7個以下、より好ましくは6個以下、より好ましくは5個以下、より好ましくは4個以下、より好ましくは3個以下、より好ましくは2個以下、最も好ましくは1個以下)のアミノ酸が、置換、欠失、挿入、および/または付加されることを意図する。
試薬によって検出されるTAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチドとしては、例えば、ヒト由来のTAFIタンパク質、および、ヒト由来のTAFIタンパク質に変異が生じた変異タンパク質、をコードしているポリヌクレオチドを挙げることができる。また、上記TAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチドとしては、例えば、ヒト以外の生物種(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、ウマ、ブタ等の哺乳類)由来のTAFIタンパク質、および、ヒト以外の生物種由来のTAFIタンパク質に変異が生じた変異タンパク質、をコードしているポリヌクレオチドを挙げることができる。
より具体的に、上記TAFIタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下の(3)または(4)のポリヌクレオチドであることが好ましい:
(3)配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(4)配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、CCL5および/またはCCL8のmRNAの発現抑制活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
なお、配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドとは、ヒトのTAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチドである。
本明細書において、用語「ストリンジェントな条件」は、いわゆる塩基配列に特異的な2本鎖のポリヌクレオチドが形成され、非特異的な2本鎖のポリヌクレオチドが形成されない条件をいう。換言すれば、相同性が高い核酸同士、例えば完全にマッチしたハイブリッドの融解温度(Tm値)から15℃、好ましくは10℃、更に好ましくは5℃低い温度までの範囲の温度でハイブリダイズする条件ともいえる。
例えば、一例を示すと、0.25M NaHPO、pH7.2、7%SDS、1mM EDTA、1×デンハルト溶液からなる緩衝液中で温度が60〜68℃、好ましくは65℃、さらに好ましくは68℃の条件下で16〜24時間ハイブリダイズさせ、さらに20mM NaHPO、pH7.2、1%SDS、1mM EDTAからなる緩衝液中で温度が60〜68℃、好ましくは65℃、さらに好ましくは68℃の条件下で15分間の洗浄を2回行う条件を挙げることができる。
他の例としては、25%ホルムアミド、より厳しい条件では50%ホルムアミド、4×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)、50mM Hepes pH7.0、10×デンハルト溶液、20μg/mL変性サケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション溶液中、42℃で一晩プレハイブリダイゼーションを行った後、標識したプローブを添加し、42℃で一晩保温することによりハイブリダイゼーションを行う。その後の洗浄における洗浄液および温度条件は、「1×SSC、0.1%SDS、37℃」程度で、より厳しい条件としては「0.5×SSC、0.1%SDS、42℃」程度で、さらに厳しい条件としては「0.2×SSC、0.1%SDS、65℃」程度で実施することができる。このようにハイブリダイゼーションの洗浄の条件が厳しくなるほど、特異性の高いハイブリダイズとなる。ただし、上記SSC、SDSおよび温度の条件の組み合わせは例示であり、当業者であれば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定する上記若しくは他の要素(例えば、プローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダイゼーション反応時間等)を適宜組み合わせることにより、上記と同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。このことは、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 3rd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory(2001)等に記載されている。
本実施の形態の判定キットでは、上記アレルギー疾患は、I型アレルギーであることが好ましく、より具体的に、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、または、気管支喘息であることが好ましい。
本実施の形態の判定キットでは、上記アレルギー疾患の治療は、免疫療法、薬物療法、外科的手術療法、食事療法、または、運動療法であることが好ましい。
上記免疫療法は、(i)アレルゲンの舌下投与、嚥下投与または皮下投与により行う減感作療法、または、(ii)自然免疫リガンドを利用した免疫活性療法であってもよい。これらの免疫療法の中では、アレルゲンの舌下投与または嚥下投与により行う減感作療法が好ましい。その理由は、当該減感作療法は、安全かつ副作用の危険性が低い免疫療法だからである。
上記TAFIタンパク質を検出するための試薬は、TAFIタンパク質を検出することができるものであればよく、その構成は、特に限定されない。上記試薬は、例えば、TAFIタンパク質自体を検出するものであってもよいし、TAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を検出するものであってもよい。
上記試薬がTAFIタンパク質自体を検出するものである場合、当該試薬は、TAFIタンパク質と特異的に相互作用する物質であることが好ましい。
TAFIタンパク質と特異的に相互作用する物質としては、例えば、抗TAFIタンパク質抗体、または、TAFI結合タンパク質(例えば、プラスミノーゲン)を挙げることができる。
抗TAFIタンパク質抗体は、ポリクローナル抗体であってもよいし、モノクローナル抗体であってもよい。また、当該抗体は、FabおよびF(ab’)フラグメントのような、抗体フラグメントであってもよい。FabおよびF(ab’)フラグメントは、完全な抗体のFcを欠いており、結合の特異性が向上しているため、好ましい(Wahlら、J. Nucl. Med., 24:316-325(1983))。
抗TAFIタンパク質抗体としては、市販の抗体を用いることも可能であるし、周知の方法にて作製した抗体を用いることも可能である。
抗TAFIタンパク質抗体は、例えば、HarLowらの「Antibodies:A
Laboratory manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York(1988)」、岩崎らの「単クローン抗体 ハイブリドーマとELISA,講談社(1991)」に記載の方法にしたがって作製することができる。
上記試薬がTAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を検出するものである場合、当該試薬は、(i)TAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチドにハイブリダイズするプローブ、または、(ii)TAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチドを増幅するためのプライマーセットであることが好ましい。
上述したように、配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドとは、ヒトのTAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチドである。
例えば、(i)に記載のプローブは、配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドにハイブリダイズするプローブであり得、より具体的に、配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドに対して相補的なポリヌクレオチドの少なくとも一部からなるプローブであり得る。
一方、(ii)に記載のプライマーセットは、配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドを増幅するためのプライマーセットであり得、より具体的に、(a)配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドの少なくとも一部からなるフォワードプライマーと、配列番号2に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドに対して相補的なポリヌクレオチドの少なくとも一部からなるリバースプライマーと、を含むプライマーセットであり得る。
TAFIタンパク質自体の検出(より具体的に、TAFIタンパク質の試料中の濃度の検出)には、具体的な方法として、イムノアッセイ法(例えば、ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)、または、IRMA(Immunoradiometric assay)等)、または、ウエスタンブロット法を採用すればよい。より感度が高く簡便であるという観点から、上述した方法の中では、イムノアッセイ法を採用することが好ましい。以下に、これらの方法を採用する実施形態の一例を示すが、本発明は、勿論これらの例に限定されない。
(例1)
イムノアッセイ法を採用する場合の一実施形態では、例えば、試料中に含まれるタンパク質を支持体(例えば、マルチウエルプレート、または、ビーズ)上に固定化し、その後、TAFIタンパク質と特異的に相互作用する物質(以下、物質Aと呼ぶ)を、支持体上に固定化されたTAFIタンパク質に結合させる。次いで、標識(例えば、アルカリフォスファターゼ、または、ペルオキシダーゼ)が付与された抗体を、物質Aに結合させる。最後に、物質Aに結合している標識を検出することによって、TAFIタンパク質を検出(より具体的には、TAFIタンパク質の試料中の濃度を算出)すればよい。
(例2)
イムノアッセイ法を採用する場合の別の実施形態では、例えば、TAFIタンパク質と特異的に相互作用する物質(以下、物質Bと呼ぶ)を支持体上に固定化する。次いで、当該支持体に生体から取得された試料を加え、支持体上に固定化された物質BにTAFIタンパク質を結合させる。次いで、標識(例えば、アルカリフォスファターゼ、または、ペルオキシダーゼ)が付与された抗体を、TAFIタンパク質に結合させる。最後に、TAFIタンパク質に結合している標識を検出することによって、TAFIタンパク質を検出(より具体的には、TAFIタンパク質の試料中の濃度を算出)すればよい。なお、上記抗体および物質Bは、各々、TAFIタンパク質の異なる部位と相互作用するものである。
(例3)
イムノアッセイ法を採用する場合の別の実施形態では、例えば、TAFIタンパク質に結合する抗体を支持体上に固定化する。次いで、当該支持体に生体から取得された試料を加え、支持体上に固定化された抗体にTAFIタンパク質を結合させる。次いで、標識(例えば、アルカリフォスファターゼ、または、ペルオキシダーゼ)が付与された、TAFIタンパク質と特異的に相互作用する物質(以下、物質Cと呼ぶ)を、TAFIタンパク質に結合させる。最後に、TAFIタンパク質に結合している標識を検出することによって、TAFIタンパク質を検出(より具体的には、TAFIタンパク質の試料中の濃度を算出)すればよい。なお、上記抗体および物質Cは、各々、TAFIタンパク質の異なる部位と相互作用するものである。
(例4)
イムノアッセイ法を採用する場合の別の実施形態では、例えば、TAFIタンパク質と特異的に相互作用する物質(以下、物質Dと呼ぶ)を支持体上に固定化する。次いで、当該支持体に取得された試料を加え、支持体上に固定化された物質DにTAFIタンパク質を結合させる。次いで、標識(例えば、アルカリフォスファターゼ、または、ペルオキシダーゼ)が付与された、TAFIタンパク質と特異的に相互作用する物質(以下、物質Eと呼ぶ)を、TAFIタンパク質に結合させる。最後に、TAFIタンパク質に結合している標識を検出することによって、TAFIタンパク質を検出(より具体的には、TAFIタンパク質の試料中の濃度を算出)すればよい。なお、上記物質Dおよび物質Eは、各々、TAFIタンパク質の異なる部位と相互作用するものである。
(例5)
ウエスタンブロット法を採用する場合の一実施形態では、例えば、生体から取得された試料中に含まれるタンパク質をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離した後、当該タンパク質をニトロセルロース膜等に転写する。次いで、ニトロセルロース膜に転写されたTAFIタンパク質に、当該TAFIタンパク質と特異的に相互作用する物質(以下物質Fと呼ぶ)を結合させる。次いで、標識(例えば、アルカリフォスファターゼ、または、ペルオキシダーゼ)が付与された抗体を、物質Fに結合させる。最後に、物質Fに結合している標識を検出することによって、TAFIタンパク質を検出(より具体的には、TAFIタンパク質の血液中の濃度を算出)すればよい。
本実施の形態の判定キットには、TAFIタンパク質と特異的に相互作用する物質が固定化された支持体が備えられていてもよい。当該支持体としては、例えば、イムノアッセイ用のプレート、および、イムノアッセイ用のビーズを挙げることができる。
上記支持体を形成する材料は、TAFIタンパク質と特異的に相互作用する物質を支持体上の固定化し得るものであればよく、特に限定されない。支持体を形成する材料としては、例えば、無機系材料(例えば、ガラス、および、シリコンウエハ)、天然高分子(例えば、紙)、合成高分子(例えば、ニトロセルロース、ナイロン、および、ポリスチレン)、並びに、天然高分子および/または合成高分子によって形成されたゲル、を挙げることができる。
TAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の検出(より具体的に、TAFIタンパク質をコードしているポリヌクレオチドの試料中の濃度の検出)には、具体的な方法として、RT−PCR法、または、ノーザンブロット法を採用すればよい。より感度が高く簡便であるという観点から、上述した方法の中では、RT−PCR法を採用することが好ましい。RT−PCR法、または、ノーザンブロット法は、周知の方法にしたがって行うことができる。
上記判定は、例えば、被験者から採取された試料(例えば、血液、または、血漿)中のTAFIタンパク質の量と、対照群から採取された試料中のTAFIタンパク質の量とを比較し、両者の違いを検出することによって行うことができる。
この場合、対照群から採取された試料としては、治療開始前の被験者から採取された試料を用いることが可能である。当該試料としては、(i)バイオプシ等で採取した、治療開始前の、アレルギー疾患に罹患した患者の組織の一部、または、(ii)治療開始前の、アレルギー疾患に罹患した患者の体液中に存在する細胞等、から常法に従って調製されるタンパク質を用いることができる。なお、ここでいう「アレルギー疾患に罹患した患者」とは、少なくともアレルギー疾患の自覚症状があり、好ましくは、他の検査方法の結果が、例えば、IgE(RAST)値異常、各種特異的IgE(RIST)値異常、皮内テスト陽性、プリックテスト陽性、もしくは鼻汁中、喀痰中、耳漏中好酸球陽性であり、アレルギー疾患であると診断された患者をいう。なお、当該「アレルギー疾患に罹患した患者」を、本明細書では単に患者という場合もある。
スギ花粉症の治療におけるTAFIタンパク質の量の比較の場合、年間の花粉飛散ピーク時から6箇月前に血液を採取して当該血液を治療開始前の試料とし、当該試料を採取した後に治療を開始し、治療を開始して6箇月後の年間の花粉飛散ピーク時に再び血液を採取して治療開始後の試料とする。または、花粉飛散前後に関わらず、治療開始前、および、治療開始6箇月後〜1年後の血液を採取して、それぞれを治療開始前の試料、および、治療開始後の試料とする。それらを同一の測定条件下で測定して得られたTAFIタンパク質の量の値を比較すればよい。
治療開始後の被験者から採取された試料中のTAFIタンパク質のタンパク質レベルが、治療開始前の被検者から採取された試料中のTAFIタンパク質のレベルと比較して多ければ、好ましくは1.5倍以上多ければ、より好ましくは2.0倍以上多ければ、より好ましくは2.5倍以上多ければ、最も好ましくは3倍以上多ければ、アレルギー疾患の治療効果が(現時点および将来的に)あると判定することができる。
〔2.アレルギー疾患の治療の効果を判定するためのデータの取得方法〕
本実施の形態のアレルギー疾患の治療の効果を判定するためのデータの取得方法は、生体から取得された試料中のTAFIタンパク質を検出する検出工程を有している。
上記TAFIタンパク質、上記アレルギー疾患、上記治療方法、および、上記検出方法については、上述した〔1.アレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キット〕の欄で説明したので、ここでは、その説明を省略する。
アレルギー疾患を罹患した人では、生体中の補体(C3a)の濃度が高い。アレルギー症状が緩和されると、生体中における補体の濃度は緩和前と比べて低くなるため、補体(C3a)の濃度はアレルギー症状の病勢を反映しているといえる。しかしながら、補体の濃度は、アレルギー以外の様々な要因によって変化するため、アレルギー疾患の治療の効果を判定するための指標としては、不十分である。生体中のTAFIタンパク質の濃度と、アレルギー症状を呈している時の生体中の補体(C3a)の濃度との間には、有意な逆相関関係が存在しているため、生体から取得された試料中のTAFIタンパク質を検出することによって、アレルギー疾患の治療の効果を判定するための精度の高いデータを取得することができる。
治療中の生体から取得された試料中のTAFIタンパク質の量が、治療開始以前の生体から取得された試料中のTAFIタンパク質の量よりも多くなっていれば、施されている治療が生体にとって有効であると判定することができる。
上記検出工程では、生体から取得された試料中の、TAFIタンパク質の量を検出してもよいし、TAFIタンパク質の濃度を検出してもよい。また、当該試料を取得する生体は、特に限定されず、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、ウマ、ブタ等の哺乳類を挙げることができる。
上記試料は、特に限定されず、例えば血液、唾液、リンパ液、脳脊髄液、尿、および、皮膚が挙げられる。より採取が簡便であり、TAFIの存在が確認されているという観点から、血液が好ましい。
血液は、血清であってもよい。なお、血清を調製する場合には、被検体から血液を取得し、当該血液を遠心分離にかけ、遠心分離によって分離した上清を血清として取得すればよい。
本実施の形態のデータの取得方法は、以下のように構成することも可能である。
本実施の形態のデータの取得方法では、上記TAFIタンパク質は、以下の(1)または(2)のタンパク質であることが好ましい:
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、CCL5および/またはCCL8のmRNAの発現抑制活性を有するタンパク質。
本実施の形態のデータの取得方法では、上記アレルギー疾患は、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、または、気管支喘息であることが好ましい。
本実施の形態のデータの取得方法では、上記アレルギー疾患の治療は、免疫療法、薬物療法、外科的手術療法、食事療法、または、運動療法であることが好ましい。
〔3.アレルギー疾患の治療剤〕
本発明者らは、TAFIタンパク質の機能(作用)を調べた結果、TAFIタンパク質が、(i)ヒト鼻粘膜線維芽細胞における、アレルギー反応を誘導するサイトカインの産生抑制効果、および、(ii)ヒト肥満細胞の脱顆粒反応抑制効果、を有することを見出した。このことは、TAFIタンパク質が、抗アレルギー剤の有効成分として利用可能であることを示している。
それ故に、本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤は、TAFIタンパク質を有効成分として含有している。
上記TAFIタンパク質、および、上記アレルギー疾患については、上述した〔1.アレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キット〕の欄で説明したので、ここでは、その説明を省略する。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤は、治療効果をもたらす薬剤を意図する。上記治療効果とは、以下に例示される効果を意図するが、これらに限定されるものではない。
(i)治療剤を投与しなかった場合と比較して、アレルギー疾患に係る1つ以上の症状の重症度を低減する。
(ii)治療剤を投与しなかった場合と比較して、アレルギー疾患に係る1つ以上の症状の重症度の増加、または進行を防止する。
(iii)治療剤を投与しなかった場合と比較して、アレルギー疾患に係る1つ以上の症状の重症度の増加速度、または進行速度を低減する。
なお、上記疾患に係る1つ以上の症状は、全身的なものであってもよいし、局所的なものであってもよい。
上記有効成分は、1つ以上の症状に対して治療効果をもたらすことのできる物質であることが好ましい。
上記TAFIタンパク質は、人工的に製造されたタンパク質でもよい。ヒトまたはヒト細胞への使用を意図する場合には、ヒトTAFI遺伝子が発現可能に挿入された発現ベクターをヒト由来の細胞に導入することによって、TAFIタンパク質を発現させ、当該TAFIタンパク質を精製して使用することが好ましい。また、当該発現ベクター自体を、治療剤の有効成分として用いることも可能である。
また、当該治療剤に含有されるTAFIタンパク質は、天然のTAFIタンパク質と識別可能なように、あるいは精製を容易ならしめるために、ヒスチジン(His)タグ、Flagタグ、Mycタグ等のエピトープが付加されたTAFIタンパク質であってもよい。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤は、TAFIタンパク質以外の成分を含有していてよい。上記TAFIタンパク質以外の成分は、有効成分として機能するものであってもよいし、有効成分として機能しないものであってもよい。
上記TAFIタンパク質以外の成分のうち、有効成分として機能するものは、アレルギー疾患に関連する症状(アレルギー疾患の症状、アレルギー疾患の合併症の症状等)に対する有効成分であってもよいし、アレルギー疾患に関連しない症状に対する有効成分であってもよい。
上記TAFIタンパク質以外の成分のうち、有効成分でない成分の類型としては、緩衝剤、pH調整剤、等張化剤、防腐剤、抗酸化剤、高分子量重合体、賦形剤、担体、希釈剤、溶媒、可溶化剤、安定剤、充填剤、結合剤、界面活性剤、安定化剤等が挙げられる。
上記緩衝剤の例としては、リン酸またはリン酸塩、ホウ酸またはホウ酸塩、クエン酸またはクエン酸塩、酢酸または酢酸塩、炭酸または炭酸塩、酒石酸または酒石酸塩、ε−アミノカプロン酸、トロメタモール等が挙げられる。上記リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム等が挙げられる。上記ホウ酸塩としては、ホウ砂、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等が挙げられる。上記クエン酸塩としては、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム等が挙げられる。上記酢酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が挙げられる。上記炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。上記酒石酸塩としては、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム等が挙げられる。
pH調整剤の例としては、塩酸、リン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
上記等張化剤の例としては、イオン性等張化剤(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等)、非イオン性等張化剤(グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール等)が挙げられる。
上記防腐剤の例としては、ベンザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム臭化物、ベンゼトニウム塩化物、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール等が挙げられる。
上記抗酸化剤の例としては、アスコルビン酸、トコフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
上記高分子量重合体の例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、アテロコラーゲン等が挙げられる。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤は、上に例示した以外にも、当業者に知られている有効成分および/または医薬品用添加剤を含んでいてよい。
本実施の形態の治療剤に含有されている有効成分の量は、特に限定されず、例えば、治療剤を100重量%とした場合に、0.001重量%〜100重量%であってもよく、0.01重量%〜100重量%であってもよく、0.1重量%〜100重量%であってもよく、0.1重量%〜95重量%であってもよく、0.1重量%〜90重量%であってもよく、0.1重量%〜80重量%であってもよく、0.1重量%〜70重量%であってもよく、0.1重量%〜60重量%であってもよく、0.1重量%〜50重量%であってもよく、0.1重量%〜40重量%であってもよく、0.1重量%〜30重量%であってもよく、0.1重量%〜20重量%であってもよく、0.1重量%〜10重量%であってもよい。
本実施の形態の治療剤に含有されている有効成分以外の成分の量は、特に限定されず、例えば、治療剤を100重量%とした場合に、0重量%〜99.999重量%であってもよく、0重量%〜99.99重量%であってもよく、0重量%〜99.9重量%であってもよく、5重量%〜99.9重量%であってもよく、10重量%〜99.9重量%であってもよく、20重量%〜99.9重量%であってもよく、30重量%〜99.9重量%であってもよく、40重量%〜99.9重量%であってもよく、50重量%〜99.9重量%であってもよく、60重量%〜99.9重量%であってもよく、70重量%〜99.9重量%であってもよく、80重量%〜99.9重量%であってもよく、90重量%〜99.9重量%であってもよい。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤は、他の薬物と併用され得る。併用の態様は、1製剤中に、本実施の形態の治療剤と他の薬物とが配合されていてもよく、また、別々の製剤として、本実施の形態の治療剤と他の薬物とが配合されていてもよく、別々の製剤の場合には、両者を、同時、または、間隔を置いて投与してもよい。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤では、投与剤型が、点眼剤、点鼻剤、軟膏剤、または、吸入剤であることが好ましい。
上記投与剤型の中でも、点眼剤および点鼻剤が好ましい。点眼剤および点鼻剤が好ましい理由としては、有効成分を水晶体および鼻粘膜に送達するまでの経路が短いこと、他の器官を刺激しにくいこと、侵襲がほとんどないこと、全身への影響が小さいこと(点眼後の涙点圧迫によりさらに全身への影響を抑えることができる)、投与が簡便であること、反復投与が可能であること、患者が自己管理できること等が挙げられる。このため、アレルギー疾患の治療の効果を、より迅速にすること、より増大させること等が期待できる。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤(例えば、点眼剤)を投与する場合、所望の効果が得られるならば、投与量に制限はない。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤(例えば、点眼剤)を投与する場合、所望の効果が得られるならば、投与間隔に制限はない。上記投与間隔は、通常1時間〜6箇月間に1回であり、好ましくは1時間に1回、2時間に1回、3時間に1回、6時間に1回、12時間に1回、1日間に1回、2日間に1回、3日間に1回、4日間に1回、5日間に1回、6日間に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、1箇月間に1回、2箇月間に1回、3箇月間に1回、4箇月間に1回、5箇月間に1回、6箇月間に1回であり、より好ましくは少なくとも1日に1回、少なくとも2日間に1回、少なくとも3日間に1回、少なくとも4日間に1回、少なくとも5日間に1回、少なくとも6日間に1回、少なくとも1週間に1回である。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤は、以下のように構成することも可能である。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤では、上記TAFIタンパク質は、以下の(1)または(2)のタンパク質であることが好ましい:
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、CCL5および/またはCCL8のmRNAの発現抑制活性を有するタンパク質。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤では、上記アレルギー疾患は、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、または、気管支喘息であることが好ましい。
〔4.アレルギー疾患の治療剤のスクリーニング方法〕
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤のスクリーニング方法は、生体から取得された細胞に、被検物質を接触させる工程と、上記細胞におけるTAFIタンパク質の発現を検出する工程と、を有している。
上記アレルギー疾患については、上述した〔1.アレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キット〕の欄で説明したので、ここでは、その説明を省略する。
上記被検物質は、アレルギー疾患の治療剤に含まれる有効成分の候補となる物質であって、その具体的な構成は、限定されない。被検物質は、低分子化合物、または、高分子化合物であってもよい。また、被検物質は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、糖、または、これらの複合体であってもよい。
上記生体から取得された細胞は、TAFIタンパク質を生産、および/または、TAFIタンパク質を分泌する細胞であればよく、特に限定されない。取得された細胞は、生体から取得されたままの細胞であってもよいし、生体から取得された後、株化された細胞であってもよい。取得された細胞としては、例えば、肝臓細胞を挙げることができる。
上記取得された細胞に、被検物質を接触させる工程は、例えば、液体培地中で培養されている細胞に被検物質を添加することによって行うことができる。液体培地は、特に限定されず、用いる細胞に応じて、適宜、選択することができる。液体培地中の被検物質の濃度は、特に限定されず、被検物質に応じて、適宜、選択することができる。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤のスクリーニング方法では、生体から取得された細胞に被検物質を接触させた後、必要に応じて当該細胞を更に培養し、その後、当該細胞におけるTAFIタンパク質の発現を検出する工程を行う。
また、TAFIタンパク質の発現を検出する工程では、例えば、TAFIタンパク質自体の発現を検出してもよいし、TAFIタンパク質をコードするmRNAの発現を検出してもよい。TAFIタンパク質の発現を検出する場合には、ウエスタンブロッティング法、ELISA法(enzyme-linked immunosorbent assay)、免疫組織化学、または、免疫蛍光抗体法等の周知の方法を用いればよい。TAFIタンパク質をコードするmRNAの発現を検出する場合には、PCR法(polymerase chain reaction)、ノーザンブロッティング法、または、in situ hybridization法等の周知の方法を用いればよい。
TAFIタンパク質の発現量が増加すれば、CCL5およびCCL8の発現量、および、ケミカルメディエーターの放出量が低下し、アレルギー疾患の症状が抑制されると考えられる。それ故に、TAFIタンパク質の発現を増加させることができる被検物質は、アレルギー疾患の治療剤に含有される有効成分として用いることができる。
それ故に、TAFIタンパク質の発現を検出する検出工程において、被検物質と接触していない細胞におけるTAFIタンパク質の発現量を100%とした場合、被検物質と接触させた細胞におけるTAFIタンパク質の発現量が、110%以上、好ましくは120%以上、より好ましくは130%以上、より好ましくは140%以上、より好ましくは150%以上、より好ましくは160%以上、より好ましくは170%以上、より好ましくは180%以上、より好ましくは190%以上、最も好ましくは200%以上にまで増加していれば、当該被検物質をアレルギー疾患の治療剤に含有される有効成分として選択することができる。
本実施の形態のアレルギー疾患の治療剤のスクリーニング方法は、以下のように構成することも可能である。
本実施の形態のスクリーニング方法では、上記TAFIタンパク質は、以下の(1)または(2)のタンパク質であることが好ましい:
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、CCL5および/またはCCL8のmRNAの発現抑制活性を有するタンパク質。
本実施の形態のスクリーニング方法では、上記アレルギー疾患は、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、または、気管支喘息であることが好ましい。
<実施例1>
福井大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科で舌下免疫療法を行った10名(男:女=3:7)の患者に対して、本検討を行った。
患者としては、血中のスギ特異的IgEが陽性であり、かつ、スギ花粉飛散時期(2月〜4月)に、くしゃみ、鼻水、鼻閉、および、目のかゆみ等のアレルギー症状を呈している患者を選択した。なお、気管支喘息合併患者、および、抗原特異的面免疫療法をこれまでの受けたことがある患者は、本検討から除外している。
[抗原エキス(アレルゲンワクチン)]
鳥居薬品のスギ花粉抗原エキスを使用した。
[投与方法]
決められた量の抗原エキス(アレルゲンワクチン)を、一つまみのパンの上に滴下し、舌下に入れて5分間保持し、その後飲み込んだ。
[期間]
10月〜4月の6ヶ月×3年間。
[投与スケジュール]
投与スケジュールを、以下の表1に示す。
Figure 2018194543
初年度の1ヶ月目は、投与量を毎日漸増させた。その後、所定の投与量に達した時点で、投与は週に1回とした。
[採血]
毎年10月と4月とに採血を行い、市販のキット(Human Thrombin Activatable Fibrinolysis Inhibitor (TAFI) ELISA ; Kamiya Biomedical Compary ; KT-50885)を用いたELISA法により、血清中のTAFIタンパク質の濃度を測定した。
図1に、試験結果を示す。具体的に、図1は、本発明の実施例1において、スギ花粉症患者に対する舌下免疫治療法による血漿中TAFIタンパク質の濃度の経年的変化を示している。
図1に示すように、スギ花粉症患者に対する舌下免疫治療法によって、TAFIの血中濃度が経年的に増加した。
<実施例2>
毎年10月と4月とに採血を行い、市販のキット(C3a ELISA kit; BD Biosciences)を用いたELISA法により、血清中のC3aタンパク質の濃度を測定した。TAFIタンパク質の濃度は実施例1に記載した方法で測定し、TAFIとC3aとの相関関係について検討した。
図2に、試験結果を示す。具体的に、図2は、スギ花粉症患者における、補体C3aと血漿中のTAFIタンパク質濃度との相関を示している。
図2に示すように、TAFIタンパク質の血漿中の濃度が増すにしたがって、C3aの濃度が低下することが明らかになった。
<実施例3>
鼻手術の際に採取した下甲介粘膜(5mm程度)を剪刀で細かく裁断し、直径10cmの培養皿に入れ、培養液(RPMI 1640(日水製薬株式会社)、10%ウシ胎児血清(Gibco社:熱非動化処理済)、グルタミン(0.29mg/ml)、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml))を用いて、5%COインキュベーターにて培養した。
細胞が増えた時点で粘膜由来のごみ等を取り除き、細胞の最初の継代を行った。3〜4週間培養して、鼻粘膜の線維芽細胞培養株を確立した。
線維芽細胞培養株を24ウェルプレートに1×10細胞/ウェルの濃度に播き、培養を開始し、顕微鏡による目視で8割程度に細胞が増えた時点で、サイトカイン(IL−4(100ng/ml;R&D社)またはIL−13(100ng/ml;R&D社))およびTAFIタンパク質(1μg/ml;Abcam社;ab81749)を加えた。サイトカインを加えてから24時間後に、NucleoSpinTM RNA II kitを用いて、RNAを回収した。RNAから一本鎖のcDNAを合成し、TaqMan法を用いて、CCL5遺伝子およびCCL8遺伝子の発現量を測定した。
図3に、試験結果を示す。具体的に、図3は、本発明の実施例3において、ヒト鼻粘膜繊維芽細胞に対するTAFIタンパク質の効果を示す。
図3に示すように、TAFIタンパク質によって、CCL5遺伝子およびCCL8遺伝子の発現量が減少した。
<実施例4>
ヒト末梢血250mlをボランティアから採取して、CD34+の血液幹細胞を末梢血単核細胞(PBMC)から、MACSシステム(ミルテニーバイオテク社)を用いて分離した。
分離したCD34+の細胞を、SCF(200ng/ml)、IL−6(50ng/ml)、IL−3(5ng/ml)、2−メルカプトエタノール(11μM)、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)を含有したIscove methylcellulose medium(Stem cell Tecnologies社)中で、5%COインキュベーターにて培養した。4週間の培養の後、SCF(200ng/ml)、IL−6(50ng/ml)、インスリン(10mg/l)、トランスフェリン(5.5mg/l)、亜セレン酸ナトリウム(6.7μg/l)、2−メルカプトエタノール(55μM)、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)を含有した1mlのIscove modified Dulbecco medium(IMDM)を、細胞上に重層した。
6週間の培養の後、細胞を回収し、当該細胞を、SCF(100ng/ml)、IL−6(50ng/ml)、BSA(0.1%)、インスリン(10mg/l)、トランスフェリン(5.5mg/l)、亜セレン酸ナトリウム(6.7μg/l)、2−メルカプトエタノール(55μM)、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)を含有したIMDM中で更に培養し、1週間後に培養液を新しい培養液に置換した後、更に1週間の培養を行った。
その後、培養液を、SCF(100ng/ml)、IL−6(50ng/ml)、FBS(5%)、2−メルカプトエタノール(55μM)、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)を含有したIMDMに変更し、その後は、週に一度、新しい培養液に交換した。この作業によって、ヒト肥満細胞を作製した。
当該ヒト肥満細胞をヒト骨髄腫IgEで感作させ、その後、ヒトIgE特異的抗体を当該ヒト肥満細胞に加えることによって、脱顆粒反応を誘導し、脱顆粒反応の程度をβ−ヘキソサミダーゼ活性測定を行った。TAFIタンパク質が脱顆粒反応に与える影響を検討するために、脱顆粒反応を起こす2日前にTAFIタンパク質(0.1または1μg/ml;Abcam社;ab81749)をヒト肥満細胞に加えて、その後、脱顆粒反応について検討した。
図4に、試験結果を示す。具体的に、図4は、本発明の実施例4において、ヒト肥満細胞の脱下顆粒反応に対するTAFIタンパク質の効果を示す。
図4に示すように、肥満細胞にTAFIタンパク質を加えることにより、ケミカルメディエーターの放出量が減少した。TAFIは、肥満細胞における脱顆粒反応の抑制効果を有することが見出された。
<実施例5>
気管および鼻粘膜の上皮細胞は、様々な刺激によってサイトカインを放出する。放出されたサイトカインは、気管および鼻粘膜などの組織におけるアレルギー炎症反応を引き起こす。気道上皮細胞は、刺激によって、TSLP(thymic stromal lymphopoietin)を産生することが知られている。TSLPは、アレルギー炎症反応を強く誘導するサイトカインである。サイトカインであるIL−4の存在下でウイルス感染を起こすと、TSLPの産生が促進されることが知られている。実験的には、dsRNA(二本鎖RNA)を気道上皮細胞などの細胞に投与することにより、ウイルス感染を模倣することができることが明らかになっている。
そこで、気道上皮細胞におけるIL−4とdsRNAとの共刺激によって産生が促進されるTSLPの産生量に与えるTAFIタンパク質の影響(換言すれば、アレルギー炎症反応に与えるTAFIタンパク質の影響)を確認した。
ヒト気管支上皮細胞(NHBE;LONZA社)を、培養液(BEGM;LONZA社)を用いて5%COインキュベーターにて培養した。
気道上皮細胞を24ウェルプレートに1×10細胞/ウェルの濃度に播き、培養を開始し、顕微鏡による目視で8割程度に細胞が増えた時点で、IL−4(100ng/ml;R&D社)、dsRNA(25μg/ml;R&D社)およびTAFIタンパク質(0、0.1または1μg/ml;Abcam社;ab81749)をヒト気道上皮細胞に加えて、その後、アレルギー炎症反応について検討した。
図5に、試験結果を示す。具体的に、図5は、本発明の実施例5において、ヒト気道上皮細胞のアレルギー炎症反応に対するTAFIタンパク質の効果を示す。
図5に示すように、気道上皮細胞にTAFIタンパク質を加えることにより、TSLPの産生量が減少した。TAFIは、気道上皮細胞におけるアレルギー炎症反応の抑制効果を有することが見出された。
本発明は、アレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キットに利用することができる。

Claims (8)

  1. TAFIタンパク質を検出するための試薬を含んでいることを特徴とする、アレルギー疾患の治療の効果を判定するための判定キット。
  2. 上記TAFIタンパク質は、以下の(1)または(2)のタンパク質であることを特徴とする、請求項1に記載の判定キット:
    (1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
    (2)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、CCL5および/またはCCL8のmRNAの発現抑制活性を有するタンパク質。
  3. 上記アレルギー疾患は、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、または、気管支喘息である、請求項1または2に記載の判定キット。
  4. 上記アレルギー疾患の治療は、免疫療法、薬物療法、外科的手術療法、食事療法、または、運動療法である、請求項1〜3の何れか1項に記載の判定キット。
  5. 生体から取得された試料中のTAFIタンパク質を検出する検出工程を有することを特徴とする、アレルギー疾患の治療の効果を判定するためのデータの取得方法。
  6. TAFIタンパク質を有効成分として含有していることを特徴とする、アレルギー疾患の治療剤。
  7. 投与剤型が、点眼剤、点鼻剤、軟膏剤、または、吸入剤であることを特徴とする、請求項6に記載の治療剤。
  8. 生体から取得された細胞に、被検物質を接触させる工程と、
    上記細胞におけるTAFIタンパク質の発現を検出する工程と、を有する、アレルギー疾患の治療剤のスクリーニング方法。
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