JP2018194513A - 波状粗面摩擦抵抗の評価方法及び波状粗面摩擦抵抗の評価装置 - Google Patents

波状粗面摩擦抵抗の評価方法及び波状粗面摩擦抵抗の評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】塗装面のように凹凸がなだらかな波状粗面の任意の条件の摩擦抵抗を精度よく評価する波状粗面摩擦抵抗の評価方法及び波状粗面摩擦抵抗の評価装置を提供すること。【解決手段】物体の表面が波状を成す波状粗面1の粗度2の粗度波長Xsと粗度高さZtとの比と、波状粗面1を流体中に臨ませた場合の粘性底層の厚さTsを考慮して求めた有効粗度高さから導かれる粗度2の有効前面投影面積に基づいて、流体中における波状粗面1の摩擦抵抗を評価する。【選択図】図13

Description

本発明は、塗装粗面に代表される波状粗面の摩擦抵抗を評価する波状粗面摩擦抵抗の評価方法及び波状粗面摩擦抵抗の評価装置に関する。
物体の表面粗度が流体との摩擦抵抗に与える影響に関して、表面が砂粒のように粗度の形状が鋭い砂粒粗度に覆われている砂粒粗面については、Schlichiting(非特許文献1)の図表や、Moody線図等に代表されるように、一般的な法則が、Reynolds数と粗度高さの関係として整理されている。しかし船体表面の塗装面のようななだらかな形状の粗面(波状粗度に覆われているため、砂粒粗面とは性質の異なる波状粗面と定義される。)が流体摩擦抵抗に与える影響については、砂粒粗面を対象とした法則が適用できず、粗度パラメータからの摩擦抵抗変化量の推定が困難であった。そのため、塗装面を含めた船体表面の粗度と流体摩擦抵抗の関係を解明するため、長年に亘って研究が行われてきている。
このような塗装面に代表される波状粗面の粗度形状パラメータと流体摩擦抵抗増加の関係を調査するため、本願発明者らは、その形状パラメータが管理された二次元幾何形状粗面を対象に平板模型による水槽試験を行い、二次元幾何形状粗面を対象に、粗度形状パラメータと流体摩擦抵抗増加量の関係についての推定式を提案した(非特許文献2)。
また、特許文献1では、粗面について、粘性底層厚さから露出した単位面積当たりの総露出粗度投影面積Aを評価して、推定式により、摩擦抵抗増加率FIR(%)又は摩擦抵抗増加Δτを算出し、粗面の摩擦抵抗を予測することが提案されている。
また、特許文献2では、規定に従い、粗さ曲線要素の平均長さRSmが2,000〜10,000μmの範囲で、粗度高さRとしてRz(最大高さ粗さ)、Rc(粗さ曲線要素の平均高さ)、Ra(算術平均粗さ)、Rq(二乗平均平方根粗さ)、RZJIS(十点平均粗さ)のいずれかを測定し、推定式により、鏡面からの摩擦抵抗増加率FIR(%)を算出することが提案されている。
特開2016−142719号公報 特開2013−217766号公報
H. Schlichiting:Boundary-Layer Theory, McGraw-Hill Book Company, 1968 川島英幹 外9名,粗度の形状パラメータが乱流摩擦抵抗に与える影響−2次元幾何形状粗度の場合−, 日本船舶海洋工学会講演会論文集, 第17号, 2013, pp. 341-344.
非特許文献2では、二次元幾何形状粗度平板を対象とした水槽試験結果を基に、境界層内の流れと粗度の干渉現象について、下記の(A)〜(C)の仮定を行い、式(2)〜式(4)で構成される二次元幾何形状粗度を対象とした摩擦抵抗増加量の推定式を導出し、推定結果と水槽試験結果が概ね一致することを確認している。
(A)粗度の波長波高比が10以上の波状粗面の領域では、粗面のいわゆる摩擦抵抗増加は、粗度に対する局所的な圧力抵抗成分の増加によるものである。
(B)各粗度における流速は、上流側の粗度の後流影響により滑面境界層中よりも低下する。
(C)壁面近傍の粘性底層内には、抵抗増とならない不感帯がある。
dR:摩擦抵抗増加量
ρ:流体の密度
ke:粗度における有効速度
:粗度の前面投影面積
:粗度の抵抗係数
:粗度の高さ
:不感帯の高さ
B:粗度の幅
:粗度における代表速度
αλ:伴流効果係数
また、特許文献1では、塗装面のような不規則で等方的な粗面について、粗度を線的に計測し、計測した粗度データを平均粗度高さと平均粗度波長で代表させることで、粗度の数と粗度の前面投影面積を算出し、粗度に加わる局所的な圧力抵抗を計算することで、粗度による摩擦抵抗増加率FIRあるいは剪断力の増加を推定する手法を提案している。その際、粗度の前面投影面積は、一個の粗度の形状を、高さが平均粗度高さで、直径が平均粗度波長の円錐であると近似し、粘性底層より露出する部分について、三角錐の投影面を算出することで求めている。
しかし、特許文献1、特許文献2又は非特許文献2に記載の予測方法では、予測結果と実測値にずれが生じてしまうことがある。また、特許文献2では、塗装粗面の尺度影響については考慮していない。
そこで本発明は、塗装面のように凹凸がなだらかな波状粗面の任意の条件の摩擦抵抗を精度よく評価する波状粗面摩擦抵抗の評価方法及び波状粗面摩擦抵抗の評価装置を提供することを目的とする。
請求項1記載に対応した波状粗面摩擦抵抗の評価方法においては、物体の表面が波状を成す波状粗面の粗度の粗度波長と粗度高さとの比と、波状粗面を流体中に臨ませた場合の粘性底層の厚さを考慮して求めた有効粗度高さから導かれる粗度の有効前面投影面積に基づいて、流体中における波状粗面の摩擦抵抗を評価することを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、波状粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
なお、波状粗面とは、塗装粗面、コンクリート粗面、樹脂粗面、又は金属粗面等、液体が固化してできる波状を成している粗面や、溶接接合による熱応力の影響や切削加工や成型に伴い物体が波状を成している粗面の全体を含むものとする。
また、粗度高さとしては山及び谷の高さパラメータの各種の計測結果、表現方法を使用することができる。
また、粗度の有効前面投影面積の総計を考慮しなくても摩擦抵抗を評価できる方法として、摩擦抵抗への影響の少ない粗度の有効前面投影面積を省く方法、摩擦抵抗への影響の少ない粗度の有効前面投影面積を所定の係数に置き換えて総有効前面投影面積を推定する方法、摩擦抵抗への影響の大きい粗度の有効前面投影面積を考慮する方法等がある。また、有効前面投影面積を導くための有効粗度高さとして相加平均以外に、相乗平均、調和平均等各種の平均化手法が利用できる。また、粘性底層はその厚さを、全体を平均化して求める方法、厚さは流れ方向に変化するので長手方向に場所毎に計算し平均化する方法等各種の方法が採用できる。
請求項2記載の本発明は、波状粗面として物体の表面に施された塗装により形成された塗装粗面に適用し、塗装粗面の状態を表面計測手段により計測し粗度の粗度波長と粗度高さを取得して平均粗度波長RSmと平均粗度高さRcを求め、塗装粗面上の粘性底層の厚さTsを取得し、粗度高さと粘性底層の厚さTsから平均有効粗度高さRceを求め、平均粗度波長RSmと平均粗度高さRcの比Rc/RSmと、平均有効粗度高さRceを考慮した粗度の総有効前面投影面積Skに基づいて塗装粗面の摩擦抵抗を求めることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明によれば、塗装粗面の摩擦抵抗を取得が容易なパラメータを使用して精度よく評価することができる。
請求項3記載の本発明は、平均有効粗度高さRceを求めるに当り、表面計測手段により計測して得られた塗装粗面の粗度高さのデータのうち、粘性底層の厚さTsよりも高い粗度高さのデータを抽出して、抽出した粗度高さのデータを平均化して求めることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明によれば、塗装粗面の摩擦抵抗をさらに精度よく評価することができる。
請求項4記載の本発明は、粗度高さのデータを出現頻度別にヒストグラム化処理を行い、粘性底層の厚さTsの相当する区間以下の粗度高さのデータを除去して抽出を行い、残った粗度高さのデータを平均化して平均有効粗度高さRceを求めることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明によれば、粗度の高さ要素の分布を明らかにして、塗装粗面の摩擦抵抗をさらに精度よく評価することができる。
請求項5記載の本発明は、粘性底層の厚さTsは、表面が滑面を成す物体の摩擦応力から算出した検査面における平均的な値、又は前記物体の長手方向に沿って場所毎に前記粘性底層の厚さTsを計算した値を用いることを特徴とする。
請求項5に記載の本発明によれば、粘性底層の厚さTsは物体の速度の増減に伴って変化するが、検査面における平均的な値、又は場所ごとに計算した値を用いることによって、塗装粗面の摩擦抵抗をさらに精度よく評価することができる。
請求項6記載の本発明は、摩擦抵抗の評価を、波状粗面の摩擦抵抗係数を表す式(1)に基づいて評価することを特徴とする。
:波状粗面の摩擦抵抗係数
F0:滑面の摩擦抵抗係数
:粗度における有効速度
V:物体の速度(流体に対する速度)
:粗度の総有効前面投影面積
S:物体の浸水表面積
α:粗度干渉係数
c:粗度の抵抗係数と平均粗度高さ・平均粗度波長比との関係を表す係数
Rc:平均粗度高さ
RSm:平均粗度波長

請求項6に記載の本発明によれば、摩擦抵抗係数を計算式によって推定し、波状粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
請求項7記載の本発明は、船舶の造波抵抗係数C、船舶の形状抵抗係数kを考慮した滑面の摩擦抵抗係数CF0、及び式(1)の右辺の第2項を粗度修正係数ΔCとして求められる船舶の全抵抗係数Cに基づいて船舶の制動馬力BHPを導出することを特徴とする。
請求項7に記載の本発明によれば、船舶の例えば塗装粗面の摩擦抵抗を精度よく算出し、船舶の馬力への影響を計算することができる。
請求項8記載の本発明は、粗度に関連したパラメータである粗度の総有効前面投影面積Sk、平均粗度有効高さRc、及び平均粗度波長RSmを、波状粗面の表面計測手段による計測結果に基づいて求めることを特徴とする。
請求項8に記載の本発明によれば、総有効前面投影面積Sk、平均粗度有効高さRc、及び平均粗度波長RSmを計測によって求め、塗装粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
請求項9記載の本発明は、粗度干渉係数α、及び粗度の抵抗係数と平均粗度高さ・平均粗度波長比との関係を表す係数cを、波状粗面を成した物体を水槽試験、二重円筒試験、又は管路試験のうちのいずれかの結果に基づいて求めることを特徴とする。
請求項9に記載の本発明によれば、粗度干渉係数α、及び粗度の抵抗係数と平均粗度高さ・平均粗度波長比との関係を表す係数cを試験によって求め、塗装粗面の摩擦抵抗をさらに精度よく評価することができる。
請求項10記載の本発明は、波状粗面を成した物体を水槽試験、二重円筒試験、又は管路試験のうちのいずれかの結果に基づいて波状粗度の抵抗係数Cdを取得し、式(1)の右辺第2項のαcRc/RSmを抵抗係数Cdに置き換えて波状粗面の摩擦抵抗係数を求めることを特徴とする。
請求項10に記載の本発明によれば、各試験のいずれかを行い波状粗度の抵抗係数Cdを取得することで、計算式により推定した抵抗係数Cdを再確認することができる。
また、波状粗度の抵抗係数Cdが一緒でも総有効前面投影面積Sk(平均有効粗度高さRce)が異なる波状粗面に適用することができる。
請求項11記載の本発明は、複数の波状粗面の摩擦抵抗を摩擦抵抗係数に基づいて比較評価することを特徴とする。
請求項11に記載の本発明によれば、異なる波状粗面の摩擦抵抗を比較して評価することができる。
請求項12記載に対応した波状粗面摩擦抵抗の評価装置は、波状粗面の条件を入力する条件入力手段と、波状粗面の粗度を計測する表面計測手段と、表面計測手段の計測結果を処理する計測結果処理手段と、入力された条件と処理された計測結果に基づいて波状粗面の摩擦抵抗を演算する演算処理手段とを備えたことを特徴とする。
請求項12に記載の本発明によれば、波状粗面の摩擦抵抗を精度よく評価する評価装置を実現することができる。
請求項13記載の本発明は、演算処理手段は、式(1)を用いて、波状粗面の摩擦抵抗を演算することを特徴とする。
請求項13に記載の本発明によれば、波状粗面の摩擦抵抗を計算式によって算出し、波状粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
請求項14記載の本発明は、入力された条件、計測結果、処理された計測結果の少なくとも1つを記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項14に記載の本発明によれば、記憶手段に記録されたデータを必要に応じて参照したり使用したりすることができる。
請求項15記載の本発明は、演算処理手段の演算した演算結果を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項15に記載の本発明によれば、演算結果を容易に把握することができる。
請求項16記載の本発明は、複数の波状粗面の摩擦抵抗を比較して表示手段に表示することを特徴とする。
請求項16に記載の本発明によれば、複数の波状粗面の摩擦抵抗の違いを容易に把握することができる。
本発明の波状粗面摩擦抵抗の評価方法によれば、波状粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
また、波状粗面として物体の表面に施された塗装により形成された塗装粗面に適用し、塗装粗面の状態を表面計測手段により計測し粗度の粗度波長と粗度高さを取得して平均粗度波長RSmと平均粗度高さRcを求め、塗装粗面上の粘性底層の厚さTsを取得し、粗度高さと粘性底層の厚さTsから平均有効粗度高さRceを求め、平均粗度波長RSmと平均粗度高さRcの比Rc/RSmと、平均有効粗度高さRceを考慮した粗度の総有効前面投影面積Skに基づいて塗装粗面の摩擦抵抗を求める場合には、取得が容易なパラメータを使用して塗装粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
また、平均有効粗度高さRceを求めるに当り、表面計測手段により計測して得られた塗装粗面の粗度高さのデータのうち、粘性底層の厚さTsよりも高い粗度高さのデータを抽出して、抽出した粗度高さのデータを平均化して求める場合には、塗装粗面の摩擦抵抗をさらに精度よく評価することができる。
また、粗度高さのデータを出現頻度別にヒストグラム化処理を行い、粘性底層の厚さTsの相当する区間以下の粗度高さのデータを除去して抽出を行い、残った粗度高さのデータを平均化して平均有効粗度高さRceを求める場合には、粗度の高さ要素の分布を明らかにして、塗装粗面の摩擦抵抗をさらに精度よく評価することができる。
また、粘性底層の厚さTsは、表面が滑面を成す物体の摩擦応力から算出した検査面における平均的な値、又は前記物体の長手方向に沿って場所毎に前記粘性底層の厚さTsを計算した値を用いる場合には、粘性底層の厚さTsは物体の速度の増減に伴って変化するが、検査面における平均的な値、又は場所ごとに計算した値を用いることによって、塗装粗面の摩擦抵抗をさらに精度よく評価することができる。
また、摩擦抵抗の評価を、波状粗面の摩擦抵抗係数を表す式(1)に基づいて評価する場合には、摩擦抵抗係数を計算式によって推定し、波状粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
また、船舶の造波抵抗係数C、船舶の形状抵抗係数kを考慮した滑面の摩擦抵抗係数CF0、及び式(1)の右辺の第2項を粗度修正係数ΔCとして求められる船舶の全抵抗係数Cに基づいて船舶の制動馬力BHPを導出する場合には、船舶の例えば塗装粗面の摩擦抵抗を精度よく算出し、船舶の馬力への影響を計算することができる。
また、粗度に関連したパラメータである粗度の総有効前面投影面積Sk、平均粗度有効高さRc、及び平均粗度波長RSmを、波状粗面の表面計測手段による計測結果に基づいて求める場合には、総有効前面投影面積Sk、平均粗度有効高さRc、及び平均粗度波長RSmを計測によって求め、塗装粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
また、粗度干渉係数α、及び粗度の抵抗係数と平均粗度高さ・平均粗度波長比との関係を表す係数cを、波状粗面を成した物体を水槽試験、二重円筒試験、又は管路試験のうちのいずれかの結果に基づいて求める場合には、粗度干渉係数α、及び粗度の抵抗係数と平均粗度高さ・平均粗度波長比との関係を表す係数cを試験によって求め、塗装粗面の摩擦抵抗をさらに精度よく評価することができる。
また、波状粗面を成した物体を水槽試験、二重円筒試験、又は管路試験のうちのいずれかの結果に基づいて波状粗度の抵抗係数Cdを取得し、式(1)の右辺第2項のαcRc/RSmを抵抗係数Cdに置き換えて波状粗面の摩擦抵抗係数を求める場合には、各試験のいずれかを行い波状粗度の抵抗係数Cdを取得することで、計算式により推定した抵抗係数Cdを再確認することができる。また、波状粗度の抵抗係数Cdが一緒でも総有効前面投影面積Sk(平均有効粗度高さRce)が異なる波状粗面に適用することができる。
また、複数の波状粗面の摩擦抵抗を摩擦抵抗係数に基づいて比較評価する場合には、異なる波状粗面の摩擦抵抗を比較して評価することができる。
また、本発明の波状粗面摩擦抵抗の評価装置によれば、波状粗面の摩擦抵抗を精度よく評価する評価装置を実現することができる。
また、演算処理手段は、式(1)を用いて、波状粗面の摩擦抵抗を演算する場合には、波状粗面の摩擦抵抗を計算式によって算出し、波状粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
また、入力された条件、計測結果、処理された計測結果の少なくとも1つを記憶する記憶手段をさらに備えた場合には、記憶手段に記録されたデータを必要に応じて参照したり使用したりすることができる。
また、演算処理手段の演算した演算結果を表示する表示手段をさらに備えた場合には、演算結果を容易に把握することができる。
また、複数の波状粗面の摩擦抵抗を比較して表示手段に表示する場合には、複数の波状粗面の摩擦抵抗の違いを容易に把握することができる。
船舶等の物体の表面に形成された波状粗面の概念図 本発明の実施形態による波状粗面摩擦抵抗の摩擦抵抗評価装置の機能を示すブロック図 高さ要素の現れる頻度を示すヒストグラム 平板模型の概略図 全長ベースのレイノルズ数と塗装粗面平板の摩擦抵抗係数の関係を示す図 全長ベースのレイノルズ数と摩擦抵抗係数の増加率の関係を示す図 壁面摩擦応力と摩擦抵抗係数の増加率の関係を示す図 粗度に加わる動圧と摩擦抵抗増加量の関係を示す図 粗度の波高波長比と粗度の抵抗係数の関係を示す図 粗度に加わる動圧と粗度干渉係数αを含む粗度の抵抗係数の関係を示す図 平均粗度高さと平均有効粗度高さの比と、境界層の粗度の抵抗係数への粗度干渉係数αの関係を示す図 粘性底層厚みより高い粗度の総粗度数に対する割合βと粗度干渉係数αの関係を示す図 水槽試験による計測結果から得られた摩擦抵抗係数と式(1)により推定した摩擦抵抗係数の比較を示す図 全長200mの船の船速の変化と摩擦抵抗係数増加率の関係を示す図 船速15ktの船の全長の変化と摩擦抵抗係数増加率の関係を示す図
以下に、本発明の実施形態による波状粗面摩擦抵抗の評価方法及び波状粗面摩擦抵抗の評価装置について説明する。
図1は、船舶等の物体の表面に形成された波状粗面の概念図である。
波状粗面としては、塗装により形成される塗装粗面が代表的である。図1に示すように、波状粗面1においては、なだらかな形状の複数の粗度2が連なって波状を成している。各粗度2の高さや波長は一定ではない。
なお、本発明において「粗度」の語は、データ値としての粗度を指す場合と、塗装粗面に形成された粗度(図1の粗度2)を指す場合がある。
図2は、本実施形態による波状粗面摩擦抵抗の摩擦抵抗評価装置の機能を示すブロック図である。
摩擦抵抗評価装置10は、条件入力手段11、表面計測手段12、計測結果処理手段13、演算処理手段14、記憶手段15、及び表示手段16を有する。
条件入力手段11は、例えばキーボードやマウスである。使用者は、計測対象とする波状粗面の条件を、条件入力手段11を用いて入力する。波状粗面の条件は、物体の速度、物体の浸水表面積、流体の密度、滑面の摩擦抵抗係数、及び粘性底層厚さなどである。入力された条件は、演算処理手段14へ送出されると共に、記憶手段15に記憶される。記憶手段15は、例えばハードディスクドライブや磁気テープといった記憶装置である。記憶手段15を備えることにより、取得したデータを必要に応じて参照したり使用したりすることができる。
表面計測手段12は、例えば表面粗度計であり、波状粗面1の粗度を計測する。計測結果は、計測結果処理手段13へ送出されると共に、記憶手段15に記憶される。
計測結果処理手段13は、例えばアナログ/デジタル変換装置であり、表面計測手段12の計測結果を処理する。処理された計測結果は、演算処理手段14に送出されると共に、記憶手段15に記憶される。
演算処理手段14は、例えばCPUやMPUといった演算処理装置であり、条件入力手段11で入力された条件と、計測結果処理手段13で処理された計測結果に基づいて、波状粗面の摩擦抵抗を演算する。演算された結果は、表示手段16に送出されると共に、記憶手段15に記憶される。
表示手段16は、演算処理手段14の演算した演算結果を表示する。表示手段16を備えることにより、演算結果を容易に把握できる。また、複数の波状粗面1の摩擦抵抗を比較して表示するようにしてもよい。この場合には、複数の波状粗面1の摩擦抵抗の違いを容易に把握できる。
摩擦抵抗評価装置10には、本実施形態による波状粗面摩擦抵抗の評価方法が用いられている。
使用者は、塗装粗面1上の粘性底層の厚さTsを取得し、条件入力手段11を用いて摩擦抵抗評価装置10に入力する。粘性底層の厚さTsは、表面が滑面を成す物体の摩擦応力から算出した検査面における平均的な値を用いることが好ましい。境界層の厚みは速度によって増減するため、流れ方向に変化するが、検査面における平均的な値を用いることにより、粘性底層の厚さTsを精度よく求め、塗装粗面1の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。なお、船体等の物体の長手方向に沿って場所毎に粘性底層の厚さを計算し、それらの平均値を塗装粗面1上の粘性底層の厚さTsとしてもよい。なお、平均値以外にも重み付けした値や、場所を考慮した値を用いてもよい。
使用者が塗装粗面1の状態を表面計測手段12により計測し、塗装粗面1の各粗度2の粗度波長Xsと粗度高さZtを取得すると、取得した粗度波長Xsと粗度高さZtは、計測結果処理手段13で処理された後、演算処理手段14に送出される。
演算処理手段14は、取得した複数の粗度波長Xsと粗度高さZtから、塗装粗面1の粗度の平均粗度波長RSmと平均粗度高さRcを算出する。
また、演算処理手段14は、粗度高さZtと粘性底層の厚さTsから、平均有効粗度高さRceを算出する。平均有効粗度高さRceは、粘性底層の厚さTsを考慮して抵抗増加に影響を及ぼす粗度2のみを抽出し、その抽出した粗度2の粗度高さZtを平均化したものである。
平均有効粗度高さRceは、粗度高さZtのデータを出現頻度別にヒストグラム化処理を行い(図3参照)、粘性底層の厚さTsの相当する区間以下の粗度高さZtのデータを除去して粘性底層の厚さTsよりも高い粗度高さZtのデータの抽出を行い、残った粗度高さZtのデータを平均化して算出することが好ましい。このように、表面計測手段12により計測して得られた塗装粗面1の粗度高さZtのデータのうち、粘性底層の厚さTsよりも高い粗度高さZtのデータを抽出して、抽出した粗度高さZtのデータを平均化して平均有効粗度高さRceを求めることにより、抵抗増加に影響を及ぼす粗度2を効率的に抽出し、塗装粗面1の摩擦抵抗をより一層精度よく評価できる。
また、演算処理手段14は、平均粗度波長RSmと平均粗度高さRcの比Rc/RSm(平均波高波長比)と、平均有効粗度高さRceを考慮した粗度の総有効前面投影面積Skに基づいて、塗装粗面1の摩擦抵抗を算出する。粗度の総有効前面投影面積Skは、粘性底層の厚さTsよりも上に出ている粗度2の有効前面投影面積の総計である。
このように、物体の波状粗面1の粗度2の粗度波長と粗度高さとの比と、波状粗面1を流体中に臨ませた場合の粘性底層の厚さTsを考慮して求めた有効粗度高さから導かれる粗度2の有効前面投影面積に基づいて、流体中における波状粗面1の摩擦抵抗を評価することで、波状粗面1の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
次に、本発明の波状粗面摩擦抵抗の評価方法による塗装粗面の摩擦抵抗の推定結果と水槽試験の結果について説明する。
まず、塗装粗面の流体摩擦抵抗への影響を調査するため、物体の表面にスプレーの吐出圧、塗装面との距離、及び移動速度を工夫してスプレー塗装することで、粗度パラメータを変化させた3種類の塗装粗面を製作し、水槽試験により流体摩擦抵抗を評価した結果を説明する。
塗装粗面は、塗料の塗布作業の工夫により、粗度の最大高さRzを150μm程度として、粗度の波長RSmを1800μm程度から4300μm程度まで変化させたものを製作した。
波長1800μmの短波長の塗装粗面と波長4300μmの長波長の塗装粗面を全長2.25mの平板(以下、「2m平板」とする)に施工し、波長2900μmの中波長の塗装粗面を全長14.43mの平板(以下、「14m平板」とする。)に施工した。製作した塗装粗面の粗度の要目を表1に示す。なお、表1において、平均粗度波長RSmと平均粗度高さRcの比Rc/RSmは、その逆数としてのいわゆる波長波高比RSm/Rcで表現している。
粗度の計測は、三次元船体表面粗度計(中国塗料株式会社製)により行っており、計測対象面から30mm×30mmの計測区画を2m平板1枚当たり200カ所以上計測した後にJIS B0601に沿って解析を行った。該計測で得られるパラメータの内、従来の船体表面の粗度計測の方法であるBSRA型粗度計による計測結果(50mmの長さでの最大高さ)に近い値となるパラメータは最大粗度高さRzである。
三次元船体表面粗度計による計測では、面的な計測を行っているため、詳細な粗度の高さや波長の分布を得ることができる。そのため、粗面の性質は、平均粗度高さRcと平均粗度波長RSmを用いると、より正確に記述することができる。水槽試験対象の粗面では、粗度の平均波長波高比λ/H(平均粗度波長と平均粗度高さの比RSm/Rc)を27〜62の間で変化させた。
平均粗度高さRcは粗度曲線中の粗さの高さ要素の平均値であるので、粗度の高さ要素の分布をより詳細に明らかにするため、ヒストグラム解析を行った。各塗装粗面全体の平均粗度高さRcの近傍であり、かつ5点の平均値が、各塗装面の平均粗度高さRcと一致するような5点の計測区画をピックアップした。 5点の計測区画に高さ要素の現れる頻度(%)を縦軸にとって10μm単位の区間でヒストグラム化したものを図3に示す。図3(a)は短波長塗装粗面、図3(b)は中波長塗装粗面、図3(c)は長波長塗装粗面のものである。
水槽試験は、短波長塗装粗面と長波長塗装粗面を施工した2m平板と、中波長塗装粗面を施工した14m平板を対象に実施した。平板には、円弧断面を持つ前部整流覆い21を前縁部に、円弧断面を持つ後部整流覆い22を後縁部に、端部R処理を施した底部整流覆い23を下端部にそれぞれ取り付けており、前部整流覆い21、後部整流覆い22及び底部整流覆い23には塗装を施していない。前部整流覆い21には、乱流促進装置24として一辺2mmの立方体を、深さ方向に、10mm間隔(中心間距離)で配置した。乱流促進試験対象とした平板模型の要目を表2に、平板模型の概略図を図4に示す。なお、図4の白矢印は平板の進行方向を示している。
2m平板(短波長粗面、長波長粗面)の水槽試験は、海上技術安全研究所三鷹第三船舶試験水槽において、平行平板曳航法(川島英幹 外3名:平行平板曳航法による塗装面の乱流摩擦抵抗計測, 日本マリンエンジニアリング学会誌, 第46巻,第5号, 2012, pp. 7-12.)により実施し、塗装粗面と滑面(アルマイト処理無塗装アルミ表面)の2枚の平板を同時に曳航計測して摩擦抵抗の増加量を評価した。曳航速度は全長ベースのレイノルズ数が、3.5×10、5.25×10、7.0×10となる速度に調整し、各平板について各速度においてそれぞれ10回ずつ航走して得られた計測結果の平均値を用いて解析した。
14m平板の水槽試験は、海上技術安全研究所三鷹第二船舶試験水槽において、二重ブランコ式曳航法(濱田達也 外5名:摩擦抵抗評価のための二重ブランコ式曳航方法による長尺平板水槽試験の開発,日本船舶海洋工学会講演会論文集,第24号,2017.)により実施した。塗装粗面と滑面(アルマイト処理無塗装アルミ表面)の2種の平板について、それぞれ0.5〜4.0m/s(全長ベースのレイノルズ数で6.8×10〜5.3×10)の範囲で、0.5m/s間隔で抵抗試験を行い、それらを比較することで、摩擦抵抗の増加量を評価した。なお、0.5m/sの計測結果については、バラツキが大きかったため、今回の解析には使用しなかった。
計測された塗装粗面平板の全抵抗値は式(5)に従い分離し、式(6)に従い摩擦抵抗係数を計算した。その際、塗装粗面平板と滑面平板の剰余抵抗は変わらないと仮定することで、剰余抵抗を滑面平板の抵抗試験の結果から、二次元外挿法の要領で求めて、塗装粗面平板の抵抗分離に使用した。
各塗装粗面の全長ベースのレイノルズ数(横軸)と摩擦抵抗係数(縦軸)の関係を図5に示す。図5において、「●」は短波長塗装粗面(2m平板)、「▲」は中波長塗装粗面(14m平板)、「■」は長波長塗装粗面(2m平板)のデータを示している。
RR:剰余抵抗
RFLE:前縁部の摩擦抵抗
RFTS:検査面の摩擦抵抗
RFTE:後縁部の摩擦抵抗
RFBE:下端部の摩擦抵抗
CFTS:検査面の摩擦抵抗係数
ρ:流体の密度
TS:検査面の面積
V:曳航速度(2m平板模型)、対水速度(14m平板模型)
続いて、各塗装粗面の全長ベースのレイノルズ数(横軸)と摩擦抵抗係数の増加率(縦軸)の関係を図6に示す。図6において、「●」は短波長塗装粗面(2m平板)、「▲」は中波長塗装粗面(14m平板)、「■」は長波長塗装粗面(2m平板)のデータを示している。
全長ベースのレイノルズ数で評価すると3種の塗装粗面の中で、粗度パラメータが中間の値をとる中波長塗装粗面の粗度の摩擦抵抗の増加率が、短波長塗装粗面の粗度と長波長塗装粗面の粗度の中間的な値をとらないことが判る。この結果は、波状粗面の摩擦抵抗増加率が全長を基準としたレイノルズ数で整理できないことを示唆している。
一方、壁面摩擦応力(横軸)と摩擦抵抗係数の増加率(縦軸)の関係を図7に示す。図7において、「●」は短波長塗装粗面(2m平板)、「▲」は中波長塗装粗面(14m平板)、「■」は長波長塗装粗面(2m平板)のデータを示している。
壁面摩擦応力で整理すると摩擦抵抗係数の増加率は粗度の平均波長波高比と関係があることが示されており、境界層の構造と粗度の干渉が摩擦抵抗増加率と相関を持つことを示唆している。
ここで、本実施例における摩擦抵抗の推定式を用いた評価方法について説明する。摩擦抵抗の推定式は、式(7)及び式(8)で表される。
:摩擦抵抗
ρ:流体の密度
V:物体の速度(流体に対する速度)
:粗度における有効速度
S:物体の浸水表面積
:粗度の総有効前面投影面積
Cd_roughness(Cd):粗度の抵抗係数
F0:滑面の摩擦抵抗係数
α:粗度干渉係数
Rce:平均有効粗度高さ
RSm:平均粗度波長
Rc:平均粗度高さ
:粘性底層厚さ
β:抵抗増に有効な粗度の割合(粘性底層厚みより高い粗度の総粗度数に対する割合)
式(7)、式(8)は、塗装粗面の摩擦抵抗について下記(A)〜(J)の仮定と手順により整理することにより導出した。なお、導出過程において用いた粘性底層厚さTsや境界層内の速度分布は滑面のものとした。また、式(7)においては、粗度の抵抗係数Cdを「Cd_roughness」としている。
(A)塗装粗面のような波状粗面においては、粗度による摩擦抵抗増加は、各粗度に生じる局所的な圧力抵抗の総和であり、塗装粗面のいわゆる摩擦抵抗は、平面部の摩擦抵抗と粗度の圧力抵抗の総和であると考える。
(B)粗度による抵抗増加は、粘性底層の厚さTsよりも高い部分で発生し、粘性底層の厚さTs以下の部分は、抵抗増とならない不感帯となる。なお、本実施例では、粘性底層の厚さTsは、検査面全体が滑面である場合の摩擦応力から算出した検査面における平均的な値を用いた。
(C)粗度による抵抗増加分を、粗度の粘性底層の厚さTs以上の部分に加わる動圧で除して、粗度の抵抗係数を求める。
(D)粗度の抵抗係数を求めるための代表速度を粗度高さでの速度とし、その速度は滑面における境界層内の速度分布を用いた。なお、本実施例では、近似的に1/7乗則により推定した。また境界層は流れ方向に発達していくため、平均的な値として、流れ方向に検査面中央での値を用いる。
(E)粗度の抵抗係数は境界層との干渉により変化するため、抵抗係数に関する粗度と境界層の粗度干渉係数αを定義する。
(F)粗度による抵抗増加に有効な部分の平均的な粗度高さ(平均有効粗度高さRce)を定義する。平均有効粗度高さRceは、粗度計測データのヒストグラムから、抵抗増加に効果を及ぼす、粘性底層の厚さTs以上の高さを持つ粗度のみを抽出したものを平均したものである。そのため、粘性底層の厚さTsが厚くなると、高い粗度のみが抽出されるため、平均有効粗度高さRceは大きくなる。逆に粘性底層の厚さTsが薄くなると平均有効粗度高さRceは小さくなり、平均粗度高さRcに近づいていく。また波高波長比は、その塗装粗面に固有で特徴的な値と考え、波高波長比が平均波高波長比と等しくなるように平均有効粗度波長RSmeを定義する。
(G)粗度一個当たりの有効前面投影面積は、高さが平均有効粗度高さRce、波長が平均有効粗度波長RSmeの正弦波で粗度形状を近似して、粘性底層の厚さTsより高い部分の面積を算定する。
(H)粗度の個数は、浸水表面積を平均粗度波長RSmの二乗で除することにより求める。
(I)全粗度に占める、抵抗増に有効な粗度の割合β(発現頻度)は粗度計測データのヒストグラムから算出する。
(J)粗度の総有効前面投影面積は、一個当たり前面投影面積に粘性底層の厚さTs以上の粗度の発現頻度と全体の粗度個数をかけたものとする。
これらの仮定を基に、2m平板と14m平板の水槽試験結果、各塗装粗面の粗度データを用いて、各粗度の抵抗係数を求める。粗度の総有効前面投影面積Sk(粘性底層より露出している部分としての有効前面投影面積の総計)を計算し、粗度全体に加わる動圧を計算した。各塗装粗面について、粗度に加わる動圧(横軸)と摩擦抵抗増加量(縦軸)の関係を図8に示す。図8において、「●」は短波長塗装粗面(2m平板)、「▲」は中波長塗装粗面(14m平板)、「■」は長波長塗装粗面(2m平板)のデータを示している。
動圧と抵抗増加の関係はほぼ線形となり、各塗装粗面のデータの傾きが粗度の抵抗係数となる。
ここで求められた各塗装粗面の粗度の波高波長比(横軸)と粗度の抵抗係数(縦軸)の関係を示す図を図9に示す。各粗度の抵抗係数が、粗度の波高波長比に比例していることが判る。
この粗度の抵抗係数は後述のように、粗度同士の干渉効果により変化し、干渉が飽和した状態での粗度の抵抗係数をCd(Cd_roughness)とすると、式(9)により示すことができる。また、本実施例の3種の塗装粗面の抵抗計測結果と粗度計測結果から、定数c(粗度の抵抗係数と平均粗度高さ・平均粗度波長比との関係を表す係数)を求めると式(10)に示すようになる。
続いて、粗度の抵抗係数に関する粗度干渉係数αについて検討する。各塗装面の粗度に加わる動圧(横軸)と粗度干渉係数αを含む粗度の抵抗係数(縦軸)の関係を図10に示す。図10において、「●」は短波長塗装粗面(2m平板)、「▲」は中波長塗装粗面(14m平板)、「■」は長波長塗装粗面(2m平板)のデータを示している。
各塗装粗面の粗度の抵抗係数は、動圧の増加に伴い一定値へ徐々に近づいていくことが判る。物体の速度が遅く粘性底層の厚さTsが大きく、粗度の総数に対して粘性底層から露出する粗度の割合が少ない領域では、抵抗係数は大きめの値をとるが、速度の増加に伴い粘性底層の厚さTsが小さくなり、粗度の総数に対する露出する粗度の割合が多くなっていくと、粗度の抵抗係数が一定値に近づいていくと考えられる。今回の試験結果における長波長塗装粗面については、まだ完全に干渉が飽和していないため、式(9)の線形近似に比べて大きめの値を示す原因となっていると考えられる。
粘性底層からの粗度が露出する度合いと粗度の抵抗係数への干渉効果の関係を検討するため、平均粗度高さと平均有効粗度高さの比(横軸)と、境界層の粗度の抵抗係数への粗度干渉係数α(縦軸)の関係を図11に示す。図11において、「●」は短波長塗装粗面(2m平板)、「▲」は中波長塗装粗面(14m平板)、「■」は長波長塗装粗面(2m平板)のデータを示している。
平均有効粗度高さRceは、粘性底層の厚さTs以上の高さの粗度高さを平均したものなので、粘性底層の厚さTsが厚くなると数値が大きくなり、粘性底層の厚さTsが薄くなると数値が小さくなる。粘性底層の厚さTsが薄くなるのに伴い、平均有効粗度高さRceが小さくなり、粗度への粗度干渉係数αが飽和し、1に近づいていくことが図11から判る。
続いて、粘性底層の厚さTsより高い粗度の総粗度数に対する割合β(横軸)と、粗度干渉係数α(縦軸)との関係を図12に示す。図12において、「●」は短波長塗装粗面(2m平板)、「▲」は中波長塗装粗面(14m平板)、「■」は長波長塗装粗面(2m平板)のデータを示している。
粘性底層が厚く、多くの粗度が粘性底層より露出しない領域では、抵抗増加に有効な粗度の密度が小さくなり、粗度間の干渉が弱くなるため、粗度干渉係数αが大きくなって、個々の粗度の見かけ上の抵抗係数αCdが大きくなる。一方、粘性底層が薄くなると多くの粗度が粘性底層より露出し、粗度間の干渉が強くなるため、粗度干渉係数αが小さくなり,最終的にはα=1となり、粗度間の干渉が飽和した状態となる。
データ数の多い中波長塗装粗面の粗度のデータを用いて、最小二乗法により粗度干渉係数αの近似式(11)を得た。
式(7)から式(10)を整理して波状粗面の摩擦抵抗係数を表すと式(1)となる。
本試験においては、摩擦抵抗を式(1)に基づいて評価した。なお、図2を用いて説明した演算処理手段14は、式(1)を用いて、波状粗面の摩擦抵抗を演算するようにしてもよい。これにより、波状粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
:波状粗面の摩擦抵抗係数
F0:滑面の摩擦抵抗係数
:粗度における有効速度
V:物体の速度(流体に対する速度)
:粗度の総有効前面投影面積
S:物体の浸水表面積
α:粗度干渉係数
c:粗度の抵抗係数と平均粗度高さ・平均粗度波長比との関係を表す係数
Rc:平均粗度高さ
RSm:平均粗度波長
なお、前述のように、粗度に関連したパラメータである粗度の総有効前面投影面積Sk、平均粗度高さRc、及び平均粗度波長RSmは、三次元船体表面粗度計により波状粗面を計測した結果に基づいて求める。これにより、波状粗面の摩擦抵抗を取得が容易なパラメータを使用して精度よく評価できる。
また、式(1)は、右辺第2項中のαcRc/RSmを、水槽試験により取得した抵抗係数Cdに置き換えて波状粗面の摩擦抵抗Cを求めることができる。水槽試験により取得した抵抗係数Cdには、平均粗度波長と平均粗度高さの比が内包されている。水槽試験を行い抵抗係数Cdを取得することで、計算式により推定した抵抗係数Cdを再確認することができる。また、抵抗係数Cdが同じでも総有効前面投影面積Sk(平均有効粗度高さRce)が異なる波状粗面に適用することができる。
なお、水槽試験に代えて、二重円筒試験又は管路試験により抵抗係数Cdを取得してもよい。
また、複数の波状粗面の摩擦抵抗を摩擦抵抗係数に基づいて比較評価することで、異なる波状粗面の摩擦抵抗を比較することができる。
粗度の計測データから、平均波高波長比、平均有効粗度高さ、粘性底層厚みより高い粗度の総粗度数に対する割合を算出して、式(7)、式(8)、式(9)、式(10)、式(11)を用いて式(1)に入力すると、計測した粗面の摩擦抵抗係数を求めることができる。今回の水槽試験結果から得られた摩擦抵抗係数(横軸)と式(1)により推定した摩擦抵抗係数(縦軸)の比較を図13に示す。図13において、「●」は短波長塗装粗面(2m平板)、「▲」は中波長塗装粗面(14m平板)、「■」は長波長塗装粗面(2m平板)のデータを示している。
図13から、水槽試験結果から求まる摩擦抵抗係数と、式(1)により推定した摩擦抵抗係数とが非常に良く一致していることが判る。
なお、本実施例では、粗度干渉係数α、及び粗度の抵抗係数と平均粗度高さ・平均粗度波長比との関係を表す係数cを、水槽試験の結果に基づいて求めたが、水槽試験に代えて、二重円筒試験又は管路試験の結果に基づいて求めてもよい。
次に、塗装粗面の摩擦抵抗係数の推定式である式(1)を用いて、粗度パラメータが流体摩擦抵抗に与える尺度影響を推定した。全長200mの船舶の船速を10ktから40ktまで変化させた場合の滑面に対する各塗装粗面の推定摩擦抵抗増加率を図14に示す。図14において、「●」は短波長塗装粗面(2m平板)、「▲」は中波長塗装粗面(14m平板)、「■」は長波長塗装粗面(2m平板)のデータを示している。
推定した全ての領域でβ>0.771であるため粗度干渉係数α=1とした。船速の増加に伴い、摩擦抵抗の増加率が増加すること、平均波長波高比の小さい、勾配の大きい粗度の摩擦抵抗増加率の増加が著しいこと、船速の増加に伴い、摩擦抵抗増加率が次第に飽和していくことが判る。
続いて、同様に式(1)を用い、船速を15ktに固定して、船の全長を50mから500mまで変化させた場合の滑面に対する各塗装粗面の推定摩擦抵抗増加率を推定した結果を図15に示す。図15において、「●」は短波長塗装粗面(2m平板)、「▲」は中波長塗装粗面(14m平板)、「■」は長波長塗装粗面(2m平板)のデータを示している。
推定した全ての領域でβ>0.771であるため、粗度干渉係数α=1としている。船速の場合とは逆に、船の全長の増加に伴い、摩擦抵抗の増加率が低減していき、摩擦抵抗増加率の低減が次第に飽和していくことが判る。
なお、船舶の造波抵抗係数C、船舶の形状抵抗係数kを考慮した滑面の摩擦抵抗係数CF0、及び式(1)の右辺の第2項を粗度修正係数ΔCとして求められる船舶の全抵抗係数Cに基づいて船舶の制動馬力BHPを導出することができる。
具体的には、船舶の制動馬力BHPは、式(12)および式(13)で表すことができる。この際、船体表面の表面粗度による抵抗増加を粗度修正係数ΔCとして算入している。粗度修正係数は式(1)の右辺第二項、すなわち式(14)により求めることができる。
T:船舶の全抵抗係数
W:船舶の造波抵抗係数
k:船舶の形状抵抗係数
η:船舶の推進効率
ηT:船舶の伝達効率

このように、船舶の制動馬力BHPを導出する場合には、船舶の例えば塗装粗面の摩擦抵抗を精度よく算出し、船舶の馬力への影響を計算することができる。
なお、これらの計算は、図2に機能ブロックとして示す波状粗面摩擦抵抗の摩擦抵抗評価装置の一部に組み込んで行うこともできる。
本発明の波状粗面摩擦抵抗の評価方法及び波状粗面摩擦抵抗の評価装置は、波状粗面の摩擦抵抗を精度よく評価することができる。
例えば、船体に塗装を施した際、船体表面の粗度データを計測すれば、船体表面の摩擦抵抗係数が算出でき、船舶の馬力を求めることができる。
1 波状粗面
2 粗度
11 条件入力手段
12 表面計測手段
13 計測結果処理手段
14 演算処理手段
15 記憶手段
16 表示手段
Xs 粗度波長
Zt 粗度高さ
Ts 粘性底層の厚さ

Claims (16)

  1. 物体の表面が波状を成す波状粗面の粗度の粗度波長と粗度高さとの比と、前記波状粗面を流体中に臨ませた場合の粘性底層の厚さを考慮して求めた有効粗度高さから導かれる前記粗度の有効前面投影面積に基づいて、前記流体中における前記波状粗面の摩擦抵抗を評価することを特徴とする波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
  2. 前記波状粗面として前記物体の前記表面に施された塗装により形成された塗装粗面に適用し、前記塗装粗面の状態を表面計測手段により計測し前記粗度の前記粗度波長と前記粗度高さを取得して平均粗度波長RSmと平均粗度高さRcを求め、前記塗装粗面上の前記粘性底層の厚さTsを取得し、前記粗度高さと前記粘性底層の厚さTsから平均有効粗度高さRceを求め、前記平均粗度波長RSmと前記平均粗度高さRcの比Rc/RSmと、前記平均有効粗度高さRceを考慮した前記粗度の総有効前面投影面積Skに基づいて前記塗装粗面の前記摩擦抵抗を求めることを特徴とする請求項1に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
  3. 前記平均有効粗度高さRceを求めるに当り、前記表面計測手段により計測して得られた前記塗装粗面の前記粗度高さのデータのうち、前記粘性底層の厚さTsよりも高い前記粗度高さのデータを抽出して、抽出した前記粗度高さのデータを平均化して求めることを特徴とする請求項2に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
  4. 前記粗度高さのデータを出現頻度別にヒストグラム化処理を行い、前記粘性底層の厚さTsの相当する区間以下の前記粗度高さのデータを除去して前記抽出を行い、残った前記粗度高さのデータを平均化して前記平均有効粗度高さRceを求めることを特徴とする請求項3に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
  5. 前記粘性底層の厚さTsは、前記表面が滑面を成す前記物体の摩擦応力から算出した検査面における平均的な値、又は前記物体の長手方向に沿って場所毎に前記粘性底層Tsの厚さを計算した値を用いることを特徴とする請求項1から請求項4のうちの1項に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
  6. 前記摩擦抵抗の前記評価を、前記波状粗面の摩擦抵抗係数を表す式(1)に基づいて評価することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
    :波状粗面の摩擦抵抗係数
    F0:滑面の摩擦抵抗係数
    :粗度における有効速度
    V:物体の速度(流体に対する速度)
    :粗度の総有効前面投影面積
    S:物体の浸水表面積
    α:粗度干渉係数
    c:粗度の抵抗係数と平均粗度高さ・平均粗度波長比との関係を表す係数
    Rc:平均粗度高さ
    RSm:平均粗度波長
  7. 船舶の造波抵抗係数C、船舶の形状抵抗係数kを考慮した前記滑面の摩擦抵抗係数CF0、及び前記式(1)の右辺の第2項を粗度修正係数ΔCとして求められる前記船舶の全抵抗係数Cに基づいて前記船舶の制動馬力BHPを導出することを特徴とする請求項6に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
  8. 前記粗度に関連したパラメータである前記粗度の総有効前面投影面積Sk、前記平均粗度有効高さRc、及び前記平均粗度波長RSmを、前記波状粗面の表面計測手段による計測結果に基づいて求めることを特徴とする請求項6に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
  9. 前記粗度干渉係数α、及び前記粗度の抵抗係数と平均粗度高さ・平均粗度波長比との関係を表す係数cを、前記波状粗面を成した前記物体を水槽試験、二重円筒試験、又は管路試験のうちのいずれかの結果に基づいて求めることを特徴とする請求項6から請求項8のうちの1項に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
  10. 前記波状粗面を成した前記物体を水槽試験、二重円筒試験、又は管路試験のうちのいずれかの結果に基づいて波状粗度の抵抗係数Cdを取得し、前記式(1)の右辺第2項のαcRc/RSmを前記抵抗係数Cdに置き換えて前記波状粗面の前記摩擦抵抗係数を求めることを特徴とする請求項6に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
  11. 複数の前記波状粗面の前記摩擦抵抗を前記摩擦抵抗係数に基づいて比較評価することを特徴とする請求項6から請求項10のうちの1項に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法。
  12. 請求項1から請求項5のうちの1項に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価方法を用いた摩擦抵抗評価装置であって、前記波状粗面の条件を入力する条件入力手段と、前記波状粗面の前記粗度を計測する表面計測手段と、前記表面計測手段の計測結果を処理する計測結果処理手段と、入力された前記条件と処理された前記計測結果に基づいて前記波状粗面の前記摩擦抵抗を演算する演算処理手段とを備えたことを特徴とする波状粗面摩擦抵抗の評価装置。
  13. 前記演算処理手段は、請求項6に記載の前記摩擦抵抗係数を表す前記式(1)を用いて、前記波状粗面の摩擦抵抗を演算することを特徴とする請求項12に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価装置。
  14. 入力された前記条件、前記計測結果、処理された前記計測結果の少なくとも1つを記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価装置。
  15. 前記演算処理手段の演算した演算結果を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項12から請求項14のうちの1項に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価装置。
  16. 複数の前記波状粗面の前記摩擦抵抗を比較して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項15に記載の波状粗面摩擦抵抗の評価装置。
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