はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.遊技球が飛翔する飛翔領域を形成した飛翔領域形成体(遊技盤30)と、
前記飛翔領域に設けられ、表示部に絵柄を変動表示する絵柄表示装置(図柄表示装置41)と、
作動条件成立を検出する作動検出手段(主制御装置271の作動入賞処理機能)と、
前記作動条件成立に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置271の大当たり判別処理S501)と、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて前記絵柄の変動表示を行うと共に、前記抽選手段の抽選結果が前記特別遊技状態当選の場合には、前記絵柄が特定絵柄で停止するよう前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(表示制御装置214)と、
前記抽選手段の抽選結果が前記特別遊技状態当選の場合、遊技状態を前記特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置271の大当たり状態開始処理機能S703〜S705)と
を備えた遊技機において、
遊技状態が前記特別遊技状態に移行した場合に遊技球が入球し易い開放状態と入球し難い閉鎖状態とに切り換え可能な複数の可変入球装置(第1可変入賞装置32a,第2可変入賞装置32b)を、上下方向に並ぶようにして前記飛翔領域に配置し、
1の可変入球装置(第1可変入賞装置32a)に対して上方に位置する他の可変入球装置(第2可変入賞装置32b)に、当該他の可変入球装置に入球して前記飛翔領域形成体の背面側へと案内された遊技球を下方に排出する上側排出通路(第2排出通路)を設け、
前記1の可変入球装置に、前記上側排出通路における下流側開口の真下位置から上下方向に貫通する上下貫通路(上下貫通路)と、前記1の可変入球装置に入球して前記飛翔領域形成体の背面側へと案内された遊技球を下方に排出する下側排出通路(第1排出通路)とを、横並びとなるように設けたことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、飛翔領域には複数の可変入球装置が上下方向に並ぶようにして配置されている。かかる構成とすることにより、例えば特別遊技状態下でいずれの可変入球装置が開放されるのか等の期待感を遊技者に抱かせることが可能となり、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。また、各可変入球装置を上下方向に並ぶようにして配置することにより、特別遊技状態下における遊技が繁雑化することを抑制することが可能となる。
さらに、1の可変入球装置に対して上方に位置する他の可変入球装置には、当該他の可変入球装置に入球して飛翔領域形成体の背面側へと案内された遊技球を下方に排出する上側排出通路が設けられており、1の可変入球装置には、上側排出通路における下流側開口の真下位置から上下方向に貫通する上下貫通路と、1の可変入球装置に入球して飛翔領域形成体の背面側へと案内された遊技球を下方に排出する下側排出通路とが、横並びとなるように設けられている。かかる構成とすることにより、1の可変入球装置の上面に傾斜部を設けずとも、他の可変入球装置に入球した遊技球を上下貫通路から下方に排出することができる。この結果、各可変入球装置の間に所定の隙間を設ける必要がなくなるため、飛翔領域に設けられる絵柄表示装置の大きさ等に制約が生じることを抑制することが可能となり、遊技機の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。また、上下貫通路と下側排出通路とを横並びとなるように設けることにより、可変入球装置が前後方向に大型化することを抑制することが可能となり、飛翔領域形成体の背面側に例えば遊技の進行を管理する制御装置等を効率よく配置することが可能となる。以上の結果、遊技機の設計自由度が低下することを抑制しつつ複数の可変入球装置を配置することが可能となる。
なお、可変入球装置の「遊技球が入球し難い閉鎖状態」とは、遊技球の入球が困難な状態のみならず遊技球の入球が不可能な状態をも含む。
手段2.上記手段1において、前記1の可変入球装置と前記他の可変入球装置を上下方向に近接配置したことを特徴とする遊技機。
手段2によれば、1の可変入球装置と他の可変入球装置は上下方向に近接配置されている。かかる構成とすることにより、限られた飛翔領域の中で複数の可変入球装置を配置するために必要な領域を低減させることが可能となり、遊技機の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
手段3.上記手段1又は手段2において、前記上下貫通路と前記下側排出通路が隣接するように前記1の可変入球装置と前記他の可変入球装置を配置したことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、上下貫通路と下側排出通路は隣接するように配置されている。かかる構成とすることにより、1の可変入球装置が左右方向に大型化することを抑制することが可能となる。また、上下貫通路と下側排出通路を形成する壁の一部を共用化することが可能となり、各通路の形状を比較的簡単なものとすることが可能となる。
手段4.上記手段1又は手段2において、前記1の可変入球装置に、前記上下貫通路と前記下側排出通路が区画されるよう、上下方向に延びる区画壁(左排出壁部433c)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、1の可変入球装置には、上下貫通路と下側排出通路が区画されるように、上下方向に延びる区画壁が設けられている。かかる構成とすることにより、区画壁を用いて上下貫通路と下側排出通路を形成することが可能となり、各通路の形状を比較的簡単なものとすることが可能となる。
手段5.上記手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記各可変入球装置は、前後方向に貫通する開口部(第1大入賞口411、第2大入賞口461)と、該開口部を開放状態と閉鎖状態に切り換え可能に支持される開閉扉(第1開閉扉412、第2開閉扉462)と、前記開口部から入球した遊技球を前記飛翔領域形成体の背面側へと集合させる集合領域(第1集合領域、第2集合領域)と、前記排出通路(第1排出通路、第2排出通路)とを備え、
前記集合領域のうち中央部の所定幅を遊技機奥方へと傾斜させると共に、その両側部を前記中央部に向けて下り傾斜させ、前記排出通路の上流側開口が前記中央部の奥側に位置する構成としたことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、各可変入球装置は、前後方向に貫通する開口部と、該開口部を開放状態と閉鎖状態に切り換え可能に支持される開閉扉と、開口部から入球した遊技球を飛翔領域形成体の背面側へと集合させる集合領域と、集合領域からの遊技球を下方に排出する排出通路とを備えている。また、集合領域は、その中央部の所定幅が遊技機奥方へと傾斜すると共に、その両側部が中央部に向けて下り傾斜となっており、中央部の奥側に排出通路の上流側開口が位置するようになっている。かかる場合、開口部から集合領域の側部に入球した遊技球を、下り傾斜に沿って集合領域の中央部に移動させた後に排出通路から下方に排出することが可能となる。故に、開口部から入球した遊技球を集合領域の中央部に向けて整流させることが可能となり、排出通路に遊技球が詰まる等の不具合が発生することを抑制することが可能となる。
手段6.上記手段5において、前記排出通路を、奥行き方向の幅がほぼ遊技球1個分となるように形成すると共に、前記集合領域から案内された遊技球が横方向に移動するよう下り傾斜させたことを特徴とする遊技機。
手段6によれば、排出通路は、奥行き方向の幅がほぼ遊技球1個分となるように形成されると共に、集合領域から案内された遊技球が横方向に移動するよう下り傾斜となっている。かかる構成とすることにより、開口部から入球した遊技球を集合領域の中央部に集合させた後に奥方へと移動させ、さらにその遊技球を横方向に移動させた上で下方に排出することができる。故に、開口部から入球した遊技球を整流させる整流機能を集合領域と排出通路に付与することが可能となり、排出通路に遊技球が詰まる等の不具合が発生することを好適に抑制することが可能となる。
手段7.上記手段5又は手段6において、前記1の可変入球装置に、遊技球が遊技機奥方へと移動することを規制する規制壁(後案内壁部424)を前記集合領域の一側部奥方に設け、前記規制壁の背面側に前記上下貫通路を設けたことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、1の可変入球装置には、遊技球が遊技機奥方へと移動することを規制する規制壁が集合領域の一側部奥方に設けられており、この規制壁の背面側に上下貫通路が設けられている。かかる構成とすることにより、可変入球装置が前後方向に大型化することを抑制しつつ、集合領域における遊技球の整流効果を高めることが可能となる。規制壁の設けられた側の側部に遊技球が入球した場合、この遊技球の奥方への移動は規制壁により規制されるため、集合領域の中央部に集合されて排出通路へと移動されることとなるからである。また、規制壁の背面側に上下貫通路を設けることにより、規制壁を上下貫通路の一部として利用することが可能となり、上下貫通路の形状を比較的簡単なものとすることが可能となる。
手段8.上記手段7において、前記1の可変入球装置に、前記集合領域の左右方向の幅とほぼ等しくなるように前記開口部を設けたことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、1の可変入球装置には、集合領域の左右方向の幅とほぼ等しくなるように開口部が設けられている。かかる構成とすることにより、遊技球の入球する開口部を左右方向に可能な限り大きく形成して遊技球の入球し易さを高めると共に、上下貫通路を設けたことに伴う可変入球装置の左右方向の大型化を抑制することが可能となる。
手段9.上記手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記上側排出通路と前記下側排出通路が互いに逆方向に下り傾斜となる構成としたことを特徴とする遊技機。
手段9によれば、1の可変入球装置に設けられる下側排出通路と、他の可変入球装置に設けられる上側排出通路は、互いに逆方向に下り傾斜となるように構成されている。かかる構成とすることにより、可変入球装置が左右方向に大型化することを抑制しつつ、1の可変入球装置に下側排出通路と上下貫通路を設けることが可能となる。また特に、手段7にかかる特徴的構成を適用すれば、可変入球装置が左右方向に大型化することを抑制しつつ、集合領域における遊技球の整流効果を高めることが可能となる。
手段10.上記手段1乃至手段9のいずれかにおいて、前記1の可変入球装置と前記他の可変入球装置がほぼ左右対称となるように形成したことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、1の可変入球装置と他の可変入球装置が左右対称となるように形成されている。かかる構成とすることにより、設計及び製作面での容易性を確保することが可能となる。なお、ここにいう「ほぼ左右対称」とは、1の可変入球装置と他の可変入球装置が全体として左右対称な形状を有していればよく、当該形状に対して付加的な形状が設けられているものを許容する。付加的な形状が設けられたとしても、設計及び製作面の容易性を担保することが可能だからである。
手段11.上記手段1乃至手段10のいずれかにおいて、前記各可変入球装置を取付ベース(本体パネル401)に組み付けて可変入球ユニット(可変入賞ユニット32)とし、該可変入球ユニットを前記飛翔領域形成体に組み付けたことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、各可変入球装置は取付ベースに組み付けられてユニット化されている。かかる構成とすることにより、各可変入球装置を飛翔領域形成体に組み付ける場合の作業性を向上させることが可能となる。
手段12.上記手段1乃至手段11のいずれかにおいて、前記各可変入球装置の間に、他の遊技部品(釘等)を非配置としたことを特徴とする遊技機。
手段12によれば、各可変入球装置の間には他の遊技部品が配置されていない。かかる構成とすることにより、遊技機を設計する設計者が意図した通りの特典を遊技者に付与することが可能となる。仮に各可変入球装置の間に他の遊技部品を配置する構成とした場合、可変入球装置への遊技球の入球し易さを、遊技機を設置する遊技場の管理者等が変化させる可能性があるからである。
手段13.上記手段1乃至手段12のいずれかにおいて、遊技状態が前記特別遊技状態に移行した場合、前記可変入球装置の全てが閉鎖状態にある状況下でいずれかの可変入球装置を開放状態に切り換える開放制御を行う開放制御手段(主制御装置271の大入賞口開放処理S805,S806)と、該開放制御手段が開放制御を開始してから規定時間(29.5秒)が経過した場合、又は開放制御中の可変入球装置に規定数(10個)の遊技球が入球した場合に、当該可変入球装置を閉鎖状態に切り換える閉鎖制御を行う閉鎖制御手段(主制御装置271の大入賞口閉鎖処理S810)と、前記可変入球装置のいずれかに遊技球が入球した場合、該可変入球装置に応じて異なる特典を遊技者に付与する特典付与手段(主制御装置271、払出制御装置311)と、前記各可変入球装置の開閉回数の合計が特定回数(15回)となるように、前記特別遊技状態下における可変入球装置の開閉態様(開放パターン)を設定する開閉態様設定手段(主制御装置271の大当たり状態設定処理機能S502、開放カウンタ設定処理S604,S606及びラウンドカウンタ設定処理S703)とを備えることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、遊技状態が特別遊技状態に移行すると、複数設けられた可変入球装置の開閉が特定回数行われる。そして、いずれかの可変入球装置に遊技球が入球した場合、可変入球装置に応じて異なる特典が付与される。かかる構成とすることにより、1回の開閉に基づいて付与される特典を変化させることが可能となる。また、可変入球装置を複数設けることにより、付与する特典を比較的簡単に変化させることが可能となると共に、いずれの可変入球装置が開閉されるかを通じてどのような特典が付与され得るのかを遊技者に教示することが可能となる。故に、可変入球装置の開放が行われる前段階においてはいずれの可変入球装置が開放されるのか、さらに特別遊技状態開始から終了までの間にどれだけの特典が付与されるのかを期待させながら遊技者に遊技を行わせることが可能となり、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。加えて、かかる構成においては、各可変入球装置の開閉回数の合計が特定回数となるように開放制御及び閉鎖制御を行うことからも、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。可変入球装置が開閉されるという特別遊技状態下における遊技性を特定回数分担保すると共に、遊技者の望む特典が付与される可変入球装置が特定回数のうち何回開閉されるかに遊技者の関心を向けさせることが可能となるからである。以上の結果、特別遊技状態下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
手段14.上記手段1乃至手段13のいずれかにおいて、前記可変入球装置に遊技球が入球したことを検出する第1入球検出装置(第1メインセンサ428a、第2メインセンサ478a)を前記可変入球装置毎に設け、
可変入球装置に遊技球が入球した場合に特典を付与する制御を行う特典付与制御装置(主制御装置271)と前記各第1入球検出装置とを電気的に接続し、
前記複数の可変入球装置のうち少なくとも1つには、前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御装置(表示制御装置214)と電気的に接続される第2入球検出装置(第1サブセンサ428b,第2サブセンサ478b)を前記第1入球検出装置と別個に設けたことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、可変入球装置に遊技球が入球したことを検出する第1入球検出装置が可変入球装置毎に設けられており、これら第1入球検出装置は、可変入球装置に遊技球が入球した場合に特典を付与する制御を行う特典付与制御装置と電気的に接続されている。かかる構成とすることにより、例えば入球した可変入球装置に応じて異なる特典を付与する制御を行うことなどが可能となり、特別遊技状態下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。また、複数の可変入球装置のうち少なくとも1つには、絵柄表示装置を表示制御する表示制御装置と電気的に接続される第2入球検出装置が第1入球検出装置と別個に設けられている。かかる構成とすることにより、第2入球検出装置が遊技球の入球を検出した場合に、例えば遊技の進行状況すなわち可変入球装置への入球状況に即した特別遊技状態演出を絵柄表示装置上にて行うことが可能となり、特別遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。さらに、特典付与制御装置に電気的に接続される入球検出装置と、表示制御装置に電気的に接続される入球検出装置とを別個に設けることにより、特典付与制御装置に不正行為が行われることを抑制することが可能となる。仮に1つの入球検出装置が特典付与制御装置及び表示制御装置に電気的に接続される構成とした場合、表示制御装置を不正な制御装置に交換し、当該制御装置から入球検出装置を介して特典付与制御装置に不正信号を入力させる不正行為の実行が懸念されるからである。
手段15.上記手段1乃至手段14のいずれかにおいて、遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル18)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(発射モータ229等)と、その発射された遊技球を前記飛翔領域に導く球通路(レールユニット50の球案内通路)と、前記飛翔領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、可変表示ユニット35等)とを備えた遊技機。
上述した各手段は、一般にパチンコ機と称される遊技機において好適に具体化できる。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2、図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。また、以下の説明においては、特に注記しない限りは、パチンコ機10を正面から見た状態を基準として上下左右及び前後の方向を記載することとする。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用(リユース)が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成してもよい。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。更に言うと、本パチンコ機10には右側に遊技球発射ハンドル18の設置箇所が設けられているため、遊技球発射ハンドル18とは反対側の側部を中心に本体枠12を開閉可能としたということができる。本体枠12は合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されている。ABS樹脂を用いることにより、比較的低コストで耐衝撃性の高い本体枠12を得ることができる。本体枠12をアルミニウム等の金属によって構成してもよい。なお本実施の形態では、外枠11と本体枠12とにより遊技機本体が構成されている。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。かかる構成では、本体枠12とにより遊技機本体が構成される。
本体枠12の前面側の下部位置には、前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成する奥壁パネル17とを備えている。ベース部15は本体枠12に対してネジ等の締結部材により固定されていることから、ベース部15が本体枠12に対する取付部を構成している。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。奥壁パネル17には球排出口17aが設けられており、球排出口17aより排出された遊技球が下皿16内に貯留されるようになっている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。なお、球抜きレバー19はプッシュ式としてもよい。そして、球抜きレバー19が操作されると下皿16の底面に設けられた図示しない閉鎖板が一体に又はリンクを介して移動して球抜き穴が開放され、下皿16内の貯留球が下方に排出されるよう構成されている。球抜きレバー19には球抜き穴を塞ぐ側へ球抜きレバー19を付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられ、球抜きレバー19の操作が解除された際には付勢部材の付勢力によって閉鎖板が球抜き穴の開放位置に復帰する構成となっている。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
ベース部15には膨出部15aの左方に灰皿21が設けられている。灰皿21は、内部に溜まった吸い殻等を除去しやすいように手前側下方に反転可能に取り付けられており、その右側面と背面とでベース部15に対面している。具体的な図示は省略するが、灰皿21の右側面には当該灰皿21を回動可能な状態で片持ち支持するための支軸が設けられ、同背面には灰皿21が図示のように上方に開口した位置でベース部15に係止される係止部が設けられている。前面板14はその大部分が本体枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。前面板14はパチンコ機10の前面側に露出されるが、ABS樹脂で成形していることによって、装飾等の目的で表面の適宜箇所にメッキを施すことが可能となる。なお、灰皿21が近くに配置されている関係上、下皿16と奥壁パネル17とを構成する部位に関しては難燃性のABS樹脂を用い、仮に誤ってたばこ等を置いても燃えにくくなるよう構成することが好ましい。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。従って、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。なお、前扉枠13は前面板14と同様、ABS樹脂にて成形されている。前扉枠13はパチンコ機10の前面側に露出されるが、ABS樹脂で成形していることによって、装飾等の目的で表面の適宜箇所にメッキを施すことが可能となる。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。なお、上皿23も下皿16等と同様、難燃性のABS樹脂にて構成することが可能である。
本パチンコ機10では、ガラス扉枠と前飾り枠とを個別に設けこれらを前面枠(本実施の形態の本体枠に相当)に対して各々開閉可能とすると共に前飾り枠に上皿を設けていた従来構成と異なり、ガラス扉枠と前飾り枠とを1つに統合して前扉枠13とし、前扉枠13に対して一体的に上皿23を設ける構成としている。この場合、ガラス扉枠と前飾り枠とを1つに統合して前扉枠13としたため、当該前扉枠13においてガラス支持構造の強度向上が実現できる。つまり、本パチンコ機10では、遊技領域の拡張を目的とし、その遊技領域拡張に伴い大きめのガラス137を前扉枠13に搭載している。従って、ガラス周囲の枠部分が幅狭になり、強度低下の問題が懸念されるが、ガラス下方に上皿一体の枠部分を設けること等によりガラス支持構造の十分な強度が確保できる。なお、ガラス137の縦横寸法は、従来一般に405mm×405mmであったのに対し、本パチンコ機10では453mm×434mmとしている。
また、前扉枠13は、少なくともその開閉の際に遊技球発射ハンドル18と干渉しないようにして下方に拡張されている。具体的な数値を示すと、パチンコ機下端から前扉枠13の下端までの寸法Laは、既存の一機種で例えば約201mmであるのに対し、本パチンコ機10では30mm程小さく、約172mmとなっている。また、これに伴いパチンコ機下端から上皿23の上端までの寸法Lbも小さくなっており、既存の一機種では例えば約298mmであるのに対し、本パチンコ機10では約261mmとなっている。ここで、上皿23の位置を下げたことにより、遊技ホールにおいてパチンコ機10左側に並設される球貸し装置のノズル先端との上下方向の距離が大きくなって貸球のこぼれ落ち等が懸念されるが、本実施の形態では、当該ノズルからの貸球排出部分となる左側部分において、膨出部22の壁面を他の壁面より高くした立ち上げ部22aを形成している。これにより、上皿23の位置を下げた構成にあっても貸球のこぼれ落ち等の不都合が解消されるようになっている。立ち上げ部22aの高さ寸法は上皿23の下げ寸法に見合うものであれば良く、その最大高さ寸法は本実施の形態では25mmとされている。
なお、前扉枠13においては、上皿形成のための膨出部22が手前側に大きく膨出して設けられるが、上皿23より上方のそれ以外の部位(後述する環状電飾部102等)は、球貸し装置のノズルとの干渉を避けるべく手前側への膨出が制限されている。具体的には、外枠11からの手前側への寸法が45〜50mmに制限されている。
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図4に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30は、従来と同様、上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている。
次に、遊技盤30の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤30には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞ユニット32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞ユニット32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット35が遊技盤30の略中央に配置され、その下方に作動口33が配置され、さらにその下方に可変入賞ユニット32が配置されている。可変入賞ユニット32には、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bが、縦並びにすなわち遊技球の落下方向に並ぶようにして配置されている。また、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34が配置され、遊技盤30の下部両側に一般入賞口31がそれぞれ複数配置されている。作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、各可変入賞装置32a,32b及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞球が払い出される。具体的には、作動口33及び第2可変入賞装置32bに遊技球が入った場合には3個の賞球が払い出され、一般入賞口31に遊技球が入った場合には10個の賞球が払い出され、第1可変入賞装置32aに遊技球が入った場合には15個の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。アウト口36は、遊技盤30の下端略中央を逆U字状に切り欠いて形成されている。そのため、アウト口を穴状に形成していた従来構成に比べ、アウト口形成が容易となる(但し、図4では手前側にレールユニット50が重ねて設けられているため、アウト口36が閉じた状態で示されている)。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技盤30の左右両側部には、組付相手である本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように凹部としての切欠38が複数箇所に形成されている。
前述したとおり、本パチンコ機10では上皿23の位置を下げられており、それに伴い上皿23の最下流部に設けた遊技球の取込口の位置も同様に下げられている。この場合、遊技球取込口が比較的高い位置にあった従来構成では、遊技球取込口と遊技盤30とが前後に重なり、遊技盤30には遊技球取込口に対応する切欠を設ける必要があったが、本パチンコ機10では、遊技球取込口を下げたことにより遊技球取込口と遊技盤30とが前後に重なることがなく、遊技球取込口用の切欠の形成が不要となる。故に、遊技盤30の製作工程上、有利な構成となる。
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。このセンターフレーム43は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。センターフレーム43の上部中央には、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48が横並びの状態で設けられている。また、これら両特定ランプ部47,48が配設された領域を挟むように、第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ44は、図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。上述したように、センターフレーム43の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、保留ランプ44、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。センターフレーム43の下部には、第2特定ランプ部48に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、前記保留ランプ44と同様に、図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。
図柄表示装置41は8インチサイズの比較的大型の液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止表示された場合には、大当たり発生となると共にそれ以降の遊技状態が特別遊技状態としての大当たり状態に移行する。この図柄の変動表示については、後に詳細に説明することとする。なお、図柄表示装置41は、8インチ以外の10インチ,7インチ等の液晶ディスプレイを備えたもの、ワイドサイズのディスプレイを備えたもの、又はCRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第1特定ランプ部47には、その内側に赤、緑、青の3色発光タイプのLEDランプが配設されている。そして、作動口33への入賞をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、作動口33への入賞をトリガとして、赤色光が点灯され、その状態で所定時間が経過すると緑色光に発光色が切り替えられる。そして、緑色光が点灯された状態で前記所定時間が経過すると青色光に発光色が切り替えられる。その後、発光色の切り替え停止時期がくるまで、赤色、緑色、青色という順序で発光色の切り替えが繰り返し行われる。これにより、第1特定ランプ部47には、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には、大当たり発生となると共にそれ以降の遊技状態が大当たり状態に移行し、青色が停止表示された場合には、大当たり発生とならず大当たり状態に移行しない。この発光色の切り替えに関しては、後に詳細に説明することとする。
一方、第2特定ランプ部48には、その内側に赤、緑の2色発光タイプのLEDランプが配設されている。この第2特定ランプ部48は、スルーゲート34の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、遊技球がスルーゲート34を通過すると、赤色光の点灯と緑色光の点灯とが交互に行われる。これにより、第2特定ランプ部48には、赤色、緑色が交互に表示されることとなる。そして、赤色が停止表示された場合には、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。
第1可変入賞装置32a及び第2可変入賞装置32bは、通常状態において遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、大当たり状態に移行すると遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。そして、各可変入賞装置32a,32bは、開放時間(例えば29.5秒)の経過又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したことを閉鎖条件成立として閉鎖状態に切り換えられる。大当たり状態は、各可変入賞装置32a,32bの一方が開閉されたことを1ラウンドとして、15ラウンドの開閉が行われるまで継続する。なお、各可変入賞装置32a,32bの閉鎖状態を、遊技球が入賞できない状態ではなく遊技球が入賞し難い状態としてもよい。
ここで、可変入賞ユニット32の構成を図5〜図9に基づいて詳細に説明する。図5は可変入賞ユニット32を後方から見た斜視図、図6は可変入賞ユニット32を前方から見た分解斜視図、図7は可変入賞ユニット32を後方から見た分解斜視図、図8(a)は第1案内部材177aの正面図、(b)は第1排出部材190aの正面図、図9(a)は第2案内部材177bの正面図、(b)は第2排出部材190bの正面図である。また、以下の説明においては、パチンコ機10を正面から見た状態を基準として上下左右及び前後の方向を記載することとする。
図5に示すように、可変入賞ユニット32は、横長に形成された本体パネル401を有している。本体パネル401の中央下部には第1可変入賞装置32aが取り付けられており、本体パネル401の中央上部には第2可変入賞装置32bが取り付けられている。第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bは、上下方向に並ぶようにして取り付けられている。本体パネル401の前面側には、図6等に示すように、各可変入賞装置32a,32bの前方を覆う前面パネル402と、左右一対の装飾パネル403が取り付けられている。また、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとの間には、釘やその他の部材は配置されていない。これは、第1可変入賞装置32aへの遊技球の入球し易さを一定とするための工夫である。すなわち、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとの間に釘等の部材を配置した場合、本パチンコ機10を設置する遊技場の管理者等が前記部材の位置を調整し、第1可変入賞装置32aへの遊技球の入球し易さを変化させる可能性があるからである。
第1可変入賞装置32aについて詳細に説明すると、図6に示すように、本体パネル401の中央下部には、前後方向に貫通する矩形状の第1大入賞口411が形成されている。第1大入賞口411と対応する位置には、該第1大入賞口411を閉鎖するようにして第1開閉扉412が組み付けられている。
第1開閉扉412の左右両端部には、後方に延びるように折り曲げ形成された側壁部413a,413bと、前方に延びる棒状の突起部414がそれぞれ形成されている。各側壁部413a,413bには、第1開閉扉412から外方に突出する突出軸415が、同一軸線上に並ぶように形成されている。本体パネル401には、突出軸415と対応する位置に、前面側から凹むようにして軸受部404が形成されている。また、第1開閉扉412の右側の側壁部413aには、突出軸415より後方の位置から該突出軸415と同じ向きに突出する後方軸416が形成されている。突出軸415と後方軸416は、その間隔が本体パネル401に形成された軸受部404の肉厚より若干広くなるように配置されている。そして、後方軸416が軸受部404の背面側に位置するように突出軸415が本体パネル401の軸受部404に挿入されると共に、本体パネル401の前面側から軸受部404を覆うようにして前面パネル402が本体パネル401に組み付けられることにより、第1開閉扉412が本体パネル401に軸支されている。
本体パネル401の背面側には、図7に示すように、第1大入賞口411を挟むようにして左右一対の第1収容部405a,405bが形成されている。第1開閉扉412の後方軸416と対応する側(すなわち右側)に形成された第1収容部405aには、第1大入賞口ソレノイド417が取り付けられている。第1大入賞口ソレノイド417は、左右方向に移動可能な可動軸417aと、該可動軸417aに付勢するバネ417bを有している。可動軸417aは、第1大入賞口ソレノイド417が非励磁状態にある場合、バネ417bの付勢力により伸長状態とされている。また、右側の第1収容部405aには、可動軸417aと後方軸416をリンクさせるための伝達部材418が取り付けられている。伝達部材418には前後方向に貫通する貫通孔(図示略)が形成されており、右側の第1収容部405aには、貫通孔と対応する位置に円筒状の受部406が形成されている。伝達部材418は、貫通孔と受部406に挿通ピン419が挿通されることにより、本体パネル401に対して左右方向に回動可能に軸支されている。また、他方の第1収容部405bには、該第1収容部405bと略同一形状に形成された保護カバー407が取り付けられている。
ここで、第1開閉扉412の動作について簡単に説明する。第1大入賞口ソレノイド417が励磁されていない場合、可動軸417aはバネ417bの付勢力により伸長状態とされている。このとき、第1開閉扉412の後方軸416には、第1開閉扉412が上下方向に起立した状態となるよう伝達部材418の先端部から下向きに外力が加わっている。この結果、第1大入賞口ソレノイド417が非励磁状態にある場合には、第1開閉扉412により第1大入賞口411が閉鎖状態とされる。一方、第1大入賞口ソレノイド417が励磁された場合、可動軸417aはバネ417bの付勢力に抗して右方に移動し、収縮状態とされる。このとき、後方軸416に下向きの外力を加えていた伝達部材418の先端部は可動軸417aと連動して上向きに移動する。これに伴い、第1開閉扉412は突起部414の自重により前方へと傾動し、突起部414が本体パネル401と当接した状態で停止する。この結果、第1大入賞口ソレノイド417が励磁状態にある場合には、第1開閉扉412が前後方向に倒れた状態となり、第1大入賞口411が開放状態とされる。その後、第1大入賞口ソレノイド417の励磁が終了した場合には、バネ417bの付勢力により可動軸417aが伸長状態に戻るべく左方に移動し、これに連動して伝達部材418の先端部が下向きに移動する。この結果、第1開閉扉412の後方軸416に下向きの外力が加わることとなり、第1開閉扉412が上下方向に起立した状態に復帰して第1大入賞口411が閉鎖される。
本体パネル401の背面側には、第1大入賞口411と対応する位置に第1案内部材421が取り付けられている。第1案内部材421は、第1大入賞口411から入賞した遊技球を後方へと案内するための部材である。第1案内部材421は、図6,図8に示すように、横長板状に形成された本体部422を有しており、該本体部422には、前方に延びる案内壁423が形成されている。案内壁423は、本体部422から第1大入賞口411の下縁部に向けて上方へ緩やかに傾斜する下案内壁部423aと、該下案内壁部423aの右端から上方に起立するように延びる右案内壁部423bと、該下案内壁部423aの左端から右案内壁部423bと同じ向きに起立するように延びる左案内壁部423cとより形成されている。下案内壁部423aについてより詳しくは、その中央部が遊技球複数個分の幅で上方に傾斜するように、且つその両側部が中央部に向けて下り傾斜となるように形成されている。案内壁423は、右案内壁部423bと左案内壁部423cの外幅が、第1開閉扉412の右側壁部413aと左側壁部413bの内幅より若干狭くなるように形成されている。すなわち、案内壁423は、第1大入賞口411と左右方向の幅がほぼ同じとなるように形成されている。また、案内壁423は、その前後方向の幅を、第1案内部材421が本体パネル401に取り付けられた際に、本体パネル401と案内壁423先端との隙間が遊技球の外径寸法より小さくなるように形成されている。本体部422のうち案内壁423に囲まれた領域には、後案内壁部424が平板状に形成されており、後案内壁部424には、中央左部から右端部にかけて前後方向に貫通する開口部425が形成されている。開口部425は、複数個の遊技球が通過可能な大きさに形成されている。左案内壁部423cと後案内壁部424には、これら壁部423c,424に掛け渡すようにして誘導壁426が形成されている。誘導壁426は、左案内壁部423cから開口部425に向けて先細りとなるように形成されている。
本体パネル401に第1案内部材421が取り付けられた状況下において、第1大入賞口411から入賞した遊技球は、下案内壁部423aの傾斜に沿って開口部425へと案内される。つまり、第1大入賞口411の中央部から入賞した遊技球は、そのまま後方への傾斜に沿って開口部425へと案内され、第1大入賞口411の右部から入賞した遊技球は、下案内壁部423aの中央部に向けて移動した後に後方への傾斜に沿って開口部425へと案内される。また、第1大入賞口411の左部から入賞した遊技球は、後案内壁部424により後方への移動を規制されることとなるが、左案内壁部423cと後案内壁部424の間に形成された誘導壁426及び下案内壁部423aの左部の傾斜によって開口部425へと案内される。つまり、第1可変入賞装置32aは、案内壁423と後案内壁部424とにより形成される第1案内通路を備えており、第1大入賞口411から入賞した遊技球は、第1案内通路を経て開口部425から遊技機後方に案内される。或いは、第1可変入賞装置32aは、案内壁423と後案内壁部424とにより形成される第1集合領域を備えており、第1大入賞口411から入賞した遊技球は、第1集合領域で下案内壁部423aの中央部に集合された後に開口部425から遊技機後方に案内されるとも言える。
図7に示すように、本体部422の背面側には、その右下部に、本体部422から下方に突出するようにして上下2段の搭載部427a,427bが近接配置されている。各搭載部427a,427bには、遊技球の通過を検出するためのセンサが搭載されている。具体的には、上段の搭載部427aに第1メインセンサ428aが搭載されており、下段の搭載部427bに第1サブセンサ428bが搭載されている。各第1センサ428a,428bには、1個の遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通する検出孔429が形成されており、これら各第1センサ428a,428bは、検出孔429の中心軸線が同一軸線上となるよう各搭載部427a,427bに搭載されている。
第1案内部材421の背面側には、第1排出部材431が取り付けられている。第1排出部材431は、開口部425から後方に案内された遊技球を下方に排出するための部材である。第1排出部材431は、図6,図8に示すように、横長平板状に形成された取付部432を有している。取付部432の左上部には、上方に向けて突出する突出部432aが形成されている。すなわち、取付部432は、正面から見て略L字状をなしている。取付部432には、第1案内部材421に形成された開口部425の外周縁部と対応する位置に、前方に延びる排出壁433が形成されている。排出壁433は、第1案内部材421に形成された開口部425の右側外周縁部と対応する位置に形成された右排出壁部433aと、開口部425の上側外周縁部と対応する位置に形成された上排出壁部433bと、開口部425の左側外周縁部と対応する位置に形成された左排出壁部433cと、左排出壁部433cの下端から右方に向けて緩やかな下り傾斜となるように形成された下排出壁部433dとより形成されている。下排出壁部433dは、右排出壁部433aから遊技球1個分程度離れるように形成されている。つまり、排出壁433には、その右下部に排出口が形成されている。また、取付部432の突出部432aは、その右端面が左排出壁部433cの内周面と同一平面となるように形成されており、左排出壁部433cは、突出部432aの上端まで延びるように形成されている。左排出壁部433cには、下排出壁部433dと同じ向きに傾斜すると共に取付部432に向けて先細りとなるように形成された誘導壁434が形成されている。取付部432の左端部には、前方に起立するようにして起立壁435が形成されている。排出壁433と起立壁435は、その前後方向の幅を、第1排出部材431が第1案内部材421に取り付けられた際に第1案内部材421の本体部422と当接するように、より詳しくは遊技球1個分程度の幅となるように形成されている。
第1排出部材431が第1案内部材421に取り付けられた状況下において、第1排出部材431の排出壁433は、開口部425の周囲を囲うようにして第1案内部材421の本体部422と当接する。第1案内部材421の開口部425から後方に案内された遊技球は、下排出壁部433dの傾斜に沿ってその右下部の排出口へと案内される。ここで、第1案内部材421の各搭載部427a,427bは、各第1センサ428a,428bの検出孔429が排出口の下方に位置するように形成されている。したがって、排出口に案内された遊技球は、各第1センサ428a,428bの検出孔429を通過して下方に排出される。また、開口部425の左部から入賞した遊技球は取付部432により後方への移動を規制されることとなるが、左排出壁部433cと取付部432の間に形成された誘導壁434によって右下部の排出口へと案内され、各第1センサ428a,428bの検出孔429を通過して下方に排出される。つまり、第1可変入賞装置32aは、取付部432と排出壁433とにより形成される第1排出通路を備えており、第1案内部材421の開口部425から後方に案内された遊技球は、第1排出通路を経て第1メインセンサ428a,第1サブセンサ428bの検出孔429を通り、遊技機下方に排出される。第1排出通路の左方には、第1案内部材421の後案内壁部424と、第1排出部材431の取付部432,左排出壁部433c及び起立壁435とにより、上下(鉛直方向)に貫通する縦長直方体状の上下貫通路が第1排出通路と隣り合うようにして形成されている。或いは、左排出壁部433cにより、第1排出通路と上下貫通路とを区画したとも言える。
第1排出部材431の背面側には、後述する第1大入賞口中継基板441が取り付けられている。
次に、第2可変入賞装置32bについて詳細に説明すると、図6に示すように、本体パネル401の中央上部には、前後方向に貫通する矩形状の第2大入賞口461が形成されている。第2大入賞口461は、第1大入賞口411と同じ大きさに且つ上下に並ぶようにして形成されている。第2大入賞口461と対応する位置には、該第2大入賞口461を閉鎖するようにして第2開閉扉462が組み付けられている。
第2開閉扉462の左右両端部には、後方に延びるように折り曲げ形成された側壁部463a,463bと、前方に延びる棒状の突起部464がそれぞれ形成されている。各側壁部463a,463bには、第2開閉扉462から外方に突出する突出軸465が、同一軸線上に並ぶように形成されている。本体パネル401には、突出軸465と対応する位置に、前面側から凹むようにして軸受部454が形成されている。また、第2開閉扉462の左側の側壁部463bには、突出軸465より後方の位置から該突出軸465と同じ向きに突出する後方軸466が形成されている。突出軸465と後方軸466は、その間隔が本体パネル401に形成された軸受部454の肉厚より若干広くなるように配置されている。そして、後方軸466が軸受部454の背面側に位置するように突出軸465が本体パネル401の軸受部454に挿入されると共に、本体パネル401の前面側から軸受部454を覆うようにして前面パネル402が本体パネル401に組み付けられることにより、第2開閉扉462が本体パネル401に軸支される。
本体パネル401の背面側には、図7に示すように、第2大入賞口461を挟むようにして左右一対の第2収容部455a,455bが形成されている。第2開閉扉462の後方軸466と対応する側(すなわち左側)に形成された第2収容部455bには、第2大入賞口ソレノイド467が取り付けられている。第2大入賞口ソレノイド467は、左右方向に移動可能な可動軸467aと、該可動軸467aに付勢するバネ467bを有している。可動軸467aは、第2大入賞口ソレノイド467が非励磁状態にある場合、バネ467bの付勢力により伸長状態とされている。また、左側の第2収容部455bには、可動軸467aと後方軸466をリンクさせるための伝達部材468が取り付けられている。伝達部材468には前後方向に貫通する貫通孔(図示略)が形成されており、左側の第2収容部455bには、貫通孔と対応する位置に円筒状の受部456が形成されている。伝達部材468は、貫通孔と受部456に挿通ピン469が挿通されることにより、本体パネル401に対して左右方向に回動可能に軸支されている。また、他方の第2収容部455aには、該第2収容部455aと略同一形状に形成された保護カバー457が取り付けられている。なお、第2開閉扉462の動作については、第1開閉扉412と同様のため説明を省略する。
本体パネル401の背面側には、第2大入賞口461と対応する位置に第2案内部材471が取り付けられている。第2案内部材471は、第2大入賞口461から入賞した遊技球を後方へと案内するための部材である。第2案内部材471は、図6,図9に示すように、横長板状に形成された本体部472を有しており、該本体部472には、前方に延びる案内壁473が形成されている。案内壁473は、本体部472から第2大入賞口461の下縁部に向けて上方へ緩やかに傾斜する下案内壁部473aと、該下案内壁部473aの右端から上方に起立するように延びる右案内壁部473bと、該下案内壁部473aの左端から右案内壁部473bと同じ向きに起立するように延びる左案内壁部473cとより形成されている。下案内壁部473aについてより詳しくは、その中央部が遊技球複数個分の幅で上方に傾斜するように、且つその両側部が中央部に向けて下り傾斜となるように形成されている。案内壁473は、右案内壁部473bと左案内壁部473cの外幅が、第2開閉扉462の右側壁部463aと左側壁部463bの内幅より若干狭くなるように形成されている。すなわち、案内壁473は、第2大入賞口461と左右方向の幅がほぼ同じとなるように形成されている。また、案内壁473は、その前後方向の幅を、第2案内部材471が本体パネル401に取り付けられた際に、本体パネル401と案内壁473先端との隙間が遊技球の外径寸法より小さくなるように形成されている。本体部472のうち案内壁473に囲まれた領域には、後案内壁部474が平板状に形成されており、後案内壁部474には、中央右部から左端部にかけて前後方向に貫通する開口部475が形成されている。開口部475は、複数個の遊技球が通過可能な大きさに形成されている。右案内壁部473bと後案内壁部474には、これら壁部473b,474に掛け渡すようにして誘導壁476が形成されている。誘導壁476は、右案内壁部473bから開口部475に向けて先細りとなるように形成されている。
本体パネル401に第2案内部材471が取り付けられた状況下において、第2大入賞口461から入賞した遊技球は、下案内壁部473aの傾斜に沿って開口部475へと案内される。つまり、第2大入賞口461の中央部から入賞した遊技球は、そのまま後方への傾斜に沿って開口部475へと案内され、第2大入賞口461の右部から入賞した遊技球は、下案内壁部473aの中央部に向けて移動した後に後方への傾斜に沿って開口部475へと案内される。また、第2大入賞口461の右部から入賞した遊技球は、後案内壁部474により後方への移動を規制されることとなるが、右案内壁部473bと後案内壁部474の間に形成された誘導壁476及び下案内壁部423aの右部の傾斜によって開口部475へと案内される。つまり、第2可変入賞装置32bは、案内壁473と後案内壁部474とにより形成される第2案内通路を備えており、第2大入賞口461から入賞した遊技球は、第2案内通路を経て開口部475から遊技機後方に案内される。或いは、第2可変入賞装置32bは、案内壁473と後案内壁部474とにより形成される第2集合領域を備えており、第2大入賞口461から入賞した遊技球は、第2集合領域で下案内壁部473aの中央部に集合された後に開口部475から遊技機後方に案内されるとも言える。
図7に示すように、本体部472の背面側には、その左下部に、本体部472から下方に突出するようにして上下2段の搭載部477a,477bが近接配置されている。各搭載部477a,477bには、遊技球の通過を検出するためのセンサが搭載されている。具体的には、上段の搭載部477aに第2メインセンサ478aが搭載されており、下段の搭載部477bに第2サブセンサ478bが搭載されている。各第2センサ478a,478bには、1個の遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通する検出孔479が形成されており、これら各第2センサ478a,478bは、検出孔479の中心軸線が同一軸線上となるよう各搭載部477a,477bに搭載されている。また、下段搭載部477bには、下方に延びる矩形枠状の下部排出通路480が形成されている。下部排出通路480は、その中心軸線が検出孔479の中心軸線と同一軸線上となる位置に形成されると共に、本体パネル401に第2案内部材471が取り付けられた際に、第1可変入賞装置32aの第1排出部材431に形成された突出部432a,左排出壁部433c及び起立壁435(すなわち第1可変入賞装置32aに形成された上下貫通路)と当接するように形成されている(例えば図5参照)。
第2案内部材471の背面側には、第2排出部材481が取り付けられている。第2排出部材481は、開口部475から後方に案内された遊技球を下方に排出するための部材である。第2排出部材481は、図6,図9に示すように、横長平板状に形成された取付部482を有している。取付部482には、第2案内部材471に形成された開口部475の外周縁部と対応する位置に、前方に延びる排出壁483が形成されている。排出壁483は、第2案内部材471に形成された開口部475の左側外周縁部と対応する位置に形成された左排出壁部483aと、開口部475の上側外周縁部と対応する位置に形成された上排出壁部483bと、開口部475の右側外周縁部と対応する位置に形成された右排出壁部483cと、右排出壁部483cの下端から左方に向けて緩やかな下り傾斜となるように形成された下排出壁部483dとより形成されている。下排出壁部483dは、左排出壁部433aから遊技球1個分程度離れるように形成されている。つまり、排出壁483にはその左下部に排出口が形成されており、第1排出部材431との関係で言えば、互いに逆向きに下り傾斜となるように形成されている。排出壁483は、その前後方向の幅を、第2排出部材481が第2案内部材471に取り付けられた際に第2案内部材471の本体部472と当接するように、より詳しくは遊技球1個分程度の幅となるように形成されている。右排出壁部483cには、下排出壁部483dと同じ向きに傾斜すると共に取付部482に向けて先細りとなるように形成された誘導壁484が形成されている。
第2排出部材481が第2案内部材471に取り付けられた状況下において、第2排出部材481の排出壁483は、開口部475の周囲を囲うようにして第2案内部材471の本体部472と当接する。第2案内部材471の開口部475から後方に案内された遊技球は、下排出壁部483dの傾斜に沿ってその左下部の排出口へと案内される。ここで、第2案内部材471の各搭載部477a,477bは、各第2センサ478a,478bの検出孔479が排出口の下方に位置するように形成されている。したがって、排出口に案内された遊技球は、各第2センサ478a,478bの検出孔479を通過し、さらに下部排出通路480を通過して下方に排出される。また、開口部475の右部から入賞した遊技球は取付部482により後方への移動を規制されることとなるが、右排出壁部483cと取付部482の間に形成された誘導壁484によって左下部の排出口へと案内され、各第2センサ478a,478bの検出孔479と下部排出通路480を通過して下方に排出される。つまり、第2可変入賞装置32bは、取付部482と排出壁483とにより形成される第2排出通路を備えており、第2案内部材471の開口部475から後方に案内された遊技球は、第2排出通路を経て第2メインセンサ478a,第2サブセンサ478bの検出孔479を通り、下部排出通路480を経て遊技機下方に排出される。
第2排出部材481の背面側には、後述する第2大入賞口中継基板491が取り付けられている。
このように、第2可変入賞装置32bは、第1可変入賞装置32aとほぼ左右対称となるように形成されている。
遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、より具体的には、摩擦抵抗を低減するべくフッ素配合のポリカーボネート樹脂が用いられている。レールユニット50は、内外二重に設けられた内レール部51と外レール部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、外レール部52は内レール部51の上方開放領域を囲むようにかつ内レール51の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。
内レール部51は、他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられている。また、外レール部52は、内レール部51と同様に他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられた支持部52aを有し、その支持部52aの内側面に、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするための摺動プレート52bが取り付けられている。摺動プレート52bは、長尺状をなすステンレス製の金属帯よりなり、複数箇所で支持部52aに支持されている。かかる場合、内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、これら各レール部51,52が所定間隔を隔てて対向する部分により球案内通路が形成されている。なお、内外のレール部51,52が対向する部位では、遊技盤30との当接部53により各レール部51,52が連結されており、球案内通路は手前側に開放した溝状に形成されている。
レールユニット50において、前記球案内通路より遊技球が飛び出す部位(図4の左上部)には戻り球防止部材54が取着され、該飛び出した遊技球の最大飛翔部分に対応する部位(図4の右上部)には返しゴム55が取着されている。戻り球防止部材54により、一旦球案内通路から遊技盤30の上部へと飛び出した遊技球が球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム55に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。
レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。ここで、レールユニット50の上下及び左右の各端部は略直線状に形成されている。つまり、レールユニット50の上下及び左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。レールユニット50は、遊技盤30上の遊技領域の最大幅となる位置が遊技盤30の左右端位置に至るように配設されている。なお、レールユニット50の球案内通路に対応する部位のなかでも特に遊技球の受け入れ部位に関しては、当該レールユニット50を強固に取り付けて遊技球の飛びを安定させるべく、該当するフランジ56が他よりも多い箇所(本実施の形態では3カ所、他は2カ所)でネジ止めされている。
内レール部51及び外レール部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。凸部57は、内レール部51の外周部から下方へ延びるように形成され、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路76(図3参照)に導く機能を有する。遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するためのスペース(図のSa,Sb)となっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58a,58bが形成されている。証紙等のシールを遊技盤30に直接貼り付ける構成とすることで、証紙等の不正な貼り直し等が行いにくいものとなっている。
遊技盤30においてレールユニット50よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。
次に、遊技領域について説明する。遊技盤30の盤面はレールユニット50(内外レール部51,52)により内外領域に区画され、略円形状に区画された内側領域が遊技領域とされている。特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て内レール部51及び外レール部52によって囲まれる領域のうち、内外レール部51,52の対向部分である球案内通路の領域を除いた領域として説明する。つまり、遊技領域は球案内通路部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール部52によってではなく内レール部51によって特定される。また、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定され、遊技領域の下側限界位置はアウト口36が形成された遊技盤30の下端位置によって特定され、遊技領域の上側限界位置は外レール部52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。すなわち、遊技領域の幅寸法は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上又は480mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の高さ寸法は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとすることができる。なお、遊技領域の幅又は高さが一定値以上となると、遊技領域の一部が遊技盤30の盤面を越えることも考えられるが、その越えた領域については他の部材を遊技盤面に沿って設けること等によって補えばよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、本実施の形態のように従来と同様の大きさの遊技盤30を使用している前提下では相当に遊技領域を拡大しているといえる。なお、パチンコ機10の外形は遊技ホールへの設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。なお、80%以上を確保するには遊技領域の形状を略円形状とすることは困難となるため、隅部(例えば右下隅部や右上隅部)を拡張したような形状とすることが好ましい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
遊技領域の拡張に関連して、可変表示ユニット35の両側に位置するスルーゲート34は、該ゲート34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の作動口33や各可変入賞装置32a,32bの方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。また、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、比較的大型の可変表示ユニット35を遊技領域中央に設けても、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34、風車37、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための三角釘等の誘導釘)、他の役物などを余裕をもって配設することができ、可変表示ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の流れが単調とならず、遊技球の挙動を存分に楽しませることができる。
遊技盤30の左右両側部に切欠38が形成されて本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉が回避されていること、レールユニット50において遊技盤30上の遊技領域の最大幅となる位置が遊技盤30の左右端位置にまで至るようになっていることは既に述べたが、更に後述するように、本体枠12の左右両側部に設けられる補強部材(軸受け金具235:図14参照)と施錠装置(基枠247、連動杆248等:図14参照)とを配置するための領域を残した幅となるようにして本体枠12に遊技盤30が取り付けられている。これらのことからも、遊技領域の拡張が図られている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース25において、窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース25に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後球案内通路を通じて遊技領域に案内される。前述のとおり遊技領域が従来よりも大幅に拡張されたことにより、球案内通路の曲率は小さくなっているため、打出球を安定化させるための工夫が必要となる。そこで、本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くして発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、また発射レール61を遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成することで発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で球案内通路に案内できるようにしている。さらに打出球の安定化を図るべく、発射レール61を設置した金属板62を大型化すると共に該金属板62を多数箇所(本実施の形態では15〜20カ所)でネジ止めしており、これにより発射レール61が遊技盤30に対して強固に位置決めされている。
発射レール61と球案内通路との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路76が設けられている。従って、仮に遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路76を介して下皿16に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部のファール球通路76に通じる隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が球案内通路内を逆流してくる際、その多くは外レール部52に沿って流れ、外レール部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は球案内通路内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路76に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路76に確実に案内され、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前扉枠13側の球出口(上皿23の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前扉枠13側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の発射基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材63,64を設置してある。これにより、前扉枠13側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には、基端部を中心に回動可能に支持された打球槌が設けられ、打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や槌シャフト部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(基端部と反対側の先端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果も得られる。
また、本体枠12の前面において発射レール61の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部245(図16参照)に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70は、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂材料により内部を視認可能に構成され、本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した状態で本体枠12と前扉枠13との間に収まるよう厚みが比較的薄くなるように形成されている。遊技球案内ユニット70には、前述のファール球通路76が一体的に形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。従って、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機10にあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。従って、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
樹脂ベース25には、窓孔26の右下部に略四角形状の小窓78が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部スペース(図4のSa)に貼られた証紙等は、この小窓78を通じて視認できるようになっている。この小窓78から遊技盤30上に証紙等を直接貼り付けることも可能である。
樹脂ベース25には、窓孔26の左上部にも小窓79が設けられている。この小窓79は、図4で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。樹脂ベース25の上部には、前扉枠13の開放の状態を検出するための前扉枠開放スイッチ27が設けられている。前扉枠開放スイッチ27は、樹脂ベース25の前面に出没可能なピンを有しており、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠13の閉鎖が検知され、本体枠12に対して前扉枠13を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠13の開放が検知されるようになっている。樹脂ベース25の左右2カ所には、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた際に前扉枠13背面の金具類(図10に示す補強板131〜134)に接触し、且つその金具類を本体枠12側に導通させてアース(接地)するための金属片28a,28bが取り付けられている。従って、金属片28a,28bを通じて、前扉枠13背面の金具類が本体枠12側の施錠装置やヒンジ金具に導通され、これら施錠装置やヒンジ金具と共にアースされる。
本体枠12の左端側(開閉軸線側)には、前扉枠13を開閉可能に支持するための支持機構として、上下一対の支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には上方へ突出する突起軸84が設けられている。なお、支持金具81,82に支持される前扉枠13の具体的構成については後述する。また、本体枠12の右端側(開閉軸線とは反対側)には、前扉枠13裏面側の開放端側に設けた上下一対の鉤金具155,156(図2参照)を挿入するための挿入孔87,88がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠12や前扉枠13を施錠状態とするための施錠装置が本体枠12の裏面側に隠れて配置される構成となっている。従って、鉤金具155,156が挿入孔87,88を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠13が本体枠12に対して開放不能に施錠される。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。この場合、シリンダ錠91は、遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。
図2に示すように、本体枠12には、シリンダ錠91を囲むようにして縦長状のカバー部材92が取り付けられている。詳細な図示は省略するが、カバー部材92には、その上端部及び下端部に係止部(フック)が形成されている。従って、上側の係止部を本体枠12側に係止させると共に、下側の係止部を本体枠12と前面板14との間に挟み込むことにより、カバー部材92が本体枠12に取り付けられる。前扉枠13には、カバー部材92の形状に合わせて切欠部145が形成されており、前扉枠13を閉鎖した状態ではこの前扉枠13と共にカバー部材92がパチンコ機前面部を構成する。なお、前扉枠13を閉鎖したとき、カバー部材92に形成された鍔部が前扉枠13により押さえられ、カバー部材92のがたつきが防止されるようになっている。
次に、前扉枠13について図1,図10を参照しつつ説明する。なお、図10は、前扉枠13の背面図である。
前扉枠13には遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は、円形に近い略楕円形状をなし、より詳しくは、その左右側の略中央部が上下側に比べて緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になる形状であってもよい。前扉枠13の窓部101上方において、最も狭い部位のフレーム幅は約61mmである。本実施の形態における上記フレーム幅寸法は、本体枠12において外レール部52の最上部(遊技領域の上端)と本体枠12の上端との間の距離とほぼ一致するものであって、85mm〜95mm程度の上記フレーム幅を有する従来機種に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域における上部領域の視認性が確保されやすくなると共に、大型の可変表示ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。窓部101上方のフレーム幅(最狭部位)の寸法は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下としても差し支えない。
前扉枠13の左右のフレーム部分は、フレーム幅を小さくするには制約があり、前扉枠13自体の強度及びガラス支持強度を確保するのに十分な幅寸法を必要とする。本実施の形態では、左右の各フレーム部分において最も狭い部位のフレーム幅を何れも約44mmとしている。この場合、本パチンコ機10にあっては遊技領域を大幅に拡張したことから、パチンコ機10の正面から見て左側すなわち開閉軸線側では、前扉枠13のフレーム幅が上記の通り約44mmとなるのに対し、レールユニット50の外レール部52の左端位置と本体枠12の左端位置との距離が約21mmとなり、後者の寸法がかなり小さいものとなっている。つまり本構成では、前扉枠13を閉鎖した状態において、球案内通路の一部が、前扉枠13の左側フレーム部分と重複し覆い隠されるようになる。しかしながら、球案内通路において遊技球が一時的に視認困難となったとしても、かかる球案内通路は遊技球が遊技領域に案内されるまでの通過領域に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。以上により、前扉枠13の十分な強度及びガラス支持強度を確保しつつも、遊技に何ら支障を及ぼすことなく遊技領域の拡張が可能となる。
前扉枠13の下端部における左右両側には、本体枠12表面や遊技盤30表面等(証紙等を含む)の一部を視認できるよう透明樹脂を取り付けた小窓107が設けられている。小窓107に取り付けられる透明樹脂は、その内部の証紙等を工場等で容易に機械読み取りできるよう平坦状に構成される。但し、小窓107に、内部の証紙等をホール作業者等が容易に目視できるよう拡大レンズ部を設けることも可能である。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり状態下や所定のリーチ演出時等において点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態下で点灯や点滅を行うことにより大当たり状態に移行していることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。なお、環状電飾部102は、内外二重の樹脂カバー層とその内側に収容された発射板付き発光体(LED)とよりなり、樹脂カバー層の各々の内側面には各層で縦横に交差する向きに突条(又は波状の突起)が設けられている。外側の樹脂カバー層は透明であり、内側の樹脂カバー層は有色である。従って、環状電飾部102を発光させれば、多数に分散化された状態、又は立体感を伴った状態の電飾が実現できるようになる。樹脂カバー層には、ガラス粉末入りの樹脂材料を用いると良い。このような樹脂カバー層の構成は、他の電飾部(例えば中央電飾部103や賞球ランプ105)に適用することもできる。
前扉枠13には、窓部101の下方位置に、貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部120によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部120が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部120の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。これにより、貸球操作部120を設けた本パチンコ機10の構成において、カードユニットを用いたパチンコ機(いわゆるCR機)と現金機との共用が可能となる。
前扉枠13の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図10に示すように、前扉枠13の裏側にあって窓部101の左右及び上下の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板131〜134による電気経路の閉じたループが切断され、ノイズの原因となる磁界の発生等が防止されている。
図10の右側となる開閉軸線側の補強板131にはその上端部及び下端部に、本体枠12に対する組付機構として、組付金具151,152が取り付けられている。そして、本体枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前扉枠13側の組付金具151,152が取り付けられている。すなわち、下側の組付金具152には下面に開口する軸穴が形成されており、その軸穴に下側の支持金具82の突起軸84が挿入される一方、上側の組付金具151の軸部が上側の支持金具81の支持孔83に挿入されることにより、本体枠12に対して前扉枠13が開閉可能に支持されている。また、同補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前扉枠13を閉じた状態で本体枠12の孔部12a(図3参照)に挿入されるように構成されている。これにより、上皿23を含む形態で前扉枠13を構成し、その上下の軸支間隔を長くした本パチンコ機10においても、中間位置における前扉枠13の浮き上がりが防止できる。それ故、前扉枠13を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
図10の左側となる開閉軸線とは反対側の補強板132には鉤形状をなす上下一対の鉤金具155,156が取り付けられている。これら鉤金具155,156は、後方に延び、本体枠12に設けた挿入孔87,88(図3参照)に対応するようにして設けられている。本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した際、鉤金具155,156が本体枠12側の挿入孔87,88に挿入されて施錠装置により施錠状態とされるようになっている。
下側の補強板134には、前記発射レール61に対向する位置に樹脂ケース136が取り付けられている。樹脂ケース136には、前記貸球操作部120用の回路基板が収容されている。樹脂ケース136の背面(図10に見える面)は平坦状をなし、前扉枠13を閉じた際に発射レール61の側壁を構成するようになっている。故に、発射レール61から遊技球が前方にこぼれ落ちることが防止される。
下側の補強板134の一部を切り欠いた部位には、パチンコ機10後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機10後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の内側が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。ガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されている。
前述した通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前扉枠13を閉じた状態にあっては、内外のレール部51,52間に形成された球案内通路の一部が前扉枠13により覆い隠される構成となっている。それ故、球案内通路では手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らず戻ってくると、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前扉枠13に、球案内通路の手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。レールカバー140は略円弧状をなす板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記球案内通路の形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、球案内通路の基端部から先端部近傍までの区間を覆うようになっている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前扉枠13に取着した図10の状態で右端となる部位)には、球案内通路がガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。以上のレールカバー140の構成により、前扉枠13が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が球案内通路のほぼ全域を覆うこととなって、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
また、レールカバー140の下部裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ後方へ向けて突出する突条142が形成されている。突条142は、前扉枠13が閉じられた状態において、球案内通路内に入り込んだ状態で内レール部51に重なり合うように配置される。従って、例えば前扉枠13と本体枠12との隙間から針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、球案内通路の内側にある遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金やフィルム等を侵入させにくくなり、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。なお、図11はパチンコ機10の背面図、図12はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主基板)と音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、発射制御装置312(発射制御基板)及び電源装置313(電源基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図13の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
各ユニット201〜203を回動可能に支持する支軸部M1,M4,M6は、各ユニット201〜203をパチンコ機10の裏面から開いた状態で容易に取り外し可能なヒンジ構造となっている。簡単に説明すると、第1制御基板ユニット201については、締結部M2の締結及び係止爪部M3の係止を解除すると共に、当該ユニット201を軸線Aを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203がない前提であれば、第1制御基板ユニット201を取り外すことができる。また、第2制御基板ユニット202については、締結部M5の締結を解除すると共に、当該ユニット202を軸線Bを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、第2制御基板ユニット202を取り外すことができる。さらに、裏パックユニット203については、締結部M7の締結及び係止部M8,M9の係止を解除すると共に、当該ユニット203を軸線Cを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203を取り外すことができる。
ここで、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。この場合、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部重複して設けられるため、裏パックユニット203を開かないことには第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能であり、さらに言うと、第1制御基板ユニット201及び裏パックユニット203が各々逆方向に展開する構成であるため、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能である。従って、第1制御基板ユニット201を取り外すことに着目すると、他のユニット202,203に比べて取り外しが困難な構成となっている。さらに、施錠装置をキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっているため、より一層第1制御基板ユニット201の取り外しが困難なものとなっている。より具体的な構成については後述する。
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。なお、図14は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図16は本体枠12を後方より見た斜視図、図17は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図14にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、下部1カ所の係止固定具212は合成樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図4参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット215の下方には、前記一般入賞口31、各可変入賞装置32a,32b、作動口33の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、本体枠12にポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、排出通路盤217には排出球をパチンコ機10外部の例えば遊技ホールの島設備等へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図14に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも集合板ユニット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
ここで、各可変入賞装置32a,32bに入賞した遊技球の排出経路について説明する。図15は、各可変入賞装置32a,32bに入賞した遊技球の排出経路を示す要部断面図である。なお、図15では、各排出部材431,481の取付部432,482及び各大入賞口中継基板441,491を取り外して遊技機背面側から見た状態を示している。
第1大入賞口411から入賞した遊技球は、上述した通り、第1案内通路を経て開口部425から第1排出部材431に案内される。第1排出部材431に案内された遊技球は、下排出壁部433dの傾斜に沿って左下方へと案内され、各第1センサ428a,428bの検出孔429を通過して下方に排出される。
第2大入賞口461から入賞した遊技球は、上述した通り、第2案内通路を経て開口部475から第2排出部材481に案内される。第2排出部材481に案内された遊技球は、下排出壁部483dの傾斜に沿って右下方へと案内され、各第2センサ478a,478bの検出孔479と下部排出通路480を通過して下方に排出される。
ここで、第1可変入賞装置32aには、右排出壁部433aと、上排出壁部433bと、左排出壁部433cと、下排出壁部433dとより構成される第1排出通路と隣り合うようにして、第1案内部材421の後案内壁部424と、第1排出部材431の取付部432と、左排出壁部433cと、起立壁435とより構成される上下貫通路が形成されている。この上下貫通路は、第2可変入賞装置32bの下部排出通路480と当接するように形成されているため、下部排出通路480を通過して下方に排出された遊技球は、第1可変入賞装置32aに形成された上下貫通路を通過して下方に排出される。
各第1センサ428a,428bの検出孔429を通過して下方に排出された遊技球と、上下貫通路を通過して下方に排出された遊技球は、排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される(図14参照)。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に集合板ユニット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複していない。従って、遊技盤30を本体枠12から取り外す際において、排出通路盤17が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿23の裏側に配置されており、上皿23に至る球排出口(図2の球通路樋138)より針金やフィルム等を差し込み、さらにその針金やフィルム等を本体枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで、本パチンコ機10では、図16に示すように、排出通路盤217には、球通路樋138の上部位置に対応する高さ位置に、本体枠12に重なり合うようにしてパチンコ機10前方に延びるプレート219を設けた。従って、本体枠12と排出通路盤217との隙間から針金やフィルム等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して可変入賞装置32を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
入賞検知機構について説明すると、図14に示すように、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられている。また、上述した通り、第1可変入賞装置32aには、第1メインセンサ428aと第1サブセンサ428bとが上下に近接するようにして設けられており、第2可変入賞装置32bには、第2メインセンサ478aと第2サブセンサ478bとが上下に近接するようにして設けられている。これら各センサ428a,428b,478a,478bは、対応する可変入賞装置32a,32bに入賞した遊技球を検出するためのセンサである。また、作動口33に対応する位置には作動口33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続されている。第1メインセンサ428aは電気配線を通じて第1大入賞口中継基板441に接続され、第2メインセンサ478aは電気配線を通じて第2大入賞口中継基板491に接続されている。そして、盤面中継基板226及び各大入賞口中継基板441,491が主制御装置271に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271に接続されている。また、第1サブセンサ428b及び第2サブセンサ478bは、中継基板を介さずに電気配線を通じて表示制御装置214に接続されている。その他図示は省略するが、作動口33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果が主制御装置271に取り込まれた場合、該主制御装置271よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、払出制御装置311の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。ここで、従来のいわゆる証拠球方式では、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行うようにしていたが、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に検知して払出が直ちに行われるようにしているため、払い出す遊技球が多量にあってもその払出をいち早く実施することが可能となるとともに、入賞球処理装置が不要となる。なお、詳細は後述するが、第1サブセンサ428b及び第2サブセンサ478bにて検出された検出結果が表示制御装置214に取り込まれた場合には、当該検出結果に基づいて大当たり状態下における図柄表示装置41の表示制御が行われる。つまり、主制御装置271と表示制御装置214は、異なる入賞検出機構に基づいて各可変入賞装置32a,32bの入賞状況を把握している。
集合板ユニット215には、その右上部に盤用外部端子板230が設けられている。盤用外部端子板230には、第1図柄の変動が停止(確定)する毎に信号出力するための出力端子と、大当たり状態又は第1図柄の変動時間短縮時に信号出力するための出力端子と、大当たり状態下で信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。なお、図14に示すように、本体枠12裏側の左下部には、打球槌等を備えるセットハンドル228及び発射モータ229が設けられている。
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。この軸受け金具235は補強部材としても機能する。図18に示すように、軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。なお、第2制御基板ユニット202用の軸受け部237と裏パックユニット203用の軸受け部238とを各々個別の軸受け金具で構成することも可能である。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。なお、裏パックユニット203は、その上部に大量の遊技球を貯留することから、裏パックユニット203の上部を支持するための固定具241,242に関しては特に十分な強度を持つ構成とするのが望ましく、本実施の形態では回動式の固定具を用いている。
上記の如く本体枠12の左右一側部(図14では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図14では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。連動杆248は、シリンダ錠91の操作により上下いずれかの方向に移動する。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方向に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方向に移動すると、本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除される。
なお、本体枠12の左右側部に軸受け金具235と施錠装置(基枠247、連動杆248等)とが振り分けられる上記構成において、これら軸受け金具235及び施錠装置(基枠247、連動杆248等)を配置するための領域を残した幅となるようにして、本体枠12に前記遊技盤30が取り付けられている。これによっても遊技領域の拡張が図られていることは前述した通りである。
本体枠12の背面における遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿23、下皿16又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。遊技球分配部245は、左側の開口部245aが第1排出口66を介して上皿23に通じ、中央の開口部245bが第2排出口67を介して下皿16に通じ、右側の開口部245cが排出通路218に通じるように、各通路が形成されている。遊技球分配部245は、本体枠12に対してネジ等により強固に取り付けられている。従って、遊技球分配部245の設置部位における浮き上がりが防止され、隙間から針金やフィルム等を侵入させることによる不正行為が防止できるようになっている。なお、本体枠12の下端部には、奥壁パネル17の裏側に設置されたスピーカ20の背後を囲むための合成樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、スピーカボックス246がスピーカ音を後方へ逃さないように機能することで低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図19〜図22に基づいて説明する。図19は第1制御基板ユニット201の正面図、図20は同ユニット201の斜視図、図21は同ユニット201の分解斜視図、図22は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置272とが搭載されている。主制御装置271は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。なお、基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニット274によってかしめられることにより開封不能に連結され、これにより基板ボックス273が封印されている。
封印ユニット274はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図20等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット274による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット274を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合発生の際や主基板の検査の際など基板ボックス273を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス273の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス273に残しておけば、基板ボックス273を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。ちなみに、ボックスベースとボックスカバーを封印する封印手段は、上述したかしめを用いるものに限らず、例えば封印シールを用いてもよい。封印シールとは、ボックスベースとボックスカバーとに跨るようにして貼り付けされると共に、剥がされた場合には痕跡が残るシールのことである。なお、表示制御装置214も、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート等を含む表示制御基板を具備しており、該表示制御基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。但し、表示制御装置214の基板ボックスは、主制御装置271の基板ボックス273と異なり封印手段による封印がなされていない。
音声ランプ制御装置272は、例えば主制御装置271又は表示制御装置214からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス275に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置272上には電源中継基板276が搭載されており、電源装置313の電源が電源中継基板276を介して表示制御装置214及び音声ランプ制御装置272に供給されるようになっている。
取付台251は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、例えば緑や青等に着色されて不透明とされている。但し、取付台251は無色透明又は半透明であってもよい。取付台251の表面には平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は縦横に直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。基板搭載面252の上縁部及び下縁部にはそれぞれ、基板搭載面252より起立した起立部254が一体成形されている。そして、横長の基板搭載面252上に主制御装置271が配置されると共に、縦長の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、主制御装置271は、上下の側部が起立部254にて支えられる。また、音声ランプ制御装置172は、複数箇所でネジ等により基板搭載面253に固定される。
ここで、図21及び図22に示すように、基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔256が形成されている。一方、主制御装置271の基板ボックス273には、その裏面の左右2カ所に回動操作式の固定具277が設けられている。主制御装置271を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔256に固定具277が挿通されるように主制御装置271を載置し、その状態で固定具277を回動操作することで主制御装置271がロックされる。従って、主制御装置271は第1制御基板ユニット201の裏面側から固定具277をロック解除しなければ取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
また、取付台251において、主基板用の基板搭載面252の下方には、基板搭載面252の裏面空間に通じる開口を遮蔽するための遮蔽部257が設けられている。従って、基板搭載面252の下方より取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具277のロック状態を不正に解除することができないようになっている。また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態では、当該ユニット201の上部が裏パックユニット203により覆われるため、やはり取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具277のロック状態を不正に解除することができないようになっている。
前述した通り、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ取り外すことが不可能であり、また、施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっている。つまり、本体枠12を開くことができなければ、結果的に第1制御基板ユニット201を回動させたり取り外すことができず、ひいては主制御装置271の取り外しも不可能となる。それ故、主制御装置271の不正な載せ替えや盗難等を効果的に防止することができる。
主制御装置271は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置272はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を搭載した状態において各制御装置271,272はその一部を前後に重ねて配置される。つまり、図20等にも見られるように、主制御装置271はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置される。故に、主制御装置271に重なる領域まで音声ランプ制御装置272を拡張することが可能となり、また別の見方をすれば音声ランプ制御装置272に重なる領域まで主制御装置271を拡張することが可能となり、パチンコ機10という限られた大きさの中にあっても、各制御基板271,272の大型化に良好に対処できるとともに、各制御装置271,272を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。なお、基板搭載面252の裏面には格子状のリブ258が設けられており、主制御装置271の支持強度が高められている。
取付台251の左端面には上下一対の掛止ピン261が設けられており、この掛止ピン261を前記軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持される。取付台251の右端部には前記被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ262が設けられている。取付台251の上端部には前記係止爪片233が係止される長孔263が設けられている。従って、ナイラッチ262を被締結孔232にはめ込むと共に、長孔263に係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、軸受け金具231及び掛止ピン261が前記支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ262が前記締結部M2に、係止爪片233及び長孔263が前記係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図23〜図25に基づいて説明する。図23は第2制御基板ユニット202の正面図、図24は同ユニット202の斜視図、図25は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311及び発射制御装置312は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板により、賞球や貸出球の払出が制御される。発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われる。また、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、主制御装置271と同様、被包手段を構成する基板ボックス315がボックスベースとボックスカバーとを備え、それらが封印手段としての封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、後述する払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。基板搭載面302には、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が横並びとなった状態で搭載され、ネジ等で固定されている。電源装置313の基板ボックス317上には略平板状の台座プレート303が載置されるとともに台座プレート303上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。払出制御装置311と電源装置313との間には台座プレート303が介在するため、例えばノイズ除去用の金属プレート等を設置するには台座プレート303に金属プレート等を取り付ければ良く、ノイズ対策が簡単に実現できる。
取付台301には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン305が設けられており、掛止ピン305を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台301の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。なお、軸受け部237及び掛止ピン305が前記支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が前記締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を図26〜図28に基づいて説明する。図26は裏パックユニット203の正面図、図27は裏パックユニット203の分解斜視図である。図28はタンクレールの分解斜視図である。
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置272も併せて囲む構成となっている。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置214等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができるようになっている。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記上皿23等に供給される。なお、図示は省略するが、ケースレール357の上流部には、タンク355やタンクレール356から供給される遊技球の有無を検出するタンク球無しセンサが設けられている。また、払出装置358には、払出モータ358aの回転を検出する払出回転センサと、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチとが設けられている。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。バイブレータ360は、バイブモータとそのバイブモータを収容する合成樹脂製のケースとによりユニット化されており、2本の脚部360aでタンクレール356に取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
タンクレール356の構成ついて詳述すると、図28に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有している。レール本体361の上流部には球面状の球受部362が形成され、球受部362によりタンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれるようになっている。レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に塵埃を落下させるための開口部365が設けられている。レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。整流板367は、下流側ほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、その下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが発生し難くなっている。なお、レール本体361が帯電防止のために黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は球詰まり等を目視で確認できるように透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。整流板367には、遊技球の流下を阻止するための手動式のストッパ369が取り付けられている。
図26,図27の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
裏パック351には、枠用外部端子板390に隣接して略四角形状の窓部391が設けられている。従って、裏パックユニット103を本体枠12に取り付けた状態では、窓部391を通じて遊技盤30裏面の盤用外部端子板230が露出し、裏パックユニット103を装着したままで盤用外部端子板230の操作を行うことができるようになっている。前述のとおり、盤用外部端子板230は取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられていることから、盤用外部端子板230の配線を接続したままで、窓部391を介して当該盤用外部端子板230を取り出すことも可能となる。裏パック351の右上部には本体枠12の開放の状態を検出するための本体枠開放スイッチ392が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉じた状態では当該スイッチ392の金属接点が閉じて本体枠12の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠12を開いた状態では金属接点が開いて本体枠12の開放が検知されるようになっている。
裏パック351には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。なお、軸受け部238及び掛止ピン385が前記支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が前記締結部M7に、固定具242及び係止孔387が前記係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が前記係止部M9に相当する。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図29のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置271には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込み処理(図43参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図32参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
主制御装置271のCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。主制御装置271の入力側には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。これに加えて、主制御装置271の入力側には、各可変入賞装置32a,32bへの遊技球入賞を検出する各メインセンサ428a,478aが各大入賞口中継基板441,491を介して接続されている。つまり、各可変入賞装置32a,32bの入賞状況は、主制御装置271により把握されている。但し、各可変入賞装置32a,32bに設けられた各サブセンサ428b,478bは、主制御装置271bと接続されていない。一方、主制御装置271の出力側には、払出制御装置311、表示制御装置214や、各可変入賞装置32a,32bの大入賞口ソレノイド417,467等が接続されている。また、第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプのスイッチや第2特定ランプ部48に配設されたLEDランプのスイッチも接続されている。これにより、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48は、主制御装置271により直接的に制御されることとなる。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置271のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置271のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により、NMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置271、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置214は、図柄表示装置41における第1図柄(特別図柄)の変動表示や大当たり状態下の大当たり動画を制御するものである。表示制御装置214は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には、主制御装置271の出力側と、各可変入賞装置32a,32bへの遊技球入賞を検出する各サブセンサ428b,478bが接続されている。但し、各メインセンサ428a,478aは、入力ポート527の入力側に接続されていない。入力ポート527の出力側には、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には音声ランプ制御装置272が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には図柄表示装置41が接続されている。
表示制御装置214のCPU521は、主制御装置271から送信される図柄表示コマンド等の各種コマンドや、各サブセンサ428b,478bの検出結果に基づいて図柄表示装置41の表示を制御する。プログラムROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや大当たり状態下で表示される各種動画データ等の固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、図柄表示装置41に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、図柄表示装置41の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置271や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置271や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置271のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置271及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置271及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込み処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込み処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置271及び払出制御装置311は、NMI割込み処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置271及び払出制御装置311のバックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。RAM消去スイッチ323が押された際、RAM消去スイッチ回路543は、主制御装置271及び払出制御装置311に対してRAM消去信号SG2を出力する。これにより、RAM消去スイッチ323が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御装置271及び払出制御装置311においてそれぞれのバックアップエリア503a,513aのデータがクリアされる。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について、図30に基づいて説明する。
図柄表示装置には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各主図柄及び副図柄がそれぞれ第1図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。この場合において、「0」,「1」,「3」,「5」,「7」,「8」,「9」の数字が付された主図柄は「高確率図柄」に相当し、当該高確率図柄で大当たりが発生した場合、遊技状態が大当たり状態に移行すると共に、さらにその後、特典遊技状態としての高確率状態に移行する。また、「2」,「4」,「6」の数字が付された主図柄は「低確率図柄」に相当し、当該低確率図柄で大当たりが発生した場合、大当たり状態には移行するものの、大当たり状態終了後は高確率状態に移行することなく通常状態に移行する。なお、高確率状態とは、大当たり状態の終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変状態のことをいい、通常状態(低確率状態)とはそのような高確率状態でない遊技状態をいう。また、第1特定ランプ部47においては、大当たり状態終了後に高確率状態に移行する確変大当たりの場合に赤色が表示され、大当たり状態終了後に通常状態に移行する通常大当たりの場合に緑色が表示される。
そして、図柄表示装置41には、各図柄列毎に20個の第1図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。特に、左図柄列においては主図柄の数字が降順に現れ、中図柄列及び右図柄列においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。図柄表示装置41には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置41には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。また、図柄表示装置41には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば大当たり発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置271内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部47の発光色の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定や各可変入賞装置32a,32bの開放回数の設定などを行うこととしており、具体的には、図31に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、各可変入賞装置32a,32bの開放回数を設定する際に使用する開閉態様カウンタC4と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置41の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C4,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び開閉態様カウンタC4の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率状態と高確率状態とで2種類設定されており、低確率状態下で大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率状態下で大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たり状態の終了後に高確率状態に移行させるか否かを決定することとしており、例えば、C2=0〜34が大当たり状態終了後に高確率状態に移行する確変大当たりに該当し、C2=35〜49が大当たり状態終了後に通常状態に移行する通常大当たりに該当する。また、大当たり種別カウンタC2により、第1図柄が変動を停止した際の図柄の組合せ及び当該図柄の組合せを停止させる位置も決定される。即ち、本実施の形態では、図柄表示装置41において有効ラインが5ライン設定されており、特定図柄(主図柄)が10通り設定されていることから、50個のカウンタ値によって全てのパターンが設定されていることとなる。そして、C2=0〜34のとき、即ち確変大当たりのときには、高確率図柄の組合せと当該高確率図柄の組合わせを停止させる位置とが一義的に決定される。一方、C2=35〜49のとき、即ち通常大当たりのときには、低確率図柄の組合せと当該低確率図柄の組合わせを停止させる位置とが一義的に決定される。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチが発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチが発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、遊技状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
開閉態様カウンタC4は、例えば0〜104の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり104)に達した後0に戻る構成となっている。前述した通り、本実施形態では、払い出される賞球数が異なる2種類の可変入賞装置32a,32bが設けられている。そして、開閉態様カウンタC4によって、各可変入賞装置32a,32bの大入賞口411,461を開放させる回数を決定することとしている。これは、大当たり状態下で払い出される賞球数に変化を持たせるための工夫であり、大当たり図柄の組合せと大当たり状態下で払い出される賞球数とを一義的に関連付けないための工夫である。開閉態様カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置41の表示態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置41において変動表示される第1図柄の変動時間に相当する。従って、当該第2変動種別カウンタCS2によって、図柄表示装置41においてリーチが発生した後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様も決定されることとなる。つまり、これらの両変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、第1図柄の変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え開始時及び第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。また、図示は省略するが、第2特定ランプ部48の抽選には第2特定ランプ乱数カウンタC5が用いられる。第2特定ランプカウンタC5は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2特定ランプ乱数カウンタC5は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次いで、主制御装置271内のCPU501により実行される各制御処理を図32〜図43のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図41は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置271のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図41において、ステップS901では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置271に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS902では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS903では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び開閉態様カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び開閉態様カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238,104)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS904では、作動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図42のフローチャートにより説明すると、ステップS1001では、遊技球が作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が作動口33に入賞したと判別されると、続くステップS1002では、第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。作動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS1003に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。続くステップS1004では、前記ステップS903で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び開閉態様カウンタC4の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
なお、遊技球が作動口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い図柄表示装置41による第1図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、第1図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(ステップS1004)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットすることとしている。具体的には、上記始動入賞処理は2msec周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C4の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する第1図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定されるようになっている。
図43は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置271のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。このNMI割込みにより、電源遮断時の主制御装置271の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置271内のCPU501のNMI端子に出力され、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。図43のNMI割込み処理プログラムは、主制御装置271のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置271の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理において、ステップS1101では使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS1102ではスタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS1103では電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS1104では電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。ステップS1105ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS1106では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図43のNMI割込み処理を開始する。その内容はステップS1104の電源遮断通知コマンドの送信を行わない点を除き上記説明と同様である。
図32は、主制御装置271内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
メイン処理において、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置272、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し、続くステップS105ではRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(ステップS114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114〜S116)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源遮断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では電源遮断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では電源遮断の発生情報をクリアする。ステップS110ではサブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。また、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源遮断前の状態に復帰させた後、電源遮断前の番地へ戻る。
次に、通常処理の流れを図33のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、図柄表示装置41による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、最終停止コマンド等を表示制御装置214に送信する。なお、第1図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドを送信し、変動時間経過のタイミングで最終停止コマンドを送信するようになっている。さらに、大当たり状態への移行に際して状態移行コマンドを送信し、各可変入賞装置32a,32bの開閉扉412,462の開閉に応じて開放コマンドや閉鎖コマンドを表示制御装置214に送信する。
次に、ステップS202では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれの値を0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を説明すると、図34に示すように、ステップS301では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS302では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(ステップS301がYES)であればステップS303に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS302がYES)であればステップS304に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS301,S302が共にNO)であればステップS305に進み、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS303〜S305の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS306では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、大当たり図柄の組み合わせである場合、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組み合わせでない場合、ステップS307では、リーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS308では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS309に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS310に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせでなく、且つリーチ図柄の組み合わせでもない場合(ステップS306,S307が共にNOの場合)、これは外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっていることに相当し、かかる場合には、ステップS311に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の完全外れ図柄バッファに格納する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理の後、図33のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。この第1特定ランプ部制御処理により、大当たり判定や第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置41による第1図柄の変動表示の設定も行われる。但し、第1特定ランプ部制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS206では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が大当たり状態や高確率状態に移行する。
ステップS207では、第2特定ランプ部48に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。簡単に説明すると、遊技球がスルーゲート34を通過したことを条件に、その都度の第2特定ランプ乱数カウンタC5の値が取得されると共に第2特定ランプ部48に表示される色の切り替え処理が実施される。そして、第2特定ランプ乱数カウンタC5の値により表示される色の抽選が実施され、赤色が選択されると、作動口33に付随する電動役物が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第2特定ランプ乱数カウンタC5も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び開閉態様カウンタC4と同様に、図41に示すタイマ割込み処理により更新されるようになっている。
その後、ステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS210では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれの値を0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に両変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
次に、前記ステップS205の第1特定ランプ部制御処理を図35〜図37のフローチャートを参照して説明する。
第1特定ランプ部制御処理において、ステップS401では、今現在の遊技状態が大当たり状態であるか否かを判別し、大当たり状態である場合にはそのまま本処理を終了する。遊技状態が大当たり状態である場合には、第1特定ランプ部47に、赤色又は緑色が継続表示される。大当たり状態でない場合には、ステップS402にて第1特定ランプ部47が切り替え表示中であるか否かを判別する。第1特定ランプ部47が切り替え表示中でない場合にはステップS403に進み、第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。そして、作動保留球数Nが0である場合には、そのまま本処理を終了する。
作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを開始する切替開始処理を実行する。具体的には、表示される色の切り替え時期を判断するためにタイマをリセットし、さらに第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプの現在オンとなっている光源のスイッチをオフ制御した上で、赤色光源のスイッチをオン制御する。これにより、第1特定ランプ部47には、赤色が表示される。なお、大当たり状態の終了後でない場合には、切り替え表示開始前は青色光源のスイッチがオンとなっており、大当たり状態の終了後である場合には、赤色光源又は緑色光源のスイッチがオンとなっている。また、この切替開始処理においては、上記処理を行うのと共に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている第2変動種別カウンタCS2の値を確認し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間を決定する。なお、第2変動種別カウンタCS2の数値と表示される色の切替表示時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
その後、ステップS407では、第1図柄の変動開始処理を実行する。ここで、図36のフローチャートを用いて第1図柄変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS501では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。前述した通り、通常状態たる低確率状態下であれば大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率状態下であれば「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合にはステップS502に進み、大当たり状態設定処理を行う。大当たり状態設定処理とは、大当たり状態に移行した後の各大入賞口411,461の開放回数を設定する処理である。大当たり状態設定処理では、図37のフローチャートに示す通り、先ずステップS601にて保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が34以下か否かを判定する。大当たり種別カウンタC2の値が34以下である場合には確変大当たりが発生することを意味する。そこで、ステップS602にて確変フラグをセットすると共にステップS603では確変大当たりテーブルを参照し、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている開閉態様カウンタC4の値と対応する各大入賞口411,461の開放回数を求める。
ここで、確変大当たりテーブルとは、図38(a)に示すように、開閉態様カウンタC4の値と、大当たり状態下での各大入賞口411,461の開放回数との対応関係を表すテーブルである。
本実施形態では、大当たり状態下における各大入賞口411,461を開放させる開放パターンが5パターン設定されている。より具体的には、大入賞口の開放パターンとして、第1大入賞口411を15ラウンド全て開放させる開放パターン1と、1〜3ラウンドまで第2大入賞口461を開放させると共に4〜15ラウンドまで第1大入賞口411を開放させる開放パターン2と、1〜6ラウンドまで第2大入賞口461を開放させると共に7〜15ラウンドまで第1大入賞口411を開放させる開放パターン3と、1〜9ラウンドまで第2大入賞口461を開放させると共に10〜15ラウンドまで第1大入賞口411を開放させる開放パターン4と、1〜12ラウンドまで第2大入賞口461を開放させる共に13〜15ラウンドまで第1大入賞口411を開放させる開放パターン5とが設定されている。そして、C4=0〜53が開放パターン1に該当し、C4=54〜83が開放パターン2に該当し、C4=84〜95が開放パターン3に該当し、C4=96〜101が開放パターン4に該当し、C4=102〜104が開放パターン5に該当する。つまり、確変大当たりが発生する場合、開放パターン1が選択される割合は約51.4パーセントであり、開放パターン2が選択される割合は約28.6パーセントであり、開放パターン3が選択される割合は約11.4パーセントであり、開放パターン4が選択される割合は約5.7パーセントであり、開放パターン5が選択される割合は約2.9パーセントである。従って、確変大当たりが発生する場合には、開放パターン1が最も選択されやすい。
続くステップS604では、確変大当たりテーブルから求めた第2大入賞口461を開放させる回数を開放カウンタOCにセットし、本処理を終了する。例えば、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている開閉態様カウンタC4の値が77である場合、確変大当たりテーブルの対応する内容は開放パターン2である。開放パターン2では第2大入賞口461の開放が3回行われるため、開放カウンタOCに3をセットする。
一方、ステップS601において大当たり種別カウンタC2の値が34より大きい場合には、通常大当たりが発生することを意味する。かかる場合にはステップS605に進み、通常大当たりテーブルを参照し、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている開閉態様カウンタC4の値と対応する各大入賞口411,461の開放回数を求める。通常大当たりテーブルとは、確変大当たりテーブルと同様、開閉態様カウンタC4の値と、大当たり状態下での各大入賞口411,461の開放回数との対応関係を表すテーブルである。図38(b)に示すように、通常大当たりテーブルでは、C4=0〜13が開放パターン1に該当し、C4=14〜27が開放パターン2に該当し、C4=28〜41が開放パターン3に該当し、C4=42〜55が開放パターン4に該当し、C4=56〜104が開放パターン5に該当する。つまり、通常大当たりが発生する場合、開放パターン1〜開放パターン4が約13.3パーセントの割合で均等に選択され、約46.7パーセントの割合で開放パターン5が選択される。従って、通常大当たりが発生する場合には、確変大当たりが発生する場合と異なり、開放パターン5が最も選択されやすい。
続くステップS606では、通常大当たりテーブルから求めた第2大入賞口461を開放させる回数を開放カウンタOCにセットし、本処理を終了する。例えば、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている開閉態様カウンタC4の値が77である場合、通常大当たりテーブルの対応する内容は開放パターン5である。開放パターン5では第2大入賞口461の開放が12回行われるため、開放カウンタOCに12をセットする。
大当たり状態設定処理に続き、ステップS503では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応する図柄、すなわち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり種別カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、大当たり種別カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。
次に、ステップS504では、大当たり図柄で停止するまでの第1図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている両変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上述したように、第2変動種別カウンタCS2の値により第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間が決定される。従って、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係を規定するテーブル等は、第2変動種別カウンタCS2の数値と第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間との関係を規定するテーブル等と対応付けられている。これは、後述する前後外れリーチ表示、前後外れ以外リーチ表示、完全外れ表示を行う場合における変動パターンの設定でも同様である。
ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS505で、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS506で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合、ステップS507に進み、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS508では、前後外れリーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS504と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている両変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
前後外れ以外リーチ発生の場合、ステップS509に進み、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS510では、前後外れ以外リーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS504等と同様である。
大当たりでなくリーチでもない場合、ステップS511に進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS512では、完全外れ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている両変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS504等と同様である。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
図35の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1特定ランプ部47に表示される色が切り替え表示中である場合には、ステップS408に進み、切替表示時間が経過したか否かを判別する。上述したように、第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間は予め設定されており、この切替表示時間が経過した時にステップS408が肯定判別される。ステップS408において切替表示時間が経過していないと判別された場合には、ステップS409において表示色切替処理を実行する。この表示色切替処理により、各光源のスイッチがオンオフ制御され、第1特定ランプ部47に表示される色が切り替えられる。具体的には、切替開始処理においてリセットされたタイマが所定時間(例えば、1sec)経過したかどうかが判別され、所定時間経過していた場合には、現在オンとなっている光源のスイッチをオフ制御した上で、予め設定されているフラグを確認し、当該フラグに基づいて所定の光源をオン制御すると共に、フラグのセット及び消去処理を行う。このフラグは第1フラグ、第2フラグというように2種類設定されており、これら2種類のフラグの状態により次にオン制御する光源が決定される。例えば、第1フラグが0であり、第2フラグが1の場合には、緑色光源のスイッチをオン制御し、さらに第2フラグを消去する(両フラグが0の状態となる)。また、両フラグが0の場合には、青色光源のスイッチをオン制御し、さらに第1フラグをセットする(第1フラグが1、第2フラグが0の状態となる)。また、第1フラグが1であり、第2フラグが0の場合には、赤色光源のスイッチをオン制御し、さらに第1フラグを消去し、第2フラグをセットする(第1フラグが0、第2フラグが1の状態となる)。なお、切替開始処理においては、赤色光源のスイッチがオン制御された後に、第1フラグが0、第2フラグが1に設定される。これにより、赤色、緑色、青色の順序で第1特定ランプ部47に表示される色が変更され、前記順序の色の切り替えが繰り返し行われることとなる。一方、前記タイマが所定時間経過していなかった場合には、光源のスイッチのオンオフ制御を行うことなく本処理を終了する。
ステップS408において切替表示時間が経過したと判別された場合には、ステップS410において切替終了処理を実行する。この切替終了処理は、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替えを最終的にどの色で停止させるかを判別し、判別された色の光源をオン制御するための処理である。具体的には、まず現在オンとなっている光源のスイッチをオフ制御する。その後、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を再度確認し、確変大当たりが当該遊技回において発生する場合には、赤色光源のスイッチをオン制御し、通常大当たりが当該遊技回において発生する場合には、緑色光源のスイッチをオン制御し、当該遊技回において大当たりが発生しない場合には、青色光源のスイッチをオン制御する。これにより、それぞれの遊技結果に応じた色が第1特定ランプ部47に表示されることとなる。なお。ここで設定された表示色は、次回の切替開始処理まで維持される。この切替終了処理が行われた後、S411において、停止図柄の確定のために設定されている最終停止コマンドを設定し、その後本処理を終了する。
なお、この第1特定ランプ部制御処理において設定された停止図柄コマンドや変動パターンのコマンド、最終停止コマンドなどは、上述した図33の通常処理における外部出力処理において表示制御装置214に対して出力され、表示制御装置214は、これらのコマンドに基づいて図柄の変動態様等の細かな表示内容を決定し、図柄表示装置41を直接的に表示制御する。これにより、図柄表示装置41の表示画面において図柄の変動表示が行われる。
次に、前記ステップS206の遊技状態移行処理を図39のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS701では、現在の遊技状態が大当たり状態か否かを判別する。大当たり状態でない場合にはステップS702に進み、大当たり図柄の組合せで最終停止する大当たり変動が終了したか否かを判別する。具体的には、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、切替表示時間の経過とに基づいて判別を行う。大当たり変動が終了していない場合にはそのまま本処理を終了し、大当たり変動が終了した場合には、ステップS703〜ステップS705に示す大当たり状態開始処理を行う。大当たり状態開始処理では、ステップS703において、RAM503に設けられたラウンドカウンタRCに15をセットする。ラウンドカウンタRCは、いずれかの大入賞口が開放された回数をカウントするためのカウンタである。その後、ステップS704では一方の大入賞口を開閉させる開閉タイミングを計るためのタイマに5000(すなわち10秒)をセットし、続くステップS705では状態移行コマンドをセットして本処理を終了する。ここで、状態移行コマンドとは表示制御装置214に送信されるものである。表示制御装置214は、当該コマンドを受信することにより、いずれの開放パターンが行われるのかを認識すると共に、大当たり状態に移行したことを示すオープニング動画を図柄表示装置41に表示させるべく表示制御を開始する。なお、セットされたタイマ値は、タイマ割込み処理の都度、すなわち2msec周期で1ずつ減算される。
一方、ステップS701において遊技状態が大当たり状態である場合には、ステップS706に進み、各大入賞口411,461を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を行う。
大入賞口開閉処理では、図40のフローチャートに示す通り、先ずステップS801にて大入賞口が開放中であるか否かを判別する。具体的には、各大入賞口ソレノイド417,467の励磁状態に基づいてかかる判別を行う。いずれの大入賞口も開放中でない場合には、ステップS802にてラウンドカウンタRCの値が0か否かを判別すると共に、ステップS803にてタイマの値が0か否かを判別する。ラウンドカウンタRCの値が0である場合又はタイマの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が0でなく且つタイマの値が0である場合には、ステップS804に進み、開放カウンタOCの値が0でないか否かを判別する。開放カウンタOCの値が0でない場合にはステップS805に進み、第2可変入賞装置32bの第2大入賞口ソレノイド467を励磁状態として第2大入賞口461を開放する。開放カウンタOCの値が0の場合にはステップS806に進み、第1可変入賞装置32aの第1大入賞口ソレノイド417を励磁状態として第1大入賞口411を開放する。続くステップS807では、大入賞口に入賞した遊技球の数を記憶するための入賞カウンタPCに0をセットする。その後、ステップS808ではタイマに14750(すなわち29.5秒)をセットすると共にステップS809にて開放コマンドをセットし、本処理を終了する。この結果、一方の大入賞口が最大29.5秒間開放されることとなる。ここで、開放コマンドとは表示制御装置214に送信されるものである。表示制御装置214は、当該コマンドを受信することにより、一方の大入賞口が開放されたことを認識し、次ラウンドに開放される大入賞口を示唆する開放動画を図柄表示装置41に表示させるべく表示制御を開始する。
また、ステップS801にて一方の大入賞口が開放中である場合にはステップS810に進み、タイマの値が0か否かを判別する。タイマの値が0でない場合、ステップS811にて大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判別する。具体的には、第1メインセンサ428a又は第2メインセンサ478aから遊技球入賞を意味する入賞検出信号を受信したか否かを判別する。そして、入賞検出信号を受信していない場合にはそのまま本処理を終了し、入賞検出信号を受信した場合には、ステップS812にて入賞カウンタPCの値を1加算する。続くステップS813では、入賞カウンタPCの値が10か否かを判別し、10でない場合にはそのまま本処理を終了する。
ステップS810にてタイマの値が0の場合、又はステップS813にて入賞カウンタPCの値が10の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS814にて開放カウンタOCの値を1減算すると共にステップS815にて開放中の大入賞口を閉鎖する。具体的には、励磁状態にある大入賞口ソレノイドを非励磁状態に切り替える。ちなみに、開放カウンタOCの値が減算前の段階で0である場合には、ステップS814にて減算処理を行うことなくステップS815にて開放中の大入賞口を閉鎖する。続くステップS816ではラウンドカウンタRCの値を1減算し、ステップS817にてラウンドカウンタRCの値が0か否かを判別する。ラウンドカウンタRCの値が0でない場合にはステップS818にてタイマに1000(すなわち2秒)をセットし、ラウンドカウンタRCの値が0である場合にはステップS819にてタイマに5000(すなわち10秒)をセットする。その後、ステップS820にて閉鎖コマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、閉鎖コマンドとは表示制御装置214に送信されるものである。表示制御装置214は、当該コマンドを受信することにより、1回のラウンドが終了したことを認識し、例えば次回のラウンド数等を教示する開放前動画や、大当たり状態が終了したことを示すエンディング動画を図柄表示装置41に表示させるべく表示制御を開始する。
大入賞口開閉処理の後、ステップS707ではラウンドカウンタRCの値が0か否かを判別すると共に、ステップS708にてタイマの値が0か否かを判別する。そして、ラウンドカウンタRC又はタイマの値の少なくとも一方が0でない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRC及びタイマの値が0である場合には、ステップS709に進み、大当たり状態を終了させる大当たり状態終了処理を行う。従って、大当たり状態下では、ラウンドカウンタRCにセットされた回数(すなわち15回)の大入賞口の連続開放が許容される。
大当たり状態終了処理を行った後、ステップS710〜ステップS712では状態移行処理を行う。すなわち、ステップS710では、確変フラグがセットされているか否かを判別する。確変フラグがセットされている場合には確変大当たりが発生したことを意味するため、ステップS711に進み、それ以降の遊技状態を高確率状態とする高確率状態移行処理を行って本処理を終了する。また、確変フラグがセットされていない場合には通常大当たりが発生したことを意味するため、ステップS712にてそれ以降の遊技状態を低確率状態とする通常状態移行処理を行って本処理を終了する。
ここで、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え態様と、図柄表示装置41における図柄の変動表示との関係を、図44を用いて以下に説明する。図44(a)は、図柄表示装置41の左・中・右の図柄の表示状況と第1特定ランプ部47において表示される色の切り替え表示が行われているかどうかの状況とを示し、図44(b)は、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え制御の詳細な状況を示す。なお、図44においては、前回の遊技回で大当たりが発生せず、確変大当たりが今回の遊技回で発生するパターンを示すが、他のパターンにおいては最初と最後に表示される色が異なるのみで基本的な態様は同様である。
まずt1のタイミングで、主制御装置271は、第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプのスイッチをオンオフ制御することにより、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え制御を開始すると共に、表示制御装置214に対して表示コマンドを出力する。そして、表示制御装置214は、当該表示コマンドに基づいて表示画面において左・中・右の図柄の変動表示を即座に開始させるよう図柄表示装置41を表示制御する。これにより、左・中・右の図柄の変動と第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え表示とが同時に開始されることとなる。また、このt1のタイミングで、主制御装置271において第2変動種別カウンタCS2の値に基づき第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間が決定される。この切替表示時間は、図44におけるt1〜t4までの時間に相当する。その後、表示制御装置214が独自に図柄表示装置41を表示制御することにより、t2のタイミングで左図柄の変動表示が停止され、所定間隔を置いて右図柄の変動表示が停止され、さらにt3のタイミングで中図柄の変動表示が停止される。この間、主制御装置271は、第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプの各光源のスイッチをオンオフ制御することにより、第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え制御を継続して行っている。具体的には、第1特定ランプ部47には赤色、緑色、青色の順序でそれぞれの色が所定時間ずつ表示され、当該順序で表示される色の切り替えが繰り返し行われる。そして、t4のタイミングで、主制御装置271は、切替表示時間が経過したことを判断し、第1特定ランプ部47に配設されたLEDランプの緑色光源のスイッチをオフ制御し、さらに赤色光源のスイッチをオン制御することにより、第1特定ランプ部47に表示される色の切替終了処理を行い、さらに表示制御装置214に対して最終停止コマンドを出力する。表示制御装置214は、この最終停止コマンドを受信することにより、左・中・右の図柄を最終停止表示させるよう図柄表示装置41を表示制御する。これにより、t4のタイミングで図柄表示装置41の表示画面における図柄の変動表示と第1特定ランプ部47に表示される色の切り替え表示とが同時に終了することとなる。なお、t4のタイミングでは、第1特定ランプ部47に緑色が表示されてから所定時間経過していないが、切替表示時間が経過しているので、それに規制されることなく緑色光源のスイッチがオフ制御され、赤色光源のスイッチがオン制御される。この赤色光源のスイッチのオン状態は、次の遊技回になるまで継続される。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図45は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
まず、ステップS1201では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS1202では、主制御装置271から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS1203に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS1204で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS1205では電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し、続くステップS1206ではRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS1207ではRAM判定値を算出し、続くステップS1208では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(ステップS1215〜S1218)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS1215〜S1218)に移行する。つまり、ステップS1215ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS1216ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS1217ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS1218では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源遮断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS1209では電源遮断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS1210では電源遮断の発生情報をクリアする。また、ステップS1211ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS1212では使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS1213,S1214では、割込み許可/不許可を電源遮断前の状態に復帰させた後、電源遮断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れを図46のフローチャートを参照しながら説明する。
図46において、ステップS1301では、主制御装置271からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1302では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1303では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1304では、下皿16の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿16の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1305では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1306では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1307〜S1309では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく且つ前記ステップS1301で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1307,S1308が共にNO)、ステップS1309に進み、図47に示した後述する賞球制御処理を開始する。また、賞球の払出不可状態又は総賞球個数が0であれば(ステップS1307,S1308の何れかがYES)、ステップS1310〜S1312の貸球払出の処理に移行する。
貸球払出の処理において、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1310がNO、S1311がYES)、ステップS1312に進み、図48に示した後述する貸球制御処理を開始する。また、貸球の払出不可状態又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1310がYES又はS1311がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1313では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1314では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図47に示す賞球制御処理において、ステップS1401では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1402では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1403に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図46の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1404に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1405に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図46の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1406に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1407で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図46の払出制御処理に戻る。
また、図48に示す貸球制御処理において、ステップS1501では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1502では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1503に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図46の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1504に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1505に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図46の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1506に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1507で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図46の払出制御処理に戻る。
次に、遊技状態が大当たり状態に移行した後に表示制御装置214が行う大当たり表示処理の具体的手順について概説する。図49は、表示制御装置214内のCPU521により実行される大当たり表示処理を示すフローチャートである。表示制御装置214は、図49に示す手順に従って主制御装置271から提供される各種コマンドを処理しつつ、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
先ず、ステップS1601では、遊技状態が大当たり状態か否かを判別する。大当たり状態でない場合、ステップS1602にて状態移行コマンドを受信したか否かを判別し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。ステップS1602にて状態移行コマンドを受信した場合、遊技状態が大当たり状態に移行したことを意味する。かかる場合には、ステップS1603にてワークRAM523に設けられた表示ラウンドカウンタHRCに15をセットすると共に、ステップS1604にて状態移行コマンドからいずれの開放パターンが行われるかを解析し、ワークRAM523に設けられた表示開放カウンタHOCに対応する値をセットする。表示ラウンドカウンタHRCは、いずれかの大入賞口が開放された回数をカウントするためのカウンタであり、表示開放カウンタHOCは、第2大入賞口461が開放された回数をカウントするためのカウンタである。その後、ステップS1605では、大当たり状態に移行したことや15ラウンドまで各大入賞口411,461の開閉が行われること等を教示するオープニング動画を図柄表示装置41に表示させるべくオープニング処理を開始して本処理を終了する。
ステップS1601にて遊技状態が大当たり状態であると判別した場合には、ステップS1606にて開放コマンドを受信したか否かを判別する。開放コマンドを受信した場合には、いずれかの大入賞口が開放されたことを意味する。そこで、開放コマンドを受信した場合にはステップS1607に進み、次ラウンドにいずれの大入賞口が開放されるのかを示唆する開放動画を図柄表示装置41に表示させるべく開放時処理を開始して本処理を終了する。
ここで、開放時処理について図50のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS1701では、開放コマンドを受信したか否かを判別し、開放コマンドを受信した場合には、ステップS1702にて表示開放カウンタHOCの値を1減算する。続くステップS1703では、開放動画として動画aを表示させる表示制御を開始して本処理を終了する。但し、表示開放カウンタHOCの値が減算前の段階で0の場合、表示開放カウンタHOCの値を減算することなく動画aを表示させる表示制御を開始する。
ステップS1701にて開放コマンドを受信していないと判別した場合、ステップS1704にて大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判別する。具体的には、第1サブセンサ428b又は第2サブセンサ478bから遊技球入賞を意味する表示用入賞検出信号を受信したか否かを判別する。そして、表示用入賞検出信号を受信していない場合にはそのまま本処理を終了し、表示用入賞検出信号を受信した場合には、ステップS1705〜ステップS1715に示す動画変更処理を行う。動画変更処理とは、大入賞口に入賞した遊技球数に応じて図柄表示装置41に表示すべき動画を変更する処理である。
動画変更処理では、先ずステップS1705に進み、ワークRAM523に設けられた表示入賞カウンタHPCの値を1加算する。その後、ステップS1706〜ステップS1708では入賞数確認処理を行う。具体的には、ステップS1706にて表示入賞カウンタHPCの値が3か否かを確認し、ステップS1707では表示入賞カウンタHPCの値が6か否かを確認し、ステップS1708では表示入賞カウンタHPCの値が9か否かを確認する。そして、表示入賞カウンタHPCの値がいずれの値でもない場合にはそのまま本処理を終了する。従って、開放コマンドを受信してから表示入賞カウンタHPCの値が3となるまで(すなわち大入賞口に3個の遊技球が入賞するまで)は、動画aが開放動画として表示されることとなる。
表示入賞カウンタHPCの値が3となった場合、ステップS1706にて肯定判定されることとなる。かかる場合にはステップS1709に進み、開放動画として動画bを表示させる表示制御を開始して本処理を終了する。換言すれば、表示入賞カウンタHPCの値が3になると、開放動画として表示される動画が動画aから動画bに変更されるとも言える。
動画bは、表示入賞カウンタHPCの値が6となるまで、すなわち大入賞口に6個の遊技球が入賞するまで表示される。そして、表示入賞カウンタHPCの値が6となった場合、ステップS1707にて肯定判定されることとなる。かかる場合にはステップS1710に進み、表示開放カウンタHOCの値が0か否かを判別する。表示開放カウンタHOCの値が0でない場合には、次ラウンドも第2大入賞口461が開放されることを意味するため、ステップS1711にて開放動画として動画cを表示させる表示制御を開始して本処理を終了する。また、表示開放カウンタHOCの値が0の場合には、次ラウンドに第1大入賞口411が開放されることを意味するため、ステップS1712にて開放動画として動画dを表示させる表示制御を開始して本処理を終了する。
動画c又は動画dは、表示入賞カウンタHPCの値が9となるまで、すなわち大入賞口に9個の遊技球が入賞するまで表示される。そして、表示入賞カウンタHPCの値が9となった場合、ステップS1708にて肯定判定されることとなる。かかる場合にはステップS1713に進み、表示開放カウンタHOCの値が0か否かを判別する。表示開放カウンタHOCの値が0でない場合には、次ラウンドも第2大入賞口461が開放されることを意味するため、ステップS1714にて開放動画として動画eを表示させる表示制御を開始して本処理を終了する。また、表示開放カウンタHOCの値が0の場合には、次ラウンドに第1大入賞口411が開放されることを意味するため、ステップS1715にて開放動画として動画fを表示させる表示制御を開始して本処理を終了する。動画e又は動画fは、開放中の大入賞口が閉鎖されるまで表示される。
つまり、次ラウンドで第2大入賞口461が開放される場合には、動画a→動画b→動画c→動画eからなる開放動画が表示され、次ラウンドで第1大入賞口411が開放される場合には、動画a→動画b→動画d→動画fからなる開放動画が表示される。
ここで、各動画を表示させる際に表示制御装置214のCPU521が行う表示制御の概略を説明する。
CPU521は、各動画a〜fを表示させる表示制御において、画像コントローラ526に対する内部コマンドを生成する等の各種の演算処理を開始する。内部コマンドは、各動画の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドであり、各動画a〜fを表示させるための内部コマンドがプログラムROM522に予め記憶されている。CPU521は、ワークRAM523に格納された情報(すなわち表示開放カウンタHOCや表示入賞カウンタHPC等の値)に基づいてその都度必要な内部コマンドを生成し、当該内部コマンドに含まれる動画制御データを画像コントローラ526に対して順次出力する。これにより、画像コントローラ526は、CPU521からの指令(内部コマンド)に応じた描画処理を行い、図柄表示装置41に対応する動画を表示させる。またこのとき、CPU521は、その都度の表示演出に同期させながら、音声類、ランプ類を駆動するための制御コマンドを音声ランプ制御装置272に対して送信する。これにより、音声ランプ制御装置272は、CPU521からの制御コマンドに従って音声類やランプ類を駆動させる。なお、開放コマンドを受信すると、その後に閉鎖コマンドを受信するまでの間、CPU521と画像コントローラ526との協働のもとに開放動画の表示が継続される。その間、CPU521は、画像コントローラ526の制御と図49に示す大当たり表示処理(図50に示す開放時処理を含む)とを並行して行う。すなわち、開放動画を表示させる制御と、主制御装置271からコマンドを受信したか否かを判別する処理と、第1サブセンサ428b又は第2サブセンサ478bから表示用入賞検出信号を受信したことに基づいて動画を変更する処理とを並行して行う。音声ランプ制御装置272における制御も同様である。
ちなみに、先述したオープニング処理や後述する開放前処理,エンディング処理においても同様の処理を行っている。つまり、プログラムROM522には、オープニング動画、開放前動画、エンディング動画を表示させるための内部コマンドが予め記憶されており、CPU521は、当該内部コマンドに含まれる動画制御データを画像コントローラ526に対して順次出力する。
大当たり表示処理の説明に戻り、ステップS1606にて開放コマンドを受信していない場合には、ステップS1608にて閉鎖コマンドを受信したか否かを判別し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、閉鎖コマンドを受信した場合には、開放状態にあった大入賞口が閉鎖状態に切り換えられた、すなわち1回のラウンドが終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS1609にて開放動画を表示する処理(具体的には動画制御データの出力処理)を終了すると共に、ステップS1610にて表示入賞カウンタHPCの値をクリアする。
ステップS1611では表示ラウンドカウンタHRCの値を1減算し、ステップS1612では表示ラウンドカウンタHRCの値が0か否かを判別する。表示ラウンドカウンタHRCの値が0でない場合には、15ラウンドが終了していないことを意味するため、ステップS1613に進み、次回のラウンド数等を遊技者に教示する開放前動画を図柄表示装置41に表示させるべく開放前処理を開始して本処理を終了する。また、表示ラウンドカウンタHRCの値が0である場合には15ラウンドが終了したことを意味するため、ステップS1614にて大当たり状態が終了することを教示するエンディング動画を図柄表示装置41に表示させるべくエンディング処理を開始して本処理を終了する。
次に、大当たり状態に移行した際の動作について、図51のタイミングチャートに基づき説明する。図51は、開放パターン2が行われる際の動作を示している。なお、本パチンコ機10におけるその他の開放パターンについても、第2大入賞口461の開放回数が異なることを除き、基本動作は開放パターン2と同じである。
図51に示すように、大当たり状態では、大当たり変動の終了したタイミングtoから大当たり状態が終了するタイミングteまで大当たり動画が表示されると共に大入賞口の開閉が行われる。
具体的には、大当たり変動の終了したタイミングtoにおいて、大当たり状態に移行したこと、15ラウンド目まで大当たり状態が継続すること及び1ラウンド目の大入賞口開放が行われることを教示するオープニング動画が開始される。オープニング動画は10秒間表示されると共に、オープニング動画の終了したタイミングr1で第2大入賞口461が開放される。また、第2大入賞口461の開放に伴って開放動画が開始される。開放パターン2では、2ラウンド目にも第2大入賞口461の開放が行われる。したがって、1ラウンドでは、次ラウンドに第2大入賞口461の開放が行われることを示唆する開放動画が表示される。第2大入賞口461は、29.5秒の開放時間が経過したか、10個の遊技球が入賞したタイミングe1で閉鎖される。但し、遊技球は約0.6秒毎に1個発射することが可能なため、29.5秒の間に最大49個の遊技球を発射することが可能である。したがって、第2大入賞口461は、29.5秒の開放時間を経過することなく10個の遊技球が入賞して閉鎖されることが一般的である。
タイミングe1にて第2大入賞口461が閉鎖されると、1ラウンド目の開放動画も終了され、2ラウンド目の大入賞口開放が行われることを教示する開放前動画が2秒間表示される。そして、開放前動画が終了したタイミングr2で2ラウンド目の第2大入賞口461の開放が行われると共に開放動画が開始される。開放パターン2では、3ラウンド目にも第2大入賞口461の開放が行われる。したがって、1ラウンド目の開放動画と同様、2ラウンド目も次ラウンドに第2大入賞口461の開放が行われることを示唆する開放動画が表示される。
タイミングe2にて第2大入賞口461が閉鎖されると、2ラウンド目の開放動画も終了され、3ラウンド目の大入賞口開放が行われることを教示する開放前動画が2秒間表示される。そして、開放前動画が終了したタイミングr3で3ラウンド目の第2大入賞口461の開放が行われると共に開放動画が開始される。開放パターン2では、4ラウンド目から第1大入賞口411の開放が行われる。したがって、3ラウンド目では、次ラウンドに第1大入賞口411の開放が行われることを示唆する開放動画が表示される。
タイミングe3にて第2大入賞口461が閉鎖されると、4ラウンド目の大入賞口開放が行われることを教示する開放前動画が2秒間表示される。そして、開放前動画が終了したタイミングr4で4ラウンド目の第1大入賞口411の開放が行われる。また、第1大入賞口411の開放に伴って開放動画が開始される。開放パターン2では、4〜15ラウンドの間は第1大入賞口411の開放が行われる。したがって、3ラウンド目の開放動画と同様、4ラウンド目も次ラウンドに第1大入賞口411の開放が行われることを示唆する開放動画が表示される。第1大入賞口411は、第2大入賞口461と同様、29.5秒の開放時間が経過したか、10個の遊技球が入賞したタイミングe4で閉鎖される。但し、第1大入賞口411も第2大入賞口461と同様、29.5秒の開放時間を経過することなく10個の遊技球が入賞して閉鎖されることが一般的である。
第1大入賞口411の閉鎖されたタイミングe4からは、5ラウンド目の大入賞口開放が行われることを教示する開放前動画が2秒間表示される。そして、開放前動画が終了したタイミングr5で5ラウンド目の第1大入賞口411の開放が行われると共に開放動画が開始される。5ラウンド目も次ラウンドに第1大入賞口411の開放が行われることを示唆する開放動画が表示される。
このようにして、4〜15ラウンドでは第1大入賞口411が繰り返し開閉されると共に、次ラウンドで第1大入賞口411が開放されることを示唆する開放動画が表示される。そして、15ラウンド目の第1大入賞口411の開放が終了したタイミングe15において、大当たり状態が終了することを教示するエンディング動画が開始され、10秒経過したタイミングteでエンディング動画が終了すると共に大当たり状態が終了する。
上記開放パターン2では、第2大入賞口461が1〜3ラウンドまで開放され、第1大入賞口411が4〜15ラウンドまで開放される。上述した通り、第2大入賞口461に遊技球が入賞した場合には3個の賞球が払い出され、第1大入賞口411に遊技球が入賞した場合には15個の賞球が払い出される。また、各大入賞口411,461は10個の遊技球が入賞して閉鎖されることが一般的であるため、第2大入賞口461が開放された場合には約30個の賞球が払い出され、第1大入賞口411が開放された場合には約150個の賞球が払い出されることとなる。故に、払い出される賞球数が異なる2種類の可変入賞装置32a,32bを備えた本パチンコ機10では、第2大入賞口461の開閉された回数によって、大当たり状態に移行した際に払い出される賞球数が大きく変動することとなる。すなわち、開放パターン1では約2250個の賞球払出が見込まれ、開放パターン2では約1890個の賞球払出が見込まれ、開放パターン3では約1530個の賞球払出が見込まれ、開放パターン4では約1170個の賞球払出が見込まれ、開放パターン5では約810個の賞球払出が見込まれることとなる。ここで、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとの間に釘やその他の部材を配置しない構成とすることにより、上記賞球払出をより確実に行わせることが可能となる。
次に、図柄表示装置41の表示画面に表示される開放動画について説明する。図52は、次回のラウンドで第2大入賞口461が開放される場合に表示される開放動画の一連の表示態様と、大入賞口への遊技球の入賞状況との関係を示す図である。
図52に示すように、図柄表示装置41の表示画面には、大入賞口の開放されるタイミングC0で動画aの表示が開始される。具体的には、図52(a)に示すように、晴れ渡る空の下、大きな波がやってくる様が表示される。動画aは大入賞口に3個の遊技球が入賞するまで継続表示される。遊技球が大入賞口に3個入賞した(すなわち表示用入賞検出信号が3回出力された)タイミングC3では、動画aに代えて動画bの表示が開始される。具体的には、図52(b)に示すように、サーフボードの上に立った青年キャラクタが、画面右奥から左手前に向かって波乗りを楽しみながら登場してくる様が表示される。動画bは大入賞口に6個の遊技球が入賞するまで継続表示される。遊技球が大入賞口に6個入賞した(すなわち表示用入賞検出信号が6回出力された)タイミングC6では、動画bに代えて動画cの表示が開始される。具体的には、図52(c)に示すように、波乗りを楽しんでいた青年キャラクタが、サーフボードの上でバランスを崩して海中に投げ出される様が表示される。動画cは大入賞口に9個の遊技球が入賞するまで継続表示される。遊技球が大入賞口に9個入賞した(すなわち表示用入賞検出信号が9回出力された)タイミングC9では、動画cに代えて動画eの表示が開始される。具体的には、図52(d)に示すように、青年キャラクタが海中で溺れる様と「再挑戦」の文字が表示される。動画eは大入賞口に10個の遊技球が入賞するまで継続表示され、遊技球が大入賞口に10個入賞した(すなわち表示用入賞検出信号が10回出力された)タイミングC10で大入賞口が閉鎖されると共に開放動画も終了する。
このように、次回のラウンドで第2大入賞口461が開放される場合には、青年キャラクタが波乗りに失敗する様を通じて第2大入賞口461の開放が示唆される。
図53は、次回のラウンドで第1大入賞口411が開放される場合に表示される開放動画の一連の表示態様と、大入賞口への遊技球の入賞状況との関係を示す図である。
図53に示すように、図柄表示装置41の表示画面には、大入賞口の開放されるタイミングC0で動画aの表示が開始される。具体的には、図53(a)に示すように、晴れ渡る空の下、大きな波がやってくる様が表示される。動画aは大入賞口に3個の遊技球が入賞するまで継続表示される。遊技球が大入賞口に3個入賞した(すなわち表示用入賞検出信号が3回出力された)タイミングC3では、動画aに代えて動画bの表示が開始される。具体的には、図53(b)に示すように、サーフボードの上に立った青年キャラクタが、画面右奥から左手前に向かって波乗りを楽しみながら登場してくる様が表示される。動画bは大入賞口に6個の遊技球が入賞するまで継続表示される。つまり、大入賞口に6個の遊技球が入賞するまでは、次回のラウンドで開放される大入賞口に関わらず同じ動画が表示される。遊技球が大入賞口に6個入賞した(すなわち表示用入賞検出信号が6回出力された)タイミングC6では、動画bに代えて動画dの表示が開始される。具体的には、図53(c)に示すように、青年キャラクタがサーフボードの上でバランスを保ちながら波乗りを楽しむ様が表示される。動画dは大入賞口に9個の遊技球が入賞するまで継続表示される。遊技球が大入賞口に9個入賞した(すなわち表示用入賞検出信号が9回出力された)タイミングC9では、動画dに代えて動画fの表示が開始される。具体的には、図53(d)に示すように、波乗りに成功した青年キャラクタがガッツポーズをしながら喜ぶ様と「成功」の文字が表示される。動画fは大入賞口に10個の遊技球が入賞するまで継続表示され、遊技球が大入賞口に10個入賞した(すなわち表示用入賞検出信号が10回出力された)タイミングC10で大入賞口が閉鎖されると共に開放動画も終了する。
このように、次回のラウンドで第1大入賞口411が開放される場合には、青年キャラクタが波乗りに成功する様を通じて第1大入賞口411の開放が示唆される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bを上下方向に並ぶようにして配置することにより、大当たり状態に移行した場合にいずれの可変入賞装置が開放されるのか等の期待感を遊技者に抱かせることが可能となり、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。また、各可変入賞装置32a,32bを上下方向に並ぶようにして配置することにより、大当たり状態下における遊技が繁雑化することを抑制することが可能となる。例えば各可変入賞装置32a,32bを左右方向に並べて配置する構成とした場合、開放状態に切り換えられた可変入賞装置に応じて遊技球発射ハンドル18の回動操作位置すなわち遊技球の発射速度を変化させる必要等が生じ得るからである。
第1可変入賞装置32aに、第2可変入賞装置32bの下部排出通路480と当接するようにして上下貫通路を形成し、該上下貫通路と横並びとなるようにして第1排出通路を形成することにより、第1排出通路の上面に傾斜部を設けずとも、第2可変入賞装置32bに入賞した遊技球を上下貫通路から下方に排出することができる。この結果、各可変入賞装置32a,32bの間に所定の隙間を設ける必要がなくなるため、遊技領域に設けられる図柄表示装置41の大きさ等に制約が生じることを抑制することが可能となり、遊技機10の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
確かに、第1排出通路の背面側に上下貫通路を形成し、該上下貫通路の真上に下部排出通路480が位置するように第2排出通路を形成する構成としても、各可変入賞装置32a,32bの間に所定の隙間を設ける必要はなくなる。しかしながら、かかる構成とした場合、各可変入賞装置32a,32bが前後方向に大型化することとなる。したがって、遊技領域に設けられる図柄表示装置41の大きさ等に制約が生じることを抑制することはできるものの、遊技盤30の背面側に関する設計自由度が低下するという新たな問題が生じることとなる。各可変入賞装置32a,32bの大型化に伴って主制御装置271等の配置位置に新たな制約が生じるからである。一方、上下貫通路と第1排出通路とを横並びとなるように設けた本パチンコ機10の場合、各可変入賞装置32a,32bが前後方向に大型化することを抑制することが可能となり、遊技盤30の背面側に主制御装置271等を効率よく配置することが可能となる。以上の結果、遊技機10の設計自由度が低下することを抑制しつつ複数の可変入賞装置32a,32bを配置することが可能となる。
上下貫通路と第1排出通路を隣接して設けることにより、第1可変入賞装置32aが左右方向に大型化することを抑制することが可能となる。また、上下貫通路と第1排出通路を形成する左排出壁部433cを共用化することが可能となり、各通路の形状を比較的簡単なものとすることが可能となる。
第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bを上下方向に近接配置することにより、遊技領域の大きさに制限がある中で複数の可変入賞装置32a,32bを配置するために必要な領域を低減させることが可能となり、遊技機10の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
第1排出通路及び第2排出通路の前方に第1案内通路及び第2案内通路を形成することにより、各大入賞口411,461から入賞した遊技球を各排出通路に至るまでに整流させることが可能となり、各メインセンサ428a,478a付近で遊技球が詰まる等の不具合が発生することを抑制することが可能となる。案内通路の中央部から入賞した遊技球は、そのまま下方への傾斜に沿って開口部へと案内され、案内通路の両側部から入賞した遊技球は、その中央部に向けて移動した後に後方への傾斜に沿って開口部へと案内されるため、大入賞口から入賞した遊技球を案内通路の中央部に向けて整流させることが可能となるからである。また、案内通路の中央部奥側に排出通路の開口部を形成することにより、遊技球を整流させた上で排出通路の下流側開口へと案内させることが可能となり、開口部付近で遊技球が詰まる等の不具合が発生することを抑制することが可能となる。
第1可変入賞装置32aにおいて、案内壁423に囲まれる領域の一部に後案内壁部424を形成し、この後案内壁部424の背面側に上下貫通路が形成される構成とすることにより、第1可変入賞装置32aが前後方向に大型化することを抑制しつつ、第1案内通路内における遊技球の整流効果を高めることが可能となる。また、案内壁423を、第1大入賞口411の左右方向の幅とほぼ同じとなるように形成することにより、第1大入賞口411の左右方向の幅を可能な限り大きくすることで遊技球の入球し易さを高めると共に、上下貫通路を設けたことに伴う第1可変入賞装置32aの左右方向の大型化を抑制することが可能となる。
排出通路を、奥行き方向の幅がほぼ遊技球1個分となるように形成すると共に、案内通路から案内された遊技球が横方向に移動するよう下り傾斜とすることにより、大入賞口から入賞した遊技球を案内通路の中央部に集合させた後に後方へと移動させ、さらにその遊技球を横方向に移動させた上で下方に排出することができる。故に、大入賞口から入賞した遊技球を整流させる整流機能を案内通路と排出通路に付与することが可能となり、排出通路に遊技球が詰まる等の不具合が発生することを好適に抑制することが可能となる。また、案内通路の中央部の幅を遊技球複数個分とすることにより、開口部付近で遊技球が詰まることを抑制しつつ、案内通路に遊技球が滞留することを抑制することが可能となる。
第1排出通路を左方から右方に向けて傾斜させ、第2排出通路を右方から左方に向けて傾斜させることにより、各可変入賞装置32a,32bが左右方向に大型化することを抑制しつつ、第1可変入賞装置32aに第1排出通路と上下貫通路を設けることが可能となる。
第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bを本体パネル401に組み付けて可変入賞ユニット32とすることにより、各可変入賞装置32a,32bを遊技盤30に組み付ける際の作業性を向上させることが可能となる。
第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32aがほぼ左右対称となるように形成することにより、設計及び製作面での容易性を確保することが可能となる。
遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数が異なる可変入賞装置を2種類設けることにより、大当たり状態に移行した際の各大入賞口の開放回数にバリエーションを持たせることが可能となる。また、1回の大当たり状態移行に基づいて払い出される賞球数に変化を持たせることも可能となる。第1大入賞口411が開放された場合であればほぼ150個の賞球が払い出されるものの、第2大入賞口461が開放された場合であればほぼ30個の賞球しか払い出されないからである。故に、大当たり状態下における遊技において、各ラウンド毎にいずれの大入賞口が開放されるのかを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。さらにいうと、可変入賞装置を1つだけ設け、ラウンド毎に払い出される賞球数を内部的に変化させる構成としても、1回の大当たり状態移行に基づいて払い出される賞球数に変化を持たせることは可能である。しかしながら、かかる構成においては、同じ大入賞口に遊技球を入賞させているにも関わらず払い出される賞球数が変化することに遊技者が違和感を抱くことが懸念される。また、主制御装置271及び払出制御装置311がラウンド毎に払い出す賞球数を変化させる処理を行う必要が生じ、処理負荷が増大化してしまうことも懸念される。一方、本実施形態では、各メインセンサ428a,478aの検出結果に基づいて対応する賞球数を設定すればよいため、主制御装置271及び払出制御装置311の処理負荷が増大化することを抑制することが可能となる。また、いずれの大入賞口が開放されたかを通じて払い出される賞球数を遊技者に教示することが可能なため、遊技者が上記違和感を抱く恐れもない。故に、比較的簡単な構成で大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
大入賞口を複数備える構成において大当たり状態に移行した際に15ラウンド行う構成とすることにより、大当たり状態下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。大入賞口が開放されるという大当たり状態下における遊技性を15回分担保することが可能となると共に、15回のうち第1大入賞口411が何回開放されるのかに遊技者の関心を向けさせることが可能となるからである。確かに、大入賞口の開放回数が異なる大当たり状態を複数備える構成にあっても、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能である。しかしながら、かかる構成にあっては、遊技者の遊技意欲を著しく低下させてしまう可能性が懸念される。より多くの遊技球を獲得したい遊技者であれば最も多く開放される大当たり状態を基準として各大当たり状態を判断することが想定され、開放回数が少ない大当たり状態に移行した場合、遊技者はあたかも不利益を被ったかのような印象を抱いてしまう可能性があるからである。一方、本パチンコ機10の場合、大入賞口の開放回数は固定であって開放される大入賞口が変化するものであり、第2大入賞口461が開放された場合であっても1球の入賞で3個の賞球を獲得することが可能であるため、少しでも多くの賞球を獲得しようと遊技者の遊技意欲を駆り立たせることが可能となる。
大当たり状態に移行した際に、大入賞口の開放が合計15回行われることをオープニング動画により報知する構成とすることにより、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。仮に1ラウンド目に第2大入賞口461の開放が行われたとしても、大入賞口があと14回開放されることを認識できているため、2ラウンド目以降に第1大入賞口411の開放が行われることを期待させることが可能となるからである。また、各大入賞口の開放回数を大当たり状態移行時に報知しない構成とすることにより、各ラウンドで第1大入賞口411の開放が行われることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
変動開始時に大入賞口の開放パターンを決定する構成とすることにより、主制御装置271の処理負荷が増大化することを抑制させつつ、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。大当たり状態下においては、各大入賞口を開閉する処理に加えて、入賞した遊技球数を確認する処理や賞球を払い出させるべく賞球払出コマンドを送信する処理等を行う必要があり、大当たり状態下でいずれの大入賞口を開放させるか決定する構成とした場合、主制御装置271にかかる処理負荷が多大なものとなってしまうからである。
大入賞口開閉処理において、第2大入賞口461を開放カウンタOCに設定された回数だけ開放した後に第1大入賞口411の開放を行う構成とすることにより、主制御装置271の処理負荷が増大化することを抑制させつつ、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。大当たり状態下でいずれの大入賞口を開放させるか決定する構成とした場合、大当たり状態下における主制御装置271の処理負荷が多大なものとなってしまうからである。また、最初に第2大入賞口461の開放を行う構成とすることにより、何ラウンド目から第1大入賞口411の開放となるか、すなわち何ラウンド目から多くの賞球が払い出されることになるのかを期待させながら各ラウンドの遊技を行わせることが可能となり、大当たり状態における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
大当たり図柄を決定する大当たり種別カウンタC2と、大入賞口の開放パターンを決定する開閉態様カウンタC4とを別個に設けることにより、大当たり変動終了時に図柄表示装置41に表示される大当たり図柄と、大当たり状態における大入賞口の開放パターンとを独立して決定することが可能となる。この結果、最終表示された大当たり図柄の組合せから開放パターンを予測することが困難なものとなり、いかなる大当たり図柄の組合せで停止した場合であっても、第1大入賞口411の開放が何回行われるのかを期待させながら遊技者に遊技を行わせることが可能となる。
確変大当たりが発生する場合には、第1大入賞口411の開放が15ラウンド全てで行われる開放パターン1の選択される割合を最も高く構成し、通常大当たりが発生する場合には、第1大入賞口411の開放が3ラウンドだけ行われる開放パターン5の選択される割合を最も高く構成することにより、大当たり状態下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。確変大当たりである場合には、確変大当たりであることに対する優越感に加えて多くの賞球が払い出される期待感を抱かせることが可能となるし、通常大当たりである場合には、第1大入賞口411が少しでも多く開放されること、すなわち開放パターン5以外の開放パターンが選択されていることを強く期待させながら遊技を行わせることが可能となるからである。
第1大入賞口411,第2大入賞口461共に29.5秒が経過するか10個の遊技球が入賞したことを以って閉鎖条件成立とする構成とすることにより、主制御装置271にかかる処理負荷を軽減させることが可能となる。また、いずれの大入賞口が開放された場合であっても遊技者は10個の遊技球を入賞させるべく遊技を行えばよいため、大当たり状態下における遊技性を遊技者に比較的容易に理解させることが可能となる。
第1大入賞口411と第2大入賞口461とを縦並びに配置することにより、第1大入賞口411が開放された場合と第2大入賞口461が開放された場合とで遊技球を発射する発射強度を変化させる必要が生じないため、遊技者に特別な操作を強いることなく大当たり状態下における遊技を堪能させることが可能となる。
大当たり状態において、大入賞口が開放されている最中に次回のラウンドで開放される大入賞口を示唆する開放動画を表示する構成とすることにより、大入賞口が開放されている状況下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。次回のラウンドでいずれの大入賞口が開放されるのかを開放動画を通じて期待させることが可能となるからである。また、大入賞口に入賞した遊技球の数に基づいて表示する動画を変更させる構成とすることにより、遊技の進行状況すなわち大入賞口への入賞状況に即した表示演出を行うことが可能となる。つまり、大入賞口に遊技球を入賞させるという大当たり状態下における遊技と、次回のラウンドで開放される大入賞口が示唆される開放動画とを関連付けることが可能となる。この結果、大入賞口が開放されている状況下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
各動画a〜fと対応する内部コマンドを予めプログラムROM522に記憶させておくと共に、大入賞口に入賞した遊技球数に応じて次回のラウンドで開放される大入賞口と対応する内部コマンドを選択し、対応する動画を図柄表示装置41に表示させる構成とすることにより、好適に開放動画を表示させることが可能となる。例えば、動画a→動画b→動画c→動画eを表示するための一連の内部コマンドと、動画a→動画b→動画d→動画fを表示するための一連の内部コマンドとを予め記憶させておき、次回のラウンドで開放される大入賞口に応じて一方の内部コマンドを選択して動画制御データを順次出力する構成とすることも確かに可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、動画a及び動画bに関する動画制御データを重複して記憶させる必要が生じ、プログラムROM522に記憶させるデータ量の増大化が懸念されることとなる。一方、上記実施形態においては、各動画と対応する内部コマンドを個別に記憶させているため、データ量の増大化を抑制させることが可能となる。
さらにいうと、29.5秒の経過又は10個の遊技球が入賞したことを大入賞口の閉鎖条件とするパチンコ機の場合、大入賞口の開放されている時間はラウンド毎に変動する可能性が高い。例えば、大入賞口が開放されたにも関わらず遊技者が遊技球を発射していなかったり、遊技領域内に滞留していた遊技球がまとめて大入賞口に入賞したりすることがあるからである。つまり、開放動画を表示可能な時間はラウンド毎に変動する可能性がある。したがって、大入賞口に入賞した遊技球数に基づくことなく開放動画を表示する構成とした場合、次回に開放される大入賞口を示唆する場面(青年キャラクタが波乗りに成功するか否か)を表示することなく大入賞口が閉鎖されて開放動画が終了するという不具合が発生し得る。また、かかる不具合の発生を回避すべく、次回に開放される大入賞口を示唆する場面を大入賞口が開放された初期段階で表示する構成とした場合、前記場面が表示されてから大入賞口が閉鎖されるまでの間の開放動画が単調化し得ると共にかかる期間の遊技が単調化する恐れが生じ得る。一方、大入賞口に入賞した遊技球数に基づいて開放動画を表示する構成とした場合、予め定めた所定数の遊技球が大入賞口に入賞したタイミングで次回に開放される大入賞口を示唆する場面を表示することができる。故に、大入賞口に入賞した遊技球数に基づいて動画を変更する構成とすることにより、大入賞口に入賞した遊技球数に基づくことなく開放動画を表示する構成と比して、次回のラウンドで開放される大入賞口を確実に示唆しつつ大入賞口が開放されている状況下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
大入賞口が開放されてから6個の遊技球が入賞するまでは同じ動画を表示し、6個の遊技球が入賞した場合に次回のラウンドで開放される大入賞口と対応する動画に変更する構成とすることにより、大入賞口が開放されている状況下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。少なくとも6個の遊技球が入賞するまでは次回のラウンドで第1大入賞口411が開放されることへの期待感を持続させることが可能となるからである。また、このことは、大入賞口に入賞した遊技球数と動画の変更タイミングとを関連付けることにより、好適な効果を奏することが可能となっている。遊技者が遊技領域に遊技球を発射しない限り大入賞口に遊技球が入賞することはないため、遊技者の意図するタイミングで動画を変更させることができるからである。より具体的には、大入賞口に遊技球が5個入賞するまで遊技球を発射し、遊技者が次回のラウンドで開放される大入賞口と対応する動画を見る決意が固まったタイミングで6個目の遊技球を大入賞口に入賞させるべく遊技球の発射を再開すればよいからである。
大入賞口に遊技球が3個入賞した場合、6個入賞した場合、9個入賞した場合に動画を変更する構成とすることにより、大入賞口への遊技球の入賞状況と開放動画の進行状況とを密接に関連付けることが可能となり、大入賞口が開放されている状況下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。また、大入賞口に遊技球が複数個入賞する毎に動画を変更する構成とすることにより、各動画を表示するための時間として一定時間を確保することが可能となり、ストーリー性を持たせた開放動画を表示させることが可能となる。仮に遊技球が大入賞口に入賞する毎に動画を変更する構成とした場合、コマ送りされているかのような動画しか表示できない可能性があるからである。
次回のラウンドで第2大入賞口461の開放が行われる場合には波乗りに失敗する青年キャラクタが表示され、次回のラウンドで第1大入賞口411の開放が行われる場合には波乗りに成功する青年キャラクタが表示される構成とすることにより、開放動画を通じて次回のラウンドでいずれの大入賞口が開放されるのかを遊技者に示唆することが可能となる。また、青年キャラクタが波乗りに成功することを遊技者に強く期待させながら開放動画を楽しませることが可能となり、大当たり状態下における遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
遊技を統括管理する制御装置として主制御装置271を設け、図柄表示装置41の表示制御を行う制御装置として表示制御装置214を設けることにより、一つの制御装置に処理負荷が集中することを防止することが可能となる。
各大入賞口411,461に遊技球が入賞したことを表示制御装置214が把握できるよう、各可変入賞装置32a,32bに第1サブセンサ428b,第2サブセンサ478bを設け、これら各サブセンサ428b,478bと表示制御装置214を電気的に接続することにより、主制御装置271の処理負荷を低減させつつ大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。かかる構成においては、主制御装置271から表示制御装置214に対して入賞したことを意味するコマンドを送信する必要がなく、表示制御装置214は、主制御装置271から独立して大入賞口に入賞した遊技球数を把握し、開放動画の表示内容を変更することが可能となるからである。
確かに、各サブセンサ428b,478bを設けずとも、各メインセンサ428a,478aを、主制御装置271と表示制御装置214のいずれにも電気的に接続する構成とすれば、主制御装置271の処理負荷を低減させつつ大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。しかしながら、かかる構成とした場合、表示制御装置214を不正な制御装置に交換され、当該制御装置から各メインセンサ428a,478aを介して主制御装置271に不正信号を入力させる不正行為の実行が懸念される。特に、主制御装置271は封印ユニット274により不正な開封が行われた旨を容易に発見できる構成とされている一方、表示制御装置214は上記封印ユニットにより封印されていないため、仮に表示制御装置214に不正行為が行われた場合には、不正行為の発見が遅れてしまう可能性が生じ得る。故に、表示制御装置214と電気的に接続されるセンサとして、各サブセンサ428b,478bを新たに設けることにより、主制御装置271に不正信号を入力させることが困難なものとなり、主制御装置271に不正行為が行われることを抑制することが可能となる。さらにいうと、主制御装置271に加えて表示制御装置214も封印ユニットにより封印する構成とすることも確かに可能である。しかしながら、封印ユニットにより封印することは遊技機10のコストアップに繋がるため、利益の付与(すなわち遊技球の払出)に関連した制御装置にのみ封印を行うことが望ましい。故に、各可変入賞装置32a,32bに、主制御装置271に接続されるセンサと表示制御装置214に接続されるセンサとを個別に設けることにより、遊技機10のコストアップを抑制しつつ、主制御装置271に不正行為が行われることを抑制することが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bを本体パネル401に取り付けて可変入賞ユニット32を形成したが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技盤30に各可変入賞装置32a,32bが個別に取り付けられる構成であっても良いことはいうまでもない。
(b)上記実施の形態では、第1可変入賞装置32aの上下貫通路と第2可変入賞装置32bの下部排出通路480が当接する構成としたが、遊技球1個分以上離れない構成であれば良い。かかる構成としても、第2可変入球装置32bに入賞した遊技球を上下貫通路を介して下方に排出させることが可能だからである。
(c)上記実施の形態では、大入賞口から入賞した遊技球が案内通路を介して排出通路に至り、遊技機10下方に排出される構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、案内通路を有さない構成としても良い。つまり、大入賞口から入賞した遊技球は直接排出通路から遊技機10下方に排出される構成とする。但し、かかる構成とした場合には、各メインセンサ428a,478aの近傍で遊技球詰まりが発生する不具合が懸念される。
(d)上記実施の形態では、各排出通路を横方向に傾斜する構成としたが、開口部から排出通路に至った遊技球がそのまま下方に落下する構成としてもよい。但し、かかる構成とした場合には、開口部付近で遊技球が詰まる等の不具合が発生しないよう案内通路の形状や開口部の大きさに工夫を施す必要が生じる。
(e)上記実施の形態では、第1排出通路と上下貫通路が隣接する構成としたが、横並びに配置される構成であればよい。但し、第1排出通路と上下貫通路が左右方向に離れるほど可変入賞装置の大型化が懸念されることとなる。
(f)上記実施の形態では、第1排出通路と第2排出通路が互いに逆方向に傾斜する構成としたが、同じ向きに傾斜する構成としてもよい。但し、かかる構成とした場合には、第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bが左右対称な関係とならなくなるため、設計及び製作面の容易性が確保できなくなる。
(g)上記実施の形態では、上下貫通路を鉛直方向に延びるように形成したが、下部排出通路480の直下に上流側開口が形成されるのであれば、上下方向に延びると共に所定の角度で傾斜する上下貫通路を設けてもよい。かかる構成とした場合であっても、第1可変入賞装置32aの上面に傾斜部を設けることなく第2可変入賞装置32bに入球した遊技球を上下貫通路から下方に排出することができるからである。
(h)上記実施の形態では、遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数が異なる複数の大入賞口を備える構成について説明したが、さらに多くの大入賞口を備える構成であってもよい。例えば、遊技球が入賞した場合に15個の賞球が払い出される第1大入賞口411と、3個の賞球が払い出される第2大入賞口461と、10個の賞球が払い出される第3大入賞口の3種類を備える構成とする。
かかる場合、各可変入賞装置を全て上下方向に並べるのではなく、例えば第1可変入賞装置32aと第2可変入賞装置32bとを上下方向に並べ、第3可変入賞装置は第2大入賞口の右方に設ける構成としてもよい。但し、上下方向に加えて左右方向にも可変入賞装置を配置する構成とした場合には、開放状態に切り換えられた大入賞口に応じて遊技球の発射速度を変化させる必要等が生じ得るため、大当たり状態下における遊技の繁雑化が懸念されることとなる。
3つの可変入賞装置を全て上下方向に並べる場合には、中央に配置される可変入賞装置に上段に配置される可変入賞装置に入賞した遊技球を下方に排出する上下貫通路を設け、下段に配置される可変入賞装置に、上段及び中央に配置される可変入賞装置に入賞した遊技球を下方に排出する上下貫通路を設ける構成とすれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(i)上記実施の形態では、遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数が異なる複数の大入賞口を備える構成について説明したが、払い出される賞球数が同じ複数の大入賞口を備える構成であってもよい。かかる構成とした場合であっても、例えば各大入賞口の近傍に植設される釘等の配置が異なっており、各大入賞口への遊技球の入球し易さが異なる構成であれば、いずれの大入賞口が開放されるのかという期待感を遊技者に抱かせることが可能だからである。
(j)上記実施の形態では、第1大入賞口411に遊技球が入った場合の賞球を多く、第2大入賞口461に遊技球が入った場合の賞球を少なく設定したが、第1大入賞口411に遊技球が入った場合の賞球を少なく、第2大入賞口461に遊技球が入った場合の賞球を多く設定してもよい。すなわち、縦並びに複数の大入賞口が配置される構成において、上側に配置される大入賞口が開放されるほど多くの賞球が払い出される構成としてもよい。
(k)上記実施の形態では、払い出される賞球数が異なる大入賞口を2種類備え、開放パターンを5種類備える構成について説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、開放パターンの数は任意である。大入賞口を2種類備えると共に払い出される賞球数の少ない大入賞口から順に開放させる構成にあっては、開放パターンを最大15種類設定することが可能である。
(l)上記実施の形態では、大当たり状態に移行すると各大入賞口が合計15回開閉される構成について説明したが、15回に限定されるものではなく、複数開閉されるのであれば回数は任意である。また、各大入賞口が開閉される合計回数を教示する構成であれば、複数の合計開閉回数を備える構成であってもよい。
(m)上記実施の形態では、変動表示の開始時に開放パターンを決定する構成としたが、大当たり変動終了時に決定する構成であってもよく、大当たり状態に移行する前までに決定する構成であれば上記実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
(n)上記実施の形態では、開放パターンとして各ラウンドに開放させる大入賞口が予め決定されている構成としたが、2種類の大入賞口を備える構成の場合、一方の大入賞口を開放させるラウンドさえ決定されていれば上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは言うまでもない。一義的に他の大入賞口を開放させるラウンドを導出させることができるからである。
(o)上記実施の形態では、開放パターンとして各ラウンドに開放させる大入賞口が予め設定されている構成として説明したが、開放カウンタOCに第2大入賞口461の開放を行うラウンド数をセットする構成の場合、15ラウンドのうち第2大入賞口461の開放を行うラウンド数のみを確変大当たりテーブル及び通常大当たりテーブルに設定しておけば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
(p)上記実施の形態では、開放されている大入賞口に3個、6個、9個の遊技球が入賞した場合に表示すべき動画を変更する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、動画を変更するタイミングは任意である。すなわち、5個の遊技球が入賞したタイミングでのみ動画を変更する構成としてもよいし、2個、4個、6個、8個の遊技球が入賞したタイミングで動画を変更する構成としてもよい。或いは、大入賞口に遊技球が入賞する毎に動画を変更する構成としてもよい。すなわち、予め定めた所定数の遊技球が大入賞口に入賞したタイミングで、次回に開放される大入賞口を示唆し得る動画を表示可能な構成であればよい。但し、動画を変更するタイミングは、開放動画の表示を開始してから複数個の遊技球が入賞した後、又は動画を変更してから複数個の遊技球が入賞した後とすることが望ましい。
(q)上記実施の形態では、開放時処理において、表示開放カウンタHOCの値に基づいて表示する動画をそれぞれ1種類ずつ備える構成について説明したが、複数種類の動画を表示可能な構成とすれば、各大入賞口が開放されることを示唆する開放動画を多様化させることが可能となり、大入賞口が開放されている状況下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。具体的には、遊技球の入賞状況に応じて選択可能な動画(内部コマンド)をプログラムROM522に予め複数記憶させておき、ステップS1702,S1705,S1709,S1712の各処理の後に、表示開放カウンタHOCの値に応じて動画を選択する処理を追加する。
(r)上記実施の形態では、大入賞口に6個の遊技球が入賞するまでは、次回のラウンドで開放される大入賞口に関わらず同じ動画が表示される構成としたが、大入賞口が開放された段階から異なる動画が表示される構成としてもよい。
(s)上記実施の形態では、各可変入賞装置32a,32bにサブセンサ428b,478bを設けて表示制御装置214と接続する構成としたが、かかる構成を変更する。一方の可変入賞装置にのみ表示制御装置214と接続されるサブセンサを設け、この可変入賞装置に遊技球が入賞した場合にのみ入賞数に応じた開放動画を表示する構成とし、他方の可変入賞装置の大入賞口が開放された場合には入賞数に基づかない開放動画を表示する構成とする。かかる構成とした場合であっても、入賞数に応じた開放動画が表示される可変入賞装置の大入賞口が開放されることを期待させつつ大当り状態下の遊技を行わせることが可能となり、大当たり状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
(t)上記実施の形態では、各動画と対応する内部コマンドを個別に記憶させると共に、大入賞口に所定数の遊技球が入賞したタイミングでいずれかの動画を表示させるよう内部コマンドを選択する構成としたが、かかる構成を変更する。例えば、動画a→動画b→動画c→動画eを表示するための一連の内部コマンドと、動画a→動画b→動画d→動画fを表示するための一連の内部コマンドとをプログラムROM522に予め記憶させておき、開放動画を開始する場合に次回のラウンドで開放される大入賞口を把握し、対応する内部コマンドを順次出力する構成とする。但し、動画bと対応する内部コマンドの出力は大入賞口に3個の遊技球が入賞するまで開始しない構成とすると共に、動画aと対応する内部コマンドの出力途中であっても大入賞口に3個の遊技球が入賞した場合には動画bと対応する内部コマンドの出力を開始する構成とする。かかる構成としても、大入賞口が開放されている状況下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
(u)上記実施の形態では、各可変入賞装置32a,32bにメインセンサ428a,478aとサブセンサ428b,478bを設け、メインセンサ428a,478aを主制御装置271と接続し、サブセンサ428b,478bを表示制御装置214と接続する構成としたが、各可変入賞装置32a,32bにセンサをそれぞれ1つだけ設け、当該センサを主制御装置271と表示制御装置214に接続する構成としてもよい。
(v)上記実施の形態では、オープニング動画にて大入賞口が15回開放されることを表示する構成としたが、大当たり状態下で大入賞口が15回開放されることを遊技者が把握できる構成であれば、表示するタイミングは任意である。例えば、大当たり変動が終了したタイミングで表示する構成としてもよいし、大当たり変動の変動途中で表示する構成であってもよい。或いは、遊技状態や大当たり変動と無関係に図柄表示装置41の一部で表示し続ける構成としてもよい。
(w)上記実施の形態では、大当たり変動終了時に図柄表示装置41に表示される大当たり図柄と、大当たり状態における各大入賞口の開放パターンとを独立して決定する構成としたが、第1特定ランプ部47と各大入賞口の開放パターンとは関連付けて決定してもよい。仮に第1特定ランプ部47と開放パターンとを関連付けたとしても、どのような開放態様が行われるかを遊技者が把握しづらいからである。
(x)上記実施の形態における表示制御装置214は、状態移行コマンドに基づいて遊技状態が大当たり状態に移行したこと及びいずれの開放パターンが行われるのかを認識し、開放コマンドと閉鎖コマンドに基づいて大入賞口の開閉を認識する構成としたが、各大入賞口の開閉と図柄表示装置41の表示とを連動させる構成であれば、かかる構成に限定されるものではない。
(y)上記実施の形態では、大当たりが発生すると特別遊技状態としての大当たり状態に移行し、その後、第2特別遊技状態としての高確率状態に移行するパチンコ機について説明したが、第2特別遊技状態を備えていない遊技機や、特別遊技状態の終了後に複数の第2特別遊技状態に連続して移行する遊技機に上記構成を適用してもよい。例えば、大当たり状態の終了後に、第1図柄の変動表示(第1特定ランプ部47の切替表示)が所定回数(例えば7回)行われるまで高確率状態に移行し、該高確率状態が終了すると、第1図柄の変動表示(第1特定ランプ部47の切替表示)が所定回数(例えば50回)行われるまで切替短縮状態に移行する構成とする。
(z)上記実施の形態では、主制御装置271において、図柄表示装置41における停止図柄の細かな組合せ、図柄の変動パターンやリーチ演出を決定する構成であったが、これを変更してもよい。例えば、主制御装置271は、図柄表示装置41における停止図柄の細かな組合せ、図柄の変動パターンやリーチ演出を決定せずに、表示制御装置214がこれらを決定する構成であってもよい。この場合、主制御装置271は、確変大当たり、通常大当たり又は大当たり発生無しのうちのいずれが当該遊技回において発生するかの旨と、第1特定ランプ部47に表示される色の切替表示時間とを含めた表示コマンドを表示制御装置214に対して出力する構成とする。そして、表示制御装置214は、この主制御装置271からの表示コマンドに基づいて、停止図柄の細かな組合せ、図柄の変動パターンやリーチ演出を決定し、切替表示時間の範囲内で図柄の変動表示を制御する。本構成であれば、上記実施の形態における効果を奏しつつ、さらに主制御装置271の処理負荷の軽減を図ることができる。