以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図48を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図6参照)が設けられている。ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図19参照)の実行間隔である4ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図25参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図19参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図25参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値(当たり値)と一致する場合に、大当たりと判定する。この大当たり乱数テーブルは、低確率時(確変中ではない期間)用と、その低確率時より大当たりとなる確率の高い高確率時(確変中)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率時と高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、低確率時に大当たりとなる乱数の値(当たり値)の数は3で、その値「7,307,582」が、低確率時大当たり乱数テーブルに格納されている。一方で、高確率時に大当たりとなる乱数の値(当たり値)の数は30で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、高確率時大当たり乱数テーブルに格納されている。
尚、本実施形態では、低確率時大当たり乱数テーブルに格納されている当たり値と、高確率時大当たり乱数テーブルに格納されている当たり値とで、重複した値とならないように、それぞれ当たり値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず当たり値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブルとに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図7(a)を参照して、大当たり種別テーブルについて説明する。図7(a)は、大当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図である。図7(a)に示すように、大当たり種別テーブルは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブルでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図7(a)の例では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブルから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブルにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
図6に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。
停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図19参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図25参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いられる。即ち、MPU201は、変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとによって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定する。
本パチンコ機10は、変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブルと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブルとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブルとして、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態であるか、もしくは、時短状態を除く通常時の低確率状態かに応じて、外れ(確変)用変動パターンテーブルおよび外れ(通常)用変動パターンテーブルが用意されている。
図7(b)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図である。図7(b)に示すように、大当たり用変動パターンテーブルは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別として15R確変大当たり及び15R通常大当たりが決定された場合に参照される15R大当たり共通と、2R確変大当たりが決定された場合に参照される2R確変大当たり専用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(当たり値)であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動パターンから決定される。
15R大当たり共通には、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜10、スーパーリーチ各種が11〜99、スペシャルリーチ各種が100〜198となっている。ノールリーチ各種とは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンであり、スーパーリーチ各種とは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンであり、スペシャルリーチ各種とは、スーパーリーチより更に長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)変動パターンである。15R大当たり共通のテーブルは、それが選択されるのが15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、スペシャルリーチ各種が選択され易くなっている。ただし、ノーマルリーチ各種およびスーパーリーチ各種も選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
なお、「リーチ各種」とは、各リーチにおいても演出内容が異なるものが多数あることを意味しており、例えば、スーパーリーチには、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、あるキャラクタを突然表示するリーチ等があり、そのほか変動開始前の予告演出が付加されるもの、再変動で大当たりとなる演出が付加されるものなど、演出内容が異なる複数のリーチが含まれている。
2R確変大当たり専用には、2R変動A〜Cが設けられており、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、2R変動Aが0〜99、2R変動Bが100〜149、2R変動Cが150〜198となっている。なお、2R変動Aとは、例えば、「ニワトリ」を伴って最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する演出であり、2R変動Bとは、通常では出現しない「女の子」を伴って最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する演出であり、2R変動Cとは、上述の一発告知ランプの点灯を伴って最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する演出である。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
図7(c)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図である。図7(c)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブルは、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(当たり値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にあるときは、第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンから決定される。
完全外れ専用には、短時間で変動が終了してリーチも成立しない短外れと、その短外れより長い変動時間となるがリーチが成立しない長外れとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜148、長外れが149〜198となっている。また、リーチ共通には、リーチは成立するが変動時間が短い外れノーマルリーチ各種と、そのノーマルリーチ各種より長い変動時間となる外れスーパーリーチ各種と、その外れスーパーリーチ各種より更に長い変動時間となる外れスペシャルリーチ各種とがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、外れノーマルリーチ各種が0〜148、外れスーパーリーチ各種が149〜190、外れスペシャルリーチ各種が191〜198となっている。
図7(d)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図である。図7(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブルは、外れ用(通常)変動パターンテーブルと同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照され、短外れと長外れとがある完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照され、外れノーマルリーチ各種と、外れスーパーリーチ各種と外れスペシャルリーチ各種とがあるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンから決定される。
完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜190、長外れが191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、外れノーマルリーチ各種が0〜148、外れスーパーリーチ各種が149〜190、外れスペシャルリーチ各種が191〜198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブルは、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときに参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球し易い状態となる。よって、時短状態または高確率状態にあるときに、長外れが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまい、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、それ以外の場合よりも短外れが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブルと外れ用(確変)変動パターンテーブルとに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブルを参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図7(c)及び図7(d)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、短外れ及び長外れを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、短外れと長外れとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図19参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図19参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図25参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図25参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図24参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図23参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203a、保留球格納エリア203b、保留球実行エリア203c、第1先読み実行エリア203d、第2先読み実行エリア203e、第1先読み処理中フラグ203f、第2先読み処理中フラグ203g、先読み確変フラグ203h、予測状態確変フラグ203iを少なくとも有している。
保留球数カウンタ203aは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図19参照)の中で検出される第1入球口64への入球(以下「始動入賞」と称す)に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動演出(第3図柄表示装置81で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図24のS613)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図20のS203参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、変動演出が実行される毎に1減算される(図21のS305参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図20のS204参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく変動演出の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される変動演出の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の変動演出の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
保留球格納エリア203bは、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図6参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図19参照)の中で、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、保留球格納エリア203bに格納する。保留球格納エリア203bは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している(図6参照)。
また、保留球実行エリア203cは、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203cへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図6を参照して、保留球格納エリア203b及び保留球実行エリア203cの詳細について説明する。保留球格納エリア203b及び保留球実行エリア203cは、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たり抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、外れ時に停止図柄を停止させる変動パターンの決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり時に停止図柄を停止させる変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。保留球格納エリア203bは、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶する。
保留球格納エリア203bは、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタC2の値を格納する第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203b4とが設けられている。
なお、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3と、変動種別カウンタ格納エリア203b4とを1つの保留球格納エリア203bの中に設けているが、保留球格納エリアを複数設け、4つの各エリア203b1,203b2,203b3,203b4をいずれかの保留球格納エリアに設けるようにしてもよい。
上述した通り、保留球格納エリア203bには、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い始動入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203cは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203cには、保留球格納エリア203bと同様に、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタ格納エリア203c4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)を、この保留球実行エリア203cの各エリア203c1〜203c4にそれぞれシフトする。そして、保留球実行エリア203cにシフトされたデータを、変動開始処理(図22参照)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の乱数値を、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2の乱数値を、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へシフトし、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトし、変動種別カウンタ格納エリア203b4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203c4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203cへのデータのシフトが終了すると、保留第1エリアが空き状態となるため、保留球格納エリア203bの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、本実施の形態では、保留球格納エリア203bにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、保留球格納エリア203b内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、保留球格納エリア203bの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203cへシフトされ、保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、保留第2エリアのデータを、保留第1エリアへシフトし、保留第3エリアのデータを、保留第2エリアへシフトし、保留第4エリアのデータを、保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、保留第2エリアのデータのみを、保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施の形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくできるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
図5に戻って、説明を続ける。第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eは、始動入賞が検出されたタイミングで保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、「先読み」処理で使用するために、保留球格納エリア203bとは別に記憶するためのメモリである。
「先読み」とは、変動演出の実行開始タイミングでカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づき大当たり抽選や変動パターンの決定を行うのに先立って、予め該カウンタC1〜C3,CS1の各値を読み出すことである。本パチンコ機10では、「先読み」処理によって、カウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みし、予め大当たり抽選の結果や変動パターンの判定結果を予測するように構成されており、先読み処理により予測された大当たり抽選の結果や変動パターンの判定結果に基づき、連続予告演出の設定や、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信したコマンドの破壊判定といった、各種制御を実行する。
具体的には、第1入球口64への入賞(始動入賞)が検出されたことに伴ってカウンタ用バッファより取得された各カウンタC1〜C3,CS1の値が保留球格納エリア203bに格納されると、MPU201は、これら保留球格納エリア203bに格納した各カウンタC1〜C3,CS1の値を、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eにも記憶する(図20のS207〜S214)。このとき、第1先読み実行エリア203dに先読み処理中(先読み処理開始の待機中を含む。以下、同じ。)のカウンタC1〜C3,CS1の値が非格納であれば、第1先読み実行中エリア203dに各カウンタC1〜C3,CS1の値を記憶させる。また、第1先読み実行エリア203dに先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されており且つ第2先読み実行エリア203eに先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が非格納であれば、第2先読み実行中エリア203eに各カウンタC1〜C3,CS1の値を記憶させる。
一方、第1先読み実行エリア203dに先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されており且つ第2先読み実行エリア203eに先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されていれば、第1先読み実行エリア203dにも第2先読み実行エリア203eにも各カウンタC1〜C3,CS1の値を記憶させずに記憶処理の実行を終了する。この場合は、先読み処理が非実行とされる。
第1先読み実行エリア203dおよび第2先読み実行エリア203eのそれぞれにおける先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されているか否かの判断は、第1先読み処理中フラグ203fおよび第2先読み処理中フラグ203gを参照することによって行われる。第1先読み処理中フラグ203fは、第1先読み実行エリア203dにおいて先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されているか否かを示すものであり、第2先読み処理中フラグ203gは、第2先読み実行エリア203eにおいて先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されているか否かを示すフラグである。第1先読み処理中フラグ203f及び第2先読み処理中フラグ203gは、いずれも、オンの場合に、対応する先読み実行エリア203d,203eにおいて先読み処理中(先読み処理開始の待機中を含む)のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されていることを示し、オフの場合に、対応する先読み実行エリア203d,203eにおいて先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が非格納であることを示す。
この第1先読み処理中フラグ203f及び第2先読み処理中フラグ203gは、電源投入時に実行されるRAMの初期設定処理(図24のS613)において、初期値としてオフが設定される。そして、第1先読み実行エリア203dに各カウンタC1〜C3,CS1の値が格納されると、第1先読み処理中フラグ203fがオンに設定され、第1先読み実行エリア203dに先読み処理中(待機中)のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されていることが示される(図20のS208参照)。また、第2先読み実行エリア203eに各カウンタC1〜C3,CS1の値が格納されると、第2先読み処理中フラグ203gがオンに設定され、第2先読み実行エリア203eに先読み処理中(待機中)のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されていることが示される(図20のS211参照)。
第1先読み処理中フラグ203f又は第2先読み処理中フラグ203gがオンに設定されると、メイン処理の中でMPU201により繰り返し実行される先読み処理(図25,図26参照)によって、オン状態の先読み処理中フラグ203f,203gに対応する先読み実行エリア203d,203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みして、大当たり抽選の結果および変動パターンの判定結果が予測される。
そして、予測された大当たり抽選の結果と、変動パターンの判定結果とから、後述する先読みコマンドを生成して音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、先読みコマンドを受信することによって、保留中の複数の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定する制御を実行する。また、先読みコマンドで示される大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果と、変動演出開始時に保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて行われる大当たり抽選の結果や変動パターンの判定結果とを比較することで、ノイズ等の影響により音声ランプ制御装置113へ送信されるコマンドが破壊されていないかを判別する処理を実行する。
ここで、連続予告演出について説明する。連続予告演出は、変動演出の結果として15R確変大当たりとなる可能性が高いことを示唆(予告)する予告演出の一種で、その変動演出に対応する始動入賞が検出された時点で保留されていた複数の変動演出にわたって、同一の又は関連する図柄が第3図柄表示装置81に表示される演出である。本実施形態では、連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出を含め、該変動演出に対応する始動入賞時点で保留されていた複数の変動演出にわたって、その変動演出中に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させる。これにより、遊技者が複数の変動表示にわたって変動停止直後に「クラゲ」画像を連続して視認することで、遊技者に対して連続予告演出後に大当たりが得られる期待感を持たせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
尚、本実施形態では、複数の変動演出にわたって、その変動演出中に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることで連続予告演出を行う場合について説明するが、各変動演出の終了時、即ち、第3図柄の停止表示直後に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることで連続予告演出を行うようにしてもよい。この場合は、連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出を除く、該変動変出に対応する始動入賞時点で保留されていた複数の変動演出にわたって、その変動演出終了時に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させるように構成すればよい。このように、変動演出終了時に連続予告演出画像(「クラゲ」画像)を表示することによって、変動演出の停止図柄として大当たり図柄が現出せずに大当たりとならなかった場合であっても、遊技者が複数の変動表示にわたって変動停止直後に「クラゲ」画像を連続して視認することで、遊技者に対して連続予告演出後に大当たりが得られる期待感を持たせることができ、遊技者に遊技を続けさせる動機づけを与えることができる。
本パチンコ機10では、主制御装置110において、始動入賞時に取得された各カウンタC1〜C3,CS1に基づき、変動演出の実行開始となるタイミングに先だって先読み処理を実行し、大当たり抽選および変動パターンの判定結果を予測する。そして、先読みコマンドによってこれらの予測結果を音声ランプ制御装置113へ通知する。音声ランプ制御装置113は、先読みコマンドを受信すると、その先読みコマンドに含まれる後述の先読み保留回数から先に保留された変動演出の数を把握したうえで、先読みコマンドにより通知される大当たり抽選の予測結果から、保留中の変動演出に対して連続予告演出を行うか否かを決定する。これにより、主制御装置110における処理を、パチンコ機10の最も重要な処理である、始動入賞に基づき遷移すべき遊技状態を抽選する抽選処理に集中させることができる一方、音声ランプ制御装置113に処理能力の高いMPU221を使用すれば、連続予告演出の態様や実行条件等を多種態様に設定することができる。
尚、この音声ランプ制御装置113による連続予告演出の設定や、上述したコマンドの破壊判別の処理の詳細については後述する。
第1先読み実行エリア203dに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして大当たり抽選や変動パターン判定の結果が予測され、先読みコマンドが設定されると、第1先読み処理中フラグ203fはオフに設定され、第1先読み実行エリア203dに先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が非格納であることが示される。同様に、第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして大当たり抽選や変動パターン判定の結果が予測され、先読みコマンドが設定されると、第2先読み処理中フラグ203gはオフに設定され、第2先読み実行エリア203eに先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が非格納であることが示される。これにより、始動入賞が検出されると、オフに設定された先読み処理中フラグ203f,203gに対応する先読み実行エリア203d,203eに対して、各カウンタC1〜C3,CS1の値が保留球格納エリア203bに格納されるようになる。
このように、第1先読み処理中フラグ203f及び第2先読み処理中フラグ203gによって、対応する先読み実行エリアに先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されているか否かが判定され、先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されていれば、後に始動入賞タイミングで取得された各カウンタC1〜C3,CS1の値で、その対応する先読み実行エリアが上書きされることを抑制する。よって、MPU201は、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに各カウンタC1〜C3,CS1の値が格納されると、後に始動入賞があった場合でも、先読み処理が完了するまで先読み実行エリア203d,203eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値が保持され続ける。従って、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を用いて、先読み処理を確実に実行することができる。
ここで、再び図6を参照して、第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eの詳細について説明する。第1先読み実行エリア203dは、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、第1当たり種別カウンタC2の値を格納する第1当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。また、第2先読み実行エリア203eは、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、第1当たり種別カウンタC2の値を格納する第1当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4とが設けられている。
さらに、第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eには、いずれも、これらの実行エリアに格納されるカウンタC1〜C3,CS1の各値と同じ値が、保留球格納エリア203bにおいて保留され続ける保留回数を、先読み保留回数として格納する、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5が設けられている。この先読み保留回数は、先読み処理の対象となる変動演出の保留回数を意味する。
MPU201は、第1入球口64への入賞(始動入賞)を検出すると、各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bに格納すると共に、その時点で第1先読み処理中フラグ203fがオフであれば、その保留球格納エリア203bに格納したカウンタC1〜C3,CS1の各値を、それぞれ第1先読み実行中エリア203dの各カウンタ格納エリア203d1〜d4にも格納する。また、その時点における保留球数カウンタ203aの値(始動入賞に伴って1加算した後の保留球数カウンタ203aの値)を先読み保留回数として先読み保留回数格納エリア203d5に格納し、更に、第1先読み処理中フラグ203fをオンに設定する。
また、MPU201は、始動入賞を検出した時点で、第1先読み処理中フラグ203fがオンである一方、第2先読み処理中フラグ203gがオフであれば、始動入賞検出に伴って保留球格納エリア203bに格納したカウンタC1〜C3,CS1の各値を、それぞれ第2先読み実行中エリア203eの各カウンタ格納エリア203e1〜e4にも格納する。また、その時点における保留球数カウンタ203aの値(始動入賞に伴って1加算した後の保留球数カウンタ203aの値)を先読み保留回数として先読み保留回数格納エリア203e5に格納し、更に、第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定する。
上述したように、第1先読み処理中フラグ203f又は第2先読み処理中フラグ203gがオンに設定されると、メイン処理の中でMPU201により繰り返し実行される先読み処理(図26,図27参照)によって、オン状態が検出された先読み処理中フラグ203f,203gに対応する先読み実行エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みして、大当たり抽選および変動パターンの判定結果が予測される。そして、予測された大当たり判定の結果と、変動パターンの結果とから、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納された先読み保留回数に関する情報を含む先読みコマンドを設定し、設定した先読みコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。尚、先読みコマンドの詳細については、図8を参照して後述する。
ここで、従来の遊技機では、変動演出の開始時に、その変動演出に対応する始動入賞よりも後に検出された始動入賞によって保留されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みすることによって先読み処理を実行していた。また、タイマ割込処理の中に、変動演出の開始を判断して大当たり抽選を実行する処理と、始動入賞を検出して各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し且つ先読み処理を実行する処理とを含めるように構成することも考えられ得る。
これに対し、本実施形態では、始動入賞が検出された時点におけるカウンタC1〜C3,CS1の各値を一旦第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eのいずれかに格納したうえで、その第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を基に、メイン処理の中で先読み処理を実行する。また、本実施形態では、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選等を、メイン処理よりも優先して実行されるタイマ割込処理の中の一処理である変動開始処理(図22参照)の中で実行する。
変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選とは別に、始動入賞時に取得して保留した各カウンタ値を先読みして、大当たり抽選の結果を予測する先読み処理を実行するようにパチンコ機を構成した場合、大当たり抽選は、始動入賞によって取得されたカウンタ値と、個々の当たり値とを1つ1つ比較する必要がある一方、先読み処理においても、大当たり抽選とは別に、先読みした値と個々の当たり値とを1つ1つ比較する必要がある。これにより、特にパチンコ機が高確率状態にある場合は、カウンタ値と個々の当たり値との比較処理を、大当たり抽選および先読み処理のいずれにおいても、例えば高確率状態における当たり値の数が30あれば、最大で30回繰り返して行わなければならない。よって、大当たり抽選および先読み処理のそれぞれにおいて行われるカウンタ値と当たり値との比較処理に、長い時間を要する。
このような状況下において、従来の遊技機のように、変動演出の開始時に、その変動演出に対応する始動入賞よりも後に検出された始動入賞によって保留されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理すれば、変動演出の実行開始時の大当たり抽選が行われるのと相前後して、始動入賞時の先読みに伴う大当たり抽選の結果の予測が行われることになり、遊技において最も重要な処理である大当たり抽選の完了が遅れる等して、遊技に影響を及ぼすおそれがある。
また、タイマ割込処理の中に、変動演出の開始を判断して大当たり抽選を実行する処理と、始動入賞を検出して各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し且つ先読み処理を実行する処理とを含めるように構成した場合、変動演出の開始の判断と始動入賞の検出とに基づいて、1のタイマ割込処理の中で大当たり抽選処理と先読み処理とが共に行われる場合が生じ得る。それぞれの処理は、上述したように、長い処理時間を要するおそれがあるため、この場合、次のタイマ割込処理が開始されるまでにタイマ割込処理に含まれる全ての処理が完了しない事態も発生し得る。よって、遊技に必要な各種制御が遅れることになり、遊技に影響を及ぼすおそれがある。
これに対して、本実施形態に係るパチンコ機10では、上述したように、メイン処理の中で先読み処理を実行する一方、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選等を、タイマ割込処理の中の一処理である変動開始処理(図22参照)の中で実行するように構成されている。これにより、先読み処理がメイン処理において実行中であっても、タイマ割込処理が優先して実行されるので、変動演出の実行開始タイミングで大当たり抽選を遅滞なく行うことができる。一方、先読み処理中にタイマ割込処理が実行されても、タイマ割込処理の終了後に引き続いて実行されるので、先読み処理を確実に完了させることができる。このように、本実施形態に係るパチンコ機10では、始動入賞が検出された場合に取得されるカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行し、大当たり抽選等の結果を予測しつつ、大当たり抽選を変動演出の実行開始タイミングで遅滞なく行うことができるので、正常に遊技の制御を行うことができるのである。
また、本実施形態では、始動入賞時に取得したカウンタC1〜C3,CS1の各値を保留球数格納エリア203bだけでなく、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納し、この第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行する。
ここで、保留球数格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を直接読み出して先読み処理を行った場合、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなると、上述したように、保留球格納エリア203bの各保留エリア(保留第1〜第4エリア)に格納されている各カウンタC1〜C3,CS1は、保留球実行エリア203cや、別の保留エリアにシフトされる。これにより、変動開始処理(図22参照)が実行される毎に、先読み処理で参照すべきカウンタC1〜C3,CS1の格納エリアを変更する必要が生じる。
これに対し、本実施形態では、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行するので、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなり、変動開始処理が実行されても、先読み処理で参照すべきカウンタC1〜C3,CS1の格納エリアを変更することなく、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eを参照し続ければよいため、処理を簡略化できる。
また、本実施形態では、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに各カウンタC1〜C3,CS1の値を格納すると共に、先読み処理が完了するまで、第1先読み処理中フラグ203f又は第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定しておくことにより、先読み処理を実行中に、新たに始動入賞が検出された場合であっても、その新たな始動入賞に伴って取得されたカウンタC1〜C3,CS1の値によって、先読み処理中の第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eが上書きされるのを抑制できる。よって、先読み処理を確実に実行できる。
なお、本実施形態では、始動入賞が検出されたときに、第1先読み処理中フラグ203f及び第2先読み処理中フラグ203gが共にオンであり、第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eがいずれも先読み処理中である場合には、その始動入賞に伴って保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を、第1先読み実行エリア203dにも第2先読み実行エリア203eにも格納しないように構成されている。これにより、この始動入賞によって取得されたカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて先読み処理は行われないが、先読み処理は、上述したように、連続予告演出の設定や、音声ランプ制御装置113へ送信されるコマンドの破壊判別の処理を行うためのものであり、遊技に直接影響を及ぼすものではないため、問題とならない。
また、本実施形態では、第1先読み実行エリア203dと第2先読み実行エリア203eとの2つの先読み実行エリアを用意し、いずれか一方に始動入賞時に取得されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を格納するように構成されている。よって、第1先読み実行エリア203dに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理が実行中である間に、新たな始動入賞が検出された場合に、第2先読み実行エリア203eが先読み処理中でなければ、この新たな始動入賞に伴い取得される各カウンタC1〜C3,CS1の値を第2先読み実行エリア203eに格納し、この第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を用いて先読み処理を実行することができる。よって、始動入賞によって取得され、保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の組のうち、先読み処理が実行されない組の発生を抑制することができ、可能な限り多くの組に対して先読み処理を実行することができる。
なお、本実施形態では、2つの先読み実行エリアを用意したが、先読み実行エリアを1つにしてもよい。この場合、始動入賞によって取得され、保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の組のうち、先読み処理が実行されない組が、2つの先読み実行エリアを用意した場合と比較して多く発生することになるが、先読み実行エリアを1つとすることによって、RAM203に必要となる記憶容量の増大を抑制することができる。
また、3つ以上(保留可能な保留球数以下)の先読み実行エリアを用意してもよい。例えば、先読み実行エリアとして第1〜第3先読み実行エリアの3つ用意する場合、第1先読み実行エリアに先読み処理実行中のカウンタ値が格納されており、第2先読み実行エリアに先読み処理実行中のカウンタ値が格納されていなければ、第2先読み実行エリアに新たに始動入賞によって取得された各カウンタ値を格納し、第1先読み実行エリアおよび第2先読み実行エリアにいずれも先読み処理実行中のカウンタ値が格納されており、第3先読み実行エリアに先読み処理実行中のカウンタ値が格納されていなければ、第3先読み実行エリアに新たに始動入賞によって取得された各カウンタ値を格納するようにしてもよい。若しくは、第1先読み実行エリア→第2先読み実行エリア→第3先読み実行エリアの順に、始動入賞によって取得された各カウンタの値を格納するようにしてもよい。先読み実行エリアを3つ以上用意することによって、先読み実行エリアを2つ用意する場合よりも、先読み処理が実行されない組の発生を更に抑制することができ、より多くの組に対して先読み処理を実行することができる。
さて、本実施形態では、各先読み実行エリア203d,203eに、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5を設けており、始動入賞が検出されて各カウンタC1〜C3,CS1の値が先読み実行エリア203d,203eに格納される時点の保留球数カウンタ203aの値(始動入賞に伴って1加算した後の保留球数カウンタ203aの値)が先読み保留回数として先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納される。ここで、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納される先読み保留回数は、対応する先読み実行エリア203d,203eの先読み処理中フラグ203f,203gがオンである間、変動演出の実行開始タイミングとなって変動開始処理が実行される度に、1ずつ減算される(図21のS306〜S309参照)。
これにより、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納される先読み保留回数は、対応する実行エリアにおいて格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と同じ値が、保留球格納エリア203bにおいて保留され続ける保留回数を正確に表したものとなる。よって、先読み処理により予測した大当たり抽選の結果および変動パターンの判定結果に基づいて先読みコマンドを生成する場合に、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納されている先読み保留回数を先読みコマンドに含めることによって、この先読みコマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、先読み処理により得られた大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果に従って実行される変動演出の保留回数を正確に把握することが出来る。
従って、音声ランプ制御装置113では、この先読み処理の結果に基づいて連続予告演出を設定する場合に、その先読み処理の行われた各カウンタC1〜C3,CS1の取得契機となった始動入賞よりも前または以前の始動入賞に対する変動演出に対して連続予告演出を確実に設定することができる。また、音声ランプ制御装置113では、先読みコマンドによって示される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を、該先読みコマンドによって示される先読み保留回数分だけ変動演出の実行回数に対して保留させることにより、その先読みコマンドにより示された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を、その先読みが行われた変動演出に対して主制御装置110により送信された変動パターンコマンド及び停止種別コマンドと対応付けることができる。従って、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドや停止種別コマンドが、先読みコマンドによって示された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とマッチするか否かを確実に判断することができる。よって、コマンドの破壊判別を正確に行うことができる。
次に、図8を参照して、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に送信される先読みコマンドの詳細について説明する。図8は、先読みコマンドに含まれるデータを模式的に示した模式図である。なお、先読みコマンドのデータ構成は、図8(a)における左側を上位バイト、右側を下位バイトとし、左側を上位ビット、右側を下位ビットとして説明する。
先読みコマンドは、先読み処理によって予測された大当たり抽選結果および変動パターン判定結果を、先読み保留回数と共に主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して通知するコマンドである。この先読みコマンドは、図8(a)に示すように2バイトで構成されており、上位1バイトにコマンドの種別として先読みコマンドであることを示すデータが格納されている。また、下位1バイトに先読み保留回数、大当たり抽選の予測結果(大当たり抽選予測結果)、変動パターン判定の予測結果(変動パターン判定予測結果)を示すデータが格納されている。具体的には、下位1バイトを構成する8ビットのうち最上位2ビットにより先読み保留回数が示され、その最上位2ビットに続く下位側の下位3ビットにより大当たり判定予測結果が示され、最下位3ビットにより変動パターン判定予測結果が示されている。
先読み保留回数は、図8(b1)に示すように、下位1バイトの最上位2ビットに「00」が格納されていれば先読み保留回数が1回であることを示し、「01」が格納されていれば先読み保留回数が2個であることを示し、「01」が格納されていれば先読み保留回数が3個であることを示し、「11」が格納されていれば先読み保留回数が4個であることを示す。
上述したように、先読み処理は、変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選等に先だって、カウンタC1〜C3,CS3の各値に基づき、大当たり抽選等の予測を行うものである。これに対し、先読み処理中に先読み保留回数格納エリア203d5,203e5が0となれば、先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS3の値に基づいて変動演出実行開始時における大当たり抽選等が行われたことを意味する。そこで、本実施形態では、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5が0以下であれば、先読みコマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信しないように構成されている。よって、先読みコマンドにおいて、先読み保留回数が0となる場合は発生しないので、ここでは、1〜4回を上述のように2ビットで表している。
大当たり抽選予測結果は、図8(b2)に示すように、下位バイトの最上位ビット2ビットに続く3ビットに「000」が格納されていれば前後外れリーチを発生させる「前後外れ」であることを示し、「001」が格納されていれば「前後外れ」を除く外れ、即ち、前後外れ以外リーチを発生させる外れか完全外れを意味する「その他の外れ」であることを示し、「010」が格納されていれば「15R通常大当たり」であることを示し、「011」が格納されていれば「15確変大当たり」であることを示し、「100」が格納されていれば「2R確変大当たり」であることを示す。
本実施形態では、先読みコマンドにより、大当たり抽選の予測結果として単に外れであるか大当たりであるかのみを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ通知するのではなく、外れの場合は「前後外れ」か「その他の外れ」かを通知し、大当たりの場合は、「15R通常大当たり」か、「15R確変大当たり」か、「2R確変大当たり」かを通知している。これにより、大当たり抽選の予測結果として単に外れであるか大当たりであるかを通知する場合と比して、音声ランプ制御装置113では、連続予告演出の実行判定をより細かい条件で行うことができ、また、変動演出を開始する場合に音声ランプ制御装置113が受信する変動パターンコマンドや停止図柄コマンドの破壊判定をより詳細に行うことができるなど、先読みを必要とする制御の多彩化を図ることができる。よって、音声ランプ制御装置113における制御をより多彩に行わせることができる。
尚、本実施形態では、大当たり抽選の予測結果が大当たりであった場合に、15R通常大当たり、15R確変大当たり、2R確変大当たりに分けて、主制御装置110から音声ランプ御装置113に通知されるように先読みコマンドを構成しているが、単に大当たりであることを通知するように先読みコマンドを構成しても勿論よい。また、大当たり中に発生する最大ラウンド数に応じて、「15R大当たり」(15R通常大当たり及び15R確変大当たりが該当)と「2R大当たり」(2R確変大当たりが該当)とに分けて、主制御装置110から音声ランプ御装置113に通知するように先読みコマンドを構成してもよい。或いは、大当たり後に移行する遊技状態が高確率状態か否かに応じて、「確変大当たり」(15R確変大当たり及び2R確変大当たりが該当)と「通常大当たり」(15R通常大当たりが該当)とに分けて、主制御装置110から音声ランプ御装置113に通知するように先読みコマンドを構成してもよい。
また、本実施形態では、大当たり抽選の予測結果が外れであった場合に、前後外れとその他の外れとに分けて、主制御装置110から音声ランプ御装置113に通知されるように先読みコマンドを構成しているが、単に外れであることを通知するように先読みコマンドを構成しても勿論よい。また、前後外れリーチを発生させる外れか、前後外れ以外リーチを発生させる外れか、完全外れかに分けて、先読みコマンドを構成してもよい。
先読みコマンドの大当たり抽選予測結果において、音声ランプ制御装置113へ通知する情報内容を、単に「大当たり」「外れ」とするなど、本実施形態の場合よりも削減すれば、音声ランプ制御装置113では、その大当たり抽選予測結果に基づく処理を本実施形態の場合よりも簡略化することができる。よって、この場合は、先読みに係る制御を音声ランプ制御装置113に行わせつつ、先読みに係る制御の負担増を抑制し、その他の制御に音声ランプ制御装置113の処理能力を向けさせることができる。よって、先読みによる制御を行いつつ、先読みを必要としない演出の多彩化も図ることができる。
一方、先読みコマンドの大当たり抽選予測結果において、「外れ」を「前後外れリーチを発生させる外れ」か、「前後外れ以外リーチを発生させる外れ」か、「完全外れ」かに分けて通知するなど、その通知する情報内容を本実施形態の場合よりも増やせば、音声ランプ制御装置113では、連続予告演出の実行判定を本実施形態よりも更に細かい条件で行うことができ、また、変動演出を開始する場合に音声ランプ制御装置113が受信する変動パターンコマンドや停止図柄コマンドの破壊判定を本実施形態よりも更に詳細に行うことができるなど、先読みを必要とする制御の多彩化を更に図ることができる。よって、音声ランプ制御装置113における制御をより多彩に行わせることができる。
変動パターン判定の予測結果は、図8(b3)に示すように、先読みコマンドの下位1バイトの最下位3ビットに「000」が格納されていれば外れ(短外れ、長外れ)であることを示し、「001」が格納されていればノーマルリーチであることを示し、「010」が格納されていればスーパーリーチであることを示し、「011」が格納されていればスペシャルリーチであることを示し、「100」が格納されていれば2R変動であることを示す。なお、本実施形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチ及びスペシャルリーチは、大当たりの場合と外れの場合との両方を含むように構成されているが、大当たりの場合の各リーチと、外れの場合の各リーチとを分けるように構成しても良い。大当たりの場合の各リーチと、外れの場合の各リーチとを分けた場合には、変動パターン判定の予測結果に割り当てられるビット数は増加するが、音声ランプ制御装置113では、変動演出を開始する場合に音声ランプ制御装置113が受信する変動パターンコマンドや停止図柄コマンドの破壊判定をより詳細に行うことができる。また、音声ランプ制御装置113における連続予告演出の実行判定を変動パターン判定の予測結果をも加味して行うように構成した場合は、その先読みコマンドによって通知される変動パターン判定の予測結果の種別を増やすことによって、連続予告演出の実行判定をより細かい条件で行うことができる。よって、先読みを必要とする制御の多彩化を図ることができるので、音声ランプ制御装置113における制御をより多彩に行わせることができる。
音声ランプ制御装置113では、先読みコマンドを受信すると、先読みコマンドに含まれる先読み保留回数から以前に保留された保留中の変動演出の数を把握したうえで、先読みコマンドで示される大当たり抽選の予測結果に基づいて、以前に保留された保留中の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定する。
また、音声ランプ制御装置113では、先読みコマンドによって示される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を、該先読みコマンドによって示される先読み保留回数分だけ変動演出の実行回数に対して保留させる。これにより、先読みコマンドにより示された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を、その先読みが行われた変動演出に対して主制御装置110により送信された変動パターンコマンド及び停止種別コマンドと対応付けることができるので、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドや停止種別コマンドが、先読みコマンドによって示された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とマッチするか否かを判断することで、先読みコマンドを含め受信したコマンドが破壊されていないかを判別できる。
例えば、変動パターンコマンドで示された変動パターンが外れノーマルリーチ各種であった場合に、先読み処理によって予測された大当たり抽選の予測結果が「15R確変大当たり」であれば、変動パターンコマンドが、先読み処理によって予測された大当たり抽選の予測結果とマッチしないと判断し、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別できる。また、変動パターンコマンドで示された変動パターンが外れノーマルリーチ各種であった場合に、先読み処理によって予測された大当たり抽選の予測結果が「その他の外れ」であっても、変動パターン判定の予測結果が「外れ」であれば、変動パターンコマンドが、先読み処理によって予測された変動パターン判定の予測結果とマッチしないと判断し、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別できる。
また、例えば、停止種別コマンドで示された停止種別が「完全外れ」である場合に、先読み処理によって予測された大当たり抽選の予測結果が「前後外れ」であれば、停止種別コマンドが、先読み処理によって予測された大当たり抽選の予測結果とマッチしないと判断し、先読みコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別できる。また、停止種別コマンドで示された停止種別が「完全外れ」である場合に、先読み処理によって予測された大当たり抽選の予測結果が「その他の外れ」であっても、変動パターン判定予測結果が「ノーマルリーチ」であれば、停止種別コマンドが、先読み処理によって予測された変動パターン判定の予測結果とマッチしないと判断し、先読みコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別できる。
このように、パチンコ機10では、始動入賞が検出された場合に主制御装置110で先読み処理を実行し、その先読み処理によって予測された大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果を先読みコマンドに含めて音声ランプ制御装置113へ送信することにより、パチンコ機10においてより多彩な制御を実現することができるのである。
図5に戻って、説明を続ける。先読み確変フラグ203hは、先読み処理を行う場合に、その先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態(モード)を示すフラグである。先読み確変フラグ203hがオフの場合は、その予測される遊技状態が低確率状態にあることを示し、先読み確変フラグ203hがオンの場合は、その予測される遊技状態が高確率状態(確変状態)にあることを示す。
主制御装置110では、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて先読み処理を実行する場合に、この先読み確変フラグ203hを参照する。そして、先読み確変フラグ203hがオフであれば、その先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態が低確率状態にあると予測されるので、当たり値を「7,307,582」に設定した上で、大当たり抽選の結果を予測する。一方、先読み確変フラグ203hがオンであれば、その先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態が高確率状態(確変状態)にあると予測されるので、当たり値を「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」に設定した上で、大当たり抽選の結果を予測する(図26のS752,S762参照)。
先読み確変フラグ203hは、電源投入後に実行される立ち上げ処理(図24参照)のRAMの初期設定(S613参照)にて、オフに初期化された後、この先読み処理における大当たり抽選の予測結果に応じて、設定が変更される。即ち、図26の先読み処理のS752,S762の処理によって行われる大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たり又は2R確変大当たりであった場合、実際の大当たり抽選が行われた後に遊技状態が高確率状態(確変状態)へ移行することが予測されるので、先読み確変フラグ203hをオンに設定する(図26のS755,S765参照)。大当たり抽選の予測結果がその他の大当たり、即ち、15R通常大当たりであった場合は、実際の大当たり抽選が行われた後に遊技状態が低確率状態へ移行することが予測されるので、先読み確変フラグ203hをオフに設定する(図26のS757,S767)。また、大当たり抽選の予測結果が外れであった場合は、遊技状態がそのまま維持されることが予測されるので、先読み確変フラグ203hの値をそのまま維持する(図26のS756:Yesの分岐、S766:Yesの分岐)。
ただし、本実施形態では、上述したように、必ずしも全ての変動演出に対応するカウンタ値に対して先読み処理が実行されないので、S752,S762の処理における大当たり種別判定の予測結果だけに基づいて先読み確変フラグ203hの値を設定していたのでは、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)の予測が大きくずれてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、本来の大当たり抽選の結果も考慮して先読み確変フラグ203hの値を設定し、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)を予測する。
具体的には、本来の大当たり抽選の結果が「15R確変大当たり」又は「2R確変大当たり」であり、遊技状態が高確率状態(確変状態)に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオフであれば、その本来の大当たり抽選が行われた各カウンタC1〜C3,CS1に対して先読み処理が非実行とされたと推測できる。そこで、この場合には、先読み確変フラグ203hをオンに設定し、先読み処理を行う場合に、その先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態を高確率状態(確変状態)に設定する(図22のS406参照)。
また、本来の大当たり抽選の結果がその他の大当たり(15R通常大当たり)であり、遊技状態が低確率状態に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオンであれば、その本来の大当たり抽選が行われた各カウンタC1〜C3,CS1に対して先読み処理が非実行とされたと推測できる。そこで、この場合には、先読み確変フラグ203hをオフに設定し、先読み処理を行う場合に、その先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態を低確率状態に設定する(図22のS408参照)。なお、本来の大当たり抽選の結果が外れである場合は、先読み確変フラグ203hの値をそのまま維持する。これにより、必ずしも全ての変動演出に対応するカウンタ値に対して先読み処理が実行されない場合であっても、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態の予測をより高い精度で行うことができる。
尚、本来の大当たり抽選の結果が「15R確変大当たり」又は「2R確変大当たり」であり、遊技状態が高確率状態(確変状態)に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオフであることにより、先読み確変フラグ203hをオンに設定した場合、又は、本来の大当たり抽選の結果がその他の大当たり(15R通常大当たり)であり、遊技状態が低確率状態に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオンであることにより、先読み確変フラグ203hをオフに設定した場合は、その本来の大当たり抽選が行われた各カウンタC1〜C3,CS1に対して先読み処理が非実行とされたことを意味するので、それまでは、先読み確変フラグ203hが誤った予測状態を示している可能性が高い。よって、メイン処理の中で実行中の先読みを含めて、それ以前に行われた先読みによる予測結果は、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を誤った上で予測されたものである可能性が高い。
そこで、本実施形態では、このような場合、即ち、本来の大当たり抽選の結果が「15R確変大当たり」又は「2R確変大当たり」であり、遊技状態が高確率状態(確変状態)に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオフであることにより、先読み確変フラグ203hをオンに設定した場合、又は、本来の大当たり抽選の結果がその他の大当たり(15R通常大当たり)であり、遊技状態が低確率状態に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオンであることにより、先読み確変フラグ203hをオフに設定した場合、第1先読み処理中フラグ203d及び第2先読み処理中フラグ203eをオフに設定すると共に、予測状態変更フラグ203iをオンに設定する(図22のS409〜S411参照)。
予測状態変更フラグ203iは、オン状態で、現在行っている先読みを含めて以前に行った先読みが誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて行われている可能性が高いことを示すフラグである。予測状態変更フラグ203iは、電源投入後に実行される立ち上げ処理(図24参照)のRAMの初期設定(S613参照)にて、オフに初期化され、通常はオフに維持される。そして、上述の場合に予測状態変更フラグ203iはオンに設定され、以前に行った先読みが誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて行われている可能性が高いことが示される。
MPU201は、メイン処理の中で実行される先読み処理(図26参照)において、第1先読み実行エリア203dまたは第2先読み実行エリア203eに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みしている間に予測状態変更フラグ203iがオンに設定されたことを検出すると、その先読みを中止する(S758:Yes,S768:Yes参照)。これにより、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて、先読みが行われることを抑制できる。
また、MPU201は、メイン処理の中で実行される先読み処理(図26参照)において、予測状態変更フラグ203iがオンに設定されたことを検出すると、予測状態変更コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ送信する(図27のS772参照)。
予測状態変更コマンドは、音声ランプ制御装置113に対して、それ以前に行われた先読みによる予測結果が誤っている可能性が高いことを通知するコマンドである。詳細については後述するが、音声ランプ制御装置113では、上述した先読みコマンドにより通知された先読み処理の予測結果を先読み情報格納エリア223bに格納し、その先読みが行われたカウンタC1〜C3,CS1による実際の大当たり抽選等が行われて変動が開始されるまでの間、その予測結果を保持し続けるように構成されている。音声ランプ制御装置113では、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で先読み情報格納エリア223bに格納されている先読み処理による予測結果を全て無効に設定する。これにより、誤った予測結果に基づいて、先読みによる各種制御が行われることを抑制することができる。例えば、誤った予測結果に基づいてコマンド破壊判別が行われることにより、コマンドが破壊されていないにも関わらず、コマンドの破壊判定においてコマンドが破壊されていると判定されることを抑制できる。
また、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除する。詳細については後述するが、連続予告演出の実行の決定は、先読みコマンドを受信したときに、その受信した先読みコマンドにより通知される大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりであるか、前後外れであった場合に、所定の割合で行われる。これにより、連続予告演出が行われると、遊技者に対して、その連続予告演出終了後に最も遊技価値の高い15R確変大当たりとなることを期待させることができる。また、連続予告演出終了後に外れとなる場合であっても、その外れにおける変動パターンは、変動変出が終了するまで遊技者に大当たりとなるか否かを最も期待させ続けることができる前後外れリーチとなる。よって、連続予告演出によって遊技者が抱く期待感を、連続予告演出が設定された最後の変動演出が停止表示されるまで増大させ続けることができる。
しかしながら、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、先に送信された先読みコマンドによって通知される予測結果が誤っている可能性が高いので、その誤った先読みコマンドに基づいて設定された連続予告演出が最後まで行われると、その最後の変動演出において、その大当たり種別が「15R確変大当たり」とならなかったり、外れであっても「前後外れリーチ」とならなかったりするおそれが生じる。これにより、遊技者は連続予告演出が行われたことによって抱く期待感とは大きくことなる結果となって、遊技者が持っていた興趣の低下を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除することによって、連続予告演出の終了後に遊技者が期待していたのとは異なる結果が生じることを抑制することができる。
主制御装置110は、メイン処理の中で実行される先読み処理(図26参照)において、予測状態変更フラグ203iがオンに設定されたことを検出すると、保留球格納エリア203bに保留されているカウンタC1〜C3,CS1を用いて、パチンコ機10の取りうる正しい状態に基づいて、再度、先読み処理を実行する。具体的には、保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアのうち、各種カウンタ値が保留されている1の保留エリアのカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203dに転記し、その保留エリアに対応する保留回数を先読み保留回数として先読み保留回数格納エリア203d5に格納して、更に第1先読み処理中フラグ203fをオンに設定する。また、各種カウンタ値が保留されている別の保留エリアのカウンタC1〜C3,CS1の値を第2先読み実行エリア203eに転記し、その保留エリアに対応する保留回数を先読み保留回数として先読み保留回数格納エリア203e5に格納し、更に第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定する(図27参照)。
本実施形態では、保留球数カウンタ203aの値(N)が4であり、保留球格納エリア203bに4つの保留球に対応するカウンタ値が保留されている場合は、保留第3エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203dに転記し、その第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に3を格納して、第1先読み処理中フラグ203fをオンに設定すると共に、保留第4エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第2先読み実行エリア203eに転記し、その第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に4を格納して、第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定する。
保留球数カウンタ203aの値(N)が3であり、保留球格納エリア203bに3つの保留球に対応するカウンタ値が保留されている場合は、保留第2エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203dに転記し、その第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に2を格納して、第1先読み処理中フラグ203fをオンに設定すると共に、保留第3エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第2先読み実行エリア203eに転記し、その第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に3を格納して、第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定する。
保留球数カウンタ203aの値(N)が2であり、保留球格納エリア203bに2つの保留球に対応するカウンタ値が保留されている場合は、保留第1エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203dに転記し、その第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に1を格納して、第1先読み処理中フラグ203fをオンに設定すると共に、保留第2エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第2先読み実行エリア203eに転記し、その第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に2を格納して、第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定する。
保留球数カウンタ203aの値(N)が1であり、保留球格納エリア203bに1つの保留球に対応するカウンタ値が保留されている場合は、保留第1エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203dに転記し、その第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に1を格納して、第1先読み処理中フラグ203fをオンに設定する。尚、この場合、第2先読み実行エリア203eには何も格納せずに、第2先読み処理中フラグ203gをオフのまま維持する。また、保留球数カウンタ203aの値(N)が0である場合は、第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eには何も格納せずに、第1先読み処理中フラグ203f及び第2先読み処理中フラグ203gをオフのまま維持する。
このように、保留球格納エリア203bに保留されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに転記し、転記した先読み実行エリアに対応する第1先読み処理中フラグ203f又は第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定することによって、次に実行される先読み処理において、その転記されたカウンタC1〜C3,CS1に基づいて、再度の先読みを行うことができる。よって、第1先読み実行エリア203dおよび第2先読み実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1に対して、正しい先読み確変フラグ203hの値、即ち、パチンコ機10の取りうる正しい遊技状態に基づいて、先読み処理が実行されて、大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を音声ランプ制御装置113に通知することができる。よって、音声ランプ制御装置113によって、より多くの予測結果を用いて、より多彩な制御を実行することができる。
また、本実施形態では、保留球格納エリア203bに保留されている複数の保留球の中から、最も直近に保留された保留球およびその保留球の1つ前に保留された保留球に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値に対してのみ、再度の先読みを行っている。このように、再度の先読みを行う対象を2つの保留球に限定することによって、その再度の先読みに係る処理の負担を軽くできる。また、再度の先読みに係る処理時間を短くできるので、始動入賞が検出された場合に、その始動入賞によって取得されたカウンタC1〜C3,CS1に対して、再度の先読みが行われているがために先読みが行われないといった事態を極力少なくすることができる。
また、直近に保留された保留球に対して再度の先読みを行っているので、保留球数が多い場合には、その再度の先読み対象となった保留球に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、実際の大当たり抽選が行われるまでに時間的な余裕がある。よって、実際の大当たり抽選が行われる前に、その再度の先読みが終了する可能性を高めることができるので、多くの大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を音声ランプ制御装置113に通知できる可能性を高めることができる。よって、音声ランプ制御装置113によって、より多くの予測結果を用いて、より多彩な制御を実行することができる。
尚、本実施形態では、保留球格納エリア203bに保留されている複数の保留球の中から、最も直近に保留された保留球およびその保留球の1つ前に保留された保留球に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値に対してのみ、再度の先読みを行うように構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エリア番号の小さい保留エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値から順に、そのカウンタ値を先読み実行エリアに格納するようにしてもよい。これにより、本来の抽選が実行される直前のカウンタ値から順に先読み処理を実行できるので、より早く本来の抽選が実行される各カウンタC1〜C3,CS1に対して、予測結果を得る可能性を高めることができる。
また、保留球格納エリア203bに3以上の保留があった場合は、保留第1エリア及び保留第2エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値だけに対して再度の先読みを実行してもよい。これにより、再度の先読みに係る処理の負担を軽くできる。また、再度の先読みに係る処理時間を短くできるので、始動入賞が検出された場合に、その始動入賞によって取得されたカウンタC1〜C3,CS1に対して、再度の先読みが行われているがために先読みが行われないといった事態を極力少なくすることができる。また、保留球格納エリア203bに3以上の保留があった場合に、一度第1先読み実行エリア203dおよび第2先読み実行エリア203eに保留第1英ら及び保留第2エリアのカウンタC1〜C3,CS1の値を転記して再度の先読みを実行した後、残りの保留エリアのカウンタC1〜C3,CS1の値を先読み処理の実行が終了した先読み実行エリアに転記して再度の先読みを実行するようにしてもよい。これにより、保留球格納エリア203bに保留された全てのカウンタC1〜C3,CS1に対して再度の先読みを実行できるので、音声ランプ制御装置113によって、より多くの予測結果を用いて、より多彩な制御を実行することができる。
予測状態変更フラグ203iは、再度の先読みを行うカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに設定した後、オフに設定される。一方、予測状態変更フラグ203iは、MPU201により実行されるタイマ割込処理(図19参照)の一処理である始動入賞処理(図20参照)の中で参照される。始動入賞処理では、始動入賞を検出して取得したカウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bに格納した場合に、予測状態変更フラグ203iがオンであれば、その保留球格納エリア203bに格納したカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eに非格納とし、且つ、第1先読み処理中フラグ203e又は第2先読み処理中フラグ203fがオンに設定する処理を非実行とする(図20のS207:Yes参照)。
これにより、再度の先読みを行うカウンタC1〜C3,CS1を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納する前に、始動入賞によって取得されたカウンタC1〜C3,CS1が第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されることを抑制することができる。よって、予測状態変更フラグ203iがオンに設定された場合は、保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を用いて、確実に、再度の先読みを実行できる。
また、再度の先読みを行うカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに設定した後、予測状態変更フラグ203iがオフに設定されることによって、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに設定したカウンタC1〜C3,CS1の値により再度の先読みが行われた後は、始動入賞に伴って取得されたカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203に格納し、第1先読み処理中フラグ203e又は第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定できるので、始動入賞に伴って取得されたカウンタC1〜C3,CS1の値に対して先読みが行われるようにすることができる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図23参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート425が接続されている。入出力ポート425には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
振動センサ228は、遊技板213の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入球口への入球が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入球口への入球が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、連続予告判定テーブル222aが少なくとも設けられている。また、RAM223には、保留球数カウンタ223a、先読み情報格納エリア223b、連続予告抽選カウンタ223c、単発予告抽選カウンタ223d、連続予告実行カウンタ223e、単発予告実行フラグ223dが少なくとも設けられている。
連続予告判定テーブル222aは、主制御装置110から送信される先読みコマンドを受信した場合に、連続予告抽選カウンタ223cと共に連続予告演出の実行を決定するためのテーブルである。その詳細については、連続予告抽選カウンタ223cの説明と併せて後述する。
保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数をカウントし、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が追加されて主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図31のS1016参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動表示の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図33のS1108参照)。このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、その値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数を保留球数カウンタ223aに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて保留球数カウンタ223aの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後の保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する(図44(a)のS1751参照)。上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
先読み情報格納エリア223bは、始動入賞に伴って取得されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みすることで主制御装置110により予測され、且つ、主制御装置110が送信した先読みコマンドによって示される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納するエリアである。
この先読み情報格納エリア223bは、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110から受信したコマンドが破壊されていないかを判別するために使用される。音声ランプ制御装置113は、先読み情報格納エリア223bに格納した情報により示される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果と、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンとを比較し、これらがマッチしない場合には、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されたものと判断して、変動演出を特殊な演出に切り替える。また、音声ランプ制御装置113は、先読み情報格納エリア223bに格納した情報により示される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果と、主制御装置110から受信した停止種別コマンドで示される停止種別とを比較し、これらがマッチしない場合には、先読みコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されたものと判断して、変動演出を特殊な演出に切り替える。
ここで、図9を参照して、先読み情報格納エリア223bの詳細について説明する。図9は、先読み情報格納エリア223bの構成を模式的に示す模式図である。先読み情報格納エリア223bは、先読み情報第0〜第4エリアの5つのエリアを有している。各先読み情報第0〜第4エリアには、それぞれ大当たり抽選予測結果格納エリアと、変動パターン判定予測結果格納エリアと、先読み情報有効フラグとが少なくとも設けられている。大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアは、それぞれ上述の大当たり抽選の予測結果を示す情報および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納するためのエリアである。先読み情報有効フラグは、各先読み情報第0〜第4エリアに格納される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報が有効なものであるか否かを示すフラグであり、オンの場合にその予測結果が有効であることを示す。各先読み情報第0〜第4エリアの先読み情報有効フラグは、いずれも、電源投入時に実行されるRAMの初期値設定処理(図28のS810参照)において初期値としてオフが設定される。
大当たり抽選予測結果格納エリアには、先読みコマンドに含まれる大当たり抽選予測結果を示すデータと同一のデータ(図8(b2)参照)が格納される。即ち、先読みコマンドの大当たり抽選予測結果が前後外れであった場合、大当たり抽選予測結果格納エリアには「000」が格納され、先読みコマンドの大当たり抽選予測結果がその他の外れであった場合、大当たり抽選予測結果格納エリアには「001」が格納され、先読みコマンドの大当たり抽選予測結果が15R通常大当たりであった場合、大当たり抽選予測結果格納エリアには「010」が格納され、先読みコマンドの大当たり抽選予測結果が15R確変大当たりであった場合、大当たり抽選予測結果格納エリアには「011」が格納され、先読みコマンドの大当たり抽選予測結果が2R確変大当たりであった場合、大当たり抽選予測結果格納エリアには「100」が格納される。
また、変動パターン判定予測結果格納エリアにおいても、先読みコマンドに含まれる変動パターン判定予測結果を示すデータと同一のデータ(図8(b3)参照)が格納される。即ち、先読みコマンドの変動パターン判定予測結果が外れ(短外れ、長外れ)であった場合、変動パターン判定予測結果格納エリアには「000」が格納され、先読みコマンドの変動パターン判定予測結果がノーマルリーチであった場合、変動パターン判定予測結果格納エリアには「001」が格納され、先読みコマンドの変動パターン判定予測結果がスーパーリーチであった場合、変動パターン判定予測結果格納エリアには「010」が格納され、先読みコマンドの変動パターン判定予測結果がスペシャルリーチであった場合、変動パターン判定予測結果格納エリアには「011」が格納され、先読みコマンドの変動パターン判定予測結果が2R確変であった場合、変動パターン判定予測結果格納エリアには「100」が格納される。
なお、本実施形態では、大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアに、先読みコマンドに含まれる大当たり抽選予測結果および変動パターン判定予測結果を示すデータと同一のデータが、大当たり抽選の予測結果および変動パターン判定の予測結果を示す情報として格納されるが、必ずしもこれに限られるものではなく、先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果および変動パターン判定の予測結果を示すデータを別のデータに変換したうえで、その変換後のデータを大当たり抽選の予測結果および変動パターン判定の予測結果を示す情報として、大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアに格納してもよい。
また、先読みコマンドにより示される大当たり抽選予測結果の内容うち、コマンドの破壊判別で用いる情報だけを抽出して大当たり抽選予測結果格納エリアに格納するようにしてもよい。例えば、コマンドの破壊判別に、大当たり抽選の予測結果として「前後外れ」と「その他の外れ」とを区別せず、単に「外れ」として参照する場合は、「前後外れ」と「その他の外れ」を1つにまとめて「外れ」として大当たり抽選予測結果格納エリアに格納するようにしてもよい。同様に、先読みコマンドにより示される変動パターン判定予測結果の内容のうち、コマンドの破壊判別で用いる情報だけを抽出して大当たり抽選予測結果格納エリアに格納するようにしてもよい。例えば、変動パターン判定の予測結果として「スーパーリーチ」と「スペシャルリーチ」とを区別せず、単にノーマルリーチ以外のリーチとして参照する場合は、「スーパーリーチ」と「スペシャルリーチ」とをまとめて「スーパー・スペシャルリーチ」として変動パターン判定予測結果格納エリアに格納するようにしてもよい。
上述したように、本実施形態では、音声ランプ制御装置113において、先読みコマンドを受信時に、その先読みコマンドによって通知される情報に基づいて連続予告演出実行の決定を行うとともに、その先読みコマンドによって通知された情報を先読み情報格納エリア223bに格納して、主制御装置110から送信されるコマンドの破壊判別を行っているが、連続予告演出の実行の決定で用いる大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果と、コマンドの破壊判別で用いる大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果とで、その用いる情報が異なる場合もあり得る。例えば、連続予告演出の実行の決定では用いた大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果の情報の一部を、コマンドの破壊判別では用いないこともあり得る。よって、このような場合、先読みコマンドで通知される大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果のうち、コマンドの破壊判別で必要な情報だけを先読み情報格納エリア223bに格納すれば、コマンドの破壊判別を確実に行いつつ、先読み情報格納エリア223bの記憶容量を小さく抑えることができる。
さて、先読み情報第0〜第4エリアのうち、先読み情報第4エリアには保留回数が4回の変動演出に対して先読み処理により予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報が、それぞれ大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアに格納される。即ち、主制御装置110のRAM203に設けられた保留球格納エリア203bの保留第4エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みすることによって予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報が、先読み情報第4エリアに格納される。
また、先読み情報第1〜第3エリアには、先読み情報第4エリアと同様に、各々保留回数が1回〜3回の変動演出に対して先読みにより予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報が、それぞれ大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアに格納される。即ち、主制御装置110のRAM203に設けられた保留球格納エリア203bの保留第3エリアに格納されている各カウンタ値を先読みすることによって予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報が、先読み情報第3エリアに格納され、保留球格納エリア203bの保留第2エリアに格納されている各カウンタ値を先読みすることによって予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報が、先読み情報第2エリアに格納され、保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各カウンタ値を先読みすることによって予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果示す情報が、先読み情報第1エリアに格納される。
一方、先読み情報第0エリアには、実行直前または実行中の変動演出に対して先読みにより予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報が、それぞれ大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアに格納される。即ち、主制御装置110のRAM203に設けられた保留球実行エリア203cに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みすることによって予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報が、先読み情報第0エリアに格納される。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より先読みコマンドを受信すると、先読み情報第1〜第4エリアのうち、該先読みコマンドに含まれる先読み保留回数に対応するエリアの大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアに、該先読みコマンドで示される大当たり抽選の予測結果を示す情報および変動パターン判定の予測結果を示す情報を、それぞれ格納する。また、この大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果が格納されたエリアの先読み情報有効フラグをオンに設定し、そのエリアに格納された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果が有効なものであることを示す。
本実施形態では、先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果を示すデータをそのまま大当たり抽選予測結果格納エリアへコピーし、また、先読みコマンドに含まれる変動パターン判定の予測結果を示すデータをそのまま変動パターン判定予測結果格納エリアへコピーすることで、大当たり抽選の予測結果を示す情報および変動パターン判定の予測結果を示す情報が容易に大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアへ格納される。
尚、先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果および変動パターン判定の予測結果を示すデータとは別のデータを、大当たり抽選の予測結果を示す情報および変動パターン判定の予測結果を示す情報として大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアへ格納する場合は、先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果および変動パターン判定の予測結果を示すデータから該別のデータへ変換する処理を実施したうえで、その変換後の大当たり抽選の予測結果を示す情報および変動パターン判定の予測結果を示す情報を大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアへ格納する。
先読みコマンドに含まれる先読み保留回数は、上述したように主制御装置110での先読み処理された変動演出の保留回数を正確に表したものである。よって、先読み情報第1〜第4エリアのうち先読みコマンドの先読み保留回数に対応するエリアに該先読みコマンドに含まれる大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を格納することにより、これらの結果が予測された変動演出の保留回数に対応するエリアへ確実に、その大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を格納することができる。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信すると、先読み情報格納エリア223bに設けられた先読み情報第1〜第4エリアの各データを、それぞれ先読み情報第0〜第3エリアへシフトする処理を実行する。このシフト処理では、まず、先読み情報第1エリアの大当たり抽選予測結果格納エリアに格納されていた大当たり抽選の予測結果を示す情報と、変動パターン判定予測結果格納エリアに格納されていた変動パターン判定の予測結果を示す情報と、先読み情報有効フラグの値とを、それぞれ先読み情報第0エリアの大当たり抽選予測結果格納エリア、変動パターン判定予測結果格納エリアおよび先読み情報有効フラグに格納することで、先読み情報第1エリアのデータを先読み情報第0エリアへシフトする。
そして、先読み情報第0エリアへのデータのシフトが終了すると、先読み情報第1エリアが空き状態となるので、先読み情報第2〜第4エリアに格納されている大当たり抽選の予測結果を示す情報と、変動パターン判定の予測結果を示す情報と、先読み情報有効フラグの値とを、それぞれエリア番号の1小さい先読み情報第1〜第3エリアの大当たり抽選予測結果格納エリア、変動パターン判定予測結果格納エリア及び先読み情報有効フラグに格納することで、先読み情報第2〜第4エリアのデータを、それぞれ先読み情報第1〜第3エリアへシフトする。更に、先読み情報第4エリアが空き状態となり、その先読み情報第4エリアに格納された大当たり抽選の予測結果および変動パターン判定の予測結果を示す情報が有効なものではない(即ち、無効である)ことを示すために、先読み情報第4エリアの先読み情報有効フラグをオフに設定する。
主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合、保留中の1の変動演出が実行開始されることを意味する。具体的には、主制御装置110において、保留球実行エリア203cおよび保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアの間でシフト処理が行われ、保留球実行エリア203cに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づき大当たり抽選および変動演出における変動パターンや停止種別の決定などが行われる。
よって、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信する毎に、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0〜第4エリアの間で上述したシフト処理を実行することによって、常に、先読み情報第1〜第4エリアにおいて、各々保留回数が1回〜4回の変動演出に対して予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納させることができると共に、先読み情報第0エリアに、受信した該変動パターンコマンドに対応する変動演出に対して予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納させることができる。
従って、音声ランプ制御装置113が変動パターンコマンドの受信を契機として先読み情報格納エリア223bに設けられた先読み情報第0〜第4エリアの各データをシフトする処理を実行した後、該変動パターンコマンドにより示される変動演出の変動パターンと、先読み情報第0エリアに格納された情報により示される該変動演出に対して先読みにより予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とを比較し、それらがマッチするか否かを判断することによって、主制御装置110から受信したコマンドが破壊されていないかを判別することができる。そして、両者がマッチしなければ、主制御装置110から受信したコマンドのうち、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方が破壊されていると判断し、変動演出の態様を特殊変動演出に切り替える。
また、変動パターンコマンドより後に主制御装置110から送信される停止種別コマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合、その停止種別コマンドにより示される変動演出後の図柄の停止種別と、先読み情報第0エリアに格納された情報により示される該変動演出に対して先読みにより予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とを比較し、それらがマッチするか否かを判断することによって、主制御装置110から受信したコマンドが破壊されていないかを判別することができる。そして、両者がマッチしなければ、主制御装置110から受信したコマンドのうち、先読みコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方が破壊されていると判断し、変動演出の態様を特殊変動演出に切り替える。
本実施形態において、コマンドが破壊されていると判断される場合に切り替えられる特殊変動演出は、主制御装置110から送信される確定コマンド(変動演出の終了時に第3図柄表示装置81において停止図柄を確定表示させるためのコマンド)を受信するまでの間、第3図柄表示装置81に第3図柄を高速に変動表示させる演出である。また、特殊変動演出では、確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄として外れを示す特殊停止図柄(例えば、左列から順に「3」「4」「1」と表示される図柄)を確定表示させる。
主制御装置110より受信したコマンドが破壊されていると判断される場合、第3図柄表示装置81には、表示制御装置114において行われた大当たり抽選の結果を正しく反映させて変動演出や停止図柄の確定表示を行うことができない恐れがある。これに対し、本パチンコ機10では、このような場合は特殊変動演出が行われ、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果が外れであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。
また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は特別遊技状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。更に、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示が外れであっても、パチンコ機10が大当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示が外れであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。
さて、本実施形態では、音声ランプ制御装置113が変動パターンコマンド又は停止種別コマンドの受信を契機として、コマンドが破壊されているか否かの判断を行う場合に、その判断に先立って、先読み情報第0エリアの先読み情報有効フラグがオンであるか否かを判別する。そして、該先読み情報有効フラグがオンである場合に限って、先読み情報第0エリアに格納されている大当たり判定の予測結果を示す情報または変動パターンの予測結果を示す情報を基に、コマンドが破壊されているか否かの判断を行うように構成されている。
このように先読み情報有効フラグを用いるのは以下の理由による。即ち、主制御装置110において、先読み処理は、始動入賞の検出や大当たり抽選などの処理を実行するタイマ割込処理の中で行われるのではなく、メイン処理の中で時間をかけて行われる処理である。これにより、始動入賞の検出タイミングによっては、その始動入賞により保留された変動演出に対して先読み処理が行われない場合も発生する。よって、変動パターンコマンドや停止種別コマンドによって変動パターンや停止種別が示される変動演出に対して先読み処理が行われていない場合、該変動パターンコマンドの受信を契機として先読み情報第0〜第4エリアに対してシフトが行われた後には、先読みによって予測されるべき大当たり抽選の予測結果や変動パターン判定の予測結果が先読み情報第0エリアに格納されていないことになる。
そこで、本実施形態では、シフトによって空き状態となった先読み情報第4エリアの先読み情報有効フラグを一旦オフに設定し、先読みコマンドを受信した場合は、先読み情報第0〜第4エリアのうち、該先読みコマンドで示される先読み保留回数に対応するエリアに、該先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果を示す情報等を大当たり判定格納エリア等へ格納すると共に、先読み情報有効フラグをオンに設定する。そして、変動パターンコマンドを受信する毎に、その先読み情報有効フラグの値を大当たり抽選予測結果格納エリア等に含まれる情報と共に先読み情報第0〜第4エリアの間でシフトさせる。
これにより、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信した場合に、その受信したコマンドに対応する変動演出に対して、先読みにより大当たり抽選や変動パターン判定の結果が予測され、それらの予測結果を示す情報が先読み情報第0エリアに有効に格納されたか否かを、先読み情報第0エリアの先読み情報有効フラグによって容易に判断することができる。よって、コマンドが破壊されたか否かの判断を有効でない情報に基づいて行われることを容易に抑制でき、簡単且つ確実にその判断を行うことができる。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から予測状態変更コマンドを受信すると、これまでに受信した先読みコマンドにより示される先読みによる予測結果が誤っている可能性が高いことを主制御装置110より通知されたと判断し、その時点で先読み情報格納エリア223bに格納されていた各予測結果を無効にする処理を実行する(図31のS1021,S1022参照)。具体的には、先読み情報格納エリア223bに設けられた全ての先読み情報第0エリア〜第4エリアの先読み情報有効フラグをオフに設定する。これにより、その時点に先読み情報格納エリア223bに格納された各種の予測結果を全て無効にすることができるので、音声ランプ制御装置113において、誤った予測結果に基づいて、コマンドの破壊判別といった先読みによる各種制御が行われることを抑制することができる。例えば、誤った予測結果に基づいてコマンド破壊判別が行われることにより、コマンドが破壊されていないにも関わらず、コマンドの破壊判定においてコマンドが破壊されていると判定されることを抑制できる。
尚、本実施形態では、先読み情報有効フラグを用いて、先読み情報第0〜第4エリアに格納された大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果を示す情報が有効なものであるか否かを示したが、大当たり抽選予測結果格納エリアに対して、大当たり抽選の予測結果を示す情報以外のデータを格納することによって、先読み情報第0〜第4エリアに格納された大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果を示す情報が有効なものではないことを示してもよいし、変更パターン判定予測結果格納エリアに対して、変動パターン判定の予測結果を示す情報以外のデータを格納することによって、先読み情報第0〜第4エリアに格納された大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果を示す情報が有効なものではないことを示してもよい。
例えば、変動パターン判定の予測結果を示す情報には、「111」のデータは規定されていない。そこで、シフトによって空き状態となった先読み情報第4エリアの変動パターン判定予測結果格納エリアに「111」を格納するようにし、また、コマンドが破壊されているか否かの判断を行う場合には、先読み情報第0エリアの変動パターン判定予測結果格納エリアに「111」のデータが格納されていれば、その先読み情報第0エリアには、大当たり抽選の予測結果に関する情報や変動パターン判定の予測結果に関する情報が有効に格納されていない、と判断するようにしてもよい。
このように、大当たり抽選予測結果格納エリアに対して、大当たり抽選の予測結果を示す情報以外のデータを格納したり、変更パターン判定予測結果格納エリアに対して、変動パターン判定の予測結果を示す情報以外のデータを格納することによって、先読み情報第0〜第4エリアに格納された大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果を示す情報が有効なものではないことを示せば、新たに先読み情報有効フラグを設ける必要がないため、先読み情報格納エリア223bを設けることによるRAM223の記憶容量の増大を少なく抑えることができる。
図5に戻り、説明を続ける。連続予告抽選カウンタ223cは、連続予告演出の実行の決定に使用するカウンタで、電源投入後のRAM223の初期設定処理(図28のS810)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、連続予告抽選カウンタ223cは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図29参照)の中で、繰り返し更新が行われる(S914)。連続予告抽選カウンタ223cの更新は、例えば、0〜127の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり127)に達した後0に戻ることによって行われる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から先読みコマンドを受信すると、連続予告演出の実行を決定する連続予告判定処理(図31のS1020)を実行する。この連続予告判定処理では、受信した先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たり又は前後外れであった場合に、その時の連続予告抽選カウンタ223cの値と、次に説明する連続予告判定テーブル222aとに基づいて、所定の割合で連続予告演出の実行を決定する(図32参照)。
尚、連続予告演出の実行の決定を先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たり又は前後外れであった場合に行うことにより、その連続予告演出終了後に最も遊技価値の高い15R確変大当たりとなることを期待させることができる。また、連続予告演出終了後に外れとなる場合であっても、その外れにおける変動パターンは、変動変出が終了するまで遊技者に大当たりとなるか否かを最も期待させ続けることができる前後外れリーチとなる。よって、連続予告演出によって遊技者が抱く期待感を、連続予告演出が設定された最後の変動演出が停止表示されるまで増大させ続けることができる。
連続予告判定テーブル222aは、主制御装置110より受信した先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たり又は前後外れである場合に、「連続予告決定確率」を設定するためのテーブルである。ここで、連続予告決定確率は、第3図柄表示装置81に連続予告演出を実行させることを決定する確率である。音声ランプ制御装置113は、連続予告判定テーブル222aと、連続予告抽選カウンタ223cの値とを比較し、連続予告抽選カウンタ223cの値が連続予告判定テーブル222aで示される範囲にあるときに、第3図柄表示装置81に連続予告演出を実行させることを決定する(図32のS1038、S1039参照)。
ここで、図10を参照して、連続予告判定テーブル222aの詳細について説明する。図10は、連続予告判定テーブル222aの内容を模式的に示した模式図である。連続予告判定テーブル222aは、図10に示すように、大当たり時連続予告判定テーブル222a1および外れ時連続予告判定テーブル222a2の2つのテーブルを有している。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より先読みコマンドを受信し、先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりか前後外れであった場合に、その大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりか前後外れかに応じて、連続予告決定確率の設定に用いるテーブルを、連続予告判定テーブル222aにある2つのテーブルから1つ選択する。即ち、大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりであった場合、大当たり時連続予告判定テーブル222a1を選択し、大当たり抽選の予測結果が前後外れであった場合、外れ時連続予告判定テーブル222a2を選択する(図32のS1033〜S1036参照)。これにより、連続予告演出終了後の遊技状態(「大当たり」であるか、「外れ」であるか)に応じて、連続予告決定確率を変更できる。
大当たり時連続予告判定テーブル222a1および外れ時連続予告判定テーブル222a2は、いずれも、先読みコマンドの先読み保留回数(先読みされた変動演出の保留回数)が取り得る各値「1」〜「4」に対応付けて、連続予告演出の開始を決定する連続予告抽選カウンタ223cの範囲(以下、「連続予告決定範囲」と称する。)をそれぞれ規定している。
例えば、図10に示した例では、大当たり時連続予告判定テーブル222a1は、先読み保留回数「1」に対応付けて連続予告決定範囲として「0〜7」を規定し、先読み保留回数「2」に対応付けて連続予告決定範囲として「0〜15」を規定し、先読み保留回数「3」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜39」を規定し、先読み保留回数「4」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜63」を規定する。
また、外れ時連続予告判定テーブル222a2は、先読み保留回数「1」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜3」を規定し、先読み保留回数「2」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜9」を規定し、先読み保留回数「3」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜25」を規定し、先読み保留回数「4」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜39」を規定する。
音声ランプ制御装置113は、連続予告決定確率を設定するためのテーブルとして大当たり時連続予告判定テーブル222a1および外れ時連続予告判定テーブル222a2のいずれかを選択すると、その選択した連続予告判定テーブルから、先読みコマンドに含まれる先読み保留回数の値に対応付けられた連続予告決定範囲を特定し、その時点における連続予告抽選カウンタ223cの値が連続予告決定範囲に含まれる場合に、連続予告演出の実行を決定する。
さて、図10の例における大当たり時連続予告判定テーブル222a1および外れ時連続予告判定テーブル222a2は、いずれも、先読み保留回数の値が大きくなるほど、連続予告決定範囲が広くなるように規定されているが、連続予告決定範囲が広ければ、連続予告演出を行うとの決定がされ易くなり、連続予告決定確率が高くなるので、大当たり時連続予告判定テーブル222a1および外れ時連続予告判定テーブル222a2は、ともに、主制御装置110における変動表示の保留回数が多いほど、連続予告決定確率が高くなるように規定されている、ということができる。
ここで、連続予告演出は、連続予告演出が決定されたときに保留されている複数の変動演出にわたって行われるものであるので、保留回数が大きいほど連続予告決定確率を高く設定することにより、一の連続予告演出に含まれる変動演出の数が多くなる可能性が高くなる。これにより、遊技者は、連続する多くの変動演出にわたって連続予告演出が行われるほど、通常の演出とは異なる演出が行われたことを認識することができるので、遊技者に対して、特別な期待感を持たせることができる。また、変動表示の保留回数は、一般的に小さい値をとることが多いため、保留回数が小さい場合には、頻繁に連続予告演出が行われないように抑制することができる一方、保留回数が大きくなった場合に、連続予告演出が行われやすくすることができる。
尚、本実施形態では、先読み保留回数が1(即ち、連続予告演出が行われる変動演出の数が1)の場合にも連続予告演出の実行が決定されるように、連続予告決定確率が規定されている。ここで、先読み保留回数が1の場合、そのまま連続予告演出の実行を決定すると、連続予告演出の実行が設定される変動演出が、その先読みコマンドを生成するために先読み処理が行われた変動演出のみとなるので、連続予告演出の画像である「クラゲ」画像が1回の変動演出に対してしか第3図柄表示装置81に表示されないことになる。よって、この場合は1回の「クラゲ」画像の表示を経て「15R大当たり」となる場合があり、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感を希薄化させてしまうおそれがある。
一方、詳細については後述するが、単発予告実行フラグ223fがオンである場合、その時に実行が開始され若しくは実行中の変動演出、又は、最後に実行された変動演出において、単発予告演出の実行が設定されていることを意味する。そこで、本実施形態では、先読み保留回数が1回の場合(即ち、連続予告演出が行われる変動演出の数が1の場合)に連続予告演出の実行が決定され、且つ、そのときの単発予告実行フラグ223fがオンである場合に、先読み処理が行われた変動演出に対して連続予告演出の実行を設定する。これにより、2つの連続する変動演出のうち、先の変動演出にて単発予告演出における「クラゲ」画像を表示させ、後の変動演出にて連続予告演出における「クラゲ」画像を表示させることができる。よって、遊技者に対して、連続した2つの変動演出にわたって連続予告演出が行われたようにみせることができ、遊技者に15R確変大当たりとなる期待感を持たせることができる。
一方、読み保留回数が1回(即ち、連続予告演出が行われる変動演出の数が1)の場合に連続予告演出の実行が決定されても、そのときの単発予告実行フラグ223fがオフである場合は、本実施形態では、先読み処理が行われた変動演出に対して、連続予告演出の画像である「クラゲ」画像を表示させないようにしている。これにより、連続予告演出が1回の変動演出に対してしか第3図柄表示装置81に表示されない事態を抑制することができる。よって、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感が希薄化することを抑制することができる。
また、図10の例における大当たり時連続予告判定テーブル222a1と外れ時連続予告判定テーブル222a2とを比較した場合、同一の先読み保留回数の値に対応付けられた連続予告決定範囲は、大当たり時連続予告判定テーブル222a1のほうが外れ時連続予告判定テーブル222a2よりも同一または広くなるように規定されている。即ち、連続予告演出終了後の遊技状態が「大当たり」となる場合における連続予告決定確率は、連続予告演出終了後の遊技状態が「外れ」となる場合における連続予告決定確率と同一か、それよりも高くなるように設定される。
これにより、第3図柄表示装置81において連続予告演出が表示された場合に、連続予告演出終了後に遊技状態が「大当たり」となる可能性が高いことを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者に対して、高い期待感を持たせることができる。また、通常、連続予告演出終了後の遊技状態(即ち、第1入球口64への球の入賞時に行われる判定の結果)が、「大当たり」となる確率は、「外れ」となる確率よりも小さく設定されているので、連続予告演出終了後の遊技状態が「外れ」の場合には、頻繁に連続予告演出が行われないように抑制することができる一方、「大当たり」の場合には、連続予告演出が行われやすくすることができる。
このように、主制御装置110では、第1入球口64へ球が入賞されたときに行われる先読みによる大当たり抽選の予測結果が大当たりだけでなく、前後外れの場合も、前後外れの場合にも、連続予告演出の実行を決定することができる。即ち、連続予告演出の実行を多種多様な条件で行わせることができる。これにより、連続予告演出が行われた場合に、遊技者に対して、様々な期待感を持たせることができる。また、抽選の結果として外れとなる場合であっても連続予告演出が行われることで、遊技者が退屈するのを防止することができる。
単発予告抽選カウンタ223dは、単発予告演出の実行の決定に使用するカウンタである。単発予告演出は、連続予告演出と同様に、変動演出中に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。但し、連続予告演出が複数の変動演出にわたって行われるのに対し、単発予告演出は1回の変動演出だけで行われる。
単発予告抽選カウンタ223dは、電源投入後のRAM223の初期設定処理(図28のS810)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、単発予告抽選カウンタ223dは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図29参照)の中で、繰り返し更新が行われる(S914)。単発予告抽選カウンタ223cの更新は、例えば、0〜14の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり14)に達した後0に戻ることによって行われる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を通知する変動パターンコマンドを受信すると、変動表示処理(図33参照)の中で、その時の単発予告抽選カウンタ223dの値が10であれば単発予告演出の実行を決定する(S1111参照)。即ち、単発予告抽選カウンタ223dが0〜14の範囲内で更新される場合は、15分の1の確率で単発予告演出の実行を決定する。そして、音声ランプ制御装置113は、単発予告演出の実行を決定すると、その単発予告演出の実行が決定された変動演出に対し、連続予告演出と同じ「クラゲ」画像がその変動演出で表示されるように、表示制御装置114へ通知する。具体的には、連続予告コマンドを表示制御装置114へ送信する。これにより、表示制御装置114の制御により、第3図柄表示装置81において表示される第3図柄の変動演出にて「クラゲ」画像が表示される。
ここで、1の変動演出に注目すると、連続予告演出および単発予告演出のいずれの演出においても、変動演出にて「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示される点で一致する。これにより、少なくとも1つ前の変動演出において表示されなかった「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81で行われている変動演出において表示された場合、それが連続予告演出によって表示された「クラゲ」画像であるのか、単発予告演出によって表示された「クラゲ」画像であるのかを考えさせながら、遊技者に遊技を継続させることができる。そして、次の変動演出で再び「クラゲ」画像が表示された場合は、それが連続予告演出であることを強く遊技者に認識させることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより高めることができる。
本実施形態では、単発予告演出の実行が決定された場合も、連続予告演出の実行が設定された変動演出に対して「クラゲ」画像を表示させるためのコマンドである連続予告コマンドを表示制御装置114へ送信する。即ち、1の変動演出に対して連続予告演出の実行が設定されている場合も、単発予告演出の実行が決定された場合も、同じコマンドを使って表示制御装置114に「クラゲ」画像を変動演出に対して表示させる指示を行う。これは、本実施形態が、連続予告コマンドを連続予告演出の実行が設定された変動演出毎に音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へ送信するように構成されていることと、単発予告演出が連続予告演出と同様に「クラゲ」画像を変動演出に対して表示させるように構成されていることによって、可能とするものである。このように、連続予告演出の指示と単発予告演出の指示とを同じ連続予告コマンドを用いて行うことで、音声ランプ制御装置113が送信するコマンドの数を減らすことができ、コマンドの種別を記憶するROMの容量を削減できたり、音声ランプ制御装置113で用いられるプログラムや、連続予告コマンドを受信する表示制御装置114で用いられるプログラムの簡素化を図ることができる。
また、変動パターンコマンドを受信した場合に、コマンドの破壊判別によって、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別した場合は、単発予告演出の実行の決定を行わずに、その変動パターンコマンドによって開始される変動演出で単発予告演出が行われないように構成されている(図33のS1110:Yes、S1121を参照)。また、停止種別コマンドを受信した場合に、コマンドの破壊判別によって、先読みコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別した場合は、単発予告演出の実行が決定されていても、「クラゲ」画像の表示を表示制御装置114へ通知しないように構成されている(図31のS1009:Noを参照)。
ここで、変動パターンコマンドや停止種別コマンド或いは先読みコマンドが破壊されていると判別されて上述の特殊変動演出が行われる場合に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させると、通常は表示されない特殊変動演出に「クラゲ」画像が表示されるという稀な演出になることもあって、その特殊変動演出の終了後に付与される遊技状態がどのようなものになるかが不明であるにも関わらず、遊技者に対して大当たりとなるという過度な期待感を与えてしまうおそれがある。そして、その結果として外れとなった場合に、遊技者を落胆させてしまい、遊技への興趣を低下させてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、このような場合には「クラゲ」画像の表示が行われないように構成されているので、遊技者に対して大当たりになる期待感を与えることなく、遊技への興趣の低下を抑制することができる。
尚、変動演出の終了時、即ち、第3図柄の停止表示直後に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることで連続予告演出を行うよう構成した場合は、単発予告演出においても、変動演出の終了時、即ち、第3図柄の停止表示直後に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させるように構成するのがよい。つまり、単発予告演出は、連続予告演出と同様の演出を1つの変動演出に対してのみ行うようにするのがよい。これにより、単発予告演出が行われたり、複数の変動演出にわたって設定された連続予告演出が開始されたりした場合に、それが連続予告演出に発展するものなのか否かを遊技者に期待させることができる。
連続予告実行カウンタ223eは、連続予告演出の実行が決定された場合に、その連続予告演出を行う変動演出数をカウントするためのカウンタであり、電源投入後のRAM223の初期設定処理(図28のS810)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、音声ランプ制御装置223eは、連続予告演出の実行を決定すると、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数(即ち、連続予告演出を実行させる変動演出の数)に1加算した値を連続予告実行カウンタ223eに格納する(図32のS1042参照)。また、主制御装置110から変動演出の開始を通知する変動パターンコマンドを受信した場合に、音声ランプ制御装置113は変動表示処理の中で連続予告実行カウンタ223eの値を参照する。
その結果、連続予告実行カウンタ223eの値が1より大きければ、当該変動パターンコマンドによって実行が開始される変動演出に対して「クラゲ」画像が表示されるように、表示制御装置114へ連続予告コマンドを送信する(図33のS1114)。そして、連続予告実行カウンタ223eの値を1減算する(図33のS1116)。
即ち、連続予告演出の実行が決定されたときの先読み保留回数が「4」であれば、連続予告実行カウンタ223eには先読み保留回数に1加算した値として「5」が設定される。同様に、連続予告演出の実行が決定されたときの先読み保留回数が「1」〜「3」であれば、連続予告実行カウンタ223eには先読み保留回数に1加算した値として「2」〜「4」が設定される。そして、変動パターンコマンドを受信する度に連続予告実行カウンタ223eの値を確認し、それが1より大きければ連続予告コマンドを表示制御装置114へ送信して、連続予告実行カウンタ223eの値を1減算する処理を繰り返す。
これにより、連続予告演出の実行が決定されたときに連続予告実行カウンタ223eが「5」に設定された場合は、4回分の変動演出に対して「クラゲ」画像が表示される。同様に、連続予告演出の実行が決定されたときに連続予告実行カウンタ223eが「2」〜「4」のいずれかに設定された場合は、それぞれ1〜3回分の変動演出に対して「クラゲ」画像が表示される。即ち、先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出以前に保留されていた全ての変動演出にわたって「クラゲ」画像を表示させることができる。よって、連続予告演出を第3図柄表示装置81に行わせることができる。
また、変動パターンコマンドを受信したときに確認した連続予告実行カウンタ223eの値が1である場合は、新たな連続予告演出の実行が行われないようにすると共に、例え単発予告演出の実行が決定されていた場合であっても、連続予告コマンドの表示制御装置114への送信を行わずに、連続予告実行カウンタ223eの値を1減算する。更に、変動パターンコマンドを受信したときに確認した連続予告実行カウンタ223eの値が0である場合は、単発予告演出の実行が決定された場合を除いて、連続予告コマンドの表示制御装置114への送信を行わず、また、連続予告実行カウンタ223eの値も0に保持する。尚、連続予告実行カウンタ223eの値が0の場合は、新たな連続予告演出の実行が決定された場合、その連続予告演出が実行されるように、連続予告実行カウンタ223eに、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数(即ち、連続予告演出を実行させる変動演出の数)に1加算した値が設定される。
このように、本実施形態では、連続予告演出の実行が決定された場合に、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数(即ち、連続予告演出を実行させる変動演出の数)をそのまま連続予告実行カウンタ223eに設定するのではなく、その先読み保留回数(連続予告演出を実行させる変動演出の数)に1加算した値を連続予告実行カウンタ223eに設定する。そして、変動演出の開始指示である変動パターンコマンドを受信する毎に連続予告実行カウンタ223eを参照して、その値が1より大きければ変動演出に対して「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示するように表示制御装置114へ連続予告コマンドを送信すると共に連続予告実行カウンタ223eの値を1減算し、その値が1であれば、連続予告コマンドを送信することなく連続予告実行カウンタ223eの値を1減算する。また、連続予告実行カウンタ223eの値が0である間は、単発予告演出の実行が決定された場合を除いて連続予告コマンドの送信を行わず、連続予告実行カウンタ223eの値も0に保持する。
これにより、連続予告実行カウンタ223eに先読み保留回数(連続予告演出を実行させる変動演出の数)に1加算した値を設定し、変動演出が開始される度にその値を1ずつ減算していくだけで、その値に応じて、連続予告演出の実行が決定された変動演出に対して連続予告演出に係る画像の表示を設定したり、連続予告演出の終了後、1の変動演出に対しては連続予告演出に係る画像の表示が行われないように制御したり、その制御を解除したりすることが容易に行うことができる。よって、このような制御を行うためのプログラムを簡単に構築することができるので、このような制御を行うことによるプログラム全体の構成が複雑化することを抑制することが出来る。
このように連続予告実行カウンタ223eを構成することによる効果を以下に説明する。従来のパチンコ機では、連続予告演出の実行を設定する場合、連続予告実行カウンタに連続予告演出を行う変動演出の回数をそのまま設定し、変動演出の実行時に連続予告実行カウンタが0より大きければ、その変動演出において連続予告演出を行いつつ、連続予告実行カウンタの値を1減算することで、最初に設定した回数分の変動演出にわたって連続予告演出を実行するように構成されている。このように構成した場合、1の連続予告演出が終了した後、再び連続予告演出が開始されるおそれ、即ち、連続予告演出が連続して発生してしまうおそれが生じる。
これにより、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出がスペシャルリーチでの前後外れとなり、続く2回目の連続予告演出における最後の変動演出がノーマルリーチでの前後外れとなれば、遊技者は以下の思いを抱くことになる。即ち、1回目の連続予告演出が複数の変動演出にわたって表示された後、スペシャルリーチが第3図柄表示装置81に現出されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感を持って遊技を継続する。そして、そのスペシャルリーチの結果として前後外れとなると、遊技者は一旦がっかりするが、引き続き2回目の連続予告演出が表示されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感をより強く抱くことになる。しかし、その結果としてノーマルリーチでの前後外れとなると、先に表示されたスペシャルリーチでの前後外れよりも格下げとなった感を強く遊技者に与えてしまうおそれがある。
また、従来のパチンコ機では、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出が前後外れとなった後、続く変動演出において単発予告演出が行われるおそれも生じる。この場合、1回目の連続予告演出の結果として前後外れとなり一旦がっかりした遊技者は、単発予告演出の表示を見ることで、連続予告演出が継続しているとの思い込みを持って遊技を継続するおそれがあるが、その後に連続予告演出用の画像が表示されないので、遊技者の思いを結果的に裏切ることになるおそれがある。このように、上記のように構成することで、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感を結果的に低下させてしまうおそれがある。
更に、従来のパチンコ機では、次のような問題も生じるおそれがある。例えば、変動演出中に新たな始動入賞(第1入球口64への入球)が発生し、その始動入賞に伴う変動演出が保留された場合を想定する。この始動入賞に対して先読み処理を行い、連続予告演出を実行するか否かの決定を行った結果、連続予告演出を行わない決定をし、次の変動演出において連続予告演出は行わなかった場合、更に次の変動演出において単発予告演出を行ったとしても、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像が表示されなければ、その後に新たな始動入賞が検出されていない限り、その後の変動演出で表示される単発予告演出の画像が連続予告演出として表示された画像であるはずがない、と容易に遊技者に推測させてしまうおそれがある。よって、遊技者が抱く単発予告演出に対する期待感も低下させてしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態のように構成することによって、次のような格別な効果を奏する。即ち、連続予告演出の実行が決定された場合に、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数(即ち、連続予告演出を実行させる変動演出の数)に1加算した値を連続予告実行カウンタ223eに設定し、変動演出の開始指示である変動パターンコマンドを受信する毎に連続予告実行カウンタ223eを参照して、その値が1より大きければ変動演出にて「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示するように表示制御装置114へ連続予告コマンドを送信すると共に連続予告実行カウンタ223eの値を1減算し、その値が1であれば、連続予告コマンドを送信することなく連続予告実行カウンタ223eの値を1減算することによって、連続予告演出が行われた後、必ず1回の変動演出において「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されないようにすることができる。これにより、連続予告演出が終了した後、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることを抑制することができるので、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることによって生じる、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感の低下を抑制することができる。
また、連続予告演出終了後、必ず1回の変動演出において「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させない、とのルールに従って、連続予告演出や単発予告演出の設定を行うことにより、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像、即ち「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されなくても、その次の変動演出において「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81にされれば、それが連続予告演出として表示された「クラゲ」画像であることへの期待感を遊技者に持たせることができる。
このように、本実施形態のように連続予告実行カウンタ223eを構成することによって、遊技者は連続予告演出を楽しみながら遊技を継続することができる。
尚、各変動演出の終了時、即ち、第3図柄の停止表示直後に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることで連続予告演出を行うように構成する場合は、連続予告演出の実行が決定されたときに、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数をそのまま連続予告実行カウンタ223eに設定すればよい。この場合、連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出においては、「クラゲ」画像を表示させないので、連続予告演出を実行させる変動演出の数は先読み保留回数より1小さい数である。よって、この場合も、連続予告実行カウンタ223eに設定されるのは、連続予告演出を実行させる変動演出の数に1加算した値、ということができる。
また、変動パターンコマンドを受信した場合に、コマンドの破壊判別によって、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別し、特殊変動演出を行うことを決定した場合は、連続予告実行カウンタ223eの値に関わらず、連続予告演出の設定を行わずに、その変動パターンコマンドによって開始される変動演出で「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されないように構成されている(図33のS1110:Yesを参照)。
この場合、連続予告実行カウンタ223eの値の更新処理だけを実行する(S1120)。即ち、連続予告実行カウンタ223eの値が1以上であれば、その値を1減算し、連続予告実行カウンタ223eの値が0であれば、0の値を保持する。これにより、該変動演出で連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されなくても、連続予告実行カウンタ223eによって連続予告演出を行う変動演出数を確実にカウントすることができる。よって、コマンドの破壊が判別され、連続予告演出が設定された変動演出のうち一部の変動演出において「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させないようにした場合であっても、連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出に向けて引き続き連続予告演出を行うことができる。
また、停止種別コマンドを受信した場合に、コマンドの破壊判別によって、先読みコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別され、特殊変動演出が行われる場合も、連続予告実行カウンタ223eの値に基づき、当該停止種別コマンドに係る変動演出に対して連続予告演出の設定が行われていても(即ち、連続予告実行フラグがオンであっても)、「クラゲ」画像の表示を表示制御装置114へ通知しないように構成されている(図31のS1009:Noを参照)。
ここで、変動パターンコマンドや停止種別コマンド或いは先読みコマンドが破壊されていると判別されて上述の特殊変動演出が行われる場合に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させると、通常は表示されない特殊変動演出に「クラゲ」画像が表示されるという稀な演出になることもあって、その特殊変動演出の終了後に付与される遊技状態がどのようなものになるかが不明であるにも関わらず、遊技者に対して大当たりとなるという過度な期待感を与えてしまうおそれがある。そして、その結果として外れとなった場合に、遊技者を落胆させてしまい、遊技への興趣を低下させてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、このような場合には「クラゲ」画像の表示が行われないように構成されているので、遊技者に対して大当たりになる期待感を与えることなく、遊技への興趣の低下を抑制することができる。
また、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除する。具体的には、連続予告実行カウンタ223eの値を0に設定する(図31のS1023参照)。上述したように、連続予告演出の実行の決定は、先読みコマンドを受信したときに、その受信した先読みコマンドにより通知される大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりであるか、前後外れであった場合に、所定の割合で行われる。これにより、連続予告演出が行われると、遊技者に対して、その連続予告演出終了後に最も遊技価値の高い15R確変大当たりとなることを期待させることができる。また、連続予告演出終了後に外れとなる場合であっても、その外れにおける変動パターンは、変動変出が終了するまで遊技者に大当たりとなるか否かを最も期待させ続けることができる前後外れリーチとなる。よって、連続予告演出によって遊技者が抱く期待感を、連続予告演出が設定された最後の変動演出が停止表示されるまで増大させ続けることができる。
しかしながら、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、先に送信された先読みコマンドによって通知される予測結果が誤っている可能性が高いので、その誤った先読みコマンドに基づいて設定された連続予告演出が最後まで行われると、その最後の変動演出において、その大当たり種別が「15R確変大当たり」とならなかったり、外れであっても「前後外れリーチ」とならなかったりするおそれが生じる。これにより、遊技者は連続予告演出が行われたことによって抱く期待感とは大きくことなる結果となって、遊技者が持っていた興趣の低下を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除することによって、連続予告演出の終了後に遊技者が期待していたのとは異なる結果が生じることを抑制することができる。
単発予告実行フラグ223fは、単発予告演出の実行の有無を示すフラグであり、オンの場合、単発予告演出の実行が設定されていることを意味し、オフの場合、単発予告演出の実行が設定されていないことを意味する。この単発予告実行フラグ223fは、電源投入後のRAM223の初期設定処理(図28のS810)によって、初期値としてオフが設定される。そして、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を通知する変動パターンコマンドを受信すると、変動表示処理(図33参照)の中でその時の単発予告抽選カウンタ223dの値を参照する。そして、その値が10であれば、単発予告演出の実行を決定して単発予告実行フラグ223fをオンに設定し、単発予告抽選カウンタ223dの値が10以外の値であれば、連続予告演出を実行しないことを決定して、単発予告実行カウンタ223fをオフに設定する(S1111〜S1113参照)。
そして、単発予告実行フラグ223fがオンに設定された場合は、連続予告実行カウンタ223eの値が0である場合に限って、連続予告コマンドを表示制御装置114へ送信する。これにより、連続予告演出の実行の設定がなされていなくても、表示制御装置114の制御により、1の変動演出にて単発で「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、変動表示処理において、連続予告実行カウンタ223eの値が1より大きい場合は、当該変動演出を含む複数の変動演出にわたって連続予告演出の実行が設定されている状態であるので、上述したように、単発予告実行フラグ223fがオンかオフかに関わらず、連続予告演出に係る「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されるように制御される。よって、本実施形態では、この場合、単発予告実行フラグ223fの設定を考慮せずに、表示制御装置114に対して連続予告コマンドを送信する。
また、変動表示処理において、連続予告実行カウンタ223eの値が1の場合は、当該変動演出が、上述したように、連続予告演出が設定された最後の変動演出の次に行われる変動演出であることを意味するので、単発予告実行フラグ223fがオンかオフかに関わらず、連続予告演出に係る「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されないように制御される。
これにより、連続予告演出が行われた後、必ず1回の変動演出において「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されないようにすることができるので、連続予告演出が終了した後、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることを抑制することができる。よって、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることによって生じる、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感の低下を抑制することができる。
また、連続予告演出終了後、必ず1回の変動演出において「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させない、とのルールに従って、連続予告演出や単発予告演出の設定を行うことにより、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像、即ち「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されなくても、その次の変動演出において「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81にされれば、それが連続予告演出として表示された「クラゲ」画像であることへの期待感を遊技者に持たせることが出来る。従って、遊技者は連続予告演出を楽しみながら遊技を継続することができる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、オン状態で変動演出を開始すべきことを示す変動開始フラグ(図示せず)、オン状態で変動演出を特殊変動演出に切り替えることを示す特殊変動フラグ(図示せず)、オン状態でこれから変動を開始する変動演出に対して連続予告演出の実行を設定する連続予告実行フラグ(図示せず)などを有している。
コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図31参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
変動開始フラグは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドを受信した場合にオンされる(図31のS1002参照)。そして、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図33のS1102参照)。
特殊変動フラグは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、変動パターンコマンドにより示される変動演出の変動パターンと、該変動演出に対して先読み処理にて予測された大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果とを比較し、それらがマッチしない場合は、オンに設定する(図33のS1106)。そして、第3図柄表示装置81における変動表示の設定として特殊変動演出の設定がなされるとオフされる(図31のS1006)。
連続予告実行フラグは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、変動パターンコマンドを受信した場合に、特殊変動フラグがオンされておらず(即ち、変動パターンコマンドにより示される変動演出の変動パターンと、該変動演出に対して先読み処理にて予測された大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果とがマッチしており)、連続予告実行カウンタ223eの値が1より大きい場合に、連続予告実行フラグをオンに設定する(図33のS1115)。そして、該変動パターンコマンドによって開始が指示された変動演出の停止種別を規定する停止種別コマンドを受信したときに、その停止種別コマンドにより示される変動演出の停止種別と、該変動演出に対して先読み処理にて予測された大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果とがマッチしている状態で、連続予告実行フラグがオンに設定されていれば、第3図柄表示装置81に「クラゲ」画像を変動演出に表示させる連続予告コマンドを表示制御装置114に送信する設定を行った上で、連続予告実行フラグをオフに設定する(図31のS1009,S1011〜S1014参照)。
また、停止種別コマンドを受信した時に、その停止種別コマンドにより示される変動演出の停止種別と、該変動演出に対して先読み処理にて予測された大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果とがマッチしない場合は、その停止種別コマンドに係る変動演出において、連続予告演出の実行の設定を無効とし、連続予告コマンドの設定を行わずに、連続予告実行フラグをオフに設定する(図31のS1009,S1010参照)。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図11を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図23参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図11を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図11は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROM(例えば、上述した特許文献1のROM22)を設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM187に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、上述したように、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、キャラクタROM234はバスライン240を介して画像コントローラ237と接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROM(例えば、上述した特許文献1のROM22)を設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換(例えば、特許文献1を参照)を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ187aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU181によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、追加データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233cに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、追加データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図34のS1201参照)の終了後に実行される初期化処理(図34のS1202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231がこの残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア187a2に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図18参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開する。また、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称する)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図36(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って、その描画した画像を第3図柄表示装置81に表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、バッファRAM237aが設けられている。このバッファRAM237aは、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へのデータ転送用バッファメモリとして機能し、キャラクタROM234に設けられたNAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の記憶容量(例えば132キロバイト)を持つSRAM(Static RAM)によって構成されている。
ここで、MPU231が、画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出すと、この読み出したデータを一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236が未使用である期間中(読み出し動作又は書き出し動作が行われていない期間中)に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236へ転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
仮に、このバッファRAM237aを設けず、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ直接画像データを転送した場合、キャラクタROM234はNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているためにその読み出し速度が遅いので、所望サイズの画像データを転送する間、1ポート型のDRAMで構成された常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236は、その1ポートをキャラクタROM234からの画像データ転送で占有されてしまい、長時間その他のデータアクセスを行えない状態となってしまう。これにより、その間、画像コントローラ237aによって、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行ったり、第3図柄表示装置81へ描画画像データを転送したりすることができなくなり、第3図柄表示装置81の画像表示が滞ってしまう恐れがある。また、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236にマルチポート型(入出力ポートが複数設けられたタイプ)のDRAMを使用した場合であっても、1ポートがキャラクタROM234からの画像データ転送に占有されてしまうので、画像コントローラ237aにおいて常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を使用した制御に制限がかかり、その制御が複雑になる恐れがある。
これに対し、本パチンコ機10では、高速動作可能なSRAMによって構成されたバッファRAM237aを画像コントローラ237に設けているので、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,436が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
尚、第3図柄表示装置81における画像の表示は、一定時間間隔毎(本実施形態では、20ミリ秒毎)に定期的に行われるものであり、画像コントローラ237は、その第3図柄表示装置81に画像の表示タイミングに合わせて、画像の描画や描画画像データを第3図柄表示装置81へ転送しなければならない。よって、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へのアクセスは、描画に必要な画像データの読み出しや、描画画像データの書き込み及び読み出しを優先させる必要がある。
ここで、通常、第3図柄表示装置81のような表示装置における走査領域は、実際に画像が表示される表示領域よりも大きく設定されており、第3図柄表示装置81が有する画面に画像を表示する場合、表示領域よりも大きく設定された走査領域上を、画面に向かって左方から右方、上方から下方に向けて、画面を構成する各画素を駆動(所謂ラスタスキャン)しながら、走査される。このとき、実際に描画画像データが設定されるのは、画像が表示される表示領域だけであるので、表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間(所謂ブランク期間)は、画像コントローラ237は第3図柄表示装置81に対して描画画像データが転送されない。
即ち、そのブランク期間は、第3図柄表示装置81を走査して画像を表示する場合であっても、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に格納された画像データを使用して画像を描画することはなく、通常用ビデオRAM236に格納された描画画像データを読み出して第3図柄表示装置81へ転送することもない。よって、このブランク期間中に、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用となる期間が必ず存在するので、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、このブランク期間に生じる各ビデオRAM235,236の未使用期間を利用することで、確実に行うことができる。
常駐用ビデオRAM235は、入出力ポートが1ポート(以下、「1ポート型」と称する。)のDRAMによって構成され、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられる。これにより、常駐用ビデオRAM235には、キャラクタROM234より転送された画像データが常駐される。この常駐用ビデオRAM235には、第3図柄表示装置81に表示される画像のうち、電源投入時に表示される画像に対応するデータや、頻繁に表示される画像に対応するデータ、及び、主制御装置110、音声ランプ制御装置113または表示制御装置114によって表示が決定された画像のうち即座に表示されるべき画像に対応するデータが、キャラクタROM234より転送され、常駐される。
一方、通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられ、1ポート型のDRAM(Dynamic RAM)によって構成される。通常用ビデオRAM236には、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを用いて第3図柄表示装置281に表示させる画像を描画する場合に、予めキャラクタROM234から読み出されたその画像データを一時的に格納するためのである。また、画像コントローラ237で描画された画像データ(描画画像データ)は、通常用ビデオRAM236に設けられた第1フレームバッファ236b及び第2フレームバッファ236cに交互に格納され、画像コントローラ237が第3図柄表示装置281の表示タイミングに合わせて第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cに格納された描画画像データを第3図柄表示装置281へ送信することにより、第3図柄表示装置281にその描画画像データに対応する画像が表示される。
常駐用ビデオRAM189には、電源投入時主画像エリア235a、電源投入時変動画像エリア235b、背面画像エリア235c、第3図柄エリア235d、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口164への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。以下、電源投入時主画像と電源投入時変動画像とをあわせて、電源投入時画像とも称する。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図34のS1203,S1204参照)。
ここで、図12を参照して、電源投入時画像について説明する。図12は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図12(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図12(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図12(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「大当たり」である場合は図12(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「外れ」である場合は図12(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いた電源投入時主画像の描画を指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球264に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図12(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球264に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図11に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。背面画像は、第3図柄やキャラクタ図柄といった第3図柄表示装置81に表示される主要な画像の背面側に表示される画像のことである。ここで、図13及び図14を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図13及び図14は、3種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図13(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図13(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対して、図14は、「島ステージ」に対応する背面Cに対してそれぞれ示したものである。
各背面A〜Cのうち、背面A及びBに対応する背面画像は、図13に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。表示制御装置114は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称する。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Cにおける背面画像は、図14に示すように、時間の経過とともに、図14の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3表示装置281に表示される。具体的には、背面Cは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
遊技者による枠ボタン22の操作によりステージが「島ステージ」に変更されると、背面Cの初期背面画像として、図14(a)に示す背面画像が表示される。この図14(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図14(b)に示す背面画像が表示される。図14(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図14(c)に示す背面画像が表示される。図14(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図14(a)に示す背面画像に戻って、再び図14(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図13(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。一般に、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図13(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。また、島ステージに対応する背面Cは、図14(a)を含み、図14(b)を除く図14(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。尚、常駐用ビデオRAM235に格納される画面画像の領域(範囲)は上記領域(範囲)に限られるものではなく、適宜設定されるものであってよい。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的である。しかしながら、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながる恐れがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲または図14(a)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像または図14(a)〜(b)の間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bおよび背面Cについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Cは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図14(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図14(b)〜(c)および図14(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図14(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図14(a)〜(b)の画像を表示させる間に図14(b)〜(c)および図14(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図14(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図14(b)〜(c)および図14(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、背面B及び背面Cにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図11参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図11に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア435には、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM187から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM187にNAND型フラッシュメモリ187aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、遊技板213の裏面に取り付けられた振動センサ228の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM435から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、上述したように、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えられながら指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、追加データテーブルバッファ233e、転送データテーブルバッファ233f、ポインタ233g、描画リストエリア233h、計時カウンタ233i、格納画像判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載した追加データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
また、確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄が外れ図柄である場合は、外れを強調する演出が行われ、停止図柄が15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれかである場合は、それぞれの大当たりが強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、再始動演出は、変動パターンコマンドにより示された変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されない場合に、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、デモ演出、確定表示演出および再始動演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。この変動表示データテーブルには、音声ランプ制御装置113において主制御装置110より受信したコマンドが破壊されたと判断された場合に設定される特殊変動用の表示パターンテーブルも用意されている。
ここで、図15を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図15は、表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、この表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示データテーブルに基づき画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、該画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。表示データテーブルにおいて、第3図柄の種別を直接規定するのではなく、オフセット情報を規定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためである。変動が開始されてから所定時間経過するまでは、各アドレスにおける図柄オフセット情報として、そのアドレスに対応する時間に表示すべき第3図柄と1つ前に行われた変動演出の停止図柄との差分を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出を開始することができる。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、各アドレスにおける図柄オフセット情報として、そのアドレスに対応する時間に表示すべき第3図柄と、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄との差分を記載する。これにより、変動演出において変動表示させる第3図柄を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止表示させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図15の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233gを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233gを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図18参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラに対しその画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233gの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図16を参照して、追加データテーブルの詳細について説明する。図16は、追加データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。追加データテーブルは、上述したように、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載したものである。ここで、「一の演出に追加」するとは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出の表示内容を変更することを意味し、例えば、一の演出において通常は表示されない画像を表示させて、その一の演出に別の演出を重ねて表示させたり、その一の演出における一部または全部の色調を変化させたり、一の演出において表示される画像を変更したりする概念を含むものである。
即ち、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常は表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容や、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容、また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものである。
なお、本実施形態では、主制御装置110からの変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)に基づき選定された変動用表示データテーブルによって表示される変動演出に対して追加して表示される連続予告演出を表示するための表示内容が、追加データテーブルによって規定される場合について説明する。
即ち、追加データテーブルは、例えば、変動演出に対して追加設定される連続予告演出に対応して用意されており、具体的には、連続予告演出の表示態様である「クラゲ」に対応した追加データテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されている。
この追加データテーブルでは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が詳細に規定されている。描画内容には、1フレーム分の画像に追加表示すべき表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
例えば、図16の例では、表示データテーブルにおいて規定されるアドレス「0097H」に対応付けて、2つのエフェクト(エフェクト1,エフェクト2)及び2つのキャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2)に対して、それぞれのスプライト種別(エフェクト種別,キャラクタ種別)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスによって示される時間に、追加表示すべき表示物が存在しない場合は、追加データテーブルでは、そのアドレスに対応する追加すべき表示物が存在しないことを意味するNullデータが規定される(図16のアドレス「0001H」が該当)。
尚、追加データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、追加データテーブルの最終アドレス(図16の例では、「00FDH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その追加データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドを受信すると、その連続予告コマンドにより示される連続予告態様(本実施形態では、変動表示中に「クラゲ」画像を表示する態様)に応じた追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の追加データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233gの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図18参照)を作成する。
例えば、図16の例では、ポインタ233gが「0097H」となった場合に、MPU231は、表示データテーブルのアドレス「0097H」に規定された各種スプライトに、追加データテーブルのアドレス「0097H」に規定されたエフェクト1,エフェクト2,キャラクタ1,キャラクタ2の各スプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。一方、ポインタ233gが「0001H」である場合、追加データテーブルのアドレス「0001H」には、Nullデータが規定されているので、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルのアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。また、追加データテーブルにおいてポインタ233gが示すアドレスで規定される情報が「End」情報であった場合、また、ポインタ233gが追加データテーブルに規定されていないアドレスを指示するものであった場合(例えば、図16の例では、ポインタ233gが「00FEH」以降のアドレスを示すような場合)にも、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルに規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
そして、画像コントローラ237に生成した描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233gの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されると共に、追加データテーブルで規定された描画内容が追加されるので、その表示データテーブルと追加データテーブルとで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して、他の演出画像(例えば、連続予告演出画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる他の演出画像に対応する追加データデーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定することで、容易にその演出画像をベースの演出画像に追加して表示させることができる。これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が5種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×(1+5)=192種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブルとして別に規定することで、32+5=37種類の表示および追加データテーブルを用意すればよく、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。よって、データテーブル格納エリア233bに用意された容量の中で多種態様な演出態様に対応したデータテーブルを格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出画像を追加データテーブルとして規定することによって、元の演出画像に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した後に、追加して表示させる他の演出画像の表示を決定した場合であっても、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルを変更することなく、他の演出画像に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定するだけで、その追加して表示させる他の演出画像が元の演出画像に追加して容易に表示させることができる。
また、追加データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有して構成されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに設定された追加データテーブルとから、時間毎にポインタ233gを更新しながらそのポインタに示されるアドレスに規定された描画内容をそれぞれ容易に特定することができると共に、これらから1つのフレームに対応する1つの描画リストを容易に生成することができる。よって、主制御装置110からのコマンドに基づいて行われる演出に追加して、音声ランプ制御装置113などによってその他の演出の表示を決定した場合でもあっても、その追加して表示すべき演出の表示内容を追加データテーブルで規定することによって、少ないデータテーブルから多種多様な演出表示を容易に行うことができる。
次いで、図17を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図17は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称する)の転送データ情報が記載されている(図17のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図17のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレス(格納先先頭アドレス)が含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図17の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、転送データテーブルバッファ233fに格納する。そして、ポインタ233gの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図18参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図17の例では、ポインタ233gが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルおよび追加データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233gが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブル344dに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図11に戻り、説明を続ける。簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図12(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図34参照)の中でオンに設定される(図34のS1205参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図46(b)のS2115参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図36のS1401参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図36(b)のS1408参照)および簡易表示設定処理(図36(b)のS1409参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図37〜図41参照)および表示設定処理(図42〜図45参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図46(a)のS2001参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図46(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図47参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233gを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図18参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
追加データテーブルバッファ233eは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出(連続予告演出など)に対応する追加データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、一旦、追加データテーブルバッファ233eに追加して表示すべき表示物がないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
その後、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出の有無を判断し、追加して表示させる演出がある場合は、その演出態様に対応する追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに格納する。
そして、MPU231は、ポインタ233gを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された描画内容と、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された描画内容とに基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図18参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出に、追加データテーブルに対応する演出が追加して表示される。また、追加データテーブルバッファ233eに追加データテーブルが格納されなかった場合、追加データテーブルバッファ233eにはNullデータが格納されているので、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出がそのまま表示される。
転送データテーブルバッファ233fは、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233fに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233fに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233gを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図18参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233gは、表示データテーブルバッファ233d、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233gを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図36のS1403参照)の中で、ポインタ更新処理(図42のS1709参照)が実行され、ポインタ233gの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233gの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図18参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示されると共に、追加データテーブルバッファ233eに追加データテーブルが格納されている場合は、その追加データテーブルに対応する演出が、表示データテーブルに対応する演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルや、追加データテーブルバッファ233eに格納する追加データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。よって、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図18を参照して、描画リストの詳細について説明する。図18は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図18に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルおよび追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルにおいて、ポインタ233gによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルおよび追加データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルおよび追加データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、描画リストには、転送データ情報が含まれる。この情報は、画像コントローラ237に対する画像データの転送指示情報であり、画像コントローラ237は、この転送データ情報に従って、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送する。描画リストの転送データ情報は、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)および最終アドレス(格納元最終アドレス)と、その転送対象画像データを格納すべき格納先情報(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236かを示す情報)および先頭アドレス(格納先先頭アドレス)とを含んで構成される。
MPU231は、例えば、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233gによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき格納先先頭アドレス)から、描画リストに対応する転送データ情報を生成して、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、格納先情報によって示される常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236の所定のエリア(格納先先頭アドレスによって示されるエリア)に転送する。
図11に戻って、説明を続ける。計時カウンタ233iは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図36参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233iが1ずつ減算される(図42のS1711参照)。その結果、計時カウンタ233iの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図34のS1202参照)によって生成される。ここで生成される格納画像判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図47参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているスプライトの画像データは全て、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、この未格納状態となる全てのスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図47のS2216参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図47のS2217参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称する)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図48のS2302参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図36参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図48のS2302参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
次に、図19から図26のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では4ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図19は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば4ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、始動入賞処理(図20参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、変動処理(図21参照)や変動処理の一処理である変動開始処理(図22)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS111の処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S103)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S105)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S106)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S107)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S108)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、停止種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,198,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。また、第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC2の初期値として読み込み、その初期値を第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC2に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S109)、次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S110)。なお、変動処理の詳細は図21を参照して後述し、始動入賞処理の詳細は図20を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S111)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S112)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、ワークRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である始動入賞処理(S110)を説明する。図20は、この始動入賞処理(S110)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、第1入球口64への入球(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bに格納する(保留する)処理を実行し、更に、保留した各カウンタC1〜C3,CS1を、変動演出の実行開始タイミングよりも前に先読みするために、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納する処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理を実行すると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。球が第1入球口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S202)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S201:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S202:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S201:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S202:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算し(S203)、加算後の保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。
次に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち、保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2、停止パターン選択カウンタ203b3及び変動種別カウンタ格納エリア203b4に各々保留(格納)する(S205)。
具体的には、S203の処理による加算後の保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを検出すると、S205の処理によって保留球格納エリア203bに保留された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、保留された順に保留球実行エリア203cにシフトする。そして、保留球実行エリア203cに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、大当たり抽選や変動パターンの判定等を実行する。このように、保留球格納エリア203bに格納されるカウンタC1〜C3,CS1の値は、変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選や変動パターンの判定等で用いられる。
これに対し、S205の処理に続いて行われるS206〜S214の処理では、変動演出の実行開始タイミングに先立って、S205の処理により保留されたカウンタC1〜C3,CS1を先読みする先読み処理を実行するために、それらの各値を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eへ格納する。
具体的には、まず、予測状態変更フラグ203iがオンか否かを判断し(S206)、オフであれば(S206:No)、次いで、第1先読み処理中フラグ203fがオンであるか否かを判別する(S207)。ここで、第1先読み処理中フラグ203fがオフであれば(S207:Yes)、第1先読み実行エリア203dに格納された各カウンタC1〜C3,CS1によって先読み処理が実行中でも、先読み処理実行開始の待機中でもないことを意味する。そこで、第1先読み処理中フラグ203dをオンに設定して(S208)、第1先読み実行エリア203dの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ203d3及び変動種別カウンタ格納エリア203d4に、それぞれ、S205の処理によって保留球格納エリア203bに最後に格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の値を格納する(S209)。
これにより、主制御装置110では、後述のメイン処理で実行される先読み処理(図26参照)の中で、タイマ割込処理の実行間隔(4ミリ秒)とは無関係に、第1先読み実行エリア203dに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして、予め大当たり抽選や変動パターン判定の結果を予測することができる。そして、この予測結果は、先読みコマンドによって、音声ランプ制御装置113に通知される。
また、第1先読み処理中フラグ203fをオンすることによって、先読み処理に対して第1先読み実行エリア203dにカウンタC1〜C3,CS1の値が新たに格納されたことを通知でき、先読み処理において第1先読み実行エリア203dに新たに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みさせることができる。また、先読み処理が終了するまで第1先読み処理中フラグ203fをオンに維持することにより、第1先読み実行エリア203dに別のカウンタ値が上書きされるのを抑制できる。
S209の処理の後、S203の処理によって加算処理された保留球数コマンド203aの値(保留球数N)を、第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に格納する(S210)。そして、タイマ割込処理に戻る。
一方、S207の処理の結果、第1先読み処理中フラグ203fがオンであると判別される場合(S207:Yes)、第1先読み実行エリア203dに格納された各カウンタC1〜C3,CS1によって先読み処理が実行中であるか、先読み処理実行開始の待機中であることを意味する。そこで、S208〜S210の処理を非実行とし、S211の処理へ移行する。これにより、第1先読み実行エリア203dに格納されている各種カウンタの値が維持される。
S211の処理では、第2先読み処理中フラグ203gがオンであるか否かを判別する(S211)。そして、第2先読み処理中フラグ203gがオフであれば(S211:Yes)、第2先読み実行エリア203eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1によって先読み処理が実行中でも、先読み処理実行開始の待機中でもないことを意味する。そこで、第2先読み処理中フラグ203eをオンに設定して(S212)、第2先読み実行エリア203eの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203e1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203e2、停止パターン選択カウンタ203e3及び変動種別カウンタ格納エリア203e4に、それぞれ、S205の処理によって保留球格納エリア203bに最後に格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の値を格納する(S213)。
これにより、主制御装置110では、後述のメイン処理で実行される先読み処理(図26参照)の中で、タイマ割込処理の実行間隔(4ミリ秒)とは無関係に、第2先読み実行エリア203eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして、予め大当たり抽選や変動パターン判定の結果を予測することができる。そして、この予測結果は、先読みコマンドによって、音声ランプ制御装置113に通知される。
また、第2先読み処理中フラグ203gをオンすることによって、先読み処理に対して第2先読み実行エリア203eにカウンタC1〜C3,CS1の値が新たに格納されたことを通知でき、先読み処理において第2先読み実行エリア203eに新たに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みさせることができる。また、先読み処理が終了するまで第2先読み処理中フラグ203gをオンに維持することにより、第2先読み実行エリア203eに別のカウンタ値が上書きされるのを抑制できる。
S213の処理の後、S203の処理によって加算処理された保留球数コマンド203aの値(保留球数N)を、第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に格納する(S214)。そして、タイマ割込処理に戻る。
一方、S211の処理の結果、第2先読み処理中フラグ203gがオンであると判別される場合(S211:Yes)、第1先読み実行エリア203dだけでなく、第2先読み実行エリア203eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1によって先読み処理が実行中であるか、先読み処理実行開始の待機中であることを意味する。そこで、S212〜S214の処理を非実行としてタイマ割込処理に戻る。これにより、第2先読み実行エリア203eに格納されている各種カウンタの値が維持される。また、この場合は、本始動入賞処理によりS205の処理によって保留球格納エリア203bに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に対して、先読み処理が非実行とされる。
また、S206の処理の結果、予測状態変動フラグ203iがオンであると判別される場合は(S206:Yes)、S207〜S214の処理をスキップして非実行とし、そのまま、始動入賞処理を終了して、タイマ割込処理に戻る。予測状態変動フラグ203iがオンである場合、上述したように、保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値に対して再度の先読みを行うために、その再度の先読みを行うカウンタC1〜C3,CS1を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納する前の状態にある。そこで、予測状態変動フラグ203iの値がオンである場合に、S207〜S214の処理を非実行とすることによって、再度の先読みを行うカウンタC1〜C3,CS1を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納する前に、始動入賞によって取得されたカウンタC1〜C3,CS1が第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されることを抑制することができる。よって、予測状態変更フラグ203iがオンに設定された場合は、保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を用いて、確実に、再度の先読みを実行できる。
以上のように、本始動入賞処理によれば、第1先読み処理中フラグ203f及び第2先読み処理中フラグ203gによって、対応する先読み実行エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1により先読み処理が実行中または先読み処理実行開始の待機中であるか否かが判定される。そして、先読み処理中又は実行開始待機中であれば、その対応する先読み実行エリアが、後に始動入賞の検出タイミングでカウンタ用バッファより取得した各カウンタC1〜C3,CS1の値で、上書きされることを抑制できる。よって、MPU201は、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに各カウンタC1〜C3,CS1の値が格納されると、後に第1入球口64への入賞(始動入賞)があった場合でも、先読み処理が完了するまで先読み実行エリア203d,203eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値が保持され続ける。従って、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を用いて、先読み処理を確実に実行することができる。
また、第1先読み処理中フラグ203f又は第2先読み処理中フラグ203gがオンに設定されると、MPU201により実行されるメイン処理の中で繰り返し実行される先読み処理(図25,図26参照)によって、オン状態が検出された先読み処理中フラグ203f,203gに対応する先読み実行エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みして、大当たり抽選および変動パターン判定の結果が予測される。そして、大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果から、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納された先読み保留回数に関する情報を含む先読みコマンドを設定し、設定した先読みコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。
このように、変動演出の開始時に、その変動演出に対応する始動入賞よりも後に検出された始動入賞によって保留されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みして先読み処理するのではなく、本実施形態では、タイマ割込処理(図19参照)の中で始動入賞が検出された時点におけるカウンタC1〜C3,CS1の各値を、一旦第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eのいずれかに格納したうえで、その第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を基に、メイン処理の中で先読み処理を実行する。一方、本実施形態では、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選等を、メイン処理よりも優先して実行されるタイマ割込処理の中の一処理である変動開始処理(図22参照)の中で実行する。
ここで、本実施形態のように、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選とは別に、始動入賞時に取得して保留した各カウンタ値を先読みして、大当たり抽選等の結果を予測する先読み処理を実行ようにパチンコ機を構成した場合、大当たり抽選では、始動入賞によって取得されたカウンタ値と、個々の当たり値とを1つ1つ比較する必要がある一方、先読み処理においても、先読みした値と個々の当たり値とを1つ1つ比較する必要がある。これにより、カウンタ値と個々の当たり値との比較処理を、大当たり抽選および先読み処理のいずれにおいても、最大で当たり値の個数分だけ繰り返し行わなければならない。特にパチンコ機が高確率状態にある場合、例えば高確率状態における当たり値の数が30あれば、上述の比較処理を大当たり抽選および先読み処理のそれぞれで最大30回繰り返して行うことになる。よって、大当たり抽選および先読み処理のそれぞれにおいて行われるカウンタ値と当たり値との比較処理に、長い時間を要する。
このような状況下において、従来のパチンコ機のように、変動演出の開始時に、その変動演出に対応する始動入賞よりも後に検出された始動入賞によって保留されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理する場合、変動演出の実行開始時の大当たり抽選が行われるのと相前後して、始動入賞時の先読みに伴う大当たり抽選の結果の予測が行われてしまうと、遊技において最も重要な処理である大当たり抽選の完了が遅れる等して、遊技に影響を及ぼすおそれがある。
また、タイマ割込処理の中に、変動演出の開始を判断して大当たり抽選を実行する処理と、始動入賞を検出して各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し且つ先読み処理を実行する処理とを含めるように構成した場合、変動演出の開始の判断と始動入賞の検出とに基づいて、1のタイマ割込処理の中で大当たり抽選処理と先読み処理とが共に行われる場合が生じ得る。それぞれの処理は、上述したように、長い処理時間を要するおそれがあるため、この場合、次のタイマ割込処理が開始されるまでにタイマ割込処理に含まれる全ての処理が完了しない事態も発生し得る。よって、遊技に必要な各種制御が遅れることになり、遊技に影響を及ぼすおそれがある。
これに対して、本実施形態に係るパチンコ機10では、メイン処理の中で先読み処理を実行する一方、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選等を、タイマ割込処理の一処理である変動開始処理(図22参照)の中で実行するように構成されている。これにより、先読み処理がメイン処理において実行中であっても、タイマ割込処理が優先して実行されるので、変動演出の実行開始タイミングで大当たり抽選を遅滞なく行うことができる。一方、先読み処理は、タイマ割込処理の終了後に引き続いて実行されるので、先読み処理を確実に完了させることができる。このように、本実施形態に係るパチンコ機10では、第1入球口64への始動入賞が検出された場合に取得されるカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行し、大当たり抽選等の結果を予測しつつ、大当たり抽選を変動演出の実行開始タイミングで遅滞なく行うことができるので、正常に遊技の制御を行うことができるのである。
また、本実施形態では、始動入賞時に取得したカウンタC1〜C3,CS1の各値を保留球数格納エリア203bだけでなく、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納し、この第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行する。ここで、保留球数格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を直接読み出して先読み処理を行った場合、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなると、上述したように、保留球格納エリア203bの各保留エリア(保留第1〜第4エリア)に格納されている各カウンタC1〜C3,CS1は、保留球実行エリア203cや、別の保留エリアにシフトされる。これにより、変動開始処理(図22参照)が実行される毎に、先読み処理で参照すべきカウンタC1〜C3,CS1の格納エリアを変更する必要が生じる。
これに対し、本実施形態では、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行するので、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなり、変動開始処理が実行されても、先読み処理で参照すべきカウンタC1〜C3,CS1の格納エリアを変更することなく、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eを参照し続ければよいため、処理を簡略化できる。
また、本実施形態では、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに各カウンタC1〜C3,CS1の値を格納すると共に、先読み処理が完了するまで、第1先読み処理中フラグ203f又は第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定しておくことにより、先読み処理を実行中に、新たに始動入賞が検出された場合であっても、その新たな始動入賞に伴って取得されたカウンタC1〜C3,CS1の値によって、先読み処理中の第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eが上書きされるのを抑制できる。よって、先読み処理を確実に実行することができる。
なお、本実施形態では、始動入賞が検出されたときに、第1先読み処理中フラグ203f及び第2先読み処理中フラグ203gが共にオンであり、第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eがいずれも先読み処理中である場合には、その始動入賞に伴って保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を、第1先読み実行エリア203dにも第2先読み実行エリア203eにも格納しない。これにより、この始動入賞によって取得されたカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて先読み処理は行われないが、先読み処理は、上述したように、連続予告演出の設定や、音声ランプ制御装置113へ送信されるコマンドの破壊判別の処理を行うためのものであり、遊技に直接影響を及ぼすものではないため、問題とならない。
また、本実施形態では、第1先読み実行エリア203dと第2先読み実行エリア203eとの2つの先読み実行エリアを用意し、いずれか一方に始動入賞時に取得されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を格納するように構成されている。よって、第1先読み実行エリア203dに先読み処理を実行中のカウンタC1〜C3,CS1の各値が格納されている間に、新たな始動入賞が検出されても、第2先読み実行エリア203eに先読み処理を実行中のカウンタC1〜C3,CS1の各値が格納されていなければ、この新たな始動入賞に伴い取得される各カウンタC1〜C3,CS1の値を第2先読み実行エリア203eに格納して、この第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を用いて先読み処理を実行することができる。よって、始動入賞によって取得され、保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の組のうち、先読み処理が実行されない組の発生を抑制することができ、可能な限り多くの組に対して先読み処理を実行することができる。
また、本実施形態では、各先読み実行エリア203d,203eに、上述したように、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5を設け、始動入賞が検出され、各カウンタC1〜C3,CS1の値が先読み実行エリア203d,203eに格納される時点の保留球数カウンタ203aの値(始動入賞に伴い、1加算した後の保留球数カウンタ203aの値)が、先読み保留回数として先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納される。また、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納される先読み保留回数は、対応する先読み実行エリア203d,203eの先読み処理中フラグ203f,203gがオンである間、変動演出の実行開始タイミングとなり、変動開始処理が実行される度に、1ずつ減算される(図21のS306〜S309参照)。
これにより、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納される先読み保留回数は、対応する先読み実行エリア203d,203eに格納されている各カウンタC1〜C3,CS1の保留回数を正確に表したものとなる。よって、この先読み処理により予測した大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果に基づいて先読みコマンドを生成する場合に、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納されている先読み保留回数を先読みコマンドに含めることによって、この先読みコマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、先読み処理によって得られた大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果に従って実行される変動演出の保留回数を正確に把握することが出来る。
従って、音声ランプ制御装置113では、この先読み処理の結果に基づいて連続予告演出を設定する場合に、その先読み処理の行われた各カウンタC1〜C3,CS1の取得契機となった始動入賞よりも前または以前の始動入賞に対する変動演出に対して連続予告演出を確実に設定することができる。また、音声ランプ制御装置113では、先読みコマンドによって示される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を、該先読みコマンドによって示される先読み保留回数分だけ変動演出の実行回数に対して保留させることにより、その先読みコマンドにより示された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を、その先読みが行われた変動演出に対して主制御装置110により送信された変動パターンコマンド及び停止種別コマンドと対応付けることができる。よって、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドや停止種別コマンドが、先読みコマンドによって示された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とマッチするか否かを確実に判断することができる。従って、コマンドの破壊判別を正確に行うことができる。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である変動処理(S109)について説明する。図21は、この変動処理(S109)を示すフローチャートである。変動処理(S109)は、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動演出を制御するものである。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0でなければ(S304:Yes)、変動演出の実行開始タイミングであると判断し、まず、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算する(S305)。これは、変動開始処理(S311)によって、保留されていた変動演出のうち1の変動演出の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
また、第1先読み処理中フラグ203fがオンであるか否かを判別し(S306)、オンであれば(S306:Yes)、第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に格納された先読み保留回数を1減算して(S307)、S308の処理へ移行する。一方、第1先読み処理中フラグ203fがオフであれば(S306:No)、S307の処理をスキップして、S308の処理へ移行する。
更に、S308の処理では、第2先読み処理中フラグ203gがオンであるか否かを判別し(S308)、オンであれば(S308:Yes)、第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に格納された先読み保留回数を1減算して(S309)、S310の処理へ移行する。一方、第2先読み処理中フラグ203gがオフであれば(S308:No)、S309の処理をスキップして、S310の処理へ移行する。
このように、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納される先読み保留回数は、対応する先読み実行エリア203d,203eの先読み処理中フラグ203f,203gがオンである間、変動演出の実行開始タイミングとなって変動開始処理(S311)が実行される度に、1ずつ減算される。
これにより、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納される先読み保留回数は、対応する先読み実行エリア203d,203eに格納されている各カウンタC1〜C3,CS1の保留回数を正確に表したものとなる。よって、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納されている先読み保留回数を先読みコマンドに含めることにより、この先読みコマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、先読み処理によって得られた大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果に従って実行される変動演出の保留回数を正確に把握することが出来る。
従って、音声ランプ制御装置113では、この先読み処理の結果に基づいて連続予告演出を設定する場合に、その先読み処理の行われた各カウンタC1〜C3,CS1の取得契機となった始動入賞よりも前または以前の始動入賞に対する変動演出に対して連続予告演出を確実に設定することができる。また、音声ランプ制御装置113では、先読みコマンドによって示される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を、該先読みコマンドによって示される先読み保留回数分だけ変動演出の実行回数に対して保留させることにより、その先読みコマンドにより示された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を、その先読みが行われた変動演出に対して主制御装置110により送信された変動パターンコマンド及び停止種別コマンドと対応付けることができる。よって、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドや停止種別コマンドが、先読みコマンドによって示された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とマッチするか否かを確実に判断することができる。従って、コマンドの破壊判別を正確に行うことができる。
S309の処理の後、又は、S308の処理において否定判断(S308:No)がなされた後、保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフト処理する(S310)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203cへ向けて順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→保留球実行エリア203c、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S310のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S311)、タイマ割込処理に戻る。なお、変動開始処理については、図22を参照して後述する。
S304の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であると判別されると(S304:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S312)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が0より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S312:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S313)、タイマ割込処理に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S312:Yes)、そのままタイマ割込処理に戻る。S313の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図19のS101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動表示が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
また、S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S314)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S314:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S315)、タイマ割込処理に戻る。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S314:Yes)、第1図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S316)。停止図柄は、図22を参照して後述する変動開始処理(S311)によって予め設定される。変動開始処理では、S310の処理によって保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値により、大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、2R確変大当たり(最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDは、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S316の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S317)、タイマ割込処理に戻る。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。これにより、表示制御装置114は、確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理の一処理である変動開始処理(S311)について説明する。図22は、変動開始処理(S311)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S311)は、保留球格納エリアの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(大当たり抽選)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)等を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態にある場合には、第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜899のうち「7,307,582」が当たり値(当たり値)となる。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態にある場合には「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が当たり値(当たり値)となる。S401の処理では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たり値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S401の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値と、図7(a)に示す大当たり種別テーブルとに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S402)。
この処理では、大当たり種別テーブルによって、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する2R確変大当たりか、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、第1図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。
また、第3図柄表示装置81において、大当たり種別に対応した各種大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)をそのまま停止種別として設定することにより、第3図柄表示装置81における大当たり時の表示態様を設定する。
次に、図7(b)に示す大当たり用変動パターンテーブルに基づき、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種、2R変動A〜Cの中から、S402の処理によって判別された大当たり種別と、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値とに対応付けられた、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり図柄で停止するまで変動時間が決定される。なお、変動パターンと変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
続くS404〜S411の処理では、先読み確変フラグ203hが、先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態を正しく示しているか否かを判断し、正しく示していないと判断される場合は、先読み確変フラグ203hに対して正しいと思われる遊技状態を設定すると共に、現在行われている先読み処理を中断し、また、それ以前に行われた先読み処理による予測結果を無効するための処理を実行する。
具体的には、まず、S402の処理によって判別した大当たり種別が確変大当たりであったか否かを判別する(S404)。ここでは、大当たり種別が15R確変大当たりであるか、または、2R確変大当たりであった場合に、確変大当たりであると判別する。そして、確変大当たりであった場合(S404)、次に、先読み確変フラグ203hがオフか否かを判別する(S405)。そして、先読み確変フラグ203hがオフでない場合、即ち、オンであった場合は(S405:No)、その先読み確変フラグ203hにおいて、先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態が、今回の大当たり抽選に基づいて高確率状態(確変状態)にあることを正しく予測できていると判断し、そのままS414の処理へ移行する。
一方、S405の処理の結果、先読み確変フラグ203hがオフであった場合は(S405:Yes)、先読み確変フラグ203hにおいて、先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態が、今回の大当たり抽選に基づいて高確率状態(確変状態)にあることを正しく予測できていないと判断できる。そこで、先読み確変フラグ203hをオンに設定し(S406)、先読み処理を行う場合に、その先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態を高確率状態(確変状態)に設定して、S409の処理へ移行する。
また、S404の処理の結果、確変大当たりではないと判断された場合は(S404:No)、次いで、先読み確変フラグ203hがオンか否かを判別する(S407)。そして、先読み確変フラグ203hがオンでない場合、即ち、オフであった場合は(S407:No)、その先読み確変フラグ203hにおいて、先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態が、今回の大当たり抽選に基づいて低確率状態にあることを正しく予測できていると判断し、そのままS414の処理へ移行する。
一方、S407の処理の結果、先読み確変フラグ203hがオンであった場合は(S407:Yes)、先読み確変フラグ203hにおいて、先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態が、今回の大当たり抽選に基づいて低確率状態にあることを正しく予測できていないと判断できる。そこで、先読み確変フラグ203hをオフに設定し(S408)、先読み処理を行う場合に、その先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態を低確率状態に設定して、S409の処理へ移行する。
ここで、本来であれば、先読み確変フラグ203hの設定は、先読み処理において行われる大当たり抽選の予測結果に基づいてのみ行われればよい。しかしながら、本実施形態では、上述したように、必ずしも全ての変動演出に対応するカウンタ値に対して先読み処理が実行されないので、先読み処理において行われる大当たり抽選の予測結果にもとづいてのみ先読み確変フラグ203hの設定を行うと、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)の予測が大きくずれてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、先読み処理において行われる大当たり抽選の予測結果に加え、S404〜S408の処理により、本来の大当たり抽選の結果も考慮して先読み確変フラグ203hの値を設定し、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)を予測している。これにより、必ずしも全ての変動演出に対応するカウンタ値に対して先読み処理が実行されない場合であっても、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態の予測を、より高い精度で行うことができる。
S409の処理では、予測状態変更フラグ203iをオンに設定する(S409)。その後、第1先読み処理中フラグ203fをオフに設定し(S410)、更に、第2先読み処理中フラグ203gをオフに設定して(S411)、S414の処理に移行する。
上述したように、S404〜S407の処理によって、先読み確変フラグ203hが誤った予測状態を示していると判断された場合(即ち、S405の処理またはS407の処理において肯定(Yes)判断がなされた場合)は、現在行っている先読みを含めて以前に行った先読みによる予測結果が、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を誤った上で予測されたものである可能性が高いことを意味する。そこで、予測状態変更フラグ203iをオンに設定することで、現在行っている先読みを含めて以前に行った先読みによる予測結果が、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を誤った上で予測されたものである可能性が高いこと示し、後述のメイン処理の中で実行される先読み処理(図26,27参照)において、次の処理を実行する。
まず、MPU201は、先読み処理の中で、第1先読み実行エリア203dまたは第2先読み実行エリア203eに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みしている間に予測状態変更フラグ203iがオンであることを判断すると、その実行中の先読みを中止する(S758:Yes,S768:Yes参照)。これにより、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて、そのまま先読みが進行することを抑制できる。
また、MPU201は、予測状態変更コマンドを設定し(図27のS772参照)、音声ランプ制御装置113にこの予測状態変更コマンドを送信する。音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で先読み情報格納エリア223bに格納されている先読み処理による予測結果を全て無効に設定する。
上述したように、S404〜S407の処理によって、先読み確変フラグ203hが誤った予測状態を示していると判断された場合(即ち、S405の処理またはS407の処理において肯定(Yes)判断がなされた場合)は、それ以前に行われた先読みによる予測結果が、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を誤った上で予測されたものである可能性が高いことを意味する。そこで、音声ランプ制御装置113に予測状態変更コマンドを送信し、音声ランプ制御装置113の先読み情報格納エリア223bに格納されている先読み処理による予測結果を全て無効にすることで、誤った予測結果に基づいて、先読みによる各種制御が行われることを抑制することができる。例えば、誤った予測結果に基づいてコマンド破壊判別が行われることにより、コマンドが破壊されていないにも関わらず、コマンドの破壊判定においてコマンドが破壊されていると判定されることを抑制できる。
また、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、連続予告実行カウンタ223eの値を0に設定して(図31のS1023参照)、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除する。上述したように、連続予告演出の実行の決定は、先読みコマンドを受信したときに、その受信した先読みコマンドにより通知される大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりであるか、前後外れであった場合に、所定の割合で行われる。これにより、連続予告演出が行われると、遊技者に対して、その連続予告演出終了後に最も遊技価値の高い15R確変大当たりとなることを期待させることができる。また、連続予告演出終了後に外れとなる場合であっても、その外れにおける変動パターンは、変動変出が終了するまで遊技者に大当たりとなるか否かを最も期待させ続けることができる前後外れリーチとなるので、連続予告演出によって遊技者が抱く期待感を、連続予告演出が設定された最後の変動演出が停止表示されるまで増大させ続けることができる。
しかしながら、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、先に送信された先読みコマンドによって通知される予測結果が誤っている可能性が高いので、その誤った先読みコマンドに基づいて設定された連続予告演出が最後まで行われると、その最後の変動演出において、その大当たり種別が「15R確変大当たり」とならなかったり、外れであっても「前後外れリーチ」とならなかったりするおそれが生じる。これにより、遊技者は連続予告演出が行われたことによって抱く期待感とは大きくことなる結果となって、遊技者が持っていた興趣の低下を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除することによって、連続予告演出の終了後に遊技者が期待していたのとは異なる結果が生じることを抑制することができる。
更に、MPU201は、先読み処理の中で予測状態変更フラグ203iがオンであることを判断すると、保留球格納エリア203bに保留されているカウンタC1〜C3,CS1を用いて、パチンコ機10の取りうる正しい状態に基づいて、再度、先読み処理を実行する(図27参照)。これにより、第1先読み実行エリア203dおよび第2先読み実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1に対して、正しい先読み確変フラグ203hの値、即ち、パチンコ機10の取りうる正しい遊技状態に基づいて、先読み処理が実行されて、大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を音声ランプ制御装置113に通知することができる。よって、音声ランプ制御装置113によって、より多くの予測結果を用いて、より多彩な制御を実行することができる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様を設定する(S412)。S412の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれかを設定する。本実施形態では、上述したように、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、各停止種別に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるようにテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定し(S413)、S414の処理へ移行する。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、外れ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。このとき、パチンコ機10の遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にある場合は、図7(c)に示す外れ(通常)用変動パターンテーブルに基づいて、短外れ、長外れ、外れノーマルリーチ各種、外れスーパーリーチ各種、外れスペシャルリーチ各種の中から、S412の処理によって設定された停止種別と、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1とに対応付けられた外れ時の変動パターンが決定される。
また、パチンコ機10の遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にある場合は、図7(d)に示す外れ(確変)用変動パターンテーブルに基づいて、短外れ、長外れ、外れノーマルリーチ各種、外れスーパーリーチ各種、外れスペシャルリーチ各種の中から、S412の処理によって設定された停止種別と、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1とに対応付けられた外れ時の変動パターンが決定される。そして、予めテーブル等により規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
S414の処理では、S403及びS413の処理によって決定された変動パターンに基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターン種別を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S414)。また、S402又はS412の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S415)、変動処理へ戻る。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図19)のS101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
図23は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図24を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図24は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S604)、オンされていれば(S604:Yes)、処理をS611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S605)、記憶されていなければ(S605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S605:Yes)、RAM判定値を算出し(S606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS611へ移行する。なお、図25のS708の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S612,S613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S612,S613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S612,S613)を実行する。RAMの初期化処理(S612,S613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S612)、その後、RAM203の初期値を設定する(S613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S609)、S610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S610の処理では、割込みを許可する(S610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図25〜図27を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。まず、図25は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、先読み処理と、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、まず、先読み処理を実行する(S701)。ここで、図26及び図27を参照して、先読み処理の詳細について説明する。図26及び図27は、この先読み処理を示すフローチャートである。この先読み処理は、始動入賞の検出に伴って取得されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を、変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選等で参照する前に先読みし、予め大当たり抽選の結果や変動パターンの判定結果を予測する処理である。
まず、図26を参照して説明する。この先読み処理では、まず、第1先読み処理中フラグ203fがオンであるか否かを判別する(S751)。その結果、第1先読み処理中フラグ203fがオンであれば(S751:Yes)、始動入賞処理(図20参照)において、始動入賞が検出されたことに伴い保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値が第1先読み実行エリア203dにも格納され、第1先読み実行エリア203dが先読み処理の実行開始待機中となっていることを意味する。
そこで、この場合は、S752〜S760の処理を実行し、第1先読み実行エリア203dに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みする。まず、S752の処理では、先読み確変フラグ203hの値と第1先読み実行エリア203dの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値とから、大当たり抽選の結果を予測する。即ち、第1先読み実行エリア203dの第1当たり乱数カウンタC1の値が上述の当たり値と一致するか否かを判別し、当たり値の1つと一致する場合に大当たりであると予測する。また、全ての当たり値と一致しない場合は外れであると予測する。
当たり値は、先読み確変フラグ203hによって示される、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選(変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選)が行われる時の、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)に応じて設定される。即ち、先読み確変フラグ203hがオフであり、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が、通常の低確率状態にあると予測される場合は、当たり値が「7,307,582」に設定される。一方、先読み確変フラグ203hがオンであり、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が、高確率状態にあると予測される場合は、当たり値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」に設定される。
また、S752の処理では、大当たり抽選の予測結果が大当たりであると予測される場合、更に、第1先読み実行エリア203dの第1当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された第1当たり種別カウンタC2を先読みして、大当たり種別判定の結果を予測する。この大当たり種別判定結果の予測は、図7(a)に示す大当たり種別テーブルに従って、第1先読み実行エリア203dの第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別を特定することにより行われる。
また、大当たり抽選の予測結果が外れである場合は、更に、第1先読み実行エリア203dの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れの中から予測する。このとき、変動開始処理(図22参照)のS412の処理と同様に、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選(変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選)が行われる時に予測されるパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が低確率状態であるか高確率状態であるかに応じて、各停止種別に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるテーブルを設定する。
そして、S752の処理では、最終的に、大当たり抽選の予測結果として大当たり種別判定の予測結果および外れ時の停止種別判定の予測結果を含めて「前後外れ」「その他の外れ」「15R通常大当たり」「15R確変大当たり」「2R確変大当たり」の5パターンに分類する。
続くS753の処理では、第1先読み実行エリア203dに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして、変動パターン判定の結果を予測する(S753)。具体的には、S752の処理によって予測された大当たり抽選の予測結果が大当たりであれば、図7(b)に示す大当たり用変動パターンテーブルに基づき、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種、2R変動A〜Cの中から、S752の処理によって予測された大当たり種別判定の予測結果と、第1先読み実行エリア203dの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納された変動種別カウンタCS1の値とに対応付けられた変動パターンを予測する。
また、S752の処理によって予測された大当たり抽選の予測結果が外れである場合は、そのS752の処理によって予測した停止種別(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)を基に、本来の大当たり抽選が行われる時に予測されるパチンコ機10の取りうる遊技状態に応じて、図7(c)に示す外れ(通常)用変動パターンテーブル又は図7(d)に示す外れ(確変)用変動パターンテーブルのいずれかに基づいて、変動パターンの判定結果を予測する。即ち、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態が、時短状態を除く通常時の低確率状態と予測される場合は、図7(c)に示す外れ(通常)用変動パターンテーブルに基づき、短外れ、長外れ、外れノーマルリーチ各種、外れスーパーリーチ各種、外れスペシャルリーチ各種の中から、予測した停止種別と、第1先読み実行エリア203dの変動種別カウンタ格納エリア203d5に格納された変動種別カウンタCS1とに対応付けられた外れ時の変動パターンを予測する。
また、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態が、時短状態または確変時の高確率状態と予測される場合は、図7(d)に示す外れ(確変)用変動パターンテーブルに基づき、短外れ、長外れ、外れノーマルリーチ各種、外れスーパーリーチ各種、外れスペシャルリーチ各種の中から、予測した停止種別と、第1先読み実行エリア203dの変動種別カウンタ格納エリア203d5に格納された変動種別カウンタCS1とに対応付けられた外れ時の変動パターンを予測する。
このS753の処理では、最終的に、変動パターン判定の予測結果として「外れ」「ノーマルリーチ」「スーパーリーチ」「スペシャルリーチ」「2R確変」の5パターンに分類する。即ち、予測された変動パターンが「短外れ」又は「長外れ」である場合は「外れ」に分類する。予測された変動パターンが「ノーマルリーチ各種」又は「外れノーマルリーチ各種」である場合は「ノーマルリーチ」に分類する。予測された変動パターンが「スーパーリーチ各種」又は「外れスーパーリーチ各種」である場合は「スーパーリーチ」に分類する。予測された変動パターンが「スペシャルリーチ各種」又は「外れスペシャルリーチ各種」である場合は「スペシャルリーチ」に分類する。予測された変動パターンが「2R変動A」〜「2R変動C」である場合は「2R変動」に分類する。
尚、このS753の処理では、先読み確変フラグ203hがオンである場合に、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選(変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選)が行われる時に予測されるパチンコ機10の取りうる遊技状態を高確率状態と判断して、予測に用いる各種テーブルを設定し、先読み確変フラグ203hがオフである場合に、当該遊技状態を低確率状態と判断して予測に用いる各種テーブルを設定する。
続くS754の処理では、S752の処理による大当たり抽選の予測結果が、確変大当たりであるか否かを判別する(S754)。ここでは、大当たり抽選の予測結果が、15R確変大当たり又は2R確変大当たりであった場合に、確変大当たりであったと判断する。そして、確変大当たりであった場合は(S754:Yes)、先読み確変フラグ203hをオンに設定し(S755)、S758の処理へ移行する。これにより、以降に行われる先読み処理において、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を高確率状態として予測が行われる。
一方、S754の処理の結果、確変大当たりではないと判別される場合は(S754:No)、次いで、S752の処理による大当たり抽選の予測結果が外れであるか否かを判別する(S756)。そして、外れでない場合は(S756:Yes)、大当たり抽選の予測結果は15R通常大当たりであるので、先読み確変フラグ203hをオフに設定し(S757)、S758の処理へ移行する。これにより、以降に行われる先読み処理において、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を、低確率状態として予測が行われる。また、S756の処理の結果、外れであると判別される場合は(S756:Yes)、そのままS758の処理へ移行する。これにより、先読み確変フラグ203hの値は維持される。
S758の処理では、予測状態変更フラグ203iがオンか否かを判別する(S758)。その結果、予測状態変更フラグ203iがオンであれば、現在行っている先読みを含めて以前に行った先読みが誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて行われている可能性が高いことを意味する。つまり、S758の処理が実行される時点で、第1先読み実行エリア203dに格納されている各カウンタC1〜C3,CS1の値に対して行っている先読みが、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を誤って認識した上で行われている可能性が高いことをも意味する。そこで、この場合には、現在行っている先読みを中止して(S758:Yes)、S772(図27参照)の処理へ移行する。現在行っている先読みを中止することによって、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて先読みが行われ、その予測結果が音声ランプ制御装置113へ通知されることを抑制できる。尚、S772移行の処理については、図27を参照して後述する。
尚、予測状態変更フラグ203iがオンか否かの判別は、S758の処理だけでなく、S752〜S759の処理の中で随時行うようにしてもよい。そして、予測状態変更フラグ203iがオンの場合は、その段階で処理を中止し、S772の処理へ移行してもよい。随時判別を行うことにより、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて、先読みが行われている場合に、その先読みをより早く中止することができる。また、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて、無駄に処理が進行することを抑制できる。
一方、S758の処理の結果、予測状態変更フラグ203iがオンではない、即ち、オフである場合は(S758:No)、S759の処理へ移行し、S752の処理によって予測された大当たり抽選の予測結果と、S753の処理によって予測された変動パターン判定の予測結果と、第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に格納された先読み保留回数とを音声ランプ制御装置113へ通知する、図8に示した先読みコマンドを設定する(S759)。ここで設定された先読みコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図19)のS101の処理で、この先読みコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
尚、S759の処理において、第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に格納された先読み保留回数が0又は負の値を示す場合には、先読みコマンドの設定を行わずに、S760の処理へ移行する。上述したように、この先読み処理はメイン処理の中でタイマ割込処理の実行間隔とは無関係に行われるものである。これにより、1の先読み処理を実行中であっても、4ミリ秒間隔でタイマ割込処理が実行される。そして、タイマ割込処理の一処理である変動処理(図21)において、変動演出の実行開始タイミングが検出されると、先読み処理を実行中であるか否かに関わらず、保留されていた1の変動演出の実行が開始される。よって、先読み処理を行っているカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて、先読み処理が完了する前に本来の大当たり抽選等が行わる場合も起こり得る。
ここで、変動演出の実行タイミングが検出された場合、上述の変動処理では、先読み保留回数を1減算する処理を実行する(S306〜S309)。よって、先読み処理が完了する前に、その先読み処理を行っているカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて本来の大当たり抽選等が行われた場合は、先読み保留回数は0又は負の値を示すことになる。一方、先読み処理よりも前に本来の大当たり抽選等が行われた場合は、先読みによって可能となる連続予告演出の設定やコマンドの破壊判別を行えないため、先読みコマンドを音声ランプ制御手段113へ送信する必要がない。
そこで、S759の処理では、第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d4に格納された先読み保留回数が0又は負の値を示す場合には、先読みコマンドの設定を行わずに、S760の処理へ移行することによって、先読みコマンドが不必要に音声ランプ制御装置113へ送信されるのを抑制することができ、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で無駄な通信が行われるのを抑制できる。また、音声ランプ制御装置113において、すでに変動演出が開始されたものに対する先読み処理の結果を処理する必要がないため、音声ランプ制御装置113に過剰な処理負担を強いることを抑制できる。
尚、第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に格納された先読み保留回数が0又は負の値を示すか否かの確認は、S759の処理だけでなく、S752〜S759の処理の中で随時行うようにしてもよい。そして、先読み保留回数が0又は負の値を示した場合は、その段階で処理を中止し、S760の処理へ移行してもよい。
S759の処理を完了すると、次いで、第1先読み処理中フラグ203fをオフに設定し(S760)、第1先読み実行エリア203dに、先読み処理中または先読み処理の実行開始待機中であるカウンタC1〜C3,CS1の値は格納されていないことを示し、S761の処理へ移行する。
一方、S751の処理の結果、第1先読み処理中フラグ203fはオンではない、即ち、オフであると判別される場合は(S751:No)、第1先読み実行エリア203dに、先読み処理の実行開始待機中であるカウンタC1〜C3,CS1の値が非格納であることを意味する。よって、S752〜S760の第1先読み実行エリア203dに対する先読みをスキップして、S761の処理へ移行する。
S761の処理では、第2先読み処理中フラグ203gがオンであるか否かを判別する(S761)。その結果、第2先読み処理中フラグ203gがオンであれば(S761:Yes)、始動入賞処理(図20参照)において、始動入賞が検出されたことに伴い保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値が第2先読み実行エリア203eにも格納され、第2先読み実行エリア203eが先読み処理の実行開始待機中となっていることを意味する。
そこで、この場合は、S762〜S770の処理を実行し、第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みする。このうち、S762の処理は、S752の処理と同一の処理を、第2先読み実行エリア203eの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された第1当たり種別カウンタC2の値、及び、停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納された停止パターン選択カウンタC3に対して行うものである。
このとき、当たり値の設定も、S752の処理と同様に、先読み確変フラグ203hに基づいて行う。即ち、先読み確変フラグ203hがオフであり、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が、通常の低確率状態にあると予測される場合は、当たり値が「7,307,582」に設定される。一方、先読み確変フラグ203hがオンであり、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が、高確率状態にあると予測される場合は、当たり値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」に設定される。
そして、S762の処理においても、最終的に、大当たり抽選の予測結果として大当たり種別判定の予測結果および外れ時の停止種別判定の予測結果を含めて「前後外れ」「その他の外れ」「15R通常大当たり」「15R確変大当たり」「2R確変大当たり」の5パターンに分類する。
また、S763の処理は、S753の処理と同一の処理を、S762の処理による大当たり抽選の予測結果、大当たり種別判定の予測結果、外れ時の停止種別判定の予測結果、及び、変動種別カウンタ格納エリア203e5に格納された停止種別カウンタCS1の値に基づいて行うものである。このとき、S753の処理と同様に、先読み確変フラグ203hがオンである場合に、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選(変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選)が行われる時に予測されるパチンコ機10の取りうる遊技状態を高確率状態と判断して、予測に用いる各種テーブルを設定し、先読み確変フラグ203hがオフである場合に、当該遊技状態を低確率状態と判断して予測に用いる各種テーブルを設定する。そして、S763の処理においても、最終的に、変動パターン判定の予測結果として「外れ」「ノーマルリーチ」「スーパーリーチ」「スペシャルリーチ」「2R確変」の5パターンに分類する。
続いて実行されるS764〜S767の処理は、それぞれS754〜S767と同一の処理を、S762の処理による先読みによって得られた大当たり種別の予測結果に基づいて実行する。即ち、S762の処理により予測された大当たり種別の予測結果が15R確変大当たり又は2R確変大当たりであれば(S764:Yes)、先読み確変フラグ203hをオンに設定し(S765)、S768の処理へ移行する。これにより、以降に行われる先読み処理において、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を高確率状態として予測が行われる。
また、S762の処理により予測された大当たり種別がその他の大当たり、即ち、15R通常大当たりであれば(S764:No且つS766:No)、先読み確変フラグ203hをオフに設定し(S767)、S768の処理へ移行する。これにより、以降に行われる先読み処理において、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を、低確率状態として予測が行われる。また、S762の処理により予測された大当たり種別が外れであれば(S764:No且つS766:Yes)、そのままS768の処理へ移行する。これにより、先読み確変フラグ203hの値は維持される。
S768の処理では、S758の処理と同様に、予測状態変更フラグ203iがオンか否かを判別する(S758)。その結果、予測状態変更フラグ203iがオンであれば、現在行っている先読みを含めて以前に行った先読みが誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて行われている可能性が高いことを意味する。つまり、S768の処理が実行される時点で、第2先読み実行エリア203eに格納されている各カウンタC1〜C3,CS1の値に対して行っている先読みが、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を誤って認識した上で行われている可能性が高いことをも意味する。そこで、この場合には、S758の処理の場合と同様に、現在行っている先読みを中止して(S768:Yes)、S772(図27参照)の処理へ移行する。現在行っている先読みを中止することによって、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて先読みが行われ、その予測結果が音声ランプ制御装置113へ通知されることを抑制できる。
尚、予測状態変更フラグ203iがオンか否かの判別は、S768の処理だけでなく、S762〜S769の処理の中で随時行うようにしてもよい。そして、予測状態変更フラグ203iがオンの場合は、その段階で処理を中止し、S772の処理へ移行してもよい。随時判別を行うことにより、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて、先読みが行われている場合に、その先読みをより早く中止することができる。また、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて、無駄に処理が進行することを抑制できる。
一方、S768の処理の結果、予測状態変更フラグ203iがオンではない、即ち、オフである場合は(S768:No)、S769の処理へ移行し、S759の処理と同様に、S762の処理によって予測された大当たり抽選の予測結果と、S763の処理によって予測された変動パターン判定の予測結果と、第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に格納された先読み保留回数とを音声ランプ制御装置113へ通知する、図8に示した先読みコマンドを設定する(S769)。ここで設定された先読みコマンドは、S759の処理と同様に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図19)のS101の処理で、この先読みコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
尚、S769の処理において、S759の処理と同様に、第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に格納された先読み保留回数が0又は負の値を示す場合には、先読みコマンドの設定を行わずに、S770の処理へ移行する。第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に格納された先読み保留回数が0又は負の値を示すか否かの確認は、S769の処理だけでなく、S762〜S769の処理の中で随時行うようにしてもよい。そして、先読み保留回数が0又は負の値を示した場合は、その段階で処理を中止し、S770の処理へ移行してもよい。
その後、第2先読み処理中フラグ203gをオフに設定し(S760)、第2先読み実行エリア203eに、先読み処理中または先読み処理の実行開始待機中であるカウンタC1〜C3,CS1の値は格納されていないことを示して、S771の処理へ移行する。
一方、S761の処理の結果、第2先読み処理中フラグ203gはオンではない,即ち、オフであると判別される場合は(S761:No)、第2先読み実行エリア203eに、先読み処理の実行開始待機中であるカウンタC1〜C3,CS1の値が非格納であることを意味する。よって、S762〜S769の第2先読み実行エリア203eに対する先読み処理をスキップして、S771の処理へ移行する。
S771の処理では、予測状態変更フラグ203iがオンか否かを判別する(S771)。この処理は、S758の処理またはS768の処理の後にタイマ割込処理(図19参照)によって予測状態変更フラグ203iがオンに設定された場合や、第1先読み処理中フラグ203fや第2先読み処理中フラグ203gがオンに設定されておらず、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに先読み処理中のカウンタC1〜C3、CS1が格納されていないために先読みが行われていない状況で、予測状態変更フラグ203iがオンに設定された場合を検出するための処理である。
そして、予測状態変更フラグ203iがオフであれば(S771:No)、そのまま先読み処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、予測状態変更フラグ203iがオンであれば、(S771:Yes)、現在行っている先読みを含めて以前に行った先読みが誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて行われている可能性が高いことを意味するので、S772(図27参照)の処理へ移行し、予測状態変更コマンドの設定や、保留球格納エリア203bに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納する処理を実行する。
ここで、図27を参照して、先読み処理におけるS772以降の処理について説明する。S772の処理では、予測状態変更コマンドをコマンド送信用のリングバッファに設定する(S772)。ここで設定された予測状態変更コマンドは、次にタイマ割込処理が実行された場合に、外部出力処理(S101)によって、音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で先読み情報格納エリア223bに格納されている先読み処理による予測結果を全て無効に設定する。これにより、誤った予測結果に基づいて、先読みによる各種制御が行われることを抑制することができる。例えば、誤った予測結果に基づいてコマンド破壊判別が行われることにより、コマンドが破壊されていないにも関わらず、コマンドの破壊判定においてコマンドが破壊されていると判定されることを抑制できる。
また、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、連続予告実行カウンタ223eの値を0に設定して(図31のS1023参照)、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除する。予測状態変更コマンドを受信すると、先に送信された先読みコマンドによって通知される予測結果が誤っている可能性が高いので、その誤った先読みコマンドに基づいて設定された連続予告演出が最後まで行われると、その最後の変動演出において、その大当たり種別が、連続予告演出後に生じるはずの「15R確変大当たり」とならなかったり、外れであっても「前後外れリーチ」とならなかったりするおそれが生じる。これにより、遊技者は連続予告演出が行われたことによって抱く期待感とは大きくことなる結果となって、遊技者が持っていた興趣の低下を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除することによって、連続予告演出の終了後に遊技者が期待していたのとは異なる結果が生じることを抑制することができる。
尚、S771の処理において、S758の処理またはS768の処理の後にタイマ割込処理(図19参照)により予測状態変更フラグ203iがオンに設定されたことを検出した場合、S758またはS768の処理では、誤って予測されている可能性の高い遊技状態に基づく先読みによる予測結果を先読みコマンドとして設定しているので、音声ランプ制御装置213に対してその誤った予測結果を示している可能性の高い先読みコマンドを送信することになる。しかし、該先読みコマンドが送信されたとしても、その先読みコマンドよりも後にS772の処理によって予測状態変更コマンドが設定されるので、誤った予測結果を示している可能性の高い先読みコマンドよりも後に予測状態変更コマンドが音声ランプ制御装置213へ送信することができる。よって、誤った予測結果を示している可能性の高い先読みコマンドに基づいて音声ランプ制御装置113の先読み情報格納エリア223bに格納された予測結果を確実に無効にすることができる。
S772の処理の後、続くS773〜S783の処理では、保留球格納エリア203bに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納する。具体的には、まず、保留球数カウンタ203aの値(N)が1よりも大きいか否かを判別する(S773)。
その結果、保留球数カウンタ203aの値(N)が1よりも大きい場合(S773:Yes)、まず、保留球格納エリア203bに設けられた保留第(N−1)エリア(Nは保留球数カウンタ203aの値)に格納されている第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1の各値を第1先読み実行エリア203dに格納し(S774)、次いで(N−1)の値を第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に格納する(S775)。また、保留球格納エリア203bに設けられた保留第Nエリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1の各値を第2先読み実行エリア203eに格納し(S776)、次いでNの値を第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に格納する(S777)。そして、第1先読み処理中フラグ203fをオン、第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定し(S778)、S779の処理へ移行する。
一方、S773の処理の結果、保留球数カウンタ203aの値(N)が1よりも大きくない、即ち、0又は1である場合は(S733:No)、次いで、保留球数カウンタ203aの値(N)が1か否かを判別する(S780)。そして、その値が1であれば(S780:Yes)、保留球格納エリア203bに設けられた保留第1エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1の各値を第1先読み実行エリア203dに格納し(S774)、次いで「1」を第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に格納し(S775)、更に、第1先読み処理中フラグをオンに設定して(S783)、S779の処理へ移行する。
また、S780の処理の結果、保留球数カウンタ203aの値が1ではない、即ち、0である場合は(S780:No)、保留球格納エリア203bにカウンタC1〜C3,CS1の各値が全く保留されていないことを意味するので、そのままS779の処理へ移行する。
このS773〜S783の処理により、保留球数カウンタ203aの値(N)が4であり、保留球格納エリア203bに4つの保留球に対応するカウンタ値が保留されている場合は、保留第3エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203dに転記し、その第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に3を格納して、第1先読み処理中フラグ203fをオンに設定すると共に、保留第4エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第2先読み実行エリア203eに転記し、その第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に4を格納して、第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定する。
保留球数カウンタ203aの値(N)が3であり、保留球格納エリア203bに3つの保留球に対応するカウンタ値が保留されている場合は、保留第2エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203dに転記し、その第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に2を格納して、第1先読み処理中フラグ203fをオンに設定すると共に、保留第3エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第2先読み実行エリア203eに転記し、その第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に3を格納して、第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定する。
保留球数カウンタ203aの値(N)が2であり、保留球格納エリア203bに2つの保留球に対応するカウンタ値が保留されている場合は、保留第1エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203dに転記し、その第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に1を格納して、第1先読み処理中フラグ203fをオンに設定すると共に、保留第2エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第2先読み実行エリア203eに転記し、その第2先読み実行エリア203eの先読み保留回数格納エリア203e5に2を格納して、第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定する。
保留球数カウンタ203aの値(N)が1であり、保留球格納エリア203bに1つの保留球に対応するカウンタ値が保留されている場合は、保留第1エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203dに転記し、その第1先読み実行エリア203dの先読み保留回数格納エリア203d5に1を格納して、第1先読み処理中フラグ203fをオンに設定する。尚、この場合、第2先読み実行エリア203eには何も格納せずに、第2先読み処理中フラグ203gがオフのまま維持される。また、保留球数カウンタ203aの値(N)が0である場合は、第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eには何も格納せずに、第1先読み処理中フラグ203f及び第2先読み処理中フラグ203gがオフのまま維持される。
このように、保留球格納エリア203bに保留されているカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに転記し、転記した先読み実行エリアに対応する第1先読み処理中フラグ203f又は第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定することによって、次に実行される先読み処理において、その転記されたカウンタC1〜C3,CS1に基づいて、再度の先読みを行うことができる。よって、第1先読み実行エリア203dおよび第2先読み実行エリア203fに格納された各カウンタC1〜C3,CS1に対して、正しい先読み確変フラグ203hの値、即ち、パチンコ機10の取りうる正しい遊技状態に基づいて、先読み処理が実行されて、大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を音声ランプ制御装置113に通知することができる。よって、音声ランプ制御装置113によって、より多くの予測結果を用いて、より多彩な制御を実行することができる。
また、保留球格納エリア203bに保留されている複数の保留球の中から、最も直近に保留された保留球およびその保留球の1つ前に保留された保留球に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値に対してのみ、再度の先読みを行っている。このように、再度の先読みを行う対象を2つの保留球に限定することによって、その再度の先読みに係る処理の負担を軽くできる。また、再度の先読みに係る処理時間を短くできるので、始動入賞が検出された場合に、その始動入賞によって取得されたカウンタC1〜C3,CS1に対して、再度の先読みが行われているがために先読みが行われないといった事態を極力少なくすることができる。
また、直近に保留された保留球に対して再度の先読みを行っているので、保留球数が多い場合には、その再度の先読み対象となった保留球に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、実際の大当たり抽選が行われるまでに時間的な余裕がある。よって、実際の大当たり抽選が行われる前に、その再度の先読みが終了する可能性を高めることができるので、多くの大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を音声ランプ制御装置113に通知できる可能性を高めることができる。よって、音声ランプ制御装置113によって、より多くの予測結果を用いて、より多彩な制御を実行することができる。
S779の処理では、予測状態変更フラグ203iをオフに設定して(S779)、先読み処理を終了し、メイン処理に戻る。これにより、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに設定したカウンタC1〜C3,CS1の値により再度の先読みが行われた後は、始動入賞に伴って取得されたカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203に格納し、第1先読み処理中フラグ203e又は第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定できるので、始動入賞に伴って取得されたカウンタC1〜C3,CS1の値に対して先読みが行われるようにすることができる。
以上のように、MPU201によって本先読み処理が実行されると、オンに設定された第1先読み処理中フラグ203f又は第2先読み処理中フラグ203gに対応する先読み実行エリア(第1先読み実行エリア203d,第2先読み実行エリア203e)から、カウンタC1〜C3,CS1の各値が先読みされ、大当たり抽選および変動パターン判定の結果が予測される。そして、大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果から、先読み保留回数格納エリア203d5,203e5に格納された先読み保留回数に関する情報を含む先読みコマンドが設定され、該先読みコマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。
このように、本実施形態では、タイマ割込処理(図19参照)の中で始動入賞が検出された時点におけるカウンタC1〜C3,CS1の各値を、一旦第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eのいずれかに格納したうえで、その第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を基に、メイン処理の中で、タイマ割込処理が実行される時間間隔にとらわれずに、この先読み処理を実行する。一方、本実施形態では、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選等を、メイン処理よりも優先して実行されるタイマ割込処理の中の一処理である変動開始処理(図22参照)の中で実行する。
ここで、従来のパチンコ機のように、変動演出の開始時に、その変動演出に対応する始動入賞よりも後に検出された始動入賞によって保留されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理すると、変動演出の実行開始時の大当たり抽選が行われるのと相前後して、始動入賞時の先読みに伴う大当たり抽選の結果の予測が行われてしまった場合は、上述したように、遊技において最も重要な処理である大当たり抽選の完了が遅れる等して、遊技に影響を及ぼすおそれがある。
これに対して、本実施形態に係るパチンコ機10では、先読み処理の中で先読み処理を実行する一方、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選等を、タイマ割込処理の一処理である変動開始処理(図22参照)の中で実行するように構成されている。これにより、先読み処理がメイン処理において実行中であっても、タイマ割込処理が優先して実行されるので、変動演出の実行開始タイミングで大当たり抽選を遅滞なく行うことができる。一方、先読み処理は、タイマ割込処理の終了後に引き続いて実行されるので、先読み処理を確実に完了させることができる。このように、本実施形態に係るパチンコ機10では、第1入球口64への始動入賞が検出された場合に取得されるカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行し、大当たり抽選等の結果を予測しつつ、大当たり抽選を変動演出の実行開始タイミングで遅滞なく行うことができるので、正常に遊技の制御を行うことができる。
また、この先読み処理では、1回のメイン処理の中で第1先読み処理中フラグ203fと第2先読み処理中フラグ203gとを参照し、いずれのフラグもオンであれば、第1先読み実行エリア203dおよび第2先読み実行エリア203eの両方を参照して、それぞれについて先読みを実行する。これにより、1回の先読み処理でいずれか一方の先読み実行格納エリアのみを参照して先読みを実行する場合と比して、より早く先読みを実行し得る。よって、本来の大当たり抽選等がなされる前に、より多くのカウンタC1〜C3,CS1の値に対して先読みを実行することができる。
尚、本実施形態における先読み処理では、先に第1先読み処理中フラグ203fを参照して(S751)、それがオンであれば(S751:Yes)、第1先読み実行エリア203dに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし(S752〜S760)、次いで、第2先読み処理中フラグ203gを参照して(S761)、それがオンであれば(S761:Yes)、第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みする(S762〜S770)場合について説明したが、実際の先読み(S752〜S760やS762〜S770に相当する処理)を実行する前に、第1先読み処理中フラグ203fおよび第2先読み処理中フラグ203gをいずれも参照した上で、オン状態にある先読み処理中フラグに対応する先読み実行エリアから各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして、S752〜S760に相当する処理を実行するようにしてもよい。
この場合、第1先読み処理中フラグ203fおよび第2先読み処理中フラグ203gがいずれもオン状態にあると判断されたときには、第1先読み実行エリア203dに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みと、第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みとを、同時並行で行うようにしてもよい。
例えば、第1先読み実行エリア203dの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された第1当たり乱数カウンタC1と、第2先読み実行エリア203eの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された第1当たり乱数カウンタC1とを予め読み出しておき、次いで、1の当たり値をROM202から読み出す処理、及び、その読み出した当たり値とそれぞれの先読み実行格納エリアの第1当たり乱数カウンタC1の値とを比較する処理を、少なくとも一方の先読み実行格納エリアの第1当たり乱数カウンタC1に対して大当たりと判定されるまで、繰り返して実行するようにしてもよい。
また、第1先読み実行エリア203dの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納された変動種別カウンタCS1と、第2先読み実行エリア203eの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納された変動種別カウンタCS1とを予め読み出しておき、次いで、変動パターンを判定する判定値を図7(b)〜(d)に示す変動パターンテーブルから読み出す処理、及び、その読み出した判定値とそれぞれの先読み実行格納エリアの変動種別カウンタCS1の値とを比較する処理を、少なくとも一方の先読み実行格納エリアの変動種別カウンタCS1に対して変動種別が判定されるまで、繰り返し実行するようにしてもよい。
更に、その他の先読みによる判定の予測、例えば、大当たり種別の判定の予測や、外れ時の停止種別の判定の予測においても、変動パターンの判定と同様に、第1先読み実行エリア203dおよび第2先読み実行エリア203eから各々対応するカウンタの値を予め読み出しておき、次いで、判定値を読み出す処理、及び、その読み出した判定値とそれぞれの先読み実行格納エリアのカウンタ値とを比較する処理を、少なくとも一方の先読み実行格納エリアのカウンタ値に対して判定の予測が完了するまで、繰り返し実行するようにしてもよい。
これにより、第1先読み実行エリア203dに対する先読みと第2先読み実行エリア203eに対する先読みとで、別々に当たり値や判定値を読み出して、大当たり抽選の予測や変動パターン等の判定の予測を行う必要がないので、当たり値や判定値の読み出し回数を削減でき、先読み処理の高速化を図ることができる。
この場合において、例えば、少なくとも一方の先読み実行格納エリアの第1当たり乱数カウンタC1に対して大当たりと判定された後は、大当たりと判定されていない残りの先読み実行格納エリアの第1当たり乱数カウンタC1に対してのみ、大当たり抽選の予測処理を継続して実行するようにしてもよい。同様に、少なくとも一方の先読み実行格納エリアのカウンタ値に対して、一の判定の予測が完了した後は、判定の予測が完了していない残りの先読み実行格納エリアのカウンタ値に対してのみ、該一の判定の予測処理を継続して実行するようにしてもよい。これにより、大当たり抽選の予測や判定の予測が完了したカウンタ値に対して、当たり値や判定値との比較が行われないので、処理の無駄を省略でき、先読み処理の高速化を更に図ることができる。
一方、例えば、少なくとも一方の先読み実行格納エリアの第1当たり乱数カウンタC1に対して大当たりと判定された後においても、2つの先読み実行格納エリアの第1当たり乱数カウンタC1に対して、大当たり抽選の予測処理を継続して実行するようにしてもよい。同様に、少なくとも一方の先読み実行格納エリアのカウンタ値に対して、一の判定の予測が完了した後においても、2つの先読み実行格納エリアのカウンタ値に対して、該一の判定の予測処理を継続して実行するようにしてもよい。これにより、処理に無駄が生じるおそれがあるものの、いずれかの先読み実行格納エリアに対して大当たり抽選の予測や判定の予測が完了したかを判断して、予測に用いる先読み実行格納エリアを変更する処理が不要となるため、処理を簡略化することができる。よって、先読み処理を行うことによる制御プログラムに係る容量の増大を小さく抑えることができる。
また、第1先読み実行エリア203dに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みと、第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みとを、同時並行で行うようにした場合、先読み確変フラグ203hの値の設定は、まず、第1先読み実行エリア203dに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値により予測された大当たり抽選結果に基づいて先読み確変フラグの設定を行い、続いて、第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値により予測された大当たり抽選結果に基づいて先読み確変フラグの設定を行うようにしてもよい。
このとき、第1先読み実行エリア203dに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値により予測された大当たり抽選結果に基づいて、先読み確変フラグ203hの設定がオフからオンに変更されたり、オフからオンに変更されたりした場合は、第1先読み実行エリア203dに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みと同時に行われた第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みが、誤った先読み確変フラグ203hに基づいて行われていることになる。よって、このような場合には、新たに設定された先読み確変フラグ203hの値に基づいて、第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みを再度実行するようにしてもよい。これにより、第1先読み実行エリア203dに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みと、第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みとを、同時並行で行うようにした場合であっても、第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みを正しく行うようにすることができる。
図25に戻り、メイン処理の説明を続ける。メイン処理では、S701の先読み処理を終了すると、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S702)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S702:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、前回の先読み処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S703)、既に所定時間が経過していれば(S703:Yes)、処理をS701へ移行し、先読み処理を繰り返し実行する。
一方、前回の先読み処理の開始から所定時間が経過していなければ(S703:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次の先読み処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S704,S705)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S704)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S108の処理と同一の方法によって実行し(S705)、S702の処理へ移行する。
ここで、S701の先読み処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の先読み処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S702の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S702:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図23のNMI割込処理が実行されたということなので、S706以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S706)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S707)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S708)、RAM203のアクセスを禁止して(S709)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S702の処理は、S701で行われる遊技の状態変化に対応した先読み処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS704とS705の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
本実施形態では、主制御装置110内のMPU201によって実行されるメイン処理において、4ミリ秒毎に実行する処理として先読み処理(S701)が実行される場合について説明したが、更にその他の処理を実行するように構成してもよい。例えば、本実施形態においてタイマ割込処理(図19参照)において実行される、賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S102)、大開放口開閉処理(S103)、第2図柄制御処理(S105)及びスイッチ読み込み処理(S106)の一部または全部を、タイマ割込処理ではなく、メイン処理の中で4ミリ秒毎に実行するように構成してもよい。
また、先読み処理(S701)をメイン処理の中で4ミリ秒毎に実行するのではなく、メイン処理において、4ミリ秒毎に実行される処理を実行すべき次のタイミングに至るまでの残余時間内に、先読み処理を実行するように構成してもよい。即ち、S703の処理において否定判断がなされた後から、S704,S705,S702の処理を経て、再びS703の処理に戻るまでのいずれかのタイミングで、先読み処理を行うようにしてもよい。残余期間内に先読み処理を実行することにより、始動入賞処理(図20参照)において、始動入賞の検出に伴って取得した各カウンタC1〜C3,CS1の値が第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたことを、メイン処理の中でより早く判断することができる。よって、先読み処理による大当たり抽選および変動パターン判定の結果の予測がより早く行うことができるので、先読み処理中にその先読み対象の各カウンタ値に基づいて先に実際の抽選が行われることを、少なくすることができる。
また、先読み処理を4ミリ秒毎に実行させず、更に、メイン処理の中で4ミリ秒毎に実行させる処理がない場合は、S703の処理を省略し、S701〜S705の処理が繰り返し実行されるように構成してもよい。この場合、残余時間の概念がなくなるが、先読み処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、第1当たり乱数カウンタC1及び第2当たり乱数カウンタC2の更新処理が行われるタイマ割込処理の実行間隔(本実施形態では、4ミリ秒)に対して、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し行われる時間も一定でなく変動する。故に、この場合においても、かかる変動時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
次に、図28から図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図28は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S918の電源断処理(図29参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S802)。図29を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図29のS915参照)、S918の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S918の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S802:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS918の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S803)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S806の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S803:Yes)、S804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S803:No)、S808へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S803:Yes)、S804へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS918の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S803:No)、S808へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S802:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S918の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S804の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S804)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S805:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S806)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S805:No)、RAM223の異常を報知して(S807)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S808の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S808)。電源断フラグはS918の電源断処理の実行時にオンされる(図29のS917参照)。つまり、電源断フラグは、S918の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS918の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S808:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S809)、RAM223の初期値を設定した後(S810)、割込み許可を設定して(S811)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS804からS806の処理を経由してS808の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S808:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS809をスキップして、処理をS810へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S810)、割込み許可を設定して(S811)、メイン処理へ移行する。
なお、S809のクリア処理をスキップするのは、S804からS806の処理を経由してS808の処理へ至った場合には、S804の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図29は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S901の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S901)、1ミリ秒以上経過していなければ(S901:No)、S902〜S911の処理を行わずにS912の処理へ移行する。S901の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S902〜S911が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S912の変動表示処理やS913のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S913の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S912の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S901の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S901:Yes)、まず、S903〜S913の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S902)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS909の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S903)、その後電源投入報知処理を実行する(S904)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS905の処理へ移行する。
S905の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S906)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ285を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S907)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S907の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、振動センサ入力監視処理が行われる(S908)。この振動センサ入力監視処理は、振動センサ228からの入力信号を監視し、パチンコ機10に振動が与えられたか否かを検出する処理である。
ここで、図30を参照して、振動センサ入力監視処理(S908)の詳細について説明する。図30は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される振動センサ入力監視処理(S908)を示したフローチャートである。
振動センサ入力監視処理(S908)では、まず、振動センサ228から振動センサ228の出力値(振動レベル)を読み込み(S951)、その読み込んだ出力値から振動レベルが所定レベル以上か否かを判別する(S952)。その結果、振動レベルが所定レベル未満であれば(S952:No)、振動センサ入力監視処理を終了し、メイン処理(図29)に戻る。
一方、振動レベルが所定レベル以上であれば(S952:Yes)、パチンコ機10に振動が与えられたと判断し、音声出力装置226から警報音が出力されるように設定する(S953)と共に、表示制御装置114に対して振動エラーの発生を通知するエラーコマンドを設定して(S954)、メイン処理(図29)に戻る。これにより、表示制御装置31では、振動エラーを報知するエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理が行われる。
図29に戻って、メイン処理の説明を続ける。振動センサ入力監視処理(S908)を終了すると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S909)、その後音編集・出力処理を実行する(S910)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。また、振動センサ入力監視処理(図30参照)により、警報音の出力が設定された場合は(S953参照)、この音編集・出力処理によって、警報音の出力パターンが設定され、警報音が音声出力装置226から出力される。
S910の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S911)、S912の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS909のランプ編集処理が実行される。なお、S910の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S912の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する。この変動表示処理の詳細については、図33を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S913)。このコマンド判定処理の詳細については、図31を参照して後述する。
S913の処理が終わると、次いで、連続予告抽選カウンタ223c及び単発予告抽選カウンタ223dの更新処理を実行する(S914)。連続予告抽選カウンタ223cの更新は、その更新処理が行われる毎に0〜127の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり127)に達した後0に戻るように行われる。また、単発予告抽選カウンタ223dの更新は、その更新処理が行われる毎に0〜14の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり14)に達した後0に戻るように行われる。このS914の更新処理によって更新される連続予告抽選カウンタ223cの値および単発予告抽選カウンタ223dの値は、次のループで実行される変動表示処理(S912)によって参照され、連続予告演出の実行の決定や単発予告演出の実行の決定に用いられる。
S913の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S915)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S915の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S915:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S917)、電源断処理を実行する(S918)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S919)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S915の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S915:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S916)、RAM223が破壊されていなければ(S916:No)、S901の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S916:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S913)について説明する。図31は、このコマンド判定処理(S913)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S913)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理は、主制御装置110から先読みコマンドを受信した場合に、先読みコマンドで示される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を先読み情報格納エリア223bに格納すると共に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の実行の決定を行う。更に、この処理は、主制御装置110から停止種別コマンドを受信した場合に、コマンドの破壊判別を行ったり、コマンドが破壊されたと認識された場合に、変動演出の態様として特殊変動演出に切り替えると共に停止図柄を特殊停止図柄に設定したりする。以下、コマンド判定処理の詳細を説明する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1001)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1001:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(S1002)、また、変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1003)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示処理(図33参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1001:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1004)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1004:Yes)、RAM233に格納された特殊変動フラグがオンか否かを判別する(S1005)。この特殊変動フラグは、変動パターンコマンドにより示される変動演出の変動パターンと、該変動演出に対して先読み処理にて予測された大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果とがマッチしない場合にオンに設定されるフラグである。即ち、特殊変動フラグは、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判断される場合にオンに設定される。変動パターンコマンドにより示される変動パターンと先読み処理による予測結果との比較は、このコマンド判定処理が変動パターンコマンドの受信を検出する(S1001:Yes)ことによって、変動表示処理(図33)の中で行われる(S1104参照)。
S1005の判別の結果、特殊変動フラグがオンであった場合(S1005:Yes)、特殊変動フラグをオフに設定した後(S1006)、変動演出の変動パターンとして特殊変動演出を示す表示用変動パターンコマンドを設定するし、更に、変動演出の停止図柄として、特殊停止図柄(例えば、左列から順に「3」「4」「1」と表示される図柄)を示す表示用停止種別コマンドを、受信した停止種別コマンドの内容に関わらず設定して(S1007)、メイン処理に戻る。
S1007の処理により設定された各コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。
S1005の判別の結果、特殊変動フラグがオンではなく、オフであった場合(S1005:No)、次いで、停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S1008)。そして、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0エリアに設けられた先読み情報有効フラグがオンであれば、S1008の処理で抽出された停止種別が、先読み情報第0エリアの大当たり抽選予測結果格納エリアに格納された大当たり抽選の予測結果、及び、変動パターン判定予測結果格納エリアに格納された変動パターン判定の予測結果とマッチするか否かを判別する(S1009)。
例えば、S1008の処理で抽出された停止種別が「前後外れ以外リーチ」であった場合に、先読み情報第0エリアに格納された大当たり抽選の予測結果が「その他の外れ」であり、変動パターン判定の予測結果が「ノーマルリーチ」であれば、それらがマッチすると判別する。一方、S1008の処理で抽出された停止種別が「完全外れ」であった場合に、先読み情報第0エリアに格納された大当たり抽選の予測結果が「15R通常大当たり」であったり、若しくは、変動パターン判定の予測結果が「ノーマルリーチ」であったりすれば、それらはマッチしないと判別する。
そして、S1009の判別の結果、停止種別が大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とマッチする場合は、停止種別コマンドが破壊されていないと判別できるので、S1009の処理で抽出された停止種別を表示制御装置113へ通知するための表示用停止種別コマンドを設定する(S1011)。なお、S1009の処理において、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0エリアに設けられた先読み情報有効フラグがオフである場合は、先読み情報第0エリアに格納された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果は無効であり、コマンドの破壊判別ができないので、そのままS1011の処理へ移行し、S1009の処理で抽出された停止種別を表示制御装置113へ通知するための表示用停止種別コマンドを設定する。
S1011の処理で設定された表示用停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。
S1011の処理の後、次いで、連続予告実行フラグがオンであるか否かを判断する(S1012)。詳細については後述するが、連続予告実行フラグは、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動表示処理において、その変動パターンコマンドによって開始される変動演出に対し連続予告演出の実行が設定されていた場合(即ち、連続予告実行カウンタの値が1より大きい場合)または単発予告演出の実行が決定された場合に、オンに設定されるフラグである。そして、この連続予告実行フラグがオフであれば(S1012:No)、そのままメイン処理へ戻る。また、連続予告実行フラグがオンであれば(S1012:Yes)、連続予告コマンドを設定し(S1013)、連続予告実行フラグをオフに設定して(S1014)、メイン処理へ戻る。
S1013の処理で設定された連続予告コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。
このように、変動パターンコマンドを受信したときに、その変動パターンコマンドによって開始される変動演出に対して連続予告演出の実行が設定され、または、単発予告演出の実行が決定されると、その変動パターンコマンドと対をなす停止種別コマンドを受信後、その停止種別コマンドが破壊されている場合を除いて、連続予告演出または単発予告演出の画像として「クラゲ」画像を変動演出に対して第3図柄表示装置81に表示させる連続予告コマンドを表示制御装置114へ送信する。これにより、連続予告演出または単発予告演出の実行が設定された変動演出に対して、「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
一方、S1009の判別の結果、停止種別が大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とマッチしない場合は(S1009:No)、先読みコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判断し、連続予告実行フラグをオフに設定した後(S1010)、S1007の処理へ移行する。そして、変動演出の変動パターンとして特殊変動演出を示す表示用変動パターンコマンドを設定し、更に、変動演出の停止図柄として、特殊停止図柄(例えば、左列から順に「3」「4」「1」と表示される図柄)を示す表示用停止種別コマンドを、受信した停止種別コマンドの内容に関わらず設定して(S1007)、メイン処理に戻る。
S1007の処理により設定された各コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。
このように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110によって行われた先読み処理の結果を用いてコマンドの破壊判別を行い、コマンドが破壊されたと判別された場合に、その破壊の判断がなされた変動パターンコマンド又は停止種別コマンドに対応する変動演出の態様を特殊変動演出に切り替える。この特殊変動演出は、上述したように、主制御装置110から送信される確定コマンド(変動演出の終了時に第3図柄表示装置81において停止図柄を確定表示させるためのコマンド)を受信するまでの間、第3図柄表示装置81に第3図柄を高速に変動表示させる演出である。また、特殊変動演出では、確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄として外れを示す特殊停止図柄(例えば、左列から順に「3」「4」「1」と表示される図柄)を確定表示させる。
主制御装置110より受信したコマンドが破壊されていると判断される場合、第3図柄表示装置81には、表示制御装置114において行われた大当たり抽選の結果を正しく反映させて変動演出や停止図柄の確定表示を行うことができない恐れがあるが、本パチンコ機10では、このような場合は特殊変動演出が行われ、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における大当たり抽選の結果が外れであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。
また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における本来の大当たり抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は特別遊技状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。更に、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示が外れであっても、パチンコ機10が大当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示が外れであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。このように、本パチンコ機10は、先読み処理を行うことによって、より多彩な制御を行うことが出来る。
また、コマンドが破壊されていると判断した場合、本実施形態では、音声ランプ制御装置113が連続予告コマンドを表示制御装置114へ送信しないように構成している。具体的には、停止種別コマンドと先読み情報第0エリアの情報とがマッチせず、先読みコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判断される場合は、連続予告実行フラグの状態に関わらず、S1013に相当する処理、即ち、連続予告コマンドの設定処理を実行せずに、連続予告実行フラグをオフに設定する。また、詳細については後述するが、特殊変動フラグがオンの場合、即ち、変動パターンコマンドと先読み情報第0エリアに格納された情報とがマッチせず、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判断される場合は、変動表示処理(図33参照)において、連続予告演出の実行の設定または単発予告演出の実行の設定を行わないように構成されている。
これにより、コマンドが破壊されている判別された場合に実行される特殊変動演出に対して、「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されないようにすることができる。仮に、特殊変動演出が行われる場合に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させると、通常は表示されない特殊変動演出に「クラゲ」画像が表示されるという稀な演出になることもあって、その特殊変動演出の終了後に付与される遊技状態がどのようなものになるかが不明であるにも関わらず、遊技者に対して大当たりとなるという過度な期待感を与えてしまうおそれがある。そして、その結果として外れとなった場合に、遊技者を落胆させてしまい、遊技への興趣を低下させてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、このような場合には「クラゲ」画像の表示が行われないように構成されているので、遊技者に対して大当たりになる期待感を与えることなく、遊技への興趣の低下を抑制することができる。
ここで、本実施形態では、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動表示処理において連続予告演出の実行の設定または単発予告演出の実行の決定がなされたときに、即座に連続予告コマンドの設定を行うのではなく、その変動パターンコマンドと対をなす停止種別コマンドを受信するのを待って、連続予告コマンドの設定を行う。これは、停止種別コマンドに対するコマンド破壊判別を行った結果、先読みコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判断される場合には、連続予告演出の実行の設定または単発予告演出の実行の決定に関わらず、連続予告コマンドの設定を行わないようするためである。
尚、本実施形態では、コマンドが破壊されていると判別されたときに連続予告コマンドの設定を行わないように構成されているが、それに加えて、現在設定されている連続予告演出の実行をすべてクリアするようにしてもよい。例えば、コマンドが破壊されたと判別された状態で実行されるS1007の処理の前後で、連続予告実行カウンタ223eの値を0に設定する処理を行うようにしてもよい。
コマンドの破壊が判別された変動演出に対してのみ連続予告コマンドの設定を行わないようにすると、連続予告演出の途中で一時的に「クラゲ」画像が表示されなくなる事態が生じ、連続予告演出が複数の変動演出にわたって行われる演出であることを理解している遊技者に対し、大当たり抽選が正しく行われているのかといった疑義を抱かせるおそれがある。そこで、コマンドが破壊されていると判別されたときに現在設定されている連続予告演出の実行をすべてクリアすれば、連続予告演出の途中で一時的に「クラゲ」画像が表示されなくなることを抑制することができるので、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、変動パターンコマンドにより示される変動パターンや停止種別コマンドにより示される停止種別が、先読み情報第0エリアに格納された大当たり抽選の予測結果および変動パターン判定の予測結果とマッチするか否かを判別し、マッチしない場合に、変動パターンコマンド又は停止種別コマンドと先読みコマンドとのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別して、変動演出の態様を特殊変動演出に切り替え、また、停止図柄を特殊停止図柄に設定する場合について説明したが、その他、変動パターンコマンドに示される変動パターンが停止種別コマンドにより示される停止種別とマッチするか否かを判別し、マッチしない場合に変動パターンコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別して、変動演出の態様を特殊変動演出に切り替えるように構成してもよい。
例えば、変動パターンコマンドにより示される変動パターンが「短外れ」であり、停止種別コマンドにより示される停止種別が「完全外れ」である場合は、これらがマッチすると判断でき、このような場合は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドで示される変動パターンおよび停止種別をそのまま設定すればよい。一方、変動パターンコマンドにより示される変動パターンが「短外れ」であり、停止種別コマンドにより示される停止種別が「前後外れリーチ」である場合は、これらがマッチしないと判断でき、このような場合に、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別して、変動演出の態様を特殊変動演出に切り替えるように構成してもよい。
変動パターンコマンドにより示される変動パターンが停止種別コマンドにより示される停止種別とマッチするか否かの判別は、例えば、S1009の処理において肯定判断(S1009:Yes)がなされた後に行うようにしてもよい。そして、変動パターンコマンドにより示される変動パターンが停止種別コマンドにより示される停止種別とマッチする場合はS1011の処理へ移行し、マッチしない場合は、S1010の処理へ移行するようにしてもよい。
S1004の処理の結果、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1004:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1015)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1015:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S1016)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1017の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
また、S1016の処理の後、S1016の処理によって更新された保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1017)、メイン処理へ戻る。ここで設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
S1015の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1015:No)、次いで、主制御装置110より先読みコマンドを受信したか否かを判別する(S1018)。そして、先読みコマンドを受信したと判別された場合は(S1018:Yes)、先読み情報格納エリア223b(図9)に設けられた先読み情報第1〜第4エリアのうち、該先読みコマンドに含まれる先読み保留回数に対応するエリアの大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアに、該先読みコマンドで示される大当たり抽選の予測結果を示す情報および変動パターン判定の予測結果を示す情報を、それぞれ格納し、更に、この大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果が格納されたエリアの先読み情報有効フラグをオンに設定する(S1019)。
例えば、先読みコマンドの先読み保留回数が4回であれば、先読み情報第4エリアの大当たり抽選予測結果格納エリアおよび変動パターン判定予測結果格納エリアに、該先読みコマンドで示される大当たり抽選の予測結果を示す情報および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納し、更に、先読み情報第4エリアの先読み情報有効フラグをオンに設定する。同様に、先読みコマンドの先読み保留回数が1〜3回のいずれかであれば、その先読み保留回数に対応する先読み情報第1〜第3エリアに、該先読みコマンドで示される大当たり抽選の予測結果を示す情報および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納し、更に、それらの情報が格納された先読み情報第1〜第3エリアの先読み情報有効フラグをオンに設定する。
ここで、先読みコマンドに含まれる先読み保留回数は、主制御装置110での先読み処理された変動演出の保留回数を正確に表したものであるので、S1019の処理により、先読み情報第1〜第4エリアのうち先読み処理された変動演出の保留回数に対応するエリアへ、確実にその大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を格納することができる。一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信する度に、変動表示処理(図33)において、先読み情報格納エリア223bに設けられた先読み情報第1〜第4エリアに含まれるデータをそれぞれ先読み情報第0〜第3エリアへシフトする処理を実行する。これにより、常に、先読み情報第1〜第4エリアにおいて、各々保留回数が1回〜4回の変動演出に対して予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納させることができると共に、先読み情報第0エリアに、受信した該変動パターンコマンドに対応する変動演出に対して予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納させることができる。
従って、音声ランプ制御装置113が変動パターンコマンドの受信を契機として先読み情報格納エリア223bに設けられた先読み情報第0〜第4エリアの各データをシフトする処理を実行した後、該変動パターンコマンドにより示される変動演出の変動パターンと、先読み情報第0エリアに格納された情報により示される該変動演出に対して先読みにより予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とを比較し、それらがマッチするか否かを判断することによって、主制御装置110から受信したコマンドが破壊されていないかを判別することができる。
S1019の処理の後、連続予告判定処理を実行する(S1020)。そして、メイン処理に戻る。この連続予告判定処理では、先読みコマンドにより示される先読み保留回数と、先読み処理により予測された大当たり抽選の予測結果とから、その先読み処理の行われた各カウンタC1〜C3,CS1の取得契機となった始動入賞よりも前または以前の始動入賞に対する変動演出にわたって、連続して予告演出画像を表示させる連続予告演出を行うか否かを決定する。
ここで、図32を参照して、連続予告判定処理の詳細について説明する。図32は、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される連続予告判定処理を示すフローチャートである。連続予告判定処理では、まず、連続予告実行カウンタ223eが0か否かを判別する(S1031)。そして、連続予告実行カウンタ223eが0でない場合は(S1031:No)、その後の処理をスキップして、コマンド判定処理に戻る。連続予告実行カウンタ223eが0でない場合、その時点で連続予告演出の実行が複数の変動演出にわたって行われるように設定されている。この状態で、新たに連続予告演出の実行を決定し、その新たに決定した連続予告演出を行う変動演出数に対応した値を連続予告実行カウンタ223eに設定すると、それまで設定されていた連続予告演出に続き、新たに設定された連続予告演出が行われることになり、連続予告演出が連続して発生することになる。
ここで、連続予告演出が連続して行われると、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出がスペシャルリーチでの前後外れとなり、続く2回目の連続予告演出における最後の変動演出がノーマルリーチでの前後外れとなれば、遊技者は以下の思いを抱くことになる。即ち、1回目の連続予告演出が複数の変動演出にわたって表示された後、スペシャルリーチが第3図柄表示装置81に現出されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感を持って遊技を継続する。そして、そのスペシャルリーチの結果として前後外れとなると、遊技者は一旦がっかりするが、引き続き2回目の連続予告演出が表示されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感をより強く抱くことになる。しかし、その結果としてノーマルリーチでの前後外れとなると、先に表示されたスペシャルリーチでの前後外れよりも格下げとなった感を強く遊技者に与えてしまうおそれがある。遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感を結果的に低下させてしまうおそれがある。
これに対し、S1031の処理により、連続予告実行カウンタ223eが0でない間(S1031:No)は以後の処理をスキップして連続予告演出の実行の決定を行わないように構成されているので、連続予告演出が連続して行われることを抑制することができる。よって、連続して連続予告演出が行われることによって生じる、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感の低下を抑制することができる。
S1031の処理の結果、連続予告実行カウンタ223eが0であれば(S1031:Yes)、その時点で保留されている全ての変動演出に対して連続予告演出の実行が設定されていないので、S1032〜S1042の処理を実行し、連続予告演出の実行の決定を行う。
まず、S1032の処理では、受信した先読みコマンドから大当たり抽選の予測結果を抽出する(S1032)。そして、抽出した大当たり抽選の予測結果が、15R確変大当たりであるか否かを判別し(S1033)、15R確変大当たりであれば(S1033:Yes)、連続予告演出の実行の決定に用いる連続予告判定テーブルとして大当たり時連続予告判定テーブル222a1を選択し(S1034)、S1037の処理へ移行する。また、S1032の処理で抽出した大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりでなければ(S1033:No)、次いで、その抽出した大当たり抽選の予測結果が前後外れか否かを判別する(S1035)。その結果、その大当たり抽選の予測結果が前後外れであれば(S1035:Yes)、連続予告判定テーブルとして外れ時連続予告判定テーブル222a2を選択し(S1036)、S1037の処理へ移行する。また、S1032の処理で抽出した大当たり抽選の予測結果が、15R確変大当たりでも前後外れでもなければ(S1035:No)、その後の処理をスキップして、コマンド判定処理に戻る。
このように、本実施形態では、先読みコマンドによって通知される大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりであるか前後外れである場合に限り、連続予告演出の実行の決定を行う。これにより、連続予告演出が行われると、遊技者に対して、その連続予告演出終了後に最も遊技価値の高い15R確変大当たりとなることを期待させることができる。また、連続予告演出終了後に外れとなる場合であっても、その外れにおける変動パターンは、変動変出が終了するまで遊技者に大当たりとなるか否かを最も期待させ続けることができる前後外れリーチとなる。よって、連続予告演出によって遊技者が抱く期待感を、連続予告演出が設定された最後の変動演出が停止表示されるまで増大させ続けることができる。
また、連続予告演出の実行に決定で用いる連続予告判定テーブルとして、大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりである場合と前後外れである場合とで異なる連続予告判定テーブルを設定するので、それぞれの場合で、連続予告演出の実行を決定する確率(連続予告決定確率)を異ならせることができる。特に、本実施形態では、15R確変大当たりである場合に選択される大当たり時連続予告判定テーブル222a1と、前後外れである場合に選択される外れ時連続予告判定テーブル222a2とを比較した場合、15R確変大当たりの場合の連続予告決定確率が、前後外れの場合の連続予告決定確率と同一か、それよりも高くなるように設定される。
これにより、第3図柄表示装置81において連続予告演出が表示された場合に、連続予告演出終了後に遊技状態が「15R確変大当たり」となる可能性が高いことを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者に対して、高い期待感を持たせることができる。また、通常、連続予告演出終了後の遊技状態(即ち、第1入球口64への球の入賞時に行われる判定の結果)が、「大当たり」となる確率は、「外れ」となる確率よりも小さく設定されているので、連続予告演出終了後の遊技状態が「前後外れ」の場合には、頻繁に連続予告演出が行われないように抑制することができる一方、「15R確変大当たり」の場合には、連続予告演出が行われやすくすることができる。
尚、図10を参照して上述したように、大当たり時連続予告判定テーブル222a1および外れ時連続予告判定テーブル222a2は、いずれも、先読み保留回数の値が大きくなるほど、連続予告決定確率が高くなるように規定されている。ここで、連続予告演出は、連続予告演出が決定されたときに保留されている複数の変動演出にわたって行われるものであるので、保留回数が大きいほど連続予告決定確率を高く設定することにより、一の連続予告演出に含まれる変動演出の数が多くなる可能性が高くなる。これにより、遊技者は、連続する多くの変動演出にわたって連続予告演出が行われるほど、通常の演出とは異なる演出が行われたことを認識することができるので、遊技者に対して、特別な期待感を持たせることができる。また、変動表示の保留回数は、一般的に小さい値をとることが多いため、保留回数が小さい場合には、頻繁に連続予告演出が行われないように抑制することができる一方、保留回数が大きくなった場合に、連続予告演出が行われやすくすることができる。
S1033〜S1036の処理により連続予告判定テーブルが選択されると、次いで、受信した先読みコマンドから先読み保留回数(即ち、該先読みコマンドを生成するために先読み処理が行われた変動演出の保留回数)を抽出する(S1037)。そして、選択された連続予告判定テーブル(大当たり時連続予告判定テーブル222a1または外れ時連続予告判定テーブル222a2)から、S1037の処理で抽出した先読み保留回数に対応付けられた連続予告決定範囲を特定し、その連続予告決定範囲と連続予告抽選カウンタ223cとを比較することで、連続予告演出の実行を判定する(S1038)。
そして、その連続予告演出の判定に基づき、連続予告演出の実行が決定されたか否かを判別し(S1039)、連続予告演出を実行しないと決定された場合は(S1039:No)、その後の処理をスキップしてコマンド判定処理に戻る。これにより、連続予告実行カウンタ223eの値が0に維持されるので、連続予告演出が設定されずに、処理が進行する。
一方、S1039の処理の結果、連続予告演出の実行が決定された場合は(S1039:Yes)、次いで、S1037の処理で抽出した先読み保留回数が1であるか否かを判別する(S1040)。その結果、先読み保留回数が1でない、即ち、2以上であれば(S1040:No)、先読み保留回数に1足した値を連続予告実行カウンタ223eに設定し(S1042)、コマンド判定処理に戻る。
このように、先読み保留回数(即ち、連続予告演出を実行させる変動演出の数)に1足した値を連続予告実行カウンタ223eに設定することによって、図33を参照して後述する変動表示処理(S912)により、先読みコマンドを生成するために先読み処理が行われた変動演出を含む、それ以前に保留された全ての変動演出に対して、連続予告演出の実行が設定される。
また、S1040の処理の結果、先読み保留回数(即ち、連続予告演出を実行させる変動演出の数)が1であれば(S1040:Yes)、更に単発予告実行フラグ223fがオンであるか否かを判別し(S1041)、単発予告実行フラグ223fがオンであれば(S1041:Yes)、先読み保留回数に1足した値(即ち、先読み保留回数が1であるので、「2」)を連続予告実行カウンタ223eに設定して(S1042)、コマンド判定処理に戻る。一方、S1041の処理の結果、単発予告実行フラグ223fがオンではない、即ち、オフであれば(S1041:No)、S1042の処理をスキップして、コマンド判定処理に戻る。これにより、連続予告実行カウンタ223eの値は0に維持される。
ここで、先読み保留回数が1の場合、そのまま連続予告演出の実行を決定すると、連続予告演出の実行が設定される変動演出が、その先読みコマンドを生成するために先読み処理が行われた変動演出のみとなるので、連続予告演出の画像である「クラゲ」画像が1回の変動演出に対してしか第3図柄表示装置81に表示されないことになる。よって、この場合は1回の「クラゲ」画像の表示を経て「15R確変大当たり」となる場合があり、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感を希薄化させてしまうおそれがある。
一方、単発予告実行フラグ223fがオンである場合、その時に実行が開始され若しくは実行中の変動演出、又は、最後に実行された変動演出において、単発予告演出の実行が設定されていることを意味する。そこで、本実施形態のように、先読み保留回数が1回の場合に連続予告演出の実行が決定され、且つ、そのときの単発予告実行フラグ223fがオンであれば、先読み保留回数に1足した値を連続予告実行カウンタ223eに設定することによって、2つの連続する変動演出のうち、先の変動演出にて単発予告演出における「クラゲ」画像を表示させ、後の変動演出にて連続予告演出における「クラゲ」画像を表示させることができる。よって、遊技者に対して、連続した2つの変動演出にわたって連続予告演出が行われたようにみせることができ、遊技者に15R確変大当たりとなる期待感を持たせることができる。
一方、読み保留回数が1回の場合に連続予告演出の実行が決定されても、そのときの単発予告実行フラグ223fがオフである場合は、本実施形態のように、連続予告実行カウンタ223eに値を0に維持させることで、連続予告演出の画像である「クラゲ」画像を表示させないようにすることができる。これにより、連続予告演出が1回の変動演出に対してしか第3図柄表示装置81に表示されない事態を抑制することができる。よって、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感が希薄化することを抑制することができる。
尚、本実施形態では、連続予告判定処理において、先読み保留回数が1であるときは、単発予告実行フラグ223fがオンである場合に限って連続予告演出の実行を設定する場合について説明した(S1040〜1042参照)。これに対して、S1040およびS1041の処理を省略し、先読み保留回数が1であっても、単発予告実行フラグ223fの状態に関わらず、S1038による連続予告演出実行の抽選結果のみに基づいて連続予告演出の実行を設定してもよい。また、先読み保留回数が1であるときは、必ず連続予告演出の実行を設定するように構成してもよい。
これにより、1回の「クラゲ」画像の表示を経て「15R確変大当たり」となる場合が多く生じることになり、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感を希薄化させることにつながるおそれはあるが、一方で、これまでの変動演出に対して表示されていなかった「クラゲ」画像をある変動演出で遊技者が視認した場合に、遊技者は、その1回の「クラゲ」画像で15R確変大当たりとなる期待感を強く持つことができる。よって、「クラゲ」画像の現出によって様々な期待感を抱くことができるので、かえって遊技者の興趣を高めることができる。
以上のように、本パチンコ機10では、主制御装置110において、始動入賞時に取得された各カウンタC1〜C3,CS1に基づき、変動演出の実行開始となるタイミングに先だって先読み処理を実行し、大当たり抽選および変動パターンの判定結果を予測する。そして、先読みコマンドによってこれらの予測結果を音声ランプ制御装置113へ通知し、音声ランプ制御装置113は、その先読みコマンドに含まれる先読み保留回数から先に保留された変動演出の数を把握したうえで、先読みコマンドにより通知される大当たり抽選から、保留中の変動演出に対して連続予告演出を行うか否かを決定する。これにより、主制御装置110における処理を、パチンコ機10の最も重要な処理である、始動入賞に基づき遷移すべき遊技状態を抽選する抽選処理に集中させることができる一方、音声ランプ制御装置113に処理能力の高いMPU221を使用すれば、連続予告演出の態様や実行条件等を多種態様に設定することができる。
尚、各変動演出の終了時、即ち、第3図柄の停止表示直後に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることで連続予告演出を行うように構成する場合は、S1042の処理では、先読み保留回数をそのまま連続予告実行カウンタ223eに設定すればよい。また、S1040の処理では、先読み保留回数が2であるか否かを判別するようにすればよい。この場合、連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出においては、「クラゲ」画像を表示させないので、連続予告演出を実行させる変動演出の数は先読み保留回数より1小さい数である。よって、この場合も、連続予告実行カウンタ223eに設定されるのは、連続予告演出を実行させる変動演出の数に1加算した値、ということができる。また、この場合において、先読み保留回数が2であるか否かを判別することは、本実施形態と同様に、連続予告演出が実行される変動演出の数が1であることを意味する。
図31に戻り、コマンド判定処理の説明を続ける。S1018の処理の結果、先読みコマンドを受信していないと判別された場合(S1018:No)、次いで、主制御装置110より予測状態変更コマンドを受信したか否かを判別する(S1021)。そして、予測状態変更コマンドを受信したと判別された場合は(S1021:Yes)、先読み情報格納エリア223bに設けられた全ての先読み情報第0エリア〜第4エリアの先読み情報有効フラグをオフに設定し(S1022)、更に、連続予告実行カウンタ223eの値を0に設定する(S1023)。そして、メイン処理に戻る。
ここで、主制御装置110では、上述したように、本来の大当たり抽選の結果が「15R確変大当たり」又は「2R確変大当たり」であり、遊技状態が高確率状態(確変状態)に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオフであれば、先読み確変フラグ203hが誤って設定されていると判断して、先読み確変フラグ203hをオンに設定し、先読み処理を行う場合に、その先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態を高確率状態(確変状態)に設定する(図22のS406参照)。
また、本来の大当たり抽選の結果がその他の大当たり(15R通常大当たり)であり、遊技状態が低確率状態に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオンであれば、先読み確変フラグ203hが誤って設定されていると判断して、先読み確変フラグ203hをオフに設定し、先読み処理を行う場合に、その先読み対象の各カウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態を低確率状態に設定する(図22のS408参照)。
そして、主制御装置110は、このように先読み確変フラグ203hが誤って設定されていたと判断した場合に、音声ランプ制御装置113に対して予測状態変更コマンドを送信し、これまでに音声ランプ制御装置113が受信した先読みコマンドにより示される先読みによる予測が、誤った先読み確変フラグ203hに基づいて行われた可能性の高いことを、音声ランプ制御装置113に通知する。そこで、予測状態変更コマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に、先読み情報格納エリア223bに設けられた全ての先読み情報第0エリア〜第4エリアの先読み情報有効フラグをオフに設定することによって、その時点で先読み情報格納エリア223bに格納された先読みによる予測結果を全て無効にすることができる。
よって、音声ランプ制御装置113において、誤った予測結果に基づいて、コマンドの破壊判別といった先読みによる各種制御が行われることを抑制することができる。例えば、誤った予測結果に基づいてコマンド破壊判別が行われることにより、コマンドが破壊されていないにも関わらず、コマンドの破壊判定においてコマンドが破壊されていると判定されることを抑制できる。
更に、音声ランプ制御装置113では、連続予告実行カウンタ223eの値を0に設定することによって、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除する。予測状態変更コマンドを受信すると、先に送信された先読みコマンドによって通知される予測結果が誤っている可能性が高いので、その誤った先読みコマンドに基づいて設定された連続予告演出が最後まで行われると、その最後の変動演出において、その大当たり種別が、連続予告演出後に生じるはずの「15R確変大当たり」とならなかったり、外れであっても「前後外れリーチ」とならなかったりするおそれが生じる。これにより、遊技者は連続予告演出が行われたことによって抱く期待感とは大きくことなる結果となって、遊技者が持っていた興趣の低下を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除することによって、連続予告演出の終了後に遊技者が期待していたのとは異なる結果が生じることを抑制することができる。
S1021の処理の結果、予測状態変更コマンドを受信していないと判別された場合は(S1021:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1024)、メイン処理に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。主制御装置110より受信したデモコマンドや確定コマンドは、このS1024の処理によって、表示用デモコマンドおよび表示用確定コマンドとして設定され、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納された後、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S912)について説明する。図33は、この変動表示処理(S912)を示したフローチャートである。
この変動表示処理(S912)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する。
また、変動表示処理では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドによって示される変動演出の変動パターンと、先読みコマンドによって示されたその変動演出に対して先読みにより予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とに基づいて、コマンドの破壊判別を行う。以下、変動表示処理の詳細について説明する。
更に、変動演出の表示に伴って保留球数カウンタ223aの値を更新して、更新後の保留球数を表示制御装置114に通知するために表示用保留球数コマンドを設定すると共に、生成した表示用変動パターンコマンドによって第3図柄表示装置81に表示される変動演出に対して、連続予告演出を行う決定がなされた場合は、該変動パターンコマンドと対をなす停止種別コマンドを受信後に、連続予告コマンドを設定するように、連続予告実行フラグをオンに設定する。また、該変動演出において単発予告演出の実行の決定も、この変動表示処理の中で行われ、単発予告演出の実行が決定された場合は、連続予告演出を行う決定がなされた場合と同様に、連続予告実行フラグをオンに設定する。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S1101)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S1101:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1102)、次いで、先読み情報格納エリア223bに設けられた先読み情報第1〜第4エリアに含まれるデータをそれぞれ先読み情報第0〜第3エリアへシフトする(S1103)。
具体的には、まず、先読み情報第1エリアの大当たり抽選予測結果格納エリアに格納されていた大当たり抽選の予測結果を示す情報と、変動パターン判定予測結果格納エリアに格納されていた変動パターン判定の予測結果を示す情報と、先読み情報有効フラグの値とを、それぞれ先読み情報第0エリアの大当たり抽選予測結果格納エリア、変動パターン判定予測結果格納エリアおよび先読み情報有効フラグに格納することで、先読み情報第1エリアのデータを先読み情報第0エリアへシフトする。
そして、先読み情報第0エリアへのデータのシフトが終了すると、先読み情報第1エリアが空き状態となるので、先読み情報第2〜第4エリアに格納されている大当たり抽選の予測結果を示す情報と、変動パターン判定の予測結果を示す情報と、先読み情報有効フラグの値とを、それぞれエリア番号の1小さい先読み情報第1〜第3エリアの大当たり抽選予測結果格納エリア、変動パターン判定予測結果格納エリア及び先読み情報有効フラグに格納することで、先読み情報第2〜第4エリアのデータを、それぞれ先読み情報第1〜第3エリアへシフトする。更に、先読み情報第4エリアが空き状態となり、その先読み情報第4エリアに格納された大当たり抽選の予測結果および変動パターン判定の予測結果を示す情報が有効なものではない(即ち、無効である)ことを示すために、先読み情報第4エリアの先読み情報有効フラグをオフに設定する。
主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合、保留中の1の変動演出が実行開始されることを意味する。具体的には、主制御装置110において、保留球実行エリア203cおよび保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアの間でシフト処理が行われ、保留球実行エリア203cに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づき大当たり抽選および変動演出における変動パターンや停止種別の決定などが行われる。
よって、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信する毎に、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0〜第4エリアの間で上述したシフト処理を実行することによって、常に、先読み情報第1〜第4エリアにおいて、各々保留回数が1回〜4回の変動演出に対して予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納させることができると共に、先読み情報第0エリアに、受信した該変動パターンコマンドに対応する変動演出に対して予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納させることができる。
従って、音声ランプ制御装置113が変動パターンコマンドの受信を契機として、S1103の処理により、先読み情報格納エリア223bに設けられた先読み情報第0〜第4エリアの各データをシフトする処理を実行した後、続くS1104およびS1105の処理において、該変動パターンコマンドにより示される変動演出の変動パターンと、先読み情報第0エリアに格納された情報により示される該変動演出に対して先読みにより予測された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とを比較し、それらがマッチするか否かを判断することによって、主制御装置110から受信したコマンドが破壊されていないかを判別することができる。
S1104の処理では、コマンド判定処理(図31参照)のS1003の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1104)。そして、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0エリアに設けられた先読み情報有効フラグがオンであれば、S1104の処理で抽出された変動パターン種別が、先読み情報第0エリアの大当たり抽選予測結果格納エリアに格納された大当たり抽選の予測結果、及び、変動パターン判定予測結果格納エリアに格納された変動パターン判定の予測結果とマッチするか否かを判別する(S1105)。
例えば、S1104の処理で抽出された変動パターン種別が「外れノーマルリーチ各種」であった場合に、先読み情報第0エリアに格納された大当たり抽選の予測結果が「その他の外れ」であり、変動パターン判定の予測結果が「ノーマルリーチ」であれば、それらがマッチすると判別する。一方、S1104の処理で抽出された変動パターン種別が「長外れ」であった場合に、先読み情報第0エリアに格納された大当たり抽選の予測結果が「15R通常大当たり」であったり、若しくは、変動パターン判定の予測結果が「ノーマルリーチ」であったりすれば、それらはマッチしないと判別する。
そして、S1105の判別の結果、変動パターン種別が大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とマッチする場合は、S1104の処理で抽出された変動パターン種別を表示制御装置113へ通知するための表示用変動パターンコマンドを設定して(S1106)、S1108の処理へ移行する。なお、S1105の処理において、先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0エリアに設けられた先読み情報有効フラグがオフである場合は、先読み情報第0エリアに格納された大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果は無効であるので、そのままS1106の処理へ移行し、S1104の処理で抽出された変動パターン種別を表示制御装置113へ通知するための表示用変動パターンコマンドを設定して、S1108の処理へ移行する。
S1106の処理で設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。
一方、S1105の判別の結果、変動パターン種別が大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果とマッチしない場合は(S1105:No)、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判断し、RAM223に設けられた特殊変動フラグをオンに設定して(S1107)、S1108の処理へ移行する。これにより、上述のコマンド判定処理(図31)の中で、停止種別コマンドの受信が検出されたときに(S1004:Yes)、S1005の処理によって肯定判断がなされ、変動演出の変動パターンとして特殊変動演出を示す表示用変動パターンコマンドが設定され(S1007)、更に、変動演出の停止図柄として、特殊停止図柄(例えば、左列から順に「3」「4」「1」と表示される図柄)を示す表示用停止種別コマンドが、受信した停止種別コマンドの内容に関わらず設定される。
よって、第3図柄表示装置には特殊変動演出が表示され、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が確定表示されるので、主制御装置110における大当たり抽選の結果が外れであっても、コマンドの破壊によって、第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における本来の大当たり抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は特別遊技状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。更に、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示が外れであっても、パチンコ機10が大当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示が外れであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。このように、本パチンコ機10は、先読み処理を行うことによって、より多彩な制御を行うことが出来る。
尚、本実施形態では、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別された場合、後述するように、連続予告演出の設定が行われないように構成されているが、それに加えて、現在設定されている連続予告演出の実行をすべてクリアするようにしてもよい。例えば、コマンドが破壊されたと判別された状態で実行されるS1107の処理の前後で、連続予告実行カウンタ223eの値を0に設定する処理を行うようにしてもよい。
コマンドの破壊が判別された変動演出に対してのみ連続予告コマンドの設定を行わないようにすると、連続予告演出の途中で一時的に「クラゲ」画像が表示されなくなる事態が生じ、連続予告演出が複数の変動演出にわたって行われる演出であることを理解している遊技者に対し、大当たり抽選が正しく行われているのかといった疑義を抱かせるおそれがある。そこで、コマンドが破壊されていると判別されたときに現在設定されている連続予告演出の実行をすべてクリアすれば、連続予告演出の途中で一時的に「クラゲ」画像が表示されなくなることを抑制することができるので、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
S1108の処理では、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S1108)、更新後の保留球数カウンタ223aの値で示される保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S1109)。ここで設定された表示用保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(S902)により表示用制御装置114に対して送信される。そして、表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドにより示される保留球数に応じた数の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示された保留球数図柄の数をカウントすることによって、保留された球の数を認識することができる。
次いで、特殊変動フラグがオンか否かを判別し(S1110)、オンであれば(S1110:Yes)、次に、単発予告抽選カウンタ223dの値が10か否かを判別する(S1111)。そして、単発予告抽選カウンタ223dの値が10であれば(S1111:Yes)、単発予告演出の実行を決定し、単発予告実行フラグ223fをオンに設定して(S1112)、S1114の処理へ移行する。また、単発予告抽選カウンタ223dの値が10でなければ、単発予告実行フラグ223fをオフに設定し(S1113)、S1114の処理へ移行する。
単発予告抽選カウンタ223dは0〜14の範囲で更新が行われるカウンタであるので、S1111〜S1113の処理により、15分の1の確率で単発予告演出の実行が決定され、単発予告実行フラグ223fがオンに設定される。そして、単発予告実行フラグ223fがオンに設定された場合、後述するように、この変動表示処理によって開始が設定される変動演出に対し、連続予告演出の実行が設定されないか、もしくは、この変動演出の1つ前に行われた変動演出において連続予告演出が行われていなければ、変動演出に対して単発予告演出の画像である「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、連続予告実行フラグがオンに設定され、その後、停止種別コマンドを受信したときに、連続予告コマンドを表示制御装置113へ送信するように制御が行われる。
次いで、S1114の処理では、連続予告実行カウンタ223eの値が1よりも大きいか否かを判断し(S1114)、その値が1よりも大きければ(S1114:Yes)、この変動表示処理によって変動演出開始の処理を行っている変動演出に対して連続予告演出の実行を設定するために、連続予告実行フラグをオンする(S1115)。これにより、その後停止種別コマンドを受信した時に、連続予告コマンドを表示制御装置113へ送信するように制御が行われ、変動演出に対して単発予告演出の画像である「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示される。そして、連続予告実行カウンタ223eの値を1減算して(S1116)、メイン処理に戻る。
このように、変動表示処理では、変動パターンコマンドを受信する毎に連続予告実行カウンタ223eの値を確認し、その値が1よりも大きければ、連続予告連続予告コマンドを表示制御装置113へ送信するように制御すると共に連続予告実行カウンタ223eの値を1減算する。
ここで、連続予告実行カウンタ223eには、上述したように、連続予告演出の実行の決定がなされたときに、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数に1足した値が設定される。よって、連続予告カウンタ223eの値が2〜「先読み保留回数+1」の値を示す間、連続予告演出の実行の設定が行われることになるので、先読み保留回数分の変動演出にわたって、連続予告演出が行われることになる。従って、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドを生成するために先読み処理が行われた変動演出を含む、それ以前に保留された全ての変動演出に対して、連続予告演出の実行を設定することができる。
また、S1114の処理の結果、連続予告実行カウンタ223eの値が1以下である場合は(S1114:No)、次いで、連続予告カウンタ223eの値が1であるか否かを判別する(S1117)。そして、その値が1であれば(S1117:Yes)、S1115の処理をスキップして、S1116の処理へ移行し、連続予告カウンタ223eの値を1減算して(S1116)、メイン処理に戻る。これにより、連続予告カウンタ223eの値が1であれば、単発予告実行フラグ223fがオンに設定されている場合であっても、連続予告コマンドを送信することなく、連続予告実行カウンタ223eの値を1減算する。
上述したように、本実施形態では、連続予告演出の実行が決定された場合に、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数(即ち、連続予告演出を実行させる変動演出の数)をそのまま連続予告実行カウンタ223eに設定するのではなく、その先読み保留回数(連続予告演出を実行させる変動演出の数)に1加算した値を連続予告実行カウンタ223eに設定する。そして、変動演出の開始指示である変動パターンコマンドを受信する毎に連続予告実行カウンタ223eを参照して、その値が1より大きければ変動演出に対して「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示するように表示制御装置114へ連続予告コマンドを送信すると共に連続予告実行カウンタ223eの値を1減算し、その値が1であれば、連続予告コマンドを送信することなく連続予告実行カウンタ223eの値を1減算する。
ここで、従来のパチンコ機では、連続予告演出の実行を設定する場合、連続予告実行カウンタに連続予告演出を行う変動演出の回数をそのまま設定し、変動演出の実行時に連続予告実行カウンタが0より大きければ、その変動演出において連続予告演出を行いつつ、連続予告実行カウンタの値を1減算することで、最初に設定した回数分の変動演出にわたって連続予告演出を実行するように構成されている。このように構成した場合、1の連続予告演出が終了した後、再び連続予告演出が開始されるおそれ、即ち、連続予告演出が連続して発生してしまうおそれが生じる。
これにより、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出がスペシャルリーチでの前後外れとなり、続く2回目の連続予告演出における最後の変動演出がノーマルリーチでの前後外れとなれば、遊技者は以下の思いを抱くことになる。即ち、1回目の連続予告演出が複数の変動演出にわたって表示された後、スペシャルリーチが第3図柄表示装置81に現出されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感を持って遊技を継続する。そして、そのスペシャルリーチの結果として前後外れとなると、遊技者は一旦がっかりするが、引き続き2回目の連続予告演出が表示されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感をより強く抱くことになる。しかし、その結果としてノーマルリーチでの前後外れとなると、先に表示されたスペシャルリーチでの前後外れよりも格下げとなった感を強く遊技者に与えてしまうおそれがある。
また、従来のパチンコ機では、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出が前後外れとなった後、続く変動演出において単発予告演出が行われるおそれも生じる。この場合、1回目の連続予告演出の結果として前後外れとなり一旦がっかりした遊技者は、単発予告演出の表示を見ることで、連続予告演出が継続しているとの思い込みを持って遊技を継続するおそれがあるが、その後に連続予告演出用の画像が表示されないので、遊技者の思いを結果的に裏切ることになるおそれがある。このように、上記のように構成することで、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感を結果的に低下させてしまうおそれがある。
更に、従来のパチンコ機では、次のような問題も生じるおそれがある。例えば、変動演出中に新たな始動入賞(第1入球口64への入球)が発生し、その始動入賞に伴う変動演出が保留された場合を想定する。この始動入賞に対して先読み処理を行い、連続予告演出を実行するか否かの決定を行った結果、連続予告演出を行わない決定をし、次の変動演出において連続予告演出は行わなかった場合、更に次の変動演出において単発予告演出を行ったとしても、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像が表示されなければ、その後に新たな始動入賞が検出されていない限り、その後の変動演出で表示される単発予告演出の画像が連続予告演出として表示された画像であるはずがない、と容易に遊技者に推測させてしまうおそれがある。よって、遊技者が抱く単発予告演出に対する期待感も低下させてしまうおそれがある。
これに対し、連続予告演出の実行が決定された場合に、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数(即ち、連続予告演出を実行させる変動演出の数)に1加算した値を連続予告実行カウンタ223eに設定し、変動演出の開始指示である変動パターンコマンドを受信する毎に連続予告実行カウンタ223eを参照して、その値が1より大きければ変動演出に対して「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示するように表示制御装置114へ連続予告コマンドを送信すると共に連続予告実行カウンタ223eの値を1減算し、その値が1であれば、連続予告コマンドを送信することなく連続予告実行カウンタ223eの値を1減算することによって、連続予告演出が行われた後、必ず1回の変動演出において「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されないようにすることができる。これにより、連続予告演出が終了した後、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることを抑制することができるので、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることによって生じる、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感の低下を抑制することができる。
また、連続予告演出終了後、必ず1回の変動演出において「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させない、とのルールに従って、連続予告演出や単発予告演出の設定を行うことにより、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像、即ち「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されなくても、その次の変動演出において「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81にされれば、それが連続予告演出として表示された「クラゲ」画像であることへの期待感を遊技者に持たせることが出来る。従って、遊技者は連続予告演出を楽しみながら遊技を継続することができる。
S1117の処理の結果、連続予告実行カウンタ223eの値が1ではないと判断されると(S1117)、そのときの連続予告実行カウンタ223eの値が0であることを意味する。そこで、次に単発予告実行フラグ223fがオンであるか否かを判別し(S1118)、オンであれば(S1118:Yes)、連続予告実行フラグをオンに設定して(S1119)、メイン処理に戻り、単発予告実行フラグ223fがオンではない、即ち、オフであれば(S1118:No)、S1119の処理をスキップして、そのままメイン処理に戻る。
これにより、連続予告演出の実行の設定がなされていなくても、1の変動演出に対して単発で「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。ここで、1の変動演出に注目すると、連続予告演出および単発予告演出のいずれの演出においても、変動演出に対して「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示される点で一致する。これにより、少なくとも1つ前の変動演出において表示されなかった「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81で行われている変動演出において表示された場合、それが連続予告演出によって表示された「クラゲ」画像であるのか、単発予告演出によって表示された「クラゲ」画像であるのかを考えさせながら、遊技者に遊技を継続させることができる。そして、次の変動演出で再び「クラゲ」画像が表示された場合は、それが連続予告演出であることを強く遊技者に認識させることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより高めることができる。
尚、単発予告演出に対して第3図柄表示装置81に表示させる画像は、連続予告演出と同じ「クラゲ」画像である。よって、表示制御装置114に対して単発予告演出と連続予告演出を区別することなく、単に「クラゲ」画像を変動演出に対して表示するように指示すればよいので、単発予告演出を設定する場合も連続予演出を設定する場合も、この変動表示処理では、共に連続予告実行フラグをオンに設定している。これにより、連続予告実行フラグがオンされて以降は、それが単発予告演出の実行が設定であっても連続予告演出の実行の設定であっても、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、同じ処理の流れで、変動演出に対して「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114におけるプログラムの単純化を図ることができる。
ここで、本実施形態では、単発予告演出の実行の決定を、変動パターンコマンドを受信する毎に行っているが、これに代えて、先読みコマンドを受信する毎に単発予告演出の実行を決定するように構成してもよい。例えば、コマンド判定処理(図31)の中で、先読みコマンドを受信したと判断した場合に(S1018:Yes)、単発予告抽選カウンタ223dの値が例えば10であれば、その先読みコマンドによって示される先読みが行われた変動演出に対して、単発予告演出の実行を設定してもよい。この場合、各先読み情報第0〜第4エリアに、オンの場合に単発予告演出の実行を行うことを示す単発予告実行フラグをそれぞれ設けておく。この単発予告実行フラグには初期値としてオフを設定しておき、単発予告演出の実行が設定される場合、先読み情報第0〜第4エリアのうち先読みコマンドの先読み保留回数に対応するエリアの単発予告実行フラグをオンに設定する。そして、変動表示処理では、S1103の処理によって、単発予告実行フラグを含め、先読み情報第0〜第4エリアの間でシフト処理を実行しつつ、S1118の処理で、先読み情報第0エリアの単発予告実行フラグがオンか否かを判別する。また、連続予告判定処理(図32)のS1041の処理も、先読み情報第0エリアの単発予告実行フラグがオンか否かを判別する。尚、S1103のシフト処理では、空き状態となった先読み情報第4エリアの単発予告実行フラグをオフに設定する。また、この場合、変動表示処理におけるS1111〜S1113の処理およびS1121の処理は省略できる。
このように、先読みコマンドを受信する毎に単発予告演出の実行を決定することによって、同じく先読みコマンドを受信する毎に行われる連続予告演出の実行の決定において、保留中の変動演出に対し単発予告演出の実行が設定されているか否かを考慮することができる。例えば、保留中の変動演出に対し単発予告演出の実行が設定されているときは、連続予告演出の実行の設定を行わないといった判断を行うことができる。このような判断を行えば、単発予告演出がより第3図柄表示装置81に表示されやすくなるので、「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示された場合に、それが単発予告演出によるものなのか、連続予告演出によるものなのかを遊技者に対して更に強く考えさせることができる。このように、先読みコマンドを受信する毎に行われる連続予告演出の実行の決定において、保留中の変動演出に対し単発予告演出の実行が設定されているか否かを考慮することにより、より多くの条件を加味して演出の実行を決定することができるので、遊技者への興趣を更に向上させることができる。
次に、図34から図48を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、V割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。V割込信号は、画像コントローラ237がMPU231に対して送信する信号で、画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理を完了する20ミリ秒毎にMPU231に対してV割込信号を送信する。
MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図34を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図34は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1201)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。ここで、図35を参照して、ブート処理(S1201)について説明する。図35は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1201)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROM(例えば、上述した特許文献1のROM22)を設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S1211)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S1212)。これにより、MPU231は、S1211の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S1212の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に制御プログラムを記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S1212の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S1213)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データをプログラム格納エリア233aに転送し、また、上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S1214)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図34のS1201参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図34のS1202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1215)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S1201)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置81において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a2に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図35に示すブート処理では、S1211の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1211の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1212の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、この転送によってプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S1213〜S1215の処理を実行するようにしてもよい。
また、S1211の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、この転送によってプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1211及びS1212の処理を含めて複数回繰り返した後、S1213〜S1215の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S1211及びS1212の処理を行わずに、S1213〜S1215の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
図34に戻って説明を続ける。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1202)。具体的には、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始でるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1203)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送する。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1203の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1204)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれている。画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1204の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S1205)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図46(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ434へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図46(a)のS2002参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送されるまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図36(b)参照)において、図12に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図36(b)のS1408参照)および簡易表示設定処理(図36(b)のS1409参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置314に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図12(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって容易に始動入賞に伴う大当たり抽選の結果を確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかり、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1205の処理の後、割込許可を設定し(S1206)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1206の処理によって割込許可が設定されて以降、MPU231は、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図36(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図36(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S1301)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図36(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図36(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図18参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図36(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S1401)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S1401:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図12に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S1402)を実行し、次いで、表示設定処理(S1403)を実行する。
コマンド判定処理(S1402)では、コマンドバッファ領域に格納されたコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。コマンドバッファ領域に表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動用表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233fに設定する。また、連続予告コマンドが格納されていた場合は、連続予告画像種別に応じた連続予告用追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや停止種別コマンド、連続予告コマンドなどが20ミリ秒の間にコマンドバッファ領域に格納される可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出や連続予告演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図37〜図41を参照して後述する。
表示設定処理(S1403)では、コマンド判定処理(S1402)などによって表示データテーブルバッファ233dおよび追加データテーブルバッファ233eに設定された表示データテーブルおよび追加データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図42〜図45を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S1404)。このタスク処理では、表示設定処理(S1403)もしくは簡易表示設定処理(S1409)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S1405)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233bがオフである間は、転送データテーブルバッファ233fに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。更に、簡易画像表示フラグ233bがオフである場合に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信したときは、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。転送設定処理の詳細については、図46及び図47を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S1406)。この描画処理では、タスク処理(S1404)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S1405)により設定された転送指示とから、図18に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。描画処理の詳細については、図48を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S1407)。そして、V割込処理を終了する。S1407の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S1401の処理において、簡易画像表示フラグがオンであると判別されると(S1401:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図12に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S1408)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S1409)を実行して、S1404の処理へ移行する。
次いで、図37〜図41を参照して、V割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S1402)の詳細について説明する。まず、図37は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド割込処理は、表示制御装置114内のMPU231によって実行される。
このコマンド判定処理では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S1501)、未処理の新規コマンドがなければ(S1501:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S1501:Yes)、オン状態で新規コマンドが処理されたことを表示設定処理(S1403)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S1502)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S1503)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用保留球数コマンドがあるか否かを判定し(S1504)、表示用保留球数コマンドがあれば(S1504:Yes)、保留球数コマンド処理を実行して(S1505)、S1501の処理に戻る。
ここで、図38(a)を参照して、保留球数コマンド処理(S1505)の詳細について説明する。図38(a)は、保留球数コマンド処理を示すフローチャートである。この保留球数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用保留球数コマンドに対応する処理を実行するものである。
保留球数コマンド処理では、まず、新規保留球数コマンドフラグをオンする(S1601)。表示用保留級数コマンドフラグは、オン状態で表示用保留球数コマンドを処理したことを表示設定処理(S1403)に通知するフラグである。次いで、表示用保留球数コマンドに含まれる保留球数情報を取得する(S1602)。尚、S1602の処理において、2以上の表示用保留球数コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていれば、最後に格納された表示用保留球数コマンドから保留球数情報を取得する。これにより、最新の保留球数情報を取得することができる。
そして、保留球数毎に設けられた個数判別フラグのうち、S1602の処理で取得した保留球数に対応する個数判別フラグをオンすると共に、その他の保留球数に対応する個数判別フラグをオフにして(S1603)、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、新規保留球数コマンドフラグがオンである場合に、個数判別フラグを参照することで、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示されるように、保留画像データを展開する。
図37に戻り、S1504の処理において、表示用保留球数コマンドがないと判別されると(S1504:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S1506)、表示用確定コマンドがあれば(S1506:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S1507)、S1501の処理へ戻る。
ここで、図38(b)を参照して、確定コマンド処理(S1507)の詳細について説明する。図38(b)は、確定コマンド処理を示すフローチャートである。この確定コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用確定コマンドに対応する処理を実行するものである。
確定コマンド処理(S1507)では、確定コマンドフラグをオンに設定して(S2611)、本処理を終了する。確定コマンドフラグは、オン状態で表示用確定コマンドを受信したことを表示設定処理(S1403)に通知するフラグである。表示設定処理では、確定コマンドフラグの状態を監視し、そのフラグがオンとなった場合に、第3図柄表示装置81に確定表示演出の表示が開始されるように、表示の設定処理を実行する。また、変動演出の表示の設定を処理した後に、その変動演出に設定された演出時間を経過しても確定コマンドフラグがオンとならない場合は、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させるように、表示の設定処理を実行する。
図37に戻り、S1506の処理において、表示用確定コマンドがないと判別されると(S1506:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用デモコマンドがあるか否かを判別し(S1508)、表示用デモコマンドがあれば(S1508:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S1509)、S1501の処理へ戻る。
ここで、図38(c)を参照して、デモコマンド処理(S1509)の詳細について説明する。図38(c)は、デモコマンド処理を示すフローチャートである。このデモコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用デモコマンドに対応する処理を実行するものである。
デモコマンド処理(S1509)では、まず、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S1621)。次いで、追加データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込んでその内容をクリアし、また、転送データテーブルバッファ233fにもNullデータを書き込んでその内容をクリアする(S1622)。
デモ用表示データテーブルでは、描画に必要な画像データを新たにキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送する必要がないため、対応する転送データテーブルがデータテーブル格納エリア233bに用意されていない。そこで、S1622の処理により転送データテーブルバッファ233fにNullデータを書き込むことで、デモ用表示データテーブルによって画像の描画が行われる間、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを示すことができる。
次いで、デモ演出に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定し(S1623)、ポインタ233gを0に初期化する(S1624)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定すると共に、デモ表示フラグをオンに設定し、更に、確定表示フラグをオフに設定して(S1625)、コマンド判定処理に戻る。尚、デモ表示フラグは、オン状態で第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されることを示すフラグである。確定表示フラグは、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示すフラグである。
このデモコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S1624の処理によって初期化されたポインタ233gを更新しながら、S1621の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたデモ用表示データテーブルから、ポインタ233gに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。また、表示設定処理では、S1623の処理によってデモ演出に対応する時間データの設定された計時カウンタ233iを用いて、デモ用表示データテーブルで規定されたデモ演出の時間を計時すると共に、S1625の処理によって設定されたデモ表示フラグおよび確定表示フラグの状態に基づいて、表示設定制御計時カウンタ233iの計時によってデモ用表示データテーブルにおけるデモ演出が終了したと判断された場合に、次に表示すべき演出として、再度デモ演出が表示されるように制御する。
また、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドとデモコマンドとがいずれも格納されている場合は、上述の確定コマンド処理(S1507)が先に実行され、確定コマンドフラグがオンに設定されるが、次いで、このデモコマンド処理(S1509)が実行され、S1625の処理により確定コマンドフラグがオフされる。
これにより、このような場合には、確定表示演出は行われずにデモ演出が表示される。主制御装置110は、確定コマンドを送信した後、所定時間(例えば、5分)経過後に変動演出の開始タイミングとならなければ、デモコマンドを送信するように構成されているので、本来であれば、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドとデモコマンドとが共に格納されることはあり得ない。よって、それらのコマンドが、コマンド判定処理の実行開始時にコマンドバッファ領域にいずれも格納されている場合は、コマンドの送受信が正常に行われていない可能性が高い。表示制御装置114は、このような場合に、遊技に直接関係のないデモ演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させるので、誤った確定表示演出が第3図柄表示装置81に未表示とされ、遊技者に遊技結果に対する誤解を与えることを抑制できる。また、確定表示演出が行われずにデモ演出が開始されることで、異常が発生していることを遊技者に容易に認識させることができる。よって、遊技者はすぐにホール関係者を呼んで対処の依頼を行うことができる。
図37に戻り、S1508の処理において、表示用デモコマンドがないと判別されると(S1508:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S1510)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S1510:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S1511)、S1501の処理へ戻る。
ここで、図39(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S1511)の詳細について説明する。図39(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンに対応した変動用表示データテーブルを決定し、その決定した変動用表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S1631)。表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンが特殊変動演出である場合は、特殊変動演出用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈される恐れもあり得る。S1631の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合は、設定された変動用表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することとなり、変動中の第3図柄が突然停止表示されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせる恐れがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、再始動演出が表示されるように第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は再始動演出を変動演出の一環として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S1631で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233fに設定する(S1632)。そして、追加データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことでその内容をクリアする(S1633)。
次に、S1631の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233iに設定する(S1634)。そして、ポインタ233gを0に初期化し(S1635)、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定する(S16376)。
デモ表示フラグおよび確定表示フラグをオフに設定することにより、表示中のデモ演出や確定表示演出に代えて、第3図柄表示装置81に変動演出を表示させることができる。また、コマンド判定処理の実行開始時に、コマンドバッファ領域に確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとがいずれも格納されている場合は、上述の確定コマンド処理(S1507)が先に実行され、確定コマンドフラグがオンに設定されるが、次いで、この変動パターンコマンド処理(S1511)が実行され、S1625の処理により確定コマンドフラグがオフされる。
S1636の処理が完了すると、表示設定処理で用いられる再始動タイマカウンタを0に初期化して(S1637)、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S1635の処理によって初期化されたポインタ233gを更新しながら、S1631の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルから、ポインタ233gに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。また、S1632の処理によって転送データテーブルバッファ233fに設定された転送データテーブルから、ポインタ233gに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動用表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S1635の処理によって変動時間データの設定された計時カウンタ233iを用いて、変動用表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動用表示データテーブルにおける変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示する。また、変動演出終了後所定時間内に確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御する。
ここで、表示用確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用確定コマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用確定コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用確定コマンドに対応する処理である確定コマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S1637の処理のように、表示用確定コマンドによって設定された確定コマンドフラグを上書きによってオフに設定することができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用確定コマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、表示用デモコマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用デモコマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用デモコマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用デモコマンドに対応する処理であるデモコマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S1631の処理のように、表示用デモコマンドによって表示データテーブルバッファ233dに設定されたデモ用表示データテーブルを上書きによって変動用表示データテーブルに書き換えることができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用デモコマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図37に戻り、S1510の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S1510:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S1512)、表示用停止種別コマンドがあれば(S1511:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S1513)、S1501の処理へ戻る。
ここで、図39(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S1513)の詳細について説明する。図39(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、特殊停止図柄のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S1641)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図36(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S1642)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S1642の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S1643)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動用表示データテーブルでは、所定時間以後のアドレスに対応する描画内容において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S1642の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S1404)では、変動が開始されてから上記の所定時間が経過して以後、S1643によって設定された停止図柄判別フラグからS1642の処理によって設定された停止図柄を特定し、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S1641の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS1642の処理によって設定される。なお、このような場合において、停止種別を完全外れの中でも特殊停止図柄であると仮定して、停止種別テーブルを決定してもよい。
ここで、仮に、大当たりに対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、外れであった場合であっても、第3図柄表示装置81には大当たりの停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10の遊技状態が大当たりとなったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させる恐れがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、大当たりであれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態に移行するので、遊技者を喜ばせることができる。
図37に戻り、S1512の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S1512:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、連続予告コマンドがあるか否かを判別し(S1514)、連続予告コマンドがあれば(S1514:Yes)、連続予告コマンド処理を実行して(S1515)、S1501の処理へ戻る。
ここで、図40(a)を参照して、連続予告コマンド処理(S1515)の詳細について説明する。図40(a)は、連続予告コマンド処理を示すフローチャートである。この連続予告コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した連続予告コマンドに対応する処理を実行するものである。
連続予告コマンド処理では、まず、オン状態で連続予告コマンドを処理したことを転送設定処理(S1405)に通知する新規連続予告コマンドフラグをオンに設定する(S1651)。次いで、連続予告コマンドによって示される連続予告画像種別(本実施形態では、「クラゲ」画像)に対応した連続予告用追加データテーブルを決定して、その決定した連続予告用追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを追加データテーブルバッファ233eに設定する。
これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出に対し、S1652の処理によって追加データテーブルバッファ233eに格納された連続予告用追加データテーブルに対応する連続予告演出が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。
その後、連続予告画像種別毎に設けられた連続予告判別フラグのうち、連続予告コマンドに含まれる連続予告画像種別(「クラゲ」画像)に対応する連続予告判定フラグをオンすると共に、その他の連続予告画像種別に対応する連続予告判別フラグをオフに設定して(S1653)、コマンド判定処理に戻る。
転送設定処理では、S1651の処理により設定される新規連続予告コマンドフラグがオンされていることを検出すると、連続予告コマンド処理によって追加データテーブルバッファ233eに所定の連続予告用追加データテーブルが設定されたと判断し、S1653の処理によって設定される連続予告判別フラグから、追加データテーブルバッファ233eに設定された連続予告用追加データテーブルに対応する連続予告種別を特定する。そして、その特定された連続予告種別を表示させるのに必要な画像データの転送指示を画像コントローラ237に対して行う。
図37に戻り、S1514の処理において、連続予告コマンドがないと判別されると(S1514:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S1516)、背面画像変更コマンドがあれば(S1516:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S1517)、S1501の処理へ戻る。
ここで、図40(b)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S1517)の詳細について説明する。図40(b)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を転送設定処理(S1405)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S1661)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S1662)、コマンド判定処理に戻る。
転送設定処理では、S1661の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S1662の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S1662によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S1662の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
図37に戻り、S1516の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S1516:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、枠ボタン操作コマンドがあるか否かを判別し(S1518)、枠ボタン操作コマンドがあれば(S1518:Yes)、枠ボタン操作コマンド処理を実行して(S1519)、S1501の処理へ戻る。
ここで、図41(a)を参照して、枠ボタン操作コマンド処理(S1519)の詳細について説明する。図41(a)は、枠ボタン操作コマンド処理を示すフローチャートである。この枠ボタン操作コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した枠ボタン操作コマンドに対応する処理を実行するものである。
枠ボタン操作コマンドでは、オン状態で枠ボタンが操作されたことを示す枠ボタン操作フラグをオンに設定して(S1671)、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S1671の処理によって設定された枠ボタン操作フラグに基づき、変動用表示データテーブルに従ってスーパーリーチ選択画面を第3図柄表示装置81に表示させている間に枠ボタンが操作されたことを検出すると、後に表示させるスーパーリーチの種別を更新する処理を実行する。これにより、遊技者に、好みのスーパーリーチ演出を選択させることができるようになっている。
図37に戻り、S1518の処理において、枠ボタン操作コマンドがないと判別されると(S1518:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S1520)、エラーコマンドがあれば(S1520:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S1521)、S1501の処理へ戻る。
ここで、図41(b)を参照して、エラーコマンド処理(S1521)の詳細について説明する。図41(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S1681)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S1682)、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S1681の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S1682の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S1682に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
図37に戻り、S1520の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S1520:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S1522)、S1501の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS1501の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S1501:Yes)、再びS1502〜S1522の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S1501〜S1522の処理が繰り返し実行され、S1501の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図36(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S1408)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図12に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示表確定コマンド、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、確定コマンド処理(図38(b)参照)、変動パターンコマンド処理(図39(a)参照)および停止種別コマンド処理(図39(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図39(a)参照)では、S1631の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S1632の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図42〜図45を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S1403)の詳細について説明する。まず、図42及び図43は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図42に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S1701)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S1701:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S1702〜S1708の処理をスキップし、S1709の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S1701:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S1702)、S1703〜S1708の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S1703の処理では、新規保留球数コマンドフラグはオンであるか否かを判別し(S1703)、新規保留球数コマンドフラグがオンであれば(S1703:Yes)、先のコマンド判定処理において表示用保留球数コマンドが処理されたと判断して、保留画像設定処理を実行する(S1704)。
ここで、図44(a)を参照して、保留画像設定処理の詳細について説明する。図44(a)は、保留画像設定処理を示すフローチャートである。この保留画像設定処理は、表示用保留球数コマンドが処理されたことに合わせて、音声ランプ制御装置113より通知された保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるために、その画像データを展開するための処理である。
保留画像設定処理では、まず、個数判別フラグを参照し、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1(図4参照)に表示させる保留画像データを展開する(S1751)。タスク処理では、この展開された保留画像データを元に、その保留画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
保留画像設定処理では、S1751の処理の後、新規保留球数コマンドをオフに設定して(S1752)、表示設定処理に戻る。
図42に戻り、保留画像設定処理(S1704)の後、又は、S1703の処理において、新規保留球数コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S1703:No)、次いで、エラー発生フラグはオンであるか否かを判別する(S1705)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S1705:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S1706)。
ここで、図44(b)を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図44(b)は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるために、その警告画像データを展開する(S1761)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S1761の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S1762)、表示設定処理に戻る。
図42に戻り、警告画像設定処理(S1706)の後、又は、S1705の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S1705:No)、次いで、枠ボタン操作フラグはオンであるか否かを判別する(S1707)。そして、枠ボタン操作フラグがオンであれば(S1707:Yes)、枠ボタン操作処理を実行する(S1708)。
ここで、図44(c)を参照して、枠ボタン操作処理の詳細について説明する。図44(b)は、枠ボタン操作処理を示すフローチャートである。この処理は、第3図柄表示装置81に、スーパーリーチの表示態様を選択させる選択画面を表示中に、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、その操作に従って、表示すべきスーパーリーチの態様を選定するための処理である。
枠ボタン操作処理では、まず、枠ボタン操作フラグをオフに設定した後(S1771)、スーパーリーチ選択画面が第3図柄表示装置81に表示されているか否かを判別する(S1772)。このスーパーリーチ選択画面は、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルに従って第3図柄表示装置81に表示させるもので、設定された変動用表示データテーブルに基づき、前回実行されたV割込処理の中で、スーパーリーチ選択画面用のスプライトの描画を画像コントローラ237に対して指示した場合に、スーパーリーチ選択画面が第3図柄表示装置81に表示されていると判断する。
そして、S1772の処理において、スーパーリーチ選択画面が第3図柄表示装置81に表示されていないと判断されれば(S1772:No)、そのまま枠ボタン操作処理を終了して、表示設定処理に戻る。一方、S1772の処理の結果、スーパーリーチ選択画面が第3図柄表示装置81に表示されていると判断されれば(S1772:Ye)、スーパーリーチの表示態様毎に設けられたスーパーリーチ種別フラグを更新して(S1773)、表示設定処理に戻る。スーパーリーチ種別の更新は、複数あるスーパーリーチの表示態様が所定の順番に従って選択されるように、1の表示態様に対応するスーパーリーチ種別フラグのみをオンすると共に、その他のスーパーリーチ種別フラグをオフに設定する。
本実施形態では、変動用表示データテーブルの中で遊技者より選択された態様のスーパーリーチの表示を規定する場合、各アドレス毎にそれぞれのスーパーリーチの表示態様に対応する描画内容を規定している。そして表示設定処理では、後述するS1710の処理において表示データテーブルの内容を展開する場合に、スーパーリーチ種別フラグがオンされたスーパーリーチの表示態様に対応する描画内容だけを抽出する。これにより、タスク処理では、選択されたスーパーリーチの表示態様に対応するスプライト(表示物)の種別が特定されると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータが設定されるので、第3図柄表示装置81には、その選択された表示態様でスーパーリーチ演出が表示される。
図42に戻り、枠ボタン操作処理(S1708)の後、又は、S1707の処理において、枠ボタン操作フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S1707:No)、次いで、S1709の処理へ移行する。
S1709では、ポインタ更新処理を実行する(S1709)。ここで、図45を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図45は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233d、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233gの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233gに1を加算する(S1781)。即ち、ポインタ233gは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233eに格納されるのに合わせてポインタ233gの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S1781の処理によって、ポインタ233gの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233gで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S1782)。その結果、End情報であれば(S1782:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233gが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであるか否かを判別して(S1783)、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであれば(S1783:Yes)、ポインタ233gを1に設定し(S1784)、更に、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定して(S1785)、S1787の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出または再始動演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S1783の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでも、再始動表示データテーブルでもないと判別された場合は(S1783:No)、ポインタ233gの値を1だけ減算して(S1786)、S1787の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブルおよび再始動表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動用表示データテーブルや確定表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。
S1782の処理の結果、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、S1781の処理による更新後のポインタ233gで示されるアドレスのデータがEnd情報ではないと判別される場合は(S1782:No)、S1783〜S1786の処理をスキップして、S1787の処理へ移行する。
S1787の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S1787)、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S1787:No)、そのままポインタ更新処理を終了して表示設定処理に戻る。一方、確定コマンドフラグがオンであれば(S1787:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データバッファにおいてEnd情報が格納されているエンド位置アドレスから1だけ減算した値に、ポインタ233gの値を設定し(S1788)、更に、計時カウンタの値を1に設定して(S1789)、表示設定処理に戻る。これにより、確定コマンドを受信した場合は、表示設定処理では、設定された表示データテーブルの最後に規定された描画内容を展開すると共に、確定表示演出の開始を制御することができる。
図42に戻り、ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233d及び追加データテーブルバッファ233eに設定されている表示データテーブルおよび追加データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233gで示されるアドレスの描画内容を展開する(S1710)。タスク処理では、先に展開された保留画像や警告画像などと共に、S1710の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。尚、追加データテーブルにおいて、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。追加データテーブルバッファ233eがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233eから展開されることになる。
次いで、計時カウンタ233iの値を1だけ減算し(S1711)、減算後の計時カウンタ233iの値が0以下であるか否かを判別する(S1712)。そして、計時カウンタ233iの値が1以上である場合は(S1712:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233iの値が0以下である場合は(S1712:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動用表示データテーブルが設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS1713の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S1713)。
その結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S1713:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、まず、停止図柄判別フラグによって示される停止図柄に応じた確定表示演出の態様を決定し、その態様の確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fにそれぞれNullデータを書き込んで、それらの内容をクリアする(S1714)。次いで、確定表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定し(S1715)、更に、ポインタ233gの値を0に初期化する(S1716)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定し(S1717)、次いで、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定後(S1718)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S1719)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動用表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、S1719の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄から開始されるため、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまで、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が規定されている。タスク処理(S1404)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S1719によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前の変動演出における停止図柄を特定する。そして、その特定した停止図柄に対して、上述の変動用表示データテーブルに規定された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S1713の処理において、確定コマンドフラグがオンではなくオフであれば(S1713:No)、図43に示すS1720の処理へ移行し、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S1720)。そして、確定表示フラグがオンであれば(S1720:Yes)、S1712の処理における判定の結果(S1712:Yes)は、確定表示演出が終了したことを意味するので、確定表示フラグをオフに設定した後(S1721)、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S1722)、次いで、データ表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定する(S1723)。そして、ポインタ233gを0に初期化し(S1724)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S1725)、V割込処理を終了する。
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
尚、S1720:Yesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S1714の処理によって、追加データテーブルバッファ233e及び転送データテーブルバッファ233fはいずれもその内容がクリアされている。よって、S1722の処理では、それらのデータテーブルバッファのクリア処理を省略している。これにより、MPU231における処理負荷の軽減を図ることができる。
S1720の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S1720:No)、次いで、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S1726)。そして、デモ表示フラグがオンであれば(S1726:Yes)、S1712の処理における判定の結果(S1712:Yes)は、デモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
一方、S1726の処理において、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S1726:No)、S1712の処理における判定の結果(S1712:Yes)は、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて0に初期化された再始動タイマカウンタに1を加算し(S1727)、加算後の再始動タイマカウンタの値が所定値になったか否かを判別する(S1728)。
そして、再始動タイマカウンタが所定値ではない場合(S1728:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。また、再始動タイマカウンタが所定値である場合は(S1728:Yes)、再始動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fにそれぞれNullデータを書き込んで、それらの内容をクリアする(S1729)。そして、再始動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定し(S1730)、更に、ポインタ233gの値を0に初期化して(S1731)、V割込処理に戻る。
これにより、表示制御装置114では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出であるので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
尚、再始動表示データテーブルによって規定された最後の描画内容が展開された後は、上述のポインタ更新処理によって、再び再始動表示データテーブルの先頭から描画内容が展開される。従って、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信したり、新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、再始動演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。ここで、再始動演出は、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させる態様で第3図柄表示装置81に表示させるものであり、その再始動表示データテーブルでは、第3図柄を少なくとも1回揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを規定する。そして、この再始動表示データテーブルの先頭から繰り返し描画内容を展開することで、第3図柄表示装置81に第3図柄を繰り返し振動させた再始動演出が表示される。このように、再始動演出を、第3図柄表示装置81に第3図柄を振動させて表示させる演出とすることで、その再始動表示データテーブルを、少なくとも1回第3図柄を揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを記憶させておけばよいので、再始動表示データテーブルを記憶するために必要な容量を小さく抑えることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信した場合は、図42に示すS1714の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233dには確定表示データテーブルが設定される。これにより、再始動演出中であっても表示用確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄判別フラグで示される停止図柄で第3図柄の停止表示がなされ、確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図39(a)のS1631の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233dには、変動用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81に変動演出が表示される。また、始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用デモコマンドを受信した場合は、図38(c)のS1621の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233dには、デモ用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、本来受信されるべき主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合に表示される演出であるため、ノイズや誤動作等の影響により、再始動演出が表示されている間も確定コマンドが受信されない可能性がある。これに対し、本実施形態では、再始動演出中に表示用変動パターンコマンドや表示用デモコマンドを受信すれば、そのコマンドに対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができるので、第3図柄表示装置81における各種演出をパチンコ機10の遊技状態に合わせて行わせることができる。
尚、V割込処理(図36(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S1409)も、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了後、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図12(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233iに設定する処理が行われる。また、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了後、本来、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信すべき確定コマンド(表示用確定コマンド)の受信が認められない場合は、そのまま電源投入時変動画像の変動演出を再始動させることを規定した表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図46及び図47を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である転送設定処理(S1405)の詳細について説明する。まず、図46(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S2001)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S2001:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S2002)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図46(b)を参照して後述する。
一方、S2001の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S2001:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S1603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、キャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図47を参照して後述する。
次いで、図46(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S1405)の一処理である常駐画像転送設定処理(S2002)について説明する。図46(b)は、この常駐画像転送設定処理(S2002)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S2111)、転送指示を送信していれば(S2111:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S2112)。このS2112の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S2112の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S2112:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S2112:Yes)、S2113の処理へ移行する。また、S2111の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S2111:No)、S2113の処理へ移行する。
S2113の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S2113)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S2113:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S2114)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(格納先情報。この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレス(格納先先頭アドレス)が含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S2113の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S2113:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S2115)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図36(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図36(b)のS1408参照)および簡易表示設定処理(図36(b)のS1409参照)ではなく、コマンド判定処理(図37〜図41参照)および表示設定処理(図42〜図45参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図47参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図46(a)のS2001:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置282に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図47を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S1405)の一処理である通常画像転送設定処理(S2003)について説明する。図47は、この通常画像転送設定処理(S2003)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233fに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S1403)のポインタ更新処理(S1709)によって更新されたポインタ233gで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S2201)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S2202)、転送データ情報であれば(S2202:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データ(転送を開始すべきスプライトの画像データ)が格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納する(S2203)。更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S2204)、S2205の処理へ移行する。
また、S2202の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S2202:No)、S2203及びS2204の処理をスキップして、S2205の処理へ移行する。
S2205の処理では、画像コントローラ237における画像データの転送が終了した後に、新たに画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S2205)、転送指示を設定していれば(S2205:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S2206)。
このS2206の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S2206の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S2206:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S2206:Yes)、S2207の処理へ移行する。また、S2205の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S2205:No)、S2207の処理へ移行する。
S2207の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S2207)、転送開始フラグがオンであれば(S2207:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S2208)、S2203の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像とした上で、S2216の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S2207:No)、次いで、新規連続予告コマンドフラグはオンか否かを判別する(S2209)。
そして、新規連続予告コマンドフラグがオンであれば(S2209:Yes)、連続予告コマンドが処理され、連続予告演出用の連続予告用追加データテーブルが追加データテーブルバッファ733eに設定されたことを意味するので、新規連続予告コマンドフラグをオフに設定した後(S2210)、オン状態にある連続予告判別フラグに対応する連続予告画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S2211)、この特定した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像とした上で、S2216の処理へ移行する。
S2209の処理において、新規連続予告コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2209:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S2212)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S2212:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S2212:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S2213)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S2214)、この特定した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像とした上で、S2216の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S2214の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S2216の処理では、転送対象画像が通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S2216)。このS2216の処理における判別では、格納画像判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像とされたスプライトに対応する格納状態を格納画像判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S2216の処理の結果、転送対象画像が通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S2216:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S2216の処理の結果、転送対象画像が通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S2216:Yes)、その転送対象画像の転送指示を設定する(S2217)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像の転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(格納先情報。この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレス(格納先先頭アドレス)が含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、通常用ビデオRAM236の未使用期間中に、通常用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S2217の処理の後、格納画像判別フラグ233jを更新し(S2218)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像となったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、そのスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で連続予告コマンドに対する処理が実行され、その連続予告コマンドで示された連続予告画像に対応する追加データテーブルが追加データテーブルバッファ233eに設定された場合は、その追加データテーブルで用いられる連続予告画像の画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233fに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233fに設定された転送データテーブルのポインタ233gで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対する転送対象画像の転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて即座に描画でき、よって、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図48を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S1406)の詳細について説明する。図48は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S1404)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S1405)により設定された転送指示から、図18に示す描画リストを生成する(S2301)。即ち、S2301の処理では、タスク処理(S1404)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S1405)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)および最終アドレス(格納元最終アドレス)と、転送対象画像データを格納すべき格納先情報(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236かを示す情報)および先頭アドレス(格納先アドレス)とを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S2302)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)および最終アドレス(格納元最終アドレス)と、転送対象画像データを格納すべき格納先情報(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236かを示す情報)および先頭アドレス(格納先先頭アドレス)を抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、格納先情報で示される常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを、格納先情報で示される常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236の格納先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、ここで格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S2302の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S2303)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図36参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cをそれぞれ交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本第1実施形態のパチンコ機10によれば、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選とは別に、始動入賞時に取得して保留した各カウンタ値を先読みして、大当たり抽選の結果を予測する先読み処理が実行される。そして、本パチンコ機10では、この先読み処理をメイン処理の中で実行する一方、大当たり抽選等をメイン処理よりも優先的に実行されるタイマ割込処理の中で実行するように構成されている。
ここで、大当たり抽選とは別に先読み処理を実行するようにパチンコ機を構成した場合、大当たり抽選は、始動入賞によって取得されたカウンタ値と、個々の当たり値とを1つ1つ比較する必要がある一方、先読み処理においても、大当たり抽選とは別に、先読みした値と個々の当たり値とを1つ1つ比較する必要がある。これにより、特にパチンコ機が高確率状態にある場合は、カウンタ値と個々の当たり値との比較処理を、大当たり抽選および先読み処理のいずれにおいても、例えば高確率状態における当たり値の数が30あれば、最大で30回繰り返して行わなければならない。よって、大当たり抽選および先読み処理のそれぞれにおいて行われるカウンタ値と当たり値との比較処理に、長い時間を要する。
このような状況下において、従来の遊技機のように、変動演出の開始時に、その変動演出に対応する始動入賞よりも後に検出された始動入賞によって保留されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理すれば、変動演出の実行開始時の大当たり抽選が行われるのと相前後して、始動入賞時の先読みに伴う大当たり抽選の結果の予測が行われることになり、遊技において最も重要な処理である大当たり抽選の完了が遅れる等して、遊技に影響を及ぼすおそれがある。
また、タイマ割込処理の中に、変動演出の開始を判断して大当たり抽選を実行する処理と、始動入賞を検出して各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し且つ先読み処理を実行する処理とを含めるように構成した場合、変動演出の開始の判断と始動入賞の検出とに基づいて、1のタイマ割込処理の中で大当たり抽選処理と先読み処理とが共に行われる場合が生じ得る。それぞれの処理は、上述したように、長い処理時間を要するおそれがあるため、この場合、次のタイマ割込処理が開始されるまでにタイマ割込処理に含まれる全ての処理が完了しない事態も発生し得る。よって、遊技に必要な各種制御が遅れることになり、遊技に影響を及ぼすおそれがある。
これに対し、本第1実施形態のパチンコ機10では、先読み処理をメイン処理の中で実行する一方、大当たり抽選等をタイマ割込処理の中で実行することによって、先読み処理がメイン処理において実行中であっても、タイマ割込処理が優先して実行されるので、変動演出の実行開始タイミングで大当たり抽選を遅滞なく行うことができる。一方、先読み処理中にタイマ割込処理が実行されても、タイマ割込処理の終了後に引き続いて実行されるので、先読み処理を確実に完了させることができる。このように、本実施形態に係るパチンコ機10では、始動入賞が検出された場合に取得される各カウンタの値を用いて先読み処理を実行し、大当たり抽選等の結果を予測しつつ、大当たり抽選を変動演出の実行開始タイミングで遅滞なく行うことができるので、正常に遊技の制御を行うことができるのである。
また、本第1実施形態では、始動入賞時に取得したカウンタC1〜C3,CS1の各値を保留球数格納エリア203bだけでなく、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納し、この第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行する。
ここで、保留球数格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を直接読み出して先読み処理を行った場合、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなると、上述したように、保留球格納エリア203bの各保留エリア(保留第1〜第4エリア)に格納されている各カウンタC1〜C3,CS1は、保留球実行エリア203cや、別の保留エリアにシフトされる。これにより、変動開始処理(図22参照)が実行される毎に、先読み処理で参照すべきカウンタC1〜C3,CS1の格納エリアを変更する必要が生じる。
これに対し、本実施形態では、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行するので、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなり、変動開始処理が実行されても、先読み処理で参照すべきカウンタC1〜C3,CS1の格納エリアを変更することなく、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eを参照し続ければよいため、処理を簡略化できる。
また、本第1実施形態では、連続予告演出の実行が決定された場合に、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数(即ち、連続予告演出を実行させる変動演出の数)をそのまま連続予告実行カウンタ223eに設定するのではなく、その先読み保留回数(連続予告演出を実行させる変動演出の数)に1加算した値を連続予告実行カウンタ223eに設定する。そして、変動演出の開始指示である変動パターンコマンドを受信する毎に連続予告実行カウンタ223eを参照して、その値が1より大きければ変動演出に対して「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示するように表示制御装置114へ連続予告コマンドを送信すると共に連続予告実行カウンタ223eの値を1減算し、その値が1であれば、連続予告コマンドを送信することなく連続予告実行カウンタ223eの値を1減算する。また、連続予告実行カウンタ223eの値が0である間は、単発予告演出の実行が決定された場合を除いて連続予告コマンドの送信を行わず、連続予告実行カウンタ223eの値も0に保持する。
ここで、従来のパチンコ機では、連続予告演出の実行を設定する場合、連続予告実行カウンタに連続予告演出を行う変動演出の回数をそのまま設定し、変動演出の実行時に連続予告実行カウンタが0より大きければ、その変動演出において連続予告演出を行いつつ、連続予告実行カウンタの値を1減算することで、最初に設定した回数分の変動演出にわたって連続予告演出を実行するように構成されている。このように構成した場合、1の連続予告演出が終了した後、再び連続予告演出が開始されるおそれ、即ち、連続予告演出が連続して発生してしまうおそれが生じる。
これにより、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出がスペシャルリーチでの前後外れとなり、続く2回目の連続予告演出における最後の変動演出がノーマルリーチでの前後外れとなれば、遊技者は以下の思いを抱くことになる。即ち、1回目の連続予告演出が複数の変動演出にわたって表示された後、スペシャルリーチが第3図柄表示装置81に現出されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感を持って遊技を継続する。そして、そのスペシャルリーチの結果として前後外れとなると、遊技者は一旦がっかりするが、引き続き2回目の連続予告演出が表示されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感をより強く抱くことになる。しかし、その結果としてノーマルリーチでの前後外れとなると、先に表示されたスペシャルリーチでの前後外れよりも格下げとなった感を強く遊技者に与えてしまうおそれがある。
また、従来のパチンコ機では、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出が前後外れとなった後、続く変動演出において単発予告演出が行われるおそれも生じる。この場合、1回目の連続予告演出の結果として前後外れとなり一旦がっかりした遊技者は、単発予告演出の表示を見ることで、連続予告演出が継続しているとの思い込みを持って遊技を継続するおそれがあるが、その後に連続予告演出用の画像が表示されないので、遊技者の思いを結果的に裏切ることになるおそれがある。このように、上記のように構成することで、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感を結果的に低下させてしまうおそれがある。
更に、従来のパチンコ機では、次のような問題も生じるおそれがある。例えば、変動演出中に新たな始動入賞(第1入球口64への入球)が発生し、その始動入賞に伴う変動演出が保留された場合を想定する。この始動入賞に対して先読み処理を行い、連続予告演出を実行するか否かの決定を行った結果、連続予告演出を行わない決定をし、次の変動演出において連続予告演出は行わなかった場合、更に次の変動演出において単発予告演出を行ったとしても、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像が表示されなければ、その後に新たな始動入賞が検出されていない限り、その後の変動演出で表示される単発予告演出の画像が連続予告演出として表示された画像であるはずがない、と容易に遊技者に推測させてしまうおそれがある。よって、遊技者が抱く単発予告演出に対する期待感も低下させてしまうおそれがある。
これに対し、本第1実施形態のように、連続予告演出の実行が決定された場合に、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数(即ち、連続予告演出を実行させる変動演出の数)に1加算した値を連続予告実行カウンタ223eに設定し、変動演出の開始指示である変動パターンコマンドを受信する毎に連続予告実行カウンタ223eを参照して、その値が1より大きければ変動演出に対して「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示するように表示制御装置114へ連続予告コマンドを送信すると共に連続予告実行カウンタ223eの値を1減算し、その値が1であれば、連続予告コマンドを送信することなく連続予告実行カウンタ223eの値を1減算することによって、連続予告演出が行われた後、必ず1回の変動演出において連続予告演出および単発予告演出に係る画像(「クラゲ」画像)が第3図柄表示装置81に表示されないようにすることができる。これにより、連続予告演出が終了した後、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることを抑制することができるので、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることによって生じる、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感の低下を抑制することができる。
また、連続予告演出終了後、必ず1回の変動演出において連続予告演出および単発予告演出に係る画像(「クラゲ」画像)を第3図柄表示装置81に表示させない、とのルールに従って、連続予告演出や単発予告演出の設定を行うことにより、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像が第3図柄表示装置81に表示されなくても、その次の変動演出において連続予告演出の画像が第3図柄表示装置81にされれば、それが連続予告演出として表示された画像であることへの期待感を遊技者に持たせることができる。
このように、本実施形態のように連続予告実行カウンタ223eを構成することによって、遊技者は連続予告演出を楽しみながら遊技を継続することができる。
次いで、図49〜図55を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113において、連続予告演出の実行を決定した場合に、その実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる先読み保留回数(即ち、連続予告演出が行われる変動演出の数)に1加算した値を連続予告実行カウンタ223eに設定し、変動演出の開始指示である変動パターンコマンドを受信する毎に連続予告実行カウンタ223eを参照して、表示制御装置114へ連続予告コマンドを送信すると共に連続予告実行カウンタ223eの値を1減算し、その値が1であれば、連続予告コマンドを送信することなく連続予告実行カウンタ223eの値を1減算するように構成した。そして、これにより、該先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出以前に保留されていた全ての変動演出にわたって連続予告演出を行うと共に、その連続予告演出が行われた後、必ず1回の変動演出において連続予告演出および単発予告演出の画像(「クラゲ」画像)が第3図柄表示装置81に表示されないように構成した。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、連続予告演出の実行を決定した場合に、先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出以前に保留されていた変動演出のうち、連続予告演出に係る画像を表示させる変動演出の数を決定し、その決定された数分の変動演出に対して連続予告演出に係る画像を表示することで、連続予告演出を実行する。即ち、第2実施形態におけるパチンコ機10は、必ずしも、先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出以前に保留されていた全ての変動演出にわたって連続予告演出を行うのではなく、保留されていた変動演出のうち連続予告演出が行われる変動演出の数を任意に設定されるように構成されている。
図49は、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第2実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のROM222に記憶される連続予告判定テーブルとして、第1実施形態における連続予告判定テーブル222aに代えて連続予告範囲テーブル222bを設けている。また、第1実施形態における先読み情報格納エリア223bに代えて先読み情報格納エリア223gを設けると共に、第1実施形態において音声ランプ制御装置113のRAM223に設けていた連続予告実行カウンタ223eに代えて、先読み情報格納エリア223gに設けられた先読み情報第0エリア〜先読み情報第4エリアのそれぞれに連続判定情報格納エリアと連続回避フラグとを設けている。
また、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理のうち、メイン処理(図29参照)で実行される変動表示処理(S912)の一部処理と、同メイン処理(図29参照)で実行されるコマンド判定処理(S913)の一部処理と、そのコマンド判定処理内の一処理である連続予告判定処理(S1025)の一部処理とが、第1実施形態のパチンコ機10と相違する。
尚、パチンコ機10におけるその他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される上記以外の処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
連続予告判定テーブル222bは、第1実施形態における連続予告判定テーブル222a(図10参照)と同様に、主制御装置110より受信した先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たり又は前後外れである場合に、第3図柄表示装置81に連続予告演出を実行させることを決定する確率である「連続予告決定確率」を設定するためのテーブルである。ただし、この連続予告判定テーブル222bは、連続予告決定確率と共に、連続予告演出の実行を決定した場合に、その連続予告演出を行う変動演出の数(以下「連続予告回数」と称す)をも決定する点で、第1実施形態における連続予告判定テーブル222aと相違する。音声ランプ制御装置113は、連続予告判定テーブル222aと、連続予告抽選カウンタ223cの値とを比較し、連続予告抽選カウンタ223cの値が連続予告判定テーブル222bで示される範囲にあるときに、第3図柄表示装置81に連続予告演出を実行させることを決定すると共に、その連続予告抽選カウンタ223cの値から連続予告回数を決定する(図54のS1051、S1039参照)。音声ランプ制御装置113は、連続予告演出の実行が決定された場合に、合わせて決定された連続予告回数分の変動演出にわたって連続予告演出が行われるように、制御を実行する。
ここで、図50を参照して、連続予告判定テーブル222bの詳細について説明する。図50は、連続予告判定テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。連続予告判定テーブル222bは、図50に示すように、大当たり時連続予告判定テーブル222b1および外れ時連続予告判定テーブル222b2の2つのテーブルを有している。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より先読みコマンドを受信し、先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりであれば、大当たり時連続予告判定テーブル222b1を選択し、大当たり抽選の予測結果が前後外れであれば、外れ時連続予告判定テーブル222b2を選択する(図54のS1033〜S1036参照)。これにより、連続予告演出終了後の遊技状態(「大当たり」であるか、「外れ」であるか)に応じて、連続予告決定確率を変更できる。
大当たり時連続予告判定テーブル222b1および外れ時連続予告判定テーブル222b2は、いずれも、先読みコマンドの先読み保留回数(先読みされた変動演出の保留回数)が取り得る各値「1」〜「4」だけでなく、更に、連続予告回数に対応付けて、連続予告演出の開始を決定する連続予告抽選カウンタ223cの範囲(以下、「連続予告決定範囲」と称する。)をそれぞれ規定している。
例えば、図50に示した例では、大当たり時連続予告判定テーブル222b1は、先読み保留回数「1」に対し、連続予告回数「1」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜7」を規定する。また、先読み保留回数「2」に対し、連続予告回数「1」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜7」を規定し、連続予告回数「2」に対応付けて、連続予告決定範囲として「8〜15」を規定する。また、先読み保留回数「3」に対し、連続予告回数「1」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜12」を規定し、連続予告回数「2」に対応付けて、連続予告決定範囲として「13〜25」を規定し、連続予告回数「3」に対応付けて、連続予告決定範囲として「26〜38」を規定する。また、先読み保留回数「4」に対し、連続予告回数「1」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜15」を規定し、連続予告回数「2」に対応付けて、連続予告決定範囲として「16〜31」を規定し、連続予告回数「3」に対応付けて、連続予告決定範囲として「32〜47」を規定し、連続予告回数「4」に対応付けて、連続予告決定範囲として「48〜63」を規定する。
また、外れ時連続予告判定テーブル222b2は、先読み保留回数「1」に対し、連続予告回数「1」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜3」を規定する。また、先読み保留回数「2」に対し、連続予告回数「1」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜4」を規定し、連続予告回数「2」に対応付けて、連続予告決定範囲として「5〜9」を規定する。また、先読み保留回数「3」に対し、連続予告回数「1」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜8」を規定し、連続予告回数「2」に対応付けて、連続予告決定範囲として「9〜17」を規定し、連続予告回数「3」に対応付けて、連続予告決定範囲として「18〜26」を規定する。また、先読み保留回数「4」に対し、連続予告回数「1」に対応付けて、連続予告決定範囲として「0〜9」を規定し、連続予告回数「2」に対応付けて、連続予告決定範囲として「10〜19」を規定し、連続予告回数「3」に対応付けて、連続予告決定範囲として「20〜29」を規定し、連続予告回数「4」に対応付けて、連続予告決定範囲として「30〜39」を規定する。
尚、大当たり時連続予告判定テーブル222b1及び外れ時連続予告判定テーブル222b2のいずれにおいても、先読み保留回数が「1」である場合は、先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出以前に保留されている変動演出が1つしかなく、よって、連続予告演出の実行を設定可能な変動演出が1つしかない。よって、これらの連続予告判定テーブル222b1,222b2は、連続予告回数「1」に対してのみ、連続予告決定範囲を規定している。同様に、先読み保留回数が「2」〜「4」である場合は、それぞれ、先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出以前に保留されている変動演出が2〜4つしかなく、よって、連続予告演出の実行を設定可能な変動演出が2〜4つしかない。よって、これらの連続予告判定テーブル222b1,222b2は、先読み保留回数が「2」である場合は、連続予告回数「1」〜「2」に対してのみ連続予告決定範囲を規定し、先読み保留回数が「3」である場合は、連続予告回数「1」〜「3」に対してのみ連続予告決定範囲を規定し、先読み保留回数が「4」である場合は、連続予告回数「1」〜「4」の全てに対して連続予告決定範囲を規定している。
尚、本実施形態で規定する連続予告回数は、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドを生成するために先読みされた変動演出を含めて、連続予告演出が行われる変動演出の数である。ここで、本実施形態では、変動演出中に「クラゲ」画像を表示することで連続予告演出を行うので、本実施形態で決定された連続予告回数は、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドを生成するために先読みされた変動演出を含めて、実際に「クラゲ」画像が変動演出中に表示される変動演出の数となる。
一方、変動演出の終了時、即ち、第3図柄の停止表示直後に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることで連続予告演出を行うように構成した場合、連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出を除いて、該変動変出に対応する始動入賞時点で保留されていた複数の変動演出にわたって、その変動演出終了時に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させるように構成する必要がある。よって、この場合、連続予告回数は、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドを生成するために先読みされた変動演出を除いて、該変動演出までに連続予告演出が行われる変動演出の数を規定すればよい。このように規定することによって、第3図柄の停止表示直後に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることで連続予告演出を行うように構成した場合の連続予告回数も、実際に「クラゲ」画像が変動演出中に表示される変動演出の数となる。
よって、この場合の連続予告判定テーブルでは、先読み保留回数が「1」の場合、連続予告演出に係る「クラゲ」画像を表示できる変動演出が存在しないので、先読み保留回数が「1」の場合の連続予告決定範囲を規定する必要はない。つまり、先読み保留回数が「1」の場合は、連続予告演出の実行を決定しないように連続予告判定テーブルを構成してもよい。また、先読み保留回数が「2」〜「4」である場合は、それぞれ、先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出より前に保留されている変動演出が1〜3つしかなく、よって、連続予告演出の実行を設定可能な変動演出が1〜3つしかないので、この場合の連続予告判定テーブルは、先読み保留回数が「2」である場合は、連続予告回数「1」に対してのみ連続予告決定範囲を規定し、先読み保留回数が「3」である場合は、連続予告回数「1」〜「2」に対してのみ連続予告決定範囲を規定し、先読み保留回数が「4」である場合は、連続予告回数「1」〜「3」に対して連続予告決定範囲を規定するように構成すればよい。
音声ランプ制御装置113は、連続予告決定確率を設定するためのテーブルとして大当たり時連続予告判定テーブル222b1および外れ時連続予告判定テーブル222b2のいずれかを選択すると、その選択した連続予告判定テーブルから、先読みコマンドに含まれる先読み保留回数の値に対し、各連続予告回数に対応付けられた連続予告決定範囲を特定する。そして、その時点における連続予告抽選カウンタ223cの値が、いずれかの連続予告回数に対応付けられた連続予告決定範囲に含まれる場合に、連続予告演出の実行を決定し、更に、その連続予告抽選カウンタ223cの値が含まれる連続予告決定範囲が対応付けられた連続予告回数を、選択した連続予告判定テーブルから特定し、決定する。
例えば、先読みコマンドによって示される先読み保留回数が「4」であり、大当たり抽選の予測結果が「15R確変大当たり」であった場合、音声ランプ制御装置113は、連続予告判定テーブルとして大当たり時連続予告判定テーブル222b1を選択する。そして、先読み保留回数「4」に対して、各連続予告回数「1」〜「4」に対応付けられた連続予告決定範囲としてそれぞれ「0〜15」、「16〜31」、「32〜47」、「48〜63」を特定する。
ここで、連続予告抽選カウンタ223cの値が「20」であれば、連続予告回数「2」に対応付けられた連続予告決定範囲「16〜31」に含まれるので、連続予告演出の実行を決定し、その連続予告回数を「2」に決定する。また、連続予告抽選カウンタ223cの値が「60」であれば、連続予告回数「4」に対応付けられた連続予告決定範囲「48〜63」に含まれるので、連続予告演出の実行を決定し、その連続予告回数を「4」に決定する。一方、連続予告抽選カウンタ223cの値が「65」であれば、いずれの連続予告回数に対応付けられた連続予告決定範囲にも含まれないので、連続予告演出を実行しない決定を行う。
このように、本実施形態では、先読みコマンドによって通知された大当たり抽選の予測結果から連続予告演出の実行を決定した場合に、先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出以前に保留されていた全ての変動演出にわたって連続予告演出を行うのではなく、保留されていた変動演出のうち連続予告演出が行われる変動演出の数をその時の連続予告抽選カウンタ223cの値に基づいて決定している。そして、詳細については後述するように、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出を含め、その決定した数の変動演出に対して連続予告演出の実行が設定されるように構成されている。
第1実施形態においても上述したように、従来のパチンコ機では、次のような問題点を有している。例えば、変動演出中に新たな始動入賞(第1入球口64への入球)が発生し、その始動入賞に伴う変動演出が保留された場合を想定する。この始動入賞に対して先読み処理を行い、連続予告演出を実行するか否かの決定を行った結果、連続予告演出を行わない決定をし、次の変動演出において連続予告演出は行わなかった場合、更に次の変動演出において単発予告演出を行ったとしても、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像が表示されなければ、その後に新たな始動入賞が検出されていない限り、その後の変動演出で表示される単発予告演出の画像が連続予告演出として表示された画像であるはずがない、と容易に遊技者に推測させてしまうおそれがある。よって、遊技者が抱く単発予告演出に対する期待感を低下させてしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定し、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出を含め、その決定した数の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定するので、始動入賞の検出に伴って連続予告演出の実行を決定しても、その始動入賞直後の変動演出から連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されない場合も生じ得る。よって、始動入賞直後の変動演出から連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されず、その後の変動演出において「クラゲ」画像が表示された場合であっても、それが単発予告演出に係る画像ではなく、連続予告演出に係る画像であることを遊技者は期待することができるので、単発予告演出に対する期待感がより増し、遊技者の興趣を更に高めることができる。
さて、図50の例における大当たり時連続予告判定テーブル222b1および外れ時連続予告判定テーブル222b2は、第1実施形態と同様に、いずれも、先読み保留回数の値が大きくなるほど、連続予告決定範囲が広くなるように規定されているが、連続予告決定範囲が広ければ、連続予告演出を行うとの決定がされ易くなり、連続予告決定確率が高くなるので、大当たり時連続予告判定テーブル222b1および外れ時連続予告判定テーブル222b2は、ともに、主制御装置110における変動表示の保留回数が多いほど、連続予告決定確率が高くなるように規定されている、ということができる。
ここで、連続予告演出は、連続予告演出が決定されたときに保留されている複数の変動演出にわたって行われるものであるので、保留回数が大きいほど連続予告決定確率を高く設定することにより、一の連続予告演出に含まれる変動演出の数が多くなる可能性が高くなる。これにより、遊技者は、連続する多くの変動演出にわたって連続予告演出が行われるほど、通常の演出とは異なる演出が行われたことを認識することができるので、遊技者に対して、特別な期待感を持たせることができる。また、変動表示の保留回数は、一般的に小さい値をとることが多いため、保留回数が小さい場合には、頻繁に連続予告演出が行われないように抑制することができる一方、保留回数が大きくなった場合に、連続予告演出が行われやすくすることができる。
尚、本第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、先読み保留回数が1の場合にも連続予告演出の実行が決定されるように、連続予告決定確率が規定されている。ここで、先読み保留回数が1の場合、そのまま連続予告演出の実行を決定すると、連続予告演出の実行が設定される変動演出が、その先読みコマンドを生成するために先読み処理が行われた変動演出のみとなるので、連続予告演出の画像である「クラゲ」画像が1回の変動演出に対してしか第3図柄表示装置81に表示されないことになる。よって、この場合は1回の「クラゲ」画像の表示を経て「15R大当たり」となる場合があり、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感を希薄化させてしまうおそれがある。
一方、本第2実施形態においても単発予告演出も行われるように構成されており、単発予告実行フラグ223fがオンである場合、その時に実行が開始され若しくは実行中の変動演出、又は、最後に実行された変動演出において、単発予告演出の実行が設定されていることを意味する。そこで、本第2実施形態においても、先読み保留回数が1回の場合に連続予告演出の実行が決定され、且つ、そのときの単発予告実行フラグ223fがオンである場合に、先読み処理が行われた変動演出に対して連続予告演出の実行を設定する。これにより、2つの連続する変動演出のうち、先の変動演出にて単発予告演出における「クラゲ」画像を表示させ、後の変動演出にて連続予告演出における「クラゲ」画像を表示させることができる。よって、遊技者に対して、連続した2つの変動演出にわたって連続予告演出が行われたようにみせることができ、遊技者に15R確変大当たりとなる期待感を持たせることができる。
一方、読み保留回数が1回の場合に連続予告演出の実行が決定されても、そのときの単発予告実行フラグ223fがオフである場合は、本実施形態では、先読み処理が行われた変動演出に対して、連続予告演出が1回の変動演出に対してしか第3図柄表示装置81に表示されない事態を抑制するように構成している。よって、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感が希薄化することを抑制することができる。
また、図50の例における大当たり時連続予告判定テーブル222b1と外れ時連続予告判定テーブル222b2とを比較した場合、第1実施形態と同様に、同一の先読み保留回数の値に対応付けられた連続予告決定範囲は、大当たり時連続予告判定テーブル222b1のほうが外れ時連続予告判定テーブル222b2よりも同一または広くなるように規定されている。即ち、連続予告演出終了後の遊技状態が「大当たり」となる場合における連続予告決定確率は、連続予告演出終了後の遊技状態が「外れ」となる場合における連続予告決定確率と同一か、それよりも高くなるように設定される。
これにより、第3図柄表示装置81において連続予告演出が表示された場合に、連続予告演出終了後に遊技状態が「大当たり」となる可能性が高いことを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者に対して、高い期待感を持たせることができる。また、通常、連続予告演出終了後の遊技状態(即ち、第1入球口64への球の入賞時に行われる判定の結果)が、「大当たり」となる確率は、「外れ」となる確率よりも小さく設定されているので、連続予告演出終了後の遊技状態が「外れ」の場合には、頻繁に連続予告演出が行われないように抑制することができる一方、「大当たり」の場合には、連続予告演出が行われやすくすることができる。
このように、主制御装置110では、第1入球口64へ球が入賞されたときに行われる先読みによる大当たり抽選の予測結果が大当たりだけでなく、前後外れの場合も、前後外れの場合にも、連続予告演出の実行を決定することができる。即ち、連続予告演出の実行を多種多様な条件で行わせることができる。これにより、連続予告演出が行われた場合に、遊技者に対して、様々な期待感を持たせることができる。また、抽選の結果として外れとなる場合であっても連続予告演出が行われることで、遊技者が退屈するのを防止することができる。
尚、本実施形態では、それぞれの先読み保留回数の中で各連続予告回数の連続予告決定確率が同一となるように、連続予告決定範囲が規定されている。これにより、それぞれの連続予告回数が均等に設定されるので、連続予告回数が小さい連続予告演出から連続予告回数が大きい連続予告演出まで均等に第3図柄表示装置81に表示させることができる。一方で、それぞれの先読み保留回数の中で各連続予告回数の連続予告決定確率が異なるように、連続予告決定範囲を規定してもよい。例えば、連続予告回数が大きいほど連続予告決定確率が大きくなるように、連続予告決定範囲を規定してもよい。連続予告回数が大きいほど連続予告決定確率が大きくなるようにした場合、連続予告回数の大きい連続予告演出が連続予告回数の小さい連続予告演出よりも多く第3図柄表示装置81に表示させることができるので、連続予告演出がより多くの変動演出にわたって表示される場合が多くなる。よって、各変動演出において連続予告演出が表示される毎に遊技者が抱く15R確変大当たりとなる期待感を、より長く続けさせることができるので、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、本実施形態では、大当たり時連続予告判定テーブル222b1及び外れ時連続予告判定テーブル222bにおいて、連続予告回数「1」に対応付けて連続予告決定範囲を規定することで、連続予告回数として1回が決定される場合もあるように構成されているが、連続予告回数が1回であれば、連続予告演出の画像である「クラゲ」画像が1回の変動演出に対してしか第3図柄表示装置81に表示されないことになる。よって、この場合は1回の「クラゲ」画像の表示を経て「15R大当たり」となる場合があり、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感を希薄化させてしまうおそれもある。そこで、大当たり時連続予告判定テーブル222b1及び外れ時連続予告判定テーブル222bにおいて、連続予告回数「1」に連続予告決定範囲を対応付けず、連続予告回数として1回が決定されないようにしてもよい。
また、本実施形態では、上述したように、先読み保留回数が1回である場合、単発予告実行フラグ223fがオンであるときに限り、連続予告回数が1回の連続予告演出の実行を決定するように構成されており、これにより、連続した2つの変動演出にわたって連続予告演出が行われたようにみせることができるようになっている。そこで、大当たり時連続予告判定テーブル222b1及び外れ時連続予告判定テーブル222bでは、先読み保留回数が2以上に対して、連続予告回数「1」に連続予告決定範囲を対応付けず、連続予告回数として1回が決定されないようにしてもよい。
これにより、連続予告演出を行う場合は、少なくとも2回連続して「クラゲ」画像が表示されるようになるので、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感を持ち続けさせることができる。
先読み情報格納エリア223gは、第1実施形態における先読み情報格納エリア223bと同様に、始動入賞に伴って取得されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みすることで主制御装置110により予測され、且つ、主制御装置110が送信した先読みコマンドによって示される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を示す情報を格納するエリアである。一方、先読み情報格納エリア223gは、更に、保留中の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定するか否かを判定するための情報である連続判定情報と、連続予告演出の実行を回避すべきか否かを示す情報とを格納する点で、第1実施形態における先読み情報格納エリア223bと相違する。
ここで、図51を参照して、先読み情報格納エリア223gの詳細について説明する。図51は、先読み情報格納エリア223gの構成を模式的に示す模式図である。先読み情報格納エリア223gが第1実施形態における先読み情報格納エリア223bと相違する点は、先読み情報第0〜第4エリアに、それぞれ、連続判定情報格納エリアと連続回避フラグとが更に設けられている点である。先読み情報格納エリア223gにおけるその他の構成および機能については、第1実施形態における先読み情報格納エリア223bと同一であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
尚、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合、各先読み情報第1〜第4エリアの連続判定情報格納エリアに格納された情報および連続予告回避フラグの値は、大当たり抽選予測結果格納エリアに格納された情報、変動パターン判定予測結果格納エリアに格納された情報および先読み情報有効フラグの値とあわせて、それぞれ、エリア番号の1小さい先読み情報第0〜第3エリアの連続判定情報格納エリア、連続回避フラグ、大当たり抽選予測結果格納エリア、変動パターン判定予測結果格納エリアおよび先読み情報有効フラグへ格納することで、シフト処理が行われる。
連続判定情報格納エリアは、保留中の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定するか否かを判定するための情報である連続判定情報を格納するエリアである。この連続判定情報は、具体的には、対応の変動演出が連続予告演出を行う場合に、該変動演出を含めて残り何回分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定するかを示す情報によって構成される。また、連続予告判定情報は、対応の変動演出が連続予告演出を行わないことを示す情報として「0」を含む。
例えば、先読み情報第1エリアの連続判定情報格納エリアに連続判定情報として「3」が格納されていた場合、その連続判定情報「3」は、保留回数が1回の変動演出(次に実行される変動演出)を含めて、残り3回分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定することを示している。また、先読み情報第4エリアの連続判定情報格納エリアに連続判定情報として「0」が格納された場合は、保留回数が4回の変動演出(3つの変動演出を経て実行される変動演出)において連続予告演出を行わないことを示す。
尚、上述したように、先読み情報第1〜第4エリアの中で、先読み情報第1エリアに対応する変動演出が最も先に実行され、その後、先読み情報第2エリア、先読み情報第3エリア、先読み情報第4エリアの順に、対応する変動演出が実行されることになる。従って、先読み情報第1エリアの連続判定情報格納エリアに連続判定情報として「3」が格納される場合は、その連続判定情報「3」が、保留回数が1回の変動演出を含めて残り3回分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定することを示していることを鑑みれば、先読み情報第2エリアの連続判定情報格納エリアに連続判定情報として「2」が格納され、先読み情報第3エリアの連続判定情報格納エリアに連続判定情報として「1」が格納されていることになる。
即ち、先読み情報第2エリアの連続判定情報格納エリアに格納された連続判定情報「2」は、保留回数が2回の変動演出(1つの変動演出を経て実行される変動演出)を含めて残り2回分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定することを示す。一方、先読み情報第3エリアの連続判定情報格納エリアに格納された連続判定情報「1」は、保留回数が3回の変動演出(2つの変動演出を経て実行される変動演出)を含めて残り1回分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定すること、即ち、この保留回数が3回の変動演出が、連続予告演出の実行される最後の変動演出であることを示す。つまり、先読み情報第1〜第4エリアのうち、連続予告連続判定情報格納エリアに連続判定情報「1」が格納されたエリアが、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドに含まれる情報を格納するエリアであることを意味することになる。
連続回避フラグは、その連続回避フラグが含まれる各先読み情報第0〜第4エリア毎に、それぞれのエリアに対応する変動演出に対し、連続予告演出の実行を回避するか否かを示すフラグである。この連続回避フラグがオンである場合、そのオン状態の連続回避フラグが含まれる先読み情報第0〜第4エリアに対応する変動演出に対して、連続判定情報格納エリアに格納された情報に関わらず、連続予告演出の実行が回避される。一方、連続回避フラグがオフである場合、そのオフ状態の連続回避フラグが含まれる先読み情報第0〜第4エリアの連続判定情報格納エリアに格納された連続判定情報が1以上の値であれば、その先読み情報第0〜第4エリアに対応する変動演出に対し、連続予告演出の実行の設定が行われる。
ここで、図52を参照して、連続判定情報格納エリアおよび連続回避フラグの詳細について説明する。図52は、連続判定情報格納エリアに設定される連続判定情報と、連続回避フラグについて説明するための説明図である。図52(a)〜(g)には、遊技の進行に合わせて、先読み情報第0〜第4エリアの各連続判定情報格納エリアに格納される連続判定情報の内容と、連続予告回避フラグの設定状況と、連続判定情報の内容および連続回避フラグの設定状況に基づいて行われる連続予告演出の実行の状況とについて、それぞれ示している。図52(a)〜(g)のそれぞれに示される連続判定情報格納エリアの内容は、一番左側に先読み情報第4エリアの連続判定情報格納エリアの内容が示され、以下、右側へ順に先読み情報第3エリア、先読み情報第2エリア、先読み情報第1エリアのそれぞれの連続判定情報格納エリアの内容が示されている。そして、一番右側に先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの内容が示されている。
まず、図52(a)は、電源投入後に実行されるRAM223の初期設定処理(図28のS810)が行われた直後の初期状態における、各先読み情報第0〜第4エリアの連続判定情報格納エリアの内容を示している。この図52(a)に示すように、RAM223の初期設定処理(図28のS810)において、各先読み情報第0〜第4エリアの連続判定情報格納エリアには全て、そのエリアに対応する変動演出において連続予告演出を行わないことを示す情報である「0」が格納される。RAM223の初期設定処理が行われた初期状態では、主制御装置110より先読みコマンドを受信する前の状態であるので、連続予告演出の実行の決定も行っていない状態である。よって、この初期状態において全ての先読み情報第0〜第4エリアの連続判定情報格納エリアに「0」を格納することによって、連続予告演出の実行の決定が行われていない状態を示すことができる。
尚、各先読み情報第0〜第4エリアの連続回避フラグは、電源投入後に実行されるRAM223の初期設定処理(図28のS810)によって、全てオフに設定される。即ち、図52(a)に示す初期状態において、全ての先読み情報第0〜第4エリアの連続回避フラグはオフ状態とされる。これにより、その後の処理で連続予告演出の実行が決定された場合に、いきなり連続予告演出の実行が回避されることを防止することができる。
次いで、図52(b)は、図52(a)に示す初期状態から音声ランプ制御装置113が主制御装置110から幾つかの先読みコマンドの受信を受信した後、先読み保留回数が3である先読みコマンドを受信し、その先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果から図50の連続予告判定テーブルに基づいて2回の変動演出にわたる連続予告演出の実行を決定した場合の、各先読み情報第0〜第4エリアにおける連続判定情報格納エリアの内容を示している。
ここで、先読み保留回数がXである先読みコマンドの内容からY回の変動演出にわたる連続予告演出の実行を決定した場合、各先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれの連続判定情報格納エリアには、次の手順で連続判定情報を格納する。なお、先読み情報第0エリアは、実行が開始される直前、実行中、または実行直後の変動演出に対する情報が格納されるエリアであり、先読みコマンドの受信に基づいて連続予告演出の実行が決定されたときに、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアに対して連続判定情報が新たに格納されることはない。これは、連続予告演出の実行は、保留中の変動演出に対して設定されるものであるからである。
連続判定情報の格納の手順としては、まず第1の手順として、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドの先読み保留回数に対応する先読み情報第Xエリアの連続判定情報格納エリアに「1」を格納する。これにより、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドに対応する変動演出が、連続予告演出が設定される最後の変動演出であることを示すことができる。ここで、連続予告演出を実行する変動演出の数である連続予告回数Yが「1」であれば、この第1の手順で連続判定情報の格納を終了する。
一方、連続予告演出を実行する変動演出の数である連続予告回数Yが「2」以上であれば、更に第2の手順として、先読み情報第(X−A)エリア(1≦A<Y)の連続判定情報格納エリアに(A+1)を格納する。例えば、図52(b)に示す例では、先読み保留回数Xが3、連続予告回数Yが2であるので、先読み情報第2エリア(A=1)の連続判定情報格納エリアに「2」を格納する。一方、先読み保留回数Xが3、連続予告回数Yが3である場合は、更に、先読み情報第1エリア(A=2)の連続判定情報格納エリアに「3」が格納されることになる。
また、先読み保留回数Xが4、連続予告回数Yが4である場合は、第1の手順で先読み情報第4エリアの連続判定情報格納エリアに「1」を設定した上で、第2の手順で、先読み情報第3エリア(A=1)の連続判定情報格納エリアに「2」を格納し、先読み情報第2エリア(A=2)の連続判定情報格納エリアに「3」を格納し、先読み情報第1エリア(A=3)の連続判定情報格納エリアに「1」を格納する。
よって、この手順により、各先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれの連続判定情報格納エリアに対して、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドに対応するエリアの連続判定情報を「1」に設定しつつ、そのエリアから、より先に保留された変動演出に対応するエリアに向かって(即ち、先読み情報第1〜第4エリアにおいて、エリア番号が小さくなる方向に向かって)、順に値が1ずつ大きくなるように、連続予告演出を実行する変動演出の数(即ち、連続予告回数)分だけ、連続判定情報が設定される。これにより、各先読み情報第1〜第4エリアの連続判定情報格納エリアに対して、対応の変動演出が連続予告演出を行う場合に、該変動演出を含めて残り何回分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定するかを示す連続判定情報を格納することができる。
ただし、この手順において、先読み情報第1〜第4エリアのうち、連続判定情報を設定すべきいずれかのエリアの連続判定情報格納エリアに情報「1」が格納されていた場合は、そのエリア以前に保留された変動演出に対応するエリアの連続判定情報格納エリアに、新たな連続判定情報を格納せず、既に格納されていた情報を残しておく。いずれかのエリアの連続判定情報格納エリアに情報「1」が格納されている場合、既に、そのエリア以前に保留された変動演出に対して連続予告演出の実行が設定されている。よって、これらのエリアに対して新たな連続判定情報を格納しないようにすることによって、既に設定されていた連続予告演出が、優先して実行されるようにすることができる。
尚、変動演出の終了時、即ち、第3図柄の停止表示直後に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることで連続予告演出を行う場合は、連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出を除いて、該変動変出に対応する始動入賞時点で保留されていた複数の変動演出にわたって、その変動演出終了時に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させるため、この連続判定情報の格納の手順が上記と若干異ならせる必要がある。
先読み保留回数がXである先読みコマンドの内容からY回の変動演出にわたる連続予告演出の実行(但し、この「Y回の変動演出」には、連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出が含まれず、実際に「クラゲ」画像が表示される変動演出を指す。)を決定した場合、まず、第1の手順としては、先読み情報第(X−1)エリアの連続判定情報格納エリアに「1」を格納する。これにより、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドの先読み保留回数に対応する変動演出より、1つ前に保留された変動演出が、連続予告演出が設定される最後の変動演出であることを示すことができる。ここで、連続予告演出を実行する変動演出の数である連続予告回数Yが「1」であれば、この第1の手順で連続判定情報の格納を終了する。
一方、連続予告演出を実行する変動演出の数である連続予告回数Yが「2」以上であれば、更に第2の手順として、先読み情報第(X−1−A)エリア(1≦A<Y)の連続判定情報格納エリアに(A+1)を格納する。
例えば、先読み保留回数Xが4、連続予告回数Yが4である場合は、第1の手順で先読み情報第3エリアの連続判定情報格納エリアに「1」を設定し、第2の手順で、先読み情報第2エリア(A=1)の連続判定情報格納エリアに「2」を格納し、先読み情報第1エリア(A=2)の連続判定情報格納エリアに「3」を格納する。
よって、この手順により、各先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれの連続判定情報格納エリアに対して、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドに対応するエリアよりも1つ前の変動演出に対応するエリアの連続判定情報を「1」に設定しつつ、そのエリアから、より先に保留された変動演出に対応するエリアに向かって(即ち、先読み情報第1〜第4エリアにおいて、エリア番号が小さくなる方向に向かって)、順に値が1ずつ大きくなるように、連続予告演出を実行する変動演出の数(即ち、連続予告回数)分だけ、連続判定情報が設定される。これにより、各先読み情報第1〜第4エリアの連続判定情報格納エリアに対して、対応の変動演出が連続予告演出を行う場合に、該変動演出を含めて残り何回分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定するかを示す連続判定情報を格納することができる。
尚、この手順においても、先読み情報第1〜第4エリアのうち、連続判定情報を設定すべきいずれかのエリアの連続判定情報格納エリアに情報「1」が格納されていた場合は、そのエリア以前に保留された変動演出に対応するエリアの連続判定情報格納エリアに、新たな連続判定情報を格納せず、既に格納されていた情報を残しておく。これにより、既に設定されていた連続予告演出が、優先して実行されるようにすることができる。
なお、図52(b)の状態において、各先読み情報第1〜第4エリアの連続回避フラグは、いずれもオフに保持される。
次いで、図52(c)は、図52(b)の状態で主制御装置110より変動パターンコマンドを受信し、音声ランプ制御装置113にて変動演出が開始されるときの状態を示している。音声ランプ制御装置113は、上述したにように、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信すると、先読み情報第1〜第4エリアに格納されている各種情報を先読み情報第0〜第3エリアへシフト処理する。このとき、各先読み情報第1〜第4エリアの連続判定情報格納エリアにそれぞれ格納された連続判定情報、および、連続回避フラグの値も、それぞれ、エリア番号の1小さい先読み情報第0〜第3エリアの連続判定情報格納エリアおよび連続回避フラグへ格納することで、シフト処理が行われる。
つまり、図52(c)の例では、図52(b)の状態において先読み情報第2エリアの連続判定情報格納エリアに格納されていた連続判定情報「2」が、先読み情報第1エリアの連続判定情報格納エリアにシフトされ、図52(b)の状態において先読み情報第3エリアの連続判定情報格納エリアに格納されていた連続判定情報「1」が、先読み情報第2エリアの連続判定情報格納エリアにシフトされる。
また、シフト処理によって空き状態となった先読み情報第4エリアの連続判定情報格納エリアは、対応する変動演出に対し、連続予告演出の実行が決定されていない段階であるので、連続判定情報として「0」が格納される。また、先読み情報第4エリアの連続回避フラグはオフに設定される。
ここで、音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドを受信し、先読み情報格納エリア223gに対してシフト処理を行った後、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアを参照する。そして、その情報が「0」以外であれば、これから開始する変動演出に対し、連続予告演出の画像である「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示するよう表示制御装置114に対して連続予告コマンドを送信する。一方、連続判定情報が「0」であれば、その変動演出において、連続予告演出を行わない。この図52(c)において、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報は「0」である。よって、音声ランプ制御装置113では、これから開始される変動演出に対して連続予告演出を行わない決定がなされることになる。
図52(b)の状態で、連続予告演出の実行が決定された場合であるにも関わらず、図52(c)の段階で先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報が「0」となり、連続予告演出が行われないのは、本実施形態が、図52(b)の状態のときに、連続予告演出の実行決定と共に、実行が決定された連続予告演出を何回分の変動演出にわたって行うかまでを決定し、それに合わせて、先読み情報第1〜第4エリアの連続判定情報格納エリアに連続判定情報を格納するからである。
上述したように、従来のパチンコ機では、変動演出中に新たな始動入賞(第1入球口64への入球)が発生し、その始動入賞に伴う変動演出が保留された場合を想定する。この始動入賞に対して先読み処理を行い、連続予告演出を実行するか否かの決定を行った結果、連続予告演出を行わない決定をし、次の変動演出において連続予告演出は行わなかった場合、更に次の変動演出において単発予告演出を行ったとしても、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像が表示されなければ、その後に新たな始動入賞が検出されていない限り、その後の変動演出で表示される単発予告演出の画像が連続予告演出として表示された画像であるはずがない、と容易に遊技者に推測させてしまうおそれがある。よって、遊技者が抱く単発予告演出に対する期待感も低下させてしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定し、それに合わせて、先読み情報第1〜第4エリアの連続判定情報格納エリアに連続判定情報を格納するので、連続予告演出の実行を決定しても、その決定直後の変動演出から連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されない場合も生じ得る。よって、始動入賞直後の変動演出から連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されず、その後の変動演出において「クラゲ」画像が表示された場合であっても、それが単発予告演出に係る画像ではなく、連続予告演出に係る画像であることを遊技者は期待することができるので、単発予告演出に対する期待感がより増し、遊技者の興趣を更に高めることができる。
尚、連続予告演出の実行の設定を第1実施形態のように連続予告実行カウンタで行った場合、連続予告演出の実行を決定したときに、保留中の変動演出のうちどの変動演出に対して連続予告演出を設定するかまでは特定することができない。よって、この場合に、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定しても、その連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出を含めた連続予告回数分の変動演出に対して、連続予告演出の実行を設定することはできない。このように、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定した上で、その連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出を含めた連続予告回数分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定できるのは、本実施形態のように、先読み情報第0〜第4エリアに連続判定情報格納エリアを設けているからである。つまり、このように構成することで、保留中の変動演出に対して1つ1つに連続予告演出の実行の設定を行うことができるので、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定した上で、その連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出を含めた連続予告回数分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定できる。
次いで、図52(d)は、図52(c)の状態で主制御装置110より先読み保留回数が4である先読みコマンドを受信し、その先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果から図50の連続予告判定テーブルに基づいて3回の変動演出にわたる連続予告演出の実行を決定した場合の、各先読み情報第0〜第4エリアにおける連続判定情報格納エリアの内容を示している。
このとき、図52(b)を参照して説明した手順に従って、先読み情報第1〜第4エリアの連続判定情報格納エリアに連続判定情報を格納する。図52(d)の例では、第1の手順で先読み情報第4エリアの連続判定情報格納エリアに「1」を設定し、更に第2の手順で、先読み情報第3エリア(A=1)の連続判定情報格納エリアに「2」を格納する。ただし、図52(d)の例では、先読み情報第2エリアの連続判定情報格納エリアに情報「1」が格納されているので、そのエリア以前に保留された変動演出に対応するエリアである先読み情報第2エリアおよび先読み情報第1エリアに対しては、新たな連続判定情報を格納せず、既に格納されていた情報を残しておく。例えば、先読み情報第2エリア(A=3)の連続判定情報格納エリアに新たな連続判定情報である「3」を格納せず、既に格納されている情報「1」をそのまま残しておく。これにより、既に設定されていた連続予告演出が、優先して実行される。
次いで、図52(e)は、図52(d)の状態で主制御装置110より変動パターンコマンドを受信し、音声ランプ制御装置113にて変動演出が開始されるときの状態を示している。この図52(e)の状態では、図52(d)の状態で先読み情報第1〜第4エリアに格納されている各種情報が、先読み情報第0〜第3エリアへシフト処理されて格納される。また、シフト処理によって空き状態となった先読み情報第4エリアの連続判定情報格納エリアには連続判定情報として「0」が格納され、また、先読み情報第4エリアの連続回避フラグがオフに設定される。
そして、シフト処理が行われた後、音声ランプ制御装置113は、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアを参照する。図52(e)の例では、その情報が「2」であるので、音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドによってこれから実行が開始される変動演出に対し、連続予告演出の画像である「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示するよう表示制御装置114に対して連続予告コマンドを送信する制御を行うことになる。
次いで、図52(f)は、図52(e)の状態で主制御装置110より変動パターンコマンドを受信し、音声ランプ制御装置113にて変動演出が開始されるときの状態を示している。この図52(f)の状態では、図52(e)の状態で先読み情報第1〜第4エリアに格納されている各種情報が、先読み情報第0〜第3エリアへシフト処理されて格納される。また、シフト処理によって空き状態となった先読み情報第4エリアの連続判定情報格納エリアには連続判定情報として「0」が格納され、また、先読み情報第4エリアの連続回避フラグがオフに設定される。
そして、シフト処理が行われた後、音声ランプ制御装置113は、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアを参照する。図52(f)の例では、その情報が「1」であるので、音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドによってこれから実行が開始される変動演出に対し、連続予告演出の画像である「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示するよう表示制御装置114に対して連続予告コマンドを送信する制御を行うことになる。また、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアに格納された連続判定情報が「1」である場合、これから実行が開始される変動演出に対して設定する連続予告演出が、これまで1以上の変動演出にわたって行ってきた連続予告演出のうち最後の変動演出に対して行われる連続予告演出であることを意味する。そこで、この場合は、先読み情報第1エリアの連続回避フラグを必ずオンに設定する。ここで、連続回避フラグをオンに設定する意味については次の図52(g)を参照して説明する。
図52(g)は、図52(f)の状態で主制御装置110より変動パターンコマンドを受信し、音声ランプ制御装置113にて変動演出が開始されるときの状態を示している。この図52(g)の状態では、図52(f)の状態で先読み情報第1〜第4エリアに格納されている各種情報が、先読み情報第0〜第3エリアへシフト処理されて格納される。このうち、図52(g)の状態でオンに設定された先読み情報第1エリアの連続回避フラグの状態も、図52(f)では、先読み情報第0エリアの連続回避フラグにシフトされる。つまり、図52(f)の状態では、先読み情報第0エリアの連続回避フラグがオンに設定される。また、シフト処理によって空き状態となった先読み情報第4エリアの連続判定情報格納エリアには連続判定情報として「0」が格納され、また、先読み情報第4エリアの連続回避フラグがオフに設定される。
ここで、本来であれば、シフト処理が行われた後、音声ランプ制御装置113は先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアを参照し、その連続判定情報に応じて連続予告演出の実行の設定を行う。しかしながら、図52(f)の状態では、先読み第0エリアの連続回避フラグがオンに設定されている。このように、先読み第0エリアの連続回避フラグがオンに設定されている場合は、音声ランプ制御装置113は、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアに格納された連続判定情報の内容に関わらず(図52(g)の例では「2」であるにも関わらず)、連続予告演出の実行を回避する。
この先読み情報第0エリアの連続回避フラグに設定されたオン状態は、元々、図52(f)の状態において先読み第1エリアの連続回避フラグに設定されたものがシフトされてきたものである。ここで、図52(f)の状態は、図52(g)において開始される変動演出の一つ前に行われた変動演出が開始されるときの状態である。そして、この図52(f)では、それまで1以上の変動演出にわたって行ってきた連続予告演出のうち最後の変動演出に対して行われる連続予告演出が設定される。つまり、図52(f)のように、それまで1以上の変動演出にわたって行ってきた連続予告演出のうち最後の変動演出に対して行われる連続予告演出が設定された場合に、先読み第1エリアの連続回避フラグを必ずオンに設定することによって、次の変動演出では、必ず連続予告演出の実行を回避させることができる。これにより、連続予告演出が連続して実行されることを容易に抑制することができる。
また、本実施形態では、先読み第0エリアの連続回避フラグがオンに設定されている場合は、単発予告演出の実行も回避するように構成されており、一連の連続予告演出が終了後、それに続いて単発予告演出が行われることも抑制している。
ここで、従来のパチンコ機では、第1実施形態においても上述したように、連続予告演出の実行を設定する場合、連続予告実行カウンタに連続予告演出を行う変動演出の回数をそのまま設定し、変動演出の実行時に連続予告実行カウンタが0より大きければ、その変動演出において連続予告演出を行いつつ、連続予告実行カウンタの値を1減算することで、最初に設定した回数分の変動演出にわたって連続予告演出を実行するように構成されている。このように構成した場合、1の連続予告演出が終了した後、再び連続予告演出が開始されるおそれ、即ち、連続予告演出が連続して発生してしまうおそれが生じる。
これにより、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出がスペシャルリーチでの前後外れとなり、続く2回目の連続予告演出における最後の変動演出がノーマルリーチでの前後外れとなれば、遊技者は以下の思いを抱くことになる。即ち、1回目の連続予告演出が複数の変動演出にわたって表示された後、スペシャルリーチが第3図柄表示装置81に現出されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感を持って遊技を継続する。そして、そのスペシャルリーチの結果として前後外れとなると、遊技者は一旦がっかりするが、引き続き2回目の連続予告演出が表示されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感をより強く抱くことになる。しかし、その結果としてノーマルリーチでの前後外れとなると、先に表示されたスペシャルリーチでの前後外れよりも格下げとなった感を強く遊技者に与えてしまうおそれがある。
また、従来のパチンコ機では、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出が前後外れとなった後、続く変動演出において単発予告演出が行われるおそれも生じる。この場合、1回目の連続予告演出の結果として前後外れとなり一旦がっかりした遊技者は、単発予告演出の表示を見ることで、連続予告演出が継続しているとの思い込みを持って遊技を継続するおそれがあるが、その後に連続予告演出用の画像が表示されないので、遊技者の思いを結果的に裏切ることになるおそれがある。このように、上記のように構成することで、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感を結果的に低下させてしまうおそれがある。
更に、従来のパチンコ機では、上述したように、例えば、変動演出中に新たな始動入賞(第1入球口64への入球)が発生し、その始動入賞に伴う変動演出が保留された場合を想定する。この始動入賞に対して先読み処理を行い、連続予告演出を実行するか否かの決定を行った結果、連続予告演出を行わない決定をし、次の変動演出において連続予告演出は行わなかった場合、更に次の変動演出において単発予告演出を行ったとしても、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像が表示されなければ、その後に新たな始動入賞が検出されていない限り、その後の変動演出で表示される単発予告演出の画像が連続予告演出として表示された画像であるはずがない、と容易に遊技者に推測させてしまうおそれがある。よって、遊技者が抱く単発予告演出に対する期待感も低下させてしまうおそれがある。
これに対し、本第2実施形態のように構成することによって、連続予告演出が終了した後、必ず1回の変動演出において、連続予告演出や単発予告演出の実行が設定されることを回避できるので、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることによって生じる、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感の低下を容易に抑制することができる。
また、連続予告演出終了後、必ず1回の変動演出において「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させない、とのルールに従って、連続予告演出や単発予告演出の設定を行うことにより、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像、即ち「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されなくても、その次の変動演出において「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81にされれば、それが連続予告演出として表示された「クラゲ」画像であることへの期待感を遊技者に持たせることができる。
このように、本実施形態のように連続予告実行カウンタ223eを構成することによって、遊技者は連続予告演出を楽しみながら遊技を継続することができる。
尚、本実施形態では、先読み情報格納エリア223gの先読み情報第0〜第4エリアにそれぞれ連続回避フラグ格納エリアを設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られる物ではなく、連続回避フラグをRAM223に設けてもよい。この場合、変動演出が開始されるときに、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアに格納された連続判定情報が「1」であれば(例えば、図52(f))、RAM223に設けた連続回避フラグをオンに設定するようにすればよい。また、変動演出が開始されるときに、RAM223に設けた連続回避フラグを参照し、それがオンであれば、連続予告演出や単発予告演出が行われないように制御すると共に、その連続回避フラグをオフに設定するようにすればよい。これにより、連続予告演出が終了した後、必ず1回の変動演出において、連続予告演出や単発予告演出の実行が設定されることを回避できるので、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることによって生じる、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感の低下を容易に抑制することができる。
さて、本第2実施形態では、変動パターンコマンドを受信した場合や、停止種別コマンドを受信した場合に行われるコマンドの破壊判別において、変動パターンコマンドや停止種別コマンド或いは先読みコマンドが破壊されていると判別されていると判別された場合は、第1実施形態と同様に、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアに格納された連続判定情報に関わらず、連続予告演出の設定を行わずに、その変動パターンコマンドや停止種別コマンドで示される変動演出で「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されないように構成されている(図53のS1009:No,図55のS1110:Yesを参照)。
ここで、変動パターンコマンドや停止種別コマンド或いは先読みコマンドが破壊されていると判別されて上述の特殊変動演出が行われる場合に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させると、通常は表示されない特殊変動演出に「クラゲ」画像が表示されるという稀な演出になることもあって、その特殊変動演出の終了後に付与される遊技状態がどのようなものになるかが不明であるにも関わらず、遊技者に対して大当たりとなるという過度な期待感を与えてしまうおそれがある。そして、その結果として外れとなった場合に、遊技者を落胆させてしまい、遊技への興趣を低下させてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、このような場合には「クラゲ」画像の表示が行われないように構成されているので、遊技者に対して大当たりになる期待感を与えることなく、遊技への興趣の低下を抑制することができる。
また、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、第1実施形態と同様に、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除する。ただし、本実施形態では、先読み情報第0エリア〜第4エリアの全ての連続判定情報格納エリアに「0」を格納することによって、連続予告演出の設定を解除する(図53のS1025参照)。上述したように、連続予告演出の実行の決定は、先読みコマンドを受信したときに、その受信した先読みコマンドにより通知される大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たりであるか、前後外れであった場合に、所定の割合で行われる。これにより、連続予告演出が行われると、遊技者に対して、その連続予告演出終了後に最も遊技価値の高い15R確変大当たりとなることを期待させることができる。また、連続予告演出終了後に外れとなる場合であっても、その外れにおける変動パターンは、変動変出が終了するまで遊技者に大当たりとなるか否かを最も期待させ続けることができる前後外れリーチとなる。よって、連続予告演出によって遊技者が抱く期待感を、連続予告演出が設定された最後の変動演出が停止表示されるまで増大させ続けることができる。
しかしながら、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、先に送信された先読みコマンドによって通知される予測結果が誤っている可能性が高いので、その誤った先読みコマンドに基づいて設定された連続予告演出が最後まで行われると、その最後の変動演出において、その大当たり種別が「15R確変大当たり」とならなかったり、外れであっても「前後外れリーチ」とならなかったりするおそれが生じる。これにより、遊技者は連続予告演出が行われたことによって抱く期待感とは大きくことなる結果となって、遊技者が持っていた興趣の低下を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除することによって、連続予告演出の終了後に遊技者が期待していたのとは異なる結果が生じることを抑制することができる。
次いで、図53〜図55を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221によって実行される、コマンド判定処理(S913)、連続予告判定処理(S1020)及び変動表示処理(S912)の各処理について説明する。尚、このMPU221によって実行されるその他の処理、即ち、立ち上げ処理(図28参照)、メイン処理(図29参照)、振動センサ入力監視処理(図30)は、第1実施形態の各々の処理と同一であるので、ここでは図示および説明を省略する。
まず、図53は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221によって実行されるコマンド判定処理(S913)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S913)は、第1実施形態と同様に、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、主制御装置110から受信したコマンドを判定するものである。
このコマンド判定処理のうち、S1001〜S1023およびS1024の各処理は、それぞれ第1実施形態におけるS1001〜S1023およびS1024の各処理と同一の処理が実行される。
一方、S1021の処理によって、予測状態変更コマンドを受信したと判別された場合(S1021:Yes)、第1実施形態と同様に、先読み情報格納エリア223bに設けられた全ての先読み情報第0エリア〜第4エリアの先読み情報有効フラグをオフに設定した後(S1022)、本第2実施形態では、第1実施形態におけるS1023の処理に代えてS1025の処理を実行し、その後、メイン処理に戻る。
S1025の処理では、先読み情報第0〜第4エリアの全ての連続判定情報格納エリアに連続判定情報として「0」を格納する。これにより、予測状態変更コマンドを受信した場合は、保留中の変動演出に対してそれまでに設定されていた連続予告演出の実行の設定を全て解除することができる。
予測状態変更コマンドを受信した場合、先に送信された先読みコマンドによって通知される予測結果が誤っている可能性が高いので、その誤った先読みコマンドに基づいて設定された連続予告演出が最後まで行われると、その最後の変動演出において、その大当たり種別が、連続予告演出後に生じるはずの「15R確変大当たり」とならなかったり、外れであっても「前後外れリーチ」とならなかったりするおそれが生じる。これにより、遊技者は連続予告演出が行われたことによって抱く期待感とは大きくことなる結果となって、遊技者が持っていた興趣の低下を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で設定されている連続予告演出実行の設定を解除することによって、連続予告演出の終了後に遊技者が期待していたのとは異なる結果が生じることを抑制することができるのである。
尚、コマンド判定処理では、コマンドが破壊されていると判別されたときに(S1005:YesやS1009:No)、S1013の処理をスキップして、連続予告コマンドの設定を行わないように構成されているが、第1実施形態と同様に、それに加えて、現在設定されている連続予告演出の実行をすべてクリアするようにしてもよい。例えば、コマンドが破壊されたと判別された状態で実行されるS1007の処理の前後で、連続予告実行カウンタ223eの値を0に設定する処理を行うようにしてもよい。
コマンドの破壊が判別された変動演出に対してのみ連続予告コマンドの設定を行わないようにすると、連続予告演出の途中で一時的に「クラゲ」画像が表示されなくなる事態が生じ、連続予告演出が複数の変動演出にわたって行われる演出であることを理解している遊技者に対し、大当たり抽選が正しく行われているのかといった疑義を抱かせるおそれがある。そこで、コマンドが破壊されていると判別されたときに現在設定されている連続予告演出の実行をすべてクリアすれば、連続予告演出の途中で一時的に「クラゲ」画像が表示されなくなることを抑制することができるので、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
次いで、図54を参照して、第2実施形態における連続予告判定処理の詳細について説明する。図54は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221によって実行される連続予告判定処理(S1020)を示すフローチャートである。この連続予告判定処理(S1020)は、コマンド判定処理(図53)において、先読みコマンドを受信したと判別した場合に(S1018:Yes)実行される処理であり、先読みコマンドにより示される先読み保留回数と、先読み処理により予測された大当たり抽選の予測結果とから、その先読み処理の行われた各カウンタC1〜C3,CS1の取得契機となった始動入賞よりも前または以前の始動入賞に対する変動演出にわたって、連続して予告演出画像を表示させる連続予告演出を行うか否かを決定する。また、第2実施形態における連続予告判定処理では、連続予告演出の実行を決定した場合に、その連続予告演出を行う変動演出の数である連続予告回数を決定する。
この連続予告判定処理のうち、S1032〜S1037およびS1039〜S1041の各処理は、第1実施形態におけるS1032〜S1037およびS1039〜S1041の各処理と同一の処理が実行される。
一方、この連続予告判定処理では、この処理が開始されると、第1実施形態における連続予告判定処理で行われたS1031の処理を行わずに、先ず、S1032の処理を実行する。また、S1037の処理の後、第1実施形態におけるS1038の処理に代えて、S1051の処理を実行する。
S1051の処理では、S1033〜S1036の処理によって選択された連続予告判定テーブル(図50に示す大当たり時連続予告判定テーブル222b1または外れ時連続予告判定テーブル222b2)から、S1037の処理で抽出した先読み保留回数(即ち、受信した先読みコマンドに含まれる先読み保留回数)の値に対し、各連続予告回数に対応付けられた連続予告決定範囲を特定する。そして、その時点における連続予告抽選カウンタ223cの値が、いずれかの連続予告回数に対応付けられた連続予告決定範囲に含まれる場合に、連続予告演出の実行を決定し、更に、その連続予告抽選カウンタ223cの値が含まれる連続予告決定範囲が対応付けられた連続予告回数を、選択した連続予告判定テーブルから特定し、決定する。そして、S1039の処理へ移行する。
その後、S1039の処理では、そのS1051に処理の結果に基づき、連続予告演出の実行が決定されたか否かを判別し(S1039)、連続予告演出を実行しないと決定された場合は(S1039:No)、その後の処理をスキップしてコマンド判定処理に戻る。一方、S1039の処理の結果、連続予告演出の実行が決定された場合は(S1039:Yes)、次いで、S1037の処理で抽出した先読み保留回数が1であるか否かを判別する(S1040)。その結果、先読み保留回数が1でない、即ち、2以上であれば(S1040:No)、S1052の処理へ以降する。また、S1040の処理の結果、先読み保留回数が1であれば(S1040:Yes)、更に単発予告実行フラグ223fがオンであるか否かを判別し(S1041)、単発予告実行フラグ223fがオンであれば(S1041:Yes)、S1052の処理へ移行し、単発予告実行フラグ223fがオフであれば(S1041:No)、その後の処理をスキップしてコマンド判定処理に戻る。
S1052の処理は、第1実施形態におけるS1042の処理に代えて実行するもので、S1037の処理によって抽出された先読み保留回数と、S1051の処理によって決定された連続予告回数とに応じて、図52を参照して説明した手順によって、各変動演出に対応する先読み情報エリアの連続判定情報格納エリアに連続判定情報として「1」〜「4」の情報を格納する。そして、S1052の処理が終了した後、コマンド判定処理に戻る。
これにより、変動演出中に「クラゲ」画像を表示させることによって連続予告演出を行う場合は、各先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれの連続判定情報格納エリアに対して、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドに対応するエリアの連続判定情報を「1」に設定しつつ、そのエリアから、より先に保留された変動演出に対応するエリアに向かって(即ち、先読み情報第1〜第4エリアにおいて、エリア番号が小さくなる方向に向かって)、順に値が1ずつ大きくなるように、連続予告演出を実行する変動演出の数(即ち、連続予告回数)分だけ、連続判定情報が設定される。
また、変動演出の終了時、即ち、第3図柄の停止表示直後に「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることで連続予告演出を行う場合は、各先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれの連続判定情報格納エリアに対して、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドに対応するエリアよりも1つ前の変動演出に対応するエリアの連続判定情報を「1」に設定しつつ、そのエリアから、より先に保留された変動演出に対応するエリアに向かって(即ち、先読み情報第1〜第4エリアにおいて、エリア番号が小さくなる方向に向かって)、順に値が1ずつ大きくなるように、連続予告演出を実行する変動演出の数(即ち、連続予告回数)分だけ、連続判定情報が設定される。
これにより、各先読み情報第1〜第4エリアの連続判定情報格納エリアに対して、対応の変動演出が連続予告演出を行う場合に、該変動演出を含めて残り何回分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定するかを示す連続判定情報を格納することができる。
このように、本パチンコ機10では、主制御装置110において、始動入賞時に取得された各カウンタC1〜C3,CS1に基づき、変動演出の実行開始となるタイミングに先だって先読み処理を実行し、大当たり抽選および変動パターンの判定結果を予測する。そして、先読みコマンドによってこれらの予測結果を音声ランプ制御装置113へ通知し、音声ランプ制御装置113は、その先読みコマンドに含まれる先読み保留回数から先に保留された変動演出の数を把握したうえで、先読みコマンドにより通知される大当たり抽選から、保留中の変動演出に対して連続予告演出を行うか否かを決定すると共に、連続予告演出を実行する変動演出の数である連続予告回数を決定する。そして、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出を含め、決定した連続予告回数分の変動演出に対して連続予告演出の実行が設定される。これにより、主制御装置110における処理を、パチンコ機10の最も重要な処理である、始動入賞に基づき遷移すべき遊技状態を抽選する抽選処理に集中させることができる一方、音声ランプ制御装置113に処理能力の高いMPU221を使用すれば、連続予告演出の態様や実行条件等を多種態様に設定することができる。
ここで、上述したように、従来のパチンコ機では、連続予告演出への発展を期待させるために単発予告演出を行ったとしても、始動入賞が成立したタイミングと単発予告演出が表示されたタイミングとを鑑みた場合、単発予告演出の画像が連続予告演出として表示された画像であるはずがない、と容易に遊技者に推測させてしまうおそれがある。よって、遊技者が抱く単発予告演出に対する期待感を低下させてしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定し、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出を含め、その決定した数の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定するので、始動入賞の検出に伴って連続予告演出の実行を決定しても、その始動入賞直後の変動演出から連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されない場合も生じ得る。よって、始動入賞直後の変動演出から連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されず、その後の変動演出において「クラゲ」画像が表示された場合であっても、それが単発予告演出に係る画像ではなく、連続予告演出に係る画像であることを遊技者は期待することができるので、単発予告演出に対する期待感がより増し、遊技者の興趣を更に高めることができる。
尚、先読み保留回数が1の場合、そのまま連続予告演出の実行を決定すると、連続予告演出の実行が設定される変動演出が、その先読みコマンドを生成するために先読み処理が行われた変動演出のみとなるので、連続予告演出の画像である「クラゲ」画像が1回の変動演出に対してしか第3図柄表示装置81に表示されないことになる。よって、この場合は1回の「クラゲ」画像の表示を経て「15R確変大当たり」となる場合があり、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感を希薄化させてしまうおそれがある。
一方、単発予告実行フラグ223fがオンである場合、その時に実行が開始され若しくは実行中の変動演出、又は、最後に実行された変動演出において、単発予告演出の実行が設定されていることを意味する。そこで、本実施形態のように、先読み保留回数が1回の場合に連続予告演出の実行が決定され、且つ、そのときの単発予告実行フラグ223fがオンであれば、S1052の処理を実行し、先読み保留第1エリアの連続判定情報格納エリアに「1」を格納することによって、2つの連続する変動演出のうち、先の変動演出にて単発予告演出における「クラゲ」画像を表示させ、後の変動演出にて連続予告演出における「クラゲ」画像を表示させることができる。よって、遊技者に対して、連続した2つの変動演出にわたって連続予告演出が行われたようにみせることができ、遊技者に15R確変大当たりとなる期待感を持たせることができる。
一方、読み保留回数が1回の場合に連続予告演出の実行が決定されても、そのときの単発予告実行フラグ223fがオフである場合は、S1052の処理をスキップし、先読み保留第1エリアの連続判定情報格納エリアに「1」を格納しないようにすることで、連続予告演出が1回の変動演出に対してしか第3図柄表示装置81に表示されない場合が生じることを抑制できる。よって、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感が希薄化することを抑制することができる。
尚、本実施形態では、連続予告判定処理において、先読み保留回数が1であるときは、単発予告実行フラグ223fがオンである場合に限って連続予告演出の実行を設定する場合について説明した(S1040〜1042参照)。これに対して、S1040およびS1041の処理を省略し、先読み保留回数が1であっても、単発予告実行フラグ223fの状態に関わらず、S1051による連続予告演出実行の抽選結果のみに基づいて連続予告演出の実行を設定してもよい。また、先読み保留回数が1であるときは、必ず連続予告回数が1回の連続予告演出の実行を設定するように構成してもよい。
これにより、1回の「クラゲ」画像の表示を経て「15R確変大当たり」となる場合が多く生じることになり、「クラゲ」画像に対して遊技者が持つ連続予告演出に対する期待感を希薄化させることにつながるおそれはあるが、一方で、これまでの変動演出に対して表示されていなかった「クラゲ」画像をある変動演出で遊技者が視認した場合に、遊技者は、その1回の「クラゲ」画像で15R確変大当たりとなる期待感を強く持つことができる。よって、「クラゲ」画像の現出によって様々な期待感を抱くことができるので、かえって遊技者の興趣を高めることができる。
次に、図55を参照して、第2実施形態における変動表示処理の詳細について説明する。図55は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221によって実行される変動表示処理(S912)を示すフローチャートである。この変動表示処理(S912)は、第1実施形態と同様に、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づき表示用変動パターンコマンドを生成する処理と、受信した変動パターンコマンドに対してコマンド破壊判別を行う処理と、生成した表示用変動パターンコマンドによって第3図柄表示装置81に表示される変動演出に対して、連続予告演出や単発予告演出の実行を行うか否かを決定する処理とを実行する。
この変動表示処理のうち、S1101〜S1113,S1115,S1121の各処理は、第1実施形態における変動表示処理のS1101〜S1113,S1115,S1121の各処理と同一の処理が実行される。
一方、第2実施形態では、S1110の処理の結果、特殊変動フラグがオンであると判別される場合(S1110:Yes)、第1実施形態において実行されるS1120の処理を行わずに、S1121の処理へ移行する。ここで、第1実施形態におけるS1120の処理を行わないのは、第2実施形態において、先読み情報第0〜第4エリアに連続判定情報格納エリアを設けた代わりに、第1実施形態で設けた連続予告実行カウンタ223eを有していないためである。
また、第2実施形態では、S1111の処理によって単発予告演出の実行の有無を決定し、その結果に応じて、S1112の処理によって単発予告実行フラグ223fをオンに設定するか、S1113の処理によって単発予告実行フラグ223fをオフに設定した後、S1131の処理へ移行する。
S1131の処理では、先読み情報第0エリアの連続回避フラグがオフであるか否かを判別する(S1131)。その結果、オフではなくオンであれば(S1131:No)、その後の処理をスキップしてメイン処理に戻る。これにより、S1115の処理もスキップされるため、連続予告実行フラグがオンに設定されず、よって、S1106の処理により設定した表示用変動パターンコマンドによって実行が開始される変動演出(以下「今回の変動演出」と称す)に対し、連続予告演出や単発予告演出の実行が設定されない。
上述したように、その一つ前に実行された変動演出において、それまで1以上の変動演出にわたって行われてきた連続予告演出のうち最後の変動演出に対して行われる連続予告演出が設定された場合、その次の変動演出(つまり、今回の変動演出)の実行が開始されるときに、先読み情報第0エリアの連続回避フラグが必ずオンされるようになっている。よって、それまで1以上の変動演出にわたって行われてきた連続予告演出のうち最後の変動演出に対して行われる連続予告演出が設定された場合は、その次の変動演出(今回の変動演出)において、連続予告演出や単発予告演出の実行が回避されることになる。従って、連続予告演出が連続して実行されたり、連続予告演出に連続して単発予告演出が実行されたりすることを抑制することができる。
ここで、従来のパチンコ機では、上述したように、連続予告演出の実行を設定する場合、連続予告実行カウンタに連続予告演出を行う変動演出の回数をそのまま設定し、変動演出の実行時に連続予告実行カウンタが0より大きければ、その変動演出において連続予告演出を行いつつ、連続予告実行カウンタの値を1減算することで、最初に設定した回数分の変動演出にわたって連続予告演出を実行するように構成されている。このように構成した場合、1の連続予告演出が終了した後、再び連続予告演出が開始されるおそれ、即ち、連続予告演出が連続して発生してしまうおそれが生じる。
これにより、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出がスペシャルリーチでの前後外れとなり、続く2回目の連続予告演出における最後の変動演出がノーマルリーチでの前後外れとなれば、遊技者は以下の思いを抱くことになる。即ち、1回目の連続予告演出が複数の変動演出にわたって表示された後、スペシャルリーチが第3図柄表示装置81に現出されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感を持って遊技を継続する。そして、そのスペシャルリーチの結果として前後外れとなると、遊技者は一旦がっかりするが、引き続き2回目の連続予告演出が表示されるので、遊技者は15R確変大当たりとなる期待感をより強く抱くことになる。しかし、その結果としてノーマルリーチでの前後外れとなると、先に表示されたスペシャルリーチでの前後外れよりも格下げとなった感を強く遊技者に与えてしまうおそれがある。
また、従来のパチンコ機では、例えば1回目の連続予告演出における最後の変動演出が前後外れとなった後、続く変動演出において単発予告演出が行われるおそれも生じる。この場合、1回目の連続予告演出の結果として前後外れとなり一旦がっかりした遊技者は、単発予告演出の表示を見ることで、連続予告演出が継続しているとの思い込みを持って遊技を継続するおそれがあるが、その後に連続予告演出用の画像が表示されないので、遊技者の思いを結果的に裏切ることになるおそれがある。このように、上記のように構成することで、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感を結果的に低下させてしまうおそれがある。
更に、従来のパチンコ機では、上述したように、例えば、変動演出中に新たな始動入賞(第1入球口64への入球)が発生し、その始動入賞に伴う変動演出が保留された場合を想定する。この始動入賞に対して先読み処理を行い、連続予告演出を実行するか否かの決定を行った結果、連続予告演出を行わない決定をし、次の変動演出において連続予告演出は行わなかった場合、更に次の変動演出において単発予告演出を行ったとしても、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像が表示されなければ、その後に新たな始動入賞が検出されていない限り、その後の変動演出で表示される単発予告演出の画像が連続予告演出として表示された画像であるはずがない、と容易に遊技者に推測させてしまうおそれがある。よって、遊技者が抱く単発予告演出に対する期待感も低下させてしまうおそれがある。
これに対し、本第2実施形態のように構成することによって、連続予告演出が終了した後、必ず1回の変動演出において、連続予告演出や単発予告演出の実行が設定されることを回避できるので、連続して連続予告演出や単発予告演出が行われることによって生じる、遊技者が抱く連続予告演出に対する期待感の低下を抑制することができる。
また、連続予告演出終了後、必ず1回の変動演出において「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させない、とのルールに従って、連続予告演出や単発予告演出の設定を行うことにより、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像、即ち「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示されなくても、その次の変動演出において「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81にされれば、それが連続予告演出として表示された「クラゲ」画像であることへの期待感を遊技者に持たせることができる。
このように、本実施形態のように連続予告実行カウンタ223eを構成することによって、遊技者は連続予告演出を楽しみながら遊技を継続することができる。
一方、S1131の処理の結果、先読み情報第0エリアの連続回避フラグがオフであれば(S1131:Yes)、次いで、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1よりも大きいか否かを判別する(S1132)。その結果、その値が1よりも大きい場合は(S1132:Yes)、S1115の処理へ移行し、連続予告実行フラグをオンする(S1115)。その後、メイン処理に戻る。
また、S1132の処理の結果、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1以下である場合(S1132:No)、更に、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1であるか否かを判別する(S1133)。その結果、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1である場合は(S1133:Yes)、先読み情報第1エリアの連続回避フラグをオンに設定した上で(S1134)、S1115の処理へ移行し、連続予告実行フラグをオンに設定する(S1115)。その後、メイン処理に戻る。
このように、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1以上であれば、S1115の処理によって連続予告実行フラグがオンに設定される。これにより、これにより、その後停止種別コマンドを受信した時に、連続予告コマンドを表示制御装置113へ送信するように制御が行われ、変動演出に対して単発予告演出の画像である「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示される。
ここで、連続予告判定処理(図54)のS1052の処理では、各先読み情報第1〜第4エリアのそれぞれの連続判定情報格納エリアに対して、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドに対応するエリアの連続判定情報を「1」に設定しつつ、そのエリアから、より先に保留された変動演出に対応するエリアに向かって(即ち、先読み情報第1〜第4エリアにおいて、エリア番号が小さくなる方向に向かって)、順に値が1ずつ大きくなるように、連続予告演出を実行する変動演出の数(即ち、連続予告回数)分だけ、連続判定情報が設定される。
よって、この変動表示処理において、変動パターンコマンドが受信される度に(即ち、変動開始フラグがオンされる度に)、先読み情報格納エリアのデータをシフトさせながら、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1以上である場合に、連続予告実行フラグをオンすることによって、連続予告判定処理により連続予告演出の実行が決定された場合に、合わせて決定された連続予告回数分の変動演出にわたって、連続予告演出に係る「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
このように、本実施形態では、先読みコマンドによって通知された大当たり抽選の予測結果から連続予告演出の実行を決定した場合に、先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出以前に保留されていた全ての変動演出にわたって連続予告演出を行うのではなく、連続予告演出の実行の決定と合わせて決定された連続予告回数分の変動演出にわたって連続予告演出が行われる。
ここで、従来のパチンコ機では、上述しているように、次の問題が生じうる。例えば、変動演出中に新たな始動入賞(第1入球口64への入球)が発生し、その始動入賞に伴う変動演出が保留された場合を想定する。この始動入賞に対して先読み処理を行い、連続予告演出を実行するか否かの決定を行った結果、連続予告演出を行わない決定をし、次の変動演出において連続予告演出は行わなかった場合、更に次の変動演出において単発予告演出を行ったとしても、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像が表示されなければ、その後に新たな始動入賞が検出されていない限り、その後の変動演出で表示される単発予告演出の画像が連続予告演出として表示された画像であるはずがない、と容易に遊技者に推測させてしまうおそれがある。よって、遊技者が抱く単発予告演出に対する期待感を低下させてしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定し、連続予告演出の実行決定のトリガとなった先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出を含め、その決定した数の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定するので、始動入賞の検出に伴って連続予告演出の実行を決定しても、その始動入賞直後の変動演出から連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されない場合も生じ得る。よって、始動入賞直後の変動演出から連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されず、その後の変動演出において「クラゲ」画像が表示された場合であっても、それが単発予告演出に係る画像ではなく、連続予告演出に係る画像であることを遊技者は期待することができるので、単発予告演出に対する期待感がより増し、遊技者の興趣を更に高めることができる。
また、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1であれば、S1134の処理によって、先読み情報第1エリアの連続回避フラグがオンに設定される。ここで、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1である場合、これまで1以上の変動演出にわたって行われてきた連続予告演出のうち最後の変動演出に対して行われる連続予告演出が、今回の変動演出に対して設定されることを意味する。本実施形態では、このような状況にある場合に、S1134の処理により先読み情報第1エリアの連続回避フラグをオンに設定するので、次の変動パターンコマンドを受信したときに先読み情報格納エリア223gに対してシフト処理が行われることによって、先読み情報第0エリアの連続回避フラグがオンに設定される。よって、次の変動パターンコマンドに対する変動演出に対しては、S1131の処理によって必ず連続予告実行フラグがオンに設定されなくなる。よって、上述したように、連続予告演出が連続して実行されたり、連続予告演出に連続して単発予告演出が実行されたりすることを、先読み情報第1エリアの連続回避フラグをオンに設定するだけで、容易に抑制することができるのである。
S1133の処理の結果、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1ではない、即ち、0であると判別された場合は(S1133:No)、今回の変動演出に対して連続予告演出の実行が設定されていないので、次いで、単発予告実行フラグがオンであるかを判別する(S1135)。その結果、単発予告実行フラグがオンであれば(S1135:Yes)、今回の変動演出に対して単発予告演出の実行が設定されているので、S1115の処理へ移行し、連続予告実行フラグをオンに設定する(S1115)。そして、メイン処理に戻る。
一方、S1135の処理の結果、単発予告実行フラグがオンではなく、オフであれば(S1135:No)、今回の変動演出に対し、単発予告演出の実行が設定されていないので、S1115の処理をスキップして、そのままメイン処理に戻る。
これにより、連続予告演出の実行の設定がなされていなくても、1の変動演出に対して単発で「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。ここで、1の変動演出に注目すると、連続予告演出および単発予告演出のいずれの演出においても、変動演出に対して「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示される点で一致する。これにより、少なくとも1つ前の変動演出において表示されなかった「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81で行われている変動演出において表示された場合、それが連続予告演出によって表示された「クラゲ」画像であるのか、単発予告演出によって表示された「クラゲ」画像であるのかを考えさせながら、遊技者に遊技を継続させることができる。そして、次の変動演出で再び「クラゲ」画像が表示された場合は、それが連続予告演出であることを強く遊技者に認識させることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより高めることができる。
尚、単発予告演出に対して第3図柄表示装置81に表示させる画像は、連続予告演出と同じ「クラゲ」画像である。よって、表示制御装置114に対して単発予告演出と連続予告演出を区別することなく、単に「クラゲ」画像を変動演出に対して表示するように指示すればよいので、単発予告演出を設定する場合も連続予演出を設定する場合も、この変動表示処理では、共に連続予告実行フラグをオンに設定している。これにより、連続予告実行フラグがオンされて以降は、それが単発予告演出の実行が設定であっても連続予告演出の実行の設定であっても、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、同じ処理の流れで、変動演出に対して「クラゲ」画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114におけるプログラムの単純化を図ることができる。
尚、本実施形態において、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別された場合(S1105:No)、特殊変動フラグをオンし(S1107)、その特殊変動フラグがオンされていれば(S1110:Yes)、単発予告抽選カウンタ223dや先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの内容に関わらず連続予告実行フラグをオンに設定する処理を実行せず、連続予告演出の設定が行われないように構成した。これに代えて、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別された場合(S1105:No)、特殊変動フラグをオンに設定するのと合わせて先読み情報第0エリアの連続回避フラグをオンに設定することで、単発予告抽選カウンタ223dや先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの内容に関わらず、連続予告実行フラグをオンに設定する処理を実行しないようにしてもよい。特殊変動フラグをオンに設定するのと合わせて先読み情報第0エリアの連続回避フラグをオンに設定すれば、S1131の判断によって連続予告実行フラグの設定を行わずに、変動表示処理を終了させることができる。尚、この場合、S1110の処理を省略してもよい。
また、先読みコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか又は両方のコマンドが破壊されていると判別された場合、連続予告演出の設定が行われないように構成されていることに加えて、現在設定されている連続予告演出の実行をすべてクリアするようにしてもよい。例えば、コマンドが破壊されたと判別された状態で実行されるS1107の処理の前後で、連続予告実行カウンタ223eの値を0に設定する処理を行うようにしてもよい。
コマンドの破壊が判別された変動演出に対してのみ連続予告コマンドの設定を行わないようにすると、連続予告演出の途中で一時的に「クラゲ」画像が表示されなくなる事態が生じ、連続予告演出が複数の変動演出にわたって行われる演出であることを理解している遊技者に対し、大当たり抽選が正しく行われているのかといった疑義を抱かせるおそれがある。そこで、コマンドが破壊されていると判別されたときに現在設定されている連続予告演出の実行をすべてクリアすれば、連続予告演出の途中で一時的に「クラゲ」画像が表示されなくなることを抑制することができるので、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、単発予告演出の実行の決定を、変動パターンコマンドを受信する毎に行っているが、これに代えて、先読みコマンドを受信する毎に単発予告演出の実行を決定するように構成してもよい。例えば、コマンド判定処理(図53)の中で、先読みコマンドを受信したと判断した場合に(S1018:Yes)、単発予告抽選カウンタ223dの値が例えば10であれば、その先読みコマンドによって示される先読みが行われた変動演出に対して、単発予告演出の実行を設定してもよい。この場合、各先読み情報第0〜第4エリアに、オンの場合に単発予告演出の実行を行うことを示す単発予告実行フラグをそれぞれ設けておく。この単発予告実行フラグには初期値としてオフを設定しておき、単発予告演出の実行が設定される場合、先読み情報第0〜第4エリアのうち先読みコマンドの先読み保留回数に対応するエリアの単発予告実行フラグをオンに設定する。そして、変動表示処理では、S1103の処理によって、単発予告実行フラグを含め、先読み情報第0〜第4エリアの間でシフト処理を実行しつつ、S1135の処理で、先読み情報第0エリアの単発予告実行フラグがオンか否かを判別する。また、連続予告判定処理(図54)のS1041の処理も、先読み情報第0エリアの単発予告実行フラグがオンか否かを判別する。尚、S1103のシフト処理では、空き状態となった先読み情報第4エリアの単発予告実行フラグをオフに設定する。また、この場合、変動表示処理におけるS1111〜S1113の処理およびS1121の処理は省略できる。
このように、先読みコマンドを受信する毎に単発予告演出の実行を決定することによって、同じく先読みコマンドを受信する毎に行われる連続予告演出の実行の決定において、保留中の変動演出に対し単発予告演出の実行が設定されているか否かを考慮することができる。例えば、保留中の変動演出に対し単発予告演出の実行が設定されているときは、連続予告演出の実行の設定を行わないといった判断を行うことができる。このような判断を行えば、単発予告演出がより第3図柄表示装置81に表示されやすくなるので、「クラゲ」画像が第3図柄表示装置81に表示された場合に、それが単発予告演出によるものなのか、連続予告演出によるものなのかを遊技者に対して更に強く考えさせることができる。このように、先読みコマンドを受信する毎に行われる連続予告演出の実行の決定において、保留中の変動演出に対し単発予告演出の実行が設定されているか否かを考慮することにより、より多くの条件を加味して演出の実行を決定することができるので、遊技者への興趣を更に向上させることができる。
以上、説明したように、本第2実施形態のパチンコ機10によれば、先読みコマンドによって通知された大当たり抽選の予測結果から連続予告演出の実行を決定した場合に、先読みコマンドによって先読みによる予測結果が通知された変動演出以前に保留されていた全ての変動演出にわたって連続予告演出を行うのではなく、連続予告演出の実行の決定と合わせて決定された連続予告回数分の変動演出にわたって連続予告演出が行われるように構成されている。
ここで、上述したように、従来のパチンコ機では、変動演出中に新たな始動入賞(第1入球口64への入球)が発生し、その始動入賞に伴う変動演出が保留された場合を想定する。この始動入賞に対して先読み処理を行い、連続予告演出を実行するか否かの決定を行った結果、連続予告演出を行わない決定をし、次の変動演出において連続予告演出は行わなかった場合、更に次の変動演出において単発予告演出を行ったとしても、始動入賞の検出後に行われる最初の変動演出において連続予告演出の画像が表示されなければ、その後に新たな始動入賞が検出されていない限り、その後の変動演出で表示される単発予告演出の画像が連続予告演出として表示された画像であるはずがない、と容易に遊技者に推測させてしまうおそれがある。よって、遊技者が抱く単発予告演出に対する期待感も低下させてしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定し、それに合わせて、先読み情報第1〜第4エリアの連続判定情報格納エリアに連続判定情報を格納するので、連続予告演出の実行を決定しても、その決定直後の変動演出から連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されない場合も生じ得る。よって、始動入賞直後の変動演出から連続予告演出に係る「クラゲ」画像が表示されず、その後の変動演出において「クラゲ」画像が表示された場合であっても、それが単発予告演出に係る画像ではなく、連続予告演出に係る画像であることを遊技者は期待することができるので、単発予告演出に対する期待感がより増し、遊技者の興趣を更に高めることができる。
尚、連続予告演出の実行の設定を第1実施形態のように連続予告実行カウンタで行った場合、連続予告演出の実行を決定したときに、保留中の変動演出のうちどの変動演出に対して連続予告演出を設定するかまでは特定することができない。よって、この場合に、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定しても、その連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出を含めた連続予告回数分の変動演出に対して、連続予告演出の実行を設定することはできない。このように、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定した上で、その連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出を含めた連続予告回数分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定できるのは、本実施形態のように、先読み情報第0〜第4エリアに連続判定情報格納エリアを設けているからである。つまり、このように構成することで、保留中の変動演出に対して1つ1つに連続予告演出の実行の設定を行うことができるので、連続予告演出の決定が行われる度に連続予告演出を行う変動演出の数(連続予告回数)を決定した上で、その連続予告演出の実行決定のトリガとなった変動演出を含めた連続予告回数分の変動演出に対して連続予告演出の実行を設定できる。
また、本第2実施形態では、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1であれば、先読み情報第1エリアの連続回避フラグがオンに設定される。ここで、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1である場合、これまで1以上の変動演出にわたって行われてきた連続予告演出のうち最後の変動演出に対して行われる連続予告演出が、今回の変動演出に対して設定されることを意味する。本実施形態では、このような状況にある場合に、先読み情報第1エリアの連続回避フラグをオンに設定するので、次の変動パターンコマンドを受信したときに先読み情報格納エリア223gに対してシフト処理が行われることによって、先読み情報第0エリアの連続回避フラグがオンに設定される。よって、次の変動パターンコマンドに対する変動演出に対しては、必ず連続予告実行フラグがオンに設定されなくなる。よって、連続予告演出が連続して実行されたり、連続予告演出に連続して単発予告演出が実行されたりすることを、先読み情報第1エリアの連続回避フラグをオンに設定するだけで、容易に抑制することができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
次いで、図56〜図61を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1及び第2実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のRAM203に第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eを設け、始動入賞のタイミングで取得した各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bとは別にこの第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納した上で、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納された各カウンタの値を先読みして、大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測する先読み処理を実行する場合について説明した。
これに対し、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、始動入賞のタイミングで保留球格納エリア203jに格納した各カウンタC1〜C3,CS1の値を、変動演出実行の開始タイミングよりも前に、直接保留球格納エリア203jから読み出して先読みし、大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測する先読み処理を実行する。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第1及び第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110において、RAM203に代えてRAM203が設けられている点である。また、主制御装置110のMPU201によって実行されるタイマ割込処理(図19参照)のうち変動処理(S109)および始動入賞処理(S110)と、メイン処理(図25参照)のうち先読み処理(S703)とにそれぞれ含まれる一部処理が、第1実施形態または第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態または第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態または第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図56を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図56は、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるパチンコ機10では、RAM203の構成が、第1実施形態または第2実施形態における主制御装置110のRAM203の構成と異なっている。このRAM203は、第1実施形態または第2実施形態におけるRAM203と同様に、ROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるが、第1実施形態または第2実施形態のRAM203にはない保留球格納エリア203jと先読み保留回数格納エリア203kとを少なくとも有している。一方、本実施形態のRAM203には、第1実施形態と同じ構成および機能を有する保留球数カウンタ203a、保留球実行エリア203c、先読み確変フラグ203h、予測状態変更フラグ203iを少なくとも有している。その他の構成については、第1実施形態および第2実施形態におけるパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
尚、図56では、音声ランプ制御装置113が第1実施形態における音声ランプ制御装置113と同一の構成となっているが、これを第2実施形態における音声ランプ制御装置113と同一の構成としてもよい。
保留球格納エリア203jは、第1実施形態または第2実施形態における保留球格納エリア203bと同様に、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図57参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。
ここで、図57を参照して、保留球格納エリア203jの詳細について説明する。図57は、RAM203に設けられた各種カウンタと、保留球格納エリア203jと、保留球実行エリア203cとの関係を模式的に示す模式図である。RAM203に設けられた各種カウンタである第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1,第1初期値乱数カウンタCINI1,第2当たり乱数カウンタC4,第2初期値乱数カウンタCINI2は、第1実施形態または第2実施形態における各カウンタC1〜C3,CS1,CINI1,C4,CINI2と同様の構成および機能を有するものであり、RAM203の一領域であるカウンタ用バッファに格納される。そして、これらのカウンタはタイマ割込処理やメイン処理の中で、第1実施形態または第2実施形態と同様に更新処理が行われる。また、始動入賞が検出されると、これらのカウンタのうち、大当たり抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、外れ時に停止図柄を停止させる変動パターンの決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり時に停止図柄を停止させる変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とがカウンタ用バッファから読み出され、保留球格納エリア203jに格納される。
保留球格納エリア203jは、第1実施形態または第2実施形態における保留球格納エリア203bと同様に、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)を有している。MPU201は、タイマ割込処理(図19参照)の中で、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、保留球格納エリア203jに設けられた4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に、その取得したカウンタ値を格納する。
4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203j1と、第1当たり種別カウンタC2の値を格納する第1当たり種別カウンタ格納エリア203j2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203j3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203j4とが設けられている。これらの各カウンタ格納エリア203j1〜203j4は、それぞれ第1実施形態または第2実施形態における第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1,第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2,停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3,変動種別カウンタ格納エリア203b4と同様の構成および機能を有するものである。
なお、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203j1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203j2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203j3と、変動種別カウンタ格納エリア203j4とを1つの保留球格納エリア203jの中に設けているが、保留球格納エリアを複数設け、4つの各エリア203j1,203j2,203j3,203j4をいずれかの保留球格納エリアに設けるようにしてもよい。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、保留球格納エリア203jの保留第1〜第4エリアおよび保留球実行エリア203cの間で、第1実施形態または第2実施形態と同様のシフト処理を行う。これにより、保留球格納エリア203bの保留第1エリアの各カウンタ格納エリア203j1〜203j4に記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、保留球実行エリア203cの各カウンタ格納エリア203c1〜203c4にそれぞれシフトされる。そして、MPU201は、保留球実行エリア203cにシフトされたデータを、変動開始処理(図22参照)の中で参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81では、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
さて、保留球格納エリア203jが第1実施形態または第2実施形態における保留球格納エリア203bと相違する点は、各保留エリア(保留第1〜第4エリア)にそれぞれ先読み実行フラグ203j5が設けられている点である。この先読み実行フラグ203j5は、その先読み実行フラグ203j5が設けられている保留エリアにおいて、先読み処理が実行されたか否かを示すフラグであり、オンの場合に先読み処理が実行されたことを示し、オフの場合に先読み処理が未実行であることを示す。
この先読み実行フラグ203j5は、電源立ち上げ時に実行されるRAMの初期設定処理(図24のS613参照)において、オフに初期化される。また、第1入球口64への入球(始動入賞)が検出されたタイミングで取得した各カウンタC1〜C3,CS1の値を、保留球格納エリア203jの一の保留エリアに格納する場合、その各カウンタC1〜C3,CS1の値を格納した一の保留エリアの先読み実行フラグ203j5がオフに設定される。これにより、該保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて先読み処理が未実行であることが示される。一方、一の保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1を先読みして大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測する先読み処理が実行されると、該一の保留エリアの先読み実行フラグ203j5がオンに設定され、先読み処理が実行されたことが示される。
また、保留第1〜第4エリアの間でシフト処理が行われる場合、各保留第2〜第4エリアの先読み実行フラグ203j5にそれぞれ設定された値は、他のカウンタ格納エリア203j1〜203j4に格納された値と共に、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)の先読み実行フラグ203jへシフトされる。すなわち、保留第2エリアの先読み実行フラグ203j5の値は保留第1エリアの先読み実行フラグ203j5にシフトされ、保留第3エリアの先読み実行フラグ203j5の値は保留第2エリアの先読み実行フラグ203j5にシフトされ、保留第4エリアの先読み実行フラグ203j5の値は保留第3エリアの先読み実行フラグ203j5にシフトされる。このように、各カウンタの値と共に先読み実行フラグ203jの値をシフトさせることによって、この先読み実行フラグ203jの値により、各保留エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1に対し先読み処理がされたか否かを正確に示すことができる。
尚、保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値は、変動演出の実行開始タイミングに伴って大当たり抽選等に用いられている最中であるか、既に大当たり抽選等に用いられた後の値であるので、保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1に対し先読み処理を実行しない。これにより、保留球実行エリア203cに対して先読み実行フラグも設けていない。よって、保留第1エリアから保留球実行エリア203cに対して、各カウンタC1〜C3,CS1の値をシフトする場合に、保留第1エリアの先読み実行フラグ203j5の値を保留球実行エリア203cにシフトする処理は行われない。
MPU201は、メイン処理(図25参照)の中で、図61を参照して後述する先読み処理を繰り返し実行し、この先読み処理の中で、各カウンタC1〜C3,CS1の値が保留されている保留エリアの先読み実行フラグ203j5を参照する。そして、先読みが未実行の保留エリアがある場合、その未実行の保留エリアのうち最も先に各カウンタ値が保留された保留エリア、即ち、先読みが未実行の保留エリアの中で最もエリア番号の小さい保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みして、大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測し、その予測結果を音声ランプ制御装置113へ通知する先読みコマンド(図8参照)を設定する先読み処理を実行する。そして、各カウンタC1〜C3,CS1の値が保留されている全ての保留エリアに対して先読み処理が実行されていることが確認されるまで、MPU201は、先読み処理が未実行の保留エリアのうち最も先に各カウンタ値が保留された保留エリアに対する先読み処理を継続する。これにより、保留球格納エリア203jに保留された順に従って、その保留球格納エリア203jに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして、順次、大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測する先読み処理を実行することができる。
MPU201は、一の保留エリアにおいて先読み処理を実行すると、上述したように、その一の保留エリアの先読み実行フラグをオンに設定して、その保留エリアにおいて先読み処理が実行されたことを示す。これにより、その保留エリアに対して再び先読み処理が実行されることを抑制できる。
このように、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、メイン処理の中でMPU201により繰り返し実行される先読み処理(図25,図61参照)によって、各カウンタC1〜C3,CS1の値が保留されている保留エリアの先読み実行フラグ203j5を参照し、先読みが未実行の保留エリアがある場合、その未実行の保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を保留エリア毎に先読みして、大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測する先読み処理を実行する。また、本第3実施形態では、第1実施携帯と同様に、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選等を、メイン処理よりも優先して実行されるタイマ割込処理の中の一処理である変動開始処理(図22参照)の中で実行する。
ここで、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選とは別に、始動入賞時に取得して保留した各カウンタ値を先読みして、大当たり抽選の結果を予測する先読み処理を実行するようにパチンコ機を構成した場合、大当たり抽選は、始動入賞によって取得されたカウンタ値と、個々の当たり値とを1つ1つ比較する必要がある一方、先読み処理においても、大当たり抽選とは別に、先読みした値と個々の当たり値とを1つ1つ比較する必要がある。これにより、特にパチンコ機が高確率状態にある場合は、カウンタ値と個々の当たり値との比較処理を、大当たり抽選および先読み処理のいずれにおいても、例えば高確率状態における当たり値の数が30あれば、最大で30回繰り返して行わなければならない。よって、大当たり抽選および先読み処理のそれぞれにおいて行われるカウンタ値と当たり値との比較処理に、長い時間を要する。
このような状況下において、従来の遊技機のように、変動演出の開始時に、その変動演出に対応する始動入賞よりも後に検出された始動入賞によって保留されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理すれば、変動演出の実行開始時の大当たり抽選が行われるのと相前後して、始動入賞時の先読みに伴う大当たり抽選の結果の予測が行われることになり、遊技において最も重要な処理である大当たり抽選の完了が遅れる等して、遊技に影響を及ぼすおそれがある。
また、タイマ割込処理の中に、変動演出の開始を判断して大当たり抽選を実行する処理と、始動入賞を検出して各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し且つ先読み処理を実行する処理とを含めるように構成した場合、変動演出の開始の判断と始動入賞の検出とに基づいて、1のタイマ割込処理の中で大当たり抽選処理と先読み処理とが共に行われる場合が生じ得る。それぞれの処理は、上述したように、長い処理時間を要するおそれがあるため、この場合、次のタイマ割込処理が開始されるまでにタイマ割込処理に含まれる全ての処理が完了しない事態も発生し得る。よって、遊技に必要な各種制御が遅れることになり、遊技に影響を及ぼすおそれがある。
これに対して、本第3実施形態に係るパチンコ機10では、上述したように、メイン処理の中で先読み処理を実行する一方、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選等を、タイマ割込処理の中の一処理である変動開始処理(図22参照)の中で実行するように構成されている。これにより、先読み処理がメイン処理において実行中であっても、タイマ割込処理が優先して実行されるので、変動演出の実行開始タイミングで大当たり抽選を遅滞なく行うことができる。一方、先読み処理中にタイマ割込処理が実行されても、タイマ割込処理の終了後に引き続いて実行されるので、先読み処理を確実に完了させることができる。このように、本実施形態に係るパチンコ機10では、始動入賞が検出された場合に取得されるカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行し、大当たり抽選等の結果を予測しつつ、大当たり抽選を変動演出の実行開始タイミングで遅滞なく行うことができるので、正常に遊技の制御を行うことができるのである。
また、本第3実施形態では、始動入賞のタイミングで保留球格納エリア203jに格納した各カウンタC1〜C3,CS1の値を、直接保留球格納エリア203jから読み出して先読みし、大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測する先読み処理を実行するように構成されている。これにより、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなり、保留球格納エリア203jの各保留第1〜第4エリアの間でシフト処理が行われた場合に、先読み処理中の保留エリアをシフト処理に合わせて変更する必要が生じるが、第1実施形態または第2実施形態のように先読み実行エリア203d,203eを設ける場合と比して、RAM203の容量増大を抑制することができる。
図48に戻って説明を続ける。先読み保留回数格納エリア203kは、保留球格納エリア203jに設けられた保留第1〜第4エリアのうち、先読み処理を実行中の保留エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の各値が保留され続ける保留回数を、先読み保留回数として格納するためのエリアである。即ち、先読み処理を実行中の保留エリアが保留第1エリアであれば、その保留第1エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の各値が保留され続ける保留回数が1回である。よって、先読み保留回数格納エリア203kには先読み保留回数として「1」が格納される。
同様に、先読み処理を実行中の保留エリアが保留第2エリアであれば、先読み保留回数格納エリア203kには「2」が格納され、先読み処理を実行中の保留エリアが保留第3エリアであれば、先読み保留回数格納エリア203kには「3」が格納され、先読み処理を実行中の保留エリアが保留第4エリアであれば、先読み保留回数格納エリア203kには先読み保留回数として「4」が格納される。
この先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数は、先読み処理の結果として生成される先読みコマンドに含められ、大当たり抽選の予測結果および変動パターン判定の予測結果と合わせて、音声ランプ制御装置113に通知される。これにより、先読みコマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、先読み処理により得られた大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果に従って実行される変動演出の保留回数を把握することが出来る。
また、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数は、MPU201が先読み処理を実行する場合に参照され、その先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数に対応する保留エリアから、各カウンタC1〜C3,CS1の値を読み出して先読みし、大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測する。
ここで、先読み保留回数格納エリア203kの設定は、先読み処理の中で、一の保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値の先読みを開始する際に、その一の保留エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の保留回数を先読み保留回数として先読み保留回数格納エリア203kに格納することで行われる(図61のS787参照)。また、変動演出の実行開始タイミングに伴い、保留球格納エリア203jの保留第1〜第4エリアの間でシフト処理が行われるのに合わせて、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数を1減算する(図59のS321参照)。
ここで、保留球格納エリア203jの保留第1〜第4エリアの間でシフト処理が行われると、先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されている保留エリアが、エリア番号の1小さいエリアに移動する。これに対し、本第3実施形態では、該シフト処理が行われるのに合わせて、先読み保留回数格納エリア203kの先読み保留回数を1減算するので、先読み保留回数格納エリア203kの先読み保留回数は、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなってシフト処理が行われた場合であっても、先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の各値の保留回数や、そのカウンタ値が格納された保留エリアを正確に示すことができる。
よって、この先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数を先読みコマンドに含めることにより、先読みコマンドを受信した音声ランプ制御装置113では、先読み処理により得られた大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果に従って実行される変動演出の保留回数を正確に把握することが出来る。
また、MPU201は、先読み処理を実行する場合に、先読み保留回数格納エリア203kを参照し、その先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数に対応する保留エリアから各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みするように構成するだけで、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなって保留球格納エリア203jにおいてシフト処理が行われた場合であっても、該シフト処理後にも問題なく先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みすることができる。従って、先読み処理の中で、保留球格納エリア203jにおいてシフト処理が行われたか否かを認識する必要がないため、保留球格納エリア203jに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を直接読み出して先読みする場合であっても、その処理が複雑化することを抑制できる。
先読み確変フラグ203hは、上述したように、第1実施形態または第2実施形態における先読み確変フラグ203hと同様の構成および機能を有するものであるが、第1実施形態または第2実施形態では第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて先読み処理を実行する場合にMPU201によって参照されたのに対して、本第3実施形態では、保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち、先読み保留回数格納エリア203kで示される保留エリアに格納した各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて先読み処理を実行する場合にMPU201によって参照される。
そして、先読み確変フラグ203hがオフであれば、その先読み対象の保留エリアに格納されたカウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態が低確率状態にあると予測されるので、当たり値を「7,307,582」に設定した上で、大当たり抽選の結果を予測する。
一方、先読み確変フラグ203hがオンであれば、その先読み対象の保留エリアに格納されたカウンタ値に基づき実際の大当たり抽選が行われるときに予測されるパチンコ機10の取り得る遊技状態が高確率状態(確変状態)にあると予測されるので、当たり値を「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」に設定した上で、大当たり抽選の結果を予測する(図61のS787参照)。
また、先読み確変フラグ203hの設定は、第1実施形態または第2実施形態では、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして予測された大当たり抽選の予測結果に応じて行われたが、第3実施形態では、先読み保留回数格納エリア203kで示される保留エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして予測された大当たり抽選の予測結果に応じて行われる。即ち、図61の先読み処理のS787の処理によって行われる大当たり抽選の予測結果が15R確変大当たり又は2R確変大当たりであった場合、実際の大当たり抽選が行われた後に遊技状態が高確率状態(確変状態)へ移行することが予測されるので、先読み確変フラグ203hをオンに設定する(図61のS790参照)。大当たり抽選の予測結果がその他の大当たり、即ち、15R通常大当たりであった場合は、実際の大当たり抽選が行われた後に遊技状態が低確率状態へ移行することが予測されるので、先読み確変フラグ203hをオフに設定する(図61のS792)。また、大当たり抽選の予測結果が外れであった場合は、遊技状態がそのまま維持されることが予測されるので、先読み確変フラグ203hの値をそのまま維持する(図61のS791:Yesの分岐)。
ただし、本第3実施形態においても、必ずしも全ての変動演出に対応するカウンタ値に対して先読み処理が実行されないので、S787の処理における大当たり種別判定の予測結果だけに基づいて先読み確変フラグ203hの値を設定していたのでは、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)の予測が大きくずれてしまうおそれがある。そこで、本第3実施形態においても、第1実施形態または第2実施形態と同様に、本来の大当たり抽選の結果も考慮して先読み確変フラグ203hの値を設定し、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)を予測する(図60のS404〜S408)。これにより、必ずしも全ての変動演出に対応するカウンタ値に対して先読み処理が実行されない場合であっても、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態の予測をより高い精度で行うことができる。
また、本第3実施形態において、予測状態変更フラグ203iの設定は、第1実施形態または第2実施形態と同様に行われる。即ち、本来の大当たり抽選の結果が「15R確変大当たり」又は「2R確変大当たり」であり、遊技状態が高確率状態(確変状態)に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオフであることにより、先読み確変フラグ203hをオンに設定した場合、又は、本来の大当たり抽選の結果がその他の大当たり(15R通常大当たり)であり、遊技状態が低確率状態に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオンであることにより、先読み確変フラグ203hをオフに設定した場合、予測状態変更フラグ203iをオンに設定する(図60のS409参照)。
本来の大当たり抽選の結果が「15R確変大当たり」又は「2R確変大当たり」であり、遊技状態が高確率状態(確変状態)に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオフであることにより、先読み確変フラグ203hをオンに設定した場合、又は、本来の大当たり抽選の結果がその他の大当たり(15R通常大当たり)であり、遊技状態が低確率状態に移行する場合に、先読み確変フラグ203hがオンであることにより、先読み確変フラグ203hをオフに設定した場合は、その本来の大当たり抽選が行われた各カウンタC1〜C3,CS1に対して先読み処理が非実行とされたことを意味するので、それまでは、先読み確変フラグ203hが誤った予測状態を示している可能性が高い。よって、メイン処理の中で実行中の先読みを含めて、それ以前に行われた先読みによる予測結果は、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を誤った上で予測されたものである可能性が高い。
そこで、本第3実施形態においても、このような場合に予測状態変更フラグ203iをオンに設定することによって(図60のS409参照)、現在行っている先読みを含めて以前に行った先読みが誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて行われている可能性が高いことを示すことができる。
そして、第1実施形態または第2実施形態では、MPU201が、メイン処理の中で実行される先読み処理(図26参照)において、第1先読み実行エリア203dまたは第2先読み実行エリア203eに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みしている間に予測状態変更フラグ203iがオンに設定されたことを検出すると、その先読みを中止する場合について説明したが(図26のS758:Yes,S768:Yes参照)、本第3実施形態では、MPU201が、メイン処理の中で実行される先読み処理(図61参照)において、先読み保留回数格納エリア203kによって示される保留エリアに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みしている間に予測状態変更フラグ203iがオンに設定されたことを検出すると、その先読みを中止する(図61のS794:Yes)。これにより、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて、先読みが行われることを抑制できる。
また、本第3実施形態では、MPU201がメイン処理の中で実行される先読み処理(図61参照)において予測状態変更フラグ203iがオンに設定されたことを検出すると、第1実施形態または第2実施形態と同様に、予測状態変更コマンドを設定して(図61のS799)、音声ランプ制御装置113へ送信する。そして、音声ランプ制御装置113では、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で先読み情報格納エリア223bに格納されている先読み処理による予測結果を全て無効に設定する。これにより、誤った予測結果に基づいて、先読みによる各種制御が行われることを抑制することができる。例えば、誤った予測結果に基づいてコマンド破壊判別が行われることにより、コマンドが破壊されていないにも関わらず、コマンドの破壊判定においてコマンドが破壊されていると判定されることを抑制できる。
更に、本第3実施形態では、MPU201がメイン処理の中で実行される先読み処理(図61参照)において、予測状態変更フラグ203iがオンに設定されたことを検出すると、保留球格納エリア203bに保留されているカウンタC1〜C3,CS1を用いて、パチンコ機10の取りうる正しい状態に基づいて、再度、先読み処理を実行する。
ここで、第1実施形態または第2実施形態では、保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアのうち、各種カウンタ値が保留されている1の保留エリアのカウンタC1〜C3,CS1の値を、第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eにそれぞれ転記して、その保留エリアに対応する保留回数を先読み保留回数として先読み保留回数格納エリア203d5又は先読み保留回数格納エリア203e5に格納し、更に第1先読み処理中フラグ203f又は第2先読み処理中フラグ203gをオンに設定することによって、その転記したカウンタC1〜C3,CS1に対して、再度の先読みを行うようにした。これに対し、本実施形態では、保留球格納エリア203jに設けられた全ての保留第1〜第4エリアの先読み実行フラグ203j5をオフに設定して、全ての保留第1〜第4エリアにおいて先読み処理が未実行であることを示すことで、保留球格納エリア203jに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値に対して、再度の先読みが行われるように構成されている(図61のS2701参照)。
これにより、保留球格納エリア203jに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値に対して、正しい先読み確変フラグ203hの値、即ち、パチンコ機10の取りうる正しい遊技状態に基づいて、先読み処理が実行されて、大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を音声ランプ制御装置113に通知することができる。よって、音声ランプ制御装置113によって、より多くの予測結果を用いて、より多彩な制御を実行することができる。
また、予測状態変更フラグ203iは、第1実施形態または第2実施形態では、再度の先読みを行うカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに設定した後に、オフに設定された。これに対し、第3実施形態では、MPU201が、先読み処理の中で予測状態変更フラグ203iがオンであることを検出すると、予測状態変更フラグをオフに設定する(図61のS2702参照)。
尚、第1実施形態または第2実施形態において、予測状態変更フラグ203iは、MPU201により実行されるタイマ割込処理(図19参照)の一処理である始動入賞処理(図20参照)の中で参照され、始動入賞を検出して取得したカウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bに格納した場合に、予測状態変更フラグ203iがオンであれば、その保留球格納エリア203bに格納したカウンタC1〜C3,CS1の値を第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eに非格納とし、且つ、第1先読み処理中フラグ203e又は第2先読み処理中フラグ203fがオンに設定する処理を非実行としたが、本第3実施形態では、必ずしもこのような構成をとらなくてもよい。なぜなら、第3実施形態では、保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を直接読み出して先読み処理を実行するため、第1実施形態または第2実施形態のように、再度の先読みを行うカウンタC1〜C3,CS1を第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納する前に、始動入賞によって取得されたカウンタC1〜C3,CS1が第1先読み実行エリア203d又は第2先読み実行エリア203eに格納されることを抑制する必要がないためである。
次いで、図58〜図61を参照して、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201によって実行される各種処理について説明する。先ず、図58は、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201によって実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。この始動入賞処理は、メイン処理(図25)に優先して4ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理(図19)の中で実行される処理であり(S110)、第1入球口64への入球(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bに格納する(保留する)処理を実行するものである。
この始動入賞処理のうち、S201〜S205の各処理では、それぞれ第1実施形態または第2実施形態における始動入賞処理のS201〜S205の各処理と同一の処理が実行される。そして、S205の処理が完了すると、第3実施形態における始動入賞処理では、第1実施形態または第2実施形態における始動入賞処理のS206〜S214の処理に代えて、S221の処理を実行する。
S221の処理では、S205の処理によってカウンタC1〜C3,CS1の各値が格納された保留エリア(保留第1〜第4エリアのいずれか)に設けられている先読み実行フラグ203j5をオフに設定する。そして、S221の処理の後、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理に戻る。
このように、S205の処理によってカウンタC1〜C3,CS1の各値が格納された保留エリア(保留第1〜第4エリアのいずれか)に設けられている先読み実行フラグ203j5をオフに設定することによって、始動入賞に伴って保留球格納エリア203jの一の保留エリアに新たに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて先読み処理が未実行であることを示すことができる。これにより、MPU201は、先読み処理(図61参照)の中で、この新たに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値に対して先読みを行って、大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測する。
次いで、図59は、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201によって実行される変動処理を示すフローチャートである。この変動処理は、メイン処理(図25)に優先して4ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理(図19)の中で実行される処理であり(S109)、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動演出を制御するものである。
この変動処理のうち、S301〜S305、S310およびS312〜S317の各処理は、それぞれ第1実施形態または第2実施形態におけるS301〜S305、S310およびS312〜S317の各処理と同一の処理が実行される。また、S311の変動開始処理は、第1実施形態または第2実施形態における変動開始処理(図22参照)の一部処理が省略されたものである。一方、第3実施形態における変動処理では、S305の処理が完了すると、第1実施形態または第2実施形態における変動処理のS306〜S309の処理に代えて、S321の処理を実行する。
即ち、S304の判別の結果、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0ではなく(S304:Yes)、変動演出の実行開始タイミングであると判断して、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算すると(S305)、次いで、先読み保留回数格納エリア203kに格納される先読み保留回数の値を1減算して(S321)、S310の処理へ移行する。その後、S310の処理にて、保留球格納エリア203jに格納されたデータをシフト処理し、そのシフト処理により保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行して(S311)、タイマ割込処理に戻る。
このように、S321の処理では、変動演出の実行開始タイミングに伴い、保留球格納エリア203jの保留第1〜第4エリアの間でシフト処理が行われるのに合わせて、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数を1減算するものである。
上述したように、保留球格納エリア203jの保留第1〜第4エリアの間でシフト処理が行われると、先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されている保留エリアが、エリア番号の1小さいエリアに移動する。これに対し、S321の処理では、該シフト処理が行われるのに合わせて、先読み保留回数格納エリア203kの先読み保留回数を1減算するので、先読み保留回数格納エリア203kの先読み保留回数は、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなってシフト処理が行われた場合であっても、先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の各値の保留回数や、そのカウンタ値が格納された保留エリアを正確に示すことができる。
よって、この先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数を先読みコマンドに含めることにより、先読みコマンドを受信した音声ランプ制御装置113では、先読み処理により得られた大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果に従って実行される変動演出の保留回数を正確に把握することが出来る。
また、MPU201は、先読み処理を実行する場合に、先読み保留回数格納エリア203kを参照し、その先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数に対応する保留エリアから各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みするように構成するだけで、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなって保留球格納エリア203jにおいてシフト処理が行われた場合であっても、該シフト処理後にも問題なく先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みすることができる。従って、先読み処理の中で、保留球格納エリア203jにおいてシフト処理が行われたか否かを認識する必要がないため、保留球格納エリア203jに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値を直接読み出して先読みする場合であっても、その処理が複雑化することを抑制できる。
次いで、図60は、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201によって実行される変動開始処理(S311)を示すフローチャートである。この変動開始処理は、上述したように、変動処理の一処理であり、保留球格納エリアの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(大当たり抽選)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)等を決定するものである。そして、この第3実施形態における変動開始処理は、第1実施形態または第2実施形態における変動開始処理から、第1先読み処理中フラグ203fをオフに設定する処理(S410)と、第2先読み処理中フラグ203gをオフに設定する処理(S411)とを省略したものである。即ち、第3実施形態における変動開始処理では、S409の処理によって予測状態変更フラグ203iをオンに設定した後、S414の処理へ移行する。本第3実施形態では、保留球格納エリア203bに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を直接読み出して先読み処理を実行するため、第1実施形態または第2実施形態のように、第1先読み実行エリア203d及び第2先読み実行エリア203eを設けておらず、従って、第1先読み処理中フラグ203f及び第2先読み処理中フラグ203gも設けていない。よって、第3実施形態では、これらのフラグをオフにする処理が省略される。
次いで、図61は、第3実施形態における主制御装置110内のMPU201によって実行される先読み処理を示すフローチャートである。この先読み処理は、メイン処理(図25)の中で4ミリ秒毎に繰り返し実行される処理であり(S701)、始動入賞の検出に伴って取得されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を、変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選等で参照する前に先読みし、予め大当たり抽選の結果や変動パターンの判定結果を予測するものである。
この先読み処理では、まず、保留球格納エリア203jの中で、カウンタC1〜C3,CS1の値が保留されている各保留エリア(保留第1〜第4エリア)の先読み実行フラグ203j5をそれぞれ参照し、そのカウンタC1〜C3,CS1の値が保留されている各保留エリアの中から、先読みが未実行の保留エリアを抽出する(S785)。カウンタC1〜C3,CS1の値が保留されている保留エリアは、保留球数カウンタ203aの値から判断する。即ち、保留球数カウンタ203aの値が「1」である場合は、保留第1エリアのみにカウンタC1〜C3,CS1の値が保留されていると判断し、保留球数カウンタ203aの値が「2」である場合は、保留第1〜第2エリアにカウンタC1〜C3,CS1の値が保留されていると判断し、保留球数カウンタ203aの値が「3」である場合は、保留第1〜第3エリアにカウンタC1〜C3,CS1の値が保留されていると判断し、保留球数カウンタ203aの値が「4」である場合は、保留第1〜第4エリアにカウンタC1〜C3,CS1の値が保留されていると判断する。そして、S785の処理では、それぞれの保留エリアの先読み実行フラグ203j5がオフである保留エリアを,先読みが未実行の保留エリアとして判断する。
次いで、S785の処理の結果から、先読みが未実行の保留エリアがあるか否かを判別し(S786)、先読みが未実行の保留エリアがある場合は(S786:Yes)、まず、先読みが未実行の保留エリアのうち最も先に保留された保留エリア、即ち、先読みが未実行の保留エリアの中で最もエリア番号の小さい保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の保留回数を先読み保留回数として先読み保留回数格納エリア203kに設定する(S787)。
これにより、以後の各カウンタC1〜C3,CS1の先読みは、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数に対応する保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1に対して行われる。即ち、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数が「1」であれば、保留第1エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1に対して先読みが行われ、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数が「2」であれば、保留第2エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1に対して先読みが行われ、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数が「3」であれば、保留第3エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1に対して先読みが行われ、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数が「4」であれば、保留第4エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1に対して先読みが行われる。
ここで、S787の処理では、先読みが未実行の保留エリアのうち最も先に保留された保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の保留回数を先読み保留回数として先読み保留回数格納エリア203kに設定するので、先読みが未実行の保留エリアのうち最も先に保留された保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1に対して先読みが行われることになる。これにより、先読み処理では、保留された順番に先読みを実行することができると共に、本来の大当たり抽選等が行われるまでの時間が最も短いカウンタC1〜C3,CS1に対して先読みを行うことができる。よって、本来の大当たり抽選が行われる前に多くのカウンタC1〜C3,CS1に対して先読みがなされるようにすることができる。
尚、先読み処理中に、タイマ割込処理が実行され、変動演出の実行開始タイミングとなって先読み保留回数格納エリア203kの先読み保留回数の値が1減算された場合は、減算後の先読み保留回数に対応する保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1に対して先読みが行われることになる。上述したように、保留球格納エリア203jの保留第1〜第4エリアの間でシフト処理が行われると、先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の値が格納されている保留エリアが、エリア番号の1小さいエリアに移動する。これに対し、先読み処理では、減算後の先読み保留回数に対応する保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1に対して先読みが行うので、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなって保留球格納エリア203jにおいてシフト処理が行われた場合であっても、該シフト処理後にも問題なく先読み処理中のカウンタC1〜C3,CS1の各値を先読みすることができる。
次いで、先読み確変フラグ203hの値と、先読み保留回数格納エリア203kの先読み保留回数に対応する保留エリア(以下「先読み対象保留エリア」と称す)の第1当たり乱数カウンタ格納エリア203j1に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値とから、大当たり抽選の結果を予測する(S788)。即ち、先読み対象保留エリアの第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりとなる乱数値(当たり値)と一致するか否かを判別し、当たり値の1つと一致する場合に大当たりであると予測する。また、全ての当たり値と一致しない場合は外れであると予測する。
このとき、当たり値は、先読み確変フラグ203hによって示される、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選(変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選)が行われる時の、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)に応じて設定される。即ち、先読み確変フラグ203hがオフであり、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が、通常の低確率状態にあると予測される場合は、当たり値が「7,307,582」に設定される。一方、先読み確変フラグ203hがオンであり、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が、高確率状態にあると予測される場合は、当たり値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」に設定される。
また、S788の処理では、大当たり抽選の予測結果が大当たりであると予測される場合、更に、先読み対象保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2を先読みして、大当たり種別判定の結果を予測する。この大当たり種別判定結果の予測は、図7(a)に示す大当たり種別テーブルに従って、先読み対象保留エリアの第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別を特定することにより行われる。
そして、S788の処理では、最終的に、大当たり抽選の予測結果として大当たり種別判定の予測結果を含めて「外れ」「15R通常大当たり」「15R確変大当たり」「2R確変大当たり」の4パターンに分類する。
続くS789の処理では、先読み対象保留エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして、変動パターン判定の結果を予測する(S789)。具体的には、S788の処理によって予測された大当たり抽選の予測結果が大当たりであれば、図7(b)に示す大当たり用変動パターンテーブルに基づき、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種、プレミアリーチA〜C、2R変動A〜Cの中から、S788の処理によって予測された大当たり種別判定の予測結果と、先読み対象保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納された変動種別カウンタCS1の値とに対応付けられた変動パターンを予測する。
また、S788の処理によって予測された大当たり抽選の予測結果が外れである場合は、まず、先読み対象保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れの中から予測する。このとき、変動開始処理(図22参照)のS412の処理と同様に、先読み確変フラグ203hがオフかオンかに応じて、即ち、先読みするカウンタ値に基づいて本来の大当たり抽選(変動演出の実行開始タイミングで行われる大当たり抽選)が行われる時に予測されるパチンコ機10の取りうる状態(モード)が低確率状態であるか高確率状態であるかに応じて、各停止種別に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるテーブルを設定する。
そして、予測した停止種別を基に、先読み確変フラグ203hにより示される本来の大当たり抽選が行われる時に予測されるパチンコ機10の取りうる状態に応じて、図7(c)に示す外れ(通常)用変動パターンテーブル又は図7(d)に示す外れ(確変)用変動パターンテーブルのいずれかに基づいて、変動パターンの判定結果を予測する。即ち、先読み確変フラグ203hがオフであり、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態が、時短状態を除く通常時の低確率状態と予測される場合は、図7(c)に示す外れ(通常)用変動パターンテーブルに基づき、短外れ、長外れ、外れノーマルリーチ各種、外れスーパーリーチ各種、外れスペシャルリーチ各種の中から、予測した停止種別と、先読み対象保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d5に格納された変動種別カウンタCS1とに対応付けられた外れ時の変動パターンを予測する。
また、先読み確変フラグ203hがオンであり、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態が、時短状態または確変時の高確率状態と予測される場合は、図7(d)に示す外れ(確変)用変動パターンテーブルに基づき、短外れ、長外れ、外れノーマルリーチ各種、外れスーパーリーチ各種、外れスペシャルリーチ各種の中から、予測した停止種別と、先読み対象保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d5に格納された変動種別カウンタCS1とに対応付けられた外れ時の変動パターンを予測する。
このS789の処理では、最終的に、変動パターン判定の予測結果として「外れ」「ノーマルリーチ」「スーパーリーチ」「スペシャルリーチ」「プレミアリーチ」「2R確変」の6パターンに分類する。即ち、予測された変動パターンが「短外れ」又は「長外れ」である場合は「外れ」に分類する。予測された変動パターンが「ノーマルリーチ各種」又は「外れノーマルリーチ各種」である場合は「ノーマルリーチ」に分類する。予測された変動パターンが「スーパーリーチ各種」又は「外れスーパーリーチ各種」である場合は「スーパーリーチ」に分類する。予測された変動パターンが「スペシャルリーチ各種」又は「外れスペシャルリーチ各種」である場合は「スペシャルリーチ」に分類する。予測された変動パターンが「プレミアリーチA」〜「プレミアリーチC」である場合は「プレミアリーチ」に分類する。予測された変動パターンが「2R変動A」〜「2R変動C」である場合は「2R変動」に分類する。
続くS790の処理では、S788の処理による大当たり抽選の予測結果が、確変大当たりであるか否かを判別する(S790)。ここでは、大当たり抽選の予測結果が、15R確変大当たり又は2R確変大当たりであった場合に、確変大当たりであったと判断する。そして、確変大当たりであった場合は(S790:Yes)、先読み確変フラグ203hをオンに設定し(S791)、S794の処理へ移行する。これにより、以降に行われる先読み処理において、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を高確率状態として予測が行われる。
一方、S790の処理の結果、確変大当たりではないと判別される場合は(S790:No)、次いで、S788の処理による大当たり抽選の予測結果が外れであるか否かを判別する(S792)。そして、外れでない場合は(S792:Yes)、大当たり抽選の予測結果は15R通常大当たりであるので、先読み確変フラグ203hをオフに設定し(S793)、S794の処理へ移行する。これにより、以降に行われる先読み処理において、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を、低確率状態として予測が行われる。また、S792の処理の結果、外れであると判別される場合は(S792:Yes)、そのままS794の処理へ移行する。これにより、先読み確変フラグ203hの値は維持される。
S794の処理では、予測状態変更フラグ203iがオンか否かを判別する(S794)。その結果、予測状態変更フラグ203iがオンであれば、現在行っている先読みを含めて以前に行った先読みが誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて行われている可能性が高いことを意味する。つまり、S794の処理が実行される時点で、先読み対象保留エリアに格納されている各カウンタC1〜C3,CS1の値に対して行っている先読みが、本来の大当たり抽選が行われる時のパチンコ機10の取りうる遊技状態を誤って認識した上で行われている可能性が高いことをも意味する。そこで、この場合には、現在行っている先読みを中止して(S794:Yes)、S799の処理へ移行する。現在行っている先読みを中止することによって、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて先読みが行われ、その予測結果が音声ランプ制御装置113へ通知されることを抑制できる。尚、S799移行の処理については後述する。
尚、予測状態変更フラグ203iがオンか否かの判別は、S794の処理だけでなく、S787〜S793の処理の中で随時行うようにしてもよい。そして、予測状態変更フラグ203iがオンの場合は、その段階で処理を中止し、S799の処理へ移行してもよい。随時判別を行うことにより、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて、先読みが行われている場合に、その先読みをより早く中止することができる。また、誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて、無駄に処理が進行することを抑制できる。
一方、S794の処理の結果、予測状態変更フラグ203iがオンではない、即ち、オフである場合は(S794:No)、S795の処理へ移行し、S788の処理によって予測された大当たり抽選の予測結果と、S789の処理によって予測された変動パターン判定の予測結果と、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数とを音声ランプ制御装置113へ通知する、図8に示した先読みコマンドを設定する(S795)。ここで設定された先読みコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図19)のS101の処理で、この先読みコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
尚、S795の処理において、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数が0又は負の値を示す場合には、先読みコマンドの設定を行わずに、S786の処理へ移行する。上述したように、この先読み処理はメイン処理の中でタイマ割込処理の実行間隔とは無関係に行われるものである。これにより、1の先読み処理を実行中であっても、4ミリ秒間隔でタイマ割込処理が実行される。そして、タイマ割込処理の一処理である変動処理(図59)において、変動演出の実行開始タイミングが検出されると、先読み処理を実行中であるか否かに関わらず、保留されていた1の変動演出の実行が開始される。よって、先読み処理を行っているカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて、先読み処理が完了する前に本来の大当たり抽選等が行わる場合も起こり得る。
ここで、変動演出の実行タイミングが検出された場合、上述の変動処理では、先読み保留回数を1減算する処理を実行する(S321)。よって、先読み処理が完了する前に、その先読み処理を行っているカウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて本来の大当たり抽選等が行われた場合は、先読み保留回数は0又は負の値を示すことになる。一方、先読み処理よりも前に本来の大当たり抽選等が行われた場合は、先読みによって可能となる連続予告演出の設定やコマンドの破壊判別を音声ランプ制御装置113では行えないため、先読みコマンドを音声ランプ制御手段113へ送信する必要がない。
そこで、S795の処理では、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数が0又は負の値を示す場合には、先読みコマンドの設定を行わずに、また、後述するS796の処理もスキップして、S797の処理へ移行することにより、先読みコマンドが不必要に音声ランプ制御装置113へ送信されるのを抑制することができ、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で無駄な通信が行われるのを抑制できる。また、音声ランプ制御装置113において、すでに変動演出が開始されたものに対する先読み処理の結果を処理する必要がないため、音声ランプ制御装置113に過剰な処理負担を強いることを抑制できる。
尚、先読み保留回数格納エリア203kに格納された先読み保留回数が0又は負の値を示すか否かの確認は、S795の処理だけでなく、S787〜S795の処理の中で随時行うようにしてもよい。そして、先読み保留回数が0又は負の値を示した場合は、その段階で処理を中止し、S797の処理へ移行してもよい。
続くS796の処理では、先読み保留回数格納エリア203kの先読み保留回数に対応する保留エリア(先読み対象保留エリア)の先読み実行フラグ203j5をオンに設定し、先読み対象保留エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に対して先読みがなされ、大当たり抽選および変動パターン判定の結果の予測が行われたことを示す(S796)。これにより、その先読みが行われたカウンタC1〜C3,CS1に対して、再び先読みが行われることを抑制できる。
S796の処理の後、予測状態変更フラグ203iがオンか否かを判別する(S797)。この処理は、S794の処理の後にタイマ割込処理(図19参照)によって予測状態変更フラグ203iがオンに設定された場合を検出するための処理である。そして、予測状態変更フラグ203iがオンであれば(S797:Yes)、現在行っている先読みを含めて以前に行った先読みが誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて行われている可能性が高いことを意味するので、S799の処理へ移行し、予測状態変更コマンドの設定や、全ての保留エリア(保留第1〜第4エリア)の先読み実行フラグ203j5をオンにする設定等を実行する。
一方、S797の処理の結果、予測状態変更フラグ203iがオフであれば(S797:No)、S785の処理に戻り、再び、保留球格納エリア203jの中で、カウンタC1〜C3,CS1の値が保留されている各保留エリアの中から、先読みが未実行の保留エリアを抽出して(S785)、先読みが未実行の保留エリアがあるか否かを判別する(S786)。そして、カウンタC1〜C3,CS1の値が保留されている各保留エリアにおいて、先読みが未実行の保留エリアがなくなるまで、S785〜S797の処理を繰り返し実行する。
一方、S786の処理の結果、カウンタC1〜C3,CS1の値が保留されている各保留エリアにおいて、先読みが未実行の保留エリアがないと判断されると(S786:No)、S785〜S797の繰り返し処理を抜けて、S798の処理へ移行する。S798の処理では、予測状態変更フラグ203iがオンか否かを判別する(S797)。この処理は、最後に行われたS797の処理の後にタイマ割込処理(図19参照)によって予測状態変更フラグ203iがオンに設定された場合や、先読み処理(S701)の実行が開始された直後において先読みが未実行の保留エリアがないために、先読み(S787〜S797の処理)が行われていない状況で、予測状態変更フラグ203iがオンに設定された場合を検出するための処理である。
そして、予測状態変更フラグ203iがオンではなく、オフであれば(S798:No)、そのまま先読み処理を終了してメイン処理に戻る。一方、予測状態変更フラグ203iがオンであれば(S798:Yes)、上述したように、現在行っている先読みを含めて以前に行った先読みが誤った先読み確変フラグ203hの値に基づいて行われている可能性が高いことを意味するので、S799の処理へ移行する。
S799の処理では、予測状態変更コマンドをコマンド送信用のリングバッファに設定する(S799)。ここで設定された予測状態変更コマンドは、次にタイマ割込処理が実行された場合に、外部出力処理(S101)によって、音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、予測状態変更コマンドを受信すると、その時点で先読み情報格納エリア223bに格納されている先読み処理による予測結果を全て無効に設定する。これにより、誤った予測結果に基づいて、先読みによる各種制御が行われることを抑制することができる。例えば、誤った予測結果に基づいてコマンド破壊判別が行われることにより、コマンドが破壊されていないにも関わらず、コマンドの破壊判定においてコマンドが破壊されていると判定されることを抑制できる。
尚、S797やS798の処理において、S795の処理の後にタイマ割込処理(図19参照)により予測状態変更フラグ203iがオンに設定されたことを検出した場合、S795の処理では、誤って予測されている可能性の高い遊技状態に基づく先読みによる予測結果を先読みコマンドとして設定しているので、音声ランプ制御装置213に対してその誤った予測結果を示している可能性の高い先読みコマンドを送信することになる。しかし、該先読みコマンドが送信されたとしても、その先読みコマンドよりも後にS799の処理によって予測状態変更コマンドが設定されるので、誤った予測結果を示している可能性の高い先読みコマンドよりも後に予測状態変更コマンドが音声ランプ制御装置213へ送信することができる。よって、誤った予測結果を示している可能性の高い先読みコマンドに基づいて音声ランプ制御装置113の先読み情報格納エリア223bに格納された予測結果を確実に無効にすることができる。
次いで、保留球格納エリア203jに設けられた全ての保留第1〜第4エリアの先読み実行フラグ203j5をオフに設定する(S2701)。これにより、全ての保留第1〜第4エリアにおいて先読み処理が未実行であることが示されるので、次に実行される先読み処理において、保留球格納エリア203jに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値に対し、再度の先読みを行うことができる。
よって、保留球格納エリア203jに格納されているカウンタC1〜C3,CS1の値に対して、正しい先読み確変フラグ203hの値、即ち、パチンコ機10の取りうる正しい遊技状態に基づいて、先読み処理が実行されて、大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果を音声ランプ制御装置113に通知することができる。従って、音声ランプ制御装置113によって、より多くの予測結果を用いて、より多彩な制御を実行することができる。
S2701の処理を終了した後、予測状態変更フラグ203iをオフに設定して(S2702)、この先読み処理を終了し、メイン処理に戻る。
尚、本実施形態では、主制御装置110内のMPU201によって実行されるメイン処理(図25参照)において、4ミリ秒毎に先読み処理(S701)が実行される場合について説明したが、第1実施形態または第2実施形態と同様に、メイン処理において、4ミリ秒毎に実行される処理を実行すべき次のタイミングに至るまでの残余時間内に、先読み処理を実行するように構成してもよい。即ち、メイン処理のS703の処理において否定判断がなされた後から、S704,S705,S702の処理を経て、再びS703の処理に戻るまでのいずれかのタイミングで、先読み処理を行うようにしてもよい。残余期間内に先読み処理を実行することにより、始動入賞処理(図20参照)において、始動入賞の検出に伴って取得した各カウンタC1〜C3,CS1の値が保留球格納エリア203jに格納されたことを、メイン処理の中でより早く判断することができる。よって、先読み処理による大当たり抽選および変動パターン判定の結果の予測がより早く行うことができるので、先読み処理中にその先読み対象の各カウンタ値に基づいて先に実際の抽選が行われることを、少なくすることができる。
また、先読み処理を4ミリ秒毎に実行させず、更に、メイン処理の中で4ミリ秒毎に実行させる処理がない場合は、第1実施形態または第2実施形態と同様に、メイン処理のS703の処理を省略し、S701〜S705の処理が繰り返し実行されるように構成してもよい。この場合、残余時間の概念がなくなるが、先読み処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、第1当たり乱数カウンタC1及び第2当たり乱数カウンタC2の更新処理が行われるタイマ割込処理の実行間隔(本実施形態では、4ミリ秒)に対して、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し行われる時間も一定でなく変動する。故に、この場合においても、かかる変動時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
以上のように、本第3実施形態では、タイマ割込処理(図19参照)の中で始動入賞が検出された時点におけるカウンタC1〜C3,CS1の各値を保留球格納エリア203jに格納すると、メイン処理(図25参照)の中で、タイマ割込処理が実行される時間間隔にとらわれずに、この先読み処理を実行する。一方、本第3実施形態では、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選等を、メイン処理よりも優先して実行されるタイマ割込処理の中の一処理である変動開始処理(図22参照)の中で実行する。
ここで、従来のパチンコ機のように、変動演出の開始時に、その変動演出に対応する始動入賞よりも後に検出された始動入賞によって保留されたカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理すると、変動演出の実行開始時の大当たり抽選が行われるのと相前後して、始動入賞時の先読みに伴う大当たり抽選の結果の予測が行われてしまった場合は、上述したように、遊技において最も重要な処理である大当たり抽選の完了が遅れる等して、遊技に影響を及ぼすおそれがある。
これに対して、本第3実施形態に係るパチンコ機10では、メイン処理の中で先読み処理を実行する一方、変動演出の実行開始時に行われる大当たり抽選等を、タイマ割込処理の一処理である変動開始処理(図22参照)の中で実行するように構成されている。これにより、先読み処理がメイン処理において実行中であっても、タイマ割込処理が優先して実行されるので、変動演出の実行開始タイミングで大当たり抽選を遅滞なく行うことができる。一方、先読み処理は、タイマ割込処理の終了後に引き続いて実行されるので、先読み処理を確実に完了させることができる。このように、本第3実施形態に係るパチンコ機10では、第1入球口64への始動入賞が検出された場合に取得されるカウンタC1〜C3,CS1の各値を用いて先読み処理を実行し、大当たり抽選等の結果を予測しつつ、大当たり抽選を変動演出の実行開始タイミングで遅滞なく行うことができるので、正常に遊技の制御を行うことができる。
また、この先読み処理では、1回の先読み処理の中で、カウンタC1〜C3,CS1の値が保留されている保留エリアのうち、先読みが未実行の全ての保留エリアに対して先読みを実行し、大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測する。これにより、1回の先読み処理でいずれか1つの保留エリアに対して先読みを実行する場合と比して、より早く先読みを実行し得る。よって、本来の大当たり抽選等がなされる前に、より多くのカウンタC1〜C3,CS1の値に対して先読みを実行することができる。
また、本第3実施形態では、始動入賞のタイミングで保留球格納エリア203jに格納した各カウンタC1〜C3,CS1の値を、直接保留球格納エリア203jから読み出して先読みし、大当たり抽選および変動パターン判定の結果を予測する先読み処理を実行するように構成されている。これにより、先読み処理中に変動演出の実行開始タイミングとなり、保留球格納エリア203jの各保留第1〜第4エリアの間でシフト処理が行われた場合に、先読み処理中の保留エリアをシフト処理に合わせて変更する必要が生じるが、第1実施形態または第2実施形態のように先読み実行エリア203d,203eを設ける場合と比して、RAM203の容量増大を抑制することができる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態または第2実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態または第2実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
尚、本第3実施形態における先読み処理では、先読みが未実行の保留エリアのうち最も先に保留された保留エリアから順番に、1つの保留エリアに対してカウンタC1〜C3,CS1の値を先読みする(S787〜S796)場合について説明したが、S785の処理によって抽出された、先読みが未実行の全ての保留エリアから各カウンタC1〜C3,CS1の値を同時並行で先読みして、S787〜S796に相当する処理を実行するようにしてもよい。
この場合、S787の処理では、先読みが未実行の全ての保留エリアの保留回数(先読み保留回数)を、保留エリア毎に先読み保留回数格納エリア203kに格納するようにしてもよい。例えば、保留第2エリアおよび保留第3エリアに対して先読みが未実行であった場合、先読み保留回数格納エリア203kには、「2」および「3」の値を格納するようにしてもよい。
また、S796の処理では、先読み保留回数格納エリア203kに格納された全ての先読み保留回数に対応する保留エリアに対して、その保留エリアの先読み実行フラグ203j5をオンに設定するようにしてもよい。例えば、先読み保留回数格納エリア203kに「2」および「3」の値が格納されていれば、保留第2エリアおよび保留第3エリアの先読み実行フラグ203j5をオンに設定するようにしてもよい。
また、先読み保留回数格納エリア203kに複数の値が格納されている場合は、その複数の値に対応する全ての保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1に対して同時並行で先読みしてもよい。例えば、先読み保留回数格納エリア203kに「2」および「3」の値が格納されている場合は、保留第2エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みと、保留第3エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みとを、同時並行で行うようにしてもよい。
この場合、例えば、保留第2エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203j1に格納された第1当たり乱数カウンタC1と、保留第3エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203j1に格納された第1当たり乱数カウンタC1とを(即ち、先読みが未実行の全ての保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1を)予め読み出しておき、次いで、1の当たり値をROM202から読み出す処理と、その読み出した当たり値とそれぞれの保留エリアの第1当たり乱数カウンタC1の値とを比較する処理とを、少なくとも一つの保留エリアの第1当たり乱数カウンタC1に対して大当たりと判定されるまで、繰り返して実行するようにしてもよい。
また、保留第2エリアの変動種別カウンタ格納エリア203j4に格納された変動種別カウンタCS1と、保留第3エリアの変動種別カウンタ格納エリア203j4に格納された変動種別カウンタCS1とを(即ち、先読みが未実行の全ての保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1を)予め読み出しておき、次いで、変動パターンを判定する判定値を図7(b)〜(d)に示す変動パターンテーブルから読み出す処理と、その読み出した判定値とそれぞれの保留エリアの変動種別カウンタCS1の値とを比較する処理とを、少なくとも一つの保留エリアの変動種別カウンタCS1に対して変動種別が判定されるまで、繰り返し実行するようにしてもよい。
更に、その他の先読みによる判定の予測、例えば、大当たり種別の判定の予測や、外れ時の停止種別の判定の予測においても、変動パターンの判定と同様に、先読みが未実行の全ての保留エリアから各々対応するカウンタの値を予め読み出しておき、次いで、判定値を読み出す処理と、その読み出した判定値とそれぞれの保留エリアのカウンタ値とを比較する処理とを、少なくとも一つの保留エリアのカウンタ値に対して判定の予測が完了するまで、繰り返し実行するようにしてもよい。
これにより、先読みが未実行の保留エリアに対して1つ1つ先読みする毎に、別々に当たり値や判定値を読み出して、大当たり抽選の予測や変動パターン等の判定の予測を行う必要がないので、当たり値や判定値の読み出し回数を削減でき、先読み処理の高速化を図ることができる。
この場合において、例えば、少なくとも一つの保留エリアの第1当たり乱数カウンタC1に対して大当たりと判定された後は、大当たりと判定されていない残りの保留エリアの第1当たり乱数カウンタC1に対してのみ、大当たり抽選の予測処理を継続して実行するようにしてもよい。同様に、少なくとも一つの保留エリアのカウンタ値に対して、一の判定の予測が完了した後は、判定の予測が完了していない残りの保留エリアのカウンタ値に対してのみ、該一の判定の予測処理を継続して実行するようにしてもよい。これにより、大当たり抽選の予測や判定の予測が完了したカウンタ値に対して、当たり値や判定値との比較が行われないので、処理の無駄を省略でき、先読み処理の高速化を更に図ることができる。
一方、例えば、少なくとも一つの保留エリアの第1当たり乱数カウンタC1に対して大当たりと判定された後においても、先読みが未実行であった全ての保留エリアの第1当たり乱数カウンタC1に対して、大当たり抽選の予測処理を継続して実行するようにしてもよい。同様に、少なくとも一つの保留エリアのカウンタ値に対して、一の判定の予測が完了した後においても、先読みが未実行であった全ての保留エリアのカウンタ値に対して、該一の判定の予測処理を継続して実行するようにしてもよい。これにより、処理に無駄が生じるおそれがあるものの、いずれかの保留エリアに対して大当たり抽選の予測や判定の予測が完了したかを判断して、予測に用いる保留エリアを変更する処理が不要となるため、処理を簡略化することができる。よって、先読み処理を行うことによる制御プログラムに係る容量の増大を小さく抑えることができる。
また、先読みが未実行の全ての保留エリアから各カウンタC1〜C3,CS1の値を同時並行で先読みするようにした場合、先読み確変フラグ203hの値の設定は、先読みが実行された保留エリアの中で、エリア番号の最も小さな保留エリアから順に、その保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値により予測された大当たり抽選結果を考慮して先読み確変フラグの設定を行うようにしてもよい。
このとき、複数の保留エリアの中でエリア番号の小さい保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値により予測された大当たり抽選結果に基づき、先読み確変フラグ203hの設定がオフからオンに変更されたり、オフからオンに変更されたりした場合は、その保留エリアよりもエリア番号の大きな保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みが、誤った先読み確変フラグ203hに基づいて行われていることになる。よって、このような場合には、新たに設定された先読み確変フラグ203hの値に基づいて、先読み確変フラグ203hの設定を変更するに至った保留エリアよりもエリア番号の大きな保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みを再度実行するようにしてもよい。これにより、先読みが未実行の全ての保留エリアから各カウンタC1〜C3,CS1の値を同時並行で先読みするようにした場合であっても、全ての保留エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値の先読みを正しく行うようにすることができる。
尚、上記実施形態に記載の「第3図柄」が特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり」が特許請求の範囲に記載の「所定の遊技価値」に対応し、上記実施形態に記載の「変動パターンコマンド」および「停止種別コマンド」が特許請求の範囲に記載の「演出制御信号」に対応し、上記実施形態に記載の「メイン処理」が特許請求の範囲に記載の「第1処理」に対応し、上記実施形態に記載の「タイマ割込処理」が「第2処理」に対応し、それら「メイン処理」及び「タイマ割込処理」を実行するMPU201が特許請求の範囲に記載の「第1処理手段」及び「第2処理手段」に対応し、上記実施形態に記載の「変動パターン」が特許請求の範囲に記載の「変動演出の動的表示態様」に対応する。また、上記実施形態に記載の「保留第1〜第4エリア」が特許請求の範囲に記載の「格納エリア」に対応し、上記実施形態に記載の「先読み情報第0〜第4エリア」が特許請求の範囲に記載の「判断格納エリア」に対応し、上記実施形態に記載の「先読み情報有効フラグ」が特許請求の範囲に記載の「有効情報格納エリア」に対応する。また、上記実施形態に記載の「連続予告演出」が特許請求の範囲に記載の「示唆演出」に対応し、上記実施形態に記載の「単発予告演出」が特許請求の範囲に記載の「第2示唆演出」に対応する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、画像コントローラ237がキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送する処理を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスし、キャラクタROM234から画像データを読み出して、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。そして、この場合、MPU231がキャラクタROM234から読み出した画像データを一旦バッファRAM237aに格納し、次いで、MPU231が、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判別して、未使用であれば、バッファRAM237aから転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送するようにしてもよい。
この場合、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かの判別は、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す常駐用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)と、画像コントローラ237が通常用ビデオRAM236にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す通常用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)とを画像コントローラ237に設け、MPU231が転送先のビデオRAMに対応するアクセスフラグを確認することで行うようにしてもよい。
或いは、画像コントローラ237と常駐用ビデオRAM235との間で送受信される信号、或いは、画像コントローラ237と通常用ビデオRAM236との間で送受信される信号をMPU231によって監視し、その信号の状態から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを確認してもよい。或いは、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に対してアクセスを開始する場合や、アクセスを終了する場合に、随時、その情報を画像コントローラ237からMPU231に通知することによって、MPU231はその通知に基づいて常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判断してもよい。
或いは、画像コントローラ237が第3図柄表示装置81を走査する場合に、その走査がブランク期間中(第3図柄表示装置81に設けられた表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間中)であるか否かを、MPU231が画像コントローラ237の駆動状態を確認するか若しくは画像コントローラ237からの通知によって把握し、走査状態がブランク期間にある場合は、各ビデオRAM235,236が未使用中であると判断してもよい。これにより、画像コントローラ237の第3図柄表示装置81の走査状態だけを確認して、未使用中であるか否かを判断するので、その判断を簡単に行うことができる。
また、この場合、MPU231は、転送データテーブルバッファ233fに設定された転送データテーブルにおいて、ポインタ233gで示されるアドレスにNullデータではない転送データ情報が存在する場合に、その転送データ情報に従って、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理を開始するようにしてもよい。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って画像データを転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236に格納させておくことができる。そして、その通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
なお、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理は、MPU231によって実行されるメイン処理のループの中で行うようにしてもよい。これにより、MPU231において、コマンド割込処理やV割込処理といった表示制御装置114における重要な処理が行われていない時間を利用して、画像データの転送処理を実行することができる。また、コマンド割込処理やV割込処理は、表示メイン処理などよりも優先して実行される処理であるので、コマンド割込処理やV割込処理に影響を与えることなく、MPU231が画像データの転送処理を実行することができる。
上記各実施形態において、MPU231は、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれが持つアドレスを用いて、各ビデオRAMを管理するのではなく、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236とで共通に用いられるアドレス体系の中で、各ビデオRAM毎に異なるアドレス領域を割り当てて、それぞれのビデオRAMを管理してもよい。このようにすれば、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスしたいビデオRAM(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を直接指定することなく、単にアドレスを指定するだけで、そのアドレスで指定された領域が常駐用ビデオRAM235に対するものであるのか、通常用ビデオRAM236に対するものであるのかを画像コントローラ237が判断することができる。即ち、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスすべきビデオRAMとそのビデオRAMの領域のアドレスとを指定する場合に、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを指定すればよいので、その指定を行う命令の構成を単純化することができる。例えば、MPU231から画像コントローラ237に対して送信され描画リストにおいて、スプライトのデータの格納先を示す情報として、格納RAM種別を含めることなく、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを用いて格納先のアドレスを指定するだけでよいので、その描画リストの構成を単純化することができる。
上記各実施形態では、キャラクタROM234をMPU231と画像コントローラ237の接続されるバスライン240に直接接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、キャラクタROM234を画像コントローラ237に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234の入出力仕様を、マスクROMの入出力仕様に変換するブリッジ回路を設け、そのブリッジ回路を介してキャラクタROM234をバスライン240または画像コントローラ237に接続して設けてもよい。
このブリッジ回路を設けることにより、キャラクタROMとして一般的なマスクROMを用いることを前提に設計された既存の画像コントローラ237又はバスライン240をそのまま使用して、NAND型フラッシュメモリ234aにより構成されたキャラクタROM234を接続することができる。尚、キャラクタROM234が画像コントローラ237やブリッジ回路を介して接続される場合であっても、MPU231からキャラクタROM234に直接アクセスできるように構成してもよい。
上記各実施形態では、キャラクタROM234がNAND型フラッシュメモリ234aで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大容量で且つ安価な不揮発性の記憶手段、例えば、ハードディスクなどによって構成されてもよい。このような大容量で且つ安価な記憶手段は、一般的に読み出し速度が遅いが、表示制御装置114を上記各実施形態で説明した構成とすることにより、表示させたい時間に画像を問題なく表示させることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114においてメイン処理を起動する場合に、ROMコントローラ234bにおいて、バスライン240のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットした上で、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、バスライン240を介してMPU231へ出力する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ROMコントローラ234bが電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、ROMコントローラ234bが第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットし、次いで、ROMコントローラ234bにおいてバスライン240のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、バスライン240を介してMPU231へ出力してもよい。この場合、MPU231がシステムリセット解除後にバスライン240に対してアドレス「0000H」を指定すると、既にバッファRAM234cに第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムがセットされているか、セットされる途中であるので、キャラクタROM234は、アドレス「0000H」がMPU231によって指定されてからより少ないディレイで対応するデータ(命令コード)を出力することができる。従って、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
また、上記各実施形態では、キャラクタROM234にNOR型ROM234dを設け、電源投入後に先ず実行すべきブートプログラムをNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、キャラクタROM234のROMコントローラ234bに小容量のROMを内蔵させ、そのROMに電源投入後に先ず実行すべきブートプログラムを格納してもよい。この場合、ROMコントローラ234bは、バスライン240のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、内蔵のROMに記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cへセットした上で、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、バスライン240を介してMPU231へ出力してもよい。また、ROMコントローラ234bは、電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、内蔵のROMに記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cへセットし、次いで、ROMコントローラ234bにおいてバスライン240のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、バスライン240を介してMPU231へ出力してもよい。
ここで、一般的に内蔵ROMは接続配線を短くできるので、配線にかかる寄生容量を小さくできる。これにより、信号の伝搬に生じる配線遅延を小さくすることができるため、データの読み出し時間を短くすることができる。また、内蔵ROMは、個々のハードウェア仕様に合わせてそのデータバス幅を自由に設計することも可能であるので、データのバス幅を広く設定すれば、一度に多くのデータを読み出すことも可能である。よって、このような内蔵ROMにブートプログラムを記憶させておけば、その内蔵ROMから、MPU231において電源投入後に先ず実行されるブートプログラムを高速に読み出して、バッファRAM634cにセットし、そのセットしたプログラムから、バスライン240に指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をMPU231に対して出力することができる。従って、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
また、電源投入後に先ず実行すべきブートプログラムをキャラクタROM234内のNOR型ROM234dやROMコントローラ234bの内蔵ROMに記憶することに代えて、キャラクタROM234の外部に設けられると共に且つバスライン240に接続される極めて小容量(例えば、2キロバイト)のNOR型ROMに、電源投入後に先ず実行すべきブートプログラムを格納してもよい。この場合、バスライン240に接続されたキャラクタROM234外部のNOR型ROMは、MPU231によりバスライン240に指定されたアドレスが、MPU231がシステムリセット解除後に最初に実行すべきブートプログラムの一部に対応するアドレス(例えば、「0000H」〜「0400H」)であることを検知すると、そのアドレスに対応するデータ(命令コード)を第1プログラム記憶エリア735aより読み出して、MPU231に対して出力するように構成されてもよい。また、このときのキャラクタROM734のデータ出力が、ハイインピーダンス状態となるように、ROMコントローラ234bが構成されてもよい。
ここで、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、キャラクタROM234の外部に設けられると共に且つバスライン240に接続される極めて小容量(例えば、2キロバイト)のNOR型ROMに、MPU231がシステムリセット解除後に最初に実行すべきブートプログラムの一部を記憶させておくことで、そのNOR型ROMから、そのブートプログラムの一部を高速に読み出して、MPU231に対して出力することができる。よって、MPU231では、その高速に読み出されるブートプログラムの命令コードを即座にフェッチできるので、メイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。また、この場合、バスライン240にNOR型ROMを接続させるため、部品点数が上記各実施形態と比して増加するが、このNOR型ROMは、MPU231がシステムリセット解除後に最初に実行すべきブートプログラムの一部を記憶するために設けたものであり、その容量として、上述したように、極めて小さいものを用いることができる。よって、NOR型ROMを設けることによるコストの増加を小さく押させることができる。
尚、この場合、キャラクタRAM234の外部に設けられると共にバスライン240に接続され且つ電源投入後に先ず実行すべきブートプログラムを格納するメモリとして、NOR型ROMに代えて、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリを用いてもよい。例えば、このようなメモリとして、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などを用いてもよい。
また、電源投入後に先ず実行すべきブートプログラムを含めて全ての制御プログラムをキャラクタROM234内のNAND型フラッシュメモリ234aに格納しておき、ROMコントローラ234bが電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、NAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている電源投入後に先ず実行すべきブートプログラムをバッファRAM234cへセットし、次いで、ROMコントローラ234bにおいてバスライン240のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、バスライン240を介してMPU231へ出力してもよい。
これにより、MPU231によってバスライン240にアドレス「0000H」が指定される段階では、NAND型フラッシュメモリ234aからそのブートプログラムの一部の読み出し処理を開始しているか、もしくは、既にそのブートプログラムの一部がバッファRAM534cにセットされている。よって、システムリセット解除に伴いMPU231がバスライン240にアドレス「0000H」を指定した段階で、既にブートプログラムの一部がバッファRAM234cにセットされていれば、キャラクタROM234は指定されたアドレスのデータ(命令コード)をバッファRAM234cから即座に読み出すことができる。また、MPU231がバスライン240にアドレス「0000H」を指定した段階で、ブートプログラムの一部がバッファRAM234cに未セット状態であっても、既に、NAND型フラッシュメモリ234aからそのブートプログラムの一部の読み出し処理が開始されている。よって、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを受けてNAND型フラッシュメモリ234aからそのブートプログラムの一部の読み出しを開始する場合と比して、MPU231がバスライン240にアドレス「0000H」を指定してから、キャラクタROM234がバッファRAM234cにそのブートプログラムの一部をセットし、バッファRAM234cから指定されたアドレスのデータ(命令コード)をMPU231に対して出力するまでの時間を短縮することができる。従って、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ214aで構成されたキャラクタROM214に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
また、ROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラムを指定するものであると検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1から直接、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)を読み出し、バスライン240を介してMPU181に対して出力するようにしてもよい。これにより、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。また、この場合、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラム(ブートプログラム)をバッファRAM634cにセットする処理を行わないようにしてもよい。これにより、キャラクタROM234における電力消費を抑制することができる。
上記各実施形態では、キャラクタROM234にNOR型ROM234dを設け、その第1プログラム格納エリア234d1にMPU181においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234d1よりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU234においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などをキャラクタROM234に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235を画像コントローラ237に接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、MPU231とキャラクタROM234と画像コントローラ237とが接続されるバスライン240に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介してバスライン240または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続して設けてもよい。ブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続するように構成すれば、既存の画像コントローラ237又はバスライン240が、常駐用ビデオRAM235を直接接続可能に構成されていなくても、常駐用ビデオRAM235を表示制御装置114に容易に設けることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114に1つの常駐用ビデオRAM235と1つの通常用ビデオRAM236とを設ける場合について説明したが、各種ビデオRAMの数はこれに限定されるものではなく、より多くのビデオRAMを設けてもよい。また、常駐用ビデオRAMを複数設け、それぞれに各種モードなどに応じた画像に対応する画像データを常駐させておき、そのモードに応じて使用する常駐用ビデオRAMを選択するようにしてもよい。
上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を、1ポート型(入出力ポートが1ポート)のDRAMによって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、マルチポート型のRAMを用いてもよい。これにより、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236への書き込みと読み出しを同時に行うことができるので、例えば、通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行いながら、キャラクタROM234から読み出された画像データを通常用ビデオRAM236へ書き込む処理を並列処理することができる。よって、画像データの書き込みによって描画処理が遅延する恐れを抑制することができる。
また、上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とを別のメモリによって構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つのRAMを常駐領域と通常領域とに分割し、それぞれの領域に対して、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれと同一の内容が記憶されるようにしてもよい。尚、1つのRAMで常駐領域と通常領域とを構成する場合、そのメモリの入出力ポートが、常駐領域および通常領域のうち一方の領域によって、読み出し又は書き込み処理で占有されることを防止するため、マルチポート型のRAMを用いるのが望ましい。
上記各実施形態における常駐用ビデオRAM235に格納される画像データの種類は一例であり、その種類は、第3図柄表示装置81に表示させる画像の内容に応じて適宜設定されるものであってもよい。この場合、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信した受信コマンドやその他外部からの入力に応じて、即座に第3図柄表示装置81へ表示すべき画像に対応する画像データを少なくとも常駐用ビデオRAM235へ常駐させるのが好ましい。
上記各実施形態では、キャラクタROM234に格納された画像データの一部を常駐用ビデオRAM235へ転送し、常駐させる場合について説明したが、キャラクタROM234に格納された全ての画像データを常駐用ビデオRAM235へ転送してもよい。この場合、常駐用ビデオRAM235に非常駐のキャラクタROM234に格納された画像データは存在しないので、通常用ビデオRAM236は、画像コントローラ237による描画によって得られた描画画像データを格納するための専用メモリとして用いてもよい。
上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235は、電源投入中、上書きされずにその内容が保持され続ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、主制御手段110または音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示させる画像を大きく異ならせる場合など、所定の契機に基づいて、常駐用ビデオRAM235に常駐させる画像データを上書きして更新するようにしてもよい。この場合、第3図柄表示装置81に表示させる画像を変更する間、移行期間として所定の移行画像を表示させてもよい。また、その移行画像に対応する画像データは、電源投入時に常駐用ビデオRAM235に格納され、その他の常駐用画像が更新されるときにも更新されずに常駐用ビデオRAM235に保持され続けるようにしておいてもよい。また、その移行画像を表示させている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。或いは、その移行画像を表示させている間に、MPU231が画像コントローラ237に対して新たに常駐すべき画像データの転送指示(転送データ情報)を送信し、画像コントローラ237が、その転送指令(転送データ情報)に従ってキャラクタROM234から常駐すべき画像データを読み出し、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。
また、常駐用ビデオRAM235を更新する場合、予め移行画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送しておき、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて移行画像を第3図柄表示装置81に表示させもよい。そして、その移行画像が表示されている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。或いは、MPU231より常駐すべき画像データの転送指示を受けた画像コントローラ237がキャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。移行画像を表示させている間に、常駐用ビデオRAM189の内容を更新することにより、遊技者に違和感を持たせることなく、その常駐用ビデオRAM189の更新を行うことができる。
上記各実施形態において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データを全て常駐した後、停電解消時に常駐用ビデオRAM235のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を記憶させておき、電源投入後に表示制御装置114のMPU231で実行されるメイン処理の中で、電源投入時主画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送開始する前に、RAM判定値を確認し、そのRAM判定値が正常な値であれば、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが正常に格納され続けていることを意味するので、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行とするように構成してもよい。この場合、簡易画像表示フラグをオフにすることで、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行となるようにしてもよい。これにより、瞬停の発生によって、表示制御装置114にシステムリセットが入力され、MPU231によってメイン処理の実行が開始された場合であっても、常駐用ビデオRAM235のデータが正常に格納されている場合は、無駄にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データが転送されるのを防ぐことができ、停電復帰にかかる時間を短縮することができる。特に、キャラクタROM234は、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データを転送する場合には長い時間を要する。これに対し、本変形例のように常駐用ビデオRAM235にRAM判定値を記憶させることで、瞬停などにより常駐用ビデオRAM235のデータが正常に残っている場合は、その画像データの転送に要する時間を短縮できるので、第3図柄表示装置81に対して、即座に通常の演出画像を表示させることができる。よって、遊技者に即座に遊技を開始させることができる。なお、RAM判定値は、例えば常駐用ビデオRAM235に記憶される画像データのチェックサム値であってもよい。また、このRAM判定値に代えて、常駐用ビデオRAM235の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりデータの有効性を判断するようにしても良い。
上記各実施形態では、バッファRAM237aを画像コントローラ237内に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237の外に設けてもよい。例えば、バッファRAMを単独で構成し、バスライン240に直接接続するように構成してもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介してバスライン240または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路内にバッファRAMを設けてもよい。更に、そのバッファRAMを有するブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235が直接接続されてもよい。この場合、ブリッジ回路に接続されたキャラクタROM234から、ブリッジ回路に設けられたバッファRAMを介して、常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、データ信号のやりとりが多いバスライン240に影響されることなく、効率的に転送を行うことができる。
上記各実施形態では、バッファRAM237aの記憶容量を、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜設定されるものであってもよい。例えば、第3図柄表示装置81が有する表示画面の走査期間のうち、実際の画像が表示される表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間(ブランク期間)中に、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データの転送が完了できる程度のデータ容量を、バッファRAM237aの記憶容量としてもよい。これにより、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、このブランク期間に生じる各ビデオRAM235,236の未使用期間を利用することで、確実に行うことができる。
上記各実施形態では、バッファRAM237aを1つ設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バッファRAMを2つまたはそれ以上設けてもよい。この場合、一のバッファRAMにキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、別のバッファRAMから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ格納された画像データを転送するように構成してもよい。また、1つのバッファRAMの中で領域を2つ又はそれ以上に分割し、一の領域にキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、画像データが格納されている別の領域から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ、その画像データを転送するように構成してもよい。いずれの場合であっても、キャラクタROM234から読み出された画像データのバッファRAMへの書き込みと、バッファRAMに書き込まれた画像データの常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への転送とを並列して処理できるので、その処理にかかる時間を短縮できる。
上記各実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像や電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
上記各実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM434から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
上記各実施形態では、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、パチンコ機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更することができる。また、表示制御装置114が直接パチンコ機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更してもよい。そして、変更後の背面画像、または、変更後の演出態様のスーパーリーチに対応する背面画像の少なくとも一部の範囲に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されることによって、その常駐された範囲から、その背面画像を、背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて即座に表示させることができる。
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブルや追加データテーブルの規定に従って背面画像を変更してもよい。この場合、変更後の背面画像に対応する画像データは、転送データテーブルに記載された転送データ情報に従って、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ予め転送されるように構成してもよい。ここで、転送データテーブルに記載された転送データ情報によって背面画像の画像データを転送する場合、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアのうち元々の背面画像が格納されたサブエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよいし、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアとは別のエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよい。後者の場合、背面画像を遊技者によって選択されて表示されていた元の背面画像に戻す際に、改めて元の背面画像に対応する画像データを転送する必要がないので、表示制御装置114の処理負荷の増大を抑制することができる。
上記各実施形態では、振動センサ228の出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサ228の出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
一方、振動センサ228の出力信号を表示制御装置114に入力し、表示制御装置114にて振動エラーの有無を検出するように構成してもよい。そして、振動エラーが検出された場合、エラー発生フラグをオンにし、更に、振動エラーに対応するエラー判別フラグをオンすることによって、表示設定処理(図42参照)においてエラー発生フラグがオンであることを判別した場合に警告画像設定処理(図44(b)参照)を実行することで、第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させてもよい。この場合、これにより、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へのエラーコマンドの送受信が不要となるため、より早く警告画像を第3図柄表示装置81へ表示させることができる。
また、上記各実施形態では、振動センサ228が遊技板213の裏面に取り付けられている場合について説明したが、振動センサ228に代えて、若しくは、振動センサ228と共に、磁石センサが遊技板213の裏面に取り付けられてもよい。この磁石センサは、磁石などの磁界によって球の流れが変えられ、意図的に入球口への入球が行われることを抑制するために、遊技板に加えられた磁界を検出するためのセンサであり、磁石センサの出力信号は、主制御装置110,音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかに入力されるようにしてもよい。そして、磁石センサの出力信号が主制御装置110に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき主制御装置110によって遊技板213に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113経由で、または、直接、表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が音声ランプ制御装置113に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき音声ランプ制御装置113によって遊技板213に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が表示制御装置310に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき表示制御装置114によって遊技板213に磁界が加えられたと判断されると、表示制御装置113は、エラー発生フラグをオンすると共に、磁界エラーに対応するエラー種別フラグをオンに設定してもよい。そして、表示制御装置113の常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fには、磁界エラーを第3図柄表示装置81の表示によって報知するためのエラーメッセージ画像に対応する画像データが常駐されるように構成し、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113から磁界エラーを伝えるエラーコマンドを受信し、或いは、磁石センサからの出力信号に基づいて、磁界エラーの発生を把握すると(即ち、エラー発生フラグがオンに設定され、磁界エラーに対応するエラー種別フラグがオンに設定されると)、表示制御装置113は、第3図柄表示装置81にその警告画像を表示するようにしてもよい。これにより、表示制御装置114は、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113からのエラーコマンドを受信し、或いは、磁石センサからの出力信号に基づいて、磁界エラーの発生を把握すると、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成した場合であっても、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに常駐されているエラーメッセージ画像を用いて、遅滞なく磁界エラーを報知するエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、遊技者により遊技板に対して磁界が加えられると、第3図柄表示装置81によるエラーメッセージ画像の表示によって、その磁界エラーが即座に報知されるので、遊技者に対して不正な行動を抑止させることができる。
上記各実施形態では、追加データテーブルとして、変動演出において通常では表示されない連続予告演出を第3図柄表示装置81に追加して表示させるための描画内容が既定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示すべき種々の演出を描画するための描画内容が規定されたものであってもよい。また、追加データテーブルでは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常では表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容を規定するのに代えて、または、そのような描画内容を規定するのに加えて、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容や、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものであってもよい。
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、追加データテーブルバッファ233eに設定された追加データテーブルに規定される追加描画内容においてポインタ233gにより示されるアドレスに色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容においてポインタ233gにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、追加データテーブルにより規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が追加データテーブルによって規定される場合、その追加データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、追加データテーブルバッファ233eに設定された追加データテーブルに規定される追加描画内容において、ポインタ233gにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容において、ポインタ233gにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。
上記各実施形態では、表示制御装置314において、ベースとなる演出(例えば、変動演出)の描画内容を規定した表示データテーブルのほかに、追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の描画内容を規定した追加データテーブルを設定して、それぞれのデータテーブルからポインタ233gに示されるアドレスの描画内容を取得する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ベースとなる演出(例えば、変動演出)に対して追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の表示が決定された場合に、そのベースとなる演出に対応する表示データテーブルに対して、追加して表示される演出に対応する追加データテーブルの描画内容を、表示時間を示すアドレス毎に追記して、新たな表示データテーブルを生成し、その新たな表示データテーブルに基づいて、画像の描画内容を取得するようにしてもよい。これにより、ベースとなる演出に対して追加して表示される演出を容易に表示させることができる。また、ベースとなる演出の種別毎に、そのベースとなる演出だけの描画内容を規定した表示データテーブルと、ベースとなる演出に追加して表示される演出を重ねた画像内容を規定した表示データテーブルとを持たせる必要がないので、データテーブルの数が増大するのを抑制することができる。また、新たに作成した表示データテーブルだけを用いて描画内容を特定することができるので、表示データテーブルおよび追加データテーブルの2つから描画内容を特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
尚、ベースとなる演出に対して追加して表示させる演出の非表示が決定された場合は、そのベースとなる演出に対応する表示データテーブルをそのまま用いて、画像の描画内容を取得するようにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、ベースとなる演出(例えば、変動演出)の描画内容と合わせて、追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の描画内容を、それが追加して表示される演出の描画内容であることを明示した形式で記述しておき、その追加して表示される演出を表示させる場合は、ベースとなる演出の描画内容と合わせて、その追加して表示される演出の描画内容を、その表示データテーブルから特定し、その追加して表示される演出が非表示とされる場合は、追加して表示される演出の描画内容を破棄して、ベースとなる演出の描画内容だけをその表示データテーブルから特定するようにしてもよい。これにより、追加して表示される演出の描画内容を規定した追加データテーブルが不要となるので、追加データテーブルに対する制御が不要となり、処理の負荷の軽減を図ることができる。
上記各実施形態では、転送データテーブルを各表示データテーブルに対応させて用意する場合について説明したが、それに加えて、各追加データテーブルに対応させた転送データテーブルである追加用転送データテーブルを用意してもよい。この追加用転送データテーブルでは、追加データテーブル(または表示データテーブル)において規定されるアドレスに対応させて、対応する追加データテーブルで用いられ、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データの転送データ情報が記載されていてもよい。
この場合、例えば、上記各実施形態においては、表示制御装置281のワークRAM233に追加用転送データテーブルバッファを設け、一の追加データテーブルが追加データテーブルバッファ233eに設定された場合、表示データテーブルに対応した転送データテーブルとは別に、その一の追加データテーブルに対応する追加用転送データテーブルを追加用転送データテーブルバッファに設定するようにしてもよい。そして、MPU231は、追加用転送データテーブルバッファに設定された追加用転送データテーブルにおいて、ポインタ233gによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されていれば、その転送データ情報を描画リストに追加するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、追加データテーブルによって用いられるスプライトの画像データを、その画像データが用いられる前に予め通常用ビデオRAM236に転送しておくことができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、追加データテーブルにより規定された演出を容易に且つ確実に第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、追加データテーブルに対応する追加用転送データテーブルを用いることによって、追加データテーブルに基づく画像の描画を指示しながら、必要な画像データを通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、追加データテーブルによって多くのスプライトの描画を指定することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種態様な演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114において、表示データテーブルに対応して、その表示データテーブルで用いられるスプライトに対応する画像データの転送データ情報を規定した転送データテーブルを用意し、所定の表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その所定の表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233fに設定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する場合に、その表示データテーブルに対して、対応する転送データテーブルによって規定された転送データ情報を、表示時間を示すアドレス毎に追記して、新たな表示データテーブルを生成し、その新たな表示データテーブルに基づいて、画像の描画内容と転送データ情報とを同時に取得するようにしてもよい。これにより、表示データテーブルを用いて描画内容と転送データ情報とを特定することができるので、表示データテーブルおよび転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
また、各追加データテーブルに対応させた転送データテーブルである上述の追加用転送データテーブルを用意した場合は、所定の追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定する場合に、その追加データテーブルに対して、対応する追加用転送データテーブルによって規定された転送データ情報を、表示時間を示すアドレス毎に追記して、新たな追加データテーブルを生成し、その新たな追加データテーブルに基づいて、画像の描画内容と転送データ情報とを同時に取得するようにしてもよい。これにより、追加データテーブルを用いて追加して表示すべき演出の描画内容と、その描画に必要な画像の転送データ情報とを特定することができるので、追加データテーブルおよび追加用転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
また、ベースとなる演出(例えば、変動演出)に対して追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の表示が決定された場合に、そのベースとなる演出に対応する表示データテーブルに対して、追加して表示される演出に対応する追加データテーブルの描画内容を、表示時間を示すアドレス毎に追記して、新たな表示データテーブルを生成し、その新たな表示データテーブルに基づいて、画像の描画内容を取得する場合は、その表示データテーブルに対して、更に、表示データテーブルに対応する転送データテーブルによって規定された転送データ情報を、表示時間を示すアドレス毎に追記すると共に、追加データテーブルに対応する追加用転送データテーブルによって規定された転送データ情報を、表示時間を示すアドレス毎に追記して、新たな表示データテーブルを生成してもよい。これにより、表示データテーブルを用いて、ベースとなる演出の描画内容と、追加すべき演出の描画内容と、それらの描画に必要な画像の転送データ情報とを特定することができるので、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルおよび追加用転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
また、表示データテーブルに予め転送データ情報を記述しておいてもよい。これによっても、表示データテーブルを用いて描画内容と転送データ情報とを特定することができるので、表示データテーブルおよび転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。また、表示データテーブルにおいて、ベースとなる演出(例えば、変動演出)の描画内容と合わせて、追加して表示される演出(例えば、連続予告演出)の描画内容を、それが追加して表示される演出の描画内容であることを明示した形式で記述する場合において、その表示データテーブルに、ベースとなる演出で用いられる転送データ情報だけでなく、追加して表示される演出の描画で用いられる画像の転送データ情報を、それが追加して表示される演出の転送データ情報であることを明示した形式で記述しておき、その追加して表示される演出を表示させる場合は、ベースとなる演出の描画内容ならびに転送データ情報および追加して表示される演出の描画内容ならびに転送データ情報を、その表示データテーブルから特定し、追加して表示される演出が非表示とされる場合は、追加して表示される演出の描画内容ならびにその転送データ情報を破棄して、ベースとなる演出の描画内容ならびにその転送データ情報だけをその表示データテーブルから特定してもよい。これにより、表示データテーブルを用いて、ベースとなる演出の描画内容ならびに転送データ情報と、追加すべき演出の描画内容ならびに転送データ情報とを特定することができるので、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルおよび追加用転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
上記各実施形態では、遊技者にスーパーリーチを選択させる変動パターンに対応する表示テーブルにおいて、遊技者により選択され得る全てのスーパーリーチに対応する描画内容を表示データテーブル内に規定しておき、遊技者によって選択されたスーパーリーチに対応する描画内容だけを特定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各スーパーリーチを追加して表示させる演出ととらえ、それぞれのスーパーリーチに対応する追加データテーブルを用意しておき、遊技者に選択されたスーパーリーチに対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定するようにしてもよい。また、選択されたスーパーリーチに対応する追加データテーブルに規定された描画内容を、表示データテーブルに追記するようにしてもよい。これによって、遊技者により選択されたスーパーリーチの描画内容を容易に特定することができる。また、表示データテーブルに全てのスーパーリーチに対応する描画内容を規定しておく必要がないので、表示データテーブルのデータサーズが大きくなることを抑制できる。
上記各実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な用紙に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記各実施形態では、表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルで、共通のポインタ233gを用いて、そのポインタ233gによって示されるアドレスから描画内容や転送データ情報を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
上記各実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記各実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記各実施形態では、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定された後、その確定表示演出が終了するまでに、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれも受信しなかった場合は、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する場合について説明したが、これを、再び確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようにしてもよい。また、この場合、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれかが受信されるまで、確定表示演出が終了するたびに、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに再設定するようにしてもよい。これにより、主制御装置110から変動パターンコマンド又はデモコマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81に確定表示演出を表示させ続けることができる。
上記各実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記各実施形態では、表示制御装置114において、電源投入後にまず電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示制御装置114において、電源投入後にまず電源投入時主画像に対応する画像データのみをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、電源投入時変動画像に対応する画像データを含む常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するようにしてもよい。これにより、電源投入時主画像を電源投入後により早く第3図柄表示装置81へ表示させることができるので、遊技者やホール関係者、又は、製造時の工場等における動作チェックにおいて、パチンコ機10が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。
また、この場合、MPU231が、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送完了を監視するようにしてもよい。これにより、電源投入時変動画像エリア235bに電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されて以降に、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信すれば、その表示用変動パターンコマンドに基づき、電源投入時変動画像エリア235bに格納された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、簡易的な変動表示を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させた直後に行うのが望ましい。これにより、電源投入時変動画像による変動表示をより早く行えるようにすることができる。
上記各実施形態において、表示データテーブル、追加データテーブル、転送データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)や、その時間に転送すべき画像データの情報(転送データ情報)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルや追加データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114のワークRAM233に格納画像判別フラグ233jを設け、スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを記憶させる場合について説明したが、これに代えて、画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報をワークRAM233に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データを転送指示する場合に、ワークRAM233に記憶された画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報を参照して、その所定の画像データが既に画像格納エリア236aに格納されているか否かを判別し、格納されていなければ、その所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定してもよい。また、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定した場合、その転送指示が設定されたスプライト種別を示す情報をワークRAM233に格納すると共に、そのスプライト種別の画像データが格納される画像格納エリア236aのサブエリアに格納されていたスプライト種別を示す情報を消去するようにしてもよい。
上記各実施形態では、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ所定のスプライト種別の画像データを転送する際に、格納画像判別フラグ233jに基づいて、そのスプライト種別の画像データが通常用ビデオRAM437に格納されているか否かを判断し、通常用ビデオRAM236に、その所定のスプライト種別の画像データが格納されていれば、その転送処理を非実行とする処理を、MPU231が行う場合について説明したが、この処理を、画像コントローラ237が行うようにしてもよい。この場合、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、格納画像判別フラグ233jと同等のフラグを用意して、各スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているかどうかを記憶させてもよい。また、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を記憶させるようにしてもよい。なお、この場合、MPU231は、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への所定のスプライト種別の画像データの転送が必要であれば、通常用ビデオRAM236における画像データの格納状態に関わらず、画像コントローラ237に対して、その画像データの転送データ情報を送信するようにしてもよい。
上記各実施形態では、複数の背面画像のうち、「背面A」に対応する画像データのみを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2以上の背面画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させるようにしてもよい。例えば、一部又は全てのスーパーリーチで用いられる背面画像の画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させてもよい。特に、出現頻度が高い又は高いと予想されるスーパーリーチの背面画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させることにより、キャラクタROM737から通常用ビデオRAM536への画像データの転送処理が実行される回数を抑制することができる。
上記各実施形態では、転送データテーブルによって、ポインタ233gで示されるアドレスに対応付けて画像データの転送指令が規定され、MPU231は、その表示ポインタにより規定される所定の時間にその転送指令で指示された画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルの先頭に、その表示データテーブルにおいて必要となるスプライト種別に関する情報を記載し、MPU231は、その表示データテーブルの先頭に記載された情報に基づいて、必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。若しくは、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、MPU231がそのコマンドに対応して第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別を判断して、その画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。
上記各実施形態では、「島ステージ」の背面画像である背面Cにおいて、その画像の一部の色調が時間と共に変化する場合について説明したが、画像全体の色調が時間と共に変化するものであってもよい。また、背面画像として、時間の経過と共にスクロールしたり、色調が変化したりするものだけではなく、また、そのような背面画像に代えて、時間の経過と共に、登場する物体(例えば、人物)が移動したり、大きさや形状などが変化したりするようなものであってもよい。
上記各実施形態では、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出も実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10に第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、連続予告演出を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29〜33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および第1図柄表示装置37)において変動演出が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29〜33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29〜33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるで、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29〜33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29〜33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
尚、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29〜33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29〜33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
また、上記各実施形態では、連続予告演出が行われる場合に、変動演出とは別の連続予告演出用の画像が第3図柄表示装置81に表示される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、連続予告演出を、変動演出が終了したときに表示される停止図柄として、所定の図柄の組み合わせである、所謂「チャンス目」を表示させることによって行ってもよい。この場合、表示制御装置113のMPU221で実行されるコマンド判定処理の連続予告コマンド処理(図40(a)参照)の中で、チャンス目に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄判別フラグをオフに設定するようにしてもよい。コマンド判定処理では、停止識別コマンド処理の後に連続予告コマンド処理を実行するので、表示用停止識別コマンドの受信によって設定された停止図柄に代えて、チャンス目が停止図柄として設定される。よって、変動停止時にチャンス目を確定表示させることができる。そして、第3図柄表示装置81において、変動演出ごとに停止図柄としてチャンス目が連続して表示されれば、遊技者に対して、最終的に大当たりが得られる期待感を持たせることができる。
上記実施形態において、連続予告演出の画像として必ず「クラゲ」画像を表示するように構成されていたが、連続予告演出の画像として複数の画像を用意してもよい。この場合は、連続予告演出の実行を決定した場合に、どの画像を用いて連続予告演出を実行するかを決定するようにしてもよい。また、それぞれの画像に応じて、その画像に係る連続予告演出が行われたときに、大当たりとなる確率を変えてもよい。例えば、連続予告演出の画像として「泡」画像と「クラゲ」画像とを用意し、「クラゲ」画像によって連続予告演出が行われた場合に大当たりとなる確率のほうが、「泡」画像によって連続予告演出が行われた場合に大当たりとなる確率よりも高くなるように、連続予告判定テーブルにおける連続予告決定確率を規定してもよい。
尚、連続予告演出の画像として複数の画像が用意される場合は、単発予告演出の画像として、これら複数の画像の全部または一部の中から選んで表示されるように構成してもよい。若しくは、単発予告演出の画像として、複数の画像のうちの1つの画像のみが表示されるものであってもよい。
また、上記各実施形態において、連続予告演出が複数の変動演出にわたって単一の画像(「クラゲ」画像)を表示するものであったが、必ずしもこれに限られるものではなく、複数の変動演出にわたって、異なる画像を表示するものであってもよい。この異なる画像としては、それぞれに関連性をもった画像であることが好ましい。例えば、連続予告演出が、その連続予告演出が設定された複数の変動演出のうち、最初の変動演出に対して「タマゴ」を表示させ、2回目の変動演出に対して「ヒヨコ」を表示させ、3回目の変動演出に対して「ニワトリ」を表示させ、4回目の変動演出(連続予告演出の設定された最後の変動演出)に対して「ニワトリ群」を表示させるものであってもよい。また、連続予告演出が設定された変動演出の数が3以下である場合は、その変動演出が連続予告演出の開始後2回目若しくは3回目の変動演出であったとしても、それが連続予告演出の設定される最後の変動演出であれば、「ニワトリ群」を表示させるようにしてもよい。
或いは、連続予告演出が、その連続予告演出が設定された複数の変動演出において、「クラゲ」画像を表示しつつ、それぞれの変動演出に対し、連続予告演出が終了するまで、残り何回分の変動演出が行われるかを示す表示が第3図柄表示装置81に表示されるようにしてもよい。
これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われる毎に連続予告演出により表示される図柄が、徐々に変化(ステップアップ)していくので、遊技者がこの徐々に変化していく図柄を見ることによって、変動演出において、ニワトリ群が表示されたり、「クラゲ」画像と共に連続予告演出が終了するまでに実行される変動演出の数が残り0回であるとの表示が行われたりした場合に、その変動演出において大当たりとなる期待感を持たせることができる。
尚、上記実施形態では、連続予告演出の実行回数が、連続予告実行カウンタ223eや先読み情報第0〜第4エリアに設けられた連続判定情報格納エリアに格納される連続判定情報によって管理されており、連続予告演出の実行が設定された変動演出が実行される度に、連続予告演出が開始されてから変動演出を何回実行したかや、連続予告演出が終了するまで残り何回の変動演出を実行すべきかを容易に把握することができる。よって、連続予告演出が異なる画像で構成されるものであっても、それぞれの変動演出において、どの画像を表示すべきかを容易に把握することができる。
また、連続予告演出が複数の変動演出にわたって異なる画像を表示するものである場合、単発予告演出の画像として、その異なる画像のいずれか1つ(例えば、必ず連続予告演出の最初に表示される画像や、必ず連続予告演出の最後に表示される画像など)が表示されるように構成されてもよいし、異なる画像の全部または一部の中から選んで表示されるものであってもよい。
上記各実施形態において、主制御装置110は、先読みコマンドに含まれる大当たり抽選の予測結果に関する情報に基づき、その情報が15R確変大当たりであるか前後外れであることを一つの条件として、連続予告演出の実行を決定したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、15R確変大当たり、前後外れだけでなく、大当たり抽選の予測結果が15R通常大当たりとなる場合を含めて連続予告演出の実行を決定してもよい。また、大当たり抽選の予測結果に関する情報の中に、その予測結果が、前後外れ以外リーチとなる前後以外外れであることを示す情報を含め、前後以外外れの場合を含めて連続予告演出の実行を決定してもよい。また、15R確変大当たりに加え若しくは代えて、2R確変大当たりとなる場合に連続予告演出の実行を決定してもよい。また、先読みコマンドに含まれる変動パターン判定の予測結果に関する情報をも加味して、連続予告演出の実行を決定してもよい。例えば、先読みコマンドに含まれる変動パターン判定の予測結果が、スーパーリーチやスペシャルリーチである場合に限り、連続予告演出の実行を決定してもよい。また、変動パターンの予測結果がスペシャルリーチである場合は、大当たり抽選の結果が15R確変大当たりである場合に限って、連続予告演出の実行を決定し、連続予告演出が実行され、その連続予告演出が設定された最後の変動演出がスペシャルリーチに発展した場合、100%の確率で15R確変大当たりとなるようにしてもよい。このように、連続予告演出の実行を決定する条件は、パチンコ機10の仕様に合わせて、適宜設定されるものであってよい。
上記各実施形態において、連続予告演出が終了した後、1回の変動演出において連続予告演出や単発予告演出に係る画像が第3図柄表示装置81に表示されないように構成したが、これを連続予告演出が終了した後、連続する所定回数(例えば、2回、3回・・・など)分の変動演出において連続予告演出や単発予告演出に係る画像が第3図柄表示装置81に表示されないように構成してもよい。これにより、連続予告演出が実行される間隔を広くすることができるので、連続予告演出が続けて発生する場合よりも、遊技者が抱く連続予告演出に対する価値を高めることができる。
尚、上記第1実施形態において、連続予告演出が終了した後、連続するX回分の変動演出において連続予告演出や単発予告演出に係る画像を第3図柄表示装置81に表示されないように構成する場合は、連続予告演出の実行が決定されたときに、S1042の処理(図32参照)において、連続予告演出を実行させる変動演出の数にXだけ加算した値を連続予告実行カウンタ223eに設定するようにしてもよい。そして、変動演出を開始する場合に、S1114の処理(図33参照)において、連続予告実行カウンタ223eがXより大きいか否かを判別し、その値がXより大きければ、連続予告実行フラグをオンし、更に連続予告演出カウンタ223eを1減算するようにしてもよい。また、S1117(図33参照)の処理において、連続予告実行カウンタ223eが1以上X以下の範囲にあるか否かを判別し、その値が1以上X以下の範囲にあれば、連続予告実行フラグをオンせず、連続予告実行カウンタ223eの値を1減算するようにしてもよい。このように、連続予告演出の実行が決定されたときに、連続予告演出を実行させる変動演出の数にXだけ加算した値を連続予告実行カウンタ223eに設定すれば、容易に、連続予告演出が終了した後、連続するX回分の変動演出において連続予告演出や単発予告演出に係る画像を第3図柄表示装置81に表示されないように構成することができる。
また、上記第1実施形態において、連続予告演出が終了した後、連続するX回分(ただし、この場合はX=1〜4のいずれか)の変動演出において連続予告演出や単発予告演出に係る画像を第3図柄表示装置81に表示されないように構成する場合は、先読み情報第0エリアの連続判定情報格納エリアの情報(値)が1である場合、連続予告演出のうち最後の変動演出に対して連続予告演出の実行の設定が行われるときに、S1134(図55参照)の処理において、先読み情報第1エリア〜先読み情報第Xエリアの連続回避フラグを全てオンに設定するようにすればよい。これにより、容易に、連続予告演出が終了した後、連続するX回分の変動演出において連続予告演出や単発予告演出に係る画像を第3図柄表示装置81に表示されないように構成することができる。
上記各実施形態において、主制御装置110は、カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みして大当たり抽選や変動パターン判定の結果を予測した上で、先読み保留回数に関する情報と、大当たり抽選の予測結果に関する情報と、変動パターン判定の予測結果に関する情報とを含む先読みコマンドを、音声ランプ制御装置113に対して送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり抽選および変動パターン判定に加えて、または、大当たり抽選や変動パターン判定の少なくともいずれかに代えてその他の判定、例えば、停止種別判定等の結果を予測し、少なくとも先読み保留回数に関する情報とその予測結果に関する情報とを含む先読みコマンドを、音声ランプ制御装置113に対して送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113では、その先読みコマンドに含まれる予測結果に関する情報を元に、連続予告演出の実行を設定してもよい。また、先読みコマンドに含まれる予測結果を先読み情報格納エリア223bに格納し、変動パターンコマンドを受信する度に先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0〜第4エリアの間でシフト処理しつつ、先読み情報第0エリアに格納された先読みによる予測結果と、変動パターンコマンドによって示される変動パターン或いは停止種別コマンドによって示される停止種別とがマッチするか否かを判断して、コマンドの破壊判別を行ってもよい。このように、先読みコマンドに含める予測結果を適宜設定することによって、音声ランプ制御装置113において先読みに基づく多彩な制御を行うことができる。
また、主制御装置110は、先読み保留回数に関する情報と共に、各カウンタC1〜C3,CS1に対して先読みした値をそのまま先読みコマンドに含めて音声ランプ制御装置113に対して送信してもよい。また、先読み保留コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1〜C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタを含めてもよい。そして、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110の大当たり抽選や変動パターン判別等で用いられる各種テーブルをROM222に格納し、先読みコマンドを受信したときに、その各種テーブルに基づいて、大当たり抽選の結果や変動パターン判別の結果を予測してもよい。そして、その予測結果に基づいて、連続予告演出の実行を設定してもよい。また、その予測結果を先読み情報格納エリア223bに格納し、変動パターンコマンドを受信する度に先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0〜第4エリアの間でシフト処理しつつ、先読み情報第0エリアに格納された先読みによる予測結果と、変動パターンコマンドによって示される変動パターン或いは停止種別コマンドによって示される停止種別とがマッチするか否かを判断して、コマンドの破壊判別を行ってもよい。また、先読み保留コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値をそのまま先読み情報格納エリア223bに格納し、変動パターンコマンドを受信する度に先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0〜第4エリアの間でシフト処理しつつ、先読み情報第0エリアに格納されたカウンタC1〜C3,CS1の値から、大当たり抽選の結果や変動パターン判別の結果を予測してもよい。そして、その予測結果と、変動パターンコマンドによって示される変動パターン或いは停止種別コマンドによって示される停止種別とがマッチするか否かを判断して、コマンドの破壊判別を行ってもよい。先読みコマンドに各種カウンタの値を含めることによって、音声ランプ制御装置113では、それらのカウンタの値から主制御装置110で行われる種々の判別の結果を予測することができ、音声ランプ制御装置113に対し先読みに基づく制御の自由度を高く持たせることができる。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して連続予告コマンドが送信された場合に、表示制御装置114において、その連続予告コマンドによって示された連続予告画像種別に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように転送指示を行う場合について説明したが、その連続予告コマンドによって示される連続予告画像種別が同一演出型の連続予告演出を構成するものである場合は、連続予告コマンドで示される連続予告画像種別に対応する画像データを一度キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送した後は、連続予告演出が終了するまでの間、他の画像データによって上書きされないように制御されてもよい。これにより、同じ画像データを繰り返し転送することを抑制することができる。
また、連続予告コマンドによって示される連続予告画像種別がステップアップ型の連続予告演出を構成するものである場合は、連続予告コマンドで示される連続予告画像種別に対応する画像データだけでなく、そのステップアップ型の連続予告演出で用いられる全ての連続予告画像種別に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように転送指示するものであってもよい。また、この場合も、一度通常用ビデオRAM236へ転送されたこれらの連続予告画像種別に対応する画像データは、連続予告演出が終了するまでの間、他の画像データによって上書きされないように制御されてもよい。これにより、連続予告演出によってその連続予告画像種別に対応する画像データが用いられる前に、確実にその画像データを通常用ビデオRAM236へ格納しておくことができる。また、同じ画像データを繰り返し転送することを抑制することができる。
また、音声ランプ制御装置113において、コマンド判定処理(図31参照)の中で実行される連続予告判定処理(S1020)によって連続予告演出の実行が決定され、また、その連続予告演出態様が決定された段階で、その連続予告演出の実行決定と連続予告演出態様とを表示制御装置114へ通知するコマンドを、表示制御装置114に対して送信するようにしてもよい。そして、表示制御装置114では、このコマンドの受信を契機として、その連続予告態様で使用される連続予告画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように送信指示を設定してもよい。これにより、連続予告演出が行われる変動演出が開始される前から、連続予告態様で使用される連続予告画像種別の画像データのキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への転送を開始させることができるので、連続予告演出によってその連続予告画像種別に対応する画像データが用いられる前に、確実にその画像データを通常用ビデオRAM236へ格納しておくことができる。
また、表示制御装置114は、連続予告演出で用いられる画像データを、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた連続予告演出画像専用のサブエリアに格納するようにしてもよい。これにより、連続予告演出で用いられる画像データが、他の画像データによって上書きされるのを防ぐことができるので、所望の連続予告画像種別に対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されている確率を高くすることができる。よって、連続予告演出で用いられる画像データが繰り返し転送されるのを抑制することができる。
また、表示制御装置114より送信される連続予告コマンドに、変動演出が設定された最後の連続予告演出であることを通知する信号を含めてもよい。これにより、表示制御装置114において、連続予告演出の表示が最後であることを認識できるので、連続予告演出が行われている間は、その連続予告演出で用いられる通常用ビデオRAM236に格納された画像データが上書きされないように制御を行っている場合、その上書き制御の解除を容易に行うことができる。
また、上記各実施形態では、連続予告コマンドによって、連続予告演出の実施と連続予告画像種別とを音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へ通知する場合について説明したが、この通知を表示用変動パターンコマンドに含めて行ってもよい。即ち、音声ランプ制御装置113にて実行される変動表示処理(図33参照)において、表示用変動パターンコマンドを生成する場合に(S1106)、連続予告演出を行うか否かを判断して、連続予告演出を行う場合には、その実施と連続予告画像種別に関する情報を表示用変動パターンコマンドに含めてもよい。そして、表示制御装置114では、受信した表示用変動パターンコマンドに連続予告演出の実施と連続予告画像種別とに関する情報が含まれている場合、その連続予告画像種別に対応する画像データのキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への転送指示を行うと共に、その連続予告画像種別に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定したり、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンに対応する変動用表示データテーブルに、その追加データテーブルの内容を追記して、新たな表示データテーブルを生成して、表示データテーブルバッファ233dに設定するようにしてもよい。或いは、変動用表示データテーブルに、予め複数の連続予告画像種別に対する追加描画情報が記載されている場合は、連続予告演出の実施と連続予告画像種別とに関する情報を含む表示用変動パターンコマンドを受信すると、その連続予告画像種別に対応する追加データフラグをオンに設定することで、その表示用変動パターンコマンドで示される変動パターンに対応する表示データテーブルから、その連続予告画像種別に対応する追加描画内容を特定するようにしてもよい。これにより、コマンドの数が少なくなるので、処理の単純化を図ることができる。
また、上記各実施形態において、表示用変動パターンコマンドに連続予告演出の実施と連続予告画像種別とに関する情報を含める場合は、変動パターン毎に連続予告画像に非対応の表示データテーブルと、各連続予告画像種別毎に対応した表示データテーブルとを用意し、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンおよび連続予告画像種別に応じて、対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようにしてもよい。即ち、表示データテーブルには、1の変動パターンに対応する描画内容と、1の連続予告画像種別に対応した連続予告演出の描画内容とが共に含まれたものを用いてもよい。尚、この場合は、連続予告種別に対応した追加データテーブルの設定は必要ない。よって、設定すべきデータテーブルを少なくすることができるので、処理負担の増加を抑えることができる。尚、この場合、連続予告画像種別に対応した画像データの転送指示は、表示用変動パターンコマンドの受信に合わせて行われるようにしてもよい。これにより、転送データテーブルについては、変動パターン毎に1つ用意すればよいので、データテーブルが増加することを抑制できる。
上記各実施形態において、連続予告演出が行われる変動演出の停止図柄は、主制御装置110によって定められた停止図柄(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れリーチ)に基づいて、音声ランプ制御装置113によって設定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、音声ランプ制御装置113によって連続予告演出の実行が決定された場合に、保留されていた最後の変動演出の停止図柄が大当たりでなければ、その最後の変動演出の停止図柄を、主制御装置110により定められた停止図柄ではなく、前後外れリーチ態様の停止図柄に置き換えて設定するようにしてよい。これにより、連続予告演出が行われる最後の変動演出の停止図柄は、主制御装置110により定められた停止図柄ではなく、必ず前後外れリーチとなるので、遊技者に対して高い期待感を持たせることができる。
上記各実施形態において、保留されていた全ての変動演出と共に連続予告演出を行う場合に、各変動演出は、それぞれの変動開始時に行われる抽選結果に基づく演出態様で行われることになるが、この場合、保留されていた最後の変動演出以外の変動演出の演出態様を外れ変動演出に変更するように構成してもよい。また、音声ランプ制御装置113において表示用変動パターンコマンドを生成する処理(図33のS1106参照)によって、連続予告演出の設定状況と、連続予告演出の実行回数に応じて変動パターンを変更するようにしてもよい。尚、変動演出後の停止図柄が大当たりである場合には、変動演出の演出態様を更新せず、主制御装置110によって定められた変動パターンに基づき、変動演出の演出態様をそのまま表示するようにしてもよい。ここで、連続予告演出が連続して行われても、対応する変動演出の態様が例えばスーパーリーチ変動演出であるにも関わらず結果として大当たりが現出しない状況が続けば、遊技者の期待感を後退させてしまう恐れがあるが、連続予告演出が連続して行われると共に、最後に実行される変動演出以外の変動演出が連続して外れ変動演出で行われることによって、最後に実行される変動演出に対して、遊技者により高い期待感を持たせることができる。
上記各実施形態では、連続予告演出の実行が決定された場合に、常に第3図柄表示装置81に連続予告演出を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、連続予告演出の実行が決定された状況で、枠ボタン22が遊技者によって押下された場合に、連続予告演出を第3図柄表示装置81に実行するようにしてもよい。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態において、入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
また、複数の第1入球口が遊技盤13に配設される場合、それぞれの第1入球口において保留されたカウンタ値に対して先読みを実行してもよい。この場合、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する先読みコマンドには、いずれの第1入球口による保留に対する先読みであるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。更に、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ先読み情報格納エリアを用意してもよい。これにより、変動パターンコマンドを受信する毎に、その変動パターンコマンドで示される変動演出の実行契機となった始動入賞を検出した第1入球口に対応する先読み情報格納エリアに対してシフト処理を行うことで、変動演出とその変動演出に対して先読みにより予測された大当たり抽選や変動パターン判別の予測結果との対応関係を容易に判断できる。よって、コマンドの破壊判別等を容易に行うことができる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、音声ランプ制御装置113は、先読みコマンドを受信した場合に連続予告演出の開始を決定すると、始動入賞があった第1入球口に関わらず、その時点で保留されている全ての変動演出(保留球)にわたって、連続予告演出を実行させてもよい。また、複数の第1入球口が設けられており、一の第1入球口への入賞に対する変動演出を、他の第1入球口への入賞に対する変動演出よりも優先的に実行するパチンコ機においては、その優先的に変動演出が実行される第1入球口への入賞に対して取得されたカウンタ値の先読み結果のみから、連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。これにより、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されない。仮に、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して連続予告演出が開始され、優先度の高い第1入球口に絶え間なく変動演出が保留される場合に、連続予告演出がなかなか終了しないという事態が生じるおそれがある。これに対し、本変形例では、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されないので、そのような事態が生じることを抑えることができる。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、保留球数カウンタ223aの値を1減らす(図33のS1108参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図21参照)において、変動開始処理(S311)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図21のS305参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113では、より正確に主制御装置110に保留された保留球の数を把握することができる。尚、この場合、図33のS1108は省略される。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、先読みコマンドを受信した場合に、その先読みコマンドに含まれる先読み保留回数から先に保留された変動演出の数を把握したうえで、先読みコマンドにより通知される大当たり抽選および変動パターン判定の予測結果から、先に保留された全ての変動演出に対して連続予告演出を行うか否かを決定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、連続予告演出の開始が決定された場合に、更に先に保留された個々の変動演出において、連続予告演出を実行するか否かを決定してもよい。これにより、変動演出ごとに連続予告演出が出現したりしなかったりするので、遊技者に対して、連続予告演出の出現に対する期待感を持たせることができ、遊技者を飽きさせない演出を行うことができる。この場合、音声ランプ制御装置113のMPU221によって変動表示処理(図33参照)が実行される度に更新され、個々の変動演出において連続予告演出を実行するか否かを決定するためのカウンタを設けてもよい。そして、その変動表示処理において、連続予告演出を行う場合に(S1110:Yes)、個々の変動演出において連続予告演出を実行するか否かを決定するためのカウンタの値が所定の値に限り、連続予告コマンドを設定(S1111)するようにしてもよい。また、この場合、対応する変動演出に対して連続予告演出実行を設定するカウンタの所定の値の数(範囲)を、条件に応じて変更してもよい。この条件としては、例えば、連続予告演出を開始するか否かを判断する時の先読みコマンドに含まれる先読み保留回数の値や、残りの連続予告演出の実行回数、連続予告演出を開始するか否かを判断する時の先読みコマンドに含まれる大当たり抽選または変動パターン判別の予測結果、連続予告演出が実行される個々の変動演出の変動パターン、若しくは、これらの2以上の組み合わせなどが挙げられる。これにより、条件に応じて、各変動演出において連続予告演出の実行が決定される確率が変更されるので、遊技者に対して、各変動演出における連続予告演出の出現割合に注目させることができる。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、先読みコマンドを受信すると、その先読みコマンドに基づいて連続予告演出の実行を設定したり、先読みコマンドによって示される大当たり抽選や変動パターン判定の予測結果を先読み情報格納エリア223bに格納し、変動パターンコマンドを受信する毎に、その先読み情報格納エリア223bの先読み情報第0〜第4エリアの間で上述のシフト処理を実行すると共に、先読み情報第0エリアに格納された先読みによる各種予測結果に基づいて、コマンドの破壊判別などの各種制御を実行する場合について説明した。これに対し、先読みによる各種制御の一部または全部を音声ランプ制御装置113ではなく、表示制御装置114にて行うようにしてもよい。この場合、例えば、音声ランプ制御装置113は先読みコマンドを受信すると、その先読みコマンドに含まれる一部または全部の情報を含む表示用先読みコマンドを生成して、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。また、主制御装置110が表示制御装置114に対して直接先読みコマンドを送信するようにしてもよい。また、表示制御装置114に対して送信される先読みコマンドまたは表示用先読みコマンドは、各種判定の予測結果の代わりに、各種カウンタ値を含むものであってもよい。
一方、表示制御装置114では、先読みコマンドまたは表示用先読みコマンドに含まれる情報に基づいて、先読み保留回数から先に保留された変動演出の数を把握したうえで、大当たり抽選の予測結果などから、先に保留された全ての変動演出に対して連続予告演出を行うか否かを決定してもよい。この場合、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222に設けられた連続予告判定テーブル222aに相当するものを表示制御装置114のキャラクタROM234に設け、RAM223に設けられた連続予告抽選カウンタ223c、単発予告抽選カウンタ223d、連続予告実行カウンタ223e、単発予告実行フラグ223fに相当するものをワークRAM233に設けることで、表示制御装置114にて連続予告演出の実行の設定や単発予告演出の設定を行うようにしてもよい。或いは、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222に設けられた連続予告判定テーブル222bに相当するものを表示制御装置114のキャラクタROM234に設け、RAM223に設けられた連続予告抽選カウンタ223c、単発予告抽選カウンタ223d、単発予告実行フラグ223f、先読み情報格納エリア223gに相当するものをワークRAM233に設けることで、表示制御装置114にて連続予告演出の実行の設定や単発予告演出の設定を行うようにしてもよい。尚、先読みコマンドまたは表示用先読みコマンドに各種カウンタ値が含まれる場合は、主制御装置110において大当たり抽選や各種判定に用いられるテーブルを表示制御装置114のROM等に格納した上で、表示制御装置114で、先読みコマンドまたは表示用先読みコマンドに含まれる各種カウンタ値から、大当たり抽選や各種判定の結果を予測してもよい。そして、連続予告演出を行う場合、表示制御装置114は、その連続予告演出の態様を決定してもよい。ここで、連続予告演出の態様が決定されると、その態様の連続予告演出の画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送データ情報を描画リストに含めるようにしてもよい。その後、表示用変動パターンコマンドを受信する度に、先読み保留回数分の変動演出に対して連続予告演出が行われるように、設定された態様の連続予告演出に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定するようにしてもよい。
また、表示制御装置114のワークRAM233に、先読み情報格納エリア223b(図9参照)に相当するものを設け、先読みコマンドまたは表示用先読みコマンドを受信した場合は、先読み情報格納エリアに設けられた先読み情報第1〜第4エリアのうち、先読みコマンドの先読み保留回数に対応するエリアに、その先読みコマンドに含まれる大当たり抽選や変動パターン判定等の各種予測結果あるいは各種カウンタ値を格納してもよい。そして、表示用変動パターンコマンドを受信する毎に、先読み情報第0〜第4エリアの間で、上記音声ランプ制御装置113が行ったシフト処理と同様のシフト処理を実行し、先読み情報第0エリアに格納された先読みに基づく各種予測結果あるいは各種カウンタ値に応じて、様々な制御を実行するようにしてもよい。例えば、先読み情報第0エリアに格納された先読みに基づく各種予測結果、あるいは、先読み情報第0エリアに格納された先読みに基づく各種カウンタ値から予測される大当たり抽選や変動パターン判別等の予測結果と、受信した表示用変動パターンコマンドにより示される変動パターンや受信した表示用停止種別コマンドにより示される停止種別とがマッチするか否かを判別して、コマンド破壊判別を行うようにしてもよい。尚、先読みコマンドまたは表示用先読みコマンドに各種カウンタ値が含まれる場合は、主制御装置110において大当たり抽選や各種判定に用いられるテーブルを表示制御装置114のROM等に格納した上で、表示制御装置114で、先読みコマンドまたは表示用先読みコマンドに含まれる各種カウンタ値から、大当たり抽選や各種判定の結果を予測してもよい。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
尚、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、その1つの制御装置において、先読みコマンドを受信すると、その先読みコマンドに含まれる情報に基づいて連続予告演出の実行を設定してもよい。この場合、1つの制御装置が有するROMに、連続予告判定テーブル222aに相当するものを設け、1つの制御装置が有するRAMに連続予告抽選カウンタ223c、単発予告抽選カウンタ223d、連続予告実行カウンタ223e、単発予告実行フラグ223fに相当するものを設けることで、その1つの制御装置にて連続予告演出の実行の設定や単発予告演出の設定を行うようにしてもよい。或いは、1つの制御装置が有するROMに、連続予告判定テーブル222bに相当するものを設け、1つの制御装置が有するRAMに連続予告抽選カウンタ223c、単発予告抽選カウンタ223d、単発予告実行フラグ223f、先読み情報格納エリア223gに相当するものを設けることで、その1つの制御装置にて連続予告演出の実行の設定や単発予告演出の設定を行うようにしてもよい。また、その1つの制御装置が有するRAMに、先読み情報格納エリア223b(図9参照)に相当するものを設け、先読みコマンドを受信した場合は、先読み情報格納エリアに設けられた先読み情報第1〜第4エリアのうち、先読みコマンドの先読み保留回数に対応するエリアに、その先読みコマンドに含まれる大当たり抽選や変動パターン判定等の各種予測結果あるいは各種カウンタ値を格納してもよい。そして、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信する毎に、先読み情報第0〜第4エリアの間で上記各実施形態と同様のシフト処理を実行し、先読み情報第0エリアに格納された先読みに基づく各種予測結果あるいは各種カウンタ値に応じて、様々な制御を実行するようにしてもよい。例えば、先読み情報第0エリアに格納された先読みに基づく各種予測結果、あるいは、先読み情報第0エリアに格納された先読みに基づく各種カウンタ値から予測される大当たり抽選や変動パターン判別等の予測結果と、受信した変動パターンコマンドにより示される変動パターンや受信した停止種別コマンドにより示される停止種別とがマッチするか否かを判別して、コマンド破壊判別を行うようにしてもよい。
また、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、連続予告コマンドやエラー発生コマンドといった音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知したコマンドに代えて、連続予告フラグやエラー発生フラグといった各種フラグを生成し、そのフラグに基づいて、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルを表示データテーブルバッファ233d,転送データテーブルバッファ233f,追加データテーブルバッファ233eまたは合成データテーブルバッファ451dに設定したり、警告画像などの各種画像データを生成したり、必要な画像データの転送指示を設定したりしてもよい。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて制御を行う副制御手段と、その副制御手段の制御により識別情報の動的表示に伴った変動演出が行われる表示手段とを備え、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記主制御手段は、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得される始動情報を、その始動情報に基づく抽選が行われるまでの間、所定数を上限として記憶する記憶手段と、前記表示手段で変動演出を開始させる場合に、最も先に取得されて前記記憶手段に記憶された一の始動情報に基づいて抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて演出制御信号を生成する生成手段と、その生成手段により生成された演出制御信号を前記副制御手段に出力する第1出力手段と、その第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容を、該抽選に用いられる始動情報に基づいて判断する判断手段と、その判断手段による抽選内容の判断に関する情報を前記副制御手段に出力する第2出力手段とを備え、前記副制御手段は、前記第1出力手段より出力された演出制御信号に基づいて変動演出を行うように前記表示手段を制御し、前記第2出力手段より出力された抽選内容の判断に関する情報に基づいて各種制御を実行するものであり、前記主制御手段は、電源投入後から繰り返し第1処理を実行する第1処理手段と、割り込みにより前記第1処理に優先して所定の時間間隔で定期的に第2処理を実行する第2処理手段とを備え、前記判断手段による抽選内容の判断は、前記第1処理手段により実行される第1処理の中で行われ、前記抽選手段による抽選は、前記第2処理手段により実行される第2処理の中で行われることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御手段において、始動条件の成立が検出手段により検出されると、その始動条件の成立に伴って取得される始動情報が、その始動情報に基づく抽選が行われるまでの間、所定数を上限として記憶手段に記憶される。そして、表示手段で変動演出を開始させる場合に、最も先に取得されて記憶手段に記憶された一の始動情報に基づいて抽選手段により抽選が行なわれ、その抽選結果に基づいて演出制御信号が生成手段により生成されて、その生成された演出制御信号が第1出力手段によって副制御手段に出力される。また、その第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容が、該抽選に用いられる始動情報に基づいて判断手段により判断され、その抽選内容の判断に関する情報が第2出力手段によって副制御手段に出力される。副制御手段は、第1出力手段より出力された演出制御信号に基づいて変動演出を行うように表示手段を制御し、第2出力手段より出力された抽選内容の判断に関する情報に基づいて各種制御を実行する。ここで、主制御手段には、電源投入後から繰り返し第1処理を実行する第1処理手段と、割り込みにより第1処理に優先して所定の時間間隔で定期的に第2処理を実行する第2処理手段とが設けられており、判断手段による抽選内容の判断は、第1処理手段により実行される第1処理の中で行われ、抽選手段による抽選は、第2処理手段により実行される第2処理の中で行われるように構成されている。これにより、一の演出制御信号の生成に用いられる抽選内容の判断が第1処理の中で行われている途中であっても、所定時間が経過すると第1処理に優先して第2処理が割り込みにより実行され、その第2処理の中で、表示手段で変動演出を開始させる場合には他の演出制御信号を生成させるための抽選を行うことができる。よって、遊技者に所定の遊技価値を付与する契機となり得る変動演出を表示手段に表示させるための抽選が、抽選内容を判断することに伴って遅れてしまうといった問題を回避することができる。一方、抽選内容の判断は、第2処理の完了後に再び第1処理の中で行われるので、一の演出制御信号の生成に用いられる抽選内容の判断中に他の演出制御信号を生成するための抽選が行われても、問題なく抽選内容の判断を完了させることができる。従って、抽選内容の判断を行って種々の制御を実現しつつ、遊技の主たる制御を正常に行うことが可能な遊技機を提供することができる。
遊技機A1において、前記主制御手段は、前記抽選内容の判断に関する情報を前記副制御手段に出力する場合に、前記判断手段による抽選内容の判断に用いられた始動情報に基づいて前記抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数を取得する待機回数取得手段を備え、前記第2出力手段は、前記判断手段による抽選内容の判断に関する情報と併せて前記待機回数取得手段により取得された待機回数を前記副制御手段に出力することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、抽選内容の判断に関する情報を副制御手段に出力する場合に、判断手段による抽選内容の判断に用いられた始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数が、待機回数取得手段により取得され、判断手段による抽選内容の判断に関する情報と併せて待機回数取得手段により取得された待機回数が、第2出力手段によって副制御手段に出力される。これにより、副制御手段では、その抽選内容の判断が行われた始動情報に基づいて実際に抽選が行われ、その抽選結果に基づいて演出制御信号が生成され出力されるまでの待機回数をも考慮して、各種制御を実行できる。よって、副制御手段において、より多彩な制御を行うことができる。
遊技機A1又はA2において、前記主制御手段は、以前に前記判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いかを判断する信頼性判断手段と、その信頼性判断手段により、以前に前記判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いと判断される場合に前記副制御手段に通知する通知手段とを備えることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、主制御手段において、信頼性判断手段により、以前に前記判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いと判断されると、副制御手段に対してその旨が通知手段により通知されるので、副制御手段では、その通知を受けた後は、信頼性の低い抽選内容の判断に関する情報に基づいて各種制御が行われることを抑制することができる。よって、誤った抽選内容の判断に基づいて、頻繁に各種制御が行われることを抑えることができるので、遊技者により信頼性の高い制御を提供できる。
遊技機A3において、前記信頼性判断手段は、前記抽選手段による抽選に対して設定される所定の結果が得られる抽選確率が変更された場合に、以前に前記判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いと判断することを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、抽選手段による抽選に対して設定される所定の結果が得られる抽選確率が変更された場合に、信頼性判断手段によって、以前に判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いと判断されるので、判断手段において、抽選手段による抽選対して設定される抽選確率が変更されることを正しく判断できない場合であっても、誤った抽選内容の判断に基づいて、頻繁に各種制御が行われることを抑えることができる。よって、遊技者により信頼性の高い制御を提供できる。
遊技機A3又はA4において、前記判断手段は、前記信頼性判断手段により、以前に該判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いと判断された場合は、その信頼性が低いと判断された抽選内容の結果を再度判断することを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、判断手段は、信頼性判断手段により、以前に該判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いと判断された場合は、その信頼性が低いと判断された抽選内容の結果を再度判断するように構成されているので、副制御手段において、より多くの抽選内容の判断結果を用いて、より多彩な制御を実行することができる。
遊技機A1〜A5のいずれかにおいて、前記判断手段は、その第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容として、該演出制御信号に基づいて行われる変動演出を停止表示させた後に遊技者に所定の遊技価値を付与するかの抽選内容を、該抽選に用いられる始動情報に基づいて判断するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容として、該演出制御信号に基づいて行われる変動演出を停止表示させた後に遊技者に所定の遊技価値を付与するかの抽選内容が、該抽選に用いられる始動情報に基づいて、判断手段によって判断される。これにより、副制御手段では、後に出力される演出制御信号に基づいて変動演出が表示された後に、所定の遊技価値が付与されるか否かを考慮して、各種制御を実行できる。よって、副制御手段において、より多彩な制御を行うことができる。
遊技機A1〜A6のいずれかにおいて、前記判断手段は、その第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容として、該演出制御信号に基づいて行われる変動演出の動的表示態様に関する抽選内容を、該抽選に用いられる始動情報に基づいて判断するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容として、該演出制御信号に基づいて行われる変動演出の動的表示態様に関する抽選内容が、該抽選に用いられる始動情報に基づいて、判断手段によって判断される。これにより、副制御手段では、後に出力される演出制御信号に基づいて行われる変動演出の動的表示態様を考慮して、各種制御を実行できる。よって、副制御手段において、より多彩な制御を行うことができる。
遊技機A1〜A7のいずれかにおいて、前記副制御手段は、前記第2出力手段より出力された抽選内容の判断に関する情報に基づいて、該判断が行われた変動演出が行われるまでの一部または全ての変動演出に対して、同一または関連する演出を設定する演出設定手段を備えることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1〜A7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段において、記第2出力手段より出力された抽選内容の判断に関する情報に基づいて、該判断が行われた変動演出が行われるまでの一部または全ての変動演出に対して、同一または関連する演出が演出設定手段により設定される。これにより、複数の変動演出にわたって同一または関連する演出が行われた場合、その演出後に行われる変動演出に対して行われた抽選内容を遊技者に示唆することができる。よって、遊技者に対して何らかの遊技価値が付与される期待感を持たせることができる。
遊技機A1〜A8のいずれかにおいて、前記副制御手段は、前記第2出力手段より出力された抽選内容の判断に関する情報と、該抽選内容の判断に用いられた始動情報に基づいて前記抽選手段による抽選が行われ、その抽選結果に基づいて生成手段により生成されて、前記第1出力手段より出力された演出制御信号の内容とが、相応なものかを判断する相応判断手段と、相応判断手段により、前記抽選内容の判断に関する情報と、前記演出制御信号の内容とが非相応なものであると判断される場合は、その演出制御信号に基づいて行う変動演出の動的表示態様を特殊な態様に変更する態様変更手段とを備えることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1〜A8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段において、第2出力手段より出力された抽選内容の判断に関する情報と、該抽選内容の判断に用いられた始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われ、その抽選結果に基づいて生成手段により生成されて、第1出力手段より出力された演出制御信号の内容とが、相応なものかが相応判断手段により判断される。そして、それらが非相応なものであると判断される場合は、その演出制御信号に基づいて行う変動演出の動的表示態様が特殊な態様に態様変更手段によって変更される。ここで、抽選内容の判断に関する情報と、該抽選内容の判断に用いられた始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われ、その抽選結果に基づいて生成手段により生成された演出制御信号の内容とが非相応なものである場合は、副制御手段において、主制御手段から正しく各種信号を受信できていない可能性がある。このような状態で、演出制御信号に従って変動演出を行うと、その変動演出によって遊技者が抱いた期待感とは異なる遊技結果を遊技者に付与してしまうおそれがあり、その結果、遊技者に不信感を抱かせてしまうおそれがある。これに対し、遊技機A9によれば、そのような場合には、特殊な態様で変動演出が行われるので、遊技者に実際の抽選結果とは異なる期待感を抱かせることを抑制でき、遊技者に安心して遊技を続けさせることができる。
遊技機A1〜A9のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を、その記憶手段とは別に記憶する第2記憶手段を備え、前記判断手段は、前記第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容を、該抽選に用いられる始動情報として前記第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて判断するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1〜A9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され記憶手段に記憶される始動情報が、その記憶手段とは別に第2記憶手段にも記憶される。そして、判断手段は、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容を、該抽選に用いられる始動情報として第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて判断するように構成されている。これにより、記憶手段に記憶された一以上の始動情報の記憶状態が抽選手段による抽選が行われることに基づいて変更されても、例えば、抽選手段による抽選に伴って、記憶手段における一以上の始動情報の記憶領域がそれぞれ変更された場合であっても、判断手段は第2記憶手段に記憶された始動情報を用いて抽選内容を判断することができる。よって、一の演出制御信号の生成に用いられる抽選内容の判断中に他の演出制御信号を生成するための抽選が行われても、抽選内容の判断に用いる始動情報を容易に読み出すことができる。
遊技機B1において、前記主制御手段は、前記第2記憶手段に、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されているか否かの状態を示す第2記憶状態指示手段と、前記第2記憶手段に対して前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を記憶する場合に、前記第2記憶状態指示手段にて示される前記第2記憶手段における始動情報の格納状態を、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態に設定する状態設定手段とを備え、前記判断手段は、前記第2記憶状態指示手段にて示される前記第2記憶手段における始動情報の格納状態が、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態である場合に、その第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて、前記第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容を判断するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、第2記憶手段に、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されているか否かの状態が第2記憶状態指示手段にて示される。また、第2記憶手段に対して検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され記憶手段に記憶される始動情報を記憶する場合に、状態設定手段によって、第2記憶状態指示手段にて示される第2記憶手段における始動情報の格納状態が、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態に設定される。そして、第2記憶状態指示手段にて示される第2記憶手段における始動情報の格納状態が、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態である場合に、その第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて、判断手段によって、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容が判断される。これにより、第2記憶手段に始動情報が格納されると、判断手段では、第2記憶手段における格納状態が、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態であることを容易に判断し、その抽選内容の判断が未完了である始動情報に基づく抽選内容の判断を確実に開始することができる。
遊技機B2において、前記主制御手段は、前記第2記憶状態指示手段にて示される前記第2記憶手段における始動情報の格納状態が、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態である場合は、前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って新たに取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を、前記第2記憶手段へ非格納とする第2記憶制御手段を備えることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、第2記憶状態指示手段にて示される第2記憶手段における始動情報の格納状態が、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態である場合は、検出手段により検出される始動条件の成立に伴って新たに取得され記憶手段に記憶される始動情報が、第2記憶制御手段によって第2記憶手段へ非格納とされる。これにより、第2記憶手段に既に記憶されている判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が、新たに取得された始動情報によって上書きされることを抑制できる。特に、抽選内容の判断を行っている途中で新たに取得された始動情報によって上書きされることを抑制できることにより、抽選内容の判断が誤って行われることを抑制できる。
遊技機B1〜B3のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を前記第2記憶手段にも記憶する場合に、その記憶手段に記憶された始動情報に基づいて前記抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数を記憶する待機回数記憶手段と、前記抽選手段による抽選が行われた場合に、その待機回数記憶手段に記憶された待機回数を1減算する待機回数減算手段と、前記第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて前記抽選手段により行われた前記抽選内容の判断に関する情報を前記副制御手段に出力する場合に、前記待機回数記憶手段に記憶された待機回数を取得する待機回数取得手段とを備え、前記第2出力手段は、前記判断手段による抽選内容の判断に関する情報と併せて前記待機回数取得手段により取得された待機回数を前記副制御手段に出力することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1〜B3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され記憶手段に記憶される始動情報を第2記憶手段にも記憶する場合に、その記憶手段に記憶された始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数が待機回数記憶手段に記憶される。そして、抽選手段による抽選が行われた場合に、その待機回数記憶手段に記憶された待機回数が待機回数減算手段によって1減算される。これにより、抽選手段による抽選が行われ、待機回数が1減ることが正確に反映されるので、記憶手段に記憶された始動情報のうち、第2記憶手段に記憶された始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数を、待機回数記憶手段に常に正確に記憶させることできる。そして、第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて抽選手段により行われた抽選内容の判断に関する情報を副制御手段に出力する場合に、待機回数記憶手段に記憶された待機回数が待機回数取得手段により取得され、第2出力手段は、判断手段による抽選内容の判断に関する情報と併せて、その待機回数取得手段により取得された待機回数を副制御手段に出力するように構成されている。これにより、第2記憶手段に記憶させた始動情報に基づいて抽選内容の判断を行うように構成した場合であっても、副制御手段に対して、抽選内容の判断に関する情報とあわせて、記憶手段に記憶された始動情報のうち該抽選内容の判断に用いられた始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数を正確に通知することができる。よって、副制御手段では、その抽選内容の判断が行われた始動情報に基づいて実際に抽選が行われ、その抽選結果に基づいて演出制御信号が生成され出力されるまでの待機回数を正確に把握しながら、各種制御を実行できる。従って、副制御手段は、より緻密な制御を行うことができる。
遊技機B4において、前記主制御手段は、前記待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下かを判断する待機回数判断手段を備え、前記第2出力手段は、前記待機回数判断手段により前記待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下であると判断された場合は、前記判断手段による抽選内容の判断に関する情報を前記副制御手段に非出力とすることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下かが待機回数判断手段により判断される。待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下となったことは、記憶手段に記憶された始動情報のうち、第2記憶手段に記憶された始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数が0以下となったこと、即ち、該始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われたことを意味する。よって、待機回数判断手段は、待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下かを判断することによって、記憶手段に記憶された始動情報のうち、第2記憶手段に記憶された始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われたことを判断することができる。ここで、第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて抽選内容の判断に関する情報が副制御手段に出力される前に、記憶手段に記憶された始動情報のうち、該抽選内容の判断に用いられる始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われ、その抽選結果が副制御手段に出力されれば、その後に抽選内容の判断に関する情報を副制御手段へ出力しても意味をなさない場合がある。これに対し、遊技機B5によれば、第2出力手段は、待機回数判断手段により待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下であると判断された場合は、判断手段による抽選内容の判断に関する情報を副制御手段に非出力とするように構成されている。これにより、判断手段による抽選内容の判断に関する情報が副制御手段に出力される前に、記憶手段に記憶された始動情報のうち、該抽選内容の判断に用いられる始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われた場合は、その抽選結果が副制御手段に出力された後に、該抽選に対する抽選内容の判断に関する結果が無駄に副制御手段に出力されることを抑制できる。
遊技機A1〜A9のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を、その記憶手段とは別に記憶する第2記憶手段および第3記憶手段と、前記検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、前記第2記憶手段および前記第3記憶手段のうち、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されていないいずれか一方に、その始動条件の成立に伴って取得された始動情報を記憶させる記憶制御手段とを備え、前記判断手段は、該判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動入賞が格納された前記第2記憶手段および前記第3記憶手段の少なくとも一方の始動情報に基づいて、前記第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容を判断するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A1〜A9のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段には、検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され記憶手段に記憶される始動情報を、その記憶手段とは別に記憶する第2記憶手段および第3記憶手段が設けられている。そして、検出手段により始動条件の成立が検出されると、第2記憶手段および第3記憶手段のうち、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動入賞が格納されていないいずれか一方に、その始動条件の成立に伴って取得された始動情報が、記憶制御手段によって記憶される。ここで、判断手段による抽選内容の判断は、第1処理の中で実行されるものであるので、この第1処理に優先して所定の時間間隔で定期的に第2処理が実行されることにより、判断手段による抽選内容の判断はしばしば第2処理の実行に伴って中断されることも多い。よって、抽選内容の判断に時間がかかるおそれがある。これに対し、遊技機C1によれば、始動条件の成立が検出された場合に、第2記憶手段に判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動入賞が格納されていたとしても、その新たに取得した始動情報を第3記憶手段に記憶させることができるので、より多くの始動情報を第2記憶手段または第3記憶手段に記憶させておくことができる。そして、判断手段は、抽選内容の判断が未完了である始動入賞が格納された第2記憶手段および第3記憶手段の少なくとも一方の始動情報に基づいて、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容を判断するように構成されている。よって、より多くの始動情報に対して、抽選内容の判断が行われるので、副制御手段において、より多彩な制御を実行することができる。
遊技機C1において、前記判断手段は、前記第2記憶手段および前記第3記憶手段のいずれもが、該判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動入賞を格納している場合は、前記第2記憶手段に格納された始動情報に格納された始動情報と前記第3記憶手段に格納された始動情報に格納された始動情報とのそれぞれに対して、その始動情報に基づき、前記第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容を判断するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2記憶手段および第3記憶手段のいずれにも、該判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動入賞が格納されている場合は、第2記憶手段に格納された始動情報に格納された始動情報と第3記憶手段に格納された始動情報に格納された始動情報とのそれぞれに対して、その始動情報に基づき、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容が、判断手段によって判断される。これにより、抽選内容の判断が未完了である2つの始動情報が第2記憶手段と第3記憶手段に格納されていれば、それら2つの始動入賞に対して、それぞれ抽選内容の判断を行うことができる。よって、より多くの始動情報に対して、その抽選内容の判断をより早く実行することができる。
遊技機C1又はC2において、前記主制御手段は、前記第2記憶手段に、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されているか否かの状態を示す第2記憶状態指示手段と、前記第3記憶手段に、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されているか否かの状態を示す第3記憶状態指示手段と、前記第2記憶手段に対して前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を記憶する場合に、前記第2記憶状態指示手段にて示される前記第2記憶手段における始動情報の格納状態を、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態に設定する第2記憶状態設定手段と、前記第3記憶手段に対して前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を記憶する場合に、前記第3記憶状態指示手段にて示される前記第3記憶手段における始動情報の格納状態を、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態に設定する第3状態設定手段とを備え、前記判断手段は、前記第2記憶状態指示手段および前記第3記憶状態指示手段によって示される状態に基づいて、前記第2記憶手段および第3記憶手段の少なくとも一方における始動情報の格納状態が、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態である場合に、その抽選内容の判断が未完了である始動情報に基づいて、前記第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容を判断するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が第2記憶手段に格納されているか否かの状態が第2記憶状態指示手段にて示され、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が第3記憶手段に格納されているか否かの状態が第3記憶状態指示手段にて示される。また、第2記憶手段に対して検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され記憶手段に記憶される始動情報を記憶する場合に、第2記憶状態指示手段にて示される第2記憶手段における始動情報の格納状態が、第2記憶状態設定手段によって、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態に設定される。また、第3記憶手段に対して検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され記憶手段に記憶される始動情報を記憶する場合に、第3記憶状態指示手段にて示される第3記憶手段における始動情報の格納状態が、第3記憶状態設定手段によって、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態に設定される。そして、第2記憶状態指示手段および第3記憶状態指示手段によって示される状態に基づいて、第2記憶手段および第3記憶手段の少なくとも一方における始動情報の格納状態が、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態である場合に、その抽選内容の判断が未完了である始動情報に基づいて、判断手段によって、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容が判断される。これにより、第2記憶手段または第3記憶手段に始動情報が格納されると、判断手段では、第2記憶手段あるいは第3記憶手段における格納状態が、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態であることを容易に判断し、その抽選内容の判断が未完了である始動情報に基づく抽選内容の判断を確実に開始することができる。
遊技機C3において、前記記憶制御手段は、前記第2記憶状態指示手段にて示される前記第2記憶手段における始動情報の格納状態が、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態である場合は、前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って新たに取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を、前記第2記憶手段へ非格納とし、前記第3記憶状態指示手段にて示される前記第3記憶手段における始動情報の格納状態が、前記判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態である場合は、前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って新たに取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を、前記第3記憶手段へ非格納とすることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2記憶状態指示手段にて示される第2記憶手段における始動情報の格納状態が、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態である場合は、記憶制御手段によって、検出手段により検出される始動条件の成立に伴って新たに取得され記憶手段に記憶される始動情報が、第2記憶手段へ非格納とされる。また、第3記憶状態指示手段にて示される第3記憶手段における始動情報の格納状態が、判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が格納されている状態である場合は、記憶制御手段によって、検出手段により検出される始動条件の成立に伴って新たに取得され記憶手段に記憶される始動情報が、第3記憶手段へ非格納とされる。これにより、第2記憶手段または第3記憶手段に既に記憶されている判断手段による抽選内容の判断が未完了である始動情報が、新たに取得された始動情報によって上書きされることを抑制できる。特に、抽選内容の判断を行っている途中で新たに取得された始動情報によって上書きされることを抑制できることにより、抽選内容の判断が誤って行われることを抑制できる。
遊技機C1〜C4のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を前記第2記憶手段にも記憶する場合に、その記憶手段に記憶された始動情報に基づいて前記抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数を記憶する第2待機回数記憶手段と、前記検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され前記記憶手段に記憶される始動情報を前記第3記憶手段にも記憶する場合に、その記憶手段に記憶された始動情報に基づいて前記抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数を記憶する第3待機回数記憶手段と、前記抽選手段による抽選が行われた場合に、前記第2待機回数記憶手段および第3待機回数記憶手段に記憶された待機回数をそれぞれ1減算する待機回数減算手段と、前記第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて前記抽選手段により行われた前記抽選内容の判断に関する情報を前記副制御手段に出力する場合に、前記第2待機回数記憶手段に記憶された待機回数を取得し、前記第3記憶手段に記憶された始動情報に基づいて前記抽選手段により行われた前記抽選内容の判断に関する情報を前記副制御手段に出力する場合に、前記第3待機回数記憶手段に記憶された待機回数を取得する待機回数取得手段とを備え、前記第2出力手段は、前記判断手段による抽選内容の判断に関する情報と併せて前記待機回数取得手段により取得された待機回数を前記副制御手段に出力することを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1〜C4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され記憶手段に記憶される始動情報を第2記憶手段にも記憶する場合に、その記憶手段に記憶された始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数が第2待機回数記憶手段に記憶される。また、検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得され記憶手段に記憶される始動情報を第3記憶手段にも記憶する場合に、その記憶手段に記憶された始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数が第3待機回数記憶手段に記憶される。そして、抽選手段による抽選が行われた場合に、第2待機回数記憶手段および第3待機回数記憶手段に記憶された待機回数が待機回数減算手段によって1減算される。これにより、抽選手段による抽選が行われ、待機回数が1減ることが正確に反映されるので、記憶手段に記憶された始動情報のうち、第2記憶手段または第3記憶手段に記憶された始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数を、第2待機回数記憶手段および第3待機回数記憶手段に常に正確に記憶させることできる。そして、第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて抽選手段により行われた抽選内容の判断に関する情報を副制御手段に出力する場合に、第2待機回数記憶手段に記憶された待機回数が待機回数取得手段により取得され、第3記憶手段に記憶された始動情報に基づいて抽選手段により行われた抽選内容の判断に関する情報を副制御手段に出力する場合に、第3待機回数記憶手段に記憶された待機回数が待機回数取得手段により取得される。第2出力手段は、判断手段による抽選内容の判断に関する情報と併せて、その待機回数取得手段により取得された待機回数を副制御手段に出力するように構成されている。これにより、第2記憶手段または第3記憶手段に記憶させた始動情報に基づいて抽選内容の判断を行うように構成した場合であっても、副制御手段に対して、抽選内容の判断に関する情報とあわせて、記憶手段に記憶された始動情報のうち該抽選内容の判断に用いられた始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数を正確に通知することができる。よって、副制御手段では、その抽選内容の判断が行われた始動情報に基づいて実際に抽選が行われ、その抽選結果に基づいて演出制御信号が生成され出力されるまでの待機回数を正確に把握しながら、各種制御を実行できる。従って、副制御手段は、より緻密な制御を行うことができる。
遊技機C5において、前記主制御手段は、前記第2待機回数記憶手段または第3待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下かを判断する待機回数判断手段を備え、前記第2出力手段は、前記待機回数判断手段により前記第2待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下であると判断された場合は、前記第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて行われる前記判断手段による抽選内容の判断に関する情報を前記副制御手段に非出力とし、前記待機回数判断手段により前記第3待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下であると判断された場合は、前記第3記憶手段に記憶された始動情報に基づいて行われる前記判断手段による抽選内容の判断に関する情報を前記副制御手段に非出力とすることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2待機回数記憶手段または第3待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下かが待機回数判断手段により判断される。第2待機回数記憶手段または第3待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下となったことは、記憶手段に記憶された始動情報のうち、第2記憶手段または第3記憶手段に記憶された始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数が0以下となったこと、即ち、該始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われたことを意味する。よって、待機回数判断手段は、第2待機回数記憶手段または第3待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下かを判断することによって、記憶手段に記憶された始動情報のうち、第2記憶手段または第3記憶手段に記憶された始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われたことを判断することができる。ここで、第2記憶手段または第3記憶手段に記憶された始動情報に基づいて抽選内容の判断に関する情報が副制御手段に出力される前に、記憶手段に記憶された始動情報のうち、該抽選内容の判断に用いられる始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われ、その抽選結果が副制御手段に出力されれば、その後に抽選内容の判断に関する情報を副制御手段へ出力しても意味をなさない場合がある。これに対し、遊技機C6によれば、第2出力手段は、待機回数判断手段により第2待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下であると判断された場合は、第2記憶手段に記憶された始動情報に基づいて行われる判断手段による抽選内容の判断に関する情報を副制御手段に非出力とし、待機回数判断手段により第3待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下であると判断された場合は、第3記憶手段に記憶された始動情報に基づいて行われる判断手段による抽選内容の判断に関する情報を副制御手段に非出力とするように構成されている。これにより、判断手段による抽選内容の判断に関する情報が副制御手段に出力される前に、記憶手段に記憶された始動情報のうち、該抽選内容の判断に用いられる始動情報と同じ始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われた場合は、その抽選結果が副制御手段に出力された後に、該抽選に対する抽選内容の判断に関する結果が無駄に副制御手段に出力されることを抑制できる。
遊技機A1〜A9のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記記憶手段に記憶される各始動情報毎に、前記判断手段による抽選内容の判断が行われたか否かの状態を示す情報を記憶する判断状態記憶手段を備え、前記判断手段は、前記判断状態記憶手段に記憶された情報に基づき、前記記憶手段に記憶された始動情報のうち、前記判断手段による抽選内容の判断が行われていない始動情報を判断し、その始動情報に基づいて、前記第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容を判断するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A1〜A9のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、記憶手段に記憶される各始動情報毎に、判断手段による抽選内容の判断が行われたか否かを示す情報が判断状態記憶手段に記憶される。そして、判断手段は、判断状態記憶手段に記憶された情報に基づき、記憶手段に記憶された始動情報のうち、判断手段による抽選内容の判断が行われていない始動情報を判断し、その始動情報に基づいて、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容を判断するように構成されている。これにより、抽選内容の判断を行うために記憶手段とは別の記憶手段を設けなくても、記憶手段に記憶された始動情報のうち、抽選内容の判断が行われていない始動情報を容易に特定し、抽選内容の判断を行うことができる。よって、記憶容量増大によるコストの増加を抑制できる。
遊技機D1において、前記判断手段は、前記判断状態記憶手段に記憶された情報に基づき、前記記憶手段に記憶された始動情報のうち、前記判断手段による抽選内容の判断が行われていない全ての始動情報を判断し、各始動情報に基づいて、それぞれ、前記第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容を判断するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判断手段によって、判断状態記憶手段に記憶された情報に基づき、記憶手段に記憶された始動情報のうち、判断手段による抽選内容の判断が行われていない全ての始動情報が判断され、各始動情報に基づいて、それぞれ、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容が判断される。これにより、抽選内容の判断が未完了である複数の始動情報が記憶手段に格納されていれば、それら複数の始動入賞に対して、それぞれ抽選内容の判断を行うことができる。よって、より多くの始動情報に対して、その抽選内容の判断をより早く実行することができる。
遊技機D1又はD2において、前記記憶手段は、前記抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数毎に設けられた複数の格納エリアを有し、その格納エリアは、該格納エリアに対応付けられた待機回数だけ前記抽選手段による抽選を待機する始動情報を格納するものであり、前記主制御手段は、前記判断手段により、前記記憶手段の一の格納エリアに格納された一の始動情報に基づいて抽選内容の判断が行われる場合に、その一の格納エリアに対応付けられた待機回数を記憶する待機回数記憶手段を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段には、抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数毎に設けられた複数の格納エリアが設けられ、それぞれの格納エリアに、該格納エリアに対応付けられた待機回数だけ抽選手段による抽選を待機する始動情報が格納される。ここで、主制御手段において、判断手段により、記憶手段の一の格納エリアに格納された一の始動情報に基づいて抽選内容の判断が行われる場合に、その一の格納エリアに対応付けられた待機回数が待機回数記憶手段に記憶される。これにより、判断手段による抽選内容の判断を行う場合に、どの格納エリアに格納された始動情報を用いて判断を行うかを、待機回数記憶手段に記憶された待機回数から容易に判断することができる。よって、記憶手段に記憶された始動情報を用いて抽選内容の判断を行う場合であっても、その判断に係る処理を簡単にすることができる。
遊技機D3において、前記主制御手段は、前記抽選手段による抽選が行われた場合に、前記待機回数記憶手段に記憶された待機回数を1減算する待機回数減算手段を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、抽選手段による抽選が行われた場合に、待機回数記憶手段に記憶された待機回数が待機回数減算手段によって1減算される。ここで、抽選手段による抽選が行われると、抽選内容の判断を行っている始動情報が格納された格納エリアも、1つ小さい待機回数に対応する格納エリアに変更されることになる。これに対し、遊技機D4によれば、抽選手段による抽選が行われると、待機回数記憶手段に記憶された待機回数が1減算されるので、待機回数記憶手段に記憶された待機回数によって、抽選内容の判断に用いられている始動情報が格納された格納エリアを正確に示すことができる。これにより、抽選内容の判断の途中で、抽選手段による抽選が行われた場合であっても、待機回数記憶手段に記憶された待機回数によって、抽選内容の判断に用いられている始動情報が格納された格納エリアを容易に判断することができる。よって、よって、記憶手段に記憶された始動情報を用いて抽選内容の判断を行う場合であっても、その判断に係る処理をより簡単にすることができる。
遊技機D3又はD4において、前記第2出力手段は、前記判断手段による抽選内容の判断に関する情報と併せて前記待機回数記憶手段に記憶された待機回数を前記副制御手段に出力することを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3又はD4の奏する効果に加え、第2出力手段は、判断手段による抽選内容の判断に関する情報と併せて、その待機回数記憶手段に記憶された待機回数を副制御手段に出力するように構成されているので、副制御手段に対して、抽選内容の判断に関する情報とあわせて、その判断に用いられた始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数を正確に通知することができる。よって、副制御手段では、その抽選内容の判断が行われた始動情報に基づいて実際に抽選が行われ、その抽選結果に基づいて演出制御信号が生成され出力されるまでの待機回数を正確に把握しながら、各種制御を実行できる。従って、副制御手段は、より緻密な制御を行うことができる。
遊技機D3〜D5のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下かを判断する待機回数判断手段を備え、前記第2出力手段は、前記待機回数判断手段により前記待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下であると判断された場合は、前記判断手段による抽選内容の判断に関する情報を前記副制御手段に非出力とすることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D3〜D5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下かが待機回数判断手段により判断される。待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下となったことは、抽選内容の判断に用いられている始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数が0以下となったこと、即ち、該始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われたことを意味する。よって、待機回数判断手段は、待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下かを判断することによって、抽選内容の判断に用いられている始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われたことを判断することができる。ここで、記憶手段に記憶された始動情報に基づいて抽選内容の判断に関する情報が副制御手段に出力される前に、該始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われ、その抽選結果が副制御手段に出力されれば、その後に抽選内容の判断に関する情報を副制御手段へ出力しても意味をなさない場合がある。これに対し、遊技機D6によれば、第2出力手段は、待機回数判断手段により待機回数記憶手段に記憶された待機回数が0以下であると判断された場合は、判断手段による抽選内容の判断に関する情報を副制御手段に非出力とするように構成されている。これにより、判断手段による抽選内容の判断に関する情報が副制御手段に出力される前に、その判断で用いられている始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われた場合は、その抽選結果が副制御手段に出力された後に、該抽選に対する抽選内容の判断に関する結果が無駄に副制御手段に出力されることを抑制できる。
遊技機A2,B4,B5,C5,C6,D5のいずれかにおいて、前記副制御手段は、前記第2出力手段より出力された抽選内容の判断に関する情報を、その情報と合わせて出力された待機回数に対応付けて記憶する判断情報記憶手段を備えることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機A2,B4,B5,C5,C6,D5のいずれかの奏する効果に加え、副制御手段において、第2出力手段より出力された抽選内容の判断に関する情報が、その情報と合わせて出力された待機回数に対応付けて、判断情報記憶手段に記憶されるので、副制御手段は、判断情報記憶手段に記憶された抽選内容の判断に関する情報を、主制御手段により抽選が行われるのに合わせて待機回数分を待機させた上で、各種制御を実行できる。これにより、副制御手段において、抽選内容の判断に関する情報と、実際の抽選の結果とに基づいて、多彩な制御を実行することができる。
遊技機E1において、前記主制御手段は、以前に前記判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いかを判断する信頼性と、その信頼性判断手段により、以前に前記判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いと判断される場合に前記副制御手段に通知する通知手段とを備え、前記副制御手段は、前記通知手段による通知を受信すると、前記判断情報記憶手段に記憶された抽選内容の判断に関する情報を全て無効にする判断情報無効手段を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、信頼性判断手段により、以前に前記判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いと判断されると、副制御手段に対してその旨が通知手段により通知される。そして、副制御手段では、通知手段による通知を受信すると、判断情報記憶手段に記憶された抽選内容の判断に関する情報が、判断情報無効手段によって全て無効にされる。これにより、副制御手段では、その通知を受けた後は、信頼性の低い抽選内容の判断に関する情報に基づいて各種制御が行われることを抑制することができる。よって、誤った抽選内容の判断に基づいて、頻繁に各種制御が行われることを抑えることができるので、遊技者により信頼性の高い制御を提供できる。
遊技機E1又はE2において、前記判断情報記憶手段は、抽選内容の判断に用いられた始動情報に基づいて前記抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数毎に設けられた複数の判断格納エリアと、各判断格納エリア毎に、その判断格納エリアに格納された抽選内容の判断に関する情報が有効か否かを示す情報を格納する有効情報格納エリアとを有し、前記副制御手段は、前記第2出力手段より出力された抽選内容の判断に関する情報を、その情報と合わせて出力された待機回数に対応する前記判断情報記憶手段の判断格納エリアに格納し、更に、その判断格納エリアに対応する有効情報格納エリアの情報を有効に設定する判断情報記憶制御手段を備えることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判断情報記憶手段には、抽選内容の判断に用いられた始動情報に基づいて抽選手段による抽選が行われるまでの待機回数毎に設けられた複数の判断格納エリアと、各判断格納エリア毎に、その判断格納エリアに格納された抽選内容の判断に関する情報が有効か否かを示す情報を格納する有効情報格納エリアとが設けられている。そして、副制御手段にでは、判断情報記憶制御手段によって、第2出力手段より出力された抽選内容の判断に関する情報が、その情報と合わせて出力された待機回数に対応する判断情報記憶手段の判断格納エリアに格納され、更に、その判断格納エリアに対応する有効情報格納エリアの情報が有効に設定される。これにより、副制御手段では、判断情報記憶手段に抽選内容に関する情報を記憶させる場合に、その抽選内容の判断に関する情報とその情報の待機回数とを容易に対応付けることができる。また、副制御手段では、有効情報格納エリアの情報に基づいて、待機回数毎に設けられた判断格納エリアに有効な抽選内容の判断に関する情報が格納されているか否かを容易に判断することができる。よって、副制御手段において、抽選内容の判断に関する情報に基づき各種制御を実行する場合に、その処理に係る負荷を小さく抑えることができる。
遊技機E3において、前記主制御手段は、以前に前記判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いかを判断する信頼性判断手段と、その信頼性判断手段により、以前に前記判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いと判断される場合に前記副制御手段に通知する通知手段とを備え、前記副制御手段は、前記通知手段による通知を受信すると、前記判断情報記憶手段に設けられた全ての判断格納エリアに対応する有効情報格納エリアの情報を無効に設定する判断情報無効手段を備えることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、信頼性判断手段により、以前に前記判断手段により判断した抽選内容の結果の信頼性が低いと判断されると、副制御手段に対してその旨が通知手段により通知される。そして、副制御手段では、通知手段による通知を受信すると、判断情報記憶手段に設けられた全ての判断格納エリアに対応する有効情報格納エリアの情報が、判断情報無効手段によって無効に設定される。これにより、判断情報記憶手段に記憶された抽選内容の判断に関する情報が、全て容易に無効にされる。これにより、副制御手段では、その通知を受けた後は、信頼性の低い抽選内容の判断に関する情報に基づいて各種制御が行われることを簡単に抑制することができる。よって、誤った抽選内容の判断に基づいて、頻繁に各種制御が行われることを簡単に抑えることができるので、遊技者により信頼性の高い制御を容易に提供できる。
遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて制御を行う副制御手段と、その副制御手段の制御により識別情報の動的表示に伴った変動演出が行われる表示手段とを備え、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記主制御手段は、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得される始動情報を、その始動情報に基づく抽選が行われるまでの間、所定数を上限として記憶する記憶手段と、前記表示手段で変動演出を開始させる場合に、最も先に取得されて前記記憶手段に記憶された一の始動情報に基づいて抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて演出制御信号を生成する生成手段と、その生成手段により生成された演出制御信号を前記副制御手段に出力する第1出力手段と、その第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容を、該抽選に用いられる始動情報に基づいて判断する判断手段と、その判断手段によって判断された抽選内容に関する情報を前記副制御手段に出力する第2出力手段とを備え、前記副制御手段は、前記第1出力手段より出力された演出制御信号に基づいて前記表示手段による変動演出を制御する変動制御手段と、前記第2出力手段より出力された抽選内容に関する情報に基づき、複数の変動演出にわたってその抽選内容を示唆する示唆演出を実行するか否かを判定する判定手段と、その判定手段により示唆演出を実行すると判定した場合は、前記変動制御手段の制御により前記表示手段にて行われる複数の変動演出にわたって示唆演出が行われるように制御する示唆制御手段と、その示唆制御手段の制御により複数の変動演出にわたって示唆演出が行われた後に、前記変動制御手段の制御により少なくとも最初に行われる変動演出に対しては、前記示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避する回避手段とを備えていることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、主制御手段において、始動条件の成立が検出手段により検出されると、その始動条件の成立に伴って取得される始動情報が、その始動情報に基づく抽選が行われるまでの間、所定数を上限として記憶手段に記憶される。そして、表示手段で変動演出を開始させる場合に、最も先に取得されて記憶手段に記憶された一の始動情報に基づいて抽選手段により抽選が行なわれ、その抽選結果に基づいて演出制御信号が生成手段により生成されて、その生成された演出制御信号が第1出力手段によって副制御手段に出力される。これにより、副制御手段では、第1出力手段により出力された演出制御信号に基づいて変動制御手段の制御により表示手段に変動演出が行われる。その変動演出において識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、変動演出は抽選結果に基づく演出制御信号によって行われるものであるので、始動情報に基づいて行われた抽選結果に応じて、遊技者に所定の遊技価値が付与されることになる。一方、主制御手段において、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容が、該抽選に用いられる始動情報に基づいて判断手段により判断され、その抽選内容に関する情報が第2出力手段によって副制御手段に出力される。そして、副制御手段において、第2出力手段より出力された抽選内容に関する情報に基づき、判定手段によって、その抽選内容を示唆する示唆演出を複数の変動演出にわたって実行すると判定された場合は、変動制御手段の制御により表示手段にて行われる複数の変動演出にわたって、示唆演出が示唆制御手段の制御により行われる。よって、この示唆演出が複数の変動演出にわたって行われた場合、この示唆演出によって遊技者は抽選内容を推察することができ、所定の遊技価値が付与されることを期待しながら遊技を行うことができる。ここで、副制御手段は、示唆制御手段の制御により複数の変動演出にわたって示唆演出が行われると、その後、少なくとも最初に行われる変動演出に対して、示唆制御手段の制御により示唆演出が行われることが、回避手段により回避される。よって、2以上の示唆演出が連続して行われることにより、遊技者において示唆演出に対する期待感が低下してしまうことを抑制することができる。従って、興趣性の高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技機F1において、前記副制御手段は、前記第2出力手段より出力された抽選内容に関する情報に基づくことなく、前記示唆演出と同様の内容で行われる第2示唆演出を実行するか否かを判定する第2判定手段と、その第2判定手段によって第2示唆演出を実行すると判定された場合は、前記変動制御手段の制御により前記表示手段にて行われる一の変動演出に対して、前記第2示唆演出が行われるように制御する第2示唆制御手段とを備え、前記回避手段は、前記示唆制御手段の制御により複数の変動演出にわたって示唆演出が行われた後に、前記変動制御手段の制御により少なくとも最初に行われる変動演出に対して、前記示唆演出だけでなく、前記第2示唆制御手段の制御により前記第2示唆演出が行われることを回避するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1において奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2出力手段より出力された抽選内容に関する情報に基づくことなく、示唆演出と同様の内容で行われる第2示唆演出を実行するか否かが第2判定手段により判定され、その第2判定手段によって第2示唆演出を実行すると判定された場合は、変動制御手段の制御により表示手段にて行われる一の変動演出に対して、第2示唆演出が第2示唆制御手段の制御によって行われる。一方、示唆制御手段の制御により複数の変動演出にわたって示唆演出が行われた後は、変動制御手段の制御により少なくとも最初に行われる変動演出に対して、回避手段によって、示唆演出だけでなく、第2示唆制御手段の制御により第2示唆演出が行われることも回避される。これにより、一の変動演出に対して示唆演出と同様の内容で第2示唆演出が行われる場合であっても、示唆制御手段の制御により複数の変動演出にわたって示唆演出が行われた後は、それに続けて、第2示唆演出の実行が回避される。よって、示唆演出に続けて同様の内容で行われる第2示唆演出が行われることによって、示唆演出に対する期待感が低下してしまうことを抑制できる。従って、興趣性の高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技機F1又はF2において、前記判定手段は、前記示唆演出を実行とすると判定した場合に、その示唆演出を行わせる変動演出の数を決定する決定手段とを備え、前記示唆制御手段は、変動演出に対して示唆演出を行わせる毎に、その示唆演出を行わせた変動演出の数をカウントするカウント手段を備え、前記回避手段は、前記決定手段により決定された前記示唆演出を行わせる変動演出の数と、前記カウント手段によってカウントされた、前記示唆制御手段の制御により示唆演出を行わせた変動演出の数とに基づいて、前記決定手段によって決定された数の変動演出にわたって示唆演出が行われたことを検出する検出手段を備えており、該回避手段は、その検出手段により示唆演出が行われたことが検出された後に、前記変動制御手段の制御により少なくとも最初に行われる変動演出に対して、前記示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段により示唆演出を実行すると判定した場合、その示唆演出を行わせる変動演出の数が決定手段により決定される。また、示唆制御手段の制御によって、複数の変動演出にわたって示唆演出が行われる場合に、その変動演出に対して示唆演出が行われる毎に、その示唆演出を行わせた変動演出の数がカウント手段によってカウントされる。ここで、決定手段により決定された示唆演出を行わせる変動演出の数と、カウント手段によってカウントされた、示唆制御手段の制御により示唆演出を行わせた変動演出の数とに基づいて、決定手段によって決定された数の変動演出にわたって示唆演出が行われたことが検出手段により検出される。そして、その検出手段により示唆演出が完了したことが検出されると、その後、変動制御手段の制御により少なくとも最初に行われる変動演出に対して、示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることが回避される。これにより、決定手段により決定された示唆演出を行わせる変動演出の数だけ、複数の変動演出に対し示唆演出が示唆制御手段の制御により行われたことを簡単に判断でき、その示唆演出が行われた後、少なくとも最初に行われる変動演出に対して、示唆演出が行われることを容易に回避することができる。
遊技機F3において、前記副制御手段は、前記判定手段によって前記示唆演出を実行とするとの判定が行われた場合に、前記決定手段によって決定された前記示唆演出を行わせる変動演出の数に1加算した値を記憶する変動演出数記憶手段を備え、前記カウント手段は、変動演出に対して示唆演出を行わせる毎に、前記変動演出数記憶手段に記憶された値を1ずつ減算することによって、その示唆演出を行わせた変動演出の数をカウントするものであり、前記検出手段は、前記示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われている場合に、前記変動演出数記憶手段に記憶された値が1となれば、前記決定手段によって決定された数の変動演出にわたって示唆演出が完了したことを検出し、前記回避手段は、前記検出手段により示唆演出が完了したことを検出した後、前記変動演出数記憶手段に記憶された値が1である間は、前記変動制御手段の制御により行われる変動演出に対して、前記示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって示唆演出を実行とするとの判定が行われた場合に、決定手段によって決定された示唆演出を行わせる変動演出の数に1加算した値が変動演出数記憶手段に記憶され、変動演出に対して示唆演出を行わせる毎に、カウント手段によって変動演出数記憶手段に記憶された値を1ずつ減算することより、その示唆演出を行わせた変動演出の数がカウントされる。そして、示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われている場合に、変動演出数記憶手段に記憶された値が1となれば、決定手段によって決定された数の変動演出にわたって示唆演出が完了したことを検出手段が検出する。その検出後、変動演出数記憶手段に記憶された値が1である間は、変動制御手段の制御により行われる変動演出に対して、示唆制御手段によって示唆演出が行われることが回避手段によって回避される。これにより、決定手段によって決定された示唆演出を行わせる変動演出の数に1加算した値を変動演出数記憶手段に記憶させ、変動演出に対して示唆演出を行わせる毎に、その変動演出数記憶手段に記憶された値を1ずつ減算させるだけで、示唆演出の完了の検出と、その検出後における示唆演出の回避とを簡単に制御できる。よって、示唆演出が完了後、少なくとも最初に行われる変動演出に対して示唆演出が行われることを回避する処理を副制御手段に実装する場合に、その処理を行うプログラムを簡単に構築でき、その実装によって全体のプログラムが複雑化することを抑制することができる。
遊技機F4において、前記副制御手段は、前記検出手段により示唆演出が完了したことを検出した後、前記変動制御手段の制御により前記表示手段による変動演出が行われると、前記変動演出数記憶手段に記憶される値を0にする更新手段を備えていることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段において、検出手段により示唆演出が完了したことを検出した後、変動制御手段の制御により表示手段による変動演出が行われると、変動演出数記憶手段に記憶される値が更新手段によって0にされる。ここで、回避手段は、変動演出数記憶手段に記憶された値が1である場合に、変動演出に対して示唆演出が行われることを回避するものである。よって、示唆演出が行われた後に行われる1回分の変動演出に対し、示唆演出が回避される一方、その後変動演出数記憶手段に記憶された値が0にされることにより、再び示唆制御手段の制御による示唆演出を行える状態にすることができる。よって、示唆演出の現出頻度を高めることができるので、より興趣性の高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技機F3〜F5のいずれかにおいて、前記副制御手段は、前記判定手段によって示唆演出を実行とするとの判定が行われた場合に、前記主制御手段の記憶手段に記憶されている始動情報であって、該判定手段により前記示唆演出を実行するとの判断の基となった始動情報より前に取得した始動情報の数を特定する特定手段を備え、前記決定手段は、その特定手段により特定した前記始動情報の数に応じて、前記示唆演出を行わせる変動演出の数を決定するものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F3からF5のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定手段は、判定手段によって示唆演出を実行とするとの判定が行われた場合に、主制御手段の記憶手段に記憶されている始動情報であって、該判定手段により示唆演出を実行するとの判断の基となった始動情報より前に取得した始動情報の数を特定する。そして、その特定手段により特定した始動情報の数に応じて、示唆演出を行わせる変動演出の数を決定手段によって決定する。これにより、示唆演出を行うとの判断がなされた場合に、記憶手段に記憶されている始動情報であって、その示唆演出を行うきっかけとなった始動情報より前に取得された始動情報に対して抽選が行われ、変動演出が行われた場合に、その変動演出に対して示唆演出が行われるように制御することができる。そして、遊技機F3からF5に示す構成によって、そのような制御を行うプログラムを簡単に構築でき、その実装によって全体のプログラムが複雑化することを抑制することができる。
遊技機F1〜F6のいずれかにおいて、前記副制御手段は、前記第2出力手段より出力された抽選内容を記憶する抽選内容記憶手段と、前記第1出力手段より出力された演出制御信号の取得した場合に、その演出制御信号の生成の基である抽選結果を導出した始動情報に基づいて判断された抽選内容を抽選内容記憶手段より抽出する抽選内容抽出手段と、前記第1出力手段より出力された演出制御信号と、前記抽選内容抽出手段により抽出された抽選内容とが、相応なものか否かを判断する相応判断手段とを備え、前記示唆制御手段は、その相応判断手段により、前記演出制御手段と前記抽選内容とが相応ものでないと判断された場合は、示唆演出を非実行とするように制御することを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1〜F6のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段において、第2出力手段より出力された抽選内容を記憶する抽選内容記憶手段が設けられており、第1出力手段より出力された演出制御信号の取得した場合に、その演出制御信号の生成の基である抽選結果を導出した始動情報に基づいて判断された抽選内容が、抽選内容抽出手段によって、抽選内容記憶手段から抽出される。そして、第1出力手段より出力された演出制御信号と、抽選内容抽出手段により抽出された抽選内容とが、相応なものか否かを相応判断手段によって判断し、演出制御手段と抽選内容とが相応ものでないと判断された場合は、示唆演出を非実行とするように示唆制御手段によって制御される。演出制御信号と抽選内容とが相応なものでない場合、演出制御信号もしくは抽選内容が破壊されている可能性があるため、そのような場合に示唆演出を行うと、遊技者に誤解を与えてしまうおそれがあるが、本実施形態では、そのような場合に示唆演出が行われないので、遊技者に誤解を与える事を抑制できる。
遊技機F1又はF2において、前記副制御手段は、示唆演出の実行の回避を指示する回避情報を記憶可能な回避情報記憶手段を備え、前記示唆制御手段は、所定の数の変動演出にわたって示唆演出を行わせると、前記回避情報記憶手段に前記回避情報を書き込む回避情報書込手段を備え、前記回避手段は、前記回避情報記憶手段に前記回避情報が記憶されている場合に、前記変動制御手段の制御により少なくとも最初に行われる変動演出に対して、前記示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避するものであることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段には、示唆演出の実行の回避を指示する回避情報を記憶可能な回避情報記憶手段が設けられており、示唆制御手段の制御により、所定の数の変動演出にわたって示唆演出が行われると、回避情報書込手段によって、回避情報が回避情報記憶手段に書き込まれる。そして、回避手段は、回避情報記憶手段に回避情報が記憶されていると、変動制御手段の制御により少なくとも最初に行われる変動演出に対して、示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避する。このように、所定の数の変動演出にわたって示唆演出が行われた場合に、回避情報記憶手段に回避情報を書き込むだけで、その後に示唆演出が行われることを容易に回避することができる。
遊技機G1において、前記判定手段は、前記示唆演出を実行とすると判定した場合に、その示唆演出を行わせる変動演出の数を決定する決定手段を備え、前記回避情報書込手段は、前記決定手段によって決定された数の変動演出に対して前記示唆演出を行わせた場合に、前記回避情報記憶手段に前記回避情報を書き込むことを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段において、示唆演出を実行すると判定した場合に、その示唆演出を行わせる変動演出の数が決定手段により決定される。そして、その決定手段により決定された数の変動演出に対して示唆演出が行われると、回避情報書込手段によって、回避情報が回避情報記憶手段に記憶される。これにより、決定手段により決定された数の変動演出に対して示唆演出が行われた後、回避情報記憶手段に回避情報を書き込むだけで、その後に示唆演出が行われることを容易に且つ確実に回避することができる。
遊技機G2において、前記副制御手段は、前記判定手段によって示唆演出を実行とするとの判定が行われた場合に、前記主制御手段の記憶手段に記憶されている始動情報であって、該判定手段により前記示唆演出を実行するとの判断の基となった始動情報より前に取得した始動情報の数を特定する特定手段を備え、前記決定手段は、その特定手段により特定した前記始動情報の数に応じて、前記示唆演出を行わせる変動演出の数を決定するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定手段は、判定手段によって示唆演出を実行とするとの判定が行われた場合に、主制御手段の記憶手段に記憶されている始動情報であって、該判定手段により示唆演出を実行するとの判断の基となった始動情報より前に取得した始動情報の数を特定する。そして、その特定手段により特定した始動情報の数に応じて、示唆演出を行わせる変動演出の数を決定手段によって決定する。これにより、示唆演出を行うとの判断がなされた場合に、記憶手段に記憶されている始動情報であって、その示唆演出を行うきっかけとなった始動情報より前に取得された始動情報に対して抽選が行われ、変動演出が行われた場合に、その変動演出に対して示唆演出が行われるように制御することができる。そして、遊技機G2に示す構成によって、示唆演出を行うきっかけとなった始動情報より前に取得された始動情報に対応する変動演出に対し示唆演出が行われた後、回避情報記憶手段に回避情報を書き込むだけで、その後に示唆演出が行われることを容易に且つ確実に回避することができる。
遊技機G1〜G3のいずれかにおいて、前記副制御手段は、前記回避情報記憶手段に前記回避情報が記憶されている場合に、前記変動制御手段の制御により前記表示手段による変動演出が行われると、前記回避情報記憶手段に記憶された前記回避情報をクリアする手段を備えていることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1〜G3のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段において、回避情報記憶手段に回避情報が記憶されている場合に、変動制御手段の制御により表示手段による変動表示が行われると、回避情報記憶手段に記憶された回避情報がクリアされる。ここで、回避手段は、回避情報記憶手段に回避情報が記憶されている場合に、変動演出に対して示唆演出が行われることを回避するものである。よって、示唆演出が行われた後に行われる1回分の変動演出に対し、示唆演出が回避される一方、その後回避情報がクリアされることにより、再び示唆制御手段の制御による示唆演出を行える状態にすることができる。よって、示唆演出の現出頻度を高めることができるので、より興趣性の高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技機G1〜G4のいずれかにおいて、前記回避情報記憶手段は、前記記憶手段に記憶される1以上の始動情報に対応付けて、その始動情報によって実行される変動演出に対し、示唆演出の実行の回避を指示する回避情報を記憶可能に構成され、前記回避手段は、前記変動制御手段の制御により変動演出が行われる場合に、その変動演出の抽選に用いられた始動情報に対応付けて前記回避情報が前記回避情報記憶手段に記憶されていれば、その変動演出に対して、前記示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避するものであり、前記回避情報書込手段は、前記決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出を行わせると、次に実行される変動演出から所定の数の変動演出に対し、それらの抽選で用いられる始動情報に対応付けて、それぞれ前記回避情報を前記回避情報記憶手段に書き込むことを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1〜G4のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、回避情報記憶手段は、記憶手段に記憶される1以上の始動情報に対応付けて、その始動情報によって実行される変動演出に対し、示唆演出の実行の回避を指示する回避情報を記憶可能に構成され、回避手段は、変動制御手段の制御により変動演出が行われる場合に、その変動演出の抽選に用いられた始動情報に対応付けて回避情報が回避情報記憶手段に記憶されていれば、その変動演出に対して、示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避するように構成されている。一方、回避情報書込手段は、決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出を行わせると、次に実行される変動演出から所定の数の変動演出に対し、それらの抽選で用いられる始動情報に対応付けて、それぞれ回避情報を回避情報記憶手段に書き込む。これにより、次に実行される変動演出から所定の数の変動演出に対して、示唆演出が行われることを容易に回避できる。
遊技機G5において、前記回避情報書込手段は、前記決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出を行わせると、次に実行される変動演出に対してのみ、その抽選で用いられる始動情報に対応付けて、前記回避情報を前記回避情報記憶手段に書き込むことを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、回避情報書込手段は、決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出を行わせると、次に実行される変動演出に対してのみ、その抽選で用いられる始動情報に対応付けて、回避情報を回避情報記憶手段に書き込む。よって、示唆演出が行われた後に行われる1回分の変動演出に対してのみ、示唆演出が回避されるので、その後、再び示唆制御手段の制御による示唆演出を行える状態にすることができる。よって、示唆演出の現出頻度を高めることができるので、より興趣性の高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて制御を行う副制御手段と、その副制御手段の制御により識別情報の動的表示に伴った変動演出が行われる表示手段とを備え、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記主制御手段は、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段により検出される始動条件の成立に伴って取得される始動情報を、その始動情報に基づく抽選が行われるまでの間、所定数を上限として記憶する記憶手段と、前記表示手段で変動演出を開始させる場合に、最も先に取得されて前記記憶手段に記憶された一の始動情報に基づいて抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて演出制御信号を生成する生成手段と、その生成手段により生成された演出制御信号を前記副制御手段に出力する第1出力手段と、その第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる前記抽選手段による抽選内容を、該抽選に用いられる始動情報に基づいて判断する判断手段と、その判断手段によって判断された抽選内容に関する情報を前記副制御手段に出力する第2出力手段とを備え、前記副制御手段は、前記第1出力手段より出力された演出制御信号に基づいて前記表示手段による変動演出を制御する変動制御手段と、前記第2出力手段より出力された抽選内容に関する情報に基づき、複数の変動演出にわたってその抽選内容を示唆する示唆演出を実行するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって示唆演出を実行とするとの判定が行われた場合に、前記主制御手段の記憶手段に記憶されている始動情報であって、該判定手段により前記示唆演出を実行するとの判断の基となった始動情報以前に取得した始動情報の数を特定する特定手段と、前記判定手段による判定に基づき実行される前記示唆演出において、その示唆演出を行わせる変動演出の数を、前記特定手段により特定した前記始動情報の数以下となる範囲で決定する決定手段と、前記判定手段により示唆演出を実行すると判定した場合は、前記決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出が行われるように制御する示唆制御手段とを備えることを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、主制御手段において、始動条件の成立が検出手段により検出されると、その始動条件の成立に伴って取得される始動情報が、その始動情報に基づく抽選が行われるまでの間、所定数を上限として記憶手段に記憶される。そして、表示手段で変動演出を開始させる場合に、最も先に取得されて記憶手段に記憶された一の始動情報に基づいて抽選手段により抽選が行なわれ、その抽選結果に基づいて演出制御信号が生成手段により生成されて、その生成された演出制御信号が第1出力手段によって副制御手段に出力される。これにより、副制御手段では、第1出力手段により出力された演出制御信号に基づいて変動制御手段の制御により表示手段に変動演出が行われる。その変動演出において識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される。ここで、変動演出は抽選結果に基づく演出制御信号によって行われるものであるので、始動情報に基づいて行われた抽選結果に応じて、遊技者に所定の遊技価値が付与されることになる。一方、主制御手段において、第1出力手段により演出制御信号が出力される前に、該演出制御信号の生成に用いられる抽選手段による抽選内容が、該抽選に用いられる始動情報に基づいて判断手段により判断され、その抽選内容に関する情報が第2出力手段によって副制御手段に出力される。そして、副制御手段において、第2出力手段より出力された抽選内容に関する情報に基づき、判定手段によって、その抽選内容を示唆する示唆演出を複数の変動演出にわたって実行すると判定された場合は、主制御手段の記憶手段に記憶されている始動情報であって、該判定手段により示唆演出を実行するとの判断の基となった始動情報以前に取得した始動情報の数が特定手段により特定し、示唆演出を行わせる変動演出の数を、その特定手段により特定した始動情報の数以下となる範囲で決定手段により決定する。そして、その判定手段により示唆演出を実行すると判定した場合は、決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出が行われるように示唆制御手段により制御される。即ち、示唆演出は、必ずしも、その示唆演出の実行の判断の基となった始動情報以前に取得された始動情報に対応する全ての変動演出に対して行われるのではなく、その一部の始動情報に対応する変動演出に対して行われるようになっている。よって、示唆演出が開始された場合、必ずしもその時点で記憶手段に記憶された全ての始動情報に対応する変動演出にわたって示唆演出が行われるわけではないので、どの始動情報において所定の遊技価値が付与される可能性が高いかを遊技者が分かりづらくなっている。従って、遊技者はそれを推察しながら遊技を継続することができるので、興趣性の高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技機H1において、前記決定手段は、前記判定手段による判定に基づき実行される前記示唆演出において、その変動演出の数を、1以上で且つ前記特定手段により特定した前記始動情報の数以下となる範囲の中からその都度選択して決定することを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、判定手段による判定に基づき実行される示唆演出において、その示唆演出を行わせる変動演出の数が、1以上で且つ特定手段により特定した始動情報の数以下となる範囲の中から、決定手段によりその都度選択され、決定されるので、示唆演出が行われる変動演出の数を、その都度変化させることができる。よって、どの始動情報において所定の遊技価値が付与される可能性が高いかを、遊技者がより分かりづらくなるので、遊技者はそれをより楽しみながら推察して遊技を継続できる。従って、興趣性のより高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技機H1又はH2において、前記副制御手段は、前記第2出力手段より出力された抽選内容に関する情報に基づくことなく、前記示唆演出と同様の内容で行われる第2示唆演出を実行するか否かを判定する第2判定手段と、その第2判定手段によって第2示唆演出を実行すると判定された場合は、前記変動制御手段の制御により前記表示手段にて行われる一の変動演出に対して、前記第2示唆演出が行われるように制御する第2示唆制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2出力手段より出力された抽選内容に関する情報に基づくことなく、示唆演出と同様の内容で行われる第2示唆演出を実行するか否かが第2判定手段により判定され、その第2判定手段によって第2示唆演出を実行すると判定された場合は、変動制御手段の制御により表示手段にて行われる一の変動演出に対して、第2示唆演出が第2示唆制御手段の制御によって行われる。ここで、遊技機H3は、示唆演出が行われた場合に、どの始動情報において所定の遊技価値が付与される可能性が高いかを遊技者に分かりづらくなっており、示唆演出と同じ内容で行われる第2示唆演出が行われた場合は、それが示唆演出なのか第2示唆演出なのかも遊技者に分かりづらくなる。よって、遊技者は、示唆演出なのか第2示唆演出なのか、ということも推察しながら、遊技を継続できる。従って、興趣性のより高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技機H1〜H3のいずれかにおいて、前記副制御手段は、前記記憶手段に記憶される1以上の始動情報に対応付けて、その始動情報によって実行される変動演出に対し、示唆演出を行うことを指示する示唆指示情報を記憶可能な示唆指示情報記憶手段と、前記判定手段により示唆演出を実行すると判定した場合に、前記決定手段により決定された示唆演出を行わせる変動演出の数に基づいて、示唆演出を行わせる変動演出の抽選に用いられる始動情報に対応付けて、前記示唆指示情報を前記示唆指示情報記憶手段に格納する示唆指示情報格納手段とを備え、前記示唆制御手段は、前記第1出力手段より出力される前記演出制御信号を受信したことを契機として、その演出制御信号に基づき実行される変動演出の抽選に用いられた始動情報に対応付けて、前記示唆指示情報が前記示唆指示情報記憶手段に記憶されている場合に、その変動演出に対して示唆演出が行われるように制御するものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1〜H3のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶される1以上の始動情報に対応付けて、その始動情報によって実行される変動演出に対し、示唆演出を行うことを指示する示唆指示情報を記憶可能な示唆指示情報記憶手段が副制御手段に設けられており、判定手段により示唆演出を実行すると判定した場合に、決定手段により決定された示唆演出を行わせる変動演出の数に基づいて、示唆演出を行わせる変動演出の抽選に用いられる始動情報に対応付けて、示唆指示情報が、示唆指示情報格納手段によって、示唆指示情報記憶手段に格納される。そして、示唆制御手段は、第1出力手段より出力される演出制御信号を受信したことを契機として、その演出制御信号に基づき実行される変動演出の抽選に用いられた始動情報に対応付けて、示唆指示情報が示唆指示情報記憶手段に記憶されている場合に、その変動演出に対して示唆演出が行われるように制御するように構成されている。これにより、示唆演出が、その示唆演出の実行の判断の基となった始動情報以前に取得された始動情報の一部の始動情報に対応する変動演出に対して行われるように構成した場合であっても、容易に、その一部の変動演出に対して示唆演出を行わせることができ、その制御に係るプログラムの単純化を図ることができる。
遊技機H1〜H4のいずれかにおいて、前記副制御手段は、前記第2出力手段より出力された抽選内容を記憶する抽選内容記憶手段と、前記第1出力手段より出力された演出制御信号の取得した場合に、その演出制御信号の生成の基である抽選結果を導出した始動情報に基づいて判断された抽選内容を抽選内容記憶手段より抽出する抽選内容抽出手段と、前記第1出力手段より出力された演出制御信号と、前記抽選内容抽出手段により抽出された抽選内容とが、相応なものか否かを判断する相応判断手段とを備え、前記示唆制御手段は、その相応判断手段により、前記演出制御手段と前記抽選内容とが相応ものでないと判断された場合は、示唆演出を非実行とするように制御することを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1〜H4のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段において、第2出力手段より出力された抽選内容を記憶する抽選内容記憶手段が設けられており、第1出力手段より出力された演出制御信号の取得した場合に、その演出制御信号の生成の基である抽選結果を導出した始動情報に基づいて判断された抽選内容が、抽選内容抽出手段によって、抽選内容記憶手段から抽出される。そして、第1出力手段より出力された演出制御信号と、抽選内容抽出手段により抽出された抽選内容とが、相応なものか否かを相応判断手段によって判断し、演出制御手段と抽選内容とが相応ものでないと判断された場合は、示唆演出を非実行とするように示唆制御手段によって制御される。演出制御信号と抽選内容とが相応なものでない場合、演出制御信号もしくは抽選内容が破壊されている可能性があるため、そのような場合に示唆演出を行うと、遊技者に誤解を与えてしまうおそれがあるが、本実施形態では、そのような場合に示唆演出が行われないので、遊技者に誤解を与える事を抑制できる。
遊技機H1〜H5において、前記副制御手段は、前記示唆制御手段の制御により、前記決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出が行われた後に、前記変動制御手段の制御により少なくとも最初に行われる変動演出に対しては、前記示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避する回避手段とを備えていることを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機H1〜H5のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段は、決定手段により決定された数の変動演出にわたって、示唆制御手段の制御により示唆演出が行われると、その後、少なくとも最初に行われる変動演出に対して、示唆制御手段の制御により示唆演出が行われることが、回避手段により回避される。よって、2以上の示唆演出が連続して行われることにより、遊技者において示唆演出に対する期待感が低下してしまうことを抑制することができる。従って、興趣性の高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技機I1において、前記副制御手段は、示唆演出の実行の回避を指示する回避情報を記憶可能な回避情報記憶手段を備え、前記示唆制御手段は、前記決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出を行わせると、前記回避情報記憶手段に前記回避情報を書き込む回避情報書込手段を備え、前記回避手段は、前記回避情報記憶手段に前記回避情報が記憶されている場合に、前記変動制御手段の制御により少なくとも最初に行われる変動演出に対して、前記示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避するものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段には、示唆演出の実行の回避を指示する回避情報を記憶可能な回避情報記憶手段が設けられており、示唆制御手段の制御により、決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出が行われると、回避情報書込手段によって、回避情報が回避情報記憶手段に書き込まれる。そして、回避手段は、回避情報記憶手段に回避情報が記憶されていると、変動制御手段の制御により少なくとも最初に行われる変動演出に対して、示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避する。このように、決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出が行われた場合に、回避情報記憶手段に回避情報を書き込むだけで、その後に示唆演出が行われることを容易に回避することができる。
遊技機I2において、前記回避情報記憶手段は、前記記憶手段に記憶される1以上の始動情報に対応付けて、その始動情報によって実行される変動演出に対し、示唆演出の実行の回避を指示する回避情報を記憶可能に構成され、前記回避手段は、前記変動制御手段の制御により変動演出が行われる場合に、その変動演出の抽選に用いられた始動情報に対応付けて前記回避情報が前記回避情報記憶手段に記憶されていれば、その変動演出に対して、前記示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避するものであり、前記回避情報書込手段は、前記決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出を行わせると、次に実行される変動演出から所定の数の変動演出に対し、それらの抽選で用いられる始動情報に対応付けて、それぞれ前記回避情報を前記回避情報記憶手段に書き込むことを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、回避情報記憶手段は、記憶手段に記憶される1以上の始動情報に対応付けて、その始動情報によって実行される変動演出に対し、示唆演出の実行の回避を指示する回避情報を記憶可能に構成され、回避手段は、変動制御手段の制御により変動演出が行われる場合に、その変動演出の抽選に用いられた始動情報に対応付けて回避情報が回避情報記憶手段に記憶されていれば、その変動演出に対して、示唆制御手段の制御によって示唆演出が行われることを回避するように構成されている。一方、回避情報書込手段は、決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出を行わせると、次に実行される変動演出から所定の数の変動演出に対し、それらの抽選で用いられる始動情報に対応付けて、それぞれ回避情報を回避情報記憶手段に書き込む。これにより、次に実行される変動演出から所定の数の変動演出に対して、示唆演出が行われることを容易に回避できる。
遊技機I2において、前記副制御手段は、前記回避情報記憶手段に前記回避情報が記憶されている場合に、前記変動制御手段の制御により前記表示手段による変動演出が行われると、前記回避情報記憶手段に記憶された前記回避情報をクリアする手段を備えていることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、副制御手段において、回避情報記憶手段に回避情報が記憶されている場合に、変動制御手段の制御により表示手段による変動表示が行われると、回避情報記憶手段に記憶された回避情報がクリアされる。ここで、回避手段は、回避情報記憶手段に回避情報が記憶されている場合に、変動演出に対して示唆演出が行われることを回避するものである。よって、示唆演出が行われた後に行われる1回分の変動演出に対し、示唆演出が回避される一方、その後回避情報がクリアされることにより、再び示唆制御手段の制御による示唆演出を行える状態にすることができる。よって、示唆演出の現出頻度を高めることができるので、より興趣性の高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技機I3において、前記回避情報書込手段は、前記決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出を行わせると、次に実行される変動演出に対してのみ、その抽選で用いられる始動情報に対応付けて、前記回避情報を前記回避情報記憶手段に書き込むことを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、回避情報書込手段は、決定手段により決定された数の変動演出にわたって示唆演出を行わせると、次に実行される変動演出に対してのみ、その抽選で用いられる始動情報に対応付けて、回避情報を回避情報記憶手段に書き込む。よって、示唆演出が行われた後に行われる1回分の変動演出に対してのみ、示唆演出が回避されるので、その後、再び示唆制御手段の制御による示唆演出を行える状態にすることができる。よって、示唆演出の現出頻度を高めることができるので、より興趣性の高い示唆演出を遊技者に提供できる。
遊技機A1〜A9,B1〜B5,C1〜C6,D1〜D6,E1〜E4,F1〜F7,G1〜G6,H1〜H5,I1〜I5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機J1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1〜A9,B1〜B5,C1〜C6,D1〜D6,E1〜E4,F1〜F7,G1〜G6,H1〜H5,I1〜I5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機J2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1〜A9,B1〜B5,C1〜C6,D1〜D6,E1〜E4,F1〜F7,G1〜G6,H1〜H5,I1〜I5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機J3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
近年、パチンコ機等の遊技機においては、液晶表示装置等の表示装置に変動演出などの様々な演出画像を表示して遊技の興趣向上を図っている。変動演出は、入球口(始動口)に球が入球(始動入賞)することで開始される演出であり、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3の升目に合計9個の図柄等を表示し、所定の遊技条件に基づいて表示される図柄等をスクロールさせ、そのスクロールが停止した際に、所定の停止位置において停止図柄が予め定められた組み合わせとなっている場合に大当たりを発生させるものである。
また、図柄等のスクロール中には、時として通常時よりも高確率で遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、大当たり)となることを事前に示唆する興趣演出(例えば、リーチ表示による演出等)が行われて、有利な遊技に対する期待感を遊技者に持たせる工夫もなされている。
この興趣演出の一種に、有利な遊技状態への遷移を、複数回の変動演出にわたって連続的に示唆する示唆演出が知られている(特許文献1:実開平7−24383号公報)。この示唆演出によって、1回の変動演出でなく、複数回の変動演出にわたって遊技者に有利な遊技状態への期待感を持たせることができ、遊技の興趣向上が図られている。
しかしながら、従来の遊技機における上記の示唆演出では、その現出のさせ方に何ら考慮がなされていなかいため、示唆演出に対する期待感を希薄化させてしまうおそれがあった。
例えば、一の示唆演出が終了した直後に連続して別の示唆演出が実行されたりすることで、それぞれの示唆演出に対する期待感を薄めてしまったり、始動入賞のタイミングと示唆演出の実行が開始されるタイミングとの関係によっては、その開始された示唆演出に対する期待度がゼロであることが遊技者に容易に推察され、示唆演出に対する興味をなくしてしまうおそれもあった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、興趣性の高い示唆演出を遊技者に提供できる遊技機を提供することを目的とする。